JP2004022721A - トランスおよびその製造方法、電力変換装置、並びに、発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力変換装置用の昇圧比が極めて大きいスイッチングトランスは、複数の一次巻線間の特性差が大きいと、電力変換効率の低下を招く。
【解決手段】巻芯の巻胴部にほぼ均等に二次巻線107を巻回する。そして、巻胴部の両端近傍それぞれに二つの一次巻線102および103を巻回し、二つの一次巻線をそれぞれ、巻胴部の両外側に配置された、直近の端子へ電気的に接続する。
【選択図】 図13
【解決手段】巻芯の巻胴部にほぼ均等に二次巻線107を巻回する。そして、巻胴部の両端近傍それぞれに二つの一次巻線102および103を巻回し、二つの一次巻線をそれぞれ、巻胴部の両外側に配置された、直近の端子へ電気的に接続する。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトランスおよびその製造方法、電力変換装置、並びに、発電装置に関し、例えば、太陽電池などによって発電された電力の変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への取り組みなどから、太陽電池または燃料電池で発電した直流電力を、電力変換装置により、交流電力に変換して家庭内の負荷(以下「負荷」と呼ぶ)および/または商用電力系統(以下「系統」と呼ぶ)に供給する、あるいは、所定の直流電圧に変換して負荷の駆動に利用する、などが行われている。
【0003】
とくに、太陽電池に接続される電力変換装置は、太陽電池の形状に合うように小型、低背型、かつ、変換効率の高いものが要求される。電力変換装置を構成する主要部品であるトランスにも同様な要求がある。
【0004】
図1および図2は電力変換装置の主回路が一般的なプッシュプル型スイッチング回路を有する電力変換装置のスイッチングトランスの構成を示す図である。
【0005】
図1および図2において、一次巻線402および403はスイッチング素子が接続される側の巻線、二次巻線404および405は負荷が接続される側の巻線である。なお、負荷へ直流電力を供給する場合、図1に示すトランスでは全波(ブリッジ)型の整流回路が、図2に示すトランスでは全波型または二相半波形の整流回路が用いられる。
【0006】
図3は、図1および図2に示すトランスの一次巻線の様子を示す図である。一次巻線402および403が1ターンの場合、図3に示すように、電線の一端をボビン409の端子410に接続した後、ボビン409に電線を一回巻き付け、電線の他端を端子411に接続して一次巻線402にする。さらに、電線の一端をボビン409の端子411に接続した後、一次巻線402と略並列になるように電線をボビン409に一回巻き付け、電線の他端を端子412に接続して一次巻線403にする。
【0007】
図4は実用新案登録公報2530618号に記載された一次巻線の形成方法を示す図である。電線の一端を端子421に接続した後、ボビン409に電線を一回巻き付け、電線を端子422に接続して一次巻線402とし、続いて、電線をボビン409に一回巻き付け、端子423に接続して一次巻線403とする。
【0008】
図5は実用新案登録公報2530618号に記載された一次巻線の形成方法を示す図で、ボビン409の巻胴部の中央に端子を有する中鍔部430が設けてある。電線の一端を端子431に接続した後、ボビン409に電線を一回巻き付け、電線を中鍔部430の端子432に接続して一次巻線402とする。続けて、ボビン409に電線を一回巻き付けて端子433に接続して一次巻線403とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
電力変換装置の入出力の電圧比が大きい、つまり、昇圧比(一次巻線と二次巻線の巻回比)が極めて大きいスイッチングトランスを用いる場合、トランスの二次巻線に流れる電流に比べて、一次巻線に流れる電流が非常に大きくなり、一次巻線の抵抗値を小さくするために、断面積が大きい電線を一次巻線とすることが要求される。しかし、トランス自体は小型であることが好ましく、以下のような課題がある。
【0010】
例えば、一次巻線402および403が各1ターン、二次巻線404が200ターンのトランスを図3に示す方法で作成した場合、二つの一次巻線はボビン409に並列に巻回されるため、それら巻線の直流抵抗およびインダクタンスが異なり、各一次巻線が形成する磁界の大きさに差が生じ、変換効率の低下を招く。とくに、1ターンのように一次巻線のターン数が少ない場合は、ターン数が大きい場合に比べて、二つの一次巻線間の特性差が顕著になる。
【0011】
また、図4に示す方法で作成すれば、二つの一次巻線間の特性差は小さくなるが、一次巻線の長さが長くなる分、直流抵抗およびインダクタンスは増加する。
【0012】
また、図5に示す方法で作成する場合、まず、二次巻線の半分(100ターン)を巻線部434に巻き付け、残り半分(100ターン)を巻線部435に巻き付けることになるが、少なくとも中鍔部430の厚さt分、ボビン409の巻線部の長さLが長くなる。従って、二つの一次巻線間の特性差は小さくなるが、一次巻線の長さが長くなる分(図4の方法よりは短いが)、直流抵抗およびインダクタンスが増加する。
【0013】
図5に示す方法において、二次巻線を巻線部434および435に多層に巻回することで、巻線部434および435の長さL1およびL2を小さくすることも考えられる。しかし、層数を増加させればトランスのサイズが大きくなるとともに、二次巻線の直流抵抗の増加、磁気結合の低下が生じる。勿論、図4に示す形態は、中鍔部430とその端子により、トランスのコストを上昇させ、トランスのサイズを大きくする問題もある。
【0014】
本発明は、上述の問題を個々にまたはまとめて解決するためのもので、電力変換効率を向上させることを目的とする。
【0015】
また、電力変換装置の小型化、低背化を他の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0017】
本発明にかかるトランスは、電力変換装置に用いられる、昇圧比が極めて大きいトランスであって、巻芯の巻胴部にほぼ均等に巻回された二次巻線と、前記巻胴部の両端近傍にそれぞれ巻回された二つの一次巻線と、前記巻胴部の両外側に配置された複数の端子とを有し、前記二つの一次巻線はそれぞれ直近の前記端子へ電気的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる電力変換装置は、上記のトランス、および、プッシュプルスイッチング回路を構成する複数のスイッチング素子を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる発電装置は、上記の電力変換装置、および、太陽電池を有することを特徴とする。
【0020】
本発明にかかる製造方法は、電力変換装置に用いられる、昇圧比が極めて大きいトランスの製造方法であって、巻芯の巻胴部にほぼ均等に二次巻線を巻回し、前記巻胴部の両端近傍それぞれに二つの一次巻線を巻回し、前記二つの一次巻線をそれぞれ、前記巻胴部の両外側に配置された、直近の端子へ電気的に接続することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態のトランスを図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
