JP2004010601A - インドール誘導体の製造方法及びそのための有用な中間体 - Google Patents
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Abstract
【課題】一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体、及びこれをキノン、クロラニル等の脱水素剤存在下で脱水素反応する一般式IIIで表されるインドール誘導体の製造方法。
【化1】
但し、実線と点線からなる結合は単結合又は二重結合を示し、R1はH、−SO2R3基、−COOR3基、−COR3基、−(CH2)nOR3基又は−(CH2)nR3基を示し、R2はシアノ基、カルボキシラト基、ハロホルミル基、−CO2R3基又は−CONR3 2基を示し、nは1又は2を示し、R3はH、ハロゲン原子、アミノ基、炭素数1〜6の低級アルキル基、ビニル基、アリル基、フェニル基又はベンジル基を示す。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬中間体として有用な2−メチルインドール−4−酢酸類の製造に有用な中間体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2−メチルインドール−4−酢酸類の製造方法としては、(1)2−メチル−4−ヒドロキシインドールから出発して5段階の反応を経て製造する方法(WO01/66520)が知られているのみであった。また、類似構造を有する化合物の合成方法としては、インドール−4−酢酸類及びそれらの合成等価体である4−シアノメチルインドール類の製造方法として、(2)1−アセトアミノ−5,8−ジヒドロナフタリンを低温でオゾン分解した後、数工程を経て合成する方法(Ber. 1956, 89, 270等)、(3)2−メチル−3−ニトロ安息香酸より10以上の工程を経て合成する方法(J. Org. Chem., 1979, 44, 4003等)、(4)4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−オンより数工程を経て合成する方法(特公平1−45463号公報等)が知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの製造方法には次のような問題点があり、改良された工業生産に適した製造方法が求められていた。製造方法(1)に関する問題点は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ジ−t−ブチルジカーボネート、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリメチルシリルアセチレン等の高価な反応試剤の使用、低基質濃度に起因する低生産効率である。また、製造方法(2)、(3)の本目的化合物類製造への応用上の問題点は、工程数の多さ、操作の煩雑性、工業的に実施困難なオゾン分解反応の使用、青酸カリウム等の毒物使用である。更に、製造方法(4)の本目的化合物類への応用上の問題点は、本明細書実施例中の比較例に見られるような、パラジウム炭素を触媒として使用する脱水素反応における低選択率である。
本発明の目的はかかる課題を克服し、経済的、かつ大量生産に最適な2−メチルインドール−4−酢酸類の工業的製造方法及びそれに使用可能な中間体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、テトラヒドロインドール誘導体の脱水素剤存在下における脱水素反応により非常に経済的に2−メチルインドール−4−酢酸類が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】
本発明は、一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体である。
【化3】
但し、一般式I中、実線と点線からなる結合は単結合又は二重結合を示し、
R1は水素原子、−SO2R3基、−COOR3基、−COR3基、−(CH2)nOR3基又は−(CH2)nR3基を示し、
R2はシアノ基、カルボキシラト基、ハロホルミル基、−CO2R3基又は−CONR3 2基を示し、
nは1又は2を示し、
R3は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、炭素数1〜6の低級アルキル基、ビニル基、アリル基、フェニル基又はベンジル基を示し、ここで、アミノ基は低級アルキル基により置換されていてもよく、低級アルキル基はハロゲン原子又は炭素数1〜6の低級アルコキシ基により置換されていてもよく、フェニル基及びベンジル基はハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はフェネチルオキシ基により置換されていてもよい。
ここで、R1が水素原子、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、アセチル基、ベンゾイル基、4−(2−フェニルエチルオキシ)ベンゾイル基又はベンジル基であり、R2がシアノ基、カルボキシラト基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基であるテトラヒドロインドール誘導体が好ましいテトラヒドロインドール誘導体として挙げられる。
【0006】
また、本発明は、前記一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体を、脱水素剤存在下で脱水素反応することを特徴とする一般式IIIで表されるインドール誘導体の製造方法である。
【化4】
但し、一般式III中、R1及びR2は一般式(I)におけるR1及びR2と同じ意味を有する。
