JP2004000533A - 人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】人工器官インプラント(プロテーゼ)に備えて尺骨の骨を切除するために用いる骨切除用案内装置またはジグおよび/または方法を提供する。
【解決手段】骨切除用案内装置、特に尺骨用のものは、人工器官の最適位置を確定するために尺骨の解剖基準点を利用する。骨切除用案内装置は、外科医が最終人工器官を精密に配置するために切除する必要のある骨だけを切除することができるようにする案内器械を提供する。骨切除用案内装置を用い、人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法は、肘軸距離測定装置を患者の特定の大きさの尺骨窩と合わせる。一旦合わせたら、人工器官の形状と直接関係する大きさの切除用テンプレートを切除用案内装置として使用する。骨切除用案内装置に組み込んであるものは、切除面を用意するときの既知の人体測定質である。これにより、インプラントの位置が正確になる。
【選択図】 図1
【解決手段】骨切除用案内装置、特に尺骨用のものは、人工器官の最適位置を確定するために尺骨の解剖基準点を利用する。骨切除用案内装置は、外科医が最終人工器官を精密に配置するために切除する必要のある骨だけを切除することができるようにする案内器械を提供する。骨切除用案内装置を用い、人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法は、肘軸距離測定装置を患者の特定の大きさの尺骨窩と合わせる。一旦合わせたら、人工器官の形状と直接関係する大きさの切除用テンプレートを切除用案内装置として使用する。骨切除用案内装置に組み込んであるものは、切除面を用意するときの既知の人体測定質である。これにより、インプラントの位置が正確になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外科用装置、詳細には骨切除装置、より詳細には近位尺骨の骨を切除するために用いる外科用装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
整形外科産業に共通する問題点は、人工器官、特に人工関節を移植する前に骨を正確に切除する必要があることである。人工器官を適切に位置決めすることは、その人工関節を長期間にわたって安定させる主な要因であると多くの場合に思われてきた。このことは、全ての型の人工関節に関して当てはまっている。しかし、整形外科産業は肘関節の尺骨を比較的軽視してきた。
【0003】
近年の実施規準によれば、移植の類型にかかわらず、なんらの案内もない状態で骨を手で切除するようになっている。総体的肘関節形成術(TEA)に関して、肘の人工器官の尺骨幹を緩めることは面倒な事態であると一般に言われている。この面倒な事態によって、外科医術についての疑問や、外科医術と面倒な事態との関連についての疑問が生じている。
【0004】
指摘されているように、尺骨の切除やインプラント(人工器官)の位置決めに関する精密外科医術を立案する分野において、尺骨に対する努力が特になされなかったわけではない。過去20年間の関節形成術に対する現在の主要な基準は、インディアナ州ワルソーのジマー(Zimmer)製のクーンラッド・モーリイ(Coonrad−Morrey)人工器官とされてきた。しかし、クーンラッド・モーリイ装置は、インプラントを患者の現存組織に関して位置決めする器械工学の見地からは全く整っていない。総体的肘関節成形術で尺骨を切除するのに役立つ装置の一つに、ミシガン州カラマズー(Kalamazoo, Michigan)のストライカ・ハウメディカ・オステオニックス(Stryker Howmedica Osteonics)製のソーラーエルボ(SolarElbow、商標)がある。そのソーラーエルボはその器械工学によって、尺骨を切除するのに役立つ設計の装置を、インプラントを補充する形状にしている。ソーラーエルボは、骨に支えられるインプラントを補充する形状のテンプレートを備え、このテンプレートは切断に用いられている。ソーラーエルボ切除装置の一つの問題点は、現在の解剖学とのつながり、すなわち関連がないということである。
【0005】
ソーンダーズ(Saunders)らに1986年11月25日に発行された特許文献1および1988年1月12日に発行された特許文献2には、肘面還納関節形成のための器械(「ソーンダーズ器械」)が開示されている。ソーンダーズ器械および使用方法は、患者の上腕骨の解剖学的構造、特に上腕骨顆に基づいて肘関節形成のために尺骨を切除するようになっている。特に、ソーンダーズは上腕骨顆を用いて上腕骨の回転中心を確定し、その背部を切除のための尺骨に関係させている。しかし、ソーンダーズ器械と使用方法には幾つかの問題点がある。一つの問題点は、柔組織バランスを説明する方法が存在しないということである。尺骨をほとんど考慮することなく、上腕骨の解剖学的構造の中心から切除がなされている。もう一つの問題点は、肘関節形成術には、上腕骨顆が砕けるか使い物にならなくなって基準として使用することができなくなる場合が多いということである。
【0006】
したがって必要なものは、尺骨を切除するために尺骨を基準として利用する骨切除用案内装置および/または使用方法である。
したがって更に必要なものは、最終人工器官すなわちインプラントを正確に配置することができるように尺骨を切除することができる骨切除用案内装置および/または使用方法である。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,624,250号
【特許文献2】
米国特許第4,718,414号
【0008】
発明の概要
この発明は、骨を切除する際に用いる骨切除用案内装置またはジグおよび/または方法である。特にこの発明は、人工器官インプラント(プロテーゼ)に備えて尺骨の骨を切除するために用いる骨切除用案内装置またはジグおよび/または方法である。
【0009】
一つの形態において、この発明は人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法を提供する。この方法は、(a)患者の尺骨に関する患者の自然な肘回転基準軸を創設する段階、(b)複数寸法の切除用テンプレートから1つのテンプレートを選択する段階、(c)選択した切除用テンプレートを、創設した自然な肘回転基準軸に関して備え付ける段階、および(d)選択した切除用テンプレートに従って尺骨の一部を切除する段階を包含する。
【0010】
もう一つの形態において、この発明は人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法を提供する。この方法は、(a)選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕に取り付ける段階、(b)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階、(c)選択した切除用テンプレートを模擬滑車に取り付ける段階、および(d)切除用テンプレートに従って尺骨から骨を切除する段階を包含する。
【0011】
更にもう一つの形態において、この発明は尺骨の骨切除用案内装置を提供する。この骨切除用案内装置は、フレーム、案内ブロック、および模擬滑車ホルダを有する。案内ブロックはフレームに調整可能に支持され、患者の尺骨の肘頭に接触するように作用する。模擬滑車ホルダはフレームに調整可能に支持され、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕に仮保持するように作用する。
【0012】
この発明は、尺骨の現存の解剖学的構造(すなわち「骨の標識構造」)を利用してインプラントの適切な位置を決定する。この発明は、尺骨の解剖学的構造の既知質を最終インプラントに取り込む。この発明は、外科医に更なる骨除去のための切除面の容易な重複試験ばかりでなく、骨を保護する方法も提供する。この発明は、特に様々な大きさの尺骨の支点に利用できる回転中心の位置を考慮して最終インプラントすなわち人工器官を補充する。さらにまた、現存の肘回転中心を推定することによって、柔組織を良好にバランスさせ、広い範囲を移動できるようにする。結局、この発明は目立たないが、切り口の大きさを最小にする。
【0013】
それぞれの図で同一の符号は同一の部分を示し、それぞれの図で類似の符号は類似の部分を示すことを意味している。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明は多様な変形や代替形が可能であるが、この発明の具体的な実施の形態を図示するとともに詳細に説明する。しかし、言うまでもなく、この発明を特定の形に限定するものではなく、逆にこの発明の精神と範囲に該当する全ての変形、等価なものおよび代替形を含むものである。
【0015】
さて、図1には外科用装置、特に骨切除/切除具案内装置またはジグ(以下まとめて「骨切除用案内装置」という)の典型的な実施の形態を全体的に20で指定してある。骨切除用案内装置20は、特に人工器官(すなわち、肘の人工器官/人工器官部品)の移植に備えて、外科医が尺骨の適切および/または妥当な切除領域または部分を決定でき、かつ決定した適切/妥当な切除領域を切除できるように設計し、適合させ、作用させてある。
【0016】
骨切除用案内装置20は、典型的な切除用案内フレーム・アセンブリ22、典型的な切除用案内ブロック・アセンブリ24、典型的な切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26、および典型的な骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28を有している。各アセンブリは、他に特定しない限り、鋼、ステンレス鋼を代表とする金属、アルミニウム合金、または重合材料などの適当な材料から製造するのが好ましい。工業および/または外科医用器械に適するその他の一材料又は複数材料を使用することができる。