[構成]
図6は実施形態のトランスの構成例を示す図で、巻芯113の両端部にそれぞれ一次巻線102および一次巻線103が巻き付けられていることを特徴とする。
【0023】
巻芯113は、図6に示すように、一次巻線102、103および二次巻線が巻き付けられる構造体を指し、磁気コアまたはボビンが代表である。
【0024】
巻芯113が磁気コアの場合、その特性は限定されないが、使用温度や、所望の形状を形成し易いなどから、Mn−Zn系やNi−Zn系のフェライトコアが好ましく、なかでも透磁率、飽和磁束密度が大きい材料が好ましい。この場合、磁気コアの形状は、電線の巻き付けを考慮すると棒形(I形状)が好ましく、その断面形状は角、楕円および円など適宜選択することができる。さらに、図7に示すように、Iコア914の両端にコの字形(C字形状)のコア915を突き合わせて閉磁路を形成することが好ましく、突き合わせ面に絶縁テープのような絶縁材を挟むことで磁路にギャップを形成して、巻線のインダクタンスを調整することもできる。
【0025】
また、巻芯113がボビンの場合、図8に一例を示すような構造が好ましく、巻き付けられた電線が巻胴部1016から脱落するのを防止する鍔部1017および1018が巻胴部1016の両端にあることが好ましい。さらに、鍔部1017および1018の外側には、巻胴部1016と一体成型された台座部1019および1020を有し、台座部1019および1020には複数の端子1021および1022が設けられていることが好ましい。なお、図8に示すようなピン端子ではなく、プリント基板に表面実装することが可能な表面実装用の端子でも構わない。ただし、複数の端子1021および1022のそれぞれは、電線の巻回方向に対して、互いに線対称の位置関係に配置されていることが好ましい。
【0026】
また、ボビンは、図9に示すように、巻胴部1016を分割するセパレータ1123を有する構造でもよい。その場合、二次巻線も二つの巻線に分割される。なお、一次巻線は、二次巻線の上に重ね巻きする、あるいは、二次巻線の下(二次巻線と巻胴部1016の間)に巻くの何れでもよいが、一次巻線の直流抵抗を下げる目的からは後者の方が好ましい。
【0027】
さらに、ボビンは、図10に示すように、巻胴部1016を三分割するセパレータ1226を有する構造でもよい。その場合、二つのセパレータ間に二次巻線を巻き付け、各セパレータ1226と鍔部1017(または1018)の間に二つの一次巻線を巻き付ける。なお、セパレータは、図10に示すように巻胴部1016の外周の一部に設けてもよいし、図9に示すように巻胴部1016の全周に亘って設けてもよい。
【0028】
また、複数の端子を有する場合、一次巻線が接続される端子と、二次巻線が接続される端子とは最も離れた位置に配置されることが好ましい。さらに、図11に示すように、台座部1019および1020に一次巻線用の端子と二次巻線用の端子とを離間する空隙1327を設けて、一次二次間の絶縁距離を充分にとることが好ましい。さらに、トランスをプリント基板に実装する場合は、一次巻線用の端子と二次巻線用の端子との間の基板に穿孔して絶縁距離をとることもできる。
【0029】
巻芯113が巻胴部1016を有するボビンの場合、巻胴部1016の内部には磁気コアが挿入される孔が設けられ、この孔に磁気コアを挿入することで磁路が形成される。孔の形状は、四角、楕円、円など、挿入する磁気コアの断面形状に応じて決まる。
【0030】
磁気コアは、図12に示すように、ボビンの挿入孔1431に差し込まれる主磁脚1428、ボビンの周りに配置される側磁脚1429、並びに、主磁脚1428と側磁脚1429とを結ぶ橋絡部1430を有する形状が好ましい。例えば、JIS C 2514「E形フェライト磁心」に記載されているEE形、EI形、EER形、EIR形などの形状、あるいは、JIS C 2516「ポット形フェライト磁心」に記載されているPP形、RM形、EP形などの形状を用いることができる。また、TDK株式会社製のフェライトコア、EEM形、LP形、PQ形、EPC形などの形状も適宜用いることができる。
【0031】
●電線
本実施形態に用いる電線は、とくに限定されないが、トランスの使用条件、作成条件に合う耐熱性、可撓性、耐油性、はんだ付け性、絶縁耐久性などをもつ電線を用いればよい。具体的には、JIS C 3202「エナメル線」に記載されている1種および2種油性エナメル銅線、0種、1種および2種ホルマール銅線、0種および1種ホルマールアルミニウム線、ホルマール平角銅線、0種、1種および2種ポリエステル銅線、1種、2種および3種ポリウレタン銅線、0種、1種および2種融着性ポリウレタン銅線、並びに、0種、1種および2種ポリエステルイミド銅線が使用できる。
【0032】
一次巻線には、高電流を流したときに低損失である必要から、より断面積が大きくとれる形状が好ましく、スペース効率が高い平角線も好適に使用できる。
【0033】
また、スイッチング周波数が高い場合は、一次巻線として、上記の線材を複数本より合わせた、所謂リッツ線を用いて、表皮効果による損失を低減することも好ましい。
【0034】
さらに、上記の線材を複数本平行に一体化した多本平行エナメル線なども使用することができる。
【0035】
さらに、三層の絶縁被覆を有する線材を使用すれば、一次巻線と二次巻線との間の絶縁材料の配置を省略して、トランスの作成工数を省き、トランスを小型化することができる。
【0036】
また、本実施形態のトランスにおいては、一次巻線のターン数が少ない方が、その効果は大きく、一次巻線が1ターンの場合に最大の効果が得られる。
【0037】
【実施例】
以下では様々な実施例を説明する。
【0038】
【実施例1】
図13は実施例1のトランスを説明する図で、一次巻線は1ターン、二次巻線は175ターンで、図1に示す回路構成をもつ。以下に、このトランスの具体的な作成法を順を追って説明する。
【0039】
ボビンとしてTDK株式会社のBEP−17−318Dを使用して、図14に示すように、端子104dに電線の一端を絡げ、はんだ付けする。そして、電線を巻胴部113に多層で整列に175回巻き付けた後、電線の他端を端子105dに絡げ、はんだ付けして二次巻線107とする。なお、二次巻線用に1種ポリウレタン電線(1UEW)、直径0.2mmを用いる。
【0040】
次に、基材55μm、粘着剤25μmの日東電工株式会社製のポリエステル粘着テープNo.31Cを二次巻線107上に巻き付けて、一次二次間の絶縁層にする。
【0041】
次に、直径0.1mmの1種ポリウレタン電線(1UEW)を20本束ねたリッツ線(最大仕上がり外径0.679mm)の一端を端子104aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部113に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子104bに絡げ、はんだ付けして一次巻線102とする。同様に、同種のリッツ線の一端を端子105aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部113に一次巻線102と同方向に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子105bに絡げ、はんだ付けして一次巻線103とする。
