JP2004012801A - フィルタモジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ほぼ同軸となるように予め固定された同じレンズである第1レンズ22および第2レンズ23と、両レンズ22,23間に配置されるフィルタ24と、第1レンズ22の入射側に配置され、ファイバ軸がほぼ平行になるように固定された光ファイバ25,26と、第2レンズ23の射出側に配置される光ファイバ27とを備えるフィルタモジュール21において、両レンズ22,23の焦点距離をfとすると、フィルタ24の第1レンズ22の焦点位置からのずれ量を、焦点距離fの±25%以内に設定する。このような設定をすることで、反射側での挿入損失が0.2dBより小さいフィルタモジュールを、光ファイバ25〜27のθx,θy調芯無しで組み立てることができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度波長多重(DWDM)伝送方式等の光通信システムに用いるフィルタモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記光通信システムでは、波長の異なる複数の光信号を一本の光ファイバに合波(結合)する合波モジュールや、光ファイバを伝送されてきた波長多重信号を各波長毎に分波(分離)する分波モジュールが用いられる。このような分波モジュールとして構成されるフィルタモジュールとして、例えば、図1に示すような光学系が本発明者らにより提案されている。このフィルタモジュール11は、互いの光軸がほぼ同軸となるように予め一体化された第1レンズ12および第2レンズ13と、該両レンズ間に配置されるフィルタ14と、第1レンズ12の入射側に配置される2本の光ファイバ15,16と、第2レンズ13の射出側に配置される1本の光ファイバ17とを備える。2本の光ファイバ15,16は、ファイバ軸がほぼ平行になるように固定されている。また、光ファイバ15,16は、光軸Cから反対側に同じ距離ずれた位置にある。そして、光ファイバ17は、光軸Cから光ファイバ16と同じ側に同じ距離だけずれた位置にある。また、第1レンズ12および第2レンズ13として焦点距離fを有する同じレンズが使用され、レンズ間距離が2fに設定され、また、フィルタ14は第1レンズ12の焦点位置に配置されている。
【0003】
また、このフィルタモジュール11は、光ファイバ15からフィルタ14を透過する波長域の光を出射させると、この光が第1レンズ12によりコリメートされてフィルタ14を透過し、この透過光が第2レンズ13により収束されて光ファイバ17に入射するようになっている。また、フィルタモジュール11は、光ファイバ15からフィルタ14で反射する波長域の光を出射させると、この光が第1レンズ12によりコリメータされてフィルタ14で反射され、この反射光が第1レンズ12により収束されて光ファイバ16に入射するようになっている。
【0004】
また、上記フィルタモジュールとして、図1に示す光学系と等価な図2に示すような光学系が本発明者らにより提案されている。このフィルタモジュール21は、同じ屈折率分布型ロッドレンズで、互いの光軸がほぼ同軸となるように予め固定された第1レンズ22および第2レンズ23を備える。さらに、フィルタモジュール21は、両レンズ2,23間に配置されたフィルタ24と、第1レンズ22の入射側に配置された2芯ファイバチップ28と、第2レンズ23の射出側に配置された1芯ファイバチップ29とを備える。なお、上記各光ファイバ15〜17および25〜27は、それぞれ単一モード光ファイバである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図1および図2に示す上記フィルタモジュール11,21の組立には以下の調芯作業(a)〜(d)が必要となる。以下の説明では、フィルタモジュール11の組立に必要な調芯作業について説明する。なお、光ファイバを伝搬する光は完全にコア内に閉じ込められているわけでなく、その強度分布の裾の部分はクラッド内にしみ出ている。単一モード光ファイバの場合、その出射光は、ファイバ軸に垂直な面内でガウス分布状の強度分布(光束の中心部で強度が大きく、周辺部で強度が小さくなる分布)を持つガウシアンビームである。すなわち、光ファイバ15からの出射光(ガウシアンビーム)は、第1レンズ12によりコリメートされるが、両レンズ12,13間で平行光にならず、中間にビームウエストができる。また、第2レンズ13により収束される光は1点に収束せず、ビームウエストができる。
【0006】
(a)光ファイバ15からフィルタ14で反射する波長域の光を出射させ、フィルタ14で反射した光が第1レンズ12により収束されて光ファイバ16に入射する光のビームウエストの位置と光ファイバ17の端面とを一致させる調芯作業。この調芯作業は、光ファイバ15からフィルタ14で反射する波長域の光を出射させ、反射ポート側の光ファイバ16から出射されるその反射光を監視しながら、その反射光の光量が最大になるように光ファイバ15,16をX,Y,Z方向に調芯する。
【0007】
また、光ファイバ15からフィルタ14を透過する波長域の光を出射させ、フィルタ14を透過した光が第2レンズ13により収束されて光ファイバ17に入射する光のビームウエストの位置と光ファイバ17の端面とを一致させる調芯作業。この調芯作業は、光ファイバ15からフィルタ14を透過する波長域の光を出射させ、光ファイバ17から出射されるその透過光を監視しながら、その透過光の光量が最大になるように光ファイバ17をX,Y,Z方向に調芯する。
【0008】
(b)各光ファイバ15〜17のモードフィールド径とビームウエストの径とをそれぞれ一致させる調芯作業。ここでは、両レンズ12,13として同じレンズを用いる。これにより、光ファイバ15から出射する光のビームウエストの位置と光ファイバ17に入射する光のビームウエストの位置とが光軸に関して対称となり、上記調芯作業(a)を行なった光ファイバ15,17のモードフィールド径とビームウエストの径とがそれぞれ一致する。また、光ファイバ15から出射する光のビームウエストの位置と光ファイバ16に入射する光のビームウエストの位置とが光軸に関して対称となり、上記調芯作業(a)を行なった各光ファイバ15,16のモードフィールド径とビームウエストの径とがそれぞれ一致する。なお、ここにいう「モードフィールド径」とは、上記ガウス分布状の強度分布のピーク値の1/e2の強度となる径をいう。
【0009】
