JP2004003089A - 人工頭髪用繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】強伸度などの繊維物性を維持し、表面光沢が抑制され、艶消し性に優れた人工頭髪用繊維を提供すること。
【解決手段】互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して得られる繊維であって、少なくとも1種のポリマー成分(A)が、その他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に分散し、かつ繊維表面に突起が形成されていることを特徴とする人工頭髪用繊維。好ましくは、ポリマー成分(A)とマトリックス成分(B)の溶解性パラメーターの差が0.5以上である。
【選択図】 なし
【解決手段】互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して得られる繊維であって、少なくとも1種のポリマー成分(A)が、その他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に分散し、かつ繊維表面に突起が形成されていることを特徴とする人工頭髪用繊維。好ましくは、ポリマー成分(A)とマトリックス成分(B)の溶解性パラメーターの差が0.5以上である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はかつらあるいはヘヤーウィッグ等に使用する人工毛髪に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、人工毛髪として使用される合成繊維には塩化ビニル系繊維あるいはアクリル系繊維などがあるが、これらは一般に耐熱性に乏しく、熱セットは容易であるが、形態保持性が悪く、温水での洗髪、ドライヤー乾燥などに難点があった。一方、ポリエステル系やナイロン系の合成繊維は耐熱性は十分であるが、溶融紡糸で紡糸されるために繊維表面が極めて平滑性であるため、特有の鏡面光沢を呈し且つ特有のワキシー感があって感触、風合ともかつら用毛髪として使用するには違和感があり、人の毛髪には極めて程遠い。例えば常法で製糸したポリエステル繊維そのままでは、糸表面が平坦で、かつ光の屈折率が例えば繊維軸方向で1.72、繊維軸と直交する方向でも1.54と高いため、光の反射が強く、表面光沢が高くなり、人工毛髪に適用することができない。
【0003】
この点を改良するため、従来からポリエステル繊維表面の艶消技術の提案が行なわれてきている。たとえばポリエステル繊維の表面に多数の擦過傷を生じさせて粗面化し、艶消を施した人工毛髪を得る方法が知られている。
【0004】
しかしながら、この方法により得られた艶消繊維は繊維表面に生じた擦過傷のために繊維の強度が低下するという欠点を有している。
【0005】
また、酸化硅素を主成分とする微粒子などを含有するポリエステル系繊維をアルカリ性水溶液で処理し、繊維表面に特定の微細な凹凸を形成させた人工毛髪用ポリエステル繊維およびその製造方法も知られている(特許文献1)。
【0006】
しかし、この方法で得られた繊維は表面の凹凸が微細かつ均一すぎるために艶消状態が不充分で、斜め方向から光を受けたときに強く光を反射するため、人工毛髪としての使用が制約されている。また、充分な艶消効果を得るために、無機微粒子の含有量を増やし、繊維表面の凹凸のサイズを大きくしたり、数を増やしたりする方法も考えられるが、この場合、原料のポリエステル中に多量の微粉末を混入させることになり、紡糸した繊維の強度が、含有させる微粉末の量に比例して劣化することが経験的に知られている。人工毛髪の強度はかつらの耐久性に関与し、弱いと耐久性が低下する。
【0007】
一方、繊維表面に艶消に影響する無機微粒子を含有させずに凹凸を付与する手段として、ポリエステル系繊維にプラズマ光をあてる方法が知られている。
【0008】
しかし、この方法では、大きく分けて、原糸を形成するための紡糸工程と、原糸の外表面に凹凸部を形成するプラズマ加工工程と、凹部を有する原糸に人工毛の色を付与するための染色工程との3段階の工程が必要となり、生産性が低い。また、現状では各工程での処理時間が著しく異なるため、各工程間の調整が容易でなく、生産管理が容易でない。その結果、均一な品質を有する人工毛髪を安定的に高い生産性で得ることができないという問題がある。
【0009】
このように、従来の溶融紡糸で得られた繊維の耐熱性、強伸度などの繊維物性を維持し、セット性に優れ、適度に艶消された人工毛髪は、いまだ得られていないのが実状である。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−12716号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述のごとき従来の問題を解決した、表面光沢が抑制され、艶消し性に優れた人工毛髪の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して、少なくとも1種のポリマー成分をその他のポリマー成分からなるマトリックスに分散させることで、繊維表面に突起を形成させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して得られる繊維であって、少なくとも1種のポリマー成分(A)が、その他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に分散し、かつ繊維表面に突起が形成されていることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項1)に関し、好ましくは、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.5以上であることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項2)に関する。
【0014】
また、好ましくは、前記繊維表面の突起が不定形であることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項3)、前記繊維表面の突起の大きさが、長径0.2〜20μm、短径0.1〜10μm、高さが0.1〜2μmの範囲であり、100μm2あたり少なくとも1個の突起が存在することを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項4)に関する。
【0015】
