JP2004008814A - 流し台用温熱器具。 - Google Patents

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Hisae Morimoto
森本 壽恵
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Abstract

【課題】流し台の高さと身長の関係が適切でなければ前屈みの姿勢になる事を強制されるので腰部に大きな負担がかかりつらい作業になっている。また水洗作業時に主婦の腹部が流し台に接触し体温が吸収され婦人特有の疾病の原因にもなっている事。
【解決手段】流し台の前縁を身体を寄りかからせる部分として流用する事と、加温機能とを組み合わせる事により、流し台の前縁に装着が容易にでき、かつ加温機能を有する補助器具として実施例に示す温熱器具となったものである。
【選択図】図1

Description

 この発明は台所の流し台や洗面台のような水洗作業などの為に立ち仕事を行う事を前提に制作された器具の改良に関する。以下の説明においては流し台を例にして説明する。
 家庭における主婦の労働の内、食事の準備、提供、後かたづけは毎日の仕事の内でも欠く事のできない重要なものである。この時、食材や食器などの洗浄作業は流し台の高さと身長の関係が適切でなければ前屈みの姿勢になる事を強制されるので腰部に大きな負担がかかりつらい作業になっている。そこで多くの主婦は流し台の前縁に体重をあずけて作業をする事がおおい。
 この姿勢の時流し台には主婦の腹部が接触し外気温が低い冬などの場合には体温がその接触部を介して流し台に吸収されるので特につらい作業となっている。さらに不都合な事には婦人にとって腹部が冷却される事は医学的にも極めて好ましくない事は周知である。
 そこでこの発明の目的は、主婦が流し台の前縁に体重をあずけて作業をする際に腹部と接触する流し台の部分をあらかじめ加温しておくことによって腹部からの流し台への放熱を回避し、逆に心地よい加温によって婦人にとって医学的にも好ましい状況を現出せしめて婦人特有の疾病の予防などにも貢献しようとするものである。
 
 人体と流し台との間に器具を配し立ち姿勢を保持して長時間作業しても足腰にかかる負担を軽減する事ができるものとして特開平07−204038、特開平09−168487などが提案されている。さらに前記とは別の観点から流し台に加温機能を与えて主婦の作業環境を改善しようとするものとして実開昭61−73244などが提案されている。
 
 しかし、従来のものはすべて身体保持機能かまたは加温機能のみを提供するものであって,その両方を同時に満足させた上で、装着が極めて容易で、流し台の近傍の空間を大きく占有せず、違和感なしに主婦に受け入れられるものは存在しなかった。そのためにこの種の流し台の補助器具を広く普及せしめる事ができなかった。
特開平07−204038 特開平09−168487 実開昭61−73244
 この発明が解決しようとする課題の第一点は、作業中に接触する身体の部位から体温が吸収される事を防止する点にある。課題の第二点は、その目的を実現する為に流し台本体に特別な機構を必要とせず、身長に関わらずだれでも快適に作業できる流し台に変貌させる為の補助器具を安価に提供しようとする点にある。
 
 この発明の第一の手段は流し台での作業中に身体と接触する部分を加温するものであり、第二の手段は積極的に身体をもたれかけさせる部分として流し台本体の一部分を流用する点にある。
 一般的に流し台の高さは身長÷2+5センチが最適とされている。この算定基準は流し台に身体をもたれかけない状態で最も作業性のよい高さのものである。しかしこの発明は従来のそのような視点には立たず、流し台の前縁を身体を寄りかからせる部分として流用する事と、加温機能とを組み合わせる事により、上述の算定基準の拘束から離れたものである。その結果、流し台の前縁に装着が容易にでき、かつ加温機能を有する補助器具として実施例に示す温熱器具となったものである。
 
 主婦に何らの違和感も与える事なく、かつすでに販売された流し台や洗面台であっても適用が可能であり、身長に関わらずだれでも快適に作業できる流し台や洗面台へと変貌させる補助器具を提供できる。
 この発明による器具を装着した流し台は作業中に腹部を広い面積にわたって支えかつ加温しているので極めて心地よい。この事は流し台の主たる使用者である主婦にとって婦人特有の疾病の予防にもなる事はいうまでもない。さらに主婦が流し台の前縁に積極的に体重をあずけて作業をする事ができるので疲労が少ない。
 また、加温機能を必要としなければ「身体からの熱流出防止の機能」と「流し台にもたれかかった時に心地よく身体を支えるという機能」とを利用する事ができるので季節にかかわらず使用に供する事ができる。また長い年月の使用によりこの発明の器具が劣化した場合には主婦でも容易に新品と交換できるなど特有の効果を奏する事ができる。
 
