JP2004023039A - 熱電装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細領域の接合にはAuSn系半田を用いないようにして、工程での歩留まりが高くて、低コストで半田付けが行える熱電装置を提供する。
【解決手段】本発明の熱電装置は、下基板(放熱側下基板)11に配設された電源電極12aに電源供給用リード14が、融点が高い第1の半田(例えば、融点が約280℃の80Au−20Sn半田)で接合されており、かつこの下基板11とパッケージ20の底板22が、第1の半田よりも融点が低い第2の半田(例えば、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田)で接合されている。このため、電源供給用リード14を電源電極12aに接合した後に、下基板11をパッケージ20の底板22に接合しても、先に接合した第1の半田が溶融することなく、第2の半田により下基板11をパッケージ20の底板22に接合することができるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の熱電装置は、下基板(放熱側下基板)11に配設された電源電極12aに電源供給用リード14が、融点が高い第1の半田(例えば、融点が約280℃の80Au−20Sn半田)で接合されており、かつこの下基板11とパッケージ20の底板22が、第1の半田よりも融点が低い第2の半田(例えば、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田)で接合されている。このため、電源供給用リード14を電源電極12aに接合した後に、下基板11をパッケージ20の底板22に接合しても、先に接合した第1の半田が溶融することなく、第2の半田により下基板11をパッケージ20の底板22に接合することができるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信装置などに使用される半導体素子(例えば、半導体レーザ)と、この半導体素子を冷却する熱電モジュールをパッケージ内に備えた熱電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの急速な発展に伴って、大容量のデータ(情報)を高速に伝送する必要性が益々増大している。そこで、既に敷設されている光ファイバー網を使用してデータ(情報)を伝送すると、データ(情報)の高速伝送が可能になることから、ここ数年において、光ファイバー網の利用が急激に増加するようになった。この場合、1本の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化する、いわゆるWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)あるいはDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重)等の広帯域の光ネットワーク技術を利用することにより、大容量のデータを双方向で高速伝送することが可能になる。
【0003】
ここで、光ファイバ中を転送するデータ(情報)は、レーザー光を変調した信号であり、これは光半導体モジュールと呼ばれる半導体レーザー等を収容した電子装置から発信される。また、光ファイバを用いてデータ(情報)を伝送する中間地点で信号強度を増幅する、いわゆる光アンプにもこの光半導体モジュールが用いられている。ところで、半導体レーザーの発振波長は温度によって大きく影響を受けるので、半導体レーザーの動作時には、その温度を厳密に制御することが不可欠となる。この温度制御には、通常、多数のペルチェ素子を搭載した熱電モジュールあるいは電子クーラー(TEC:Thermo Electric Cooler)と呼ばれる電子デバイスが使用されている。
【0004】
図11は、このような光半導体モジュールの一例を示す断面図であって、パッケージ本体71の底部71a上に、熱電モジュール(電子クーラー(TEC))72が配置されている。この熱電モジュール72の上に、半導体レーザ素子73aとレンズ73bと受光素子73c等を搭載するキャリア(ベース板)73が配置され、さらに図示しないカバー(蓋)で密閉して光半導体モジュール70が構成されている。熱電モジュール72は、一対の絶縁板からなる上基板(冷却側上基板)72aと下基板(放熱側下基板)72bの間に、複数のP型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるペルチェ素子72cを挟み込むようにしている。そして、電極パターン72dおよび電極パターン72eにより複数のP型素子と複数のN型素子とがP,N,P,Nの順に電気的に直列に接続され、更に端部のP型素子及びN型素子に接続された電源端子に、それぞれ図示しない電源供給用リードが接続されて電源が供給されるようになされている。
【0005】
なお、上基板72aおよび下基板72bはアルミナ(Al2O3)などから形成されており、この表面にペルチェ素子72cの電極と固定を兼ねた導体パターン(電極パターン)72d,72eが薄膜や厚膜で形成されている。そして、上基板72aの上にキャリア(ベース板)73が固定され、下基板72bの下面はパッケージ本体71の底部71aに固定されている。このような半導体レーザ素子73aの温度が安定なのは熱電モジュール72で半導体レーザ素子73aを常時温度制御し、半導体レーザ素子73aの発熱による温度上昇を低減しているためである。なお、半導体レーザ素子73aとペルチェ素子72cの発熱はパッケージ本体71の下面に取り付けたヒートシンク(図示せず)で外部に放熱されるようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようにして形成される光半導体モジュール70において、ペルチェ素子72cと上下の電極パターン72d,72eとの間を、例えば、融点が約280℃のAuSn(80Au−20Sn)半田72fで溶融接合して、熱電モジュール72を組み立てるようにしている。その後、熱電モジュール72の下基板72bとパッケージ本体71の底部71aとを、鉛フリー半田、例えば、融点が約220℃のSnAgCu半田で溶融接合して、熱電モジュール72をパッケージ本体71に固定するようになされている。
【0007】
しかしながら、熱電モジュール72を作製するに際して、80Au−20Sn(Auが80wt%で、Snが20wt%の合金)半田を用いて、ペルチェ素子72cと上下の電極パターン72d,72eとを半田付けすると、80Au−20Sn半田はAuの含有量が多いために高価になるとともに、上基板72aと下基板72bの両方に高価な80Au−20Sn半田を用いるために、80Au−20Sn半田の使用量も増大して、この種の熱電モジュールが高価になって、これを使用した熱電装置も高価になるという問題を生じた。
【0008】
また、AuSn系半田は微細な半田付けが困難であるため、上基板72aの電極パターン72dと下基板72bの電極パターン72eとの間にAuSn系半田を配置した後、これらの間にペルチェ素子72cを配置して、所定の温度に加熱して半田付けを行うと、電極パターン72d,72eは微細な領域であるために半田不良が発生して、熱電モジュールの製造歩留まりが低下し、この種の熱電モジュールが高価になるという問題も生じた。
【0009】
そこで、本発明は上記の如き問題点を解決するためになされたものであって、微細領域の接合にはAuSn系半田を用いないようにして、工程での歩留まりが高くて、低コストで半田付けが行える熱電装置を提供できるようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の熱電装置は、下基板に配設された電源電極に電源供給用リードが第1の半田で接合されており、かつ下基板とパッケージの底板とが第1の半田よりも融点が低い第2の半田で溶融接合されていることを特徴とする。このように、第2の半田の融点が第1の半田の融点よりも低いと、電源供給用リードを電源電極に接合した後に下基板をパッケージの底板に接合しても、先に接合した第1の半田が溶融することなく、第2の半田により下基板をパッケージの底板に接合することができるようになる。
【0011】
この場合、第1の半田をAuSn半田とし、第2の半田をSnSb半田としてもよい。また、第1の半田をAuSn半田あるいはSnSb半田とし、第2の半田をSnCu半田またはSnAg半田あるいはSnAgCu,SnAgCuBi,SnAgCuIn,SnAgCuInBi等のSnAgCu系半田としてもよい。さらに、第1の半田をAuGe半田あるいはAuSi半田とし、第2の半田をAuSn半田としてもよい。そして、下基板の表面に複数の熱電素子を接続接合するための電極パターンを備え、この下基板の裏面にパッケージの底板に接合するためのメタライズ層を備えるとともに、電極パターンの厚みに対するメタライズ層の厚みの比率を30%以上にすると、下基板に割れを生じることなく、パッケージの底板に下基板を接合できるようになる。
【0012】
本発明の熱電装置の製造方法は、下基板に配設された電源電極に電源供給用リードを第1の半田で溶融接合する第1接合工程と、下基板とパッケージの底板とを第1半田より融点が低い第2の半田で溶融接合する第2接合工程とを備えるようにしている。この場合、第2接合工程により下基板をパッケージの底板に溶融接合した後、上基板に複数の熱電素子が配設された半完成の熱電モジュールの複数の熱電素子と下基板とを第2の半田と融点が等しいかそれよりも融点が低い第3の半田で溶融接合する工程を備えるようにするのが望ましい。
【0013】
または、本発明の熱電装置の製造方法は、下基板とパッケージの底板とを第1の半田で溶融接合する第1接合工程と、パッケージに配設された電極部に電源供給用リードを第1の半田と融点が等しいかあるいは低い第2の半田で溶融接合する第2接合工程とを備えるようにしている。この場合は、第2接合工程により電源供給用リードをパッケージに配設された電極部に溶融接合した後、上基板に複数の熱電素子が配設された半完成の熱電モジュールの複数の熱電素子と下基板とを第2の半田と融点が等しいかそれよりも融点が低い第3の半田で溶融接合する工程を備えるようにするのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の熱電装置を光半導体モジュールに適用した場合の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。なお、図1および図2はパッケージの底部に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第1実施例の一連の工程の要部を模式的に示す工程図である。図3は第1実施例の第1変形例を示す図であり、図4は第1実施例の第4変形例を示す図であり、図5は第1実施例の第5変形例を示す図であり、図6は第1実施例の第6変形例を示す図である。
