JP2004016850A - 排気ガス浄化用触媒、製造方法及び排気ガス浄化システム - Google Patents

排気ガス浄化用触媒、製造方法及び排気ガス浄化システム Download PDF

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若松 広憲
Katsuo Suga
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Abstract

【課題】低排温域から高排温域までのNOxおよびPMの浄化を合理的に行うことができる排気ガス浄化用触媒および浄化システムを提供する。
【解決手段】アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素(Ma)を含有する第1の触媒層Aと、同じくアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素(Mb)を含有する第2の触媒層Bをガス透過性を備えた隔離層Sを介して分割形成し、排気ガスと先に接触する第1の触媒層Aに含有させる元素として、第2の触媒層Bに含まれる元素(Mb)の硝酸塩よりも還元分解反応が進み易い硝酸塩を形成する元素(Ma)を含有させる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に排気温度が低いディーゼルエンジンに適用される排気ガス浄化装置に係わり、低排温域において排気ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、「NOx」と略称する)と黒煙状物質(以下、「PM」(Particulate Matter)と略称する)を浄化するための排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
排気ガス中に含まれるNOxやPMを除去することを目的に、従来から種々の開発が行われている。
【0003】
例えば、特開平09−088569号公報には、排気流れに対して上流側にディーゼルエンジン用パティキュレートフィルター(以下、「DPF」と略称する)を、下流側にはNOx触媒をそれぞれ配置して、NOxとPMの同時除去を行うことが提案されている。また、特開2000−297633号公報には、排気流れの前段にDPFを、後段には排気空燃比がリーン状態においてNOxを浄化するリーンNOx触媒を配置し、NOxとPMの同時除去を行うことが提案されている。さらに、特開平05−092849号公報には、NOxとPMの同時除去を同一触媒に行わせる方法が開示されている。
【0004】
一方、近年においては、地球温暖化という社会問題を解決すべく、内燃機関の燃焼効率の向上技術が進歩し、排出される排気ガスの温度が低温化する傾向にある。この排気ガスの低温化は、排気ガスを浄化する機能を有する触媒においては、その浄化機能を阻害する方向となる。
すなわち、低排温域(200℃付近)でNOxを吸着浄化する際に、リッチスパイク(R/S)時に排ガス中に共存するCOがNOxの浄化反応を阻害して、反応性の低下が生じる(以下、「CO被毒」と称す)。このCO被毒は低排気温度特有の問題であり、排気温度が250℃以上になれば、触媒がCOを活性化することができ、このような問題は発生しない。しかしながら、上述のように内燃機関の燃焼効率向上に伴い、排気温度の低温化が進み、触媒の低温活性化が必要となってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の技術について、特開平09−088569号公報や特開2000−297633号公報に開示された技術においては、少なくとも2個以上の排気浄化触媒を排管内に配置させなければならず、スペース効率、熱効率および製造コストの観点からも都合が悪く、必ずしも実質的ではない。
【0006】
また、特開平05−092849号公報記載の方法は、上記のような問題を解決する手段となり得るものではあるものの、当該公報には、排気ガスの低温度化による触媒の低温活性化という課題に対する解決手段については、検討されておらず、低温域での触媒の温度を向上させる技術の開発が特にディーゼルエンジンにおける排気ガス浄化技術の課題となっていた。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、従来の排気ガス浄化用触媒あるいは浄化方法における上記課題に鑑みてなされたものであって、低排温域から高排温域までのNOxおよびPMの浄化を合理的に行うことができる排気ガス浄化用触媒および浄化システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる排気ガス浄化用触媒は、内燃機関の排気流路内に設置される排気ガス浄化用触媒であって、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する第1及び第2の触媒層がガス透過性を備えた隔離層を介して分割形成されていると共に、排気ガスと先に接触する第1の触媒層には、第2の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩よりも還元分解反応が進み易い硝酸塩を形成するアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が含まれている構成としたことを特徴しており、排気ガス浄化用触媒におけるこのような構成を上記課題を解決するための手段としている。
【0009】
本発明に係わる排気ガス浄化用触媒の製造方法は、本発明に係わる上記排気ガス浄化触用触媒の製造に好適に用いられるものであって、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を触媒層に担持させるに際して、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を耐熱性無機材料基材粉末に含浸させたのち乾燥して、酸化雰囲気中にて焼成し、さらに当該粉末をスラリー中に混合して粉砕後、触媒担体に塗布する構成としたことを特徴とし、本発明に係わる排気ガス浄化システムは、本発明に係わる上記排気ガス浄化触用触媒を排気ガス流路に備えると共に、当該排気ガス浄化用触媒の上流側に水素富化手段を配置してなる構成としたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる排気ガス浄化触用触媒の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明に係わる排気ガス浄化用触媒は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素(Ma)を含有する第1の触媒層Aと、同じくアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素(Mb)を含有する第2の触媒層Bをガス透過性を備えた隔離層Sを介して分割形成し、排気ガスと先に接触する第1の触媒層Aに含有させる元素として、第2の触媒層Bに含まれる元素(Mb)の硝酸塩よりも還元分解反応が進み易い硝酸塩を形成する元素(Ma)を選択して含有させるようにしたものであり、その具体的な実施形態としては、まず第1に、図1に示すような構造が考えられる。
【0012】
すなわち、図1に示す排気ガス浄化用触媒1は、両端部が開放されたオープンセル型ハニカム担体を用いたものであって、当該担体のセル壁面上に第2の触媒層としての内層Bが形成されており、この内層(第2の触媒層)上に隔離層Sを介して第1の触媒層としての表層Aが形成された構造を備えている。
【0013】
