JP2004003091A - メタロセンアイソタクティックポリプロピレン繊維の製造方法 - Google Patents

メタロセンアイソタクティックポリプロピレン繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高生産性および改良された収縮特性を有するポリプロピレン繊維の製造。
【解決手段】アイソ選択性メタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造されるアイソタクティックポリプロピレンを包含するプロピレンポリマーからポリプロピレン繊維を製造する方法。ポリマーは溶融状態まで加熱され、約170℃〜210℃の範囲内の温度で押出されて繊維プレフォームを生成する。繊維プレフォームは少くとも毎分200メートルの紡糸速度で紡糸され、繊維あたり毎秒12ジュールを越えない熱交換速度で急冷される。紡糸繊維は次いで巻取作業に供する。繊維は急冷工程に続きかつ巻取工程に先だって延伸することができる。冷却された繊維プレフォームは約1.5〜4.0の範囲内の延伸比で延伸し、その収縮がその延伸比の範囲にわたって、延伸比の範囲にわたる収縮係数の中央値の±25%の分散を示す繊維を生成させることができる。
【選択図】   なし

Description

【0001】
[発明の技術分野]
本発明はポリプロピレン繊維に関し、かつより具体的には、このような繊維およびメタロセンに基くアイソタクティックポリプロピレンからそれらを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,892,851号
【0004】
【特許文献2】米国特許第4,794,096号
【0005】
【特許文献3】米国特許第4,975,403号
【0006】
【特許文献4】米国特許第5,243,002号
【0007】
【特許文献5】米国特許第4,298,718号
【0008】
【特許文献6】米国特許第4,544,717号
【0009】
【特許文献7】米国特許第4,701,432号
【0010】
【特許文献8】米国特許第4,808,561号
【0011】
【特許文献9】米国特許第5,242,876号
【0012】
【特許文献10】米国特許第5,308,811号
【0013】
【特許文献11】米国特許第5,444,134号
【0014】
【特許文献12】米国特許第4,560,734号
【0015】
【特許文献13】米国特許第5,318,734号
【0016】
【特許文献14】米国特許第5,272,003号
【0017】
【特許文献15】米国特許第5,318,735号
【0018】
【特許文献16】カナダ特許出願第2,178,104号
【0019】
【非特許文献1】Ziabicki,“Development of Polymer Structure in High Speed Spinning,”Proceedings of the International Symposium on Fiber Science and Technology,ISF−85,I−4,1985
アイソタクティックポリプロピレンは多くの結晶性ポリマーのうちの一つであり、ポリマー鎖の立体規則性の面で特徴づけられる。主としてシンジオタクティック性およびアイソタクティック性の面で特徴づけられる種々の立体特異性の構造的関係が、種々のモノマーについての立体規則性ポリマーの生成において関与しうる。C3+α−オレフィン、1,3−ブタジエンのような1−ジエン、ビニル芳香族のような置換ビニル化合物、たとえばスチレンまたは塩化ビニル、塩化ビニル、アルキルビニルエーテルのようなビニルエーテル、たとえばイソブチルビニルエーテル、またはアリールビニルエーテルでさえ、のようなエチレン糸不飽和モノマーの重合において、立体特異性生長反応を適用しうる。立体特異性ポリマー生長反応はおそらくアイソタクティックまたはシンジオタクティック構造のポリプロピレンの製造においてもっとも重要である。
【0020】
ポリプロピレンが加熱され,次いで一個以上のダイを通して押出されて繊維プレフォームを生成し、それが紡糸および延伸作業により加工されて望まれる繊維製品を製造する方法においては、従来アイソタクティックポリプロピレンが繊維の製造に用いられている。アイソタクティックポリプロピレンの構造は、ポリマーの主鎖の同じ側に位置する、反復するプロピレンモノマー単位の第三級炭素原子と結合するメチル基に関して特徴づけられる。すなわち、メチル基はすべてポリマー鎖の上または下に存在するとして特徴づけられる。アイソタクティックポリプロピレンは下記の化学式によって示すことができる:
【0021】
【化1】
Figure 2004003091
【0022】
アイソタクティックおよびシンジオタクティックポリプロピレンのような立体規則性ポリマーはフィッシャー投影式によって特徴づけることができる。フィッシャー投影式を用いると、アイソタクティックポリプロピレンの立体化学的連鎖は下記式(2)に示すように表現される:
【0023】
【化2】
Figure 2004003091
【0024】
構造を表現する他の方法はNMRを用いることである。アイソタクティックペンタッド(pentad)についてのBoveyのNMR式は...mmmm...であり、各「m」は「メソ」ダイアド(dyad)、すなわちポリマー鎖の面の同じ側にある反復するメチル基を示す。当業者に公知であるように、鎖の構造中のいかなる偏差または反復もポリマーのアイソタクティック性および結晶性の程度を低下させる。
【0025】
アイソタクティック構造と対照的に、シンジオタクティックポリプロピレンポリマーは、ポリマー鎖中の反復するモノマー単位の第三級炭素原子と結合するメチル基がポリマーの面の交互の側に位置するものである。フィッシャー投影式を用いると、シンジオタクティックポリプロピレンの構造は下記のように示すことができる:
【0026】
【化3】
Figure 2004003091
【0027】
これに対応するシンジオタクティック性ペンタッドはrrrrであり、各rはラセミ性のダイアドを示す。シンジオタクティックポリマーは半結晶性であり、アイソタクティックポリマーと同様、キシレンに不溶である。この結晶性によってシンジオタクティックおよびアイソタクティックは双方とも、非結晶性でありキシレンによく溶解するアタクティックポリマーから識別される。アタクティックポリマーはポリマー鎖において繰返し単位配置の規則的な順序を示さず、本質的にろう状の生成物を形成する。シンジオタクティックポリプロピレンを製造する触媒は[特許文献1]に開示されている。そこに開示されているように、シンジオ選択性メタロセン触媒は立体的に異なるシクロペンタジエニル基を包含する架橋構造として特徴づけられる。この[特許文献1]において具体的にシンジオ選択性メタロセンとして開示されているのはイソプロピリデン(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドである。
【0028】
ポリマー立体配置は、アタクティックポリマーをほとんど含まない主としてアイソタクティックまたはシンジオタクティックポリマーを伴うことができる。アイソタクティックポリオレフィンを製造する触媒は[特許文献2]および[特許文献3]に開示されている。これらの特許は、オレフィンを重合してアイソタクティックポリマーを生成させ、かつ高度にアイソタクティックなポリプロピレンの重合において特に有用な、キラルで、立体剛性のメタロセン触媒を開示している。上記の[特許文献2]の開示によれば、たとえば、メタロセン配位子における立体剛性はジクロペンタジエン基間を結ぶ構造的な橋により付与される。この特許において具体的に開示されているのは、下記の式:
【0029】
【化4】
Figure 2004003091
【0030】
によって特徴づけられる立体規則性ハフニウムメタロセンである。
【0031】
式(4)中、(C5(R’)4)はシクロペンタジエニルまたは置換シクロペンタジエニル基であり、R’は独立して水素または1〜20炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、R”はシクロペンタジエン環間を結ぶ構造的な橋である。Qはハロゲンまたは1〜20炭素原子を有するアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、またはアリールアルキルのような炭化水素基であり、pは2である。
