JP2003520780A - Hdlコレステロールとトリグリセリド水準を調節する組成物と方法 - Google Patents

Hdlコレステロールとトリグリセリド水準を調節する組成物と方法

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JP2003520780A
JP2003520780A JP2001519890A JP2001519890A JP2003520780A JP 2003520780 A JP2003520780 A JP 2003520780A JP 2001519890 A JP2001519890 A JP 2001519890A JP 2001519890 A JP2001519890 A JP 2001519890A JP 2003520780 A JP2003520780 A JP 2003520780A
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ヘイドン,マイケル,アール.
ブルックス−ウイルソン,アンジェラ,アール.
ピムストーン,サイモン,エヌ.
クリー,スーザン,エム.
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ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア
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Abstract

(57)【要約】 本発明はABC1発現または活性を調節する化合物を患者に投与することにより、低HDL、正常より高いトリグリセリド水準、または心臓血管病を罹患する患者を処置する方法を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
低HDLコレステロール(HDL−C)、すなわち低アルファリポタンパク質
症は血液脂質異常であり、高リスクの心臓血管病(CVD)、とりわけ冠状動脈
病(CAD)、それだけでなく脳血管病、冠状動脈再狭窄、および末梢血管病に
相関する。HDL−C水準は環境および遺伝因子の両方により影響を受ける。
【0002】 血漿HDL−C濃度はCADの発生率と逆相関することは疫学研究で絶えず提
示されてきた。HDL−C水準は強く段階付けられ独立した心臓血管危険因子で
ある。高HDL−Cの保護作用は80歳まで持続する。低HDL−Cは正常(<
5.2mmol/l)総血漿コレステロール水準においてすらCADリスクの増
加に関連する。冠状動脈病のリスクはHDL−Cの1mg/dL(0.026m
mol/l)の減少毎に男性で2%、女性では3%増加し、大多数の研究では他
の脂質および非脂質危険因子の調節後においてもなおこの関係は統計的に有意で
ある。HDL−C水準の減少は早発性CADの患者に見られるもっとも一般的な
リポタンパク質異常である。早発性CADの患者の4%は他のリポタンパク質異
常がなくてHDL−C水準の減少の単離形態を持ち、一方その25%は併発する
高トリグリセリド症を伴う低HDL水準にある。
【0003】 他の脂血不全症または二次因子を一見してみても、HDL−CはCADの重要
な予言者である。糖尿病患者のコホート(部分集団)では、単離された低HDL
−Cを持つ人は正常HDL−C水準(>0.9mmol/l)を持つ糖尿病患者
と比較して死亡率が65%増加した。更に家族性高コレステロール血症を持つ人
などのような高リスク集団内でも、HDL−C水準はCADの重要な予言者であ
る。低HDL−C水準はかくしてCADの主要で、独立したリスクとなることが
示された。
【0004】 これらの発見は処置のための焦点としてHDL−C水準に対する関心を高め、
全米コレステロール教育プログラムの勧告が行われることとなった。これらのガ
イドラインは0.9mmol/l以下のHDL−C値は男性および女性に著しい
リスクを与えることを示唆する。このように、CADを持つ患者のほぼ半分は低
HDL−Cを持つであろう。従って、この表現型に寄与する因子をよりよく理解
することが重要である。低HDL−C水準の薬物介入がこれまでの所、不満足で
あることが証明されたことを考慮して、血液循環でこれらの水準を調節する因子
を理解することは、この理解が新しい治療標的を明らかにするために重要である
【0005】 HDL−Cの絶対水準は必ずしもCADのリスクを予言するとは限らない。C
ETP欠損症の場合、個体はHDL−C水準の増加にもかかわらず、CAD成長
の増加リスクを示す。この場合重要であると見做されるものは逆コレステロール
輸送経路の機能活性であり、このプロセスにより細胞内コレステロールは細胞か
らApoAIまたはHDLなどの受容体タンパク質へと行き交う。HDL−C水
準の他の重要な遺伝的決定基、およびそのCADとの逆関係はHDL形成と細胞
間コレステロールの通行および流出に導くプロセスに存在するであろう。今日ま
での所、このプロセスは殆ど理解されておらず、しかしまた明らかにこの経路の
成分すべてが同定されてはいない。かくして適切なHDL仲介コレステロール流
出を妨げる欠損はCADの重要な予言者となるであろう。従って細胞間コレステ
ロール通行と流出経路に含まれる新規な遺伝子を同定し理解することはきわめて
重要である。
【0006】 HDL粒子は逆コレステロールに輸送のプロセスの中心にあり、従って組織コ
レステロールホメオスタシス(恒常性)の維持の中心となる。このプロセスは多
段階であり、すなわちHDLの細胞表面成分への結合、受動吸収によるコレステ
ロールの獲得、LCAT(レチシンコレステロールアシルトランスフェラーゼ)
によるこのコレステロールのエステル化および続いて起こるCETP(コレステ
ロールエステル輸送タンパク質)によるエステル化コレステロールのVLDL(
超低密度リポタンパク質)への輸送、および肝臓摂取のためのカイロミクロンレ
ムナントを含む。これらの各段階はHDLの血漿濃度に強く影響するものとして
知られる。
【0007】 ApoAI−CIII、リポタンパク質リパーゼ、CETP、肝性リパーゼお
よびLCATの遺伝子の変化はすべてヒトのHDL−C水準の決定に寄与する。
遺伝子HDL欠損の一つの稀な形態は世界中で約40人しかいないと診断され、
また(常染色体劣性形質としてOMIMにリストされた(OMIM205400
))HDL−C水準のほぼ完全な欠除と関連するタンジアー病(TD)である。
これらの患者は非常に低いHDL−CおよびApoAI水準にあり、これは脂質
の遅延獲得とそれに伴う成熟HDLへの転換の不全による発生期HDLとApo
AIの脂質輸送の悪化と異化亢進に帰せられる。TD患者はコレステロールエス
テルをいくつかの組織で累積し、その結果、拡大黄色扁桃、角膜混濁、肝脾腫大
、末梢ニューロパシー、直腸粘膜でのコレステロールエステル沈着などのような
固有の特性を示す。ApoAIによる細胞コレステロールとリン脂質の欠損除去
同じく細胞間コレステロールのHDL仲介流出での標識欠損はTD繊維芽細胞で
示された。例えこれが稀な疾患であるにしても、その分子基礎を決定することは
全集団でのコレステロール調節のための関連する経路を同定できるであろう。タ
ンジアー病患者の細胞の表面膜で流出する遊離コレステロール利用度の減少は細
胞脂質代謝または通行での欠損に原因があるように見える。タンジアー病患者の
約45%は早発性CADの徴候を示し、これはコレステロール流出の減少、低H
DL−CとCADとの間に強力な関係があることを示唆している。TDにかかっ
ている人の直腸粘膜ではコレステロールの増加が観察されるので、TDに原因が
ある分子機構もまた胃腸(GJ)管からのコレステロール吸着を調節するであろ
う。
【0008】 より一般的な形態での遺伝子HDL欠損は通常年齢と性の第5百分位数以下の
低血漿HDL−Cを持つが、タンジアー病に特異的な臨床表示の欠損を持つ患者
で発生する(マーシル他、アーテリオスクレロシス・スロンボシス・バスキュラ
ー・バイオロジー、19巻、159−169ページ、1999年;マーシル他、
アーテリオスクレロシス・スロンボシス・バスキュラー・バイオロジー、15巻
、1015−1024,1995年)。これらの患者はこの脂質表現型と関連す
る明白な環境因子を持つことはなく、また厳しいHDL欠損病(ApoAI,L
CAT,またはLPL欠損症での変異)の原因として知られている厳しい高トリ
グリセリド症も持たなかったし、糖尿病でもなかった。この異常の継承の様式は
メンデルの優性形質(OMIM 10768)ともっともよく一致する。
【0009】 コレステロール代謝を調節する薬剤の開発はこれまでの所、ゆっくりと進行し
ている。かくしてコレステロールの流出経路の遺伝子成分のよりよい理解が必要
となる。新しく発見された成分は次いで薬剤設計の標的として役立ち得る。
【0010】
【発明の概要】
第1の見地において、本発明は正常より低いHDLコレステロール水準または
正常より高いトリグリセリド水準を持つと診断された患者を処置する方法を特徴
とする。本方法はLXR仲介転写活性を調節する化合物を患者に投与することを
含む。望ましくは、化合物は薬理許容担体と共に患者に投与される。化合物は例
えば、24−(S),25−エポキシコレステロール;24(S)−ヒドロキシ
コレステロール;22−(R)−ヒドロキシコレステロール;24(R),25
−エポキシコレステロール;22(R)−ヒドロキシ−24(S),25−エポ
キシコレステロール;22(S)−ヒドロキシ−24(R),25エポキシコレ
ステロール;24−(S),25−イミノコレステロール;メチル−38−ヒド
ロキシコロネード;N,N−ジメチル−3β−ヒドロキシコロナミド;24(R
)−ヒドロキシコレステロール;22(S)−ヒドロキシコレステロール;22
(R),24(S)−ジヒドロキシコレステロール;25−ヒドロキシコレステ
ロール;22(R)−ヒドロキシコレステロール;22(S)−ヒドロキシコレ
ステロール;24(S)25−ジヒドロキシコレステロール;24(R),25
−ジヒドロキシコレステロール;24,25−デヒドロキシコレステロール;2
5−エポキシ−22(R)−ヒドロキシコレステロール;20(S)−ヒドロキ
シコレステロール;(20R,22R)−コレスト−5−ene−3β,20,
22−トリオール;4,4−ジメチル−5−α−コレスタ−8,14,24−ト
リエン−3−β−オール;7α−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレ
ステロール;7β−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレステロール;
7−オキソ−24(S)−エポキシコレステロール;7α−ヒドロキシコレステ
ロール;7−オキソコレステロール;およびデスモステロールより成るグループ
から選択される。望ましい実施例において、化合物はオキシステロールである。
【0011】 第2の見地において、本発明は正常より低いHDLコレステロール水準または
正常より高いトリグリセリド水準を持つと診断された患者を処置するも一つの方
法を特徴とする。本方法はRXR仲介転写活性を調節する化合物を患者に投与す
ることを含む。RXR調節化合物はこの点に関してエチレン誘導体・三環式レチ
ノイド;トリエンレチノイド;ベンゾシクロアルケニルアルキル;ジエンまたは
トリエン酸誘導体、三環式芳香族化合物とその誘導体;ビシクリルメチルアリル
酸誘導体;フェニルメチル複素環式化合物;テトラヒドロナフチル化合物;アリ
ルチオ−テトラヒドロ−ナフタレン誘導体および複素環式類似体;2,4−ペン
タジエン酸誘導体;テトラリンベイスト化合物;ノナテトラエン酸誘導体;SR
11237;デキサメタゾン;メソプレンのヒドロキシ,エポキシ、およびカル
ボキシ誘導体;二環式ベンジル,ピリジニル,チオフェン,フラニル,およびピ
ロール誘導体;ベンゾフランアクリル酸誘導体;アリル置換およびアリルと(3
−オキソ−1−プロペニル)置換ベンゾピラン,ベンゾチオピラン,1,2−ジ
ヒドロキノリン,および5,6−ジヒドロナフタレン誘導体;ビタミンD3(1
,25−ジヒドロキシビタミンD3)および類似体;24−ヒドロキシラーゼ阻
害剤;モノ−またはポリエンカルボン酸誘導体;テトラヒドロキノリン−2−ワ
ン−6または7−イルおよび関連誘導体;テトラヒドロナフタレン;オキシイミ
ノアルカン酸誘導体;LG 100268;およびLGD 1069などの化合
物を含む。
【0012】 第3の見地において、本発明は、(a)レポーター遺伝子に操作可能に結合さ
れるABC1調節配列またはプロモーターを含む核酸分子を提供し、(b)核酸
分子を候補化合物と接触させ、また(c)レポーター遺伝子の発現を測定する、
ステップを実行することにより候補化合物がABC1発現を調節するかどうかを
決定する方法に特に関し、ここで化合物に接触されない対照に比べて変異レポー
ター遺伝子発現は、候補化合物がABC1発現を調節することを示す。各種の望
ましい実施例において、調節領域は配列識別番号1のヌクレオチド5854乃至
6694,7756乃至8318,10479乃至10825,15214乃至
16068,21636乃至22111,27898乃至28721,3295
1乃至33743,36065乃至36847,39730乃至40577,4
543乃至5287,または45081乃至55639から選択される50もし
くはそれ以上の連続アミノ酸を含む。他の望ましい実施例において、調節領域は
配列識別番号1のヌクレオチド1乃至28,707または29,011乃至53
,228から選択される50もしくはそれ以上の連続アミノ酸を含む。望ましく
は調節領域はLXRs,RXRs,RORs,SREBPs、およびPPARs
より成るグループから選択される転写因子のための結合部位を含む。
【0013】 第4の見地において、本発明は心臓血管病の徴候を示す変更されたリスクをヒ
トが持つかどうかを決定する方法に特に関する。この方法は多型性または変異に
対するヒトのABC1遺伝子を検査することを含む。心臓血管病と関連する多型
性または変異の存在は、ヒトが心臓血管病の徴候を示す変更リスクを持つことを
示す。
【0014】 関連する見地において、本発明はヒトが薬剤に対するヒトの応答を変更するA
BC1遺伝子に多型性を持つかどうかを決定することにより、薬剤に対するヒト
の応答を予測する方法に特に関する。望ましい多型性は図4で示される。第5お
よび第6の見地の望ましい実施例において、多型性はABC1の5′調節領域に
ある。
【0015】 第6の見地において、本発明はヌクレオチド配列AGATCANNNNAGG
TCAを含む事実上精製されたLXR応答エレメントに特に関し、ここで各Nは
独立してC,T,GあるいはAである(配列識別番号231)。望ましくは、L
XR応答エレメントは配列AGATCACTTGAGGTCAを持つ(配列識別
番号232)。より以上に望ましくは、LXR応答エレメントはヌクレオチド配
列AGATCANNNNAGGTCAより基本的に成り、ここで各Nは独立して
C,T,GあるいはAである(配列識別番号231)。
【0016】 第7の見地において、本発明は配列識別番号1の以下のヌクレオチドから選択
される連続ヌクレオチドの少なくとも50,100,150,300,500,
750,1000,2000,3000,4000,5000またはすべてに事
実上同一である領域より基本的に成る事実上純粋な核酸分子に特に関し、そのヌ
クレオチドは、5854乃至6694,7756乃至8318,10479乃至
10825,15214乃至16068,21636乃至22111,2789
8乃至28721,32951乃至33743,36065乃至36847,3
9730乃至40577,45081乃至55639,4543乃至5287,
59188乃至60306,60689乃至63548,63574乃至651
10,65030乃至68312,68605乃至73375,73395乃至
74692,75586乃至77103,74774乃至74920,7751
9乃至87679,87651乃至94160,96916乃至97634,9
4408乃至96595,97807乃至98989,100369乃至107
171,107179乃至107983,108039乃至108998,10
9222乃至118212,118612乃至123911,124586乃至
138185,137773乃至138393,147497乃至148051
,158490乃至159118,123718乃至125077,13777
3乃至138912,,139304乃至139699,139351乃至14
6359,146867乃至147637,147733乃至149404,1
49858乃至152699,153064乃至153916,153978乃
至158516,158719乃至160272,160375乃至16445
8,165279乃至169814,164215乃至164592,1647
86乃至165133,165125乃至165429,169882乃至17
0189,170067乃至174018,176845乃至178875,1
79113乃至180606,および181723乃至183284までのもの
である。関連する見地において、本発明は配列識別番号1の以下のヌクレオチド
に事実上同一である領域を持つ事実上純粋な核酸分子に特に関し、そのヌクレオ
チドは、5854乃至6694,7756乃至8318,10479乃至108
25,15214乃至16068,21636乃至22111,27898乃至
28721,32951乃至33743,36065乃至36847,3973
0乃至40577,45081乃至55639,4543乃至5287,591
88乃至60306,60689乃至63548,63574乃至65110,
65030乃至68312,68605乃至73375,73395乃至746
92,75586乃至77103,74774乃至74920,77519乃至
87679,87651乃至94160,96916乃至97634,9440
8乃至96595,97807乃至98989,100369乃至107171
,107179乃至107983,108039乃至108998,10922
2乃至118212,118612乃至123911,124586乃至138
185,137773乃至138393,147497乃至148051,15
8490乃至159118,123718乃至125077,137773乃至
138912,,139304乃至139699,139351乃至14635
9,146867乃至147637,147733乃至149404,1498
58乃至152699,153064乃至153916,153978乃至15
8516,158719乃至160272,160375乃至164458,1
65279乃至169814,164215乃至164592,164786乃
至165133,165125乃至165429,169882乃至17018
9,170067乃至174018,176845乃至178875,1791
13乃至180606,または181723乃至183284までのものである
。望ましい核酸分子は、配列識別番号1のヌクレオチド1乃至28,707、ま
たは配列識別番号1のヌクレオチド29,011乃至53,228に事実上同一
であるか全く同一である領域を持つ。
【0017】 第8の見地において、本発明は正常より低いHDLコレステロール水準、正常
より高いトリグリセリド水準、または心臓血管病を持つヒトを処置する方法に特
に関し、それはABC1ポリペプチド、またはそのコレステロール−あるいはト
リグリセリド−調節断片、もしくはABC1ポリペプチド、またはそのコレステ
ロール、トリグリセリド調節断片をコーディングする核酸分子をヒトに投与する
ことを含む。望ましい実施例では、ヒトは正常に比べて低いコレステロールまた
は高いトリグリセリド水準を持つ。望ましいくは、ABC1ポリペプチドは野生
型ABC1であり、またはその安定性もしくはその生物活性を増加する変異を持
つ。望ましくは、核酸分子はプロモーターに操作可能に結合されまた発現ベクタ
ーに含まれる。望ましい変異はABC1の位置219でR→K変異を、また位置
399でV→Aの変異を含む。望ましい生物活性はコレステロール輸送の改良さ
れた調節である。
【0018】 第9の見地において、本発明は正常より低いHDLコレステロール水準、正常
より高いトリグリセリド水準、または心臓血管病を処置または予防する方法に特
に関し、それは野生型ABC1,R219K ABC1、またはV399A A
BC1の活性を真似し、あるいはABC1の生物活性を調節する化合物を動物(
例えばヒト)に投与することを含む。
【0019】 本発明の方法を用いて処置できる一つの望ましい心臓血管病は冠状動脈病であ
る。他のものは脳血管病および抹梢血管病を含む。
【0020】 ABC1遺伝子およびタンパク質が血清HDL水準に影響するコレステロール
輸送を伴うということの発見は、HDL増加、トリグリセリド低下、またはCV
D阻害薬の確認のための各種の診断検査および検定にABC1タンパク質と遺伝
子の使用を可能にする。このような検定の一つのものでは、ATPに結合するA
BC1タンパク質のドメイン能力が利用される。つまりこの結合を高める化合物
は有力なHDL増加またはトリグリセリド低下薬である。同時に細胞膜で陰イオ
ン輸送能力と膜孔形成機能は薬剤スクリーニングに使用することができる。
【0021】 第10の見地において、ABC1発現は更に正常より低いHDLコレステロー
ル水準、正常より高いトリグリセリド水準、またはCVDの診断用ツールとして
役立ち得る。ABC1遺伝子配列の遺伝子亜類型化の決定は、正常より低いHD
Lまたは正常より高いトリグリセリド表現型がABC1機能に関連するかどうか
を決定するために、正常より低いHDL水準または正常より高いトリグリセリド
水準を持つ個体または族を亜類型化するために使用することができる。この診断
プロセスは、患者の応答(例えば化合物または薬剤の投与に際して効率が増加ま
たは減少しあるいは望ましくない副作用など)の予測を含む患者の遺伝子型に基
づく薬剤処置の仕立てに導くことができる。
【0022】 ABC1ポリペプチドに対する抗体は療法および診断法の両方で使用できる。
抗体はB細胞で抗ABC1タンパク質の産生を刺激するABC1ポリペプチドで
B細胞含有生物系、例えばマウスなどの動物を免疫的に攻撃し、次いでその生物
系から抗体を単離することで産生される。このような抗体は血清などの生物サン
プルを抗体と接触させ、次いでサンプル内のABC1ポリペプチドの尺度として
免疫複合体を測定することによりサンプル内のABC1ポリペプチドを測定する
のに使用できるABC1に対する抗体は更にABC1生物活性の調節のために治
療薬として使用できる。
【0023】 かくして第11の見地において、本発明はABC1と特異的に結合する精製さ
れた抗体に特に関する。一つの望ましい実施例において、抗体は哺乳類に投与さ
れた時にコレステロールまたはトリグリセリドを調節する。
【0024】 第12の見地において、本発明は候補化合物がコレステロールまたはトリグリ
セリド水準を調節するのに有用であるかどうかを決定する方法に特に関し、この
方法は、(a)ABC1ポリペプチドを提供し、(b)ABC1ポリペプチドを
候補化合物と接触させ、(c)ABC1ポリペプチドの結合を測定するステップ
を含み、ここでABC1ポリペプチドの結合は、候補化合物がコレステロールま
たはトリグリセリド水準の調節に有用であることを示している。
【0025】 第13の実施例において、本発明は候補化合物が正常よりも低いHDLコレス
トロール水準、正常よりも高いトリグリセリド水準、または心臓血管病の処置に
有用であるかどうかを決定する方法に特に関する。この方法は(a)ABC輸送
体(例えばABC1)を提供し、(b)輸送体を候補化合物と接触させ、また(
c)ABC輸送体の生物活性を測定することを含み、ここで化合物に接触されな
い輸送体と比べて増加ABC輸送体生物活性は、候補化合物が正常よりも低いコ
レステロール水準、正常よりも高いトリグリセリド水準、または心臓血管病の処
置に有用であることを示している。望ましくは、ABC輸送体は細胞または無細
胞検定システム内にある。
【0026】 第14の見地において、本発明は候補化合物がコレステロールまたはトリグリ
セリド水準を調節するのに有用であるかどうかを決定する方法に特に関する。こ
の方法は(a)レポーター遺伝子に操作可能に連結されるABC輸送体プロモー
ターより成る核酸分子を提供し、(b)核酸分子を候補化合物と接触させ、また
(c)レポーター遺伝子の発現を測定することを含み、ここで化合物に接触され
ない核酸分子と比べてレポーター遺伝子の増加発現は、候補化合物がコレステロ
ールまたはトリグリセリド水準を調節するのに有用であることを示している。
【0027】 第15の見地において、本発明は変異ABC1ポリペプチドをコーディングす
る核酸分子を含む導入遺伝子を持つ非ヒト哺乳類に特に関する。一つの実施例で
は、変異はABC1の位置1091でのM→T変異などのような優性ネガティブ
変異である。
【0028】 第16の見地において、本発明は本発明のABC1核酸分子を含む発現ベクタ
ー、細胞、または非ヒト哺乳類に特に関する。
【0029】 関連する見地において、本発明は本発明の核酸分子を含む導入遺伝子を持つ非
ヒト哺乳類からの細胞に特に関する。
【0030】 第17の見地において、本発明は候補化合物が優性ネガティブABC1ポリペ
プチドの阻害を減少させるかどうかを決定する方法に特に関する。この方法は(
a)優性ネガティブABC1ポリペプチドを発現する細胞を提供し、(b)細胞
を候補化合物と接触させ、また(c)細胞のABC1生物活性を測定することを
含み、ここで化合物と接触されない細胞と比べてABC1生物活性の増加は、候
補化合物が優性ネガティブABC1ポリペプチドの阻害を減少させることを示し
ている。望ましい優性ネガティブABC1ポリペプチドはM1091T ABC
1である。
【0031】 第18の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常に対する性向を被験者内で決定する方法に特に関する。この方法は被験者か
ら得られた領域内で、ABC1調節領域、プロモーター、またはコーディング配
列のポリヌクレオチドで、またはABC1タンパク質のアミノ酸配列で少なくと
も1個のABC1多型性の存在または不在の決定を伴い、ここでABC1多型性
の存在または不在は疾病または異常のリスクを示している。望ましくは、この方
法はさらにポリヌクレオチド配列またはアミノ酸配列で少なくとも5個のABC
1多型性部位を分析することを含む。
【0032】 第19の見地において、本発明はABC1多型性が正常より低いHDL水準、
正常より高いトリグリセリド水準および心臓血管病より成るグループから選択さ
れる疾病または異常に対して被験者でのリスクを示しているかどうかを決定する
方法に特に関する。この方法は(a)第1被験者または被験者の組での疾病また
は異常の罹患率が第2被験者または被験者の組での疾病または異常の罹患率と異
なるかどうかを決定し、(b)第1被験者または被験者の組および第2被験者ま
たは被験者の組から得られる試料でのABC1調節領域、プロモーターまたはコ
ーディング領域のポリヌクレオチド配列またはABC1タンパク質のアミノ酸配
列を分析し、また(c)第1被験者または被験者の組および第2被験者または被
験者の組の間で少なくとも1個の多型性が異なるかどうかを決定し、ここでAB
C1多型性の存在または不在が疾病または異常の罹患率と相関し、これによりA
BC1多型性がリスクを示しているかどうかを決定することを含む。望ましくは
、この方法はさらにABC1調節領域、プロモーター、またはコーディング配列
またはABC1のアミノ酸配列で少なくとも5個のABC1多型性部位を分析す
ることを含む。
【0033】 第20の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の素因または罹患率の記録と相関するABC1多型性の複数の配列記録を持
つ電子データベースを提供する。
【0034】 第21の見地において、本発明は被験者でのABC1活性または発現を調節す
るための望ましい治療法を選択する方法に特に関する。この方法は(a)被験者
から得られる試料でのABC1調節領域、プロモーターまたはコーディング領域
のポリヌクレオチド配列またはABC1タンパク質のアミノ酸配列での少なくと
