JP2003525014A - Hivに対する抗体の検出および識別に有用な抗原構築物 - Google Patents

Hivに対する抗体の検出および識別に有用な抗原構築物

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Abstract

(57)【要約】 HIV-1分離株HAM112から得た単離されたHIV-1 O群envポリペプチド、ならびに(a)HIV-1 O群envポリペプチドおよびHIV-1 M群envポリペプチドのそれぞれの1以上の融合体を含む抗原構築物、および(b)追加的なO群配列(特に、分離株HAM112のgp41 IDR)を含有する他の抗原構築物を特許請求する。また、前記のものをコードするポリヌクレオチド配列、それを含む発現ベクター、それにより形質転換された宿主細胞ならびに本発明の抗原構築物を使用するイムノアッセイ方法およびキットを特許請求する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、一般に、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)M群、HIV-1 O群および
ヒト免疫不全ウイルス2型(HIV-2)に対する抗体の検出および識別のためのイム
ノアッセイに関する。より詳しくは、本発明は、そのようなアッセイにおける試
薬として有用な新規抗原構築物ならびにそのような抗原の調製に有用なポリヌク
レオチド、DNAクローン、発現ベクター、形質転換宿主細胞などに関する。
【0002】 患者におけるHIV感染の検出およびウイルス型の特徴づけは、典型的には、ア
ッセイにおいて試薬として使用する抗原と患者の血清中の循環抗体との高度に特
異的な相互作用に基づくイムノアッセイを用いて行なう。いくつかの抗原とは反
応するがその他の抗原とはより低い程度でしか反応しない又は全く反応しない患
者の抗体の免疫反応性は、存在するHIVの型および亜型の同定を可能にする。
【0003】 現在のところ、「M」および「O」群と称されるHIV-1の2つの主要な系統発生群
が存在する(G. Meyersら, Human Retroviruses and AIDS 1995, Los Alamos Na
tional Laboratory, Los Alamos, NM (1995))。さらに、HIV-1 M群分離株は、
互いに系統発生的にほぼ等距離にある亜群(A〜J)に分類される。M群分離株が
世界的に優勢である。HIV-1 O群の配列に関する最初の報告は、これらのウイル
スが、他のHIV-1亜群と同程度に密接に、チンパンジーウイルスと関連している
ことを示した。例えば、L.G. Gurtlerら, J. Virology 68:1581-1585 (1994); M
. Vanden Haeseveldeら, J. Virology 68:1586-1596 (1994); De Leysら, J. Vi
rology 64:1207-1216 (1990); DeLeysら, 米国特許第5,304,466号; L.G. G&uuml
;rtlerら, 欧州特許公開第591914 A2号を参照されたい。O群配列は、現在までに
記載されているHIV-1配列のなかで最も分岐している。HIV-1 O群株はアフリカ中
西部(カメルーン、赤道ギニア、ナイジェリアおよびガボン)に地域流行性を示
すが、O群分離株に感染した患者は、現在では、ベルギー、フランス、ドイツ、
スペインおよび米国で確認されている。例えば、R. DeLeysら, 前掲; P. Charne
auら, Virology 205:247-253 (1994); I. Loussert-Ajakaら, J. Virology 69:5
640-5649 (1995); H. Hamplら, Infection 23:369-370 (1995); A. Masら, AIDS
Res. Hum. Retroviruses 12:1647-1649 (1996); M. Petersら, AIDS 11:493-49
8 (1997)およびM.A. Rayfieldら, Emerging Infectious Diseases 2:209-212 (1
996)を参照されたい。
【0004】 HIV-1 M群の血清学の大部分は、発現されるウイルスタンパク質(抗原)(特
に、コアおよびエンベロープ(env)領域を含むもの)のアミノ酸配列により特
徴づけられる。この急速に突然変異するウイルスの種々の株間の場合と同様に、
これらの抗原は構造的および機能的に類似しているが、該抗原は、ある特定の抗
原に対する特異性において類似しているが同一ではない抗体を惹起する分岐(di
vergent)アミノ酸配列を有する。
【0005】 HIV-1感染の検出のための中心的血清学的標的の1つは、分子量41,000の膜貫通
タンパク質(TMP)である糖タンパク質41(gp41)である。gp41は、HIVに関して
血清反応陽性であるとみなされた個体において、強力かつ持続的な抗体応答を惹
起する高度に免疫原性のタンパク質である。このタンパク質に対する抗体は、血
清変換時に最初に出現するもののうちの1つである。エイズの無症候性患者また
はその臨床段階を示す患者における抗gp41抗体のほぼ普遍的な存在により示され
るとおり、gp41に対する免疫応答は、該疾患の経過の全体にわたり比較的強力な
まま維持されるらしい。gp41に対する抗体応答のかなりの割合は、gp41内の十分
に特徴づけられている免疫優性領域(IDR)に対するものである。
【0006】 アフリカからの個体において最初に見出されたウイルスであるHIV 2型(HIV-2
)による感染は、現在では、最初の流行地域である西アフリカ以外の人々におい
ても確認されており、西アフリカに住んだことがあるヨーロッパ人またはこの地
域からの人々と性的関係を持ったことがあるヨーロッパ人において報告されてい
る。例えば、A.G. Saimotら, Lancet i:688 (1987); M.A. Reyら, Lancet i:388
-389 (1987); A. Wernerら, Lancet i:868-869 (1987); G. Bruckerら, Lancet
i:223 (1987); K. Marquartら, AIDS 2:141 (1988); CDC, MMWR 37:33-35 (1987
); 著者不明, Nature 332:295 (1988)を参照されたい。HIV-2によるエイズの症
例は世界中で実証されている。HIV-1およびHIV-2株は、それらのコア抗原中に複
数の共通のエピトープを有するが、これらの2つのウイルスのエンベロープ糖タ
ンパク質は、それよりはるかに低い交差反応性を有することが、血清学的研究に
おいて示されている(F. Clavel, AIDS 1:135-140 (1987))。該エンベロープ抗
原のこの限られた交差反応性は、HIV-1に関する現在利用可能な血清学的アッセ
イが、HIV-2に対する抗体を有する個体からの或る血清と反応しなない理由を説
明すると考えられる(F. Denisら, J. Clin. Micro. 26:1000-1004 (1988))。
最近発行された米国特許第5,055,391号は、HIV-2ゲノムをマッピングしており、
該ウイルスを検出するためのアッセイを提供している。
【0007】 これらのウイルス株の大部分は、商業的に入手可能な診断試験を用いて容易に
同定され特徴づけられる。しかしながら、HIV-1(M群)および/またはHIV-2に
対する抗体の検出のために設計された現在入手可能なイムノアッセイがHIV-1 O
群に対する抗体の存在を検出し得るのかに関して、懸念が生じている(I. Louss
ert-Ajakaら, Lancet 343:1393-1394 (1994); C.A. Schableら, Lancet 344:133
3-1334 (1994); L. Gurtlerら, J. Virol. Methods 51:177-184 (1995))。現在
のところ、アフリカ中西部以外の患者でHIV-1 O群分離株に感染している者はほ
とんど見出されていないが、保健当局は、他の地域にもこの亜型が出現すること
を懸念している。
【0008】 そのため、単独で又は他の抗原と組合せてすべてのHIV-1(M群およびO群)お
よびHIV-2分離株および/または感染の認識を可能にする、イムノアッセイにお
ける使用に適した新規抗原が依然として必要とされている。
【0009】 (発明の概要) ある種のポリペプチドまたはそれらの組合せが、HIV-1 O群および他のHIVの感
染の検出に特に有用であることを、本発明において見出した。したがって、本発
明の第1の態様においては、HIV-1 O群分離株HAM112の完全長env領域を表す図1の
配列(配列番号61)より実質的になるアミノ酸配列を有する単離されたHIV-1 O
群envポリペプチドを開示する。同様に、前記完全長ポリペプチドの免疫反応性
部分を含んでなる単離されたHIV-1 O群envポリペプチド、およびそのようなポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドを開示する。
【0010】 本発明の第2の態様においては、第2 HIV-1 O群envポリペプチドと融合した第1
HIV-1 O群envポリペプチドを含んでなる抗原構築物を開示する。好ましくは、
そのような抗原構築物の第1ポリペプチドはgp120ポリペプチドであり、該第2ポ
リペプチドはgp41ポリペプチドであり、所望により、該gp41ポリペプチドの疎水
性領域の部分が、組換え産物として発現される場合の発現が促進されるように欠
失している。また、前記抗原構築物のなかで好ましいのは、該第1および第2 HIV
-1 O群envポリペプチドの少なくとも1つがHIV-1 O群分離株HAM112に由来するも
の、および該第1ポリペプチドがHIV-1 O群分離株HAM112のgp120タンパク質の免
疫反応性部分を含むものである。
【0011】 前記O群env構築物においては、該第1ポリペプチドは、図1に示す配列(配列番
号61)の残基1〜520より実質的になるアミノ酸配列またはその免疫反応性部分を
有していてもよい。短縮された好ましい第1ポリペプチドは、図1の配列(配列番
号61)の残基476〜520より実質的になるアミノ酸配列を有するものである。前記
ポリペプチドのいずれかと同様に、本発明の構築物中で使用する第2ポリペプチ
ドは、HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の免疫反応性部分であってもよ
く、所望により、HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の部分
は該第2ポリペプチドに存在していなくてもよい。特に、該欠失部分は、図1の配
列(配列番号61)の残基690〜715より実質的になるアミノ酸配列を有するgp41の
部分であってもよい。
【0012】 前記の第2ポリペプチドは、好ましくは、図1の配列(配列番号61)の残基521
〜873またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する。より詳しくは、
第2ポリペプチドは、図9(配列番号52)の残基47〜373より実質的になるアミノ
酸配列を有していてもよく、より好ましくは、該アミノ酸配列は、図7(配列番
号48)の残基47〜245より実質的になるものであってもよく、より一層好ましく
は、該アミノ酸配列は、図5(配列番号58)の残基47〜215より実質的になるもの
であってもよい。本発明のO群env構築物の代表例としては、構築物pGO-8PL、pGO
-8CKS、pGO-9PL、pGO-9CKS、pGO-11PLおよびpGO-11CKSならびにそれらの任意の
誘導体、変異体および類似体が挙げられる。
【0013】 本発明のもう1つの態様においては、少なくとも1つのO群envポリペプチドと少
なくとも1つのHIV-1 M群envポリペプチドとの融合体を含んでなる抗原構築物、
より好ましくは、 (a)第1 HIV-1 O群envポリペプチド、 (b)第2 HIV-1 O群envポリペプチド、 (c)第1 HIV-1 M群envポリペプチド、および (d)第2 HIV-1 M群envポリペプチド の融合体を含む抗原構築物を開示する。前記構築物中のHIV-1 M群ポリペプチド
はB亜型のHIV-1分離株に由来するものであってもよく、好ましくは、少なくとも
1つはHIV-1 M群分離株HXB2Rに由来する。これらのO群/M群env構築物のいずれか
においては、HIV-1 O群配列の少なくとも1つはHIV-1 O群分離株HAM112に由来す
るものであってもよい。
【0014】 より詳しくは、該第1 O群envポリペプチドおよび該第1 M群envポリペプチドは
共にgp120ポリペプチドであってもよく、該第2 O群envポリペプチドおよび該第2
M群envポリペプチドは共にgp41ポリペプチドであってもよい。発現を増強する
ために、gp41ポリペプチドの少なくとも1つの疎水性領域の部分を欠失させるこ
とが可能である。前記に含まれる抗原構築物は、 (a)該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、HIV-1 O群分離株HAM112のgp120
タンパク質の免疫反応性部分を含み、 (b)該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タ
ンパク質の免疫反応性部分を含み、 (c)該第1 HIV-1 M群envポリペプチドが、B亜型の第1 HIV-1 M群分離株のg
p120タンパク質の免疫反応性部分を含み、 (d)該第2 HIV-1 M群envポリペプチドが、B亜型の第2 HIV-1 M群分離株のg
p41タンパク質の免疫反応性部分を含むものである。これらのうちで好ましいの
は、B亜型の第1および第2 HIV-1 M群分離株構築物が同じでありHIV-1 M群分離株
HXB2Rである構築物、およびHIV-1 M群分離株HXB2Rのgp41タンパク質の疎水性領
域の部分が該第2 HIV-1 M群envポリペプチドに存在しない構築物である。
【0015】 好ましいO群/M群env構築物には、(a)該第1 HIV-1 M群envポリペプチドが、
図12の配列(配列番号108)の残基251〜292より実質的になるアミノ酸配列を有
し、(b)該第2 HIV-1 M群envポリペプチドが、図12の配列(配列番号108)の残
基293〜599またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有するものが含まれ
る。特に好ましいのは、該第2 HIV-1 M群envポリペプチドが、図12の配列(配列
番号108)の残基293〜492より実質的になるアミノ酸配列を有するものである。
【0016】 また、該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番号61)の残基1
〜520またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する前記O群/M群env構
築物も好ましく、特に、図1の配列(配列番号61)の残基476〜520より実質的に
なるアミノ酸配列を有する第1 HIV-1 O群envポリペプチドを含むものも好ましい
。該第2 HIV-1 O群envポリペプチドは、図1の配列(配列番号61)の残基521〜87
3またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有するものであってもよく、
所望により、HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の部分は該
第2 HIV-1 O群envポリペプチドに存在していなくてもよい。好ましい構築物は、
そのような第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図9(配列番号52)の残基47〜373
より実質的になるアミノ酸配列を有するものであり、より好ましいのは、該第2
HIV-1 O群envポリペプチドが、図7(配列番号48)の残基47〜245より実質的にな
るアミノ酸配列を有するものであり、より一層好ましいのは、該第2 HIV-1 O群e
nvポリペプチドが、図5(配列番号58)の残基47〜215より実質的になるアミノ酸
配列を有するものである。本発明のO群/M群env構築物の代表例としては、構築
物pGO-12CKS、pGO-13CKSおよびpGO-14PLならびにそれらの誘導体、変異体および
類似体が挙げられる。
【0017】 本発明の更にもう1つの態様においては、第1 HIV-1 envポリペプチド、第2 HI
V-1 envポリペプチドおよび少なくとも1つの追加的HIV-1ポリペプチドの融合体
を含む抗原構築物(特に、そのような各HIV-1 envポリペプチドがHIV-1 O群ポリ
ペプチドであるもの)を開示する。この構築物の第1 HIV-1 O群envポリペプチド
はgp120ポリペプチドであってもよく、該第2 HIV-1 O群envポリペプチドはgp41
ポリペプチドであってもよい。より詳しくは、この構築物の第1 HIV-1 O群envポ
リペプチドはHIV-1 O群分離株HAM112のgp120タンパク質の免疫反応性部分を含ん
でいてもよく、該第2 HIV-1 O群envポリペプチドはHIV-1 O群分離株HAM112のgp4
1タンパク質の免疫反応性部分を含んでいてもよい。
【0018】 これらの構築物のうち、該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配
列番号61)の残基1〜520またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する
ものが好ましく、より好ましいのは、該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1
の配列(配列番号61)の残基476〜520より実質的になるアミノ酸配列を有するも
のである。該第2 HIV-1 O群envポリペプチド(これは、図1の配列(配列番号61
)の残基521〜873またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有していても
よく、所望により、HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の部
分が該第2 HIV-1 O群envポリペプチドに存在していなくてもよい)に関しては、
その第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図9(配列番号52)の残基47〜373より実
質的になるアミノ酸配列を有するものが好ましい。より一層好ましいのは、図7
(配列番号48)の残基47〜245より実質的になるアミノ酸配列を有する第2 HIV-1
O群envポリペプチドを有するもの、特に、該アミノ酸配列が、図5(配列番号58
)の残基47〜215より実質的になるものである。
【0019】 これらのいずれかの構築物における追加的HIV-1ポリペプチドは、O群envポリ
ペプチドであってもよいが、それは、HIV-1 MもしくはO群またはHIV-2のいずれ
かからの免疫原性ポリペプチド(env、gag、pol、逆転写酵素および調節および
他のウイルス成分を含む)であってもよいと意図される。いずれの場合において
も好ましいのは、該追加的HIV-1 O群ポリペプチドがHIV-1 O群分離株HAM112のgp
41タンパク質の免疫反応性部分を含む構築物である。また、該追加的HIV-1 O群
ポリペプチドが、図1の配列(配列番号61)の残基521〜873またはその一部より
実質的になるアミノ酸配列を有するもの(所望により、HIV-1 O群分離株HAM112
のgp41タンパク質の疎水性領域は該追加的HIV-1 O群ポリペプチドに存在してい
なくてもよい)も好ましい。より一層好ましいのは、該追加的HIV-1 O群envポリ
ペプチドが、図9(配列番号52)の残基47〜373より実質的になるアミノ酸配列を
有する構築物であり、特に好ましいのは、該追加的HIV-1 O群envポリペプチドが
、図7(配列番号48)の残基47〜245より実質的になるアミノ酸配列を有するもの
、特に、該追加的HIV-1 O群envポリペプチドが、図5(配列番号58)の残基47〜2
15より実質的になるアミノ酸配列を有するものである。最も好ましいのは、図17
(配列番号120)の残基250〜281より実質的になるアミノ酸配列を有するHIV-1 O
群のいわゆる免疫優性領域(IDR)を該追加的HIV-1 O群envポリペプチドとして
有する構築物である。前記構築物の代表例としては、pGO-15CKSおよびpGO-15PL
ならびにそれらの任意の誘導体、変異体および類似体が挙げられる。
【0020】 本発明の更にもう1つの態様においては、第2 HIV-2 envポリペプチドと融合し
た第1 HIV-2 envポリペプチドを含んでなる抗原構築物(特に、該第1 HIV-2 env
ポリペプチドがgp120ポリペプチドであり、該第2 HIV-2 envポリペプチドがgp36
ポリペプチドであるもの)を開示する。そのような構築物のなかで好ましいのは
、 (a)該第1 HIV-2 envポリペプチドが、図11の配列(配列番号55)の残基24
8〜307またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有し、 (b)該第2 HIV-2 envポリペプチドが、図11の配列(配列番号55)の残基30
8〜466またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有するものである。本発
明のHIV-2構築物の代表例としては、pHIV-210(配列番号55)ならびにその任意
の誘導体、変異体および類似体が挙げられる。
【0021】 本発明の追加的な態様は、前記抗原構築物のいずれかをコードするポリヌクレ
オチド(該ポリヌクレオチドは、所望により、適当な宿主内での発現を指令しう
る制御配列に結合していてもよく、および/または、該発現宿主に適したコドン
の偏りを与えるように修飾されているコード配列を有していてもよい)を含む。
本発明の更に他の態様は、そのようなポリヌクレオチドを含んでなる発現ベクタ
ー、およびそれにより形質転換された宿主細胞(特に、該宿主は大腸菌(Escher
ichia. coli)である)を含む。
【0022】 本発明のもう1つの態様においては、試験サンプル中のHIV-1に対する抗体の検
出方法であって、 (a)本発明の少なくとも1つの抗原構築物と該試験サンプルとを一緒にして
混合物を得、 (b)該抗原に対して免疫学的に反応性であり該サンプル中に存在しうる抗
体と該抗原との複合体の形成に適した条件下、該混合物をインキュベートし、 (c)形成したいずれかの複合体の存在を検出する工程を含んでなる方法を
開示する。該方法の1つの実施形態においては、工程(c)における複合体の存在
の検出を、シグナル生成化合物が結合している本発明の追加的抗原構築物を使用
して行なう。もう1つの実施形態においては、特異的結合ペアの第1メンバーが結
合している本発明の追加的抗原構築物を使用して、さらに、シグナル生成化合物
が結合している特異的結合ペアの第2メンバーを含む指示試薬を使用して、検出
を行なう。もう1つの実施形態においては、工程(c)における複合体の存在の検
出を、工程(b)において形成した複合体に対する抗体(該抗体にはシグナル生
成化合物が結合している)を使用して行なう。さらにもう1つの実施形態におい
ては、工程(c)における複合体の存在の検出を、特異的結合ペアの第1メンバー
が結合している工程(b)において形成した複合体に対する抗体を使用して行な
う(そのような検出は、さらに、シグナル生成化合物が結合している特異的結合
ペアの第2メンバーを含む指示試薬の使用を必要とする)。
【0023】 本発明の最後の態様においては、本発明の抗原構築物を含んでなる、HIV-1に
対する抗体の検出のためのイムノアッセイキットを開示する。そのような構築物
は、捕捉試薬または指示試薬として使用することができる。あるいは、該抗原構
築物は、特異的結合ペアの第1メンバーに結合していてもよく、該キットは、シ
グナル生成化合物に結合した特異的結合ペアの第2メンバーを含む指示試薬をさ
らに含んでいてもよい。
【0024】 以下の発明の詳細な記載においては、後記で説明する添付図面を参照する。
【0025】 (発明の詳細な記載) 本発明の単離されたポリペプチドの1つの実施形態においては、HIV-1 O群分離
株HAM112のenvタンパク質のアミノ酸配列を図1(配列番号61)に示す。この場合
の「単離(された)」は、そのようなポリペプチドが、該タンパク質の実質的に
純粋な調製物にまで、通常はin situで存在する他のウイルスまたは細胞成分に
対して比較的に精製されていることを意味すると意図される。そのようなポリペ
プチドは、アッセイ試薬として、モノクローナルまたはポリクローナル抗体の製
造のために、ワクチンの製造などにおいて使用することができる。
【0026】 また、前記ポリペプチドの免疫反応性部分または断片も有用と考えられる。「
免疫反応性」は、宿主内で免疫応答を惹起しうる及び/又は特異的に抗体と反応
しうる程度の長さの部分を意味し、好ましくは、そのような部分的ポリペプチド
は、5アミノ酸長以上である。また、本発明で用いる「部分(一部)」なる語は
、末端トランケート化配列、および介在配列の除去により短縮された配列の両方
をさすことに注意すべきである。
【0027】 前記のポリペプチドおよび一部は、それをコードするポリヌクレオチドの発現
により最良に産生されるであろう。これらはまた、例えば、遺伝暗号の縮重、コ
ドンの偏り(該ポリペプチドを発現する宿主細胞に有利なもの)、および生じる
タンパク質における同類アミノ酸置換によるそれらの配列の変異性を許容する。
さらに、ある与えられたHIV-1分離株または他の系統発生単位の間で(そしてお
らくそれらの中においても)、ある程度の配列変異が生じると予想される。その
ため、本発明のポリペプチドおよび構築物は、前記配列と配列が同一であるもの
だけでなく、その示されている配列より実質的になるアミノ酸配列を有するもの
も含む(この場合の「実質的になる」なる語は、実質的に同じままである構造的
および機能的特徴を有する変異ポリペプチドを包含する意である)。好ましくは
、そのような変異体(または「類似体」)は、図1の参照配列に対して80%以上
の配列相同性(「同一性」)を有する。この点において、アミノ酸配列の「類似
性」を判定するための技術は、当技術分野でよく知られている。一般に、「類似
