JP2003522530A - 新規ヒトプロテアーゼ及び該プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

新規ヒトプロテアーゼ及び該プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド

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JP2003522530A JP2001558470A JP2001558470A JP2003522530A JP 2003522530 A JP2003522530 A JP 2003522530A JP 2001558470 A JP2001558470 A JP 2001558470A JP 2001558470 A JP2001558470 A JP 2001558470A JP 2003522530 A JP2003522530 A JP 2003522530A
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Abstract

(57)【要約】 療法、診断及び薬理ゲノミクス適用に使用できる、新規ヒトポリヌクレオチド及びポリペプチド配列を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2000年2月11日に提出され、そして本明細書にその全体が援
用される、米国仮出願第60/181,924号の利益を主張する。1.序論 本発明は、哺乳動物プロテアーゼと配列相同性を共有するタンパク質をコード
する、新規ヒトポリヌクレオチドの発見、同定及び性質決定に関する。本発明は
、記載されるポリヌクレオチド、宿主細胞発現系、コードされるタンパク質、融
合タンパク質、ポリペプチド及びペプチド、コードされるタンパク質及びペプチ
ドに対する抗体、並びに開示された配列を欠失するか又は過剰発現する遺伝的に
操作された動物、該タンパク質のアンタゴニスト及びアゴニスト、並びに診断、
薬剤スクリーニング、臨床試験モニタリング、生理障害の治療又は感染症に使用
できる、開示されたポリヌクレオチドにコードされるタンパク質の発現又は活性
を調節する他の化合物を含む。2.発明の背景 プロテアーゼは、生体内の分解、成熟及び分泌経路の一部としてタンパク質基
質を切断する。プロテアーゼは、とりわけ、発生の調節、糖尿病、肥満、不妊、
細胞内プロセスの調節及び感染症に関連している。3.発明の概要 本発明は、新規ヒトタンパク質をコードするヌクレオチド及びこれらのタンパ
ク質の対応するアミノ酸配列の発見、同定及び性質決定に関する。本明細書に初
めて記載される新規ヒトタンパク質(NHP)は、動物のプロテアーゼ、特にア
ミノペプチダーゼと構造的相同性を共有する。
【0002】 本明細書に記載される新規ヒト核酸(cDNA)配列は、長さ507、69、
290、265、211、267、186、242、453、532、428、
509及び484アミノ酸(それぞれ、配列番号2、4、6、8、10、12、
14、16、18、20、22、24及び26を参照されたい)のタンパク質/
オープンリーディングフレーム(ORF)をコードする。
【0003】 本発明はまた、記載されるNHPのアゴニスト及びアンタゴニスト(天然NH
Pと競合する小型分子、大型分子、変異体NHP、又はその一部を含む)、NH
Pペプチド、及びNHP抗体、並びに記載されるNHPの発現を阻害するのに使
用できるヌクレオチド配列(例えばアンチセンス及びリボザイム分子、並びに遺
伝子又は制御配列置換構築物)、又は記載されるNHPの発現を促進させるのに
使用できるヌクレオチド配列(例えば記載される配列を強力なプロモーター系の
制御下に置く発現構築物)、並びにNHP導入遺伝子を発現するトランスジェニ
ック動物、又は機能するNHPを発現しない「ノックアウト」動物(条件的であ
ってもよい)を含む。前記NHPのネズミ相同物を変異させた、ジーントラップ
された「ノックアウト」ネズミES細胞株が樹立されている。したがって、本発
明の更なる態様は、NHPの発現レベルの低下を特徴とするノックアウトマウス
を含む。
【0004】 さらに、本発明はまた、記載されるNHP及び/又はNHP産物の精製された
調製物、あるいはNHPを発現する細胞を利用して、NHP発現及び/又はNH
P活性を調節する化合物、すなわちアゴニスト又はアンタゴニストとして作用す
る化合物を同定するための方法にも関する。こうした化合物は、生物学的障害又
は平衡異常に関連する非常に多様な症状のいずれの治療用の療法剤としても使用
できる。4.配列表及び図面の説明 配列表は、記載されるNHPアミノ酸配列をコードする、NHP ORFの配
列を提供する。配列番号27は、NHP ORFをフランキング配列と共に記載
する。5.発明の詳細な説明 本明細書に初めて記載されるNHPは、とりわけ、ヒト細胞株、並びにヒト胎
児大脳、大脳、下垂体、小脳、脊髄、胸腺、脾臓、リンパ節、骨髄、気管、腎臓
、胎児肝臓、肝臓、前立腺、精巣、甲状腺、副腎、膵臓、唾液腺、胃、小腸、結
腸、子宮、胎盤、乳腺、脂肪、皮膚、食道、膀胱、頸部、直腸、心膜、視床下部
、卵巣、胎児腎臓及び胎児肺の細胞で発現する新規タンパク質である。
【0005】 前記NHPは様々な生物由来のアミノペプチダーゼ、特にアミノペプチダーゼ
Pと配列相同性を有する。アミノペプチダーゼは様々な細胞内及び疾患プロセス
に関係しており、多くの科学的な精査に付されている。例えば、米国特許第5,
972,680号は本願に記載のNHPのようなプロテアーゼの利用及び適用に
ついて記載し、米国特許第5,656,603号は様々なアミノペプチダーゼPの
化学的アンタゴニストについて記載している。両者は本明細書にその全体が援用
される。
【0006】 記載される配列は、ジーントラップされたcDNA、及びヒト精巣cDNAラ
イブラリー(Edge Biosystems、メリーランド州ゲーサーズバーグ)から単離さ
れたクローンから集めた。本発明は、配列表に提示されるヌクレオチド、こうし
たヌクレオチドを発現する宿主細胞、こうしたヌクレオチドの発現産物、及び:
(a)記載される配列の哺乳動物相同体(具体的に記載されるNHP及びNHP
産物を含む)をコードするヌクレオチド;(b)NHPの機能性ドメインに相当
するNHPの1つ以上の部分をコードするヌクレオチド、及びそれらのヌクレオ
チド配列に特定されるポリペプチド産物(活性ドメインの新規領域が含まれるが
、これらに限定されない);(c)前記NHPの少なくとも1つのドメインの全
部又は一部が欠失又は置換した遺伝子工学的に操作した変異体又は天然変異体を
コードする単離ヌクレオチド、及びそれらのヌクレオチド配列により特定される
ポリペプチド産物、これらにはシグナル配列の全部又は一部が欠失した可溶性タ
ンパク質及びペプチドが含まれるが、これらに限定されない;(d)別のペプチ
ド又はポリペプチドに融合した、NHPのコード領域の全部又は一部、あるいは
そのドメインの1つ(例えば受容体又はリガンド結合ドメイン、アクセサリータ
ンパク質/自己結合ドメインなど)を含む、キメラ融合タンパク質をコードする
ヌクレオチド;又は(e)記載されるポリヌクレオチドの療法的又は診断的誘導
体、例えば配列表に初めて開示された配列を含むオリゴヌクレオチド、アンチセ
ンスポリヌクレオチド、リボザイム、dsRNA、又は遺伝子治療構築物を含む
【0007】 上に論じられるように、本発明は:(a)配列表に提示されるヒトDNA配列
(及び該配列を含むベクター)を含み、そしてさらに、配列表に提示されるDN
A配列の相補体に、非常にストリンジェントな条件下、例えば、0.5M Na
HPO4、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mM EDTA中、65℃
でのフィルター結合DNAへのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/
0.1%SDS中、68℃での洗浄(Ausubel F.M. et al. eds., 1989, Curren