も1個の多型性の存在または不在を決定し、ここでABC1多型性の存在または
不在はABC1発現または活性を調節するための少なくとも1個の治療法の安全
性または効率を示し、および(b)被験者でのABC1発現または活性を調節す
るための望ましい治療法を決定することを含む。望ましくはこの方法は更にAB
C1調節領域、プロモーターまたはコーディング領域のポリヌクレオチド配列ま
たはABC1タンパク質のアミノ酸配列での少なくとも5個のABC1多型性部
位を分析することを含む。
【0035】 第22の見地において、本発明は候補化合物が正常より低いHDL水準、正常
より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択され
る疾病または異常の処置に有用であるかどうかを決定する方法を提供する。この
方法は(a)測定可能ABC1生物活性を持つ検定システムを提供し、(b)こ
の検定システムを候補化合物に接触させ、また(c)ABC1生物活性またはA
BC1リン酸化を測定することを含む。候補化合物に接触されない対応する対照
検定システムでのABC1生物活性またはABC1リン酸化に比べて、この検定
システムでのABC1生物活性またはABC1リン酸化の調節は、候補化合物が
疾病または異常に有用であることを示している。望ましい実施例において、検定
システムは細胞ベイストシステムまたは無細胞システムである。望ましくは、候
補化合物はABC1タンパク質リン酸化とABC1活性の両方を調節する。
【0036】 第23の見地において、本発明は候補化合物が正常より低いHDL水準、正常
より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択され
る疾病または異常を改善する能力を試験される化合物を確認する方法を提供する
。この方法は(a)被験者または細胞を候補化合物に接触させ、(b)被験者ま
たは細胞でのABC1発現、活性、またはタンパク質リン酸化を測定することを
含む。候補化合物の接触させない対応する対照被験者または細胞でのABC1発
現、活性、またはタンパク質リン酸化と比べて、この被験者または細胞での変更
ABC1発現、活性、またはタンパク質リン酸化は、候補化合物を疾病または異
常を改善する能力を試験される化合物として確認する。望ましくは、候補化合物
はABC1タンパク質リン酸化とABC1活性の両方を調節する。
【0037】 第24の見地において、本発明は候補化合物が正常より低いHDL水準、正常
より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択され
る疾病または異常を調節するのに有用であるかどうかを決定する方法を提供する
。この方法は(a)ABC1遺伝子またはその断片を発現する細胞を提供し、(
b)細胞を候補化合物と接触させ、また(c)細胞のABC1活性を測定するこ
とを含む。化合物と接触されない対応する対照細胞でのABC1活性と比較して
、この細胞にある変更されたABC1活性は、候補化合物が疾病または異常を調
節するのに有用であることを示す。
【0038】 第25の見地において、本発明は候補化合物が正常より低いHDL水準、正常
より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択され
る疾病または異常を調節するのに有用であるかどうかを決定する方法を提供する
。この方法は(a)ABC1タンパク質を発現する細胞を候補化合物に接触させ
、また(b)ABC1タンパク質のリン酸化を測定することを含む。候補化合物
と接触されない対応する対照細胞でのABC1タンパク質リン酸化に比べてこの
細胞での変更ABC1タンパク質リン酸化は疾病または異常を調節するのに有用
であることを示す。
【0039】 第26の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置に有用な化合物を提供する。この化合物はABC1生物活性を調節し
、また(a)測定可能生物活性を持つ検定システムを提供し、(b)検定システ
ムを化合物に接触させ、また(c)ABC1生物活性を測定するステップにより
確認され、ここで化合物に接触されない対応する対照検定システムでのABC1
生物活性に比べてABC1生物活性の調節は、化合物が疾病または異常の処置に
有用であることを示す。
【0040】 第27の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置に有用な化合物を提供する。この化合物はR219K ABC1変異
により誘導されるABC1生物活性での変化を擬態するABC1生物活性の変化
を誘導する。
【0041】 第28の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置に有用な化合物を提供する。この化合物はABC1の残基R219と
結合または相互作用し、これによりR219K ABC1変異により誘導される
ABC1活性での変異を擬態する。
【0042】 第29の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置に有用な化合物を提供する。この化合物はV339A ABC1変異
により誘導されるABC1生物活性での変化を擬態するABC1生物活性での変
化を誘導する。
【0043】 第30の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置に有用な化合物を提供する。この化合物はABC1の残基V399と
結合または相互作用し、これによりV399A ABC1変異により誘導される
ABC1活性での変化を擬態する。
【0044】 第31の見地において、本発明はABC1活性を調節しまたABC1のアミノ
酸と結合しまたは相互作用する化合物を提供し、ここでアミノ酸はABC1のア
ミノ酸119乃至319(配列識別番号5)またはABC1のアミノ酸299乃
至499(配列識別番号5)から選択される残基である。
【0045】 第32の見地において、本発明は候補化合物が正常より低いHDL水準、正常
より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択され
る疾病または異常の処置に有用であるかどうかを決定する方法を提供する。この
方法は(a)測定可能LXR生物活性を持つ検定システムを提供し、(b)検定
システムを候補化合物を接触させ、また(c)LXR生物活性を測定することを
伴い、ここで候補化合物と接触されない対応する対照検定システムでのLXR生
物活性に比べて、LXR生物活性の調節は、候補化合物が疾病または異常の処置
に有用であることを示す。
【0046】 第33の見地において、本発明は候補化合物がABC1生物活性を調節するの
に有用であるかどうかを決定する方法を提供する。この方法は(a)測定可能な
LXR生物活性を持つ検定システムを提供し、(b)検定システムを候補化合物
に接触させ、また(c)LXR生物活性を測定することを伴い、ここで候補化合
物と接触されない対応する対照検定システムでのLXR生物活性に比べて、LX
R生物活性の調節は候補化合物がABC1生物活性を調節するのに有用であるこ
とを示す。望ましくは、LXR生物活性はABC1発現の調節である。
【0047】 第34の見地において、本発明はABC1生物活性を調節する能力を試験する
化合物を確認する方法を提供する。この方法は(a)被験者または細胞を候補化
合物と接触させ、(b)被験者または細胞でのLXR遺伝子産物の活性を検定す
ることを伴い、ここで候補化合物と接触されない対応する対照被験者または細胞
での活性に比べて活性の調節は候補化合物がABC1の生物活性を調節する能力
を試験する化合物として確認する。
【0048】 第35の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置に有用な化合物を確認する検定でLXR遺伝子産物の使用を提供する
【0049】 第36の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常の処置のためにLXR遺伝子産物の活性または発現を調節する化合物の使用
に特に関する。
【0050】 第37の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常を処置する能力を試験される化合物を確認する方法を提供する。この方法は
(a)測定可能LXR生物活性を持つ検定システムを提供し、(b)検定システ
ムを候補化合物と接触させ、また(c)LXR生物活性を測定することを伴い、
ここで候補化合物と接触されない対応する対照検定システムでのLXR生物活性
に比べて、LXR生物活性の調節は候補化合物を疾病または異常を処置する能力
を試験される化合物として確認する。
【0051】 第38の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常を処置する能力のために候補LXRアゴニストをスクリーニングする方法を
提供する。この方法は(a)検定システムを候補LXRアゴニストと接触させ、
また(b)細胞のコレステロール流出活性を測定することを伴い、ここで候補L
XRアゴニストに接触されない対応する対照細胞でのコレステロール流出に比べ
て、細胞でのコレステロール流出活性は候補LXRアゴニストが疾病または異常
を処置するのに有用であることを示す。
【0052】 第39の見地において、本発明は正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病または
異常を処置する能力について候補LXR調節化合物をスクリーニングする方法を
提供する。この方法は(a)細胞を候補LXR調節化合物に接触させ、また(b
)細胞のABC1活性を測定することを伴い、ここでLXR調節化合物は接触さ
れない対応する対照細胞でのABC1生物活性に比べて、細胞でのABC1生物
活性の増加はLXR調節化合物が疾病または異常を処置するのに有用であること
を示す。
【0053】 も一つの見地において、本発明は候補化合物がトリグリセリド水準を調節する
のに有用であるかどうかを決定する方法を提供する。この方法は(a)配列識別
番号5のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチドを含む細胞を提供し、
(b)細胞を候補化合物と接触させ、また(c)ABC1ポリペプチドの半減期
を測定することを伴い、ここで化合物に接触されない対応する対照細胞での半減
期に比べて、前記半減期の増加は候補化合物がトリグリセリド水準を調節するの
に有用であることを示す。
【0054】 関連する見地において、本発明は候補化合物がABC1生物活性を擬態するか
どうかを決定する方法に特に関する。この方法は(a)ABC1ポリペプチドを
発現しない細胞を提供し、(b)この細胞を候補化合物と接触させ、また(c)
細胞のABC1生物活性を測定することを含み、ここで化合物と接触されない対
応する対照細胞に比べて、変更ABC1生物活性は候補化合物がABC1生物活
性を調節することを示す。望ましくは、この細胞はABC1ヌル変異を持つ。一
つの望ましい実施例において、この細胞はそのABC1遺伝子が変異されている
マウスまたはニワトリ(例えばWHAMニワトリ)に存在する。
【0055】 本発明のスクリーニング法の望ましい実施例において、この細胞は動物に存在
する。望ましい生物活性はコレステロール(例えばHDLコレステロールまたは
LDLコレステロール)あるいはインターロイキン−1の輸送であり、もしくは
ABC1ポリペプチドによるATPの結合または加水分解である。望ましくはス
クリーニング法に使用されるABC1ポリペプチドは、配列識別番号5のアミノ
酸1乃至60を含む。選択として、ABC1ポリペプチドは高緊縮条件下で配列
識別番号6のヌクレオチド75乃至254にハイブリッド形成するヌクレオチド
配列によりコードされる領域を含むことができる。望ましくは被験者はヒトであ
る。望ましくは細胞または検定システムは、配列識別番号94、配列識別番号9
2より成るグループから選択されるLXREの外因性供給複製およびイントロン
1の3′末端のヌクレオチド−7670でのLXREコンセンサスモチーフを持
つ。本発明の各種の方法に関して、望ましいLXR生物活性はABC1発現の調
節である。望ましいLXR遺伝子産物はABC1核酸分子またはタンパク質であ
る。
【0056】 ABC1調節領域の追加配列はここで記載された方法を使用して4I8,31
J20,47O19,または179G21リサーチ・ジェネティクスRPCI−
11 BACsの残部を配列化することにより決定されるということも熟慮され
ねばならない。これらの領域の少なくとも50,100,150,300,50
0,750,1000,2000,3000,4000,5000の連続ヌクレ
オチドに事実上同一の領域を含む事実上純粋な核酸は本発明の方法に使用される
【0057】 「ポリペプチド」とは、糖化またはリン酸化等の翻訳後修飾にも拘らず2個以
上のアミノ酸のいずれかの鎖を意味する。
【0058】 「レポーター遺伝子」とは、物理的、免疫学的、化学的、生化学的、または生
物学的検定によりその発現が検出可能およびまたは計量可能な産物をコードする
いずれかの遺伝子を意味する。レポーター遺伝子産物は、例えば以下の属性、す
なわち特異的な核酸/チップハイブリッド形成パターン、蛍光(例えばグリーン
蛍光タンパク質)、酸素活性(例えばlacZ/β−ガラクトシダーゼ、ルシフ
ェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)、毒性(例えば
リシンA)、または第2分子により特異的に結合される能力(例えばビオチンま
たは検出可能標識抗体)などの属性の一つを制約なしに持つことができる。当業
者が十分利用できるレポーター遺伝子のいずれかの遺伝子操作バリアントも前記
定義に制約なく含まれる。
【0059】 「遺伝子操作可能に連結される」とは、遺伝子および調節配列が調節配列の制
御の下で遺伝子産物の発現を可能にするように結合されることを意味する。プロ
モーターも遺伝子産物の発現がプロモーターの制御の下にある遺伝子に遺伝子操
作可能に結合されることを意味する。
【0060】 「調節領域」とは、プロモーターおよび遺伝子(例えばレポーター遺伝子)に
遺伝子操作的に結合された時、プロモーターからの遺伝子の発現を調節できる領
域を意味する。調節配列は、例えばここに記載されたイントロン配列で見出され
るもののような核ホルモン転写因子結合部位を含む。
【0061】 「プロモーター」とは、遺伝子操作結合遺伝子の転写に指向するのに十分な最
小配列を意味する。
【0062】 「事実上同一」とは、参照アミノ酸または核酸配列と少なくとも50%、望ま
しくは85%、より望ましくは90%、またもっとも望ましくは95%の同一性
を示すポリペプチドまたは核酸を意味する。ポリペプチドでは、比較配列の長さ
は一般に少なくとも16個のアミノ酸、望ましくは少なくとも20個のアミノ酸
、より望ましくは25個のアミノ酸、またもっとも望ましくは35個のアミノ酸
である。核酸では、比較配列の長さは一般に少なくとも50個のヌクレオチド、
望ましくは少なくとも60個のヌクレオチド、より望ましくは少なくとも75個
のヌクレオチド、またもっとも望ましくは少なくとも110個のヌクレオチドで
ある。一つの配列は第2の配列と比較された時に、20%またはそれ以下の追加
または欠失(すなわちギャップ)を含む。配列の最適アラインメントは、例えば
ギッシュとステーツ(ネイチャー・ジェネティクス、3巻:266−279ペー
ジ:1993年)、アルツサル他(ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー、215巻:403−410ページ、(1990年)、マッデン他(メトヘ
モグロビン酵素学、266巻:131−141ページ、1996年)アルツサル
他(核酸研究、25巻:3389−3402ページ、1997年)、またはザン
他(ジーノーム・リサーチ、7巻:649−656ページ、1997年)の方法
により実施される。
【0063】 配列の同一性は典型的にはそこに特定されたデフォールトパラメーターでの配
列分析ソフトウェア(例えばジェネティクス・コンピューター・グループの配列
分析ソフトウェアパッケージ、53705 ウィスコンシン、マジソン、ユニバ
ーシティ・アベニュー 1710、ユニバーシティ・オブ・ウィスコンシン・バ
イオテクノロジーセンター)を用いて測定される。このソフトウェアプログラム
は各種の置換、欠失、および他の修飾に対し相同の度合を割当てることで類似の
配列に適合する。保存置換は典型的には下記のグループ:すなわちグリシン、ア
ラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ア
スパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、およびフ
ェニルアラニン、チロシン内での置換を含む。
【0064】 「事実上純粋な核酸」とは、本発明の核酸が誘導される生体の自然発生ゲノム
で核酸に隣接する遺伝子を欠いている核酸を意味する。この用語は従って、例え
ばベクターに、自動複製プラスミドまたはウイルスに、原核または真核細胞のゲ
ノム核酸に組み込まれる、あるいは他の配列から独立した別の分子(例えばPC
Rまたは制限エンドヌクレアーゼ消化で産生されるcDNAまたはゲノムあるい
はcDNA断片)として存在する組換え核酸を含む。それは更に追加のポリペプ
チド配列をコード化するハイブリッド遺伝子の部分である組換え核酸を含む。
【0065】 「高い緊縮条件」とは、少なくとも40個のヌクレオチドのDNAプローブ長
さで2X SSC、40℃でハイブリッド形成することを意味する。高い緊縮条
件の他の定義については、ここで引用例として組み込まれているF.アウスベル
他、分子生物学での現在のプロトコル、6.3.1−6.3.6ページ、ジョン
・ワイリー・アンド・サンズ、ニューヨーク、ニューヨーク、1994年を参照
されたい。
【0066】 「調節する」とは増加または減少を意味する。望ましくは、LXR仲介転写、
RXR仲介転写、ABC1遺伝子発現、HDL−C水準、またはトリグリセリド
水準を調節する化合物は、少なくとも5%、より望ましくは少なくとも10%、
またもっとも望ましくは少なくとも25%、あるいは少なくとも50%でさえ調
節する。
【0067】 「精製抗体」とは重量で少なくとも60%のタンパク質と、タンパク質が自然
関連する自然発生有機分子を欠いている抗体を意味する。望ましくは、その調製
は重量で少なくとも75%、より望ましくは90%、またもっとも望ましくは少
なくとも重量で99%の抗体である。精製抗体は多分例えば組換え産生タンパク
質または保存モチーフペプチドを用いるアフィニティクロマトグラフィーおよび
標準手法により得ることができる。
【0068】 「特異的に結合する」とは、例えばヒトABC1ポリペプチドを認識し結合す
るが、例えばサンプル、例えば自然にタンパク質を含む生物学的サンプル内で他
の非ABC1分子を事実上認識せずまた結合もしない抗体を意味する。望ましい
抗体は図2A(配列識別番号5)のABC1ポリペプチド配列と結合する。
【0069】 「多型性」とは、ヌクレオチドまたはヌクレオチド領域がいくつかの異なった
形態で発生することで特徴付けられることを意味する。「突然異変」はコード化
タンパク質の発現水準、安定性、機能または生物活性が事実上変更される多型性
の形態である。
【0070】 「LXR」とは、核内受容体LXRαとLXRβを意味する望ましいLXRs
はヒトLXRα(ジェンバンク、アクセス番号Q13133)とヒトLXRβ(
ジェンバンク、アクセス番号P55055)を含む(アプフェル他、分子細胞生
物学、14巻:7025−7035ページ、1994年:ワイリー他、遺伝子の
発度、9巻:1033−1045ページ、1995年:およびソング他、全米科
学アカデミー紀要、91巻:10809−10813ページ、1995年を参照
されたい。これらのそれぞれは引用文献としてここに組込まれている。
【0071】 「RXR」とは、核内受容体RXRα、RXRβおよびRXRγを意味する。
望ましいRXRsはヒトRXRα(ジェンバンク、アクセス番号Q13133)
ヒトRXRβ(ジェンバンク、アクセス番号S37781)、およびヒトRXR
γ(ジェンバンクアクセス番号Q13133)を含む。
【0072】 「ABC輸送体」または「ABCポリペプチド」とは、ATPを加水分解し物
質を膜を通して輸送するいずれかの輸送体を意味する。望ましくは、ABC輸送
体ポリペプチドはATB結合カセットと膜貫通領域を含む。ABC輸送体の例は
必ずしもそれに限定されないが、ABC1、ABC2、ABCRおよびABC8
を含む。
【0073】 「ABC1ポリペプチド」とは、配列識別番号5のアミノ酸配列を持つABC
1ポリペプチドと事実上同一性を持つポリペプチドを意味する。
【0074】 「ABC生物活性」または「ABC1生物活性」とは、ATPの加水分解また
は結合、化合物(例えばコレステロール、インターロイキン1)あるいは膜を貫
通するイオンの輸送、またはコレステロールもしくはリン脂質水準(例えばHD
LコレステロールまたはLDLコレステロール水準の増加あるいは減少のいずれ
かによって)の調節を意味する。
【0075】 本発明はABC1生物活性または発現を調節する化合物を投与することにより
低HDL−Cおよびまたは正常よりも高いトリグリセリド水準を持つ患者を処置
する方法を提供する。例えば化合物は、LXR/RXRヘテロダイマーの転写活
性を調節する。LXR転写活性またはRXR転写活性を調節する多くの化合物は
従来の知識で公知である。本発明の望ましい化合物はオシキステロールである。
追加の化合物はここで記載される。
【0076】 本発明はヒト患者に使用できる治療化合物(コレステロール調節剤、トリグリ
セリド調節剤、または抗CVD薬剤)を確認するスクリーニング手順を提供する
。ABC1生物活性または発現を調節する化合物はABC濃度、タンパク質安定
性、制御された異化作用、あるいは他のタンパク質または因子と結合する能力を
調節する化合物として本発明で有用と考えられる。一般に本発明のスクリーニン
グ法はいずれかの数の試験管内または生体内実験システムを採用することにより
治療活性剤としてのいくつかの数の化合物をスクリーニングすることを伴う。こ
のような化合物の確認のために有用な代表的な方法は以下で説明される。
【0077】 本発明の方法は低HDL、正常より高いトリグリセリド水準、およびCVDの
処置と予防のための活性剤の評価、確認および開発を単純化する。一般にスクリ
ーニング法は更に評価されいくつかの活性および選択材料に濃縮される大きな集
団からの対象となる自然産物抽出物または化合物を選択するためのたやすい手段
を提供する。このプールの成分は次いでそのHDL上昇、トリグリセリド低下、
抗CVD活性、またはこれらのものの組合せを決定するために、本発明の方法で
精製され評価される。
【0078】 本発明の他の特性と利点とは以下の望ましい実施例の下記の明細書から明らか
になるであろう。
【0079】 我々はこれまでにヒトABC1(ABCA1としても知られるもの)ゲノム領
域がLXRs、RXRs、PPARs、SREBPsおよびRORsなどの転写
因子のコンセンサス結合部位を含むことを発見した。本発明においては、我々は
同じく転写因子のコンセンサス結合部位を含むABC1調節領域の配列を報告す
る。我々はまたABC1変異のヘテロ接合体が加齢によるHDLの減少、トリグ
リセリド水準の増加、および著しく増加したCADのリスクを持つことを発見し
た。更にこの表現型は流出ときわめて相関しており、明らかにコレステロール逆
輸送の機能障害が減少した血漿HDLコレステロール、増加トリグリセリド水準
、および増加アテローム発生と関連することを示している。従って本発明はAB
C1機能を増加し、その結果血漿HDLコレステロールの増加、トリグリセリド
水準の減少、アテローム発生に対する防御、またはこれらの作用の組合せを生じ
る治療法を確認するスクリーニング法に特に関する。
【0080】 遺伝子はHDL水準に影響する重要な役割を果す。タンジアー病(TD)は最
初に報告された遺伝的なHDL欠損であった。最近までTDの分子主成分は未知
であったが、現在ではABC1の変異が(下記の通り)TD患者で確認されてい
る。例えば我々は2個の追加発端者とそのファミリーを同定し、連鎖を確認し、
限定されたゲノム領域に対する遺伝子座を精緻化した。これら2個のファミリー
の4個のすべての対立遺伝子を説明するABC1遺伝子の突然変異は検出された
。低HDL水準のより多くの原因は異なった疾患、家族性HDL欠損(FHA)
である。独立した連鎖、減数***組換え体およびハプロタイプ関連疾患を基礎に
して、FHAはABC1遺伝子を取り囲む小さなゲノム領域に局在化された。保
存残基内の突然変異はFHAで分離された。線維芽細胞内のABC1転写物のア
ンチセンス減数***はコレステロール流出の著しい減少と関係していた。
【0081】 コレステロールは通常細胞内脂質で組立てられ分泌されるが、TDではこのプ
ロセスは転換されコレステロールはリソソームに分解される。コレステロールの
細胞間通行の障害は、リソソームの形態的変化とゴルジ装置と、組織球、シュヴ
ァン細胞、平滑筋細胞、肥胖細胞および線維芽細胞でのコレステロールエステル
の蓄積と関連した細胞内コレステロールエステルの蓄積の増加を来たす。
【0082】 TDを持つ患者の臨床および生化学的異種混交は遺伝的異種混交もまたこの疾
患に横たわる可能性に導く。これを考慮して、我々はまず異なった先祖(TD−
1はオランダ人、TD−2はイギリス人;フローリッヒ他、Clin.Inve
st.Med.10巻;377−382ページ、1987年)のこれら2家族の
連鎖分析を行い、これらの家族にあるTDに横たわる遺伝的突然変異が同じ9q
31領域に局在化され、これに対してTDを持つ大型家族が特定されたことを確
認した(ラスト他、ネイチャー・ジェネティクス、20巻、96−98ページ、
1998年)。詳細なハプロタイプ分析は物理的地図の構築と共にこの遺伝子の
局在化を明らかにした。ABC1遺伝子の突然変異がTDで発見された。
【0083】 FHAはその正確な頻度は知られていないけれどもTDより多く一般にある。
TDは今日まで40家族のみであると記載されている一方、我々はオランダとケ
ベックだけで40FHA家族を同定した。9q31への連鎖の最初の提案の後、
この領域での約10cMに拡がる13個の多型性標識が類別されD9S277で
最高のLOD得点をした。その両親の血族の故でTDに近い標識にホモ接合性で
あることが期待されたTD−2発端者でのマーカーのホモ結合性についての分析
は、TD遺伝子をD95127の遠位の遺伝子に置いた。TDとFHA家族から
組合せた遺伝子データはD9S127とD9S1866の間の約1,000キロ
ベースに広がる同一ゲノムセグメントに向けられた。ABC1輸送体遺伝子は最
小ゲノム領域内に含まれた。一家族のRT−PCR分析はABC1の第1膜貫通
領域の残基693(Δ693)でのロイシンの欠失を示し、これはこの家族での
HDL欠失の表現型で分離された。
【0084】 ABC1はATP結合カセット(ABC輸送体)上科の部分であり、それは膜
を貫通する各種多様な基質のエネルギー依存輸送を伴う(ディーン他、Curr
.Opin.Gen.Dev.5巻、779−785ページ、1995年)。こ
れらのタンパク質はこのクラスのタンパク質を他のATP結合タンパク質から区
別する進化を通じて保存された特有のモチーフを持つ。ヒトではこれらの遺伝子
は基本的に2個のATP結合セグメントと2個の膜貫通ドメインをコード化する
(ディーン他、Curr.Opin.Gen.Dev.5巻、779−785ペ
ージ、1995年)。我々はこれからABC1輸送体が細胞間コレステロール輸
送にとって重要であることを示していく。
【0085】 我々はオリゴヌクレオチドアンチセンスアプローチを用いるABC1転写物の
減数***が流出を減少させたことを示し、その遺伝子とその機能作用内の変更の
間の結合を明らかに示した。TDとFHAは今ではタンパク質のABC基に欠損
があるため遺伝病の成長するリストに加わっており、それは嚢胞性線維症(ジー
レンスキー他、Ann.Rev.Genet.,29巻、777−807ページ