このような構造の排気ガス浄化用触媒1において、触媒の表層A(第1の触媒層)の側に、排気ガス中のCOを酸化除去できるようなNOx吸着元素、例えば、Mgなどの比較的硝酸塩が分解しやすいNOx吸着元素を表層側に(Ma)として含有させることにより、そのアルカリ性が弱いため、貴金属の酸化活性を抑制することなく、200℃付近における低温域のNOxの吸着機能を維持することができ、R/S時のCOを酸化除去しつつ、NOxの吸着・除去ができるため、CO被毒作用を軽減することができる。さらに、ディーゼルエンジンから排出されるPM分や、SOF(Soluble Organic Fraction)分が触媒表面に付着した場合、触媒の酸化活性により、酸化除去が可能となる。
【0014】
さらに、表層Aの側に塗布した触媒は、R/S時のCOを選択的に酸化除去するため、水素を内層Bの側の触媒に透過することができ、よって、内層側の比較的CO被毒作用が生じやすいNOx吸着元素を使っても、低温NOx浄化を行うことができる。
【0015】
また、内層B(第2の触媒層)の側に、表層Aに含まれる元素(Ma)よりも硝酸塩が分解し難いNOx吸着元素を(Mb)として含有させることにより、例えば、車両が高速走行した際などに、触媒がさらされる条件、すなわち高温(350〜600℃)、高SV(Space Velocity)条件下でのNOx浄化性能も維持することができる。
【0016】
そして、表層Aと内層Bの層間に、ガス透過性を有する隔離層Sを設けることにより、表層Aおよび内層B内のNOx吸着元素(Ma)と(Mb)が同一層に混ざらないようにすることができ、(Ma)と(Mb)が共存することによって、相対的に硝酸塩が分解しやすい元素(ここでは、Ma)による上記作用が失われてしまい、結果として、CO被毒作用が発生するという不都合が防止されることになる。
【0017】
なお、表層Aおよび内層B内にそれぞれ2種類以上のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属元素が共存した場合には、前述したように、各々の層でより硝酸塩の分解し難い方の元素が支配的になるので、表層Aの側における元素のうちの最も硝酸塩が分解し難い元素が、内層Bの側における元素のうちの最も硝酸塩が分解し難い元素よりも、分解しやすければ、上記効果を得ることができる。
例えば、表層Aの側にはMgとBa、内層Bの側にはBaとCsを用いた場合には、表層Aの側においてはより分解し難いBaの特性が支配的になり、内層Bの側においても同様に、より分解し難いCsの特性が支配的なものとなって、結果として、上記した作用が得られることになる。
【0018】
本発明に係わる排気ガス浄化触用触媒において、第1及び第2の触媒層AおよびBを隔離する隔離層Sとしては、例えば、コージェライト、SiC、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびゼオライトなどの耐熱性無機材料を単独、あるいは複合状態で用いることができる。すなわち、PMを酸化除去する際に、触媒担体が非常に高温になるため、耐熱性が要求される。また、多孔質な材料を使用することによって、その細孔内を反応物質が拡散し、リーン/リッチ変動による触媒活性金属のシンタリングを抑制することができ、さらに、反応ガスをコート層中に適宜留め、触媒と反応ガスとの接触確率が増す結果、反応効率を高めることができる。
【0019】
本発明に係わる排気ガス浄化触用触媒の他の実施形態として、図2に示すように、表層A(第1の触媒層)を、例えば最表層A1と中間層A2からなる2層構造となし、最表層A1の側にロジウム(Rh)を添加したり、図3に示すように、さらに内層B( 第2の触媒層)をも2層構造として、表面側層B1と最内層B2に分離し、表面側層B1にRhを添加したりすることができる。
【0020】
前述のように、表層側に比較的アルカリ性の弱いMgなどを配置することにより、貴金属の酸化活性低下を抑制でき、R/S時に触媒層に到達するCOを酸化除去することができ、その結果、当該触媒のCO被毒作用を緩和することができる。そして、排気ガスに直接接触する表層Aの最表層A1にRhを配置させることにより、CO被毒作用を低減しつつ、NOxの浄化性能を向上させ、さらに還元剤の消費量を低減することができる。すなわち、Rhは、本来被毒物質であるR/S時のCOによりNOxを還元浄化する活性に優れるので、このRhを最表層A1に配置させることで、COを低減しつつ、NOxの脱離浄化を行うことがえきる。さらに、上記したCOと酸素との反応による酸化除去ではなく、R/S時のCOをNOxの還元除去の用途に用いることができるようになるため、R/S時の全還元剤量のNOxの還元浄化に用いられる還元剤の利用効率が向上する。そのため、リーン運転時に触媒に吸着したNOxをより少ない量の還元剤で還元浄化できるようになり、燃料消費率の向上が見込まれる。
【0021】
また、耐熱性無機酸化物などからなる隔離層Sよりも内側に位置する内層Bにおいても、表面側層B1と最内層B2などの2層以上の触媒層に分離することによって、NOxの浄化性能が向上することになる。これは、R/S時に表面側の触媒層Bから脱離してきたNOxを速やかに隔離層Sより内層側で浄化できるため、最表層A1に含まれるRhのNOx浄化負担を軽減できることによる。
【0022】
さらに、他の実施形態としては、図4に示すように、前記隔離層Sに排気ガス成分をトラップおよび拡散させるトラップ拡散孔を設けることができる。
【0023】
通常のオープンセル型の担体(フロースルー型)に塗布された触媒の場合、排気ガスは、一旦触媒の内層方向に浸透、分解したのち、内層方向から表層方向に向け、拡散していく。そのため、(Ma)と(Mb)の隔離層S内にトラップ拡散孔Vとして空孔を設けることによって、このような空孔Vがいわゆるバッファーの役割を示すものと考えられ、拡散孔内での反応ガス拡散が生じやすくなる。したがって、R/S時の還元剤が、例えば2秒間だけ触媒担体に到達したとしても、拡散孔内において乱流、再拡散を生じさせることができるため、還元剤が触媒担体層に長く留まることができ、結果として、反応速度がそれほど大きくない低温域(200℃以下)でのNOxの浄化効率を更に向上できるようになる。また、この効果は、NOxに対しても有効であって、例えば、排気ガスの条件が急激に変化するような場合に、排気ガス中のNOxを吸着できずに放出してしまうようなことが防止されることになる。
【0024】
本発明に係わる排気ガス浄化触用触媒においては、隣接するセルの両端部が交互に目詰めされたウォールフロー型ハニカム担体を使用して、当該担体のセル壁を隔離層として機能させ、排気ガスの上流壁側にその硝酸塩が分解しやすいNOx吸着元素(Ma)を配置し、下流壁側に配置するNOx吸着元素を上流側の(Ma)の硝酸塩よりも分解し難い硝酸塩を形成するNOx吸着元素(Mb)を配置するようにしても、前記同様の効果を得ることができる。
【0025】
すなわち、この実施形態に係わる排気ガス浄化触用触媒1は、図5及び図6に示すように、ウォールフロー型ハニカム担体の隔離層として機能するセル壁Wの排気ガス上流側面に第1の触媒層としての上流側触媒層Aが形成されると共に、排気ガス下流側面に第2の触媒層としての下流側触媒層Bが形成されている。そして、上流側触媒層Aに、排気ガス中のCOを酸化除去できるような、NOx吸着元素、例えばMgなどの比較的硝酸塩が分解しやすいNOx吸着元素を上流壁側に(Ma)として用いることにより、そのアルカリ性が弱いため、貴金属の酸化活性を抑制させずに、200℃付近の低温域におけるNOxの吸着機能を維持することができ、R/S時のCOを酸化除去しつつ、NOxの吸着、除去ができるため、同様にCO被毒作用が軽減されることになる。また、上記担体は交互目詰めになっており、排気ガスが担体の壁面を通過するいわゆるウォールフローであるため、上流壁側にはディーゼルエンジンから排出されるPM分や、SOF分がトラップされるため、触媒の酸化活性により、比較的低温でのPM燃焼が行われ、触媒の熱劣化の観点からも有効である。
【0026】
なお、PMの燃焼に際しては、定常走行時には任意に設定した時間で、あるいは、エンジンの運転履歴からPM分のトラップ量を推測、または触媒担体前後に配置した排気差圧センサなどによりPMトラップ量がある値に達したことを判断することにより、トラップしたPM分を燃焼可能な状態(温度、酸素濃度)になるようにエンジン制御を行うことによって、PM除去が可能となる。さらに、このとき、上流壁側の触媒は酸化活性が強いため、PM分の着火が比較的低温で進行することから、前記エンジン制御に必要なエネルギーロスが少なくて済む。
