JP2003527841A - 三つ葉ドメイン含有ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体 - Google Patents

三つ葉ドメイン含有ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体

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JP2003527841A JP2001546970A JP2001546970A JP2003527841A JP 2003527841 A JP2003527841 A JP 2003527841A JP 2001546970 A JP2001546970 A JP 2001546970A JP 2001546970 A JP2001546970 A JP 2001546970A JP 2003527841 A JP2003527841 A JP 2003527841A
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    • C12Q2600/158Expression markers

Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なヒトTDCポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードする遺伝子のコード領域を含む単離された核酸に関する。ベクター、宿主細胞、抗体、およびヒトTDCポリペプチドを産生するための組換え方法もまた提供される。本発明はさらに、これらの新規なヒトTDCポリペプチドに関連する障害を診断および処置するために有用な診断方法および治療方法に関する。本発明の単離された核酸分子は、配列番号Xに示されるポリヌクレオチド、またはATCC受託番号Zに含まれるcDNAによってコードされるポリヌクレオチドからなるポリヌクレオチドを含み得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新規の三つ葉ドメイン含有(TDC)タンパク質に関する。より具
体的には、新規のTDCポリペプチドをコードする単離された核酸分子が提供さ
れる。これらのポリペプチドに結合する新規のTDCポリペプチドおよび抗体が
提供される。ヒトTDCポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを産生す
るためのベクター、宿主細胞、および組換え方法および合成方法もまた提供され
る。本発明はさらに、これらの新規なTDCポリペプチドに関連する障害を診断
、処置、予防および/または予知するために有益な診断方法および治療方法に関
する。本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドのアゴニ
ストおよびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。本発
明はさらに、本発明のポリペプチドの産生および機能を阻害するための方法およ
び/または組成物に関する。
【0002】 (発明の背景) 三つ葉ドメイン含有タンパク質は、代表的に腸管および関連組織において見い
出される小さなペプチドのファミリーである。このファミリーのメンバーの顕著
な特徴は、3つのジスルフィド結合の形成に関係すると考えられる6つのシステ
インを含むドメイン(これはまた、「P」ドメインとして知られる)である。こ
れらのジスルフィド結合は、タンパク質内の3つの鎖内ループの生成に寄与する
(Ogataら、J.Biol.Chem.273:3060−67(1998
))。
【0003】 小さなタンパク質のこのファミリーの最も広く発現するメンバーは、おそらく
、腸三つ葉因子(Intestinal Trefoil Factor)(I
TF)として知られる(Kanaiら、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA,95:178−182(1998))。ITFは、大腸および小腸中
の杯細胞に発現し、そして傷害後の粘膜統合(integrity)の再確立を
促進する際に役割を担っていると考えられる。さらに、IFNの発現は、傷害(
消化性潰瘍および腸疾患(IBD)から生じる潰瘍由来の傷害を含む)部位の周
りの細胞および組織において増加する(Kanaiら、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA、95:178−82(1998))。
【0004】 小さなタンパク質の三つ葉ファミリーの別のメンバーは、pS2である(Pl
ayfordら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93:21
37−42(1996))。胃腸傷害の部位で増強されたヒトpS2(hpS2
)発現を示すトランスジェニックマウスは、インドメタシンによって引き起こさ
れる損傷の程度を減少することが示され、pS2は、胃腸粘膜統合の保護および
上皮復旧において役割を果たすことを示唆した。同様に、他の三つ葉ファミリー
メンバー(例えば、ヒトSPおよびラットITF)の全身投与は、インドメタシ
ンに誘導される胃損傷を減少した(Playfordら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA、93:2137−42(1996))。
【0005】 同様に、ITFの発現を欠損するノックアウトマウスは、野生型のコントロー
ルマウスより胃腸の損傷に対して非常により感受性であり、再び、胃腸粘膜統合
の保持および修復における三つ葉ファミリーメンバーに対する役割を示した(M
ashimoら、Science、274:262−65(1996))。
【0006】 従って、新規の三つ葉ドメイン含有タンパク質ファミリーメンバーを同定し、
そして開発する明白な必要性が存在する。構造的に関連するが、このようなタン
パク質は、種々の細胞および組織型において、多様かつ多面的な機能を保持し得
る。本発明の精製された三つ葉ドメイン含有ポリペプチドは、腸細胞の増殖およ
び調節に関するさらなる分子の同定、特徴づけおよび精製のために有用な探索道
具として有用である。さらに、新規の三つ葉含有タンパク質の同定は、核酸およ
びタンパク質レベルで、幅広い誘導体、アゴニストおよびアンタゴニストの開発
を可能にし、これは、代わりに、多くのほかの状態のうち、炎症、胃腸障害、癌
および組織治癒障害のような幅広い状態の処置および診断において適用を有する
【0007】 (発明の要旨) 本発明は、配列表に開示されるポリヌクレオチド配列、および/または表1に
記載され、そしてアメリカン タイプ カルチャー コレクション(ATCC)
に寄託されたヒトcDNAプラスミドに含まれるポリヌクレオチド配列を含むか
、あるいはこれからなる単離された核酸分子を包含する。これらの核酸分子のフ
ラグメント、改変体、および誘導体はまた、本発明によって包含される。本発明
はまた、TDCポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むか、あるいは
これからなる単離された核酸分子を包含する。本発明はさらに、これらのポリヌ
クレオチドによってコードされるTDCポリペプチドを包含する。さらに、配列
表に開示されるTDCポリペプチド、および/または表1に記載されそしてAT
CCに寄託されたヒトcDNAプラスミドによってコードされるTDCポリペプ
チドを含むか、あるいは、これらからなるアミノ酸配列が提供される。これらの
ポリペプチドに結合する抗体もまた、本発明によって包含される。これらのアミ
ノ酸配列のポリペプチドフラグメント、改変体、および誘導体はまた、本発明に
よって包含され、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびこ
れらのポリペプチドに結合する抗体も包含される。
【0008】 (詳細な説明) (表) 表1は、本出願に関連してATCCに寄託された、ATCC寄託物、寄託日、
および寄託物のATCC指定番号をまとめる。表1はさらに、以下に記載の各々
の「遺伝子番号(Gene No)」の付随する情報をまとめる。この情報には
、cDNAクローン識別子、cDNAクローン識別子に含まれるベクターの型、
ヌクレオチド配列識別子番号、開示される配列に含まれるヌクレオチド、開示さ
れる配列の開始コドンの5’ヌクレオチドの位置、アミノ酸配列識別子番号、お
よび開示される配列によりコードされるORFの最後のアミノ酸を含む。
【0009】 表2は、公のESTを示し、このうち、任意の1以上のこれらの公のEST配
列の少なくとも1、2、3、4、5または10以上は、必要に応じて本発明の特
定の実施形態から除外される。
【0010】 表3は、表1に開示されるクローンに対応するポリヌクレオチドの発現プロフ
ィールをまとめる。1列目は、表1に開示される各コンティグ配列に関するcD
NAクローンについての、特定のクローン識別子「クローン番号V」を提供する
。2列目の「ライブラリーコード」は、本発明のポリヌクレオチドを発現する組
織および/または細胞株のライブラリーの発現プロフィールを示す。第2列の各
ライブラリーのコードは、表4に提供されるライブラリーコードおよびライブラ
リーの詳細(Library description)に対応する組織/細胞
供給源の識別子コードを示す。これらのポリヌクレオチドの発現は、試験した他
の組織および/または細胞ライブラリーにおいては観察されなかった。当業者は
、慣用的に、この情報を用いて、本発明の対応するポリヌクレオチドの優勢な発
現パターンを示す組織を同定するか、または優勢なおよび/または特異的な組織
発現を示すポリヌクレオチドを同定し得る。
【0011】 表4の第1列は、表3の2列目に開示されたライブラリーコードを提供する。
2列目は、対応するライブラリーが誘導された組織または細胞の供給源の詳細を
提供する。罹患した組織に対応するライブラリーコードは、3列目に単語「疾患
」で示される。3列目の単語「疾患」の使用は、非限定的である。このライブラ
リーの組織供給源は、特異的(例えば、新生物)であり得るか、または疾患関連
(例えば、罹患した器官の正常部分からの組織サンプル)であり得る。さらに、
「疾患」の指摘を欠くライブラリーは、依然として、疾患の状態または障害に直
接的または間接的に関連する供給源に由来し得、従って、その疾患状態または障
害においてさらなる有用性を有し得る。
【0012】 (定義) 以下の定義は、本明細書を通じて使用される特定の用語の理解を容易にするた
めに提供される。
【0013】 本発明において、「単離された」とは、その本来の環境(例えば、それが天然
に存在する場合は天然の環境)から取り出された物質をいい、したがって、天然
の状態から「人間の手によって」変更されている。例えば、単離されたポリヌク
レオチドは、ベクターまたは組成物の一部であり得るか、あるいは細胞中に含ま
れ得、そしてなお「単離される」。なぜなら、ベクター、問題の組成物、または
特定の細胞は、ポリヌクレオチドの本来の環境ではないからである。用語「単離
された」とは、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリー、全細胞調製物
またはmRNA調製物、ゲノムDNA調製物(電気泳動によって分離され、そし
てブロッティング上に移されたものを含む)、共有された全細胞ゲノムDNA調
製物、または他の組成物(当業者には本発明のポリヌクレオチド/配列の特徴と
識別不能である)を言わない。
【0014】 本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」とは、配列番号Xに含まれる核酸
配列を有する分子(表1の第5列に記載)、またはcDNAプラスミド:V(表
1の第2列に記載され、そしてATCC寄託番号ZにおいてATCCに寄託され
たプラスミドのプール内に含まれる)に含まれる核酸配列をいう。例えば、ポリ
ヌクレオチドは、5’および3’非翻訳配列、天然もしくは人工のシグナル配列
を含むかもしくは含まないコード領域、分泌タンパク質コード領域を含む全長c
DNA配列のヌクレオチド配列、ならびにこの核酸配列のフラグメント、エピト
ープ、ドメイン、および改変体を含み得る。さらに、本明細書で使用される場合
、「ポリペプチド」とは、広く定義される場合、本発明のポリヌクレオチドによ
りコードされるアミノ酸配列を有する分子をいう(cDNAに対応する配列のポ
リAテールの翻訳から生じるポリ−フェニルアラニンまたはポリリジンペプチド
配列は明らかに除外する)。
【0015】 本発明において、配列番号Xの配列を含む代表的プラスミドは、アメリカンタ
イプカルチャーコレクション(「ATCC」)に寄託されているか、および/ま
たは表1に記載している。表1に示すように、各プラスミドは、cDNAクロー
ンID(識別子)およびATCC寄託番号(ATCC受託番号:Z)によって同
定される。プールされ,単一の寄託物として寄託されたプラスミドは、同じAT
CC受託番号を有する。ATCCは、アメリカ合衆国、バージニア20110−
2209、マナサス、Boulevard大学 10801に位置する。ATC
C寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条項
によって行われた。
【0016】 本発明の「ポリヌクレオチド」はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下で、配列番号Xに含まれる配列、その相補体(例えば、本明細書に
記載のポリヌクレオチドフラグメントの任意の1、2、3、4またはそれ以上の
相補体)、および/またはcDNAプラスミドVに含まれた配列(例えば、本明
細書に記載のポリヌクレオチドフラグメントの任意の1、2、3、4またはそれ
以上の相補体)にハイブリダイズし得るそれらのポリヌクレオチドを含む。「ス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5
×SSC(750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウム)、50mMリ
ン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt溶液、10%硫酸デキス
トラン、および20μg/ml変性剪断サケ***DNAを含む溶液中での42℃
での一晩インキュベーション、次いで0.1×SSC中で約65℃にてフィルタ
ーを洗浄することをいう。
【0017】 より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件で本発明のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズする核酸分子もまた本発明の「ポリヌクレオチド」
のうちであると意図される。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーおよ
びシグナル検出の変化は、主として、ホルムアミド濃度(より低い百分率のホル
ムアミドが、低下したストリンジェンシーを生じる);塩条件、または温度の操
作によって達成される。例えば、より低いストリンジェンシー条件は、6×SS
PE(20×SSPE=3M NaCl;0.2M NaHPO;0.02
M EDTA、pH7.4)、0.5% SDS、30%ホルムアミド、100
μg/mlサケ***ブロッキングDNAを含む溶液中での37℃で一晩のインキ
ュベーション;次いで1×SSPE、0.1% SDSを用いた50℃での洗浄
を含む。さらに、さらになおより低いストリンジェンシーを達成するために、ス
トリンジェントなハイブリダイゼーション後に実施される洗浄は、より高い塩濃
度(例えば、5×SSC)で行われ得る。
【0018】 上記の条件における変化が、ハイブリダイゼーション実験においてバックグラ
ウンドを抑制するために使用される代替的なブロッキング試薬の包含および/ま
たは置換によって達成され得ることに留意すること。代表的なブロッキング試薬
としては、Denhardt試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サケ***DN
A、および市販の専売処方物が挙げられる。特異的なブロッキング試薬の包含は
、適合性の問題に起因して、上記のハイブリダイゼーション条件の改変を必要と
し得る。
【0019】 もちろん、ポリA+配列(例えば、配列表に示されるcDNAの任意の3’末
端ポリA+領域(tract))に、またはT(もしくはU)残基の相補的スト
レッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオ
チドが、ポリ(A)ストレッチまたはその相補体(例えば、プライマーとしてオ
リゴdtを使用して産生された事実上任意の二本鎖cDNAクローン)を含む任
意の核酸分子にハイブリダイズするので、「ポリヌクレオチド」の定義に包含さ
れない。
【0020】 本発明のポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキ
シリボヌクレオチドから構成され得、これは、非改変RNAもしくは非改変DN
Aまたは改変RNAもしくは改変DNAであり得る。例えば、ポリヌクレオチド
は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA
、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物である
RNA、一本鎖、またはより代表的には二本鎖もしくは一本鎖および二本鎖領域
の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子から構成され得
る。さらに、ポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNA、またはRNAおよび
DNAの両方を含む三本鎖領域から構成され得る。ポリヌクレオチドはまた、安
定性のために、または他の理由のために改変された1つ以上の改変された塩基ま
たはDNAもしくはRNA骨格を含み得る。「改変された」塩基としては、例え
ば、トリチル化された塩基およびイノシンのような通常でない塩基が挙げられる
。種々の改変が、DNAおよびRNAに対してなされ得;従って、「ポリヌクレ
オチド」は、化学的、酵素的、または代謝的に改変された形態を含む。
【0021】 特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、少なくとも15、少
なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも125、少なく
とも500または少なくとも1000個の連続するヌクレオチドであるが、長さ
が300kb、200kb、100kb、50kb、15kb、10kb、7.
5kb、5kb、2.5kb、2.0kbまたは1kb以下である。さらなる実
施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書において開示される場
合、コード配列の一部を含むが、任意のイントロンの全てまたは一部を含まない
。別の実施形態において、コード配列を含むポリヌクレオチドは、ゲノム隣接遺
伝子(すなわち、ゲノムにおける目的の遺伝子に対して5’側または3’側)の
コード配列を含まない。他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、10
00、500、250、100、50、25、20、15、10、5、4、3、
2、または1より多いゲノム隣接遺伝子コード配列を含まない。
【0022】 「配列番号X(SEQ ID NO:X)」とは、表1の第5列に記載のポリ
ヌクレオチド配列をいうが、「配列番号Y(SEQ ID NO:Y)」とは、
表1の第10列に記載のポリペプチド配列をいう。配列番号Xは、表1の第6列
に特定された整数によって識別される。配列番号Yのポリペプチド配列は、配列
番号Xのポリヌクレオチドによりコードされるオープンリーディングフレーム(
ORF)の翻訳産物である。このポリヌクレオチド配列は、配列表に示されてお
り、その直後に全てのポリペプチド配列を示す。従って、配列番号2のポリヌク
レオチド配列に対応するポリペプチド配列は、配列表に示される第1のポリペプ
チド配列である。第2のポリペプチド配列は、配列番号3に示されるポリヌクレ
オチド配列などに対応する。
【0023】 本発明のポリペプチドは、ペプチド結合または改変されたペプチド結合、すな
わち、ペプチドアイソスター(isostere)によって互いに連結したアミ
ノ酸から構成され得、そして遺伝子がコードする20個のアミノ酸以外のアミノ
酸を含み得る。ポリペプチドは、翻訳後プロセシングのような天然のプロセスに
よって、または当該分野で周知の化学的改変技術によってのいずれかで改変され
得る。このような改変は、基本的教科書、およびより詳細な研究論文、ならびに
多くの研究文献に十分記載される。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およ
びアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドのいずれの箇所でも生
じ得る。同じ型の改変が、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で同じまたは
種々の程度で存在し得ることが理解される。また、所定のポリペプチドは多くの
型の改変を含み得る。ポリペプチドは、例えば、ユビキチン化の結果として分枝
状であり得、そしてポリペプチドは、分枝を含むかまたは含まない環状であり得
る。環状、分枝状および分枝した環状ポリペプチドは、天然の翻訳後プロセスか
ら生じ得るか、または合成方法によって作製され得る。改変としては、アセチル
化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分
の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂
質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジ
スルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピ
ログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GP
Iアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG
化(pegylation)、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニ
ル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質への
アミノ酸のトランスファーRNA媒介の付加、およびユビキチン化が挙げられる
。(例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECUL
AR PROPERTIES, 第2版, T.E. Creighton,
W.H. Freeman and Company, New York (
1993);POSTTRANSLATIONAL COVALENT MOD
IFICATION OF PROTEINS, B.C. Johnson編
, Academic Press, New York, 1−12頁 (1
983);Seifterら, Meth Enzymol 182:626−
646 (1990);Rattanら, Ann NY Acad Sci
663:48−62 (1992)を参照のこと)。
【0024】 本発明のポリペプチドは、任意の適切な様式で調製され得る。このようなポリ
ぺプチドとしては、単離された天然に存在するポリぺプチド、組換えによって生
成されたポリぺプチド、合成によって生成されたポリぺプチド、またはこれらの
方法の組合せによって生成されたポリぺプチドが挙げられる。このようなポリぺ
プチドを調製するための手段は、当該分野において十分に理解される。
【0025】 このポリぺプチドは、分泌タンパク質の形態(成熟形態を含む)であり得るか
、またはより大きなタンパク質(例えば、融合タンパク質)の部分であり得る(
以下を参照のこと)。分泌配列またはリーダー配列、プロ配列、精製を補助する
配列(例えば、複数のヒスチジン残基)、あるいは組換え生成の間の安定性のた
めのさらなる配列を含む、さらなるアミノ酸配列を含むことは、しばしば有利で
ある。
【0026】 本発明のポリぺプチドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そして好
ましくは実質的に精製される。ポリぺプチド(分泌ポリぺプチドを含む)の組換
えによって生成されたバージョン(version)は、本明細書に記載される
か、そうでなければ当該分野で公知の技術、例えば、SmithおよびJohn
son、Gene 67:31−40(1988)に記載される1工程の方法に
よって実質的に精製され得る。本発明のポリぺプチドはまた、本明細書に記載さ
れているかまたは当該分野で公知である方法(例えば、当該分野において周知で
ある方法、本発明のポリペプチドに対して惹起された本発明の抗体)を使用して
、天然のまたは組換えの供給源から精製され得る。
【0027】 「機能的活性」を示すポリペプチドとは、本発明のタンパク質の全長(完全)
ポリペプチドと関連した1つ以上の公知の機能的活性を示し得るポリペプチドを
意味する。このような機能的活性としては、生物学的活性、抗原性[本発明のポ
リペプチドに対する抗体に結合する(または結合することについて、本発明のポ
リペプチドと競合する)能力]、免疫原性(本発明のポリペプチドに結合する抗
体を生成する能力)、本発明のポリペプチドとマルチマーを形成する能力、およ
び本発明のポリペプチドについてのレセプターまたはリガンドに結合する能力が
挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】 「機能的活性を有するポリペプチド」とは、本発明のポリペプチドの活性と類
似の活性であるが、その活性と必ずしも同一でない活性を示すポリペプチド(用
量依存性ありまたはなしで、特定のアッセイ(例えば、生物学的アッセイ)にお
いて測定されるような、成熟型を含む)をいう。用量依存性が存在する場合、用
量依存性は、そのポリペプチドの用量依存性と同一である必要はなく、むしろ本
発明のポリペプチドと比較した所定の活性における用量依存性と実質的に類似で
ある(すなわち、候補ポリペプチドは、本発明のポリペプチドと比較してより高
い活性、すなわち約1/25以上、好ましくは1/10以上、そして最も好まし
くは、約1/3以上の活性を示す。
【0029】 ポリペプチド、ならびにそのフラグメント、改変体、誘導体、およびアナログ
の機能的活性は、種々の方法によってアッセイされ得る。
【0030】 例えば、全長ポリペプチド抗体に対する抗体の結合について本発明の全長ポリ
ペプチドと結合または競合する能力についてアッセイする1つの実施形態におい
て、当該分野で公知の種々のイムノアッセイ系が使用され得、これらのアッセイ
系には、例えば、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法
)、「サンドウィッチ」イムノアッセイ、免疫ラジオメトリック測定法、ゲル拡
散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチュイムノアッセイ(例えば、金コロ
イド、酵素標識または放射性同位元素標識を使用する)、ウェスタンブロット、
沈降反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ)、補
体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳
動アッセイなどのような技術を使用する競合的および非競合的アッセイ系が含ま
れるがこれらに限定されない。1つの実施形態において、抗体結合は、一次抗体
上の標識を検出することにより検出される。別の実施形態において、一次抗体は
、二次抗体の結合または一次抗体に対する試薬を検出することによって検出され
る。さらなる実施形態において、二次抗体が標識される。イムノアッセイにおけ
る結合を検出するための多くの手段が当該分野において公知であり、そして本発
明の範囲内にある。
【0031】 別の実施形態において、リガンドが同定されるか、または本発明のポリペプチ
ドフラグメント、改変体、または誘導体をマルチマー化する能力が評価される場
合、結合は、例えば、当該分野で周知の手段(例えば、還元または非還元ゲルク
ロマトグラフィー、タンパク質アフィニティークロマトグラフィー、およびアフ
ィニティーブロッティング)によってアッセイされ得る。一般的には、Phiz
icky,E.ら、Microbiol.Rev.59:94−123(199
5)を参照のこと。別の実施形態において、その基質に結合する本発明の生理学
的に相関するポリペプチド(シグナル伝達)がアッセイされ得る。
【0032】 さらに、本明細書中に記載されるアッセイ(実施例を参照のこと)およびさも
なくば当該分野で公知のアッセイが、慣用的に、本発明のポリペプチドならびに
そのフラグメント、改変体、誘導体、およびアナログの、ポリペプチド関連生物
学的活性(インビトロまたはインビボのいずれかにおいて)を誘発する能力を測
定するために適用され得る。他の方法は、当業者に公知であり、そして本発明の
範囲にある。
【0033】 (本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド) (遺伝子番号1によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子に対応する翻訳産物は、三つ葉ドメイン、典型的に3つのジスルフ
ィド結合によって連結された6個にヒスチジン残基を含むドメインを含み、タン
パク質の構造的な安定化に関与すると考えられる。
【0034】 本発明の好ましいポリペプチドは、以下の三つ葉ドメインアミノ酸配列:CV
HQAQAVPVRPDHCPVCVSPLGCDDDLPSLCCMHYCC
KVRPHQHCSC(配列番号10)を含むか、あるいはこれからなる。これ
らのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、これらのポリペプチド
の1つ以上に結合する抗体と同様に、本発明により企図される。さらに、これら
のポリペプチドのフラグメントおよび改変体(例えば、本明細書中で記載される
フラグメント、これらのポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、9
5%、96%、97%、98%、または99%同一なポリペプチド、およびスト
リンジェントな条件下で、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、ま
たはそれらの相補体)が、本発明によって企図される。本発明のこれらのフラグ
メントおよび改変体に結合する抗体もまた、本発明によって企図される。これら
のフラグメントおよび改変体をコードするポリヌクレオチドもまた本発明によっ
て企図される。配列番号10の三つ葉ドメイン、および配列番号6の少なくとも
5、10、15、20、25、30、50、または75のさらなる連続したアミ
ノ酸残基を含むポリペプチドがさらに好ましい。さらなる連続したアミノ酸残基
は、三つ葉ドメインに対してN末端またはC末端であり得る。あるいは、さらな
る連続したアミノ酸残基は、三つ葉ドメインに対してN末端およびC末端の両方
であり得、ここで、総NおよびC末端連続アミノ酸残基は、特定の数に等しい。
【0035】 この遺伝子は、消化管組織(例えば、正常な結腸組織および癌性結腸組織、な
らびに胎盤組織および胎児組織)において発現される。
【0036】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(抗体を含む)は、生
物学的試料中に存在する消化管の組織または細胞型の示差的同定のため、ならび
に以下が挙げられるがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬
として有用である:消化管疾患および/または障害(消化管組織修復の障害を含
む)、ならびに胎盤の疾患および/または障害。同様に、ポリペプチドおよびこ
れらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免
疫学的プローブを提供することに有用である。上記組織または細胞の多くの障害
、特に消化管および胎盤の多くの障害について、標準的な遺伝子発現レベル、す
なわち、障害を有さない個体からの健常組織の発現レベルに対して有意により高
いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体か
ら採取された特定の組織または細胞型(例えば、消化管組織、胎盤組織、癌組織
、および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および
髄液)で慣用的に検出される。
【0037】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号6において残基Thr−13〜G
ln−18、Tyr−46〜Glu−51、およびVal−99〜Ser−10
6として示される免疫原性エピトープの1個、2個、3個または3個全てを含む
か、またはこれらからなる。これらのポリペプチドをコードするポリペプチドは
、これらのポリペプチドの1つ以上に結合する抗体と同様に、本発明により企図
される。さらに、これらのポリペプチドのフラグメントおよび改変体(例えば、
本明細書中で記載されるフラグメント、これらのポリペプチドと少なくとも80
%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一なポ
リペプチド、およびストリンジェントな条件下で、これらのポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコード
されるポリペプチド、またはそれらの相補体)が、本発明によって企図される。
本発明のこれらのフラグメントおよび改変体に結合する抗体もまた、本発明によ
って企図される。これらのフラグメントおよび改変体をコードするポリヌクレオ
チドもまた本発明によって企図される。
【0038】 消化管組織および胎盤組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌ
クレオチド、翻訳産物および抗体が、消化管の疾患および/または障害(消化管
組織の修復における障害を含む)、ならびに胎盤の疾患および/または障害の診
断、検出および/または処置に有用であることを示す。
【0039】 消化管組織および胎結腸組織における組織分布は、この遺伝子に対応する翻訳
産物が、小腸を含む障害の診断および/または処置のために有用であることを示
す。これには、消化、消化管組織修復および食物吸収に関連する疾患、ならびに
造血障害(小腸、または体内の他の造血細胞および組織のパイアー斑を含む)が
挙げられ得る。同様に、結腸組織におけるこの遺伝子産物の発現はまた、食物の
消化、処理および排出における関与、ならびにこの遺伝子の、結腸癌および一般
的な癌の発生における診断マーカーまたは原因物質としての潜在的な役割を示唆
する。
【0040】 癌性結腸組織における組織分布は、この遺伝子に対応する翻訳産物が、アンタ
ゴニスト、特に低分子または抗体(これは、これらの翻訳産物により媒介される
生物学的活性を阻害し得る)に対する腸恋うな標的であることを示す。従って、
この遺伝子に対応する翻訳産物の一部に特異的に結合する抗体および/または低
分子が好ましい。結腸癌を検出するためのキットもまた提供される。このような
キットは、一実施形態において、固体支持体に結合したこの遺伝子に対応する翻
訳産物に対して特異的な抗体を含む。個体における結腸癌を検出する方法もまた
提供され、この方法は、この遺伝子の翻訳産物に対して特異的な抗体を、この個
体由来の体液または生物学的サンプル(好ましくは、血清)と接触させる工程、
およびこの抗体がこの体液中に見出される抗原と結合するか否かを確認する工程
を包含する。好ましくは、抗体は、固体支持体に結合し、そして体液は血清であ
る。上記の実施形態、ならびに他の処置および診断試験(キットおよび方法)は
、本明細書中の他の箇所により具体的に記載される。
【0041】 あるいは、この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチド、翻訳産
物および抗体が、胎盤の障害の診断および/または処置に有用であることを示唆
する。胎盤における発現は、この遺伝子産物が、胎盤機能の適切な確率および維
持において役割を果たし得ることを示す。あるいは、この遺伝子産物は、胎盤に
よって産生され得、次いで胎芽に輸送され、ここでこれは、胎芽または胎児の発
達および/または生存において重要な役割を果たし得る。血管の多い組織(例え
ば、胎盤)におけるこの遺伝子産物の発現は、この遺伝子産物が、より一般的に
は内皮細胞において、または循環内で産生され得ることを示唆する。このような
場合において、この遺伝子産物は、血管機能(例えば、新脈管形成)においてよ
り一般化された役割を果たし得る。これはまた、血管系において産生され得、そ
して循環内の他の細胞(例えば、造血細胞)に対する効果を有する。これは、造
血細胞ならびに身体全体にわたる他の細胞の増殖、生存、活性化および/または
分化を促進するように働き得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に指向され
る抗体は、上記の組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用
性を示し得る。
【0042】 (遺伝子番号2によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子に対応する翻訳産物は、三つ葉ドメイン、典型的に3つのジスルフ
ィド結合によって連結された6個にヒスチジン残基を含むドメインを含み、タン
パク質の構造的な安定化に関与すると考えられる。
【0043】 本発明の好ましいポリペプチドは、以下の三つ葉ドメインアミノ酸配列:CL
SVPGVCLQRESWLLQLHSPGTPTPVFPAPFPVFTLS
SDTLNCSWGDWQLALCASPCSPTSAKVSPSRDLC(配
列番号11)を含むか、あるいはこれからなる。これらのポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドもまた、これらのポリペプチドの1つ以上に結合する抗体
と同様に、本発明により企図される。さらに、これらのポリペプチドのフラグメ
ントおよび改変体(例えば、本明細書中で記載されるフラグメント、これらのポ
リペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、9
8%、または99%同一なポリペプチド、およびストリンジェントな条件下で、
これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリ
ヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、またはそれらの相補体)が、
本発明によって企図される。本発明のこれらのフラグメントおよび改変体に結合
する抗体もまた、本発明によって企図される。これらのフラグメントおよび改変
体をコードするポリヌクレオチドもまた本発明によって企図される。配列番号1
1の三つ葉ドメイン、および配列番号7の少なくとも5、10、15、20、2
5、30、50、または75のさらなる連続したアミノ酸残基を含むポリペプチ
ドがさらに好ましい。さらなる連続したアミノ酸残基は、三つ葉ドメインに対し
てN末端またはC末端であり得る。あるいは、さらなる連続したアミノ酸残基は
、三つ葉ドメインに対してN末端およびC末端の両方であり得、ここで、総Nお
よびC末端連続アミノ酸残基は、特定の数に等しい。
【0044】 この遺伝子は、乳児組織、ならびに平滑筋組織のような血管組織において発現
される。
【0045】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(抗体を含む)は、生
物学的試料中に存在する消化管の組織または細胞型の示差的同定のため、ならび
に以下が挙げられるがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬
として有用である:血管組織(その組織修復を含む)の疾患および/または障害
、ならびに発達している乳児の疾患および/または障害。同様に、ポリペプチド
およびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定の
ための免疫学的プローブを提供することに有用である。上記組織または細胞の多
くの障害、特に消化管および胎盤の多くの障害について、標準的な遺伝子発現レ
ベル、すなわち、障害を有さない個体からの健常組織の発現レベルに対して有意
により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有す
る個体から採取された特定の組織または細胞型(例えば、発達組織、血管組織、
癌組織、および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液
および髄液)で慣用的に検出される。
【0046】 発達組織および血管組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌク
レオチド、翻訳産物および抗体が、胎児/乳児の発達組織の疾患および/または
障害、ならびに血管の疾患および/または障害の診断、検出および/または処置
に有用であることを示す。胎児組織および増殖細胞によりマークされる他の細胞
源における発現は、このタンパク質が細胞***の調節において役割を果たし得る
ことを示唆し、そして癌および他の増殖障害の診断および処置において有用性を
示す。同様に、このような開発は、細胞分化および/またはパターン形成におけ
るアポトーシスを含む決定を包含する。従って、このタンパク質はまた、アポト
ーシスまたは組織分化に関与し得、そしてまた癌治療に有用であり得る。
【0047】 平滑筋組織における組織分布は、この遺伝子に対応する翻訳産物が、心臓血管
系の状態および病理(例えば、心臓疾患、再狭窄、アテローム性硬化症、発作、
狭心症、血栓症および創傷治癒)の診断および/または処置に有用であることを
示す。タンパク質およびこのタンパク質に対する抗体は、上記の組織の腫瘍マー
カーおよび/または免疫治療および標的としての有用性を示し得る。
【0048】 (遺伝子番号3によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、前立腺眼組織において発現され、そしてより少ない程度で好中
球において発現される。
【0049】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(抗体を含む)は、生
物学的試料中に存在する消化管の組織または細胞型の示差的同定のため、ならび
に以下が挙げられるがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬
として有用である:生殖器系および免疫系の疾患および/または障害。同様に、
ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の
示差的同定のための免疫学的プローブを提供することに有用である。上記組織ま
たは細胞の多くの障害、特に消化管および胎盤の多くの障害について、標準的な
遺伝子発現レベル、すなわち、障害を有さない個体からの健常組織の発現レベル
に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このよう
な障害を有する個体から採取された特定の組織または細胞型(例えば、生殖器組
織、免疫組織、癌組織、および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、
血漿、尿、滑液および髄液)で慣用的に検出される。
【0050】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号8において残基Ser−31〜G
ly−42として示される免疫原性エピトープを含むか、またはこれらからなる
。これらのポリペプチドをコードするポリペプチドは、これらのポリペプチドの
1つ以上に結合する抗体と同様に、本発明により企図される。さらに、これらの
ポリペプチドのフラグメントおよび改変体(例えば、本明細書中で記載されるフ
ラグメント、これらのポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、95
%、96%、97%、98%、または99%同一なポリペプチド、およびストリ
ンジェントな条件下で、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに
ハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、また
はそれらの相補体)が、本発明によって企図される。本発明のこれらのフラグメ
ントおよび改変体に結合する抗体もまた、本発明によって企図される。これらの
フラグメントおよび改変体をコードするポリヌクレオチドもまた本発明によって
企図される。
【0051】 癌性前立腺組織および好中球における組織分布は、この遺伝子に対応するポリ
ヌクレオチド、翻訳産物および抗体が、生殖器系の疾患および/または障害(そ
れらの組織修復の障害を含む)、ならびに免疫系の疾患および/または障害の診
断、検出および/または処置に有用であることを示す。癌性前立腺組織における
組織分布は、このクローンに対応する翻訳産物が、生殖器系を含む障害の診断お
よび/または処置のために有用であることを示唆する。前立腺眼組織における組
織分布は、このクローンのタンパク質産物が、腫瘍、特に前立腺癌、ならびに発
現が示された他の組織の癌の処置および診断のために有用であることを示唆する
。前立腺組織における発現は、遺伝子またはその産物が炎症性障害を含む前立腺
の障害(例えば、慢性前立腺炎、肉芽腫性前立腺炎およびマラコプラキア、前立
腺肥大および前立腺腫瘍障害(腺癌を含む)、移行上皮癌、腺管癌、扁平上皮癌
)において、または全身機能または生殖機能を有するホルモンまたは因子として
使用さ得ることを示し得る。
【0052】 癌性前立腺組織における組織分布は、この遺伝子が、アンタゴニスト、特に低
分子または抗体(これは、これらの翻訳産物により媒介される生物学的活性を阻
害し得る)に対する良好な標的であることを示す。従って、この遺伝子の翻訳産
物の一部に特異的に結合する抗体および/または低分子が好ましい。前立腺癌を
検出するためのキットもまた提供される。このようなキットは、一実施形態にお
いて、固体支持体に結合したこの遺伝子に対応する翻訳産物に対して特異的な抗
体を含む。個体における前立腺癌を検出する方法もまた提供され、この方法は、
この遺伝子の翻訳産物に対して特異的な抗体を、この個体由来の体液または生物
学的サンプル(好ましくは、血清)と接触させる工程、およびこの抗体がこの体
液中に見出される抗原と結合するか否かを確認する工程を包含する。好ましくは
、抗体は、固体支持体に結合し、そして体液は血清である。上記の実施形態、な
らびに他の処置および診断試験(キットおよび方法)は、本明細書中の他の箇所
により具体的に記載される。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体
は、上記の組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示
し得る。
【0053】 (遺伝子番号4によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、正常な結腸組織、ならびに小脳および前頭皮質組織において発
現される。
【0054】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(抗体を含む)は、生
物学的試料中に存在する消化管の組織または細胞型の示差的同定のため、ならび
に以下が挙げられるがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬
として有用である:消化器系および神経系の疾患およびまたは障害。同様に、ポ
リペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示
差的同定のための免疫学的プローブを提供することに有用である。上記組織また
は細胞の多くの障害、特に消化器系および神経系の多くの障害について、標準的
な遺伝子発現レベル、すなわち、障害を有さない個体からの健常組織の発現レベ
ルに対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このよ
うな障害を有する個体から採取された特定の組織または細胞型(例えば、消化管
組織、神経組織、癌組織、および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清
、血漿、尿、滑液および髄液)で慣用的に検出される。
【0055】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号9において残基Met−1〜Gl
n−8およびPro−21〜Lys−26として示される免疫原性エピトープを
含むか、またはこれらからなる。これらのポリペプチドをコードするポリペプチ
ドは、これらのポリペプチドの1つ以上に結合する抗体と同様に、本発明により
企図される。さらに、これらのポリペプチドのフラグメントおよび改変体(例え
ば、本明細書中で記載されるフラグメント、これらのポリペプチドと少なくとも
80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一
なポリペプチド、およびストリンジェントな条件下で、これらのポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコ
ードされるポリペプチド、またはそれらの相補体)が、本発明によって企図され
る。本発明のこれらのフラグメントおよび改変体に結合する抗体もまた、本発明
によって企図される。これらのフラグメントおよび改変体をコードするポリヌク
レオチドもまた本発明によって企図される。
【0056】 消化器組織および神経組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌ
クレオチド、翻訳産物および抗体が、消化管の疾患および/または障害(消化管
組織の修復における障害を含む)、ならびに神経系の疾患および/または障害の
診断、検出および/または処置に有用であることを示す。
【0057】 結腸組織における組織分布は、このクローンに対応する翻訳産物が、消化器系
含む障害の診断および/または処置のために有用であることを示す。これには、
消化および食物吸収に関連する疾患、ならびに造血障害(小腸、または体内の他
の造血細胞および組織のパイアー斑を含む)が挙げられ得る。同様に、結腸組織
におけるこの遺伝子産物の発現はまた、食物の消化、処理および排出における関
与、ならびにこの遺伝子の、結腸癌および一般的な癌の発生における診断マーカ
ーまたは原因物質としての潜在的な役割を示唆する。
【0058】 あるいは、神経組織における組織分布は、このクローンのタンパク質産物が、
神経変性疾患状態および行動傷害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病
、ハンティングトン病、ツレット病、***言語症、躁病、痴呆、妄想症、強迫性
障害、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉症、変化した行動(食餌、
睡眠パターン、バランスおよび認知を含む))の検出/処置に有用であることを
示す。さらにこの遺伝子または遺伝子産物はまた、発達している胚に関連する発
達障害または性的に関連した障害の処置および/または検出において役割を果た
し得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に指向される抗体は、上記の組織の
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。
【0059】
【表1】 表1は、上記の各「遺伝子番号」に対応する情報を要約する。「ヌクレオチド
配列番号X」として同定されるヌクレオチド配列は、表1において同定される「
cDNAクローンID」から、およびいくつかの場合において、さらなる関連の
DNAクローンから得られる、部分的に相同な(「重複する」)配列から構築さ
れた。重複する配列は、高い冗長性の単一の連続した配列に構築され(通常、各
ヌクレオチド位置で3〜5個の重複する配列)、配列番号Xとして同定される最
終的な配列を得た。
【0060】 cDNAクローンIDは、その日付に寄託され、そして「ATCC寄託番号Z
および日付」において列挙される対応する寄託番号が与えられた。寄託物のいく
つかは、同じ遺伝子に対応する複数の異なるクローンを含む。「ベクター」は、
cDNAクローンIDにおいて含まれるベクターの型をいう。
【0061】 「総ヌクレオチド配列」は、「遺伝子番号」によって同定されるコンティグに
おけるヌクレオチドの総数をいう。寄託されたプラスミドは、これらの配列の全
てを含み得、この配列は、配列番号Xの「クローン配列の5’ヌクレオチド」お
よび「クローン配列の3’ヌクレオチド」として示されるヌクレオチドの位置に
よって反映される。推定メチオニン開始コドンの配列番号Xのヌクレオチドの位
置は(存在する場合)、「開始コドンの5’ヌクレオチド」として同定される。
同様に、推定シグナル配列の配列番号Xのヌクレオチドの位置は(存在する場合
)、「シグナルペプチドの第一のアミノ酸の5’ヌクレオチド」として同定され
る。
【0062】 翻訳されたアミノ酸配列は、ポリヌクレオチド配列の第1翻訳コドンで始まり
、「アミノ酸配列番号Y」として同定されるが、他のリーディングフレームもま
た、公知の分子生物学技術を使用して容易に翻訳され得る。これらの代替的オー
プンリーディングフレームによって産生されるポリペプチドは、本発明によって
具体的に意図される。
【0063】 配列番号X(ここで、Xは、配列表に開示されたポリヌクレオチド配列のいず
れかであり得る)および翻訳される配列番号Y(ここで、Yは、配列表に開示さ
れたポリペプチド配列のいずれかであり得る)は、十分に正確であり、そしてそ
うでなければ、当該分野において周知でありかつ以下でさらに記載される種々の
使用に適切である。例えば、配列番号Xは、配列番号Xにおいて含まれる核酸配
列または寄託されたプラスミドに含まれるcDNAを検出する核酸ハイブリダイ
ゼーションプローブを設計することを含む使用を有するが、これらに限定されな
い。これらのプローブはまた、生物学的サンプル中の核酸分子にハイブリダイズ
し、それによって本発明の種々の法医学の方法、および診断の方法を可能にする
。同様に、配列番号Yから同定されるポリぺプチドは、表1において同定された
cDNAクローンによりコードされる分泌タンパク質に特異的に結合する抗体を
産生することを含むが、これらに限定されない使用を有する。
【0064】 それにもかかわらず、配列決定反応によって生じるDNA配列は、配列決定の
エラーを含み得る。エラーは、誤って同定されたヌクレオチドとして、または生
じたDNA配列におけるヌクレオチドの挿入または欠失として存在する。誤って
挿入されたか、または欠失されたヌクレオチドは、推定アミノ酸配列のリーディ
ングフレームにおいてフレームシフトを引き起こす。これらの場合において、生
じたDNA配列は、実際のDNA配列と99.9%(例えば、1000塩基を超
えるオープンリーディングフレームにおける1塩基の挿入または欠失)を超えて
同一であり得るにもかかわらず、推定アミノ酸配列は、実際のアミノ酸配列とは
異なる。
【0065】 従って、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における正確さを必要とするこ
れらの適用のために、本発明は、配列番号Xとして同定された作製されたヌクレ
オチド配列、および配列番号Yとして同定された推定の翻訳されたアミノ酸配列
のみではなく、表1において記載されるような、ATCCに寄託された本発明の
ヒトcDNAを含むプラスミドDNAのサンプルもまた提供する。各々の寄託さ
れたプラスミドのヌクレオチド配列は、公知の方法に従って寄託されたプラスミ
ドの配列決定により容易に決定され得る。 次いで、推定アミノ酸配列は、このような寄託物から証明され得る。さらに、特
定のプラスミドによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列はまた、ペプチド
配列決定により、または寄託されたヒトcDNAを含む適切な宿主細胞中でタン
パク質を発現し、このタンパク質を収集し、そしてその配列を決定することによ
り、直接的に決定され得る。
【0066】 また、cDNAプラスミドを含むベクターの名前を表1に提供する。各ベクタ
ーは、当該分野において、慣用的に使用される。以下のさらなる情報は、利便性
のために提供される。
【0067】 ベクターLambda Zap(米国特許第5,128,256号および同第
5,286,636号)、Uni−Zap XR(米国特許第5,128,25
6号および同第5,286,636号)、Zap Express(米国特許第
5,128,256号および同第5,286,636号)pBluescrip
t(pBS)(Short,J.M.ら、Nucleic Acids Res
. 16:7583−7600(1988);Alting−Mees,M.A
.およびShort,J.M.、Nucleic Acids Res. 17
:9494(1989))ならびにpBK(Alting−Mees,M.A.
ら、Strategies 5:58−61(1992))は、Stratag
ene Cloning Systems,Inc.、11011 N.Tor
rey Pines Road、La Jolla,CA,92037から市販
されている。pBSは、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてpBKはネオマ
イシン耐性遺伝子を含む。ファージミドpBSは、λZapベクターおよびUn
i−Zap XRベクターから切り出され得、そしてファージミドpBKは、Z
ap発現ベクターから切り出され得る。両方のファージイミドは、E.coli
株XL−1 Blue(これもまた、Stratageneから入手可能である
)に形質転換され得る。
【0068】 ベクターpSport1、pCMVSport 1.0、pCMVSport
2.0およびpCMVSport3.0は、Life Technologi
es、Inc.、P.O.Box 6009、Gaithersburg,MD
20897から得られた。全てのSportベクターはアンピシリン耐性遺伝
子を含み、そしてE.coli株DH10B(これもまた、Life Tech
nologiesから入手可能である)に形質転換され得る。例えば、Grub
er,C.E.ら、Focus 15:59(1993)を参照のこと。ベクタ
ーlafmid BA(Bento Soares、Columbia Uni
versity、NY)は、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.col
i株XL−1 Blueに形質転換され得る。ベクターpCR(登録商標)2.
1(これはInvitrogen、1600 Faraday Avenue、
Carlsbad、CA 92008から入手可能である)は、アンピシリン耐
性遺伝子を含み、そしてE.coli株DH10B(Life Technol
ogiesから入手可能である)に形質転換され得る。例えば、Clark,J
.M.、Nuc.Acids Res.16:9677−9686(1988)
およびMead,D.ら、Bio/Technology 9:(1991)を
参照のこと。
【0069】 本発明はまた、配列番号X、配列番号Y、および/または寄託されたプラスミ
ド(cDNAプラスミド:V)に対応する遺伝子に関する。対応する遺伝子は、
本明細書中に開示される配列情報を使用して、公知の方法に従って単離され得る
。このような方法は、開示された配列からプローブまたはプライマーを調製する
工程、およびゲノム物質の適切な供給源から対応する遺伝子を同定または増幅す
る工程を包含するが、これらに限定されない。
【0070】 本発明においてまた提供されるものは、対立遺伝子改変体、オルトログ(or
tholog)、および/または種相同体である。当該分野において公知である
手順は、本明細書中で開示された配列またはATCCに寄託されたクローンから
の情報を用いて、配列番号X、配列番号Y、および/またはcDNAプラスミド
:Vに対応する遺伝子の全長遺伝子、対立遺伝子改変体、スプライス改変体、全
長コード部分、オルトログ、および/または種相同体を得るために使用され得る
。例えば、対立遺伝子改変体および/または種相同体は、本明細書中に提供され
る配列から適切なプローブまたはプライマーを作製し、そして対立遺伝子改変体
および/または所望の相同体について適切な核酸供給源をスクリーニングするこ
とにより単離および同定され得る。
【0071】 本発明は、配列番号Xの核酸配列および/またはcDNAプラスミド:Vを含
むか、または代替的にこれらからなるポリヌクレオチドを提供する。本発明はま
た、配列番号Yのポリペプチド配列、配列番号Xによりコードされるポリペプチ
ド、および/またはcDNAプラスミド:V中のcDNAによりコードされるポ
リペプチドを含むか、または代替的にこれらからなるポリペプチドを提供する。
配列番号Yのポリペプチド配列、配列番号Xによりコードされるポリペプチド、
および/またはcDNAプラスミド:V中のcDNAによりコードされるポリペ
プチドを含むか、または代替的にこれらからなるポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドはまた、本発明により包含される。本発明はさらに、配列番号Xの
核酸配列の相補体、および/またはcDNAプラスミド:V中のcDNAのコー
ド鎖の相補体を含むか、または代替的にこれらからなるポリヌクレオチドを包含
する。 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、
そして配列データベースを通してアクセス可能であり、そして本発明の着想の前
に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌ
クレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙するこ
とは、本出願の開示では非常に煩わしい。従って、好ましくは、配列番号Xは、
一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号Xの1
と配列番号Xの最終ヌクレオチド−15との間の任意の整数であり、bは15〜
配列番号Xの最終ヌクレオチドの整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番
号Xに示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以
上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0072】 (全長遺伝子の回収のためのRACEプロトコル) 部分的cDNAクローンは、Frohman,M.Aら、Proc.Nat’
l.Acad.Sci.USA,85:8998−9002(1988)に記載
されたcDNA末端の高速増幅(RACE)手順を利用することにより全長を作
製し得る。5’末端または3’末端のいずれかが欠失しているcDNAクローン
は、翻訳の開始コドンまたは終止コドンのそれぞれに伸長する欠失塩基対を含む
ように再構築され得る。いくつかの場合において、cDNAは、そのために翻訳
の開始を欠失している。以下に、この本来の5’RACE手順の改変を簡単に記
載する。ポリA+または全RNAを、Superscript II(Gibc
o/BRL)およびcDNA配列に特異的なアンチセンスプライマーまたは相補
的プライマーを用いて逆転写する。そのプライマーを、Microcon Co
ncentrator(Amicon)を用いて反応から除去する。次いで、第
1鎖cDNAを、dATPおよび末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ
(Gibco/BRL)を用いて、添付する。このように、アンカー配列を産生
し、これは、PCR増幅のために必要である。第2鎖をdA−テイル含有PCR
緩衝液、TaqDNAポリメラーゼ(Perkin−Elmer Cetus)
、5’末端で3つの隣接制限部位(XhoI、SalIおよびClaI)を含む
オリゴdTプライマーならびにこれらの制限部位を正しく含むプライマーから合
成する。この2本鎖cDNAを同じプライマーならびにネスティッドcDNA特
異的アンチセンスプライマーを用いて40サイクルでPCR増幅する。このPC
R産物を、エチジウムブロマイドアガロースゲル上でサイズ分離し、そして欠失
しているタンパク質コードDNAの推定サイズのcDNA産物を含むゲルの領域
を取り出す。cDNAをMagic PCR Prep kit(Promeg
a)を用いてアガロースゲルから精製し、XhoIまたはSalIを用いて制限
消化し、そしてプラスミド(例えば、pBluescript SKII(St
ratagene))にXhoI部位およびEcoRV部位で連結する。このD
NAを細菌に形質転換し、そしてこのプラスミドクローンを配列決定して、正確
なタンパク質コード挿入物を同定する。正確な5’末端を、推定的に同定された
相同体を有するこの配列と部分的cDNAクローンを有する重複を比較すること
により確認する。当該分野において公知の同様の方法および/または市販のキッ
トを使用して、増幅し、そして3’末端を回収する。
【0073】 いくつかの、品質制御キットが購入のために市販されている。上記のそれらと
同様の試薬および方法は、全長遺伝子を回収をするための5’RACEおよび3
’RACEの両方について、Gibco/BRLからキットの形態で供給される
。第2のキットは、Clontechから入手可能である。このキットは、Du
masら、Nucleic Acids Res.,19:5227−32(1
991)により開発された、関連技術の改変(SLIC(一本鎖cDNAへの、
一本鎖の連結))である。手順における主な違いは、RNAを、逆転写後にアル
カリ加水分解し、そしてRNAリガーゼを使用して、第1鎖cDNAに、制限部
位を含むアンカープライマーを連結することである。これは、過去に配列決定を
するのが困難なポリTの伸長を生じるdAテーリング反応における必要性を除去
する。
【0074】 RNAからの5’cDNAまたは3’cDNAを産生する代替は、cDNAラ
イブラリー二本鎖DNAを使用することである。非対称性PCR増幅アンチセン
スcDNA鎖は、アンチセンスcDNA特異的プライマーおよびプラスミドアン
カープライマーを用いて合成する。これらのプライマーを除去し、そして対称P
CR反応を、ネストしたcDNA特異的アンチセンスプライマーおよびプラスミ
ドアンカープライマーを用いて実施する。
【0075】 (5’末端配列または3’末端配列を産生し、全長遺伝子を得るための、RN
Aリガーゼのプロトコル) 一旦、目的の遺伝子が同定されると、本来のcDNAプラスミド中には存在し
ないかもしれない遺伝子の5’部分または3’部分の同定のためのいくつかの方
法が利用可能になる。これらの方法は、以下を含むがこれらに限定されない:フ
ィルタープローブ探索、特異的プローブを使用するクローン富化、5’RACE
および3’RACEと類似および同一のプロトコル。全長遺伝子は、ライブラリ
ー中に存在し得、そして探索によって同定され得るが、一方、5’末端または3
’末端を生成するために有用な方法は、欠けている情報を生成するために、本来
のcDNAからの既存の配列情報を、使用することである。5’RACEに類似
する方法は、所望の全長遺伝子の欠けている5’末端を生成するために利用可能
である(この方法は、Fromont−Racineら、Nucleic Ac
ids Res.,21(7):1683−1684(1993)によって発表
された)。簡潔には、特定のRNAオリゴヌクレオチドを、全長遺伝子RNA転
写物をおそらく含むRNAの集団の5’末端に連結し、そして連結されたRNA
オリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に特
異的なプライマーを含むプライマーセットを使用して、所望の全長遺伝子の5’
部分をPCR増幅する。次いで、この増幅した産物を配列決定し得、そしてこれ
を使用して全長遺伝子を生成し得る。この方法は、所望の供給源から単離された
総RNAを用いて開始し、この手順における必要条件ではないが、ポリA RN
Aを使用し得る。次いで、RNA調製物を、必要ならばホスファターゼで処理し
て、後のRNAリガーゼ工程を妨害し得る分解または損傷RNAの5’リン酸基
を排除し得る。次いで、使用された場合、ホスファターゼを不活化し、そしてR
NAをメッセンジャーRNAの5’末端に存在するキャップ構造を除去するため
に、タバコ酸性ピロホスファターゼを用いて処理する。この反応は、次いでT4
RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌクレオチドに連結され得る、キャップ
切断RNAの5’末端に5’リン酸基を残す。次いで、この改変型RNA調製物
を、遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いる、第一鎖cDNA合成のための
テンプレートとして使用し得る。次いで、第一鎖合成反応物を、連結されたRN
Aオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的のセルピン(Serpi
n)の公知の配列に特異的なプライマーを用いる、所望の5’末端のPCR増幅
のためのテンプレートとして使用し得る。次いで、得られた生成物を配列決定し
、そして分析して5’末端配列が直接的に関連するTDC遺伝子に属することを
確認する。
【0076】 (ポリヌクレオチドフラグメントおよびポリペプチドフラグメント) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド(核酸)の、ポリヌクレオチドフラ
グメントに関する。本発明において、「ポリヌクレオチドフラグメント」とは、
以下である核酸配列を有するポリヌクレオチドをいう:cDNAプラスミド:V
に含まれるcDNAの一部か、もしくはcDNAプラスミド:Vに含まれるcD
NAによりコードされるポリペプチドをコードするcDNAの一部;配列番号X
もしくはその相補鎖におけるポリヌクレオチド配列の一部;配列番号Yのポリペ
プチドの一部をコードするポリヌクレオチド配列;あるいは配列番号Xによりコ
ードされるポリペプチドの一部をコードするポリヌクレオチド配列。本発明のヌ
クレオチドフラグメントは、好ましくは、少なくとも約15nt、そしてより好
ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、
そしてなおより好ましくは少なくとも約40nt、少なくとも約50nt、少な
くとも約75nt、少なくとも約100nt、少なくとも約125nt、または
少なくとも約150ntの長さである。例えば、「少なくとも約20ntの長さ
」のフラグメントは、cDNAプラスミド:VのcDNA配列に含まれる配列ま
たは配列番号Xもしくはその相補鎖に示されるヌクレオチド配列由来の20以上
の連続する塩基を含むことが意図される。この文脈において「約(おおよそ)」
は、特に記載された値、あるいはそれより数個(5、4、3、2、または1)の
ヌクレオチドだけ大きいかまたは小さな値を含む。これらのヌクレオチドフラグ
メントは、本明細書中で議論されるように、診断プローブおよびプライマーとし
ての使用を含むが、それらに限定されない使用を有する。もちろん、より大きな
フラグメント(例えば、少なくとも150、175、200、250、500、
600、1000または2000のヌクレオチドの長さ)もまた、本発明に含ま
れる。
【0077】 さらに、本発明のポリヌクレオチドフラグメントの代表例としては、例えば、
配列番号X、またはその相補鎖の以下のおおよそのヌクレオチド数の配列を含む
か、あるいはそれらからなるフラグメントが挙げられる:1〜50、51〜10
0、101〜150、151〜200、201〜250、251〜300、30
1〜350、351〜400、401〜450、451〜500、501〜55
0、551〜600、651〜700、701〜750、751〜800、80
0〜850、851〜900、901〜950、951〜1000、1001〜
1050、1051〜1100、1101〜1150、1151〜1200、1
201〜1250、1251〜1300、1301〜1350、1351〜14
00、1401〜1450、1451〜1500、1501〜1550、155
1〜1600、1601〜1650、1651〜1700、1701〜1750
、および/または、1751〜1802。この文脈において、「おおよそ(約)
」は、特に記載された範囲、またはいずれかの末端もしくは両方の末端において
、これより数個(5、4、3、2、または1)のヌクレオチドだけ大きいか、ま
たは小さな範囲を含む。好ましくは、これらのフラグメントは、その配列が一部
であるポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの、機能的活性(例え
ば、生物学的活性)を有するポリペプチドをコードする。より好ましくは、これ
らのフラグメントは、本明細書中、上記で議論されるようにプローブまたはプラ
イマーとして使用され得る。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下
またはより低いストリンジェンシー条件下でこれらのフラグメントの1つ以上に
ハイブリダイズするポリヌクレオチドもまた本発明に含まれ、これらのポリヌク
レオチドまたはフラグメントによりコードされるポリペプチドも同様に含まれる
【0078】 さらに、本発明のポリヌクレオチドフラグメントの代表例としては、例えば、
cDNAプラスミドVに含まれるcDNAヌクレオチド配列、またはその相補鎖
の以下のおおよそのヌクレオチド数の配列を含むか、あるいはそれらからなるフ
ラグメントが挙げられる:1〜50、51〜100、101〜150、151〜
200、201〜250、251〜300、301〜350、351〜400、
401〜450、451〜500、501〜550、551〜600、651〜
700、701〜750、751〜800、800〜850、851〜900、
901〜950、951〜1000、1001〜1050、1051〜1100
、1101〜1150、1151〜1200、1201〜1250、1251〜
1300、1301〜1350、1351〜1400、1401〜1450、1
451〜1500、1501〜1550、1551〜1600、1601〜16
50、1651〜1700、1701〜1750、および/または1751〜1
782。この文脈において、「おおよそ(約)」は、特に記載された範囲、ある
いはいずれかの末端もしくは両方の末端において、これより数個(5、4、3、
2、または1)のヌクレオチドだけ大きいか、または小さな範囲を含む。好まし
くは、これらのフラグメントは、cDNAプラスミドVに含まれるcDNAヌク
レオチド配列によってコードされるポリペプチドの機能的活性(例えば、生物学
的活性)を有するポリペプチドをコードする。より好ましくは、これらのフラグ
メントは、本明細書中で議論されるように、プローブまたはプライマーとして使
用され得る。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下またはより低い
ストリンジェンシー条件下で1つ以上のこれらのフラグメントにハイブリダイズ
するポリヌクレオチドもまた本発明に含まれ、これらのポリヌクレオチドまたは
フラグメントによりコードされるポリペプチドもまた、含まれる。
【0079】 本発明において、「ポリペプチドフラグメント」とは、配列番号Yに含まれる
アミノ酸配列の一部、配列番号Xのポリヌクレオチド配列によってコードされる
アミノ酸配列の一部、および/またはcDNAプラスミドV中のcDNAによっ
てコードされるアミノ酸配列の一部であるアミノ酸配列をいう。タンパク質(ポ
リペプチド)フラグメントは、「自立構造(free−standing)」で
あり得るか、あるいはより大きなポリぺプチド(このフラグメントが、部分また
は領域(最も好ましくは単一の連続した領域として)を形成する)内に含まれ得
る。本発明のポリペプチドフラグメントの代表例としては、例えば、配列番号Y
のコード領域の、以下のおおよそのアミノ酸数のアミノ酸配列を含むか、あるい
はそれらからなるフラグメントが挙げられる:1〜20、21〜40、41〜6
0、61〜80、81〜100、101〜114。さらに、本発明のポリペプチ
ドフラグメントは、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、
45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、また
は110のアミノ酸の長さであり得る。この文脈において、「約(おおよそ)」
とは、特に記載された範囲または値、あるいはいずれかの末端もしくは両方の末
端において、これより数個(5、4、3、2、または1)のアミノ酸だけ大きい
かまたは小さな、範囲または値を含む。これらのポリペプチドフラグメントをコ
ードするポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる。
【0080】 タンパク質のN末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質の1つ以
上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の機能的活性(例えば、生
物学的活性、多量体化する能力、リガンドに結合する能力)は、なお保持され得
る。例えば、ポリペプチドの完全な形態または成熟形態を認識する抗体を誘導す
るおよび/または抗体に結合する、短縮型ムテインの能力は、完全なポリペプチ
ド、または成熟ポリペプチドの大部分より少ない残基が、N末端から除去される
場合には、一般的に保持される。完全なポリペプチドのN末端残基を欠く特定の
ポリペプチドが、このような免疫原性活性を保持するかどうかは、本明細書中に
記載される慣用的な方法、およびそうでなければ当該分野において公知の別の方
法によって容易に決定され得る。多数の欠失したN末端アミノ酸残基を有するム
テインは、いくつかの生物学的活性または免疫原性活性を保持し得るようである
。実際に、6つと同じくらい少ないアミノ酸残基からなるペプチドは、しばしば
免疫応答を惹起し得る。
【0081】 従って、本発明のポリペプチドフラグメントとしては、分泌タンパク質および
成熟形態が挙げられる。さらに好ましいポリペプチドフラグメントとしては、ア
ミノ末端もしくはカルボキシ末端またはその両方から、連続した一連の欠失した
残基を有する分泌タンパク質、もしくは成熟形態が挙げられる。例えば、任意の
数のアミノ酸(1〜60の範囲)は、分泌ポリペプチドもしくは成熟形態のいず
れかのアミノ末端から欠失され得る。同様に、任意の数のアミノ酸(1〜30の
範囲)が、分泌タンパク質もしくは成熟形態のカルボキシ末端から欠失され得る
。さらに、上記のアミノ末端およびカルボキシ末端の欠失の任意の組み合わせは
好ましい。同様に、これらのポリペプチドフラグメントをコードするポリヌクレ
オチドもまた好ましい。
【0082】 本発明は、本明細書中で開示されるポリペプチド(例えば、配列番号Yのポリ
ペプチド、配列番号Xに含まれるポリヌクレオチド配列によりコードされるポリ
ペプチド、および/またはcDNAプラスミドVに含まれるcDNAによりコー
ドされるポリペプチド)のアミノ酸配列のアミノ末端から、1つ以上の欠失した
残基を有するポリペプチドを、さらに提供する。特に、N末端の欠失は、一般式
m−qによって記載され得、ここでqは、本発明のポリペプチド(例えば、配列
番号Yに開示されるポリペプチド)におけるアミノ酸残基の総数を表す全整数で
あり、そしてmは、2〜q−6の範囲の任意の整数として定義される。これらの
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変
体を含む)もまた、本発明に含まれる。
【0083】 また、上記のように、タンパク質のC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が
、このタンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他
の機能的活性(例えば、生物学的活性、多量体化する能力、リガンドに結合する
能力)は、なお保持され得る。例えば、ポリペプチドの完全な形態または成熟形
態を認識する抗体を誘導するおよび/またはこの抗体に結合する、短縮型ムテイ
ンの能力は、完全なポリペプチド、または成熟ポリペプチドの大部分より少ない
残基が、C末端から除去される場合には、一般的に保持される。完全なポリペプ
チドのC末端残基を欠く特定のポリペプチドが、このような免疫原性活性を保持
するか否かは、本明細書中に記載される慣用的な方法、およびそうでなければ当
該分野において公知の他の方法によって容易に決定され得る。多数の欠失したC
末端アミノ酸残基を有するムテインは、いくつかの生物学的活性または免疫原性
活性を保持し得るようである。実際に、6つと同じくらい少ないアミノ酸残基か
らなるペプチドは、しばしば免疫応答を惹起し得る。
【0084】 従って、本発明は、本明細書中で開示されるポリペプチド(例えば、配列番号
Yのポリペプチド、配列番号Xに含まれるポリヌクレオチド配列によりコードさ
れるポリペプチド、および/またはcDNAプラスミドVに含まれるcDNAに
よりコードされるポリペプチド)のアミノ酸配列のカルボキシ末端からの1つ以
上の残基を有するポリペプチドを、さらに提供する。詳細には、C末端の欠失は
、一般式1−nによって記載され得、ここでnは、6〜q−1の範囲の任意の全
整数であり、そしてここでnは、本発明のポリペプチドにおけるアミノ酸残基の
位置に対応する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(フラグ
メントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明により含まれる。
【0085】 さらに、上記のN末端またはC末端の欠失のいずれかを組み合わせて、N末端
およびC末端欠失型ポリペプチドを産生し得る。本発明はまた、アミノ末端およ
びカルボキシ末端の両方から1つ以上の欠失したアミノ酸を有するポリペプチド
を提供する。このポリペプチドは、一般的に、配列番号X(例えば、好ましくは
配列番号Yとして開示されるポリペプチドを含むが、これに限定されない)およ
び/またはcDNAプラスミドV中のcDNA、ならびに/あるいはそれらの相
補鎖によってコードされるポリペプチドの、残基m−nを有する場合に記載され
得、ここでnおよびmは、上記のような整数である。これらのポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた
、本発明に含まれる。
【0086】 配列番号Yのポリペプチドに含まれる任意のポリペプチド配列、配列番号Xと
して記載されるポリヌクレオチド配列によってコードされる、任意のポリペプチ
ド配列、またはcDNAプラスミドV中のcDNAによってコードされる任意の
ポリペプチド配列は、そのポリペプチドの特定の好ましい領域を決定するために
、分析され得る。例えば、配列番号XまたはcDNAプラスミドV中のcDNA
のポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、
DNASTARコンピュータアルゴリズム(DNASTAR,Inc.,122
8 S.Park St.,Madison,WI 53715 USA;ht
tp://www.dnastar.com/)のデフォルトパラメーターを使
用して、分析され得る。
【0087】 DNASTARコンピューターアルゴリズムを使用して慣用的に得られ得るポ
リペプチドの領域としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:Ga
rnier−Robsonのα−領域、β−領域、ターン領域、およびコイル領
域、Chou−Fasmanのα−領域、β−領域、およびターン領域、Kyt
e−Doolittleの親水性領域および疎水性領域、Eisenbergの
α−両親媒性領域およびβ−両親媒性領域、Karplus−Schulzの可
撓性領域、Eminiの表面形成領域ならびに高い抗原性指標のJameson
−Wolfの領域。この点で、本発明の非常に好ましいポリヌクレオチドの中に
、いくつかの構造的特徴(例えば、上記の特徴のいくつか(例えば、1、2、3
または4))と組み合わされる領域を含むポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドがある。
【0088】 さらに、Kyte−Doolittle親水性領域および疎水性領域、Emi
ni表面形成領域、ならびに高い抗原性指標のJameson−Wolf領域(
すなわち、Jameson−Wolfプログラムのデフォルトパラメターを使用
して同定されるような、1.5より大きいか、または1.5に等しい抗原性指標
を有する、4つ以上の連続するアミノ酸を含む)を慣用的に使用して、抗原性に
対する高い程度の潜在性を表すポリペプチドの領域を決定し得る。高い抗原性の
領域は、免疫応答の開始プロセスにおいて、抗原認識が生じ得る環境中のポリペ
プチドの表面上に曝されるようであるポリペプチドの領域を表す値を選択するこ
とによって、DNASTAR分析によるデータから決定される。
【0089】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、そのアミノ酸配列がフラグメ
ントであるポリペプチド配列の、機能的活性(例えば、生物学的活性)を示すア
ミノ酸配列を含むか、またはあるいは、これらからなるフラグメントである。「
機能的活性」を示すポリペプチドとは、全長タンパク質と関連した1つ以上の公
知の機能的活性(例えば、前述のような、生物学的活性、抗原性、免疫原性、お
よび/または多量体化など)を示し得るポリペプチドを意味する。
【0090】 他の好ましいポリペプチドフラグメントは、生物学的に活性なフラグメントで
ある。生物学的に活性なフラグメントとは、本発明のポリペプチドの活性に対し
て、同一である必要はないが、類似する活性を示すフラグメントである。このフ
ラグメントの生物学的活性は、改善された所望の活性、または低下した望ましく
ない活性を含み得る。
【0091】 好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号Yのポリペプ
チドの1、2、3、4、5以上の抗原性フラグメントか、またはその部分を含む
か、またはあるいはそれらからなる。これらのポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド(フラグメントおよび/または改変体を含む)もまた、本発明に含ま
れる。
【0092】 本発明は、以下のポリペプチドを含むか、またはあるいは以下からなるポリペ
プチドを含む:配列番号Yに示されるポリペプチド配列のエピトープ、またはc
DNAプラスミドV中のcDNAによりコードされるポリペプチド配列のエピト
ープ、あるいは前述で定義されるように、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下またはより低いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下
で、配列番号Xのエピトープコード配列またはcDNAプラスミドVに含まれる
エピトープコード配列の相補鎖にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって
コードされるポリペプチド配列のエピトープ。本発明はさらに、本発明のポリペ
プチド配列のエピトープをコードするポリヌクレオチド配列(例えば、配列番号
Xに開示される配列など)、本発明のエピトープをコードするポリヌクレオチド
配列の相補鎖のポリヌクレオチド配列、および前記で定義されるように、ストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件下またはより低いストリンジェンシー
条ハイブリダイゼーション件下で、この相補鎖にハイブリダイズするポリヌクレ
オチド配列を含む。
【0093】 用語「エピトープ」とは、本明細書中で使用される場合、動物において、好ま
しくは哺乳動物において、そして最も好ましくはヒトにおいて抗原性活性または
免疫原性活性を有するポリペプチドの部分をいう。好ましい実施形態において、
本発明は、エピトープを含むポリペプチド、およびこのポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチドを含む。「免疫原性エピトープ」とは、本明細書中で使用さ
れる場合、当該分野で公知の任意の方法によって決定されるような(例えば、下
記に記載される抗体を産生するための方法による)、動物における抗体応答を誘
発するタンパク質の一部として定義される(例えば、Geysenら、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002(1983
)を参照のこと)。用語「抗原性エピトープ」とは、本明細書中で使用される場
合、当該分野で周知の任意の方法(例えば、本明細書中に記載される免疫アッセ
イによる)によって決定されるような、抗体がその抗原に免疫特異的に結合し得
るタンパク質の一部として定義される。免疫特異的結合は、非特異的結合は除外
するが、他の抗原との交差反応を除外する必要はない。抗原性エピトープは、免
疫原性である必要はない。
【0094】 エピトープとして機能するフラグメントは、任意の従来の方法によって産生さ
れ得る。(例えば、Houghten,R.A.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 82:5131−5135(1985)を参照のこと。こ
れはさらに、米国特許第4,631,211号に記載される)。
【0095】 本発明においては、抗原性エピトープは、好ましくは、少なくとも4、少なく
とも5、少なくとも6、少なくとも7アミノ酸配列を含み、より好ましくは、少
なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12
、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なく
とも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50アミノ酸配列を含
み、そして最も好ましくは約15アミノ酸と約30アミノ酸との間の配列を含む
。免疫原性エピトープまたは抗原性エピトープを含有する好ましいポリペプチド
は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55
、60、65、70、75、80、85、90、95または100アミノ酸残基
の長さである。さらなる非排他的に好ましい抗原性エピトープは、本明細書中で
開示される抗原性エピトープおよびその一部を含む。抗原性エピトープは、有用
である(例えば、エピトープに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体を含
む)を惹起するため)。好ましい抗原性エピトープは、本明細書中で開示される
抗原性エピトープ、および2、3、4、5以上のこれらの抗原性エピトープの任
意の組合わせを含む。抗原性エピトープは、イムノアッセイにおいて、標的分子
として使用され得る。(例えば、Wilsonら、Cell 37:767−7
78(1984);Sutcliffeら、Science 219:660−
666(1983)を参照のこと)。
【0096】 同様に、免疫原性エピトープを使用して、例えば、当該分野で周知の方法に従
う抗体を誘導し得る。(例えば、Sutcliffeら、前出;Wilsonら
,前出;Chowら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:
910−914;およびBittleら、J.Gen.Virol.66:23
47−2354(1985)を参照のこと)。好ましい免疫原性エピトープは、
本明細書で開示される免疫原性および2、3、4、5以上のこれらの免疫原性エ
ピトープの任意の組合せを含む。1つ以上の免疫原性エピトープを含むポリペプ
チドは、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)とともに動物系(例えば、
ウサギまたはマウス)に対する抗体応答を誘発するために提示され得るか、また
はこのポリペプチドが十分に長い場合(少なくとも約25アミノ酸)、そのポリ
ペプチドはキャリアなしで提示され得る。しかし、8〜10個程度の少なさのア
ミノ酸を含む免疫原性エピトープは、少なくとも変性ポリペプチド中の直鎖状エ
ピトープに結合し得る抗体を惹起するには十分であることが示されている(例え
ば、ウェスタンブロッティングにおいて)。
【0097】 本発明のエピトープ保有ポリペプチドは、当該分野で周知の方法に従って抗体
を誘導するために使用され得る。これらの周知の方法としては、インビボ免疫、
インビトロ免疫、およびファージディスプレイ法が挙げられるが、それらに限定
されない。例えば、Sutcliffeら、前出;Wilsonら、前出、およ
びBittleら、J.Gen.Virol.、66:2347−2354(1
985)を参照のこと。インビボ免疫を使用する場合、動物を遊離ペプチドを用
いて免疫し得る;しかし、抗ペプチド抗体力価は、高分子キャリア(例えば、キ
ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または破傷風トキソイド)にペプチ
ドを結合させることによりブーストされ得る。例えば、システイン残基を含むペ
プチドは、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(M
BS)のようなリンカーを用いてキャリアに結合され得る。その一方、他のペプ
チドは、より一般的な結合剤(例えば、グルタルアルデヒド)を用いてキャリア
に結合され得る。ウサギ、ラット、およびマウスのような動物は、遊離のペプチ
ドまたはキャリア結合ペプチドのいずれかを用いて、例えば、約100μgのペ
プチドまたはキャリアタンパク質およびフロイントアジュバントまたは免疫応答
を刺激することが公知である他のアジュバントを含むエマルジョンを腹腔内注射
および/または皮内注射することにより免疫される。いくつかのブースター注射
が、抗ペプチド抗体の有用な力価を提供するために、例えば、約2週間の間隔で
、必要とされ得る。この力価は、例えば、固体表面に吸着した遊離のペプチドを
用いるELISAアッセイにより検出され得る。免疫した動物由来の血清中の抗
ペプチド抗体の力価は、抗ペプチド抗体の選択(例えば、当該分野で周知の方法
に従う固体支持体上のペプチドへの吸着および選択された抗体の溶出による)に
より上昇し得る。
【0098】 当業者に理解されるように、そして上記で考察されるように、本発明のポリペ
プチドおよびその免疫原性エピトープフラグメントおよび/または抗原性エピト
ープフラグメントは、他のポリペプチド配列に融合され得る。例えば、本発明の
ポリペプチドは、免疫グロブリン(IgA、IgE、IgG、IgM)の定常ド
メインまたはそれらの部分(CH1、CH2、CH3、またはそれらの任意の組
み合わせ、およびこれらの部分)と融合し得、これがキメラポリペプチドを生じ
る。このような融合タンパク質は、精製を容易にし得、そしてインビボにおける
半減期を増加し得る。このことは、ヒトCD4ポリペプチドの最初の2つのドメ
インおよび哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメ
インからなるキメラタンパク質について示された。例えば、EP 394,82
7;Trauneckerら、Nature,331:84−86(1988)
を参照のこと。上皮の関門を横切っての免疫系への抗原の増強された送達は、F
cRn結合パートナー(例えば、IgGフラグメントまたはFcフラグメント(
例えば、PCT公開 WO96/22024およびWO 99/04813を参
照のこと)に結合体化した抗原(例えば、インスリン)について実証されている
。ジスルフィド架橋二量体構造を有するIgG融合タンパク質はまた、そのIg
G部分ジスルフィド結合に起因して、単量体ポリペプチドまたはそれらのフラグ
メント単独よりも、他の分子の結合および中和において効果的であることが見出
された。例えば、Fountoulakisら、J.Biochem.、270
:3958−3964(1995)を参照のこと。
【0099】 同様に、EP−A−O 464 533(カナダ国対応出願2045869)
は、別のヒトタンパク質またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域
の種々の部分を含む、融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質
中のFc部分は、治療および診断において有利であり、従って、例えば改善され
た薬物動態学的特性を生じ得る(EP−A 0232 262)。あるいは、融
合タンパク質が発現、検出、および精製された後に、Fc部分が欠失され得るこ
とが望ましい。例えば、融合タンパク質が、免疫の抗原として使用される場合、
そのFc部分は、治療および診断を妨げ得る。薬物探索(開発)において、例え
ばhIL−5のようなヒトタンパク質が、hIL−5のアンタゴニストを同定す
るための高処理能力スクリーニングアッセイの目的のためにFc部分と融合され
ている。(D.Bennettら、J.Molecular Recognit
ion 8:52−58(1995);K.Johansonら、J.Biol
.Chem.270:9459−9471(1995)を参照のこと。) さらに、本発明のポリペプチドは、融合されたポリペプチドの精製を容易にす
るペプチドのような、マーカー配列と融合され得る。好ましい実施形態において
、このマーカーアミノ酸配列は、とりわけ、pQEベクター(QIAGEN,I
nc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,9
1311)において提供されるタグのようなヘキサ−ヒスチジンペプチドであり
、それらの多くは市販されている。例えば、Gentzら、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 86:821−824(1989)に記載される
ように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製を提供する。精製
に有用な他のペプチドタグである「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集素
タンパク質由来のエピトープに対応する(Wilsonら、Cell 37:7
67(1984))。
【0100】 従って、これら上記の任意の融合物は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドを用いて操作され得る。
【0101】 上記のエピトープをコードする核酸はまた、エピトープタグ(例えば、血球凝
集素(「HA」)タグまたはフラッグタグ(flag tag))として目的の
遺伝子と組換えられ、発現されたポリペプチドの検出および精製を補助し得る。
例えば、Janknechtらによって記載された系は、ヒト細胞株において発
現される非変性融合タンパク質の迅速な精製を可能にする(Janknecht
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8972−897
(1991))。この系において、目的の遺伝子は、遺伝子のオープンリーディ
ングフレーム(読み取り枠)が、6つのヒスチジン残基からなるアミノ末端タグ
と翻訳で融合されるように、ワクシニア組換えプラスミド中にサブクローンされ
る。このタグは、融合タンパク質についての基質結合ドメインとしてはたらく。
組換えワクシニアウイルスに感染した細胞由来の抽出物は、Ni2+ニトリロ三
酢酸アガロースカラムに充填され、そしてヒスチジンタグ化したタンパク質が、
イミダゾール含有緩衝液を用いて選択的に溶出され得る。
【0102】 本発明のさらなる融合タンパク質は、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッ
フリング、エキソンシャッフリング、および/またはコドンシャッフリング(総
称して「DNAシャッフリング」といわれる)の技術を通じて生成され得る。D
NAシャッフリングを使用して、本発明のポリペプチドの活性を調節し得、この
ような方法を用いて、変化した活性を有するポリペプチド、ならびにそのポリペ
プチドのアゴニストおよびアンタゴニストを生成し得る。一般には、米国特許第
5,605,793号;同第5,811,238号;同第5,830,721号
;同第5,834,252号;および同第5,837,458号、ならびにPa
ttenら、Curr.Opinion Biotechnol.8:724−
33(1997);Harayama、Trends Biotechnol.
