【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスによる絞り成形紙容器に関するものであり、さらに詳しくは絞り成形性がよく、かつピンホール等が起こりにくい、シール蓋等で密封が可能な絞り成形紙容器に関するものである。
【従来の技術】
【０００２】
従来、紙を成形して皿状（トレー）にした容器は、使い捨ての容器として使用されている。トレー状の紙容器としては実用新案第１６６２４７９号に記載されているように、表面にプラスチックフィルム層を有する厚紙をプレス成形して構成されているもの、他にも特公昭５６−４８３００号公報、実開平６−８０６１５号公報、特開昭６３−１７６１３０号公報等にもプレス成形による同様の紙容器が示されている。さらに、紙を深く成形した絞り紙容器も実用化されている。
【０００３】
これらプレスによる絞り成形紙容器は、そのフランジ部は段差が大きく、熱可塑性樹脂を表面に積層させたり、フランジ部にあらかじめ罫線を施すことにより、凹凸の型を用いて熱と圧力で絞り込み、少しでもフランジ部の段差を小さくしてシール蓋で密閉出来る状態に近づけるという成形方法が一般的である。
【０００４】
また、従来の絞り成形による紙容器としては、美しい絞り加工するためにブランクスに図１に示すような罫線２を有する。さらには、蓋シールのためのフランジ部分５を有するものが多い。特に、フランジ部のコーナーは凹凸の型を用いて熱と圧力で絞り込むという成形方法では、段差が大きく、すきまもあり、密閉構造さらにはバリア性を有する容器構造を得るのは困難である。ここで言うすきまとは、紙シワにより生じるトンネル状の空孔で、その拡大図を図２に示す。そこで、このトンネル状空孔の隙間部分を塞いで密閉構造を得る方法として、特開２０００−３３９２７、特開平１０−４３０２７などでは、絞り成形紙容器の成形後にフランジの紙シワ部分に超音波もしくは高周波加工を施す方法を用いている。
【０００５】
以上のような方法を用いた、成形をしやすい紙としては、低密度の厚み方向の圧縮率が大きい板紙を用いることが良いと言うことも知られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の紙容器では絞り成形後のフランジ部のシワが綺麗に折りたたむのにかなりの絞り成形での工夫が必要である。例えば、罫線を深く入れたり、紙の滑り性を改善したりすることが考えられる。これらの工夫は品質面での保証が難しく、安定した成形が困難である。
【０００７】
さらに、低密度の厚み方向の圧縮率が大きい板紙を用いると成形性は大きく向上するが、成形後の紙容器の剛性が足りない、紙の密度が低いため罫線がしっかり入らない等の問題が出てきており、素材面での工夫は必要である。
【０００８】
本発明は、上記の技術的背景を考慮してなされたもので、絞り成形紙容器に用いられる紙基材層と熱可塑性樹脂層とからなる積層体、およびこの積層体を用いた絞り成形性がよく、かつピンホール等が起こりにくい、シール蓋等で密封が可能な絞り成形紙容器を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項１に係る発明は、絞り成形紙容器に用いられる紙基材層と熱可塑性樹脂層とからなる積層体において、前記紙基材のテーバー剛度が、絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて、紙目と平行方向および垂直方向のいずれも、１０％以上４０％以下の範囲で小さくなることを特徴とする絞り成形紙容器用積層体である。
【００１０】
請求項２に係る発明は、絞り成形紙容器に用いられる紙基材層と熱可塑性樹脂層とからなる積層体において、前記紙基材の引張強度が、絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて、紙目と平行方向および垂直方向のいずれも、８％以上大きくなることを特徴とする絞り成形紙容器用積層体である。
【００１１】
請求項３に係る発明は、１または２記載の絞り成形紙容器用積層体において、前記紙基材が、熱可塑性樹脂を３％以上３０重量％未満含まれていることを特徴とする。
【００１２】
請求項４に係る発明は、請求項１または２記載の絞り成形紙容器用積層体を用いて成形されたことを特徴とする絞り成形紙容器である。
【００１３】
請求項５に係る発明は、請求項４記載の絞り成形紙容器において、前記絞り成形紙容器が、フランジ部を有することを特徴とする。
【００１４】
請求項６に係る発明は、請求項４または５記載の絞り成形紙容器において、前記フランジ部に、予め罫線が設けられており、該罫線に沿って紙シワが生じることを特徴とする。
【００１５】
請求項７に係る発明は、請求項４〜６のいずれか１項に記載の絞り成形紙容器において、前記フランジ部に生じる紙シワ部分の熱可塑性樹脂層空孔部のみに超音波もしくは高周波加工により、該孔を溶着、閉塞させたことを特徴とする。
【００１６】
請求項８に係る発明は、請求項４〜７のいずれか１項に記載の絞り成形紙容器において、前記空孔部を閉塞したフランジ部分の厚みが、紙基材の厚みの５０％〜２５０％の範囲にあることを特徴とする。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施例としての実施形態について詳細に説明する。本発明の絞り成形紙容器に用いられる紙基材層と熱可塑性樹脂層とからなる積層体は、紙基材が絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べてテーバー剛度が紙目と平行方向、紙目と垂直方向ともに、１０％以上４０％以下の範囲で小さくなることを特徴とするものである。
【００１８】
また、本発明の絞り成形紙容器に用いられる紙基材層と熱可塑性樹脂層とからなる積層体は、紙基材の引張強度が、絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて、紙目と平行方向および垂直方向のいずれも、８％以上大きくなることを特徴とするものである。
【００１９】
本発明における紙基材は、１００％バ−ジンパルプのものから古紙を含んだコ−トボ−ル、片面にクレイコート処理されたものなど様々な種類の原紙の紙基材を用いることが可能である。また、これらの紙基材に抄紙段階あるいは抄紙後の二次加工として外添により、剛性、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を内添あるいは含浸したものも問題なく使用できる。ただし、ここでの紙基材は、いわゆる紙の種類に限定されるものではない。そして紙の坪量は、１５０ｇ／ｍ２〜６００ｇ／ｍ２の範囲で目的とする容器に応じて適宜選択すれば良い。また、紙の密度（ρ）が、ρ≦１ｇ／ｃｍ３の範囲ならば成形可能なるも、容器に形成するフランジ部の平滑性を考えると、ρ≦０．７ｇ／ｃｍ３の範囲が成形後の美粧性があり、フランジ部の段差が３０μｍ程度と成形しやすく良い。また、紙の表面性、印刷適性、紙容器の強度を考慮すると、ρ≧０．４ｇ／ｃｍ３の範囲が好ましい。