【0027】
さらに、排気上流側に塗布した触媒は、同様にR/S時のCOを選択的に酸化除去するため、水素を下流側触媒層Bに透過することができるので、下流側の比較的CO被毒作用が生じやすいNOx吸着元素を使っても、低温NOx浄化を行うことができる。また、下流側触媒層Bに上流側触媒層Aより硝酸塩が分解しにくいNOx吸着元素(Mb)を用いるようにしているので、例えば車両が高速走行した際などに、触媒がさらされる高温、高SV条件下でのNOx浄化性能をも維持できる。そして、上流及び下流側触媒層A及びBの間に介在する担体のセル壁Wが隔離手段(隔離層)となるので、上流側触媒層Aと下流側触媒層BのNOx吸着元素(Ma)と(Mb)が混ざり合うようなことがなくなり、前述のような(Ma)(Mb)共存による弊害が防止されることになる。
【0028】
ウォールフロー型ハニカム担体を用いた排気ガス浄化触用触媒においては、図7に示すように、上流側触媒層A(第1の触媒層)及び下流側触媒層Bを、例えばそれぞれ2層構造となし、最表層A1と内側層A2、及び最表層B1と内側層B2にそれぞれ分離し、最表層A1およびB1にRhを添加することが望ましい。
【0029】
すなわち、排気ガスが最初に接触する上流側触媒層Aの最表層A1に上流側に担持させるRhを集めることにより、前述のCO−NOx反応の促進によるCO低減効果、さらには下流側触媒層BのCO被毒を防止でき、前述の還元剤の利用効率効果をも得ることができる。また、下流側触媒層Bの(Mb)を含む触媒コート層に含まれるRhを最下流側、すなわち下流側触媒層Bの最表層B1に集めることにより、R/S制御時に脱離してくるNOxを未浄化のまま放出する現象を抑制し、結果として、200℃付近の低温域から、400℃付近の高温且つ、高AV域でのNOxの還元浄化が高効率に行われるようになる。
【0030】
本発明に係わる排気ガス浄化触用触媒においては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素(Ma)及び(Mb)が用いられるが、これら(Ma)及び(Mb)の元素は、前述したように、同一の触媒コート層に共存すると、(Mb)の特性が優先され、結果として、CO被毒作用が発現し、低温域でのNOx浄化性能が低下してしまう。そのため、前記のように、(Ma)及び(Mb)を隔離することにより、双方の特性を有効に発揮させるようにする必要がある。
【0031】
そのための製造方法としては、触媒担体に触媒成分を塗布する前に、(Ma)及び(Mb)を別個に耐熱性無機化合物基材にそれぞれ含浸させた後、高温焼成し、(Ma)及び(Mb)を含む各々の触媒層AおよびBの間に隔離層Sを設け、触媒担体に別個に塗布することが望ましく、これによって(Ma)及び(Mb)が混合することなく、それぞれの触媒層AおよびBを形成することができ、上記のような効果を得ることができる。
【0032】
すなわち、触媒担体のセルが目詰めされていない場合、つまりオープンセル型のハニカム担体の場合には、内層側の触媒層Bを塗布した後に、(Mb)を含浸することにより(Mb)を担持すると、(Mb)の担持状態が不安定になって、十分なNOx浄化性能が得られない。また、表層側の触媒層Aを塗布後に(Ma)を担持した場合、当然のことながら内層側触媒層Bや隔離層Sにも(Ma)が含浸担持されるため、(Ma)と(Mb)を別個に配置することができなくなる。また、触媒担体のセル端部が交互に目詰めされている場合、すなわちウォールフロー型ハニカム担体の場合には、上流側、及び下流側のどちらから触媒層を塗布してもかまわないが、例えば、上流側壁面に触媒層Aを塗布し、(Ma)を含浸すると、隔離層Sである触媒担体セル壁に(Ma)が含浸担持されるので、結果として、下流壁側の(Mb)と(Ma)が接触してしまい、(Ma)と(Mb)を別個に配置することによって得られる効果が十分に得られなくなる。
【0033】
本発明に係わる排気ガス浄化システムにおいては、本発明の上記排気ガス浄化用触媒を使用したものであって、当該排気ガス浄化用触媒の特徴を活かすために、図8に示すように、その前段(排気ガス浄化用触媒1に対して排気ガス流れ方向の上流側)に水素を富化する手段10を備えることにより、低温でのNOx浄化をより有効に行うことができるようになる。具体的には、図9に示すように排気ガス管P内に水素を導入する、例えば水素インジェクタ―のような水素供給装置11でも良いし、図10に示すようにエンジンEから排出される水素を選択的に透過する触媒12でも良いし、エンジンから排出される炭化水素や、一酸化炭素と水蒸気との改質反応により、水素を生成させる触媒13でもよい。すなわち、当該排気ガス浄化用触媒1の前段に水素富化手段10を配置することにより、基本的にはCO被毒作用に弱い、第2の触媒層Bの側に含まれるNOx吸着元素(Mb)も、排気ガス中に水素が多量に含まれることによって、低温側から積極的に、NOx浄化に水素を使えるようになり、結果として触媒のNOx浄化量を向上させることができるようになる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
【0035】
<粉末調製>
(1)粉末A,AP,AR
酢酸マグネシウム水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中600℃で1時間焼成してマグネシウム担持アルミナ粉末(粉末A)を得た。
次に、得られた粉末Aにジニトロジアンミン白金溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt・Mg担持アルミナ粉末(粉末AP)を得た。この粉末APのPt濃度は3.0%であった。
また、上記粉末Aに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・Mg担持アルミナ粉末(粉末AR)を得た。この粉末ARのRh濃度は2.0%であった。
【0036】
(2)粉末B,BP,BR
酢酸バリウム水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中600℃で1時間焼成してバリウム担持アルミナ粉末(粉末B)を得た。
つぎに、得られた粉末Bにジニトロジアンミン白金溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt・Ba担持アルミナ粉末(粉末BP)を得た。この粉末BPPt濃度は3.0%であった。
さらに、上記粉末Bに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成することにより、Rh・Ba担持アルミナ粉末(粉末BR)を得た。この粉末BRのRh濃度は2.0%であった。
【0037】
(3)粉末C,CP,CR
酢酸ナトリウム水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中600℃で1時間焼成してナトリウム担持アルミナ粉末(粉末C)を得た。
つぎに、当該粉末Cにジニトロジアンミン白金溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt・Na担持アルミナ粉末(粉末CP)を得た。この粉末CPのPt濃度は3.0%であった。
また、上記粉末Cに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・Na担持アルミナ粉末(粉末CR)を得た。この粉末CRのRh濃度は2.0%であった。
【0038】
(4)粉末D,DP,DR
酢酸セシウム水溶液を活性アルミナ粉末に含浸し、乾燥後空気中600℃で1時間焼成してセシウム担持アルミナ粉末(粉末D)を得た。
つぎに、この粉末Dにジニトロジアンミン白金溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Pt・Cs担持アルミナ粉末(粉末DP)を得た。この粉末DPのPt濃度は3.0%であった。