【0015】
また、図7および図8はパッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第2実施例の一連の工程の要部を模式的に示す工程図である。図9は第2実施例の第1変形例を示す図である。図10は下基板をパッケージの底部に接合した場合に下基板に反りや割れが発生しないような電極パターンとメタライズ層の厚み差を説明するための図であり、図10(a)は下基板をパッケージの底部に接合した状態を示す断面図であり、図10(b)は下基板に形成された電極パターンとメタライズ層の厚みを示す断面図である。
【0016】
1.第1実施例
まず、図1(a)に示すように、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックからなる下基板(発熱側下基板あるいは放熱側下基板:以下では単に下基板という)11の表面にCuメッキとエッチングにより、ペルチェ素子18(図2参照)を接続、接合するための電極パターン12を形成した。また、下基板11の裏面の全面に、パッケージ20の底部22に接合するためのメタライズ層13をCuメッキにより形成した。なお、Cuメッキの表面にはNiメッキあるいはNiメッキとAuメッキを行ってもよい。ついで、この下基板11の表面に形成された電極パターン12の内、外部電源からの電源端子となる一対の電極パターン12a,12aにリード(線径が0.3mmの銅線で、SnメッキあるいはAuメッキが施されたもの)14を融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aで溶融接合した。
【0017】
一方、FeNiCo系合金(例えば、コバール(Kovar))から構成されたパッケージ20を用意した。なお、このパッケージ20は、略箱形形状のフレーム部21と、このフレーム部21の底壁となる底部22とから構成され、FeNiCo系合金をMIM(Metal Injection Molding)法あるいは鋳造法等により作製されている。また、フレーム部21の一側壁に略円筒形状の窓ホルダ(図示せず)を形成し、一対のフレーム部21の側壁に別途作製したセラミック製の端子部23を接合して作製されている。なお、パッケージ20のフレーム部21および底部22は、共にKovarでもよいし、フレーム部21のみをKovarとし、底部22はCuW合金の組み合わせでもよい。
【0018】
ついで、図1(b)に示すように、パッケージ20の底部22の上に、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を介在させて、下基板11を配置した。このとき、下基板11の裏面に形成したメタライズ層13と95Sn−5Sb半田との位置が一致するように、底部22上の所定の位置に配置した。これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して、95Sn−5Sb半田を溶融させて、パッケージ20の底部22上に下基板11を接合した。なお、この加熱時において、先に接合された80Au−20Sn半田14aは、融点が約280℃と高いために溶融することはない。
【0019】
ここで、下基板11と同様なアルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックからなる上基板(吸熱側基板あるいは冷却側基板:以下では単に上基板という)16を準備した。ついで、この上基板16の表面にCuメッキとエッチングによりペルチェ素子18を接続、接合するためのCu電極パターン17を形成した。なお、このCu電極パターン17には、NiメッキとAuメッキが施されている。この後、この上基板16の電極パターン17にそれぞれペルチェ素子18が直列接続されるように、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田15にて溶融接合して、半完成の熱電モジュール10aを作製した。なお、ペルチェ素子18は、P型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるものであり、半田接合するためのNiメッキ層が両端部に形成されている。
【0020】
ついで、上述のようにして作製した半完成の熱電モジュール10aの上基板16が上向きになり、各ペルチェ素子18が下向きになるようにして、図2(c)に示すように、パッケージ20の底部22上に接合された下基板11の電極パターン12に対向するように配置した。ついで、上基板16の電極パターン17に接合された各ペルチェ素子18と、パッケージ20の底部22上に接合された下基板11に形成された電極パターン12との間に、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田15を配置した。この後、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して95Sn−5Sb半田15を溶融させて、各ペルチェ素子18と電極パターン12とを接合させた。
【0021】
これにより、下基板11の電源端子となる電極パターン12aとリード14が、第1の半田となる融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aで溶融接合され、パッケージ20の底部22と下基板11が、メタライズ層13を介して第2の半田となる融点が約235℃の95Sn−5Sb半田で溶融接合され、かつ各ペルチェ素子18と下基板11に形成された電極パターン12が第3の半田となる融点が約235℃の95Sn−5Sb半田15で溶融接合され、かつ図示しないカバー(蓋)で密閉して、図2(d)に示すように、熱電モジュール10が形成されることとなる。
【0022】
なお、このような熱電モジュール10は、P型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とがP,N,P,Nの順に電気的に直列に接続され、例えば、下基板11側が発熱反応を行い、上基板16が吸熱反応を行う電子クーラー(TEC:Thermo Electric Cooler)とも呼ばれる電子デバイスである。そして、上基板16の上に、図11に示すように、半導体レーザ素子とレンズと受光素子等を搭載するキャリアを固定した後、光軸を調整し、フレーム部21の開口部にカバーを配置し、フレーム部21と図示しないカバーとをシーム溶接などにより気密に接合して、光半導体モジュールが作製される。
【0023】
2.第1実施例の変形例
本発明は上述した第1実施例に限らず、種々の変形を加えて実施することが可能である。以下では、本第1実施例の変形例について説明する。
(1)第1変形例
上述した第1実施例においては、下基板11の電源端子となる電極パターン12aに、予めリード14を80Au−20Sn半田14aで溶融接合する例について説明したが、リード14に代えて、図3に示すようなポスト電極19を接合するようにしてもよい。ここで、CuあるいはCu合金製のポスト電極19,19を用意し、このポスト電極19,19の上端面に、ワイヤーボンディングのためのNiメッキとAuメッキ19aを施した。また、ポスト電極19,19の下端面にも半田付けのためのNiメッキとAuメッキを施した。
【0024】
ついで、下基板11の表面に形成された電源端子となる電極パターン12a上に、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を介して、ポスト電極19,19を配置した。この後、80Au−20Sn半田を溶融して、図3に示すように、電極パターン12a上にポスト電極19,19が配設されることとなる。なお、このポスト電極19,19は、フレーム部21に形成された端子部23の位置に等しくなるような高さに形成するのが望ましい。これにより、ポスト電極19,19の上端面19aと端子部23とをワイヤーボンディングするのが容易になる。
【0025】
(2)第2変形例
また、上述した第1実施例においては、リード14を電極パターン12aに接合する第1の半田として、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を用い、下基板11をパッケージ20の底部22に接合する第2の半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用い、さらに、各ペルチェ素子18を下基板11に形成された電極パターン12に接合する第3の半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用いる例について説明したが、これらよりも融点が低い鉛フリー半田を用いることができる。
【0026】
そして、リード14を電極パターン12aに接合する第1の半田として、融点が約280℃の80Au−20Sn半田、あるいは融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用いるようにすればよい。この場合、下基板11をパッケージ20の底部22に接合する第2の半田として、融点が約219℃のSn−3.5Ag−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−3.5Ag半田、融点が約227℃のSn−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu半田、融点が約217℃のSn−3.0Ag−0.7Cu−1.0In半田、融点が約215℃のSn−3.0Ag−7Cu−1.0Bi−2.5In半田等を用いるようにすればよい。
【0027】
さらに、各ペルチェ素子18を下基板11に形成された電極パターン12に接合する第3の半田として、融点が約219℃のSn−3.5Ag−0.75Cu半田(半田)、融点が約221℃のSn−3.5Ag半田、融点が約227℃のSn−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu半田、融点が約217℃のSn−3.0Ag−0.7Cu−1.0In半田、融点が約215℃のSn−3.0Ag−7Cu−1.0Bi−2.5In半田等を用いるようにすればよい。
【0028】
(3)第3変形例
上述した第2変形例においては、第1実施例よりも融点が低い鉛フリー半田を用いる例について説明したが、これらよりも融点が高い半田を用いることもできる。この場合、リード14を電極パターン12aに接合する第1の半田として、融点が約356℃の88Au−12Ge半田あるいは融点が約370℃の86.85Au−3.15Si半田を用いるようにすればよい。そして、下基板11をパッケージ20の底部22に接合する第2の半田としては、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を用い、各ペルチェ素子18を下基板11に形成された電極パターン12に接合する第3の半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田、あるいはSnCu半田、SnAs半田、SnAsCu系半田を用いるようにすればよい。