【００２０】
次に、本発明では前記に記した紙基材の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層を設けることにより、図１（ｂ）に示すように、熱シール蓋材による熱シールが可能になるだけでなく、絞り紙容器の成形時の紙切れ、破れが熱可塑性樹脂からなるフィルムによる絞り時のせん断力の吸収により、さらに抑えられると考えられる。内面だけでなく、外面にも樹脂層を設けることにより、この成形の効果はさらに大きくなると考えられる。
【００２１】
上記熱可塑性樹脂層としては、内容物の保護性、特に液状の物質を入れても洩れない機能、また、熱シールにより蓋材とのシール性、成形性、耐熱性、などの機能を持っている必要がある。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂あるいはそれらの混合物やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、そしてポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコールその他各種の熱可塑性樹脂層、フィルム状になったものを単独ないし、積層して使用することが出来る。望ましくはガスバリア性を付与させたフィルムを積層させておくと、この絞り紙容器の機能がより効果的に表れてくる。積層フィルム厚さとしては、合わせて１０μ〜１５０μｍの範囲が望ましい。１０μ以下なればフィルムの効果が少なく、また、１５０μ以上なれば紙容器として、易焼却性に欠けると考えている。
【００２２】
さらに、本発明の紙基材は、熱可塑性樹脂が紙基材重量に対して３％以上３０％未満含まれていることを特徴とするものである。熱可塑性樹脂が紙基材に含有されていることにより、さらに絞り成形に関して良好な現象がみられる。
【００２３】
紙基材に含浸される熱可塑性樹脂としては、衛生性、成形性、耐熱性、生分解性などの機能を持っていると望ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂あるいはそれらの混合物やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、そしてポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコールその他各種の熱可塑性樹脂が用いることが出来る。含有量としては、３％未満であると上記の十分な機能を果たすことが出来ないと思われ、３０％以上含まれると、樹脂成分が多すぎて、紙容器としての易焼却性、環境適性に欠けると考えられる。
【００２４】
本発明の絞り成形紙容器は、上記の積層体を用いて成形されたことを特徴とする絞り成形紙容器である。
【００２５】
以下に、図面を参照しながら、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明のシール蓋による密封性の高いシールが可能なフランジ部を有する密封型の絞り紙容器は図１（ａ）に示すような罫線部２を有するブランク１を絞ることにより図１（ｂ）に示すような容器３となる。
【００２６】
本発明の絞り成形紙容器の作成工程を図１、図３を用いて簡単に説明する。
まず、図１（ａ）に示すようなブランク１を打ち抜き加工で作成する。このブランク１にはあらかじめ成形した時にシワの入りやすい部分に罫線２を多数本で出来るだけ深く、均等に施していると、より美しく作成でき、成形もしやすい。この罫線２の加工は打ち抜き加工と同時に行うことが出来る。
【００２７】
次に、このブランク１を図１（ｂ）に示す絞り成形紙容器本体３に成形するが、この成形は図３に示すような雄型１３及び雌型１４にフランジ押さえ板１５から構成されるプレス成形機１２からなる。挿入されたブランク１はフランジ押さえ板１５により外側を押さえられながら、雄型１３により徐々に滑りながら雌型１４により入っていき、プレス成形される工程となっている。本プレス機にかける圧力と、雄型１３と雌型１４間のクリアランスによりフランジ部と側面部に生じる紙シワの大きさを適宜決定することが可能である。
【００２８】
また、本発明での雄雌それぞれに与える金型の温度としては、熱可塑性樹脂の軟化点、融点により適宜決めることが可能であるが、２５０℃を越えると、パルプのセルロース繊維自体が分解をはじめてしまうので紙自体に焦げ付きが生じてしまい好ましくない。
【００２９】
さらに好ましくは、成形時に板紙の水分率があらかじめの調湿により１０％以上あればより良い成形性が得られるが、図１（ａ）に示す成形時前のブランク１に、あらかじめ水を噴霧してやり、瞬間的に紙に含まれる含水量を増やすことで、成形時の紙の伸びを促進し、破れにくく、紙容器の仕上がりをも良くすることも可能である。
【００３０】
そこで、本発明の紙基材が絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べてテーバー剛度が紙目と平行方向、紙目と垂直方向ともに、１０％以上４０％以下の範囲で小さくなることを可能とする具体的な方法であるが、紙の抄紙段階で樹脂や薬剤を適宜混入させる方法、２次加工として前述の紙基材に薬剤を塗布、含浸させる方法等考えられる。
【００３１】
機能的には、樹脂などを混入させるのならば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が安価で、好ましく用いられる。また、薬剤ならば熱をかけることにより軟化するアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、イソシアネート樹脂系、ポリ乳酸樹脂系など、本発明の加熱加圧によりテーバー剛度が落ちていく機能が発現するかぎり使用することが出来る。これにより、絞り成形紙容器の底部コーナーの成形性とフランジ部のシワの折りたたみの成形性が大きく向上する。
【００３２】
これは、従来の低密度では無いとされる通常の紙基材でより機能が大きく表れる。特にテーバー剛度が大きく、腰の強い紙基材に関して、絞り成形時に前述の例のような内添、外添の作業を行うことで、テーバー剛度が成形時熱圧により一時的に大きく下がることで、腰が弱くなり、破れや切れのない成形が可能となることになる。
【００３３】
テーバー剛度の落ちる度合いは、容器形状による所も大きいが、紙の厚みが小さくなることも考慮して、１０％以上でないと十分な成形性向上の能力が得られるとは言い難い。さらにテーバー剛度が４０％以上ダウンすると、紙基材の加工にコストがかかりすぎてしまう、成形後の容器強度が十分では無いという弊害があり好ましくない。
【００３４】
以上のように、薬剤、樹脂の混抄、内添、外添により、絞り成形の加熱加圧時処理により、テーバー剛度が紙目と平行方向、紙目と垂直方向ともに、１０％以上４０％以下の範囲で小さくなることにより、通常の紙基材はもちろん、腰のある、強度をもった紙基材であっても成形性の向上した絞り成形紙容器を得ることが可能となる。
【００３５】