【0017】
典型的な切除用案内フレーム・アセンブリ22は、この骨切除用案内装置20の他の部品(アセンブリ)のための主フレームまたは支持部材を備えている。このようなものとして、この切除用案内フレーム・アセンブリ22は、その概念を逸脱しない範囲で図示するものとは異なるように設計することができ、このようなことは予想される。切除用案内フレーム・アセンブリ22は、切除用案内ブロック・アセンブリ24、切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26、および骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28を支持している。特に、切除用案内ブロック・アセンブリ24、切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26、および骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28は、全て切除用案内フレーム・アセンブリ22に調整可能および/または取外し可能に支持または保持してある。
【0018】
特に図2を参照し、典型的な切除用案内フレーム・アセンブリ22をより詳細に説明する。切除用案内フレーム・アセンブリ22は、第1の脚部、腕部など32、および第2の脚部、腕部など34から成る案内フレーム30を備えている。言うまでもなく、「第1」および「第2」という用語は恣意的であるので、容易に入れ替えることができる。第1の脚部32および第2の脚部34はそれぞれの端部で実質的に直交するように接続し、逆「L」字を形成している。第1の脚部32および第2の脚部34はバーのように示してあるが、ロッドまたはその他の形をした部材であってもよい。第1の脚部32は、第1の脚部32および第2の脚部34の接続端/点から離れた一端に、鳩目部または支持部36を備えている。鳩目部36はネジ穴38を有している。以下に詳細に説明するとともに図1に示すように、ネジ穴38には切除用案内ブロック・アセンブリ24の部品が螺合している。第2の脚部34は、第1の脚部32および第2の脚部34の接続端/点から離れた一端に、鳩目部または支持部40を備えている。鳩目部40はネジ穴42を有している。以下に詳細に説明するとともに図1に示すように、ネジ穴42には切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26の部品が螺合している。
【0019】
案内フレーム30はまた、第1の脚部32に位置する保持フレーム44を備えている。特に図3に示すように保持フレーム44は、第1の脚部32の表面と実質的に直交する第1の壁または部材46と、第1の壁46との間に間隔をおいて第1の脚部32の表面と実質的に直交する第2の壁または部材48を有している。言うまでもなく、「第1」および「第2」という用語は恣意的であって容易に入れ替えることができる。保持フレーム44はまた、第1の壁46から第2の壁48に及ぶ上壁または部材50を有している。このようにして、上壁50は第1の脚部32の表面と実質的に平行になっている。壁46,48,50は開口52を画定しており、この開口52は上腕骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28(図1参照)の部品を保持するように設計してある。このようにして、開口52は骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28の部品と同様な設計でその部品を収容および/または調整するようになっている。開口52は骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28の部品の形状と異なるように設計することができる。
【0020】
図1に戻って、骨切除用案内装置20の切除用案内ブロック・アセンブリ24を説明する。骨切除用案内装置20を設置したとき、切除用案内ブロック・アセンブリ24は尺骨、特に尺骨の肘頭の後背面に接触するように設計し、適合させ、および/または作用させてある。切除用案内ブロック・アセンブリ24は案内軸54を備え、この案内軸54は案内ブロック58を支持している。案内軸54は案内フレーム30、特に第1の脚部32に関して調整可能となっている。案内軸54は特に図4に示してある。案内軸54はネジ山55を有しているとともに、その一端に節部、球部、円形部など56を有している。ネジ山55は案内軸54の全長に設けるのが好ましい。節部56はその表面すなわち外面が滑らかであるのが好ましい。
【0021】
図1に示すように、案内軸54は鳩目部36のネジ穴38に螺合している。このようにして、案内軸54は鳩目部36に関してネジ山55の全長にわたって軸線方向に調整可能となっている。したがって、案内軸54を一方向に回すと、案内軸54は軸線上を尺骨側(図1の右上方向)に移動し、案内軸54を反対方向に回すと、案内軸54は軸線上を尺骨から離れる方向(左下方向)に移動する。案内軸54のこのような移動は、図8に矢印80で示してある。案内ブロック58は案内軸54に結合または支持してあるので、案内軸54を一方向に回したり他方向に回したりすると、案内ブロック58も尺骨側に移動したりそれから離れたりする。また、案内ブロック58のこのような移動は図8に矢印90で示してある。
【0022】
案内ブロック58は節部56と逆関係の形の空洞62を備え、この空洞62は節部56を受け入れるように設計し、適合させ、働かせてある。節部56と空洞62が協働することによって、案内ブロック58は節部56を中心として変向、回転、旋回、または動くことができる。このように、案内ブロック58は節部56および/または案内軸54に関して殆ど無限数の位置を取ることができる。一つの形態において、案内ブロック58は2つの部品で構成してあり、各部品は空洞62の一部を含んでいる。これにより、節部56を2つの部品内に入れて2つの部品を結合したとき、節部56は空洞62の内部に取り込まれる。
【0023】
案内ブロック58は丸まった、湾曲した、またはアーチ状の正面60を有している。特に図5に、案内ブロック58の正面60の平面図を示してある。湾曲した正面60の曲率は、尺骨の肘頭の後背面の典型的な曲率と一致するのが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。そのうえに、図5に最も良好に示すように、正面60は複数の掴み部をスパイク64の形で備えている。使用中に、案内ブロック58はスパイク64によって尺骨の肘頭を全体的に移動させずに解放可能に保持することができる。3つのスパイク64を図示してあるが、言うまでもなくスパイク64の数は1つから多数と変化させることができる。そのうえに、各スパイク64の高さは他のスパイク64と同じであっても、あるいは異なっていてもよい。スパイク64の高さは全体的および/または個々に変化させることができる。
【0024】
また、骨切除用案内装置20は様々な大きさの案内ブロック58と一緒に使用することを想定している。特に、たった一種類の大きさの案内ブロック58は特別な時(すなわち、特別な切除処置のため)に用いる反面、骨切除用案内装置20は各切除処置のために異なる案内ブロック58を用いることができる。様々な大きさの案内ブロック58は様々な大きさの肘頭に対応する。役立つ大きさの案内ブロック58が骨切除用案内装置20に備わるように、案内ブロック58は役立つ単位で用意することができる。同じ案内軸54を使用することができる。あるいは、異なる大きさの節部56をそれぞれ有する異なる案内軸54を、異なる大きさの案内ブロック58毎にそれぞれ用意することができる。もちろん、異なる大きさの節部56に関して、異なる大きさの案内ブロック58のそれぞれは、異なる大きさの節部56を収容するための異なる空洞62を有する。
【0025】
さらに、一連の大きさの案内ブロック58を用意するよりは寧ろ、異なる曲率または円弧の正面60をそれぞれ有する2つまたはそれ以上の案内ブロック58を用意することができる。これによって、異なる大きさの肘頭にも適応することができる。さらにまた、異なる大きさの案内ブロック58、および/または異なる曲率、および/またはスパイク64の数を多様に組み合わせることも予想される。
【0026】
図1に戻って、切除用案内装置20の切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26を説明する。切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、切除用案内装置20を設置したときに、スプール/模擬滑車100(この詳細は以下に説明する)を尺骨の滑車切痕に取外し可能に保持するように設計し、適合させ、および/または作用させてある。切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、一般にスプールペグ66および切除用テンプレート取付ネジ78を備えている。切除用テンプレート取付ネジ78は、以下に更に説明するようにスプールペグ66を貫通している。スプールペグ66は案内フレーム30に関して、特に第2の脚部34に関して調整可能となっている。スプールペグ66は特に図6に示してある。スプールペグ66は、その一部にネジ部70を有しているとともに、そのネジ部70に隣接した非ネジ部68を有している。スプールペグ66はその内部を軸線方向すなわち長手方向に貫通する軸穴72も有している。切除用テンプレート取付ネジ78は特に図7に示してある。切除用テンプレート取付ネジ78は非ネジ軸部80を有し、この非ネジ軸部80は一端にノブ82を有し、他端にネジ部84を有している。この骨切除用案内装置20の使用中および/または設置中に把持力を与えるため、ノブ82の丸まった外縁に刻み目を付けるのが好ましい。切除用テンプレート取付ネジ78の非ネジ軸部80およびネジ部84がスプールペグ66を貫通するように、非ネジ軸部80およびネジ部84の直径はスプールペグ66の軸穴72の直径よりも小さくなっている。
