JP2004024659A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線検出器の検出素子の微細化に伴う画質劣化を防ぎ、高画質で、高速のX線CT装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の検出素子モジュール31の各検出セル30と隣接して配置される検出セル30との、分離構造それぞれに応じたクロストークによるボケ関数を算出するボケ関数算出手段92、ボケ関数から1次元デコンボリューションカーネルを算出する逆フィルタのインパルス応答算出手段93、1次元デコンボリューションカーネルから2次元デコンボリューションカーネルを算出するインパルス応答合成手段94、1次元および、2次元のデコンボリューションカーネルによって、生データのクロストークを補正する、生データのクロストーク補正手段97を設ける。
【選択図】    図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の断層像画像を取得するX線CT(Computed Tomography)装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来のX線CT装置の構成を示す図である。図9に示すように、このX線CT装置においては、システム全体を統括制御するホストコンピュータ40、X線管とX線検出器を搭載した回転走査機構(図示せず)を有するスキャナ41、X線管の電源である高電圧発生装置46、被検体45の位置決め、および、らせん走査時に、被検体45を搬送するための被検体テーブル42、前処理をはじめとした、各種画像処理を実施する画像処理装置43および、表示装置44を有する。
【0003】
また、X線CT装置が開発されて以来、近年まで検査時間の短縮が一貫して試みられてきた。広範囲のスライス撮影においては、テーブルを移動しながら撮影する、らせん走査型X線CT装置の出現によって、大幅な検査時間の短縮がなされた。さらには、一度に複数スライス位置の投影データを計測できる、マルチスライス型の、らせん走査X線CT装置によって、薄いスライスでの検査時間が短縮され、被検体45の体軸方向と、スライス断面内の分解能がほぼ等しい、「等方分解能」が実用的なレベルに近づいてきた。
【0004】
また、マルチスライスX線CT装置における同時計測スライス数は、今後増加し、体軸方向分解能も完全な「等方分解能」を実現する方向に向かっている。この「等方分解能」は、例えば回転中心で約0.5〜0.6mmの分解能で、X線検出器上で1.0mm角程度の素子に分離することで実現される。
【0005】
なお、以下の説明では、X線検出器として、固体検出器の場合について述べる。
【0006】
図10は、従来の検出素子モジュールを示す図である。図10に示すように、検出素子モジュール31は、スキャナ41に内臓された固体検出器の構成要素の一つであり、複数の検出セル30を有する。そして、基板36によって、複数の検出セル30を支持する。また、複数の検出セル30は、各、X線を光に変換するシンチレータ34と、光を電流に変換するフォトダイオード37を有する。
【0007】
また、検出セル30の分離は、光およびX線のクロストークを抑えるために、Mo(モリブデン)やリン青銅などの金属板が分離層35として用いられてきた。
【0008】
一方、典型的にはTiO(酸化チタン)などの、反射材を検出セル30の間に充填することで、検出セル30を分離することが行われている。
【0009】
また、このような固体検出器の従来技術に対して、USP4897788号明細書では、隣接検出セルのクロストーク量に依存したクロストーク補正係数(crosstalk correction factor)を、隣接検出セルに乗じて補正する方法が述べられている。また、特開平9−66052号公報では、端部検出セルの計測データを、隣接する検出素子モジュールの端部検出セルに加算することで、意図的にクロストークを均一にすることにより、アーチファクトを低減するという方法について記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固体検出器を有するX線CT装置においては、検出素子モジュール31の検出セル30が微細になると、分離層35を薄くしなければ、1つの検出素子モジュール31に占める分離層35の割合が高くなる。そこで、分離層35を薄くする必要が生じる。しかし、分離層35を、あまり薄くすると取り扱いが不便になったり、振動等によりガントリ回転速度(例えば0.3秒/回転)に耐えられなくなるという問題が発生する。
【0011】
特に、マルチスライス型の検出素子モジュール31では、2次元の両方向に金属板を挿入することは、製造が難しくコスト高の原因となる。そのため、体軸方向(スライス方向)の検出セル30間はTiOを充填し、スキャナ41の周回軸方向(チャンネル方向)の検出セル30は金属板を挿入することがある。
【0012】
この場合、当然ながら、金属板を挿入したチャンネル方向に比べ、TiOを充填したスライス方向のクロストークは多くなる。また、固体検出器は、複数の16〜32チャンネル程度の検出素子モジュール31を、複数、配列して構成する。従って、検出素子モジュール31の検出セル30が、他の検出セル30とクロストーク特性が異なるために、生データに一定の差が生じて、画像としてのアーチファクトが発生することが知られている。また、複数の検出素子モジュール31を、スライス方向に配列して視野を拡大する装置を構成しようとした場合も、同様の問題を残す。