本発明の絞り成形紙容器において、紙基材が絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて引張強度が紙目と平行方向、紙目と垂直方向ともに８％以上大きくなることを特徴とする絞り成形紙容器としたものである。
【００３６】
絞り成形時にかかる熱圧は適宜８％以上になるように調整可能である。本発明の引っ張り強度の向上により成形後の容器の強度が飛躍的に向上する。絞り成形自体は、紙の成形後の戻りを小さくするために１１０℃〜１５０℃の熱を金型にかけて置いて成形するのが望ましく、この範囲内で引っ張り強度が向上させることが望ましい。
【００３７】
そこで、本発明の絞り成形紙容器において、紙基材が絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて引張強度が紙目と平行方向、紙目と垂直方向ともに８％以上大きくなることを可能とする具体的な方法であるが、紙の抄紙段階で樹脂や薬剤を適宜混入させる方法、２次加工として前述の紙基材に薬剤を塗布、含浸させる方法等考えられる。
【００３８】
機能的には、樹脂などを混入させるのならば、紙の結合力をさらに熱により高められる熱可塑性の樹脂が好ましく用いられる。これは前述のテーバー剛度を下げる樹脂構成と併用しても良い。通常の紙の紙力強度を水分との結合、水素結合の力だけでなく、紙中の水分と簡単に反応する、イソシアネート基を含むもの、また、紙中セルロースの水酸基と反応する基、さらに３次元構造を含む架橋反応を起こすような炭素、炭素２重結合、３重結合、等の置換基が存在すると好ましく用いられる。さらに、薬剤ならば熱をかけることにより軟化するアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、イソシアネート樹脂系、ポリ乳酸樹脂系など紙力強度を高める反応が熱圧により早まる反応基を持つものが好ましい。
【００３９】
本発明の紙容器がフランジ部を有することを特徴とする絞り成形紙容器としたものである。
【００４０】
本発明のフランジ部を有する紙容器があらかじめ罫線により、折りたたまれる箇所が決まっており、その折りたたみ線に従って紙シワが生じることを特徴とした絞り成形紙容器としたものである。
【００４１】
本発明のフランジ部を有する絞り成形紙容器において、成形後、フランジに生じる紙シワ部分の空孔部のみに超音波、高周波溶着させることを特徴とする絞り成形紙容器としたものである。
【００４２】
さらに、本発明の前記の成形方法で作られた、フランジ部をもつ絞り成形紙容器をつくることにより、図１（ｂ）に示すようなシール蓋が可能となる。この折りたたみ部は成形金型により適宜段差形状、厚み、折りたたみ数など決定できる。さらに、絞り成形後、図２に示すように、罫線による凹み分の有るフランジ部のトンネル状空孔部分１１のみに超音波溶着あるいは高周波溶着あるいはバイブレーション溶着法等により表面の熱可塑性樹脂を溶融する事により、凹み部分のトンネル状の空孔を埋めることが可能となる。
【００４３】
図４に超音波溶着の例を示す。成形された紙容器フランジ凹凸部をアンビル１８と超音波ホーン１７ではさみ、加圧し、発振させることにより内部発熱を起こさせ、表面の熱可塑性樹脂を軟化、流動させてフランジ部の凹凸を埋める。同時に紙も、加圧により潰され、フランジ部の強度が増し、容器全体の強度も向上する。
【００４４】
本発明により、加工しやすく、成形後の強度が増す構造の紙容器に、さらにフランジ強度が強く、シール蓋で液体などの流動性の高い内容物を入れても漏れることのない完全密封、さらにはガスバリア性も有する気体密封性も兼ね備える絞り成形紙容器が可能となる。
【００４５】
本発明における紙基材が、熱可塑性樹脂を紙基材重量に対して３％以上３０％未満含むことを特徴とするものである。
【００４６】
本発明において、熱可塑性樹脂が紙基材に含有されていることにより、さらに絞り成形に関して良好な現象がみられる。
【００４７】
まず、前記のような様々な紙基材に対して、成形前の抜き工程における罫線加工を破れることなくより深く入れることが出来る。これは紙層間強度が熱可塑性樹脂により大きくなり、罫線加工の対する紙の耐性が上がっていると考えられる。さらに、絞り成形時に紙基材が加熱することにより、熱可塑性樹脂が一部もしくは全部溶融することにより、加工性と加工後の強度が増す。さらに紙基材全体の伸び率、滑り性などが良くなり、美しい成形が得られ、容器自体に耐水性、耐油性、耐熱水性、耐衝撃性等の付加機能を付与することが出来る。
【００４８】
本発明の絞り成形紙容器が絞り成形と積層された熱可塑性樹脂を超音波もしくは高周波溶着させることでフランジ部のトンネル状の空孔を閉塞した後、フランジ部分の加工をすることでフランジ部分の紙厚みを紙基材の厚みに対して５０％〜２５０％にしていることを特徴とする絞り成形紙容器、としたものである。
【００４９】
さらに、図２に示す紙容器のフランジ部のトンネル状空孔９を各種溶着法により熱可塑性樹脂を溶融する事で密閉構造を得た後、フランジ部のみをプレスなどにより潰すことで、シールしやすい容器となる。
【００５０】
前記超音波もしくは高周波加工によるフランジ部分の溶着過程の工程のみでは、フランジ部分の凹凸の段差は大きく、フランジ強度が出にくい、シールがしにくいなどの不都合が生じる。フランジの厚みをフランジの密閉構造を得た後に、プレスなどの加工で前記空孔部を閉塞したフランジ部の厚みを紙基材の厚みの５０〜２５０％にすることでこれらの不都合は解消され、容器全体の強度及びシール蓋開封時に生じるピール強度に対するフランジ部の耐性も増す。
【００５１】
本発明の絞り成形紙容器の具体的な製造方法の一例としては、図５に示すように、プレス機を用いて表面の平滑なプレス板１９及びフランジ部のみを押さえるアンピル２０に容器２１を置くとフランジ部のみに集中的に圧力をかけることが可能である。アンピルの容器型を多く設けることにより、まとめてプレスすることが出来、生産効率も悪くないと考えられる。プレス圧に対して、紙厚が５０％未満になると、紙基材自体の耐性が無くなり、容器のフランジ部強度が出ず、密閉構造が得られてもシール後のピール感に難がある等の不都合があると考えられる。また、２５０％以上になるとフランジ部の凹凸が大きすぎて、密閉するのにシール蓋などをつけるのが極めて困難な容器になると考えられる。
【００５２】
以上、本発明により、シールしやすく、密閉構造を得るのが容易な絞り成形紙容器が得られる。これにより、容器フランジ部の強度も強く、開封性も良くイージーピール可能な絞り成形紙容器を得ることができる。
【００５３】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例を以下に詳細に説明する。
【００５４】
＜実施例１＞
本発明による絞り成形紙容器の実施例のサンプルを次の仕様により作成した。［絞り成形紙容器本体の仕様］
形状：四角形状（コーナー部１／４円形）
内容量：２５０ｍｌ
フランジ部の幅：１０ｍｍ
高さ：３０ｍｍ
［材料構成］