さらに本発明の好ましい実施態様として、前記2種以上の熱可塑性ポリマー成分が、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系よりなる群から選択される2種以上のポリマーであることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項5)、より好ましくは、マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリエステル系(請求項6)またはポリアミド系(請求項7)であり、ポリマー成分(A)が、ポリアリレート(請求項8)である人工頭髪用繊維に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の人工頭髪用繊維について詳細に説明する。
【0017】
本発明の人工頭髪用繊維は、互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混練して得られる組成物を溶融紡糸した繊維である。
【0018】
本発明で用いられる2種以上の熱可塑性樹脂は互いに屈折率が異なることが必要である。屈折率が同じでは透過率が高く、透明感があるためつやが出やすくなり、得られる繊維のつや消し効果が十分ではない。
【0019】
本発明の組成物の相構造は、少なくとも1種のポリマー成分(A)がその他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に微分散した海島構造をとっているのが特徴であり、前記組成物を用いて溶融紡糸して得られる繊維は、繊維表面にポリマー成分(A)からなる粒子状の島部分による突起が形成され、この突起により艶消し効果が発現する。繊維表面に形成される突起の大きさは、微粒子状に分散している島の(A)成分の粒子径によって決まり、その粒子径は、用いた熱可塑性樹脂のSP値および、溶融混練と溶融紡糸の条件によって決まる。
【0020】
本発明の人工頭髪用繊維は、上述したように、熱可塑性ポリマー同士を微分散させた相構造によって、繊維のつやを消しているので、従来のようにつや消しに無機微粒子を使用した時のような繊維強度の低下が起こらない、また、アルカリ減量処理のように、特別な処理工程を必要としないという点で優れている。
【0021】
本発明で用いられる2種以上の熱可塑性樹脂は、互いに屈折率が異なり、かつ少なくとも1種のポリマー成分(A)が他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に微分散するようなものであれば、適宜選択し組み合わせて用いることができるが、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.5以上であるのが好ましい。SP値の差が0.5未満ではポリマー成分(A)とマトリックス(B)が相溶し、均一に混ざり合ったりして、そのままでは、繊維表面に突起を形成させるのが困難となる。
【0022】
また、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)のSP値の差が大きすぎて、ポリマー成分(A)がマトリックス(B)に微分散しない場合は、溶融混練中にポリマー成分(A)と他のポリマー成分を一部反応させる、または相溶性改良剤を使用してポリマー成分(A)とマトリックス(B)を微分散化させることが必要である。例えば、ポリマー成分(A)としてポリフェニレンエーテルを、ポリアミドからなるマトリックス(B)に分散させる場合、そのまま溶融混練すると、両樹脂の親和性が弱いため、ポリフェニレンエーテルが均一に微分散せずポリフェニレンエーテル成分が分散した海島構造が形成されにくくなる。それゆえ、ポリフェニレンエーテル成分の分散を推進し、均一に微分散化させるために、例えば、グラフト化剤とラジカル開始剤を併用し溶融混練中にポリアミドとポリフェニレンオキシドを一部反応させるのが好ましい。前記グラフト化剤としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ酸からなる少なくとも一種が好ましい。またラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル及びアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用することができる。
【0023】
また溶融混練過程で反応をともない、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)が均一化してしまう場合は、溶融混練条件の調整や反応抑制剤により反応を抑止することが必要である。ポリマー間で反応が起こると共重合体が生成し、ポリマーが均一に混ざり合ったりして、海島構造が形成されにくくなる。例えば、ポリマー成分(A)としてポリアリレートを、ポリエステルからなるマトリックス(B)に分散させる場合、この2成分をそのまま溶融混練すると、エステル交換反応が起こり得る。それを抑制するために混練時間を短くした場合には、均一で微細に分散しなかったり、逆に、充分な混練時間を取った場合には、エステル交換反応が起こり、均一に混ざり合ったりして、ポリアリレート成分がポリエステルに分散した海島構造が形成されにくくなる。それゆえ、エステル交換反応を抑制し、ポリアリレート成分の分散を推進するために、エステル交換反応を抑制する能力のある化合物を併用するのが好ましい。このような化合物としては、ホスファイト系化合物が挙げられる。
【0024】
また、本発明においては、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の相溶性を改良し、微分散化させる能力のある化合物を相溶性改良剤として使用することもできる。このような相溶性改良剤は、溶融混練過程で、少なくとも1種のポリマー成分(A)を、マトリックス(B)に微分散させる目的で使用され、この目的を達成し得る化合物であれば特に制限はなく、単独又は複数の相溶性改良剤を同時に使用しても良い。
【0025】
本発明で用いる熱可塑性ポリマー成分としては、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系などが挙げられる。具体的には例えば、ポリスチレン系では、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。ポリ塩化ビニル系では、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル系では、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。ポリオレフィン系ではポリエチレン、ポリプロピレンなどが等が挙げられる。ポリアミド系では、ナイロン6、ナイロン66などが挙げられる。ポリエステル系ではポリアルキレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。ポリメタクリレート系ではポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等が挙げられる。
【0026】
