JP2003527853A - 一貫した品質を有するスターターカルチャーの供給方法 - Google Patents

一貫した品質を有するスターターカルチャーの供給方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スターターカルチャーを生産する分野に関する。殊に、一貫した品質を有するスターターカルチャーを必要とする顧客のための方法を提供する。特定的に、該方法は、保存接種菌材料のサブセットの使用を意味し、該物質は培養培地に直接接種用に増殖されるスターターカルチャー生物細胞の濃縮物を含み、これによりスターターカルチャーを得るために、スターターカルチャー生産用の接種菌材料の従来的段階的調製を回避できる。この新規の方法は、食料、飼料、あるいは製薬業用のスターターカルチャーの生産に使用できる。さらに、本方法は、たとえば酵素および香味剤を含む、1次および2次の代謝産物のような、望ましい産物を発現する細胞の培養に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、スターターカルチャー(Starter culture)を生産する分野に関す
る。ことに、一貫した品質を有するスターターカルチャーの生産法を、食料、飼
料、あるいは製薬業のために開発した。特定的に、本方法は、スターターカルチ
ャーを得るために培養培地への直接接種用に増殖すべき細胞濃縮物を含む保存接
種菌材料のサブセットの使用を含み、それによりスターターカルチャーの生産の
ために従来の不利な接種菌材料の段階的調製法を回避できる。
【0002】 発明の技術的背景 微生物の培養菌は、食料、飼料、および医薬品の製造、ならびに酵素、1次お
よび2次の代謝産物のような特有な製品の製造の両方において、産業界において
発酵用として広範囲に用いられている。 大部分の発酵プロセスは、依然として発酵培地に自然に発生する接種菌に依存
しているが、現在大概の発酵は、乾燥、凍結、あるいは凍結乾燥した微生物接種
培養物の使用に基づいている。接種菌材料は小さなアンプル内で生産され、発酵
プラントに配布される。各プラントは、製品を発酵で製造する大型発酵槽に接種
出来るようにするために、しばしば数工程を要する。
【0003】 スターターカルチャーの従来の生産において、細胞培養は、最終培養培地に増
殖すべき適正数の細胞(接種菌材料)を接種する接種操作を含む。 現在使用されている実用的操作により、接種菌材料は、一般的に少量の母培養
菌または1次接種菌材料とも呼ばれる、接種菌材料から出発する段階的または連
続的増殖を用いて調製される。この接種操作は典型的には、出発培養生物に対し
て最終培養培地の接種用に十分な接種菌材料を得るために、段々に培地量を増や
していく、2から4の増殖工程を含む。
【0004】 しかしながら、現在接種菌材料の生産にこの操作を用いている発酵工業は、幾
つかの困難に直面している。一つの重大な問題は、最終接種菌材料を生産する際
に行う操作の各工程、すなわち接種菌材料を一つの容器からより大きな容器に移
動する時に、他の発酵からの生物のような好ましからぬ生物、すなわち交差汚染
、および接種菌材料を台無しにするバクテリア、たとえばかん菌類またはグラム
陰性菌、あるいは細菌ウイルスによって、接種菌材料を汚染する重大な危険があ
る。
【0005】 接種菌材料を汚染する危険に加えて、上述の操作を行う際には、如何に下記の
問題および/または不利益を減じたり回避したりするかを考慮する必要がある:(
i) 接種菌材料の調製は非常に労働集約的であり、加えて比較的広い場所と多く
の設備を要する、(ii) 母培養菌の増殖は、最終接種菌材料を得るために幾つか
の中間工程を要し、且つ高度の生産計画を必要とする少なくとも36時間を要する
、すなわち厳密で自由度の小さい作業時間表が絶対必要である、(iii) 守るべき
作業操作は高度な手作業である、ならびに (iv) 段階的増殖は、規則的かつ頻繁
な方法で行わねばならず、したがって接種菌材料を使用前に種々の品質検査にま
わす時間の余裕は無い。かくて、接種菌材料は、容易に汚染され、または企図し
たものとは異なるスターターカルチャー生物を含むであろう。
【0006】 それゆえ、各スターターカルチャーを母培養菌から生産するに際して、製造所
内、および製造会社内外の製造所と色々なプラント間の両者において、最終接種
菌材料の別々に生産されたバッチの品質の間には大きな変動、すなわち商業的な
スターターカルチャーを使用して生産された発酵最終製品の品質に関して大きな
変動のある危険性がある。 発酵工業界に、生産計画の自由度、最終製品の品質、ならびにスターターカル
チャーの個別生産バッチ間の再現性を、高めようとする明らかな動きがある。さ
らに、労働力および時間の低減、ならびにその結果としての製造費用低減のため
に、改良された製造方法に対する非常に大きな要求が存在する。
【0007】 それゆえ、市販のスターターカルチャーまたは望ましい製品の製造中の厳格な
汚染制御およびその製品品質の高い一貫性に対する増大する要求に応えるのみな
らず、また接種菌材料の調製のために現在用いられている方法に関わる上述の問
題が減少または除去される事を意味する、最終培養培地に接種するための改良さ
れた操作が明らかに必要である。ここで提供される方法は、高度の自由度を意味
し、製造時間と労働力を大いに減少する。さらに、本発明で提供される接種シス
テムが、必要であれば、長期間貯蔵できる保存接種菌材料の大きなバッチを集中
的に調製可能にするので、バッチ間の変動に伴う問題は減少する。
【0008】 発明の要約 本発明の主要な目的は、発酵工業界からのより高い自由度、最終製品のより良
い品質管理、ならびに生産バッチ間のより高い再現性に対する要求に応える、1
段階の直接接種操作を提供することである。 本発明は、一貫した品質により特徴付けられるスターターカルチャーを必要と
する顧客に供給する方法を提供するものである。本発明で開示される方法は、以
下の工程を含む: (i) スターターカルチャー生物細胞の濃縮物を含む保存接種菌材料を供給し
; (ii) スターターカルチャーの引き続く生産のために、前記保存接種菌材料の
サブセットを用いて、前記スターターカルチャー生物を培養培地に直接接種し; (iii) 所望の量の前記細胞を生産すべく調整された十分な時間にわたり、前
記スターターカルチャー生物の細胞を増殖せしめ;そして (iv) スターターカルチャーを供給するための増殖細胞を回収する。
【0009】 発明の詳細な開示 このように、最も広い観点で本発明は、一貫した品質を持ったスターターカル
チャーを必要とする顧客に供給する方法を提供する。「スターターカルチャーを
必要とする顧客」という表現は、微生物発酵製品の主要な生産者、販売者、なら
びに購買者である食料、飼料、ならびに製薬業者に関する。彼等の望みは、高品
質の製品をその顧客に供給することである。そのような製品は、スターターカル
チャー、酵素、医薬品、ビタミン、およびアミノ酸でありうるし、また一般に特
定の製品の生産に用いられている、たとえば、食品産業におけるチーズやバター
のような牛乳製品を含む発酵食品の生産に用いられている。なぜなら、それらが
数多くの異なる機能を発揮することにより、前記製品に望ましい感覚的および官
能的、ならびに他の品質的特徴を与えるからである。
【0010】 上述の如く、本発明の一つの重要な目的は、スターターカルチャーに対し、同
一のスターターカルチャー生物を用いた別々の生産バッチ間の品質のバラツキを
減少する、すなわち、スターターカルチャーに一貫した性能および品質において
高い再現性を与える方法を提供することである。「一貫した品質を有するスター
ターカルチャー」という表現は、同一の保存接種菌材料から生産された時、およ
び何時、何処で生産されたかに拘わらず、本質的に同一の均質な性能品質を有す