(c)ビームの主光線と各光ファイバ15〜17のファイバ軸とをそれぞれ一致させる調芯作業。これらの調芯作業は、各光ファイバ15〜17について光軸Cに対するθx方向の傾きとθy方向の傾きとをそれぞれ調整することで行なう。
【0010】
(d)途中でビームのけられが無いようにする調芯作業。この調芯作業は、両レンズ12,13について光軸Cに対するθx方向の傾きとθy方向の傾きとをそれぞれ調整することで行なう。
【0011】
上記フィルタモジュール11,21では、要求される挿入損失が得られるように上記調芯作業(a)〜(d)の全てを行なうのに時間がかかり、フィルタモジュールの組立に長時間がかかるので、要求される挿入損失を満たすフィルタモジュールの生産性が悪く、コストが増大してしまう。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、要求される挿入損失を満たすフィルタモジュールの生産性の向上とコストの低減とを図ったフィルタモジュールを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、互いの光軸がほぼ同軸となるように予め固定された同じレンズである第1レンズおよび第2レンズと、該両レンズ間に配置されるフィルタと、前記第1レンズの入射側に配置され、ファイバ軸がほぼ平行になるように固定された少なくとも2本の光ファイバと、前記第2レンズの射出側に配置される少なくとも1本の光ファイバとを備えるフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズおよび第2レンズの焦点距離をfとすると、前記フィルタの前記第1レンズの焦点位置からのずれ量を、前記焦点距離fの±25%以内に設定することを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、フィルタの第1レンズの焦点位置からのずれ量を焦点距離fの±25%以内に設定することで、反射側での挿入損失を最大で0.2dB程度に抑えることができる。このように第1レンズに対するフィルタの組立公差を設定することは、要求される反射側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、挿入損失が所定値より小さいフィルタモジュールを、光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てることができるので、生産性が向上し、製造コストが低減される。
【0015】
なお、ここにいう「反射側での挿入損失」とは、第1レンズの入射側に配置される少なくとも2本の光ファイバの一つからフィルタで反射する波長域の光を出射させる場合に、第1レンズによりコリメータされてフィルタで反射される反射光が第1レンズにより収束されて前記少なくとも2本の光ファイバの他の一つに入射する際の挿入損失をいう。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することを要旨とする。
【0017】
なお、ここにいう「θx方向の傾き」とは、光軸に垂直なX軸回りの角度をいう。また、「θy方向の傾き」とは、光軸に垂直なY軸回りの角度をいう。この構成によれば、第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することで、前記反射側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される反射側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することで、透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。なお、ここにいう「透過側での挿入損失」とは、第1レンズの入射側に配置される光ファイバの一つからフィルタを透過する波長域の光を出射させる場合に、第1レンズによりコリメートされてフィルタを透過する光が第2レンズにより収束されて第2レンズの射出側に配置される光ファイバに入射する際の挿入損失をいう。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定するとともに、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することを要旨とする。
【0021】
この構成によれば、第1レンズの入射側に配置される光ファイバおよび第2レンズの射出側に配置される光ファイバのθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ0.2度以内に設定することで、挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される反射側および透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)をともに満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズと前記第2レンズのレンズ間距離(WD)を、2f±2f/4の範囲内に設定することを要旨とする。
【0023】
この構成によれば、第1レンズと第2レンズのレンズ間距離(WD)を、2f±2f/4の範囲内に設定することで、レンズ間距離のずれによる前記透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定するとともに、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定し、さらに、前記第1レンズと前記第2レンズのレンズ間距離(WD)を、2f±2f/4の範囲内に設定することを要旨とする。
【0025】
この構成によれば、前記反射側および透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができるとともに、レンズ間距離のずれによる前記透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される反射側および透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0026】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズの光軸と第2レンズの光軸のずれを、前記焦点距離fの2.5%以内に設定することを要旨とする。
【0027】