【0027】
図1に示すように、スプールペグ66のネジ部70は、鳩目部40のネジ穴42に螺合している。このようにしてスプールペグ66は、鳩目部40、およびネジ部70に移動可能に螺合したナット76に関して、ネジ部70の全長にわたって軸線方向に調整可能となっている。したがって、スプールペグ66を一方向に回すと、スプールペグ66は軸線上を尺骨側に(図1では左に)本質的に真っ直ぐに移動する。そして、スプールペグ66を他方向に回すと、スプールペグ66は軸線上を尺骨から離れるように(左に)真っ直ぐに移動する。スプールペグ66のこのような移動は図8に矢印92で示してある。切除用テンプレート取付ネジ78はスプールペグ66に支持してあるので、スプールペグ66を一方向および他方向に回した際に、切除用テンプレート取付ネジ78も尺骨側あるいはそれから離れるように真っ直ぐに移動する。また、切除用テンプレート取付ネジ78のこのような移動は、図8に矢印96で示してある。切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、尺骨の滑車切痕の方および/またはそれから離れる方に移動し、後述のスプールまたは模擬滑車100を受けて解放可能に保持するように特に設計し、適合させ、および/または作用させてある。切除用テンプレート取付ネジ78は、スプールペグ66の軸穴72内を軸線方向に自由に移動するようになっている。
【0028】
スプールペグ66のネジ部70の一端には端部ナット74が固定してある。固定してある端部ナット74は、軸線上を尺骨側に移動するように回転するスプールペグ66の止め部となっている。反対に回転して反対方向へ移動すると、切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、鳩目部40すなわち案内フレーム30から外れるようになる。鳩目部40と端部ナット74の間において、スプールペグ66のネジ部70には調整ナット76が備わっている。図8に矢印94で示すように、調整ナット76は鳩目部40と端部ナット74の間で自由に移動できる。調整ナット76は鳩目部40のネジ穴42と協働し、スプールペグ66が回転して軸線上を尺骨側へ移動するのを制限する。換言すれば、調整ナット76はスプールペグ66が軸線上を尺骨側へ移動するのを調整可能に制限する。調整ナット76が端部ナット74と直接接触していると、スプールペグ66は軸線上を尺骨側へ最大距離で移動する(最大移動モード)。調整ナット76が端部ナット74から離れたネジ部70の端に位置すると、スプールペグ66は軸線上を尺骨側へ最小距離で移動する(最小移動モード)。全ての場合に、スプールペグ66はスプールまたは模擬滑車100を尺骨の滑車切痕内に整合させるための配置手段を提供する。
【0029】
図9および図10には、全体的に100で指定した典型的なスプール、ロビン、模擬滑車など(以後まとめて「スプール」という)を示してある。スプール100は、第1の端部104と第2の端部106を有する鞍状の本体102によって形作ってある。言うまでもなく、「第1」および「第2」という用語は恣意的であって、容易に入れ替えることができる。本体102は上腕骨の滑車を模した形状となっている。このようにして、この発明の態様によれば、スプール100は様々な大きさ、なるべくは役立つ単位すなわち一定量で増加する大きさで用意してある。各スプール100は大きさ以外が同じであるので、以下、スプール100の特徴は全部のスプール100に及ぶことを意味する。
【0030】
スプール100は、軸線上を第1の端部104から本体102内に延在する第1の穴108を有している。第1の穴108はスプールペグ66の非ネジ部68を受け入れる大きさとなっている(例えば図11および図12参照)。第1の穴108は軸線上を本体102内の概ね中間まで延在している。第2の穴110が軸線上を第2の端部106から本体102内に延在している。第2の穴110は軸線上を本体102内の概ね中間まで延在している。図10に最も良く示すように、第2の穴110は軸線に沿って第2の穴110の全長に及ぶ平坦部112を有している。平坦部112は第2の穴110を本質的に「D」字状の輪郭としている。以下に説明するように、第2の穴110は切除用テンプレートの方位ロッドを受け入れるように設計し、適合させ、および/または作用させてある。第1の穴108と第2の穴110は、互いに軸線上で連通している。
【0031】
スプール100はまた、斜め向きの穴114を有している。この穴114は本体102の一側面に開口116を画定し、本体102のもう一つの側面に開口118を画定している。図10に最も良く示すように、穴114は本質的に弦の形になっている。穴114はスプール保持ロッドを受け入れる大きさとなっている。以下に説明するように、スプール保持ロッドはスプール100を尺骨の滑車切痕内に一時的に固定するようになっている。スプール保持ロッドはまた、尺骨の長軸線と平行に向けられたとき、スプール100の軸線を尺骨の長軸線から10度の位置(これは人工器官が設計されている角度である)に合わせる。
【0032】
図11および図12には、様々な寸法(大きさおよび/または形状)のスプール100のうちの適切な大きさのスプール100をスプールペグ66に設置した状態を示してある。言うまでもなく、選択した適切な大きさのスプール100を患者の尺骨の滑車切痕内に予め配置することなく、一般には切除用案内装置アセンブリ20をスプール100に取り付けることはない。しかし、切除用案内装置アセンブリ20とスプール100が結合している状態を例示する目的で、スプール100をスプールペグ66に取り付けて示してある。
【0033】
特に図12には、スプールペグ66に取り付けたスプール100を断面図で示してある。別の方法で述べれば、人工器官の移植に備えて尺骨を切除する準備をするために、適切な大きさのスプール100を選択して患者の尺骨の滑車切痕内に配置した後に、切除用案内装置アセンブリ20のスプールペグ66をスプール100に係合させて示してある。適切な大きさのスプール100を尺骨の滑車切痕内の適切な位置に配置したとき、スプール100の軸線を実質的に尺骨の回転軸と推定する。スプールペグ66の非ネジ部68の端部は第1の穴108に入っている。切除用テンプレート取付または保持ネジ78のネジ部84は、スプールペグ66の端部から第2の穴110に延在している。ネジ部84は切除用テンプレートを受けて解放自在に保持する用意ができている。
【0034】
さて、図13〜図15には、全体的に120で指定した典型的な切除用テンプレートを示してある。典型的な切除用テンプレート120は実質的に平坦なプレート122を有している。プレート122の一つの縁部に第1の横壁160が付いており、プレート122のもう一つの縁部に第2の横壁166が付いている。第1の横壁160および第2の横壁166は共通の縁部を有している。第1の横壁160にはスロット162が形成してあり、このスロット162は第1の横壁160の一端に位置する開口164を有している。スロット162は尺骨を切除する(骨のこぎりなどの)切断器具のための案内部となっている。切断器具は開口164を介してスロット162に入り、この間にスロット162は切断器具、よって切除部を案内する。第2の横壁166にはスロット168が形成してあり、このスロット168は第2の横壁166の一端に位置する開口170を有している。スロット168は尺骨を切除する(骨のこぎりなどの)切断器具のための案内部となっている。切断器具は開口170を介してスロット168に入り、この間にスロット168は切断器具、よって切除部を案内する。
【0035】
切除用テンプレート120はまた、その側面から延びる取付ロッド124を有している。取付ロッド124は、それを断面「D」字状とする平面部126を有している。したがって、D字状の取付ロッド124はスプール100のD字状の穴110と形状が一致している。これにより、スプール100に関する切除用テンプレート120の方位を特定することができる。取付ロッド124は、切除用テンプレート取付ネジ78のネジ部84を螺合する大きさのネジ穴128も有している。この発明の一態様では、切除すべき様々な尺骨および/または様々なインプラントの大きさに適応させるため、様々な寸法(大きさおよび/または形状)の切除用テンプレート120を用意してある。
【0036】
図16は、様々な大きさの切除用テンプレート120のうちの適切な大きさの切除用テンプレート120をスプール100、および切除用テンプレート取付ネジ78のネジ部84に取り付けた状態を示している。特に、切除用テンプレート120の取付ロッド124は穴110内に位置し、同時に切除用テンプレート取付ネジ78のネジ部84は、刻み目付きノブ82の回転によって、取付ロッド124のネジ穴128に螺合している。言うまでもなく、選択した適切な大きさのスプール100を患者の尺骨の滑車切痕内に配置し、そのスプール100に切除用案内装置20を取り付け、スプール保持ロッドを穴114から尺骨内に通すことを予め行わない場合には、一般に切除用テンプレート120はスプール100に受け入れられない。しかし、切除用テンプレート120とスプール100が結合している状態を例示するために、切除用テンプレート120をスプール100に取り付けて示してある。
【0037】
この発明の用法