絞り紙容器本体４：紙（樹脂混抄紙：ポリエチレン樹脂３０％混抄）３５０ｇ／ｍ２／ＰＥポリエチレン２０μｍ／（ＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）／ＰＰ（ポリプロピレン））多層フィルム４０μｍ
蓋フィルム７：酸化ケイ素蒸着 ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）１２μｍ／ＣＰＰ（無延伸ポリプロピレン）４０μｍ
【００５５】
紙（樹脂混抄紙：ポリエチレン樹脂３０％混抄）３５０ｇ／ｍ２には、データとして１５０℃ 圧力２．２ＭＰａの条件でプレスを行い、プレス前後でテーバー剛度２７％の減少、引っ張り強度１３％の向上を確認した。この紙基材を用いて押出エクストルーダーラミネーション法により３１０℃にてポリエチレン樹脂を流しながら、ＬＤＰＥ／ＰＰの多層フィルムを張り合わせラミネートした。その後、抜き成形にて約１５０μｍの罫線をつけながら図１（ａ）のブランク１を作成し、図３のように絞り成形を行った。金型温度は雄型１３フィルム側、１００℃、雌型１４紙側を１５０℃にてフランジ部を押さえ板１５で押さえながら成形を行った。型のクリアランスはフランジ部３５０μｍ、側面部３００μｍとして絞り成形を型締め力１５ｔで行った。
【００５６】
さらに、超音波処理を図４に従い、シリンダー圧２００ｋＰａ、溶着時間０．３ｓで処理をして、蓋シール７の評価を行った。このとき、フランジの凹凸部のみに当たるようにホーンに凹凸をつけて、シワ部空孔１１のみにホーンが当たるようにホーンの加工を行った。蓋シール７を上記の構成で、シール時間３ｓ、シール温度１５０℃、シール圧力０．３ＭＰａでシールし、ピンホールチェック液にて密閉の評価を行った。その結果、混抄樹脂が溶けだした後、美しく仕上がり、側面部のシワもほとんど無く、絞り成形時の熱によりポリエチレン樹脂が溶融することで綺麗な剛度のある仕上がりの、フランジの密閉状態も完全に液体の漏れを防ぐレベルの良い絞り成形紙容器が作成できた。
【００５７】
＜比較例１＞
本発明による絞り成形紙容器の実施例のサンプルを次の仕様により作成した。
［絞り成形紙容器本体の仕様］
形状：四角形状（コーナー部１／４円形）
内容量：２５０ｍｌ
フランジ部の幅：１０ｍｍ
高さ：３０ｍｍ
［材料構成］
絞り紙容器本体４：紙（カップ紙）３５０ｇ／ｍ２／ＰＥポリエチレン２０μｍ／（ＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）／ＰＰ（ポリプロピレン））多層フィルム ４０μｍ
蓋フィルム７：酸化ケイ素蒸着 ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）１２μｍ／ＣＰＰ（無延伸ポリプロピレン）４０μｍ
紙（カップ紙）３５０ｇ／ｍ２には、データとして１５０℃ 圧力２．２ＭＰａの条件でプレスを行い、プレス前後でテーバー剛度９％の減少、引っ張り強度６％の向上を確認した。この紙基材に押出エクストルーダーラミネーション法により３１０℃にてポリエチレン樹脂を流しながら、ＬＤＰＥ／ＰＰの多層フィルムを張り合わせラミネートした。その後、抜き成形にて約１５０μｍの罫線をつけながら図１（ａ）のブランク１を作成し、図３のように絞り成形を行った。金型温度は雄型１３フィルム側、１００℃、雌型１４紙側を１５０℃にてフランジ部を押さえ板１５で押さえながら成形を行った。型のクリアランスはフランジ部３５０μｍ、側面部３００μｍとして絞り成形を型締め力１５ｔで行った。
【００５８】
さらに、超音波処理を図４に従い、シリンダー圧２００ｋＰａ、溶着時間０．３ｓで処理をして、蓋シール７の評価を行った。蓋シール７を上記の構成で、シール時間３ｓ、シール温度１５０℃、シール圧力０．３ＭＰａでシールし、ピンホールチェック液にて密閉の評価を行った。その結果、側面部の紙シワは大きく残り、超音波処理がうまくいかず、フランジ部の空孔１１からピンホールチェック液のシール抜けが見られて、望んだ密閉性は得ることは出来なかった。さらにフランジの紙シワのバラツキが大きく、容器の剛性も得られなかった。
【００５９】
【発明の効果】
本発明により、紙基材と熱可塑性樹脂の積層体から成形された絞り成形紙容器において、紙基材のテーバー剛度が、絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて、紙目と平行方向および紙目と垂直方向のいずれも、１０％以上４０％以下の範囲で小さくなる紙基材と熱可塑性樹脂の積層体を成形してなる絞り成形紙容器とすることで、フランジ部の紙シワが綺麗に高さをそろえて折りたたむ成形性の良い、絞り成形紙容器を提供できる。
【００６０】
また、また紙基材の引張強度が、絞り成形時にかかる熱圧により成形前に比べて、紙目と平行方向および垂直方向のいずれも、８％以上大きくなる紙基材と熱可塑性樹脂の積層体を成形してなる絞り成形紙容器とすることで、熱プレス後の引っ張り強度の向上により、剛性のある、容器強度に優れた絞り成形紙容器を提供できる。
【００６１】
さらに、フランジ部に生じた紙シワ部の凹凸面を超音波もしくは高周波加工やプレス成形などにより、凹凸の少ない平滑面を形成し、シール蓋による密封性の高いシールが可能なフランジ部を有する密閉型の絞り成形紙容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）は、本発明の絞り成形紙容器の容器本体のブランクの一例を示した平面図である。
（ｂ）は、本発明の絞り成形紙容器の密封蓋付き容器の一例を示した斜視図である。
【図２】本発明の絞り成形紙容器のフランジ部紙シワ部分を拡大して示した拡大図である。
【図３】本発明の絞り成形紙容器の容器本体の絞り成形する工程の一例を示した概略断面図である。
【図４】本発明の絞り成形紙容器の容器本体のフランジ部の紙ジワ部に超音波加工を施す工程の一例を示した概略断面図である。
【図５】本発明の絞り成形紙容器のフランジ部をプレス成形する工程の一例を示した概略断面図である。
【符号の説明】
１：ブランク
２：罫線
３：絞り成形紙容器
４：絞り成形紙容器本体
５：フランジ部
６、８：紙シワ部
７：蓋材
９：紙基材層
１０：熱可塑性樹脂層
１１：紙シワ部トンネル状空孔
１２；絞り成形機
１３：絞り成形機雄型
１４：絞り成形機雌型
１５：押さえ板
１６：スプリング
１７：超音波ホーン
１８：超音波治具受けアンビル
１９：プレス機平滑押し板
２０：プレス機受けアンピル[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a drawn paper container by pressing, and more particularly, to a drawn paper container which has good drawability and hardly causes pinholes and can be sealed with a seal lid or the like.