、1995年)、副腎脳白質ジストロフィー(モッサー他、ネイチャ−、361
巻、726−730ページ、1993年)。ツェルヴェーガー症候群(ゲルトナ
ー他、Nat.Genet.1巻23、1992年)、進行性家族性肝臓内胆汁
うつ滞(ブル他、Nat.Genet.18巻、219−224ページ、199
8年)、およびシュタルガルト病を含む異なった眼の疾患、(アリクメッツ他、
Nat.Genet.15巻、236−246ページ、1997年)、常染色体
退縮性色素性網膜炎(アリクメッツ他、サイエンス、277巻、1805−18
07ページ、1997年)、および錐杆体ディストロフィー(クレマース他、H
um.Mol.Genet.7巻、355−362ページ1998年)を含む。
【0086】 TDの患者は、タンジアー病が常染色体退縮性疾患(OMIM 20540)
であるのに対してFHAは常染色体優性形質(OMIM 10768)として遺
伝することでFHAの患者とは区別されてきた。更にTDを持つ患者はFHA患
者には見られない細胞内コレステロール蓄積の明らかな証拠が見られる。TDの
ヘテロ接合体がHDL水準をしっかり減少させ、また同じメカニズムがTDと同
じくFHAのヘテロ接合体で見られるHDLの欠損とコレステロール流出の欠損
に横たわることは明らかである。更にTDでのより厳しい表現型がABC1遺伝
子の対立遺伝子両方からの機能の損失を表している。
【0087】 ABC1はおそらくはリン酸化を経由してプロテインキナーゼにより活性化さ
れ、それはまたコレステロール流出を促進する際にプロテインキナーゼCの基本
的役割のための一つの説明を提供する(ドロブニク他、Arterioscle
r.Thromb.Vasc.Biol.15巻、1369−1377ページ、
1995年)。小胞体とゴルジの間の通行を阻害するブレフェルジンは、多分A
BC1生物活性の阻害を通じて基本的にABC1内の突然変異の作用を再産生し
てコレステロール流出を著しく阻害する。この発見は未成熟のアテローム硬化に
導くメカニズムの理解にとって重要である。TDホモ接合体は38年にわたる冠
状動脈症の徴候を持つTD−I(III−01)の発端者に見られるように未成
熟冠状動脈症を成長させる。TD患者が著しく減少したHDLを提示するのに加
えて、更に低LDLコレステロールを有し、しかもまだこれにも拘らずアテロー
ム硬化を成長させるので注目するに値する。これはアテローム発生の重要なメカ
ニズムとしてHDL細胞内輸送の重要性を際立たせる。TDのヘテロ接合体が更
に未成熟の血管病のリスクを増加させる著しい証拠も存在する(シェーファー他
、Ann.Int.Med.93巻、261−266ページ、1980年;セル
ファティ−ラクロスニエール他,アテローム硬化,107巻85−98ページ,
1994年)。更にFHAを持つ何人かの発端者に未成熟アテローム硬化の予備
証拠が存在する。例えばFHA−2(III−01)の発端者は46歳で冠状動
脈バイパス移植を受け、一方FHA−3の発端者は約50歳の頃CADの証拠を
示した。TD−1発端者はTD−2発端者よりもより厳しい流出欠損を有してい
た。興味深いことに、TD−2発端者は彼が関係のない原因で62歳で死亡した
時にCADの何らの徴候も示さず、(突然変異の性質により部分的に仲介された
)コレステロール流出の度合とアテローム硬化の尤度との間の関係のための予備
証拠を提供した。
【0088】 ABC1遺伝子はコレステロール輸送、とりわけ単球と線維芽細胞での細胞内
コレステロール輸送に重大な役割を果す。それはまた神経系、胃腸管、角膜など
の他の組織で重要な役割を果す。完全に欠損のある細胞内コレステロール輸送は
末梢神経障害、角膜混濁、およびコレステロールエステルの直腸粘膜への付着を
来たす。
【0089】 HDL欠損は事実上異質性のものである。TDとFHAの遺伝的基礎について
の概要説明は細胞内コレステロールと輸送でのこの特殊な経路、およびアテロー
ム硬化の病因におけるその役割の重要性を引き起こす。TDとFHAの分子的基
礎の解明は細胞からのコレステロール流出の貧弱に定義された経路での主要なス
テップを定義し、総集団でのHDL欠損を持つ患者の処置に対する新しいアプロ
ーチに導くことができた。
【0090】 HDLは数多くの他の生物学的プロセスで意味を持ってきた。それは必ずしも
それに限定されないが、リポタンパク質酸化の予防、内毒素の吸収、ブルースト
リパノソーマ感染からの保護、内皮細胞の調節、血小板の凝縮の防止を含む(ジ
ェネスト他、J.Invest.Med.47巻、31−42ページ、1999
年、ここで引用例として組み込まれる。HDL水準を調節するいずれかの化合物
は、前記プロセスの一つまたはそれ以上を調節するのに有用である。ABC1が
HDLを調節するように機能するという本発見は初めてABC1を前記プロセス
に結合させる。
【0091】 流出経路の主要イニシエーターとしてABC1タンパク質を同定することによ
り、流出、HDL、トリグリセリド水準、およびCADの間の関係を直接検討す
ることが可能となってきている。診断が変異同定により行われる場合には大きな
コホートでABC1遺伝子のいくつかの変異に対するヘテロ接合体の表現型を我
々は特徴付けた。更にヘテロ接合体の表現型は影響されないファミリーメンバー
の表現型と比較され、少なくとも部分的には他の遺伝子および環境の影響に対し
て結果が制限されえるようにされた。これとは逆に、真正ヘテロ接合体でのこれ
までの研究は小さな数に限定され、しばしば単一ファミリーの接合もあり、その
ため年齢にわたる多重変異での表現型発現を分析する能力が制約されていた。
【0092】 ABC1遺伝子での多重変異に対してヘテロ接合性である77個体のコホート
が同定され、11家族での13ABC1変異の特徴づけが可能になった(5TD
,6FHA)。ABC1へテロ接合体はHDLコレステロールとapoAIが約
50%の減少を示し、またそれほどではないがapoAIIも著しく減少してい
る。加えてABC1へテロ接合体は増加したトリグリセリドを持つが、TD患者
とは逆にLDLコレステロールには殆んど著しい変化がない。HDL,apoA
I、およびトリグリセリドでの変化は遺伝子用量依存性であり、これはそれらの
ものがABC1機能と直接関連することを示唆している。更にヘテロ接合体は影
響を受けていない個体と比べると進行性CADと共に平均発症年齢で3倍以上の
増加リスクを持つ。更に流出でもっともきびしい欠損を持つヘテロ接合体はCA
Dの頻度と発症度がより高かった。興味深いことに、ヘテロ接合体で観察される
表現型の発症度は変異依存性のように見えたが変異の部位と表現型の間には何ら
明白な関係はみられなかった。ミスセンス突然変異の保因者よりも切形またはヌ
ル対立遺伝子を生じるきびしい変異の保因者がより低いHDLに向う傾向がみら
れた。一つの注目すべき例外は、影響を受ける家族メンバーでのHDLコレステ
ロールと流出が著しく減少するもっともきびしい表現型を持つM1091Tミス
センス変異であり、この変異が優性ネガティブ(変異体)のように行動し野生型
対立遺伝子の機能を下方調節することを示唆している。も一つの興味深い発見は
タンパク質のまさにC末端領域での変異の小さなクラスターであり、これはこの
領域がABC1機能にとって重要であることを示している。
【0093】 ABC1へテロ接合体でのきびしいHDL欠損は残存コレステロール流出がH
DLコレステロール水準の主要な決定因子であることを示唆している。ここで我
々はコレステロール流出とHDLコレステロール水準の間の比較流出での各8%
の増加がHDLコレステロール水準での0.1mmol/Lの増加と関連してい
ることが予測される。例えば40歳の男性でHDLコレステロール30%の増加
を実行するためには、ABC1仲介コレステロール流出で50%の増加が必要と
されるであろう。これらの数字は、他の遺伝因子および環境因子が制御されてい
ない一般集団で観察されるものを直接外挿するものではないが、それにも拘らず
これらのデータは、ABC1機能での相対的に小さな変化が血漿HDLコレステ
ロール水準に著しい影響を与えることを示唆している。更にここで提示されるデ
ータは、ABC1機能での変化に起因する流出の変化が血漿HDLコレステロー
ル水準だけでなくトリグリセリド水準とCAD罹患性に直接影響を与え、かくし
て逆コレステロール輸送仮説の実証とHDLコレステロールを上昇させトリグリ
セリド水準を低下しまたアテローム発生を防御する治療標的としてのABC1の
実証を提供する。
【0094】 ABC1ヘテロ接合体の表現型は更に年齢調節される。対照コホートのメンバ
ーで20歳の人から、非常に少ないけれども、ヘテロ接合体には明らかに存在し
ない加齢と共にHDLが決定的に増加する。この発見についての一つの説明は、
通常年齢と関連してABC1機能の増加があり、これはヘテロ接合体では見られ
ないものであるが多分残存機能実行対立遺伝子が細胞間コレステロールの増加に
二義的に最大に上向き調節されているためであろう。ヘテロ接合体でのABC1
機能の年齢関連増加の欠除は老齢者グループでのヘテロ接合体と対照個体の間の
HDL水準の差を誇張するためであろう。ABC輸送体の発現で年齢関連調節増
加に関しいくつかの証拠が存在する(グプタ、薬剤エージング、7巻:19−2
0ページ、1995年)。更にABC1機能での潜在的年齢調節増加の証拠は、
優れたコレステロール受容体であるHDLのプレβ亜分画で見出されるapoA
Iの割合が年齢と共に減少し、年齢と共に成熟α移動HDLの形成の増加を示唆
するという観察から得られる。
【0095】 退化成長評価ステティン研究において、R219K ABC1変異の保因者が
この変異なしで個体化する著しく低いトリグリセリド水準を持つことが発見され
た。この結果は野生型ABC1でArg219近くで結合するか、もしくはR2
19K ABC1バリアントでLys219により供給される機能を擬態する化
合物はトリグリセリド水準を低下させ、従ってCADのリスクを減少させる。加
えてV399A ABC1バリアントの保因者はこのバリアントを持たない個体
よりもより高いHDL水準とより少ない冠状動脈症の事象を持っていた。かくし
て野生型ABC1でのVa1399近くで結合し、またはV339A ABC1
バリアントでA1a399で供給される機能を擬態する化合物は、コレステロー
ル水準を増加しCADのリスクを減少させる。個体内でのR219KまたはV3
99A ABC1バリアントの存在または不在を決定することは、これらの被験
者のための治療法(HDL低下、トリグリセリド上昇、または抗CADなどの治
療法)を選択するのに有用である。
【0096】 以下の実施例は本発明を説明するものである。それは本発明を何らかの方法で
限定することを意味するものではない。
【0097】
【発明を実施するための最良の形態】
TD家族の分析 コレステロール流出の研究 発端者の両者は、TD患者でこれまでに示されたものと類似のコレステロール
流出の著しい欠損を持っていた。TD−1はオランダ人の家系であり、一方TD
−2はイギリス人の家系である。
【0098】 物理的地図の連鎖分析と立証 多重DNA標識はTDへの連鎖が記載された9q31の領域で遺伝子型にされ
た(ラスト他、Nat.Genet.20巻、96−98ページ(1998年)
。2点連鎖分析は10cMまでの間隔ですべての標識に対する連鎖の重要な証拠
でD9S1832で6.49のLOD得点で最大のピークを与えた。もっとも近
接した標識D9S1690での組換えはTD−1家族のII−09で見られ、疾
病遺伝子に対するセントロメア(動原体)境界を提供した。これらデータの多重
点連鎖分析は疾病形質遺伝子座の位置決めの精度を高めなかった。
【0099】 この領域で約10cMに拡がる物理的地図はYACコンティーグの発現で確立
された。加えて、この特殊な領域で拡がる22個の他の多型性多対立遺伝子標識
はコンティーグに地図化され、これらのサブセットは更なる分析のためにハプロ
タイプ(アロタイプ)の構築に使用された。
【0100】 オランダ家系の家族は何らの血族関係も示さなかったが、TD−2の発端者は
、近親血族結婚の子孫であった。我々は従ってこの発端者が突然変異のホモ接合
体であり、一方オランダ家族の発端者は複雑なヘテロ接合体であるらしいと仮定
した。オランダ発端者は完全に異なったハプロタイプを持つ突然変異を示し、こ
の仮説を支持した。
【0101】 TD−2発端者はD9S127に遠位で、試験されたすべての標識にホモ接合
性であったが、D9S127とそれにセントロメアであるDNA標識でヘテロ接
合性であった。これはTDに対する遺伝子がD9S127にテロメア性であるゲ
ノム領域に位置を占めたようであり、またホモ接合性を示す標識で取り込まれた
ことを示唆していた。
【0102】 突然変異の検出 TDを持つ患者における細胞内コレステロール輸送の欠陥に基づいて、我々は
このプロセスで役割を果すことに関連するこの領域での遺伝子のESTデータベ
ースを調査した。
【0103】 ABC1輸送体遺伝子はこれまで9q31に位置付けられたが、その正確な物
理的位置は決定されなかった(ルチアーニ他 ジェノミクス、21:150−1
59、1994)。ABC1遺伝子はアミの酸、ペプチド、ビタミン、ステロイ
ドホルモンを含む異なった基質の膜輸送を伴う高度保存タンパク質の上科を表す
ATP結合カセット輸送体のメンバーである(ルチアーニ他、ジェノミクス、2
1巻:150−159ページ,1994年。ディーン他、Curr.Opin.
Gen.Dev.5巻:779−785ページ、1995年)。この遺伝子の3
’UTRに対するプライマーは、それがTDに対する強力な候補であるためにそ
れと適合するD9S306(887−B2と930−D3)に拡がるYACに位
置付けられた。我々は標識D9S306の周りに約800キロベースに拡がるB
ACの大型ゲノム配列化を開始した。(リサーチ・ジェネティクスRDCI−1
1 BACs:418,31J20,47O19,および179G21,これら
は合衆国,35801 アラバマ,ハンツビル,メモリアルパークウェイ 21
30にあるリサーチ・ジェネティクスから公式に利用できる)BACs 4I8
,31520,47O19,および179G21はそれぞれ前に記載したBAC
s 269,274,279および291と同一である(U.S.S.N.09
/526,193;U.S.S.N.60/124,702;U.S.S.N.
60/138,048;U.S.S.N.60/139,600;U.S.S.
N.60/151,977;ブルックス−ウイルソン他.,Nat.Genet
.22巻:336−345ページ,1999年)。ABC1遺伝子は49個のエ
キソンと少なくとも75キロベースのゲノム配列を含むことが明らかにされた。
コレステロール輸送体としてのこの科の遺伝子の潜在機能および線維芽細胞での
その発現及びTDに横たわる最小ゲノムセグメントの局在化を考慮して、我々は
ABC1を候補として正式に認定した。
【0104】 患者と対照の全繊維芽細胞はノーザンブロット分析とRT−PCRと配列分析
で使用された。TD−1のRT−PCRと配列分析はTD−1発端者でのヘテロ
接合体TからCへの置換を明らかにし、それはマウスとヒトの間の保存残基でア
ルギニンのシステインへの置換を生じるであろう。ABC1遺伝子のエキソン3
1の配列化により確認されたこの突然変異はこの科の一側面での表現型で完全な
分離を示した。この置換はHgaI部位を創り、増幅ゲノムDNAのRFLP分
析と変異の確認を可能にした。エキソン31での点変異はオランダ家系の影響を
受けないヒトからの200個の正常染色体および西ヨーロッパ家系の250個の
染色体で見られず、それが多型性であることは疑わしいことを示している。遺伝
子のエキソン2乃至50を包含するcDNAを用いたこの患者からの繊維芽細胞
RNAのノーザンブロット分析は、正常サイズで約8キロベースの転写物を、ま
た対照RNAあるいはHDL欠損の他の患者からのRNAでは見えない切形変異
体転写物を明らかにした。更にcDNAの離散領域を含むクローンを用いるノー
ザンブロット分析は、変異体転写物がエキソン2乃至50、2乃至42、2乃至
23を含むcDNAでは検出され、エキソン24乃至30に拡がるプローブでは
ずっと不鮮明であり、またエキソン31乃至43を含むプローブ、あるいはエキ
ソン31乃至50に拡がるプローブでは見られなかった。これは対照RNA、H
DL欠損の他の患者および他のTD発端者からのRNAの多数のフィルターでは
繰返され、TD−1でのみ切形転写物が観察された。コーディング領域の配列分
析はこの発見を説明できる配列での変更を明らかにしなかった。更にサザンブロ
ットによるDNA分析は必要な再調整を何も示さなかった。ゲノムDNAでのエ
キソン配列化の完成はこの変異がイントロン24の位置(+1)でのGからCへ
のトランスバージョン変異であることを示し、スプライスドナー部位に影響を与
え異常スプライシングを生じさせることを示した。
【0105】 TD−2の発端者からのABC1遺伝子をコード化する繊維芽細胞RNAのR
T−PCR分析はエキソン14のヌクレオチド1864でAからGへのホモ接合
性ヌクレオチドの変化を明らかにし、マウスとシーエレガンス(土壌線虫)相同
体に保存される残基で最初に予想されたABC1の膜貫通ドメインに丁度近位で
起こる残基597でアルギニンのグルタミンへの置換を生起した。この変異はエ
キソン14内の第2AciI部位を創造する。この科での変異の分離分析は予想
されたように変異と低HDL表現型の間の完全な一致を明らかにした。TD−2
の発端者はこの血族家族に変異を起こす我々の期待する疾病と一致してこの変異
にホモ接合性である。
【0106】 FHA家族の分析 FHAの遺伝子を含む最小ゲノム領域の連鎖結合と改良 フランス系カナダ人の4系統からの個別家族のマイクロサテライト類別化から
のデータが分析された。0.0の組換え分画での9.67の最高LOD得点が染
色体9q31のD9S277で検出された。その後22個の標識がこれらの家族
でこの遺伝子座の周り10cmに広がる領域で類別された。これら標識の頻度は
フランス系血統の無関係で影響を受けない被験者のサンプルから評価された。
【0107】 TDとFHAはかくしてこれまでの所別の臨床および生化学特性を持つ別個の
ものであると見倣されてきた。たとえこれらの疾患に対する遺伝子が同じ領域に
位置するとしても、FHAとTDが同一遺伝子での変異によるもの、あるいは代
替的に、類似の領域の遺伝子によるものであるかどうかは不確定であった。FH
Aの遺伝子を含む領域の改良はハプロタイプ共有の検証と重要な組換え事象の同
定により可能であった。7個の別個の減数***組換え事象がこれらの家族に見ら
れ、これらは潜在的な疾病遺伝子を含む最小ゲノム領域が標識D9S1690と
D9S1866により拡がる約4.4cMゲノムDNAの領域であることを明示
した。この領域は標識D9S277とD9S306を持つ最大LOD得点を明ら
かにしD9S1690にセントロメアでありD9S1866にテロメアである領
域を基本的に排除する2点の連鎖分析の結果と一致する。第8減数***組換え事
象は更にFHA領域をD9S277に遠位に改良した。
【0108】 ここに記載されたように、ABC1遺伝子はこの間隔内に位置を占めた。オー
バーラップ遺伝子データはFHAが事実上TDに対し対立遺伝子にあることを強
く示した。FHAとTDからの一連の遺伝子データの利用はTD−2のホモ接合
性データに基づきD9S1866(減数***組換え)でのテロメア境界とD9S
127でのセントロメア標識を提供した。これはD9S127とD9S1866
の間で遺伝子座を約1Mbに改良した。ABC1遺伝子はこの最小領域内に位置
を占めた。
【0109】 FHAでの突然変異検出 ABC1遺伝子の変異評価がFHA1で行われた。mRNAのオーバーラップ
セグメントを拡げたプライマーを用いて我々はRT−PCR分析を行いこれらの
断片に変異分析を与えた。3個のヌクレオチドの欠失がFHA−1 III.0
1のRT−PCR配列で明らかであり、ヌクレオチド2151−2153の欠損
とアミノ酸693の位置でロイシン(ΔL693)の欠失を生成する。このロイ
シンはマウスとシーエレガンスで保存される。変化はRT−PCR産物と、同じ
くエキソン15特異的増幅からのゲノム配列で検出された。この変異はEarI
制限部位の欠損を来たす。家族からのゲノムDNAの分析は変異がHDL欠失の
表現型と完全に分離したことを示した。EarI部位の欠損はこの変異でヘテロ
接合性の人に残るより大きな断片を生成する。この変異はABC1の第1推定貫
通膜領域に位置を占め、フランス系カナダ人家系の人の130染色体にも、また
他のヨーロッパ血統の人の400染色体以上にも見られなかった。
【0110】 変異は更にケベックからの系統FHA−3の患者ゲノムDNAで発見された。
エキソン42内のヌクレオチド5752−5757の6塩基対欠失はアミノ酸1
893(Glu)と1894(Asp)の欠失をもたらす。この欠失は欠失点か
ら出発する二重に重畳された配列として検出され、双方向での配列読み取りで検
出された。検出は3%アガロースまたは10%ポリアクリルアミドゲルで検出で
き、FHA−3の疾病と共に分離する。それはフランス系カナダ人の128染色
体または他の434対照染色体では見られなかった。アミノ酸1893と189
4はヒト、マウス、シーエレガンスの間で保存され、それが機能的に重要である
ことを意味している。
【0111】 追加の突然変異はケベックからの系統FHA−2の患者ゲノムDNAで発見さ
れた。位置6504でのCからTへの移行という変化は配列識別番号1の位置2
144でアルギニンをSTOPコドンへ転換し、ABC1タンパク質の最後の1
18アミノ酸の切形を起こす。この変化は家族FHA−2の疾病を分離する。
【0112】 ABC1転写物水準とコレステロール流出の変化の間の機能関係 ABC1転写物を減少させ細胞内コレステロール輸送での転写物の変更の作用
を評価するためにアンチセンスアプローチが行われた。ABC1の5’末端への
アンチセンスプライマーの使用は正常RNA水準の約50%の減少を来たした。
これはTDとFHAを持つ患者のヘテロ接合体で見られるものに類似した対立遺
伝子での突然変異による機能の低下に部位的に擬態するものと期待される。重要
なことは、ABC1遺伝子へのmRNAの減少が細胞コレステロール流出の著し
い減少を起こし、更にコレステロール逆輸送でのこのタンパク質の役割を確立し
、検出された変異が機能突然変異の損失を構成するものになるだろうという証拠
も提供したことであった。更にこれらのデータはタンパク質の最初の60アミノ
酸の機能的重要性を支持する。アンチセンスオリゴヌクレオチドDAN−6は新
規な出発コドン5′をAJ012376.1に示されたものに向け、このアンチ
センスオリゴヌクレオチドは効果的に流出を抑制する。
【0113】 ABC1 5′調節配列と5′UTRでの多型 ヒトABC1の5′調節配列(配列識別番号1)でいくつかの多型が同定され
た(図4)。それらの位置の故で、ABC1遺伝子発現が異なるプロモーター多
型を持つヒトの間で異なり、またこれらの個体が更に同一薬剤処理に対して別個
に応答するであろうということの蓋然性がある。かくして、これらの新規に同定
された多型を使用して、どの多型が患者に存在するのかに依存して薬剤処置を仕
立てることができる。特定のABC1多型の存在または不在は更に進行中のCV
Dに対する個体の素因を決定するのに使用することができよう。
【0114】 本発明の方法は下記の材料と方法を用いて実行される。
【0115】 生化学研究 血漿脂質、リポタンパク質コレステロール、ApoAI、およびトリグリセリ
ド分析のため、また−80℃での貯蔵のために血液からEDTA含有管に抽出さ
れる。白血球はDNA抽出のために軟膜から分離される。
【0116】 リポタンパク質測定は別に記載された新鮮血漿で行われる(ログラー他、Ar
terioscler.Thromb.Vasc.Biol.15巻:683−
690ページ、1995年)。脂質、コレステロールおよびトリグリセリド水準
はデキストランマンガンでの沈殿の前後に(分離用超遠心機で得られた)全血漿
とd<1.006g/mLの密度での血漿で測定される。アポリポタンパク質測
定はApoBとApoAIに対する比濁法で行われる。
【0117】 ゲノムクローンアセンブリと9q31領域の物理的地図構築 ホワイトヘッド・インスティチュート/MITセンター・フォー・ゲノム・リ
サーチ地図を参考に使用して、9q31で対象となる遺伝標識がYACコンティ
ーグ内で同定された。公共データベースと文献からの約9q31間隔に位置付け
られた追加標識は次いでPCRとハイブリッド形成分析でYACクローンに対し
て試験された。ハプロタイプ分析に基づき、D9S227とD9S306の間の
領域は細菌人工染色体(BACs)を用いる高次転換物理的地図化研究のための
標的とされた。対象となる領域内でのBACsはDNA標識プローブと、RPC
I−11ヒトBACライブラリーからのクローンを含む高密度フィルターに対し
ての全YACのハイブリッド形成により単離された。
【0118】 配列検索とアラインメント ヒトABC1mRNA配列はジェンバンク・アクセス番号AJ012376.
1でアントレ・ヌクレオチド照会を使ってジェンバンクから検索された(バクセ
バニス他、遺伝子とタンパク質の分析のための実務ガイド、A.D.バクセバニ
ス、B.F.F.ケレット編、98巻:120ページ、1998年)。我々が野
生型(正常)として使用したタンパク質配列のバージョンはCAA10005.
1であった。
【0119】 我々はこれまで信じられてきた出発メチオニンの枠内で追加の60個のアミノ
酸を同定した(図9A)。追加アミノ酸の生物情報分析は短い広がりの塩基性ア
ミノ酸残基、次いで疎水性広がり、更にいくつかの極性残基の存在を示す。これ
はリーダー配列、またはも一つのABC1タンパク質の膜貫通あるいは膜関連領
域を表す。前記の可能性の中に分化するために、アミノ酸1−60の領域に向け
られた抗体は細胞膜と関連するアミノ酸1−60の物理的関係を決定するために
取り上げられ使用される。例えば融合タンパク質の発現および細胞***などの他
の標準方法を使用することもできる。
【0120】 使用されたマウスABC1配列はアクセス番号X75926を持つ。このマウ
ス配列はヒトABC1でここに記載された追加の60個のアミノ酸を欠いている
ために十分不完全であるように見える。
【0121】 クラスタルWのバージョン1.7はデフォールトパラメーターでグラフ上で高
めるためにBOXSHADEで多重配列アラインメントのために使用された(h
ttp://www.isrec.isb−sib.ch:8080/soft
ware/BOX.form.html)。シーエレガンスABC1オルソロー
グはシーエレガンス用の生体フィルターを使うことを除いてデフォールトパラメ
ーターで照会としてCAA1005.1(前記参照)を用いるBLAST(バー
ジョン2.08)で確認された。選択されたタンパク質配列は375の得点と1
03のE値を持つAAC69223.1であった。
【0122】 ゲノムDNA配列化 BAC DNAはニュークレオ・ボンド・プラスミド・マキシ・キット(カリ
フォルニア、パロアルト、クロンテック)を用いて細菌培養から抽出された。D
NA配列化のために、サブライブラリーがまず各BAC DNAsから構築され
た(ローウェン他、自動DNA配列化と分析、M.D.アダムス、C.フィール
ズ、J.C.ベンターズ編、1994)。要約すると、BAC DNAは単離さ
れ噴霧化で無作為の刈り取られた。刈り取られたDNAは次いでアガロースゲル
電気泳動でサイズ分画され、2キロベース以上の断片は収集され、マングマメ・
ヌクレアーゼで処置され、次いで平滑末端を確保するためT4DNAポリメラー
ゼとクレハウ酵素で処置されSmaI切断M13mp19にクローンされた。ラ
ンダムクローンはABI373または377シークエンサーと蛍光標識プライマ
ーで配列された(カリフォルニア、フォスターシティ、アプライド・バイオシス
テムズ)。DNAStarソフトウェアはゲルトレース分析とコンティーグアセ
ンブリのために使用された。すべてのDNA配列はBLASTnをリピート・マ
スカー(ユニバーシティ・オブ・ワシントン)を主として使って利用できる公開
データベースに対して検証された。アセンブルされたコンティーグのそれぞれの
配列は図1A−Dに示される。
【0123】 逆転写(RT)−PCR増幅と配列分析 全RNAはTDとFHA患者の培養繊維芽細胞から単離され、(ザン他、J.