この発明の使用法および/または応用法を説明する。しかし、言うまでもなく、以下に説明するこの発明の使用法/応用法は典型的な一使用形態に過ぎない。ここに特に説明しない他の使用形態も予想される。図17は尺骨130の一部、特に肘頭132および滑車切痕138(すなわち肘)を有する尺骨130の端部を示している。尺骨130は人工器官の移植のために切除されようとしている。先ずは言うまでもないことであるが、図17〜図19に関してここに説明する手順は、この切除用案内装置20を使用するために必ずしも必要であるのではなく任意である。
【0038】
図17に示すように、最初に尺骨130の髄管137の穴136をリーマ134で広げることによって、尺骨130の下ごしらえをする。その後に、図18に示すように、広げた穴136内に骨髄内ロッド140を配置する。骨髄内ロッド140を所定位置に配置したら、図19に示すように骨髄内ロッド140に把持具142を取り付ける。この時点で、柔組織バランスを決めて最適回転軸を推定することができる。
【0039】
さらに、肘頭132の一部またはそれ以上を切除するのに備えて、適切な寸法のスプールまたは模擬滑車100を選択して肘頭132に配置する。図20は骨切除用案内装置アセンブリ20を適切な位置に配置した状態を示している図である。特に、骨切除用案内装置アセンブリ20はブロック58が肘頭132に押しかかるように適切に調整する。スプール100を案内装置アセンブリ26で保持し、套管針付きピン160がスプール100を保持し、適切な切除用テンプレート120をスプール100に取り付ける。套管針付きピン160は尺骨130内に延在するのが好ましい。
【0040】
切除用案内装置アセンブリ20、適切なスプール100、および適切な切除用テンプレート120を適切に配置したら、骨のこぎり(図示せず)などの骨切断器具を用いて尺骨130を切断する。特に、スロット162、168を利用して尺骨130の適切な部分を骨切断器具で切除する。これにより、特定の人工器官のために尺骨を適切に切除できる。
【0041】
ここで説明した切除用案内装置アセンブリの様々な特徴からは、この発明の多くの利点が生じる。特に留意すべきことは、この発明の切除用案内装置アセンブリの代替例が上述の全ての特徴を必ずしも含んでいるわけではないが、このような特徴から少なくとも幾つかの利点を得ることができるということである。当業者であれば、この発明の一つ以上の特徴を包含するとともにこの発明の精神と範囲に該当する切除用案内装置アセンブリを、容易に自分なりに工夫して実施することができるであろう。
【0042】
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する段階は、選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に、複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階を包含している請求項1の方法。
(2)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階は、複数寸法の模擬滑車からの1つの模擬滑車の大きさを患者の滑車と合わせる段階を包含している実施態様(1)の方法。
(3)選択した切除用テンプレートを模擬滑車に取り付ける段階は、複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階を包含している実施態様(1)の方法。
(4)複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階は、複数寸法のテンプレートからの1つのテンプレートの大きさを患者の肘頭または患者に移植する人工器官と合わせる段階を包含している実施態様(3)の方法。
(5)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を患者の自然な肘回転軸と整合させる段階を包含している請求項1の方法。
【0043】
(6)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を軸線方向に仮保持する段階を包含している請求項1の方法。
(7)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を半径方向に仮保持する段階を包含している請求項1の方法。
(8)肘回転の基準軸を創設する段階は、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕内に配置する段階、模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階、および肘軸位置決め装置を尺骨の特定の大きさの尺骨窩に合わせる段階を包含している請求項2の方法。
(9)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する段階は、選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階を包含している実施態様(8)の方法。
(10)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階は、複数寸法の模擬滑車からの1つの模擬滑車の大きさを患者の滑車に合わせる段階を包含している実施態様(9)の方法。
【0044】
(11)複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階は、複数寸法の切除用テンプレートからの1つのテンプレートの大きさを患者の肘頭または患者に移植する人工器官に合わせる段階を包含している請求項2の方法。
(12)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階を更に包含している実施態様(8)の方法。
(13)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を軸線方向に仮保持する段階を包含している実施態様(12)の方法。
(14)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を半径方向に仮保持する段階を包含している実施態様(12)の方法。
(15)前記フレームに支持した軸距離測定装置/位置決め装置を更に具備し、前記軸距離測定装置/位置決め装置は尺骨の旋回軸および患者の上腕骨を示すように設計されている請求項3の骨切除用案内装置。
【0045】
(16)前記案内ブロックは、前記フレームに調整可能に結合された案内軸、および前記案内軸の端部に結合された案内ブロックから成っている請求項3の骨切除用案内装置。
(17)前記案内ブロックは前記案内軸に旋回運動するように結合されている実施態様(16)の骨切除用案内装置。
(18)前記案内ブロックは尺骨の肘頭に接触するように適合した湾曲正面を有している実施態様(16)の骨切除用案内装置。
(19)前記湾曲正面は複数のスパイクを有している実施態様(18)の骨切除用案内装置。
(20)前記案内軸はネジ山を有し、前記フレームは第1のネジ穴を有し、前記ネジ山を有する前記案内軸は前記第1のネジ穴に螺合している実施態様(16)の骨切除用案内装置。
【0046】
(21)前記模擬滑車ホルダは更に、選択した切除用テンプレートを模擬滑車に保持するように設計されている請求項3の案内フレーム。
(22)前記模擬滑車ホルダは、前記フレームに調整可能に結合された模擬滑車ペグ、および前記模擬滑車ペグに支持された切除用テンプレートネジを備えている請求項3の案内フレーム。
(23)前記模擬滑車ペグはネジ山を有し、前記フレームは第2のネジ穴を有し、前記模擬滑車ペグは前記第2のネジ穴に螺合している実施態様(22)の案内フレーム。
(24)前記模擬滑車ホルダは、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕内で軸線方向に仮保持するように作用する実施態様(22)の案内フレーム。
(25)前記模擬滑車ホルダは、前記模擬滑車ペグの軸線方向の移動距離を調整するように作用する調整装置を備えている実施態様(24)の案内フレーム。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原則に従った典型的な骨切除用案内装置またはジグの斜視図である。
【図2】図1の典型的な骨切除用案内装置の案内フレームの斜視図である。
【図3】図2の円3−3に沿って取り出した案内フレームの部分拡大斜視図である。
【図4】図1の典型的な骨切除用案内装置の案内軸の拡大平面図である。
【図5】図1の典型的な骨切除用案内装置の案内ブロックの端部の部分拡大平面図である。
【図6】図1の典型的な骨切除用案内装置のスプールペグの拡大平面図である。
【図7】切除用テンプレート取付ネジの拡大平面図である。
【図8】図1の典型的な骨切除用案内装置の平面図である。
【図9】図1の典型的な骨切除用案内装置の一つの大きさの典型的なスプール/模擬滑車の側面図である。
【図10】図9の線10−10に沿って視た典型的なスプール/模擬滑車の側面図である。
【図11】図1の典型的な骨切除用案内装置に、一つの大きさの典型的なスプール/模擬滑車を取り付けた状態の斜視図である。
【図12】図1の典型的な骨切除用案内装置に、断面で示す一つの大きさの典型的なスプール/模擬滑車を取り付けた状態の平面図である。
【図13】図1の典型的な骨切除用案内装置の或る大きさの典型的な切除用テンプレートの正面図である。
【図14】図13の線14−14に沿って視た典型的な骨切除用案内装置の典型的な切除用テンプレートの側面図である。
【図15】図14の線15−15に沿って視た典型的な骨切除用案内装置の典型的な切除用テンプレートの取付ロッドの側面図である。
【図16】図1の典型的な骨切除用案内装置に、断面で示す或る大きさの典型的なスプール/模擬滑車を取り付け、そのスプール/模擬滑車に或る大きさの典型的な切除用テンプレートを取り付けた状態の平面図である。
【図17】初めに柔組織バランスの準備ができている尺骨の側面図である。