16(2):76−82(1998);Hanssonら、J.Mol.Bio
l.287:265−76(1999);ならびにLorenzoおよびBla
sco,Biotechniques 24(2):308−13(1998)
(これらの特許および刊行物の各々は、本明細書によってその全体が参考として
援用される)を参照のこと。1つの実施形態において、配列番号Xに対応するポ
リヌクレオチドおよびこれらのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプ
チドの改変は、DNAシャッフリングにより達成され得る。DNAシャッフリン
グは、相同組換えまたは部位特異的組換えにより、2つ以上のDNAセグメント
をアセンブリして、ポリヌクレオチド配列における変化を産生することを含む。
別の実施形態において、本発明のポリヌクオチドまたはコードされるポリペプチ
ドは、組換え前に、エラープローンPCR、ランダムヌクレオチド挿入または他
の方法による、ランダムな変異誘発に供されることによって改変され得る。別の
実施形態において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの1つ
以上の成分、モチーフ、セクション(section)、部分、ドメイン、フラ
グメントなどは、1つ以上の異種分子の1つ以上の成分、モチーフ、セクション
、部分、ドメイン、フラグメントなどと組み換えられ得る。
【0103】 (ポリヌクレオチド改変体およびポリペプチド改変体) 本発明はまた、TDC改変体を含む。本発明は、配列番号Xに開示されるポリ
ヌクレオチド配列の改変体またはそれらに対する相補鎖の改変体、および/また
はcDNAプラスミドV中に含まれるcDNA配列の改変体に関する。
【0104】 本発明はまた、配列番号Yに開示されるポリペプチド配列の改変体、配列番号
Xのポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド配列の改変体およ
び/またはcDNAプラスミドV中のcDNAによってコードされるポリペプチ
ド配列の改変体を含む。
【0105】 「改変体」とは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるが
それらの特性は保持している、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。一
般的に、改変体は全体的に非常に類似しており、そして、多くの領域において、
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと同一である。
【0106】 従って、本発明の1つの局面は、以下からなる群より選択されるヌクレオチド
配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子か、あるいはその代わ
りに以下からなる群より選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド
からなる単離された核酸分子を提供する:(a)配列番号Xに記載されるヌクレ
オチド配列、またはクローンID番号VのcDNA配列に含まれるヌクレオチド
配列;(b)配列番号Xのヌクレオチド配列、または配列番号Yの完全アミノ酸
配列をコードするクローンID番号VのcDNA、またはクローンID番号Vの
cDNAによりコードされる完全アミノ酸配列;(c)配列番号Xのヌクレオチ
ド配列または成熟TDCポリペプチドをコードするクローンID番号V中のcD
NA;(d)配列番号Xのヌクレオチド配列またはクローンID番号VのcDN
A配列(これは、TDCポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントをコード
する);(e)配列番号Xのヌクレオチド配列またはクローンID番号VのcD
NA配列(TDCポリペプチドの抗原性フラグメントをコードする);(f)配
列番号Yの完全アミノ酸配列またはクローンID番号VのcDNAによってコー
ドされた完全アミノ酸配列を含むTDCポリペプチドをコードするヌクレオチド
配列;(g)配列番号Yのアミノ酸配列またはクローンID番号VのcDNAに
よってコードされたアミノ酸配列の成熟TDCをコードするヌクレオチド配列;
(h)配列番号Yの完全アミノ酸配列またはクローンID番号VのcDNAによ
ってコードされた完全アミノ酸配列を有するTDCポリペプチドの生物学的に活
性なフラグメントをコードするヌクレオチド配列;(i)配列番号Yの完全アミ
ノ酸配列またはクローンID番号VのcDNAによってコードされた完全アミノ
酸配列を有するTDCポリペプチドの抗原性フラグメントをコードするヌクレオ
チド配列;ならびに(j)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(
f)、(g)、(h)、または(i)における任意のヌクレオチド配列に相補的
なヌクレオチド配列。
【0107】 本発明はまた、例えば上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f
)、(g)、(h)、(i)または(j)中の任意のヌクレオチド配列に少なく
とも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または
100%同一であるヌクレオチド配列、配列番号Xの配列をコードするヌクレオ
チドまたはその相補鎖、クローンID番号V中に含まれるcDNAの配列をコー
ドするヌクレオチド、またはその相補鎖、配列番号Yのポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列、配列番号Xのヌクレオチド配列によりコードされるポリペ
プチド配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号Xのポリヌクレオチド配列
の相補体によりコードされるポリペプチド配列、クローンID番号Vに含まれる
cDNAによってコードされるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、表
1の10列に規定されるポリペプチド配列をコードする配列番号Xのヌクレオチ
ド配列またはその相補鎖、表1の10列に規定されるポリペプチドをコードする
ヌクレオチド配列またはその相補鎖、および/またはこれらの任意の核酸分子の
ポリヌクレオチドフラグメント(例えば、本明細書に記載のフラグメント)を含
むか、あるいはこれらからなる、核酸分子に関する。これらの核酸分子に、スト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下または低いストリンジェンシー条
件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドもまた、これらのポリヌクレオチド
および核酸分子によってコードされるポリペプチドがそうであるように、本発明
によって包含される。
【0108】 好ましい実施形態において、本発明は、これらのポリヌクレオチドによりコー
ドされるポリペプチドがそうであるように、上記の(a)、(b)、(c)、(
d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)中のポリヌクレオチドに、
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするか、あるいは低ストリンジェン
シー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むか、あるいはこのよう
なポリヌクレオチドからなる核酸分子を包含する。別の好ましい実施形態におい
て、これらの核酸分子の相補体に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件下または低いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオ
チドもまた、これらのポリヌクレオチドおよび核酸分子によってコードされるポ
リペプチドがそうであるように、本発明によって包含される。
【0109】 別の実施形態において、本発明は、以下からなる群より選択されるアミノ酸配
列を有するポリヌクレオチドを含むかまたはそれからなる、単離されたタンパク
質を提供する:(a)配列番号Yの完全アミノ酸配列またはクローンID番号V
のcDNAによってコードされる完全アミノ酸配列;(b)配列番号Yのアミノ
酸配列を有するTDCポリペプチドの成熟形態のアミノ酸配列またはクローンI
D番号Vによってコードされるアミノ酸配列;(c)配列番号Yの完全アミノ酸
配列またはクローンID番号Vによってコードされる完全アミノ酸配列を有する
TDCポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントのアミノ酸配列;ならびに
(d)配列番号Yの完全アミノ酸配列またはクローンID番号Vによりコードさ
れる完全アミノ酸配列を有するTDCポリペプチドの抗原性フラグメントのアミ
ノ酸配列。
【0110】 本発明はまた、例えば、上記(a)、(b)、(c)、または(d)における
アミノ酸配列、配列番号Yに示されるアミノ酸配列、クローンID番号Vに含ま
れるcDNAによってコードされるアミノ酸配列、表1の10列目に規定される
アミノ酸配列、配列番号Xのヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列
、および配列番号Xのポリヌクレオチド配列の相補体によってコードされるアミ
ノ酸配列のいずれかに少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、9
7%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むかまたは
それからなる、タンパク質に関する。これらのポリペプチドのフラグメント(例
えば、本明細書に記載のフラグメント)もまた提供される。これらのアミノ酸配
列をコードする核酸分子の相補体に、ストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ン条件下またはより低いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌ
クレオチドによってコードされるさらなるタンパク質もまた、本発明により包含
され、同様に、これらのタンパク質をコードするポリヌクレオチドも、本発明に
より包含される。
【0111】 本発明の参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも95%「同一」である
ヌクレオチド配列を有する核酸とは、その核酸のヌクレオチド配列が、そのヌク
レオチド配列がポリぺプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌク
レオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除いて、参照配列に対して同
一であることを意図する。換言すれば、参照ヌクレオチド配列に対して少なくと
も95%同一のヌクレオチド配列を有する核酸を得るために、参照配列のヌクレ
オチドの5%までが、欠失され得るか、または別のヌクレオチドで置換され得る
か、あるいは参照配列中の総ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドが参照
配列中に挿入され得る。問い合わせ(query)配列は、表1に示される配列
全体、ORF(オープンリーディングフレーム)、または本明細書中で記載され
るように特定される任意のフラグメントであり得る。
【0112】 実際問題として、任意の特定の核酸分子またはポリぺプチドが、本発明のヌク
レオチド配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、9
7%、98%、または99%同一であるか否かは、公知のコンピュータープログ
ラムを使用して従来的に決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と対象
配列との間の最も良好な全体的な適合性(全体的な配列整列とも呼ばれる)を決
定するための好ましい方法は、Brutlagら(Comp.App. Bio
sci.6:237−245(1990))のアルゴリズムに基づくFASTD
Bコンピュータープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い
合わせ配列および対象配列は、両方ともにDNA配列である。RNA配列は、U
からTに変換することによって比較され得る。この全体的な配列整列の結果は、
同一性パーセント(%)で示される。同一性パーセントを算定するためにDNA
配列のFASTDB整列において使用される好ましいパラメーターは:Matr
ix=Unitary、k−tuple=4、Mismatch Penalt
y=1、Joining Penalty=30、Randomization
Group Length=0、Cutoff Score=1、Gap P
enalty=5、Gap Size Penalty 0.05、Windo
w Size=500または対象ヌクレオチド配列の長さ(どちらかより短い方
)である。
【0113】 対象配列が、5’または3’欠失のために(内部欠失のためではなく)問い合
わせ配列より短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない。こ
れは、同一性パーセントを計算する場合に、FASTDBプログラムが対象配列
の5’および3’の短縮を考慮しないからである。5’末端または3’末端で短
縮されている対象配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パーセントは
、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして一致/整列されない対象配列の5
’および3’である問い合わせ配列の塩基の数を計算することによって補正され
る。ヌクレオチドが一致/整列されるか否かは、FASTDB配列整列の結果に
よって決定される。次いで、このパーセントは、特定のパラメーターを用いて上
記のFASTDBプログラムによって算定された同一性パーセントから差し引か
れ、最終的な同一性パーセントのスコアに到達する。この補正されたスコアが、
本発明の目的に使用されるものである。FASTDB整列によって示されるよう
に、問い合わせ配列と一致/整列されない、対象配列の5’および3’の塩基の
外側の塩基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で算定され
る。
【0114】 例えば、90塩基の対象配列が、同一性パーセントを決定するために100塩
基の問い合わせ配列に整列される。欠失が、対象配列の5’末端で生じ、従って
、FASTDB整列は、5’末端の最初の10塩基で一致/整列を示さない。1
0個の不対合塩基は、配列の10%(一致していない5’および3’の末端の塩
基の数/問い合わせ配列の塩基の総数)を表し、そのため10%が、FASTD
Bプログラムによって算定される同一性パーセントのスコアから差し引かれる。
残りの90塩基が完全に一致する場合は、最終的な同一性パーセントは90%で
ある。別の例では、90塩基の対象配列が、100塩基の問い合わせ配列と比較
される。この場合、欠失は、内部欠失であり、その結果、対象配列の5’または
3’に問い合わせと一致/整列しない塩基が存在しない。この場合、FASTD
Bによって算定される同一性パーセントは手動で補正されない。再び、問い合わ
せ配列と一致/整列しない対象配列の5’または3’の塩基のみが手動で補正さ
れる。他の手動の補正は、本発明の目的のためにはなされない。
【0115】 本発明の問い合わせアミノ酸配列に、例えば、少なくとも95%「同一」であ
るアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、対象ポリペプチドのアミノ酸配列
は、その対象ポリぺプチド配列が問い合わせアミノ酸配列の各100個のアミノ
酸あたり5つまでのアミノ酸の変更を含み得ることを除いて、問い合わせ配列に
同一であることが意図される。換言すれば、問い合わせアミノ酸配列に少なくと
も95%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るために、対象配列
におけるアミノ酸残基の5%までが、挿入、欠失、(インデル(indels)
)または別のアミノ酸で置換され得る。参照配列のこれらの改変は、参照アミノ
酸配列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端位置で生じ得るか、またはそれらの
末端位置の間のどこにでも生じ得、参照配列中の残基間で個々にかまたは参照配
列内の1個以上連続する群の状態かのいずれかで、散在する。
【0116】 実際問題として、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、表1に示されるアミ
ノ酸配列またはそのフラグメント、配列番号Xにおけるヌクレオチド配列により
コードされるアミノ酸配列またはそのフラグメント、あるいはcDNAプラスミ
ドVにおけるcDNAによりコードされるアミノ酸配列またはそのフラグメント
に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98
%、または99%同一であるか否かは、公知のコンピュータープログラムを使用
して従来のように決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と対象配列と
の間での最良の全体的な一致(全体的配列整列とも呼ばれる)を決定するための
好ましい方法は、Brutlagら(Comp.App.Biosci.6:2
37−245(1990))のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータ
ープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い合わせ配列およ
び対象配列は、両方ともヌクレオチド配列であるかまたは両方ともアミノ酸配列
であるかのいずれかである。上記の全体的配列整列の結果は、同一性パーセント
で示される。FASTDBアミノ酸整列に用いられる好ましいパラメーターは:
Matrix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatch Pena
lty=1、Joining Penalty=20、Randomizati
on Group Length=0、Cutoff Score=1、Win
dow Size=配列の長さ、Gap Penalty=5、Gap Siz
e Penalty=0.05、Window Size=500または対象ア
ミノ酸配列の長さ(どちらかより短い方)である。
【0117】 対象配列が、N末端またはC末端欠失により(内部の欠失のためではなく)問
い合わせ配列よりも短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならな
い。これは、FASTDBプログラムが、全体的な同一性パーセントを算定する
場合に、対象配列のN末端短縮およびC末端短縮を考慮しないからである。N末
端およびC末端で短縮されている対象配列について、問い合わせ配列に対して、
同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして、対応する対
象残基と一致/整列しない、対象配列のN末端およびC末端である問い合わせ配
列の残基の数を計算することによって補正される。残基が一致/整列されている
か否かは、FASTDB配列整列の結果によって決定される。次いで、このパー
セントは、上記のFASTDBプログラムによって特定のパラメーターを使用し
て計算された同一性パーセントから差し引かれ、最終的な同一性パーセントのス
コアに到達する。この最終的な同一性パーセントのスコアが、本発明の目的で使
用されるものである。問い合わせ配列と一致/整列していない対象配列のN末端
側およびC末端側の残基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目
的のために考慮される。すなわち、対象配列の最も遠いN末端およびC末端残基
の外側の問い合わせ残基位置のみである。
【0118】 例えば、90アミノ酸残基の対象配列が、同一性パーセントを決定するために
100残基の問い合わせ(query)配列と整列される。欠失が対象配列のN
末端で生じ、そしてそれゆえFASTDB整列は、N末端での最初の10残基の
一致/整列を示さない。この10個の不対合残基は、配列の10%(一致してい
ないN末端およびC末端の残基の数/問い合わせ配列中の残基の総数)を表し、
その結果FASTDBプログラムによって計算される同一性パーセントのスコア
から10%が差し引かれる。残りの90残基が完全に一致した場合、最終的な同
一性パーセントは90%である。別の例において、90残基の対象配列が、10
0残基の問い合わせ配列と比較される。この場合、欠失は、内部欠失であり、そ
のため問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列のN末端またはC末端の残基
は存在しない。この場合、FASTDBによって算定される同一性パーセントは
、手動で補正されない。再び、FASTDB整列において示される、問い合わせ
配列と一致/整列しない対象配列のN末端およびC末端の外側の残基位置のみが
手動で補正される。他の手動の補正は、本発明の目的のためにはなされない。
【0119】 改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方における変化を含み得
る。特に好ましいものは、サイレントな置換、付加、または欠失を生成するがコ
ードされるポリぺプチドの特性または活性を変化させない変化を含む、ポリヌク
レオチド改変体である。遺伝暗号の縮重に起因するサイレントな置換によって生
成されるヌクレオチド改変体が、好ましい。さらに、50アミノ酸未満、40ア
ミノ酸未満、30アミノ酸未満、20アミノ酸未満、10アミノ酸未満、あるい
は5〜50アミノ酸、5〜25アミノ酸、5〜10アミノ酸、1〜5アミノ酸、
または1〜2アミノ酸が、任意の組合せで置換、欠失、または付加されている改
変体もまた、好ましい。ポリヌクレオチド改変体は、種々の理由(例えば、特定
の宿主についてのコドン発現を至適化する(ヒトmRNAにおけるコドンを、E
.coliのような細菌宿主によって好ましいコドンに変化させる))のために
、生成され得る。
【0120】 天然に存在する改変体は、「対立遺伝子改変体」と呼ばれ、そして生物の染色
体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替の形態のうちの1つを
いう。(Genes II、Lewin,B.,編 John Wiley &
Sons,New York(1985))。これらの対立遺伝子改変体は、
ポリヌクレオチドレベルおよび/またはポリぺプチドのいずれかのレベルで変化
し得、そして本発明に含まれる。あるいは、天然に存在しない改変体は、変異誘
発技術によってまたは直接的な合成によって生成され得る。
【0121】 タンパク質工学および組換えDNA技術の公知の方法を使用して、改変体は、
本発明のポリぺプチドの特性を改善または変化させるために作製され得る。例え
ば、本明細書中に考察されるように、1つ以上のアミノ酸が、生物学的機能の実
質的な欠損を伴わずに、本発明のポリペプチドのN末端またはC末端から欠失さ
れ得る。Ronら、J.Biol.Chem.268:2984−2988(1
993)の著者らは、3個、8個、または27個のアミノ末端アミノ酸残基を欠
失させた後でさえもヘパリン結合活性を有する改変体KGFタンパク質を報告し
た。同様に、インターフェロンγは、このタンパク質のカルボキシ末端から8〜
10個のアミノ酸残基を欠失させた後、10倍までのより高い活性を示した(D
obeliら、J.Biotechnology 7:199−216(198
8))。
【0122】 さらに、豊富な証拠は、改変体が、天然に存在するタンパク質の生物学的活性
に類似する活性をしばしば保持することを実証する。例えば、Gayleおよび
共同研究者ら(J.Biol.Chem 268:22105−22111(1
993))は、ヒトサイトカインIL−1aの広範囲にわたる変異分析を行った
。彼らは、ランダムな変異誘発を使用して、分子の全長にわたって改変体当たり
平均2.5アミノ酸の変化になる、3,500個を超える個々のIL−1a改変
体を作製した。複数の変異が、全ての可能なアミノ酸位置で試験された。この研
究者らは、「分子の大部分は、[結合活性または生物学的活性]のいずれに対し
てもほとんど影響を伴わないで変化され得る」ことを見出した。(要約を参照の
こと)。実際、試験された3,500個を超えるヌクレオチド配列のうち、わず
か23個の独特なアミノ酸配列が、野生型と活性が有意に異なるタンパク質を生
成した。
【0123】 さらに、本明細書中に議論されるように、ポリぺプチドのN末端またはC末端
からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、1つ以上の生物学的機能の改変または欠失
を生じたとしても、他の生物学的活性はなお保持され得る。例えば、分泌形態を
認識する抗体を誘導および/または結合する、欠失改変体の能力は、分泌形態の
大多数より少ない残基が、N末端またはC末端から除去される場合に保持される
ようである。タンパク質のN末端残基またはC末端残基を欠損する特定のポリぺ
プチドが、このような免疫原性活性を保持するか否かは、本明細書中に記載され
る慣用的な方法、およびそうでなければ当該分野において公知の慣用的な方法に
よって容易に決定され得る。
【0124】 従って、本発明はさらに、本発明のポリペプチドの機能的活性(例えば、生物
学的活性)を示すポリペプチド改変体を含み、このポリペプチド改変体は、本発
明のポリペプチドの改変体である。このような改変体としては、活性に対する影
響をほとんど有さないように、当該分野において公知の一般的な法則に従って選
択される、欠失、挿入、逆位、反復、および置換が挙げられる。
【0125】 本願は、本明細書中に開示される核酸配列(例えば、N末端欠失および/また
はC末端欠失のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする)と少なくとも
80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または10
0%同一である、核酸分子に関し、これは、その核酸が機能的活性を有するポリ
ペプチドをコードするか否かに関わらない。これは、特定の核酸分子が機能的活
性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、例えば、ハイブリダイゼー
ションプローブまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとしてその核
酸を使用する方法を、当業者はなお知っているからである。機能的活性を有する
ポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ、(1
)cDNAライブラリーにおいて遺伝子またはその対立遺伝子改変体もしくはス
プライス改変体を単離すること;(2)Vermaら、Human Chrom
osomes:A Manual of Basic Techniques、
Pergamon Press,New York(1988)に記載されるよ
うな、遺伝子の正確な染色***置を提供するための、中期染色体スプレッドに対
するインサイチュハイブリダイゼーション(例えば、「FISH」);ならびに
(3)特定の組織におけるmRNA発現を検出するためのノーザンブロット分析
が、挙げられる。
【0126】 しかし、好ましいのは、本発明のポリペプチドの機能的活性を有するポリペプ
チドを実際にコードする、本明細書中に開示される核酸配列と少なくとも80%
、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同
一である配列を有する、核酸分子である。
【0127】 当然、遺伝子コードの縮重が原因で、例えば、cDNAプラスミドV中のcD
NAの核酸配列、表1に示される核酸配列(配列番号(SEQ ID NO:)
X)またはそれらのフラグメントと少なくとも80%、85%、90%、95%
、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を有する核酸分
子の大多数が、「機能的活性を有する」ポリペプチドをコードすることを、当業
者はただちに認識する。実際、これらのヌクレオチド配列のいずれかの縮重改変
体はすべて同じポリペプチドをコードするので、多くの場合において、上記の比
較アッセイを実施することなしでさえ、これは当業者には明らかである。縮重改
変体でないこのような核酸分子について、妥当な数がまた、機能的活性を有する
ポリペプチドをコードすることが、当該分野でさらに認識される。これは、下記
にさらに議論されるように、タンパク質の機能にあまり影響しないかまたは有意
には影響しそうにないかのいずれかであるアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族
アミノ酸を第2の脂肪族アミノ酸で置換すること)を当業者が完全に承知してい
るからである。
【0128】 例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関する指針が
、Bowieら「Deciphering the Message in P
rotein Sequences:Tolerance to Amino
Acid Substitutions」Science 247:1306〜
1310(1990)に提供され、この著者は、変化に対するアミノ酸配列の許
容性を研究する2つの主なストラテジーが存在することを示している。
【0129】 第1のストラテジーは、進化の過程の間の自然の選択によるアミノ酸置換の許
容性を利用する。異なる種におけるアミノ酸配列を比較して、保存的アミノ酸が
同定され得る。これらの保存的アミノ酸は、タンパク質の機能について重要であ
るようである。対照的に、置換が自然の選択によって許容されたアミノ酸の位置
は、これらの位置がタンパク質の機能に重要ではないことを示す。従って、アミ
ノ酸置換を許容する位置は、タンパク質の生物学的活性をなおも維持しつつ改変
され得る。
【0130】 第2のストラテジーは、タンパク質機能に重要な領域を同定するために、クロ
ーン化された遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入するための遺伝子工学を
使用する。例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング変異誘発(
分子中のどの残基にも1つのアラニン変異の導入)が、使用され得る。(Cun
ninghamおよびWells,Science 244:1081−108
5(1989))。次いで、得られた変異分子は生物学的活性について試験され
得る。
【0131】 著者らが述べるように、これらの2つのストラテジーは、タンパク質がアミノ
酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにした。著者らはさらに、どのアミノ
酸変化が、タンパク質中の特定のアミノ酸位置で許容されるようであるかを示す
。例えば、最も埋もれている(タンパク質の三次構造内の)アミノ酸残基は、非
極性側鎖を必要とするが、表面側鎖の特徴は、一般にほとんど保存されない。さ
らに、寛容される保存的なアミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸のAl
a、Val、Leu、およびIleの置換;ヒドロキシル残基のSerおよびT
hrの置換;酸性残基のAspおよびGluの置換;アミド残基のAsnおよび
Glnの置換、塩基性残基のLys、Arg、およびHisの置換;芳香族残基
のPhe、Tyr、およびTrpの置換、ならびに小さなサイズのアミノ酸のA
la、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換を含む。保存的なアミノ酸
置換以外に、本発明の改変体は、(i)1つ以上の非保存的なアミノ酸残基での
置換、ここでは置換されるアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコードされるアミ
ノ酸残基であってもよく、もしくはそうでなくてもよい、または(ii)置換基
を有する1つ以上のアミノ酸残基での置換、または(iii)別の化合物(例え
ば、ポリぺプチドの安定性および/もしくは可溶性を増加するための化合物(例
えば、ポリエチレングリコール))との成熟ポリぺプチドの融合、または(iv
)さらなるアミノ酸(例えば、IgG Fc融合領域ペプチド、またはリーダー
もしくは分泌配列、または精製を容易にする配列)とのポリぺプチドの融合、あ
るいは(v)別の化合物(例えば、アルブミン(組換えアルブミンを含むが、こ
れに限定されない(例えば、1999年3月2日に発行された米国特許第5,8
76,969号、EP特許 0 413 622、および1998年6月16日
に発行された米国特許第5,766,883号を参照のこと(これらは、本明細
書中でその全体が参考として援用される)))とのポリペプチドの融合を含む。
このような改変体ポリぺプチドは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であ
ることが考えられる。
【0132】 例えば、他の荷電されたアミノ酸または中性のアミノ酸での、荷電されたアミ
ノ酸のアミノ酸置換を含むポリぺプチド改変体は、改善された特徴(例えば、よ
り少ない凝集性)を有するタンパク質を生成し得る。薬学的処方物の凝集は、凝
集体の免疫原活性に起因して、活性を減少し、かつクリアランスを増加する。(
Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:331−340
(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838−845(
1987);Clelandら、Crit.Rev.Therapeutic
Drug Carrier Systems 10:307−377(1993
))。
【0133】 本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むが、50
アミノ酸置換を超えず、さらにより好ましくは、40アミノ酸置換を超えず、な
おより好ましくは、30アミノ酸置換を超えず、そしてなおさらにより好ましく
は、20アミノ酸置換を超えないアミノ酸配列を有するポリペプチドのアミノ酸
配列を含むポリペプチドに関する。もちろん、ポリペプチドは、好ましさの増大
する順番に、配列番号Yのポリペプチドのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配
列番号Xによりコードされるアミノ酸配列、および/またはさらに好ましさを増
すために、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むが、10、9、8、7、6、5
、4、3、2、または1アミノ酸置換を超えないアミノ酸置換を含むcDNAプ
ラスミドV中のcDNAによりコードされるアミノ酸配列を有することが非常に
好ましい。特定の実施形態において、配列番号Yのアミノ酸配列またはそのフラ
グメント(例えば、本明細書に記載の成熟形態および/または他のフラグメント
)、配列番号Xによりコードされるアミノ酸配列またはそのフラグメント、なら
びに/あるいはcDNAプラスミドVによりコードされるアミノ酸配列またはそ
のフラグメントにおける付加、置換、および/または欠失の数は、1〜5、5〜
10、5〜25、5〜50、10〜50、または50〜150であり、保存的ア
ミノ酸置換が好ましい。本明細書中で議論されるように、本発明の任意のポリペ
プチドは、融合タンパク質を生成するために使用され得る。例えば、本発明のポ
リペプチドは、第2のタンパク質と融合される場合、抗原性タグとして使用され
得る。本発明のポリペプチドに対して惹起される抗体は、ポリペプチドに結合す
ることによって、第2のタンパク質を間接的に検出するために使用され得る。さ
らに、分泌されるタンパク質は、細胞位置を輸送シグナルに基づいて標的化する
ので、分泌されることが示されている本発明のポリペプチドは、他のタンパク質
に一旦融合されると標的化分子として使用され得る。
【0134】 本発明のポリペプチドと融合され得るドメインの例は、異種シグナル配列のみ
ならず、また他の異種機能性領域をも含む。融合は、必ずしも直接的である必要
はないが、リンカー配列を介して起こり得る。
【0135】 特定の好ましい実施形態において、本発明のタンパク質は、ポリペプチドがN
末端欠失変異体および/またはC末端欠失変異体である融合タンパク質を含む。
好ましい実施形態において、本出願は、特定のN末端欠失変異体およびC末端欠
失変異体のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列に対して、
少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または9
9%同一の核酸分子に関する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チド(フラグメントおよび/または改変体を含む)はまた、本発明により包含さ
れる。
【0136】 さらに、融合タンパク質はまた、本発明のポリペプチドの特徴を改良するため
に操作され得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主
細胞からの精製または続く取り扱いおよび貯蔵の間の安定性ならびに持続性を改
良するためにポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分は、精
製を容易にするためにポリペプチドに付加され得る。このような領域は、ポリペ
プチドの最終調製の前に除去され得る。ポリペプチドの取り扱いを容易にするた
めのペプチド部分の付加は、当該分野でよく知られ、そして慣用技術である。
【0137】 当業者に理解されるように、本発明のポリペプチドおよび上記のエピトープ保
有フラグメントは、異種ポリペプチド配列と組合わされ得る。例えば、本発明の
ポリペプチドは、異種ポリペプチド配列に融合され得る。例えば、本発明のポリ
ペプチドは、免疫グロブリン(IgA、IgE、IgG、IgM)の定常ドメイ
ンまたはそれらの部分(ドメイン全体もしくはその部分の両方を含む、CH1、
CH2、CH3、およびそれらの任意の組み合わせ)と融合され得、キメラポリ
ペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を容易にし、そしてインビ
ボでの半減期の増大を示す。1つの報告された例は、ヒトCD4−ポリペプチド
の最初の2つのドメインおよび哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定
常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質を記載する(EP A 39
4,827;Trauneckerら、Nature,331:84〜86(1
988))。(IgGに起因する)ジスルフィド結合二量体構造を有する融合タ
ンパク質はまた、単量体タンパク質またはそれらのタンパク質フラグメント単独
よりも、他の分子の結合および中和においてより効果的であり得る(Fount
oulakisら,J.Biochem.,270:3958−3964(19
95))。
【0138】 (ベクター、宿主細胞、およびタンパク質産生) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞、および
組換え技術によるポリペプチドの産生に関する。例えば、ベクターは、ファージ
ベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベク
ターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテント、または複製欠
損であり得る。後者の場合、一般にウイルス増殖は、宿主細胞を補完する(co
mplementing)際にのみ生じる。
【0139】 本発明のポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために選択マーカーを含む
ベクターに連結され得る。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈
澱物のような沈澱物、または荷電脂質との複合体において導入される。ベクター
がウイルスである場合、ウイルスベクターは、適切なパッケージング細胞株を使
用してインビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る
【0140】 ポリヌクレオチド挿入物は、適切なプロモーター(いくつか挙げれば、例えば
、ファージλPLプロモーター、E.coli lacプロモーター、trpプ
ロモーター、phoAプロモーターおよびtacプロモーター、SV40初期プ
ロモーターおよびSV40後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRの
プロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプロモーターは
当業者に公知である。発現構築物はさらに、転写開始、転写終結のための部位、
および転写領域において、翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物によ
って発現される転写物のコード部分は、好ましくは、始めに翻訳開始コドン、お
よび翻訳されるポリペプチドの末端に適切に位置される終結コドン(UAA、U
GAまたはUAG)を含む。
【0141】 示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカー
を含む。このようなマーカーは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクター
ゼ、G418、またはネオマイシン耐性、ならびにE.coliおよび他の細菌
において培養するためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン耐
性遺伝子を含む。適切な宿主の代表的な例は、細菌細胞(例えば、E.coli
、StreptomycesおよびSalmonella typhimuri
um細胞);酵母細胞のような真菌細胞(例えば、Saccharomyces
cerevisiaeまたはPichia pastoris(ATCC登録
番号201178));Drosophila S2およびSpodopter
a Sf9細胞のような昆虫細胞;CHO細胞、COS細胞、293細胞、およ
びBowesメラノーマ細胞のような動物細胞;ならびに植物細胞を含むが、こ
れらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は、当
該分野で公知である。
【0142】 細菌における使用のために好ましいベクターの中には、pQE70、pQE6
0およびpQE−9(QIAGEN,Inc.から入手可能);pBluesc
riptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH16
a、pNH18A、pNH46A(Stratagene Cloning S
ystems,Inc.から入手可能);ならびにptrc99a、pKK22
3−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia
Biotech,Inc.から入手可能)を含む。好ましい真核生物ベクターの
中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG(
Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMS
GおよびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。酵母系における
使用のために好ましいベクターは、pYES2、pYD1、pTEF1/Zeo
、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalph、pPIC
9、pPIC3.5、pHIL−D2、pHIL−S1、pPIC3.5K、p
PIC9K、およびPAO815(全てInvitrogen,Carlbad
,CAから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切なベク
ターは当業者に容易に明らかである。
【0143】 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE
AE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法によっ
てもたらされ得る。このような方法は、Davisら、Basic Metho
ds In Molecular Biology (1986)のような多く
の標準的な研究室マニュアルに記載される。本発明のポリペプチドは、実際、組
換えベクターを欠損する宿主細胞によって発現され得ることが特に意図される。
【0144】 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽
出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ
ラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマト
グラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され得、そして
精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)
が精製のために使用される。
【0145】 本発明のポリペプチドはまた、以下から回収され得る:直接単離されるかまた
は培養されるかにかかわらず、体液、組織および細胞を含む天然の供給源から精
製される産物;化学的合成手順の産物;ならびに、例えば、細菌細胞、酵母細胞
、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む、原核生物宿主または真
核生物宿主から組換え技術によって産生された産物。組換え産生手順において使
用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されてもよく
、またはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドは
また、宿主媒介プロセスの結果として、いくつかの場合において、最初の改変さ
れたメチオニン残基を含み得る。従って、一般に、翻訳開始コドンによってコー
ドされるN末端メチオニンが、すべての真核生物細胞における翻訳後の任意のタ
ンパク質から高い効率で除去されることが、当該分野において周知である。ほと
んどのタンパク質においてN末端メチオニンはまた、ほとんどの原核生物におい
て効率的に除去されるが、いくつかのタンパク質について、この原核生物除去プ
ロセスは、N末端メチオニンが共有結合するアミノ酸の性質に依存して、非効率
的である。
【0146】 1つの実施形態において、酵母Pichia pastorisは、真核細胞
系において、本発明のポリペプチドを発現させるために使用される。Pichi
a pastorisは、メタノールをその唯一の炭素供給源として代謝し得る
メチル栄養性(methylotrophic)酵母である。メタノール代謝経
路における主要な工程は、Oを使用してのホルムアルデヒドへのメタノールの
酸化である。この反応は、酵素アルコールオキシダーゼによって触媒される。そ
の唯一の炭素供給源としてメタノールを代謝するために、Pichia pas
torisは、Oに対するアルコールオキシダーゼの比較的低い親和性に部分
的に起因して、高レベルのアルコールオキシダーゼを生成する。結果的に、主要
な炭素供給源としてメタノールに依存する増殖培地において、2つのアルコール
オキシダーゼ遺伝子(AOX1)のうちの1つのプロモーター領域は、非常に活
性である。メタノールの存在下で、AOX1遺伝子から産生されるアルコールオ
キシダーゼは、Pichia pastorisにおける総可溶性タンパク質の
うちのおよそ30%までを含む。Ellis,S.B.ら、Mol.Cell.
Biol.5:1111〜21(1985);Koutz,P.J.ら、Yea
st 5:167〜77(1989);Tschopp,J.F.ら、Nucl
.Acids Res.15:3859〜76(1987)。従って、AOX1
調節配列の全てまたは一部の転写調節下の異種コード配列(例えば、本発明のポ
リヌクレオチドなど)は、メタノールの存在下で増殖したPichia酵母にお
いて、指数関数的に高レベルで発現される。
【0147】 1つの例において、プラスミドベクターpPIC9Kは、「Pichia P
rotocols:Methods in Molecular Biolog
y」,D.R.HigginsおよびJ.Cregg編(The Humana
Press,Totowa,NJ,1998)において本質的に記載されるよ
うに、Pichea酵母系において、本明細書中に示されるように本発明のポリ
ペプチドをコードするDNAを発現させるために使用される。この発現ベクター
は、マルチクローニング部位の上流に位置するPichia pastoris
アルカリホスファターゼ(PHO)分泌シグナルペプチド(すなわち、リーダー
)に連結された強力なAOX1プロモーターによって、本発明のポリペプチドの
発現および分泌を可能にする。
【0148】 多くの他の酵母ベクター(例えば、pYES2、pYD1、pTEF1/Ze
o、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalpha、pP
IC9、pPIC3.5、pHIL−D2、pHIL−S1、pPIC3.5K
、およびPAO815)は、当業者が容易に理解するように、提案された発現構
築物が必要とされる場合インフレームのAUGを含む転写、翻訳、分泌(所望さ
れる場合)などの適切に配置されたシグナルを提供する限り、pPIC9Kの代
わりに使用され得る。
【0149】 別の実施形態において、異種コード配列(例えば、本発明のポリヌクレオチド
など)の高レベルの発現は、本発明の異種ポリヌクレオチドを発現ベクター(例
えば、pGAPZまたはpGAPZalphaなど)中にクローニングし、そし
てメタノールの非存在下で酵母培養物を増殖させることによって達成され得る。
【0150】 本明細書において議論されるベクター構築物を含む宿主細胞を含むことに加え
て、本発明はまた、脊椎動物起源(特に、哺乳動物起源)の一次(primar
y)宿主細胞、二次(secondary)宿主細胞、および不死化宿主細胞を
含む。これらの宿主細胞は、内因性の遺伝物質(例えば、コード配列)を欠失ま
たは置換するように操作されており、そして/あるいは本発明のポリヌクレオチ
ドと作動可能に連結された遺伝物質(例えば、異種ポリヌクレオチド配列)を含
むように操作され、そして内因性のポリヌクレオチドを活性化、変更、および/
または増幅する。例えば、当該分野で公知の技術は、相同組換えを介して、異種
制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)ならびに内因性
ポリヌクレオチド配列を作動可能に連結するために使用され得る(例えば、19
97年6月24日に発行された米国特許第5,641,670号;1996年9
月26日に公開された国際公開第WO 96/29411号;1994年8月4
日に公開された国際公開第WO 94/12650号;Kollerら,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(198
9);およびZijlstraら,Nature 342:435−438(1
989)を参照のこと。これらの開示の各々は、それら全体において参考として
援用される)。
【0151】 さらに、本発明のポリペプチドは、当該分野で公知の技術を用いて化学合成さ
れ得る(例えば、Creighton,1983,Proteins:Stru
ctures and Molecular Principles,W.H.
Freeman & Co.,N.Y.およびHunkapillerら,Na
ture,310:105−111(1984)を参照のこと)。例えば、本発
明のポリペプチドのフラグメントに対応するポリペプチドは、ペプチド合成機の
使用により合成され得る。さらに、所望の場合、非古典的アミノ酸または化学的
アミノ酸アナログが、置換または付加としてこのポリペプチド配列に導入され得
る。非古典的アミノ酸としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:通
常のアミノ酸のD異性体、2,4−ジアミノ酪酸、a−アミノイソ酪酸、4−ア
ミノ酪酸、Abu、2−アミノ酪酸、g−Abu、e−Ahx、6−アミノヘキ
サン酸、Aib、2−アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オルニチン、
ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホ
モシトルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェ
ニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、b−アラニン、フルオロアミノ酸、デ
ザイナーアミノ酸(例えば、b−メチルアミノ酸)、Ca−メチルアミノ酸、N
a−メチルアミノ酸、および一般のアミノ酸アナログ。さらに、アミノ酸はD(
右旋性)またはL(左旋性)であり得る。
【0152】 本発明は、翻訳の間または翻訳後に、例えば、グリコシル化、アセチル化、リ
ン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質
分解切断、抗体分子または他の細胞性リガンドへの結合などによって示差的に改
変される本発明のポリペプチドを含む。任意の多数の化学的改変は、以下を含む
がこれらに限定されない公知の技術によって実施され得る:臭化シアン、トリプ
シン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBHによる特異的
化学的切断;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元;ツニカマイシンの存在下で
の代謝合成;など。
【0153】 本発明によって含まれるさらなる翻訳後修飾としては、例えば、以下などが挙
げられる:N結合型もしくはO結合型の炭水化物鎖(N末端またはC末端のプロ
セシング)、アミノ酸バックボーンへの化学部分の結合、N結合型もしくはO結
合型の炭水化物鎖の化学修飾、および原核生物宿主細胞発現の結果としてのN末
端メチオニン残基の付加もしくは欠失。このポリペプチドはまた、検出可能な標
識(例えば、酵素標識、蛍光標識、同位体標識または親和性標識)を用いて改変
して、このタンパク質の検出および単離が可能にされ得る。
【0154】 本発明によってまた、さらなる利点(例えば、このポリペプチドの溶解度、安
定性および循環時間の増加、または免疫原性の減少)を提供し得る、本発明のポ
リペプチドの化学修飾誘導体が提供される(米国特許第4,179,337号を
参照のこと)。誘導体化のための化学部分は、水溶性ポリマー(例えば、ポリエ
チレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カ
ルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなど)から選
択され得る。このポリペプチドは、この分子内のランダムな位置で、またはこの
分子内の所定の位置で改変され得、そして1、2、3以上の結合した化学部分を
含み得る。
【0155】 このポリマーは、任意の分子量のポリマーであり得、そして分枝状であっても
非分枝状であってもよい。ポリエチレングリコールに関しては、好ましい分子量
は、取り扱いおよび製造の容易さのために、約1kDaと約100kDaとの間
(用語「約」は、ポリエチレングリコールの調製において、いくつかの分子は示
した分子量よりも重く、いくつかは示した分子量よりも軽いことを示す)である
。所望の治療的プロフィール(例えば、所望される持続放出の持続時間、ある場
合には生物学的活性に対する効果、取り扱いの容易さ、抗原性の程度または抗原
性がないこと、および治療タンパク質またはアナログに対するポリエチレングリ
コールの他の公知の効果)に依存して、他のサイズが用いられ得る。
【0156】 ポリエチレングリコール分子(または他の化学的部分)は、このタンパク質の
機能的ドメインまたは抗原性ドメインに対する効果を考慮してタンパク質に結合
されるべきである。当業者に利用可能な多数の結合方法が存在する(例えば、本
明細書中に参考として援用される、EP 0 401 384(G−CSFにP
EGを結合する)、Malikら,Exp.Hematol.20:1028−
1035(1992)(塩化トレシルを用いたGM−CSFのペグ化(pegy
lation)を報告する)もまた参照のこと)。例えば、ポリエチレングリコ
ールは、反応性基(例えば、遊離のアミノ基またはカルボキシル基)によってア
ミノ酸残基を介して共有結合され得る。反応性基は、活性化ポリエチレングリコ
ール分子が結合し得る基である。遊離のアミノ基を有するアミノ酸残基としては
、リジン残基およびN末端アミノ酸残基が挙げられ得る;遊離のカルボキシル基
を有するアミノ酸残基としては、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基および
C末端アミノ酸残基が挙げられ得る。スルフヒドリル基もまた、ポリエチレング
リコール分子を結合するための反応性基として用いられ得る。治療目的のために
好ましいのは、アミノ基での結合、例えば、N末端またはリジン基での結合であ
る。
【0157】 N末端で化学修飾されたタンパク質を具体的に所望し得る。ポリエチレングリ
コールを本発明の組成の例示として用いて、種々のポリエチレングリコール分子
から(分子量、分枝などによって)、反応混合物中でのポリエチレングリコール
分子のタンパク質(ポリペプチド)分子に対する比、行われるべきペグ化反応の
型、および選択されたN末端ペグ化タンパク質の獲得方法を選択し得る。N末端
ペグ化調製物の獲得方法(すなわち、必要な場合、この部分を他のモノペグ化部
分から分離すること)は、ペグ化タンパク質分子の集団からの、N末端ペグ化物
質の精製により得る。N末端修飾で化学修飾された選択的タンパク質は、特定の
タンパク質における誘導体化に利用可能な異なる型の第1級アミノ基(リジン対
N末端)の示差的反応性を利用する還元的アルキル化によって達成され得る。適
切な反応条件下では、カルボニル基含有ポリマーを用いた、N末端でのタンパク
質の実質的に選択的な誘導体化が達成される。
【0158】 本発明のポリペプチドは、モノマーまたはマルチマー(すなわち、ダイマー、
トリマー、テトラマーおよびより高度のマルチマー)であり得る。従って、本発
明は、モノマーおよびマルチマーの本発明のポリペプチド、それらの調製ならび
にそれらを含む組成物(好ましくは薬学的組成物)に関する。特定の実施形態で
は、本発明のポリペプチドは、モノマー、ダイマー、トリマーまたはテトラマー
である。さらなる実施形態では、本発明のマルチマーは、少なくともダイマー、
少なくともトリマー、または少なくともテトラマーである。
【0159】 本発明によって含まれるマルチマーは、ホモマーまたはヘテロマーであり得る
。本明細書中で用いられる場合、用語ホモマーは、(本明細書中に記載されるも
のに対応するフラグメント、スプライス改変体、および融合タンパク質を含む)
配列番号Yのアミノ酸配列または配列番号Xもしくは配列番号Xの相補体によっ
てコードされるアミノ酸配列および/あるいはcDNAプラスミドVによってコ
ードされるアミノ酸配列に対応するポリペプチドのみを含むマルチマーをいう。
これらのホモマーは、同一または異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含
み得る。特定の実施形態では、本発明のホモマーは、同一のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドのみを含むマルチマーである。別の特定の実施形態では、本発明
のホモマーは、異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むマルチマーであ
る。特定の実施形態では、本発明のマルチマーは、ホモダイマー(例えば、同一
または異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む)あるいはホモトリマー
(例えば、同一または異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む)である
。さらなる実施形態では、本発明のホモマー性マルチマーは、少なくともホモダ
イマー、少なくともホモトリマーまたは少なくともホモテトラマーである。
【0160】 本明細書中で用いられる場合、用語ヘテロマーとは、本発明のポリペプチドに
加えて1以上の異種ポリペプチド(すなわち、異なるタンパク質のポリペプチド
)を含むマルチマーをいう。特定の実施形態では、本発明のマルチマーは、ヘテ
ロダイマー、ヘテロトリマーまたはヘテロテトラマーである。さらなる実施形態
では、本発明のヘテロマー性マルチマーは、少なくともヘテロダイマー、少なく
ともヘテロトリマーまたは少なくともヘテロテトラマーである。
【0161】 本発明のマルチマーは、疎水性、親水性、イオン性および/もしくは共有結合
的な結合の結果であり得、そして/または例えば、リポソーム形成によって間接
連結され得る。従って、1つの実施形態では、本発明のマルチマー(例えば、ホ
モダイマーまたはホモトリマーなど)は、本発明のポリペプチドが溶液中で互い
に接触する場合に形成される。別の実施形態では、本発明のへテロマルチマー(
例えば、ヘテロトリマーまたはヘテロテトラマーなど)は、本発明のポリペプチ
ドが、溶液中で本発明のポリペプチドに対する抗体(本発明の融合タンパク質に
おける異種ポリペプチド配列に対する抗体を含む)と接触した場合に形成される
。他の実施形態では、本発明のマルチマーは、本発明のポリペプチドとの、およ
び/または本発明のポリペプチド間での共有結合によって形成される。このよう
な共有結合は、ポリぺプチド配列(例えば、配列番号Yに記載されるか、または
配列番号Xによってコードされるポリペプチドおよび/またはcDNAプラスミ
ドV中に含まれる配列)に含まれる1以上のアミノ酸残基を含み得る。1例では
、この共有結合は、ネイティブ(すなわち、天然に存在する)ポリペプチドにお
いて相互作用するポリペプチド配列内に存在するシステイン残基間での架橋であ
る。別の例では、この共有結合は、化学的操作または組換え操作の結果である。
あるいは、このような共有結合は、融合タンパク質中の異種ポリペプチド配列に
おいて含まれる1以上のアミノ酸残基を含み得る。1例では、共有結合は、本発
明の融合タンパク質に含まれる異種配列間にある(例えば、米国特許第5,47
8,925号を参照のこと)。特定の例では、この共有結合は、(本明細書中に
記載されるような)本発明のFc融合タンパク質に含まれる異種配列間にある。
別の特定の例では、本発明の融合タンパク質の共有結合は、共有結合したマルチ
マーを形成し得る別のタンパク質(例えば、オステオプロテゲリン(osete
oprotegerin)など)由来の異種ポリペプチド配列間にある(例えば
、国際公開番号WO 98/49305号(この内容はその全体が本明細書中で
参考として援用される)を参照のこと)。別の実施形態では、2以上の本発明の
ポリペプチドは、ペプチドリンカーを通して連結される。例としては、米国特許
第5,073,627号(本明細書中に参考として援用される)に記載されるペ
プチドリンカーが挙げられる。ペプチドリンカーによって隔てられた本発明の複
数のポリペプチドを含むタンパク質は、従来の組換えDNA技術を用いて生成さ
れ得る。
【0162】 本発明のマルチマーポリペプチドを調製するための別の方法は、ロイシンジッ
パーポリペプチド配列またはイソロイシンジッパーポリペプチド配列に融合され
た本発明のポリペプチドの使用を含む。ロイシンジッパードメインおよびイソロ
イシンジッパードメインは、そのドメインが見出されるタンパク質のマルチマー
形成を促進するポリペプチドである。ロイシンジッパーは元々、いくつかのDN
A結合タンパク質において同定され(Landschulzら,Science
240:1759、(1988))、そしてそれ以来種々の異なるタンパク質
において見出されている。とりわけ公知のロイシンジッパーは、ダイマー形成ま
たはトリマー形成をする、天然に存在するペプチドおよびその誘導体である。本
発明の可溶性マルチマータンパク質を生成するために適切なロイシンジッパード
メインの例は、本明細書中に参考として援用されるPCT出願WO 94/10
308に記載されるロイシンジッパードメインである。溶液中でダイマー形成ま
たはトリマー形成をするポリペプチド配列に融合された本発明のポリペプチドを
含む組換え融合タンパク質は、適切な宿主細胞中で発現され、そして得られる可
溶性マルチマー融合タンパク質は、当該分野で公知の技術を用いて培養上清から
回収される。
【0163】 本発明のトリマーポリペプチドは、増強された生物学的活性の利点を提供し得
る。好ましいロイシンジッパー部分およびイソロイシン部分は、トリマーを優先
的に形成する部分である。1例は、本明細書中に参考として援用されるHopp
eら(FEBS Letters 344:191,(1994))および米国
特許出願第08/446,922号に記載される通りの肺サーファクタントタン
パク質D(SPD)に由来するロイシンジッパーである。天然に存在するトリマ
ータンパク質由来の他のペプチドは、本発明のトリマーポリペプチドの調製にお
いて用いられ得る。
【0164】 別の例では、本発明のタンパク質は、Flag(登録商標)ポリぺプチド配列
を含む本発明の融合タンパク質に含まれるFlag(登録商標)ポリペプチド配
列間の相互作用によって結合される。さらなる実施形態では、本発明のタンパク
質は、本発明のFlag(登録商標)融合タンパク質に含まれる異種ポリペプチ
ド配列と抗Flag(登録商標)抗体との間の相互作用によって結合する。
【0165】 本発明のマルチマーは、当該分野で公知の化学技術を使用して生成され得る。
例えば、本発明のマルチマーに含まれることが所望されるポリペプチドは、当該
分野で公知のリンカー分子およびリンカー分子長最適化技術を使用して、化学的
に架橋され得る(例えば、米国特許第5,478,925号(これは本明細書中
で参考として援用される)を参照のこと)さらに、本発明のマルチマーは、当該
分野で公知の技術を使用して生成されて、マルチマー中に含まれることが所望さ
れるポリペプチドの配列内に位置するシステイン残基間に、1つ以上の分子間架
橋を形成し得る(例えば、米国特許第5,478,925号(これは、本明細書
中にその全体が参考として援用される)を参照のこと)。さらに、本発明のタン
パク質は、このポリぺプチドのC末端またはN末端へのシステインまたはビオチ
ンの付加により慣用的に改変され得、当該分野で公知の技術が、1つ以上のこれ
らの改変されたポリペプチドを含むマルチマーを生成するために適用され得る(
例えば、米国特許第5,478,925号(これはその全体が本明細書中で参考
として援用される)を参照のこと)。さらに、当該分野で公知技術は、本発明の
マルチマーに含まれることを所望されるポリペプチド成分を含むリポソームを生
成するために適用され得る(例えば、米国特許第5,478,925号(これは
その全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
【0166】 あるいは、本発明のマルチマーは、当該分野で公知の遺伝子操作技術を用いて
生成され得る。1つの実施形態では、本発明のマルチマーに含まれるポリペプチ
ドは、本明細書中に記載されるかさもなくば当該分野で公知の融合タンパク質技
術を用いて組換え生成される(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用
される、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。特定の実施形態では
、本発明のホモダイマーをコードするポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド配列を、リンカーポリペプチドをコードする配
列に連結し、次いでさらに元々のC末端からN末端の方向とは逆方向でポリペプ
チドの翻訳産物をコードする合成ポリヌクレオチド(リーダー配列を欠く)に連
結することによって生成される(例えば、本明細書中にその全体が参考として援
用される、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。別の実施形態では
、本明細書中に記載されるかさもなくば当該分野で公知の組換え技術を適用して
、膜貫通ドメイン(または疎水性もしくはシグナルペプチド)を含み、そして膜
再構成技術によってリポソームに取り込まれ得る、本発明の組換えポリペプチド
を生成する(例えば、本明細書中にその全体が参考として援用される、米国特許
第5,478,925号を参照のこと)。
【0167】 (抗体) さらに、本発明のポリペプチドは、(特異的な抗体抗原結合をアッセイするた
めの当該分野で周知のイムノアッセイによって決定されるような)本発明の配列
番号Yの、ポリペプチド、ポリペプチドフラグメント、または改変体、および/
またはエピトープに免疫特異的に結合する抗体およびT細胞抗原レセプター(T
CR)に関する。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、
多重特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフ
ラグメント、F(ab’)フラグメント、Fab発現ライブラリーによって産生
されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体
に対する抗Id抗体を含む)、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメ
ントを含むが、限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」とは
、免疫グロブリン分子および免疫グロリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわ
ち、免疫特異的に抗原に結合する抗原結合部位を含む分子をいう。本発明の免疫
グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意の型(例えば、IgG、IgE、
IgM、IgD、IgA、およびIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、
IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)または任意のサブク
ラスであり得る。
【0168】 最も好ましくは、この抗体は、本発明のヒト抗原結合抗体フラグメントであり
、これには、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、単鎖Fvs(sc
Fv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)ならびにVLまたはV
Hドメインのいずれかを含むフラグメントが挙げられるがこれらに限定されない
。単鎖抗体を含む抗原結合抗体フラグメントは、可変領域を単独で、または以下
の全体もしくは部分と組み合わせて含み得る:ヒンジ領域、CH1ドメイン、C
H2ドメインおよびCH3ドメイン。また、可変領域とヒンジ領域、CH1ドメ
イン、CH2ドメインおよびCH3ドメインとの任意の組み合わせもまた含む抗
原結合フラグメントがまた本発明に含まれる。本発明の抗体は、鳥類および哺乳
動物を含む任意の動物起点由来であり得る。好ましくは、この抗体は、ヒト、ネ
ズミ(murine)(例えば、マウスおよびウサギ)、ロバ、シップウサギ(
ship rabbit)、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリ
である。本明細書中で使用される場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンの
アミノ酸配列を有する抗体を含み、そしてヒト免疫グロブリンライブラリーまた
は1つ以上のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニックであり、そして内
因性免疫グロブリンを発現しない動物から単離さた抗体(下に記載のように、そ
して例えば、Kucherlapatiらによる米国特許第5,939,598
号において記載のような)を含む。
【0169】 本発明の抗体は、一重特異的、二重特異的、三重特異的またはより多くの多重
特異性の抗体であり得る。多重特異的な抗体は、本発明のポリペプチドの異なる
エピトープに対して特異的であり得るか、または本発明のポリペプチドおよび異
種のエピトープ(例えば、異種ポリペプチドもしくは固体支持体物質)、の両方
に特異的であり得る。例えば、PCT公開WO 93/17715;同WO 9
2/08802;同WO 91/00360;同WO 92/05793;Tu
ttら、J.Immunol.147:60−69(1991);米国特許第4
,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、
同第5,573,920号、同第5,601,819号;Kostelnyら、
J.Immunol.148:1547−1553(1992)を参照のこと。
【0170】 本発明の抗体は、これらが認識または特異的に結合する、本発明のポリペプチ
ドのエピトープまたは部分に関して記載または特定化され得る。このエピトープ
またはポリペプチドの部分は、例えば、N末端およびC末端位置によって、連続
するアミノ酸残基におけるサイズによって本明細書中に記載されるように、特定
化され得る。本発明の任意のエピトープまたはポリペプチドに特異的に結合する
抗体はまた、排除され得る。従って、本発明は、本発明のポリペプチドを特異的
に結合し、そして本発明のポリペプチドの排除を可能にする抗体を含む。
【0171】 本発明の抗体はまた、その交差反応性について記載または特定化され得る。本
発明のポリペプチドの任意の他のアナログ、オルソログまたはホモログを結合し
ない抗体が、含まれる。本発明のポリペプチドに対して少なくとも95%、少な
くとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少な
くとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%および
少なくとも50%の同一性(当該分野で公知の方法および本明細書中に記載され
る方法を用いて計算される場合)を有するポリペプチドを結合する抗体もまた、
本発明に含まれる。特定の実施形態において、本発明の抗体は、ヒトタンパク質
の、マウスホモログ、ラットホモログおよび/またはウサギホモログならびに対
応するそれらのエピトープと交差反応する。本発明のポリペプチドに対して95
%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65
%未満、60%未満、55%未満および50%未満の同一性(当該分野で公知の
方法および本明細書中に記載される方法を用いて計算される場合)を有するポリ
ペプチドを結合しない抗体もまた、本発明に含まれる。特定の実施形態において
、上記の交差反応性は、本明細書中に開示された、任意の単一特異的な抗原性ま
たは免疫原性ポリペプチド、あるいは2、3、4、5以上の特異的抗原性および
/または免疫原生ポリペプチドの組み合わせに関する。さらに、ハイブリダイゼ
ーション条件下(本明細書中で記載されるような)で本発明のポリヌクレオチド
にハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを結合
する抗体が、本発明に含まれる。本発明の抗体はまた、本発明のポリペプチドに
対するそれらの結合親和性について記載または特定化され得る。好ましい結合親
和性としては、5×10−2M未満、10−2M未満、5×10−3M未満、1
−3M未満、5×10−4M未満、10−4M未満、5×10−5M未満、1
−5M未満、5×10−6M未満、10−6M未満、5×10−7M未満、1
−7M未満、5×10−8M未満、10−8M未満、5×10−9M未満、1
−9M未満、5×10−10M未満、10−10M未満、5×10−11M未
満、10−11M未満、5×10−12M未満、10−12M未満、5×10 13 M未満、10−13M未満、5×10−14M未満、10−14M未満、5
×10−15M未満または10−15M未満の解離定数すなわちKdを有する親
和性が挙げられる。
【0172】 本発明はまた、競合性結合を決定するための当該分野で公知の任意の方法(例
えば、本明細書中で記載されるイムノアッセイ)によって決定されるような、本
発明のエピトープに対する抗体の結合を競合的に阻害する抗体を提供する。好ま
しい実施形態において、この抗体は、少なくとも95%、少なくとも90%、少
なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少
なくとも60%、または少なくとも50%、エピトープへの結合を競合的に阻害
する。
【0173】 本発明の抗体は、本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストと
して作用し得る。例えば、本発明は、本発明のポリペプチドとのレセプター/リ
ガンド相互作用を部分的または完全にのいずれかで破壊する抗体を含む。好まし
くは、本発明の抗体は、本明細書中で開示された抗原性エピトープ、またはその
部分を結合する。本発明は、レセプター特異的抗体およびリガンド特異的抗体の
両方の特徴を有する。本発明はまた、リガンド結合を妨害しないがレセプター活
性化を妨害するレセプター特異的抗体の特徴を有する。レセプター活性化(すな
わち、シグナル伝達)は、本明細書中に記載の技術、そうでなければ、当該分野
で公知の技術により決定され得る。例えば、レセプター活性化は、レセプターの
リン酸化(例えば、チロシンまたはセリン/トレオニン)、または免疫沈降それ
に続くウェスタンブロット分析(例えば、上記のような)によってその基質を検
出することにより、決定され得る。特定の実施形態において、この抗体の非存在
下で、リガンド活性またはレセプター活性を、その活性の少なくとも95%、少
なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少
なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%阻害する抗体が提
供される。
【0174】 本発明はまた、リガンド結合およびレセプター活性化の両方を妨げるレセプタ
ー特異的抗体、ならびにレセプターリガンド複合体を認識し、そして好ましくは
、結合していないレセプターまたは結合していないリガンドを特異的に認識しな
い抗体の特徴を有する。同様に、本発明は、リガンドと結合し、そしてレセプタ
ーへのリガンドの結合を妨げる中和抗体、およびリガントと結合し、それにより
レセプター活性化を妨げるが、リガンドがレセプターを結合することを妨げない
抗体を含む。さらに、本発明は、レセプターを活性化する抗体を含む。これらの
抗体は、レセプターアゴニストとして作用し得、すなわち、例えば、レセプター
の二量化を誘発することによってリガンド媒介レセプター活性化の生物学的活性
化の全てまたはサブセットのいずれかを増強するかまたは活性化し得る。この抗
体は、本明細書中に開示される本発明のペプチドの特異的生物学的活性を含む生
物学的活性についてのアゴニスト、アンタゴニストまたは逆アゴニストとして特
定化され得る。上記抗体アゴニストは、当該分野で公知の方法を用いて作製され
得る。例えば、PCT公開WO96/40281;米国特許第5,811,09
7号;Dengら、Blood 92(6):1981−1988(1998)
;Chenら、Cancer Res.58(16):3668−3678(1
998);Harropら、J.Immunol.161(4):1786−1
794(1998);Zhuら、Cancer Res:58(15):320
9−3214(1998);Yoonら、J.Immunol.160(7):
3170−3179(1998);Pratら、J.Cell.Sci.111
(Pt2):237−247(1998);Pitardら、J.Immuno
l.Methods 205(2):177−190(1997);Liaut
ardら、Cytokine 9(4):233−241(1997);Car
lsonら、J.Biol.Chem.272(17):11295−1130
1(1997);Tarymanら、Neuron 14(4):755−76
2(1995);Mullerら、Structure 6(9):1153−
1167(1998);Bartunekら、Cytokine 8(1):1
4−20(1996)(これらは全て、その全体が参考として本明細書中に援用
される)を参照のこと。
【0175】 本発明の抗体は、例えば、これらに限定されないが、本発明のポリペプチドを
精製し、検出し、そして標的化するために使用され得る。これらは、インビトロ
およびインビボの両方での診断方法および治療方法を含む。例えば、この抗体は
、生物学的サンプルにおける本発明のポリペプチドのレベルを定性的におよび定
量的に測定するためのイムノアッセイにおける用途を有する。例えば、Harl
owら,Antibodies:A Laboratory Manual,(
Cold Spring Harbor Laboratory Press,
第2版,1988)(本明細書中でその全体が参照として援用される)を参照の
こと。
【0176】 以下にさらに詳細に議論されるように、本発明の抗体は、単独または他の化合
物との組み合わせのいずれかで使用され得る。この抗体はさらに、ポリペプチド
または他の化合物へN末端でもしくはC末端で異種ポリペプチドに組換え的に融
合され得るか、または化学的に結合(共有結合および非共有結合を含む)され得
る。例えば、本発明の抗体は、検出アッセイにおける標識として有用な分子およ
び異種ポリペプチド、薬剤、放射性核種、または毒素のようなエフェクター分子
へ組換え的に融合または結合され得る。例えば、PCT公開WO92/0849
5;WO91/14438;WO89/12624;米国特許第5,314,9
95号;および欧州特許第396,387号を参照のこと。
【0177】 本発明の抗体は、改変された(すなわち、共有結合性付着(covalent attachment)が、抗体が抗イディオタイプ応答を産生するのを妨げ
ないような、抗体に対する任意の型の分子の共有結合性付着による)誘導体を含
む。例えば、制限されないが、抗体誘導体には、例えば、グリコシル化、アセチ
ル化、ぺグ化(pegylation)、リン酸化(phosphylatio
n)、アミド化、既知の保護基/ブロック基(blocking group)
による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞性リガンドまたは他のタンパク質
への連結などによって改変された抗体が挙げられる。多数の任意の化学的改変が
、特異的化学切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝的合成など
を含むが、これらに制限されない公知の技術によって実行され得る。さらに、誘
導体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。
【0178】 本発明の抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法によって産生され得る。
目的の抗原に対するポリクローナル抗体は、当該分野で周知の種々の手順によっ
て産生され得る。例えば、本発明のポリペプチドが種々の宿主動物(ウサギ、マ
ウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない)に投与され得、抗原に対して
特異的なポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導する。種々のアジュバント
が、免疫学的応答を増加させるために使用され得、宿主種に依存し、そしてフロ
イント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル(mi
neral gel)、リゾレシチンのような表面活性物質、プルロニック(p
luronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、キーホール
リンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにBCG(カルメット−
ゲラン杆菌)およびcorynebacterium parvumのような強
力に有用なヒトアジュバントを含むが、これらに限定されない。このようなアジ
ュバントはまた、当該分野で周知である。
【0179】 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え、およびファージディスプレ
イ技術、またはそれらの組み合わせの使用を含む、当該分野で公知の広範な種々
の技術を用いて調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当該分野で公知
の以下に挙げられるハイブリドーマ技術を使用して産生され得、例えば、Har
lowら、Antibodies:A Laboratory Manual,
(Cold Spring Harbor Laboratory Press
,第2版、1988);Hammerlingら、Monoclonal An
tibodies and T−Cell Hybridomas 563−6
81(Elsevier,N.Y.,1981)(上記の参考文献は、その全体
が参考として援用される)に教示される。本明細書中で使用される場合、用語「
モノクローナル抗体」とは、ハイブリドーマ技術を通して生成された抗体に限定
されない。用語「モノクローナル抗体」とは、任意の真核生物、原核生物、また
はファージクローンを含む単一のクローンに由来する抗体をいい、そしてモノク
ローナル抗体が生成される方法ではない。
【0180】 ハイブリドーマ技術を用いて特定の抗体に対して産生およびスクリーニングす
る方法は、慣用的であり、そして当該分野において周知であり、実施例において
詳細に議論される。非限定な例において、マウスを、本発明のポリペプチドまた
はこのようなペプチドを発現する細胞を用いて免疫化し得る。一旦、免疫応答が
検出される(例えば、抗原に対して特異的な抗体がマウス血清中に検出される)
と、マウスの脾臓を回収し、そして脾細胞を単離する。次いで、脾細胞は、周知
の技術によって、任意の適切なミエローマ細胞(例えば、ATCCから入手可能
な細胞株SP20由来の細胞)へ融合される。ハイブリドーマを、限定希釈によ
り選択およびクローン化する。次いで、ハイブリドーマクローンを本発明のポリ
ペプチドを結合し得る抗体を分泌する細胞について、当該分野に公知の方法によ
ってアッセイする。一般的に高レベルの抗体を含む腹水を、ポジティブなハイブ
リドーマクローンを用いてマウスを免疫化することにより、産生し得る。
【0181】 従って、本発明は、モノクローナル抗体、および本発明の抗体を分泌するハイ
ブリドーマ細胞を培養する工程を含む方法によって産生される抗体を、産生する
方法を提供し、ここで、好ましくは、このハイブリドーマは、ミエローマ細胞を
有する本発明の抗原を用いて免疫化されたマウスから単離された脾細胞を融合す
ることにより、次いで、本発明のペプチドを結合し得る抗体を分泌するハイブリ
ドーマクローンについて、その融合から生じるハイブリドーマをスクリーニング
することにより、産生される。
【0182】 特定のエピトープを認識する抗体フラグメントは、公知の技術により産生し得
る。例えば、本発明のFabフラグメントおよびF(ab’)2フラグメントは
、パパイン(Fabフラグメントを産生するため)またはペプシン(F(ab’
)2フラグメントを産生するため)のような酵素を使用して、免疫グロブリン分
子のタンパク質分解性切断によって産生され得る。F(ab’)2フラグメント
は、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含む。
【0183】 例えば、本発明の抗体はまた、当該分野に公知の種々のファージディスプレイ
方法を用いて産生され得る。ファージディスプレイ方法において、機能的な抗体
ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子
の表面上に提示される。特定の実施形態において、このようなファージを、レパ
ートリー抗体ライブラリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、
ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために利用し得
る。目的の抗原と結合する抗原結合ドメインを発現するファージを、抗原を用い
て、(例えば、標識化抗原、あるいは固体表面または固体ビーズへ結合または捕
捉された抗原を使用して)選択または同定し得る。これらの方法において使用さ
れるファージは、代表的に、ファージ遺伝子IIIタンパク質またはファージ遺
伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換え的に融合されたFab、Fvまたは
ジスルフィド安定化されたFvの抗体ドメインを有するファージから発現された
fdおよびM13結合ドメインを含む糸状(filamentous)ファージ
である。本発明の抗体を作製するために用いられ得るファージディスプレイ方法
の例としては、以下に開示される方法が挙げられる:Brinkmanら、J.
Immunol.Methods 182:41〜50(1995);Ames
ら、J.Immunol.Methods 184:177〜186(1995
);Kettleboroughら、Eur.J.Immunol.24:95
2〜958(1994);Persicら、Gene 187 9〜18(19
97);Burtonら、Advances in Immunology 5
7:191〜280(1994);PCT公開 PCT/GB91/01134
;PCT公開 WO90/02809;WO91/10737;WO92/01
047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982
;WO95/20401;ならびに米国特許第5,698,426号;同第5,
223,409号;同第5,403,484号;同第5,580,717号;同
第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,821,047
号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同第5,516,
637号;同第5,780,225号;同第5,658,727号;同第5,7
33,743号および同第5,969,108号(これらのそれぞれは、その全
体が参考として援用される)。
【0184】 上記参考文献に記載されているように、ファージ選択後、ファージ由来の抗体
をコードする領域は、ヒト抗体を含む抗体の全体、または任意の他の所望の抗原
結合フラグメントを作製するために単離および使用され得、そして例えば、以下
に詳細に記載されるように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細
菌を含む任意の所望の宿主において発現され得る。例えば、Fab、Fab’お
よびF(ab’)2フラグメントを組換え的に産生するための技術はまた、当該
分野で公知の方法を用いて使用され得る。この方法は、例えば、以下に開示され
る方法である:PCT公開WO92/22324;Mullinaxら、Bio
Techniques 12(6):864−869(1992);およびSa
waiら、AJRI 34:26−34(1995);およびBetterら、
Science 240:1041−1043(1998)(上記の参考文献は
、その全体が参考として援用される)。
【0185】 単鎖のFvsおよび抗体を産生するために用いられ得る技術の例としては、米
国特許第4,946,778号および同第5,258,498号;Huston
ら、Methods in Enzymology 203:46−88(19
91);Shuら、PNAS 90:7995−7999(1993);および
Skerraら、Science 240:1038−1040(1988)に
記載される技術が挙げられる。ヒトにおける抗体のインビボ使用およびインビト
ロ検出アッセイを含むいくつかの用途のために、キメラ抗体、ヒト化抗体または
ヒト抗体の使用が好ましくあり得る。キメラ抗体は、この抗体の異なる部分が異
なる動物種に由来する分子(例えば、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域
およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体)である。キメラ抗体を産生す
るための方法は、当該分野において公知である。例えば、Morrison,S
cience 229:1202(1985);Oiら、BioTechniq
ues 4:214(1986);Gilliesら、(1989)J.Imm
unol.Methods 125:191−202;および米国特許第5,8
07,715号;同第4,816,567号;および同第4,816,397号
を参照のこと(これらは、本明細書中でその全体が参照として援用される)。ヒ
ト化抗体は、非ヒト種由来の1以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫
グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する所望の抗原に結合する、非ヒ
ト種抗体由来の抗体分子である。しばしば、ヒトフレームワーク領域におけるフ
レームワーク残基は、CDRドナー抗体由来の対応する残基と置換され、抗原結
合を改変(好ましくは、改善)する。これらのフレームワーク置換は、当該分野
で周知の方法により同定され、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を
同定するためのCDRとフレームワーク残基との相互作用のモデリング、ならび
に特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較によ
る。(例えば、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechm
annら、Nature 332:323(1988)(これらは本明細書中で
その全体が参考として援用される)を参照のこと)。抗体は、例えば、以下を含
む当該分野で公知の種々の技術を用いてヒト化され得る:CDR−グラフティン
グ(grafting)(欧州特許第239,400号;PCT公開 WO91
/09967;米国特許第5,225,539号;同第5,530,101号お
よび同第5,585,089号)、ベニヤリング(veneering)または
リサーフェイシング(resurfacing)(欧州特許第592,106号
;欧州特許第519,596号;Padlan、Molecular Immu
nology 28(4/5):489−498(1991);Studnic
kaら、Protein Engineering 7(6):805−814
(1994);Roguskaら、PNAS 91:969−973(1994
))、およびチェーンシャッフリング(chain shuffling)(米
国特許第5,565,332号)。
【0186】 完全なヒト抗体が、ヒト患者の治療的処置に対して特に望ましい。ヒト抗体は
、当該分野で公知の種々の方法によって作製され得、これらの方法としては、ヒ
ト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを用いる上記のファージディスプ
レイ方法が挙げられる。米国特許第4,444,887号および同第4,716
,111号;ならびにPCT公開WO98/46645、WO98/50433
、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO
96/33735、およびWO91/10741(これらの各々は、その全体が
参考として本明細書中に援用される)もまた参照のこと。
【0187】 ヒト抗体はまた、機能的内因性免疫グロブリンの発現は出来ないが、ヒト免疫
グロブリン遺伝子を発現し得るトランスジェニックマウスを用いて産生され得る
。例えば、ヒト重鎖免疫グロブリン遺伝子およびヒト軽鎖免疫グロブリン遺伝子
の複合体は、無作為にまたは相同組換えによってマウス胚性幹細胞に導入され得
る。あるいは、ヒト可変領域、定常領域および多様性領域(diversity
region)は、ヒト重鎖遺伝子およびヒト軽鎖遺伝子に加えて、マウスの
胚性幹細胞に導入され得る。マウス重鎖免疫グロブリン遺伝子およびマウス軽鎖
免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えによるヒト免疫グロブリン座の導入と別々
にまたは同時に非機能的にされ得る。特に、JH領域のホモ接合性の欠失は、内
因性抗体の産生を妨げる。この改変された胚性幹細胞を増殖させ、そして胚盤胞
に微量注入して、キメラマウスを産生する。次に、このキメラマウスを、ヒト抗
体を発現するホモ接合性の子孫を産生するために繁殖させる。トランスジェニッ
クマウスを、選択された抗原(例えば、本発明のポリペプチドの全体または一部
)を用いて通常の様式で免疫する。その抗原に対するモノクローナル抗体は、従
来のハイブリドーマ技術を用いた免疫したトランスジェニックマウスから得られ
得る。ヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の間のトランスジェニック
マウスの再編成によってかくまわれ(harbored)、そしてその後、クラ
ススイッチングおよび体細胞変異を受ける。従って、そのような技術の使用によ
って、治療的に有用なIgG抗体、IgA抗体、IgM抗体およびIgE抗体の
産生が可能である。ヒト抗体を産生するためのこの技術の概要については、Lo
nbergおよびHuszar、Int.Rev.Immunol.13:65
−93(1995)を参照のこと。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を産
生するためのこの技術のならびにそのような抗体を産生するためのプロトコール
の詳細な議論については、例えば、PCT公開WO98/24893;WO92
/01047;WO96/34096;WO96/33735;欧州特許第0
598 877;米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号
;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,0
16号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;同第5,88
5,793号;同第5,916,771号;および同第5,939,598号を
参照のこと(これらは、その全体が本明細書中に参考として援用される)。さら
に、Abgenix,Inc.(Freemont,CA)およびGenpha
rm(San Jose,CA)のような企業は、上記の技術に類似した技術を
用いて選択された抗原に対するヒト抗体を提供することに従事し得る。
【0188】 選択されたエピトープを完全に認識するヒト抗体を、「ガイドされた(gui
ded)選択」といわれる技術を用いて産生し得る。このアプローチにおいて、
選択された非ヒトモノクローナル抗体(例えば、マウス抗体)は、同じエピトー
プを完全に認識するヒト抗体の選択を導くために使用される(Jespersら
、Bio/technology 12:899−903(1988))。
【0189】 さらに、本発明のポリペプチドに対する抗体は、当業者に周知の技術を用いて
、本発明のポリペプチドを「模倣する」抗イディオタイプ抗体を生成するために
順々に利用され得る。(例えば、GreenspanおよびBona、FASE
B J.7(5):437−444(1989);ならびにNissinoff
、J.Immunol.147(8):2429−2438(1991)を参照
のこと)。例えば、結合し、そしてポリペプチドのマルチマー化(multim
erization)および/または本発明のポリペプチドのリガンドに対する
結合を競合的に阻害する抗体を用いて、このポリペプチドのマルチマー化および
/または結合ドメインを「模倣し」、そして結果として、ポリペプチドおよび/
またはそのリガンドに結合し、そして中和する抗イディオタイプを生成し得る。
このような中和抗イディオタイプまたはこのような抗イディオタイプのFabフ
ラグメントは、治療レジメンにおいて使用されて、ポリペプチドリガンドを中和
し得る。例えば、このような抗イディオタイプ抗体を使用して、本発明のポリペ
プチドを結合し得るか、そして/またはそのリガンド/レセプターを結合し得、
それによって、その生物学的活性をブロックし得る。
【0190】 (抗体をコードするポリヌクレオチド) 本発明はさらに、本発明の抗体およびそのフラグメントをコードするヌクレオ
チド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、ストリンジェント
な条件下またはより低いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で(
例えば、上記のような)、抗体(好ましくは、本発明のポリペプチドへ特異的に
結合する抗体)をコードするポリヌクレオチド、好ましくは、配列番号Yのアミ
ノ酸配列を有するポリヌクレオチドに結合する抗体をコードするポリヌクレオチ
ド、に対してハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む。
【0191】 当該分野で公知の任意の方法によって、これらのポリヌクレオチドが得られ得
、そしてこれらポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、決定され得る。例えば
、抗体のヌクレオチド配列が公知である場合、この抗体をコードするポリヌクレ
オチドは、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドからアセンブルされ得(例え
ば、Kutmeierら、BioTechniques 17:242(199
4)に記載されるように)、これは、手短に言えば、抗体をコードする配列の部
分を含むオーバーラップするヌクレオチドの合成、それらのオリゴヌクレオチド
のアニーリングおよび連結、ならびに次いでPCRによるこの連結されたオリゴ
ヌクレオチドの増幅を含む。
【0192】 あるいは、抗体をコードするポリヌクレオチドは、適切な供給源からの核酸か
ら作製され得る。特定の抗体をコードする核酸を含むクローンは入手不可能だが
、その抗体分子の配列が既知である場合、免疫グロブリンをコードする核酸は、
化学的に合成され得るか、あるいは適切な供給源(例えば、抗体cDNAライブ
ラリー、または抗体を発現する任意の組織もしくは細胞(例えば、本発明の抗体
の発現のために選択されたハイブリドーマ細胞)から生成されたcDNAライブ
ラリー、またはそれから単離された核酸(好ましくはポリA+RNA))を、例
えば、抗体をコードするcDNAライブラリーからのcDNAクローンを同定す
るために、その配列の3’末端および5’末端にハイブリダイズ可能な合成プラ
イマーを使用するPCR増幅によって、またはその特定の遺伝子配列に特異的な
オリゴヌクレオチドプローブを使用するクローニングによって得られ得る。PC
Rによって作製された増幅された核酸は、次いで、当該分野で周知の任意の方法
を用いて、複製可能なクローニングベクターにクローニングされ得る。
【0193】 一旦、抗体のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が決定されると、
抗体のヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列の操作について当該分野で周知の
方法(例えば、組換えDNA技術、部位指向性変異誘発、PCRなど(例えば、
Sambrookら、1990,Molecular Cloning,A L
aboratory Manual,第2版、Cold Spring Har
bor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY
およびAusubelら編、1998,Current Protocols
in Molecular Biology,John Wiley&Sons
,NYに記載の技術を参照のこと。これらは両方がその全体において本明細書に
参考として援用される。))を用いて操作され、例えば、アミノ酸の置換、欠失
、および/または挿入を生成するように異なるアミノ酸配列を有する抗体を作製
し得る。
【0194】 特定の実施形態では、重鎖および/または軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列
は、相補性決定領域(CDR)の配列を同定するために、当該分野で周知の方法
、例えば、他の重鎖および軽鎖の可変領域の既知のアミノ酸配列を比較して、配
列超可変性領域を決定する方法、によって、調べられ得る。慣用的組換えDNA
技術を使用して、一つ以上のCDRが、フレームワーク領域内、例えば、上記の
ように、非ヒト抗体をヒト化させるためにヒトフレームワーク領域内に挿入され
得る。このフレームワーク領域は、天然に存在、または共通するフレームワーク
領域であり得、そして好ましくはヒトフレームワーク領域であり得る(ヒトフレ
ームワーク領域の一覧については、例えばChothiaら、J.Mol.Bi
ol. 278:457−479(1998)を参照のこと)。好ましくは、フ
レームワーク領域およびCDRの組合せによって生成するポリヌクレオチドは、
本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体をコードする。好ましくは、上で
考察したように、一つ以上のアミノ酸の置換は、フレームワーク領域内で起こり
、そして好ましくは、このアミノ酸置換は、その抗原への抗体の結合を改善する
。さらに、このような方法は、アミノ酸置換させるため、または鎖内ジスルフィ
ド結合に参加している一つ以上の可変領域システイン残基を欠失させて、一つ以
上の鎖内ジスルフィド結合が欠けた抗体分子を生成させるために、使用され得る
。ポリペプチドに対する他の改変は、本発明および当該分野の技術によって達成
される。
【0195】 さらに、適切な抗原特異性のマウス抗体分子からの遺伝子を、適切な生物学的
活性のヒト抗体分子からの遺伝子とともに、スプライシングすることによる、「
キメラ抗体」(Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.