性」は、アミノ酸が、同一であるか、または類似した化学的および/または物理
的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する場合、適当な位置における2以上
のポリペプチドの厳密なアミノ酸対アミノ酸の類似(comparison)を意味する。
したがって、いわゆる「類似性の割合(%)」は、比較するポリペプチド配列の
間で決定することができる。また、核酸およびアミノ酸配列の同一性を判定する
ための技術は、当技術分野でよく知られており、その遺伝子のmRNAのヌクレオチ
ド配列を決定し(通常は、cDNA中間体を介して)、それにコードされるアミノ酸
配列を決定し、これともう1つのアミノ酸配列とを比較することを含む。一般に
、「同一性」は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の、それぞれ
、厳密なヌクレオチド対ヌクレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸の一致を意味す
る。2以上のポリヌクレオチド配列は、2以上のアミノ酸配列の場合と同様に、そ
れらの「同一性(%)」を決定することにより比較することができる。Wisconsi
n Sequence Analysis Package, Version 8(Genetics Computer Group, Madison
, WIから入手可能)において入手可能なプログラム、例えばGAPプログラムは、
それぞれ、2つのポリヌクレオチド間の同一性、ならびに2つのポリペプチド配列
間の同一性および類似性の両方を計算する能力を有する。配列間の同一性または
類似性を計算するための他のプログラムが、当技術分野で公知である。
【0028】 本発明のもう1つの実施形態においては、抗HIV-1抗体の検出における使用に適
した抗原構築物を提供する。後記でさらに詳しく説明するとおり、そのような構
築物は、組換え手段により、合成ペプチドなどとして製造することができる。さ
らに、それらは、それらを製造する方法および/または宿主細胞に応じて、グリ
コシル化または非グリコシル化されうる。そのため、本発明の抗原構築物は、糖
タンパク質を含むかのように称されるが(例えば、「gp120ポリペプチド」)、
細菌宿主(大腸菌(E. coli))内で発現され従って非グリコシル化形態である
ものを含むと意図される。
【0029】 前記の構築物は種々の配列の融合体である(すなわち、該構築物は、例えば共
発現、連結または逐次合成により、種々のエピトープ含有配列を結合させること
により得られる)ことに注意すべきである。また、発現(CKS)ポリリンカーお
よび他のリンカー配列などの他のポリペプチド配列を結合させたり、所望により
、それらを本発明の構築物に含めてもよい。それらの種々のポリペプチド配列の
順序は、それほど重要ではない。したがって、該ポリペプチドおよびそれらのエ
ピトープは、便宜上、再編成されているかもしれない。その他の修飾も可能であ
る。例えば、ある領域、例えばgp41疎水性領域(それの不存在下では、残りのポ
リペプチド部分の発現が増強されることが判明している)のランダム突然変異も
しくは部位特異的突然変異誘発または更には欠失(除去または省略)が可能であ
る。いずれの場合も、これらの修飾を受けたポリペプチドは、ほとんど同一ある
か実質的に変更されているかにかかわらず、それらのそれぞれの起源から「誘導
された(それに由来する)」と称されることが可能であり、得られたポリペプチ
ドは「誘導体」と称されることが可能である。
【0030】 本発明の更にもう1つの態様においては、試験サンプル中の抗HIV-1抗体の検出
において本発明の構築物を使用するアッセイ方法を提供する。そのような方法は
、生物学的試料の直接的な試験を可能にするが、該アッセイ方法はまた、予め加
工された試料、例えば血清、溶解細胞および抽出物またはそれらから得た調製物
(例えば、濃縮、希釈、分離、固定および/または固定化による)の試験が可能
となるように修飾することができる。また、所望のアッセイ様式(アッセイフォ
ーマット)に応じて、該抗原構築物を、例えば標識、固相上などへの固定化、他
のアッセイ試薬との共役により、そのようなアッセイでの使用のために修飾する
ことができる。
【0031】 本明細書で用いる一定の用語は特別の意義を有すると意図される。特に示さな
い限り、後記の用語は以下の意義を有するものとする。
【0032】 「プライマー」なる語は、標的ヌクレオチド配列に相補的であり該標的ヌクレ
オチド配列にハイブリダイズさせるのに使用する特定のオリゴヌクレオチド配列
を意味する。それは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼまたは逆転写酵素によ
り触媒されるヌクレオチドの重合の開始点として働く。
【0033】 本発明で用いる「ポリヌクレオチド」なる語は、リボヌクレオチドまたはデオ
キシリボヌクレオチドの、任意の長さのヌクレオチドの重合形態を意味する。こ
の用語は、該分子の一次構造のみをさす。したがって、該用語は、二本鎖および
一本鎖のDNAならびに二本鎖および一本鎖のRNAを含む。また、それは、該ポリヌ
クレオチドのメチル化体またはキャップ形成体などの修飾体、および非修飾形態
を含む。
【0034】 「コード(されている)(コード化)」は、ポリペプチド配列が核酸配列にコ
ードされていることを意味する。また、該配列にコードされているポリペプチド
で免疫学的に同定可能なポリペプチド配列も含まれる。したがって、本発明で特
許請求する「ポリペプチド」、「タンパク質」または「アミノ酸」配列は、後記
で特定する特定のポリペプチドまたはアミノ酸配列に対して少なくとも約60%の
類似性、好ましくは少なくとも約70%の類似性、最も好ましくは約80%の類似性
を有する。
【0035】 本明細書では互換的に用いることがある「組換えポリペプチド」または「組換
えタンパク質」なる語は、本来的に又は操作により、天然において伴われている
ポリペプチドの全部または一部が伴われていないポリペプチド、および/または
、天然で結合しているポリペプチド以外のポリペプチドに結合しているポリペプ
チドを意味する。組換え又はコード化ポリペプチドまたはタンパク質は、必ずし
も、示されている核酸配列から翻訳されるわけではない。また、それは、化学合
成または組換え発現系の発現を含む任意の方法で得ることができる。
【0036】 「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書中では互換的に用い、共
有結合および/または非共有結合で結合したアミノ酸の分子鎖を示す。これらの
用語は、特定の長さの該産物を意味するものではない。したがって、ポリペプチ
ドの定義には、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質が含まれる。これら
の用語は、該ポリペプチドの翻訳後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リ
ン酸化などを含む。また、タンパク質の断片、類似体、突然変異または変異タン
パク質、融合タンパク質などが、ポリペプチドの意義に含まれる。
【0037】 特定されているポリペプチドの「断片」は、その特定されているポリペプチド
に由来する少なくとも約3〜5アミノ酸、より好ましくは少なくとも約8〜10アミ
ノ酸、より一層好ましくは少なくとも約15〜20アミノ酸を含むアミノ酸配列を意
味する。
【0038】 本発明で用いる「合成ペプチド」なる語は、当業者によく知られている方法で
化学的に合成することが可能な、任意の長さのアミノ酸の重合形態を意味する。
これらの合成ペプチドは、種々の用途において有用である。
【0039】 「精製(された)ポリペプチド」は、関心のあるポリペプチドが天然において
伴われている細胞成分を実質的に含まない(すなわち、その約50%以上、好まし
くは約70%以上、より好ましくは約90%以上を含有しない)関心のあるポリペプ
チドまたはその断片を意味する。精製方法は当技術分野で公知である。
【0040】 「単離(された)」なる語は、該物質が、その元の環境(例えば、それが天然
に生じるものである場合には天然環境)から取り出されていることを意味する。
例えば、生きた動物中に存在する天然に生じるポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドは、単離されていないが、天然系中の共存物質の一部または全部から分離さ
れている同じポリヌクレオチドまたはDNAまたはポリペプチドは、単離されてい
る。そのようなポリヌクレオチドはベクターの一部となることが可能であり、お
よび/または、そのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部
となることが可能であり、それらもまた、該ベクターまたは組成物がその天然環
境の一部でないため単離されている。
【0041】 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養」お
よび単細胞体として培養される微生物または高等真核細胞系を示す他のそのよう
な用語は、組換えベクターまたは他の導入DNAのレシピエントとして使用しうる
又は使用されている細胞を意味し、トランスフェクトされた元の細胞の元の後代
(original progeny)を含む。
【0042】 本発明で用いる「レプリコン」は、細胞内でポリヌクレオチド複製の自律単位
として挙動するプラスミド、染色体、ウイルスなどの任意の遺伝要素を意味する
【0043】 「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが結合しているレプリコン
であり、例えば該結合セグメントの複製および/または発現を引き起こす。
【0044】 「制御配列」なる語は、それが結合しているコード配列の発現を引き起こすた
めに必要なポリヌクレオチド配列を意味する。そのような制御配列の性質は、宿
主生物によって異なる。原核生物では、そのような制御配列は、一般に、プロモ
ーター、リボソーム結合部位およびターミネーターを含み、真核生物では、その
ような制御配列は、一般に、プロモーター、ターミネーター、および場合によっ
てはエンハンサーを含む。したがって、「制御配列」なる語は、発現するために
存在することを要する全成分を最低限含むと意図され、また、存在すれば有利で
ある追加的な成分(例えば、リーダー配列)を含んでいてもよい。
【0045】 「作動的に結合」は、記載されている成分が、それらの意図される様態で機能
しうる関係で存在している状況を意味する。したがって、例えば、コード配列に
「作動的に結合」している制御配列は、該制御配列に適合しうる条件下で該コー
ド配列の発現が達成されるように連結されている。
【0046】 「コード配列」は、適当な調節配列の制御下に配置された場合に、mRNAに転写
されポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。該コード配列の境
界は、5’末端の翻訳開始コドンと、3′末端の1以上の翻訳停止コドンとにより
定められ、それらを含む。コード配列には、mRNA、cDNAおよび組換えポリヌクレ
オチド配列を含めることが可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0047】 「免疫学的に同定可能」なる語は、示されているポリペプチド中に存在しそれ
に特有なエピトープおよびポリペプチドの存在を意味する。免疫学的同一性は、
抗体結合および/または結合における競合により判定することができる。これら
の技術は、当業者に公知であり、本明細書にも記載されている。また、エピトー
プの特有性は、エピトープをコードするポリヌクレオチド配列に関するGenBank
などの公知データバンクのコンピューター検索により、また、他の公知タンパク
質とのアミノ酸配列の比較により判定することができる。
【0048】 本発明で用いる「エピトープ」は、ポリペプチドの抗原決定基を意味する。エ
ピトープは、該エピトープに特有の空間コンホメーションにおいて3個のアミノ
酸を含むことが可能である、と考えられる。一般に、エピトープは、少なくとも
5個のそのようなアミノ酸よりなり、通常、それは、少なくとも8〜10個のアミノ
酸よりなる。空間コンホメーションを調べる方法は、当技術分野で公知であり、
例えば、X線結晶解析および二次元核磁気共鳴を含む。
【0049】 「コンホメーションエピトープ」は、免疫学的に認識可能な構造のアミノ酸の
特異的な配置を含むエピトープであり、そのようなアミノ酸は、連続的または不
連続的な順序で同一ポリペプチド上に存在するか又は異なるポリペプチド上に存
在する。
【0050】 ポリペプチド内に含有される特異的エピトープの抗体認識により該ポリペプチ
ドが抗体に結合する場合、該ポリペプチドは抗体に対して「免疫反応性」である
。免疫反応性は、抗体結合により、より詳しくは抗体結合の速度論により、およ
び/または、該抗体に対するエピトープを含有する公知ポリペプチドを競合体と
して用いる結合における競合により測定することができる。ポリペプチドが抗体
に対して免疫反応性であるか否かを判定する方法は、当技術分野で公知である。
【0051】 「形質転換」なる語は、宿主細胞内に外因性ポリヌクレオチドを挿入すること
を意味し、その挿入に用いる方法には無関係である。例えば、直接取込み、形質
導入またはf接合が含まれる。外因性ポリヌクレオチドは、非組込みレプリコン
(例えば、プラスミド)として維持されることが可能であり、あるいは宿主ゲノ
ム内に組込まれることが可能である。
【0052】 「試験サンプル」なる語は、被検体(例えば、関心のある抗体または関心のあ
る抗原)の起源である個体の身体の成分を意味する。これらの成分は当技術分野
でよく知られている。これらの試験サンプルには、本明細書に記載の本発明の方
法により試験することができる生物学的サンプルが含まれ、ヒトおよび動物の体
液、例えば、全血、血清、血漿、脳脊髄液、尿、リンパ液、および気道、腸管お
よび尿生殖路の種々の外分泌物、涙、唾液、乳、白血球、骨髄腫など;生物学的
流体、例えば、細胞培養上清;固定しうる組織試料;および固定しうる細胞試料
が含まれる。
【0053】 「精製(された)産物」は、該産物が通常伴っている細胞構成成分から、また
、関心のあるサンプル中に存在しうる他の型の細胞から単離されている産物の調
製物を意味する。
【0054】 本発明は、特異的結合メンバーを使用するアッセイを提供する。本発明で用い
る「特異的結合メンバー」は、特異的結合ペアのメンバーである。すなわち、2
つの異なる分子のうちの一方が、化学的または物理的手段により、もう一方の分
子に特異的に結合する。したがって、一般的なイムノアッセイの抗原および抗体
特異的結合ペアに加えて、他の特異的結合ペアとして、ビオチンおよびアビジン
、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよび受容
体分子、補因子および酵素、酵素阻害剤および酵素などを含めることができる。
さらに、特異的結合ペアには、元の特異的結合メンバーの類似体(例えば、被検
体類似体)であるメンバーを含めることができる。免疫反応性特異的結合メンバ
ーには、組換えDNA分子により形成されたものを含む、抗原、抗原断片、抗体お
よび抗体断片(モノクローナルおよびポリクローナルの両方ならびにそれらの複
合体)が含まれる。
【0055】 本発明で用いる「捕捉試薬」は、サンドイッチアッセイにおいては該被検体に
特異的な、あるいは競合アッセイにおいては指示試薬に特異的な、あるいは間接
アッセイにおいては補助的特異的結合メンバー(それ自体は、該被検体に特異的
である)に特異的な未標識の特異的結合メンバーを意味する。該アッセイの実施
前または該アッセイの実施中に、該捕捉試薬を固相材料に直接的または間接的に
結合させて、試験サンプルから固定化複合体を分離できるようにすることが可能
である。
【0056】 「指示試薬」は、特異的結合メンバーに共役(「付加」)している、外的手段
により検出可能な測定可能なシグナルを生成する能力を有し該シグナルを生成す
る「シグナル生成化合物」(「標識」)を含む。本発明で用いる「特異的結合メ
ンバー」は、特異的結合ペアのメンバーを意味する。すなわち、2つの異なる分
子のうちの一方が、化学的または物理的手段により、もう一方の分子に特異的に
結合する。該指示試薬は、特異的結合ペアの抗体メンバーであることに加えて、
ハプテン−抗ハプテン系(例えば、ビオチンまたは抗ビオチン、アビジンまたは
ビオチン、炭水化物またはレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターま
たは受容体分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤または酵素など)を含む任
意の特異的結合ペアのメンバーとなることも可能である。免疫反応性の特異的結
合メンバーは、サンドイッチアッセイにおける関心のあるポリペプチド、または
競合アッセイにおける捕捉試薬、または間接アッセイにおける補助的特異的結合
メンバーのいずれかに結合する能力を有する抗体、抗原または抗体/抗原複合体
でありうる。
【0057】 意図される種々の「シグナル生成化合物」(標識)には、発色性物質、触媒(
例えば、酵素)、発光性化合物(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、
化学発光性化合物(例えば、ジオキセタン、アクリジニウム、フェナントリジニ
ウムおよびルミノール)、放射性元素および直接可視標識が含まれる。酵素には
、例えば、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β
-ガラクトシダーゼなどが含まれる。個々の標識の選択は、決定的に重要ではな
いが、それは、それ自体で又は1以上の追加的物質と共にシグナルを生成する能
力を有するものであろう。
【0058】 「固相」(「固体支持体」)は、当業者に公知であり、反応トレーのウェルの
壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁性ビーズ、ニトロセルロース小片、膜、微
粒子(例えば、ラテックス粒子)、ヒツジ(または他の動物の)赤血球およびDu
racytes(登録商標)(Abbott Laboratories, Abbott Park, ILから入手可能な、
ピルビン酸アルデヒドおよびホルムアルデヒドで「固定」された赤血球)などを
含む。「固相」は決定的に重要なものではなく、当業者であれば選択することが
可能である。例えば、ラテックス粒子、微粒子、磁性または非磁性ビーズ、膜、
プラスチック管、マイクロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコンチップ、
ヒツジ(または他の適当な動物の)赤血球およびDuracytes(登録商標)はすべて
、適当な具体例である。ペプチドを固相上に固定化するための適当な方法には、
イオン、疎水性、共有結合相互作用などが含まれる。本発明で用いる「固相」は
、不溶性であるか又は後続の反応で不溶性にすることができる任意の材料を意味
する。固相は、捕捉試薬を誘引し固定化するその固有能力に関して選択すること
ができる。あるいは、固相は、捕捉試薬を誘引し固定化する能力を有する追加的
な受容体を保有することが可能である。追加的な受容体には、捕捉試薬自体とは
反対に荷電した、あるいは捕捉試薬に共役した荷電物質とは反対に荷電した荷電
物質を含めることが可能である。あるいはまた、該受容体分子は、特異的結合反
応により捕捉試薬を固定化する能力を有し固相上に固定化(付加)されている任
意の特異的結合メンバーであってもよい。該受容体分子は、アッセイの実施前ま
たはアッセイの実施中に捕捉試薬が固相材料に間接的に結合するのを可能にする
。したがって、固相は、プラスチック、誘導プラスチック、磁性または非磁性金
属、試験管のガラスまたはシリコン表面、マイクロタイターウェル、シート、ビ
ーズ、微粒子、チップ、ヒツジ(または他の適当な動物の)赤血球、Duracytes
(登録商標)および当業者に公知の他の形態であってもよい。
【0059】 検出抗体の接近を許容するのに十分な多孔性と、抗原を結合させる適当な表面
親和性とを有する、適当な任意の多孔性材料を、固相が含むことも可能であると
意図され、そのような場合も本発明の範囲内に含まれる。多孔性構造が一般に好
ましいが、水和化状態のゲル構造を有する材料も使用できる。そのような有用な
固体支持体には、ニトロセルロースおよびナイロンが含まれるが、これらに限定
されるものではない。本明細書に記載のそのような多孔性固体支持体は、好まし
くは、約0.01〜0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚さのシートの形態であると意図さ
れる。該孔径は、広範囲の値を取ることが可能であり、好ましくは約0.025〜15
ミクロン、特に好ましくは約0.15〜15ミクロンである。そのような支持体の表面
は、該支持体に対する抗原または抗体の共有結合を引き起こす化学的方法により
活性化することができる。しかしながら、一般には、十分には理解されていない
疎水性力による多孔性材料上での吸着により、抗原または抗体の不可逆的結合を
得る。他の適当な固体支持体は、当技術分野で公知である。
【0060】 本発明は、関心のあるヒト免疫不全ウイルスに由来するポリヌクレオチド配列
およびそれにコードされるポリペプチドを提供する。該ポリヌクレオチドは、mR
NAまたはDNAの形態であってもよい。DNA、cDNA、ゲノムDNAおよび合成DNAの形態
のポリヌクレオチドは、本発明の範囲内に含まれる。該DNAは、二本鎖または一
本鎖であってもよく、一本鎖である場合には、コード(センス)鎖または非コー
ド(アンチセンス)鎖であってもよい。該ポリペプチドをコードするコード配列
は、本発明で提供するコード配列と同一であってもよく、遺伝暗号の重複または
縮重の結果、本発明で提供するDNAと同じポリペプチドをコードする異なるコー
ド配列であってもよい。
【0061】 このポリヌクレオチドは、該ポリペプチドのコード配列のみを含んでいたり、
あるいは該ポリペプチドのコード配列と追加的なコード配列(例えば、リーダー
または分泌配列またはプロタンパク質配列)とを含んでいたり、あるいは該ポリ
ペプチドのコード配列(および所望により追加的なコード配列)と非コード配列
(例えば、該ポリペプチドのコード配列の5′および/または3′側の非コード配
列)とを含んでいてもよい。
【0062】 また、本発明は、ポリヌクレオチドの欠失、置換または付加などの修飾を含有
する変異ポリヌクレオチド、および該変異ポリヌクレオチド配列から生じる任意
のポリペプチド修飾体を含む。また、本発明のポリヌクレオチドは、本発明で提
供するコード配列の天然に生じる対立遺伝子変異体であるコード配列を有してい
てもよい。
【0063】 さらに、該ポリペプチドのコード配列は、宿主細胞におけるポリペプチドの発
現および分泌を補助するポリヌクレオチド配列(例えば、細胞からのポリペプチ
ドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列)に、同じリー
ディングフレームで融合させることができる。リーダー配列を有するポリペプチ
ドはプレタンパク質であり、それは、該ポリペプチドを形成するために宿主細胞
により切断されるリーダー配列を有していてもよい。また、該ポリヌクレオチド
は、該タンパク質と追加的な5′アミノ酸残基とを含むプロタンパク質をコード
していてもよい。プロ配列を有するタンパク質は、プロタンパク質であり、場合
によっては、該タンパク質の不活性形態であってもよい。プロ配列が切断される
と、活性タンパク質が残される。したがって、本発明のポリヌクレオチドは、タ
ンパク質をコードしたり、あるいはプロ配列を有するタンパク質をコードしたり
、あるいはプレ配列(リーダー配列)とプロ配列とを有するタンパク質をコード
してもよい。
【0064】 また、本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドの精製を可能にす
るマーカー配列とインフレームで融合したコード配列を有していてもよい。該マ
ーカー配列は、細菌宿主の場合には、該マーカーと融合したポリペプチドの精製
をもたらすための、pQE-9ベクターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであ
ることが可能であり、あるいは例えば、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞系)
を使用する場合には、該マーカー配列は赤血球凝集素(HA)タグであることが可
能である。HAタグは、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトー
プに対応する。例えば、I. Wilsonら, Cell 37:767 (1984)を参照されたい。
【0065】 本発明はさらに、本発明で提供する推定アミノ酸配列を有するHIV-1ポリペプ
チド、ならびにそのようなポリペプチドの断片、類似体および誘導体に関する。
本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然の精製ポリペプチドまたは
合成ポリペプチドであってもよい。そのようなポリペプチドの断片、誘導体また
は類似体は、該アミノ酸残基の1以上が同類アミノ酸残基または非同類アミノ酸
残基(好ましくは、同類アミノ酸残基)で置換されているものであってもよい。
そのような置換アミノ酸残基は、遺伝暗号によりコードされていてもコードされ
ていなくてもよい。あるいはそれは、該アミノ酸残基の1以上が置換基を含むも
のであってもよい。あるいはそれは、該ポリペプチドが別の化合物(例えば、該
ポリペプチドの半減期を増加させる化合物、例えばポリエチレングリコール)に
融合しているものであってもよい。あるいはそれは、追加的なアミノ酸(例えば
、リーダーもしくは分泌配列、または該ポリペプチドの精製のために使用する配
列、またはプロタンパク質配列)が該ポリペプチドに融合しているものであって
もよい。そのような断片、誘導体および類似体は、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは、単離(好ましく
は精製)された形態で提供される。
【0066】 したがって、本発明のポリペプチドは、天然に生じるポリペプチドのアミノ酸
配列と同じであるか又は1以上のアミノ酸の置換による小さな変異により異なる
アミノ酸配列を有していてもよい。該変異は、典型的には、約1〜5アミノ酸の範
囲の「同類変化」であることが可能であり、この場合、該置換アミノ酸は、類似