Biol.Chem.27巻:1776−1783ページ、1996年に)記載
されたようにスーパースクリプトII逆転写酵素(メリーランド、ロックビル、
ライフ・テクノロジーズ、インコーポレイテッド)250単位を用いてオリゴd
(T)18を含むCDSプライマーで逆転写された。cDNAは公開されたヒト
ABC1 cDNA配列(ルチアーニ他、ジェノミクス、21巻:150−15
9ページ、1944年)から誘導されるプライマーを用いてTaqDNAポリメ
ラーゼで増幅された。6セットのプライマーに対して各cDNAを増幅するよう
に設計され6個のDNA断片を検出し、それは全長ヒトABC1 cDNAの1
35乃至7014塩基対にわたり連続してオーバーラップされた。ヌクレオチド
は公開ヒトcDNA配列(AJ012376.1)のオーダーに基づき以下の番
号を付される。プライマー対(1):135−158(f)および1183−1
199(r);(2):1080−1107(f)および2247−2273(
r);(3):2171−2197(f)および3376−3404(r);(
4):3323−3353(f)および4587−4617(r);(5)45
15−4539(f)および5782−5811(r);(6)5742−57
69(f)および6985−7014(r)。RT−PCR産物はキアージェン
回転カラムで精製された。配列化は製造業者のプロトコルに従ってTaqジデオ
キシ・ターミネーター・サイクル配列化とビッグダイキットを用いてモデル37
3A自動DNAシークエンサー(アプライド・バイオシステム)で実行された。
【0124】 ノーザンブロット分析 ノーザン伝達とハイブリッド形成は基本的に記載された通りに行われた(ザン
他、J.Biol.Chem.27巻:1776−1783ページ、1996年
)。要約すると、全繊維芽細胞RNAサンプル20μgがホルムアルデヒド7%
の存在下で変性アガロース(1.2%、重量/容積)ゲル内電気泳動で溶解され
、ナイロン膜に移された。フィルターは指示通り32P−標識ヒトABC1 c
DNAでプローブされた。予備ハイブリッド形成とハイブリッド形成が製造業者
のプロトコルに従って68℃でエクスプレスヒブ(ExpressHyb)溶液
(クロンテク)で行われた。
【0125】 細胞培養 皮膚繊維芽細胞培養が文献記載の通りFHD患者と健康な対照被験者の前腕の
3.0mmパンチ生検から確立された(マーシル他、Arterioscler
.Thromb.Vasc.Biol.19:159−169、1999)。
【0126】 細胞コレステロール標識と装荷 細胞コレステロール流出実験のプロトコルに別途詳細に記載された(マーシル
他、Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.19:1
59−169、1999)。細胞は成長の間に3H−コレステロール標識され、
遊離コレステロールは成長停止の際に装荷された。
【0127】 コレステロール流出研究 流出研究は精製ApoAI(10μgタンパク質/mL培地)の存在下で0乃
至24時間行われた。流出は細胞が特定の時間期間保温された後の培地内の遊離
コレストロールのパーセントで決定された。全ての実験は1個の対照被験物から
の細胞と試験される研究被験物からの細胞の存在下で3組ずつで行われた。
【0128】 ABC1遺伝子のゲノム構造の決定 大抵のスプライス部位配列はABC1遺伝子に広がるBACクローンから生成
されたゲノム配列から決定された。160キロベース以上のゲノム配列が生成さ
れた。ゲノム配列はイントロン/エキソンの境界を確認するためにcDNA配列
でアラインされた。ある場合には、隣接エキソンの間の長距離PCRがcDNA
配列に基づき設計された増幅プライマーを用いてイントロン/エキソン境界を増
幅するために使用された。ヒトABC1のゲノム配列は図1A−Dに示される。
【0129】 ABC1ヘテロ接合体の分析 被験者の同定 ABC1遺伝子の変異にヘテロ接合溝の被験者は、前に記載のTDおよびFH
Aの7家族からの個体であった(ブルックス・ウイルソン他、前掲:マーシル他
、前掲)。加えて新しいダンジーマ病3家族(TD3−5)と新しいFHA1血
族FHA6からの接合体個体が含まれていた。第2の変異はTD血族の1人(T
D4)では同定されなかった。しかしABC1に直に隣接する標識は低HDL表
現型も同時分離する。影響を受けるハプロタイプを持つ個体はヘテロ接合体と考
えられた。各家族からの発端者のゲノム配列により同定された変異の存在または
不在は続いてヘテロ接合性および影響されない個体をそれぞれ決定するために、
制限断片長多型(RFLP)により確認された。
【0130】 対照コホートは影響されない11家族のメンバーより成るものであった。これ
らの個体はヘテロ接合性の遺伝的背景を分ち、環境因子は家族のメンバーの間で
類似していると期待される。かくしてHDLに影響する数多くの追加の因子は制
御され、ヘテロ接合体と影響されない個体との間の表現型はABC1遺伝子活性
の変化に大きく帰属する。
【0131】 すべての被験者は本研究に参加することにインフォームドコンセントを与え、
遺伝分析プロトコルはユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア、ア
カデミック・メディカル・センター・イン・アムステルダム、およびクリニカル
・リサーチ・インスティテュート・オブ・モントリオール(IRCM)の各倫理
委員会で承認された。
【0132】 脂質とコレステロール流出測定 ABCA1ヘテロ接合体の脂質水準はバンクーバー、モントリオールおよびア
ムステルダムの標準化脂質診療所で前の記載の通り測定された(ブルックス−ウ
イルソン他、前掲;マーシル他、前掲)。LDLはフリーデバルド他の方法(C
lin.Chem.18巻:499−502ページ,1972年)で計算され、
mmol/Lでの脂質測定を説明するように修飾された。
【0133】 線維芽細胞培養物からの細胞コレステロール流出は前記の通り測定された(ブ
ルックス・ウイルソン他、前掲;マーシル他、前掲)。各実験は三つ組のウエル
で行われ平均された。測定値は同じ実験内に含まれる少なくとも2個の健康対照
の平均に対する各被験者での流出パーセントで報告された。別個実験は少なくと
も2回繰返され、すべての実験にわたる平均相対流出量が使用された。
【0134】 統計値 ヘテロ接合体の分析で、グループ内の平均基線デモグラフィクスと脂質水準の
差が学生のt−試験と比較された。男性と女性の間の頻度の比較または各種百分
位数範囲を通じての分布の比較がカイ二乗検定を用いて行われた。影響を受けた
状態とどちらかの性またはBMIの間の潜在相互作用の分析は一般の線型モデル
を使用して行われた。統計分析はプリズム(グラフパッド・ソフトウェア、バー
ジョン3.00)またはシスタット(SPSSインコーポレイテッド、バージョ
ン8.0)を用いて行われた。すべての値は平均±標準偏差で報告された。
【0135】 ABC1ヘテロ接合体でのHDLコレステロール減少とCADリスクの増加 11家族からの77個体よりなる分析されたコホートはABC1遺伝子の変異
でヘテロ接合性であった。ヘテロ接合体の平均脂質水準とすべての影響されない
家族メンバー(n=156)の平均水準との比較が図6で示される。ヘテロ接合
体は影響されない家族メンバーに比較すると、HDLとapoA−Iで約40−
45%減少し、またapoA−IIでは軽い(約10%)の減少を示した。平均
トリグリセリド値(TG)は影響されない家族メンバーと比べて約40%増加し
、TD患者では更に増加した。TD患者とは異なり、ヘテロ接合体での全コレス
テロールまたはLDLコレステロールのいずれも著しい減少はなく、またapo
B水準はヘテロ接合体で対照ともあまり差はなかった。変異のそれぞれの保因者
での平均HDL水準は影響を受けない家族メンバーと比べて同様に約40−50
%減少した(図9)。
【0136】 ヘテロ接合体表現型は、LRC基準に基づく年齢および性特異的百分位数の一
定の範囲内に入る割合を計算することで検討された(ハイス他、前掲;ハイス他
、血液循環、61巻:302−315ページ、1980年)。ヘテロ接合体表現
型で多くの変化が明らかであった。図5Aで示されるように、著しく高い割合の
ヘテロ接合体が影響されない対照に比べて年齢および性に対して第5百分位数以
下のHDLコレステロールを持っていたが(65%対5%、P<0.0001)
、ヘテロ接合体の5%は年齢と性で第20百分位数以上のHDLを持ち、年齢と
性でHDLは第31百分位数まで達した。かくしてある個体では、低いHDL表
現型は明らかに重症ではなくなる。トリグリセリド(TG)水準の広い分布も明
らかであった(図5B)。ヘテロ接合体個体の著しく低い割合が年齢と性が影響
されない家族メンバーに比べて第20百分位数以下のTGを持ち(p=0.03
)、また著しく大きな割合が第80百分位数以上のTGであった(p=0.00
5)が、この二つの分布の間でかなりの重複が見られた。
【0137】 も一つの重要な疑問は、ABC1変異にヘテロ接合性である個体が冠状動脈病
(CAD)を進展させるリスクを増加するかどうかということである。我々の大
型コホートで、症候性血管病は影響されない家族メンバーでの成人ヘテロ接合体
の3倍以上の頻度であった(図6)。血管病の形態は一般に影響されない家族メ
ンバーよりもヘテロ接合体でより厳しかった(図7)。ヘテロ接合体は(5件、
1件は致死性の)心筋梗塞を持ち多数の介入を要する厳しい血管病を有していた
が影響されない個体では、CADは2例がアンギナでまたも一人80歳での一過
性虚血発作で明白であった。更に平均発症年齢は影響されない対照に比べてヘテ
ロ接合体では平均10年若かった(図6)。
【0138】 ABC1ヘテロ接合体でのコレステロール流出、HDL水準、およびCAD 我々はこれまでにABC1変異にヘテロ接合体の個体がコレステロール流出を
減少させたことを示した。本研究では、コレステロール流出水準、HDLコレス
テロール水準、およびCADの間の関係が更に評価された。ABC1変異にヘテ
ロ接合性の個体の相対的コレステロール流出が、その変異の保因者で観察された
平均HDLコレステロール水準に対してプロットされ、その家族内の影響されな
いメンバーの割合で表現された(図8)。各変異に関連したコレステロール流出
水準は家族の対応するHDLコレステロール水準を強く予測し、HDLコレステ
ロールの変化の82%を占めた(r2=0.82、p=0.005)更に一つの
大きな家族(FHA2)で、流出が3個の独立したヘテロ接合体で測定されたが
、ここの血漿HDL水準がここの流出測定値に対してプロットされた時に、r2
値0.81が得られた。ヘテロ接合体保因者の流出水準(p=0.02)でヘテ
ロ接合体の平均HDL水準の退化方程式を使用してABC1流出活性とHDL水
準の間の期待変化の関係が推定された。この分析に基づき、我々は流出水準で各
8%の変化がDHLコレステロールの0.1mmol/Lの変化と関係するであ
ろうと予測する。
【0139】 相対コレステロール流出水準は更に家族内のCADと関連する。未成熟CAD
のもっとも明白な証拠を持つ家族は最小コレステロール流出の個体を有していた
(図8と図9のボールド部分)。これらのデータは、残存ABC1機能の水準が
HDLコレステロール水準とCADへの感受性両方について重要な決定因子であ
ることを示している。
【0140】 ABC1変異にヘテロ接合性個体での表現型の発病度に対する変異の型と位
置の比較 我々はこれまでFHAへテロ接合体の表現型表示が我々のヘテロ接合体のそれ
よりもずっと厳しいものであることを記載した。更に我々はTD家族よりもFH
A家族タンパク質のより多い欠失と未成熟切形があることも述べた。かくして残
存ABC1活性が表現型の発病度の重要な予言者であるため、ABC1遺伝子で
の変異の表現型発現についての変異の性質の影響が検討された。非機能性対立遺
伝子で生じると期待される厳しい変異はタンパク質の未成熟切形(フレームシフ
ト変異およびノンセンス変異)を起こし、またはタンパク質の天然スプライシン
グを破壊した欠失または変異と定義された。一方ミスセンス変異は単一アミノ酸
のみの変化で起こりまた未だに部分的活性を留めるタンパク質産物で起こる。
【0141】 脂質水準は重症およびミスセンス変異のヘテロ接合体保因者で比較された。ミ
スセンス変異に比べて重症変異の保因者のHDL水準が一方で減少する傾向があ
り、この傾向は有意には達しなかった(図10)。個々のミスセンスと重症変異
でのHDL水準の範囲が観察された(図9)。M1091Tミスセンス変異が流
出の作用とHDL水準に関してもっとも重症の変異であり、タンパク質の初期切
形(例えばR909X)よりも重症の表現型を有していた。
【0142】 ABC1タンパク質内の変異部位(例えばN末端またはC末端)は表現型に影
響を与えなかった(図11)。CADの存在はタンパク質のいくつかのドメイン
にある変異の保因者に見られる。両対立遺伝子に変異を持つ患者は巨脾腫単独ま
たはCAD(TD1)と関連する巨脾腫の徴候を表す。かくして表現型は変異特
異的であり、多分恐らくはABC1の密接な相同体であるABCRでの変異で示
されてきたものに類似して野生型対立遺伝子の残存ABC1機能と変異対立遺伝
子の残存機能に依存しているように見える(ファン・ドリール他、眼科遺伝子学
、19巻:117−122ページ、1998年)。
【0143】 ABC1遺伝子と年齢での変異の表現型の間の関係 家族で明らかになった表現型発現に影響する一つの因子は年齢であった。我々
はまず2個のこれまでに報告した家族での個体のHDL水準の年齢の影響を特徴
付けた(マーシル他、前掲)(図12Aと12B)。FHA3家族では、IIお
よびIII世代のヘテロ接合性個体すべてが年齢と性で第5百分位数以下のHD
Lコレステロール水準を持っていた一方、IV世代はずっと変動的な表現型でH
DLコレステロール水準は第20百分位数までにわたっていた。FHA1家族で
は同じパターンが観察された。
【0144】 HDL百分位数範囲を横断して30歳以下の個体の分布がHDL百分位数を横
断する30−70歳の対応する個体の分布と比較された(図13)。30−70
歳の個体の著しく大きな割合が第5百分位数以下のHDLコレステロールを持つ
30歳以下の個体の割合と比べて第5百分位数以下のHDLコレステロールを有
していた。平均HDLは30歳以下のものと比べて30歳以上のヘテロ接合体で
減少する。これとは逆に影響されない対照では何らの著しい変化も見られない(
図14)。類似の結果が別個に男性と女性で見られまた女性の閉経期前および閉
経後年齢の両方でみられる(図15Aと15B)。トリグリセリド水準はヘテロ
接合体と無影響家族メンバー両方で年齢と共に増加する。
【0145】 ABC1変異の表現型発現で性とBMIの影響の評価 女性は男性に比べて高いHDLと低いトリグリセリドを持つものとして知られ
ている。かくしてABC1ヘテロ接合体の表現型は表現型が性に影響されるかど
うかを決定するために分析された。HDLコレステロールはヘテロ接合体男性と
女性両方で無影響対照よりも著しく低い(それぞれ0.70±0.24対1.2
1+0.29、P<0.0001;0.76±0.25対1.41±0.38、
P<0.0001)。これは減少apoAI(男性および女性それぞれで0.9
2±0.27対1.36±0.22、P<0.0001;0.92±0.36対
1.49±0.28、P<0.0001)無影響家族メンバーに比べて男性およ
び女性両方でapoAIIのゆるやかな減少への傾向(それぞれ0.35±0.
08対0.40±0.09、p=0.08;0.35±0.09対0.39±0
.07、p=0.06)に反映された。トリグリセリドは無影響家族メンバーに
比べて男性(2.07±2.16対1.30±1.30、p=0.02)および
女性(1.34±0.86対1.09±0.63、p=0.08)へテロ接合体
でいずれも高かった。男性および女性の間のHDLの差は対照(p=0.11)
に比べてヘテロ接合体で減少し、一方トリグリセリドでの差は対照(p=0.1
3)に比べて増加した。
【0146】 HDLとトリグリセリドに影響するものとして知られるも一つの因子はBMI
である。全コホートはBMIの3グループ(tertile)に分割され、BM
I tertileによるヘテロ接合体と無影響個体の平均HDLとトリグリセ
リド水準は図16Aと16Bに示される。BMIはヘテロ接合体と対照(P<0
.0001)の両方でHDLとトリグリセリド両方に著しい影響を与えた。BM
IのHDL−Cとトリグリセリド水準に対する影響はヘテロ接合体の下部BMI
(mid−tertile)で明らかなように、対照よりもABC1のヘテロ接
合体でより厳しかった。提起されたように、BMIは対照に比べてヘテロ接合体
でHDLとトリグリセリド水準での変化により明らかに関連していた。しかしど
ちらの影響も統計的有意には到達しなかった。HDLはすべてのBMI ter
etileで対照に比べてヘテロ接合体で減少した(各tertileでP<0
.0001)。トリグリセリド水準が無影響家族メンバーに比べてヘテロ接合体
のBMI tertileで増加した一方、この差異は中間中間BMI ter
tileで有意であったに過ぎなかった(p=0.009)。
【0147】 REGRESS研究からのABC1 SNPの分析 SNPsの同定 ABC1遺伝子のSNPsは低HDL−Cを持つ14の無関係な発端者の完全
ゲノム配列化の間に同定された(ブルックス・ウイルソン他、前掲1999年;
マーシル他、前掲、1999年)。低HDL表現型と同時分離せず、また無影響
個体で観察された低HDL家族内で同定した変異体はSNPsであると推定され
た。(前に記載の)全ABC1領域に広がるBACクローンの配列化に基づいて
、ヘテロ接合体として同定されまたは配列化個体で発見されたものとは異なる部
位も同じく多型と同定された。配列データはすべての変異体コーディング部位で
少なくとも1個の対照個体から利用できた。SNPsは位置1と記載されたヌク
レオチドから番号を付され(パリンジャー他、バイオケミカル・アンド・バイオ
フィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ、271巻:451−455ペー
ジ、2000年)、第1エキソン番号1と名付けられた。すべての変異体の標準
用語法として、(REGRESS集団でより頻繁に現れる)「野生型」対立遺伝
子はAと指名され、一方(頻度の少ない)変異体対立遺伝子はBと指名される。
【0148】 被験者 これらSNPsの脂質水準とCADへの影響を評価するために我々はこれまで
に詳細に記載(ジューケマ他、血液循環、91巻:2528−2540ページ、
1995年)に記載された退化成長評価スタチン研究(REGRESS)に協力
する証明された冠状動脈症を患う804人のコホートを研究した。要約すると、
研究協力者は冠動脈造影で評価された50%以上の狭窄の少なくとも1個の冠状
動脈、4乃至8mmol/L(155乃至310m8/dL)の血漿コレステロ
ール濃度、および4mmol/L(350mg/dL)以下の血漿トリグリセリ
ド濃度を持つことが要求された。cSNPsの表現型作用は基線脂質パラメータ
ーとの関係で試験された。
【0149】 患者は2年間プラバスタチン(プラバコール、ブリストル−マイヤーズ・スク
イブ、プリンストン、ニュージャージー)またはプラセボでの処置を無作為に課
せられた。コンピュータ支援計量冠動脈造影が前に記載(ジューケマ他、前掲(
1995年))の通り研究の開始と終結時に行われた。血管に沿いまた最小閉塞
径(MOD)における平均非閉塞径の尺度であり、最小非閉塞セグメントの尺度
である平均セグメント径(MSD)における基線値と変化がCADの一次手段と
して使用された。MSDはアテローム硬化のびまん性変化を反映し、MODは病
巣アテローム硬化の変化を反映する。大きなMSDおよびMOD測定値は血管の
閉塞が少ないことを反映し、またこれらのパラメーターの減少は冠状動脈アテロ
ーム硬化の進行を反映する。加えて心筋梗塞、予定外の冠動脈造影またはバイパ
ス手術(PTCA、CABG)、あるいは心筋発作/一過性脳虚血発作などの死
に導びく冠動脈事象が検討された。
【0150】 血液は基線で各患者から収集され、DNAが標準手続きに基づき抽出された。
続くいくつかの遺伝研究がこのコホートで行われてきた(ライマー他、ネイチャ
ー・ジェネティクス、10巻:28−34ページ、1995年;ジューケマ他、
血液循環、9巻、1913−1918ページ、1996年;クリューイトマンズ
他、血液循環、96巻:2573−2577ページ、1997年;キャステライ
ン他、クリニカル・ジェネティクス、53巻:27−33ページ、1998年;
クイバンホーフェン他、ニューイングランド・オブ・ジャーナル・オブ・メディ
スン、338巻:86−93ページ、1998年)。REGRESSとそのDN
A副次研究は協力センターのすべての7制度検討会とその医療民族委員会により
承認された。
【0151】 低HDLと早発性冠状動脈病を持つ追加のオランダ人被験者が前記手段から得
られた(クイバンホーフェン他、アテローム硬化、血栓症および血管生物学、1
7巻:560−568ページ、1997年;バーホフ他、アテローム硬化、14
1巻:161−166ページ、1998年;フランコ他、ブリティッシュ・ジャ
ーナル・オブ・ヘマトロジー、102巻:1172−1175ページ、1998
年;ビッテコーク他、アテローム硬化、146巻、271−279ページ、19
99年;フランコ他、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ヘマトロジー、10
4巻:50−54ページ、1999年)。オランダ人対照被験者はCADへの各
種のリスク因子の作用を評価するよう設計された大型集団ベイスト研究から取ら
れた(サイデル他、インターナショナル・ジャーナル・オブ・オビーシティ、1
9巻:924−927ページ、1995年;クイバンホーフェン他、アテローム
硬化、血栓症および血管生物学、17巻:595−599ページ1997年)。
フランス系カナダ人被験者は個体の無作為サンプルであった。南アフリカ系黒人
と広東人コホートはこれまでに記載されている(エーレンボリ他、アテローム硬
化、血栓症および血管生物学、17巻:2672−2678ページ、1997年
)。すべての被験者はインフォームドコンセントを受けた。
【0152】 cSNPスクリーニング 各変異体に対して、その切断パターンが変異体で変更される制限酵素がRFL
P検定の発度を確認された。もし適切な酵素が発見されなければ、ミスマッチ戦
略が採用され、これにより単一ヌクレオチドミスマッチはPCRプライマーに取
り込まれ、野生型または変異対立遺伝子のどちらかと組合せて制限部位を創生す
る。すべての検定の特異的条件は図17に記載される。すべてのPCR反応は1
×PCR緩衝液と1.5μM、MgCl2(ライフ・テクノロジーズ)の存在下
で5μL容量で実行された。すべての検定に対するサーモサイクリングパラメー
タは下記の通りであった:95℃で3分;95℃で10秒の変性35サイクル、
図17で特定された温度で30秒のアニーリング、および72℃で30秒の延伸
、最後に10分72℃での延伸であった。すべての消化(15〜20μL,PC
R産物)は製造業者による指定の温度で2時間製造業者の緩衝液(ニューイング
ランド.バイオラブ)で実行された。一例としてR219Kの消化結果は図18
で示される。A対立遺伝子を持つ177塩基対断片はEcoNIでは切断されず
、一方B対立遺伝子は消化されて107の断片と70塩基対を産生する。ヘテロ
接合性個体はかくしてすべて3個のバンド(177,107,および70塩基対
)を示す。
【0153】 TaqMan(r)検定での遺伝子型形成 いくつかの変異体の質量スクリーニングを容易にするため、TaqManベイ
ストポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検定(ホランド他、全米科学アカデミー紀
要、88巻、16号、7276−7280ページ、1991年;リー他、核酸研
究、21巻(16号):3761−3766ページ、1993年)がABC1遺
伝子で多型の検出のために開発された。このワンチューブ検定では、2個の異な
る蛍光原性ハイブリッド形質プローブ(各対立遺伝子に対して1個)がその5′
末端では異なる蛍光レポーター染料(FAMまたはTET)で、同じくその3′
末端では普通のクエンチャー染料(TAMRA)で標識される。これらのプロー
ブはPCR増幅の際にTaq酵素の5′ヌクレアーゼ活性で切断される。この切
断はレポーターをクエンチャー染料から分離し、レポーター蛍光の増加を生成す
る。2個の異なるレポーター染料の使用により、対立遺伝子特異的プローブの切
断は単一PCRで検出できる。2個のTaqManプローブの間の測定蛍光強度
の差は正確な対立遺伝子呼び出しを可能にする。
【0154】 2個のTaqManプローブ(それぞれ25nM)と4.5mM、MgCl2
の存在下でプライマー(300nM)のフランキングセットでのPCR増幅は下
記のサーモサイクリングプロトコルを用いて行われた:96℃10分の最初の変
性、続いて96℃30秒、63℃で1分および72℃で15秒の39サイクル、
続いて72℃で10分の最終延長がそれであった。各平板は対照(DNA鋳型無
し)同じくそれぞれ公知の遺伝子型の標準を含んでいた。蛍光計量と遺伝子型決
定はパーキン.エルマー・LS50BまたはABIプリズム7700シーケンス
デテクターで行われた。各反応からの蛍光は鋳型無し対照からの信号に標準化さ
れた。
【0155】 細胞コレステロール流出研究 線維芽細胞培養からの細胞コレステロール流出は「ABC1ヘテロ接合体の分
析」のセクションで前記の通り測定された。
【0156】 統計 REGRESS集団内で、3個の遺伝子型(AA,AB,BB)の基線特性が
変動のワンウェイ分析と適当であればカイニ乗試験を用いて比較された。BB遺
伝子型が稀である場合にはAAグループはAA+BBの組合せグループと比較さ
れた。これらの遺伝子型グループでの累積冠動脈症事象出現率はログランク試験
を用いて比較された。年齢とHDL水準の間の関係は線型回帰モデルを利用して
調査され、この回帰直線の傾斜に関して遺伝子型の間の差は共分散分析を用いて
試験された。この退化分析を加えて、R219K遺伝子型が年齢明示サブグルー
プ間で比較された。プラセボおよびプラバスチタンへの無作為抽出はカイニ乗分
析で評価され、R1587K変異体を除きすべての変異体へのすべての遺伝子型
グループで同等であった。この変異体では、保因者の低い比率のものが、プラバ
スチン処置のために無作為抽出された。加えてMOD,MSD,および冠動脈事
象の有病率(試験の間および続く無作為抽出の間に測定された3個の変数)での
変化が別個にプラセボとプラバスタチンサブグループのために分析された。変異
体のそれぞれの類似、遺伝子型作用が処置サブグループ(すなわちプラバスタチ
ンとプラセボの対照グループ)で観察された。
【0157】 すべての脂質水準はmmol/Lで報告される。すべて値は平均値±標準偏差
で報告される。
【0158】 R219K多型と減少トリグリセリド水準およびCADリスクの減少との関
係 普通のR219多型はABC1タンパク質のアミノ酸219でリシンのアルギ
ニンとの置換で生じる。変異体、すなわち「B」対立遺伝子の対立遺伝子頻度は
46.3%で図19に示された。
【0159】 この多型とCADの間の関係が検討された。R219KのB対立遺伝子は減少
した基線CADと関係していた。MSDとMODの両方はAAからABまたBB
への対立遺伝子用量依存様式で著しく増加した(図20)。
【0160】 血管造影データは臨床冠動脈事象割合での差で平行していた。より稀なB対立
遺伝子(BB)にヘテロ接合型の個体より小さな割合は試行の開始に先立ち心筋
梗塞(MI)になっていた。B対立遺伝子の保因者は研究機関を通じて事象なし
の有病率の増加に向かう強い傾向を示した(図21、p=0.07)。
【0161】 R219K多型と減少したCADの関係は、CADに選択されたREGRES
Sコホートでのこの対立遺伝子の減少頻度により更に指示された。事実この変異
体で観察された遺伝子型頻度はハーディ−ヴァインベルク平衡とは一致しない(
p=0.004)。期待されたものよりもBB個体はより少なく、AB個体はよ
り多く存在する(424AA、330AB、および36BBの個体が期待された
439AA、300AB、および51BB個体に比べて観察された)。REGR
ESSコホートはCADを持つ男性で選択されたので、ハーディ−ヴァインベル
ク平衡の欠除はBB個体に対し望ましい選択であったこと、このグループで観察
されたCADの減少と一致したことを示唆している。
【0162】 グループ全体として遺伝子型の間に平均HDL−C水準での明らかな差異は存
在しなかった(図22)、しかしトリグリセリドはB対立遺伝子の保因者で著し
く低かった。これはABC1機能が更に血漿トリグリセリド水準に直接影響を与
え、またこの変異体がABC1機能の獲得と関係するであろうことを示唆してい
る。これらの発見は更に保因者で観察された減少CADと一致し、トリグリセリ
ド水準のABC1調節がも一つの機構であり、これによりABC1活性がCAD
のリスクに影響を与えることを示唆している。
【0163】 更にこの変異体のHDL−Cに対する作用の明らかな欠除を探るために、各種
の年齢でR219K遺伝子型とHDLの間の関係が検討された。より若い個体で
は、B対立遺伝子の保因者は非保因者に比べてHDL−Cの増加が見られた(図
23)。更にHDL−CがAA個体で年齢と共に増加したが、ヘテロ接合型保因
者はずっとゆるやかな増加を示し、HDLコレステロールはヘテロ接合型保因者
では年齢と共に減少した(図24)。AA個体においては、HDLコレステロー
ルは年齢と確に相関した(P<0.001)。それとは逆に、この関係はこの変
異体のヘテロ接合性個体では明らかではなく、HDLコレステロールはBB歩も
接合体では年齢との相関はなかった。もっともAB個体またはBB個体のいずれ
かの相関も統計的にゼロから異なることはなかった(図25A)。AA個体のH
DL−Cの年齢に関連する増加はB対立遺伝子の保因者では維持されない(P値
比較傾斜=0.04)。かくしてR219Kの保因者での減少CADは更に彼等
の寿命の大半で保因者が非保因者に比べて増加HDL−Cを持ち続けたという事
実に関連するであろう。
【0164】 各種のR219K遺伝子型での年齢に伴うHDL−Cの変化は年齢に伴うコレ
ステロール流出の変化の類似の傾向を反映する(図25B)。我々はこの変異体
を我々が流出を測定しABC1変異を持たないずべての個体に遺伝子型分別した
。AA個体(n=30)では、コレステロール流出は年齢と共に増加し、一方A
BとBB個体(n=24)では、流出は年齢と共に減少する(P値比較傾斜=0
.15)。かくして異なるR219K遺伝子で見られるHDLの特異的な年齢関
連変化はABC1活性での類似機能変化と一致する。
【0165】 図23からトリグリセリド水準はすべてのR219K遺伝子型で見られる発見