[Prior art]
[0002]
2. Description of the Related Art Conventionally, a container in which paper is formed into a dish shape (tray) has been used as a disposable container. As a tray-shaped paper container, as described in Utility Model No. 1662479, a paper container formed by press-molding a cardboard having a plastic film layer on the surface, other than JP-B-56-48300, JP-A-6-80615 and JP-A-63-176130 also show similar paper containers formed by press molding. Further, squeezed paper containers formed by deeply forming paper have also been put to practical use.
[0003]
These press-formed paper containers have a large step at the flange part, and a thermoplastic resin is laminated on the surface, or the flange part is pre-creased, and then squeezed by heat and pressure using a concave and convex mold. However, a molding method is generally used in which the step of the flange portion is reduced so as to be close to a state where it can be hermetically sealed with a seal lid.
[0004]
Further, a conventional paper container formed by drawing has a ruled line 2 as shown in FIG. 1 in a blank for beautiful drawing. Furthermore, many have a flange portion 5 for lid sealing. In particular, in a molding method in which the corners of the flange portion are narrowed down by heat and pressure using an uneven mold, it is difficult to obtain a container structure having a large step, a gap, a closed structure, and a barrier property. The gap referred to here is a tunnel-shaped hole caused by paper wrinkles, and its enlarged view is shown in FIG. Therefore, as a method of obtaining a hermetically sealed structure by closing the gap portion of the tunnel-shaped hole, JP-A-2000-33927, JP-A-10-43027 and the like disclose ultrasonic or ultrasonic waves on the paper wrinkle portion of the flange after forming the draw-formed paper container. A method of performing high frequency processing is used.
[0005]
It is also known that, as a paper which can be easily formed by using the above-described method, it is preferable to use a low-density paperboard having a large compression ratio in a thickness direction.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional paper container, considerable devising in drawing is required to fold the wrinkles of the flange portion after drawing in a beautiful manner. For example, it is conceivable to insert a ruled line deeply or to improve the slipperiness of paper. These measures make it difficult to guarantee quality and make stable molding difficult.
[0007]
Furthermore, the use of low-density paperboard with a large compression ratio in the thickness direction greatly improves the formability, but the paper container after molding has insufficient rigidity, and the low density of the paper prevents the ruled lines from being firmly inserted. It is coming out, and it is necessary to devise materials.
[0008]
The present invention has been made in view of the above technical background, and has a laminate comprising a paper base layer and a thermoplastic resin layer used for a draw-formed paper container, and a drawability using the laminate. It is an object of the present invention to provide a draw-formed paper container which is good and is hard to cause pinholes and the like and can be sealed with a seal lid or the like.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is characterized in that, in a laminate comprising a paper base layer and a thermoplastic resin layer used for a draw-formed paper container, the Taber stiffness of the paper base is reduced. A laminate for a draw-formed paper container, characterized in that in both the direction parallel to the grain and the direction perpendicular to the paper grain, the size becomes smaller in the range of 10% or more and 40% or less than before molding due to the heat pressure applied during molding.
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in a laminate comprising a paper base layer and a thermoplastic resin layer used for a draw-formed paper container, the tensile strength of the paper base is set before forming by hot pressure applied during drawing. In comparison, a laminate for a drawn-formed paper container characterized in that it is larger by 8% or more in both the direction parallel to the grain and the direction perpendicular to the grain.
[0011]
The invention according to claim 3 is characterized in that, in the laminate for drawn paper containers according to claim 1 or 2, the paper base material contains 3% or more and less than 30% by weight of a thermoplastic resin.
[0012]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a drawn paper container formed using the laminate for a drawn paper container according to the first or second aspect.
[0013]
The invention according to claim 5 is the draw-formed paper container according to claim 4, wherein the draw-formed paper container has a flange portion.
[0014]
The invention according to claim 6 is the draw-formed paper container according to claim 4 or 5, wherein a ruled line is provided in advance on the flange portion, and paper wrinkles are generated along the ruled line.
[0015]
According to a seventh aspect of the present invention, in the draw-formed paper container according to any one of the fourth to sixth aspects, ultrasonic or high-frequency processing is performed only on the thermoplastic resin layer holes of the paper wrinkles generated in the flange portion. Thus, the holes are welded and closed.
[0016]
The invention according to claim 8 is the draw-formed paper container according to any one of claims 4 to 7, wherein the thickness of the flange portion that closes the hole is 50% to 250% of the thickness of the paper base material. %.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment as a preferred example of the present invention will be described in detail. The laminated body composed of the paper base material layer and the thermoplastic resin layer used in the draw-formed paper container of the present invention has a Taber stiffness in a direction parallel to the grain of the paper base as compared to before the forming due to the heat pressure applied during the draw forming. , Both in the direction perpendicular to the grain and in the range of 10% to 40%.
[0018]
Further, the laminate comprising the paper base material layer and the thermoplastic resin layer used in the draw-formed paper container of the present invention has a tensile strength of the paper base material, which is higher than that before forming due to the heat pressure applied during drawing. In both of the direction parallel to the eye and the direction perpendicular to the eye, the size is increased by 8% or more.
[0019]
As the paper base material in the present invention, it is possible to use various kinds of base paper paper base materials, such as a 100% virgin pulp, a coat ball containing waste paper, and a one coated with clay on one side. is there. In addition, those paper base materials which are internally added or impregnated with a resin capable of imparting rigidity, water resistance and hot water resistance by external addition as a secondary process after or at the paper making stage can be used without any problem. However, the paper substrate here is not limited to the so-called paper type. And the basis weight of the paper is 150 g / m 2 ~ 600g / m 2 May be appropriately selected in accordance with the intended container in the range described above. The density (ρ) of the paper is ρ ≦ 1 g / cm 3 If it is within the range, it can be molded, but considering the smoothness of the flange portion formed on the container, ρ ≦ 0.7 g / cm 3 The range of is aesthetic after molding, and the step of the flange portion is about 30 μm, which is easy to mold. Further, considering the surface properties of paper, printability, and strength of the paper container, ρ ≧ 0.4 g / cm 3 Is preferable.
