JP2003518241A - キャビティ内レーザの時間的特性測定による汚染種の同定及び濃度決定 - Google Patents

キャビティ内レーザの時間的特性測定による汚染種の同定及び濃度決定

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エス ピルグリム,ジェフリー
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Abstract

(57)【要約】 ガス試料中の較正された範囲内の特定の濃度のガス種の存在を検出するための方法及び装置(10)が開示される。発明のILSガス検出システム(10)は、単にILSレーザ(12)及び光検出器(16)を含む。しかし、ILSレーザ(12)のスペクトル帯域幅は測定されているキャビティ内ガス種による吸収帯すなわち吸収波長領域の1つの中に完全に含まれることが好ましい。すなわち、較正された範囲内で、ガス種の存在がILSレーザ(12)の時間的特性を変化させる。したがって、発明のILS法を用いれば、吸収を行っているガス種の濃度を定量的に決定するために必要なことは、ILSレーザ(12)出力の時間的特性の測定のみである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の説明 本出願は、いずれも1998年10月2日に出願された、米国特許出願第09
/165,884号及び第09/166,003号に関連する。前者の出願は、いか
なる波長選択素子も用いず、よってガス種濃度を決定するために全レーザ出力強
度が用いられる、ILSレーザの使用に向けられる。後者の出願は、センサのス
ペクトル出力の変化を測定するための波長選択素子をもつILSレーザを用いる
、ガス試料中の特定の濃度のガス種の存在を検出するための方法に関する。本出
願は、ガス種の存在の下で変化したILSレーザの時間的特性の、そのガス種の
濃度を決定するための検出に向けられる。
【0002】技術分野 本発明は概ねガス中の汚染種の検出に関し、さらに詳しくは、キャビティ内レ
ーザ分光法と一般に称されるレーザ手法によりガス分子、原子、ラジカル、及び
/またはイオンの高感度検出に関する。
【0003】発明の背景 レーザは、その最も簡単な形態において、2枚のミラーの間に配置された増幅
媒体を含むものとして図式的に示すことができる。レーザキャビティ内の光はミ
ラーの間で繰返し反射され、その都度、光利得を生みだす増幅媒体を通過する。
第1のミラーの鏡面コーティングは全反射性とすることができ、一方第2のミラ
ーの鏡面コーティングは半透過性とすることができ、よっていくらかの光がレー
ザキャビティから漏れ出ることができる。ミラーの反射面間の空間領域は、レー
ザ共振器すなわちキャビティを定め、本発明に関しては、いわゆる“キャビティ
内領域”と関係する。
【0004】 レーザ出力強度は増幅媒体が動作する波長領域及び共振器素子の反射率の両者
の関数である。通常、この出力はバンド幅が広く、また尖鋭で判然とした分光的
特徴をもたない。レーザ分光法によるガス種、例えば原子、分子、ラジカルまた
はイオンの同定には、そのようなガス種が吸収する波長領域にレーザ出力がある
ことが必要である。ガス種の検出への従来のレーザ応用においては、レーザ外部
にあるガス試料を励起して、イオン化または蛍光のような2次信号をつくるため
に、レーザ光が用いられる。あるいは、従来の吸収分光法においては、レーザ光
にレーザの外部におかれたガス試料を通過させ、波長にともなって変化する減衰
を測定する。
【0005】 約20年前、別の検出方法論であるキャビティ内レーザ分光法(ILS)が初め
て探究された; 例えば、G.アトキンソン(G. Atkinson)等,「キャビティ内ダイ
レーザ技法による自由ラジカルの検出」, ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジ ックス(Journal of Chemical Physics) 誌, 第59巻(1973年7月1日),3
50〜354ページを参照されたい。ILSでは、レーザ自体が検出器として用
いられる。バンド幅が均等に拡張された多モードレーザの光キャビティに、分析
されるべきガス試料が挿入される。上掲のアトキンソン等は、基底状態及び励起
状態にあるガス分子、原子、ラジカル、及び/またはイオンを光キャビティの内
部に入れることにより、レーザ出力を変化させ得ることを示した。詳しくは、キ
ャビティ内のガス種の吸収スペクトルがレーザの出力スペクトルに現れる。
【0006】 レーザ出力における弁別的な特性吸収は、吸収を行っているガス種によりもた
らされるキャビティ内損失により生じる(本明細書に用いられるように、“特性
吸収”とは、光強度対波長のグラフにおいて光強度が単独の光強度極小値に到達
する一連の波長系列に該当する)。 多モードレーザにおいて、キャビティ内吸収
損失は基準モードダイナミクスによるレーザ利得と競合する。この結果、キャビ
ティ内特性吸収が競合するレーザの利得より実効的に強い波長で、レーザ出力強
度の減衰を観測することができる。特性吸収が強くなるほど、上記の波長におけ
るレーザ出力強度は大きく減少する。
【0007】 ILSでは、吸収を行うガス種をレーザ共振器内に挿入することにより、従来
の分光法より高められた検出感度が得られる。ILS技法の高められた検出感度
は、(1)レーザ増幅媒体で生みだされる利得と(2)吸収体損失との間の非線形的
競合により得られる。この結果、ILSは弱い吸収及び/または極めて低い吸収
体濃度のいずれの検出にも利用することができる。
【0008】 光キャビティ内のそれぞれのガス種は、それぞれの吸収スペクトルすなわち識
別特性により一意的に同定することができる。さらに、分光識別特性における特
定の1つまたは複数の特性吸収の強度は、センサを適切に較正しさえすれば、ガ
ス種の濃度の決定に用いることができる (本明細書に用いられるように、“分光
識別特性”とは、ガス種を一意的に同定する、吸収強度すなわち吸光度に対して
プロットされた波長に該当する)。
【0009】 ガス種の分光識別特性はILSレーザ出力を波長に関して分散することにより
得ることができる。ILSレーザ出力を分散し、よってガス種の分光識別特性を
得るためには、2種類の検出手法が一般に用いられる。ILSレーザ出力を波長
が固定された分散分光計に通し、この分光計により分解された特定のスペクトル
領域をマルチチャネル検出器を用いて記録することができる; 名称を「キャビテ
ィ内レーザ分光法(ILS)による超高感度ガス検出のためのダイオードレーザで
ポンピングされるレーザシステム」とする、 1998年5月5日に発行された、
G.H.アトキンソン等への米国特許第5,747,807号を参照されたい。ある
いは、単チャネル検出器で記録される様々なスペクトル領域を選択的に分解する
ために、 波長をスキャンできる分光計を用いることができる(上記特許を参照さ
れたい)。
【0010】 従来技術のILS検出システムは、検出されるべきキャビティ内ガス種の吸収
スペクトルにおける特性吸収の帯域幅よりもかなり広いスペクトル帯域幅を有す
るILSレーザを用いる; 名称を「汚染種の高感度検出のためのキャビティ内レ
ーザ分光器」とする、 1997年11月18日に発行された、G.H.アトキンソ
ン等への米国特許第5,689,334号を参照されたい。詳しくは、そのような
レーザシステムは測定されているガス種の特性吸収の帯域幅より少なくとも3倍
は広い動作波長帯域幅を有している。
【0011】 しかし従来のILS実施方法は、実験室での実際の使用には成功しているが、
多くの市場向け用途には大きすぎ、また複雑すぎる。特に、分光計がレーザのス
ペクトル出力を分散するための要件が、コンピュータが特性吸収を分析するため
の要件とともに、検出システムをさらに大きく、また複雑にする。対照的に、市
場の現実的制約により、ガス検出器は使いやすい大きさにつくられ、比較的安価
で、信頼性が高くなければならない。
【0012】 時間的特性に基づいて汚染種濃度を測定するために用いられる手法の1つは、