【図18】準備した尺骨内に骨髄内ロッドを備えた状態の尺骨の側面図である。
【図19】柔組織バランスを受けている尺骨の側面図である。
【図20】尺骨に関して所定位置にあるスプール、切除用テンプレート、および骨切除用案内装置アセンブリの斜視図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は、外科用装置、詳細には骨切除装置、より詳細には近位尺骨の骨を切除するために用いる外科用装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
整形外科産業に共通する問題点は、人工器官、特に人工関節を移植する前に骨を正確に切除する必要があることである。人工器官を適切に位置決めすることは、その人工関節を長期間にわたって安定させる主な要因であると多くの場合に思われてきた。このことは、全ての型の人工関節に関して当てはまっている。しかし、整形外科産業は肘関節の尺骨を比較的軽視してきた。
【0003】
近年の実施規準によれば、移植の類型にかかわらず、なんらの案内もない状態で骨を手で切除するようになっている。総体的肘関節形成術(TEA)に関して、肘の人工器官の尺骨幹を緩めることは面倒な事態であると一般に言われている。この面倒な事態によって、外科医術についての疑問や、外科医術と面倒な事態との関連についての疑問が生じている。
【0004】
指摘されているように、尺骨の切除やインプラント(人工器官)の位置決めに関する精密外科医術を立案する分野において、尺骨に対する努力が特になされなかったわけではない。過去20年間の関節形成術に対する現在の主要な基準は、インディアナ州ワルソーのジマー(Zimmer)製のクーンラッド・モーリイ(Coonrad−Morrey)人工器官とされてきた。しかし、クーンラッド・モーリイ装置は、インプラントを患者の現存組織に関して位置決めする器械工学の見地からは全く整っていない。総体的肘関節成形術で尺骨を切除するのに役立つ装置の一つに、ミシガン州カラマズー(Kalamazoo, Michigan)のストライカ・ハウメディカ・オステオニックス(Stryker Howmedica Osteonics)製のソーラーエルボ(SolarElbow、商標)がある。そのソーラーエルボはその器械工学によって、尺骨を切除するのに役立つ設計の装置を、インプラントを補充する形状にしている。ソーラーエルボは、骨に支えられるインプラントを補充する形状のテンプレートを備え、このテンプレートは切断に用いられている。ソーラーエルボ切除装置の一つの問題点は、現在の解剖学とのつながり、すなわち関連がないということである。
【0005】
ソーンダーズ(Saunders)らに1986年11月25日に発行された特許文献1および1988年1月12日に発行された特許文献2には、肘面還納関節形成のための器械(「ソーンダーズ器械」)が開示されている。ソーンダーズ器械および使用方法は、患者の上腕骨の解剖学的構造、特に上腕骨顆に基づいて肘関節形成のために尺骨を切除するようになっている。特に、ソーンダーズは上腕骨顆を用いて上腕骨の回転中心を確定し、その背部を切除のための尺骨に関係させている。しかし、ソーンダーズ器械と使用方法には幾つかの問題点がある。一つの問題点は、柔組織バランスを説明する方法が存在しないということである。尺骨をほとんど考慮することなく、上腕骨の解剖学的構造の中心から切除がなされている。もう一つの問題点は、肘関節形成術には、上腕骨顆が砕けるか使い物にならなくなって基準として使用することができなくなる場合が多いということである。
【0006】
したがって必要なものは、尺骨を切除するために尺骨を基準として利用する骨切除用案内装置および/または使用方法である。
したがって更に必要なものは、最終人工器官すなわちインプラントを正確に配置することができるように尺骨を切除することができる骨切除用案内装置および/または使用方法である。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,624,250号
【特許文献2】
米国特許第4,718,414号
【0008】
発明の概要
この発明は、骨を切除する際に用いる骨切除用案内装置またはジグおよび/または方法である。特にこの発明は、人工器官インプラント(プロテーゼ)に備えて尺骨の骨を切除するために用いる骨切除用案内装置またはジグおよび/または方法である。
【0009】
一つの形態において、この発明は人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法を提供する。この方法は、(a)患者の尺骨に関する患者の自然な肘回転基準軸を創設する段階、(b)複数寸法の切除用テンプレートから1つのテンプレートを選択する段階、(c)選択した切除用テンプレートを、創設した自然な肘回転基準軸に関して備え付ける段階、および(d)選択した切除用テンプレートに従って尺骨の一部を切除する段階を包含する。
【0010】
もう一つの形態において、この発明は人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法を提供する。この方法は、(a)選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕に取り付ける段階、(b)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階、(c)選択した切除用テンプレートを模擬滑車に取り付ける段階、および(d)切除用テンプレートに従って尺骨から骨を切除する段階を包含する。
【0011】
更にもう一つの形態において、この発明は尺骨の骨切除用案内装置を提供する。この骨切除用案内装置は、フレーム、案内ブロック、および模擬滑車ホルダを有する。案内ブロックはフレームに調整可能に支持され、患者の尺骨の肘頭に接触するように作用する。模擬滑車ホルダはフレームに調整可能に支持され、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕に仮保持するように作用する。
【0012】
この発明は、尺骨の現存の解剖学的構造(すなわち「骨の標識構造」)を利用してインプラントの適切な位置を決定する。この発明は、尺骨の解剖学的構造の既知質を最終インプラントに取り込む。この発明は、外科医に更なる骨除去のための切除面の容易な重複試験ばかりでなく、骨を保護する方法も提供する。この発明は、特に様々な大きさの尺骨の支点に利用できる回転中心の位置を考慮して最終インプラントすなわち人工器官を補充する。さらにまた、現存の肘回転中心を推定することによって、柔組織を良好にバランスさせ、広い範囲を移動できるようにする。結局、この発明は目立たないが、切り口の大きさを最小にする。
【0013】
それぞれの図で同一の符号は同一の部分を示し、それぞれの図で類似の符号は類似の部分を示すことを意味している。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明は多様な変形や代替形が可能であるが、この発明の具体的な実施の形態を図示するとともに詳細に説明する。しかし、言うまでもなく、この発明を特定の形に限定するものではなく、逆にこの発明の精神と範囲に該当する全ての変形、等価なものおよび代替形を含むものである。
【0015】
さて、図1には外科用装置、特に骨切除/切除具案内装置またはジグ(以下まとめて「骨切除用案内装置」という)の典型的な実施の形態を全体的に20で指定してある。骨切除用案内装置20は、特に人工器官(すなわち、肘の人工器官/人工器官部品)の移植に備えて、外科医が尺骨の適切および/または妥当な切除領域または部分を決定でき、かつ決定した適切/妥当な切除領域を切除できるように設計し、適合させ、作用させてある。
【0016】
骨切除用案内装置20は、典型的な切除用案内フレーム・アセンブリ22、典型的な切除用案内ブロック・アセンブリ24、典型的な切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26、および典型的な骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28を有している。各アセンブリは、他に特定しない限り、鋼、ステンレス鋼を代表とする金属、アルミニウム合金、または重合材料などの適当な材料から製造するのが好ましい。工業および/または外科医用器械に適するその他の一材料又は複数材料を使用することができる。
【0017】
典型的な切除用案内フレーム・アセンブリ22は、この骨切除用案内装置20の他の部品(アセンブリ)のための主フレームまたは支持部材を備えている。このようなものとして、この切除用案内フレーム・アセンブリ22は、その概念を逸脱しない範囲で図示するものとは異なるように設計することができ、このようなことは予想される。切除用案内フレーム・アセンブリ22は、切除用案内ブロック・アセンブリ24、切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26、および骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28を支持している。特に、切除用案内ブロック・アセンブリ24、切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26、および骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28は、全て切除用案内フレーム・アセンブリ22に調整可能および/または取外し可能に支持または保持してある。
【0018】