81:851−855(1984);Neubergerら、Nature 3
12:604−608(1984);Takedaら、Nature 314:
452−454(1985))の産生のために開発された技術が、使用され得る
。上記のように、キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物の種に由来する分子(
例えばマウスmAbに由来する可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有
する分子)であり、例えばヒト化抗体である。
【0196】 あるいは、一本鎖抗体の産生について記載された技術(米国特許第4,946
,778号;Bird,Science 242:423−42(1998);
Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:58
79−5883(1998);およびWardら、Nature 334:54
4−54(1989))は、一本鎖抗体を産生するために適合され得る。一本鎖
抗体は、アミノ酸架橋を介して、Fv領域の重鎖および軽鎖フラグメントを連結
し、一本鎖ポリペプチドを生じることによって形成される。E.coliにおけ
る機能的Fvフラグメントのアセンブリのための技術もまた使用され得る(Sk
erraら、Science 242:1038−1041(1998))。
【0197】 (抗体産生の方法) 本発明の抗体は、抗体の合成について当該技術分野で公知の方法によって、特
に化学合成によって、または好ましくは組換え発現技術によって、産生され得る
【0198】 本発明の抗体、またはそのフラグメント、誘導体もしくはアナログ(例えば、
本発明の抗体の重鎖もしくは軽鎖、または本発明の一本鎖抗体)の組換え発現は
、抗体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターの構築を必要とする。
本発明の、抗体分子または抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはそれらの部分(好ま
しくは重鎖もしくは軽鎖の可変ドメインを含む)をコードするポリヌクレオチド
が一旦得られれば、抗体分子の産生のためのベクターは、当該分野で周知の技術
を使用する組換えDNA技術によって産生され得る。従って、ヌクレオチド配列
をコードする抗体を含むポリヌクレオチドの発現によってタンパク質を調製する
ための方法は、本明細書中に記載される。当業者に周知の方法は、抗体コード配
列ならびに適切な転写および翻訳制御シグナルを含む発現ベクターを構築するた
めに使用され得る。これらの方法は、例えば,インビトロ組換えDNA技術、合
成技術、およびインビボ遺伝子組換えを含む。従って、本発明は、本発明の抗体
分子をコードするヌクレオチド配列、またはその重鎖もしくは軽鎖、またはプロ
モーターに作動可能に連結された、重鎖もしくは軽鎖の可変ドメイン、を含む複
製可能ベクターを提供する。このようなベクターは、抗体分子の定常領域をコー
ドするヌクレオチド配列を含み(例えば、PCT国際公開第WO 86/058
07号;PCT国際公開第WO 89/01036;および米国特許第5,12
2,464号を参照のこと。)、そして、この抗体の可変領域は、重鎖または軽
鎖の全体の発現のためにこのようなベクター内にクローニングされ得る。
【0199】 発現ベクターは、従来の技術によって宿主細胞に移入され、次いでトランスフ
ェクト細胞は、従来の技術によって本発明の抗体を産生するために培養される。
従って、本発明は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチド、またはその重
鎖もしくは軽鎖、または異種のプロモーターに作動可能に連結された、本発明の
一本鎖抗体を含む宿主細胞を含む。二本鎖抗体の発現のための好ましい実施形態
では、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターは、下記の詳細のように、免
疫グロブリン分子全体の発現のための宿主細胞において共発現され得る。
【0200】 種々の宿主発現ベクター系は、本発明の抗体分子を発現させるために利用され
得る。このような宿主発現系は、目的のコード配列が産生され、かつ続いて精製
され得るビヒクルを表わすが、また、適切なヌクレオチドをコードする配列で形
質転換またはトランスフェクトされる場合に、インサイチュで本発明の抗体分子
を発現し得る細胞を表わす。これらには、以下が挙げられるが、これらに限定さ
れない:抗体をコードする配列を含む組換えバクテリオファージDNA発現ベク
ター、プラスミドDNA発現ベクターまたはコスミドDNA発現ベクターを用い
て形質転換された細菌(例えば、E.coli、B.subtilis)のよう
な微生物;抗体をコードする配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換され
た酵母(例えば、Saccharomyces、Pichia);抗体をコード
する配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感
染した昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイ
クウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した植物細胞
系または抗体をコードする配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、
Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;あるいは哺乳動物細胞のゲノム
に由来するプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳
動物のウイルスに由来するプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモー
ター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築物を保
有する哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、3T3細胞
)。好ましくは、Escherichia coliのような細菌細胞、そして
より好ましくは、特に、組換え抗体分子全体の発現のために真核生物細胞が、組
換え抗体分子の発現のために使用される。例えば、ヒトサイトメガロウイルス由
来の主要最初期遺伝子プロモーターエレメントのようなベクターと組み合わされ
た、チャイニーズハムスターの卵巣細胞(CHO)のような哺乳動物細胞が、抗
体のための効果的な発現系である(Foeckingら、Gene 45:10
1(1986);Cockettら、Bio/Technology 8:2(
1990))。
【0201】 細菌系において、多くの発現ベクターが、抗体分子の発現を意図する使用に依
存して有利に選択され得る。例えば、多量のこのようなタンパク質が産生される
場合、抗体分子の薬学的組成物の生成のために、容易に精製される融合タンパク
質産物の高レベルの発現を指向するベクターが所望され得る。このようなベクタ
ーには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:抗体をコードする配列が
lacZをコードする領域と共にベクターにインフレーム(in frame)
で個別に連結され得、その結果、融合タンパク質が産生されるE.coli発現
ベクターpUR278(Rutherら、EMBO J.2:1791(198
3));pINベクター(Inouye&Inouye、Nucleic Ac
ids Res.13:3101−3109(1985);Van Heeke
&Schuster、J.Biol.Chem.24:5503−5509(1
989))など。pGEXベクターもまた、グルタチオンS−トランスフェラー
ゼ(GST)との融合タンパク質として、外来性ポリペプチドを発現させるため
に使用され得る。一般に、このような融合タンパク質は可溶性であり、そして溶
解した細胞から、マトリックスグルタチオン−アガロースビーズへの吸着および
結合、それに続く遊離グルタチオン存在化での溶出によって容易に精製され得る
。このpGEXベクターは、トロンビンまたはXa因子プロテアーゼ切断部位を
含むように設計され、その結果、このクローニングされた標的遺伝子産物は、G
ST部分から放出され得る。
【0202】 昆虫系においては、Autographa californica核多角体
病ウィルス(AcNPV)は、外来遺伝子を発現するためのベクターとして使用
される。このウィルスは、Spodoptera frugiperda細胞に
おいて増殖する。抗体をコードする配列は、このウィルスの非必須の領域(例え
ばポリヘドリン遺伝子)に個々にクローニングされ得、そしてAcNPVプロモ
ーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御下に配置され得る。
【0203】 哺乳動物宿主細胞においては、多数のウィルスに基づく発現系が利用され得る
。アデノウィルスが発現ベクターとして使用される場合においては、目的の抗体
をコードする配列は、アデノウィルスの転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロ
モーターおよび3つの部分に分かれるリーダー配列、に連結され得る。次いで、
このキメラ遺伝子は、インビトロまたはインビボでの組換えによって、アデノウ
ィルスゲノムに挿入され得る。ウィルスのゲノムの非必須領域(例えば、E1ま
たはE3領域)における挿入は、生存可能で、感染した宿主において抗体分子を
発現する能力のある組換えウィルスを生じる(例えば、Logan&Shenk
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:355−359(1
984)を参照のこと)。特異的開始シグナルはまた、挿入された抗体をコード
する配列の効率的な翻訳のために必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG
開始コドンおよび隣接する配列を含む。さらに、この開始コドンは、挿入部分全
体の翻訳を確実にするために、所望されるコード配列のリーディングフレームと
相が同じでなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コド
ンは、種々の起源、天然および合成の両方であり得る。発現の効率は、適切な転
写エンハンサー要素、転写ターミネーター、などの含有によって高められ得る(
Bittnerら、Methods in Enzymol.153:51−5
44(1987)を参照のこと)。
【0204】 さらに、宿主細胞系統は、選択され得、これは挿入配列の発現を調節し、また
は、所望される特異的な様式で遺伝子産物を改変し、そしてプロセシングする。
タンパク質産物のこのような改変(例えばグリコシル化)およびプロセシング(
例えば切断)は、タンパク質の機能のために重要であり得る。異なる宿主細胞は
、タンパク質および遺伝子産物の、翻訳後プロセシングおよび改変のための、特
徴的で特異的な機構を有する。適切な細胞株または宿主系は、発現された外来タ
ンパク質の正確な改変およびプロセシングを確実にするように選択され得る。こ
の目的のために、遺伝子産物の、第一の転写、グリコシル化、およびリン酸化の
正確なプロセシングのための細胞機構を有する、真核生物宿主細胞が、使用され
得る。このような哺乳動物宿主細胞は、CHO、VERY、BHK、Hela、
COS、MDCK、293、3T3、WI38、そして特に、例えば、BT48
3、Hs578T、HTB2、BT20およびT47Dのような乳癌細胞株、な
らびに、例えば、CRL7030およびHs578Bstのような正常な乳腺細
胞株を含むが、これらに限定されない。
【0205】 組換えタンパク質の長期間の高収率産生、安定発現が好ましい。例えば、安定
に抗体分子を発現する細胞株が操作され得る。ウィルスの複製起点を含む発現ベ
クターを使用するよりも、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、プロモー
ター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位、など)
、および選択マーカーによって制御されるDNAで形質転換され得る。外来DN
Aの導入に続いて、操作された細胞は、1〜2日間富化培地で増殖させられ得、
次いで、選択培地に切り替えられる。組換えプラスミドにおける選択マーカーは
、選択に対する耐性を与え、そして細胞が、プラスミドをその染色体内に安定に
組み込み、そして増殖して、細胞増殖巣を形成し、これを今度はクローニングし
得、増殖して細胞株になり得ることを可能にする。この方法は、抗体分子を発現
する細胞株を操作するために、有利に使用され得る。このような操作された細胞
株は、直接的または間接的に抗体分子と相互作用する化合物のスクリーニングお
よび評価において、特に有用であり得る。
【0206】 多数の選択系が使用され得、この選択系は、単純ヘルペスウィルスチミジンキ
ナーゼ(Wiglerら、Cell 11:223(1977))、ヒポキサン
チン−グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska&S
zybalski、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:2
02(1992))、およびアデニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(L
owyら、Cell 22:817(1980))の遺伝子を含むが限定されず
、これらの遺伝子は、tk−、hgprt−またはaprt−細胞においてそれ
ぞれ使用され得る。また、代謝拮抗物質耐性は、以下の遺伝子の選択の根拠とし
て使用され得る:dhfr、これはメトトレキサートに対する耐性を与える(W
iglerら、Natl.Acad.Sci.USA 77:357(1980
);O’Hareら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:
1527(1981));gpt、これはミコフェノール酸にに対する耐性を与
える(Mulligan&Berg、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 78:2072(1981));neo、これはアミノグリコシドG−
418に対する耐性を与える(Clinical Pharmacy 12:4
88−505;Wu and Wu、Biotherapy 3:87−95(
1991);Tolstoshev、Ann.Rev.Pharmacol.T
oxicol.32:573−596(1993);Mulligan、Sci
ence 260:926−932(1993);およびMorgan and
Anderson、Ann.Rev.Biochem.62:191−217
(1993);1993年5月、TIB TECH 11(5):155−21
5);ならびにhygro、これはハイグロマイシンにに対する耐性を与える(
Santerreら、Gene 30:147(1984))。組換えDNA技
術の分野で周知の方法は、所望の組換えクローンを選択するために、慣用的に適
用され得、そしてこのような方法は、以下に記載されている:例えば、Ausu
belら(編)、Current Protocols in Molecul
ar Biology、John Wiley&Sons、NY(1993);
Kriegler、Gene Transfer and Expressio
n、A Laboratory Manual、Stockton Press
、NY(1990);ならびに12章および13章、Dracopoliら(編
)、Current Protocols in Human Genetic
s、John Wiley&Sons、NY(1994);Colberre−
Garapinら、J.Mol.Biol.150:1(1981)(これらは
その全体が本明細書中に参考として援用される)。
【0207】 抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅によって増大され得る(総説として、
BebbingtonおよびHentschel、The use of ve
ctors based on gene amplification fo
r the expression of cloned genes in
mammalian cells in DNA cloning、Vol.3
.(Academic Press、New York、1987)を参照のこ
と)。抗体を発現するベクター系におけるマーカーが、増幅可能である場合、宿
主細胞の培養物に存在するインヒビターのレベルにおける増加は、マーカー遺伝
子のコピーの数を増加させる。増幅領域は抗体遺伝子と結合しているので、抗体
の産生もまた増加する(Crouseら、Mol.Cell.Biol.3:2
57(1983))。
【0208】 宿主細胞は、本発明の二つの発現ベクター(重鎖由来のポリペプチドをコード
する第一のベクターおよび軽鎖由来のポリペプチドをコードする第二のベクター
)で、同時トランスフェクトされ得る。この二つのベクターは、重鎖および軽鎖
のポリペプチドの等しい発現を可能にする、同一の選択マーカーを含み得る。あ
るいは、単一のベクターが使用され得、これは重鎖および軽鎖両方のポリペプチ
ドをコードし、そして発現することができる。このような状況において、過剰の
毒性の遊離重鎖を避けるために、重鎖の前に軽鎖が配置されるべきである(Pr
oudfoot、Nature 322:52(1986);Kohler、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 77:2197(1980))
。重鎖および軽鎖のためのコード配列はcDNAまたはゲノムDNAを含み得る
【0209】 一旦本発明の抗体分子が、動物によって産生されるか、化学的に合成されるか
、または組換えにより発現されると、当該分野で公知の、免疫グロブリン分子の
精製のための任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、
アフィニティー(特に、プロテインAの後に特異的抗原に対するアフィニティー
による)、およびサイズカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、ま
たはタンパク質精製のための任意の他の標準的な技術によって、精製され得る。
さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントは、本明細書中に記載されるかま
たはそうでなければ当該分野において公知の、異種ポリペプチド配列に融合され
得、精製を容易にする。
【0210】 本発明は、本発明のポリペプチド(もしくはその部分、好ましくはこのポリペ
プチドの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、
もしくは100個のアミノ酸)に、組換えにより融合されるかまたは化学的に結
合されて(共有結合および非共有結合の両方を含む)、融合タンパク質を生成す
る抗体、を含む。この融合は、直接的である必要はないが、リンカー配列を介し
て起こり得る。この抗体は、本発明のポリペプチド(またはその部分、好ましく
はこのポリペプチドの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、
80、90、もしくは100個のアミノ酸)以外の抗原に特異的であり得る。例
えば、インビトロまたはインビボのいずれにおいても、本発明のポリペプチドを
特定の細胞表面レセプターに特異的な抗体に融合または結合させることによって
、特定の細胞のタイプに対して、本発明のポリペプチドを標的にするために、抗
体が使用され得る。本発明のポリぺプチドに融合または結合される抗体はまた、
インビトロ免疫アッセイおよび当該分野で公知の方法を使用する精製方法におい
て使用され得る。例えば、Harborら、上記、およびPCT公開WO93/
21232;EP439,095;Naramuraら、Immunol.Le
tt.39:91−99(1994);米国特許第5,474,981号;Gi
lliesら、PNAS 89:1428−1432(1992);Fellら
、J.Immunol.146:2446−2452(1991)を参照のこと
。これらは、その全体が参考として援用される。
【0211】 本発明はさらに、抗体の可変領域以外のドメインに融合または結合された、本
発明のポリぺプチドを含む組成物を含む。例えば、本発明のポリぺプチドは、抗
体のFc領域、またはその部分に融合または結合され得る。本発明のポリぺプチ
ドに融合されたこの抗体の部分は、定常領域、ヒンジ領域、CH1ドメイン、C
H2ドメイン、およびCH3ドメイン、またはそのドメイン全体もしくは部分の
任意の組合せを含み得る。これらのポリぺプチドはまた、上記の抗体の部分に融
合または結合され得、多量体を形成する。例えば、本発明のポリぺプチドに融合
されたFc部分は、このFc部分の間のジスルフィド結合を通してニ量体を形成
し得る。より高度の多量体形態は、ポリぺプチドをIgAおよびIgMの部分に
融合させることによって作製され得る。本発明のポリぺプチドを抗体部分に融合
または結合させるための方法は、当該分野において公知である。例えば、米国特
許第5,336,603号;同第5,622,929号;同第5,359,04
6号;同第5,349,053号;同第5,447,851号;同第5,112
,946号;EP 307,434;EP 367,166;PCT公開WO9
6/04388;WO91/06570;Ashkenaziら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 88:10535−10539(1991
);Zhengら、J.Immunol.154:5590−5600(199
5);およびVilら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89
:11337−11341(1992)(前記の参考文献はその全体が参考とし
て援用される)を参照のこと。
【0212】 上で考察されたように、ポリぺプチド、ポリぺプチドフラグメント、または配
列番号Yの改変体に対応するポリぺプチドは、このポリぺプチドのインビボ半減
期を増大させるため、または当該分野で公知の方法を使用する免疫学的アッセイ
において使用するために、上記の抗体部分に融合または結合され得る。さらに、
配列番号Yに対応するポリぺプチドを、上記の抗体部分に融合または結合して、
精製を容易にし得る。1つの報告された例は、ヒトCD4ポリペプチドの最初の
2つのドメイン、および哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域
の種々のドメインからなるキメラタンパク質を記載している(EP 394,8
27;Trauneckerら、Nature 331:84−86(1988
))。ジスルフィド連結ニ量体構造(IgGに起因する)を有する抗体に融合ま
たは結合される、本発明のポリぺプチドもまた、単量体分泌タンパク質またはタ
ンパク質フラグメント単独よりも、他の分子に結合しそして中和するのにさらに
効率的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270
:3958−3964(1995))。多くの場合、融合タンパク質のFc部分
は、治療および診断において有益であり、従って、例えば、改良された薬物動態
学的な特性を生じ得る(EP A 232,262)。あるいは、融合タンパク
質が発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠失させることが
望ましい。例えば、融合タンパク質が免疫化のための抗原として使用される場合
、Fc部分は、治療および診断を妨害し得る。例えば、薬物の発見において、h
IL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するた
めのハイスループットスクリーニングアッセイの目的のためにFc部分と融合さ
れてきた(Bennettら、J.Molecular Recognitio
n 8:52−58(1995);Johansonら、J.Biol.Che
m.270:9459−9471(1995)を参照のこと)。
【0213】 さらに、本発明の抗体またはそのフラグメントは、精製を容易にするペプチド
のような、マーカー配列に融合され得る。好ましい実施形態において、マーカー
アミノ酸配列は、とりわけヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクタ
ー(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chats
worth,CA,91311)において提供されるタグ)であり、これらの多
くのマーカーアミノ酸配列が市販されている。例えば、Gentzら、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−824(1989)に
記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の都合の良い精製を
提供する。精製のために有用な別のペプチドタグは、インフルエンザ赤血球凝集
素タンパク質由来のエピトープに対応する「HA」タグ(Wilsonら、Ce
ll37:767(1984))、および「flag」タグを含むが、これに限
定されない。
【0214】 本発明は、診断剤または治療剤に結合される、抗体またはそのフラグメントを
さらに含む。抗体は、例えば、臨床上の試験手順(例えば、所定の処置レジメン
(regimen)の効力を決定するため)の一部として、腫瘍の発生または進
行をモニターするために、診断的に使用され得る。検出は、抗体を検出可能な物
質と連結させることによって容易にされ得る。検出可能な物質の例としては、種
々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性物質、種々
の陽電子放射断層撮影を使用する陽電子放射金属、および非放射性常磁性金属イ
オン、が挙げられる。この検出可能な物質は、抗体(またはそのフラグメント)
に対して、直接的または間接的のいずれかで、当該分野で公知の技術を使用する
媒介物(例えば、当該分野で公知のリンカーなど)を介して、連結または結合さ
れ得る。例えば、本発明に従う診断薬としての使用のための抗体に結合され得る
金属イオンに関しては、米国特許第4,741,900号を参照のこと。適切な
酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β
−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補
欠分子団複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/
ビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオ
レセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジ
ニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げら
れ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては
、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられ;ならびに、適切
な放射性物質の例としては、125I、131I、111Inまたは99Tcが
挙げられる。
【0215】 さらに、抗体またはそのフラグメントは、治療用部分(例えば細胞毒(例えば
細胞増殖抑制性もしくは細胞殺傷性の薬剤))、治療剤または放射性金属イオン
(例えば、α−エミッタ−(例えば213Bi)など)に結合され得る。細胞毒
または細胞毒性薬剤は、細胞に対して有害な任意の薬剤を含む。例としては、パ
クリタキセル(paclitaxol)、サイトカラシンB、グラミシジンD、
臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(ten
oposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン(colch
icin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオ
ン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロ
ン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グル
ココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、
およびピューロマイシン、ならびにそのアナログまたはホモログ、が挙げられる
。治療剤は、代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン
、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン(5−f
luorouracil decarbazine)、アルキル化剤(例えば、
メクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、メルファラン、
カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド
(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール
、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、ならびにcis−ジクロロジアミン
白金(II)(DDP)シスプラチン)、アンスラサイクリン(例えば、ダウノ
ルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば
、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイ
シン、およびアンスラマイシン(anthramycin)(AMC))、なら
びに抗有糸***剤(例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン)、を含むが、
それらに限定されない。
【0216】 本発明の結合体は、所定の生物学的応答を改変するために使用され得、治療剤
または薬物部分は、古典的な化学的治療剤に限定されると解釈されない。例えば
、薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質またはポリぺプチドであ
り得る。このようなタンパク質としては、例えば、毒素(例えばアブリン、リシ
ンA、シュードモナス外毒素、またはジフテリア毒素);タンパク質(例えば、
腫瘍壊死因子、a−インターフェロン、β−インターフェロン、神経発育因子、
血小板由来増殖因子、組織プラスミノゲンアクチベーター、アポトーシス薬(例
えば、TNF−α、TNF−β、AIM I(国際公開第WO97/33899
号を参照のこと)、AIM II(国際公開第WO97/34911号を参照の
こと)、Fasリガンド(Takahashiら、Int.Immunol.6
:1567−1574(1994))、VEGI(国際公開第WO99/231
05号を参照のこと))、血栓症薬もしくは抗脈管形成薬(例えば、アンジオス
タチンもしくはエンドスタチン);または生物学的応答改変剤(例えばリンホカ
イン、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL
−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロ
ニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」
)、または他の増殖因子など)、が挙げられ得る。
【0217】 抗体はまた、固体支持体に付着させられ得、この固体支持体は、標的抗原の免
疫アッセイまたは精製に特に有用である。このような固体支持体としては、ガラ
ス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ルまたはポリプロピレン、が挙げられるがそれらに限定されない。
【0218】 このような治療部分を抗体に結合する技術は周知であり、例えば、Arnon
ら、「Monoclonal Antibodies For Immunot
argeting Of Drugs In Cancer Therapy」
Monoclonal Antibodies And Cancer The
rapy、Reisfeldら(編)、243−56頁(Alan R.Lis
s,Inc.1985);Hellstromら、「Antibodies F
or Drug Delivery」Controlled Drug Del
ivery(第2版)、Robinsonら(編)、623−53頁(Marc
el Dekker,Inc.1987);Thorpe、「Antibody
Carriers Of Cytotoxic Agents In Can
cer Therapy:A Review」Monoclonal Anti
bodies’84:Biological And Clinical Ap
plications、Pincheraら(編)、475−506頁(198
5);「Analysis,Results,And Future Pros
pective Of The Therapeutic Use Of Ra
diolabeled Antibody In Cancer Therap
y」Monoclonal Antibodies For Cancer D
etection And Therapy、Baldwinら(編)、303
−16頁(Academic Press 1985)、およびThorpeら
、「The Preparation And Cytotoxic Prop
erties Of Antibody−Toxin Conjugates」
、Immunol.Rev.62:119−58(1982)を参照のこと。
【0219】 あるいは、抗体は2次抗体に結合され、米国特許第4,676,980号(こ
れは、その全体が本明細書に参考として援用される)におけるSegalによる
記載のような抗体の異種結合体(heteroconjugate)を形成し得
る。
【0220】 単独、あるいは細胞毒性因子および/またはサイトカインと組み合わせて投与
される、抗体に結合する治療部分を有するかまたは有さない抗体が、治療薬とし
て使用され得る。
【0221】 (免疫表現型分類(immunophenotyping)) 本発明の抗体は、細胞株および生物学的サンプルの免疫表現型分類のために利
用され得る。本発明の遺伝子の翻訳生成物は、細胞特異的マーカーとして、ある
いはより詳細には、特定の細胞型の分化および/または成熟の種々の段階で示差
的に発現される細胞マーカーとして有用であり得る。特異的エピトープ、または
エピトープの組み合わせに対して指向されるモノクロナール抗体は、マーカーを
発現する細胞集団のスクリーニングを可能とする。種々の技術が、マーカーを発
現する細胞集団をスクリーニングするために、モノクロナール抗体を用いて利用
され得、そしてその技術には、抗体でコーティングされた磁気ビーズを用いる磁
気分離、固体マトリクス(すなわち、プレート)に付着した抗体を用いる「パン
ニング」、ならびにフローサイトメトリー(例えば、米国特許第5,985,6
60号;およびMorrisonら、Cell,96:737−49(1999
)を参照のこと)が挙げられる。
【0222】 これらの技術は、血液学的悪性腫瘍(すなわち、急性白血病患者における微小
残存病変(minimal residual disease)(MRD))
および移植片対宿主病(GVHD)を予防するための移植術における「非自己」
細胞と共に見出され得るような、細胞の特定集団のスクリーニングを可能にする
。あるいは、これらの技術は、ヒト臍帯血において見出され得るような増殖およ
び/または分化を受け得る、造血幹細胞および前駆細胞のスクリーニングを可能
にする。
【0223】 (抗体結合アッセイ) 本発明の抗体は、免疫特異的結合について、当該分野で公知の任意の方法によ
ってアッセイされ得る。使用され得る免疫アッセイは、競合的および非競合的ア
ッセイ系を含むがこれに限定されない。このアッセイ系は以下のような技術を使
用する、少し例を挙げると、ウェスタンブロット、放射性免疫アッセイ、ELI
SA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降
アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ
、補体結合アッセイ、免疫放射分析アッセイ、蛍光免疫アッセイ、プロテインA
免疫アッセイ。このようなアッセイは、当該分野で、慣習的および周知である(
例えば、Ausubelら(編)、1994、Current Protoco
ls in Molecular Biology、第1巻、John Wil
ey&Sons Inc.,New Yorkを参照のこと。これはその全体が
本明細書中で参考として援用される)。典型的な免疫アッセイは、以下に簡単に
記載される(しかし限定として意図されない)。
【0224】 免疫沈降プロトコルは、一般に、RIPA緩衝液(1%NP−40またはTr
iton X−100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0
.15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.2)、1%Tra
sylol)のような、タンパク質ホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ
インヒビター(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジウム酸ナト
リウム)を補充した溶解緩衝液中で、細胞の集団を溶解する工程、目的の抗体を
細胞溶解物に添加する工程、4℃である時間(例えば1〜4時間)インキュベー
トする工程、プロテインAおよび/またはプロテインGのセファロースビーズを
細胞溶解物に添加する工程、約1時間以上、4℃でインキュベートする工程、ビ
ーズを溶解緩衝液で洗浄する工程およびビーズをSDS/サンプル緩衝液中に再
懸濁する工程、を包含する。目的の抗体が特定の抗原を免疫沈降する能力は、例
えば、ウェスタンブロット分析によって評価され得る。当業者は、抗原に対する
抗体の結合を増加し、そしてバックグラウンドを減少する(例えば、セファロー
スビーズとともに細胞溶解物を予め洗浄する)ように改変され得るパラメータに
関して、よく知っている。免役沈降プロトコルに関するさらなる考察については
、例えば、Ausubelら(編)、1994、Current Protoc
ols in Molecular Biology、Vol.1、John
Wiley&Sons,Inc.,New York(10.16.1)を参照
のこと。
【0225】 ウェスタンブロット分析は一般的に、タンパク質サンプルを調製する工程、タ
ンパク質サンプルのポリアクリルアミドゲルでの電気泳動(例えば抗原の分子量
によって8%〜20%のSDS−PAGE)、タンパク質サンプルをポリアクリ
ルアミドゲルからメンブレン(例えばニトロセルロース、PVDFまたはナイロ
ン)へ移す工程、ブロッキング溶液(例えば、3%のBSAまたは無脂肪ミルク
を含むPBS)中でメンブレンをブロッキングする工程、メンブレンを洗浄緩衝
液(例えば、PBS−Tween20)中で洗浄する工程、ブロッキング緩衝液
で希釈された一次抗体(目的の抗体)を用いてメンブレンをブロッキングする工
程、洗浄緩衝液中でメンブレンを洗浄する工程、ブロッキング緩衝液で希釈され
た、酵素基質(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファタ
ーゼ)または放射性分子(例えば32Pまたは125I)に結合した二次抗体(
これは一次抗体(例えば抗ヒト抗体)を認識する)でメンブレンをブロッキング
する工程、洗浄緩衝液中でメンブレンを洗浄する工程、および抗原の存在を検出
する工程、を包含する。当業者は、検出されるシグナルを増加し、そしてバック
グランドノイズを減少するように改変され得るパラメータをよく知っている。ウ
ェスタンブロットプロトコルに関するさらなる考察については、例えば、Aus
ubelら(編)、1994、Current Protocols in M
olecular Biology、Vol.1、John Wiley&So
ns,Inc.、New York(10.8.1)を参照のこと。
【0226】 ELISAは、抗原を調製する工程、96ウェルマイクロタイタープレートの
ウェルをその抗原でコーティングする工程、酵素基質(例えば、西洋ワサビペル
オキシダーゼまたはアルカリホスフォターゼ)のような検出可能な化合物に結合
した目的の抗体をそのウェルに添加し、そして一定時間インキュベートする工程
、および抗原の存在を検出する工程を含む。ELISAにおいて、目的の抗体は
、検出可能な化合物に結合している必要はない;その代わり、検出可能な化合物
に結合した第二の抗体(目的の抗体を認識する)がウェルに添加され得る。さら
に、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、抗体がウェルにコーティングさ
れ得る。この場合、検出可能な化合物に結合した第二の抗体が、コーティングさ
れたウェルへの目的の抗原の添加に続いて、添加され得る。当業者は、検出され
るシグナルを増加させるように改変され得るパラメータ、および当該分野におい
て公知のELISAの他のバリエーションに関して、認め得る。ELISAに関
するさらなる考察については、例えば、Ausubelら編,1994,Cur
rent Protocols in Molecular Biology,
第1巻、John Wiley & Sons,Inc.,New York,
11.2.1を参照のこと。
【0227】 抗体の抗原に対する結合親和性および抗体−抗原相互作用のオフレート(of
f−rate)が、競合結合アッセイにより決定され得る。競合結合アッセイの
一つの例は、ラジオイムノアッセイであり、ラジオイムノアッセイは、標識した
抗原(例えば、3Hまたは125I)と、漸増量の非標識抗原の存在下での目的
の抗体とのインキュベーション、および標識した抗原に結合した抗体の検出を含
む。目的の抗体の、特定の抗原に対する親和性、および結合オフレートは、スキ
ャッチャードプロット分析によるデータから決定され得る。第二の抗体との競合
はまた、ラジオイムノアッセイを用いて決定され得る。この場合、抗原は、漸増
量の非標識第二抗体の存在下で、標識した化合物(例えば、3Hまたは125I
)に結合した目的の抗体とともにインキュベートされる。
【0228】 (治療用途) 本発明はさらに、抗体を基礎とした治療に関し、この治療は、本発明の抗体を
、1つ以上の開示された疾患、障害、または状態を処置するために、動物、好ま
しくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトの患者に投与する工程を含む。本発
明の治療化合物としては、本発明の抗体(本明細書中に記載するような、それら
のフラグメント、アナログおよび誘導体を含む)ならびに本発明の抗体をコード
する核酸(本明細書中に記載するような、それらのフラグメント、アナログおよ
び誘導体ならびに抗イディオタイプ抗体を含む)が挙げられるがこれらに限定さ
れない。本発明の抗体は、本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活
性に関連した疾患、障害または状態(本明細書中に記載する任意の1つ以上の疾
患、障害、または状態を含むがこれらに限定されない)を処置、阻害または予防
するために使用され得る。本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活
性に関連した疾患、障害または状態の処置および/または予防は、それらの疾患
、障害または状態に関連した症状を緩和する工程を含むがこれに限定されない。
本発明の抗体は、当該分野で公知であるか、または本明細書中に記載されるよう
に、薬学的に受容可能な組成物中に提供され得る。
【0229】 本発明の抗体が治療的に使用され得る方法の1つの要約は、身体内で局所的に
または全身的に、あるいは(例えば、補体(CDC)により、またはエフェクタ
ー細胞(ADCC)により媒介されるような)抗体の直接的細胞傷害性により、
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを結合させることを含む。これら
のアプローチのいくつかは、より詳細に以下に記載される。本明細書中で提供さ
れる教示を与えられれば、当業者は、過度の実験なしに、診断上の目的、モニタ
リングの目的あるいは治療上の目的のために、本発明の抗体を使用する方法がわ
かる。
【0230】 本発明の抗体は、例えば、抗体と相互作用するエフェクター細胞の数または活
性を増加させるために役立つ、他のモノクローナル抗体またはキメラ抗体、ある
いはリンホカインまたは造血増殖因子(例えば、IL−2、IL−3およびIL
−7など)と組み合わせて有利に利用され得る。
【0231】 本発明の抗体は、単独で、または他の型の処置(例えば、放射線療法、化学療
法、ホルモン治療、免疫治療および抗腫瘍剤)との組み合わせで投与され得る。
一般的に、(抗体の場合には)患者の種と同じ種である種起源または種反応性の
生成物の投与が好ましい。従って、好ましい実施形態においては、ヒトの抗体、
フラグメント誘導体、アナログ、または核酸が、治療または予防のために、ヒト
の患者に投与される。
【0232】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド(それらのフラグメントを含む
)に関するイムノアッセイ、およびそれらに関連した障害の治療の両方のために
、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対する、高親和性および/ま
たは強力な、インビボでの阻害抗体および/または中和抗体、それらのフラグメ
ント、またはその領域を使用することが好ましい。このような抗体、フラグメン
ト、または領域は、好ましくは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド
(それらのフラグメントを含む)に対して親和性を有する。好ましい結合親和性
としては、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×1
−4M、10−4M、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10 M、5×10−7M、10−7M、5×10−8M、10−8M、5×10 M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11 M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13
、5×10−14M、10−14M、5×10−15M、および10−15Mよ
り小さい解離定数すなわちKdを有する結合親和性が挙げられる。
【0233】 (遺伝子治療) 特定の実施形態において、抗体またはその機能的誘導体をコードする配列を含
む核酸は、本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連した疾
患または障害を処置、阻害または予防するために、遺伝子治療の目的で投与され
る。遺伝子治療とは、発現したか、または発現可能な核酸の、被験体への投与に
より行われる治療をいう。本発明のこの実施形態において、核酸は、それらのコ
ードされたタンパク質を産生し、そのタンパク質は治療効果を媒介する。
【0234】 当該分野で利用可能な遺伝子治療のための任意の方法は、本発明に従って使用
され得る。例示的な方法が以下に記載される。
【0235】 遺伝子治療の方法の一般的な概説については、Goldspielら,Cli
nical Pharmacy 12:488−505(1993);Wuおよ
びWu,Biotherapy 3:87−95(1991);Tolstos
hev,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573
−596(1993);Mulligan,Science 260:926−
932(1993);ならびにMorganおよびAnderson,Ann.
Rev.Biochem.62:191−217(1993);May,TIB
TECH 11(5):155−215(1993)を参照のこと。使用され得
る、組換えDNA技術分野において一般的に公知である方法は、Ausubel
ら(編),Current Protocols in Molecular
Biology,John Wiley & Sons,NY(1993);お
よびKriegler,Gene Transfer and Express
ion,A Laboratory Manual,Stockton Pre
ss,NY(1990)に記載される。
【0236】 好ましい局面において、化合物は抗体をコードする核酸配列を含有し、上記核
酸配列は、適切な宿主において、抗体、またはそのフラグメントもしくはキメラ
タンパク質、あるいはその重鎖もしくは軽鎖を発現する発現ベクターの一部であ
る。特に、このような核酸配列は、抗体コード領域に作動可能に連結したプロモ
ーターを有し、上記プロモーターは誘導性であるかまたは構成性であり、そして
必要に応じて組織特異的である。別の特定の実施形態においては、抗体をコード
する配列および任意の他の所望の配列がゲノム中の所望の部位での相同組換えを
促進する領域に隣接した核酸分子が使用され、それにより抗体をコードする核酸
の染色体内の発現を提供する(KollerおよびSmithies,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(1989
);Zijlstraら,Nature 342:435−438(1989)
)。特定の実施形態において、発現した抗体分子は単鎖抗体であるか;あるいは
この核酸配列は、この抗体の重鎖および軽鎖の両方をコードする配列またはその
フラグメントを含む。
【0237】 核酸の患者への送達は、直接的(この場合、患者は核酸または核酸保有ベクタ
ーに直接的に曝される)か、または間接的(この場合、細胞は最初にインビトロ
で核酸で形質転換され、次いで患者に移植される)のいずれかであり得る。これ
らの2つのアプローチは、インビボ遺伝子治療として、またはエキソビボ遺伝子
治療としてそれぞれ公知である。
【0238】 特定の実施形態において、核酸配列はインビボで直接的に投与され、そこで核
酸配列は発現されて、コードされた産物を産生する。これは、当該分野で公知の
多数の方法などのいずれかにより(例えば、それらを適切な核酸発現ベクターの
一部として構築し、そしてそれを細胞内になるように投与することにより(例え
ば、欠損性または弱毒化したレトロウイルスまたは他のウイルスベクター(米国
特許第4,980,286号を参照のこと)を用いた感染により)、あるいは、
裸のDNAの直接注射により、あるいは、微粒子ボンバードメント(例えば、遺
伝子銃;Biolistic、Dupont)の使用により、あるいは脂質もし
くは細胞表面のレセプターでコーティングするか、または薬剤をトランスフェク
トすることにより、リポソーム、微粒子、もしくはマイクロカプセル中へのカプ
セル化により、あるいは、それらを核に進入することが公知であるペプチドと結
合させて投与することにより、レセプター媒介のエンドサイトーシスを受けるリ
ガンドとそれを結合させて投与することにより(例えば、WuおよびWu,J.
Biol.Chem.262:4429−4432(1987)を参照のこと)
(レセプターを特異的に発現する細胞型を標的にするために用いられ得る)達成
され得る。別の実施形態において、核酸−リガンド複合体が形成され得、ここで
、このリガンドはエンドソームを破壊するフソジェニック(fusogenic
)ウイルス性ペプチドを含み、核酸がリソソーム分解を回避するようにする。さ
らに別の実施形態において、核酸は、特異的なレセプターを標的とすることによ
り、細胞特異的な取り込みおよび発現についてインビボで標的とされ得る(例え
ば、PCT公開第WO92/06180号;同第WO92/22635号;同第
WO92/20316号;同第WO93/14188号、同第WO93/202
21号を参照のこと)。あるいは、核酸は、細胞内に導入され得、そして相同組
換えにより、発現のために宿主細胞DNA中に組み込まれ得る(Kollerお
よびSmithies,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86
:8932−8935(1989);Zijlstraら,Nature 34
2:435−438(1989))。
【0239】 特定の実施形態において、本発明の抗体をコードする核酸配列を含むウイルス
ベクターが使用される。例えば、レトロウイルスベクターが用いられ得る(Mi
llerら,Meth.Enzymol.217:581−599(1993)
を参照のこと)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルス性ゲノムの正確
なパッケージングおよび宿主細胞DNAへの正確な組込みのために必要な構成要
素を含む。遺伝子治療において使用される抗体をコードする核酸配列は、一つ以
上のベクター中にクローン化され、これは、患者内への遺伝子の送達を容易にす
る。レトロウイルスベクターに関するさらなる詳細は、Boesenら,Bio
therapy 6:291−302(1994)(これは、幹細胞を化学療法
に対してより耐性にするために、mdrI遺伝子を造血性幹細胞に送達するため
の、レトロウイルスベクターの使用を記載する)に見出され得る。遺伝子治療に
おけるレトロウイルスベクターの使用を説明する他の参考文献は、以下である。
:Clowesら,J.Clin.Invest.93:644−651(19
94);Kiemら,Blood 83:1467−1473(1994);S
almonsおよびGunzberg,Human Gene Therapy
4:129−141(1993);ならびにGrossmanおよびWils
on,Curr.Opin.in Genetics and Devel.3
:110−114(1993)。
【0240】 アデノウイルスは、遺伝子治療において使用され得る他のウイルスベクターで
ある。アデノウイルスは、特に、気道上皮へ遺伝子を送達するための魅力的なビ
ヒクルである。アデノウイルスは、自然に気道上皮に感染し、そこで軽い疾患を
起こす。アデノウイルスに基づく送達系の他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮
細胞、および筋肉である。アデノウイルスは、非***細胞に感染し得るという利
点を有する。KozarskyおよびWilson,Current Opin
ion in Genetics and Development 3:49
9−503(1993)は、アデノウイルスに基づく遺伝子治療の概説を示す。
Boutら,Human Gene Therapy 5:3−10(1994
)は、アカゲザルの気道上皮に遺伝子を移入するためのアデノウイルスベクター
の使用を実証した。遺伝子治療におけるアデノウイルスの使用の他の例は、Ro
senfeldら,Science 252:431−434(1991);R
osenfeldら,Cell 68:143−155(1992);Mast
rangeliら,J.Clin.Invest.91:225−234(19
93);PCT公開第WO94/12649号;およびWangら,Gene
Therapy 2:775−783(1995)に見出され得る。好ましい実
施形態において、アデノウイルスベクターが使用される。
【0241】 アデノ随伴ウイルス(AAV)はまた、遺伝子治療における使用について提案
されてきた(Walshら,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.2
04:289−300(1993);米国特許第5,436,146号)。
【0242】 遺伝子治療への別のアプローチは、エレクトロポレーション、リポフェクショ
ン、リン酸カルシウム媒介トランスフェクション、またはウイルス感染のような
方法により、組織培養中の細胞へ遺伝子を移入する工程を含む。通常、移入の方
法は、選択マーカーの細胞への移入を含む。次いで、細胞は、移入された遺伝子
を取り込みそして発現している細胞を単離するために選沢下に置かれる。それら
の細胞は次いで、患者に送達される。
【0243】 この実施形態においては、得られた組換え細胞のインビボ投与の前に、核酸が
細胞に導入される。このような導入は、当該分野において公知の任意の方法によ
り実施され得、それらの方法としては以下が挙げられるがこれらに限定されない
:トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション
、核酸配列を含むウイルスベクターまたはバクテリオファージベクターでの感染
、細胞融合、染色体媒介の遺伝子移入、マイクロセル(microcell)媒
介の遺伝子移入、スフェロプラスト融合など。外来遺伝子の細胞への導入につい
ては、当該分野において多数の技術が公知であり(例えば、Loefflerお
よびBehr,Meth.Enzymol.217:599−618(1993
);Cohenら,Meth.Enzymol.217:618−644(19
93);Cline,Pharmac.Ther.29:69−92m(198
5)を参照のこと)、そしてレシピエント細胞の必要な発生的および生理学的機
能が破壊されない場合、本発明に従って使用され得る。この技術は、核酸の細胞
への安定した移入を提供するはずであり、その結果、核酸は、細胞により発現可
能であり、そして好ましくは、遺伝性であり、そしてその細胞の子孫により発現
可能である。
【0244】 得られた組換え細胞は、当該分野において公知の様々な方法により、患者へ送
達され得る。組換え血球(例えば、造血幹細胞または造血前駆細胞)は、好まし
くは、静脈内に投与される。使用が考えられる細胞の量は、所望の効果、患者の
状態などに依存し、そして当業者により決定され得る。
【0245】 遺伝子治療の目的のために核酸が導入され得る細胞は、任意の所望の入手可能
な細胞型を包含し、そして以下を含むがそれらに限定されない:上皮細胞、内皮
細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞、筋肉細胞、肝細胞;Tリンパ球、Bリンパ
球、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球のような血球;種
々の幹細胞または前駆細胞、特に、造血幹細胞または造血前駆細胞(例えば、骨
髄、臍帯血、末梢血、胎児の肝臓などから得られるような細胞)。
【0246】 好ましい実施形態において、遺伝子治療に使用される細胞は、患者に対して自
己である。
【0247】 遺伝子治療において組換え細胞が使用される実施形態において、抗体をコード
する核酸配列は、細胞またはそれらの子孫により核酸配列が発現可能であるよう
に細胞に導入され、次いで組換え細胞は、治療的効果のためにインビボで投与さ
れる。特定の実施形態において、幹細胞または前駆細胞が用いられる。インビト
ロで単離され得、そしてインビトロで保存され得る任意の幹細胞および/または
前駆細胞は、本発明のこの実施形態に従って潜在的に使用され得る(例えば、P
CT公開第WO94/08598号:StempleおよびAnderson,
Cell 71:973−985(1992);Rheinwald,Meth
.Cell Bio.21A:229(1980);ならびにPittelko
wおよびScott,Mayo Clinic Proc.61:771(19
86)を参照のこと)。
【0248】 特定の実施形態において、遺伝子治療の目的で導入される核酸は、コード領域
に作動可能に連結された誘導性プロモーターを含有し、その結果、核酸の発現は
、適切な転写誘導因子の存在または非存在を制御することにより制御可能である
【0249】 本発明の化合物または薬学的組成物は、好ましくは、ヒトでの使用の前にイン
ビトロで、次いでインビボで、所望の治療活性または予防活性について試験され
る。例えば、化合物または薬学的組成物の治療有用性または予防有用性を実証す
るためのインビトロアッセイとしては、細胞株または患者組織サンプルに対する
化合物の効果が挙げられる。細胞株および/または組織サンプルに対する化合物
または組成物の効果は、当業者に公知である技術(ロゼット形成アッセイおよび
細胞溶解アッセイが挙げられるがこれらに限定されない)を利用して決定され得
る。本発明に従って、特定の化合物の投与が示されるかどうかを決定するために
用いられ得るインビトロアッセイとしては、インビトロ細胞培養アッセイが挙げ
られ、このアッセイでは、患者組織サンプルが培養において増殖され、そして化
合物に曝されるか、そうでなければ化合物が投与され、そして、組織サンプルに
対するそのような化合物の効果が観察される。
【0250】 (治療的/予防的な投与および組成物) 本発明は、被験体への有効量の本発明の化合物または薬学的組成物、好ましく
は本発明のポリペプチドまたは抗体の投与による処置、阻害および予防の方法を
提供する。好ましい局面において、化合物は実質的に精製される(例えば、その
効果を制限するかまたは望ましくない副作用を生じる物質は実質的にない)。被
験体は好ましくは、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物が挙げ
られるがそれらに限定されない動物であり、そして好ましくは哺乳動物であり、
そして最も好ましくはヒトである。
【0251】 化合物が核酸または免疫グロブリンを含む場合に使用され得る処方物および投
与方法は、上記に記載され;さらなる適切な処方物および投与経路は、本明細書
中で以下に記載されたものの中から選択され得る。
【0252】 種々の送達系が公知であり、そして本発明の化合物を投与するために用いられ
得る(例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル中でのカプセル化、この
化合物の発現が可能な組み換え細胞、レセプター媒介エンドサイトーシス(例え
ば、WuおよびWu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(
1987)を参照のこと)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての
核酸の構築など)。導入方法としては、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻
腔内、硬膜外、および経口経路が挙げられるがそれらに限定されない。化合物ま
たは組成物は、任意の好都合な経路により(例えば、注入またはボーラス注射に
より、上皮または粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜および腸粘膜など
)を通しての吸収により)投与され得、そして他の生物学的に活性な薬剤と一緒
に投与され得る。投与は、全身的または局所的であり得る。さらに、本発明の薬
学的化合物または組成物を、任意の適切な経路(脳室内注射および鞘内注射を包
含する;脳室内注射は、例えば、Ommayaリザーバのようなリザーバに取り
付けられた脳室内カテーテルにより容易にされ得る)により中枢神経系に導入す
ることが望まれ得る。例えば、吸入器または噴霧器の使用、およびエアゾール化
剤を用いた処方により、肺投与もまた使用され得る。
【0253】 特定の実施形態において、本発明の薬学的化合物または組成物を、処置の必要
な領域に局所的に投与することが望まれ得る;これは、制限する目的ではないが
、例えば、手術中の局部注入、局所適用(例えば、手術後の創傷包帯との組み合
わせて)により、注射により、カテーテルにより、坐剤により、またはインプラ
ント(このインプラントは、シアラスティック(sialastic)膜のよう
な膜または繊維を含む、多孔性、非多孔性、またはゼラチン様材料である)によ
り達成され得る。好ましくは、抗体を含む本発明のタンパク質を投与する場合、
タンパク質が吸収されない材料を使用するために注意が払われなければならない
【0254】 別の実施形態において、化合物または組成物は、小胞、特に、リポソーム中へ
送達され得る(Langer,Science 249:1527−1533(
1990);Treatら,Liposomes in the Therap
y of Infectious Disease and Cancer,L
opez−BeresteinおよびFidler(編),Liss,New
York,353〜365頁(1989);Lopez−Berestein,
同書317〜327頁を参照のこと;広く同書を参照のこと)。
【0255】 さらに別の実施形態において、化合物または組成物は制御された放出システム
中で送達され得る。1つの実施形態において、ポンプが用いられ得る(Lang
er,(前出);Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.E
ng.14:201(1987);Buchwaldら,Surgery 88
:507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.321:
574(1989)を参照のこと)。別の実施形態において、高分子材料が用い
られ得る(Medical Applications of Control
led Release,LangerおよびWise(編),CRC Pre
s.,Boca Raton,Florida(1974);Controll
ed Drug Bioavailability,Drug Product
Design and Performance,SmolenおよびBal
l(編),Wiley,New York(1984);RangerおよびP
eppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Ch
em.23:61(1983)を参照のこと;Levyら,Science 2
28:190(1985);Duringら,Ann.Neurol.25:3
51(1989);Howardら,J.Neurosurg.71:105(
1989)もまた参照のこと)。さらに別の実施形態において、制御された放出
システムは、治療標的、即ち、脳の近くに置かれ得、従って、全身用量の一部の
みを必要とする(例えば、Goodson,Medical Applicat
ions of Controlled Release,(前出),第2巻,
115〜138頁(1984)を参照のこと)。
【0256】 他の制御された放出システムは、Langerにより総説において議論される
(Science 249:1527−1533(1990))。
【0257】 本発明の化合物がタンパク質をコードする核酸である、具体的な実施形態にお
いて、その核酸は、それを適切な核酸発現ベクターの一部として構築し、そして
それが細胞内になるように投与することにより(例えば、レトロウイルスベクタ
ーの使用により(米国特許第4,980,286号を参照のこと)、または直接
注射により、または微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃;Biolis
tic,Dupont)の使用により、または脂質もしくは細胞表面レセプター
もしくはトランスフェクト剤でコーティングすることにより、または核に入るこ
とが公知であるホメオボックス様ペプチドと結合させて投与すること(例えば、
Joliotら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:18
64−1868(1991)を参照のこと)などにより、そのコードされたタン
パク質の発現を促進するようにインビボで投与され得る。あるいは、核酸は、細
胞内に導入され得、そして、発現のために相同組換えにより宿主細胞DNA内に
組み込まれ得る。
【0258】 本発明はまた、薬学的組成物を提供する。このような組成物は、治療有効量の
化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。具体的な実施形態において
、用語「薬学的に受容可能な」とは、動物における、そしてさらに特にヒトにお
ける使用のために、連邦規制当局もしくは米国政府により認められたか、または
米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に列挙されたことを意味する。
用語「キャリア」とは、治療剤とともに投与される、希釈剤、アジュバンド、賦
形剤、またはビヒクルをいう。このような薬学的なキャリアは、水および油(石
油起源、動物起源、植物起源、または合成起源の油(例えば、ピーナッツ油、大
豆油、鉱油、ゴマ油など)を含む)のような滅菌した液体であり得る。水は、薬
学的組成物が静脈内に投与される場合に、好ましいキャリアである。生理食塩水
溶液、ならびにデキストロースおよびグリセロールの水溶液はまた、特に注射可
能な溶液のために、液体キャリアとして使用され得る。適切な薬学的賦形剤とし
ては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ
、フラワー、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン
酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレ
ン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。組成物はまた、所望される
ならば、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含み得る。これらの
組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出処方
物などの形態を取り得る。この組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドの
ようなキャリアとともに、坐剤として処方され得る。経口処方物は、薬学的等級
のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリ
ンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような標準キャリアを含み
得る。適切な薬学的キャリアの例は、E.W.Martinによる「Remin
gton’s Pharmaceutical Sciences」に記載され
る。このような組成物は、治療有効量の化合物を、好ましくは精製された形態で
、適切な量のキャリアとともに含んで、患者への適切な投与のための形態を提供
する。処方物は、投与形態に適するべきである。
【0259】 好ましい実施形態において、組成物は、慣用手順に従って、ヒトへの静脈内投
与のために採用された薬学的組成物として、処方される。代表的には、静脈内投
与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液の溶液である。必要な場合、組成物は
また、可溶化剤および注射の部位での痛みを緩和するリグノカインのような局部
麻酔を含み得る。一般的には、成分は、別々にかまたは単一投薬形態で一緒に混
合してのどちらかで、例えば、一定量の活性薬剤を示すアンプルまたは小袋(s
achette)のような密封された容器中の凍結乾燥粉末または水を含まない
濃縮物として供給される。組成物が注入により投与されるべき場合には、組成物
は、滅菌した薬学的等級の水または生理食塩水を含む注入ボトルに分配され得る
。組成物が注射により投与される場合、成分が投与の前に混合され得るように、
注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルが提供され得る。
【0260】 本発明の化合物は、中性のまたは塩の形態として処方され得る。薬学的に受容
可能な塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するもの
のようなアニオンとともに形成される塩、およびナトリウム、カリウム、アンモ
ニウム、カルシウム、水酸化第2鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、
2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するもののよ
うなカチオンとともに形成される塩が挙げられる。
【0261】 この処置(本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活性と関連する
疾患または障害の抑制および予防)において効果的である本発明の化合物の量は
、標準的な臨床技術により決定され得る。さらに、インビトロアッセイは、必要
に応じて、使用して最適な投薬量の範囲を同定するのを助け得る。処方において
使用されるべき正確な用量はまた、投与の経路、および疾患または障害の重篤さ
に依存し、そして開業医の判断および各患者の状況に従って決定されるべきであ
る。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線
から外插され得る。
【0262】 抗体に関して、患者に投与される投薬量は、代表的に、患者の体重1kgあた
り0.1mg〜100mgである。好ましくは、患者に投与される投薬量は、患
者の体重1kgあたり0.1mgと20mgとの間であり、より好ましくは、患
者の体重1kgあたり1mg〜10mgである。一般に、ヒト抗体は、外来ポリ
ペプチドへの免疫応答に起因して、他種由来の抗体よりもヒト体内で長い半減期
を有する。従って、ヒト抗体の低い投薬量および頻度の低い投与は、しばしば可
能である。さらに、本発明の抗体の投与の投薬量および頻度は、改変(例えば、
脂溶化(lipidation)のような)による抗体の取り込みおよび組織浸
透(例えば、脳への)を増強することにより減少され得る。
【0263】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の一つ以上の成分で満たされている一つ
以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。薬学的製品または生
物学的製品の製造、使用または販売を規制している政府機関により規定される形
式における通告は、このような容器に、必要に応じて伴ない得る。この通告は、
ヒトの投与のための製造、使用または販売のこの機関による認可を反映する。
【0264】 (診断および画像化) 目的のポリペプチドに特異的に結合する標識化抗体、ならびにその誘導体およ
びそのアナログは、診断目的のために使用されて、本発明のポリペプチドの異常
な発現および/または活性に関連する疾患、障害および/または状態を検出、診
断またはモニターし得る。本発明は、目的のポリペプチドの異常な発現の検出を
提供し、これは、(a)目的のポリペプチドに特異的な1つ以上の抗体を使用し
て、個体の細胞または体液中の目的のポリペプチドの発現をアッセイする工程、
および(b)この遺伝子発現レベルと標準的な遺伝子発現のレベルを比較する工
程、を包含し、これによって、その標準的な発現レベルと比較されるアッセイさ
れたポリペプチド遺伝子発現レベルの増加または減少が、異常な発現を示す。
【0265】 本発明は、障害を診断するための診断アッセイを提供し、このアッセイは、(
a)目的のポリペプチドに特異的な1つ以上の抗体を使用して、個体の細胞また
は体液中の目的のポリペプチドの発現をアッセイする工程、および(b)この遺
伝子発現レベルと標準的な遺伝子発現のレベルを比較する工程、を包含し、これ
によって、その標準的な発現レベルと比較されるアッセイされたポリペプチド遺
伝子発現レベルの増加または減少が、特定の障害を示す。癌に関して、個体由来
の生検組織における比較的高い量の転写物の存在は、疾患の発生についての素因
を示し得るか、または実際の臨床症状の出現前に疾患を検出するための手段を提
供し得る。この型のより決定的な診断は、保健専門家に予防手段を使用させるこ
と、またはより早期の積極的な処置を可能にし得、これにより、癌の発生または
さらなる進行を予防する。
【0266】 本発明の抗体を使用して、当業者に公知の古典的な免疫組織学的方法を使用し
て生物学的サンプル中のタンパク質レベルをアッセイに使用し得る(例えば、J
alkanenら、J.Cell.Biol.101:976−985(198
5);Jalkanenら、J.Cell.Biol.105:3087−30
96(1987)を参照のこと)。タンパク質遺伝子発現を検出するために有用
な、抗体に基づく他の方法としては、イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸
着アッセイ(ELISA)および放射免疫アッセイ(RIA))が挙げられる。
適切な抗体アッセイ標識は、当該分野において公知であり、そして酵素標識(例
えば、グルコースオキシダーゼ);放射性同位体(例えば、ヨウ素(125I、
121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウ
ム(112In)、およびテクネチウム(99Tc));発光標識(例えば、ル
ミノール);ならびに蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、
ならびにビオチンが挙げられる。
【0267】 本発明の1つの局面は、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒ
トにおける、目的のポリペプチドの異常な発現と関連する疾患または障害の検出
および診断である。1つの実施形態において、診断は、a)目的のポリペプチド
に特異的に結合する有効量の標識化分子を被験体に(例えば、非経口的に、皮下
に、または腹腔内に)投与する工程;b)このポリペプチドが発現する被験体内
の部位でこの標識化分子が優先的に濃縮することを可能にするために(および結
合していない標識化分子がバックグラウンドレベルまで除去されるために)投与
後、時間間隔を待つ工程;c)バックグラウンドレベルを決定する工程;および
d)この被験体中の標識化分子を検出する工程、を包含し、その結果、このバッ
クグラウンドレベルを越える標識化分子の検出は、この被験体が目的のポリペプ
チドの異常な発現と関連する特定の疾患または障害を有することを示す。バック
グラウンドレベルは、特定の系について以前に決定された標準的な値と、検出さ
れた標識化分子の量を比較する工程を包含する種々の方法により決定され得る。
【0268】 被験体のサイズおよび用いられる画像化システムは、診断画像を生成するため
に必要な画像化部分の量を決定することが当該分野で理解される。放射性同位体
部分の場合には、ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、約5〜
20ミリキュリーの99mTcの範囲である。次いで、標識された抗体または抗
体フラグメントは、特定のタンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される。
インビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchielら、「Immunophar
macokinetics of Radiolabeled Antibod
ies and Their Fragments」(Tumor Imagi
ng:The Radiochemical Detection of Ca
ncerの第13章、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編
、Masson Publishing Inc.(1982)に記載される。
【0269】 用いられる標識の型および投与の様式を含む、いくつかの可変要素に依存して
、標識された分子が被験体の部位に優先的に濃縮し、そして結合されていない標
識された分子がバックグラウンドレベルまで一掃されることを可能にする、投与
後の時間間隔は、6〜48時間または6〜24時間または6〜12時間である。
別の実施形態においては、投与後の時間間隔は、5〜20日間または5〜10日
間である。
【0270】 1つの実施形態においては、疾患または障害のモニタリングは、その疾患また
は障害を診断するための方法を繰り返すこと(例えば、最初の診断後1ヶ月、最
初の診断後6ヶ月、最初の診断後1年など)により行われる。
【0271】 標識された分子の存在は、インビボ走査について当該分野において公知の方法
を用いて、患者から検出され得る。これらの方法は、用いられる標識の型に依存
する。当業者は、特定の標識を検出するための適切な方法を決定し得る。本発明
の診断方法において用いられ得る方法およびデバイスとしては、限定はされない
が、コンピューター断層撮影(CT)、陽子(position)射出断層撮影
法(PET)のような全身走査、磁気共鳴画像法(MRI)、および超音波検査
法が挙げられる。
【0272】 特定の実施形態においては、この分子は放射性同位体で標識され、そして放射
線応答性の外科用機器を用いて患者から検出される(Thurstonら、米国
特許第5,441,050号)。別の実施形態においては、この分子は蛍光化合
物で標識され、そして蛍光応答性の走査機器を用いて患者から検出される。別の
実施形態においては、この分子は陽電子射出金属で標識され、そして陽子射出断
層撮影法を用いて患者(patent)から検出される。さらに別の実施形態に
おいては、この分子は常磁性標識で標識され、そして磁気共鳴画像法(MRI)
を用いて患者から検出される。
【0273】 (キット) 本発明は、上記の方法において使用され得るキットを提供する。1つの実施形
態において、キットは、1つ以上の容器において、本発明の抗体、好ましくは精
製した抗体を備える。特定の実施形態において、本発明のキットは、エピトープ
を含む実質的に単離されたポリペプチドを備える。このエピトープは、キット中
に含まれる抗体と特異的に免疫反応する。好ましくは、本発明のキットは、目的
のポリペプチドと反応しないコントロール抗体をさらに備える。別の特定の実施
形態において、本発明のキットは、目的のポリペプチドへの抗体の結合を検出す
るための手段を備える(例えば、この抗体は、検出可能な基質(例えば、蛍光化
合物、酵素基質、放射性化合物もしくは発光化合物)に結合体化され得るか、ま
たは一次抗体を認識する二次抗体が、検出可能な基質と結合体化され得る)。
【0274】 本発明の別の特定の実施形態において、キットは、増殖性および/または癌性
のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに対して特異的な抗体を含む血清のスク
リーニングに使用するための診断キットである。このようなキットは、目的のポ
リペプチドと反応しないコントロール抗体を備え得る。このようなキットは、エ
ピトープを含む実質的に単離されたポリペプチド抗原を備え得る。このエピトー
プは、少なくとも1つの抗ポリペプチド抗原抗体と特異的に免疫反応する。さら
に、このようなキットは、抗原に対する上記の抗体の結合を検出するための手段
を備える(例えば、抗体は、蛍光化合物(例えば、フローサイトメトリーにより
検出され得るフルオレセインまはたローダミン)と結合体化され得る)。特定の
実施形態において、キットは、組換え的に産生されたポリペプチド抗原または化
学的に合成されたポリペプチド抗原を備え得る。キットのポリペプチド抗原はま
た、固体支持体に付着され得る。
【0275】 より特定の実施形態において、上記のキットの検出手段は、上記のポリペプチ
ド抗原が付着する固体支持体を備える。このようなキットはまた、非付着レポー
ター標識化抗ヒト抗体を備え得る。この実施形態において、ポリペプチド抗原へ
の抗体の結合は、上記のレポーター標識化抗体の結合によって検出され得る。
【0276】 さらなる実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチドの抗原を含む血
清のスクリーニングにおいて使用するための、診断キットを含む。この診断キッ
トは、ポリペプチド抗原またはポリヌクレオチド抗原と特異的に免疫反応する実
質的に単離された抗体、およびこの抗体へのこのポリヌクレオチド抗原またはポ
リペプチド抗原の結合を検出するための手段を備える。1つの実施形態において
、抗体は、固体支持体に付着される。特定の実施形態において、抗体は、モノク
ロナール抗体であり得る。キットのこの検出手段は、二次標識化モノクロナール
抗体を含み得る。あるいは、またはさらに、この検出手段は、標識化競合抗原を
含み得る。
【0277】 1つの診断構成において、試験血清を、本発明の方法により得られる表面結合
抗原を有する固相試薬と反応させる。特定の抗原抗体とこの試薬との結合、およ
び洗浄することによる結合していない血清成分の除去の後、この試薬をレポータ
ー標識化抗ヒト抗体と反応させて、固体支持体上に、結合した抗抗原抗体の量に
比例して、この試薬にレポーターを結合させる。この試薬を再び洗浄して、結合
していない標識化抗体を除去し、そしてこの試薬と会合するレポーターの量を決
定する。代表的に、レポーターは、酵素であり、この酵素は、適切な蛍光性基質
、発光性基質または比色用基質(Sigma,St.Louis,MO)の存在
下で固相をインキュベートすることにより検出される。
【0278】 上記アッセイにおいて、固体表面試薬は、固体支持体物質(例えば、ポリマー
ビーズ、ディップスティック、96ウェルプレートまたは濾過材料)へタンパク
質物質を付着することについての公知の技術によって調製される。これらの付着
法は、一般に、支持体へのタンパク質の非特異的吸着またはタンパク質の共有結
合性の付着(代表的に、固体支持体上の化学的反応基に対して遊離のアミン基(
例えば、活性化カルボキシル基、ヒドロキシル基、もしくはアルデヒド基)によ
る)を包含する。あるいは、ストレプトアビジンコートプレートが、ビオチン化
抗原と組み合わせて使用され得る。
【0279】 従って、本発明は、この診断方法を実施するためのアッセイ系またはキットを
提供する。このキットは、一般に、表面に結合した組換え抗原を有する支持体、
および表面に結合した抗抗原抗体を検出するためのレポーター標識化抗ヒト抗体
を含む。
【0280】 (ポリヌクレオチドの使用) 本明細書中で同定された各々のポリヌクレオチドは、試薬として多数の方法に
おいて使用され得る。以下の説明は例示的であるとみなされるべきであり、そし
て公知の技術を利用する。
【0281】 本発明のポリヌクレオチドは、染色体同定のために有用である。実際の配列デ
ータ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在ほとんど利用可能では
ないため、新しい染色体マーカーを同定する必要性が存在するままである。各々
の配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置を標的化し、そしてハイブリダイズ
し得、従って、本発明の各々のポリヌクレオチドは、当該分野で公知の技術を使
用して、染色体マーカーとして慣例的に使用され得る。
【0282】 簡単に言うと、配列は、配列番号Xで示される配列からPCRプライマー(好
ましくは15〜25bp)を調製することによって染色体にマッピングされ得る
。プライマーが、ゲノムDNA中の1つより多くの予測されたエキソンにまたが
らないように、プライマーは、必要に応じてコンピューター分析を使用して選択
され得る。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイ
ブリッドのPCRスクリーニングのために使用される。配列番号Xに対応するヒ
ト遺伝子を含むハイブリッドのみが、増幅されたフラグメントを産生する。
【0283】 同様に、体細胞ハイブリッドは、特定の染色体に対してポリヌクレオチドをP
CRマッピングする迅速な方法を提供する。単一のサーマルサイクラーを使用し
て1日あたり3つ以上のクローンが割り当てられ得る。さらに、ポリヌクレオチ
ドの下位位置決定(sublocalization)は、特定の染色体フラグ
メントのパネルを用いて達成され得る。使用され得る他の遺伝子マッピングスト
ラテジーは、インサイチュハイブリダイゼーション、標識フローソート(lab
eled flow sorted)染色体でのプレスクリーニング、染色体特
異的cDNAライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによる前選
択、およびコンピューターマッピング技術(例えば、本明細書中にその全体が参
考として援用される、Shuler、Trends Biotechnol 1
6:456〜459(1998)を参照のこと)を含む。
【0284】 ポリヌクレオチドの正確な染色***置はまた、中期染色体スプレッド(spr
ead)の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を使用して獲
得され得る。この技術は500または600塩基ほどの短さのポリヌクレオチド
を使用する;しかし2,000〜4,000bpのポリヌクレオチドが好ましい
。この技術の総説に関しては、Vermaら、「Human Chromoso
mes:a Manual of Basic Techniques」, P
ergamon Press, New York (1988)を参照のこと
【0285】 染色体マッピングについては、ポリヌクレオチドは、個々に(単一染色体また
はその染色体上の単一部位をマークするために)またはパネルで(複数部位およ
び/または複数染色体をマークするために)使用され得る。
【0286】 従って、本発明はまた、染色体局在化のための方法を提供し、この方法は、(
a)表1に記載のポリヌクレオチド配列および配列番号XからPCRプライマー
を調製する工程および(b)個々の染色体を含む体細胞ハイブリッドをスクリー
ニングする工程を包含する。
【0287】 本発明のポリヌクレオチドは、放射線(radiation)ハイブリッドマ
ッピング、HAPPYマッピング、およびロングレンジ制限マッピング(lon
g range restriction mapping)において同様に有
用である。これらの技術および当該分野で公知の他の技術の概説については、例
えば、Dear「Genome Mapping:A Practical A
pproach」IRL Press at Oxford Universi
ty Press,London(1997);Aydin,J.Mol.Me
d.77:691〜694(1999);Haciaら、Mol.Psychi
atry 3:483〜492(1998);Herrickら、Chromo
some Res.7:409〜423(1999);Hamiltonら、M
ethods Cell Biol.62:265〜280(2000);およ
び/またはOtt,J.Hered.90:68〜70(1999)(これらの
それぞれは、本明細書中においてその全体が参考として援用される)を参照のこ
と。
【0288】 一旦、ポリヌクレオチドが正確な染色***置にマップされると、ポリヌクレオ
チドの物理的位置は、連鎖分析において使用され得る。連鎖分析は、染色***置
と特定の疾患の提示との間の同時遺伝(coinheritance)を確立す
る。(疾患マッピングデータは、例えば、V.McKusick,Mendel
ian Inheritance in Man(Johns Hopkins
University Welch Medical Libraryを通し
てオンラインで利用可能である)において見い出される)。1メガベースマッピ
ング解像度および20kbあたり1遺伝子と仮定すると、疾患と関連する染色体
領域に正確に位置決定されるcDNAは、50〜500の潜在的な原因遺伝子の
うちの1つであり得る。
【0289】 従って、一旦、同時遺伝が確立されると、罹患個体と非罹患個体との間での本
発明のポリヌクレオチドおよび対応する遺伝子における差異が試験され得る。ま
ず、染色体中の可視的構造変化(例えば、欠失または転座)は染色体スプレッド
において、またはPCRによって試験される。構造的変化が存在しない場合、点
変異の存在が確認される。何人かのまたは全ての罹患個体で観察されたが、正常
な個体では観察されなかった変異は、この変異がこの疾患を引き起こし得ること
を示す。しかし、いくつかの正常な個体由来のポリペプチドおよび対応する遺伝
子の完全な配列決定は、変異を多型性と区別するために要求される。新しい多型
性が同定される場合、この多型ポリペプチドはさらなる連鎖分析のために使用さ
れ得る。
【0290】 さらに、非罹患個体と比較した、罹患個体の遺伝子の増加または減少した発現
が、本発明のポリヌクレオチドを使用して評価され得る。任意のこれらの変化(
変化した発現、染色体再配置、または変異)は、診断マーカーまたは予後マーカ
ーとして使用され得る。
【0291】 従って、本発明はまた、障害の診断の間に有用な診断方法を提供し、この方法
は、個体由来の細胞または体液中の本発明のポリヌクレオチドの発現レベルを測
定する工程、および測定された遺伝子発現レベルをポリヌクレオチド発現レベル
の標準レベルと比較する工程を包含し、これによって、標準と比較して、遺伝子
発現レベルの増加または減少が、障害の指標になる。
【0292】 なお別の実施形態では、本発明は、サンプルを、試験被験体に由来する増殖性
および/または癌性のポリヌクレオチドの存在について分析するためのキットを
含む。一般的実施形態において、このキットは、本発明のポリヌクレオチドと特
異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのポリヌクレ
オチドプローブ、および適切な容器を備える。この特定の実施形態では、このキ
ットは、本発明のポリヌクレオチドの内部領域を規定する2つのポリヌクレオチ
ドプローブを含み、ここで各プローブは、この領域に対して内部に31’マー末
端を含む1つの鎖を有する。さらなる実施形態では、このプローブは、ポリメラ
ーゼ連鎖反応増幅のためのプライマーとして有用であり得る。
【0293】 関連障害の診断(例えば、腫瘍の診断を含む)が既に従来方法によって行われ
ている場合、本発明は、予後のインジケーター(indicator)として有
用であり、それによって増強または抑制された本発明のポリヌクレオチド発現を
示す患者が、標準レベルにより近いレベルでこの遺伝子を発現する患者と比較し
て悪い臨床結果を経験する。
【0294】 「本発明のポリヌクレオチドの発現レベルを測定する(こと)」とは、本発明
のポリペプチドのレベルまたは本発明のポリペプチドをコードするmRNAのレ
ベルを、第1の生物学的サンプルにおいて直接的(例えば、絶対のタンパク質レ
ベルまたはmRNAレベルを決定または評価することによって)または相対的(
例えば、第2の生物学的サンプル中のポリペプチドレベルまたはmRNAレベル
に対して比較することによって)のいずれかで定性的または定量的に測定または
評価することを意図する。好ましくは、第1の生物学的サンプル中のポリペプチ
ドレベルまたはmRNAレベルが測定または評価され、そして標準のポリペプチ
ドレベルまたはmRNAレベルに対して比較され、この標準は、関連障害を有さ
ない個体から得られる第2の生物学的サンプルから得られるかまたは関連障害を
有さない個体の集団由来のレベルを平均することによって決定される。当該分野
で認識されるように、一旦標準的なポリペプチドレベルまたはmRNAレベルが
公知になれば、これを、比較のための標準として反復して用い得る。
【0295】 「生物学的サンプル」とは、本発明のポリペプチドまたはmRNAを含む、個
体、体液、細胞株、組織培養物または他の供給源から得られる任意の生物学的サ
ンプルを意図する。示されるように、生物学的サンプルは、本発明のポリペプチ
ドを含む体液(例えば、***、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、お
よび本発明のポリペプチドを発現することが見出された他の組織供給源を含む。
哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は、当該分野で周知である。
生物学的サンプルがmRNAを含む場合、組織生検が好ましい供給源である。
【0296】 上記で提供された方法は好ましくは、本発明のポリヌクレオチドおよび/また
はポリペプチドが固体支持体に結合される、診断方法および/またはキットに適
用され得る。1つの例示的な方法では、この支持体は、米国特許第5,837,
832号、同第5,874,219号および同第5,856,174号に記載さ
れる、「遺伝子チップ」または「生物学的チップ」であり得る。さらに、本発明
のポリヌクレオチドが結合されたこのような遺伝子チップを用いて、本発明の単
離されたポリヌクレオチド配列と、試験被験体から単離されたポリヌクレオチド
との間の多型性を同定し得る。このような多型性の知見(すなわち、それらの位
置ならびにそれらの存在)は、例えば、神経障害、免疫系障害、筋肉障害、生殖
障害、胃腸障害、肺障害、循環器障害、腎障害、増殖性障害、および/または癌
性の疾患および状態のような多くの障害についての疾患の遺伝子座を同定する際
に有益である。このような方法は、米国特許第5,858,659号および同第
5,856,104号に記載される。上記に参照した米国特許は、その全体が本
明細書中に参考として援用される。
【0297】 本発明は、化学的に合成された(すなわち、ペプチド核酸(PNA)として再
現された)または当該分野で公知の他の方法に従って合成された、本発明のポリ
ヌクレオチドを包含する。PNAの使用は、ポリヌクレオチドが固体支持体、す
なわち、遺伝子チップに取り込まれる場合、好ましい形態として役立つ。本発明
の目的のために、ペプチド核酸(PNA)は、本発明のポリアミド型のDNAア
ナログであり、そしてアデニン、グアニン、チミンおよびシトシンについての単
量体単位が市販されている(Perceptive Biosystems)。
DNAの特定の成分(例えば、リン、酸化リンまたはデオキシリボース誘導体)
は、PNA中に存在しない。P.E.Nielsen,M.Egholm,R.