【0029】
(4)第4変形例
上述した第1実施例においては、融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aで下基板11の電極パターン12の端子部12aにリード14を溶融接合した例について説明した。しかしながら、半田14aの溶融時に、電極パターン12aのペルチェ素子18が配置される位置12bまで溶融した半田14aがはみ出して、ペルチェ素子18を接合する際に支障を来すという恐れがある。そこで、本第4変形においては、図4(a)に示すように、電極パターン12のペルチェ素子18が配置される位置12bに、図4(b)に示すように、予め半田マスクシート12cを被覆するようにした。
【0030】
これにより、電極パターン12の端子部12aにリード14を配置し、融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aを溶融させて、端子部12aにリード14を接合しても、ペルチェ素子18が配置される位置12bは半田マスクシート12cで被覆されているため、この位置12bに溶融した半田14aがはみ出すことはない。そして、接合後に半田マスクシート12cを剥離すれば、ペルチェ素子18が配置される位置12bに半田14aがはみ出すことなく、リード14が電極パターン12の端子部12aに接合、固定されるようになる。
【0031】
(5)第5変形例
上述した第4変形例においては、電極パターン12のペルチェ素子18が配置される位置12bに、予め半田マスクシート12cを被覆する例について説明したが、本第5変形例においては、電極パターン12のペルチェ素子18が配置される位置12bに金属製治具12dを配置するようにした。この場合、図5(a)に示すように、電極パターン12aのペルチェ素子18が配置される位置12bに、図5(b)に示すように、金属製治具12dを配置した。
【0032】
これにより、電極パターン12の端子部12aにリード14を配置し、融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aを溶融させて、端子部12aにリード14を接合しても、ペルチェ素子18が配置される位置12bは金属製治具12dが配置されているため、この位置12bに溶融した半田14aがはみ出すことはない。そして、接合後に金属製治具12dを除去すれば、ペルチェ素子18が配置される位置12bに半田14aがはみ出すことなく、リード14が電極パターン12の端子部12aに接合、固定されるようになる。
【0033】
(6)第6変形例
上述した第4、第5変形例においては、端子部12aにリード14を半田14aにより接合する際に、溶融した半田14aがペルチェ素子18が配置される位置12bにはみ出すのを防止するために、半田マスクシート12cを被覆したり、金属製治具12dを配置するようにした。ところが、半田マスクシート12cを被覆したり、金属製治具12dを配置することに代えて、リード14を電極パターン12の端子部12aに仮止めしておいて、後の半田接合時に同時に接合するようにすることも可能である。
【0034】
この場合、図6(a)に示すように、まず、抵抗溶接あるいはビーム溶接などの溶接手段、Agロウなどのロウ付け、あるいはAu系半田などの高温半田付けにより、電極パターン12の端子部12aにリード14を仮止め14bをした。このリード14を仮止めした下基板11をパッケージ20の底部22上に接合した。ついで、図6(b)に示すように、半完成の熱電モジュール10aの各ペルチェ素子18と、パッケージ20の底部22上に接合された下基板11に形成された電極パターン12との間に、95Sn−5Sb半田15を配置した。この場合、必要に応じてリード14の仮止め部分にも95Sn−5Sb半田15を配置しておいてもよい。この後、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して95Sn−5Sb半田15を溶融させた。これにより、各ペルチェ素子18と電極パターン12が接合するとともに、この溶融した半田15がはみ出して、仮止めされたリード14が電極パターン12の端子部12aに完全に接合されることとなる。
【0035】
3.第2実施例
まず、図7(a)に示すように、略箱形形状のフレーム部41と、このフレーム部41の底壁となる底部42とから構成され、FeNiCo系合金をMIM法あるいは鋳造法により形成され、一対のフレーム側壁部41に端子部43を形成したパッケージ40を用意した。ついで、パッケージ40の底部42の上に、表面にCuメッキとエッチングにより電極パターン32を形成し、裏面の全面にCuメッキによりメタライズ層33を形成した下基板31を配置した。なお、Cuメッキの上には、Niメッキが施され、その上にAuメッキが施される。
【0036】
このとき、パッケージ40の底部42と下基板31のメタライズ層33との間に、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を介在させた。なお、下基板31は上述した第1実施例の下基板11と同様な、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミック材から構成されている。ついで、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約280℃以上の温度になるように加熱して80Au−20Sn半田を溶融させ、パッケージ40の底部42上に下基板31を接合した。
【0037】
ついで、図7(b)に示すように、リード(線径が0.3mmの銅線で、SnメッキあるいはAuメッキが施されたもの)44を用意し、このリード44をフレーム部41に形成された端子部43の熱電モジュール用端子(図示せず)に、融点が約280℃の80Au−20Sn半田で接合した。このとき、リード44が下基板31に形成された電極パターン32の端子部32aに接続できるような長さに設定する必要がある。なお、ここではリード44を先に接合し、その後、下基板31をパッケージ40の底部42に接合するようにしてもよいし、あるいは同時に接合するようにしてもよい。
【0038】
ここで、下基板31と同様なアルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックからなる上基板(吸熱側基板あるいは冷却側基板)36を準備した。ついで、この上基板36の表面にCuメッキとエッチングによりペルチェ素子38を接合、接続するための電極パターン37を形成した。なお、この電極パターン37のCuメッキの上には、Niメッキが施され、その上にAuメッキが施される。この後、この上基板36の電極パターン37にそれぞれペルチェ素子38が直列接続されるように、95Sn−5Sb半田35にて溶融接合して、半完成の熱電モジュール30aを作製した。なお、ペルチェ素子38は、P型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるものであり、半田接合するためのNiメッキ層が両端部に形成されている。
【0039】
ついで、上述のようにして作製した半完成の熱電モジュール30aの上基板36が上向きになり、各ペルチェ素子38が下向きになるようにして、図8(c)に示すように、パッケージ40の底部42上に接合された下基板31の電極パターン32に対向するように配置した。ついで、上基板36の電極パターン37に接合された各ペルチェ素子38と、パッケージ40の底部42上に接合された下基板31に形成された電極パターン32との間に、95Sn−5Sb半田35を配置した。このとき、フレーム部21に形成された端子部23の熱電モジュール用端子(図示せず)に接合されたリード44を下基板31に形成された電極パターン32の端子部32aに配置し、さらにリード44の先端付近に95Sn−5Sb半田を配置した。
【0040】
この後、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して95Sn−5Sb半田35を溶融させて、各ペルチェ素子38と電極パターン32とを接合させた。このとき、同時に下基板31に形成された電極パターン32の端子部32aにリード44も95Sn−5Sb半田35で接合されることとなる。これにより、各ペルチェ素子38と下基板31に形成された電極パターン32が融点が約235℃の95Sn−5Sb半田35で溶融接合され、かつ下基板31の電源端子となる電極パターン32とリード44も溶融接合されて、図8(d)に示すように、熱電モジュール30が形成されることとなる。
【0041】
4.第2実施例の変形例
(1)第1変形例
上述した第2実施例においては、予め、リード44をフレーム部41に形成された端子部43に半田接合する例について説明したが、リード44をフレーム部41に形成された端子部43に仮固定した後、後の工程で半田接合するようにしてもよい。この場合、図9に示すように、端子部43の熱電モジュール用端子のスルーホール(図示せず)にリード44を挿入するか、リード44を治具などで仮固定する。その後、各ペルチェ素子38と電極パターン32とを95Sn−5Sb半田で接合した後に、同時に、リード44も端子部43の熱電モジュール用端子に95Sn−5Sb半田で接合するようにすればよい。
【0042】
(2)第2変形例
また、上述した第2実施例においては、下基板31をパッケージ40の底部42に接合する半田、およびリード44を端子部43の熱電モジュール用端子に接合する半田として、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を用い、各ペルチェ素子38を下基板31に形成された電極パターン32に接合する半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用いる例について説明した。しかしながら、これらの半田の全てを融点が約235℃の95Sn−5Sb半田に変更するようにしてもよい。この場合、各ペルチェ素子38を下基板31に形成された電極パターン32に接合する際に、先に接合した下基板31と底部42の接合部が溶融することになるが、悪影響を及ぼすことはない。
【0043】
(3)第3変形例