特に図2を参照し、典型的な切除用案内フレーム・アセンブリ22をより詳細に説明する。切除用案内フレーム・アセンブリ22は、第1の脚部、腕部など32、および第2の脚部、腕部など34から成る案内フレーム30を備えている。言うまでもなく、「第1」および「第2」という用語は恣意的であるので、容易に入れ替えることができる。第1の脚部32および第2の脚部34はそれぞれの端部で実質的に直交するように接続し、逆「L」字を形成している。第1の脚部32および第2の脚部34はバーのように示してあるが、ロッドまたはその他の形をした部材であってもよい。第1の脚部32は、第1の脚部32および第2の脚部34の接続端/点から離れた一端に、鳩目部または支持部36を備えている。鳩目部36はネジ穴38を有している。以下に詳細に説明するとともに図1に示すように、ネジ穴38には切除用案内ブロック・アセンブリ24の部品が螺合している。第2の脚部34は、第1の脚部32および第2の脚部34の接続端/点から離れた一端に、鳩目部または支持部40を備えている。鳩目部40はネジ穴42を有している。以下に詳細に説明するとともに図1に示すように、ネジ穴42には切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26の部品が螺合している。
【0019】
案内フレーム30はまた、第1の脚部32に位置する保持フレーム44を備えている。特に図3に示すように保持フレーム44は、第1の脚部32の表面と実質的に直交する第1の壁または部材46と、第1の壁46との間に間隔をおいて第1の脚部32の表面と実質的に直交する第2の壁または部材48を有している。言うまでもなく、「第1」および「第2」という用語は恣意的であって容易に入れ替えることができる。保持フレーム44はまた、第1の壁46から第2の壁48に及ぶ上壁または部材50を有している。このようにして、上壁50は第1の脚部32の表面と実質的に平行になっている。壁46,48,50は開口52を画定しており、この開口52は上腕骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28(図1参照)の部品を保持するように設計してある。このようにして、開口52は骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28の部品と同様な設計でその部品を収容および/または調整するようになっている。開口52は骨整合/軸距離測定装置/位置決めアセンブリ28の部品の形状と異なるように設計することができる。
【0020】
図1に戻って、骨切除用案内装置20の切除用案内ブロック・アセンブリ24を説明する。骨切除用案内装置20を設置したとき、切除用案内ブロック・アセンブリ24は尺骨、特に尺骨の肘頭の後背面に接触するように設計し、適合させ、および/または作用させてある。切除用案内ブロック・アセンブリ24は案内軸54を備え、この案内軸54は案内ブロック58を支持している。案内軸54は案内フレーム30、特に第1の脚部32に関して調整可能となっている。案内軸54は特に図4に示してある。案内軸54はネジ山55を有しているとともに、その一端に節部、球部、円形部など56を有している。ネジ山55は案内軸54の全長に設けるのが好ましい。節部56はその表面すなわち外面が滑らかであるのが好ましい。
【0021】
図1に示すように、案内軸54は鳩目部36のネジ穴38に螺合している。このようにして、案内軸54は鳩目部36に関してネジ山55の全長にわたって軸線方向に調整可能となっている。したがって、案内軸54を一方向に回すと、案内軸54は軸線上を尺骨側(図1の右上方向)に移動し、案内軸54を反対方向に回すと、案内軸54は軸線上を尺骨から離れる方向(左下方向)に移動する。案内軸54のこのような移動は、図8に矢印80で示してある。案内ブロック58は案内軸54に結合または支持してあるので、案内軸54を一方向に回したり他方向に回したりすると、案内ブロック58も尺骨側に移動したりそれから離れたりする。また、案内ブロック58のこのような移動は図8に矢印90で示してある。
【0022】
案内ブロック58は節部56と逆関係の形の空洞62を備え、この空洞62は節部56を受け入れるように設計し、適合させ、働かせてある。節部56と空洞62が協働することによって、案内ブロック58は節部56を中心として変向、回転、旋回、または動くことができる。このように、案内ブロック58は節部56および/または案内軸54に関して殆ど無限数の位置を取ることができる。一つの形態において、案内ブロック58は2つの部品で構成してあり、各部品は空洞62の一部を含んでいる。これにより、節部56を2つの部品内に入れて2つの部品を結合したとき、節部56は空洞62の内部に取り込まれる。
【0023】
案内ブロック58は丸まった、湾曲した、またはアーチ状の正面60を有している。特に図5に、案内ブロック58の正面60の平面図を示してある。湾曲した正面60の曲率は、尺骨の肘頭の後背面の典型的な曲率と一致するのが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。そのうえに、図5に最も良好に示すように、正面60は複数の掴み部をスパイク64の形で備えている。使用中に、案内ブロック58はスパイク64によって尺骨の肘頭を全体的に移動させずに解放可能に保持することができる。3つのスパイク64を図示してあるが、言うまでもなくスパイク64の数は1つから多数と変化させることができる。そのうえに、各スパイク64の高さは他のスパイク64と同じであっても、あるいは異なっていてもよい。スパイク64の高さは全体的および/または個々に変化させることができる。
【0024】
また、骨切除用案内装置20は様々な大きさの案内ブロック58と一緒に使用することを想定している。特に、たった一種類の大きさの案内ブロック58は特別な時(すなわち、特別な切除処置のため)に用いる反面、骨切除用案内装置20は各切除処置のために異なる案内ブロック58を用いることができる。様々な大きさの案内ブロック58は様々な大きさの肘頭に対応する。役立つ大きさの案内ブロック58が骨切除用案内装置20に備わるように、案内ブロック58は役立つ単位で用意することができる。同じ案内軸54を使用することができる。あるいは、異なる大きさの節部56をそれぞれ有する異なる案内軸54を、異なる大きさの案内ブロック58毎にそれぞれ用意することができる。もちろん、異なる大きさの節部56に関して、異なる大きさの案内ブロック58のそれぞれは、異なる大きさの節部56を収容するための異なる空洞62を有する。
【0025】
さらに、一連の大きさの案内ブロック58を用意するよりは寧ろ、異なる曲率または円弧の正面60をそれぞれ有する2つまたはそれ以上の案内ブロック58を用意することができる。これによって、異なる大きさの肘頭にも適応することができる。さらにまた、異なる大きさの案内ブロック58、および/または異なる曲率、および/またはスパイク64の数を多様に組み合わせることも予想される。
【0026】
図1に戻って、切除用案内装置20の切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26を説明する。切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、切除用案内装置20を設置したときに、スプール/模擬滑車100(この詳細は以下に説明する)を尺骨の滑車切痕に取外し可能に保持するように設計し、適合させ、および/または作用させてある。切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、一般にスプールペグ66および切除用テンプレート取付ネジ78を備えている。切除用テンプレート取付ネジ78は、以下に更に説明するようにスプールペグ66を貫通している。スプールペグ66は案内フレーム30に関して、特に第2の脚部34に関して調整可能となっている。スプールペグ66は特に図6に示してある。スプールペグ66は、その一部にネジ部70を有しているとともに、そのネジ部70に隣接した非ネジ部68を有している。スプールペグ66はその内部を軸線方向すなわち長手方向に貫通する軸穴72も有している。切除用テンプレート取付ネジ78は特に図7に示してある。切除用テンプレート取付ネジ78は非ネジ軸部80を有し、この非ネジ軸部80は一端にノブ82を有し、他端にネジ部84を有している。この骨切除用案内装置20の使用中および/または設置中に把持力を与えるため、ノブ82の丸まった外縁に刻み目を付けるのが好ましい。切除用テンプレート取付ネジ78の非ネジ軸部80およびネジ部84がスプールペグ66を貫通するように、非ネジ軸部80およびネジ部84の直径はスプールペグ66の軸穴72の直径よりも小さくなっている。
【0027】
図1に示すように、スプールペグ66のネジ部70は、鳩目部40のネジ穴42に螺合している。このようにしてスプールペグ66は、鳩目部40、およびネジ部70に移動可能に螺合したナット76に関して、ネジ部70の全長にわたって軸線方向に調整可能となっている。したがって、スプールペグ66を一方向に回すと、スプールペグ66は軸線上を尺骨側に(図1では左に)本質的に真っ直ぐに移動する。そして、スプールペグ66を他方向に回すと、スプールペグ66は軸線上を尺骨から離れるように(左に)真っ直ぐに移動する。スプールペグ66のこのような移動は図8に矢印92で示してある。切除用テンプレート取付ネジ78はスプールペグ66に支持してあるので、スプールペグ66を一方向および他方向に回した際に、切除用テンプレート取付ネジ78も尺骨側あるいはそれから離れるように真っ直ぐに移動する。また、切除用テンプレート取付ネジ78のこのような移動は、図8に矢印96で示してある。切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、尺骨の滑車切痕の方および/またはそれから離れる方に移動し、後述のスプールまたは模擬滑車100を受けて解放可能に保持するように特に設計し、適合させ、および/または作用させてある。切除用テンプレート取付ネジ78は、スプールペグ66の軸穴72内を軸線方向に自由に移動するようになっている。
