JP2003519456A - Cdmaシステムにおける干渉抑制 - Google Patents

Cdmaシステムにおける干渉抑制

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、パワー制御システムによる送信回数を増加させることなく、干渉抑制を改善する必要性に対処するものであり、そのために、干渉部分空間除去(ISR)を利用して、選択されるユーザ局からの干渉成分に実質的に空応答をするCDMA通信システム用受信装置を提供する。また、受信装置は対応のユーザの信号を受信する際の伝搬チャネルにおいて実質的に単一応答することが好ましい。受信装置は基地局またはユーザ/移動局で用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地上システムでも衛星システムでもありうる符号分割多元接続(CD
MA)通信システムに関するものであり、特にCDMA通信システムにおける干
渉抑制に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA通信システムは公知のシステムである。このようなシステムの一般的
な論文については、Duel-Hallen、HoltzmanおよびZvonarの「Multiuser Detectio
n forCDMA Systems(CDMAシステムのためのマルチユーザ検出)」IEEE Pers
onal Communications、 pp.46-58、 April 1995に記載されている。
【0003】 CDMAシステムにおいて、異なるユーザからの信号がすべて同一帯域を使用
するので、各ユーザの信号がその他のユーザのノイズまたは干渉となる。アップ
リンク(移動機器からの送信)では、干渉は主に他の移動送信装置からの干渉で
ある。パワー制御によって、様々な移動機器が観測する干渉とバランスをとるよ
うな値に受信パワーを維持する試みがなされているが、多くの場合、過度な干渉
については十分対処できていない。送信速度の異なる移動機器が同一のセル内で
サポートされている場合、高速移動機器は低速移動機器に対して強い干渉を及ぼ
す。ダウンリンク(移動機器に向けての送信)では、同一の基地局からの強い干
渉とともに他のセルにある基地局から他の移動機器への送信によって、対象とな
る信号に強い干渉を与えることとなる。ダウンリンクでのパワー制御は不正確か
、あるいはダウンリンクでのパワー制御がまったく行われない場合がある。こう
したいわゆるいわゆる近遠問題の場合、干渉を減らすことで送信品質が改善され
るか、送信パワーを減少させることができる。一方、同一の送信品質については
、セル内でサポートされる呼の数が増加すると、その結果スペクトル利用が改善
される。
【0004】 現在、パワー制御は近遠問題を最小限に抑えるために用いられているが、その
成功例は限られている。低速ユーザと高速ユーザとのパワー不整合を減少するに
は、パワー制御を何度も、典型的には毎秒800回更新させなければならない。
このようなパワー制御システムに関わる通信はオーバヘッドを作り、全体の送信
効率を低下させるので、通信回数を減らすことが望ましい。しかしながら、将来
のCDMA用途は、更新数が2倍となり、さらに厳しいパワー制御が求められる
と考えられ、さらに近遠問題も完全に解消されない。パワー制御システムによる
送信数を増やすことなく干渉抑制を改善することが好ましい。
【0005】 マルチユーザ検出器は干渉を抑制し、容量の改善やパワー制御における精度要
求数を減らすなどCDMAシステムに潜在的な長所を与える。しかし、現在のシ
ステムを上回る十分重要な性能を構築するにはこれら検出器はいずれもコスト的
には有効ではない。たとえば、最適最尤シーケンス検出器(MLSD)の複雑さ
が、キャンセルされる干渉信号数の指数となり、その検出の実行を非常に複雑に
する。その代わりとなる準最適な検出器は線形型検出器と減法型検出器の二つに
分かれる。線形検出器としては、K.S. Schneiderの「Optimum detection of code
division multiplexed signals(符号分割多元信号の最適な検出)」、IEEE Tran
s.on Aerospace and Electronic Systems,vol.15,pp.181-185、January 1979、お
よびR.Kohno,M.Hatori,H.Imaiの「Cancelletion techniques of co-channel inte
rference in asynchronous spread spectrum multiple access systems(非同期
スペクトル拡散多元接続システムにおける同一チャネル干渉のキャンセル技術)
、Electronics and Communications in Japan,vol.66-A,no.5,pp.20-29、1983年
に開示されているように、逆相関器が挙げられる。そのような逆相関器の不利な
点は、それによってノイズが増強されるということである。
【0006】 Z.Xie,R.T.ShortとC.K.Rushforthの「A family of suboptimum detectors for
coherent multiuser communications(コヒーレントマルチユーザ通信のための
準最適検出器グループ)」IEEE Journal on Selected Areas in Communications,
vol.8,no.4,pp.683-690,May 1990では、最小平均平方誤差線形(MMSE)検出
器を開示しているが、このような検出器はチャネル、パワー予測誤差に敏感であ
る。いずれの場合でも、処理上の負担がやはり現在の実施上の問題点であると思
われる。
【0007】 減法干渉キャンセル検出器は、R.Kohno他「Combination of an adaptive array
antenna and a canceller of interference for direct-sequence spread-spec
trum multiple-access system(直接シーケンススペクトル拡散多元接続システ
ムのための適応アレイアンテナと干渉キャンセラの組み合わせ)、IEEE Journal
on Selected Areas in Communications, vol.8,no.4, pp.675-682,May 1990に
開示されているような連続干渉キャンセラ(SIC)と、M.K.VaranasiとB.Aazh
angの「Multistage detection in asynchronous code-division multiple- acces
s communications (非同期符号分割多元接続通信における多段検出)」、IEEE T
rans. on Communications,vol.38, no.4,pp.509-519, April 1990ならびにR.Koh
no他「Combination of an adaptive array antenna and a canceller of interfe
rence for direct-sequence spread-spectrum multiple-access system (直接シ
ーケンススペクトル拡散多元接続システムのための適応アレイアンテナと干渉キ
ャンセラの組み合わせ)、IEEE Journal on Selected Areas in Communications,
vol.8,no.4,pp.675-682, May 1990」に開示されているような並列干渉キャンセ
ラ(PIC)の形をとる。SIC検出器とPIC検出器のいずれも多段処理を要
し、達成する干渉キャンセルは許容の遅延または複雑さによって制限される。こ
れらの検出器はチャネル、パワーおよびデータ予測誤差に非常に敏感である。
【0008】 ある特定の減法技術がShimon Moshaviによる文献名「Multi-User Detection fo
r DS-CDMA Communications(DS-CDMA通信におけるマルチユーザ検出)」, IEEE C
ommunications Magazine,pp.124-136,October 1996の論文で開示されている。M
oshavi論文の図5には、特定ユーザの信号をマッチトフィルタを用いて通
常の方法で抽出して、その特定ユーザに同一の拡散符号すなわち遠隔送信装置で
信号を符号化するのに用いられる拡散符号を用いて拡散する減法干渉キャンセル
(SIC)の概要が示されている。再拡散信号を次に、アンテナで受信した信号
から減算して、その信号を次のユーザの逆拡散器に与える。このプロセスは、連
続する逆拡散器のそれぞれについて繰り返される。Moshaviは同様な原理
を利用した並列干渉キャンセル技術も開示している。
【0009】 この方法の問題点は、データおよびパワー予測値に敏感、すなわち、データお
よびパワー予測値の精度とデータの符号に敏感ということにある。決定が誤って
いると、干渉成分が減算されずに付加されることになって、完全に誤った結果と
なる。
【0010】 これらの技術に関するさらに詳しい情報については、P.PatelとJ.Holtzmanの「
Analysis of a Simple Successive Interference Cancellation Scheme in a DS
/CDMA System(DS/CDMAシステムにおける単純連続干渉キャンセル方式の分析),
IEEE Journal on Selected Areas in Communications,Vol.12,No.5,pp.796-807,
June 1994の文献を参照されたい。
【0011】 タイトルが「A New Receiver Structure for Asynchronous CDMA:STAR-The Sp
atio-Temporal Array-Receiver(非同期CDMAのための新しい受信装置構造:
STAR−空間/時間アレイ受信装置)」,IEEE Transaction on Selected Are
as in Communications, Vol.16, No.8, October 1998の論文では、S.Affe
sとP.Mermelstein(本発明の発明者のうちの二人)は、近遠効果
とマルチユーザ干渉に関わらず受信を向上させるための技術を開示している。再
び拡散された信号が補正対象のチャネルの逆拡散器の入力に供給される公知のシ
ステムとは対照的に、AffesとMermelsteinが提案するシステム
はユーザ信号をすべて一緒に処理し、結合ノイズ信号として処理している。異な
るユーザからの受信信号の成分が非相関であってすべてが等しいパワーまたは実
質的に等しいパワーである場合、このプロセスは最適であろう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際は、異なるユーザの信号を基地局アンテナで受信する際のパワー
レベルには大きな差がある。これはダウンリンクについてもいえることである。
たとえば、データユーザが、データ信号の情報内容の方が密であるという理由だ
けで、音声ユーザよりはるかに大きなパワーを生成する。また、パワー制御が不
完全であるとパワーに差異が生じる、すなわち、チャネルに変動があるとそれを
等価させるためにパワー制御プロセスによって最善を尽くすにもかかわらず、所
定の値とは異なるパワーを受信する。
【0013】 本発明は、パワー制御システムによる送信回数を増加させることなく、干渉抑
制を改善する必要性に対処するものであり、そのために、干渉部分空間除去を利
用して、選択されるユーザ局からの干渉成分に実質的に空応答をするCDMA通
信システム用受信装置を提供する。また、受信装置は対応のユーザが「望む」信
号を受信する際の伝搬チャネルにおいて実質的に単一応答することが好ましい。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明の第1の態様によれば、送信装置と、前記受信装置とを有する少なくとも
1つの基地局(11)と;前記少なくとも1つの基地局にサービスを提供される
複数(U´)のユーザ局を含み、各々が複数のチャネル(141,…,14U)の
対応する1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と
受信装置を有してなる複数(U)のユーザ局(101,…,10U)とを備えるC
DMA通信システムの基地局に好適な受信装置であって、基地局は複数のユーザ
局の送信装置が送信する拡散信号に対応する成分を備える信号(X(t))を受
信するためのものであり、前記拡散信号の各々は対応するユーザ局に固有の拡散
符号を用いて拡散される一連のシンボルを備えてなる受信装置であって、前記基
地局受信装置は: 各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、ユーザ局のうち対
応する1つのユーザ局の前記一連のシンボルの予測値を導出する複数(U´個)
の受信装置モジュール(201,…,20NI,20d)と; 前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20)の各々
が前記一連のシンボルのそれぞれ1つの予測値を導出するのに用いるように、一
続きの観測行列(Yn)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段
(18)と; 各観測行列から複数の観測ベクトル( n n-1 1 n NI n d n)を
導出して、観測ベクトルの各々を複数の受信装置モジュール(201,…,20N I ,20d)の対応する1つに与えるための手段(19,44;44/1,44/
2)とを備え、 各受信装置モジュールは: 基地局と対応するユーザ局の送信装置との間のチャネルのパラメータ予測
値に基づき、観測ベクトルの1つから、チャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,
NI n;^ d 0,n;Yi 0,n-1)を導出するためのチャネル識別手段(28)と
; チャネルベクトル予測値に依存して重み係数の集合を生成するための係数
調整手段(50)と、重み係数を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素の対
応する1つに重み付けして重み付けされた要素をを結合して、信号成分予測値(
^s1 n,…,^sU n)を与えるための結合手段(51,52)とを有するビーム
フォーマ手段(271,…,27NI,27d;47d)と; 信号成分予測値から、ユーザ局(101,…,10U)の対応する1つのユ
ーザ局が送信するシンボル(b1 n,…,bU n)の予測値(^b1 n,…,^bU n
を導出するためのシンボル予測手段(291,…,29U,301,…,39U)と
を備え、 前記受信装置はさらに、シンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n;g1,g2
3;gl+1,n)と、少なくとも前記複数のユーザ局(101,…,10U)の第1
のグループ(I)のチャネル(141,…,14NI)についての前記チャネルベク
トル予測値(^ 1 n,…,^ NI)を備えるチャネル予測値(Η1 n,…,ΗNI n
;Ηi n-1)とに応じて、前記所定のグループに対応する受信信号の成分の干渉部
分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与えるための手段(42,
43)を備え、前記複数の受信装置モジュールの第2のグループ(D)の1つ以
上の受信装置モジュール(20Ad)のそれぞれにおいて、係数調整手段(50
d)は、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(^ d n)の両方に依存
して前記重み係数の集合を生成して、前記1つ以上の受信装置モジュール(20
d)を各々、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対し
て実質的に空応答をするように調整することを特徴とするCDMA通信システム
の基地局に好適な受信装置が提供される。
【0015】 発明の実施例では、干渉部分空間排除(ISR)を実行する、すなわち、干渉
を特徴づけて制約行列を構成する、いくつかの代替案としてのモードの1つを用
いればよい。第1の実施例では、便宜上ISR−TRと呼ばれる第1のモードを
用いて、第1のグループの各受信装置モジュールが、シンボルの振幅と符号およ
びチャネル特性を考慮しながら、再拡散信号を生成する。第1のグループのすべ
ての受信装置モジュールからの再拡散信号を合計して、第2のグループのすべて
の受信装置モジュールに供給される全認識を生成する。
【0016】 第2の集合の受信装置モジュールは決定フィードバックを用いるが、その各受
信装置モジュールはさらに、ビームフォーマに与える前に観測ベクトルの各フレ
ーム/ブロックを遅延させるための遅延手段を備える。
【0017】 ISR−TR実施例では、ただ1つの空制約が合計に与するが、第2の実施例
では、便宜上ISR−Rと呼ばれる第2のモードを用いて、全干渉の予測認識が
用いられ、空制約は各干渉ベクトル専用となる。この第2の実施例では、第1の
集合の各受信装置モジュールにおいて、拡散器が拡散するシンボルは、出力信号
のシンボルの予測認識を備える。また、制約波形は、制約行列を形成する前に合
計されない。よって、受信装置モジュールは、望まれない(干渉する)ユーザ各
々からの干渉への貢献を別々に予測し、この干渉をマルチソース空間/時間用ビ
ームフォーマ内の専用空制約によってキャンセルする。ほとんどの場合、干渉の
予測では、干渉物からの過去、現在、未来のデータシンボルを予測することが必
要となるが、この場合、受信装置は低速または低パワーユーザについて最大1シ
ンボルと1処理周期の遅延と干渉物1つ当たりせいぜい1つの空制約を必要とす
る。
【0018】 発明の第3の実施例では、便宜上ISR−Dと呼ばれる第3のモード、すなわ
ち観測ベクトル/行列が一度に、伝搬経路のサブチャネル/フィンガおよび各サ
ブチャネル内のビームフォーマ空干渉について分解される。ほとんどの場合、干
渉物1つ当たりの制約の最大数はサブチャネル数、すなわち経路Pの数で乗算さ
れるアンテナ素子Mの数に等しい。
【0019】 干渉の仮説認識を用いて、遅延することなくビーム形成する際に空応答を実行
するので、便宜上ISR−Hと呼ばれる第4のモードを用いる第4の実施例では
、第1のグループの各受信装置モジュールは更に、出力信号の問題のシンボルの
取りうる値を拡散器に供給するための手段を備え、拡散器は対応する複数の再拡
散信号を第2のグループの受信装置モジュールに供給する。第2のグループの受
信装置の各々では、逆拡散器が複数の再拡散信号を逆拡散して、対応する逆拡散
ベクトルをビームフォーマに供給する。この実施例は、データ予測誤差への感受
性を抑制し、ほとんどの場合、干渉物1つ当たり最大で3個の空白制約を必要と
する。
【0020】 過去と現在の干渉シンボル予測値を用いるので便宜上ISR−RHと呼ばれる
第5のモードを用いる第5の実施例では、第1のグループの各受信装置モジュー
ルにおいて、拡散器は出力信号自体のシンボルを拡散して、第2のグループの各
受信装置モジュールにおいて、ビームフォーマが干渉認識の減少した可能性/仮
説について空応答を実行する。第1の逆拡散器の出力をビームフォーマに与える
場合には、干渉物のシンボルの予測に必要な時間を適切に考慮している。ほとん
どの場合、ビームフォーマは干渉物1つ当たり最大で2個の空制約を与える。
【0021】 発明の前記の実施例のいずれにおいても、チャネル識別手段は、抽出される逆
拡散データとユーザ信号成分予測値に依存してチャネルベクトル予測値の集合を
生成すればよい。
【0022】 前記モードのそれぞれについて、受信装置モジュールは2つの手順のいずれか
を用いていればよい。一方では、受信装置モジュールが後置相関観測ベクトルを
チャネル識別ユニットに与えるが、観測行列そのものはビームフォーマに供給す
る、すなわち観測行列は逆拡散しない。その後、制約行列は逆拡散されずにビー
ムフォーマに供給される。
【0023】 あるいは、各受信装置モジュールは、後置相関観測ベクトルを、チャネル識別
ユニットとビームフォーマの両方に供給することも可能である。この場合、受信
装置モジュールは、ビームフォーマに与える前に制約行列も逆拡散する。
【0024】 受信アンテナは複数のアンテナ素子を備える場合、ビームフォーマユニットは
、予測した干渉信号によって調整される係数を有するフィルタなどの空間/時間
プロセッサを備えていればよい。
【0025】 受信装置モジュールは、制約波形を制約行列に与えることができる第1の集合
と、制約行列を用いて規定された空応答と単一応答を調整することができるビー
ムフォーマを有する第2の集合を備えていればよい。好ましい実施例において、
複数の受信装置モジュールのすくなくともいくつかのモジュールが、第1と第2
の集合の両方からなる部材、すなわち各々が、制約波形と、制約行列を用いるこ
とができるビームフォーマとを与えるための手段を有する。
【0026】 実際は、より強いユーザ信号に割り当てられる受信装置モジュールが、通常制
約波形を与え、他のユーザ信号に割り当てられる受信装置モジュールのビームフ
ォーマユニットはそれを用いることができる。
【0027】 受信装置モジュールは、MRCビームフォーマとISRビームフォーマを備え
、多段で、すなわちフレームの各シンボル周期について動作するように適応され
ていればよい。第1の反復では、制約集合生成器はMRCビームフォーマからの
「過去」と「未来」の予測値と、「過去」のシンボル予測値、つまり過去のフレ
ームからのシンボル予測値を受信し、これらの予測値を処理して第1の反復にお
ける新たなシンボル予測値を生成する。現在のシンボル周期またはフレームの次
の反復では、制約集合生成器はMRCビームフォーマからの「未来の」予測値と
、ISRビームフォーマからの過去の予測値と、過去の反復で生成されたシンボ
ル予測値とを受信する。その周期は、反復の全部の回数が実行されるまで繰り返
される。これにより、受信装置モジュールからの出力は現在のフレームについて
所望の予測シンボルであり、これが次のフレームの同様な反復でも用いられる。
【0028】 MRCビームフォーマとISRビームフォーマの両方を備えるISR受信装置
モジュールは、ISRビームフォーマ(47Qd)から干渉の減少した観測ベク
トルを抽出して、後者を再整形して、逆拡散器による逆拡散用の干渉が減少した
観測行列を生成する。チャネル識別ユニットは逆拡散され、干渉の減少した観測
ベクトルを用いて、干渉の減少したチャネルベクトル予測値を形成し、その予測
値を係数を調整するのに用いられるように残りのMRCビームフォーマに供給す
るための手段{101Qd}を備えていればよい。 ISRビームフォーマは、現在のデータ集合をデータの1つ以上の過去のフレ
ームまたはブロックと連結することにより引き伸ばされる観測ベクトルのブロッ
クまたはフレームを処理すればよい。 異なる受信装置モジュールはそれぞれサイズの異なるフレームを用いればよい
【0029】 多重符号信号を送信するユーザからの信号を受信するためには、ISR受信装
置モジュールは、各々が多重符号の対応する1つの符号で動作する複数のISR
ビームフォーマと逆拡散器を備えればよい。チャネル識別ユニットは、すべての
多重符号に共通のチャネルベクトル予測値を生成して、そのチャネルベクトル予
測値を異なる多重符合の各々で拡散して、その結果得られる複数のチャネルベク
トル予測値を複数のISRビームフォーマのそれぞれに供給する。
【0030】 多重符号ISR受信装置モジュールのチャネル識別ユニットは、逆拡散器(1
d,δ)からの後置相関観測ベクトルを受信して、逆拡散器は対応する複数の決
定ルールユニットのそれぞれ1つからの対応するシンボル予測値で重み付けされ
る多重符号の各々を備える複合符号を用いればよい。逆拡散器は、複合符号を用
いて観測行列を逆拡散して、対応する複合後置相関観測ベクトルをチャネル識別
ユニットに供給する。チャネル識別ユニットは、そのベクトルを用いてチャネル
ベクトル予測値を生成し、これを多重符号のそれぞれ異なる1つを用いて拡散し
て拡散チャネルベクトル予測値を生成する。
【0031】 ISR受信装置モジュールは、そのユーザについて規定される主要符号のセグ
メントを備える複数の符号を用いる逆拡散器19Sd,1,…,19Sd,Fdを備え
ていればよい。各セグメントは、1つのシンボルと、データの大きなブロックに
おけるシンボル持続時間とに相当し、セグメントの数はそのユーザのデータ速度
、すなわちブロック内のシンボル数によって決定される。各受信装置モジュール
は、対応するユーザのデータ速度に応じてそれぞれに割り当てられる異なる数の
セグメントを有していればよい。
【0032】 発明の実施例を、複数の基地局各々から対応する複数のユーザに送信されるユ
ーザあて信号を受信することができるユーザ/移動局で用いられるように改良し
てもよい。受信装置は、各々異なる基地局に対応する選択された受信装置モジュ
ールを備え、あらかじめ決められた数の前記ユーザあて信号を抽出するように構
成される。特定のユーザ/移動局があらかじめ決められた数だけ含まれているが
、受信装置モジュールは前記の多重符号受信装置に類似した構造を備えていれば
よく、複数の逆拡散器は次のように決定される符合の集合のうちのそれぞれ1つ
を用いて観測行列を逆拡散するように適応される:(1)移動機器が信号を受信
する、キャンセル用に選択された、添え字v’で表され、1からNBまでのあら
かじめ決められた数NB個の基地局;(2)キャンセル用にあらかじめ選択され
る基地局ごとのあらかじめ選択される数(1からNI)の干渉物;(3)選択さ
れる干渉物のデータ速度。
【0033】 よって、発明の第2の態様によれば、複数の(NB個の)基地局(11)と;
多数(U個)のユーザ局(101,…,10U)と;前記基地局に関連し、前記基
地局にサービスを提供されるセル内にある少なくとも複数(U´個の)ユーザ局
とを備え、前記1つの基地局は、ユーザ信号を拡散して、それぞれ複数(U´個
の)ユーザ局に送信するための複数の送信装置モジュールと、複数の(U´個の
)ユーザ局が送信する拡散ユーザ信号を受信するための受信装置とを有し、各々
のユーザ局は、基地局が送信する対応の拡散ユーザ信号を受信するための受信装
置を有し、前記複数(U´個)のユーザ局の各々は、ユーザ局と基地局送信装置
モジュールの対応する1つに送信のためそのユーザのユーザ信号を拡散する場合
に用いられる、ユーザ局に割り当てられる独自の拡散符号を持ち、 基地局送信装置モジュールから複数(U´個)のユーザ局の特定の1つに送信
される拡散ユーザ信号は、それぞれ複数のチャネル(141,…,14U')を介
して伝搬され、 前記複数(U´個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局の受信装置は、前記特
定のユーザ局用の拡散ユーザ信号と、他のユーザ用の前記複数(NB個)の基地
局の他の送信装置モジュールに送信される拡散ユーザ信号とに対応する成分を備
える信号(X(t))を受信し、前記拡散ユーザ信号の各々はユーザ局の中の対
応する1つのユーザ局に関連する拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを
備えてなるCDMA通信用ユーザ局受信装置であって、 前記ユーザ局受信装置は: 各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、基地局のうちの対
応する1つの基地局からの前記一連のシンボルの集合の予測値を導出する複数(
NB個)の受信装置モジュール(20v')と; 前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20v')の各
々が前記シンボルの集合の予測値を導出するのに用いるように、一続きの観測行
列(Yn)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段(18)と; 各観測行列から観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n v',1,1 n
v',NI,Fm n)の複数の集合を導出して、観測ベクトルの集合の各々を複数の
受信装置モジュール(20v')のそれぞれ1つに与えるための手段(19,44
)とを備え、 各受信装置モジュールは: 基地局のうちの対応する1つの基地局と前記ユーザ局との間のチャネルの
パラメータ予測値に基づき、観測ベクトルの集合のそれぞれ1つから、拡散チャ
ネルベクトル予測値(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,n)の集合を導出す
るためのチャネル識別手段(28Tv')と; チャネルベクトル予測値の集合にそれぞれ依存して重み係数の集合を生成
するための係数調整手段と、重み係数の各集合を用いて観測ベクトルのそれぞれ
1つの要素の対応する1つに重み付けして重み付けされた要素を結合して、信号
成分予測値(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,FNI n)を与えるための結合手段とを
有するビームフォーマ手段(47Tv',1,1,…,47Tv',NI,FNI)と; 信号成分予測値の集合から、送信装置モジュールのうちの対応する1つの
送信装置モジュールに拡散され、基地局に送信される一連のシンボル予測値(^
v',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n)を導出するためのシンボル予測手段(29Tv ',1,1 ,…,29v',NI,FNI)とを備え、 前記ユーザ基地受信装置はさらに、ユーザ局の受信装置と前記基地局との間
のチャネル(14v')についての前記複数(NB個)の受信装置モジュールの各
々からの前記シンボル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n 1 n 2 n
3 n)とチャネル予測値(Ηv' n)とに応じた、前記拡散信号に対応する受信
信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与える
ための手段(42,43)を備え、前記受信装置モジュール(20v')の各々に
おいて、係数調整手段は、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(Ηv' n )の両方に依存して前記重み係数の集合を生成して、前記受信装置モジュール(
20v')を、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して
実質的に空応答をするように調整することを特徴とするCDMA通信用ユーザ局
受信装置が提供される。
【0034】 特定のユーザ/移動局に向けられる信号が対応の基地局からのあらかじめ決め
られた数の信号には含まれない場合、受信装置はさらに、同一の基地局における
あらかじめ選択される信号についてチャネルベクトル予測値を生成した受信装置
モジュールの少なくともいくつかのモジュールからのチャネルベクトル予測値を
用いて、ISRビームフォーマの係数を更新するための手段を有するISR受信
装置モジュールを備えていればよい。
【0035】 異なるユーザの速度が問題の移動局に知られていない場合、符号は、受信され
るべき最大データ速度としてあらかじめ決定される固定数のセグメントNmを備
えていればよい。
【0036】 多重符号実施例の複雑性は、逆拡散器が用いる符号の数を減らすことによって
緩和すればよい。特に、逆拡散器のバンクは、異なるNI個の干渉物の符号の合
計を表す符号の集合を用いて複合符号を生成して、逆拡散器で用いられる符号全
体の数を減らせばよい。
【0037】 発明の別の態様によれば、逆拡散されない観測ベクトルで動作するMRCビー
ムフォーマを備えるSTAR受信装置が提供される。
【0038】 もちろん、それは、すべてのチャネルを干渉成分をその他すべてのチャネルに
送るようにさせる場合を排除するものではない。
【0039】 本発明を用いる受信装置は、複数入力、複数出力(MIMO)システムで動作
可能である、すなわち、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを備えること
ができる。 本発明の前記およびその他の目的、特徴、態様および効果は、添付の図面とと
もに発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、それぞれの図における同一または類似する要素は、接尾辞が
付く場合も含め同一の参照番号で示している。
【0041】 本明細書ではいくつかの公開済みの文献に言及する。便宜上、明細書の最後に
すべての文献を列挙する。これらの論文の内容は、本願明細書に取り込まれたも
のとする。読者はこれらの記事を参照されたい。
【0042】 図1と図2は、複数の移動局101…10Uが、いくつかのアンテナ素子121
…12Mからなるアレイを備える受信アンテナが設けられた基地局11と通信す
るという典型的な非同期セルラCDMAシステムのアップリンクを示す図である
。図面を明瞭にし、以下の詳細な説明をわかりやすくするために、図1と図2は
多数(U個)の移動局のうち5個の移動局と、対応する複数のユーザ各人につき
1個の、典型的なCDMAシステムの対応する伝搬チャネルだけを示している。
移動局101…10Uはそれぞれ、ユーザ入力信号を処理する異なる回路構成を有
しているが、図を明瞭化するために、図2では拡散器のみ示している。その他の
回路構成は当業者には公知であるので、ここでは省略する。図2を参照して、移
動局101…10Uはそれぞれ拡散器131…13Uを備え、拡散器131…13U
それぞれ、拡散符号c1(t)…cU(t)を用いて、対応する複数のユーザの複
数のデジタル信号b1 n…bU nをすべて同一帯域に拡散する。移動局101…10U はそれぞれ、差動2値位相キーイング(DBPSK)などの好適な変調方式を用
いて、拡散されたユーザ信号をチャネル141…14Uを介して基地局11に送信
する。移動局101…10Uのそれぞれは、全受信パワー、すなわち送信パワーと
、ユーザの符号と、関連チャネルの減衰との積を監視する基地局11からコマン
ドを受信して、その情報を用いてパワー制御を対応の信号に行い、チャネルの減
衰を補償する。このことは、図2では、それぞれ拡散信号に調整係数Ψ1(t)
…ΨU(t)を乗算する乗算器151…15Uとして示されている。基地局11に
あるM個の全方向アンテナ素子121…12Mのアレイは共通して全拡散信号を受
信する。チャネル141…14Uはそれぞれ異なる応答特性H1(t)…HU(t)
を有している。図1は、チャネル14uとして示されたそのうちの1つのチャネ
ルだけをより詳細に示している。したがって、チャネル14uは、関連の移動局
10uの信号アンテナと基地局アンテナ素子121…12Uそれぞれとの間のP個
もの経路を介した通信が行われることを表している。その他のチャネルも同様に
マルチパス(多重経路)である。
【0043】 既に述べたとおり、基地局は通信対象のすべての移動局の拡散符号を知ってい
ると仮定される。移動局は構成が同じなので1つの移動局についてのみ説明する
。移動局10uはまず、ユーザの2値移相キーイング(BPSK)されたビット
シーケンスを当業者に公知の(図示しない)回路構成を用いて速度1/Tで差動
符号化する。ただし、Tはビット持続時間である。図3に示すように、拡散器1
uが次に差動2値移相キーイング(DBSK)されたシーケンスbn u(または
図3に示すような連続時間領域ではbn(t))を速度1/Tcで周期的な個別符
号シーケンスcu l(連続時間領域ではcu(t))によって拡散する。ただし、
cはチップパルス持続時間である。処理利得はL=T/Tcにより与えられる。
後で説明するようにシステムではその他の用途と仮定によっては長い符号も利用
可能であるが、ここでは便宜上、短い符号を用い、周期cu(t)はビット持続
時間Tに等しいと仮定する。1周期Tがすぎると、拡散符号は次のように表せる
【0044】
【数1】 ただし、l=0,…,L−1に対してcu l=±1であり、長さLのランダムシー
ケンスであり、φ(t)は図3に示すようにチップパルスである。また、P個の
分解可能な経路を持つマルチパスフェージング環境では、遅延拡散Δτはビット
持続時間より小さい(すなわちΔτ≪T)。
【0045】 図4(a)と図4(b)に示すように、信号にパワー制御係数Ψu pc(t)2で重
み付けした後、拡散信号はチャネル14uを経由して基地局11に送信される。
図4(a)はチャネル特性が正規化値Hu(T)とチャネルの「振幅」または減
衰に関係する正規化係数Ψu ch(T)を備える「実際の」状況を示している。す
なわち、その平方が送信されたパワーで割ったパワーに比例する。図4(a)で
は、パワー制御は乗算器17uによって表され、下付文字は「pc」である。便
宜上、図4(b)では、チャネル特性は正規化値Hu(T)と、Ψu pc(t)Ψu ch
t)に等しい単一のパワー係数Ψu(t)に含まれる正規化係数Ψu pc(t)によ
って(理論上)表すことができることを示している。Ψu pc(t)は送信信号を
増幅または減衰する場合の係数であり、Ψu ch(t)のチャネルパワー利得を補
償し、受信パワー(Ψu(t))2を必要なレベルに保つためのものである。
【0046】 このようなCDMAシステムにおいて、移動局101…10Uそれぞれの信号が
その他の移動局の信号の干渉となる。さまざまな理由によって、移動局のなかに
は他の移動局よりもより多くの干渉を引き起こすものがある。この「強く干渉す
る」ユーザ局の1つとそれに関連するチャネルの成分は、図1と2では添え字「
i」で示される。その他の「低パワー」ユーザ局の1つとそれに関連するチャネ
ルの成分も図示されており、添え字「d」で示される。「干渉する」ユーザ局と
「低パワー」ユーザ局というこのグループ化の重要性については後述する。
