JP2004008078A - メタン発酵槽内の菌数測定方法及びそれを用いたメタン発酵処理方法 - Google Patents

メタン発酵槽内の菌数測定方法及びそれを用いたメタン発酵処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メタン発酵槽内の発酵状態を迅速、かつ正確に監視できるメタン発酵槽内の菌数測定方法、及びそれを用いて、常時最適な状態に発酵条件を制御、維持することができるメタン発酵処理方法を提供する。
【解決手段】嫌気性微生物によって分解可能な有機性廃棄物のメタン発酵において、メタン発酵槽内の活性菌の菌数を測定する方法であって、メタン発酵槽から消化液の一部を取出して前処理する前処理工程S1と、活性菌内に存在するエステラーゼ酵素によって蛍光物質を生成する試薬を混合する蛍光試薬混合工程S2と、蛍光物質の蛍光を測定する菌数測定工程S3とを含む。また、この測定値に基づいてメタン発酵槽内の発酵条件を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、嫌気性微生物を用いて、生ゴミ、食品加工残滓、活性汚泥処理等の余剰汚泥等の有機性廃棄物を処理するメタン発酵処理における、メタン発酵槽内の菌数測定方法及びそれを用いたメタン発酵処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生ゴミ等の有機性廃棄物のほとんどは、焼却や埋立処分されているが、焼却に伴うダイオキシンの発生や埋立処分地の逼迫、悪臭などの問題から、環境負荷の少ない処理方法が求められている。これらの問題を解決するために有機性廃棄物をメタン発酵処理し、発生したメタンガスを燃料電池やガスエンジンを用いて発電するシステムが研究、開発されている。
【0003】
メタン発酵処理は、有機性廃棄物を粉砕、スラリー化した後、このスラリーを発酵槽に投入し、嫌気性下でメタン菌により発酵処理して有機性廃棄物をバイオガスと水とに分解する方法であり、有機性廃棄物を大幅に減量することができると共に、副産物として生成するメタンガスをエネルギーとして回収できるメリットがある。また、嫌気性のため曝気動力が不要であるため省エネルギーな処理法である。
【0004】
ここで、上記のメタン発酵においては、効率よく有機性廃棄物を分解してメタンガスを取り出す必要があるため、メタン発酵槽内の発酵状態を最適に制御することが重要である。このため、所定の監視項目によって発酵状態を常時監視して、メタン発酵槽の運転を管理し、維持することが通常行なわれている。
【0005】
このような監視項目としては、例えば、メタン発酵槽内の温度、pH、MLSS(汚泥濃度)、有機酸量、バイオガス発生量などがあり、従来は、これらを単独、又は複数組み合わせてメタン発酵槽の運転を管理することが行なわれていた。
【0006】
しかしながら、上記の監視項目の場合、例えばpHでメタン発酵槽内の発酵状態を監視しようとすると、実際の菌数増加状態より遅れてpHが変化するため、発酵状態をリアルタイムで正確に監視できないという問題があった。また、上記の複数の監視項目を組み合わせることも考えられるが、やはり発酵状態を正確に把握することは困難であり、更に、複数の項目についての測定が必要となるので、測定が煩雑で手間がかかるという問題点があった。
【0007】
これに対して、メタン発酵槽内の菌数に着目し、これによって直接、メタン発酵槽の発酵状態を監視して発酵条件を制御する方法も知られている。例えば、特開平8−154662号公報には、蛍光物質F420の蛍光強度によってメタン菌の活性を測定して原料の投入時期及び/又は投入量を調整するメタン発酵槽の自動制御システムが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平8−154662号公報の方法は、メタン菌に特異的に存在する蛍光性補酵素である、蛍光物質F420を利用して蛍光強度を測定し、その蛍光強度から菌数を測定するものである。したがって、結果として、メタン発酵槽内に存在する種々の菌のうち、活性なメタン菌のみを測定することによって発酵状態を把握し、この測定値に基づいて原料の投入時期及び/又は投入量を調整することによって、メタン発酵槽内の発酵状態の制御を行なうものである。
【0009】
しかしながら、メタン発酵槽内に存在する菌としては、メタン菌の他にも種々の菌が存在し、なかでも、有機性廃棄物である生ゴミ等の固形分をメタン菌がガス化できるまでに有機酸に分解する酸生成菌は、メタン発酵の代謝経路に大きく関与している。
【0010】