“キャビティリングダウン”(cavity ringdown)と呼ばれる。この技法により
、光吸収測定をパルス光源を用いておこなうことが可能になり、安定化連続光源
を用いて得られる感度よりも高い感度を与えられる。この技法は閉じた光キャビ
ティ内に閉じ込められた光パルスの吸収の大きさではなく吸収速度の測定に基づ
く。キャビティリングダウンの例は、例えばA.オキーフェ(A. O’Keefe)等,「
パルスレーザ源を用いる吸収測定のためのキャビティリングダウン光学分光計」
レビューズ・オブ・サイエンティフィック・インスツルメンツ(Reviews of Sci entific Instruments) 誌,第59巻,第12号(1988年12月),2544〜
2551ページ; J.J.シェーラー(J. J. Scherer)等, 「キャビティリングダ
ウンレーザ吸収分光法:歴史,発展及びパルス分子ビームへの応用」, ケミカル ・レビューズ(Chemical Reviews) 誌,第97巻,第1号(1997年2月5日),
25〜52ページ;1996年6月18日にK.K.レーマン(K. K. Lehman)に発
行された、米国特許第5,528,040号; 及び1998年9月29日にR.N
.ゼア(R. N. Zare)等に発行された、米国特許第5,815,277号に述べられ
ている。
【0013】 キャビティリングダウンレーザ吸収分光法はよく知られており、ガス相におけ
る微量汚染種の検出への利用に成功している手法である。しかしその手法はいく
つかの観点で本発明の方法とは異なる。(1)キャビティリングダウンは受動光共
振器で実施される。すなわち増幅媒体のような能動光素子がない。対照的に、本
発明は能動光共振器内部、詳しくはレーザ共振器内部での時間的現象の測定及び
特性決定に関する。(2)キャビティリングダウン共振器を出てくるフォトンパル
スは、受動共振器に注入されるレーザパルスの往復時間による周期間隔をもつ。
対照的に、本発明の時間的現象はフォトンパルスを含むことも、全く含まないで
いることもできる。フォトンパルスがつくられて測定される場合は、偶然一致す
る場合を除いてフォトンパルスがキャビティ往復時間による間隔をもつことはな
い。(3)キャビティリングダウン共振器を出てくるフォトンパルスは、ゼロ出力
強度に向かって減衰する。対照的に、本発明においてフォトンパルスがつくられ
る場合、フォトンパルスはレーザの連続波(cw)出力パワーにより与えられる定
常状態の非ゼロ出力強度に減衰する。(4)キャビティリングダウンにおいては、
フォトンパルスの周期が光速度及びキャビティ長により定まる往復時間で決定さ
れるから、受動共振器を出てくるフォトンパルスの周期が吸収体の存在によって
変わることはない。対照的に、本発明においては、吸収体の存在により能動共振
器を出てくるフォトンパルスの周期が変わり得るし、一般に変わる。
【0014】 すなわち、例えば分光計及びコンピュータの必要を排除することにより、(1)
ILS測定の複雑性を大きく低減し、(2)ILS装置の大きさを相当に縮小する
方法論が必要とされている。
【0015】発明の概要 本発明にしたがえば、較正された範囲内のガス試料中の特定の濃度のガス種の
存在を、ILSレーザを用いて検出するための方法が開示される。本方法は: (a)ガス種が行う光吸収において測定可能な時間的特性をILSレーザが少な
くとも1つ有し、ガス種により誘起される吸収が較正された範囲内でのレーザの
前記時間的特性の測定可能な変化を生じさせるのに十分な大きさであることを確
認するステップ; (b)ILSレーザを提供するステップ;ここで、ILSレーザは: (i) レーザキャビティ;及び (ii)増幅媒体; を含み、測定可能な時間的特性を少なくとも1つ有する; (c)増幅媒体からの出力ビームが、レーザキャビティを出る前にレーザキャビ
ティ内に入れられているガス試料を通る方向に向けられるように、増幅媒体を配
置するステップ;及び (d)少なくとも1つの時間的特性を検出するのに十分な時間的帯域幅を有する
検出器を、レーザの前記時間的特性の変化を検出するように、配置するステップ
; を含む。
【0016】 さらに、ガス試料中の較正された範囲内の特定の濃度のガス種の存在を検出す
るためのガス検出システムが与えられる。ここでガス種は少なくとも1つの単一
連続波長帯域内の光を吸収し、よってILSレーザ出力の時間的特性をある特定
の量だけ変化させる。本ガス検出システムは: (a)ILSレーザ;ここで、ILSレーザは: (i)レーザキャビティ;及び (ii)増幅媒体; を含み、ガス種が吸収を行っている波長領域において動作しているときに測定可
能な時間的特性を少なくとも1つ有し、ガス種により誘起される吸収は較正され
た範囲内でのレーザの1つまたは複数の時間的特性の測定可能な変化を生じさせ
るのに十分な大きさである; (b)レーザキャビティにガス試料を入れるための容器;ここで、本容器により
、増幅媒体から出てくる出力ビームがレーザキャビティを出る前にレーザキャビ
ティ内に入れられているガス試料を通過することが可能になる;及び (c)1つまたは複数の時間的特性を測定するのに十分な時間的帯域幅を有する
検出器; を含む。
【0017】 本発明にしたがい、発明者等は、従来技術で開示されたどのILSレーザシス
テムよりも小さく、単純で、構築費用がかからない、市場性をもつ汚染種センサ
システムを案出した。
【0018】 本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面の考
察により明らかになるであろう。図面を通して同じ参照符号は同じ要素を表す。
【0019】好ましい実施形態の説明 ここでの説明に参照される図面は、特に注記した場合を除き、正確な尺度では
描かれていないことは当然である。
【0020】 発明者等が現在考えている本発明を実施するための最良の態様を示す、本発明
の特定の実施形態をここで詳細に参照する。別の実施形態も実施が可能な程度に
簡単に説明する。
【0021】 本発明はILSセンサを用いるガス種の超高感度検出に向けられる。“ガス種
”という用語は、本明細書に用いられるように、シリコン膜の製造に用いられる
ようなガス材料中に存在し得る、分子、原子、ラジカル及び/またはイオンを指
す。したがって、本発明のILSガス検出システムはガス材料(例えば窒素)中の
汚染物(例えば水)の存在を検出するために用いることができる。あるいは、ガス
配管(例えば窒素ガス配管)内のガス材料汚染種(すなわち水)が十分にパージされ
たか否かを確認するためにILS検出を用いることができる。
【0022】 図1a及び1bは従来技術のILS検出実施方法を簡略に示す。詳しくは、図
1aに、ILSレーザ12,集成分光計装置14,光検出器16及び光検出器か
らの電気的出力を解析するためのコンピュータ18を含むILSガス検出システ
ム10の断面が示される。
【0023】 図1aに示されるILSレーザ12には、ミラー26及び28の間の全光路長
により定められる光共振器24内に配置された、増幅媒体20及びガス試料セル
22が含まれる。ILSレーザ12にはさらに、増幅媒体20に放射光を送り、
よってILSレーザ12を駆動する、 光ポンピング源のようなポンピング源(図
示せず)が必要であることは当然である。
【0024】 図1aは、増幅媒体20内で発生したレーザ光がガス試料セル22に向けられ
て、セル内のガス試料を通過することを示す。上述したように、ILSレーザが
動作する波長範囲内に特性吸収があれば、光共振器すなわちレーザキャビティ2
4内、詳しくは、ガス試料セル22内のガス種が吸収損失をもたらし得る。した
がって、ILSレーザ12の出力ビーム32を解析して、レーザキャビティ24
内の吸収を行っているガス種の存在を、ILSレーザを出てくる出力ビームがそ
のガス種の分光識別特性の特性吸収と同じ特性吸収を含むか否かを決定すること
により、確定することができる。分光識別特性は強度及び波長に関する情報を含
むことに注意されたい。
【0025】 本明細書で用いられているように、特性吸収は吸収線、すなわち光強度対波長
のグラフに見ることができる、 光強度における単一の極小(すなわち吸収が極大