そして、上記粉末Dに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・Cs担持アルミナ粉末(粉末DR)を得た。この粉末DRのRh濃度は2.0%であった。
【0039】
(5)粉末AR2
前記粉末Aに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・Mg担持アルミナ粉末(粉末AR2)を得た。この粉末のRh濃度は4.0%であった。
【0040】
(6)粉末BR2
前記粉末Bに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・Ba担持アルミナ粉末(粉末BR2)を得た。この粉末のRh濃度は4.0%であった。
【0041】
(7)粉末DR2
前記粉末Dに硝酸ロジウム水溶液を含浸し、乾燥後空気中400℃で1時間焼成して、Rh・Cs担持アルミナ粉末(粉末DR2)を得た。この粉末のRh濃度は4.0%であった。
【0042】
<触媒調製>
(1)触媒A
上記粉末BRを294g、粉末BPを490g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーBを得た。
このスラリーBをオープンセル型(フロースルー型)のコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの内層コート層は100g/L、含有Ba量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
次に、活性アルミナ粉末を300g、75%の水分量を含むベーマイトを75g、水300g/Lを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーEを得た。このスラリーEを内層側にスラリーBを付着させた上記触媒担体に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの中層コート層は20g/Lであった。
さらに、前記粉末ARを294g、粉末Apを490g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを4g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーAを得た。
このスラリーAを、スラリーBおよびスラリーEを相次いで付着させた上記触媒担体に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの表層コート層は100g/L、含有Mg量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
以上のようにして、内層(第2の触媒層)にBa、中層(隔離層)に活性アルミナ、表層(第1の触媒層)にMgを含む触媒Aを得た。
【0043】
(2)触媒B
上記粉末CRを294g、粉末CPを490g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーCを得た。
このスラリーCをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの内層コート層は100g/L、含有Ba量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
次に、内層側にスラリーBを付着させた上記触媒担体に前記したスラリーEを付着させ、同様の条件のもとに乾燥、焼成し、同様のコート量の中層を得た。
さらに、前記スラリーAを、スラリーCおよびスラリーEを相次いで付着させた上記の触媒担体に付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いて、乾燥及び焼成を行い、同様のコート量、Mg担持量の表層を得た。このようにして、内層(第2の触媒層)にNa、中層(隔離層)に活性アルミナ、表層(第1の触媒層)にMgを含む触媒Bを得た。
【0044】
(3)触媒C
上記粉末DRを294g、粉末DPを490g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーDを得た。
このスラリーDをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの内層コート層は100g/L、含有Cs量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
次に、内層側にスラリーBを付着させた上記の触媒担体に上記スラリーEを付着させ、同様の条件のもとに乾燥、焼成し、同様のコート量の中層を得た。
さらに、スラリーDおよびスラリーEを相次いで付着させた上記の触媒担体に上記スラリーAを付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いて、乾燥及び焼成を行い、同様のコート量、Mg担持量の表層を得た。このようにして、内層(第2の触媒層)にCs、中層(隔離層)に活性アルミナ、表層(第1の触媒層)にMgを含む触媒Cを得た。
【0045】
(4)触媒D
表層を形成するに際して、Mgを含むスラリーAを用いる代わりに、Baを含む前記スラリーBを用いたこと以外は、前記触媒Cと同様の要領によって、内層(第2の触媒層)にCs、中層(隔離層)に活性アルミナ、表層(第1の触媒層)にBaを含む触媒Dを得た。
【0046】
(5)触媒E
上記粉末DRを147g、粉末DPを245g、BRを147g、粉末BPを245g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーBDを得た。
このスラリーBDをコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの内層コート層は100g/L、含有BaおよびCs量は担体1L当り、酸化物換算で各々0.075Molであった。
次に、酸化ジルコニウム粉末を300g、75%の水分量を含むベーマイトを75g、水300g/Lを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーFを得た。このスラリーFを内層にスラリーBDを付着させた触媒担体に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの中層コート層は20g/Lであった。
さらに、前記粉末ARを147g、粉末APを245g、粉末BRを147g、粉末BPを245g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーABを得た。
そして、スラリーBDおよびスラリーFを相次いで付着させた上記触媒担体にこのスラリーABを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの表層コート層は100g/L、含有MgおよびBa量は担体1L当り、酸化物換算で各々0.075Molであった。以上のようにして、内層(第2の触媒層)にBaとCs、中層(隔離層)に酸化ジルコニウム、表層(第1の触媒層)にMhとBaを含む触媒Eを得た。
【0047】
(6)触媒F
中層を形成するに際して、活性アルミナに代えてTiOを用いたこと以外は、前記触媒Aと同様の要領によって調製し、内層(第2の触媒層)にBa、中層(隔離層)にTiO、表層(第1の触媒層)にMgを含む触媒Fを得た。
【0048】
(7)触媒G
中層を形成するに際して、活性アルミナに代えてSiOを用いたこと以外は、前記触媒Aと同様の要領によって、内層(第2の触媒層)にBa、中層(隔離層)にSiO、表層(第1の触媒層)にMgを含む触媒Gを得た。
【0049】
(8)触媒H
中層を形成するに際して、活性アルミナに代えてβ−ゼオライトを用いたこと以外は、前記触媒Aと同様の要領によって調製し、内層(第2の触媒層)にBa、中層(隔離層)にβ−ゼオライト、表層(第1の触媒層)にMgを含む触媒Hを得た。