る、すなわち本質的に同じ代謝活性を有し、また本質的にmL当たり同じ細胞数と
組成を有する、スターターカルチャーに関する。
【0011】 本発明による方法の最初の工程は、1または複数の選択された産生菌株の濃縮
物を含む保存接種菌材料を供給することである。本発明の文脈で、「保存接種菌
材料」という表現は、サブセットに分割後貯蔵出来る多少の接種菌材料に関し、
およびかくしてスターターカルチャーの生産用の直接接種菌材料として直ちに使
用可能である。実際上は、その1部分、すなわち保存接種菌材料のサブセットは
、培養培地への直接接種用に個々に使用される。保存接種菌材料は貯蔵可能なの
で、特定の増殖工場は使用の少し前に保存接種菌材料を生産出来、かくして接種
菌材料に種々の品質試験を行う十分な時間が出来る。
【0012】 同じ接種菌材料の貯蔵または供給が可能なことにより、他のスターターカルチ
ャー生産に対する出発物質、すなわち保存接種菌材料のサブセットが、同一の保
存接種菌材料から出発でき、かく本質的に何時も同一であるので、増殖工場はス
ターターカルチャーを何時でも、高い、一貫した品質で生産出来る。さらに、サ
ブセットは培養物質への直接接種に使用出来るので、スターターカルチャーとし
て使用される1または複数の生産菌株に汚染の危険がなく、かつ増殖プラントは
、選択されたスターターカルチャーが培養培地で実際に増殖していると確信出来
る。好ましい具体例において、保存接種菌材料は、下記に開示する如く個々に密
封をして容器に入れた数多くのサブセットを含む。
【0013】 本発明に従えば、保存接種菌材料は、本質的に細胞の発育力および/または代
謝能力を保ちながら、培養培地に添加する前に、少なくとも24時間、たとえば、
少なくとも72時間を含むたとえば少なくとも48時間である少なくとも36時間、適
切な条件下で貯蔵できる。しかしながら、接種菌材料を、少なくとも1ヶ月間、
たとえば、少なくとも5ヶ月間を含むたとえば少なくとも4ヶ月間である少なくと
も2ヶ月間、たとえば少なくとも6ヶ月間、貯蔵することが望ましいであろう。
【0014】 下記の例に述べる如く、接種菌材料は、少なくとも1年間、たとえば、5年間を
含むたとえば少なくとも4年間である少なくとも2年間、たとえば少なくとも6年
間、でさえ貯蔵されるかもしれない。ここに用いられている如く、「本質的に発
育力および/または代謝活性」という表現は、初期の発育力および/または代謝活
性の、少なくとも60%、70%、80%、または90%のような、少なくとも50%が、維持
されていることを意味する。
【0015】 保存接種菌材料を、貯蔵中その初期活性を維持して、上述の期間中液体状態で
貯蔵出来ることを記すことは重要である。しかしながら、これは、有効量の代謝
活性安定剤の添加を必要とするだろう。
【0016】 保存接種菌材料の量は、接種菌材料の種類および特定のスターターカルチャー
に対する顧客の需要に依存することは理解されねばならない。しかしながら、有
用な具体例において、本発明の工程(i)において提供される保存接種菌材料は、
少なくとも20kgの培養培地、たとえば少なくとも50kgの培養培地、たとえば、少
なくとも300kgの培養培地を含むたとえば少なくとも200kgの培養培地である少な
くとも100kgの培養培地、たとえば少なくとも500kgの培養培地、たとえば、少な
くとも10,000kgの培養培地を含むたとえば少なくとも5,000kgの培養培地である
少なくとも1,000kgの培養培地、たとえば少なくとも20,000kgの培養培地、たと
えば、少なくとも180,000kgの培養培地を含むたとえば少なくとも80,000kgの培
養培地である少なくとも30,000kgの培養培地、を接種するに十分な量である。
【0017】 しかしながら、さらに有用な具体例においては、本発明の工程(i)において供
給される保存接種菌材料は、少なくとも3ヶ月間、たとえば、少なくとも1年を含
むたとえば少なくとも8ヶ月である少なくとも5ヶ月、たとえば、少なくとも10年
を含むたとえば少なくとも5年である少なくとも2年間、一貫した品質を有するス
ターターカルチャーを全てのスターターカルチャー増殖プラントに供給するに十
分な量である。
【0018】 本発明の叙述のために、「直接接種」という表現は、培養培地を接種するのに
使用される接種菌材料を、現在使用されているように、1次接種菌材料の一連の
連続的な増殖工程によって供給されるのではなく、十分な量の、すなわちスター
ターカルチャーの生産用の培養培地を入れた発酵槽に直接接種するに十分な濃度
の生きた細胞を含む、保存接種菌材料の適正量で供給することを示す。これは、
スターターカルチャーを生産するに要する総時間を、著しく低減する事を意味し
ている。
【0019】 保存接種菌材料および/またはそのサブセットは、使用し易い、液状、半液状
、凍結、あるいは、たとえば、凍結乾燥または噴霧乾燥のような、乾燥状態で、
あるかもしれない。もし接種菌材料が凍結しているなら、接種菌材料は、本発明
の方法の工程(ii)で、培養培地に添加される前に解凍されるであろう。解凍は、
たとえば湯浴もしくはマイクロ波装置を用いて行われるであろう。さらに、接種
菌材料は、それを工程(ii)で培養培地に添加する前に、細胞の懸濁液を得るため
に水性培地と一緒にされるであろう。
【0020】 水性培地は、水道水、蒸留水、または脱イオン水を含む水かもしれないし、あ
るいは牛乳固体懸濁液、ホエー、あるいは有機化合物および/または異なる塩の
ような誘導体を含む溶液のような細胞培養菌を懸濁するに適したいかなる水性培
地でもありうる。水性培地は、さらに緩衝剤および/または微生物栄養物を含み
うる。本発明の方法を用いた保存接種菌材料生産の1例を以下に詳述する。
【0021】 スターターカルチャーの引き続く生産のために、本発明にしたがう方法の第2
工程は、前記1または複数の産生菌株用培養培地に直接接種用の前記保存接種菌
材料のサブセットを使用する事である。「スターターカルチャーの引き続く生産
のために」という表現は、比較的多量の接種菌材料を供給することにより、保存
接種菌材料の一部、すなわちサブセットの使用により、すべて同一の保存接種菌
材料から生じるが、異なる時間に異なる場所で生産されるであろう、スターター
カルチャーを生産することが可能であることを意味する。
【0022】 本方法の第3工程は、望ましい量の前記細胞を生産するよう調節された十分な
時間、1または複数の産生菌株の細胞増殖である。商業的スターターカルチャー
用の必要量の細胞を得るために、特定の出発培養微生物細胞を増殖するに適切な
特定な時間を選択することが一般的に望ましい。しかしながら、有用な具体例に
おいて、そのような時間は、少なくとも2時間、たとえば、少なくとも10時間を
含むたとえば少なくとも6時間である少なくとも4時間、たとえば少なくとも12時
間、たとえば、少なくとも36時間を含む少なくとも24時間、である。
【0023】 さらに有用な具体例においては、そのような時間は、たとえば菌類の場合の数
日に加えて、2から36時間の範囲内、たとえば、10から24時間の範囲または10か
ら12時間の範囲を含むたとえば6から24時間内である4から24時間の範囲、である
。本発明の文脈で、「増殖」という術語は、「培養」および「発酵」という術語
と互換的に用いられ、かつ産生菌のバイオマスを得る工程に関して、これらの術
語の最も広い意味に関係する。「産生菌」という術語は、本発明の文脈で、乳酸
菌、菌類、ならびに酵母を含む、バクテリア類を含むスターターカルチャーの工
業的生産に使用出来る如何なる微生物種の細胞にも関係する。
【0024】 培養培地に、1または複数の産生菌株の濃縮物を含む保存接種菌材料のサブセ
ットを接種することで、細胞が増殖し、かくして商品化すべき製品が生産される