ここで、脱水素剤がキノン、o−クロラニル、p−クロラニル又は酸素が、好ましい脱水素剤として挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体は、新規化合物である。一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体は一般式IIIで表されるインドール誘導体の中間体として有用であり、一般式IIIで表されるインドール誘導体は、2−メチルインドール−4−酢酸類の中間体として有用である。
【0008】
上記一般式I及びIIIにおいて、両式のR1及びR2は対応し、同一の意味を有する。R1及びR2は、本発明における脱水素反応を阻害しないものであれば特に制約を受けることは無い。しかし、2−メチルインドール−4−酢酸類の中間体とする場合は、R2は容易にカルボキシル基に変換可能な基であることが好ましい。
【0009】
R1は水素原子、−SO2R3基、−COOR3基、−COR3基、−(CH2)nOR3基又は−(CH2)nOOR3基を示し、R3は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、フェニル基又はベンジル基を示し、ここで、アミノ基は低級アルキル基により置換されていてもよく、低級アルキル基はハロゲン原子又は炭素数1〜6の低級アルコキシ基により置換されていてもよく、フェニル基及びベンジル基はハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はフェネチルオキシ基により置換されていてもよい。また、nは1又は2を示す。
なお、低級アルキル基及び低級アルコキシ基は炭素数が1〜6、好ましくは1〜4であることがよい。
【0010】
R1の具体例としては、水素原子、ホルミル基、アリル基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニル基(−SO2−Me)、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ベンゼンスルホニル基(−SO2−Ph)、p−トルエンスルホニル基、メシチレンスルホニル基、p−メトキシフェニルスルホニル基等のスルホニル基類、アセチル基、ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−(2−フェニルエチルオキシ)ベンゾイル基等のアシル基類、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基等のアミノカルボニル基類、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−クロロエトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等のアルコキシメチル基類、2−クロロエチル基、(1−エトキシ)エチル基、エトキシエチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基等の置換エチル基類、ベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、3,5−ジメトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基等のベンジル基類が例示できる。
【0011】
好ましいR1としては、水素原子、ホルミル基、アリル基、ヒドロキシメチル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、アセチル基、ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−(2−フェニルエチルオキシ)ベンゾイル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ジエトキシメチル基、2−クロロエトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、2−クロロエチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基、ベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基が例示できる。
【0012】
R2はシアノ基、カルボキシラト基、ハロホルミル基、−CO2R3基又は−CONR3 2基を示す。
R2の具体例としては、カルボキシル基、カルボキシラト基(−COO‐)、シアノ基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ピロリジニルカルボニル基、ピペリジニルカルボニル基等のアミノカルボニル基類、クロロホルミル基、ブロモホルミル基等のハロホルミル基類、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基、テトラヒドロフラニルオキシカルボニル基、メトキシエトキシメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類が例示できる。
【0013】
好ましいR2置換基としては、カルボキシル基、カルボキシラト基、シアノ基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基が例示できる。
【0014】
一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体を脱水素剤の存在下に脱水素して、一般式IIIで表されるインドール誘導体を製造する方法において、脱水素反応に用いる脱水素剤としては、キノン、o−クロラニル、p−クロラニル、テトラブロモ−1,2−ベンゾキノン、テトラブロモ−1,4−ベンゾキノン、テトラフルオロ−1,2−ベンゾキノン、テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン等のベンゾキノン類、酸素、硫黄、セレン等の第16グループ元素単体類及びその酸化物類が例示できる。
【0015】