【0013】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、X線検出器の検出素子モジュールの微細化に伴う画質劣化を防ぎ、高画質のX線CT装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を実現するために、本発明においては、特許請求の範囲に記載するように構成している。すなわち、本発明は、請求項1に記載のように、
複数の検出素子モジュールが設けられたX線検出器を有するX線CT装置において、前記検出素子モジュールの各検出セルのクロストークによるボケ関数を算出するボケ関数算出手段と、前記ボケ関数から逆フィルタのインパルス応答を算出することによりデコンボリューションカーネルを求めるデコンボリューションカーネル算出手段と、前記デコンボリューションカーネルによって前記X線検出器からの生データをコンボリューション演算することで前記クロスークを補正する生データのクロスーク補正手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を構成する。
【0015】
また、本発明は、請求項2に記載のように、
前記ボケ関数算出手段は、検出素子モジュールの各検出セルと隣接して配置される前記検出セルとの、分離構造それぞれに応じたクロストークによる前記ボケ関数を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置を構成する。
【0016】
また、本発明は、請求項3に記載のように、
前記デコンボリューションカーネル算出手段は、前記デコンボリューションカーネルを有限長で打ち切ることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置を構成する。
【0017】
また、本発明は、前記生データにオフセット補正をするオフセット補正手段を有することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置を構成する。
【0018】
さらに、本発明は、前記デコンボリューションカーネル算出手段による前記デコンボリューションカーネルを記憶するデコンボリューションカーネル記憶手段と、前記デコンボリューションカーネルによって前記X線検出器からのエアーデータをコンボリューション演算することで前記クロスークを補正してエアー補正データを算出するエアーデータのクロスーク補正手段と、前記エアーデータのクロスーク補正手段によるエアー補正データを記憶するエアー補正データ記憶手段と、前記エアー補正データにより前記クロストークを補正した前記生データをエアー補正するエアー補正手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置を構成する。
【0019】
【発明の実施の形態】
1.クロストーク関数の測定
図1は、本発明に係るX線CT装置のクロストークの測定装置を示す図である。図1に示すように、まず、フレーム25を、検出素子モジュール31とX線管21の間に設置する。そして、フレーム25に設置したスリット23は、X線管21の焦点26の真下に配置し、スリット23を経由して、X線が検出素子モジュール31に入射されるようにする。そして、検出素子モジュール31の出力データは、計測装置24で処理する。
【0020】
そして、X線照射中に検出素子モジュール31を測定したい配列方向(スライス方向およびチャンネル方向)に移動させる。ここで、特定の検出セル30の計測データに着目すると、特定の検出セル30に、X線が直接入射しているとき(主線)の計測データならびに、隣接した検出セル30にのみ入射している場合(漏れ込み)の計測データ、すなわち、クロストーク特性が収集できる。
【0021】
図2は、クロストーク特性の計測例を示す図である。図2に示すように、2つの計測結果27、28は、分離層35の材質が異なるために、隣接する検出セル39の出力が異なる結果を示している。計測結果27は、分離層35の材質がMoで、計測結果28は、分離層35の材質がTiOである。それぞれの主線部分を、中心からの距離の範囲で表すと、計測結果27では、27Aであり、計測結果28では、28Aである。そして、クロストークは、主線部分の範囲以外の成分になる。
【0022】
すなわち、分離層35の材質がMo(計測結果27)の場合の、クロストーク成分は27Bであり、分離層35の材質がTiO(計測結果28)の場合の、クロストーク成分は28Bである。これらクロストーク成分27Bおよび、28Bから求まるクロストーク関数は、分離層35の材質によって異なる各の、計測結果27および、28に対して、フィッティングするなどの方法によって求められる。そして、クロストーク関数は、ノイズの影響を避けるために、複数回の計測結果を平均化することも必要である。
2.逆フィルタの算出
図3は、クロストークによるボケ関数(インパルス応答)を示す図である。図3に示すように、クロストーク量は主線に対する漏れ込み量の比で表し、クロストークは、最近接の検出セルからの漏れ込み(1次関数でのフィッティング)のみの成分、と近似的に考える。