H.BergおよびO.Buchardt,Science 254,1497
(1991);ならびにM.Egholm,O.Buchardt,L.Chr
istensen,C.Behrens,S.M.Freier,D.A.Dr
iver,R.H.Berg、S.K.Kim,B.NordenおよびP.E
.Nielsen,Nature 365,666(1993)によって開示さ
れるように、PNAは、相補的なDNA鎖に対して特異的かつ緊密に結合し、そ
してヌクレアーゼによって分解されない。実際、PNAは、DNA自体が結合す
るよりも強力にDNAに結合する。これはおそらく、2つの鎖の間に静電斥力が
存在せず、そしてまたポリアミド骨格がより可撓性が高いことによる。これによ
って、PNA/DNA二重鎖は、DNA/DNA二重鎖よりも広範囲のストリン
ジェンシー条件下で結合し、多重鎖ハイブリダイゼーションを行うのをより容易
にする。強力な結合に起因して、DNAを用いてよりも小さいプローブが用いら
れ得る。さらに、おそらく、単一の塩基ミスマッチが、PNA/DNAハイブリ
ダイゼーションを用いて決定され得る。なぜなら、PNA/DNAの15マーに
おける単一のミスマッチは、DNA/DNAの15マー二重鎖については4℃〜
16℃であるのに対して、融点(T.sub.m)を8〜20℃低下させるから
である。また、PNA中に電荷基が存在しないことは、ハイブリダイゼーション
が、低いイオン強度で行われ得、そして分析の間の塩によって可能な妨害を減少
させることを意味する。
【0298】 本発明は、哺乳動物における癌の検出を含むがこれに限定されない用途を有す
る。特に、本発明は、以下を含むがこれらに限定されない、病理学的細胞増殖新
形成の診断の間に有用である:急性骨髄性白血病(急性単球性白血病、急性骨髄
芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性赤白血病、
急性巨核球性白血病、および急性未分化白血病などを含む);および慢性骨髄性
白血病(慢性骨髄単球性白血病、慢性顆粒球性白血病などを含む)。好ましい哺
乳動物としては、有尾猿(monkey)、無尾猿(ape)、ネコ、イヌ、ウ
シ、ブタ、ウマ、ウサギおよびヒトが挙げられる。特に好ましいのは、ヒトであ
る。
【0299】 病理学的細胞増殖性の障害はしばしば、癌原遺伝子の不適切な活性化に関連す
る(Gelmann,E.P.ら,「The Etiology of Acu
te Leukemia:Molecular Genetics and V
iral Oncology」,Neoplastic Diseases o
f the Blood,第1巻,Wiernik、P.H.ら編,161−1
82(1985))。新形成は現在、ウイルス配列の染色体への挿入、より活性
に転写される領域への遺伝子の染色体転座、または何らかの他の機構による、正
常な細胞遺伝子産物の定性的変化から、または遺伝子発現の定量的改変から生じ
ると考えられている(Gelmannら、前出)。特定の遺伝子の変異または変
更された発現が、他の組織および他の細胞型の中でも、いくつかの白血病の病因
と関与するようである(Gelmannら、前出)。実際、いくつかの動物新形
成に関与する癌遺伝子のヒト対応物は、ヒトの白血病および癌腫のいくつかの症
例において増幅または転座されている(Gelmannら、前出)。
【0300】 例えば、c−myc発現は、非リンパ球性白血病細胞株HL−60において高
度に増幅される。HL−60細胞が増幅を止めるように化学的に誘導される場合
、c−mycのレベルは、ダウンレギュレートされることが見出される(国際公
開番号WO91/15580号)。しかし、c−mycまたはc−mybの5’
末端に相補的であるDNA構築物へのHL−60細胞の暴露が、c−mycタン
パク質またはc−mybタンパク質の発現をダウンレギュレートする対応するm
RNAの翻訳をブロックし、処理した細胞の細胞増殖および分化の停止を引き起
こすことが示されている(国際公開番号WO91/15580号;Wickst
romら、Proc.Natl.Acad.Sci.85:1028(1988
);Anfossiら、Proc.Natl.Acad.Sci.86:337
9(1989))。しかし、当業者は、増殖表現型を示すことが公知である種々
の起源の多数の細胞および細胞型を考慮すれば、本発明の有用性が造血性の細胞
および組織の増殖性障害の処置に限定されないことを認識する。
【0301】 前記に加えて、本発明のポリヌクレオチドは、三重らせん形成を通して、また
はアンチセンスDNAもしくはRNAを通して遺伝子発現を制御するために使用
され得る。アンチセンス技術は、例えば、Okano,J.Neurochem
.56:560(1991);「Oligodeoxynucleotides
as Antisense Inhibitors of Gene Exp
ression」,CRC Press,Boca Raton,FL(198
8)において考察される。三重らせん形成は例えば、Leeら、Nucleic
Acids Research 6:3073(1979);Cooneyら
、Science 241:456(1988);およびDervanら、Sc
ience 251:1360(1991)において考察される。両方の方法は
、相補的DNAまたは相補的RNAへのポリヌクレオチドの結合に依存する。こ
れらの技術に関して、好ましいポリヌクレオチドは通常、20〜40塩基長のオ
リゴヌクレオチドであり、そして転写に関与する遺伝子領域(三重らせん−Le
eら,Nucl.Acids Res.6:3073(1979);Coone
yら、Science 241:456(1988);およびDervanら、
Science 251:1360(1991)を参照のこと)またはmRNA
自体(アンチセンス−Okano,J.Neurochem.56:560(1
991);Oligodeoxy−nucleotides as Antis
ense Inhibitors of Gene Expression,C
RC Press,Boca Raton,FL(1988))のいずれかに相
補的である。三重らせん形成は、最適にはDNAからのRNA転写の遮断を生じ
るが、アンチセンスRNAハイブリダイゼーションは、ポリペプチドへのmRN
A分子の翻訳を阻止する。上記のオリゴヌクレオチドはまた、アンチセンスRN
AまたはDNAが、インビボで発現されて本発明の抗原のポリペプチド産生を阻
害し得るように細胞に送達され得る。両方の技術は、モデル系において効果的で
あり、そして本明細書に開示される情報は、疾患を処置するための試みにおいて
、特に、増殖性疾患および/または状態の処置のために、アンチセンスまたは三
重らせんポリヌクレオチドを設計するために使用され得る。
【0302】 本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝子治療において有用である。遺伝子治
療の1つの目標は、遺伝欠損を修正する試みにおいて、欠損遺伝子を有する生物
へ正常遺伝子を挿入することである。本発明に開示されるポリヌクレオチドは、
高度に正確な様式でこのような遺伝欠損を標的とする手段を提供する。別の目標
は、宿主ゲノム中には存在しなかった新しい遺伝子を挿入し、それによって宿主
細胞中に新しい形質を生成することである。
【0303】 ポリヌクレオチドはまた、微小な生物学的サンプルから個体を同定するために
有用である。例えば、米国軍は、その職員を同定するために制限フラグメント長
の多型性(RFLP)の使用を考慮している。この技術において、個体のゲノム
DNAは1つ以上の制限酵素で消化され、そして職員を同定するため固有なバン
ドを生じるためのサザンブロットについてプローブされる。この方法は、「認識
票(Dog tag)」(これは、失われたり、交換されたり、または盗まれた
りすることにより、ポジティブな同定を困難にし得る)の現在の限界を受けない
。本発明のポリヌクレオチドは、RFLPのためのさらなるDNAマーカーとし
て使用され得る。
【0304】 本発明のポリヌクレオチドはまた、個体のゲノムの選択された部分の実際の塩
基ごとのDNA配列を決定することによって、RFLPに対する代替物として使
用され得る。これらの配列は、このような選択されたDNAを増幅しそして単離
するためにPCRプライマーを調製するために使用され得、次いで、この選択さ
れたDNAは、配列決定され得る。各個体が固有のセットのDNA配列を有する
ので、この技術を使用して、個体が同定され得る。一旦、固有のIDデータベー
スが個体について確立されると、その個体が生存していようとまたは死亡してい
ようと、その個体のポジティブ同定が、極めて小さな組織サンプルからなされ得
る。
【0305】 法医学生物学もまた、本明細書に開示されるようなDNAに基づく同定技術を
使用して利益を得る。組織(例えば、髪または皮膚)、または体液(例えば、血
液、唾液、***、滑液、羊水、乳汁、リンパ、肺痰(pulmonary sp
utum)またはサーファクタント、尿、糞便物質など)のような非常に小さな
生物学的サンプルから得られたDNA配列は、PCRを使用して増幅され得る。
ある先行技術において、DQaクラスII HLA遺伝子のような多型性遺伝子
座から増幅された遺伝子配列は、個体を同定するための法医学生物学において使
用される。(Erlich,H.,PCR Technology,Freem
an and Co.(1992))。一旦、これらの特異的多型性遺伝子座が
増幅されると、これらは1つ以上の制限酵素で消化される。これは、DQaクラ
スII HLA遺伝子に対応するDNAでプローブされたサザンブロットについ
てのバンドの同定セットを生じる。同様に、本発明のポリヌクレオチドは、法医
学的目的のための多型性マーカーとして使用され得る。
【0306】 また、特定の組織の供給源を同定し得る試薬についての必要性が存在する。例
えば、未知の起源の組織が提供される場合、法医学においてこのような必要性が
生じる。適切な試薬は、例えば、本発明の配列から調製される、DNAプローブ
またはプライマーを含み得る。このような試薬のパネルは、種および/または器
官型によって組織を同定し得る。同様の様式で、これらの試薬は、夾雑物につい
て組織培養物をスクリーニングするために使用され得る。
【0307】 本発明のポリヌクレオチドはまた、生物学的サンプル中に存在する組織または
細胞型の示差的同定のためのハイブリダイゼーションプローブとして有用である
。同様に、本発明のポリペプチドに関するポリペプチドおよび抗体は、組織(例
えば、免疫組織化学アッセイ)または細胞型(例えば、免疫細胞学アッセイ)の
示差的同定のための免疫学的プローブを提供するのに有用である。さらに、上記
の組織または細胞の多くの障害に対して、「標準」遺伝子発現レベル(すなわち
、障害を有しない個体由来の健康組織の発現レベル)と比較して、本発明のポリ
ヌクレオチド/ポリペプチドの有意に高いかまたは低いレベルの遺伝子発現が、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織(例えば、本発明のポリ
ペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを発現する組織、および/または癌性
組織および/または創傷組織)または体液(例えば、漿液、血漿、尿、滑液また
は髄液)において検出され得る。
【0308】 従って、本発明は、以下の工程を含む障害の診断方法を提供する:(a)個体
の細胞または体液中の遺伝子発現レベルをアッセイする工程;(b)標準的な遺
伝子発現レベルと、この遺伝子発現レベルを比較し、それにより、標準の発現レ
ベルと比較して、アッセイされた遺伝子発現レベルの増加または減少が障害を示
す、工程。
【0309】 少なくとも、本発明のポリヌクレオドは、サザンブロットのゲル上の分子量マ
ーカーとして、特定の細胞型における特異的mRNAの存在についての診断プロ
ーブとして、新規のポリヌクレオドを発見するプロセスにおける「減算した(s
ubtract−out)」公知の配列に対するプローブとして、「遺伝子チッ
プ」または他の支持体に付着するためのオリゴマーを選択および作製するために
、DNA免疫技術を用いて抗DNA抗体を惹起するために、および免疫応答を惹
起する抗原として使用され得る。
【0310】 (ポリペプチドの使用) 本明細書中で同定される各々のポリペプチドは、多くの方法において使用され
得る。以下の記述は、例示として考慮されるべきであり、そして公知の技術を利
用する。
【0311】 本発明のポリペプチドおよび本発明のポリペプチドに対して指向される抗体は
、組織(例えば、ABC免疫ペルオキシダーゼのような免疫組織化学アッセイ(
Hsuら、J.Histochem.Cytochem.29:577−580
(1981))または細胞型(例えば、免疫細胞化学アッセイ)の差次的同定の
ための免疫学的プローブを提供するために有用である。
【0312】 抗体を使用して、当業者に公知の古典的な免疫組織学的な方法を用いて、生物
学的サンプル中の本発明のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの
レベルをアッセイし得る(例えば、Jalkanenら、J.Cell.Bio
l.101:976−985(1985);Jalkanenら、J.Cell
.Biol.105:3087−3096(1987)を参照のこと)。タンパ
ク質の遺伝子発現を検出するのに有用な、他の抗体に基づく方法には、免疫学的
検定(例えば、酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)およびラジオイム
ノアッセイ(RIA))が含まれる。適切な抗体アッセイの標識は、当該分野で
公知であり、そして酵素標識(例えば、グルコースオキシダーゼ);放射性同位
体(例えば、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14 C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(115mIn、11 3m In、112In、111In)、およびテクネチウム(99Tc、99m Tc)、タリウム(201Tl)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウ
ム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素
18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175 Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142 Pr、105Rh、97Ru;発光標識(例えば、ルミノール);ならびに蛍光
標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)ならびにビオチンが挙げられ
る。
【0313】 生物学的サンプル中の本発明のポリペプチドのレベルをアッセイすることに加
えて、タンパク質はまた、画像化によりインビボで検出され得る。タンパク質の
インビボ画像化のための抗体の標識またはマーカーは、X線撮影法、NMR、ま
たはESRにより検出可能なものを含む。X線撮影法のために適切な標識は、放
射性同位体(例えば、バリウムまたはセシウム)を含み、これは検出可能な放射
線を放射するが、被験体に対して明らかに有害ではない。NMRおよびESRの
ための適切なマーカーは、検出可能な特徴的なスピンを有するマーカー(例えば
、重水素)を含み、これは、関連するハイブリドーマのための栄養分を標識する
ことにより抗体中に取り込まれ得る。
【0314】 放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc、(131I、 25 I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム
H)、インジウム(115mIn、113mIn、112In、111In
)、およびテクネチウム(99Tc、99mTc)、タリウム(201Tl)、
ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン( Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177
u、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47 Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru)、放
射線不透過性物質、または核磁気共鳴により検出可能な材料のような適切な検出
可能な画像化部分で標識された、タンパク質特異的抗体または抗体フラグメント
は、免疫系の障害について検査されるべき哺乳動物に(例えば、非経口的、皮下
、または腹腔内に)導入される。被験体のサイズおよび用いられる画像化システ
ムは、診断画像を生成するために必要な画像化部分の量を決定することが当該分
野で理解される。放射性同位体部分の場合には、ヒト被験体について、注射され
る放射能の量は、通常、99mTcの約5〜20ミリキュリーの範囲である。次
いで、標識された抗体または抗体フラグメントは、本発明のポリヌクレオチドに
よりコードされるポリペプチドを発現する細胞の位置に優先的に蓄積される。イ
ンビボ腫瘍画像化は、S.W.Burchielら、「Immunopharm
acokinetics of Radiolabeled Antibodi
es and Their Fragments」(Tumor Imagin
gの第13章:The Radiochemical Detection o
f Cancer、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編、
Masson Publishing Inc.(1982))に記載される。
【0315】 1つの実施形態において、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸と会合する
本発明のポリペプチド(例えば、本発明のポリヌクレオチドによりコードされる
ポリペプチドおよび/または抗体)を投与することによる、本発明の組成物の細
胞への特異的な送達のための方法を提供する。1つの例において、本発明は、治
療タンパク質を標的化細胞中へ送達するための方法を提供する。別の例において
、本発明は、一本鎖核酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)または二本
鎖核酸(例えば、細胞のゲノムに組み込み得るか、またはエピソームにて複製し
得、そして転写され得るDNA)を、標的化細胞に送達するための方法を提供す
る。
【0316】 別の実施形態において、本発明は、毒素または細胞傷害性プロドラッグに関連
する本発明のポリペプチドを投与することによる細胞の特異的な破壊(例えば、
腫瘍細胞の破壊)のための方法を提供する。
【0317】 「毒素」とは、内因性の細胞傷害性エフェクタ系、放射性同位体、ホロ毒素(
holotoxin)、改変型毒素、毒素の触媒サブユニット、または規定の条
件下で細胞死を引き起こす細胞中もしくは細胞表面には通常存在しない任意の分
子もしくは酵素を結合および活性化する1つ以上の化合物を意味する。本発明の
方法に従って使用され得る毒素としては、以下が挙げられるが、これらに限定さ
れない:当該分野で公知の放射性同位体、固有のまたは誘導された内因性の細胞
傷害性エフェクタ系に結合する化合物(例えば、抗体(またはその補体固定含有
部分))、チミジンキナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、α毒素、リシ
ン、アブリン、Pseudomonas外毒素A、ジフテリア毒素。「毒素」は
また、細胞***停止剤もしくは細胞破壊剤、治療薬または放射活性金属イオン(
例えば、α−放射体(例えば、213Bi))もしくは他の放射性同位体(例え
ば、103Pd、133Xe、131I、68Ge、57Co、65Zn、85 Sr、32P、35S、90Y、153Sm、153Gd、169Yb、51
r、54Mn、75Se、113Sn、90イットリウム、117スズ、186 レニウム、166ホルミウム、および188レニウム);発光標識(例えば、ル
ミノール);および蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、な
らびにビオチンを含む。
【0318】 当該分野において公知の技術は、本発明のポリペプチド(抗体を含む)を標識
化するために適用され得る。このような技術としては、二官能性結合剤の使用(
例えば、米国特許第5,756,065号;同第5,714,631号;同第5
,696,239号;同第5,652,361号;同第5,505,931号;
同第5,489,425号;同第5,435,990号;同第5,428,13
9号;同第5,342,604号;同第5,274,119号;同第4,994
,560号;および同第5,808,003号を参照のこと;これら各々の内容
は、本明細書中に参考としてその全体を援用する)が挙げられるが、これに限定
されない。
【0319】 従って、本発明は、障害の診断方法を提供し、これは以下を含む:(a)個体
の細胞または体液における本発明のポリペプチドの発現レベルをアッセイする工
程;および(b)アッセイされたポリペプチドの発現レベルを標準のポリペプチ
ドの発現レベルと比較し、それによって標準の発現レベルと比較してアッセイさ
れたポリペプチドの発現レベルにおける増加または減少が障害を示す工程。癌に
関しては、個体由来の生検された組織中の相対的に高い量の転写物の存在は、疾
患の発症の素因を示し得るか、または実際の臨床的な症状が明らかとなる前に疾
患を検出するための手段を提供し得る。より決定的なこのタイプの診断は、保健
専門家がより早く予防策または積極的な処置を使用し、それによって癌の発症ま
たはさらなる進行を防ぐことを可能にし得る。
【0320】 さらに、本発明のポリペプチドを用いて疾患または状態(例えば、神経障害、
免疫系障害、筋肉障害、生殖障害、胃腸障害、肺障害、心血管障害、腎臓障害、
増殖障害ならびに/または癌性疾患および状態など)を処置または予防し得る。
例えば、患者は、ポリペプチドの非存在またはレベルの減少を元に戻すこと(例
えば、インスリン)、異なるポリペプチドの非存在またはレベルの減少を補充す
ること(例えば、ヘモグロビンBに対するヘモグロビンS、SOD、カタラーゼ
、DNA修復タンパク質)、ポリペプチドの活性を阻害すること(例えば、癌遺
伝子または腫瘍抑制因子)、ポリペプチドの活性を活性化すること(例えば、レ
セプターに結合することによって)、遊離リガンドについて膜結合レセプターと
競合させることによって膜結合レセプターの活性を減少させること(例えば、炎
症を低減させる際に用いられる可溶性TNFレセプター)、または所望の応答を
もたらすこと(例えば、血管の成長の阻害、増殖細胞または組織に対する免疫応
答の増強)の試みにおいて、本発明のポリペプチドが投与され得る。
【0321】 同様に、本発明のポリペプチドに対して指向される抗体もまた用いられ、疾患
(上記、および本明細書中のどこかに記載されるような)を処置し得る。例えば
、本発明のポリペプチドに対して指向される抗体の投与には、ポリペプチドを結
合して、そして/またはポリペプチドを中和し、そして/またはポリペプチドの
過剰産生を低減し得る。同様に、抗体の投与は、例えば、膜に結合したポリペプ
チド(レセプター)へ結合することにより、ポリペプチドを活性化し得る。
【0322】 少なくとも、本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いるSDS−
PAGEゲルまたは分子ふるいゲル濾過カラムの分子量マーカーとして使用され
得る。宿主細胞の形質転換を評価する方法として、ポリペプチドがまた用いられ
、抗体を惹起し得、次いで、この抗体が使用され、組換え細胞からのタンパク質
発現を測定する。さらに、本発明のポリペプチドが使用され、以下の生物学的活
性を試験し得る。
【0323】 (診断アッセイ) 本発明の化合物は、哺乳動物(好ましくはヒト)における種々の障害の診断、
処置、予防および/または予後に有用である。このような障害としては、「生物
学的活性」と見出しのついた節において、本明細書中に記載される障害を含むが
、これらに限定されない。
【0324】 TDCポリペプチドは、胃腸管粘膜の整合性の維持および修復に関連する生物
学的活性に関連すると考えられる。従って、本発明の組成物(本発明のポリヌク
レオチド、ポリペプチドおよび抗体、ならびにそのフラグメントおよび改変体を
含む)は、胃腸管粘膜整合性の維持および修復に関連す疾患および/または障害
の診断および/または予後において用いられ得る。好ましい実施形態において、
本明細書の組成物(本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体、なら
びにそのフラグメントおよび改変体を含む)は、胃腸の疾患(例えば、潰瘍、腸
管腸疾患、および/または下記の「胃腸管疾患および/または障害」において記
載されるものなど)、免疫系障害(例えば、炎症性障害、自己免疫障害、および
/または以下の「免疫活性」に記載されるようなもの)、組織治癒障害、感染性
障害(例えば、以下の「感染性障害」に記載されるようなもの)、および過剰増
殖性障害(例えば、以下の「過剰増殖性障害」に記載されるようなもの)に関連
する疾患および/または障害の診断および/または予後において用いられ得る。
従って、本発明のポリヌクレオチド、翻訳産物および抗体は、以下を含む活性に
関係する疾患および/または障害の診断、検出および/または処置に有用である
:胃腸管の疾患、潰瘍、腸管腸疾患、免疫系障害、炎症性障害、自己免疫障害、
組織治癒障害、感染性障害、および過剰増殖性障害。
【0325】 より一般的には、この遺伝子に対応するポリヌクレオチド、翻訳産物および抗
体は以下の系に関連する疾患および/または障害の診断、検出および/または処
置に有用であり得る。
【0326】 別の実施形態において、本発明のポリペプチド、そのポリペプチドに対応する
ポリヌクレオチド、抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストは、「本発明のポ
リヌクレオチドおよびポリペプチド」に開示される組織を含む、本発明のポリペ
プチドが発現される組織に関連する障害を診断、予後、予防および/または処置
するために使用される。
【0327】 多くの障害について、「標準的な」TDC遺伝子発現レベル、すなわち、障害
を有さない個体からの健常組織または体液中のTDC発現レベルに対して実質的
に変更された(増加したまたは減少した)レベルのTDC遺伝子発現が、このよ
うな障害を有する個体から採取された組織、細胞または体液(例えば、血清、血
漿、尿、***、滑液および髄液)中で検出され得る。従って、本発明は、障害の
診断の間に有用な診断方法を提供し、この方法は、個体由来の組織、細胞、また
は体液において、TDCポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを測定す
る工程、および測定された遺伝子発現を標準的なTDC遺伝子発現レベルと比較
する工程を包含し、それによって標準と比較した遺伝子発現レベルの増加または
減少がTDC障害を示す。これらの診断アッセイは、例えば、血液サンプル、生
検組織または剖検組織などに対して、インビボまたはインビトロで実施され得る
【0328】 本発明はまた、予後指標として有用であり、それによって、増加または減少し
たTDC遺伝子発現を示す患者は、標準レベルにより近いレベルでこの遺伝子を
発現する患者と比較して、より悪い臨床結果を経験する。
【0329】 特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、このポリペプチドに対応す
るポリヌクレオチド、抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストは、本発明のポ
リペプチドが発現される組織(表3、カラム2(ライブラリコード)に開示され
る、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の組織を含む)に関連した疾
患および/または障害を診断および/または予後するために使用され得る。
【0330】 「TDCポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルをアッセイする」とは
、第1の生物学的サンプル中のTDCポリペプチドのレベルあるいはTDCポリ
ペプチドをコードするmRNAのレベルを、直接的(例えば、絶対的なタンパク
質レベルまたはmRNAレベルを決定または推定することによって)、または相
対的(例えば、第2の生物学的サンプル中のTDCポリペプチドレベルまたはm
RNAレベルと比較することによって)のいずれかで定性的または定量的に測定
または推定することを意図する。好ましくは、第1の生物学的サンプル中のTD
CポリペプチドレベルまたはmRNAレベルを測定または推定し、そして標準的
なTDCポリペプチドレベルまたはmRNAレベルと比較する。標準は、障害を
有さない個体から得られた第2の生物学的サンプルからとられるか、またはその
障害を有さない個体の集団からのレベルを平均するによって決定される。当該分
野で明らかなように、一旦、標準的なTDCポリペプチドレベルまたはmRNA
レベルが既知となると、比較のための標準として繰り返し使用され得る。
【0331】 「生物学的サンプル」によって、個体、細胞株、組織培養物、あるいはTDC
ポリペプチド(その一部分を含む)またはmRNAを含む他の供給源から得られ
る任意の生物学的サンプルが意図される。示されるように、生物学的サンプルと
しては、TDCポリペプチドの全長またはそのフラグメントを発現することが見
出されている体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)および組織供
給源を含む。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周
知である。生物学的サンプルがmRNAを含む場合、組織生検が好ましい供給源
である。
【0332】 全細胞RNAが、任意の適切な技術(例えば、Chomczynskiおよび
Sacchi,Anal.Biochem.162:156−159(1987
)に記載されている一工程のグアニジニウム(guanidinium)−チオ
シアネート−フェノール−クロロホルム法)を使用して生物学的サンプルから単
離され得る。次いで、TDCペプチドをコードするmRNAのレベルが、任意の
適切な方法を用いてアッセイされる。これらは、ノーザンブロット分析、S1ヌ
クレアーゼマッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反
応と組み合わせた逆転写(RT−PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わ
せた逆転写(RT−LCR)を含む。
【0333】 本発明はまた、生物学的サンプル(例えば、細胞および組織)中のTDCポリ
ペプチドのレベルを検出するための定量的なアッセイおよび診断アッセイに関し
、ポリペプチドの正常および異常なレベルの決定を含む。従って、例えば、正常
なコントロール組織サンプルと比較した、TDCポリペプチドの過剰発現を検出
するための本発明に従う診断アッセイは、腫瘍の存在を検出するために使用され
る。宿主由来のサンプル中の本発明のTDCポリペプチドのようなポリペプチド
のレベルを決定するために使用され得るアッセイ技術は、当業者に周知である。
このようなアッセイ方法としては、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、
ウエスタンブロットアッセイおよびELISAアッセイが挙げられる。生物学的
サンプル中のTDCポリペプチドノレベルをアッセイすることは、任意の当該分
野で公知の方法を使用してなされ得る。
【0334】 生物学的サンプル中のTDCポリペプチドレベルのアッセイは、抗体に基づく
技術を用いて起こり得る。例えば、組織におけるTDCポリペプチドの発現は、
古典的な免疫組織学的方法で研究され得る(Jalkanen,M.ら、J.C
ell.Biol.101:976−985(1985);Jalkanen,
M.ら、J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987))
。TDCポリペプチドの遺伝子発現を検出するための有用な他の抗体に基づく方
法としては、イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA
)およびラジオイムノアッセイ(RIA))が挙げられる。適切な抗体アッセイ
の標識は、当該分野において公知であり、そしてグルコースオキシダーゼのよう
な酵素標識、ならびに放射性同位元素(例えば、ヨウ素(125I、121I)
、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(H)、インジウム(11 In)、およびテクネチウム(99mTc))、ならびに蛍光標識(例えば、
フルオレセインおよびローダミン)およびビオチンが挙げられる。
【0335】 分析される組織または細胞型としては、一般的に、TDC遺伝子を発現するこ
とが既知かまたは疑われる組織または細胞型(例えば、癌など)が挙げられる。
本明細書中で使用されるタンパク質の単離方法は、例えば、Harlowおよび
Lane(Harlow,E.およびLane,D.,1988,「Antib
odies:A Laboratory Manual」,Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press, Cold Spr
ing Harbor, New York)(これは、本明細書中においてそ
の全体で参考として援用される)に記載されるものであり得る。単離された細胞
は、細胞培養物または患者由来であり得る。培養物から採取された細胞の分析は
、細胞に基づく遺伝子治療技術の一部として使用され得る細胞の評価において、
あるいはTDC遺伝子の発現に対する化合物の効果を試験するために必要な工程
であり得る。
【0336】 例えば、本明細書中に記載されるような抗体、または抗体のフラグメントが、
TDC遺伝子産物または保存的改変体またはそのペプチドフラグメントの存在を
定量的または定性的に検出するために使用され得る。例えば、これは、光学顕微
鏡、フローサイトメトリー、または蛍光計検出に接続される蛍光標識された抗体
を使用する免疫蛍光技術によって達成され得る。
【0337】 好ましい実施形態において、TDCポリペプチドの予測されたエピトープドメ
インの任意の1つまたは全てに指向する抗体、抗体のフラグメントは、TDC遺
伝子産物または保存された改変体またはそのペプチドフラグメントの存在を定量
的にまたは定性的に検出するために使用され得る。これは、例えば、光学顕微鏡
検出、フローサイトメトリー検出、または蛍光分析的検出とカップルした蛍光標
識抗体を使用する免疫蛍光技術によって達成され得る。
【0338】 さらに好ましい実施形態において、TDCポリペプチドの立体配座エピトープ
に指向する抗体、抗体のフラグメントは、TDC遺伝子産物または保存された改
変体またはそのペプチドフラグメントの存在を定量的にまたは定性的に検出する
ために使用され得る。これは、例えば、光学顕微鏡検出、フローサイトメトリー
検出、または蛍光分析的検出とカップルした蛍光標識抗体を使用する免疫蛍光技
術によって達成され得る。
【0339】 本発明の抗体(またはそのフラグメント)、および/または本発明のTDCポ
リペプチドは、さらに、TDC遺伝子産物もしくは保存的改変体またはそのペプ
チドフラグメントのインサイチュで検出のために、免疫蛍光、免疫電子顕微鏡ま
たは非免疫学的アッセイとして組織学的に使用され得る。インサイチュ検出は、
患者から組織学的試料を取り出し、そしてそこに本発明の標識された抗体または
TDCポリペプチドを適用することによって達成され得る。抗体(またはフラグ
メント)またはTDCポリペプチドは、好ましくは、標識された抗体(またはフ
ラグメント)を生物学的サンプルに重ねることによって適用される。このような
手順の使用によって、TDC遺伝子産物、または保存的改変体またはペプチドフ
ラグメントの存在、またはTDCポリペプチドの結合のみだけではなく、試験さ
れた組織におけるその分布をも決定し得る。本発明を使用して、当業者は、任意
の広範な種々の組織学的方法(例えば、染色手順)がこのようなインサイチュ検
出を達成するために改変され得ることを容易に認知する。
【0340】 TDC遺伝子産物または保存的改変体あるいはそのペプチドフラグメントのイ
ムノアッセイおよび非イムノアッセイは、代表的に、TDC遺伝子産物または保
存的改変体あるいはそのペプチドフラグメントを同定し得る検出可能に標識され
た抗体の存在下で、サンプル(例えば、生物学的流体、組織抽出物、新鮮に収集
された細胞、または細胞培養物中でインキュベートされた細胞の溶解物)をイン
キュベートする工程、および結合された抗体を当該分野で周知の任意の多くの技
術によって検出する工程を包含する。
【0341】 生物学的サンプルは、固相支持体またはキャリア(例えばニトロセルロース)
、あるいは細胞、細胞粒子または可溶性タンパク質を固定化し得る他の固体支持
体に接触され、そして固定化され得る。次いで、この支持体は、適切な緩衝液で
洗浄され得、続いて検出可能に標識された抗TDCポリペプチド抗体または検出
可能なTDCポリペプチドで処理される。次いで、固相支持体は、結合していな
い抗体またはポリペプチドを除くために、緩衝液で2回洗浄され得る。必要に応
じて、抗体は、続いて標識される。次いで、固体支持体上に結合された標識の量
が従来の手段によって検出され得る。
【0342】 「固相支持体またはキャリア」によって、抗原または抗体を結合し得る任意の
支持体を意図する。周知の支持体またはキャリアには、ガラス、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然お
よび修飾セルロース、ポリアクリルアミド、斑レイ岩、および磁鉄鉱が挙げられ
る。キャリアの性質は、本発明の目的のために、ある程度可溶性であるかまたは
不溶性のいずれかであり得る。支持体材料は、結合された分子が抗原または抗体
に結合し得る限り、実質的に任意の可能な構造的形状を有し得る。従って、支持
体の形状は、球形(ビーズのような)、または円筒形(試験管の内側表面または
棒の外側表面のような)であり得る。あるいは、表面は、シート、試験ストリッ
プなどのように平坦であり得る。好ましい支持体には、ポリスチレンビーズが挙
げられる。当業者は、抗体または抗原を結合するための多くの他の適切なキャリ
アを知っているか、または慣用的な実験の使用によってこれを確認し得る。
【0343】 所与の多くの抗TDCポリペプチド抗体またはTDC抗原ポリペプチドの結合
活性は、周知の方法に従って決定され得る。当業者は、慣用的な実験を使用する
ことによって、各決定のために、操作条件および最適のアッセイ条件を決定し得
る。
【0344】 個体から得られる生物学的サンプルにおけるTDCポリペプチドレベルまたは
ポリヌクレオチドレベルをアッセイすることに加えて、TDCポリペプチドまた
はポリヌクレオチドはまた、イメージングによってインビボで検出され得る。例
えば、本発明の1つの実施形態において、TDCポリペプチドならびに/あるい
は抗TDC抗原抗体は、B細胞リンパ種をイメージングするために使用される。
別の実施形態において、本発明のTDCポリヌクレオチド(例えば、特定のTD
C mRNAの全てまたは一部に相補的なポリヌクレオチド)ならびに/あるい
は抗TDC抗体(例えば、本発明のTDCポリペプチドのエピトープに任意の1
つまたは組合せに指向する抗体、本発明のTDCポリペプチドの立体配座エピト
ープに指向する抗体、または哺乳動物細胞の細胞表面上に発現される全長ポリペ
プチドに指向する抗体)が、疾患状態または腫瘍性細胞をイメージングするため
に使用される。
【0345】 TDCポリペプチドのインビボイメージングのための抗体標識またはマーカー
には、X線ラジオグラフィー、NMR、MRI、CAT走査またはESRによっ
て検出可能なものが挙げられる。X線ラジオグラフィーについては、適切な標識
は、検出可能な放射線を放射するが、被験体に対して明白には有害ではないバリ
ウムまたはセシウムのような放射性同位体を含む。NMRおよびESRに適切な
マーカーには、重水素のような検出可能な特徴的なスピンを有するものが含まれ
、これは、関連したハイブリドーマのための栄養素を標識することにより抗体に
取り込まれ得る。インビボイメージングが、ヒトにおける診断のためにTDCポ
リペプチドの増加したレベルを検出するために使用される場合、ヒト抗体または
「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を使用することが好適であり得る。このよ
うな抗体は、本明細書中に記載される技術またはそうでなければ当該分野で公知
の技術を使用して産生され得る。例えば、キメラ抗体を産生するための方法は、
当該分野で公知である。(総説については、Morrison,Science
229:1202(1985);Oiら、BioTechniques 4:
214(1986);Cabillyら、米国特許第4,816,567号;T
aniguchiら、EP 171496;Morrisonら、EP 173
494;Neubergerら、WO 8601533;Robinsonら、
WO 8702671;Boulianneら、Nature 312:643
(1984);Neubergerら、Nature 314:268(198
5)を参照のこと)。
【0346】 さらに、存在が検出され得る任意のTDCポリペプチドが、投与され得る。例
えば、放射線不透過性または他の適切な化合物で標識されたTDCポリペプチド
は、標識化抗体について上で議論したように、インビボで投与され、そして可視
化され得る。さらに、このようなTDCポリペプチドは、インビボ診断手順のた
めに利用され得る。
【0347】 放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過
物質、または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような、適切な検出可能なイ
メージング部分で標識された、TDCポリペプチドに特異的な抗体または抗体フ
ラグメントが、免疫系障害について試験するために、哺乳動物に(例えば、非経
口的に、皮下的に、または腹腔内に)導入される。被験体の大きさおよび使用さ
れるイメージングシステムが、診断的イメージングを生成するために必要とされ
るイメージング部分の量を決定することが、当該分野で理解される。放射性同位
体部分の場合には、ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、約5
〜20ミリキュリーの99mTcの範囲である。次いで、標識された抗体または
抗体フラグメントは、TDCタンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される
。インビボ腫瘍イメージングは、S.W.Burchielら、「Immuno
pharmacokinetics of Radiolabeled Ant
ibodies and Their Fragments」(Tumor I
maging:The Radiochemical Detection o
f Cancerの第13章、S.W.BurchielおよびB.A.Rho
des編、Masson Publishing Inc.(1982)に記載
される。
【0348】 抗体に関して、抗TDC抗体が検出可能に標識され得る方法の1つは、これを
酵素に連結し、そしてエンザイムイムノアッセイ(EIA)における連結産物を
使用することによる(Voller,A.,「The Enzyme Link
ed Immunosorbent Assay (ELISA)」,1978
,Diagnostic Horizons 2:1−7,Microbiol
ogical Associates Quarterly Publicat
ion,Walkersville,MD;Vollerら, J.Clin.
Pathol.31:507−520(1978);Butler,J.E.,
Meth.Enzymol.73:482−523(1981);Maggio
,E.(編),1980,Enzyme Immunoassay,CRC P
ress,Boca Raton,FL,;Ishikawa,E.ら,(編)
,1981,Enzyme Immunoassay,Kgaku Shoin
,Tokyo)。抗体に結合するレポーター酵素は、適切な基質、好ましくは、
発色性基質と、例えば、分光測光的手段、蛍光測定的手段、または視覚的手段に
よって検出可能な化学的部分を生成するような様式で反応する。抗体を検出可能
に標識するために使用され得るレポーター酵素には、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ
、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、δ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコール
デヒドロゲナーゼ、α−グリセロリン酸、デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸
イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパ
ラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアー
ゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グル
コアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼが挙げられるが、これらに限定
されない。さらに、この検出は、酵素に対する発色性基質を使用する比色法によ
って達成され得る。検出はまた、同様に調製された標準との比較における基質の
酵素反応の程度についての視覚的比較によって達成され得る。
【0349】 検出はまた、任意の種々の他のイムノアッセイを使用して達成され得る。例え
ば、抗体または抗体フラグメントを放射性標識することによって、ラジオイムノ
アッセイ(RIA)の使用によってTDCポリペプチドを検出し得る(例えば、
Weintraub,B.,Principles ofRadioimmun
oassays,Seventh Training Course on R
adioligand Assay Techniques,The Endo
crine Society,1986年3月を参照のこと;これは、本明細書
中で参考として援用される)。放射性同位体は、γ線計数器、シンチレーション
計数管、またはオートラジオグラフィーを含むが、これらに限定されない手段に
よって検出され得る。
【0350】 蛍光化合物で抗体を標識することがまた可能である。次いで蛍光標識された抗
体を適切な波長の光に曝露する場合、その存在が、蛍光に起因して検出され得る
。蛍光標識化合物に最も一般的に使用される化合物は、フルオレセインイソチオ
シアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシア
ニン(allophycocyanin)、オプトアルデヒド(ophtald
ehyde)およびフルオレサミンである。
【0351】 抗体はまた、152Euまたはランタン系列の他のもののような蛍光放射金属
を使用して検出可能に標識され得る。これらの金属は、ジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属
キレート化基を使用して抗体に接着され得る。
【0352】 抗体はまた、化学発光化合物に結合することによって検出可能に標識され得る
。次いで、化学発光タグ化抗体の存在は、化学反応の過程の間に生じる発光の存
在を検出することによって決定される。特に有用な化学発光標識化合物の例は、
ルミノール、イソルミノール(isoluminol)、セロマティックアクリ
ジニウムエステル(theromatic acridinium ester
)、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルがある。
【0353】 同様に、生物発光化合物が、本発明の抗体を標識するために使用され得る。生
物発光は、触媒タンパク質が化学発光反応の効率を増加する生物学的システムに
おいて見出されるタイプの化学発光である。生物発光タンパク質の存在は、発光
の存在を検出することによって決定される。標識の目的のために重要な生物発光
化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンが挙げられるが、こ
れらには限定されない。
【0354】 (疾患を検出するための方法) 一般に、疾患は、患者から得られた生物学的サンプル(例えば、血液、毛kk
性、尿、および/または腫瘍生検)中での、このようなタンパク質をコードする
本発明の1以上のTDCタンパク質および/またはポリヌクレオチドの存在に基
づいて、患者において検出され得る。すなわち、このようなタンパク質は、疾患
または障害(癌および/または本明細書中の他の箇所に記載されるようなもの)
の存在または非存在を示すためのマーカーとして使用され得る。さらに、このよ
うなタンパク質は、タンパク質の疾患よおび癌の検出のために有用であり得る。
本明細書中に提供される結合剤は、一般に、生物学的サンプル中の因子に結合す
る抗原ノレベルの検出を可能にする。ポリヌクレオチドプライマーおよびプロー
ブは、TDCポリペプチドをコードするmRNAのレベルを検出するために使用
され得、これはまた、疾患または障害(癌を含む)の存在または非存在を示す。
一般に、TDCポリペプチドは、正常な組織より疾患状態の組織において、少な
くとも3倍高いレベルで存在すべきである。
【0355】 サンプル中のポリペプチドマーカーを検出するための結合因子の使用のために
、当業者に公知の種々のアッセイ形式が存在する。例えば、Harlowおよび
Lane,前出を参照のこと。一般に、患者における疾患の存在または非存在は
、(a)患者から得られた生物学的サンプルを、結合因子と接触すること;(b
)このサンプル中の、結合因子に結合するポリペプチドのレベルを検出すること
;および(c)ポリペプチドのこのレベルを、予め決定されたカットオフ値と比
較すること、によって決定され得る。
【0356】 好ましい実施形態において、このアッセイは、このサンプルの残りから本発明
のTDCポリペプチドを結合し、そして除去するために、固体支持体上に固定さ
れた結合因子の使用を含む。次いで、この結合したポリペプチドは、レポーター
基を含む検出試薬を使用して検出され得、そして結合因子/ポリペプチド複合体
に特異的に結合する。このような検出試薬は、例えば、ポリペプチドまたは抗体
、あるいは結合因子に特異的に結合する他の因子(例えば、抗免疫グロブリン、
プロテインG、プロテインAまたはレクチン)に特異的に結合する結合因子を含
み得る。あるいは、競合アッセイが使用され得、ここで、ポリペプチドはレポー
ター基で標識され、サンプルとこの結合因子のインキュベーション後に、固定さ
れた結合因子に結合される。このサンプルの成分が、結合因子への標識されたポ
リペプチドの結合を阻害する程度は、このサンプルと固定された結合因子の反応
性の表示である。このようなアッセイにおける使用のための適切なポリペプチド
としては、TDCポリペプチドおよびその部分、または抗体が挙げられ、これに
対して結合因子が上記のように結合する。
【0357】 固体支持体は、当業者に公知の任意の材料であり得、これに対して本発明のT
DCポリペプチドが結合され得る。例えば、この固体支持体は、マイクロタイタ
ープレート中の試験ウェル、またはニトロセルロース、あるいは他の適切な膜で
あり得る。あるいは、この固体支持体は、ビーズまたはディスク(例えば、グラ
スファイバーガラス)、ラテックスまたはプラスチック材料(例えば、ポリスチ
レンまたはポリビニルクロリド)であり得る。この支持体はまた、例えば米国特
許第5,359,681号で開示されるような、磁気粒子または光ファイバーセ
ンサであり得る。この結合因子は、当業者に公知の種々の技術を使用して固体支
持体に固定され得、これはこの特許および科学文献に十分に記載されている。本
発明の状況において、用語「固定化」とは、非共有結合性の会合(例えば、吸着
)および共有結合(これは、この因子と固体支持体上の官能基との間の直接連結
であり得るか、または架橋剤を介する連結であり得る)の両方をいう。マイクロ
タイタープレート中のウェルまたは膜への吸着による固定化は、好ましい。この
ような場合において、吸着は、結合因子を、適切な緩衝液中で適切な時間この固
体支持体と接触することによって達成され得る。この接触時間は、温度で変化す
るが、典型的には約1時間と約1日との間である。一般に、マイクロタイタープ
レート(例えば、ポリスチレンまたはポリビニルクロリド)のウェルと、約10
ng〜約10μg、好ましくは約100ng〜約1μgの範囲の一定量の結合因
子との接触は、適切な量の結合因子を固定化するのに十分である。
【0358】 結合因子の固体支持体への共有結合は、一般に、最初にこの支持体と、この支
持体および結合因子上の官能基(例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基)の両
方と反応する二官能性試薬とを反応させることによって達成され得る。例えば、
この結合因子は、ベンゾキノンを用いてか、またはアミンを含む支持体上のアル
デヒド基とこの結合パートナーの活性水素との縮合によって、適切なポリマーコ
ーティングを有する支持体に共有結合され得る(例えば、Pierce Imm
unotechnology Catalog and Handbook,1
991,A12−A13を参照のこと)。
【0359】 (遺伝子治療方法) 本発明の別の局面は、障害、疾患、および状態を処置または予防するための遺
伝子治療方法に関する。この遺伝子治療法は、本発明のポリペプチドの発現を達
成するために、核酸(DNA、RNA、およびアンチセンスDNAまたはRNA
)配列を動物へ導入することに関する。この方法は、プロモーター、および標的
組織によるこのポリペプチドの発現のために必要な任意の他の遺伝的エレメント
に作動可能に連結された、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
を必要とする。このような遺伝子治療および送達の技術は、当該分野で公知であ
り、例えば、本明細書中に参考として援用されるWO90/11092を参照の
こと。
【0360】 従って、例えば、患者由来の細胞は、エキソビボで本発明のポリヌクレオチド
に作動可能に連結されたプロモーターを含むポリヌクレオチド(DNAまたはR
NA)を用いて操作され得、この操作された細胞は次いで、本発明のポリペプチ
ドで処置されるべき患者に提供される。このような方法は、当該分野で周知であ
る。例えば、Belldegrun,A.ら,J.Natl.Cancer I
nst.,85:207−216(1993);Ferrantini,M.ら
,Cancer Research,53:1107−1112(1993);
Ferrantini,M.ら,J.Immunology 153:4604
−4615(1994);Kaido,T.ら,Int.J.Cancer 6
0:221−229(1995);Ogura,H.ら,Cancer Res
earch 50:5102−5106(1990);Santodonato
,L.ら,Human Gene Therapy 7:1−10(1996)
;Santodonato,L.ら,Gene Therapy 4:1246
−1255(1997);およびZhang,J.−F.ら,Cancer G
ene Therapy 3:31−38(1996)を参照のこと。これらの
文献は、本明細書中に参考として援用される。1つの実施形態では、操作される
細胞は、動脈細胞である。この動脈細胞は、動脈、動脈周囲の組織への直接注射
によって、またはカテーテル注射によって患者に再度導入され得る。
【0361】 以下でより詳細に考察するように、このポリヌクレオチド構築物は、注射可能
な物質を動物の細胞へ送達する任意の方法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、
肺、肝臓など)の間隙空間への注射)によって送達され得る。このポリヌクレオ
チド構築物は、薬学的に受容可能な液体または水性キャリアにて送達され得る。
【0362】 1つの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、裸のポリヌクレオチドと
して送達される。用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAは、細胞
への侵入を補助、促進または容易にするように作用するいかなる送達ビヒクル(
ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチン、または沈殿
剤などを含む)も含まない配列をいう。しかし、本発明のポリヌクレオチドはま
た、リポソーム処方物中で送達され得、そしてリポフェクチン処方物などは、当
業者に周知の方法によって調製され得る。このような方法は、例えば、本明細書
中に参考として援用される、米国特許第5,593,972号、同第5,589
,466号および同第5,580,859号に記載される。
【0363】 遺伝子治療方法において使用されるポリヌクレオチドベクター構築物は、好ま
しくは、宿主ゲノムに組み込まれず、複製を可能にする配列を含まない、構築物
である。適切なベクターとしては、Stratageneから入手可能なpWL
NEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;Pharmac
iaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL;ならびに
Invitrogenから入手可能なpEF1/V5、pcDNA3.1、およ
びpRc/CMV2が挙げられる。他の適切なベクターは、当業者に容易に明白
である。
【0364】 当業者に公知の任意の強力なプロモーターは、このポリヌクレオチド配列の発
現を駆動するために用いられ得る。適切なプロモーターとしては、アデノウイル
スプロモーター(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター);または異種
プロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター);RS
ウイルス(RSV)プロモーター;誘導性プロモーター(例えば、MMTプロモ
ーター、メタロチオネインプロモーター);熱ショックプロモーター;アルブミ
ンプロモーター;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウイル
スチミジンキナーゼプロモーター(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼプロ
モーター);レトロウイルスLTR;b−アクチンプロモーター;およびヒト成
長ホルモンプロモーターが挙げられる。このプロモーターはまた、本発明のポリ
ヌクレオチドについてネイティブなプロモーターであり得る。
【0365】 他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入する1つの主
要な利点は、その細胞におけるポリヌクレオチド合成の一過性の性質である。研
究によって、非複製DNA配列が細胞に導入されて、6ヶ月までの期間の間、所
望のポリペプチドの産生を提供し得ることが示された。
【0366】 このポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、
脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸
、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を包含する)の間
隙空間に送達され得る。この組織の間隙空間は、器官組織の細網線維間の、細胞
間の液体ムコ多糖類基質、血管または室の壁における弾性線維、線維性組織のコ
ラーゲン線維、あるいは結合組織鞘性筋肉細胞(connective tis
sue ensheathing muscle cell)内または骨の裂孔
中の同じ基質を包含する。これは、同様に、循環の血漿およびリンパチャンネル
のリンパ液により占められた空間である。筋肉組織の間隙空間への送達は、以下
で議論される理由のために好ましい。本発明のポリヌクレオチド構築物は、これ
らの細胞を含む組織への注射によって、好都合に送達され得る。本発明のポリヌ
クレオチド構築物は、好ましくは、分化した持続性の非***細胞に送達され、そ
してその細胞において発現されるが、送達および発現は、非分化細胞または完全
には分化していない細胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚線維芽細胞)におい
て達成され得る。インビボでの筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み、そし
て発現する能力において、特に適格である。
【0367】 裸の核酸配列注射のために、DNAまたはRNAの有効投薬量は、約0.05
mg/kg体重から約50mg/kg体重の範囲にある。好ましくは、この投薬
量は、約0.005mg/kgから約20mg/kgであり、そしてより好まし
くは約0.05mg/kgから約5mg/kgである。もちろん、当業者が認識
するように、この投薬量は、注射の組織部位に応じて変化する。核酸配列の適切
かつ有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして処置される状態
および投与経路に依存し得る。
【0368】 好ましい投与経路は、組織の間隙空間への非経口注射経路による。しかし、他
の非経口経路もまた用いられ得、これには、例えば、特に、肺または気管支の組
織、咽喉または鼻の粘膜への送達のためのエアロゾル処方物の吸入が挙げられる
。さらに、裸のDNA構築物が、血管形成術の間にこの手順において用いられる
カテーテルによって動脈に送達され得る。
【0369】 裸のポリヌクレオチドは、送達部位での直接の針注射、静脈内注射、局所投与
、カテーテル注入、およびいわゆる「遺伝子銃」を含むがこれらに限定されない
、当該分野で公知の任意の方法によって送達される。これらの送達方法は、当該
分野で公知である。
【0370】 この構築物はまた、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフ
ェクチン、沈殿剤などのような送達ビヒクルを用いて送達され得る。このような
送達方法は、当該分野で公知である。
【0371】 特定の実施形態において、このポリヌクレオチド構築物は、リポソーム調製物
中で複合体化している。本発明にて使用するためのリポソーム調製物は、カチオ
ン性(正に荷電した)、アニオン性(負に荷電した)および中性の調製物を包含
する。しかしながら、カチオン性リポソームとポリアニオン性核酸との間で強固
な荷電複合体を形成し得るので、カチオン性リポソームが特に好ましい。カチオ
ン性リポソームは、機能的形態において、プラスミドDNA(本明細書中で参考
として援用される、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA(1987)84:7413−7416);mRNA(本明細書中で参
考として援用される、Maloneら、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA(1989)86:6077−6081);および精製された転写因子
(本明細書中で参考として援用される、Debsら、J.Biol.Chem.
(1990)265:10189−10192)の細胞内送達を媒介することが
示されている。
【0372】 カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジ
オレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTM
A)リポソームは特に有用であり、そして登録商標Lipofectinのもと
にGIBCO BRL,Grand Island,N.Y.(本明細書中で参
考として援用される、Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA(1987)84:7413〜7416もまた参照のこと、)より入
手可能である。他の市販のリポソームとしては、トランスフェクテース(tra
nsfectace)(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(B
oehringer)が挙げられる。
【0373】 当該分野で周知の技術を使用して、他のカチオン性リポソームを、容易に入手
可能な物質より調製し得る。DOTAP(1,2−ビス(オレオイルオキシ)−
3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記述に関して、例
えばPCT公開第WO 90/11092号(本明細書中で参考として援用され
る)を参照のこと。DOTMAリポソームの調製は文献にて説明されており、例
えば、本明細書中で参考として援用される、P.Felgnerら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、84:7413〜7417を参照のこと
。類似した方法を使用して、他のカチオン性脂質物質よりリポソームを調製し得
る。
【0374】 同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avant
i Polar Lipids(Birmingham,Ala.)から容易に
入手可能であり、または容易に入手可能な物質を使用して簡単に調製され得る。
そのような物質としてはとりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホ
スファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC
)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホス
ファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。これらの物質はまた、
DOTMA出発物資およびDOTAP出発物質と適切な割合において混合され得
る。これらの物質を使用してリポソームを生成する方法は、当該分野で周知であ
る。
【0375】 例えば、商業的に、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレ
オイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファ
チジルエタノールアミン(DOPE)を種々の組み合わせにおいて使用し、コレ
ステロールを添加してもしなくても、従来のリポソームを生成し得る。従って、
例えば、超音波処理バイアル中への窒素ガス流下で、DOPGおよびDOPCの
各50mgを乾燥することにより、DOPG/DOPC小胞を調製し得る。この
サンプルを一晩真空ポンプ下に置き、そして次の日、脱イオン水で水和する。次
いで、浴が、15ECで循環している間、最大設定にて、逆位カップ(浴タイプ
)プローブを装備したHeat Systems モデル350超音波処理器を
使用して、このサンプルを栓をしたバイアル中にて2時間超音波処理する。ある
いは、負に荷電した小胞を、超音波処理なしで調製して多重膜小胞を生成し得る
か、または核孔膜(nucleopore membrane)を通して押し出
すことにより別々の大きさの単膜小胞を生成し得る。他の方法は、当業者に公知
でありそして利用可能である。
【0376】 このリポソームとしては、多重膜リポソーム(MLV)、小さな単膜リポソー
ム(SUV)または大きな単膜リポソーム(LUV)が挙げられ得、SUVが好
ましい。当該分野で周知の方法を使用して、種々のリポソーム−核酸複合体が調
製される。例えば、本明細書中で参考として援用される、Straubinge
rら、Methods of Immunology(1983)、101:5
12〜527を参照のこと。例えば、核酸を含有するMLVは、ガラスチューブ
の壁面にリン脂質の薄膜を堆積させ、そしてその後、カプセル化されるべき物質
の溶液で水和することによって調製され得る。SUVはMLVの長期超音波処理
により調製され、単膜リポソームの均質集団を生成する。封入されるべき物質を
、予め形成されたMLVの懸濁液に添加し、次いで、超音波処理する。カチオン
性脂質を含むリポソームを使用する場合、乾燥した脂質膜を、滅菌水または10
mM Tris/NaClのような等張性緩衝溶液のような適切な溶液中に再懸
濁し、超音波処理し、次いで、予め形成されたリポソームをDNAと直接混合す
る。正に荷電したリポソームのカチオン性DNAへの結合に起因して、リポソー
ムおよびDNAは非常に安定な複合体を形成する。SUVは、小核酸フラグメン
トを用いての用途を見出す。LUVは、当該分野で周知の多くの方法により調製
される。一般に使用される方法としては、Ca2+−EDTAキレート化(Pa
pahadjopoulosら、Biochim.Biophys.Acta(
1975)394:483;Wilsonら、Cell(1979)17:77
);エーテル注入(Deamer,D.およびBangham,A.、Bioc
him.Biophys.Acta(1976)443:629;Ostroら
、Biochem.Biophys.Res.Commum.(1977)76
:836;Fraleyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(
1979)76:3348);界面活性剤透析(Enoch,H.およびStr
ittmatter,P.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(
1979)76:145);および逆相エバポレーション(REV)(Fral
eyら、J.Biol.Chem.(1980)255:10431;Szok
a,F.およびPapahadjopoulos,D.、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA(1978)75:145;Schaefer−Ri
dderら、Science(1982)215:166)が挙げられ、これら
の文献は本明細書中で参考として援用される。
【0377】 一般に、DNAのリポソームに対する割合は約10:1から約1:10までで
ある。好ましくは、その割合(ration)は約5:1から約1:5までであ
る。より好ましくは、その割合は約3:1から約1:3までである。さらにより
好ましくは、その割合は約1:1である。
【0378】 米国特許第5,676,954号(本明細書中で参考として援用される)はカ
チオン性リポソームキャリアと複合体化された遺伝物質のマウスへの注入につい
て報告する。米国特許第4,897,355号、同第4,946,787号、同
第5,049,386号、同第5,459,127号、同第5,589,466
号、同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,
055号および国際公開第WO94/9469号(これらは本明細書中で参考と
して援用される)は、DNAを細胞および哺乳動物にトランスフェクトする際に
使用するためのカチオン性脂質を提供する。米国特許第5,589,466号、
同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,05
5号および国際公開第WO94/9469号(これらは本明細書中で参考として
援用される)は、DNA−カチオン性脂質複合体を哺乳動物に送達する方法を提
供する。
【0379】 特定の実施形態において、本発明のポリペプチドをコードする配列を含むRN
Aを含むレトロウイルス粒子を使用して、エキソビボまたはインビボで細胞を操
作する。レトロウイルスプラスミドベクターを誘導し得るレトロウイルスとして
は、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、
ハーベイ肉腫ウイルス、ニワトリ白血病ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、
ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳癌ウイルスが挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0380】 このレトロウイルスプラスミドベクターを使用して、パッケージング細胞株を
形質導入し、プロデューサー細胞株を形成する。トランスフェクトされ得るパッ
ケージング細胞株の例としては、その全体が本明細書中で参考として援用される
、Miller、Human Gene Theapy、1:5〜14(199
0)にて記載されるようなPE501、PA317、R−2、R−AM、PA1
2、T19−14X、VT−19−17−H2、RCRE、RCRIP、GP+
E−86、GP+envAm12およびDAN細胞株が挙げられるが、これらに
限定されない。このベクターは、当該分野で公知の任意の手段により、パッケー
ジング細胞を形質導入し得る。そのような手段としては、エレクトロポレーショ
ン、リポソームの使用、およびCaPO沈殿が挙げられるが、それらに限定さ
れない。1つの代替法において、このレトロウイルスプラスミドベクターをリポ
ソームにカプセル化するか、または脂質に結合して、次いで宿主に投与し得る。
【0381】 このプロデューサー細胞株は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドを含む感染性レトロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、そのよう
なレトロウイルスベクター粒子を使用して、インビトロまたはインビボのどちら
かにおいて、真核生物細胞を形質導入し得る。この形質導入された真核生物細胞
は、本発明のポリペプチドを発現する。
【0382】 特定の他の実施形態において、アデノウイルスベクター中に含まれるポリヌク
レオチドを用いて、エキソビボまたはインビボで細胞を操作する。アデノウイル
スは、それが本発明のポリペプチドをコードし、そして発現し、それと同時に通
常の溶解性ウイルス生活環にて複製するその能力に関して不活性化されるように
操作され得る。アデノウイルス発現は、そのウイルスDNAの宿主細胞染色体へ
の組み込み無しに達成され、その結果、挿入性変異誘発についての心配が軽減さ
れる。さらに、アデノウイルスは、何年もの間、腸の生ワクチンとして優れた安
全側面を伴って使用されている(Schwartzet,A.R.ら(1974
)Am.Rev.Respir.Dis.、109:233−238)。最終的
に、アデノウイルス媒介性遺伝子移入が、コトンラットの肺へのα−1−アンチ
トリプシンおよびCFTRの移入を含む多くの例において実証されている(Ro
senfeld,M.A.ら(1991)Science、252:431−4
34;Rosenfeldら(1992)Cell、68:143−155)。
さらに、ヒト癌における原因物質としてアデノウイルスを確立しようとする広範
な研究は、一様に否定的であった(Green,M.ら(1979)Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 76:6606)。
【0383】 本発明において有用である適切なアデノウイルスベクターが、例えば、Koz
arskyおよびWilson、Curr.Opin.Genet.Devel
.、3:499〜503(1993);Rosenfeldら、Cell、68
:143〜155(1992);Engelhardtら、Human Gen
et.Ther.、4:759〜769(1993);Yangら、Natur
e Genet、7:362〜369(1994);Wilsonら、Natu
re、365:691〜692(1993);および米国特許第5,652,2
24号に記載されており、これらは本明細書中で参考として援用される。例えば
、アデノウイルスベクターAd2が有用であり、そしてヒト293細胞にて増殖
され得る。これらの細胞は、アデノウイルスのE1領域を含み、そして構成的に
ElaおよびElbを発現し、このことは、このベクターから欠失している遺伝
子の産物を提供することによって欠損アデノウイルスを補完する。Ad2に加え
て、他の多様なアデノウイルス(例えば、Ad3、Ad5、およびAd7)もま
た、本発明において有用である。
【0384】 好ましくは、本発明において使用されるアデノウイルスは、複製欠損性である
。複製欠損アデノウイルスは、感染性粒子を形成するために、ヘルパーウイルス
および/またはパッケージング細胞株の助けを必要とする。得られたウイルスは
、細胞に感染する能力があり、そしてプロモーターに作動可能に連結された目的
のポリヌクレオチドを発現し得るが、ほとんどの細胞にて複製し得ない。複製欠
損アデノウイルスは、次の遺伝子:E1a、E1b、E3、E4、E2aまたは
L1からL5までのすべてまたは一部のうちの1つ以上にて欠失され得る。
【0385】 特定の他の実施形態において、アデノ随伴ウイルス(AAV)を使用して、エ
キソビボまたはインビボでこの細胞を操作する。AAVは、感染性粒子を生成す
るためにヘルパーウイルスを必要とする、天然に存在する欠損ウイルスである(
Muzyczka,N.、Curr.Topics in Microbiol
.Immunol.158:97(1992))。AAVはまた、非***細胞の
中にそのDNAを組み込み得る数少ないウイルスの中の1つである。300塩基
対程度の小さいAAVを含むベクターがパッケージされ得、そして組み込み得る
が、外来性DNAのためのスペースは約4.5kbに限られる。そのようなAA
Vの生成および使用の方法は当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,1
39,941号、同第5,173,414号、同第5,354,678号、同第
5,436,146号、同第5,474,935号、同第5,478,745号
および同第5,589,377号を参照のこと。
【0386】 例えば、本発明において使用するために適切なAAVベクターは、DNA複製
、キャプシド形成、および宿主細胞組み込みに必要な配列すべてを含む。Sam
brookら、Molecular Cloning:A Laborator
y Manual、Cold Spring Harbor Press(19
89)において見出される方法のような、標準的クローニング方法を使用して、
このポリヌクレオチド構築物を、このAAVベクターに挿入する。次いで、リポ
フェクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿などを含む、任
意の標準的技術を使用して、この組換えAAVベクターを、ヘルパーウイルスに
感染しているパッケージング細胞にトランスフェクトする。適切なヘルパーウイ
ルスとしては、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ワクシニアウイルス、
またはヘルペスウイルスが挙げられる。一旦パッケージング細胞がトランスフェ
クトおよび感染されると、それらはこのポリヌクレオチド構築物を含む感染性A
AVウイルス粒子を生成する。次いで、エキソビボまたはインビボのいずれかで
、これらのウイルス粒子を使用して真核生物細胞を形質導入する。この形質導入
細胞は、そのゲノムに組み込まれたポリヌクレオチド構築物を含み、そして本発
明のポリペプチドを発現する。
【0387】 遺伝子治療の別の方法は、相同組換え(例えば、米国特許第5,641,67
0号、1997年6月24日発行;国際公開第WO96/29411号、199
6年9月26日公開;国際公開第WO94/12650号、1994年8月4日
公開;Kollerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86
:8932〜8935(1989);およびZijlstraら、Nature
、342:435〜438(1989)を参照のこと)を介して、異種制御領域
および内在性ポリヌクレオチド配列(例えば、本発明のポリペプチドをコードし
ている配列)を作動可能に連結する工程を含む。この方法は、標的細胞中に存在
しているが、通常はその細胞中で発現しないかまたは所望するよりも低いレベル
で発現する、遺伝子の活性化を含む。
【0388】 当該分野で既知の標準的技術を使用して、ポリヌクレオチド構築物を作製する
。この構築物は、プロモーターを、そのプロモーターに隣接した標的化配列とと
もに含む。適切なプロモーターが、本明細書中に記載されている。標的化配列は
、内在性配列に対して十分に相補的であり、プロモーター−標的化配列と内在性
配列との相同組換えを可能にする。標的化配列は、所望される内在性ポリヌクレ
オチド配列の5’末端の十分近くに存在し、それゆえ、相同組換えに際して、プ
ロモーターは、内在性配列に作動可能に連結される。
【0389】 このプロモーターおよび標的化配列は、PCRを使用して増幅され得る。好ま
しくは、この増幅されたプロモーターは、5’末端および3’末端に別の制限酵
素部位を含む。好ましくは、第1の標的化配列の3’末端は、増幅されたプロモ
ーターの5’末端と同じ制限酵素部位を含み、そして第2の標的化配列の5’末
端は、増幅されたプロモーターの3’末端と同じ制限部位を含む。増幅されたプ
ロモーターおよび標的化配列を消化し、そしてともに連結する。
【0390】 裸のポリヌクレオチドとしてか、もしくは上記により詳細に記載されるような
リポソーム、ウイルス配列、ウイルス粒子、ウイルス全体、リポフェクション、
沈殿剤などのようなトランスフェクション促進剤と一緒にかのいずれかで、この
プロモーター−標的化配列構築物を細胞に送達する。直接針注射、静脈内注射、
局所投与、カテーテル注入、粒子加速器などを含む任意の方法により、Pプロモ
ーター−標的化配列を送達し得る。この方法を、下記により詳細に記載する。
【0391】 プロモーター−標的化配列構築物は、細胞により取り込まれる。この構築物と
内在性配列との間に相同組換えが起こり、その結果、内在性配列は、このプロモ
ーターの制御下に配置される。次いで、このプロモーターは、内在性配列の発現
を駆動する。
【0392】 好ましくは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、そのタ
ンパク質の分泌を促進する分泌シグナル配列を含む。代表的に、このシグナル配
列は、ポリヌクレオチドのコード領域の5’末端に向かってかまたは5’末端で
発現される、そのポリヌクレオチドのコード領域に位置する。このシグナル配列
は、目的のポリヌクレオチドに対して同種または異種であり得、そしてトランス
フェクトされる細胞に対して同種または異種であり得る。さらに、当該分野で公
知の方法を使用して、このシグナル配列は化学合成され得る。
【0393】 その投与形態によって、治療効果を提供するのに十分な量にて1つ以上の分子
が発現される限り、上記のポリヌクレオチド構築物のうちのいずれかの任意の投
与形態が使用され得る。これは、直接針注射、全身注射、カテーテル注入、バイ
オリスティック(biolistic)注射器、粒子加速器(すなわち、「遺伝
子銃」)、ゲルフォームスポンジデポー(depot)、他の市販デポー(de
pot)物質、浸透圧ポンプ(例えば、Alzaミニポンプ)、経口用または坐
剤用の固形(錠剤または丸剤)薬学的処方物、および手術中のデカンティングま
たは局所適用を含む。例えば、ラット肝臓およびラット脾臓へのリン酸カルシウ
ム沈澱した裸のプラスミドの直接注射、または門脈へのタンパク質被覆プラスミ
ド直接注射は、ラット肝臓における外来遺伝子の遺伝子発現をもたらした(Ka
nedaら、Science、243:375(1989))。
【0394】 局所投与の好ましい方法は、直接注射によるものである。好ましくは、送達ビ
ヒクルと複合体を形成した本発明の組換え分子は、動脈領域内部に直接注射によ
り投与されるか、または動脈領域内部に局所投与される。動脈領域内部での組成
物の局所投与とは、その組成物を動脈内に数センチメートル、好ましくは数ミリ
メートルで注射することを言う。
【0395】 局所投与の別の方法は、外科的創傷内またはその周辺に本発明のポリヌクレオ
チド構築物を接触させることである。例えば、患者は手術を経験し得、そしてこ
のポリヌクレオチド構築物を創傷内部の組織表面上に被覆され得るか、またはそ
の構築物を創傷内部の組織領域に注射され得る。
【0396】 全身投与に有用な治療組成物は、本発明の標的化された送達ビヒクルと複合体
を形成した本発明の組換え分子を含む。全身投与で使用するために適切な送達ビ
ヒクルは、特定部位に対してそのビヒクルを標的化するリガンドを含むリポソー
ムを含む。
【0397】 全身投与の好ましい方法としては、静脈内注射、エアロゾル、経口および経皮
(局所的)送達が挙げられる。当該分野で標準的な方法を使用して、静脈内注射
が実行され得る。当該分野で標準的な方法を使用して、エアロゾル送達もまた実
行され得る(例えば、本明細書中で参考として援用される、Stribling
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 189:11277〜1
1281、1992を参照のこと)。動物の腸内の消化酵素による分解に耐える
能力をもつキャリアに対して本発明のポリヌクレオチド構築物が複合体を形成す
ることにより、経口送達は実行され得る。そのようなキャリアの例としては、当
該分野で公知であるもののような、プラスチックカプセルまたは錠剤が挙げられ
る。皮膚内へ通過可能な親油性試薬(例えば、DMSO)と本発明のポリヌクレ
オチド構築物を混合することによって、局所的送達は実行され得る。
【0398】 送達される物質の有効量を決定することは、例えば、その物質の化学構造およ
び生物学的活性、動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な状態およびそ
の重症度、ならびに投与経路を含む、多数の因子に依存し得る。処置の頻度は、
1用量あたりの投与されるポリヌクレオチド構築物の量ならびに被験体の健康お
よび病歴のような多くの因子に依存する。正確な量、投薬回数および投薬のタイ
ミングは、主治医または主治獣医により決定される。
【0399】 本発明の治療的組成物は、任意の動物に、好ましくは哺乳動物および鳥類に投
与され得る。好ましい哺乳動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、マウス、ラット、
ウサギ、ヒツジ、ウシ、ウマおよびブタが挙げられ、特ヒトが好ましい。
【0400】 (生物学的活性) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストをアッセイに使用し、1つ以上の生物学的活性について試験し得
る。これらのポリヌクレオチドまたはポリペプチド、あるいは本発明のアゴニス
トまたはアンタゴニストが特定のアッセイにおいて活性を示す場合、これらの分
子はその生物学的活性に関連した疾患に関与し得るようである。従って、このポ
リヌクレオチドおよびポリペプチド、ならびにアゴニストもしくはアンタゴニス
トを使用し、関連した疾患を処置し得る。
【0401】 タンパク質のTDCファミリーのメンバーは、胃腸粘膜の完全性の維持または
修復に関連する生物学的活性に関与すると考えられる。従って、本発明の組成物
(本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗体、ならびにそのフラグ
メントおよび改変体を含む)は、胃腸粘膜の完全性の維持および修復に関連する
疾患および/または障害の診断、検出および/または処置において使用され得る
。好ましい実施形態において、本発明の組成物(本発明のポリヌクレオチド、ポ
リペプチド、および抗体、ならびにそのフラグメントおよび改変体を含む)は、
胃腸の障害(例えば、潰瘍、腸管の疾患、および/または以下の「胃腸の疾患お
よび/または障害」に記載されるもの)、免疫系障害(例えば、炎症性障害、自
己免疫障害、および/または以下の「免疫活性」に記載されるもの)、組織治癒
障害、感染性疾患(例えば、以下の「感染性疾患」に記載されるもの)、および
過剰増殖障害(例えば、以下の「過剰増殖障害」に記載されるもの)に関連する
疾患および/または障害の診断、検出、および/または処置において使用され得
る。従って、本発明のポリヌクレオチド、翻訳産物および抗体は、胃腸障害、潰
瘍、腸管の疾患、免疫系障害、炎症性障害、自己免疫障害、組織治癒障害、感染
性障害、および過剰増殖障害が挙げられるがこれらに限定されない活性に関連す
る疾患および/または障害の診断、検出、および/または処置において使用され
る。
【0402】 より一般的には、この遺伝子に対応するポリヌクレオチド、翻訳産物および抗
体は、以下の系に関連する疾患および/または障害の診断、検出および/または
処置のために有用であり得る。
【0403】 (免疫活性) 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、例えば、免疫細胞の増殖、分化、もしくは動員(走
化性)を活性化または阻害することにより、免疫系の疾患、障害および/または
状態を、処置、予防、診断、および/または予後判定するのに有用であり得る。
免疫細胞は、造血と呼ばれるプロセスを介して発達し、多能性幹細胞から骨髄性
細胞(血小板、赤血球、好中球およびマクロファージ)およびリンパ系細胞(B
リンパ球およびTリンパ球)を生成する。これら免疫疾患、障害および/または
状態の病因は、遺伝的、身体的(somatic)(例えば、癌またはいくつか
の自己免疫性障害)、後天的(例えば、化学療法もしくは毒素による)または感
染的であり得る。さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、特定の免疫系の疾患または
障害のマーカーまたは検出物質(detector)として使用され得る。
【0404】 別の実施形態において、本発明のポリペプチド、またはこのポリペプチドに対
応するポリヌクレオチド、抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストは、免疫系
の疾患および障害を処置するために、そして/または本発明のポリペプチドが発
現される組織(表3、第2列(ライブラリーコード)に開示される1、2、3、
4、5、またはそれ以上の組織を含む)に関する細胞によって生成される免疫応
答を阻害または増大するために、使用され得る。
【0405】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、免疫不全(先天性および後天性の免疫不全の両方を
含む)の処置、予防、診断、および/または予後判定において有用であり得る。
免疫グロブリンレベルB細胞機能および/またはB細胞数が減少するB細胞免疫
不全の例としては、以下が挙げられる:X連鎖無ガンマグロブリン血症(Bru
ton病)、X連鎖乳児無ガンマグロブリン血症、過剰のIgMを伴うX連鎖免
疫欠損、過剰のIgMを伴う非X連鎖免疫欠損、X連鎖リンパ球増殖症候群(X
LP)、先天性および後天性の無ガンマグロブリン血症を含む無ガンマグロブリ
ン血症、成人発症無ガンマグロブリン血症、後期発症無ガンマグロブリン血症、
異常ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症、非特異的低ガンマグロブ
リン血症、退縮無ガンマグロブリン血症(Swiss型)、選択的IgM欠損、
選択的IgA欠損、、選択的IgGサブクラス欠損(IgA欠損を伴うかまたは
伴わない)、増加したIgMを伴うIg欠損、増加したIgMを伴うIgGおよ
びIgA欠損、正常または上昇したIgを伴う抗体欠損、Ig重鎖欠損、κ鎖欠
損、B細胞リンパ球増殖性障害(BLPD)、分類不能型免疫不全(CVID)
、分類不能型免疫不全(CVI)(後天性)、および一過性乳児低ガンマグロブ
リン血症。
【0406】 特定の実施形態において、毛細血管拡張性運動失調または毛細血管拡張性運動
失調に関連する状態は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド、および
/あるいはそのアゴニストまたはアンタゴニストを使用して処置、予防、診断、
および/あるいは予後判定される。
【0407】 T細胞および/またはB細胞の機能および/または数が減少する先天性免疫不
全の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:DiGeorge
奇形、重症複合型免疫不全(SCID)(X連鎖SCID、常染色体退縮SCI
D、アデノシンデアミナーゼ欠損、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP
)欠損、クラスII MHC欠損(不全リンパ球症候群)、ヴィスコット−オー
ルドリッチ症候群、および毛細血管拡張性運動失調が挙げられるがこれらに限定
されない)、胸腺発育不全、第3および第4咽頭嚢症候群、22q11.2欠損
、慢性粘膜皮膚カンジダ症、ナチュラルキラー細胞欠損(NK)、特発性CD4
+ T−リンパ球減少、顕著なT細胞欠損を伴う免疫欠損(不特定)、および細
胞媒介免疫の不特定の免疫欠損。
【0408】 特定の実施形態において、DiGeorge奇形またはDiGeorge奇形
に関する状態は、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド、あるいはその
アンタゴニストまたはアゴニストを使用して処置、予防、診断、および/または
予後判定される。
【0409】 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド、および/あるいはそのアゴニ
ストまたはアンタゴニストを使用して処置、予防、診断、および/または予後判
定され得る他の免疫不全としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:
慢性肉芽腫症、チェディアック−東症候群、ミエロペルオキシダーゼ欠損、白血
球グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ欠損、X連鎖リンパ球増殖症
候群(XLP)、白血球接着不全、補体成分欠損(C1、C2、C3、C4、C
5、C6、C7、C8および/またはC9欠損を含む)、細網発育不全、胸腺リ
ンパ形成不全−発育不全、胸腺腫を伴う免疫欠損、重篤な先天性白血球減少症、
免疫欠損を伴う形成異常、新生児好中球減少、短肢小人症、およびIgを伴うネ
ゼロフ症候群−複合免疫欠損。
【0410】 好ましい実施形態において、上記に列挙される免疫欠損および/または免疫欠
損に関連する状態は、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および
/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを使用して、処置、予防、診断、お
よび/または予後判定される。
【0411】 好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体
、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、免疫不全個体の間の免
疫応答性をブーストするための因子として使用され得る。特定の実施形態におい
て、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニス
トもしくはアンタゴニストは、B細胞および/またはT細胞免疫不全個体の間の
免疫応答性をブーストするための因子として使用され得る。
【0412】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストはまた、自己免疫障害の処置、予防、診断および/または
予測において、有用であり得る。多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって外来
性物質として不適切に自己認識することから生じる。この不適切な認識は、宿主
組織の破壊をもたらす免疫応答を引き起こす。従って、免疫応答、特にT細胞の
増殖、分化または走化性を阻害し得る本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドの投与は、自己免疫障害の防止において効果的な治療であり得る。
【0413】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストによって処置、予防、診断および/または予測され得る
自己免疫疾患および障害の例としては、以下の1つ以上が挙げられるがこれらに
限定されない:全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎、多
発性硬化症、自己免疫甲状腺炎、橋本甲状腺炎、自己免疫溶血性貧血、溶血性貧
血、血小板減少症、自己免疫血小板減少性紫斑症、自己免疫新生児血小板減少症
、特発性血小板減少性紫斑病、紫斑(例えば、ヘノッホ−シェーンライン(He
nloch−Scoenlein)紫斑病)、自己免疫性血球減少症、グッドパ
スチャー症候群、尋常性類天疱瘡、重症筋無力症、グレーヴス病(甲状腺機能低
下症)、およびインシュリン抵抗性糖尿病(mellitis)。
【0414】 本発明の組成物によって処置、予防および/または予測され得る、自己免疫成
分をおそらく有するさらなる障害としては、以下が挙げられるがこれらに限定さ
れない:II型コラーゲン誘導性関節炎、抗リン酸脂質症候群、皮膚炎、アレル
ギー性脳脊髄炎、心筋炎、再発性多発性軟骨炎、リウマチ性心疾患、神経炎、ブ
ドウ膜眼炎、多発性内分泌腺症、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫
肺動脈炎症、自閉症、ギヤン−バレー症候群、インシュリン依存性糖尿病(me
llitis)、および自己免疫炎症性眼障害。
【0415】 本発明の組成物によって処置、予防、診断および/または予測され得る、自己
免疫成分をおそらく有するさらなる障害としては、以下が挙げられるがこれらに
限定されない:抗コラーゲン抗体を伴う強皮症(schleroderma)(
例えば、核小体抗体および他の核抗体によってしばしば特徴付けられる)、混合
結合組織病(例えば、可溶性核抗原(例えば、リボ核タンパク質)に対する抗体
によってしばしば特徴付けられる)、多発性筋炎(例えば、非ヒストンANAに
よってしばしば特徴付けられる)、悪性貧血(例えば、抗壁細胞、ミクロソーム
、および内因子抗体によってしばしば特徴付けられる)、特発性アジソン病(例
えば、体液および細胞媒介性副腎細胞傷害性によってしばしば特徴付けられる)
、不妊症(例えば、抗***抗体によってしばしば特徴付けられる)、糸球体腎炎
(例えば、糸球体基底膜抗体または免疫複合体によってしばしば特徴付けられる
)、水疱性類天疱瘡(例えば、基底膜中のIgGおよび補体によってしばしば特
徴付けられる)、シェーグレン症候群(例えば、多重組織抗体、および/または
特定の非ヒストンANA(SS−B)によってしばしば特徴付けられる)、糖尿
病(例えば、細胞媒介性および体液性島細胞抗体によってしばしば特徴付けられ
る)、ならびにアドレナリン作動性薬剤抵抗性(喘息または嚢胞性線維症を伴う
アドレナリン作動性薬剤抵抗性を含む)(例えば、βアドレナリンレセプター抗
体によってしばしば特徴付けられる)。
【0416】 本発明の組成物を用いて処置、予防、診断および/または予測され得る、自己
免疫成分を有し得るさらなる障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定
されない:慢性活性肝炎(例えば、平滑筋抗体によってしばしば特徴付けられる
)、原発性胆汁性肝硬変(例えば、ミトコンドリア抗体によってしばしば特徴付
けられる)、他の内分泌腺不全(例えば、いくつかの場合は、特定の組織抗体に
よってしばしば特徴付けられる)、白斑(例えば、メラノサイト抗体によってし
ばしば特徴付けられる)、脈管炎(例えば、脈管壁におけるIgおよび補体なら
びに/または低血清補体によってしばしば特徴付けられる)、MI後(例えば、
心筋抗体によってしばしば特徴付けられる)、心臓切開症候群(例えば、心筋抗
体によってしばしば特徴付けられる)、じんま疹(例えば、IgEに対するIg
G抗体およびIgM抗体によってしばしば特徴付けられる)、アトピー性皮膚炎
(例えば、IgEに対するIgG抗体およびIgM抗体によってしばしば特徴付
けられる)、喘息(例えば、IgEに対するIgG抗体およびIgM抗体によっ
てしばしば特徴付けられる)、ならびに多くの他の炎症性障害、肉芽種性障害、
変性障害、および萎縮性障害。
【0417】 好ましい実施形態においては、自己免疫性疾患および障害ならびに/または上
記に列挙された疾患および障害に関連する状態は、例えば、本発明のアンタゴニ
スト、またはアゴニスト、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドまたは抗体を用
いて、処置、予防、診断および/または予測される。特定の好ましい実施形態に
おいては、慢性関節リウマチは、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗
体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、処置、予防、診
断および/または予測される。
【0418】 別の特定の実施形態において、全身性エリテマトーデスが、本発明のポリヌク
レオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニス
トを用いて処置、予防、診断および/または予測される。別の特定の好ましい実
施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/また
はアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、特発性血小板減少性紫斑病が処
置、予防、診断および/または予測される。
【0419】 別の特定の好ましい実施形態において、IgAネフロパシーは、本発明のポリ
ヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニストもしくはアンタ
ゴニストを用いて、処置、予防、診断および/または予測される。
【0420】 好ましい実施形態において、自己免疫疾患および自己免疫障害ならびに/また
は上記の疾患および障害と関連する状態は、本発明のポリヌクレオチド、ポリペ
プチド、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、処置
、予防、診断および/または予測される。
【0421】 好ましい実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド
および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、免疫抑制剤として使用さ
れる。
【0422】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、造血細胞の疾患、障害および/または状態の処置、
予防、診断および/または予測において有用であり得る。本発明のポリヌクレオ
チド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニスト
は、白血病、好中球減少症、貧血、および血小板病床が挙げられるが、それらに
限定されない、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連した疾患、障
害および/または状態を処置または予防する試みにおいて、多能性幹細胞を含む
造血細胞の分化および増殖を増加させるために用いられ得る。あるいは、本発明
のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニストもしくは
アンタゴニストは、組織球増殖症が挙げられるが、それらに限定されない、特定
の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連した疾患、障害および/または状
態を処置または予防する試みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化およ
び増殖を増加させるために用いられ得る。
【0423】 アレルギー反応および状態(例えば、喘息(特にアレルギー性喘息)または他
の呼吸障害)はまた、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、および
/またはそれらのアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、処置、予防、診
断および/または予測され得る。さらに、これらの分子は、アナフィラキシー、
抗原性分子に対する過敏性、または血液型不適合を処置、予防、診断および/ま
たは予測するために用いられ得る。
【0424】 さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド、および/またはその
アゴニストもしくはアンタゴニストは、IgE媒介アレルギー応答を処置、予防
、診断および/または予測するために使用され得る。このようなアレルギー反応
としては、喘息、鼻炎および湿疹が挙げられるが、これらに限定されない。特定
の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、インビトロまたはインビボにおい
てIgE濃度の調節に有用である。
【0425】 さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴ
ニストもしくはアンタゴニストは、炎症状態の診断、予測、予防および/または
処置に使用される。例えば、本発明のポリペプチド、抗体、もしくはポリヌクレ
オチド、および/または本発明のアゴニストもしくはアンタゴニストは、炎症応
答に関与する細胞の活性化、増殖および/または分化を阻害し得る。これらの分
子を使用して、慢性および急性の両方の状態の炎症状態を、予防および処置を判
断し得る。このような炎症状態は以下を含むがこれらに限定されない。例えば、
感染に関連する炎症(例えば、敗血症性ショック、敗血症、または全身炎症応答
症候群)、虚血再灌流傷害に関連する炎症、内毒素致死に関連する炎症、関節炎
に関連する炎症、補体媒介性超急性拒絶に関連する炎症、腎炎に関連する炎症、
サイトカインまたはケモカインが誘導する肺傷害に関連する炎症、炎症性腸疾患
に関連する炎症、クローン病に関連する炎症またはサイトカイン(例えば、TN
FまたはIL−1)の過剰生成から生じる炎症、呼吸器障害(例えば、喘息およ
びアレルギー);胃腸障害(例えば、炎症性腸疾患);癌(例えば、胃癌、卵巣
癌、肺癌、膀胱癌、肝臓癌、および乳癌);CNS障害(例えば、多発性硬化症
、血液脳関門透過性、虚血性脳損傷、および/または脳梗塞、外傷性脳損傷、神
経変性性障害(例えば、パーキンソン病およびアルツハイマー病)、AIDS関
連痴呆、およびプリオン病);心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、
心筋炎、心血管疾患、および心肺バイパス合併症);ならびに炎症によって特徴
付けられる多くのさらなる疾患、状態、および障害(例えば、慢性肝炎(Bおよ
びC)、慢性関節リウマチ、痛風、外傷、敗血性ショック、膵炎、サルコイドー
シス、皮膚炎、腎虚血再還流障害、グレーヴス病、全身性エリテマトーデス、真
性糖尿病(例えば、I型糖尿病)、および同種異系移植拒絶)。
【0426】 炎症は、基礎的な防御機構なので、炎症障害は、実質的に体の任意の組織に影
響を与え得る。従って、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および
そのアゴニストもしくはアンタゴニストは、以下を挙げられるがこれらに限定さ
れない、組織特異的炎症障害の処置に使用される。副腎炎、肺胞炎、胆管炎、虫
垂炎、亀頭炎、眼瞼炎、気管支炎、滑液胞炎、心臓炎、蜂巣炎、子宮管炎、胆嚢
炎、声帯炎、蝸牛炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、皮膚炎、憩室炎、脳炎、心内膜
炎、食道炎、耳管炎、結合組織炎、毛胞炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、舌炎、肝脾
炎、角膜炎、迷路炎、喉頭炎、リンパ管炎、乳腺炎、縦隔炎、髄膜炎、子宮炎、
粘膜炎、心筋炎、筋炎、鼓膜炎、腎炎、神経炎、精巣炎、骨髄炎、耳炎、脈管周
囲炎、腱周囲炎、腹膜炎、喉頭炎、静脈炎、灰白髄炎、前立腺炎、歯髄炎、網膜
炎、鼻炎、卵管炎、強膜炎、強膜脈絡膜炎、陰嚢炎、静脈洞炎、脊椎炎、脂肪組
織炎、口内炎、滑膜炎、耳管炎、腱炎、扁桃炎、尿道炎、および膣炎。
【0427】 特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、もしくはポリヌクレ
オチド、および/またはそれらのアゴニストもしくはアンタゴニストは、移植拒
絶、対宿主性移植片病の診断、予測、予防および/または処置に有用である。器
官拒絶は、免疫応答を通した移植された組織の宿主免疫細胞破壊によって起こる
。同様に、免疫反応はまた、GVHDに関するが、この場合、外来の移植された
免疫細胞が、宿主組織を破壊する。本発明のポリペプチド、抗体、もしくはポリ
ヌクレオチドおよび/またはそのアゴニストもしくはアンタゴニスト(免疫応答
、特にT細胞の活性化、増殖、分化、または走化性を阻害する)は、器官拒絶ま
たはGVHDを予防するのに有効な治療であり得る。特定の実施形態において、
本発明のポリペプチド、抗体、もしくはポリヌクレオチドおよび/またはそのア
ゴニストもしくはアンタゴニスト(免疫応答、特にT細胞の活性化、増殖、分化
、または走化性を阻害する)は、実験的アレルギー拒絶および超急性異種移植拒
絶を予防するのに有効な治療であり得る。
【0428】 他の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、もしくはポリヌクレオ
チド、および/またはそれらのアゴニストもしくはアンタゴニストは、以下に挙
げられるが、それらに限定されない、免疫複合疾患の処置、予防、診断および/
または予測に有用であり得る。血清病、後連鎖球菌性糸球体腎炎(post s
treptococcal glomerulonephritis)、多発性
動脈炎、および免疫複合誘導性脈管炎。
【0429】 本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、および/またはそれらのア
ゴニストもしくはアンタゴニストは、感染性因子の処置、検出および/または予
防に有用であり得る。例えば、免疫応答を増大することによって、特にB細胞お
よび/またはT細胞の増殖、活性化および/または分化を増大することによって
、感染性疾患は、処置、検出、および/または予防され得る。免疫応答は、既存
の免疫応答を増大するか、または新しい免疫応答を惹起するかのいずれかによっ
て、増大され得る。あるいは、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体