した構造的または化学的特性を有する(例えば、ロイシンからイソロイシンへの
置換またはトレオニンからセリンへの置換)。これに対して、変異には、非同類
変化(例えば、グリシンからトリプトファンへの置換)を含めることができる。
また、類似した小さな変異には、アミノ酸の欠失または挿入またはそれらの両方
を含めることができる。生物学的または免疫学的活性の変化を引き起こさずに置
換し、挿入し又は欠失させるアミノ酸の種類および個数を決定する際の指針は、
当技術分野でよく知られているコンピュータープログラム、例えばDNASTARソフ
トウェア(DNASTAR Inc., Madison WI)を用いて得ることができる。
【0067】 本発明の組換えポリペプチドは、後記に示すとおりに製造できるほかに、その
他の多数の方法に従い、種々の宿主細胞および発現ベクターを使用して製造する
ことができる。宿主細胞は、クローニングベクターまたは発現ベクターであるこ
とが可能な本発明のベクターで遺伝的に操作(形質導入または形質転換またはト
ランスフェクト)する。該ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファージな
どの形態であることが可能である。操作された宿主細胞は、プロモーターを活性
化し形質転換細胞を選択し又はHIVに由来する(HIV由来)遺伝子を増幅するため
に必要に応じて改変された通常の栄養培地中で培養することができる。温度、pH
などの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で既に用いられているもの
であり、当業者には明らかなものである。
【0068】 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によるポリペプチドの製造に使用す
ることができる。したがって、ポリペプチドを発現させるためのいずれか1つの
種々の発現ビヒクル(特に、ベクターまたはプラスミド)中に該ポリヌクレオチ
ド配列を含めることが可能である。そのようなベクターには、染色体、非染色体
および合成DNA配列、例えば、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、酵
母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ウ
イルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂
犬病ウイルス)が含まれる。しかしながら、宿主内で増殖可能かつ生存可能であ
る限り、他の任意のプラスミドまたはベクターを使用することも可能である。
【0069】 適当なDNA配列を、種々の方法によりベクター中に挿入することができる。一
般には、該DNA配列を、当技術分野で公知の方法により、適当な制限エンドヌク
レアーゼ部位内に挿入する。そのような方法および他の方法は、当業者の技量の
範囲内であると考えられる。該発現ベクター中のDNA配列は、mRNA合成を指令す
る適当な発現制御配列(プロモーター)に作動的に結合させる。そのようなプロ
モータの代表例には、LTRまたはSV40プロモーター、大腸菌(E. coli)lacまた
はtrp、ファージλP subLプロモーター、および原核性もしくは真核性細胞また
はそれらのウイルス内で遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモ
ーターが含まれるが、これらに限定されるものではない。発現ベクターはまた、
翻訳の開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含有する。
該ベクターはまた、発現の増幅のための適当な配列を含むことが可能である。さ
らに、該発現ベクターは、好ましくは、形質転換宿主細胞の選択のための表現型
形質(例えば、真核細胞培養におけるジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオマイ
シン耐性、または大腸菌(E. coli)におけるテトラサイクリンまたはアンピシ
リン耐性)を与える遺伝子を含有する。
【0070】 前記の適当なDNA配列と適当なプロモーターまたは制御配列とを含有するベク
ターを使用して、適当な宿主を形質転換して、該宿主が該タンパク質を発現でき
るようにすることが可能である。適当な宿主の代表例としては、細菌細胞、例え
ば大腸菌(E. coli)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimuriu
m);ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.);真菌細胞、例えば
酵母;昆虫細胞、例えばショウジョウバエおよびSf9;動物細胞、例えばチャイ
ニーズハムスター卵巣(CHO)、COSまたはBowes黒色腫;植物細胞などが挙げら
れる。適当な宿主の選択は、本明細書の教示に基づけば当業者の技量の範囲内に
含まれると考えられる。
【0071】 より詳しくは、本発明はまた、前記で広く記載されている配列の1以上を含ん
でなる組換え構築物を含む。該構築物は、本発明の配列が順配向または逆配向で
挿入されているベクター(例えば、プラスミドまたはウイルスベクター)を含む
。この実施形態の好ましい態様では、該構築物はさらに、該配列に作動的に結合
した調節配列(例えば、プロモーターなど)を含む。多数の適当なベクターおよ
びプロモーターが当業者に公知であり、商業的に入手可能である。以下のベクタ
ーを例示する:細菌性:pINCY(Incyte Pharmaceuticals Inc., Palo Alto, CA
)、pSPORT1(Life Technologies, Gaithersburg, MD)、pQE70、pQE60、pQE-9
(Qiagen)pBs、phagescript、psiX174、pBluescript SK、pBsKS、pNH8a、pNH16
a、pNH18a、pNH46a(Stratagene);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pR
IT5(Pharmacia);真核性:pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene
)pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかしながら、宿主内で複製可能で
生存可能である限り、他の任意のプラスミドまたはベクターを使用することが可
能である。
【0072】 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベク
ターまたは選択マーカーを有する他のベクターを使用して、所望の任意の遺伝子
から選択することができる。2つの適当なベクターとして、pKK232-8およびpCM7
が挙げられる。挙げられる個々の細菌性プロモーターには、lacI、lacZ、T3、SP
6、T7、gpt、λP sub R、P sub L、およびtrpが含まれる。真核性プロモーター
には、サイトメガロウイルス(CMV)前初期、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミ
ジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウス
メタロチオネインIが含まれる。適当なベクターおよびプロモーターの選択は、
当業者の技量の範囲内に十分に含まれるものである。
【0073】 本発明で用いる宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核細胞、または酵母細
胞などの下等真核細胞であることが可能であり、あるいは該宿主細胞は、細菌細
胞などの原核細胞であることが可能である。該宿主細胞内への該構築物の導入は
、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランス
フェクションまたはエレクトロポレーション(L. Davisら,“Basic Methods in
Molecular Biology”, 第2版, Appleton and Lang, Paramount Publishing, Eas
t Norwalk, CT [1994])により行なうことができる。
【0074】 宿主細胞内の構築物は、該組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生さ
せるために常法で使用することができる。あるいは、本発明のポリペプチドは、
通常のペプチド合成装置により合成的に製造することができる。
【0075】 組換えタンパク質は、適当なプロモーターの制御下、哺乳動物細胞、酵母、細
菌または他の細胞内で発現させることができる。また、本発明のDNA構築物に由
来するRNAを使用してそのようなタンパク質を製造するために、無細胞翻訳系を
使用することができる。原核性または真核性宿主と共に使用するための適当なク
ローニングおよび発現ベクターは、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual, 第2版 (Cold Spring Harbor, N.Y., 1989)(それを参照により本明
細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0076】 本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、該ベク
ター中にエンハンサー配列を挿入することにより増強される。エンハンサーは、
プロモーターに作用してその転写を増強する、通常約10〜300bpのシス作用性のD
NA要素である。具体例には、複製起点の後期側(bp100〜270)のSV40エンハンサ
ー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側の
ポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
【0077】 一般には、組換え発現ベクターは、複製起点、宿主細胞の形質転換を可能にす
る選択マーカー(例えば、大腸菌(E. coli)のアンピシリン耐性遺伝子および
エス・セレビシエ(S. cerevisiae)TRP1遺伝子)、および下流の構造配列の転
写を指令するための、高度に発現される遺伝子に由来するプロモーターを含むで
あろう。そのようなプロモーターは、とりわけ3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(
PGK)、α因子、酸性ホスファターゼまたは熱ショックタンパク質などの解糖酵
素をコードするオペロンに由来するものであってもよい。該異種構造配列を、翻
訳開始配列および終結配列、および好ましくは、周辺腔または細胞外培地中への
翻訳タンパク質の分泌を指令しうるリーダー配列と、適当な段階で合体させる。
所望により、該異種配列は、所望の特性(例えば、発現された組換え産物の安定
化または簡便な精製)を付与するN末端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコ
ードしていてもよい。
【0078】 細菌において使用するための有用な発現ベクターは、適当な翻訳開始および終
結シグナルと共に所望のタンパク質をコードする構造DNA配列を、機能的プロモ
ーターに対して作動可能な読取りが一致するように挿入することにより構築する
。該ベクターは、該ベクターの維持を保証し、所望により該宿主内での増幅をも
たらすための、1以上の形質選択マーカーと複製起点とを含むであろう。形質転
換のための適当な原核性宿主には、大腸菌(E. coli)、バシラス・サチリス(B
acillus subtilis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium
)、およびシュードモナス(Pseudomonas)属、ストレプトマイセス(Streptomy
ces)属およびスタヒロコッカス(Staphylococcus)属内の種々の種が含まれる
が、その他の原核性宿主を通常の選択物として使用することも可能である。
【0079】 細菌において使用するための有用な発現ベクターは、選択マーカーおよび細菌
性複製起点(よく知られたクローニングベクターpBR322(ATCC37017)の遺伝要
素を含むプラスミドに由来するもの)を含む。他のベクターには、PKK223-3(Ph
armacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)およびGEM1(Promega Biotec, Mad
ison, WI)が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのpBR322「
バックボーン」切片を、適当なプロモーターおよび発現させる構造配列と合体さ
せる。
【0080】 適当な宿主を形質転換し、該宿主を適当な細胞密度まで増殖させた後、選択さ
れたプロモーターを適当な手段(例えば、温度変化または化学的誘導)により抑
制解除し、細胞を更に一定期間培養する。細胞は、典型的には、遠心分離により
収穫し、物理的または化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製
のために保存する。タンパク質の発現において使用した微生物細胞は、凍結融解
サイクル、音波処理、機械的破壊または細胞溶解剤の使用を含む簡便な任意の方
法で破壊することができる。そのような方法は、当業者によく知られている。
【0081】 組換えタンパク質を発現させるためには、種々の哺乳動物細胞培養系を使用す
ることができる。哺乳動物発現系には、例えば、Gluzman, Cell 23:175 (1981)
に記載のサル腎線維芽細胞のCOS-7系、および和合性ベクターを発現する能力を
有する他の細胞系(例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系)が含まれ
る。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適当なプロモーターおよびエンハンサ
ーならびに必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス
供与および受容部位、転写終結配列、5′フランキング非転写配列、および選択
マーカー(例えば、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子)を含むであ
ろう。SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列(例えば、SV40起点、初期プロモ
ーター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位)を使用して、必
要な非転写遺伝要素を得ることが可能である。代表的で有用なベクターには、pR
c/CMVおよびpcDNA 3(Invitrogen, San Diego, CAから入手可能)が含まれる。
【0082】 硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグ
ラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラ
フィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーまたはレクチンクロマトグラ
フィーなどの公知方法により、HIV由来ポリペプチドを組換え細胞培養物から回
収し、精製する。精製中に存在するカルシウムイオンを低濃度(約0.1〜5mM)に
するのが好ましい(Priceら, J. Biol. Chem. 244:917 [1969])。該ポリペプチ
ドの立体配置を完全なものにする際に、必要に応じて、タンパク質のリフォール
ディング工程を行なうことが可能である。最後に、最終精製工程として高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)を行なうことができる。
【0083】 本発明のポリペプチドは、高発現細胞系から発現された天然に精製された産物
、または化学方合成法により又は原核性もしくは真核性宿主から(例えば、培養
における細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞により)組換え技術で
得られた産物であってもよい。組換え製造法で使用する宿主に応じて、本発明の
ポリペプチドは、哺乳動物または他の真核生物の炭水化物でグリコシル化された
り、あるいは非グリコシル化されうる。また、本発明のポリペプチドは、開始メ
チオニンアミノ酸残基を含むこともあろう。
【0084】 本発明はさらに、グリコシル化が排除された(酵母、昆虫または哺乳動物発現
系における該タンパク質の、減少した炭水化物形態の発現は許容される)組換え
ポリペプチドの修飾形態を含む。グリコシル化部位を不活性化するための公知方
法には、米国特許第5,071,972号およびEP 276,846(それらを参照により本明細
書に組み入れることとする)に記載されているものが含まれるが、これらに限定
されるものではない。
【0085】 本発明に含まれる他の変異体には、該タンパク質産物の生物活性を減少させる
不適当な分子内ジスルフィド架橋の形成を妨げるためにシステイン残基をコード
する配列を除去することにより得られるものが含まれる。また、本発明の構築物
は、問題のあるプロテアーゼ(例えば、酵母におけるKEX2プロテアーゼ)を含有
する系における発現を可能にするためにタンパク質分解プロセシングの部位を除
去することにより製造することができる。そのようなプロテアーゼ部位を除去す
るための公知方法には、EP 212,914に記載のKEX2部位を除去するための1つの方
法が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0086】 本発明は、オリゴマー、二量体、三量体およびより高次のオリゴマーの形態の
前記ペプチドを含む。オリゴマーは、ペプチド間のジスルフィド結合、ペプチド
間の非共有相互作用およびペプチド間のポリエチレングリコール連結を含む(こ
れらに限定されるものではない)いくつかの手段により形成させることができる
【0087】 オリゴマーを促進しうるペプチドリンカーまたはペプチドに対する前記ペプチ
ドの融合体も、本発明に含まれる。そのようなペプチドには、ロイシンジッパー
および抗体に由来するペプチド(例えば、“Construction of Immunoglobin Fus
ion Proteins”, Current Protocols in Immunology, Supplement 4, pgs 10.19
.1-10.19.11 (1992) John Wiley and sons, New York, NYに記載のもの)が含ま
れるが、これらに限定されるものではない。
【0088】 出発プラスミドは、入手可能なプラスミドから、公開されている公知方法に従
い構築することができる。さらに、記載されているものと同等のプラスミドが、
当技術分野において公知であり、当業者には明らかであろう。
【0089】 組換え細胞の均一培養が得られたら、多量の組換え産生タンパク質を、ならし
培地から回収し、当技術分野でよく知られているクロマトグラフィー法で分析す
ることができる。多量の分泌タンパク質のもう1つの製造法は、哺乳動物胚の形
質転換、およびトランスジェニックウシ、ヤギ、ヒツジなどが産生する乳から該
組換えタンパク質を回収することを含む。ポリペプチド、および密接に関連して
いる分子は、タンパク質の精製を容易にするような方法で組換え的に発現させる
ことができる。1つのアプローチは、ヒトポリペプチド上に天然には存在しない1
以上の追加的ポリペプチドドメインを含むキメラタンパク質の発現を含む。精製
を容易にするそのようなドメインには、固定化された金属上での精製を可能にす
る金属キレート化ペプチド(例えば、ヒスチジン-トリプトファンドメイン)、
固定化された免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、お
よびFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immunex Corp, Seattle, WA)で使用さ
れるドメインが含まれるが、これらに限定されるものではない。切断可能なリン
カー配列、例えばXA因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego, CA
から入手可能)を該ポリペプチド配列と該精製ドメインとの間に含有させること
は、該ポリペプチドの回収に有用かもしれない。
【0090】 前記の組換え抗原は、直接および間接アッセイを含む(それらに限定されるも
のではない)種々のイムノアッセイ様式において使用されると意図され、本発明
の範囲内に含まれる。該抗原をそのような種々の様式に適合させるための手段(
例えば、標識または巨大分子への共役、または適当な支持体表面上での固定化に
よるもの)は、十分に理解されており、当業者によく知られているはずである。
【0091】 例えば、本発明のポリペプチド(それらの断片、誘導体および類似体を含む)
またはそれらを発現する細胞は、HIV(および抗体を産生する免疫原)に対する
抗体の検出のために使用することができる。これらの抗体は、例えば、ポリクロ
ーナルもしくはモノクローナル抗体、キメラ、一本鎖およびヒト化抗体およびFa
b断片、またはFab発現ライブラリーの産物であることが可能である。そのような
抗体および断片の産生のためには、当技術分野で公知の種々の方法を用いること
ができる。
【0092】 さらに、本発明の配列に対応するポリペプチドに対して産生される抗体は、該
ポリペプチドを動物に直接注入することにより、あるいは該ポリペプチドを動物
(例えば、マウス、ウサギ、ヤギまたはヒト)に投与することにより得ることが
できる。マウス、ウサギまたはヤギが好ましい。ついで、そのようにして得た抗
体は、該ポリペプチド自体に結合することとなる。このように、該ポリペプチド
の断片だけをコードする配列でさえ、天然ポリペプチドに結合する抗体を産生さ
せるために使用することができる。ついで、そのような抗体を使用して、そのポ
リペプチドを含有する疑いのある組織などの試験サンプルから該ポリペプチドを
単離することができる。モノクローナル抗体の製造には、連続継代細胞株培養に
より産生される抗体を与える任意の技術を用いることができる。具体例には、Ko
hlerおよびMilstein, Nature 256:495-497 (1975)に記載のハイブリドーマ技術
、トリオーマ技術、Kozborら, Immun. Today 4:72 (1983)に記載のヒトB細胞ハ
イブリドーマ技術、およびColeら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy
, Alan R. Liss, Inc, New York, NY, pp. 77-96 (1985)に記載のヒトモノクロ
ーナル抗体を産生させるためのEBV-ハイブリドーマ技術が含まれる。一本鎖抗体
の産生のための記載されている技術を、本発明の免疫原性ポリペプチド産物に対
する一本鎖抗体を産生させるために適用することができる。例えば、米国特許第
4,946,778号(それを参照により本明細書に組み入れることとする)を参照され
たい。
【0093】 そのような抗体は、「サンドイッチ」イムノアッセイおよびプローブアッセイ
を含む種々のアッセイ様式において使用することができる。例えば、前記のモノ
クローナル抗体または断片は、試験サンプル中のHIV由来ポリペプチドの存在を
判定するための種々のアッセイ系で使用することができる。例えば、第1のアッ
セイ様式では、固相上にコーティングされている、ポリクローナルもしくはモノ
クローナル抗体またはその断片、またはこれらの抗体の組合せを、試験サンプル
と接触させて、第1混合物を形成させる。この第1混合物を、抗原/抗体複合体の
形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。ついで、シグナル生成化
合物が結合しているモノクローナルもしくはポリクローナル抗体またはその断片
、またはこれらの抗体の組合せを含む指示試薬を、該抗原/抗体複合体と接触さ
せて、第2混合物を形成させる。ついで、この第2混合物を、抗体/抗原/抗体複
合体の形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。シグナル生成化合
物により生成した測定可能なシグナルを検出することにより、試験サンプル中に
存在し固相上に捕捉されたHIV由来ポリペプチド抗原の存在を判定する。試験サ
ンプル中に存在するHIV由来ポリペプチド抗原の量は、生成したシグナルに比例
する。
【0094】 あるいは、ポリクローナルもしくはモノクローナルHIV由来ポリペプチド抗体
またはその断片またはそのような抗体の組合せ(固体支持体に結合しているもの
)、試験サンプル、および指示試薬(シグナル生成化合物が結合している、HIV
由来ポリペプチド抗原に特異的に結合するモノクローナルもしくはポリクローナ
ル抗体またはその断片またはこれらの抗体の組合せを含むもの)を接触させるこ
とにより、混合物を得る。この混合物を、抗体/抗原/抗体複合体の形成に十分
な時間および条件下でインキュベートする。該シグナル生成化合物により生成し
た測定可能なシグナルを検出することにより、試験サンプル中に存在し固相上に
捕捉されたHIV由来ポリペプチドの存在を判定する。試験サンプル中に存在するH
IV由来ポリペプチドタンパク質の量は、生成したシグナルに比例する。
【0095】 もう1つのアッセイ様式では、本発明の少なくとも2つのモノクローナル抗体の
1つまたは組合せを、HIV由来ポリペプチドタンパク質に対する抗体の検出のため
の競合プローブとして使用することができる。例えば、HIV由来ポリペプチドタ
ンパク質(例えば、本明細書に開示の組換え抗原)を、単独で又は組合せて、固
相上にコーティングする。ついで、HIV由来ポリペプチド抗原に対する抗体を含
有する疑いのある試験サンプルを、シグナル生成化合物と少なくとも1つのモノ
クローナル抗体とを含む指示試薬と共に、固相に結合している試験サンプルおよ
び指示試薬または固相に結合している指示試薬のいずれかの抗原/抗体複合体の
形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。固相に対するモノクロー
ナル抗体の結合の減少を定量的に測定することができる。
【0096】 さらにもう1つの検出方法では、本発明のモノクローナルまたはポリクローナ