【0023】
ここで、δをインパルス関数、nをサンプリング番号とし、クロストーク量をcとすれば、インパルス応答h(n)は、次式で求められる。
【0024】
【数1】
Figure 2004024659
すなわち、クロストークによるボケ関数(インパルス応答h(n))は、式(1)によって、図3(a)に示すように、h(0)=1、h(1)=c、h(n)=0、(n=2、3、...)となる。
【0025】
そして、逆フィルタのインパルス応答k(n)は、次式で求められる。
【0026】
【数2】
Figure 2004024659
また、逆フィルタのインパルス応答k(n)の式(2)による算出結果を図3(b)に示す。また、逆フィルタのインパルス応答k(n)を、1次元のデコンボリューションカーネル(デコンボリューション要素)として、以下のクロストークの補正を実行する。
【0027】
そして、以下、クロストークの補正の説明に使用するチャンネル番号は、検出素子モジュール31を構成する、検出セル30の円周方向の配列であり、スライス番号は、検出セル30の体軸方向の配列を示す。
3.クロストークの補正
つぎに、生データを、デコンボリューションすればクロストークを補正できる。すなわち、生データをp(i、j)とすると、クロストーク補正後の補正データq(i、j)は、次式のコンボリューション演算で求められる。
【0028】
【数3】
Figure 2004024659
ここで、iはチャンネル番号、jはスライス番号、mはサンプリング番号、k(m)は逆フィルタのインパルス応答(1次元デコンボリューションカーネル)である。
【0029】
また、クロストーク量は、分離層35の材質によるところが大きく、製造時のばらつきは少ないため、左右対称とし、逆フィルタのインパルス応答k(m)は、k(m)=k(−m)として処理した。そして、逆フィルタのインパルス応答k(m)は、図3(b)に示したように無限長であるが、クロストークはほとんどが、隣接検出セル30からのものであるので、実用上は3〜5点の有限長で打ち切っても、ほとんど問題は無い。
【0030】
従って、逆フィルタのインパルス応答k(m)を、有限長(3〜5点)に設定することにより、生データp(i、j)の、クロストーク補正後の補正データq(i、j)を、式(3)で求めることが可能となる。
【0031】
しかし、クロストークで問題となるのは、その一様性で、すべての検出セル30で、同様のクロストークが漏れこむわけではない。クロストーク量が一様であれば、分解能は低下するが、実用上、あまり問題とならない場合が多い。
【0032】
図4は、検出素子モジュールの構成例を示す図である。また、図4(a)は、複数の検出セル30を配置して、検出素子モジュール31を構成した例を示す図である。図4(a)に示すように、検出素子モジュール31は、シンチレータ34と、フォトダイオード37、分離層35から成る検出セル30および、各検出セル30を支持する基板36を有する。そして、検出素子モジュール31を構成する各部分の機能は、図10と同一である。
【0033】
次に、図4(b)に示すように、検出素子モジュール31は、分離層35の材質として、チャンネル方向には金属板、スライス方向にはTiOで区分した分離構造を有している。そして、図4(b)の構造の場合は、分離層35Aを金属板で分離したことにより、チャンネル方向のクロストークは僅かで、例えば1%程度である。しかし、分離層35BをTiOで分離したスライス方向では、5%以上のクロストークが見込まれる。
【0034】
そこで、図4(b)に示す検出素子モジュール31の場合は、スライス方向のみ、クロストークの補正処理を施すようにした。ここで、生データをp(i、j)とすると、スライス方向のみの、クロストーク補正後の補正データq(i、j)は、次式で求められる。
【0035】
【数4】
Figure 2004024659
ここで、iはチャンネル番号、jはスライス番号、k(m)は逆フィルタのインパルス応答で、1次元デコンボリューションカーネルは3点とした。
【0036】
また、図4(c)は、チャンネル方向および、スライス方向の両方向ともに分離層35Bの材質を、TiOで分離した構造を有している。従って、図4(c)の場合は、両方向のクロストーク成分が一致しているので、式(3)によって、クロストーク成分を補正することができる。
【0037】
そして、図4(d)に示すように構成した検出素子モジュール31では、チャンネル方向、スライス方向ともに補正処理を施す必要がある。すなわち、図4(d)に示すように、検出素子モジュール31を配列した場合、検出素子モジュール31間に隣接している、検出セル30のチャンネル方向および、スライス方向のクロストーク成分が、他の検出セル30と異なる。
【0038】
さらに、図5は、2個の検出素子モジュールを配列した場合を示す図である。図5に示すように、スキャナ41の回転軸を中心として、X線管21の中心にあるX線管の焦点26からのX線を、2個の検出素子モジュール31Aと31Bによって検出する。
【0039】
