JP2003518092A - ファルネシル蛋白転移酵素阻害剤 - Google Patents

ファルネシル蛋白転移酵素阻害剤

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ウォードレウォース,ジェイムス・マイケル
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ファルネシル蛋白転移酵素(FTPase)の阻害により遺伝子産物のファルネシル化を阻害する式(I)の化合物に関する。本発明はさらに、この化合物の製造法、医薬製剤及びファルネシル化により仲介される病気の治療法、特にガンの治療法に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ファルネシル蛋白転移酵素(FPTase)を阻害することにより変異ラ
ス遺伝子産物のファルネシル化を阻害する化合物に関する。本発明はさらに、こ
の化合物の製造法、医薬組成物及びファルネシル化により仲介される病気の治療
法、特にガンの治療法に関する。
【0002】 ガンは、細胞増殖及び細胞分化を調節する遺伝子の発現又は機能の変化を伴う
と考えられている。理論的考察に捕らわれることは望むところではないが、以下
のテキストにガンにおけるラスの科学的背景について述べる。ガンのラス遺伝子
は、しばしば突然変異している。ラス遺伝子は、シグナル伝達、増殖及び悪性ト
ランスフォーメイションに関与すると考えられているグアノシン3リン酸(GTP)
結合蛋白質をコードしている。H-, K- 及びN-ラス遺伝子は、ラスの突然変異形
であると特定されている(Barbacid M, Ann. Rev. Biochem. 1987, 56: 779-827
)。ラス蛋白質が生物活性を示すためには、翻訳後修飾が必要である。FPTaseに
よって触媒されるファルネシル化は、ラスプロセッシングにおける本質的なステ
ップであると考えられている。CAAXボックスと呼ばれる構造モチーフ中のラスの
C末端テトラペプチドに位置するシステインに、ファルネシルピロリン酸(FPP)の
ファルネシル基を移動させることによりこの反応は起こる。この反応に続く翻訳
後修飾(CAAXボックスのシステイン残基の位置での蛋白切断及びシステイン残基
のカルボキシル基のメチル化を含む)の後に、細胞内部に増殖シグナルを中継す
るためにラスは細胞膜に付着することができる。正常細胞においては、活性化ラ
スは増殖因子と連動して細胞増殖を刺激すると考えられている。癌細胞において
は、ラスの突然変異は増殖因子が存在しない場合でさえも細胞***を刺激する原
因となると考えられており(Travis J, Science 1993, 260: 1877 - 1878), 不活
性形GDPへ循環されずに永続的に活性形GTPにとどまることによることが原因と考
えられている。突然変異ラス遺伝子産物のファルネシル化の阻害は、活性化を停
止又は減少させると考えられる。
【0003】 公知のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤のクラスの1つは、ファルネシ
ルピロリン酸アナログに基づく(例えば、ヨーロッパ特許出願EP 534546 (Merck
) 参照)。CAAXボックスのミミクリーに基づくファルネシルトランスフェラーゼ
阻害剤が報告されている。Reiss (1990) は Cell 62, 81 - 8 に CVIM (Cys-Val
-Ile-Met)などのテトラペプチドを開示した。James (1993) は Science 260, 1
937 - 1942 にベンゾジアゼピンをもとにしたペプチドミメティック化合物を開
示した。さらに、Lerner (1995) は J. Biol. Chem. 270, 26802 に、エーザイ
は国際特許出願 WO 95 / 25086 に、最初の残基にCysを有するペプチドミメティ
ック化合物を開示した。さらに、EP 696593 及びPCT / GB96 / 01810 はピロリ
ジン誘導体を含むファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を開示した。
【0004】 本出願人は、ピロリジンの特定の置換によりファルネシルトランスフェラーゼ
阻害の点で特別な効果が得られることを見出した。 1つの側面において、本発明は式(I)の化合物、又はその塩を提供する:
【0005】
【化3】
【0006】 (式中: R1及びR2はH又はプロドラッグ部分から独立して選択され; R3は水素又はハロゲンであり; R4は水素又はハロゲンであり; Lは -CH=CH- 又は-CH2-Z- であり、式中ZはNHあるいはOであり; Yは S, S(O) 又は S(O)2であり、 ただしR3あるいはR4の少なくとも1つが水素以外のものである)。
【0007】 ここで使用する”アルキル”という用語は直鎖又は分枝鎖の基を意味し、これ
は特記しない限り1−20個の、そして好ましくは1−6個の炭素原子を有していて