に達する)点を含み、これを囲む連続波長領域に対応する。 吸収線のそれぞれは
有限の帯域幅及び吸収が極大に達する(すなわち出力強度が極小に達する)点を有
する。本発明に関しては、特性吸収を構成する波長の全てがガス種が吸収を行っ
ている波長であるから、特性吸収が重要である。
【0026】 さらに、本明細書で用いられているように、“吸収帯”という用語は、吸収が
それぞれの波長でおこっている、吸収スペクトルにおける単一の連続波長領域と
して定義される。したがって、吸収が見られない領域Bで隔てられた2本の吸収
線A及びAを吸収スペクトルが含んでいれば、2本の吸収線A及びA
別々の吸収帯に対応する。しかし2本の吸収線A及びAが極小吸収(すなわ
ち極大強度)で隔てられているだけであれば、2本の吸収線A及びAは単一
の吸収帯に対応する。例えば、第1の濃度では分離されて明瞭な吸収線が、第2
の、より高い濃度では会合して合体し、単一の吸収帯を形成することがある。温
度、生成時間及びポンピングパワーも当然、出力スペクトル及び測定される吸収
スペクトルに影響するであろう。したがって測定される吸収スペクトルにおける
吸収帯の数も、温度、生成時間及びポンピングパワーにより変化するであろう。
【0027】 検出される吸収帯の数は吸収を行っているキャビティ内ガス種の濃度にも依存
する。
【0028】 ILSレーザ12の出力スペクトルを解析するため、ILSレーザからのIL
S出力ビーム32は、出力ビームを波長に関して分散する、集成分光計装置14
に送られる。図1aでは、ILSレーザ12を出てくる出力ビーム32を波長に
関して分散するために、回折格子38及び40が用いられる。回折格子38及び
40に入射する前にレンズ34及び36が出力ビーム32を拡げる。レンズ42
が、集成分光計装置14の出力を光検出器16上に集束する。
【0029】 従来技術の方法の1つでは、(1)集成分光計装置14が波長に関してスキャン
させることができる分散光学素子を含み、(2)光検出器16が単チャネル検出器
を含む。図1aには、このスキャンを行う分散光学素子が回折格子38として描
かれている。
【0030】 レーザキャビティ24内のガス種の分光識別特性は、集成分光計装置14を通
して送られる光が(単チャネル)光検出器16の前面におかれた適切なアパーチャ
46を通過している間に分散光学素子(回折格子38)をスキャンさせることによ
り得られる(アパーチャ46は単なるスリットであってよい)。回折格子38でス
キャンされながら集成分光計装置14を通して送られた光の強度が光検出器16
で測定される。 光検出器16はこの強度を表す電気信号を出力する(例えば、電
気信号をILSレーザ強度に比例させることができる)。 さらに、分光計はそれ
ぞれの波長を表す電気信号をコンピュータ18に送る。このようにして、コンピ
ュータ18は光検出器16で決定された強度を集成分光計装置14で決定された
波長と相関させる。すなわち、集成分光計装置14及び光検出器16はコンピュ
ータ18とともに動作して、ILSレーザ12から出てくる出力ビーム32のス
ペクトル分布の測定を可能にする。
【0031】 図1bは従来技術のILS検出法から得られたその種のデータを簡略に示す。
曲線48は、波長をスキャンし、集成分光計装置14を通して送られた光の強度
を測定することにより得られた、ILSレーザの典型的な波長分散出力スペクト
ル(すなわち吸収スペクトル)を表す。特性吸収が位置する波長において、ILS
レーザ12の強度が減衰している。矢印49が5つのそのような特性吸収を示し
ている(曲線50は吸収を行っているガス種が全く存在しないILSレーザ12
のスペクトル分布を示す)。
【0032】 コンピュータ18は曲線48で示される吸収スペクトルを用いてガス種を同定
することができる。詳しくは、ILSレーザ12の出力スペクトル内に数多くの
特性吸収を含む吸収スペクトルが測定されて、測定されるべきガス種の既知の分
光識別特性と比較される。検出されるべきガス種を一意的に同定するために、ガ
ス種の特定の特性吸収の位置及び相対強度を用いることができる。レーザキャビ
ティ24内のキャビティ内ガス種の濃度または量は、吸収の大きさがあらかじめ
既知の濃度で較正されていれば、吸収スペクトルに見られる1つまたは複数の特
性吸収の大きさから決定することができる。
【0033】 従来技術の別の方法では、(1)ILSレーザ12から出てくる出力ビーム32
に固定分散光学素子を有する(すなわち回折格子38及び40でスキャンを行わ
ない)分光計を通過させ、 (2)光検出器16がマルチチャネル検出器アレイを含
む。ILSレーザ12が動作するスペクトル領域は集成分光計装置14により定
められて、(マルチチャネルアレイ)光検出器16の面上に空間的に分配される。
光検出器16の前面におかれたアパーチャ46は(もしあれば)検出器アレイの複
数の検出器を照射できるように十分大きく、よって検出器アレイの多数の検出器
が多数の波長を同時に観測する。
【0034】 したがって、集成分光計装置14により分解される特定のスペクトル領域は、
(マルチチャネルアレイ)光検出器16で同時に測定される。コンピュータ18は
(マルチチャネルアレイ)光検出器16を操作して、光検出器の多数の検出器から
測定された強度を読み込む。さらに、集成分析計装置14は集成分析計装置14
により分解された波長を表す電気信号をコンピュータ18に送る。コンピュータ
18は(マルチチャネルアレイ)光検出器16及び集成分光計装置14からの電気
信号をそれぞれ強度及び波長に変換するようにプログラムされる。このようにし
て、コンピュータ18は光検出器16で決定された強度を集成分光計装置14で
決定された波長と相関させる。
【0035】 すなわち、集成分光計装置14及び(マルチチャネルアレイ)光検出器16はコ
ンピュータ18とともに動作して、ILSレーザ12を出てくる出力ビーム32
のスペクトル分布を測定して記録する。図1bに示したものと同様の分光識別特
性を得ることができる。
【0036】 上述したように、分光識別特性がレーザキャビティ24内のガス種を同定する
ために用いられる。コンピュータは、ILSレーザ12の出力スペクトル内の数
多くの特性吸収すなわち吸収線を含む測定された吸収帯を記録し、これらを測定
されるべきガス種の既知の分光識別特性と比較する。吸収の大きさが既知の濃度
を用いて較正されていさえすれば、キャビティ内ガス種の濃度を分光識別特性に
見られる1つまたは複数の特性吸収の大きさから決定することができる。
【0037】 しかし従来技術の上記の方法では、特性吸収に対応する波長を含む複数の波長
だけではなく、吸収が極大の特性吸収のまわりの波長領域も含む、複数の波長に
おける強度を測定して記録することにより強度対波長のグラフを効率よく生成す
るために、コンピュータ18が必要となることは当然である。
【0038】 対照的に、本発明の方法は上記の従来技術の手法より概念的にかなり単純であ
る。本発明の方法は、複数の波長にわたる強度分布を測定するのではなく、動作
中の、すなわち光発生中のILSレーザ12の、あらかじめ定められた波長範囲
内での1つまたはそれ以上の時間的特性の決定にのみ関わる。ILSレーザ12
のスペクトル内の多数の特性吸収を測定して記録することは必要ではない。
【0039】 従来技術の手法は、レーザ出力強度を波長の関数として測定することに依存す
る。本発明の方法は、レーザ出力強度を時間の関数として測定することに依存す
る。この測定は単チャネル検出器のみでなされ、ILSレーザと検出器との間に
波長選択素子は全く用いられない。従来技術の手法における感度限界は、用いら
れる波長選択光学素子の分散能力で与えられることが多かった。本発明において
は、これらの素子を必要としない。すなわち、感度は別の要因、例えば検出器の
時間的帯域、タイミングジッター及び/または増幅ポンピング安定性により制限
される。本発明における上記制限を軽減するための技術的解決法は一般に利用可
能であり、工業界によるかなりの研究活動の結果として技術的改善がなされ続け
ている。従来技術の手法において感度限界を小さくすることは、分散を大きくす
ることが通常は装置を大きくすることを意味するので、一層困難である。