好ましい脱水素剤としては、キノン、o−クロラニル、p−クロラニル、テトラブロモ−1,2−ベンゾキノン、テトラブロモ−1,4−ベンゾキノン、テトラフルオロ−1,2−ベンゾキノン、テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、酸素が例示でき、より好ましい脱水素剤としては、キノン、o−クロラニル、p−クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、酸素が例示できる。
脱水素剤の使用量は脱水素すべき水素に対し、通常1〜10倍当量、好ましくは1〜5倍当量であり、より好ましくは1〜2倍当量である。脱水素剤は多量使用しても特に差し支えないが、大過剰量使用しても格別の意味は無い。
【0016】
脱水素反応は通常、一般式(I)で表されるテトラヒドロインドール誘導体と脱水素剤を、溶媒に溶かし加熱下で行われる。脱水素反応の反応温度はテトラヒドロインドール誘導体の種類及び反応溶媒によって異なるが、通常、0℃〜200℃、好ましくは50℃〜180℃である。
【0017】
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤類、アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類、ギ酸、酢酸等の有機酸類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルフォラン等の所謂非プロトン性極性溶媒類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、キノリン、イソキノリン等等のアミン類及び水を使用することができる。
【0018】
本発明の一般式Iで表されるに示すテトラヒドロインドール誘導体は、公知の2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−オン(特公平5−30824号公報参照)より出発し、1位への置換基R1の導入及び4位への置換基=CH−R2の導入の組合せによる一般的な方法又は実施例記載の方法により製造できる。1位への置換基R1の導入は、一般的には水素化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン等の塩基類と塩化物R1−Cl又は酸無水物を作用させることにより行なうことができる(Greene, T.W. et al. Protective Groups In Organic Synthesis; Wiley: NY, 1999他参照)。
【0019】
また、4位への置換基=CH−R2の導入は、一般的には所謂Wittig反応、Wadsworth−Emmons反応等が利用でき、具体的には水素化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン等の塩基類とPh3P−CH2R2のごときホスフィン類又は(EtO)2P(=O)−CH2R2のごときリン酸エステル類を作用させることにより行なうことができる(特公平1−45463号公報参照)。更に、このようにして4位に導入された置換基=CH−R2は、2重結合を単結合へと還元する一般的な手法の利用により−CH2−R2置換基へと変換することができ、具体的には、ラネーニッケル、パラジウム、白金等の触媒の存在下に水素を作用させることで行うことができる(Larock, R.C. Comprehensive Organic Transformations; Wiley−VCH: NY, 1999他参照)。
【0020】
本発明の式Iで表される化合物は、式IIIで表される化合物製造の中間体として有用であるだけでなく、抗菌剤の構造中に多く見られるようなピロール環を基本骨格としてを有しており、同様の活性発現が期待される。また、本発明の式IIIで表される化合物は、インドール酢酸類製造の中間体として有用である。
【0021】
【実施例】
合成例1
2−メチル−1−トシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−オン(1a)の合成
67%水素化ナトリウム3.7gを無水DMF80mlに懸濁させ、2−メチル−テトラヒドロインドール−4−オン14.9gを攪拌しながら徐々に加えた。添加終了後、混合物を40℃で30分間攪拌した。混合物を20℃に冷却後、塩化トシル18.6gを攪拌しながら徐々に加えた。添加終了後、混合物を室温で12時間攪拌した。蒸留水を加えて30分間撹拌し、析出した固体を濾取した後、得られた固体を蒸留水とヘキサンにて洗浄し、減圧乾燥させて目的化合物(1a)27.6gを得た。融点は報告値と一致した。
【0022】
実施例1
一般式(I)において、R1がトシル、R2がエトキシカルボニル、4位の結合が二重結合である化合物4−エトキシカルボニルメチン−2−メチル−1−トシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール(1b)の合成
67%水素化ナトリウム7.1gを無水THF180gに懸濁させ、トリエチルホスホノアセテート45.4gを40℃で攪拌しながら徐々に加えた。次に、化合物(1a)30.4gを攪拌しながら徐々に加えた。添加終了後、混合物を70℃で24時間攪拌した。減圧下でTHFを留去した後、蒸留水を加えて30分間撹拌し、析出した固体を濾取した後、得られた固体を蒸留水とヘキサンにて洗浄し、減圧乾燥させて目的化合物(1b)30.8gを得た。
【0023】
元素分析値(計算値):C 64.3, H 6.2, N 3.8、(実測値):C 64.0, H 6.2,N 3.7
1H−NMR(CDCl3):δ7.60 (dt, 2H, J = 8.7, 2.0 Hz), 7.31 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 6.12 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 5.85 (s, 1H), 4.16 (quartet, 2H, J = 7.2 Hz), 3.01 (m, 2H), 2.95 (t, 2H, J = 6.2 Hz), 2.42 (s, 3H), 2.40 (d, 3H, J = 0.5 Hz), 1.86 (quintet, 2H, J = 6.3 Hz), 1.28 (t, 3H, J = 7.2 Hz