この構成によれば、第1レンズの光軸と第2レンズの光軸のずれを、前記焦点距離fの2.5%以内に設定することで、両レンズの光軸のずれによる前記透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0028】
請求項8に係る発明は、請求項1に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定するとともに、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定し、さらに、前記第1レンズの光軸と第2レンズの光軸のずれを、前記焦点距離fの2.5%以内に設定することを要旨とする。
【0029】
この構成によれば、前記透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0030】
請求項9に係る発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズおよび前記第2レンズは、光入出射面の少なくとも一方が平面で光軸に対して傾斜した斜め面をそれぞれ有するレンズであり、該両レンズの斜め面のθz方向のずれを20度以内に設定することを要旨とする。
【0031】
この構成によれば、第1レンズおよび第2レンズのθz方向のずれを20度以内に設定することで、反射戻り光を防止しながら、前記透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、反射戻り光を防止しながら、前記透過側での挿入損失を所定値、例えば0.2dB以下に低減するために必要な条件である。
【0032】
請求項10に係る発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズおよび前記第2レンズの光軸に対する傾きをそれぞれ1.5度以内に設定することを要旨とする。
【0033】
この構成によれば、前記透過側での挿入損失をさらに低く抑えることができる。また、請求項1,6,7および9にそれぞれ記載された条件に加えて、第1レンズおよび第2レンズの光軸に対する傾きをそれぞれ1.5度以内に設定することで、上述した4つの調芯作業(a)〜(d)のうち、調芯作業(c)と(d)を省いても必要な挿入損失を得ることができる。これにより、調芯個所および調芯作業が減るために、フィルタモジュールの組立時間がさらに短縮され、製造コストがさらに低減される。
【0034】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズおよび前記第2レンズの互いに対向する側の各端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、10度以内に設定することを要旨とする。
【0035】
ここでの設定は、例えば、両レンズの互いに対向する側の各端面がそれぞれ、光軸に垂直な平坦面である場合、各端面の光軸に対する傾きを90度±10度の範囲内に設定することを意味する。また、その各端面がそれぞれ、光軸に対して所定角度傾斜した斜め面である場合、各端面の光軸に対する傾きを所定角度±10度の範囲内に設定することを意味する。この構成によれば、第1レンズおよび前記第2レンズの互いに対向する側の各端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、10度以内に設定することで、必要な挿入損失(例えば、0.2dB以下)を得ることができる。
【0036】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載のフィルタモジュールにおいて、前記第1レンズおよび前記第2レンズの各光ファイバに対向する側の端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、2.5度以内に設定することを要旨とする。
【0037】
この構成によれば、第1レンズおよび前記第2レンズの各光ファイバに対向する側の端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、2.5度以内に設定することで、必要な挿入損失(例えば、0.2dB以下)を得ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されるフィルタモジュールの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
本発明は、上述した図1および図2にそれぞれ示すフィルタモジュール11,21や、図3に示すフィルタモジュール31に適用される。まず、これらのフィルタモジュールの構成について説明する。なお、図1に示すフィルタモジュール11については、説明を省略する。
【0040】
図2に示すフィルタモジュール21は、上述したように、第1レンズ22および第2レンズ23と、フィルタ24と、2芯ファイバチップ28と、1芯ファイバチップ29とを備える。
【0041】
2芯ファイバチップ28には、ファイバ軸が平行になるように2本の光ファイバ25,26が固定されており、1芯ファイバチップ29には1本の光ファイバ27が固定されている。また、光ファイバ25,26は、光軸Cから反対側にほぼ同じ距離ずれた位置にある。また、第1レンズ22および第2レンズ23として焦点距離fを有する同じ屈折率分布型ロッドレンズが使用され、レンズ間距離が2fに設定されているとともに、フィルタ24は第1レンズ22のレンズ側端面に形成されている。
【0042】
第1レンズ22および第2レンズ23は、両端面がそれぞれ光軸Cに垂直な平坦面である屈折率分布型ロッドレンズ(フラットレンズ)で構成されている。
フィルタ24は、第1レンズ22の第2レンズ23に対向する側の端面(レンズ側端面)に形成されている。このフィルタ24は、ある波長域の光を透過させるとともに、その波長域とは異なる波長域の光を反射する特性を有する波長選択膜である。
【0043】
2本の光ファイバ25,26は、光軸Cに関して対称な位置に配置されている。すなわち、光ファイバ25は光軸Cに対してプラス側(図2で上側)に所定量オフセットさせてあり(ファイバオフセット(+))、光ファイバ26は光軸Cに対してマイナス側(図2で下側)に光ファイバ25と同じ量だけオフセットさせてある(ファイバオフセット(−))。一方、光ファイバ27は、光軸Cに対して光ファイバ26と同じ側にかつ同じ量だけオフセットさせてある。なお、以下の説明では、入射ポート側の光ファイバ25を第1光ファイバ25、反射ポート側の光ファイバ26を第2光ファイバ26、そして透過ポート側の光ファイバ27を第3光ファイバ27という。なお、「入射ポート側」は光を入射させる側のチャンネルをいい、「反射ポート側」はフィルタ24からの反射光が入射する側のチャンネルをいい、そして、「透過ポート側」はフィルタ24を透過した光が入射する側のチャンネルをいう。