である一般に年齢と共に減少する。トリグリセリド水準の減少パーセントは非保
因者(17.3%、p=0.07)に比べて保因者ではほぼ半分(9.3%)で
あった。遺伝子型での差は更にMSDとMODでも観察される。非保因者におい
て、MSDとMOD測定値は年齢で著しく減少し、より加齢の個体でのアテロー
ム硬化の増加を反映する(図23と26)。これとは逆に、R219K変異体の
保因者では、これらの測定値は加齢での著しい変化はなかった。かくして血管病
は非保因者と比べるとR219K変異体の保因者で年齢と共にずっとゆっくり進
行する。
【0166】 アジアとアフリカ起源の集団はコーカシア集団に比べて増加HDL−C、減少
トリグリセリド水準、CAD減少リスクを持つことが示された(タイロラー他、
血液循環、62巻(補遺IV):IV−99−IV−107、1980年;田尾
他、インターナショナル・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー、21巻(5号
):893−903ページ、1992年;ブラウン他、アテローム硬化と血栓症
、13巻:1139−1159ページ、1993年;アデデージ、熱帯と地理学
上の医薬、46巻(1号):23−26ページ、1994年;サイモン他.,ア
メリカン・ジャーナル・オブ・パブリク・ヘルス、85巻(12号):1698
−1702ページ、1995年;モリソン他、代謝、47巻(5号):514−
521ページ、1998年)。この発見はこの変異体の表現型作用に類似する。
かくしてSNP頻度は異なる人種グループでしばしば異なるために、これら2種
の集団グループ内での変異体が試験された(図27)。この変異体は広東人また
は南アフリカ系黒人の子孫のいずれかの個体でより一般に見られ、ここでそれは
優性対立遺伝子である。これはこの変異体の増加頻度が、コーカシア集団に比べ
てこれらの集団で観察される増加HDL、減少トリグリセリド水準および減少C
ADを部分的に説明することを示唆している。
【0167】 血漿脂質水準とCADのリスクに対する他のcSNPsの作用 対応する非保因者に比べて、T774P(n=4)、K776N(n=3)ま
たはE1172D変異体(n=34)では脂質水準またはCADでの著しい差は
観察されなかった。V825I(n=103 AB、4BB)の保因者は脂質水
準または基線MSDあるいはMODで明らかな差を示さなかった。しかしV82
5I変異体の保因者は試行の間に事象を著しく増加させた(44%対33%.p
=0.001)。
【0168】 S1731C変異体の保因者はREGRESS集団では見出されなかったが、
この変異体はFHA家族の一つ(FHA2)で検出された。ABC1変異にヘテ
ロ接合体の個体では、この変異体は著しく減少したHDL−Cを関連していた(
0.16±0.04,n=2対0.64±0.14,n=10;保因者対非保因
者でp=0.0009)。影響されない家族メンバーではしかし、S1731C
の保因者が非保因者に比べて低いHDL−Cを有していた(1.03±0.22
対1.09±0.23)が、これは統計的には有意でない。この変異体が同じく
見られる(図19)対照個体は低い血漿HDL−C(0.72mmol/L)を
持っていた。
【0169】 R219Kの保因者に類似して、V771M変異体の保因者は非保因者に比べ
てもHDL−Cで差は見せなかった。しかしHDL−C水準で年齢と遺伝子型の
間の限界的に著しい相互作用が認められた(p=0.05)。V771M変異体
の2個の保因者を除くすべてがR219K変異体の保因者である。HDL−Cに
対する年齢と遺伝子型の間の相互作用はR219K遺伝子型(p=0.11)に
調節された時に僅かに有意であり、かくしてこの変異体はR219Kに帰属でき
るものとは独立した年齢作用を持つことになる。CADが少なくなる傾向(MO
Dの増加)は非保因者に比べてこの変異体の保因者で観察された(1.89±0
.38対1.76±0.35、p=0.13)。
【0170】 I883M cSNPでは、ホモ接合性BB個体(n=14)はMODでの進
行を増加した(0.53±0.79対0.11±0.25の平均値変化、P<0
.001)。BB個体はAA個体のそれに比べて倍の事象率を有していた(21
.4%対10.6%)が、これは統計的には有意ではなかった(p=0.19)
。I883M遺伝子型の間の平均脂質水準で差は観察されなかった。更にハーデ
ィ−ヴァインベルク平衡で期待されたもの以上にBB個体が著しく存在した(期
待された8BB、98AB、および314AA個体と比較して14BB、86A
B、および320AA個体が観察された)。このコホートはCADに関連した個
体として選択されたので、これはBB遺伝子型のものを優先的に含むことを示唆
している。この変異体のCADとの関連は更に未成熟CAD集団のこの変異体の
著しく増加した頻度により支援される(この変異体の保因者のCADのオッズ比
=0.43、95%信頼区間0.22−0.85、p=0.01)(図19)。
これらの発見は、このcSNPのホモ接合体保因者がHDL−Cを増加させるこ
とを示唆するごく最近の報告とは相違する(ワン他、アテローム硬化、血栓症お
よび血管生物学、20巻:1983−1989年、2000年)。
【0171】 V399Aの保因者(AB,n=9)はこの部位でAAであった個体(n=4
0)と比べてより高いHDL−Cに向かう傾向にあった(1.03±0.28対
0.92±0.23、p=0.15)。ABグループでは(AA′sの14%、
p=NSに比べて)何らの事象も観察されず、保因者はCADの家族の歴史で半
分の罹患率を有していた(22.2%対49.4%、p=0.18)。更にこの
データと一致して、保因者は試行期間に基線MODを増加し(1.92±0.3
2対1.73±0.35、p=0.13)およびMSDでの進行を少なくする(
−0.05±0.10対0.08±0.19、p=0.16)傾向を有していた
。しかしいかんせん保因者数が小さすぎるために、この変異体がHDL−Cを増
加してCADを減少させるという確固とした結論は引き出すことができない。
【0172】 R1587K変異体の保因者(AB、BB)は対立遺伝子用量依存型傾向で非
保因者と比べてHDL−Cを増加した(BB、AB、およびAAそれぞれに対し
て0.86±0.16、0.91±0.23および0.94±0.23、p=0
.03)。年齢に伴う著しい相互作用は認められなかった(p=0.32)。更
に共同変異体として年齢、BMI、喫煙、およびトリグリセリド水準を含む多数
の退行に基づき、R1587K遺伝子型はHDL−Cの重要な予言者である。し
かし、試行期間中に非保因者に比べて保因者でCADまたは事象での著しい差は
見られなかった。
【0173】 ABC1遺伝子の変異体およびHDL水準または心臓血管病の相関性研究の要 下記の多型がコレステロール調節および心臓血管病の発症素因に対するそれら
の作用について調べられた。これらの多型は、位置1として記載されるヌクレオ
チドからの番号が付けられ(パリンジャ−他、前掲)、第1エキソン番号1と名
付けられる。
【0174】 ヌクレオチド1051におけるGのAへの置換(R219K)。この変異体の
保因者は、減少したトリグリセリド水準、増加したHDLコレステロール水準(
特に若年個体において)、および減少したCADを有する。
【0175】 ヌクレオチド1591におけるTのCへの置換(V399A)。この変異体は
、保因者における増大したHDLコレステロールに対する傾向と関連づけられた
【0176】 ヌクレオチド2706におけるGのAへの置換(V771M)。この変異体の
保因者は、減少したCADを有することが示された。
【0177】 ヌクレオチド2715におけるAのCへの置換(T774P)。この変異体は
、対照よりも低HDLコレステロール水準またはCADを有する個体でより多く
は見られなかった。
【0178】 ヌクレオチド2723におけるGのCへの置換(K776N)。この変異体は
、オランダ人の類似する背景の対照集団に対して、冠状動脈疾患集団ではより低
い頻度(0.54%対1.89%)で見出された。
【0179】 ヌクレオチド3911におけるGのCへの置換(E1172D)。この変異体
は、HDLが低い個体において、また初期冠状動脈疾患を有する一部の集団にお
いてより低い頻度で認められる。
【0180】 ヌクレオチド5155におけるGのAへの置換(R1587K)。この変異体
は、保因者における減少HDLコレステロール水準と関連づけられる。
【0181】 ヌクレオチド5587におけるCのGへの置換(S1731C)。この変異体
をそれ以外の対立遺伝子に有する2つのFHA個体は、この変異体をそれ以外の
対立遺伝子に有しない家族のFHA個体よりもはるかに低いHDLコレステロー
ル(0.155±0.025)を有する(0.64±0.14、p=0.000
9)。この変異体はまた下記においても見出される:HDLが第8百分位数にあ
るフランス系カナダ人対照の1つの一般的な集団(0.92)、また低HDLコ
レステロール水準および冠状動脈疾患について選択された集団に由来する1つの
フランス系カナダ人個体(0.72)がそれである。
【0182】 ヌクレオチド2723におけるAのGへの置換(I883M)。この変異体は
、オランダ人を祖先とする初期冠状動脈疾患の個体においてより大きな頻度で認
められた。さらに、この変異体のホモ接合型保因者は、非保因者と比べて著しく
増加したCAD進行を有する。
【0183】 ヌクレオチド2868におけるGのAへの置換(V825I)。この変異体の
保因者は、この変異体を有しない個体よりも著しく多いCAD事象を有していた
【0184】 ヌクレオチド−191におけるGのCへの置換。この変異体のホモ接合型保因
者は、冠状動脈事象頻度の3倍の増加(33.3%対11.2%、p=0.00
3)およびCADの明らかな家族歴のほぼ2倍の頻度(73.3%対47.7%
、p=0.01)を有する。
【0185】 ヌクレオチド−17におけるCのGへの置換。この変異体の保因者は、著しく
減少した冠状動脈事象(12.3%対18.2%、p=0.04)および著しく
減少した発症率の心筋梗塞(心臓発作、43.6%対52.8%、p=0.02
)を有する。
【0186】 ヌクレオチド69におけるCのTへの置換。この変異体の保因者は、非保因者
に比べて増加したCAD進行を有する。
【0187】 ヌクレオチド127におけるCのGへの置換。この変異体の保因者は、非保因
者に比べてCADの減少した進行に向かう傾向を有する。
【0188】 イントロン1のヌクレオチド−1163におけるCCCTの挿入。この変異体
の保因者は、HDLコレステロール水準を減少させる傾向を有する。
【0189】 イントロン1のヌクレオチド−1095におけるAのGへの置換。この変異体
のホモ接合型保因者は、非保因者に比べて減少したHDLコレステロール水準お
よび増加したトリグリセリド水準に向かう傾向を有する。
【0190】 イントロン1のヌクレオチド−1027におけるGのAへの置換。この変異体
の保因者はまた、G(−720)Aの保因者でもある。従って、その変異に起因
する作用はまた、この変異体の保因者にも起因し得る。
【0191】 イントロン1のヌクレオチド−720におけるGのAへの置換。この変異体の
ホモ接合型保因者は、心筋梗塞の明らかな家族歴の増加した頻度に向かう傾向を
有していた。
【0192】 イントロン1のヌクレオチド−461におけるAのCへの置換。この変異体の
保因者はまた、A(−362)Gの保因者でもある。従って、その変異に起因す
る作用はまた、この変異体の保因者にも起因し得る。
【0193】 イントロン1のヌクレオチド−362におけるAのGへの置換。この変異体の
保因者は、非保因者に比べて減少したトリグリセリド水準を有する。
【0194】 ヌクレオチド319におけるGの挿入。この変異体の保因者は、非保因者と比
べて増加したCADを有する。
【0195】 ヌクレオチド378におけるCのGへの置換。この変異体の保因者はまた、I
nsG319の保因者でもある。従って、その変異体に起因する作用はまた、こ
の変異体の保因者にも起因し得る。
【0196】 ABC1ゲノム配列におけるLXRE結合部位の機能的役割 配列識別番号1のABC1ゲノム配列において同定されたLXRコンセンサス
結合部位の3つの部位の機能的役割が、標準的なゲルシフト法実験を使用して確
認された。要約すると、プロモーター領域の−4389位および−1641位、
エキソン1の+4、ならびに3′イントロン1の−7670および−7188に
存在するLXREコンセンサス結合部位の配列(図3)を、正の調節としてレー
マン他により記載されるcyp7LXRE(レーマン他、ジャーナル・オブ・バ
イオロジー・アンド・ケミストリー、272巻:3137−3140ページ、1
997年)を使用するゲルシフト法で試験した。
【0197】 最初のゲルシフト法では、標識cyp7LXREプローブの結合を400倍過
剰の非標識cyp7プローブ、−4389プローブ、−1641プローブ、+4
プローブまたは−7670プローブによって競合させた。シグナルはすべての場
合において完全に消失した。
【0198】 つぎのアッセイのために、−4389プローブ、−1641プローブ、+4プ
ローブ、−7670プローブおよび−7188プローブを標識して、LXR−R
XR複合体に対する結合を試験した。正の調節のシグナルと類似するシグナルが
ABC1のLXREプローブのそれぞれについて観察されたが、+4プローブの
場合、シグナルはそれらよりも僅かに強かった。
【0199】 競合アッセイもまた、より少ない量のそれぞれの非標識プローブ、すなわち、
標識されたcyp7プローブよりも5倍、25倍および50倍多い非標識プロー
ブを使用して行った。それぞれのプローブについて、シグナルは用量依存的に低
下した。この低下は、+4プローブおよび−7670プローブでは他よりも著し
かった。さらに、シグナルは、非標識のDr2様プローブとの競合により変化し
なかった。このことは、競合作用が確かに特異的であることを示唆している。
【0200】 従って、試験された潜在的なLXRE結合部位のそれぞれが試験管内LXR−
RXRヘテロ二量体に結合するものと考えられる。エキソン1内の+4のLXR
E結合部位がもっとも大きな親和性を有し、3′イントロン1内の−7670の
LXRE結合部位がそのすぐ後に続くようである。
【0201】 アゴニストおよびアンタゴニスト 有用な治療化合物には、ABC1の発現、活性または安定性を調節する化合物
が含まれる。そのような化合物を単離するために、ABC1の発現、生物学的活
性または調節された代謝が、候補化合物をABC1発現細胞の培養培地に加えた
後に測定される。あるいは、候補化合物は、動物(例えば、マウス、ブタまたは
ニワトリ)に直接投与され、そしてABC1の発現に対するその作用をスクリー
ニングするために使用することができる。
【0202】 コレステロールの調節におけるその役割に加えて、ABC1はまた、ABC1
モジュレーターの開発が有用である他の様々な生物学的プロセスに関与している
。一例において、ABC1は、細胞膜を通過して細胞外からインターロイキン−
1β(IL−1β)を輸送する。IL−1βは炎症応答の前駆体であり、そのた
め、ABC1の発現または生物学的活性の阻害剤またはアンタゴニストは、必ず
しもそれに限定されないが、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SL
E)、甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症、炎症性腸疾患および糖尿病を
含む任意の炎症性疾患の処置において有用であり得る。も一つの別の例において
、マクロファージで発現するABC1は、死細胞の包み込みおよびクリアランス
に関与していることが示されている。これらのアポトーシス体を取り込むマクロ
ファージの能力は、ABC1が抗体仲介により阻止された後で損なわれる。従っ
て、ABC1の発現、安定性または生物学的活性を調節する化合物は、これらの
疾患を処置するために有用である。
【0203】 ABC1の発現は、例えば、ABC1の核酸配列(またはそのフラグメント)
をハイブリッド形式プローブとして使用する標準的なノーザンブロット分析によ
って、または抗ABC1抗体および標準的な技術を使用するウエスタンブロット
によって測定される。候補分子の存在下でのABC1の発現水準は、同じ培養培
地において、または試験動物の平行した群において、しかし候補分子の非存在下
で同じ細胞について測定された水準と比較される。ABC1の活性はまた、コレ
ステロール流出アッセイを使用して測定することができる。
【0204】 ABC1発現の転写調節 ABC1のmRNAは、コレステロール負荷したときに約8倍増大する。この
増大は転写水準で制御されていると考えられる。本明細書に記載されるゲノム配
列を使用して5′調節配列に結合する転写因子を、例えば、ゲルシフト法、DN
Ase保護アッセイ、あるいは試験管内または生体内でのレポーター遺伝子型ア
ッセイを行うことによって同定することができる。同定された転写因子は、それ
自体、薬剤化合物は、HDLの調節、トリグリセリドの調節、アテローム硬化の
防止、および心臓血管病の処置のために使用することができる。例えば、ABC
1を制御する転写因子を阻害する化合物を使用することにより、ABC1のアッ
プレギュレーション、従ってHDLコレステロール水準のアップレギュレーショ
ンおよびトリグリセリド水準のダウンレギュレーションがもたらされることが予
想される。別の例では、転写因子の発現または活性を増大させる化合物もまた、
ABC1の発現を増加させ、HDL水準を増加させ、そしてトリグリセリドのレ
ベルを減少させると考えられる。
【0205】 アポリポタンパク質遺伝子あるいは他のコレステロール調節遺伝子または脂質
調節遺伝子の調節において他の遺伝子を調節することが知られている転写因子が
特に関連する。そのような因子には、必ずしもそれに限定されないが、ステロイ
ド応答エレメント結合タンパク質(SREBP−1およびSREBP−2)、な
らびにPPAR(ペルオキシソーム増殖応答受容体)、RXRおよびLXRの転
写因子が含まれる。特定のエレメントに対するいくつかのコンセンサス部位が、
ABC1遺伝子の5′側の配列決定された領域に存在し(図3)、従って、AB
C1の発現を調節していることが考えられる。例えば、LXRは、様々なレチノ
イドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成し、その後、様々な特異的な応答
エレメント(LXRE)に結合することを含む様々な機構によってABC1の転
写を変化させることができる。そのようなLXRの例には、LXRαおよびLX
Rβが含まれる。LXRによって仲介される転写活性を調節する化合物は、AB
C1遺伝子の発現を調節することができると見做され、従ってHDLコレステロ
ール水準およびトリグリセリド水準を調節することに関して有用である。ジャノ
ウスキー他(全米科学アカデミー紀要、96巻:266−271ページ、199
9年)は、胆汁酸合成における律速酵素であるコレステロール7a−ヒドロキシ
ラーゼ(Cyp7a)のプロモーターを介したLXR依存的トランス活性化にお
ける天然に存在するオキシステロールの役割を報告した。ジャノウスキーはさら
に、オキシステロールが様々なLXRに直接結合することを明らかにした。ステ
ロール側鎖の位置特異的なモノ酸化が、LXRの高親和性結合および活性化には
必要である。強化された結合が24−オキソリガンドの使用によって達成され得
る。コレステロールの側鎖における2つ以上の炭素に存在する酸素は、モノ酸素
化されたアナログと比較して、LXRの結合および活性化を低下させた。LXR
のリガンドは、水素の受容体として機能する1個の立体選択的な酵素をステロー
ル側鎖に必要とすることが見出された。ジメチルアミドの導入は、エステル基ま
たはカルボニル基と比較して、最も大きな結合および活性化を示した。
【0206】 LXR活性を調節することで知られる化合物は必ずしも限定されないが、24
−(S),25−エポキシコレステロール;24(S)−ヒドロキシコレステロ
ール;22−(R)−ヒドロキシコレステロール;24(R),25−エポキシ
コレステロール;22(R)−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレス
テロール;22(S)−ヒドロキシ−24(R),25−エポキシコレステロー
ル;24−(S),25−イミノコレステロール;メチル−38−ヒドロキシコ
ロネート;N,N−ジメチル−3β−ヒドロキシコロンアミド;24(R)−ヒ
ドロキシコレステロール;22(S)−ヒドロキシコレステロール;22(R)
,24(S)−ジヒドロキシコレステロール;25−ヒドロキシコレステロール
;22(R)−ヒドロキシコレステロール;22(S)−ヒドロキシコレステロ
ール;24(S),25−ジヒドロキシコレステロール;24(R),25−ジ
ヒドロキシコレステロール;24,25−デヒドロコレステロール;25−エポ
キシ−22(R)−ヒドロキシコレステロール;20(S)−ヒドロキシコレス
テロール;(20R,22R)−コレスト−5−ene−3β,20,22−ト
リオール;4,4−ジメチル−5−α−コレスタ−8,14,24−トリエン−
3−β−オール;7α−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレステロー
ル;7β−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレステロール;7−オキ
ソ−24(S),25−エポキシコレステロール;7α−ヒドロキシコレステロ
ール;7−オキソコレステロール;およびデモステロールを含む。
【0207】 追加のLXR調節化合物は、例えば、ジャノウスキー他、ネイチャー、383
巻:728−731ページ、1996年;レーマン他、ジャーナル・オブ・バイ
オロジー・アンド・ケミストリー、272巻:3137−3140ページ、19
97年;またジャノウスキー他、全米科学アカデミー紀要、96巻:299−2
71ページ、1998年に記載されており、そのそれぞれが引用例としてここに
組込まれている。加えてLXR調節活性を持つ合成ステロールが従来の技術で公
知であるスクリーニング法を使用して容易に同定できることを当業者は認識する
であろう(例えばジャノウスキー他、全米科学アカデミー紀要、96巻:266
−271ページ、1998年を参照のこと)。RIP140タンパク質、LXR
αまたはLXRβに特異的な(モノクローナルまたはポリクローナル)抗体など
の非ステロイド系アゴニスト;テトラデシクロキシ−フルナカルボキシル酸(T
OFA);テトラデシルチオ酢酸;同じく他の脂肪酸(例えばトービン他、Mo
lec.Endocrin.14巻:741−752ページ、2000年、参照
)なども有用なLXR調節剤である。
【0208】 更にABC1遺伝子発現を調節し、それによりHDL水準、トリグリセリド水
準、アテローム硬化、およびCADリスクに作用する追加の転写因子は、REV
−ERBα、SREBP−1および2、ADD−1、EBPα、CREB結合タ
ンパク質、P300、HNF4、RAR、およびRORαを含む。典型的な結合
部位は図3で示される。これらの因子の追加結合部位は、例えば配列識別番号1
の配列の検討を通じて発見することができる。
【0209】 RXRはLXRを含む多くの核レセプターでヘテロ二量体化し、標的遺伝子を
トランス転写活性化するのを助ける。かくしてRXR仲介転写活性を調節する化
合物は更にABC1発現を調節するであろう。数多くのRXR調節化合物(レチ
ノイド化合物)が従来の技術で公知であり、例えばヘテロエチレン誘導体・三環
式レチノイド;トリエンレチノイド;ベンゾシクロアルケニルアルキル;ジエン
またはトリエン酸誘導体、三環式芳香族化合物とその誘導体;ビシクリルメチル
アリル酸誘導体;フェニルメチル複素環式化合物;テトラヒドロナフチル化合物
;アリルチオ−テトラヒドロ−ナフタレン誘導体および複素環式類似体;2,4
−ペンタジエン酸誘導体;テトラリンベイスト化合物;ノナテトラエン酸誘導体
;SR11237;デキサメタゾン;メソプレンのヒドロキシ,エポキシ、およ
びカルボキシ誘導体;二環式ベンジル,ピリジニル,チオフェン,フラニル,お
よびピロール誘導体;ベンゾフランアクリル酸誘導体;アリル置換およびアリル
と(3−オキソ−1−プロペニル)置換ベンゾピラン,ベンゾチオピラン,1,
2−ジヒドロキノリン,および5,6−ジヒドロナフタレン誘導体;ビタミンD
3(1,25−ジヒドロキシビタミンD3)および類似体;24−ヒドロキシラ
ーゼ阻害剤;モノーまたはポリエンカルボン酸誘導体;テトラヒドロキノリン−
2−ワン−6または7−イルおよび関連誘導体;テトラヒドロナフタレン;オキ
シイミノアルカン系酸誘導体;LG 100268;およびLG D 1069
を含む。追加の化合物はBRL49653;トログリタゾン;ピオグリタゾン;
シグリタゾン;WAY−120;エングリタゾン;AD5075;およびダルグ
リタゾンを含む。
【0210】 PPARsはレチノイドXレセプター(RXRs)でのヘテロ二量体化とつい
で特異的な増殖応答エレメント(PPREs)との結合を含む機構によりABC
1の転写を変更する。このようなPPARsの例はPPARα、β、γおよびδ
を含む。これらの異なるPPARは異なった遺伝子に転写調節作用を持つことが
示された。PPARαは主として肝臓で発現され、PPARγは主とて脂肪細胞
で発現される。PPARαとPPARγは冠動脈と頸動脈アテロームプラーク内
で、また内皮細胞、平滑筋、単球および単球誘導マクロファージで見出される。
PPARαの活性化は、リポタンパク質リパーゼ(LPL)、アポリポタンパク
質CIII(アポIII)およびアポリポタンパク質AI(アポAI)とAII
(アポII)などの遺伝子へのPPARαの作用を通じて変性リポタンパク質代
謝を生み出す。PPARα活性化はLPLとアポA−IならびにアポA−IIに
過発現を来たし、しかしアポCIIIの発現を阻害する。PPARα活性化は更
に治療を阻害し、脂質酸化を刺激し、肝臓の取込みと遊離脂肪酸(FFAs)の
エステル化をもたらす。PPARαとPPARγの活性はマクロファージ内での
一酸化窒素(NO)シンターゼを阻害し、IL−6のインターロイキン−1(I
L−1)誘導発現とシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)およびNF−KB
の負の転写調節に二次的なトロンビン誘導エンドセリン−1発現およびタンパク
質1信号送付経路の活性化を予防する。PPARαがNF−KB活性の阻害を通
じで単球誘導マクロファージのアポトーシスを誘導することも示された。
【0211】 PPARαの活性化はフィブレート、β−エストラジオール、アラキドン酸誘
導体、WY−14、643およびLTB4または8(s)HETEなどの化合物
により達成できる。PPARγの活性化はチオゾリジンジオン抗糖尿病薬、9−
HODEおよび13−HODEなどの化合物を通じて達成できる。ニコチン酸ま
たはHMG CoAレダクターゼ阻害薬などの追加化合物もPPARsの活性を
変更する。
【0212】 いずれかのPPARs(例えばPPARαまたはPPARγ)の活性を変更す
る化合物はABC1発現に作用し、そのためHDL水準、トリグリセリド水準、
アテローム硬化およびCADのリスクに作用できる。PPARsは更に(3チア
脂肪酸などの修飾脂肪酸を含む)脂肪酸、ロイコトリエンB4などのロイコトリ
エン、およびPPARγの天然活性化合物質/リガンドであるプロスタグランジ
ンJ2などにより調節される。PPARsを調節する薬剤は従って(HDLとト
リグリセリド水準を含む)調節脂質水準および変更されたCADリスクに重要な
作用を持つ。この作用はABC1遺伝子発現の調節を通じて達成することができ
た。薬剤は更に脂肪細胞分化決定因子1(ADD−1)およびステロール調節エ
レメント結合タンパク質1および2(SREBP−1、SREBP−2)などの
他の転写因子を経由してPPARsに間接的作用することにより、ABC1遺伝
子発現ならびに従ってHDLおよびトリグリセリド水準に作用する。実施例と組
合せて与えられるPPARαとPPARγアゴニスト活性を組合せた薬剤、また
は実施例の組合せで与えられたPPARαとPPARγアゴニストはHDL水準
を更に高め、またはトリグリセリド水準を減少させるであろう。
【0213】 PPAR結合部位(PPREエレメント)はABC1遺伝子の5′に見出され
る(図3)。C−ACS、HD、CYP4A6およびApoAI遺伝子で見出さ
れるPPREエレメントと同じように、このPPRE部位はPPREコンセンサ
ス配列に関連する三量体である。このPPAR結合部位での反復の数と配列が一
部類似しているために、とりわけこのエレメントはABC1遺伝子の調節に生理
学的関連が非常にあるように見える。
【0214】 ABC1ポリペプチド:核酸、およびモジュレーターの追加効用 ABC1は細胞からの有毒タンパク質またはタンパク質断片(例えばAPP)
の輸送体として作用する。かくしてABC1アゴニスト/上向き調節物質はアル
ツハイマー病、ニーマン−ピック病およびハンティングトン舞踏病を含む他の疾
病領域の処置に有用である。
【0215】 ABC輸送体は細胞質ゾルからペルオキシソームへの長鎖脂肪酸の取込みを増
加しまた更により長鎖の脂肪酸のβ酸化で役割を果たすことが示された。重要な
ことは、X−連鎖副腎脳白質ジストロフィー(ALD)で脂肪酸代謝はペルオキ
シソームABC輸送体での欠陥により異常である。ABC輸送体発現または生物
活性を上向き調節するいずれかの薬剤はこのためALDまたはいずれか他の脂質
疾患の処置に有用となる。
【0216】 ABC1はマクロファージで発現され、プログラムされた細胞死を受ける細胞
の沈下を必要とする。アポトーシスプロセスそれ自身とその調節は細胞死を適切
に受ける細胞の破損のメカニズムの一つである癌などの疾患に対して重要な意味
を持つ。ABC1はアポトーシスを促進し、このようにして癌処置の介入点を表
す。ABC1発現または活性を高め、あるいはいずれかの方法によるABC1の
上向き調節はアポトーシスを高め、かくしてこの疾病で特徴付けられる異常な細
胞増殖を潜在的に減少させることで癌に対する処置法を構築する。これとは逆に
いずれかの方法によるABC1の下向き調節は、アポトーシスを減少させ細胞成
長が制限される条件で細胞増殖の増加を可能にする。このような疾患は必ずしも
それに限定されないが、神経欠損と神経退化、および発育疾患を含む。従ってA
BC1は潜在的に癌の処置、または変形性疾患の処置で使用される化合物の確認
のため方法として使用することができる。
【0217】 ABC1を阻害することが示された薬剤は、例えば糖尿病薬グリベンクラミド
とグルブリド、フルフェナム酸、ジフェニルアミン−2−カルボン酸、スルホブ
ロモフタレイン、およびDIDSを含む。
【0218】 ABC1発現または生物活性を上向き調節する薬剤は必ずしもそれに限定され