ことは、容易に考えられるであろう。本発明の叙述のために、「商品化すべき製
品の生産」という術語は、一般的な意味で用いられ、特定の容器内で活発に生長
し、居住する集団を形成する特定の細胞培養菌の総量を含む。さらに、この定義
は、以下に議論する如く、発酵プロセスのような工業的プロセスにおいて、望ま
しい製品を生産する微生物の生長によって生産される細胞物をも含む。
【0025】 適切な時間の間、1または複数の産生菌株を増殖した後、増殖した細胞を、特
定の生産用スターターカルチャーを必要とする顧客に、スターターカルチャーと
してそのような細胞を供給するために回収する。しかしながら、細胞を残りの培
養物質から分離する事が望ましいであろう。かくして、本発明の望ましい具体例
において、本方法は増殖細胞またはバイオマスを少なくとも部分的に分離するさ
らなる工程を含む。しかしながら、スターターカルチャーを次後の生産のために
発酵槽に残す事が望ましいであろう。
【0026】 本発明に従う方法の工程(ii)に用いられる培養培地は、微生物細胞の増殖に用
いられる如何なる通常の培地であろう事は、理解されるであろう。そのような培
養培地は、液状、半液状、または固体培地であろうし、また脱脂乳を含む1また
はそれ以上の牛乳成分を含むであろう。
【0027】 上述した如く、保存接種菌材料は、出発培養生物細胞として用いられるべき1
または複数の産生菌株の濃縮物を含む。本発明の文脈において、「濃縮物」とい
う表現は、細胞を含む細胞または培地の懸濁液に関するものであって、前記懸濁
液または培地は、少なくとも108CFU/g、たとえば、少なくとも5x109CFU/gを含む
たとえば少なくとも109CFU/gである少なくとも5x108CFU/g、たとえば、少なくと
も1011CFU/gである少なくとも5x1010CFU/gを含む少なくとも1010CFU/g、たとえ
ば、少なくとも5x1012CFU/gである少なくとも1012CFU/gを含む少なくとも5x1011 CFU/gである、含量(コロニー形成単位、CFUs)の生きた細胞を有することを特
徴とする。
【0028】 しかしながら、有用な具体例において、濃縮物は、108CFU/gから5x1012CFU/g
の範囲、たとえば、109CFU/gから1011CFU/gの範囲を含むたとえば109CFU/g から
5x1011CFU/gの範囲である109CFU/gから1012CFU/gの範囲、たとえば109CFU/gから
1010CFU/gの範囲である109CFU/gから5x1010CFU/gの範囲、にある含量の生きた細
胞を有する。
【0029】 かくて、本発明によれば、接種すなわち本発明の方法の工程(ii)の保存接種菌
材料のサブセットは、培養培地に直接接種される。有利な具体例では、保存接種
菌材料のサブセットは、工程(ii)で、最大0.1%の割合、たとえば、最大0.01%を
含むたとえば最大0.05%である最大0.08%、たとえば、最大0.001%を含む最大0.00
5%、で培養培地に直接接種される。
【0030】 本発明の方法によれば、本方法の工程(ii)で培地に直接接種する保存接種菌材
料のサブセットの量は、接種直後の培養培地のCFU/gと、接種される保存接種菌
材料のサブセットのCFU/gの比を、1:100から1:100,000の範囲で与える。上述の
比の計算において、計算は、細胞の接種直後の培養培地のCFU/gに基づいている
ことが重要である。これは、接種された培養培地のサンプルを、短時間に、好ま
しくは5分以内に、採取し、採取サンプルを最適条件でCFUの測定を行うことによ
り達成される。ある好ましい具体例において、接種直後の培養培地のCFU/gと、
接種された接種菌材料のCFU/gの比は、1:1000から1:75,000の範囲内、たとえば1
:5,000から1:50,000の範囲内、たとえば、1:15,000 から1:100,000の範囲内を含
む1:10,000から1:20,000の範囲内、にある。
【0031】 培養で合理的に速い細胞増殖を得るために、培養培地に、接種直後に少なくと
も105CFUs/g、たとえば少なくとも106CFUs/g、たとえば、109CFUs/gを含むたと
えば少なくとも108CFUs/gである少なくとも107CFUs/g、のCFUs数を与える量の接
種菌材料を、添加することが一般的に望ましい。しかしながら、有用な具体例に
おいて、培養培地に添加する接種菌材料の量は、接種直後の培養培地の単位重量
当たり、105から109CFUs/gの範囲内、たとえば106から108CFUs/gの範囲内、たと
えば106から107CFUs/gの範囲内、であるCFUs数を与える。
【0032】 接種菌材料が他の微生物で汚染されない条件下で、接種菌材料を添加する事が
重要である。したがって、好ましい具体例においては、接種菌材料を本質的に無
菌の条件下で培養培地に添加する。接種菌材料の無菌での輸送および/または接
種菌の接種方法を、以下で議論する。
【0033】 1つの有用な具体例において、接種菌材料は、好ましくは発熱物質のない、密
封した封入容器に入れて供給される。ここに封入容器は、たとえばポリオレフィ
ン、置換オレフィン、エチレン共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルならびにセルロー
ス誘導体からなる群から選択される、硬い、非柔軟な、あるいは柔軟な物質から
製作できる。柔軟な物質の使用は、濃縮物を充填した後の包装を、気密性の密封
作業前に、真空に引いて容積を減少出来ることを意味している。かくて、封入容
器は、柔軟な物質で製作しうる密封機構を備えることが出来る。
【0034】 任意に、封入容器は、たとえばポリマー、ガラス、あるいは金属からなる群か
ら選択される、硬い物質で製作できる。封入容器は、また密封前に非大気性の気
体で満たされるかもしれない。「非大気性の気体」という表現は、不活性気体ま
たは、たとえば窒素および炭酸ガスのような改変大気に関するものと考えられる
。さらなる有用な具体例において、密封封入容器は、金属箔を含む柔軟な物質で
製作される。
【0035】 封入容器の大きさは、スターターカルチャーの生産規模に依存する。以下に説
明する如く、本発明の大きな優位な特徴は、封入容器の大きさを、個々の製造工
場の特定の必要性に応じて適合させうる事である。この適合性は、濃縮物の量お
よび組成と、封入容器の容積の両方に当てはまる。かくて、ある特定の具体例に
おいて、密封した封入容器は、少なくとも0.005L、たとえば少なくとも0.01L、
たとえば少なくとも0.5Lである少なくとも0.1L、たとえば少なくとも1.5Lである
少なくとも1.0L、たとえば、少なくとも15Lまたは少なくとも20Lである少なくと
も10Lを含むたとえば少なくとも5Lである少なくとも2L、の容積を有する。
【0036】 上述の如く、接種菌材料を無菌的条件下で直接培養培地に輸送する事が望まし
い。かくて、他の具体例では、密封封入容器は、培養培地を含む容器の入口部に
、封入容器を接続するための出口部を備える。これら出口部により、細胞濃縮物
を容器に本質的に無菌的に導入する事が出来る。そのような出口部は、もし容器
が封入容器の前記接続を許す入口部を備えていれば、培養容器への封入容器の前
記接続を可能にする、たとえばクリーンクリックシステムまたは螺子接続出口を
備えた配管の形であろう。さらに、封入容器の出口部は、容器への接続用螺子を
備えた管の形であろう。
【0037】 本発明に従がって、スターターカルチャーとして業界で使用されている如何な
る微生物の細胞も使用出来る。かくて、好ましい具体例において、本発明の方法
の工程(i)のスターターカルチャーは、乳酸菌種、ビフィドバクテリウム(Bifid
obacterium)の種、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)の種、スタ