【0042】
また、比較例1として、同種の電線を使用して、図3に示した方法によりトランスを作成した。図25は比較例1のトランスを説明する図である。なお、実施例1、比較例1ともに、磁気コアにはTDK株式会社製のPC40EP17−Zをボビンの両端面の挿入孔から挿入して、層間絶縁に用いたポリエステル粘着テープNo.31Cによって磁気コアを固定し、トランスとして完成させた。
【0043】
実施例1および比較例1のトランスとしてそれぞれ10個を作成し、低抵抗計(HIOKI 3220 HiTESTER)によって各一次巻線の抵抗値を測定し、LCRメータ(HIOKI 3520 LCR HiTESTER)によって各一次巻線の1kHzにおけるインダクタンスを測定した。なお、磁気コアの特性ばらつきを考慮して、測定には、一組の磁気コアだけを使用した。
【0044】
図15および図16に測定結果を示す。比較例1のトランスの、二つの一次巻線間の抵抗値の差(平均0.45mΩ)は、二つの一次巻線の平均抵抗値(4.60mΩおよび5.05mΩ)の約9%である。これに対して、実施例1のトランスの、二つの一次巻線間の抵抗値の差(平均0.01mΩ)は、二つの一次巻線の平均抵抗値(4.57mΩ)の約0.2%であり、非常に小さい。
【0045】
また、実施例1および比較例1のトランスで、二つの一次巻線間のインダクタンスの差にほとんど違いないことを考慮すると、実施例1のトランスは、二つの一次巻線の間の直流抵抗の差を極めて低減することができたといえる。
【0046】
続いて、上記のトランスを、図17に示す回路構成の電力変換装置202に組み込み、電力変換装置202に太陽電池209および負荷210を接続して、電力変換効率を測定した。
【0047】
図18はトランスを搭載するためのプリント基板231のパターンを示す図で、トランスは図の奥側から搭載される。なお、プリント基板231には、図17に示す電力変換装置202を構成する部品を搭載するランドおよびパターンが存在するが、図18ではトランスの搭載に必要なランドおよびパターン以外は省略する。そして、トランスの端子をプリント基板231の穴に挿入し、はんだ付けすることでトランスをプリント基板231に装着する。
【0048】
端子104aおよび105bが挿入される穴はパターン238によって接続されていて、図17に示すトランス201の一次側のセンタタップが形成される。また、図17に示すスイッチング素子203および204と接続されるパターン234および235は、端子105aおよび104bが挿入される穴に接続されている。さらに、端子104dおよび105dが挿入される穴に接続されたパターン237および236は、図17に示す整流器(ダイオードブリッジ)205の端子へ接続されている。
【0049】
なお、一次巻線とスイッチング素子とを接続する二つのパターン234および235のインピーダンスは同一にすることが好ましい。
【0050】
次に、図17に示す電力変換装置202の動作の概要を説明する。
【0051】
太陽電池209から電力変換装置202の入力端子へ入力される直流電力は、キャパシタ207によって平滑化され、トランス201を介してMOS FETなどのスイッチング素子203および204へ供給される。そして、スイッチング素子203および204を交互にオン/オフすることで直流電力を交流電力に変換する。
【0052】
トランス201に入力される交流電力は、トランス201の変圧比(本実施例では1:175)に応じて昇圧され、整流器205によって整流されて直流電力に変換される。さらに、直流電力は、キャパシタ206によって平滑化された後、負荷210へ供給される。なお、負荷210へ供給される直流電力の脈流分やノイズ分の仕様によっては、整流器205とキャパシタ206との間にフィルタ用のインダクタを設けたり、インダクタおよびキャパシタ206の双方を省略する場合もある。
【0053】
さらに、図17にはスイッチング素子を二つしか示さないが、実際には三菱電機製FS100UMJをそれぞれ四並列で使用した。この場合、スイッチング素子のゲートに5Vを加えるとスイッチング素子のドレイン−ソース間の抵抗値は約0.7mΩまで低下する。従って、トランス201の一次巻線の抵抗値は電力変換装置202の変換効率に大きな影響を及ぼすことになる。
【0054】
図17に示す制御回路208は、制御用電源部209、基準波生成部210およびドライバ211から構成される。電力変換装置202の入力電圧が制御用電源部209が起動する電圧に達すると、制御用電源部209から基準波生成部210およびドライバ211に電力が供給される。基準波生成部210は、予め設定された周波数の基準矩形波を生成し、基準矩形波をドライバ211へ供給する。ドライバ211は、基準矩形波に基づき、スイッチング素子203および204を交互にオン/オフするゲートドライブ信号S1およびS2を生成し、ゲートドライブ信号S1およびS2をスイッチング素子203および204のゲートへ供給する。
【0055】
図19は筐体に内蔵された電力変換装置202が太陽電池209に取り付けられた太陽光発電装置を示す図である。太陽電池209は、ソーラシミュレータを使用して、1sunの照射強度において、最適動作電圧1V、最適動作電流10Aで動作させた。そして、実施例1および比較例1のトランスを電力変換装置202に搭載した場合の電力変換効率ηを測定した。なお、電力変換効率ηは次式で表される。
η= 電力変換装置の出力電力/電力変換装置の入力電力×100%
【0056】
図20は電力変換効率の測定結果を示す図である。図20は、比較例1のトランスを使用した場合に比べて、実施例1のトランスを用いた電力変換効率が平均で1ポイント弱高いことを示す。
【0057】
このように、実施例1のトランスによれば、二つの一次巻線間の直流抵抗の違いが低減され、電力変換装置の電力変換効率を向上することができる。
【0058】
【実施例2】
以下、実施例2のトランスを説明するが、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0059】
図21および図22は実施例2のトランスを説明する図である。なお、一次および二次巻線のターン数、ボビン、磁気コアは実施例1と同様である。また、二次巻線107の電線種および構成方法、一次二次間の絶縁方法も実施例1と同様である。
【0060】
実施例2の一次巻線は、実施例1と異なり、直径0.1mmの1種ポリウレタン電線(1UEW)を37本束ねたリッツ線(最大仕上外径1.032mm)を使用する。このリッツ線の一端を端子104aに絡げてはんだ付けし、巻胴部に一回巻き付けるが、その際、リッツ線を解ぐして巻胴部の約半分の領域に巻き付けるようにする。そして、リッツ線の他端を端子104bに絡げ、はんだ付けして、一次巻線102にする。
【0061】
