JP2003533642A

JP2003533642A - 機械駆動式ローラベーンポンプ

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Publication number: JP2003533642A
Application number: JP2001584741A
Authority: JP
Inventors: デルスライス，フランシスマリアアントニウスファン; スパイク，ヨハネスゲラルダスルドビカスマリアファン
Original assignee: VAN DOORNE’S TRANSMISSIE BESLOTEN VENNOOTSHAP
Current assignee: VAN DOORNE’S TRANSMISSIE BESLOTEN VENNOOTSHAP
Priority date: 2000-05-17
Filing date: 2000-05-17
Publication date: 2003-11-11
Also published as: EP1282778B1; EP1760316B1; EP1760316A3; DE60030780T2; US6464482B1; US6416303B1; US6447277B1; US6413066B1; WO2001088378A1; EP1282778A1; EP1760316A2; US6382924B1; DE60030780D1

Abstract

(57)【要約】本発明は、自動車用の自動変速機における、変速機油を送り込むのに適したローラベーンポンプに関する。ポンプは、ポンプハウジング（２）と、ポンプハウジング（２）の内部に位置する回転可能なキャリア（３）と、キャリア（３）を径方向に囲むカムリング（５）と、キャリア周囲にスロット（６）を備えるローラ要素（７）とを備える。ポンプハウジング（２）、キャリア（３）、カムリング（５）、およびローラ要素（７）の間の空間は、いくつかのポンプチャンバ（８）を画定する。さらに、ポンプは、ポンプチャンバ（８）に流体を流すための供給孔（９）と、ポンプチャンバ（８）から流体を流すための吐出孔（１０）を備える。本発明によれば、キャビテーションの発生が防止され、かつ高いポンプ効率が得られる構造寸法が設定される。

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、自動車用の自動変速機、詳細には、連続可変変速機（ＣＶＴ）を動
作させるための機械駆動式ローラベーンポンプに関する。ローラベーンポンプは
、ポンプハウジングと、ポンプハウジング内部に位置し、駆動シャフト手段によ
って回転可能なほぼ円形断面のキャリアと、非円形の内表面を有し径方向でキャ
リアを囲むリング形のカムリングと、キャリア周囲のスロットの中にスライド可
能に備えられたほぼ円筒形のローラ要素とを備える。ローラベーンポンプはさら
に、少なくとも１つの供給孔と少なくとも１つの吐出孔を備え、前記２種類の孔
は、ポンプハウジング内に配置され、ほぼ細長い形をし、その長軸はほぼ接線方
向に延びている。前記２種類の孔は、細いリッジによって内側孔と外側孔に分か
れている。前記リッジは、軸方向でローラ要素を支持する。

【０００１】キャリアの回転時には、ローラ要素は、圧力および／または遠心力の影響を受
けて、その間の接線に沿ってカムリングの内側表面と相互作用する。ポンプハウ
ジング、キャリア、カムリング、およびローラ要素の間の空間は、ポンプチャン
バを画定し、ポンプチャンバは、流体をポンプチャンバにまたはポンプチャンバ
から流すための供給孔および吐出孔を通じて、ポンプハウジング内の油圧チャネ
ルと連通することができる。ポンプチャンバは、カムチャンバとキャリアチャン
バに分かれ、前記カムチャンバはローラ要素の接線中心面から径方向外側に広が
り、前記キャリアチャンバはローラ要素の接線中心面から径方向内側に広がる。
ローラ要素の接線中心面とは、円筒形ローラ要素の中心線を通って軸方向および
接線方向に延びる平面、言い換えれば、キャリアの周囲にほぼ平行に延びる平面
である。各ローラ要素は、前方カムチャンバおよび後方カムチャンバに連結し、
前方カムチャンバはローラ要素の径方向中心面から回転方向に広がり、後方カム
チャンバはローラ要素の前記径方向中心面から反回転方向に広がる。ローラ要素
の径方向中心面とは、円筒形のローラ要素の中心線およびローラ要素とカムリン
グの間の接線を通って軸方向に延びる平面である。したがって、２つのローラ要
素の間を延びるカムチャンバは、反回転方向のローラ要素のための前方カムチャ
ンバとして、また同時に回転方向のローラ要素のための後方カムチャンバとして
働く。各ローラ要素は、１つの側部がキャリアチャンバに連結し、他の側部が前
方カムチャンバおよび後方カムチャンバに連結しているので、各キャリアチャン
バは、前方カムチャンバおよび後方カムチャンバに対応する。

【０００２】カムリングの内表面の曲率半径は、カムリングの外周に沿って変化する。その
結果、キャリア回転時に、各ポンプチャンバの体積がポンプチャンバの接線位置
に応じて変化する。ポンプチャンバの体積が増加すると、チャンバ内の圧力、す
なわち供給圧が低下し、流体がリザーバから油圧供給チャネルおよび供給孔を通
ってポンプチャンバ内に引き込まれる。したがって、カムリングに対する供給孔
の接線位置は、ポンプチャンバの体積が増加したときにポンプチャンバが供給孔
と接触するようになっている。ポンプチャンバの体積が減少すると、流体が前記
ポンプチャンバから吐出孔および油圧吐出チャネルを通って加圧流体のユーザに
吐出され、高い圧力、すなわち吐出圧が生じる。したがって、カムリングに対す
る吐出孔の接線位置は、ポンプチャンバの体積が減少したときにポンプチャンバ
が吐出孔と接触するようになっている。

【０００３】前述のローラベーンポンプは、欧州特許第０．９２１．３１４に記載されてお
り、油圧制御式かつ／または油圧動作式の自動車用自動変速機、特に連続可変変
速機に自動変速機油を送り込むのに適している。ベルトプーリ型ＣＶＴなどの連
続可変式変速機（ＣＶＴ）では、速度伝達比の制御に大流量の流体が必要とされ
ることがある。エンジンシャフトに駆動的に連結されたシャフトによってポンプ
が駆動されるので、ポンプは、エンジンの最低回転速度でも、望ましいポンプ収
率、すなわち所望の圧力で所望の流量を提供できるように設計される。一方、ポ
ンプは、自動車のエンジンの最高回転速度において与えられるきわめて高いポン
プ収率にも確実に対処することもできる。

