JP2004011440A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】低圧段吸い込み圧が1torr以上の真空下で12以上の高圧力比が得られる1軸2段の遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】回転駆動手段2に設けられた回転軸6の一端側に低圧段圧縮機3の羽根車3bを接続し、他端側に高圧段圧縮機4の羽根車4bを接続すると共に、低圧段圧縮機3により昇圧された作動ガスを高圧段圧縮機4により再度昇圧する1軸2段の遠心圧縮機であって、高圧段圧縮機4より吐出された作動ガスの一部を低圧段圧縮機3側へ還流させて低圧段圧縮機3より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、高圧段圧縮機4の吸い込み流量を増加させたもので、低圧段圧縮機3より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも高圧力比が得られるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】回転駆動手段2に設けられた回転軸6の一端側に低圧段圧縮機3の羽根車3bを接続し、他端側に高圧段圧縮機4の羽根車4bを接続すると共に、低圧段圧縮機3により昇圧された作動ガスを高圧段圧縮機4により再度昇圧する1軸2段の遠心圧縮機であって、高圧段圧縮機4より吐出された作動ガスの一部を低圧段圧縮機3側へ還流させて低圧段圧縮機3より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、高圧段圧縮機4の吸い込み流量を増加させたもので、低圧段圧縮機3より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも高圧力比が得られるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主として低圧段吸い込み圧力が1torr以上の真空下で使用する遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に圧力比(吸い込み圧力と吐出圧力の比)が最も高い遠心圧縮機としては、航空機用のガスエンジンに使用されているものが知られており、このガスエンジンに使用されている遠心圧縮機の圧力比は、単段で8から11とされている。
これは回転軸と羽根車に使用されている材料の強度により羽根車の周速と回転軸の動力伝達力が制限されるためで、圧力比が12以上の場合は、従来ではレシプロ式のガス圧縮機が使用されている。
また作動ガス分子量の大きい遠心圧縮機の場合、単段でも圧縮比が22のものがターボ機械第20巻第3号(社団法人ターボ機械協会,1992年3月発行)で報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしレシプロ式のガス圧縮機はターボ圧縮機に比べて大型となるため、設置するのに多くのスペースを必要とし、設置するスペースが確保できない場合は採用できない等の問題がある。
【0004】
一方ターボ圧縮機、特に遠心力を利用した遠心圧縮機は小型化が容易な上、構造も比較的簡単である等の利点を有する反面、単段における圧力比は前述したように8から11程度であるため、高圧力比の遠心圧縮機を得ようとした場合、多段化を図る必要がある。
例えば、いま圧力比16を低圧段と高圧段の2段の羽根車で得ようとした場合、各段の羽根車の圧力比は約4となる。
羽根車特性を表わすパラメータとして、流量係数Φ1=Qs/(π/4×D2×U2)(なお、Qs:吸い込み流量、D:羽根車出口径、U2:周速)があるが、高効率の遠心圧縮機を得るためには、流量係数をある一定値として羽根車を設計する必要があるため、U2は羽根車に使用する材料の応力制限から上限値が決まる。
【0005】
また低圧段より吸い込まれた作動ガスは、低圧段で圧縮された後、吸い込み流量が1/4になって高圧段へ流入されるが、高圧段の羽根車出口径Dは低圧段の1/2となるため、回転数を2倍にしなければ最適な設計とならないことから、各羽根車毎に回転軸を設けた2軸2段の遠心圧縮機とせざるを得ない。
しかし2軸2段の遠心圧縮機は、1軸2段の遠心圧縮機に比べて構造が複雑となるため、高価になる上信頼性に欠ける等の問題がある。
【0006】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、低圧段吸い込み圧が1torr以上の真空下で12以上の高圧力比が得られる1軸2段の遠心圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、回転駆動手段に設けられた回転軸の一端側に低圧段圧縮機の羽根車を接続し、他端側に高圧段圧縮機の羽根車を接続すると共に、低圧段圧縮機により昇圧された作動ガスを高圧段圧縮機により再度昇圧する1軸2段の遠心圧縮機であって、高圧段圧縮機より吐出された作動ガスの一部を低圧段圧縮機側へ還流させて低圧段圧縮機より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、高圧段圧縮機の吸い込み流量を増加させたものである。
【0008】
前記構成により、高圧段圧縮機の回転速度が低圧段圧縮機と同一でも、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも高圧力比が得られるようになる。
