JP2003522094A - 液体換気及び人工血液のための選択されたc10パーフルオロ炭化水素 - Google Patents

液体換気及び人工血液のための選択されたc10パーフルオロ炭化水素

Info

Publication number
JP2003522094A
JP2003522094A JP2000521806A JP2000521806A JP2003522094A JP 2003522094 A JP2003522094 A JP 2003522094A JP 2000521806 A JP2000521806 A JP 2000521806A JP 2000521806 A JP2000521806 A JP 2000521806A JP 2003522094 A JP2003522094 A JP 2003522094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical
formula
perfluorocarbon
liquid
mammal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000521806A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003522094A5 (ja
Inventor
リーランド・シー・クラーク
リチャード・イー・ホフマン
Original Assignee
シンセティック・ブラッド・インターナショナル・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シンセティック・ブラッド・インターナショナル・インコーポレイテッド filed Critical シンセティック・ブラッド・インターナショナル・インコーポレイテッド
Publication of JP2003522094A publication Critical patent/JP2003522094A/ja
Publication of JP2003522094A5 publication Critical patent/JP2003522094A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • A61K9/0026Blood substitute; Oxygen transporting formulations; Plasma extender
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/02Halogenated hydrocarbons
    • A61K31/025Halogenated hydrocarbons carbocyclic
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