【0044】
上述したように第1レンズ22および第2レンズ23として、同じ屈折率分布型ロッドレンズが使用されている。本例では、両レンズ22,23として、レンズ径が1.8mm、レンズ長が0.23ピッチ、焦点距離fが1.95mmの屈折率分布型ロッドレンズが使用されている。
【0045】
また、各光ファイバ25〜27として、外径が125μmである通常の単一モード光ファイバが使用されている。したがって、光ファイバ25,26を、光軸Cに関して対称な位置でかつ互いに接するように2芯ファイバチップ28に保持させる場合には、光ファイバ27のオフセット量は、約60μmもしくはそれ以上になる。
【0046】
そして、フィルタモジュール21は、第1光ファイバ25からフィルタ24を透過する波長域の光を出射させると、この光が第1レンズ22によりコリメートされてフィルタ24を透過し、この透過光が第2レンズ23により収束されて第3光ファイバ27に入射する。また、フィルタモジュール21は、第1光ファイバ25からフィルタ24で反射する波長域の光を出射させると、この光が第1レンズ22によりコリメータされてフィルタ24で反射され、この反射光が第1レンズ22により収束されて第2光ファイバ26に入射するようになっている。このように、フィルタモジュール21は、波長分割多重(WDM)や高密度波長多重(DWDM)伝送方式等の光通信システムに用いる3ポート(入射ポート、反射ポート、および透過ポート)の分波モジュールとして構成されている。
【0047】
次に、図3に示すフィルタモジュール31について説明する。
このフィルタモジュール31は、第1レンズ32および第2レンズ33と、フィルタ34と、2芯ファイバチップ38と、1芯ファイバチップ39とを備える。2芯ファイバチップ38には2本の光ファイバ35,36が保持されており、1芯ファイバチップ39には1本の光ファイバ37が保持されている。
【0048】
第1レンズ32は、第2レンズ33に対向する側の端面(レンズ側端面)が光軸Cに垂直な平坦面に研磨され、光ファイバ35,36に対向する側の端面(光ファイバ側端面)32aが光軸Cに対して所定の角度傾斜した斜め面に研磨された屈折率分布型ロッドレンズで構成されている。そのレンズ側端面にフィルタ34が形成されている。このフィルタ34は、上記フィルタ24と同様の波長選択膜である。また、第2レンズ33は、第1レンズ32と同様に、第2レンズ33に対向する側の端面(レンズ側端面)が平坦面に形成され、光ファイバ37に対向する側の光ファイバ側端面33aが光軸Cに対して所定の角度傾斜した斜め面に形成された屈折率分布型ロッドレンズで構成されている。
【0049】
第1レンズ32および第2レンズ33は、円筒状のガラスチューブ40内に挿入され、所定の位置に位置決めした上でガラスチューブ40に固定される。
2芯ファイバチップ38のレンズ側端面38aは、第1レンズ32の光ファイバ側端面32aと同様の斜め面に形成されている。また、1芯ファイバチップ39のレンズ側端面39aも、第2レンズ33の光ファイバ側端面33aと同様の斜め面に形成されている。
【0050】
また、本例のフィルタモジュール31では、2本の光ファイバ35,36は、光軸Cに関してほぼ対称な位置に配置されているとともに、光ファイバ37は、その第2レンズ33の光軸からのずれが、光ファイバ36の第1レンズ32の光軸からのずれに等しくなるように配置されている。なお、以下の説明では、上記入射ポート側の光ファイバ35を第1光ファイバ35、上記反射ポート側の光ファイバ36を第2光ファイバ36、そして上記透過ポート側の光ファイバ37を第3光ファイバ37という。
【0051】
[一実施形態]
次に、上述したフィルタモジュール11,21,31に適用される本発明の一実施形態について説明する。
【0052】
ここでは、これらのフィルタモジュール11,21,31のうち、主としてフィルタモジュール21を作製するのに設定される組立公差(条件1〜条件7)について説明する。なお、これらの条件は、フィルタモジュール21の損失許容範囲を絶対値でほぼ0.4dB以下、すなわちレンズの収差による損失0.2dBを考慮し、上記反射側および透過側での挿入損失をほぼ0.2dB以下に抑えるように設定される。
【0053】
(条件1)第1レンズ22および第2レンズ23の焦点距離をfとすると、フィルタ24の第1レンズ22の焦点位置(第1レンズの焦点位置)からのずれ量を、焦点距離fのほぼ±25%以内に設定する。換言すると、フィルタ24の第1レンズ22からの距離を、ほぼ(f−f/4)〜(f+f/4)の範囲内に設定する。
【0054】
図4に示す実験結果から、フィルタ24を第1レンズ22の焦点位置から+側にほぼ0.5mm(焦点距離fのほぼ25%)ずらすと、挿入損失がほぼ0.2dB増えることが判った。なお、図4において、フィルタ24のZ方向のずれ量(Z軸方向移動量)を表す横軸の「0」は、第1レンズ22のレンズ側端面から焦点距離fだけ離れた第1レンズ22の焦点位置を示している。また、図4に示す実験結果は、第1レンズ22および第2レンズ23のレンズ径を1.8mm、レンズ長を0.23ピッチ、焦点距離fを1.97mmとしたときのデータである。また、図4の縦軸で示す挿入損失は、上述した「反射側での挿入損失」をいう。すなわち、第1光ファイバ25からフィルタ24で反射する波長域の光を出射させる場合に、第1レンズ22によりコリメータされてフィルタ24で反射される反射光が第1レンズ22により収束されて第2光ファイバ26に入射する際の挿入損失をいう。
【0055】
(条件2)第1,第2,第3光ファイバ25,26,27各々の、第1レンズ22の光軸Cに対する上記θx方向の傾きと上記θy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定する。
【0056】
図5に示す実験結果から、各光ファイバ25,26,27の、任意の位置を基準としたθy方向回転角度(°)、すなわち第1レンズ22の光軸Cに対するθy方向の傾きが1.5度以内のずれであれば大きな挿入損失は無いと推定できる。各光ファイバ25,26,27のθx方向の傾きも、1.5度以内のずれであれば大きな挿入損失は無いと推定できる。しかし、他の公差の集積を考慮して、各光ファイバ25,26,27のθx,θy方向の傾きを、それぞれ0.2度以内に設定する必要があることを見出した。