および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた、免疫応答の必然的な
惹起なしに、感染性因子(感染性因子の適用列挙の節などで述べる)を直接阻害
し得る。
【0430】 別の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、抗原に対する免疫応答を増
大するアジュバントとして使用される。特定の実施形態において、本発明のポリ
ペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、および/またはアゴニストもしくはアンタ
ゴニストは、組織特異的な免疫応答を増大するアジュバントとして使用される。
【0431】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、抗ウイルス免疫応答
を増大するためのアジュバントとして使用される。アジュバントとして本発明の
組成物を用いて増強され得る抗ウイルス免疫応答としては、ウイルスおよび本明
細書において記載されるかさもなければ当該分野で公知のウイルス関連疾患およ
び症状が挙げられる。特定の実施形態において、本発明の組成物は、以下:AI
DS、髄膜炎、デング、EBV、および肝炎(例えば、B型肝炎)からなる群よ
り選択される、ウイルス、疾患または症状に対する免疫応答を増強するためのア
ジュバントとして用いられる。別の特定の実施形態において、本発明の組成物は
、以下:AIDS、髄膜炎、デング、EBV、および肝炎(例えば、B型肝炎)
からなる群より選択される、ウイルス、疾患または症状に対する免疫応答を増強
するためのアジュバントとして用いられる。別の特定の実施形態において、本発
明の組成物は、以下:HIV/AIDS、RSウイルス、デング、ロタウイルス
、日本脳炎、インフルエンザAおよびB、パラインフルエンザ、麻疹、サイトメ
ガロウイルス、狂犬病、Juninウイルス、チクングニヤウイルス、リフトバ
レー熱、単純疱疹、および黄熱病からなる群より選択されるウイルス、疾患また
は症状に対する免疫応答を増強するアジュバントとして用いられる。
【0432】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、抗細菌免疫応答また
は抗真菌免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。アジュバン
トとして本発明の組成物を使用して増大され得る抗細菌免疫応答または抗真菌免
疫応答としては、細菌または真菌、および本明細書中に記載されるか、または、
さもなくば当該分野で公知の疾患または症状に関連する細菌または真菌が挙げら
れる。特定の実施形態において、本発明の組成物は、細菌または真菌、疾患、ま
たは症状(これは、破傷風、ジフテリア、ボツリスム、およびB型髄膜炎からな
る群から選択される)に対する免疫応答を増大するためのアジュバントとして使
用される。
【0433】 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、細菌または真菌、疾患、ま
たは症状(これは、Vibrio cholerae、Mycobacteri
um leprae、Salmonella typhi、Salmonell
a paratyphi、Meisseria meningitidis、S
treptococcus pneumoniae、Group B stre
ptococcus、Shigella spp.、Enterotoxige
nic Escherichia coli、Enterohemorrhag
ic E.coli、Borrelia burgdorferi、およびPl
asmodium(マラリア)からなる群から選択される)に対する免疫応答を
増大するためのアジュバントとして使用される。
【0434】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、抗寄生生物免疫応答
を増大するためのアジュバントとして使用される。アジュバントとして本発明の
組成物を使用して増大され得る抗寄生生物免疫応答としては、寄生生物、および
本明細書中に記載されるかまたはさもなくば、当該分野で公知の疾患または症状
に関連する寄生生物が挙げられる。特定の実施形態において、本発明の組成物は
、寄生生物に対する免疫応答を増大するためのアジュバントとして使用される。
別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、Plasmodium(マラ
リア)またはLeishmaniaに対する免疫応答を増大するためのアジュバ
ントとして使用される。
【0435】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた、例えば、単核性
食細胞の漸増および活性化を予防することによって、珪胚症、サイコイドーシス
、および特発性肺線維症を含む感染疾患の処置に使用され得る。
【0436】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストはまた、本発明のポリペ
プチドに対する免疫介在応答を阻害する、または増大する抗体の産生のための抗
体として使用される。
【0437】 1つの実施形態として、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、免疫系をブーストし、1つ
以上の抗体(例えば、IgG、IgA、IgM、およびIgE)の量の増大を生
じ、高い親和性の抗体産生および免疫グロブリンクラス転換(例えば、IgG、
IgA、IgMおよびIgE)を誘導し、および/または免疫応答を増大するた
めの動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、
ミニブタ、ニワトリ、ラクダ、ヤギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、非ヒト
霊長類、およびヒト、最も好ましくはヒト)に投与される。
【0438】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、病原体に対するB細
胞応答性の刺激物質として使用される。
【0439】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、T細胞のアクチベー
ターとして使用される。
【0440】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、免疫抑制性治療を受
ける前の、個体の免疫状態を増大させる薬剤として使用される。
【0441】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、より高い親和性抗体
を誘導するための薬剤として使用される。
【0442】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、血清免疫グロブリン
濃度を増加するための薬剤として使用される。
【0443】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、免疫無防備状態の個
体の回復を促進するための薬剤として使用される。
【0444】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、高齢の集団および新
生児の間の免疫応答性をブーストするための薬剤として使用される。
【0445】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、骨髄移植および/ま
たは他の移植(例えば、同種異系または外因性の器官移植)の前、間、または後
の免疫系エンハンサーとして使用される。移植に関して、本発明の組成物は、移
植の前、同時、および/または後に投与され得る。特定の実施形態において、本
発明の組成物は、移植の後、T細胞集団の回復の開始前に投与される。別の特定
の実施形態において、本発明の組成物は、移植の後、T細胞集団の回復の開始後
であるが、B細胞集団の完全な回復の前に最初に投与される。
【0446】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、B細胞機能の後天的
欠損を有する個体間で免疫応答性をブーストするための薬剤として使用される。
ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチドおよび/またはそれらのアゴニストもし
くはアンタゴニストを投与することによって寛解または処置され得る、B細胞機
能の後天的欠損を生じる状態としては、HIV感染、AIDS、骨髄移植、およ
びB細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0447】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、一時的な免疫不全を
有する個体間で免疫応答性をブーストするための薬剤として使用される。ポリペ
プチド、抗体、ポリヌクレオチドおよび/またはそれらのアゴニストもしくはア
ンタゴニストを投与することによって寛解または処置され得る、一時的な免疫不
全を生じる状態としては、ウイルス感染(例えば、インフルエンザ)からの回復
、栄養失調に関連する状態、感染性単核細胞症からの回復、またはストレスに関
連する状態、麻疹からの回復、輸血からの回復、手術からの回復が挙げられるが
、これらに限定されない。
【0448】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、単球、樹状細胞およ
び/またはB細胞による抗原提示のレギュレーターとして使用される。1つの実
施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/ま
たはアゴニストもしくはアンタゴニストは、インビトロまたはインビボで抗原提
示を増強するかまたは抗原提示をアンタゴナイズする。さらに、関連する実施形
態において、この抗原提示の増強またはアンタゴナイズは、抗腫瘍処置としてか
または免疫系を調節するために有用であり得る。
【0449】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、個体の免疫系を、T
H1細胞性応答とは反対に、体液性応答(すなわち、TH2)の発生に指向する
ための薬剤として使用される。
【0450】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、腫瘍増殖を誘導し、
従って、腫瘍を抗腫瘍性薬剤に対してより感受性にするための手段として使用さ
れる。例えば、多発性骨髄腫は、緩慢な細胞***(dividing)の疾患で
あり、従って、実質的に全ての抗腫瘍性レジメンに対して不応性である。これら
の細胞は、より迅速に増殖させた場合、これらの感受性プロフィールは、おそら
く変化するであろう。
【0451】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、AIDS、慢性リン
パ球障害および/または分類不能性免疫不全症(Common Variabl
e Immunodificiency)のような病理におけるB細胞の産生の
刺激因子として使用される。
【0452】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、手術、外傷または遺
伝的欠陥後のリンパ組織の生成および/または再生のための治療として使用され
る。別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオ
チド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、移植前の骨髄サン
プルの前処理として使用される。
【0453】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、SCID患者の間で
観察されるような免疫不全症/免疫欠損を生じる遺伝性の障害のための遺伝子ベ
ースの治療として使用される。
【0454】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、単球に影響を及ぼす
寄生生物疾患(リーシュマニア属(Leshmania))に対して防御するた
めに単球/マクロファージを活性化する手段として使用される。
【0455】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、本発明のポリペプチ
ドによって誘発される分泌サイトカインを調節する手段として使用される。
【0456】 別の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、獣医学的医療に適用され得
る、本明細書中に記載の1つ以上の適用として使用される。
【0457】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、外来因子または自己
に対する種々の局面の免疫応答をブロックする手段として使用される。例として
は、狼瘡および関節炎のような自己免疫障害、ならびに皮膚アレルギー、炎症、
腸疾患、損傷に対する免疫応答性および病原体に関する疾患/障害が挙げられる
【0458】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、自己免疫疾患(例え
ば、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデスおよびMS)に関連す
るB細胞増殖およびIg分泌を妨げるための治療として使用される。
【0459】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、内皮細胞におけるB
細胞および/またはT細胞の遊走のインヒビターとして使用される。この活性は
、組織構造または同属の応答を破壊し、そして例えば、免疫応答の破壊および敗
血症のブロックにおいて有用である。
【0460】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、未定量有意性の単一
クローン性高ガンマグロブリン血症(monoclonalgammopath
y of undetermined significance)(MGUS
)、ヴァルデンストレーム疾患、関連する特発性単一クローン性高ガンマグロブ
リン血症、およびプラスマ細胞腫のような疾患における、慢性の高ガンマグロブ
リン血症事象のための治療として使用される。
【0461】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、例えば、特定の自己
免疫疾患および慢性炎症疾患および感染性疾患における、マクロファージおよび
その前駆体、ならびに好中球、好塩基球、Bリンパ球およびいくつかのT細胞サ
ブセット(例えば、活性化T細胞およびCD8細胞傷害性T細胞ならびにナチュ
ラルキラー細胞)の、ポリペプチド走化性および活性化を阻害するために使用さ
れる。自己免疫疾患の例は、本明細書中に記載され、その自己免疫疾患の例とし
ては、多発性硬化症およびインスリン依存性糖尿病が挙げられる。
【0462】 本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、例えば、好酸球の産生および遊走を妨げることによ
って、特発性好酸球増多症候群を処置するために使用される。
【0463】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、相補的介在細胞溶解
を増大する、または阻害するために使用される。
【0464】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、抗体依存性細胞性細
胞毒性を増大する、または阻害するために使用される。
【0465】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、例えば、動脈壁にお
ける単球浸潤を妨げることによって、アテローム性動脈硬化症を処置するために
使用され得る。別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポ
リヌクレオチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、成人呼
吸促進症候群(ARDS)を処置するために使用され得る。
【0466】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、創傷および組織の修
復の刺激、新脈管形成の刺激、および/または血管またはリンパの疾患または障
害の修復の刺激において有用であり得る。さらに、本発明のアゴニストおよびア
ンタゴニストは、粘膜表面の再生を刺激するために使用され得る。
【0467】 特定の実施形態において、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/
またはそれらのアゴニストは、原発性または後天性の免疫不全、欠損性の血清免
疫グロブリン産生、再発性の感染および/または免疫系機能不全によって特徴付
けられる障害を診断、予測、処置および/または予防するために使用される。さ
らに、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはそれらのアゴニ
ストは、関節、骨、皮膚および/または耳下腺の感染、血液由来の感染(例えば
、敗血症、髄膜炎、敗血症性関節炎および/または骨髄炎)、自己免疫疾患(例
えば、本明細書中に開示されるような自己免疫疾患)、炎症性障害、および悪性
疾患、ならびに/あるいはこれらの感染、疾患および/または悪性疾患に関連す
る任意の疾患または障害または状態(CVID、他の原発性免疫不全、HIV疾
患、CLL、再発性気管支炎、静脈洞炎、中耳炎、結膜炎、肺炎、肝炎、髄膜炎
、帯状ヘルペス(例えば、重篤な帯状ヘルペス)および/またはニューモシステ
ィスを含むが、これらに限定されない)を処置または予防するために使用され得
る。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、および/またはアゴニスト
によって予防、診断、予測、および/または処置され得る他の疾患および傷害と
して、HIV感染、HTLV−BLV感染、リンパ球減少、食細胞殺細菌機能不
全、血小板減少、およびヘモグロビン尿症が挙げられるが、それらに限定されな
い。
【0468】 別の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、分類不能性免疫不全症(C
ommon Variable Immunodificiency)(「CV
ID」;「後天性無ガンマグロブリン血症」および「後天性低ガンマグロブリン
血症」としても公知である)またはこの疾患のサブセットを有する個体を、処置
および/または診断するために使用される。
【0469】 特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、
および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、免疫細胞あるいは、免疫
組織関連癌または新生物を含む癌または新生物の診断、予測、予防および/また
は処置に使用され得る。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、およ
び/またはアゴニストもしくはアンタゴニストによって、予防、診断または処置
され得る癌または新生物の例として、以下に挙げられるが、それらに限定されな
い。急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、
急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病、プラスマ細胞腫、多発性
骨髄腫、バーキットリンパ腫、EBV変換性(EBV−transformed
)疾患、および/または本明細書中の「過剰増殖障害」と題されるセクションに
記載される疾病および障害。
【0470】 別の特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチ
ド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、ラージB細胞リンパ
腫の細胞増殖を減少するための治療として使用される。
【0471】 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、慢性骨髄性白血病に関連す
るB細胞およびIgの関与を減少する手段として使用される。
【0472】 特定の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、
および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、B細胞免疫不全個体(例
えば、部分的または完全な脾臓摘出術をうけた個体など)の間で免疫応答性をブ
ーストするための因子として使用される。
【0473】 例えば、本発明のアンタゴニストとしては、結合抗体および/または阻害抗体
、アンチセンス核酸、リボザイムあるいは可溶性形態の本発明のポリペプチド(
例えば、Fc融合タンパク質;例えば、実施例9を参照のこと)が挙げられる。
例えば、本発明のアゴニストとしては、結合抗体および/または阻害抗体、アン
チセンス核酸、リボザイムあるいは可溶性形態のポリペプチド(例えば、Fc融
合タンパク質;例えば、実施例9を参照のこと)が挙げられる。本発明のポリペ
プチド、抗体、ポリヌクレオチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴ
ニストは、本明細書中に記載されるように、薬学的に受容可能なキャリアを用い
た組成物として使用され得る。
【0474】 別の実施形態において、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、機能的な内因性抗体分子を
産生できないか、さもなければ易感染性の内因性免疫系を有するが、別の動物由
来の再構成されたか、または部分的に再構成された免疫系の手段によってヒト免
疫グロブリン分子を産生し得る、動物(上記に列挙した動物を含むがこれに限定
されず、またトランスジェニック動物も含む)へ投与される(例えば、PCT公
開番号、WO98/24893、WO96/34096、WO96/33735
、およびWO91/10741を参照のこと)。さらに、このような動物への本
発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチドおよび/またはアゴニスト、もし
くはアンタゴニストの投与は、本発明のポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド
および/またはアゴニスト、もしくはアンタゴニストに対するモノクローナル抗
体の産生に有用である。
【0475】 (血液関連障害) 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストを使用して、止血性活性(出血を止めること)または血
栓崩壊活性(血餅形成)を調節し得る。例えば、止血活性または血栓崩壊活性を
増大させることにより、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、およ
び/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを使用し、血液凝固の疾患、障害
および/または状態(例えば、無線維素原血症、因子欠損症、血友病)、血液血
小板の疾患、障害および/または状態(例えば、血小板減少症)、あるいは外傷
、手術または他の原因から生じる創傷を処置または予防し得る。あるいは、止血
活性または血栓崩壊活性を減少させ得る本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチ
ド、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを使用し、凝血を阻
害または溶解し得る。心臓発作(梗塞)、発作(stroke)または瘢痕の処
置または予防において、これらの分子は重要であり得る。
【0476】 特定の実施形態において、本発起きる明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、
抗体、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、血栓症、動脈血栓
症、静脈血栓症、血栓塞栓症、肺塞栓症、アテローム硬化症、心筋梗塞、一過性
脳虚血発作、不安定狭心症の予防、診断、予測および/または処置に使用され得
る。特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体
、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、伏在静脈移植片の閉塞
の予防のため血管形成術の手順に伴い得るような処置した周囲で起きる血栓症(
periprocedural thrombosis)の危険性を減らすため
に、非リウマチ性心房細動を含む心房細動を有する患者における発作の危険性を
減らすために、人工心臓弁および/または増帽弁疾患に関連した塞栓症の危険性
を減らすために、に使用され得る。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、
抗体、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストのための他の使用とし
ては、体外装置(例えば、脈管内カニューレ、血液透析の患者における脈管アク
セスシャント、血液透析機、および心肺バイパス機)における閉塞の予防が挙げ
られるが、それらに限定されない。
【0477】 別の実施形態において、本発明のポリペプチド、またはこのポリペプチドに対
応するポリヌクレオチド、抗体、アゴニストもしくはアゴニストは、表3の第2
列(ライブラリーコード)において開示される1、2、3、4、5またはそれよ
り多くの組織を含む、本発明のポリペプチドが発現している組織に関連する血液
および/または血液形成器官の疾患および障害の予防、診断、予測および/また
は処置に使用され得る。
【0478】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、造血活性(血球の形成)を調節に使用され得る。例
えば、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニ
ストもしくはアンタゴニストは、全ての、またはサブセットの血球(例えば、赤
血球、リンパ球(B細胞またはT細胞)、脊髄細胞(例えば、好塩基球、好酸球
、好中球、肥満細胞、マクロファージ)および血小板など)の量を増大するのに
使用される。血球の量、または血球のサブセットの量を減少する能力は、以下に
記載される貧血および白血球減少症の予防、検出、診断および/または処置に有
用であり得る。あるいは、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、全ての、またはサブセット
の血球(例えば、赤血球、リンパ球(B細胞またはT細胞)、脊髄細胞(例えば
好塩基球、好酸球、好中球、肥満細胞、マクロファージ)および血小板)の量を
減らすのに使用され得る。血球の量、または血球のサブセットの量を減少する能
力は、白血球増加症(例えば、好酸球増加症など)の予防、検出、診断および/
または処置に有用であり得る。
【0479】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、血液疾患の予防、処置または診断に使用され得る。
【0480】 貧血は、赤血球の数またはヘモグロビン(酸素を運搬するタンパク質)の量が
、正常より少ない状態である。貧血は、過度な出血によって、赤血球産生の減少
によって、または赤血球細胞破壊(溶血)の増加によって起こり得る。本発明の
ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストは、貧血の処置、予防、および/または診断に有用であり得る。本
発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/またはアゴニストもし
くはアンタゴニストによって処置、予防、または診断され得る貧血としては、鉄
欠乏性貧血、低色性貧血、小球性貧血、萎黄病、遺伝性鉄芽球性貧血(here
ditary siderob;astic anemia)、特発性後天性鉄
芽球性貧血、赤血球形成不全、巨赤芽球性貧血、(例えば、悪性貧血(ビタミン
B12欠乏症)および葉酸欠乏性貧血)、再生不良性貧血、溶血性貧血(例えば
、自己免疫溶血性貧血、細血管異常性溶血性貧血、および発作性夜間血色素尿症
)が挙げられる。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/ま
たはアゴニストもしくはアンタゴニストは、全身性エリテマトーデス、癌、リン
パ腫、慢性腎疾患、および拡大した脾臓に関連した貧血が挙げられるが、それら
に限定されない、疾患に関連した貧血の処置、予防、および/または診断に有用
であり得る。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および/または
アゴニストもしくはアンタゴニストは、メチルドパ、ダプソン、および/または
サルファ剤に関連した貧血のような、薬物処置により生じる貧血の処置、予防、
および/または診断に有用であり得る。さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポ
リペプチド、抗体、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、遺伝
性球状赤血球症、遺伝性楕円赤血球症、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナー
ゼ欠乏、および鎌状赤血球貧血が挙げられるが、それらに限定されない異常な赤
血球構築に関連した貧血の処置、予防、および/または診断に有用であり得る。
【0481】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、ヘモグロビン異常(例えば、鎌状赤血球貧血、ヘモグ
ロビンC症、ヘモグロビンS−C症、およびヘモグロビンE症に関連した異常)
を処置、予防、および/または診断するにおいて有用であり得る。さらに、本発
明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストもしくは
アンタゴニストは、サラセミア(α−サラセミアおよびβ−サラセミアのメジャ
ー形態およびマイナー形態を含むが、これらに限定されない)を診断、予後判定
、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0482】 別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、血小板減少症(例えば、特発性血
小板減少性紫斑病、および血栓性血小板減少性紫斑病)、ヴォン・ヴィレブラン
ド病、遺伝性血小板障害(例えば、蓄積プール症(storage pool
disease)(例えば、チェディアック−東病およびヘルマンスキー−パド
ラック症候群)、トロンボキサンA2機能不全、血小板無力症、およびベルナー
ル−スーリエ症候群)、溶血性***症候群、血友病(hemophelia)
(例えば、血友病Aまたは第VII因子欠損、およびクリスマス病または第IX
因子欠損)、遺伝性出血性毛細管拡張症(ランデュ−オースラー−ウェーバー症
候群として公知)、アレルギー性紫斑病(ヘーノホ−シェーンライン紫斑病)お
よび汎発性血管内凝固症候群が挙げられるが、これらに限定されない出血障害を
診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0483】 血液の凝固時間に対する、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストの効果は、全血部分トロンボプ
ラスチン時間(PTT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、活
性凝固時間(ACT)、再石灰化活性凝固時間またはリー−ホワイト凝固時間が
挙げられるが、これらに限定されない、当該分野で公知の任意の凝固試験を使用
してモニターされ得る。
【0484】 いくつかの疾患および種々の薬物は、血小板機能不全を引き起こし得る。従っ
て、特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体およ
び/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、後天性血小板機能不全(例え
ば、腎不全、白血病、多発性骨髄腫、肝臓の肝硬変、および全身性エリテマトー
デスに関連する血小板機能不全、ならびに薬物処置(高用量でのアスピリン、チ
クロピジン、非ステロイド性抗炎症薬(関節炎、疼痛、および捻挫に使用される
)、およびペニシリンによる処置を含む)に関連する血小板機能不全)を診断、
予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0485】 別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、白血球数の増加もしくは減少によ
って特徴付けられるか、または白血球数の増加もしくは減少に関連する疾患およ
び障害を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る
。白血球減少症は、白血球数が、正常未満に減少する場合に生じる。白血球減少
症としては、好中球減少症およびリンパ球減少症が挙げられるが、これらに限定
されない。正常と比較した白血球数の増加は、白血球増加症として公知である。
身体は、感染の間に、増加した数の白血球を産生する。従って、白血球増加症は
、単純に、感染を反映する通常の生理的パラメーターであり得る。あるいは、白
血球増加症は、損傷または癌のような他の疾患の指標であり得る。白血球増加症
(Leokocytoses)は、好酸球増加症およびマクロファージの蓄積が
挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本発明のポリヌク
レオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニス
トは、白血球減少症を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有
用であり得る。他の特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプ
チド、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、白血球増加症
を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0486】 白血球減少症は、すべての型の白血球が概して減少した状態であり得るか、ま
たは特定の型の白血球の特異的枯渇であり得る。従って、特定の実施形態では、
本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストもし
くはアンタゴニストは、好中球数の減少(好中球減少症として公知)を診断、予
後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。本発明のポリヌ
クレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニ
ストによって診断、予後判定、予防および/または処置され得る好中球減少症と
しては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:乳児遺伝性顆粒球減少症
(infantile genetic agranulocytosis)、
家族性好中球減少症、周期性好中球減少症、食事性欠損(例えば、ビタミンB欠
損または葉酸欠損)から生じるかまたはこれに関連する好中球減少症、薬物処置
(例えば、抗生物質レジメン(例えば、ペニシリン処置)、スルホンアミド処置
、抗凝固薬処置、鎮痙薬物、抗甲状腺性薬物、および癌化学療法)から生じるか
または薬物処置に関連した好中球減少症、およびいくつかの細菌感染またはウイ
ルス感染、アレルギー性障害、自己免疫疾患、個体が膨張した脾臓を有し(例え
ば、フェルティ症候群、マラリア、およびサルコイドーシス)、そしていくつか
の薬物処置レジメンを有する状態に関連して生じ得る好中球破壊の増加から生じ
る好中球減少症。
【0487】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、ストレス、薬物処置(例えば、コルチコステロイドを
用いる薬物処置、癌化学療法、および/または放射線治療)、AID感染、およ
び/または他の疾患(例えば、癌、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス
、慢性感染、いくつかのウイルス感染、および/または遺伝性障害(例えば、デ
ィ・ジョージ症候群、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、重症複合型免疫不
全、毛細血管拡張性運動失調)など)から生じるかまたはそれらに関連するリン
パ球減少症を含むが、これに限定されないリンパ球減少症(Bリンパ球/Tリン
パ球の数の減少)を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用
であり得る。
【0488】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、ゴシェ病、ニーマン−ピック病、レテラー−ジーヴェ
病、およびハンド−シュラー−クリスチャン病を含むが、これらに限定されない
、マクロファージ数および/またはマクロファージ機能に関連した疾患および障
害を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0489】 別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、特発性好酸球増多症候群、好酸球
増多−筋痛症候群、およびハンド−シュラー−クリスチャン病を含むが、これら
に限定されない、好酸球数および/または好酸球機能に関連した疾患および障害
を診断、予後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0490】 さらに別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体お
よび/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、急性リンパ性(リンパ芽球
性)白血病(ALL)、急性骨髄性(骨髄性(myelocytic)、骨髄性
(myelogenous)、骨髄芽球性または骨髄単球性)白血病、慢性リン
パ性白血病(例えば、B細胞白血病、T細胞白血病、セザリー症候群、およびヘ
アリーセル白血病)、慢性骨髄性(骨髄性(myeloid)、骨髄性(mye
logenous)または顆粒球性)白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリ
ンパ腫、バーキットリンパ腫、および菌状息肉腫を含むが、これらに限定されな
い白血病およびリンパ腫を診断、予後判定、予防および/または処置するにおい
て有用であり得る。
【0491】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、形質細胞異形成、単一クローン性
高ガンマグロブリン血症、意義不明の単一クローン性高ガンマグロブリン血症(
monoclonal gammopathies of undetermi
ned significance)、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、
ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、クリオグロブリン血症、レーノー
現象を含むが、これらに限定されないプラスマ細胞の疾患および障害を診断、予
後判定、予防および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0492】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、真性赤血球増加症、相対的赤血球
増加症、二次的赤血球増加症(secondary polycythemia
)、骨髄線維症、急性骨髄線維症、原因不明骨髄様化生、血小板血症(一次的お
よび二次的血小板血症の両方を含む)、および慢性骨髄性白血病を含むが、これ
らに限定されない、骨髄増殖性障害を診断、予防および/または処置するにおい
て有用であり得る。
【0493】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、外科手術の前に、血球産生を増加
させるための処置として有用であり得る。
【0494】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、好中球、好酸球およびマクロファ
ージの移動、食作用、スーパーオキシド産生、抗体依存性細胞傷害性を増強する
ための薬剤として有用であり得る。
【0495】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、幹細胞フェレーシスの前に、循環
系の幹細胞数を増加させるための薬剤として有用であり得る。別の特定の実施形
態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/またはアゴニ
ストもしくはアンタゴニストは、血小板フェレーシスの前に、循環系の幹細胞数
を増加させるための薬剤として有用であり得る。
【0496】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、サイトカイン産生を増加させるた
めの薬剤として有用であり得る。
【0497】 他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および/
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、一次造血障害を診断、予後判定、
および/または処置するにおいて有用であり得る。
【0498】 (過剰増殖性障害) 特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチド、もしくはポリペプチド、ま
たはアゴニストもしくはアンタゴニストは、過剰増殖性障害(新生物を含む)を
処置または検出するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチド、もしくは
ポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、直接的相互作用ま
たは間接的相互作用を通して、障害の増殖を阻害し得る。あるいは、本発明のポ
リヌクレオチド、もしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニ
ストは、過剰増殖性障害を阻害し得る他の細胞を増殖し得る。
【0499】 例えば、免疫応答を増加させることによって、特に、過剰増殖性障害の抗原性
の質を増加させることかまたはT細胞を増殖、分化、もしくは動員することによ
って、過剰増殖性障害は処置され得る。この免疫応答は、既存の免疫応答を増強
することか、または新たな免疫応答を開始することのいずれかによって増加され
得る。あるいは、免疫応答を減少させることはまた、過剰増殖性障害を処置する
方法であり得る(例えば、化学療法剤)。
【0500】 本発明のポリヌクレオチド、もしくはポリペプチド、またはアゴニストもしく
はアンタゴニストによって処置または検出され得る過剰増殖性障害の例としては
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:結腸、腹部、骨、***、消化器
系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(腎上体、上皮小体、下垂体、精巣、卵巣、胸
腺、甲状腺)、眼、頭頸部、神経(中枢および末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、
軟組織、脾臓、胸郭、および泌尿性器管に位置づけられる新生物。
【0501】 同様に、他の過剰増殖性障害もまた、本発明のポリヌクレオチド、もしくはポ
リペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストによって処置または検出
され得る。このような過剰増殖性障害の例としては、以下が挙げられるが、これ
らに限定されない:急性小児性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、
急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌腫、成体(原発性(pri
mary))肝細胞癌、成体(原発性(primary))肝臓癌、成体急性リ
ンパ性白血病、成体急性骨髄性白血病、成体ホジキン病、成体ホジキンリンパ腫
、成体リンパ性白血病、成体非ホジキンリンパ腫、成体原発性肝臓癌、成体軟組
織肉腫、AIDS関連リンパ腫、AIDS関連悪性疾患、肛門癌、星状細胞腫、
胆管癌、膀胱癌、骨の癌、脳幹グリオーム、脳腫瘍、乳癌、腎盤および尿管の癌
、中枢神経系(原発性)リンパ腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、大脳
星状細胞腫、子宮頸癌、小児性(原発性)肝細胞癌、小児性(原発性)肝臓癌、
小児性急性リンパ芽球性白血病、小児性急性骨髄性白血病、小児性脳幹グリオー
ム、小児性小脳星状細胞腫、小児性大脳星状細胞腫、小児性頭蓋外胚細胞腫瘍(
Childhood Extracranial Germ Cell Tum
or)、小児性ホジキン病、小児性ホジキンリンパ腫、小児性視床下部および視
路グリオーム(Childhood Hypothalamic and Vi
sual Pathway Glioma)、小児性リンパ芽急性白血病、小児
性髄芽腫、小児性非ホジキンリンパ腫、小児性松果体およびテント上未分化神経
外胚葉性腫瘍、小児性原発性肝臓癌、小児性横紋筋肉腫、小児性軟組織肉腫、小
児性視路および視床下部グリオーム、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病
、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞癌腫、子宮内膜癌、上衣腫、上
皮癌、食道癌、ユーイング肉腫および関連の腫瘍、膵外分泌癌(Exocrin
e Pancreatic Cancer)、頭蓋外胚細胞腫瘍(Extrac
ranial Germ Cell Tumor)、性腺外胚細胞腫瘍(Ext
ragonadal Germ Cell Tumor)、肝外胆管癌、眼の癌
、雌性乳癌、ゴシェ病、胆嚢癌、胃癌、胃腸類癌腫、胃腸腫瘍、胚細胞腫瘍(G
erm Cell Tumor)、妊娠期栄養膜腫瘍(Gestational
Trophoblastic Tumor)、ヘアリーセル白血病、頭頸部の
癌、肝細胞癌、ホジキン病、ホジキンリンパ腫、高ガンマグロブリン血症、下咽
頭癌、腸の癌、眼内黒色腫、島細胞癌腫、島細胞膵臓癌、カポージ肉腫、腎臓癌
、喉頭癌、***および口腔の癌、肝臓癌、肺癌、リンパ増殖性(Lymphop
roliferative)障害、マクログロブリン血症、雄性乳癌、悪性中皮
腫、悪性胸腺腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、転移性潜在性原発性扁平上皮頸癌(
Metastatic Occult Primary Squamous N
eck Cancer)、転移性原発性扁平上皮頸癌(Metastatic
Primary Squamous Neck Cancer)、転移性扁平上
皮頸癌(Metastatic Squamous Neck Cancer)
、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/プラスマ細胞新生物、脊髄形成異常症候群、骨
髄性白血病(Myelogenous Leukemia)、骨髄性白血病(M
yeloid Leukemia)、骨髄増殖性障害、鼻腔および副鼻腔の癌、
鼻咽頭癌、神経芽腫、妊娠期の非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚癌(Nonm
elanoma Skin Cancer)、非小細胞肺癌、潜在性原発性転移
性扁平上皮頸癌(Occult Primary Metastatic Sq
uamous Neck Cancer)、口腔咽頭癌、骨/悪性線維性肉腫、
骨肉腫/悪性線維性組織球腫、骨の骨肉腫/悪性線維性組織球腫、卵巣上皮癌、
卵巣胚細胞腫瘍、卵巣境界型腫瘍、膵臓癌、パラプロテイン血症、紫斑、上皮小
体癌、陰茎癌、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、プラスマ細胞新生物/多発性骨髄腫、
原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎盤
および尿管の癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、サルコイドーシス肉腫、セ
ザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、扁平上皮頸癌、胃癌
、テント上未分化神経外胚葉性および松果体腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣癌、胸
腺腫、甲状腺癌、腎盤および尿管の移行上皮癌、移行性の腎盤および尿管の癌、
栄養膜腫瘍、尿管および腎盤細胞の癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣の癌、視
路および視床下部グリオーム、外陰部の癌、ヴァルデンストレームマクログロブ
リン血症、ウィルムス腫、ならびに任意の他の過剰増殖性疾患、および新形成で
あって、上記に列挙された器官系に位置付けられるもの。
【0502】 別の好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ド、あるいはアゴニストまたはアンタゴニストを用いて、前悪性状態の診断、予
後判断、予防および/または処置、ならびに上に記載されるような障害を含むが
これらに限定されない腫瘍性状態または悪性状態への進行を予防を行う。このよ
うな使用が示されるのは、腫瘍性または癌(特に、ここで、過形成、化生、また
は最も特には形成異常からなる非腫瘍性の細胞増殖が起こっている(このような
異常な増殖状態の総説について、RobbinsおよびAngell,1976
,Basic Pathology,第2版,W.B.Saunders Co
.,Philadelphia,pp68〜79)を参照)への前述の進行が知
られるか、または疑われる状況においてである。
【0503】 過形成は、制御された細胞増殖形態であり、これは、構造または機能において
有意な変化を伴わない、組織または器官における細胞数の増大を含む。本発明の
組成物(ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニストを
含む)を用いて、診断、予後判断、予防および/または処置し得る過形成障害と
しては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:脈管濾胞性縦隔リンパ節
増殖、好酸球増加随伴性血管類リンパ組織増殖症、非定型メラニン細胞過形成、
基底細胞過形成、良性巨大リンパ節増殖、セメント質過形成、先天性副腎過形成
、先天性脂腺増生症、嚢胞性増殖、***嚢胞性過形成、義歯性線維症、導管過形
成、子宮内膜過形成、線維筋過形成、局所性上皮肥厚、歯肉増殖、炎症性線維性
過形成、炎症性乳頭状過形成、血管内乳頭状内皮過形成、結節性前立腺過形成、
結節性再生過形成、偽上皮腫性増殖、老年性脂腺増生症、ならびに疣贅性肥厚。
【0504】 化生は、成体の細胞または完全に分化した細胞の1つの型が、別の型の成体の
細胞に代わる制御された細胞増殖形態である。本発明の組成物(ポリヌクレオチ
ド、ポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニストを含む)を用いて、診断、
予後判断、予防および/または処置し得る化生障害としては、以下が挙げられる
が、これらに限定されない:原因不明骨髄様化生、アポクリン化生、非定型化性
(atypical metaplasia)、自己実質化生、結合組織化生、
上皮化生、腸上皮化生、化生性貧血、変形骨化、異形成性ポリープ、骨髄化生、
原発性骨髄様化生、二次性骨髄様化生、扁平化生、羊膜の扁平化生、および症候
性骨髄化生。
【0505】 形成異常は、頻繁に癌の前兆であり、そして主に上皮において見出される;形
成異常は、非腫瘍性細胞増殖の最も乱れた形態であり、これは、個々の細胞の一
様性の損失および細胞の構築的配向の喪失を含む。形成異常細胞は、しばしば異
常に大きく、深く染色される核を有し、そして多態性を呈する。形成異常は、特
徴的に慢性的な過敏または炎症の存在するところに生じる。本発明の組成物(ポ
リヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニストを含む)を用
いて、診断、予後判断、予防および/または処置し得る形成異常障害としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:無汗性外胚葉性形成異常、前後形
成異常、窒息性胸郭形成異常、心房指(atriodigital)形成異常、
気管支肺異形成症、終脳形成異常、子宮頸部形成異常、胚葉性形成異常、鎖骨頭
蓋骨形成不全、先天性外胚葉性形成異常、頭蓋骨幹形成異常、頭蓋骨手根骨足根
骨形成不全、頭蓋骨幹端形成異常、ぞうげ質異形成症、骨幹形成異常、外胚葉性
形成異常、エナメル質形成異常、脳−眼球異形成(encephalo−oph
thalmic dysplasia)、足根骨肥大、多発性骨端形成異常、点
状骨端形成異常、上皮形成異常、顔面指趾生殖器形成異常、家族性顎骨の線維性
形成障害、家族性白色襞性形成異常、線維筋性形成異常、線維性骨形成異常、開
花性骨異形成症、遺伝性腎性−網膜性形成異常(hereditary ren
al−retinal dysplasia)、発汗性外胚葉性形成異常、無汗
性外胚葉形成異常症、リンパ球減少性胸腺形成異常、***形成異常、顎顔面形成
異常、骨幹端形成異常、モンディーニ型内耳形成異常、単発性線維性形成異常、
粘膜上皮形成異常、多発性骨端形成異常、眼耳脊椎形成異常、眼歯指形成異常、
眼脊椎形成異常、歯牙形成不全、眼下顎四肢形成不全、根尖性セメント質異形成
症、多発性線維性骨形成異常、偽軟骨発育不全脊椎骨端形成異常、網膜形成異常
、中隔−視覚異形成症、脊椎骨端形成異常、および心室橈骨形成異常。
【0506】 さらに本発明の組成物(ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストまたは
アンタゴニストを含む)を用いて、診断、予後判断、予防および/または処置し
得る前腫瘍性障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:良性
の異常増殖障害(例えば、良性腫瘍、線維嚢胞状態、組織肥大、腸ポリープ、結
腸ポリープ、および食道形成異常)、白斑症、角化症、ボーエン病、農夫皮膚、
日光***炎、および日光性角化症。
【0507】 別の実施形態において、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド、抗体
、このポリペプチドに対応するアゴニストまたはアンタゴニストを用いて、本発
明のポリペプチドが発現される、表3列2(ライブラリーコード)に開示される
1、2、3、4、5,またはそれより多くの組織を含む組織に関する障害の診断
および/または予後判断し得る。
【0508】 別の実施形態において、本明細書において記載されるように毒素または放射性
同位元素に結合した、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および
/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、本明細書中に記載される
ものを含むが、これらに限定されない癌および新生物を処置し得る。さらなる好
ましい実施形態において、本明細書において記載されるように毒素または放射性
同位元素に結合した、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、および
/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、急性骨髄性白血病を処置
し得る。
【0509】 さらに本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および/またはアゴニスト
もしくはアンタゴニストは、アポトーシスに影響し得、したがって細胞生存の増
大またはアポトーシスの阻害に関する多くの疾患を処置する際に有用である。例
えば、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および/またはアゴニストも
しくはアンタゴニストを用いて診断、予後判断、予防、および/または処置し得
る細胞生存の増大またはアポトーシスの阻害に関する疾患としては、以下が挙げ
られる:癌(例えば、濾胞性リンパ腫、p53変異を伴う癌、およびホルモン依
存性腫瘍(以下を含むが、これらに限定されない:結腸癌、心臓性腫瘍(car
diac tumors)、膵臓癌、黒色腫、網膜芽腫、神経膠芽腫、肺癌、腸
癌、精巣癌、胃癌、神経芽腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、
骨巨細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、乳癌、前立腺癌、カポージ肉腫、および
卵巣癌));自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェーグレン症候群、橋本
甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet’s disease
)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、ならびに免疫性糸球体
腎炎(immune−related glomerulonephritis
)および慢性関節リウマチ)ならびにウイルス感染(例えば、ヘルペスウイルス
、ポックスウイルスおよびアデノウイルス)炎症、対宿主性移植片病、急性移植
片拒絶、ならびに慢性移植片拒絶。
【0510】 好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、およ
び/またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、癌(特に上に列挙した
もの)の増殖、進行、および/または転移を阻害する。
【0511】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および/またはアゴニストもしく
はアンタゴニストによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る
、細胞の生存を増大させることに関するさらなる疾患または状態としては、以下
の進行および/または転移が挙げられるが、これらに限定されない:悪性腫瘍お
よび関連する障害(例えば、白血病(急性白血病(例えば、急性リンパ性白血病
、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄性白血病(promyeloc
ytic)、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病を含む))、なら
びに慢性白血病(例えば、慢性骨髄性白血病(顆粒球性白血病)および慢性リン
パ性白血病)を含む)、真性赤血球増加、リンパ腫(例えば、ホジキン病および
非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、
H鎖病、および固形腫瘍(これらは、以下が挙げられるが、これらに限定されな
い:肉腫および癌(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性
肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮性肉腫(endotheliosarcoma)
、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫
、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞
癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管
支原生癌、腎細胞癌、ヘパトーム、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎生期癌、ウ
ィルムス腫、頚部癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、
星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫(
emangioblastoma)、聴神経鞘腫(acoustic neur
oma)、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽
腫、ならびに網膜芽腫))。
【0512】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および/またはアゴニストもしく
はアンタゴニストによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る
、アポトーシスを増大させることに関する疾患は、以下を含む:AIDS;神経
変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、
色素性網膜炎、小脳変性、および脳腫瘍または原発性関連疾患(prior a
ssociated disease));自己免疫障害(例えば、多発性硬化
症、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Be
hcet’s disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマト
ーデス、および免疫関連糸球体腎炎(immune−related glom
erulonephritis)および慢性関節リウマチ)、脊髄形成異常症候
群(例えば、再生不良性貧血)、対宿主性移植片病、虚血性障害(例えば、心筋
梗塞、発作、および再灌流障害に起因するもの)、肝障害(例えば、肝炎に関連
する肝障害、虚血/再灌流障害、胆汁うっ滞(cholestosis)(胆管
障害)、および肝癌);毒素誘導性肝疾患(例えば、アルコールに起因するもの
)、敗血症性ショック、悪液質ならびに食欲不振。
【0513】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および/またはアゴニストもしく
はアンタゴニストによって、診断、予後判断、予防および/または処置され得る
、過剰増殖性の疾患および/または障害としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:肝、腹部、骨、胸、消化器系、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、
上皮小体、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭、および首、神経系(
中枢神経および末梢神経)、リンパ系、骨盤、皮膚、柔組織、脾臓、胸郭および
泌尿性器路に位置する新生物。
【0514】 同様に、他の過剰増殖障害もまた、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド
、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストによって、診断、予後判断
、予防および/または処置され得る。このような過剰増殖障害の例としては、以
下が挙げられるが、これらに限定されない:高ガンマグロブリン血症、リンパ球
増殖障害、パラプロテイン血症、紫斑病、サルコイドーシス、セザリー症候群、
ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ゴシェ病、組織球増殖症、および
新形成に加えて、上に列挙した器官系に位置する他の任意の過剰増殖障害。
【0515】 別の好ましい実施形態は、本発明のポリヌクレオチドを利用して、本発明およ
び/またはそれらのタンパク質融合物もしくはフラグメントを使用する遺伝子治
療によって、異常な細胞***を阻害する。
【0516】 従って、本発明は、異常に増殖している細胞中に、本発明のポリヌクレオチド
を挿入することによって、細胞増殖性障害を処置する方法を提供し、ここでこの
ポリヌクレオチドは、この発現を抑制する。
【0517】 本発明の別の実施形態は、個体における細胞増殖性障害を処置する方法を提供
し、この方法は、異常に増殖している細胞(単数または複数)に対して、本発明
の1以上の活性な遺伝子コピーを投与する工程を包含する。好ましい実施形態で
は、本発明のポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドをコードするDNA配
列を発現する際に有効な組換え発現ベクターを含むDNA構築物である。本発明
の別の好ましい実施形態では、本発明のポリヌクレオチドをコードするDNA構
築物を、レトロウイルス、またはより好ましくは、アデノウイルスベクターを利
用して、処理されるべき細胞中に挿入する(G J.Nabelら,PNAS
1999 96:324−326(本明細書中で参考として援用される)を参照
のこと)。最も好ましい実施形態では、ウイルスベクターは欠損性であり、そし
て増殖していない細胞は形質転換せずに、増殖している細胞のみ形質転換する。
さらに、好ましい実施形態では、本発明のポリヌクレオチドを、単独または他の
ポリヌクレオチドと組み合わせてかもしくは融合してかのいずれかで、増殖して
いる細胞に挿入し、次いで、コードされるタンパク質産物の発現を誘導するよう
に、このポリヌクレオチドの上流のプロモーターにおいて作用する外部刺激(す
なわち、磁気、特定の低分子、化学薬品、または薬物投与など)を介して調節し
得る。このようにして、本発明の有益な治療的影響は、この外部刺激に基づいて
、明確に調節され得る(すなわち、本発明の発現を増加、減少、または阻害する
)。
【0518】 本発明のポリヌクレオチドは、腫瘍性遺伝子または抗原の発現を抑制するにお
いて有用であり得る。「腫瘍性遺伝子の発現を抑制する」とは、この遺伝子の転
写の抑制、この遺伝子転写物(プレメッセージRNA)の破壊、スプライシング
の阻害、メッセンジャーRNAの破壊、タンパク質の翻訳後改変の妨害、タンパ
ク質の崩壊、またはタンパク質の正常な機能の阻害を意図する。
【0519】 異常に増殖している細胞への局所投与のために、本発明のポリヌクレオチドは
、当業者に公知の任意の方法によって投与され得る。この方法には、トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、細胞の微量注入、もしくはリポソームの
ようなビヒクル、リポフェクション、または裸のポリヌクレオチドとして、ある
いは、本明細書全体を通して記載される任意の他の方法が挙げられるが、これら
に限定されない。本発明のポリヌクレオチドは、当業者に公知のレトロウイルス
ベクター(Gilboa,J.Virology 44:845(1982);
Hocke,Nature 320:275(1986);Wilsonら,P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:3014)、ワクシ
ニアウイルス系(Chakrabartyら,Mol.Cell Biol.5
:3403(1985)、または他の効率的なDNA送達系(Yatesら,N
ature 313:812(1985))のような公知の遺伝子送達系(しか
し、これらの限定されない)によって送達され得る。これらの参考文献は例示の
みであり、そして本明細書中で参考として援用される。異常に増殖している細胞
を特異的に送達またはトランスフェクトし、そして非***の細胞を残すために、
当業者に公知のレトロウイルス、またはアデノウイルス(当該分野において記載
され、そして本明細書中の他の箇所において記載されるような)送達系を利用す
ることが好ましい。宿主DNA複製は、レトロウイルスDNAを組み込むために
必要とされ、そしてレトロウイルスは、その生活環に必要とされるレトロウイル
ス遺伝子を欠損するので、自律複製し得ない。本発明のポリヌクレオチドのため
にこのようなレトロウイルス送達系を利用することは、この遺伝子および構築物
を異常に増殖している細胞へと標的化し、そして***していない正常細胞を残す
【0520】 本発明のポリヌクレオチドは、疾患部位に直接的に注射針をガイドするために
使用される画像化デバイスを使用することによって、内部の器官、腔などにおけ
る細胞増殖性障害/疾患の部位に直接的に送達され得る。本発明のポリヌクレオ
チドはまた、外科的介入の時点で、疾患部位に投与され得る。
【0521】 「細胞増殖性疾患」とは、良性であろうと悪性であろうと、細胞、細胞群、ま
たは組織の単一または複数の局所的異常増殖によって特徴付けられる、器官、腔
、または身体部分のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに罹患する、ヒト
または動物の任意の疾患または障害を意味する。
【0522】 本発明のポリヌクレオチドの任意の量が、それらが処理された細胞の増殖に対
して生物学的に阻害する効果を有する限り、投与され得る。さらに、同一部位に
同時に、本発明の1より多くのポリヌクレオチドを投与することが可能である。
「生物学的に阻害する」とは、部分的または全体的な増殖阻害、ならびに細胞の
増殖または成長の速度減少を意味する。生物学的に阻害性の用量は、組織培養物
中の標的悪性疾患または異常に増殖している細胞増殖、動物および細胞培養物中
の腫瘍増殖に対する本発明のポリヌクレオチドの効果を評価することによって、
または当業者に公知の任意の他の方法によって、決定され得る。
【0523】 本発明はさらに、記載された1以上の障害を処置するために、哺乳動物(好ま
しくは、ヒト)患者に、抗ポリペプチド抗体および抗ポリヌクレオチド抗体を投
与することを包含する、抗体に基づく治療に関する。抗ポリペプチド抗体、およ
び抗ポリヌクレオチド抗体であるポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体
を産生する方法は、本明細書中の他の箇所で詳細に記載されている。このような
抗体は、当業者に公知または本明細書中に記載のような薬学的に受容可能な組成
物において提供され得る。
【0524】 本発明の抗体が治療的に使用され得る様式をまとめると、身体内に局所的また
は全身的に本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを結合させることか、
または抗体の直接的な細胞傷害性によるか(例えば、補体(CDC)によるか、
またはエフェクター細胞(ADCC)によって媒介されるような)が挙げられる
。これらのアプローチのいくつかは、以下により詳細に記載される。本明細書中
に提供される教示を携えて、当業者は、過度な実験を伴わずに、診断目的、モニ
タリング目的、または治療目的のために本発明の抗体を使用する方法を知る。
【0525】 特に、本発明の抗体、フラグメント、および誘導体は、本明細書中に記載のよ
うな細胞の増殖および/または分化障害を有するかまたは発生させている被験体
を処置するために有用である。このような処置は、単回用量または複数回用量の
抗体、またはそれらのフラグメント、誘導体、もしくは結合体を投与する工程を
包含する。
【0526】 本発明の抗体は、他のモノクローナル抗体もしくはキメラ抗体と組み合わせて
、またはリンホカインもしくは造血性増殖因子(例えば、抗体と相互作用するエ
フェクター細胞の数または活性を増加させるように作用する)と組み合わせて、
有利なように利用され得る。
【0527】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド(それらのフラグメントを含む
)に関連した障害に関するイムノアッセイおよびその障害の治療の両方のために
、本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチド、それらのフラグメントもし
くは領域に対して高親和性であり、および/またはインビボで強力に阻害および
/または中和する抗体を使用することが好ましい。このような抗体、フラグメン
ト、または領域は、好ましくは、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド(それら
のフラグメントを含む)に対して親和性を有する。好ましい結合親和性としては
、5×10−6M,10−6M,5×10−7M,10−7M,5×10−8
,10−8M,5×10−9M,10−9M,5×10−10M,10−10
,5×10−11M,10−11M,5×10−12M,10−12M,5×1
−13M,10−13M,5×10−14M,10−14M,5×10−15 M,および10−15M未満の解離定数またはKdを有するものが挙げられる。
【0528】 さらに、本発明のポリペプチドは、単独でか、タンパク質融合物としてか、ま
たは本明細書中の他の箇所に記載されるように直接的または間接的に他のポリペ
プチドと組み合わせるかのいずれかで、増殖性の細胞または組織の新脈管形成を
阻害するにおいて有用である。最も好ましい実施形態では、この抗新脈管形成作
用は、例えば、造血性腫瘍特異的細胞(例えば、腫瘍関連マクロファージ)の阻
害を通して、間接的に達成され得る(Joseph IBら,J Natl C
ancer Inst,90(21):1648−53(1998)(本明細書
中で参考として援用される)を参照のこと)。本発明のポリペプチドまたはポリ
ヌクレオチドに対して指向した抗体はまた、直接的または間接的に、新脈管形成
の阻害を引き起こし得る(Witte Lら,Cancer Metastas
is Rev.17(2):155−61(1998)(本明細書中で参考とし
て援用される)を参照のこと)。
【0529】 本発明のポリペプチド(タンパク質融合物を含む)またはそのフラグメントは
、アポトーシスの誘導を通して増殖性の細胞または組織を阻害するにおいて有用
であり得る。このポリペプチドは、例えば、死ドメイン(death−doma
in)レセプター(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)レセプター−1、CD95
(Fas/APO−1)、TNFレセプター関連アポトーシス媒介性タンパク質
(TRAMP)およびTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)レセ
プター−1および−2(Schulze−Osthoff Kら,Eur J
Biochem 254(3):439−59(1998)(本明細書中で参考
として援用される)を参照のこと))の活性化において、増殖性の細胞および組
織のアポトーシスを誘導するように、直接的または間接的のいずれかで作用し得
る。さらに、本発明の別の好ましい実施形態では、このポリペプチドは、アポト
ーシスを活性化する他のタンパク質の活性化におけるような他の機構を通してか
、あるいは単独または低分子薬物もしくはアジュバント(例えば、アポプトニン
(apoptonin)、ガレクチン(galectin)、チオレドキシン、
抗炎症性タンパク質(例えば、Mutat Res 400(1−2):447
−55(1998),Med Hypotheses.50(5):423−3
3(1998),Chem Biol Interact.Apr 24;11
1−112:23−34(1998),J Mol Med.76(6):40
2−12(1998),Int J Tissue React;20(1):
3−15(1998)(これらはすべて、本明細書中で参考として援用される)
を参照のこと))と組み合わせてかのいずれかで、このタンパク質の発現を刺激
することを通して、アポトーシスを誘導し得る。
【0530】 本発明のポリペプチド(それに対するタンパク質融合物を含む)、またはその
フラグメントは、増殖性細胞または組織の転移を阻害する際に有用である。阻害
は、本明細書中他の箇所に記載されるように、ポリペプチドまたは上記ポリペプ
チドに対する抗体を投与する工程の直接的結果として、または間接的に(例えば
、転移を阻害することが公知のタンパク質(例えば、α4インテグリン)の発現
を活性化する)生じ得る(例えば、本明細書中に参考として援用される、Cur
r Top Microbiol Immunol 1998;231:125
−41を参照のこと)。本発明のこのような治療的影響は、単独で、または低分
子薬物もしくはアジュバントと組み合わせてかのいずれかで達成され得る。
【0531】 別の実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチド(例えば、ポリペプ
チドまたは異種ポリペプチドに関連するポリペプチド抗体、異種核酸、毒素、ま
たはプロドラッグを含む組成物)を含む組成物を、本発明のポリペプチドを発現
する、標的とされた細胞に送達する方法を提供する。本発明のポリペプチドまた
はポリペプチド抗体は、異種ポリペプチド、異種核酸、毒素、またはプロドラッ
グと、疎水性、親水性、イオン性および/または共有結合的な相互作用を通じて
結合され得る。
【0532】 本発明のポリペプチド、それに対するタンパク質融合物、またはそのフラグメ
ントは、増殖性抗原および免疫原に対して、直接的(例えば、本発明のポリペプ
チドが「ワクチン接種」された場合、上記の抗原および免疫原に対して応答する
ように免疫応答を生じる)または間接的(例えば、免疫応答を増強することが公
知のタンパク質(例えば、ケモカイン)の発現を活性化することにおいて)のい
ずれかで、増殖している細胞または組織の免疫原性および/または抗原性を増強
する際に有用である。
【0533】 (腎臓疾患) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、抗体および/またはアゴニ
ストもしくはアンタゴニストを使用して、腎臓系の障害を、処置、予防、診断、
および/または予後判定し得る。本発明の組成物を用いて診断、予後判定、予防
、および/または処置され得る腎臓疾患としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:腎不全、腎炎、腎臓の血管障害、代謝性腎臓障害および先天性
腎臓障害、腎臓の尿障害、自己免疫障害、硬化症および壊死、電解質不均等、お
よび腎臓癌。
【0534】 本発明の組成物を用いて診断、予後判定、予防、および/または処置され得る
腎疾患としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:急性腎不全、慢
性腎不全、アテローム塞栓症、末期腎臓疾患、腎臓の炎症性疾患(例えば、急性
糸球体腎炎、感染後糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、膜
性糸球体腎炎、家族性ネフローゼ症候群、膜性増殖性糸球体腎炎IおよびII、
メサンギウム増殖性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、急性尿細管間質性腎炎、慢性
尿細管間質性腎炎、急性溶連菌感染後性糸球体腎炎(PSGN)、腎盂腎炎、ル
ープス腎炎、慢性腎炎、間質性腎炎、および溶連菌感染後性糸球体腎炎)、腎臓
の血管障害(例えば、腎感染、アテローム塞栓症性腎臓疾患、皮質壊死、悪性腎
硬化症、腎静脈血栓症、腎貫流低下(renal underperfusio
n)、腎性網膜症(renal retinopathy)、腎虚血再灌流(r
enal ischemia−reperfusion)、腎動脈塞栓症、およ
び腎動脈狭窄)、そして尿管疾患に起因する腎障害(例えば、腎盂腎炎、水腎症
、尿石症(腎結石症、腎石症)、逆流性腎症、尿管感染、尿閉(urinary
retention)、および急性または慢性片側閉塞性尿路疾患)。
【0535】 さらに、本発明の組成物を用いて、腎臓の代謝障害および先天性障害(例えば
、***、腎アミロイドーシス、腎性骨形成異常症、尿細管性アシドーシス、腎
性糖尿、腎原性尿崩症、シスチン尿症、ファンコーニ症候群、腎性くる病(re
nal fibrocystic osteosis(renal ricke
ts))、ハートナップ病、バーター症候群、リドル症候群、多発性嚢胞腎疾患
、髄質嚢胞病、髄質海綿腎、アルポート症候群、爪−膝蓋骨症候群、先天性ネフ
ローゼ症候群、クラッシュ症候群、馬蹄腎、糖尿病性ニューロパシー、腎原性尿
崩症、鎮痛薬性腎症、腎結石、および膜性腎症)、ならびに腎臓の自己免疫障害
(例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、グッドパスチャー症候群、Ig
A腎症、およびIgMメサンギウム増殖性糸球体腎炎))を診断、予後判定、予
防、および/または処置し得る。
【0536】 本発明の組成物はまた、腎臓の硬化性障害または壊死性障害(例えば、糸球体
硬化症、糖尿病性腎症、巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)、壊死性糸球体腎
炎、および腎乳頭壊死)、腎臓の癌(例えば、腎腫、副腎腫、腎芽細胞腫、腎細
胞癌、移行上皮癌、腎癌腫、扁平上皮癌、およびウィルムス腫瘍)、ならびに電
解質の不均等(例えば、腎石灰症、膿尿、水腫、水腎症、蛋白尿、低ナトリウム
血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症
、高カルシウム血症、低リン酸塩血症、および高リン酸塩血症)を診断、予後判
定、予防、および/または処置し得る。
【0537】 ポリペプチドは、送達部位での直接針注入、静脈注射、局所投与、カテーテル
注入、微粒子銃インジェクタ(biolistic injection)、粒
子加速器(particle accelerator)、ゲルフォームスポン
ジデポット(gelfoam sponge depot)、他の市販のデポッ
ト材料、浸透圧ポンプ、経口用または坐剤用の固体の薬学的処方物、手術中のデ
カント(decanting)または局所塗布、エーロゾル送達を含むが、これ
らに限定されない、当該分野で公知の任意の方法を用いて投与され得る。このよ
うな方法は、当該分野で公知である、ポリペプチドは、以下により詳細に記載さ
れるように、治療剤の一部として投与される。ポリペプチドを送達する方法は、
本明細書中により詳細に記載される。
【0538】 (心臓血管障害) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストを使用して、四肢虚血のような末梢動脈疾患を含むがこれらに限
定されない、心臓血管障害を処置し得る。
【0539】 心臓血管障害としては、動動脈瘻(arterio−arterial fi
stula)、動静脈瘻、大脳動静脈先天異常、先天性心欠陥(congeni
tal heart defects)、肺動脈弁閉鎖症、およびシミター症候
群のような心臓血管異常が挙げられる。先天性心欠陥としては、大動脈縮窄、三
房心、冠状脈管奇形(coronary vessel anomalies)
、交差心、右胸心、開存性動脈管(patent ductus arteri
osus)、エブスタイン奇形、アイゼンメンガー複合体、左心室発育不全症候
群、左胸心、ファロー四徴症、大血管転位症、両大血管右室起始症、三尖弁閉鎖
症、動脈管遺残、および心中隔欠損症(heart septal defec
ts)(例えば、大動脈肺動脈中隔欠損症(aortopulmonary s
eptal defect)、心内膜床欠損症、リュタンバッシェ症候群、ファ
ロー三徴症、心室心中隔欠損症(ventricular heart sep
tal defects))が挙げられる。
【0540】 心臓血管障害としてはまた、不整脈、カルチノイド心臓病、高心拍出量(hi
gh cardiac output)、低心拍出量(low cardiac
output)、心タンポナーデ、心内膜炎(細菌性を含む)、心臓動脈瘤、
心停止、うっ血性心不全、うっ血性心筋症、発作性呼吸困難、心臓水腫、心肥大
、うっ血性心筋症、左心室肥大、右心室肥大、梗塞後心破裂(post−inf
arction heart rupture)、心室中隔破裂、心臓弁疾患、
心筋疾患、心筋虚血、心内膜液浸出、心外膜炎(梗塞性および結核性を含む)、
気心膜症、心膜切開後症候群、右心疾患、リウマチ性心疾患、心室機能不全、充
血、心臓血管妊娠合併症(cardiovascular pregnancy
complications)、シミター症候群、心血管梅毒、および心血管
結核(cardiovascular tuberculosis)のような心
臓病が挙げられる。
【0541】 不整脈としては、洞性不整脈、心房性細動、心房粗動、徐脈、期外収縮、アダ
ムズ−ストークス症候群、脚ブロック、洞房ブロック、長QT症候群(long
QT syndrome)、副収縮、ローン−ギャノング−レヴァイン症候群
、マヘーム型早期興奮症候群(Mahaim−type pre−excita
tion syndrome)、ウルフ−パーキンソン−ホワイト症候群、洞不
全症候群、頻拍、および心室性細動が挙げられる。頻拍としては、発作性頻拍、
上室性頻拍、心室固有調律促進、房室結節性再入頻拍(atrioventri
cular nodal reentry tachycardia)、異所心
房性頻拍、異所接合部頻拍、洞房結節性再入頻拍(sinoatrial no
dal reentry tachycardia)、洞性頻拍、トルサード・
ド・ポワント、および心室性頻拍が挙げられる。
【0542】 心臓弁疾患としては、大動脈弁機能不全症、大動脈弁狭窄症、心雑音(hea
r murmurs)、大動脈弁逸脱症、僧帽弁逸脱症、三尖弁逸脱症、僧帽弁
機能不全、僧帽弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖症、肺動脈弁機能不全、肺動脈弁狭窄症
、三尖閉鎖症、三尖弁機能不全、および三尖弁狭窄症が挙げられる。
【0543】 心筋疾患としては、アルコール性心筋症、うっ血性心筋症、肥大型心筋症、弁
下部性大動脈狭搾症(、弁下部性肺動脈狭搾症、拘束型心筋症、シャーガス心筋
症、心内膜線維弾性症、心内膜心筋線維症、キーンズ症候群、心筋再灌流障害、
および心筋炎が挙げられる。
【0544】 心筋性虚血としては、狭心症、冠動脈瘤、冠動脈硬化、冠動脈血栓症、冠動脈
血管痙攣、心筋梗塞、および心筋気絶(myocardial stunnin
g)のような冠動脈疾患が挙げられる。
【0545】 心臓血管疾患としてはまた、動脈瘤、血管形成異常、血管腫症、細菌性血管腫
症状、ヒッペル−リンダラ疾患(Hippel−Lindau Disease
)、クリペル−トルノネー−ウェーバー症候群、スタージ−ウェーバー症候群、
血管運動神経性水腫、大動脈疾患、高安動脈炎、大動脈炎、ルリーシュ症候群、
動脈閉塞疾患、動脈炎、動脈内膜炎(enarteritis)、結節性多発性
動脈炎、脳血管障害、糖尿病性血管障害、糖尿病性網膜症、塞栓症、血栓症、先
端紅痛症、痔、肝静脈閉塞障害、高血圧、低血圧、虚血、末梢血管障害、静脈炎
、肺静脈閉塞疾患、高血圧、低血圧、虚血、末梢血管疾患、静脈炎、肺静脈閉塞
疾患、レーノー病、CREST症候群、網膜静脈閉塞、シミター症候群、上大静
脈症候群、毛細血管拡張症、毛細血管拡張性運動失調(atacia tela
ngiectasia)、遺伝性出血性毛細管拡張症、精索静脈瘤、拡張蛇行静
脈、静脈瘤性潰瘍、脈管炎、および静脈機能不全のような血管疾患が挙げられる
【0546】 動脈瘤としては、解離性動脈瘤、偽動脈瘤、感染した動脈瘤、破裂した動脈瘤
、大動脈性動脈瘤、大脳性動脈瘤、冠動脈瘤、心動脈瘤、および腸骨性動脈瘤が
挙げられる。
【0547】 動脈閉塞疾患としては、動脈硬化症、間欠性跛行、頸動脈狭窄症、線維筋性形
成異常、腸間膜性血管閉塞、モヤモヤ病、腎動脈閉塞、網膜動脈閉塞、および閉
塞性血栓性血管炎が挙げられる。
【0548】 脳血管障害としては、頸動脈疾患、脳のアミロイドアンギオパチー、大脳動脈
瘤、大脳無酸素症、大脳動脈硬化、大脳動静脈先天異常、大脳動脈疾患、大脳の
塞栓症および血栓症、頸動脈血栓症、洞血栓症、ヴァレンベルク症候群、大脳出
血、硬膜上血腫、硬膜下血腫、クモ膜下出血(subaraxhnoid he
morrhage)、大脳梗塞、大脳虚血(一過性を含む)、鎖骨下動脈盗血症
候群、室周白軟化症(periventricular leukomalac
ia)、血管性頭痛、群発性頭痛、片頭痛、および椎骨基部(vertebro
basilar)機能不全が挙げられる。
【0549】 塞栓症としては、空気塞栓症、羊水塞栓症、コレステロール塞栓症、爪先チア
ノーゼ症候群、脂肪塞栓症、肺動脈塞栓症、および血栓塞栓症が挙げられる。血
栓症としては、冠状動脈血栓症、肝静脈血栓症、網膜静脈閉塞、頸動脈血栓症、
洞血栓症、ヴァレンベルク症候群、および血栓性静脈炎が挙げられる。
【0550】 虚血としては、大脳虚血、虚血性大腸炎、仕切り症候群(compartme
nt syndrome)、前仕切り症候群(anterior compar
tment syndrome)、心筋虚血、再灌流傷害、および末梢四肢虚血
が挙げられる。脈管炎としては、大動脈炎、動脈炎、ベーチェット(Behce
t)症候群、チャーグ−ストラウス症候群、粘膜皮膚リンパ節症候群、閉塞性血
栓性血管炎、過敏性血管炎、シェーンライン−ヘーノホ紫斑病(Schoenl
ein−Henoch purpura)、アレルギー性皮膚血管炎およびヴェ
ーゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0551】 ポリペプチドは、当該分野で公知である任意の方法を使用して投与され得、こ
れらの方法としては、送達部位における直接的針注射、静脈内注射、局所投与、
カテーテル注入、微粒子銃(biolistic)注射、粒子加速器、ゲルフォ
ームスポンジデポー、他の市販デポー物質、浸透圧ポンプ、経口または坐剤の固
形薬学的処方物、手術中のデカンティングまたは局所適用、エアロゾル送達が挙
げられるが、これらに限定されない。そのような方法は当該分野で公知である。
本発明のポリペプチドは、下記でより詳細に記載される、治療剤(Therap
eutic)の一部として投与され得る。ポリヌクレオチドを送達する方法は本
明細書中でより詳細に記載される。
【0552】 (呼吸障害) 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタ
ゴニストを用いて、呼吸器系の疾患および/または障害を、処置、診断および/
または予後判定し得る。
【0553】 呼吸器系の疾患および障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定され
ない:鼻前庭炎(nasal vestibulitis)、非アレルギー性鼻
炎(例えば、急性鼻炎、慢性鼻炎、アトピー性鼻炎、血管運動神経性鼻炎)、鼻
ポリープ、ならびに静脈洞炎、若年性血管線維腫、鼻の癌および若年性乳頭腫、
声帯結節(歌手結節)、接触潰瘍(contact ulcer)、声帯結節麻
痺、喉頭気腫、咽頭炎(例えば、ウイルス性および細菌性)、扁桃炎、扁桃蜂巣
炎、副咽頭間隙膿瘍、喉頭炎、喉頭気腫、、ならびに咽喉癌(例えば、鼻咽頭の
癌、扁桃癌、咽頭癌)、肺癌(例えば、扁平上皮癌、小細胞(燕麦細胞)癌、大
細胞癌、および腺癌)、アレルギー性障害(好酸球性肺炎、過敏性肺炎(例えば
、外因性アレルギー性肺胞炎、アレルギー性間質性肺炎、有機塵肺症、アレルギ
ー性気管支肺アスペルギルス症、喘息、ヴェーゲナー肉芽腫症(肉芽腫性脈管炎
)、グッドパスチャー症候群))、肺炎(例えば、細菌性肺炎(strepto
coccus pneumoniae(連鎖球菌性肺炎)、Staphyloc
occus aureus(ブドウ球菌性肺炎)、グラム陰性細菌性肺炎(例え
ば、KlebsiellaおよびPseudomas spp.により引き起こ
される)、Mycoplasma peumoniae肺炎、Hemophil
us influenzae肺炎、Legionella pneumophi
la(レジオネラ症)、およびChlamydia psittaci(オウム
病))、ならびにウイルス性肺炎(例えば、インフルエンザ、水痘(varic
ella))。
【0554】 呼吸器系のさらなる疾患および障害としては、以下が挙げられるが、これらに
限定されない:細気管支炎、ポリオ(灰白髄炎)、クループ、RSウイルス感染
、おたふくかぜ、伝染性紅斑(第五病)、小児バラ疹、進行性風疹汎脳炎(pr
ogressive rubella panencephalitis)、風
疹、および亜急性硬化性汎脳炎)、真菌性肺炎(例えば、ヒストプラスマ症、コ
クシジオイデス真菌症、ブラストミセス症、重篤に抑制された免疫系を有する人
における真菌感染(例えば、Cryptococcus neoformans
により引き起こされる、クリプトコックス症;Aspergillus spp
.により引き起こされる、アスペルギルス症;Candidaにより引き起こさ
れる、カンジダ症))、Pneumocystis carinii(ニューモ
システィス肺炎)、異型肺炎(例えば、MycoplasmaおよびChlam
ydia spp.)、日和見感染肺炎、院内感染肺炎、化学物質肺炎、および
吸引性肺炎、胸膜障害(例えば、胸膜炎、胸水、および気胸症(例えば、単純自
然気胸、併発自然気胸、緊張性気胸))、閉塞性気道疾患(例えば、喘息、慢性
閉塞性肺疾患(COPD)、気腫、慢性または急性気管支炎)、職業性肺疾患(
例えば、珪肺症、黒色肺(炭坑夫塵肺症)、石綿沈着症、ベリリウム症、職業性
喘息、および良性塵肺症)、浸潤性肺疾患(例えば、肺線維症(例えば、線維化
肺胞炎、通常型間質性肺炎)、特発性肺線維症、剥離性間質性肺炎、リンパ球性
間質性肺炎、原因不明性組織球増殖症(例えば、レテラー−ジーヴェ病、ハンド
−シュラー−クリスチャン病、好酸球性肉芽腫)、特発性肺ヘモジデリン沈着症
、サルコイドーシス、および肺胞性蛋白症)、急性呼吸窮迫症候群(例えば、ウ
イルス、細菌)、気管支拡張症、無気肺、肺膿瘍(例えば、Staphyloc
occus aureusまたはLegionella pneumophil
aにより引き起こされる)、ならびに嚢胞性線維症。
【0555】 (抗新脈管形成活性) 新脈管形成の内因性の、刺激因子とインヒビターとの間の天然に存在する平衡
は、阻害影響が優勢である平衡である。Rastinejadら、Cell 5
6:345〜355(1989)。新生血管形成が正常な生理学的条件下におい
て生じるまれな場合(例えば、創傷治癒、器官再生、胚発生、および雌性生殖プ
ロセス)において、新脈管形成は、厳密に調節され、そして空間的および時間的
に定められる。病的な新脈管形成の条件(例えば、固形腫瘍増殖を特徴付ける)
の下において、これらの調節の制御はできない。調節されていない新脈管形成は
病的になり、そして多くの新生物性疾患および非新生物性疾患の進行を維持する
。多くの重篤な疾患は、固形腫瘍の増殖および転移、関節炎、いくつかの型の眼
の障害および乾癬を含む、異常な新生血管形成により支配される。例えば、Mo
sesら、Biotech.9:630〜634(1991);Folkman
ら、N.Engl.J.Med.、333:1757〜1763(1995);
Auerbachら、J.Microvasc.Res.29:401〜411
(1985);Folkman、Advances in Cancer Re
search、KleinおよびWeinhouse編、Academic P
ress、New York、175〜203頁(1985);Patz、Am
.J.Opthalmol.94:715〜743(1982);およびFol
kmanら、Science 221:719〜725(1983)による概説
を参照のこと。多くの病的状態において、新脈管形成のプロセスは、その疾患状
態に寄与する。例えば、固形腫瘍の増殖が新脈管形成に依存することを示唆する
有意なデータが蓄積されている。FolkmanおよびKlagsbrun、S
cience 235:442〜447(1987)。
【0556】 本発明は、本発明のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド、ならびに
本発明のアゴニストまたはアンタゴニストの投与による新生血管形成に関連する
疾患または障害の処置を提供する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストを用いて処置し得る悪性状態およ
び転移性状態には、本明細書に記載の悪性疾患、固形腫瘍、および癌、ならびに
当該分野で公知の他のもの(このような障害の総説については、Fishman
ら、Medicine、第2版、J.B.Lippincott Co.,Ph
iladelphia(1985)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限
定されない。従って、本発明は、新脈管形成関連疾患および/または障害の処置
の方法を提供し、この方法は、治療有効量の、本発明のポリヌクレオチド、ポリ
ペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストを、その処置の必要な個体
に投与する工程を包含する。例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタ
ゴニストおよび/またはアゴニストは、癌または腫瘍を治療的に処置するために
、種々のさらなる方法で利用され得る。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アン
タゴニストおよび/またはアゴニストで処置され得る癌としては、前立腺癌、肺
癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、精巣癌、肝臓癌、耳下腺癌
、胆管癌、結腸癌、直腸癌、頸部癌、子宮癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膀胱癌、甲
状腺癌を含む固形腫瘍;原発性腫瘍および転移;黒色腫;膠芽腫;カポージ肉腫
;平滑筋肉腫;非小細胞肺癌;結腸直腸癌;進行性(advanced)悪性疾
患;および血液から生じる腫瘍(例えば、白血病)が挙げられるが、これらに限
定されない。例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび
/またはアゴニストは、皮膚癌、頭頸部腫瘍、***腫瘍およびカポージ肉腫のよ
うな癌を処置するために、局所送達され得る。
【0557】 なお他の局面において、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストお
よび/またはアゴニストは、例えば膀胱内投与によって膀胱癌の表面形態を処置
するために利用され得る。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストお
よび/またはアゴニストは、腫瘍に直接的に、または注射もしくはカテーテルを
介して腫瘍部位付近に送達され得る。当然のことながら、当業者が理解するよう
に、適切な投与様式は、処置されるべき癌によって変化する。他の送達様式は本
明細書中において議論される。
【0558】 ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニスト
は、癌に加えて、他の障害(新脈管形成を含む)を処置する際に有用であり得る
。これらの障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:良性腫
瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫
);動脈硬化プラーク;眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟網膜
症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖、ルベオーシ
ス、網膜芽細胞腫、ブドウ膜炎(uvietis)および眼の翼状片(Pter
ygia)(異常な血管増殖));慢性関節リウマチ;乾癬;遅延型創傷治癒;
子宮内膜症;脈管形成;顆粒化;過形成性瘢痕(ケロイド);偽関節骨折;強皮
症;トラコーマ;血管接着;心筋の新脈管形成;冠状側副枝(coronary
collaterals);大脳側副枝;動静脈奇形;虚血性四肢新脈管形成
;オースラー−ウェーバー(Osler−Webber)症候群;プラーク新生
血管形成;毛細血管拡張症;血友病性関節;血管線維腫;線維筋性形成異常;創
傷顆粒化;クローン病;およびアテローム性動脈硬化症。
【0559】 例えば、本発明の1つの局面において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプ
チド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストを過形成性瘢痕またはケロイド
に投与する工程を包含する、過形成性瘢痕およびケロイドを処置するための方法
が提供される。
【0560】 本発明の1つの実施形態において、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタ
ゴニストおよび/またはアゴニストは、過形成性瘢痕またはケロイドに、これら
の病変の進行を妨げるために直接注射される。この治療は、過形成性瘢痕および
ケロイド(例えば、やけど)の発生を生じることが知られている状態の予防処置
において特に価値があり、そして好ましくは、増殖期が進行する時間(最初の傷
害の約14日後)を有した後であるが、過形成性瘢痕またはケロイドの発生の前
に開始される。上述のように、本発明はまた、眼の新生血管形成疾患(例えば、
角膜新生血管形成、血管新生緑内障、増殖性糖尿病網膜症、水晶体後線維増殖お
よび黄斑変性を含む)を処置するための方法を提供する。
【0561】 さらに、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(アゴニストおよび/
またはアンタゴニストを含む)を用いて処置され得る新生血管形成に関連する眼
の障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:血管新生緑内障
、糖尿病網膜症、網膜芽細胞腫、水晶体後線維増殖症、ブドウ膜炎、未熟網膜症
、黄斑変性、角膜移植新生血管形成、ならびに他の眼の炎症性疾患、眼の腫瘍、
および脈絡膜または虹彩の新生血管形成に関連する疾患。例えば、Waltma
nら、Am.J.Ophthal.85:704〜710(1978)およびG
artnerら、Surv.Ophthal.22:291〜312(1978
)による総説を参照のこと。
【0562】 従って、本発明の1つの局面において、治療有効量の化合物(上記)を患者に
対して、血管の形成が阻害されるように角膜に投与する工程を包含する、角膜新
生血管形成(角膜移植新生血管形成を含む)のような眼の新生血管形成疾患を処
置するための方法が、提供される。簡潔には、角膜は、通常には血管を欠く組織
である。しかし、特定の病的状態において、毛細血管は、縁の角膜周囲脈管叢か
ら角膜に伸長し得る。角膜が血管化されるようになる場合、角膜はまた混濁され
るようになり、患者の視力の衰えを生じる。角膜が完全に不透明になる(opa
citate)場合に、視力喪失が完全になり得る。広範な種々の障害は、例え
ば、以下を含む角膜新生血管形成を生じ得る:角膜感染(例えば、トラコーマ、
単純ヘルペス角膜炎、リーシュマニア症およびオンコセルカ症)、免疫学的プロ
セス(例えば、移植片拒絶およびスティーヴンズ−ジョンソン症候群)、アルカ
リやけど、外傷、炎症(任意の原因による)、毒性および栄養欠乏状態、ならび
にコンタクトレンズを装着することの合併症として。
【0563】 特に好ましい実施形態において、本発明は、生理食塩水(眼に用いる調製物に
おいて一般に使用される任意の保存剤および抗菌剤と組合せて)中で局所投与の
ために調製され得、そして点眼剤形態で投与され得る。溶液または懸濁液は、そ
の純粋な形態で調製され得、そして1日に数回投与され得る。あるいは、上記の
ように調製される抗脈管形成組成物はまた、角膜に直接投与され得る。好ましい
実施形態において、抗脈管形成組成物は、角膜に結合する粘膜接着性ポリマーと
ともに調製される。さらなる実施形態において、抗脈管形成因子または抗脈管形
成組成物は、従来のステロイド治療に対する補助剤として利用され得る。局所治
療はまた、脈管形成応答(例えば、化学的やけど)を誘導する高い可能性を有す
ることが公知である角膜病変において予防的に有用であり得る。これらの場合に
おいて、処置(おそらくステロイドと組み合わせられる)は、その後の合併症を
予防するのを補助するために直ちに開始され得る。
【0564】 他の実施形態において、上記の化合物は、角膜支質に直接、顕微鏡の案内の下
で眼科医によって注入され得る。好ましい注射部位は、個々の病巣の形態で変化
し得るが、投与の目標は、脈管構造の前進している面に組成物を置くこと(すな
わち、血管と正常な角膜との間に分散される)である。ほとんどの場合において
、これは、前進している血管から角膜を「防御」するための縁周囲(peril
imbic)角膜注射を含む。この方法はまた、角膜新生血管形成を予防的に防
ぐために、角膜傷害の直後に利用され得る。この状況において、この物質は、角
膜病巣とその所望されない潜在的な血液供給の縁との間に分散して縁周囲角膜に
注射され得る。このような方法はまた、類似の様式で、移植された角膜の毛細血
管浸潤を予防するために利用され得る。徐放形態において、注入は、1年に2〜
3回のみ必要とされ得る。ステロイドもまた、注入溶液に添加され、その注射自
体から生じる炎症を低減し得る。
【0565】 本発明の別の局面において、患者に、血管の形成を阻害するように、治療有効
量のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニス
トを眼に投与する工程を包含する、血管新生緑内障を処置するための方法が提供
される。1つの実施形態において、化合物は、血管新生緑内障の早期形態を処置
するために、眼に局所投与され得る。他の実施形態において、化合物は、前方角
(anterior chamber angle)の領域に注入によって移植
され得る。他の実施形態において、化合物はまた、化合物が眼房水に連続的に放
出されるように、任意の位置に置かれ得る。本発明の別の局面において、患者に
、血管の形成が阻害されるように、治療有効量のポリヌクレオチド、ポリペプチ
ド、アンタゴニストおよび/またはアゴニストを眼に投与する工程を包含する、
増殖性糖尿病性網膜症を処置するための方法が提供される。
【0566】 本発明の特に好ましい実施形態において、増殖性糖尿病性網膜症は、網膜にお
けるポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニス
トの局所濃度を増加させるために、眼房水または硝子体への注入によって処置さ
れ得る。好ましくは、この処置は、光凝固を必要とする重篤な疾患の獲得の前に
開始されるべきである。
【0567】 本発明の別の局面において、血管の形成が阻害されるように、患者に、治療有
効量のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アンタゴニストおよび/またはアゴニ
ストを眼に投与する工程を包含する、水晶体後線維増殖症を処置するための方法
が、提供される。化合物は、硝子体内注射を介して、および/または眼内移植を
介して局所投与され得る。
【0568】 さらに、このポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはア
ゴニストで処置され得る障害としては、以下が挙げられるが、それらに限定され
ない:血管腫、関節炎、乾癬、血管線維腫、アテローム性プラーク、遅延型創傷
治癒、顆粒化、血友病性関節、過形成性瘢痕、偽関節骨折、オースラー−ウェー
バー(Osler−Weber)症候群、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマ、
および血管接着。
【0569】 さらに、このポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはア
ゴニストで処置され得る障害および/または状態としては、以下が挙げられるが
、それらに限定されない:固形腫瘍、血液由来の(blood born)腫瘍
(例えば、白血病)、腫瘍転移、カポージ肉腫、良性腫瘍(例えば、血管腫、聴
神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫)、慢性関節リウマチ、
乾癬、眼の脈管形成疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、黄斑変性、角
膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、網膜芽細胞
腫、およびブドウ膜炎(uvictis))、遅延型創傷治癒、子宮内膜症、脈
管形成、顆粒化、過形成性瘢痕(ケロイド)、偽関節骨折、強皮症、トラコーマ
、血管接着、心筋の新脈管形成、冠状側副枝(coronary collat
erals)、大脳側副枝、動静脈奇形、虚血性四肢新脈管形成、オースラー−
ウェーバー症候群、プラーク新生血管形成、毛細血管拡張症、血友病性関節、血
管線維腫、線維筋性形成異常、創傷顆粒化、クローン病、アテローム性動脈硬化
症、産児制限薬剤(月経を制御する、胎芽着床のために必要な血管新生を予防す
ることによる)、病原性の結果(例えば、ネコ引っかき病(Rochele m
inalia quintosa)、潰瘍(Helicobacter pyl
ori)、バルトネラ症および細菌性血管腫症状)のような新脈管形成を有する
疾患。
【0570】 出産制限方法の1つの局面において、胎芽着床をブロックするに十分な化合物
の量は、***および受精が起こる前またはその後に投与され、従って産児制限の
有効な方法、おそらく「事後用(morning after)」方法を提供す
る。ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニストは
また、月経を制御することにおいて使用され得るか、または子宮内膜症の処置に