これによって圧縮機全体の構成が簡素化されるため、小型化及びコストの削減が図れると共に、信頼性も向上する。
【0009】
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、低圧段圧縮機の吸い込み圧力が1torr以上の真空下において12以上の高圧力比が得られるようにしたものである。
【0010】
前記構成により、絶対に外部へ漏洩することが許されない例えば腐食性ガスや毒性ガスを、1torr以上の真空下で圧送する化学プラント等で使用するのに好適な遠心圧縮機が容易に得られるようになる。
【0011】
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、低圧段圧縮機側へ還流させる作動ガスの流量を、流量制御弁により制御するようにしたものである。
【0012】
前記構成により、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を流量制御弁により制御することにより、最高効率で遠心圧縮機を運転することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1を参照して詳述する。
図1はパッケージ型1軸2段の遠心圧縮機を示すもので、圧縮機本体1は、中央部1に設けられた電動機よりなる回転駆動手段2と、その両端側に設けられた低圧段圧縮機3及び高圧段圧縮機4より構成されている。
回転駆動手段2は、軸受け5より両端側が回転自在に支承された回転軸6が中心部を水平方向に貫通しており、回転軸6の両端は低圧段圧縮機3と高圧段圧縮機4のケーシング3a、4a内にそれぞれ突出されていて、回転軸6の一端側には、低圧段圧縮機3のケーシング3a内に設けられた羽根車3bが、そして他端側には、高圧段圧縮機4のケーシング4a内に設けられた羽根車4bがそれぞれ固着されている。
【0014】
回転軸6の両端側を支承する軸受け5の一方はラジアル軸受け5aにより構成され、他方はラジアル軸受け5aとスラスト軸受け5bとの組み合わせにより構成されていると共に、各ラジアル軸受け5aと羽根車3a、4aの間には、ケーシング3b、4a内の作動ガスが回転駆動手段2側へ漏洩するのを防止する軸封手段8が設けられている。
なお軸封手段8としては、ラビリンスシールや、オイルフィルムシール、メカニカルシール、ドライガスシール等が使用されている。
【0015】
一方低圧段圧縮機3の吸い込み側には、ガスクーラ10により冷却された作動ガスが管路11を介して流入されており、低圧段圧縮機3により昇圧された作動ガスは、逆止弁12を経て管路13内へと流入され、管路13の途中に設けられたガスクーラ14により冷却された後、高圧段圧縮機4の吸い込み側へ流入されるようになっている。
そして高圧段圧縮機4により再度昇圧された作動ガスは、管路15の途中に設けられたガスクーラ16により冷却された後、図示しない化学プラント等へ供給されると共に、高圧段圧縮機4で昇圧された作動ガスの一部は、ガスクーラ16の手前で管路15より分岐された分岐管17へ流入されるようになっている。
分岐管17の途中には流量調整弁18が設けられていて、この流量調整弁18により流量調整された作動ガスは、分岐管17によりガスクーラ14の手前で、管路13内を流れる作動ガスの主流に合流されるようになっている。
次に前記構成された遠心圧縮機の作用を説明する。
【0016】
本発明の実施の形態になる遠心圧縮機は、絶対に外部へ漏洩することが許されない例えば腐食性ガスや毒性ガスを、133pa(1Torr)以上の真空下で圧送する化学プラント等において使用するのに適しているが、化学プラント以外の用途にも勿論使用できるものである。
なお133pa以上の真空下とは、これ以下の真空下では通常の羽根車の設計法が成立しない下限値を示している。
【0017】
管路11の途中に設けられたガスクーラ10で冷却された作動ガスは、低圧段圧縮機3のケーシング3a内に流入され、回転駆動手段2により回転される羽根車3bにより昇圧された後、逆止弁12を経て管路13へ流入され、管路13の途中に設けられたガスクーラ14により冷却される。
その後高圧段圧縮機4のケーシング4a内に流入されて、回転駆動手段2により回転される羽根車4bにより再度昇圧されると共に、高圧段圧縮機4により昇圧された作動ガスは、管路15の途中に設けられたガスクーラ16により冷却された後図示しない化学プラント等へと供給される。
【0018】
一方高圧段圧縮機4により昇圧された作動ガスの一部は、分岐管路17の途中に設けられた流量制御弁18により流量制御された後、ガスクーラ14の上流側で低圧段圧縮機3より吐出された作動ガスの主流に合流され、主流とともに高圧段圧縮機4へ流入されて再度昇圧されるため、流量制御弁18により主流側へ還流する作動ガスの流量を制御することにより、高圧段圧縮機4への吸い込み流量を増加することができる。
これによって高圧段圧縮機4の回転速度が低圧段圧縮機3と同一でも、低圧段圧縮機3より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも12以上の高圧力比が得られるようになる。
【0019】