【０００４】既知のローラベーンポンプは本質的には申し分なく機能するが、ポンプ内部で
キャビテーションを起こし、それがポンプ部品の磨耗およびポンプから発生する
騒音の両方を引き起こしやすいという問題点がある。

【０００５】自動車エンジンの高速の回転速度では、高いポンプ収率が得られ、すなわち大
流量が吐出される。そのような大流量の吐出を可能にするには、同時にポンプに
大流量を供給しなければならない。供給孔を通るポンプチャンバへの流体の流れ
は、ポンプチャンバ内に生じる負圧レベルおよびそれぞれの孔の表面積に依存す
るが、ポンプ内の孔の表面積が一定なので、そのような大供給量を引き込むのに
必要な負圧がさらに大きくなり、その結果キャビテーションを起こしやすくなる
。

【０００６】本発明の目的は、ポンプから発生する騒音およびポンプ部品の磨耗を低減させ
ることである。この目的は、本発明の基礎を成す着想によれば、ポンプチャンバ
に、かつポンプチャンバから、そこを通して流体を流す、孔の表面積を大きくす
ることで達成される。具体的には、この目的は、リッジの少なくとも１つの内表
面および外表面が、前記リッジの接線寸法のかなりの部分にわたってカムリング
表面にほぼ平行に延びるように、リッジ形状を修正することで達成される。同じ
ポンプ収率では、供給チャネルと連通しているときは、孔の表面積が大きいほど
負圧が極端でなくなり、すなわちポンプチャンバ内の供給圧力が高くなり、その
結果ポンプから発生する騒音およびポンプ部品の磨耗が低減される。既知のポン
プでは、リッジ表面が円弧の形をしてキャリアの円形周囲にほぼ平行に延びるの
で、既知のローラベーンポンプ内の孔の表面積は本発明によるポンプ内の前記表
面積より小さい。リッジのこの既知の形状により、内側孔と外側孔の間の流体の
流れ分布は、均衡が取れておらず、キャリアのほとんどの接線位置について最適
ではない。

【０００７】本発明によるポンプの好ましい実施形態では、リッジの中心線とカムリング表
面の間の径方向距離がローラ要素の半径にほぼ等しくなるようにリッジが配置さ
れているので、孔の表面積が最大になる。この構成では、ローラ要素を中心で、
かつリッジの径方向幅が所与の場合のローラ要素の可能な最大表面積にわたって
支持することにより、ローラ要素の最適な軸方向支持も与えられる。

【０００８】既知のローラベーンポンプの他の欠点は、公知のようにローラ要素がカムリン
グ表面と断続的に接触しなくなることであり、ローラ要素に連結するポンプチャ
ンバ内の流体圧力が供給圧力から吐出圧力に、またその逆に変化するときに特に
望ましくない。このように接触しなくなるのは望ましいことでなく、ポンプ部品
の磨耗、ポンプからの騒音の発生、およびポンプ効率の低下を引き起こす。

【０００９】キャリアチャンバとその対応するカムチャンバの圧力差によって生じた力が径
方向内側を向き、かつそれが径方向外側を向く遠心力よりも大きい値であるとき
、ローラ要素はカムリング表面と接触しなくなる。ローラ要素は、径方向内側を
向く合力の影響を受けて径方向内側に動き、カムリング表面と接触しなくなる。
このような望ましくない動きは、キャリアチャンバ内の流体圧力が、対応するカ
ムチャンバの平均流体圧力よりも低いときに起こる。

【００１０】本発明の目的は、ポンプから発生する騒音およびポンプ部品の磨耗を低減させ
、より高いポンプ効率を得ることである。この目的は、本発明の基礎を成す着想
によれば、キャリアチャンバ内の流体の圧力が確実に、対応するカムチャンバの
平均流体圧力よりも常に高いか、または少なくとも等しくなるように、構成の寸
法設定を行うことによって達成される。具体的には、この目的は、孔の配置を修
正して、供給孔を、前方カムチャンバが外側供給孔に連通してから、対応するキ
ャリアチャンバが内側供給孔に連通するような形にし、吐出孔を、キャリアチャ
ンバが内側吐出孔に連通してから、対応する前方カムチャンバが外側吐出孔に連
通するような形にすることで達成される。加えて、供給孔は、キャリアチャンバ
と内側供給孔の連通が切れてから、前方カムチャンバと外側供給孔の連通が切れ
るような形にすることができる。さらに、吐出孔は、前方カムチャンバと外側吐
出孔の連通が切れてから、キャリアチャンバと内側吐出孔の連通が切れるような
形にすることができる。既知のローラベーンポンプ内の孔は、これらの孔の形と
は反対に、キャリアチャンバが内側供給孔と連通してから、対応する前方カムチ
ャンバが外側供給孔と連通し、前方カムチャンバが外側吐出孔と連通してから、
対応するキャリアチャンバが内側吐出孔と連通するような形である。また、供給
孔は、キャリアチャンバと内側供給孔の連通と、対応する後方カムチャンバと外
側供給孔の連通が、ほぼ同時に切れるような形である。本発明によるローラベー
ンポンプでは、キャリアチャンバ内の圧力は、対応するカムチャンバの平均圧力
より低くはならず、そのためこれらの圧力の結果生じるローラ要素上の合力は、
径方向内側を向かない。したがって、ローラ要素はカムリング表面との相互作用
を維持し、それが、ポンプから発生する騒音およびポンプ部品の磨耗を低減させ
、ポンプ効率を増加させる。

【００１１】既知のローラベーンポンプの他の欠点は、チャンバがかなり突然に孔と連通す
ることであり、これは孔の径方向寸法がほとんど即時に最大になるからである。
その結果、ポンプチャンバ内の流体圧力が急激に変化し、それが、ポンプ部品の
磨耗、ならびにポンプから発生する高レベルの騒音を引き起こす。

【００１２】本発明の目的は、ポンプから発生する騒音およびポンプ部品の磨耗を低減させ
ることである。この目的は、端部が反回転方向に延びる孔を設けて、その間にあ
り、孔の最も広い部分の幅よりもかなり小さい一定の径方向幅を有する開口部を
通じて、前記端部の位置でポンプチャンバを孔と連通させることによって達成さ
れる。したがって、本質的にポンプチャンバへのまたはポンプチャンバからの流
体の流れが開始される前に、ポンプチャンバ内の圧力を、明確かつ緩やかに、例
えば実質的に圧力変動または振動を引き起こす動的な作用なしに、それぞれの孔
に連結する油圧チャネル内で優勢なレベルにすることができる。