【0047】 基地局11では、加算器16として示されるように(図2)、基地局アンテナ
素子121…12Mからの拡散データベクトルX1(t)…XU(t)は同時に受信され
、その結果得られる観測ベクトルX(t)が受信装置(図5参照)に供給される
。拡散データベクトル(信号)X1(t)…XU(t)の和が熱ノイズにさらされる。
このことは、加算器16がノイズ信号成分Nth(t)を加算することによって示
されている。ノイズ信号Nth(t)はベクトルを含み、その要素は異なるのアン
テナ素子がそれぞれ受信するノイズに相当する。
【0048】 図5は、基地局11で信号X(t)を受信するための空間/時間アレイ受信装
置(STAR)を示す図である。このような受信装置の概要については文献[1
3]で本発明の二人の発明者が説明している。この受信装置は観測行列からの観
測ベクトルを導くための手段、すなわち前処理ユニット18と、複数の逆拡散器
191…19Uと;それぞれの入力が逆拡散器191…19Uの1つの出力に接続さ
れる複数の空間/時間受信装置(STAR)モジュール201…20Uとを備える
。図6に示すように、前処理ユニット18は、マッチトフィルタ22と、サンプ
ラ23と、バッファ24とを備える。マッチトフィルタ22はアンテナアレイ信
号ベクトルX(t)、すなわちM×1ベクトルをマッチトパルスφ(Tc−t)
で重畳し、マッチトフィルタ信号ベクトルY(t)を得る。これが要素ごとにサ
ンプラ23によってチップ速度1/Tcでサンプリングされる。サンプラ23は
サンプリングされたM×1ベクトルYn,1をチップ速度1/Tcでバッファ24に
供給し、バッファ24はこれらをバッファリングして大きさM×(2L−1)の
観測行列Ynを得る。なお、本願発明者によるカナダ国特許出願番号2,293
,097と米国予備出願番号60/171,604では、逆拡散器191…19U のそれぞれにこの前処理ユニット18が2つ設けられているが、このように2つ
設けないで、単一の前処理ユニット18を用いて、受信したアンテナアレイ信号
ベクトルX(t)を前処理するのが好ましい。
【0049】 逆拡散器191…19Uは同一構造をなすので、逆拡散器19uを示した図7を
参照して1つの逆拡散器についてのみ詳細に説明する。たとえば、逆拡散器19 u はフィルタ25uと、ベクトル再整形器26uとを備える。観測行列Ynは、送信
装置の拡散器13uで使ったシーケンス、すなわちCu lに対応する擬似乱数シー
ケンスCu L-lを使って、フィルタ21uにフィルタリングされ、ユーザuについ
ての後置相関観測行列Zu nを得る。ベクトル再整形器26uはM×L行列Zu n
列を連結して大きさML×1の後置相関観測ベクトル u nを形成する。なお、ベ
クトル再整形器26uは固有の物理要素である必要はなく、数学関数を表すよう
なものとして示されていることに注意されたい。実際は、その機能は、メモリな
どの資源の割り当てによってのみ決定されることが多い。
【0050】 再び図5を参照すると、逆拡散器191…19Uからの後置相関観測ベクトル n 1 n UがそれぞれSTARモジュール201…20Uに処理されて、送信シンボ
ルbn 1…bn U(図2参照)に対応するシンボル予測値^b1 n…^bU nと、パワー
予測値(Ψ1 n2…(ΨU n2を得て、既知の方法で処理を行うために受信装置の
(図示しない)次の段階に供給される。
【0051】 STARモジュール201…20Uはそれぞれ同一の要素を備えるので、その中
のひとつのSTARモジュール20uの動作についてのみ説明する。
【0052】 STARモジュール20uは、ビームフォーマ27uと、チャネル識別ユニット
28uと、決定ルールユニット29uと、パワー予測ユニット30uとを備える。
チャネル識別ユニット28uはビームフォーマ27uの入力と出力にそれぞれ接続
されて、後置相関観測ベクトル u nと、信号成分予測値^su nとをそれぞれ受信
する。チャネル識別ユニット28uは、関連のユーザ送信チャネル14uのM×L
個の空間と時間における特性Hu(t)を、各フレームについて複製する。より
詳しくは、ユニット28uは後置相関観測ベクトル u nと信号成分予測値^su n
とを用いて、パラメータ予測値^Hu nの1つの集合を導き、これを用いて続くシ
ンボル周期でビームフォーマ27uの重み係数 u nを更新する。シンボル周期は
M×L個の要素からなるデータフレームに対応する。
【0053】 ビームフォーマ27uは、空間/時間ベクトル u nをフィルタリングして逆拡
散信号成分予測値^su nを得る空間/時間最大比結合(MRC)フィルタを備え
る。逆拡散信号成分予測値^su nは決定ルールユニット29uとパワー予測ユニ
ット30uに供給される。決定ルールユニット29uは、信号成分予測値^su n
符号に応じた2値シンボル^bu nを出力する。2値出力信号は決定ルールユニッ
ト30uの出力を構成するものであり、対応のユーザ局10uの拡散器13uに拡
散される対応のユーザ信号^bu nの予測値である(図1と2)。
【0054】 信号成分予測値^su nは受信装置の次の部分で処理される。たとえば復号方法
が異なっていてもよく、可能であれば逆インタリーブされ、対応の反転動作が送
信前になされていればデータが復号される。
【0055】 パワー予測ユニット30uは、生信号成分予測値^su nを用いてアンテナアレ
イ信号ベクトルX(t)のそのユーザ信号成分^su n内のパワーの予測値^(Ψu n2を導出して、そのパワー予測値^(Ψu n2を受信装置の(図示しない)次
の段に供給して既知の方法でパワーレベル調整をする。
【0056】 強い干渉がなければ、すなわち全ユーザが同一の変調で同一の速度で送信して
、基地局が通信している端末の拡散符号をすべて知っていると仮定できれば、図
5に示す受信装置は十分な動作をする。その仮定に基づいて、受信装置の動作を
添え字uで示すユーザチャネルを参照しながら説明する。
【0057】 時刻tで、図1と図2に示すある特定のセルのアンテナアレイの素子121
12Mが受信するアンテナアレイ信号ベクトルX(t)は次のように表せる。
【0058】
【数2】 ただし、Uは信号をセルの内側または外側から基地局で受信する信号を送信した
移動局の総数であり、Xu(t)は移動局10u、すなわち添え字uの付いた移動
局から受信する信号ベクトルであり、Nth(t)はM個のアンテナ素子が受信す
る熱ノイズである。u番目の移動局10uのアンテナアレイ信号ベクトルX(t
)への貢献Xu(t)は次のように表せる。
【0059】
【数2a】 ただし、Hu(t)はu番目の移動局10uとアンテナ素子のアレイとの間のチャ
ンネル14uのチャンネル応答ベクトルであり、
【数2b】 式(2a)の右辺の項のうち、P個の経路、p=1,…,P(図1参照)に沿っ
た伝搬時間遅延τu p∈[0,T]はチップ非同期で、Gu p(t)は伝搬ベクトル
であり、εu p(t)2はu番目の移動局10uから受信する全パワーΨu(t)2
各経路に沿ったパワー分数(すなわちΣP p=1εu p(t)2=1)である。受信パ
ワーは経路損、レイリーフェージングとシャドーイングに影響を受ける。Gu p
t)、εu p(t)2とΨu(t)2の変化は穏やかでビット持続時間Tにわたって
一定であると仮定する。
【0060】 前処理ユニット18(図6参照)では、アンテナアレイ信号ベクトルX(t)
はマッチトパルスとともにフィルタリングされ、次のようにフレームnについて
マッチトフィルタリング信号ベクトルYn(t)が得られる。
【0061】
【数3】 ただし、Dφはφ(t)の時相支援を示し、a∈{0,1}は遅延拡散の途中に
あるフレームエッジを必要に応じて回避するための可能な時間シフトT/2を示
す(文献[13]参照)。以後の説明では簡略化のためにa=0と仮定する。な
お、矩形パルスDφは[0,Tc]である。実際は先端が切り取られた平方根レ
イズドコサインの一時的な支援である。
【0062】 なお、上の説明は一般的な損失のないベースバンドである。搬送周波数変調お
よび復調工程を式(1)式(3)チップパルス整形とマッチトフィルタ演算にそ
れぞれ埋め込むことができる。
【0063】 たとえば、チップ速度1/Tcでサンプリングを行い、2L−1個のチップサ
ンプルをビット速度1/Tcでフレーム指示してフレームを形成した後、前処理
ユニット18は次のようなM×(2L−1)マッチトフィルタ観測行列を得る。
【0064】
【数4】 ただし、Yn,l=Yn(lTc)である。
【0065】 逆拡散器19u(図7参照)では、ユーザ番号uについてフレーム番号nにお
ける次のような後置相関ベクトルを得る。
【0066】
【数5】 前記ビット速度でL個のチップサンプルについてこのベクトルをフレーム形成す
ると、次のような後置相関観測行列が形成される。
【0067】
【数6】 後置相関データモデル(PCM)(文献[13]参照)はこの行列構造を次のよう
に詳細に表す。
【0068】
【数7】 ただし、Zu nは空間/時間観測行列であり、Hu nは空間/時間伝搬行列であり、
u n=bu nΨu nは信号成分であり、Nu PCM,nは空間/時間ノイズ行列である。式
(7)よって前記ビット速度での瞬間混合モデルが得られ、このモデルにおいて
信号部分空間はM×L行列空間の1次元である。便宜上、逆拡散器19uのベクト
ル再形成器26uは、列を結合して1個の空間/時間列ベクトルとすることにより
、行列Σu n、Hu n及びNu PCM,nを(M×L)次元ベクトル u n u nおよび u P CM,n にそれぞれ変換して、次のようなPCMモデルの狭帯域形体を得る(文献[
13]参照)。
【0069】
【数8】 u nとsu n間の乗法係数による曖昧性を避けるために、 u nのノルムを√Mに固
定する。
【0070】 PCMモデルはシンボル間の干渉を大きく減少させる。それは1次元信号部分
空間での狭帯域源の瞬間混合モデルを表し、逆拡散後に低複雑性狭帯域処理方法
を利用することが可能となる。逆拡散後の処理は処理利得を用いて、チャネルパ
ラメータの予測を容易にすることによって、干渉を減らし、次の工程で干渉をキ
ャンセルしやすくする。
【0071】 文献[13]で述べられているように、空間/時間アレイ受信装置(STAR)
を利用して基地局11で各ユーザを別々に検出することができる。干渉を減らす
ために処理利得を用いることに加え、STARによりマルチパス遅延と成分の正
確な同期と追跡を行うことができ、干渉に対する固有の強壮性が示される。また
STARによって、データのコヒーレント結合が可能となる。この受信装置は高
速で正確な時間変動マルチパス取得と追跡が行えることがわかる。さらに、パイ
ロット信号を用いることなく実行されるコヒーレント検出方式で空間/時間最大
比組み合わせ(MRC)によって呼容量を大幅に改善する。説明を明瞭にするた
めに、本発明の実施に関わるSTARの工程を図5の受信装置モジュール20u
を参照しながら以下で簡単に説明する。
【0072】 図5に示すように、逆拡散器19uは後置相関観測ベクトル u nを、STAR
モジュール20uのチャネル識別ユニット28uとMRCビームフォーマ27u
供給する。空間/時間マッチトフィルタリング( u n=^ u n/M)(すなわち
空間/時間最大比組み合わせ u n u n/=1)を用いて、STARモジュール
20uは次のような信号成分su nと、DBPSKビットシーケンスbu nと、総受
信パワー(Ψu n2の予測値を得る。
【0073】
【数9】
【数10】
【数11】
【0074】 ただし、αはスムージング係数である。なお、特にこの変形の場合は、差動変調
および準コヒーレント差動復号も同様にDMPSKで適用できる。直交変調であ
っても、パイロットを用いることなくSTARはコヒーレント検出することがで
きる(文献[17]と[18])。後置相関観測ベクトル n uとビームフォーマ
27uからの新たな信号成分予測値Sn uとを用いて、チャネル識別ユニット28u はユーザ局10uについてチャンネル14uの予測値^ u nを求める。チャネル識
別ユニット28uはチャネルベクトル予測値^ u nを決定帰還識別(DFI)方
式により更新し、これによって信号成分予測値su nは以下のような固有部分空間
追跡手順で基準信号としてフィードバックされる:
【0075】
【数12】 ただし、μは適応ステップサイズである。あるいは、信号成分予測値^su nの代
わりに積Ψu nu nをフィードバックすることもできる。なお、変調が複雑な場合
、信号成分予測値^su nの2回目の発生をその共役(^su n*に置き換えなけ
ればならない。このDFI方式では、パイロットを用いずに符号曖昧性内でチャ
ネル位相オフセットを回復させることにより、3dBのコヒーレント検出利得が
得られる。なお、パワーが減少したパイロットを用いて差動符号と復号を行わな
いようにすることも可能である(文献[21])。チャネルベクトル予測値^ u n+1 をさらに向上させて、空間/時間構造の知識(すなわち多様体)から^ u n +1 を得る手順によって、取得と追跡モードでのマルチパス時間遅延^τu 1,n,, ^ τu P,nを高速で正確に予測することが可能となる(この手順の両方の方法は文
献[13]で述べられている)。このように予測精度を改善することによって、
STARをマルチユーザ動作で用いるとき、チャネル予測誤差に対して強くなり
、タイミング誤差への感受性を減少させることができる。
【0076】 STARについての更に詳しい情報については、AffesとMermels
teinによる論文の文献[13]と[17]乃至[21]を参照されたい。
【0077】 文献[13]で仮定しているように、空間/時間ノイズベクトル u PCM,nは空
間的には非相関であり、アップリンクでのパワー制御によって通常受信信号パワ
ーを等価させることができる。しかし、経路損とシャドウイングにより、かつ特
定のユーザのパワー(例えば混合速度トラフィックでの「優先リンク」、取得、
高次変調または高次データ速度)が意図的に増加させられると、ノイズが非相関
であるという仮定はダウンリンクでは適用できない。ある特定のセルの中には、
おそらくデータ速度の違いによって多くの様々な「力」を有するユーザが存在す
ると思われる。一例として、図8はデータ速度に応じて階層別に配置された異な
る4個のユーザ集合が存在するセルを示す図である。第1の集合Iは、相対的に
高いデータ速度のユーザからなり、第2の集合M1と第3の集合M2は、いずれ
も中間のデータ速度のユーザからなり、第4の集合Dは相対的に低いデータ速度
のユーザからなる。実際には、集合Iの高いデータ速度のユーザの受信装置では
集合M1、M2とDのユーザからのいかなる「集合外からの」干渉もキャンセル
する必要はないが、集合Iのユーザからの送信は後者の集合の受信装置モジュー
ルに対する干渉に貢献する。M1とM2の集合の中間データ速度ユーザは、集合
Iの高いデータ速度のユーザからの「集合外からの」干渉をキャンセルする必要
があるが、第4の集合Dのユーザからの「集合外からの」干渉をキャンセルする
必要はない。M1とM2の集合のユーザ自体が集合Dのユーザへの「集合外から
の」干渉の貢献者となる。集合Dのユーザの受信装置は集合I、M1およびM2
からの「集合外からの」干渉をキャンセルしなくてはならない。
【0078】 また、ある集合にいるユーザの受信装置が同じ集合内の1つ以上のユーザから
の「集合内での」干渉をキャンセルすることもできるし、そのユーザの受信装置
自体がこうした「集合内での」干渉ともなりうる。この「集合外からの」状況と
「集合内での」状況に適用できる発明の実施例を以下で説明する。本明細書では
、あるユーザの信号を干渉として処理し、キャンセルする場合、このユーザを「
貢献者」とみなす。また、あるユーザの受信装置モジュールが別のユーザの干渉
をキャンセルできるような情報を受信する場合、このユーザを「受信者」とみな
す。以下の好ましい実施例の説明を簡略化するために、全ユーザが同一変調で同
一速度を用いると仮定する。動作理論を展開するために、まず最初に、セル内の
移動局のうち、「強い」貢献者ユーザの第1の集合Iがあり、そのうちの1つが
図1と図2では添え字「i」で示され、このユーザの受信信号パワーは比較的高
く、そのためより大きな干渉を引き起こしうる。「低パワー」受信者ユーザの第
2の集合Dは、図1と図2では添え字「d」で示され、このユーザの受信信号パ
ワーは比較的低く、受信は強いユーザからの信号からの干渉で低下することもあ
る。適切に低パワーユーザを受信するためには、通常、高パワーユーザが引き起
こす干渉を実質的に取り除くことが望ましい。説明を簡略化するために、高パワ
ーユーザは干渉抑制されることなく適切に受信されるとして、発明の好ましい実
施例の大半を説明する。しかし、「強い」ユーザ局は干渉しあうことがあり、そ
の場合、後で説明するように低パワーユーザのために提案される下の着色ノイズ
モデルと近遠耐性を任意の干渉移動機器に適用することができることを理解され
たい。
【0079】 添え字i=1乃至NIが割り当てられるNI個の干渉ユーザがあると仮定し、
任意の干渉ユーザ(u=i∈{1,…,NI})の空間/時間観測ベクトルは式
(8)ら次のように与えられる。
【0080】
【数13】 ただし、 i PCM,nは、このユーザの処理利得がそれほど低くなければ、依然とし
て非相関白ノイズベクトルと仮定することができる。他方、任意の低パワーユー
【数13a】 の観点からすると、空間/時間観測ベクトルは次のように与えられる。
【0081】
【数14】 ただし、非相関白ノイズベクトル d PCM,nに加えて、i=1,…,NIについて d,i PCM,n で示される、それぞれの干渉移動機器からのランダムな着色空間/時
間干渉ベクトルの合計である全干渉ベクトル d PCM,nが含まれる。フレーム番号
nのとき、マッチトパルスフィルタリングとチップ速度サンプリング、cd lでの
逆拡散と、ビット速度フレーミング、式(3)至式(6)用いたi番目の干渉移
動機器からの受信信号ベクトルXι(t)の行列/ベクトル再整形が行われる結
果、ベクトル d,i PCM,nが認識される。
【0082】 図5に示す受信装置は、互いに独立してすべてのユーザからの信号を受信する
。なお、強い干渉を引き起こす移動局の信号からの干渉を抑制するために、受信
装置モジュール201…20U間、特にSTARモジュール201…20u…20U
間を相互接続していないことに注意されたい。式(9)マッチトビームフォーマ
は非相関白ノイズでは最適であるが、干渉項の空間/時間相関によって低パワー
ユーザを受信するときには準最適である。対象セル内にはるかに強い干渉移動機
器が存在している中でさらにユーザを収容するために、本発明の実施例では、特
に式(9)ビームフォーマを変更して干渉する強いユーザからの干渉貢献を排除
することにより、図5の受信装置がアップグレードされてはるかにつよい近遠耐
性を得る。
【0083】 通常の場合、Dの集合のユーザdが遭遇する全干渉 d PCM,nは、行列、例えば
未知または論理に基づく予測であると仮定した干渉パラメータ(すなわちパワー
、データ、マルチパス成分と遅延)数に応じた大きさの行列、例えば行列Cd PCM ,n (すなわち d PCM,n∈Vec{Cd PCM,n})が及ぶ干渉部分空間内の任意のモ
ーメントにある未知のランダムベクトルである。実際は、以下に述べる好ましい
実施例から明らかなように、行列Cd PCM,n、これは「制約行列」と呼ばれるが、
この行列を様々な方法で導き出し予測することが可能である。近遠耐性を得るた
めに、ビームフォーマは以下の理論制約に従わなければならない。
【0084】
【数15】
【0085】 第1の制約は、低パワーユーザへの実質的に歪みのない応答をもたらし、一方
第2の制約は干渉部分空間を瞬時に排除し、それによって全干渉を実質的にキャ
ンセルする。このようなSTARのビーム形成工程の変形を干渉部分空間排除(
ISR)と呼ぶ。
【0086】 (後述するように)利用可能な制約行列^Cd PCM,nのある予測値で、逆拡散後
のISR結合器(すなわち制約された空間/時間ビームフォーマ) d nは次のよ
うに得られる。
【0087】
【数16】
【数17】
【数18】 ただし、IM*LはM*L×M*L単位行列を示している。まず、制約行列^CPCM,n に直交する射影器ΠPCM,nが形成される。なお、式(16)式(17)は、逆行
列Qd PCM,nは制約行列Cd PCM,nの直接の逆行列ではなく、Cd PCM,nの一般逆行列
であることに注意されたい。しかし便宜上、Qd PCM,nを以後逆行列と呼ぶことに
する。次に、低パワー応答ベクトル^ d nの予測値を射影、正規化する。
【0088】 前記制約を用いて、ISRビームフォーマは低パワーユーザのデータベクトル
を逆拡散後に処理するのであるが、まず逆拡散せずにデータベクトルを処理する
ことも可能でありそのほうが好ましい。しかし、いずれの場合であっても、デー
タベクトルはやはりチャネル識別ユニットが使用できるよう逆拡散される。逆拡
散せずに処理するほうが演算上有利であるが、2つの代替としての実施例を説明
する。しかし、まず式(2)の拡散データモデルを再公式化、展開してから、逆
拡散せずにデータのISR結合を実施するという、異なる相補的状況に好適な様
々なモードを導き出すために用いる。
【0089】 逆拡散なしのデータモデル ビット速度で逆拡散とフレーミングをすることによって式(7)の後置相関行
列Znを得る際の式(4)の観測行列Ynは次のように表すことができる。
【0090】
【数19】 ただし、各ユーザuは式(3)のX(t)をXu(t)で置き換えて式(3)と
式(4)で得られる当該ユーザの観測行列Yu nに貢献し、前処理された熱ノイズ
は以下の通り貢献する。
【0091】
【数20】
【0092】 行列Yu nでチャネル重畳(式(2a)参照)に貢献する任意のビットトリプレ
ット[bu n-1,bu n,bu n+1]を以下のように構成できる。
【0093】
【数21】 このことを利用して、シーケンスbu(t)を図25の標準生成シーケンス 1
t)、 2(t)と 3(t)によってn番目のブロックについて次のように局所
近似することができる。
【0094】
【数22】 ただし、添え字l0,n,l-1,n,l+1,n∈{1,2,3}は、各ブロックで置換
して、対応の標準生成シーケンスがそれぞれ[0,1,0]、[1,0,0]と
[0,0,1]とに局所的に一致するようにする。シンボル持続時間に対する低
時間変動Ψ(t)とH(t)を次のように仮定する。
【0095】
【数23】 ただし、標準ユーザ観測行列Yu k,nはk=−1,0,+1についてそれぞれ、式
(3)のX(t)を置換して式(3)と式(4)によって次のように与えられる
【0096】
【数24】 -1,nとY+1,nの良好な近似値は、実際にはYu 0,nの列を単純に前方/後方にL
だけずらし、ゼロ列を入力してそれぞれ反復させることで得られる。
【0097】 なお、標準生成シーケンスは、時間によって変化するチャネルをより正確に再
構築(たとえば重複加算)することができる。また、式(23)の分解は長いP
N符号に有効である。
【0098】 なお、この分解は任意の複素数値シンボルトリプレット[bu n-1,bu n,bu n +1 ]にも有効である。したがって、ここでの変形によって、本発明にかかるIS
R方式はすべての複素数変調(たとえばMPSK、MQAM、さらにアナログ変
調)に適用される。この新たな信号分解を用いて、後で述べるようなISRの別
の手段を導き出す。
【0099】 添え字dを割り当てられた低パワーユーザと、添え字i=1,…,NI割り当
てられた強い干渉の移動機器NIに関して、逆拡散の前に観測行列を再整形する
ことで得られる観測ベクトルは次のように書き換えることができる。
【0100】
【数25】 ただし、第1の標準観測ベクトル d 0,nは低パワーユーザdの「チャネル」ベク
トルとして現われる。逆拡散前の全干渉ベクトル:
【数26】 は、干渉信号ベクトル i nの和であり、
【数27】 はユーザuのシンボル間干渉(ISI)である。処理利得が大きい状況で、自己
ISIベクトル d ISI,nを非相関の空間/時間ノイズベクトル nと組み合わせ
ると、逆拡散前には次のようなデータベクトルモデルになる。
【0101】
【数28】
【0102】 低パワーユーザdの拡散シーケンスで上式の観測ベクトルを逆拡散すると、式
(14)の逆拡散後のデータベクトルモデルになる。ダイバーシティについて1
個以上のISRモードを実行できるようにするためにデータモデルをより細かく
分解することができる。
【0103】 ダイバーシティでのデータモデルのより細かい分解 たとえば、f=(p−1)M+m=1,…,Nfについてp番目の経路に沿っ
てm番目のアンテナが受信する観測信号貢献Xu,f(t)を次のように分解して
f=MPダイバーシティ分岐またはフィンガで式(2a)をさらに分解するこ
とができる。
【0104】
【数29】 f番目のフィンガからの観測信号貢献は次のように定義される。
【数30】 ただし、f番目のフィンガからの伝搬ベクトルは:
【数31】 である。前式において、スカラーγu f(t)はf番目のフィンガでのチャネル係
数であり、 m=[0,…,0,1,0,…,0]Tはm番目以外すべて空成分の
M×1ベクトルである。前記定義によって、次のようにチャネルの分解と伝搬ベ
クトルを容易に確認することができる。
【0105】
【数32】 (32)
【数33】
【0106】 したがって、前処理後、マッチトフィルタリング観測行列は次のように分解でき
る。
【数34】 ただし、各ユーザuは、式(3)でX(t)をXu,f(t)に置き換えて、式(
3)と式(4)で与えられるフィンガf=1,…,Nfからのユーザ観測行列Yu ,f n に貢献する。なお、複素数チャネル係数ζu f(nT)=γu f(nT)εu p
nT)は、フィンガfからの減衰または位相オフセットのない拡散データの純粋
遅延レプリカを含む行列Yu,f n(この行列は2値変調の場合は実数値である)か
ら分離したものである。この行列は式(3)と式(4)を用いて、式(3)のX
(t)を次のように置き換えることで得られる。
【0107】
【数35】 この行列を標準生成シーケンスについてさらに分解すると次のようになる。
【数36】 ただし、フィンガfからの標準ユーザ観測行列Yu,f k,nは、k=−1,0,+
1について式(3)と式(4)によって、式(3)のX(t)を次のように置き
換えることによって得られる。
【0108】
【数37】 ただし、δ(t)はディラックインパルスを示している。したがって以下が得ら
れる。
【数38】
【0109】 (式26)で定義する逆拡散前の全干渉ベクトルのフィンガをより粗く分解す
ると次のようになる。
【数39】
【0110】 低パワーユーザdの拡散シーケンスによる逆拡散の後は、次のようになる。
【数40】
【0111】 前記の干渉分解を用いる発明の実施例は、逆拡散前後のISR−D実行として示
されるが、その実施例を図16と図23を参照しながら説明する。
【0112】 逆拡散前のISR結合 以下に記載するように、STARの結合工程は、低パワーユーザについての式
(9)を次式に置き換えることで、逆拡散せずに実行される。
【0113】
【数41】 ただし、空間/時間ビームフォーマ d nが逆拡散なくISRを実行して、以下の
制約(式(15)参照)に従うことによって nを排除する。
【0114】
【数42】 また、Cnは全干渉ベクトル n(すなわち n∈Vec{Cn})の干渉部分空間
に及ぶ逆拡散なしの制約行列である。
【0115】 逆拡散なしの制約行列Cnはすべての低パワーユーザに共通である。よって、
この制約行列は低パワーユーザに関係なく干渉部分空間を特徴付ける。一方、式
(15)の逆拡散後の各制約行列Cd PCM,nは、対応する低パワーユーザの拡散シ
ーケンスでCnを逆拡散することにより得られる。したがって、逆拡散前のIS
R結合は逆拡散後のビーム形成と同等であるが、演算上ビーム形成よりはるかに
効果的である。
【0116】 前記の「逆拡散後」の場合と対照的に、ISR結合器(すなわち、制約された
空間/時間ビームフォーマ) d nが処理する前にデータベクトルが逆拡散されな
いと、制約行列^Cnの予測値は次のようになる。
【0117】
【数43】
【数44】
【数45】
【0118】 ただし、IM*(2L-1)は、M*(2L−1)×M*(2L−1)単位行列を示す。す
でに述べたとおり、式(43)と式(44)から、逆行列Qnは制約行列^Cn
直接の逆行列ではなく、^Cnの一般逆行列であることがわかる。また実際、前
記演算は、データ射影と正規化において冗長または直接演算を用いるというはる
かに単純な方法で実行されることに注意されたい。既に述べたとおり、制約行列
^Cnに直交する射影器Πnは、全低パワーユーザについて1度形成される。これ
は逆拡散後のISRでは不可能であったろう。次に、低パワー応答ベクトル^ d 0,n の予測値を射影して正規化する。予測値^ d 0,nは次の行列を再整形するこ
とによって再構成され、
【数46】
【0119】 チャネル行列予測値を用いた高速重畳を、拡散シーケンスの行方向で実行する
【数46a】 よって、 l0,n nは式(46)に導入されて、純貢献を現在のシーケンスブロッ
クから分離させる。チャネルベクトル予測値^ d n、すなわち^Hd nは、既に説
明したようにSTARによって与えられ、自己のマッチした整形パルスφ(t)
の全貢献を含む[13]。チャネルの時間変動が遅い場合、チャネル係数が数シ
ンボル持続時間にわたって一定であると仮定することができ[20]、これによ
って演算上コストのかかる必要な逆拡散演算数を減らす(図9参照)。
【0120】 なお、ISRがまずデータベクトルを逆拡散してから実行されるか実行されな
いかに関わらず、これらISRモードは相似の公式を持つが、まずデータベクト
ルを逆拡散せずにデータをISR結合すると複雑さを大きく緩和することに注意
されたい。
【0121】 次に、図5の受信装置と同一または非常に類似した構成素子については同様の
参照符号を用いて、ただし違いを示すための接尾辞を付けてこれら異なるISR
モードを実行する受信装置について説明する。まず、データを逆拡散せずにIS
R結合する一般的なISR受信装置の説明をしてから、データを逆拡散後にIS
R結合する受信装置を説明する。その後、異なるISRモードの具体的な実行に
ついて説明する。
【0122】 たとえば、図9は本発明の第1の実施例にかかる受信装置を示す図である。こ
の受信装置は、図5の受信装置と類似した、破線34で分離された「強いユーザ
」受信装置モジュール201…20NIからなる集合Iと、集合Iの受信装置モジ
ュールとは異なるが、集合内では互いに同一なので、便宜上1つの改良ビームフ
ォーマ47Adを有するSTARモジュール20Adだけ示している「低パワー」
ユーザ受信装置モジュールの第2の集合Dとを備える。決定ルールユニット29 1 ,…,29NIと、集合Iのモジュールからのチャネル識別ユニット281,…,
29NIの出力は、対応のシンボル予測値とチャネルベクトル予測値を処理してN
c個の制約C={C1 n,…,CNc n}を生成する制約集合生成器42Aと接続す
る。しかし、後で説明するように、制約集合生成器42Aでは、代わりに仮説シ
ンボル値またはシンボル予測値と仮説値の組み合わせを用いるようにしてもよい
。個々の制約は、前処理ユニット18からの観測行列Ynとして同一の観測空間
内にある。制約集合生成器42Aは、制約Cnの集合を制約行列生成器43Aに
供給して、生成器43Aはこれらを用いて制約行列^Cnと逆行列Qnを生成し、
これらの行列をビームフォーマ47dと集合Dのその他の受信装置モジュール内
の対応するビームフォーマにそれぞれ供給する。制約Cnの集合と制約行列^Cn の実際の内容は、後述するように実行される特定のISRモード応じて変化する
【0123】 また、図9の受信装置の観測ベクトル導出手段は、前処理ユニット18からの
観測行列Ynを再整形して大きさM(2L−1)の観測ベクトル nを生成し、そ
れをビームフォーマ48Adと集合Dのその他の受信装置モジュール内の対応す
るビームフォーマにそれぞれ供給するベクトル再整形器44を備える。
【0124】 STARモジュール40Adは、前記STARモジュール201…20U同様に
、チャネル識別ユニット28Adと、決定ルールユニット27Adと、パワー予測
ユニット30Adを備える。STARモジュール20Adは、観測ベクトル導出手
段の一部でもある逆拡散器19dに関連する。逆拡散器19dは、ユーザdについ
ての拡散符号を用いて観測行列Ynを逆拡散し、後置相関観測ベクトル nをチャ
ネル識別ユニット28Adだけに供給する。決定ルールユニット28Adとパワー
予測ユニット30Adはそれぞれ、出力シンボル予測値^bd nとパワー予測値(
Ψd n2を生成する。STARモジュール20AdのISRビームフォーマ47A d は、対応する信号成分予測値^sd nを生成するが、逆拡散されていない観測ベ
クトル nで動作するのでMRCビームフォーマ271…27NIとは異なる。図5
に関して説明したのと同様に、チャネル識別ユニット28Adは、後置相関ベク
トル d nと信号成分予測値^sd nとを受信し、これらを用いて拡散チャネルベク
トル予測値^ d 0,nを導き出し、これを用いて次のシンボル周期でビームフォー
マ47Adの重み係数Wd nを更新する。シンボル周期は、M(2L−1)個の要
素の拡散データフレームに対応する。ISRビームフォーマ47Adの係数も、
後述するように、制約行列^Cnとその逆行列Qnに応じて更新される。図9に示
すように、行列^CnとQnが集合Dのすべての受信装置モジュール、特にビーム
フォーマに同様に供給される。
【0125】 図10に示すように、制約行列生成手段43Aは、ベクトル再整形器48A1
,…,48ANcのバンクと、行列インバータ49Aとを備える。ベクトル再整形
器48A1,…,48ANcはそれぞれ、制約集合行列C1 n,…,CN cnの対応する
1つを再整形して制約行列^Cnの1つの列を形成する。これが行列ベクトル4
9Aに処理されて逆行列Qnが形成される。説明を簡略化するために、^Cnの各
列は制約値Cnから集めるときに1つに正規化されると仮定する。
【0126】 また、図10に示すように、ビームフォーマ47Adが係数調整ユニット50
dとM(2L−1)個の乗算器51d 1…51d M(2L-1)の1つの集合を備えるとみ
なすことも可能である。係数調整ユニット50Adは制約行列^Cnと、逆行列Q n とチャネルベクトル予測値^ d 0,nを用いて前記式(45)による重み係数 d * 1,n d* M(2L-1),nを調整する。乗算器51d 1…51d M(2L-1)は、その係数を
用いて、観測ベクトル nの個々の要素 1,n M(2L-1),nをそれぞれ重み付け
する。重み付けされた要素は加算器52dで加算されて、ビームフォーマ47Ad から出力するために生フィルタリングされたシンボル予測値^sd nを生成する。
【0127】 前処理ユニット18からの観測行列Ynを逆拡散後に集合Dの低パワーSTA
RモジュールがISRビーム生成を行う、代替としての受信装置の構成を図9と
10に対応する図11と12を参照しながら説明する。図11に示す受信装置は
、集合Iの受信装置モジュール201,…20NIに観測行列Ynを供給する前処理
ユニット18と、制約集合生成器42Bと、制約行列生成手段43Bとを備える
という点で、図9に示す受信装置に類似している。しかし、図11の受信装置は
、図9のベクトル再生成器44を含まず、集合Dの低パワーユーザSTARモジ
ュールのそれぞれが変更ビームフォーマを有している。よって、変更ビームフォ
ーマ47Bdは、逆拡散器19dの出力から得られる後置相関観測ベクトル d n
で動作し、このベクトルがチャネル識別ユニット28dとビームフォーマ47Bd にそれぞれ供給される。チャネル識別ユニット28Bdは、チャネルベクトル予
測値^ d nを生成して、それをビームフォーマ47Bdに供給し、ビームフォー
マ47Bdはユーザ別制約行列^Cd PCM,nとユーザ別逆行列Qd PCM,nの両方に依
存したその係数を更新する。なお、制約行列生成手段43Bは、ユーザ別制約値
と逆行列を集合D内のその他の受信装置モジュールに供給する。
【0128】 図12を参照して、共通制約行列生成手段43Bは、集合Dの受信装置モジュ
ールそれぞれについて1つの、しかも集合Dのユーザの拡散符号のそれぞれ1つ
を用いたユーザ別制約行列生成器のバンクを備える。これらのユーザ別制約行列
生成器の違いは、用いる拡散符号が異なるということだけなので、図12ではユ
ーザ別制約行列生成器を関連のビームフォーマ47Adとともに1つだけ示して
いる。たとえば、ユーザ別制約行列生成器43Bdは、逆拡散器55Bd,1,…,
55Bd,Ncのバンクと、行列インバータ46Bdとを備える。逆拡散器55Bd,1 ,…,55Bd,Ncは、制約集合Cn内のNc個の行列のそれぞれ1つを逆拡散して
、暗黙的に単一に正規化される個々の制約行列^Cd PCM,nの1つの列を生成する
。行列インバータ46Bdは、個々の制約行列^Cd PCM,nを処理して逆行列Qd PC M,n を生成する。ユーザ別制約行列生成器43Bdは、制約行列^Cd PCM,nと逆行
列Qd PCM,nをビームフォーマ47Bdの係数同調ユニット50Bdに供給する。図
12に示すように、ビームフォーマ48BdはML個の乗算器51d 1…51d ML
有し、乗算器51d 1…51d MLは重み係数 d* 1,n d* ML,nを後置相関観測ベク
トル d nの要素 d 1,n d ML,nで乗算する。既に述べたとおり、加算器52d
重み付けされた要素を加算して信号成分予測値^sd nを生成する。ビームフォー
マ係数は、式(18)に従って計時される。
【0129】 これらの代替の方式のいずれでも、すなわちビームフォーマに供給されるデー
タベクトルを逆拡散する方式でも、逆拡散しない方式でも、ISRビーム形成す
るためのいくつかの異なる方法、すなわちISRモードのそれぞれで用いてもよ
い。なお、いずれの場合でも、ISRビームフォーマを同調させて所望のチャネ
ルに対しては単一応答で、干渉部分空間に対しては空応答をすることに注意され
たい。しかし、どの場合でも、制約行列の実際の組成は異なる。
【0130】 データ逆拡散せずに異なるISRモードを実行する本発明の具体的な実施例を