ル抗体のそれぞれを、免疫組織化学的分析による固定組織切片および固定細胞中
のHIV由来ポリペプチド抗原の検出において使用することができる。これらの抗
体を直接的に標識(例えば、フルオレセイン、金コロイド、ホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなどでの標識)したり又は二次標識
化抗種抗体を使用して標識(本明細書に例示する種々の標識)する細胞化学的分
析を用いて、疾患の組織病理を追跡することが可能である。
【0097】 さらに、これらのモノクローナル抗体を、CNBr活性化セファロースに類似した
マトリックスに結合させて、細胞培養または生物学的組織からの特異的HIV由来
ポリペプチドタンパク質のアフィニティー精製(例えば、組換え及び天然HIV由
来ポリペプチド抗原およびタンパク質の精製)に使用することができる。
【0098】 また、治療用途または他の同様の用途のためのキメラ抗体の産生にも、モノク
ローナル抗体を使用することができる。
【0099】 モノクローナル抗体またはその断片は、HIV由来ポリペプチド抗原の検出のた
めに個々に提供されうる。また、該モノクローナル抗体(およびその断片)の組
合せを、少なくとも1つのHIV由来ポリペプチド抗体と他のHIV由来ポリペプチド
領域に対する抗体(各抗体は、異なる結合特異性を有する)との混合物または「
カクテル」中の成分として、一緒に使用することができる。したがって、このカ
クテルは、HIVのHIV由来ポリペプチドタンパク質に対するモノクローナル抗体と
、該HIV由来ポリペプチドゲノムの他の抗原決定基に対する他のモノクローナル
抗体とを含むことが可能である。
【0100】 該アッセイ様式で使用しうるポリクローナル抗体またはその断片は、該アッセ
イで使用するHIV由来ポリペプチド領域または他のHIV由来ポリペプチドタンパク
質に特異的に結合すべきである。好ましく使用されるポリクロナール抗体は、ヒ
ト、ヤギ、ウサギまたはヒツジ抗HIV由来ポリペプチドポリクローナル抗体など
の哺乳動物に由来するものである。最も好ましくは、該ポリクローナル抗体は、
ウサギポリクローナル抗HIV由来ポリペプチド抗体である。該アッセイで使用す
るポリクローナル抗体は、単独で又はポリクローナル抗体のカクテルとして使用
することができる。該アッセイ様式で使用するカクテルは、異なるHIV由来ポリ
ペプチド特異性を有するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を含むた
め、それらは、HIV由来ポリペプチドの状態の診断、評価および予後判定ならび
にHIV由来ポリペプチドタンパク質の識別および特異性の研究に有用である。
【0101】 組換え抗原の使用により、およびHIV由来ポリペプチドのアミノ酸配列を含有
する合成ペプチドまたは精製ペプチドの使用により、アッセイにおいてHIV由来
ポリペプチドの検出が可能となると意図され、それが本発明の範囲内に含まれる
。また、そのような各HIV由来ポリペプチドの異なるエピトープを定める異なる
合成、組換えまたは精製ペプチドを、HIV病態の診断、評価または予後判定のた
めのアッセイにおいて併用することも、本発明の範囲内に含まれる。この場合、
これらのペプチドを1つの固相上にコーティングしたり、あるいはそれぞれ分離
したペプチドを、分離した固相(例えば、微粒子)上にコーティングし、ついで
、後にアッセイにおいて使用しうるペプチド混合物を形成するように合体させる
ことが可能である。さらに、HIV疾患の診断、評価または予後判定のために、異
なるポリペプチドからのエピトープを定める複数のペプチドを併用することがで
きると意図される。ついで、固相上にコーティングされた又は検出可能な標識で
標識されたペプチドを、一定量の抗体に関して、患者のサンプルからのペプチド
と競合させる。該抗体に対する該合成、組換えまたは精製ペプチドの結合の減少
は、患者のサンプル中のHIVにより分泌されたポリペプチドの存在の指標となり
、それは今度は、患者におけるHIV遺伝子の存在を示す。アッセイ様式の変形は
、当業者に公知であり、本明細書において後に検討する。
【0102】 もう1つのアッセイ様式では、以下のとおり、抗原および/またはHIV由来ポリ
ペプチドに対する抗体の存在を同時アッセイにおいて検出することができる。試
験サンプルを、同時に、第1被検体に対する捕捉試薬(該捕捉試薬は、固相に結
合した第1被検体に特異的な第1結合メンバーを含む)および第2被検体に対する
捕捉試薬(該捕捉試薬は、第2固相に結合した第2被検体に対する第1結合メンバ
ーを含む)と接触させて、混合物を得る。この混合物を、捕捉試薬/第1被検体
および捕捉試薬/第2被検体複合体の形成に十分な時間および条件下でインキュ
ベートする。ついで、そのようにして生成したこれらの複合体を、シグナル生成
化合物で標識された第1被検体に特異的な結合ペアのメンバーと、シグナル生成
化合物で標識された第2被検体に特異的な結合ペアのメンバーとを含む指示試薬
に接触させて、第2混合物を得る。この第2混合物を、捕捉試薬/第1被検体/指
示試薬複合体および捕捉試薬/第2被検体/指示試薬複合体の形成に十分な時間
および条件下でインキュベートする。いずれかの又は両方の固相上で形成した複
合体に関して生成したシグナルを、試験サンプル中の1以上の被検体の存在の指
標として検出することにより、1以上の被検体の存在を判定する。このアッセイ
様式では、組換え抗原、およびそれから産生させたモノクローナル抗体を使用す
ることができる。そのようなアッセイ系は、EP公開第0473065号に、より詳しく
記載されている。
【0103】 その他のアッセイ様式では、本明細書に開示するポリペプチドを使用して、試
験サンプル中のHIV由来ポリペプチドに特異的な抗体の存在を検出することがで
きる。例えば、試験サンプルを、少なくとも1つの組換えタンパク質が結合して
いる固相と共にインキュベートする。これらを、抗原/抗体複合体の形成に十分
な時間および条件下で反応させる。インキュベーション後、該抗原/抗体複合体
を検出する。選択するアッセイ系に応じて、検出を容易にするために、指示試薬
を使用することができる。もう1つのアッセイ様式では、試験サンプルを、本明
細書に記載のとおりに産生させた組換えタンパク質が結合している固相と接触さ
せ、また、指示試薬で好ましくは標識されている、該タンパク質に特異的なモノ
クローナルまたはポリクローナル抗体と接触させる。抗体/抗原複合体の形成に
十分な時間および条件下でインキュベーションした後、固相を遊離相から分離し
、該標識をHIV由来ポリペプチド抗体の存在の指標として該固相中または該遊離
相中で検出する。本明細書に開示する組換え抗原を使用する他のアッセイ様式が
意図される。これらは、第1起源からの少なくとも1つの抗原が結合している固相
と試験サンプルとを接触させ、抗原/抗体複合体の形成に十分な時間および条件
下で該固相と試験サンプルとをインキュベートし、ついで該固相を標識抗原(該
抗原は、同一起源に由来する、あるいは第1起源とは異なる第2起源に由来する)
と接触させることを含む。例えば、大腸菌(E. coli)などの第1起源に由来する
組換えタンパク質を、固相上の捕捉抗原として使用し、そのように調製された固
相に試験サンプルを加え、必要に応じて標準的なインキュベーションおよび洗浄
工程の後、異なる起源(すなわち、非大腸菌(E. coli))に由来する組換えタ
ンパク質を指示試薬の一部として使用する。同様に、固相上の組換え抗原と合成
ペプチド(指示相中)との組合せも可能である。第1起源からのHIV由来ポリペプ
チドに特異的な抗原(捕捉抗原として)と、第2起源からのHIV由来ポリペプチド
に特異的な抗原とを使用する任意のアッセイ様式が意図される。このように、組
換え抗原の種々の組合せ、および合成ペプチド、精製タンパク質などの使用が、
本発明の範囲内に含まれる。このようなアッセイおよび他のアッセイは、米国特
許第5,254,458号(それは共通の所有権を享受しており、それを参照により本明
細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0104】 また、種々の他の固相を使用する他の実施形態も意図され、本発明の範囲内に
含まれる。例えば、速い液相免疫化学的反応を行なうために、負に荷電した重合
体との固定化可能反応複合体を固定化するためのイオン捕捉法(EP公開第032610
0号およびEP公開第0406473号に記載されている)を本発明で使用することができ
る。固定化可能な免疫複合体は、その負に荷電したポリ-アニオン/免疫複合体
と、予め処理されている正に荷電した多孔性マトリックスとの間のイオン相互作
用により、該反応混合物の残部から分離され、既に記載されている種々のシグナ
ル生成系(例えば、EPO公開第0273,115号に記載の化学発光シグナルの測定にお
いて記載されているもの)を用いて検出される。
【0105】 また、固相が微粒子(磁性または非磁性)を含む微粒子技術を用いる系(例え
ば、自動化系および半自動化系)での使用に、本発明の方法を適合させることが
可能である。そのような系には、例えば、公開されているEPO出願EP 0425 633お
よびEP 0424634にそれぞれ記載されている系が含まれる。
【0106】 イムノアッセイにおける走査型プローブ顕微鏡検査法(scanning probe micro
scopy)(SPM)の使用も、本発明のモノクローナル抗体を容易に適合させること
が可能な技術として挙げられる。走査型プローブ顕微鏡検査法、特に原子間力顕
微鏡検査法においては、捕捉相、例えば、本発明のモノクローナル抗体の少なく
とも1つを固相に付着させ、走査型プローブ顕微鏡を使用して、固相の表面上に
存在しうる抗原/抗体複合体を検出する。通常、多数のイムノアッセイ系におい
ては、抗原/抗体複合体を検出するために標識を使用しなければならないが、走
査型トンネル顕微鏡検査法を使用すると、そのような標識が不要になる。特異的
結合反応をモニターするためのSPMの使用は、多数の方法で実施することが可能
である。1つの実施形態では、特異的結合パートナーのメンバーの1つ(本発明の
モノクローナル抗体である被検体特異的物質)を、走査に適した表面に結合させ
る。該被検体特異的物質の結合は、当業者に公知の方法に従って行なう、プラス
チックまたは金属表面の固相を含む試験片に対する吸着によるものであってもよ
い。あるいは、誘導体化プラスチック、金属、シリコン(ケイ素)またはガラス
の固相を含む試験片に対する特異的結合パートナー(被検体特異的物質)の共有
結合を用いてもよい。共有結合方法は、当業者に公知であり、特異的結合パート
ナーを試験片に不可逆的に結合させるための種々の手段を含む。該試験片がシリ
コンまたはガラスである場合には、特異的結合パートナーを結合させる前に、該
表面を活性化する必要がある。また、特異的結合パートナーを試験片の表面上に
化学的方法で固定化するために、混成電極相互作用を用いることができる。好ま
しい結合方法は、共有的手段によるものである。特異的結合メンバーの結合の後
、非特異的結合を最小限に抑えるために、該表面を血清、タンパク質または他の
ブロッキング剤などの物質で更に処理することができる。また、アッセイ目的に
対する適合性を確認するために、該表面を、製造部位または使用点において走査
することができる。走査過程は、試験片の特異的結合特性を変えないと考えられ
る。
【0107】 本発明は、主として固相の使用に関して開示されているが、本発明の抗体、タ
ンパク質、ペプチドなどの試薬は、非固相アッセイ系においても使用可能である
と意図される。これらのアッセイ系は、当業者に公知であり、本発明の範囲内に
含まれるとみなされる。
【0108】 本発明を更に、以下の実施例により説明するが、これらの実施例は例示にすぎ
ず、本発明の精神および範囲を限定するものではない。
【0109】 実施例1 クローニング方法 遺伝子の構築および配列決定のためのオリゴヌクレオチドは、Abbott Laborat
ories, Synthetic Genetics(San Diego, CA)またはOligo Etc.(Wilsonville,
CA)で合成した。AmpliTaq DNAポリメラーゼおよびUlTma DNAポリメラーゼを含
むすべてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)試薬は、特に示さない限り、Perkin-El
mer Corporation(Foster City, CA)から購入し、製造業者の仕様書に従い使用
した。PCR増幅はGeneAmp 9600サーマルサイクラー(Perkin-Elmer)上で行なっ
た。特に示さない限り、制限酵素はNew England BioLabs(Bevery, MA)から購
入し、消化は製造業者の推奨どおりに行なった。クローニングに使用したDNA断
片は、特に示さない限り、アガロース(Life Technologies, Gaithersburg, MD
)ゲル上で単離した。
【0110】 所望の断片を切り出し、該DNAをQIAEX IIゲル抽出キットまたはQIAquickゲル
抽出キット(Qiagen Inc., Chatsworth, CA)で製造業者の推奨どおりに抽出し
た。DNAをH2OまたはTE [1mMエチレンジアミン四酢酸 (EDTA; pH8.0; BRL Life T
echnologies)、10mMトリス (ヒドロキシメチル)アミノメタン-塩酸塩 (Tris-HCl
; pH8.0; BRL Life Technologies)]に再懸濁した。Stratagene DNA連結キット(
Stratagene Cloning Systems, La Jola, CA)を製造業者の推奨どおりに使用し
て、連結を行なった。連結物は16℃で一晩インキュベートした。
【0111】 MAXEFFICIENCY DH5αコンピテント細胞(BRL Life Technologies)またはEpic
urian Coli XL 1-Blueスーパーコンピテント細胞(Stratagene Cloning Systems
)を製造業者のプロトコールに従い使用して、細菌の形質転換を行なった。特に
示さない限り、形質転換および細菌の再ストリーク(restreak)は、150μg/ml
アンピシリン(M1090; MicroDiagnostics, Lombard, IL)を含有するLB寒天(Le
nnox)プレート上または示されているとおり20mMの最終濃度までグルコースで補
足されたLB寒天+アンピシリンプレート上でプレーティングした。すべての細菌
のインキュベーション(プレートおよび一晩の培養)は、37℃で一晩(〜16時間
)行なった。
【0112】 所望のクローンを同定するための形質転換体のスクリーニングは、ミニプレッ
プDNAの配列決定により及び/又はコロニーPCRにより行なった。特に示さない限
り、ミニプレップDNAはQiagen Tip 20 Plasmid Prep KitまたはQiagen QIAwell
8 Plasmid Prep Kitを製造業者の仕様書に従い使用して調製した。コロニーPCR
スクリーニングには、個々のコロニーを形質転換プレートから拾い、100μlの無
菌H2Oを含有する無菌平底96ウェルプレート(Costar, Cambridge, MA)中のウェ
ル中に移した。該容量の3分の1をもう1つのプレートに移し、4℃で保存した。元
の96ウェルプレートを電子レンジに5分間かけて該細胞を破壊した。ついで1μl
の容量を鋳型としてPCRチューブに移した。1μlの10×PCRバッファー、1μlの2m
M dNTPs、1μl(10pmol)のセンスプライマー、1μl(10pmol)のアンチセンス
プライマー、0.08μlのAmpliTaq DNAポリメラーゼ(0.4単位)および4.2μlのH2 Oを含有する9μlのPCRマスター混合物を該PCRチューブに加えた。反応は、一般
には、94℃で30秒間、50〜60℃(プライマーアニーリング温度による)で30秒間
および72℃で60秒間の20〜25サイクルで増幅した。プライマーは該インサートに
よって異なり、サイクル条件はプライマーアニーリング温度および予想産物の長
さに基づいて改変した。サイクリングの後、該反応容量の約1/3を、分析用にア
ガロースゲル上にローディングした。所望のクローンを含有するコロニーを該ト
ランスファープレートから増殖させた。
【0113】 特に示さない限り、DNA配列決定は自動ABI Model 373A Stretch Sequencer(P
erkin Elmer)上で行なった。配列決定反応を、FS TACS Dye Term Ready Reacti
on Kit(Perkin Elmer)からの試薬および250〜500ngのプラスミドDNAで製造業
者の仕様書に従い調製した。Sequencer上へのローディングの前に、反応をCentr
i-Sepカラム(Princeton Separations, Adelphia, N.J.)上で加工処理した。配
列データを、Sequencher 3.0(Gene Codes Corporation, Ann Arbor, MI)およ
びGene Works 2.45(Oxford Molecular Group, Inc., Campbell, CA)を使用し
て分析した。
【0114】 実施例2 HIV-1 O群分離株HAM112のenv配列の決定 QIAamp Blood Kit(Qiagen)および該製造業者が推奨している方法を用いて、
HAM112と称されるHIV-1 O群分離株(H. Hamplら, Infection 23:369-370 [1995]
)に感染したヒト末梢血単核細胞の培養上清からウイルスRNAを抽出した。RNAを
、ヌクレアーゼを含有しない50μl容量の水(5Prime-3Prime, Inc., Boulder, C
O)中で溶出し、-70℃で保存した。env領域の配列を得るための方法は、4つの重
複env遺伝子断片のcDNA合成およびPCR(ネスティド)増幅を含むものであった。
該増幅産物を自動ABI Model 373A Stretch Sequencer上で直接配列決定した。増
幅反応は、GeneAmp RNA PCRおよびGeneAmp PCR Kits(Perkin Elmer)を製造業
者の概略説明のとおりに使用して行なった。オリゴヌクレオチドプライマーの位
置はHIV-1 ANT70 env配列(G. Myersら編, 前掲)に対応する。プライマーenv 1
0R [ヌクレオチド(nt)791-772; 配列番号62]、env15R(nt 1592-1574; 配列番号
63)、env22R(nt 2321-2302; 配列番号64)、env26R(envの3’側nt 250-232;
配列番号65)を、それぞれ断片1〜4のcDNA合成に使用した。逆転写反応物を、42
℃で30分間、ついで99℃で5分間インキュベートした。第1ラウンドのPCR増幅は
、以下のプライマーの組合せを使用する95℃で30秒間、52℃で30秒間および72℃
で1分間の30サイクルよりなるものであった:断片1〜4に関してそれぞれenv1F(
envの5’側nt 184-166; 配列番号66)およびenv10R(配列番号62)、env7F(nt
564-586; 配列番号67)およびenv15R(配列番号63)、env12F(nt 1289-1308;
配列番号68)およびenv22R(配列番号64)、env19F(nt 2020-2040; 配列番号69
)およびenv26R(配列番号65)。第2ラウンドの増幅(ネスティドPCR)では、以
下のプライマーの組合せと共に5μlのそれぞれの第1ラウンドPCR反応物を鋳型と
して使用した:断片1〜4に関してそれぞれenv2F(envの5’側nt 37-15; 配列番
号70)およびenv9R(nt 740-721; 配列番号71)、env8F(nt 631-650; 配列番号
72)およびenv14R(nt 1437-1416; 配列番号73)、env13F(nt 1333-1354; 配列
番号74)およびenv21R(nt 2282-2265; 配列番号75)、env20F(nt 2122-2141;
配列番号76)およびenv25R(envの3’側nt 111-94; 配列番号77)。第2ラウンド
の増幅条件は、第1ラウンドで用いたものと同じであった。断片をアガロースゲ
ル精製し、Quiagen QIAEX II Gel Extraction Kitで抽出した。ネスティドPCRに
使用したプライマーと、断片1にはプライマーenv4F(配列番号78)およびenv5R
(配列番号79)、断片2にはプライマーenv10F(配列番号80)、env11F(配列番
号81)、env11R(配列番号82)、env12F(配列番号68)およびAG1(配列番号87
)、断片3にはプライマーenv15F(配列番号83)およびenv19R(配列番号84)、
断片4にはプライマーenv22F(配列番号85)およびenv24R(配列番号86)を使用
して、断片を直接配列決定した。HIV-1 O群分離株HAM112からのenvの推定アミノ
酸配列(配列番号61)を図1に示す。
【0115】 実施例3 合成HIV-1 O群env gp120/gp41遺伝子の構築 図2は、合成HIV-1 O群env gp120/gp41遺伝子構築物を得るために用いる方法を
示す。該env gp120/gp41配列は、HIV-1 O群分離株HAM112(配列番号61)に基づ
く。HAM112のenv配列の決定の概要は、前記実施例2に説明されている。env gp12
0のC末端の45アミノ酸およびenv gp41の327アミノ酸をコードするオリゴヌクレ
オチドを設計した(ヌクレオチド#1は、該合成遺伝子中のgp120の第1コドンの1
番目のものである)。gp41の高度に疎水性(H)の領域(膜貫通領域)を含む天
然HAM112 gp41と比べて、該合成遺伝子は26アミノ酸(ヌクレオチド643〜720)
の欠失を有する。したがって、構築される完全長合成gp41遺伝子は327アミノ酸
である。
【0116】 該合成オリゴヌクレオチドにおいては、大腸菌(E. coli)における組換えタ
ンパク質の発現レベルを増加させるために大腸菌(E. coli)のコドンの偏りに
適合するように天然HIV-1コドンを改変した。例えば、M. GouyおよびC. Gautier
, Nucleic Acids Research 10:7055 (1982); H. GrosjeanおよびW. Fiers, Gene
18:199 (1982); J. Watsonら編, Molecular Biology of the Gene, 第4版, Ben
jamin Kumming Publishing Co., pp.440 (1987)を参照されたい。該遺伝子構築
方法は、相補性末端を有する一連の重複オリゴヌクレオチド(Osyn-A〜Osyn-L、
A〜Lとして記載されている)の合成を含むものであった。アニーリングの際、該
末端は該相補鎖の伸長のためのプライマーとして働く。
【0117】 ついで該断片をPCRにより増幅した。この過程(オリゴヌクレオチドの「PCRニ
ッティング(PCR knitting)」)を繰返して、該遺伝子断片を連続的に拡大させ
る。オリゴヌクレオチドOsyn-5′を、PLベクターpKRR826中へのクローニング用
に設計した。発現ベクターpKRR826は、米国特許出願第08/314,570号(それを参
照により本明細書に組み入れることとする)に記載のλPLプロモーターベクター
pSDKR816の修飾体である。pKRR826は、温度感受性cIリプレッサー遺伝子を含有
するpBR322の高コピー数誘導体である(Benardら, Gene 5:59 [1979])。しかし
ながら、pKRR826は、翻訳ターミネーターrrnBt1を欠き、λPLおよびλpRプロモ
ーターをpSDKR816に対して逆配向で有する。pKRR826のポリリンカー領域は、Eco
RIおよびBam HI制限酵素部位を含有するが、ATG開始コドンを欠く。該遺伝子イ
ンサートの5′末端(N末端メチオニンを含む)をEcoRI部位中にクローニングす
る場合に、最適な発現が得られる。Osyn-5′は、クローニング用のEco RI制限部
位と該組換えタンパク質の適切な翻訳開始をもたらすATGコドン(メチオニン)
とを含有するように設計した。アンチセンスオリゴヌクレオチドOsyn-O3′(配
列番号15)、Osyn-P3′(配列番号16)およびOsyn-M(M)(配列番号14)はそれぞ
れ、2つの連続した翻訳終結コドン(TAA、TAG)およびBam HI制限部位を含有す
る。外側プライマーOsyn-5′(配列番号11)およびOsyn-M(M)(配列番号14)を
使用した場合には、完全長gp41(327アミノ酸)遺伝子が合成された(pGO-11PL;
配列番号52)。外側オリゴヌクレオチドOsyn-5′(配列番号11)およびOsyn-O3
′(配列番号15)は、199アミノ酸のトランケート化gp41産物(pGO-9PL; 配列番
号48)を与えた。あるいは、外側オリゴヌクレオチドOsyn-5′(配列番号11)お
よびOsyn-P3′(配列番号16)は、169アミノ酸長のトランケート化gp41産物を与
えた(pGO-8PL; 配列番号58)。
【0118】 また、該合成遺伝子を、CMP-KDOシンテターゼ(CKS)融合タンパク質として発
現させた。pKRR826からpJO200への該合成遺伝子のPCR媒介導入(参照により本明
細書に組み入れる米国特許出願第572,822号に記載されている)を、別の外側セ
ンスオリゴヌクレオチドPCRプライマー(5′末端)Osyn-5′CKS(配列番号25)
を使用して行なった。Osyn-5′CKSは、Eco RI制限部位を含有し、発現ベクターp
JO200におけるCKSに対する該合成遺伝子インサートのインフレーム融合体を与え
た。3′外側プライマー(アンチセンス)Osyn-M(配列番号14)、Osyn-O3′(配
列番号15)およびOsyn-P3′(配列番号16)をOsyn-5′CKS(配列番号25)と共に
使用して、それぞれpGO-11CKS(配列番号54)、pGO-9CKS(配列番号50)およびp
GO-8 CKS(配列番号60)を得た。これらの工程は後記において詳しく説明する。
【0119】A.合成オリゴヌクレオチドのPCRニッティング 3つのPCR反応(100μl容量)を以下のとおりに調製した。
【0120】 (1)反応1B:AmpliTaq DNAポリメラーゼ(2.5U)および1×バッファー、なら
びに40μMの各dNTP(dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP)、それぞれ25pmolのオリゴ
ヌクレオチドOsyn-A(配列番号3)およびOsyn-D(配列番号5)およびそれぞれ0.