上述した第2変形例においては、全ての半田を融点が約235℃の95Sn−5Sb半田に変更する例について説明したが、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を融点が約235℃の95Sn−5Sb半田に変更し、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を融点が約219℃のSn−3.5Ag−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−3.5Ag半田、融点が約219℃のSn−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu半田、融点が約217℃のSn−3.0Ag−0.7Cu−1.0In半田、融点が約215℃のSn−3.0Ag−7Cu−1.0Bi−2.5In半田に変更するようにしてもよい。
【0044】
5.熱電モジュールの下基板の電極パターンとメタライズ層の厚みの検討
上述のように熱電モジュールを作製するに際して、図10(a)に示すように、下基板51をパッケージ60の底部62に接合した場合に、下基板51に反りが生じ、最悪の場合は下基板51に割れが発生することが分かった。そこで、図10(b)に示すように、電極パターン52の厚みをt1とし、メタライズ層53の厚みをt2とした場合に、下基板51に割れが発生ないような電極パターン52とメタライズ層53の厚み差の関係について、以下に検討した。
【0045】
ここで、窒化アルミ(AlN)を用い、これを厚みが0.3mmで、長さが12mmで、幅が6mmの下基板51を作製した後、下記の表1に示すような厚みがt1μmの電極パターン52と、厚みがt2μmのメタライズ層53を形成した。これを融点が約280℃の80Au−20Sn半田を介してパッケージ60の底部62上に配置し、80Au−20Sn半田を溶融してこれらを接合した。この接合により生じた反りの大きさ(μm)を測定するとともに、割れの発生を観測すると下記の表1に示すような結果が得られた。なお、表1の反り量において、「+」は下基板51の電極パターン52が形成された側が凹状にへこんだ状態を表し、「−」は下基板51の電極パターン52が形成された側が凸状に膨らんだ状態を表している。
【0046】
【表1】
【0047】
同様に、下基板51の材質として厚さが0.25mmのアルミナ(Al2O3)を用いた以外は上述と同様に、電極パターン52とメタライズ層53が形成された下基板51を作製した。ここで、この下基板51を融点が約274℃の95Bi−5Sb半田を介してパッケージ60の底部22(42)上に接合し、このときの反りの大きさ(μm)を測定するとともに、割れの発生を観測すると下記の表2に示すような結果が得られた。また、これを融点が約235℃の95Sn−5Sb半田で接合し、このときの反りの大きさ(μm)も測定するとともに、割れの発生も観測すると下記の表2に示すような結果が得られた。
【0048】
【表2】
【0049】
なお、表1および表2においては、通常は電流が大量に流れる電極パターン52の厚みt1は、通電のためではなくて接合のために設けられたメタライズ層53の厚みt2よりも厚くするので、t1=t2の例と、t1>t1の例のみを示している。そして、上記表1および表2の結果から明らかなように、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)が0.8あるいは0.6〜0.8の間の値に近づくに伴って、下基板51の反り量が0に近づくことが分かる。これは、電極パターン52の厚みt1とメタライズ層53の厚みt2がほぼ等しい場合(t1≒t2)には一般的には反りが生じなくなるが、電極パターン52は小さく分割されているのに対して、メタライズ層53は分割されていないことによる構造の相違によるものと考えられる。
【0050】
また、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)が小さくなるに伴って、下基板51の反り量が−側に大きくなり、その比がさらに小さくなると下基板51に割れが発生することが分かる。そして、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)がある値(0.8あるいは0.6〜0.8の間の値)になると反り量が最小になることが分かる。
【0051】
これらのことから、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)を最適化すると、半田接合による反りの発生を最小限に制御できることが分かる。そして、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)を0.3以上にすれば、下基板51に割れが発生するのを防止できるようになることが分かる。このことから、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比率(t2/t1)を30%以上にするのが望ましいということができる。
【0052】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、下基板(放熱側下基板)11に配設された電源電極12aに電源供給用リード14が、融点が高い第1の半田(例えば、融点が約280℃の80Au−20Sn半田)で接合されており、かつこの下基板11とパッケージ20の底板22が、第1の半田よりも融点が低い第2の半田(例えば、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田)で接合されている。このため、電源供給用リード14を電源電極12aに接合した後に、下基板11をパッケージ20の底板22に接合しても、先に接合した第1の半田が溶融することなく、第2の半田により下基板11をパッケージ20の底板22に接合することができるようになる。
【0053】
なお、上述した実施の形態においては、上基板16を冷却側基板としてこの上にキャリアを配置し、下基板11を放熱側基板としてパッケージ20の底板22に接合する例について説明したが、上基板16を放熱側基板としてこの上にキャリアを配置し、下基板11を冷却側基板としてパッケージ20の底板22に接合するようにしてもよい。このようにすると、例えば、外気温が−20℃程度の低温で素子(キャリア上の半導体)を25℃にしたい場合に有効である。
【0054】
また、上述した実施の形態においては、本発明を光通信装置などに使用される半導体レーザと、この半導体レーザを冷却する熱電モジュールを収容する熱電装置用パッケージについて説明したが、本発明は半導体レーザに限らず、高出力が要求される半導体素子を用い、この半導体素子を熱電モジュールで冷却する場合のパッケージに適用するのが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッケージの底部に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第1実施例の一連の工程の要部の前半部を模式的に示す工程図であり、図1(a)は第1工程を示す断面図であり、図1(b)は第2工程を示す断面図である。
【図2】パッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第1実施例の一連の工程の要部の後半部を模式的に示す工程図であり、図2(a)は第3工程を示す断面図であり、図2(b)は第4工程を示す断面図である。
【図3】第1実施例の第1変形例を示す図である。
【図4】第1実施例の第4変形例を示す図である。
【図5】第1実施例の第5変形例を示す図である。
【図6】第1実施例の第6変形例を示す図である。
【図7】パッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第2実施例の一連の工程の要部の前半部を模式的に示す工程図であり、図7(a)は第1工程を示す断面図であり、図7(b)は第2工程を示す断面図である。
【図8】パッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第2実施例の一連の工程の要部の後半部を模式的に示す工程図であり、図8(a)は第3工程を示す断面図であり、図8(b)は第4工程を示す断面図である。
【図9】第2実施例の第1変形例を示す図である。
【図10】下基板をパッケージの底部に接合した場合に下基板に反りや割れが発生しないような電極パターンとメタライズ層の厚み差を説明するめの図であり、図10(a)は下基板をパッケージの底部に接合した状態を示す断面図であり、図10(b)は下基板に形成された電極パターンとメタライズ層の厚みを示す断面図である。
【図11】従来例の光半導体モジュールを模式的に示す図である。
【符号の説明】
10…熱電モジュール、10a…半完成熱電モジュール、11…下基板、12…電極パターン、12a…端子部、12b…接合部、12c…半田マスクシート、12d…金属製治具、13…メタライズ層、14…リード、14a…半田、15…半田、16…上基板、17…電極パターン、18…ペルチェ素子、19…ポスト電極、20…パッケージ、21…フレーム部、22…底部、23…端子部、30…熱電モジュール、30a…半完成熱電モジュール、31…下基板、32…電極パターン、32a…端子部、33…メタライズ層、35…半田、36…上基板、37…電極パターン、38…ペルチェ素子、40…パッケージ、41…フレーム部、42…底部、43…端子部、44…リード
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信装置などに使用される半導体素子(例えば、半導体レーザ)と、この半導体素子を冷却する熱電モジュールをパッケージ内に備えた熱電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの急速な発展に伴って、大容量のデータ(情報)を高速に伝送する必要性が益々増大している。そこで、既に敷設されている光ファイバー網を使用してデータ(情報)を伝送すると、データ(情報)の高速伝送が可能になることから、ここ数年において、光ファイバー網の利用が急激に増加するようになった。この場合、1本の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化する、いわゆるWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)あるいはDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重)等の広帯域の光ネットワーク技術を利用することにより、大容量のデータを双方向で高速伝送することが可能になる。
【0003】