【0040】 別の観点において、本発明の方法はILSガス検出のための従来技術の方法と
概念的に異なる;すなわち本発明に用いられる検出器16は、どのような時間的
特性が測定されているとしても、その特性に関係する時間的帯域幅を有する。従
来技術のILS検出方法は、分光計すなわち波長が固定される波長選択素子の場
合にはフォトダイオードアレイであり、あるいはスキャンされる波長選択光学素
子とともに用いられる単チャネル検出器である、検出器16を用いる。検出器の
仕事は、波長選択光学素子の分解能により定まる特定の1つまたは複数の波長に
おいて、ILSレーザを出てくる光の強度を測定することである。従来技術の方
法においては、検出器の感度、ダイナミックレンジ、または画素間隔が第一義的
に重要であった。検出器の時間的帯域幅は通常、検出器が測定時間中のILSレ
ーザ出力に応答する信号を実際に発生するのに十分に高速である限り問題にはな
らず、数10ないし数100マイクロ秒であった。上記測定範囲よりかなり高速
な時間的帯域幅をもつ検出器によって、従来技術の方法の感度性能がより高くな
ることはなかったようである。高速の時間的帯域幅は本質的に測定時間にわたっ
て積分される。事実、高速の時間的帯域幅は、ILS信号とは関わりのない高周
波雑音成分による妨害を生じさせるので、有害ですらあったようである。
【0041】 本発明においては、検出器の時間的帯域幅が第一義的に重要である。所要の時
間的な実帯域幅は、測定されるべき特定の時間的現象、ILSレーザの構成及び
ILSレーザの動作パラメータに依存する。例えば、ポンピング過程の開始とI
LSレーザ動作の起発との間の時間遅延は、ポンピングパワー、共振器のアライ
メント、レーザ結晶の温度、キャビティ内吸収体の存在等に依存して、マイクロ
秒未満から数100ミリ秒程度まで変わり得る。一方、個々のフォトンパルスの
イベントはナノ秒程度でおこり得る。パルス形状を測定し得る検出器には、上記
のイベント長と同等の時間的帯域幅が必要であり、好ましくは1桁ないしそれ以
上高速の時間的帯域幅が必要であろう。時間的現象は能動媒体の特定の利得特性
に関係するので、ILSレーザが異なれば検出器の時間的帯域幅に対する要件も
異なるであろう。
【0042】 キャビティ内吸収体の存在に対する固体レーザの時間的応答が、較正された範
囲内の吸収体の特定の濃度を決定するために用いられる。固体レーザはポンピン
グ過程の結果としてよく定められた時間的特性にしたがう。特定の例は緩和発振
の存在である。緩和発振は、レーザキャビティの利得及び損失特性に鋭敏に依存
する。すなわち、キャビティ内吸収体によりもたらされる損失が緩和発振の時間
的プロファイルに擾乱を生じさせるであろう。
【0043】 ILSレーザ12の1つまたは複数の時間的特性への依存の結果として、いく
つかの特徴が存在する。
【0044】 例えば、時間ドメインにおけるレーザのプロファイルだけしか決定される必要
がないから、ILSレーザの外部に分光計も波長選択素子も必要ではない。さら
に、緩和発振周期あるいはその他の時間的特性を分解することができる時間的帯
域幅を持つ単チャネル検出器しか必要ではない。フォトダイオードアレイは必要
ではない。しかし検出器は、単出力パルスの線形状の変化を測定できるだけの、
高速の時間的帯域幅をもつことができる。
【0045】 キャビティ内ガス種による吸収の変化に応答するILSレーザの時間的出力の
いかなる特徴も、較正基準として用いることができる。そのような特徴には: (1)ILSレーザのポンピング開始とレーザ動作の起発との間の遅延; (2)緩和発振の周期及び周波数の内の少なくとも1つ; (3)パルス数の関数としての緩和発振周期の増進または減退; (4)指数関数的または、複指数関数的減衰プロファイルの場合の緩和発振減衰
の生存期間; (5)ILSレーザの時間的プロファイルの全てまたは一部分の、解析的波形へ
のフィッティングの結果としてのフィッティングパラメータにおけるいずれかの
変化; (6)ILSレーザの時間的プロファイルの全てまたは一部分の数値アルゴリズ
ムによるフィッティングの結果としてのフィッティングパラメータにおけるいず
れかの変化; (7)1つまたはそれ以上の個々の出力パルスの線形状; (8)キャビティ内吸収ガス体が存在する間の動作パラメータの変化に対する時
間的プロファイルの応答;及び (9)ILSレーザ出力がカオス的である場合の、キャビティ内ガス種の存在に
応答するガス検出システムのカオス的性質における定量可能な増加または減少;
が含まれるが、これらには限定されない。
【0046】 完全に時間分解されたレーザプロファイルが単チャネル検出器16により得ら
れるから、本発明の実施には音響−光学変調器あるいは時間的なレーザ出力制御
装置は必要ではない。
【0047】 ペリクル、複屈折同調器、回折格子等のようなキャビティ内波長選択素子は、
キャビティ内ガス種の1つまたは複数の特性吸収だけに一致するようにILSレ
ーザのスペクトル帯域幅を制限することにより、ILSレーザ12の時間的応答
を強めることができるが、本発明のシステムは広帯域で動作させることも可能で
ある。キャビティ内波長選択素子は、必要次第であるから、図2及び3では52
として隠れ線で示される。
【0048】 ILSレーザ12は単一縦モードまたは多重縦モード及び単一横モードまたは
多重横モードで動作させることができる。
【0049】 コンピュータ18は、データ収集及び解析の複雑さに依存して、必要に応じて
用いることができる。例えば、時間遅延(上記第1項)に基づくシステムの動作に
はコンピュータは必要ではない。
【0050】 非腐食性ガスの場合または応答時間が許容し得る程度に遅い場合には、レーザ
キャビティ24の全体がガスセル22として機能し得る。あるいは、より高速な
応答時間及び腐食性ガスに適合させるために、キャビティ内ガスセル22を含め
ることができる。
【0051】 ILSレーザ12の時間的プロファイルに影響するいかなる外部条件も、定量
化され、較正され、制御されなければならない。例えば、上記第1項の時間遅延
は周囲(システム)温度及びポンピングレーザパワーに鋭敏に依存する。ILSレ
ーザ12の時間的プロファイルに影響するその他の外部条件には、ポンピングレ
ーザのデューティーサイクル、ポンピングレーザの偏極、ポンピングレーザパル
ス長及びレーザ結晶温度があるが、これらには限定されない。
【0052】 不純物または未知のガスが正の偽信号を生じさせ得るので、システム10は特
定の成分組合せをもつガス試料について較正されなければならない。
【0053】 いくつかの理由により、ガス種によりつくられる特性吸収のスペクトル帯域幅
に比較して相当に広いスペクトル帯域幅を有するレーザ12の使用が好まれる傾
向にある。上述したように、分光識別特性にある様々な特性吸収が検出されるべ
き特定のガス種を同定する上でコンピュータ18の役に立つ。すなわち、吸収を
行っているガス種を同定する従来技術の方法は、1つより多い特性吸収を含むに
十分な広さのスペクトル帯域幅を有するILSレーザ12に依存する。さらに、
ILS技術の高められた検出感度は主として多重モードレーザの利得対損失の非
線形競合により得られるから、多重縦モードを有するILSレーザ12が最も有
利である。したがって、従来技術の方法は、多重縦モードを含むのに十分な広さ
のスペクトル帯域幅を有するILSレーザ12を用いる。
【0054】 しかし、本発明のILSレーザでは、スペクトル帯域幅がキャビティ内吸収体
の吸収帯域幅より狭くなるほど感度が漸進的に高くなるであろう。本発明は、ス
ペクトル帯域幅が単一縦モードまで狭まるとセンサとしてさえ動作し得る。従来
技術では、感度は、挟帯域吸収体の存在の下での広帯域レーザのレーザ発振モー
ド間の競合から得られる。本発明では、レーザの時間的特性がレーザ共振器の利
得及び損失特性に依存する。時間的特性はキャビティ内の挟帯域吸収体の下で変
化する。この変化は、キャビティ内吸収体によりもたらされる損失が全共振器損
失のかなりの部分を占めるときに激化する。すなわち、キャビティ内吸収体が導
入されたときの、キャビティ内の特性吸収への挟帯域ILSレーザの直接作用が