本発明において、前記熱可塑性ポリマー成分のうち、マトリックス(B)を形成するポリマー成分としては、人工毛髪が耐熱性を必要とされる場合は、ポリエステル系、ポリアミド系を使用するのが好ましく、難燃性を要求される場合は、ポリ塩化ビニル系を使用するのが好ましい。その中でも、ポリアルキレンテレフタレートを、マトリックス(B)を構成するポリマー成分もしくはその一部として使用するのが好ましい。
【0027】
本発明において、マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリアルキレンテレフタレートの場合、マトリックス(B)に分散するポリマー成分(A)としては、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミドなどを使用するのが好ましく、その中でもポリアリレートを使用するのがより好ましい。また、マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリアミドの場合には、ポリマー成分(A)としては、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステルなどを使用するのが好ましく、その中でもポリアリレートを使用するのがより好ましい。
【0028】
本発明の人工頭髪用繊維は繊維表面に突起が形成されている。その突起の大きさは、長径が0.2〜20μmで、短径が0.1〜10μm、高さが0.1〜2μmの範囲であるのが好ましく、長径が0.4〜15μmで、短径が0.2〜8μm、高さが0.2〜1.5μmの範囲であるのがより好ましい。突起の数は、100μm2あたり、少なくとも1個存在することが好ましく、2個以上存在する事がより好ましい。本発明において、繊維表面に存在する突起の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影し、その大きさを測定して求めたものである。
【0029】
本発明で使用される熱可塑性ポリマー成分は、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練することにより溶融混合することができる。
【0030】
前記混練機の例としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらのうちでは、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
【0031】
本発明の人工頭髪用繊維の製造方法には特に限定はなく、公知の方法により製造できる。中でも溶融紡糸法が好ましく、使用する熱可塑性ポリマー成分に応じて適した溶融紡糸条件を設定すればいい。
【0032】
すなわち、例えば、マトリックス(B)としてポリアルキレンテレフタレートを使用した場合は、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒を通過させたのち、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量および口金の孔数によって適宜調整することができる。
【0033】
得られた未延伸糸は熱延伸されるが、延伸は未延伸糸を一旦巻き取ってから延伸する2工程法、および巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
【0034】
本発明の人工頭髪用繊維は、難燃剤を含有させて、難燃性を付与することができる。難燃剤は通常のものが使用できるが、ハロゲン系難燃剤においては、燃焼分解時にダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があり、環境問題上好ましくなく、非ハロゲン系難燃剤として、リン系難燃剤などを使用して、難燃化する方法が好ましい。
【0035】
本発明の人工頭髪用繊維には必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。顔料を含有させることにより、原着繊維を得ることができる。
【0036】
また、本発明は、ポリマー成分(A)をマトリックス(B)に分散させることで繊維表面に微細な突起を生じさせることを特徴とするものであるが、つや消し効果を微調整するために、さらに若干量の無機微粒子を含有させても構わない。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
なお、特性値の測定法は、以下のとおりである。
【0039】
(屈折率)
高分子材料便覧(高分子学会編)に記載のデータを参照した。
【0040】
(SP値)
SP値はPolymer Engineering and Science、14、(2)、147(1974)に記載のFedors式、及び該文献に収められているΔelとΔvlのデータから算出した。
【0041】
δ=[Σ(Δel)/Σ(Δvl)]1/2
(ここで、Δelは各単位官能基当たりの凝集エネルギー、Δvlは各単位官能基当たりの分子容を示し、δの単位は(cal/cm3)1/2である。)
(強度および伸度)
インテスコ社製、INTESCO Model 201型を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重1/30gf×繊度(デニール)、引張速度20mm/分で試験を行ない、強伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
【0042】
(熱収縮性)
セイコー電子工業(株)製、SSC5200H熱分析TMA/SS150Cを用いて、フィラメントの熱収縮率を測定する。長さ10mmのフィラメント10本をとり、5.55mg/dtexの荷重をかけ、昇温速度3℃/分で30〜280℃の範囲での熱収縮率を測定する。
【0043】
(カール保持力)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、100℃で60分間カールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、初期のフィラメント長、7日後までのフィラメント長の経時変化を調べる。これをカールの付きやすさ、保持性の指標とし、初期長は短い方がよく、低温でカールセットが可能で、かつ、その形状が長持ちするのが好ましい。
【0044】
(アイロンセット性)
ヘアーアイロンによるカールセットのしやすさ、カール形状の保持性の指標である。フィラメントを180℃に加熱したヘアーアイロンにかるく挟み、3回扱き予熱する。このときのフィラメント間の融着、櫛通り、フィラメントの縮れ、糸切れを目視評価する。つぎに、予熱したフィラメントをヘアーアイロンに捲きつけ、10秒間保持し、アイロンを引き抜く。このときの抜きやすさ(ロッドアウト性)、抜いたときのカールの保持性を目視評価する。
【0045】
(繊維表面上の突起の大きさ)
繊維表面上の突起の大きさ及び個数は、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡(SEM)S−3500Nを用いて写真撮影し、目視により評価する。
【0046】