ここで、光ファイバ中を転送するデータ(情報)は、レーザー光を変調した信号であり、これは光半導体モジュールと呼ばれる半導体レーザー等を収容した電子装置から発信される。また、光ファイバを用いてデータ(情報)を伝送する中間地点で信号強度を増幅する、いわゆる光アンプにもこの光半導体モジュールが用いられている。ところで、半導体レーザーの発振波長は温度によって大きく影響を受けるので、半導体レーザーの動作時には、その温度を厳密に制御することが不可欠となる。この温度制御には、通常、多数のペルチェ素子を搭載した熱電モジュールあるいは電子クーラー(TEC:Thermo Electric Cooler)と呼ばれる電子デバイスが使用されている。
【0004】
図11は、このような光半導体モジュールの一例を示す断面図であって、パッケージ本体71の底部71a上に、熱電モジュール(電子クーラー(TEC))72が配置されている。この熱電モジュール72の上に、半導体レーザ素子73aとレンズ73bと受光素子73c等を搭載するキャリア(ベース板)73が配置され、さらに図示しないカバー(蓋)で密閉して光半導体モジュール70が構成されている。熱電モジュール72は、一対の絶縁板からなる上基板(冷却側上基板)72aと下基板(放熱側下基板)72bの間に、複数のP型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるペルチェ素子72cを挟み込むようにしている。そして、電極パターン72dおよび電極パターン72eにより複数のP型素子と複数のN型素子とがP,N,P,Nの順に電気的に直列に接続され、更に端部のP型素子及びN型素子に接続された電源端子に、それぞれ図示しない電源供給用リードが接続されて電源が供給されるようになされている。
【0005】
なお、上基板72aおよび下基板72bはアルミナ(Al2O3)などから形成されており、この表面にペルチェ素子72cの電極と固定を兼ねた導体パターン(電極パターン)72d,72eが薄膜や厚膜で形成されている。そして、上基板72aの上にキャリア(ベース板)73が固定され、下基板72bの下面はパッケージ本体71の底部71aに固定されている。このような半導体レーザ素子73aの温度が安定なのは熱電モジュール72で半導体レーザ素子73aを常時温度制御し、半導体レーザ素子73aの発熱による温度上昇を低減しているためである。なお、半導体レーザ素子73aとペルチェ素子72cの発熱はパッケージ本体71の下面に取り付けたヒートシンク(図示せず)で外部に放熱されるようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようにして形成される光半導体モジュール70において、ペルチェ素子72cと上下の電極パターン72d,72eとの間を、例えば、融点が約280℃のAuSn(80Au−20Sn)半田72fで溶融接合して、熱電モジュール72を組み立てるようにしている。その後、熱電モジュール72の下基板72bとパッケージ本体71の底部71aとを、鉛フリー半田、例えば、融点が約220℃のSnAgCu半田で溶融接合して、熱電モジュール72をパッケージ本体71に固定するようになされている。
【0007】
しかしながら、熱電モジュール72を作製するに際して、80Au−20Sn(Auが80wt%で、Snが20wt%の合金)半田を用いて、ペルチェ素子72cと上下の電極パターン72d,72eとを半田付けすると、80Au−20Sn半田はAuの含有量が多いために高価になるとともに、上基板72aと下基板72bの両方に高価な80Au−20Sn半田を用いるために、80Au−20Sn半田の使用量も増大して、この種の熱電モジュールが高価になって、これを使用した熱電装置も高価になるという問題を生じた。
【0008】
また、AuSn系半田は微細な半田付けが困難であるため、上基板72aの電極パターン72dと下基板72bの電極パターン72eとの間にAuSn系半田を配置した後、これらの間にペルチェ素子72cを配置して、所定の温度に加熱して半田付けを行うと、電極パターン72d,72eは微細な領域であるために半田不良が発生して、熱電モジュールの製造歩留まりが低下し、この種の熱電モジュールが高価になるという問題も生じた。
【0009】
そこで、本発明は上記の如き問題点を解決するためになされたものであって、微細領域の接合にはAuSn系半田を用いないようにして、工程での歩留まりが高くて、低コストで半田付けが行える熱電装置を提供できるようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の熱電装置は、下基板に配設された電源電極に電源供給用リードが第1の半田で接合されており、かつ下基板とパッケージの底板とが第1の半田よりも融点が低い第2の半田で溶融接合されていることを特徴とする。このように、第2の半田の融点が第1の半田の融点よりも低いと、電源供給用リードを電源電極に接合した後に下基板をパッケージの底板に接合しても、先に接合した第1の半田が溶融することなく、第2の半田により下基板をパッケージの底板に接合することができるようになる。
【0011】
この場合、第1の半田をAuSn半田とし、第2の半田をSnSb半田としてもよい。また、第1の半田をAuSn半田あるいはSnSb半田とし、第2の半田をSnCu半田またはSnAg半田あるいはSnAgCu,SnAgCuBi,SnAgCuIn,SnAgCuInBi等のSnAgCu系半田としてもよい。さらに、第1の半田をAuGe半田あるいはAuSi半田とし、第2の半田をAuSn半田としてもよい。そして、下基板の表面に複数の熱電素子を接続接合するための電極パターンを備え、この下基板の裏面にパッケージの底板に接合するためのメタライズ層を備えるとともに、電極パターンの厚みに対するメタライズ層の厚みの比率を30%以上にすると、下基板に割れを生じることなく、パッケージの底板に下基板を接合できるようになる。
【0012】
本発明の熱電装置の製造方法は、下基板に配設された電源電極に電源供給用リードを第1の半田で溶融接合する第1接合工程と、下基板とパッケージの底板とを第1半田より融点が低い第2の半田で溶融接合する第2接合工程とを備えるようにしている。この場合、第2接合工程により下基板をパッケージの底板に溶融接合した後、上基板に複数の熱電素子が配設された半完成の熱電モジュールの複数の熱電素子と下基板とを第2の半田と融点が等しいかそれよりも融点が低い第3の半田で溶融接合する工程を備えるようにするのが望ましい。
【0013】
または、本発明の熱電装置の製造方法は、下基板とパッケージの底板とを第1の半田で溶融接合する第1接合工程と、パッケージに配設された電極部に電源供給用リードを第1の半田と融点が等しいかあるいは低い第2の半田で溶融接合する第2接合工程とを備えるようにしている。この場合は、第2接合工程により電源供給用リードをパッケージに配設された電極部に溶融接合した後、上基板に複数の熱電素子が配設された半完成の熱電モジュールの複数の熱電素子と下基板とを第2の半田と融点が等しいかそれよりも融点が低い第3の半田で溶融接合する工程を備えるようにするのが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の熱電装置を光半導体モジュールに適用した場合の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。なお、図1および図2はパッケージの底部に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第1実施例の一連の工程の要部を模式的に示す工程図である。図3は第1実施例の第1変形例を示す図であり、図4は第1実施例の第4変形例を示す図であり、図5は第1実施例の第5変形例を示す図であり、図6は第1実施例の第6変形例を示す図である。
【0015】
また、図7および図8はパッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第2実施例の一連の工程の要部を模式的に示す工程図である。図9は第2実施例の第1変形例を示す図である。図10は下基板をパッケージの底部に接合した場合に下基板に反りや割れが発生しないような電極パターンとメタライズ層の厚み差を説明するための図であり、図10(a)は下基板をパッケージの底部に接合した状態を示す断面図であり、図10(b)は下基板に形成された電極パターンとメタライズ層の厚みを示す断面図である。
【0016】
1.第1実施例
まず、図1(a)に示すように、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックからなる下基板(発熱側下基板あるいは放熱側下基板:以下では単に下基板という)11の表面にCuメッキとエッチングにより、ペルチェ素子18(図2参照)を接続、接合するための電極パターン12を形成した。また、下基板11の裏面の全面に、パッケージ20の底部22に接合するためのメタライズ層13をCuメッキにより形成した。なお、Cuメッキの表面にはNiメッキあるいはNiメッキとAuメッキを行ってもよい。ついで、この下基板11の表面に形成された電極パターン12の内、外部電源からの電源端子となる一対の電極パターン12a,12aにリード(線径が0.3mmの銅線で、SnメッキあるいはAuメッキが施されたもの)14を融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aで溶融接合した。
【0017】
一方、FeNiCo系合金(例えば、コバール(Kovar))から構成されたパッケージ20を用意した。なお、このパッケージ20は、略箱形形状のフレーム部21と、このフレーム部21の底壁となる底部22とから構成され、FeNiCo系合金をMIM(Metal Injection Molding)法あるいは鋳造法等により作製されている。また、フレーム部21の一側壁に略円筒形状の窓ホルダ(図示せず)を形成し、一対のフレーム部21の側壁に別途作製したセラミック製の端子部23を接合して作製されている。なお、パッケージ20のフレーム部21および底部22は、共にKovarでもよいし、フレーム部21のみをKovarとし、底部22はCuW合金の組み合わせでもよい。
【0018】
ついで、図1(b)に示すように、パッケージ20の底部22の上に、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を介在させて、下基板11を配置した。このとき、下基板11の裏面に形成したメタライズ層13と95Sn−5Sb半田との位置が一致するように、底部22上の所定の位置に配置した。これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して、95Sn−5Sb半田を溶融させて、パッケージ20の底部22上に下基板11を接合した。なお、この加熱時において、先に接合された80Au−20Sn半田14aは、融点が約280℃と高いために溶融することはない。
【0019】