【0050】
(9)触媒I
上記触媒Aと同様の要領により、コージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)上に、スラリーBおよびスラリーEにより、同様のコート量、担持量の内層及び中層を形成した。
次に、前記粉末APを490g、活性アルミナ粉末を441g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーA1を得た。このスラリーA1を中層まで触媒を付着させた上記触媒担体に付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの表層中間層コート量は50g/Lであった。
さらに、前記粉末AR2を294g、粉末Apを490g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーA2を得た。
このスラリーA2を上記触媒担体に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの最表層のコート層は50g/L、含有Mg量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
このようにして、内層(図2における第2の触媒層B)にBaとRH、中層(図2における隔離層S)に活性アルミナ、表層(図2における中間層A2)にMg、最表層(図2におけるA1)にRh、Mgを含む触媒Nを得た。
【0051】
(10)触媒J
粉末DPを490g、活性アルミナ粉末を441g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーD1を得た。このスラリーD1をコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いたのち、乾燥及び焼成した。このときの最内層の触媒コート量は50g/L、含有Cs量は0.075Molであった。
次に、上記粉末BR2を294g、粉末BPを490g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーB2を得た。このスラリーB2を最内層を塗布した上記担体に塗布し、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、同様に乾燥、焼成した。このときの表面側内層のコート量は50g/L、含有Ba量は担体1L当り、酸化物換算で0.075Molであった。
次に、前記スラリーEを、内層を2段に塗布した上記触媒担体に付着させ、空気流にて余剰のスラリーを取り除いたのち、同様に乾燥および焼成することにより、20g/Lの中層を得た。
次に、中層まで触媒を付着させた上記触媒担体に前記スラリーA1を付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの中間層のコート量は50g/Lであった。
そしてさらに、前記したスラリーA2を表層側中間層まで触媒を塗布した前記触媒担体に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの最表層のコート量は50g/L、含有Mg量は担体1L当り、同様に酸化物換算で0.15Molであった。
以上のようにして、最内層(図3におけるB2)にCs、内層の表面側(図3における表面側層B1)にBaとRh、中層(隔離層S)に活性アルミナ、表層側中間層(図3における中間層A2)にMg、最表層(図3におけるA1)にRh、Mgを含む触媒Oを得た。
【0052】
(11)触媒K
粉末BPを490g、活性アルミナ粉末を441g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000ggを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーB1を得た。このスラリーB1をコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの最内層の触媒コート量は50g/L、含有Ba量は0.075Molであった。
次に、最内層を塗布した上記担体に前記スラリーB2を塗布し、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの表面側内層のコート量は50g/L、含有Ba量は担体1L当り、酸化物換算で0.075Molであった。
次いで、内層を2層に塗布した上記触媒担体に前記スラリーEを付着させ、空気流にて余剰のスラリーを取り除いたのち、同様に乾燥および焼成することにより、20g/Lの中層を得た。
次に、中層まで触媒を付着させた前記触媒担体に、前記スラリーA1付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いたのち、乾燥及び焼成して表層側中間層を形成した。このときのコート層は50g/Lであった。さらに、表層側中間層まで触媒を塗布した触媒担体に、前記スラリーA2を付着させ、同様に、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの最表層のコート層は50g/L、含有Mg量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
以上のようにして、最内層(図3におけるB2)にBa、内層の表面側(図3における表面側層B1)にBaとRh、中層(隔離層S)に活性アルミナ、表層側中間層(図3における中間層A2)にMg、最表層(図3におけるA1)にRhとMgを含む触媒Pを得た。
【0053】
(12)触媒L
前記触媒Kと同様の要領によって、スラリーB1、次いでスラリーB1をコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、同様のコート量、担持量の最内層及び表面側層からなる内層を形成した。
次いで、活性アルミナ粉末を300g、平均粒子径が3μmの活性炭粉末を50g、75%の水分量を含むベーマイトを75g、水300g/Lを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーE1を得た。そして、このスラリーE1を2層からなる内層を塗布した上記触媒担体に付着させ、同様に、空気流にて余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、600℃で1時間焼成して、中層を形成した。このときのコート層は20g/Lであった。
次に、中層まで触媒を付着させた上記触媒担体に前記スラリーA1を付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このように得られた表層側中間層のコート量は50g/Lであった。さらに、この表層側中間層まで触媒を塗布した触媒担体に、前記スラリーA2を付着させ、同様に、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して最表層を形成した。このコート層は50g/L、含有Mg量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
このようにして、最内層(図3におけるB2)にBa、内層の表面側(図3における表面側層B1)にBaとRh、中層(隔離層S)に平均して3μmの空孔(トラップ拡散孔V:図4参照)を有する活性アルミナ層、表層側中間層(図3における中間層A2)にMg、最表層(図3におけるA1)にRhとMgを含む触媒Qを得た。
【0054】
以下に、交互目詰め担体、すなわち隣接するセルの両端部が交互に目詰めされたウォールフロー(フィルタ)タイプの触媒調製について説明する。
