JP2003520961A - 核酸を分離および検出するための方法および装置 - Google Patents

核酸を分離および検出するための方法および装置

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JP2003520961A
JP2003520961A JP2001554055A JP2001554055A JP2003520961A JP 2003520961 A JP2003520961 A JP 2003520961A JP 2001554055 A JP2001554055 A JP 2001554055A JP 2001554055 A JP2001554055 A JP 2001554055A JP 2003520961 A JP2003520961 A JP 2003520961A
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クリス エル. ジョーンズ,
エズラ エス. エイブラムス,
スティーブン ジー. キーファー−ヒギンズ,
ティアンホン ザン,
グラム ピー. イーコック,
マイケル ジェイ. ウェブ,
クリストファー マクドウェル,
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エムティー テクノロジー,インコーポレイテッド
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
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Abstract

(57)【要約】 標的分子(例えば、分析物)を分離および検出するための薄層ゲルおよびその使用方法を記載している。このゲルは、必要に応じて強化されて、電気泳動装置からの取り出しが容易になる。ここでゲルマトリックスは、検出されるべき分析物に特異的にハイブリダイズするかまたは結合し得る、(例えば共有結合で)固定された捕獲プローブを備える。このゲルは薄く、そして非常に短いアッセイ時間が達成され、これによって分析物の迅速な検出が容易になる。生物学的サンプル中の分析物の検出、または分離および検出のための電気泳動アッセイシステムとともに用いるのに適切である、アッセイ装置がまた記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本願は、2000年1月19日に出願された、米国仮出願第60/176,8
39号(この全教示は、本明細書中で参考として援用される)の利益を主張する
【0002】 (発明の背景) 核酸分子およびフラグメントの分離および検出は、診断、分析、および研究目
的のために所望される。核酸は、DNA、RNA、およびそのアナログを含む。
異なる種の微生物(例えば、細菌、ウイルス、真菌および/または寄生生物)は
、固有の遺伝子(DNAおよび/またはRNA)配列を有し、これは、特定の微
生物の存在または非存在を検出するために使用され得る。核酸の共通配列はまた
、微生物の集団内で(例えば、細菌において)認識され、これは、この特定の集
団のメンバーの存在または非存在を検出するために使用され得る。さらに、DN
AまたはRNAが、例えば、単一のヌクレオチド多型(SNP)または変異によ
って改変される場合、疾患または機能不全が生じ得る。多型および変異の検出は
、生活の品質を改善するために、医療または教育の形態で、患者の生涯の間に早
期の処置を容易にし得る。例えば、遺伝子分析が、子供が嚢胞性線維症をもって
産まれることを示す場合、この疾患の合併症を最小にしうる早期の医療処置が提
供され得る。
【0003】 生物学的サンプルは、成分(例えば、タンパク質および核酸)の異種混合物か
らなり得る。特に診断適用に対して、成分を迅速に分離し、そしてサンプル中の
標的分子(例えば、特定のDNA、RNAまたはタンパク質)を同定する能力は
、有用な診断試験を開発する際の制限因子であり得る。例えば、患者が血小板の
注入を必要とする場合、血小板が輸血のときに細菌で汚染されているかまたは否
かの知識が必要となる。試験を完了するために必要とされる時間の間、細菌は、
増加し続ける。従って、より長い時間が経過するにつれて、血小板の有用性は変
化し得る。
【0004】 ゲル上での電気泳動は、固有の配列を有する個々のバンドに、核酸分子および
フラグメントを含む複合体サンプルを分離するために伝統的に使用される1つの
方法である。分子またはフラグメントの重量および電荷の両方は、電気泳動媒体
を通るその移動の速度に影響し得る。一様な電荷質量比を有する核酸に対して、
核酸が大きくなるほど、ゲル内でのその移動はより遅くなる。サンプルがその成
分部分に分離される前にサンプルが移動しなければならない距離はまた、この方
法を使用する分離の速度に影響する。核酸を分析する伝統的な方法は、代表的に
、高度に訓練された技術者を必要とし、そして使用されるサンプルおよび装置の
型に依存して、完了するのに2〜48時間かかる。
【0005】 生物学的サンプル中の標的分子を迅速に、そして正確に分離および検出するた
めの方法および装置が必要とされることが明らかである。
【0006】 (発明の要旨) 本発明は、電場によって成分を捕獲プローブの近傍に移動させることによって
、生物学的サンプル中の成分または標的分子(例えば、分析物)を検出、分離、
精製、および/または濃縮するためのシステムに関し、ここで、この成分は、捕
獲プローブに特異的に結合するか、またはこのプローブとハイブリダイズする。
このシステムは、ハウジング(例えば、少なくとも2つの電極を収容するための
電気泳動カセット);捕獲プローブを備える薄層ゲルマトリックスを収容するた
めの1つ以上の構造;電場を支持するためのイオンの供給源(例えば、緩化され
た塩溶液)を備え得る。この捕獲プローブは、必要に応じて、ゲルマトリックス
(例えば、アガロース)内に含まれ得る。必要に応じて、この装置は、さらに、
薄層ゲルを保持するため、または強化された薄層ゲルを保持するための構造;シ
ステム内のサンプルコンパートメント内にサンプルを導入するための構造を備え
得、ここで、このサンプルは、潜在的に、捕獲プローブの結合するか、またはこ
のプローブにハイブリダイズする成分(例えば、この捕獲プローブに実質的に相
補的な核酸配列)を含む。このシステムは、さらに、電源を含み得るか、または
このシステムを電源に接続するため、またはこのシステムの一部分の部品を電源
に接続するための構造を備え得る。
【0007】 本発明のこのシステムは、成分または標的分子の存在または非存在を決定する
ために使用され得る。例えば、サンプルは、電気泳動カセットに移動され得る(
例えば、このサンプルは、カセットのサンプルコンパートメントに導入され、そ
して電気的力(例えば、電圧勾配)がカセットの電極を横切って印加され、その
結果、サンプルの1つ以上の成分が、サンプルコンパートメントから薄層ゲルマ
トリックスを通過する)。1つ以上の捕獲プローブが、このゲルに結合される。
本明細書中で使用されるように、捕獲プローブは、この捕獲プローブをこのゲル
に、添加、固定化、トラップすることによって、および/または化学的に イオン的に、また共有結合的に結合させることによって、ゲルに結合され得る。
この捕獲プローブは、本明細書中、リガンドとして参照され得る。例えば、検出
される標的分子(例えば、分析物)は、この捕獲プローブのヌクレオチド配列に
実質的に相補的であるヌクレオチド配列を有する核酸である場合、この核酸は、
薄層ゲル内に保持され、一方で、相補配列を欠く核酸分子は、このゲルを移動す
る。本発明のこのシステムは、検出、アッセイ、または分析する方法において使
用される場合、捕獲プローブへの標的分子の結合が捕獲プローブ−標的複合体に
よって示される1つ以上の化学的または物理的特性によって検出され得、この特
性は、当業者に公知である。1つの実施形態において、この捕獲プローブ−標的
複合体は、検出可能な標識を含む。
【0008】 1つの実施形態において、分析物を捕獲するためのシステムは、電気泳動カセ
ットを備える。この電気泳動カセットは、ハウジング(例えば、1組の電極チャ
ネルを有する基部)、電極チャネルの間に挿入されたバリア、電極チャネルの間
に延びる少なくとも1つの泳動チャネルを有するバリア、ならびに境界のある1
組の拡大スロットおよび泳動チャネルへの開口を備える。第一の電極は、第一の
電極チャネルに延び、そして第二の電極は、第二の電極チャネルに延びる。捕獲
ゲルホルダー(ゲル捕獲ホルダー)は、拡大スロットに収容可能である。この捕
獲ゲルホルダー(ゲル捕獲ホルダー)は、泳動チャネルと整列した開口を有し得
る。薄層ゲルは、捕獲ゲルホルダーの開口に位置決めされる。1つの実施形態に
おいて、この捕獲ゲルホルダーは、コームである。この薄層ゲルは、ポリマーメ
ッシュであり得るマトリックスを有する;必要に応じて、このマトリックスは、
非伝導性であり得る。
【0009】 1つの実施形態において、カセットは、このカセットの基部の上にあるように
位置決めされた蒸発カバーを備える。この蒸発カバーは、捕獲ゲルホルダーのた
めの少なくとも1つの開口、気体の通気のための少なくとも1つの開口、および
/またはサンプルウェル形成コームが泳動チャネルに入ることを可能にするため
の開口を有し得る。このカセットは、捕獲ゲルホルダーの歯を収容するための、
1組の洗浄ウェルセットを備え得る。これらの電極は、蒸発カバーを通って延び
る1組の端子を有し得る。これらの端子は、蒸発カバーの頂部と同じ高さであり
得る。
【0010】 1つの実施形態において、捕獲ゲルホルダーは、ハンドルおよびこのハンドル
から突出した複数の歯を有する。この歯の1つ以上は、この歯を通る穴を有し得
る。ポリマー材料(例えば、例えば、非伝導性材料)は、この歯の穴の内部の空
環を占有し得、その結果、この歯の穴に渡って、またはその内部に伸ばされ得る
。この材料は、ゲル(例えば、ゲルマトリックス)を支持し得る。この穴は、凹
型中央領域によって境界とされ得、好ましくはこの領域によって取り囲まれ得、
そして凹型中央領域およびフランジが気体の放出を容易にするように、穴の上の
フランジによって境界とされ得るか、またはこのフランジによって取り囲まれ得
る。少なくとも1つの歯は、特定のまたは特別な方向でカセットにフィットする
ように適合される形状(例えば、鍵状の形状)を有する。
【0011】 1つの実施形態において、薄層ゲルは、標的分子(例えば、分析物)、例えば
、核酸配列、核酸アナログを分離および検出するために使用され、ここで、この
ようなアナログは、サンプル中の、例えば、ペプチド核酸(PNA)、改変核酸
配列、または特定の結合親和性、特定の構造、または特定のアミノ酸配列を有す
るペプチドである。より具体的に、本発明は、ポリマーゲルマトリックスを提供
し、これは、必要に応じて、装置(例えば、電気泳動カセット)からの除去を可
能にするために強化され、ここで、ポリマーゲルマトリックスは、標的分子に特
異的にハイブリザイズし得るか、結合し得る捕獲プローブを含む。本明細書中で
記載されるように、このゲルは、「薄層」である。用語「薄層」は、本明細書中
で使用される場合、ゲルマトリックスの厚い塊をいう。本発明のゲルマトリック
スは、フィルターまたはシーブのいずれかの特性を有し、その結果、ゲルマトリ
ックスに1つ以上のサンプル成分を保持し、一方で、他の成分を通過させる。本
発明のゲマトリックスは、操作可能であり、その結果、これは、例えば、電気泳
動カセットに配置され、そして除去され得る。ゲルマトリックスの厚さをより減
少させることによって、アッセイ速度が達成され得る。しかし、用語「薄層」は
、所望の検出、分離、または濃縮を達成すために必要とされる時間の量を減少す
るように、選択的透過性の特徴および取り扱いの容易さをまたいうことができる
。重要なことには、本明細書中に記載される方法および装置を使用して、サンプ
ル検出物の前増幅が必要とされず、なお、この迅速なアッセイの感度は、分析物
のより複雑で時間を浪費する方法に匹敵する。
【0012】 このゲルは、分析物を検出、分離、または濃縮するための電気泳動アッセイシ
ステムにおいて使用され得る任意の材料を含み得、例えば、ポリアクリルアミド
、アガロース、デンプン、またはデキストランの形態である。このゲルは、これ
が、再配置され、除去され、あるいは手動または機械的手段によって物理的に移
動されるに十分に安定であるように処方され得る。このゲルマトリックスは、こ
のゲルを強化するように作用する強化材を提供され得、それによって、取り扱い
を容易にする。この薄層ゲルマトリックスが、強化材料上にキャストされる場合
、この薄層ゲルマトリックスは、強化薄層ゲルと呼ばれる。1つの実施形態にお
いて、この薄層ゲル強化材としては、非導電性の多孔性材料(例えば、メッシュ
、ウェブ、マット、またはフェルト)が挙げられる。第二の実施形態において、
この薄層ゲルは、ポリマー添加物、架橋剤、または他の化学的薬剤(これはゲル
に組込まれ得る)を含み、その結果、このゲルマトリックスを構造的に強化する
。この強化材は、このゲルマトリックスの強度および耐久性を増加させ、それに
よって、これは耐引き裂き性または耐伸展性にする。さらに、このゲルは、ゲル
内に保持されるカセットプローブへの標的分子の結合を検出するための検出器ま
たは検出ステーション内での、このゲルの移動および処理を容易にするホルダー
とともに使用され得る。
【0013】 別の実施形態において、生物学的サンプル中の標的分子の検出のための高度に
感受性があり、非増幅的である、迅速なアッセイが提供される。サンプル(例え
ば、所望ではない種で汚染された疑いのあるサンプル)、例えば、微生物種(例
えば、細菌、真菌、またはウイルス)のような標的分子は、本明細書中に記載さ
れるように処理されて、この種に存在するとして特徴付けられる核酸、好ましく
はその種に固有であることが公知である核酸が、捕獲ゲルホルダーのゲルマトリ
ックスと結合した捕獲プローブにハイブリザイズし得ることを、利用可能にする
。このハイブリザイズされた核酸は、それによって、ゲルに捕獲され、次いで検
出および報告され得る。
【0014】 本発明のこの実施形態において、生物学的サンプルは、最初に適切な希釈剤で
希釈され、次いで、高速で遠心分離されて、サンプル中に存在する任意の標的細
菌をペレット化する。このペレット化された細菌は、膜成分に可溶化される様式
で処理され、そして標的細菌を、特定の核酸プローブとのハイブリダイゼーショ
ンに適切にする。アルカリホスファターゼ−結合体化レポータープローブを含む
緩衝液が、サンプルに添加され、そしてこのサンプルは、標的核酸の変性および
レポータープローブのハイブリダイゼーションのために十分な温度に加熱される
。これらのサンプルは冷却され、そして各サンプルのアリコートが、本明細書に
記載されるような予め温められた電気泳動カセットに充填され、そして電圧が印
加される。これらのサンプルは、標的細菌核酸に特異的な捕獲プローブを含む捕
獲コーム(これはまた、本明細書中で捕獲ゲルホルダーといわれる)を通過する
。この捕獲プローブは、薄層ゲルに固定化される。このコームは、次いで、浸漬
洗浄され、そしてカセットのスロットに移動され、このカセットは、本来の電気
泳動経路の上流にある。再び、電圧が、コームを電気泳動的に洗浄するために短
時間印加される。このコームは、所定の時間条件付け緩衝液に置かれ、次いで除
去され、そしてリーダートレイに平坦に置かれる。酵素基質が、ゲルに固定化さ
れた標的にハイブリザイズされるレポータープローブと反応されるに十分な量で
添加される。次いで、このリーダートレイは、レーダーによってスキャンされ、
そして存在する任意のシグナルが検出および報告される。シグナルの検出は、サ
ンプル中の標的細菌の存在を示す。
【0015】 別の実施形態において、例えば、細菌混入が疑われるサンプルは、サンプル中
に存在する細菌の任意のコロニーを成長させるように培養し得、そして、培養物
は、アガロースゲルがカプセル化されたポリエステルまたはナイロン膜とサンプ