【0032】
上述のようなメタロセン触媒は、メチルアルモキサンのようなアルモキサンが助触媒として用いられるいわゆる「中性メタロセン」として用いることが可能であり、または、それらは安定な非配位アニオンを包含し通常アルモキサンの使用を必要としないいわゆる「カチオン性メタロセン」として用いることもできる。たとえば、シンジオ選択性カチオン性メタロセンはRazaviに付与された[特許文献4]に開示されている。その開示によれば、メタロセンカチオンはプラス電荷を有する配位遷移金属原子と結合した立体的に同様でない環構造(複数)を有するカチオン性メタロセン配位子によって特徴づけられている。メタロセンカチオンは安定した非配位対アニオンと結合している。同様の関係はアイソ選択性メタロセンについても確立することができる。
【0033】
α−オレフィンの重合において用いられる触媒は、担持触媒としてまたは時により均一触媒と呼ばれる非担持触媒として特徴づけることができる。メタロセン触媒は、下記のように担持触媒成分中にも用いることができるが、しばしば非担持すなわち均一触媒として用いられる。従来の担持触媒は、たとえば、双方ともMyerらに付与されている[特許文献5]および[特許文献6]に開示されているような、活性二塩化マグネシウム上に担持された四塩化チタンのようないわゆる「従来型」チーグラー−ナッタ触媒である。Myerの’[特許文献5]中の開示によれば、担持触媒成分は二塩化マグネシウムまたは二臭化マグネシウムのような無水の活性ジハロゲン化マグネシウム上に担持された四塩化チタニウムを含む。[特許文献5]におけるの担持触媒成分は、アルキルアルミニウム化合物、たとえば、トリエチルアルミニウム(TEAL)、のような助触媒と組合せて用いられる。[特許文献6]は、種々のアミン、ホスフィン、エステル、アルデヒド、およびアルコールの形をとりうる電子供与性化合物をも包含しうる同様の化合物を開示している。
【0034】
メタロセン触媒は一般に均一触媒として使用するように提案されているが、当業界においては担持メタロセン触媒を与えることもまた公知である。双方ともWelbornに付与されている[特許文献7]および[特許文献8]に開示されているようにメタロセン触媒成分は担持触媒の形でも使用しうる。[特許文献7]の開示によれば、担体は滑石、無機酸化物、またはポリオレフィンのような樹脂性担体のようないかなる担体でもよい。具体的な無機酸化物としては、単独でまたはマグネシア、ジルコニアなどのような他の無機酸化物と組合せて用いられるシリカおよびアルミナが含まれる。四塩化チタンのような非メタロセン遷移金属化合物もまた担持触媒成分中に包含される。[特許文献8]は、メタロセンとアルモキサンの反応と担体を組合わせて生成する不均一性触媒を開示している。均一メタロセン成分および、「従来型」担持チーグラー−ナッタ触媒、たとえば担持四塩化チタン、でありうる不均一成分の双方を包含した触媒系がShamshoumらに付与された[特許文献9]に開示されている。担持メタロセン触媒を伴う他の種々の触媒系がSugaらに付与された[特許文献10]およびMatsumotoに付与された[特許文献11]に開示されている。
【0035】
延伸ポリプロピレン繊維の製造に通常用いられるポリマーは、通常、たとえばMyerらに付与された上述の特許に開示されているタイプの従来型チーグラー−ナッタ触媒の使用により製造される。Fujishitaに付与された[特許文献12]およびKozullaに付与された[特許文献13]は、四塩化チタン系アイソタクティックポリプロピレンにより製造されたポリプロピレンからの加熱,押出し,溶融紡糸、および延伸による繊維の生成を開示している。特に、Kozullaへの特許の開示によれば、このような繊維を生成させるのに使用する好ましいアイソタクティックポリプロピレンは、約5.5またはそれ以上という、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比によって求めた、相対的に広い分子量分布(MWDと略す)を有する。Kozullaの特許の開示によれば、好ましい分子量分布Mw/Mnは少くとも7である。
【0036】
[発明の概要]
本発明によれば、ポリプロピレン繊維の製造方法が提供される。繊維はアイソ選択性メタロセン触媒の存在下プロピレンを重合することによって製造されるアイソタクティックポリプロピレンを包含するプロピレンポリマーから製造される。本発明を実施する場合、プロピレンポリマーは加熱されて溶融状態となりそして押出されて繊維プレフォームを生成する。押出しは約170℃〜210℃の範囲内の温度で実施される。次いで繊維プレフォームは少くとも毎分200メートルの紡糸速度で紡糸される。その後紡糸繊維は、繊維あたり毎秒12ジュールを越えない伝熱速度で急冷される。次いで紡糸繊維は巻取り作業に供する。好ましくは、繊維は急冷作業に続きかつ巻取りに先だって延伸される。
【0037】
本発明のさらに他の様相においては、冷却された繊維プレフォームは約1.5〜4.0の延伸比で延伸されて繊維を生成し、その延伸比の範囲内にわたる繊維の収縮は、その延伸比にわたる収縮係数の中央値の±25%の分散(variance)に維持される。
【0038】
[発明の詳細な記述]
本発明の繊維製品は、下記にさらに詳細に説明するように、特定の立体配置を与えられたポリオレフィンポリマーを用い、かつFourne繊維紡糸装置のような任意の適当な溶融紡糸工程を用いることにより生成される。本発明によるアイソ選択性のメタロセン触媒の使用は、強度、靭性、収縮のような望まれる繊維特性に、ならびに繊維生成工程において用いられる延伸速度および延伸比に関して、互いに関係しうるアイソタクティックポリプロピレン構造を与える。
【0039】
本発明に従って製造される繊維は、Fourne溶融紡績工程のような、当業者には理解されるであろう、任意の適当な溶融紡績工程により生成することができる。図1に示されるようなFourne繊維紡績機10を用いる場合、ポリプロピレンはホッパー14から熱交換器16を経由し、ここでポリマーペレットは押出しのために適当な温度、ここで用いられるメタロセン系ポリプロピレンについては約180〜280℃、に加熱され、次いで計量ポンプ18(スピンポンプとも呼ばれる)を経由し紡糸押出機20(スピンパックとも呼ばれる)に送られる。ホッパー14からスピンパック20までの機械の部分はまとめて押出機12と呼ばれる。このようにして生成した繊維プレフォーム24は急冷塔22において空冷され、次いでスピンフィニッシャー26を通して送られる。集められた繊維は次いで1基またはそれ以上のゴデットを通して、本態様においてはロール28(同様にまとめてゴデット1と呼ばれる)として図示される引取りロールへ送られる。これらのロールは望まれる引取り速度(G1速度と呼ばれる)、本発明においては毎分約100〜1500メートル、で運転される。このようにして生成したフィラメントは、延伸繊維を製造するために、スピンロール以降実質的に増大された速度(延伸速度またはG2速度)で運転される延伸ローラー30(同様にまとめてゴデット2と呼ばれる)へ延伸される。延伸速度は通常毎分約500〜4,000メートルの範囲をとるであろう、そして引取りゴデットに関し通常1.5:1〜6:1の範囲内の望まれる延伸比を与えるように運転される。紡糸され延伸された繊維はしばしばけん縮合加工機32を通し次に巻取機34に巻取られる。ここに例示した態様および説明はフル配向糸の紡糸および延伸を含むが、同じ設備を部分配向糸を製造するために用いることもできる。その場合においては延伸工程を省き、押出機から糸を紡績する作業のみを残す。この工程はしばしばスピンフィニッシャー26の直後に巻取機34を接続することにより実施され、必ず延伸ローラー30のバイパスを伴う。押出機を出た糸を巻取り/紡糸する力はある程度の応力および伸びをもたらし、部分的に糸を配向させるが、完全な延伸工程の完全な利点は与えない。本発明に用いるのに適した繊維紡績工程のさらに他の説明については、[特許文献14]および[特許文献15]が参照され、その開示全体が引用により本明細書に包含される。
【0040】