ないがプロテインキナーゼA、プロテインキナーゼC、バナジウム酸塩、オカダ
酸、およびIBMX1を含む。
【0219】 当業者は他の化合物もABC1生物活性を調節することができることを認識す
るであろうし、これ他の化合物はまたこの発明の精神の下にある。
【0220】 ABC1遺伝子またはタンパク質に基づく薬剤スクリーン ABC1タンパク質と遺伝子はその活性を調節しまたコレステロールまたはト
リグリセリド水準を調節する潜在的薬剤になる化合物の識別のためのスクリーニ
ング検定に使用することができる。ABC15′調節配列および他の調節配列(
例えばエキソン1とエキソン2)は、ABC1発現を調節し、また例えばHDL
−C、LDL−C、およびトリグリセリドを含む脂質水準を調節する潜在的薬剤
になる化合物を同定するためのスクリーニング検定に使用することができる。A
BC1発現を調節する化合物を同定する薬剤スクリーンはABC1と操作可能に
連続されたABC1調節領域を採用する。しかし望ましくは、調節領域はレポー
ター遺伝子(例えばGFP、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ、または
ベータガラクトシダーゼをコードする遺伝子)と操作可能に連続される。
【0221】 有用なABC1タンパク質は組換え形態でのまたは内在的に発現された野生型
および突然変異体ABC1タンパク質またはタンパク質断片を含む。ABC1発
現産物に作用する化合物を同定する薬剤スクリーンはタンパク質のいずれかの機
能特性を利用する。一つの実施例において、リン酸化機能または他の翻訳後修復
がABC1生物活性の尺度としてもモニターされる。ABC1はATP結合部位
を持ち、かくして検定は全体としてまたは部分的にATPに結合しまたはアデノ
シントリホスファターゼ(ATPase)活性を提示するABC1の能力を全体
としてまたは部分的に試験する。ABC1は類似のタンパク質との相似によりチ
ャンネル状構造を形成できるものと見做される。薬剤スクリーニング検定はチャ
ンネルを形成するタンパク質の能力を検定することに、またはコレステロールあ
るいはも一つの分子を輸送する能力に基づき、もしくはチャンネルを形成するた
めにABC1と結合されまたは調節される他のタンパク質の能力に基づくことが
できた。選択肢として、リン脂質または脂質輸送は同じくABC1生物活性の尺
度として使用することができる。
【0222】 コレステロール水準の調節物質としての役割に加えて、ABC1は更に陰イオ
ンを輸送するという証拠が存在する。機能検定はこの特性に基づき、また例えば
(必ずしもそれに限定されないが)、そのような検定で特異的なイオン濃度での
変化に対応して色を変える各種の染料の能力がリボソームなどの小胞で行うこと
ができる、あるいは全細胞を使用するように適応させることができるような薬剤
スクリーニング技術を採用することができる。
【0223】 薬剤スクリーニング検定は更に他のタンパク質と相互作用するABC1または
他のABC輸送体の能力に基づくこともできる。このような相互作用タンパク質
は、例えば放射性免疫沈降法、同時免疫沈降法、同時精製法、酵素ツーハイブリ
ッドスクリーニングを含む各種の従来公知の方法で識別することができる。この
ような相互作用は更に必ずしもそれに限定されないが蛍光偏光法またはシンチレ
ーション近接法により検定することができる。薬剤スクリーンはまたタンパク質
のX線クリスタログラフィーで推定されたABC1タンパク質の機能と、その3
D構造の機能が公知であるタンパク質のそれとの比較に基づくことができる。そ
のようなクリスタル構造は原核AB科部材であるHisP、ヒスチジン透過酵素
と決定された。薬剤スクリーンは遺伝子導入マウスまたはノックアウトマウスの
作成、または試験管内哺乳類細胞でのタンパク質またはタンパク質断片の過剰発
現に対して明らかな機能または特性に基づくことができる。その上、酵母菌また
はシーエレガンス内での哺乳類(例えばヒト)ABC1の発現は野生型と変異体
バックグラウンドでの候補化合物のスクリーニング、同じくABC1依存性表現
型を高めまたは抑制する突然変異のスクリーニングを可能にする。修飾スクリー
ンも遺伝子導入マウスまたはノックアウトマウスで行うことができる。
【0224】 更に薬剤スクリーニング検定は遺伝子機能でアンチセンス干渉から推定される
ABC1機能に基づくことができる。ABC1の細胞内局在化、またはタンパク
質の細胞内局在化での変化で起こる作用は薬剤スクリーニングのための検定とし
て使用することができる。免疫細胞化学法はABC1タンパク質の正確な位置を
決定するのに使用されるであろう。
【0225】 ヒトおよびネズミABC1タンパク質はモノクローナル抗体を含む抗体を高め
る抗原として使用できる。このような抗体は必ずしもそれに限定されないが、薬
剤スクリーニング検定と診断の機能的研究と開発を含む各種の目的に有用である
。ABC1の発現または生物活性に関し作用薬(例えば薬剤化合物等)の影響を
モニターすることは基本薬剤スクリーニングだけでなく、臨床試験にも適用でき
る。例えばABC1遺伝子発現、タンパク質水準、または生物活性を高めるため
にここで記載されたスクリーニング検定により決定される作用薬の効果は変化し
たABC1遺伝子発現、タンパク質水準、または生物活性を示す被験者の臨床試
験でモニターできる。選択肢として、ABC1遺伝子発現、タンパク質水準、ま
たは生物活性を調節するスクリーニング検定により決定される作用薬の効果は変
化したABC1遺伝子発現、タンパク質水準、または生物活性の減少を示す被験
者の臨床試験でモニターできる。このような臨床試験において、例えば心臓血管
病に関係してきたABC1および望ましくは他の遺伝子の発現または活性は特殊
な薬剤の効果を確かめるために使用できる。
【0226】 例えば、またそれを限定することなく、(例えばここで記載されたようにスク
リーニング検定で確認された)ABC1生物活性を調節する作用薬(例えば化合
物、薬剤または小さい分子)での処置により細胞内で調節されるABC1を含む
遺伝子を確認することができる。かくして例えば臨床試験でコレステロール水準
、トリグリセリド水準または心臓血管病に対する作用薬の作用を研究するために
、細胞が単離されRNAが調節され疾患に関連するABC1および他の遺伝子の
発現水準が分析された。遺伝子発現の水準はノーザンブロット分析またはRT−
PCRにより、あるいは選択肢として産生されるタンパク質の量を測定すること
により、従来公知の数多くの技術の一つにより、またはABC1あるいは他の遺
伝子の生物活性の水準を測定することにより計量することができる。このように
遺伝子発現は細胞の作用薬に対する生理学的応答を示す標識として役立ち得る。
従ってこの応答機能は作用薬での個体の処置の前、および処置の間の各時点で決
定される。
【0227】 望ましい実施例において、本発明は作用薬(たとえばアゴニスト、アンタゴニ
スト、ペプチド擬態薬、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、またはここに記
載されたスクリーニング検定で確認される薬剤候補)を用いて被験者の処置の効
果をモニターする方法を含み、それは以下のステップ、すなわち(i)作用薬の
投与の前に被験者から投与前サンプルを確保し、(ii)投与前サンプルのAB
C1タンパク質、mRNA、あるいはゲノムDNAの発現水準を検出し、(ii
i)被験者から投与後の1個以上のサンプルを獲得し、(iv)投与後のサンプ
ルのABC1タンパク質、mRNA、あるいはゲノムDNAの発現水準または活
性水準を検出し、(v)投与前サンプルのABC1タンパク質、mRNA、また
はゲノムDNAの発現または活性水準を投与後サンプルのABC1タンパク質、
mRNA、またはゲノムDNAのそれと比較し、また(vi)従って被験者への
作用薬の投与を変更するステップを含む。例えば、作用薬の増加投与は検出され
たもの以上の高い水準でABC1の発現または活性を増加し、すなわち作用薬の
効果を増加するために望ましい。選択肢として、作用薬の減少投与は検出された
もの以下の低い水準でABC1の発現または活性を減少させるために望ましい。
【0228】 ABC1遺伝子またはその断片はタンパク質を試験管内または生体内の適切な
細胞で発現する用具として使用でき(遺伝子治療)、または薬剤スクリーニング
のための試験管内検定に使用される大量のABC1タンパク質を産生するのに使
用できる発現ベクターにクローン化することができる。採用される発現システム
はバキュロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、アデノ関連性ウイル
ス、バクテリアシステムおよびCHO細胞などの真核システムを含む。裸DNA
とDNAリポソーム複合体も使用できる。
【0229】 ABC1活性の検定は、細胞内相互作用タンパク質との結合、ABC1活性を
上向き調節するタンパク質との相互作用、HDL粒子または構成物との相互作用
、HDLまたはその構成物との相互作用を促進する他のタンパク質との相互作用
、およびコレステロール流出の測定を含む。更に検定は蛍光タンパク質バイオセ
ンサーにより高分子、代謝およびイオンの分子力学に基礎をおく。選択肢として
、発現または活性に対する候補調節物質の作用は、ABC1特異的抗体を用いる
ウエスタンブロッティングまたは免疫沈降法などのような標準免疫検出法と組合
せた同じ一般的アプローチを使用したABC1タンパク質産生の水準で測定され
る。更にまた有用なコレステロール調節、トリグリセリド調節または抗CVD治
療調節物質がABC1ポリペプチド産生での変化を産生するものとして確認され
る。作用薬も発現水準に何らの作用も与えることなしにABC1活性の影響を与
える。
【0230】 候補調節物質は精製(または事実上精製)された分子あるいは化合物の混合物
の一成分(例えば細胞から得られた抽出物または上澄み)である。混合化合物検
定において、ABC1発現は単一化合物または最小化合物混合物がABC1発現
を調節することを示すようになるまで、(例えば標準精製技術、例えばオースベ
ル他、HPLCまたはFPLCにより産生された)候補化合物プールの次第に小
さくなるサブセットに対して試験される。
【0231】 細胞ABC1発現または活性の水準を調節するのに有効なアゴニスト、アンタ
ゴニスト、または擬態薬は動物モデル(例えばマウス、ブタ、ラビットまたはニ
ワトリ)で有用であることが発見された。例えば化合物はマウスまたはニワトリ
の低アルファリポタンパク質症の低HDL水準を改良し、あるいは動物モデルの
トリグリセリド水準を低下させる。
【0232】 ABC1発現または活性の増加を促進する化合物は本発明でとりわけ有用であ
ると見做される。このような分子は、例えば天然細胞ABC1の水準または活性
を増加し、これにより動物(例えばヒト)の低HDL条件を処置するための治療
薬として使用される。もし望ましければ、本発明のアゴニストでの処置はいずれ
か他のHDL増加、トリグリセリド低下または抗CVD治療と組み合わされる。
【0233】 ABC生物活性を増加する一つの方法はABCタンパク質の安定性を高めまた
はその分解を予防することである。かくしてタンパク質の安定性を高めるように
導くABCポリペプチド(例えばABC1)における突然変異を確認することが
有用となる。これらの突然変異は低HDL−Cまたはいずれか他のABC1生物
活性の損失から生じる異常を処理するためにとられる何らかのタンパク質治療ま
たは遺伝子治療に組み込むことができる。同様に、野生型ABCポリペプチドの
安定性を増加しまたはその異化作用を減少する化合物もまた低HDL−Cまたは
いずれか他のABC1生物活性の損失から生じる異常の処理に有用である。この
ような突然変異と化合物はここに記載の方法を用いて確認することができる。
【0234】 一つの実施例においては、突然変異を持つABCポリペプチドを発現する細胞
は翻訳の間に遷移的に代謝標識され、ABCポリペプチドの半減期は標準技術を
使って決定される。ABCポリペプチドの半減期を増加する突然変異はABCタ
ンパク質の安定性を高める変異である。これらの突然変異は次いでABC生物活
性を評価できる。それらはまたABC1 mRNAまたはタンパク質の安定性に
影響するタンパク質を同定するために使用できる。次いでABC1に結合するた
めにこれらの因子にまたはこれらの因子の能力に作用する化合物を検定すること
ができる。
【0235】 も一つの実施例においては、野生型ABCポリペプチドを発現する細胞は翻訳
の間に遷移的に代謝標識され、候補化合物と接触され、ABCポリペプチドの半
減期は標準技術を用いて決定される。ABCポリペプチドの半減期を増加する化
合物は本発明での有用な化合物である。
【0236】 ABC1がここに記載された薬剤スクリーンのための望ましいABC輸送体で
ある一方、他のABC輸送体も使用することができることは理解される。ABC
1をも一つのABC輸送体に置換することはABC2,ABCR,またはABC
8などが同じような調節のメカニズムを持つであろうことから可能である。
【0237】 代表的な検定は以下で特に詳細に記載される。
【0238】 タンパク質ベイスト検定 ABC1ポリペプチド(精製または未精製のもの)は(必ずしもそれに限定さ
れないが、特異的にABC1と相互作用することが発見されたタンパク質を含む
)も一つのタンパク質に結合する能力を決定する検定に使用できる。その結合に
対する化合物の作用が次いで決定される。
【0239】 タンパク質相互作用検定 ABC1タンパク質(またはポリペプチド断片あるいはエピトープ標識形態も
しくはその断片)は適切な源から(例えば原核発現システム、真核細胞、無細胞
システムから、あるいはABC1発現細胞から免疫沈降法によって)収穫される
。ABC1ポリペプチドは次いで適切な支持材(例えばABC1のhis標識形
態の場合例えばニトロセルロースまたは抗体もしくは金属アガロースカラム)に
結合される。支持材への結合は望ましくはABC1ポリペプチドと関連するタン
パク質がそれと関連したままで留まるような条件の下で行なわれる。このような
条件はタンパク質相互作用での干渉を最小にする緩衝液の使用を含む。結合段階
はABC1と他の分子の間の相互作用に干渉するその能力が試験された化合物の
存在または不在の下で行うこととができる。もし望ましければ、他のタンパク質
(例えば細胞ライゼート)が加えられ、ABCポリペプチドと結合する時間が与
えられる。固定されたABC1ポリペプチドは次いでポリペプチドまたは支持材
と非特異的に結合するタンパク質または他の細胞を除去するために洗浄される。
固定ABC1ポリペプチドは次いでその支持材から解離され、そのためそれと結
合していたタンパク質は(例えば加熱により)放出され、または代替的に結合タ
ンパク質は支持材からABC1ポリペプチドを放出することなしでABC1から
放出される。放出タンパク質と他の細胞構成物は例えばSDS−PAGEゲル電
気泳動,ウエスタンブロッティングと特異的抗体での検出、ホスホアミノ酸分析
、プロテアーゼ消化、タンパク質配列化、または等電点電気泳動により分析する
ことができる。ABC1の正常および変異形態がABC1のどの部分に与えられ
た因子が結合するのかに関して追加の情報を得るためにこれらの検定で採用する
ことができる。加えて不完全に精製されたポリペプチドが採用される時、タンパ
ク質の正常および変異形態の比較が真の結合タンパク質を区別するのに役立つよ
うに使用することができる。
【0240】 前記の検定はABC1と相互作用することが知られる精製または半精製あるい
は他の分子を用いて行うことができる。この検定は以下のステップを含み、 1.ABC1タンパク質を収穫し適切な蛍光標識をそれに結合する 2.相互作用タンパク質(または他の分子)を第2の異なる蛍光標識で標識す
る。染料が相互に非常に近くにある時、対それが物理的に離れている場合(すな
わち染料が相互に近くある時には相互に消光しそれらが近くにいない場合には消
光しない染料)異なった消光パターンを産生する染料を使用し、 3.相互作用する分子を固定されたABC1に、これら2個の間の相互作用に
干渉する能力を試験された化合物の存在下または存在下で露出し、また 4.蛍光読み出しデータを収集する、 ステップである。
【0241】 も一つの検定は蛍光共鳴エネルギー移転(FRET)検定である。この検定は
次のように実施できる。
【0242】 1.ABC1タンパク質またはその適切なポリペプチド断片を提供し適切なF
RET供与体(例えばニトロベンゾキサジアゾール(NBD))をそれと結合し
、 2.相互作用タンパク質(または他の分子)をFRET受容体(例えばローダ
ミン)で標識し、 3.受容体標識相互作用分子を供与体標識ABC1に、その2個の間の相互作
用に干渉する能力を試験された化合物の存在下または不在下で露出し、また 4.蛍光共鳴エネルギー移転を測定する。
【0243】 消光検定とFRET検定は関連する。どちらもどのフルオロフォア(蛍光標識
)の対が検定に使用されたかに依存して与えられた場合に適用できる。
【0244】 膜透過性検定 ABC1タンパク質は更に膜透過性に対する作用を試験することができる。例
えば脂質を置き換えるその推定上の能力を越えて、ABC1はイオンに対する膜
透過性に影響する。他の膜関連タンパク質、もっとも著名なものである嚢胞性線
維症膜貫通コンダクタンス調節物質およびスルホニル尿素受容体はイオンチャン
ネルと関連しそれを調節する。
【0245】 ABC1またはABC1の断片は合成小胞に組み込まれ、あるいは選択肢とし
て、細胞と小胞に発現され、またはABC1を含む他の細胞サブ構造は単離され
る。ABC1含有小胞または細胞は(外側への動きを観察するために)イオンを
検出できるレポーター分子(それが特殊なイオンと結合する時にその蛍光性質を
変化させるような蛍光イオン支持薬など)を装荷され、あるいは選択肢として、
外部媒体が(内側への動きを観察するために)そのような分子を装荷される。分
子が小胞の外側にある時に比べて分子が小胞の内側にある時に異なる性質を示す
分子が望ましい。例えば分子が高濃度にある時に、しかしそれがも一つの低い濃
度にある時には存在しない消光性質を持つ分子が適切であろう。(移動する能力
または動きの運動学のいずれかの)装荷分子の運動は、そのプロセスに影響する
能力を試験された化学物の存在下または不在下で決定することができる。
【0246】 も一つの検定において、膜透過性は標準電気生理学手法によりABC1で仲介
または調節されるイオン流入または流出を測定することにより電気生理学的に決
定される。適切な対照(例えはTD細胞または非常に低い内因性ABC1発現を
持つ細胞系)は観察された作用がABC1を発現する細胞に特異的であるかどう
かを決定するための検定で対照として使用できる。
【0247】 更にも一つの検定において小胞へのまたはそれからの放射性同位元素の取り入
れが測定できる。小胞は小胞外培地から分離され、また小胞内および培地内の放
射能は計量され比較される。
【0248】 核酸ベイスト検定 ABC1核酸はABC1遺伝子転写に必要な因子の結合に基礎を置く検定に使
用される。ABC1 DNAと結合因子との間の結合はタンパク質結合およびタ
ンパク質結合DNAの間を識別するいずれかのシステム(例えばゲルシフト検定
)により評価される。因子のABC1 DNAの結合に対する化合物の作用はこ
のような検定により評価される。試験管内結合検定に加えて、ABC1遺伝子の
調節領域がレポーター遺伝子と連鎖する生体内検定が同じように実行される。
【0249】 ABC1安定性を測定する検定 細胞ベースまたは無細胞システムはABC1 mRNAまたはABC1タンパ
ク質の半減期に対する作用に基づく化合物をスクリーンするために使用できる。
この検定は標識mRNAまたはタンパク質を採用する。選択肢としてABC1
mRNAは特異的にハイブリッド形成するプローブまたは計量PCR検定により
検出される。タンパク質は例えば蛍光抗体ベイスト方法により計量される。
【0250】 試験管内mRNA安定性検定 1.試験管内転写によりABC1 mRNAの適切な量を単離または産生し、 2.ABC1 mRNAを標識し、 3.ABC1 mRNA安定性を調節する能力を試験された化合物の存在下ま
たは不在下でmRNAのアリコートを細胞ライゼートに露出し、 4.残存mRNAの無傷状態を適切な時間点で評価する。
【0251】 試験管内タンパク質安定性検定 1.適切な量のABC1タンパク質を発現し、 2.タンパク質を標識し、 3.ABC1タンパク質安定性を調節する能力を試験された化合物の存在下ま
たは不在下で標識タンパク質のアリコートを細胞ライゼートに露出し、 4.残存mRNAの無傷状態を適切な時間点で評価する。
【0252】 生体内mRNAまたはタンパク質安定性検定 1.mRNAまたはタンパク質に対する作用を調節された化合物の存在下また
は不在下で非常に短い時間(例えば5分内)でABC1 mRNAまたはタンパ
ク質を発現する細胞をトレーサー(それぞれ放射標識リボヌクレオチドまたは放
射線標識アミノ酸)と共に保温し、 2.未標識リボヌクレオチドまたはアミノ酸と共に保温し、 3.ステップ2の出発に始まるABC1 mRNAまたはタンパク質の放射能
が約80%減少する時間までにわたる時間間隔でABC1 mRNAまたはタン
パク質放射能を計量する。mRNAまたはタンパク質を計量するために例えばゲ
ル電気泳動のような手段により放射性分解産物から無傷または殆ど無傷のmRN
Aまたはタンパク質を分離することが望ましい。
【0253】 優先ネガティブ活性の阻害を測定する検定 変異体ABC1ポリペプチドは優先ネガティブ活性(すなわち野生型ABC1
機能に干渉する活性)を持つように見える。そのような変異体に干渉できる化合
物の検定は変異体の存在下で正常なABC1活性を計量する何れかの方法に基づ
く。例えば、正常ABC1はコレステロール流出を促進し、優先ネガティブ変異
体はこの作用に干渉するであろう。優先ネガティブ変異体の作用を妨害する化合
物の能力は細胞コレステロール流出に、または変異体により抑制可能となった野
生型ABC1の他の正常な活性に基づくものである。
【0254】 リン酸化を測定する検定 野生型ニワトリABC1ポリペプチドのGlu89はリン酸化モチーフの一部
であるように見られ、かくしてWHAMニワトリ(以下で更に議論される)での
E→K ABC1によるこのリン酸化モチーフの排除は、WHAMニワトリAB
C1の生物活性の減少に原因がある。かくしてABC1のリン酸化状態を調節す
る化合物は、ヒトABC1活性の臨床的に関連ある調節物質であると考えられる
【0255】 ABC1リン酸化に対する化合物の作用はタンパク質またはABC1の特異的
残基のリン酸化状態を評価するものに対するリン酸塩を計量する方法により検定
することができる。このような方法は必ずしもそれに限定されないが32P標識化
と免疫沈降法、抗ホスホアミノ酸抗体(例えば抗ホスホセリン抗体)での検出、
2次元TLC平板に対するホスホアミノ酸分析、およびタンパク質のプロテアー
ゼ消化フィンガープリンティングと続く、32P標識断片の検出を含む。
【0256】 他の翻訳後修飾を測定する検定 ABC1の翻訳後修飾に対する化合物の作用は特定の修飾を計量できるいずれ
かの方法に基礎を置く。例えば糖鎖形成に対する化合物の作用はABC1をグリ
コシラーゼで処置し放出された炭水化合物の量と性質を計量することにより検定
される。
【0257】 ATP結合を測定する検定 ATPに結合するABC1の能力はABC1に影響する化合物をスクリーンす
るも一つの検定を提供する。ATP結合は以下のように計量することができる。
【0258】 1.ABC1タンパク質を適切な純度水準で提供し、それを脂質小胞に再構成
する。
【0259】 2.ATP結合への影響を試験された化合物の存在下または不在下で標識され
るが加水分解できないATP類似体(例えばガンマ35S−ATP)などに小胞
を露出する。アジドATP類似体がアジドATPのタンパク質の(紫外線による
)共有付着を可能にしタンパク質に結合するATPの量の計量をより容易にさせ
る。
【0260】 3.ABC1と結合するATP類似体の量を計量する。
【0261】 ATPase活性を測定する検定 ABC1のATPase活性の計量はABC1に対する化合物の作用について
検定することができる。これは望ましくはABC1を細胞内で多くの他のATP
aseから分離するのと同じように無細胞検定で行われる。ATPase検定は
膜の存在または不在下で、またABC1タンパク質の膜への取り込みありまたは
無しで行われる。もし小胞ベース検定で行われる場合には、産生されるATP加
水分解産物または加水分解されたATPは小胞内でまたは小胞外であるいはその
両方で測定される。このような検定はATPの消失またはATP加水分解産物の
出現を基礎にする。
【0262】 高処理量のスクリーニングにとっては、結合ATPase検定が望ましい。例
えばピルビン酸キナーゼと乳酸デヒドロゲナーゼを含む反応混合物を使用するこ
とができる。混合物はホスホエノールピルビン酸塩(PEP)、ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチド(NAD+)、およびATPを含む。ABC1のATP
ase活性はATPからADPを精製する。ADPは次いでピルビン酸キナーゼ
反応の一部としてATPに戻される。後の反応は無色の基質(NAD+)から染
色キノン(NADH)を生成し、また全反応はNADHの形成に際して色の変化
の検出によりモニターすることができる。ADPはピルビン酸キナーゼを制限す
るために、この結合システムは正確にABC1のATPase活性をモニターす
る。
【0263】 コレステロール流出を測定する検定 輸送ベースの検定は生体内または試験管内で実行することができる。例えば検
定はコレステロールまたはリン酸脂質流出などのように、培養で容易に再創出で
きる逆コレステロール輸送プロセスの一部を基礎にする。選択肢として、検定は
標識物質(コレステロールなど)により評価される全生体での正味コレステロー
ル輸送に基礎を置く。
【0264】 高処理のために蛍光脂質はABC1触媒流出を測定するために使用できる。リ
ン酸脂質のために、蛍光前駆体であるC6−NBD−ホスファチジン酸が使用で
きる。この脂質は細胞により取り上げられたホスファチジン酸ホスホヒドロラー
ゼにより脱リン酸される。この産物であるNBD−ジグリセリドは次いでホスフ
ァチジルコリン(レシチン)などのグリセロリン脂質の合成のための前駆体とな
る。NBD−ホスファチジルコリンの流出は細胞培養培地の適切な受容体に対す
るNBDの蛍光共鳴エネルギー移転(FRET)の検出によりモニターできる。
この受容体は細胞により容易に取り込まれないリン脂質であるローダミン標識ホ
スファチジルエタノールアミンであることができる。短鎖前駆体の使用は培地で
のリン脂質輸送タンパク質の必要を不要にする。コレステロールのために、NB
D−コレステロールエステルはLDLに再構築することができる。LDLはこの
脂質を細胞にLDL受容経路を通じて有効に輸送できる。NBDコレステロール
エステルはリソソームに加水分解され、血漿膜に戻され細胞から流出できるNB
D−コレステロールを生成する。流出はNBDがその蛍光共鳴エネルギーをロー
ダミンホスファチジルエタノリン受容体に移す前記のFRET検定によりモニタ
ーすることができる。
【0265】 動物モデルシステム 前記検定のいずれかで活性を持つものとして同定された化合物は、次いで必ず
しもそれに限定されないが、ブタ、ラビット、WHAMニワトリを含むいずれか
の利用できる動物モデルシステムでスクリーンされる。試験化合物はこれらの動
物に標準方法に基づいて投与される。試験化合物は更にABC1遺伝子に突然変
異を持つマウスで試験される。更に化合物はABC1と、ApoAI、ApoA
II、またはApoEなどを構成するいずれかのADL粒子の間の相互作用を高
めるそれらの能力をスクリーンされる。
【0266】 薬剤スクリーンとしてのコレステロール流出検定 コレステロール流出検定はコレステロールを細胞外受容体分子に運ぶ細胞の能
力を測定しまたABC1機能に依存する。この手順で、細胞はいずれかいくつか
の生化学経路により放射線標識コレステロールを装荷される(マーシル他、Ar
terioscler.Thromb.Vasc.Biol.19巻:159−
169ページ.1999年)。コレステロール流出は次いでHDL3または精製
ApoAIの存在下で各種時間(典型的には0乃至24時間)の保温の後測定さ
れる。コレステロール流出は各種の保温時間後培養培地で全コレステロールのパ
ーセンテージとして測定される。ABC1発現水準およびまたは生物活性は流出
の増加と関連し、一方ABC1の水準の減少はコレステロール流出の減少と関連
する。
【0267】 この検定は薬剤スクリーニングに使用される形式(フォーマット)に容易に適
応することができ、それは多ウエル(例えば96ウエル)形式より成る。薬剤ス
クリーニングにそれを最適化する検定の修飾は手続を減少して簡素化し、標識方
法を修飾し、異なったコレステロール受容体を使用し、保温時間を変更し、コレ
ステロール計算方法を変えることを含む。これらすべての場合、コレステロール
流出検定は実験の修飾は行うけれども、その概念としては変わらず同じである。
ABC1を過剰発現する遺伝子導入マウスは正常HLD水準より高い値を持つも
のと期待される。
【0268】 ノックアウトマウスモデル (例えば相同組換えなどにより)不活性化された1個または両方のABC1対
立遺伝子を持つマウスなどのような動物は低HDL−C水準と正常よりも高いト
リグリセリド水準を持つように見え、かくしてHDL−C水準を高め、トリグリ
セリド水準を低下させる化合物をスクリーンニングするための望ましい動物モデ
ルである。そのような動物は標準方法で産生することができる。試験化合物の初
期スクリーニングに加えて、変異体ABC1遺伝子を持つ動物はここに記載され
た他のスクリーニング法の一つを用いる最初に同定された薬剤または作用薬の効
果と安定性を更に試験するために有用である。動物から取り出され培養に配置さ
れる細胞はまた試験化合物に露出することができる。HDL−Cおよびトリグリ
セリド水準はここで記載されるような標準技術を用いて測定することができる。
【0269】 WHAMニワトリ:低HDLコレステロール用動物モデル ウイスコンシン低アルファ変異体(WHAM)ニワトリが閉鎖群の自発的突然
変異により発生した。変異体ニワトリは「劣性ホワイトスキン」として引用され
るZ連鎖ホワイトシャンクおよびホワイトビーク表現型を通じて注目をあび(マ
クギボン、1981年)、続いてHDLを大きく欠いていることが発見された(
ペーナマ他、1990年)。
【0270】 このニワトリの低HDL遺伝子座(Y)はZ連鎖あるいは性連鎖している(鳥
では、雌はZWで雄はZZである)。遺伝子地図ではY遺伝子座はID遺伝子座
(ビットグット、1988年)に近位のZ染色体(ビットグッド、1985年)
の長腕部に配置した。ニワトリゲノム地図化プロジェクト、チックマップ(ロス
リン・インスティチュートで保有;http://www.ri.bbsrc.