ここで、上述したポリエステル粘着テープNo.31Cを巻胴部に一回巻き付ける。そして、一次巻線102と同じリッツ線の一端を端子105aに絡げてはんだ付けし、巻胴部に一次巻線102と同方向に、同様に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子105bに絡げ、はんだ付けして、一次巻線103にする。なお、一次巻線102の抵抗値は3.62mΩ、一次巻線103の抵抗値は3.57mΩになり、実施例1に比べ一次巻線抵抗値を下げることができた。
【0062】
実施例2のトランスを、実施例1と同様に、電力変換装置202に組み込み、太陽電池209と組み合わせて、実施例1と同じ条件で電力変換効率ηを測定したところ90.3%が得られ、実施例1のトランスに比べて1ポイント、電力変換効率が向上する結果が得られた。
【0063】
このように、個々の電線の断面積は同じでも素線数が多いリッツ線を一次巻線102および103として巻胴部に幅広く巻き付けることで、実施例1のトランスよりも一次巻線の抵抗値を下げることができ、電力変換効率を向上させることができる。さらに、リッツ線を解して巻回することで、抵抗値を下げるだけでなく、巻線部の高さ(大きさ)を小さくすることもでき、トランスの小型化、さらには電力変換装置の小型化が可能になる。
【0064】
【実施例3】
以下、実施例3のトランスを説明するが、実施例3において、実施例1または2と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0065】
図23および図24は実施例3のトランスを説明する図である。なお、一次および二次巻線のターン数、磁気コアは実施例1と同様である。
【0066】
実施例3では、図10に示したセパレータ1226をもつボビンを使用する。まず、直径0.1mmの1種ポリウレタン電線(1UEW)を20本束ねたリッツ線を端子104aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子104bに絡げ、はんだ付けして一次巻線102とする。同様に、同種のリッツ線の一端を端子105aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部に一次巻線102と同方向に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子105bに絡げ、はんだ付けして一次巻線103とする。
【0067】
次に、端子104dに電線の一端を絡げ、はんだ付けする。そして、電線を巻胴部に多層(または単層)で整列に175回巻き付けた後、電線の他端を端子105dに絡げ、はんだ付けして二次巻線107とする。なお、二次巻線用に1種ポリウレタン電線(1UEW)、直径0.2mmを用いる。なお、端子近傍の一次巻線と二次巻線とが交差する部分では、二次巻線に絶縁チューブを被せて絶縁を図る。なお、一次巻線102の抵抗は3.61mΩ、一次巻線103の抵抗値は3.60mΩになった。
【0068】
そして、実施例3のボビンの形状、大きさに合致するように加工したTDK株式会社製のPC40材の磁気コアをボビン両側面の挿入孔に挿入して、ポリエステル粘着テープNo.31Cにより磁気コアを固定し、トランスとして完成させた。
【0069】
このようにして作成した実施例3のトランスは、一次巻線102および103をボビンの巻胴部に直接巻き付けることができるので、二次巻線107および絶縁層の上に一次巻線102および103を巻き付ける実施例1および2に比べて、一次巻線102および103の長さが短くなり抵抗値を下げることができる。従って、実施例3のトランスを電力変換装置202に組み込んで、その電力変換効率ηを測定すると90.4%が得られ、実施例1のトランスに比べて1.1ポイント、実施例2のトランスに比べて0.1ポイント、電力変換効率が向上した。
【0070】
なお、実施例3のトランスは、実施例2のトランスと同様に、抵抗値を下げるだけでなく、巻線部の高さ(大きさ)を小さくすることができ、トランスの小型化、さらには電力変換装置の小型化が可能になる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電力変換効率を向上させることができる。
【0072】
また、電力変換装置を小型化、低背化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力変換装置の主回路が一般的なプッシュプル型スイッチング回路を有する電力変換装置のスイッチングトランスの構成を示す図、
【図2】電力変換装置の主回路が一般的なプッシュプル型スイッチング回路を有する電力変換装置のスイッチングトランスの構成を示す図、
【図3】図1および図2に示すトランスの一次巻線の様子を示す図、
【図4】実用新案登録公報に記載された一次巻線の形成方法を示す図、
【図5】実用新案登録公報に記載された一次巻線の形成方法を示す図、
【図6】実施形態のトランスの構成例を示す図、
【図7】磁気コアの形状例を示す図、
【図8】ボビンの形状例を示す図、
【図9】ボビンの形状例を示す図、
【図10】ボビンの形状例を示す図、
【図11】ボビンの形状例を示す図、
【図12】磁気コアの形状例を示す図、
【図13】実施例1のトランスを説明する図、
【図14】実施例1のトランスを説明する図、
【図15】実施例1および比較例1のインダクタンスの測定結果を示す図、
【図16】実施例1および比較例1の抵抗値の測定結果を示す図、
【図17】電力変換効率の測定に用いる電力変換装置の回路構成を示す図、
【図18】トランスを搭載するためのプリント基板のパターンを示す図、
【図19】太陽光発電装置を示す図、
【図20】電力変換効率の測定結果を示す図、
【図21】実施例2のトランスを説明する図、
【図22】実施例2のトランスを説明する図、
【図23】実施例3のトランスを説明する図、
【図24】実施例3のトランスを説明する図、
【図25】比較例1のトランスを説明する図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はトランスおよびその製造方法、電力変換装置、並びに、発電装置に関し、例えば、太陽電池などによって発電された電力の変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への取り組みなどから、太陽電池または燃料電池で発電した直流電力を、電力変換装置により、交流電力に変換して家庭内の負荷(以下「負荷」と呼ぶ)および/または商用電力系統(以下「系統」と呼ぶ)に供給する、あるいは、所定の直流電圧に変換して負荷の駆動に利用する、などが行われている。
【0003】
とくに、太陽電池に接続される電力変換装置は、太陽電池の形状に合うように小型、低背型、かつ、変換効率の高いものが要求される。電力変換装置を構成する主要部品であるトランスにも同様な要求がある。
【0004】
図1および図2は電力変換装置の主回路が一般的なプッシュプル型スイッチング回路を有する電力変換装置のスイッチングトランスの構成を示す図である。
【0005】
図1および図2において、一次巻線402および403はスイッチング素子が接続される側の巻線、二次巻線404および405は負荷が接続される側の巻線である。なお、負荷へ直流電力を供給する場合、図1に示すトランスでは全波(ブリッジ)型の整流回路が、図2に示すトランスでは全波型または二相半波形の整流回路が用いられる。