ここで、下基板11と同様なアルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックからなる上基板(吸熱側基板あるいは冷却側基板:以下では単に上基板という)16を準備した。ついで、この上基板16の表面にCuメッキとエッチングによりペルチェ素子18を接続、接合するためのCu電極パターン17を形成した。なお、このCu電極パターン17には、NiメッキとAuメッキが施されている。この後、この上基板16の電極パターン17にそれぞれペルチェ素子18が直列接続されるように、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田15にて溶融接合して、半完成の熱電モジュール10aを作製した。なお、ペルチェ素子18は、P型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるものであり、半田接合するためのNiメッキ層が両端部に形成されている。
【0020】
ついで、上述のようにして作製した半完成の熱電モジュール10aの上基板16が上向きになり、各ペルチェ素子18が下向きになるようにして、図2(c)に示すように、パッケージ20の底部22上に接合された下基板11の電極パターン12に対向するように配置した。ついで、上基板16の電極パターン17に接合された各ペルチェ素子18と、パッケージ20の底部22上に接合された下基板11に形成された電極パターン12との間に、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田15を配置した。この後、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して95Sn−5Sb半田15を溶融させて、各ペルチェ素子18と電極パターン12とを接合させた。
【0021】
これにより、下基板11の電源端子となる電極パターン12aとリード14が、第1の半田となる融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aで溶融接合され、パッケージ20の底部22と下基板11が、メタライズ層13を介して第2の半田となる融点が約235℃の95Sn−5Sb半田で溶融接合され、かつ各ペルチェ素子18と下基板11に形成された電極パターン12が第3の半田となる融点が約235℃の95Sn−5Sb半田15で溶融接合され、かつ図示しないカバー(蓋)で密閉して、図2(d)に示すように、熱電モジュール10が形成されることとなる。
【0022】
なお、このような熱電モジュール10は、P型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とがP,N,P,Nの順に電気的に直列に接続され、例えば、下基板11側が発熱反応を行い、上基板16が吸熱反応を行う電子クーラー(TEC:Thermo Electric Cooler)とも呼ばれる電子デバイスである。そして、上基板16の上に、図11に示すように、半導体レーザ素子とレンズと受光素子等を搭載するキャリアを固定した後、光軸を調整し、フレーム部21の開口部にカバーを配置し、フレーム部21と図示しないカバーとをシーム溶接などにより気密に接合して、光半導体モジュールが作製される。
【0023】
2.第1実施例の変形例
本発明は上述した第1実施例に限らず、種々の変形を加えて実施することが可能である。以下では、本第1実施例の変形例について説明する。
(1)第1変形例
上述した第1実施例においては、下基板11の電源端子となる電極パターン12aに、予めリード14を80Au−20Sn半田14aで溶融接合する例について説明したが、リード14に代えて、図3に示すようなポスト電極19を接合するようにしてもよい。ここで、CuあるいはCu合金製のポスト電極19,19を用意し、このポスト電極19,19の上端面に、ワイヤーボンディングのためのNiメッキとAuメッキ19aを施した。また、ポスト電極19,19の下端面にも半田付けのためのNiメッキとAuメッキを施した。
【0024】
ついで、下基板11の表面に形成された電源端子となる電極パターン12a上に、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を介して、ポスト電極19,19を配置した。この後、80Au−20Sn半田を溶融して、図3に示すように、電極パターン12a上にポスト電極19,19が配設されることとなる。なお、このポスト電極19,19は、フレーム部21に形成された端子部23の位置に等しくなるような高さに形成するのが望ましい。これにより、ポスト電極19,19の上端面19aと端子部23とをワイヤーボンディングするのが容易になる。
【0025】
(2)第2変形例
また、上述した第1実施例においては、リード14を電極パターン12aに接合する第1の半田として、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を用い、下基板11をパッケージ20の底部22に接合する第2の半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用い、さらに、各ペルチェ素子18を下基板11に形成された電極パターン12に接合する第3の半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用いる例について説明したが、これらよりも融点が低い鉛フリー半田を用いることができる。
【0026】
そして、リード14を電極パターン12aに接合する第1の半田として、融点が約280℃の80Au−20Sn半田、あるいは融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用いるようにすればよい。この場合、下基板11をパッケージ20の底部22に接合する第2の半田として、融点が約219℃のSn−3.5Ag−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−3.5Ag半田、融点が約227℃のSn−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu半田、融点が約217℃のSn−3.0Ag−0.7Cu−1.0In半田、融点が約215℃のSn−3.0Ag−7Cu−1.0Bi−2.5In半田等を用いるようにすればよい。
【0027】
さらに、各ペルチェ素子18を下基板11に形成された電極パターン12に接合する第3の半田として、融点が約219℃のSn−3.5Ag−0.75Cu半田(半田)、融点が約221℃のSn−3.5Ag半田、融点が約227℃のSn−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu半田、融点が約217℃のSn−3.0Ag−0.7Cu−1.0In半田、融点が約215℃のSn−3.0Ag−7Cu−1.0Bi−2.5In半田等を用いるようにすればよい。
【0028】
(3)第3変形例
上述した第2変形例においては、第1実施例よりも融点が低い鉛フリー半田を用いる例について説明したが、これらよりも融点が高い半田を用いることもできる。この場合、リード14を電極パターン12aに接合する第1の半田として、融点が約356℃の88Au−12Ge半田あるいは融点が約370℃の86.85Au−3.15Si半田を用いるようにすればよい。そして、下基板11をパッケージ20の底部22に接合する第2の半田としては、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を用い、各ペルチェ素子18を下基板11に形成された電極パターン12に接合する第3の半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田、あるいはSnCu半田、SnAs半田、SnAsCu系半田を用いるようにすればよい。
【0029】
(4)第4変形例
上述した第1実施例においては、融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aで下基板11の電極パターン12の端子部12aにリード14を溶融接合した例について説明した。しかしながら、半田14aの溶融時に、電極パターン12aのペルチェ素子18が配置される位置12bまで溶融した半田14aがはみ出して、ペルチェ素子18を接合する際に支障を来すという恐れがある。そこで、本第4変形においては、図4(a)に示すように、電極パターン12のペルチェ素子18が配置される位置12bに、図4(b)に示すように、予め半田マスクシート12cを被覆するようにした。
【0030】
これにより、電極パターン12の端子部12aにリード14を配置し、融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aを溶融させて、端子部12aにリード14を接合しても、ペルチェ素子18が配置される位置12bは半田マスクシート12cで被覆されているため、この位置12bに溶融した半田14aがはみ出すことはない。そして、接合後に半田マスクシート12cを剥離すれば、ペルチェ素子18が配置される位置12bに半田14aがはみ出すことなく、リード14が電極パターン12の端子部12aに接合、固定されるようになる。
【0031】
(5)第5変形例
上述した第4変形例においては、電極パターン12のペルチェ素子18が配置される位置12bに、予め半田マスクシート12cを被覆する例について説明したが、本第5変形例においては、電極パターン12のペルチェ素子18が配置される位置12bに金属製治具12dを配置するようにした。この場合、図5(a)に示すように、電極パターン12aのペルチェ素子18が配置される位置12bに、図5(b)に示すように、金属製治具12dを配置した。
【0032】
これにより、電極パターン12の端子部12aにリード14を配置し、融点が約280℃の80Au−20Sn半田14aを溶融させて、端子部12aにリード14を接合しても、ペルチェ素子18が配置される位置12bは金属製治具12dが配置されているため、この位置12bに溶融した半田14aがはみ出すことはない。そして、接合後に金属製治具12dを除去すれば、ペルチェ素子18が配置される位置12bに半田14aがはみ出すことなく、リード14が電極パターン12の端子部12aに接合、固定されるようになる。
【0033】
(6)第6変形例
上述した第4、第5変形例においては、端子部12aにリード14を半田14aにより接合する際に、溶融した半田14aがペルチェ素子18が配置される位置12bにはみ出すのを防止するために、半田マスクシート12cを被覆したり、金属製治具12dを配置するようにした。ところが、半田マスクシート12cを被覆したり、金属製治具12dを配置することに代えて、リード14を電極パターン12の端子部12aに仮止めしておいて、後の半田接合時に同時に接合するようにすることも可能である。
