JP2004010687A - オルガノポリシロキサン組成物及びこれを用いたダンパー - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物及びこれを用いたダンパー Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)下記平均組成式(1):
SiO(4−n)/2(1)
(但し、Rは同一又は異種の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、及び
(B)乾式シリカ粉末の表面が有機珪素化合物で表面処理されており、吸着炭素量が2重量%以上、比表面積(BET法)が50m/g以上、見掛け密度が110g/l以上である疎水性シリカ充填剤
を含有してなり、可塑度が100以上であり、100℃、70時間経過後の可塑度増加率が15%以下であることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物。
【効果】本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、可塑もどりが小さく、ロール粘着が少なく、作業性が良好であり、またこれを封入粘性体に用いたダンパーは温度依存性が小さく、高抵抗かつ経時での抵抗変化の小さいものである。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にはクリープハードニング(可塑もどり)が小さく、ロール粘着が少なくて作業性の良いオルガノポリシロキサン組成物、及び、これを封入粘性体として使用した、温度依存性が小さく、高抵抗かつ経時での抵抗変化の小さいダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
オルガノポリシロキサン組成物は、他の合成ゴムや天然ゴムと異なり、弾性が小さく可塑性の大きい粘性体であり、加硫剤を添加した後、加硫硬化させてシリコーンゴム成型品とするほか、可塑性を生かしてオイルダンパーにオイルの代わりに封入する等、ダンパー用途としても検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シリコーンゴム組成物を加硫硬化させる場合、シリコーンポリマーそのもの自体の強度は小さい為、乾式シリカ、沈降シリカなどの補強性シリカを配合したものが通常使用されている。各種部品等に実用上問題ない強度を得るためには、シリコーンポリマーに補強性シリカを比較的多量に添加する必要があるが、この場合、得られるシリコーンゴム組成物は、補強性シリカの表面活性によってクリープハードニング(可塑もどり)を生じ、製造後、輸送、保管のため加硫剤を添加しない状態で置いた後、加硫剤を混合するために素練りして可塑化させるのに時間を要したり、更には素練り作業が不可能になる程の可塑もどりを起こすことがある。この可塑もどりは、分散剤と呼ばれるシラノール基含有シラン又はシロキサンオリゴマー、アルコキシ基含有シラン又はシロキサンオリゴマー、ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザンなどの組成物への添加、あるいはシリカ粉末の表面がオルガノシラン、オルガノシラザン、又はオルガノポリシロキサンオリゴマーで表面処理された疎水性処理補強性シリカを使用することである程度抑えられるが、シリコーンゴム組成物表面のべたつきが増え、ロール粘着が大きくなって作業性が悪くなる、加硫硬化後の機械的強度、圧縮永久歪みを悪くするといった問題も生じる。
【0004】
また、未硬化のオルガノポリシロキサン組成物をダンパーの封入粘性体用途に使用する場合には、シリコーンの特徴である温度依存性の小ささから、広範囲の温度領域において粘度変化が小さく好適であるほか、補強性シリカの配合によって粘性体として見た場合の粘度は非常に高くなり、高抵抗のダンパーを作成することが可能だが、可塑もどりが生じた場合、ダンパーの抵抗も変化してしまう。更に、可塑もどりが大きい場合、可塑性が失われ、ダンパーとしての機能が発揮できないといった問題も生じる。分散剤の添加、表面処理された疎水性処理補強性シリカを使用することで可塑もどりを抑えようとしても、効果が不十分か、ダンパーの抵抗が非常に低いものとなってしまう問題がある。
【0005】
従って、本発明は、可塑もどりが小さく、なおかつロール粘着が少なくて作業性の良いオルガノポリシロキサン組成物、及び、これを封入粘性体として使用した、温度依存性が小さく、高抵抗かつ経時での抵抗変化の小さいダンパーを提供することを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、乾式シリカ粉末の表面をオルガノシラン、オルガノシラザン、又はオルガノポリシロキサンオリゴマー等の有機珪素化合物で高度に表面処理して高い比表面積のままシリカの表面活性を下げ、結果としてシリカ粒子同士の反発が減少して見掛け密度が110g/l以上に大きくなったシリカ充填剤を、可塑度が100以上となる分量を配合したオルガノポリシロキサン組成物が、100℃、70時間経過後の可塑度増加率が15%以下と可塑もどりが小さく、なおかつロール粘着が少なくて作業性の良いことを見出し、また、これを封入粘性体として使用したダンパーが、高抵抗を得ることが出来、かつ経時での抵抗変化の小さいことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、(A)下記平均組成式(1):
SiO(4−n)/2(1)
(但し、Rは同一又は異種の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、及び
(B)乾式シリカ粉末の表面が有機珪素化合物で表面処理されており、吸着炭素量が2重量%以上、比表面積(BET法)が50m/g以上、見掛け密度が110g/l以上である疎水性シリカ充填剤
を含有してなり、可塑度が100以上であり、100℃、70時間経過後の可塑度増加率が15%以下であることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物を提供するとともに、これを封入粘性体として使用した、温度依存性が小さく、高抵抗かつ経時での抵抗変化の小さいダンパーを提供する。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)