【0006】
図3は、図1および図2に示すトランスの一次巻線の様子を示す図である。一次巻線402および403が1ターンの場合、図3に示すように、電線の一端をボビン409の端子410に接続した後、ボビン409に電線を一回巻き付け、電線の他端を端子411に接続して一次巻線402にする。さらに、電線の一端をボビン409の端子411に接続した後、一次巻線402と略並列になるように電線をボビン409に一回巻き付け、電線の他端を端子412に接続して一次巻線403にする。
【0007】
図4は実用新案登録公報2530618号に記載された一次巻線の形成方法を示す図である。電線の一端を端子421に接続した後、ボビン409に電線を一回巻き付け、電線を端子422に接続して一次巻線402とし、続いて、電線をボビン409に一回巻き付け、端子423に接続して一次巻線403とする。
【0008】
図5は実用新案登録公報2530618号に記載された一次巻線の形成方法を示す図で、ボビン409の巻胴部の中央に端子を有する中鍔部430が設けてある。電線の一端を端子431に接続した後、ボビン409に電線を一回巻き付け、電線を中鍔部430の端子432に接続して一次巻線402とする。続けて、ボビン409に電線を一回巻き付けて端子433に接続して一次巻線403とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
電力変換装置の入出力の電圧比が大きい、つまり、昇圧比(一次巻線と二次巻線の巻回比)が極めて大きいスイッチングトランスを用いる場合、トランスの二次巻線に流れる電流に比べて、一次巻線に流れる電流が非常に大きくなり、一次巻線の抵抗値を小さくするために、断面積が大きい電線を一次巻線とすることが要求される。しかし、トランス自体は小型であることが好ましく、以下のような課題がある。
【0010】
例えば、一次巻線402および403が各1ターン、二次巻線404が200ターンのトランスを図3に示す方法で作成した場合、二つの一次巻線はボビン409に並列に巻回されるため、それら巻線の直流抵抗およびインダクタンスが異なり、各一次巻線が形成する磁界の大きさに差が生じ、変換効率の低下を招く。とくに、1ターンのように一次巻線のターン数が少ない場合は、ターン数が大きい場合に比べて、二つの一次巻線間の特性差が顕著になる。
【0011】
また、図4に示す方法で作成すれば、二つの一次巻線間の特性差は小さくなるが、一次巻線の長さが長くなる分、直流抵抗およびインダクタンスは増加する。
【0012】
また、図5に示す方法で作成する場合、まず、二次巻線の半分(100ターン)を巻線部434に巻き付け、残り半分(100ターン)を巻線部435に巻き付けることになるが、少なくとも中鍔部430の厚さt分、ボビン409の巻線部の長さLが長くなる。従って、二つの一次巻線間の特性差は小さくなるが、一次巻線の長さが長くなる分(図4の方法よりは短いが)、直流抵抗およびインダクタンスが増加する。
【0013】
図5に示す方法において、二次巻線を巻線部434および435に多層に巻回することで、巻線部434および435の長さL1およびL2を小さくすることも考えられる。しかし、層数を増加させればトランスのサイズが大きくなるとともに、二次巻線の直流抵抗の増加、磁気結合の低下が生じる。勿論、図4に示す形態は、中鍔部430とその端子により、トランスのコストを上昇させ、トランスのサイズを大きくする問題もある。
【0014】
本発明は、上述の問題を個々にまたはまとめて解決するためのもので、電力変換効率を向上させることを目的とする。
【0015】
また、電力変換装置の小型化、低背化を他の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0017】
本発明にかかるトランスは、電力変換装置に用いられる、昇圧比が極めて大きいトランスであって、巻芯の巻胴部にほぼ均等に巻回された二次巻線と、前記巻胴部の両端近傍にそれぞれ巻回された二つの一次巻線と、前記巻胴部の両外側に配置された複数の端子とを有し、前記二つの一次巻線はそれぞれ直近の前記端子へ電気的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる電力変換装置は、上記のトランス、および、プッシュプルスイッチング回路を構成する複数のスイッチング素子を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる発電装置は、上記の電力変換装置、および、太陽電池を有することを特徴とする。
【0020】
本発明にかかる製造方法は、電力変換装置に用いられる、昇圧比が極めて大きいトランスの製造方法であって、巻芯の巻胴部にほぼ均等に二次巻線を巻回し、前記巻胴部の両端近傍それぞれに二つの一次巻線を巻回し、前記二つの一次巻線をそれぞれ、前記巻胴部の両外側に配置された、直近の端子へ電気的に接続することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態のトランスを図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
[構成]
図6は実施形態のトランスの構成例を示す図で、巻芯113の両端部にそれぞれ一次巻線102および一次巻線103が巻き付けられていることを特徴とする。
【0023】
巻芯113は、図6に示すように、一次巻線102、103および二次巻線が巻き付けられる構造体を指し、磁気コアまたはボビンが代表である。
【0024】
巻芯113が磁気コアの場合、その特性は限定されないが、使用温度や、所望の形状を形成し易いなどから、Mn−Zn系やNi−Zn系のフェライトコアが好ましく、なかでも透磁率、飽和磁束密度が大きい材料が好ましい。この場合、磁気コアの形状は、電線の巻き付けを考慮すると棒形(I形状)が好ましく、その断面形状は角、楕円および円など適宜選択することができる。さらに、図7に示すように、Iコア914の両端にコの字形(C字形状)のコア915を突き合わせて閉磁路を形成することが好ましく、突き合わせ面に絶縁テープのような絶縁材を挟むことで磁路にギャップを形成して、巻線のインダクタンスを調整することもできる。
【0025】
また、巻芯113がボビンの場合、図8に一例を示すような構造が好ましく、巻き付けられた電線が巻胴部1016から脱落するのを防止する鍔部1017および1018が巻胴部1016の両端にあることが好ましい。さらに、鍔部1017および1018の外側には、巻胴部1016と一体成型された台座部1019および1020を有し、台座部1019および1020には複数の端子1021および1022が設けられていることが好ましい。なお、図8に示すようなピン端子ではなく、プリント基板に表面実装することが可能な表面実装用の端子でも構わない。ただし、複数の端子1021および1022のそれぞれは、電線の巻回方向に対して、互いに線対称の位置関係に配置されていることが好ましい。
【0026】