(光沢評価)
光沢のレベルは目視評価で判定し、天然毛髪と対比して下記のランク分けを行った。
【0047】
○:(くすんださらさら感のある、人の毛髪に類似した光沢)
×:(強くぎらついた光沢で、人工頭髪用繊維として望ましくない。)
(実施例1)
水分量100ppm以下に乾燥させた固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製、屈折率 1.58、SP値 10.7)4250gと、モル比が50/50のイソフタル酸とテレフタル酸の混合物とビスフェノールAからなる固有粘度0.60のポリアリレート(UポリマーU−100、ユニチカ(株)製、屈折率 1.62、SP値 11.2)750gに、ホスファイト系化合物(アデカスタブ PEP−36、旭電化(株)製)40gを混合し、着色用ポリエステルペレットPESM6100BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)60gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、300℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて300℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を90℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0048】
得られた繊維を用いて、強伸度、熱収縮率、限界酸素指数、ドリップ性、コールドセット性、カール保持力、アイロンセット性を評価した。
【0049】
(実施例2)
使用するポリマーをポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)4250g、ポリカーボネート(タフロンA−2200、出光石油化学(株)製、屈折率 1.59、SP値 9.8)750gに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0050】
(実施例3)
使用するポリマーをポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)4250g、ナイロン66(MARANYLA−125、ユニチカ(株)製、屈折率 1.53、SP値 12.7)750gに変更し、ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0051】
(実施例4)
水分量100ppm以下に乾燥させたナイロン66(MARANYLA−125、ユニチカ(株)製)4250gと、モル比が50/50のイソフタル酸とテレフタル酸の混合物とビスフェノールAからなる固有粘度0.60のポリアリレート(UポリマーU−100、ユニチカ(株)製)750gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、250℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて250℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0052】
(実施例5)
使用するポリマーをナイロン66(MARANYLA−125、ユニチカ(株)製)4250g、ポリカーボネート(タフロンA−2200、出光石油化学(株)製)750gに変更し、ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0053】
(実施例6)
使用するポリマーをナイロン66(MARANYL A−125、ユニチカ(株)製)4250g、ポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)750gに変更し、ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリアミド系繊維を得た。
【0054】
(比較例1)
ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0055】
(比較例2)
ポリプロピレン(グランドポリマー S106LA、グランドポリマー(株)製、屈折率 1.49、SP値 8.1)4250gとポリエチレン(ノバテックHD HB431、日本ポリケム(株)製、屈折率 1.54、SP値 7.9)750gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、150℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて150℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を40℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、100℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリプロピレン系繊維を得た。
【0056】
(比較例3)
水分量100ppm以下に乾燥させたポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)5000gに、タルク(ミクロエースK−1、日本タルク(株)製)250g着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)60gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて280℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0057】
【表1】
実施例1〜6の繊維は、用いたポリマー成分が海島構造を形成し、その結果、繊維表面に突起が生じていることが確認できた。一方、比較例1では用いた2種類のポリマー成分がエステル交換反応して均一成分となってしまい、海島構造を形成しなかったために、つや消しが不十分となった。比較例2では熱可塑性樹脂のSP値の差が0.5以下のため、樹脂同士が相溶し、表面凹凸が形成されなかった。また比較例3ではタルクを用いたことで繊維表面に突起が生じて適度なつや消しが得られたものの、強伸度に劣る結果となった。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、強伸度などの繊維物性を維持することに加え、表面光沢が抑制され、艶消し性に優れた人工頭髪用繊維を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はかつらあるいはヘヤーウィッグ等に使用する人工毛髪に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、人工毛髪として使用される合成繊維には塩化ビニル系繊維あるいはアクリル系繊維などがあるが、これらは一般に耐熱性に乏しく、熱セットは容易であるが、形態保持性が悪く、温水での洗髪、ドライヤー乾燥などに難点があった。一方、ポリエステル系やナイロン系の合成繊維は耐熱性は十分であるが、溶融紡糸で紡糸されるために繊維表面が極めて平滑性であるため、特有の鏡面光沢を呈し且つ特有のワキシー感があって感触、風合ともかつら用毛髪として使用するには違和感があり、人の毛髪には極めて程遠い。例えば常法で製糸したポリエステル繊維そのままでは、糸表面が平坦で、かつ光の屈折率が例えば繊維軸方向で1.72、繊維軸と直交する方向でも1.54と高いため、光の反射が強く、表面光沢が高くなり、人工毛髪に適用することができない。