t Protocols in Molecular Biology, Vol. I, Green Publishing Associates, I
nc.,及びJohn Wiley & Sons, Inc., New York, p.2.10.3)という条件下でハイ
ブリダイズし、そして機能的に同等な遺伝子産物をコードする、隣接するNHP
オープンリーディングフレーム(ORF)をコードするあらゆるヌクレオチド配
列、又は配列表に初めて記載する隣接するエクソンスプライスジャンクションを
意図する。さらに意図されるのは、配列表に提示されるアミノ酸配列をコードし
そして発現するDNA配列の相補体に、中程度にストリンジェントな条件下、例
えば0.2×SSC/0.1%SDS中、42℃での洗浄(Ausubel et al., 19
89、上記)でハイブリダイズし、しかも機能的に同等なNHP産物をコードする
、あらゆるヌクレオチド配列である。NHPの機能的同等物は、他の種に存在す
る天然NHP、及び天然に存在するか又は操作されている(部位特異的突然変異
誘発、遺伝子シャッフリング、例えば米国特許第5,837,458号に記載され
るような定方向進化による)突然変異NHPを含む。本発明はまた、開示された
NHPポリヌクレオチド配列の縮重核酸変異体も含む。
【0008】 さらに意図されるのは、NHP ORFをコードするポリヌクレオチド、又は
配列表のヌクレオチド配列の対応する領域に約99、95、90又は約85パー
セント相同又は同一であるポリヌクレオチド配列(例えば標準デフォルト設定を
用いたGCG配列解析パッケージを用いた、BLAST配列比較解析で測定され
るようなもの)にコードされる、その機能的同等物である。
【0009】 本発明はまた、記載されるNHPヌクレオチド配列にハイブリダイズし、した
がってその相補体である、核酸分子、好ましくはDNA分子も含む。こうしたハ
イブリダイゼーション条件は、上述のように、非常にストリンジェントであって
も、又はそれほど非常にストリンジェントでなくてもよい。核酸分子がデオキシ
オリゴヌクレオチド(「DNAオリゴ体」)である場合、それらの分子は本明細
書の配列表に初めて開示した配列の連続領域を含む、一般に約16〜約100塩
基、約20〜約80塩基、若しくは約34〜約45塩基の長さのもの、又はここ
に示すサイズの任意の変更又は組み合わせである。それらのオリゴヌクレオチド
をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と組み合わせて用いて、ライブラリーのスク
リーニング、クローンの単離、並びにクローニングテンプレート及び配列決定テ
ンプレートの調製などを行うことができる。
【0010】 あるいは、こうしたNHPオリゴヌクレオチドは、ライブラリーをスクリーニ
ングし、そして(特に、マイクロアレイ又は高処理「チップ」形式を用いて)遺
伝子発現パターンを評価するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用
できる。さらに、一連の記載されるNHPオリゴヌクレオチド配列、又はその相
補体を、記載されるNHP配列の全部又は一部を提示するのに使用できる。配列
番号1〜27のうち1つ以上の配列の少なくとも一部に初めて開示されたオリゴ
ヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列は、固体支持マトリックス/基板(樹脂
、ビーズ、膜、プラスチック、ポリマー、金属又は金属被覆基板、結晶性基板又
は多結晶質基板など)と共にハイブリダイゼションプローブとして用いることが
できる。特に注目されるのは、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチド又は対
応するオリゴペプチド及びポリペプチドの空間的にアドレス可能なアレイ(即ち
、遺伝子チップ、マイクロタイタープレートなど)であり、空間的にアドレス可
能なアレイ上に存在する少なくとも1つのバイオポリマーは、配列番号1〜27
のうち少なくとも1つの配列に初めて開示されたオリゴヌクレオチド又はポリヌ
クレオチド配列、又はそれらにコードされるアミノ酸配列を含む。バイオポリマ
ーを固体支持マトリックスに付着させる方法又は固体支持マトリックス上で合成
する方法、及びその上で結合研究を実施する方法は、とりわけ米国特許第5,7
00,637号、5,556,752号、5,744,305号、4,631,211
号、5,445,934号、5,252,743号、4,713,326号、5,42
4,186号及び4,689,405号に開示されており、これらの開示は本明細
書にその全体が援用される。
【0011】 配列番号1〜27に初めて開示された配列を含むアドレス可能なアレイを用い
て、遺伝子の時間的且つ組織特異的発現を同定し、性質決定することができる。
これらアドレス可能なアレイは、生産技術の限度内であるが、所望の特異性を付
与するのに十分な長さのオリゴヌクレオチド配列を取り込む。これらプローブの
長さは、約8〜約2000ヌクレオチドの範囲内である。好ましくはプローブは
配列番号1〜27に初めて開示された配列由来の60ヌクレオチドから成り、よ
り好ましくは25ヌクレオチドから成る。
【0012】 例えば、一連の記載されるオリゴヌクレオチド配列又はその相補体をチップ形
式で用いて記載される配列の全部又は一部を再現することができる。オリゴヌク
レオチド、典型的には長さ約16〜約40(又はこの範囲内のいかなる整数でも
よい)のヌクレオチドは、互いに部分的に重複していてもよく、及び/又は配列
は、重複しないオリゴヌクレオチドを用いて提示されてもよい。したがって、記
載されるポリヌクレオチド配列は、典型的には、各々、本明細書の配列表に初め
て開示された、少なくとも長さ約8ヌクレオチドのうち、少なくとも約2又は3
の別個のオリゴヌクレオチド配列を含むはずである。こうしたオリゴヌクレオチ
ド配列は、配列表の配列内に存在するいかなるヌクレオチドから始まることもで
き、そして記載される配列に関して、センス(5’から3’)方向、又はアンチ
センス方向、いずれにも進行することができる。
【0013】 マイクロアレイに基づく解析により広範なパターンの遺伝子活性の発見が可能
となり、遺伝子機能の新たな理解を提供し、転写過程及び生物機構についての新
規且つ予想外の洞察を生ずる。配列番号1〜27に初めて開示された配列を含む
アドレス可能なアレイの使用は、特定経路に伴う転写の変化について詳細な情報
を提供し、潜在的に新規成分又は遺伝子機能の同定をもたらして新規表現型とし
てそれら自体を明らかにする。
【0014】 配列番号1〜27に初めて開示された配列から成るプローブを用いて薬剤発見
のための新規分子標的の同定、選択及び確認をすることもできる。これら非反復
配列の使用により、薬剤標的の直接の確認、及び薬剤が意図する標的とは異なる
経路を介して調節される遺伝子発現における薬剤依存的変化の認識が可能となる
。したがって、これら非反復配列もまた薬剤作用及び毒性を明確にしモニタリン
グする上で有用である。
【0015】 有用性の例として、配列番号1〜27に初めて開示された配列をマイクロアレ
イ又は他のアッセイ形式に用いて、特定の病状を有する患者からの遺伝子材料の
採集物をスクリーニングすることができる。配列番号1〜27に初めて開示され
た配列を用いて、当該技術分野において公知のコンピュータソフトウエアで以前
に採集した遺伝子のデータベースと開示配列とを比較することにより、in s
ilicoでこうした調査を実施することもできる。
【0016】 したがって、配列番号1〜27に初めて開示された配列を、特定の疾患に関連
する変異を同定するために、及び診断又は予後アッセイとして用いることができ
る。
【0017】 現在記載されている配列はヌクレオチド配列を用いて明確に記載されているが
、各配列を、種々の付加的な構造特性のいずれか又はそれらの組合せを用いて独
自に記載することができることを認識すべきである。例えば、所定の配列を、そ
の配列の所定の領域内に存在するヌクレオチドの最終的な組成物により、配列番
号1〜27に初めて開示された1つ以上の特定のオリゴヌクレオチドの存在と共