【００１３】その端部が反回転方向に延び、その少なくとも一部分の径方向寸法が主要部よ
りかなり小さく、径方向寸法が反回転方向で減少する孔は、ロータリーポンプ設
計の技術分野ではよく知られており、例えばＦＲ−Ａ−２．０９５．９９４また
はＥＰ−Ａ−０．２００．２９４に記載されていることに留意されたい。本発明
によれば、そのような既知の端部ジオメトリは、キャリアの広範囲の回転速度で
運転可能な現在のタイプのポンプには最適でないことがわかった。前記回転速度
に従ってポンプ内に生じる圧力変化を分析することにより、既知の端部ジオメト
リでは、ある回転速度で前記圧力変化が最も緩やかになる可能性があるが、他の
回転速度では依然として比較的急激であることが明らかとなった。本発明による
端部ジオメトリを採用すると、キャリアのほとんどの回転速度において十分に緩
やかな前記圧力変化が達成されるので有利である。

【００１４】本発明によるポンプの好ましい実施形態では、前記端部はカムリングと外側供
給孔の協働作用によって形成されるスリットであり、外側供給孔の端部は、軸方
向でカムリングに重なるような形をしている。この構成は容易に製造でき、した
がって比較的安価である。あるいは、カムリングおよび外側供給孔の構成を採用
して、径方向幅が反回転方向で減少するスリット形の端部を安価に形成すること
もできることに留意されたい。

【００１５】本発明によるポンプの他の好ましい実施形態では、前記端部はキャリアに隣接
するポンプハウジング内の陥凹部によって形成された溝である。キャリアチャン
バは、溝の位置で吐出孔と連通してから、吐出孔の径方向寸法がかなり大きい部
分と連通する。この構成によって、径方向寸法がかなり大きい吐出孔にキャリア
チャンバが直接連通する既知の構成よりも、キャリアチャンバ内の急激な圧力増
加が穏やかになる。キャリアの回転方向で径方向幅が増加する端部を組み込んだ
既知の構成に関して、ポンプチャンバ内の圧力変化が穏やかになるキャリアの回
転速度範囲のかなりの部分について、ポンプ性能が改善される。

【００１６】ポンプが高圧および広く変動するキャリアの回転速度に対応可能でなければな
らないローラベーンポンプのＣＶＴのような適用例には、矩形断面を有する溝が
特に適していることがわかった。そのような溝の軸方向深さが、キャリアの回転
方向で増加することが好ましい。

【００１７】本発明の方策によって達成される緩やかな圧力変化により、ポンプから発生す
る騒音、ならびにポンプ部品の磨耗が低減される。

【００１８】本発明によるポンプの好ましい実施形態では、ポンプは、ローラ要素とキャリ
アの間に接線方向の隙間を有する。その隙間がチャネルを形成し、対応するカム
およびキャリアチャンバがそこを通って連通する。これらの小さなチャネルによ
り、キャリアチャンバとカムチャンバの圧力差がなくなる。本発明による端部を
有する孔と組み合わせて採用する場合、内側または外側の孔の１つだけがそのよ
うな端部を備えていればよい。ポンプチャンバの前記ただ１つの内側または外側
の孔に連結していない部分中の圧力は、前記隙間を通る連通によって緩やかに変
化する。したがって、初めは孔と連通していないチャンバ内の流体圧力が、それ
でも、孔と連通するチャンバに従ってある程度変化し、その結果、孔と連通する
ときに、最初に述べたチャンバ内の流体圧力の増加または減少を小さくすること
ができるので有利である。本発明の好ましい実施形態では、運転時にカムチャン
バ内の流体圧力が変化する速度がキャリアチャンバ内のその速度にほぼ一致する
ように、隙間の接線方向幅を寸法設定している。本発明によれば、前記圧力差を
ほぼゼロにするのに必要な接線方向の最小幅に一致するように、隙間の接線方向
幅を寸法設定することもできる。前述の要件を満たすために隙間の幅を最小限に
抑えると、ローラ要素の接線運動量および接線速度が制限され、その結果ポンプ
の騒音および磨耗が制限されるので、きわめて有利であることに留意されたい。
接線方向幅が０．０４ｍｍ〜０．１８ｍｍの範囲の値をとることが特に適してい
ることがわかった。ローラベーンポンプの現在の好ましい設計では、その範囲は
、ローラ要素の直径の約０．５〜２．５パーセントに相当する。

【００１９】次に、図に示す非限定的な実施形態の例に即して、本発明をさらに詳細に説明
する。図では、同様の部品は同じ参照記号で示す。

【００２０】図１および２は、ポンプハウジング２を備える既知のローラベーンポンプ１を
示し、ポンプハウジング２は、ポンプシャフト４の手段によって回転可能なほぼ
円筒形のキャリア３を収容する。回転方向は矢印Ｒで示す。さらに、既知のポン
プ１は、非円形の内表面を有しキャリア３を径方向に囲むリング形のカムリング
５を備え、カムリング５は内側カム表面５ａを有する。キャリア３は、その径方
向周囲上に、径方向外表面３ａから径方向内側に延びるスロット６を備える。各
スロット６は円筒形のローラ要素７を収容し、ローラ要素７はスロット６の中で
径方向に運動可能である。