(57)【要約】 実験式C1020のパーフルオロアルキルシクロヘキサン及びアルキルシクロペンタン誘導体は、大気圧下で144〜146℃の範囲内で沸騰し、液体換気及び人工血液におけるガス輸送のための媒質として使用される。単独立体異性体としてのみ存在しうるC1020の式を持つ化合物が、ガス輸送のための媒質として好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1.発明の分野 本発明は、C−10パーフルオロ炭化水素(パーフルオロカーボン)を交換媒
質として使用する、哺乳類における生体ガス交換の分野に関する。より詳しくは
、本発明は、その化学構造の故に異性体夾雑物を含まない状態で容易に入手ある
いは精製することができる、C−10パーフルオロ炭化水素の生体ガス交換にお
ける使用、主として液体換気における使用に関する。
【0002】 2.先行技術の簡単な説明 パーフルオロカーボンが化学的及び生物学的に不活性な物質であり、酸素及び
二酸化炭素を含めて、非常に大量のガスを溶解する特異な能力を持つことは以前
から知られていた。パーフルオロカーボンのこれらの特性を利用して、1966
年に早くも、マウスのような実験動物を酸素付加したパーフルオロカーボン液体
媒質中に沈潜させておくと、動物の生命が維持されうることが明らかにされた。
【0003】 上記のパイオニア的発見は、本願の発明者やその協力者、さらには他の科学者
たちをも、この分野におけるより広汎な研究へと向かわせた。その結果、パーフ
ルオロカーボンは人工血液のガス輸送成分の主要候補物質として、また液体換気
におけるガス交換の媒質として認められることになった。
【0004】 特に、液体換気は、哺乳類のガス交換すなわち呼吸を表すために用いられる用
語であり、そこでは一定量のガス輸送液が付加されて肺容量の全部あるいは一部
を満たし、またかかる液体の存在が呼吸プロセスを容易にする。「一回(tidal
)液体換気」あるいは「全液体換気」という用語は、哺乳類の肺が、気泡を生じ
させることによってあるいは膜型人工肺を通すことによって酸素付加された液体
で完全に満たされる液体換気を表すために用いられる。実験動物の生命を維持す
るためにパーフルオロ炭化水素を使用する可能性は、最初この方法(動物を液体
媒質に沈潜する)によって明らかにされたが、「全液体換気」が、呼吸補助を必
要とするヒトに関して使用される医学的に認められた方法となる可能性は低いこ
とが、現在当該技術分野において一般的に認められている。
【0005】 肺の機能的残気量(functional residual volume)だけをパーフルオロカー
ボンで満たし、人工呼吸器を使用してガス交換を補助するというもうひとつの形
態の液体換気は、「部分的液体換気」と称される。部分的液体換気では、哺乳類
の体重1kg当たり約30mlのパーフルオロカーボン(又はパーフルオロカー
ボンの混合物)を使用する。
【0006】 さらにもうひとつの形態は、本願の発明者のひとりが比較的最近提案したもの
であるが、パーフルオロカーボン(又はパーフルオロカーボンの混合物)を肺胞
(肺胞嚢)を満たすためだけに十分な量で付加し、哺乳類を自然に、あるいは人
工呼吸器で補助して呼吸させるという「低容量」あるいは「肺胞」換気である。
この「低容量」法では、哺乳類の体重1キログラム当たり約0.1から約10m
lのパーフルオロカーボン(又はパーフルオロカーボンの混合物)しか使用しな
い。
【0007】 パーフルオロカーボン媒質中での「液体呼吸」の可能性という1966年の発
見によって促された研究により、このテーマの医学的側面に関する多量の学術文
献及び特許文献が刊行されることになった。同時に、「液体呼吸」や「人工血液
」のための適切なパーフルオロカーボンを製造し、選択することについての多量
の文献が発行される結果となった。学術論文、出版物及び特許の実質的なリスト
は、本特許願に関連して提出する「情報開示陳述書」(Information Disclosure
Statement)の中に示す。Pediatric Pulmonology 14:102〜109(1
992)の中のShafferらによる "Liquid Ventilation A State of the Art Rev
iew"(液体換気の技術水準総説)と題する論文は、液体呼吸に関するパーフルオ
ロカーボンの特性を検討し、このテーマに関する参考文献の長大なリストを提供
している。
【0008】 Biomat.,Art.Cells & Immob.Biotech 20(2〜4)1085〜109
9(1992)の中のClark Jr.らによる "Response of the rabbit lung as a
criterion of safety for fluorocarbon breathing and blood substitutes"(
フルオロカーボン代用呼吸及び代用血液に関する安全性の判定基準としてのウサ
ギ肺の反応)と題する文献は、液体呼吸及び人工血液における一部のパーフルオ
ロカーボンの使用に関連する深刻な問題として出現してきた過膨張非虚脱性肺症
候群(HNCL)を記述している。簡単に述べると、実験用のウサギにおいて、
またその後他の哺乳類においても、パーフルオロデカリン(F‐デカリン)及び
ある種の他のパーフルオロカーボンを乳濁液(人工血液)として又は気管内注入
によってウサギに投与したとき、動物が、最終的に致死的となりうる過膨張非虚
脱性肺を発現する傾向があることが認められた。過膨張非虚脱性肺は、肺葉が胸
郭を完全に充填してしまいコンプライアンスがなくなるため、動物にとって致死
的である。
【0009】 Biomat.,Art.Cells & Immob.Biotech中の上記論文及び1995年12月
3日〜5日、Washington D.C.でのHot Topics ’95 in Neonatologyのシ
ンポジウムにおいてClark Jr.らが発表した“Fluorovent(登録商標):A New
Perfluorocarbon for Liquid Vantilation"(液体換気のための新しいパーフル
オロカーボン)と題するポスターは、液体換気ならびに人工血液における使用に
理想的に適したパーフルオロカーボンの学術的探求を述べている。理想的なある
いは少なくともよりよい適合性に関して挙げられた判定基準は、過膨張肺症候群
が回避されること及び哺乳類へのパーフルオロカーボン投与後の「体内滞留時間
」が許容される程度に短いことである。いかなる場合も慎重でありすぎるという
ことはないので、治療後にはフルオロカーボンが体内から完全に除去されること
が望ましいと考えられる。その代わりに、治療後の完全な除去が不可能であれば
、いずれの場合もパーフルオロカーボンの残存滞留時間はできるだけ短いことが
望ましい。これに関して、哺乳類の体内からフルオロカーボンが排出される主要
機序は肺による放散を通してであることが注目される。この放散による除去の正
確な機序は現在のところ不明であるが、除去の速度はパーフルオロカーボン液の
揮発度(体温での蒸気圧)に関連することが認識されている。上述したように、
治療後にパーフルオロカーボンが哺乳類の体内に過度に残存することは望ましく
ないが、放散/蒸発によって過度に又はあまりに速やかに失われることも、治療
の間にパーフルオロカーボン液の補充が必要となるので望ましくない。当業者に
は容易に理解されるように、放散/蒸発による喪失の速度もパーフルオロカーボ
ン物質の揮発度(体温での蒸気圧)に関連する。
【0010】 最後に、Biomat.,Art. Cells & Immob.Biotech 20(2〜4)1085〜
1099(1992)の中のClark Jr.らによる上記論文及びHot Topics ’9
5 in NeonatologyシンポジウムでのClark Jr.らによるポスタープレゼンテー
ションの抄録に示されているように、先行技術では、過膨張非虚脱性肺症候群(
HNCL)の原因も、人工血液あるいは液体換気のいずれで使用されているかに
関わらず、やはりパーフルオロカーボン液の揮発度に関連することを認めてられ
ている。例えば、141〜142.5℃の沸点を持つパーフルオロデカリン(F
‐デカリン)は過膨張肺症候群を引き起こすことが知られているが、161℃の
沸点を持つパーフルオロメチルデカリン(F‐メチルデカリン)はそうではない