また、ボビンは、図9に示すように、巻胴部1016を分割するセパレータ1123を有する構造でもよい。その場合、二次巻線も二つの巻線に分割される。なお、一次巻線は、二次巻線の上に重ね巻きする、あるいは、二次巻線の下(二次巻線と巻胴部1016の間)に巻くの何れでもよいが、一次巻線の直流抵抗を下げる目的からは後者の方が好ましい。
【0027】
さらに、ボビンは、図10に示すように、巻胴部1016を三分割するセパレータ1226を有する構造でもよい。その場合、二つのセパレータ間に二次巻線を巻き付け、各セパレータ1226と鍔部1017(または1018)の間に二つの一次巻線を巻き付ける。なお、セパレータは、図10に示すように巻胴部1016の外周の一部に設けてもよいし、図9に示すように巻胴部1016の全周に亘って設けてもよい。
【0028】
また、複数の端子を有する場合、一次巻線が接続される端子と、二次巻線が接続される端子とは最も離れた位置に配置されることが好ましい。さらに、図11に示すように、台座部1019および1020に一次巻線用の端子と二次巻線用の端子とを離間する空隙1327を設けて、一次二次間の絶縁距離を充分にとることが好ましい。さらに、トランスをプリント基板に実装する場合は、一次巻線用の端子と二次巻線用の端子との間の基板に穿孔して絶縁距離をとることもできる。
【0029】
巻芯113が巻胴部1016を有するボビンの場合、巻胴部1016の内部には磁気コアが挿入される孔が設けられ、この孔に磁気コアを挿入することで磁路が形成される。孔の形状は、四角、楕円、円など、挿入する磁気コアの断面形状に応じて決まる。
【0030】
磁気コアは、図12に示すように、ボビンの挿入孔1431に差し込まれる主磁脚1428、ボビンの周りに配置される側磁脚1429、並びに、主磁脚1428と側磁脚1429とを結ぶ橋絡部1430を有する形状が好ましい。例えば、JIS C 2514「E形フェライト磁心」に記載されているEE形、EI形、EER形、EIR形などの形状、あるいは、JIS C 2516「ポット形フェライト磁心」に記載されているPP形、RM形、EP形などの形状を用いることができる。また、TDK株式会社製のフェライトコア、EEM形、LP形、PQ形、EPC形などの形状も適宜用いることができる。
【0031】
●電線
本実施形態に用いる電線は、とくに限定されないが、トランスの使用条件、作成条件に合う耐熱性、可撓性、耐油性、はんだ付け性、絶縁耐久性などをもつ電線を用いればよい。具体的には、JIS C 3202「エナメル線」に記載されている1種および2種油性エナメル銅線、0種、1種および2種ホルマール銅線、0種および1種ホルマールアルミニウム線、ホルマール平角銅線、0種、1種および2種ポリエステル銅線、1種、2種および3種ポリウレタン銅線、0種、1種および2種融着性ポリウレタン銅線、並びに、0種、1種および2種ポリエステルイミド銅線が使用できる。
【0032】
一次巻線には、高電流を流したときに低損失である必要から、より断面積が大きくとれる形状が好ましく、スペース効率が高い平角線も好適に使用できる。
【0033】
また、スイッチング周波数が高い場合は、一次巻線として、上記の線材を複数本より合わせた、所謂リッツ線を用いて、表皮効果による損失を低減することも好ましい。
【0034】
さらに、上記の線材を複数本平行に一体化した多本平行エナメル線なども使用することができる。
【0035】
さらに、三層の絶縁被覆を有する線材を使用すれば、一次巻線と二次巻線との間の絶縁材料の配置を省略して、トランスの作成工数を省き、トランスを小型化することができる。
【0036】
また、本実施形態のトランスにおいては、一次巻線のターン数が少ない方が、その効果は大きく、一次巻線が1ターンの場合に最大の効果が得られる。
【0037】
【実施例】
以下では様々な実施例を説明する。
【0038】
【実施例1】
図13は実施例1のトランスを説明する図で、一次巻線は1ターン、二次巻線は175ターンで、図1に示す回路構成をもつ。以下に、このトランスの具体的な作成法を順を追って説明する。
【0039】
ボビンとしてTDK株式会社のBEP−17−318Dを使用して、図14に示すように、端子104dに電線の一端を絡げ、はんだ付けする。そして、電線を巻胴部113に多層で整列に175回巻き付けた後、電線の他端を端子105dに絡げ、はんだ付けして二次巻線107とする。なお、二次巻線用に1種ポリウレタン電線(1UEW)、直径0.2mmを用いる。
【0040】
次に、基材55μm、粘着剤25μmの日東電工株式会社製のポリエステル粘着テープNo.31Cを二次巻線107上に巻き付けて、一次二次間の絶縁層にする。
【0041】
次に、直径0.1mmの1種ポリウレタン電線(1UEW)を20本束ねたリッツ線(最大仕上がり外径0.679mm)の一端を端子104aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部113に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子104bに絡げ、はんだ付けして一次巻線102とする。同様に、同種のリッツ線の一端を端子105aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部113に一次巻線102と同方向に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子105bに絡げ、はんだ付けして一次巻線103とする。
【0042】
また、比較例1として、同種の電線を使用して、図3に示した方法によりトランスを作成した。図25は比較例1のトランスを説明する図である。なお、実施例1、比較例1ともに、磁気コアにはTDK株式会社製のPC40EP17−Zをボビンの両端面の挿入孔から挿入して、層間絶縁に用いたポリエステル粘着テープNo.31Cによって磁気コアを固定し、トランスとして完成させた。
【0043】
実施例1および比較例1のトランスとしてそれぞれ10個を作成し、低抵抗計(HIOKI 3220 HiTESTER)によって各一次巻線の抵抗値を測定し、LCRメータ(HIOKI 3520 LCR HiTESTER)によって各一次巻線の1kHzにおけるインダクタンスを測定した。なお、磁気コアの特性ばらつきを考慮して、測定には、一組の磁気コアだけを使用した。
【0044】
図15および図16に測定結果を示す。比較例1のトランスの、二つの一次巻線間の抵抗値の差(平均0.45mΩ)は、二つの一次巻線の平均抵抗値(4.60mΩおよび5.05mΩ)の約9%である。これに対して、実施例1のトランスの、二つの一次巻線間の抵抗値の差(平均0.01mΩ)は、二つの一次巻線の平均抵抗値(4.57mΩ)の約0.2%であり、非常に小さい。
【0045】
また、実施例1および比較例1のトランスで、二つの一次巻線間のインダクタンスの差にほとんど違いないことを考慮すると、実施例1のトランスは、二つの一次巻線の間の直流抵抗の差を極めて低減することができたといえる。
【0046】
続いて、上記のトランスを、図17に示す回路構成の電力変換装置202に組み込み、電力変換装置202に太陽電池209および負荷210を接続して、電力変換効率を測定した。
【0047】