ルをブロッティングすることによって、薄層ゲルマトリックスに転写される。転
写された細菌コロニーは、細菌の溶解および分析物(単数または複数)(例えば
、そこに含まれる核酸)の放出を生じる条件に曝露され得る。次いで、ナイロン
膜は、捕獲プローブ(検出されるべき細菌に特異的)を含む薄層ゲルマトリック
スに対して挟まれ得、そして、2つの間の任意の気泡は、除去される(例えば、
穏やかな圧力によって)。次いで、このサンドイッチは、電気泳動装置に配置さ
れ得、そして、適切な条件下で、電流が印加され、そして、検出されるべき分析
物(単数または複数)を含む細菌成分が、泳動(すなわち、移動)して、固定さ
れた捕獲プローブと接触する。検出されるべき細菌分析物が、サンプル内に存在
する場合、この分析物は、固定されたプローブとハイブリダイズするかまたは結
合し、そして、ゲル中に固定されたままである(すなわち、さらに泳動しない)
。次いで、結合された分析物は、例えば、レポータープローブへの分析物のハイ
ブリダイゼーションによって検出され得、そして、本明細書中に記載されるよう
に報告され得る。
【0016】 さらに、本明細書中に記載される方法および装置は、ハイブリダイズされた核
酸の迅速な培養および精製を可能にする。例えば、本明細書中に記載される方法
および装置を使用して、標的核酸は、複合体サンプルから迅速に単離され得、そ
して、捕獲コーム上のゲルの固定された捕獲プローブによって特異的に捕獲され
る。一旦標的核酸が捕獲されそして、サンプルから残りの混入物が、標的の存在
から除去される場合、捕獲コームは、同じ電気泳動カセット中の異なった組のス
ロット、別々の容器、または、固定された標的/プローブ複合体がプローブから
標的を放出する条件に供される別の装置に取り出され得、従って、この標的分子
は、サンプルから回収され、そして、ポリメラーゼ連鎖反応のようなさらなる手
順において使用され得る。
【0017】 さらに、特定のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の存在についての確認試
験を、本発明の方法および装置を使用して行い得る。複合体PCR反応混合物は
、捕獲コーム上の固定された捕獲プローブと接触され得、そして、特定のPCR
産物は、PCR反応の正確な実行を確認するために捕獲および検出され得る。
【0018】 本明細書中に記載される本発明の結果として、方法および装置は、複合体生物
学的サンプルからの標的分子の迅速なアッセイおよび単離について利用可能であ
る。本明細書中に記載された本発明は、複雑なそして時間のかかる化学反応につ
いての必要性を除去し、そして、サンプルのバックグラウンド干渉、ならびに正
確な診断および精製結果に有害であり得る環境の核酸の混入を実質的に減少また
は除去する。例えば、本明細書中に記載されるような方法および装置を使用して
、広範なパネルの約10〜10CFU/mlのレベルでの臨床関連の細菌混
入が、サンプルの核酸の先のPCR増幅の必要なく、検出され得る。従って、単
純化したサンプル処理を用いる、生物学的産物の細菌混入(例えば、血小板のよ
うな血液産物の細菌混入)を検出するための迅速なアッセイ型式が、ここで利用
可能である。
【0019】 (発明の詳細な説明) 本発明は、標的分子の検出が、固定された捕獲プローブを含む薄層ゲルマトリ
ックスの利用によって容易に達成され得るという発見に関する。標的分子の捕獲
および続く検出は、薄層ゲルマトリックスを介してこの標的分子によって移動さ
れる距離ではなく、このゲル中の捕獲プローブの密度に依存する。さらに、この
薄層ゲルマトリックスへの強化材の組み込みは、その取り扱いおよびデバイスか
らのその除去を容易にし、これによってバックグラウンドシグナルの除去および
検出についての改善された手順を可能にする。この強化材は、非導電性メッシュ
または繊維質マットのような別々の材料によって提供され得る。あるいは、強化
材は、この薄層ゲルマトリックス内に組み込まれる分子的な強化材(例えば、架
橋分子)であり得、これはこのマトリックスを強化(strengthen)お
よび/または強化(reinforce)する。
【0020】 1つの特定の実施形態において、本発明は、薄層ゲル、この薄層ゲルを用いて
使用するための電気泳動システム、およびこの薄層ゲルを用いてこの電気泳動シ
ステムを使用する方法を含む。より詳細には、本発明は、強化された薄層ゲル、
電気泳動の装置またはデバイス、この電気泳動デバイスを用いて使用するための
サンプルコーム(comb)または捕獲ゲルホルダー、およびサンプルから分析
物を分離し、続いて検出するために、電気泳動デバイスおよび捕獲ゲルホルダー
(サンプルコーム)を使用する方法を含む。
【0021】 本発明に従う電気泳動カセット190は、図1および2に示される。このカセ
ット190は、図2に示されるベース192および蒸発カバー194を有する。
【0022】 図1および3を参照すると、この電気泳動カセット190のベース192は、
電極チャネル92および94の対を有する。電極チャネル92および94の各々
において、このチャネルの各々を部分に切断する複数のリブ198が存在する。
各リブ198は、スロット200を有し、このスロットを通して電極202(例
えば、図3に示されるような)が伸長する。このリブ198のスロット200は
、電極202が以下に詳細に説明されるように適切に位置することを保証するた
めに使用される。この電極202は、電極チャネル92および94のそれぞれの
長さを伸長する。1つの実施形態において、電極202の各々は、図3に示され
るように、1対のポスト204およびこのポスト204の間に伸長するステンレ
ス鋼または白金のストリップ206を含む。ポスト204の一部は、例示の目的
で図3に示され、そこでこのポスト204は、蒸発カバー194が導入された後
まで、このベース192に導入されない。各ポスト204は、図3に断面で示さ
れる円柱状のロッド208を有し、このロッドはベース192中の穴210に受
け入れられ、そして完全な環状ディスクまたはヘッド212が、図2に示される
ように蒸発カバー194の頂部に位置する。このポスト204は、1つの実施形
態ではステンレス鋼で形成される。
【0023】 このベース192は、複数のチャネル、図1に示されるような泳動チャネル9
6を有し、これは電極チャネル92と94との間に伸長する。各泳動チャネル9
6内に、捕獲ゲルホルダー220の歯218を受けるように適応された拡大スロ
ット98の対が存在する。この捕獲ゲルホルダー220は、図5〜7Gを参照し
て以下にさらに記載される。捕獲ゲルホルダー66の代替的実施形態は、以下に
簡単に記載される。捕獲ゲルホルダー66が特定の電気泳動カセット190を用
いて使用され得るか否かは、多数の要因(歯の間隔および寸法、ならびに任意の
固定(keying)特徴を含む)に依存する。
【0024】 図1〜3を参照すると、電気泳動カセット190のベース192は、図1の洗
浄ウェルのセット222および224の対を有する。各セットの洗浄ウェル22
2および224は、泳動チャネル96に付随し、そして同様に空間を空けた洗浄
ウェル226を有する。各洗浄ウェル226は、捕獲ゲルホルダーの歯218の
うちの1つを受けるように適応される。洗浄ウェルのセット222および224
の各々の各洗浄ウェル226は、捕獲ゲルホルダー60または220の歯70ま
たは218を受けるためのスロット230を備えるリブまたは支持体228を有
する。スロット230を備えるリブ228は、図5に示されるように、捕獲ゲル
40と干渉せずに、整列および直立した捕獲ゲルホルダー220を保有する泳動
チャネル96と整列しないように分派し、捕獲ゲル40を有する各歯218の穴
76が、洗浄ウェル中の溶液によってアクセス可能であるこをと保証する。
【0025】 1つの実施形態において、洗浄ウェルのセット224の洗浄ウェル226は、
別のセットの洗浄ウェル222よりもより大きな容量または体積を有する。サイ
ズにおける差異の目的は、捕獲ゲル40が、異なる量および濃度の溶液または反
応体と反応することを可能にすることである。例えば、1つの実施形態において
、洗浄ウェルのセット224は、コンディショナーウェルのセットとして参照さ
れ、そして洗浄ウェルの別のセット222は、洗浄ウェルのセットとして参照さ
れる。
【0026】 図2、4A、および4Bを参照すると、蒸発カバー194は、電極202を覆
うための複数の通気口またはスロット234を有する。この蒸発カバー194は
、さらに、一般的に四角の複数の開口236を有する。この四角の開口236は
、図8Aに示されるように、サンプルウェル形成コーム380の複数の歯382
が、泳動チャネル96へと渡されることを可能にする。
【0027】 さらに、なお図2、4A、および4Bを参照すると、蒸発カバー194は、捕
獲ゲルホルダー220の歯218を受けるため複数のスロット238を有し、そ
して図1に示されるように、ベース192の泳動チャネル96の拡大スロット9
8の上に横たわる。1つの実施形態において、このスロット238は、図4Bに
最も良く示されるように、丸みを帯びた側端240および四角の側端242を有
する。このスロット238は、図5〜7Gを参照して以下でさらに詳細に説明さ
れるように、捕獲ゲルホルダー220が、特定の配向でスロット238のみを通
過し得るように形成される。1つの実施形態において、蒸発カバー194は、超
音波溶接によってベース192に取りつけられる。
【0028】 蒸発カバー194は、洗浄ウェルのセット222および224を覆わない。上
記に示されるように、ポスト204の環状のディスク212は、電極202で、
蒸発カバー194の上に横たわる。蒸発カバー194は孔246を有し、この孔
を通してポスト204の環状のロッドが伸長する。
【0029】 なお図4Aおよび4Bを参照すると、蒸発カバー194は、図1および2に示
されるような、電気泳動カセット190のベース192における相補的な(co
mplimentary)ノッチ250に受け入れられる複数のタブ248を有
する。タブ248のこれらのタブのうちの1つ(タブ252)は、図4Aおよび
4Bに示されるように、他のタブ248の位置のわずかに内側に位置し、その結
果、この蒸発カバー194は、1つの方向でベース192にのみ配置され得る。
1つの実施形態において、蒸発カバー194およびベース192の両方は、歯2
38および洗浄ウェルのセット222および224についてのスロットに隣接す
る「A」、「B」、「C」および「D」の英字のようなマーク256を有し、そ
れぞれの構成要素に挿入される捕獲ゲルホルダー220の歯218を受ける順序
(すなわち、工程)を示す。この工程は、以下でさらに詳細に記載される。
【0030】 戻って図2および3を参照すると、電気泳動カセット190は、電気泳動カセ
ット190の移動における補助のために、ベース192上のハンドル部分258
を有する。
【0031】 電気泳動カセット190は、標的分子の捕獲の方法において、捕獲ゲルホルダ
ーと関連して使用される。図5に例示されるような捕獲ゲルホルダー220は、
複数の歯218およびハンドル部分260を有する。このハンドル部分260は
、握る場合に補助するための溝262および第2の溝または標識受容部分264
を有する。
【0032】 図5および6Aを参照すると、歯218の各々は、薄い中央領域266を有し
、ここに歯218を通して伸長する穴268が位置する。この中央領域266を
薄くすることは、この捕獲ゲルホルダーを、構築されそして充填されたカセット
のスロット98および238に挿入する場合に、捕獲ゲル40および歯218の
表面の気泡の捕捉を妨げることを助ける。
【0033】 穴268は、図7Dにおいて最も良く示されるようなショルダー274を作製
する、より大きな開口270およびより小さな開口272を有する。より小さな
開口272は、テーパー276を有する。捕獲ゲル40は、以下に記載するよう
な標的分子の捕獲のために、穴268を覆うかまたはこの穴の上に横たわる。図
7Bおよび7Dに最も良く見られるように、歯218は、歯の各々が、このハン
ドル付近の歯の頂部と比較して、この底部で狭くそして短いように、テーパー状
である。
【0034】 1つの実施形態において、捕獲ゲルホルダー220は、4インチよりわずかに
大きな長さを有し、そして6つの歯218を有する。隣接する穴268の中心線
は、0.709インチ離れており、最初と最後の穴268の中心線の間の間隔は
3.543インチである。歯218はテーパー状であり、この底部は0.520
インチの長さおよび0.08インチの薄い中心領域266での幅を有し、そして
ハンドル部分の近くの歯の頂部は、0.545インチの長さ、および0.138
インチの中央領域の幅を有する。
【0035】 1つの実施形態において、穴268は0.260インチの直径を有する。穴2
68の頂部は、歯の底部から0.381インチ上にある。
【0036】 1つの実施形態において、泳動チャネル96は0.295インチの幅を有し、
これは歯238における穴268の直径よりも大きい。
【0037】 歯238についてのスロットが丸みを帯びた側面240および四角の側面24
2を有する図4Aおよび4Bにおいて、蒸発カバー194に関して上記に示した
ように、捕獲ゲルホルダー220の歯218は、図7B、7F、および7G、な
らびに7Cにおいて最も良く見られるように、丸みを帯びた側端280および四
角の側端282を有する。さらに、歯218のいくつかは、捕獲ゲルホルダー2
20が適切な配向で電気泳動カセット190に配置されることを保証するために
、四角の側端282上にさらなる突出部284を含み得る。図6A、7A、およ
び7Fは、このような突出部を示す。上記のように、歯238はテーパー状であ
り、従って丸みを帯びた端部および四角の端部280および282は、蒸発カバ
ー194のスロット238を介して、特定の距離をおそらく不正確に適合し得る
。この突出部284は、このような可能性を制限する。
【0038】 戻って図5および6Bを参照すると、捕獲ゲルホルダー220は、この部分の
両方の端部に、平坦な光学検出面288を有する。この光学検出面288は、図
13と関連して記載される電気泳動機器292と共に使用される。捕獲ゲルホル
ダー220は、1つの位置のみでカセット190に配置され得るが、光学検出面
288は、電気泳動カセット190を受ける電気泳動機器292における2つの
位置により、捕獲ゲルホルダーの両方の端部に配置される。
【0039】 捕獲ゲルホルダー220に加えて、図8Aに示されるようなサンプルウェル形
成コーム380、および図8Bに示されるような成形コーム386は、電気泳動
カセット190を用いて使用される。図8Aに示されるようなサンプルウェル形
成コーム380は、以下に記載されるようなアガロースまたは電気泳動マトリッ
クス120中にサンプルウェルを生成するために、蒸発カバー194中の四角の
開口236を通過する複数の歯382を有する。図8Bに示されるような成形コ
ーム386は、以下に記載されるようなアガロースまたは電気泳動マトリックス
120を注ぐ間に、拡大スロット98に受け入れられる。
【0040】 上記のように、この方法および装置は、生物学的サンプル中の標的分子の迅速
な検出を可能にする。記載される電気泳動カセット190を用いて、捕獲ゲル4
0および電気泳動カセット190のより詳細な説明に先だって、これらの特徴を
使用する検出方法が記載される。
【0041】 (方法) 本明細書中に記載され、そして図9Bに例示されるように、標的核酸(DNA
またはRNAのいずれか)を含むと考えられる生物学的サンプルが、得られ、そ
してこの核酸が放出され、これらを検出に適切にする様式(例えば、細胞が溶解
される)で処理される。本発明の方法の1つの実施形態において、この放出され
た核酸は、レポータープローブがサンプル中の標的核酸とハイブリダイズするの
に適切な条件下でレポータープローブと接触されて、標識された(またはタグ化
された(例えば、検出可能に標識された))サンプル核酸を生じる。必要に応じ