。しかし、F‐メチルデカリンは望ましいと考えられるよりもいくぶん長く体内
に残存する。それ故、Biomat.,Art.Cells & Immob.Biotech 20(2〜4
)1085〜1099(1992)の中の論文は、「許容される体内滞留時間と
適合する最も高い蒸散率、従って蒸気圧を有するパーフルオリネートを見つける
ために」、「140℃から165℃の間の沸点を持つ」フルオロカーボンの探索
に言及している。上記シンポジウムでのプレゼンテーション抄録は、「液体換気
のための至適パーフルオロカーボン(PFC)を見つけるために…」多くのPF
Cの特性の評価を述べている。抄録は、「重要な選択基準としての2つの特性‐
沸点に関連する肺の過膨張と速やかな肺放散‐…」と述べている。
【0011】 下記の説明から明らかになるように、本発明は、過膨張肺症候群及び先行技術
に関連する他の問題を回避し、それ故上記に引用した抄録で言及されている選択
基準に合致するパーフルオロカーボンを提供する。さらに、本発明に従ってさら
にもうひとつの「重要な選択基準」が発見されたが、液体換気及び人工血液にお
ける使用のために提示するパーフルオロカーボンは、新たに提案する判定基準を
も満たしている。
【0012】 本発明のさらなる背景として出願人は下記を引用する: 代用血液としてのパーフルオロカーボンの使用を述べる、本願の発明者のひと
りに対する米国再発行特許第33,451号; 液体換気における使用にとって理想的な特性バランスを備えたパーフルオロカ
ーボンの探索に関する、本願の発明者のひとりに対する米国特許第3,911,
138号; 哺乳類の肺の機能的残気量を満たすためにパーフルオロカーボンを使用する液
体呼吸に関しての、Faithfulらに対するPCT92/19232及びFuhrmanに
対する米国特許第5,437,272号; Crit Care Med 1997、25巻、第7号、p.1179〜1186の中
のSmithらによる “Partial liquid vantilation: A comparison using conven
tional and high frequency techniques in an animal model of acute respira
tory failure"(部分的液体換気‐急性呼吸不全の動物モデルにおける従来の手
法と高頻度手法を用いた比較)と題する公表文献、ならびに Mat.Res.Soc.Symp.Proc.110巻(1989)p.129〜134の中
のClark,Jr.らによる“Physiological evaluation of fluorocarbon emulsion
s with notes on F-decalin and pulmonary inflation in the rabbit"(フルオ
ロカーボン乳濁液の生理的評価及びウサギにおけるF‐デカリンと肺膨張に関す
る草稿)と題する公表文献。
【0013】 (発明の要旨) 液体換気におけるガス交換媒質として、ならびに人工血液におけるガス交換媒
質としての使用に非常に適したパーフルオロカーボン化合物あるいはパーフルオ
ロ化合物を提供することが本発明の目的である。
【0014】 特に、液体換気あるいは人工血液におけるガス交換の媒質としての使用が過膨
張肺症候群を引き起こさないように体温で適切な蒸気圧を有しており、またそれ
にもかかわらず、パーフルオロカーボンの治療あるいは使用を中止したあと過度
に体内に残存しない、パーフルオロカーボン化合物あるいはパーフルオロ化合物
を提供することが本発明の目的である。
【0015】 上記の目的に合致し、且つ、その化学構造の故に単独異性体としてのみ存在し
、実質的に異性体夾雑物を含まない状態で入手することができる、1つのパーフ
ルオロカーボン化合物あるいはいくつかのパーフルオロ化合物を提供することが
本発明のさらなる目的である。
【0016】 本発明の上記および他の目的及び利益は、C1020の実験式、約500ダルト
ンの分子量を持ち、さらに式1〜式10として下記に示す式から選択される化学
構造を有する、液体呼吸及び人工血液におけるガス交換媒質としてのパーフルオ
ロカーボン化合物を選択し、使用することによって達成される:
【0017】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【0018】 式1〜式10において、5又は6員環の中心にあるFの記号は、対応するシク
ロヘキサンあるいはシクロペンタン環のすべての水素がフッ素で置換されている
ことを表す。言い換えると、Fは、その環がパーフルオロ化されていることを示
す。式は、式に示されている化合物の可能なすべての位置、立体(シス及びトラ
ンスのような)及び光学異性体(鏡像異性体:エナンチオマー)を表す。式10
において、C511*の記号は、パーフルオロペンチル基だけでなく、パーフル
オロアルキル基において総炭素数が5、総フッ素数が11であるパーフルオロア
ルキル基のあらゆる組み合わせを表す。言い換えると、また式10における例と
して、C511*の記号は、パーフルオロn‐ブチル、sec‐ブチル、イソブ
チル又はt‐ブチル基と組み合わせたCF3基、あるいはパーフルオロn‐プロ
ピル又はイソプロピル基とパーフルオロエチル基の組合せ等を表す。さらに式1
0はまた、これらの化合物の可能なすべての位置、立体及び光学異性体も表す。
【0019】 液体換気及び人工血液におけるガス交換媒質として本発明に従って使用される
パーフルオロ化合物は常温で液体であり、これらの化合物の使用が過膨張非虚脱
性肺症候群の発現を生じさせないような生理的温度での蒸気圧を持つ。さらに、
蒸気圧、従ってこれらのパーフルオロ化合物の肺からの蒸発/放散速度は、化合
物の使用(治療)を中止したあと化合物が肺から満足しうる程度に除去されるよ
うに、まだ十分に高い。化合物の沸点は約144〜146℃の範囲内である。好
ましくは、単独異性体形態としてのみ存在し、純粋な又は実質的に純粋な状態を
実現するように他の夾雑物から精製することができるか、若しくは、1以上の異
性体形態で存在しうるが、異性体純度を実現するように容易に精製することがで
きる、特定パーフルオロ化合物を本発明に従って使用する。
【0020】 (好ましい実施態様の詳細な説明) 図面と共に示す下記の説明は、本発明の好ましい実施態様を説明する。ここで
開示する本発明の実施態様は、発明者が自らの発明を実施する上で最良の形態と
考えるものであるが、本発明のパラメータの範囲内で様々な修正を実現しうるこ
とが理解されるべきである。
【0021】 本願の「発明の要旨」の欄に示す式1〜式9を参照すれば、これらの式が、ア
ルキル基に合計4個の炭素原子を持つパーフルオロアルキル置換基を含むパーフ
ルオロシクロヘキサン誘導体を表すことは当業者には明白であろう。これに関し
て「パーフルオロ」の語は、当該技術分野において一般的に認められている意味
を持つ、すなわち、炭化水素骨格のすべての水素がフッ素原子で置換されている
ことを意味する。本発明に従って使用されるものを含めて、パーフルオロ炭化水
素が生物学的に不活性であり、無毒性であって、現在知られているかぎりでは、
既知のいずれの哺乳類においても代謝あるいは異化作用の変換を受けないことは
当該技術分野において周知である。不活性であることに加えて、これらの化合物
を生体ガス交換の媒質として使用することを可能にする重要な特性は、酸素及び
二酸化炭素を含めて大量のガスを溶解するという能力である。
【0022】 式1〜式9は、C1020の実験式を持つパーフルオロシクロヘキシル誘導体の
可能なすべての位置及び立体異性体を表す。数多くの位置異性体が存在すること
は当業者には容易に理解されるであろう。例えば、式1に示すテトラトリフルオ
ロメチル化合物は次の位置異性体をとりうる:パーフルオロ−1,2,3,4−
テトラメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,2,4,5−テトラメチルシ
クロヘキサン及びパーフルオロ−1,2,3,5−テトラメチルシクロヘキサン
。記述を簡潔にするため、化合物の「パーフルオロ状態」をここでは場合により
「F」の記号で示す。従って、パーフルオロ−1,2,3,4−テトラメチルシ
クロヘキサンは、「F−1,2,3,4−テトラメチルシクロヘキサン」と表す
こともできる。
【0023】 式2に示す化合物に関しては、次の位置異性体が存在しうる:F−1,2‐ジ