なお流量制御弁18により主流側へ還流する作動ガスの流量は一定でもよいが、低圧段圧縮機3に吸い込まれる作動ガスの圧力と高圧段圧縮機4より吐出される作動ガスの圧力を検出し、得られたデータを基に流量制御弁18を自動制御して、圧力比が常に12以上となるよう主流側へ還流する作動ガスの流量を調整してもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、高圧段圧縮機より吐出された作動ガスの一部を低圧段圧縮機側へ還流させて低圧段圧縮機より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、高圧段圧縮機の吸い込み流量を増加させたことから、高圧段圧縮機の回転速度が低圧段圧縮機と同一でも、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも高圧力比が得られるようになる。
【0021】
これによって圧縮機全体の構成が簡素化されるため、小型化及びコストの削減が図れる上、信頼性も向上すると共に、低圧段圧縮機の吸い込み圧力が1torr以上の真空下において12以上の高圧力比が得られるようにしたことから、絶対に外部へ漏洩することが許されない例えば腐食性ガスや毒性ガスを、1torr以上の真空下で圧送する化学プラント等で使用するのに好適な遠心圧縮機が容易に得られるようになる。
【0022】
また低圧段圧縮機側へ還流させる作動ガスの流量を、流量制御弁により制御するようにしたことから、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を流量制御弁により制御することにより、常に最高効率で遠心圧縮機を運転することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態になる遠心圧縮機の構成図である。
【符号の説明】
1 圧縮機本体
2 回転駆動手段
3 低圧段圧縮機
3a 羽根車
4 高圧段圧縮機
4a 羽根車
6 回転軸
18 流量制御弁
【発明の属する技術分野】
本発明は主として低圧段吸い込み圧力が1torr以上の真空下で使用する遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に圧力比(吸い込み圧力と吐出圧力の比)が最も高い遠心圧縮機としては、航空機用のガスエンジンに使用されているものが知られており、このガスエンジンに使用されている遠心圧縮機の圧力比は、単段で8から11とされている。
これは回転軸と羽根車に使用されている材料の強度により羽根車の周速と回転軸の動力伝達力が制限されるためで、圧力比が12以上の場合は、従来ではレシプロ式のガス圧縮機が使用されている。
また作動ガス分子量の大きい遠心圧縮機の場合、単段でも圧縮比が22のものがターボ機械第20巻第3号(社団法人ターボ機械協会,1992年3月発行)で報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしレシプロ式のガス圧縮機はターボ圧縮機に比べて大型となるため、設置するのに多くのスペースを必要とし、設置するスペースが確保できない場合は採用できない等の問題がある。
【0004】
一方ターボ圧縮機、特に遠心力を利用した遠心圧縮機は小型化が容易な上、構造も比較的簡単である等の利点を有する反面、単段における圧力比は前述したように8から11程度であるため、高圧力比の遠心圧縮機を得ようとした場合、多段化を図る必要がある。
例えば、いま圧力比16を低圧段と高圧段の2段の羽根車で得ようとした場合、各段の羽根車の圧力比は約4となる。
羽根車特性を表わすパラメータとして、流量係数Φ1=Qs/(π/4×D2×U2)(なお、Qs:吸い込み流量、D:羽根車出口径、U2:周速)があるが、高効率の遠心圧縮機を得るためには、流量係数をある一定値として羽根車を設計する必要があるため、U2は羽根車に使用する材料の応力制限から上限値が決まる。
【0005】
また低圧段より吸い込まれた作動ガスは、低圧段で圧縮された後、吸い込み流量が1/4になって高圧段へ流入されるが、高圧段の羽根車出口径Dは低圧段の1/2となるため、回転数を2倍にしなければ最適な設計とならないことから、各羽根車毎に回転軸を設けた2軸2段の遠心圧縮機とせざるを得ない。
しかし2軸2段の遠心圧縮機は、1軸2段の遠心圧縮機に比べて構造が複雑となるため、高価になる上信頼性に欠ける等の問題がある。
【0006】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、低圧段吸い込み圧が1torr以上の真空下で12以上の高圧力比が得られる1軸2段の遠心圧縮機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、回転駆動手段に設けられた回転軸の一端側に低圧段圧縮機の羽根車を接続し、他端側に高圧段圧縮機の羽根車を接続すると共に、低圧段圧縮機により昇圧された作動ガスを高圧段圧縮機により再度昇圧する1軸2段の遠心圧縮機であって、高圧段圧縮機より吐出された作動ガスの一部を低圧段圧縮機側へ還流させて低圧段圧縮機より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、高圧段圧縮機の吸い込み流量を増加させたものである。
【0008】
前記構成により、高圧段圧縮機の回転速度が低圧段圧縮機と同一でも、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも高圧力比が得られるようになる。