て、アダプタプローブがまた、適切な条件下でこのサンプル核酸と接触され得、
ここでこのアダプタプローブはまた、このサンプル核酸にハイブリダイズする。
従って、このサンプルは、ここで、標識された核酸、非標識核酸、および他の成
分の混合物を含む。
【0042】 次いで、このサンプル混合物は、本明細書中に記載のされる電気泳動カセット
における電気泳動に共され、ここでこの混合物は捕獲プローブと接触される。こ
の捕獲プローブは、サンプル中に含まれる標的分子(例えば、標的細菌核酸)に
特異的である。このサンプルが標的分子を含む(例えば、核酸が、共有結合した
捕獲プローブの配列と相補的な配列を有する)場合、この標的分子は、ゲルホル
ダーの薄層ゲル中の捕獲プローブに固定される。電気泳動の電流の連続的な適用
に起因して、このサンプルの未結合成分は、薄層ゲルを通して移動し続け、そし
て結合成分から分離される。本発明の方法の別の実施形態において、固定された
標的/捕獲プローブの複合体を含むゲルホルダーは、電気泳動カセットにおける
異なるスロットに移され得、そしてゲルは、短く電圧を適用することによって緩
衝液で洗浄され得て、結果として未結合(例えば、ハイブリダイズしていない)
成分がゲルから除去される。分離後、この結合成分は、多くの公知の方法によっ
て検出され得る。1つの実施形態において、結合した標的分子の検出は、薄層ゲ
ルを電気泳動デバイスから検出デバイス(例えば、蛍光リーダーまたは発光リー
ダー)へと移動させることによって、容易になる。
【0043】 図9Aは、このアッセイにおける分子の流れを示す。図10は、このサンプル
および試薬を作製するための工程を概略的に説明する。図9Aおよび9Bの文字
のブロック、ならびに図10のブロック150を参照すると、標的分析物を含む
を思われるサンプルが調製される。代表的に、検出される分子は、細胞、細菌、
またはウイルスに含まれる標的核酸である。例えば、図9Cに示されるように、
保存性の細菌核酸配列は、生物学的サンプル中に存在する種々の細菌を検出する
ために使用され得る。本明細書中に記載されるように、2つのプローブは、各々
の標的RNAについて使用され得る。1つはレポータープローブであり、これは
標的RNAを標識するために使用される。他方は捕獲プローブであり、これは薄
層ゲル膜に連結される。図9Cは、標的生物体のパネル由来のSRP RNA配
列(配列番号1〜17)、およびこのプローブ配列の相補体を示す。薄いボック
スに囲まれる線は、このプローブに相補的なDNA配列を示す(配列相補体は、
誤って対形成した領域がより容易に同定され得るように示した)。白の点線は、
薄層ゲル膜に連結した捕獲プローブに対応する配列の下線である。白の実線は、
レポータープローブに対応する配列の下線である。捕獲プローブは、5’−Ac
rydite(tm)修飾を用いて、2’−O−メチルRNAオリゴヌクレオチ
ドのように合成される(Acrydite(tm)は、Mosaic Tech
nologies,Waltham,MAから市販されている)。このレポータ
ープローブは、5’−アミノ修飾を用いて、2’−O−メチルRNAオリゴヌク
レオチドのように合成され、そしてこれはアルカリホスファターゼ酵素標識と結
合体化される。
【0044】 サンプル処理の最初の工程の1つは、核酸を捕獲プローブへのハイブリダイゼ
ーションに利用可能にするために、細胞を溶解することである。例えば、このサ
ンプルは、緩衝液または希釈剤と共に管に配置され、そして細胞物質(例えば、
血小板、細胞、細菌、ウイルス)がこの管中でペレット化するのに十分な速度お
よび時間で遠心分離される。このような技術は、当業者に周知である。この上清
を、この管中のサンプルから流し出し、そしてこのサンプルをリンス緩衝液中に
再懸濁し、次いで以前のように再び遠心沈澱する。遠心後、上清を流し出す。次
いで、図9Aにおけるブロック132によって示されるように、溶解緩衝液をサ
ンプルを有する管にピペットで移す。溶解緩衝液は、細胞物質を溶解し、そして
標的核酸を未分解状態で保存するのに十分な成分を含む緩衝化溶液を含む。例え
ば,溶解緩衝液は、溶解を促進するために、必要に応じて界面活性剤またはカオ
トロピック剤を含み得る。このような緩衝液および成分は、当業者に周知である
【0045】 図10におけるブロック152を参照すると、このサンプルは、例えば、約1
00℃より高く、より詳細には約124℃±4℃まで、細胞が溶解するのに十分
な時間(例えば、約5分間)加熱され、次いで50℃未満の特定の温度(例えば
、45℃)まで約2〜6分間冷却される。1つの実施形態において、このサンプ
ルは、図14のインキュベーター装置302において加熱される。次いで、レポ
ータープローブ混合物は、溶解されたサンプルに導入される。1つの実施形態に
おいて、このレポータープローブは、蛍光標識、リン光化学発光標識、または酵
素標識に結合体化されるオリゴヌクレオチドを含む。酵素標識のいくつかの例と
しては、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼが挙げられ
る。一般に、蛍光または化学発光シグナルを生成する酵素標識が使用される。こ
のレポータープローブは、図9Aおよび9Bのブロック134、ならびに図10
のブロック154によって例示されるように、レポータープローブがサンプル中
の核酸にハイブリダイズするのに十分な条件下で(例えば、約45℃±2℃で約
10分(例えば、9〜11分))、溶解されたサンプルに接触される。例えば、
当業者に周知の1つのレポータープローブは、アルカリホスファターゼレポータ
ープローブである。従って、図9Aおよび9Bのブロック136、ならびに図1
0の156によって示されるように、このサンプルはレポータープローブにハイ
ブリダイズし、標識されたサンプルを生じる。
【0046】 図10のブロック158、ならびに図9Aおよび9Bのブロック138を参照
すると、この標識されたサンプルは、図1〜3に示される電気泳動カセット19
0のサンプルウェルに移される。泳動チャネル96の正(+)電極に最も近い拡
大スロット98のセットに位置する捕獲ゲルホルダー220を用いて、電圧が電
気泳動カセット190に適用されて、図9Aのブロック140および図10のブ
ロック160によって例示されるように、標識されたサンプルが、1つの電極1
00から離れた泳動チャネル96に導入された位置から他方の電極100に向か
って、電気泳動マトリックス120を通って移動する。いくつかの実施形態にお
いて、このカセットは、電気泳動の前に約27〜35℃の温度まで予め暖められ
る。1つの好ましい実施形態において、この電気泳動温度は約31〜35℃であ
る。好ましい実施形態において、電圧は約24〜約40ボルトに調整される。
【0047】 捕獲プローブ/リガンドは、全て同じ配列を有し得るか、または異なる配列を
有し得る。薄層ゲル中の各配列は、特定の領域(例えば、特定の歯の特定の領域
)、または単一の歯内の空間的に規定された領域に局在され得ることが認識され
る。従って、捕獲ゲルホルダーの各歯は、異なる標的分子についての異なる捕獲
プローブ/リガンドを有し得るか、または各歯は、複数の種の捕獲プローブを含
み得る。複数のプローブが存在する場合において、各プローブは、ゲルの空間的
に独特に線引きされた領域に存在し得る。あるいは、この捕獲プローブは一緒に
混合され、そしてこの混合物は捕獲ゲルの全体に分散される。
【0048】 設定時間の後、電気泳動カセット190への電圧が遮断され、そして捕獲ゲル
ホルダー220が別の拡大セグメント98(しばしば、洗浄スロットといわれる
)へと移動される。この電圧が再び開始され、そして電気泳動がさらなる時間(
例えば、5分間)継続される。電流は、第2または洗浄期間の間、同じ方向であ
る。捕獲ゲルホルダー220を第2の拡大セグメント98へと移動することによ
って、サンプルの移動は捕獲ゲル40から離れ、従って捕獲ゲルホルダー220
上の任意の未結合サンプルは通過し、そして新しいサンプルは捕獲ゲル40と接
触されない。特異的に結合した標的のみが、コーム上に残る。
【0049】 図9Aおよび9Bのブロック142、ならびに図10のブロック162を参照
すると、捕獲ゲルホルダー220(例えば、図5に示されるコーム)は、電気泳
動カセット190から除去され、標識された標的核酸を備える捕獲ゲル40は、
捕獲ゲルマトリックスの捕獲プローブにハイブリダイズする。次いで、捕獲ゲル
ホルダー220は、緩衝溶液に配置され、そして標識されたサンプルのレポータ
ープローブに特異的な基質は、レポータープローブが基質と相互作用して検出可
能なシグナルを生成するのに十分な時間および温度で、サンプルに接触される。
次いで、捕獲ゲルホルダー220は、図10のブロック164に示されるように
、シグナル(例えば、化学発光)が検出されるように配置される。検出可能なシ
グナルの存在は、サンプル中の標的分子(例えば、核酸)の存在の暗示である。
この検出可能なシグナルは、レポータープローブの標識によって生成され、これ
は図9Aのブロック134または図10のブロック154に示されるプローブで
ある。
【0050】 (サンプル) 任意の生物学的サンプルは、本明細書中に記載の方法およびデバイスを使用し
て分析され得る。本発明の方法は、電気泳動され(例えば、電気泳動場に配置さ
れた場合に検出可能な移動度を有する荷電分子)、そして核酸と結合または核酸
によって結合され得る、任意の化学物質の分析に適用可能である。このような物
質としては、例えば、DNAまたはRNAのサンプル、核酸結合タンパク質、お
よびアプタマー結合パートナーが挙げられる(アプタマーは、ペプチド、タンパ
ク質、薬物、多糖類、および有機低分子のような特定の結合パートナーに結合す
るように選択された核酸(例えば、テオフィリンおよびカフェイン)である(J
enisonら,Science,263:1425−1429(1994))
。例えば、本明細書中に記載される方法は、固定された捕獲プローブを用いて、
標的核酸の分析および精製のために使用され得、ここで、特異的な結合は、核酸
のハイブリダイゼーションにおけるように、サンプル核酸と捕獲プローブとの間
の塩基対形成相互作用に関与する。本明細書中に記載の方法はまた、配列特異的
な核酸結合タンパク質の精製にも有用である。なぜなら、規定された配列の合成
核酸は、タンパク質の電気泳動について一般に使用されるマトリックスに固定さ
れ得るためである。
【0051】 この試験サンプルは、任意の供給源由来であり得、そして捕獲プローブと結合
複合体を形成し得る任意の分子を含み得る。本発明によって具体的に含まれるの
は、細胞または血小板を含む生物学的供給源由来のサンプル、公知の技術を使用
して得られるサンプル、身体組織(例えば、皮膚、毛髪、内臓)、または体液(
例えば、血液、血漿、尿、***、汗)由来のサンプルである。本発明の方法によ
る分析に適切なサンプルの他の供給源は、微生物学的サンプル(例えば、ウイル
ス、酵母、および細菌);プラスミド、単離された核酸および農学的供給源(例
えば、組換え植物)である。
【0052】 この試験サンプルは、試験サンプル中に含まれる標的分子が、結合またはハイ
ブリダイズに利用可能となるような、当業者に公知の様式で処置される。例えば
、標的分子が細胞中に存在する核酸である場合、細胞溶解物が調製され、そして
粗製の細胞溶解物(例えば、標的核酸ならびに他の細胞成分(例えば、タンパク
質および脂質)を含む)が分析され得る。あるいは、この標的核酸は、分析の前
に単離され得る(標的核酸は、実質的に他の細胞成分を含まなくなる)。単離は
、公知の研究室技術を使用して達成され得る。この標的核酸はまた、分析の前に
増幅され得る(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応またはリガーゼ連鎖反応技術によ
って)。
【0053】 (プローブ) 捕獲プローブは、リガンドまたは電気泳動媒体としての使用に適したポリマー
に対する共有結合によって電気泳動ゲルマトリックスに固定された推定分析物に
相補的な分子配列である。種々の捕獲プローブが本発明の方法に使用され得る。
代表的に、本発明の捕獲プローブは、標的分子に実施的に相補的であるヌクレオ
チド配列を有する核酸を含み、ここで、この標的分子は、捕獲プローブにハイブ
リダイズする。核酸捕獲プローブの相補性は、標的分子に特異的に結合し、そし
て標的分子の存在または非存在を実証するのに十分であることのみが必要である
。本発明の使用に適したプローブは、RNA、DNA、核酸アナログ、および別
の有機成分を有する核酸を含む混合クラスのキメラプローブ(例えば、ペプチド
核酸)を含む。捕獲プローブは、一本鎖核酸であっても二本鎖核酸であってもよ
い。
【0054】 本明細書中に規定されるように、用語「核酸」は、DNAまたはRNAを含む
。本明細書中において「単離された(単離した)」として言及される核酸は、そ
の供給源の成分から分離された核酸(例えば、それが細胞またはライブラリーの
ような核酸の混合物中に存在する場合)であり、さらなるプロセシングを受けて
いるかもしれない。単離された核酸は、当業者に公知の方法によって得られた核
酸を含む。これらの単離された核酸は、実質的に純粋な核酸、化学合成によって
生成された核酸、生物学的方法および化学的方法の組合せによって生成された核
酸、および単離された組換え核酸を含む。
【0055】 本明細書中に規定されるように、「実質的に相補的な」は、捕獲プローブのヌ
クレオチド配列が標的分子の正確なヌクレオチド配列を反映する必要はないが、
特定の条件下で標的分子とハイブリダイズするために配列同一性が十分に類似し
なければならないことを意味する。例えば、非相補的な塩基またはさらなるヌク
レオチドが、配列中に散在し得るが、ただしこの配列は、一緒にハイブリダイズ
するために十分に相補的な塩基を有する。
【0056】 ハイブリダイゼーションの特定の条件は、当業者によって経験的に決定され得
る。例えば、非特異的ハイブリダイゼーション反応を有意に減少するストリンジ
ェンシー条件が選択されるべきである。核酸ハイブリダイゼーションのためのス
トリンジェンシー条件は、Current Protocols in Mol
ecular Biology,Ausubel,F.M.ら,編,Vol.1
,補遺,26,1991(この教示は、その全体が参考として本明細書中に援用
される)に説明される。プローブの長さ、塩基組成、ハイブリダイズする配列間
のパーセントミスマッチ、温度およびイオン強度のような因子は、核酸ハイブリ
ッドの安定性に影響を与える。ストリンジェントな条件(例えば、中程度または
高いストリンジェンシー)は、実験的に決定され得、プローブおよび標的分子の
特徴に一部依存する。
【0057】 代表的に、捕獲プローブの長さは、少なくとも5ヌクレオチド長、より代表的
には5ヌクレオチドと50ヌクレオチドとの間であり、そして数千塩基長もの長
さであり得る。
【0058】 修飾されたヌクレオチドを含むプローブがまた、有用であり得る。例えば、デ
アザグアニンおよびウラシル塩基を含むヌクレオチドは、ハイブリダイズしたプ
ローブの熱安定性を減少するために、グアニンおよびチミン含有ヌクレオチドの
代わりに使用され得る(Wetmur,Critical Reviews i
n Biochemistry and Molecular Biology
,vol.26,227−259頁,1991)。同様に、5−メチルシトシン
は、増加した熱安定性のハイブリッドが所望される場合、シトシンに対して置換
され得る(Wetmur,Critical Reviews in Bioc
hemistry and Molecular Biology,vol.2
6,227−259頁,1991)。リボース糖鎖への修飾(例えば、2’−O
−メチル基の付加)は、固定されたRNAプローブのヌクレアーゼ感受性を減少
し得る(Wagnerら,Nature,372:333−335,(1994
))。ホルホジエステル骨格から陰性の電荷を除去する修飾は、ハイブリッドの
熱安定性を増加し得る(Moodyら,Nucleic Acids Res.