メチル‐3‐エチルシクロヘキサン、F−1,2‐ジメチル‐4‐エチルシクロ
ヘキサン、F−1,3‐ジメチル‐2‐エチルシクロヘキサン、F−1,3‐ジ
メチル‐4‐エチルシクロヘキサン、F−1,3‐ジメチル‐5‐エチルシクロ
ヘキサン及びF−1,4‐ジメチル‐2‐エチルシクロヘキサン。
【0024】 式3、4及び5に示す置換されて2置換シクロヘキサンについては、それぞれ
3個の位置異性体が可能であり、それらは置換基が1,2、1,3あるいは1,
4(オルト、メタあるいはパラ)位に存在するものである。
【0025】 式1〜式9に示されているシクロヘキサン環及び式10に示されているシクロ
ペンタン環の性質の故に、これらの式の化合物にはシス及びトランス異性(立体
異性)、さらには光学異性も存在するので、式は比較的多数の位置異性体、立体
異性体、そして不斉中心又はキラル中心を含む化合物に関しては光学異性体も包
含する。例えば、式3、4及び5に示す2置換化合物はそれぞれ、シス又はトラ
ンス異性体として存在しうる。それ故、式3、4及び5は、可能性のある光学異
性体(鏡像異性体:エナンチオマー)もジアステレオマーも含めずに、合計18
個の異なる化学種を表す。
【0026】 しかし、同じ分子量で同じタイプの一般構造を持つ化合物が類似した蒸気圧対
温度プロフィールを有する傾向にあることは、当該技術分野において一般的に知
られている。蒸気圧は直接測定することが難しいが、液体の沸点が直接その揮発
度あるいは蒸気圧に関連することは周知である。それ故、同じ分子量で類似の構
造の化合物は、同じまたは緊密に関連する沸点を持つ傾向にある。これは特にパ
ーフルオロカーボンの分野に当てはまることが知られている。本発明の範囲内に
含まれる化合物の中で、下記の特定化合物に関しては大気圧で測定した沸点が明
らかになっている: F‐1‐エチル‐2,4‐ジメチルシクロヘキサン(沸点146℃); F‐1,2,4,5‐テトラメチルシクロヘキサン(沸点146℃); F‐1,2,3,5‐テトラメチルシクロヘキサン(沸点146℃); F‐1‐メチル‐4‐イソプロピルシクロヘキサン(沸点144℃);及び F‐n‐ブチルシクロヘキサン(沸点145℃)。
【0027】 これらからわかるように、上記の例示化合物、ならびに(類推により)本発明
の範囲内のすべての化合物の沸点は、一般に液体換気及び/あるいは人工血液に
おいてガス交換媒質として使用される化合物に良好に適するとみなされる範囲内
(約142〜160℃)である。この範囲内のパーフルオロ化合物は、過膨張肺
症候群を引き起こさず、許容される速度で蒸発/放散によって哺乳類の体内から
蒸散される。しかし、これらの化合物は治療中急速に蒸発してしまうことはない
ので、過度の補充は必要としないであろう。
【0028】 液体のサンプルが比較的少量であるときには特に、大気圧で沸点を測定するこ
とは困難であるか又は面倒であるので、液体の「揮発度」を測定するためのより
便利な方法が本発明に従って考案された。後に本明細書の実験の章で詳述するこ
の方法に従って、測定対象の化合物(対象化合物)を、揮発度(沸点及び/又は
蒸気圧対温度プロフィール)がわかっている既知(好ましくは等しい)量の標準
パーフルオロカーボンと混合する。この目的に常用される標準化合物は、大気圧
で141℃の沸点を持つF‐シス‐デカリンである。2つの液体の混合物を密閉
容器に保持し、液体の上方の「上部空間」を下方の液体と平衡させる。次に「上
部空間」の飽和ガス混合物のサンプルを取り出し、クロマトグラフィーで分析し
て飽和混合物中の2つの成分の比率を分析する。液体が等しい量で混合されたこ
とを条件として、2つの化合物が測定温度(通常は室温)で同じ蒸気圧を有して
いれば、飽和ガス混合物中の化合物の量も等しいことになる。従って、上部空間
の飽和ガス混合物中の2つの成分の比率は試験する液体の揮発度/蒸気圧の測定
を提供し、さらに大気圧での沸点を得るための外挿の根拠を提供する。
【0029】 上記に概要を述べ、下記で詳述する「上部空間」の飽和ガス比実験によれば、
本発明に従った5個の例示C1020パーフルオロカーボン全部が、室温でF‐シ
ス‐デカリンよりも有意に低い蒸気圧を持つことが明らかになり、液体換気及び
人工血液におけるこれらの化合物の使用は過膨張肺症候群を引き起こさないであ
ろうことが示唆された。
【0030】 本発明に従って好ましく使用されるC1020パーフルオロカーボンは、純粋な
物質あるいは実質的に異性体を含まない実質的に純粋な物質を実現するために、
式1〜式10で表される化合物の中から選択される。異性体化合物は、位置異性
体であるか立体異性体(シス、トランスあるいはジアステレオマーのような)で
あるかに関わらず、しばしば実質的な量で分離するのが難しいことはよく知られ
ているので、このことは実用目的にとって重要である。ガスクロマトグラフィー
(GC)あるいは高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)のような現在の洗練
された分析手法はしばしば物質中の異性体の存在を「検出する」ことができるが
、分取スケールでの異性体の分離はより困難な作業であることが多い。さらに、
治療あるいはヒトでの実験的使用においてさえも、薬剤あるいは関連医薬品の使
用を許可する適用法令及び当局による規制は、使用する物質あるいは化合物の組
成物のある程度の純度とそれについての情報を要求する。異性体化合物の混合物
について動物及びヒトにおける適切な相の実験を実施して規制上の承認を獲得す
るまでには、純粋な「単一化学種」物質に関して同じことを行う場合よりもはる
かに時間と費用がかかる。さらに、製造や検査の段階においても、異性体混合物
の品質管理はしばしば単一単位化合物よりも難しい。
【0031】 上記の理由や他の関連する理由から、液体換気及び人工血液において下記の化
合物を使用することは本発明に従って好ましい: F‐n‐ブチルシクロヘキサン(式6); F‐(2‐メチルプロピル)シクロヘキサン(式7、イソブチル); F‐(1‐メチルプロピル)シクロヘキサン(式8、sec‐ブチル); F‐t‐ブチルシクロヘキサン(式9); F‐1,1‐ジエチルシクロヘキサン(式11); F‐1‐メチル‐1‐n‐プロピルシクロヘキサン(式12); F‐1‐メチル‐1‐イソ‐プロピルシクロヘキサン(式13); F‐1‐ペンチルシクロペンタン(式14); F‐1‐メチル‐1‐ブチルシクロペンタン(式15); F‐1‐エチル‐1‐プロピルシクロペンタン(式16)。
【0032】 式14、15及び16においてペンチル、ブチル及びプロピル基はすべて該基
の可能な位置異性体を表す、例えば「プロピル」はn‐プロピルとイソ‐プロピ
ルを表し、「ブチル」はn‐ブチル、t‐ブチル及び1‐メチルプロピルと2‐
メチルプロピル基を表す。しかし、混合物の使用ではなく単一化学種のみの使用
が好ましい。
【0033】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【0034】 その化学構造から容易に確かめられるように、式6〜9及び式11〜16の好
ましい化合物は単独位置異性体であり、これらの化合物についてはシス及びトラ
ンス異性はありえない。式8の化合物と式14及び15の範囲内の一部の化合物
は、1又はそれ以上のキラル中心を持ち、それ故鏡像異性体及び一部はジアステ
レオマー形態で存在する。しかし鏡像異性体は、ラセミ混合物の化合物がしばし
ば規制目的上許容されるとみなされることから、試験及び規制認可の過程で位置
異性体と同程度の問題を生じさせるとは考えられない。またクロマトグラフィー
や他の多くの分析手法において、クロマトグラフィーが「キラルカラム」を含ま
ないかぎり、ラセミ混合物は分割されない。
【0035】 本発明に従った現在最も好ましいC1020化合物は次のものである: F‐t‐ブチルシクロヘキサン(式9); F‐1,1‐ジエチルシクロヘキサン(式11);及び F‐ネオペンチルシクロペンタン(式17)
【化51】
【0036】 本発明において使用されるC1020化合物、特に式6〜9及び式11〜16に
示す好ましい化合物は、ファーネスでの三フッ化コバルトとの反応のような周知
の手法によって、同族炭化水素から合成することができる。F−tert.−ブ
チルシクロヘキサンの製造方法は、参照してここに組み込まれる米国特許第4,
453,028号に記載されている。C1020シクロヘキサン誘導体の合成のた