に記載することができる。あるいは、制限酵素による消化部位の相対的な位置を
特定する制限地図、又は種々のパリンドローム配列若しくは他の特定オリゴヌク
レオチド配列を用いて所定の配列を構造的に記載することができる。このような
制限地図は、典型的には広く有用なコンピュータプログラム(例えば、ウィスコ
ンシン大学GCG配列解析パッケージ、SEQUENCHER3.0、Gene Codes Corp.、ミ
シガン州アナーバーなど)により作られるが、所望により、1つ以上の更なる配
列又は開示配列中に存在する1つ以上の制限部位に対する、配列の相対位置によ
り、記載することができる配列中に存在する1つ以上の不連続のヌクレオチド配
列と共に用いることができる。
【0018】 オリゴヌクレオチドプローブに関しては、非常にストリンジェントな条件は、
例えば、6×SSC/0.05%ピロリン酸ナトリウム中、37℃(14塩基オ
リゴ)、48℃(17塩基オリゴ)、55℃(20塩基オリゴ)、及び60℃(
23塩基オリゴ)での洗浄を指す。これらの核酸分子は、例えばNHP遺伝子制
御に有用な、NHP遺伝子アンチセンス分子をコードしていてもよく、又はアン
チセンス分子として作用してもよい(NHP核酸配列の増幅反応におけるアンチ
センスプライマーを得るため、及び/又は当該アンチセンスプライマーとして)
。NHP遺伝子制御に関しては、生物学的機能を制御するのにこうした技術を使
用できる。さらに、こうした配列は、やはりNHP遺伝子制御に有用であるリボ
ザイム及び/又は三重らせん配列の一部として使用できる。
【0019】 阻害アンチセンス又は二本鎖オリゴヌクレオチドは、さらに、5−フルオロウ
ラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポ
キサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシ
メチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5
−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガ
ラクトシルケオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、
1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メ
チルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン
、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5
−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルケオシン
、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチ
ルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワ
イブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、ケオシン、2−チオシト
シン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、
5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5
−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−
N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、及び2,6−ジアミ
ノプリンを含む群より選択される、少なくとも1つの修飾塩基部分を含むことが
できるが、これらに限定されるわけではない。
【0020】 アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、アラビノース、2−フルオロアラビ
ノース、キシルロース、及びヘキソースを含む群より選択される、少なくとも1
つの修飾糖部分も含むことができるが、これらに限定されるわけではない。
【0021】 さらに別の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオ
エート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミドチオエート、ホスホロアミデー
ト、ホスホロジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル
、及びホルムアセタール又はそれらの類似体からなる群より選択される、少なく
とも1つの修飾ホスフェート骨格を含むであろう。
【0022】 さらに別の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、α−アノマー
オリゴヌクレオチドである。α−アノマーオリゴヌクレオチドは、相補的RNA
と特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、該ハイブリッドでは、通常のβ−単位
とは対照的に、鎖は互いに平行に走る(Gautier et al., 1987, Nucl. Acids Re
s. 15: 6625-6641)。オリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルリボヌクレオチ
ド(Inoue et al., 1987, Nucl. Acids Res. 15: 6131-6148)、又はキメラRN
A−DNA類似体(Inoue et al., 1987, FEBS Lett. 215: 327-330)である。
あるいは、二本鎖RNAを用い、標的NHPの発現及び機能を崩壊させることが
できる。
【0023】 本発明のオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において公知の標準的な方法に
よって、例えば自動化DNA合成装置(例えばBiosearch、Applied Biosystems
などから市販のもの)の使用によって合成できる。例えば、ホスホロチオエート
オリゴヌクレオチドは、Stein et al.(1988, Nucl. Acids Res. 16: 3209)の
方法によって合成でき、そしてメチルホスホネートオリゴヌクレオチドは、制御
孔ガラスポリマー支持体の使用(Sarin et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A. 85: 7448-7451)などによって調製できる。
【0024】 低ストリンジェント条件は、当業者に周知であり、そして予測可能であるよう
に、ライブラリー及び標識配列が由来する特定の生物に応じて異なるであろう。
こうした条件に関する手引きには、例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular
Cloning, A Laboratory Manual(及びその定期的な改訂版), Cold Springs H
arbor Press, N.Y.;及びAusubel et al., 1989, Current Protocols in Molecu
lar Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Y.を
参照されたい。
【0025】 あるいは、適切に標識されたNHPヌクレオチドプローブを用いて、適切にス
トリンジェントな条件を用い、又はPCRによって、ヒトゲノムライブラリーを
スクリーニングすることができる。ヒトゲノムクローンの同定及び性質決定は、
多型(ヌクレオチド反復、マイクロサテライト対立遺伝子、一ヌクレオチド多型
、又はコード一ヌクレオチド多型を含むが、これらに限定されるわけではない)
を同定し、既定の遺伝子座/対立遺伝子のゲノム構造を決定し、そして診断試験
を計画するのに役立つ。例えば、ヒト遺伝子のイントロン/エクソン境界に隣接