【0003】
この点を改良するため、従来からポリエステル繊維表面の艶消技術の提案が行なわれてきている。たとえばポリエステル繊維の表面に多数の擦過傷を生じさせて粗面化し、艶消を施した人工毛髪を得る方法が知られている。
【0004】
しかしながら、この方法により得られた艶消繊維は繊維表面に生じた擦過傷のために繊維の強度が低下するという欠点を有している。
【0005】
また、酸化硅素を主成分とする微粒子などを含有するポリエステル系繊維をアルカリ性水溶液で処理し、繊維表面に特定の微細な凹凸を形成させた人工毛髪用ポリエステル繊維およびその製造方法も知られている(特許文献1)。
【0006】
しかし、この方法で得られた繊維は表面の凹凸が微細かつ均一すぎるために艶消状態が不充分で、斜め方向から光を受けたときに強く光を反射するため、人工毛髪としての使用が制約されている。また、充分な艶消効果を得るために、無機微粒子の含有量を増やし、繊維表面の凹凸のサイズを大きくしたり、数を増やしたりする方法も考えられるが、この場合、原料のポリエステル中に多量の微粉末を混入させることになり、紡糸した繊維の強度が、含有させる微粉末の量に比例して劣化することが経験的に知られている。人工毛髪の強度はかつらの耐久性に関与し、弱いと耐久性が低下する。
【0007】
一方、繊維表面に艶消に影響する無機微粒子を含有させずに凹凸を付与する手段として、ポリエステル系繊維にプラズマ光をあてる方法が知られている。
【0008】
しかし、この方法では、大きく分けて、原糸を形成するための紡糸工程と、原糸の外表面に凹凸部を形成するプラズマ加工工程と、凹部を有する原糸に人工毛の色を付与するための染色工程との3段階の工程が必要となり、生産性が低い。また、現状では各工程での処理時間が著しく異なるため、各工程間の調整が容易でなく、生産管理が容易でない。その結果、均一な品質を有する人工毛髪を安定的に高い生産性で得ることができないという問題がある。
【0009】
このように、従来の溶融紡糸で得られた繊維の耐熱性、強伸度などの繊維物性を維持し、セット性に優れ、適度に艶消された人工毛髪は、いまだ得られていないのが実状である。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−12716号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述のごとき従来の問題を解決した、表面光沢が抑制され、艶消し性に優れた人工毛髪の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して、少なくとも1種のポリマー成分をその他のポリマー成分からなるマトリックスに分散させることで、繊維表面に突起を形成させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して得られる繊維であって、少なくとも1種のポリマー成分(A)が、その他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に分散し、かつ繊維表面に突起が形成されていることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項1)に関し、好ましくは、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.5以上であることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項2)に関する。
【0014】
また、好ましくは、前記繊維表面の突起が不定形であることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項3)、前記繊維表面の突起の大きさが、長径0.2〜20μm、短径0.1〜10μm、高さが0.1〜2μmの範囲であり、100μm2あたり少なくとも1個の突起が存在することを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項4)に関する。
【0015】
さらに本発明の好ましい実施態様として、前記2種以上の熱可塑性ポリマー成分が、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系よりなる群から選択される2種以上のポリマーであることを特徴とする人工頭髪用繊維(請求項5)、より好ましくは、マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリエステル系(請求項6)またはポリアミド系(請求項7)であり、ポリマー成分(A)が、ポリアリレート(請求項8)である人工頭髪用繊維に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の人工頭髪用繊維について詳細に説明する。
【0017】
本発明の人工頭髪用繊維は、互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混練して得られる組成物を溶融紡糸した繊維である。
【0018】
本発明で用いられる2種以上の熱可塑性樹脂は互いに屈折率が異なることが必要である。屈折率が同じでは透過率が高く、透明感があるためつやが出やすくなり、得られる繊維のつや消し効果が十分ではない。
【0019】
本発明の組成物の相構造は、少なくとも1種のポリマー成分(A)がその他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に微分散した海島構造をとっているのが特徴であり、前記組成物を用いて溶融紡糸して得られる繊維は、繊維表面にポリマー成分(A)からなる粒子状の島部分による突起が形成され、この突起により艶消し効果が発現する。繊維表面に形成される突起の大きさは、微粒子状に分散している島の(A)成分の粒子径によって決まり、その粒子径は、用いた熱可塑性樹脂のSP値および、溶融混練と溶融紡糸の条件によって決まる。
【0020】
本発明の人工頭髪用繊維は、上述したように、熱可塑性ポリマー同士を微分散させた相構造によって、繊維のつやを消しているので、従来のようにつや消しに無機微粒子を使用した時のような繊維強度の低下が起こらない、また、アルカリ減量処理のように、特別な処理工程を必要としないという点で優れている。