[0020]
Next, in the present invention, by providing a thermoplastic resin layer on at least one surface of the above-described paper base material, as shown in FIG. Rather, it is considered that breakage or tearing of the paper at the time of forming the drawn paper container can be further suppressed by absorption of the shearing force at the time of drawing by the film made of the thermoplastic resin. By providing the resin layer not only on the inner surface but also on the outer surface, it is considered that the effect of this molding is further enhanced.
[0021]
The thermoplastic resin layer has a function of protecting the contents, especially a function of preventing leakage even when a liquid substance is put therein, and a function of sealing with a lid material by heat sealing, moldability, heat resistance, and the like. Need to be. For example, polyethylene terephthalate resin or polyethylene naphthalate resin or a mixture thereof, polyethylene resin, polypropylene resin, polyolefin resin such as modified polyolefin resin, and polyacrylonitrile resin, polyvinyl chloride, ethylene-vinyl acetate copolymer, Polyamide, polystyrene, polycarbonate, polyvinyl alcohol, and various other thermoplastic resin layers and films can be used alone or in a laminated form. Desirably, when a film having a gas barrier property is laminated, the function of the squeezed paper container appears more effectively. The total thickness of the laminated film is desirably in the range of 10 μm to 150 μm. It is considered that when the thickness is 10 μm or less, the effect of the film is small, and when the thickness is 150 μm or more, it is considered that the paper container lacks easy incineration.
[0022]
Further, the paper substrate of the present invention is characterized in that the thermoplastic resin is contained in an amount of 3% or more and less than 30% based on the weight of the paper substrate. Since the thermoplastic resin is contained in the paper base material, a favorable phenomenon regarding the drawing is further observed.
[0023]
It is desirable that the thermoplastic resin impregnated in the paper base material has functions such as sanitary properties, moldability, heat resistance, and biodegradability. For example, polyethylene terephthalate resin, polyethylene naphthalate resin or a mixture thereof, polyolefin resin such as polyethylene resin, polypropylene resin, modified polyolefin resin, and polyacrylonitrile resin, polyamide, polystyrene, polycarbonate, polyvinyl alcohol and other various heat A plastic resin can be used. If the content is less than 3%, it is considered that the above-mentioned sufficient function cannot be fulfilled. If the content is more than 30%, the resin component is too much, so that it can be easily incinerated as a paper container and has environmental suitability. It is thought to lack.
[0024]
A drawn paper container according to the present invention is a drawn paper container formed by using the above-mentioned laminate.
[0025]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the drawings.
FIG. 1B shows a sealed drawing paper container having a flange portion capable of highly sealing with the sealing lid of the present invention by squeezing a blank 1 having a ruled line portion 2 as shown in FIG. The container 3 shown in FIG.
[0026]
The process of producing the drawn paper container of the present invention will be briefly described with reference to FIGS.
First, a blank 1 as shown in FIG. If the blank 1 is formed with a large number of ruled lines 2 as deeply and evenly as possible in a portion where wrinkles are likely to be formed when molded in advance, the blank 1 can be more beautifully formed and easily molded. The processing of the ruled line 2 can be performed simultaneously with the punching processing.
[0027]
Next, the blank 1 is formed into a draw-formed paper container main body 3 shown in FIG. 1 (b). This forming is composed of a male mold 13 and a female mold 14 as shown in FIG. It comprises a press molding machine 12. The inserted blank 1 is pressed by the female die 14 while being gradually slid by the male die 13 while being pressed by the flange pressing plate 15 on the outside, and is subjected to press molding. It is possible to appropriately determine the size of the paper wrinkle generated on the flange portion and the side portion by the pressure applied to the press and the clearance between the male mold 13 and the female mold 14.
[0028]
In addition, the temperature of the mold given to each of the male and female in the present invention can be appropriately determined by the softening point and melting point of the thermoplastic resin. Since it starts, the paper itself is scorched, which is not preferable.
[0029]
More preferably, better formability can be obtained if the moisture content of the paperboard is at least 10% by pre-moisture conditioning at the time of molding, but water is sprayed on the blank 1 before molding shown in FIG. By instantaneously increasing the water content contained in the paper, the elongation of the paper at the time of molding can be promoted, the paper hardly breaks, and the finish of the paper container can be improved.
[0030]
Therefore, it is considered that the Taber stiffness of the paper base material of the present invention is reduced by 10% or more and 40% or less in both the direction parallel to the grain and the direction perpendicular to the grain due to the heat pressure applied during drawing. Specific methods that can be used include, for example, a method of appropriately mixing a resin or a chemical at the paper making stage, and a method of applying and impregnating the above-described paper base material with a chemical as a secondary processing.
[0031]
Functionally, if a resin or the like is mixed, a thermoplastic resin such as polyethylene or polypropylene is preferably used at a low cost. In addition, if it is a chemical, an acrylic resin, a urethane resin, an isocyanate resin, a polylactic acid resin, etc., which softens when heated, is used as long as the function of reducing the Taber stiffness by heating and pressing of the present invention is exhibited. I can do it. As a result, the formability of the bottom corner of the draw-formed paper container and the formability of folding the wrinkles of the flange portion are greatly improved.
[0032]
This is more pronounced with conventional paper substrates that are not considered low density. In particular, the Taber stiffness is large, and for paper substrates with strong stiffness, by performing the internal addition and external addition work as described above at the time of drawing, the Taber stiffness temporarily decreases greatly due to the heat pressure at the time of molding. As a result, the stiffness becomes weak, and molding without tearing or cutting becomes possible.
[0033]
Although the degree of decrease in Taber stiffness depends largely on the shape of the container, considering that the thickness of the paper is small, it is difficult to say that if it is not 10% or more, a sufficient ability to improve formability can be obtained. Further, if the Taber stiffness is reduced by 40% or more, the cost of processing the paper base material becomes too high, and the strength of the container after molding is not sufficient, which is not preferable.
[0034]
As described above, the Taber stiffness is 10% or more and 40% or less both in the direction parallel to the grain and in the direction perpendicular to the grain by the heating and pressurizing process of drawing by mixing, internal addition, and external addition of the drug and the resin. By making the size smaller in the range, it becomes possible to obtain a draw-formed paper container having improved formability not only with a normal paper base material but also with a stiff and strong paper base material.
[0035]
The draw-formed paper container according to the present invention is characterized in that the tensile strength of the paper base material is increased by 8% or more both in the direction parallel to the grain and in the direction perpendicular to the grain due to the heat pressure applied at the time of the draw-molding. This is a drawn paper container.