図13乃至図20を参照しながら説明して、次に、逆拡散後に同様のISRモー
ドを実行する実施例を図21乃至図26を参照しながら説明する。
【0131】 全認識における干渉部分空間排除(ISR−TR) 図13に示す受信装置は、NI個の強い干渉をもたらす移動局の信号を処理す
るための受信装置モジュール201…,20NIの集合Iと、その他「低パワー」
ユーザの信号用受信装置モジュールの集合Dとを備えるという点で、図9に示す
受信装置に類似する。集合Dの受信装置モジュールは同一なので、図13ではチ
ャネルdについての受信装置モジュール21Cdのみを示している。図9の受信
装置同様、前処理ユニット18からの観測行列Ynが集合Iの受信装置モジュー
ルの逆拡散器191…19NIのそれぞれに直接供給される。しかし、集合の受信
装置モジュールのそれぞれに与える前に、遅延素子45によって1シンボル周期
遅延させられてベクトル再整形器44によって再整形される。その結果得られる
観測ベクトル n-1はビームフォーマ47Cdと(図示しない)集合Dの受信装置
モジュール内のその他のビームフォーマのそれぞれに供給される。STAR受信
装置モジュール20Cdは逆拡散器19dに関連し、ビームフォーマ47Cdに加
えて、図9に示すのと同様なチャネル識別ユニット28Cdと、決定ルールユニ
ット29Cdと、パワー予測ユニット30Cdとを備える。チャネル予測値Η1 n
…,ΗNI nの集合は制約集合生成器42Cに供給されるが、チャネル予測値はそ
れぞれ、チャネルベクトル予測値^ 1 n,…,^ NI nと、パワー予測値Ψ1 n
…ΨNI nからなる。
【0132】 制約集合生成器42Cは、再拡散器57C1…57CNIのバンクを備え、再拡
散器57C1…57CNIの出力はそれぞれ、乗算器58C1…58CNIの対応する
1つによって対応するチャネル複製ユニット59C1…59CNIの1つの入力に
接続される。再拡散器57C1…57CNIは類似しているので、図14では再拡
散器57Cuのみを示している。再拡散器57Cuは、対応の決定ルールユニット
29Cuからのシンボル^bu nを、速度1/Tcで周期個別符号シーケンスcuι
を用いて拡散する、ただしTcはチップパルス持続時間、という点で(図3の)
対応する拡散器13uに類似している。しかし、再拡散器57Cuは、整形パルス
フィルタを含まないという点で拡散器13uとは異なる。整形パルスでの送信(
図2と3参照)と、マッチト整形パルスでの受信(図5と6参照)におけるフィ
ルタリングの効果は、文献[13]に開示されているように、チャネルベクトル
予測値^ u nまたは^Hu n内の帯域に含まれる。
【0133】 再び図13と、一例としての受信装置20C1を参照すると、チャネル141
伝搬特性の複製は、離散時間領域でのデジタルフィルタリングによって、すなわ
ちチップ速度でチャネルベクトル予測値^ 1 nを再拡散データ^b1 n1 lと重畳
することによって行われる。このフィルタリング動作によって、ユーザ局101
の信号の観測行列Ynへの貢献の分解予測値が即座にえられる。よって、再拡散
器57C1が決定ルールユニット29C1からのシンボル^b1 nを再拡散し、乗算
器58C1がそれを全振幅予測値^Ψ1 nで増減し、チャネル複製フィルタ59C1 がチャネル識別ユニット28C1からのチャネルベクトル予測値^ 1 nを用いて
再拡散されたシンボルをフィルタリングする。集合Iのその他のSTARモジュ
ールからのシンボル予測値も同様に処理される。
【0134】 なお、再拡散器57C1…57CNIと、乗算器58C1…58CNIと、チャネル
複製フィルタ59C1…59CNIは、図2の干渉ユーザチャネル内の要素131
151と141に対応する。チャネル複製フィルタユニット59C1…59CNI
係数は、それぞれ送信チャネル141…14NIに対応して、同じ係数^H1 n…^
NI nを用いてチャネル識別ユニット28C1…28CNIによって次のシンボル周
期で更新され、それぞれのMRCビームフォーマ27C1…27CNIを更新する
のに用いられる。チャネル複製フィルタユニット59C1…59CNIからの再拡
散信号^Y1 n-1…^YNI n-1は、各シンボルの符号と振幅から導き出される情報
と、チャネル特性情報とを含むので、基地局アンテナ素子121…12Mが受信す
る集合Iの強い干渉物からの拡散信号と同等であることを理解されたい。
【0135】 また、制約集合生成器42Cは、チャネル複製ユニット59C1…59CNI
出力に接続される加算器60を備える。加算器60は、異なる干渉物からの個々
の貢献の予測値^Y1 n-1…^YNI n-1を加算して、受信した観測行列Yn内のNI
個の干渉物からの全干渉予測値^In-1を生成する。その和を、干渉の全認識(
TR)と呼ぶことができる。本実施例において、制約行列生成器は、全認識行列
^In-1を再整形して、本実施例においては、制約行列Cnを構成するベクトル^ n-1 を生成する信号ベクトル再整形器43Cを備えているだけである。なお、
制約行列は実際にベクトルであるために、逆行列Qnはスカラーに縮小して、暗
黙正規化であると仮定して、1に等しくなる。よって、行列インバータは不要と
なる。
【0136】 再整形されたベクトル^I n-1は、受信装置モジュール20CdのISRビーム
フォーマ47Cdと、集合Dのその他の受信装置モジュールのビームフォーマに
供給される。ビームフォーマ47Cdは、再整形されたベクトル^I n-1とチャネ
ルベクトル予測値^ d 0,n-1を用いて、観測ベクトル n-1の要素の重み付けの
ために式(45)にしたがってその係数を更新する。
【0137】 ビームフォーマ47Cdは、ベクトル再整形器44からの観測ベクトル n-1
対応する干渉成分をある時間までに無効にして、同時に、実質的に歪みがない生
信号成分予測値^sd n-1を抽出するように拡散チャネルベクトル予測への単一応
答に調和するように係数を調整する。
【0138】 ISR−TRは、干渉部分空間を特徴付けるもっとも単純な方法を構築するが
、実際は達成するのが最も困難である。つまり、決定論的アプローチにおいて全
干渉ベクトル^ nの瞬間認識を完全に予測することによって特徴付けられる。
したがって、制約行列は、次のように単一の空制約によって定義される(すなわ
ちNc=1)。
【0139】
【数47】 ただし、各予測値^ i nは次のような行列を再整形することによって再構成され
る。
【0140】
【数48】
【0141】 添え字i=1,…,NIを与えられる各干渉ユーザについて、このモードでは
、近接するシンボルに対して一定であると仮定され、STARが利用可能なその
受信パワー(^Ψi n2とチャネル^ i nが用いられる。また、このモードでは
、各干渉ユーザのビットトリプレット予測値[^bi n-1、^bi n、^bi n+1]が
必要である(式(23)参照)。現在と次の反復(すなわち^bi nと^bi n+1
の両方についての干渉物ビットの符号の予測値を得るために、ISR−TRモー
ドでは、すべての低パワーユーザの処理をそれぞれ、1ビット持続時間と1処理
周期(pc)だけさらに遅延させる必要がある。1ビットの遅延は、図13の遅
延45によってなされる。
【0142】 ISR−TRモードと、後述する代替のISRモードで、(最も強いユーザに
よる)干渉をまず予測して、それから取り除く。なお、この方式はまず予測して
から干渉を減算する従来の干渉キャンセル方法に類似する部分があるが、減算方
法を使うとこれらの従来技術が予測誤差に敏感になる。他方、ISRは、干渉物
のパワー以上に予測誤差に強いビーム形成によって干渉を排除する。一例として
、ISR−TRは、パワー予測値がすべて同一の乗法係数によって偏ると、完全
空制約を実施し、干渉キャンセラが誤った量の干渉を減算する。次のモードはI
SRをパワー予測誤差に対しさらに強くする。
【0143】 図13に示す受信装置を変更して、具体的にはユーザ信号予測値の振幅を省略
して、ISRビームフォーマ47Cdを改良して、より多くの(NI個の)空制
約を与えることで、干渉信号予測値^Y1 n-1…^YNI n-1を生成するのに用いら
れる情報を減らすようにしてもよい。このような変形例の受信装置について図1
5を参照しながら説明する。
【0144】 認識における干渉部分空間の排除(ISR−R) 図15の受信装置では、集合Iの受信装置モジュールは図13の受信装置モジ
ュールと同一である。受信装置モジュール20Ddは図13に示すものと同様の
成分の集合を持っているが、ビームフォーマ47Ddは制約行列が異なるので図
13に示すものとは異なる。制約集合生成器42Dは、乗算器58C1…58CN I と加算器60が省略されている点で図13に示すものとは異なる。パワー予測
ユニット301…30NIからの出力は、それぞれ再拡散器57C1…57CNIから
の再拡散信号を増減するのに用いられない。したがって、図15の受信装置では
、STARモジュール201…20NIからの信号^b1 n…^bNI nは、それぞれチ
ャネル複製ユニット591…590NIによって再拡散されてからフィルタリング
され、制約集合Cnとしてそれぞれユーザ別観測行列^Y1 n-1…^YNI n-1を生成
する。しかし、図13の受信装置と比べて、これらの再拡散行列は加算されず、
ベクトル再整形器48D1…48DNIのバンクと行列インバータ49D(これら
は図示されていないが図10の場合と同様)を備える共通行列インバータ43D
に個々に処理される。列ベクトル^ 1 n-1,…^ NI n-1を備える制約行列^Cn は対応する逆行列Qnとともに、集合Dの受信装置モジュールそれぞれに供給さ
れる。前記と同様、受信装置モジュール20Ddのみ示しているが、これは図1
3の実施例の受信装置モジュールに対応する。ベクトル^ 1 n-1,…^ NI n-1
はそれぞれ、集合Iからの強い干渉信号のうち対応する1つによって引き起こさ
れる干渉の予測値を示しており、再整形観測ベクトル n-1と同じ大きさである
【0145】 このISR−Rモードでは、干渉部分空間は干渉ベクトル^ i nの正規化予測
値によって特徴付けられる。その結果、干渉部分空間は、全受信パワー(Ψi n 2 のすべの可能な値を持つ個々の認識に及ぶ空間である。制約行列はNI個の空
制約(すなわちNc=NI)によって次のように定義される。
【0146】
【数49】 ただし、各予測値^ i nは次の行列を再整形することによって再構成される。
【0147】
【数50】
【0148】 なお、^ i nの再構成では、i番目の干渉^Ψi n(図15参照)の総振幅が意
図的に省略されている。したがって、パワー制御の緩和のマージンが広がるとと
もに、近遠状況に対するより高い耐性が期待できる。
【0149】 ダイバーシティにおける干渉部分空間(ISR−D) 図16に示すISR−D受信装置は、ある特定のユーザからの信号を複数の副
経路を介して各アンテナ素子が受信することを前提とするものである。いわゆる
RAKE受信装置の概念と用語を適用すれば、各副経路は「フィンガ」と名づけ
られる。図9、図11、図13と図15の実施例では、チャネル識別ユニットが
、チャネル全体のパラメータを予測する中間工程として各フィンガのパラメータ
を予測する。図16に示すISR−D受信装置では、チャネル識別ユニット28
1…28ENIは、前記同様、全体チャネルベクトル予測値^ 1 n…^ NI nをそ
れぞれビームフォーマ271…27NIに供給する。また、チャネル識別ユニット
28E1…28ENIは、個々の副チャネルすなわちフィンガについての副チャネ
ルベクトル予測値を含むチャネル予測値Η1 n…ΗNI nの集合を制約集合生成器4
2Eに供給する。チャネル予測値Ηi nの集合は、副チャネルベクトル予測値^H i,1 n ,…,^Hi,Nf nを含む。制約集合生成器42Eは、再拡散器571…57NI のバンクを備えているという点で図15に示す制約集合生成器と類似しているが
、チャネル複製ユニット59D1…59DNIがそれぞれ副チャネル複製ユニット
59E1…59ENIと置き換えられている点で異なる。副チャネル複製ユニット
59E1…59ENIは、再拡散シンボルを副チャネルベクトル^H1,1 n,…,^
1,Nf n;…;^HNI,l n,…,^HNI,Nf nとそれぞれ重畳して、フィンガにおい
て分解された副チャネル別観測行列の正規化予測値^Y1,1 n,…,^Y1,Nf n
…;^YNI,1 n,…,^YNI,Nf nを得る。したがって、行列は、全受信パワー(
Ψi n2と複素数チャネル係数ζi f,nのすべての可能な値による認識の空間に及
ぶ。予測値は、通常図10に示されているような制約行列生成器43Aに供給さ
れ、制約行列生成器43Aは予測値に応じて制約行列を生成する。
【0150】 制約行列^Cnは、NfNI個の空制約(すなわちNc=Nf×NI=M×P×N
I)によって次のように単純に定義される。
【0151】
【数51】 各予測値^ i,f nは次のような行列を再整形することによって再構成される。
【数52】
【0152】 なお、^ i,f nの再構成において、チャネル係数ζi f,n(図1参照)とともに
i番目の干渉^Ψi nの全振幅が意図的に省略されている。したがって、ISR−
R同様、パワー不整合に対するISR−Dの相対的な耐性が得られる。その他の
モードとは異なり、チャネル識別誤差に対する耐性も得られ、予測チャネルパラ
メータ、すなわちマルチパス時間遅延と、シンボル予測誤差にのみ敏感である。
【0153】 なお、図13、図15および図16の受信装置では、干渉ビット符号の予測誤
差によって、予測制約値と理論上の制約値とに差を生じている。したがって、I
SR−D、ISR−RとISR−TRモードはほとんどの場合に適応可能である
が、認識が誤ったものになりうるため、干渉キャンセルの有効性に影響を与える
。また、ISR−Dモードでの再構成のための干渉ビットの符号予測は、ISR
−RとISR−TRモード同様、すべての低パワーユーザの処理を1ビットの持
続時間だけ、すなわち遅延45によって、1処理周期(pc)だけ更に遅延させ
なければならない。この欠点を回避するために、それに代わりうる式(42)の
制約を実行するISRの方式を構想し、次にそれについて説明する。まず、処理
遅延を回避し、データ予測誤差に完全に強壮なISR−Hから説明する。
【0154】 仮説における干渉部分空間排除(ISR−H) 干渉信号のデータについてすべての可能なあるいは仮説的な値をあらわす1つ
の信号の集合を用いることができる。干渉信号のそれぞれが、特定領域でのベク
トルを構成する。ベクトルについてのすべての起こりうる発生を予測することが
でき、それらをISRビームフォーマ内ですべて処理することができるので、実
際のすなわち現実のベクトルを無効にすることを実質的に保証する。既に述べた
とおり、強い干渉は比較的少ないので、実際のシステムでは、干渉ベクトルの可
能な位置のすべてを決定して、それをすべて補償するか無効にできる。このよう
な代替としての実施例は、認識のすべての可能性を用いるので仮説における干渉
部分空間排除と呼ばれるが、この実施例を図17に示す。
【0155】 集合Iの「干渉物」受信装置モジュールの構成要素、すなわち逆拡散器191
…19NIとSTARモジュール201…20NIは基本的に図15の受信装置の場
合と同じであるので同一の参照番号を付している。しかし、図17の実施例では
、制約集合生成器42Fは、決定ルールユニット291…19NIの出力からのシ
ンボル予測値^b1 n…^bNI nがそれぞれ再拡散器57F1…57FNIに供給され
ず、単に(図示せず)受信装置内の別の回路構成に出力されるだけなので図15
の制約集合生成器とは異なる。
【0156】 その代わり、ビットシーケンス生成器63F1…63FNIそれぞれが、予測し
たデータシーケンス^b1 n…^bNI nの過去、現在、そして次のビットの可能な
予測値をすべて(後述する)その認識を含めてカバーする3つの可能性 1 n 2 n 3 nを生成し、それぞれ再拡散器57F1…57FNIに供給し、再拡散器5
7F1…57FNIはそれぞれ拡散符号の中の対応する1つの拡散符号によって3
値の集合を再び拡散する。その結果得られた再拡散予測値がそれぞれ、チャネル
複製フィルタ59F1…59FNIにフィルタリングされて、行列予測値^Y1 0,n
,^Y-1,n,^Y1 +1,n;…;^YNI 0,n,^YNI -1,n,^YNI +1,nを制約集合と
して得る。
【0157】 共通行列インバータ43Fの概略は図10に示されているが、これは予測行列
集合を処理して制約行列^Cnの列ベクトル^ 1 0,n,^ -1,n,^ 1 +1,n;…
;^ NI 0,n,^ NI -1,n,^ NI +1,nを形成して、対応の逆行列Qnとともに
ビームフォーマ47Fdと集合Dのその他の受信装置モジュールのビームフォー
マに共通に供給する。
【0158】 受信装置モジュール20Fdは、図16に示す受信装置モジュール20Edと同
様の構成要素を備える。しかし、「次の」ビットが仮説、この仮説は既知である
必要はない、として取り上げられているので遅延45が省略されることに注意さ
れたい。
【0159】 前記の通り、i番目の干渉物の処理ビットに隣接する2ビットは、各ビットフ
レームにおいて排除するべき対応の干渉ベクトル(シンボル)に貢献する。図1
8に示すように、処理される隣接ビットのすべての可能なシーケンスを数えると
3=8トリプレットでなり、それぞれが3ビットからなる。これらトリプレッ
トの1つだけがユーザ別観測マトリクス^Yi nを生成する1つの可能な認識とし
て各ビット繰り返しで任意の時間に起こりうる。これらの8個のトリプレットが
符号曖昧性内で識別され、4個のトリプレットの1つが図18の左側部分で(a
)…(d)として示されていて、4個のトリプレット(e)…(h)は反対側に
ある。
【0160】 ビットシーケンス生成器631…63NI(図17)は、生成する信号部分空間
の大きさが3であるので、それぞれ3つの値 1 n 2 n 3 nだけを供給するこ
とを理解されたい。なお、任意のビット速度瞬間でこれらのシーケンスから取り
だされる持続時間3Tのフレームが図18のビットトリプレットの8個の可能な
認識を再生する。したがって、任意のビットの繰り返しで、干渉移動局のビット
シーケンスbi nは、ビット符号bi n-1、bi nとbi n+1で重み付けされた生成シー
ケンス k n,k=1,…,3の合計として局所的に識別される。式(50)の予
測値^bi nをgk n,k=1,…,3で置き換えると、符号曖昧性内でi番目の干
渉移動機器からの受信信号ベクトルの可能なすべての認識に及ぶ標準観測行列が
得られる。
【0161】 図17のISR−Hの実施例では、干渉部分空間は、標準干渉ベクトル^ i k ,n の正規化予測値で特徴付けられている。したがって、干渉部分空間は、全受信
パワー(Ψ1 n2とビットトリプレット[bi n-1,bi n,bi n+1]のすべての可
能な値による個々の認識に及ぶ。制約行列は3NI個の空制約(すなわちNc
3NI)によって次のように定義される。
【0162】
【数53】 ただし、各予測値^ i k,nは、次の行列を再整形することによりk=−1,0+
1についてそれぞれ再構成される。
【数54】
【0163】 また、前記再構成では、いかなる2D変調が用いられようと(図19参照)完
全に干渉を排除するためには(隣接するシンボルにわたって一定であると仮定す
る)チャネルベクトル予測値のみが必要となる。よって、パワー制御と干渉物の
ビット/シンボル誤差に対して非常に大きな耐性が期待できる。ISR−H結合
係数はシンボル依存であり、チャネルの時間変動が少ないときは低頻度で演算す
ることが可能である。
【0164】 DモードとHモードを式(38)の分解に沿って結合すると、逆相関器に非常
に近い形体のISR−HD(仮説ダイバーシティ)が得られる。このISR−H
Dモードでは、比較的多数の制約(すなわち3NfNI個の制約)が必要となる
。その結果ISR−HDモードはこの時点では実用的とはみなされない。
【0165】 実際に、前記ISR−H受信装置が必要とする制約の数を減らすのが望ましい
。これは、図20に示され、集合Iと集合Dの受信装置モジュールが図15の受
信装置モジュールに類似している中間モードを用いることによって可能となる。
その構成要素のほとんどが同じであり同一の参照番号がついている。事実、図2
0の受信装置の制約集合生成器42Gは、図15と17の制約集合生成器を組み
合わせ、予測シンボルと仮説値を用いている。よって、この制約集合生成器42
Gは、再拡散器57G1…57GNIのバンクと、対応するチャネル複製ユニット
59G1…59GNIのバンクと、シンボル生成器63G1…63GNIのバンクを備
える。しかしこの場合、シンボル生成器63G1…63GNIはそれぞれ、決定ル
ールユニット291,…29NIから実際のシンボル予測値^b1 n…^bNI nを受信
する再拡散器57G1…57GNIの対応する1つにただ1つのシンボルを供給す
るだけである。シンボル生成器63G1…63GNIはそれぞれ、決定ルールユニ
ット291,…29NIの対応する1つから実際のシンボルまたは認識ごとに1つ
のシンボルしか供給しないが、シンボルの2つの仮説値、つまり1と−1が必要
なだけなので、シンボル予測値^b1 n+1…^bNI n+1に1つについて「未来の」
シンボルb1 n+1…bNI n+1の2つの仮説値を生成するだけで十分であることを理
解されたい。再拡散器57G1,…57GNIは、拡散トリプレットをチャネル複
製ユニット59G1…59GNIに供給し、チャネル複製ユニット59G1…59G NI がそれぞれ、チャネルベクトル予測値^ 1 n NI nを用いて拡散トリプレッ
トをフィルタリングして、行列対^Y1 r,n,^Y1 +1,n;…^YNI r,n,^YNI +1 ,n を生成して、それが図9に概略構成が示されるような共通行列インバータ43
Gに供給される。共通行列インバータ43Gは、行列^Y1 r,n,^Y1 +1,n;…
^YNI r,n,^YNI +1,nを再整形してベクトル^ 1 r,n,^ 1 +1,n;…^ NI r, n ,^ NI +1,nを形成し、そのベクトルが次に制約行列^Cnの列ベクトルとして
用いられる。共通行列インバータ43Gは、制約行列^Cnと対応の逆行列Qn
ビームフォーマ47Gdと集合Dのほかの受信装置モジュールのビームフォーマ
に共通に供給する。
【0166】 したがって、ビームフォーマ47Gdは、干渉データの過去のシンボル予測値
^bi n-1を(1処理周期、すなわち干渉予測値を導くために必要な時間だけ遅延
した)現在のシンボル予測値^bi nとともに用いて、bi n+1の未知の符号が各干
渉ベクトルについての可能なビットトリプレットと対応の認識の数を2に減らす
【0167】 図20の受信装置は、次の干渉ビットにおける数の減った仮説値についてIS
R−RHと従来呼ばれているものを用いて、干渉ベクトル認識の減少した可能性
を排除する。ISR−Hモードを用いた図17の受信装置より、^bi n-1と^b i n についてのデータ予測誤差に敏感で、干渉物一人当たり3個ではなく2個の制
約のみが必要となる。
【0168】 過去と現在の干渉物のビット予測値を用いると、干渉部分空間での不確実性を
減らすことができ、2NI個の空制約(つまりNc=2NI)の以下の行列によ
って特徴づけることができる。
【0169】
【数55】 ただし
【数56】 ただし、各予測値^ i k,nは、k=−1,0,+1について式(38)の行列を
それぞれ再整形することにより再構成される。なお、このモードでは、現在の干
渉ビットの予測値に1処理周期の遅延が必要である。
【0170】 ISR−RHモードは、ISR−Hモードに比べて空制約の数を減らせるとい
う利点がある。実際、より多くの空制約があると、特に式(43)での行列反転
を行う場合複雑となり、特に処理利得Lが低い場合には非常にノイズが増加して
しまうことにもなりかねない。負荷の高いシステムで強い干渉物の数NIが増え
ると、空制約(2NIと3NI)の数が観測の大きさM×(2L−1)に近づき
、制約行列が縮退する。複雑さを緩和し、式(43)の行列反転の安定性を保証
し、ノイズの拡張を最小限にするためには、式(43)と式(44)における制
約行列^Cnを列ベクトルが次のように広がるKランクの直交干渉部分空間に置
き換えて、
【0171】
【数57】 式(31)で用いられる射影器Πn=IM*(2L-1)を得て、行列反転動作を行列直
交に置き換える。グラム−シュミット正規直交化を用いるが、これによって、直
接キャンセルでは射影の形成方法が異なるという点を除き、線形SIC[28]
に記載されているように「相互ランク」−1個の射影のランクの周期的増加カス
ケードを実行する。最終的に、正規直交化の後、ISRは「相互ランク」−Nc
射影を用いて結合工程でNc個の空制約を実行する。この射影はNc個の相互ラン
ク射影のカスケードとして実行してもよい。なお、^Cnが正規直交に近い(す
なわち^Cn≒^Vn)であると確認できれば正規直交は不要となる。
【0172】 実際、^Vnが^Cnの実際のランクにほとんど影響を与えることはない。^V n はキャンセルするもっとも高い干渉エネルギをもつ、下がったランク^K≦N
cの部分空間に相当する。ノイズ拡張をさらに最小限に抑えるためには、後で「
オプションX」などとして説明するように観測の大きさM×(2L−1)を増加
させることもできる。
【0173】 ノイズ拡張を減らす別の代替方式では、完全な空応答ではなく各空制約に対す
る空に近い応答を実行するようビームフォーマを制約する。空応答のこのような
「緩和」により周囲ノイズ減少(すなわち増幅の減少)の自由度が広がる。通常
それは、ビームフォーマ応答の振幅を、最大しきい値未満の各空制約に上限をつ
けることになる。この技術は公知で「強耐性なビーム形成」方法として文献では
分類されている。この技術をISRと組み合わせればノイズ拡張を減少させるこ
とができる。
【0174】 強耐性のビーム形成における制約の緩和は、通常、ラグランジュの乗法技術を
利用した制約における最適化問題として解決される。このような導出を数学的に
詳細に説明せず、ここでは継ぎ目なしにISRビーム形成を展開する、直観に基
づく解法を直接与える。式(43)乃至式(45)を次のように展開する。
【数I1】
【数I2】
【数I3】
【数I4】 ただし、(nは正の重みのNn×Nnの対角行列で、λは追加の重み係数である。
【0175】 前記展開したISRの解は、(n=INcかつλ=0と設定することで式(43)
乃至式(45)の解まで低くなる。また、ビーム形成文献ではMVDR(最小分
散歪みなし応答)ビーム形成として知られるMMSE(最小平均二乗誤差)結合
の特殊なケースも含む。モデル式式(28)に沿って、MMSEすなわちMVD
Rビーム形成の解は次のようになる。
【数I5】
【0176】 ただし、R 1 + N は干渉−パルス−ノイズベクトルI n +N n の相関行列である。
追加のノイズベクトルを分散σ2 Nと空間的、時間的に相関させると仮定すれば、
I + N は次のようになる。
【数I6】
【0177】 ただし、Cnは列方向の正規化を行わないが、既に述べたISRモードの1つ
に沿って定義される制約行列である。先見的に未知の事前であると仮定する信号
パラメータによっては(式(15)以前の説明と比較)、R I + N での条件的統計
平均は対応のISRモードに沿ったCnの特殊な干渉分解を生じさせる。Nc×N c の対角行列Φは干渉が分解される際の未知の信号パラメータのパワーを保持す
る。
【0178】 TRモードでは、干渉特徴付けは準確定的で Φn=[1] となる。 Rモードでは、 Φn=diag[((Ψ1 n2,…,((ΨNI n2] Dモードでは、 Φn=diag[((Ψ1 n2|(ζ1 1,n2,…, ((ΨNI n2|(ζ1 Nf,n2,…,((ΨNI n2|(ζNI Nf,n2] ただし((Ψi n2と|(ζi Nf,n2はそれぞれ、 (Ψi n2と|ζi Nf,n2の場合の局所平均を示す。 Hモードでは次のようになる。 Φn=diag[((Ψ1 n2,((Ψ1 n2,((Ψ1 n2,…,((ΨNI n
2,((ΨNI n2,((ΨNI n2
【0179】 反転補助定理を用いると、R I + N の逆は次のようになる。
【数I7】 したがって、MMSEすなわちMVDRビーム形成は次式を使う展開されたIS
Rの解で識別される。
【数I8】 前記式での瞬間予測値をあとでさらに平均化またはスムージングすることもで
きる。制約行列予測値^Cnの列は正規化せずに再構成される。
【0180】 ISRのMMSEバージョンはノイズ拡張を減少させる方法として機能するが
、やはり判定帰還を用いたモードについては判定ハード誤差に敏感である。別の
方法で重みを用いることは判定ハード誤差への感受性を減少させる方法である。
ISR結合信号予測値は次のように定式化できることに気づく。
【0181】
【数I9】
【数I10】
【数I11】
【0182】 最後の再定式化では、^Cn υ nは、適用したISRモードに対応する予測干渉ベ
クトルの和としてみなすことができることが強調されている。たとえば、予測値
のそれぞれはISR−Rにおける干渉ユーザに対応する。i番目の制約を形成す
るために用いられる予備決定が誤りであると、対応の制約は排除(実際予備決定
が誤りのとき、その予備決定が現在のビットと重なる)されるよりもむしろ増幅
することもある。この増幅は別の射影器を考慮することで次のように緩和される
【数I12】 ただし、Λnは重みの対角行列である。この射影を用いると、式(I11)は次の
ように変形できる。
【数I13】
【0183】 この変形は、予備決定がすべて正しい場合でも干渉物が完全に排除されること
は決してないことを意味する。しかし、誤決定によるペナルティも減少する。I
SR−RとISR−Dでは、干渉物iを表す列に適応される最適重みが{Λni ,i (1−2SER(i))、ただしSER(i)は干渉物iに関する予備決定の
シンボル誤差率、であることが示される。
【0184】 なお、図11の一般的な「逆拡散後」受信装置が図9の一般的な「逆拡散しな
い」受信装置と異なるのと実質的に同様に、図13、図15、図16、図17と
図20の受信装置のそれぞれを変更して観測行列Ynの「逆拡散後」にISRを
行うようにすることもできる。次にこのような変形例の受信装置を図21乃至図
26を参照しながら説明する。
【0185】 たとえば、図13に示すものに対応する図21に示すISR−TR受信装置で
は、遅延素子45は前処理ユニット18からの観測行列Ynを1ビット周期遅延
させて、遅延観測行列Yn-1を集合Dの低パワーユーザ受信装置モジュールの各
々に共通に供給する。これらの受信装置モジュールは同一なのでそのうちの1つ
のモジュール20Hdだけを図21に示す。観測行列Yn-1は逆拡散器19dに逆
拡散され、後置相関観測ベクトル d n-1をチャネル識別ユニット28Hdとビー
ムフォーマ47Hdのそれぞれに供給する。集合Dの受信装置モジュールと制約
集合生成器42Cは、図3に示す受信装置の場合と同一であり、行列^Y1 n-1
^YNI n-1を加算器60に供給し、加算器60が行列を加算して全干渉行列^In -1 を生成し、それを集合Dの各受信装置モジュールに供給する。
【0186】 受信装置モジュール20Hdは、図13に示すモジュールに類似しているが、
第2の逆拡散器43Hdを有している。第2の逆拡散器43Hdはユーザd用の拡
散符号を用いて全干渉行列^In-1を逆拡散して、信号列ベクトル^ d PCM,n-1
としてユーザ別制御行列を生成する。制約行列はベクトルであり、逆行列が不要
なので、この逆拡散器43Hdは、事実上ユーザ別制約行列生成器を構成する。
またこの場合、チャネル識別ユニット28Hdは、チャネルベクトル予測値^ d n-1 をビームフォーマ47Hdに供給する。
【0187】 なお、逆拡散データベクトル d n-1 d nd n d PCM,n d nに等しい。た
だし d nはユーザ局10dにおけるチャネル応答、sd nはユーザdの移動局10
dが送信する信号、 d PCM,nは集合I内のその他のユーザ局からの信号による干
渉の結果信号Zd nに存在する干渉成分で、 d PCM,nは式(14)で定義されてい
るのと同様である。値 d PCM,nは、例えば、熱ノイズ同様、その時点でシステム
上のその他のすべてのユーザからの干渉の和からなる追加のノイズである。「他
のユーザ」とは、集合D内のチャネルがカバーするユーザ以外のユーザを意味す
る。
【0188】 既に述べたとおり、ビームフォーマ47Hdの係数は式(16)乃至式(18
)に従って調整され、制約行列は次のように単一の空制約(すなわちNc=1)
によって定義される。
【0189】
【数58】 ただし、予測値^ d PCM,nは所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで行列^ n (式(47)と式(48)参照)を逆拡散することによって得られる。
【0190】 図22は、図15の「逆拡散なしの」ISR−R受信装置の低パワー(集合D
)受信装置モジュールに類似した変形を示す図である。この場合、制約集合生成
器42Dの出力は、既に述べたとおり、行列^Y1 n-1…^YNI n-1からなる。前
述同様、図22には受信装置20Jdのみが示されているが、これは第2の逆拡
散器43Hdが図12に示されているタイプのユーザ別行列インバータ43Jd
置き換わった点以外は図21に示す受信装置モジュールと同一である。チャネル
識別ユニット28Jdは同様にベクトル^ d n-1をビームフォーマ47Jdに供給
する。ユーザ別行列インバータ43Jd内の逆拡散器のバンクは、行列^Y1 n-1
…^YNI n-1のそれぞれ1つを逆拡散して、ベクトル^ d,1 PCM,n-1,…,^ d ,NI PCM,n-1 を生成する。これらのベクトルがユーザ別制約行列^Cd PCM,n-1を構
成し、行列インバータ46Bdが対応の逆行列^Qd PCM,n-1を生成する。これら
の行列はいずれも関連のビームフォーマ47Jdに供給され、ビームフォーマ4
7Jdはそれらの行列とチャネルベクトル予測値^ d n-1を用いて、後置相関観
測ベクトル d n-1の要素に重み付けするのに用いられるその係数を調整する。す
でに述べたとおり、係数は式(16)乃至式(18)に従って調整され、制約行
列はNI個の空制約(すなわちNc=NI)によって次のように定義される。
【0191】
【数59】 ただし、各予測値^ d,i PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで式
(50)の行列^Yi nを逆拡散することによって得られるものである。
【0192】 図23は、図16のISR−D受信装置の低パワーユーザ受信装置モジュール
に適応される変形を示す図である。したがって、共通の行列インバータはない。
その代わり、図23の受信装置では、集合Dの受信装置モジュールのそれぞれが
、制約集合生成器42Eからの制約を受信するユーザ別制約行列生成器43Kを
有している。図示のように、ユーザ別制約行列生成器43Kdは、行列集合^Y1 ,1 n-1 …^Y1,Nf n-1,…,^YNI,1 n-1,…,^YNI,Nf n-1を処理してベクトル
集合^ d,1,1 PCM,n-1…^ d,1,Nf PCM,n-1,…,^ d,NI,1 PCM,n-1,…,^ d,NI,Nf PCM,n-1 を生成する。これらのベクトルがユーザ別制約行列^Cd PCM,n-1 と対応の逆行列^Qd PCM,n-1を構成し、これらの行列をビームフォーマ47Kd
に供給する。すでに述べたように、ビームフォーマ47Kdはその係数を式(1
6)と式(18)に従って調整する。制約行列はNfNI個の空制約(すなわち
c=Nf×NI=M×P×NI)によって次のように定義される。
【0193】
【数60】 ただし、各予測値^ d,i,f PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで
式(52)の行列^ i,f nを逆拡散することによって得られるものである。
【0194】 図24は、図17のISR−H受信装置に適用される変形を示す図である。前
記同様、共通の制約行列生成器(43F)は受信装置モジュール20Ldにおい
てユーザ別行列インバータ43Ldに置き換えられ、集合Dの他の受信装置モジ
ュールにおいても同様である。制約行列生成器42Lは、そのビットシーケンス
生成器63L1,…,63LNIがそれぞれ別の生成シーケンスを用いているので
、図17の制約集合生成器42Fとは異なる。制約集合生成器42Fからの行列
集合^Y1 1,n,^Y1 2,n,^Y1 3,n,;…;^YNI 1,n,^YNI 2,n,^YNI 3,n
は、ユーザ別行列インバータ43Ldで処理されて、ユーザ別制約行列^Cd PCM, n を構成するベクトル^ d,1 1,n,^ d,1 2,n,^ d,1 3,n;…;^ d,NI 1,n
d,NI 2,n,^ d,NI 3,nを生成し、(図示しない)行列インバータが対応の行
列^Qd PCM,nを生成する。制約行列^Cd PCM,nと逆行列^Qd PCM,nはチャネルベ
クトル予測値^Hd nとともにビームフォーマ47Ldによって用いられ、逆拡散
器19dから受信する後置相関観測ベクトル d nの要素に重み付けするのに用い
られる係数を調整する。すでに述べたとおり、係数は式(16)と式(18)に
従って調整され、制約行列は3NI個の空制約(すなわちNc=3NI)によっ
て次のように定義される。
【0195】
【数61】 ただし、各予測値^ d,i,k PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで
行列^Yi k,nを逆拡散することによって得られるものである。
【0196】 この場合、ビットシーケンス生成器63L1…,63LNIはそれぞれ、図25
に示すような4個の生成ビットシーケンスg1(t),g2(t),g3(t)と
4(t)を用いる。
【0197】 なお、図25に持続時間3Tの任意のフレームでは、4個の生成シーケンスの
いずれかのビットトリプレットはその他の線形組み合わせである。したがって、
各干渉ベクトルの4個の可能な認識のいずれか1つがその他の線形組み合わせで