【0057】
(条件3)第1レンズ22と第2レンズ23のレンズ間距離(WD)を、ほぼ2f±(2fの25%)以内、すなわちほぼ2f±2f/4の範囲内に設定する。
【0058】
上述したように、各光ファイバ25〜27の光ファイバ径は通常125μmであるため、光ファイバ25,26を、光軸Cに関して対称な位置でかつ互いに接するように2芯ファイバチップ28に保持させる場合には、光ファイバ27のオフセット量は約60μm(本例では−60μm)になる。このようなオフセット量の場合、図6および図7に示す実験結果から、レンズ間距離WDが約1mm(2fの約25%)ずれると挿入損失がほぼ0.2dB増えることが判った。なお、図7では、光ファイバ27のオフセット量を、−60μm、−70μm、−80μmおよび−100μmの4つの場合について示してあるが、各場合の挿入損失を、0.10dB程度底上げして示してある。
【0059】
(条件4)第1レンズ22の光軸Cと第2レンズ23の光軸Cのずれを、焦点距離fの2.5%以内に設定する。
両レンズ22,23の光軸のずれとビームの傾きの関係と、上記各光ファイバ25〜27各々のθx,θy方向の傾きに関する図5に示す上記実験結果とから、挿入損失を推定し、両レンズ22,23の焦点距離fを1.95mmとした場合における光軸のずれを50μm以内に設定するとの推定値を得た。すなわち、そのずれを焦点距離fの2.5%以内に設定するとの推定値を得た。
【0060】
(条件5)第1レンズ22および第2レンズ23のθz方向のずれを20度以内に設定する。
なお、この条件5は、図3に示すフィルタモジュール31のように、第1,第2レンズ32,33として、反射戻り光を防止するための斜め面32a,33aが形成された屈折率分布型ロッドレンズを用いる場合にのみ適用される。したがって、図1,図2に示すフィルタモジュール11,21に対しては適用されない。
【0061】
(条件6)第1レンズ22および第2レンズ23の光軸Cに対する傾きをそれぞれ1.5度以内に設定する。
両レンズ22,23のレンズ側端面の傾きとビームの関係と、上記各光ファイバ25〜27各々のθx,θy方向の傾きに関する図5に示す上記実験結果とから、その傾きと挿入損失を推定し、両1レンズ22,23の光軸Cに対する傾きをそれぞれ1.5度以内に設定するとの推定値を得た。
【0062】
(条件7)第1レンズ22および第2レンズ23の各レンズ側端面の光軸Cに対するθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、10度以内に設定する(図8参照)。また、第1レンズ22および第2レンズ23の各光ファイバ側端面の光軸Cに対するθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、2.5度以内に設定する(図8参照)。
【0063】
以上の条件1〜7を、図8に示してある。
図3に示すフィルタモジュール31を作製する際にも、フィルタモジュール21を作製する場合と同様に、上述した組立公差(条件1〜条件7)が設定される。次に、上記条件1〜条件7を満たすフィルタモジュール31の組立手順について説明する。その組立は、下記の工程1〜工程3からなる。ただし、2芯ファイバチップ28および1芯ファイバチップ29を予め製作しておく。
【0064】
(工程1)第1レンズ22および第2レンズ23をガラスチューブ40内に挿入して仮固定する。
(工程2)入射ポート側の第1光ファイバ25からフィルタ24で反射する波長域の光を出射させ、フィルタ24で反射されて反射ポート側の第2光ファイバ26に入射する反射光を監視しながら、その反射光の光量が最大になるように2芯ファイバチップ38をX,Y,Z方向に調芯する。この調芯後、2芯ファイバチップ38を第1レンズ32に固定する。なお、この工程2は、上記工程1の前に行なってもよい。
【0065】
(工程3)第1光ファイバ25からフィルタ24を透過する波長域の光を出射させ、フィルタ24を透過して透過ポート側の第3光ファイバ27に入射する透過光を監視しながら、その透過光の光量が最大になるように1芯ファイバチップ39をX,Y,Z方向に調芯する。この調芯後、1芯ファイバチップ39を第2レンズ23に固定する。
【0066】
なお、上記工程2および工程3におけるX,Y,Z方向の調芯精度は、0.5μm以下が必要であるが、その精度は現状の技術で十分可能である。また、工程2および工程3が、上述した調芯作業(a)および(b)に相当する。また、工程2により、反射側での光ファイバのモードフィールド径とビームウエストの径との一致は自動的に行われる。同様に工程3により、透過側でのモードフィールド径とビームウエストの径との一致も自動的に行われる。
【0067】
また、上記工程2および工程3の後、或いはこれらの工程2,3と一緒に、各光ファイバ35〜37のモードフィールド径とビームウエストの径とをそれぞれ一致させる調芯作業を行なう。すなわち、上述した上記調芯作業(b)と同様の調芯作業を行なう。
【0068】
以上の工程1〜工程3により、フィルタモジュール31の組立が完了するが、このフィルタモジュール31は上記条件1〜条件7の全てを満たしているので、上述した4つの調芯作業(a)〜(d)のうち、調芯作業(c)および(d)を省いても必要な挿入損失が得られる。さらに調芯作業(b)は調芯作業(a)を行った際に自動的に行なわれることになる。
【0069】
次に、各実施例および比較例について図8の表を参照して説明する。
なお、図8の表における条件1(フィルタの焦点位置からのずれ)の各データは、屈折率分布定数√Aが0.322の屈折率分布型ロッドレンズを上記各レンズとして使用した場合のものである。
【0070】
[実施例1]
上記各レンズとして、屈折率分布定数√Aが0.322で、かつレンズ長が0.25ピッチ(焦点距離fが1.95mm)の屈折率分布型ロッドレンズを用いている。なお、各レンズは、図3に示すように光ファイバ側端面が斜め面8°に研磨されている。条件1(フィルタの焦点位置からのずれ)の許容精度を、0.07mm未満、すなわち焦点距離fの3.5%未満に設定している。条件3(レンズ間隔の2・fからのずれ)の許容精度を0.5mm、すなわち両レンズ22,23のレンズ間距離(WD)を2f±(2fの13%)に設定している。その他の許容精度は、後述する実施例2と同じである。
【0071】