も良い。”アリール”という用語はフェニルを含む。”ハロ”という用語はフッ
素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。” "ヘテロサイクリル(heterocyclyl)"又は"複素環式"という用語は、4−10個の
環原子を有する基を含み、この原子の内最大5個までは、酸素、硫黄及び窒素か
ら選択される。この環は、単環式又は2環式であって良く、各環は芳香族又は非
芳香族であって良い。環の原子価が許容する場合、窒素原子は水素又は置換基(
アルキル置換基など)のいずれかに置換されていても良い。複素環中の硫黄原子
は、酸化されてS(O)基又はS(O)2基であって良い。
【0008】 芳香族5員環又は6員環の複素環系の例として、イミダゾール、トリアゾール、
ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、イソオキサゾール、オキサゾー
ル、イソチアゾール、チアゾール及びチオフェンを含む。9員2環又は10員2環の
複素芳香族環系は、6員環が5員環又は他の6員環のいずれかと縮合したものを含
む。5/6及び6/6の2環系の例として、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベ
ンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾオキサゾー
ル、ベンゾイソオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリミドイミダゾール、キ
ノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン及
びナフチリジンを含む。
【0009】 好ましくは、単環式複素芳香族環は最高3個までのヘテロ原子を含み、2環式複
素芳香族環は最高5個までのヘテロ原子を含む。好ましいヘテロ原子はN及びS
であり、特に好ましくはNである。通常、複素環と他の基の結合は炭素原子を介
する。ヘテロ原子としてNのみを含む好ましい複素環基は、ピロール、ピリジン
、インドール、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ピラジン、ピリミジン
、プリン及びプテリジンである。
【0010】 前記芳香環の水素化物又は他の芳香族化合物ではない置換化合物、例えばテト
ラヒドロピリジル環は、非芳香族複素環基の例である。 種々の形のプロドラッグが当業界に公知である。このようなプロドラッグ誘導
体の例として、以下を参照のこと: a) Design of Prodrugs, H. Bungaard 編集、(Elsvier, 1985) 、及び Methods
in Enzymology, Vol. 42, p. 309-396, K Widder 他、編集 (Academic Press,
1985); b) A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard-Larsen 編集;
c) H. Bungaard, 第5章”プロドラッグのデザイン及び応用” (H. Bangaard p.
113-191 (1991)); d) H. Bangaard, Advanced Drug Delivery Reviews 8, 1-38 (1992); e) H. Bungaard, 他、Journal of Pharmaceutical Sciences77, 285 (1988);
f) N. Kakeya, 他、Chem Pharm Bull, 32, 692 (1984)。
【0011】 R1基の適切な例は、水素又はR5C(O)-基であり、式中R5は置換されていても
よいアリール基または複素環基である。特に適切には、R5は置換されていても
よいフェニル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいフリル、
置換されていてもよいイソオキサゾール、置換されていてもよいテトラヒドロピ
リジル、又は置換されていてもよいテトラヒドロフリルである。
【0012】 適切なR5置換基には、メチルなどのアルキル基、トリフルオロメチルなどの
ハロアルキル基、水酸基、メトキシなどのアルコキシ基またはシアノ基を含む。 好ましくは、R5はフェニル、ピリジル又はN−メチル−テトラヒドロピリジ
ルである。
【0013】 プロドラッグ基R2の例は、薬剤学的に受容できるエステルの生体内で分解可
能なエステル基であり、これはヒト又は動物の体内で分解されてもとの酸を生成
する。適切には、R2はこれと結合するカルボキシ基とともに薬剤学的に受容で
きるエステルを形成し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、又はシクロペンチルなどのC1-6アルキルエステル又はC1-6シクロアルキ
ルエステル;例えばメトキシメチルなどのC1-6アルコキシメチルエステル;例
えばピバロイルオキシメチルなどのC1-6アルカノイルオキシメチルエステル;