,17:4769−4782(1989);Iyerら,J.Biol.Che
m.,270:14712−14717(1995))。
【0059】 核酸アナログがまた、固定プローブとして有用であり得る。有用な核酸アナロ
グの1つの例は、ペプチド核酸(PNA)であり、ここで、標準的なDNA塩基
は、反復N−(2−アミノエチル)グリシン単位を含む修飾ペプチド骨格に結合
される(Nielsenら,Science,254:1497−1500(1
991))。ペプチド骨格は、標準的なDNAおよびRNA一本鎖を有する塩基
対に対して正確な距離で塩基を折り畳み得る。PNA−DNAハイブリッド二重
鎖は、等価なDNA−DNA二重鎖よりもはるかに強靭であり、好ましくは、こ
のPNA鎖に陰性に荷電したホルホジエステル連結がないという事実に起因する
。さらに、その通常でない構造に起因して、PNAは、ヌクレアーゼ分解に非常
に耐性である。これらの理由のため、PNA核酸アナログは、固定されたプロー
ブアッセイに有用である。類似した設計の戦略が、固定されたプローブアッセイ
に対して有用な特性を有する他の核酸アナログ構築するために使用され得ること
は、当業者に明らかである。
【0060】 本明細書中に使用される場合「標識」は、分析物が結合した捕獲プローブを識
別するための任意の手段である。例えば、標識は、捕獲プローブ−分析物複合体
に対して相補的な分子であり得、ここで、標識は、放射性同位元素、蛍光タグ、
化学発光タグ、または類似した化学的なタグ(例えば、サンドイッチハイブリダ
イゼーションアッセイに使用されるようなもの)と共に提供される。あるいは、
標識は、検出可能なシグナルを生成すために基質と相互作用し得る酵素であり得
る。シグナルプローブは、捕獲プローブ−分析物複合体上に標識を提供するため
に使用され得る。
【0061】 必要に応じて、薄層ゲルまたはポリマーゲル中の各捕獲プローブは、特定の領
域に局在化される。異なる捕獲プローブ/リガンドを有する複数の薄層ゲルは、
特定の領域中の全てのプローブが既知配列を有するようにアレイを形成するため
に配置され得る。薄層ゲルまたはポリマーゲルは、以下にさらに記載される。
【0062】 捕獲ポリマーを重合可能な化学基に共有結合するための方法が、開発されてい
る。例えば、核酸を重合可能な化学基に共有結合するための方法は、米国特許第
5,932,711号(Boles);Rehmanら,Nucleic Ac
id Res.,27:649−655(1999);米国特許出願第08/9
71,845号(1997年8月8日出願);米国特許出願第09/285,3
80号(1999年4月2日出願);米国特許出願第09/286,091号(
1999年4月2日出願);米国仮特許出願第60/151,267号(199
9年8月27日出願);および米国仮特許出願第60/177,844号(20
00年1月25日出願)(これらの開示は、その全体が参考として本明細書中に
援用される)に見出される(Kenney,Ray,およびBoles,Bio
Techniques 25:516−521(1998)(この開示および
教示は、その全体が本明細書中に援用される)もまた参照のこと)。捕獲プロー
ブはまた、米国仮特許出願第60/151,267号(1999年8月27日出
願)、米国仮特許出願第60/177,844号(2000年1月25日出願)
、および米国特許出願第09/649,637号のAbramsらによる表題「
Methods of Immobilizing Ligands on S
olid Supports and Apparatus and Meth
ods of Use Therefor」(2000年8月28日出願)(こ
れらの教示は、その全体が本明細書中に援用される)に記載されるように、チオ
ール結合化学を用いてマトリックスに共有結合され得る。捕獲プローブは、捕獲
プローブとの接触を増加するためにふるい機能を提供するポリマー材料に付着さ
れる。薄層ゲルマトリックスはまた、スペーサー分子およびマトリックスを強化
する分子を含み得る。
【0063】 核酸、修飾された核酸および核酸アナログはまた、アガロース、デキストラン
、セルロースおよびデンプンポリマーに、臭化シアンまたは塩化シアンの活性化
を用いて結合され得る。カルボキシル基を含むポリマーは、カルボイミド(ca
rboiimide)カップリングによって一級アミン基と共に提供される捕獲
プローブに結合され得る。ポリマー中に組み込まれる一級アミン基を有するポリ
マーは、グルタルアルデヒドおよび塩化シアンを用いてアミン含有捕獲プローブ
に結合され得る。多くのポリマーが、チオール含有合成捕獲プローブに結合され
得るチオール反応基で修飾され得る。代表的なプロトコールおよび他の例は、C
assおよびLigler(編)「Immobilized Biomolec
ules in Analysis:A Practical Approac
h」1998,Oxford University Press,Oxfor
d,UK,ならびにHermanson,Mallia,およびSmith「I
mmobilized Affinity Ligand Technique
s」1992,Academic Press,San Diego,CA(こ
れらの開示は、参考として援用される)に見出され得る。
【0064】 アダプタープローブ/分子がまた、本発明の方法に使用され得る。このような
プローブは、米国特許出願第09/285,380号およびPCT/US00/
08529に記載される(これらの教示は、参考として本明細書中に援用される
)。
【0065】 (ゲルマトリックス) 本発明の1つのエレメントは、捕獲ゲル40(例えば、ポリマーゲルまたは薄
層ゲル)である。この捕獲ゲルマトリックスは、プローブまたは捕獲プローブと
組み合わせて使用され、標的分子(すなわち、所望の成分)を捕獲する。
【0066】 捕獲ゲルは、相補配列が結合するゲルのフレームワークをいう。ゲルマトリッ
クスを形成する際の使用に適した材料の例としては、ゲル形成ポリマーおよび非
ゲル形成ポリマーの両方が挙げられる。電気泳動に適した任意のゲルマトリック
スが、本発明のゲルの調製に使用され得る。適切なマトリックスとしては、アク
リルアミドおよびアガロースが挙げられる。捕獲ゲルのために他の材料もまた使
用され得ることが、認識される。例としては、化学的に修飾されたアクリルアミ
ド、デンプン、デキストラン、およびセルロースベースのポリマーが挙げられる
。さらなる例としては、修飾されたアクリルアミドおよびアクリレートエステル
(例えば、Polysciences,Inc.Polymer & Mono
mer カタログ,1996−1997,Warrington,PAを参照の
こと)、デンプン(Smithies,Biochem.J.,71:585(
1959);製品番号S5651,Sigma Chemical Co.,S
t.Louis,MO)、デキストラン(例えば、Polysciences,
Inc.Polymer & Monomer カタログ,1996−1997
;Warrington,PAを参照のこと)、およびセルロースベースのポリ
マー(例えば、Quesada,Current Opinion in Bi
otechnology,8:82−93(1997)を参照のこと)が挙げら
れる。上記に列挙されるこれらのポリマーのうちのいずれかが、化学的に修飾さ
れて、本発明の使用のために捕獲プローブの特定の付着を可能にする。他の適切
な方法は、文献中に見出され得る(総説に関しては、Wong「Chemist
ry of Protein Conjugation and Cross−
linking」CRC Press,Boca Raton,FL.,199
3を参照のこと)。薄層ゲルマトリックスの強化を組込むことは、捕獲ゲルの取
り扱いを容易にする。
【0067】 ポリマーの混成マトリックスがまた、本発明の薄層ゲルを形成するのに有用で
ある。混成マトリックスは、2つ以上のマトリックス形成材料の混合物を含む(
例えば、アクリルアミド−アガロース混成ゲルなど)。これらのゲルは、代表的
に、2〜5%のアクリルアミドおよび0.5〜1%のアガロースを含む。これら
のゲルにおいて、アクリルアミドの濃度が、機能的な孔の大きさを決定する。ア
ガロースは、アクリルアミドのゲル孔サイズを有意に変更することなく、機械強
度を提供する。
【0068】 図11Aを参照して、捕獲ゲル40は、ポリマーゲル44中に包まれた非導電
性メッシュ42を有する。複数の捕獲プローブ分子が、3次元捕獲ゲルを通じて
ポリマーゲル44に共有結合され、これは、図11Bにおいて最も理解されるよ
うに、メッシュ42のファイバー50の空間48を充填する。非導電性メッシュ
42は、泡のない捕獲(薄層)ゲル40に実質的に捕獲されると考えられる。図
11Bの断面図において、捕獲ゲル(補強された薄層ゲル)40の頂表面52お
よび底表面54は、実質的に平坦であることが示される。頂表面52および底表
面54は、それぞれ、非導電性メッシュ42の頂表面52および底表面54と実
質的に同一平面であるとして示されるが、捕獲ゲル40の頂表面52および底表
面54のいずれかまたは両方は、メッシュ42の各表面から距離を置かれ得る。
【0069】 1つの実施形態において、ポリマーゲル44は、アクリルアミドゲルである。
捕獲プローブ分子の型は、何が捕獲されるのに望ましいかに依存する。例えば、
捕獲プローブ分子は、反応性エチレン基を保有するオリゴヌクレオチドであり得
る。
【0070】 非導電性メッシュ42を有する捕獲ゲル40は、種々の方法によって形成され
得る。捕獲ゲル40を形成する1つの方法は、毛管現象作用により得る。多孔材
料の非導電性メッシュは、2つのガラスプレート間に配置され、その結果、この
材料は、1つのプレートによって支持されながら2つのプレート間から伸びる。
ゲル形成溶液は、頂部のガラスプレート下から伸びる材料の端に適用される。ゲ
ル形成ポリマー溶液は、毛管現象作用によってこの材料に、そして2つのガラス
プレート間に引かれる。プレートのスペーサーがガラスプレート間に使用され得
、ゲル化される場合にその層の厚みの増加を可能にする。好ましくは、放出剤が
、成形され強化された薄層ゲルの放出を容易にするために、型枠(ガラスまたは
何か他の材料である)に適用される。
【0071】 代替の方法は、型枠に配置される多孔性材料に関するものであり、ゲル形成ポ
リマー溶液(ゲルにふるい特性を提供するポリマーに共有結合されるリガンド)
が、この型枠に添加されて、凝固を可能にする。ゲルマトリックス内の空気の泡
は、例えば、圧力下で薄層ゲルを形成することによってか、または型枠を振動さ
せることによって、回避されるはずである。
【0072】 ここで、図12Aおよび図12Bを参照して、繊維性ガラスファイバー内(構
造60の下)に入れられるポリマーゲル44を有する、強化捕獲(薄層)ゲル5
8の代替の実施形態形態が、示される。ガラスファイバーの強化60は、ポリマ
ーゲル44の表面の上および下に伸びるのが分かる。捕獲プローブ分子は、3次
元捕獲ゲル58を通してポリマー44に共有結合される。
【0073】 好ましくは、本発明の捕獲ゲル40は、十分な機械強度を有し、これが洗浄お
よび検出手順(例えば、以下に記載される)のために電気泳動デバイスから取り
出されることを可能にする。しかし、捕獲ゲルは、機械的な手段または分子的な
手段のいずれかによって強化され得る。このような薄層ゲルマトリックスの内構
造強化の例は、孔を有する種々の非導電性材料を含む。このような材料としては
、例えば、メッシュ、スクリーンまたはハニカム材料;不織布繊維性材料(例え
ば、ガラスファイバーおよびマット);および織布材料または編物材料(例えば
、織物)が挙げられる。孔を有する材料は、メッシュ材料、織布材料および不織
布材料を含む。メッシュ材料としては、ポリエステルシルクのスクリーニング材
料、例えば、Sefar America,Inc.,Briancliff
Manor,NJ.Corp.から入手可能であるのようなもの、ポリアミド樹
脂メッシュ、ナイロンメッシュ、およびポリエチレンまたはポリプロピレンハニ
カム材料が挙げられる。織布材料としては、堅牢でない織布(例えば、John
son & Johnson Ltd.から入手可能なJ−ClothTMなど
)を含む。不織布材料は、酢酸セルロースブチレート、ニトロセルロース、セル
ロースプロピオネート(例えば、米国特許第4,006,069号(Hirat
sukaら)(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される
)のようなセルロースエステルを含む、膜性材料を含む。強化が薄層ゲルマトリ
ックスの内部であり、強化材料がゲルによって包まれてゲルとともに網の目にか
らませられるように強化メッシュまたは布の両側上にゲル層が存在する場合、ゲ
ルの厚みは、好ましくは、メッシュまたは布によって支持され得るものよりも大
きくない。ゲルが主に強化材料の表面上で保持される実施形態に関して、強化材
料の表面が、粗いか、不規則であるか、多孔性であるか、さもなくばゲルがこの
材料を浸透することを可能にし得るかのいずれかであることが好ましい。3次元
的に安定な強化材料のいくつかの例は、多孔性材料、例えば、英国特許第142
1 531(UKAEA)(この開示は、その全体が本明細書中に参考として援
用される)に開示されるような方法によって作製される多孔性粒子である。強化
材料の他の例は、薄く区分されたスポンジが挙げられる。他にまた意図される強
化としては、米国特許第5,672,416号(Radola)(この開示は、
その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるように、多孔性材
料へのゲルマトリックスの接着を促進するためにコートされる多孔性材料を含む
(例えば、コートされたポリエステル)。
【0074】 捕獲ゲル40はまた、スペーサー分子およびマトリックス強化分子を含み得る
。本明細書中に使用される場合、「スペーサー分子」は、少なくとも1つのゲル
マトリックス形成ポリマー分子と重合し得るかまたはこれに結合し得る構造であ
り、ゲルマトリックス形成ポリマー骨格からスペーサーに結合した部分の間隔を
置くために機能する。必要に応じて、スペーサー分子は、任意の2つのゲルマト
リックス形成ポリマー化合物に結合し得、そしてそれによって、薄層ゲルマトリ
ックスの任意の特定の領域においてゲルマトリックス形成ポリマー成分に結合し
た捕獲プローブの密度および/または空間的な方向に、1つ目のポリマーをマト
リックス中の別のポリマーから間隔を置くことによって、影響を与え得える。さ
らに、スペーサー分子は、マトリックス形成ポリマー以外の部分または分子に結
合するための反応部位を提供し得る。例えば、スペーサー分子は、ポリエチレン
グリコールまたは界面活性剤に対する結合部位を提供し得る。
【0075】 本明細書中に使用される場合、「マトリックス強化ポリマー」は、生じる薄層
ゲルマトリックスの所望のふるい特性および/または分析物結合特性に悪影響を
与えることなく、架橋、硬直化、さもなくばゲルマトリックスを改変して操作の
間にこれをより耐久性にするのに有用なポリマーである。マトリック強化ポリマ
ーは、薄層ゲルマトリックスを硬くしてその機械強度を増加し、従ってさらなる
外付けの強化を伴わずにこのマトリックスの操作を可能にする。例示的なポリマ
ーとしては、アガロースが挙げられる。薄層ゲルマトリックスを強化することに
加えて、このポリマー成分はまた、組成を改変するカップリングゲルのためのさ
らなる部位を提供し得る。例えば、メチル基またはヒドロキシル基のような化学
基が添加されて、ゲルの疎水性性質/親水性性質を改変し得る。スルフェートま
たは4級アミン基が添加されて、イオン基を薄層ゲルに導入し得る。
【0076】 (カセットを準備する方法) 簡潔に記載される電気泳動カセット190に関して、電気泳動カセットのアセ
ンブリプロセスが、より詳細に記載される。ステンレス鋼またはプラチナストリ
ップ206が、ベース192の図1に見出される電極チャネル92および94に
配置される。ストリップ206は、曲線末端を有し、以下に説明されるように図
3に示されるようなポスト204を受け、そしてリブ198中のスロット200
は、このストリップが正確に設置されることを確実にする。
【0077】 適所にある電極ストリップ206に関して、図4Aおよび4Bに見出されるよ
うな蒸発カバー194は、ベース192上に配置される。上記に示したように、
カバー194およびベース192は、正確な設置を確実にするためのタブ248
およびノッチ250を有する。1つの実施形態において、蒸発カバー194およ
びベース192は、超音波プロセスによって一緒に溶接される。
【0078】 2つの電極202と結合した4つのポスト204は、各々、蒸発カバー194
中の孔246のうちの1つに挿入される。図1に見出されるように、ベース19
2の穴210は、ストリップ206の曲線末端を通過するロッド部分を有するポ
スト204のシリンジロッド部分のうちの一部を受ける。ポスト204の環状デ
ィスク部分212は、蒸発カバー194の頂部を横たわる。
【0079】 電気泳動カセット190アセンブリーの蒸発カバー194およびベース192
に関して、1対の成形コームの歯は、図1に見出されるように、蒸発カバー19
4のスロット238を介して挿入されそして拡大スロット98に入る。同一の成
形コームのうちの1つ386が、図8Bに見いだされる。両セットの拡大スロッ
ト98は、形成コームの歯を受ける。図8Bの1対の成形コーム386を用いる
代わりに、図8Cに見出されるような2つの平行な歯のセットを有する単一の成
形コーム390が、使用され得る。
【0080】 移動チャネル96の拡大スロット98において適所にある成形コーム386ま
たは390の歯に関して、電気泳動マトリックス120は、サンプル開口部を介
してベース192中に分配され、そして予め決定された高さまで移動チャネル9
6の一部を充填する。1つの実施形態において、電気泳動マトリックス120は
、アガロースまたはデンプンのようなゲル形成ポリマーから形成され得る。1つ
の実施形態において、アガロースは、0.1×TrisBP中の1%アガロース
の成形溶液を用いて形成される。以下のものが混合される:100ml 0.1
×TrisBP緩衝液と1gアガロース粉末(Sigma A9539 Gen
eral Use Molecular Biology Grade)。この
手順は、全ての移動チャネル96に関して反復され、そしてサンプルウェルのコ
ーム380は、カセットに挿入される。サンプルウェルのコームは、図8Aに示
される。
【0081】 成形アガロース溶液は、サンプルウェルコームの挿入を可能にするための十分
に空の空間を確保することに注意しながら、蒸発カバー中のサンプル開口部23
6を介してチャネル96に分配される。
【0082】 例示目的のために、1つの移動チャネルを充填するアガロースまたは電気泳動
マトリックス120が、図1に示される。サンプルウェル174は、アガロース
120中に示される。上記に示されたように、蒸発カバー194は、アガロース
120をチャネル96に分配する前に穴192に溶接される。
【0083】 図1〜3に示される実施形態に関して、約1.4m.のアガロース溶液が、1
チャネル当たりに使用される。6つのチャネル96全てを適合した後に、図8A
に示されるサンプルウェルコームは、サンプル開口部236に挿入され、そして
アガロースが、冷却される。冷却後、成形およびサンプルウェルコームは取り出