【0021】
本発明で用いられる2種以上の熱可塑性樹脂は、互いに屈折率が異なり、かつ少なくとも1種のポリマー成分(A)が他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に微分散するようなものであれば、適宜選択し組み合わせて用いることができるが、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.5以上であるのが好ましい。SP値の差が0.5未満ではポリマー成分(A)とマトリックス(B)が相溶し、均一に混ざり合ったりして、そのままでは、繊維表面に突起を形成させるのが困難となる。
【0022】
また、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)のSP値の差が大きすぎて、ポリマー成分(A)がマトリックス(B)に微分散しない場合は、溶融混練中にポリマー成分(A)と他のポリマー成分を一部反応させる、または相溶性改良剤を使用してポリマー成分(A)とマトリックス(B)を微分散化させることが必要である。例えば、ポリマー成分(A)としてポリフェニレンエーテルを、ポリアミドからなるマトリックス(B)に分散させる場合、そのまま溶融混練すると、両樹脂の親和性が弱いため、ポリフェニレンエーテルが均一に微分散せずポリフェニレンエーテル成分が分散した海島構造が形成されにくくなる。それゆえ、ポリフェニレンエーテル成分の分散を推進し、均一に微分散化させるために、例えば、グラフト化剤とラジカル開始剤を併用し溶融混練中にポリアミドとポリフェニレンオキシドを一部反応させるのが好ましい。前記グラフト化剤としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ酸からなる少なくとも一種が好ましい。またラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル及びアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用することができる。
【0023】
また溶融混練過程で反応をともない、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)が均一化してしまう場合は、溶融混練条件の調整や反応抑制剤により反応を抑止することが必要である。ポリマー間で反応が起こると共重合体が生成し、ポリマーが均一に混ざり合ったりして、海島構造が形成されにくくなる。例えば、ポリマー成分(A)としてポリアリレートを、ポリエステルからなるマトリックス(B)に分散させる場合、この2成分をそのまま溶融混練すると、エステル交換反応が起こり得る。それを抑制するために混練時間を短くした場合には、均一で微細に分散しなかったり、逆に、充分な混練時間を取った場合には、エステル交換反応が起こり、均一に混ざり合ったりして、ポリアリレート成分がポリエステルに分散した海島構造が形成されにくくなる。それゆえ、エステル交換反応を抑制し、ポリアリレート成分の分散を推進するために、エステル交換反応を抑制する能力のある化合物を併用するのが好ましい。このような化合物としては、ホスファイト系化合物が挙げられる。
【0024】
また、本発明においては、ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の相溶性を改良し、微分散化させる能力のある化合物を相溶性改良剤として使用することもできる。このような相溶性改良剤は、溶融混練過程で、少なくとも1種のポリマー成分(A)を、マトリックス(B)に微分散させる目的で使用され、この目的を達成し得る化合物であれば特に制限はなく、単独又は複数の相溶性改良剤を同時に使用しても良い。
【0025】
本発明で用いる熱可塑性ポリマー成分としては、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系などが挙げられる。具体的には例えば、ポリスチレン系では、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。ポリ塩化ビニル系では、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル系では、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。ポリオレフィン系ではポリエチレン、ポリプロピレンなどが等が挙げられる。ポリアミド系では、ナイロン6、ナイロン66などが挙げられる。ポリエステル系ではポリアルキレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。ポリメタクリレート系ではポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等が挙げられる。
【0026】
本発明において、前記熱可塑性ポリマー成分のうち、マトリックス(B)を形成するポリマー成分としては、人工毛髪が耐熱性を必要とされる場合は、ポリエステル系、ポリアミド系を使用するのが好ましく、難燃性を要求される場合は、ポリ塩化ビニル系を使用するのが好ましい。その中でも、ポリアルキレンテレフタレートを、マトリックス(B)を構成するポリマー成分もしくはその一部として使用するのが好ましい。
【0027】
本発明において、マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリアルキレンテレフタレートの場合、マトリックス(B)に分散するポリマー成分(A)としては、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミドなどを使用するのが好ましく、その中でもポリアリレートを使用するのがより好ましい。また、マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリアミドの場合には、ポリマー成分(A)としては、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステルなどを使用するのが好ましく、その中でもポリアリレートを使用するのがより好ましい。
【0028】
本発明の人工頭髪用繊維は繊維表面に突起が形成されている。その突起の大きさは、長径が0.2〜20μmで、短径が0.1〜10μm、高さが0.1〜2μmの範囲であるのが好ましく、長径が0.4〜15μmで、短径が0.2〜8μm、高さが0.2〜1.5μmの範囲であるのがより好ましい。突起の数は、100μm2あたり、少なくとも1個存在することが好ましく、2個以上存在する事がより好ましい。本発明において、繊維表面に存在する突起の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影し、その大きさを測定して求めたものである。
【0029】