まず、平均気孔率30%、平均細孔径20μmのコージェライト製ハニカム担体の片面に、耐熱性セメントを互いに接しないように、チェッカーボード状(市松模様)に、上端面の約5mm程度の深さを塞ぐように注入し、乾燥後、それぞれの成分組成を有する上流側触媒コート層を上記要領と同様に付着させる。この際、上流側コート層は互いに接しない様に、いわゆるチェッカーボード状に付着されていることになる。そして、耐熱セメントを塗布した端面5mm分を切断して各セルを貫通させたのち、先に上流側コート層を付着させた各セルを耐熱セメントで同様に塞ぎ、それぞれの成分組成を有する下流側触媒コート層を付着させる。そして最後に、耐熱性セメントを最初に塞いだセルに再び注入し、乾燥させることで、交互目詰め担体が得られる。
【0055】
(13)触媒M
上記手順に従って、上流側コート層として前記スラリーAを、下流側コート層として前記スラリーBを各々100g/L付着させ、上流側(第1の触媒層)にMgを、下流側(第2の触媒層)にBaを各々、酸化物換算で0.15Mol含む触媒Iを得た。
【0056】
(14)触媒N
上記手順に従って、上流側コート層として前記スラリーAを、下流側コート層として前記スラリーCを各々100g/L付着させ、上流側にMgを、下流側にNaを各々、酸化物換算で0.15Mol含む触媒Jを得た。
【0057】
(15)触媒O
上記手順に従い、上流側コート層として前記スラリーAを、下流側コート層として前記スラリーDを各々100g/L付着させ、上流側にMg、下流側にCsを各々、酸化物換算で0.15Mol含む触媒Kを得た。
【0058】
(16)触媒P
上記手順に従い、上流側コート層として前記スラリーBを、下流側コート層として前記スラリーDを各々100g/L付着させ、上流側にBa、下流側にCsを各々、酸化物換算で0.15Mol含む触媒Kを得た。
【0059】
(17)触媒Q
上記手順に従って、上流側コート層として前記スラリーABを、下流側コート層として前記スラリーBDを各々100g/L付着させ、上流側にMgとBaを、下流側にBaとCsを各々、酸化物換算で0.075Mol含む触媒Mを得た。
【0060】
(18)触媒R
上記手順により、交互目詰めされたハニカム担体の上流側セル壁面に、前記スラリーA1を付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して上流側内層を形成した。このときのコート量は50g/Lであった。そして、形成された触媒層上に前記スラリーA2を付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して上流側最表層を得た。このコート量は50g/Lであった。
次に、前述のように触媒コート層が付着していないセルを貫通させ、下流側セルの触媒担持を実施した。触媒担体の下流側セル壁面には、前記スラリーBを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときのコート量は100g/L、含有Ba量は担体1L当り、酸化物換算で0.15Molであった。
この後、前述の交互目封じ処理を行い、上流側触媒セルの内側層に、担体1L当り酸化物換算で0.075MolのMgを含有し、上流側触媒セルの最表層に、担体1L当り酸化物換算で0.075MolのMgおよびRhを含有すると共に、下流側触媒層にBaを含有する触媒Rを得た。
【0061】
(19)触媒S
上流側触媒層を上記触媒Rと同様に作成したのち、下流側触媒層を以下のように形成した。
すなわち、上流側触媒層を形成したハニカム担体の下流側セル壁面に、前記スラリーD1を付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して下流側内層を形成した。このときのコート量は50g/Lであった。そして、形成された触媒層の上に前記スラリーB2を付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して下流側最表層を得た。このコート量は50g/Lであった。
この後、前述の交互目封じ処理を行い、上流側触媒セルの内側層(図7におけるA2)に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのMgを含有し、上流側最表層(図7におけるA1)に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのMgおよびRhを含有すると共に、下流側触媒層の内側層(図7におけるB2)に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのCsを含有し、下流側最表層(図7におけるB1)に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのBaおよびRhを含有する触媒Sを得た。
【0062】
(20)触媒T
上流側触媒層を上記触媒Rと同様に作成したのち、下流側触媒層を以下のように形成した。
すなわち、上流側触媒層を形成したハニカム担体の下流側セル壁面に、前記スラリーB1を付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して下流側内層を形成した。このときのコート量は50g/Lであった。そして、形成された触媒層の上に前記スラリーB2を付着させ、同様に、余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成することにより下流側最表層を得た。このコート量は50g/Lであった。
この後、同様の交互目封じ処理を行い、上流側触媒セルの内側層に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのMgを含有し、上流側最表層に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのMgおよびRhを含有すると共に、下流側触媒層の内側層に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのBaを含有し、下流側最表層に担体1L当り酸化物換算で0.075MolのBaおよびRhを含有する触媒Tを得た。
【0063】
(21)触媒A’
酸化ジルコニウム粉末を300g、75%の水分量を含むベーマイトを75g、水300g/Lを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーE2を得た。このスラリーE2をオープンセルタイプのコージェライト質モノリス担体(1.7L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの内層コート層は20g/Lであった。
そして、前記粉末ARを294g、粉末APを490g、前記粉末BRを294g、粉末BPを490g、活性アルミナ粉末を334g、75%の水分量を含むベーマイトを98g、水1000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーAB’を得た。
次に、スラリーE2を付着させた上記触媒担体に、このスラリーAB’を付着させ、同様に、セル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成した。このときの表層コート層は200g/L、含有するMgおよびBaの量は担体1L当り、酸化物換算で各々0.15Molであった。これによって、内層(第2の触媒層)に酸化ジルコニウム、表層(第1の触媒層)にMg及びBaを含む触媒A’を得た。
【0064】
(22)触媒B’
内層を形成するに際して、Baを含むスラリーBを用いる代わりに、Mgを含む前記スラリーAを用い、表層を形成するに際して、Mgを含むスラリーAを用いる代わりに、Csを含む前記スラリーDを用いたこと以外は、前記触媒Aと同様の要領によって、内層(第2の触媒層)にMg、表層(第1の触媒層)にCsを含む触媒B’を得た。
【0065】
(23)触媒C’
ウォールフロータイプの触媒調製手順に従って、交互目詰めされたハニカム担体の上流側セル壁面に、前記スラリーAB’を100g/L付着させ、上流側に酸化物換算で0.15Mol/LのMgとBaを含み、下流側には触媒層が付着されていない触媒C’を得た。