され、そして電極チャネル92および94ならびにチャネル96内のサンプルウ
ェル174は、それぞれ、カバー開口部238および236を介して電気泳動の
泳動緩衝液で充填される。さらに、洗浄緩衝液が、洗浄ウェル222に配置され
、そしてコンディショニング緩衝液が、コンディショニングウェル224に配置
される。
【0084】 形成されるサンプルウェルを有する電気泳動カセット190中のアガロースお
よび適切な場所の適切な緩衝液に関して、電気泳動カセット190は、1つの実
施形態において運搬するためにホイルで巻かれ密封されたものであり得る。捕獲
ゲルホルダー220は、別々に密封され、そして1つの実施形態において所望の
捕獲プローブを含む。
【0085】 本明細書中にカセットは、使い捨てであり得るか(すなわち、1回使用されて
、廃棄される)、または適切なクリーニングプロセス後に再使用され得る。例え
ば、アルカリホスファターゼ(AP)を標識として利用する実施形態において、
微量のAPを除去するための後処理が使用され得る。電気泳動カセット190の
一部は、1% 塩酸および1ミリモル濃度(mM)EDTA(エチレンジアミン
四酢酸)の溶液に少なくとも30分間浸水されて、残渣の試薬を除去する。次い
で、一部または成分が、水で完全に洗浄され、そしてクリーンな表面上で風乾さ
れる。
【0086】 標的分子の検出が望ましい場合、電気泳動カセット190および捕獲ゲルホル
ダー220は、密封工程が生じていた場合、開けられる。サンプルはまた、図9
A、9B、および10を参照して記載されるように調製される。ハイブリダイゼ
ーション混合物は、電気泳動カセット190中のサンプルウェル174に、蒸発
カバー194中の四角い開口部236を介して充填される。
【0087】 所望の捕獲プローブを有する捕獲ゲル40を含む捕獲ゲルホルダー220は、
電気泳動カセットに挿入され、その結果、歯218は、移動チャネル90中の拡
大スロット98の第1のセットに入る。このスロット98の第1のセットは、(
+)電極に最も近接したセットである。
【0088】 電気泳動カセット190は、電気泳動機械292中に配置される。図13を参
照すると、電気泳動カセット190を受ける電気泳動機械292が示される。図
13において、例示目的のために、電気泳動機械292の1つの側面が移動され
ている。電気泳動機械292は、この機械を滑り出て電気泳動カセット190を
受けるトレイ294を有する。この機械292は、バー296において電気泳動
機械292の中心部に電気的に連結し、その結果、トレイ294が機械292に
滑り入る場合、中心部のバー296は、電極202のポスト204のシリンジデ
ィスク212とかみ合う。各電極202の1つの側のみが、接触される。各電極
202について1対のポスト204を有する目的は、電気泳動カセット190が
、電気泳動機械292中のトレイ294上のいずれかのスポットに配置され得る
ということである。
【0089】 電気泳動機械292は、時間的な特徴および温度センサーを有し、電気泳動カ
セット190が特定の温度を超えないようにすることを確実にする。さらに、捕
獲ゲルホルダー220に関して、光学検出表面288が、電気泳動機械292と
組合わせて使用され、その結果、機械292は、捕獲ゲルホルダー220無しで
作動しない。
【0090】 図14を参照すると、電気泳動機械292は、その上に横たわるインキュベー
ターユニット302と共に示される。インキュベーターユニット302は、電気
泳動カセット190を受容するための加温ブロック304の対を有する。ブロッ
ク304は、電気泳動の前に適切な電気泳動温度に、カセット190を予熱する
ために使用される。
【0091】 図2の電気泳動カセット190の電極100は、電気泳動機械292中のDC
電源に接続されており、そして、一定の電圧が、一定の時間印加される。温度は
、電気泳動中に増加するが、プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを
損なう温度を超えて増加するのを許すべきではない。好ましい実施形態において
、カセットの温度は、電気泳動機械292内で制御されている。
【0092】 図10のブロック158を参照すると、捕獲ゲルホルダー66中の捕獲ゲル4
0に向う電気泳動マトリックス120上のサンプルの一定の期間の泳動後、電源
を切る。この捕獲ゲルホルダー66は、泳動チャネル96中の拡大セグメント9
8から、(−)電極に近位の同じ電気泳動カセット86中の他の拡大セグメント
98に移動される。他の拡大セグメント98への移動の前に、捕獲ゲルホルダー
220の歯は、洗浄緩衝液を含む洗浄ウェル222のセット中に配置される。1
つの実施形態において、この緩衝液は、実施例1の洗浄緩衝液であり、そして、
歯218上の捕獲ゲル40は、5秒間、緩衝液中に存在する。
【0093】 電極100は、DC電源に接続されており、そして、一定の電圧が一定の期間
印加される。再び、カセットの温度が、プローブのハイブリダイゼーションを損
なう温度を超えないように注意する。
【0094】 上記のように、図10に関連する方法を議論する際、電流は、第2の期間また
は洗浄期間、同じ方向である。第2の拡大セグメント98に捕獲ゲルホルダー2
20を移動することによって、チャネル96中に閉じ込められ得る余剰サンプル
の伝播は、捕獲ゲルホルダー220の捕獲ゲル40から離れ、従って、捕獲プロ
ーブによって捕獲されない捕獲ゲルホルダー220上の任意のサンプルは、通過
し、そして、捕獲ゲル40と接触する新しいサンプルはない。
【0095】 上記の工程後、薄層ゲル膜上の捕獲核酸標的アルカリホスファターゼ結合体化
プローブ複合体の検出、捕獲ゲルホルダー220の捕獲ゲル40が、達成される
。捕獲ゲルホルダー220は、電気泳動カセットのスロット98の洗浄または第
2のセットから取り除かれる。捕獲ゲル40を有する歯218は、洗浄ウェル2
24の第2のセット中の調節緩衝液中に配置される。捕獲ゲル40は、溶液中に
浸漬され、そして、図14のインキュベーターユニット上で、室温で5〜10分
間、インキュベートされる。
【0096】 図15Aおよび15Bを参照すると、捕獲ゲルホルダー220を受容するため
の検出トレイ178は、図16の照度計のような検出装置172に配置される。
検出トレイ178は、捕獲ゲルホルダー220の対を受容するためのリセス31
2を有する。1つの実施形態において、リセス312は、上記のように、捕獲ゲ
ルホルダー220に適合するように形成される。検出トレイ178は、1つの実
施形態において、長さおよび幅において96ウェル型トレイプレートのおよその
大きさにされる。この実施形態において、検出トレイ178は、慣例的な96ウ
ェル型トレイプレートほど高くない。従って、これは、およそ5.03インチの
長さおよび3.365インチの幅を有する。
【0097】 次いで、図15A&15Bに示されるように、捕獲ゲルホルダー220を検出
トレイ178に配置する。捕獲ゲルホルダー66および検出トレイ178は、図
16に示されるように、E.G.&G Walla of Turku,Fin
landによって販売されているWalla Victor 2のようなマイク
ロプレート照度計172中に配置される。相対光単位(RAU)を読み取り、そ
して、RAU、およびシグナル対ノイズ比=(試験サンプル膜−空のウェル)/
(ネガティブコントロールサンプル膜−空のウェル)の両方が報告される。
【0098】 (精製の方法) 本発明の別の実施形態において、標的核酸は、薄層ゲルマトリックスに共有結
合された捕獲プローブと接触することによって、精製される。例えば、標的核酸
が、捕獲プローブに結合され、そして、サンプルの残りの成分から分離された後
、結合された標的核酸は、条件の変化(例えば、増加した温度)によってプロー
ブから放出され得、そして、放出された標的核酸は、さらなる処理のためのきれ
いな容器に回収され得る。このような精製は、薄層ゲル膜に共有結合された捕獲
プローブを使用して行われ得、ここで、このゲル膜は、任意の適切なホルダーも
しくは支持デバイス(例えば、本明細書中に記載されるようなコーム)またはマ
イクロリットルプレート(当業者に周知の96ウェルマイクロリットルウェルプ
レートのような)に含まれる。
【0099】 例えば、図17を参照すると、精製工程は、図10に示される方法、そして、
図10の検出工程ブロック162および164まで上記に議論される方法と類似
している。所望の標的核酸分子が捕獲され、そしてゲル中の捕獲プローブに固定
された後、捕獲ゲルホルダー220は、電気泳動カセット190から取り出され
る。捕獲ゲルホルダー220は、捕獲プローブと標的分子との間の結合を破壊す
るのに十分な条件に供され、それにより、プローブから標的分子を放出する。実
施例17に示される実施形態において、この薄層膜は、ホルダーから取り出され
、そして、溶出緩衝液と共にチューブ中に配置される。このチューブは、捕獲プ
ローブからハイブリダイズした標的を溶出するように、加熱される。放出された
標的分子は、当業者に周知の技術を使用して回収され得、次いで、例えば、PC
R増幅のようなさらなる手順において使用される。
【0100】 (代替的なカセットおよびホルダー) 代替的な捕獲ゲルホルダー66は、図18Aおよび18Bにおいて見られる。
捕獲ゲルホルダーはまた、時々、コームまたはサンプルコームといわれ、66は
、ハンドル68および複数の歯70を有する。
【0101】 歯70の各々は、穴76に位置する薄層中央領域74を有する。穴76は、歯
70を通って伸長する。薄層中央領域74は、第1の実施形態に関して上記説明
されたように泡の除去を容易にする。捕獲ゲル40の非導電性メッシュ42は、
穴76の上に横たわる。
【0102】 捕獲ゲル40は、超音波溶接、熱かしめ(heat staking)、およ
び接着(gluing)を含むがこれらに限定されない多数の方法によって、捕
獲ゲルホルダー66に貼られ得る。捕獲ゲル40のポリマーゲル44成分は、ホ
ルダー66へメッシュを接着させる前または後に非導電性メッシュ43の上に投
じられ得る。1つの実施形態において、メッシュの前の非導電性メッシュ42上
に配置された捕獲ゲル40は、ホルダー66に接着される。
【0103】 捕獲ゲルホルダー66と共に使用される代替的な電気泳動カセット86は、図
19A〜19Cで見出される。
【0104】 図19Aを参照すると、電気泳動カセット86は、ベース88および蒸発カバ
ー90を有する。この蒸発カバー90は、1つの実施形態において透明であるが
、そのようなものに限定されない。
【0105】 電気泳動カセット86のベース88は、図19Bに示されるように、電極チャ
ネル92および94の対を有する。ベース88は、電極チャネル92と94との
間に延びる複数の泳動チャネル96を有する。各泳動チャネル96内に、捕獲ゲ
ルホルダー66の歯70を受容するように適合された拡大スロット98の対が存
在する。
【0106】 各電極チャネル92および94は、それぞれの電極チャネル92および94の
長さ伸長する電極100を有する。1つの実施形態において、電極100は各々
が、ステンレス綱ピン108の対であり、そして、ステンレス綱片110は、ピ
ン108の間に伸長する。
【0107】 蒸発カバー90は、電極チャネル92および94と泳動チャネル96との間の
界面上に横たわる片102を有する。片102は、電極における緩衝液加水分解
によって産生される泡の流れを制限し、それにより、カバー中の通気孔104を
通るそれらの除去を容易にする。蒸発カバー90は、電極100の上に横たわる
複数の通気口104を有する。さらに、蒸発カバー90は、ベース88の泳動チ
ャネル96の拡大スロット98の上に横たわる捕獲ゲルホルダー66の歯70を
受容するための穴106を有する。
【0108】 加えて、蒸発カバー90は、複数の一般に正方形の開口114を有する。正方
形の開口114は、図20に見られるように、サンプルウェル形成コーム118
の複数の歯116が、以下に説明されるように、泳動チャネル96に通過するの
を可能にする。
【0109】 (第2の代替的電気泳動カセット) 図21A〜21Cを参照すると、薄層ゲルマトリックスに共有結合された捕獲
プローブを有する強化薄層ゲル(または薄層ゲル)に電気泳動的にサンプルを導
入する方法における使用のための第2の代替的な電気泳動カセット150が例示
される。カセット450は、ベース452、第1の電極454、第2の電極45
6、強化薄層ゲル406を維持するための少なくとも1つのホルダー458およ
び電気泳動マトリックスを含む。この電気泳動マトリックスは、緩衝液で充填さ
れ、そして、所定の高さを有する層として、カセットベースを実質的に占める。
このカセットは、液体サンプルを受容するための電気泳動マトリックス中の少な
くとも1つのウェル460が提供される。電気泳動マトリックスは、例えば、ア
ガロースまたはデンプンのようなポリマーを形成するゲルから形成され得る。あ
るいは、電気泳動マトリックスは、Harringtonら、米国特許第5,6
37,202号(この開示は、本明細書中にその全体が参考として援用される)
に記載されるように、ポリマースポンジのような多孔性固体から形成され得る。
【0110】 強化薄層ゲルは、ホルダー458によって、カセット内に適切な配向で、維持
される。さらに、このホルダーは、強化薄層ゲルの読み取りのための検出局への
強化薄層ゲルの簡単な除去および輸送、ならびに、サンプル中に存在する標的分
子の検出を可能にする。図21Cに示されるように、ホルダー、捕獲ゲルホルダ
ー、は、ハンドルから下方に伸長する少なくとも1つの歯459を有する。この
歯は、強化薄層ゲルを受容するための開口部を有する。このホルダーは、ホルダ
ーが電気泳動系に配置される場合に、ホルダーの歯が電気泳動マトリックス中の
下方に伸長するように配向される。電位勾配が電極454および456を横切っ
て印加される場合に、ウェル中のサンプル中の標的分子が強化薄層ゲルを通って
泳動するように、ホルダーは、薄層ゲルを位置付ける。電気泳動系の少なくとも
1つの実施形態において、ホルダー458は、カセット内のホルダーを位置付け
るために、ベース452の左側および右側のスロットに適合する。
【0111】 電極は、ワイヤ、炭素棒、金属片、金属板、導電性プラスチックなどを含む、
多数の導電性物質から形成され得る。これらの導電性電極物質は、ワイヤ、薄片
、ピン、ロッド、ベース452の末端上に蓄積したコーティング、または導電性
接着片として形成され得る。
【0112】 図21Aのカセットを調製するための好ましい方法は、以下に記載される。ま
ず、電極およびベースがアセンブリされる。次いで、接着した強化薄層ゲル40
6を有するホルダー458が、ベース中に配置される。ホルダー458の歯は、
図21Cの点線601によって示される深さまで、マトリックス550中に浸漬
される。次いで、硬い歯を有するコームが、ホルダー158に隣接して、そして
、並行して配置される。コームハンドル182および歯184を有するコーム1
80の例示的な例が、図8Bに提供される。ハンドル182、歯184、および
強化薄層ゲルを受容するための歯における開口部190を有するホルダー188
の例示的な例が、図18Aおよび18Bに提供される。電場が、完成したカセッ
ト中で捕獲プローブを過ぎて強化薄層ゲルを通ってサンプルウェルから真っ直ぐ
にサンプル分子を駆動するように、ウェル形成のためのコームの歯は、強化薄層
ゲルを受容するための開口部を有する歯と共に整列されることが好ましい。一旦
コームおよびホルダーがベース452中に配置される場合、ベースは、電気泳動
緩衝液中の溶融したアガロースで充填される。この充填されたカセットは、冷却
され、そしてアガロースは凝固する。冷却後、サンプルウェル形成コームは除去
される。完全なカセットは、図21Aに例示される。
【0113】 本発明の特定の実施形態は、本明細書中に記載される捕獲コームであるが、ゲ
ルマトリックスを支持し得る任意のホルダーまたはマニフォールドが、本明細書
中に記載される方法における使用に適切であることがまた理解される。このホル
ダーに特徴的な鍵は、電気泳動に適切な様式で、マトリックスを安定して支持す
る(例えば、ホルダーにメッシュコーティングゲルを溶接する)その能力である
。例えば、ろ過および減圧ろ過に一般的に使用される多数のデバイスおよびマニ
フォールドは、捕獲ゲルホルダーとしての使用のために適合され得る。例えば、
MultiスクリーンTM産物系(Millipore Corp.Bedfo
rd,MA)において使用される型の96ウェルマニフォールドを参照のこと。
【0114】 本発明は、その好ましい実施形態を参照して特に示されそして記載されるが、
形態および詳細における種々の変化が、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明
の範囲から逸脱することなく、本明細書中で作製されることが当業者によって理
解される。
【0115】 (実施例) (実施例1−アッセイ手順) (サンプル処理) 1mLのサンプル材料(例えば、血小板濃縮物)を汲み出し、そして、0.5
mLサンプル希釈液を含むサンプルバイアルに分配した。チューブをキャップし
、そして、混合するために3〜5回反転した。バランスのとれたマイクロ遠心分
離機中で、10,000±1,000×gで1±0.25分間、チューブを遠心
分離する。コントロールチューブは、遠心分離しない。注意深くローターからチ
ューブを取り出し、そして、キャップをはずす。BioHazard廃棄物コン
テナに注いで上清をデカントし、そして、きれいな吸収性物質に対して、チュー
ブの穴のふちを簡単に維持する。このチューブは、叩いたり振盪したりすべきで
ない。
【0116】 1mLリンス緩衝液を各チューブに添加し、チューブを数回軽く叩くことによ
って再懸濁し、そして、10秒間またはペレットが均一に懸濁されるまでボルテ
ックスする。再びキャップをし、そして、ラックに配置する。10〜14分間室
温で、チューブをインキュベートする。バランスのとれたマイクロ遠心分離機で
、10,000±1,000×gで、1±0.25分間遠心分離する。再び、コ
ントロールチューブは、遠心分離しない。注意深くローターからチューブを取り
出し、そして、キャップをはずす。BioHazard廃棄物コンテナに注いで
上清をデカントし、そして、きれいな吸収性物質に対して、チューブの穴のふち
を簡単に維持する。このチューブは、叩いたり振盪したりすべきでない。
【0117】 50±5μlの溶解緩衝液を各サンプルチューブに添加する。チューブを硬く
キャップし、チューブを数回軽く叩くことによって再懸濁し、そして、約10秒
間またはペレットが均一に再懸濁されるまでボルテックスする。ネガティブコン
トロール(NC)およびポジティブコントロール(PC)チューブを各電気泳動
のために得る。45℃で、溶解ユニット(Lysis Unit)(ヒーターブ
ロック)中に全てのチューブを配置した。45℃で、約5分間静置させる。コン
トロールおよびサンプルチューブをヒーター302に配置し、124+4℃まで
加熱する。50℃未満までチューブを冷却する。チューブは、ここで、核酸プロ
ーブアッセイについて適切なサンプル溶解物を含む。
【0118】 (ハイブリダイゼーション) チューブを開ける前に、チューブの底から液体の大部分をもたらすために3〜
4回振り落とす。25±3μlのプローブ緩衝液をサンプルおよびコントロール
に添加する。チューブにキャップし、そして、チューブの底から液体の大部分を
もたらすために3〜4回振り落とすことにより混合する。10±1分間、45±
2℃のヒーターにチューブを配置する。チューブを開ける前に、チューブの底か