ポリプロピレンの溶融紡糸の工程は伸張下の非等温的結晶化と呼ぶことができる。この工程における結晶化速度は引取り速度により大きく影響を受ける。バルク連続フィラメント(BCF)繊維の工業的製造においては、最初の紡糸(または引取り)工程およびそれに続く延伸工程を含む2段階を統合した工程がある。これは繊維に靭性および伸びのような要求される機械的特性を与える。以前には、この統合された2工程を除去し、それを1工程高速紡糸に置換える試みがなされた。高速紡糸は繊維内に充分な配向を包含させ高い靭性および弾性率を与えるだろうと期待された。[非特許文献1]に開示されているように、この期待は満たされなかった。PET繊維の研究においてそこで論じられているように、これは主として高速度紡糸繊維が、無定形配向ではなく、高度の結晶性および結晶配向を示すからである。無定形配向における高度のからみ合いは、応力を受けた時に長い分子の滑りを防ぎ繊維に高い靭性を与える。
【0041】
本発明は繊維製造のためにメタロセン触媒の存在の下に重合されたアイソタクティックポリプロピレンを使用することを含み、その繊維は部分的におよび完全に配向した繊維の双方であり、チーグラー−ナッタ触媒によるアイソタクティックポリプロピレンと比較してより低いそれらの融点のために、より低い溶融温度下で紡糸することができ、それにより生産量の制限因子が熱交換器16が充分に除熱して繊維温度を適切に低下させる能力である系において、高い生産量で操業できる。アイソタクティックポリプロピレンの使用が望まれる大部分のプロピレン繊維に対し適用可能であるが、本発明はFourne法のような完全に配向した繊維製造工程における使用に焦点を当てる。本発明は、繊維の破断および/または配向に関してより厳密な関心を要求するかもしれないFourne法の具体的適用詳細に加えて、部分的配向をも含む、配向繊維一般に適用可能なことを認識されるべきである。
【0042】
配向繊維は、溶融温度および収縮特性に加えて相対的に低い摩擦係数および相対的に高い引張弾性率を含む、それらの立体規則構造および物理的特性に関連する一定の明確な特性を有することを特徴とする。本発明はホモポリマーとしてのアイソタクティックポリプロピレンの使用を伴う繊維に向けている。本発明はまた、エチレン−プロピレンコポリマー中の、あるいはアタクティックまたはシンジオタクティックポリプロピレンホモポリマーとの組合せのいずれかにおける主成分としてアイソタクティックポリプロピレンを使用することも含む。
【0043】
重合された混合物はしばしばさらに少量の(典型的には1重量%未満の、かつより典型的には0.5重量%未満の)、その他の物理的または光学的特性を高めるために設計された添加剤を含む。このような混合物は、たとえば、1種またはそれ以上の、合計約0.25重量%を越えない(試験した試料においては約0.15重量%を越えない)量で存在する抗酸化剤、および1種またはそれ以上の合計約0.25重量%を越えない(試験した試料においては約0.05重量%を越えない)量で存在する酸中和剤を有することができる。試験した試料においては存在しなかったが、「ブロック防止」剤として機能する添加剤もまた、約1重量%を越えない、より好ましくは約0.5重量%を越えない、さらにより好ましくは約0.25重量%を越えないようなやはり比較的少量で存在することができる。
【0044】
上述のように、本発明はプロピレンを重合するためのメタロセン触媒の使用を伴う。本発明は立体特異性メタロセン触媒の使用に重点をおく。一般に、上述のように、このようなメタロセンは式:
【0045】
【化5】
Figure 2004003091
【0046】
によって特徴づけられる。「Me」はメタロセン触媒を規定する遷移金属を総称するために用いられる記号であり、式中Meは元素の周期律表からの4,5、または6族の金属であるが、好ましくは4または5族の金属であり、より好ましくは4族の金属、特にチタニウム、ジルコニウム、またはハフニウムである。5族の金属のうちではバナジウムが最も適当である。本発明に関しては、Meは最も好ましくはジルコニウムである。
【0047】
また構造的な橋についても種々の可能な構造R”が可能である。R”は触媒を立体剛性にするために2個の(C5(R’)4)環を架橋する安定な成分である。R”は有機または無機でもよく、橋として機能する部分から垂下する基を含むことができる。R”の例としては、1〜4炭素原子を有するアルキレン基、ケイ素炭化水素基、ゲルマニウム炭化水素基、アルキルホスフィン、アルキルアミン、ホウ素、窒素、イオウ、リン、アルミニウム、またはこれらの元素を含む基が含まれる。好ましいR”成分は、とりわけメチレン、エチレン、イソプロピリデンおよびジフェニルメチレンのような置換メチレン、およびアルキルケイ素、およびジシクロプロピルシリルのようなシクロアルキルケイ素原子団である。本発明に関しては、ケイ素の橋、特にジメチルシリルの橋が最も好ましい。
【0048】
先に述べたように、ポリプロピレン繊維の生成において好ましい方法は、担持チーグラー−ナッタ触媒、すなわち二塩化マグネシウムのような結晶性担体上に担持された四塩化ジルコニウムまたはチタニウムのような触媒、により製造される立体規則性アイソタクティックポリプロピレンから繊維を製造することである。
【0049】
[特許文献16]は重度に置換されたビス(インデニル)配位子構造を包含するアイソ選択性触媒の存在下製造されるプロピレンポリマーおよび二軸配向ポリプロピレンフィルムを生成させる際のこのようなポリマーの使用を開示している。この[特許文献16]の記載によれば、用いられるポリマーは、好ましくは3未満の、非常に狭い分子量分布、および明確で均一な融点を有する。各々の場合配位子構造はインデニル構造のシクロペンチル部分上(2位置)およびインデニル構造の芳香族部分上の双方で置換されている。3置換構造が好まれるようであり、2−メチル,4−フェニル置換配位子または2−エチル,4−フェニル置換配位子の場合は、相対的に余りかさ高くない置換基が用いられている。
【0050】
本発明は[特許文献16]に開示されたようなメタロセンの存在下製造されたアイソタクティックポリプロピレンを用いて実施することができる。これに代る態様として本発明は隣接位置がモノ置換されその他の位置は、インデニル基が4,5,6、および7位で水素置換されてもよいことを除き、置換されていないインデニル構造に基くアイソ選択性のメタロセンによって製造されるポリプロピレンを用いて実施することができる。すなわち、配位子構造は下記構造式
【0051】
【化6】
Figure 2004003091
【0052】
によって示されるようなラセミ体のシリル架橋ビス(2−アルキルインデニル)または2−アルキル水素化インデニルによって特徴づけることができる。
【0053】
具体的な例はracジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)配位子構造である。モノおよびポリ置換インデニルに基くメタロセンの混合物を本発明において用いられるポリマーの製造において用いることができる。ポリ置換インデニルに基くメタロセンは上記に示したモノ置換インデニル構造と組合せて用いることができる。この場合、メタロセン触媒系の少くとも10%はモノ置換ビス(インデニル)構造を包含すべきである。好ましくは、触媒系の少くとも25%はモノ置換ビス(インデニル)メタロセンを包含する。触媒系の残りはポリ置換インデニル系メタロセンを含むことができる。
【0054】
本発明において用いられるメタロセンまたはメタロセン混合触媒系は、当業者にはよく理解されるであろうようにアルモキサン共触媒と組合せて用いられる。通常、メチルアルモキサンが共触媒として用いられるであろうが、しかしエチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキサンのような種々の他のアルモキサン重合体がメチルアルモキサンの代りにまたはそれと組合せて使用することができる。メタロセンに基く触媒系におけるこのような共触媒の使用は、たとえば、[特許文献3](この開示全体が引用により本明細書に包含される)に開示されているように、当業者には公知である。いわゆるアルキルアルミニウム共触媒またはスカベンジャーもまた通常メタロセンアルモキサン触媒系と組合せて使用される。適当なアルキルアルミニウムまたはハロゲン化アルキルアルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム(TEAL)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、およびトリn−オクチルアルミニウム(TNOAL)が含まれる。このような共触媒の混合物もまた本発明を実施する際に使用することができる。トリアルキルアルミニウムが通常スカベンジャーとして用いられるであろうが、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、およびジメチルアルミニウムクロライド、またはジメチルアルミニウムブロマイドのようなハロゲン化アルキルアルミニウムもまた本発明の実施において用いることができることが認識されるべきである。