図18はトランスを搭載するためのプリント基板231のパターンを示す図で、トランスは図の奥側から搭載される。なお、プリント基板231には、図17に示す電力変換装置202を構成する部品を搭載するランドおよびパターンが存在するが、図18ではトランスの搭載に必要なランドおよびパターン以外は省略する。そして、トランスの端子をプリント基板231の穴に挿入し、はんだ付けすることでトランスをプリント基板231に装着する。
【0048】
端子104aおよび105bが挿入される穴はパターン238によって接続されていて、図17に示すトランス201の一次側のセンタタップが形成される。また、図17に示すスイッチング素子203および204と接続されるパターン234および235は、端子105aおよび104bが挿入される穴に接続されている。さらに、端子104dおよび105dが挿入される穴に接続されたパターン237および236は、図17に示す整流器(ダイオードブリッジ)205の端子へ接続されている。
【0049】
なお、一次巻線とスイッチング素子とを接続する二つのパターン234および235のインピーダンスは同一にすることが好ましい。
【0050】
次に、図17に示す電力変換装置202の動作の概要を説明する。
【0051】
太陽電池209から電力変換装置202の入力端子へ入力される直流電力は、キャパシタ207によって平滑化され、トランス201を介してMOS FETなどのスイッチング素子203および204へ供給される。そして、スイッチング素子203および204を交互にオン/オフすることで直流電力を交流電力に変換する。
【0052】
トランス201に入力される交流電力は、トランス201の変圧比(本実施例では1:175)に応じて昇圧され、整流器205によって整流されて直流電力に変換される。さらに、直流電力は、キャパシタ206によって平滑化された後、負荷210へ供給される。なお、負荷210へ供給される直流電力の脈流分やノイズ分の仕様によっては、整流器205とキャパシタ206との間にフィルタ用のインダクタを設けたり、インダクタおよびキャパシタ206の双方を省略する場合もある。
【0053】
さらに、図17にはスイッチング素子を二つしか示さないが、実際には三菱電機製FS100UMJをそれぞれ四並列で使用した。この場合、スイッチング素子のゲートに5Vを加えるとスイッチング素子のドレイン−ソース間の抵抗値は約0.7mΩまで低下する。従って、トランス201の一次巻線の抵抗値は電力変換装置202の変換効率に大きな影響を及ぼすことになる。
【0054】
図17に示す制御回路208は、制御用電源部209、基準波生成部210およびドライバ211から構成される。電力変換装置202の入力電圧が制御用電源部209が起動する電圧に達すると、制御用電源部209から基準波生成部210およびドライバ211に電力が供給される。基準波生成部210は、予め設定された周波数の基準矩形波を生成し、基準矩形波をドライバ211へ供給する。ドライバ211は、基準矩形波に基づき、スイッチング素子203および204を交互にオン/オフするゲートドライブ信号S1およびS2を生成し、ゲートドライブ信号S1およびS2をスイッチング素子203および204のゲートへ供給する。
【0055】
図19は筐体に内蔵された電力変換装置202が太陽電池209に取り付けられた太陽光発電装置を示す図である。太陽電池209は、ソーラシミュレータを使用して、1sunの照射強度において、最適動作電圧1V、最適動作電流10Aで動作させた。そして、実施例1および比較例1のトランスを電力変換装置202に搭載した場合の電力変換効率ηを測定した。なお、電力変換効率ηは次式で表される。
η= 電力変換装置の出力電力/電力変換装置の入力電力×100%
【0056】
図20は電力変換効率の測定結果を示す図である。図20は、比較例1のトランスを使用した場合に比べて、実施例1のトランスを用いた電力変換効率が平均で1ポイント弱高いことを示す。
【0057】
このように、実施例1のトランスによれば、二つの一次巻線間の直流抵抗の違いが低減され、電力変換装置の電力変換効率を向上することができる。
【0058】
【実施例2】
以下、実施例2のトランスを説明するが、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0059】
図21および図22は実施例2のトランスを説明する図である。なお、一次および二次巻線のターン数、ボビン、磁気コアは実施例1と同様である。また、二次巻線107の電線種および構成方法、一次二次間の絶縁方法も実施例1と同様である。
【0060】
実施例2の一次巻線は、実施例1と異なり、直径0.1mmの1種ポリウレタン電線(1UEW)を37本束ねたリッツ線(最大仕上外径1.032mm)を使用する。このリッツ線の一端を端子104aに絡げてはんだ付けし、巻胴部に一回巻き付けるが、その際、リッツ線を解ぐして巻胴部の約半分の領域に巻き付けるようにする。そして、リッツ線の他端を端子104bに絡げ、はんだ付けして、一次巻線102にする。
【0061】
ここで、上述したポリエステル粘着テープNo.31Cを巻胴部に一回巻き付ける。そして、一次巻線102と同じリッツ線の一端を端子105aに絡げてはんだ付けし、巻胴部に一次巻線102と同方向に、同様に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子105bに絡げ、はんだ付けして、一次巻線103にする。なお、一次巻線102の抵抗値は3.62mΩ、一次巻線103の抵抗値は3.57mΩになり、実施例1に比べ一次巻線抵抗値を下げることができた。
【0062】
実施例2のトランスを、実施例1と同様に、電力変換装置202に組み込み、太陽電池209と組み合わせて、実施例1と同じ条件で電力変換効率ηを測定したところ90.3%が得られ、実施例1のトランスに比べて1ポイント、電力変換効率が向上する結果が得られた。
【0063】
このように、個々の電線の断面積は同じでも素線数が多いリッツ線を一次巻線102および103として巻胴部に幅広く巻き付けることで、実施例1のトランスよりも一次巻線の抵抗値を下げることができ、電力変換効率を向上させることができる。さらに、リッツ線を解して巻回することで、抵抗値を下げるだけでなく、巻線部の高さ(大きさ)を小さくすることもでき、トランスの小型化、さらには電力変換装置の小型化が可能になる。
【0064】
【実施例3】
以下、実施例3のトランスを説明するが、実施例3において、実施例1または2と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0065】
図23および図24は実施例3のトランスを説明する図である。なお、一次および二次巻線のターン数、磁気コアは実施例1と同様である。
【0066】
実施例3では、図10に示したセパレータ1226をもつボビンを使用する。まず、直径0.1mmの1種ポリウレタン電線(1UEW)を20本束ねたリッツ線を端子104aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子104bに絡げ、はんだ付けして一次巻線102とする。同様に、同種のリッツ線の一端を端子105aに絡げ、はんだ付けする。そして、リッツ線を巻胴部に一次巻線102と同方向に一回巻き付けた後、リッツ線の他端を端子105bに絡げ、はんだ付けして一次巻線103とする。