ら液体の大部分をもたらすために3〜4回振り落とす。チューブは、現在、電気
泳動の準備ができたサンプルハイブリダイゼーション混合物を含む。サンプルの
ローディングの前に、カセットにコームを挿入する。
【0119】 (電気泳動) 図1〜3に関して記載されるような、31±4℃のブロック上で予熱されたカ
セット190のサンプルウェル中に各チューブから25±3μlをロードする。
新しいピペットチップが、各サンプルについて使用されるべきである。電圧を4
0ボルトにし、4分間電気泳動し、次いで、さらに16分間、24ボルトに電圧
を減少する。電圧を切り、そして、洗浄緩衝液ウェルに膜コームを移動させ、約
5分間、室温または予熱カセット中で維持した。コームを電気泳動洗浄スロット
に移動し、そして、5±0.5分間、電圧を40ボルトにする。電圧を切り、膜
コームを条件付け緩衝液に移動し、5〜10分間、室温または予熱カセットで維
持した。
【0120】 (検出) コームをカセットから除去し、そして、10秒間、コームの側をブロッティン
グ備品中に維持されたきれいな吸収性物質とブロットさせる。コームをリーダー
トレイに配置し、そして、リーダー中にリーダートレイを配置する。25±3μ
lの室温の基質を各ウェルに添加し、そして読み取る。 サンプル希釈緩衝液: NaHPO一水和物 15mM NaHPO七水和物 15mM EDTA 15mM ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) 0.30% ProClin 5000 0.02% pH 7.0+/−0.1 サンプルリンス緩衝液: NaHPO一水和物 2.0mM NaHPO七水和物 4.0mM EDTA 1.5mM ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) 0.30% 塩化ナトリウム 34mM 塩化カリウム 1mM ProClin 5000 0.02% フェノールレッド 0.001% pH 7.0+/−0.1 溶解緩衝液: NaHPO一水和物 75mM NaHPO七水和物 75mM EDTA 4.5mM ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) 7.50% デキストラン(188kD) 10% スルホロダミンB 0.001% ProClin 5000 0.02% pH 7.0+/−0.1 プローブ緩衝液: トリスベース 25mM NaCl 525mM フィコール、70kDa 5% キシレンシアノール 0.05% カゼイン、ハマルステン等級 0.5mg/mL アジ化ナトリウム 0.04% MgCl 0.5mM ZnCl 0.05mM レポータープローブアルカリホスファターゼ結合体化2’−0−メチルオリゴヌ
クレオチド(捕獲プローブおよびレポータープローブの記載については図9Cを
参照のこと) 25nM pH 8.0+/−0.1 洗浄緩衝液: トリスベース 90mM ホウ酸 72mM リン酸 5.5mM SDS 1% トリトン X−100 1% ProClin5000 0.02% ブロムフェノールブルー 0.0005% pH 8.3+/−0.1 条件付け緩衝液: DEA 100mM 塩化マグネシウム 0.1mM 塩化亜鉛 0.01mM ProClin5000 0.02% pH 10.0+/−0.1 アルカリホスファターゼ緩衝液: トリスベース 25mM 塩化ナトリウム 50mM 塩化マグネシウム 1mM 塩化亜鉛 0.1mM アジ化ナトリウム 0.04% pH 8.0+/−0.1 (実施例2−薄層ゲル膜を使用するアッセイ) この実施例において、図19のカセットに類似したカセットを以下の例外を用
いて使用した:1)炭素棒電極を金属棒の代わりに使用した;2)複数歯の捕獲
ゲルホルダーを使用する代わりに個々のメッシュ強化薄層ゲル膜を使用した。個
々の薄層ゲル膜を鉗子を用いて操作した。
【0121】 (第I部。標的核酸の捕獲のための薄層ゲル膜の調製) (A.メッシュの調製) 100ミクロンの厚さを有するポリエステルメッシュをSefar Amer
ica,Inc.,Briacliff Manor,NJ.から入手し得る。
このメッシュを長方形(0.48インチ×0.52インチ)に切断し、エタノー
ル(1回の5分間の洗浄)、脱イオン水(3回の5分間の洗浄)、および水性の
非イオン性界面活性剤(0.1% Tween20、1回の5分間の洗浄)中で
の穏やかな振盪によって洗浄する。このメッシュをきれいなろ紙上で風乾した。
【0122】 (B.ゲルマトリックス溶液の調製) 1mlチューブ中で以下を混合する:337マイクロリットル脱イオン水;2
9:1の比率のモノマー対ビスアクリルアミド(BioRad Laborat
ories,Richmond,CA)の62マイクロリットル40%アクリル
アミド水溶液;50マイクロリットル トリスBP緩衝液(トリスBP緩衝液は
、900mM トリスホウ酸緩衝液(TrisBp)pH8.3と900mM
トリスリン酸緩衝液pH8.3を4:1で混合した);5’アクリルアミド改変
(5’−アクリルアミド−AGGCCCGGGAACGTATTCAC−3’(
配列番号18))を有する50マイクロリットルの500マイクロモルのオリゴ
ヌクレオチド捕獲プローブ(AcryditeTMmodification,
Mosaic Technologies,Boston,MA);1マイクロ
リットル20%TWEEN20;および3マイクロリットル10%TEMED(
45マイクロリットルHO中5マイクロリットル) (C.薄層ゲル膜を形成するための重合) きれいなシラン処理したガラスプレート間に長方形のメッシュをはさむ。サン
ドイッチの一つの末端上で、底面プレートに対して横たわっているメッシュが曝
露されるように、一つの末端でプレートをわずかにずらす。B部(上記)におい
て調製された捕獲ミックスに4マイクロリットルの10%過硫酸アンモニウム(
500マイクロリットル水中50mg)を添加し、混合し、そして、曝露された
メッシュ上に混合物をスポットし、ガラスプレート間のメッシュに運ぶことを可
能にする。メッシュが飽和している場合、メッシュが完全に2つのプレート間に
はさまれるように、1番上のプレートを滑らせる。室温で1時間、重合を可能に
した。カミソリの刃を用いてガラスプレートを分離し、そして、長方形薄層ゲル
膜から過剰のポリアクリルアミドゲルを切り取った。膜を大量の電気泳動緩衝液
(すなわち、0.1×トリスBP緩衝液)中でそれらを浸漬することによって洗
浄した。
【0123】 (パートII.カセット構築) この実施例で用いられるカセットベースは、図19A〜図19Cで示されるも
のと同様であった。他のカセット構成要素として以下を含む:チャネル301に
おいてサンプルウェルをホーミングするための、1つのサンプルウェルホーミン
グコーム;および白金ワイヤを巻きつけられた2つの炭素電極棒(白金ワイヤは
、動力供給源への炭素棒の接続のために存在する)。残存するアルカリホスファ
ターゼ活性を除去するために、これらのカセット構成要素を、1%塩酸および1
ミリモル(mM)EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)の溶液中に少なくと
も30分間浸す。次いでこれらの構成要素を、水で完全に洗浄し、そして清潔な
表面上で風乾する。
【0124】 以下を含む別のセットのカセット構成要素を洗浄し、そして乾燥する:図19
に示されるカセットベース;白金ワイヤを巻きつけられた2つの炭素電極棒(白
金ワイヤは、動力供給源への炭素棒の接続のために存在する);および捕捉およ
び洗浄の間、カセットスロット98内に薄膜を保持するためにウェルをホーミン
グするための(図20に示される)1つのサンプルウェルホーミングコーム。こ
の第2のセットは、標的捕捉後のこのゲル薄膜の電気泳動洗浄のために用いられ
る。
【0125】 0.1×TrisBP中に1%アガロースが溶解した溶液を、以下のように2
50mlのガラスエーレンマイヤーフラスコ中で調製する。100mlの0.1
×TrisBP緩衝液および1gアガロース粉末(Sigma A9539 G
eneral use Molecular Biology Grade)を
混合する。フラスコの頭を清潔な研究用ティッシュ(Kimwipe)でゆるく
密栓し、そして市販のマイクロ波オーブン中で加熱し沸騰させる。アルミニウム
ホイールでフラスコを覆い、そして60℃にて水槽中で平衡化する。
【0126】 (サンプル電気泳動カセットの構築) 炭素電極を、サンプルカセットの各電極チャネル(図21の92および94)
内に設置する。コームが挿入されたときに、このベースが溢れ出ないための十分
な空間を許容するよう注意しながら、溶解したアガロースゲル溶液をこのカセッ
トに注ぐ。捕捉したいずれの気泡もピペットチップまたはパスルールピペットで
除去する。電極チャネル92および94内の外壁に対して炭素電極の位置を調整
し、サンプル電気泳動チャネルに関してそれらが側方に対称的であることを確認
する。
【0127】 サンプルウェルホーミングコーム118をカセットベースのスロット124の
位置に挿入し、歯がチャネルの中心にあること、およびコームが膜スロットに近
すぎないことを確認する。
【0128】 1つのゲル薄膜を各スロット98に挿入し、この膜がサンプルウェルの側面に
対して配置されていること、およびこの膜がチャネルに関して中央にあることを
確認する。溶解したアガロースゲルを30分間静置する。
【0129】 (洗浄カセットの構築(別個の洗浄カセットが用いられる場合)) 上記のように、2つの炭素電極をベースに設置し、溶解したアガロースゲル溶
液でベースを満たす。図20に示されるような膜スロットホーミングコームをス
ロット98に挿入する。どの気泡をもチェックし、そして上記のようにして電極
を再配置する。溶解したアガロースゲルを30分間静置する。
【0130】 (パートIII.カセット操作) (捕捉のためのサンプル電気泳動) サンプル電気泳動カセットからサンプルコームを除去し、そして電気泳動緩衝
液(0.1×TrisBP)でウェルを満たす。この緩衝液で満たしたサンプル
ウェルに20マイクロリットル(μl)のサンプルをロードする。電極からDC
電源へ白金リードを接続し、そして50Vの定圧を10分間適用する。泳動中温
度が上昇するが、セ氏35度(C)を超えて上昇させるべきではない。必要な場
合、再循環水槽によって冷却される表面にカセットを設置し、オーバーヒートを
防止し得る。
【0131】 (ゲル薄膜の電気泳動洗浄) 洗浄カセットからウェルホーミングコームを引き抜き、そしてスロットを電気
泳動緩衝液で満たす。ピンセットを用いて、サンプル電気泳動カセットスロット
302から膜を引き抜き、そして洗浄カセット内の緩衝液で満たされたスロット
に各メンブレンを移す。サンプル電気泳動カセットからの膜の除去は、上方に引
く前に、膜を前後に揺らすことによって容易にされる。
【0132】 電極をDC電源に接続し、そしてカセットの温度が35℃を超えないように注
意しながら、50Vの定圧を5分間適用する。
【0133】 (実施例3−固定化された捕捉化学的性質を有する非増殖核酸プローブを用い
る細菌の検出のための高速フォーマット) 細菌のシグナル認識粒子(SRP)由来の中程度のコピー数の4.5S RN
Aに基く高速、非増幅診断アッセイフォーマットが、本明細書中に記載される。
SRPは、Esherichia coli中に(増殖段階に基き)1細胞あた
り400〜1000コピー存在するリボ核タンパク質複合体である(Batey
ら,Science 287:1232−1239;(2000);Jense
nおよびPedersen,J.Bacteriol.176:7148−71
54(1994))。4.5S RNAまたは細菌におけるそのホモログは、大
きさ(Mycoplasma pneumoniaeにおいては〜79ヌクレオ
チド(nt)、Bacillus brevisにおいては315nt)および
配列の面で相当変化している。しかし、22ヌクレオチドの保存された領域が存
在し、これは、プローブ開発のための標的とされる。
【0134】 細菌の溶解は、熱および界面活性剤を用いて達成され、その後、アルカリホス
ファターゼ(RP)と結合した溶液相レポータープローブと高速ハイブリダイゼ
ーションされる。ハイブリダイゼーション混合物を、ゲルカセットのウェルにロ
ードし、そして高速電気泳動に供する。標的RNA:RP複合体を、薄膜上のポ
リアクリルアミド上、ポリアクリルアミド中のAcryditeTM化学物質に
固定化されたキャプチャープローブ(CP)とのハイブリダイゼーションにより
電気泳動中に捕捉される(Kennyら,Biotechniques 25:
516−521(1998);Rahenmanら,Nocleic Acid
Reseach 27;649−655(1999))。
【0135】 膜を洗浄し、そして検出用の化学ルミネセンス物質に曝す。サンプルプロセシ
ング工程を包含する全アッセイは、約60分間で行なわれ得、以下のE.col
iに対するシグナル対ノイズ値を有する:
【0136】
【化1】
【0137】 これらのデータは、y=7.10−0.5*(x0.9497)、R=1.
0の検出力曲線(log:log)の一致を生ずる。このアッセイフォーマット
は、単純なハイブリダイゼーション化学、標準的な化学ルミネセンス物質を用い
た細菌の検出に対する感度、および第1の結果までの迅速な時間を提供する。
【0138】 (実施例4−細菌の混入に対する高速アッセイ) 細菌を血小板濃縮物中にスパイクし、そして遠心分離により濃縮する。このサ
ンプルを、ドデシル硫酸ナトリウムの存在下で高温にて溶解させる。このサンプ
ルを、高濃度のアルカリホスファターゼ結合レポータープローブを用いてハイブ
リダイズさせる。プローブの選択は、公開されている配列情報に基いた(例えば
、http://psyche.uthct.edu/dbs/srpdb/s
rpdb.htmlを参照のこと)。
【0139】 AcryditeTM接着化学(米国特許第5,932,711号)は、ポリ
アクリルアミドゲルマトリクス内での高濃度でのキャプチャープローブの固定化
を可能にする。キャプチャープローブ層を薄膜上に支持し、そしてアガロースで
満たされた電気泳動カセット190に挿入し、そして標的の高速な捕捉および過
剰な非結合レポータープローブの除去のために、プローブ層を通した標的分子の
電気泳動に供する。
【0140】 キャプチャーゲルホルダー220、キャプチャー膜コームを、電気泳動カセッ
ト90から取り除き、そして標準的な96ウェルマイクロタイタープレートフッ
トプリントに合うように設計されたトレイ(図15Aおよび15Bの検出トレイ
78)に挿入した。化学ルミネセンス物質をこれらの水平ウェル中にピペッティ
ングし、そして発光量を、種々の時間に照度計で読み取った。
【0141】 化学ルミネセンスデータを読み、そしてBSAおよび非特異的RNAからなる
ネガティブコントロールマトリクス由来のシグナルと比較して、シグナル対ノイ
ズ比(S/N)を算出する。図23は、遠心分離工程後、このアッセイにスパイ
クされたインビトロでの標的の転写に対する用量反応を示す。図24は、同様の
用量反応を示すが、滅菌血小板濃縮物にスパイクされたE.coliを用いてい
る。
【0142】 表1は、本明細書に記載される薄いゲルを用いる最新のプローブセットを用い
て検出された細菌種の一覧を示す。
【0143】
【表1】 図25は、8サンプル(1つのカセットあたり4サンプルおよびネガティブな
らびにポジティブコントロール、2つのカセットを平行して泳動する)を泳動す
るための予想時間を示す。
【0144】 (実施例5−アレイの形成) 個々の長方形をそれぞれ、固有のプローブを有するマトリクス形成ゲル溶液に
組み込む。それぞれ特異的なプローブまたは公知のプローブセットを提供された
長方形を、スペーサーによって分離されている2つの清潔なシラン処理ガラスプ
レート間に公知のパターンで配置し、そして十分なアクリルアミドゲルマトリク
スをその中に運び、各長方形の周囲に薄いゲルを形成し、この長方形をシートに
結び付ける。
【0145】 (実施例6−細菌コロニーの高速ハイブリダイゼーション分析のためのブロッ
ト電気泳動手順) 細菌をペトリプレート上で増殖させる。アガロースでコーティングされたナイ
ロン膜にブロットする。細菌を溶解させる。ナイロン膜と絹スクリーンメッシュ
のサンドイッチを形成し、サンドイッチのそれぞれの外表面をサランラップで覆
い、そしてナイロン膜と絹スクリーンメッシュとの間にプレートスペーサーを置
く。絹スクリーンとナイロンメッシュとの間にゲル薄膜形成溶液を運び、そして
絹スクリーンとナイロンメッシュのいずれの空き空間に運ぶ。溶液をゲルにする
【0146】 ゲルサンドイッチを固まっていないアガロースで満たしたカセットに設置し、
そしてアガロースを固化させる。電極に電流を適用し、薄いゲルマトリクスに結
合したリガンドに近位のナイロン膜上のアガロース内のいずれの分析物もそれに
よって結合させる。
【0147】 分析物−リガンド複合体を結合し得る標識を導入し、そしてそれを結合させる
。カセットから薄いゲルマトリクスを取り除き、それを標識のための読み取り装
置に移動することにより、標識の存在または非存在を検出する。 (実施例7−血小板濃縮物中のE.coli混入の検出) サンプルを、血小板濃縮物中のE.coli混入の検出のために調製する。こ
の実施例において、混入された血小板サンプルの分析を提供するために対数期の
E.coliを血小板サンプル中に加える。用いられる核酸プローブ(キャプチ
ャーゲル40上のプローブ46)は、標的(シグナル認識粒子RNAとしても公
知のE.coli 4.5S RNA)の方向に向けられている。アルカリホス
ファターゼ結合検出プローブを、4.5S RNA標的に直接ハイブリダイズさ
せる。アダプタープローブ(図10のブロック154)もまた、検出プローブに
より占有されている位置とは異なる位置で、4.5S RNA標的に直接的にハ
イブリダイズする。アダプタープローブの一部は、標的に対して相補ではなく、
標的の4.5S RNAにハイブリダイズした場合に一本鎖テールを形成する。
このアダプターの一本鎖領域は、増強された薄いゲルに固定されたキャプチャー
プローブに対して相補である(例えば、本明細書中でその教示が参考として援用
される、PCT/US00/08529を参照のこと)。
【0148】 サンプルの濃縮および溶解は、図10のブロック150を参照して議論される
。1(1.0)ミリリットル(ml)の血小板サンプルを引き出し、そして標識
したチューブ(低温保存用のポリプロピレンスクリューキャップ保存バイアル、
容量およそ2ml、Nalge)に分配した。TE緩衝液(TEは、10mMT
ris HCl(pH8.3)、1mM EDTAである)中の対数期のE.c
oli細菌を、血小板サンプル中にスパイクした。「ネガティブ」サンプルは、
TE緩衝液のみを受け入れる。他の「ポジティブ」サンプルは、5×10コロ
ニー形成ユニット(cfu)、5×10cfu、および5×10cfuを受
け入れた。全てのサンプルを、マイクロ遠心分離(例えば、エッペンドルフ)中
で14,000rpmにて60秒間回転させた。
【0149】 上清を生物災害廃棄物中へ注ぎ、そしてチューブのふちを清潔なペーパータオ
ル上にブロットした。100μlの溶解緩衝液(溶解緩衝液は、100mM リ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)、3mM EDTA、5% SDS、0.