【0055】
本発明において用いられるメタロセン触媒は均一触媒系として用いることができるが、好ましくはそれらは担持触媒として用いられる。担持触媒系は従来型のチーグラー−ナッタおよびメタロセン型触媒の双方として当業界において公知である。メタロセン触媒を担持するのに用いるための適当な担体は、たとえば、[特許文献7]に開示され、滑石、無機酸化物、またはポリオレフィンのような樹脂性担体物質を含む。具体的な無機酸化物としては、単独でまたはマグネシア、チタニア、ジルコニアなどのような他の無機酸化物と組合せて用いるシリカおよびアルミナが含まれる。メタロセン触媒のための他の担体は[特許文献10]および[特許文献11]に開示されている。両特許において担体は種々の高表面積無機酸化物またはクレイ状物質として特徴づけられる。[特許文献10]においては、担体物質は粘土鉱物、イオン交換された層状化合物、珪藻土、ケイ酸塩、またはゼオライトとして特徴づけられる。[特許文献10]の説明によれば、高表面積担体物質は少くとも20オングストロームの径を有する細孔として規定される細孔容積を有するべきである。ここで具体的に開示され好ましいものはモンモリロナイトのようなクレイおよび粘土鉱物である。又触媒成分は担体物質、メタロセン、ならびにトリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、種々のアルキルアルミニウムクロライド、アルコキサイド、またはハイドライドあるいはメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、などのようなアルモキサンのような有機アルミニウム化合物を混合することによって製造される。この3種の成分は任意の順序で混合してもよくあるいはそれらは同時に接触させてもよい。[特許文献11]も同様に担体がSiO2,Al2O3,MgO,ZrO2,TiO2,Fe2O3、B2O2,CaO,ZnO,BaO,ThO2,ならびにシリカアルミナ、ゼオライト、フェライト、およびガラス繊維のようなそれらの混合物、のような無機酸化物担体により与えら得る供給される担持触媒を開示している。他の担体としてはMgCl2,Mg(O−Et)2,およびポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン、置換ポリスチレンおよびポリアリーレートのようなポリマー、デンプン、および炭素が含まれる。担体は50〜500m2/gの表面積および20〜100ミクロンの粒子径を有するものとして記述されている。上記のもののような担体を使用することができる。本発明の実施において使用されるために好ましい担体は、約300〜800m2/gの表面積および約5〜10ミクロンの粒子径を有するシリカを含む。メタロセンの混合物が触媒系の処方において用いられる場合、担体はTEALまたはTIBALのような有機アルミニウム共触媒により処理し、次いでメタロセンの炭化水素溶液と接触させ、続いて溶媒を除去するための乾燥工程を経て乾燥した粒状触媒系に到達することができる。これに代る態様として、別々に担持したメタロセンの混合物を用いることができる。すなわち、メタロセンの混合物が用いられる場合、ラセミ体のジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライドのような第1のメタロセンを第1シリカ担体上に担持させることができる。ラセミ体のジメチルシリルビス(2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライドのような第2の2置換メタロセンは第2担体上に担持させることができる。次いで別々に担持したメタロセンの二つの量を混合して、重合反応に用いられる不均一な触媒混合物を生成させることができる。
【0056】
上記の説明から、繊維生成作業は、アイソタクティックポリプロピレンおよびその重合触媒に関して、ならびに一つの操業方式の期間中に望まれる物理的特性の、および他の操業方式の期間中に他の望まれる物理的特性(単数または複数)の繊維を製造するための繊維紡糸諸変数に関して、変更が可能であることが認識されるであろう。変更しうる諸変数としては、延伸比を一定に維持しながら、または伸びパーセントおよび靭性のような変数に影響を与えるために延伸比を変更しながら、望まれる範囲にわたる延伸速度および紡糸速度が含まれる。同様に、繊維紡糸操業過程において、繊維のこのような物理的変数に影響を与えるために、延伸速度および/または延伸比を一定に維持しながら、あるいはこれらの繊維紡糸変数を変化させながら、一つの触媒系により触媒作用を受けたポリマーから異なった触媒系により触媒作用を受けたポリマーへ変化させることができる。実験データが示すように、メタロセン触媒を用いて製造したプロピレンポリマーの使用は、より低い押出し温度を用いることができる為、熱交換器への負荷を低減させて、より高い生産量を生成する点で望ましい。同様のメルトフローインデックスのチーグラー−ナッタ触媒ポリマーに対するこれらの改良は、得られる繊維における強度,伸び,靭性、または収縮における著しい変化または損失なしに得られるべきである。
【0057】
本発明のさらに他の態様は、アイソタクティックポリプロピレンポリマー供給の切換を、チーグラー−ナッタアイソタクティックポリプロピレンおよびメタロセンアイソタクティックポリプロピレンの間で行うことが可能な、繊維製造装置の操業を伴う。たとえば、ある特定の製品についての設計諸変数を満たすためには、装置はたとえば前述のMyerらに付与された特許に開示された型の、従来のチーグラー−ナッタ触媒の存在下のプロピレン重合により製造されたアイソタクティックプロピレンポリマーを用いて操業することができる。このようなチーグラー−ナッタ系ポリプロピレンの具体的な例は、チーグラー−ナッタ触媒、特に二塩化マグネシウム上に担持された四塩化チタニウム触媒、の存在下プロピレンの単独重合により製造されたポリプロピレンであろう。本発明に基くメタロセン系アイソタクティックポリプロピレンにより製造される異なった製品諸変数を利用することが望まれる時は、予熱および押出し工程へ供給されるプロピレンポリマー製品を、メタロセン触媒、好ましくは遷移金属としてジルコニウムを用いたケイ素架橋メタロセン触媒、の存在下プロピレンの単独重合により製造されたメタロセン系ポリマーに切換える
この態様を実施する上で好ましい方法は、まずチーグラー−ナッタ触媒によるポリプロピレンを用い、続いてメタロセン触媒によるポリプロピレンの使用によってポリプロピレン繊維を製造するものであろう。最初は系にはアイソ選択性チーグラー−ナッタ触媒の存在下プロピレンを重合することにより製造されたアイソタクティックポリプロピレンを包含するポリプロピレンポリマーを供給する。続いてポリプロピレンポリマーを溶融状態まで加熱し、該溶融ポリマーを押出して第1の繊維プレフォームを生成させる。第1繊維プレフォームは少くとも210℃、好ましくは215℃〜240℃の溶融温度で押出され、少くとも毎分約250メートルの引取り速度で紡糸される。これはある規定された生産量を有する第1の連続ポリプロピレン繊維を生成するであろう。もしより高い生産量が望まれるならば、かつ熱交換器の能力が限界要素であるならば、工程はアイソ選択性メタロセン触媒の存在下のポリプロピレン重合により製造したポリプロピレンポリマーを続いて供給することにより先に進めることができるであろう。このポリマーもまた溶融状態まで加熱されるが、しかし210℃未満の温度、好ましくは170℃〜210℃、より好ましくは約180℃〜200℃で押出され、そして第2繊維プレフォームを生成させるであろう。第2繊維プレフォームは少くとも毎分約1500メートルの引取り速度で紡糸され、もし完全に配向した繊維を生成させるならば第1繊維プレフォームと同様な延伸比を用い、あるいはもし部分的に配向した糸が目標であるならば追加的延伸を行なわず、第2の連続ポリプロピレン繊維を生成させるであろう。より低い押出し温度およびより高い引取り速度においてさえ、他の工程要素が同一に維持されるならば、第2連続ポリプロピレン繊維(メタロセン触媒による繊維)は、より高い生産速度で製造されながら、チーグラー−ナッタ触媒による繊維と同様の物理的特性を示すであろう。