そして、2個の検出素子モジュール31Aと31Bは、隣接しているものの、スキャナ41の円周上に配置されている。そのため、外周上の点Cでは、2個の検出素子モジュール31Aと31Bの間には僅かながら空気層がある。従って、隣接する検出素子モジュール31までは、クロストーク成分はほとんど届かない。しかし、内周上の点Dでは、2個の検出素子モジュール31Aと31Bの間に、クロストークの漏れ込みがある。
【0040】
以下、クロストーク補正の説明では、検出素子モジュール31としてブロックを使用する。
【0041】
図4(d)および、図5に示す実施の形態では、1ブロックあたりMチャンネルのブロック端チャンネルでは、次式のように補正処理を施した。
【0042】
【数5】
Figure 2004024659
もちろん、検出素子モジュール31を配列した状態で、ブロック間のクロストーク特性を計測しても良い。その場合は、ブロック間のクロストーク量をチャンネル方向でc1、スライス方向でc2とすれば、2つのインパルス応答(ボケ関数)は、h1(0)=1、h1(1)=c1、h1(n)=0、(n=2、3、...)および、h2(0)=1、h2(1)=c2、h2(n)=0、(n=2、3、...)が得られる。
【0043】
図6は、2つのインパルス応答から得られた1次元デコンボリューションカーネルを示す図である。図6に示すように、2つのインパルス応答h1(n)、h2(n)から求めた逆フィルタのインパルス応答は、k1(n)、k2(n)である。そして、k1(n)、k2(n)を合成したk(n)を1次元デコンボリューションカーネルとして、ブロック端のチャンネルのクロストーク補正に用いる。具体的には次式のようになる。
【0044】
【数6】
Figure 2004024659
そして、ブロック端のチャンネルについてのクロストーク補正は、式(6)のk(n)を1次元デコンボリューションカーネルとして、式(5)によって、片側のみのデコンボリューションとする。または、式(6)を用いて、両側のデコンボリューションによって、ブロック端のチャンネルについてのクロストーク補正を施す。さらに、ブロック端以外のチャンネルは式(4)を用いて補正を施す。
【0045】
そして、インパルス応答(ボケ関数)を合成し、2次元デコンボリューションカーネルを構成してから、2次元のコンボリューション処理を施してもよい。すなわち、チャンネル方向、スライス方向の1次元デコンボリューションカーネルをそれぞれ、A(i)、B(j)とすると、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)は、次式のコンボリューション演算による合成によって求められる。
【0046】
【数7】
Figure 2004024659
従って、検出セル30の分離構造に応じて、1次元デコンボリューションカーネルA(i)、B(j)を合成することによって得られる、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)を使って、X線CT装置のクロストークを補正することができる。
【0047】
そして、本実施の形態の処理は、高周波成分を強調しすぎる傾向があるために、あらかじめ、1次元および、2次元のデコンボリューションカーネルにスムージングフィルタで処理して、高周波成分を抑制しておくのも良い。
【0048】
図7は、本発明に係るX線CT装置のデータ処理装置を示す図である。図7に示すように、クロストーク特性の計測手段91は、検出素子モジュール31の各検出セル30と隣接して配置される検出セル30との、分離構造それぞれに応じたクロストーク特性を計測する。また、ボケ関数算出手段92は、クロストーク特性のインパルス応答h(n)を、ボケ関数として算出する。
【0049】
そして、逆フィルタのインパルス応答算出手段93は、1次元デコンボリューションカーネルk(n)を算出し、1次元デコンボリューションカーネルk(n)記憶手段95は、1次元デコンボリューションカーネルk(n)を記憶する。さらに、逆フィルタのインパルス応答算出手段93は、2方向のデコンボリューションカーネルA(i)、B(j)を算出し、インパルス応答合成手段94は、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)を算出し、そして、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)記憶手段96は、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)を記憶する。
【0050】
そして、逆フィルタのインパルス応答算出手段93と、インパルス応答合成手段94とで、デコンボリューションカーネル算出手段を構成する。また、1次元デコンボリューションカーネルk(n)記憶手段95と、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)記憶手段96を統合して、デコンボリューションカーネル記憶手段を構成する。
【0051】
さらに、オフセット補正手段62は、固体検出器22からの生データを、オフセットデータ計測手段61で計測されたオフセットデータによって、オフセットを補正する。
【0052】
また、生データのクロストーク補正手段97は、得られた1次元および、2次元のデコンボリューションカーネルを使って、オフセット補正手段62により、オフセット補正された生データp(i、j)のクロストークを補正する。