001%フェノールレッドである)を各チューブに送達する。ペレットを、ボル
テックス混合かまたはマイクロピペットを用いて上下にピペッティングすること
により懸濁する。
【0150】 各チューブを緊密にキャップし、図10のブロック152に示されるように、
予め暖めておいた135℃の加熱ブロックに5分間静置した。加熱後、チューブ
を移動し、室温のラックに少なくとも90秒間置く。1つの実施形態において、
このチューブを、図14に示されるようにインキュベーションユニット304(
加熱および冷却用)に置く。20μlの5×DHB+APを、エッペンドルフリ
ピーターを用いて各チューブに添加する(5×DHB+APは、525mM N
aCl、0.5mM MgCl、0.05mM ZnCl、125mM T
ris HCl(pH8.3)、5% Ficoll400、0.05% wt
/vol キシレンシアノ−ル、125ナノモル(nM)のアルカリホスファタ
ーゼ結合オリゴデオキシヌクレオチドプローブ(3’−CTTCC GTCTA
CTGCG CACAC GG−アルカリホスファターゼ−5’)(配列番号
19)、2.5mM トリカルボン酸アウリン、125nM アダプターオリゴ
ヌクレオチドプローブ(3’−TCCGG GCCCT TGCAT AAGT
G AGTCC AGGCC TTCCT TCGTC G−5’)(配列番号
20)、0.05%アジ化ナトリウムである)。各チューブを、数分間手動で振
動させる。チューブを52℃で10分間インキュベートし、細菌由来の4.5S
RNAにレポータープローブおよびアダプタープローブをハイブリダイズさせ
る。20μlのハイブリダイゼーション混合物を、図19Bのカセット86中の
サンプルウェル174にロードする。
【0151】 電極100をDC電源に接続し、そして50Vの定圧を10分間適用する。泳
動の間、温度が上昇するが、セ氏35度(C)を超えて上昇させるべきではない
。必要な場合、再循環水槽によって冷却される表面にカセットを設置し、オーバ
ーヒートを防止し得る。
【0152】 図10のブロック158に言及すると、キャプチャーゲルホルダー66内のキ
ャプチャーゲル40方向への一定時間のサンプルの移動の後、電源を切る。キャ
プチャーゲルホルダー66を、フローチャネル96内の拡大セグメント98から
、同じ電気泳動カセット86内の他の拡大セグメント98に移動させる。サンプ
ル電気泳動カセットからの膜の除去は、上方に引く前に、膜を前後に揺らすこと
によって容易になる。
【0153】 キャプチャーゲルホルダーを、電気泳動カセット86の第1セットの拡大スロ
ット98から移動させ、そして第2セットの電気泳動カセット86の拡大スロッ
ト、洗浄セグメント98に移す。キャプチャーゲルホルダー66の歯70を、拡
大スロット98によって作製された、緩衝液で満たされたスロットに設置する。
電極100をDC電源に接続し、そして50Vの定圧を5分間適用する。再度、
カセットの温度が35度を越えないように注意を払う。
【0154】 上記で示すように、図10に関連する方法を議論する場合、電流は、第2の期
間または洗浄期間の間同じ方向である。キャプチャーゲルホルダー66を第2の
拡大セグメント98に移動させることにより、サンプルのプロロゲーションは、
キャプチャーゲルホルダー66のキャプチャーゲル40から離れ、従って、キャ
プチャーゲルホルダー66上の任意のサンプルは、捕捉されず通過し、そして新
たなサンプルがキャプチャーゲル40と接触しない。
【0155】 上記の工程の後、ゲル薄膜、キャプチャーゲルホルダー66のキャプチャーゲ
ル40上で捕捉された核酸標的−アルカリホスファターゼ結合プローブ複合体の
検出が、達成される。キャプチャーゲルホルダー66は、電気泳動カセットの洗
浄または第2セットのスロット98から取り除かれる。キャプチャーゲル40の
歯70は、Tropix試薬中(Emerald IIを有するCDPスター、
TropixカタログMS100RY)に置かれる。参照数170により図8に
示されるように、キャプチャーゲル40をこの溶液中に浸し、そして穏やかに振
動させながら室温で15分間インキュベートする。
【0156】 次いでキャプチャーゲルホルダー66を、図15Aおよび15Bに示されるよ
うに検出トレイ178に置く。キャプチャーゲルホルダー66および検出トレイ
178をマイクロプレート照度計172(例えば、Walla Victor
2,E.G.&G Walla,Turku,Finland)に置く。相対的
光ユニット(RAU)を読み、RAUおよびシグナル対ノイズ比=(試験サンプ
ル膜−空のウェル)/(ネガティブコントロールサンプル膜−空のウェル)の両
方を記録する。図22は、3つの異なる実験結果(アッセイ1〜3)を示す;結
果をシグナル対ノイズ比(S/N)として表示する。全般的な平均S/N比もま
た、その標準偏差と共に表示する。試験されたサンプルを、指示された数の対数
期E.coli細菌(1つのレーンあたりのロードされたコロニー形成ユニット
(cfu)の数で表わされる)を用いてスパイクされたヒト血小板濃縮物と比較
する。表示「1.6E+5」は、値「1.6×10」の省略形である。
【0157】 本発明の上記のおよび他の目的、特徴、および利点は、本発明の好ましい実施
形態の以下のより具体的な説明から明らかであり、これらは添付の図面に例示さ
れ、ここで、類似の参照特性は、異なる図面を通して同じ部分を参照する。これ
らの図面は、拡大される必要がないが、その代わり、本発明の原理を例示する際
に強調される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、電気泳動カセットの頂部斜視図である。
【図2】 図2は、カバーを有する、電気泳動カセットの頂部斜視図である。
【図3】 図3は、電気泳動カセットの頂面図である。
【図4A】 図4Aは、蒸発カバーの頂部斜視図である。
【図4B】 図4Bは、蒸発カバーの頂面図である。
【図5】 図5は、捕獲ゲルホルダーの正面斜視図である。
【図6A】 図6Aは、捕獲ゲルホルダーの正面図である。
【図6B】 図6Bは、捕獲ゲルホルダーの側面図である。
【図7A】 図7Aは、図6Aの捕獲ゲルホルダーの一部分の拡大正面図である。
【図7B】 図7Bは、図6Aの捕獲ゲルホルダーの一部分の拡大正面図である。
【図7C】 図7Cは、図6Aの線7C−7Cに沿って取った断面図である。
【図7D】 図7Dは、図6Aの線7D−7Dに沿って取った断面図である。
【図7E】 図7Eは、図6Aの線7E−7Eに沿って取った断面図である。
【図7F】 図7Fは、図6Aの線7F−7Fに沿って取った断面図である。
【図7G】 図7Gは、図6Aの線7G−7Gに沿って取った断面図である。
【図8A】 図8Aは、電気泳動カセットにサンプルウェルを作製するためのサンプルウェ
ル形成コームの頂部斜視図である。
【図8B】 図8Bは、モールディングコームの頂部斜視図である。
【図8C】 図8Cは、代替のモールディングコームの頂部斜視図である。
【図9A】 図9Aは、細菌が生物学的サンプル中に存在するか否かを決定する例示の方法
の概略図である。
【図9B】 図9Bは、第二の細菌が生物学的サンプル中に存在するか否かを決定する例示
の方法の概略図である。
【図9C】 図9Cは、プローブ配列の相補体とともに、標的生物のパネルからの配列番号
1〜17のRNA配列を示す。細いボックスによって囲まれる線は、プローブを
相補的なDNA配列を示す。白い点線は、薄層ゲル膜に連結された捕獲プローブ
に対応する配列の下にある。白い実線は、レポータープローブに対応する配列の
下にある。
【図10】 図10は、サンプル中の分析物の迅速なアッセイのための方法の概略図である
【図11A】 図11Aは、非導電性メッシュで強化された捕獲ゲルの正面斜視図を示す。
【図11B】 図11Bは、図11Aの線11B−11Bに沿って取った捕獲ゲルの断面図で
ある。
【図12A】 図12Aは、メッシュにされたカプセル化ガラス繊維を有する捕獲ゲルの代替
の実施形態の側面図を示す。
【図12B】 図12Bは、図12Aの線12B−12Bに沿って取った捕獲ゲルの断面図で
ある。
【図13】 図13は、側面が取り除かれた、電気泳動機器の側面斜視図である。
【図14】 図14は、電気泳動機器およびその上にあるインキュベーターユニットの側面
斜視図である。
【図15A】 図15Aは検出デバイス(例えば、ルミネセンスリーダー)における使用のた
めの1組の捕獲ゲルホルダーを収容するためのトレイの頂面図である。
【図15B】 図15Bは、図15Aの線15B−15Bに沿って取られたトレイの断面図で
ある。
【図16】 図16は、標的検出が、酵素刺激化学発光反応によって達成される電気泳動カ
セットおよび検出状態の実施形態の概略的表現である。
【図17】 図17は、精製方法の概要である。
【図18A】 図18Aは、捕獲ゲルホルダーの正面図である。
【図18B】 図18Bは、図18Aの捕獲ゲルホルダーの斜視図である。
【図19A】 図19Aは、電気泳動カセットの代替の実施形態の頂面図である。
【図19B】 図19Bは、図19Aの線19B−19Bに沿って取られた電気泳動カセット
の断面図である。
【図19C】 図19Cは、電気泳動カセットの側面斜視図である。
【図20】 図20は、電気泳動カセットにサンプルウェルを作製するためのコームの側面
斜視図である。
【図21A】 図21Aは、電気泳動並行チャネルデバイスの代替の実施形態の頂面図を示す
【図21B】 図21Bは、図21Aの電気泳動カセットの断面図である。
【図21C】 図21Cは、薄層ゲルまたは強化薄層ゲルを有する捕獲ゲルホルダーを示す。
【図22】 図22は、開示されるアッセイを使用して得られた結果のグラフを示す。
【図23】 図23は、遠心分離工程の後に、アッセイに加えられるインビトロ標的転写物
に対する用量応答を示すグラフである。
【図24】 図24は、滅菌血小板濃縮物に加えられたE.coliを使用する、図23の
類似した用量応答を示すグラフである。
【図25】 図25は、本明細書中に記載されるアッセイ方法において、8個までのサンプ
ルを電気泳動するための時間の概算を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 315A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 エイブラムス, エズラ エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02465, ニュートン, コルバート ロ ード 4 (72)発明者 キーファー−ヒギンズ, スティーブン ジー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02115, ボストン, パーク ドライブ ナンバー6 117 (72)発明者 ザン, ティアンホン アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01721, アッシュランド, ランニング ブルック サークル 22 (72)発明者 イーコック, グラム ピー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01752, マルボロ, フランダーズ ロ ード 5 (72)発明者 ウェブ, マイケル ジェイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01827, ダンステーブル, フレンチ コート 39 (72)発明者 マクドウェル, クリストファー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02767, レイナム, オーチャード ス トリート 519 Fターム(参考) 2G045 BB01 BB10 BB50 BB51 DA13 FB02 FB05 4B029 AA07 AA23 AA27 BB20 FA15 4B063 QA18 QA20 QQ42 QR08 QR42 QR56 QS16 QS25 QS34 QS39 QX02

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析物を捕獲するための装置であって、以下を備える装置: 電気泳動カセットであって、以下: 1対の電極チャネルと、該電極チャネルの間に差し込まれたバリアと、拡大
    スロットとを有する基部であって、該バリアが、該電極チャネルの間に延びる少
    なくとも1つの泳動チャネルを有し、該拡大スロットが該泳動チャネルに結合し
    かつ該泳動チャネルへと開口している、基部と; 第一電極チャネルに延びる該第一電極と; 第二電極チャネルに延びる該第二電極; を備える電気泳動カセット および 該拡大スロットにおいて受け取り可能な捕獲ゲルホルダーであって、該捕獲ゲ
    ルホルダーは、該泳動チャネルと整列された開口を有する、捕獲ゲルホルダー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、前記バリアが、前記捕獲ゲ
    ルホルダーを受け取るために、前記泳動チャネルに結合され、そして該泳動チャ
    ネルへと開口している第二の拡大スロットを有する、装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置であって、さらに、前記電気泳動カセ
    ットを覆う蒸発カバーを備え、該蒸発カバーは、前記捕獲ゲルホルダー用の少な
    くとも1つの開口、および気体の通気用の少なくとも1つの開口を有する、装置
  4. 【請求項4】 前記電気泳動カセットが、少なくとも1つの洗浄ウェルを備
    える、請求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の装置であって、前記電極の少なくとも1つ
    が、前記蒸発カバーを通じて延びて、かつ該蒸発カバーの頂部と同じ高さである
    、1対の端子を備える、装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の装置であって、前記捕獲ゲルホルダーが複
    数の歯を備え、該各々の歯が、非導電性ポリマーメッシュを受け取るための開口
    を有し、そして該歯は、特定の様式で前記電気泳動カセットの拡大スロット中に
    該歯が適合するように極性のデバイスを有する、装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の装置であって、前記捕獲ゲルホルダーが複
    数の歯を備え、該各々の歯が、非導電性ポリマーメッシュを受け取るための開口
    を有し、そして該歯が、前記蒸発カバーの少なくとも1つの開口を通じて該歯が
    適合するように極性のデバイスを有する、装置。
  8. 【請求項8】 分析物を捕獲するための装置であって、以下を備える装置: 電気泳動カセットであって、以下: 1対の電極チャネルと、該電極チャネルの間に差し込まれたバリアと、拡大
    スロットとを有する基部であって、該バリアが該電極チャネルの間に延びる少な
    くとも1つの泳動チャネルを有し、該拡大スロットが該泳動チャネルに結合しか
    つ該泳動チャネルへと開口している、基部と; 第一電極チャネルに延びる該第一電極と; 第二電極チャネルに延びる該第二電極と; を備える電気泳動カセット; 該拡大スロットにおいて受け取り可能な捕獲ゲルホルダーであって、該捕獲ゲ
    ルホルダーは、該泳動チャネルと整列された開口を有する、ホルダー; 捕獲ゲルホルダーの開口に支えられた薄層ゲルであって、該薄層ゲルは、ゲル
    マトリックスおよび該ゲルマトリックスの共有結合されたリガンドを有する、薄
    層ゲル。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の装置であって、前記薄層ゲルが、前記ゲル
    マトリックスと連結するための非導電性ポリマーメッシュをさらに備える、装置
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の装置であって、前記バリアが、前記捕獲
    ゲルホルダーを受け取るために前記泳動チャネルに結合され、そして該泳動チャ
    ネル内へと開口している第二の拡大スロットを有する、装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の装置であって、さらに、前記電気泳動
    カセットを覆う蒸発カバーを備え、該蒸発カバーは、前記捕獲ゲルホルダー用の
    少なくとも1つの開口、および気体の通気用の少なくとも1つの開口を有する、
    装置。
  12. 【請求項12】 前記電気泳動カセットが、少なくとも1つの洗浄ウェルを
    備える、請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の装置であって、前記電極の少なくとも
    1つが、前記蒸発カバーを通じて延びて、かつ該蒸発カバーの頂部と同じ高さで
    ある、1対の端子を備える、装置。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の装置であって、前記捕獲ゲルホルダー
    が複数の歯を備え、該各々の歯が、非導電性ポリマーメッシュを受け取るための
    開口を有し、そして該歯は、特定の様式で前記電気泳動カセットの拡大スロット
    中に該歯が適合するように極性のデバイスを有する、装置。
  15. 【請求項15】 前記捕獲ゲルホルダーがさらに検出表面を備える、請求項