SiO(4−n)/2(1)
で表されるものである。
【0009】
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、へキセニル基等のアルケニル基、シクロへキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等から選択される同一又は異種の好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基である。分子鎖末端はトリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ジメチルビニルシロキシ基、トリビニルシロキシ基などのトリオルガノシロキシ基で封鎖されており、残りはシラノール基であるが、可塑もどりを小さくするためには分子鎖末端が80%以上、特に90%以上がトリオルガノシロキシ基で封鎖されていることが好ましい。また、nは1.98〜2.02の正数であり、分子形状は基本的には直線状であることが好ましいが、部分的に分岐鎖又は環状構造を有していても良く、分子構造の異なる2種類以上の混合物であってもよい。
【0010】
上記オルガノポリシロキサンは、平均重合度が1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは5000〜20000である。
なお、本発明におけるオルガノポリシロキサンを加硫硬化してシリコーンゴムとして使用する場合においては、上記ポリオルガノシロキサン1分子中にアルケニル基を少なくとも2個有していることが好ましいが、R中のアルケニル基は、好ましくは0.001〜20モル%、特に好ましくは0.02〜5モル%である。
【0011】
本発明における(B)成分のシリカ充填剤は、オルガノポリシロキサン組成物に適度の可塑度とグリーン強度を持たせ、オルガノポリシロキサン組成物のロール作業性を良くし、更には高抵抗のダンパーを得るために配合するものであり、乾式シリカ粉末の表面がオルガノシラン、オルガノシラザン、又はオルガノポリシロキサンオリゴマー等の有機珪素化合物で表面処理されたものであり、吸着炭素量が2重量%以上、比表面積(BET法)が50m/g以上、特には100〜400m/gであり、見掛け密度が110g/l以上であり、シリカ表面が疎水性となったものが使用される。
【0012】
表面処理に使用されるオルガノシランとしては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、ジフェニルシランジオール等のオルガノシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン等のオルガノシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシリル末端ジメチルポリシロキサン、シラノール末端ジメチルポリシロキサン等のジメチルポリシロキサンオリゴマー等が挙げられる。表面処理方法は公知の方法を採用し得るが、高度に表面処理する必要上、流動反応槽、オートクレーブ、回分型混合容器等を使用し、流動反応(気−固反応)、加圧高温反応、還流型湿式処理反応等の方法を採用することが好ましい。
【0013】
本発明においては、上記のように表面処理されたシリカ充填剤は、吸着炭素量が2重量%以上で見掛け密度が110g/l以上のものを用いることが必要である。吸着炭素量が2重量%以上と高度に表面処理されることで、高い比表面積のままシリカの表面活性を下げ、結果としてシリカ粒子同士の反発が減少して見掛け密度が110g/l以上に大きくなったシリカ充填剤とオルガノポリシロキサンを配合することにより、オルガノポリシロキサン組成物の可塑もどりを低減することができるものであり、吸着炭素量が2重量%未満又は見掛け密度が110g/l未満のものを使用した場合、可塑もどり低減効果は小さく、本発明における100℃、70時間経過後の可塑度増加率が15%以下であるオルガノポリシロキサン組成物を得ることは困難である。この場合、吸着炭素量は、より好ましくは2.2重量%以上、特に好ましくは2.4重量%以上であり、上限は特に制限されないが、通常15重量%以下、特に10重量%以下である。なお、ここでの吸着炭素量は、シリカ粉末に対する吸着量である。一方、見掛け密度は、より好ましくは120g/l以上、特に好ましくは130g/l以上であり、その上限は制限されるものではないが、通常300g/l以下、特に200g/l以下である。
【0014】
上記(B)成分のシリカ充填剤は、オルガノポリシロキサン組成物に適度の可塑度とグリーン強度を持たせ、オルガノポリシロキサン組成物のロール作業性を良くし、更には高抵抗のダンパーを得るためには、比表面積(BET法)が50m/g以上、特には100〜400m/gであるものが好ましい。比表面積が50m/g未満の場合、得られるオルガノポリシロキサン組成物の可塑度も低く、上記効果が十分に得られない場合がある。また、比表面積が大きすぎると、上記のような可塑もどり低減効果の大きいシリカ充填剤を得ることが困難な場合がある。
【0015】
上記シリカ充填剤の配合量は、シリコーンゴムに適度の可塑度とグリーン強度を持たせ、オルガノポリシロキサン組成物のロール作業性を良くし、更には高抵抗のダンパーを得るためには、上記(A)成分100重量部に対し、20〜200重量部含有するものが好ましい。配合量が少なすぎると、得られるオルガノポリシロキサン組成物の可塑度も低く、上記効果が十分に得られない場合がある。また配合量が多すぎると、硬化させた場合に得られるシリコーンゴムの機械的強度が低下したり、未硬化での可塑度が高すぎてロール作業性がむしろ悪くなる場合がある。
【0016】
このように配合されたオルガノポリシロキサン組成物は、可塑度が100以上となり、ロール粘着が少なくて作業性が良く、100℃、70時間経過後の可塑度増加率が15%以下と可塑もどりも小さくなる。