【0053】
ここで、生データp(i、j)のクロストークを補正する場合には、検出素子モジュール31の検出セル30の、分離構造それぞれに応じて、デコンボリューションカーネルを使用する。すなわち、1次元デコンボリューションカーネルk(n)は、式(3)〜式(6)を使用し、2次元のデコンボリューションカーネルc(i、j)では、式(7)を使用する。
【0054】
また、エアーデータのクロストーク補正手段98は、1次元デコンボリューションカーネルk(n)および、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)によって、固体検出器22からのエアーデータを、コンボリューション演算することで、クロストークを補正して、エアー補正データを算出する。そして、エアー補正データ記憶手段702は、エアー補正データを記憶する。また、エアー補正手段64は、エアー補正データにより、クロストーク補正された生データをエアー補正する。
【0055】
また、ログ変換手段66は、エアー補正手段64の出力をログ変換し、線質補正手段67は、ログ変換手段66の出力について、線質補正をする。
【0056】
そして、画像処理装置43を構成する画像再構成処理手段68および、後処理手段69は、線質補正手段67の出力により、画像を作成して、被検体45のX線断層像を得て、表示装置44は、被検体45のX線断層像を表示し、診断に供される。
【0057】
また、本実施の形態では、オフセット補正された生データを、クロストーク補正するので、高画質のX線CT装置が実現する。
【0058】
さらに、エアー補正データ記憶手段702と、1次元デコンボリューションカーネルk(n)記憶手段95および、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)記憶手段96によって、実際の検査の前に、クロストーク補正に必要なデータは、記憶されている。従って、実際の検査においては、オフセット補正された生データについて、クロストーク補正を実行すれば良いので、高速なX線CT装置が実現する。
【0059】
図8は、図7に示したデータ処理装置を有するX線CT装置の動作を説明するフローチャートである。まず、クロストーク特性の計測手段91によって、検出素子モジュール31単独の状態で、図1に示したような計測を実施するか、または、複数の検出素子モジュール31を固体検出器22として組み立てた後に、クロストーク特性の計測を実施する(ステップS1)。
【0060】
次に、得られたクロストーク特性のインパルス応答を計算して、ボケ関数算出手段92によってボケ関数を算出する(ステップS2)。そして、逆フイルタのインパルス応答算出手段93によって、逆フイルタのインパルス応答を算出し、1次元デコンボリューションカーネルを算出し、インパルス応答合成手段94により、2次元デコンボリューションカーネルを算出する(ステップS3)。
【0061】
なお、各検出セル30毎のクロストーク量に、ばらつきが少ない場合は、分離層35の材質ごとにクロストーク特性を計測して(ステップS1)、ボケ関数を算出しても良い(ステップS2)。いずれにしても、工場出荷前にボケ関数は算出され、1次元および、2次元デコンボリューションカーネルを算出する。
【0062】
そして、得られた1次元および、2次元デコンボリューションカーネルを、1次元デコンボリューションカーネルk(n)記憶手段95、2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)記憶手段96に記憶する(ステップS4)。
【0063】
また、固体検出器22によって、被検体45の生データを計測し(ステップS5)、オフセットデータ計測手段61によって、直前にオフセットデータを計測し(ステップS6)を、オフセット補正手段62によって、オフセットデータにより、生データにオフセット補正をする(ステップS7)。
【0064】
さらに、実際の検査における撮影に先立って、生データの基準となるエアーデータを計測する(ステップS9)。次に、エアーデータのクロストーク補正手段98によって、エアーデータのクロストークを補正し(ステップS10)、エアー補正データ記憶手段702によって、エアー補正データを記憶する(ステップS11)。
【0065】
そして、生データのクロストーク補正手段97によって、オフセット補正された生データのクロストークを補正する(ステップS8)。さらに、エアー補正手段64によって、エアー補正データ記憶手段702に記憶された、エアー補正データにより、エアー補正をする(ステップS12)。
【0066】
以上の補正処理が終了した補正データは、ホストコンピュータ40の有するログ変換手段66によって、補正データをログ変換した後に(ステップS13)、線質補正手段67によって、線質補正が施される(ステップS14)。そして、画像処理装置43で断層像に再構成され、診断に供される。
【0067】
以上、説明したように、実施の形態の図1〜図8および、式(1)〜式(7)による生データのクロストーク補正によって、固体検出器22を構成する検出素子モジュール31の微細化に伴う画質劣化を防ぎ、高画質の画像が得られるX線CT装置を提供する。
【0068】