すなわち、有機性廃棄物は酸生成菌によって酢酸等の有機酸に分解され、更にその後、メタン菌によってバイオガスに分解される。したがって、バイオガスの効率的な発生には、メタン菌の存在は言うまでもなく、酸生成菌の存在も重要になる。したがって、上記の特開平8−154662号公報の方法のように、活性なメタン菌のみ測定する方法では、メタン発酵槽内の発酵状態を正確に把握できないという問題があった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、メタン発酵槽内の発酵状態を迅速、かつ正確に監視できるメタン発酵槽内の菌数測定方法、及びそれを用いて、常時最適な状態に発酵条件を制御、維持することができるメタン発酵処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討した結果、生菌の体内に存在する加水分解酵素であるエステラーゼ酵素の作用を利用し、加水分解により蛍光物質を生成する蛍光試薬を消化液と混合し、蛍光顕微鏡により観察して菌数を測定することにより、メタン菌のみならず、酸生成菌を含む菌数測定が可能となることを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明のメタン発酵槽内の菌数測定方法は、嫌気性微生物によって分解可能な有機性廃棄物のメタン発酵において、メタン発酵槽内の活性菌の菌数を測定する方法であって、
前記メタン発酵槽から消化液の一部を取出して前処理する前処理工程と、
前記活性菌内に存在するエステラーゼ酵素によって蛍光物質を生成する試薬を混合する蛍光試薬混合工程と、
前記蛍光物質の蛍光を測定する菌数測定工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
この菌数測定方法によれば、メタン菌のみならず、有機酸を生成する酸生成菌を含んだ活性菌数が把握できるので、より正確にメタン発酵槽内の発酵状態を把握できる。また、発酵状態を菌数で直接的に監視できるので、pHで監視する場合に比べてリアルタイムで発酵槽内の状態を監視することができる。また、測定サンプルは少量の消化液をメタン発酵槽から抜き取れば足りるので、従来公知のメタン発酵処理装置がそのまま使用できる。
【0015】
本発明の菌数測定方法においては、前記蛍光試薬が、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテート、又は5−カルボキシフルオレセインジアセテートアセトキシメチルエステートであることが好ましい。
【0016】
上記の蛍光試薬は、エステラーゼ酵素によって容易に加水分解されて蛍光物質を生成し、しかも容易に入手可能であるので本発明に好適に使用できる。
【0017】
一方、本発明のメタン発酵処理方法は、嫌気性微生物によって分解可能な有機性廃棄物のメタン発酵処理方法であって、上記の菌数測定方法によって、所定時間毎にメタン発酵槽内の活性菌の菌数を測定し、この測定値に基づいて前記メタン発酵槽内の発酵条件を制御することを特徴とする。
【0018】
このメタン発酵処理方法によれば、メタン発酵槽内の発酵条件を、迅速、かつ正確に制御できる。これによって、メタン発酵処理装置を常時最適な状態に維持したまま運転できるので、処理効率が向上するとともに、効率よくバイオガスを得ることができる。
【0019】
本発明のメタン発酵処理方法においては、前記メタン発酵槽内への前記有機性廃棄物の投入量を調節することによって、前記発酵条件を制御することが好ましい。これによれば、メタン発酵槽内の菌数の増減に合わせて、有機性廃棄物の投入量を増減することにより、発酵槽内への負荷量を調整して菌数の維持が可能であるので、容易に発酵条件を制御できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて更に詳細に説明する。図1には、本発明の菌数測定方法の一実施形態である概略工程図が示されている。また、図2には、本発明のメタン発酵処理方法に用いることができるメタン発酵処理装置の概略構成図が示されている。
【0021】
まず、本発明のメタン発酵槽内の菌数測定方法について説明すると、図1に示すように、本発明の菌数測定方法は、測定試料である、メタン発酵槽内から取出した消化液を前処理する前処理工程S1と、前処理工程S1後の消化液に蛍光試薬を混合する蛍光試薬混合工程S2と、蛍光法によって蛍光を呈する菌数を測定する菌数測定工程S3とからなっている。
【0022】
以下、上記各工程について例を挙げて詳細に説明する。