する領域由来の配列を用いて、エクソン、イントロン、スプライシング部位(例
えばスプライシングアクセプター及び/又はドナー部位)などの内部での突然変
異を検出する増幅アッセイで用いるためのプライマーを設計することができ、診
断法及び薬理ゲノミクスに使用できる。
【0026】 さらに、本明細書に開示されたNHP産物内のアミノ酸配列に基づいて設計さ
れた、2つの縮重又は「ゆらぎ」オリゴヌクレオチドプライマープールを用いて
PCRを実行することにより、目的の生物由来の核酸からNHP相同体を単離で
きる。反応のためのテンプレートは、NHP遺伝子の対立遺伝子を発現すること
が知られる、又は発現すると推測される、ヒト又は非ヒト細胞株又は組織から調
製された、総RNA、mRNA、及び/又はmRNAの逆転写によって得られた
cDNAであってもよい。
【0027】 PCR産物は、サブクローニングし、配列決定をして、増幅された配列が所望
のNHP遺伝子の配列に相当することを確実にすることができる。その後、PC
R断片を用いて、多様な方法によって、全長cDNAクローンを単離できる。例
えば、増幅断片を標識し、バクテリオファージcDNAライブラリーなどのcD
NAライブラリーをスクリーニングするのに使用できる。あるいは、標識断片を
用いて、ゲノムライブラリーのスクリーニングを介し、ゲノムクローンを単離す
ることができる。
【0028】 PCR技術はまた、全長cDNA配列を単離するのに使用できる。例えば、R
NAは、標準的な方法にしたがい、適切な細胞又は組織供給源(すなわち、NH
P遺伝子を発現することが知られる、又は発現すると推測されるもの)から単離
できる。逆転写(RT)反応は、第一鎖合成のプライミングのための、増幅断片
の5’最末端に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、RNAに対し
て行うことが可能である。その後、生じたRNA/DNAハイブリッドは、標準
的末端トランスフェラーゼ反応を用いて「テール化」し、ハイブリッドをRNa
seHで消化し、そしてその後、第二鎖合成を相補的プライマーでプライミング
することができる。このように、増幅断片の上流のcDNA配列を単離すること
が可能である。使用できるクローニング戦略の概説には、例えばSambrook et al
.,1989、上記を参照されたい。
【0029】 突然変異体NHP遺伝子をコードするcDNAは、例えば、PCRを用いるこ
とによって単離することが可能である。この場合、第一のcDNA鎖は、突然変
異体NHP対立遺伝子を有すると推定される個体において、発現されることが知
られる又は発現されることが推測される組織から単離されたmRNAに、オリゴ
dTオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、そして逆転写酵素で新規鎖を伸
長させることによって、合成することが可能である。その後、cDNAの第二鎖
は、正常遺伝子の5’末端に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを
用いて合成する。これらの2つのプライマーを用い、その後、PCRを介して産
物を増幅し、所望により、適切なベクターにクローニングし、そして当業者に周
知の方法を通してDNA配列解析に供する。突然変異体NHP対立遺伝子のDN
A配列を、対応する正常NHP対立遺伝子と比較することによって、突然変異体
NHP遺伝子産物の機能の損失又は改変に関与する、単数又は複数の突然変異を
確かめることが可能である。
【0030】 あるいは、突然変異体NHP対立遺伝子を有すると推測される、又は有するこ
とが知られる個体(例えば、肥満、高血圧、結合組織障害、不妊などのNHP関
連表現型を発現している個人)から得たDNAを用いて、ゲノムライブラリーを
構築することができ、あるいは突然変異体NHP対立遺伝子を発現することが知
られる、又は発現すると推測される組織由来のRNAを用いて、cDNAライブ
ラリーを構築することができる。その後、正常NHP遺伝子、又はいかなるもの
でもよい適切なその断片を標識して、こうしたライブラリーにおいて、対応する
突然変異体NHP対立遺伝子を同定するプローブとして用いることもできる。そ
の後、突然変異体NHP遺伝子配列を含むクローンを精製して、当業者に周知の
方法にしたがい配列解析に供することができる。
【0031】 さらに、例えば、突然変異体NHP対立遺伝子を有すると推測される、又は有
することが知られる個体における、こうした突然変異対立遺伝子を発現すること
が知られる、又は発現すると推測される組織より単離したRNAから合成したc
DNAを利用して、発現ライブラリーを構築することができる。この方式では、
推定上の突然変異組織によって作製される遺伝子産物を発現させ、そして以下に
記載されるように、正常NHP産物に対して作製された抗体と組み合わせた標準
的抗体スクリーニング技術を用いてスクリーニングすることが可能である。(ス
クリーニング技術に関しては、例えば、Harlow E. and Lane, eds., 1988, “A
ntibodies: A Laboratory Manual”, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring
Harborを参照されたい。) さらに、スクリーニングは、例えばアルカリホスファターゼ−NHP融合タン
パク質又はNHP−アルカリホスファターゼ融合タンパク質などの標識NHP融
合タンパク質でスクリーニングすることにより達成することができる。NHP突
然変異が、(例えばミスセンス又はフレームシフト突然変異の結果として)改変
された機能を有する発現遺伝子産物を生じる場合、NHPに対するポリクローナ
ル抗体は、対応する突然変異体NHP遺伝子産物と交差反応する可能性がある。
こうした標識抗体との反応を介して検出されるライブラリークローンは、当該技
術分野に周知の方法にしたがって精製し、そして配列解析に供することができる
【0032】 本発明はまた、(a)前述のNHPコード配列及び/又はその相補体(すなわ
ちアンチセンス)のいずれかを含むDNAベクター;(b)コード配列の発現を
指示する制御配列と機能的に結合した前述のNHPコード配列のいずれかを含む
DNA発現ベクター(例えば、本明細書に援用する米国特許第5,869,336
号に記載されるようなバキュロウイルス);(c)宿主細胞において、コード配
列の発現を指示する制御配列と機能的に結合した前述のNHPコード配列のいず
れかを含む、遺伝的に操作された宿主細胞;及び(d)外因的に導入された制御
配列の制御下に内因性NHP遺伝子を発現する(すなわち遺伝子活性化)、遺伝
的に操作された宿主細胞、を含む。本明細書において、制御配列には、誘導性及
び非誘導性プロモーター、エンハンサー、オペレーター、及び発現をドライブし
、制御することが当業者に公知の他の配列が含まれるが、これらに限定されるわ
けではない。こうした制御配列には、サイトメガロウイルス(hCMV)極初期
遺伝子、制御可能ウイルス配列(特にレトロウイルスLTRプロモーター)、S
V40アデノウイルスの初期又は後期プロモーター、lac系、trp系、TA
C系、TRC系、ラムダファージの主要オペレーター及びプロモーター領域、f
dコートタンパク質の調節領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)の
プロモーター、酸性ホスファターゼのプロモーター、及び酵母α−接合因子のプ
ロモーターが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0033】 本発明はまた、抗体及び抗イディオタイプ抗体(Fab断片を含む)、NHP
のアンタゴニスト及びアゴニスト、並びにNHP遺伝子の発現を阻害する化合物
若しくはヌクレオチド構築物(転写因子阻害剤、アンチセンス及びリボザイム分
子、又は遺伝子若しくは制御配列置換構築物)、又はNHPの発現を促進させる
化合物若しくはヌクレオチド構築物(例えばNHPコード配列が、プロモーター
、プロモーター/エンハンサーなどの発現調節配列と機能的に結合した発現構築
物)を含む。