そして、実施例1では、各条件の許容精度を図8の表で示すように設定して、フィルタモジュールを15個作製した。これらのフィルタモジュール各々について、反射側損失(上記「反射側での挿入損失」)と透過側損失(上記「透過側での挿入損失」)を測定し、各損失について15個の平均値、標準偏差、および最悪値を算出した。これら各損失のデータを、図8に示す表に示してある。
【0072】
[実施例2]
上記各レンズとして、屈折率分布定数√Aが0.322で、かつレンズ長が0.23ピッチ(焦点距離fが1.97mm)の屈折率分布型ロッドレンズを用いている。なお、各レンズは、光ファイバ側端面が斜め面8°に研磨されている。この実施例2では、条件1の許容精度を、0.25mm、すなわち焦点距離fの13%に設定している。また、条件3の許容精度を0mm、すなわちレンズ間距離(WD)を2fに設定している。そして、1個作製したフィルタモジュールについて、上記各損失のデータを図8に示す表の下側の欄に示してある。
【0073】
[実施例3]
上記各レンズとして、屈折率分布定数√Aが0.322でレンズ長が0.24ピッチ(焦点距離fが1.96mm)の屈折率分布型ロッドレンズを用いている。なお、各レンズは、図2に示すような両端面が光軸Cに垂直な平坦面に研磨されたフラットレンズである。条件1の許容精度を0.5mm、すなわち焦点距離fの25%に設定している。条件3の許容精度を1mm、すなわちレンズ間距離(WD)を2f±(2fの25%)に設定している。また、上記フラットレンズを用いているので、条件5(各レンズのθzずれ)の許容精度を0にしてある。その他の許容精度は、実施例1,2と同じである。そして、各条件の許容精度を図8の表で示すように設定して、フィルタモジュールを1個作製した。このフィルタモジュールについて、上記各損失のデータを図8に示す表に示してある。
【0074】
[比較例1]
上記各レンズとして、屈折率分布定数√Aが0.322でレンズ長が0.25ピッチ(焦点距離fが1.95mm)の屈折率分布型ロッドレンズを用いている。なお、各レンズは、レンズ側端面が斜め面8°に研磨されている。条件1の許容精度を0.07mm、すなわち焦点距離fの3.5%に設定している。条件3の許容精度を0.5mm、すなわちレンズ間距離(WD)を2f±(2fの13%)に設定している。また、条件2(第1,第2光ファイバの傾きθx,θyと、第3光ファイバの傾きθx,θy)の許容精度を、上記実施形態1〜3より大きい0.5mmにそれぞれ設定している。その他の許容精度は、実施例1,2と同じである。
【0075】
そして、比較例1では、各条件の許容精度を図8に示す表で示すように設定して、フィルタモジュールを13個作製した。これらのフィルタモジュール各々について、反射側損失と透過側損失を測定し、各損失について13個の平均値、標準偏差、および最悪値を算出した。これら各損失のデータを、図8に示す表の下側の欄に示してある。
【0076】
[比較例2]
上記各レンズとして、屈折率分布定数√Aが0.322でレンズ長が0.24ピッチ(焦点距離fが1.96mm)の屈折率分布型ロッドレンズを用いている。なお、各レンズは、上記実施例3と同様のフラットレンズを用いている。条件1の許容精度を0.16mm、すなわち焦点距離fの8%に設定している。条件3の許容精度を1.5mm、すなわちレンズ間距離(WD)を2f±(2fの39%)に設定している。また、実施例3と同様にフラットレンズを用いているので、条件5(各レンズのθzずれ)の許容精度を0にしてある。その他の許容精度は、実施例1〜3と同じである。そして、各条件の許容精度を図8に示す表で示すように設定して、フィルタモジュールを1個作製した。このフィルタモジュールについて、上記各損失のデータを図8に示す表の下側の欄に示してある。
【0077】
上記実施例1と実施例2を比較すると、条件1の許容精度は実施例2よりも実施例1の方が厳しく設定されているので、反射側損失は実施例1の方が実施例2よりも少ない。また、条件3の許容精度は、実施例1よりも実施例2の方が厳しく設定されているので、透過側損失は実施例2の方が実施例1よりも少ない。また、実施例2と実施例3を比較すると、条件1,3の許容精度は実施例3よりも実施例2の方が厳しく設定されているので、反射側損失および透過側損失は共には実施例2の方が実施例3よりも少ない。
【0078】
これらのことから、条件1の許容精度は反射側損失の改善に大きく寄与し、条件2の許容精度は透過側損失の改善に大きく寄与することが判る。このことは、各実施例1〜3と比較例2とをそれぞれ比較した場合にも当てはまる。
【0079】
また、実施例1と比較例1とを比較すると、条件2の許容精度は比較例1よりも実施例1の方が厳しく設定されているので、反射側損失および透過側損失は共には実施例1の方が比較例1よりもはるかに少なくなっている。また、各損失のばらつきおよび最悪値についても、実施例1の方が比較例1よりもはるかに良くなっている。
【0080】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
・フィルタ24の第1レンズ22の焦点位置からのずれ量を焦点距離fの±25%以内に設定する、すなわち上記条件1を満たすことで、反射側での挿入損失を最大で0.2dB程度に抑えることができる。このように第1レンズ22に対するフィルタ24の組立公差(条件1の許容精度)を設定することは、要求される反射側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、挿入損失が所定値より小さいフィルタモジュールを、光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てることができる。したがって、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0081】
・第1レンズ22の入射側に配置される光ファイバ25,26の、第1レンズ22の光軸Cに対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することで、前記反射側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される反射側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュール21を光ファイバ25,26のθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0082】
