JP2004010685A - 防錆塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛、二酸化珪素、酸化カルシウムを含む粉末体と、水ガラスを含む硬化剤と、水溶性合成樹脂と、を混合して得られる防錆塗料を提案する。この防錆塗料は、二酸化珪素及び酸化カルシウムと硬化剤との反応により常温で硬化する。また、水溶性合成樹脂が防錆対象金属質材料とのバインダーとなって非常に付着性がよい。したがってこの防錆塗料は、金属質材料の表面にローラーなどで塗布し、そのまま常温で硬化させるだけで防錆効果を発揮する。さらに、防錆塗料に含まれた亜鉛と鉄との間に0.5〜1.0Vほどの電位差が生じるので、鉄がイオン化(酸化)せず、たとえピンホール等が生じていても錆の発生が防止される。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属質材料の防食のための防錆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在一般的な防錆手段としては、合成樹脂に亜鉛、クロム粉末を混入して塗料として使う防錆塗料、600℃〜700℃で溶融した亜鉛やアルミニウム中に材料を浸漬させて表面に膜を形成する防錆被膜、電解液中で材料に亜鉛の電気めっきを施す防錆めっきが主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の防錆塗料の場合、材料表面に塗布した塗膜にピンホールや傷等ができると、そこから錆が簡単に発生してしまうので、十分な防錆効果があるとは言えない。また、防錆被膜の場合、400℃を超える溶融液中に材料を浸さなければならないため、材料自体の引っ張り強度が低下するという問題がある。さらに、防錆めっきの場合、設備にコストがかさむうえ、めっき面積に限度があるという問題をもつ。
【0004】
そこで、本発明では、金属質材料に常温で効率よく防錆膜を形成でき、その防錆膜にピンホール等が生じたとしても防錆効果が薄れないような防錆剤を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題を解決するために、亜鉛、二酸化珪素、酸化カルシウムを含む粉末体と、水ガラスを含む硬化剤と、水溶性合成樹脂と、を混合して得られる防錆塗料を提案する。
【0006】
この防錆塗料では、二酸化珪素及び酸化カルシウムと硬化剤との反応により、常温で硬化する。また、水溶性合成樹脂が、防錆対象金属質材料とのバインダーとなって非常に付着性がよい。つまり、本発明の防錆塗料は、金属質材料の表面にローラーや刷毛、スプレーで塗布し、そのまま常温で硬化させるだけで防錆効果を発揮する。さらに、たとえば金属質材料として鉄板の表面に本発明の防錆塗料を施工した場合、防錆塗料に含まれた亜鉛と鉄との間に0.5〜1.0Vほどの電位差が生じるので、鉄がイオン化(酸化)せず、たとえピンホール等が生じていても錆の発生が防止される。すなわち、防錆塗料の亜鉛側で酸化反応=アノード反応(Zn+++2e−)、鉄板側で還元反応=カソード反応(2H++2e−→H2)が起こるため、鉄板が錆びることはない。この作用のために、粉末体における亜鉛の割合は80〜95重量%とするのがよい。
【0007】
粉末体は、亜鉛と、アルミナセメントと、二酸化珪素、酸化カルシウム及びアルミニウム化合物を含む粉粒体を骨材とともに水ガラスで混練して得たセラミック体と、を利用して生成したものがよい。この場合、アルミナセメントが遅延剤として働き、塗布から硬化までに1時間ほどの作業時間を得ることができる。また、この場合のセラミック体は、特開平10−101401号公報に開示してあるものであり、反応速度、反応状態が優れ、結晶構造がしっかりしていて最適である。このようなセラミック体は電気炉製鋼のスラグとして得ることができる。
【0008】
粉末体にはこの他に、増粘剤としてメチルセルローズを混ぜることができる。
【0009】