おける腹膜洗浄液として、もしくは腹膜移植のためのいずれかで投与され得る。
【0571】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニ
ストは、縫合(stitch)肉芽腫を予防するために、外科縫合に組み込まれ
得る。
【0572】 ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニストは、
広範な種々の外科手順において利用され得る。例えば、本発明の1つの局面にお
いて、組成物(例えば、スプレーまたはフィルムの形態において)は、悪性組織
から正常な周囲の組織を分離するため、そして/または周囲の組織への疾患の広
がりを予防するために、腫瘍の除去の前に、領域をコートまたはスプレーするた
めに利用され得る。本発明の他の局面において、組成物(例えば、スプレーの形
態において)は、腫瘍をコートするため、または所望の場所において新脈管形成
を阻害するために、内視鏡手順を介して送達され得る。本発明のなお他の局面に
おいて、本発明の抗脈管形成組成物でコートされている外科メッシュが、外科メ
ッシュが利用され得る任意の手順において利用され得る。例えば、本発明の1つ
の実施形態において、抗脈管形成組成物を有した外科メッシュレーデン(lad
en)は、構造に対する支持を提供するため、そして一定の量の抗脈管形成因子
を放出するために、腹部癌切除手術の間(例えば、結腸切除の後)に利用され得
る。
【0573】 本発明のさらなる局面において、癌の局所的再発およびその部位での新しい血
管の形成が阻害されるように、切除後にポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴ
ニストおよび/またはアゴニストを腫瘍の切除縁に投与する工程を包含する、腫
瘍切除部位を処置するための方法が提供される。本発明の1つの実施形態におい
て、抗脈管形成化合物は、腫瘍切除部位に直接投与される(例えば、塗布、ブラ
ッシング(brushing)、または他の方法で抗脈管形成化合物で腫瘍の切
除縁をコートすることによって適用される)。あるいは、抗脈管形成化合物は、
投与前に公知の外科ペーストに組み込まれ得る。本発明の特に好ましい実施形態
において、抗脈管形成化合物は、悪性疾患についての肝切除後および神経外科手
術後に適用される。
【0574】 本発明の1つの局面において、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニスト
および/またはアゴニストは、広範な種々の腫瘍(例えば、***腫瘍、結腸腫瘍
、脳腫瘍および肝腫瘍を含む)の切除縁に投与され得る。例えば、本発明の1つ
の実施形態において、抗脈管形成化合物は、切除後に、神経学的腫瘍の部位に、
その部位での新しい血管の形成が阻害されるように投与され得る。
【0575】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアゴニ
ストはまた、他の抗脈管形成因子とともに投与され得る。他の抗脈管形成因子の
代表的な例としては以下が挙げられる:抗侵襲性因子、レチノイン酸およびその
誘導体、パクリタキセル、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織インヒビ
ター、メタロプロテイナーゼ−2の組織インヒビター、プラスミノーゲン活性化
インヒビター−1、プラスミノーゲン活性化インヒビター−2および種々の形態
のより軽い「d群」遷移金属。
【0576】 より軽い「d群」遷移金属には、例えばバナジウム、モリブデン、タングステ
ン、チタン、ニオブおよびタンタル種が挙げられる。そのような遷移金属種は、
遷移金属錯体を形成し得る。上記の遷移金属種の適切な錯体としては、オキソ遷
移金属錯体が挙げられる。
【0577】 バナジウム錯体の代表的な例としては、バナデート錯体およびバナジル錯体の
ようなオキソバナジウム錯体が挙げられる。適切なバナデート錯体としては、例
えばメタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウムおよびオルトバナ
ジン酸ナトリウムのようなメタバナデート錯体およびオルトバナデート錯体が挙
げられる。適切なバナジル錯体としては、例えばバナジルアセチルアセトネート
および硫酸バナジル(硫酸バナジル一水和物および硫酸バナジル三水和物のよう
な硫酸バナジル水和物を含む)が挙げられる。
【0578】 タングステン錯体およびモリブデン錯体の代表的な例としてはまた、オキソ錯
体が挙げられる。適切なオキソタングステン錯体としては、タングステート錯体
およびタングステンオキシド錯体が挙げられる。適切なタングステート錯体とし
ては、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カルシウム、タングステン
酸ナトリウム二水和物およびタングステン酸が挙げられる。適切なタングステン
オキシドとしては、タングステン(IV)オキシドおよびタングステン(VI)
オキシドが挙げられる。適切なオキソモリブデン錯体としては、モリブデート、
モリブデンオキシドおよびモリブデニル錯体が挙げられる。適切なモリブデート
錯体としては、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、モリブデン酸ナト
リウムおよびその水和物、ならびにモリブデン酸カリウムおよびその水和物が挙
げられる。適切なモリブデンオキシドとしては、モリブデン(VI)オキシド、
モリブデン(VI)オキシドおよびモリブデン酸が挙げられる。適切なモリブデ
ニル錯体としては、例えばモリブデニルアセチルアセトネートが挙げられる。他
の適切なタングステン錯体およびモリブデン錯体としては、例えばグリセロール
、酒石酸および糖由来のヒドロキソ誘導体が挙げられる。
【0579】 広範な種々の他の抗脈管形成因子もまた、本発明の状況において利用され得る
。代表的な例としては、以下が挙げられる:血小板因子4;硫酸プロタミン;硫
酸化キチン誘導体(クイーンクラブ(queen crab)の殻から調製され
る)(Murataら、Cancer Res.51:22〜26、1991)
;硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化合物の機能は、ス
テロイド(例えば、エストロゲン)およびクエン酸タモキシフェンの存在によっ
て、増強され得る);スタウロスポリン;基質代謝の調節因子(例えば、プロリ
ンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d,L−3,4−デヒドロプロリン、チ
アプロリン、α,α−ジピリジル,アミノプロピオニトリルフマレートを含む)
;4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトト
レキサート;ミトザントロン;ヘパリン;インターフェロン;2マクログロブリ
ン−血清;ChIMP−3(Pavloffら、J.Bio.Chem.267
:17321〜17326、1992);キモスタチン(Tomkinsonら
、Biochem J.286:475〜480、1992);シクロデキスト
リンテトラデカサルフェート;エポネマイシン;カンプトテシン;フマギリン(
Ingberら、Nature 348:555〜557、1990);チオリ
ンゴ酸金ナトリウム(「GST」;MatsubaraおよびZiff、J.C
lin.Invest.79:1440〜1446、1987);アンチコラゲ
ナーゼ−血清;α2−抗プラスミン(Holmesら、J.Biol.Chem
.262(4):1659〜1664、1987);ビサントレン(Natio
nal Cancer Institute);ロベンザリット二ナトリウム(
N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸(chloroa
nthronilic acid)二ナトリウム、すなわち「CCA」;Tak
euchiら、Agents Actions 36:312〜316、199
2);サリドマイド;Angostaticステロイド;AGM−1470;カ
ルボキシアミノイミダゾール(carboxynaminolmidazole
);およびメタロプロテイナーゼインヒビター(例えば、BB94)。
【0580】 (細胞レベルでの疾患) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアンタゴニストも
しくはアゴニストによって処置または検出され得る細胞生存の増大あるいはアポ
トーシスの阻害に関連する疾患には、癌(例えば、濾胞性リンパ腫、p53変異
を有する癌腫、およびホルモン依存性腫瘍、これらは以下:結腸癌、心臓腫瘍、
膵臓癌、黒色腫、網膜芽細胞腫、神経膠芽細胞腫、肺癌、腸癌、精巣癌、胃癌、
神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細胞腫、骨
肉腫、軟骨肉腫、腺腫、乳癌、前立腺癌、カポージ肉腫および卵巣癌を含むが、
これらに限定されない);自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、シェーグレン
症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behcet’s d
isease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよび免疫
関連糸球体腎炎ならびに慢性関節リウマチ)およびウイルス感染(例えば、ヘル
ペスウイルス、ポックスウイルスおよびアデノウイルス)、炎症、対宿主性移植
片病、急性移植片拒絶、ならびに慢性移植片拒絶、が挙げられる。
【0581】 好ましい実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、およ
び/またはアンタゴニストは、特に上記に列挙される、癌の増殖、進行、および
/または転移(metasis)を阻害するために使用される。
【0582】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストによって処置あるいは検出され得る細胞生存の増大に関連するさ
らなる疾患または状態には、悪性疾患の進行および/または転移ならびに以下の
ような関連する障害が挙げられるが、これらに限定されない:白血病(急性白血
病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性、前骨髄球性
、骨髄単球性、単球性および赤白血病を含む)を含む)ならびに慢性白血病(例
えば、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ球性白血病))、真性赤
血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄
腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、ならびに固形腫瘍(
肉腫および癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉
腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リ
ンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、
横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細
胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気
管支原生癌、腎細胞癌、肝細胞癌腫、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎生期癌、
ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経
膠腫、神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫
、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)
、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)を含むが、これらに限定されな
い)。
【0583】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストによって処置あるいは検出され得るアポトーシスの増大に関連
する疾患には、以下が挙げられる:AIDS;神経変性障害(例えば、アルツハ
イマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性およ
び脳腫瘍または以前に関連した疾患);自己免疫障害(例えば、多発性硬化症、
シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、胆汁性肝硬変、ベーチェット病(Behc
et’s disease)、クローン病、多発性筋炎、全身性エリテマトーデ
スおよび免疫関連糸球体腎炎ならびに慢性関節リウマチ)、脊髄形成異常症候群
(例えば、再生不良性貧血)、対宿主性移植片病、虚血性傷害(心筋梗塞、発作
および再灌流傷害によって生じるようなもの)、肝臓傷害(例えば、肝炎関連肝
臓傷害、虚血/再灌流傷害、胆汁うっ滞(cholestosis)(胆管傷害
)および肝臓癌);毒物誘導性肝臓疾患(アルコールによって引き起こされるよ
うなもの)、敗血症性ショック、悪液質ならびに食欲不振。
【0584】 (創傷治癒および上皮細胞増殖) 本発明のなおさらなる局面に従って、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリ
ペプチド、ならびにアゴニストもしくはアンタゴニストを、治療目的のため、例
えば、創傷治癒の目的のために上皮細胞増殖および基底ケラチノサイトを刺激す
るため、ならびに毛包産生および皮膚創傷の治癒を刺激するために、利用するた
めのプロセスが提供される。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、な
らびにアゴニストまたはアンタゴニストは、以下を含む創傷治癒を刺激すること
において臨床的に有用であり得る:外科的創傷、切除の創傷、深い創傷(真皮お
よび表皮の損傷を含む)、眼組織の創傷、歯の組織の創傷、口腔の創傷、糖尿病
性潰瘍、皮膚の潰瘍、肘の潰瘍、動脈性の潰瘍、静脈うっ滞潰瘍、熱への曝露ま
たは化学物質による熱傷、および他の異常な創傷治癒状態(例えば、***、栄
養失調、ビタミン欠乏、ならびにステロイド、放射能療法および抗腫瘍性薬物お
よび代謝拮抗物質を用いる全身性処置に関連する合併症。本発明のポリヌクレオ
チドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしくはアンタゴニストは、皮
膚の欠失後の皮膚の回復を促進するために使用され得る。
【0585】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストは、創傷床(wound bed)への皮膚移植片の付着を増
大するため、および創傷床からの再上皮形成を刺激するために使用され得る。以
下は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、アゴニストまたはアンタ
ゴニストが創傷床への付着を増大するために使用され得る、移植片の型である:
自家移植片、人工皮膚、同種移植片(allograft)、自己植皮片、自己
表皮移植片(autoepdermic graft)、無血管性(avacu
lar)移植片、ブレア−ブラウン移植片、骨移植片、胚胎組織移植片、真皮移
植片、遅延移植片、皮膚移植片、表皮移植片、筋膜移植片、全層皮膚移植片、異
種移植片(heterologous graft)、異種移植片(xenog
raft)、同種移植片(homologous graft)、増殖性移植片
、層板状の移植片、網状移植片、粘膜移植片、オリエ−ティールシュ移植片、大
網移植片(omenpal graft)、パッチの移植片、茎状移植片、全層
移植片(penetrating graft)、分層植皮片、分層皮膚移植片
。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストは、皮膚の強度を助長するため、および高齢の皮膚の外見を改
善するために使用され得る。
【0586】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストはまた、肝細胞増殖、および肺、***、膵臓、胃、小腸(sm
all intesting)、および大腸における上皮細胞増殖における変化
を生じると考えられる。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、なら
びにアゴニストもしくはアンタゴニストは、上皮細胞(例えば、皮脂細胞(se
bocyte)、毛包、肝実質細胞、肺胞上皮細胞II型(type II p
neumocyte)、ムチン産生杯細胞、および他の上皮細胞、ならびに皮膚
、肺、肝臓、および胃腸管内に含まれるそれらの先祖)の増殖を促進し得る。本
発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、アゴニストもしくはアンタゴニ
ストは、内皮細胞、ケラチノサイト、および基底ケラチノサイトの増殖を促進し
得る。
【0587】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはア
ンタゴニストはまた、照射、化学療法処置またはウイルス感染から生じる腸の毒
性の副作用を低減するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチドまたはポ
リペプチド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストは、小腸粘膜上で細胞保
護的な効果を有し得る。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならび
にアゴニストまたはアンタゴニストはまた、化学療法およびウイルス感染から生
じる粘膜炎(mucositis)(口粘膜)の治癒を刺激し得る。
【0588】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはア
ンタゴニストは、熱傷を含む、完全なおよび部分的な厚さの皮膚欠損における皮
膚の十分な再生(すなわち、毛包、汗腺、および皮脂腺の再増殖)、乾癬のよう
な他の皮膚欠損の処置においてさらに使用され得る。本発明のポリヌクレオチド
またはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストは、表皮水疱症
、これらの損傷の再上皮形成を促進することによる頻繁な開放性かつ疼痛性の水
疱を生じる内在的な真皮への表皮の接着における欠損を処置するために使用され
得る。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまた
はアンタゴニストはまた、胃潰瘍および十二指腸潰瘍を処置し、そして粘膜の内
層の瘢痕形成ならびにより迅速な腺の粘膜および十二指腸の粘膜の内層の再生に
よる治癒を助けるために使用され得る。炎症性腸疾患(例えば、クーロン病およ
び潰瘍性大腸結腸炎)は、それぞれ、小腸または大腸の粘膜表面の崩壊を生じる
疾患である。従って、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびに
アゴニストまたはアンタゴニストは、粘膜表面の再表面化(resulfaci
ng)を促進して、より迅速な治癒を助けるため、および炎症性腸疾患の進行を
予防するために、使用され得る。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド
、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストを用いる処置は、胃腸管全体の粘膜
の産生に対して有意な効果を有することが予測され、そして腸粘膜を、摂取され
たかまたは外科手術後の有害な物質から保護するために使用され得る。本発明の
ポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニス
トは、本発明のポリヌクレオチドの発現下に関連する疾患を処置するために使用
され得る。
【0589】 さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニスト
またはアンタゴニストは、種々の病的状態に起因する肺への損傷を予防および治
癒するために使用され得る。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、な
らびにアゴニストまたはアンタゴニストは、急性または慢性の肺損傷を予防また
は処置するために、増殖および分化を刺激し得、そして肺胞および気管支(br
ochiolar)上皮の修復を促進し得る。例えば、気管支上皮および肺胞(
aveoli)の壊死を生じる、気腫(これは、肺胞の進行性の損失を生じる)
および吸入損傷(すなわち、煙の吸入および熱傷から生じる)は、本発明のポリ
ヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストを
使用して効果的に処置され得る。また、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペ
プチド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストは、肺胞上皮細胞II型の増
殖および分化を刺激するために使用され得、これは、未熟な乳児における硝子膜
疾患(例えば、乳児呼吸窮迫症候群および気管支肺異形成症)のような疾患を処
置または予防することを助け得る。
【0590】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはア
ンタゴニストは、肝実質細胞の増殖および分化を刺激し得、そして従って、肝臓
疾患および病状(例えば、肝硬変により生じる劇症肝不全、肝炎ウイルスおよび
毒性物質(すなわち、アセトアミノフェン、四塩化炭素(carbon tet
raholoride)、および他の当該分野で公知の肝臓毒素)により生じる
肝臓損傷)を緩和または処置するために使用され得る。
【0591】 さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニスト
またはアンタゴニストは、真性糖尿病の発症を処置または予防するために使用さ
れ得る。新たにI型糖尿病およびII型糖尿病と診断された患者において、いく
つかの島細胞機能が残っている場合、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプ
チド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストは、その疾患の持続性の発現を
緩和、遅延または予防するように、その島機能を維持するために使用され得る。
また、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまた
はアンタゴニストは、島細胞機能を改善または促進するための島細胞移植におけ
る補助として使用され得る。
【0592】 (神経活性および神経学的疾患) 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびアゴニストまたはアンタゴニ
ストは、脳系および/または神経系の疾患、障害、損傷または創傷の診断および
/または処置のために使用され得る。本発明の組成物(例えば、ポリペプチド、
ポリヌクレオチドおよび/またはアゴニストもしくはアンタゴニスト)を用いて
処置され得る神経系障害には、軸索の切断、ニューロンの減少もしくは変性、ま
たは脱髄のいずれかを引き起こす、神経系損傷および、疾患または障害が挙げら
れるが、これらに限定されない。本発明に従って、患者(ヒト患者および非ヒト
哺乳動物患者を含む)において処置され得る神経系病変には、以下、または中枢
神経系(脊髄、脳を含む)もしくは末梢神経系のいずれかの病変が挙げられるが
、これらに限定されない:(1)虚血病変(ここで、神経系の一部における酸素
不足により、ニューロンの損傷または死が生じ、これには大脳梗塞もしくは虚血
、または脊髄梗塞もしくは虚血が挙げられる);(2)外傷病変(身体的損傷に
より生じるかまたは手術に関連する病変、例えば、神経系の一部分を切断する病
変、または圧縮損傷を含む);(3)悪性病変(ここで、神経系の一部分は、神
経系関連悪性疾患もしくは非神経系組織由来の悪性疾患のいずれかである悪性組
織により破壊または損傷される);(4)感染性病変(ここで、神経系の一部分
は、例えば、膿瘍による感染の結果として、破壊または損傷されるか、あるいは
ヒト免疫不全ウイルス、帯状ヘルペスもしくは単純ヘルペスウイルスによる感染
と関連するか、ライム病、結核、梅毒に関連する);(5)変性病変(ここで、
神経系の一部分は、変性プロセスの結果として破壊または損傷され、これには、
パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンティングトン病または筋萎縮性側索硬
化症(ALS)に関連する変性が挙げられるが、これらに限定されない);(6
)ニューロン疾患または障害に関連する病変(ここで、神経系の一部分は、ニュ
ーロン障害または代謝障害によって破壊または損傷され、これには、ビタミンB
12欠乏症、葉酸欠乏症、ヴェルニッケ病、タバコ−アルコール弱視、マルキア
ファーヴァ−ビニャーミ病(脳梁の一次変性)およびアルコール小脳変性が挙げ
られるが、これらに限定されない);(7)全身性疾患に関連する神経性病変(
糖尿病(糖尿病性ニューロパシー、ベル麻痺)、全身性エリテマトーデス、癌ま
たは類肉腫症が挙げられるが、これらに限定されない);(8)毒性物質(アル
コール、鉛または特定の神経毒を含む)により生じる病変;ならびに(9)脱髄
性病変(ここで、神経系の一部分は、脱髄性執権によって破壊または損傷され、
これには、多発性硬化症、ヒト免疫不全ウイルス関連脊髄障害、横断脊髄障害ま
たは種々の病因、進行性多病巣性白質脳障害、および橋中央ミエリン溶解が挙げ
られるが、これらに限定されない)。
【0593】 1つの実施形態において、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、または
アゴニストもしくはアンタゴニストは、低酸素症の損傷効果から神経細胞を保護
するために用いられる。さらに好ましい実施形態において、発明のポリペプチド
、ポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、大脳低酸素
症の損傷効果から神経細胞を保護するために用いられる。この実施形態に従って
、この実施形態によると、本発明の組成物は、大脳底酸素症に関連する神経細胞
損傷を処置または予防するために用いられる。この実施形態の1つの非限定的な
局面において、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニストも
しくはアンタゴニストは、大脳虚血と関連する神経細胞損傷を処置または予防を
処置または予防するために用いられる。この実施形態の別の非限定的な局面にお
いて、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストは、大脳梗塞に関連する神経細胞損傷を処置または予防するために
用いられる。
【0594】 別の好ましい実施形態において、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、発作に関連する神経細胞損傷を処
置または予防するために用いられる。特定の実施形態において、本発明のポリペ
プチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、発作
に関連する大脳神経細胞創傷を処置または予防するために用いられる。
【0595】 別の好ましい実施形態において、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、
またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、心臓発作に関連する神経細胞創傷
を処置または予防するために用いられる。本発明のポリペプチド、ポリヌクレオ
チド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、心臓発作に関連する大脳神
経細胞創傷を処置または予防するために用いられる。
【0596】 神経系障害を処置または予防するのに有用な本発明の組成物は、ニューロンの
生存または分化の促進における生物学的活性について試験することによって、選
択され得る。例えば、制限する目的ではないが、以下の効果のいずれかを誘発す
る本発明の組成物は、本発明によると有用であり得る:(1)低酸素または低酸
素状態であるか、またはそうでないかのいずれかの培地におけるニューロンの増
加した生存時間;(2)培地またはインビボにおけるニューロンの増加した出芽
;(3)培地またはインビボにおけるニューロン関連分子(例えば、運動ニュー
ロンに関して、コリンアセチルトランスフェラーゼまたはアセチルコリンステラ
ーゼ)の増加した産生;あるいは(4)インビボにおけるニューロン機能障害の
軽減した症状。このような効果は、当該分野で公知の任意の方法によって測定さ
れ得る。好ましくは、非制限的な実施形態において、ニューロンの増加した生存
時間は、本明細書中に記載される方法、またはそうでなければ当該分野で公知の
方法(例えば、Zhangら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S
.A.,97:3637〜42(2000)またはArakawaら、J.Ne
urosci.10:3507〜3515(1990))に記載される方法を使
用して慣用的に測定され得;ニューロンの増加した出芽は、当該分野で公知の方
法(例えば、Pestronkら、Exp.Neurol.70:65〜82(
1980)またはBrownら、Ann.Rev.Neurosci.4:17
〜42(1981))に記載される方法によって検出され得;ニューロン関連分
子の増加した産生は、当該分野で公知の技術を使用し、測定されるべき分子に基
づいて、バイオアッセイ、酵素アッセイ、抗体結合、ノザンブロットアッセイな
どによって、測定され得;そして運動ニューロンの機能障害は、運動ニューロン
障害の物理的発現(例えば、弱さ、運動ニューロンの伝導速度、または機能障害
)を評価することによって、測定され得る。
【0597】 特定の実施形態において、本発明に従って処置され得る運動ニューロン障害に
は、運動ニューロンおよび神経系の他の成分に影響を与え得る障害(例えば、梗
塞、感染、毒素への暴露、外傷、外科的損傷、変性疾患、または悪性疾患)、な
らびにニューロンに選択的に影響する障害(例えば、筋萎縮性側索硬化症)が挙
げられるが、これらに限定されず、そしてこれには、進行性脊髄性筋萎縮症、進
行性球延髄麻痺、原発性側索硬化症、小児筋萎縮および若年性筋萎縮、小児期の
進行性球麻痺(ファチオ−ロンデ病)、ポリオおよびポリオ後症状、ならびに遺
伝性運動感覚性神経障害(シャルコー−マリー−トゥース病)が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0598】 さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、ニューロンの生存
;シナプス形成;伝達;神経分化などにおいて役割を果たし得る。従って、本発
明の組成物(ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびアゴニスト、アンタゴニス
トを含む)は、学習障害および/または認識障害が挙げられるがこれらに限定さ
れない、本発明の組成物の役割に関連する疾患または障害を、診断および/また
は処置もしくは予防するために使用され得る。本発明の組成物はまた、神経変性
性疾患状態および/または行動障害の処置または予防に有用であり得る。このよ
うな神経変性疾患の状態および/または行動障害の例として以下が挙げられるが
、これらに限定されない:このような神経変性性疾患状態および/または行動障
害としては以下が挙げられるがこれらに限定されない:アルツハイマー病、パー
キンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、精神***病、躁病、痴呆、偏執
症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および
行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)。さらに
、本発明の組成物は、発生中の胚、または伴性障害に関連する発生の障害の処置
、予防および/または検出において役割を果たし得る。
【0599】 さらに、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、および/またはアゴニス
トまたはアンタゴニストは、以下を含むが挙げられるがこれらに限定されない脳
血管障害に関連する、疾患、傷害、障害または損傷から神経細胞を防御するのに
有用であり得る:脳血管障害(例えば、頸動脈血栓症、頸動脈狭窄またはモヤモ
ヤ病)、脳のアミロイドアンギオパチー、大脳動脈瘤、脳低酸素症、大脳動脈硬
化症、大脳動静脈奇形、大脳動脈疾患、脳塞栓症および血栓(例えば、頸動脈血
栓症、洞血栓症およびヴァレンベルク症候群)、硬膜上血腫(例えば、硬膜外血
腫または硬膜下血腫およびクモ膜下出血)、脳亀裂骨折、脳虚血(例えば、一過
性脳虚血、鎖骨下動脈盗血症候群、または椎骨脳底不全(vertebroba
silar insufficiency))、血管性痴呆(たとえば、多発脳
梗塞性痴呆)、脳室周囲白質軟化症、ならびに血管性頭痛(例えば、群発性頭痛
)。
【0600】 本発明のなおさらなる局面によれば、治療目的で、例えば神経学的細胞増殖お
よび/または分化を刺激するために、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプ
チド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストを利用するためのプロセスが提
供される。従って、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよ
び/またはアンタゴニストは、神経学的疾患を処置、および/または検出するため
に用いられ得る。さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ま
たはアゴニストもしくはアンタゴニストは、特定の神経系疾患または障害のマー
カーまたは検出因子として用いられ得る。
【0601】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得る神経学的疾患の例としては、以下が挙
げられる:脳疾患(例えば、母系フェニルケトン尿症のようなフェニルケトン尿
症を含む代謝性脳疾患)、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏症、ピルビン酸デヒ
ドロゲナーゼ複合体欠乏症、ヴェルニッケ脳障害、脳水腫、テント下(infr
atentorial)新生物を含む小脳性新生物のような脳新生物、脈絡叢新
生物のような脳室新生物、視床下部性新生物、テント上新生物、キャナヴァン病
、毛細血管拡張性運動失調のような脊髄小脳性退化を含む小脳性運動失調のよう
な小脳疾患、小脳性共同運動障害、フリードライヒ失調症、マチャド−ジョセフ
病、オリーブ橋小脳萎縮、テント下新生物のような小脳性新生物、びまん性軸周
囲性脳炎、球様細胞白質萎縮症、異染性白質萎縮症および亜急性硬化性汎脳炎の
ようなびまん性脳硬化、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニスト
および/またはアンタゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学
的疾患の例としては、以下が挙げられる:脳血管障害(例えば、頸動脈血栓症、
頸動脈狭窄およびモヤモヤ病を含む頸動脈疾患)、脳のアミロイドアンギオパチ
ー、大脳動脈瘤、大脳動脈硬化症、大脳動静脈奇形、大脳動脈疾患、頸動脈血栓
症、洞血栓症およびヴァレンベルク症候群のような脳塞栓症および血栓症、硬膜
上血腫、硬膜下血腫およびクモ膜下出血のような脳出血、脳亀裂骨折、一過性脳
虚血、鎖骨下動脈盗血症候群および椎骨脳底不全(vertebrobasil
ar insufficiency)のような脳虚血、多発脳梗塞性痴呆のよう
な血管性痴呆、室周白斑症(periventricular leukoma
lacia)、群発性頭痛のような血管性頭痛および偏頭痛。
【0602】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患の例としては、
以下が挙げられる:エイズ痴呆複合症のような痴呆症、アルツハイマー病および
クロイツフェルト−ヤーコプ病のような初老期痴呆、アルツハイマー病および進
行性核上性麻痺のような老年痴呆、多発脳梗塞性痴呆のような血管性痴呆、びま
ん性軸周囲性脳炎のような脳炎、流行性脳炎、日本脳炎、セントルイス脳炎、マ
ダニ媒介性脳炎および西ナイル熱のようなウイルス性脳炎、急性播種性脳脊髄炎
、ブドウ膜髄膜炎症候群、脳炎後パーキンソン病および亜球性硬化性汎脳炎のよ
うな髄膜脳脊髄炎、室周白斑症のような脳軟化症、点頭痙攣を含む全身てんかん
のようなてんかん、アプサンスてんかん(absence epilepsy)
、MERRF症候群を含むミオクローヌスてんかん、強直・間代てんかん、複雑
部分てんかん、前頭葉てんかんおよび側頭葉てんかんのような部分てんかん、外
傷後てんかん、持続性部分てんかんのようなてんかん重積持続状態、ハレルフォ
ルデン−シュパッツ症候群。
【0603】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患の例としては、
以下が挙げられる:ダンディ−ウォーカー症候群および正常圧水頭症のような水
頭症、視床下部性新生物のような視床下部性疾患、大脳マラリア、脱力発作を含
むナルコレプシー、延髄ポリオ(bulbar poiomyelitis)、
大脳偽腫瘍、レット症候群、ライ症候群、視床疾患、大脳トキソプラスマ症、頭
蓋内結核腫およびツェルヴェーガー症候群、エイズ痴呆複合症のような中枢神経
系感染、脳膿瘍、硬膜下蓄膿症、ウマの脳脊髄炎のような脳脊髄炎、ベネズエラ
ウマ脳脊髄炎、壊死性出血性脳脊髄炎、ビスナ、大脳マラリア。
【0604】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患の例としては、
以下が挙げられる:クモ膜炎のような髄膜炎、リンパ球性脈絡髄膜炎を含むウイ
ルス性髄膜炎のような無菌性髄膜炎、ヘモフィルス髄膜炎を含む細菌性髄膜炎、
リステリア髄膜炎、ウォーターハウス−フリーデリックセン症候群のような髄膜
炎菌性脳脊髄膜炎、肺炎球菌髄膜炎および髄膜結核症、クリプトコックス髄膜炎
のような真菌性髄膜炎、硬膜下滲出、ブドウ膜髄膜脳炎症候群のような髄膜脳炎
、横行脊髄炎(transverse myelitis)のような脊髄炎、脊
髄ろうのような神経梅毒、延髄ポリオおよびポリオ後症候群を含むポリオ、プリ
オン病(例えば、クロイツフェルト−ヤーコプ病、ウシの海綿状脳症、ゲルスト
コン−シュトロイスラー症候群、クールー、スクラピー)、大脳トキソプラスマ
症。
【0605】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患の例としては、
以下が挙げられる:テント下新生物のような小脳性新生物を含む脳新生物のよう
な中枢神経系新生物、脈絡叢新生物、視床下部性新生物およびテント上新生物の
ような脳室新生物、髄膜新生物、硬膜外新生物を含む脊髄新生物、キャナヴァン
病のような脱髄疾患、副腎脳白質ジストロフィーを含むびまん性大脳硬化症(d
iffuse cerebral sceloris)、びまん性軸周囲性脳炎
、球様細胞白質萎縮症、異染性白質萎縮症のようびまん性大脳硬化症、アレルギ
ー性脳脊髄炎、壊死性出血性脳脊髄炎、進行性多病巣性白質脳障害、多発性硬化
症、橋中央ミエリン溶解、横行脊髄炎、視神経脊髄炎、スクラピー、脊柱前弯症
、慢性疲労症候群、ビスナ、高圧神経質症候群(High Pressure
Nervous Syndrome)、髄膜症、先天性筋無緊張症のような脊髄
疾患、筋萎縮性側索硬化症、ヴェルドニッヒ−ホフマン病のような棘筋萎縮、脊
髄圧搾、硬膜外新生物のような脊髄新生物、脊髄空洞症、脊髄ろう、スティッフ
マン症候群、母親由来15 q‐13微少欠損のような精神遅滞、ネコ鳴き症候
群、ド・ランゲ症候群、ダウン症候群、ガングリオシドーシスG(M1)のよう
なガングリオシドーシス、ザントホフ病、テイ−サックス病、ハートナップ病、
ホモシスチン尿症、ローレンス−ムーン−ビードル症候群、レッシュ−ナイハン
症候群、カエデシロップ病、フコース蓄積症のようなムコリピドーシス、ニュー
ロンセロイド脂褐素沈着症、眼脳腎症候群、母系フェニルケトン尿のようなフェ
ニルケトン尿症、プラーダー−ヴィリ症候群、レット症候群、ルービンスタイン
−テービ症候群、結節硬化症、WAGR症候群、全前脳症のような神経系異常、
水無能症(hydrangencephaly)を含む無能症のような神経管不
全、アルノルト−キアーリ奇形、脳ヘルニア、髄膜瘤、髄膜脊髄瘤、嚢胞性二分
脊椎および潜在性二分脊椎のような脊髄癒合不全。
【0606】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患の例としては、
以下が挙げられる:シャルコー−マリー疾患を含む遺伝性の運動および感覚ニュ
ーロン障害、視覚萎縮症、レフスム病、遺伝性痙性対麻痺、ヴェルドニッヒ−ホ
フマン病、先天性痛覚脱失症および家族性自律神経障害のような遺伝性感覚およ
び自律性ニューロパシー、神経学的症状発現(例えば、ゲルストマン症候群を含
む失認)、逆向性健忘症のような健忘症、失行症、神経因性膀胱、脱力発作、難
聴、部分聴覚欠失および大声(ludness)レクルートメントおよび耳鳴を
含む聴覚障害のような情報伝達障害、失書症、ブロカ失語症およびヴェルニッケ
失語症を含む失語症のような言語障害、急性失読症のような失読症、言語発達障
害、名称失語症、ブロカ失語症およびヴェルニッケ失語症を含む失語症のような
発語障害、蓄積障害、構語障害、反響言語、無言症およびどもりを含む発語障害
のような情報伝達障害、失声症および嗄声のような発声障害、除脳硬直状態、せ
ん妄、線維束性攣縮、幻覚、髄膜症、母親由来15 q‐13微少欠損、運動失
調、アテトーシス、舞踏病、失調症、運動低下症、筋肉緊張低下、ミオクローヌ
ス、チック、斜頸および振せんのような運動障害、スティッフマン症候群のよう
な筋肉硬直のような筋肉緊張亢進、筋肉痙性、耳帯状疱疹を含む顔面神経麻痺の
ような神経麻痺、胃不全麻痺、片麻痺、複視のような眼筋麻痺、デュエーン症候
群、ホルナー症候群、キーンズ症候群のような慢性進行性外眼筋麻痺症、球麻痺
、熱帯性痙攣不全対麻痺、ブラウン−セカール症候群、四肢麻痺、呼吸麻痺およ
び声帯麻痺のような対麻痺、不全麻痺、幻肢、無味覚症および味覚不全のような
味覚障害、弱視、失明、色覚異常、複視、半盲、視野暗点および準正常視覚(s
ubnormal vision)のような視覚障害、クライネ−レヴィン症候
群、不眠症および夢遊症を含む過眠症のような睡眠障害、開口障害のような痙縮
、昏睡、持続性植物状態および失神およびめまいのような意識消失、先天性筋無
緊張症のような神経筋疾患、筋萎縮性側索硬化症、ランバート−イートン筋無力
症症候群、運動神経疾患、棘筋萎縮、シャルコー−マリー疾患およびヴェルドニ
ッヒ−ホフマン病のような筋萎縮、後ポリオ症候群、筋ジストロフィー、重症筋
無力症、萎縮性筋緊張症、先天性筋緊張症、ネマリンミオパシー、家族性期性四
肢麻痺、多発性パラミロクローヌス(Multiplex Paramyloc
lonus)、熱帯性痙攣不全対麻痺およびスティッフマン症候群、先端肢端疼
痛症のような末梢神経系疾患、腎アミロイドーシス、アーディー症候群、Bar
re−Lieou症候群、家族性自律神経障害、ホルナー症候群、反射***感神
経性ジストロフィーおよびシャイ−ドレーガー症候群のような自律神経系疾患、
神経線維腫症2を含む聴神経腫のような内耳神経疾患のような脳神経疾患、顔面
神経痛のような顔面神経疾患、メルカーソン−ローゼンタール症候群、弱視を含
む眼球運動性障害、眼振、眼球運動麻痺、デュエーン症候群のような眼筋麻痺、
ホルナー症候群、キーンズ症候群を含む慢性進行性外眼筋麻痺症、内斜視および
外斜視のような斜視、動眼神経麻痺、遺伝性眼萎縮症を含む眼萎縮症のような眼
神経疾患、視神経円板結晶腔、視神経脊髄炎のような視神経炎、乳頭水腫、三叉
神経痛、声帯麻痺、視神経脊髄炎および脊柱前弯症のような脱髄疾患、糖尿病性
足のような糖尿病性ニューロパシー。
【0607】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストおよび/またはアンタ
ゴニストを用いて処置または検出され得るさらなる神経学的疾患の例としては、
以下が挙げられる:手根管症候群のような神経圧搾症候群、足根管症候群、頸肋
症候群のような胸郭出口症候群、尺骨神経圧搾症候群、カウザルギー、頸腕神経
痛、顔面神経痛および三叉神経痛のような神経痛、実験的アレルギー性神経炎、
眼神経炎、多発性神経炎、多発性神経根神経炎および神経根炎(例えば、多発性
神経根炎、遺伝性運動および感覚ニューロパシー(例えば、シャルコー−マリエ
疾患、遺伝性眼萎縮症、レフサム病、遺伝性痙性対麻痺およびヴェルドニッヒ‐
ホフマン病、遺伝性感覚および自律神経ニューロパシー(先天性痛覚脱失および
.家族性自律神経障害を含む)、POEMS症候群、坐骨神経痛、味覚性発汗症
候群およびテタニー))のような神経炎。
【0608】 (内分泌障害) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドまたはアゴニストもしくはア
ンタゴニストは、ホルモン失調(hormone imbalance)に関連
する障害および/もしくは疾患、ならびに/または内分泌系の障害もしくは疾患
を処置、予防、診断および/または予測のために使用され得る。
【0609】 内分泌系の腺によって分泌されるホルモンは、身体発育、性機能、代謝および
他の機能を制御する。障害は以下の2つの種類に分類され得る:ホルモン産生に
おける障害および組織のホルモン応答不能。これらのホルモン失調または内分泌
系の疾患、障害もしくは状態の病因は、遺伝的、身体的(例えば、癌およびいく
つかの自己免疫疾患)、後天的(例えば、化学療法、創傷もしくは毒素による)
、または感染的であり得る。さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド
、抗体および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、内分泌系および/
またはホルモン失調に関連する特定の疾患または障害のマーカーまたは検出因子
として用いられ得る。
【0610】 内分泌系および/またはホルモン失調および/または疾患としては、以下が挙
げられるがこれらに限定されない子宮の運動の障害を含む:妊娠および分娩に伴
う合併症(例えば、早期分娩、過期妊娠(post−term pregnan
cy)、自然流産、および遅延分娩(slow labor)または分娩停止(
stopped labor);および月経周期の障害および/または疾患(例
えば、月経困難症および子宮内膜症)。
【0611】 内分泌系および/またはホルモン失調の障害および/または疾患として、例え
ば、糖尿病、尿崩症、先天性膵臓形成不全、褐色細胞腫−島細胞腫瘍症候群(i
slet cell tumor syndrome)のような膵臓の障害およ
び/または疾患;例えば、アディソン病。コルチコステロイド欠乏症、男性化作
用疾患(virilizing disease)、多毛症、クッシング病、高
アルドステロン症、褐色細胞腫のような副腎の障害および/または疾患;例えば
、性器発育過度、下垂体機能低下症、下垂体小人症、下垂体線種、汎下垂体機能
低下症、先端巨大症、巨人症のような脳下垂体の障害および/または疾患;甲状
腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、プラマー病、グレーヴス病(中毒性びまん性
甲状腺腫(toxic diffuse goiter))、中毒性小結節甲状
腺腫(toxic nodular goiter)、甲状腺炎(橋本甲状腺炎
、亜急性肉芽腫性甲状腺炎、および無症候性リンパ球性甲状腺炎)、ペンドレッ
ド症候群、筋水腫、クレチン病、甲状腺中毒症、甲状腺ホルモン縮合障害、胸腺
形成不全、甲状腺のヒュルトレ細胞腫、甲状腺癌、甲状腺癌腫、髄質甲状腺癌腫
(Medullary thyroid carcinoma)が挙げられるが
これらに限定されない甲状腺の障害および/または疾患;例えば、上皮小体機能
亢進症、上皮小体機能低下症といった上皮小体の障害および/または疾患;視床
下部の障害および/または疾患が挙げられる。さらに、内分泌系および/または
ホルモン失調の障害および/または疾患はまた、癌を含む精巣または卵巣の障害
および/または疾患を含み得る。他の精巣または卵巣の障害および/または疾患
として、例えば、卵巣癌、多嚢胞性卵巣症候群、クラインフェルター症候群、バ
ニシング精巣症候群(vanishing testes syndrome)
(両側性無精巣症(bilateral anorchia))、ライディヒ細
胞の先天性欠損症(congenital absence)、潜伏精巣症、ヌ
ーナン症候群、筋緊張性ジストロフィー、精巣(良性)の毛細血管性血管腫、精
巣の新形成および新生精巣(neo−testis)がさらに挙げられる。
【0612】 さらに、内分泌系および/またはホルモン失調の障害および/または疾患とし
てまた、例えば、多分泌腺機能低下症候群、褐色細胞腫、神経芽腫、多発性内分
泌腺腫症、ならびに内分泌組織の障害および/または癌のような障害および/ま
たは疾患が挙げられ得る。
【0613】 別の実施形態において、本発明のポリペプチドまたはこのポリペプチドに対応
するポリヌクレオチド、抗体、アゴニストもしくはアンタゴニストは、本発明の
ポリペプチドが発現する組織(表3の2列(Library Code)に開示
される1、2、3、4,5あるいはそれ以上の組織を含む)に関連する内分泌の
疾患および/または障害の診断、予測、予防および/または処置に使用され得る
【0614】 (生殖系障害) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくは
アンタゴニストは、生殖系の疾患および/または障害の診断、処置または予防の
ために使用され得る。本発明の組成物によって処置され得る生殖系障害として、
生殖系の創傷、感染、腫瘍性障害、先天性欠陥、および不妊症を生じる疾患また
は障害、妊娠、分娩(labor)、もしくは分娩(parturition)
に伴う合併症、ならびに産後難(postpartum difficulti
es)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0615】 生殖系の障害および/または疾患として、精巣萎縮症、精巣の女性化、潜伏精
巣症(片側性および両側性)、無精巣症、異所性精巣、精巣上体炎および***
(代表的には、例えば、淋病、おたふくかぜ、結核および梅毒のような感染に起
因する)、精巣捻転症(testicular torsion)、結節性精管
炎、生殖細胞腫瘍、(例えば、精上皮腫、胎児性細胞癌(embryonal
cell carcinomas)、奇形癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍および奇形腫
)、間質性腫瘍(例えば、ライディヒ細胞腫瘍)、水瘤、血瘤、精索静脈瘤、精
液瘤、鼡径ヘルニア、および***産生の障害(例えば、線毛不動症候群、無***
症、***無力症、運動***無力症(asthenozoospermia)、無
***症、***過少症および奇形運動***(teratozoospermia)
)を含む、精巣の疾患および/または障害が挙げられる。
【0616】 生殖器系障害としてはまた、以下のような前立腺の障害が挙げられ得る:急性
非細菌性前立腺炎、慢性非細菌性前立腺炎、急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前
立腺炎、前立腺膀胱炎、前立腺症、肉芽腫性前立腺炎、マラコプラキア、良性前
立腺肥大または肥厚、および前立腺腫瘍性障害(腺癌をふくむ)、移行上皮癌、
腺管癌、および扁平上皮癌。
【0617】 さらに、本発明の組成物は、以下を含む陰茎または尿道の障害または疾患の診
断、処置および/または予防において有用である:炎症性障害(例えば、亀頭包
皮炎、閉塞性乾燥性亀頭炎、***、嵌頓***、梅毒、単純疱疹ウイルス、淋疾、
***、クラミジア、マイコプラスマ、トリコモナス、HIV、AID
S、ライター症候群、尖圭コンジローム、扁平コンジローム、および真珠陰茎丘
疹);尿道障害(例えば、尿道下裂、尿道上裂、および***);前悪性病巣(ケ
ーラー紅色肥厚症、ボーエン病、ボーエン病、ブシュケ‐レーヴェンシュタイン
の巨大コンジローム、およびいぼ状癌を含む);陰茎癌(扁平上皮癌、インサイ
チュにおける癌、いぼ状癌、および播種性陰茎癌を含む);尿道新形成障害(尿
道海綿体癌、球海綿体筋尿道癌、および尿道前立腺部癌を含む);ならびに***
障害(例えば、プリアピスム、ペーロニー病、***不全、およびインポテンス)
【0618】 さらに、精管の疾患および/または障害としては、脈管炎およびCBAVD(
精管の先天性両側性欠損)が挙げられ;さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポ
リペプチド、およびアゴニストまたはアンタゴニストは、精嚢の疾患および/ま
たは障害(包虫症、先天性塩化物下痢、多発性嚢胞腎疾患)を診断、処置および
/または予防するために使用され得る。
【0619】 他の***系の障害および/または疾患としては、例えば、クラインフェ
ルター症候群、ヤング症候群、早漏、真性糖尿病、嚢胞性線維症、カルタゲナー
症候群、高熱、多発性硬化症、および女性型***が挙げられる。
【0620】 さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、およびアゴニストまたは
アンタゴニストは、以下を含む膣および外陰の疾患および/または障害の診断、
処置および/または予防において使用され得る:細菌性腟炎、カンジダ膣炎、単
純疱疹ウイルス、軟性下疳、鼡径部肉芽腫、性病性リンパ肉芽腫、疥癬、ヒト乳
頭腫、膣外傷、外陰外傷、腺疾患、クラミジア膣炎、淋疾、腟トリコモナス、尖
圭コンジローム、梅毒、伝染性軟属腫、萎縮性腟炎、パジェット病、硬化性萎縮
、扁平苔癬、外陰病変、トキシックショック症候群、腟痙、外陰腟炎、外陰腟前
庭炎、および新形成障害(例えば、扁平上皮過形成、腎臓明細胞癌、基底細胞癌
、黒色腫、バルトリン腺の癌、および外陰上皮新形成)。
【0621】 子宮の障害および/または疾患としては、以下が挙げられる:月経困難症、後
傾子宮、子宮内膜症、フィブロイド、腺筋症、無***性出血、無月経、クッシン
グ症候群、胞状奇胎、アッシェルマン症候群、早期閉経、性的早熟、子宮ポリー
プ、機能不全性不正子宮出血(例えば、迷走ホルモンシグナルに起因する)、お
よび新形成障害(例えば、腺癌、平滑筋肉腫、および肉腫)。さらに、本発明の
ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは
、以下のような子宮異常のマーカーまたはディテクターとして、ならびに子宮異
常の診断、処置および/または予防において有用であり得る:双角子宮、中隔子
宮、単角子宮、非空腔性不全角を有する単角子宮、非交通空腔不全角を有する単
角子宮、交通空腔角を有する単角子宮、弓状子宮、子宮二空洞およびT型子宮。
【0622】 卵巣疾患および/または障害としては、以下が挙げられる:無***、多嚢胞性
卵巣(スタイン−リーヴェンサール症候群)、卵巣嚢胞、卵巣機能不全、ゴナド
トロピンに対して非感受性の卵巣、アンドロゲンの卵巣過剰産生、右卵巣静脈症
候群、無月経、多毛症、および卵巣癌(一次および二次癌増殖、セルトーリ−ラ
イディヒ腫瘍、卵巣の類内膜癌、卵巣乳頭漿液性腺癌、卵巣粘液性腺癌、および
卵巣クルーケンベルク腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない)。
【0623】 子宮頸部疾患および/または障害としては、以下が挙げられる:子宮頸管炎、
慢性子宮頸管炎、粘液膿性子宮頸管炎、子宮頸部形成異常、頸部ポリープ、ナー
ボト嚢胞、頸部びらん、頸部機能不全、および頸部新形成(例えば、頸部癌、扁
平化生、扁平上皮癌、腺扁平上皮細胞新形成および円柱細胞新形成を含む)。
【0624】 さらに、生殖器系の疾患および/または障害としては、以下を含む妊娠の障害
および/または疾患が挙げられる:流産および死産(例えば、早期流産、晩期流
産、自然流産、人工流産、治療的流産、切迫流産、稽留流産、不全流産、完全流
産、習慣性流産、稽留流産、および敗血性流産);異所性妊娠、貧血、Rh不適
合、妊娠中の膣出血、妊娠糖尿病、子宮内発育遅延、羊水過多症、HELLP症
候群、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、悪阻、子かん前症、子かん、妊娠性ヘルペ
ス、および妊娠のじんま疹。さらに、本発明のポリヌクレオチド、ポリオペプチ
ド、およびアゴニストまたはアンタゴニストは、以下を含む妊娠を複雑にし得る
疾患を診断、処置および/または予防するために使用され得る:心臓疾患、心不
全、リウマチ性心疾患、先天性心疾患、僧帽弁逸脱症、高血圧、貧血、腎臓疾患
、感染症(例えば、風疹、サイトメガロウイルス、トキソプラスマ症、感染性肝
炎、クラミジア、HIV、AIDS、および陰部ヘルペス)、真性糖尿病、グレ
ーヴズ病、甲状腺炎、甲状腺機能低下症、橋本甲状腺炎、慢性活動性肝炎、肝硬
変、原発性胆汁性肝硬変、ぜん息、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ
、重症筋無力症、特発性血小板減少性紫斑病、虫垂炎、卵巣嚢胞、胆嚢障害、お
よび腸の閉塞症。
【0625】 分娩および出産に関連する合併症としては、膜の早期破裂(prematur
e rupture of the membranes)、早産、後期妊娠(
post−term pregnancy)、過熟妊娠、非常に遅く進行する分
娩(labor that progresses too slowly)、
胎児仮死(例えば、異常な心拍数(胎児性または母性)、呼吸の問題、および異
常な胎児位置)、肩甲難産、臍帯脱出症、羊水塞栓症、および異常な子宮の出血
が、挙げられる。
【0626】 さらに、分娩期後のの疾患および/または障害としては、子宮内膜炎、子宮筋
層炎、子宮傍結合組織炎、腹膜炎、骨盤血栓性静脈炎、肺動脈塞栓症、内毒素血
症、腎盂腎炎、伏在性血栓性静脈炎、乳腺炎、膀胱炎、分娩後出血、および反転
性子宮(inverted uterus)が挙げられる。
【0627】 本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、ならびにアゴニストまたはアンタ
ゴニストにより診断、処置、および/または予防され得る雌性生殖器系の他の障
害ならびに/または疾患としては、例えば、ターナー症候群、偽半陰陽、月経前
緊張症候群、骨盤炎症性疾患、骨盤うっ血(pelvic congestio
n)(血管充血(vascular engorgement))、不感症、.
無オルガスム症、***疼痛症、破裂性(ruptured)ファローピウス管、
および中間痛。
【0628】 (感染性疾患) 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチド、ならびにアゴニストまたはア
ンタゴニストは、感染因子を処置または検出するために用いられ得る。例えば、
免疫応答を上昇させることによって、特にB細胞および/またはT細胞の増殖お
よび分化を増加させることによって、感染性疾患が処置され得る。免疫応答は、
既存の免疫応答を上昇させるか、または新たな免疫応答を開始させるかのいずれ
かにより上昇され得る。あるいは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ド、ならびにアゴニストまたはアンタゴニストはまた、必ずしも免疫応答を誘発
することなく、感染因子を直接阻害し得る。
【0629】 ウイルスは、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/また
はアゴニストもしくはアンタゴニストにより処置または検出され得る疾患または
症状を引き起こし得る感染因子の一例である。ウイルスの例としては、以下のD
NAおよびRNAのウイルスおよびウイルス科が挙げられるがこれらに限定され
ない:アルボウイルス、アデノウイルス科、アレナウイルス科、アルテリウイル
ス、ビルナウイルス科、ブンヤウイルス科、カルシウイルス科、サルコウイルス
科(Circoviridae)、コロナウイルス科、デング熱ウイルス、EB
V、HIV、フラビウイルス科、ヘパドナウイルス科(肝炎)、ヘルペスウイル
ス科(例えば、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス、ヘルペス帯状疱疹)、モ
ノネガウイルス(Mononegavirus)(例えば、パラミクソウイルス
科、麻疹ウイルス属、ラブドウイルス科)、オルソミクソウイルス科(例えば、
インフルエンザA、インフルエンザB、およびパラインフルエンザ)、パピロー
マウイルス、パポバウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナウイルス科、ポッ
クスウイルス科(例えば、痘瘡またはワクシニア)、レオウイルス科(例えば、
ロタウイルス)、レトロウイルス科(HTLV−I、HTLV−II、レンチウ
イルス)、およびトガウイルス科(例えば、ルビウイルス属)。これらの科内に
入るウイルスは、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引
き起こし得る:関節炎、細気管支炎(bronchiollitis)、呼吸性
シンシチウムウイルス、脳炎、眼性感染症(例えば、結膜炎、角膜炎)、慢性疲
労症候群、肝炎(A型、B型、C型、E型、慢性活動性、デルタ型)、日本脳炎
B型、アルゼンチン出血熱、チクングニヤ、リフトバレー熱、黄熱病、髄膜炎、
日和見感染症(例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、出血熱
、麻疹、流行性耳下腺炎、パラインフルエンザ、狂犬病、感冒、ポリオ、白血病
、風疹、性感染症、皮膚病(例えば、カポージ、いぼ)、およびウイルス血症。
本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはア
ンタゴニストを用いて、任意のこれらの症状または疾患が処置または検出され得
る。特定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、また
はアゴニストもしくはアンタゴニストは、以下の処置に使用される:髄膜炎、デ
ング熱、EBV、および/または肝炎(例えば、B型肝炎)。さらなる具体的な
実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、またはアゴニス
トもしくはアンタゴニストは、1以上の他の市販の肝炎ワクチンに非応答性の患
者を処置するために使用される。さらに具体的な実施形態において、本発明のポ
リヌクレオチド、ポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニストは、
AIDSを処置するために使用される。
【0630】 同様に、疾患または症状を引き起こし得、かつ本発明のポリヌクレオチドもし
くはポリペプチド、および/またはアゴニストもしくはアンタゴニストによって
処置または検出され得る細菌性因子あるいは真菌性因子は、以下のグラム陰性お
よびグラム陽性細菌および細菌科ならびに真菌を含むがこれらに限定されない:
Actinomycetales(例えば、Corynebacterium、
Mycobacterium、Norcardia)、Cryptococcu
s neoformans、Aspergillosis、Bacillace
ae(例えば、Anthrax、Clostridium)、Bacteroi
daceae、Blastomycosis、Bordetella、Borr
elia(例えば、Borrelia burgdorferi)、Bruce
llosis、Candidiasis、Campylobacter、Coc
cidioidomycosis、Cryptococcosis、Derma
tocycoses、E.coli(例えば、Enterotoxigenic
E.coliおよびEnterohemorrhagic E.coli)、
Enterobacteriaceae(Klebsiella、Salmon
ella(例えば、Salmonella typhi、およびSalmone
lla paratyphi)、Serratia、Yersinia)、Er
ysipelothrix、Helicobacter、Legionello
sis、Leptospirosis、Listeria、Mycoplasm
atales、Mycobacterium leprae、Vibrio c
holerae、Neisseriaceae(例えば、Acinetobac
ter、Gonorrhea、Menigococcal)、Meisseri
a meningitidis、Pasteurellaceaの感染症(例え
ば、Actinobacillus、Heamophilus(例えば、Hea
mophilusインフルエンザB型)、Pasteurella)、Pseu
domonas、Rickettsiaceae、Chlamydiaceae
、Syphilis、Shigella spp.、Staphylococc
al、Meningiococcal、PneumococcalならびにSt
reptococcal(例えば、Streptococcus pneumo
niaeおよびB群Streptococcus)。これらの細菌または真菌の
科は、以下を含むがこれらに限定されない疾患または症状を引き起こし得る:菌
血症、心内膜炎、眼感染症(結膜炎、結核、ブドウ膜炎)、歯肉炎、日和見感染
症(例えば、AIDSに関連した感染症)、爪周囲炎、プロテーゼ関連感染症、
ライター病、気道感染症(例えば、百日咳または蓄膿症)、敗血症、ライム病、
ネコ引っ掻き病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎
(例えば、髄膜炎A型およびB型)、クラミジア、梅毒、ジフテリア、ライ病、
パラ結核、結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、
猩紅熱、性感染病、皮膚病(例えば、蜂巣炎、皮膚真菌症(dermatocy
coses))、毒血症、***症、創傷感染症。本発明のポリペプチドもし
くはポリヌクレオチド、アゴニストもしくはアンタゴニストを用いて、これらの
症状もしくは疾患のいずれかを処置または検出し得る。具体的な実施形態におい
て、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、アゴニストまたはアンタゴニス
トは、以下を処置するために使用される:破傷風、ジフテリア、ボツリヅム、お
よび/またはB型髄膜炎。
【0631】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、および/またはア
ゴニストもしくはアンタゴニストにより処置または検出され得る、寄生生物性因
子が引き起こす疾患または症状としては以下のファミリーまたはクラスが挙げら
れるがこれらに限定されない:アメーバ症、バベシア症、コクシジウム症、クリ
プトスポリジウム症、二核アメーバ症(Dientamoebiasis)、交
疫、外部寄生生物性、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫症、リーシュマニア症、タイレ
リア症、トキソプラスマ症、トリパノソーマ症、およびトリコモナス(Tric
homonas)症、ならびに胞子虫症(Sporozoan)(例えば、Pl
asmodium virax、Plasmodium falcipariu
m、Plasmodium malariaeおよびPlasmodium o
vale)。これらの寄生生物は、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾
患または症状を引き起こし得る:疥癬、ツツガムシ病、眼性感染症、腸疾患(例
えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染症(例えば
、AIDS関連)、マラリア、妊娠合併症、およびトキソプラスマ症。本発明の
ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはアゴニストもしくはアンタゴニ
ストを用いて、これらの症状または疾患のいずれかを処置または検出し得る。特
定の実施形態において、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、またはアゴ
ニストもしくはアンタゴニストは、マラリアを処置するために使用される。
【0632】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストは、患者に有効量のポリペプチドを投与するか、または患者か
ら細胞を取り出して、本発明のポリヌクレオチドをこの細胞に供給し、そして操
作した細胞を患者に戻す(エキソビボ治療)かのいずれかによるものであり得る
。さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはワクチン中の抗原と
して用いられて、感染性疾患に対する免疫応答を惹起し得る。
【0633】 (再生) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストを用いて、細胞を分化させ、増殖させ、そして誘引して、組織
の再生を導き得る(Science 276:59−87(1997)を参照の
こと)。組織の再生を用いて、先天性欠損、外傷(創傷、熱傷、切開、または潰
瘍)、加齢、疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関節炎(osteocarthr
itis)、歯周病、肝不全)、美容形成手術を含む手術、線維症、再灌流傷害
、もしくは全身性サイトカイン損傷により損傷を受けた組織を修復、置換、また
は保護し得る。
【0634】 本発明を用いて再生し得る組織としては、以下が挙げられる:器官(例えば、
膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋、または心筋)、
血管系(血管およびリンパ管を含む)、神経、造血、および骨格(骨、軟骨、腱
、および靭帯)の組織。好ましくは、再生は、瘢痕なく、または瘢痕が低減され
て生じる。再生はまた、新脈管形成を含み得る。
【0635】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニス
トもしくはアンタゴニストは、治癒するのが困難な組織の再生を増加させ得る。
例えば、腱/靭帯の再生を増大させることによって、損傷後の回復時間が早まる
。本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、ならびにアゴニストもしく
はアンタゴニストはまた、損傷を回避する試みにおいて予防的に使用され得る。
処置され得る特定の疾患は、腱炎、手根管症候群、および他の腱欠損または靭帯
欠損を含む。非治癒創傷の組織再生のさらなる例としては、褥瘡性潰瘍、脈管不
全、外科的創傷、および外傷性創傷に関連する潰瘍が挙げられる。
【0636】 同様に、神経および脳組織はまた、神経細胞を増殖および分化させるために本
発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくはアン
タゴニストを使用することによって再生され得る。本方法を用いて処置され得る
疾患としては、中枢神経系疾患および末梢神経系疾患、神経障害、または機械的
および外傷性障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳血管疾患、および発作(s
toke))が挙げられる。詳細には、末梢神経傷害と関連する疾患、末梢神経
障害(例えば、化学療法または他の医学的療法から生じる)、局在神経障害、お
よび中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチント
ン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ドレーガー症候群)はすべて、本発
明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくはアンタ
ゴニストを用いて処置され得る。
【0637】 (胃腸障害) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくは
アンタゴニストは、胃腸障害を処置、予防、診断、および/または予後するため
に使用され得、この胃腸障害としては、炎症性の疾患および/または状態、感染
、癌(例えば、腸新生物(小腸のカルチノイド、小腸の非ホジキンリンパ腫、小
腸リンパ腫))ならびに潰瘍(例えば、消化性潰瘍)が挙げられる。
【0638】 胃腸障害としては、嚥下困難、嚥下痛、食道の炎症、消化性食道炎、胃の逆流
、粘膜下線維症および狭窄(stricturing)、マロリー‐ヴァイス病
変、平滑筋腫、脂肪腫、表皮癌、腺癌、胃貯留障害、胃腸炎、胃萎縮症、胃(g
astric/stmaoch)癌、胃のポリープ、自己免疫障害(例えば、悪
性貧血、幽門狭窄症、胃炎(細菌性、ウイルス性、好酸球性、ストレス誘導性、
慢性びらん性、萎縮性、形質細胞、およびメネトリエ病)、ならびに腹膜疾患(
例えば、乳び腹膜症(chyloperioneum)、腹腔内出血、腸膜間嚢
胞、腸膜間リンパ節炎、腸膜間脈管閉塞、皮下脂肪組織炎、新生物、腹膜炎、気
腹症、横隔膜下(bubphrenic)膿瘍)が挙げられる。
【0639】 胃腸障害としてまた、小腸(例えば、吸収不良症候群、膨満、過敏性腸症候群
(irritable bowel syndrome)、糖不耐性、腹腔疾患
、十二指腸潰瘍、十二指腸炎、熱帯性スプルー、ホウィップル病、腸リンパ管拡
張症、クローン病、虫垂炎、回腸の便秘、メッケル憩室、複数の憩室(mult
iple diverticula)、小腸および大腸の完全な回旋不全、リン
パ腫)、ならびに細菌性および寄生虫性疾患(例えば、旅行者下痢、チフスおよ
びパラチフス、コレラ、回虫(Ascariasis lumbricides
)、鉤虫(Ancylostoma duodenale)、線虫(Enter
obius vermicularis)、条虫類(Teania sagin
ata)、Echinococcus granulosus、Diphyll
obothrium spp.、およびT.soliumによる感染)が挙げら
れる。
【0640】 肝臓疾患および/または障害として、肝臓内胆汁うっ滞(アラギール(ala
gille)症候群、胆汁性肝硬変)、脂肪肝(アルコール性脂肪肝、ライ症候
群)、肝静脈血栓症、ヘパトレントリキュラー(hepatolentricu
lar)変性、肝腫、肝肺症候群、肝腎症候群、門脈圧亢進症(食道静脈瘤およ
び胃静脈瘤)、肝膿瘍(アメーバ性肝膿瘍)、肝硬変(アルコール性、胆汁およ
び実験的)、アルコール性肝疾患(脂肪肝、肝炎、肝硬変)、寄生虫性(肝性エ
キノコックス症、肝蛭症、アメーバ性肝膿瘍)、黄疸(溶血性、肝細胞性、およ
び胆汁うっ滞性)、胆汁うっ滞、門脈圧亢進症、肝肥大、腹水、肝炎(アルコー
ル性肝炎、動物性肝炎、慢性肝炎(自己免疫性、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎
、薬物誘導性)、毒性肝炎、ウイルス性ヒト肝炎(A型肝炎、B型肝炎、C型肝
炎、D型肝炎、E型肝炎)、ウィルソン病、肉芽腫性肝炎、二次性胆汁性肝硬変
(secondary biliary cirrhosis)、肝性脳障害、
門脈圧亢進症、静脈瘤、肝性脳障害、一次性胆汁性肝硬変(primary b
iliary cirrhosis)、原発性硬化性胆管炎、肝細胞腺腫、血管
腫、胆汁石、肝不全(肝性脳障害、急性肝不全)、および肝性新生物(live
r neoplasms)(血管筋脂肪腫、石灰化肝転移(calcified
liver metastases)、嚢胞性肝転移、上皮腫瘍、線維層板肝
細胞癌(fibrolamellar hepatocarcinoma)、病
巣結節過形成(focal nodular hyperplasia)、肝細
胞腺腫、血性胆汁嚢胞腺腫(hepatobiliary cystadeno
ma)、胚芽腫、肝細胞癌、肝癌(hepatoma)、肝癌(liver c
ancer)、肝臓血管内皮腫、間葉過誤腫(mesenchymal ham
artoma)、肝臓の間葉腫瘍、結節再生過形成(nodular rege
nerative hyperplasia)、良性肝癌(肝嚢胞(単純嚢胞(
Simple cyst)、多嚢胞性肝疾患、血性胆汁嚢胞腺腫(Hepato
biliary cystadenoma)、総胆管嚢胞)、間葉腫瘍(間葉過
誤腫、乳児先天性血管内皮腫、血管腫、肝臓紫斑病、脂肪腫、炎症性偽腫瘍、ミ
スセラネウス(Miscellaneous))、上皮腫瘍(胆管上皮(胆管過
誤腫、胆管腺腫)、肝細胞(腺腫、病巣結節過形成、結節再生過形成))、転移
性肝臓腫瘍(肝細胞、胚芽腫、肝細胞癌、胆管細胞(cholangiocel
lular)、胆管癌、嚢胞腺癌、血管の癌、血管肉腫、カポージ肉腫、血管内
皮腫、他の腫瘍、胎生期肉腫(embryonal sarcoma)、線維肉
腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、癌肉腫、奇形腫、カルチノイド、扁平上皮癌、原
発性リンパ腫))、肝臓紫斑病、赤芽肝性ポルフィリン症(erythrohe
patic porphyria)、肝性ポルフィリン症(急性間欠性ポルフィ
リン症、晩発性皮膚ポルフィリン症)、ツェルヴェーガー症候群)が挙げられる
【0641】 膵臓疾患および/または障害として、急性膵炎、慢性膵炎(急性壊死膵炎(a
cute necrotizing pancreatitis)、アルコール
性膵炎)、新生物(膵臓の腺癌、嚢胞腺癌、インスリノーマ、ガストリノーマ、
およびグルカゴノーマ、嚢胞性新生物、島細胞腫瘍、膵臓芽腫(pancreo
blastoma)、および他の膵臓疾患(例えば、嚢胞性線維症、嚢胞(膵臓
偽嚢胞、膵臓フィステル、不全))が挙げられる。
【0642】 胆嚢疾患として、胆石(胆石症および総胆管結石症)、胆嚢摘出後症候群、胆
嚢の憩室症、急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、胆管腫瘍および涙嚢腫が挙げられる。
【0643】 大腸の疾患および/または障害として、抗生物質関連大腸炎、憩室炎、潰瘍性
大腸炎、後天性巨大結腸、膿瘍、真菌性感染および細菌性感染、肛門直腸疾患(
例えば、裂溝、痔)、結腸疾患(大腸炎、結腸新生物(結腸癌(colon c
ancer)、腺腫様結腸ポリープ(例えば、絨毛腺腫)、結腸癌(colon
carcinoma)、結腸直腸癌)、結腸憩室炎、大腸憩室、巨大結腸(ヒ
ルシュスプルング病、有害な巨大結腸);S状疾患(sigmoid dise
ases)(直腸結腸炎、シグモイン(sigmoin)新生物))、便秘症、
クーロン病、下痢(乳児期下痢、赤痢)、十二指腸疾患(十二指腸新生物、十二
指腸閉塞症、十二指腸潰瘍、十二指腸炎)、腸炎(enteritis)(腸炎
(enterocolitis))、HIV腸症、回腸疾患(回腸新生物、回腸
炎)、免疫増殖性小腸疾患、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クーロン病)、腸閉
鎖、寄生虫病(アニサキス症、バランチジウム症、ブラストシスティス属感染症
、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症(dientamoebiasis
)、アメーバ赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、腸フィステル(直腸フィステル)、
腸新生物(盲端新生物、結腸新生物、十二指腸新生物、回腸新生物、腸ポリープ
、空腸新生物、直腸新生物)、腸閉塞(輸入脚症候群、十二指腸閉塞、楔合便(
impacted feces)、腸偽閉塞(intestinal pseu
do−obstruction)(盲腸捻転)、重積症)、腸閉鎖(intes
tinal perforation)、腸ポリープ(結腸ポリープ、ガードナ
ー症候群、ポイツ−ジェガーズ症候群)、空腸疾患(空腸新生物)、吸収不良症
候群(盲係蹄症候群、セリアック病(celiac disease)、乳糖不
耐症、短腸症候群、熱帯性スプルー、ホウィップル病)、腸間膜血管閉塞(me
senteric vascular occlusion)、腸壁嚢胞状気腫
、蛋白喪失性腸症(腸リンパギエクタシス(intestinal lymph
agiectasis))、腸疾患(肛門疾患、便失禁、痔、直腸炎、腸フィス
テル、脱腸、直腸瘤)、消化性潰瘍(十二指腸潰瘍、消化性食道炎、出血、穿孔
、胃潰瘍、ゾリンジャー−エリソン症候群)、胃切除後症候群(ダンピング症候
群)、胃障害(例えば、塩酸欠乏症、胃十二指腸の逆流(胆汁逆流)、胃洞血管
膨張(gastric antral vascular ectasia)、
胃フィステル、胃排出口閉塞(gastric outlet obstruc
tion)、胃炎(萎縮性または肥大性)、胃不全麻痺、胃拡張、胃憩室、胃新
生物(胃癌、胃ポリープ、胃腺癌、増殖性胃ポリープ)、胃破裂、胃潰瘍、胃閉
塞)、結核、内臓下垂症、嘔吐(例えば、吐血、妊娠悪阻、手術後悪心(pos
toperative nausea)および手術後嘔吐)および出血性大腸炎
が挙げられる。
【0644】 さらに胃腸系の疾患および/または障害として、胆汁管障害(例えば、胃壁破
裂症)、フィステル(例えば、胆道フィステル、食道フィステル、胃フィステル
、腸フィステル、膵臓フィステル)、新生物(例えば、胆汁管新生物、食道新生
物(例えば、食道の腺癌)、食道扁平上皮癌、胃腸新生物、膵臓新生物(例えば
、膵臓の腺癌)、膵臓のムチン嚢胞性新生物、膵臓嚢胞性新生物、膵臓芽腫およ
び腹膜新生物)、食道疾患(例えば、水疱性疾患、カンジダ症、グリコゲンアカ
ントシス、潰瘍形成、バレット食道静脈瘤、閉鎖症、嚢胞、憩室(例えば、ツェ
ンカー憩室)、フィステル(例えば、気管食道フィステル)、運動性疾患(例え
ば、CREST症候群、嚥下疾患、アカラシア、痙縮、食道逆流)、新生物、穿
孔(例えば、ブールハーフェ症候群、マロリー−ヴァイス症候群)、狭窄症、食
道炎、横隔膜ヘルニア(例えば、裂孔ヘルニア);胃腸疾患(例えば、胃腸炎 (
例えば、コレラ病、ノーウォークウイルス感染))、出血(例えば、吐血、メレ
ナ、消化性潰瘍出血)、胃新生物(胃癌、胃ポリープ、胃腺癌、胃癌))、ヘル
ニア(例えば、先天性横隔膜ヘルニア、大腿ヘルニア、鼡径ヘルニア、閉鎖孔ヘ
ルニア、臍ヘルニア、腹壁ヘルニア)、および腸疾患(例えば、盲端疾患(虫垂
炎、盲端新生物))が挙げられる。
【0645】 (走化性) 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくは
アンタゴニストは、走化性活性を有し得る。走化性分子は、細胞(例えば、単球
、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮細胞および/または内
皮細胞)を、身体中の特定の部位(例えば、炎症、感染、または過剰増殖の部位
)に誘引または動員する。次いで、動員された細胞は、特定の外傷または異常性
を撃退および/または治癒し得る。
【0646】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくは
アンタゴニストは、特定の細胞の走化性活性を増大し得る。次いで、これらの走
化性分子を使用して、身体中の特定の位置に標的化した細胞の数を増加させるこ
とによって、炎症、感染、過剰増殖性障害、または任意の免疫系障害を処置し得
る。例えば、走化性分子を使用して、傷害を受けた位置に免疫細胞を誘引するこ
とによって、組織に対する創傷および他の外傷を処置し得る。本発明の走化性分
子はまた、線維芽細胞を誘引し得、これは創傷を処置するために使用され得る。
【0647】 本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくは
アンタゴニストが走化性活性を阻害し得ることもまた意図される。これらの分子
はまた、障害を処置するために使用され得る。従って、本発明のポリヌクレオチ
ドもしくはポリペプチドならびにアゴニストもしくはアンタゴニストは、走化性
のインヒビターとして使用され得る。
【0648】 (結合活性) 本発明のポリペプチドは、このポリペプチドに結合する分子、またはこのポリ
ペプチドが結合する分子についてスクリーニングするために使用され得る。この
ポリペプチドとこの分子との結合は、結合したポリペプチドまたは分子の活性を
活性化(アゴニスト)、増大、阻害(アンタゴニスト)、または減少させ得る。
そのような分子の例としては、抗体、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば
、レセプター)、または低分子が挙げられる。
【0649】 好ましくは、この分子は、このポリペプチドの天然のリガンド(例えば、リガ
ンドのフラグメント)、または天然の基質、リガンド、構造的模倣物、もしくは
機能的模倣物に密接に関連する(Coliganら、Current Prot
ocols in Immunology 1(2):第5章(1991)を参
照のこと)。同様に、この分子は、このポリペプチドが結合する天然のレセプタ
ー、または少なくとも、このポリペプチドによって結合され得るレセプターのフ
ラグメント(例えば、活性部位)に密接に関連し得る。いずれの場合においても
、この分子は、公知の技術を用いて合理的に設計され得る。
【0650】 好ましくは、これらの分子についてのスクリーニングは、ポリペプチドを発現
する適切な細胞を産生する工程を包含する。好ましい細胞としては、哺乳動物、
酵母、Drosophila、またはE.coli由来の細胞が挙げられる。次
いで、このポリペプチドを発現する細胞(または、発現されたポリペプチドを含
む細胞膜)を、好ましくは、このポリペプチドまたはこの分子のいずれかの結合
、活性の刺激、または活性の阻害を観察するための分子を潜在的に含む試験化合
物と接触させる。
【0651】 アッセイは、このポリペプチドへの候補化合物の結合を単純に試験し得、ここ
で結合は、標識によって、または標識された競合物との競合に関するアッセイに
おいて検出される。さらに、アッセイは、候補化合物がこのポリペプチドへの結
合によって生成されるシグナルを生じるか否かを試験し得る。
【0652】 あるいは、アッセイは、無細胞調製物、固体支持体に接着されたポリペプチド
/分子、化学ライブラリー、または天然産物の混合物を用いて実施され得る。ア
ッセイはまた、候補化合物を、ポリペプチドを含む溶液と混合する工程、ポリペ
プチド/分子の活性または結合を測定する工程、およびポリペプチド/分子の活
性または結合を、標準と比較する工程を単純に包含し得る。
【0653】 好ましくは、ELISAアッセイは、モノクローナル抗体またはポリクローナ
ル抗体を用いて、サンプル(例えば、生物学的サンプル)におけるポリペプチド
のレベルまたは活性を測定し得る。抗体は、ポリペプチドへの直接的もしくは間
接的のいずれかの結合、または基質についてのポリペプチドとの競合によって、
ポリペプチドのレベルまたは活性を測定し得る。
【0654】 さらに、本発明のポリペプチドが結合するレセプターは、当業者に公知の多く
の方法(例えば、リガンドパニングおよびFACSソーティング(Coliga
nら、Current Protocols in Immun.,1(2)、
第5章(1991))によって同定され得る。例えば、発現クローニングは、ポ
リアデニル化RNAがこのポリペプチドに応答する細胞から調製される場合に用
いられ、例えば、NIH3T3細胞(これは、FGFファミリータンパク質に対
する複数のレセプターを含むことが公知である)、およびSC−3細胞、および
このRNAから作製されたcDNAライブラリーは、プールに分けられ、そして
このポリペプチドに応答性でないCOS細胞または他の細胞をトランスフェクト
するために使用される。ガラススライド上で増殖しているトランスフェクトされ
た細胞は、それらを標識化した後に、本発明のポリペプチドに曝露される。この
ポリペプチドは、種々の手段(部位特異的プロテインキナーゼに対する認識部位
のヨウ素化または封入を含む)によって標識化され得る。
【0655】 固定化およびインキュベーション後、スライドは、オートラジオグラフィー分
析に供される。陽性プールを同定し、そしてサブプールを、反復性のサププール
化および再スクリーニングプロセスを使用して調製および再びトランスフェクト
して、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生じる。
【0656】 レセプター同定のための代替のアプローチとして、標識ポリペプチドは、レセ
プター分子を発現する調製物を、細胞膜と光親和性に連結し得るか、または抽出
し得る。架橋された材料は、PAGE分析によって分離され、そしてX線フィル
ムに曝露される。ポリペプチドのレセプターを含む標識複合体が切り出され得、
ペプチドフラグメントへと分離され得、そしてタンパク質微小配列決定に供され
得る。微小配列決定から得られるアミノ酸配列を使用して、1組の縮重オリゴヌ
クレオチドプローブを設計してcDNAライブラリーをスクリーニングし、推定
レセプターをコードする遺伝子を同定する。
【0657】 さらに、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフ
リング、および/またはコドンシャッフリングの技術(集合的に「DNAシャッ
フリング」という)を利用して、本発明のポリペプチドの活性を調節し得、それ
によって本発明のポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを効果的に生
成する。一般に、米国特許第5,605,793号、同第5,811,238号
、同第5,830,721号、同第5,834,252号、および同第5,83
7,458号、ならびにPatten,P.A.ら、Curr.Opinion
Biotechnol.8:724〜33(1997);Harayama,
S.Trends Biotechnol.16(2):76〜82(1998
);Hansson,L.O.ら、J.Mol.Biol.287:265〜7
6(1999);ならびにLorenzo,M.M.およびBlasco,R.
Biotechniques 24(2):308〜13(1998)(これら
の特許および刊行物の各々は、本明細書において参考として援用される)を参照
のこと。1つの実施態様において、本発明のポリヌクレオチドおよび対応するポ
リペプチドの変更は、DNAシャッフリングによって達成され得る。DNAシャ
ッフリングは、相同組換えまたは部位特異的な組換えによる、2つ以上のDNA
セグメントの、所望の分子へのアセンブリを含む。別の実施態様において、本発
明のポリヌクレオチドおよび対応するポリペプチドは、組換えの前に、誤りがち
な(error−prone)PCR、ランダムヌクレオチド挿入または他の方
法によるランダム変異誘発に供することによって、変更され得る。別の実施態様
において、本発明のポリペプチドの1つ以上の成分、モチーフ、切片、部分、ド
メイン、フラグメントなどは、1つ以上の異種分子の1つ以上の成分、モチーフ
、切片、部分、ドメイン、フラグメントなどと組換えられ得る。好ましい実施態
様において、この異種分子は、ファミリーのメンバーである。さらに好ましい実
施態様において、この異種分子は、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、
インスリン様増殖因子(IGF−I)、トランスホーミング増殖因子(TGF)
−α、表皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、TGF−β、
骨形態形成タンパク質(BMP)−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、
BMP−7、アクチビンAおよびアクチビンB、デカペンタプレジック(dec
apentaplegic)(dpp)、60A、OP−2、ドーサリン(do
rsalin)、増殖分化因子(GDF)、結節(nodal)、MIS、イン
ヒビン−α、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β5、およ
び神経膠由来神経栄養因子(GDNF)のような増殖因子である。
【0658】 他の好ましいフラグメントは、本発明のポリペプチドの生物学的に活性なフラ
グメントである。生物学的に活性なフラグメントは、本発明のポリぺプチドの活
性に類似の活性を示すが、必ずしも同一ではないフラグメントである。このフラ
グメントの生物学的活性は、改善された所望の活性、または減少した所望されな
い活性を含み得る。
【0659】 さらに、本発明は、本発明のポリペプチドの作用を調節する化合物を同定する
ために化合物をスクリーニングする方法を提供する。このようなアッセイの例は
、哺乳動物線維芽細胞、本発明のポリペプチド、スクリーニングされるべき化合
物および[H]チミジンを、線維芽細胞が通常増殖する細胞培養条件下で組み合
わせる工程を包含する。コントロールアッセイは、スクリーニングされるべき化
合物の非存在下で実施され得、そしてこの化合物の存在下での線維芽細胞の増殖
の量と比較して、各々の場合における[H]チミジンの取り込みの決定によって
、この化合物が増殖を刺激するか否かを決定し得る。線維芽細胞の増殖の量は、 [H]チミジンの取り込みを測定する液体シンチレーションクロマトグラフィー
によって測定される。アゴニスト化合物およびアンタゴニスト化合物の両方が、
この手順により同定され得る。
【0660】 別の方法において、本発明のポリペプチドに対するレセプターを発現する哺乳
動物細胞または膜調製物は、この化合物の存在下において標識化した本発明のポ
リペプチドとともにインキュベートされる。次いで、この化合物がこの相互作用
を増強またはブロックする能力が、測定され得る。あるいは、スクリーニングさ
れるべき化合物の相互作用に従う既知のセカンドメッセンジャー系の応答および
レセプターが測定され、そしてこの化合物がこのレセプターに結合し、そしてセ
カンドメッセンジャー応答を誘発する能力を測定して、この化合物が潜在的なア
ゴニストまたはアンタゴニストであるか否かを決定する。このようなセカンドメ
ッセンジャー系には、cAMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャネルまたはホ
スホイノシチド加水分解が挙げられるが、これらに限定されない。
【0661】 これらの上記のアッセイの全ては、診断マーカーまたは予後マーカーとして使
用され得る。これらのアッセイを用いて発見される分子は、ポリペプチド/分子
を活性化または阻害することによって、疾患を処置するか、または患者における
特定の結果(例えば、血管増殖)をもたらすために使用され得る。さらに、アッ
セイは、適切に操作された細胞または組織からの本発明のポリペプチドの産生を
阻害または増強し得る因子を発見し得る。
【0662】 従って、本発明は、以下の工程を含む本発明のポリペプチドに結合する化合物
を同定する方法を包含する:(a)候補結合化合物を本発明のポリペプチドとと
もにインキュベートする工程;および(b)結合が生じたか否かを決定する工程
。さらに、本発明は、以下の工程を含むアゴニスト/アンタゴニストを同定する
方法を包含する:(a)候補化合物を本発明のポリペプチドとともにインキュベ
ートする工程、(b)生物学的活性をアッセイする工程、および(b)ポリペプ
チドの生物学的活性が改変されているか否かを決定する工程。
【0663】 (標的化された送達) 別の実施形態において、本発明は、組成物を、本発明のポリペプチドに対する
レセプターを発現する標的化細胞、または本発明のポリペプチドの細胞結合形態
を発現する細胞に送達する方法を提供する。
【0664】 本明細書中で議論される場合、本発明のポリペプチドまたは抗体は、異種ポリ
ペプチド、異種核酸、毒素またはプロドラッグと、疎水性、親水性、イオン性お
よび/または共有結合性の相互作用を介して会合し得る。1つの実施形態におい
て、本発明は、異種ポリペプチドまたは核酸と会合した本発明のポリペプチド(
抗体を含む)を投与することによる、本発明の組成物の細胞への特異的な送達の
ための方法を提供する。1つの例において、本発明は、治療タンパク質を標的化
細胞中へ送達するための方法を提供する。別の例において、本発明は、一本鎖核
酸(例えば、アンチセンスまたはリボザイム)あるいは二本鎖核酸(例えば、細
胞のゲノムに組み込まれ得るか、またはエピソームにて複製し得、そして転写さ
れ得る、DNA)を、標的化細胞に送達するための方法を提供する。
【0665】 別の実施形態において、本発明は、毒素または細胞傷害性プロドラッグと会合
した本発明のポリペプチド(例えば、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体
)を投与することによる細胞の特異的破壊(例えば、腫瘍細胞の破壊)のための
方法を提供する。
【0666】 「毒素」とは、内因性の細胞傷害性エフェクター系、放射性同位体、ホロ毒素
(holotoxin)、改変型毒素、毒素の触媒サブユニットを結合および活
性化する化合物、または規定の条件下で細胞死を引き起こす細胞中もしくは細胞
表面には通常存在しない任意の分子もしくは酵素を意味する。本発明の方法に従
って使用され得る毒素としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
当該分野で公知の放射性同位体、固有のまたは誘導された内因性の細胞傷害性エ
フェクター系を結合する化合物(例えば、抗体(またはその一部を含む補体固定
)、チミジンキナーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNAse、α毒素、リシン、ア
ブリン、Pseudomonas外毒素A、ジフテリア毒素、サポリン、モモル
ジン(momordin)、ゲロニン(gelonin)、ヨウシュヤマゴボウ
抗ウイルスタンパク質、α−サルシン(sarcin)およびコレラ毒素。「細
胞傷害性プロドラッグ」とは、通常細胞内に存在する酵素によって、細胞傷害性
化合物へと変換される非毒性の化合物を意味する。本発明の方法に従って使用さ
れ得る細胞傷害性プロドラッグとしては、安息香酸マスタードアルキル化剤のグ
ルタミル誘導体、エトポシドまたはマイトマイシンCのリン酸誘導体、シトシン
アラビノシド、ダウノルビシン、およびドキソルビシンのフェノキシアセトアミ
ド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0667】 (薬物スクリーニング) 本発明のポリペプチドの活性を改変する分子についてスクリーニングするため
に、本発明のポリペプチド、またはこれらのポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドの使用が、さらに意図される。このような方法は、本発明のポリペプチ
ドを、アンタゴニスト活性またはアゴニスト活性を有することが疑われる選択さ
れた化合物と接触させる工程、および結合に続いてこれらのポリペプチドの活性
をアッセイする工程を包含する。
【0668】 本発明は、種々の薬物スクリーニング技術のいずれかにおいて、本発明のポリ
ペプチド、またはそれらの結合フラグメントを使用することによって治療用化合
物をスクリーニングするために特に有用である。このような試験に用いられるポ
リペプチドまたはフラグメントは、固体支持体に固定化され得、細胞表面上に発
現され得、溶液中で遊離であり得、または細胞内に局在化され得る。薬物スクリ
ーニングの1つの方法は、ポリペプチドまたはフラグメントを発現する組換え核
酸を用いて安定に形質転換される真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利
用する。薬物は、競合結合アッセイにおいて、このような形質転換細胞に対して
スクリーニングされる。例えば、試験されている薬剤と本発明のポリペプチドと
の間の複合体の形成(formulaton)を測定し得る。
【0669】 従って、本発明は、本発明のポリペプチドによって媒介される活性に影響を及
ぼす薬物または任意の他の薬剤についてのスクリーニング方法を提供する。これ
らの方法は、当該分野で周知の方法によって、このような薬剤を本発明のポリペ
プチドもしくはそのフラグメントと接触させる工程、およびこの薬剤とこのポリ
ペプチドもしくはそのフラグメントとの間の複合体の存在についてアッセイする
工程を包含する。このような競合結合アッセイにおいて、スクリーニングされる
薬剤は、典型的には標識化される。インキュベーション後に、遊離の薬剤は、結
合形態で存在する薬剤から分離され、そして遊離または複合体化されていない標
識の量は、特定の薬剤が本発明のポリペプチドに結合する能力の尺度である。
【0670】 薬物スクリーニングについての別の技術は、本発明のポリペプチドに対する適
切な結合親和性を有する化合物についての高処理能力スクリーニングを提供し、
そして欧州特許出願84/03564(1984年9月13日公開)(これは、
本明細書中で参考として援用される)に非常に詳細に記載される。簡潔にいうと
、大数の異なる小さなペプチド試験化合物は、固体基材(例えば、プラスチック
ピンまたは何らかの他の表面)上で合成される。ペプチド試験化合物は、本発明
のポリペプチドと反応させられ、そして洗浄される。次いで、結合したポリペプ
チドは、当該分野で周知の方法によって検出される。精製されたポリペプチドは
、前述の薬物スクリーニング技術での使用のためにプレート上に直接コーディン
グされる。さらに、非中和抗体を使用して、このペプチドを捕捉し得、そして固
体支持体上にそれを固定し得る。
【0671】 本発明はまた、競合薬物スクリーニングアッセイの使用を意図し、ここで、本
発明のポリペプチドを結合し得る中和抗体は、ポリペプチドまたはそのフラグメ
ントに対する結合について試験化合物と特異的に競合する。この様式において、
抗体を使用して、本発明のポリペプチドと1つ以上の抗原性エピトープを共有す
る任意のペプチドの存在を検出する。
【0672】 (アンチセンスおよびリボザイム(アンタゴニスト)) 特定の実施形態において、本発明に従うアンタゴニストは、配列番号Xに含ま
れる配列またはその相補鎖に対応する核酸、および/または表1において同定さ
れるcDNAプラスミドVに含まれるヌクレオチド配列に対応する核酸である。
1つの実施形態において、アンチセンス配列は、生物体により内部で生成され、
別の実施形態において、アンチセンス配列は別々に投与される(例えば、O’C
onnor,J.,Neurochem.56:560(1991)を参照のこ
と)。Oligodeoxynucleotides as Antisens
e Inhibitors of Gene Expression,CRC
Press,Boca Raton,FL(1988)。アンチセンス技術を使
用して、アンチセンスDNAもしくはRNAを通してか、または3重らせんの形
成を通して遺伝子発現を制御し得る。アンチセンス技術は、例えば、Okano
,Neurochem.56:560(1991);Oligodeoxynu
cleotides as Antisense Inhibitors of
Gene Expression,CRC Press,Boca Rato
n,FL(1988)で議論される。3重らせん形成は、例えば、Leeら、N
ucleic Acids Research 6:3073(1979);C
ooneyら、Science 241:456(1988);およびDerv
anら、Science、251:1300(1991)において議論される。
これらの方法は、相補的なDNAまたはRNAへのポリヌクレオチドの結合に基
づく。
【0673】 例えば、非リンパ性白血病細胞株HL−60および他の細胞株の増殖を阻害す
るためのc−mycおよびc−mybアンチセンスRNA構築物の使用は、以前
に記載された(Wickstromら(1988);Anfossiら(198
9))。これらの実験は、細胞をオリゴリボヌクレオチドとインキュベーション
することによってインビトロで行われた。インビボ用途のための同様の手順は、
WO91/15580に記載される。簡単には、所定のアンチセンスRNAにつ
いてのオリゴヌクレオチドの対は、以下のように生成される:オープンリーディ
ングフレームの最初の15塩基に相補的な配列を、5末端のEcoRI部位およ
び3末端のHindIII部位に隣接させる。次に、オリゴヌクレオチドの対は
、90℃で1分間加熱され、次いで2×ライゲーション緩衝液(20mM TR
IS HCl pH7.5、10mM MgCl2、10MM ジチオスレイト
ール(DTT)および0.2mM ATP)中でアニーリングされ、次いで、レ
トロウイルスベクターPMV7のEcoR1/HindIII部位に連結される
(WO91/15580)。
【0674】 例えば、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’コード部
分を使用して、約10〜40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチド
を設計し得る。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域に相
補的であるように設計され、それにより転写およびレセプターの産生を阻害する
。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリダ
イズし、そしてmRNA分子のレセプターポリペプチドへの翻訳をブロックする
【0675】 1つの実施形態において、本発明のアンチセンス核酸は、外来の配列からの転
写により細胞内で産生される。例えば、ベクターまたはその一部が転写され、本
発明のアンチセンス核酸(RNA)を産生する。このようなベクターは、アンチ
センス核酸をコードする配列を含む。このようなベクターは、それが転写されて
所望のアンチセンスRNAを産生し得る限り、エピソームのベクターのままであ
るか、または染色体に組込まれ得る。このようなベクターは、当該分野において
標準的な組換えDNA技術方法により構築され得る。ベクターは、脊椎動物細胞
において複製および発現のために使用される、当該分野で公知のプラスミド、ウ
イルスなどであり得る。本発明のポリペプチドをコードする配列またはそのフラ
グメントの発現は、脊椎動物、好ましくはヒト細胞において作用することが当該
分野で公知の任意のプロモーターにより得る。そのようなプロモーターとしては
、誘導性または構成的であり得る。このようなプロモーターは、SV40初期プ
ロモーター領域(BernoistおよびChambon、Nature、29
:304−310(1981))、ラウス肉腫ウイルスの3’長末端反復に含ま
れるプロモーター(Yamamotoら、Cell、22:787−797(1
980))、ヘルペスチミジンプロモーター(Wagnerら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.U.S.A.78:1441−1445(1981)
)、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら、Nature、
296:39−42(1982))などが挙げられるが、これらに限定されない
【0676】 本発明のアンチセンス核酸は、少なくとも本発明の遺伝子のRNA転写物の一
部に相補的な配列を含む。しかし、完全に相補的であることは好ましいが、必ず
しも必要ではない。本明細書中で言及される「少なくともRNAの一部に相補的
な」配列は、RNAとハイブリダイズし得るに十分な相補性を有し、安定な二重
鎖を形成する配列を意味し;従って、二本鎖アンチセンス核酸の場合において、
二重鎖DNAの一本鎖が試験され得るか、または三重鎖形成がアッセイされ得る
。ハイブリダイズする能力は、相補性の程度およびアンチセンス核酸の長さの両
方に依存する。一般的に、ハイブリダイズする核酸が長いほど、RNAとのより
多くの塩基ミスマッチを含み得、そしてなお安定な二重鎖(または三重鎖の場合
もあり得る)を形成し得る。当業者は、ハイブリダイズ複合体の融点を決定する
ために標準的な手順を使用することによりミスマッチの許容の程度を確認し得る
【0677】 メッセージの5’末端に相補的であるオリゴヌクレオチド(例えば、AUG開
始コドンまででかつAUG開始コドンを含む5’非翻訳配列)は、翻訳の阻害の
際に最も効率的に働くべきである。しかし、mRNAの3’非翻訳配列に相補的
な配列は、同様にmRNAの翻訳を阻害する際に有効であることが示された。一
般的に、Wagner,R.、1994、Nature 372:333−33
5を参照のこと。従って、本明細書中に記載されるポリヌクレオチド配列の5’
−または3’−の非翻訳非コード領域のいずれかに相補的なオリゴヌクレオチド
は、内因性mRNAの翻訳を阻害するアンチセンスアプローチに使用され得る。
mRNAの5’非翻訳領域に相補的なオリゴヌクレオチドは、AUG開始コドン
の相補物を含むべきである。mRNAコード領域に相補的なアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドは、翻訳のあまり効率的でないインヒビターであるが、本発明に従
って使用され得る。本発明のmRNAの5’領域、3’領域またはコード領域の
いずれにハイブリダイズするように設計されるかにかかわらず、アンチセンス核
酸は、少なくとも6ヌクレオチド長であるべきであり、そして好ましくは6〜約
50ヌクレオチド長にわたるオリゴヌクレオチドである。特定の局面において、
このオリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも17ヌク
レオチド、少なくとも25ヌクレオチドまたは少なくとも50ヌクレオチドであ
る。
【0678】 本発明のポリヌクレオチドは、DNA、もしくはRNA、またはキメラ混合物
、あるいはそれらの誘導体もしくは改変バージョン、一本鎖、または二本鎖であ
り得る。このオリゴヌクレオチドは、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格にお
いて改変され、例えば、分子の安定性、ハイブリダーゼーションなどを改善し得
る。このオリゴヌクレオチドは、ペプチドのような他の付加基(例えば、インビ
ボで宿主細胞レセプターを標的化するために)、または細胞膜を通した輸送を促
進する因子(例えば、Letsingerら、1989、Proc.Natl.