本発明で使用される熱可塑性ポリマー成分は、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練することにより溶融混合することができる。
【0030】
前記混練機の例としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらのうちでは、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
【0031】
本発明の人工頭髪用繊維の製造方法には特に限定はなく、公知の方法により製造できる。中でも溶融紡糸法が好ましく、使用する熱可塑性ポリマー成分に応じて適した溶融紡糸条件を設定すればいい。
【0032】
すなわち、例えば、マトリックス(B)としてポリアルキレンテレフタレートを使用した場合は、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒を通過させたのち、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量および口金の孔数によって適宜調整することができる。
【0033】
得られた未延伸糸は熱延伸されるが、延伸は未延伸糸を一旦巻き取ってから延伸する2工程法、および巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
【0034】
本発明の人工頭髪用繊維は、難燃剤を含有させて、難燃性を付与することができる。難燃剤は通常のものが使用できるが、ハロゲン系難燃剤においては、燃焼分解時にダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があり、環境問題上好ましくなく、非ハロゲン系難燃剤として、リン系難燃剤などを使用して、難燃化する方法が好ましい。
【0035】
本発明の人工頭髪用繊維には必要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。顔料を含有させることにより、原着繊維を得ることができる。
【0036】
また、本発明は、ポリマー成分(A)をマトリックス(B)に分散させることで繊維表面に微細な突起を生じさせることを特徴とするものであるが、つや消し効果を微調整するために、さらに若干量の無機微粒子を含有させても構わない。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
なお、特性値の測定法は、以下のとおりである。
【0039】
(屈折率)
高分子材料便覧(高分子学会編)に記載のデータを参照した。
【0040】
(SP値)
SP値はPolymer Engineering and Science、14、(2)、147(1974)に記載のFedors式、及び該文献に収められているΔelとΔvlのデータから算出した。
【0041】
δ=[Σ(Δel)/Σ(Δvl)]1/2
(ここで、Δelは各単位官能基当たりの凝集エネルギー、Δvlは各単位官能基当たりの分子容を示し、δの単位は(cal/cm3)1/2である。)
(強度および伸度)
インテスコ社製、INTESCO Model 201型を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重1/30gf×繊度(デニール)、引張速度20mm/分で試験を行ない、強伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
【0042】
(熱収縮性)
セイコー電子工業(株)製、SSC5200H熱分析TMA/SS150Cを用いて、フィラメントの熱収縮率を測定する。長さ10mmのフィラメント10本をとり、5.55mg/dtexの荷重をかけ、昇温速度3℃/分で30〜280℃の範囲での熱収縮率を測定する。
【0043】
(カール保持力)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、100℃で60分間カールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、初期のフィラメント長、7日後までのフィラメント長の経時変化を調べる。これをカールの付きやすさ、保持性の指標とし、初期長は短い方がよく、低温でカールセットが可能で、かつ、その形状が長持ちするのが好ましい。
【0044】
(アイロンセット性)
ヘアーアイロンによるカールセットのしやすさ、カール形状の保持性の指標である。フィラメントを180℃に加熱したヘアーアイロンにかるく挟み、3回扱き予熱する。このときのフィラメント間の融着、櫛通り、フィラメントの縮れ、糸切れを目視評価する。つぎに、予熱したフィラメントをヘアーアイロンに捲きつけ、10秒間保持し、アイロンを引き抜く。このときの抜きやすさ(ロッドアウト性)、抜いたときのカールの保持性を目視評価する。
【0045】
(繊維表面上の突起の大きさ)
繊維表面上の突起の大きさ及び個数は、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡(SEM)S−3500Nを用いて写真撮影し、目視により評価する。
【0046】
(光沢評価)
光沢のレベルは目視評価で判定し、天然毛髪と対比して下記のランク分けを行った。
【0047】
○:(くすんださらさら感のある、人の毛髪に類似した光沢)
×:(強くぎらついた光沢で、人工頭髪用繊維として望ましくない。)
(実施例1)
水分量100ppm以下に乾燥させた固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製、屈折率 1.58、SP値 10.7)4250gと、モル比が50/50のイソフタル酸とテレフタル酸の混合物とビスフェノールAからなる固有粘度0.60のポリアリレート(UポリマーU−100、ユニチカ(株)製、屈折率 1.62、SP値 11.2)750gに、ホスファイト系化合物(アデカスタブ PEP−36、旭電化(株)製)40gを混合し、着色用ポリエステルペレットPESM6100BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)60gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、300℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて300℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を90℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0048】
得られた繊維を用いて、強伸度、熱収縮率、限界酸素指数、ドリップ性、コールドセット性、カール保持力、アイロンセット性を評価した。
【0049】
(実施例2)