あり、対応の空制約は残り3個の空制約によって暗黙的に実行される。4個の空
制約は最初の4個の可能な認識に任意に制限される。
【0198】 図26は、図20のISR−RH受信装置に適用される変形を示すものである
。前記と同様、図20の共通行列インバータ43Gは受信装置モジュール20M d 中の1組の共通行列インバータ43Mdに置き換えられる。集合Dの他の受信装
置モジュールでも同様である。図26に示す制約行列生成器42Mは、図26の
受信装置のビットシーケンス生成器63M1,…63MNIのそれぞれがビットシ
ーケンス l+1,n nを生成しているので図20に示す制約行列生成器(42G)と
はわずかに異なっている。
【0199】 ユーザ別行列インバータ43Mdは、それぞれチャネル識別ユニット59M1
…、59MNIからの制約集合行列対^Y1 k1,n,^Y1 k2,n,…,^YNI k1,n,^
NI k2,nを処理して、ユーザ別制約行列^Cd PCM,nの列を構成する対応するベク
トル集合^ d,1,k1 PCM,n,^ d,1,k2 PCM,n,…,^ dNI,k1 PCM,n,^ d,NI ,k2 PCM,n が生成され、また対応の逆行列Qd PCM,nが生成される。制約行列^Cd P CM,n と逆行列^Qd PCM,nはチャネルベクトル予測値^ d nとともに、ビームフォ
ーマ47Mdに用いられて、逆拡散器19dから受信する後置相関観測ベクトル d n の要素に重み付けするために用いられる係数が調整される。すでに述べたとお
り、係数は式(16)乃至式(18)に従って調整され、制約行列は2NI個の
空制約(すなわちNc=2NI)によって次のように定義される。
【0200】
【数62】 ただし、各予測値対^ d,i,k1 PCM,nと^ d,i,k2 PCM,nは、所望の低パワーユー
ザの拡散シーケンスで行列^Yi k1,nと^Yi k2,nを逆拡散することによって得ら
れるものである。
【0201】 シンボル間干渉(ISI)排除 発明の前記実施例のいずれにおいても、特に処理利得が低いときは、集合Dの
受信装置モジュールにおけるシンボル間干渉を減らすことが望ましい。逆拡散に
よってISIが無視しうる程度に減少するPCMモデルで述べたように、処理利
得が大きい場合、 dH 0,n d -1,n≒0かつ dH 0,n d +1,n≒0となる。したがっ
て、拡散前の空間/時間ビームフォーマ d nでは次のような追加の制約を実行さ
れる。
【0202】
【数63】
【0203】 したがって、干渉が排除されて、ISIが大きく減少する。完全なISI排除
は、受信装置を変更して、チャネルパラメータ推測器Hd nの集合を集合Iの受信
装置モジュールのチャネルパラメータ推測器と並列処理するための制約集合生成
器42で利用可能にすることによって、成し遂げることができる。追加の制約行
列と逆行列もビームフォーマ47dに供給され、データ処理時に考慮される。
【0204】 このような場合、次の行列を生成することができる。
【0205】
【数64】 また、次の2×2行列
【数65】 を反転させて、制約された空間/時間ビームフォーマ d nを得た後、以下によっ
て逆拡散する。
【0206】
【数66】
【数67】
【数68】
【0207】 射影器Πnは、式(43)と式(44)に従って、すでに述べた方法で生成さ
れる。^Cd ISI,nと^Cnの両方に直交する射影器Πd nが生成され、その後低パ
ワー応答ベクトル^ d 0,nが射影、正規化され、処理されたユーザdからのIS
Iと集合IのNI個のユーザからの干渉を完全に排除するビームフォーマが形成
される。
【0208】 なお、強い干渉物の抑制が不要な場合は、ISIは次のビームフォーマによっ
て排除することもできる。
【0209】
【数69】 ただし、式(67)の射影器Πnは単位行列に設定されるので何の影響も与えな
い。これは行列^Cnを空行列に設定する場合と同様である。前記式の射影器Πd ISI,n を単位行列に置き換えると(これは行列^Cd ISI,nを空行列に設定するの
と同等)、単純MRCビームフォーマが逆拡散前に実行される。このようなMR
Cビームフォーマを用いる受信装置モジュールが図27に示されている。この受
信装置モジュールを用いて、図9およびそれ以降の図に示す受信装置モジュール
201,…,20NIなどの受信装置モジュールなど、「貢献者」だけの受信装置
モジュールのいずれも置き換えることができる。図27に示す受信装置モジュー
ルは、ISRビームフォーマ47Adが次の等式を実行するMRCビームフォー
マ27Ndに置き換えられている点以外は図9の受信装置モジュールに類似して
いる。
【0210】
【数70】
【0211】 また、以下で d MRC,nと示されているMRCビームフォーマを用いる図27の
受信装置モジュールを、ISRを使わないSTAR、たとえば文献[13]に記
載のSTARに組み込むことができる場合も想定される。
【0212】 パイロット支援型ISR STAR−ISRは、符号曖昧性(またはMPSKにおける量子化位相曖昧性
)内でブラインドチャネル識別を行う。したがって、差動復調を避け、準コヒー
レント検出を可能にする。しかし、差動復号は符号曖昧性を解決するためにある
程度パフォーマンスを犠牲にしても行う必要がある。完全なコヒーレント検出を
実行し、動作復号を回避するために、パイロット信号、すなわち受信装置に既知
の所定のシンボルシーケンス(通常固定「1」シーケンス)を送信装置が送って
、受信装置が符号曖昧性を解消できるようにする。2つのタイプのパイロットが
共通である。すなわち、1)あるパイロットシンボルが、データシーケンス内の
パイロットシンボルに所定のシンボル位置または繰り返しnπで挿入し、その他
の添え字nδをある程度のオーバヘッド損を伴ってデータシンボルに割り当てる
;2)あるパイロットチャネルが、判明な拡散符号cπ,u lとcδ,u lの対を用い
てパイロットシーケンスにデータシーケンスを乗算して、利用可能なパワーの分
数ζ2/(1+ζ2)をパイロットに割り当て、残りの1/(1+ζ2)をある程度
の相対的パワー損を伴ってデータに割り当てる。
【0213】 パイロット信号は通常チャネル識別で用いられる。STAR−ISRはこのタ
スクをパイロットなしに成し遂げ、したがって、パイロットの役割をブラインド
チャネル識別方式の結果生じる位相曖昧性の単純解消にまで減らす。このパイロ
ット使用についての新しい方式によって、アップリンクとダウンリンクでのST
ARの単一ユーザの関係で文献[21]と[31]にそれぞれ開示されているよ
うに、パイロットに割り当てられるオーバヘッドまたはパワー分数を大きく減少
させることができる。パイロットシンボルとパイロットチャネルについて、その
新方式にしたがってパイロットをSTAR−ISRに挿入することは、それぞれ
図44と46に示されている。
【0214】 図44では、ユーザdについてパイロットシンボル支援型ISR受信装置が示
されている。ISRビームフォーマ47Vdは、信号成分予測値^Sd nを出力し
て、既に述べた通常の工程でチャネル識別28Vdとパワー予測ユニット30Vd と作用する。しかし、ビームフォーマ出力に新たに設けられたパイロット/デー
タデマルチプレクサ35Vdが、データとパイロットに割り当てられたシンボル
位置nδとnπを分離する。したがって、対応する添え字位置で、信号成分予測
値^sd nδと^sd nπがそれぞれ抽出される。
【0215】 一方では、量子化位相曖昧性ad内の(すなわち配列に属する)データ信号成
分予測値^sd nδ≒adΨd nd nが決定ルールユニット29Vdに送られて、対
応するシンボル予測値^bd n≒add nを同じ位相曖昧性ad内で予測する。
【0216】 他方、基本的に受信パワー(Ψd n2がほとんど変動ない中で一定の位相曖昧
性を保持するパイロット信号成分予測値^sd nτ≒adΨd nは、図45に示す曖
昧性予測器31Vdに送られる。この予測器が所定数のシンボルにわたってパイ
ロット信号成分予測値をバッファリングする。バッファ33Vdがいっぱいにな
ると、予測器は平均化またはスムージングユニット34Vdを用いてバッファリ
ングされた値を平均化(スムージング)して、残留ノイズを大幅に減少させ、し
たがって、予測誤差を最小限にする。その後、平均パイロット信号成分予測値を
データ用に使われる決定ルールユニット(すなわち29Vd)と同一な決定ルー
ルユニット29V/2dに送り、位相曖昧性^ad nを量子化して予測する。いっ
たん新しい予測がされると、バッファ33Vdはフラッシュされて、バッファが
再びいっぱいになり新たな予測が導き出されるまで、位相曖昧性予測値は一定に
保たれる。
【0217】 図44のパイロットシンボル支援型ISR受信装置では、共役器32Vdが曖
昧性予測値を結合して、乗算器15Vdが位相曖昧性を補償するために位相共役
(^ad n*にデータシンボル予測値 d nδ≒bnを乗算する。結果としてのデー
タシンボル予測値 d nδ≒bnは、曖昧性がなく、もはや差動デコーディングを
必要としない。
【0218】 図46において、ユーザdについてのパイロットチャネル支援型ISR受信装
置が示されている。この構造をよりよく理解するためには、あらかじめもう一段
階、対応のデータモデルを展開する必要がある。ユーザdが相対的パワーζ2
1とのパイロットとデータ多重化のために一対の拡散符号を用いるということを
踏まえると、データモデルは次のように表せる。 nδ,d 0,nsδ,d nπ,d 0,nsπ,d n n nδ,d 0,nΨd nd nπ,d 0,nΨd nζ+ n n ただし、sδ,d nとsπ,d nはデータ信号成分およびパイロット信号成分をそれぞ
れ示している。
【0219】 受信したパイロットおよびデータ信号は、同一の物理チャネルから受信する2
つの別個のユーザとしてみなされる(すなわち、2つの拡散チャネル符号δ,d 0,nπ,d 0,nを得るために一対の符号によって拡散される d n)。
【0220】 図46では、対応するデータ拡散符号にしたがって調整されるデータISRビ
ームフォーマ47V/1dがデータ信号成分予測値^sδ,d nを出力して、前で述
べた通常の工程でチャネル識別ユニット28Vdとパワー予測ユニット30Vd
作用する。しかし、対応するパイロット拡散符号にしたがって調整される追加の
パイロットISRビームフォーマ47V/2dは同時に、パイロット信号成分予
測値^sπ,d nも与える。パイロットパワー分数はデータパワーより弱いので、
チャネル識別ユニット28Vdは、データ信号成分予測値からの信頼性がより高
く、強いフィードバックを用いる。チャネル予測値は一対の符号によって拡散さ
れ、その結果得られる予測値^δ,d 0,nと^π,d 0,nはデータISRビームフ
ォーマ47V/1dとパイロットISRビームフォーマ47V/2dにそれぞれ送
られる。データISRビームフォーマ47V/1dは、空をそれ自身のパワーの
弱いパイロットチャネルに向かわせる必要はない。
【0221】 一方では、データ信号成分予測値^sδ,d n≒adΨd nd nが量子化位相曖昧性
d内で得られる。その予測値は決定ルールユニット29Vdに送られて、同じ位
相曖昧性内で^bd nδ≒add nを予測する。他方、パイロット信号成分予測値
^sπ,d n≒adΨd nζは受信パワー分数ζ2(Ψd n2の変動がほとんどない中で
一定の位相曖昧性を保持する。したがって、パイロットシンボル支援型ISRに
ついて上で述べたのと同様に、曖昧性予測器31Vdは位相曖昧性^ad nを予測
し、それが共役器32Vdに送られて、(^ad n*を得て、その後データシンボ
ル予測値^bd nδ≒add nの位相曖昧性を補償するために乗算器15Vdに送ら
れる。その結果得られるシンボル予測値 d n≒bnに曖昧性が再びなくなり、も
はや差動復号が必要でなくなる。
【0222】 統合ISR検出 本発明の前記の実施例では、ISRは、選択された集合Dのユーザ、典型的に
は低データ速度ユーザに対して行われ、そのユーザが選択された集合Dの高速ユ
ーザに関してISRを実行する。この方式は、ほとんどの場合、特に高速ユーザ
が非常に少ない場合には適切であるが、他の高速ユーザが引き起こす相互干渉が
深刻で、高速ユーザ間での相互ISRも同様に望まれている場合がある。こうし
た状況は、図8のユーザ集合M1とM2に示されている。したがって、本発明の
前記実施例では、集合Iの受信装置モジュールはISRを行わず、単に集合Dの
受信装置モジュールが使用する制約を供給しているだけであるが、一方で集合M
1とM2の受信装置モジュールのいくつかまたはすべてがISRを利用したビー
ムフォーマを有することができる場合も想定される。次に、このような統合IS
R(J−ISR)の実施例を図28を参照しながら説明する。図28には一例と
して受信装置モジュール20iのみが示されている。任意のシンボル周期で、こ
のような受信装置モジュール20iのそれぞれは、(i)制約行列^Cn-1と逆行
列Qn-1を受信して、これらの行列をモジュール自身の干渉成分も含めた干渉の
抑制に用いる;(ii)制約を制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1に与え、制約行列^
n-1と逆行列Qn-1ではその制約を次のシンボル周期で用いる。ISR−Hモー
ド受信装置の場合、仮説シンボルが用いられるが、制約集合はビットシーケンス
生成器631,…,63NIからの仮説シンボルによって生成されるので、集合I
の受信装置モジュールをISRビームフォーマを有する受信装置モジュール20 d に置き換えるだけですむ。決定フィードバックを必要とする他のISRモード
とは逆に、ISR−Hモード受信装置モジュールでは、あるユーザが別のユーザ
をキャンセルする場合に処理遅延がまったく不要となる。したがって、ISR−
Hを実行して、干渉キャンセルまたは後述する多段処理を引き続き行うことなく
、強い干渉物をキャンセルすることできる。
【0223】 すでに演算済みの行列^Cn-1とQn-1を用いると、各干渉物についてのISR
結合器は次のように容易に得られる。
【0224】
【数71】 ただし、 k=[0,…,0,1,0,…,0]Tは、k番目の成分を除いて空成
分の(3NI)次元ベクトルである。この実行には、単一の3NI×3NI行列
を反転させて、強い干渉物の中で暗黙的にISIを排除するという利点がある。
【0225】 ISR−TF、ISR−RとISR−Dモードについて、各受信装置モジュー
ルは実質的に集合Iの受信装置モジュールを集合Dの受信装置モジュールと組み
合わせ、いくつかの成分を冗長であるとして省略する。図28を再び参照すると
、このような結合型受信装置モジュールが示されており、前処理ユニット18が
観測行列Ynを1ビットの遅延素子45と第1のベクトル再整形器44/1に供
給する。第1のベクトル再整形器44/1は観測行列Ynを再整形して、観測ベ
クトル nを生成する。第2のベクトル再整形器44/2は、遅延した観測ベク
トルYn-1を再整形して、遅延観測ベクトル n-1を生成する。これらの行列とベ
クトルは、制約行列生成器43Pからの制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1とともに
、受信装置モジュール20Piとその他の受信装置モジュールに供給される。制
約行列生成器43Pは、制約集合生成器42Pが生成する制約集合Cn-1から制
約行列^Cn-1と逆行列Qn-1を生成する。
【0226】 受信装置モジュール20Piは、逆拡散器19iと、チャネル識別ユニット28
iと、パワー予測ユニット30Piと、決定ルールユニット29Piとを備える
。これらはいずれも前記受信装置モジュールと同様である。しかし、この場合、
受信装置モジュール20Piは2個のビームフォーマ、一方がISRビームフォ
ーマ47Piで他方がMRCビームフォーマ27Piと、MRCビームフォーマ2
7Piの出力に接続される追加の決定ルールユニット29P/2iを備えている。
ISRビームフォーマ47Piは、遅延した観測ベクトル n-1を処理して、予測
信号成分予測値^si n-1を生成して、この予測値を第1の決定ルールユニット2
9Piと、パワー予測ユニット30Piと、チャネル識別ユニット30Piに通常
の方法で供給する。決定ルールユニット29Piと、パワー予測ユニット30Pi は信号成分予測値^si n-1で動作して、対応するシンボル予測値^bi n-1とパワ
ー予測値Ψi n-1を導き出して、これらの予測値を通常の方法で受信装置のその他
の部分に供給する。
【0227】 逆拡散器19iは、遅延した観測行列Yn-1を逆拡散して、後置相関観測ベクト
i n-1を生成して、このベクトルをチャネル識別ユニット29Piにのみ供給
する。チャネル識別ユニット29Piは後置相関観測ベクトル i n-1と信号成分
予測値を用いて、拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1とチャネルベクトル予
測値Ηi n-1の集合を生成する。処理周期の初めに、チャネル識別ユニット28P i は、拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1をISRビームフォーマ47Pi
MRCビームフォーマ27Piに供給して、その係数を更新するのに用いられ、
チャネルベクトル予測値Ηi n-1の集合を制約集合生成器42Pに供給する。
【0228】 MRCビームフォーマ27Piは、現在の観測ベクトル nを処理して、第2の
ルール決定ユニット29P/2iが「未来の」シンボル予測値^bi MRC,nを生成
するのに使用できるように「未来の」信号成分予測値^si MRC,nを生成する。こ
の予測値が制約集合生成器42Pに処理周期の初めに供給される。制約集合生成
器42Pも、決定ルールユニット29iからシンボル予測値^bi n-1を受信する
が、その受信は処理周期の終わりに行われる。制約集合生成器42Pは、処理周
期の終わりに、決定ルールユニット29P/2iからのシンボル予測値^bi MRC, n と、決定ルールユニット29iからのシンボル予測値^bi n-1をバッファリング
する。その結果、制約集合生成器42Pが制約集合Cn-1を演算しているあるシ
ンボル周期n−1で、チャネルベクトル予測値Ηn-1の集合と、「未来の」シン
ボル予測値^bi n-1と、「現在の」シンボル予測値^bi MRC,n-1と「過去の」シ
ンボル予測値^bi n-2、後者2つはバッファから得られる、これらの予測値が利
用可能となる。
【0229】 「統合ISR」集合内のその他の受信装置モジュールのそれぞれは、これらの
信号の等価物を制約集合生成器42Pに供給する。制約集合生成器42Pは、そ
れらの信号をすべて処理して、制約集合Cn-1を生成して、これを制約行列生成
器42Pに供給する。制約行列生成器42Pは制約行列^Cnと逆行列Qnを生成
して、これらの行列を様々な受信装置モジュールに供給する。
【0230】 制約集合生成器42Pと制約行列生成器43Pは、図9乃至27を参照して説
明した本発明の実施例での制約集合生成器43と制約行列生成器42とほぼ同様
に構築され、動作する。したがって、違いは実行するISRモードによって生じ
る。
【0231】 図28の受信装置の制約集合生成器42PがISR−Dモード用に構成される
と、すなわち、図16に示す制約集合生成器のように構成されると、ISRビー
ムフォーマ47Piに供給される制約行列^Cnは、ビームフォーマ47Piが自
己でチャネルパラメータを予測するのに十分な情報を含んでいる。したがって、
これらの予測値をチャネル識別ユニット28Piに送り、ユニット28Piが生成
するチャネルベクトル予測とチャネルベクトル予測値の集合を向上させるのに使
われる。
【0232】 ISR−RH受信装置モジュールは、類似の構造を用いるが、1ビット遅延素
子45が省略され、制約集合生成器42Pが過去のシンボル予測値^bi n-1と、
現在のMRCシンボル予測値^bi MRC,nと、「未来の」シンボルbi n+1のための
2つの仮説値を用いて、現在のシンボル予測値^bi nを生成する点が異なる。こ
のような「ISR−RHモード」を実行するために図28に示す受信装置モジュ
ールを変更することは当業者には明らかなので、以後それについては言及しない
【0233】 J−ISRを実行するためには、制約行列をさらに一般的に定式化する必要が
ある。Nc個の制約を数える一般的なISR制約行列は次の通りである。
【0234】
【数72】 ただし、j番目の制約^ n,jは次のように与えられる。
【数73】
【0235】 ただし、Sjは加算時にj番目の制約を生成するダイバーシティの部分集合で
ある。表2に示すように、Sj,J=1,…,Ncの集合は次の制約を満足する。 S=S1∪S2∪….∪SNc={(u,f,k)|u=1,…,NI;f= 1,…,Nf;k=−1,0+1} かつ S1∩S2∩…∩SNc=φ φは空集合である。表1はすべての与えられた動作中のISRモードについて集
合Sj,J=1,…,Ncを定義している。
【0236】 目標の信号は、共通の制約行列^Cnの範囲によって定義される全干渉部分空
間に属する。したがって、次のような射影によって所望のユーザdの信号がキャ
ンセルされることを避けるためには、
【0237】
【数74】 次のように与えられる所望信号ブロッキング行列^Cd nを導入する。
【数75】 ただし、
【数76】 ただし、Sd={(u,f,k)|u=d;f=1,…,Nf;k=0}である。
通常SdはSの小さな部分集合であり、^Cd nは^Cnに非常に近い。
【0238】 ISR−Dにおける統合マルチユーザデータおよびチャネル利得予測 パワーが弱い低速ユーザからの信号貢献を無視し、NI個の干渉物 nの信号
に限定することを公式化すると次のようになる。
【0239】
【数77】
【数78】
【数79】 ただし、Γ nは全フィンガからのチャネル係数を全ユーザについて整列させるNf NI×1ベクトルである。Γ nの予測はマルチソース問題としてみなされる:
【0240】
【数80】
【0241】 これがISR−D動作の1工程を構成し、統合マルチユーザチャネル識別を可
能にする。
【0242】 多段ISR検出 多段処理を、前記統合ISRを用いる前記実施例の処理、すなわち、ISR−
Hモードを実行する受信装置を除くすべてと組み合わせて用いてもよい。ISR
(TR、R、D、RH)の決定フィードバックモードを用いる受信装置それぞれ
において、粗MRCシンボル予測値を、ISR動作のための信号を再構成するの
に用いる。抑制すべき干渉を含む信号に基づくものなので、MRC予測値はIS
R予測値より信頼性に欠け、再構成誤差がひどくなる。多段処理を用いて、第1
段以外の連続する段階で、改善したISR予測値を用いてISR動作を再構築し
実行することによって、より良い結果が得られる。
【0243】 数回の反復をしてあるシンボル予測値を生成する多段処理受信装置モジュール
の動作を、図29に示す。図29は、同様な構成素子を示す。すなわち、ユーザ
局10iについてシンボル予測値^bi n-1を対象とするフレームの反復1,2,
…,Nsを表す数回の連続するシンボル周期で、制約集合生成器42Pと、制約
行列生成器43Pと、ISRビームフォーマ47Piと、決定ルールユニット2
9P/1iと、MRCビームフォーマ27Piと、決定ルールユニット29P/2 i が示されている。反復1だけが行われるということは、制約集合生成器42P
が第2の決定ルールユニット29P/2i(と適用可能であればその他のユニッ
ト)から過去に受信して、バッファリングされた粗シンボル予測値^bi MRC,n-1 を用いる、図28の受信装置モジュール20iの動作を示す図である。フレーム
内の各反復で、制約集合生成器42Pで用いられるその他の変数に変化はない。
これらの変数は、少なくとも同じ統合処理集合内の各「貢献者」受信装置モジュ
ールから、過去のシンボル予測値^bi n-2と、チャネルパラメータの集合Ηi n-1 と、現在のMRCシンボル予測値^bi MRC,nとからなる。同様にして、ISRビ
ームフォーマ47Piが用いる拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1と遅延し
た観測ベクトル n-1に変化はない。
【0244】 反復1では、制約行列生成器42Pは、制約行列^Cn-1(1)と逆行列Qn-1 (1)とを生成して、これらの行列を用いるビームフォーマ47Piに供給して
、また、拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1を供給して、既に述べたように
遅延した観測ベクトル n-1の各要素に重み付けするために係数を調整して、信
号成分予測値を生成する。決定ルールユニット29P/1iはこの信号成分予測
値を処理して、反復1でシンボル予測値^bi n-1(1)を生成する。これは図2
8の受信装置が生成するものと同様である。このシンボル予測値^bi n-1(1)
は、初期の粗MRC予測値^bi MRC,n-1よりも正確なので、反復2ではこれを制
約集合生成器42Pi、すなわちビームフォーマ27Piの粗MRC予測値ではな
くシンボル予測値^bi n-1(1)を制約集合生成器42Piの入力として用いる
。その結果、反復2では、制約行列生成器42Pがより正確な制約行列^Cn-1
(2)と逆行列Qn-1(2)を生成する。これらの改善された行列を用いて、I
SRビームフォーマ47Piがより高精度に調整されるので、反復2ではより正
確なシンボル予測値^bi n-1(2)が生成される。この改善されたシンボル予測
値を反復3で用いて、この反復処理が全部でNs回繰り返される。反復NSでは、
その前の反復によって生成されるシンボル予測値^bi n-1(NS−1)を用いて
、シンボル予測値^bi n-1(NS)を生成して、この生成された予測値はフレー
ムnのシンボル予測値となり、したがってシンボル予測値^bi n-1として出力さ
れる。
【0245】 シンボル予測値^bi n-1は、シンボル予測値^bi n-2の代わりに、次のフレー
ム(n+1)の反復ごとに、バッファリングされて制約集合生成器42Pに使用
される。他の変数も適切に増加し、フレームn+1の反復1で、新しい粗MRC
ビームフォーマ27Piシンボル予測^bi MRC,n+1が制約集合生成器42Pで使
われる。反復プロセスが繰り返されて、既に述べたように各反復においてシンボ
ル予測値が更新される。
【0246】 なお、図29では、チャネル識別ユニット28Piへの入力では、過去の反復
によって生成されたことを反映させる下付き文字が使われる。これらの下付き文
字は、2つの周期間での遷移を示すことが適切ではないので図28では使われて
いない。しかし、理論上の論考によれば遷移は明らかである。
【0247】 1段ISR動作は次のように法則化できる。
【数81】 ただし、^sd n(1)はISRの第1段からのISR予測値であり、^su MRC,n はMRC信号予測値であり、制約行列^Cn(1)、^Cd n(1)とQn(1)は
第1段でのMRC予測値から生成される。表記を法則化して、Ns段での信号予
測は、次の反復後に得られる。
【数82】
【0248】 多段方式は複雑でコストがかかる。しかし、1つの段階から次の段階までの多
くの計算が冗長なので複雑さは緩和できる。たとえば、ほとんどの状況でそうだ
と思われるが、シンボル予測誤差の数が段階ごとにあまり変化しなければ、υ
j)≒υ(j−1)なので、コストのかかる計算υ(j)を追跡することができ
る。
【0249】 なお、図29の実施例では、チャネル識別ユニット29Piは、最後の反復Ns の後チャネル係数を更新する。したがって、次の周期では、チャネル識別ユニッ
ト29Piへの入力は^bi n-1 i n-1、^ 0,nおよびHi nとなる。しかし、チ
ャネル係数を各反復でもっと頻繁に、好適に更新することができる場合も想定さ
れる。したがって、最初の反復後、暫定シンボル予測値^bi n-1(1)を使う。
チャネル識別ユニット29Piへの暫定信号成分のフィードバックでは、2回目
の反復後、暫定シンボル予測値^bi n-1(2)を使う、などがなされる。ある反
復についての対応する暫定チャネル予測値を制約集合生成器42Pに供給して、
次の反復で用いる。
【0250】 中間チャネル復号を伴う多段を用いるISR(MICD) 最近、TURBOチャネル符号器が、シャノンの限界に近い情報ビット誤差率
(IBER)を達成するための新たな高効率符号化構造として研究者の興味を集
めている。基本的に、TURBO符号化方式の強度は、同一の情報データを送信
する2つの重畳デコーダの組み合わせである。しかし、データは符号化される前
にさまざまに(異なるインターリーブで)時相構成される。データストリームの
1つから、復号器は第2のストリームを復号するための外部情報の一種として用
いられる可能性予測値を求める。
【0251】 TURBOの概念は最近一般化されTURBOマルチユーザ受信装置になった
。TURBO復号器同様、TURBOマルチユーザ原理は検出段を連結すること
にある。この概念がISRに適用され、これを中間チャネル復号を伴うISR多
段の拡大、ISR−MICDと呼ぶ。多段ISR、ISR−Mとは反対に、IS
R−MICDは図47に示すように段階間でチャネル復号を行う。
【0252】 第1のMRCビーム形成27Wiは通常通り、予備段階で行われ、粗信号予測
値(^si MRC,n)を得る。決定ルールユニット29W/1iを用いて、その粗信
号予測値から送信データの仮予測値が導かれる。仮決定が制約集合生成器42W
に送られ、ここで他のすべての干渉ユーザとともに目標のユーザの信号を再構成
する。制約行列生成器43Wは、制約行列(^Cn-1(1))を組み立ててIS
Rビームフォーマ47Wiに与える。ISRビームフォーマ47Wiは、改善され
た信号予測値(^si n-1(1))を出力する。通常通り、ISRシンボル予測値
(~bi n-1(1))が、決定ルールユニット29W/1iを用いて演算され、後の
制約を構築するために制約集合生成器42Wにフィードバックされる(このフィ
ードバックは図中に明確に示されていない)。しかし、もっと重要なことは、I
SR信号予測値が中間チャネル復号(図の水平分岐)のために渡されるというこ
とである。まず、バッファ90iが符号フレーム(ここで、フレーム同期が確立
されたと仮定する)に対応するNF個のシンボルを集める。符号フレームは逆イ
ンターリーブユニット91iに渡され、ここであらかじめ定義されたルールを用
いてデータを逆インターリーブする。符号フレームは、逆インターリーブユニッ
ト91iに渡され、そこであらかじめ定義されたルール(通常ブロックインター
リーブ)を用いてデータが逆インターリーブされる。逆インターリーブデータは
チャネル復号ユニット92i内でビタビ復号され、NF/R個の情報ビットのブロ
ックを得る。ただしRは符号速度である。チャネル復号がなされると、復号した
情報ビットシーケンスが再符号化ユニット93iで再符号化され、再インターリ
ーブユニット94iで再びインターリーブされて、改善されたチャネル復号化シ
ンボルシーケンス^bi nに到る。この予測値では通常、インターリーブによる復
号化の冗長性と時間ダイバーシティが利用される(非常に低いSNRの場合のみ
、チャネル復号化でより良い予測値が得られない)のでチャネル復号化工程前に
利用可能なISR予測値(~bi n-1(1))よりもはるかに優れている。したが
って、ISR−Mと比較して、ISR−MICDは第2段階で改善された予測値
から得られる。通常通り、制約は制約集合生成器42Wで生成され、制約行列生
成器43Wに送られ、改善された制約行列(^Cn-1(2))が生成される。こ
の行列が次にISRビームフォーマ47Wiに渡されて、改善されたISRMI
CD第2段信号予測値(^sn-1(2))がえられ、これが決定ルールユニット
29W/1iに送られて、ISR−MICD第2段データシンボル予測値(〜bi n-1 (2))が得られる。また、ISR−MICDはそのプロセス全体を繰り返
すことによりさらに多くの段階で実行可能であり、これが第3段でのチャネル復
号化のための^sn-1(2)、第4段での^si n-1(3)など、破線で限定され
たブロック図の一部の繰り返しとなる。
【0253】 グループISR検出 実際、図28の受信装置を前で述べた実施例の一つと組み合わせて、「階層」
状況用の受信装置、すなわち図8を参照にして説明したような受信装置を形成す
ることができる。その受信装置では、たとえば図8の集合D内の受信装置モジュ
ールのようなもっとも弱い信号についての受信装置モジュールの第1のグループ
は「受信者」のみ、すなわち制約行列にまったく貢献しないグループ;図8の集
合Iの受信装置モジュールのような最も強い信号についての受信装置モジュール
の第2のグループは、干渉をキャンセルする必要がないので「貢献者」のみ、す
なわち、制約集合をその他の受信装置モジュールが使用する制約行列に与えるだ
けのグループ;図8の集合M2の受信装置モジュールのような中間の強さの信号
についての受信装置モジュールの第3のグループは、「受信者」と「貢献者」の
両方である、すなわち集合Iの受信装置モジュールからの制約行列を用いて最も
強い信号からの干渉をキャンセルし、集合Dの受信装置モジュールが用いる制約
行列に貢献する。通常、この方式は「グループISR」(G−ISR)と呼ばれ
、異なる受信装置のISRビームフォーマが用いる集合Kn={^Coutset,no utset,n ^Cinset,n,Qinset,n}を備える制約行列と逆行列にかかる等式は次
のようになる。
【0254】
【数83】
【数84】
【数85】
【数86】
【数87】
【数88】
【数89】 なお、^CInset,nと^COutset,nの列の正規化は暗黙的に行われる。
【0255】 集合Dにおける受信装置モジュールは式(88)のΠInsetを単位行列に設定
する、すなわち「集合の外」の干渉のみがキャンセルされる。そうでなければ、
処理は、集合Dのその他の受信装置について説明したような処理となる。
【0256】 集合M1内の受信装置は「集合外の」干渉をキャンセルする必要はないが、「
集合内の」干渉はキャンセルする必要がある。その結果、集合内干渉のみがキャ
ンセルされるように等式(88)のΠOutsetを単位行列に設定する。これは、図
28を参照して説明した統合ISRに相当する。
【0257】 最後に、集合Iの受信装置はどの干渉もキャンセルする必要はない。したがっ
て、ΠInsetとΠOutsetの両方を単位行列に設定する、すなわち、どの干渉もキ
ャンセルしない。これは図9、図11、図13、図15−図17、図20−図2
4と図26を参照して説明した集合Iの受信装置モジュール201,…,20NI
相当する。
【0258】 連続ISR検出VS並列ISR検出 前記ISR受信装置の実施例では並列実行であるが、ISRは図30に示すよ
うに連続して実行しても良い。これはS−ISRとして示される。NI個の干渉
物の間で連続ISRを実行すると仮定して、ユーザ1がもっとも強いユーザで、
ユーザNIが最も弱いユーザとなるよう普遍性を失うことなく、ユーザは力の弱
い順に区分けされると仮定すれば、S−ISRでユーザiを処理すると、ISR
予測値は次のように演算することができる。
【0259】
【数90】 ただし、^Ci,nはユーザ1,…,i−17の部分空間にのみ及び、Qi nはそれに
対応する逆行列であり、^Ci i,nはユーザ別制約行列である。明らかに、^Ci i ,n はすべてのユーザについてもはや共通ではなく、ユーザごとにコストのかかる
行列反転を必然的に伴うことになる。しかし、ISR−TRでは、^CiH i,n
i i,nはスカラーで、S−ISR−TRは並列ISR−TRの代替として優れた
ものであるので、この反転を行わないですむ。他のISRモードはある処理周期
から次の処理周期まで区画化による行列反転を使って、^Ci,nの共通要素を利
用すればよい。
【0260】 混成ISR検出 異なるISRモードを混合させ、信号または送信チャネル、あるいはデータ速
度の特性に従って好適に選択して、混成ISR実行(H−ISR)を行ってもよ
いことを理解されたい。たとえば、図8を参照すると、I、M1とM2の集合で
それぞれISR−H、ISR−DとISR−TRの異なるモードを用いて、集合
Dの受信装置モジュールがその異なるモードを用いて3つの集合からの「集合外
」の干渉をキャンセルする。もちろん、代替としてまたは追加として、集合の任
意の受信装置モジュール内で異なるモードを用いてもよい。
【0261】 改善チャネル識別のためのISR射影 本発明の前記実施例はいずれも、ISR受信装置モジュール内のチャネル識別
ユニット28dが後置相関観測ベクトル i nを用いて、拡散チャネルベクトル予
測値^ d 0,nを(^ d nを拡散することにより)生成する。残念なことに、観測
行列Yn内に存在した干渉は後置相関ベクトル i n(式(14)参照)にもまだ
存在しており、逆拡散によってそのパワーを減少させても、拡散チャネルベクト
ル予測値^ d 0,nの精度を落としてしまっている。上で、特に式(83)乃至式
(89)を参照して述べたように、ISRビームフォーマ47dは射影器Πd n
、次のようなチューニング/結合部 ^ d 0,n/^ d 0,n HΠd n d 0,n とを効果的に構成する。この部分は実際残留MRCビームフォーマ d n=^Π,d 0,n/‖^Π,d 0,n2を備える。
【0262】 図31は、これから説明するものも含めてここで説明する発明のすべての実施
例に適用可能な変形を示す図である。これは、この関係を利用して、射影器Πd n を用いることで拡散チャネルベクトル予測値^ d 0,n(あるいはチャネルベクト
ル予測値^ d n)を向上させて、観測ベクトル nからの干渉成分を抑制するも
のである。図31の受信装置では、ISRビームフォーマ47Qdが射影器10
dと残留MRCビームフォーマ部27Qdとを備えるものとして示されている。
射影器100dは、射影Πd nを観測ベクトル nで乗算して「浄化された」観測ベ
クトルΠ,d nを生成し、これを残留MRCビームフォーマ27Qdに供給する。
ビームフォーマ27Qdはチューナ/結合器を効果的に備えていて「浄化された
」観測ベクトルΠ,d nを処理して信号成分予測値^sd nを生成する。決定ルー
ルユニット29dは、この信号成分予測値^sd nから通常の方法でシンボル予測