【0034】 NHP又はNHPペプチド、NHP融合タンパク質、NHPヌクレオチド配列
、抗体、アンタゴニスト及びアゴニストは、疾患の診断のため、突然変異体NH
P又は不適切に発現されたNHPを検出するのに有用である可能性がある。NH
Pタンパク質又はペプチド、NHP融合タンパク質、NHPヌクレオチド配列、
宿主細胞発現系、抗体、アンタゴニスト、アゴニスト、並びに遺伝的に操作され
た細胞及び動物は、体内で、NHPの正常機能を混乱させる症候的発現又は表現
型発現の治療に効果的な薬剤のスクリーニング(又はコンビナトリアルライブラ
リーの高処理スクリーニング)に使用できる。操作された宿主細胞及び/又は動
物の使用は、こうした系がNHPの内因性受容体に結合する化合物を同定できる
だけでなく、NHP介在活性又は経路を誘発する化合物もまた同定できるという
点で有利である。
【0035】 最後に、NHP産物は、療法剤として用いることが可能である。例えば、NH
Pに相当するNHPペプチド/ドメインのような可溶性誘導体、NHP融合タン
パク質産物(特に、NHP−Ig融合タンパク質、すなわちIgFcへのNHP
、又はNHPのドメインの融合体)、NHP抗体及び抗イディオタイプ抗体(F
ab断片を含む)、アンタゴニスト又はアゴニスト(NHP介在経路中の下流標
的を調節する又は該標的に作用する化合物を含む)を用い、疾患又は障害を直接
治療することが可能である。例えば、有効量の可溶性NHP、又はNHP−Ig
Fc融合タンパク質又はNHPを模倣する抗イディオタイプ抗体(又はそのFa
b)の投与は、内因性NHP受容体、アクセサリー分子又は基質を活性化するか
、又は効果的に中和することができる。こうしたNHP産物をコードするヌクレ
オチド構築物を用いて、宿主細胞がこうした産物をin vivoで発現するよ
うに遺伝的に操作することができ;これらの遺伝的に操作された細胞は、体内で
「バイオリアクター」として機能し、NHP、NHPペプチド、又はNHP融合
タンパク質を、連続した供給で、体に搬送する。機能するNHP、突然変異体N
HP、並びにアンチセンス及びリボザイム分子をコードするヌクレオチド構築物
はまた、NHP発現を調節するための「遺伝子治療」アプローチに使用すること
もできる。したがって、本発明はまた、生物学的障害を治療するための医薬製剤
及び方法も含む。
【0036】 本発明の多様な態様は、以下のサブセクションにより詳細に記載される。 5.1.NHP配列 記載されるNHPのcDNA配列及び対応する推定アミノ酸配列を配列表に示
す。配列番号27はNHP ORF及びフランキング領域を記載する。NHPヌ
クレオチドは、ヒトのジーントラップされた配列タグから作られるプローブ及び
/又はプライマーを用いて、ヒトcDNAライブラリーから得た。発現解析は、
記載されるNHPがヒト組織及びジーントラップされたヒト細胞において広く発
現している証拠を提供している。
【0037】 5.2.NHP及びNHPポリペプチド NHP、NHPポリペプチド、NHPペプチド断片、NHPの突然変異体、短
鎖型、又は欠失型、及び/又はNHP融合タンパク質を、多様な使用のために調
製することができる。これらの使用には、抗体の生成、診断アッセイの試薬とし
ての使用、NHPに関連する他の細胞内遺伝子産物の同定、精神的、生物学的又
は医学的障害及び疾患の療法措置に有用な医薬的試薬として使用できる化合物に
関してスクリーニングするためのアッセイ試薬としての使用が含まれるが、これ
らに限定されるわけではない。
【0038】 配列表は、記載されるNHPポリヌクレオチドにコードされるアミノ酸配列を
開示する。NHPは、DNA配列背景において翻訳開始部位と一致するイニシエ
ーターメチオニンを表示し、そして分泌タンパク質に特徴的なコンセンサスシグ
ナル配列を表示する。
【0039】 本発明のNHPアミノ酸配列は、配列表に提示されるアミノ酸配列、並びにそ
の類似体及び誘導体を含み、そして配列表に初めて開示された長さが少なくとも
約10〜40アミノ酸、一般的には約12〜35アミノ酸又は約16〜30アミ
ノ酸のいかなるオリゴペプチド配列も含む。さらに、他の種由来の対応するNH
P相同体が本発明に含まれる。実際、上述のNHPヌクレオチド配列にコードさ
れるいかなるNHPも本発明の範囲内であり、配列表に提示されるアミノ酸配列
のすべて又はいかなる新規部分をコードする、いかなる新規ポリヌクレオチド配
列も同様である。遺伝暗号の縮重性が周知であり、したがって、配列表に提示さ
れる各アミノ酸は、該アミノ酸をコードすることが可能な周知の核酸「トリプレ
ット」コドン、又は多くの場合、コドン類の一般的代表例である。こうしたもの
として、本明細書において意図されるように、配列表に提示されるアミノ酸配列
は、遺伝暗号と併せて考えた場合(例えば、本明細書に援用する“Molecular Ce
ll Biology”, 1986, J. Darnell et al. eds., Scientific American Books,
New York, NYの第109頁の表4−1を参照されたい)、こうしたアミノ酸配列
をコードすることが可能な核酸配列の多様な順列及び組み合わせのすべてのうち
の一般的代表例である。
【0040】 本発明はまた、いくつかの規準のうちのいずれかにより判断して、本明細書に
記載されるヌクレオチド配列にコードされるNHPと機能的に同等であるタンパ
ク質も包含し、これらの規準はNHPの基質に結合し該基質を切断する能力、あ
るいは同一の又は相補的下流経路を達成する能力、あるいは細胞内代謝(例えば
タンパク質分解活性、イオン流動、チロシンリン酸化など)の変化を含むが、こ
れらに限定されるわけではない。こうした機能的に同等なNHPタンパク質は、
上述のNHPヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列内のアミノ酸残基の
付加物又は置換物であるが、サイレント変化を生じ、したがって、機能的に同等
な遺伝子産物を産生するものを含むが、これらに限定されるわけではない。アミ
ノ酸置換は、関与する残基の極性、荷電、可溶性、疎水性、親水性及び/又は両
親媒性の性質における類似性に基づいて行うことができる。例えば、非極性(疎
水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、
フェニルアラニン、トリプトファン、及びメチオニンが含まれ;極性中性アミノ
酸には、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン
及びグルタミンが含まれ;陽性荷電(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リジ
ン及びヒスチジンが含まれ;そして陰性荷電(酸性)アミノ酸には、アスパラギ
ン酸及びグルタミン酸が含まれる。
【0041】 多様な宿主発現ベクター系を用いて、本発明のNHPヌクレオチド配列を発現
させることが可能である。本発明の例におけるように、NHP産物又はNHPポ
リペプチドが可溶性又は分泌性分子であると考えられる場合、ペプチド又はポリ
ペプチドを培地から回収することが可能である。こうした発現系はまた、NHP
、又は機能的同等物をin situで発現する、操作された宿主細胞も含む。
こうした発現系からのNHPの精製又は濃縮は、適切な界面活性剤及び脂質ミセ
ル、並びに当業者に周知の方法を用いて達成することが可能である。しかしなが
ら、こうした操作された宿主細胞自体は、NHPの構造的機能的特性を保持する
だけでなく、生物学的活性を評価することが重要である状況、例えば薬剤スクリ
ーニングアッセイで用いることが可能である。
【0042】 本発明の目的のため使用できる発現系には、NHPヌクレオチド配列を含む、
組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNA発現ベ
クターで形質転換された細菌(例えば大腸菌、枯草菌)などの微生物;NHPを
コードするヌクレオチド配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵
母(例えばサッカロミセス属、ピヒア属);NHP配列を含む組換えウイルス発
現ベクター(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;NHPヌクレオ
チド配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイ
ルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した、又は組換えプ
ラスミド発現ベクター(例えばTiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;
あるいは哺乳動物細胞のゲノム由来のプロモーター(例えばメタロチオネインプ
ロモーター)又は哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えばアデノウイルス
後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発
現構築物を有する哺乳動物細胞系(例えばCOS、CHO、BHK、293、3
T3)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0043】 細菌系において、発現されるNHP産物に意図される使用に応じ、いくつかの
発現ベクターを好適に選択することが可能である。例えば、NHPの医薬組成物
又はNHPを含む医薬組成物の生成のために、あるいはNHPに対する抗体を作
製するために、多量のこうしたタンパク質を産生しようとする場合、容易に精製
される融合タンパク質産物の高レベルの発現を指示するベクターが望ましいこと
がある。こうしたベクターには、融合タンパク質が産生されるように、NHPコ
ード配列を、個々に、lacZコード領域とインフレームでベクター内に連結す
ることが可能である、大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther et al., 1983,
EMBO J. 2: 1791);pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids
Res. 13: 3101-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 264: 550
3-5509)などが含まれるが、これらに限定されるわけではない。pGEXベクタ
ー(Pharmacia又はAmerican Type Cuture Collection)もまた、グルタチオンS
−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として、異種ポリペプチド
を発現するのに使用できる。一般的に、こうした融合タンパク質は可溶性であり
、そしてグルタチオン−アガロースビーズに吸着させ、続いて遊離グルタチオン
の存在下で溶出させることによって、溶解された細胞から容易に精製することが
可能である。pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物が、GS
T部分から遊離できるように、トロンビン又はXa因子プロテアーゼ切断部位を
含むよう設計されている。
【0044】 昆虫系においては、オートグラファ・カリフォルニカ核多角体ウイルス(Ac
NPV)が、異種配列を発現するのにベクターとして用いられる。該ウイルスは
、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞内で増殖する。
NHPコード配列は、個々に、ウイルスの非必須領域(例えばポリヘドリン遺伝
子)にクローニングし、AcNPVプロモーター(例えばポリヘドリンプロモー
ター)の制御下に置くことが可能である。NHPコード配列の挿入が成功すると
、ポリヘドリン遺伝子の不活性化及び非閉塞性組換えウイルス(すなわちポリヘ
ドリン遺伝子にコードされるタンパク質性コートを欠失するウイルス)の産生が
生じるであろう。これらの組換えウイルスを、その後、スポドプテラ・フルギペ
ルダ細胞を感染させるのに用い、該細胞において、挿入配列が発現される(例え
ば、Smith et al., 1983, J. Virol. 46: 584; Smith、米国特許第4,215,0
51号を参照されたい)。
【0045】 哺乳動物宿主細胞において、いくつかのウイルスに基づく発現系を利用できる
。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合、目的のNHPヌクレオチド
配列は、アデノウイルス転写/翻訳調節複合体、例えば後期プロモーター及び三
分割(tripartite)リーダー配列に連結することができる。その後、このキメラ
遺伝子を、in vitro又はin vivo組換えによって、アデノウイルス
ゲノムに挿入することができる。ウイルスゲノムの非必須領域(例えばE1又は
E3領域)における挿入は、生存可能であり、そして感染した宿主においてNH
P産物を発現することが可能な組換えウイルスを生じるであろう(例えばLogan
& Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 3655-3659を参照されたい)
。特定の開始シグナルもまた、挿入されたNHPヌクレオチド配列の効率的な翻
訳に必要とされる可能性がある。これらのシグナルには、ATG開始コドン及び
隣接配列が含まれる。それ自体の開始コドン及び隣接配列を含む、全NHP遺伝
子又はcDNAが、適切な発現ベクターに挿入される場合、さらなる翻訳調節シ
グナルは必要とされない可能性がある。しかしながら、NHPコード配列の一部
のみが挿入される場合、おそらくATG開始コドンを含む、外因性翻訳調節シグ
ナルが提供されなければならない。さらに、開始コドンは、全挿入物の翻訳を確
実にするため、所望のコード配列のリーディングフレームと位相が同じでなけれ
ばならない。これらの外因性翻訳調節シグナル及び開始コドンは、多様な起源の
ものでもよく、天然でも合成でもよい。発現効率は、適切な転写エンハンサー配
列、転写ターミネーターなどを含むことによって、促進させることが可能である
(Bitter et al., 1987, Methods in Enzymol. 153: 516-544を参照されたい)
【0046】 さらに、挿入された配列の発現を調節するか、又は特定の望ましい方式で遺伝
子産物を修飾し、そしてプロセシングする、宿主細胞株を選択することができる
。タンパク質産物のこうした修飾(例えば糖鎖形成)及びプロセシング(例えば
切断)は、タンパク質の機能に重要である可能性がある。異なる宿主細胞は、タ
ンパク質及び遺伝子産物の翻訳後プロセシング及び修飾のための特徴的且つ特異
的な機構を有する。適切な細胞株又は宿主系を選択し、発現される異質のタンパ
ク質の正しい修飾及びプロセシングを確実にすることができる。このために、一
次転写物の適切なプロセシング、糖鎖形成及び遺伝子産物のリン酸化のための細
胞機構を有する真核宿主細胞を使用できる。こうした哺乳動物宿主細胞には、C
HO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、WI
38及び特にヒト細胞株が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0047】 組換えタンパク質の長期の高収率産生のため、安定な発現が好ましい。例えば
、上述のNHP配列を安定して発現する細胞株を設計することができる。ウイル
ス複製起点を含む発現ベクターを用いるよりむしろ、適切な発現調節配列(例え
ばプロモーター、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位
など)によって調節されるDNA、及び選択可能マーカーで宿主細胞を形質転換
することができる。異種DNAの導入後、操作された細胞を、栄養強化培地中で
1〜2日間増殖させ、その後選択培地に移すことができる。組換えプラスミド中
の選択可能マーカーは、選択に対する耐性を与え、そして細胞が染色体にプラス
ミドを安定して組み込み、そして増殖巣を形成するまで増殖することを可能にす