【0034】
この場合、図6(a)に示すように、まず、抵抗溶接あるいはビーム溶接などの溶接手段、Agロウなどのロウ付け、あるいはAu系半田などの高温半田付けにより、電極パターン12の端子部12aにリード14を仮止め14bをした。このリード14を仮止めした下基板11をパッケージ20の底部22上に接合した。ついで、図6(b)に示すように、半完成の熱電モジュール10aの各ペルチェ素子18と、パッケージ20の底部22上に接合された下基板11に形成された電極パターン12との間に、95Sn−5Sb半田15を配置した。この場合、必要に応じてリード14の仮止め部分にも95Sn−5Sb半田15を配置しておいてもよい。この後、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して95Sn−5Sb半田15を溶融させた。これにより、各ペルチェ素子18と電極パターン12が接合するとともに、この溶融した半田15がはみ出して、仮止めされたリード14が電極パターン12の端子部12aに完全に接合されることとなる。
【0035】
3.第2実施例
まず、図7(a)に示すように、略箱形形状のフレーム部41と、このフレーム部41の底壁となる底部42とから構成され、FeNiCo系合金をMIM法あるいは鋳造法により形成され、一対のフレーム側壁部41に端子部43を形成したパッケージ40を用意した。ついで、パッケージ40の底部42の上に、表面にCuメッキとエッチングにより電極パターン32を形成し、裏面の全面にCuメッキによりメタライズ層33を形成した下基板31を配置した。なお、Cuメッキの上には、Niメッキが施され、その上にAuメッキが施される。
【0036】
このとき、パッケージ40の底部42と下基板31のメタライズ層33との間に、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を介在させた。なお、下基板31は上述した第1実施例の下基板11と同様な、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミック材から構成されている。ついで、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約280℃以上の温度になるように加熱して80Au−20Sn半田を溶融させ、パッケージ40の底部42上に下基板31を接合した。
【0037】
ついで、図7(b)に示すように、リード(線径が0.3mmの銅線で、SnメッキあるいはAuメッキが施されたもの)44を用意し、このリード44をフレーム部41に形成された端子部43の熱電モジュール用端子(図示せず)に、融点が約280℃の80Au−20Sn半田で接合した。このとき、リード44が下基板31に形成された電極パターン32の端子部32aに接続できるような長さに設定する必要がある。なお、ここではリード44を先に接合し、その後、下基板31をパッケージ40の底部42に接合するようにしてもよいし、あるいは同時に接合するようにしてもよい。
【0038】
ここで、下基板31と同様なアルミナ(Al2O3)、窒化アルミナ(AlN)、炭化珪素(SiC)などのセラミックからなる上基板(吸熱側基板あるいは冷却側基板)36を準備した。ついで、この上基板36の表面にCuメッキとエッチングによりペルチェ素子38を接合、接続するための電極パターン37を形成した。なお、この電極パターン37のCuメッキの上には、Niメッキが施され、その上にAuメッキが施される。この後、この上基板36の電極パターン37にそれぞれペルチェ素子38が直列接続されるように、95Sn−5Sb半田35にて溶融接合して、半完成の熱電モジュール30aを作製した。なお、ペルチェ素子38は、P型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるものであり、半田接合するためのNiメッキ層が両端部に形成されている。
【0039】
ついで、上述のようにして作製した半完成の熱電モジュール30aの上基板36が上向きになり、各ペルチェ素子38が下向きになるようにして、図8(c)に示すように、パッケージ40の底部42上に接合された下基板31の電極パターン32に対向するように配置した。ついで、上基板36の電極パターン37に接合された各ペルチェ素子38と、パッケージ40の底部42上に接合された下基板31に形成された電極パターン32との間に、95Sn−5Sb半田35を配置した。このとき、フレーム部21に形成された端子部23の熱電モジュール用端子(図示せず)に接合されたリード44を下基板31に形成された電極パターン32の端子部32aに配置し、さらにリード44の先端付近に95Sn−5Sb半田を配置した。
【0040】
この後、これをホットプレート上に配置して、ホットプレートを約235℃以上で280℃未満の温度になるように加熱して95Sn−5Sb半田35を溶融させて、各ペルチェ素子38と電極パターン32とを接合させた。このとき、同時に下基板31に形成された電極パターン32の端子部32aにリード44も95Sn−5Sb半田35で接合されることとなる。これにより、各ペルチェ素子38と下基板31に形成された電極パターン32が融点が約235℃の95Sn−5Sb半田35で溶融接合され、かつ下基板31の電源端子となる電極パターン32とリード44も溶融接合されて、図8(d)に示すように、熱電モジュール30が形成されることとなる。
【0041】
4.第2実施例の変形例
(1)第1変形例
上述した第2実施例においては、予め、リード44をフレーム部41に形成された端子部43に半田接合する例について説明したが、リード44をフレーム部41に形成された端子部43に仮固定した後、後の工程で半田接合するようにしてもよい。この場合、図9に示すように、端子部43の熱電モジュール用端子のスルーホール(図示せず)にリード44を挿入するか、リード44を治具などで仮固定する。その後、各ペルチェ素子38と電極パターン32とを95Sn−5Sb半田で接合した後に、同時に、リード44も端子部43の熱電モジュール用端子に95Sn−5Sb半田で接合するようにすればよい。
【0042】
(2)第2変形例
また、上述した第2実施例においては、下基板31をパッケージ40の底部42に接合する半田、およびリード44を端子部43の熱電モジュール用端子に接合する半田として、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を用い、各ペルチェ素子38を下基板31に形成された電極パターン32に接合する半田として、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を用いる例について説明した。しかしながら、これらの半田の全てを融点が約235℃の95Sn−5Sb半田に変更するようにしてもよい。この場合、各ペルチェ素子38を下基板31に形成された電極パターン32に接合する際に、先に接合した下基板31と底部42の接合部が溶融することになるが、悪影響を及ぼすことはない。
【0043】
(3)第3変形例
上述した第2変形例においては、全ての半田を融点が約235℃の95Sn−5Sb半田に変更する例について説明したが、融点が約280℃の80Au−20Sn半田を融点が約235℃の95Sn−5Sb半田に変更し、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田を融点が約219℃のSn−3.5Ag−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−3.5Ag半田、融点が約219℃のSn−0.75Cu半田、融点が約221℃のSn−2.5Ag−1.0Bi−0.5Cu半田、融点が約217℃のSn−3.0Ag−0.7Cu−1.0In半田、融点が約215℃のSn−3.0Ag−7Cu−1.0Bi−2.5In半田に変更するようにしてもよい。
【0044】
5.熱電モジュールの下基板の電極パターンとメタライズ層の厚みの検討
上述のように熱電モジュールを作製するに際して、図10(a)に示すように、下基板51をパッケージ60の底部62に接合した場合に、下基板51に反りが生じ、最悪の場合は下基板51に割れが発生することが分かった。そこで、図10(b)に示すように、電極パターン52の厚みをt1とし、メタライズ層53の厚みをt2とした場合に、下基板51に割れが発生ないような電極パターン52とメタライズ層53の厚み差の関係について、以下に検討した。
【0045】
ここで、窒化アルミ(AlN)を用い、これを厚みが0.3mmで、長さが12mmで、幅が6mmの下基板51を作製した後、下記の表1に示すような厚みがt1μmの電極パターン52と、厚みがt2μmのメタライズ層53を形成した。これを融点が約280℃の80Au−20Sn半田を介してパッケージ60の底部62上に配置し、80Au−20Sn半田を溶融してこれらを接合した。この接合により生じた反りの大きさ(μm)を測定するとともに、割れの発生を観測すると下記の表1に示すような結果が得られた。なお、表1の反り量において、「+」は下基板51の電極パターン52が形成された側が凹状にへこんだ状態を表し、「−」は下基板51の電極パターン52が形成された側が凸状に膨らんだ状態を表している。
【0046】
【表1】
【0047】
同様に、下基板51の材質として厚さが0.25mmのアルミナ(Al2O3)を用いた以外は上述と同様に、電極パターン52とメタライズ層53が形成された下基板51を作製した。ここで、この下基板51を融点が約274℃の95Bi−5Sb半田を介してパッケージ60の底部22(42)上に接合し、このときの反りの大きさ(μm)を測定するとともに、割れの発生を観測すると下記の表2に示すような結果が得られた。また、これを融点が約235℃の95Sn−5Sb半田で接合し、このときの反りの大きさ(μm)も測定するとともに、割れの発生も観測すると下記の表2に示すような結果が得られた。
【0048】
【表2】
【0049】
なお、表1および表2においては、通常は電流が大量に流れる電極パターン52の厚みt1は、通電のためではなくて接合のために設けられたメタライズ層53の厚みt2よりも厚くするので、t1=t2の例と、t1>t1の例のみを示している。そして、上記表1および表2の結果から明らかなように、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)が0.8あるいは0.6〜0.8の間の値に近づくに伴って、下基板51の反り量が0に近づくことが分かる。これは、電極パターン52の厚みt1とメタライズ層53の厚みt2がほぼ等しい場合(t1≒t2)には一般的には反りが生じなくなるが、電極パターン52は小さく分割されているのに対して、メタライズ層53は分割されていないことによる構造の相違によるものと考えられる。