【0058】
【実施例】
本発明に関する実験においては、2組の3種類のアイソタクティックポリプロピレンポリマーを検討し、各組はメタロセン触媒により製造された2種類のポリマーおよび担持チーグラー−ナッタ触媒による1種類のポリマーを含み、それを高速紡糸および延伸に供し、メタロセン系ポリマーが低〜中延伸比において他の機械的特性における著しい損失なしに改良された収縮特性を与えうることを確認した。繊維生成作業の間、ポリマーは溶融状態中は完全に無定形であり、ドローダウン状態中に部分的に配向し、冷延伸中に高度に配向した。二つの組はメルトフローインデックスの値が近いことに基いてグループ分けした。具体的には、第1の組は相対的に低いメルトフローインデックスを有し(14,9、および11g/10分)、一方第2の組は中程度のメルトフローインデックスを有した(20,19、および22g/10分)。高い、および非常に高いメルトフローインデックス(約30g/10分を越える)を用いて行った追加的試験は、メタロセン触媒の存在下重合したアイソタクティックポリプロピレンおよびより在来的チーグラー−ナッタ触媒の存在下に重合したものとの間で、収縮率において同等の著しい利点を示さなかった。試験結果は,約30g/10分より低いメルトフローインデックスにおいて、収縮率に関して著しい利点がある徴候を示した。
【0059】
溶融紡糸および延伸操作を60穴(0.3/0.7mm)の三角紡糸口金(trilobal spinnerette)を用いて実施し、繊維あたり10デニール(dpf)の完全に配向した糸(FOY)および2dpfの部分的に配向した糸(POY)を製造した。繊維は200℃〜230℃の範囲であるそれらの最適溶融温度において紡糸した。FOYについての延伸比は最大延伸まで0.5刻みに増加させ、最終ゴデット速度(G2、延伸速度とも呼ばれる)は1000m/分に維持した。特性試験のために各延伸比において約2400デニールの試料を採取した。紡糸する繊維は10℃の冷却空気で2.0mBarで急冷した。ゴデット温度はスピンゴデット(G1)については120℃に、第2ゴデット(G2)においては100℃に維持した。望まれる線密度はスピンポンプ速度を、そしてそれに応じて巻取り速度を変化させることにより維持した。FOYについての実験においては延伸速度(G2)は一定の1000m/分に維持し、紡糸速度(G1)を徐々に下げて延伸比における0.5刻みの増加を得た。通常の工業的操業はそれぞれ約500m/分および1500m/分の紡糸および延伸速度を有し3:1の延伸比を与える。物質の制限により延伸比がどこまで増加できるかの程度がきまるであろう。実験においてはFourne紡績装置中のゴデットおよびBarmag巻取機は双方とも6000m/分の最大速度を有した。
【0060】
試験の第1組においては、いくつかのアイソタクティックポリプロピレンの「低」メルトフローインデックスホモポリマー樹脂を用いた。3種のポリマーのうちの2種は担持メタロセン触媒により生成したアイソタクティックポリプロピレンであり、一方第3の樹脂は担持チーグラー−ナッタ触媒により生成したアイソタクティックポリプロピレンであった。2種のメタロセン系アイソタクティックポリプロピレン(低MFI MIPP 1(または「MIPP 1」)および低MFI MIPP 2(または「MIPP 2」))およびチーグラー−ナッタ系アイソタクティックポリプロピレン(低MFI ZNPP 1(または「ZNPP 1」))を用いてFourne繊維紡績機により溶融紡績糸を製造した。部分的に配向した糸(POY)および完全に配向した糸(FOY)の両方を製造した。
【0061】
用いたポリマーについては、MIPP 1およびMIPP 2は各々メタロセン触媒、具体的にはシリル架橋racビスインデニルジルコニウムジクロライド、を用いて生成させた。MIPP 1は10分あたり14グラムの実測メルトフローインデックスおよび0.4%のキシレン可溶分を有した。MIPP 1はまた次の添加剤を含んだ(ここにはそれらの市販時の商品名で特定した):0.073重量%の量のイルガノックス1010(抗酸化剤)、0.005重量%の量のイルガノックス1076(抗酸化剤)、0.05重量%の量のイルガフォス168(抗酸化剤)、および0.035重量%の量のステアリン酸カルシウム(酸中和剤)。
【0062】
MIPP 2は10分あたり9グラムの実測メルトフローインデックスおよび0.5%のキシレン可溶分を有した。MIPP 2は次の添加剤を含んだ(ここにはそれらの市販時の商品名で特定した):0.01重量%の量のイルガノックス1076(抗酸化剤)、0.095重量%の量のイルガフォス168(抗酸化剤)、0.031重量%の量のキマソーブ944(紫外線安定剤)、および0.047重量%の量のステアリン酸カルシウム(酸中和剤)。
【0063】
試料ZNPP 1は標準的チーグラー−ナッタ触媒、より具体的には上述のMyer特許に開示された型の担持四塩化チタニウム触媒と共にシクロヘキシルメチルジメトキシシラン電子供与体を用いて重合した。ZNPP 1は10分あたり11グラムの実測メルトフローインデックスおよび1.4%のキシレン可溶分を有した。ZNPP 1は次の添加剤を含んだ(ここにはそれらの市販時の商品で特定した):0.005重量%の量のイルガノックス1076(抗酸化剤)、0.086重量%の量のウルトラノックス626(抗酸化剤)、0.033重量%の量のAtmos150(静電防止剤)、および0.066重量%の量のステアリン酸カルシウム(酸中和剤)。
【0064】
メタロセンポリプロピレンのMIPP 1およびMIPP 2は、それらのせまい分子量分布のために、同程度のメルトフローインデックスのチーグラー−ナッタポリプロピレンよりも低い融点を有することが一般的に観察された。下記の表1は、チーグラー−ナッタポリプロピレンZNPP 1は162℃の融点を有し、それぞれ152℃および151℃であるメタロセンポリマーMIPP 1およびMIPP 2の融点よりも少くとも10℃高いことを示した。メタロセンアイソタクティックポリプロピレン物質はチーグラー−ナッタポリプロピレンZNPP 1と比較して融解(吸熱的)についてはより低い熱吸収量を、そして熱再結晶(発熱的)時にはより低い発熱量を有し、それらがより低い結晶含有量を有することを示した。
【0065】
【表1】
Figure 2004003091
【0066】
表2はゲル浸透クロマトグラフィーの結果を示す。メタロセン化合物MIPP1およびMIPP 2は、より低い多分散指数(PDI)により示されるように、より狭い分子量分布を有する。
【0067】
【表2】
Figure 2004003091
【0068】
基礎樹脂から完全におよび部分的に配向した糸への実際の加工は上述のようにFourne紡糸装置において実施された。加工の詳細は下記表3に示される。3種の樹脂はすべて230℃の溶融温度で加工された。2種のMIPP樹脂については押出機内でペレット供給問題が観察された。供給ゾーンの温度を200℃に上げると供給問題は軽減された。通常供給ゾーン温度は約160℃である。MIPP 1は他の2種の樹脂と比較して、より高い紡糸性(2dpfのPOY糸は4500m/分で破断した)および可延伸性(10dpfのFOY糸は4.5の延伸比まで達した)を示した。有望ではあるが、延伸比3:1における紡糸および延伸張力は相当により低く、これは通常この延伸において靭性がより低いと解釈される。
【0069】
【表3】
Figure 2004003091
【0070】