る。続いて該増殖巣を、クローニングし、そして細胞株へと発展させることがで
きる。この方法は、NHP産物を発現する細胞株を操作するのに、好適に用いる
ことが可能である。こうした操作細胞株は、NHP産物の内因性活性に影響を与
える化合物をスクリーニングし、評価するのに、特に有用である可能性がある。
【0048】 いくつかの選択系を用いてもよく、選択系には単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ(Wigler et al., 1977, Cell 11: 223)、ヒポキサンチン−グアニン
・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1962, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 48: 2026)、及びアデニン・ホスホリボシルトランスフェ
ラーゼ(Lowy et al., 1980, Cell 22: 817)遺伝子が含まれるが、これらに限
定されるわけではない。これらの遺伝子はそれぞれ、tk-、hgprt-又はa
prt-細胞で使用することができる。また、代謝拮抗剤耐性を、以下の遺伝子
:メトトレキセートに対する耐性を与えるdhfr(Wigler et al., 1980, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 77: 3567; O'Hare et al., 1981, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 78: 1527);ミコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt(Mullig
an & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 2072);アミノ配糖体G−
418に対する耐性を与えるneo(Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mol.
Biol. 150: 1);及びハイグロマイシンに対する耐性を与えるhygro(San
terre et al., 1984, Gene 30: 147)に関する選択の基礎として使用することが
できる。
【0049】 あるいは、いかなる融合タンパク質も、発現される融合タンパク質に特異的な
抗体を利用することによって、容易に精製することが可能である。例えば、Jank
necht et al.により記載される系は、ヒト細胞株で発現される非変性融合タンパ
ク質の容易な精製を可能にする(Janknecht et al., 1991, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 88: 8972-8976)。この系では、遺伝子のオープンリーディングフレー
ムが、翻訳された際に、6つのヒスチジン残基から成るアミノ末端タグに融合す
るように、目的の遺伝子をワクシニア組換えプラスミド中にサブクローニングす
る。組換えワクシニアウイルスに感染した細胞由来の抽出物を、Ni2+・ニトリ
ロ酢酸−アガロースカラム上に装填し、ヒスチジンタグ化タンパク質を、イミダ
ゾール含有緩衝液で選択的に溶出する。
【0050】 また、本発明に含まれるのは、NHPを標的器官に向け、及び/又は細胞膜を
通る細胞質ゾルへの輸送を促進させる融合タンパク質である。NHPを抗体分子
又はそのFab断片に結合させることにより、特定のエピトープを有する細胞を
標的とするために用いることができる。適切なシグナル配列をNHPに付着させ
てもNHPは細胞内の所望の位置に輸送される。あるいは、NHP又はその核酸
配列のターゲティングはリポソーム又は脂質複合体に基づく送達システムを用い
て達成される。このような技術はLiposomes: A Practical Approach, New, RRC
ed., Oxford University Press, New York並びに米国特許第4,594,595号
、5,459,127号、5,948,767号及び6,110,490号に記載され
ており、それぞれの開示は本明細書にその全体が援用される。さらに包含される
のは遺伝子操作された新規タンパク質構築物である。この操作は、それらが標的
部位又は所望の器官へのNHPの輸送を促進させるような方法でなされ、その際
、それらはNHPがその機能活性を発現可能な細胞膜及び/又は核を通る。この
目的は、NHPを、ターゲティング特異性を提供するサイトカイン又は他のリガ
ンドに、及び/又は細胞膜の通過を促進させるためにタンパク質形質導入ドメイ
ン(これら形質導入配列の例として本明細書に援用される、米国特許出願第60
/111,701号及び第60/056,713号を通常参照されたい。)にカッ
プリングさせることにより達成することができる。また、随意、核局在配列を含
むように遺伝子操作することもできる。
【0051】 5.3.NHP産物に対する抗体 NHPの1つ以上のエピトープ、又はNHPの保存された変異体のエピトープ
、又はNHPのペプチド断片を特異的に認識する抗体もまた、本発明に含まれる
。こうした抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、ヒ
ト化抗体又はキメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fa
b発現ライブラリーによって産生される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体
及び上記のいずれかのエピトープ結合断片が含まれるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0052】 本発明の抗体は、例えば、生物学的試料におけるNHPの検出に使用でき、し
たがって、診断又は予後技術の一部として利用でき、それにより異常な量のNH
Pに関して患者を調べることができる。こうした抗体はまた、例えば、化合物ス
クリーニング計画と組み合わせて、NHP遺伝子産物の発現及び/又は活性に対
する試験化合物の影響を評価するのに利用できる。さらに、こうした抗体は、遺
伝子治療と組み合わせて、例えば、患者への導入前に、正常及び/又は操作NH
P発現細胞を評価するのに使用できる。こうした抗体は、さらに、異常なNHP
活性を阻害するための方法として使用できる。したがって、こうした抗体は、治
療法の一部として利用できる。
【0053】 抗体の産生のため、多様な宿主動物を、NHP、NHPペプチド(例えばNH
Pの機能ドメインに相当するもの)、短鎖型NHPポリペプチド(1つ以上のド
メインが欠失しているNHP)、NHPの機能的同等物又はNHPの突然変異体
を注入することによって、免疫することができる。こうした宿主動物には、いく
つかのみを挙げると、ブタ、ウサギ、マウス、ヤギ及びラットが含まれるが、こ
れらに限定されるわけではない。宿主種に応じ、多様なアジュバントを用いて免
疫応答を増加させることができる。アジュバントには、フロイントのアジュバン
ト(完全及び不完全)、水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウムなどの無機
塩、リゾレシチン、プルロニックポリオール(pluronic polyol)などの界面活
性物質、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、並びにBCG(カルメット
−ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウム−パルブムのような潜在的に有用なヒト
アジュバントが含まれるが、これらに限定されるわけではない。あるいは、キー
ホールリンペットヘモシアニン、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、オ
ボアルブミン、コレラ毒素又はそれらの断片などの分子と組み合わせて、及び/