フィロコッカス(Staphylococcus)の種、ミクロコッカス(Micrococcus)の種
、バシラス(Bacilllus)の種、大腸菌を含むエンテロバクテリアセー(Enterob
acteriaceae)の種、アクチノミセーテス(Actinomycetes)の種、コリネバクテ
リウム(Corynebacterium)の種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)の種
、ペディオコッカス(Pediococcus)の種、シュードモナス(Pseudomonas)の種
、スフィンゴモナス(Sphingomonas)の種、ミコバクテリウム(Mycobacterium
)の種、ロドコッカス(Rhodococcus)の種、糸状菌の種ならびに酵母の種から
なる群から選択される種である。
【0038】 有用な具体例において、乳酸菌種は、ラクトコッカス(Lactococcus)の種た
とえばラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラ
クチス(Lactococcus lactis)亜種lactis、ラクトコッカス・ラクチス(Lactoc
occus lactis)亜種cremorisならびにラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus
lactis)亜種lactis次亜種diacetylactis、ラクトバシラス(Lactobacillus)の
種たとえばラクトバシラス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシラス
・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)亜種paracasei、ラクトバシラス・デ
ルブリュキー(Lactobacillus delburueckii)亜種lactis、ラクトバシラス・ヘ
ルベティクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバシラス・デルブリュキー
(Lactobacillus delburueckii)亜種bulgaricusならびにラクトバシラス・アシ
ドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ロイコノストック(Leuconostoc)
の種たとえばロイコノストック・ラクチス(Leuconostoc lactis)、ロイコノス
トック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)亜種mesenteroidesな
らびにロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)亜
種cremoris、ペディオコッカス(Pediococcus)の種、オノコッカス(Oenococcu
s)の種、エンテロコッカス(Enterococcus)の種たとえばエンテロコッカス・
ドランス(Enterococcus durans)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enter
ococcus faecium)、ならびにストレプトコッカス(Streptococcus)の種たとえ
ばストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)からな
る群から選択される。
【0039】 ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィ
ドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium lactis)ならびにビフィドバクテ
リウム・ロングム(Bifidobacterium longum)を含むビフィドバクテリウム(Bi
fidobacterium)属に属する厳密な嫌気性バクテリアもまた、普通に酪農業のス
ターターカルチャーの菌株として用いられ、一般的に乳酸菌の群に含まれる。さ
らに、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、コリネバクテリウム(C
orynebacterium)ならびにブレビバクテリウム(Brevibacterium)の種は、こと
に酵素、製薬、アミノ酸、ビタミン、チーズならびに肉の生産において、スター
ターカルチャーとして使用される。
【0040】 いわゆるプロバイオティックスとして使用されている乳酸菌種のさらなる群は
、たとえばラクトバシラス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラク
トバシラス・クリスパツス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバシラス・ガ
セリー(Lactobacillus gasseri)、ラクトバシラス・カゼイ(Lactobacillus c
asei)、ラクトバシラス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)亜種paracas
ei、ラクトバシラス・ラモンサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシラ
ス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバシラス・プランタルム(Lac
tobacillus plantarum)、ビフィドバクテリウム・インファンティ(Bifidobact
erium infantis)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacteriu
m adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ロンゲム(Bifidobacterium longum
)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィ
ドバクテリウム・ベレブ(Bifidobacterium breve)、エンテロコッカス・フェ
シウム(Enterococcus faecium)ならびにストレプトコッカス・サリバリウス(
Streptococcus salivarius)を含む。
【0041】 微生物スターターカルチャーの他の群は、酵母培養菌および糸状菌培養菌を含
む菌糸培養菌であり、これらは、ある種の酵素、薬品、アミノ酸、ビタミン、チ
ーズ、肉ならびにビールの生産に特に使われる。現在使用されている菌糸培養菌
の例は、たとえばデバリオミセス・ハンゼニー(Debaryomyces hansenii)のよ
うなデバリオミセス(Debaryomyces)の種、ペニシリウム(Penicillium)の種
たとえばペニシリウム・ロクエオルティ(Penicillium roqueforti)およびペニ
シリウム・カンディドゥム(Penicillium candidum)、ゲオトリカム・カンディ
ダム(Geotrichum candidum)、トルラ・ケフィル(Torula kefir)、クリオネ
オドリア・パラシチカ(Cryphoneodria parasitica)、キャンディダ・バリダ(
Candida valida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)の種たとえばクルイベ
ロミセス・マキシアヌス(Kluyveromyces maxianus)およびクルイベロミセス・
サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)、アスペルギルス(Asperg
illus)の種たとえばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、トレロス
ポラ(Torelospora)の種たとえばトレロスポラ・デルブリュキー(Torelospora
delbrueckii)、サッカロミセス(Saccaromyces)の種たとえばサッカロミセス
・セレビシエー(Saccaromyces cerevisiae)、サッカロミセス・カルベルゲネ
シス(Saccaromyces caribergenesis)およびサッカロミセス・ケフィル(Sacca
romyces kefir)、オグトセア(Ogtsea)の種、トラマテス(Trametes)の種、
ムコール(Mucor)の種、ならびにリゾムコール(Rhizomucor)の種、フミコラ
・インソレンス(Humicola insolenst)、トリコデルマ(Tricoderma)等である
【0042】 微生物または産生菌株は、上述の菌株の1つを遺伝子的に修飾した菌株または
業界で有用な他の菌株から選択されうることを理解されよう。ここで用いられて
いる如く、「遺伝子的に修飾した細菌」という表現は、その術語の通常の意味で
用いられている、すなわち、この表現は、エタンメタンスルフォネート(EMS)ま
たはN-メチル-N’-ニトロ-N-ニトログアニジン(NTG)のような化学的突然変異誘
発物質、紫外線、あるいは通常の変異誘発を含む天然に発生する突然変異体を用
いた処理を含む、通常使われる突然変異誘発処理を、菌株に施すことにより得ら
れる菌株を含む。
【0043】 さらに、手当り次第の変異誘発により、または天然に発生する突然変異体の選
択により、すなわち、組換え型DNA技術を使用せずに、遺伝子的に修飾した生物
を供給することが出来る。微生物の突然変異体は、位置指定の変異誘発およびPC
R技術を含む技術、ならびにそのような配列が同定され単離されていれば、特定
のDNA配列の、他のin vitroまたは in vivo修飾により、提供することが出来る
【0044】 業界の、ことに酪農業において、幾つかの発酵プロセスにおいてしばしば見ら
れる如く、生産さるべきバイオマスは、少なくとも2個のスターターカルチャー
、たとえば、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophil
us)およびラクトバシラス・デルブリュキー(Lactobacillus delbrueckii)亜
種bulgaricusの混合物のような、異なる種類の種の菌株の混合物を含むであろう
【0045】 本発明による方法の工程(iv)の増殖細胞の生産に引き続いて、細胞を生産容器
から回収し、スターターカルチャー商品として発酵工業に出荷する為の包装をす
るであろう。かくて、好ましい具体例において、スターターカルチャーは、チー
ズ、ヨーグルト、バター、接種された甘い牛乳、ならびにたとえばバターミルク
または飲用ヨーグルトのような液状発酵牛乳製品からなる群から選択される酪農
製品を得るために、さらに処理をされる牛乳の接種用に使用されるであろう。そ
のようなさらなる処理工程は、通常のプロセス工程を用いて行われる。スタータ
ーカルチャーの他の重要な応用は、いわゆるプロバイオティクスである。本発明
の文脈で、「プロバイオティク」という術語は、生育できる細胞の形でヒトまた
は動物により摂取され、たとえば胃腸管の有害な微生物の抑制、免疫系の活性化
、または栄養分の消化への貢献により、改善された健康状態を接種者にもたらす
、微生物培養菌として理解されるべきである。そのようなプロバイオティク的に
活性な製品の典型的な例は、「甘い乳酸菌牛乳」である。
【0046】 興味深い具体例では、培養培地で増殖した細胞は、望ましい遺伝子産物を発現
するかまたは望ましい産物を生産する。本発明の文脈で、「望ましい遺伝子産物
」という表現は、遺伝子産物および細胞代謝の1次および/または2次産物に関す
る。そのような望ましい製品は、カーボヒドラーゼ、セルラーゼ、グリコラーゼ
、ペクチナーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、リゾチーム、キモシン、あるいはプロ
テアーゼのような酵素、および洗剤、澱粉、食料、飼料、あるいは繊維酵素を含
む工業プロセス用酵素を含む。さらに、上記表現は、たとえばホルモン、インス
リン、抗体、ワクチンならびにインターロイキンのような医薬的に活性な物質を
含む。さらに、望ましい製品は、バクテリオシン、生体色素、ビタミン、アミノ
酸、乳化剤、ならびにジアセチルおよびアセトインのような香味剤である。
【0047】 有用な具体例において、望ましい製品は、生体色素およびジアセチルおよびア
セトインを含む香味剤、乳化剤、ビタミン、生長促進剤、食料添加物ならびに飼
料添加物からなる群から選ばれる。 本発明を、下記の非限定的な例においてより詳細に述べる。
【0048】 例1保存接種菌材料のサブセットを使用した場合および従来法で生産したス
ターターカルチャーを使用した場合に生産される商業用スターターカルチャーの 品質偏差の評価 1.1序 本例は、同一の保存接種菌材料のサブセットを使用して生産した場合、および
商業用スターターカルチャー生産用の従来法、すなわち一般的に少量の保存接種
菌材料(母培養菌)から出発する段階的または連続的増殖、そしてこれは、商業
的スターターカルチャーの生産のための最終培養培地に接種するために十分な量
の接種菌材料を得るために、培養培地の容量を順次増やす2から4段階の増殖工程
を含む、によって生産した場合の、商業用スターターカルチャーの品質偏差の比
較を示す。
【0049】 1.2.材料および方法 1.2.1 ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)
菌株 TH-4用保存接種菌材料の生産 要約すると、保存接種菌材料の生産は、接種菌材料を得るために、インキュベ
ートされる多量の培養培地に約5x109CFU/gを含む母培養菌(1次接種物)を接種
して開始される(工程A)。工程Aの総量は、1次発酵物を得るために接種される
大容量の培養培地に、引き続いて接種される(工程B)。最後に、工程Bの総量は、
発酵物を得るために接種される、さらに大容量の接種のために用いられる(工程C
)。細胞は、約1011CFU/gを含むスターターカルチャーの濃縮物を得るために、遠
心分離により工程Cから回収される。
【0050】 明らかに、保存接種菌材料の生産は、本質的に従来法、すなわち段階的増殖、
を用いるスターターカルチャーの生産と同様である。しかしながら、下記に議論
する如く、個々のスターターカルチャー工場での細胞の段階的増殖が不要になる
ように、使用接種菌材料が直ぐに使用出来るような、保存接種菌材料の集中生産
が可能である。
【0051】 最初の接種菌材料の生産(工程A) アンプル入りの10gの細胞を、135℃で8秒間UHTにかけ、ついで115℃で20分間
加圧滅菌した、200mLの9.5%再含水噴霧乾燥スキムミルクを含むフラスコに接種
した。接種菌濃度は1重量%であった。接種培地、すなわち最初の接種菌材料を3
7℃で、16時間インキュベートした。
【0052】 第2接種菌材料の生産(工程B) 200mL容量の最初の接種菌材料(工程Aで得られた)を、第2接種菌材料の生産(
工程B)のために、20Lの9.5%再含水噴霧乾燥スキムミルク粉末の接種用に使用し
た。最初の接種菌材料の接種濃度は、1重量%であった。第2接種菌材料を、40℃
の温度で9時間インキュベートした。
【0053】 最終接種菌材料の生産(工程C) 工程Bで得られた第2の接種菌材料の全量を、最終接種菌材料を得るために、2,