・第2レンズ23の射出側に配置される光ファイバ27の、第2レンズ23の光軸Cに対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することで、透過側での挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバ27のθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0083】
・第1レンズ22の入射側に配置される光ファイバ25,26および第2レンズ23の射出側に配置される光ファイバ27のθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ0.2度以内に設定することで、挿入損失を所定値以下に抑えることができる。このような設定をすることは、要求される反射側および透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)をともに満たすフィルタモジュール21を光ファイバ25〜27のθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0084】
・第1レンズ22と第2レンズ23のレンズ間距離(WD)を、2f±(2fの25%)以内に設定することで、すなわち上記条件3を満たすことで、レンズ間距離のずれによる透過側での挿入損失の増加を抑えることができる。このように、そのレンズ間距離(WD)を、2f±(2fの25%)以内に設定することは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。したがって、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0085】
・第1レンズ22の光軸と第2レンズ23の光軸のずれを、焦点距離fの2.5%以内に設定することで、すなわち上記条件4を満たすことで、両レンズ22,23の光軸のずれによる透過側での挿入損失の増加を抑えることができる。したがって、挿入損失のさらに小さいフィルタモジュールを実現できる。また、このように、両レンズ22,23の光軸のずれを、焦点距離fの2.5%以内に設定することは、要求される透過側での挿入損失(例えば、0.2dB以下)を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。したがって、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0086】
・上述したように、上記条件5は、図3に示すフィルタモジュール31のように、第1レンズおよび第2レンズが、光入出射面のいずれか一方が平面で光軸に対して傾斜した斜め面をそれぞれ有するレンズの場合に適用される。フィルタモジュール31の場合には、第1レンズ32の光ファイバ側端面(入射面)32aと、第2レンズ33の光ファイバ側端面(射出面)33aとがそれぞれ斜め面になっている。このフィルタモジュール31において、両レンズ32,33のθz方向のずれ、すなわち両光ファイバ側端面32a,33aのθz方向のずれを20度以内に設定することで、反射戻り光を防止しながら、透過側での挿入損失を低減することができる。このように、フィルタモジュール31のようなフィルタモジュールにおいて、両レンズ32,33のθz方向のずれ、すなわち両光ファイバ側端面32a,33aのθz方向のずれを20度以内に設定することは、フィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。したがって、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0087】
・上記条件1〜7を満たすことで、上記4つの調芯作業(a)〜(d)のうち、調芯作業(c)および(d)を省いても必要な挿入損失を得ることができる。ただし、条件5は、フィルタモジュール31のように、第1レンズおよび第2レンズが、光入出射面のいずれか一方が平面で光軸に対して傾斜した斜め面をそれぞれ有するレンズの場合に適用される。これにより、調芯個所および調芯作業が減るために、フィルタモジュールの組立時間が短縮され、製造コストを低減することができる。なお、調芯作業(b)による調芯は調芯作業(a)を行う際に自動的に行なわれる。
【0088】
・第1レンズ22および第2レンズ23の各レンズ側端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、10度以内に設定することで、挿入損失を0.2dB以下に抑えることができる(図8参照)。
【0089】
・第1レンズ22および第2レンズ23の各光ファイバ側端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、2.5度以内に設定することで、挿入損失を0.2dB以下に抑えることができる(図8参照)
[変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
【0090】
・上記各実施形態では、フィルタモジュール11,21,31はそれぞれ分波モジュールとして構成されているが、本発明は、フィルタモジュール11,21,31をそれぞれ合波モジュールとして構成する場合にも適用される。この場合、少なくとも2本の光ファイバから送られる異なる波長の光が、第1レンズおよび第2レンズを介して1本の光ファイバに入射するように構成される。
【0091】
・上記一実施形態では、図1,図2,図3にそれぞれ示すフィルタモジュール11,21,31のうち、主としてフィルタモジュール21,31を作製するのに設定される組立公差(条件1〜条件7)について説明したが、これらの条件はフィルタモジュール11を作製する際にも同様に設定できる。
【0092】
・上記条件5におけるθz方向のずれは、ロッドレンズの斜め面の方向の一致を示すパラメータであるが、この条件はロッドレンズ以外のレンズにも設定可能である。例えば、平凸の球面レンズの平面側を斜め面に研磨した場合や、平板状のマイクロレンズの端面を斜め面に研磨した場合などにも、その条件は設定可能である。
【0093】