【0050】
また、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)が小さくなるに伴って、下基板51の反り量が−側に大きくなり、その比がさらに小さくなると下基板51に割れが発生することが分かる。そして、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)がある値(0.8あるいは0.6〜0.8の間の値)になると反り量が最小になることが分かる。
【0051】
これらのことから、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)を最適化すると、半田接合による反りの発生を最小限に制御できることが分かる。そして、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比(t2/t1)を0.3以上にすれば、下基板51に割れが発生するのを防止できるようになることが分かる。このことから、電極パターン52の厚みt1に対するメタライズ層53の厚みt2の比率(t2/t1)を30%以上にするのが望ましいということができる。
【0052】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、下基板(放熱側下基板)11に配設された電源電極12aに電源供給用リード14が、融点が高い第1の半田(例えば、融点が約280℃の80Au−20Sn半田)で接合されており、かつこの下基板11とパッケージ20の底板22が、第1の半田よりも融点が低い第2の半田(例えば、融点が約235℃の95Sn−5Sb半田)で接合されている。このため、電源供給用リード14を電源電極12aに接合した後に、下基板11をパッケージ20の底板22に接合しても、先に接合した第1の半田が溶融することなく、第2の半田により下基板11をパッケージ20の底板22に接合することができるようになる。
【0053】
なお、上述した実施の形態においては、上基板16を冷却側基板としてこの上にキャリアを配置し、下基板11を放熱側基板としてパッケージ20の底板22に接合する例について説明したが、上基板16を放熱側基板としてこの上にキャリアを配置し、下基板11を冷却側基板としてパッケージ20の底板22に接合するようにしてもよい。このようにすると、例えば、外気温が−20℃程度の低温で素子(キャリア上の半導体)を25℃にしたい場合に有効である。
【0054】
また、上述した実施の形態においては、本発明を光通信装置などに使用される半導体レーザと、この半導体レーザを冷却する熱電モジュールを収容する熱電装置用パッケージについて説明したが、本発明は半導体レーザに限らず、高出力が要求される半導体素子を用い、この半導体素子を熱電モジュールで冷却する場合のパッケージに適用するのが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッケージの底部に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第1実施例の一連の工程の要部の前半部を模式的に示す工程図であり、図1(a)は第1工程を示す断面図であり、図1(b)は第2工程を示す断面図である。
【図2】パッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第1実施例の一連の工程の要部の後半部を模式的に示す工程図であり、図2(a)は第3工程を示す断面図であり、図2(b)は第4工程を示す断面図である。
【図3】第1実施例の第1変形例を示す図である。
【図4】第1実施例の第4変形例を示す図である。
【図5】第1実施例の第5変形例を示す図である。
【図6】第1実施例の第6変形例を示す図である。
【図7】パッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第2実施例の一連の工程の要部の前半部を模式的に示す工程図であり、図7(a)は第1工程を示す断面図であり、図7(b)は第2工程を示す断面図である。
【図8】パッケージの底部材に熱電モジュールを接合して光半導体モジュールを作製する第2実施例の一連の工程の要部の後半部を模式的に示す工程図であり、図8(a)は第3工程を示す断面図であり、図8(b)は第4工程を示す断面図である。
【図9】第2実施例の第1変形例を示す図である。
【図10】下基板をパッケージの底部に接合した場合に下基板に反りや割れが発生しないような電極パターンとメタライズ層の厚み差を説明するめの図であり、図10(a)は下基板をパッケージの底部に接合した状態を示す断面図であり、図10(b)は下基板に形成された電極パターンとメタライズ層の厚みを示す断面図である。
【図11】従来例の光半導体モジュールを模式的に示す図である。
【符号の説明】
10…熱電モジュール、10a…半完成熱電モジュール、11…下基板、12…電極パターン、12a…端子部、12b…接合部、12c…半田マスクシート、12d…金属製治具、13…メタライズ層、14…リード、14a…半田、15…半田、16…上基板、17…電極パターン、18…ペルチェ素子、19…ポスト電極、20…パッケージ、21…フレーム部、22…底部、23…端子部、30…熱電モジュール、30a…半完成熱電モジュール、31…下基板、32…電極パターン、32a…端子部、33…メタライズ層、35…半田、36…上基板、37…電極パターン、38…ペルチェ素子、40…パッケージ、41…フレーム部、42…底部、43…端子部、44…リード
Claims (9)
- キャリアに接合された上基板と、パッケージの底板に接合された下基板との間に複数の熱電素子が配設された熱電モジュールと、前記キャリア上に配設されて前記熱電モジュールにより温度制御される半導体素子とをパッケージ内に備えた熱電装置であって、
前記下基板に配設された電源電極に電源供給用リードが第1の半田で接合されており、
前記下基板と前記パッケージの底板とが第2の半田で接合されているとともに、
前記第2の半田の融点が前記第1の半田の融点よりも低いことを特徴とする熱電装置。 - 前記第1の半田はAuSn半田であり、
前記第2の半田はSnSb半田であることを特徴とする請求項1に記載の熱電装置。 - 前記第1の半田はAuSn半田あるいはSnSb半田であり、
前記第2の半田はSnCu半田、SnAg半田あるいはSnAgCu系半田であることを特徴とする請求項1に記載の熱電装置。 - 前記第1の半田はAuGe半田あるいはAuSi半田であり、
前記第2の半田はAuSn半田であることを特徴とする請求項1に記載の熱電装置。 - 前記下基板の表面に前記複数の熱電素子を接続接合するための電極パターンを備え、該下基板の裏面に前記パッケージの底板に接合するためのメタライズ層を備えるとともに、
前記電極パターンの厚みに対する前記メタライズ層の厚みの比率を30%以上にしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱電装置。 - キャリアに接合される上基板と、パッケージの底板に接合される下基板との間に複数の熱電素子が配設された熱電モジュールと、前記キャリア上に配設されて前記熱電モジュールにより温度制御される半導体素子とをパッケージ内に備えた熱電装置の製造方法であって、
前記下基板に配設された電源電極に電源供給用リードを第1の半田で溶融接合する第1接合工程と、
前記下基板と前記パッケージの底板とを前記第1の半田よりも融点が低い第2の半田で溶融接合する第2接合工程とを備えたことを特徴とする熱電装置の製造方法。 - 前記第2接合工程により前記下基板を前記パッケージの底板に溶融接合した後、
前記上基板に複数の熱電素子が配設された半完成の熱電モジュールの前記複数の熱電素子と前記下基板とを前記第2の半田と融点が等しいかそれよりも融点が低い第3の半田で溶融接合する工程を備えるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の熱電装置の製造方法。 - キャリアに接合される上基板と、パッケージの底板に接合される下基板との間に複数の熱電素子が配設された熱電モジュールと、前記キャリア上に配設されて前記熱電モジュールにより温度制御される半導体素子とをパッケージ内に備えた熱電装置の製造方法であって、
前記下基板と前記パッケージの底板とを第1の半田で溶融接合する第1接合工程と
前記パッケージに配設された電極部に電源供給用リードを前記第1の半田と融点が等しいかあるいは低い第2の半田で溶融接合する第2接合工程とを備えたことを特徴とする熱電装置の製造方法。 - 前記第2接合工程により電源供給用リードを前記パッケージに配設された電極部に溶融接合した後、
前記上基板に複数の熱電素子が配設された半完成の熱電モジュールの前記複数の熱電素子と前記下基板とを前記第2の半田と融点が等しいかそれよりも融点が低い第3の半田で溶融接合する工程を備えるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の熱電装置の製造方法。
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JP2002179714A JP2004023039A (ja) | 2002-06-20 | 2002-06-20 | 熱電装置およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006351942A (ja) * | 2005-06-17 | 2006-12-28 | Aisin Seiki Co Ltd | 熱電変換モジュール及び熱電変換モジュールの製造方法 |
JP2007087983A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Dowa Holdings Co Ltd | 金属−セラミックス接合基板及び熱電素子 |
JP2014063879A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Yamaha Corp | ペルチェモジュール及び発熱機器収納装置 |
JP2015059867A (ja) * | 2013-09-19 | 2015-03-30 | 理想計測株式会社 | 熱衝撃試験装置 |
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2002
- 2002-06-20 JP JP2002179714A patent/JP2004023039A/ja not_active Withdrawn
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