000Lのバイオマス生産培地M17(OXOID No.CM817)の接種に使用した。培地は、6倍
の推奨濃度で使用した。培地を、4%乳糖液(w/v)で補充した。M17培地を145℃
で8秒間UHTにかけ、ついで40℃に冷却し、細胞を増殖させるために、適切な時間
インキュベートした。 乳酸を産出する乳酸菌の酸性化により基剤の消費が終了した時に、細胞増殖は
終了し、増殖した細胞は10℃に冷却された。
【0054】 1.2.1.1工程Cにおける細胞増殖時の操作パラメーター 操作はpH制御下で行った。 温度: 40℃ 接種菌濃度: 1重量% 設定点: pH 6.0 基剤: NH4OH - 25% ヘッドスペースの気体: N2 発酵時間: 4時間
【0055】 1.2.1.2 保存接種菌材料を得るための、遠心分離による工程Cで得た細胞の濃
縮物の生産 冷却後、増殖細胞を、細胞濃縮物を得るために遠心分離工程に供した。遠心分
離は、遠心分離機により行い、細胞密度1x1011細胞/gを得た。 遠心分離後、濃縮物を冷却装置のついた無菌容器に移し、凍結する迄5℃に保
った。濃縮物を柔軟な物質で作った無菌の、発熱物質の無い袋に直接充填し、各
袋に1000gの濃縮物を充填した。 かくて、この生産例において、各袋1000gの保
存接種菌材料を充填した袋を100袋供給した。この1袋は、15,000Lの培養培地を
接種するのに使用できる。充填後、袋を密封し、ノズルから液体窒素を噴霧し、
-60℃にできる、冷凍室に1.5時間入れて凍結し、ついで袋を−50℃で貯蔵した。
【0056】 1.2.2 従来法によるスターターカルチャーの生産 酪農業界における牛乳の直接接種用の高濃縮培養菌である、いわゆる市販DVS( D irect Vat Set)スターターカルチャーを、従来法により生産するスターターカ
ルチャーの例として選択した。 そのようなスターターカルチャーを生産する従来法は、スターターカルチャー
を得るために培養培地の接種用の必要量の接種菌材料を生産出来るために、各回
とも段階的増殖、すなわち一般には細胞の母培養菌に含まれる細胞の2回の増殖
工程で始める。通常培養培地の接種は1%の接種菌材料で行う、これは、15,000L
の培養培地当たり150kgに相当する。
【0057】 ついで、増殖を完遂するために、スターターカルチャー細胞を含有する培養培
地は、培養培地1g当たり約1〜2x1011の細胞を含有する細胞濃度になるまで、遠
心分離により濃縮する。濃縮物は、凍結乾燥または直径わずか数mmのペレットと
して液体窒素中で凍結する。凍結乾燥品は20℃以下の温度に、また凍結品は−50
℃以下の温度に、使用迄保つ。
【0058】 1.2.3 スターターカルチャーの品質の再現性 1.2.1および1.2.2で叙述した2つの方法で生産した凍結乾燥品のたとえば代謝
活性およびCFUのような製品品質に対する試験を以下の様に行った。 たとえば、前記2種類の方法でそれぞれ生産したスターターカルチャーを用い
て牛乳の10回の別々の発酵を行って生産した、スターターカルチャーの代謝活性
および細胞数のような製品品質を、標準的手法により決定した細胞数、代謝活性
ならびに汚染頻度の測定により、発酵の平均値および標準偏差を測定して、発酵
4時間経過後に、評価した。代謝活性は、500単位を得るために使用された凍結乾
燥品のg数で与えられる。1単位は、1gの凍結DVS TH-4の活性である。
【0059】 1.3再現性の結果 表1.1に示した如く、同一の保存接種菌材料の10回の発酵の夫々のサブセット
を用いて生産したスターターカルチャーを用いた牛乳の10回の発酵物の製品品質
間の変動幅は、従来法を用いたスターターカルチャーの品質間の変動幅と比較し
て小さかった。変動幅は、平均値および標準偏差として与えられる。
【0060】
【表1】
【0061】 1.4結論 上記の実験から、試験したスターターカルチャーの発酵成績は、もしスタータ
ーカルチャーが同一の保存接種菌材料のサブセットを用いて生産されるなら、従
来法により生産したスターターカルチャーの発酵成績に比較して、改善されかつ
より一貫性があった。
【0062】 かくて、新法を用いることにより、バッチ間および会社内の工場およびプラン
ト間の両方の製品品質の変動幅を減少することが可能である。 さらに、ここに提供された接種システムは、接種菌材料の大バッチの集中生産
を可能にし、この接種菌材料は、必要ならば、長期間貯蔵可能であり、したがっ
て労働人員の減少を可能にする。さらに、本発明で開示した方法は、商業的スタ
ーターカルチャーの生産時間を著しく減少するので、高い自由度を意味する。
【0063】 保存接種菌材料は、かくて輸送用封入容器内に凍結され、最長5年間貯蔵可能
な高度に濃縮された接種菌材料である。使用前に、保存接種菌材料のサブセット
は、任意に湯浴で30分間解凍し、直ちにスターターカルチャーの調製用発酵物質
の接種用に使用出来る。 かくて、新法を使用するのは大いに有利である。第1に、従来法は最早不必要
であり、これにより段階的増殖の時間、労働力、ならびに原材料の費用が節減で
きる。
【0064】 第2に、本質的に汚染が無く、かつ望ましいスターターカルチャー生物を含む
、高い代謝活性および高い細胞数を有する、保存接種菌材料のサブセットを用い
た時には、保存接種菌材料に、スターターカルチャーの高品質を保証する、使用
前の、種々の品質試験および処置をすることが可能である。これに対し、スター
ターカルチャーを生産するのに従来法を使用する時には、最終培地に接種する前
に、しばしば接種菌材料に下表の全ての試験を行う十分な時間が無い。
【0065】 1) 汚染に対する試験: −非乳酸菌 −望ましからぬ酵母および糸状菌 −大腸菌 −腸球菌 −ブドウ球菌 −溶血性菌 −セレウス菌 −嫌気性気体生成胞子生成物 −乳酸かん菌および Pedicocci 2) 総生育細胞数、すなわち培養菌g当たりの生育細胞の総数
【0066】 3) スターターカルチャーが望ましい生物からなることを保証するコロニー形
態の測定 4) 純度測定、すなわち牛乳中での2回の再生長後の汚染物に対する試験 5) 特定温度で特定期間のインキュベーション後、牛乳中でのpH減少の測定に
よる酸性化活性のような代謝活性の測定 6) 培養菌がスターターカルチャーを攻撃する細菌ウイルスを含むか否かを測
定するためのファージ試験
【0067】 7) どの種類の糖がスターターカルチャーにより発酵可能かを試験するAPI試験
。得られた結果をこの菌株で見出された、以前の結果と比較する(指紋試験) 8) 細菌ウイルスへの抵抗力試験、すなわち培養菌に他の活性細菌ウイルスを
添加し、このウイルスに対する培養菌の抵抗力を測定 9) リステリア株およびサルモネラ株含量の測定 10) スターターカルチャーが望ましい生物を含むことを保証するためのDNA指
紋試験およびプラズミド試験 11) 発酵試験
【0068】 第3に、スターターカルチャーを生産する工場での生産計画が非常に柔軟であ
る、なぜなら、たとえば保存接種菌材料が凍結状態なら、封入容器に入った保存
接種菌材料のサブセットの解凍は、1000g当たり僅か約0.5から1時間なので、接
種菌材料を接種用に準備する時間は短くて済み、新しい発酵槽に接種するのに非
常に短い時間で済む。 要約すれば、1バッチ、すなわち保存接種菌材料の1回の生産は、同一の接種菌
材料からなる非常にたくさんの封入容器を生産し、一貫した品質のスターターカ
ルチャーの生産を可能にするといえる。
【0069】 例2酵母の保存接種菌材料の生産 本例では、本発明で有益であるデバリオミセス・ハンセニー(Debaryomyces h
ansenii)株LAF-3の保存接種菌材料の生産を述べる。 2.1 物質と方法 要約すると、保存接種菌材料の生産は接種菌材料を得るために好気的にインキ
ュベートする大量の培養培地に、1x108CFU/gを含む母培養(1次接種菌材料)を