[0036]
The heat pressure applied during drawing can be appropriately adjusted so as to be 8% or more. Due to the improvement in the tensile strength of the present invention, the strength of the molded container is dramatically improved. The draw forming itself is desirably performed by placing heat of 110 ° C. to 150 ° C. in a mold to reduce the return after forming the paper, and it is desirable to improve the tensile strength within this range.
[0037]
Therefore, in the drawn paper container of the present invention, the tensile strength can be increased by 8% or more both in the direction parallel to the grain and in the direction perpendicular to the grain, compared with before the molding, due to the heat pressure applied during the drawing. As a specific method, a method of appropriately mixing a resin or a chemical at the papermaking stage of the paper, a method of applying and impregnating the aforementioned paper base material with a chemical as a secondary processing, and the like can be considered.
[0038]
Functionally, if a resin or the like is mixed, a thermoplastic resin that can further increase the bonding force of paper by heat is preferably used. This may be used in combination with the above-described resin structure for lowering the Taber stiffness. The paper strength of ordinary paper is not only the strength of bonding with moisture and hydrogen bonding force, but also easily reacts with moisture in paper, including isocyanate groups, and groups reacting with hydroxyl groups of cellulose in paper, It is preferable to use a substituent such as carbon, a carbon double bond, a triple bond, or the like that causes a crosslinking reaction including a three-dimensional structure. Further, in the case of a chemical, an acrylic resin, a urethane resin, an isocyanate resin, or a polylactic acid resin, which is softened by application of heat, having a reactive group whose reaction for increasing paper strength is accelerated by heat pressure is preferable.
[0039]
A paper container according to the present invention is a drawn paper container having a flange portion.
[0040]
A paper container having a flange portion according to the present invention is a draw-formed paper container characterized in that a folded portion is determined in advance by a ruled line, and paper wrinkles are generated according to the folded line.
[0041]
The draw-formed paper container having a flange portion according to the present invention is a draw-formed paper container characterized in that, after forming, ultrasonic and high-frequency welding is performed only on a hole portion of a paper wrinkle portion generated in the flange.
[0042]
Further, by forming a draw-formed paper container having a flange portion formed by the above-described forming method of the present invention, a seal lid as shown in FIG. The shape of the folded portion can be appropriately determined by a molding die, such as a step shape, a thickness, and the number of folded portions. Further, after drawing, as shown in FIG. 2, the thermoplastic resin on the surface is melted only by the ultrasonic welding, the high frequency welding, the vibration welding, or the like, only in the tunnel-shaped hole portion 11 of the flange portion having the concave portion by the ruled line. As a result, it becomes possible to fill the tunnel-shaped holes in the recessed portions.
[0043]
FIG. 4 shows an example of ultrasonic welding. The formed paper container flange uneven portion is sandwiched between the anvil 18 and the ultrasonic horn 17, pressurized and oscillated to generate internal heat, thereby softening and flowing the surface thermoplastic resin to fill the unevenness of the flange portion. At the same time, the paper is also crushed by the pressure, the strength of the flange portion is increased, and the strength of the entire container is also improved.
[0044]
According to the present invention, a paper container having a structure that is easy to process and has increased strength after molding, has a stronger flange strength, and is completely sealed without leaking even when a highly fluid content such as liquid is put in a seal lid, Can provide a drawn paper container having both gas barrier properties and gas sealing properties.
[0045]
The paper base material according to the present invention is characterized in that the paper base material contains 3% or more and less than 30% of a thermoplastic resin based on the weight of the paper base material.
[0046]
In the present invention, since the thermoplastic resin is contained in the paper base material, a favorable phenomenon is further observed with respect to drawing.
[0047]
First, the above-described various paper base materials can be inserted deeper without breaking the ruled line processing in the punching step before molding. This is considered to be because the paper interlayer strength is increased by the thermoplastic resin, and the resistance of the paper to the ruled line processing is increased. Further, when the paper base material is heated at the time of drawing, the thermoplastic resin is partially or entirely melted, so that the processability and the strength after the process are increased. Further, the elongation rate and slipperiness of the entire paper base material are improved, and beautiful molding is obtained, and additional functions such as water resistance, oil resistance, hot water resistance, and impact resistance can be imparted to the container itself.
[0048]
After the draw-formed paper container of the present invention closes the tunnel-shaped holes in the flange portion by ultrasonic or high frequency welding of the thermoplastic resin laminated with the draw forming, the flange portion is processed by processing the flange portion. A drawn paper container characterized in that the paper thickness is 50% to 250% with respect to the thickness of the paper substrate.
[0049]
Further, the tunnel-shaped holes 9 in the flange portion of the paper container shown in FIG. 2 are sealed by melting the thermoplastic resin by various welding methods to obtain a sealed structure, and then crushing only the flange portion by pressing or the like to seal. Easy container.
[0050]
If only the step of welding the flange portion by the ultrasonic or high-frequency processing is performed, the unevenness of the flange portion has a large level difference, which causes inconveniences such as difficulty in producing flange strength and sealing. These inconveniences are solved by setting the thickness of the flange to 50 to 250% of the thickness of the paper base material after obtaining the closed structure of the flange by pressing or the like so that the thickness of the flange portion closing the hole portion by processing such as pressing. This also increases the strength of the entire container and the resistance of the flange portion to the peel strength generated when the seal lid is opened.
[0051]
As an example of a specific method for manufacturing the drawn paper container of the present invention, as shown in FIG. 5, a container 21 is placed on a press plate 19 having a smooth surface and an pill 20 pressing only a flange portion using a press machine. It is possible to intensively apply pressure only to the flange portion. By providing a large number of container containers of ampill, it is possible to press all at once, and it is considered that production efficiency is not bad. When the paper thickness is less than 50% with respect to the pressing pressure, the resistance of the paper base material itself is lost, the strength of the flange portion of the container is not obtained, and even if a sealed structure is obtained, there is a difficulty in peeling after sealing. Is considered to be inconvenient. On the other hand, if it is 250% or more, it is considered that the unevenness of the flange portion is too large, so that it is extremely difficult to attach a seal lid or the like for sealing.
[0052]
As described above, according to the present invention, a draw-formed paper container which is easy to seal and can easily obtain a closed structure is obtained. This makes it possible to obtain a draw-formed paper container that has a strong container flange portion, a good openability, and easy peeling.
[0053]
【Example】
Next, specific examples of the present invention will be described in detail below.