13C−NMR(CDCl3):δ170.15, 153.28, 147.85, 139.92, 139.79, 135.77, 133.01, 129.27, 125.08, 112.09, 111.00, 62.30, 28.77, 27.27, 25.98, 24.39, 17.96, 17.14
IR(neat/KBr):2979, 2931, 1703, 1616, 1541, 1494, 1426, 1372, 1337, 1305, 1262, 1239, 1222, 1192, 1160, 1094, 1057, 1038, 1002, 954, 916, 857,812, 783, 759, 709, 674, 627, 588, 543, 502, 453 cm−1
融点:145−146℃
【0024】
実施例2
一般式Iにおいて、R1がトシル、R2がエトキシカルボニル、4位の結合が単結合である化合物2−メチル−1−トシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−酢酸エチルエステル(1c)の合成
化合物(1b)3.7g、10%パラジウム炭素1.0g、エタノール50mlの懸濁液に水素ガスをバブルさせながら室温で終夜攪拌した。触媒を濾別した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いて精製してペースト状の目的化合物(1c)3.0gを得た。
【0025】
元素分析値(計算値):C 64.0, H 6.7, N 3.7、(実測値 ):C 64.1, H 6.5, N 3.9
1H−NMR(CDCl3) δ7.55 (dt, 2H, J = 8.7, 2.0 Hz), 7.28 (dd, 2H, J = 8.6, 0.7 Hz), 5.78 (d, 1H, J = 0.7 Hz), 4.15 (quartet, 2H, J = 7.2 Hz), 3.05−2.95 (m, 1H), 2.85−2.70 (m, 2H), 2.54 (dd, 1H, J = 15.2, 5.9 Hz), 2.41(s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.28 (dd, 1H, J = 15.2, 8.5 Hz), 1.90−1.80 (m, 2H), 1.73−1.60 (m, 1H), 1.45−1.30 (m, 1H), 1.26 (t, 3H, J = 7.2 Hz)
13C−NMR(CDCl3) δ172.91, 144.35, 137.56, 131.40, 130.62, 129.95, 126.22, 124.31, 111.51, 60.30, 40.49, 30.47, 28.61, 24.43, 21.49, 21.28, 15.11, 14.14
IR(neat/KBr) 3360, 3193, 2925, 2853, 1731, 1660, 1633, 1598, 1543, 1495, 1446, 1404, 1367, 1294, 1278, 1223, 1177, 1094, 1063, 1032, 997, 940, 812, 756, 708, 665, 591, 545 cm−1
【0026】
実施例3
2−メチル−1−トシルインドール−4−酢酸エチルエステル(1d)の合成
化合物(1b)3.7g、p−クロラニル2.5g、トルエン50mlの溶液を100℃で24時間攪拌した。冷却後、析出物を濾別し、有機層を蒸留水及び1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いて精製してペースト状の目的化合物(1d)3.0gを得た。収率は81モル%であった。
【0027】
元素分析値(計算値):C 64.7, H 5.7, N 3.8、(実測値): C 64.5, H 5.9, N 3.7
1H−NMR(CDCl3):δ8.08 (d, 1H, J = 8.3 Hz), 7.67 (dt, 2H, J= 8.3, 1.8 Hz), 7.23−7.19 (m, 3H), 7.11 (dd, 1H, J = 7.3, 0.8 Hz), 6.43 (t, 1H, J = 1.1 Hz), 4.12 (quartet, 2H, J = 7.1 Hz), 3.74 (s, 2H), 2.61 (d, 3H, J = 1.1 Hz), 2.35 (s, 3H), 1.21 (t, 3H, J = 7.1 Hz)
13C−NMR(CDCl3):δ171.33, 144.82, 137.46, 137.05, 136.39, 129.94, 129.23, 126.45, 125.52, 124.39, 123.88, 113.53, 107.72, 60.88, 38.84, 21.46,
15.75, 14.04
IR(neat/KBr):2981, 2928, 1732, 1598, 1573, 1493, 1431, 1367, 1305, 1256, 1222, 1170, 1156, 1098, 1065, 1031, 1011, 942, 812, 782, 760, 704, 681, 652, 635, 584, 562, 544, 492cm−1
【0028】
実施例4
化合物(1c)3.7g、p−クロラニル5.0g、トルエン50mlの溶液を100℃で24時間攪拌した。冷却後、析出物を濾別し、有機層を蒸留水及び1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いて精製して目的化合物(1d)2.9gを得た。収率は78モル%であった。
【0029】
実施例5