値^bd nを導き出す。
【0263】 「浄化された」観測ベクトルΠ,d nが行列再整形器102Qdによって再整形
され、「浄化された」観測行列YΠ,d nを生成する。逆拡散器19dは、この「浄
化された」観測行列YΠ,d nを逆拡散して、拡散チャネルベクトル予測値 d 0,n
を得るために用いられるようチャネル識別ユニット28Qdに与えられる「浄化
された」後置観測ベクトルΠ,d nを生成する。
【0264】 Πd nによる観測ベクトル nの射影から得られる新しい「浄化された」ベクト
ルは次のように定義される。
【数91】
【0265】 この新しい観測ベクトルは干渉物とISIの影響を受けず、「浄化された」ベ
クトルΠ,d 0,nの射影を含む。条件がなければ、射影器Πd nは、高処理利得状
況でかつ/またはほとんど干渉物がいない場合には特に、ほぼチャネルベクトル
に直交すると仮定し、したがってΠ,d 0,n d 0,nとみなすのが妥当である。
そうでなければ、Π,d 0,n d 0,nを補償する斜投影が形成される。逆拡散器
19dが所望のユーザdの拡散シーケンスでΠ,d nを逆拡散すると、干渉のない
射影された後置観測ベクトルΠ,d nが生成される。チャネル識別ユニット28
dはこのベクトルを用いてチャネルベクトル予測値^Π,d nを形成して、残留
MRCビームフォーマ部27Qdの係数を更新するのに用いる。
【0266】 新しい観測ベクトル^Π,d nと^Π,n nに関して、逆拡散のそれぞれ前と後
で、STARでのISRとDFI工程は次のように変更される。
【0267】
【数92】
【数93】
【数94】
【0268】 式(92)のビームフォーマ係数の2つの表現は、射影のべき零特性によって
等価となることに注意されたい。さらに近遠状況が深刻な場合、図31に示す変
形により単純DFIより信頼性の高いチャネル識別が可能となり、したがって、
近遠耐性を増加させる。必要に応じて、この新しいDFI型をΠ−DFIと呼ぶ
。これは干渉物がやや強く、空制約が干渉物をすべて包含している場合に好適で
あると思われる。説明を簡略化するために、^ dΠ,nと^ dΠ,nに照らすこと
なく、あるいはSTAR−ISR動作における対応する変更を参照することなく
、観測の射影は暗黙の了解となる。
【0269】 次元数の拡張(Xオプション) ユーザ数が処理利得に比べて多いとき、干渉部分空間の次元は次元全体(M(
2L−1))に匹敵する。そのために支払わねばならない代償は、白ノイズの大
きな増加がしばしば生じるということである。常に単一の制約を必要とするIS
R−TRとは異なり、他のDFモード、すなわちISR−RとISR−Dは、必
要とする制約数が利用可能な次元全体に容易に匹敵するようになるために、激し
い性能低下が生じる。しかし、観測で追加データを利用することによってその次
元を拡大してもよい。このオプションによって、非同期送信が可能となり、また
ISRを混合拡散係数(MSF)システムに適用することも可能となる。
【0270】 マッチトフィルタリング観測ベクトル nは、既に処理された追加の過去の拡
散データを含むように生成される。モデルが過去に処理されたNX個のシンボル
を含むよう拡張されて時間的次元NT=(NX+1)L−1に達すると、観測は次
のようになる。
【0271】
【数95】 ただし、二重下線は拡張モデルを示す。なお、 u,f jは時間的な重複 u,f j±1
で、過去のフレームn−1,n−2,…等の最初のMLサンプルのみが用いられ
る。しかし、表記を簡略化するために同様のシンタックスを用いる。
【0272】 一例として、ISR−DXと呼ばれるXオプションをISR−Dに適用する場
合、次の制約行列が必要となる。
【0273】
【数96】 式(96)の拡張ベクトルを式(95)の)拡張ベクトルと同様に処理した。す
なわち、拡張フレーム内の連続シンボルから再構成されたベクトルを連結し、連
結ベクトルで重複する次元を暗黙的に廃棄することによって処理した。明らかに
、観測空間の拡張によって追加の自由度を残し、白ノイズの増加の程度が減る。
しかし、再構成誤差が存在するとペナルティが課せられる。
【0274】 XオプションをISR−Dの場合について示したが、その他のDFモードに適
用できることは明らかである。また、Xオプションによって、まだ行列反転を1
回必要とすしつつ、各フレームで2個以上のシンボルを処理することが可能とな
ることに注意されたい。しかし、フレーム持続時間はチャネルの変動より短くな
ければならない。
【0275】 前記実施例では、ISRは、すべての時間遅延が0<τ<Lに限定される準同
期システムに適用された。このモデルは高処理利得状況をうまく反映しているが
、限界(L→∞)により、遅延拡散も含め全ユーザの1ビットを十分カバーする
、持続時間が2L−1チップのフレームを配置することが可能となる。現実の処
理利得では、低処理利得状態では特に、このモデルは同期シナリオに近づく傾向
がある。Xオプションを用いることは完全な非同期送信をサポートする方法とな
る。
【0276】 図32を参照すると、システムのユーザが通常通りの処理利得Lを有すると仮
定すると、任意のユーザの送信信号は定常周期で、したがって初期経路τ1の考
えうる時間遅延は0<τ1<Lで、残りの経路の考えうる時間遅延はτ1<τ2
…<L+Δτとなる。ただし、Δτは考えうる最大の遅延拡散である。フレーム
が全ユーザの少なくとも1ビットを確実にカバーするためには、フレームは逆拡
散領域で少なくともL+Δτに、したがって拡散領域では2L+Δτまで広がら
なければならない。観測は、フレームのエッジ近くを補間しやすくするようにそ
の範囲よりわずかに広くする必要がある。
【0277】 多重変調(MM)、多重符号(MC)と、混合拡散係数(MSF)は、広域C
DMAにおいて混合速度トラフィックを与えることができる技術である。MSF
は非常に時機を得ており、性能と複雑さの点でMCを上回ることが証明されて、
また混合速度シナリオとしてUMTS第3世代移動システムによっても提案され
ている。ここで検討する混合速度シナリオとしてISRをMSFに適用する場合
を次に説明する。
【0278】 MSFでは、混合速度トラフィックは、同一の搬送波とチップ速度を利用しな
がら異なる処理利得を割り当てることで得られる。低速(LR)と高速(HR)
グループの2グループのユーザを数えるシステムでは、LR速度ユーザが1シン
ボルを送信するたびにHRユーザは2γ+1HRシンボルを送信することを意味
する。ただしγ=Ll/LhはLR処理利得の高速処理利得との比である。このこ
とはγ=2の場合で図33に示されている。
【0279】 したがって、ISRフレームをLRユーザ、すなわち一般的に言えば、低速ユ
ーザの対象となるようにすることで、またHRとLRの遅延拡散が同じ場合に少
なくともγHRシンボルが確実にカバーされる。ISRは各HRユーザをγLR
ユーザとみなすこのシナリオに容易に一般化される。図33で、灰色の影がつい
たHR/LRビットは予測すべき現在のビットを表している。過去のビットはす
でに予測されて(ISRビット)、未来のビットはまだ調査されていない。なお
、現在のHRビットはフレームの端部にくるように選択しなければならない。
【0280】 多重符号ISR ユーザ局がNm個の多重符号を用いて、それぞれをシンボルの別々のストリー
ムに送信できる場合を想定する。図34は、この変形を「逆拡散なしの」受信装
置モジュール20Rdに適用して、このような多重符号信号を受信して、他のユ
ーザからの干渉をキャンセルするためにISRキャンセルを用いる場合を示す図
である。図34に示す受信装置モジュールは、図9に示す受信装置モジュールに
類似しているが、以下の点が異なる。この受信装置モジュールは、単一のISR
ビームフォーマ47dの代わりに、信号成分予測値^sd,1 n,…,^sd,Nm nを抽
出して、それを決定ルールユニット29Rd,1 n,…,29Rd,Nm nのバンクにそ
れぞれ供給するためのISRビームフォーマ47Rd,1,…,47Rd,Nmのバン
クを有し、決定ルールユニット29Rd,1 n,…,29Rd,Nm nのバンクが対応す
る複数のシンボル予測値^bd,1,…,^bd,Nmを生成する。同様に、受信装置
モジュール20Rdは、逆拡散器19d,1,…,19d,Nmのバンクを有し、それぞ
れの逆拡散器は対応するユーザdの多重拡散符号の1つを用いて、前処理ユニッ
ト18からの観測行列Ynを逆拡散して、複数の後置観測ベクトル d,1 n,…,
d,Nm nのうちの対応する1つを生成して、この複数の後置観測ベクトル d,1 n
,…, d,Nm nを共通のチャネル識別ユニット28Rdに供給する。後置観測ベク
トルは同じチャネル特性、すなわちユーザ局10dと基地局アンテナアレイとの
間のチャネル14dの特性を共有している。したがって、チャネル識別ユニット
としては28Rdの1つだけが必要で、このユニットが事実上複数の信号成分予
測値^sd,1 n,…,^sd,Nm nと後置相関観測ベクトルとを処理し、実際にその
結果を平均化して、物理チャネル14dを表す単一のチャネルベクトル予測値^
d nを生成する。チャネル識別ユニット28Rdは、(図示せず)拡散器のバン
クを持ち、これらの拡散器は多重拡散符号を用いてチャネルベクトル予測値^ d n を拡散して、拡散チャネルベクトル予測値の集合^ d,1 0,n,…,^ d,Nm 0, n を生成して、それぞれISRビームフォーマ47Rd,1,…,47Rd,Nmに供給
する。同様に、パワー予測ユニット30Rdは、複数の信号成分予測値^sd,1 ,n ,…,^sd,Nm ,nを受信して、そのパワーを平均化して、パワー予測値Ψd nを生
成するように改良される。
【0281】 すべての多重符号を使うことによりより正確なチャネルベクトル予測値が得ら
れるという効果があるが、そのためにはコストのかかる多くの逆拡散動作が必要
である。コストを下げ、複雑さを緩和させるためには、受信装置モジュール20
dが拡散符号の部分集合のみを用いればよい。
【0282】 多重拡散符号は、多重拡散符号にそれぞれに対応する1つのシンボル予測値^
d,1 n,…,^bd,Nm nを乗算して、その結果を結合して形成される単一の拡散
符号に置き換えられることができると示される。図35は、この変更を実行する
受信装置モジュールを示す図である。よって、図35に示す受信装置モジュール
20Rdは、逆拡散器19d,1,…,19d,Nmのバンクが、シンボル予測値^bd, 1 n ,…,^bd,Nm nを受信してそれに多重拡散符号を乗算して、結合拡散符号を
生成し、それを用いて観測行列Ynを逆拡散して、単一の後置観測ベクトル d,
δnを生成する単一の逆拡散器19d、δに置き換えられている点で、図34に示
す受信装置モジュールとは異なる。チャネル識別ユニット28Rdは、信号成分
予測値を受信しないが、その代わりに、パワー予測ユニット30Rdからの振幅
合計^Ψd nを受信する。これは、後で等式で公式化するように、複合符号を使用
することはその符号で定数「1」または定数「−1」を変調することと等価なの
で、複合信号成分予測値の役割をする。チャネル識別ユニット28Rdは、単一
の後置相関観測ベクトル d,δnを処理して単一のチャネルベクトル予測値^Hd n を生成し、既に述べたように、その予測値を多重拡散符号で拡散して、既に述
べたように、ビームフォーマ47Rd,1,…,47Rd,Nmが使用する多重拡散チ
ャネルベクトル予測値^ d,1 0,n,…,^ d,Nm 0,nを生成する。
【0283】 次に、このような多重複合動作の理論を説明する。説明を単純にするために、
添え字uを割り当てられる各ユーザがDBPSKデータbu,1(t),…,bu,N m (t)のNm個のストリームを、Nm個の拡散符号cu,1(t),…,cu,Nm(t
)を用いて送信すると仮定すれば、各拡散ストリームを全部でU×Nm個のアク
セスチャネルの間の、2つの添え字(u,l)を割り当てられる別個のユーザと
みなすことができる。データモデルを表すと次のようになる。
【0284】
【数97】 ただし、フィンガfからの標準のu番目のユーザのl番目の符号観測行列Yul f kn は、式(3)と式(4)によって、式(3)のX(t)をk=−1,0,+
1について以下と置き換えることで得られる。
【0285】
【数98】
【0286】 前記等式において、 m=[0,…,0,1,0,…,0]Tはm番目を除いて
すべて空成分のM次元ベクトルであり、δ(t)はディラックインパルスを示す
。行列をベクトルに再整形すると次のようになる。
【数99】
【0287】 前記の多重符号モデルには各ユーザのNm個の符号が同一の物理チャネル u n
と同一の全受信パワー(Ψu n2を共有するという特異性があることに注意され
たい。これらの共通な特徴を利用することについて、パワー制御とチャネル識別
手順を多重符号構成に適用する場合に関連して説明する。ISR結合工程につい
てまず説明する。
【0288】 N個の干渉物からなるグループ間での第1の統合ISR結合を考慮すると、通
常のISRモード、つまりTR、R、D、H及びRHは、表3に示すようにNI
ではなくNmNI個のユーザの新たな多重符号構成へと容易に一般化できる。I
SR結合動作は、制約行列^Cnとブロッキング行列^Ci',j' nを用いる通常の
方法で行われる。しかし、干渉分解と排除の別の次元が各ユーザの符号について
生じ、2つのISRモードが追加されることに注意されたい。表3に示され、M
CRとMCD(多重符号RとD)と呼ばれる新たなモードはそれぞれ、各ユーザ
の符号の集合全体からの干渉を、その全認識またはダイバーシティにおけるこの
全認識の分解によって特徴付けている。RとDモードはそれぞれ、各ユーザのす
べての多重符号における対応する制約を加算することによって、TRモードと結
合する。
【0289】 これらのモードは部分的には符号についてTRを実行するが、パワー予測誤差
にはまだ強い耐性を持つ。実際、あるユーザの受信パワーがすべての符号で共有
される共有パラメータであることにより、そのパワーを制約行列の列から排除す
ることが可能となる(表3参照)。MCRとMCDモードはそれぞれ、Rモード
とDモードの利点を受け継いでいる。MCRとMCDモードは符号におけるシン
ボル誤差を蓄積するので、元のモードよりデータ予測誤差への感受性が増してい
る。しかし、制約数をNmだけ減らしている。
【0290】 添え字dを割り当てられた所望のユーザについて、制約行列^Cnを用いて射
影器Πnを生成する。2つの添え字(d,l)を割り当てられたユーザ符号から
のデータストリームを受信する受信装置は、射影器Πnを用いて単一応答を^ d ,l 0,n に導き、空応答を制約行列^Cnに導くことにより、NI個の干渉多重符号
ユーザを単純に排除することができる。さらに、空応答を^ d,l -1,nと^ d,l +1,n に導くことによりISIも排除できる。しかし、他の多重符号から受信する
信号は自己ISIに貢献する。この干渉をここではMC−ISIと呼ぶが、MC
−ISIは、干渉ユーザを受信するとき暗黙的に抑制される。その干渉は、IS
Rモードの任意のモードでの各移動機器の符号間の統合ISRにより所望の低パ
ワーユーザを受信するときにも抑制することができる。表4に示すように、多重
符号制約行列^Cd MC,nとブロッキング行列^Cd,l' MC,nが生成されて、次のよ
うにユーザ符号(d,l)についてのISRビームフォーマ係数が導かれる。
【0291】
【数100】
【数101】
【数102】
【数103】 MC−ISIとNI個の干渉物に直交する射影器Πd,l nが生成されて、その応答
が^Yd,l 0,nへの単一応答をするように正規化される。
【0292】 高パワーユーザ符号間、低パワーユーザ符号間、または2つの部分集合間での
ISRの前記の処理構造は、G−ISRをよく示したある特殊な例である。高パ
ワーユーザ間での統合ISR及びある低パワーユーザの符号間の統合ISRでは
それぞれ異なるモードを実行することは、H−ISRをよく示した別の例である
。より一般的な場合、ISRは各ユーザについて異なるモードに置き換えられる
複合モードを実行することができる。たとえば、NI個の干渉物のグループ内で
は、添え字(i,l)を割り当てられた各ユーザ符号は、ユーザ別モード(表4
ではΠnは単位行列に設定しなければならない)に沿って自己の多重符号制約行
列とブロッキング行列^Ci MC,nと^Ci,l MC,nを生成することができる。その後
、制約行列とブロッキング行列をそれぞれ行方向に整列させて次のようにさらに
大きな行列にすることにより、制約行列とブロッキング行列を統合ISR処理の
ために再構成することができる。
【0293】
【数104】
【数105】
【0294】 これは、ユーザ間の空制約をもっとも効率良い方法で配列して、最善の性能/複
雑性トレードオフを達成するような最適な干渉抑制戦略を設計する上でのISR
の考えうる柔軟性を示す例である。なお、TRモードが実行される特殊な場合で
は、式(104)と式(105)の行列は、事実、それぞれ個々の多重複合制約
ベクトル^Ci MC,nと^Ci,1 MC,nを加算したベクトルであることに注意されたい
【0295】 ビームフォーマ係数を導き出した後、添え字uを割り当てられた各MCユーザ
は、次のようにl=1,…,Nmについて自己のNm個のストリームを予測して(
図34参照)、
【数106】
【数107】
【0296】 Nm個のアクセスチャネルが同一のパワーを共有することを利用して、したがっ
てそのユーザの全符号について各データストリームの瞬間信号パワーを次のよう
にスムージングする。
【数108】
【0297】 なお、制約行列を空行列に設定することにより、多重符号データストリームは
MRCを用いて予測できる。このオプションをMC−MRCと呼ぶことにする。
【0298】 添え字uを割り当てられたユーザのNm個の拡散符号によって後置相関観測ベ
クトル nを逆拡散した後、l=1,…,Nmについて次のような後置相関観測ベ
クトルが得られる。
【0299】
【数109】 同一チャネルを介して全ユーザ符号が伝搬するという事実を、次のような協調チ
ャネル識別方式(図34参照)で利用する。
【数110】
【0300】 この方式では、多重符号協調DFI(MC−DFI)と呼ばれる改良型DFI
方式が実行され、MC−CDFIでは、伝搬ベクトルを別個に予測してから、全
符号について平均化して、より優れたチャネルベクトル予測値を得ることによっ
て、チャネル識別においてユーザ符号を協調させることができる。なお、前記M
C−CDFI方式でΠ−DFI型を暗黙的に組み込むことにより、チャネル識別
をさらに改善させられる。
【0301】 STARは、データチャネルをパイロットとして用いるので、最大Nm回まで
のコストのかかる逆拡散動作を利用することができる。実際にその数を制限する
ためには、MC−CDFIを、1からNm個のユーザ符号のより小さな部分集合
に制限することができる。チャネル予測の改善と複雑性の増加との間で妥協がと
られる。
【0302】 逆拡散符号の数を減らすための別の方法としては、(数106)と(数107
)でのISR結合及びシンボル予測の後に次のようなデータ変調累積符号を再構
成することがある。
【0303】
【数111】 この符号による単一の逆拡散動作により以下が得られる。
【数112】
【0304】 信号パワーを実際に同一レベル(シンボル予測誤差によるわずかなパワー損失が
ある(実際には非常に小さい))に保ちつつ、逆拡散後にノイズレベルをさらに
mだけ下げられるという利点がある。データ変調累積符号を用いて、次のよう
にチャネル識別を実行することができる。
【0305】
【数113】 このCDFI方式はδ−CDFIと呼ばれる(図35参照)。
【0306】 多重符号動作には、多重拡散符号を用いて、ただし通常は同一データ速度で送
信するユーザ局が含まれるが、同一システム内の異なるユーザが別々のデータ速
度で送信する場合も想定される。図34と図35に示す受信装置モジュールでは
、以下で説明するように、多重符号と多重速度が実質的に交換可能なので、多重
速度送信を処理するためにはわずかな変更を要するだけである。
【0307】 多重速度ISRに対する多重符号方法 このような状況で従来のMR−CDMAを再検討すると、STAR−ISR動
作は従来、1/Tの速度で実行されていた、ただしTはシンボル持続時間である
。図32を参照して、すでに述べたように、「X」オプションでの拡張により、
観測空間の次元を増加させて、非同期送信における時間遅延の追跡に対してより
大きな余裕を与えることでノイズの拡張を減少させることができる。次に、観測
フレームを拡張するのではなく、過去に再構成されたデータを用いてブロックに
分解するという相補的な方法を説明する。
【0308】 このSTAR−ISRのブロック処理方式は、処理周期Tよりわずかに大きな
データフレームで、速度1/Tで従前同様動作する。しかし、この方式では、そ
のフレーム内で各データストリームを持続時間Trのデータブロックに分解して
いる。ただし、TrはTの2の累乗分数である。解像速度1/Trは[1/T,1
/Tc]の時間間隔内で選択できる。したがって、処理速度1/T、解像速度1
/Trでデータフレームを処理する受信装置モジュールは、単に1/Tr以下の速
度でデータ送信を抽出または抑制できるだけである。また、処理された送信のチ
ャネルパラメータは処理周期である間隔Trでほぼ一定でなければならない。こ
の周期は、非同期送信については遅延拡散Δτよりはるかに長く、しかしチャネ
ルのコヒーレント時間を超えないように選定する必要がある。
【0309】 ある処理周期で、STAR−ISRは最大Nm=T/Tr個のブロック(Nm
2の累乗)を同時に抽出または抑制することができる。持続時間Tのn番目の処
理周期では、データbu(t)のストリームで、解像速度でサンプリングされた
m個のサンプルbu,1 n,…,bu,Nm nが生じる。したがって、この処理周期では
、拡散データを次のように展開できる。
【0310】
【数114】 ただし、Цl Tr(t)は間隔[(l−1)Tr、lTr]の指標関数である。この
等式は次のように書き換えられる。
【0311】
【数115】 ただし、bu,1(t),…,bu,Nm(t)は、Nm個の仮想直交符号cu,1(t)
,…,cu,Nm(t)によって拡散される速度1/TのNm個のデータストリーム
を表す(図36参照)。
【0312】 前記仮想分解により、処理されたユーザのそれぞれがNm個のアクセスチャネ
ルにおいてNm個データストリームを符号多重化する移動機器としてみなされる
MC−CDMAモデルに到達する。このモデルでは、MC−CDMAとMR−C
DMAを等価にし、両方のインタフェースを同時に処理するための統一フレーム
ワークを提供する。この統一という点において、符号を連続またはバースト符号
にすることができる。バースト符号を使用すると、混成時間多重CDMA(T−
CDMA)との別のリンクを確立する;そこにある符号はシンボルかシンボルの
分数を挿入する初等持続時間Trの符号だけである。MR−CDMA、MC−C
DMAと混成T−CDMAを組み込んださらに大きなフレームワークを、第3世
代の無線システム用HDR送信をサポートするように想定することができる。
【0313】 このMR−CDMAに対するMC方式を利用して、MR−CDMAのデータモ
デルをMC−CDMA構造に反映させるよう展開して、こうして得られたSTA
R−ISRのブロック処理方式でシンボル分数またはシーケンスを予測する。
【0314】 式(97)の多重符号はMR−CDMAに即座に応用する。しかし、符号が持
続時間Tr<Tのバースト符号であるために、あるユーザ符号の自己ISIベク
トル^ u,l -1,nと^ u,l +1,n及び拡散伝搬ベクトル^ u,l 0,nはそれぞれ重複
しない。(Δτが任意の拡大した遅延拡散で(文献[20])時間変動マルチパ
ス遅延の追跡のために不確実性の余裕を広げて残し(すなわちΔτ<(Δτ<T
)、Nr|(Δτ/Tr|がTr単位での最大遅延拡散を示す場合、過去のフレーム
内の過去のシンボルのうち最後のNr個のシンボルbu,Nm-Nr+1 n-1,…,bu,Nm n -1 のみが現在処理されたフレームでの自己ISIに貢献する(図37参照)。
【数116】
【0315】 持続時間2T−Tcのこのフレームでは、Nm個の現在のシンボルからの所望の
信号の貢献は持続時間T+(Δτの最初の時間間隔に含まれ、一方フレームの残
りの時間間隔には次のフレームの最後のNm−Nr個の未来のシンボル、すなわち
u,Nr+1 n+1,…,bu,Nm n+1からの非重複干渉が含まれる(図37参照)。フレ
ームの残りの部分は現在のビットからの信号貢献を損失させることなく省略でき
る。したがって、処理フレームの持続時間を次のようにT+(Δτ−Tcに短縮す
ることが可能となる。
【0316】
【数117】 ただし、LΔ=|(Δτ/Tc|はチップサンプル内での拡大した遅延拡散の最大
長である。データブロックのサイズがM×(L+LΔ−1)に縮小されると、マ
ッチトフィルタリング観測行列は次のように減少する。
【0317】
【数118】 ただし、Npth nは同じ次元に減少するノイズ行列である。このデータモデル等式
を次のような簡潔なベクトル形式に書き換えることができる。
【0318】
【数119】 ただし、k=−1かつl∈{1,…,Nr}またはk=+1かつl∈{Nm−Nr
+1,…,Nm}のときλl k=0であり、それ以外のときはλl k=1である。
【0319】 制約行列を、MC方式において形成し、表3または表4に記載の任意のモード
でそれぞれ統合ISRまたはユーザ別ISR処理を実行することができる。従来
のMC−CDMAとは対照的に、係数λl kは処理フレーム内のすべての非重複干
渉ベクトルを捨てて、どういうわけか仮想多重符号ストリーム間でのISI貢献
を不均衡にする。DFモードで、各ユーザの中心のストリーム(すなわちl=N r +1,…,Nm−Nr)は過去、現在および未来のシンボルからのシンボル貢献
の合計である。一方、残りのストリームは現在と過去のシンボルまたは現在と未
来のシンボルからの信号貢献の合計である。事実、その合計から外される2(N m −Nr)個のISI項は、空ベクトルを処理フレームにするという貢献をする。
ISR−Hモードでは、これらのベクトルを個々に抑制するために過去に割り当
てられた列が制約行列から取り除かれ、これによって列の数をユーザ当たりNH
=Nm+2Nr個の制約に減らす(ISRを、すべての貢献シンボルをMC−IS
Iのない独立ストリームであるかのように処理するNm+2Nr個の生成シーケン
スで等しく再公式化してもよい。そのときNm個の現在のシンボルだけが予測さ
れ、2Nr個の残りのシンボルはエッジ効果によって破損される)(表3と4を
参照)。したがってISR−H方式は、NrがNmより小さいとき演算複雑性の点
でISR−Rに近づく。
【0320】 2つの添え字(u,l)を割り当てられた各仮想ユーザ符号のビームフォーマ
係数を得た後、その信号成分su,l nを式(106)を用いて予測する。このプロ
セスでは、各ISR結合器がその正確なデータ速度に関係なく処理された干渉を
排除し、解像速度より早い速度のみが必要となる。この特徴は、ISRを抑制し
た干渉物のデータ速度が必ずしも所望の移動局に知られているわけではないダウ
ンリンクでの移動局においてISRを実行するときもっとも有効に活用される。
たとえば、ウォルシュ拡散符号の直交可変拡散係数(OVSF)割り当てがもは
や不要となる。アップリンクでは、各送信速度は基地局に知られている。しかし
、この特徴を共通の解像速度で混合データトラフィックを統合処理をすることで
も得ることができる。
【0321】 実際に、信号成分の予測により、解像速度1/Trにオーバーサンプリングさ
れるシーケンスが得られる。したがって、あるデータストリームがこの共通速度
で分解された後は、その信号成分予測値を「分析/合成」方式で初めの速度に戻
さなければならない。そのために、ユーザuのデータ速度1/Tu≦1/Trが処
理速度より速い(すなわち、1/Tu≧1/T)と定義して一時的に仮定する。
したがって、オーバーサンプリングされたシーケンスsu,l nをn’=0,…,F u-1 について大きさBu=Nm/Fu=Tu/Trの連続ブロックにおいて平均化する
ことにより、各フレームからNmのうちのFu=T/Tu≦Nm個の信号成分予測値
を次のように抽出することができる。
【0322】
【数120】
【数121】
【数122】
【0323】 データ速度が処理速度に等しい(すなわち1/Tu=1/T)特殊な場合、前
記等式はFu=1かつBu=Nmでさらに単純な表現になる。
【数123】
【数124】
【数125】
【0324】 データ速度が処理速度より遅い場合、式(123)の信号成分予測値^su n
サイズF’u=Tu/Tの連続ブロックについて更に平均化されて、次のような
サブサンプリングされたシーケンスが得られる。
【数126】 式(124)と式(125)のシンボルとパワー予測は次のように変形される。
【数127】
【数128】
【0325】 なお、パワー予測での更新速度が遅い場合に適応させるためにスムージング係
数αの値を大きくする必要があることに注意されたい。チャネルパワー変動がデ
ータ速度より速い場合、パワー予測更新を式(125)の処理速度に保つのが好
ましい。この場合、式(126)は次のように変形される(この信号成分予測は
パワー予測の場合用いられない。その符号だけが対応ビットの予測値として式(
127)で取り出される。よって、ここで予測を完全にするためになされるパワ
ー正規化は実際には省かれる)。
【数129】 各シンボル持続時間内のチャネルパワー変動を考慮する。
【0326】 なお、多重速度データストリームは、単に制約行列を空行列に設定するだけで
MRCを用いて予測することができる。このオプションをMR−MRCと呼ぶ。
【0327】 また、データ速度が処理速度より遅い場合の式(128)とともに式(106
)と式(120)の組み合わせると、細分化したISR結合工程で各ユーザの処
理利得を連続的に満足できることにも注意されたい。
【0328】 通常、シンボル分数の元の速度への再グループ化は、まず改善された決定フィ
ードバックからの再構成誤差を減らし、次にユーザ符号(すなわち、R、Dおよ
びH)について分解を実行するモードで、あるユーザuの制約数をNm個からFu
個に減らすことによって制約行列の設計で利用することができる。このようなモ
ードについて、処理周期(処理速度より遅い速度でシンボルを制約集合生成器に
フィードバックすることが実行可能である)の制限内で完全なシンボルを復元す
るユーザ符号添え字について制約ベクトルを再グループ化することによって、全
制約数Ncに現われる共通係数NmNIがΣNI i=1iに減少する。
【0329】 ユーザuの制約を再グループ化して、ユーザの元の送信速度量を整合すると、
このユーザの符号を、解像周期ではなくシンボル周期をカバーする持続時間につ
いて完全な符号の細分に対応するより小さな部分集合に最グループ化することに
なる。実際に、ユーザuは、NmではなくFu個の連結多重符号によって特徴付け
られる。全体として、MR−CDMAは、添え字uを割り当てられる各ユーザが
それぞれFu個の多重符号を有してなる混合MC−CDMAとして形成される(
図38参照)。したがって、ISR結合とチャネル識別工程を、簡略化のために
1からFuの番号が付け替えられたユーザ符号を用いて、前記のMC公式化に沿
って1つの工程で実行することができる。よって、図39に示すように、図34
の受信装置モジュールに必要な変更は、逆拡散器のバンクのみである。図34に
示す受信装置モジュールでは、逆拡散器19d,l,…,19d,Fdが用いる拡散符
号は、ユーザdの拡散符号のセグメントからなる、すなわち、セグメントが集ま
ると、ある特定のフレームで用いられる符号の一部を形成する。符号セグメント
uの数は、フレーム内で送信されるシンボルbu,l n,…,bu,Fu nの数に対応す
る。これらのシンボルの予測値と、信号成分予測値^su,l n,…,^sd,Fu n
、並列/直列変換内での式(120)、式(121)、式(122)と式(12
3)の予測値とともに写像する。
【0330】 これも、MR−CDMAに好適な干渉抑制戦略を設計する上でISRを用いる
ことで得られる柔軟性を示すものである。これによって、統一された方法で、シ
ンボルのブロックまたはシンボルの分数部分を、2つの共通な解像速度と処理速
度で同時に処理することが可能となる。
【0331】 チャネル識別動作を行うために、ユーザ符号(u,l)の縮小サイズの後置相
関観測行列M×LΔは次のように定義される。
【0332】
【数130】 ただし、この行列の列はj=0,…,LΔ−1について次のように与えられるも
のである。
【数131】
【0333】 このような仮想ユーザ符号(u,l)との相関によって、ユーザ符号cu j'の長
さLrのl番目のブロックを用いて減少した処理利得Lr=Tr/Tc=L/Nm
よって部分逆拡散される。なお、従来のMC−CDMAに比べて、前記の部分逆
拡散動作は、ユーザ符号1つ当たりの複雑性に関してコストが安い。
【0334】 u,l nのベクトル再整形によって得られる縮小サイズの後置相関観測ベクトル u,l n は、ベクトルの次元がすべて(MLΔ)×1に減っている点を除けば、式
(109)と同じモデル表現形式である。なお、後置相関ウィンドウ長LΔは、
縮小サイズの伝搬ベクトル u n(文献[20])からの非同期時間遅延予測の際
の余裕を広げて、遅延拡散を含むのに十分な長さに固定されていたことに注意さ
れたい。[6]で考察されているように、Lより短い後置ウィンドウで識別する
と、複雑性が緩和され、STARの元のフルウィンドウ方式でほとんど具合よく
動作する(すなわちLΔ=L)。
【0335】 式(110)のMC−CDFI方式でのチャネル識別は、ユーザ符号後置相関 u,l n を用いて容易に実行することができる。しかし、この手順では、完全処理
利得を十分活用することなくシンボル部分をフィードバックする。その代わり、
ベクトル u,l nは、式(120)、式(123)または式(126)で信号成分
予測値が元の速度に戻されるのと同様な方法で再グループ化、平均化され、 u n Fu+n' u nまたは un/F'u┘がそれぞれ得られる(実際、これらのベクトル
は通常の逆拡散工程でYnから直接算出される。その工程では、混合MC−CD
MA方式に沿って1回の工程で拡散符号全体を利用する)。したがって、CDF
Iチャネル識別手順はMR−CDFIと呼び名が変わり、次のように実行される
。 データ速度が処理速度より速い場合は(平均化の代わりに(時間遅延追跡を伴
う)Fu個のチャネル更新を実行すると、演算においてよりコストがかかる)、
【0336】
【数132】 によって実行され、データ速度が処理速度に等しい特殊な場合では、
【数133】 によって実行され、データ速度が処理速度より遅い場合には
【数134】 によって実行される。
【0337】 なお、式(132)のデータ速度が処理利得より速いチャネル識別は、MC−
CDFIと構造が類似している。Fu個の逆拡散予測を平均化すると、MC−C
DMAの場合に見られるような複雑性での利得を、より小さな部分集合に縮小す
ることができる。前記方式の代わりに、または前記方式と組み合わせて式(11
1)乃至式(113)に記載のδ−CDFI方式を用いることは、逆拡散動作に
よる複雑さを緩和する、その他の代替方式でなる。
【0338】 既に述べたとおり元のデータ送信速度を整合させるように符号を再グループ化
することにより(図38参照)、図39に示すような各ユーザがFu個の多重符
号とFu個の逆拡散ベクトル u,l n,…, d,Fu nによって特徴付けられている混
合MC−CDMAモデルに沿って、チャネル識別を容易に再公式化することがで
きる。
【0339】 コストのかかる逆拡散動作をさらに減らすために、チャネルが長い更新周期で
はやはり非常にわずかな変動しか見せない場合は、チャネル識別は低速になれば
(文献[20])チャネル係数の更新頻度を少なくできる。しかし、高移動性が
この方式の実行の妨げになったり、チャネル識別更新をより高速に行うことも必
要な場合がある。処理速度より速いデータ速度の場合、処理速度より高速での更
新は不要である。処理周期Tは、チャネルパラメータが確実にその時間間隔にわ
たって一定となるように選定される。処理速度より遅いデータ速度の場合、式(
133)と部分逆拡散を用いて u nを得て、チャネル更新速度をデータ速度より
高速で、処理速度まで引き上げることができる。式(133)では、^su nでは
なく、式(126)からの^sun/F'u┘をフィードバックして、決定フィード バックプロセスにおいて完全な処理利得を得られるようにする必要がある。
【0340】 本発明の前記実施例は、基地局における受信装置モジュール、すなわち、アッ
プリンクについてISRを実行する受信装置モジュールについて説明してきたが
、発明はダウンリンク、すなわちユーザ局の受信装置モジュールにも同様に適用
可能である。
【0341】 ダウンリンクISR 図48は、どのようにしてダウンリンクがアップリンクのようにモデリングで
きるかを示しているので、アップリンクについて展開したISR技術を利用でき
る。図48は、範囲内にある全基地局からの多数の受信信号のうちの1つである
単一の(所望のユーザの)移動機器10dを示す図である。サービス中の基地局
11vと3つの主要干渉基地局111,…,11υ',…11NIのみが示される。
移動局は任意の時間に2つか3つの基地局と通信することがあるので、干渉物の
うち2個がそのような別の基地局となりうる。太字の矢印は、ただ1つの信号、
つまりサーバー基地局11υからの所望のユーザ信号dが受信信号であることを
示している。また、サービス中の基地局11υは、他の移動機器にも送信してお
り、それらの信号も干渉信号として移動機器10dに受信されることになる。さ
らに、その他の3つの基地局のそれぞれも送信している。その他の基地局からの
信号の1つが移動局dに向けての信号であるとしても、サービス中の基地局11
υからの信号10dの受信に関していえば、これらの信号は干渉となる。基本的
に、基地局11υの信号#1から#NI(dを除く)はセル内干渉物であり、そ
の他の基地局からの干渉信号はセル外干渉物である。
【0342】 基地局は#1から#NBに及ぶ。基地局11υは、そのうちの一般的な基地局