めのさらなる方法は、やはり参照してここに組み込まれる米国特許第5,300
,528号、同第4,105,798号及び同第5,093,432号に記載さ
れている。一般的に言えば、パーフルオロカーボンの合成は、参照してここに組
み込まれる、Milos HudlickyとAttila E.Pavlath編、American Chemical Soci
ety(1995)発行 "Chemistry of Organic Fluorine Compound II. A Critic
al Review"(有機フッ素化合物の化学II。批評総説)の中に詳述されている。
三フッ化コバルトフッ素化の基本的手法は米国特許第2,631,170号に記
載されている。希釈フッ素ガスを用いた液相フッ素化の基本的手法は米国特許第
5,093,432号に記載されている。米国特許第2,631,170号及び
同第5,093,432号は参照してここに組み込まれる。
【0037】 本発明に従って、C1020化合物、特に式6〜9及び式11〜16の好ましい
実施態様、さらに特定すると最も好ましい実施態様は、液体呼吸及び人工血液に
おけるガス交換の媒質として使用される。これらのガス交換媒質は、現在の技術
水準に従って、すなわち「全」又は「一回」液体換気、「部分的」液体換気及び
「低容量」(肺胞)換気において使用できる。例えば、本発明に従って選択した
化合物は、参照してここに組み込まれる米国特許第5,437,272号(Fuhr
man)に開示されている方法と装置に従って、哺乳類の「肺の機能的残気量」を
満たすために使用できる。
【0038】 最近特許された本願の発明者のひとりによる米国特許第5,674,913号
は、気管を通して肺胞嚢にパーフルオロカーボンを導入することにより、肺に障
害のある哺乳類において正常な呼吸を補助する方法を記述している。本発明に従
って選択したパーフルオロカーボンはまた、この米国特許の方法においても使用
できる。米国特許第5,674,913号も参照してここに組み込まれる。 人工血液におけるガス交換媒質として、該化合物は、例えば米国再発行特許第
33,451号(参照してここに組み込まれる)に記述されているように、また
技術水準において一般に知られているように使用することができる。
【0039】 C1020化合物、特に本発明に従ってガス交換の媒質として使用するために選
択される式6〜9及び式11〜16の好ましい実施態様の例は、実験動物(ウサ
ギ及びヒヒ)において過膨張肺症候群を引き起こさず、許容される速度で体内か
ら放散される。以下の本願の「特定実施態様」(実験例)の章は、例示化合物に
関して実施した動物試験、ならびに本発明に従って選択した化合物の揮発度を測
定した実験を述べる。
【0040】 動物試験及び揮発度測定の説明 下記に述べるプロトコール1、2、3及び4に従って動物試験を実施する。 プロトコール1:生存ラットへのパーフルオロカーボン純(neat)液の気
管内投与 このプロトコールは、気管切開術によって気管に挿入したサイラスティック(
Silastic)カテーテルを通して小動物の肺にパーフルオロカーボン純液を正確に
投与するために特に有用である。以下のプロトコールと実施例は、研究用に飼育
したRattus属のラットに特異的なものである。通常は成熟SD(Spraque
Dawley)雌ラットを使用する。
【0041】 非絶食ラットを計量し、エンフルラン、ハロタン又は同様の薬剤のような揮発
性麻酔薬で麻酔する。塩酸ケタミンの食塩水溶液(25mg/ml)を80mg
/kgの初回量で腹腔内注射して外科的平面(plane)麻酔法を実施する。適切
な麻酔が保証されるように必要に応じて約20mg/kgの追加注射を行う。筋
弛緩のためには、クロルプロマジンの食塩水溶液(25mg/ml)を5mg/
kg用量で1回皮下注射する。頚部領域の毛を剃り、皮膚を70%アルコールで
清浄にして、ベタジンで洗う。
【0042】 ラットをパッド付き手術台上に仰向けに寝かせ、ラットの頭部をゆるやかに覆
うマスクを通して加湿100%酸素を投与する。Yellow Springs Instruments,
Co.販売の小動物直腸用Telethermometerプローブおよびメーターを使用して核
心(core)温度をモニターする。加熱ランプを使用して体温を35〜37℃の間
に維持する。
【0043】 手術には滅菌器具を使用する。気管上で頚部に2cmの正中切開を行う。その
下の脂肪と筋肉を切り離して気管を露出させる。細長い滅菌臍帯状(umbilical
)テープを気管の下に通し、21ゲージの針を用いて甲状腺の下でリングの間に
小さな穴を作る。サイラスティックカテーテルを収容するために必要に応じてメ
スで穴を広げる。次に、23ゲージのチュービングアダプターを備えた単管腔又
は二重管腔のサイラスティックカテーテルを気管内に約1cm挿入する。ここで
、酸素流をマスク内ではなくカテーテル内とその周囲に方向付ける。
【0044】 パーフルオロカーボン純液の重力による肺への流れを促進するため、手術台を
約30〜40°持ち上げる。次に、チュービングアダプターに取り付けられてい
るガラス製注射器からカテーテルを通してパーフルオロカーボン純液を約1ml
/分の速度でゆっくり送出する。同時に酸素を送りこむ。液体の分布を助けるた
め投薬の間ラットを左右に回転させてもよい。20ml/kgまでの用量のパー
フルオロカーボン純液をこの方法で肺に注入した。気管カテーテルを取り除き、
台を下げて、気管内に残っているパーフルオロカーボン純液が肺に流れ込むよう
に頭部と頚部を胸部よりわずかに高く保持する。筋層と同様に、5‐0絹糸の単
回縫合を用いて気管の小さな開口部を閉じる。皮膚は4‐0絹糸の連続縫合で閉
じる。その後マスクを使用してラットを加湿100%酸素下に保持し、回復する
まで観察して、その時点でラットをコロニー内のケージに戻す。
【0045】 プロトコール2:生存ウサギへのパーフルオロカーボン純液の気管内投与 1.絶食動物を2.5mg/kgの皮下クロルプロマジン(25mg/ml)
で鎮静させる。 2.約30分後、動物を穏やかに拘束し、三方向ストップコックを備えた、Ab
bocath T‐22 Gaxl 1/4”のようなテフロンカテーテルを必要な耳血管に
挿入する。局所2%リドカインを使用するとカテーテル挿入が容易になる。 3.動物を30mg/kg用量で静脈内ペントバルビタールナトリウム(通常
生理食塩水中30mg/ml)で麻酔する。 4.のどを毛を剃り、70%エチルアルコールとベタジンで消毒する。 5.切開領域に2%リドカインを浸透させる。 6.動物を仰向けに寝かせ、喉頭***の下で気管上に1‐2’正中切開を行う
。 7.筋肉を切開し、気管周囲領域を平滑に切り離す。 8.気管の分離を助け、気管カニューレを保護するために、気管の下に所定の
長さの滅菌臍帯状テープを通す。 9.次に気管をリングの間で切断し、滅菌したサイラスティックチューブ(外
径5mm)を気管支分岐の上部の位置まで気管に挿入する。 10.パーフルオロカーボン純液を重力によって投与するために、動物の頭部
と肩を高くする。投与の間、滅菌した0.22ミクロンのフィルターを通してパ
ーフルオロカーボン純液を濾過する。 11.サイラスティック気管カニューレを取り除き、5‐0絹糸の2回縫合で
気管を閉じる。 10.気管切開の上にGelfoamの小片を置き、筋肉と皮膚を4‐0絹糸
で閉じる。
【0046】 全処置の間、動物に加湿100%酸素を投与し、必要に応じて低い維持用量の
静脈内ペントバルビタールを投与する。
【0047】 プロトコール3:肺にパーフルオロカーボン純液を有するラットからの放散速
度のガスクロマトグラフィー測定 穴をあけたセラミックディスクを入れた酸素導入口と出口のある1リットルの
パイレックスガラス製乾燥器を置き、600ml/分の代表的酸素流量に設定し
た、特にデザインしたチャンバーに、ラットを収容する。ディスクの下の磁気撹
拌棒により乾燥器内の大気を撹拌し、乾燥器はグリセロールで封止された蓋を持
つ。
【0048】 20分間平衡させたあと、Humonics Optiflow 650デジタル流量計を使用し
てラットチャンバーの出口からのガス流量を測定する。次に、ハミルトンサイド
ポートニードル注射器を用いて、流れの出口からGC分析用サンプルを採集する
【0049】 出口から採取したサンプルを、Hewlett Packard 5890GCにおいて長さ2