【００２１】ポンプ１の運転時には、ポンプハウジング２、キャリア３、カムリング５、お
よびローラ要素７の間の空間の体積は増加と減少を交互に繰り返し、したがって
前記空間がポンプチャンバ８として機能する。ポンプチャンバ８は、キャリアチ
ャンバ８ａおよびカムチャンバ８ｂを備え、キャリアチャンバ８ａはローラ要素
７の接線中心面から径方向内側に広がり、カムチャンバ８ｂは前記接線中心面か
ら径方向外側に広がる。ローラ要素７の接線中心面とは、前記ローラ要素７の中
心線を通ってキャリア３の周囲に本質的に平行に延びる面である。各ローラ要素
７は、前方カムチャンバ８ｂと後方カムチャンバ８ｂに連結し、前方カムチャン
バ８ｂはローラ要素７の径方向中心面から回転方向に広がり、後方カムチャンバ
８ｂは前記径方向中心面から反回転方向に広がる。ローラ要素７の径方向中心平
面とは、前記ローラ要素７の中心線、およびローラ要素７とカムリング５の接線
を通って、軸方向に延びる平面である。各回転要素７が、キャリアチャンバ８ａ
、ならびに前方カムチャンバ８ｂおよび後方カムチャンバ８ｂに連結するので、
各キャリアチャンバ８ａは、前方カムチャンバ８ｂおよび後方カムチャンバ８ｂ
に対応する。

【００２２】カム表面５ａは、その円周に沿って、半径がキャリア３の回転方向Ｒで増加す
る供給部と、半径が回転方向Ｒで減少する吐出部と、前記供給部および前記吐出
部のそれぞれに隣接し半径がほぼ一定の中間部とを備え、それによって前記供給
部を通過するポンプチャンバ８の体積が増加し、前記吐出部を通過するポンプチ
ャンバ８の体積が減少し、前記中間部を通過するポンプチャンバ８の体積がほぼ
一定になる。中間部は、ポンプチャンバ８に流体を供給するための供給チャネル
１１と、ポンプチャンバ８から流体を吐出するための吐出チャネル（図示せず）
との直接の連通を妨げ、かつポンプチャンバ８の中に存在する流体の負圧（ｕｎ
ｄｅｒｐｒｅｓｓｕｒｅ）と正圧（ｏｖｅｒｐｒｅｓｓｕｒｅ）の間の遷移を滑
らかにするために備えられている。

【００２３】ポンプハウジング２は、その中のポンプチャンバ８と油圧チャネルの間で流体
をほぼ軸方向に流すために、供給孔９および吐出孔１０を備える。供給孔９およ
び吐出孔１０は細長い形をし、その長軸はほぼ接線方向に延びている。さらに、
２種類の孔９、１０は、ポンプチャンバ８に軸方向で部分的に重なっている。２
種類の孔９、１０の接線位置は、カム表面５ａの形に関係し、具体的にはキャリ
ア３とカムリング５の間のクリアランスに関係する。それは、キャリア３の径方
向周囲が円形で、かつカム表面５ａの半径が変化するので、前記クリアランスが
可変であるからである。ポンプ１を正しく機能させるために、供給孔９は前記ク
リアランスが増加する領域に位置し、吐出孔１０は前記クリアランスが減少する
領域に位置する。各供給孔９は、細いリッジ１２によって内側供給孔９ａと外側
供給孔９ｂに分かれる。内側供給孔９ａの径方向位置はキャリアチャンバ８ａの
径方向位置と一致し、外側供給孔９ｂの径方向位置はカムチャンバ８ｂの径方向
位置と一致する。同様に、各吐出孔１０も細いリッジ１２によって内側吐出孔１
０ａと外側吐出孔１０ｂに分かれ、内側吐出孔１０ａの径方向位置はキャリアチ
ャンバ８ａの径方向位置と一致し、外側吐出孔１０ｂの径方向位置はカムチャン
バ８ｂの径方向位置と一致する。細いリッジ１２は、ローラ要素７の軸方向支持
の働きをする。

【００２４】既知のローラベーンポンプ１の運転時には、キャリア３はポンプシャフト４に
よって回転し、ローラ要素７は遠心力の影響を受けてカム表面５ａと相互作用し
、各ポンプチャンバ８の体積は増加と減少を交互に繰り返す。ポンプチャンバ８
の体積が増加すると、負圧が生じ、流体を流体リザーバ（図示せず）から供給チ
ャネル１１と供給孔９を通してポンプチャンバ８に流し、一方ポンプチャンバ８
の体積が減少すると、正圧が生じ、流体を吐出孔１０および吐出チャネル（図示
せず）を通して加圧流体のユーザ（図示せず）に流す。

【００２５】図１および２に描かれた既知のローラベーンポンプ１は、２つの供給孔９およ
び２つの吐出孔１０を備え、それらをポンプハウジング２に交互に設けることに
より、１つのポンプハウジング２の中に２つのポンプが効果的に得られる。

【００２６】図３は、本発明によるローラベーンポンプ２０の好ましい実施形態を示す。

【００２７】図３に描かれたローラベーンポンプ２０は、カムリング５を備え、そのカム表
面５ａに２つの供給部と２つの吐出部を備えることによって、２つのポンプとし
て効果的に機能する。ただし、両方の数が少なくとも１であれば、供給部および
吐出部の数は必ずしも２である必要はない。キャリアチャンバ８ａとカムチャン
バ８ｂの流体の圧力差を素早く最小限に抑えるため、ローラ要素７には、スロッ
ト６の中にローラ要素７とキャリア３の間の規定された接線許容値を与えてある
ので有利である。

【００２８】ローラベーンポンプ２０では、外側供給孔９ｂは、反回転方向で内側供給孔９
ａを越えて延びており、内側吐出孔１０ａは、反回転方向で外側供給孔１０ｂを
越えて延びている。したがって、ポンプ２０の運転時には、前方カムチャンバ８
ｂが外側供給孔９ｂと連通してから、対応するキャリアチャンバ８ａが内側供給
孔９ａと連通し、キャリアチャンバ８ａが内側吐出孔１０ａと連通してから、対
応する前方カムチャンバ８ｂが外側吐出孔１０ｂと連通する。

【００２９】図３はさらに、回転方向で内側供給孔９ａを越えて延びる外側供給孔９ｂの任
意選択の形態を示し、これにより、ポンプ運転時には、キャリアチャンバ８ａと
内側供給孔９ａの連通が切れてから、前方カムチャンバ８ｂと外側供給孔９ｂの
連通が切れる。この供給孔９の任意の形によって、キャリアチャンバ８ａ内の流
体圧力は、結果として生じる対応するカムチャンバ８ｂの流体圧力よりも低くな
らなくなる。