25pmolのオリゴヌクレオチドOsyn-B(配列番号17)およびOsyn-C(配列番号4)
【0121】 (2)反応2A:UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファー、ならびに1
.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、それぞれ25pmolのオリゴヌクレオチドOsyn-E(配
列番号6)およびOsyn-H(配列番号9)およびそれぞれ0.25pmolのオリゴヌクレオ
チドOsyn-F(配列番号7)およびOsyn-G(配列番号8)、および
【0122】 (3)反応3A:UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファー、ならびに1
.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、それぞれ25pmolのオリゴヌクレオチドOsyn-I(配
列番号10)およびOsyn-L(配列番号13)およびそれぞれ0.25pmolのオリゴヌクレ
オチドOsyn-J(配列番号18)およびOsyn-K(配列番号12)。
【0123】 増幅は、97℃で30秒間、52℃で30秒間および72℃で60秒間の20サイクルよりな
るものであった。ついで反応物を72℃で7分間インキュベートし、4℃に維持した
。PCR由来産物1B、2Aおよび3Bを1%アガロースゲル上でゲル単離した。
【0124】B.反応1Bおよび反応2AからのPCR産物のPCRニッティング PCR反応を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファーならびに1.5mM
MgCl2、40μMの各dNTP、24.4pmolのオリゴヌクレオチドOsyn-5′(配列番号11
)、25pmolのオリゴヌクレオチドOsyn-P3′(配列番号16)および前記実施例3第
1A節からのそれぞれ〜10ngのゲル単離1Bおよび1A産物で調製した。サイクリング
条件は実施例3第1A節と同じであった。第2ラウンドの増幅を用いて、さらなる所
望の産物を得た。これは、49pmolのOsyn-5′(配列番号11)、50pmolのOsyn-P3
′(配列番号16)および鋳型としての第1ラウンドからのPCR産物5μlで前記UlTm
a混合物(100μlの反応容量)を調製することにより行なった。これらの反応物
を94℃で90秒間インキュベートし、ついで前記(第3A節)のとおりにサイクルを
行なった。Osyn-5′/Osyn-P3′PCR産物を、前記のとおりにゲル単離した。
【0125】C.Osyn-5′-Osyn-P3′PCR産物のクローニング Osyn-5′-Osyn-P3′PCR産物を制限エンドヌクレアーゼEco RI+Bam HIで消化し
、Eco RI+Bam HIで消化されゲル単離されているベクターpKRR826(前記のとおり
)中に連結した。該連結産物を使用してDH5αコンピテント細胞を形質転換した
。オリゴヌクレオチドpKRREcoRIフォワード(配列番号38)およびpKRRBamHIリバ
ース(配列番号39)を使用するコロニーPCRにより、所望のクローンを同定した
。ミニプレップDNAをpGO-8候補クローンA2の一晩培養から調製し、Osyn-5′-Osy
n-P3′プラスミドインサートをオリゴヌクレオチドプライマーpKRREcoRIフォワ
ード(配列番号38)、pKRRBamHIリバース(配列番号39)、41sy-1(配列番号44
)および41sy-2(配列番号41)で配列決定した。
【0126】D.pGO-8候補クローンA2の修飾 100μl容量のPCR反応を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファー
ならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのオリゴヌクレオチドOsyn-5′-
修復(配列番号24)、50pmolのOsyn-P3′(配列番号16)および鋳型としての〜1
ngのpGO-8候補クローンA2ミニプレップDNA(前記反応から得たもの)で調製した
。該反応物を94℃で90秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、50℃で30秒
間および72℃で60秒間の20サイクルで増幅した。ついでOsyn-5’修復/Osyn-P3′
PCR産物をゲル単離し、Eco RI+Bam HIで消化した。該消化産物を、Eco RI+Bam
HIで消化されたpKRR826ベクター中に連結した。該連結産物を使用してDH5αコン
ピテント細胞を形質転換した。オリゴヌクレオチドpKRREcoRIフォワード(配列
番号38)およびpKRRBamHIリバース(配列番号39)を使用するコロニーPCRにより
、所望のクローンを同定した。pGO-8候補クローン6の一晩培養を準備し、ミニプ
レップDNAを調製した。Osyn-5′修復/Osyn-P3′プラスミドインサートを、オリ
ゴヌクレオチドプライマーpKRREcoRIフォワード(配列番号38)、pKRRBamHIリバ
ース(配列番号39)、41sy-1(配列番号44)および41sy-2(配列番号41)で配列
決定した。配列決定の結果に基づき、pGO-8候補クローン#6をpGO-8PL/DHSαと称
することにした。配列番号57は、該コード領域のヌクレオチド配列を示す。図5
は、pGO-8PL組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号58)を示す。pGO-8PL組
換えタンパク質は、N末端メチオニン、45アミノ酸のenv gp120(HIV-1 Group O,
HAM112分離株)および169アミノ酸のenv gp41(HIV-1 O群HAM112分離株)より
なる。
【0127】E.pGO-8CKS/XL1の構築 pGO-8CKS/XL1(配列番号59は該コード領域のヌクレオチド配列を示す)は、組
換えタンパク質pGO-8CKSをコードしている。図6は、pGO-8CKSのアミノ酸配列(
配列番号60)を示す。このタンパク質は、246アミノ酸のCKS/ポリリンカー、45
アミノ酸のenv gp120(HIV-1 O群, HAM112分離株)および169アミノ酸のenv gp4
1(HIV-1 O群, HAM112分離株)よりなる。pGO-8CKS/XL1の構築は以下のとおりに
行なった。
【0128】 PCR反応(100μl容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのOsyn-5′CKS(配列番号25)
、50pmolのOsyn-P3′(配列番号16)および1ngのpGO-8PLクローン#6ミニプレッ
プDNAで調製した。該反応物を94℃で90秒間インキュベートし、ついで94℃で30
秒間、55℃で30秒間および72℃で90秒間の25サイクルで増幅した。ついでOsyn-5
′CKS/Osyn-P3′PCR産物をゲル単離した。Eco RI+Bam HIは該Osyn-5′CKS/Osyn-
P3′PCR産物およびベクターpJO200を消化した。その消化されたpJO200ベクター
をゲル単離し、消化されたOsyn-5′CKS/Osyn-P3′PCR産物に連結した。XL1-Blue
スーパーコンピテント細胞を該連結物で形質転換し、20mMグルコースで補足され
たLB+アンピシリンプレート100μg/ml上にプレーティングした。コロニーを同じ
タイプのプレート上での単離のために再ストリークした。クローンpGO-8CKS/XL1
の一晩培養をLBブロス+100μg/mlカルベニシリン(Sigma Chemical Co.)+20mM
グルコース(Sigma Chemical Co.)中で増殖させた。凍結ストック(0.5mlの一
晩培養+0.5mlのグリセロール)を作製し、DNAを配列分析用に調製した。以下の
オリゴヌクレオチドを配列決定プライマーとして使用した:CKS-1(配列番号30
)、CKS-2(配列番号31)、CKS-3(配列番号32)、CKS-4(配列番号33)、43461
(配列番号2)、43285(配列番号1)、41sy-1B(配列番号29)、41sy-2B(配列
番号34)、CKS176.1(配列番号19)およびCKS3583(配列番号20)。
【0129】F.pGO-9PL/DH5αの構築 図3A〜3Dは、pGO-9PL/DH5αの構築にかかわる工程の概要を図示する。pGO-9PL
/DH5αは、組換えタンパク質pGO-9PLをコードしている。配列番号47は、pGO-9PL
/DH5αのコード領域のヌクレオチド配列を示す。図7は、pGO-9PL組換えタンパク
質のアミノ酸配列(配列番号48)を例示する。このタンパク質は、N末端メチオ
ニン、45アミノ酸のenv gp120(HIV-1 O群, HAM112分離株)および199アミノ酸
のenv gp40(HIV-1 O群, HAM112分離株)よりなる。pGO-9PL/DH5αの構築は以下
のとおりに行なった。
【0130】 工程1:100μlのPCR反応を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのOsyn-5′(配列番号11)、50
pmolのOsyn-H(配列番号19)および鋳型としての〜2ngのpGO-8候補クローン6ミ
ニプレップDNA(前記実施例3第D節から得たもの)で調製した。該反応物を94℃
で120秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、50℃で30秒間および72℃で6
0秒間の8サイクルで増幅した。
【0131】 工程2:100μlのPCR反応を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのOsyn-5′(配列番号11)、50
pmolのOsyn-O3’(配列番号15)および鋳型としての工程1からのPCR反応物で調
製した。該反応物を94℃で120秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、55
℃で30秒間および72℃で60秒間の18サイクルで増幅し、ついで72℃で5分間イン
キュベートした。
【0132】 ついで該Osyn-5′/Osyn-O3′PCR産物(2A/2B)をゲル単離し、Eco RI+Bam HI
で消化した。該消化産物を、Eco RI+Bam HIで消化されたpKRR826ベクター中に連
結した。つぎに該連結産物を使用してDH5αコンピテント細胞を形質転換した。p
GO-9PL候補クローン3の一晩培養を調製し、ミニプレップDNAを調製した。該Osyn
-5′/Osyn-O3′プラスミドインサートを、オリゴヌクレオチドプライマーpKRREc
oRIフォワード(配列番号38)、pKRRBamHIリバース(配列番号39)、41sy-1C(
配列番号40)、41sy-2(配列番号41)、41sy-3(配列番号42)および41sy-4(配
列番号23)で配列決定した。ついでpGO-9PLクローン#3を単離のために再ストリ
ークした。単離されたコロニーを拾い、その一晩培養を増殖させ、凍結ストック
(0.5mlのグリセロール+0.5mlの一晩培養)を作製した。該ストックを-80℃で
保存した。前記プライマーをプライマーを使用して該配列を確認し、このクロー
ンをpGO-9PL/DH5αと称することにした(配列番号47は該コード領域のヌクレオ
チド配列を示し、配列番号48はコード領域のアミノ酸配列を示す)。pGO-9PL/DH
5αを再ストリークし、一晩培養を増殖させ、ミニプレップDNAを調製した(この
プレップをH5と称することにした)。
【0133】G.pGO-9CKS/XL1の構築 図3A〜3Dは、pGO-9CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する。pGO-9CKS
/XL1は、組換えタンパク質pGO-9CKSをコードしている。図8は、pGO-9CKS組換え
タンパク質のアミノ酸配列(配列番号50)を示す。このタンパク質は、246アミ
ノ酸のCKSおよびポリリンカー、およびそれに続く45アミノ酸のenv gp120(HIV-
1 O群, HAM112分離株)および199アミノ酸のenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離
株)よりなる。pGO-9CKS/XL1の構築は以下のとおりに行なった。
【0134】 2つのPCR反応(100μlの容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バ
ッファーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのOsyn-5′CKS(配列番
号25)、50pmolのOsyn-O3′(配列番号15)および鋳型としての1ngのpGO-9PL候
補クローン3ミニプレップDNA(前記実施例3第F節から得たもの)で調製した。各
反応物を94℃で120秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、55℃で30秒間
および72℃で120秒間の24サイクルで増幅し、ついで72℃で5分間インキュベート
した。ついで該Osyn-5′CKS/Osyn-O3′PCR産物をゲル単離した。該Osyn-5′CKS/
Osyn-O3′PCR産物をおよびベクターpJO200をEco RI+Bam HIで消化した。その消
化されたpJO200ベクターをゲル単離し、消化されたOsyn-5′CKS/Osyn-O3′PCR産
物に連結した。XL1-Blueスーパーコンピテント細胞を該連結物で形質転換し、20
mMグルコースで補足されたLB+アンピシリンプレート上にプレーティングした。
コロニーを同じタイプのプレート上での単離のために再ストリークした。クロー
ンpGO-9CKS候補クローン4の一晩培養をLBブロス+100μg/mlカルベニシリン(Si
gma Chemical Co.)+20mMグルコース(Sigma Chemical Co.)中で増殖させた。
凍結ストック(0.5mlの一晩培養+0.5mlのグリセロール)を作製し、DNAを配列
分析用に調製した。以下のオリゴヌクレオチドを配列決定プライマーとして使用
した:CKS-1(配列番号30)、CKS-2(配列番号31)、CKS-3(配列番号32)、CKS
-4(配列番号33)、43461(配列番号2)、43285(配列番号1)、41sy-1B(配列
番号29)、41sy-2B(配列番号34)、41sy-3B(配列番号35)、CKS176.1(配列番
号19)およびCKS3583(配列番号20)およびpTB-S8(配列番号28)。クローンpGO
-9CKS候補クローン4をpGO-9CKS/XL1と称することにした(配列番号49はコード領
域のヌクレオチド配列を示し、配列番号50はコード領域のアミノ酸配列を示す)
【0135】H.Osyn I-M断片の構築 Osyn-O-M断片を以下のとおりに構築した。100μlのPCR反応を、AmpliTaq DNA
ポリメラーゼ(2.5U)、1×バッファー、50μMの各dNTP、50pmolのI-PCR(配列
番号26)、50pmolのOsyn-M(配列番号14)および10ngのゲル単離されたPCR断片3
A(前記実施例3第A節)を使用して調製した。該反応物を95℃で105秒間インキュ
ベートし、ついでそれを95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で60秒間の15サイク
ルで増幅し、ついでそれを72℃で7分間維持した。Osyn I-Mと称される該産物を
ゲル単離し、製造業者が推奨している方法に従いPCR IIベクター(TA Cloning K
it; Invitrogen, San Diego, CA)中にクローニングした。得られた連結産物を
使用してDH5αコンピテント細胞を形質転換した。プラスミドミニプレップDNAを
クローンIM-6の一晩培養から作製し、該遺伝子インサートを56759(配列番号45
)および55848(配列番号46)で配列決定した。
【0136】I.PCR断片I/6RおよびIM-6Fの合成およびニッティング これらの操作は以下のとおりに行なった。
【0137】 工程1:以下のPCR反応(100μl容量)を調製した:(a)I/6Rでは、AmpliTaq
DNAポリメラーゼ(2.5U)、1×バッファー、50μMの各dNTP、50pmolのI-PCR(配
列番号26)、50pmolのIM-6R(配列番号22)および鋳型としての281ngのクローン
IM-6(実施例3第H節から得たもの);(b)6F/Mでは、AmpliTaq DNAポリメラー
ゼ(2.5U)、1×バッファー、50μMの各dNTP、50pmolのIM-6F(配列番号21)、
50pmolのM-PCR(配列番号27)および鋳型としての281ngのクローンIM-6(実施例
3第H節から得たもの)。
【0138】 該反応物を95℃で105秒間インキュベートし、ついで94℃で15秒間、60℃で30
秒間、72℃で60秒間の20サイクルで増幅し、ついで72℃で7分間インキュベート
した。つぎに該PCR産物I/6Rおよび6F/Mを前記の方法に従いゲル単離した。
【0139】 工程2:PCR反応(100μl容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バ
ッファーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのI-PCR(配列番号26)
、50pmolのM-PCR(配列番号27)、〜50ngのI/6Rおよび〜20ngの6F/Mで調製した
。該反応物を95℃で105秒間インキュベートし、ついでそれを94℃で15秒間、55
℃で30秒間、72℃で60秒間の20サイクルで増幅し、ついで72℃で7分間インキュ
ベートした。該PCR産物をCentri-sepカラム(Princeton Separations)上で製造
業者の指示書に従い加工した。
【0140】J.pGO-11PL/DH5αの構築 図4A〜4Fは、pGO-11PL/DH5αの構築にかかわる工程の概要を図示する。pGO-11
PL/DH5αは、組換えタンパク質pGO-11PLをコードしている。図9は、pGO-11PL組
換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号52)を示す。このタンパク質は、N末
端メチオニン、45アミノ酸のenv gp120(HIV-1 O群, HAM112分離株)および327
アミノ酸のenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離株)よりなる。pGO-11PL/DH5αは
以下のとおりに構築した。
【0141】 実施例3第I節からの最終PCR産物およびpGO-9PLベクター(実施例3第F節からの
ミニプレップH5)を、Age IおよびBam HIで順次消化した。ついで、消化されたp
GO-9PLを仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(BRL Life Technologies)で37℃で1
5分間処理し、フェノール/クロロホルムで抽出し、NaOAcおよびEtOHで沈殿させ
た。ついで該ベクター(pGO-9PL)をゲル単離した。消化されたpGO-9PLと消化さ
れた該PCR産物とを連結し、該連結産物を使用してDH5αコンピテント細胞を形質
転換した。コロニーを単離のために再ストリークした。ついでクローンpGO11-4
を同定し、単離のために再ストリークした。pGO11-4の一晩培養を調製して、凍
結ストックを得、配列決定用のミニプレップDNAを得た。クローンpGO11-4を以下
のオリゴヌクレオチドプライマーで配列決定した:pKRREcoR1フォワード(配列
番号38)、pKRRBamHIリバース(配列番号39)、41sy-1C(配列番号40)、41sy-2
(配列番号41)、41sy-3(配列番号42)、41sy-4(配列番号23)、41sy-5B(配
列番号43)、41sy-5C(配列番号36)および41sy-6B(配列番号37)。該配列決定
の結果に基づき、このクローンをpGO-11PL/DH5αと称することにした(配列番号
51は該コード領域のヌクレオチド配列を示し、配列番号52はコード領域のアミノ
酸配列を示す)。
【0142】K.pGO-11CKS/XL1の構築 図4A〜4Gは、pGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する。pGO-11C
KS/XL1は、組換えタンパク質pGO-11CKSをコードしている。図10は、pGO-11CKS組
換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号54)を示す。このタンパク質は、246
アミノ酸のCKSおよびポリリンカー、およびそれに続く45アミノ酸のenv gp120(
HIV-1 O群HAM112分離株)および327アミノ酸のenv gp41(HIV-1 O群HAM112分離
株)よりなる。pGO-11CKS/XL1は以下のとおりに構築した。
【0143】 PCR反応(100μl容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのOsyn-5′CKS(配列番号25)
、50pmolのOsyn-M(配列番号14)および1ngのpGO11-4(実施例3第J節から得たも
の)で調製した。該反応物を94℃で105秒間インキュベートし、ついで94℃で30
秒間、55℃で30秒間および72℃で120秒間の20サイクルで増幅し、ついで72℃で7
分間インキュベートした。該Osyn-5′CKS/Osyn-M PCR産物をゲル単離した。つぎ
に該Osyn-5′CKS/Osyn-M PCR産物およびベクターpJO200をEco RI+Bam HIで消化
した。その消化されたpJO200ベクターをゲル単離した。一晩(16℃)の連結を該
消化PCR産物で行なった。XL1-Blueスーパーコンピテント細胞を該連結物で形質
転換し、20mMグルコースで補足されたLB+アンピシリンプレート上にプレーティ
ングした。コロニーを同じプレート上での単離のために再ストリークした。つい
でクローンpGO-11CKSクローン候補2の一晩培養(LBブロス+100μg/mlカルベニ
シリン+20mMグルコース)調製した。凍結ストック(0.5mlの80グリセロール+0.