0フィート×1/8インチのステンレス鋼充填カラム(Chromsorb PAW 80
/100メッシュで30%SE30)に注入する。アルゴンキャリヤーガス中5
%メタンのヘッド圧を50ポンド/平方インチに維持し、最終流量を25ml/
分とする。電子捕捉型検出器で定量的測定を実施する。Hewlett Packard chemst
ationデータシステムを用いてすべてのデータを収集し、保存する。
【0050】 測定したラットの放散値を既知の標準と比較して定量を行う。標準は、パーフ
ルオロカーボン純液の0.1〜2マイクロリットル(μl)量を密封した120
ミリリットル(mL)血清バイアルに注入して調製する。それを室温で少なくと
も1時間放置して完全に揮発させる。これを「保存標準」(Stock standard)と
称する。保存標準蒸気の120μL量をとり、2番目の密封120mL血清バイ
アルに注入して、オリジナルの1000:1希釈を生成する;これを「作業標準
」(working standard)と称する。正確に測った容量の作業標準あるいはラット
チェンバーからの酸素キャリヤーガスをGC装置に交互に注入して定量する。
【0051】 ラットの呼吸のクロマトグラムからのピーク高(又は面積)、作業標準のクロ
マトグラムからのピーク高(又は面積)、作業標準の既知濃度、及びチャンバー
を通る酸素流量を使用して、放散速度の算定を行い、フルオロカーボン蒸気の放
散速度を1日当りのフルオロカーボンのマイクロリットルとして示す。
【0052】 添付の図1は、実質的にプロトコール3に従って測定した、ラットにおけるF
−1,2,3,5−テトラメチルシクロヘキサン及びF−1−エチル−4−イソ
プロピルシクロヘキサン(F‐メンタン)の放散速度を示す。これらの化合物は
いずれも、液体換気におけるその使用が本発明の範囲内に含まれるC1020パー
フルオロカーボンである。先に記載したように、実用目的でのこれらの化合物の
沸点は、本発明に従って液体換気及び人工血液において使用されるすべてのパー
フルオロカーボンの沸点と実質的に同じか又は非常に近い。これら2つのC10 20 パーフルオロ化合物についてグラフに示した放散速度は許容されると考えられ
、動物がパーフルオロカーボンの潜在的な長期作用に接触することは避けられる
であろうことを示唆している。
【0053】 プロトコール4:ウサギにおける肺過膨張に関する気管内純パーフルオロカー
ボンの試験 体重約1.8〜2.2キログラムの絶食させた、健常で、パスツレラ菌を有さ
ない若齢成熟雌ニュージーランド白色家兎を使用した。ウサギをクロルプロマジ
ンで鎮静し、ケタミンとキシラジンの混合物で麻酔して、酸素呼吸下に保持した
。気管に滅菌軟質サイラスティックチューブを挿入し、臍帯状テープで適切な位
置に安定させる。濾過した純フルオロカーボン(医用グレード)を表に示す用量
でゆっくり投与した。カニューレを取り除き、切開を閉じて、動物をUSDA認
可の空調区画で回復させた。注入後4日目に犠牲剖検するまでウサギを頻繁に観
察した。
【0054】 F−1−エチル−2,4−ジメチルシクロヘキサン(沸点146℃)及びF−
1,2,4,5−テトラメチルシクロヘキサン(沸点146℃)を用いて実質的
にプロトコール4で述べたように実施した試験の結果は、ウサギにおいて肺過膨
張を引き起こさなかったが、F‐シス‐デカリン(沸点142.5℃)は肺過膨
張を生じさせた。これらの結果を下記の表1に要約する。表にはそれぞれのフル
オロカーボンの用量と試験に使用した動物数も示している。
【0055】
【表1】 ウサギにおける肺過膨張に関する気管内純液パーフルオロカーボンの試験 *ウサギは2匹とも、ケージから移したあとまもなく、4日目の朝に死亡した。
【0056】 表1に要約した試験をさらに説明すると、F−デカリンを摂取した動物のうち
数匹は2日目までに肺窮迫の徴候を示したことが注目される。これらの症状は急
速で著しく困難な呼吸を含み、概して、これらの動物は低酸素症及び高炭酸ガス
症であると思われた。剖検ではF‐デカリン摂取肺は淡桃色で、種々の度合の過
膨張を示した。F−1,2,4,5−テトラメチルシクロヘキサン及びF−エチ
ルジメチルシクロヘキサンを摂取した動物は窮迫の徴候を示さなかった。剖検で
は、これらの動物の肺は外観上正常と認められ、過膨張していなかった。
【0057】 ヒヒにおける肺過膨張に関する気管内純パーフルオロカーボンの試験 F−1‐エチル−4,4−ジメチルシクロヘキサンがヒト以外の霊長類におい
て過膨張を引き起こすか否かを調べるため、体重約3.5〜5キログラムの2頭
の絶食、正常、健康な若齢雌ヒヒに純液を気管内投与した。IACUC認可プロ
トコールに従った。手順は、プロトコール4の説明と同様に、USDA認可霊長
類施設において滅菌条件下で実施した。1頭のヒヒには2cc/kg、もう1頭
には4cc/kgのF−1−エチル−2,4−ジメチルシクロヘキサンを気管カ
ニューレを通して投与した。両動物を頻繁に観察したが、注入の間あるいは注入
日以降にも好ましくない反応は認めなかった。動物の体重は増加し、自らの区画
で正常に行動した。2頭を注入後10週間目に犠牲剖検した。剖検では、肺は外
観上正常と認められ、過膨張していなかった。肺切片の検体検査は異常を示さな
かった。
【0058】 ガスクロマトグラフィーと電子捕捉検出法を用いてある種のパーフルオロアル
キルシクロヘキサン(C1020)及びシス−パーフルオロデカリン(C1018
の蒸気相濃度を液相濃度と比較する測定 試験対象のパーフルオロ化液(200マイクロリットル)を等容量のF−デカ
リンのシス異性体(沸点=142.5℃)と混合した。ゴム隔膜とアルミニウム
キャップで密封した120ミリリットルのガラス製血清バイアル中で、該液2マ
イクロリットルを蒸発させて、この混合物の保存標準を調製した。この容量は、
液の完全な蒸発が生じるように選択した。揮発後、蒸気120マイクロリットル
を清浄な密封120ミリリットル血清バイアルに移してこの保存標準を希釈し、
作業標準を作製した。作業標準の20マイクロリットルサンプルを、電子捕捉検
出器とHewlett‐Packard 5880Aガスクロマトグラフを使用して80℃のカ
ラム温度で分析した。Hewlett‐Packard chemstationソフトウエアを使用してク
ロマトグラムとピーク高を記録し、印刷した。これにより、試験したC1020
合物のそれぞれについて電子捕捉検出器の検定が可能となり、液相中の既知濃度
を用いて使用するパーフルオロ化物に対する検出器の相対的感受性(表中の)R 1 を測定することができた。
【0059】 飽和蒸気相におけるパーフルオロ化物の相対濃度を得るために、50/50液
体混合物の上方の上部空間蒸気30マイクロリットルを清浄な密封120ミリリ
ットル血清バイアル中で希釈した。この希釈した上部空間の20マイクロリット
ルサンプルをガスクロマトグラフで分析した。サンプルの容量と希釈は、非線形
検出器応答に関わる潜在的な問題を避けるため、作業標準と希釈上部空間におけ
るF−シス−デカリンのピークが同様の高さになるように選択した。蒸気相のピ
ーク高比、R2を、R1で割って感受性に関して補正し、液体上方の上部空間にお
けるF−シス−デカリンに対するC1020化合物の相対濃度、R2/R1;混合物
中の液体の蒸気圧の比較を得た。
【0060】
【表2】
【0061】 上記の表2は、本発明に従って使用した5種の個々のC1020パーフルオロカ
ーボンに関して得た結果を示す。測定したパーフルオロカーボンの各々の化学名
は数字データ上部の肩文字で示している。表2のデータは、5種のC1020化合
物の蒸気圧がFシスデカリンの蒸気圧より有意に低いことを明瞭に示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラットからのF−1,2,3,5−テトラメチルシクロヘキサン及
びF−1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン(F‐メンタン)の放散速
度を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 リチャード・イー・ホフマン アメリカ合衆国45434オハイオ州ビーバー クリーク、ブルックサイド・ドライブ1169 番 Fターム(参考) 4C206 AA01 BA09 MA01 MA04 MA36 MA86 ZA59 ZC21