なお、可塑度は、より好ましくは120以上、特に好ましくは140以上であり、またその上限は、通常400以下、特に300以下である。更に100℃、70時間経過後の可塑度増加率は12%以下、特に10%以下であることがより好ましい。
【0017】
上述した成分のほか、本発明のオルガノポリシロキサンには、重合度が100以下の末端シラノール基含有シロキサン、シラノール基含有シラン、アルコキシ基含有シラン、ヘキサメチルジシラザン等の分散助剤、けいそう土、石英微粉末、溶融石英粉末、クレー、アルミナ、タルク等の無機充填材、赤ベンガラ、黒ベンガラ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の耐油、耐熱向上剤、カーボンブラック、群青等の着色のための顔料、離型剤、その他通常のシリコーンゴム組成物に添加される添加剤を用途に応じ適宜配合することができる。
【0018】
更に、本発明のオルガノポリシロキサン組成物に架橋剤を添加し、硬化させれば、シリコーンゴムを得ることができる。架橋剤としては、既知のオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系触媒、又は有機過酸化物触媒を配合することができる。
即ち、付加反応による硬化方法では、硬化剤として分子中に2個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金金属系付加反応触媒からなる付加反応系硬化剤が使用される。
【0019】
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、付加反応触媒の存在下において(A)成分に対する架橋剤として作用するものであり、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の珪素原子に結合した水素原子を有するものであり、このSiH基は分子鎖末端或いは分子鎖途中のいずれに位置するものであっても、また両方に位置するものであってもよい。
【0020】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両未端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とからなる共重合体等を挙げることができる。上記式(6)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その分子構造が直鎖状であっても、分岐状、環状或いは三次元網状構造を有するものであってもよい。分子量に特に限定はないが、常温で液体であることが好ましく、その粘度は25℃において0.1〜1000センチポイズ、特に0.5〜500センチポイズであることが望ましい。
【0021】
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に対して0.1〜100部、好ましくは0.3〜50部、特に好ましくは0.5〜20部である。配合量が少なすぎると架橋が不十分となる場合があり、多すぎても硬化速度の向上が望めない場合がある。
特に、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中の珪素原子に結合した水素原子(SiH)が(A)成分のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基に対してモル比で0.3〜20モル/モル、好ましくは0.8〜3モル/モルとなるように配合することが好ましい。
【0022】
また、付加反応触媒としては、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート系の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等を使用することができる。付加反応触媒の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサンに対して白金、パラジウム又はロジウム金属として0.1〜2000ppm、特に1〜500ppmの範囲が好ましい。
【0023】
一方、有機過酸化物による硬化方法では、有機過酸化物系硬化剤が使用され、具体的にはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物が好適に用いられる。
【0024】
これらの有機過酸化物は、単独で用いても2種類以上を併用してもよいが、これら有機過酸化物の添加量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100部に対し0.1〜10部、特に0.2〜5部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋が不十分となる場合があり、多すぎても硬化速度の向上は望めない場合がある。
【0025】
かくして得られる硬化剤配合オルガノポリシロキサン組成物(シリコーンゴム組成物)の加硫硬化は、圧縮成型、移送成型、射出成型、押し出し成型、カレンダー成型等の成型法により所望の形状に成型し、次いで加熱して架橋硬化させることにより行うことができる。
【0026】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物を封入粘性体として使用するダンパーとしては、オイルダンパー構造、すなわち、流体が封入され、流体中に突入する撹拌部ないしシリンダーを設けた密閉容器構造であり、容器側と撹拌部側ないしシリンダー側の間でトルクを吸収あるいは伝達する構造となっているものが、小型で高トルクを発生、吸収させることが可能であるため、適しているが、他の構造のダンパーにも封入粘性体として使用することができる。
【0027】
かくして得られる本発明のダンパーは、広範囲の温度領域において粘度変化が小さく、上下方向、水平方向、回転方向の振動、衝撃吸収用、緩衝用ダンパーとして軸受け部、防振マウント部等に好適に使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において部は重量部を示す。
【0029】
[実施例、比較例]