これによって圧縮機全体の構成が簡素化されるため、小型化及びコストの削減が図れると共に、信頼性も向上する。
【0009】
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、低圧段圧縮機の吸い込み圧力が1torr以上の真空下において12以上の高圧力比が得られるようにしたものである。
【0010】
前記構成により、絶対に外部へ漏洩することが許されない例えば腐食性ガスや毒性ガスを、1torr以上の真空下で圧送する化学プラント等で使用するのに好適な遠心圧縮機が容易に得られるようになる。
【0011】
前記目的を達成するため本発明の遠心圧縮機は、低圧段圧縮機側へ還流させる作動ガスの流量を、流量制御弁により制御するようにしたものである。
【0012】
前記構成により、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を流量制御弁により制御することにより、最高効率で遠心圧縮機を運転することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1を参照して詳述する。
図1はパッケージ型1軸2段の遠心圧縮機を示すもので、圧縮機本体1は、中央部1に設けられた電動機よりなる回転駆動手段2と、その両端側に設けられた低圧段圧縮機3及び高圧段圧縮機4より構成されている。
回転駆動手段2は、軸受け5より両端側が回転自在に支承された回転軸6が中心部を水平方向に貫通しており、回転軸6の両端は低圧段圧縮機3と高圧段圧縮機4のケーシング3a、4a内にそれぞれ突出されていて、回転軸6の一端側には、低圧段圧縮機3のケーシング3a内に設けられた羽根車3bが、そして他端側には、高圧段圧縮機4のケーシング4a内に設けられた羽根車4bがそれぞれ固着されている。
【0014】
回転軸6の両端側を支承する軸受け5の一方はラジアル軸受け5aにより構成され、他方はラジアル軸受け5aとスラスト軸受け5bとの組み合わせにより構成されていると共に、各ラジアル軸受け5aと羽根車3a、4aの間には、ケーシング3b、4a内の作動ガスが回転駆動手段2側へ漏洩するのを防止する軸封手段8が設けられている。
なお軸封手段8としては、ラビリンスシールや、オイルフィルムシール、メカニカルシール、ドライガスシール等が使用されている。
【0015】
一方低圧段圧縮機3の吸い込み側には、ガスクーラ10により冷却された作動ガスが管路11を介して流入されており、低圧段圧縮機3により昇圧された作動ガスは、逆止弁12を経て管路13内へと流入され、管路13の途中に設けられたガスクーラ14により冷却された後、高圧段圧縮機4の吸い込み側へ流入されるようになっている。
そして高圧段圧縮機4により再度昇圧された作動ガスは、管路15の途中に設けられたガスクーラ16により冷却された後、図示しない化学プラント等へ供給されると共に、高圧段圧縮機4で昇圧された作動ガスの一部は、ガスクーラ16の手前で管路15より分岐された分岐管17へ流入されるようになっている。
分岐管17の途中には流量調整弁18が設けられていて、この流量調整弁18により流量調整された作動ガスは、分岐管17によりガスクーラ14の手前で、管路13内を流れる作動ガスの主流に合流されるようになっている。
次に前記構成された遠心圧縮機の作用を説明する。
【0016】
本発明の実施の形態になる遠心圧縮機は、絶対に外部へ漏洩することが許されない例えば腐食性ガスや毒性ガスを、133pa(1Torr)以上の真空下で圧送する化学プラント等において使用するのに適しているが、化学プラント以外の用途にも勿論使用できるものである。
なお133pa以上の真空下とは、これ以下の真空下では通常の羽根車の設計法が成立しない下限値を示している。
【0017】
管路11の途中に設けられたガスクーラ10で冷却された作動ガスは、低圧段圧縮機3のケーシング3a内に流入され、回転駆動手段2により回転される羽根車3bにより昇圧された後、逆止弁12を経て管路13へ流入され、管路13の途中に設けられたガスクーラ14により冷却される。
その後高圧段圧縮機4のケーシング4a内に流入されて、回転駆動手段2により回転される羽根車4bにより再度昇圧されると共に、高圧段圧縮機4により昇圧された作動ガスは、管路15の途中に設けられたガスクーラ16により冷却された後図示しない化学プラント等へと供給される。
【0018】
一方高圧段圧縮機4により昇圧された作動ガスの一部は、分岐管路17の途中に設けられた流量制御弁18により流量制御された後、ガスクーラ14の上流側で低圧段圧縮機3より吐出された作動ガスの主流に合流され、主流とともに高圧段圧縮機4へ流入されて再度昇圧されるため、流量制御弁18により主流側へ還流する作動ガスの流量を制御することにより、高圧段圧縮機4への吸い込み流量を増加することができる。
これによって高圧段圧縮機4の回転速度が低圧段圧縮機3と同一でも、低圧段圧縮機3より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも12以上の高圧力比が得られるようになる。
【0019】