各試料から生成されたこの一組の繊維は、インストロン引張試験機においてその物理的性質について試験した。図2〜6は10dpfの繊維について行われた種々の物理的試験の結果を反映している。図2〜6の各々において、下記に説明する測定された変数は、繊維を配向させるために用いそして横軸にプロットされた延伸比に対して縦軸にプロットされた。図2において、曲線100はMIPP1について、パーセント単位で測定した破断時の伸びEと延伸比Rとの間の関係を示す。また図2において、曲線102はMIPP 2について、パーセント単位で測定した破断時の伸びEと延伸比Rとの間の関係を示す。また図2において、曲線104はZNPP 1について、パーセント単位で測定した破断時の伸びEと延伸比Rとの間の関係を示す。図3において、曲線110はMIPP 1について、デニールあたりのグラム単位で測定した最大伸び時の靭性Tと延伸比Rとの間の関係を示す。また図3において、曲線112はMIPP 2について、デニールあたりのグラム単位で測定した最大伸び時の靭性Tと延伸比Rとの間の関係を示す。また図3において、曲線114はZNPP 1について、デニールあたりのグラム単位で測定した最大伸び時の靭性Tと延伸比Rとの間の関係を示す。図4において、曲線120はMIPP 1について、デニールあたりのグラム単位で測定した5%伸び時の靭性T5と延伸比Rとの間の関係を示す。また図4において、曲線122はMIPP 2について、デニールあたりのグラム単位で測定した5%伸び時の靭性T5と延伸比Rとの間の関係を示す。また図4において、曲線124はZNPP 1について、デニールあたりのグラム単位で測定した5%伸び時の靭性T5と延伸比Rとの間の関係を示す。図5において、曲線130はMIPP 1について、MPa単位で測定した5%伸び時の引張弾性率Mと延伸比Rとの間の関係を示す。また図5において、曲線132はMIPP2について、MPa単位で測定した5%伸び時の引張弾性率Mと延伸比Rとの間の関係を示す。また図5において、曲線134はZNPP 1について、MPa単位で測定した5%伸び時の引張弾性率Mと延伸比Rとの間の関係を示す。試料間で比較したこれらの物理的特性は同一ではないが、それらは同様の領域内で同様の曲線を示し、ZNPP 1についての曲線は大部分の例において異なったMIPP曲線に挟まれている。MIPP 1およびZNPP 1についての伸びは、より低い延伸比においてわずかにより高いが、しかし延伸比が上昇すると3物質についてほとんど等しくなる。MIPP 1についての低い紡糸および延伸張力に基いて予想されるように、その靭性は他の2物質と比較してより低い。5%伸び時の靭性においては認めうる差はないが、5%伸び時の引張弾性率が3物質を区別する。
【0071】
しかしながら、収縮に関してはより著しい差異が表れる。図6において、曲線140はMIPP 1について、パーセント単位で測定した収縮Sと延伸比Rとの間の関係を示す。また図6において、曲線142はMIPP 2について、パーセント単位で測定した収縮Sと延伸比Rとの間の関係を示す。また図6において、曲線144はZNPP 1について、パーセント単位で測定した収縮Sと延伸比Rとの間の関係を示す。ZNPP 1についての収縮は相対的に高く始まり、最初は増大し、より高い延伸比において低下するが、MIPP 1およびMIPP 2についての収縮は延伸比に応じて認めうるような変化をおこさない。これは「低」メルトフローインデックスアイソタクティックポリプロピレンに関して、より低い延伸比における収縮の減少という予期されない利点を提供する。
【0072】
上記のデータによって示されるように、これらの結果は、10分あたり約5メートル〜10分あたり約15メートルの範囲内、より好ましくは10分あたり約8メートル〜10分あたり約14メートルの範囲内のメルトフローインデックスを有するメタロセン触媒によるアイソタクティックポリプロピレンについて、より伝統的チーグラー−ナッタ触媒によるアイソタクティックポリプロピレンから予想される収縮特性よりも、改良された収縮特性が観察されることを示すように見えるであろう。この改良は約3の延伸比から始まり約2.5より低いかまたはそれと等しい延伸比、そしてより好ましくは約1.5〜約2.5の範囲内の延伸比、において完全に存在する。132℃における収縮パーセントは、チーグラー−ナッタ触媒によるアイソタクティックポリプロピレンについての132℃における収縮パーセントよりも、少くとも約25%少い。
【0073】
これらの結果をもたらした実験はまたメタロセンアイソタクティックポリプロピレンが供給ゾーンにおいて約190℃〜約210℃の範囲内の温度に加熱され、続いて押出しの直前に押出しゾーンにおいて約225℃〜約235℃の範囲内の温度に加熱されたときの改良された結果を明らかにした。
【0074】
試験の第2組にかかわるさらに他の実験においては、アイソタクティックポリプロピレンのいくつかの「中」メルトフローインデックスホモポリマーが用いられた。第1組と同様に、3種のポリマーのうち2種は、メタロセン触媒により生成したアイソタクティックポリプロピレンであり、一方第3の樹脂はチーグラー−ナッタ触媒により生成したアイソタクティックポリプロピレンであった。2種のメタロセン系アイソタクティックポリプロピレン(中MFI MIPP 3(または「MIPP 3」)および中MFI MIPP 4(または「MIPP 4」))およびチーグラー−ナッタ系アイソタクティックポリプロピレン(中MFI ZNPP 2(または「ZMPP 2」))を用いてFourne繊維紡績機により溶融紡績糸を製造した。部分的に配向した糸(POY)および完全に配向した糸(FOY)の両方を製造した。
【0075】
用いたポリマーについては、MIPP 3およびMIPP 4はそれぞれMIPP 2およびPIPP 2よりもせまい分子量分布を生成させるために前述の型のメタロセン触媒を用いてプロピレンを重合して製造した。MIPP 3は10分あたり20グラムの実測メルトフローインデックスおよび0.49%のキシレン可溶分を有した。MIPP 3はまた次の添加剤を含んだ(ここにはそれらの市販時の商品名で特定した):0.065重量%の量のイルガノックス1010(抗酸化剤)、0.005重量%の量のイルガノックス1076(抗酸化剤)、0.05重量%の量のイルガフォス168(抗酸化剤)、および0.047重量%の量のステアリン酸カルシウム(酸中和剤)。
【0076】
MIPP 4は10分あたり19グラムの実測メルトフローインデックスおよび0.39%のキシレン可溶分を有した。MIPP 4は次の添加剤を含んだ(ここにはそれらの市販時の商品名で特定した):0.005重量%の量のイルガノックス1076(抗酸化剤)、0.1重量%の量のイルガフォス168(抗酸化剤)、0.038重量%の量のキマソーブ944(紫外線安定剤)、および0.05重量%の量のステアリン酸カルシウム(酸中和剤)。
【0077】
試料ZNPP 2は標準的担持チーグラー−ナッタ触媒、具体的には前述の型のものを用いて重合した。ZNPP 2は10分あたり22グラムの実測メルトフローインデックスおよび2.18%のキシレン可溶分を有した。ZNPP 2は次の添加剤を含んだ(ここにはそれらの市販時の商品名で特定した):0.005重量%の量のイルガノックス1076(抗酸化剤)、0.068重量%の量のイルガノックス3114(抗酸化剤)、0.059重量%の量のイルガフォス168(抗酸化剤)、0.029重量%の量のAtmos150(静電防止剤)、および0.064重量%の量のステアリン酸カルシウム(酸中和剤)。
【0078】
メタロセンポリプロピレンのMIPP 3およびMIPP 4は、それらのせまい分子量分布のために、同程度のメルトフローインデックスのチーグラー−ナッタポリプロピレンよりも低い融点を有することが一般的に観察された。下記の表4は、チーグラー−ナッタポリプロピレンZNPP 2が162℃の融点を有し、双方とも152℃であったメタロセンポリマーMIPP 1およびMIPP2の融点よりも少くとも10℃高いことを示した。メタロセンアイソタクティックポリプロピレン物質はチーグラー−ナッタポリプロピレンZNPP 2と比較して、融解(吸熱的)についてはより低い熱吸収量を、そして熱再結晶(発熱的)時にはより低い発熱量を有し、それらがより低い結晶含有量を有することを示した。
【0079】
【表4】
Figure 2004003091
【0080】
表5は2種のMIPPについてのゲル浸透クロマトグラフィーの結果を示す。
【0081】
【表5】
Figure 2004003091
【0082】