フタリジルエステル;例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチルなどの
3-8シクロアルコキシカルボニルオキシC1-6アルキルエステル;例えば5−メ
チル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチルなどの1,3−ジオキソラン−2−イル
メチルエステル;例えば1−メトキシカルボニルオキシエチルなどのC1-6アルコ
キシカルボニルオキシエチルエステル;例えばN,N−ジメチルアミノカルボニ
ルメチルエステル及びN−エチルアミノカルボニルメチルエステルなどのアミノ
カルボニルメチルエステル及びそのモノ−又はジ−N−(C1-6アルキル)誘導体
;及び置換されていてもよい複素環基の薬剤学的に受容できるエステルを形成す
る。
【0014】 R2に用いるこのようなプロドラッグの更なる例は、本発明化合物の生体内で
分解可能なアミドである。適切にはR2はこれと結合するカルボキシ基とともに
薬剤学的に受容できるアミドを形成し、好ましくはN−メチル、N−エチル、N
−プロピル、N,N−ジメチル、N−エチル−N−メチル又はN,N−ジエチル
アミドなどのN−C1-6アルキルアミド及びN,N−ジ−(C1-6アルキル)アミド
を形成する。
【0015】 従って特に好ましくは、R2は水素、イソプロピル又はシクロペンチルなどの
1-4アルキル基又はN−メチル−テトラヒドロピリジルなどの置換していても
良い複素環基より選択される。
【0016】 R3は適切にはフッ素又は塩素などのハロゲン原子であり、特に適切にはフッ
素である。 R4は好ましくは水素又はフッ素であり、特に好ましくは水素である。
【0017】 連結基Lは適切には式CH2-Z-の基であり、式中ZはNHまたはOである。 好ましくは連結基Lは -CH=CH- である。この化合物のEおよびZ異性体は、
両化合物の混合物とともに本発明の部分を形成する。幾何異性が可能な場合の化
合物は特に好ましくはE異性体である。
【0018】 Y基は好ましくはS基又はS(O)2基である。 前記式Iに記載の化合物の1部が1以上の不斉炭素原子により光学活性形及びラ
セミ形として存在する場合、本発明はこのようなFTPase 阻害活性を有する全て
の光学活性形又はラセミ形をその記載中に含むと解さねばならない。有機化学界
に公知の標準的な技術で光学活性形の合成は行なうことができ、例えば光学活性
な出発物質から合成するか、又はラセミ形の分割により行なうことができる。同
様に、FTPase に対する阻害活性は下に述べる標準的な実験技術を用いて評価す
ることができる。
【0019】 式Iのピロリジン環の2位及び4位の不斉炭素原子は(S)配置が好ましい。 式Iのカルボニル及びアミンの間の2位の不斉炭素は(S)配置が好ましい。 式Iの化合物は塩を形成することができ、これは本発明の範囲に含む。薬剤学
的に受容できる塩が好ましいが、他の塩も例えば化合物の単離又は精製に有用で
ある。
【0020】 式Iの化合物が塩基性残基を有する場合、種々の無機酸及び有機酸と薬剤学的
に受容できる塩を形成することができ、この酸には例えば塩酸、臭化水素酸、硫
酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸又はマレイン酸を含む。化合物が酸性
残基を有する場合、薬剤学的に受容できる適切な塩には、例えばナトリウム塩又
はカリウム塩などのアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩又はマグネシウム塩な
どのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は例えばメチルアミン、ジメチル
アミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はtris-(2−ヒドロキシ
エチル)アミンなどの薬剤学的に受容できるカチオンを生成する有機塩基との塩
を含む。本発明の特別な塩は、酢酸塩、硫酸メチル塩又は硫酸エチル塩などの硫
酸アルキル塩、フマル酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩及びグルコン酸塩を含む。
【0021】 水和物などの溶媒和物もまた本発明の範囲に含み、これは公知の方法で製造で
きる。 式(I)の化合物の特定例を表1に示す。
【0022】
【化4】
【0023】
【表1】
【0024】 本発明の他の側面によると、医薬として使用する式Iの化合物を提供する。 本発明はさらに、ラスにより仲介される疾患、とりわけ癌、を治療する医薬に
使用する式Iの化合物を提供する。
【0025】 本発明の化合物は、このような治療への使用のための医薬組成物に適切に製剤
化される。 従って、本発明の更なる他の側面によると、前記式Iに記載の化合物及び薬剤
学的に受容できる希釈剤又は担体を含む医薬組成物を提供する。
【0026】 本発明の他の側面によると、ラス仲介疾患、とりわけ癌、の治療が必要な哺乳