【００３０】図４は、図３に参照記号Ａで示した、ローラベーンポンプ２０の詳細を示す。
この例では、内側供給孔９ａと外側供給孔９ｂの間のリッジ１２が示されている
。それでも、以下の説明は、内側吐出孔１０ａと外側吐出孔１０ｂの状況でも有
効である。リッジ１２は、内側表面１２ａと外側表面１２ｂによって径方向で制
限されている。前記表面１２ａ、１２ｂは、内側カム表面５ａにほぼ平行に延び
ている。本発明によれば、表面１２ａ、１２ｂが共にそのような形である必要は
ないが、少なくとも表面１２ａ、１２ｂの１つのかなりの部分が、カムリング表
面５ａの形にほぼ等しい形でなければならない。図４はさらに、内側カム表面５
ａにほぼ平行に延びる、外側供給孔９ｂの径方向最外境界面の任意選択の形態を
示す。ローラ要素７がカム表面５ａと相互作用するときに、ローラ要素７を軸方
向の中心で支持するようにリッジ１２が位置するので有利である。この配置によ
り、ポンプチャンバ８にそこを通して流体を流す供給孔９の最大表面積が得られ
る。ただし、外側供給孔９ｂが径方向の流れを可能にするポートを備える場合に
は、前述のようにリッジ１２を中心位置に対して径方向外側の位置にすることが
できるので有利である。そのようなリッジ１２の配置により、キャリアチャンバ
８ａへの流体の流れと、カムチャンバ８ｂ内の流体の流れをほぼ等しくでき、そ
の結果、ローラ要素７のカム表面５ａとの相互作用を失わせる、恐らくは好まし
くない合力が生じるのを避けることができる。

【００３１】内側供給孔９ａの径方向最内境界面を、円弧のような形にすることが好ましい
。それにより、前記径方向最内境界面の径方向位置を、キャリア３の周囲上のス
ロット６の径方向最内部分の径方向位置とほぼ等しくすることができる。

【００３２】図５は、図３に参照記号Ｂで示した、ローラベーンポンプ２０の詳細を示す。
この詳細図では、内側吐出孔１０ａの端部１０ｃから反回転方向に延びる溝１３
が示されている。溝１３は、キャリアチャンバ８ａと連通できる径方向位置にあ
る。溝１３が矩形断面を有し、その幅が径方向で一定で、軸方向深さが内側吐出
孔１０ａの方向で次第に増加することが好ましい。

【００３３】図６は、図３に参照記号Ｃで示した、ローラベーンポンプ２０の詳細を示す。
この詳細図は、外側供給孔９ｂの端部９ｃを開示している。端部９ｃは、軸方向
でカムリング５の一部分だけに重なっており、反回転方向に延びて、その間にス
リット１４を形成する。したがって、ポンプ２０の運転時には、カムチャンバ８
ｂは、スリット１４を通じて外側供給孔９ｂと連通する。本発明による構成は、
それぞれの孔９ｂの端部９ｃを実現するための有利には簡単で費用効果の高い構
成を表す。スリット１４の径方向幅は、一定に設定することもでき、回転方向で
次第に増加してもよいが、一定の幅にすると前述の利点が得られる。

【００３４】図７は、図３に参照記号Ｄで示した、ローラベーンポンプ２０の詳細を示す。
この詳細図は、ローラ要素７とキャリア３の間の隙間１５を接線方向で開示して
いる。隙間１５はチャネルを形成し、対応するカムチャンバ８ｂとキャリアチャ
ンバ８ａがそれを通って連通する。本発明による溝１３またはスリット１４と組
み合わせて採用する場合、図３に示すように、溝１３またはスリット１４には、
内側孔９ａ、１０ａ、または外側孔９ｂ、１０ｂのうち１つだけを備える必要が
ある。再度図７を参照すると、ギャップ１５により、初めは孔１０と連通してい
ないポンプチャンバ８の８ｂ部分内の流体圧力が、それでも、孔１０と連通する
ポンプチャンバ８の８ａ部分に従ってある程度まで変化し、その結果、孔１０と
連通するときに、最初に述べたチャンバ８ｂの流体圧力の増加または減少を小さ
くするので有利である。本発明によれば、隙間１５の接線幅を、前記圧力差を本
質的にゼロにするのに必要な最小接線幅と一致するように定めることが好ましい
。この場合、ローラ要素７の接線方向の運動の自由度が最小限になるので有利で
ある。

【００３５】本発明の範囲が前述の例に限定されるものでなく、添付の特許請求の範囲で定
義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改正および修正が可能であ
ることが当業者には明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】既知のローラベーンポンプの内部ポンプ部品の軸方向断面図である。

【図２】図１によるポンプのＩＩ−ＩＩの径方向断面図である。

【図３】本発明によるローラベーンポンプの好ましい実施形態の内部ポンプ部品の軸方
向断面図である。

【図４】図３によるポンプのＡの詳細図である。

【図５】図３によるポンプのＢの詳細図である。

【図６】図３によるポンプのＣの詳細図である。

【図７】図３によるポンプのＤの詳細図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ファンデルスライス，フランシスマリアアントニウスオランダエンエル−5271 ハーペーシント−ミシールスゲステルファンメローデストラート 19 (72)発明者ファンスパイク，ヨハネスゲラルダスルドビカスマリアオランダエンエル−5151 フェーテードラネンジュリアナストラート 31 Ｆターム(参考） 3H040 AA03 BB05 BB15 CC09 CC14 DD08 DD11 DD18 3J552 MA06 PA61 PA70 QA30B