基礎樹脂から完全におよび部分的に配向した糸への実際の加工は上記のようにFourne紡糸装置において実施された。加工の詳細は下記表6に示される。2種のメタロセン触媒樹脂はそれぞれ220℃および210℃の溶融温度で加工され、チーグラー−ナッタ触媒樹脂は220℃で加工された。2種のMIPP樹脂については再び押出機内でペレット供給問題が観察された。供給ゾーンの温度を220℃に上げると供給問題は軽減された。2種のMIPP樹脂の紡糸性はZNPP 2より低かったが、最大延伸比はわずかに高かった。また紡糸工程間の紡糸および延伸張力は、MIPP 3およびMIPP 4についての方がより低かった。
【0083】
【表6】
Figure 2004003091
【0084】
各試料から製造したこの一組の繊維は、インストロン引張試験機においてその物理的性質について試験した。図7〜11は10dpfの繊維について行われた種々の物理的試験の結果を反映している。図7〜11のそれぞれにおいて、下記に説明する測定された変数は、繊維を配向させるために用いそして横軸にプロットされた延伸比に対して縦軸にプロットされた。図7において、曲線200はMIPP 3について、パーセント単位で測定した破断時の伸びEと延伸比Rとの間の関係を示す。また図7において、曲線202はMIPP 4について、パーセント単位で測定した破断時の伸びEと延伸比Rとの間の関係を示す。また図7において、曲線204はZNPP 2について、パーセント単位で測定した破断時の伸びEと延伸比Rとの間の関係を示す。図8において、曲線210はMIPP 3について、デニールあたりのグラム単位で測定した最大伸び時の靭性Tと延伸比Rとの間の関係を示す。また図8において、曲線212はMIPP 4について、デニールあたりのグラム単位で測定した最大伸び時の靭性Tと延伸比Rとの間の関係を示す。また図8において、曲線214はZNPP 2について、デニールあたりのグラム単位で測定した最大伸び時の靭性Tと延伸比Rとの間の関係を示す。図9において、曲線220はMIPP 3について、デニールあたりのグラム単位で測定した5%伸び時の靭性T5と延伸比Rとの間の関係を示す。また図9において、曲線222はMIPP 4について、デニールあたりのグラム単位で測定した5%伸び時の靭性T5と延伸比Rとの間の関係を示す。また図9において、曲線224はZNPP 2について、デニールあたりのグラム単位で測定した5%伸び時の靭性T5と延伸比Rとの間の関係を示す。図10において、曲線230はMIPP 3について、MPa単位で測定した5%伸び時の引張弾性率TM5と延伸比Rとの間の関係を示す。また図10において、曲線232はMIPP 4について、MPa単位で測定した5%伸び時の引張弾性率TM5と延伸比Rとの間の関係を示す。また図10において、曲線234はZNPP 2について、MPa単位で測定した5%伸び時の引張弾性率TM5と延伸比Rとの間の関係を示す。試料間で比較したこれらの物理的特性は同一ではないが、それらは同様の領域内で同様の曲線を示し、ZNPP 2についての曲線は大部分の例において異なったMIPP曲線に近いかそれらに挟まれている。MIPP 4についての伸びは中程度の延伸比においてMIPP 3およびZNPP 2よりわずかに高い。やや驚くべきことに、より低い延伸張力を示したMIPP3は延伸比に従って靭性が低下しない。低い伸びにおいては3樹脂間では靭性値にに真の差は存在しない。MIPP 3およびZNPP 2についての5%伸び時の引張弾性率はMIPP 4についての値よりも高かった。
【0085】
しかしながら、収縮に関しては同じ予期されない傾向が現れる。図11において、曲線240はMIPP 3について、パーセント単位で測定した収縮Sと延伸比Rとの間の関係を示す。また図11において、曲線242はMIPP 4について、パーセント単位で測定した収縮Sと延伸比Rとの間の関係を示す。また図11において、曲線244はZNPP 2について、パーセント単位で測定した収縮Sと延伸比Rとの間の関係を示す。ZNPP 2についての収縮はやはり相対的に高く始まり、最初は増加し、より高い延伸比において低下する。MIPP 3およびMIPP 4についての収縮値は延伸比に応じて認めうるような変化をおこさなかった。これは「中」メルトフローインデックスアイソタクティックポリプロピレンに関しても同様に、低延伸比におけるより低い収縮という予期されない利点を提供する。
【0086】
これらの結果は、10分あたり約15メートル〜10分あたり約25メートルの範囲内、より好ましくは10分あたり約18メートル〜10分あたり約21メートルの範囲内のメルトフローインデックスを有するメタロセン触媒によるアイソタクティックポリプロピレンについて、より伝統的チーグラー−ナッタ触媒によるアイソタクティックポリプロピレンから予想される収縮特性よりも、改良された収縮特性を示す。この改良は約3.5の延伸比から始まり約3.0より低いかまたはそれと等しい延伸比、そしてより好ましくは約1.5〜約2.5の範囲内の延伸比、において完全に存在するようになる。132℃における収縮パーセントは、チーグラー−ナッタ触媒によるアイソタクティックポリプロピレンについての132℃における収縮パーセントよりも、約3.0以下の延伸比において、少くとも約10%低くそして約1.5〜約2.5の範囲内の延伸比において、少くとも約25%低い。
【0087】
これらの結果をもたらした実験はまたメタロセンアイソタクティックポリプロピレンが供給ゾーンにおいて約215℃〜約225℃の範囲内の温度に加熱され、続いて押出しの直前に押出しゾーンにおいて約205℃〜約225℃の範囲内の温度に加熱されたときの改良された結果を明らかにした。
【0088】
しかしながら、「より高い」メルトフローインデックスのアイソタクティックポリプロピレン(10分あたり約30グラムおよびそれ以上のメルトフローインデックス)についての試験においては、メタロセン触媒によるアイソタクティックポリプロピレンとより伝統的チーグラー−ナッタ触媒によるアイソタクティックポリプロピレンとの間にこの差異についての一貫した証拠はなかった。
【0089】
先に述べたように、メタロセン系ポリプロピレン繊維は、低〜中延伸比において、チーグラー−ナッタ触媒を用いて製造したアイソタクティックポリプロピレンにおける場合よりも、実質的により低い収縮係数を示す。図6および11は、収縮係数が約1.5〜4.0の範囲内の低〜中延伸比にわたって相対的に一定に維持されるという、さらに他の望ましい収縮特性を示す。より具体的には、チーグラー−ナッタ触媒を用いて製造したアイソタクティックポリプロピレンは、50%またはそれ以上もの広い分散の収縮係数を示す一方、メタロセン触媒によるアイソタクティックポリプロピレンについての収縮係数は1.5〜約4.0の範囲をとる中延伸比にわたって相対的に一定に維持された。より具体的には、延伸比は相当大きな範囲にわたって約+または−15%の分散範囲内に維持された。10分あたり約15グラムまたはそれ以下の相対的に低いメルトフローインデックスを有するポリマーについては、図6に示されるように、1.5〜3.5の延伸比の範囲内で、中間の収縮係数は約8〜12%、分散係数は+または−15%、そして一般に+または−10%の範囲内である。より高いメルトフローインデックスではあるが10分あたり25グラムを越えない程度の値を示すポリマーについては、図11に示されるように、ポリプロピレン繊維は6〜9%の範囲内の中間の収縮係数を有した。曲線240により示されるポリマーについては、分散は+または−10%を越えなかった。曲線242により示されるポリマーについては、分散はわずかにより大きな範囲内であるが、なお+または−15%の範囲内であった。これはもとより曲線244により示されるような、延伸比の増大に伴う収縮係数が最初に増加しそれに続いて相対的に鋭く減少する場合よりも実質的に低い。
【0090】
以上本発明の具体的態様を説明したが、それが当業者による変更を示唆しうることはいうまでもなく、本発明は付属するクレームの範囲内に含まれるようなすべての変更を含むと解釈されるべきである。
【0091】
本発明の主な特徴及び態様を示せば以下のとおりである。
1. a) アイソ選択性メタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造されるアイソタクティックポリプロピレンを包含するポリプロピレンポリマーを用意し、
b) 該ポリマーを溶融状態まで加熱し、かつ該溶融ポリマーを約170℃〜約210℃の温度で押出して繊維プレフォームを生成させ、