まず、測定試料となる消化液を、メタン発酵槽内から取出す。測定試料として必要な消化液の量としては1〜10mlあれば充分である。次に、図1に示すように、まず、前処理工程S1の希釈工程S11により、上記の測定試料から更に一部をサンプリングして水で希釈する。この希釈工程S11におけるサンプリング量としては1〜5mlであることが好ましい。また、希釈量としてはサンプリングした消化液に対して、体積で5〜20倍、好ましくは10〜15倍に希釈することが好ましい。
【0023】
次に、ろ過工程S12によって固形分を除去する。ろ過方法は従来公知のフィルターろ過等が使用でき、特に孔径20〜30μmのフィルターを用いることが好ましい。
【0024】
ろ過工程S12後、超音波分散工程S3を行なう。この工程によって菌をばらばらにし数え易くする。超音波装置としては従来公知のものが使用できる。また、分散時間としては5〜15分行なうことが好ましい。
【0025】
次に、pHが酸性となっている場合には、必要に応じてpH調整工程S14を行なう。このように測定試料のpHをアルカリ性に調整することにより菌の活動領域にpHを維持できる。なお、pHとしては7.5〜8となるように調整することが好ましい。pH調整手段としては、pH緩衝液を加えることが好ましく、具体的には、NaOHやKOHにKHPOを加えてアルカリ性に調整することができる。また、このpH調整工程S14は、あらかじめpHが上記の7.5〜8の範囲となっていれば行なわなくてもよい。
【0026】
次に、蛍光試薬混合工程S2について説明する。本発明においては、上記の前処理工程S1後の消化液に蛍光試薬を加え、この蛍光試薬が、活性菌内に存在する加水分解酵素である、エステラーゼ酵素によって加水分解することにより蛍光物質を生成する試薬であることを特徴としている。これにより、メタン菌のみならず、酸生成菌等を含むすべての活性菌の測定が可能となる。
【0027】
これらの蛍光試薬は、元来蛍光性を有していないが、拡散によって生細胞内に取込まれると、すべての細胞が共通に持っている酵素のエステラーゼによってエステル結合が加水分解され、蛍光物質として細胞内に蓄積される。一方、死菌はエステラーゼ活性が失われており染色されないため、活性菌だけの検出が可能となる。
【0028】
このような、エステラーゼ酵素によって加水分解され、蛍光を呈する蛍光物質となる試薬としては、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテート、5−カルボキシフルオレセインジアセテートアセトキシメチルエステートなどからなる群が好ましく例示できる。
【0029】
上記の蛍光試薬の添加量としては、pH調整工程S14後の希釈サンプル液200μlに対して20〜30μl添加することが好ましい。蛍光試薬の添加量が20μl以下であると蛍光試料の発光強度が不足し、微弱な蛍光しか得られないので好ましくなく、30μlを超えると、水分等による、菌以外のバックグラウンドが強くなるので好ましくない。
【0030】
蛍光試薬混合工程S2の後、菌数測定工程S3において、活性菌の菌数を測定する。測定方法には、従来公知の蛍光顕微鏡による測定が使用できる。
【0031】
具体的には、蛍光試薬混合工程S2後の測定試料をバクテリア計測盤などの、一定の深さを持つプレパラート上に垂らした後、蛍光顕微鏡により、上記の蛍光物質が蛍光を発することを利用して、蛍光画像を観察して菌数をカウントする。蛍光を発生させる励起波長としては380〜420nmの青色が好ましい。菌数のカウントについては、従来公知の画像解析ソフト等が利用できる。
【0032】
以上の本発明の菌数測定方法により、メタン菌、酸生成菌等のメタン発酵槽内のすべての活性菌数の合計を測定することができる。なお、上記の菌数測定に要する時間は30〜60分で行うことができるので、本方法により、簡便で、短時間に測定を行なうことができ、しかも、発酵槽内の発酵状態を正確に把握することができる。
【0033】
次に、上記の菌数測定方法を用いた、本発明のメタン発酵処理方法について、図2に示す処理装置を用いて説明する。
【0034】
図2において、有機性廃棄物は、粉砕機11で粗砕された後、更に分解速度及び消化率の向上を図るために、微粉砕機12で微粉砕・ペースト化されてスラリー調整槽13に投入される。スラリー調整槽13において、ペースト化された有機性廃棄物は、希釈水により適当な固形物濃度に調整されてスラリー化され、ポンプ14によりメタン発酵槽15に送られる。
【0035】