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車用の自動変速機、特に連続可変変速機における、変速
機油を送り込むのに適したローラベーンポンプにおいて、ポンプハウジング（２）と、ほぼ円形の断面を有し、ポンプハウジング（２）の内部に位置し、その径方向
周囲からほぼ内側の方向に延びるスロット（６）を周囲に備える、駆動可能に回
転可能なキャリア（３）と、非円形の内表面（５ａ）を有し、キャリア（３）を径方向に囲むカムリング（
５）と、キャリア（３）のスロット（６）の中にスライド可能に備えられたほぼ円筒形
のローラ要素（７）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの供給孔
（９）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの吐出孔
（１０）とを備え、ポンプハウジング（２）、キャリア（３）、カムリング（５）、およびローラ
要素（７）の間の空間がポンプチャンバ（８）を画定し、前記ポンプチャンバ（
８）がカムチャンバ（８ｂ）とキャリアチャンバ（８ａ）に分かれ、カムチャン
バ（８ｂ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向外側に広がり、キャリア
チャンバ（８ａ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向内側に広がり、各
キャリアチャンバ（８ａ）は、回転方向で前方カムチャンバ（８ｂ）に、反回転
方向で後方カムチャンバ（８ｂ）に連結しており、前記供給孔（９）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が供給孔（９）
を通じてポンプハウジング（２）内の供給チャネル（１１）に連結するようにポ
ンプハウジング（２）内に配置され、前記供給孔（９）が内表面（１２ａ）およ
び外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側供給孔（９ａ）および
外側供給孔（９ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向および
ほぼ接線方向に延びており、前記吐出孔（１０）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が排出孔（１
０）を通じてポンプハウジング（２）内の吐出チャネルに連結するようにポンプ
ハウジング（２）内に配置され、前記排出孔（１０）が内表面（１２ａ）および
外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側吐出孔（１０ａ）および
外側吐出孔（１０ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向およ
びほぼ接線方向に延びているローラベーンポンプであって、前記少なくとも１つのリッジ（１２）の少なくとも１つの内表面（１２ａ）と
外表面（１２ｂ）が、前記リッジ（１２）の接線寸法のかなりの部分にわたり、
カムリング表面（５ａ）にほぼ平行に延びることを特徴とするローラベーンポン
プ。
【請求項２】前記少なくとも１つのリッジ（１２）が、リッジ（１２）の
中心線とカムリング表面（５ａ）の間の径方向距離がローラ要素（７）の半径に
少なくともほぼ一致し、好ましくは等しくなるように位置することを特徴とする
、請求項１に記載のローラベーンポンプ。
【請求項３】前記少なくとも１つのリッジ（１２）が、リッジ（１２）の
中心線とカムリング表面（５ａ）の間の径方向距離がローラ要素（７）の半径よ
り小さくなるように位置することを特徴とする、請求項１に記載のローラベーン
ポンプ。
【請求項４】前記少なくとも１つの外側孔（９ｂ、１０ｂ）が、径方向の
流れを可能にする径方向ポートを備え、少なくとも１つのリッジ（１２）が、リ
ッジ（１２）の中心線とカムリング表面（５ａ）の間の径方向距離がローラ要素
（７）の半径より小さくなるように位置することを特徴とする、請求項１または
３に記載のローラベーンポンプ。
【請求項５】前記少なくとも１つの外側孔（９ｂ、１０ｂ）の径方向最外
境界面が、前記境界面の接線寸法のかなりの部分にわたってカムリング表面（５
ａ）にほぼ平行に延びることを特徴とする、請求項１から４のいずれかに記載の
ローラベーンポンプ。
【請求項６】前記少なくとも１つの内側孔（９ａ、１０ａ）の径方向最内
境界面が円弧状の形であることを特徴とする、請求項１から５のいずれかに記載
のローラベーンポンプ。
【請求項７】前記内側孔（９ａ、１０ａ）の径方向最内境界面の径方向位
置がスロット（６）の径方向最内部分に一致することを特徴とする、請求項６に
記載のローラベーンポンプ。
【請求項８】前記供給孔（９）が、前方カムチャンバ（８ｂ）が外側供給
孔（９ｂ）と連通してから、対応するキャリアチャンバ（８ａ）が内側供給孔（
９ａ）と連通するような形で、前記吐出孔（１０）が、キャリアチャンバ（８ａ
）が内側吐出孔（１０ａ）と連通してから、対応する後方カムチャンバ（８ｂ）
が外側吐出孔（１０ｂ）と連通するような形であることを特徴とする、請求項１
〜７のいずれかに記載の適切なローラベーンポンプ。
【請求項９】自動車用の自動変速機、特に連続可変変速機における、変速
機油を送り込むのに適したローラベーンポンプ、特に前記請求項のいずれかに記
載のローラベーンポンプにおいて、ポンプハウジング（２）と、ほぼ円形の断面を有し、ポンプハウジング（２）の内部に位置し、その径方向
周囲からほぼ内側の方向に延びるスロット（６）を周囲に備える、駆動可能に回
転可能なキャリア（３）と、非円形の内表面（５ａ）を有し、キャリア（３）を径方向に囲むカムリング（
５）と、キャリア（３）のスロット（６）の中にスライド可能に備えられたほぼ円筒形
のローラ要素（７）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの供給孔
（９）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの吐出孔
（１０）とを備え、ポンプハウジング（２）、キャリア（３）、カムリング（５）、およびローラ
要素（７）の間の空間がポンプチャンバ（８）を画定し、前記ポンプチャンバ（
８）がカムチャンバ（８ｂ）とキャリアチャンバ（８ａ）に分かれ、カムチャン
バ（８ｂ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向外側に広がり、キャリア
チャンバ（８ａ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向内側に広がり、各
キャリアチャンバ（８ａ）は、回転方向で前方カムチャンバ（８ｂ）に、反回転
方向で後方カムチャンバ（８ｂ）に連結しており、前記供給孔（９）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が供給孔（９）
を通じてポンプハウジング（２）内の供給チャネル（１１）に連結するようにポ
ンプハウジング（２）内に配置され、前記供給孔（９）が内表面（１２ａ）およ
び外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側供給孔（９ａ）および