である。基地局11υはNB局の特定の1つであり、サービス中の基地局である
【0343】 その他の基地局から他の信号も送信されるが、図48は各基地局から送信され
るもっとも強い信号だけを示しているので、そのうちのいくつかの信号が破線で
示されて、他の信号も同様に破線で示され、基地局からの信号は実線で示される
。つまり、セル内にはNI個を超える数の移動局が存在しているが、その送信は
弱い。基地局に近い移動機器は弱い送信でなければならないが、基地局から離れ
ている移動機器はそれより大きなパワーが必要で、基地局パワー制御がそれを達
成するために送信パワーを増大させる。また、データ速度は変動することがある
のでパワーレベルに影響を及ぼす。したがって、多くの信号は図48に示されな
い。それらの信号は比較的弱いので無視される。もちろん、それらの信号も図2
に示すノイズ信号の一部である。
【0344】 各基地局は複数の符号を送信していることがあるので、その基地局の信号は多
重符号構造をなす。これらの信号は同一アンテナを介して送信されているので、
多重符号信号に類似している。したがって、移動局10dは基地局11υからチ
ャネルvを介して#1…d…NIの信号を受信するため、それらの信号は多重符
号信号に見える。同じことが、処理のために他の基地局から受信する信号にもあ
てはまる。
【0345】 「ズーム」の集合内は、サービス中の基地局υ’によって移動局iに送信され
る信号であるが、移動機器10dには干渉として受信される信号を示している。
たとえば図40−図42を参照しながら説明したように、その信号は異なる符号
を用いた、おそらく異なる速度の異なる信号の合計なので、多重速度かつ/また
は多重符号信号となりうる。逆拡散器はすべての干渉物を処理しているが、ここ
では1つだけを選んでいる。複合信号は、基地局υ’からユーザiに1からFi
にわたる符号を用いて送信される成分、すなわち、第1の成分#(υ’,i,1
)から最後の成分(υ’,i,Fi)からなる。したがって、アップリンクにお
いて展開された多重符号モデルは、移動受信装置でダウンリンクにも同様に適用
される。
【0346】 ISR排除を実行するためには、ユーザ/移動機器は抑制すべきユーザ(つま
り、干渉物)グループを識別する必要がある。抑制すべきもっとも最適なユーザ
を識別するために、抑制するのは基地局υが与えるセル内のユーザに限定し、抑
制される干渉物の数をNIに限定して、抑制されるユーザそれぞれを検出するた
めに所望の基地局で必要な受信装置の数を減らすと一時的に仮定すると、ユーザ
局は基地局υのアクセスチャネルを突き止めて、NI個のもっとも強い送信を探
すことができる。別の方式では、基地局υの最初のNI個のチャネル(すなわち
u=i∈{1,…,NI})にアクセスすることによって、もっとも強いセル内
干渉移動機器がともに動作することが要求される。
【0347】 いったんNI個の抑制チャネルが識別されると、所望のユーザ局はNI個の「
移動機器」すなわち基地局送信装置モジュールから受信する「仮想基地局」とし
て「仮想アップリンク」で動作することができる。所望のユーザがNI個の干渉
物に入っていない場合、別のユーザ局を検討する。同様なNI個のチャネルは、
近隣の基地局からの送信について識別されることもある。したがって、添え字υ
’∈{1,…,NB}を割り当てられた、添え字υ’=υの所望の基地局を含む
NB個の基地局について、一般性を失わずに検討していく。この公式化により、
ユーザ局は、ISR結合とチャネル識別の独特な改良方式を有するブロック処理
STAR−ISRをダウンリンクに与えることができる。
【0348】 実際、各「仮想基地局」であるユーザ局には、受信装置モジュール201,…
,20Uに類似した受信装置モジュールの集合が設けられている。そのうちの一
つの受信装置モジュールはそのユーザ局の拡散符号を用いてシンボル予測値を抽
出するためのものであり、その他のモジュールは他のユーザの拡散符号を用いて
、それら他のユーザの信号について実際の、または仮説のシンボル予測値を処理
するためのものである。受信装置は、通常の制約集合生成器と制約行列生成器と
を有し、関連のモードに関して既に説明した方法でISRをキャンセルする。
【0349】 しかし、基地局から発せられたその他のユーザについての信号は多重符号また
は多重速度信号に類似していることを理解されたい。したがって、ユーザ局の受
信装置モジュールの少なくともいくつかは、図34と図39を参照した本発明の
多重符号または多重速度の実施例を実施することが好ましい。基地局の受信装置
とは異なり、ユーザ局の受信装置モジュールは通常、システム内のその他のユー
ザのデータ速度を知らない。受信信号からデータ速度を予測することも可能な場
合もある。しかし、その予測が実行不可能か望まれない場合、図34と図39を
参照しながら説明した多重速度または多重符号受信装置モジュールを変更して、
データ速度を知る必要をなくす必要がでる。
【0350】 図40を参照して、ユーザ局の受信装置は、図39の受信装置モジュールに類
似した複数の受信装置モジュールを備える。NI個のもっとも強いユーザ信号を
キャンセルすべきNB個の基地局のそれぞれに対して1つの受信装置モジュール
が備えられるが、それらモジュールのうち基地局v’に対する受信装置モジュー
ル20v'が図40に示されている。これらNI個の信号の1つ以上が多重速度ま
たは多重符号の信号であり、したがって異なる拡散符号だけでなく異なる符号細
分が含まれていることを認めると、逆拡散器の数はΣi=NI i=1i、すなわち、1
v'1,1,…,19v'1,F1,…,19v'i,1,…,19v'i,F1,…,19v'NI,1
…,19v'NI,FNIに等しい。任意の基地局において、NI個のユーザは独立して
パワー制御を受けて、異なるパワーの移動/ユーザ局から受信する。したがって
、それらのパワーを個々に考慮する必要があるので、パワー予測手段30Tv'
らのパワー予測値をチャネル識別ユニット28Tv'に供給する。チャネル識別ユ
ニット28Tv'は、既に述べたのと同様な方法でデータを処理し、その結果得ら
れるチャネルベクトル予測値 v' 0,nを拡散して、拡散チャネルベクトル予測値
V',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,nを生成して、観測ベクトルYnを処理する
のに用いるようにこれらの予測値をISRビームフォーマ47Tv',1,1,…,4
7Tv',N1,FNIにそれぞれ供給する。
【0351】 その結果得られる信号成分予測値^sv',1,1 n,…,^sv',N1,FNI nが同様に
チャネル識別ユニット28Tv'にフィードバックされ、チャネルベクトル予測値
が更新され、これが決定ルールユニット30Tv',1,1,…,30Tv',1,FNIに供
給されて、対応するシンボル予測値^bv',1,1 n,…,^bv',N1,FNI nが生成さ
れる。ISR−Hを除くすべてのモードでは、これらのシンボル予測値をチャネ
ル識別ユニット28Tv'からのチャネルベクトル予測値の集合Ηv' nとともに、
制約集合生成器(図40には示されていない)に供給して、(図示しない)制約
行列生成器が制約Cnの集合を生成するのに用いられる。チャネルパラメータ予
測値の集合は、パワー予測ユニットからのパワー予測値を含む。なお、制約集合
生成器と制約行列生成器は上で説明したものであってよく、その実際の構成と動
作は選択される特定のISRモードによって決定される。
【0352】 所望のユーザ、すなわちユーザ局の受信装置20vのユーザがNI個のユーザ
の中に含まれている場合、そのシンボルが通常の方法で抽出され、受信装置の次
の部分に出力される。しかし、所望のユーザがサービス中の基地局vのNI個の
ユーザの中に含まれない場合、ユーザ局の受信装置は、各基地局について図40
の受信装置モジュールのうち1つを含むだけでなく、特に所望のユーザ用の信号
を抽出するための、図39に示されるモジュールと類似する別個の受信装置モジ
ュールも含む。
【0353】 しかしながら、図40のサービス中の基地局の強いユーザについて受信装置モ
ジュールが導き出すチャネルベクトル予測値は同一チャネル用であるが、図39
のチャネル識別ユニットが生成する予測値よりも正確であるということを踏まえ
ると、チャネル識別ユニット(29Fd)と逆拡散器19d,1,…,19d,Fd(図
39)を省き、サービス中の基地局vについての受信装置モジュールのチャネル
識別ユニットから拡散チャネルベクトル予測値を供給するのが好ましい。図41
に示すように、このように変更した受信装置モジュール20Tdでは、図39の
受信装置モジュールと同様に、ビームフォーマ手段が、ISRビームフォーマの
バンク(47v,d,1,…,47v,d,Fd)と、決定ルールユニットのバンク(29
v,d,1,…,29Tv,d,Fd)と、ベクトル再整形器44からの観測ベクトル n の要素を処理するパワー予測手段30Tv,dとを備える。しかし、ISRビーム
フォーマのバンク(47v,d,1,…,47v,d,Fd)は、サービス中の基地局vに
対応するチャネル予測手段(28Tv)(図40)が生成するチャネルベクトル
予測値の集合(^ v,d,1 0,n,…,^ v,d,Fd 0,n)によって調整される。この
チャネル予測手段はチャネルベクトル予測値^ v nを生成して、これを拡散して
、チャネルベクトル予測値(^ v,d,1 0,n,…,^ v,d,Fd 0,n)を生成する。
【0354】 図40に示す受信装置モジュールは、当該ユーザ局受信装置に既知のNI個の
ユーザ集合それぞれのデータ速度に基づくものである。そうでなければ、図40
に示す受信装置モジュールは図42に示すように、すなわち、逆拡散器を変更し
て、符号を細分化し、抑制すべきもっとも速いデータ速度以上の固定速度でオー
バーサンプリングするように変更しても良い。
【0355】 また、図35を参照しながら既に述べたように、複合細分符号の集合を用いて
、細分したものを複合することによって、図42の受信装置モジュールが行う逆
拡散動作の数を減らすことも可能である。しかし、図43に示すように、別の複
合符号の集合を使ってNI個の干渉物の集合を複合することもできる。さらに、
図43の実施例を図35の実施例と組み合わせ、干渉物の集合と符号細分の各集
合を複合することも可能である。
【0356】 自己の基地局からと、近隣セル内の基地局からのダウンリンクでの送信信号を
受信する所望のユーザ局について検討していく。各基地局は、基地局のセル内に
位置するユーザ局のグループと通信する。添え字vとuを用いて、基地局vから
ユーザuに向かう送信を示す。表記を簡略化するために、それらの送信信号を受
信する所望のユーザ局の添え字は省略し、それら信号はすべてその所望のユーザ
局によって暗黙的に観察され、処理される。
【0357】 添え字vを割り当てられた基地局を考察すると、その基地局による所望のユー
ザ局のマッチトフィルタリング観測ベクトル nへの貢献はv番目の基地局の信
号ベクトル v nによって次のように定義される。
【0358】
【数135】 ただし、ベクトル v,u u,nは、基地局vと通信して、添え字uを割り当てられる
v個のユーザのうちの1つのユーザによる信号への貢献を示す。前項で説明し
たブロック処理方法を用いると、ベクトル v,u u,nを次のように分解することが
できる。
【数136】
【0359】 なお、チャネル係数ζv f,nは基地局vの添え字を持っているだけである。実際、
基地局uからその基地局のすべての移動機器への送信は共通チャネルを介して所
望のユーザ局に伝搬される。したがって、基地局信号は、2つのレベルの多重符
号構造を示すものである。一方の構造は、各ユーザストリームの複数の符号への
仮想または実際の分解によるものであり、もう一方はダウンリンクに固有で、パ
ワーの異なる符号多重化ユーザストリームの合計によるものである。後述するよ
うに、この多重符号構造は、2つのレベルでの協調チャネル識別を向上させるた
めに利用される。
【0360】 第1の工程では、所望のユーザ局が処理されるセル内ユーザ(すなわちu∈{
1,…,NI}∪{d})のそれぞれの多重符号制約行列とブロッキング行列を
予測する。表4は、これらの行列、ここでは^Cv,u MC,nと^Cv,u,l MC,nとそれ
ぞれ名称を変えた行列の構築方法を示して、サービス中の基地局の添え字vを示
している。表4では、式(136)に従ってシンボルとチャネルベクトル予測値
に添え字vをつけている。第2の工程では、ユーザ局が、表5を用いて、基地別
制約およびブロッキング行列^Cv,u BS,nと^Cv,u,l BS,nを予測する。これらの
行列によって、表5に記載のモードのいずれか1つを用いて、セル内干渉物を抑
制することが可能となる。ダウンリンクに関しては、基地認識用の新しいモード
BRが表3のTRモードの代わりに用いられる。複数の基地局からの干渉信号を
抑制することで、干渉分解に新たな次元を与え、表6に示すようにダウンリンク
についてはTRとなる。したがって、第3の工程では、移動局が干渉基地局から
の基地別制約およびブロッキング行列^Cv,u BS,nと^Cv,u,l BS,nを予測して、
これらを行方向に連結し、それぞれ^Cnと^Cv,u,l nで示される多重基地制約
およびブロッキング行列を生成する。TRモードでは、BRモードにおける基地
別制約およびブロッキングベクトルをすべての干渉基地局について合計して、単
一の制約とする。その他のモードに関しては、表3の制約Ncの数を干渉基地局
NBの数で乗算する。サービス中の基地局#vから所望の移動局#dに向けての
データの抽出専用の受信装置モジュールを図41に示す。
【0361】 なお、多重速度データストリームは、制約行列を空行列に設定するだけで、ダ
ウンリンクではMRCを用いて予測することができる(この場合、ISR処理は
不要であり、所望の信号はそれ自身で信頼性のあるチャネル識別を行えるだけ十
分強い信号であると考えられる)。このオプションをD−MRCと呼ぶことにす
る。
【0362】 ユーザ局が、抑制されるユーザのデータ速度を知っていれば(データ速度検出
は、Nm個のシンボル分数の確率シーケンスそれぞれについて部分空間ランク予
測を利用して実行できる)、シンボル速度が処理速度を超えない限りそれらユー
ザのシンボル(ISR−Hモードでは、パワーおよびチャネル予測について信号
成分予測値)を予測することができる。前記のように、このブロックに基づくシ
ンボル決定の実行により、減少した決定フィードバック誤差からの制約行列の再
構成が向上する(処理利得より遅いデータ速度での干渉シンボルの復元を、低速
チャネル識別で利用できる。しかし、ユーザを強い干渉物として選択する場合は
、その送信速度が高速であることを示す)。そうでなければ、ユーザ局はすべて
の干渉チャネルをその送信速度に関係なく共通の解像速度で処理できる。なお、
干渉物のパワーの予測では、下で述べるようなチャネル識別と、おそらくは干渉
チャネルの探索と選択についてはBRモードとTRモードの両方において再構成
が必要となる。その予測は処理速度で行われる。
【0363】 干渉基地局のそれぞれから所望のユーザ局までの伝搬チャネルの識別では、I
SR動作を行う必要がある。セル内の伝搬チャネルを考察すると、図39を参照
して既に述べたように、所望のユーザの後置相関ベクトルから識別することが可
能である。その識別では、所望のユーザの多重符号が同一チャネルを介して伝搬
されるという事実を利用する。しかし、セル内の干渉ユーザも同様にこの共通チ
ャネルを使用している。したがって、MC−CDFIとMR−CDFIの方法は
このレベルでも同様に適用される。実際、ユーザ局は、強いパワーを有したNI
×Nm個の仮想パイロットチャネルとみなすことができるデータチャネルにアク
セスする。所望のユーザがセル内干渉物に含まれようと含まれまいと、干渉ユー
ザについての協調チャネル識別を実行することが望ましい。これと同じ方式を近
隣の基地局でも適用できるので、その基地局のNI個の干渉ユーザを用いて各セ
ル外干渉基地局からの伝搬チャネルの識別が可能となる。
【0364】 データ速度が基地局に知られている場合、ある基地局v’∈{1,…,NB}
からの伝搬チャネルの識別は、前項で述べたように、その基地局のNI個の干渉
ユーザのそれぞれから個々に行うことができる。チャネル識別を更に改善するた
めには、得られた個々のチャネルベクトル予測値を干渉ユーザについて平均化す
る。2つの工程は次のように1つにまとめられる。
【0365】
【数137】 このダウンリンク用MR−CDFIは、DMR−CDFIと呼ばれ、図40に示
されている。なお、干渉物についての平均化では、その全パワーによる正規化を
考慮している。逆拡散動作の数を減らすために、干渉物についての平均化を1か
らNIの範囲のより小さな集合に限定すればよい。
【0366】 干渉ユーザのデータ速度がユーザ局に未知である場合、図34を参照して述べ
た工程に沿って識別を行い、次のように共通解像速度で干渉信号を処理すること
ができる。
【数138】
【0367】 このダウンリンク用MC−CDFIはDMC−CDFIと呼ばれ、図42に示さ
れている。逆拡散動作の数を減らすために、干渉物とユーザ符号についての平均
化をそれぞれ、1からNIの範囲及び1からNmの範囲のより小さな集合に限定
すればよい。
【0368】 逆拡散動作の数を減らすための代替としての方法は、l=1,…,Nmについ
て次のような累積多重符号を用いるというものである。
【数139】
【0369】 これらの累積符号で逆拡散すると次のようになる。
【数140】 ユーザ符号を干渉物について平均化しても、逆拡散後にノイズをさらに減らすこ
とはない。しかし、複合信号^sv',Σ,l nは、NI個の干渉物からの平均パワー
を集計し、したがってより高度なダイバーシティによって効果が得られる。累積
多重符号を利用して、次のようにチャネル識別を実行することができる。
【0370】
【数141】 ただし、
【数142】
【数143】
【0371】 このダウンリンク用MC−CDFIはDSMC−CDFIと呼ばれ、図43に示
されている。前記同様、より小さなユーザ符号の集合について平均化をすれば、
逆拡散動作の数が減少する。式(111)乃至式(113)で記載したδ−CD
FI方式を、前記方式の代わりに、または前記方式と組み合わせて用いることは
、逆拡散動作による複雑性を緩和するための別の代替方法となる(ユーザコード
を解像周期にわたって累積しても、ダイバーシティを増加することにはならない
。しかしながら、δπ−CDFIバージョンを使用することによって逆拡散の後
の雑音をさらに減少させることができる)。
【0372】 パイロット符号が送信される状況では、パイロット符号を累積符号に取り込む
ことができる。この方式をδπ−MC−CDFIで示しているが、この方式では
、逆拡散のために多重符号と、干渉物と、パイロットについてデータ変調累積符
号を用いている。また、(ダウンリンク上などでの)パワーに大きな違いが見ら
れる状況に応じるために、パワーの正規化を導入する。δπ−MC−CDFIは
逆拡散のために次のような符号を用いる。
【0373】
【数144】 ただし、πは拡散パイロット信号であり、λπは決定誤差がなんら関係していな
いのでパイロットを表す役割をする重み係数である。λπ=0という特殊な場合
では、パワー正規化を伴うδ−MC−CDFI方式を用いる。
【0374】 さらに、これらダウンリンク用方式を、図44と図46を参照して説明したパ
イロット支援型ISRの実施例と組み合わせることも可能であろう。パイロット
チャネルはユーザ別チャネルではなく、むしろサービス中の基地局あるいはその
サービス中の基地局が与えるユーザ局のグループに特化されたものである。こう
した場合、パイロットのパワーは比較的強いので、対応のビームフォーマ(図4
6参照)ではISRの代わりに単純MRCを実行すればよい。
【0375】 これまで説明してきた本発明の実施例は、1個の送信(Tx)アンテナを用い
るものである。複数のTxアンテナを用いて空間次元を追加することにより、よ
り多くのユーザをサポートする手段が与えられる。次の項では、高速、低処理利
得のダウンリンク送信に特に好適な送信装置構造を紹介する。この構造によって
、ISRが受信装置で用いられているときに大容量を保証できると思われる。
【0376】 空間/時間符号化(STC)を伴う複数入力、複数出力(MIMO)方式IS
R アップリンクでは、ISRが基地局で用いられているとき、受信(Rx)アン
テナの数が1から2に増加するとシステムの容量がほぼ2倍になる。これは、空
間次元が追加されたことで、ユーザがその符号だけでなく空間シグネチャによっ
ても識別できるようになることによる。ダウンリンクでは、単一のTxアンテナ
が使われていると、1つの特定の基地局(BS)からのすべての信号が、受信装
置のアンテナアレイで同一の空間シグネチャを有している。したがって、BS送
信装置に複数のアンテナが設け、信号送信のための優れた空間/時間符号化戦略
を利用することが求められる。
【0377】 サービス中の基地局vについてのこうしたSTCを用いたMIMO送信装置は
、図49に示されている。この図は、そのセルサービスエリア内に位置する、1
からNuの添え字を与えられた移動機器を提供する基地局vを示す図である。こ
の基地局vは移動機器それぞれに対して、マルチプレクサ15Xv,uを用いて全
体の振幅(Ψu n)をパワー制御した対応のデータストリーム(bu n)を送信する
。なお、(Ψu n)は実際の増幅係数ではなく、受信装置で得られた積で、送信装
置側でデータモデリングとアルゴリズム記述を容易にさせるために与えられるも
のである(図4の記載を参照されたい)。
【0378】 その後パワー制御されたデータストリームがグループセレクタ110vに送ら
れ、Nu個の移動機器をNg個のグループに分割する(下の説明参照)。各グルー
プはL個より多い移動機器を与えられない。セル荷重Nuに応じて、ある特定の
数NIG≦Lの移動機器を各グループ内に割り当てる。表記の都合上、NIGは図4
9ではL、すなわち最大値に固定する。
【0379】 各グループについて、同一の動作が行われる。したがって、グループ#1につ
いての動作のみ説明する。グループ#1内のNIG=Lデータストリームは、マル
チプレクサ15X/21,1,..,15X/21,Lを用いて符号c1,1(t),…
,c1,L(t)によって拡散される。拡散信号は加算器16X/1v,1を用いて合
計が出される。その結果得られる信号を、加算器16X/2v,1を用いてグルー
プ#1専用のパイロット信号π1(t)に合計し、マルチプレクサ15X/3v,1 を用いて基地局v専用の符号cv(t)で拡散する。この拡散信号をG1(t)と
示す。その他のグループでも同じ動作が行われて、同様の信号が生成される。N g 個の移動機器グループでのこうした動作によって得られるNg個の信号を、G1
(t),…,GNG(t)と示す。
【0380】 これらの信号は、空間写像器(マッパ)120vに送られる。この写像器はNG ×MT結合器と同様に動作して、NG個の入力ストリームを、Txアンテナと同数
のMT個の出力ストリームに線形変換する。これらの出力ストリームをA1(t)
,…,AMG(t)と示す。第1のストリームA1(t)は遅延素子45X1によっ
て遅延されて、(搬送周波数変調を含む)整形用パルス13Xv,1によってフィ
ルタリングされた後、アンテナ14Xv,1で信号S1(t)として送信される。写
像器出力ストリームには同じ動作が行われて、信号S1(t),…,SMT(t)
となり、これらがそれぞれアンテナ14Xv,1,…,14Xv,MT(t)で送信さ
れる。この送信装置の構造は、データ速度が速く、処理利得が低い状況では特に
好適である。まず、Nu個のユーザのデータシーケンスbv,u(t)がφv,u(t
)で縮小される。ただしφv,u(t)2,u=1,…,Nuは所望の送信パワーで
ある。これらの信号をNGグループにグループ分けする。グループgに属するユ
ーザはNIG個のL−チップ符号(Lは処理利得)の固定集合から得られるユーザ
別短チャネル化符号を割り当てられる。NIG個のL−チップ符号を列方向に好適
に組織して行列Cg=[cg,1(t)T,…,cg,NIG(t)TTとして、これをグ
ループgの符号集合と呼ぶ。同一の符号集合に属する符号はすべて、CH gg
対角であるように互いに直交に選択される。これは、後述するように、1個のグ
ループ当たりの固定チャネル化符号の数がNIG≦Lに限定され、同時に、複数グ
ループにわたる符号集合の相互相関が低くなければいけないことを意味する。な
お、符号集合はすべてのセクタが縮小していると仮定する。同一グループのユー
ザ信号がそれぞれのチャネル化符号によって符号化されると、それらの符号は合
計されて1つのストリーム信号となる。グループ別パイロット符号が追加され、
その結果得られる信号をBS別PN符号でスクランブルして、全グループ信号G v g (t)となる。線形写像関数Mを用いて、NG個のグループ信号がMT個のアン
テナ分岐に写像されて、次のようになる。
【0381】
【数145】 ただし、Av(t)=[Av 1(t)T,…,Av M(t)T]であり、Gv(t)=[
v 1(t)T,..,Gv NG(t)T]である。分岐信号は、送信遅延ダイバーシ
ティを可能にするように最後に遅延させられて、チップパルスマッチトフィルタ
によって形成される。
【0382】 vの添え字が与えられたBSのMT個のTxアンテナから2つの添え字(v,
u)を持つ移動機器のM個の受信アンテナへの送信を定義する物理チャネル行列
は次のようになる。
【0383】
【数146】 ただし、行列の(i,j)番目の要素は、基地局のj番目のTxアンテナと移動
機器のi番目のRxアンテナ間のチャネルである。このように定義することで、
基地局vから送信される信号が所望の移動機器のアンテナアレイで受信されると
き、この信号を次のように表すことができる。
【0384】
【数147】
【数148】
【数149】
【数150】
【0385】 ただし、D(t)=[φ(t−Δ1),…,φ(t−ΔMT)]Tは、送信遅延とチ
ップパルス整形を表す。式(149)から明らかなように、チャネルによる効果
的な空間写像関数は通常直交でないH(t)Mとなり、これはグループが互いに
干渉しあうことを意味する。したがって、送信装置がチャネルについて知らなけ
れば、受信側での直交性は保証されない。この写像関数の設計については後で説
明する。さらに、式(150)は、遅延素子をチャネルの一部とみなせるという
ことを示し、これらの遅延素子によって仮想マルチパスが与えられることが明ら
かである。このことは通常「遅延送信ダイバーシティ」と呼ばれる。
【0386】 グループ信号Gv(t)のベクトルから見たチャネルを
【数150a】 で表すと、アンテナアレイで受信する信号は次のように表せる。
【0387】
【数151】
【数152】
【0388】 ただし、Γv,u jはΓv,uのj番目の列である。式(20)から、ユーザ信号の各
グループは同一チャネルを介して伝搬し、受信装置はNBN個のソースを想定し
ていることがわかる。ここで提案しているMIMOダウンリンク送信装置が用い
られると、マッチトフィルタにかけられた受信信号(式(3))についてのモデ
ルは次のように表すことができる。
【0389】
【数153】
【数154】
【数155】
【数156】
【0390】 これより、同一BSの同一グループに属するユーザは同一のチャネル応答性Hv, g Σ(t)を有していることが明らかとなる。これによって、移動受信装置側で
のチャネル識別が改善される。したがって、アップリンクモデルとのもっとも明
らかな違いは、同一グループに属するユーザが、同一チャネルを体験するという
CDFIを用いたダウンリンクで好適に利用される機能である(前記参照)。
【0391】 複数のグループにわたって符号を適切に選択することは、その選択の結果得ら
れるチャネルが通常直交しないことからも、重要である。チャネル化符号は固定
の集合から選択されるので、特性の良好なグループを最適化することによって発
見することができる。なお、複数のグループにわたって同一のスクランブル符号
が用いられるので、チャネル化符号集合を適切に選択することでいったん設定さ
れる相互相関特性が、スクランブル後も保持され、したがって送信後も保持され
る。ここで、2つのグループ(NG=2)を有する状況は特に単純なので、この
状況のみを検討する。C1は直交行列、たとえばアダマール行列(あるいはその
一部)として最初に選択される。なお、Λが±1のエントリを持つ直交行列であ
れば、Λは単一なので、ΛC1もやはり直交スパンである。したがって、符号の
第2の集合はC2=ΛC1によって定義される。ただし、Λは次の式を満足するも
のである。
【0392】
【数157】 ただし
【数158】
【0393】 これは、ほとんどの場合、検索によって容易に解が得られる。集合がいっぱいの
とき(すなわちNIG=L)、集合間が45°回転していることになる。NG>2
という、より一般的な場合では、処理利得が大きいときは特に最適化が困難にな
る。ここでは、推察と検索の組み合わせに頼らねばならない。
【0394】 経験によって、異なるグループにおいて同一のまたは反対の符号を再使用する
ことは好ましくないことがわかっている。したがって、ユーザ数(可能なチャネ
ル化符号の総数)が2L-1に制限される。この制限によって、処理利得が小さい
と、可能な容量もまた非常に限定されてしまうことを明確に示唆している。たと
えば、L=2の場合、2個のユーザしかサポートできず、しかも、1個のTxア
ンテナにより既に近直交送信が(直交符号を用いて)なされているので、複数の
Txアンテナを用いても効果がないことも示される。L=4では、限定はNu
8となり、この場合、1から2個のTxアンテナであれば効果的であるが、3個
のTxアンテナでは効果が得られない。一般的に、コスト効率の良いシステムで
は、これ以上アンテナを追加しても容量の増加は見込めないのでTxアンテナの
数がMT≦2L-1/Lに制限される。
【0395】 空間写像関数の目的は、特異なMT次元の空間シグネチャをNGグループにそれ
ぞれ割り当てることにある。送信装置がチャネル(たとえば、受信装置からのフ
ィードバックあるいは時分割二重通信)を知っている状況では、得られるチャネ
ルΓv,u(t)が直交であるように写像関数は時間関数として選択してもよい。
しかし、移動セルラCDMAにおいては、このオプションは、物理チャネルがユ
ーザ別に与えられるので適用できない。したがって、直交性条件は1個の受信ユ
ーザについてのみ与えることができる。
【0396】 したがって、固定写像関数の設計について検討すると、得られるチャネル
【数158a】 のランク特性は、写像関数Mが最善のランク特性となるよう選択されれば、直感
的に最適化される。グループの数(NG)がTxアンテナの数(MT)に等しい場
合、直交写像関数を選択することで最適なランク特性が得られる。恒等写像(M
=1)は直交関数で、グループ1をアンテナ1に、グループ2をアンテナ2など
と単純に写像する。しかし、その結果アンテナの負荷が不均一になり、遅延送信
ダイバーシティは用いられない。これらの問題は、アダマール行列を使えばいず
れも回避できる。アダマール行列であれば、アンテナ分岐に等しく信号を配分し
、したがって「遅延送信ダイバーシティ」を利用し、パワー不均衡を回避するか
らである。
【0397】 より一般的な場合では、パワー制御は送信アンテナ間で分配できる。このよう
なパワー制御分配技術は公知であるのでここでは詳しく説明しない。
【0398】 なお、本発明の実施例は図49を参照して説明した空間/時間符号化方式を用
いることだけに限定されるものではなく、その他の公知な空間/時間符号化方式
も利用できることに注意されたい。
【0399】 図49を参照して説明した基地局送信装置であれば、ユーザ局側の受信装置の
変更は不要である。すなわち、図40乃至43を参照して説明したいずれの受信
装置もその基地局送信装置の信号を受信するのに用いてもよい。実際、MIMO
システムでは、受信装置は、MIMO基地局送信装置を図49のグループ区分け
に対応するNG個の副基地局として「見ている」。
【0400】 なお、各ユーザ局では、複数の送信アンテナを設けることができ、基地局の送
信装置で、図49を参照して説明した送信装置に類似するMIMO送信装置を使
用することができる。もちろん、基地局での対応の受信装置は前記の理由により
変更する必要はない。
【0401】
【表1】
【0402】
【表2】
【0403】
【表3】
【0404】 表3は、各ISRモードについての、共通の制約およびブロッキング行列^C n と^Ci',j' nと、制約数または列数Ncを示す。正規化前の一般的な列を示し、
(i,l,k)=(i’,l’,k’)のとき(δi',l',k' i,l,k=0、それ以外
は(δi',l',k' i,l,k=1。従来のMCの場合、λl k=1かつNH=3Nm。MC−
CDMAとしてモデル化されるMRの場合、k=−1かつl∈{1,…,Nr
またはk=+1かつl∈{Nm−Nr+1,…,Nm}のときλl k=0、それ以外
はλl k=1。Hモードでは、^Cn内の2(Nm−Nr)個以上の列が空。これら
の列と^Ci',l' n内の対応する列が取り除かれ、最大でNH=Nm+2Nrの制約
を残す。
【0405】
【表4】
【0406】 表4は、各ISRモードについての、多重符号制約およびブロッキング行列^
u MC,nと^Cu,l' MC,n'、と対応する制約数または列数Ncを示す。射影と正規
化前の一般的な列を示し、(l,k)=(l’,k’)のとき((l',k' l,k=0、
それ以外は((l',k' l,k=1。従来のMCの場合、λl k=1かつNH=3Nm。MC
−CDMAとしてモデル化されるMRの場合、k=−1かつl∈{1,…,Nr
}またはk=+1かつl∈{Nm−Nr+1,…,Nm}のときλl k=0、それ以
外はλl k=1。Hモードでは、^Cu MC,n内の2(Nm−Nr)個以上の列が空。
これらの列と^Cu,l' MC,n内の対応する列が取り除かれ、最大でNH=Nm+2N r の制約を残す。
【0407】
【表5】
【0408】 表5は、表3のモードに適用される、ただしTRはBRに代わる、基地別制約
およびブロッキング行列^Cv BS,nと^Cv,i',l' BS,nを示す。表3の残りのモー
ドの添え字をTRモードについて示すのと同様に基地局vの添え字を含むよう変
更する。なお、チャネル係数^ζu f,nはユーザiではなく基地局uの添え字を持
つ。基地局uからすべてのユーザ局への送信は、共通チャネルを介して所望のユ
ーザ局に伝搬する。また、ユーザについての合計は、パワー制御がユーザ個別の
ため、全振幅の予測値で重み付けされることに注意されたい。(δi',l',0 i,l,k
とλl kの定義は表3に示されている。
【0409】
【表6】
【0410】 表6は、基地局からの制約およびブロッキング行列^CBS,nと^Cv',i',l' BS ,n を、式(104)と式(105)に示した方法で、行方向に整列して、より大
きな行列^Cnと^Cv',i',l' nとすることによって、表5のモードに適用される
多重基地局制約およびブロッキング行列^Cnと^Cv',i',l' nを示す。表5内の
制約数を、ここでBRモードについて示すように、NBで乗算する。追加のTR
モードは、全基地局におけるBRモードの制約ベクトルを合計する。λl kの定義
は表3に示され、(v,i,l,k)=(v’,i’,l’,k’)のとき(δv ',i',l',0 v,i,l,k =0、それ以外はδv',i',l',0 v,i,l,k=1。
【0411】 なお、ISRはアップリンクで用いられるかダウンリンクで用いられるかにか
かわらず、受信または送信用の単一アンテナまたは複数のアンテナとして機能す
ることを理解されたい。
【0412】 本発明の実施例は、DBPSKに限られるものではなく、演算の複雑性を増加
させずにMPSKまたはMQAM変調を伴う混合速度トラフィックでISRを実
施することができる。直交ウォルシュ信号送信(シグナリング)さえも、ウォル
シュシーケンスの数に対応する演算の増加を犠牲にすれば実行可能である。さら
に、異なるユーザが別々の変調を利用できる。また、1個以上のユーザが適応符
号化および変調(ACM)を利用できる。
【0413】 また、本発明の実施例で搬送周波数オフセット回復(CFOR)を利用する場
合も想定される。決定ルールユニットでは2値出力をする必要はなく、シンボル
やその他の信号状態を出力すればよいことを理解されたい。
【0414】 また、前記実施例は非同期であるが、当業者であれば発明を過度な実験を行わ
ずして同期システムに適用できるであろう。
【0415】 本発明は前記実施例に対するその他様々な変更を包含する。たとえば、大きな
遅延拡散と大きなユーザ間遅延拡散が可能なように、長PN符号を使用すること
も可能であろう。
【0416】 簡略化するために、好ましい実施例の前記の説明では短拡散符号を用いると仮
定している。しかし、実際のほとんどのシステムでは、長拡散符号が用いられる
。長符号の部分がシンボルごとに変化するので、当業者には理解できるように、
短符号では不要なある動作を行わなければならない。さらに詳しい情報について
は、文献[22]と[23]を参照されたい。しかし、収集時には短符号が使わ
れ、リンクがいったん確立したら長符号を用いる場合も想定できる。
【0417】 収集工程では、ユーザ局で複数の所定の(短)符号の1つを使って接続する必
要もありうる。そのとき受信装置が用いる空制約をあらかじめ選択しておき、こ
のような所定の符号を用いて信号をキャンセルする。これによって、ユーザ局が
送信を開始する際に生じる、受信装置が制約を導き出せないという問題を回避で
きる。このような変更はダウンリンクとISR−Hを使用する場合にも適用可能
であろう。
【0418】
【数158b】
【0419】
【文献】
さらに追加の情報については、以下の文献を参考にされたい。これらの論文の内
容は、本願明細書に取り込まれたものとする。
【0420】 1. F. Adachi, M. Sawahashi and H. Suda,"Wideband DS-CDMA for next genera
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0-23, 2001.