5mlの一晩培養)および配列分析用のミニプレップDNAを調製した。以下のオリゴ
ヌクレオチドを配列分析用のプライマーとして使用した:CKS-1(配列番号30)
、CKS-2(配列番号31)、CKS-3(配列番号32)、CKS-4(配列番号33)、43461(
配列番号2)、43285(配列番号1)、41sy-1B(配列番号29)、41sy-2B(配列番
号34)、41sy-3B(配列番号35)、41sy-4(配列番号23)、41sy-5C(配列番号36
)、41sy-6B(配列番号37)、CKS176.1(配列番号19)、CKS3583(配列番号20)
およびpTB-S8(配列番号28)。pGO-11CKSクローン#2をpGO-11CKS/XL1と称するこ
とにした。配列番号53は、pGO-11CKS/XL1のコード領域のヌクレオチド配列を示
し、配列番号54は、pGO-11CKS/XL1のコード領域のアミノ酸配列を示す。
【0144】 実施例4 pHIV-210/XL1-Blueの構築 図11は、pHIV-210組換えタンパク質(配列番号55)のアミノ酸配列を示す。こ
のタンパク質は、247アミノ酸のCKS/リンカー配列、env gp120からの60アミノ酸
(#432-491; HIV-2分離株D194.10)および159アミノ酸のenv gp36(#492-650; H
IV-2 D194.10)よりなる。pHIV210/XL1-Blueの構築は以下のとおりに行なった。
【0145】 HIV-2分離株D194.10のゲノムDNA[H. Kuhnelら, Nucleic Acids Research 18:6
142 (1990)]をEMBL3λクローニングベクター中にクローニングした。H. Kuhnel
ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2383-2387 (1989)およびH. Kuhnelら, Nuc
leic Acids Research 18:6142 (1990)(それらを参照により本明細書に組み入れ
ることとする)を参照されたい。D194.10を含有するλクローン(λA10)をDiag
en Corporation(Dusseldorf, Germany)から得た。PCR反応(100μl容量)を、
AmpliTaq DNAポリメラーゼ(3.75単位)、200μMの各dATP、dCTP、dGTPおよびdT
TP、0.5μgのプライマー3634(HIV-2分離株D194.10(EMBL受託#X52223)上の743
7〜7455位にアニーリングする配列番号88)、0.5μgのプライマー3636(8095〜8
077位にアニーリングする配列番号89)、1×PCRバッファーおよび1:50に希釈し
た5μlのλA10 DNAを使用して調製した。該反応物を94℃で5分間インキュベート
し、ついで94℃で1分間、45℃で1分間、72℃で2分間の35サイクルで増幅し、つ
いで72℃で5分間インキュベートした。該PCR反応物をフェノール/クロロホルム
(Boehringer Mannheim Corporation, Indianapolis, IN)で抽出し、該DNAをエ
タノール(AAPER Alcohol & Chemical Company, Shelbyville, KY)で沈殿させ
た。該DNAをEcoRI+Bam HIで消化し、1.5%アガロースゲル(SeaKem GTGアガロー
ス, FMC Corporation, Rockland, Maine)上でゲル精製した。800単位のT4 DNA
リガーゼ(New England BioLabs)を使用して、該精製産物を、EcoRI+Bam HIで
消化されたpJO200ベクター中に連結した。XL 1-Blueスーパーコンピテント細胞
(Stratagene)を、製造業者が概要説明しているとおりに2μlの該連結物で形質
転換し、アンピシリン(Sigma Chemical Company)で補足されたLBプレート上に
プレーティングした。50μg/mlアンピシリン(Sigma)および20mMグルコース(S
igma)で補足されたSuperbroth II培地(GIBCO BRL, Grand Island, NY)中に単
コロニーを接種することにより、一晩培養物を樹立した。0.3mlの80%グリセロ
ールを0.7mlの一晩培養物に加えることにより、凍結ストックを得た。混合後、
ストックを-70℃で保存した。アルカリ溶解法、ついでPEG沈殿を用いて、該一晩
培養物からミニプレップDNAを調製した。7-デアザ-dGTP Reagent KitおよびSequ
enase Version 2.0(United States Biochemical Corporation, Cleveland, OH
)を製造業者の概要説明のとおりに使用して、配列決定反応を行なった。IBIゲ
ル装置を製造業者の推奨どおりに使用して、6%アクリルアミドゲル(GIBCO BRL
Gel-Mix 6)上で反応を行なった。配列決定の結果に基づき、pHIV-210クローン
#7をpHIV-210と称することにした。pHIV-210コード領域のアミノ酸配列を、配列
番号55として示す。
【0146】 実施例5 HIV-1 O群組換えgp41 抗原構築物を有する大腸菌(E. coli)株の増殖および
誘導 pGO-9CKS/XL1およびpGO-11CKS/XL1の一晩種培養物を、100μg/mlアンピシリン
ナトリウムで補足された500mlの無菌Excell Terrific Broth(Sigma Chemical C
orp., St. Louis Mo.から入手可能)中で調製し、振とうオービタル(orbital)
インキュベーター中、32℃または37℃で配置した。種培養からの100μlの接種物
を、100μg/mlアンピシリンナトリウムで補足された1リットルの無菌Excell Ter
rific Brothを含有するフラスコに移した。培養が中期対数増殖に達するまで該
培養を37℃でインキュベートし、ついで1mM ITPG(イソプロピルチオガラクトシ
ド)で37℃で3時間誘導した(PLベクター構築物の場合には、培養が中期対数増
殖に達するまで該培養をインキュベートし、ついで培養温度を42℃に変化させる
ことにより3時間誘導した)。誘導期の後、細胞を遠心分離によりペレット化し
、標準的な技術に従い収穫した。ペレット化細胞を、さらなる加工処理まで-70
℃で保存した。
【0147】 実施例6 大腸菌(E. coli)内で不溶性封入体として産生されたHIV-1 O群組換えgp41
抗原の単離および可溶化 実施例5から得た凍結細胞を、50mM Tris pH8、10mM Na EDTA、150mM NaCl、8%
(w/v)ショ糖、5% Triton X-100(登録商標) (v/v)、1mM PMSFおよび1μMペプス
タチンAを含む***解バッファー中でホモジナイズすることにより再懸濁させた
。リゾチームを、加工細胞1g当たり1.3mgの濃度で該ホモジネートに加え、得ら
れた混合物を氷上で30分間インキュベートして該細胞を溶解した。封入体を遠心
分離により可溶性タンパク質から分離した。これらのペレット化封入体を洗浄し
、(1)溶解バッファー、(2)10mM Na EDTA pH8、30% (w/v)ショ糖、および(3
)水中で順次ペレット化した。洗浄された封入体を50mM Tris pH8、10mM Na EDT
A、150mM NaClおよび3M尿素に再懸濁し、氷上で1時間インキュベートした。つい
で該封入体を遠心分離により可溶性タンパク質から分離した。該ペレット化封入
体を、7Mグアニジン-HCl、50mM Tris pH8、0.1% (w/v)β-メルカプトエタノール
(BME)中で4℃で一晩、完全に可溶化した。該可溶化組換え抗原を遠心分離によ
り清澄化し、0.2μmのフィルターに通過させ、クロマトグラフィーによる精製ま
で-20℃で保存した。
【0148】 実施例7 クロマトグラフィーによる組換えHIV-1 O群 gp41 抗原の精製 実施例6から得た可溶化HIV-1 O群組換えgp41抗原を、以下のとおり、2工程の
方法により精製した。不溶性抗原のグアニジン-HCl抽出物を、50mM Tris pH8、8
M尿素および0.1% BME (v/v)で平衡化したSephacryl S-300カラム上でのサイズ排
除クロマトグラフィーにより精製した。SDS-ポリアクリルアミド電気泳動を用い
て画分を分析した。組換えgp41抗原を含有する画分をプールし、ついで限外濾過
により濃縮した。該組換え抗原濃縮物を4% SDS (w/v)および5%BME (w/v)で室温
にて3時間処理した。SDSで処理した抗原をさらに、25mM Tris pH8、0.15M NaCl
、0.1% v/v BME、0.1% SDS (w/v)で平衡化したSephacryl S-300上でのサイズ排
除クロマトグラフィーにより精製した。SDS-ポリアクリルアミド電気泳動を用い
て該画分を分析した。精製組換え抗原を含有する画分をプールし、0.2μmのフィ
ルターに通過させ、-70℃で保存した。
【0149】 実施例8 HIV-1 M群抗原の調製 実施例5に記載のとおりに、プラスミドpTB319を含有する細胞を増殖させ、誘
導した。細胞を溶解し、封入体を加工した(参照により本明細書に組み入れる米
国特許第5,124,255号の実施例5に記載されているのと実質的に同じ方法で行なっ
た)。ついで該ペレット物質をSDS、リン酸塩(pH6.8)中で可溶化し、ついでS-
300カラム上でのクロマトグラフィーに付した。
【0150】 実施例9 HIV-2抗原の調製 実施例5に記載のとおりに、pHIV-210/XL1-Blue細胞(前記実施例4)を増殖さ
せ、誘導した。ベンゾナーゼ、リゾチームおよびPMSFで補足されたリン酸塩、Mg
Cl2、Na EDTA、Triton X-100(登録商標)(pH7.4)を含有するバッファーで細胞
を溶解した。封入体を遠心分離により可溶性タンパク質から分離した。該ペレッ
トを、蒸留H2O、Triton X-100(登録商標)、デオキシコラート、NaCl、リン酸塩
(pH7.0);50mMリン酸塩(pH7.0);尿素、SDS(リン酸塩(pH7.0)中)+BME
で順次洗浄した。タンパク質をSDS、リン酸塩(pH7.0)およびBME中で可溶化し
、ついでS300カラム上でのクロマトグラフィーに付した。
【0151】 実施例10 HIV-1 M群、HIV-1 O群およびHIV-2の同時検出および識別のための1工程免疫ク ロマトグラフィーアッセイ A.試薬の調製 1.セレン(Se)コロイド懸濁液を、実質的に以下のとおりに調製した。SeO2
を水に0.0625gm/mlの濃度にまで溶解した。ついでアスコルバートを水に0.32gm/
mlの濃度にまで溶解し、70℃の水浴中で24時間加熱した。ついで該アスコルバー
ト溶液を水中で0.0065gm/mlにまで希釈した。該SeO2溶液を該希釈アスコルバー
ト溶液に素早く加え、42℃でインキュベートした。吸光度の最大値が、542nm〜5
88nmの波長において30を超えた時点(最低で42時間後)で、インキュベーション
を終了した。該コロイド懸濁液を-2〜8℃に冷却し、ついで保存した。セレンコ
ロイド懸濁液は、Abbott Laboratories, Abbott Park, Illinois(Code 25001)
から入手可能である。
【0152】 2.セレンコロイド/抗体共役体を、以下のとおりに調製した。該セレンコロイ
ド懸濁液を、蒸留水中で25(OD 500〜570)の吸光度にまで濃縮した。ついで1M
MOPSを10mM(pH7.2)の最終濃度まで加えた。ヒトIgG Fc領域に特異的なヤギ抗
体(またはヒトIgG Fc領域に特異的な他の種の抗体)を50mMリン酸バッファーで
0.75mg/mlの濃度にまで希釈し、ついで、得られた抗体調製物を、前記のとおり
に調製したセレンコロイド懸濁液に、75μg/mlの最終抗体濃度まで、混合しなが
ら加えた。攪拌を40分間続けた。ついで1重量%のウシ血清アルブミン(BSA)を
該溶液に加え、該セレンコロイド/抗体共役体溶液を更に15分間攪拌し、5000×g
で90分間遠心分離した。この後、該上清の90%を除去し、該ペレットを残りの上
清と共に再懸濁した。このセレン-IgG共役体をガラス繊維パッド上にコーティン
グする直前に、それを共役体希釈剤(1重量%のカゼイン、0.1重量%のTriton X
-405(登録商標)および50mM Tris, pH8.2)で1:10に希釈した。
【0153】 3.操作対照試薬を、HIV-1(M群)、HIV-1(O群)およびHIV-2陽性血清の混合
物として調製し、該アッセイの陽性対照として別々のストリップ装置上で使用し
た。
【0154】 4.使用した陰性対照試薬は、該アッセイの陰性対照として別々の試験装置上
で正常のヒトで使用されるものであった。
【0155】B.適用パッドの調製 適用パッド材は、樹脂結合ガラス繊維紙(Lydall)を含む。調製した共役体(
前パラグラフ2に記載)の約0.1mlを適用パッドに加える。
【0156】C.クロマトグラフィー材の調製 すべての試薬を、充填およびデフレクト試薬の噴射(charge and deflect rea
gent jetting)により、ニトロセルロースメンブレンに適用する。該ニトロセル
ロースは、感圧接着剤でコーティングされたMYLAR(登録商標)メンブレンにより
支持する。
【0157】 試験サンプル捕捉試薬を、(a)HIV-1 O群捕捉試薬(pGO-9/CKS、配列番号50
)に関しては、前記のとおりに調製した特異的抗原を0.5mg/mlの濃度にまで噴射
希釈剤(1重量%のショ糖、0.9%のNaClおよび5μg/mlのフルオレセインを含有
する100mM Tris, pH7.6)で希釈し、(b)HIV-1 M群B亜群捕捉試薬(pTB319、配
列番号56)に関して、および(c)HIV-2捕捉試薬(pHIV-210、配列番号55)に関
して調製した。0.098μlの第1捕捉試薬(試薬HIV-1 M群B亜群、配列番号56)を
該ストリップの所定の捕捉位置に適用し、それは1つの患者用捕捉部位を構成し
た。同様に、0.098μlの第2捕捉試薬(試薬HIV-1 O群、配列番号50)を該ストリ
ップの所定の捕捉位置に適用し、それは1つの患者用捕捉部位を構成した。そし
て、0.098μlの第3捕捉試薬(試薬HIV-2、配列番号55)を該ストリップの所定の
捕捉位置に適用し、それは1つの患者用捕捉部位を構成した。
【0158】D.HIVに対する抗体の存在に関する高速アッセイ 試験サンプル血清、全血、唾液および尿サンプル中のHIVに対する抗体の存在
に関する高速アッセイを、以下のとおりに行なった。1.5mlのエッペンドルフチ
ューブ中に、5μlの血清および600μlのサンプル溶出バッファー(SEB)(50mM
Tris、1%BSA (w/v)、0.4% Triton X-405(登録商標) (v/v)、1.5%カゼイン(w/v)
、3%ウシIgG (w/v)、4%大腸菌(E. coli)ライセート(v/v)[pH8.2]を含有)を混
合した。この混合物の4滴をSTARハウジングのサンプルウェルに適用した。つぎ
に1μlの血清または全血をマイクロタイタープレートのウェル中の100μlのSEB
に加え、該ニトロセルロースストリップを該ウェル中に加えた。この後、1μlの
血清または全血を本発明のサンプルウェルの試験装置中に直接スポットし、4滴
のSEBを加えた。唾液を試験する場合には、50または75μlの唾液を、マイクロタ
イタープレートのウェル中のそれぞれ50μlまたは25μlのSEBに加え、ついで該
ニトロセルロース試験ストリップを該ウェルに加えた。尿を試験する場合には、
50μlの尿をマイクロタイタープレート中のウェル中の50μlのSEBに加え、該ニ
トロセルロース試験ストリップを該ウェル中に加えた。あるいは、100μlの尿を
マイクロタイタープレートのウェル中で使用し、SEBを使用することなく該ニト
ロセルロース試験ストリップを加えた。
【0159】 サンプル中のIgGを、該コンジュゲートパッド中のセレン-ヤギ抗ヒトIgGコロ
イドにより結合させ、該複合体を、該ニトロセルロースメンブレン試験ストリッ
プ[これには予め、正確な滴サイズを用いて容積式分配をもたらすバイオドット
装置を使用して、3つの組換え抗原pGO-9 CKS(配列番号50)、pTB319(HIV-1 M
群(B亜群)、配列番号56)およびpHIV210(HIV-2、配列番号55)が1mg/mlの濃度
で適用されている]の長さに沿ったクロマトグラフィーに付した。ついで該試験
装置を室温で2分間インキュベートし、その結果を視覚的に読取った。
【0160】E.スパイク(spiked)全血アッセイ 1.5mlのエッペンドルフチューブ中に、確認された陽性HIV-1 O群、HIV-1 M群
もしくはHIV-2または確認された陰性HIV-1 O群、HIV-1 M群もしくはHIV-2全血試
験サンプルからの1μlの血液の等価体を、5μlの確認された陰性HIV-1 O群、HIV
-1 M群もしくはHIV-2血清および100μlのSEBに加え、混合した。この混合物を、
本発明の試験装置のサンプルウェルに適用した。
【0161】 該サンプル中のIgGを、該コンジュゲートパッド中のセレン-ヤギ抗ヒトIgGコ
ロイドにより結合させ、該複合体を、該ニトロセルロースメンブレン試験ストリ
ップ[これには予め、正確な滴サイズを用いて容積式分配をもたらすバイオドッ
ト装置を使用して、3つの組換え抗原pGO-9 CKS(配列番号50)、pTB319(HIV-1
M群(B亜群)、配列番号56)およびpHIV210(HIV-2、配列番号55)が1mg/mlの濃度
で適用されている]の長さに沿ったクロマトグラフィーに付した。ついで該試験
装置を室温で2分間インキュベートし、その結果を視覚的に読取った。
【0162】F.結果 抗原1に対する抗体が試験サンプル中に存在する場合には、可視反応が抗原1の
捕捉帯域およびアッセイ完了帯域において示されたが、抗原2または抗原3の帯域
においては示されなかった。抗原2に対する抗体が試験サンプル中に存在する場
合には、可視反応が抗原2の捕捉帯域およびアッセイ完了帯域において示された
が、抗原1または抗原3の帯域においては示されなかった。抗原3に対する抗体が
試験サンプル中に存在する場合には、可視反応が抗原3の捕捉帯域およびアッセ
イ完了帯域において示されたが、抗原1または抗原2の帯域においては示されなか
った。また、陰性対照は、抗原1、抗原2および抗原3の帯域においては無反応性
である(可視反応を示さない)はずであるが、アッセイ完了帯域においては反応
性であるはずである。陽性対照(抗原1、2および/または3に対する既知反応性
抗体)は、それが抗原/抗体反応において特異的に結合する適当な抗原の帯域に
おいて反応性であるはずである。陽性反応が抗原捕捉帯域の1つにおいては生じ
たが、アッセイ完了帯域においては生じなかった場合には、結果を無効とみなし
、試験を繰返した。
【0163】 (i)血液、尿および唾液中の抗体のアッセイ 3人の患者(患者番号0109、4068および4475で識別する)の血液、尿および唾
液を、本明細書に記載の本発明のニトロセルロース固相装置上で、前記のアッセ
イプロトコールに従い試験した。患者0109、4068および4475のそれぞれの各血液
および尿試験サンプルは、抗原1(pTB319; 配列番号56)に対して反応性であっ
た。患者4068および4475の唾液試験サンプルも抗原1に対して反応性であったが
、患者0109の唾液試験サンプルは本発明の試験装置において無反応性であった。
患者0109の唾液試験サンプルを後で、標準的なEIAにより再試験したところ、そ
れはHIV-1 gp4に対する抗体に対して無反応性であると確認された。このことは
、患者0109の唾液試験サンプルについて得られた結果が有効であったことを示し
ている。
【0164】 (ii)HIV抗体に対する陰性サンプルのアッセイ 2つの陰性血清および2つの陰性全血試験サンプル(それぞれは同じ2つの陰性
血清でスパイクされたもの)を試験した。サンプルは関連抗原に特異的な抗体を
含有しておらず、該試験サンプルは、該試験に関するアッセイ後に陰性であった
(すなわち、O、Mまたは2のいずれの位置にも反応を示す可視的バーが存在しな
いことから示されるとおり、無反応性であった)。試験サンプル反応帯域中の陽
性反応バーにより示されるとおり、試験サンプルは各試験装置中に存在した。
【0165】 (iii)HIV-1 M群抗体に関するアッセイ 5つのHIV-1 M群血清および5つの全血サンプル(HIV-1 M群陽性血清でスパイク
されたもの)を、10個の装置を使用して試験した。HIV-1 M群抗原帯域の反応線
の現像から示されるとおり、HIV-1 M群サンプルは、HIV-1 M群抗原(pTB319)に
特異的な抗体を含有することが認められ、試験装置10個中9個のアッセイ完了帯
域中に可視反応線が認められた。1つの特定の試験装置においては、HIV-1 M群抗
体に関する捕捉帯域中にバンドが存在したが、試験サンプルがアッセイ完了帯域
まで到達せず、したがって、この特定のサンプルについては、該アッセイを繰返
す必要があった。HIV O群およびHIV-2に関する捕捉試薬に対する交差反応性は認
められなかった。
【0166】 (iv)HIV-1 O群抗体に関するアッセイ 2つの確認された陽性HIV-1 O群血清および2つの全血試験サンプル(HIV-1 O群
血清でスパイクされたもの)を、さらに4個の装置を使用して試験した。HIV-1 O
群抗原捕捉帯域中に陽性バーの結果が認められ、各装置のアッセイ完了帯域中に
反応線が認められたことから示されるとおり、HIV-1 O群サンプルは、HIV-1 O群
抗原に特異的な抗体を含有することが判明した。HIV-1 M群またはHIV-2捕捉抗原
に対する交差反応性は認められなかった(可視的なバーは存在しなかった)。
【0167】 (v)HIV-2抗体に関するアッセイ さらに10個の試験装置を使用して、確認された5つのHIV-2陽性血清および全血
(5つのHIV-2血清でスパイクされたもの)を試験した。HIB-2抗原帯域の反応バ
ーにより示されるとおり、該HIV-2サンプルは、HIV-2抗原(pHIV210)に特異的
な抗体を含有することが判明した。これらの試験サンプルとHIV-1 O群またはHIV
-1 M群抗原との間で反応は認められず、各装置のアッセイ完了帯域において可視
的な反応線が認められた。
【0168】 (vi)HIV-1 M群、HIV-1 O群、HIV-2および陰性サンプルのアッセイ 最後の4個の装置を使用して、HIV-1 M群陽性試験サンプル、HIV-1 O群陽性試
験サンプル、HIV-2陽性試験サンプルおよび陰性対照サンプルを試験した。陰性
試験血清は、抗原捕捉帯域中のいずれの抗原とも反応しなかった。HIV-1 M群陽
性試験サンプルは、HIV-1 M群抗原のみに対して反応性であった。HIV-1 O群陽性
試験サンプルは、HIV-1O群抗原のみに対して反応性であった。HIV-2陽性試験サ
ンプルは、HIV-2抗原のみに対して反応性であった。各装置のアッセイ完了帯域
中に、可視的な反応線が認められた。
【0169】 使用した5つのHIV-1 M群および2つのHIV-1 O群試験サンプルが、血清陽性サン
プル(それらは予め、商業的に入手可能な酵素イムノアッセイ(Abbott #3A77)
を用いて試験されており、PCR増幅され、配列決定され、系統発生分析により亜
型決定されている)と確認された。使用した5つのHIV-2サンプルは、同じEIAを
使用した場合には血清陽性であり、HIV-2ウエスタンブロット試験(Sanofi)を
用いてHIV-2陽性サンプルと確認された。
【0170】 実施例11 合成HIV-1 M群およびHIV-1 O群ハイブリッド遺伝子の構築 A.pTB319の修飾 プラスミドpTB319(参照により本明細書に組み入れる米国特許第5,124,255号
)は、フレームシフトを引き起こす合成HIV-1 M群gp41遺伝子内の1つの塩基の欠
失によるトランケート化gp41組換えタンパク質をコードする。HIV-1 M群およびO
群ハイブリッド遺伝子構築物の産生を容易にするために、部位特異的突然変異誘
発を用いて、TB319のgp41コード領域内のフレームシフトを排除した。これは、T
B319を制限エンドヌクレアーゼRsr IIおよびBst XIで順次消化することにより達
成された。合成オリゴヌクレオチドpTB319+A(配列番号98)およびpTB319+T(配
列番号99)をアニールさせ、Rsr IIおよびBst XIで消化されたpTB319中に連結し
た。該連結産物を使用して、スーパーコンピテントXL1-Blue細胞を形質転換し、
該細胞を、150μg/mlアンピシリンで補足されたLB寒天プレート上にプレーティ
ングした。プライマーの組合せpTB-S4(配列番号100)/pTB-S7(配列番号101)
およびpTB-S4(配列番号100)/63168(配列番号121)を使用するコロニーPCRを
用いて、正しく修飾されたクローンを同定した。ミニプレップDNAの調製のため
に3mMグルコースおよび200μg/mlアンピシリンで補足されたLBブロス中の候補ク
ローンに関して一晩培養を樹立した。オリゴヌクレオチドプライマー43461(配
列番号2)、43285(配列番号1)、CKS-1(配列番号30)、CKS-3(配列番号32)
、pTB-S1(配列番号102)、pTB-S2(配列番号103)、pTB-S3(配列番号104)、p
TB-S4(配列番号100)、pTB-S5(配列番号105)、pTB-S6(配列番号106)、pTB-
S7(配列番号101)およびpTB-S8(配列番号28)を使用して、全コード領域を配
列決定した。配列決定の結果によれば、クローンpTB319+A-#31(pGMcks-1)は所
望のコード領域の配列を有する。ついでこのクローンをpGM-1CKS/XL1(配列番号
107は、該コード領域のヌクレオチド配列を示す)と称することにした。図12は
、pGM-1CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号108)を示す。
【0171】B.pGO-12CKS/XL1の構築 pGO-12CKS/XL1は、組換えタンパク質pGO-12CKSをコードしており、そのアミノ
酸配列(配列番号91)を図13に示す。このタンパク質は、42アミノ酸のenv gp12
0(HIV-1 M群HXB2R分離株)と融合した250アミノ酸のCKS/ポリリンカー、45アミ
ノ酸のenv gp120(HIV-1 O群, HAM112分離株)および199アミノ酸のenv gp41(H
IV-1 O群, HAM112分離株)よりなる。pGO-12CKS/XL1は以下のとおりに構築した
【0172】 PCR反応(100μl容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのpTB/O-5′(配列番号109)、
50pmolのpGO-9/Kpn(配列番号10)および鋳型としての1ngのpG0-9PL DNA(ミニ
プレップH5;前記実施例3第F節から得たもの)で調製した。各反応物を94℃で10
5秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、55℃で30秒間および72℃で75秒
間の22サイクルで増幅し、ついで72℃で5分間インキュベートした。該pTB/O-5′
/pGO-9/Kpn PCR産物をゲル上で単離した。該pTB/O-5′/pGO-9/Kpn PCR産物およ
びpGM-1CKSプラスミド(前記第A節に記載のもの)を、Asp718(Boehringer Mann
heim Biochemicals)およびBst XIで順次消化した。ついで、その消化されたベ
クターを仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals
)で処理し、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させた。そ
の消化されたPCR産物をCentri-Sepカラム(Princeton Separations)上で精製し
た。消化されたPCR産物を、消化されホスファターゼ処理されたpGM-1CKSベクタ
ー中に16℃で一晩連結した。XL1-Blueスーパーコンピテント細胞を該連結産物で
形質転換し、20mMグルコースで補足されたLB+アンピシリンプレート上にプレー
ティングした。コロニーを同じタイプのプレート上での単離のために再ストリー
クした。クローンpGO-12CKSクローン#1の一晩培養(LB培地+100μg/mlカルベニ
シリン+20mMグルコース)を調製した。凍結ストック(0.5mlの80%グリセロール
+0.5mlの一晩培養)を作製し、ミニプレップDNAを配列分析用に調製した。以下
のオリゴヌクレオチドを配列分析用のプライマーとして使用した:CKS-1(配列
番号30)、CKS-2(配列番号31)、CKS-3(配列番号32)、CKS-4(配列番号33)
、CKS176.1(配列番号19)、3962(配列番号111)、3965(配列番号113)、pTB-
S2(配列番号103)、pTB-S3(配列番号104)、pTB-S4(配列番号100)、pTB-S5
(配列番号105)、sy120-S1(配列番号112)、41sy-1B(配列番号29)、41sy-2B
(配列番号34)、41sy-4(配列番号23)、pTB-S8(配列番号28)。該配列分析の
結果に基づき、pGO-12CKS候補クローン#1をpGO-12CKS/XL1と称することにした(
配列番号90は、該コード領域のヌクレオチド配列を示し、配列番号91は、コード
されるアミノ酸配列を示す)。
【0173】C.pGO-13CKS/XL1の構築 pGO-13CKSは、組換えタンパク質pGO-13CKSをコードしており、そのアミノ酸配