このメタン発酵槽15には、メタン菌等の嫌気性微生物が付着・担持された固定化微生物を充填した固定ろ床16が設置されており、スラリー状の有機性廃棄物は、ポンプ14により、メタン発酵槽15内に送られる。メタン発酵槽15内では、イ)ポンプ14により有機性廃棄物を循環させる、ロ)攪拌羽根17で攪拌する、ハ)バイオガスの一部をポンプ20によりメタン発酵槽15の下部に吹き込んでバブリングして攪拌する、などの方法で攪拌が行われ、嫌気性微生物による分解が行われる。その後、発酵により生成したバイオガスは、ガスホルダー18に回収され、ガスタービンや燃料電池などのガス利用システム19でエネルギーとして利用される。
【0036】
そして、メタン発酵槽15内で発酵処理された有機性廃棄物の消化液は、該発酵槽15の底部に設けられた排出口21から排出されて、必要に応じて更に活性汚泥処理等の後処理が行なわれる。
【0037】
本発明のメタン発酵処理方法においては、上記の運転操作中、測定試料となる消化液を、適宜メタン発酵槽15内から取出してサンプリングを行なう。メタン発酵槽内からの測定試料の取出し方法は特に限定されず、例えば、図2におけるメタン発酵槽15の底部の排出口21より取出される消化液の一部を測定試料とすることができる。なお、別途メタン発酵槽にサンプリングできる取出し口を設けてもよい。
【0038】
次に、上記の菌数測定方法によって、メタン発酵槽15内のすべての活性菌数の測定を行なう。そして、上記のサンプリング及び菌数測定を定期的に行なうことにより、発酵状態を正確に監視することができる。なお、サンプリング及び菌数測定は所定の間隔で行なうことが好ましく、1〜7日間隔で行なうことが好ましい。
【0039】
そして、運転中に菌数の低下が認められてきたら、メタン発酵槽15の発酵条件を調整してメタン発酵槽の制御を行なう。ここで、メタン発酵槽15内の菌数としては、1×10〜1×1010個/mlに維持することが好ましい。
【0040】
発酵条件の調整方法としては、例えば、ポンプ14を制御してメタン発酵槽15内への有機性廃棄物の投入量を調節する方法が好ましく行なわれる。この場合、メタン発酵槽15内の菌数の低下に合わせて、投入量を徐々に減少させることができ、これによって、メタン発酵槽15内の菌数を上記範囲に容易に維持することができる。なお、有機性廃棄物の投入量の調節範囲としては、通常投入量に対して50質量%までとすることが好ましい。
【0041】
また、別の発酵条件の調整方法としては、アルカリ添加によってメタン発酵槽15内のpH調整を行ない、アルカリ側に維持することも好ましい。メタン発酵槽15内は酸生成によって徐々にpHが低下していくので菌の活性が徐々に低下していくが、アルカリ側にpH調整することによってメタン発酵槽15内を活性菌の至適pHに維持できるので、活性菌数を維持することができる。
【0042】
なお、上記の発酵条件の調整方法は、単独で行なってもよく、また両者を組み合わせて行なってもよい。
【0043】
以上のメタン発酵処理方法によれば、メタン発酵槽内の発酵条件を、迅速、かつ正確に制御できるので、メタン発酵槽を常時最適な状態に維持できる。これにより、処理効率が向上するとともに、効率よくバイオガスを得ることができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0045】
実施例1
図2に示すようなメタン発酵処理装置の連続運転を行ないながら、本発明の菌数測定法を用いて、図3に示す手順でメタン発酵槽内の菌数測定を行なった。メタン発酵槽15としては容量は2リットルの発酵槽を使用し、発酵温度は55℃とした、なお、有機性廃棄物としては表1に示す組成の生ゴミ原料を使用した。
【0046】
【表1】
Figure 2004008078
【0047】
まず、メタン発酵槽15の排出口21から消化液の一部を5ml採取し、超純水で10倍に希釈した。希釈後、孔径20μmのろ紙に通して、ろ過した後、超音波分散を15分間行なった。
【0048】
次に、KHPOからなるpH緩衝液を加え、pHを8となるように調整した。
【0049】
上記のpH調整後の消化液200μlに対して、蛍光試薬である5−カルボキシフルオレセインジアセテート(5−CFDA、フナコシ株式会社製)を24μl加え、再び充分に混合して測定試料を調整した。
【0050】
この測定試料3μlを、バクテリア計測盤を持つ深さ0.02mmのプレパラートに垂らし、蛍光顕微鏡により観察をした。蛍光顕微鏡の励起波長は380〜420mmの青色を用い、蛍光発光波長は500〜550nmであった。観察画像は市販のソフト(Optimas6.5、MEDIA CYBERNETICS製)で画像解析し、菌数をカウントした。
【0051】