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数のユーザ局、典型的には移動局を備えるCDMA通信システムの
一部と、アンテナ素子アレイを備える受信アンテナを有した基地局とを示し、ユ
ーザ局の1つとアンテナアレイとの間のマルチパス通信を示す概略図である。
【図2】 図1に示すシステムの一部のモデルを表す概略図である。
【図3】 ユーザ局の1つの拡散器部の詳細な構成図である。
【図4】 (a)、(b)は、チャネル特性とパワー制御と信号パワーとの関係
を示す図である。
【図5】 従来技術にかかる基地局受信装置の単純化構成概略図である。
【図6】 受信装置の前処理ユニットの詳細な構成図である。
【図7】 受信装置の逆拡散器の詳細な構成図である。
【図8】 データ速度に応じてランク付けされるCDMAシステムにおける数組
のユーザを示す図である。
【図9】 本発明を具現化する受信装置のいくつかのモジュールと、非拡散デー
タで動作するビームフォーマを有するモジュールを示す詳細な構成図である。
【図10】 共通行列生成器と、その生成器に共通に接続される複数のビームフ
ォーマの1つとを示した詳細な概略図である。
【図11】 図9に対応する構成図であるが、最初に拡散されたデータで動作す
るビームフォーマを有したモジュールを含む構成図である。
【図12】 図11の受信装置モジュールの1つのユーザ別行列生成器と関連の
ビームフォーマの概略図である。
【図13】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、キャンセ
ルすべき干渉の全認識値を用いる(ISR−TR)受信装置の詳細な構成概略図
である。
【図14】 図13の受信装置モジュールの1つの再拡散器を示す図である。
【図15】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、干渉の個
々の認識値を用いる(ISR−R)受信装置の詳細な構成図である。
【図16】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、ダイバー
シティ経路での干渉の各認識値を分解する(ISR−D)受信装置の単純化した
構成図である。
【図17】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、記号の仮
説値に基づく干渉部分空間排除を利用する(ISR−H)受信装置の単純化した
概略構成図である。
【図18】 仮説値についてのすべての可能なトリプレットを示す図である。
【図19】 仮説値を生成するためのビットシーケンスを示す図である。
【図20】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、記号の仮
説値と認識値の両方に基づく干渉部分空間排除を用いる(ISR−RH)受信装
置の単純化した概略構成図である。
【図21】 図13に示すISR−TR受信装置に類似する受信装置であるが、
ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略
構成図である。
【図22】 図15に示すISR−R受信装置に類似する受信装置であるが、ビ
ームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構
成図である。
【図23】 図16に示すISR−D受信装置に類似した受信装置であるが、ビ
ームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構
成図である。
【図24】 図18に示すISR−R受信装置に類似した受信装置であるが、ビ
ームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構
成図である。
【図25】 図24の受信装置で生成されるビットシーケンスを示す図である。
【図26】 図20に示すISR−RH受信装置に類似した受信装置であるが、
ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略
構成図である。
【図27】 図5の受信装置で用いられる、または図13−17、20−24お
よび図26の受信装置のいくつかの受信装置モジュールの代わりに用いられる代
替としてのSTARモジュールを示す図である。
【図28】 制約行列に貢献し、しかも干渉をキャンセルするための制約行列を
用いる受信装置モジュール(JOINT−ISR)を示す図である。
【図29】 多段ISR受信装置モジュールを示す図である。
【図30】 ISRの連続的な実行を示す図である。
【図31】 チャネル識別を向上させるためにISRを用いる受信装置モジュー
ルを示す図である。
【図32】 ノイズ拡張を減少させ、同期動作と高速データ処理を容易にするよ
うにフレームサイズを延長することを示す図である。
【図33】 混合拡散要因でISRを実施することを示す図である。
【図34】 多重符号信号を用いるユーザに対するアップリンクISR受信装置
を示す図である。
【図35】 図34の受信装置モジュールの変更例を示す図である。
【図36】 多重速度をどのようにして多重符号としてモデル化するかを示す図
である。
【図37】 多重速度信号におけるフレームサイズの決定を示す図である。
【図38】 特定ユーザのシンボル速度に対応して多重速度信号をグループ化す
ることを示す図である。
【図39】 基地局用「アップリンク」多重速度ISR受信装置モジュールを示
す図である。
【図40】 「仮想基地局」として動作するユーザ局用の複数の「ダウンリンク
」多重速度受信装置モジュールの1つを示す図である。
【図41】 図41のユーザ局において信号を抽出するための該ユーザ局の「ダ
ウンリンク」多重速度受信装置モジュールを示す図である。
【図42】 図40の受信装置モジュールに代わる多重符号を示す図である。
【図43】 図40の受信装置モジュールに代わる第2の代替例を示す図である
【図44】 パイロットシンボルを用いたISR受信装置モジュールを示す図で
ある。
【図45】 図44の受信装置モジュールの曖昧性予測器をより詳細に示す図で
ある。
【図46】 パイロットチャネルを用いた代替としてのISR受信装置モジュー
ルを示す図である。
【図47】 中間段でシンボル復号を利用する代替としてのISR受信装置モジ
ュールを示す図である。
【図48】 ダウンリンクをアップリンクとしてモデル化することを示す図であ
る。
【図49】 本発明を具現化する受信装置とともに動作する多重アンテナを有し
た送信装置を示す図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年2月1日(2002.2.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】 本明細書ではいくつかの公開済みの文献に言及する。便宜上、明細書の最後に
すべての文献を列挙する。読者はこれらの記事を参照されたい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0419
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0419】
【文献】 さらに追加の情報については、以下の文献を参考にされたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/243,727 (32)優先日 平成12年10月30日(2000.10.30) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ハンセン・ヘンリック デンマーク国,コペンハーゲン ディーケ ー−2200,1.ティーブイ,ノーレ サイ デアール 4 (72)発明者 マーメルシュタイン・ポール カナダ国,エイチ4ダブリュー 1ジー 5,ケベック,コート サン−リュック, リュー エメルソン,6852 Fターム(参考) 5K022 EE01 EE11 EE21 EE36 5K067 AA03 CC10 EE02 EE10

Claims (71)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信装置と、受信装置とを有する少なくとも1つの基地局(
    11)と;前記少なくとも1つの基地局によってサービスを提供される複数(U
    ´)のユーザ局を含み、各々が複数のチャネル(141,…,14U)の対応する
    1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と受信装置
    を有してなる複数(U)のユーザ局(101,…,10U)とを備えるCDMA通
    信システムの基地局に好適な受信装置であって、前記基地局は複数のユーザ局の
    送信装置が送信する拡散信号に対応する成分を備える信号(X(t))を受信し
    、前記拡散信号の各々は対応するユーザ局に固有の拡散符号を用いて拡散される
    一連のシンボルを備え、前記基地局の受信装置は: 各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、ユーザ局のうち対
    応する1つのユーザ局の前記一連のシンボルの予測値を導出する複数(U´個)
    の受信装置モジュール(201,…,20NI,20d)と; 前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20)の各々
    が前記一連のシンボルのそれぞれ1つの予測値を導出するのに用いるように、一
    続きの観測行列(Yn)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段
    (18)と; 各観測行列から複数の観測ベクトル( n n-1 1 n NI n d n)を
    導出して、観測ベクトルの各々を複数の受信装置モジュール(201,…,20N I ,20d)の対応する1つに与えるための観測ベクトル導出手段(19,44;
    44/1,44/2)とを備え、 各受信装置モジュールは: 基地局と対応するユーザ局の送信装置との間のチャネルのパラメータ予測
    値に基づき、観測ベクトルの1つから、チャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,
    NI n;^ d 0,n;^ i 0,n-1)を導出するためのチャネル識別手段(28)
    と; チャネルベクトル予測値に依存して重み係数の集合を生成するための係数
    調整手段(50)と、重み係数を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素の対
    応する1つに重み付けして重み付けされた要素をを結合して、信号成分予測値(
    ^s1 n,…,^sU n)を与えるための結合手段(51,52)とを有するビーム
    フォーマ手段(271,…,27NI,27d;47d)と; 信号成分予測値から、ユーザ局(101,…,10U)の対応する1つのユ
    ーザ局が送信するシンボル(b1 n,…,bU n)の予測値(^b1 n,…,^bU n
    を導出するためのシンボル予測手段(291,…,29U,301,…,39U)と
    を備え、 前記受信装置はさらに、シンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n;g1,g2
    ,g3;gl+1,n)と、少なくとも前記複数のユーザ局(101,…,10U)の第
    1のグループ(I)のチャネル(141,…,14NI)についての前記チャネルベ
    クトル予測値(^ 1 n,…,^ NI n)を備えるチャネル予測値(Η1 n,…,ΗN I n ;Ηi n-1)とに応じて、前記所定のグループに対応する受信信号の成分の干渉
    部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与えるための手段(42
    ,43)を備え、前記複数の受信装置モジュールの第2のグループ(D)の1つ
    以上の受信装置モジュール(20Ad)のそれぞれにおいて、係数調整手段(5
    0Ad)は、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(^ d n)の両方に依
    存して前記重み係数の集合を生成して、前記1つ以上の受信装置モジュール(2
    0Ad)を各々、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対
    して実質的に空応答をするように調整することを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 前記係数調整手段(50Ad)はまた、前記1つ以上の受信
    装置モジュール(20Ad)を各々、ユーザ局のうち対応する1つのユーザ局の
    送信装置からの受信信号(X(t))の成分について実質的な単一応答をするよ
    うに調整することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 【請求項3】 前記観測ベクトル導出手段(19;44)は、前処理手段(
    18)からの観測行列(Yn)を再整形して、その結果得られる観測行列( n
    を前記1つ以上の受信装置モジュール(20Ad)の各々の前記ビームフォーマ
    手段(47Ad)に供給するための第1の再整形手段(44)を備え、前記少な
    くとも1つの制約行列を提供するための手段(42,43)は、前記第1のグル
    ープのユーザ局が原因の干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(C1 n ,…,CNc n)を一括して生成するための、前記第1のグループに対応する前記
    チャネル予測値(Η1 n,…,ΗNI n;Ηi n-1)とシンボル予測値(^b1 n,…,
    ^bNI n;g1,g2,g3;gl+1,n)に応じた制約集合生成手段(42A)を備
    え、制約行列生成手段(43A)は、制約集合行列(C1 n,…,CNc n)を再整
    形して、制約行列(^Cn)の列をそれぞれ生成するためのベクトル再整形器(
    48A1,…,48ANc)のバンクを備え、制約行列生成手段(43A)は、制
    約行列を前記第2のグループの前記1つ以上の受信装置モジュール(20d)の
    前記係数調整手段(50Ad)のそれぞれに供給し、前記1つ以上の受信装置モ
    ジュール(20d)の各々では、チャネル予測手段(28Ad)が拡散チャネルベ
    クトル予測値(^ d 0,n)を係数調整手段(50Ad)に供給して前記重み付け
    係数を更新するのに用いることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  4. 【請求項4】 前記制約集合生成手段(43A)は、制約行列(^Cn)に
    依存した逆行列(Qn)を生成して、前記逆行列(Qn)を前記1つ以上の受信装
    置モジュール(20Ad)の前記係数調整手段(50Ad)に供給するための変換
    手段(49A)を備え、前記係数調整手段(50Ad)は、前記制約行列と、前
    記逆行列と、前記チャネルベクトル予測値に依存して前記重み付け係数を算出す
    ることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 【請求項5】 前記観測ベクトル導出手段は、各々がユーザ拡散符号の対応
    する1つを用いて、ユーザ拡散符号のそれぞれ1つを用いて観測行列(Yn)を
    逆拡散して、ユーザ別後置相関ベクトル( 1 n,… NI n d n)を生成して、
    これをチャネル識別手段(281,…,28NI,28d)のそれぞれ1つに供給す
    るための複数の逆拡散器(191,…,19NI,19d)を備えることを特徴とす
    る請求項1に記載の受信装置。
  6. 【請求項6】 前記ユーザ局の第1のグループから信号成分の振幅予測値(
    ^Ψ1 n,..,^ΨNI n)を導出して、振幅予測値を前記制約集合生成手段に前
    記チャネル予測値の一部として供給する手段(301,…,30NI)をさらに備
    え、制約集合生成器(42C)は:各々がユーザ拡散符号の対応する1つを用い
    て前記第1のグループ(I)のユーザ局に対応する受信装置モジュールからのシ
    ンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n)を再拡散する複数の再拡散器(57C1
    ..,57CNI)と;シンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n)それぞれに対応
    する信号成分の振幅(^Ψ1 n,..,^ΨNI n)で再拡散されたシンボル予測値
    を拡大縮小するための拡大縮小手段(58C1,..,58CNI)と;チャネル
    ベクトル予測値(^ 1 n,…,^ NI n)に依存してそれぞれ調整可能な係数を
    有して、対応の再拡散され、拡大縮小されたシンボル予測値をフィルタリングし
    てユーザ別観測行列予測値(^Y1 n-1,..,^YNI n-1)をそれぞれ得るため
    の複数のチャネル複製手段(59C1,..,59CNI)と;ユーザ別観測行列
    を合計して観測行列予測値(^In-1)を生成し、これを制約行列生成手段(4
    3C)に供給するための手段(60)とを備え、制約行列生成手段(43C)は
    、観測行列予測値(^ n-1)を再整形して観測ベクトル予測値(^ n-1)を単
    一の列制約行列(^Cn)として生成し、前記第2のグループ(D)の前記受信
    装置モジュール(20d)の各々の係数調整手段(50Ad)に与えるためのベク
    トル再整形手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  7. 【請求項7】 前記制約行列生成手段(42D)は、前記第1のグループ(
    I)内のユーザ局の数(NI)に等しい多数の制約(Nc)を生成して、各々がユ
    ーザ拡散符号の対応する1つを用いて受信信号の前記成分の前記選択された1つ
    に対応する前記受信装置モジュールの所定のグループ(I)からのシンボル予測
    値(^b1 n,…,^bNI n)のそれぞれ1つを再拡散するための複数の再拡散器
    (57D1,…3,57DNI)と;チャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,^ N I n )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、対応の再拡散されたシンボル
    予測値をフィルタリングしてユーザ別観測行列予測値(^Y1 n-1,..,^YNI n-1 )をそれぞれ得るための複数のチャネル複製手段(59D1,…,59DNI
    とを備え、共通行列インバータ(43D)では、ベクトル再整形器(48A1
    …,48ANc)のバンクは、ユーザ別観測行列予測値を再整形して、複数のユー
    ザ別観測ベクトル(^ 1 n-1,…,^ NI n-1)それぞれを制約行列(^Cn)の
    それぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュ
    ール(20d)の各々の係数調整手段(50Ad)の各々に供給することを特徴と
    する請求項3に記載の受信装置。
  8. 【請求項8】 前記受信装置モジュール(20E1,…,20ENI)の前記
    第1のグループの複数のチャネル識別手段(281,…,28NI)は、それぞれ
    チャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,^ NI n)とサブチャネルベクトル予測
    値(^H1,1 n,…,^H1,Nf n,…,^HNI,1 n,…,^HNI,Nf n)の複数の集合
    とを与え、チャネル予測値(^Η1 n,…,^ΗNI n)の各々はサブチャネルベク
    トル予測値の集合の対応する1つを備え、サブチャネルベクトル予測値の集合の
    各々は基地局と前記第1のグループ内のNI個のユーザ局の対応する1つのユー
    ザ局の送信装置との間の前記チャネルのNf個のサブチャネルのチャネルパラメ
    ータの予測値を表し、制約集合生成手段(42E)は、複数の再拡散器(57E 1 ,…,57ENI)と;複数の再拡散器(57E1,…,57ENI)にそれぞれ結
    合され、複数の再拡散シンボル(^b1 n,…,^bNI n)をそれぞれフィルタリ
    ングして、サブチャネルベクトル予測値(^H1,1 n,…,^H1,Nf n,…,^HN I,1 n ,…,^HNI,Nf n)のそれぞれ1つを用いてNfNIと等しい数の複数の(
    c個の)制約を生成して、サブチャネルに対応する複数のユーザ別サブチャネ
    ル観測行列予測値(^Y1,1 n-1,…,^Y1,Nf n-1,…,^YNI,1 n-1,…,^Y NI,Nf n-1 )をそれぞれ生成するための複数のチャネル複製器(59E1,…,5
    9ENI)とを備え、共通行列インバータ(43E)において、ベクトル再整形器
    (48A1,…,48ANc)のバンクは、ユーザ別観測行列予測値を再整形して
    、ユーザ別サブチャネル観測ベクトル予測値(^ 1,1 n-1,…,^ 1,Nf n-1
    …,^ NI,1 n-1,…,^ NI,Nf n-1)の対応する複数の集合を制約行列(^Cn )のそれぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記受信装置モ
    ジュール(20d)の各々の係数調整手段(50Ad)の各々に供給することを特
    徴とする請求項3に記載の受信装置。
  9. 【請求項9】 前記成分の前記選択された成分の各々について、一連の仮説
    シンボル予測値( 1 n 2 n 3 n)を生成するための仮説シンボル予測値生成
    手段(63F1,…,63FNI)をさらに備え、制約集合生成手段(42F)は
    :各々、ユーザ拡散符号の対応する1つを用いて前記仮説シンボル予測値の選択
    された集合を再拡散する複数の再拡散器(57F1,..,57FNI)と;各々
    、再拡散されたシンボル予測値の集合をフィルタリングして3NIと数が等しい
    複数(Nc個の)の制約を生成して、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1, 0,n ,^Y1, -1,n,^Y1, +1,n,…,^YNI 0,n,^YNI -1,n,^YNI +1,n)を生成
    するための複数のチャネル複製手段(59F1,..,59FNI)とを備え、複
    数のチャネル複製手段(59F1,..,59FNI)はチャネルベクトル予測値
    (^ 1 n,..,^ NI n)に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、制約
    行列生成手段(43F)において、再整形器(48A1,…,48ANc)のバン
    クはユーザ別観測行列予測値の集合を再整形して複数のユーザ別観測ベクトル(
    1, 0,n,^ 1, -1,n,^ 1, +1,n,…,^ NI 0,n,^ NI -1,n,^ NI +1,n )をそれぞれ制約行列(^Cn)のそれぞれの列として生成して、複数のユーザ
    別観測ベクトル(^ 1, 0,n,^ 1, -1,n,^ 1, +1,n,…,^ NI 0,n,^ NI -1,n ,^ NI +1,n)を前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュール(2
    d)の各々の係数調整手段(50Ad)の各々に供給することを特徴とする請求
    項3に記載の受信装置。
  10. 【請求項10】 仮説シンボル予測値( l+1,n n)を与えるための手段(6
    3G1,…,63GNI)を更に備え、前記制約集合生成手段は前記ユーザ別観測
    行列予測値の集合を生成する際に前記シンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n
    と前記仮説シンボル値の組み合わせを用いることを特徴とする請求項3に記載の
    受信装置。
  11. 【請求項11】 前記制約集合生成手段(42G)は:各々がユーザ拡散符
    号の対応する1つを用いてシンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n)のそれぞれ
    1つと前記仮説シンボル予測値(gl+1,n n)とを再拡散して、複数の再拡散シン
    ボル予測値を生成するための複数の再拡散器(57G1,..,57GNI)と;
    再拡散されたシンボル予測値の集合をフィルタリングして2NIと等しい数の複
    数(Nc個の)の制約を生成して、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1, r,n
    ^Y1, +1,n,…,^YNI r,n,^YNI +1,n)を生成するための複数のチャネル複
    製手段(59G1,..,59GNI)とを備え、複数のチャネル複製手段(59
    1,..,59FNI)はチャネルベクトル予測値(^ 1 n,..,^ NI n)に
    依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、共通行列インバータ(43G)にお
    いて、ベクトル再整形器(48A1,…,48ANc)のバンクは、ユーザ別観測
    行列予測値を再整形して対応する複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^ 1 r,n ,…,^ 1 +1,n,…,^ NI r,n,…,^ NI +1,n)をそれぞれ、制約行列(^
    n)のそれぞれの列として生成して、複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^
    1 r,n,…,^ 1 +1,n,…,^ NI r,n,…,^ NI +1,n)を前記第2のグルー
    プ(D)の前記受信装置モジュール(20d)の各々の係数調整手段(50Ad
    の各々に供給することを特徴とする請求項10に記載の受信装置。
  12. 【請求項12】 前記観測ベクトル導出手段は、ユーザ拡散符号のそれぞれ
    1つを用いて観測行列(Yn)を逆拡散して複数の後置相関ベクトル( 1 n,…
    NI n d n)の対応する1つを生成し、後置相関ベクトルを前記1つ以上の受
    信装置モジュールの各々のビームフォーマ手段のチャネル識別手段と係数調整手
    段とに供給するための複数の逆拡散器(191,…,19NI,19d)を備え、前
    記1つ以上の受信装置モジュールの前記結合手段によって重み付けされた観測ベ
    クトルの前記要素は対応する後置相関観測ベクトルの要素であり、制約行列提供
    手段(42B,43B)は:前記第1のグループのユーザ局の前記拡散信号が引
    き起こす干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(Cn)を一括して与
    えるための、前記第1のグループ(I)のユーザ局に対応する前記チャネル予測
    値(Η1 n,…,ΗNI n;Ηi n-1)とシンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n;g1
    ,g2,g3;gl+1,n)に応じた制約集合生成手段(42B)と;各々が前記1
    つ以上の受信装置モジュール(20d)のそれぞれ1つに関連する複数のユーザ
    別制約行列生成器(43Bd)を備える制約行列生成手段(43B)とを備え、
    複数のユーザ別制約行列生成器(43Bd)の各々は特定のユーザの対応するユ
    ーザ拡散符号を用いてユーザ別制約集合行列の各々を逆拡散して、複数のユーザ
    別後置相関制約行列(^Cd PCM,n)の対応する1つのそれぞれの列を生成するた
    めの逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)を有し、複数のユーザ別制約行
    列生成手段(43Bd)は前記複数のユーザ別制約行列を前記1つ以上の受信装
    置モジュール(20Bd)のそれぞれ1つの係数調整手段に供給することを特徴
    とする請求項1に記載の受信装置。
  13. 【請求項13】 前記第1のグループのユーザ局の信号成分予測値の振幅予
    測値(Ψ1 n,…,ΨNI n)を導出して、振幅予測値を前記制約集合生成手段に前
    記チャネル予測値の一部として供給するための手段(301,…,30NI)を更
    に備え、制約集合生成手段(42C)は:各々がユーザ拡散符号の対応する1つ
    を用いて前記第1のグループのユーザ局に対応する受信装置モジュール(201
    ,…,20NI)からのシンボル予測値のそれぞれ1つを再拡散するための複数の
    再拡散器(57C1,…,57CNI)と;再拡散シンボル予測値の各々を前記振
    幅(Ψ1 n,…,ΨNI n)で拡大縮小するための拡大縮小手段(58C1,…,58
    NI)と;チャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,^ NI n)に依存してそれぞ
    れ調整可能な係数を有して、対応する再拡散、拡大縮小されたシンボル予測値を
    フィルタリングしてユーザ別観測行列予測値(^Y1 n-1,…,^YNI n-1)をそ
    れぞれ与えるための複数のチャネル複製手段(59C1,…,59CNI)と;ユ
    ーザ別観測行列予測値を合計して観測行列予測値(^In-1)を生成し、観測行
    列予測値(^In-1)を前記第2のグループの前記1つ以上の受信装置モジュー
    ルのユーザ別制約行列生成器(43Hd)の各々に供給するための手段(60)
    とを備え、ユーザ別制約行列生成器(43Hd)の各々は、対応するユーザ拡散
    符号を用いて観測行列予測値(^Id PCM,n-1)を逆拡散して複数の後置相関ユー
    ザ別観測ベクトル予測値のそれぞれ1つ(^ d PCM,n-1)をそれぞれ単一の列制
    約行列(^Cd PCM,n)として生成し、前記第2のグループ(D)内の係数調整手
    段(50Bd)の関連する1つに使用されるための逆拡散手段(55Bd)を備え
    ることを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  14. 【請求項14】 前記制約集合生成手段(42D)は:各々が受信信号の前
    記成分の前記選択された成分に対応する前記受信装置モジュールの所定のグルー
    プ(I)からのシンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n)のそれぞれ1つを再拡
    散するための複数の再拡散器(57D1,..,57DNI)と;チャネルベクト
    ル予測値(^ 1 n,..,^ NI n)に依存してそれぞれ調整可能な係数を有し
    て、対応する再拡散されたシンボル予測値をフィルタリングして、複数のユーザ
    別観測行列予測値(^Y1, n-1,…,^YNI n-1)を与えるための複数のチャネル
    複製手段(59D1,..,59DNI)とを備え、ユーザ別制約行列生成手段(
    43Id)の各々において、逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)は、ユー
    ザ別観測行列予測値を逆拡散して、複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^ 1 n -1 ,…,^ NI n-1)をそれぞれのユーザ別制約行列(^CPCM,n)のそれぞれの
    列として生成して、ユーザ別観測ベクトル予測値(^ 1 n-1,…,^ NI n-1
    を前記第2のグループ(D)の前記1つ以上の受信装置モジュール(20d)の
    係数調整手段(50Bd)の関連する1つに供給することを特徴とする請求項1
    2に記載の受信装置。
  15. 【請求項15】 前記受信装置モジュール(20E1,…,20ENI)の前
    記第1のグループの複数のチャネル識別手段(281,…,28NI)は、それぞ
    れチャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,^ NI n)とサブチャネルベクトル予
    測値(^H1,1 n,…,^H1,Nf n,…,^HNI,1 n,…,^HNI,Nf n)の複数の集
    合とを与え、チャネルベクトル予測値(^ 1 n,…,^ NI n)の各々はサブチ
    ャネルベクトル予測値の集合の対応する1つを備え、サブチャネルベクトル予測
    値の集合の各々は基地局と対応するユーザ局の送信装置との間のサブチャネルの
    チャネルパラメータの予測値を表し、制約集合生成手段(42E)は、複数の再
    拡散器(57E1,…,57ENI)と;複数の再拡散器(57E1,…,57ENI )にそれぞれ結合され、サブチャネルベクトル予測値(^H1,1 n,…,^H1,Nf n ,…,^HNI,1 n,…,^HNI,Nf n)のそれぞれ1つを用いて前記第1のグルー
    プの複数の再拡散シンボル(^b1 n,…,^bNI n)をそれぞれフィルタリング
    して、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1,1 n-1,…,^Y1,Nf n-1,…,^
    NI,1 n-1,…,^YNI,Nf n-1)の集合を生成するための複数のチャネル複製器
    (59E1,…,59ENI)とを備え、この集合はサブチャネルにそれぞれ対応
    し、ユーザ別制約行列生成器(43Kd)の各々において、逆拡散手段(55Bd ,1 ,…,55Bd,Nc)はユーザ別観測行列予測値を逆拡散してユーザ別観測ベク
    トル予測値(^ 1,1 PCM,n-1,…,^ d,NI,Nf PCM,n-1)の対応する複数の集合
    を生成して、前記第2のグループ(D)の1つ以上の受信装置モジュール(20 d )の係数調整手段(50Bd)の関連する1つに供給するようにその集合がそれ
    ぞれのユーザ別制約行列(^Cd PCM,n)のそれぞれの列を形成して、ことを特徴
    とする請求項12に記載の受信装置。
  16. 【請求項16】 前記成分の前記選択された成分の各々について、一連の仮
    説シンボル予測値( 1 n 2 n 3 n)を生成するための仮説シンボル予測値生
    成手段(63L1,…,63LNI)をさらに備え、制約集合生成手段(42L)
    は:各々、前記第1のグループについてユーザ拡散符号の対応する1つを用いて
    前記仮説シンボル予測値の選択された集合を再拡散する複数の再拡散器(57L 1 ,..,57LNI)と;再拡散されたシンボル予測値の集合をフィルタリング
    して、ユーザ別観測行列予測値(^Y1, 0,n,^Y1, -1,n,^Y1, +1,n,…,^
    NI 0,n,^YNI -1,n,^YNI +1,n)の複数の集合の1つをそれぞれ生成するた
    めの複数のチャネル複製手段(59L1,..,59LNI)とを備え、複数のチ
    ャネル複製手段(59L1,..,59LNI)はチャネルベクトル予測値(^ 1 n ,..,^ NI n)に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、ユーザ別行列
    インバータ手段(43Ld)の各々において、逆拡散手段(55Bd,1,…,55
    d,Nc)はユーザ別観測行列予測値の集合を逆拡散して、ユーザ別観測ベクトル
    予測値(^ d,1,1 PCM,n,^ d,1,2 PCM,n,^ d,1,3 PCM,n,…,^ d,NI,1 PC M,n ,^ d,NI,2 PCM,n,^ d,NI,3 PCM,n)の対応する複数の集合をそれぞれの
    ユーザ別制約行列(^Cd PCM,n)のそれぞれの列として生成して、前記第2のグ
    ループ(D)の前記1つ以上の受信装置モジュール(20d)の関連する1つの
    受信装置モジュールの係数調整手段(50Bd)に供給することを特徴とする請
    求項12に記載の受信装置。
  17. 【請求項17】 仮説シンボル予測値( l+1,n n)を与えるための手段(6
    3M1,…,63MNI)を更に備え、制約集合生成手段(42M)は前記ユーザ
    別観測行列予測値の集合を生成する際に前記シンボル予測値(^b1 n,…,^b NI n )と前記仮説シンボル予測値の組み合わせを用いることを特徴とする請求項
    12に記載の受信装置。
  18. 【請求項18】 前記制約集合生成手段(42M)は:ユーザ拡散符号のそ
    れぞれ1つを用いてシンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n)と前記仮説シンボ
    ル予測値( l+1,n n)と用いて再拡散して複数の再拡散シンボル予測値を与える
    ための複数の再拡散器(57M1,..,57MNI)と;再拡散されたシンボル
    予測値をフィルタリングして複数対のユーザ別観測行列予測値(^Y1, r,n,^
    1, +1,n,…,^YNI r,n,^YNI +1,n)を生成するためのチャネル複製手段(
    59M1,..,59MNI)とを備え、各対は前記第1のグループのユーザ局の
    1つに対応し、チャネル複製手段(59M1,..,59MNI)はチャネルベク
    トル予測値(^ 1 n,..,^ NI n)に依存してそれぞれ調整可能な係数を有
    して、ユーザ別行列インバータ手段(43Md)の各々において、逆拡散手段(
    55Bd,1,…,55Bd,Nc)はユーザ別観測行列予測値を逆拡散して、対応す
    る複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^ d,1,k1 PCM,n,^ d,1,K2 PCM,n,…
    ,^ d,NI,k1 PCM,n,^ d,NI,k2 PCM,n)をそれぞれのユーザ別制約行列(^C d PCM,n )のそれぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記1つ
    以上の受信装置モジュール(20d)の関連する1つの受信装置モジュールの係
    数調整手段(50Bd)に供給する請求項17に記載の受信装置。
  19. 【請求項19】 前記1つ以上の受信装置モジュールの少なくとも1つ(2
    i)は、前記制約行列を導出するのに使用するようにシンボル予測値を前記制
    約行列生成手段(42P,43P)に供給して、かつそのビームフォーマ手段(
    47Pi)の重み係数を調整する際に制約行列を使用し、 前記1つ以上の受信装置モジュールの少なくとも1つはさらに、第2の結合
    手段と、第2の結合手段の重み係数を調整するための第2の係数調整手段を有し
    た第2のビームフォーマ手段(27Pi)を備え; 観測ベクトル導出手段(19,44;44/1,44/2)はさらに、前記
    観測行列(Yn)を再整形して、その結果得られる第2の観測ベクトル( n)を
    前記第2の結合手段と、第2の観測ベクトル( n)に対して第1の観測ベクト
    ル( n-1)を遅延させるための遅延手段(45)とに供給するための第2の再
    整形手段(44/2)とを備え; 前記係数調整手段はまた、ビームフォーマ(47Pi)内の第1の係数調整
    手段によって用いられるベクトル予測値(^ i 0,n-1)に依存して第2の結合手
    段の重み係数を調整するように配置され; 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つのチャネル識別手段(
    28Pi)は、遅延した第1の観測ベクトル( n-1)からチャネルベクトル予測
    値(^ i 0,n-1)を導出して、重み係数を更新するのに用いるように第1の結合
    手段と第2の結合手段のそれぞれの係数調整手段に前記チャネルベクトル予測値
    を供給して、制約行列生成手段(42P,43P)に制約行列を導出するのに用
    いるように前記チャネル予測値(Η1 n-1)を供給して; 第1の結合手段(47Pi;51,52)と第2の結合手段(27Pi;51
    ,52)は、それぞれの重み係数を用いて遅延した第1の観測ベクトルと第2の
    観測ベクトルの要素のそれぞれ1つに重み付けして、第1の観測ベクトルと第2
    の観測ベクトルの重み付けした要素を結合して第1の信号成分予測値(^si n-1 )と第2の信号成分予測値(^si MRC,n)をそれぞれ与え; 前記1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つはさらに、第2の
    信号成分予測値(^si MRC,n)からシンボル予測値(^bi MRC,n)を導出して、
    前記シンボル予測値(^bi MRC,n)を制約行列提供手段(42P,43P)に提
    供するための第2の信号予測手段(29P/2i)を備え; 制約手段(42P,43P)は、ユーザ局信号の前記第1のグループが引き
    起こす干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(Cn-1)を一括して生
    成するための制約集合生成手段(42P)を備え、制約行列生成手段(43P)
    は制約集合行列(C1 n,…,CNc n)を再整形して制約行列(^Cn-1)の列をそ
    れぞれ形成するためのベクトル再整形手段(48A1,…,48ANc)を備え、
    制約行列生成手段(43P)は制約行列を前記1つ以上の受信装置モジュール(
    20d)の前記係数調整手段(50Pd)の各々に供給することを特徴とする請求
    項1に記載の受信装置。
  20. 【請求項20】 前記1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つ
    は更に、前記第1のグループのユーザ局からの信号成分の振幅予測値(^Ψi n-1 )を与え、振幅予測値をチャネル予測値(Ηi n-1)の一部として制約集合生成手
    段(42P)に供給するための振幅予測手段(30Pi)を備えることを特徴と
    する請求項19に記載の受信装置。
  21. 【請求項21】 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つは、
    各フレームについて、複数回の反復(#1,#2,…,#Ns)を行って各シン
    ボル予測値を導出するように配置され、その配置は次のようになる: ある特定のフレーム(n)の反復の各々の回では、制約集合生成器(42P
    )が、前記1つ以上の受信装置モジュールのチャネル予測値(Ηi n-1)と、第1
    のシンボル予測値(^bi n-2)と第2のシンボル予測値(^bi MRC,n)とをそれ
    ぞれ用いる、 第1の反復では、制約行列提供手段(42P,43P)が、前記1つ以上の
    受信装置モジュールの前記第2のビームフォーマの各々によって生成される過去
    のシンボル予測値(^bi MRC,n-1)に依存して第1の反復制約行列(^Cn-1
    1))を生成して、前記第1の反復制約行列(^Cn-1(1))を第1のビーム
    フォーマ手段(47Pi)の係数調整手段に供給して、拡散チャネル予測値^ i 0,n-1 とともに前記第1の反復制約行列(^Cn-1(1))を用いて、遅延した第
    1の観測ベクトル( n-1)の各要素に重み付けして第1の反復信号成分予測値
    を生成するためのビームフォーマ手段(47Pi)の係数を調整して、決定ルー
    ルユニット(29P/1i)が前記第1の反復信号成分予測値を処理して第1の
    反復シンボル予測値(^bi n-1(1))を生成する、 第2の反復では、制約行列生成手段(43P)が、過去のシンボル予測値(
    ^bi MRC,n-1)の代わりに前記第1の反復シンボル予測値(^bi n-1(1))を
    用いて重み係数を調整して、第1のビームフォーマ手段と第2の決定ルールユニ
    ットが使用する第2の反復制約行列(^Cn-1(2))を導出して第2の反復シ
    ンボル予測値(^bi n-1(2))を生成する、 全部でNs回の反復の最後の反復では、制約行列提供手段(42P,43P
    )が、終わりから2番目の反復で第1の決定ルールユニット(29P/1i)に
    よって生成される終わりから2番めの反復シンボル予測値(^bi n-1(Ns−1
    ))を用いて、第1の結合手段と第1の決定ルール手段に使用される最終反復制
    約行列(^Cn-1(Ns))を生成して、最終反復シンボル予測値(^bi n-1(N s ))をシンボル予測値(^bi n-1)として出力のためのそのフレーム(u)の
    目標シンボル予測値として与え、制約行列生成器(42P)はシンボル予測値^
    i n-2の代わりに次のフレーム(n+1)の各反復で用いるシンボル予測値(^
    i n-1)をバッファリングして、制約行列生成器(42P)は新しいフレームの
    全反復については前記第2のビームフォーマ(27Pi)からの新しいシンボル
    予測値(^bi MRC,n+1)を用いて、前記新しいフレームの第1の反復でのみ前記
    第2のビームフォーマ手段(27Pi)からの過去のシンボル予測値(^bi MRC, n )を用いて、前記過去のシンボル予測値は必要に応じてバッファリングされ、
    その他の変数は適切に値が増加される、ことを特徴とする請求項19に記載の受
    信装置。
  22. 【請求項22】 前記複数の受信装置モジュール(201,…,20NI,2
    d)は:相対的に強いユーザ信号用で、前記チャネル予測値の少なくともそれ
    ぞれの集合を前記制約集合生成器(42)に与えて前記制約行列を導出するため
    に用いられるが、それぞれのビームフォーマ手段の重み係数を更新するために前
    記制約行列を用いることはない第1の集合(I)の受信装置モジュール(201
    ,…,20NI)と;相対的に弱いユーザ信号用で、それぞれのビームフォーマ手
    段の重み係数を更新するために制約行列を用いるが、前記制約行列を導出する際
    に用いるためにチャネル予測値あるいはシンボル予測値のいずれかを制約行列生
    成器(42)に与えることはない第2の集合(D)の受信装置モジュール(20 d )とを備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  23. 【請求項23】 前記複数の受信装置モジュールは更に、相対的に強いユー
    ザ信号と相対的に弱いユーザ信号の中間の信号強度を持つユーザ信号用の、請求
    項19で定義されるような少なくとも1つの受信装置モジュール(20i)の少
    なくともさらに1つの集合(M1)を備え、他の集合内の受信装置モジュールが
    前記制約行列を導出する際に用いられるように少なくともチャネル予測値を前記
    制約行列生成手段(42P,43P)に供給して、しかも自分の集合内の受信装
    置モジュールが供給する制約から導出される前記制約行列をそのビームフォーマ
    手段(47Pi)の重み係数を調整する際に用いることを特徴とする請求項22
    に記載の受信装置。
  24. 【請求項24】 前記複数の受信装置モジュールは更に、相対的に強いユー
    ザ信号と相対的に弱いユーザ信号の中間の信号強度を持つユーザ信号用の、請求
    項19で定義されるような少なくとも1つの受信装置モジュール(20i)の少
    なくともさらに1つの集合(M2)を備え、前記制約行列を導出する際とそのビ
    ームフォーマ(47Pi)の重み係数を調整する際に用いられるように少なくと
    もチャネル予測値を前記制約行列生成手段(42P,43P)に供給して、しか
    も自分の集合と他の集合のどちらか一方または両方の集合内の受信装置モジュー
    ルが供給する制約から導出される前記制約行列を用いることを特徴とする請求項
    22に記載の受信装置。
  25. 【請求項25】 前記受信装置モジュールは信号パワーに応じた階層的順序
    で配置され、各低パワー受信装置モジュールは高パワー受信装置モジュールの各
    々が供給する制約集合から形成される制約行列を用いることを特徴とする請求項
    23に記載の受信装置。
  26. 【請求項26】 前記受信装置モジュールは信号パワーに応じた階層的順序
    で配置され、各低パワー受信装置モジュールは高パワー受信装置モジュールの各
    々が供給する制約集合から形成される制約行列を用いることを特徴とする請求項
    24に記載の受信装置。
  27. 【請求項27】 前記集合内の1つの集合にある受信装置モジュールの各々
    はその他の集合内の受信装置モジュールとは異なることを特徴とする請求項23
    に記載の受信装置。
  28. 【請求項28】 前記受信装置モジュールの前記第2の集合と更に別の集合
    の1つの集合内の受信装置モジュールは互いに異なることを特徴とする請求項2
    3に記載の受信装置。
  29. 【請求項29】 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つの受
    信装置モジュールの前記ビームフォーマ手段は、射影(Πd n)を観測ベクトル( n )で乗算して干渉が減少した観測ベクトル(Π,d n)を生成するための射影
    手段(100d)と;射影(Πd n)とチャネルベクトル予測値(^ d 0,n)とに
    応じた、前記信号成分予測値(^sd n)を生成する残留ビームフォーマ(27Q d )とを備え、チャネル識別手段(28Qd)は干渉が減少した観測ベクトル( Π,d n)からチャネルベクトル予測値(^ d 0,n)を導出することを特徴とする
    請求項3に記載の受信装置。
  30. 【請求項30】 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つは更
    に:干渉が減少した観測ベクトル(Π,d n)を再整形して干渉が減少した観測
    行列(YΠ,d n)を形成するための再整形手段(102Qd)と;干渉が減少した
    観測行列(YΠ,d n)を対応するユーザ拡散符号で逆拡散して、前記チャネルベ
    クトル予測値を導出する際にチャネル識別手段(28Qd)が用いる干渉が減少
    した後置相関観測ベクトル(Π,d n)を形成する逆拡散器(19d)とを備える
    ことを特徴とする請求項29に記載の受信装置。
  31. 【請求項31】 ユーザ局の少なくとも1つが、複数の異なる拡散符号を用
    いて同時送信のために前記一連のシンボルのそれぞれ1つを拡散して、そのユー
    ザ局に対応する受信信号(X(t))の成分が対応する複数の拡散信号を備える
    ようにしてなるCDMAシステム内の基地局用の受信装置であって、1つ以上の
    受信装置モジュール(20d)の前記少なくとも1つでは、前記ビームフォーマ
    手段(47Rd1,…,47Rd,Nm)が異なる集合の重み係数を用いて、前記観測
    ベクトル( n)の各要素に重み付けして前記一連のシンボルの前記それぞれの
    1つに対応する複数の信号成分予測値(^sd,1 n,…,^sd,Nm n)を形成して
    、シンボル予測手段が複数の信号成分予測値(^sd,1 n,…,^sd,Nm n)から
    対応する複数のシンボル予測値(^bd,1 n,…,^bd,Nm n)を導出して、前記
    観測ベクトル導出手段は観測行列から、各々が複数の異なる拡散符号のそれぞれ
    1つに対応する複数の後置相関観測ベクトル(^ d,1 n,…,^ d,Nm n)を導
    出するための手段(19d,1 n,…,19d,Nm n)を備え、チャネル識別手段(2
    8Rd)は前記複数の後置相関観測ベクトル(^ d,1 n,…,^ d,Nm n)からチ
    ャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Nm 0,n)の対応する複数の集合を導
    出して、その集合を前記ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47Rd,Nm)に
    供給し、ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47Rd,Nm)の係数調整手段が
    チャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Nm 0,n)の集合を用いてそれぞれ
    重み係数の前記異なる集合を導出することを特徴とする請求項3に記載の受信装
    置。
  32. 【請求項32】 複数の観測ベクトルを導出するための手段(19d,1 n,…
    ,19d,Nm n)は、前記複数の異なる拡散符号の1つ以上を用いて前記拡散行列
    (Yn)を逆拡散して、前記複数の拡散チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n
    …,^ d,Nm 0,n)を導出する際にチャネル識別手段(28Rd)が用いる複数の
    後置相関観測ベクトル(^ d,1 n,…,^ d,Nm n)を生成するための逆拡散手