なお、実施の形態では、X線検出器として固体検出器で説明したが、電離箱型検出器をX線検出器として使用した場合でも、クロストークの補正は可能である。また、広視野X線CT装置のX線検出器に使用する、フラットパネルディテクタ(FPD)のクロストーク補正の場合でも、同様の効果が得られる。さらに、実施の形態に示したように、スライス方向に複数の検出素子モジュールを有する、マルチスライス型X線CT装置のクロストーク補正の場合でも、同様の効果が得られることは明らかである。
【0069】
【発明の効果】
本発明の実施によって得られる効果を各請求項ごとに説明する。
【0070】
まず、請求項1の発明においては、あらかじめ計測されたクロストーク特性の、逆フィルタのインパルス応答を用いて、生データを補正することで、クロストーク量のばらつきに起因する、画質劣化の無い、高画質の再構成画像を得ることができる。
【0071】
また、請求項2の発明においては、各検出セルと隣接して配置される検出セルとの、分離構造それぞれに応じたクロストークによるボケ関数を算出することにより、検出素子モジュールの微細化に伴なって増加するクロストークを補正することができる。
【0072】
また、請求項3の発明においては、有限長のデコンボリューションカーネルを導入したことにより、実用上、問題のないクロストークの補正が可能となる。
【0073】
また、本発明においては、生データのクロストーク補正において、オフセット補正を実施することにより、クロストーク特性を補正する高画質のX線CT装置が実現する。
【0074】
さらに、本発明においては、生データのクロストーク補正において、デコンボリューションカーネル記憶手段と、エアー補正データ記憶手段によって、高速にクロストーク特性を補正するX線CT装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線CT装置のクロストークの計測装置を示す図である。
【図2】図1に示すクロストークの計測装置による計測例を示す図である。
【図3】図2に示すクロストークによるボケ関数(インパルス応答)を示す図である。
【図4】検出素子モジュールの構成例を示す図である。
【図5】2個の検出素子モジュールを配列した場合を示す図である。
【図6】2つのインパルス応答を合成した1次元デコンボリューションカーネルを示す図である。
【図7】本発明に係るX線CT装置のデータ処理装置を示す図である。
【図8】図7に示したデータ処理装置を有するX線CT装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】従来のX線CT装置の構成を示す図である。
【図10】従来の検出素子モジュールを示す図である。
【符号の説明】
21…X線管
22…固体検出器
23…スリット
24…計測装置
25…フレーム
26…X線管の焦点
27…計測結果
27A…主線部分の中心からの距離の範囲
27B…クロストーク成分
28…計測結果
28A…主線部分の中心からの距離の範囲
28B…クロストーク成分
30…検出セル
31…検出素子モジュール
31A…検出素子モジュール
31B…検出素子モジュール
34…シンチレータ
35…分離層
35A…分離層
35B…分離層
36…基板
37…フォトダイオード
40…ホストコンピュータ
41…スキャナ
42…被検体テーブル
43…画像処理装置
44…表示装置
45…被検体
46…高電圧発生装置
61…オフセットデータ計測手段
62…オフセット補正手段
64…エアー補正手段
66…ログ変換手段
67…線質補正手段
68…画像再構成処理手段
69…後処理手段
91…クロストーク特性の計測手段
92…ボケ関数算出手段
93…逆フィルタのインパルス応答算出手段
94…インパルス応答合成手段
95…1次元デコンボリューションカーネルk(n)算出手段
96…2次元デコンボリューションカーネルc(i、j)算出手段
97…生データのクロストーク補正手段
98…エアーデータのクロストーク補正手段
702…エアー補正データ記憶手段

Claims (3)

  1. 複数の検出素子モジュールが設けられたX線検出器を有するX線CT装置において、前記検出素子モジュールの各検出セルのクロストークによるボケ関数を算出するボケ関数算出手段と、前記ボケ関数から逆フィルタのインパルス応答を算出することによりデコンボリューションカーネルを求めるデコンボリューションカーネル算出手段と、前記デコンボリューションカーネルによって前記X線検出器からの生データをコンボリューション演算することで前記クロスークを補正する生データのクロスーク補正手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記ボケ関数算出手段は、検出素子モジュールの各検出セルと隣接して配置される前記検出セルとの、分離構造それぞれに応じたクロストークによる前記ボケ関数を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記デコンボリューションカーネル算出手段は、前記デコンボリューションカーネルを有限長で打ち切ることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
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