接種して開始する(工程A)。工程Aの容積は次に、最終発酵物を得るために好気
的にインキュベートされる多量の培養培地に接種される(工程B)。酵母細胞は、
約5x108CFU/gを含むスターターカルチャー生物細胞の濃縮物を得るために、遠心
分離により工程Bより回収する。
【0070】 2.1.1最初の接種菌材料の生産(工程A) 10gのアンプルに入れた、酵母細胞を、表2.1に示す2800mLの培地を含む3Lの発
酵槽の接種用に用いた。
【0071】
【表2】
【0072】 培地を121℃で20分間、加圧滅菌した。デキストロースを別に加圧滅菌した。 酵母の増殖を、pH制御下で行った; 温度 25℃ pH 接種前に培地のpHを5.8に調整 pH設定 pH 5.5−5.8(25% w/w NH4OHにより調整) 曝気 2.5 L/分 発酵時間 24 時間
【0073】 2.1.2 最終接種菌材料の生産(工程B) 最初の接種菌材料(工程Aで得た)の総量を、400Lの培地を入れた750LのChema
p発酵槽に接種用として用いた。培地内容を表2.2に示す。
【0074】
【表3】
【0075】 滅菌 培地を144℃で8秒間、UHT処理 温度 25℃ pH 接種前の培地をpH5.8に調整 pH設定 pH 5.5−5.8(25% w/w NH4OHで調整) 曝気 370 L/分 供給 バッチ T時間の培養後、時間当たり添加したグルコース 供給プロファイル T = 0 12kg 33.3% グルコース T = 17.5 1kg/時間 (33.3%グルコース) T = 21 3kg/時間 (33.3%グルコース) T = 23.75 投与中止 発酵時間 24時間
【0076】 2.1.3接種菌材料の保存品を得るために、遠心分離により工程Bで得た酵母細胞
濃縮物の生産 冷却後、増殖細胞を、細胞濃縮物を得るために遠心分離工程にかけた。遠心分
離は遠心分離機で行い、5x108細胞/gの細胞密度を得た。20%のグリセロールを濃
縮物に加えた。
【0077】 遠心分離後、濃縮物を冷却装置のついた無菌容器に移し、凍結するまで5℃に
保った。濃縮物を、各袋1000gの濃縮物を収納する、柔軟な材質製の無菌の、発
熱物質の無い袋に直接充填した。かくして、本生産例において、各袋1000g入り
の100袋からなる保存接種菌材料を供給した。これらの袋の1袋は、5,000Lの培養
培地を接種するのに使用できる。充填後、袋を密封し、ノズルから液体窒素を噴
霧する凍結室に1.5時間入れ、室温を−60℃として、凍結した。ついで、袋を−5
0℃で貯蔵した。
【0078】 2.2 結果と結論 上記の実験から、約5x108CFU/gのスターターカルチャー濃縮物を含む保存酵母
接種菌材料の供給が可能である事が分かる。この生育できる酵母細胞の保存物は
、発酵工業で有用なスターターカルチャーを生産するために、適切な培養培地の
直接接種用に使用できる。
【0079】 例3種々の有用なスターターカルチャー生物の保存接種菌材料の生産 本例において、乳酸菌およびグラム陰性菌のような異なる種類の生物の保存接
種菌材料を生産できる事を示している。下記の微生物種を本例で用いる: たとえば家畜用飼料に入れる微生物生長促進剤である市販品Bioplusに使用さ
れているバシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)(CH200)および
バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)(CH201); バシラス・セレウス(Bacillus cereus)菌株BP-01は、綿花栽培の土壌処理/
改良に使用される毒性の無い細菌菌株である; エンテロコッカス・フエクルム(Enterococcus faeclum)菌株SF202、273、
および301は、貯蔵牧草の生産用に使用される; ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)sp. lactis菌株BMK16Lは、
プロセスチーズに使用される添加物であるNisinの生産に使用される; シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)菌株MA342は
、植物の病気を予防し制御する微生物種子処理製品として使用されるグラム陰性
かん菌である。
【0080】 生産手順 上記生物の夫々の保存接種菌材料の生産は、本質的に例1および2において述べ
たものと同じであり、接種菌材料を得るために好気的に培養される多量の培養培
地に、5x108CFU/gを含む母培養菌(1次接種菌材料)を接種して開始する。工程A
の総量はついで、最終発酵物を得るために好気的に培養される、大容量の培養培
地に接種される(工程B)。細胞を、約5x108〜2x1011CFU/gを含む出発培養生物細
胞の濃縮物を得るために、遠心分離(工程C)により工程Bから回収する。
【0081】 発酵条件 発酵に使用される培地: バシラス(Bacillus)およびシュードモナス(Pseudomonas)種を、TSB(Trypt
ic Soy Broth, Difco 0370 - 17)培地で発酵する。エンテロコッカス(Enteroco
ccus)種を、M.R.S Broth(Oxoid, CM359)で、およびラクトバシラス・ラクチス
(Lactococcus lactis)sp. lactisを、KK-97-6(Chr. Hansen 培地)で発酵する
【0082】 発酵パラメーター 全てのバシラス(Bacillus)種に対して、発酵温度は37℃、pHは発酵の全工程
中7.0に維持し、工程Aの発酵時間は約24時間、および工程Bの発酵時間は約20時
間、ならびに工程Cでは約30時間である。全てのエンテロコッカス(Enterococcu
s)種に対して、発酵温度は30℃、pHは発酵の全工程中5.6に維持し、工程Aの発
酵時間は約24時間、工程Bでは約12時間、および工程Cでは約20時間である。全て
のシュードモナス(Pseudomonas)種に対して、発酵温度は28℃、pHは発酵中制
御しない。 全ての種を、可能な限り最も高い濃度で分離し、次いで封入容器に充填し、特
定のスターターカルチャーの生産に有用な接種菌材料の保存接種菌材料とし、本
発明に従う方法で用いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:645) C12R 1:085 (C12N 1/00 1:10 C12R 1:07) 1:125 (C12N 1/00 1:38 C12R 1:085) (C12N 1/00 C12R 1:10) (C12N 1/00 C12R 1:125) (C12N 1/00 C12R 1:38) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ニエルセン,クヌド ストリーブ デンマーク国,デーコー−2650 ビドー レ,イドレーツバイ 65 Fターム(参考) 4B065 AA01X AA15X AA19X AA30X AA41X AA49X BB24 BC11 BD09 BD12 CA42

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一貫した品質を有するスターターカルチャーを供給する方法
    であって、 (i) スターターカルチャー生物細胞の濃縮物を含む保存接種菌材料を供給し
    ; (ii) スターターカルチャーの引き続く生産のために、前記保存接種菌材料の
    サブセットを用いて前記スターターカルチャー生物を培養培地に直接接種し; (iii) 所望量の前記細胞を生産するべく調整された十分な時間にわたり、前
    記スターターカルチャー生物の細胞を増殖せしめ;そして (iv) スターターカルチャーを供給するために前記増殖細胞を回収する; ことを含む方法。