列(配列番号93)を図14に示す。このタンパク質は、42アミノ酸のenv gp120(H
IV-1 M群HXB2R分離株)と融合した250アミノ酸のCKS/ポリリンカー、200アミノ
酸のenv gp41(HIV-1 M群HXB2R分離株)、45アミノ酸のenv gp120(HIV-1 O群,
HAM112分離株)および169アミノ酸のenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離株)より
なる。pGO-13CKS/XL1は以下のとおりに構築した。
【0174】 PCR反応(100μl容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのpTB/O-5′(配列番号109)、
50pmolのpGO-8/Kpn(配列番号114)および鋳型としての1ngのpG0-9PL DNA(ミニ
プレップH5;前記実施例3第F節から得たもの)で調製した。各反応物を94℃で10
5秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、55℃で30秒間および72℃で75秒
間の22サイクルで増幅し、ついで72℃で5分間インキュベートした。該pTB/O-5’
/pGO-8/Kpn PCR産物をゲル上で単離した。該pTB/O-5′/pGO-8/Kpn PCR産物およ
びpGM-1CKSプラスミド(前記第A節に記載のもの)を、Asp718(Boehringer Mann
heim Biochemicals)およびBst XIで順次消化した。ついで、その消化されたベ
クターを仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals
)で処理し、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させた。そ
の消化されたPCR産物をCentri-Sepカラム(Princeton Separations)上で精製し
た。消化されたPCR産物を、消化されホスファターゼ処理されたpGM-1CKSベクタ
ー中に16℃で一晩連結した。XL1-Blueスーパーコンピテント細胞を該連結産物で
形質転換し、20mMグルコースで補足されたLB+アンピシリンプレート上にプレー
ティングした。コロニーを同じタイプのプレート上での単離のために再ストリー
クした。クローンpGO-13CKSクローン#1の一晩培養(LB培地+100μg/mlカルベニ
シリン+20mMグルコース)を調製した。凍結ストック(0.5mlの80%グリセロール
+0.5mlの一晩培養)を作製し、ミニプレップDNAを配列分析用に調製した。以下
のオリゴヌクレオチドを配列分析用のプライマーとして使用した:CKS-1(配列
番号30)、CKS-2(配列番号31)、CKS-3(配列番号32)、CKS-4(配列番号33)
、43461(配列番号2)、43285(配列番号1)、pTB-S1(配列番号102)、pTB-S2
(配列番号103)、pTB-S3(配列番号104)、pTB-S4(配列番号100)、pTB-S5(
配列番号105)、sy120-S1(配列番号112)、41sy-1B(配列番号29)、41sy-2B(
配列番号34)、41sy-4(配列番号23)、pTB-S8(配列番号28)。該配列分析の結
果に基づき、pGO-13CKS候補クローン#1をpGO-13CKS/XL1と称することにした(配
列番号92は、該コード領域のヌクレオチド配列を示し、配列番号93は、コードさ
れるアミノ酸配列を示す)。
【0175】D.pGO-14PL/DH5αの構築 pGO-14PL/DH5αは、組換えタンパク質pGO-14PLをコードしており、そのアミノ
酸配列(配列番号95)を図15に示す。このタンパク質は、N末端メチオニンおよ
びそれに続く45アミノ酸のenv gp120(HIV-1 O群, HAM112分離株)、42アミノ酸
のenv gp120(HIV-1 M群HXB2R分離株)と融合した200アミノ酸env gp41(HIV-1
O群, HAM112分離株)および200アミノ酸のenv gp41(HIV-1 M群HXB2R分離株)よ
りなる。pGO-14PL/DH5αは以下のとおりに構築した。
【0176】 PCR反応(100μl容量)を、UlTma DNAポリメラーゼ(3U)および1×バッファ
ーならびに1.5mM MgCl2、40μMの各dNTP、50pmolのpTB/Age5′(配列番号115)
、50pmolのpGO/B-3′(配列番号116)および鋳型としての1ngのpGM-1CKS DNA(p
TB319+A-#31のミニプレップ;前記第A節から得たもの)で調製した。各反応物を
95℃で30秒間インキュベートし、ついで94℃で30秒間、55℃で30秒間および72℃
で60秒間の22サイクルで増幅し、ついで72℃で5分間インキュベートした。該pTB
/Age5′/pGO/B-3′PCR産物をゲル上で単離した。該pTB/Age5′/pGO/B-3′PCR産
物およびpGO-9PLプラスミド(前記実施例3第F節から得たもの)をAgeIおよびBam
HIで順次消化した。ついで、その消化されたベクターを仔ウシ腸アルカリホス
ファターゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals)で処理し、フェノール/クロ
ロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させた。その消化されたPCR産物をCentri-
Sepカラム(Princeton Separations)上で精製した。消化されたPCR産物を、消
化されホスファターゼ処理されたpGM-1CKSベクター中に16℃で一晩連結した。DH
5αコンピテント細胞を該連結産物で形質転換し、LB+アンピシリン(150μg/ml
)プレート上にプレーティングした。ベクタープライマーpKRR EccoR1フォワー
ド(配列番号38)およびpKRR BamHIリバース(配列番号39)を使用するコロニー
PCRにより、適切なインサートの存在に関してコロニーを分析した。候補クロー
ンを含有するコロニーを同じタイプのプレート上での単離のために再ストリーク
した。凍結ストックおよびミニプレップDNAを得るために、一晩培養(LB培地+1
00μg/mlカルベニシリン)を調製した。凍結ストック(0.5mlの80%グリセロー
ル+0.5mlの一晩培養)を作製し、ミニプレップDNAを配列決定用に調製した。以
下のオリゴヌクレオチドを配列分析用のプライマーとして使用した:pTB-S1(配
列番号102)、pTB-S2(配列番号103)、pTB-S3(配列番号104)、pTB-S4(配列
番号100)、pTB-S5(配列番号105)、41sy-1C(配列番号40)、41sy-2(配列番
号41)、41sy-3(配列番号42)、41sy-4(配列番号23)、pKRREcoR1フォワード
(配列番号38)、pKRR BamH1リバース(配列番号39)。該配列分析の結果に基づ
き、pGO-14PL候補クローン#11をpGO-14PL/DH5αと称することにした(配列番号9
4は、該コード領域のヌクレオチド配列を示し、配列番号95は、コードされるア
ミノ酸配列を示す)。
【0177】 実施例12 C末端に融合したgp41免疫優性領域(IDR)の第2コピーを有するHIV-1 O群env gp120/gp41合成遺伝子の構築 A.pGO-15CKS/XL1の構築 pGO-15CKS/XL1は、組換えタンパク質pGO-15CKSをコードしており、そのアミノ
酸配列(配列番号97)を図16に示す。このタンパク質は、45アミノ酸のenv gp12
0(HIV-1 O群, HAM112分離株)と融合した246アミノ酸のCKS/ポリリンカー、199
アミノ酸のenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離株)、およびそれに続く4アミノ酸
のリンカー(Gly、Gly、Gly、Ser)およびenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離株
)のIDR領域を含む32アミノ酸よりなる。pGO-15CKS/XL1は以下のとおりに構築し
た。
【0178】 XL1-Blue細胞中で増殖させたプラスミドpGO-11CKS(実施例3第K節で得たもの
)を、Age IおよびBam HIで順次消化し、フェノール/クロロホルムで抽出し、エ
タノールで沈殿させた。合成オリゴヌクレオチドsynIDR#2-A(配列番号117)お
よびsynIDR#2-B(配列番号118)を、製造業者が推奨している方法に従いポリヌ
クレオチドキナーゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals)でキナーゼ処理した
。該キナーゼ処理オリゴヌクレオチドをアニールさせ、該二本鎖を、消化(Age
I+ Bam HI)されたpGO-11CKSベクターに連結した。スーパーコンピテントXL1-Bl
ue細胞を該連結産物で形質転換し、該細胞を、150μg/mlアンピシリンで補足さ
れたLBプレート上にプレーティングし、一晩インキュベートした。コロニーPCR
(プライマー41sy-1B配列番号29およびpTB-S8配列番号28)を用いて、候補クロ
ーンを同定した。コロニーを、150μg/mlアンピシリンで補足されたLBプレート
上での単離のために再ストリークした。該候補クローンの一晩培養を、100mg/ml
カルベニシリンおよび20mMグルコース(Sigma Chemical Co.)で補足された2×L
Bブロス(Life Technologies, Inc.)中で樹立した。Promega 373 DNA単離キッ
ト(Promega Corporation, Madison, WI)を製造業者が推奨している方法に従い
使用して、ミニプレップDNAを該一晩培養から調製した。また、該一晩培養を用
いて、凍結ストックを得た。細胞をペレット化し、20%グリセロール(J.T. Bak
er, Phillipsburg, NJ)を含有する2×LBブロスに再懸濁し、-70℃で凍結した。
以下のオリゴヌクレオチドプライマーを配列分析に使用した:CKS-1(配列番号3
0)、CKS-3(配列番号32)、43285(配列番号1)、43461(配列番号2)、41sy-1
B(配列番号29)、41sy-2B(配列番号34)、41sy-3B(配列番号35)、41sy-4(
配列番号23)およびCKS3583(配列番号20)。配列決定の結果に基づき、候補ク
ローンpGO-15CKS-48をpGO-15CKS/XL1と称することにした(配列番号96は、該コ
ード領域のヌクレオチド配列を示し、配列番号97は、コードされているアミノ酸
配列を示す)。
【0179】B.pGO-15PL/DH5αの構築 pGO-15PL/DH5αは、組換えタンパク質pGO-15PLをコードしており、そのアミノ
酸配列(配列番号120)を図17に示す。このタンパク質は、N末端メチオニン、お
よびそれに続く45アミノ酸のenv gp120(HIV-1 O群, HAM112分離株)、199アミ
ノ酸のenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離株)、4アミノ酸のリンカー(Gly、Gly
、Gly、Ser)およびenv gp41(HIV-1 O群, HAM112分離株)のIDR領域を含む32ア
ミノ酸よりなる。pGO-15PL/DH5は以下のとおりに構築した。
【0180】 PCR反応(100μl容量)を、AmpliTaq DNAポリメラーゼ(2.5U)および1×バッ
ファーならびに40μMの各dNTP、50pmolの41sy-3B(配列番号35)、50pmol pTB-S
38(配列番号28)および鋳型としての1ngのpGO-15CKS DNA(候補クローンpGO-15
CKS-48のミニプレップ;前記第A節から得たもの)で調製した。該反応物を95℃
で30秒間インキュベートし、ついで94℃で20秒間、50℃で30秒間および72℃で60
秒間の35サイクルで増幅し、ついで72℃で7分間インキュベートした。該増幅産
物を、QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen)を用いて精製した。精製され
た41sy-3B/pTB-S8増幅産物を、Age IおよびBam HIで順次消化し、ついでpGO-9PL
(前記実施例3第J節からのAge I+ Bam HIで消化され/ホスファターゼ処理され
たベクタープレップ)中に廉潔した。該連結産物を用いてコンピテントDH5α細
胞を形質転換し、150μg/mlアンピシリンで補足されたLBプレート上にプレーテ
ィングした。プライマー41sy-3(配列番号42)およびpKRR Bam HIリバース(配
列番号39)でのコロニーPCR、およびそれに続く、AgeIでの該PCR産物の消化によ
り、候補クローンを同定した。候補クローン#4を単離のために再ストリークした
。クローン#4の培養を、100μg/mlカルベニシリン(Sigma Chemical Co.)で補
足された2×LBブロス(Life Technologies)中で樹立し、34℃で一晩インキュベ
ートした。Promega 373 DNA Isolation Kit(Promega Corp)を該製造業者の概
要説明のとおりに使用して、該一晩培養の一部からミニプレップDNAを調製した
。残りの一晩培養をペレット化し、該細胞を、20%グリセロール(J.T. Baker C
o.)を含有するTerrificブロスに再懸濁し、-70℃で凍結した。以下のオリゴヌ
クレオチドプライマーを配列分析に使用した:pKRR EcoR1フォワード(配列番号
38)、pKRR Bam HIリバース(配列番号39)、41sy-1C(配列番号40)、41sy-2(
配列番号41)、41sy-3(配列番号42)、41sy-3B(配列番号35)および41sy-4(
配列番号23)。配列決定の結果に基づき、候補pGO-15PLクローン#4をpGO-15PL/D
H5αと称することにした(配列番号119は、該コード領域のヌクレオチド配列を
示し、配列番号120は、コードされるアミノ酸配列を示す)。
【0181】 実施例13 HIV-1 O群組換えgp41抗原pGO-8PL、pGO-9PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO- 15CKSの調製および精製 実施例5に記載のとおりに、それぞれのHIV-1 O群組換えgp41抗原構築物を含有
する大腸菌(E. coli)株を増殖させ、誘導することにより、前記抗原を調製し
た。得られた凍結細胞を、50mM Tris pH8、10mM Na EDTA、150mM NaCl、8% (w/v
)ショ糖、5% Triton X-100(登録商標) (v/v)、1mM PMSFおよび1μMペプスタチン
Aを含む***解バッファー中でホモジナイズすることにより再懸濁させた。リゾ
チームを、加工細胞1g当たり1.3mgの濃度で該ホモジネートに加え、氷上で30分
間のインキュベーションを行なって該細胞を溶解した。封入体を遠心分離により
可溶性タンパク質から分離した。これらのペレット化封入体を洗浄し、1)溶解
バッファー、2)10mM Na EDTA pH8、30% (w/v)ショ糖、および3)水中で順次ペ
レット化した。洗浄された封入体を50mM Tris pH8、10mM Na EDTA、150mM NaCl
および3M尿素に再懸濁し、氷上で1時間インキュベートした。ついで該封入体を
遠心分離により可溶性タンパク質から分離した。該ペレット化封入体を、7Mグア
ニジン-HCl、50mM Tris pH8、0.1% (w/v)β-メルカプトエタノール(BME)中で4
℃で一晩、完全に可溶化した。該可溶化組換え抗原を遠心分離により清澄化し、
0.2μmのフィルターに通過させた。1Mグアニジン-HClの最終濃度まで水で希釈(
1:7)することにより、該可溶化gp41抗原を7Mグアニジン-HCl溶液から沈殿させ
た。4℃で30分間のインキュベーションの後、沈殿したタンパク質を遠心分離し
、50mM Tris pH8、9M尿素、0.1% BME(v/v)中、4℃で一晩、再び可溶化した。
【0182】 つぎに可溶化HIV-1 O群組換えgp41抗原を、以下のとおりに精製した。まず、
該組換え抗原を、Q-Sepharose(Pharmacia)またはS-Sepharose(Pharmacia)カ
ラムを使用する陰イオンおよび/または陽イオン交換クロマトグラフィーにより
精製した。該可溶化gp41抗原溶液を、50mM Tris pH8、8M尿素および0.1% BME (v
/v)で予め平衡化されているQ-SepharoseまたはS-Sepharoseカラム上にローディ
ングした。該gp41抗原を、(1)カラムに直接通過させボイドボリューム中に集
めるか、あるいは(2)該カラムマトリックスに結合させた。吸着したら、該gp4
1抗原を0-1M NaCl勾配により該カラムから溶出した。SDS-ポリアクリルアミド電
気泳動を用いて、Q-SepharoseまたはS-Sepharoseカラムからの画分を分析した。
該組換えgp41抗原を含有する画分をプールし、ついで限外濾過により濃縮した。
該組換え抗原濃縮物を4% SDS (w/v)および5%BME (w/v)で室温にて3時間処理した
。SDSで処理した抗原をさらに、25mM Tris pH8、0.15M NaCl、0.1% v/v BME、0.
1% SDS (w/v)で平衡化したSephacryl S-300(Pharmacia)カラム上でのサイズ排
除クロマトグラフィーにより精製した。SDS-ポリアクリルアミド電気泳動を用い
て、該S-300カラムからの画分を分析した。精製組換え抗原を含有する画分をプ
ールし、0.2μmのフィルターに通過させ、-70℃で保存した。
【0183】 実施例14 HIV-1 M群およびO群サンプルに対する組換え抗原の反応性の試験 A.ビーズのコーティング 組換えHIV-1抗原の反応性を調べるために、精製組換え体を1/4インチポリスチ
レンビーズ上にコーティングした。これらの抗原コート化ビーズを、HIV-1 M群
およびO群サンプルに対する反応性を評価するための一連の捕捉アッセイで使用
した。
【0184】 組換え抗原を、0.5μg/ml(PBS中)で1/4インチビーズ上にコーティングした
。以下の組換え抗原をコーティングした:pTB319(M群)、pGO-9/CKS、pGO-11/P
L、pGO-12/CKS、pGO-14/PLおよびpGO-15/CKS(すべてO群)。
【0185】 該組換え抗原を該ビーズ上にコーティングするための方法は、以下のとおりで
ある。各抗原について、35.5gm(〜250)のビーズ(Abbott Laboratories code
93-2556、lot 6840M100)を、水中の15% N-プロパノール中、40℃で30分間洗浄
した。すべてのインキュベーションおよび洗浄は、シェーカープラットフォーム
上の小さな褐色のガラスジャー中で行なった。該N-プロパノール溶液を吸引除去
し、58.25mlの抗原溶液を加え、該ビーズを40℃で2時間インキュベートした。該
抗原溶液を吸引除去し、60mlの0.1% Triton X-100溶液(PBS中)を40℃で30分
間加えた。ついで該ビーズを60mlのPBSで2回洗浄し、60mlの2%BSA(PBS中)で4
0℃にて30分間インキュベートした。該BSAを吸引し、該ビーズをPBS中で再び洗
浄した。ついで該ビーズを、60mlの0.5%ショ糖(PBS中)中、室温で15分間イン
キュベートした。15分後、該ショ糖を吸引し、該ビーズを風乾させた。コーティ
ングされたビーズを、乾燥剤入りのポリスチレンボトル中、4℃で保存した。
【0186】B.アッセイ 組換え抗原でコーティングされたビーズを、Abbott Laboratories 3A11キット
(第1世代の間接アッセイ様式)を使用して、種々のサンプルに対する反応性に
関して試験した。サンプルを希釈し、ポリスチレントレー中のウェルに加えた。
ビーズを加え、該トレーを40℃で1時間インキュベートした。該トレーを、Abbot
t Laboratories QUICKWASH装置中、水で洗浄した。つぎに該キット共役体(抗ヒ
トIgG-ホースラディッシュペルオキシダーゼ)を加え、該トレーを再び40℃で1
時間インキュベートした。該トレーを再び洗浄し、300μlの基質溶液(0.02%過
酸化水素を含有するクエン酸-リン酸バッファー中1.28mg/mlのo-フェニレンジア
ミン・HCl)を室温で30分間、各ウェルに加えた。1mlの1N硫酸を加えて反応を停
止し、該トレーをAbbott QUANTUM分光光度計中で読取った。
【0187】 この研究に使用したサンプルは、正常なヒト血漿(Abbott Laboratories code
99800、lot 17535M400)(陰性対照として使用)、HIVPL-31(M群陽性血清)お
よび以下のO群陽性血清であった:14283、189404、193Ha、14791、267HaおよびE
SP-1。正常なヒト血漿対照を除くすべてのサンプルは、1:1,000、1:10,000およ
び1:100,000(キット試料希釈剤中)の3つの希釈度で使用した。各サンプルの各
希釈物を、6個のビーズのそれぞれに対して二重に使用し、各希釈物の結果を各
ビーズについて平均しプロットした。
【0188】C.結果 図18〜23に示す前記試験の結果は、本発明の組換え抗原の使用により得られう
る感度および選択性における改善を示している。HIV-1 M群組換え抗原(pTB319
)でコーティングされたビーズは、M群血清サンプルを検出したが、1つを除くす
べてのO群サンプルを検出しなかった。HIV-1 O群組換え抗原(pGO-9/CKS、pGO-1
1/PLおよびpGO-15/CKS)のみでコーティングされたビーズは、O群血清サンプル
を検出したが、HIV-1 M群サンプルの検出においてはより低い感度を示した。ハ
イブリッドM群およびO群組換え抗原(pGO-12/CKSおよびpGO-14/PL)でコーティ
ングされたビーズは、HIV-1 M群陽性サンプルおよびHIV-1 O群陽性サンプルの両
方を検出する能力を有していた。最後に、pGO-15CKS(これは、該タンパク質の
カルボキシ末端に組換え手段により結合したgp41のO群免疫優性領域に相当する
追加的な配列を有する)は、低力価O群サンプルに対して、より大きな反応性を
示した。
【0189】 実施例15 O群組換え抗原pGO-9CKSおよびpGO-11CKSを使用するHIV-1 O群感染サンプルに
関するアッセイ感度の検討 A.アッセイ 本発明の抗原構築物のイムノアッセイにおける性能を評価するために、組換え
抗原pGO-9CKSおよびpGO-11CKSを、HIV-1 M群(B亜型)試薬を含有する4つのHIV-
1/HIV-2イムノアッセイに組み入れた。1つのビーズアッセイ(アッセイ1)およ
び微粒子に基づく3つの自動化アッセイ(アッセイ2〜4)を用いて、該構築物を
試験した。すべての場合に、HIV-1 O群組換え体を組み入れて(フォーマット(F
ormat)2)および組み入れないで(フォーマット1)、HIV-1 O群感染試料の反応
性を評価した。該コート化ビーズ/微粒子を、HIV-1 O群陽性ヒト血清ESP1、189
404、193Ha、341Ha、2156およびABB 9/96の複数の希釈物と反応させた。
【0190】 アッセイ(Assay)1では、精製されたpGO-11CKSを、1/4インチポリスチレンビ
ーズ上に該抗原構築物をコーティングすることにより、ビーズに基づく商業的に
入手可能なアッセイに組み入れた。該コート化ビーズを、一定範囲の希釈度のHI
V-1 O群陽性ヒト血清と反応させ、洗浄し、ついで、ホースラディッシュペルオ
キシダーゼと共役した精製pGO-9CKSと反応させた。洗浄し、結合pGO-9CKS共役体
を未結合pGO-9CKS共役体から分離した後、基質を加え、該アッセイを完了した(
実施例14に記載のとおり)。
【0191】 アッセイ2では、精製pGO-11CKSを、該抗原構築物を微粒子上にコーティングす
ることにより、もう1つの商業的に入手可能なアッセイに組み入れた。該コート
化微粒子を、アッセイ1で用いたのと同じ範囲の希釈度のHIV-1 O群陽性ヒト血清
と反応させた。ついで該微粒子を洗浄し、ついでビオチン化pGO-9CKSと反応させ
た。さらに洗浄した後、該微粒子を、アルカリホスファターゼと共役したポリク
ローナル抗ビオチン抗体と反応させた。基質メチルウンベリフェリルホスファー
トを加えることにより、該アッセイシグナルを現像した。
【0192】 アッセイ3では、精製pGO-11CKSを、該抗原構築物を微粒子上にコーティングす
ることにより、もう1つの商業的に入手可能なアッセイに組み入れた。この場合
もまた、該コート化微粒子を、アッセイ1で用いたのと同じ範囲の希釈度のHIV-1
O群陽性ヒト血清と反応させた。つぎに該微粒子を洗浄し、ついでビオチン化pG
O-9CKSと反応させた。洗浄後、該微粒子を、シグナル生成化合物としてのアクリ
ジニウムと共役した抗ビオチン抗体と反応させた。
【0193】 アッセイ4では、精製pGO-11CKSを、該抗原構築物を磁性微粒子上にコーティン
グすることにより、展開(developmental)アッセイに組み入れた。アッセイ1の
場合と同様、該コート化微粒子を、一定範囲の希釈度のHIV-1 O群陽性ヒト血清
と反応させ、洗浄し、ついでアクリジニウムと共役したpGO-9CKSと反応させた。
【0194】B.結果 前記試験の結果を以下の表1および2に示す。表中のデータは、シグナル/カッ
トオフ(S/CO)比として示されている。フォーマット1は、本発明の抗原構築物
の不存在下での通常のアッセイを意味し、フォーマット2は、該HIV-1 O群構築物
で補足されたアッセイを意味する。
【0195】 これらのデータから、HIV-1 O群組換え体の添加は、試験した全希釈度のHIV-1
O群感染血清に関するアッセイ感度の有意な増強をもたらすことが認められる。
例えば、アッセイ1およびサンプル193Haの場合、フォーマット1を用いた場合に
は1:10の希釈度において7.14のS/CO比が得られたが、フォーマット2を用いた場
合には160倍大きな希釈度(1:1600)において同様のS/CO(7.22)が得られた。
この傾向は、試験したアッセイプラットフォームのすべてにわたり維持された。
該O群組換え体の有用性は、サンプル2156(これは、該O群組換え体の添加前に4
つすべてのアッセイにおいて陰性(S/CO<1)を示した)に関して特に明らかであ
った。しかしながら、HIV-1 O群構築物の添加により、このサンプル2156は、1:4
00希釈度における4つすべてのアッセイにおいて陽性を示した。アッセイ1におい
ては、2156は1:5000の希釈度においても依然として陽性であった。このように、
前記の直接フォーマットイムノアッセイを用いた場合、組換え試薬pGO-9CKSおよ
びpGO-11CKSの添加は、HIV-1 O群感染血清に関して、実質的に、より良好な感度
を与えることが判明した。
【0196】
【表1】
【0197】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、HIV-1 O群分離株HAM112からのenvタンパク質の推定アミノ酸配列(配
列番号61)を示す。
【図2A】 合成HIV-1 O群env gp120/gp41遺伝子構築物を得るために用いる方法を示す。
図中、pGO-8インサート=Osyn-5’〜Osyn-P3’、pGO-9インサート=Osyn-5’〜Osy
n-O3’、pGO-11インサート=Osyn-5’〜Osyn-M、およびH=示されているとおりに
欠失しているHIV-1 O群の疎水性領域である。
【図2B】 合成HIV-1 O群env gp120/gp41遺伝子構築物を得るために用いる方法を示す。
図中、pGO-8インサート=Osyn-5’〜Osyn-P3’、pGO-9インサート=Osyn-5’〜Osy
n-O3’、pGO-11インサート=Osyn-5’〜Osyn-M、およびH=示されているとおりに
欠失しているHIV-1 O群の疎水性領域である。
【図2C】 合成HIV-1 O群env gp120/gp41遺伝子構築物を得るために用いる方法を示す。
図中、pGO-8インサート=Osyn-5’〜Osyn-P3’、pGO-9インサート=Osyn-5’〜Osy
n-O3’、pGO-11インサート=Osyn-5’〜Osyn-M、およびH=示されているとおりに
欠失しているHIV-1 O群の疎水性領域である。
【図2D】 合成HIV-1 O群env gp120/gp41遺伝子構築物を得るために用いる方法を示す。
図中、pGO-8インサート=Osyn-5’〜Osyn-P3’、pGO-9インサート=Osyn-5’〜Osy
n-O3’、pGO-11インサート=Osyn-5’〜Osyn-M、およびH=示されているとおりに
欠失しているHIV-1 O群の疎水性領域である。
【図3A】 pGO-9PL/DH5αおよびpGO-9CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する。
【図3B】 pGO-9PL/DH5αおよびpGO-9CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する。
【図3C】 pGO-9PL/DH5αおよびpGO-9CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する。
【図3D】 pGO-9PL/DH5αおよびpGO-9CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する。