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式1〜式10から選択されるパーフルオロカーボン液をガス
    輸送の媒質として使用することを含む、生体系におけるガス輸送を促進する方法
    : 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 [式中、シクロアルキル及び環は完全にフッ素化されており、C511は総炭素
    数が5で、総フッ素数が11であるパーフルオロアルキル基のあらゆる組合せを
    表す。]
  2. 【請求項2】 ガス輸送の媒質が式1〜式9から選択されるパーフルオロカ
    ーボン液である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ガス輸送の媒質が式6〜式9まで及び式11〜式17から選
    択されるパーフルオロカーボン液である請求項1に記載の方法。 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】
  4. 【請求項4】 ガス輸送の媒質が次の化合物から選択されるパーフルオロカ
    ーボン液である請求項1に記載の方法: F‐t‐ブチルシクロヘキサン(式9); F‐1,1‐ジエチルシクロヘキサン(式11);及び F‐ネオペンチルシクロペンタン(式17)。
  5. 【請求項5】 パーフルオロカーボン液を哺乳類の肺に点滴注入する段階を
    含む請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 一回換気量のパーフルオロカーボンを哺乳類の肺に点滴注入
    する請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 肺の機能的残気量を満たす量のパーフルオロカーボンを哺乳
    類の肺に点滴注入する請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 肺胞を満たす量のパーフルオロカーボンを哺乳類の肺に点滴
    注入する請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に規定されたパーフルオロカーボンを含む液体組成
    物を哺乳類の血流に導入する請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 式1〜式10から選択されるパーフルオロカーボン液を哺
    乳類の肺に導入し、哺乳類が呼吸する間、該パーフルオロカーボン液を肺に保持
    することを含む、呼吸補助を必要とする場合に哺乳類において呼吸を補助する方
    法: 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 【化22】 【化23】 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 [式中、シクロアルキル環は完全にフッ素化されており、C511は総炭素数が
    5で、総フッ素数が11であるパーフルオロアルキル基のあらゆる組み合わせを
    表す。]
  11. 【請求項11】 パーフルオロカーボン液が式1〜式9から選択される請求
    項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 パーフルオロカーボン液が式6〜式9まで及び式11〜式
    17から選択される請求項10に記載の方法: 【化28】 【化29】 【化30】 【化31】 【化32】 【化33】 【化34】
  13. 【請求項13】 パーフルオロカーボン液が次の化合物から選択される請求
    項10に記載の方法: F‐t‐ブチルシクロヘキサン(式9); F‐1,1‐ジエチルシクロヘキサン(式11);及び F‐ネオペンチルシクロペンタン(式17)
  14. 【請求項14】 一回換気量のパーフルオロカーボン液を哺乳類の肺に導入
    する請求項10に記載の方法。
  15. 【請求項15】 肺の機能的残気量を満たす量のパーフルオロカーボンを哺
    乳類の肺に点滴注入する請求項10に記載の方法。
  16. 【請求項16】 肺胞を満たす量のパーフルオロカーボンを哺乳類の肺に点
    滴注入する請求項10に記載の方法。
  17. 【請求項17】 以下の化合物から成る群から選択されるパーフルオロカー
    ボン液を、呼吸の補助を提供するのに有効な量で哺乳類の肺に導入することを含
    む、呼吸補助を必要とする場合に哺乳類において呼吸を補助する方法: F‐t‐ブチルシクロヘキサン(式9); F‐1,1‐ジエチルシクロヘキサン(式11);及び F‐ネオペンチルシクロペンタン(式17)
  18. 【請求項18】 パーフルオロカーボン液がF‐t‐ブチルシクロヘキサン
    (式9)である請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 パーフルオロカーボン液がF‐1,1‐ジエチルシクロヘ
    キサン(式11)である請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 パーフルオロカーボン液がF‐ネオペンチルシクロペンタ
    ン(式17)である請求項17に記載の方法。
JP2000521806A 1997-11-20 1998-11-18 液体換気及び人工血液のための選択されたc10パーフルオロ炭化水素 Pending JP2003522094A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/975,743 1997-11-20
US08/975,743 US6167887B1 (en) 1997-11-21 1997-11-21 Selected C-10 perfluorinated hydrocarbons for liquid ventilation and artificial blood
PCT/US1998/024632 WO1999026604A2 (en) 1997-11-20 1998-11-18 Selected c10 perfluorinated hydrocarbons for liquid ventilation and artificial blood