    14に記載の装置。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の装置であって、前記捕獲ゲルホルダー
    が複数の歯を備え、該各々の歯が、非導電性ポリマーメッシュを受け取るための
    開口を有し、そして該歯が、前記蒸発カバーの少なくとも1つの開口を通じて該
    歯が適合するように極性のデバイスを有する、装置。
  17. 【請求項17】 捕獲ゲルホルダーであって、以下: ハンドルと; 該ハンドルから突出する複数の歯であって、該歯の少なくとも1つが該歯を通
    じる穴を有する、歯と; ゲルマトリックスおよび該穴を覆う該ゲルマトリックスに共有結合したリガン
    ドと、 を備える、捕獲ゲルホルダー。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記少な
    くとも1つの歯が、特定の方向でのみ前記電気泳動カセットに適合するように適
    合された、適合形状を有する、捕獲ゲルホルダー。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記歯の
    各々が、前記穴の周囲に凹型中央領域を、そして該穴の上にフランジを有し、こ
    こで該凹型領域および該フランジは、気体の放出を容易にするためのものである
    、捕獲ゲルホルダー。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の捕獲ゲルホルダーであって、さらに、
    前記歯の各穴を覆い、そして前記ゲルマトリックスおよびリガンドを支持するた
    めの非導電性ポリマー物質を備える、捕獲ゲルホルダー。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記適合
    形状が、特定の方向でのみ前記電気泳動カセットに適合するように適合された、
    曲線エッジおよび平坦エッジを有する各歯を含む、捕獲ゲルホルダー。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記適合
    形状が、電気泳動カセットの蒸発カバー中で特定のスロットのみを通過するよう
    に適合された突出部を有する1本の歯を含む、捕獲ゲルホルダー。
  23. 【請求項23】 前記捕獲ゲルホルダーが、さらに検出表面を備える、請求
    項21に記載の装置。
  24. 【請求項24】 請求項20に記載の装置であって、前記適合形状が、電気
    泳動カセットの蒸発カバー中で特定のスロットのみを通過するように適合された
    突出部を有する1本の歯を含む、装置。
  25. 【請求項25】 電気泳動によって分析物を捕獲するための薄層ゲルであっ
    て、以下: ゲルマトリックスおよび該ゲルマトリックスに対して共有結合されたリガンド
    、を備える、薄層ゲル。
  26. 【請求項26】 前記ゲルマトリックスが、電気泳動デバイスからの取り出
    しを可能にするのに十分な引っ張り強度を有する、請求項25に記載の薄層ゲル
  27. 【請求項27】 非導電性ポリマー物質をさらに含む、請求項25に記載の
    薄層ゲル。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の薄層ゲルであって、前記非導電性ポリ
    マー物質が、メッシュ、マット、織物、およびフェルトからなる群より選択され
    る、薄層ゲル。
  29. 【請求項29】 前記非導電性ポリマー物質が、前記ゲルマトリックスを架
    橋し得るポリマーである、請求項27に記載の薄層ゲル。
  30. 【請求項30】 分析物を捕獲するための装置であって、該装置は、以下: ゲルマトリックスおよび該ゲルマトリックスに共有結合したリガンド、 を備える、装置。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の装置であって、前記ゲルマトリックス
    およびリガンドを支持するための非伝導性ポリマー物質をさらに備える、装置。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の装置であって、さらに、前記非導電性
    ポリマー物質を受け取るための複数の開口を有する捕獲ゲルホルダー、を備える
    、装置。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の装置であって、さらに、電気泳動およ
    び分析物を捕獲するためのゲルを受け取るための電気泳動カセットをさらに備え
    、該電気泳動カセットは、以下: 1対の電極チャネルと、該電極チャネルの間に差し込まれたバリアと、拡大
    スロットとを有する基部であって、該バリアが該電極チャネルの間に延びる少な
    くとも1つの泳動チャネルを有し;そして該拡大スロットが前記捕獲ゲルホルダ
    ーを受け取るために、該泳動チャネルに結合しかつ該泳動チャネルへと開口して
    いる、基部と; 第一電極チャネルに延びる該第一電極と; 第二電極チャネルに延びる該第二電極と; を備える、装置。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の装置であって、前記バリアが、前記捕
    獲ゲルホルダーを受け取るために前記泳動チャネルに結合され、そして該泳動チ
    ャネルへと開口している第二の拡大スロットを有する、装置。
  35. 【請求項35】 サンプル中に含まれた標的分子を捕獲するための方法であ
    って、以下の工程: 該標的分子に特異的な共有結合したリガンドを含むゲルマトリックスを有する
    非導電性ポリマー物質を提供する工程;ならびに 該ゲルマトリックスを有する非導電性ポリマー物質を通じて該サンプルを通過
    させて、該標的分子が該ゲルマトリックスの捕獲プローブによって捕獲され、そ
    して該サンプルの残りが該非導電性ポリマー物質を通過する工程、 を包含する、方法。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載の方法であって、前記標的分子が、前記
    ゲルマトリックスを前記サンプルが通過する前に、検出可能に標識されている、
    方法。
  37. 【請求項37】 請求項29に記載の標的分子の捕獲方法であって、さらに
    以下の工程: 各々が電極を有する一対の電極チャネルの間に延びる泳動チャネルを有する電
    気泳動カセットを備える工程; 該電気泳動カセットにおいて電気泳動マトリックスを備える工程、および該泳
    動チャネル内でサンプルを受け取るためのサンプル−ウェルを形成する工程; 捕獲ゲルホルダーによって支えられる共有結合したリガンドを含むゲルマトリ
    ックスを有する非導電性ポリマー物質を、拡大スロット中に該捕獲ゲルホルダー
    を配置することにより、該泳動チャネルへと挿入する工程であって、該拡大スロ
    ットは、該泳動チャネルに結合し、かつ該泳動チャネルへと開口している、工程
    ; 該サンプルを、該サンプルウェル中に標的分子とともに入れる工程; 該電気泳動カセット中に電圧を通して、該チャネルにおいて該サンプルウェル
    から該非導電性ポリマー物質へ向けて該サンプルを泳動させる工程、 を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の方法であって、さらに以下の工程: 前記電気泳動カセットから前記捕獲ゲルホルダーを取り出す工程; および 分析物に会合したプローブを検出するために、読み取り器に捕獲ゲルホルダー
    を置く工程、 を包含する、方法。
  39. 【請求項39】 前記電気泳動カセットが、前記捕獲ゲルホルダーを受け取
    るためのそれぞれの泳動チャネル用の第二の拡大スロットを有する、請求項38
    に記載の方法。
  40. 【請求項40】 請求項37に記載の方法であって、さらに以下の工程: 前記電気泳動カセットから前記捕獲ゲルホルダーを取り出す工程; および 該捕獲ゲルホルダーを、前記捕獲プローブと標的分子との間の結合を破壊する
    のに十分な条件に供する工程、 を包含する、方法。
  41. 【請求項41】 前記電気泳動カセットが、前記捕獲ゲルホルダーを受け取
    るためのそれぞれの泳動チャネル用の第二の拡大スロットを有する、請求項40
    に記載の方法。
  42. 【請求項42】 標的分子を検出する方法であって、以下の工程: 共有結合したリガンドを含むゲルマトリックスを有する非導電性ポリマー物質
    を有する捕獲ゲルホルダーを備える工程; 泳動チャネルおよび1対の拡大スロットを有する電気泳動カセットを備える工
    程であって、該電気泳動チャネルは、1対の電極と該電気泳動チャネル内でサン
    プルを受け取るためのサンプルウェルとの間に延び、該1対の拡大スロットは、
    該電気泳動チャネルに結合し、そして該電気泳動チャネルへと開口している、工
    程; 該サンプルを、該サンプルウェル中に標的分子とともに入れる工程; 該捕獲ゲルホルダーを、泳動チャネル中の1対の拡大スロット中に挿入する工
    程; 該電気泳動カセット中に電圧を通して、該泳動チャネルにおいて該サンプルウ
    ェルから該非導電性ポリマー物質へ向けて該サンプルを泳動させる工程、 該電気泳動カセットから該捕獲ゲルホルダーを取り出す工程; および 前記分析物に会合したプローブを検出するために読み取り器に該捕獲ゲルホル
    ダーを入れる工程、 を包含する、方法。
  43. 【請求項43】 請求項42に記載の方法であって、さらに以下の工程: 前記標的分子に対して付着するレポータープローブを含むサンプルを調製する
    工程; 前記電気泳動カセットにおいて電圧を中断する工程: 前記捕獲ゲルホルダーを洗浄ステーションに移動する工程; 該捕獲ゲルホルダーを前記泳動チャネル中の他の拡大スロット中に挿入する工
    程;および 該電気泳動カセット中の該電気泳動マトリックスに電圧を通して、該チャネル
    において該捕獲ゲルホルダーおよび該非導電性ポリマー物質から離れて該サンプ
    ルウェルから該サンプルを泳動させる工程、 を包含する、方法。
  44. 【請求項44】 分析物リガンド結合アッセイを実施するための方法であっ
    て、該方法は、以下の工程: a)電気泳動カセットを備える工程であって、 該カセットは、以下: 1対の電極チャネルと、該電極チャネルの間に差し込まれたバリアと;拡大
    スロットと、を有する基部ユニットであって、該バリアは、該電極チャネルの間
    に延びる少なくとも1つの泳動チャネルを有し、該拡大スロットは、捕獲ゲルホ
    ルダーを受け取るために該泳動チャネルに結合され、そして該泳動チャネルへと
    開口している、基部ユニットと; 第一の電極チャネルに延びる該第一電極と; 第二電極チャネルに延びる該第二電極と; 該泳動チャネル中に取り外し可能に装着されたサンプル−ウェル形成コーム
    と; ゲルマトリックスおよび該ゲルマトリックスに共有結合され、そして該泳動
    チャネルに配置されたリガンドを有する薄層ゲルと; を備える、工程; b)電気泳動用のゲルで装置を充填する工程; c)該ゲルを硬化させる工程; d)該コームを取り外し、それによってサンプルウェルを作製する工程; e)該サンプルウェル中にサンプルを入れる工程; f)起電力を提供する工程;ならびに g)該起電力によって該薄層ゲルを通じてサンプルを移動する工程、 、を包含する、方法。
  45. 【請求項45】 前記サンプルウェル中に検出プローブを提供する工程をさ
    らに包含する、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 請求項44に記載の方法であって、さらに以下の工程:g
    )前記装置から前記薄層ゲルを取り外す工程、およびh)前記検出プローブの存
    在または非存在を検出する工程、を包含する方法。
  47. 【請求項47】 請求項46に記載の方法であって、さらに以下の工程:前
    記工程g)と工程h)との間で前記薄層ゲルを洗浄する工程、を包含する方法。
  48. 【請求項48】 標的分子を捕獲する装置であって、以下: ハウジングであって、以下: 第一電極チャネルと、第二電極チャネルと、該第一電極チャネルと第二電極チ
    ャネルとの間に差し込まれたバリアと、拡大スロットとを有する基部であって、
    該バリアは、該第一電極チャネルと該第二電極チャネルとの間に延びる少なくと
    も1つの泳動チャネルを有し、該拡大スロットは、該泳動チャネルに結合され、
    そして該泳動チャネルへと開口している、基部;スロット、該泳動チャネルに整
    列された開口を有する該捕獲ゲルホルダー;ならびに 該捕獲ゲルホルダーの開口に支えられたゲルであって、該薄層ゲルは、ゲルマ
    トリックスおよび該ゲルマトリックスに共有結合したリガンドを有する、ゲル、
    を有する、ハウジング、 を備える、装置。
  49. 【請求項49】 請求項48に記載の装置であって、該装置はさらに、前記
    第一電極チャネルに延びる第一電極、および前記第二電極チャネルに延びる第二
    電極を備える、装置。
  50. 【請求項50】 請求項48に記載の装置であって、前記ゲルがさらに、前
    記ゲルマトリックスとの連結のための非導電性ポリマーメッシュを備える、装置
  51. 【請求項51】 請求項50に記載の装置であって、前記バリアが、前記捕
    獲ゲルホルダーを受け取るために前記泳動チャネルに結合され、そして該結合チ
    ャネルへと開口している第二拡大スロットを有する、装置。
  52. 【請求項52】 請求項51に記載の装置であって、さらに、前記電気泳動
    カセットを覆うための蒸発カバーを備え、該蒸発カバーは、前記捕獲ゲルホルダ
    ー用の少なくとも1つの開口、および気体の通気用の少なくとも1つの開口を有
    する、装置。
  53. 【請求項53】 前記電気泳動カセットが、少なくとも1つの洗浄ウェルを
    備える、請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】 請求項52に記載の装置であって、少なくとも1つの前記
    電極が、前記蒸発カバーを通して延び、かつ該蒸発カバーの頂部と同じ高さであ
    る、1対の端子を有する、装置。
  55. 【請求項55】 請求項52に記載の装置であって、前記捕獲ゲルホルダー
    が、複数の歯を有し、該歯は、特定の様式で前記電気泳動カセットの拡大スロッ
    ト中に該歯が適合するように極性のデバイスを有する、装置。
  56. 【請求項56】 捕獲ゲルホルダーであって、以下: ハンドルと; 該ハンドルから突出する複数の歯であって、該歯の少なくとも1つが該歯を通
    じる穴を有する、歯と; 該穴を覆う該ゲルマトリックスと、 を備える、捕獲ゲルホルダー。
  57. 【請求項57】 請求項56に記載の捕獲ゲルホルダーであって、少なくと
    も1つの歯が、特定の方向でのみ前記電気泳動カセットに適合するように適合さ
    れた配置を可能にするように適合された形状を有する、捕獲ゲルホルダー。
  58. 【請求項58】 請求項57に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記各々
    の歯が、前記穴の周囲に凹型中央領域を、そして該穴の上にフランジを有し、こ
    こで該凹型領域および該フランジは、気体の放出を容易にし得る、捕獲ゲルホル
    ダー。
  59. 【請求項59】 請求項58に記載の捕獲ゲルホルダーであって、さらに、
    前記歯の各々の穴を覆い、そして前記ゲルマトリックスおよびリガンドを支持す
    るための非導電性ポリマー物質を備える、捕獲ゲルホルダー。
  60. 【請求項60】 請求項59に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記適合
    形状が、特定の方向でのみ前記電気泳動カセットに適合するように適合された、
    曲線エッジおよび平坦エッジを有する各歯を含む、捕獲ゲルホルダー。
  61. 【請求項61】 請求項60に記載の捕獲ゲルホルダーであって、前記適合
    形状が、電気泳動カセットの蒸発カバー中で特定のスロットのみを通過するよう
    に適合された突出部を有する歯を含む、捕獲ゲルホルダー。
  62. 【請求項62】 前記捕獲ゲルホルダーが、さらに検出表面を備える、請求
    項60に記載の装置。
  63. 【請求項63】 請求項59に記載の装置であって、前記適合形状が、電気
    泳動カセットの蒸発カバー中で特定のスロットのみを通過するように適合された
    突出部を有する歯を含む、装置。
  64. 【請求項64】 電気泳動によって分析物を捕獲するためのゲルであって、
    以下: ゲルマトリックスおよび該ゲルマトリックスに対して共有結合されたリガンド
    、を備える、ゲル。
  65. 【請求項65】 前記ゲルマトリックスが、電気泳動デバイスからの取り出
    しを可能にするのに十分な引っ張り強度を有する、請求項64に記載のゲル。
  66. 【請求項66】 非導電性ポリマー物質をさらに含む、請求項64に記載の
    ゲル。
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