【0066】
(24)触媒D’
ウォールフロータイプの触媒調製手順に従って、上流側コート層として前記スラリーDを、下流側コート層として前記スラリーAをそれぞれ100g/L付着させ、上流側にはCs、下流側にはMgを酸化物換算でそれぞれ0.15Mol/L含有する触媒D’を得た。
【0067】
(25)水素触媒
CeO2を30%含有するアルミナに、ジニトロジアミン白金硝酸酸性水溶液を含浸担持し、130℃にて乾燥後、400℃にて1時間焼成して、Pt(2.5%)/CeO2(30%)/アルミナ粉末を得た。次に、この粉末を1750g、活性アルミナ粉末を167g、75%の水分量を含むベーマイトを49g、水1000g/Lを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して水素触媒スラリーを得た。
そして、この水素触媒スラリーをコージェライト質モノリス担体(1.3L、400セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成して水素触媒を得た。このときのコート量は200g/LLであった。
【0068】
<触媒耐久条件>
全ての触媒について、下記耐久耐久条件により、劣化処理を実施した。
使用エンジン:日産自動車株式会社製 直列6気筒 2.0Lエンジン
使用燃料  :日石三菱製レギュラーガソリン
(PB:0mg/usj. S:30ppm以下)
触媒入口排気温度:700℃
耐久時間  :50時間
【0069】
<触媒評価試験>
以下の低負荷および高負荷、双方の実験条件で、触媒性能評価を実施した。
使用エンジン:日産自動車株式会社製
直列4気筒 2.5Lディーゼルエンジン
使用燃料  :JIS2号軽油
触媒入口温度:低負荷条件;200℃  高負荷条件;350℃
空間速度(SV):低負荷条件; 60,000Hr−1
高負荷条件;100,000Hr−1
【0070】
(1)オープンセル型触媒低負荷実験
実施例1から実施例13、及び比較例1,2により、オープンセル型触媒である触媒A〜K、および触媒A’,B’の性能について、それぞれ上記低負荷条件により評価した。
各試験において、実施例1から実施例11及び、比較例1,2においては、触媒の前段に、水素富化手段として上記の水素触媒を配置し、実施例12及び13においては、触媒前段部の排気管内に水素供給装置として水素インジェクターを追加し、排気ガスに対して、水素濃度が2%になるように水素を富化するようにした。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 2004016850
【0072】
(2)オープンセル型触媒高負荷実験
実施例14から実施例26、及び比較例3,4により、触媒A〜K、および触媒A’,B’の性能について、それぞれ上記高負荷条件により評価した。
各試験において、実施例14から実施例24及び、比較例3,4においては、同様に、触媒の前段に水素富化手段として水素触媒を配置し、実施例25及び26においては、触媒前段部の排気管内に水素供給装置として水素インジェクターを追加し、排気ガスに対して、水素濃度が2%になるように水素を富化するようにした。その結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
Figure 2004016850
【0074】
これらの結果より、低排気温度から、高温・高SVの条件下において、本発明の触媒が有効にNOxを浄化できることがわかる。
【0075】
(3)ウォールフロー型触媒低負荷実験
実施例27から実施例35、及び比較例5,6により、ウォールフロー型触媒である触媒I〜T、および触媒C’,D’の性能について、それぞれ上記低負荷条件により評価した。
各試験において、実施例27から実施例33及び、比較例1,2においては、触媒の前段に、水素富化手段としての水素触媒を配置し、実施例34及び35においては、触媒前段部の排気管内に水素供給装置として水素インジェクターを追加し、排気ガスに対して、水素濃度が2%になるように水素を富化するようにした。その結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
Figure 2004016850
【0077】
(4)ウォールフロー型触媒高負荷実験
実施例36から実施例44、及び比較例7,8により、触媒I〜T、および触媒C’,D’の性能について、それぞれ上記高負荷条件により評価した。
各試験において、実施例36から実施例42及び、比較例7,8においては、同様に、触媒の前段に水素富化手段として水素触媒を配置し、実施例43及び44においては、触媒前段部の排気管内に水素供給装置として水素インジェクターを追加し、排気ガスに対して、水素濃度が2%になるように水素を富化するようにした。その結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
Figure 2004016850
【0079】
上記表3及び表4の結果から、ウォールフロー型触媒においても、低排気温度から、高温・高SVの条件下において、本発明の触媒が有効にNOxを浄化できることがわかる。
【0080】
<PM燃焼活性試験>
ウォールフロー型の触媒M〜T、及び触媒C’,D’を用いて、これら触媒のPM燃焼活性試験を実施した。
まず、上記触媒に前述の耐久試験を実施した後、下記条件によりPM付着処理を施した。
Figure 2004016850
そして、このようにしてPMを付着させた各触媒の一部を切り出し、以下の条件によるモデルガス試験評価を実施した。
モデルガス試験条件
反応ガス  :NO=100ppm、O(10%)、Nバランス
SV    :40,000Hr−1
反応温度  :200℃〜600℃
【0081】
なお、PM燃焼開始の温度は、低濃度CO分析計を用いてCOの生成が認められた際の触媒温度とした。この結果を実施例45〜52、及び比較例9、10として表5に示す。
【0082】
【表5】
Figure 2004016850
【0083】
以上の結果より、本発明の触媒が、低温から高温・SV域までの広範囲に亘ってNOx浄化性能を発揮することができ、しかもPM浄化特性にも優れることが確認された。
【0084】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明に係わる排気ガス浄化用触媒は、ガス透過性を備えた隔離層を介して、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する第1及び第2の触媒層が分割形成され、排気ガスと先に接触する第1の触媒層には、第2の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩よりも還元分解反応が進み易い硝酸塩を形成するアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が含まれている構成、すなわち、第1の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩の還元分解反応式における自由エネルギー変化ΔGaが、第2の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩の還元分解反応式における自由エネルギー変化ΔGbよりも小さくなるような元素を選択して添加するようにしたものであるから、第1の触媒層の側では、貴金属の酸化活性を抑制することなく低温域のNOxの吸着機能を維持することができ、リッチスパイク時のCOを酸化除去して、CO被毒作用を軽減することができると共に、触媒の酸化活性により、ディーゼルエンジンから排出されるPM分やSOFの酸化除去が可能になる。そして、第2の触媒層側には、第1の触媒層に含まれる元素よりも硝酸塩が分解し難いNOx吸着元素が含まれているので、高温・高SV条件下でのNOx浄化性能も維持することができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0085】