ILSレーザの時間的特性を大きく変化させる。しかし、広帯域動作の場合にお
いてさえ、ILSレーザの時間的特性はキャビティ内吸収体の存在に応答してや
はり変化するであろう。この場合、感度が若干低下することもあり得る。
【0055】 ILSレーザ12のスペクトル帯域幅(Δνレーザ)は、増幅媒体20が動作し
得る波長範囲、ミラー26及び28の分光特性、並びに光キャビティ24内の光
学素子のそれぞれが透過させる波長領域により定まる。詳しくは、増幅媒体20
とミラー26及び28のスペクトル帯域幅に、いずれのその他の個々のキャビテ
ィ内光学素子の、例えばレーザキャビティ24内のペリクルまたは複屈折同調器
のスペクトル帯域幅も加えた、たたみ込みによりΔνレーザが定められる。
【0056】 したがって、本発明のILS法を用いる場合には、吸収を行っているガス種の
濃度を定量的に決定するためには、ILSレーザ12の出力の1つまたはそれ以
上の時間的特性だけしか測定する必要がない。
【0057】 図2は、ガス試料中のガス種の検出に向けられる、本発明の方法及び装置を簡
略に示す。詳しくは、図2は本発明にしたがって構築されたILSガス検出シス
テム10の断面を示す。
【0058】 本発明のILSガス検出システム10は単に、ILSレーザ12及びILSレ
ーザの時間的特性を測定するのに十分な時間的帯域幅をもつ光検出器16を含む
【0059】 図2に示される本発明の実施形態に描かれているように、ILSレーザ12は
増幅媒体20,ガス試料セル22及び必要に応じて用いられる波長選択光学素子
52を含み、これらは全てミラー26及び28の間に形成される光共振器24の
中に配置される。
【0060】 図2に示されるレーザキャビティ24は線形キャビティであるが、別のキャビ
ティ構造も本発明にしたがって用い得ることは当然である。一例は、非点収差補
正のための3枚またはそれ以上のミラーで構成された共振器である。別の例は、
リングレーザのような進行波共振器である。
【0061】 図2に示されるILSレーザ12において、必要に応じて用いられる波長選択
光学素子52は、(1)スペクトル帯域幅を狭め、(2)ILSレーザ12の波長を
同調するのに役立つ。好ましくは、波長選択光学素子52は、ILSレーザ12
が吸収体の重なり部分のスペクトル帯域幅より広くはないスペクトル帯域幅を確
実に有するように選ばれる。さらに波長選択光学素子52は、ILSレーザ12
のスペクトル帯域幅が、例えば1つの特性吸収または複数の連続する特性吸収を
含む吸収帯域と一致するように同調されることを保証する。
【0062】 図2に示される、必要に応じて用いられる波長選択光学素子52には、所要の
挟帯域同調を与える薄い高反射型ファブリー−ペローエタロンとしてはたらく、
金属化ペリクルが含まれる。金属化によりエタロンのフィネスが高められ、また
スペクトル帯域幅が狭められ、よって挟帯域バンドパスフィルタがつくられる。
ILSレーザ12を適切な波長に同調させることは、所望の波長を通す角度にエ
タロンを回転させることにより達成できる。本発明に用いるに適し得る、その他
の波長選択光学素子52の例には、光バンドパスフィルタ、回折格子、プリズム
、電気光学バンドパスフィルタ、単板及び多板複屈折フィルタ、並びにこれらの
組合せが含まれる。
【0063】 ILSレーザ12の可能な(すなわち動作し得る)波長帯が、増幅媒体20、及
びレーザキャビティ24内に配置される光学成分上に形成されるいかなる光学コ
ーティングにも、またミラー26及び28上に形成されるいかなる光学コーティ
ングにも依存することは当然である。したがって、波長選択光学素子52をレー
ザキャビティ24内に入れる代わりに、増幅媒体、及びILSレーザ12に用い
られる光学成分上、例えばミラー26及び28またはガス試料セル22の窓の上
に形成されるいかなるコーティングも、あるいは結晶20上のコーティングも、
ILSレーザのスペクトル帯域幅を、上述した態様で測定されるべきガス種に伴
う吸収帯域のみに重ねるために、狭めて波長を同調させるように構成することが
できる。
【0064】 しかし図2に示されるILSレーザ12では、 ILSレーザ12の可能な(す
なわち動作し得る)波長帯域Wレーザが、増幅媒体20が動作し得る波長帯域、
ミラー26及び28が反射する波長帯域及びミラー28が透過させる波長帯域に
、レーザキャビティ24内のその他の全てのキャビティ内光学素子(例えば波長
選択光学素子)が透過させる波長帯域も加えた、たたみ込みにより定められる。
ILSレーザ12には、閾値でまたはそれより若干上で、ILSレーザを駆動す
るためのポンピング源(図示せず)が必要であることもまた当然である。例えば、
放射光を増幅媒体20に送る光ポンピング源を用いることができる。この光ポン
ピング源は、レーザ、レーザダイオードまたはフラッシュランプの形態をとるこ
とができる。これらのポンピング源は個々に、あるいは組み合わせて用いること
ができる。複数の同じ、あるいは相異なるポンピング源の使用も考えられる。
【0065】 図2は、増幅媒体20内で発生したレーザ光がガス試料セル22に向けられ、
セル内のガス試料を通過することを示す。上述したように、レーザキャビティ2
4内、詳しくはガス試料セル22内のガス種が吸収損失をもたらし得る。すなわ
ち、キャビティ内ガス種による吸収がILSレーザ共振器24での損失を増大さ
せ、よってレーザの時間的特性を変化させるであろう。したがって、ガス種の濃
度を決定するためには、ILSレーザ12がよく定められた動作条件内で較正さ
れなければならない。レーザから出る出力ビーム32は直接、光検出器16に向
けられる。
【0066】 最も単純な形態において、光検出器16はフォトダイオード、光導電体または
光電子増倍管のような単チャネル検出器を含む。その他の検出器も本発明に用い
るに適し得る。光検出器16の1つの要件は、検出器がILSレーザビーム32
を検知でき、その結果としての電気信号を生じさせ得なければならないことであ
る。よって、光検出器16から伸びる電気出力端子54が図2に描かれている。
光検出器16の別の要件は、吸収ガス体の存在により変わりつつあるILSレー
ザ12の時間的特性を測定するのに十分な時間的帯域幅を光検出器が有すること
である。
【0067】 本発明のガス検出システム10は、集成分光計装置14もコンピュータ18も
必要としない点で、図1aに示した従来技術のシステムと異なる。図2に描かれ
るガス検出システム10には、スキャンされる分散光学素子、多チャネル検出器
アレイ、あるいは光検出器16の前面におかれるスリットも必要ではない。
【0068】 さらに、従来技術で示されたガス検出システム10には、検出されるべきガス
種にともなう吸収帯だけに一致するようにILSレーザ12のスペクトル帯域幅
を狭めて同調させる、レーザキャビティ24内の必要に応じて用いられる波長選
択光学素子52が含まれない。
【0069】 ILSは従来技術の方法をこえる高められた感度を提供するから、以前は測定
されなかった弱い遷移が本発明のガス検出システム10により初めて検出できる
ようになり得ることは理解されよう。ILSレーザ12をどこに同調すべきかに
ついての知識は、様々な特性吸収のスペクトル位置を示す、注目するガス種の分
光学的研究から得なければならない。ILSレーザ12の波長及びスペクトル帯
域幅をいかに光学的に制御するかについての理解も、レーザの出力スペクトルを
1つ(または複数の)特性吸収に整合させるために必要である。
【0070】 さらに、正の偽信号を生じさせ得るスペクトル干渉の可能性を排除するため、
ある与えられたガス試料中に存在する可能性がある、付加的ガス種のいずれにつ
いても分光学的研究が必要である。そのような付加的ガス種が検出されてはなら
ないのであれば、ILSレーザ12の出力スペクトルをこれらの他のガス種によ
りつくられる特性吸収のいずれからも離して同調させなければならない。そうす
れば、他のガス種により生じる特性吸収からの潜在的寄与は、ILSレーザ12
が光を放射する波長領域には存在しないであろう。すなわち、ILSレーザ12
の動作波長は、(1)検出されるべきガス種にともなう1つまたは複数の特性吸収