 実施例の電源スイッチ5は光電スイッチや近接スイッチ、あるいは人体が寄りかかった時に生ずる圧力を感知する圧力センサ−などの人体検知機構と数分間のオフディレイタイマ−との組み合わせによる動作に置き換えれば、主婦はスイッチ操作から開放されてより好ましい温熱器具になる事は自明である。
 また、電源コ−ド7が使用中に邪魔になるので、電源コ−ドを流し台の内部に収納できる構造にするか、防水上の配慮をした上で本発明装置の至近の位置に電源コンセントを設けるか、または本発明の装置がその電源供給コンセントにかん合して固定される形状ならばより好ましい。
 また、取り付け基台1として例えば発泡ウレタンのように高分子基材に硬化剤を混合する形態で提供すれば常温下でも使用者の流し台の前縁形状に密着するように形成させる事ができる。あるいは、熱によって塑性変形するような高分子素材を用いれば熱湯などによって流し台の前縁形状に密着するように形成させる事ができる。さらにまた入れ歯安定剤のような高分子材料を素材として製作したフィルム状のものを流し台との接合面に貼着しておくかまたは接着剤の代用として提供すれば、より簡単に流し台の前縁に脱着が可能となる。
 また、取り付け基台1や断熱シ−ト2、及び防水カバ−8などを各種のエラストマ−(常温でゴム状の弾性を有する高分子物質)で構成すれば弾力性のある質感を得る事ができるので主婦には好評となる。さらにこれらの部材として、人体がもたれかかった時の圧力によって塑性変形し、個々の主婦の腹部の形状に従って柔軟に変形する発泡性の高分子素材を用いれば、より好ましく人体を支持できる事はいうまでもない。また、これらの部材の選定により、取り付け基台1と断熱シ−ト2とを兼用させたり、防水カバ−8と取り付け基台1とを兼用させる事などが可能である事も自明である。さらに、外観が適度にデザインされ着色などされていればより好ましい。
 また断熱シ−ト2は、銀色塗装に替えて、赤外線を反射する耐熱性の銀色フィルム等を表面や裏面に貼着するか、または加温器本体3の後方部位の構成部材のいずれかに内在させても同様の効果を発揮する事はいうまでもない。
 また防水カバ−8は、その表面に撥水処理等を施しておけば水濡れに対してより好ましい事は勿論であるが、防水性と撥水性とを有する高分子樹脂でのコ−ティングによって代替すれば製造コストの低下に寄与できる。あるいは熱収縮性の高分子材料で構成すれば封入工程が簡略化されるので製造コストの低下に寄与できる。
 また、熱源として固体や粉体あるいは温水など液状体のものを貯留するか循環させるように構成してもこの発明の目的を達成させる事ができる。
 さらにこの発明による温熱器具は流し台の製造時に配設すべき部分を予め設定しておく事によって流し台に付属するオプションとしても販売する事ができる。
 さらにこの発明は、前方にもたれかかる場合のみならず、後部に背もたれなどを配する流し台や、座したまま作業ができる機能の流し台の場合などにも、それらの機構部分に本発明器具を装着する事が可能であり、自在に適用できる事は自明である。
 この発明の思想は流し台や洗面台に限らず立ち仕事を行う事を前提に制作された作業台などの改良にも応用できるものである。
 
 図1はその構成図である。1は取り付け基台、2は断熱シ−ト、3は加温器本体、4は温度調節器、5は電源スイッチ、6は電熱線、7は電源コ−ド、8は防水カバ−、9は使用状態にある加温装置、10は流し台本体である。
取り付け基台1は本発明による加温装置9を簡便かつ確実に流し台本体10に取り付ける事ができるように製作されるものであり例えば高分子樹脂などによってなるものである。断熱シ−ト2は気泡を多く含む柔らかい発泡樹脂(例えば発泡ポリエチレン等)で形成されており加温器本体3によって発生する熱が取り付け基台1を介して流し台10へ流出するのを防止する目的で設置されるものである。なお断熱シ−ト2は表面に銀色の塗装が施されており赤外線による熱の流出を含めて防止する事ができるものである。加温器本体3は電熱線6を内蔵し温度調節器4によって常に適度な一定の温度に保つように制御されるものであり電源スイッチ5と電源コ−ド7を含むものである。これはホットカ−ペット等としてすでに実用化されているものと同等な機能を有するものでありその作用効果については周知であるのでさらなる詳細な説明は省略する。防水カバ−8は柔らかくかつ柔軟性に富んでいる樹脂(例えば塩化ビニ−ルなど)で形成されており水を透過させないものである。加温装置9は、まず取り付け基台1、断熱シ−ト2、加温器本体3を接着して一体化し、次にそれを防水カバ−8の中に挿入して完成するものであり、図1に示すごとく流し台本体10の前縁に設置して使用するものである。
 ここで特記しておく事は、加温装置9は停電時においてもこの発明の効果を発揮するという事である。即ち人体と流し台本体とは取り付け基台1、断熱シ−ト2、加温器本体3、防水カバ−8を介して接するので十分に断熱されており人体から流し台への熱の流出はない。従って直接流し台に身体が接触する場合に比べて自分の体温によって暖かく感じる事が出来る。
 
構成図
符号の説明
1 取り付け基台
2 断熱シ−ト
3 加温器本体
4 温度調節器
5 電源スイッチ
6 電熱線
7 電源コ−ド
8 防水カバ−
9 使用状態にある加温装置
10 流し台本体である。
 
 
 

Claims (1)

  1.  人体と接触する部分を加温しない事を特徴とする流し台及び洗面台において、人体と接触する部分を覆い人体に温熱を与える器具。
     
     
     
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8493737B2 (en) 2009-09-30 2013-07-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Pressing member, pressing structure for heat receiving block of substrate, and electronic device

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