動物に式Iの化合物を治療的有効量投与することによるこのような疾患の治療法
を提供する。
【0027】 本発明の更なる他の側面によると、ヒト又は動物体の療法に関して、治療法の
ための式Iの化合物又は薬剤学的に受容できるその塩を提供する。 本発明はまた、癌などのファルネシル化ラス仲介疾患又は病状の治療に使用す
るための医薬の調製における式Iの化合物の使用を提供する。
【0028】 本発明の化合物又は製剤により治療できる特定の癌は以下を含み: −膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子
宮頚癌、甲状腺癌及び皮膚癌などを含む癌; −急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含むリンパ
球系造血器腫瘍; −急性及び慢性の骨髄性白血病及び前骨髄球性白血病を含む骨髄球系造血器腫
瘍; −線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉性腫瘍;および −黒色腫、精上皮腫、テラトカルシノーマ、神経芽細胞腫及びグリオームを含
む他の腫瘍を含む。
【0029】 式Iの化合物は、結腸癌、肺がん、及び膵臓癌などの、高い発生率のラス突然
変異を有する癌の治療に特に有用である。本発明化合物の1つ(又は組み合わせ)
を有する組成物の投与により、哺乳動物宿主の癌の発達は減少する。
【0030】 式Iの化合物はまた、例えば神経線維腫症などの、ラス蛋白質を介して作用す
る情報伝達経路に関連すると考えられる癌以外の疾患の治療に有効である。 式Iの化合物はまた、やはりファルネシル蛋白転移酵素によって翻訳後修飾を
受けるラス蛋白質以外のCAAXを有する蛋白質(例えば、核膜蛋白ラミン及びトラ
ンスデューシンなど)に関連する疾患の治療に有用である。
【0031】 本発明の組成物は、経口投与に適した剤形(例えば、錠剤、トローチ剤、硬カ
プセル又は軟カプセル剤、水性又は油性の縣濁剤、乳濁剤、分散粉剤もしくは顆
粒剤、シロップ剤又はエリキシル剤など)であって良く、局所投与に適した剤形(
例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水性もしくは油性の液剤又は縣濁剤
など)であって良く、吸入による投与に適した剤形(例えば、細粒粉剤、又は液体
噴霧剤など)であって良く、あるいは非経口投与に適した剤形(例えば、静脈内又
は皮下内又は筋肉内投与のための滅菌水性あるいは油性剤、もしくは直腸内投与
のための座剤など)であって良い。
【0032】 本発明の組成物は、当業界に公知の通常の医薬品添加物を用いて慣用法により
製造できる。従って経口投与のための組成物は、例えば1以上の着色剤、甘味剤
、風味剤及び/又は保存剤を含んでいても良い。
【0033】 錠剤のための薬剤学的に受容できる適切な添加物には、例えば、ラクトース、
炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウムなどの不活性な希釈剤
、コーンスターチ又はアルギン酸などの顆粒化剤又は崩壊剤;澱粉などの結合剤
;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの滑沢剤;p−ヒド
ロキシ安息香酸エチル又はプロピルなどの保存剤及びアスコルビン酸などの抗酸
化薬を含む。錠剤はコーティングを施していないものであっても良く、又は、錠
剤の崩壊とそれに続く消化管内での活性成分の吸収を加減する目的で、あるいは
錠剤の安定性及び/又は外観を改善する目的でコーティングを施したものであっ
て良く、いずれの目的の場合でも当業界に公知の通常のコーティング剤及び方法
を用いてコーティングを施したものであって良い。
【0034】 経口投与剤は、活性成分を、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカ
オリンなどの不活性な固体の希釈剤と混合して入れた硬ゼラチンカプセルの剤形
であってよく、あるいは活性成分を水又は落花生油、流動パラフィン又はオリー
ブ油などの油と混合して入れた軟ゼラチンカプセルの剤形であって良い。
【0035】 水性縣濁剤は一般に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニ
ルピロリドン、トラガントガムとアカシアゴムなどの1以上の縣濁化剤;レシチ
ン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物(例えばステアリン酸ポリエチレ
ンなど)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物(例えばヘプタ
デカエチレンオキシセタノールなど)、又はエチレンオキシドとヘキシトールの
縮合物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど)、又はエチ
レンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物(例えばヘプタデカエチレンオキ