【0067】
次に、端子104dに電線の一端を絡げ、はんだ付けする。そして、電線を巻胴部に多層(または単層)で整列に175回巻き付けた後、電線の他端を端子105dに絡げ、はんだ付けして二次巻線107とする。なお、二次巻線用に1種ポリウレタン電線(1UEW)、直径0.2mmを用いる。なお、端子近傍の一次巻線と二次巻線とが交差する部分では、二次巻線に絶縁チューブを被せて絶縁を図る。なお、一次巻線102の抵抗は3.61mΩ、一次巻線103の抵抗値は3.60mΩになった。
【0068】
そして、実施例3のボビンの形状、大きさに合致するように加工したTDK株式会社製のPC40材の磁気コアをボビン両側面の挿入孔に挿入して、ポリエステル粘着テープNo.31Cにより磁気コアを固定し、トランスとして完成させた。
【0069】
このようにして作成した実施例3のトランスは、一次巻線102および103をボビンの巻胴部に直接巻き付けることができるので、二次巻線107および絶縁層の上に一次巻線102および103を巻き付ける実施例1および2に比べて、一次巻線102および103の長さが短くなり抵抗値を下げることができる。従って、実施例3のトランスを電力変換装置202に組み込んで、その電力変換効率ηを測定すると90.4%が得られ、実施例1のトランスに比べて1.1ポイント、実施例2のトランスに比べて0.1ポイント、電力変換効率が向上した。
【0070】
なお、実施例3のトランスは、実施例2のトランスと同様に、抵抗値を下げるだけでなく、巻線部の高さ(大きさ)を小さくすることができ、トランスの小型化、さらには電力変換装置の小型化が可能になる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電力変換効率を向上させることができる。
【0072】
また、電力変換装置を小型化、低背化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電力変換装置の主回路が一般的なプッシュプル型スイッチング回路を有する電力変換装置のスイッチングトランスの構成を示す図、
【図2】電力変換装置の主回路が一般的なプッシュプル型スイッチング回路を有する電力変換装置のスイッチングトランスの構成を示す図、
【図3】図1および図2に示すトランスの一次巻線の様子を示す図、
【図4】実用新案登録公報に記載された一次巻線の形成方法を示す図、
【図5】実用新案登録公報に記載された一次巻線の形成方法を示す図、
【図6】実施形態のトランスの構成例を示す図、
【図7】磁気コアの形状例を示す図、
【図8】ボビンの形状例を示す図、
【図9】ボビンの形状例を示す図、
【図10】ボビンの形状例を示す図、
【図11】ボビンの形状例を示す図、
【図12】磁気コアの形状例を示す図、
【図13】実施例1のトランスを説明する図、
【図14】実施例1のトランスを説明する図、
【図15】実施例1および比較例1のインダクタンスの測定結果を示す図、
【図16】実施例1および比較例1の抵抗値の測定結果を示す図、
【図17】電力変換効率の測定に用いる電力変換装置の回路構成を示す図、
【図18】トランスを搭載するためのプリント基板のパターンを示す図、
【図19】太陽光発電装置を示す図、
【図20】電力変換効率の測定結果を示す図、
【図21】実施例2のトランスを説明する図、
【図22】実施例2のトランスを説明する図、
【図23】実施例3のトランスを説明する図、
【図24】実施例3のトランスを説明する図、
【図25】比較例1のトランスを説明する図である。
Claims (18)
- 電力変換装置に用いられる、昇圧比が極めて大きいトランスであって、
巻芯の巻胴部にほぼ均等に巻回された二次巻線と、
前記巻胴部の両端近傍にそれぞれ巻回された二つの一次巻線と、
前記巻胴部の両外側に配置された複数の端子とを有し、
前記二つの一次巻線はそれぞれ直近の前記端子へ電気的に接続されていることを特徴とするトランス。 - 前記巻芯は棒形の磁気コアであることを特徴とする請求項1に記載されたトランス。
- さらに、前記棒形の磁気コアの長手方向の両端面それぞれに磁気的に結合され、磁路を形成する一組のコの字形の磁気コアを有することを特徴とする請求項2に記載されたトランス。
- 前記巻芯は、筒状の前記巻胴部を有するボビンであることを特徴とする請求項1に記載されたトランス。
- 前記ボビンは、前記巻胴部の両外側に台座部を有し、前記複数の端子は、前記台座部に巻回方向と略平行に配置されていることを特徴とする請求項4に記載されたトランス。
- 前記複数の端子は、前記台座部に埋設された複数のピン端子であることを特徴とする請求項5に記載されたトランス。
- 前記一次巻線が電気的に接続される端子と、前記二次巻線が電気的に接続される端子との間の前記台座部には空隙が設けられていることを特徴とする請求項5に記載されたトランス。
- 前記ボビンは、前記巻胴部の両端に鍔部を有することを特徴とする請求項4に記載されたトランス。
- 前記ボビンは、前記巻胴部を分割する二つのセパレータを有し、そのセパレータの一つと前記鍔部との間に前記一次巻線が巻回され、前記二つのセパレータ間に前記二次巻線が巻回されていることを特徴とする請求項8に記載されたトランス。
- 前記巻胴部の内部には、磁気コアを挿入するための孔があることを特徴とする請求項4に記載されたトランス。
- 前記磁気コアは、前記孔に挿入される主磁脚と、前記ボビンの外側に配置される側磁脚と、前記主磁脚および前記側磁脚とを磁気的に結合する橋絡部とを有することを特徴とする請求項10に記載されたトランス。
- 前記一次または二次巻線として複数の絶縁被覆電線を束ねた電線を使用することを特徴とする請求項1に記載されたトランス。
- 前記一次巻線は、複数の絶縁被覆電線を束ねた電線を解して巻回されていることを特徴とする請求項1に記載されたトランス。
- 前記一次または二次巻線として平角電線を使用することを特徴とする請求項1に記載されたトランス。
- 請求項1から請求項14の何れかに記載されたトランス、および、プッシュプルスイッチング回路を構成する複数のスイッチング素子を有することを特徴とする電力変換装置。
- 前記複数のスイッチング素子はそれぞれ、複数のスイッチング素子が並列接続されていることを特徴とする請求項15に記載された電力変換装置。
- 請求項15または請求項16に記載された電力変換装置、および、太陽電池を有することを特徴とする発電装置。
- 電力変換装置に用いられる、昇圧比が極めて大きいトランスの製造方法であって、
巻芯の巻胴部にほぼ均等に二次巻線を巻回し、
前記巻胴部の両端近傍それぞれに二つの一次巻線を巻回し、
前記二つの一次巻線をそれぞれ、前記巻胴部の両外側に配置された、直近の端子へ電気的に接続することを特徴とする製造方法。
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2002
- 2002-06-14 JP JP2002174146A patent/JP2004022721A/ja not_active Abandoned
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