Acad.Sci.U.S.A.86:6553−6556;Lemaitre
ら、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.84:648−652
;PCT公開番号WO88/09810(1988年12月15日公開)を参照
のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134(
1988年4月25日公開)を参照のこと)、ハイブリダイゼーション誘引切断
剤(hybridization−triggered cleavage a
gent)(例えば、Krolら、1988,BioTechniques、6
:958−976を参照のこと)、またはインターカレート剤(例えば、Zon
,1988,Pharm.Res.5:539−549を参照のこと)を含み得
る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、
ハイブリダーゼーション誘引架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘引切断
剤など)に結合体化され得る。
【0679】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの改変された塩基部分を
含み得、この塩基部分は、以下を含むがそれらに限定されない群から選択される
:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨー
ドウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カル
ボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2
−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシ
ル、β−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデ
ニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、
2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシ
トシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシ
ル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキュー
オシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2
−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v
)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キュ
ーオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシ
ル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチル
エステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、
3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)
w、および2,6−ジアミノプリン。
【0680】 アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、以下を含むがそれらに限定されない
群から選択される少なくとも1つの改変された糖部分を含み得る:アラビノース
、2−フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソース。
【0681】 さらなる別の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下を
含むがそれらに限定されない群から選択される少なくとも1つの改変されたリン
酸骨格を含む:ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミドチ
オエート、ホスホロアミデート(phosphoramidate)、ホスホロ
ジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル、およびホル
ムアセタール(formacetal)またはそれらのアナログ。
【0682】 さらなる別の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、a−ア
ノマーオリゴヌクレオチドである。a−アノマーオリゴヌクレオチドは、相補的
なRNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、通常のb−ユニットとは反対
に、その鎖は互いに平行にする(Gautierら、1987、Nucl.Ac
ids Res.、15:6625−6641)。このオリゴヌクレオチドは、
2’−O−メチルリボヌクレオチドであるか(Inoueら、1987、Nuc
l.Acids Res.、15:6131−6148)、またはキメラRNA
−DNAアナログである(Inoueら、1987、FEBS Lett.21
5:327−330)。
【0683】 本発明のポリヌクレオチドは当該分野で公知の標準的な方法(例えば、自動D
NA合成機(このような装置はBiosearch,Applied Bios
ystemsなどから市販されている)の使用により)合成され得る。例えば、
ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、Steinらの方法(1988、N
ucl.Acids Res.16:3209)により合成され得、メチルホス
ホネートオリゴヌクレオチドは、制御された細孔ガラス(controlled
pore glass)ポリマー支持体(Sarinら、1988、Proc
.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:7448−7451)の使
用などにより調製され得る。
【0684】 コード領域配列に相補的なアンチセンスヌクレオチドが使用され得るが、転写
された非翻訳領域に相補的なアンチセンスヌクレオチドが最も好ましい。
【0685】 本発明による潜在的なアンタゴニストはまた、触媒RNA、すなわちリボザイ
ムを含む(例えば、PCT国際公開WO90/11364、1990年10月4
日公開;Sarverら、Science、247:1222−1225(19
90)を参照のこと)。一方、部位特異的認識配列でmRNAを切断するリボザ
イムを使用して、mRNAを破壊し得るが、ハンマーヘッド型リボザイムの使用
が好ましい。ハンマーヘッド型リボザイムは、標的mRNAと相補的な塩基対を
形成する隣接領域により決定される位置で、mRNAを切断する。たった1つの
必要条件は、標的mRNAが以下の2つの塩基の配列を有することである:5’
−UG−3’。ハンマーヘッド型リボザイムの構築および生成は当該分野で周知
であり、そしてHaseloffおよびGerlach、Nature、334
:585−591(1988)に、より十分に記載される。配列番号Xのヌクレ
オチド配列内に多くの潜在的なハンマーヘッド型リボザイム切断部位が存在する
。好ましくは、このリボザイムは、切断認識部位がmRNAの5’末端付近に位
置するように;すなわち、効率を増大し、そして非機能的mRNA転写物の細胞
内蓄積を最小化するように、操作される。
【0686】 アンチセンスアプローチの場合、本発明のリボザイムは、改変されたオリゴヌ
クレオチド(例えば、安定性、標的化などについて改良された)から構成され得
、そしてインビボにおいて本発明のポリペプチドを発現する細胞に送達されるべ
きである。リボザイムをコードするDNA構築物は、DNAをコードするアンチ
センスの導入のための上記と同じ様式で細胞中に導入され得る。送達の好ましい
方法は、強力な構成的プロモーター(例えば、pol IIIまたはpol I
Iプロモーターのような)の制御下でリボザイムを「コードする」DNA構築物
を使用することを含み、その結果、トランスフェクトした細胞は、内因性メッセ
ージを破壊しそして翻訳を阻害するに十分な量のリボザイムを生成する。リボザ
イムはアンチセンス分子と異なり触媒性であるので、より低い細胞内濃度が効率
のために必要とされる。
【0687】 アンタゴニスト/アゴニスト化合物を利用して、腫瘍性の細胞および組織上で
の本発明のポリペプチドの細胞増殖(growth)および増殖(prolif
eration)効果を阻害し得る。すなわち、腫瘍のアゴニストを刺激し、そ
れにより異常な細胞成長および増殖を(例えば、腫瘍形成または増殖において)
遅延または防止する。
【0688】 アンタゴニスト/アゴニストをまた利用して、血管過多の疾患をも阻害し得、
そして水晶体嚢外白内障(extracapsular cataract)手
術後の上皮レンズ細胞の増殖をも防止する。本発明のポリペプチドのマイトジェ
ン活性の防止はまた、例えば、バルーン血管形成術後の再狭窄のような場合に要
求され得る。
【0689】 アンタゴニスト/アゴニストをまた利用して、創傷治癒の間の瘢痕組織の増殖
をも防止し得る。
【0690】 アンタゴニスト/アゴニストをまた利用して、本明細書中に記載される疾患を
も処置し得る。
【0691】 従って、本発明は、障害または疾患(本発明のポリヌクレオチドの過剰発現に
関連する、本願の全体に渡って列挙される障害または疾患が含まれるが、これら
に限定されない)を、(a)本発明のポリヌクレオチドに指向されたアンチセン
ス分子、および/または(b)本発明のポリヌクレオチドに指向されたリボザイ
ムを、患者に投与することによって処置する方法を提供する。
【0692】 (結合ペプチドおよび他の分子) 本発明はまた、TDCポリペプチドに結合するポリペプチドおよび非ポリペプ
チドを同定するためのスクリーニング方法、およびそれによって同定されたTD
C結合分子を含む。これらの結合分子は、例えば、TDCポリペプチドのアゴニ
ストおよびアンタゴニストとして有用である。そのようなアゴニストおよびアン
タゴニストは、本発明に従って、以下に詳細に記載される治療実施形態において
使用され得る。
【0693】 この方法は、以下の工程を包含する: a.TDCポリペプチドを多数の分子と接触させる工程;および b.このTDCポリペプチドを結合する分子を同定する工程。
【0694】 TDCポリペプチドを多数の分子と接触させる工程は、多数の方法によっても
たらされ得る。例えば、TDCポリペプチドを固体支持体上に固定化させ、そし
て多数の分子の溶液を固定化TDCポリペプチドと接触させることを考え得る。
このような手順は、固定化TDCポリペプチドから構成される親和性マトリック
スを用いるアフィニティークロマトグラフィープロセスに類似している。次いで
、TDCポリペプチドに対して選択的な親和性を有する分子が、親和性選択によ
って精製され得る。固体支持体の性質、TDCポリペプチドのこの固体支持体へ
の付着に関するプロセス、溶媒、および親和性単離または親和性選択の条件は、
大部分が慣用的であり、そして当業者に周知である。
【0695】 あるいは、多数のポリペプチドはまた、ポリペプチドのサブセットまたは個々
のポリペプチドを含む実質的に別々の分画へ分離され得る。例えば、多数のポリ
ペプチドは、ゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィーなどポリペプチドの分離
に関して当業者に公知の方法によって、分離され得る。個々のポリペプチドはま
た、宿主細胞の外部表面上またはほぼ外部表面に発現されるような様式で、形質
転換された宿主細胞(例えば、組換えファージ)によって産生され得る。次いで
、個々の単離物は、必要に応じて発現に必要とされるであろうインデューサーの
存在下で、TDCポリペプチドによって「プローブ化」され得、TDCポリペプ
チドと個々のクローンとの間で任意の選択的親和性相互作用が起こったか否かが
決定される。TDCポリペプチドを個々のポリペプチドを含む各分画と接触させ
る前に、これらのポリペプチドはまず、さらなる簡便性のために固体支持体に移
され得る。そのような固体支持体は、単に、例えばニトロセルロースまたはナイ
ロンでできたもののようなフィルター膜の断片であり得る。この様式において、
陽性クローンは、発現ライブラリーの形質転換宿主細胞の集団(これらは、TD
Cポリペプチドに対して選択的親和性を有するポリペプチドをコードするDNA
構築物を持つ)から同定され得る。さらに、TDCポリペプチドに対して選択的
親和性を有するポリペプチドのアミノ酸配列が、従来の手段によって直接決定さ
れ得るか、またはこのポリペプチドをコードするDNAのコード配列が、頻繁に
より簡便に決定され得る。次いで、一次配列が、対応するDNA配列から推定さ
れ得る。アミノ酸配列がポリペプチド自身から決定されるものである場合、微小
配列決定技術を使用し得る。この配列決定技術は、質量分析法を含み得る。
【0696】 特定の状況において、選択的親和性相互作用の存在を決定または検出しようと
試みる前に、未結合TDCポリペプチドあるいは未結合ポリペプチドのいずれか
を、TDCポリペプチドおよび多数のポリペプチドの混合物から洗浄除去するこ
とが望ましくあり得る。このような洗浄工程は、TDCポリペプチドまたは多数
のポリペプチドが固体支持体に結合している場合に、特に望ましくあり得る。
【0697】 本方法に従って提供される多数の分子は、多様性ライブラリー(例えば、TD
Cポリペプチドを特異的に結合する分子をスクリーニングし得る無作為またはコ
ンビナトリアルの、ペプチドライブラリーまたは非ペプチドライブラリー)とし
て提供され得る。使用され得る多くのライブラリー(例えば、化学合成ライブラ
リー、組換えライブラリー(例えば、ファージディスプレイライブラリー)、お
よびインビトロ翻訳ベースのライブラリー)が、当該分野で公知である。化学合
成ライブラリーの例は、以下に記載される:Fodorら、1991、Scie
nce 251:767−773;Houghtenら、1991、Natur
e 354:84−86;Lamら、1991、Nature 354:82−
84;Medynski、1994、Bio/Technology 12:7
09−710;Gallopら、1994、J.Medicinal Chem
istry 37(9):1233−1251;Ohlmeyerら、1993
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922−109
26;Erbら、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
91:11422−11426;Houghtenら、1992,Biotec
hniques 13:412;Jayawickremeら、1994、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1614−1618;Sa
lmonら、1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90
:11708−11712;PCT公開WO93/20242;ならびにBre
nnerおよびLerner、1992、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 89:5381−5383。
【0698】 ファージディスプレイライブラリーの例は、以下に記載される:Scottお
よびSmith、1990、Science 249:386−390;Dev
linら、1990、Science、249:404−406;Christ
ian,R.B.ら、1992、J.Mol.Biol.227:711−71
8);Lenstra、1992、J.Immunol.Meth.152:1
49−157;Kayら、1993、Gene 128:59−65;ならびに
PCT公開番号WO94/18318(1994年8月18日)。
【0699】 インビトロ翻訳ベースのライブラリーとしては、以下:PCT公開番号WO9
1/05058(1991年4月18日);およびMattheakisら、1
994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9022−9
026に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0700】 非ペプチドライブラリーの例として、ベンゾジアゼピンライブラリー(例えば
、Buninら、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
91:4708−4712を参照のこと)が、使用のために適応され得る。ペプ
トイドライブラリー(Simonら、1992,Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 89:9367−9371)がまた使用され得る。使用され
得るライブラリーの別の例は、Ostreshら(1994,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 91:11138−11142)によって記載
され、ここでは、ペプチド中のアミド官能基が、過剰にメチル化(permet
hylate)されて、化学的に形質転換されたコンビナトリアルライブラリー
を生成する。
【0701】 本発明において有用である種々の非ペプチドライブラリーは、大きい。例えば
、EckerおよびCrooke(1995,Bio/Technology
13:351−360)は、種々のライブラリーの基礎を形成する化学種の間と
して、ベンゾジアゼピン、ヒダントイン、ピペラジンジオン、ビフェニル、糖ア
ナログ、β−メルカプトケトン、アリール酢酸、アシルピペリジン、ベンゾピラ
ン、キューバン(cubane)、キサンチン、アミンイミドおよびオキサゾロ
ンを列挙している。
【0702】 非ペプチドライブラリーは、2つの型に大きく分類され得る:修飾されたモノ
マーおよびオリゴマー。修飾モノマーライブラリーは、比較的単純な骨格構造を
使用し、この上に種々の官能基が付加される。しばしば、骨格は、既知の有用な
薬理学的活性を有する分子である。例えば、骨格は、ベンゾジアゼピン構造であ
り得る。
【0703】 非ペプチドオリゴマーライブラリーは、モノマーの順序に依存して新規な形状
を作製する様式で共にアセンブルされる、多数のモノマーを使用する。使用され
るモノマー単位の間には、カルバメート、ピロリノン(pyrrolinone
)およびモルホリノがある。ペプトイド(側鎖がα炭素よりもαアミノ基に結合
するペプチド様オリゴマー)は、非ペプチドオリゴマーライブラリーの別のバー
ジョンの基礎を形成する。最初の非ペプチドオリゴマーライブラリーは、単一型
のモノマーを使用し、従って、反復骨格を含む。近年のライブラリーは、1つよ
り多くのモノマーを使用し、自由度が添加されたライブラリーを与える。
【0704】 ライブラリーをスクリーニングすることは、多様な一般的に公知の方法のいず
れかによって達成され得る。例えば、ペプチドライブラリーのスクリーニングを
開示する以下の参考文献:ParmleyおよびSmith、1989、Adv
.Exp.Med.Biol.251:215−218;ScottおよびSm
ith、1990、Science 249:386−390;Fowlkes
ら、1992;BioTechniques 13:422−427;Olde
nburgら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
9:5393−5397;Yuら、1994、Cell 76:933−945
;Staudtら、1988、Science 241:577−580;Bo
ckら、1992、Nature 355:564−566;Tuerkら、1
992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6988−6
992;Ellingtonら、1992、Nature 355:850−8
52;米国特許第5,096,815号、米国特許第5,223,409号、お
よび米国特許第5,198,346号(全てLadnerらに対して);Reb
arおよびPabo、1993、Science 263:671−673;な
らびにPCT公開番号WO94/18318を参照のこと。
【0705】 特定の実施形態において、TDCポリペプチドを結合する分子を同定するため
のスクリーニングは、ライブラリーのメンバーを固相に固定化されたTDCポリ
ペプチドと接触させ、そしてTDCポリペプチドに結合するライブラリーのメン
バーを収集することによって実行され得る。そのようなスクリーニング方法の例
の、「パニング」と呼ばれる技術は、例として、ParmleyおよびSmit
h,1988,Gene 73:305−318;Fowlkesら、1992
,BioTechniques 13:422−427;PCT公開番号WO9
4/18318;ならびにその中に引用される参考文献に記載される。
【0706】 別の実施形態において、酵母中の相互作用タンパク質を選択するためのツーハ
イブリッドシステム(FieldsおよびSong,1989,Nature
340:245−246;Chienら、1991,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 88:9578−9582)が、TDCポリペプチドに
特異的に結合する分子を同定するために使用され得る。
【0707】 TDC結合分子がポリペプチドである場合、このポリペプチドは、任意のペプ
チドライブラリー(ランダムペプチドライブラリー、コンビナトリアルペプチド
ライブラリー、またはバイアスペプチドライブラリーを含む)から簡便に選択さ
れ得る。用語「バイアス(biased)」は、ライブラリーを作製する方法が
、生じる分子収集(この場合には、ペプチド)の多様性を支配する1つ以上のパ
ラメーターを制限するように操作されることを意味するために本明細書中に使用
される。
【0708】 従って、本当にランダムなペプチドライブラリーは、ペプチドの所定の位置に
特定のアミノ酸を見出す可能性が全て20のアミノ酸に関して同じである、ペプ
チドの収集物を作製する。しかし、例えば、リジンが5番目のアミノ酸毎に生じ
ることを特定するかまたはデカペプチドライブラリーの4位、8位および9位が
アルギニンのみを含むように固定して特定することによって、バイアスがライブ
ラリーに導入され得る。明らかに、バイアスの多くの型は、意図され得、そして
本発明は、いかなる特定のバイアスにも制限されない。さらに、本発明は、特定
の型のペプチドライブラリー(例えば、ファージディスプレイペプチドライブラ
リーおよびDNA挿入物と共にλファージベクターを含むDNA構築物を使用す
るライブラリー)を意図する。
【0709】 上記のように、ポリペプチドであるTDC結合分子の場合、このポリペプチド
は、約6から約60より少ないアミノ酸残基を有し、好ましくは約6〜約10ア
ミノ酸残基、そして最も好ましくは約6〜約22アミノ酸であり得る。別の実施
形態において、TDC結合ポリペプチドは、15〜100の範囲のアミノ酸、ま
たは20〜50の範囲のアミノ酸を有する。
【0710】 選択されたTDC結合ポリペプチドは、化学合成または組換え発現によって得
られ得る。
【0711】 (他の活性) 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
は、血管内皮細胞増殖を刺激する能力の結果として、種々の疾患状態(例えば、
血栓症、動脈硬化、および他の心臓血管の状態)に起因する虚血組織の血管再生
を刺激するための処置において利用され得る。本発明のポリペプチド、ポリヌク
レオチド、アゴニストまたはアンタゴニストをまた利用して、上記で議論される
ように新脈管形成および肢の再形成を刺激し得る。
【0712】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
をまた、傷害、熱傷、手術後組織修復、および瘢痕に起因する創傷の処置にも利
用し得る。なぜなら、それらは異なる起源の種々の細胞(例えば、線維芽細胞お
よび骨格筋細胞)に対してマイトジェン性であり、それゆえダメージを受けた組
織または疾患組織の修復または置換を促進するからである。
【0713】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
をまた使用して、ニューロンの成長を刺激し、そして特定のニューロンの障害ま
たは神経変性状態(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびAID
S関連複合体)において生じるニューロンのダメージを処置および予防し得る。
本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニストは
、軟骨細胞増殖を刺激する能力を有し得、それゆえ、骨および歯周の再形成を増
強し、そして組織移植片または骨の移植片における補助のために利用され得る。
【0714】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
をまた利用して、ケラチノサイト増殖を刺激することにより、日焼けに起因する
皮膚の老化を予防し得る。
【0715】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
をまた、抜け毛を予防するためにも利用し得る。なぜなら、FGFファミリーの
メンバーは、髪形成細胞を活性化し、そしてメラノサイト増殖を促進するからで
ある。同じ系列にそって、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニス
トまたはアンタゴニストを利用して、他のサイトカインと組み合わせて使用した
場合、造血細胞および骨髄細胞の増殖および分化を刺激し得る。
【0716】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
をまた利用して、移植前の器官を維持し得るか、または始原組織の細胞培養を支
持するために使用し得る。本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニス
トまたはアンタゴニストはまた、初期胚における分化のための中胚葉起源の組織
を誘導するために利用され得る。
【0717】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
はまた、先に議論されるように、造血系統に加えて胚性幹細胞の分化または増殖
を増加または減少し得る。
【0718】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
はまた、哺乳動物の特徴(例えば、身長、体重、毛の色、眼の色、皮膚、脂肪組
織の割合、色素沈着、大きさ、および形(例えば、美容外科))を調節するため
に使用され得る。同様に、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニス
トまたはアンタゴニストは、異化作用、同化作用、プロセシング、利用、および
エネルギーの貯蔵に影響を及ぼす哺乳動物の代謝を調節するために使用され得る
【0719】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
は、バイオリズム、カリカディック(caricadic)リズム、うつ病(抑
うつ性障害を含む)、暴力の傾向、痛みへの耐性、生殖能力(好ましくは、アク
チビンまたはインヒビン様活性によって)、ホルモンレベルもしくは内分泌レベ
ル、食欲、***、記憶、ストレス、または他の認知の質に影響を及ぼすことによ
って、哺乳動物の精神状態または身体状態を変更するために使用され得る。
【0720】 本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アゴニストまたはアンタゴニスト
はまた、例えば、貯蔵能力、脂肪含有量、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミ
ン、ミネラル、補因子、または他の栄養成分を増加または減少させるような食品
添加物または保存剤として使用され得る。
【0721】 上記に列挙される用途は、広範な種々の宿主において使用される。このような
宿主としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ヒト、ネズミ、ウサ
ギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、マウス、ラット、ハムスター、ブタ、ミ
ニブタ(micro−pig)、ニワトリ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、
非ヒト霊長類、およびヒト。特定の実施形態において、宿主は、マウス、ウサギ
、ヤギ、モルモット、ニワトリ、ラット、ハムスター、ブタ、ヒツジ、イヌまた
はネコである。好ましい実施形態において、宿主は哺乳動物である。最も好まし
い実施形態において、宿主は、ヒトである。
【0722】 (他の好ましい実施形態) 本願発明の他の好ましい実施形態は、配列番号Xのヌクレオチド配列またはそ
れに対する相補鎖、および/またはcDNAプラスミドVにおける少なくとも約
50の連続したヌクレオチドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチ
ド配列を含む、単離された核酸分子を含む。
【0723】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて同定される
位置の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる核酸分子もまた好まし
い。
【0724】 配列番号Xまたはその相補鎖のヌクレオチド配列、および/またはcDNAプ
ラスミドVのヌクレオチド配列中の、少なくとも約150の連続するヌクレオチ
ドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された
核酸分子もまた好ましい。
【0725】 配列番号Xまたはその相補鎖のヌクレオチド配列、および/またはcDNAプ
ラスミドVのヌクレオチド配列中の、少なくとも約500の連続するヌクレオチ
ドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された
核酸分子は、さらに好ましい。
【0726】 さらに好ましい実施形態は、表1において配列番号Xについて同定された位置
の範囲における配列番号Xのヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌ
クレオチド配列を含む核酸分子である。
【0727】 さらに好ましい実施形態は、配列番号Xの完全ヌクレオチド配列もしくはその
相補鎖、および/またはcDNAプラスミドVのヌクレオチド配列に少なくとも
95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子である。
【0728】 配列番号Xのヌクレオチド配列もしくはその相補鎖、および/またはcDNA
プラスミドVのヌクレオチド配列を含む核酸分子に、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸分子もまた好まし
く、ここで上記のハイブリダイズする核酸分子は、ストリンジェントなハイブリ
ダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配
列を有する核酸分子にハイブリダイズしない。
【0729】 cDNAプラスミドVを含むDNA分子を含む組成物もまた、好ましい。
【0730】 cDNAプラスミドVのヌクレオチド配列中の少なくとも50の連続するヌク
レオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離され
た核酸分子もまた好ましい。
【0731】 少なくとも50の連続するヌクレオチドの上記配列が、cDNAプラスミドV
によりコードされるオープンリーディングフレーム配列のヌクレオチド配列に含
まれる、単離された核酸分子もまた好ましい。
【0732】 cDNAプラスミドVによりコードされるヌクレオチド配列において少なくと
も150の連続するヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオ
チド配列を含む単離された核酸分子もまた好ましい。
【0733】 さらに好ましい実施形態は、cDNAプラスミドVによりコードされるヌクレ
オチド配列中の少なくとも500の連続するヌクレオチドの配列に少なくとも9
5%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子である。
【0734】 さらに好ましい実施形態は、cDNAプラスミドによってコードされる完全な
ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離
された核酸分子である。
【0735】 さらに好ましい実施形態は、以下からなる群から選択される配列中の少なくと
も50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチ
ド配列を含む核酸分子を、生物学的サンプルにおいて検出するための方法である
:配列番号Xのヌクレオチド配列またはそれに相補的な鎖、およびcDNAプラ
スミドVによってコードされるヌクレオチド配列;この方法は、上記サンプル中
の少なくとも1つの核酸分子のヌクレオチド配列を、上記の群から選択された配
列と比較する工程および上記サンプル中の上記核酸分子の配列が、上記選択され
た配列に少なくとも95%同一であるか否かを決定する工程を包含する。
【0736】 上記の配列を比較する工程が、上記サンプル中の核酸分子と、上記の群から選
択される上記の配列を含む核酸分子との間の核酸ハイブリダイゼーションの程度
を決定する工程を包含する、上記方法もまた好ましい。同様に、上記の配列を比
較する工程が、上記サンプル中の核酸分子から決定されるヌクレオチド配列と、
上記の群から選択される配列とを比較する工程によって実施される、上記方法も
また好ましい。核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
【0737】 さらに好ましい実施形態は、生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同
定するための方法であって、この方法は、以下からなる群から選択される配列中
の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である
ヌクレオチド配列を含む上記サンプル中の核酸分子を(もしあれば)検出する工
程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列またはその相補鎖およびcDNA
プラスミドVによってコードされるヌクレオチド配列。
【0738】 生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同定するための方法は、少なく
とも2つのヌクレオチド配列のパネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検
出する工程を包含し得、ここで上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記の
群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少な
くとも95%同一である。
【0739】 タンパク質をコードする配列番号Xまたはその相補鎖またはcDNAプラスミ
ドVのヌクレオチド配列の異常な構造または発現と関連する病理学的状態を、被
験体において診断するための方法もまた好ましく、この方法は、以下からなる群
から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なく
とも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、核酸分子(もしあれば)を、上
記被験体から得られる生物学的サンプルにおいて検出する工程を包含する:配列
番号Xのヌクレオチド配列またはその相補鎖およびcDNAのプラスミドVのヌ
クレオチド配列。
【0740】 病理学的状態を診断するための方法は、少なくとも2つのヌクレオチド配列の
パネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する工程を包含し得、ここで
、上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記群から選択される配列中の少な
くとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である。
【0741】 上記の核酸分子のヌクレオチド配列が、少なくとも2つのヌクレオチド配列の
パネルを含む、単離された核酸分子を含む物質の組成物もまた好ましく、ここで
上記のパネル中の少なくとも1つの配列は、以下からなる群から選択される配列
中の少なくとも50個連続したヌクレオチドの配列と少なくとも95%同一であ
る:配列番号Xのヌクレオチド配列またはその相補鎖およびcDNAプラスミド
Vによりコードされるヌクレオチド配列。この核酸分子は、DNA分子またはR
NA分子を含み得る。
【0742】 配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコード
されるポリペプチドおよび/またはcDNAプラスミドVによりコードされるポ
リペプチド中の少なくとも約10個連続したアミノ酸の配列と少なくとも90%
同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた好ましい。
【0743】 配列番号Yのアミノ酸配列;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコードされ
るポリペプチドのアミノ酸配列および/またはcDNAプラスミドVによりコー
ドされるポリペプチドのアミノ酸配列中の少なくとも約30個連続したアミノ酸
の配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド
もまた好ましい。
【0744】 配列番号Yのアミノ酸配列;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコードされ
るポリペプチドのアミノ酸配列および/またはcDNAプラスミドVによりコー
ドされるポリペプチドのアミノ酸配列中の少なくとも約100個連続したアミノ
酸の配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチ
ドはさらに好ましい。
【0745】 配列番号Yの完全なアミノ酸配列;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコー
ドされるポリペプチドの完全なアミノ酸配列および/またはcDNAプラスミド
Vによりコードされるポリペプチドの完全なアミノ酸配列と少なくとも95%同
一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
【0746】 cDNAプラスミドVによりコードされるポリペプチドの完全なアミノ酸配列
中の少なくとも約10個連続したアミノ酸の配列と少なくとも90%同一のアミ
ノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
【0747】 上記の連続したアミノ酸の配列が、cDNAプラスミドVによってコードされ
るポリペプチド;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコードされるポリペプチ
ドおよび/または配列番号Yのポリペプチド配列の一部のアミノ酸配列に含まれ
る、ポリペプチドもまた好ましい。
【0748】 cDNAプラスミドVによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列中の
少なくとも約30個連続したアミノ酸の配列と少なくとも95%同一であるアミ
ノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
【0749】 cDNAプラスミドVによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列中の
少なくとも約100個連続したアミノ酸の配列と少なくとも95%同一であるア
ミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
【0750】 cDNAプラスミドVによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列と少
なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた
、好ましい。
【0751】 以下からなる群から選択される配列中の、少なくとも10個連続したアミノ酸
の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに対して
特異的に結合する単離された抗体は、さらに好ましい:配列番号Yのポリペプチ
ド;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコードされるポリペプチド配列および
cDNAプラスミドVによりコードされるポリペプチド。
【0752】 以下:配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号Xもしくはその相補鎖により
コードされるポリペプチドおよびcDNAプラスミドVによりコードされるポリ
ペプチドからなる群から選択された配列中の、少なくとも10個連続したアミノ
酸の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを、生
物学的サンプルにおいて検出する方法はさらに好ましく;この方法は、このサン
プル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列をこの群から
選択された配列と比較する工程およびこのサンプル中におけるこのポリペプチド
分子の配列が、少なくとも10個連続したアミノ酸のこの配列と少なくとも90
%同一であるかどうかを決定する工程を包含する。
【0753】 このサンプル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列を
、この群から選択された配列と比較するこの工程が、このサンプル中のポリペプ
チドの、以下:配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号Xもしくはその相補鎖
によりコードされるポリペプチドおよびcDNAプラスミドVによりコードされ
るポリペプチドからなる群から選択された配列中の少なくとも10個連続したア
ミノ酸の配列に対して、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペ
プチドと特異的に結合する抗体に対する特異的な結合の程度を決定することを包
含する、上記の方法もまた、好ましい。
【0754】 配列を比較する工程が、このサンプル中のポリペプチド分子から決定されたア
ミノ酸配列を、この群から選択されたこの配列と比較することによって行われる
、上記の方法もまた好ましい。
【0755】 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する方法もまた好ましく、こ
こでこの方法は、もし存在するならば、以下からなる群から選択される配列にお
ける少なくとも10個連続したアミノ酸の配列と少なくとも90%同一であるア
ミノ酸配列を含むポリペプチド分子をこのサンプル中で検出する工程を包含する
:配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号Xもしくはその相補鎖によりコード
されるポリペプチドおよびcDNAプラスミドVによりコードされるポリペプチ
ド。
【0756】 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する上記の方法もまた好まし
く、ここでこの方法は、少なくとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ
酸配列を含むポリペプチド分子を検出する工程を包含し、ここでこのパネル中の
少なくとも1つの配列は、上記の群から選択された配列における少なくとも10
個連続したアミノ酸の配列と少なくとも90%同一である。
【0757】 被験体において、表1において同定された、ポリペプチドをコードする核酸配
列の異常な構造または発現に関連する病的状態を診断する方法もまた、好ましく
、ここで、この方法は、この被験体から得られた生物学的サンプルにおいて、少
なくとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ酸配列を含むポリペプチド
分子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少なくとも1つの配列は、以
下からなる群から選択される配列における少なくとも10個連続したアミノ酸の
配列と少なくとも90%同一である:配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号
Xもしくはその相補鎖によりコードされるポリペプチドおよびcDNAプラスミ
ドVによりコードされるポリペプチド。
【0758】 これらの方法のいずれかにおいて、上記ポリペプチド分子を検出する工程は、
抗体を使用することを包含する。
【0759】 以下からなる群から選択された配列中の、少なくとも10個連続したアミノ酸
の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列と、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む
、単離された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのポリペプチド配列;配列
番号Xもしくはその相補鎖によりコードされるポリペプチドおよびcDNAプラ
スミドVによりコードされるポリペプチド。
【0760】 上記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、原核生物宿主でのこのポ
リペプチドの発現について最適化されている、単離された核酸分子もまた、好ま
しい。
【0761】 上記ポリペプチドが以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、単離
された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号X
もしくはその相補鎖によりコードされるポリペプチドおよびcDNAプラスミド
Vによりコードされるポリペプチド。
【0762】 上記の単離された核酸分子のいずれかをベクター中に挿入する工程を含む、組
換えベクターの作製方法はさらに好ましい。この方法によって生成された組換え
ベクターもまた、好ましい。宿主細胞中にベクターを導入する工程を含む、組換
え宿主細胞を作製する方法、ならびにこの方法によって生成された組換え宿主細
胞もまた、好ましい。
【0763】 単離されたポリペプチドを作製する方法であって、このポリペプチドが発現さ
れるような条件下でこの組換え宿主細胞を培養する工程、およびこのポリペプチ
ドを回収する工程を包含する、方法もまた好ましい。この組換え宿主細胞が真核
生物細胞であり、そしてこのポリペプチドが以下からなる群から選択されたアミ
ノ酸配列を含むヒトタンパク質である、単離されたポリペプチドを作製するこの
方法もまた好ましい:配列番号Yのポリペプチド配列;配列番号Xもしくはその
相補鎖によりコードされるポリペプチドおよびcDNAプラスミドVによりコー
ドされるポリペプチド。この方法によって生成された単離されたポリペプチドも
また、好ましい。
【0764】 増加したレベルのタンパク質活性を必要とする個体を処置する方法もまた、好
ましく、ここで、この方法は、このような個体に、この個体においてこのタンパ
ク質の活性のレベルを増加させるのに有効な量の、本願発明の単離されたポリペ
プチド、ポリヌクレオチド、その免疫原性フラグメントもしくはアナログ、結合
因子、抗体、あるいは抗原フラグメントを含む治療剤を投与する工程を包含する
【0765】 減少したレベルのタンパク質活性を必要とする個体を処置する方法もまた、好
ましく、ここで、この方法は、このような個体に、この個体においてこのタンパ
ク質の活性のレベルを減少させるのに有効な量の、本願発明の単離されたポリペ
プチド、ポリヌクレオチド、その免疫原性フラグメントもしくはアナログ、結合
因子、抗体、あるいは抗原フラグメントを含む治療剤を投与する工程を包含する
【0766】 本発明の特定の実施形態では、表2の4番目の列に列挙される各「コンティグ
ID」について、好ましくは、表2の5番目の列で参照されるヌクレオチド配列
、および一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここでaおよびbは
、表2の列3で参照される対応する配列番号Xについて独自に決定される)を含
むか、またはそのようなヌクレオチド配列からなる、1つ以上のポリヌクレオチ
ドが除外される。さらに特定の実施形態は、表2の5番目の列において参照され
る特定のポリヌクレオチド配列の1、2、3、4個、またはそれ以上を除外する
ポリヌクレオチド配列に関する。
【0767】 好ましくは、一般式c−dにより記載されるヌクレオチド配列(ここでcおよ
びdの両方が、配列番号Xに示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、dがc
+14より大きいかまたは等しい)を含む1以上のポリヌクレオチドが本発明か
ら除外される。
【0768】 この表は、この一般式により除外され得る配列の全てを含むことを決して意味
せず、この表は、単に例示的な例である。これらの登録を通じて利用可能な全て
の参照文献は、本明細書によりその全体が参考として援用される。
【0769】
【表2】
【0770】
【表3】
【0771】
【表4】 概して、本発明を記載してきたが、例示の目的のために提供されかつ限定する
ことを意図しない、以下の実施例を参照することによって、本発明はより容易に
理解される。
【0772】 (実施例) (実施例1:選択されたcDNAクローンの寄託されたサンプルからの単離) 引用されるATCC寄託物中の各cDNAクローンは、プラスミドベクター中
に含まれる。表1は、各クローンが単離されたcDNAライブラリーを構築する
ために用いられたベクターを同定する。多くの場合において、ライブラリーを構
築するために使用されたベクターは、プラスミドが切り出されたファージベクタ
ーである。すぐ下の表は、cDNAライブラリーを構築する際に使用される各フ
ァージベクターについて関連するプラスミドを相関づける。例えば、特定のクロ
ーンがベクター「Lambda Zap」中に単離されていると表1に同定され
る場合、対応する寄託クローンは、「pBluescript」である。
【0773】
【数1】 ベクターLambda Zap(米国特許第5,128,256号および同第
5,286,636号)、Uni−Zap XR(米国特許第5,128,25
6号および同第5,286,636号)、Zap Express(米国特許第
5,128,256号および同第5,286,636号)、pBluescri
pt(pBS)(Shortら、Nucleic Acids Res.16:
7583−7600(1988);Alting−Meesら、Nucleic
Acids Res. 17:9494(1989))ならびにpBK(Al
ting−Meesら、Strategies 5:58−61(1992))
は、Stratagene Cloning Systems,Inc.、11
011 N.Torrey Pines Road、La Jolla,CA,
92037から市販されている。pBSは、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そ
してpBKはネオマイシン耐性遺伝子を含む。両方とも、E.coli株XL−
1 Blue(これもまた、Stratageneから入手可能である)に形質
転換され得る。pBSは、SK+、SK−、KS+およびKSの4形態で入荷す
る。SおよびKとは、ポリリンカー領域(「S」とはSacIであり、そして「
K」とは、KpnIのことであり、これらは、リンカーのそれぞれの各末端での
最初の部位である)に隣接するT7およびT3プライマー配列に対するポリリン
カーの配向をいう。「+」または「−」とは 、ある方向においてf1 ori
から開始される一本鎖レスキューがセンス鎖DNAを生成し、そして他方におい
てアンチセンスであるようなf1複製起点(「ori」)の配向をいう。
【0774】 ベクターpSport1、pCMVSport 2.0およびpCMVSpo
rt3.0をLife Technologies、Inc.、P.O.Box
6009、Gaithersburg,MD 20897から入手した。全ての
Sportベクターはアンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株D
H10B(これもまた、Life Technologiesから入手可能であ
る)に形質転換され得る。(例えば、Gruber,C.E.ら、Focus
15:59(1993)を参照のこと)。ベクターlafmid BA(Ben
to Soares、Columbia University、NY)は、ア
ンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株XL−1 Blueに形質
転換され得る。ベクターpCR(登録商標)2.1(これはInvitroge
n、1600 Faraday Avenue、Carlsbad、CA 92
008から入手可能である)は、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.c
oli株DH10B(Life Technologiesから入手可能である
)に形質転換され得る(例えば、Clarkら、Nuc.Acids Res.
16:9677−9686(1988)およびMeadら、Bio/Techn
ology 9:(1991)を参照のこと)。好ましくは、本発明のポリヌク
レオチドは、表1における特定のクローンについて同定されたファージベクター
配列、ならびに上記に示された対応するプラスミドベクター配列を含まない。
【0775】 表1に引用される、任意の所定のcDNAクローンについてATCC受託番号
を与えられたサンプルにおける寄託された物質はまた、1つ以上のさらなるプラ
スミド(これは各々、その所定のクローンとは異なるcDNAクローンを含む)
を含み得る。従って、同じATCC受託番号を共有する寄託物は、表1に同定さ
れる各cDNAクローンのためのプラスミドを少なくとも含む。代表的には、表
1に引用される各ATCC寄託物のサンプルは、ほぼ等量(重量で)の約50個
のプラスミドDNA(これは各々、異なるcDNAクローンを含む)の混合物を
含む;しかし、このような寄託サンプルは、50個よりも多いかまたは少ないc
DNAクローン(約500個までのcDNAクローン)のためのプラスミドを含
み得る。
【0776】 表1における特定のクローンについて引用されるプラスミドDNAの寄託サン
プルからそのクローンを単離するために2つのアプローチが使用され得る。第一
に、プラスミドを、配列番号Xに対応するポリヌクレオチドプローブを使用して
、クローンをスクリーニングすることによって直接単離する。
【0777】 特に、30〜40ヌクレオチドを有する特定のポリヌクレオチドを、報告され
ている配列に従って、Applied BiosystemsのDNA合成装置
を使用して合成する。オリゴヌクレオチドを、例えば、32P−γ−ATPで、
T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて標識し、そして慣用的な方法に従って精
製する。(例えば、Maniatisら、Molecular Cloning
:A Laboratory Manual、Cold Spring Har
bor Press、Cold Spring、NY(1982))。プラスミ
ド混合物を、当業者に公知の技術(例えば、ベクター供給者によって提供される
技術または上記で引用された関連の刊行物もしくは特許において提供される技術
)を用いて、上記のような適切な宿主(例えば、XL−1 Blue(Stra
tagene))に形質転換する。形質転換体を1.5%寒天プレート(適切な
選択薬剤、例えば、アンピシリンを含む)に、1プレートあたり約150の形質
転換体(コロニー)の密度でプレーティングする。これらのプレートを、細菌コ
ロニースクリーニングについての慣用的な方法(例えば、Sambrookら、
Molecular Cloning:A Laboratory Manua
l、第2版、(1989)、Cold Spring Harbor Labo
ratory Press、1.93〜1.104頁)または当業者に公知の他
の技術に従って、ナイロンメンブレンを使用してスクリーニングする。
【0778】 あるいは、配列番号Xの両端(すなわち、表1に規定されるクローンの5’N
Tおよび3’NTによって囲まれる配列番号Xの領域内)に由来する、17〜2
0ヌクレオチドの2つのプライマーを合成し、そしてこれらを使用して、寄託さ
れたcDNAプラスミドをテンプレートとして使用して、所望のcDNAを増幅
する。ポリメラーゼ連鎖反応を、慣用的な条件下で、例えば、0.5μgの上記
cDNAテンプレートとの反応混合物の25μl中で実施する。便利な反応混合
物は、1.5〜5mM MgCl、0.01%(w/v)ゼラチン、それぞれ
20μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、25pmolの各プライ
マーおよび0.25ユニットのTaqポリメラーゼである。35サイクルのPC
R(94℃での変性を1分間;55℃でのアニールを1分間;72℃での伸長を
1分間)を、Perkin−Elmer Cetus自動化サーマルサイクラー
を用いて実施する。増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分析し、そして予
想される分子量のDNAバンドを切り出し、そして精製する。PCR産物を、D
NA産物をサブクローニングおよび配列決定することによって、選択された配列
であることを確認する。
【0779】 寄託されたクローンに存在しないかもしれない遺伝子の5’非コード部分また
は3’非コード部分の同定のために、いくつかの方法が利用可能である。これら
の方法は、以下を含むがこれらに限定されない:フィルタープローブ探索、特異
的プローブを使用するクローン富化、および当該分野で周知である5’および3
’「RACE」プロトコルと類似するかまたは同一のプロトコル。例えば、5’
RACEに類似する方法は、所望の全長転写物の欠けている5’末端を生成する
ために利用可能である(Fromont−Racineら、Nucleic A
cids Res.21(7):1683−1684(1993))。
【0780】 簡潔には、特定のRNAオリゴヌクレオチドを、全長遺伝子RNA転写物をお
そらく含むRNAの集団の5’末端に連結する。連結されたRNAオリゴヌクレ
オチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に特異的なプライ
マーを含むプライマーセットを使用して、所望の全長遺伝子の5’部分をPCR
増幅する。次いで、この増幅した産物を配列決定し得、そしてこれを使用して全
長遺伝子を生成し得る。
【0781】 この上記の方法は、所望の供給源から単離された総RNAを用いて開始するが
、ポリA+RNAが使用し得る。次いで、RNA調製物を、必要ならばホスファ
ターゼで処理して、RNAリガーゼ工程を妨害し得る分解または損傷RNAの5
’リン酸基を排除し得る。次いで、ホスファターゼを不活化するべきであり、そ
してRNAをメッセンジャーRNAの5’末端に存在するキャップ構造を除去す
るために、タバコ酸性ピロホスファターゼを用いて処理するべきである。この反
応は、次いでT4 RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌクレオチドに連結さ
れ得る、キャップ切断RNAの5’末端に5’リン酸基を残す。
【0782】 この改変型RNA調製物を、遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いる、第
一鎖cDNA合成のためのテンプレートとして使用する。第一鎖合成反応物を、
連結されたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子
の公知の配列に特異的なプライマーを用いる、所望の5’末端のPCR増幅のた
めのテンプレートとして使用する。次いで、得られた生成物を配列決定し、そし
て分析して5’末端配列が所望の遺伝子に属することを確認する。
【0783】 (実施例2:ポリヌクレオチドに対応するゲノムクローンの単離) ヒトゲノムP1ライブラリー(Genomic Systems、Inc.)
を、実施例1に記載される方法に従って、配列番号Xに対応するcDNA配列に
ついて選択されたプライマーを用いるPCRによってスクリーニングする(Sa
mbrookもまた参照のこと)。
【0784】 (実施例3:ポリペプチドの組織分布) 本発明のポリヌクレオチドのmRNA発現の組織分布を、とりわけ、Samb
rookらによって記載されるノーザンブロット分析についてのプロトコルを用
いて決定する。例えば、実施例1に記載される方法によって生成されるcDNA
プローブを、rediprimeTM DNA labeling syste
m(Amersham Life Science)を用いて、製造者の指示に
従って、P32で標識する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−1
00TMカラム(Clontech Laboratories、Inc.)を
使用して、製造者のプロトコル番号PT1200−1に従って精製する。次いで
、精製した標識プローブを使用して、種々のヒト組織をmRNA発現について試
験する。
【0785】 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含む多重組織ノーザン
(MTN)ブロット(Clontech)を、ExpressHybTMハイブ
リダイゼーション溶液(Clontech)を用いて、製造者のプロトコル番号
PT1190−1に従って、標識プローブで試験する。ハイブリダイゼーション
および洗浄後、ブロットをマウントして、そして−70℃で一晩フィルムに露出
し、そしてフィルムを標準的な手順に従って現像する。
【0786】 (実施例4:ポリヌクレオチドの染色体マッピング) オリゴヌクレオチドプライマーのセットを、配列番号Xの5’末端の配列に従
って設計する。このプライマーは、好ましくは約100ヌクレオチドにわたる。
次いで、このプライマーセットを、以下のセットの条件下でポリメラーゼ連鎖反
応に使用する:95℃で30秒;56℃で1分;70℃で1分。このサイクルを
32回反復し、次いで1回、70℃で5分間のサイクルを行う。個々の染色体ま
たは染色体フラグメントを含む体細胞ハイブリッドパネル(Bios,Inc)
に加えて、ヒト、マウス、およびハムスターのDNAを鋳型として使用する。反
応物を、8%ポリアクリルアミドゲルまたは3.5%アガロースゲルのいずれか
で分析する。染色体マッピングを、特定の体細胞ハイブリッドにおける約100
bpのPCRフラグメントの存在によって決定する。
【0787】 (実施例5:ポリペプチドの細菌性発現) 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、実施例1に概説する
ように、DNA配列の5’および3’末端に対応するPCRオリゴヌクレオチド
プライマーを使用して増幅して挿入フラグメントを合成する。cDNA挿入物を
増幅するために使用されるプライマーは、発現ベクターに増幅産物をクローニン
グするために、必要である場合には、BamHIおよびXbaIおよび開始/停
止コドンのような制限部位を好ましくは含むべきである。例えば、BamHIお
よびXbaIは、細菌性発現ベクターpQE−9(Qiagen,Inc.,C
hatsworth,CA)の制限酵素部位に対応する。このプラスミドベクタ
ーは、抗生物質耐性(Amp)、細菌の複製起点(ori)、IPTGで調節
可能なプロモーター/オペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)
、6−ヒスチジンタグ(6−His)、および制限酵素クローニング部位をコー
ドする。
【0788】 pQE−9ベクターをBamHIおよびXbaIで消化し、そして、増幅され
たフラグメントを細菌性RBSにおいて開始されるリーディングフレームを維持
するpQE−9ベクターに連結する。次いで、連結混合物を、lacIリプレッ
サーを発現し、またカナマイシン耐性(Kan)を与えるプラスミドpREP
4の多重コピーを含む、E.coli株M15/rep4(Qiagen,In
c.)を形質転換するために使用する。形質転換体を、LBプレート上で生育す
るそれらの能力によって同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロニ
ーを選択する。プラスミドDNAを単離し、そして制限分析によって確認する。
【0789】 所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)およびKan(
25μg/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(O/N)
増殖させる。O/N培養物を、1:100〜1:250の比で大量培養物に接種
するために使用する。細胞を、0.4と0.6との間の光学密度600(O.D
600)まで増殖させる。次いで、IPTG(イソプロピル−B−D−チオガ
ラクトピラノシド)を最終濃度1mMになるように加える。IPTGは、lac
Iリプレッサーの不活化により誘導され、P/Oの障害物を除去し、遺伝子発現
の増加をもたらす。
【0790】 細胞を、さらに3〜4時間増殖させる。次いで、細胞を遠心分離(6000×
gで20分間)によって収集する。細胞ペレットを、カオトロピック剤である6
MグアニジンHCl中に、4℃で3〜4時間攪拌することによって可溶化させる
。細胞細片を遠心分離によって取り除き、そしてポリペプチドを含む上清を、ニ
ッケル−ニトリロ三酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QI
AGEN,Inc.前出より入手可能)にロードする。6×Hisタグを有する
タンパク質は、Ni−NTA樹脂に高い親和性で結合し、そして単純な1工程手
順で精製され得る(詳細には、The QIAexpressionist(1
995)QIAGEN,Inc.,前出を参照のこと)。
【0791】 手短に言えば、上清を、6Mグアニジン−HCl、pH8のカラムにロードし
、カラムを、最初に10容量の6Mグアニジン−HCl、pH8で洗浄し、次い
で10容量の6Mグアニジン−HCl、pH6で洗浄し、最後にポリペプチドを
、6Mグアニジン−HCl、pH5で溶出する。
【0792】 次いで、精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または5
0mM 酢酸ナトリウム、pH6の緩衝液および200mM NaClに対して
透析することにより再生させる。あるいは、タンパク質はNi−NTAカラムに
固定化している間に、首尾よく再折畳みされ得る。推奨条件は以下の通りである
:プロテアーゼインヒビターを含む、500mM NaCl、20%グリセロー
ル、20mM Tris/HCl pH7.4中の6M〜1M尿素の直線勾配を
使用する再生。再生は1.5時間以上の時間をかけて行うべきである。再生後、
タンパク質を250mMイミダゾールの添加によって溶出させる。イミダゾール
を、PBSまたは50mM酢酸ナトリウム pH6の緩衝液および200mM
NaClに対する最終の透析工程によって除去する。精製したタンパク質を、4
℃で保存するか、または−80℃で冷凍する。
【0793】 上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドに
作動可能に連結されたファージオペレーターおよびプロモーターエレメントを含
み、pHE4aと呼ばれる発現ベクターを含む(ATCC受託番号209645
、1998年2月25日に寄託)。このベクターは以下を含む:1)選択マーカ
ーとしてのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、2)E.coli複
製起点、3)T5ファージプロモーター配列、4)2つのlacオペレーター配
列、5)シャイン−ダルガーノ配列、および6)ラクトースオペロンリプレッサ
ー遺伝子(laqIq)。複製起点(oriC)は、pUC19(LTI,Ga
ithersburg,MD)に由来する。プロモーター配列およびオペレータ
ー配列を合成的に作製する。
【0794】 NdeIおよびXbaI、BamHI、XhoI、またはAsp718によっ
てベクターを制限処理し、制限生成物をゲルで泳動し、そしてより大きな方のフ
ラグメント(スタッファー(stuffer)フラグメントは約310塩基対で
あるべきである)を単離することによって、DNAをpHEaに挿入し得る。D
NA挿入物を、NdeI(5’プライマー)およびXbaI、BamHI、Xh
oI、またはAsp718(3’プライマー)に対する制限部位を有するPCR
プライマーを使用して、実施例1に記載のPCRプロトコルに従って生成する。
PCR挿入物を、ゲル精製し、そして適合する酵素で制限処理する。挿入物およ
びベクターを標準的なプロトコルに従って連結する。
【0795】 操作されたベクターは、上記のプロトコルにおいて、細菌系でタンパク質を発
現させるために容易に置換され得る。
【0796】 (実施例6:封入体からのポリペプチドの精製) 以下の別の方法は、ポリペプチドが封入体の形態で存在する場合に、E.co
li中で発現されたポリペプチドを精製するために使用され得る。他に指定され
ない場合には、以下のすべての工程は4〜10℃で行われる。
【0797】 E.coli発酵の生産期の完了後、細胞培養物を4〜10℃に冷却し、そし
て15,000rpmの連続遠心分離(Heraeus Sepatech)に
よって細胞を採集する。細胞ペーストの単位重量あたりのタンパク質の予想され
る収量および必要とされる精製タンパク質の量に基づいて、細胞ペーストの適切
な量(重量による)を、100mM Tris、50mM EDTA、pH7.
4を含む緩衝溶液に懸濁させる。細胞を、高剪断ミキサーを使用して均質な懸濁
液に分散させる。
【0798】 次いで、細胞をマイクロフルイダイザー(microfluidizer)(
Microfluidics,Corp.またはAPV Gaulin,Inc
.)に2回、4000〜6000psiで溶液を通すことによって溶解させる。
次いでホモジネートを、最終濃度0.5M NaClになるようにNaCl溶液
と混合し、続いて7000×gで15分間遠心分離を行う。得られたペレットを
、0.5M NaCl、100mM Tris、50mM EDTA、pH7.
4を使用して再度洗浄する。
【0799】 得られた洗浄した封入体を、1.5M 塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜
4時間可溶化する。7000×gで15分間の遠心分離の後、ペレットを廃棄し
、そしてポリペプチドを含む上清を4℃で一晩インキュベートしてさらなるGu
HCl抽出を可能にする。
【0800】 不溶性粒子を除去するための高速遠心分離(30,000×g)に続き、Gu
HCl可溶化タンパク質を、GuHCl抽出物と、50mM ナトリウム、pH
4.5、150mM NaCl、2mM EDTAを含む20容量の緩衝液とを
、激しい攪拌で迅速に混合することによって、再折畳みさせる。再折畳みした希
釈タンパク質溶液を、さらなる精製工程の前の12時間、混合しないで4℃で保
つ。
【0801】 再折畳みされたポリペプチド溶液を清澄にするために、40mM酢酸ナトリウ
ム、pH6.0で平衡化した、適切な表面積を有する0.16μmメンブレンフ
ィルターを備えるあらかじめ準備した接線濾過ユニット(例えば、Filtro
n)を使用する。濾過したサンプルを、カチオン交換樹脂(例えば、Poros
HS−50,Perseptive Biosystems)上にロードする
。カラムを40mM 酢酸ナトリウム、pH6.0で洗浄し、そして同じ緩衝液
中の250mM、500mM、1000mM、および1500mM NaClで
、段階的な様式で溶出する。溶出液の280nmにおける吸光度を連続的にモニ
ターする。画分を収集し、そしてSDS−PAGEによってさらに分析する。
【0802】 次いでポリペプチドを含む画分をプールし、そして4容量の水と混合する。次
いで希釈されたサンプルを、あらかじめ準備した強アニオン(Poros HQ
−50,Perseptive Biosystems)交換樹脂および弱アニ
オン(Poros CM−20,Perseptive Biosystems
)交換樹脂の直列カラムのセットにロードする。カラムを40mM 酢酸ナトリ
ウム、pH6.0で平衡化する。両方のカラムを、40mM 酢酸ナトリウム、
pH6.0、200mM NaClで洗浄する。次いでCM−20カラムを10
カラム容量の直線勾配(0.2M NaCl、50mM 酢酸ナトリウム、pH
6.0から1.0M NaCl、50mM 酢酸ナトリウム、pH6.5の範囲
)を用いて溶出させる。画分を、溶出液の定常A280モニタリング下で収集す
る。次いで、(例えば、16% SDS−PAGEによって判明した)ポリペプ
チドを含む画分をプールする。
【0803】 得られたポリペプチドは、上記の再折畳みおよび精製工程の後で95%より高
い純度を示すはずである。5μgの精製タンパク質がロードされる場合、いかな
る主たる混在バンドも、クマシーブルー染色した16% SDS−PAGEゲル
から観察されないはずである。精製タンパク質はまた、エンドトキシン/LPS
混在について試験され得、そして代表的には、LPS含量はLALアッセイに従
って、0.1ng/ml未満である。
【0804】 (実施例7:バキュロウイルス発現系におけるポリペプチドのクローニングお
よび発現) この実施例では、ポリペプチドを発現するために、プラスミドシャトルベクタ
ーpA2を使用してポリヌクレオチドをバキュロウイルスに挿入する。この発現
ベクターは、Autographa californica核多核体ウイルス
(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、続いてBamHI、Xb
a I、およびAsp718のような便利な制限部位を含む。シミアンウイルス
40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のため
に使用する。組換えウイルスの容易な選択のために、プラスミドは、同方向にあ
る弱いDrosophilaプロモーターの制御下でE.coli由来のβ−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子、続いてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを
含む。挿入された遺伝子は両方の側で、クローン化したポリヌクレオチドを発現
する生存可能なウイルスを生成する、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性の相
同組換えのためのウイルス配列と隣接する。
【0805】 他の多くのバキュロウイルスベクター(例えば、pAc373、pVL941
、およびpAcIM1)は、当業者が容易に理解するように、必要とされる場合
、構築物が転写、翻訳、分泌などのために適切に配置されたシグナル(シグナル
ペプチドおよびインフレームなAUGを含む)を提供する限りにおいて、上記の
ベクターの代わりに使用され得る。このようなベクターは、例えば、Lucko
wら、Virology 170:31−39(1989)に記載される。
【0806】 具体的には、適切な制限部位および開始コドン/終止コドンを有するプライマ
ーを用い、実施例1に記載されるPCRプロトコルを使用して、寄託されたクロ
ーンに含まれるcDNA配列を、増幅させる。天然に存在するシグナル配列を使
用して分泌タンパク質を産生する場合、pA2ベクターは第2のシグナルペプチ
ドを必要としない。あるいは、ベクターは、Summersら(「A Manu
al of Methods for Baculovirus Vector
s and Insect Cell Culture Procedures
」、Texas Agricultural Experimental St
ation Bulletin No.1555(1987))に記載される標
準的な方法を用いて改変して、バキュロウイルスリーダー配列を含ませ得る(p
A2 GP)。
【0807】 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」,BIO
101 Inc.,La Jolla,Ca)を使用して、1%アガロースゲ
ルから単離する。次いでフラグメントを適切な制限酵素で消化し、そして再び1
%アガロースゲルで精製する。
【0808】 プラスミドを対応する制限酵素で消化し、そして必要に応じて、当該分野で公
知の慣用の手順を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化し得る。
次いでDNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 In
c.,La Jolla,Ca)を使用して、1%アガロースゲルから単離する
【0809】 フラグメントおよび脱リン酸化したプラスミドを、T4 DNAリガーゼを用
いて互いに連結する。E.coli HB101またはXL−1 Blue(S
tratagene Cloning Systems,La Jolla,C
a)細胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合液で形質転換し、そ
して培養プレート上に拡げる。プラスミドを含む細菌を、個々のコロニー由来の
DNAを消化し、そして消化産物をゲル電気泳動によって分析することにより同
定する。クローニングしたフラグメントの配列をDNA配列決定によって確認す
る。
【0810】 このポリヌクレオチドを含む5μgのプラスミドを、Felgnerら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(19
87)によって記載されたリポフェクション法を使用して、1.0μgの市販の
線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculov
irus DNA」,Pharmingen,San Diego,CA)とと
もに同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウイルスD
NAおよび5μgのプラスミドを、50μlの無血清グレース培地(Life
Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含
む、マイクロタイタープレートの滅菌したウェル中で混合する。その後、10μ
lのリポフェクチンおよび90μlグレース培地を加え、混合し、そして室温で
15分間インキュベートする。次いで、トランスフェクション混合液を、無血清
グレース培地1mlを加えた35mm組織培養プレートに播種したSf9昆虫細
胞(ATCC CRL 1711)に滴下して加える。次いでプレートを27℃
で5時間インキュベートする。次いで、トランスフェクション溶液をプレートか
ら除去し、そして10%ウシ胎仔血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添
加する。次いで培養を27℃で4日間継続する。
【0811】 4日後上清を収集し、SummersおよびSmith、前出によって記載さ
れたようにプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(Life Tec
hnologies Inc.,Gaithersburg)を含むアガロース
ゲルを、galが発現しているクローン(青色に着色したプラークを生ずる)の
容易な同定および単離を可能にするために使用する。(この型の「プラークアッ
セイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.,
Gaithersburgによって配布される、昆虫細胞培養およびバキュロ
ウイルス学のための使用者ガイドの中の9−10頁に見出され得る)。適切なイ
ンキュベーションの後、青色に着色したプラークをマイクロピペッター(例えば
、Eppendorf)のチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を
、200μlのグレース培地を含む微小遠心分離チューブ中で再懸濁させ、そし
て組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を、35mmディッシュに播種したSf
9細胞に感染させるために使用する。4日後、これらの培養ディッシュの上清を
採集し、次いで4℃に貯蔵する。
【0812】 ポリペプチドの発現を確認するために、10%熱非働化FBSを補充したグレ
ース培地中でSf9細胞を増殖させる。細胞を、約2の感染多重度(「MOI」
)でポリヌクレオチドを含む組換えバキュロウイルスで感染させる。放射性標識
したタンパク質を所望する場合には、6時間後に培地を除去し、そしてメチオニ
ンおよびシステインを含まないSF900 II培地(Life Techno
logies Inc.,Rockville,MDから入手可能)に置き換え
る。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCiの35S−シス
テイン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間イ
ンキュベートし、次いで遠心分離によって採集する。上清中のタンパク質および
細胞内タンパク質を、SDS−PAGE、次いで(放射性標識した場合)オート
ラジオグラフィーによって分析する。
【0813】 精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微量配列決定法を使用して、産
生されたタンパク質のアミノ末端配列を決定し得る。
【0814】 (実施例8:哺乳動物細胞におけるポリペプチドの発現) 本発明のポリペプチドを、哺乳動物細胞中で発現させ得る。代表的な哺乳動物
発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介するプロモーターエレメント、タ
ンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要
なシグナルを含む。さらなるエレメントは、エンハンサー、コザック配列、およ
び、RNAスプライシングのドナー部位およびアクセプター部位に隣接する介在
配列を含む。非常に効率的な転写は、SV40由来の初期および後期プロモータ
ー、レトロウイルス(例えばRSV、HTLVI、HIVI)由来の長末端反復
(LTR)、およびサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターを用い
て達成される。しかし、細胞エレメント(例えば、ヒトアクチンプロモーター)
もまた、使用され得る。
【0815】 本発明を実施する際の使用に適切な発現ベクターは、例えば、pSVLおよび
pMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVc
at(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、
pBC12MI(ATCC 67109)、pCMVSport2.0、ならび
にpCMVSport3.0のようなベクターを含む。使用され得る哺乳動物宿
主細胞は、ヒトHela細胞、293細胞、H9細胞およびJurkat細胞、
マウスNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos 1細胞、Cos 7細胞
およびCV1細胞、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞を含む。
【0816】 あるいは、ポリペプチドは、染色体に組み込まれたポリヌクレオチドを含む、
安定な細胞株中で発現され得る。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマ
イシンのような選択可能なマーカーを用いる同時トランスフェクションは、トラ
ンスフェクトされた細胞の同定および単離を可能にする。
【0817】 トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコードされたタンパク質を発現
するために増幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、目的
の遺伝子の数百または数千さえものコピーを有する細胞株の開発に有用である。
(例えば、Altら、J.Biol.Chem.253:1357−1370(
1978);Hamlinら、Biochem.et Biophys.Act
a、1097:107−143(1990):Pageら、Biotechno
logy 9:64−68(1991)を参照のこと)。別の有用な選択マーカ
ーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bioch
em J.227:277−279(1991);Bebbingtonら、B
io/Technology 10:169−175(1992))。これらの
マーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地中で増殖させ、そしてもっとも高
い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた、増
幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO細
胞は、タンパク質の産生のためにしばしば使用される。
【0818】 プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体であ
る、発現ベクターpC4(ATCC受託番号209646)およびpC6(AT
CC受託番号209647)は、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Mol
ecular and Cellular Biology,438−447(
1985年3月))の強力なプロモーター(LTR)、およびCMVエンハンサ
ー(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))のフラ
グメントを含む。例えば、BamHI、XbaI、およびAsp718の制限酵
素切断部位を有するマルチプルクローニングサイトは、目的の遺伝子のクローニ
ングを容易にする。ベクターはまた、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イ
ントロン、ポリアデニル化および終結シグナル、ならびに、SV40初期プロモ
ーターの制御下にあるマウスDHFR遺伝子を含む。
【0819】 具体的には、例えば、プラスミドpC6を、適切な制限酵素によって消化し、
次いで当該分野で公知の手順によって、仔ウシ腸ホスファターゼ(phosph
ate)を使用して脱リン酸化する。次いで、このベクターを1%アガロースゲ
ルから単離する。
【0820】 本発明のポリヌクレオチドは、必要な場合、適切な制限部位および開始/停止
コドンを有するプライマーを用いて実施例1に概説するプロトコルに従って増幅
される。このベクターは分泌のために必要な場合、異種シグナル配列を含むよう
に改変され得る(例えば、WO96/34891を参照のこと)。
【0821】 増幅フラグメントを、市販のキット(「Geneclean」、BIO 10
1 Inc.、La Jolla,Ca.)を使用して、1%アガロースゲルか
ら単離する。次いで、このフラグメントを、適切な制限酵素で消化し、そして再
び1%アガロースゲルで精製する。
【0822】 次いで、増幅フラグメントを同じ制限酵素で消化し、そして1%アガロースゲ
ルで精製する。次いで、単離されたフラグメントおよび脱リン酸したベクターを
、T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101細胞ま
たはXL−1 Blue細胞を形質転換し、そしてプラスミドpC6に挿入され
たフラグメントを含む細菌を、例えば、制限酵素分析を用いて同定する。
【0823】 活性なDHFR遺伝子を欠損するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トラン
スフェクションに使用する。5μgの発現プラスミドpC6を、リポフェクチン
(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoと
同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優性で選択可能な
マーカーであるところの、G418を含む抗生物質の群に対する耐性を付与する
酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含む。この細胞を、1mg/ml
のG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、この細胞をトリプ
シン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよ
び1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクロ
ーニングプレート(Greiner,Germany)中に播種する。約10〜
14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメトトレキ
サート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を使用
して、6ウェルのペトリ皿または10mlのフラスコに播種する。次いで、最高
濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高い濃度のメトトレキサ
ート(1μM、2μM、5μM、10mM、20mM)を含む新たな6ウェルプ
レートに移す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得
られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEお
よびウエスタンブロットによって、または逆相HPLC分析によって分析する。
【0824】 (実施例9:タンパク質融合物) 本発明のポリぺプチドは、好ましくは、他のタンパク質に融合される。これら
の融合タンパク質は、種々の適用のために使用され得る。例えば、本発明のポリ
ぺプチドの、Hisタグ、HAタグ、プロテインA、IgGドメイン、およびマ
ルトース結合タンパク質への融合は、精製を容易にする(実施例5を参照のこと
;EP A 394,827もまた参照のこと;Trauneckerら、Na
ture、331:84−86(1988))。このポリペプチドはまた、異種
ポリペプチド配列(例えば、KDEL)に融合して分泌および細胞内輸送を促進
し得る。さらに、IgG−1、IgG−3、およびアルブミンへの融合は、イン
ビボでの半減期を増大させる。本発明のポリぺプチドに融合した核局在化シグナ
ルは、タンパク質を特定の細胞内局在に標的化し得る。一方、共有結合ヘテロ二
量体またはホモ二量体は、融合タンパク質の活性を増大または減少させ得る。融
合タンパク質はまた、1つより多い機能を有するキメラ分子を作製し得る。最後
に、融合タンパク質は、非融合タンパク質と比較して、融合タンパク質の可溶性
および/または安定性を増大させ得る。上記の融合タンパク質の全ての型は、I
gG分子へのポリぺプチドの融合を概説する以下のプロトコル、または実施例5
に記載されるプロトコルを改変することによって作製され得る。
【0825】 簡単には、IgG分子のヒトFc部分は、以下に記載の配列の5’末端および
3’末端にわたるプライマーを使用してPCR増幅され得る。これらのプライマ
ーはまた、発現ベクター(好ましくは、哺乳動物発現ベクター)へのクローニン
グを容易にする都合の良い制限酵素部位、および必要な場合、開始/停止コドン
を有するべきである。
【0826】 例えば、pC4(受託番号209646)が使用される場合、ヒトFc部分は
、BamHIクローニング部位に連結され得る。3’BamHI部位が破壊され
るべきであることに注意のこと。次に、ヒトFc部分を含有するベクターが、B
amHIを用いて再び制限され、ベクターを線状化し、そして実施例1に記載さ
れるPCRプロトコルによって単離された本発明のポリヌクレオチドが、このB
amHI部位に連結される。ポリヌクレオチドは、終止コドンなしにクローニン
グされ、そうでなければ、融合タンパク質は産生されないことに注意すること。
【0827】 天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を産生するために使用される場
合、pC4は、第2のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在
するシグナル配列が使用されない場合、ベクターは、異種シグナル配列を含むよ
うに改変され得る(例えば、WO 96/34891を参照のこと)。 (ヒトIgG Fc領域) GGGATCCGGAGCCCAAATCTTCTGACAAAACTCACA
CATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAATTCGAGGGTG
CACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGG
ACACCCTCATGATCTCCCGGACTCCTGAGGTCACAT
GCGTGGTGGTGGACGTAAGCCACGAAGACCCTGAGG
TCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGC
ATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACA
ACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCC
TGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGT
GCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAACCCCCATCG
AGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAG
AACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATG
AGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGG
TCAAAGGCTTCTATCCAAGCGACATCGCCGTGGAGT
GGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGA
CCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCT
TCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGT
GGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGC
ATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCC
TCTCCCTGTCTCCGGGTAAATGAGTGCGACGGCCGC
GACTCTAGAGGAT(配列番号1)。
【0828】 (実施例10:ポリペプチドの処方) ポリペプチド組成物は、個々の患者の臨床状態(特に、分泌ポリペプチド単独
を用いた処置の副作用)、送達部位、投与の方法、投与の計画、ならびに開業医
に公知の他の因子を考慮に入れて、良好な医療行為と一致した様式において、処
方および投薬される。従って、本明細書中での目的のための「有効量」は、この
ような考慮によって、決定される。
【0829】 一般的な提案として、一用量あたりに非経口的に投与されるポリペプチドの薬
学的に有効な総量は、患者の体重の約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の
範囲であるが、上記で注意したように、これは治療上の裁量を受ける。より好ま
しくは、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日であり、そしてヒトに
関して最も好ましくは、ホルモンについて、約0.01mg/kg/日と1mg
/kg/日との間である。連続して投与される場合、ポリペプチドは、代表的に
、1日あたり1〜4回の注射によるか、または、例えば、ミニポンプを使用する
連続皮下注入のいずれかにより、約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時
間の投薬速度で投与される。静脈内バッグ溶液もまた、使用され得る。変化を観
察するために必要である処置の長さ、および応答が生じるための処置後の間隔は
、所望の効果に依存して変動するようである。
【0830】 本発明のポリペプチドを含む薬学的組成物は、経口的に、直腸に、非経口的に
、槽内に(intracistemally)、膣内に、腹腔内に、局所的に(
粉末、軟膏、ゲル、ドロップまたは経皮性パッチによるように)、頬側に(bu
cally)、または経口スプレーもしくは鼻内スプレーとして投与され得る。
「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液状充填剤
、希釈剤、カプセル化材料または任意の型の処方補助物を意味する。本明細書中
で使用される場合、用語「非経口的(な)」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸
骨内(intrasternal)、皮下および関節内の注射および注入を含む
投与の様式をいう。
【0831】 ポリペプチドはまた、持続放出系によって適切に投与される。持続放出性の組
成物の適切な例としては、成形品の形態(例えば、フィルム、またはマイクロカ
プセル)の半透性のポリマーマトリクスが挙げられる。持続放出マトリクスとし
ては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP 58,481)
、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートとの共重合体(Sidma
nら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(
2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.
Mater.Res.15:167−277(1981)およびLanger,
Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセ
テート(R.Langerら)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(
EP 133,988)が挙げられる。持続放出性組成物はまた、リポソームに
封入された(liposomally entrapped)ポリペプチドが挙
げられる。分泌ポリペプチドを含むリポソームは、それ自体、公知の方法により
調製される:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA,82:3688−3692(1985);Hwa
ngら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4030−4
034(1980);EP 52,322;EP 36,676;EP 88,
046;EP 143,949;EP 142,641;日本国特許出願83−
118008;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545
号;およびEP 102,324。通常、リポソームは、脂質含有量が約30m
olパーセントコレステロールより多い小さな(約200〜800Å)単層型で
あり、選択された割合は、最適な分泌ポリペプチド療法について調整される。
【0832】 非経口的な投与に関して、1つの実施形態において、ポリペプチドは、一般に
、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、使用される投薬量および濃度でレシ
ピエントに非毒性であり、そしてこの処方の他の成分と適合性であるもの)と共
に単位投薬量注入可能形態(溶液、懸濁液または乳濁液)において、所望の程度
の純度でそれを混合することによって処方される。例えば、処方物は、好ましく
は、酸化剤およびポリペプチドに対して有害であることが公知である他の化合物
を含まない。
【0833】 一般に、処方物は、ポリペプチドを、液体キャリアもしくは細かく粉砕した固
体キャリアまたは両方と、均一およびじかに接触させることにより調製される。
次いで、必要である場合、産物は、所望の処方物へと成形される。好ましくは、
このキャリアは、非経口的なキャリアであり、より好ましくは、レシピエントの
血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例としては、水、
生理食塩水、リンガー溶液、およびデキストロース溶液が挙げられる。非水溶性
ビヒクル(例えば、不揮発性油およびオレイン酸エチル)はまた、リポソームと
同様に、本明細書中で有用である。
【0834】 キャリアは、微量の添加物(例えば、等張性および化学的安定性を増強する物
質)を適宜含む。このような物質は、使用される投薬量および濃度において、レ
シピエントに非毒性であり、そして緩衝液(例えば、リン酸塩、クエン酸塩、コ
ハク酸塩、酢酸、および他の有機酸またはそれらの塩類);抗酸化剤(例えば、
アスコルビン酸);低分子量(約10残基よりも小さい)のポリペプチド(例え
ば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);タンパク質(例えば、血清アルブミ
ン、ゼラチン、または免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニル
ピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、
またはアルギニン);単糖、二糖、および他の糖質(セルロースもしくはその誘
導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例
えば、EDTA);糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール)
;対イオン(例えば、ナトリウム);ならびに/あるいは非イオン性界面活性剤
(例えば、ポリソルベート、ポロキサマー(poloxamer)、またはPE
G)を含む。
【0835】 ポリペプチドは、このようなビヒクル中で、代表的に、約3〜8のpHで、約
0.1mg/ml〜100mg/mlの濃度、好ましくは1〜10mg/mlの
濃度で処方される。上記の賦形剤、キャリア、または安定化剤の特定のものの使
用は、ポリペプチド塩の形成をもたらすことが理解される。
【0836】 治療的な投与のために使用される任意のポリペプチドは、無菌であり得る。無
菌性は、滅菌濾過膜(例えば、0.2ミクロン膜)による濾過により容易に達成
される。治療ポリペプチド組成物は、一般に、無菌アクセスポートを有する容器
(例えば、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する点滴溶液バッグま
たはバイアル)に配置される。
【0837】 ポリペプチドは、通常、単位用量容器または多用量容器(例えば、密封アンプ
ルまたは密封バイアル)中に水溶液としてか、または再構成のための凍結乾燥し
た処方物として保存される。凍結乾燥した処方物の例として、10mlバイアル
を、5mlの滅菌濾過した1%(w/v)水性ポリペプチド溶液で満たし、そし
て得られる混合物を凍結乾燥する。その注入溶液は、静菌注射用水を使用して、
凍結乾燥したポリペプチドを再構成することにより調製される。
【0838】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた1つ以上
の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。薬品または生物学的製品の
製造、使用または販売を規制している政府機関により規定される形式における通
告は、このような容器に伴い得る。この通告は、ヒトの投与のための製造、使用
または販売の、この機関による認可を反映する。さらに、本発明のポリペプチド
は、他の治療的化合物とともに使用され得る。
【0839】 (実施例11:ポリペプチドのレベル低下を処置する方法) 個体におけるポリペプチドの標準の発現レベルまたは正常発現レベルの低下に
より引き起こされる状態は、本発明のポリペプチドを好ましくは分泌形態および
/または可溶性形態で投与することにより処置し得ることが理解される。従って
、本発明はまた、このポリペプチドのレベルの増加が必要な個体の処置方法を提
供する。この方法は、このような個体に、このような個体でこのポリペプチドの
活性レベルを増加させる量のポリペプチドを含む治療的組成物を投与する工程を
包含する。
【0840】 例えば、ポリペプチドのレベルが低下した患者は、そのポリペプチドを、1日
用量0.1〜100μg/kgで6日間続けて服用する。好ましくは、ポリペプ
チドは分泌形態である。投与および処方物に基づく投薬計画の正確な詳細は、実
施例10に提供されている。
【0841】 (実施例12:ポリペプチドのレベル上昇を処置する方法) アンチセンス技術を使用して本発明のポリペプチドの産生を阻害する。この技
術は、ガンのような様々な病因に起因する、好ましくは分泌形態のポリペプチド
のレベルを低下させる方法の1つの例である。
【0842】 例えば、ポリペプチドのレベルが異常に上昇したと診断された患者に、アンチ
センスポリヌクレオチドを、0.5、1.0、1.5、2.0および3.0mg
/kg/日で21日間、静脈内投与する。この処置が十分に耐えられた場合は、
7日間の休薬期間後に、この処置を繰り返す。本発明のアンチセンスポリヌクレ
オチドは、本明細書に記載されている技術および処方物(例えば、実施例10を
参照のこと)を用いて、さもなければ当該分野で公知の技術および処方物を用い
て処方され得る。
【0843】 (実施例13:遺伝子治療を使用する処置方法−エキソビボ) 遺伝子治療の1つの方法は、ポリペプチドを発現し得る線維芽細胞を患者に移
植する。一般に、線維芽細胞は、皮膚生検により被験者から得られる。得られた
組織を組織培養培地中に配置し、小片に分割する。組織の小塊を組織培養フラス
コの湿潤表面に置き、約10片を各フラスコに置く。このフラスコを倒置し、し
っかりと閉め、そして、室温で一晩放置する。室温で24時間後、フラスコを反
転させ、そして組織塊をフラスコの底に固定させたままにし、そして新鮮な培地
(例えば、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するHa
mのF12培地)を添加する。次いで、フラスコを37℃で約1週間インキュベ
ートする。
【0844】 この時点で、新鮮な培地を添加し、次いで数日ごとに取り換える。さらに二週
間培養した後に、単層の線維芽細胞が出現する。この単層をトリプシン処理し、
さらに大きなフラスコにスケールアップする。
【0845】 モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復が隣接するpMV−7(Kirsc
hmeier,P.T.ら、DNA,7:219−25(1988))をEco
RIおよびHindIIIで消化した後、仔ウシ腸ホスファターゼで処理する。
線状ベクターをアガロースゲル上で分画し、そしてガラスビーズを使用して精製
する。
【0846】 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、プライマーを用い、そして必
要な場合、適切な制限部位および開始/終止コドンを有する、実施例1に記載の
それぞれ5’末端配列および3’末端配列に対応するPCRプライマーを使用し
て増幅し得る。好ましくは、この5’プライマーはEcoRI部位を含み、そし
てこの3’プライマーはHindIII部位を含む。等量の、モロニーマウス肉
腫ウイルスの線状骨格および増幅したEcoRIおよびHindIIIフラグメ
ントを、T4 DNAリガーゼの存在下で一緒に加える。得られた混合物を、こ
の2つのフラグメントを連結するのに適した条件下で維持する。次いで、連結混
合物を使用し、細菌HB101を形質転換する。次いで、それを、カナマイシン
を含む寒天上にプレーティングし、ベクターが正確に挿入された目的の遺伝子を
有することを確認する。
【0847】 両種指向性pA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%仔
ウシ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むダルベッコ改変
イーグル培地(DMEM)中、組織培養でコンフルエントな密度まで増殖させる
。次いで、その遺伝子を含むMSVベクターを培地に加え、そしてパッケージン
グ細胞をこのベクターで形質導入する。このとき、このパッケージング細胞は、
その遺伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(ここで、このパッケージング
細胞をプロデューサー細胞という)。
【0848】 形質導入されたプロデューサー細胞に新鮮な培地を添加し、次いでこの培地を
10cmプレートのコンフルエントなプロデューサー細胞から採取する。感染性
ウイルス粒子を含む使用済み培地を、ミリポアフィルターを通して濾過し、はが
れたプロデューサー細胞を除去し、次いでこの培地を使用して、線維芽細胞を感
染させる。線維芽細胞のサブコンフルエントなプレートから培地を除去し、そし
てプロデューサー細胞からの培地で速やかに置き換える。この培地を除去し、そ
して新鮮な培地と置き換える。ウイルスの力価が高ければ、実質的にすべての線
維芽細胞が感染され、選択は必要ではない。力価が非常に低ければ、neoまた
はhisのような選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを使用すること
が必要である。一旦、線維芽細胞が効率的に感染したなら、その線維芽細胞を分
析し、タンパク質が産生されているか否かを決定する。
【0849】 次いで、操作された線維芽細胞を、単独で、またはサイトデックス3マイクロ
キャリアビーズ上でコンフルエントに増殖させた後のいずれかで、宿主に移植す
る。
【0850】 (実施例14:内因性TDC遺伝子を使用する遺伝子治療) 本発明に従う遺伝子治療の別の方法は、内因性TDC遺伝子配列を、例えば、
米国特許番号5,641,670(1997年6月24日発行);国際公開番号
WO 96/29411(1996年9月26日公開);国際公開番号WO 9
4/12650(1994年8月4日公開);Kollerら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,86:8932〜8935(1989);お
よびZijlstraら、Nature,342:435〜438(1989)
に記載されるように、相同組換えを介してプロモーターに作動可能に結合する工
程を包含する。この方法は、その標的細胞中に存在するが、その細胞中では発現
されないかまたは所望されるよりも低いレベルで発現される、遺伝子の活性化を
包含する。
【0851】 プロモーターおよび標的化配列を含むポリヌクレオチド構築物を作製する。こ
の標的化配列は、プロモーターに隣接する、内因性TDC遺伝子の5’非コード
配列に相同である。この標的化配列は、このTDC遺伝子の5’末端に十分に近
く、その結果、このプロモーターは、相同組換えの際にこの内因性配列に作動可
能に連結される。このプロモーターおよび標的化配列を、PCRを使用して増幅
し得る。好ましくは、この増幅したプロモーターは、5’末端および3’末端上
に異なる制限酵素部位を含む。好ましくは、第1の標的化配列の3’末端は、増
幅したプロモーターの5’末端と同じ制限酵素部位を含み、そして第2の標的化
配列の5’末端は、増幅したプロモーターの3’末端と同じ制限部位を含む。
【0852】 この増幅したプロモーターおよび増幅した標的化配列を、適切な制限酵素で消
化し、続いて仔ウシ腸ホスファターゼで処理する。消化したプロモーターおよび
消化した標的化配列を、T4 DNAリガーゼの存在下でともに加える。生じた
混合物を、これら2つのフラグメントの連結に適切な条件下で維持する。この構
築物をアガロースゲルでサイズ分画し、次いでフェノール抽出およびエタノール
沈殿により精製する。
【0853】 この実施例において、このポリヌクレオチド構築物を、エレクトロポレーショ
ンを介して裸のポリヌクレオチドとして投与する。しかし、このポリヌクレオチ
ド構築物はまた、トランスフェクション促進剤(例えば、リポソーム、ウイルス
配列、ウイルス粒子、沈殿剤など)とともに投与され得る。送達のこのような方
法は、当該分野で公知である。
【0854】 一旦、細胞をトランスフェクトすると、相同組換えが生じて、このプロモータ
ーがこの内因性TDC遺伝子配列に作動可能に連結される。これは、この細胞中
におけるこのTDCの発現を生じる。発現は、免疫学的染色または当該分野で公
知の他の任意の方法により、検出され得る。
【0855】 線維芽細胞を、皮膚生検により被験者から得る。得られた組織を、DMEM+
10%ウシ胎仔血清中に配置する。対数増殖期または定常期初期の線維芽細胞を
、トリプシン処理し、そしてプラスチックの表面から栄養培地でリンスする。細
胞懸濁液のアリコートを、計数のために取り出し、そして残りの細胞を遠心分離
に供する。上清を吸引し、そしてペレットを5mlのエレクトロポレーション緩
衝液(20mM HEPES pH7.3、137mM NaCl、5mM K
Cl、0.7mM NaHPO、6mMデキストロース)に再懸濁する。こ
の細胞を再遠心分離し、上清を吸引し、そして細胞をアセチル化ウシ血清アルブ
ミン1mg/mlを含むエレクトロポレーション緩衝液に再懸濁する。この最終
細胞懸濁物は、約3×10細胞/mlを含む。エレクトロポレーションを、再
懸濁直後に実施すべきである。
【0856】 プラスミドDNAを、標準的技術に従って調製する。例えば、TDC遺伝子座
に標的化するためのプラスミドを構築するために、プラスミドpUC18(MB
I Fermentas、Amherst、NY)をHindIIIで消化する
。CMVプロモーターを、5’末端にXbaI部位および3’末端にBamHI
部位を備えてPCRにより増幅する。2つのTDC非コード遺伝子配列をPCR
を介して増幅する:一方のTDC非コード配列(TDCフラグメント1)を、5
’末端にHindIII部位および3’末端にXba部位を備えて増幅する;他
方のTDC非コード配列(TDCフラグメント2)を、5’末端にBamHI部
位および3’末端にHindIII部位を備えて増幅する。このCMVプロモー
ターおよびTDCフラグメントを、適切な酵素(CMVプロモーター−XbaI
およびBamHI;TDCフラグメント1−XbaI;TDCフラグメント2−
BamHI)で消化し、そしてともに連結する。生じた連結生成物をHindI
IIで消化し、そしてHindIIIで消化したpUC18プラスミドと連結す
る。
【0857】 プラスミドDNAを、0.4cmの電極ギャップを備える滅菌キュベット(B
io−Rad)に添加する。最終DNA濃度は、一般的に、少なくとも120μ
g/mlである。次いで、この細胞懸濁液の0.5ml(約1.5×10細胞
を含む)をこのキュベットに添加し、そしてこの細胞懸濁液およびDNA溶液を
、穏やかに混合する。エレクトロポレーションを、Gene−Pulser装置
(Bio−Rad)を用いて実施する。キャパシタンスおよび電圧を、それぞれ
、960μFおよび250〜300Vに設定する。電圧が増加すると、細胞の生
存が減少するが、導入されたDNAをそのゲノム中に安定に組込む生存細胞の割
合が劇的に増加する。これらのパラメーターの場合、パルス時間約14〜20m
Secが観察されるはずである。
【0858】 エレクトロポレーションした細胞を、室温で約5分間維持し、次いで、このキ
ュベットの中身を、滅菌した移動ピペットを用いて穏やかに取り出す。この細胞
を、10cmのディッシュ中の、予め温めた栄養培地(15%ウシ血清を含むD
MEM)10mlに直接加え、そして37℃でインキュベートする。翌日、この
培地を吸引し、そして10mlの新鮮な培地で置換し、そしてさらに16〜24
時間インキュベートする。
【0859】 次いで、操作された線維芽細胞を、宿主中に、単独か、またはサイトデックス
(cytodex)3マイクロキャリア(microcarrier)ビーズ上
でコンフルエントになるまで増殖させた後かのいずれかで、注入する。ここで、
この線維芽細胞は、タンパク質産物を生成する。次いで、この線維芽細胞を、上
記のような患者に導入し得る。
【0860】 (実施例15:遺伝子治療を使用する処置方法−インビボ) 本発明の別の局面は、障害、疾患、および状態を処置するためにインビボ遺伝
子治療方法を使用することである。この遺伝子治療法は、TDCポリペプチドの
発現を増大または減少させるための、動物への裸の核酸(DNA、RNA、およ
びアンチセンスDNAまたはRNA)TDC配列の導入に関する。TDCポリヌ
クレオチドは、プロモーター、または標的組織によるTDCポリペプチドの発現
に必要な任意の他の遺伝子エレメントに、作動可能に連結され得る。このような
遺伝子治療および送達の技術および方法は、当該分野で公知であり、例えば、W
O90/11092、WO98/11779;米国特許第5693622号、同
第5705151号、同第5580859号;Tabataら、Cardiov
asc.Res.35(3):470−479(1997);Chao J.ら
、Pharmacol.Res.35(6):517−522(1997);W
olff、Neuromuscul.Disord.7(5):314−318
(1997)、Schwartzら、Gene Ther. 3(5):405
−411(1996);Tsurumi Yら、Circulation 94
(12):3281−3290(1996)(本明細書中に参考として援用され
る)を参照のこと。
【0861】 TDCポリヌクレオチド構築物は、注入可能な物質を動物の細胞に送達する任
意の方法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓、腸など)の間隙空間へ
の注入)によって送達され得る。TDCポリヌクレオチド構築物は、薬学的に受
容可能な液体または水性キャリア中で送達され得る。
【0862】 用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAは、細胞への侵入を補助
、促進、または容易にするように作用するいかなる送達ビヒクル(ウイルス配列
、ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチン、または沈澱剤などを含む
)も含まない配列をいう。しかし、TDCポリヌクレオチドはまた、当業者に周
知の方法によって調製され得るリポソーム処方物(例えば、Felgnerら、
Ann.NY Acad.Sci.772:126−139(1995)および
Abdallahら、Biol.Cell 85(1):1−7(1995)で
教示されたもの)中で送達され得る。
【0863】 この遺伝子治療方法において使用されるTDCポリヌクレオチドベクター構築
物は、好ましくは、宿主ゲノムに組み込まれず、複製を可能にする配列も含まな
い構築物である。当業者に公知の任意の強力なプロモーターが、DNAの発現を
駆動するために用いられ得る。他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を
標的細胞に導入する1つの主要な利点は、その細胞におけるポリヌクレオチド合
成の一過性の性質である。研究によって、非複製DNA配列が細胞に導入されて
、6ヶ月までの間の期間、所望のポリペプチドの産生を提供し得ることが示され
た。
【0864】 このポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、
脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸
、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を包含する)の間
隙空間に送達され得る。この組織の間隙空間は、細胞間液、ムコ多糖基質(器官
組織の細網線維、血管または腔(chamber)の壁における弾性線維、線維
性組織のコラーゲン線維間にある)、あるいは結合組織鞘性筋肉細胞内または骨
の裂孔中の同じ基質を包含する。これは、同様に、循環の血漿およびリンパチャ
ンネルのリンパ液により占められた空間である。筋肉組織の間隙空間への送達は
、以下に考察する理由のために好ましい。それらは、これらの細胞を含む組織へ
の注入によって、好都合に送達され得る。それらは、好ましくは、分化した持続
性の非***細胞に送達され、そしてその細胞において発現されるが、送達および
発現は、非分化細胞または完全には分化していない細胞(例えば、血液の幹細胞
または皮膚線維芽細胞など)において達成され得る。インビボで、筋肉細胞は、
ポリヌクレオチドを取り込み、そして発現するそれらの能力において、特に適格
である。
【0865】 裸のTDCポリヌクレオチド注入について、DNAまたはRNAの有効投薬量
は、約0.05g/kg体重から約50mg/kg体重の範囲にある。好ましく
は、この投薬量は、約0.005mg/kgから約20mg/kgであり、そし
てより好ましくは、約0.05mg/kgから約5mg/kgである。もちろん
、当業者が認識するように、この投薬量は、注入の組織部位に従って変化する。
核酸配列の適切かつ有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして
処置される状態および投与経路に依存し得る。好ましい投与経路は、組織の間隙
空間への非経口注入経路によってである。しかし、他の非経口経路もまた用いら
れ得、これには、例えば、特に肺または気管支組織、咽喉、または鼻の粘膜への
送達のためのエアロゾル処方物の吸入が挙げられる。さらに、裸のTDCポリヌ
クレオチド構築物が、血管形成術の間に、この手順において用いられるカテーテ
ルによって動脈に送達され得る。
【0866】 インビボでの筋肉における注入TDCポリヌクレオチドの用量応答効果を、以
下のようにして決定する。TDCポリペプチドをコードするmRNAの生成のた
めの適切なTDCテンプレートDNAを、標準的な組換えDNA方法論に従って
調製する。テンプレートDNA(これは環状または線状のいずれかであり得る)
を裸のDNAとして使用するか、またはリポソームと複合体化するかのいずれか
である。次いで、マウスの四頭筋に、種々の量のテンプレートDNAを注入する
【0867】 5〜6週齢の雌性および雄性のBalb/Cマウスに、0.3mlの2.5%
Avertinを腹腔内注射することにより麻酔する。1.5cmの切開を大腿
前部で行い、そして四頭筋を直接可視化する。TDCテンプレートDNAを、0
.1mlのキャリアに入れて、1cc注射器で27ゲージ針を通して1分間にわ
たって、筋肉の遠位挿入部位から約0.5cmのところで膝に、そして約0.2
cmの深さで注入する。縫合を、将来の位置決定のために注入部位の上に配置し
、そしてその皮膚をステンレス鋼クリップで閉じる。
【0868】 適切なインキュベーション時間(例えば、7日)後、筋肉抽出物を、四頭全体
を切り出すことによって調製する。個々の四頭筋の5枚毎の15μm切片を、T
DCタンパク質発現について組織化学的に染色する。TDCタンパク質発現につ
いてのタイムコースを、異なるマウスからの四頭を異なる時間で採取すること以
外は、同様な様式で行い得る。注入後の筋肉中のTDCDNAの持続性を、注入
したマウスおよびコントロールマウスからの全細胞性DNAおよびHIRT上清
を調製した後、サザンブロット分析によって決定し得る。マウスにおける上記実
験の結果を、TDCの裸のDNAを用いて、ヒトおよび他の動物において適切な
投薬量および他の処置パラメーターを外挿するために使用し得る。
【0869】 (実施例16:抗体の産生) (a.ハイブリドーマ技術) 本発明の抗体は、種々の方法によって調製され得る。(Current Pr
otocols、第2章を参照のこと)。このような方法の1つの例として、T
DCポリペプチドを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘
導するために動物に投与される。好ましい方法において、TDCポリペプチドの
調製物が調製され、そして精製されて、天然の夾雑物を実質的に含まないように
される。次いで、より大きな比活性のポリクローナル抗血清を生成するために、
このような調製物は、動物に導入される。
【0870】 TDCポリペプチドに対して特異的なモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ
技術を使用して調製される(Kohlerら、Nature 256:495(
1975);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:511(19
76);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:292(1976
);Hammerlingら:Monoclonal Antibodies
and T−Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.、
563−681頁(1981))。一般に、動物(好ましくはマウス)は、TD
Cポリペプチドで、またはより好ましくは分泌TDCポリペプチド発現細胞で免
疫される。このようなポリペプチド発現細胞は、任意の適切な組織培養培地にお
いて、好ましくは10%ウシ胎仔血清(約56℃で非働化した)を補充し、そし
て約10g/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および
約100μg/mlのストレプトマイシンを補充したEarle改変イーグル培
地において培養される。
【0871】 このようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切な骨髄腫細胞株と融合され
る。任意の適切な骨髄腫細胞株は、本発明に従って用いられ得る;しかし、AT
CCから入手可能な親骨髄腫細胞株(SP2O)を利用することが好ましい。融
合後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に維持し、次
いでWandsら(Gastroenterology 80:225−232
(1981))により記載されるように限界希釈によってクローニングする。次
いで、このような選択を通して得られるハイブリドーマ細胞は、TDCポリぺプ
チドを結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。
【0872】 あるいは、TDCポリぺプチドに結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタイ
プ抗体を使用して2段階工程の手順において生成し得る。このような方法は、抗
体それ自体が抗原であり、それゆえ第二の抗体に結合する抗体を得ることが可能
であるという事実を利用する。この方法に従って、タンパク質特異的抗体を使用
して、動物(好ましくは、マウス)を免疫する。次いで、このような動物の脾細
胞を使用して、ハイブリドーマ細胞を産生する。そして、このハイブリドーマ細
胞は、抗体のTDCタンパク質特異的抗体に結合する能力がTDCポリペプチド
によってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリーニ
ングされる。このような抗体は、TDCタンパク質特異的抗体に対する抗イディ
オタイプ抗体を含み、そして動物を免疫してさらなるTDCタンパク質特異的抗
体の形成を誘導するために使用される。
【0873】 ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、抗体は、「ヒト化」される。この
ような抗体は、上記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来
する遺伝的構築物を使用して産生され得る。キメラ抗体およびヒト化抗体を産生
するための方法は当該分野で公知であり、そして本明細書中で議論される(総説
については、Morrison,Science 229:1202(1985
);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);Cabi
llyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、EP 1
71496;Morrisonら、EP 173494;Neubergerら
、WO 8601533;Robinsonら、WO 8702671;Bou
lianneら、Nature 312:643(1984);Neuberg
erら、Nature 314:268(1985)を参照のこと)。
【0874】 (b.scFvsのライブラリーからのTDCポリペプチドに対して指向され
る抗体フラグメントの単離) ヒトPBLから単離した天然に存在するV遺伝子を、ドナーが曝され得たかま
たは曝され得なかったTDCポリペプチドに対する反応性を含む抗体フラグメン
トのライブラリーに構築する(例えば、米国特許第5,885,793号(その
全体が参考として本明細書に援用される)を参照のこと)。
【0875】 (ライブラリーのレスキュー) PCT公開WO 92/01047に記載のように、ヒトPBLのRNAから
scFvsのライブラリーを構築する。抗体フラグメントを提示するファージを
レスキューするため、ファージミドを保有する約10個のE.coliを用い
て、50mlの2×TY(1%グルコースおよび100μg/mlのアンピシリ
ンを含有する)(2×TY−AMP−GLU)を接種し、そして振盪しながら0
.8のO.D.まで増殖させる。この培養物の5mlを用いて50mlの2×T
Y−AMP−GLUに接種し、2×108TUのΔ遺伝子3ヘルパー(M13Δ
遺伝子III、PCT公開WO92/01047を参照のこと)を添加し、そし
て培養物を振盪なしで37℃で45分間インキュベートし、次いで振盪しながら
37℃で45分間インキュベートする。この培養物を10分間4000r.p.