比較例1
実施例1と同じ条件でメタン発酵処理装置を運転し、実施例1と同じタイミングで消化液のpHを測定した。
【0052】
試験例
上記の実施例1の菌数測定操作、及び、比較例1のpH測定を1〜3日毎に行なって、発酵槽内の発酵状態を監視した。実施例1について発酵槽の馴養日数と菌数の変化を測定した結果を図4に、比較例1について発酵槽の馴養日数とpHの変化を測定した結果を図5に示す。
【0053】
図4の結果より、実施例1においては、メタン発酵処理25日目までは菌数は安定しており、3×10〜4×10個/mlの菌数を保持していたが、26日以降は菌数が1.5×10個/ml以下に低下していることがわかる。一方、図5の比較例1においては、pHの変化は25日を過ぎても発酵が順調とされる7.5付近でアルカリ側の値を示し、30日を過ぎて始めてpHが7以下となった。
【0054】
したがって、比較例1のpHを発酵状態の監視基準として用いた場合には、発酵条件が低下する指標としては、実施例1の菌数よりも変化が鈍く、リアルタイムで発酵状態の監視ができていないことがわかる。
【0055】
実施例2
実施例1の菌数測定値に基づいて生ゴミの投与量を調整して、メタン発酵条件を制御した。生ゴミの投与量としては、菌数が安定時の1/2となったときには、投入量を初期投入量の1/2に減少させ、再び菌数が回復した時点で投入量を2倍にして初期投入量に戻した。
【0056】
図6に、実施例2における馴養日数と菌数変化を測定した結果を示す。図6によれば、実施例2の方法でメタン発酵処理することにより、25日付近で一度菌数が低下し始めているが、直ちに生ゴミ投入量を調整したので菌数が速やかに回復しており、結果として、70日経過後においても菌数を維持できていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メタン菌以外の酸生成菌を含めたすべての活性菌数が測定できるので、メタン発酵槽内の活性菌の状態をより正確に、かつ迅速に管理できる。また、メタン発酵槽内の活性菌数が低下しないように発酵状態を制御できるので、安定した発酵状態を長期にわたって管理・維持できるメタン発酵処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタン発酵槽内における菌数測定方法の一実施形態を示す概略工程図である。
【図2】本発明のメタン発酵処理方法に用いることができるメタン発酵処理装置の概略構成図である。
【図3】実施例における菌数測定方法を示す概略工程図である。
【図4】実施例1における発酵槽の馴養日数と菌数の変化を測定した図表である。
【図5】比較例1における発酵槽の馴養日数とpHの変化を測定した図表である。
【図6】実施例2における発酵槽の馴養日数と菌数の変化を測定した図表である。
【符号の説明】
S1 前処理工程
S11 希釈工程
S12 ろ過工程
S13 超音波分離工程
S14 pH調整工程
S2 蛍光試薬混合工程
S3 菌数測定工程
11 粉砕機
12 微粉砕機
13 スラリー調整槽
14 ポンプ
15 メタン発酵槽
16 固定ろ床
17 攪拌羽根
18 ガスホルダー
19 ガス利用システム
20 ポンプ
21 排出口

Claims (4)

  1. 嫌気性微生物によって分解可能な有機性廃棄物のメタン発酵において、メタン発酵槽内の活性菌の菌数を測定する方法であって、
    前記メタン発酵槽から消化液の一部を取出して前処理する前処理工程と、
    前記活性菌内に存在するエステラーゼ酵素によって蛍光物質を生成する試薬を混合する蛍光試薬混合工程と、
    前記蛍光物質の蛍光を測定する菌数測定工程とを含むことを特徴とするメタン発酵槽内の菌数測定方法。
  2. 前記蛍光試薬が、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテート、又は5−カルボキシフルオレセインジアセテートアセトキシメチルエステートである請求項1記載のメタン発酵槽内の菌数測定方法。
  3. 嫌気性微生物によって分解可能な有機性廃棄物のメタン発酵処理方法であって、請求項1又は2に記載の菌数測定方法によって、所定時間毎にメタン発酵槽内の活性菌の菌数を測定し、この測定値に基づいて前記メタン発酵槽内の発酵条件を制御することを特徴とするメタン発酵処理方法。
  4. 前記メタン発酵槽内への前記有機性廃棄物の投入量を調節することによって、前記発酵条件を制御する請求項3記載のメタン発酵処理方法。
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