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.125モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8000であり、かつ、分子鎖末端の20%がシラノール基であるオルガノポリシロキサン100重量部に、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性乾式シリカ(比表面積160m/g、吸着炭素量3.0重量%、見掛け密度140g/l、日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL R8200)、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性乾式シリカ(比表面積140m/g、吸着炭素量2.3重量%、見掛け密度50g/l、日本アエロジル(株)製、商品名:RX200)、表面処理されていない親水性乾式シリカ(比表面積200m/g、見掛け密度50g/l、日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL 200)、表面処理されていない親水性湿式シリカ(比表面積191m/g、見掛け密度190g/l、(株)トクヤマ製、商品名:トクシール USA)、及び分散助剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度4であるジメチルポリシロキサンを表1に示す量をニーダーで混練し、170℃で2時間加熱処理してオルガノポリシロキサン組成物を得た。
【0030】
これらの組成物について、先ず十分に練り返した後にJIS K6249の8に基づき可塑度測定用試験片を採取し、初期の可塑度を測定した。更に、採取した可塑度測定用試験片を100℃、70時間加熱した後30分放冷し、経時後の可塑度を測定した。両方の可塑度より可塑度増加率を求めた(可塑度は25℃におけるウイリアムス可塑度)。
【0031】
また、これらの組成物100重量部に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)へキサン(80%品)を0.8重量部加えて混練し、2mm厚のシートを165℃、10分のプレスキュアーを行い、次いで200℃、4時間のポストキュアーを行うことで作成し、ゴム物性を測定した結果を表1に示した。混練時のロール作業性も表1に示した。
【0032】
更にこれらの組成物を、軸受け型オイルダンパー中に封入し、軸を10rpmで回転させる際に発生するトルクを測定した結果を表2に示した。トルク測定は室温で行い、初期、及び組成物が封入されたダンパーを100℃、70時間加熱することで長時間放置状態の促進を行ったものについて、軸の回転を始めた直後のトルクを記録した。
【0033】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、可塑もどりが小さく、ロール粘着が少なくて作業性が良いことが確認された。それに対し、本発明以外のシリカ充填剤を使用した比較例1〜3においては、通常使用するより多量の分散助剤を使用しているにもかかわらず可塑もどりが大きく、また、分散助剤が過剰なためロール粘着を生じて作業性が悪化していることが確認された。
【0034】
また、ダンパーの封入粘性体として使用した場合、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、発生トルクが高く、長時間放置した後でもダンパーとして安定した性能を示すのに対し、本発明以外のシリカ充填剤を使用した比較例1〜2においては、長時間放置後、組成物が可塑もどりを生じ、トルクが上昇していることが確認された。
【0035】
【表1】
Figure 2004010687
【0036】
【表2】
Figure 2004010687
【0037】
【発明の効果】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、可塑もどりが小さく、ロール粘着が少なく、作業性が良好であり、またこれを封入粘性体に用いたダンパーは温度依存性が小さく、高抵抗かつ経時での抵抗変化の小さいものである。

Claims (4)

  1. (A)下記平均組成式(1):
    SiO(4−n)/2(1)
    (但し、Rは同一又は異種の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
    で示されるオルガノポリシロキサン、及び
    (B)乾式シリカ粉末の表面が有機珪素化合物で表面処理されており、吸着炭素量が2重量%以上、比表面積(BET法)が50m/g以上、見掛け密度が110g/l以上である疎水性シリカ充填剤
    を含有してなり、可塑度が100以上であり、100℃、70時間経過後の可塑度増加率が15%以下であることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物。
  2. 上記(A)成分のオルガノポリシロキサンの平均重合度が5000〜20000である請求項1記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  3. 上記(A)成分100重量部に対し、上記(B)成分を20〜200重量部含有する請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン組成物を封入粘性体としたダンパー。
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JP2008008387A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Fuji Latex Kk 液体作動装置
JP2012102829A (ja) * 2010-11-11 2012-05-31 Tokai Rubber Ind Ltd 制震ダンパー
JP2012102830A (ja) * 2010-11-11 2012-05-31 Tokai Rubber Ind Ltd 制震ダンパー

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