また、本発明に係わる排気ガス浄化用触媒の製造方法においては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を触媒層に担持させるに際して、これら元素を耐熱性無機材料基材粉末に含浸させたのち乾燥して、酸化雰囲気中にて焼成し、さらに当該粉末をスラリー中に混合して粉砕後、触媒担体に塗布するようにしているので、触媒層を塗布したのちに含浸させる場合に較べて、第1の触媒層に添加するべき元素と、第2の触媒層に添加するべき元素が接触したり、混ざり合ったりすることがなく、NOx浄化性能の低下を防止することができる。
【0086】
さらに、本発明に係わる排気ガス浄化システムにおいては、本発明に係わる上記触媒を排気ガス流路に備えると共に、その上流側に、例えば触媒や水素供給装置などの水素富化手段が配設されているので、低温域でのNOx浄化をより効率的におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる排気ガス浄化用触媒の実施形態としてオープンセル型の触媒構造例を示す模式断面図である。
【図2】同じくオープンセル型触媒の他の実施形態として最表層にRhを添加した構造例を示す模式断面図である。
【図3】オープンセル型触媒のさらに他の実施形態として内層の表面側層および表層側の最表面層にRhを添加した構造例を示す模式断面図である。
【図4】オープンセル型触媒の別の実施形態として隔離層にトラップ拡散孔を形成した例を示す模式断面図である。
【図5】本発明に係わる排気ガス浄化用触媒の実施形態としてウォールフロー型の触媒構造例を示す概略断面図である。
【図6】図5に示したウォールフロー型触媒の拡大断面図である。
【図7】ウォールフロー型触媒の他の実施形態として上流側および下流側触媒層の最表層にそれぞれRhを添加した構造例を示す模式断面図である。
【図8】本発明に係わる排気ガス浄化システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示した排気ガス浄化システムの好適形態を示すブロック図である。
【図10】図8に示した排気ガス浄化システムの他の好適形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 排気ガス浄化触用触媒
A 第1の触媒層
B 第2の触媒層
S 隔離層
V トラップ拡散孔
W セル壁(隔離層)
10 水素富化手段
11 水素供給装置
12,13 水素触媒

Claims (15)

  1. 内燃機関の排気流路内に設置される排気ガス浄化用触媒であって、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する第1及び第2の触媒層がガス透過性を備えた隔離層を介して分割形成されていると共に、排気ガスと先に接触する第1の触媒層には、第2の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩よりも還元分解反応が進み易い硝酸塩を形成するアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が含まれていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 内燃機関の排気流路内に設置される排気ガス浄化用触媒であって、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する第1及び第2の触媒層がガス透過性を備えた隔離層を介して分割形成されていると共に、次式で示される還元分解反応式(式中、Mはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属、A〜DおよびW〜Zは各々反応式の化学量論量を満たす数字である)において、排気ガスと先に接触する第1の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩の還元分解反応式における自由エネルギー変化をΔGa、第2の触媒層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の硝酸塩の還元分解反応式における自由エネルギー変化をΔGbとするとき、ΔGa<ΔGbであることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
    AM(NO+BCO → CM+DCO+EN
  3. 前記隔離層が耐熱性多孔質無機材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用触媒。
  4. 前記耐熱性多孔質無機材料が、コージェライト、SiC、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリアおよびゼオライトから選ばれる少なくとも1種のものからなることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化用触媒。
  5. 両端部が開放されたオープンセル型ハニカム担体のセル壁面上に第2の触媒層が形成されており、該触媒層上に隔離層を介して第1の触媒層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。
  6. 第1の触媒層が多層構造を有し、該触媒層の排気ガスに直接接触する表面側にRhが含有されていることを特徴とする請求項5に記載の排気ガス浄化用触媒。
  7. 第2の触媒層 が多層構造を有し、該触媒層の第1の触媒層側にRhが含有されていることを特徴とする請求項6に記載の排気ガス浄化用触媒。
  8. 隔離層が排気ガス成分をトラップすると共に拡散させるトラップ拡散孔を備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。
  9. 隣接するセルの両端部が交互に目詰めされたウォールフロー型ハニカム担体のセル壁面の排気ガス上流側に第1の触媒層が形成されると共に、セル壁面の排気ガス下流側に第2の触媒層が形成されており、前記ハニカム担体のセル壁が隔離層として機能することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒。
  10. 第1の触媒層が多層構造を有し、排気ガスの最も上流側に位置する第1の触媒層の表面側にRhが含有されていることを特徴とする請求項9に記載の排気ガス浄化用触媒。
  11. 第2の触媒層が多層構造を有し、排気ガスの最も下流側に位置する第2の触媒層の表面側にRhが含有されていることを特徴とする請求項10に記載の排気ガス浄化用触媒。
  12. アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を触媒層に担持させるに際して、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を耐熱性無機材料基材粉末に含浸させたのち乾燥して、酸化雰囲気中にて焼成し、さらに当該粉末をスラリー中に混合して粉砕後、触媒担体に塗布することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒を排気ガス流路に備えると共に、当該排気ガス浄化用触媒の上流側に水素富化手段を配置してなることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  14. 水素富化手段が排気ガス流路内に外部から水素を導入する水素供給装置であることを特徴とする請求項13に記載の排気ガス浄化システム。
  15. 水素富化手段が排気ガス流路内に直列に配置された触媒であって、該触媒が内燃機関から排出される水素を選択的に透過すること及び/又は水素を生成させることによって水素を富化することを特徴とする請求項13に記載の排気ガス浄化システム。
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