外側供給孔（９ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向および
ほぼ接線方向に延びており、前記吐出孔（１０）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が排出孔（１
０）を通じてポンプハウジング（２）内の吐出チャネルに連結するようにポンプ
ハウジング（２）内に配置され、前記排出孔（１０）が内表面（１２ａ）および
外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側吐出孔（１０ａ）および
外側吐出孔（１０ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向およ
びほぼ接線方向に延びているローラベーンポンプであって、前記供給孔（９）が、前方カムチャンバ（８ｂ）が外側供給孔（９ｂ）と連通
してから、対応するキャリアチャンバ（８ａ）が内側供給孔（９ａ）と連通する
ような形で、前記吐出孔（１０）が、キャリアチャンバ（８ａ）が内側吐出孔（
１０ａ）と連通してから、対応する後方カムチャンバ（８ｂ）が外側吐出孔（１
０ｂ）と連通するような形であることを特徴とするローラベーンポンプ。
【請求項１０】前記外側供給孔（９ｂ）が反回転方向で内側供給孔（９ａ
）を越えて延び、前記内側吐出孔（１０ａ）が反回転方向で外側吐出孔（１０ｂ
）を越えて延びることを特徴とする、請求項８または９に記載のローラベーンポ
ンプ。
【請求項１１】前記供給孔（９）が、キャリアチャンバ（８ａ）と内側供
給孔（９ａ）の連通が切れてから、前方カムチャンバ（８ｂ）と外側供給孔（９
ｂ）の連通が切れるような形であることを特徴とする、請求項８、９、または１
０に記載のローラベーンポンプ。
【請求項１２】前記供給孔（９）が、外側供給孔（９ｂ）が回転方向で内
側供給孔（９ａ）を越えて延びるような形であることを特徴とする、請求項１１
に記載のローラベーンポンプ。
【請求項１３】吐出孔（１０）が、キャリアチャンバ（８ａ）と外側吐出
孔（１０ｂ）の連通が切れてから、前方カムチャンバ（８ｂ）と内側吐出孔（１
０ａ）の連通が切れるような形であることを特徴とする、請求項８から１２のい
ずれかに記載のローラベーンポンプ。
【請求項１４】吐出孔（１０）が、内側吐出孔（１０ａ）が回転方向で外
側吐出孔（１０ｂ）を越えて延びるような形であることを特徴とする、請求項１
３に記載のローラベーンポンプ。
【請求項１５】前記内側孔（９ａ、１０ａ）または前記外側孔（９ｂ、１
０ｂ）が反回転方向に延びる端部（９ｃ、１０ｃ）を備えて、前記端部（９ｃ、
１０ｃ）の位置で前記ポンプチャンバ（８）がポンプハウジング（２）内の開口
部を通じて前記２種類の孔（９ａ、１０ａ、９ｂ、１０ｂ）と連通し、前記開口
部の径方向幅が２種類の孔（９ａ、１０ａ、９ｂ、１０ｂ）の最も広い部分の幅
よりかなり小さく一定であることを特徴とする、請求項１〜１４のいずれかに記
載のローラベーンポンプ。
【請求項１６】自動車用の自動変速機、特に連続可変変速機における、変
速機油を送り込むのに適したローラベーンポンプ、特に請求項１〜１５のいずれ
かに記載のローラベーンポンプにおいて、ポンプハウジング（２）と、ほぼ円形の断面を有し、ポンプハウジング（２）の内部に位置し、その径方向
周囲からほぼ内側の方向に延びるスロット（６）を周囲に備える、駆動可能に回
転可能なキャリア（３）と、非円形の内表面（５ａ）を有し、キャリア（３）を径方向に囲むカムリング（
５）と、キャリア（３）のスロット（６）の中にスライド可能に備えられたほぼ円筒形
のローラ要素（７）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの供給孔
（９）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの吐出孔
（１０）とを備え、ポンプハウジング（２）、キャリア（３）、カムリング（５）、およびローラ
要素（７）の間の空間がポンプチャンバ（８）を画定し、前記ポンプチャンバ（
８）がカムチャンバ（８ｂ）とキャリアチャンバ（８ａ）に分かれ、カムチャン
バ（８ｂ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向外側に広がり、キャリア
チャンバ（８ａ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向内側に広がり、各
キャリアチャンバ（８ａ）は、回転方向で前方カムチャンバ（８ｂ）に、反回転
方向で後方カムチャンバ（８ｂ）に連結しており、前記供給孔（９）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が供給孔（９）
を通じてポンプハウジング（２）内の供給チャネル（１１）に連結するようにポ
ンプハウジング（２）内に配置され、前記供給孔（９）が内表面（１２ａ）およ
び外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側供給孔（９ａ）および
外側供給孔（９ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向および
ほぼ接線方向に延びており、前記吐出孔（１０）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が排出孔（１
０）を通じてポンプハウジング（２）内の吐出チャネルに連結するようにポンプ
ハウジング（２）内に配置され、前記排出孔（１０）が内表面（１２ａ）および
外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側吐出孔（１０ａ）および
外側吐出孔（１０ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向およ
びほぼ接線方向に延びているローラベーンポンプであって、前記内側孔（９ａ、１０ａ）または前記外側孔（９ｂ、１０ｂ）が反回転方向
に延びる端部（９ｃ、１０ｃ）を備えて、前記端部（９ｃ、１０ｃ）の位置で前
記ポンプチャンバ（８）がそれらの間の開口部を通じて前記２種類の孔（９ａ、
１０ａ、９ｂ、１０ｂ）と連通し、前記開口部の径方向幅が、２種類の孔（９ａ
、１０ａ、９ｂ、１０ｂ）の最も広い部分の幅よりかなり小さく本質的に一定で
あることを特徴とするローラベーンポンプ。
【請求項１７】前記開口部がポンプハウジング（２）内に形成された溝（
１３）であり、前記溝（１３）の軸方向深さが回転方向で増加することを特徴と
する、請求項１５または１６に記載のローラベーンポンプ。
【請求項１８】前記開口部がカムリング（５）と各端部（９ｃ）の協働作
用によって形成されたスリット（１４）であり、各端部（９ｃ）が軸方向でカム
リング（５）の一部に重なるような形であることを特徴とする、請求項１５また
は１６に記載のローラベーンポンプ。
【請求項１９】自動車用の自動変速機、特に連続可変変速機における、変
速機油を送り込むのに適したローラベーンポンプ、特に前記請求項のいずれかに
記載のローラベーンポンプにおいて、ポンプハウジング（２）と、ほぼ円形の断面を有し、ポンプハウジング（２）の内部に位置し、その径方向
周囲からほぼ内側の方向に延びるスロット（６）を周囲に備える、駆動可能に回
転可能なキャリア（３）と、非円形の内表面（５ａ）を有し、キャリア（３）を径方向に囲むカムリング（