使用するポリマーをポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)4250g、ポリカーボネート(タフロンA−2200、出光石油化学(株)製、屈折率 1.59、SP値 9.8)750gに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0050】
(実施例3)
使用するポリマーをポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)4250g、ナイロン66(MARANYLA−125、ユニチカ(株)製、屈折率 1.53、SP値 12.7)750gに変更し、ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0051】
(実施例4)
水分量100ppm以下に乾燥させたナイロン66(MARANYLA−125、ユニチカ(株)製)4250gと、モル比が50/50のイソフタル酸とテレフタル酸の混合物とビスフェノールAからなる固有粘度0.60のポリアリレート(UポリマーU−100、ユニチカ(株)製)750gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、250℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて250℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0052】
(実施例5)
使用するポリマーをナイロン66(MARANYLA−125、ユニチカ(株)製)4250g、ポリカーボネート(タフロンA−2200、出光石油化学(株)製)750gに変更し、ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリアミド系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0053】
(実施例6)
使用するポリマーをナイロン66(MARANYL A−125、ユニチカ(株)製)4250g、ポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)750gに変更し、ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリアミド系繊維を得た。
【0054】
(比較例1)
ホスファイト系化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0055】
(比較例2)
ポリプロピレン(グランドポリマー S106LA、グランドポリマー(株)製、屈折率 1.49、SP値 8.1)4250gとポリエチレン(ノバテックHD HB431、日本ポリケム(株)製、屈折率 1.54、SP値 7.9)750gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、150℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて150℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を40℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、100℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリプロピレン系繊維を得た。
【0056】
(比較例3)
水分量100ppm以下に乾燥させたポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)5000gに、タルク(ミクロエースK−1、日本タルク(株)製)250g着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)60gを添加してドライブレンドし、エクストルーダーに供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて280℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
【0057】
【表1】
実施例1〜6の繊維は、用いたポリマー成分が海島構造を形成し、その結果、繊維表面に突起が生じていることが確認できた。一方、比較例1では用いた2種類のポリマー成分がエステル交換反応して均一成分となってしまい、海島構造を形成しなかったために、つや消しが不十分となった。比較例2では熱可塑性樹脂のSP値の差が0.5以下のため、樹脂同士が相溶し、表面凹凸が形成されなかった。また比較例3ではタルクを用いたことで繊維表面に突起が生じて適度なつや消しが得られたものの、強伸度に劣る結果となった。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、強伸度などの繊維物性を維持することに加え、表面光沢が抑制され、艶消し性に優れた人工頭髪用繊維を得ることができる。
Claims (9)
- 互いに屈折率の異なる2種以上の熱可塑性ポリマー成分を溶融混合して得られる繊維であって、少なくとも1種のポリマー成分(A)が、その他のポリマー成分からなるマトリックス(B)に分散し、かつ繊維表面に突起が形成されていることを特徴とする人工頭髪用繊維。
- ポリマー成分(A)とマトリックス(B)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.5以上であることを特徴とする請求項1記載の人工頭髪用繊維。
- 前記繊維表面の突起が不定形であることを特徴とする請求項1または2に記載の人工頭髪用繊維。
- 前記繊維表面の突起の大きさが、長径0.2〜20μm、短径0.1〜10μm、高さが0.1〜2μmの範囲であり、100μm2あたり少なくとも1個の突起が存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
- 前記2種以上の熱可塑性ポリマー成分が、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート系よりなる群から選択される2種以上のポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
- マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリエステル系であることを特徴とする請求項5記載の人工頭髪用繊維。
- マトリックス(B)を形成するポリマー成分が、ポリアミド系であることを特徴とする請求項5記載の人工頭髪用繊維。
- ポリマー成分(A)が、ポリアリレートである請求項5〜7記載の人工頭髪用繊維。
- 人工頭髪用繊維の限界酸素指数(LOI)が25以上である請求項1〜8のいずれかに記載の人工頭髪用繊維。
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