ac.uk/chickmap/ChickMapHomePage.html
)の現在地図化データの検討は、ヒト染色体9とのシンテニーの領域がID遺伝
子座近位のニワトリZ染色体(Zq)の長腕部にあることを示した。シンテニー
のこの領域の証拠は、この領域内でのニワトリアルドラーゼB遺伝子座(ALD
OB)の位置にある。ヒトALDOB遺伝子座はヒトABC1の位置から遠くな
い染色体9q22.3に位置する(ザ・ゲノム・データベース,http://
gdbwwv.gdb.org./)。この地図の比較は、ニワトリALDOB
近くのニワトリZq領域およびヒトALDOB近くのヒト9q領域がヒトとニワ
トリの間のシンテニー領域を表すことを示した。
【0271】 低HDL遺伝子座がヒトでは9q位置またニワトリではZq領域に位置するた
めに、これらのHDL遺伝子座はシンテニー領域内にほぼ位置している。かくし
て我々はABC1がWHAMニワトリで突然変異していることを予言した。これ
を支援して、我々はヒトABC1のアミノ酸89に一致する位置でのE⇒K突然
変異をこれまでに同定した。この非保存置換はヒト、マウス、およびニワトリの
間に保存される位置にあり、機能的重要性を持つように見えるタンパク質の領域
にあることを示している。
【0272】 ABC1タンパク質のアミノ末端部分でのWHAM突然変異の発見は同じくア
ミノ末端領域の重要性を立証する。この領域はコレステロール流出または関連す
る課題を運ぶのに必要な他のタンパク質と関連するために重要となる。それは重
要な調節領域であり(突然変異残基の近くにカゼインキナーゼのためのリン酸化
部位がある)、またはそれは細胞膜と正確な位相関係を指示することに役立つ(
N末端60アミノ酸領域は推定上の膜広がりまたは膜関連セグメントを含む)。
【0273】 タンパク質のアミノ酸末端領域(約アミノ酸639での最初の6−TM領域ま
で)はABC1活性に影響するスクリーニング因子のための理想的な用具である
。切形タンパク質により正常ABC1機能の干渉を試験するために、それはAB
C1野生型細胞どの切形タンパク質として発現することができる。もし断片が優
性ネガティブな方法で作用するとすれば、それは正常な内因性タンパク質から離
れて競争するタンパク質を同定する免疫沈降法で使用できたであろう。
【0274】 C末端もまた膜貫通領域不在下で断片または標識であるいは融合タンパク質と
して発現される、分子の細胞内部分が行うのと同じような実験に手を貸す。
【0275】 コレステロール流出に影響するヒトゲノムにいくつかの遺伝子が存在すること
が可能であるため、ヒト遺伝子病に使用される何らかの動物モデルがその動物で
の相同性遺伝子座を表し、類似の機能を持つ異なった遺伝子座は表さないことを
立証することが重要である。前記の証拠はニワトリY遺伝子座とヒト染色体9低
HDL遺伝子座が相同であることを立証する。WHAMニワトリは従ってコレス
テロール流出を調節する薬剤の同定のために重要な動物となる。
【0276】 しかしWHAMニワトリのHDL欠損症候群はニワトリの短い寿命を反映する
。我々はヒトのHDLを高める薬剤の開発と試験のためのヒト低HDLのモデル
としてWHAMニワトリを提案する。このようなモデルはこれらニワトリの細胞
または他の誘導体の使用を通じて、または薬剤有効性、毒性、および他の薬剤開
発目的の試験にニワトリ自身を使用することにより、いくつかの形態で採用する
ことができた。
【0277】 療法 必ずしもそれに限定されないが、ABC1ポリペプチド、ABC1核酸、他の
ABC輸送体、LXR調節化合物、RXR調節化合物、およびここで開示された
いずれかの方法を用いて同定されたABC1の生物活性または発現を調節するい
ずれかの治療薬は、単位用量形態で薬理許容希釈剤、担体、または賦形剤と共に
投与される。従来の薬理業務はそのような組成物を患者に投与する適切な処方ま
たは組成物を提供するために採用される。いずれかの適切な投与のルート、例え
ば静脈内、非経口、皮下、筋肉内、頭蓋骨、眼窩内、眼内、心室内、被膜内、骨
髄腔内、クモ膜下槽内、腹腔内、鼻腔内、エアゾルまたは経口投与が採用される
。治療処方は水溶液または懸濁液の形態にある。経口投与では、処方は錠剤また
はカプセルの形である。鼻腔処方では粉体、鼻腔滴またはエアゾルである。
【0278】 処方を作成する従来よく知られている方法は、例えばレミントン:薬局の科学
と業務(19版).A.R.ゲネーロ編.1995年、ペンシルベニア、イース
トン、マック・パプリッシング・カンパニーで見られる。非経口投与の処方は、
例えば賦形剤、無菌水、食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレン
グリコール、植物源の油、または水素添加ナフタレンを含む。生体適合性、生物
分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシ
エレレン−ポリオキシプロピレンコポリマーは化合物の放出を制御するたに使用
される。本発明の作用薬の他の潜在的に有用な非経口送達システムはエチレンビ
ニルアセテートコポリマー粒子、浸透ポンプ、移植可能注入システム、およびリ
ポソームを含む。吸入の処方は、例えばラクトースなどの賦形剤を含み、あるい
は例えばポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸塩および
デオキシコール酸塩などを含む水溶液、あるいは鼻腔用滴の形でまたはゲルとし
て投与れる油状溶液である。
【0279】 化合物 一般に異常脂質水準およびまたはCVDの処置のための新規な薬剤は従来公知
の方法に基づいて天然産物または合成(もしくは半合成)抽出物あるいは化学ラ
イブラリーの両方の大型ライブラリーから同定される。この分野または薬剤発見
および開発に熟練した人は、試験抽出物または化合物の正確な源が本発明のスク
リーニング手順にとっては重要でないことを理解するであろう。従って、事実上
化学抽出物または化合物のいずれかの数はここに記載された典型的な方法を使用
してスクリーンすることができる。このような抽出物または化合物の例は、必ず
しもそれに限定されないが、植物ベース抽出物、真菌ベース抽出物、原核ベース
抽出物または動物ベース抽出物、発酵肉汁、および合成化合物、同じく現存する
化合物の修飾物を含む。数多くの方法もまた、必ずしもそれに限定されないが、
糖類ベース化合物、脂質ベース化合物、ペプチドベース化合物、および核酸ベー
ス化合物を含むいずれかの数の化学化合物の無作為のまたはそれらに向けた合成
(例えば半合成もしくは全合成)を創り出すのに利用される。合成化合物ライブ
ラリーは商業的にブランドン・アソシエーツ(ニューハンプシャー.メリマック
)とオルドリッチ・ケミカル(ウイスコンシン、ミルウォーキー)から利用でき
る。選択肢として化合物のライブラリーはバイオティックス(英国、サセックス
)、ゼノバ(英国、スラウ)、ハーバー・ブランチ・オーシャングラフィックス
・インスティチュート(フロリダ、フォートピアス)およびファーママー,U.
S.A.(マサチューセッツ、ケンブリッジ)を含む数多くの源から商業的に利
用できる。加えて、天然および合成産出ライブラリーは、もし望ましければ従来
公知の方法に従って、例えば標準抽出および分留方法により産生される。更にも
し望ましければ、標準の化学、物理学またはバイオケミカルの方法を使っていず
れのライブラリーまたは化合物でも容易に修飾できる。
【0280】 加えて、薬剤発見と開発の分野での当業者は、複製消失(例えば分類学的複製
消失、生物学的複製消失、および化学的複製消失、またはこれらのいずれかの組
合わせ)の方法が、またはHDL上昇、トリグリセリド低下、または抗CVD活
性で既に公知の物質の複製または反復の除去が採用できるところではどこでも採
用されねばならないことを容易に理解する。
【0281】 粗抽出物がABC1遺伝子発現、ABC1生物活性あるいはそれらの組合せを
持つことが発見される時には、更に正の主要な抽出物の分留が観察された作用の
原因となる化学構成物を単離する必要がある。かくして抽出物、分留、および精
製プロセスの目標はHDL増加、トリグリセリド低下、または抗CVD活性、A
BC遺伝子発現を調節する能力、またはそれらの組合せを持つ粗抽出物内で化学
成分全体の注意深い特徴付けと同定である。化合物の混合物での活性の検出に対
してここに記載された同じ生体内および試験管内検定は活性成分を精製し、その
誘導体を試験するのに使用することができる。このような異種抽出物の分留と精
製は従来公知である。もし望ましければ、病原性の処置のための有用な作用薬で
あることが示される化合物は従来の技術で公知の方法に従って化学的に修飾され
る。治療価値があると確認された化合物は、次いで従来公知の糖尿病または肥満
症のいずれかの標準動物モデルを用いて分析される。
【0282】 ABC1を調節しまたはABC1により調節されるタンパク質の活性を調節す
る化合物はコレステロール水準およびトリグリセリド水準を調節するための有用
な化合物であることが理解される。典型的な化合物がここに提供されており、他
のものは公知のものである。
【0283】 コレステロールに構造的に関連し、またはApoAIあるいは関連するアポリ
ポタンパク質を擬態し、またABC1生物活性を高める化合物は本発明のとりわ
け有用な化合物である。MDRタンパク質に作用するものとして知られる他の化
合物は更にABC1生物活性を高めるために使用され誘導体にされその能力を検
定される。典型的なMDR調節物質はPSC833、ブロモクリプチン、および
シクロスポリンAである。ABC1生物活性を高めるためにその能力を検定され
る他の化合物の例はオキシステロールとその誘導体である。
【0284】 低HDL−Cまたは抗トリグリセリド水準を持つ患者のスクリーニング ABC1発現、生物活性および突然変異分析はそれぞれ低HDLまたは正常よ
りも高いトリグリセリド水準の診断用具として役立ち得る。かくしてABC1遺
伝子配列の遺伝的亜類型化の確認は低HDLまたは正常よりも高いトリグリセリ
ド表現型がABC1機能に関係するかどうかを決定するために低HDLまたは正
常よりも高いトリグリセリドの個体または家族を亜類型化するために使用するこ
とができる。この診断プロセスはHDL増加またはトリグリセリド低下薬剤の投
与に際しての副作用の予測を含む患者の遺伝子型に基づく薬剤処置の特別仕立て
(以下薬理ゲノミクスとして引用)に導くことができる。薬理ゲノミクスは(例
えば個体の遺伝子型は特定の作用薬に応答する個体の能力を決定するために試験
される)個体の遺伝子型に基づく個体の治療または予防処置のために作用薬(例
えば薬剤)の選択を可能にする。
【0285】 ABC1生物活性または遺伝子発現に対する刺激または阻害作用を持つ薬剤ま
たは調節物質は、異常ABC1活性と関連する疾患(例えば心臓血管症、低HD
Lコレステロールまたは正常より高いトリグリセリド水準)を処置するために個
体に投与することができる。このような処置と関連して、個体の薬理ゲノミクス
(すなわち個体遺伝子型と外部化合物または薬剤に対する個体の応答との間の関
係の研究)が考慮される。治療効果の差は薬理活性薬剤の用量とその血液濃度の
間の関係を変更することで厳しい毒性または治療失敗に導くことがある。かくし
て個体の薬理ゲノミクスは個体の遺伝子型の考慮に基づく予防または治療処置の
ための効果的な作用薬(例えば薬剤)の選択を可能にする。このような薬理ゲノ
ミクスは更に適切な用量と治療処方を決定するのに使用することができる。従っ
て、個体におけるABC1タンパク質の活性、ABC1核酸の発現、またはAB
C1遺伝子の突然変異容量はそれにより個体の治療または予防処置に適切な作用
薬を選択するように決定することができる。
【0286】 薬理ゲノミクスは影響を受ける人での変更された薬剤準備と異常な行為に起因
する薬剤への応答で臨床的に重要な遺伝的変化に対処する(M.アイケルバウム
、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.23巻:983−
985ページ、1996年;M.W.リンダー,Clin.Chem.43巻、
254−266ページ、1997年)。一般に二つの型の薬理遺伝学的条件に分
化することができる。それは薬剤が身体に作用する方法を変更する単一因子とし
て伝達される遺伝条件(変更された薬剤作用)と、身体が薬剤に作用する方法を
変更する単一因子として伝達される遺伝条件(変更された薬剤代謝)である。変
更された薬剤作用はABC1のプロモーター配列、イントロン配列またはエキソ
ン配列内で多型性(たとえば単一ヌクレオチド多型性すなわちSNP)を持つ患
者に生じる。かくして多型性の存在とその罹患率を決定することにより患者の特
定の治療薬に対する応答を予測することが可能となる。とりわけ、プロモーター
領域での多型性はHDL欠損、正常より高いトリグリセリド水準とCVDのリス
クを決定するのに重要である。
【0287】 ここで記載されたABC1遺伝子での突然変異に加えて、我々はヒトABC1
遺伝子の多型性を検出した(図4)。これらの多型性はABC1のプロモーター
、イントロン、およびエキソン配列に位置する。標準方法を例えば直接配列決定
、PCR,SSCP,あるいはいずれか他の多型性検出システムを用いて低HD
L、正常より高いトリグリセリド水準、心臓血管病、またはいずれか他のABC
1仲介病状を持つ患者に対する薬剤処置処方の確定の前に、これらの多型性が患
者に存在するかどうかを容易に確認することができた。これらのいくつかの多型
性が事実上弱い変異であることもあり得る。このような変異を宿している個体は
心臓血管症のリスクが高い。かくしてこれらの多型性も診断決定には有用である
【0288】 他の実施例 本明細書で言及されたすべての公開文献はあたかも個々の独立した公開文献が
特異的または個別的に引用例で組み込まれることを指示されたように、同じ範囲
で引用例としてここに組み込まれる。
【0289】 本発明はこの特異的実施例と関連して記載されてきたが、一方それは更なる修
飾ができることも理解されるであろう。本出願は本発明が関係しこれまでに設定
された基本的特徴に適用される従来の技術内での公知のかつ慣習上の業務内での
本発明の原理に一般に基づきかつ本開示からの逸脱を含むすべての変化、用途、
または適用を取り扱うことを意図するものである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1(1)】 エキソン1−50を含むヒトABC1のゲノム配列を示す
図(配列識別番号1)。大文字はエキソン配列を示し、小文字は5′調節配列ま
たはイントロン配列を示す。「Z」はいずれかのヌクレオチドまたはヌクレオチ
ドを含まない他のものを示す。配列識別番号1でヌクレオチドにここで使用され
た番号付けは「z」で示された位置にはヌクレオチドが存在しないものと仮定す
る。しかしこれらの配列でもし「z」で示されたいくつかまたはずべての位置に
存在するならばヌクレオチドの番号付けは変化することを当業者には容易に明ら
かであろう。「K」はヌクレオチドGまたはTを示す。「Y」はヌクレオチドA
またはCを示す。「S」はヌクレオチドCまたはGを示す。「H」はヌクレオチ
ドA、C、またはTを示す。「B」はヌクレオチドC、G、またはTを示す。我
々がこれまでに開示したエキソン0α上流のABC1エキソンの同定の故で、A
BC1エキソンをここで引用する番号付けは、我々がこれまでに使用して番号付
けしたものに比べて1個増加している(U.S.S.N.09/526,193
;U.S.S.N.60/124,702;U.S.S.N.60/138,0
48;U.S.S.N.60/139,600;U.S.S.N.60/151
,977)。例えばこれまでに記載されたエキソン0はここでエキソン0はここ
でエキソン1として引用される。
【図1(2)】 図1(1)と同じ
【図1(3)】 図1(1)と同じ
【図1(4)】 図1(1)と同じ
【図1(5)】 図1(1)と同じ
【図1(6)】 図1(1)と同じ
【図1(7)】 図1(1)と同じ
【図1(8)】 図1(1)と同じ
【図1(9)】 図1(1)と同じ
【図1(10)】 図1(1)と同じ
【図1(11)】 図1(1)と同じ
【図1(12)】 図1(1)と同じ
【図1(13)】 図1(1)と同じ
【図1(14)】 図1(1)と同じ
【図1(15)】 図1(1)と同じ
【図1(16)】 図1(1)と同じ
【図1(17)】 図1(1)と同じ
【図1(18)】 図1(1)と同じ
【図1(19)】 図1(1)と同じ
【図1(20)】 図1(1)と同じ
【図1(21)】 図1(1)と同じ
【図1(22)】 図1(1)と同じ
【図1(23)】 図1(1)と同じ
【図1(24)】 図1(1)と同じ
【図1(25)】 図1(1)と同じ
【図1(26)】 図1(1)と同じ
【図1(27)】 図1(1)と同じ
【図1(28)】 図1(1)と同じ
【図1(29)】 図1(1)と同じ
【図1(30)】 図1(1)と同じ
【図1(31)】 図1(1)と同じ
【図1(32)】 図1(1)と同じ
【図1(33)】 図1(1)と同じ
【図1(34)】 図1(1)と同じ
【図1(35)】 図1(1)と同じ
【図1(36)】 図1(1)と同じ
【図1(37)】 図1(1)と同じ
【図1(38)】 図1(1)と同じ
【図1(39)】 図1(1)と同じ
【図1(40)】 図1(1)と同じ
【図1(41)】 図1(1)と同じ
【図1(42)】 図1(1)と同じ
【図1(43)】 図1(1)と同じ
【図1(44)】 図1(1)と同じ
【図1(45)】 図1(1)と同じ
【図2A】 ヒトABC1タンパク質のアミノ酸配列を示す図(配列識別番
号5)
【図2B(1)】 ヒトABC1 cDNAのヌクレオチド配列を示す図(
配列識別番号6)
【図2B(2)】 ヒトABC1 cDNAのヌクレオチド配列を示す図(
配列識別番号6)
【図2B(3)】 ヒトABC1 cDNAのヌクレオチド配列を示す図(
配列識別番号6)
【図2B(4)】 ヒトABC1 cDNAのヌクレオチド配列を示す図(
配列識別番号6)
【図3(1)】 ヒトABC1 5′調節配列内のコンセンサス転写因子の
位置に要約図。略語は以下のとおりである:PPRE=ペルオキシソーム増殖剤
応答性受容体。SREBP=ステロイド応答エレメント結合タンパク質部位。R
OR=RAR−関連オーファン受容体。転写因子結合部位の位置でここで使用さ
れる番号付けは、配列識別番号1で「z」と示された位置ではヌクレオチドが存
在しないものと仮定する。プロモーター領域での多型に対しては、番号付けはヌ
クレオチド番号−1のプロモーターの第1塩基を基礎にする。エキソン1では、
番号付けは、ヌクレオチド番号+1のエキソン1の第1塩基を基礎にする。5′
末端イントロンでは、番号付けは+1でのイントロン1の第1位置に基礎を置く
。イントロン1の3′末端では、番号付けはヌクレオチド番号−1の第1塩基5
′からエキソン2の出発点までに基礎を置く。
【図3(2)】 図3(1)と同じ
【図3(3)】 図3(1)と同じ
【図3(4)】 図3(1)と同じ
【図3(5)】 図3(1)と同じ
【図3(6)】 図3(1)と同じ
【図4(1)】 ゲノムABC1配列での多型を要約した表
【図4(2)】 ゲノムABC1配列での多型を要約した表
【図4(3)】 ゲノムABC1配列での多型を要約した表
【図4(4)】 ゲノムABC1配列での多型を要約した表
【図4(5)】 ゲノムABC1配列での多型を要約した表
【図4(6)】 ゲノムABC1配列での多型を要約した表
【図5A】 LRC基準に基づく年齢と性の一定の百分位数内でHDL(図
5A)とトリグリセリド(TG)(図5B)のヘテロ接合体また影響されない家
族メンバーの割合を示す棒グラフ(ハイス他、血液循環、62巻:IV−116−
IV−136、1980年)。HDL水準の広い分布がヘテロ接合体で観察され、
年齢と性の第31百分位数まで広がる。ヘテロ接合体と感染されない家族メンバ
ーの間でトリグリセリドの分布にオーバーラップが存在するが、ヘテロ接合体の
大部分は年齢と性で第80百分位数以上のトリグリセリド水準を持つ。
【図5B】 図5Aと同じ
【図6】 TD患者と、ABC1ヘテロ接合体と、影響されない家族メンバ
ーを特徴付ける表
【図7】 ABC1ヘテロ接合体でCADの発生率を要約した表
【図8】 各変異のヘテロ接合体保因者で測定された各変異のヘテロ接合体
での平均HDL水準対流出水準を示すグラフ。HDL水準はその家族の影響され
ないメンバーの平均HDL水準の割合で表される。流出水準はHDLコレステロ
ールの水準と密接に相関して折りHDLコレステロール水準での変化の82%と
関連する。
【図9】 ABC1ヘテロ接合体のHDL水準とCADの存在または不在を
要約する表。R2144XとR909X ABC1変異ではArg2133また
はArg909をコードするコドンはSTOPコドンに変異され、コードコドン
の切形を生じる。「Del E,D 1893,94」変異では、Gln189
3およびAsp1894をコードするコドンは欠失される。「invs25+1
G・・・>C″」変異はイントロン25の第1ヌクレオチドを「G」から「C」
に転換し、スプライス部位を除去する。「del C 6825・・・>214
5X変異にとっては、ヌクレオチド配列でのC6825の欠失はコード化タンパ
ク質のアミノ酸2145に対応するコドンでSTOPコドンを生じる。「CTC
6952−4TT・・・>2203X」変異では、「CTC」はヌクレオチド配
列で「TT」により置換されアミノ酸2203をコードするコドンを停止コドン
に転換する結果となる。
【図10】 ミスセンス変異または重症変異のいずれかで影響されない家族
メンバーとABC1ヘテロ接合体での平均脂質水準を比較する表
【図11】 変異の位置および変異の保因者でのCADの存在または不在を
説明するABC1タンパク質の概略図。40歳またはそれ以上のヘテロ接合体の
数(n)がリストされている。
【図12A】 FHAの親族であるFHA3とFHA1それぞれの系統を示
す図(マーシル他、ランセット354巻:1341−1346ページ、1999
年)。男性は四角記号で女性は円記号で示される。変異でヘテロ接合型個体は半
分陰影記号が与えられ、保管者は矢印で示される。斜線は故人の個体を示す。共
に個体は年輩の世代の人よりも高い百分位数の範囲のHDLコレステロールを持
つ。
【図12B】 図12Aと同じ
【図13】 与えられた百分位数範囲のHDLコレステロール水準にある3
0歳以下と30歳から70歳以上の個体の割合を示す棒グラフ。共に個体ははる
かに広いHDLコレステロール水準の分布を持ち、ABC1のHDL水準への影
響が年齢によってその影響を受けることを明らかに示している。
【図14】 ABC1ヘテロ接合体と影響されない家族メンバーの異なった
年齢グループでのHDLとTG水準を要約した表
【図15A】 LRC集団での第10百分位数分布と比較した10歳グルー
プ(中間地点でプロットしたもの)でのヘテロ接合型男性(図15A)と女性(
図15B)での平均HDL水準を示すグラフ(ハイス他、前掲)。誤り棒グラフ
は書く平均値の標準偏差値を示す。各グループでの個体数は下部各データ点で示
される。30歳以上ではヘテロ接合体の平均HDL水準は第10百分位数分布よ
りはるかに低いものになる。これとは逆に、30歳以下のヘテロ接合体の平均H
DLコレステロール水準は第10百分位数分布にほぼ近づく。
【図15B】 図15Aと同じ
【図16A】 BMIの各3グループ内のヘテロ接合体と影響されない家族
メンバーの平均HDL(図16A)とトリグリセリド水準(図18B)を示すグ
ラフ。BMIの3グループは以下の値に一致する:(1)BMI<21.4;(
2)21.4<BMI<25.1;(3)BMI>25.1
【図16B】 図16Aと同じ
【図17(1)】 ABC1多型のRFLPスクリーニングに使用されるオ
リゴヌクレオチドと反応条件を示す表
【図17(2)】 ABC1多型のRFLPスクリーニングに使用されるオ
リゴヌクレオチドと反応条件を示す表
【図18】 R219K変異体のRFLP遺伝子型を示すゲルの画。177
塩基対PCR産物はA対立遺伝子を消化しないか、B対立遺伝子は消化されて1
07および70塩基対を産生する。
【図19】 ABC1遺伝子で多型の対立遺伝子頻度を示す表。
【図20】 対照と比べたR219K ABC1でのMSD、MOD、およ
び冠動脈事象を比較する表
【図21】 R219K ABC1変異体の保因者(AB+BB)および非
保因者(AA)の無事象生存曲線を示すグラフ。変異体の保因者は非保因者に比
べて2年間の試行にわたり無事象生存を29%増加した。
【図22】 R219K ABC1遺伝子型での退化成長評価スタティン研
究(REGRESS)での基線デモグラフィックスと脂質水準を示す表
【図23】R219K ABC1保因者と対照での平均年齢以上および以下
の脂質水準とCADを示す表
【図24】 各R219K遺伝子型での中位年齢(56.7歳)以上および
未満の人の間のHDLコレステロール水準の差の割合を示す棒グラフ
【図25A】 R219K遺伝子型での年齢によるHDLコレステロール(
図25A)と流出(図25B)の相関を示すグラフ
【図25B】 図25Aと同じ
【図26A】 R219K ABC1変異体の保因者(AB+BB)および
非保因者(AA)の中位年齢によるMSD(図26A)とMOD(図26B)で
の変化を示すグラフ
【図26B】 図26Aと同じ
【図27】 R219K ABC1変異体の人種分布を示す表
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 3/06 A61P 3/06 9/00 9/00 9/10 9/10 43/00 111 43/00 111 C12Q 1/02 C12N 5/10 1/68 A 15/09 Z C12Q 1/02 A61K 37/02 1/68 C12N 15/00 A 5/00 B (31)優先権主張番号 60/213,958 (32)優先日 平成12年6月23日(2000.6.23) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ヘイドン,マイケル,アール. カナダ,ヴィー6アール 1ダブリュ9 ブリティッシュ コロンビア,バンクーバ ー,ウェスト セブンス アベニュー 4484 (72)発明者 ブルックス−ウイルソン,アンジェラ,ア ール. カナダ,ヴィー7シー 4ビー2 ブリテ ィッシュ コロンビア,リッチモンド,ラ ングトン ロード 7100 (72)発明者 ピムストーン,サイモン,エヌ. カナダ,ヴィー6ティー 1シー5 ブリ ティッシュ コロンビア,バンクーバー, ウエスト シックスス アベニュー 4746 (72)発明者 クリー,スーザン,エム. カナダ,ヴィー7エヌ 1エム8 ブリテ ィッシュ コロンビア,ノース バンクー バー,イー.オズボーン ロード 627 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA04 CA09 DA02 HA14 4B063 QA12 QA18 QA19 QQ43 QR38 QR55 QR80 QS34 4B065 AA90 AB01 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 AA17 BA01 BA08 BA23 DC50 NA14 ZA362 ZC022 ZC332 4C086 AA01 AA02 AA03 DA08 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZC02 ZC33

Claims (79)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正常値よりも低いHDLコレステロール水準、正常値よりも
    高いトリグリセリド水準、または心臓血管病を持つと診断された患者を処置する
    一つの方法であって、前記方法がLXR仲介転写活性を調節する化合物を前記患
    者に投与することよりなることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、ここで前記化合物がオキシス
    テロールであることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法であって、ここで前記化合物が下記の化
    合物、すなわち、 24−(S),25−エポキシコレステロール;24(S)−ヒドロキシコレス
    テロール;22−(R)−ヒドロキシコレステロール;24(R),25−エポ
    キシコレステロール;22(R)−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコ
    レステロール;22(S)−ヒドロキシ−24(R),25−エポキシコレステ
    ロール;24−(S),25−イミノコレステロール;メチル−38−ヒドロキ
    シコロネート;N,N−ジメチル−3β−ヒドロキシコロンアミド;24(R)
    −ヒドロキシコレステロール;22(S)−ヒドロキシコレステロール;22(
    R),24(S)−ジヒドロキシコレステロール;25−ヒドロキシコレステロ
    ール;22(R)−ヒドロキシコレステロール;22(S)−ヒドロキシコレス
    テロール;24(S),25−ジヒドロキシコレステロール;24(R),25
    −ジヒドロキシコレステロール;24,25−デヒドロコレステロール;25−
    エポキシ−22(R)−ヒドロキシコレステロール;20(S)−ヒドロキシコ
    レステロール;(20R,22R)−コレスト−5−ene−3β,20,22
    −トリオール;4,4−ジメチル−5−α−コレスタ−8,14,24−トリエ
    ン−3−β−オール;7α−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレステ
    ロール;7β−ヒドロキシ−24(S),25−エポキシコレステロール;7−
    オキソ−24(S),25−エポキシコレステロール;7α−ヒドロキシコレス
    テロール;7−オキソコレステロール;およびデモステロール, より成るグループから選択されることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法であって、ここで前記LXRがLXRα
    であることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 正常値よりも低いHDLコレステロール水準、正常値よりも
    高いトリグリセリド水準、または心臓血管病を持つと診断された患者を処置する
    一つの方法であって、前記方法がRXR仲介転写活性を調節する化合物を前記患
    者に投与することより成ることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法であって、ここで前記RXRがRXRα
    であることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 候補化合物がABC1発現を調節するかどうかを決定する方
    法であって、ここで前記方法が (a)レポーター遺伝子に連結されたABC1調節領域またはプロモーターよ
    り成る核酸分子を提供し、 (b)前記核酸分子を前記候補化合物に接触させ、および (c)前記レポーター遺伝子の発現を測定する ステップより成り、ここで前記化合物と接触されなかった対応する対照核酸分子