  2. 【請求項2】 工程(i)で供給される前記保存接種菌材料が、少なくとも50,
    000Lの培養培地に接種するのに十分な量である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(i)で供給される前記濃縮物が、少なくとも108CFU/gを
    含む請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(ii)における前記保存接種菌材料のサブセットを、最高
    0.1%の割合で培養培地に直接接種する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(ii)における培養培地に直接接種するための前記保存接
    種菌材料の接種直後のサブセットの量CFU/g培養培地が、接種さるべき前記保存
    接種菌材料のサブセットのCFU/gに関して、1:100から1:100,000の範囲にある請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程(ii)における接種直後の前記培養培地が、培養培地g当
    り少なくとも105CFUを含む請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程(ii)の前記培養培地が、本質的にまたは全く、全乳から
    ならないが、しかし少なくとも部分的に脱脂乳またはクリームからなる請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記保存接種菌材料および/または前記保存接種菌材料のサ
    ブセットが、液状、凍結、ならびに乾燥状態からなる群から選択される状態であ
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記保存接種菌材料の凍結したサブセットを、工程(ii)の培
    養培地へ添加する前に解凍する請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記保存接種菌材料のサブセットを、工程(ii)の培養培地
    に添加する前に細胞の懸濁液を得るために、水性培地と一緒にする請求項8に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 工程(ii)の前記保存接種菌材料のサブセットを、無菌条件
    下または本質的に無菌条件下で、培養培地に添加する請求項1〜10のいずれか1項
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記保存接種菌材料を、密封封入容器に入れて供給する請
    求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記密封封入容器が、ポリオレフィン、置換オレフィン、
    エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボ
    ネート、ポリアミド、アクリロニトリルならびにセルロース誘導体からなる群か
    ら選択される柔軟な物質で製造される請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記密封封入容器が、金属箔を含む柔軟な金属で製造され
    る請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記密封封入容器が、少なくとも0.01Lの容量を有する請
    求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記密封封入容器に、液状培養培地を含む容器への封入容
    器の接続用の出口手段を設け、前記出口手段により、液状培養培地に前記濃縮物
    を接種するために、前記細胞濃縮物を本質的に無菌的に該容器に導入しうる請求
    項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 工程(i)の前記スターターカルチャー生物が、乳酸菌種、
    ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)の種、プロピオニバクテリウム(Pro
    pionibacterium)の種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)の種、ミクロコ
    ッカス(Micrococcus)の種、バシラス(Bacillus)の種、大腸菌を含むエンテ
    ロバクテリアセー(Enterobacteriaceae)の種、アクチノミセーテス(Actinomy
    cetes)の種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)の種、ブレビバクテリウ
    ム(Brevibacterium)の種、ペディオコッカス(Pediococcus)の種、シュード
    モナス(Pseudomonas)の種、スフィンゴモナス(Sphingomonas)の種、ミコバ
    クテリウム(Mycobacterium)の種、ロドコッカス(Rhodococcus)の種、糸状菌
    の種、ならびに酵母の種からなる群から選択される種を起源とする請求項1〜16
    のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記乳酸菌種が、ラクトコッカス(Lactococcus)の種、
    ラクトバシラス(Lactobacillus)の種、ロイコノストック(Leuconostoc)の種
    、ペディオコッカス(Pediococcus)の種、オーノコッカス(Oenococcus)の種
    、ならびにストレプトコッカス(Streptococcus)の種からなる群から選択され
    る請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 工程(i)において、前記保存接種菌材料が少なくとも2種類
    のスターターカルチャー株を含む請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記スターターカルチャーが、食料、飼料、および製薬業
    からなる群の業界から選択される請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記スターターカルチャーが、酪農製品を得るためにさら
    に処理される牛乳の接種用に使用され、前記製品がチーズ、ヨーグルト、バター
    、接種された甘い牛乳、ならびに液状発酵牛乳製品である請求項1〜20のいずれ
    か1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 培養培地で増殖される前記細胞が、望ましい遺伝子産物を
    発現するか、または望ましい製品を生産する請求項1〜21のいずれか1項に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 望ましい前記遺伝子産物が、酵素、医薬活性物質、多糖類
    、ならびにアミノ酸からなる群から選択される請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 望ましい前記産物が、生体色素、香味剤、乳化剤、ビタミ
    ン、生長促進化合物、食料添加物、ならびに飼料添加物からなる群から選択され
    る請求項22に記載の方法。
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