なお流量制御弁18により主流側へ還流する作動ガスの流量は一定でもよいが、低圧段圧縮機3に吸い込まれる作動ガスの圧力と高圧段圧縮機4より吐出される作動ガスの圧力を検出し、得られたデータを基に流量制御弁18を自動制御して、圧力比が常に12以上となるよう主流側へ還流する作動ガスの流量を調整してもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、高圧段圧縮機より吐出された作動ガスの一部を低圧段圧縮機側へ還流させて低圧段圧縮機より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、高圧段圧縮機の吸い込み流量を増加させたことから、高圧段圧縮機の回転速度が低圧段圧縮機と同一でも、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を適宜選択することにより、最高効率の羽根車の設計が可能となるため、1軸2段の遠心圧縮機でも高圧力比が得られるようになる。
【0021】
これによって圧縮機全体の構成が簡素化されるため、小型化及びコストの削減が図れる上、信頼性も向上すると共に、低圧段圧縮機の吸い込み圧力が1torr以上の真空下において12以上の高圧力比が得られるようにしたことから、絶対に外部へ漏洩することが許されない例えば腐食性ガスや毒性ガスを、1torr以上の真空下で圧送する化学プラント等で使用するのに好適な遠心圧縮機が容易に得られるようになる。
【0022】
また低圧段圧縮機側へ還流させる作動ガスの流量を、流量制御弁により制御するようにしたことから、低圧段圧縮機より吐出される作動ガスの主流に合流させる作動ガスの流量を流量制御弁により制御することにより、常に最高効率で遠心圧縮機を運転することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態になる遠心圧縮機の構成図である。
【符号の説明】
1 圧縮機本体
2 回転駆動手段
3 低圧段圧縮機
3a 羽根車
4 高圧段圧縮機
4a 羽根車
6 回転軸
18 流量制御弁
Claims (3)
- 回転駆動手段に設けられた回転軸の一端側に低圧段圧縮機の羽根車を接続し、他端側に高圧段圧縮機の羽根車を接続すると共に、前記低圧段圧縮機により昇圧された作動ガスを前記高圧段圧縮機により再度昇圧する1軸2段の遠心圧縮機であって、前記高圧段圧縮機より吐出された作動ガスの一部を前記低圧段圧縮機側へ還流させて前記低圧段圧縮機より吐出された作動ガスの主流に合流させることにより、前記高圧段圧縮機の吸い込み流量を増加させたことを特徴とする遠心圧縮機。
- 前記低圧段圧縮機の吸い込み圧力が1torr以上の真空下において12以上の高圧力比が得られるようにしてなる請求項1に記載の遠心圧縮機。
- 前記低圧段圧縮機側へ還流させる作動ガスの流量を、流量制御弁により制御してなる請求項1または2に記載の遠心圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002162355A JP2004011440A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 遠心圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002162355A JP2004011440A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 遠心圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004011440A true JP2004011440A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30431113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002162355A Pending JP2004011440A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 遠心圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004011440A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105829733A (zh) * | 2014-02-13 | 2016-08-03 | 三菱重工业株式会社 | 多级电动离心压缩机 |
CN106989044A (zh) * | 2017-05-24 | 2017-07-28 | 安徽寅时压缩机制造有限公司 | 一种具有缓冲排气流道的二级压缩机 |
US10174670B2 (en) | 2014-02-25 | 2019-01-08 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Multi-stage electric centrifugal compressor and supercharging system for internal combustion engine |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162355A patent/JP2004011440A/ja active Pending
Cited By (4)
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