に一致し、(2)注目していないガス種からのスペクトル干渉を避けるように選ば
れなければならない。上記の要件が満たされれば、ILSレーザ12の出力との
スペクトル干渉は測定されるべきガス種からの吸収だけに帰することができるで
あろう。したがって、較正されていれば、ILSレーザ12の時間的特性の変化
によって、測定されるガス種の濃度が正確に測定されるであろう。
【0071】 ILSレーザ12が動作する選ばれたスペクトル領域は測定されるガス種にと
もなう吸収帯だけに一致するから、ガス種の素性がわかる。
【0072】 ILSレーザ12の時間的特性の変化をよく定められた動作条件の下でレーザ
キャビティ24内の既知のガス種濃度で較正することにより、ガス種の濃度がわ
かる。この較正は、温度、圧力、レーザ利得、ポンピングレーザの衝撃係数(du
ty cycle)、及びILSレーザ12の利得または損失を変えるその他の全てのパ
ラメータを含む、動作パラメータの特定の組合せに依存する。ガス検出システム
10が較正された状態のままであることを保証するためには、これらの動作パラ
メータが一定に保たれていなければならないことは当然である。あるいは、これ
らの動作パラメータを変えることによりガス検出システムの較正された感度を変
えること、すなわち様々なよく定められた動作条件の下で多重較正をして、ガス
検出システムのダイナミックレンジを広げることが可能になる。いずれにせよ、
拡張された用法にわたって較正を維持するガス検出システム10を構築するため
には、ILSレーザ12の時間的特性に影響する特定の動作パラメータについて
の知識が必要である。
【0073】 次に図3を参照すると、本発明の別の実施形態が示される。本発明にしたがえ
ば、図3に描かれるILSレーザ12のスペクトル帯域幅(Δνレーザ)は、測定
されるべきガス種にともなう吸収帯すなわち吸収波長領域と排他的に一致するの
に十分に狭い。やはり、図2と同様に、波長選択光学素子52が必要に応じてレ
ーザキャビティ24内に挿入される。
【0074】 上述したように、“吸収帯”という用語は、吸収がそれぞれの波長でおこる、
吸収スペクトルにおける単一の連続波長領域として定義される。したがって、吸
収が見られない領域Bで隔てられた2本の吸収線A及びAを吸収スペクトル
が含んでいれば、2本の吸収線A及びAは別々の吸収帯に対応する。しかし
2本の吸収線A及びAが極小吸収(すなわち極大強度)で隔てられているだけ
であれば、2本の吸収線A及びAは単一の吸収帯に対応する。
【0075】 本発明にしたがえば、図3に描かれるガス検出システム10は、ILSレーザ
12及び光検出器16を含む。ILSレーザ12には、ミラー26及び28によ
り定められるレーザキャビティ24内におかれた増幅媒体20が含まれる。レー
ザキャビティ24は線形キャビティであり、増幅媒体20はイオンドープ結晶を
含む。第1のミラーはイオンドープ結晶の一端60上に反射コーティングを被着
することにより形成される。第2のミラー28は曲面反射器を含む。
【0076】 図3に示されるレーザキャビティは線形キャビティであるが、上に挙げたよう
に、別のキャビティ構造も本発明にしたがって用いることができる。
【0077】 本発明の実施においては、イオンドープ結晶が増幅媒体20の結晶として用い
られる。考えられる特定の用途に適するものであれば、いかなるイオンドープ結
晶も用い得ることは当然である。したがって、以下に列挙されるイオン結晶を含
む、本明細書に特定的に開示されるイオンドープ結晶が全てを網羅しているはず
であるとは考えていない。
【0078】 本発明の方法及び装置に適切に用い得るイオンドープ結晶の例には、Tm3+ :Tb3+:YLF,Cr:Tm:Ho:YAG,Cr4+:YSO,Cr4+:YA
G,Cr4+:YSAG,Er3+:GSGG,Er3+:YSGG,Er3+:Y
LF,Er3+:Yb3+:ガラス,Ho3+:YSGG,Ho3+:Tm3+:L
UAG,Tm3+:Ho3+:YLF,Tm3+:Ho3+:YAG,Tm3+:C
a Y SOAP,Tm3+:YLF,Tm3+:ガラス,Tm3+:Ca La S
OAP,Tm3+:YOS,Tm3+:YSGG,Tm3+:YAG,Tm3+:Y
VO,Yb3+:YAG,Cr:ホーステライト,Er:Yb:ガラス,CO:
MgF,Cr2+:ZnSe,及びCr2+:ZnS/ZnSe/ZnTeが含ま
れる。その他の材料も、ガス、液体または固体のいずれであっても、増幅媒体2
0として用いることができる。
【0079】 図3はさらに、レーザキャビティ24内におかれたガス試料セル22を示す。
ガス試料セル22はガス試料をレーザコンポーネントから隔離する。非腐食性で
あるガス試料に対してはガス試料セル22が必要ではなく、この場合、ガス試料
を全レーザキャビティ24内にいれることができることは理解されよう。
【0080】 ガス試料セル22には流入導管62及び流出導管64が与えられる。セルの窓
66及び68のそれぞれはガス試料セル22の長さ方向のそれぞれの端部に取り
付けられ、ビーム70に分析されるべきガス試料を通過させる。また窓66及び
68はガス試料セル22を封止する。
【0081】 ガス試料セル22がILSレーザ12を収めるチャンバ72の中にある場合に
は、検出されるべきガス種をチャンバ内から除去すなわち排除する必要がある。
ガス種をチャンバ72から除去することにより、ガス検出システム10の使用に
より得られるシステム応答は、ガス試料セル22内に入れられたガス種の存在及
び量を正確に示す。 ガス種をチャンバからパージするか排気した後、(例えばガ
ス試料が腐食性ガスを含む場合に)ガス試料が流入導管62及び流出導管64を
介してガス試料セル22に供給される。しかし、ガス試料がレーザコンポーネン
トと化学的に反応しないような場合には、ガス試料をチャンバ72に通すことが
できる。
【0082】 上で論じたように、ILSレーザ12には増幅媒体20を励起するためのポン
ピング源74が必要である。イオンドープ結晶増幅媒体20の光励起は、半導体
ダイオードレーザ76を含むポンピング源74により与えられる。
【0083】 ポンピング源74が、ILSレーザ12を駆動する、コヒーレントかインコヒ
ーレント、連続波かパルスの、いかなる適当な光ポンピング源も含み得ることは
当然である。例えばポンピング源74は、固体結晶レーザ(例えばNd:YAG)
、ガスレーザ、1つまたはそれ以上のフラッシュランプ、ファイバレーザ、ある
いはILSレーザ12のポンピングに適するその他のいかなるポンピング源も代
わりに含むことができる。
【0084】 図3は、電源78により電力を供給され、熱電冷却器80により冷却されてい
る半導体ダイオードレーザ76を示す。半導体ダイオードレーザ76及び熱電冷
却器80は、半導体ダイオードレーザで発生する熱を放散するために与えられた
ヒートシンク82に搭載される。
【0085】 しかし、ポンピング源74として半導体ダイオードレーザ76を使用するため
には、一般に、半導体ダイオードレーザ76とILSレーザ12との間の光整合
を容易にするためのビーム整形光学系84を使用することが必要である。ビーム
修正光学系の例には、回折光学系、屈折光学系、屈折率が軸方向で変化する分布
屈折率光学系、屈折率が径方向で変化する分布屈折率光学系、微小光学系、及び
これらの組合せが含まれる。図3は、一対のアナモフィックプリズム86及び一
対のレンズ88を含む、巨視的光学系からなるビーム整形光学系84を示す。あ
るいは、ビーム拡大望遠鏡または半導体レーザ76から数μmの範囲内におかれ
る微小光学系を用いることができる。
【0086】 図3は、ビーム整形光学系84と増幅媒体20との間に挿入された第1の変調
器90をさらに示す。第1の変調器90は変調器ドライバ92により電力を供給
され、制御される。第1の変調器90は半導体ダイオードレーザ76から出てく
るポンピングビーム96の減衰と透過を交互に行い、よってポンピングビームに
よる増幅媒体20のポンピングを周期的に妨げる。このようにすれば、第1の変
調器90はポンピングビーム96に増幅媒体20を再帰的にポンピングさせ、よ