【図4A】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図4B】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図4C】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図4D】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図4E】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図4F】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図4G】 pGO-11PL/DH5αおよびpGO-11CKS/XL1の構築にかかわる工程の概要を図示する
【図5】 pGO-8PL組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号58)を例示する。
【図6】 pGO-8CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号60)を示す。
【図7】 pGO-9PL組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号48)を例示する。
【図8】 pGO-9CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号50)を示す。
【図9】 pGO-11PL組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号52)を例示する。
【図10】 pGO-11CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号54)を示す。
【図11】 pHIV-210組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号55)を例示する。
【図12】 pGM-1CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号108)を例示する。
【図13】 pGO-12CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号91)を例示する。CKS/
ポリリンカー、HIV-1 M群分離株HXB2Rからのenv gp120/gp41、およびHIV-1 O群
分離株HAM112からのenv gp120/gp41に対応する残基が示されている。
【図14】 pGO-13CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号93)を例示する。CKS/
ポリリンカー、HIV-1 M群分離株HXB2Rからのenv gp120/gp41、およびHIV-1 O群
分離株HAM112からのenv gp120/gp41に対応する残基が示されている。
【図15】 pGO-14PL組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号95)を例示する。HIV-1
M群分離株HXB2Rからのenv gp120/gp41、およびHIV-1 O群分離株HAM112からのenv
gp120/gp41に対応する残基が示されている。
【図16】 pGO-15CKS組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号97)を例示する。CKS/
ポリリンカー、HIV-1 O群分離株HAM112からのenv gp120/gp41、4アミノ酸のリン
カー、およびHAM112分離株からのgp41 IDRの第2コピーに対応する残基が示され
ている。
【図17】 pGO-15PL組換えタンパク質のアミノ酸配列(配列番号120)を例示する。HIV-1
O群分離株HAM112からのenv gp120/gp41、4アミノ酸のリンカー、およびHAM112
分離株からのgp41 IDRの第2コピーに対応する残基が示されている。
【図18】 HIVPL-31(M群陽性)を含む血清ならびに血清番号14283、189404、193Ha、147
91、267HaおよびESP-1(すべてO群陽性)のパネルでM群抗原pTB319ならびにO群
組換え抗原pGO-9CKS、pGO-11PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO-15CKSのそれぞ
れの反応性を試験するコート化(coated)ビーズイムノアッセイ(後記実施例14
で説明する)において得られた結果を示す。
【図19】 HIVPL-31(M群陽性)を含む血清ならびに血清番号14283、189404、193Ha、147
91、267HaおよびESP-1(すべてO群陽性)のパネルでM群抗原pTB319ならびにO群
組換え抗原pGO-9CKS、pGO-11PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO-15CKSのそれぞ
れの反応性を試験するコート化(coated)ビーズイムノアッセイ(後記実施例14
で説明する)において得られた結果を示す。
【図20】 HIVPL-31(M群陽性)を含む血清ならびに血清番号14283、189404、193Ha、147
91、267HaおよびESP-1(すべてO群陽性)のパネルでM群抗原pTB319ならびにO群
組換え抗原pGO-9CKS、pGO-11PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO-15CKSのそれぞ
れの反応性を試験するコート化(coated)ビーズイムノアッセイ(後記実施例14
で説明する)において得られた結果を示す。
【図21】 HIVPL-31(M群陽性)を含む血清ならびに血清番号14283、189404、193Ha、147
91、267HaおよびESP-1(すべてO群陽性)のパネルでM群抗原pTB319ならびにO群
組換え抗原pGO-9CKS、pGO-11PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO-15CKSのそれぞ
れの反応性を試験するコート化(coated)ビーズイムノアッセイ(後記実施例14
で説明する)において得られた結果を示す。
【図22】 HIVPL-31(M群陽性)を含む血清ならびに血清番号14283、189404、193Ha、147
91、267HaおよびESP-1(すべてO群陽性)のパネルでM群抗原pTB319ならびにO群
組換え抗原pGO-9CKS、pGO-11PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO-15CKSのそれぞ
れの反応性を試験するコート化(coated)ビーズイムノアッセイ(後記実施例14
で説明する)において得られた結果を示す。
【図23】 HIVPL-31(M群陽性)を含む血清ならびに血清番号14283、189404、193Ha、147
91、267HaおよびESP-1(すべてO群陽性)のパネルでM群抗原pTB319ならびにO群
組換え抗原pGO-9CKS、pGO-11PL、pGO-12CKS、pGO-14PLおよびpGO-15CKSのそれぞ
れの反応性を試験するコート化(coated)ビーズイムノアッセイ(後記実施例14
で説明する)において得られた結果を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 ヤマグチ,ジユリー アメリカ合衆国、イリノイ・60045、シカ ゴ、ウエスト・ジエローム・ストリート・ 3034 (72)発明者 ゴールデン,アラン・エム アメリカ合衆国、イリノイ・60091、ウイ ルメツト、ローレル・レイン・2516 (72)発明者 ブレナン,キヤスリーン・エイ アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイビル、イースト・リンカーン・アベニ ユー・634 (72)発明者 ヒツクマン,ロバート・ケイ アメリカ合衆国、イリノイ・60060、マン デレイン、サウス・プレイリー・アベニユ ー・524 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA35 CA04 DA06 EA04 GA07 GA11 4B065 AA26X AA95Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA46 4H045 AA11 BA10 BA41 CA05 DA86 EA53 FA73 FA74

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図1の配列(配列番号61)より実質的になるアミノ酸配列を
    有する単離されたHIV-1 O群envポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドの免疫反応性部分を含んでな
    る単離されたHIV-1 O群envポリペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1および2のいずれか1項に記載のポリペプチドをコー
    ドするポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 第2 HIV-1 O群envポリペプチドと融合した第1 O群envポリペ
    プチドを含んでなる抗原構築物。
  5. 【請求項5】 該第1ポリペプチドがgp120ポリペプチドであり、該第2ポリ
    ペプチドがgp41ポリペプチドである、請求項4に記載の抗原構築物。
  6. 【請求項6】 該gp41ポリペプチドの疎水性領域の部分が欠失している、請
    求項5に記載の抗原構築物。
  7. 【請求項7】 該第1および第2 HIV-1 O群envポリペプチドの少なくとも1つ
    がHIV-1 O群分離株HAM112に由来する、請求項4、5および6のいずれか1項に記載
    の抗原構築物。
  8. 【請求項8】 該第1ポリペプチドがHIV-1 O群分離株HAM112のgp120タンパ
    ク質の免疫反応性部分を含む、請求項4に記載の抗原構築物。
  9. 【請求項9】 該第1ポリペプチドが、図1の配列(配列番号61)の残基1〜5
    20またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項8に記載の抗
    原構築物。
  10. 【請求項10】 該第1ポリペプチドが、図1の配列(配列番号61)の残基47
    6〜520より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項9に記載の抗原構築物。
  11. 【請求項11】 該第2ポリペプチドがHIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパ
    ク質の免疫反応性部分を含む、請求項4、8、9および10のいずれか1項に記載の抗
    原構築物。
  12. 【請求項12】 該第2ポリペプチドが、図1の配列(配列番号61)の残基52
    1〜873またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項11に記載
    の抗原構築物。
  13. 【請求項13】 HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の
    部分が該第2ポリペプチドに存在しない、請求項11に記載の抗原構築物。
  14. 【請求項14】 該欠失部分が、図1の配列(配列番号61)の残基690〜715
    より実質的になるアミノ酸配列を有するgp41の部分である、請求項11に記載の抗
    原構築物。
  15. 【請求項15】 該第2ポリペプチドが、図9(配列番号52)の残基47〜373
    より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の抗原構築物。
  16. 【請求項16】 該第2ポリペプチドが、図7(配列番号48)の残基47〜245
    より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の抗原構築物。
  17. 【請求項17】 該第2ポリペプチドが、図5(配列番号58)の残基47〜215
    より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の抗原構築物。
  18. 【請求項18】 pGO-8PL、pGO-8CKS、pGO-9PL、pGO-9CKS、pGO-11PLおよび
    pGO-11CKSならびにそれらの誘導体、変異体および類似体よりなる群から選ばれ
    る、請求項4に記載の抗原構築物。
  19. 【請求項19】 少なくとも1つのHIV-1 O群envポリペプチドと少なくとも1
    つのHIV-1 M群envポリペプチドとの融合体を含んでなる抗原構築物。
  20. 【請求項20】 (a)第1 HIV-1 O群envポリペプチド、 (b)第2 HIV-1 O群envポリペプチド、 (c)第1 HIV-1 M群envポリペプチド、および (d)第2 HIV-1 M群envポリペプチド の融合体を含む、請求項19に記載の抗原構築物。
  21. 【請求項21】 該HIV-1 M群ポリペプチドがB亜型のHIV-1分離株に由来す
    る、請求項20に記載の抗原構築物。
  22. 【請求項22】 該HIV-1 M群ポリペプチドの少なくとも1つがHIV-1 M群分
    離株HXB2Rに由来する、請求項21に記載の抗原構築物。
  23. 【請求項23】 該HIV-1 O群配列の少なくとも1つがHIV-1 O群分離株HAM11
    2に由来する、請求項20、21および22のいずれか1項に記載の抗原構築物。
  24. 【請求項24】 該第1 O群envポリペプチドおよび該第1 M群envポリペプチ
    ドが共にgp120ポリペプチドであり、該第2 O群envポリペプチドおよび該第2 M群
    envポリペプチドが共にgp41ポリペプチドである、請求項20に記載の抗原構築物
  25. 【請求項25】 gp41ポリペプチドの少なくとも1つの疎水性領域の部分が
    欠失している、請求項24に記載の抗原構築物。
  26. 【請求項26】 (a)該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、HIV-1 O群分離
    株HAM112のgp120タンパク質の免疫反応性部分を含み、 (b)該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タ
    ンパク質の免疫反応性部分を含み、 (c)該第1 HIV-1 M群envポリペプチドが、B亜型の第1 HIV-1 M群分離株のg
    p120タンパク質の免疫反応性部分を含み、 (d)該第2 HIV-1 M群envポリペプチドが、B亜型の第2 HIV-1 M群分離株のg
    p41タンパク質の免疫反応性部分を含む、請求項20に記載の抗原構築物。
  27. 【請求項27】 B亜型の第1および第2 HIV-1 M群分離株が同じでありHIV-1
    M群分離株HXB2Rである、請求項26に記載の抗原構築物。
  28. 【請求項28】 HIV-1 M群分離株HXB2Rのgp41タンパク質の疎水性領域の部
    分が該第2 HIV-1 M群envポリペプチドに存在しない、請求項27に記載の抗原構築
    物。
  29. 【請求項29】 (a)該第1 HIV-1 M群envポリペプチドが、図12の配列(
    配列番号108)の残基251〜292より実質的になるアミノ酸配列を有し、 (b)該第2 HIV-1 M群envポリペプチドが、図12の配列(配列番号108)の残基
    293〜599またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項26に記
    載の抗原構築物。
  30. 【請求項30】 該第2 HIV-1 M群envポリペプチドが、図12の配列(配列番
    号108)の残基293〜492より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項29に記
    載の抗原構築物。
  31. 【請求項31】 該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番
    号61)の残基1〜520またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請
    求項20、24、25、26、27、28、29および30のいずれか1項に記載の抗原構築物。
  32. 【請求項32】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番
    号61)の残基521〜873またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、
    請求項31に記載の抗原構築物。
  33. 【請求項33】 該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番
    号61)の残基476〜520より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項31に記載
    の抗原構築物。
  34. 【請求項34】 HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の
    部分が該第2 HIV-1 O群envポリペプチドに存在しない、請求項33に記載の抗原構
    築物。
  35. 【請求項35】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図9(配列番号52)
    の残基47〜373より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項33に記載の抗原
    構築物。
  36. 【請求項36】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図7(配列番号48)
    の残基47〜245より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項33に記載の抗原
    構築物。
  37. 【請求項37】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図5(配列番号58)
    の残基47〜215より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項33に記載の抗原
    構築物。
  38. 【請求項38】 pGO-12CKS、pGO-13CKSおよびpGO-14PLならびにそれらの誘
    導体、変異体および類似体よりなる群から選ばれる、請求項19に記載の抗原構築
    物。
  39. 【請求項39】 第1 HIV-1 envポリペプチド、第2 HIV-1 envポリペプチド
    および少なくとも1つの追加的HIV-1ポリペプチドの融合体を含んでなる抗原構築
    物。
  40. 【請求項40】 該第1 HIV-1 envポリペプチドおよび該第2 HIV-1 envポリ
    ペプチドがそれぞれHIV-1 O群ポリペプチドである、請求項39に記載の抗原構築
    物。
  41. 【請求項41】 該第1 HIV-1 O群envポリペプチドがgp120ポリペプチドで
    あり、該第2 HIV-1 O群envポリペプチドがgp41ポリペプチドである、請求項40に
    記載の抗原構築物。
  42. 【請求項42】 該第1 HIV-1 O群envポリペプチドがHIV-1 O群分離株HAM11
    2のgp120タンパク質の免疫反応性部分を含み、該第2 HIV-1 O群envポリペプチド
    がHIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の免疫反応性部分を含む、請求項41
    に記載の抗原構築物。
  43. 【請求項43】 該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番
    号61)の残基1〜520またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請
    求項42に記載の抗原構築物。
  44. 【請求項44】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番
    号61)の残基521〜873またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、
    請求項43に記載の抗原構築物。
  45. 【請求項45】 該第1 HIV-1 O群envポリペプチドが、図1の配列(配列番
    号61)の残基476〜520より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項43に記載
    の抗原構築物。
  46. 【請求項46】 HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の
    部分が該第2 HIV-1 O群envポリペプチドに存在しない、請求項45に記載の抗原構
    築物。
  47. 【請求項47】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図9(配列番号52)
    の残基47〜373より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項45に記載の抗原
    構築物。
  48. 【請求項48】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図7(配列番号48)
    の残基47〜245より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項45に記載の抗原
    構築物。
  49. 【請求項49】 該第2 HIV-1 O群envポリペプチドが、図5(配列番号58)
    の残基47〜215より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項45に記載の抗原
    構築物。
  50. 【請求項50】 該追加的HIV-1ポリペプチドがO群envポリペプチドである
    、請求項40、41、42、43、44、45、46、47、48および49のいずれか1項に記載の
    抗原構築物。
  51. 【請求項51】 該追加的HIV-1 O群ポリペプチドがHIV-1 O群分離株HAM112
    のgp41タンパク質の免疫反応性部分を含む、請求項50に記載の抗原構築物。
  52. 【請求項52】 該追加的HIV-1 O群ポリペプチドが、図1の配列(配列番号
    61)の残基521〜873またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請
    求項51に記載の抗原構築物。
  53. 【請求項53】 HIV-1 O群分離株HAM112のgp41タンパク質の疎水性領域の
    部分が該追加的HIV-1 O群ポリペプチドに存在しない、請求項52に記載の抗原構
    築物。
  54. 【請求項54】 該追加的HIV-1 O群envポリペプチドが、図9(配列番号52
    )の残基47〜373より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項50に記載の抗
    原構築物。
  55. 【請求項55】 該追加的HIV-1 O群envポリペプチドが、図7(配列番号48
    )の残基47〜245より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項50に記載の抗
    原構築物。
  56. 【請求項56】 該追加的HIV-1 O群envポリペプチドが、図5(配列番号58
    )の残基47〜215より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項50に記載の抗
    原構築物。
  57. 【請求項57】 該追加的HIV-1 O群envポリペプチドが、図17(配列番号12
    0)の残基250〜281より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項50に記載の
    抗原構築物。
  58. 【請求項58】 pGO-15CKSおよびpGO-15PLならびにそれらの誘導体、変異
    体および類似体よりなる群から選ばれる、請求項40に記載の抗原構築物。
  59. 【請求項59】 第2 HIV-2 envポリペプチドと融合した第1 HIV-2 envポリ
    ペプチドを含んでなる抗原構築物。
  60. 【請求項60】 該第1 HIV-2 envポリペプチドがgp120ポリペプチドであり
    、該第2 HIV-2 envポリペプチドがgp36ポリペプチドである、請求項59に記載の
    抗原構築物。
  61. 【請求項61】 (a)該第1 HIV-2 envポリペプチドが、図11の配列(配列
    番号55)の残基248〜307またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有し、 (b)該第2 HIV-2 envポリペプチドが、図11の配列(配列番号55)の残基30
    8〜466またはその一部より実質的になるアミノ酸配列を有する、請求項60に記載
    の抗原構築物。
  62. 【請求項62】 pHIV-210ならびにその誘導体、変異体および類似体である
    、請求項59に記載の抗原構築物。
  63. 【請求項63】 請求項4、18、19、38、39、58、59および62のいずれか1項
    に記載の抗原構築物をコードするポリヌクレオチド。
  64. 【請求項64】 適当な宿主内での発現を指令しうる制御配列に作動的に結
    合している、請求項63に記載のポリヌクレオチド。
  65. 【請求項65】 該コード配列が、該発現宿主に適したコドンの偏りを与え
    るように修飾されている、請求項63に記載のポリヌクレオチド。
  66. 【請求項66】 請求項63に記載のポリヌクレオチドを含んでなる発現ベク
    ター。
  67. 【請求項67】 請求項66に記載の発現ベクターにより形質転換された宿主
    細胞。
  68. 【請求項68】 該宿主が大腸菌(Escherichia. coli)である、請求項67
    に記載の宿主細胞。
  69. 【請求項69】 試験サンプル中のHIV-1に対する抗体の検出方法であって
    、 (a)請求項4、18、19、38、39、58、59および62のいずれか1項に記載の少
    なくとも1つの抗原構築物と該試験サンプルとを一緒にして混合物を得、 (b)該抗原に対して免疫学的に反応性であり該サンプル中に存在しうる抗
    体と該抗原との複合体の形成に適した条件下、該混合物をインキュベートし、 (c)形成したいずれかの複合体の存在を検出する工程を含んでなる方法。
  70. 【請求項70】 工程(c)における複合体の存在の検出を、シグナル生成
    化合物が結合している請求項4、18、19、38、39、58、59および62のいずれか1項
    に記載の追加的抗原構築物を使用して行なう、請求項69に記載の方法。
  71. 【請求項71】 工程(c)における複合体の存在の検出を、特異的結合ペ
    アの第1メンバーが結合している請求項4、18、19、38、39、58、59および62のい
    ずれか1項に記載の追加的抗原構築物を使用して、さらに、シグナル生成化合物
    が結合している特異的結合ペアの第2メンバーを含む指示試薬を使用して行なう
    、請求項69に記載の方法。
  72. 【請求項72】 工程(c)における複合体の存在の検出を、シグナル生成
    化合物が結合している工程(b)において形成した複合体に対する抗体を使用し
    て行なう、請求項69に記載の方法。
  73. 【請求項73】 工程(c)における複合体の存在の検出を、特異的結合ペ
    アの第1メンバーが結合している工程(b)において形成した複合体に対する抗体
    を使用して、さらに、シグナル生成化合物が結合している特異的結合ペアの第2
    メンバーを含む指示試薬を使用して行なう、請求項69に記載の方法。
  74. 【請求項74】 請求項4、18、19、38、39、58、59および62のいずれか1項
    に記載の抗原構築物を含んでなる、HIV-1に対する抗体の検出のためのイムノア
    ッセイキット。
  75. 【請求項75】 該抗原構築物が捕捉試薬である、請求項74に記載のイムノ
    アッセイキット。
  76. 【請求項76】 該抗原構築物が指示試薬である、請求項74に記載のイムノ
    アッセイキット。
  77. 【請求項77】 該抗原構築物が特異的結合ペアの第1メンバーに結合して
    おり、該キットが、シグナル生成化合物に結合した特異的結合ペアの第2メンバ
    ーを含む指示試薬をさらに含む、請求項74に記載のイムノアッセイキット。
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