【0028】
スプールペグ66のネジ部70の一端には端部ナット74が固定してある。固定してある端部ナット74は、軸線上を尺骨側に移動するように回転するスプールペグ66の止め部となっている。反対に回転して反対方向へ移動すると、切除用スプール/模擬滑車保持調整アセンブリ26は、鳩目部40すなわち案内フレーム30から外れるようになる。鳩目部40と端部ナット74の間において、スプールペグ66のネジ部70には調整ナット76が備わっている。図8に矢印94で示すように、調整ナット76は鳩目部40と端部ナット74の間で自由に移動できる。調整ナット76は鳩目部40のネジ穴42と協働し、スプールペグ66が回転して軸線上を尺骨側へ移動するのを制限する。換言すれば、調整ナット76はスプールペグ66が軸線上を尺骨側へ移動するのを調整可能に制限する。調整ナット76が端部ナット74と直接接触していると、スプールペグ66は軸線上を尺骨側へ最大距離で移動する(最大移動モード)。調整ナット76が端部ナット74から離れたネジ部70の端に位置すると、スプールペグ66は軸線上を尺骨側へ最小距離で移動する(最小移動モード)。全ての場合に、スプールペグ66はスプールまたは模擬滑車100を尺骨の滑車切痕内に整合させるための配置手段を提供する。
【0029】
図9および図10には、全体的に100で指定した典型的なスプール、ロビン、模擬滑車など(以後まとめて「スプール」という)を示してある。スプール100は、第1の端部104と第2の端部106を有する鞍状の本体102によって形作ってある。言うまでもなく、「第1」および「第2」という用語は恣意的であって、容易に入れ替えることができる。本体102は上腕骨の滑車を模した形状となっている。このようにして、この発明の態様によれば、スプール100は様々な大きさ、なるべくは役立つ単位すなわち一定量で増加する大きさで用意してある。各スプール100は大きさ以外が同じであるので、以下、スプール100の特徴は全部のスプール100に及ぶことを意味する。
【0030】
スプール100は、軸線上を第1の端部104から本体102内に延在する第1の穴108を有している。第1の穴108はスプールペグ66の非ネジ部68を受け入れる大きさとなっている(例えば図11および図12参照)。第1の穴108は軸線上を本体102内の概ね中間まで延在している。第2の穴110が軸線上を第2の端部106から本体102内に延在している。第2の穴110は軸線上を本体102内の概ね中間まで延在している。図10に最も良く示すように、第2の穴110は軸線に沿って第2の穴110の全長に及ぶ平坦部112を有している。平坦部112は第2の穴110を本質的に「D」字状の輪郭としている。以下に説明するように、第2の穴110は切除用テンプレートの方位ロッドを受け入れるように設計し、適合させ、および/または作用させてある。第1の穴108と第2の穴110は、互いに軸線上で連通している。
【0031】
スプール100はまた、斜め向きの穴114を有している。この穴114は本体102の一側面に開口116を画定し、本体102のもう一つの側面に開口118を画定している。図10に最も良く示すように、穴114は本質的に弦の形になっている。穴114はスプール保持ロッドを受け入れる大きさとなっている。以下に説明するように、スプール保持ロッドはスプール100を尺骨の滑車切痕内に一時的に固定するようになっている。スプール保持ロッドはまた、尺骨の長軸線と平行に向けられたとき、スプール100の軸線を尺骨の長軸線から10度の位置(これは人工器官が設計されている角度である)に合わせる。
【0032】
図11および図12には、様々な寸法(大きさおよび/または形状)のスプール100のうちの適切な大きさのスプール100をスプールペグ66に設置した状態を示してある。言うまでもなく、選択した適切な大きさのスプール100を患者の尺骨の滑車切痕内に予め配置することなく、一般には切除用案内装置アセンブリ20をスプール100に取り付けることはない。しかし、切除用案内装置アセンブリ20とスプール100が結合している状態を例示する目的で、スプール100をスプールペグ66に取り付けて示してある。
【0033】
特に図12には、スプールペグ66に取り付けたスプール100を断面図で示してある。別の方法で述べれば、人工器官の移植に備えて尺骨を切除する準備をするために、適切な大きさのスプール100を選択して患者の尺骨の滑車切痕内に配置した後に、切除用案内装置アセンブリ20のスプールペグ66をスプール100に係合させて示してある。適切な大きさのスプール100を尺骨の滑車切痕内の適切な位置に配置したとき、スプール100の軸線を実質的に尺骨の回転軸と推定する。スプールペグ66の非ネジ部68の端部は第1の穴108に入っている。切除用テンプレート取付または保持ネジ78のネジ部84は、スプールペグ66の端部から第2の穴110に延在している。ネジ部84は切除用テンプレートを受けて解放自在に保持する用意ができている。
【0034】
さて、図13〜図15には、全体的に120で指定した典型的な切除用テンプレートを示してある。典型的な切除用テンプレート120は実質的に平坦なプレート122を有している。プレート122の一つの縁部に第1の横壁160が付いており、プレート122のもう一つの縁部に第2の横壁166が付いている。第1の横壁160および第2の横壁166は共通の縁部を有している。第1の横壁160にはスロット162が形成してあり、このスロット162は第1の横壁160の一端に位置する開口164を有している。スロット162は尺骨を切除する(骨のこぎりなどの)切断器具のための案内部となっている。切断器具は開口164を介してスロット162に入り、この間にスロット162は切断器具、よって切除部を案内する。第2の横壁166にはスロット168が形成してあり、このスロット168は第2の横壁166の一端に位置する開口170を有している。スロット168は尺骨を切除する(骨のこぎりなどの)切断器具のための案内部となっている。切断器具は開口170を介してスロット168に入り、この間にスロット168は切断器具、よって切除部を案内する。
【0035】
切除用テンプレート120はまた、その側面から延びる取付ロッド124を有している。取付ロッド124は、それを断面「D」字状とする平面部126を有している。したがって、D字状の取付ロッド124はスプール100のD字状の穴110と形状が一致している。これにより、スプール100に関する切除用テンプレート120の方位を特定することができる。取付ロッド124は、切除用テンプレート取付ネジ78のネジ部84を螺合する大きさのネジ穴128も有している。この発明の一態様では、切除すべき様々な尺骨および/または様々なインプラントの大きさに適応させるため、様々な寸法(大きさおよび/または形状)の切除用テンプレート120を用意してある。
【0036】
図16は、様々な大きさの切除用テンプレート120のうちの適切な大きさの切除用テンプレート120をスプール100、および切除用テンプレート取付ネジ78のネジ部84に取り付けた状態を示している。特に、切除用テンプレート120の取付ロッド124は穴110内に位置し、同時に切除用テンプレート取付ネジ78のネジ部84は、刻み目付きノブ82の回転によって、取付ロッド124のネジ穴128に螺合している。言うまでもなく、選択した適切な大きさのスプール100を患者の尺骨の滑車切痕内に配置し、そのスプール100に切除用案内装置20を取り付け、スプール保持ロッドを穴114から尺骨内に通すことを予め行わない場合には、一般に切除用テンプレート120はスプール100に受け入れられない。しかし、切除用テンプレート120とスプール100が結合している状態を例示するために、切除用テンプレート120をスプール100に取り付けて示してある。
【0037】
この発明の用法
この発明の使用法および/または応用法を説明する。しかし、言うまでもなく、以下に説明するこの発明の使用法/応用法は典型的な一使用形態に過ぎない。ここに特に説明しない他の使用形態も予想される。図17は尺骨130の一部、特に肘頭132および滑車切痕138(すなわち肘)を有する尺骨130の端部を示している。尺骨130は人工器官の移植のために切除されようとしている。先ずは言うまでもないことであるが、図17〜図19に関してここに説明する手順は、この切除用案内装置20を使用するために必ずしも必要であるのではなく任意である。
【0038】
図17に示すように、最初に尺骨130の髄管137の穴136をリーマ134で広げることによって、尺骨130の下ごしらえをする。その後に、図18に示すように、広げた穴136内に骨髄内ロッド140を配置する。骨髄内ロッド140を所定位置に配置したら、図19に示すように骨髄内ロッド140に把持具142を取り付ける。この時点で、柔組織バランスを決めて最適回転軸を推定することができる。
【0039】
さらに、肘頭132の一部またはそれ以上を切除するのに備えて、適切な寸法のスプールまたは模擬滑車100を選択して肘頭132に配置する。図20は骨切除用案内装置アセンブリ20を適切な位置に配置した状態を示している図である。特に、骨切除用案内装置アセンブリ20はブロック58が肘頭132に押しかかるように適切に調整する。スプール100を案内装置アセンブリ26で保持し、套管針付きピン160がスプール100を保持し、適切な切除用テンプレート120をスプール100に取り付ける。套管針付きピン160は尺骨130内に延在するのが好ましい。
【0040】
切除用案内装置アセンブリ20、適切なスプール100、および適切な切除用テンプレート120を適切に配置したら、骨のこぎり(図示せず)などの骨切断器具を用いて尺骨130を切断する。特に、スロット162、168を利用して尺骨130の適切な部分を骨切断器具で切除する。これにより、特定の人工器官のために尺骨を適切に切除できる。