ってILSレーザ12をオンとオフの間で切り換えることができる。
【0087】 ポンピングの中断が、機械作動チョッパ、電気光学または音響光学変調器、及
びシャッタを含むがこれらには限定されない、様々な手段を利用して達成できる
ことは当然である。 あるいは、ポンピング源74(例えば半導体ダイオードレー
ザ76)への供給電力を変え、 よって半導体ダイオードレーザの出力に、増幅媒
体20をレーザ動作に必要な閾値のわずか上とわずか下に周期的におく、高強度
レベルと低強度レベルの間の揺動を生じさせることができる。
【0088】 図3は、光検出器16に向けられたILSレーザ12からの出力ビーム32を
示す。ILSレーザ12からの光出力を、代わりに光ファイバリンク、すなわち
光ファイバまたは光ファイバ束を介して、光検出器16がおかれている離れた地
点に送り得ることは当然である。
【0089】 光検出器16は、較正に用いられるILSレーザ12の特定の時間的特性を分
解するのに十分な時間的帯域幅を有するように選ばれる。この検出器により、I
LSレーザ12の完全に時間分解された出力を得ることができる。
【0090】 図4は、レーザ出力の時間的特性を分解するのに十分な時間的帯域幅をもつ検
出器を用いたILSレーザの出力を示す。この場合、ILSレーザには、半導体
ダイオードレーザでポンピングしたTm3+:YAG結晶を用いた。上述したよ
うに、ポンピングレーザ光をオンとオフの間で交互に切り換えた。
【0091】 本システムの時間的特性は、緩和発振として知られるよく知られたレーザ現象
にしたがう。緩和発振は、非平衡レーザ反転分布に応答する固体レーザにより生
じる。緩和発振は、レーザが高い立ち上げポンピング速度に応答して平衡反転に
到達しようとするするときに生じる。図4に示されるように、共振器の利得及び
損失に依存するレーザの時間的出力のいくつかの特徴が明らかである。すなわち
:(1)時刻ゼロに始まる光ポンピングの開始とレーザ動作の起発との間に、Aで
表示される、かなりの時間遅延がある;(2)ILSレーザの連続するパルス間に
、Bで表示される、時間遅延がある;(3)連続レーザ出力パルスの振幅に、Cで
表示される、減少がある;(4)連続レーザ出力パルスの間のベースラインレーザ
出力に、Dで表示される、増加がある。
【0092】 緩和発振が本発明で考えられる一連の時間的特性の内の特定の例であることに
注意することが重要である。ILSレーザ動作の起発に関する上述した時間遅延
のようなその他の特性は、測定可能な緩和発振をもたないレーザシステムであっ
ても存在し得る。
【0093】 ここで述べられる時間的特性は、ILSレーザ共振器の利得及び損失に依存す
る。例えば、他の全てのパラメータが同じ状態で、より高速にポンピングされる
ILSレーザではレーザ動作起発前の遅延がより短いであろう。その他の時間的
特性も、ポンピング速度、結晶温度、システム温度、ポンピングの衝撃係数等に
より変化するであろう。これらの時間的特性はレーザの利得及び損失のいずれに
も依存するから、キャビティ内吸収体の存在によりもたらされるような、損失の
増大はこれらの時間的特性に変化をおこさせるであろう。さらに、増大する損失
により時間的特性に一層大きな変化が生じるであろう。すなわち、この変化は、
吸収体濃度に依存するキャビティ内吸収の大きさに依存するであろう。このこと
により、吸収体の既知の濃度に対する1つまたはそれ以上の時間的特性の特定の
変化に基づいて濃度を較正する能力が得られる。
【0094】 キャビティ内吸収体が存在しない場合と存在する場合についてのレーザ強度対
時間(単位:秒)のグラフが図5に示される。本例におけるキャビティ内吸収体は
二酸化炭素である。図5は、ILSレーザ12からの光出力の時間的特性が二酸
化炭素の存在によりどのように変化するかを明白に示している。
【0095】 実験データに基づく曲線102は、緩和発振を受けているときの、ILSレー
ザ12からの一連のパルスを示す。この場合には二酸化炭素が存在しない。
【0096】 やはり実験データに基づく曲線104は、窒素中の、この場合は1体積%の、
二酸化炭素の存在が緩和発振の時間的特性を変化させていることを示す。これら
の2つの場合の対応するパルスの振幅は二酸化炭素の存在する場合の方が小さく
なっている。さらに、ILSレーザ動作の起発が二酸化炭素が存在する場合には
二酸化炭素の存在しない場合に比べて遅れている。最後に、限界振幅値への減衰
速度は二酸化炭素の存在する場合の方が速い。これらのパラメータは全て、二酸
化炭素によるキャビティ内吸収による、ILSレーザ共振器における損失増大の
結果として変化している。吸収によりもたらされる損失は、ここでは二酸化炭素
である吸収体の濃度に比例する。すなわち、濃度が高くなれば損失が増大し、よ
って測定される時間的特性の変化が大きくなる。
【0097】 図6は、ILSレーザの起発時間の変化(単位:マイクロ秒)の、ここでは窒素
中の二酸化炭素である、ガス種の濃度への依存性を示す。これに関連して、本発
明の方法及び装置はいかなるガス種の分析にも用いることができる。
【0098】 すなわち、ILSレーザ12のスペクトル帯域幅Δνレーザは測定されている
キャビティ内ガス種に起因する吸収帯の重なり部分のスペクトル帯域幅Δν吸収 と同等であり、本発明の方法及び装置はILSレーザの1つまたはそれ以上の
時間的特性を測定することによりガス種の濃度を測定するために利用することが
できる。検出されるガス種の素性はILSレーザ波長の1つまたは複数の特性吸
収とのスペクトルの重なりにより決定される。
【0099】 本発明の方法を利用することにより、ILSレーザ12出力の波長分布マッピ
ングに依存する従来技術のILSセンサよりも、かなり小さく、単純で、費用が
かからず、使用が容易な、ILSガス検出システム10が得られる。寸法が小さ
く、コストが低く、また操作が単純であることの結果として、本発明のガス検出
システム10はガス検出における一連の完全に相異なる用途に向けることができ
る。
【0100】 以上、較正された範囲内の特定の濃度のガス種の存在を検出するための方法及
び装置を開示した。特許請求の範囲にうたわれる本発明の範囲を逸脱することな
く、本明細書に説明した要素の構成及び配置に様々な改変をなしうることが当業
者には容易に明らかであろう。さらに、ガス検出システム10の用途も、例えば
半導体製造ラインにおける、ILSガス検出器の設置場所も、所望に応じて変え
ることができる。例えば、ILSチャンバ72内の様々な要素の特定の配置及び
ガス検出器10自体を、容易に再現できる態様でのILSレーザ12の光励起を
可能にするに適した構成及び配置である限り、改変することができる。当業者に
より現在知られているかまたは今後案出される、本発明の構成、配置及び用途に
おける上記及びその他の改変は、特許請求の範囲で考慮されている。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 ILSレーザ、集成分光計装置、光検出器及び光検出器からの電気的出力を解
析するためのコンピュータを含む、従来技術のガス検出システムを示す断面図
【図1b】 スペクトル分解された従来技術のILSレーザの出力を、 (i)吸収を行ってい
るガス種がレーザキャビティ内に存在する場合、及び(ii)吸収を行っているガス
種がレーザキャビティ内に存在しない場合についての、強度と波長を座標とする
グラフ
【図2】 ILSレーザ及び光検出器を含む、本発明のガス検出システムを示す断面図
【図3】 本発明のILSレーザの別の実施形態を簡略に示す図
【図4】 ILSレーザの時間的出力の振動性を示す、本発明のILSレーザの時間的に
分解された出力の、強度と時間を座標とするグラフ
【図5】 本発明のILSレーザの時間的に分解された出力の、吸収を行っているガス種
がレーザキャビティ内に(i)存在しない場合及び(ii)存在する場合についての、
強度と時間を座標とするグラフ
【図6】 ここではCOである吸収ガス体の濃度の関数としての、ILSレーザの起発
時間の変化の、時間(単位:マイクロ秒)と濃度(単位:ppm)を座標とするグラ