５）と、キャリア（３）のスロット（６）の中にスライド可能に備えられたほぼ円筒形
のローラ要素（７）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの供給孔
（９）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの吐出孔
（１０）とを備え、ポンプハウジング（２）、キャリア（３）、カムリング（５）、およびローラ
要素（７）の間の空間がポンプチャンバ（８）を画定し、前記ポンプチャンバ（
８）がカムチャンバ（８ｂ）とキャリアチャンバ（８ａ）に分かれ、カムチャン
バ（８ｂ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向外側に広がり、キャリア
チャンバ（８ａ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向内側に広がり、各
キャリアチャンバ（８ａ）は、回転方向で前方カムチャンバ（８ｂ）に、反回転
方向で後方カムチャンバ（８ｂ）に連結しており、前記供給孔（９）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が供給孔（９）
を通じてポンプハウジング（２）内の供給チャネル（１１）に連結するようにポ
ンプハウジング（２）内に配置され、前記供給孔（９）が内表面（１２ａ）およ
び外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側供給孔（９ａ）および
外側供給孔（９ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向および
ほぼ接線方向に延びており、前記吐出孔（１０）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が排出孔（１
０）を通じてポンプハウジング（２）内の吐出チャネルに連結するようにポンプ
ハウジング（２）内に配置され、前記排出孔（１０）が内表面（１２ａ）および
外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側吐出孔（１０ａ）および
外側吐出孔（１０ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向およ
びほぼ接線方向に延びているローラベーンポンプであって、外側孔（９ｂ）が反回転方向に延びる端部（９ｃ）を備えて、前記端部（９ｃ
）の位置で前記ポンプチャンバ（８）がカムリング（５）と各端部（９ｃ）の協
働作用によって形成されたスリット（１４）を通じて前記孔（９ｂ）と連通し、
前記端部（１０ｃ）が、軸方向でカムリング（５）の一部と重なるような形であ
り、その径方向幅が各孔（９ｂ）の最も広い部分の幅よりかなり小さいことを特
徴とするローラベーンポンプ。
【請求項２０】キャリアチャンバ（８ａ）とカムチャンバ（８ｂ）の流体
圧力をほぼ等しくするために、前記ポンプが、ローラ要素（７）とキャリア（３
）の間に流体を接線方向で連通させる隙間（１５）を備えることを特徴とする、
請求項１〜１９のいずれかに記載のローラベーンポンプ。
【請求項２１】自動車用の自動変速機、特に連続可変変速機における、変
速機油を送り込むのに適したローラベーンポンプ、特に前記請求項のいずれかに
記載のローラベーンポンプにおいて、ポンプハウジング（２）と、ほぼ円形の断面を有し、ポンプハウジング（２）の内部に位置し、その径方向
周囲からほぼ内側の方向に延びるスロット（６）を周囲に備える、駆動可能に回
転可能なキャリア（３）と、非円形の内表面（５ａ）を有し、キャリア（３）を径方向に囲むカムリング（
５）と、キャリア（３）のスロット（６）の中にスライド可能に備えられたほぼ円筒形
のローラ要素（７）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの供給孔
（９）と、ほぼ細長い形をし、その長軸がほぼ接線方向に延びる少なくとも１つの吐出孔
（１０）とを備え、ポンプハウジング（２）、キャリア（３）、カムリング（５）、およびローラ
要素（７）の間の空間がポンプチャンバ（８）を画定し、前記ポンプチャンバ（
８）がカムチャンバ（８ｂ）とキャリアチャンバ（８ａ）に分かれ、カムチャン
バ（８ｂ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向外側に広がり、キャリア
チャンバ（８ａ）はローラ要素（７）の接線中心面から径方向内側に広がり、各
キャリアチャンバ（８ａ）は、回転方向で前方カムチャンバ（８ｂ）に、反回転
方向で後方カムチャンバ（８ｂ）に連結しており、前記供給孔（９）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が供給孔（９）
を通じてポンプハウジング（２）内の供給チャネル（１１）に連結するようにポ
ンプハウジング（２）内に配置され、前記供給孔（９）が内表面（１２ａ）およ
び外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側供給孔（９ａ）および
外側供給孔（９ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向および
ほぼ接線方向に延びており、前記吐出孔（１０）が、少なくとも１つのポンプチャンバ（８）が排出孔（１
０）を通じてポンプハウジング（２）内の吐出チャネルに連結するようにポンプ
ハウジング（２）内に配置され、前記排出孔（１０）が内表面（１２ａ）および
外表面（１２ｂ）を有するリッジ（１２）によって内側吐出孔（１０ａ）および
外側吐出孔（１０ｂ）に分かれ、前記表面（１２ａ、１２ｂ）がほぼ軸方向およ
びほぼ接線方向に延びているローラベーンポンプであって、前記ポンプが、ローラ要素（７）とキャリア（３）の間に流体を接線方向で連
通させる隙間（１５）を備えることを特徴とするローラベーンポンプ。
【請求項２２】カムチャンバ（８ｂ）内で流体圧力が変化する速度が、キ
ャリアチャンバ（８ａ）内で流体圧力が変化する速度と一致するように、前記隙
間（１５）の接線方向幅を寸法設定することを特徴とする、請求項２０または２
１に記載のローラベーンポンプ。
【請求項２３】キャリアチャンバ（８ａ）とカムチャンバ（８ｂ）内の流
体圧力がほぼ一致するように、前記隙間（１５）の接線方向幅を寸法設定するこ
とを特徴とする、請求項２０、２１、または２２に記載のローラベーンポンプ。
【請求項２４】前記隙間（１５）の接線方向幅が、キャリアチャンバ（８
ａ）とカムチャンバ（８ｂ）内の流体圧力をほぼ一致させるのに必要な最小幅に
一致することを特徴とする、請求項２３に記載のローラベーンポンプ。
【請求項２５】前記隙間（１５）の接線方向幅が、０．０３〜０．１８ミ
リメートルの範囲の値をとることを特徴とする、請求項２０又は２４のいずれか
一項に記載のローラベーンポンプ。
【請求項２６】前記隙間（１５）の接線方向幅が、ローラ要素（７）の直
径の約０．５パーセント〜２．５パーセントであることを特徴とする、請求項２
０から２５のいずれか一項に記載のローラベーンポンプ。
【請求項２７】請求項１〜２６のいずれかに記載のローラベーンポンプを
備える、自動車用の自動変速機、特に連続可変変速機。
【請求項２８】請求項１から２６のいずれかに記載のローラベーンポンプ
を備える自動変速機、特に連続可変変速機を備える自動車。