硬化剤は、珪酸カリウム水溶液からカリウム成分を除去したものを使用するのが適している。上記粉末体との反応性から珪酸カリウム水溶液が適しているが、カリウムは水に溶けやすく、そのまま塗料中に残っていたのでは塗料の耐久性に影響する。そこで、たとえば珪酸カリウム水溶液と硫酸亜鉛水溶液とを反応させ、K2O成分を複塩として除去することでカリウム成分を除いておくようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
亜鉛粉末、アルミナセメントの粉末、特開平10−101401号公報に開示のセラミック体の粉末、メチルセルローズの粉末をそれぞれ適量ずつ用意して配合し、Zn=91重量%、SiO2=0.08〜1.30重量%、CaO=4.29〜7.00重量%、Al2O3=1.00〜3.39重量%、メチルセルローズ=0.02重量%の割合をもつ粉末体を生成した。
【0011】
一方、珪酸カリウム水溶液(K2O=23重量%、SiO2=26重量%、H2O=51重量%)と、硫酸亜鉛(ZnSO4・7H2O)と、水とを適量ずつ混ぜて反応させ、K2O成分を複塩としてカリウム除去処理した結果、SiO2=26重量%、K2O=5重量%、H2O=69重量%の割合をもつ硬化剤を生成した。
【0012】
これら粉末体と硬化剤に、水溶性合成樹脂としてアクリル酸エステルエマルジョンを加え、粉末体=76重量%、硬化剤=19重量%、アクリル酸エステルエマルジョン=5重量%の割合として攪拌し、防錆対象の金属質材料表面への付着性と粘性を有する防錆塗料を得た。
【0013】
表面をショットブラストした150×70×3mmの鋼板(SS−30)を用意し、これに本例の防錆塗料を50μの厚さで刷毛塗りした後、24時間経過させた。これを試験片として各種耐性を測定した結果、次表1のような効果が見られた。なお、表2に、従来の市販防錆塗料でも高級品とされているものの同種試験結果を比較用に示してある。
【0014】
両表を比較すると明確なように、本発明の防錆塗料は、特に、5%塩水浸漬、塩水噴霧、耐候性の点で非常に優れた結果を示し、防錆能力が格段に向上している。また、鉛筆引っかき値及び耐熱性の点でも従来品よりも優れいてることもわかる。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
本発明の防錆塗料によれば、常温硬化型であることから、従来の防錆被膜式のような熱による金属質材料への影響がない。また、各成分を混合して攪拌し、これを材料表面へ塗布するだけで施工できるので、めっき設備などが必要なく、低コストで済む。さらに、硬化剤からカリウムを排除してあることから雨にも強く耐久性に優れ、且つピンホール等が生じたとしても亜鉛の作用で錆発生を抑止できるという優れた防錆効果を発揮する。
Claims (9)
- 亜鉛、二酸化珪素、酸化カルシウムを含む粉末体と、水ガラスを含む硬化剤と、水溶性合成樹脂と、を混合して得られる防錆塗料。
- 粉末体は、亜鉛と、アルミナセメントと、二酸化珪素、酸化カルシウム及びアルミニウム化合物を含む粉粒体を骨材とともに水ガラスで混練して得たセラミック体と、を利用して生成される請求項1記載の防錆塗料。
- 増粘剤としてメチルセルローズを粉末体に混ぜる請求項2記載の防錆塗料。
- 亜鉛を91重量%、二酸化珪素を0.08〜1.30重量%、酸化カルシウムを4.29〜7.00重量%、酸化アルミニウムを1.00〜3.39重量%、メチルセルローズを0.02重量%の割合で含む粉末体とする請求項3記載の防錆塗料。
- 硬化剤は、珪酸カリウム水溶液からカリウム成分を除去したものを使用する請求項1〜4のいずれか1項に記載の防錆塗料。
- 珪酸カリウム水溶液と硫酸亜鉛水溶液とを反応させ、K2O成分を複塩として除去する請求項5記載の防錆塗料。
- SiO2を26重量%、K2Oを5重量%、H2Oを69重量%の割合で含む硬化剤とする請求項6記載の防錆塗料。
- 水溶性合成樹脂としてアクリル酸エステルエマルジョンを使用する請求項1〜7のいずれか1項に記載の防錆塗料。
- 粉末体を76重量%、硬化剤を19重量%、水溶性合成樹脂を5重量%の割合で含んでなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の防錆塗料。
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