    段を備えることを特徴とする請求項31に記載の受信装置。
  33. 【請求項33】 前記観測ベクトル導出手段は、前記複数の後置相関観測ベ
    クトル( d,1 n,…, d,Nm n)を更に備え、また前記複数の後置相関観測ベク
    トル( d,1 n,…, d,Nm n)を前記ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47
    d,Nm)に提供し、その中の係数調整手段は前記重み係数の集合を用いて前記複
    数の後置相関観測ベクトルのそれぞれ1つのベクトルの要素に重み付けし、ユー
    ザ別制約行列生成手段の各々は複数の異なる拡散符号の1つ以上を用いてユーザ
    別制約集合行列を逆拡散するための逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nm
    を備えることを特徴とする請求項32に記載の受信装置。
  34. 【請求項34】 前記複数の観測ベクトルを導出するための前記手段は、前
    記複数の異なる拡散符号をそれぞれ複数のシンボル予測値(^bd,1 n,…,^b d,Nm n )で重み付けして単一の拡散符号を形成し、前記単一の拡散符号を用いて
    観測行列(Yn)を逆拡散して、チャネル識別手段(28Rd)が前記複数の集合
    のチャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Nm 0,n)を導出する際に用いら
    れる複合後置相関観測ベクトル( d,δn)を生成するための逆拡散手段(19d , δ)を備えることを特徴とする請求項31に記載の受信装置。
  35. 【請求項35】 前記観測ベクトル導出手段はまた、前記複数の後置相関観
    測ベクトル( d,1 n,…, d,Nm n)を前記ビームフォーマ手段(47Rd,1,…
    ,47Rd,Nm)に供給し、その中の係数調整手段は前記重み係数の集合を用いて
    前記複数の後置相関観測ベクトルのそれぞれ1つのベクトルの要素に重み付けし
    、ユーザ別制約行列生成手段の各々は複数の異なる拡散符号の1つ以上を用いて
    ユーザ別制約集合行列を逆拡散するための逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd ,Nm )を備えることを特徴とする請求項34に記載の受信装置。
  36. 【請求項36】 前記複数の受信装置モジュール(201,…,20NI,2
    d)は、対応するユーザのシンボル周期の整数倍(F1,…,FNI,Fd)に等
    しいフレーム持続時間で動作し、前記フレームにおける前記シンボル周期数に等
    しい同一の長い拡散符号の複数(F1,…,FNI,Fd個の)異なるセグメントを
    1つ以上の受信装置モジュール(20d)の前記少なくとも1つの中で用いて、
    前記ビームフォーマ手段(47sd,1,…,47sd,Fd)は異なる集合の重み係
    数を用いて前記観測ベクトル( n)の各要素に重み付けして、それぞれ複数(
    d個の)の信号成分予測値(^sd,1 n,…,^sd,Fd n)を形成して、シンボル
    予測手段(29Sd,1,…,29Sd,Fd)は複数の信号成分予測値(^sd,1 n
    …,^sd,Fd n)から対応する複数のシンボル予測値(^bd,1 n,…,^bd,Fd n )を導出して、前記観測ベクトル導出手段は観測行列から複数の後置相関観測ベ
    クトル( d,1 n,…, d,Fd n)の1つ以上を導出してチャネル識別手段(28
    d)は前記後置相関観測ベクトル( d,1 n,…, d,Fd n)から対応する複数の
    拡散チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を導出して、前
    記拡散チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を前記ビーム
    フォーマ手段(47Sd,1,…,47Sd,Fd)に供給し、各拡散チャネルベクト
    ル予測値は長い拡散符号のセグメントのそれぞれ1つによって拡散され、ビーム
    フォーマ手段(47Sd,1,…,47Sd,Fd)の係数調整手段は前記チャネルベ
    クトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を用いて前記異なる集合の重み
    係数を導出することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  37. 【請求項37】 複数の後置相関観測ベクトルの1つ以上を導出するための
    手段(19Sd,1,…,19Sd,Fd)は、前記複数の後置相関観測ベクトル( d ,1 n ,…, d,Fd n)の1つ以上がチャネル識別手段(28Sd)に用いられるよ
    うに同一の長い拡散符号の前記異なるセグメントの1つ以上を用いて前記観測行
    列(Yn)を逆拡散するための逆拡散手段を備えることを特徴とする請求項36
    に記載の受信装置。
  38. 【請求項38】 前記観測ベクトル導出手段はまた、前記複数の後置相関観
    測ベクトル(^ d,1 n,…,^ d,Fd n)を前記ビームフォーマ手段(47Sd,1 ,…,47Sd,Fd)に供給し、その中の係数調整手段は前記重み係数の集合を用
    いて前記複数の後置相関観測ベクトルのそれぞれ1つのベクトルの要素に重み付
    けし、ユーザ別制約行列生成手段の各々は複数(Fd個)の異なる拡散符号セグ
    メントの対応する1つを用いてユーザ別制約集合行列を逆拡散するための逆拡散
    手段(55Bd,1,…,55Bd,Nm)を備えることを特徴とする請求項37に記
    載の受信装置。
  39. 【請求項39】 複数の(NB個の)基地局(11)と;多数(U個)のユ
    ーザ局(101,…,10U)と;前記基地局に関連し、前記基地局にサービスを
    提供されるセル内にある少なくとも複数(U´個の)ユーザ局とを備え、前記1
    つの基地局は、ユーザ信号を拡散して、それぞれ複数(U´個の)ユーザ局に送
    信するための複数の送信装置モジュールと、複数の(U´個の)ユーザ局が送信
    する拡散ユーザ信号を受信するための受信装置とを有し、各々のユーザ局は、基
    地局が送信する対応の拡散ユーザ信号を受信するための受信装置を有し、前記複
    数(U´個)のユーザ局の各々は、ユーザ局と基地局送信装置モジュールの対応
    する1つに送信のためそのユーザのユーザ信号を拡散する場合に用いられる、ユ
    ーザ局に割り当てられる独自の拡散符号を持ち、 基地局送信装置モジュールから複数(U´個)のユーザ局の特定の1つに送
    信される拡散ユーザ信号は、それぞれ複数のチャネル(141,…,14U')を
    介して伝搬され、 前記複数(U´個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局の受信装置は、前記
    特定のユーザ局用の拡散ユーザ信号と、他のユーザ用の前記複数(NB個)の基
    地局の他の送信装置モジュールに送信される拡散ユーザ信号とに対応する成分を
    備える信号(X(t))を受信し、前記拡散ユーザ信号の各々はユーザ局の中の
    対応する1つのユーザ局に関連する拡散符号を用いて拡散される一連のシンボル
    を備えてなるCDMA通信用ユーザ局受信装置であって、 前記ユーザ局受信装置は: 各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、基地局のうちの対応す
    る1つの基地局からの前記一連のシンボルの集合の予測値を導出する複数(NB
    個)の受信装置モジュール(20v')と; 前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20v')の各
    々が前記シンボルの集合の予測値を導出するのに用いるように、一続きの観測行
    列(Yn)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段(18)と; 各観測行列から観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n v',1,1 n
    v',NI,Fm n)の複数の集合を導出して、観測ベクトルの集合の各々を複数の
    受信装置モジュール(20v')のそれぞれ1つに与えるための手段(19,44
    )とを備え、 各受信装置モジュールは: 基地局のうちの対応する1つの基地局と前記ユーザ局との間のチャネルの
    パラメータ予測値に基づき、観測ベクトルの集合のそれぞれ1つから、拡散チャ
    ネルベクトル予測値(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,n)の集合を導出す
    るためのチャネル識別手段(28Tv')と; チャネルベクトル予測値の集合にそれぞれ依存して重み係数の集合を生成
    するための係数調整手段と、重み係数の各集合を用いて観測ベクトルのそれぞれ
    1つの要素の対応する1つに重み付けして重み付けされた要素を結合して、信号
    成分予測値(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,FNI n)を与えるための結合手段とを
    有するビームフォーマ手段(47Tv',1,1,…,47Tv',NI,FNI)と; 信号成分予測値の集合から、送信装置モジュールのうちの対応する1つの
    送信装置モジュールに拡散され、基地局に送信される一連のシンボル予測値(^
    v',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n)を導出するためのシンボル予測手段(29Tv ',1,1 ,…,29v',NI,FNI)とを備え、 前記ユーザ基地受信装置はさらに、ユーザ局の受信装置と前記基地局との間
    のチャネル(14v')についての前記複数(NB個)の受信装置モジュールの各
    々からの前記シンボル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n 1 n 2 n
    3 n)とチャネル予測値(Ηv' n)とに応じた、前記拡散信号に対応する受信
    信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与える
    ための手段(42,43)を備え、前記受信装置モジュール(20v')の各々に
    おいて、係数調整手段は、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(Ηv' n )の両方に依存して前記重み係数の集合を生成して、前記受信装置モジュール(
    20v')を、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して
    実質的に空応答をするように調整することを特徴とするCDMA通信用ユーザ局
    受信装置。
  40. 【請求項40】 前記観測ベクトル導出手段は、観測行列から複数の後置相
    関観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n)を導出して、前記複数の後置
    相関観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n)を、前記チャネルベクトル
    予測値の集合(^ v',1,1 0,n,…, v',NI,FNI 0,n)を生成する際に用いるチ
    ャネル識別手段(28Tv')に供給するための手段(19v',1,1,…,19v',N I,FNI )を備えることを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  41. 【請求項41】 前記複数(NB個)の受信装置モジュール(20v')は前
    記ユーザ局受信装置のユーザあてのユーザ信号以外のユーザ信号についてのシン
    ボルを導出し、前記ユーザ局受信装置は前記ユーザ局受信装置の前記ユーザあて
    で前記複数の基地局のうちの対応のサービスを提供する基地局が送信する受信信
    号からシンボルを導出するための追加の受信装置モジュール(20d)を備え、
    前記複数の受信装置モジュール(20v',20d)の各々はシンボル周期の整数
    倍に等しいフレーム持続時間で動作し、長い拡散符号の対応する数のセグメント
    (F1,…,FNI,Fd)を用い、各セグメントは前記フレームでの前記複数のシ
    ンボル周期に等しい同一の長い拡散符号の複数の(F1,…,FNI,Fd)異なる
    セグメントのそれぞれ1つに対応し、前記追加の受信装置モジュール(20d
    において、前記ビームフォーマ(47Sd,1,…,47Sd,Fd)が、重み係数の
    異なる集合を用いて前記観測ベクトル( n)の各要素に重み付けして、複数(
    d個)の信号成分予測値(^sd,1 n,…,^sd,Fd n)をそれぞれ生成し、シン
    ボル予測手段(29Sd,1 n,…,29Sd,Fd n)は複数の信号成分予測値(^sd ,1 n ,…,^sd,Fd n)から対応する複数のシンボル予測値(^bd,1 n,…,^b d,Fd n )を導出し、前記観測ベクトル導出手段は観測行列から複数の観測ベクト
    ル( d,1 n,…, d,Fd n)を導出しチャネル識別手段(28Sd)は前記観測ベ
    クトル( d,1 n,…, d,Fd n)から対応する複数の拡散チャネルベクトル予測
    値(^ 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を導出し、対応する複数の拡散チャネルベクト
    ル予測値(^ 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を前記ビームフォーマ手段(47Sd,1
    ,…,47Sd,Fd)に供給し、各拡散チャネルベクトル予測値は長い拡散符号の
    セグメントのそれぞれ1つによって拡散され、ビームフォーマ手段(47Sd,1
    ,…,47Sd,Fd)の係数調整手段は前記チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n ,…,^ d,Fd 0,n)を用いて前記重み係数の異なる集合を導出することを特徴
    とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  42. 【請求項42】 前記複数(NB個)の受信装置モジュール(20v')は、
    前記ユーザ局受信装置のユーザあてのユーザ信号以外のユーザ信号についてシン
    ボルを導出し、前記ユーザ局受信装置は、前記ユーザ局受信装置の前記ユーザあ
    ての受信信号からシンボルを導出するための追加の受信装置モジュール(20d
    )を備え、前記複数の受信装置(20v',20d)の各々はシンボル周期の整数
    倍に等しいフレーム持続時間で動作し、長い拡散符号の対応する数のセグメント
    を用いて、各セグメントは前記フレームでの前記複数のシンボル周期に等しい同
    一の長い拡散符号の複数の(F1,…,FNI,Fd)の異なるセグメントのそれぞ
    れ1つに対応し、前記追加の受信装置モジュール(20d)において、前記ビー
    ムフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv,d,Fd)が、重み係数の異なる集合
    を用いて前記観測ベクトル( n)の各要素に重み付けして、複数(Fd個)の信
    号成分予測値(^sv,d,1 n,…,^sv,d,Fd n)をそれぞれ生成し、シンボル予
    測手段(29Tv,d,1 n,…,29Tv,d,Fd n)は複数の信号成分予測値(^sv,d ,1 n ,…,^sv,d,Fd n)から対応する複数のシンボル予測値(^bv,d,1 n,…,
    ^bv,d,Fd n)を導出し、前記ビームフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv, d,Fd )の係数調整手段は制約行列生成手段(43T)から受信する前記制約行列
    を用いて重み係数を導出し、前記拡散チャネルベクトル予測値(^ v,d,1 0,n
    …,^ v,d,Fd 0,n)は前記ユーザ局にサービスを提供する基地局(v)に対応
    する受信装置モジュール(20v)のチャネル識別手段(28Tv)に生成される
    ことを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  43. 【請求項43】 前記観測ベクトル導出手段は、観測行列を逆拡散して複数
    の後置相関観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n)を形成し、複数の後
    置相関観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n)を前記チャネルベクトル
    予測値(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,n)を生成する際に用いられるよ
    うにチャネル識別手段に供給するための逆拡散手段(19v',1,1,…,19v',N I,FNI )を備えることを特徴とする請求項42に記載のユーザ局受信装置。
  44. 【請求項44】 基地局のうちの1つの基地局の少なくとも1つの送信装置
    モジュールは、その基地局の送信装置モジュールに対応する受信信号(X(t)
    )の成分が対応する複数の拡散信号を備えるように、複数(Nm個の)の異なる
    拡散符号を用いて同一フレーム内での同時送信のために前記一連のシンボルのそ
    れぞれ1つを拡散して、複数の受信装置モジュール(20U)の少なくとも1つ
    (20v')が更に、ビームフォーマ手段(47Uv',1,1,…,47Uv',NI,Nm
    に生成される信号成分予測値の集合(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,Nm n)の全振
    幅を導出するための振幅予測手段(30Uv')を備え、前記ビームフォーマ手段
    (47Uv',1,1,…,47Uv',NI,Nm)は重み係数の異なる集合を用いて前記観
    測ベクトル( n)の各要素に重み付けして、前記一連のシンボルの前記それぞ
    れ1つに対応する前記複数の信号成分予測値(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,Nm n )を形成し、シンボル予測手段(29Uv',1,1,…,29Uv',NI,Nm)が複数の
    信号成分予測値(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,Nm n)から対応する複数のシンボ
    ル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,Nm n)を導出し、チャネル識別手段(2
    8Uv')は前記複数の異なる拡散符号のそれぞれ1つによって各々が拡散される
    拡散チャネルベクトル予測値(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,Nm 0,n)の対応す
    る複数の集合を導出して、その集合を前記ビームフォーマ手段(47Uv',1,1
    …,47Uv',NI,Nm)に供給して、ビームフォーマ手段(47Uv',1,1,…,4
    7Uv',NI,Nm)の係数調整手段は拡散チャネルベクトル予測値の集合を(^ v' ,1,1 0,n ,…,^ v',NI,Nm 0,n)用いて前記重み係数の異なる集合をそれぞれ導
    出することを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  45. 【請求項45】 前記複数(NB個)の受信装置モジュール(20v')は、
    前記ユーザ局のユーザあてのユーザ信号以外のユーザ信号についてシンボルを導
    出し、前記ユーザ局受信装置は前記ユーザ局受信装置の前記ユーザあての受信信
    号からシンボルを導出するための追加の受信装置モジュール(20d)を備え、
    前記複数の受信装置(20v',20d)の各々はシンボル周期の整数倍に等しい
    フレーム持続時間で動作し、長い拡散符号の対応する数のセグメントを用いて、
    各セグメントは前記フレームでの前記複数のシンボル周期に等しい同一の長い拡
    散符号の複数の(Nm,Fd)の異なるセグメントのそれぞれ1つに対応し、前記
    追加の受信装置モジュール(20d)において、前記ビームフォーマ手段(47
    v,d,1,…,47Tv,d,Fd)が、重み係数の異なる集合を用いて前記観測ベク
    トル( n)の各要素に重み付けして、複数(Fd個)の信号成分予測値(^sv, d,1 n ,…,^sv,d,Fd n)をそれぞれ生成し、シンボル予測手段(29Tv,d,1 n
    ,…,29Tv,d,Fd n)は複数の信号成分予測値(^sv,d,1 n,…,^sv,d,Fd n )から対応する複数のシンボル予測値(^bv,d,1 n,…,^bv,d,Fd n)を導出
    し、前記ビームフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv,d,Fd)の係数調整手
    段は制約行列生成手段(43T)から受信する前記制約行列を用いて重み係数を
    導出し、前記拡散チャネルベクトル予測値(^Yv,d,1 0,n,…,^Yv,d,Fd 0,n
    )は前記ユーザ局にサービスを提供する基地局(v)に対応する受信装置モジュ
    ール(20v)のチャネル識別手段(28Tv)に生成されることを特徴とする請
    求項44に記載のユーザ局受信装置。
  46. 【請求項46】 前記観測ベクトル導出手段は、観測行列を逆拡散して複数
    の後置相関観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI, n)を形成し、複数の後置相
    関観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,Nm n)を前記チャネルベクトル予測値
    (^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,Nm 0,n)を生成する際に用いられるようにチャ
    ネル識別手段(28Uv')に供給するための逆拡散手段(19v',1,1,…,19 v',NI,Nm )を備えることを特徴とする請求項44に記載のユーザ局受信装置。
  47. 【請求項47】 基地局のうちの1つの基地局の少なくとも1つの送信装置
    モジュールは、その基地局の送信装置モジュールに対応する受信信号(X(t)
    )の成分が対応する複数の拡散信号を備えるように、複数(Nm個の)の異なる
    拡散符号を用いて同一フレーム内での同時送信のために前記一連のシンボルのそ
    れぞれ1つを拡散して、複数の受信装置モジュールの少なくとも1つ(20U’
    )が更に、ビームフォーマ手段(47Uv',1,1,…,47Uv',NI,Nm)に生成さ
    れる信号成分予測値の集合(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,Nm n)の全振幅(^Ψ v',1 n ,…,^Ψv',NI n)を導出するための振幅予測手段(30Uv')を備え、
    前記ビームフォーマ手段(47Uv',1,1,…,47Uv',NI,Nm)は重み係数の異
    なる集合を用いて前記観測ベクトル( n)の各要素に重み付けして、前記一連
    のシンボルの前記それぞれ1つに対応する前記複数の信号成分予測値(^sv',1 ,1 n ,…,^sv',NI,Nm n)を形成し、シンボル予測手段(29Uv',1,1,…,2
    9Uv',NI,Nm)が複数の信号成分予測値(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,Nm n)か
    ら対応する複数のシンボル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,Nm n)を導出し
    、前記観測ベクトル導出手段は前記複数(Nm個)の異なる拡散符号の1つ以上
    を用いて観測行列(Yn)を逆拡散して、複数の観測ベクトル( v',Σ,1 n,…
    v',Σ,Nm n)を生成するための逆拡散手段(19v',Σ,1,…,19v',Σ,Nm )を備え、これらの符号の各々は前記多数の干渉ユーザ(NI)のその他すべて
    の符号を平均化することによって生成される複合符号であり、チャネル識別手段
    (28Uv')は前記複数の観測ベクトル( v',Σ、1n,…, v',Σ、Nm n)から
    、前記信号成分予測値(^sv',Σ,1 n,…,^sv',Σ,Nm n)と前記振幅(Ψv', 1 n ,…,Ψv',NI n)チャネルベクトル予測値(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,N m 0,n )の対応する複数の集合を導出して、その集合を前記ビームフォーマ手段(
    47Uv',1,1,…,47Uv',NI,Nm)に供給して、ビームフォーマ手段(47U v',1,1 ,…,47Uv',NI,Nm)の係数調整手段はチャネルベクトル予測値の集合
    (^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,Nm 0,n)を用いて前記重み係数の異なる集合を
    それぞれ導出することを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  48. 【請求項48】 前記受信装置モジュールの各々は、1つのユーザ/移動局
    に位置し、受信信号は前記受信装置と前記チャネルを介して通信する基地局の複
    数の送信装置モジュールによって送信される複数の拡散ユーザ信号を備えること
    を特徴とする請求項1に記載のユーザ局受信装置
  49. 【請求項49】 受信信号(X(t))から連続する観測行列(Yn)を導
    出するための前処理手段(18)と;各観測行列を再整形して観測ベクトル( n )を形成する手段(44)と;重み係数を用いて観測ベクトルの各要素に重み
    付けして、重み付けした要素を結合して、信号成分予測値(^sd n)を形成する
    ためのビームフォーマ手段(27Nd)であって、チャネルベクトル予測値(^
    d 0,n)に依存して前記重み係数を調整するための調整手段を備えるビームフォ
    ーマ手段(27Nd)と;信号成分予測値(^sd n)から、受信装置モジュール
    から出力するための対応するシンボル予測値(^bd n)を導出するための手段(
    29Nd)と;対応するユーザの拡散符号を用いて観測行列を逆拡散して、後置
    相関観測ベクトル( d n)を形成するための手段(19d)と;前記後置相関観
    測ベクトル( d n)と前記信号成分予測値(^sd n)に依存して前記チャネルベ
    クトル予測値(^ d 0,n)を導出するためのチャネル識別手段(28Nd)とを
    特徴とするCDMA通信システム用受信装置。
  50. 【請求項50】 少なくとも1つの基地局と、前記少なくとも1つの基地局
    にサービスを提供される複数(U’個)のユーザ局を含む多数の(U個の)ユー
    ザ局(101,…,10U)とを特徴とするCDMA通信システム用受信装置であ
    って、基地局は対応する移動ユーザ局に各々が専用の固有の空間−時間符号化信
    号を送信することができ、各ユーザ局は複数のチャネル(141,…,14U)の
    対応する1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と
    受信装置とを有し、基地局送信装置は: 複数の送信アンテナと; ユーザあて信号を与えるための手段と; ユーザあて信号をNG個のグループにグループ分けするための分配ユニット
    と; 各ユーザあて信号をL個の直交符号の固定集合に属する固有の専用符号で拡
    散して、各グループで拡散信号を合計するための時間チャネル化符号ユニットと
    ; 各グループの合計された拡散信号に、各々がグループの1つに固有で、PN
    符号生成器に生成される複数のパイロット信号のそれぞれ1つを加えるための手
    段と; 基地局に固有の同一の長いスクランブル符号を用いて、前記グループの各々
    からの合計された信号をスクランブルするための手段と; 各パイロット信号は基地局送信装置から送信される全パワーの固定分数を割
    り当てられ; 異なるグループに割り当てられる信号が送信では実質的に直交するように、
    グループ(G1(t),…,GNG(t))からの信号を線形空間符号化(M)に
    よってアンテナ分岐(A1(t),…,AMT(t))にマッピングするための手
    段とを備え、 少なくとも1つのユーザ局は、基地局が送信する対応の拡散ユーザ信号を受
    信し、前記複数(U’個)のユーザ局は各々、ユーザ局と基地局送信装置モジュ
    ールのうちの対応する基地局送信装置モジュールとがそのユーザの送信用ユーザ
    信号を拡散するのに用いるように、そのユーザ局に割り当てられる固有の拡散符
    号を有しており、 基地局送信装置モジュールから複数(U’個)のユーザ局の特定の1つのユ
    ーザ局に送信される拡散ユーザ信号は、それぞれ複数のチャネル(141,…,
    14U')を介して伝搬し、 前記複数(U’個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局の受信装置は、前記
    特定のユーザ局についての拡散ユーザ信号と、その他のユーザ用の前記複数(N
    B個)の基地局の他の送信装置モジュールが送信する拡散ユーザ信号とに対応す
    る成分を備える信号(X(t))を受信し、前記拡散ユーザ信号の各々はユーザ
    局のうちの対応する1つのユーザ局に関連する拡散符号を用いて拡散される一連
    のシンボルを備え、 前記ユーザ局受信装置は: 各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、基地局のうち対応
    する基地局からの前記一連のシンボルの集合の予測値を導出するための複数(N
    B個)の受信装置モジュール(20v')と、 受信信号(X(t))から、各々が前記フレームの1つの受信装置モジュー
    ル(20v')の各々が前記シンボルの集合の予測値を導出するのに用いるための
    一連の観測行列(Yn)を導出するための前処理手段(18)と、 各観測ベクトルから、観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n,…,
    v',1,1 n,…, v',NI,FNI n)の複数の集合を導出して、観測ベクトルの各集
    合を複数の受信装置モジュール(20v')のそれぞれ1つに与えるための複数の
    手段(19,44)とを備え; 各受信装置モジュールは: 観測ベクトル集合のそれぞれ1つから、基地局のうち対応する基地局と前
    記ユーザ局との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、拡散チャネルベクト
    ルの集合(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,n)を導出するためのチャネル
    識別手段(28Tv')と; チャネルベクトル予測値の集合にそれぞれ依存して重み係数の集合を生成
    するための係数調整手段と、重み係数集合の各々を用いて観測ベクトルのそれぞ
    れ1つの要素のそれぞれ1つに重み付けして、重み付けされた要素を結合して信
    号成分予測値の対応する集合(^ v',1,1 n,…,^ v',NI,FNI n)を生成する
    ための結合手段とを有するビームフォーマ手段(47Tv',1,1,…,47Tv',N I,FNI )と; 信号成分予測値の集合から、送信装置モジュールのうちの対応する送信装
    置モジュールに拡散され基地局によって送信されるシンボルの予測値の集合(^
    v',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n)を導出するためのシンボル予測手段(29Tv ',1,1 ,…,29Tv',NI,FNI)とを備え; 前記ユーザ局の受信装置はさらに、前記複数(NB個)の受信装置モジュ
    ール各々からの前記シンボル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n 1 n
    2 n 3 n)と、少なくともユーザ局受信装置と前記基地局との間のチャネル
    (14v')についてのチャネルベクトル予測値(^ v' n)を備えるチャネル予
    測値(Ηv' n)とに応じて、前記拡散信号に対応する受信信号の成分の干渉部分
    空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与えるためのと手段(42,
    43)を備え、前記受信装置モジュール(20v')では、係数調整手段が、前記
    受信装置モジュール(20v')を調整して前記干渉部分空間に対応する受信信号
    (X(t))の部分に対して実質的に空応答をするように、係数調整手段は制約
    行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値とに依存して重み係数の前記集合を生
    成することを特徴とするCDMA通信システム。
  51. 【請求項51】 前記送信装置はさらに、 マッピング手段からの信号を分岐別遅延だけ各々遅延させ、対応する信号パ
    ルスを生成して信号パルスを搬送周波数で変調して、アンテナ素子が送信するよ
    うに変調信号をアンテナ素子に供給するための遅延手段を備えることを特徴とす
    る請求項50に記載のCDMAシステム。
  52. 【請求項52】 前記送信装置において、グループ化手段はユーザ局あてデ
    ータ信号を所定数NGのグループにグループ分けするように配置され、ユーザ数
    が処理利得以下のとき、すべてのユーザ信号を同一グループに割り当て;ユーザ
    数が処理利得以下でないとき、各グループ内のユーザ数の釣り合いがとれる傾向
    になるようにユーザ信号を擬似ランダムに割り当てることを特徴とする請求項5
    0に記載のCDMAシステム。
  53. 【請求項53】 前記送信装置はさらに空間−時間符号化手段を各グループ
    につき備え、空間−時間符号化手段は: ユーザ信号をグループ別直交符号集合で拡散するためのチャネル符号化ユニ
    ットと; ユーザ信号の各グループを同一の基地局用スクランブル符号で拡散するため
    のスクランブルユニットと; 全グループ信号(G1(t),…,GNG(t))を線形変換(M)によりア
    ンテナ分岐信号(A1(t),…,ANG(t))上にマッピングするための空間
    符号化ユニットとを備えることを特徴とする請求項50に記載のCDMAシステ
    ム。
  54. 【請求項54】 送信装置において、チャネル符号化ユニットは、gの添え
    字が与えられるグループ内の各ユーザに、Lg≦Lの直交グループ別Lチップ符
    号(ai,1(t),…,ai,Lg(t))の固定集合から選ばれるチップ符号を割
    り当て、複数グループにわたる符号集合は最大相互相関を最小にするよう選ばれ
    、任意のグループ外チャネル化符号との相互相関を最小にしながら、任意のグル
    ープに属する任意の符号はグループ内のほかのどの符号とも直交することを特徴
    とする請求項53に記載のCDMAシステム。
  55. 【請求項55】 少なくとも1つの基地局と、前記少なくとも1つの基地局
    にサービスを提供される複数(U’個)のユーザ局を含む多数の(U個の)ユー
    ザ局(101,…,10U)とを特徴とするCDMA通信システム用受信装置であ
    って、各ユーザ局は複数のチャネル(141,…,14U)の対応する1つを介し
    て前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と受信装置とを有し、
    少なくとも1つのユーザ局はその同じユーザから各々が異なるデータを搬送する
    複数の固有の空間−時間符号化信号を備えるユーザ信号を送信することができ、 送信装置を有する前記少なくとも1つのユーザ局は: 複数の送信アンテナと; 前記ユーザ信号を与えるための手段と; 空間−時間符号化信号をNG個のグループにグループ分けするための分配ユ
    ニットと; ユーザ信号の異なるデータストリームの各々を、L個の直交符号の固定集合
    に属する固有の専用符号で拡散して、各グループで拡散信号を合計するための時
    間チャネル化符号ユニットと; 各グループの合計された拡散信号に、各々がグループの1つに固有で、PN
    符号生成器に生成される複数のパイロット信号のそれぞれ1つを加えるための手
    段と; 各パイロット信号は基地局送信装置から送信される全パワーの固定分数を割
    り当てられ; ユーザ局に固有の同一の長いスクランブル符号を用いて、グループからの合
    計された信号をスクランブルするための手段と; 異なるグループに割り当てられる信号が送信では実質的に直交するように、
    グループ(G1(t),…,GNG(t))からの信号を線形空間符号化(M)に
    よってアンテナ分岐(A1(t),…,AMT(t))にマッピングするための手
    段とを備え、 基地局は、複数のユーザ局の送信装置によって送信され、各々が対応のユー
    ザ局に固有の拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備える拡散信号に対
    応する成分を備える信号(X(t))を受信するための受信装置を有し、 前記基地局の受信装置は: 各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、ユーザ局のうち対
    応するユーザ局の前記一連のシンボルの予測値を導出するための複数(U’個)
    の受信装置モジュール(201,…,20NI,20d)と; 受信信号(X(t))から、各々が前記フレームの1つの受信装置モジュー
    ル(20)の各々が前記一連のシンボルのそれぞれ1つのシンボルの予測値を導
    出するのに用いるための一連の観測行列(Yn)を導出するための前処理手段(
    18)と; 各観測ベクトルから、複数の観測ベクトル( n n-1 1 n NI n d n )を導出して、観測ベクトルの各々を複数の受信装置モジュール(201,…,
    20NI、20d)のそれぞれ1つに与えるための手段(19,44;44/1,
    44/2)とを備え、 各受信装置モジュールは: 観測ベクトルの1つから、基地局の受信装置と対応するユーザ局の送信装
    置との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、チャネルベクトル予測値(^ 1 n ,…,^ NI n;^ d 0,n;^ i 0,n-1)を導出するためのチャネル識別手
    段(28)と; チャネルベクトル予測値に依存して重み係数の集合を生成するための係数
    調整手段(50)と、重み係数を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素のそ
    れぞれ1つに重み付けして、重み付けされた要素を結合して信号成分予測値の対
    応する集合(^ 1 n,…,^ U n)を生成するための結合手段(51,52)と
    を有するビームフォーマ手段(271,…,27NI,27d;47d)と; 信号成分予測値から、ユーザ局(101,…,10U)の対応する1つのユ
    ーザ局によって送信されるシンボル(^b1 n,…,^bU n)を導出するためのシ
    ンボル予測(^b1 n,…,^bU n)手段(291,…,29U,301,…,30U )とを備え; 前記受信装置はさらに、シンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n;g1,g2
    ,g3;gl+1,n)と、前記複数のユーザ局(101,…,10NI)の第1のグル
    ープ(I)のチャネル(141,…,14NI)についてのチャネルベクトル予測
    値(^ 1 n,…,^ NI n)を少なくとも備えるチャネル予測値(Η1 n,…,ΗN I n ;Ηi n-1)とに応じて、前記所定のグループに対応する受信信号の成分の干渉
    部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与えるためのと手段(4
    2,43)を備え、前記複数の受信装置モジュールの第2のグループ(D)の1
    つ以上の受信装置モジュール(20Ad)の各々では、係数調整手段(50Ad
    が、前記1つ以上の受信装置モジュール(20Ad)の各々を調整して前記干渉
    部分空間に対応する受信信号の部分に対して実質的に空応答をするように、係数
    調整手段(50Ad)は制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(^ d n
    とに依存して重み係数の前記集合を生成することを特徴とするCDMA通信シス
    テム。
  56. 【請求項56】 前記送信装置はさらに、 マッピング手段からの信号を分岐別遅延だけ各々遅延させ、対応する信号パ
    ルスを生成して信号パルスを搬送周波数で変調して、アンテナ素子が送信するよ
    うに変調信号をアンテナ素子に供給するための遅延手段を備えることを特徴とす
    る請求項55に記載のCDMAシステム。
  57. 【請求項57】 前記送信装置において、グループ化手段はユーザ局あてデ
    ータ信号を所定数NGのグループにグループ分けするように配置され、ユーザ数
    が処理利得以下のとき、すべてのユーザ信号を同一グループに割り当て;ユーザ
    数が処理利得以下でないとき、各グループ内のユーザ数の釣り合いがとれる傾向
    になるようにユーザ信号を擬似ランダムに割り当てることを特徴とする請求項5
    5に記載のCDMAシステム。
  58. 【請求項58】 前記送信装置はさらに空間−時間符号化手段を各グループ
    につき備え、空間−時間符号化手段は: ユーザ信号をグループ別直交符号集合で拡散するためのチャネル符号化ユニ
    ットと; ユーザ信号の各グループを同一の基地局用スクランブル符号で拡散するため
    のスクランブルユニットと; 全グループ信号(G1(t),…,GNG(t))を線形変換(M)によりア
    ンテナ分岐信号(A1(t),…,ANG(t))上にマッピングするための空間
    符号化ユニットとを備えることを特徴とする請求項55に記載のCDMAシステ
    ム。
  59. 【請求項59】 前記送信装置において、チャネル符号化ユニットは、gの
    添え字が与えられるグループ内の各ユーザに、Lg≦Lの直交グループ別Lチッ
    プ符号(ai,1(t),…,ai,Lg(t))の固定集合から選ばれるチップ符号
    を割り当て、複数グループにわたる符号集合は最大相互相関を最小にするよう選
    ばれ、任意のグループ外チャネル化符号との相互相関を最小にしながら、任意の
    グループに属する任意の符号はグループ内の他のどの符号とも直交することを特
    徴とする請求項58に記載のCDMAシステム。
  60. 【請求項60】 データシンボルと多重化したパイロットシンボルを備える
    パイロットシンボル支援型ユーザ信号を送信する送信装置とともに用いられる請
    求項1に記載の受信装置であって、前記受信装置は:ISRビームフォーマから
    の信号成分予測値を逆多重化してパイロット信号成分予測値とデータ信号成分予
    測値とを抽出して、データ信号予測値を決定ルールユニット(29Vd)に供給
    し、パイロット信号予測値を、各パイロット信号成分予測値(^sπ,d n)をス
    ムージングまたは平均化して曖昧性予測値(^ad n)を与える曖昧性予測手段(
    31Vd)に供給するための逆多重化手段(35Vd)と;曖昧性予測値(^ad n )から、その共役((^ad n*)を導出するための共役手段(32Vd)と;共
    役を決定ルールユニット(29Vd)からのシンボル予測値(^bd n)で乗算し
    て、改善されたシンボル予測値(^ d n)を形成するための乗算器手段(15V d )とを更に特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  61. 【請求項61】 第1のISRビームフォーマ(47V/1d)と並列に接
    続され、第1のISRビームフォーマと同一のチャネル係数と制約行列に応じて
    、観測ベクトル( n)からパイロット信号成分予測値を導出する第2のISR
    ビームフォーマ(47V/2d)と;パイロット信号成分予測値(^sπ,d n)を
    スムージングまたは平均化して、曖昧性予測値(^ad n)を与えるための曖昧性
    予測手段(31Vd)と;曖昧性予測値(^ad n)からその共役((^ad n*
    を導出するための共役手段(32Vd)と;共役を決定ルールユニット(29Vd )からのシンボル予測値(^bd n)で乗算して、改善されたシンボル予測値(^ d n )を形成するための乗算器手段(15Vd)とを更に特徴とする請求項1に
    記載の受信装置。
  62. 【請求項62】 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングす
    るためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化
    するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前
    記対応の曖昧性予測値(^ad n)を導出するための別の決定ルールユニット(2
    9V/2d)とを備えることを特徴とする請求項60に記載の受信装置。
  63. 【請求項63】 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングす
    るためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化
    するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前
    記対応の曖昧性予測値(^ad n)を導出するための別の決定ルールユニット(2
    9V/2d)とを備えることを特徴とする請求項61に記載の受信装置。
  64. 【請求項64】 データシンボルと多重化したパイロットシンボルを備える
    パイロットシンボル支援型ユーザ信号を送信する送信装置とともに用いられる請
    求項1に記載の受信装置であって、前記受信装置は:ISRビームフォーマから
    の信号成分予測値を逆多重化してパイロット信号成分予測値とデータ信号成分予
    測値とを抽出して、データ信号予測値を決定ルールユニット(29Vd)に供給
    し、パイロット信号予測値を、各パイロット信号成分予測値(^sπ,d n)をス
    ムージングまたは平均化して曖昧性予測値(^ad n)を与える曖昧性予測手段(
    31Vd)に供給するための逆多重化手段(35Vd)と;曖昧性予測値(^ad n )から、その共役((^ad n*)を導出するための共役手段(32Vd)と;共
    役を決定ルールユニット(29Vd)からのシンボル予測値(^bd n)で乗算し
    て、改善されたシンボル予測値(^ d n)を形成するための乗算器手段(15V d )とを更に特徴とする請求項39に記載の受信装置。
  65. 【請求項65】 第1のISRビームフォーマ(47V/1d)と並列に接
    続され、第1のISRビームフォーマと同一のチャネル係数と制約行列に応じて
    、観測ベクトル( n)からパイロット信号成分予測値を導出する第2のISR
    ビームフォーマ(47V/2d)と;パイロット信号成分予測値(^sπ,d n)を
    スムージングまたは平均化して、曖昧性予測値(^ad n)を与えるための曖昧性
    予測手段(31Vd)と;曖昧性予測値(^ad n)からその共役((^ad n*
    を導出するための共役手段(32Vd)と;共役を決定ルールユニット(29Vd )からのシンボル予測値(^bd n)で乗算して、改善されたシンボル予測値(^ d n )を形成するための乗算器手段(15Vd)とを更に特徴とする請求項39
    に記載の受信装置。
  66. 【請求項66】 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングす
    るためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化
    するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前
    記対応の曖昧性予測値(^ad n)を導出するための別の決定ルールユニット(2
    9V/2d)とを備えることを特徴とする請求項64に記載の受信装置。
  67. 【請求項67】 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングす
    るためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化
    するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前
    記対応の曖昧性予測値(^ad n)を導出するための別の決定ルールユニット(2
    9V/2d)とを備えることを特徴とする請求項65に記載の受信装置。
  68. 【請求項68】 信号成分予測値(^si n-1(1))の第1のフレームをバ
    ッファリングして、信号成分予測値のフレームを逆インタリーブ、チャネル復号
    化、再符号化、再インタリーブして改善された決定済シンボル予測値(^bi n
    のフレームを与え、決定済シンボル予測値(^bi n)のフレームを制約集合生成
    器(42W)に供給するためのバッファリング手段(90i)と、逆インタリー
    ブ手段(91i)と、チャネル復号化手段(92i)と、再符号化手段(93i
    と、再インタリーブ手段(94i)とを更に備え、制約行列生成器(43W)は
    決定済シンボル予測値(^bi n)のフレームから、改善された制約行列を生成し
    て、ISRビームフォーマ(47Wi)は前記改善された制約行列を用いて次の
    反復で用いられる改善された信号成分予測値(^si n-1(2))を与え、受信装
    置は反復を所定の回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項19に記載の受信装
    置。
  69. 【請求項69】 信号成分予測値(^si n-1(1))の第1のフレームをバ
    ッファリングして、信号成分予測値のフレームを逆インタリーブ、チャネル復号
    化、再符号化、再インタリーブして改善された決定済シンボル予測値(^bi n
    のフレームを与え、決定済シンボル予測値(^bi n)のフレームを制約集合生成
    器(42W)に供給するためのバッファリング手段(90i)と、逆インタリー
    ブ手段(91i)と、チャネル復号化手段(92i)と、再符号化手段(93i
    と、再インタリーブ手段(94i)とを更に備え、制約行列生成器(43W)は
    決定済シンボル予測値(^bi n)のフレームから、改善された制約行列を生成し
    て、ISRビームフォーマ(47Wi)は前記改善された制約行列を用いて次の
    反復で用いられる改善された信号成分予測値(^si n-1(2))を与え、受信装
    置は反復を所定の回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項39に記載の受信装
    置。
  70. 【請求項70】 前記係数調整手段(50Ad)は、前記1つ以上の受信装
    置モジュール(20Ad)の各々を調整して大きさが空白に近いが等しくはない
    応答を行わせるように、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(^ d n
    )の両方に依存して、前記重み係数の集合を生成することを特徴とする請求項1
    に記載の受信装置。
  71. 【請求項71】 前記係数調整手段(50Ad)は、前記1つ以上の受信装
    置モジュール(20Ad)の各々を調整して大きさが空白に近いが等しくはない
    応答を行わせるように、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(^ d n
    )の両方に依存して、前記重み係数の集合を生成することを特徴とする請求項3
    9に記載の受信装置。
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