c) 少くとも毎分約200メートルの紡糸速度で該繊維プレフォームを紡糸し、
d) 該紡糸繊維を繊維あたり毎秒12ジュールを越えない熱交換速度で急冷し、
e) 該紡糸連続ポリプロピレン繊維を巻取る、
工程を包含するポリプロピレン繊維の製造方法。
2. 工程(d)に続きかつ工程(e)に先だって、該紡糸繊維を続いて延伸する追加的工程(d1)を包含する、上記1記載の方法。
3. 該アイソ選択性メタロセン触媒が、そのインデニル配位子が鏡像体であり置換されていても置換されていなくてもよい架橋ビス(インデニル)配位子によって特徴づけられる、上記1記載の方法。
4. 該アイソ選択性メタロセン触媒が式
【0092】
【化7】
Figure 2004003091
【0093】
式中
R’,R”は各々独立的にC1〜C4アルキル基またはフェニル基であり、
Indは置換基Riにより隣接位を置換され、その他は非置換であるかまたは4,5,6、および7位のうち1または2箇所を置換された、インデニル基または水素化インデニル基であり、
Riはエチル、メチル、イソプロピル、またはt−ブチル基であり、
Meはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびバナジウムからなる群から選択された遷移金属であり、そして
各Qは独立的に1〜4炭素原子または1個のハロゲンを含む炭化水素基である、によって特徴づけられる、上記1記載の方法。
5. Meがジルコニウムである、上記4記載の方法。
6. a) アイソ選択性メタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造され、4を越えない分子量分布を有するアイソタクティックポリプロピレンを包含するポリプロピレンポリマーを用意し、
b) 該ポリマーを溶融状態まで加熱し、かつ該溶融ポリマーを押出して繊維プレフォームを生成させ、
c) 少くとも毎分約200メートルの紡糸速度で該繊維プレフォームを紡糸し、
d) 該紡糸繊維を繊維あたり毎秒12ジュールを越えない熱交換速度で急冷し、
e) 該紡糸連続ポリプロピレン繊維を巻取る、
工程を包含するポリプロピレン繊維の製造方法。
7. 工程(d)に続きかつ工程(e)に先だって、該紡糸繊維を続いて延伸する追加的工程(d1)を包含する、上記3記載の方法。
8. a) アイソタクティックメタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造したアイソタクティックポリプロピレンを包含するプロピレンポリマーを用意し、
b) 該ポリマーを溶融状態まで加熱し、かつ該ポリマーを約170℃〜210℃の温度で押出して繊維プレフォームを生成させ、
c) 少くとも毎分200メートルの紡糸速度で該繊維プレフォームを紡糸し、d) 該繊維プレフォームを冷却し、そして
e) 該繊維プレフォームを1.5〜4.0の範囲内の延伸比で延伸して繊維を製造し、該延伸比の範囲内にわたる該繊維の収縮が、該延伸比の範囲にわたる該収縮係数の中央値の±25%を越えない分散範囲内に維持される、
工程を包含するポリプロピレン繊維の製造方法。
9. 該プロピレンポリマーが10分あたり15グラムを越えないメルトフローインデックスを有し、かつ該収縮係数中央値が8〜12%の範囲内である、上記8記載の方法。
10.該プロピレンポリマーが10分あたり25グラムを越えないメルトフローインデックスを有し、かつ該プロピレンポリマー繊維が6〜9%の範囲内の収縮係数中央値を有する、上記8記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はFourne繊維紡糸および延伸装置の例示的概略図である。
【図2】図2はメタロセン触媒およびチーグラー−ナッタ触媒による触媒作用によって製造した低メルトフローインデックスポリプロピレンについて、伸びを縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図3】図3は図2に示した3種のポリマーについて、最大伸び時の靭性を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図4】図4は図2に示した3種のポリマーについて、5%伸び時の靭性を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図5】図5は図2に示した3種のポリマーについて、5%伸び時の弾性率を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図6】図6は図2に示した3種のポリマーについて、収縮を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフであり、メタロセンの触媒作用により製造したポリプロピレンについての収縮の分散が低いことを示す。
【図7】図7はメタロセン触媒およびチーグラー−ナッタ触媒による触媒作用によって製造した中程度のメルトフローインデックスのポリプロピレンについて、伸びを縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図8】図8は図7に示した3種のポリマーについて、最大伸び時の靭性を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図9】図9は図7に示した3種のポリマーについて、5%伸び時の靭性を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図10】図10は図7に示した3種のポリマーについて、5%伸び時の引張弾性率を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフである。
【図11】図11は図7に示した3種のポリマーについて、収縮を縦軸とし、これに対し延伸比を横軸としたグラフであり、メタロセンの触媒作用により製造したポリプロピレンについての収縮の分散が低いことを示す。

Claims (3)

  1. a) アイソ選択性メタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造されるアイソタクティックポリプロピレンを包含するポリプロピレンポリマーを用意し、
    b) 該ポリマーを溶融状態まで加熱し、かつ該溶融ポリマーを約170℃〜約210℃の温度で押出して繊維プレフォームを生成させ、
    c) 少くとも毎分約200メートルの紡糸速度で該繊維プレフォームを紡糸し、
    d) 該紡糸繊維を繊維あたり毎秒12ジュールを越えない熱交換速度で急冷し、
    e) 該紡糸連続ポリプロピレン繊維を巻取る、
    工程を包含するポリプロピレン繊維の製造方法。
  2. a) アイソ選択性メタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造され、4を越えない分子量分布を有するアイソタクティックポリプロピレンを包含するポリプロピレンポリマーを用意し、
    b) 該ポリマーを溶融状態まで加熱し、かつ該溶融ポリマーを押出して繊維プレフォームを生成させ、
    c) 少くとも毎分約200メートルの紡糸速度で該繊維プレフォームを紡糸し、
    d) 該紡糸繊維を繊維あたり毎秒12ジュールを越えない熱交換速度で急冷し、
    e) 該紡糸連続ポリプロピレン繊維を巻取る、
    工程を包含するポリプロピレン繊維の製造方法。
  3. a) アイソタクティックメタロセン触媒の存在下プロピレンの重合により製造したアイソタクティックポリプロピレンを包含するプロピレンポリマーを用意し、
    b) 該ポリマーを溶融状態まで加熱し、かつ該ポリマーを約170℃〜210℃の温度で押出して繊維プレフォームを生成させ、
    c) 少くとも毎分200メートルの紡糸速度で該繊維プレフォームを紡糸し、d) 該繊維プレフォームを冷却し、そして
    e) 該繊維プレフォームを1.5〜4.0の範囲内の延伸比で延伸して繊維を製造し、該延伸比の範囲内にわたる該繊維の収縮が、該延伸比の範囲にわたる該収縮係数の中央値の±25%を越えない分散範囲内に維持される、
    工程を包含するポリプロピレン繊維の製造方法。
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