[0054]
<Example 1>
A sample of the embodiment of the drawn paper container according to the present invention was prepared according to the following specifications. [Specifications of draw-formed paper container body]
Shape: Square shape (1/4 round corner)
Contents: 250ml
Flange width: 10mm
Height: 30mm
[Material composition]
Drawing paper container body 4: Paper (resin-mixed paper: polyethylene resin 30% -mixed) 350 g / m 2 / PE polyethylene 20 μm / (LDPE (low density polyethylene) / PP (polypropylene)) multilayer film 40 μm
Lid film 7: evaporated silicon oxide PET (polyethylene terephthalate) 12 μm / CPP (unstretched polypropylene) 40 μm
[0055]
Paper (resin blended paper: polyethylene resin 30% blended) 350 g / m 2 In the test, pressing was performed under the conditions of 150 ° C. and 2.2 MPa as data, and it was confirmed that the Taber stiffness decreased by 27% and the tensile strength increased by 13% before and after the pressing. Using this paper substrate, a multilayer film of LDPE / PP was laminated and laminated while flowing a polyethylene resin at 310 ° C. by an extrusion extruder lamination method. Thereafter, a blank 1 shown in FIG. 1A was prepared while forming a ruled line of about 150 μm by punching and drawing was performed as shown in FIG. Molding was performed at a mold temperature of 100 ° C. on the film side of the male mold 13 and at 150 ° C. on the paper side of the female mold 14 while pressing the flange portion with the press plate 15. The clearance of the mold was 350 μm for the flange portion and 300 μm for the side portion, and the drawing was performed with a mold clamping force of 15 t.
[0056]
Further, according to FIG. 4, ultrasonic treatment was performed at a cylinder pressure of 200 kPa and a welding time of 0.3 s to evaluate the lid seal 7. At this time, the horn was provided with irregularities so as to hit only the uneven portions of the flange, and the horn was processed so that the horn hit only the wrinkle hole 11. The lid seal 7 was sealed with the above configuration at a sealing time of 3 s, a sealing temperature of 150 ° C., and a sealing pressure of 0.3 MPa, and the sealing was evaluated with a pinhole check solution. As a result, after the mixed resin begins to melt, it is beautifully finished, there are almost no wrinkles on the side, and the polyethylene resin is melted by the heat during drawing, the finish is clean and rigid, and the flange is completely sealed. Draw-formed paper containers with a high level of preventing spills were produced.
[0057]
<Comparative Example 1>
A sample of the embodiment of the drawn paper container according to the present invention was prepared according to the following specifications.
[Specifications of draw-formed paper container body]
Shape: Square shape (1/4 round corner)
Contents: 250ml
Flange width: 10mm
Height: 30mm
[Material composition]
Squeezed paper container body 4: 350 g / m of paper (cup paper) 2 / PE polyethylene 20μm / (LDPE (low density polyethylene) / PP (polypropylene)) multilayer film 40μm
Lid film 7: evaporated silicon oxide PET (polyethylene terephthalate) 12 μm / CPP (unstretched polypropylene) 40 μm
Paper (cup paper) 350 g / m 2 On the other hand, pressing was performed under the conditions of 150 ° C. and a pressure of 2.2 MPa as data, and a decrease in Taber stiffness of 9% and an improvement in tensile strength of 6% were confirmed before and after the pressing. A multilayer film of LDPE / PP was laminated and laminated on the paper substrate while flowing a polyethylene resin at 310 ° C. by an extrusion extruder lamination method. Thereafter, a blank 1 shown in FIG. 1A was prepared while forming a ruled line of about 150 μm by punching and drawing was performed as shown in FIG. Molding was performed at a mold temperature of 100 ° C. on the film side of the male mold 13 and at 150 ° C. on the paper side of the female mold 14 while pressing the flange portion with the press plate 15. The clearance of the mold was 350 μm for the flange portion and 300 μm for the side portion, and the drawing was performed with a mold clamping force of 15 t.
[0058]
Further, according to FIG. 4, ultrasonic treatment was performed at a cylinder pressure of 200 kPa and a welding time of 0.3 s to evaluate the lid seal 7. The lid seal 7 was sealed with the above configuration at a sealing time of 3 s, a sealing temperature of 150 ° C., and a sealing pressure of 0.3 MPa, and the sealing was evaluated with a pinhole check solution. As a result, the paper wrinkles on the side surface remained largely, the ultrasonic treatment did not work well, and the seal of the pinhole check liquid was removed from the holes 11 in the flange portion, and the desired airtightness could not be obtained. . Furthermore, the paper wrinkles of the flange had a large variation, and the rigidity of the container was not obtained.
[0059]
【The invention's effect】
According to the present invention, in a draw-formed paper container formed from a laminate of a paper base material and a thermoplastic resin, the Taber stiffness of the paper base material is in a direction parallel to the grain of the paper, compared to before the forming due to the heat pressure applied during drawing. By forming a paper container formed by molding a laminate of a paper base material and a thermoplastic resin which is reduced in a range of 10% or more and 40% or less in both the paper grain direction and the paper grain direction, the paper wrinkles at the flange portion are formed. However, it is possible to provide a draw-formed paper container which has good moldability and which can be neatly folded and aligned.
[0060]
Further, the lamination of the paper base material and the thermoplastic resin, in which the tensile strength of the paper base material is increased by 8% or more in both the parallel direction and the vertical direction with respect to the paper grain compared to before the molding due to the heat pressure applied during the drawing. By forming a draw-formed paper container formed by molding a body, a drawn paper container having rigidity and excellent container strength can be provided by improving the tensile strength after hot pressing.
[0061]
In addition, the flat surface with little unevenness is formed by ultrasonic or high frequency processing or press molding etc. on the uneven surface of the paper wrinkle generated on the flange, and the seal has a flange that can seal with high sealability with a seal lid A die drawn paper container can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a plan view showing an example of a blank of a container body of a drawn paper container of the present invention.
(B) is a perspective view showing an example of a container with a sealing lid of the draw-formed paper container of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged view showing a paper wrinkle portion of a flange portion of the draw-formed paper container of the present invention in an enlarged manner.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing an example of a step of drawing the container body of the drawn paper container of the present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing an example of a step of performing ultrasonic processing on a paper wrinkle portion of a flange portion of the container body of the draw-formed paper container of the present invention.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view showing an example of a step of press-forming a flange portion of the drawn-formed paper container of the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Blank
2: Ruled line
3: Draw-formed paper container
4: Draw-formed paper container body
5: Flange part
6, 8: paper wrinkles
7: Lid material
9: Paper base layer
10: thermoplastic resin layer
11: Paper wrinkle tunnel-shaped hole
12; draw forming machine
13: Draw molding machine male mold
14: Draw molding machine female mold
15: Holding plate
16: Spring
17: Ultrasonic horn
18: Ultrasonic jig receiving anvil
19: Smooth press plate of press machine
20: Press machine receiving pill