m.で遠心分離し、そしてペレットを2リットルの2×TY(100μg/ml
アンピシリンおよび50μg/mlカナマイシンを含有する)中に再懸濁し、そ
して一晩増殖させる。ファージをPCT公開WO92/01047に記載のよう
に調製する。
【0876】 M13Δ遺伝子IIIを以下のように調製する:M13Δ遺伝子IIIヘルパ
ーファージは、遺伝子IIIタンパク質をコードしない。それゆえ、抗体フラグ
メントを提示するファージ(ファージミド)は、抗原に対するより大きい結合ア
ビディティーを有する。ファージ形態形成の間、野生型遺伝子IIIタンパク質
を供給するpUC19誘導体を保有する細胞においてヘルパーファージを増殖さ
せることにより、感染性M13Δ遺伝子III粒子を作製する。培養物を振盪な
しで37℃で1時間インキュベートし、次いで振盪しながら37℃でさらにイン
キュベートする。細胞を遠心沈殿(IEC−Centra 8,400r.p.
m.で10分間)し、100μg/mlのアンピシリンおよび25μg/mlの
カナマイシンを含有する2×TYブロス(2×TY−AMP−KAN)300m
l中で再懸濁し、そして37℃で振盪しながら一晩増殖させる。ファージ粒子を
、2回のPEG沈殿(Sambrookら、1990)により培養培地から精製
および濃縮し、2ml PBSに再懸濁し、そして0.45μmのフィルター(
Minisart NML;Sartorius)を通過させ、約1013形質
導入単位/ml(アンピシリン耐性クローン)の最終濃度を得る。
【0877】 (ライブラリーのパニング) Immunotubes(Nunc)を、本発明のポリペプチドの100μg
/mlまたは10μg/mlのいずれかの4mlを用いてPBS中で一晩被膜す
る。チューブを2% Marvel−PBSを用いて37℃で2時間ブロックし
、次いでPBS中で3回洗浄する。約1013TUのファージをチューブに適用
し、そして、回転盤上で上下にタンブリングしながら室温で30分間インキュベ
ートし、次いでさらに1.5時間静置しておく。チューブをPBS 0.1%
Tween−20で10回、そしてPBSで10回洗浄する。1mlの100m
Mトリエチルアミンを添加し、そして回転盤上で15分間上下に回転させること
によりファージを溶出し、その後この溶液を0.5mlの1.0M Tris−
HCl,pH7.4で直ちに中和する。次いで、溶出したファージを細菌ととも
に37℃で30分間インキュベートすることにより、ファージを用いて、10m
lの対数増殖中期のE.coli TG1に感染させる。次いで、E.coli
を1%グルコースおよび100μg/mlアンピシリンを含有するTYEプレー
ト上にプレートする。次いで、得られる細菌ライブラリーを、上記のようにΔ遺
伝子3ヘルパーファージでレスキューし、次の回の選択のためのファージを調製
する。次いで、このプロセスを、アフィニティー精製の全4回について反復し、
3回目および4回目にはチューブ洗浄をPBS、0.1% Tween−20で
20回、そしてPBSで20回に増加する。
【0878】 (結合剤の特徴付け) 第3回目および4回目の選択から溶出したファージを用いて、E.coli
HB 2151を感染させ、そして可溶性scFvをアッセイのために単一コロ
ニーから生成する(Marksら、1991)。50mM炭酸水素塩、pH9.
6中の本発明のポリペプチドの10pg/mlのいずれかで被膜したマイクロタ
イタープレートを用いてELISAを実施する。ELISA中の陽性クローンを
PCRフィンガープリンティング(例えば、PCT公開WO92/01047を
参照のこと)、次いで配列決定することによりさらに特徴付ける。これらのEL
ISA陽性クローンはまた、当該分野において公知の技術(例えば、エピトープ
マッピング、結合親和性、レセプターシグナル形質導入、抗体/抗原結合をブロ
ックするかまたは競合的に阻害する能力、および競合的アゴニスト活性または競
合的アンタゴニスト活性など)によりさらに特徴付けられ得る。
【0879】 (実施例17:処方) 本発明はまた、被験体に有効量の治療剤を投与することにより疾患または障害
(例えば、本明細書中に開示される疾患または障害の任意の1つ以上のような)
を処置および/または予防する方法を提供する。治療剤により、薬学的に受容可
能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合わせた、本発明のポリヌクレ
オチドまたはポリペプチド(フラグメントおよび改変体を含む)、そのアゴニス
トまたはアンタゴニスト、および/またはそれらに対する抗体が意味される。
【0880】 治療剤を、個々の患者の臨床状態(特に、治療剤単独処置の副作用)、送達部
位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施
基準(good medical practice)を遵守する方式で処方お
よび投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような
考慮を行って決定される。
【0881】 一般的提案として、用量当り、非経口的に投与される治療剤の合計薬学的有効
量は、患者体重の、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲にあるが、
上記のようにこれは治療的裁量に委ねられる。さらに好ましくは、このホルモン
について、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、最も好ましくはヒ
トに対して約0.01mg/kg/日と約1mg/kg/日との間である。連続
投与する場合、代表的には、治療剤を約1μg/kg/時間〜約50μg/kg
/時間の投薬速度で1日に1〜4回の注射かまたは連続皮下注入(例えばミニポ
ンプを用いる)のいずれかにより投与する。静脈内用バッグ溶液もまた使用し得
る。変化を観察するために必要な処置期間および応答が生じる処置後の間隔は、
所望の効果に応じて変化するようである。
【0882】 治療剤を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemall
y)、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチに
よるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。「薬学的
に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈
剤、被包材または任意の型の製剤補助剤をいう。本明細書で用いる場合、用語「
非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射お
よび注入を含む投与の様式をいう。
【0883】 本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性治療
剤の適切な例は、経口的、直腸内、非経口的、槽内、膣内、腹腔内、局所的(散
剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口ま
たは鼻腔スプレーとして投与する。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒
性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の製剤補
助剤をいう。本明細書で用いる場合、用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、
腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
【0884】 本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性治療
剤の適切な例は、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの成形品の形態の半
透過性ポリマーマトリックスのような適切なポリマー材料、適切な疎水性材料(
例えば、受容可能な油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂、および貧可溶
性誘導体(例えば、貧可溶性塩のような)を包含する。
【0885】 徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919
号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメー
トのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers 22:547−5
56(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Lang
erら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(19
81)、およびLanger,Chem.Tech.12:98−105(19
82))、エチレンビニルアセテート(Langerら、同書)またはポリ−D
−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。
【0886】 徐放性治療剤はまた、リポソームに封入された本発明の治療剤を包含する(一
般には、Langer,Science 249:1527−1533(199
0);Treatら,Liposomes in the Therapy o
f Infectious Disease and Cancer,Lope
z−BeresteinおよびFidler(編),Liss,New Yor
k,317−327頁および353−365頁(1989)を参照のこと)。治
療剤を含有するリポソームは、それ自体が公知である方法により調製される:D
E3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)82:3688−3692(1985);Hwangら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030−4034(1
980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP14
3,949;EP142,641;日本国特許出願第83−118008号;米
国特許第4,485,045号および同第4,544,545号;ならびにEP
第102,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニ
ラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも
多く、選択された割合が、最適な治療剤のために調整される。
【0887】 なおさらなる実施形態において、本発明の治療剤は、ポンプによって送達され
る(Langer,前出;Sefton,CRC Crit.Ref.Biom
ed.Eng.14:201(1987);Buchwaldら,Surger
y 88:507(1980);Saudekら,N.Engl.J.Med.
321:574(1989)を参照のこと)。
【0888】 他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−15
33(1990))による総説において議論される。
【0889】 非経口投与のために、1つの実施形態において、一般に、治療剤は、それを所
望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および
濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するもの
と、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合すること
により処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤、および治療剤
に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
【0890】 一般に、治療剤を液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方
と均一および緊密に接触させて処方物を調製する。次に、必要であれば、生成物
を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より
好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビ
ヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液
が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもま
た、リポソームと同様に本明細書において有用である。
【0891】 キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質のような微量の添加剤を適
切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対
して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩
、酢酸および他の有機酸またはその塩類のような緩衝剤;アスコルビン酸のよう
な抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリア
ルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリ
ンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシ
ン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロ
ースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖
類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトール
またはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;およ
び/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界
面活性剤が挙げられる。
【0892】 治療剤は、代表的には約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1
〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方さ
れる。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、ポ
リペプチド塩が形成されることが理解される。
【0893】 治療的投与に用いられる任意の医薬品は無菌状態であり得る。滅菌濾過膜(例
えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより無菌状態は容易に達成さ
れる。一般に、治療剤は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注
射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置され
る。
【0894】 治療剤は、通常、単位用量または複数用量容器、例えば、密封アンプルまたは
バイアルに、水溶液または再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。
凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した1%(w/v
)治療剤水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。凍結乾
燥した治療剤を注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調製する。
【0895】 本発明はまた、本発明の治療剤の1つ以上の成分を満たした一つ以上の容器を
備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造
、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に
付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政
府機関による承認を表す。さらに、治療剤を他の治療用化合物と組み合わせて使
用し得る。
【0896】 本発明の治療剤は、単独で、またはアジュバントと組み合わせて投与され得る
。本発明の治療剤とともに投与され得るアジュバントとしては、以下が挙げられ
るが、それらに限定されない:ミョウバン、ミョウバン+デオキシコール酸(I
mmunoAg)、MTP−PE(Biocine Corp.)、QS21(
Genentech,Inc.)、BCG、およびMPL。特定の実施形態にお
いて、本発明の治療剤は、ミョウバンと組み合わせて投与される。別の特定の実
施形態において、本発明の治療剤は、QS−21と組み合わせて投与される。本
発明の治療剤とともに投与され得るさらなるアジュバントとしては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:モノホスホリル脂質免疫調節剤、AdjuV
ax 100a、QS−21、QS−18、CRL1005、アルミニウム塩、
MF−59、およびVirosomalアジュバント技術。本発明の治療剤とと
もに投与され得るワクチンとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されな
い:MMR(麻疹、流行性耳下腺炎,風疹)、ポリオ(polio)、水痘、破
傷風/ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、B型インフルエンザ、百日咳(who
oping cough)、肺炎、インフルエンザ、ライム病、ロタウイルス、
コレラ、黄熱病、日本脳炎、ポリオ(poliomyelitis)、狂犬病、
腸チフス、および百日咳(pertusis)に対する防御に指向するワクチン
。組み合わせは、例えば、混合物として同時に、別々であるが同時にもしくは並
行して;または逐次的にかのいずれかで投与され得る。これは、組み合わされた
薬剤が治療混合物としてともに投与される説明を含み、そして組み合わせた薬剤
が、別々であるが同時に(例えば、同じ個体へ別々の静脈ラインを通じての場合
)投与される手順もまた含む。「組み合わせ」投与は、第1に、続いて第2に与
えられる化合物または薬剤のうちの1つを別々に投与することをさらに含む。
【0897】 本発明の治療剤は、単独で、または他の治療的薬剤と組み合わせて投与され得
る。本発明の治療剤とともに投与され得る治療的薬剤としては、以下が挙げられ
るが、それらに限定されない:化学療法剤、抗生物質、ステロイド性および非ス
テロイド性の抗炎症剤、従来の免疫療法剤、サイトカインならびに/または増殖
因子。組み合わせは、例えば、混合物として同時に、別々であるが同時にもしく
は並行して;または逐次的にかのいずれかで投与され得る。これは、組み合わさ
れた薬剤が、治療混合物としてともに投与される説明を含み、そして組み合わせ
た薬剤が、別々であるが同時に(例えば、同じ個体へ別々の静脈ラインを通じて
の場合)投与される手順もまた含む。「組み合わせ」投与は、第1に、続いて第
2に与えられる化合物または薬剤のうちの1つを別々に投与することをさらに含
む。
【0898】 特定の実施形態において、本発明の治療剤は、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレ
オシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、およ
び/またはプロテアーゼインヒビターと組み合わせて投与される。本発明の治療
剤と組み合わせて投与され得るヌクレオシド逆転写酵素インヒビターとしては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:RETROVIRTM(ジドブジ
ン/AZT)、VIDEXTM(ジダノシン/ddI)、HIVIDTM(ザル
シタビン/ddC)、ZERITTM(スタブジン/d4T)、EPIVIR (ラミブジン/3TC)、およびCOMBIVIRTM(ジドブジン/ラミブ
ジン)。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る非ヌクレオシド逆転写酵素
インヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:VIRA
MUNETM(ネビラピン)、RESCRIPTORTM(デラビルジン)、お
よびSUSTIVATM(エファビレンズ)。本発明の治療剤と組み合わせて投
与され得るプロテアーゼインヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに
限定されない:CRIXIVANTM(インディナビル(indinavir)
)、NORVIRTM(リトナビル(ritonavir))、INVIRAS
TM(サキナビル(saquinavir))、およびVIRACEPTTM (ネルフィナビル(nelfinavir))。特定の実施形態において、抗レ
トロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転
写酵素インヒビター、および/またはプロテアーゼインヒビターは、AIDSを
処置するため、および/またはHIV感染を予防もしくは処置するために、本発
明の治療剤との任意の組み合わせで使用され得る。
【0899】 さらなるNRTIとしては、以下を含む:LODENOSINETM(F−d
dA;酸安定性アデノシンNRTI;Triangle/Abbott;COV
IRACILTM(エントリシタビン(emtricitabine)/FTC
;立体的にラミブジン(lamivudine)(3TC)に関連があるが、イ
ンビトロで3〜10倍大きな活性を有する;Triangle/Abbott)
;dOTC(BCH−10652、立体的にラミブジンに関連があるが、ラミブ
ジン耐性単離物の実質的な割合に対して活性を維持したままである;Bioch
em Pharma);Adefovir(FDAによって抗HIV治療に対す
る認可を拒絶された;Gilead Sciences);PREVEON(登
録商標)(Adefovir Dipivoxil、アデホビル(adefov
ir)の活性なプロドラック;その活性形態はPMEA−ppである);TEN
OFOVIRTM(ビス−POC PMPA、PMPAプロドラック;Gile
ad);DAPD/DXG(DAPDの活性な代謝物;Triangle/Ab
bott);D−D4FC(3TCに関連し、AZT/3TC−耐性ウイルスに
対して活性を有する);GW420867X(Glaxo Wellcome)
;ZIAGENTM(アバカビル(abacavir)/159U89;Gla
xo Wellcome Inc.);CS−87(3’アジド−2’,3’−
ジデオキシウリジン;WO99/66936);およびS−アシル−2−チオエ
チル(SATE)−β−L−FD4Cおよびβ−L−FddCのプロドラック形
態を有する(WO98/17281)。
【0900】 さらなるNNRTIとしては、以下が挙げられる:COACTINONTM
Emivirine/MKC−442、HEPTクラスの強力なNNRTI;T
riangle/Abbott);CAPRAVIRINETM(AG−154
9/S−1153、K103N改変体を含むウイルスに対する活性を有する次世
代のNNRTI;Agouron);PNU−142721(前駆体(dela
virdine)よりも20−から50−倍大きな活性を有し、そしてK103
N改変体に対して活性である;Pharmacia & Upjohn);DP
C−961およびDPC−963(エファビレンツ(efavirenz)の第
二世代の誘導体、K103N改変体を有するウイルスに対して活性であることが
意図される;DuPont);GW−420867X(HBY097よりも25
−倍大きな活性を有し、そしてK103N改変体に対して活性である;Glax
o Wellcome);CALANOLIDE A(ラテックスの木由来の天
然に存在する薬剤;Y181CおよびK103N変異のいずれかまたは両方を含
むウイルスに対する活性);ならびにPropolis(WO99/49830
)。
【0901】 さらなるプロテアーゼインヒビターとしては、以下が挙げられる:LOPIN
AVITM(ABT378/r;Abbott Laboratories);
BMS−232632(アザペプチド;Bristol−Myres Squi
bb);TIPRANAVIRTM(PNU−140690、非ペプシンジヒド
ロピロン;Pharmacia & Upjohn);PD−178390(非
ペプシンジヒドロピロン;Parke−Davis);BMS 232632(
アザペプチド;Bristol−Myers Squibb);L−756、4
23(インディナルビル(indinavir)アナログ;Merck);DM
P−450(環状ウレア化合物;Avid & DuPont);AG−177
6(プロテアーゼインヒビター−耐性ウイルスに対するインビトロ活性を有する
ペプチド模倣物;Agouron);VX−175/GW−433908(アン
プレナビル(amprenavir)のホスフェートプロドラック;Verte
x & Glaxo Welcome);CGP61755(Ciba);なら
びにAGENERASETM(アンプレナビル;Glaxo Wellcome
Inc.)。
【0902】 さらなる抗レトロウイルス剤としては、融合インヒビター/gp41結合剤が
挙げられる。融合インヒビター/gp41結合剤としては、以下が挙げられる:
T−20(HIV gp41膜内外タンパク質外部ドメインの残基643−67
8由来のペプチド(休止期においてgp41と結合し、そして紡錘細胞状態に対
する形質転換を防止する;Trimeris)ならびにT−1249(第2世代
融合インヒビター;Trimeris)。
【0903】 さらなる抗レトロウイルス剤としては、融合インヒビター/ケモカインレセプ
ターアンタゴニストが挙げられる。融合インヒビター/ケモカインインヒビター
としては、以下が挙げられる:CXCR4アンタゴニスト(例えば、AMD 3
100(ビシクラム(bicyclam)))、SDF−1およびそのアナログ
、ならびにALX40−4C(カチオン性ペプチド)、T22(18個のアミノ
酸ペプチド;Trimeris)ならびにT22アナログT134およびT14
0;CCR5アンタゴニスト(例えば、RANTES(9−68)、AOP−R
ANTES、NNY−RANTES、およびTAK−779);ならびにCCR
5/CXCR4アンタゴニスト(例えば、NSC 651016(ジスタマイシ
ンアナログ))。CCR2B、CCR3、およびCCR6アンタゴニストがまた
挙げられる。ケモカインレセプターアゴニスト(例えば、RANTES、SDF
−1、MIP−1α、MIP−1βなど)はまた、融合を阻害し得る。
【0904】 さらなる抗レトロウイルス剤は、インテグラーゼインヒビターを含む。インテ
グラーゼインヒビターとしては、以下が挙げられる:ジカフェオイルキナ酸(D
FQA);L−チコリ酸(ジカフェオイル酒石酸(DCTA));キナリザリン
(QLC)および関連するアントラキノン;ZINTEVIRTM(AR 17
7、真のインテグラーゼインヒビターでなく細胞表面で恐らく作用するオリゴヌ
クレオチド;Arondex);ならびにナフトール(例えば、WO98/50
347に記載れるナフトール)。
【0905】 さらなる抗レトロウイルス剤としては、以下が挙げられる:ヒドロキシウレア
様化合物(例えば、BCX−34(プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビ
ター;Biocryst);リボヌクレオチドレダクターゼインヒビター(例え
ば、DIDOXTM(Molecules for Health));イノシ
ンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)インヒビター(例えば、V
X−497 (Vertex));ならびにマイコフィル酸(mycophol
ic acids)(例えば、CellCept(マイコフェノレートモフェチ
ル(mycophenolate mofetil);Roche))。
【0906】 さらなる抗レトロウイルス剤としては、以下が挙げられる:ウイルスインテグ
ラーゼのインヒビター、ウイルスゲノム核転座のインヒビター(例えば、アリー
レンビス(メチルケトン)化合物);HIV侵入のインヒビター(例えば、AO
P−RANTES、NNY−RANTES、RANTES−IgG融合タンパク
質、RANTESの溶解性化合物およびグリコサミノグリカン(GAG)、なら
びにAMD−3100;ヌクレオカプシドジンクファイヤーインヒビター(例え
ば、ジチアン化合物;HIV TatおよびRevの標的;ならびに薬学的エン
ハンサー(例えば、ABT−378))。
【0907】 他の抗レトロウイルス治療剤および補助治療剤としては、以下が挙げられる:
サイトカインおよびリンホカイン(例えば、MIP−1α、MIP−1β、SD
F−1α、IL−2、PROLEUKINTM(アデスロイキン(aldesl
eukin)/L2−7001;Chiron)、IL−4、IL−10、IL
−12、およびIL−13);インターフェロン(例えば、IFN−α2a;T
NFs、NFkB、GM−CSF、M−CSF、およびIL−10のアンタゴニ
スト);免疫活性を調節する薬剤(例えば、シクロスポリンおよびプレドニゾン
);ワクチン(例えば、RemuneTM(HIV Immunogen)、A
PL 400−003(Apollon)、組換えgp120およびフラグメン
ト、二価(B/E)組換えグリコプロテイン、rgp120CM235、MN
rgp120、SF−2rgp120、gp120/可溶性CD4錯体、Del
ta JR−FLタンパク質、不連続gp120 C3/C4ドメイン由来の分
岐合成ペプチド、融合成分イムノゲン、ならびにGag、Pol、Nef、およ
びTatワクチン);遺伝子ベース治療剤(例えば、遺伝子抑制要素(GSE;
WO98/54366)、およびイントラキン(intrakines)(新し
く合成されたCCR5の表面発現を遮断するためにERに対して標的された、一
般に改変されたCCケモカイン(Yangら、PNAS94:11567−72
(1997);Chenら、Nat.Med.3:1110−16(1997)
);抗体(例えば、抗−CXCR4抗体12G5、抗−CCR5抗体2D7、5
C7、PA8、PA9、PA10、PA11、PA12、およびPA14、抗−
CD4抗体Q4120およびRPA−T4、抗−CCR3抗体7B11、抗−g
p120抗体17b、48d、447−52D、257−D、268−Dおよび
50.1、抗−Tat抗体、抗−TNF−α抗体、およびモノクローナル抗体3
3A);アリールヒドロカーボン(AH)レセプターまたはレセプターq−アゴ
ニストおよびアンタゴニスト(例えば、TCDD、3,3’,4,4’,5−ペ
ンタクロロビフェニル,3,3’,4,4’−テトラクロロビフェニル、および
α−ナフトフラボン(WO98/30213));ならびに抗酸化剤(例えば、
g−L−グルタミル−L−システインエチルエーテル(g−GCE;WO99/5
6764)。
【0908】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、抗ウイルス剤と組合せて投与
される。本発明の治療剤と共に投与され得る抗ウイルス剤としては、アシクロビ
ル、リバビリン、アマンタジン、およびリマンタジンが挙げられるが、これらに
限定されない。
【0909】 他の実施形態において、本発明の治療剤は、抗日和見感染症薬剤と組み合わせ
て投与され得る。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る抗日和見感染症薬
剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:TRIMETHOP
RIM−SULFAMETHOXAZOLETM、DAPSONETM、PEN
TAMIDINETM、ATOVAQUONETM、ISONIAZIDTM
RIFAMPINTM、PYRAZINAMIDETM、ETHAMBUTOLTM 、RIFABUTINTM、CLARITHROMYCINTM、AZIT
HROMYCINTM、GANCICLOVIRTM、FOSCARNETTM 、CIDOFOVIRTM、FLUCONAZOLETM、ITRACONAZ
OLETM、KETOCONAZOLETM、ACYCLOVIRTM、FAM
CICOLVIRTM、PYRIMETHAMINETM、LEUCOVORI
TM、NEUPOGENTM(フィルグラスチム(filgrastim)/
G−CSF)、およびLEUKINETM(サルグラモスチン(sargram
ostim)/GM−CSF)。特定の実施形態において、本発明の治療剤は、
日和見Pneumocystis carinii肺炎感染を予防的に処置また
は予防するために、TRIMETHOPRIM−SULFAMETHOXAZO
LETM、DAPSONETM、PENTAMIDINETM、および/または
ATOVAQUONETMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施
形態において、本発明の治療剤は、日和見Mycobacterium avi
um複合感染を予防的に処置または予防するために、ISONIAZIDTM
RIFAMPINTM、PYRAZINAMIDETM、および/またはETH
AMBUTOLTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態に
おいて、本発明の治療剤は、日和見Mycobacterium tuberc
ulosis感染を予防的に処置または予防するために、RIFABUTIN 、CLARITHROMYCINTM、および/またはAZITHROMYC
INTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、本
発明の治療剤は、日和見サイトメガロウイルス感染を予防的に処置または予防す
るために、GANCICLOVIRTM、FOSCARNETTM、および/ま
たはCIDOFOVIRTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実
施形態において、本発明の治療剤は、日和見真菌感染を予防的に処置または予防
するために、FLUCONAZOLETM、ITRACONAZOLETM、お
よび/またはKETOCONAZOLETMとの任意の組み合わせで使用される
。別の特定の実施形態において、本発明の治療剤は、日和見単純ヘルペスウイル
スI型および/またはII型感染を予防的に処置または予防するために、ACY
CLOVIRTMおよび/またはFAMCICOLVIRTMとの任意の組み合
わせで使用される。別の特定の実施形態において、本発明の治療剤は、日和見T
oxoplasma gondii感染を予防的に処置または予防するために、
PYRIMETHAMINETMおよび/またはLEUCOVORINTMとの
任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、本発明の治療剤
は、日和見細菌感染を予防的に処置または予防するために、LEUCOVORI
TMおよび/またはNEUPOGENTMとの任意の組み合わせで使用される
【0910】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、抗生物質とともに投与される
。本発明の治療剤とともに投与され得る抗生物質としては、アモキシシリン、β
−ラクタマーゼ、アミノグリコシド、β−ラクタム(糖ペプチド)、β−ラクタ
マーゼ、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、シプロ
フロキサシン、シプロフロキサシン、エリスロマイシン、フルオロキノロン、マ
クロライド、メトロニダゾール、ペニシリン、キノロン、ラパマイシン、リファ
ンピン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、トリメトプ
リム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(sulfamthoxazo
le)、およびバンコマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0911】 他の実施形態では、本発明の治療剤は、免疫抑制剤と組み合わせて投与され得
る。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る免疫抑制剤としては、以下が挙
げられるが、これらに限定されない:ステロイド、シクロスポリン、シクロスポ
リンアナログ、シクロホスファミド メチルプレドニゾン、プレドニゾン、アザ
チオプリン、FK−506、15−デオキシスペルグアリン(spersual
in)、および応答するT細胞の機能を抑制することにより作用する他の免疫抑
制剤。本発明の治療剤組み合わせて投与され得る他の免疫抑制剤としては、以下
が挙げられるがこれらに限定されない:プレドニゾロン、メトトレキサート、サ
リドマイド、メトキサレン、ラパマイシン、レフルノミド、ミゾリビン(BRE
DININTM)、ブレキナル、デオキシスペルグアリン、およびアザスピラン
(azaspirane)(SKF 105685)、ORTHOCLONE
OKT(登録商標) 3(muromonab−CD3)、SANDIMMUN
TM、NEORALTM、SANGDYATM(シクロスポリン)、PROG
RAF(登録商標)(FK506、タクロリムス)(tacrolimus)、
CELLCEPT(登録商標)(ミコフェノール酸モーテフィル(motefi
l)(ミコフェノール酸の活性代謝物))、IMURANTM(アザチオプリン
)、グルココルチコステロイド、副腎皮質ステロイド(例えば、DELTASO
NETM(プレドニゾン)およびHYDELTRASOLTM(プレドニゾロン
))、FOLEXTMおよびMEXATETM(メトトレキサート)、OXSO
RALEN−ULTRATM(メトトレキサレン)ならびにRAPAMUNE (シロリムス(sirolimus))。特定の実施形態において、免疫抑制
剤を使用して、器官移植または骨髄移植の拒絶を予防し得る。
【0912】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、単独または1以上の静脈内免
疫グロブリン調製物と組み合わせて投与される。本発明の治療剤と組み合わせて
投与され得る静脈内免疫グロブリン調製物としては、GAMMARTM、IVE
EGAMTM、SANDOGLOBULINTM、GAMMAGARD S/DTM ATGAMTM(抗胸腺細胞グロブリン(glubulin))およびGA
MIMYNETMが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態にお
いて、本発明の治療剤は、移植治療(例えば、骨髄移植)において静脈内免疫グ
ロブリン調製物と組み合わせて投与される。
【0913】 特定の実施形態では、本発明の治療剤は、単独でかまたは抗炎症剤と組み合わ
せて投与される。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る抗炎症剤としては
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:コルチコステロイド(例えば、
ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、
メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン
)、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク ジフルニサル、エトド
ラク、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルルビフロフェン、イブプロフ
ェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメート、メフェナム酸、
メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン
、ピロキシカム、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸,およびトルメ
チン)、ならびに抗ヒスタミン剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール
酢酸誘導体,アリール酪酸誘導体、アリールカルボン酸、アリールプロピオン酸
誘導体、ピラゾール類,ピラゾロン類、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサ
ミド、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−
4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、ブコロー
ム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアイアズレン、ナブメ
トン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン(paran
yline)、ペリソキサール、ピフオキシム、プロカゾン、プロキサゾール、
およびテニダプ。
【0914】 さらなる実施形態では、本発明の組成物は、単独でかまたは抗脈管形成剤と組
み合わせて投与される。本発明の組成物と組み合わせて投与され得る抗脈管形成
剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アンギオスタチン(
Angiostatin)(Entremed,Rockville,MD)、
トロポニン(Troponin)−1(Boston Life Scienc
es,Boston,MA)、抗侵襲性因子、レチノイン酸およびその誘導体、
パクリタキセル(Taxol)、スラミン、メタロプロテイナーゼ−1の組織イ
ンヒビター、メタロプロテイナーゼ−2の組織インヒビター、VEGIプラスミ
ノーゲン賦活剤インヒビター−1、プラスミノーゲン賦活剤インヒビター−2お
よび種々の形態のより軽い「d群」遷移金属。
【0915】 より軽い「d群」遷移金属には、例えばバナジウム、モリブデン、タングステ
ン、チタン、ニオブおよびタンタル種が挙げられる。そのような遷移金属種は、
遷移金属錯体を形成し得る。上記の遷移金属種の適切な錯体としては、オキソ遷
移金属錯体が挙げられる。
【0916】 バナジウム錯体の代表的な例としては、オキソバナジウム錯体(例えば、バナ
ジン酸錯体およびバナジル錯体)が挙げられる。適切なバナジン酸錯体としては
、メタバナジン酸錯体およびオルトバナジン酸錯体(例えば、メタバナジン酸ア
ンモニウム、メタバナジン酸ナトリウムおよびオルトバナジン酸ナトリウム)が
挙げられる。適切なバナジル錯体としては、例えば、バナジルアセチルアセトネ
ート、ならびに硫酸バナジル一水和物および硫酸バナジル三水和物のような硫酸
バナジル水和物を含む、硫酸バナジルが挙げられる。
【0917】 タングステン錯体およびモリブデン錯体の代表的な例としてはまた、オキソ錯
体が挙げられる。適切なオキソタングステン錯体としては、タングステート錯体
およびタングステンオキシド錯体が挙げられる。適切なタングステート錯体とし
ては、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カルシウム、タングステン
酸ナトリウム二水和物およびタングステン酸が挙げられる。適切なタングステン
オキシドとしては、タングステン(IV)オキシドおよびタングステン(VI)
オキシドが挙げられる。適切なオキソモリブデン錯体としては、モリブデート錯
体、モリブデンオキシド錯体およびモリブデニル錯体が挙げられる。適切なモリ
ブデート錯体としては、モリブデン酸アンモニウムおよびその水和物、モリブデ
ン酸ナトリウムおよびその水和物、ならびにモリブデン酸カリウムおよびその水
和物が挙げられる。適切なモリブデンオキシドとしては、モリブデン(VI)オ
キシド、モリブデン(VI)オキシドおよびモリブデン酸が挙げられる。適切な
モリブデニル錯体としては、例えばモリブデニルアセチルアセトネートが挙げら
れる。他の適切なタングステン錯体およびモリブデン錯体としては、例えばグリ
セロール、酒石酸および糖由来のヒドロキソ誘導体が挙げられる。
【0918】 広範な種々の他の抗脈管形成因子もまた、本発明の状況において利用され得る
。代表的な例としては、以下が挙げられる:血小板因子4;硫酸プロタミン;硫
酸化キチン誘導体(クイーンクラブ(queen crab)の殻から調製され
る)(Murataら、Cancer Res.51:22〜26、1991)
;硫酸化多糖ペプチドグリカン複合体(SP−PG)(この化合物の機能は、ス
テロイド(例えば、エストロゲン)およびクエン酸タモキシフェンの存在によっ
て、増強され得る);スタウロスポリン;基質代謝の調節因子(例えば、プロリ
ンアナログ、シスヒドロキシプロリン、d,L−3,4−デヒドロプロリン、チ
アプロリン、α,α−ジピリジル,アミノプロピオニトリルフマレートを含む)
;4−プロピル−5−(4−ピリジニル)−2(3H)−オキサゾロン;メトト
レキサート;ミトザントロン;ヘパリン;インターフェロン;2マクログロブリ
ン−血清;ChIMP−3(Pavloffら、J.Bio.Chem.267
:17321〜17326、1992);キモスタチン(Tomkinsonら
、Biochem J.286:475〜480、1992);シクロデキスト
リンテトラデカサルフェート;エポネマイシン;カンプトテシン;フマギリン(
Ingberら、Nature 348:555〜557、1990);チオリ
ンゴ酸金ナトリウム(「GST」;MatsubaraおよびZiff、J.C
lin.Invest.79:1440〜1446、1987);アンチコラゲ
ナーゼ−血清;α2−抗プラスミン(Holmesら、J.Biol.Chem
.262(4):1659〜1664、1987);ビサントレン(Natio
nal Cancer Institute);ロベンザリット二ナトリウム(
N−(2)−カルボキシフェニル−4−クロロアントロニル酸(chloroa
nthronilic acid)二ナトリウム、すなわち「CCA」;Tak
euchiら、Agents Actions 36:312〜316、199
2);およびメタロプロテイナーゼインヒビター(例えば、BB94)。
【0919】 本発明の状況においてやはり利用され得るさらなる抗脈管形成因子としては、
サリドマイド(Celgene,Warren,NJ);血管拡張性ステロイド
;AGM−1470(H.BremおよびJ.Folkman J Pedia
tr.Surg.28:445−51(1993));インテグリンαvβ3ア
ンタゴニスト(C.Storgard ら.,J Clin.Invest.1
03:47−54(1999));カルボキシアミノイミダゾール(carbo
xynaminolmidazole);カルボキシアミドトリアゾール(CA
I)(National Cancer Institute,Bethesd
a,MD);Conbretastatin A−4(CA4P)(OXiGE
NE,Boston,MA);Squalamine(Magainin Ph
armaceuticals,Plymouth Meeting,PA);T
NP−470,(Tap Pharmaceuticals,Deerfiel
d,IL);ZD−0101 AstraZeneca(London,UK)
;APRA(CT2584);Benefin,Byrostatin−1(S
C339555);CGP−41251(PKC 412);CM101;De
xrazoxane(ICRF187);DMXAA;エンドスタチン;Fla
vopridiol;Genestein;GTE;ImmTher;Ires
sa(ZD1839);Octreotide(ソマトスタチン);Panre
tin;Penacillamine;Photopoint;PI−88;P
rinomastat(AG−3340)Purlytin;Suradist
a(FCE26644);タモキシフェン(Nolvadex);Tazaro
tene;テトラチオモリブデート;Xeloda(Capecitabine
);および5−フルオロウラシルが挙げられる。
【0920】 本発明の化合物と組合わせて投与され得る抗脈管形成薬剤は、種々の機構を通
じて作用し得、これらの機構としては、以下が挙げられるが、これらに限定され
ない:細胞外マトリックスのタンパク質分解の阻害、内皮細胞−細胞外マトリッ
クス接着分子の機能のブロック、増殖因子のような脈管形成誘導因子の機能を拮
抗すること、および増殖している内皮細胞において発現されるインテグリンレセ
プターの阻害。細胞外マトリックスタンパク質分解を妨害し、そして本発明の組
成物と組合わせて投与され得る抗脈管形成インヒビターの例としては、以下が挙
げられるが、これらに限定されない:AG−3340(Agouron,La
Jolla,CA)、BAY−12−9566(Bayer,West Hav
en,CT)、BMS−275291(Bristol Myers Squi
bb,Princeton,NJ)、CGS−27032A(Novartis
,East Hanover,NJ)、Marimastat(British
Biotech,Oxford,UK)およびMetastat(Aeter
na,St−Foy,Quebec)。内皮細胞−細胞外マトリックス接着分子
の機能をブロックすることにより作用し、そして本発明の組成物と組合わせて投
与され得る抗脈管形成インヒビターの例としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:EMD−121974(Merck KcgaA Darms
tadt,Germany)およびVitaxin(Ixsys,La Jol
la,CA/Medimmune,Gaithersburg,MD)。脈管形
成誘導因子と直接拮抗するかまたはこの誘導因子を阻害することにより作用し、
そして本発明の組成物と組合わせて投与され得る抗脈管形成薬剤の例としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:Angiozyme(Riboz
yme,Boulder,CO)、抗VEGF抗体(Genentech,S.
San Francisco,CA)、PTK−787/ZK−225846(
Novartis,Basel,Switzerland)、SU−101(S
ugen,S.San Francisco,CA)、SU−5416(Sug
en/Pharmacia Upjohn,Bridgewater,NJ)、
およびSU−6668(Sugen)。他の抗脈管形成薬剤は、脈管形成を間接
的に阻害するように作用する。本発明の組成物と組合わせて投与され得る脈管形
成の間接的インヒビターの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定され
ない:IM−862(Cytran,Kirkland,WA)、インターフェ
ロン−α、IL−12(Roche,Nutley,NJ)、およびペントサン
ポリスルフェート(Georgetown University,Washi
ngton,DC)。
【0921】 特定の実施形態において、抗脈管形成薬剤と組合わせた本発明の組成物の使用
は、自己免疫疾患(例えば、本明細書中に記載の自己免疫疾患)の処置、予防、
および/または回復のために企図される。
【0922】 特定の実施形態において、抗脈管形成薬剤と組合わせた本発明の組成物の使用
は、関節炎の処置、予防、および/または回復のために企図される。さらに具体
的な実施形態において、抗脈管形成薬剤と組合わせた本発明の組成物の使用は、
慢性関節リウマチの処置、予防、および/または回復のために企図される。
【0923】 別の実施形態において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
は、脈管形成タンパク質とかまたは脈管形成タンパク質をコードするポリヌクレ
オチドと組み合わせて投与され得る。本発明の組成物と共に投与され得る脈管形
成タンパク質の例としては、酸性および塩基性の線維芽細胞増殖因子、VEGF
−1、VEGF−2、VEGF−3、上皮増殖因子αおよび表皮増殖因子β、血
小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖
因子、インスリン様増殖因子、コロニー刺激因子、マクロファージコロニー刺激
因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ならびに一酸化窒素シンターゼ
が挙げられるがこれらに限定されない。
【0924】 さらなる実施形態において、本発明の組成物は、化学療法剤と組み合わせて投
与される。本発明の治療剤と共に投与され得る化学療法剤としては、以下が挙げ
られるがこれらに限定されない:アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタ
ード(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、シクロホスファミド イ
ホスファミド(Ifosfamide)、メルファラン(L−サルコリシン)、
およびクロランブシル(chlorambucil))、エチレンイミン類およ
びメチルメラミン類(例えば、ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、アルキ
ルスルホネート類(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア類(例えば、カル
ムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル−CCN
U)、およびストレプトゾシン(ストレプトゾトシン(streptozoto
cin))、トリアゼン類(例えば、ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリア
ゼノイミダゾールカルボキサミド))、葉酸アナログ(例えば、メトトレキサー
ト(アメトプテリン))、ピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル(5
−フルオロウラシル;5−FU)、フロクスウリジン(フルオロデオキシウリジ
ン;FudR)、およびシタラビン(シトシンアラビノシド))、プリンアナロ
グおよび関連インヒビター(例えば、メルカプトプリン(6−メルカプトプリン
;6−MP)、チオグアニン(6−チオグアニン;TG)、およびペントスタチ
ン(2’−デオキシコホルマイシン))、ビンカアルカロイド類(例えば、ビン
ブラスチン(VLB、硫酸ビンブラスチン))およびビンクリスチン(硫酸ビン
クリスチン))、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシ
ド)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノル
ビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン
、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン(マイトマイシン
C)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、生物学的応答改変剤(例えば、
インターフェロン−αおよびインターフェロン−α−2b)、白金配位化合物(
例えば、シスプラチン(cis−DDP)およびカルボプラチン)、アントラセ
ンジオン(ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチル
ヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン(N−メチルヒドラジン;MIH)
、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプ
ロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシ
プロゲステロン、および酢酸メゲストロール)、エストロゲン(例えば、ジエチ
ルスチルベストロール(DES)、ジエチルスチルベストロールジホスフェート
、エストラジオール、およびエチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例
えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(テストステロンプロプリオネート(p
roprionate)、およびフルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例
えば、フルタミド)、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ(例えば、ロイプ
ロリド)、その他のホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、メチルテストス
テロン、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、クロロトリア
ニセン、およびテストラクトン)、ならびにその他(例えば、ジカルバジン、グ
ルタミン酸、およびミトーテン)。
【0925】 1つの実施形態では、本発明の組成物は、1以上の以下の薬物と組み合わせて
投与され得る:インフリキシマブル(infliximable)(Remic
adeTM Centocor、Inc.としても公知)、トロケード(Tro
cade)(Raoche,RO−32−3555)、Leflunomide
(Hoechst Marion Roussel製のAravaTMとしても
公知)、KineretTM(Amgen、Inc.製のAnakinraとし
ても公知である、IL−1レセプターアンタゴニスト)。
【0926】 特定の実施形態において、本発明の組成物は、CHOP(シクロホスファミド
、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン)と組み合わせて投与
されるか、CHOPの成分の組み合わせで投与される。1つの実施形態において
、本発明の組成物は、抗CD−20抗体(ヒトモノクローナル抗CD20抗体)
と組み合わせて投与される。別の実施形態において、本発明の組成物は、抗CD
20抗体およびCHOPと組み合わせて投与されるか、または抗CD20抗体な
らびにCHOPの1つ以上の成分(特定のシクロホスファミドおよび/またはプ
レドニゾン)の任意の組合せと組み合わせて投与される。特定の実施形態におい
て、本発明の組成物は、Rituximabと組み合わせて投与される。さらな
る実施形態において、本発明の治療剤は、RituxmabおよびCHOPと共
に、またはRituxmabおよびCHOPの1つ以上の成分(詳細には、シク
ロホスファミドおよび/またはプレドニゾン)の任意の組み合わせと共に投与さ
れる。特定の実施形態において、本発明の組成物は、tositumomabと
組み合わせて投与される。さらなる実施形態において、本発明の組成物は、to
situmomabおよびCHOPと共に、またはtositumomabおよ
びCHOPの1つ以上の成分(詳細には、シクロホスファミドおよび/またはプ
レドニゾン)の任意の組合せと共に投与される。抗CD20抗体は、必要に応じ
て、放射性同位体、毒素または細胞傷害性薬物に付随し得る。
【0927】 別の特定の実施形態において、本発明の組成物は、ZevalinTMとの組
合せで投与される。さらなる実施形態において、本発明の組成物は、Zeval
inTMおよびCHOPと共に、またはZevalinTMおよびCHOPの成
分(詳細には、シクロホスファミドおよび/またはプレドニゾン)の1つ以上の
任意の組み合わせと共に投与される。ZevalinTMは、1つ以上の放射性
同位体と結合し得る。特に好ましい同位体は、90Yおよび111Inである。
さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、サイトカインと組み合わせて投
与される。本発明の治療剤とともに投与され得るサイトカインとしては、IL2
、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL10、IL12、IL13、
IL15、抗CD40、CD40L、IFN−γおよびTNF−αが挙げられる
が、これらに限定されない。別の実施形態において、本発明の治療剤は、任意の
インターロイキン(IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、
IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11
、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17
、IL−18、IL−19、IL−20およびIL−21を含むが、これらに限
定されない)と共に投与され得る。
【0928】 1つの実施形態において、本発明の治療剤は、TNFファミリーのメンバーと
組合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得るTNF分子、TN
F関連分子またはTNF様分子としては、以下が挙げられるが、これらに限定さ
れない:可溶性形態のTNF−α、リンホトキシン−α(LT−α、TNF−β
としても公知)、LT−β(複合ヘテロトリマーLT−α2−β中に見出される
)、OPGL、FasL、CD27L、CD30L、CD40L、4−1BBL
、DcR3、OX40L、TNF−γ(国際公開番号WO96/14328)、
AIM−I(国際公開番号WO97/33899)、エンドカイン−α(国際公
開番号WO98/07880)、OPG、およびニュートロカイン−α(国際公
開番号WO98/18921)、OX40、および神経成長因子(NGF)、な
らびに可溶性形態のFas、CD30、CD27、CD40および4−IBB、
TR2(国際公開番号WO96/34095)、DR3(国際公開番号WO97
/33904)、DR4(国際公開番号WO98/32856)、TR5(国際
公開番号WO98/30693)、TRANK、TR9(国際公開番号WO98
/56892)、TR10(国際公開番号WO98/54202)、312C2
(国際公開番号WO98/06842)、およびTR12、ならびに可溶性形態
のCD154、CD70、およびCD153。
【0929】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、脈管形成タンパク質と組合わ
せて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る脈管形成タンパク質とし
ては、欧州特許EP−399816に開示されるようなグリオーム誘導増殖因子
(Gilioma Derived Growth Factor)(GDGF
);欧州特許EP−682110に開示されるような血小板誘導増殖因子−A(
PDGF−A);欧州特許EP−282317に開示されるような血小板誘導増
殖因子−B(PDGF−B);国際公開番号WO92/06194号に開示され
るような胎盤増殖因子(PIGF);Hauserら、Gorwth Fact
ors、4:259−268(1993)に開示されるような胎盤増殖因子−2
(PIGF−2);国際公開番号WO90/13649号に開示されるような血
管内皮増殖因子(VEGF);欧州特許EP−506477に開示されるような
血管内皮増殖因子−A(VEGF−A);国際公開番号WO96/39515号
に開示されるような血管内皮増殖因子−2(VEGF−2);血管内皮増殖因子
−B(VEGF−3);国際公開番号WO96/26736号に開示されるよう
な血管内皮増殖因子B−186(VEGF−B186);国際公開番号WO98
/02543号に開示されるような血管内皮増殖因子−D(VEGF−D);国
際公開番号WO98/07832号に開示されるような血管内皮増殖因子−D(
VEGF−D);およびドイツ国特許DE19639601に開示されるような
血管内皮増殖因子−E(VEGF−E)が挙げられるが、これらに限定されない
。上記の参考文献は、本明細書でその全体が参考として援用される。
【0930】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、線維芽細胞増殖因子と組み合
わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る線維芽細胞増殖因子と
しては、FGF−1、FGF−2、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FG
F−6、FGF−7、FGF−8、FGF−9、FGF−10、FGF−11、
FGF−12、FGF−13、FGF−14、およびFGF−15が挙げられる
が、これらに限定されない。
【0931】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、造血増殖因子と組み合わせて
投与される。本発明の治療剤と共に投与され得る造血増殖因子としては、以下が
挙げられるがこれらに限定されない:顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(
GM−CSF)(サルグラモスチン(sargramostim)、LEUKI
NETM、PROKINETM)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(フ
ィルグラスチン(filgrastim)、NEUPOGENTM)、マクロフ
ァージコロニー刺激因子(M−CSF、CSF−1)エリトロポイエチン(エポ
エチンアルファ、EPOGENTM、PROCRITTM)、幹細胞因子(SC
F、c−kitリガンド、steel因子)、巨核球コロニー刺激因子、PIX
Y321(a GMCSF/IL−3融合タンパク質)、インターロイキン(特
に、IL−1〜IL−12のうちの任意の1つ以上)、インターフェロンγ、ま
たはトロンボポエチン(thrombopoietin)。
【0932】 特定の実施形態において、本発明の治療剤は、アドレナリン遮断薬(例えば、
アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロ
ール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペン
ブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、およびチモロール
【0933】 別の実施形態において、本発明の治療剤は、抗不整脈薬(例えば、アデノシン
、アミドアロン(amidoarone)、ブレチリウム、ジギタリス、ジゴキ
シン、ジギトキシン、ジリアゼン(diliazem)、ジソピラミド、エスモ
ロール、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、モリシジン(morici
zine)、フェニトイン、プロカインアミド、N−アセチルプロカインアミド
、プロパフェノン、プロプラノロール、キニジン、ソタロール、トカイニド、お
よびベラパミル)と組み合わせて投与される。
【0934】 別の実施形態において、本発明の治療剤は、利尿薬(例えば、カルボニックア
ンヒドラーゼ−阻害剤(例えば、アセタゾラミド、ジクロルフェナミド、および
メタゾルアミド)、浸透圧性利尿薬(例えば、グリセリン、イソソルビド、マン
ニトール、および尿素)、Na−K−2Clシンポートを阻害する利尿薬
(例えば、フロセミド、ブメタニド、アゾセミド、ピレタニド、トリパミド、エ
タクリン酸、ムゾリミン、およびトルセミド)、サイアザイドおよびサイアザイ
ド様利尿薬(例えば、ベンドロフルメサイアザイド、ベンズサイアザイド、クロ
ロサイアザイド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチア
ジド、ポリチアジド、トリコルメチアジド(trichormethiazid
e)、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、およびキネサゾン)、カリ
ウム保持性利尿薬(例えば、アミロライドおよびトリアムテレン)、ならびに鉱
質コルチコイドレセプターアンタゴニスト(例えば、スピロノラクトン、カンレ
ノン、およびカンレノ酸カリウム)と組み合わせて投与される。
【0935】 1つの実施形態において、本発明の治療剤は、内分泌物および/またはホルモ
ン不均衡障害のための処置と組み合わせて投与される。内分泌物および/または
ホルモン不均衡障害のための処置としては、以下が挙げられるがこれらに限定さ
れない:127I、ヨウ素の放射性同位体(例えば、131Iおよび123I)
;組換え成長ホルモン(例えば、HUMATROPETM(組換えソマトロピン
);成長ホルモンアナログ(例えば、PROTROPINTM(ソマトレム))
;ドーパミンアゴニスト(例えば、PARLODELTM(ブロモクリプチン)
;ソマトスタチンアナログ(例えば、SANDOSTATINTM(オクトレオ
チド);ゴナドトロピン調製物(例えば、PREGNYLTM、A.P.L. およびPROFASITM(絨毛性性腺刺激(CG))、PERGONAL (メノトロピン)、およびMETRODINTM(尿性卵胞性刺激ホルモン(
uFSH));合成ヒトゴナドトロピン放出ホルモン調製物(例えば、FACT
RELTMおよびLUTREPULSETM(塩酸ゴナドレリン);合成ゴナド
トロピンアゴニスト(例えば、LUPRONTM(酢酸ロイプロリド)、SUP
PRELINTM(酢酸ヒストレリン(histrelin))、SYNARE
TM(酢酸ナファレリン)、およびZOLADEXTM(酢酸ゴセレリンe)
;甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの合成調製物(例えば,RELEFACT
TRHTMおよびTHYPINONETM(プロチレリン);組換えヒトTSH
(例えば、THYROGENTM);甲状腺ホルモンの天然異性体のナトリウム
塩の合成調製物(例えば、L−T TM、SYNTHROIDTMおよびLEV
OTHROIDTM(レボチロキシンナトリウム)、L−T TM、CYTOM
ELTMおよびTRIOSTATTM(リオチロインナトリウム(liothy
roine sodium))、およびTHYROLARTM(リオトリックス
));抗甲状腺化合物(例えば、6−n−プロピルチオウラシル(プロピルチオ
ウラシル)、1−メチル−2−メルカプトイミダゾールおよびTAPAZOLETM (メチマゾール)、NEO−MERCAZOLETM(カルビマゾール);
β−アドレナリン作用性レセプタアンタゴニスト(例えば、プロプラノロールお
よびエスモロール);Ca2+チャネル遮断薬;デキサメタゾンおよびヨー素化
X線造影剤(例えば、TELEPAQUETM(ヨーパン酸)およびORAGR
AFINTM(イポダートナトリウム)。
【0936】 内分泌物および/またはホルモン不均衡障害のさらなる処置としては、以下が
挙げられるがこれらに限定されない:エストロゲンまたは結合型エストロゲン(
例えば、ESTRACETM(エストラジオール、ESTINYLTM(エチニ
ルエストラジオール)、PREMARINTM、ESTRATABTM、ORT
HO−ESTTM、OGENTMおよびエストロピペート(estropipa
te)(エストロン)、ESTROVISTM(キネストロール)、ESTRA
DERMTM(エストラジオール)、DELESTROGENTMおよびVAL
ERGENTM(吉草酸エストラジオール)、DEPO−ESTRADIOL
CYPIONATETMおよびESTROJECT LATM(サイピオン酸(
cypionate)エストラジオール));抗エストロゲン(例えば、NOL
VADEXTM(タモキシフェン)、SEROPHENETMおよびCLOMI
TM(クロミフェン);プロゲスチン(例えば、DURALUTINTM(カ
プロン酸ヒドロキシプロゲステロン)、MPATMおよびDEPO−PROVE
RATM(酢酸メドロキシプロゲステロン)、PROVERATMおよびCYC
RINTM(MPA)、MEGACETM(酢酸メゲストロール)、NORLU
TINTM(ノルエチンドロン)、ならびにNORLUTATETMおよびAY
GESTINTM(酢酸ノルエチンドロン));プロゲステロンインプラント(
例えば、NORPLANT SYSTEMTM(ノルゲストレルの皮下移植物)
);抗黄体ホルモン(例えば、RU 486TM(ミフェプリストン);ホルモ
ン性避妊薬(例えば、ENOVIDTM(ノルエチノドレルおよび(plus)
メストラノール)、PROGESTASERTTM(プロゲステロンを放出する
子宮内デバイス)、LOESTRINTM、BREVICONTM、MODIC
ONTM、GENORATM、NELONATM、NORINYLTM、OVA
CON−35TMおよびOVACON−50TM(エチニルエストラジオール/
ノルエチンドロン)、LEVLENTM、NORDETTETM、TRI−LE
VLENTMおよびTRIPHASIL−21TM(エチニルエストラジオール
/レボノルゲストレル(levonorgestrel)LO/OVRALTM およびOVRALTM(エチニルエストラジオール/ノルゲストレル)、DEM
ULENTM(エチニルエストラジオール/二酢酸エチノジオール)、NORI
NYLTM、ORTHO−NOVUMTM、NORETHINTM、GENOR
TM、およびNELOVATM(ノルエチンドロン/メストラノール)、DE
SOGENTMおよびORTHO−CEPTTM(エチニルエストラジオール/
デスゲストレル)、ORTHO−CYCLENTMおよびORTHO−TRIC
YCLENTM(エチニルエストラジオール/ノルゲスチマート)、MICRO
NORTMおよびNOR−QDTM(ノルエチンドロン)、ならびにOVRET
TETM(ノルゲストレル))。
【0937】 内分泌物および/またはホルモン不均衡障害のためのさらなる処置としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:テストステロンエステル類(例え
ば、酢酸メテノロンおよびウンデカン酸テストステロン;非経口および経口アン
ドロゲン(例えば、TESTOJECT−50TM(テストステロン)、TES
TEXTM(プロピオン酸テストステロン)、DELATESTRYLTM(テ
ストステロンエナンタート)、DEPO−TESTOSTERONETM(サイ
ピオン酸テストステロン)、DANOCRINETM(ダナゾール)、HALO
TESTINTM(フルオキシメステロン)、ORETON METHYLTM 、TESTREDTMおよびVIRILONTM(メチルテストステロン)、お
よびOXANDRINTM(オキサンドロロン);テストステロン経皮系(例え
ば、TESTODERMTM);アンドロゲンレセプターアンタゴニストおよび
5−α−レダクターゼインヒビタ(例えば、ANDROCURTM)(酢酸シプ
ロテロン)、EULEXINTM(フルタミド)、およびPROSCARTM
フィナステリド);副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotro
pic hormone)調製物(例えば、CORTROSYNTM(コシント
ロピン);副腎皮質ステロイドおよびその合成アナログ(例えば、ACLOVA
TETM)(ジプロピオン酸アルクロメタゾン)、CYCLOCORTTM(ア
ムシノニド)、BECLOVENTTMおよびVANCERILTM(ジプロピ
オン酸ベクロメタゾン)、CELESTONETM(ベタメタゾン)、BENI
SONETMおよびUTICORTTM(安息香酸ベタメタゾン)、DIPRO
SONETM(ジプロピオン酸ベタメタゾン)、CELESTONE PHOS
PHATETM(ベタメタゾンリン酸ナトリウム)、CELESTONE SO
LUSPANTM(ベタメタゾンリン酸ナトリウムおよび酢酸塩)、BETA−
VALTMおよびVALISONETM(吉草酸ベタメタゾン)、TEMOVA
TETM(プロピオン酸クロベタゾール)、CLODERMTM(ピバル酸クロ
コルトロン)、CORTEFTMおよびHYDROCORTONETM(コルチ
ソル(ヒドロコルチゾン))、HYDROCORTONE ACETATETM (酢酸コルチソル(ヒドロコルチゾン))、LOCOIDTM(コルチゾル(ヒ
ドロコルチゾン)酪酸)、HYDROCORTONE PHOSPHATETM (コルチゾル(ヒドロコルチゾン)リン酸ナトリウム)、A−HYDROCOR
TMおよびSOLU CORTEFTM(コルチゾル(ヒドロコルチゾン)コ
ハク酸ナトリウム)、WESTCORTTM(吉草酸コルチゾル(ヒドロコルチ
ゾン))、 CORTISONE ACETATETM(酢酸コルチゾン)、D
ESOWENTMおよびTRIDESILONTM(デソニド)、TOPICO
RTTM(デスオキシメタゾン)、DECADRONTM(デキサメタゾン)、
DECADRON LATM(酢酸デキサメタゾン)、DECADRON PH
OSPHATETMおよびHEXADROL PHOSPHATETM(デキサ
メタゾンリン酸ナトリウム、FLORONETMおよびMAXIFLORTM
ジ酢酸ジフロラゾン)、FLORINEF ACETATETM(酢酸フルドロ
コルチゾン)、AEROBIDTMおよびNASALIDETM(フルニソリド
)、FLUONIDTMおよびSYNALARTM(フルオシノロンアセトニド
)、LIDEXTM(フルオシノニド)、FLUOR−OPTMおよびFML (フルオロメトロン)、CORDRANTM(フルランドレノリド)、HAL
OGTM(ハルシノニド)、HMS LIZUIFILMTM(メドリゾン)、
MEDROLTM(メチルプレドニゾロン)、DEPO−MEDROLTMおよ
びMEDROL ACETATETM(酢酸メチルプレドニゾン)、A−MET
HAPREDTMおよびSOLUMEDROLTM(メチルプレドニゾロンコハ
ク酸ナトリウム)、ELOCONTM(モメタゾ)、HALDRONETM(酢
酸パラメタゾン)、DELTA−CORTEFTM(プレドニゾロン)、ECO
NOPREDTM(酢酸プレドニゾロン)、HYDELTRASOLTM(プレ
ドニゾロンリン酸ナトリウム)、HYDELTRA−T.B.ATM(プレドニ
ゾロンテブテート)、DELTASONETM(プレドニゾン)、ARISTO
CORTTMおよびKENACORTTM(triamcinolone)、K
ENALOGTM(トリアムシノロンアセトニド)、ARISTOCORTTM およびKENACORT DIACETATETM(トリアムシノロンジアセテ
ート)、ならびにARISTOSPANTM(トリアムシノロンヘキサアセトニ
ド);生合成および副腎皮質ステロイドの作用のインヒビター(例えば、CYT
ADRENTM(アミノグルテチミド)、NIZORALTM(ケトコナゾール
)、MODRASTANETM(トリロスタン)、およびMETOPIRONETM (メチラポン);ウシ、ブタまたはヒトのインスリンまたはその混合物;イ
ンスリンアナログ;組換えヒトインスリン(例えば、HUMULINTMおよび
NOVOLINTM);経口低血糖剤(例えば、ORAMIDETMおよびOR
INASETM(トルブタミド)、DIABINESETM(クロルプロパミド
)、TOLAMIDETMおよびTOLINASETM(トラザミド)、DYM
ELORTM(アセトヘキサミド)、グリベンクラミド、MICRONASE 、DIBETATMおよびGLYNASETM(グリブリド)、GLUCOT
ROLTM(グリピジド)、およびDIAMICRONTM(グリクラジド)、
GLUCOPHAGETM(メトホルミン)、シグリタゾン、ピオグリタゾン、
およびα−グルコシダーゼインヒビター;ウシまたはブタのグルカゴン;ソマト
スタチン(例えば、SANDOSTATINTM(オクトレオチド);ならびに
ジアゾキシド(例えば、PROGLYCEMTM(ジアゾキシド))。
【0938】 1つの実施形態において、本発明の治療剤は、子宮運動性障害のための処置と
共に投与される。子宮運動性障害のための処置としては、以下が挙げられるがこ
れらに限定されない:エストロゲン薬(例えば、結合型エストロゲン(例えば、
PREMARIN(登録商標)およびESTRATAB(登録商標))、エスト
ラジオール(例えば、CLIMARA(登録商標)およびALORA(登録商標
))、エストロピペート(estropipate)、およびクロロトリアニセ
ン);プロゲスチン薬(例えば、AMEN(登録商標)(メドロキシプロゲステ
ロン)、MICRONOR(登録商標)(酢酸ノルエチンドロン(noreth
idrone acetate))、PROMETRIUM(登録商標)プロゲ
ステロン、および酢酸メゲストロール);ならびにエストロゲン/プロゲステロ
ンの組合せ治療剤(例えば、結合型エストロゲン/メドロキシプロゲステロン(
例えば、PREMPROTMおよびPREMPHASE(登録商標))および酢
酸ノルエチンドロン/エチニルエストラジオール(例えば、FEMHRTTM
【0939】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、鉄欠乏症および低色素性貧血
を処置する際に有効な薬物と組み合わせて投与される。これらの薬物としては、
以下が挙げられるがこれらに限定されない:硫酸第一鉄(硫酸鉄、FEOSOLTM )、フマル酸第一鉄(例えば、FEOSTATTM)、グルコン酸第一鉄(
例えば、FERGONTM)、ポリサッカリド−鉄複合体(例えば、NIFER
EXTM)、鉄デキストラン注射剤(例えば、INFEDTM)、硫酸第二銅、
ピロキシジン、リボフラビン、ビタミンB12、シアノコバラミン注射剤(例え
ば、REDISOLTM、RUBRAMIN PCTM)、ヒドロキソコバラミ
ン、葉酸(例えば、FOLVITETM)、ロイコボリン(フォリン酸、5−C
HOH4PteGlu、シトロボラム因子)またはWELLCOVORIN(ロ
イコボリンのカルシウム塩)、トランスフェリンまたはフェリチン。
【0940】 特定の実施形態において、本発明の治療剤は、精神医学的障害を処置するため
に使用される薬物と組み合わせて投与される。本発明の治療薬と共に投与され得
る精神医学的薬物としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:抗精神
病薬(例えば、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、フルフェ
ナジン、ハロペリドール、ロクサピン、メソリダジン、モリンドン、オランザピ
ン(olanzapine)、パーフェナジン、ピモジド、クエチアピン(qu
etiapine)、リスペリドン(risperidone)、チオリダジン
、チオチキセン、トリフルオペラジン、およびトリフルプロマジン)、抗躁薬(
例えば、カルバマゼピン、ジバルプロックスナトリウム、炭酸リチウム、および
クエン酸リチウム)、抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、ビ
ュープロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、
フルボキサミン、フルオキセチン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロ
チリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フェ
ネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン
、トリミプラミン、およびベンラファキシン)、抗不安薬(例えば、アルプラゾ
ラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラ
ゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、およびプラゼパム)、ならびに興奮薬(例
えば、d−アンフェタミン、メチルフェニデート、およびペモリン)。
【0941】 他の実施形態において、本発明の治療剤は、神経学的障害を処置するために使
用される薬剤と組み合わせて投与される。本発明の治療剤と共に投与される神経
学的薬剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:鎮痙薬(例えば
、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトスクシミド、フェノバルビタール、フェ
ニトイン、プリミドン、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェルバメ
ート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、チ
アガビン(tiagabine)、トピラマート、ゾニサミド、ジアゼパム、ロ
ラゼパム、およびクロナゼパム)、抗振せん麻痺薬(例えば、レボドパ/カルビ
ドパ、セレジリン、アマンチジン(amantidine)、ブロモクリプチン
、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、ベンズトロピン;ビペリデン
;エトプロパジン;プロシクリジン;トリヘキシフェニジル、トルカポン(to
lcapone))、およびALS治療薬(例えば、リルゾール(riluzo
le))。
【0942】 別の実施形態において、本発明の治療剤は、血管拡張剤および/またはカルシ
ウムチャネル遮断薬と組み合わせて投与される。本発明の治療剤と共に投与され
得る血管拡張剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アンギオ
テンシン変換酵素阻害薬(ACE)インヒビター(例えば、パパベリン、イソク
スプリン、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラ
プリラート、ホシノプリル、リジノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、
キナラプリル、ラミプリル、スピラプリル、トランドラプリル、およびナイリド
リン)、ならびにニトレート(例えば、イソソルビドジニトレート、イソソルビ
ドモノニトレート、およびニトログリセリン)。本発明の治療剤と組み合わせて
投与され得るカルシウムチャネル遮断薬の例としては、以下が挙げられるがこれ
らに限定されない:アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、
フルナリジン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、およ
びベラパミル。
【0943】 さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、他の治療レジメンまたは予防
レジメン(例えば、放射線治療)と組み合わせて投与される。
【0944】 本発明が前述の説明および実施例において詳細に記載される以外にも実施され
得ることは明らかである。本発明の多数の改変および変形が、上記の教示を考慮
して可能であり、そして添付の特許請求の範囲内である。
【0945】 発明の背景、詳細な説明、および実施例において引用される各書類(特許、特
許出願、雑誌文献、要約、実験室マニュアル、書籍、または他の開示)の全体の
開示が、本明細書に参考として援用される。さらに、本明細書と共に提出される
配列表のハードコピーおよび対応するコンピューターで読み取り可能な形式は、
両方ともその全体が本明細書中に参考として援用される。
【0946】 本発明の特定のTDCポリヌクレオチドおよびポリペプチド(抗体を含む)は
、米国仮出願番号第60/171,618号(これは、本明細書にその全体が参
考として援用される)に開示された。さらに、米国仮出願番号第60/171,
618号の配列表のハードコピーおよびコンピューターで読み取り可能な形式も
また、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0947】
【数2】 ATCC寄託番号PTA−1071 2頁 (カナダ) 出願人は、出願に基づきカナダ国特許が発行されるか、あるいは同出願が拒絶
または放棄されて回復され得なくなるかもしくは取り下げられるまでは、特許庁
長官(Commissioner of Patents)のみが、長官により
指名された独立の専門家に対してのみ出願中で言及された寄託済みの生物学的材
料のサンプルの供与を許可する旨を請求し、出願人は、国際出願の公表のための
規則上の準備が完了する前に、書面によりその旨を国際事務局に告知しなければ
ならない。
【0948】 (ノルウェー) 出願人はここにおいて、出願が(ノルウェー特許庁により)公開に付されるか
あるいは公開を経ずにノルウェー特許庁による決定を最終的に受けるまでは、サ
ンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。この旨
の請求は、ノルウェー特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公に
利用可能にされる時点以前に、出願人によりノルウェー特許庁に対してなされる
ものとする。そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサン
プルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする
。専門家は、ノルウェー特許庁により作成された公認専門家のリスト(list
of recognized experts)に記載された任意の者か、あ
るいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。
【0949】 (オーストラリア) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルの供与は、特許の付与前において、
あるいは出願の放棄(lapsing)、拒絶あるいは取り下げ前において、発
明に対し利害関係を有さない当業者である対象者(skilled addre
ssee)に対してのみ行われる旨を、告知するものである(オーストラリア国
特許法第3.25(3)号規定)。
【0950】 (フィンランド) 出願人はここにおいて、出願が(特許および統制委員会(National
Board of Patents and Regulations)により
)公開に付されるかあるいは公開を経ずに国立特許および法規委員会による決定
を最終的に受けるまでは、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行わ
れる旨を、請求する。
【0951】 (英国) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルは専門家に対してのみ利用可能にさ
れる旨を、請求する。この旨の請求は、出願の国際公表のための規則上の準備が
完了する前に、出願人により国際事務局に対してなされなければならない。 ATCC寄託番号PTA−1071 3頁 (デンマーク) 出願人はここにおいて、出願が(デンマーク特許庁により)公開に付されるか
あるいは公開を経ずにデンマーク特許庁による決定を最終的に受けるまでは、サ
ンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。この旨
の請求は、デンマーク特許法第22条および第33条(3)に基づき出願が公に
利用可能にされる時点以前に、出願人によりデンマーク特許庁に対してなされる
ものとする。そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者によるサン
プルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するものとする
。専門家は、デンマーク特許庁により作成された公認専門家のリスト(list
of recognized experts)に記載された任意の者か、あ
るいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり得る。
【0952】 (スウェーデン) 出願人はここにおいて、出願が(スウェーデン特許庁により)公開に付される
かあるいは公開を経ずにスウェーデン特許庁による決定を最終的に受けるまでは
、サンプルの供与は当該技術の専門家に対してのみ行われる旨を、請求する。こ
の旨の請求は、優先日から16ヶ月が経過するよりも前に、出願人により国際事
務局に対してなされるものとする(好ましくはPCT Applicant’s
GuideのVolume Iのannex Zに記載された書式PCT/R
O/134による)。そのような請求が出願人によりなされた場合は、第三者に
よるサンプルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表示するも
のとする。専門家は、スウェーデン特許庁により作成された公認専門家のリスト
(list of recognized experts)に記載された任意
の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり
得る。
【0953】 (オランダ) 出願人はここにおいて、オランダ特許の発行日まで、あるいは出願が拒絶、取
り下げあるいは放棄(lapsed)される日までは、特許法31F(1)の規
定に基づき、微生物は専門家へのサンプル供与の形でのみ行われる旨を、請求す
る。この旨の請求は、オランダ王国特許法の第22C条または第25条に基づき
出願が公に利用可能にされる日のうちいずれか早い方の日付よりも前に、出願人
によりオランダ工業所有権局に対して提出されるものとする。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 15/06 A61P 35/00 4H045 29/00 43/00 105 35/00 C07K 14/47 43/00 105 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 5/00 A 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 エプナー, ラインハルト アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザースバーグ, シェルバーン テ ラス ナンバー316 9906 (72)発明者 シ, ヤング アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザースバーグ, ウエスト サイド ドライブ 437, アパートメント 102 (72)発明者 ルーベン, スティーブン エム. アメリカ合衆国 メリーランド 20832, オルネイ, ヘリテイジ ヒルズ ドラ イブ 18528 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 DA02 EA02 HA11 HA17 4B064 AG01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA93Y AB01 BA01 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA08 BA19 BA20 BA21 BA22 CA18 CA53 DC50 ZA51 ZA66 ZA68 ZA81 ZB11 ZB21 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 EA20 EA50 FA74

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号Xとして示されるポリヌクレオチド、またはATCC寄託番号
    Zに含まれるcDNAによってコードされるポリヌクレオチド; (b)配列番号Yの生物学的に活性なポリペプチドフラグメント、またはAT
    CC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされる生物学的に活性な
    ポリペプチドフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド; (c)配列番号Yのポリペプチドエピトープ、またはATCC寄託番号Zに含
    まれるcDNA配列によってコードされるポリペプチドエピトープをコードする
    、ポリヌクレオチド; (d)(a)〜(c)において特定されるポリヌクレオチドのいずれか1つに
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし得るポリヌクレオチドであって、こ
    こで、該ポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみのヌクレオチド配列
    を有する核酸分子に、ストリンジェント条件下でハイブリダイズしない、ポリヌ
    クレオチド、 からなる群より選択されるポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 前記ポリヌクレオチドが、可溶性ポリペプチドをコードする
    ヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号Yとして同定される配列
    、またはATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされるポリ
    ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離された核
    酸分子。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号Xの全体のヌクレオチド
    配列、またはATCC寄託番号Zに含まれるcDNAを含む、請求項1に記載の
    単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項2に記載の単
    離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドがRNAである、請求項3に記載の単
    離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  9. 【請求項9】 遺伝子発現を制御する異種調節エレメントに作動可能に連結
    されている請求項1に記載の核酸分子を含む、組換え宿主細胞。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の宿主細胞からコードされたポリペプチド
    を発現する工程、および該ポリペプチドを回収する工程を包含する、ポリペプチ
    ドの産生方法。
  11. 【請求項11】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号Yとして示されるポリペプチド、またはcDNAによってコー
    ドされるポリペプチド; (b)配列番号Yのポリペプチドフラグメント、またはcDNAによってコー
    ドされるポリペプチド; (c)配列番号Yのポリペプチドエピトープ、またはcDNAによってコード
    されるポリペプチド;および (d)配列番号Yの改変体、 からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、
    単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号Yを有するポリペプチドを含む、請求項11に記
    載の単離されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の単離されたポリペプチドに特異的に結
    合する、単離された抗体。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の単離されたポリペプチドを発現する、
    組換え宿主細胞。
  15. 【請求項15】 単離されたポリペプチドを作製する方法であって、以下の
    工程: (a)該ポリペプチドが発現されるような条件下で、請求項14に記載の組換
    え宿主細胞を培養する工程;および (b)該ポリペプチドを回収する工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法によって産生される、ポリペプチ
    ド。
  17. 【請求項17】 医学的状態を予防、処置、または緩和する方法であって、
    治療有効量の請求項1に記載のポリヌクレオチドを、哺乳動物被験体に投与する
    工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 被験体において、病理学的状態、または病理学的状態に対
    する感受性を診断する方法であって、以下の工程: (a)請求項1に記載のポリヌクレオチドにおける変異の存在または非存在を
    決定する工程;および (b)該変異の存在または非存在に基づいて、病理学的状態、または病理学的
    状態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 被験体において、病理学的状態、または病理学的状態に対
    する感受性を診断する方法であって、以下の工程: (a)生物学的サンプルにおける請求項11に記載のポリペプチドの発現の存
    在または量を決定する工程;および (b)該ポリペプチドの発現の存在または量に基づいて、病理学的状態、また
    は病理学的状態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】 請求項11に記載のポリペプチドに対する結合パートナー
    を同定するための方法であって、以下の工程: (a)請求項11に記載のポリペプチドを結合パートナーと接触させる工程;
    および (b)該結合パートナーが該ポリペプチドの活性をもたらすか否かを決定する
    工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 請求項11に記載のポリペプチドの活性を改変する分子に
    ついてスクリーニングする方法であって、以下の工程: (a)該ポリペプチドを、アゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を有する
    と疑われる化合物と接触させる工程;および (b)該ポリペプチドの活性についてアッセイする工程; を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 医学的状態を予防、処置、または緩和する方法であって、
    治療有効量の請求項11に記載のポリヌクレオチドを、哺乳動物被験体に投与す
    る工程を包含する、方法。
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