    の前記レポーター遺伝子発現と対比して、変更レポーター遺伝子発現は前記候補
    化合物がABC1発現を調節することを示すことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法であって、ここで前記調節領域が配列識
    別番号1のヌクレオチド5854乃至6694、7756乃至8318、104
    79乃至10825、15214乃至16068、21636乃至22111、
    27898乃至28721、32951乃至33743、36065乃至368
    47、39730乃至40577、4543乃至5287、及び45081乃至
    55639から選択される50個の連続ヌクレオチドを含むことを特徴とする方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の方法であって、ここで前記調節領域がLXR
    s、RXRs、RORs、SREBPs、およびPPARsより成るグループか
    ら選択される転写因子の結合部位を含むことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 一つの事実上純粋な核酸分子であって、配列識別番号1の
    ヌクレオチド5854乃至6694、7756乃至8318、10479乃至1
    0825、15214乃至16068、21636乃至22111、27898
    乃至28721、32951乃至33743、36065乃至36847、39
    730乃至40577、4543乃至5287、または45081乃至5563
    9の少なくとも50個の隣接ヌクレオチドに事実上同一である領域を含むことを
    特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 配列識別番号1のヌクレオチド1乃至28,707に事実
    上同一である領域を含むことを特徴とする一つの事実上純粋な核酸分子。
  12. 【請求項12】 配列識別番号1のヌクレオチド29,011乃至53,2
    28に事実上同一である領域を含むことを特徴とする一つの事実上純粋な核酸分
    子。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の核酸分子を発現することを特徴とする一
    つの細胞。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の核酸分子を発現することを特徴とする一
    つの非ヒト哺乳類。
  15. 【請求項15】 正常より高いトリグリセリド水準を持つヒトを処置する一
    つの方法であって、前記方法が前記ヒトにABC1ポリペプチド、またはそのト
    リグリセリド調節断片を投与することを含むことを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドが配列識別番号5の配列を持つことを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドが位置219でR→K変異または位置399でV→A変異を含むことを
    特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドがその安定性を増加する変異を含むことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項15記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドが生物活性を増加する変異を含むことを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 正常より高いトリグリセリド水準を持つヒトを処置する一
    つの方法であって、前記方法が前記ヒトにABC1ポリペプチドまたはトリグリ
    セリド調節断片をコーディングする核酸分子を投与することを含むことを特徴と
    する方法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドが配列識別番号5のアミノ酸配列を持つことを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドが位置219でR→K変異または位置399でV→A変異を含むことを
    特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 請求項20記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドがその安定性を増加する変異を含むことを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 請求項20記載の方法であって、ここで前記ABC1ポリ
    ペプチドが生物活性を増加する変異を含むことを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 請求項20記載の方法であって、ここで前記生物活性がコ
    レステロールの調節であることを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 請求項20記載の方法であって、ここで前記ヒトが正常よ
    り低いHDLコレステロール水準を持つことを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 正常よりも高いトリグリセリド水準を持つヒトを処置する
    一つの方法であって、前記方法が前記ヒトにABC1生物活性を増加しまたは野
    生型ABC1、R219K ABC1、あるいはV399A ABC1の活性を
    擬態する化合物を投与することを含むことを特徴とする方法。
  28. 【請求項28】 優性ネガティブABC1ポリペプチドをコーディングする
    核酸分子を含む導入遺伝子を含む一つの非ヒト哺乳類であって、前記優性ネガテ
    ィブポリペプチドが位置1091でM→T変異を含むことを特徴とする非ヒト哺
    乳類。
  29. 【請求項29】 候補化合物が優性ネガティブABC1ポリペプチドの阻害
    を減らすかどうかを決定する一つの方法であって、前記優性ネガティブポリペプ
    チドが位置1091でM→T変異を含み、前記方法が (a)優性ネガティブABC1ポリペプチドを発現する細胞を提供し、 (b)前記細胞を前記候補化合物に接触させ、また、 (c)前記細胞のABC1生物活性を測定する、 ステップを含み、ここで前記化合物に接触されない対応する対照細胞での前記A
    BC1生物活性に比べて前記ABC1生物活性での増加は、前記候補化合物が優
    性ネガティブABC1ポリペプチドの阻害を減らすことを示すことを特徴とする
    方法。
  30. 【請求項30】 トリグリセリド低減薬剤に対するヒトの反応を予測する一
    つの方法であって、前記薬剤に対する人の反応を変更するABC1遺伝子、プロ
    モーターまたは調節配列に多型性を持つかどうかを決定することを特徴とする方
    法。
  31. 【請求項31】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって前記方法が (a)ABC1遺伝子に変異を含むニワトリを提供し、 (b)前記候補化合物を前記ニワトリに投与し、また (c)前記ニワトリのABC1生物活性を測定する、 ステップを含み、ここで前記化合物に接触されない対応する対照ニワトリの前記
    生物活性に比べて、変更ABC1生物活性は前記候補化合物がトリグリセリド水
    準を調節するのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の方法であって、ここで前記ABC1生物
    活性がコレステロールの輸送であることを特徴とする方法。
  33. 【請求項33】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法が (a)配列識別番号5のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチドを発
    現する細胞を提供し、 (b)前記細胞を前記候補化合物に接触させ、また (c)前記細胞のABC1生物活性を測定する、 ステップを含み、ここで前記化合物に接触されない対応する対照細胞のABC1
    生物活性に比べて、変更ABC1生物活性は前記候補化合物がトリグリセリド水
    準を調節するのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  34. 【請求項34】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する方法であって、前記方法が (a)ABC1遺伝子を発現する細胞またはその断片を提供し、 (b)前記細胞を前記候補化合物に接触させ、また (c)前記細胞のABC1発現を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物に接触されない対応する対照細胞の前記ABC1発現に比
    べて、変更ABC1発現は前記候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに
    有用であることを示すことを特徴とする方法。
  35. 【請求項35】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法が (a)配列識別番号1のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチドを提
    供し、 (b)前記ポリペプチドを前記候補化合物と接触させ、また (c)ABC1生物活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物に接触されない対応する対照ABC1ポリペプチドのAB
    C1生物活性に比べて、変更ABC1生物活性は前記候補化合物がトリグリセリ
    ド水準を調節するのに有用であることを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法が (a)配列識別番号5のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチドを提
    供し、 (b)前記ポリペプチドを前記候補化合物に接触させ、また (c)前記ABC1ポリペプチドの発現を測定する、 ステップを含み、 ここで前記化合物に接触されない対応する対照ABC1ポリペプチドの前記発現
    に比べて、前記ABC1ポリペプチドの発現の変化は前記候補化合物がトリグリ
    セリド水準を調節するのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  37. 【請求項37】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法が (a)配列識別番号5のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチドを提
    供し、 (b)前記ポリペプチドを前記候補化合物に接触させ、また (c)前記ABC1ポリペプチドの前記候補化合物の結合を測定する、 ステップを含み、ここで前記ABC1ポリペプチドの前記候補化合物への結合は
    、前記候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であることを示すこ
    とを特徴とする方法。
  38. 【請求項38】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法は (a)(i)配列識別番号5のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチ
    ド、および(ii)前記ABC1ポリペプチドと相互作用する第2ポリペプチド
    を提供し、 (b)前記ポリペプチドを候補化合物と接触させ、また (c)前記ABC1ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとの相互作用を測定
    する、 ステップを含み、ここで前記ポリペプチドと前記第2ポリペプチドとの相互作用
    の変更は、前記候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であること
    を示すことを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法は (a)配列識別番号5のアミノ酸1乃至60を含むABC1ポリペプチドを含
    む細胞を提供し (b)前記細胞を前記候補化合物に接触させ、また (c)前記ABC1ポリペプチドの半減期を測定する、 ステップを含み、ここで前記化合物に接触されない対応する対照細胞の前記半減
    期に比べて、前記半減期の増加は前記候補化合物がトリグリセリド水準を調節す
    るのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  40. 【請求項40】 候補化合物がトリグリセリド水準を調節するのに有用であ
    るかどうかを決定する一つの方法であって、前記方法が (a)脂質膜にABC1ポリペプチドを提供し、 (b)前記ポリペプチドを前記候補化合物に接触させ、また (c)前記脂質膜を交差してABC1仲介脂質輸送を測定する、 ステップを含み、 ここで前記化合物に接触されない対応する対照ABC1ポリペプチドの前記脂質
    輸送に比べて脂質輸送の変化は、前記候補化合物がトリグリセリド水準を調節す
    るのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  41. 【請求項41】 請求項35乃至38、または40記載の方法であって、こ
    こで前記ABC1ポリペプチドが無細胞系にあることを特徴とする方法。
  42. 【請求項42】 請求項35乃至38、または40に記載の方法であって、
    ここで前記ABC1ポリペプチドが細胞にあることを特徴とする方法。
  43. 【請求項43】 請求項42記載の方法であって、ここで前記細胞がWHA
    Mニワトリからのものであることを特徴とする方法。
  44. 【請求項44】 請求項42記載の方法であって、ここで前記細胞がヒトま
    たは非ヒト哺乳類にあることを特徴とする方法。
  45. 【請求項45】 請求項44記載の方法であって、ここで前記動物がWHA
    Mニワトリであることを特徴とする方法。
  46. 【請求項46】 請求項31、33、または35記載の方法であって、ここ
    で前記生物活性が脂質またはインターロイキン−1の輸送であることを特徴とす
    る方法。
  47. 【請求項47】 請求項46記載の方法であって、ここで前記脂質がコレス
    テロールであることを特徴とする方法。
  48. 【請求項48】 請求項47記載の方法であって、ここで前記コレステロー
    ルがHDLコレステロールであることを特徴とする方法。
  49. 【請求項49】 請求項31、33、または35記載の方法であって、ここ
    で前記生物活性がABC1ポリペプチドによるATPの結合または加水分解であ
    ることを特徴とする方法。
  50. 【請求項50】 被験者の疾病または異常の性向を決定する一つの方法であ
    って、ここで前記疾病または異常が正常より低いHDL水準、正常より高いトリ
    グリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択され、前記方法は
    前記被験者から得られる試料でのABC1調節領域、プロモーター、またはコー
    ディング配列のポリヌクレオチド配列にあるいはABC1タンパク質のアミノ酸
    配列に少なくとも1個のABC1多型性の存在または不在を決定することを含み
    、ここで前記多型性の存在または不在が前記疾病または異常のリスクを示してい
    ることを特徴とする方法。
  51. 【請求項51】 請求項50記載の方法であって、さらに前記ポリヌクレオ
    チド配列または前記アミノ酸配列にある少なくとも5個のABC1多型性部位を
    分析することを含むことを特徴とする方法。
  52. 【請求項52】 ABC1多型性が被験者の疾病または異常のリスクを示し
    ているかどうかを決定する一つの方法であって、ここで前記疾病または異常が正
    常より低いHDL水準、正常より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病よ
    り成るグループから選択され、前記方法は (a)第1被験者または被験者の組での前記疾病または異常の罹患率が第2被
    験者または被験者の組での前記疾病または異常の前記罹患率と異なるかどうかを
    決定し、 (b)前記第1被験者または被験者の組および前記第2被験者または被験者の
    組から得られる試料でのABC1調節領域、プロモーター、またはコーディング
    配列のポリヌクレオチド配列、あるいはABC1タンパク質のアミノ酸配列を分
    析し、 (c)少なくとも1個の多型性が前記第1被験者または被験者の組と前記第2
    被験者または被験者の組の間で異なる、 ステップを含み、 ここで前記ABC1多型性の存在または不在が前記疾病または異常の前記罹患率
    と相関し、これにより前記ABC1多型性が前記リスクを示しているかどうかを
    決定することを特徴とする方法。
  53. 【請求項53】 請求項52記載の方法であって、さらに前記ポリヌクレオ
    チド配列または前記アミノ酸配列にある少なくとも5個のABC1多型性部位を
    分析することを含むことを特徴とする方法。
  54. 【請求項54】 正常より低いHDLコレステロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の素因または罹患率の記録に相関するABC1多型性の複数の配列記録よ
    り成ることを特徴とする一つの電子データベース。
  55. 【請求項55】 被験者のABC1活性または発現を調節するための望まし
    い治療を選択する一つの方法であって、前記方法が、 (a)前記被験者から得られる試料でのABC1調節領域、プロモーター、ま
    たはコーディング配列のポリヌクレオチド配列、あるいはABC1タンパク質の
    アミノ酸配列にある少なくとも1個のABC1多型性の存在または不在を決定し
    、ここで前記ABC1多型性の存在または不在がABC1発現または活性を調節
    する少なくとも1個の治療の安全性と効率を示し、また (b)前記被験者のABC1発現または活性を調節する望ましい治療を決定す
    る、 ことを特徴とする方法。
  56. 【請求項56】 請求項55記載の方法であって、更に前記ポリヌクレオチ
    ド配列または前記アミノ酸配列で少なくとも5個のABC1多型性部位を分析す
    ることを含むことを特徴とする方法。
  57. 【請求項57】 候補化合物が正常よりも低いHDLコレステロール水準、
    正常より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループからの選
    択される疾病または異常の処置に有用であるかどうかを決定する一つの方法であ
    って、前記方法が (a)測定可能ABC1生物活性を持つ検定システムを提供し、 (b)前記検定システムを前記候補化合物に接触させ、また (c)ABC1生物活性またはABC1リン酸化を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物に接触されない対応する対照検定システムでの前記ABC
    1生物活性またはABC1リン酸化に比べて、ABC1生物活性またはABC1
    リン酸化の調節は、前記候補化合物が前記疾病または異常の処置に有用であるこ
    とを示すことを特徴とする方法。
  58. 【請求項58】 請求項57記載の方法であって、ここで前記検定システム
    が細胞ベイストシステムであることを特徴とする方法。
  59. 【請求項59】 請求項57記載の方法であって、ここで前記システムが無
    細胞システムであることを特徴とする方法。
  60. 【請求項60】 正常より低いHDLコレステロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    異常を改善する能力を試験する化合物を確認する一つの方法であって、ここで前
    記方法が、 (a)被験者または細胞を候補化合物と接触させ、 (b)前記被験者または細胞でABC1発現、活性またはタンパク質リン酸化
    を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物に接触されない対応する対照被験者または細胞での前記A
    BC1発現、活性、またはタンパク質リン酸化と比べて、変更ABC1発現、活
    性、またはタンパク質リン酸化は、前記候補化合物を前記疾病または異常を改善
    する能力を試験する化合物として確認することを特徴とする方法。
  61. 【請求項61】 請求項57または60記載の方法であって、ここで前記候
    補化合物が前記ABC1タンパク質リン酸化および前記ABC1活性を調節する
    ことを特徴とする方法。
  62. 【請求項62】 候補化合物が正常より低いHDLコレストロール水準、正
    常より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病よりなるグループから選択さ
    れる疾病または異常を調節するのに有用であるかどうかを決定するための一つの
    方法であって、前記方法は、 (a)ABC1遺伝子またはその断片を発現する細胞を提供し、 (b)前記細胞を前記候補化合物と接触させ、また (c)前記細胞のABC1活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記化合物に接触されない対応する対照細胞での前記ABC1活性に比べ
    て、変更ABC1活性は、前記候補化合物が前記疾病または異常を調節するのに
    有用であることを示すことを特徴とする方法。
  63. 【請求項63】 候補化合物が正常より低いHDLコレストロール水準、正
    常より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択さ
    れる疾病または異常を調節するのに有用であるかどうかを決定するための一つの
    方法であって、前記方法は、 (a)ABC1タンパク質を発現する細胞を前記候補化合物に接触させ、 (b)前記ABC1タンパク質のリン酸化を測定する、 ステップを含み、 ここで前記化合物に接触されない対応する対照細胞での前記ABC1タンパク質
    リン酸化に比べて、変更ABC1タンパク質リン酸化は、前記候補化合物が前記
    疾病または異常を調節するのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  64. 【請求項64】 正常より低いHDLコレステロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置に有用な一つの化合物であって、ここで前記化合物がABC1生物
    活性を調節し、またここで前記化合物が (a)測定可能ABC1生物活性を持つ検定システムを提供し、 (b)前記検定システムを前記化合物に接触させ、また (c)ABC1生物活性を測定する、 ステップにより確認され、 ここで前記化合物に接触されない対応する対照細胞での前記ABC1生物活性に
    比べて、ABC1生物活性の調節は、前記候補化合物が前記疾病または異常を調
    節するのに有用であることを示すことを特徴とする方法。
  65. 【請求項65】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置に有用な一つの化合物であって、ここで前記化合物がR219K
    ABC1変異により誘導されるABC1生物活性での変化を擬態するABC1生
    物活性に変化を誘導することを特徴とする化合物。
  66. 【請求項66】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置に有用な一つの化合物であって、ここで前記化合物がABC1の残
    基R219と結合または相互作用し、これによりR219K ABC1変異によ
    り誘導されるABC1活性で変化を擬態することを特徴とする化合物。
  67. 【請求項67】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置に有用な一つの化合物であって、ここで前記化合物がV339A
    ABC1変異により誘導されるABC1生物活性での変化を擬態するABC1生
    物活性に変化を誘導することを特徴とする化合物。
  68. 【請求項68】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置に有用な一つの化合物であって、ここで前記化合物がABC1の残
    基V399と結合または相互作用し、これによりV399A ABC1変異によ
    るABC1活性での変化を擬態することを特徴とする化合物。
  69. 【請求項69】 ABC1活性を調節し、ABC1のアミノ酸と結合または
    相互作用する一つの化合物であって、ここで前記アミノ酸がABC1(配列識別
    番号5)のアミノ酸119乃至319またはABC1(配列識別番号5)のアミ
    ノ酸299乃至499から選択される残基であることを特徴とする化合物。
  70. 【請求項70】 候補化合物が正常より低いHDLコレストロール水準、正
    常より高いトリグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択さ
    れる疾病または異常の処置に有用であるかどうか決定する一つの方法であって、
    前記方法は、 (a)測定可能LXR生物活性を持つ検定システムを提供し、 (b)この検定システムを前記候補化合物と接触させ、また (c)LXR生物活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物に接触されない対応する対照検定システムでの前記LXR
    生物活性に比べて、LXR生物活性の調節は、前記候補化合物が前記疾病または
    異常の処置に有用であること示すことを特徴とする方法。
  71. 【請求項71】 候補化合物がABC1生物活性を調節するのに有用である
    かどうかを決定する一つの方法であって、前記方法は、 (a)測定可能なLXR生物活性持つ検定システムを提供し、 (b)前記検定システムを前記候補化合物に接触させ、また (c)前記LXR生物活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物に接触されない対応する対照検定システムでの前記LXR
    生物活性に比べてLXR生物活性の調節は、前記候補化合物がABC1生物活性
    を調節するのに有用なことを示すことを特徴とする方法。
  72. 【請求項72】 請求項71記載の方法であって、ここでLXR生物活性が
    ABC1発現の調節であることを特徴とする方法。
  73. 【請求項73】 ABC1生物活性を調節する能力を試験される化合物を確
    認するための一つの方法であって、前記方法は、 (a)被験者または細胞を候補化合物と接触させ、 (b)前記被験者または細胞でのLXR遺伝子産物の活性を検定する、 ステップを含み、 ここで前記化合物に接触されない対応する対照被験者または細胞での前記活性に
    比べて、前記活性の調節は、前記候補化合物をABC1の生物活性を調節する能
    力を試験される化合物として確認することを特徴とする方法。
  74. 【請求項74】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置に有用な一つの化合物を確認する検定でのLXR遺伝子産物の使用
  75. 【請求項75】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置のためにLXR遺伝子産物の活性または発現を調節することを特徴
    とする化合物の使用。
  76. 【請求項76】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置する能力を検定される化合物を確認する一つの方法であって、前記
    方法が (a)測定可能LXR生物活性を持つ検定システムを提供し、 (b)前記検定システムを候補化合物と接触させ、また (c)LXR生物活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補化合物と接触されない対応する検定システムでの前記LXR生物
    活性に比べて、前記LXR生物活性の調節は、前記候補化合物を前記疾病または
    異常を処置する能力を試験される化合物として確認することを特徴とする方法。
  77. 【請求項77】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置を処置する能力のために候補LXRアゴニストをスクリーニングす
    る一つの方法であって、前記方法は (a)前記細胞を前記候補LXRアゴニストに接触させ、また (b)前記細胞のコレステロールに流出活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記候補LXRアゴニストに接触されない対応する対照細胞に比べて前記
    細胞での前記コレステロールに流出活性の増加は、前記候補LXRアゴニストが
    前記疾病または異常を処置するのに有用であることを示すことを特徴とする方法
  78. 【請求項78】 正常より低いHDLコレストロール水準、正常より高いト
    リグリセリド水準、および心臓血管病より成るグループから選択される疾病また
    は異常の処置する能力のために候補LXR調節化合物をスクリーニングする一つ
    の方法であって、前記方法は (a)細胞を前記候補LXR調節化合物と接触させ、また (b)前記細胞のABC1生物活性を測定する、 ステップを含み、 ここで前記LXR調節化合物に接触されない対応する対照細胞での前記ABC1
    生物活性に比べて、前記細胞でのABC1生物活性の増加は、前記LXR調節化
    合物での前記疾病または異常の処置のために有用であることを示すことを特徴と
    する方法。
  79. 【請求項79】 請求項71乃至78のいずれか1項記載の方法であって、
    ここで前記細胞または検定システムが、配列識別番号94,配列識別番号92、
    およびイントロン1の3′末端のヌクレオチド−7670前後でのLXREコン
    センサスモチーフより成るグループから選択されるLXREの外因性供給複製を
    含むことを特徴とする方法。
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