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003522094A true JP2003522094A (ja) 2003-07-22
JP2003522094A5 JP2003522094A5 (ja) 2006-01-19

Family

ID=25523336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000521806A Pending JP2003522094A (ja) 1997-11-20 1998-11-18 液体換気及び人工血液のための選択されたc10パーフルオロ炭化水素

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6167887B1 (ja)
EP (1) EP1037619A4 (ja)
JP (1) JP2003522094A (ja)
AU (1) AU759557B2 (ja)
CA (1) CA2311122C (ja)
WO (1) WO1999026604A2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007081008A1 (ja) * 2006-01-16 2007-07-19 Asahi Glass Company, Limited 新規なフッ素系界面活性剤および新規な含フッ素化合物
WO2008102563A1 (ja) 2007-02-23 2008-08-28 Next21 K.K. 血管攣縮の治療剤又は予防剤
JP2012509870A (ja) * 2008-11-25 2012-04-26 オキシジェン・バイオセラピューティクス・インコーポレイティド ペルフルオロカーボンゲル製剤
JP2013500959A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ イメージングに用いるパーフルオロ化合物

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX337857B (es) * 2006-05-15 2016-03-16 Univ Virginia Commonwealth Metodos y composiciones para la produccion y transporte controlados y sostenidos de peroxidos.
EP2252333A4 (en) * 2008-02-13 2013-07-10 Oxygen Biotherapeutics Inc WOUND AND GAS TISSUE TREATMENTS
US8404752B2 (en) * 2008-07-18 2013-03-26 Oxygen Biotherapeutics, Inc. Method of treating traumatic brain injury
US8343515B2 (en) 2008-11-25 2013-01-01 Oxygen Biotherapeutics, Inc. Perfluorocarbon gel formulations
US20100144597A1 (en) * 2008-12-10 2010-06-10 Ward Kevin R Novel combinatorial approaches to enhancing oxygen transport to tissues
US20110086923A1 (en) * 2009-07-28 2011-04-14 Thompson Deborah P Method to increase oxygen in male and female sexual organs through the topical use of perfluorocarbons
US20110230566A1 (en) * 2010-03-19 2011-09-22 Maria Isabel Tamargo Perfluorocarbon eye cream formulations
US8513309B2 (en) 2010-10-01 2013-08-20 Oxygen Biotherapeutics, Inc. Perfluorocarbons for use in treating pruritus

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58188814A (ja) * 1982-04-12 1983-11-04 チルドレンズ・ホスピタル・メデイカル・センタ− 気体輸送剤液体組成物
US4453028A (en) * 1982-03-29 1984-06-05 Lagow Richard J Perfluorinated compounds with cyclohexyl groups
WO1995031191A1 (en) * 1994-05-13 1995-11-23 Synthetic Blood International, Inc. Use of perfluorocarbons for assisting normal breathing in mammals having lung disorders
WO1997019678A1 (en) * 1995-12-01 1997-06-05 Synthetic Blood International, Inc. Improved perfluorocarbons for biological gas exchange and method
JP4289499B2 (ja) * 2004-09-06 2009-07-01 城南鋼鉄工業株式会社 扉のロック機構

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3911138B1 (en) 1973-02-26 1996-10-29 Childrens Hosp Medical Center Artificial blood and method for supporting oxygen transport in animals
USRE33451E (en) 1982-04-12 1990-11-20 Children's Hospital Medical Center Artificial blood and other gas transport agents
US4686024A (en) 1985-02-01 1987-08-11 The Green Cross Corporation Novel perfluoro chemicals and polyfluorinated compounds and process for production of the same
US5437272A (en) 1991-05-01 1995-08-01 Alliance Pharmaceutical Corp. Perfluorocarbon associated gas exchange
WO1992019232A1 (en) 1991-05-03 1992-11-12 Alliance Pharmaceutical Corp. Partial liquid breathing of fluorocarbons
US5146014A (en) * 1991-07-02 1992-09-08 Air Products And Chemicals, Inc. Perfluoroethyldimethyl cyclohexane

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4453028A (en) * 1982-03-29 1984-06-05 Lagow Richard J Perfluorinated compounds with cyclohexyl groups
JPS58188814A (ja) * 1982-04-12 1983-11-04 チルドレンズ・ホスピタル・メデイカル・センタ− 気体輸送剤液体組成物
WO1995031191A1 (en) * 1994-05-13 1995-11-23 Synthetic Blood International, Inc. Use of perfluorocarbons for assisting normal breathing in mammals having lung disorders
WO1997019678A1 (en) * 1995-12-01 1997-06-05 Synthetic Blood International, Inc. Improved perfluorocarbons for biological gas exchange and method
JP4289499B2 (ja) * 2004-09-06 2009-07-01 城南鋼鉄工業株式会社 扉のロック機構

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007081008A1 (ja) * 2006-01-16 2007-07-19 Asahi Glass Company, Limited 新規なフッ素系界面活性剤および新規な含フッ素化合物
WO2008102563A1 (ja) 2007-02-23 2008-08-28 Next21 K.K. 血管攣縮の治療剤又は予防剤
JP2012509870A (ja) * 2008-11-25 2012-04-26 オキシジェン・バイオセラピューティクス・インコーポレイティド ペルフルオロカーボンゲル製剤
JP2013500959A (ja) * 2009-07-31 2013-01-10 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ イメージングに用いるパーフルオロ化合物

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999026604A2 (en) 1999-06-03
AU759557B2 (en) 2003-04-17
EP1037619A4 (en) 2001-08-13
CA2311122A1 (en) 1999-06-03
AU1418499A (en) 1999-06-15
CA2311122C (en) 2004-04-13
WO1999026604A3 (en) 1999-10-14
EP1037619A2 (en) 2000-09-27
US6167887B1 (en) 2001-01-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6916542B2 (ja) 麻酔を誘発する方法
CA1042799A (en) Perfluorocyclocarbons as gas transport agents in animals
Wolfson et al. Perfluorochemical rescue after surfactant treatment: effect of perflubron dose and ventilatory frequency
Kaisers et al. Liquid ventilation
Hirschl et al. Evaluation of gas exchange, pulmonary compliance, and lung injury during total and partial liquid ventilation in the acute respiratory distress syndrome
Quintel et al. Effects of partial liquid ventilation on lung injury in a model of acute respiratory failure: a histologic and morphometric analysis
JP2003522094A (ja) 液体換気及び人工血液のための選択されたc10パーフルオロ炭化水素
US20100008996A1 (en) Inhalative and instillative use of semifluorinated alkanes as an active substance carrier in the intrapulmonary area
Shaffer et al. Liquid ventilation in premature lambs: uptake, biodistribution and elimination of perfluorodecalin liquid
Dingley et al. Xenon: recent developments
Modell et al. Liquid ventilation of primates
Loepke et al. Desflurane improves neurologic outcome after low-flow cardiopulmonary bypass in newborn pigs
Clark Jr et al. Ring versus straight chain perfluorocarbon emulsions for perfusion media
Brosnan et al. Anesthetic induction with guaifenesin and propofol in adult horses
Droghetti et al. Air embolism: Diagnosis with single‐photon emission tomography and successful hyperbaric oxygen therapy
JP2000516569A (ja) 生物学的ガス交換用改良ペルフルオロカーボン及び使用方法
US7442383B2 (en) Use of xenon for the control of neurological deficits associated with cardiopulmonary bypass
US20050010126A1 (en) Assessment of concentration of inhalational compounds in the brain
Byon et al. An open-label comparison of a new generic sevoflurane formulation with original sevoflurane in patients scheduled for elective surgery under general anesthesia
JPH11240845A (ja) 肝手術評価用試薬
Tarr et al. Blood/gas solubility coefficient and blood concentration of enflurane during normothermic and hypothermic cardiopulmonary bypass
CA1060799A (en) Anaesthetic compositions
Thomas et al. Effect of hemodialysis on plasma cholinesterase
Laude et al. Ventilatory effects of radiographic contrast media.
Kalman et al. Minimum alveolar concentration of halothanediethyl‐ether azeotrope

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091130

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091207

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100104

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100316

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100716

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101001

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20101224