又はカップリングすることによって、免疫反応を促進させることが可能である。
ポリクローナル抗体は、免疫動物の血清由来の抗体分子の不均一な集団である。
【0054】 特定の抗原に対する抗体の均質な集団であるモノクローナル抗体は、連続して
培養される細胞株による抗体分子の産生を提供するいかなる技術によっても得る
ことができる。これらには、Kohler及びMilsteinのハイブリドーマ技術(1975,
Nature 256: 495-497;及び米国特許第4,376,110号)、ヒトB細胞ハイ
ブリドーマ技術(Kosbor et al., 1983, Immunology Today 4: 72; Cole et al
., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 2026-2030)、及びEBV−ハイブ
リドーマ技術(Cole et al., 1985, Monoclonal Antibodies And Cancer Therap
y, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)が含まれるが、これらに限定されるわけで
はない。こうした抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD及びそれら
のいかなるサブクラスも含む、いかなる免疫グロブリンクラスであってもよい。
本発明のmAbを産生するハイブリドーマは、in vitro又はin viv
oで培養することができる。in vivoでmAbが高力価で産生されるため
、この方法は現在好ましい産生法である。
【0055】 さらに、適切な生物学的活性を有するヒト抗体分子由来の遺伝子と共に、適切
な抗原特異性を有するマウス抗体分子由来の遺伝子をスプライシングすることに
よる、「キメラ抗体」の産生のため開発された技術(Morrison et al., 1984, P
roc. Natl. Acad. Sci., 81: 6851-6855; Neuberger et al., 1984, Nature, 31
2: 604-608; Takeda et al., 1985, Nature, 314: 452-454)を使用できる。キ
メラ抗体は、異なる部分が、異なる動物種に由来する分子、例えばネズミmAb
由来の可変領域及びヒト免疫グロブリン定常領域を有する分子である。こうした
技術は、本明細書にその全体を援用する、米国特許第6,075,181号及び第
5,877,397号、並びにそれらのそれぞれの開示に記載される。また、本明
細書に含まれるのは、本明細書にその全体を援用する米国特許第6,150,58
4号及びその開示に記載されるように、完全にヒト化したモノクローナル抗体の
使用である。
【0056】 あるいは、一本鎖抗体の産生のために記載される技術(米国特許第4,946,
778号;Bird, 1988, Science 242: 423-426; Huston et al., 1988, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 85: 5879-5883;及びWard et al., 1989, Nature 341: 544
-546)を適応させ、NHP遺伝子産物に対する一本鎖抗体を産生することができ
る。一本鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖及び軽鎖断片を連結し
、一本鎖ポリペプチドを生じさせることによって形成される。
【0057】 特定のエピトープを認識する抗体断片を、既知の技術によって生成することが
できる。例えば、こうした断片には:抗体分子のペプシン消化によって産生する
ことが可能であるF(ab’)2断片、及びF(ab’)2断片のジスルフィド架
橋を還元することによって生成することが可能であるFab断片が含まれるが、
これらに限定されるわけではない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築し
(Huse et al., 1989, Science, 246: 1275-1281)、所望の特異性を有するモノ
クローナルFab断片の迅速で容易な同定を可能にすることができる。
【0058】 NHPに対する抗体は、続いて、当業者に周知の技術を用いて、既定のNHP
を「模倣する」抗イディオタイプ抗体を生成するのに利用できる(例えばGreens
pan & Bona, 1993, FASEB J 7(5): 437-444;及びNissinoff, 1991, J. Immunol.
147(8): 2429-2438を参照されたい)。例えば、NHPドメインに結合し、コグ
ネイト受容体へのNHPの結合を競合的に阻害する抗体を用いて、NHPを「模
倣する」、したがって、受容体に結合して該受容体を活性化するか又は中和する
抗イディオタイプ抗体を生成することができる。こうした抗イディオタイプ抗体
又はこうした抗イディオタイプ抗体のFab断片は、NHP介在経路に関与する
療法措置で使用できる。
【0059】 本発明は、本明細書に記載される特定の実施態様による範囲に限定されるもの
ではなく、この範囲は本発明の個々の態様の単なる例示として示したにすぎない
のであって、機能的に同等の方法及び構成要素は、本発明の範囲内である。実際
、当業者には、前述の説明から、本明細書に示されそして記載されるものの他に
、本発明の多様な改変も明らかになるであろう。こうした修飾は、付随する請求
項の範囲内に含まれるものと意図される。すべての引用される刊行物、特許、及
び特許出願の全体を、本明細書に援用する。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 スコヴィル,ジョン アメリカ合衆国テキサス州77024,ヒュー ストン,キングスブルック・ドライブ 8222,ナンバー 543 (72)発明者 ターナー,シー・アレキサンダー,ジュニ ア アメリカ合衆国テキサス州77381,ザ・ウ ッドランズ,ウインター・ウィート・プレ イス 67 (72)発明者 フリードリッヒ,グレン アメリカ合衆国テキサス州77004,ヒュー ストン,ハーマン・ドライブ 2207,ブレ ランド・アンド・ブレランド (72)発明者 アブーイン,アレジャンドロ アメリカ合衆国テキサス州77382,ザ・ウ ッドランズ,ベルカーラ・プレイス 19 (72)発明者 ザンブロウィックズ,ブライアン アメリカ合衆国テキサス州77382,ザ・ウ ッドランズ,ファイアーソーン・プレイス 18 (72)発明者 サンズ,アーサー・ティー アメリカ合衆国テキサス州77382,ザ・ウ ッドランズ,ブリストール・ベンド・サー クル 163 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA14 CA04 DA02 DA06 EA02 EA04 GA11 GA18 GA19 HA03 HA11 HA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に初めて開示されたヌクレオチド配列のうち少な
    くとも24の隣接する塩基を含む、単離核酸分子。
  2. 【請求項2】 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードし;かつ
    (b)ストリンジェントな条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列又はその相
    補体にハイブリダイズする、 ヌクレオチド配列を含む、単離核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号20に記載されるアミノ酸配列をコードする単離核
    酸分子。
  4. 【請求項4】 配列番号24に記載されるアミノ酸配列をコードする単離核
    酸分子。
  5. 【請求項5】 配列番号26に記載されるアミノ酸配列をコードする単離核
    酸分子。
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