【0041】
ここで説明した切除用案内装置アセンブリの様々な特徴からは、この発明の多くの利点が生じる。特に留意すべきことは、この発明の切除用案内装置アセンブリの代替例が上述の全ての特徴を必ずしも含んでいるわけではないが、このような特徴から少なくとも幾つかの利点を得ることができるということである。当業者であれば、この発明の一つ以上の特徴を包含するとともにこの発明の精神と範囲に該当する切除用案内装置アセンブリを、容易に自分なりに工夫して実施することができるであろう。
【0042】
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する段階は、選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に、複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階を包含している請求項1の方法。
(2)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階は、複数寸法の模擬滑車からの1つの模擬滑車の大きさを患者の滑車と合わせる段階を包含している実施態様(1)の方法。
(3)選択した切除用テンプレートを模擬滑車に取り付ける段階は、複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階を包含している実施態様(1)の方法。
(4)複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階は、複数寸法のテンプレートからの1つのテンプレートの大きさを患者の肘頭または患者に移植する人工器官と合わせる段階を包含している実施態様(3)の方法。
(5)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を患者の自然な肘回転軸と整合させる段階を包含している請求項1の方法。
【0043】
(6)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を軸線方向に仮保持する段階を包含している請求項1の方法。
(7)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を半径方向に仮保持する段階を包含している請求項1の方法。
(8)肘回転の基準軸を創設する段階は、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕内に配置する段階、模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階、および肘軸位置決め装置を尺骨の特定の大きさの尺骨窩に合わせる段階を包含している請求項2の方法。
(9)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する段階は、選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階を包含している実施態様(8)の方法。
(10)選択した模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に配置する前に複数寸法の模擬滑車から1つの模擬滑車を選択する段階は、複数寸法の模擬滑車からの1つの模擬滑車の大きさを患者の滑車に合わせる段階を包含している実施態様(9)の方法。
【0044】
(11)複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階は、複数寸法の切除用テンプレートからの1つのテンプレートの大きさを患者の肘頭または患者に移植する人工器官に合わせる段階を包含している請求項2の方法。
(12)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階を更に包含している実施態様(8)の方法。
(13)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を軸線方向に仮保持する段階を包含している実施態様(12)の方法。
(14)模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階は、模擬滑車を半径方向に仮保持する段階を包含している実施態様(12)の方法。
(15)前記フレームに支持した軸距離測定装置/位置決め装置を更に具備し、前記軸距離測定装置/位置決め装置は尺骨の旋回軸および患者の上腕骨を示すように設計されている請求項3の骨切除用案内装置。
【0045】
(16)前記案内ブロックは、前記フレームに調整可能に結合された案内軸、および前記案内軸の端部に結合された案内ブロックから成っている請求項3の骨切除用案内装置。
(17)前記案内ブロックは前記案内軸に旋回運動するように結合されている実施態様(16)の骨切除用案内装置。
(18)前記案内ブロックは尺骨の肘頭に接触するように適合した湾曲正面を有している実施態様(16)の骨切除用案内装置。
(19)前記湾曲正面は複数のスパイクを有している実施態様(18)の骨切除用案内装置。
(20)前記案内軸はネジ山を有し、前記フレームは第1のネジ穴を有し、前記ネジ山を有する前記案内軸は前記第1のネジ穴に螺合している実施態様(16)の骨切除用案内装置。
【0046】
(21)前記模擬滑車ホルダは更に、選択した切除用テンプレートを模擬滑車に保持するように設計されている請求項3の案内フレーム。
(22)前記模擬滑車ホルダは、前記フレームに調整可能に結合された模擬滑車ペグ、および前記模擬滑車ペグに支持された切除用テンプレートネジを備えている請求項3の案内フレーム。
(23)前記模擬滑車ペグはネジ山を有し、前記フレームは第2のネジ穴を有し、前記模擬滑車ペグは前記第2のネジ穴に螺合している実施態様(22)の案内フレーム。
(24)前記模擬滑車ホルダは、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕内で軸線方向に仮保持するように作用する実施態様(22)の案内フレーム。
(25)前記模擬滑車ホルダは、前記模擬滑車ペグの軸線方向の移動距離を調整するように作用する調整装置を備えている実施態様(24)の案内フレーム。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原則に従った典型的な骨切除用案内装置またはジグの斜視図である。
【図2】図1の典型的な骨切除用案内装置の案内フレームの斜視図である。
【図3】図2の円3−3に沿って取り出した案内フレームの部分拡大斜視図である。
【図4】図1の典型的な骨切除用案内装置の案内軸の拡大平面図である。
【図5】図1の典型的な骨切除用案内装置の案内ブロックの端部の部分拡大平面図である。
【図6】図1の典型的な骨切除用案内装置のスプールペグの拡大平面図である。
【図7】切除用テンプレート取付ネジの拡大平面図である。
【図8】図1の典型的な骨切除用案内装置の平面図である。
【図9】図1の典型的な骨切除用案内装置の一つの大きさの典型的なスプール/模擬滑車の側面図である。
【図10】図9の線10−10に沿って視た典型的なスプール/模擬滑車の側面図である。
【図11】図1の典型的な骨切除用案内装置に、一つの大きさの典型的なスプール/模擬滑車を取り付けた状態の斜視図である。
【図12】図1の典型的な骨切除用案内装置に、断面で示す一つの大きさの典型的なスプール/模擬滑車を取り付けた状態の平面図である。
【図13】図1の典型的な骨切除用案内装置の或る大きさの典型的な切除用テンプレートの正面図である。
【図14】図13の線14−14に沿って視た典型的な骨切除用案内装置の典型的な切除用テンプレートの側面図である。
【図15】図14の線15−15に沿って視た典型的な骨切除用案内装置の典型的な切除用テンプレートの取付ロッドの側面図である。
【図16】図1の典型的な骨切除用案内装置に、断面で示す或る大きさの典型的なスプール/模擬滑車を取り付け、そのスプール/模擬滑車に或る大きさの典型的な切除用テンプレートを取り付けた状態の平面図である。
【図17】初めに柔組織バランスの準備ができている尺骨の側面図である。
【図18】準備した尺骨内に骨髄内ロッドを備えた状態の尺骨の側面図である。
【図19】柔組織バランスを受けている尺骨の側面図である。
【図20】尺骨に関して所定位置にあるスプール、切除用テンプレート、および骨切除用案内装置アセンブリの斜視図である。
Claims (3)
- 人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法であって、選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕内に配置する段階、模擬滑車を尺骨の滑車切痕内に仮固定する段階、選択した切除用テンプレートを模擬滑車に取り付ける段階、および切除用テンプレートに従って尺骨から骨を切除する段階を包含している方法。
- 人工器官の移植に備えて尺骨から骨を切除する方法であって、患者の尺骨に関して患者の自然な肘回転の基準軸を創設する段階、複数寸法の切除用テンプレートから1つの切除用テンプレートを選択する段階、創設した自然な肘回転の基準軸におよびそれに関して、選択した切除用テンプレートを備え付ける段階、および選択した切除用テンプレートに従って尺骨の一部を切除する段階を包含している方法。
- 尺骨の骨切除用案内装置であって、フレーム、前記フレームに調整可能に支持され患者の尺骨の肘頭に接触するように作用する案内ブロック、および前記フレームに調整可能に支持され選択した模擬滑車を患者の尺骨の滑車切痕内に仮保持するように作用する模擬滑車ホルダを具備している骨切除用案内装置。
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