【符号の説明】 10 ILSガス検出システム 12 ILSレーザ 16 光検出器 20 増幅媒体 22 ガス試料セル 24 レーザキャビティ 26,28 ミラー 32 出力ビーム 52 波長選択光学素子 74 光ポンピング源 76 半導体ダイオードレーザ 78 電源 82 熱電冷却器 84 ビーム整形光学系 90 変調器 92 変調器ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピルグリム,ジェフリー エス アメリカ合衆国 ニューメキシコ州 87505 サンタ フェ エスクワイナ ロ ード 19 Fターム(参考) 2G020 BA02 BA12 CA14 CB04 CB07 CB23 CC02 CC13 CC23 CC27 CC31 CC55 CD13 CD22 CD36 CD38 2G059 AA01 BB01 CC20 DD13 EE01 EE12 GG01 GG02 GG08 JJ02 JJ05 JJ11 JJ13 JJ17 KK01 MM01 5F072 AB15 HH02 HH03 JJ01 JJ08 KK06 KK07 KK26 PP01 PP07 SS02 YY11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 較正された範囲内のガス試料中の特定の濃度のガス種の存在
    を検出するためのガス検出システム(10)において、前記ガス種が少なくとも1
    つの単一連続波長帯内の光を吸収し、前記システムが: (a)ILSレーザ(12);ここで、前記ILSレーザ(12)は: (i)レーザキャビティ(24);及び (ii)増幅媒体(20); を含み、前記ガス種が行っている吸収において測定可能な時間的特性を少なくと
    も1つ有し、前記ガス種により誘起される前記吸収は較正された範囲内での前記
    レーザ(12)の前記時間的特性の測定可能な変化をおこさせるのに十分な大きさ
    である; (b)前記レーザキャビティ(24)内に前記ガス試料を入れるための容器(22)
    ;ここで、前記容器(22)により、前記増幅媒体(20)から出てくる出力ビーム
    (32)が前記レーザキャビティを出る前に前記ガス試料を通過することができる
    ;及び (c)前記時間的特性を測定するのに十分な時間的帯域幅を有する検出器(16)
    ; を含むことを特徴とするガス検出システム(10)。
  2. 【請求項2】 前記検出器(16)が単チャネル検出器であることを特徴とす
    る請求項1記載のガス検出システム(10)。
  3. 【請求項3】 前記ガス種が吸収を行っている前記帯域の外側の波長におい
    てのみ前記ILSレーザ(12)の動作が行われることを防止するコンポーネント
    (52)を前記ILSレーザ(12)が含むことを特徴とする請求項1記載のガス検
    出システム(10)。
  4. 【請求項4】 波長選択光学素子(52)が前記レーザキャビティ(24)内に
    おかれ、前記ガス種が吸収を行っている前記帯域の外側の波長においてのみ前記
    ILSレーザ(12)の動作が行われることを前記波長選択光学素子(52)が防止
    することを特徴とする請求項3記載のガス検出システム(10)。
  5. 【請求項5】 前記ガス種が吸収を行っている前記帯域の外側の波長におい
    てのみ前記ILSレーザ(12)の動作が行われることを防止するのに十分に狭い
    スペクトル帯域幅を前記増幅媒体(20)が有するか、あるいは前記ガス種が吸収
    を行っている前記帯域の外側の波長においてのみ前記ILSレーザ(12)の動作
    が行われることを防止する光学コーティングが前記増幅媒体(20)上に施されて
    いることを特徴とする請求項3記載のガス検出システム(10)。
  6. 【請求項6】 前記容器(22)が前記レーザキャビティ(24)内におかれた
    ガス試料セル(22)を含み、前記ガス試料セル(22)は前記増幅媒体(20)から
    の前記出力ビーム(32)が前記ガス試料を通過することを可能にする複数の窓を
    有し、前記ガス種が吸収を行っている前記帯域の外側の波長においてのみ前記I
    LSレーザ(12)の動作が行われることを防止する光学コーティングが前記複数
    の窓の内の少なくとも1枚の上に施されていることを特徴とする請求項3記載の
    ガス検出システム(10)。
  7. 【請求項7】 少なくとも2枚のミラー(26,28)で前記レーザキャビテ
    ィ(24)が形成され、前記ガス種が吸収を行っている前記帯域の外側の波長にお
    いてのみ前記ILSレーザ(12)の動作が行われることを防止する光学コーティ
    ングが前記ミラー(26,28)の内の少なくとも1枚の上に施されていることを
    特徴とする請求項3記載のガス検出システム(10)。
  8. 【請求項8】 光ポンピング源(74)が前記増幅媒体(20)に放射光を送り
    、よって前記ILSレーザ(12)を駆動することを特徴とする請求項1記載のガ
    ス検出システム(10)。
  9. 【請求項9】 前記ガス種が吸収を行っている前記帯域が少なくとも1つの
    特性吸収を含み、前記ILSレーザ(12)が前記少なくとも1つの特性吸収に少
    なくともある程度重なるのに十分に広いスペクトル帯域幅を有することを特徴と
    する請求項1記載のガス検出システム(10)。
  10. 【請求項10】 前記測定可能な時間的応答が:(1)前記ILSレーザ(1
    2)のポンピング開始とレーザ動作の起発との間の遅延;(2)前記ILSレーザ(
    12)の緩和発振の周期及び周波数の内の少なくとも1つ; (3)パルス数の関数
    としての緩和発振周期の増進または減退;(4)指数関数的または複指数関数的減
    衰プロファイルの場合における緩和発振減衰の生存期間;(5)前記ILSレーザ
    の時間的プロファイルの全てまたは一部分の解析的な、または一致する波形への
    フィッティングから得られるフィッティングパラメータのいずれかの変化;(6)
    前記ILSレーザ(12)の時間的プロファイルの全てまたは一部分の数値アルゴ
    リズムによるフィッティングから得られるフィッティングパラメータのいずれか
    の変化;(7)1つまたはそれ以上の前記出力パルスの線形状;(8)前記キャビテ
    ィ内吸収ガス体が存在している間の動作パラメータの変化に対する前記ILSレ
    ーザの時間的プロファイルの応答;及び(9)前記ILSレーザの出力がカオス的
    である場合の、前記キャビティ内ガス種の存在に応答する前記ガス検出システム
    のカオス的性質の定量化し得る増加または減少;からなる群から選ばれることを
    特徴とする請求項1記載のガス検出システム(10)。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の前記ILSレーザ(12)を用いる、較正さ
    れた範囲内のガス試料中の特定の濃度のガス種の存在を検出する方法において、
    前記方法が: (a)前記ガスが行う光吸収において測定可能な時間的特性を前記ILSレーザ
    (12)が少なくとも1つ有し、前記ガス種により誘起される前記吸収が前記較正
    された範囲内での前記時間的特性の測定可能な変化をおこさせるのに十分な大き
    さであることを確認するステップ; (b)前記ILSレーザ(12)を提供するステップ; (c)前記レーザキャビティ(24)を出る前に前記レーザキャビティ(24)内に
    入れられている前記ガス試料を通過する方向に前記増幅媒体(20)からの出力ビ
    ーム(32)が向けられるように、前記増幅媒体(20)を配置するステップ;及び (d)前記レーザ(12)の前記時間的特性の前記変化を検出するように、前記少
    なくとも1つの時間的特性を検出するのに十分な時間的帯域幅を有する検出器(
    16)を配置するステップ; を含むことを特徴とする方法。
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