・上記一実施形態では、3ポートのフィルタモジュールについて説明したが、第1レンズの入射側に3本以上の光ファイバを配置し、第2レンズの射出側に2本以上の光ファイバを配置したフィルタモジュールにも本発明は適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、フィルタの第1レンズの焦点位置からのずれ量を焦点距離fの±25%以内に設定することで、挿入損失、特に反射側での挿入損失を最大でほぼ0.2dB程度に抑えることができる。このように第1レンズに対するフィルタの組立公差を設定することは、要求される挿入損失、例えば反射側の挿入損失がほぼ0.2dB以下を満たすフィルタモジュールを光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てるために必要な条件である。このような条件を満たすことで、挿入損失が所定値より小さいフィルタモジュールを、光ファイバのθx,θy調芯無しで組み立てることができる。したがって、生産性が向上し、製造コストを低減することができる。
【0095】
請求項10に係る発明によれば、前記透過側での挿入損失をさらに低く抑えることができる。また、請求項1,6,7および9にそれぞれ記載された条件に加えて、第1レンズおよび第2レンズの光軸に対する傾きをそれぞれ1.5度以内に設定することで、上述した4つの調芯作業(a)〜(d)のうち、調芯作業(c)と(d)を省いても必要な挿入損失を得ることができる。これにより、調芯個所および調芯作業が減るために、フィルタモジュールの組立時間がさらに短縮され、製造コストをさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】球面レンズを使ったフィルタモジュールの光学系を示す構成図。
【図2】屈折率分布型ロッドレンズを使ったフィルタモジュールの光学系を示す構成図。
【図3】図2とは別のフィルタモジュールの光学系を示す構成図。
【図4】フィルタの位置ずれと挿入損失の関係を示す実験データ。
【図5】光ファイバのθy方向の角度位置と挿入損失の関係を示す実験データ。
【図6】光ファイバのオフセット量と挿入損失の関係を示す実験データ。
【図7】レンズ間距離WDのずれ量と挿入損失の関係を示す実験データ。
【図8】本発明の一実施形態、各実施例および各比較例の各データの一覧表を示す図。
【符号の説明】
C…光軸、f…焦点距離、WD…レンズ間距離、11,21,31…フィルタモジュール、12,22,32…第1レンズ、13,23,33…第2レンズ、14,24,34…フィルタ、15〜17,25〜27,35〜37…光ファイバ、32a,33a…端面。
Claims (12)
- 互いの光軸がほぼ同軸となるように予め固定された同じレンズである第1レンズおよび第2レンズと、該両レンズ間に配置されるフィルタと、前記第1レンズの入射側に配置され、ファイバ軸がほぼ平行になるように固定された少なくとも2本の光ファイバと、前記第2レンズの射出側に配置される少なくとも1本の光ファイバとを備えるフィルタモジュールにおいて、
前記第1レンズおよび第2レンズの焦点距離をfとすると、前記フィルタの前記第1レンズの焦点位置からのずれ量を、前記焦点距離fの±25%以内に設定することを特徴とするフィルタモジュール。 - 前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することを特徴とする請求項1に記載のフィルタモジュール。
- 前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することを特徴とする請求項1に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定するとともに、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定することを特徴とする請求項1に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズと前記第2レンズのレンズ間距離(WD)を、2f±2f/4の範囲内に設定することを特徴とする請求項1に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定するとともに、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定し、さらに、前記第1レンズと前記第2レンズのレンズ間距離(WD)を、2f±2f/4の範囲内に設定することを特徴とする請求項1に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズの光軸と第2レンズの光軸のずれを、前記焦点距離fの2.5%以内に設定することを特徴とする請求項6に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズの入射側に配置される光ファイバの、前記第1レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定するとともに、前記第2レンズの射出側に配置される光ファイバの、前記第2レンズの光軸に対するθx方向の傾きとθy方向の傾きをそれぞれ、0.2度以内に設定し、さらに、前記第1レンズの光軸と第2レンズの光軸のずれを、前記焦点距離fの2.5%以内に設定することを特徴とする請求項1に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズおよび前記第2レンズは、光入出射面の少なくとも一方が平面で光軸に対して傾斜した斜め面をそれぞれ有するレンズであり、該両レンズの斜め面のθz方向のずれを20度以内に設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズおよび前記第2レンズの光軸に対する傾きをそれぞれ1.5度以内に設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズおよび前記第2レンズの互いに対向する側の各端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、10度以内に設定することを特徴とする請求項10に記載のフィルタモジュール。
- 前記第1レンズおよび前記第2レンズの各光ファイバに対向する側の端面のθx方向の傾き誤差とθy方向の傾き誤差をそれぞれ、2.5度以内に設定することを特徴とする請求項11に記載のフィルタモジュール。
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WO2006080249A1 (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-03 | Omron Corporation | 光合分波器及びその製造方法並びに光合分波モジュール |
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