化合物(1b)11.8g、10%パラジウム炭素3.2g、ジエチレングリコールジエチルエーテル60mlの懸濁液を180℃で2時間攪拌した。触媒を濾別した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いて、精製して化合物(1d)4.8gを得た。更に、得られた化合物(1d)4.8g、20%水酸化ナトリウム水溶液25g、メタノール7.3gの溶液を80℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、20%塩酸26gを攪拌しながら徐々に加えた後、室温で更に30分間攪拌した。析出物を濾過し、水洗後減圧乾燥して2−メチルインドール−4−酢酸の2.0gを得た。収率は82モル%であった。
【0030】
融点:210℃(分解)
元素分析値(計算値):C 69.8, H 5.9, N 7.4、(実測値):C 69.5, H 5.9,N 7.5
1H−NMR(DMSO−d6):δ12.15 (br, 1H), 10.89 (br, 1H), 7.15 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 6.91 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 7.1 Hz), 6.12 (t, 1H, J = 1.0 Hz), 3.67 (s, 2H), 2.36 (s, 3H)
13C−NMR(DMSO−d6):δ172.97, 136.03, 135.30, 128.56, 125.25, 119.96, 119.55, 109.29, 97.86, 39.03, 13.34
【0031】
実施例6
合成例1と同様の方法により、塩化トシルの代わりに塩化ベンゼンスルホニルを用いることにより、2−メチル−1−ベシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−オン(3a)を合成した。この化合物(3a)を使用して、実施例1と同様の方法により、4−エトキシカルボニルメチリデン−2−メチル−1−ベシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール(3b)を合成した。この化合物(3b)を使用して、実施例2と同様の方法により、2−メチル−1−ベシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−酢酸エチルエステル(3c)を合成した。この化合物(3c)を使用して、実施例3と同様の方法により、2−メチル−1−ベシルインドール−4−酢酸エチルエステル(3d)を合成し、化合物(3d)の加水分解により2−メチルインドール−4−酢酸を得た。
【0032】
実施例7
実施例6と同様の方法により、塩化トシルの代わりに塩化メタンスルホニルを用いることにより、2−メチル−1−メシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−オン(4a)、4−エトキシカルボニルメチリデン−2−メチル−1−メシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール(4b)、2−メチル−1−メシル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−4−酢酸エチルエステル(4c)、2−メチル−1−メシルインドール−4−酢酸エチルエステル(4d)を合成し、化合物(4d)の加水分解により2−メチルインドール−4−酢酸を得た。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、医薬中間体として有用な2−メチルインドール−4−酢酸類の経済的かつ大量生産に最適な工業的製造方法が可能となる。
Claims (4)
- 一般式Iで表されるテトラヒドロインドール誘導体。
R1は水素原子、−SO2R3基、−COOR3基、−COR3基、−(CH2)nOR3基又は−(CH2)nR3基を示し、
R2はシアノ基、カルボキシラト基、ハロホルミル基、−CO2R3基又は−CONR3 2基を示し、
nは1又は2を示し、
R3は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、炭素数1〜6の低級アルキル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基又はテトラヒドロフラニル基を示し、ここで、アミノ基は低級アルキル基により置換されていてもよく、低級アルキル基はハロゲン原子又は炭素数1〜6の低級アルコキシ基により置換されていてもよく、フェニル基及びベンジル基はハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はフェネチルオキシ基により置換されていてもよい。 - 請求項1記載の一般式(I)において、R1が水素原子、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、アセチル基、ベンゾイル基、4−(2−フェニルエチルオキシ)ベンゾイル基又はベンジル基であり、R2がシアノ基、カルボキシラト基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基であるテトラヒドロインドール誘導体。
- 脱水素剤がキノン、o−クロラニル、p−クロラニル又は酸素である請求項2記載のインドール誘導体の製造方法。
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- 2002-06-11 JP JP2002170420A patent/JP2004010601A/ja active Pending
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社団法人日本化学会編, 第4版実験化学講座23 有機合成V−酸化反応−, JPN7008008969, 1991, pages 346 - 368, ISSN: 0001209718 * |
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