シセタノールなど)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物よ
り誘導される部分エステルの縮合物(例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビ
タンなど)などの分散剤又は湿潤剤と共に微粉状の活性化合物を含む。水性縣濁
剤は1以上の保存剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルなど)、
抗酸化剤(例えばアスコルビン酸など)、着色剤、風味剤、及び/又は甘味剤(例
えばショ糖、サッカリン又はアスパルテームなど)を含んでいても良い。
【0036】 油性縣濁剤は活性成分を植物油(例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はヤ
シ油など)又は鉱油(例えば流動パラフィンなど)中に縣濁して組成物化したもの
であって良い。油性縣濁剤は、蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールなど
の増粘剤を含むものであって良い。味の良い経口用製剤を得るために、前記のよ
うな甘味剤、及び風味剤を加えても良い。これらの組成物は、アスコルビン酸の
ような抗酸化剤を加えて保存しても良い。
【0037】 水を加えて水性縣濁液を調製するのに適した分散性粉末剤及び顆粒剤は、一般
的に活性成分と共に分散剤又は湿潤剤、縣濁剤、及び1以上の保存剤を含む。適
切な分散剤又は湿潤剤及び縣濁剤は、すでに前記に例示してある。甘味剤、風味
剤及び着色剤などの更なる添加剤も含んでいても良い。
【0038】 本発明の医薬組成物は水中油形乳剤の剤形であっても良い。油相はオリーブ油
あるいは落花生油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、又はこの内いずれ
かの混合物であって良い。適切な乳化剤は例えば、アカシアゴムあるいはトラガ
ントゴムなどの天然に存在するゴム、大豆レシチンなどの天然に存在するホスフ
ァチド、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されるエステル又は部分エステ
ル(例えばモノオレイン酸ソルビタンなど)及び前記部分エステルとエチレンオキ
シドの縮合物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなど)であっ
て良い。乳剤はまた甘味剤、風味剤及び保存剤を含んでいても良い。
【0039】 シロップ剤及びエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソル
ビトール、アスパルテーム又はスクロースなどの甘味剤と共に製剤化しても良く
、また粘滑剤、保存剤、風味剤及び/又は着色剤を含んでいても良い。
【0040】 医薬組成物はまた、滅菌した注射用水性又は油性の縣濁剤であって良く、これ
は公知の方法により前記の1以上の適切な分散剤又は湿潤剤及び縣濁化剤を用い
て製剤化しても良い。滅菌注射用製剤はまた、非経口的に受容できる無毒の希釈
剤あるいは液剤中の滅菌注射用液剤又は縣濁剤であって良く、例えば1,3−ブタ
ンジオールの液剤であって良い。
【0041】 常温では固体であるが直腸温では液体である、従って直腸で溶けて薬物を放出
する、適切な非刺激性の添加剤を活性成分と混合して座剤を調製しても良い。適
切な添加剤には、例えばカカオバター及びポリエチレングリコールを含む。
【0042】 一般的に、乳剤、軟膏剤、ゲル剤、及び水性又は油性の液剤又は縣濁剤などの
局所製剤は、当業界に公知の慣用法を用いて、活性成分を局所的に受容できる通
常の賦形剤又は希釈剤と共に製剤化できる。
【0043】 吸入投与用組成物は、例えば平均粒子径が30μか又はそれよりさらに以下の微
細粉末からなる剤形であって良く、この粉末自体が単独の活性成分からなるもの
か、又はラクトースなどの生理学的に受容できる1以上の担体で希釈されたもの
であって良い。次いで好都合には、例えば1−50mgの活性成分を含む吸入用粉
末剤を、公知の薬剤であるカロモグリク酸ナトリウムなどの吸入に使用されてい
るターボ吸入器と共に使用するカプセルにつめる。
【0044】 吸入投与用組成物は、微細固体あるいは液体飛沫を含むエロゾールとして活性
成分を投与するためにアレンジした、通常の加圧エロゾールの剤形であって良い
。揮発性フッ素化炭化水素又は炭化水素などの通常のエロゾール噴射剤を使用し
ても良く、エロゾール装置は定量の活性成分を投与するために好都合にアレンジ
したものである。
【0045】 さらに製剤の情報を得るためには、読者はComprehensive Medicinal Chemistr
y (編集委員長;Corwin Hansch), Pergamon Press 1990第5巻第25.2章を参照さ
れたい。
【0046】 1回量の製剤を製造するために1以上の添加剤と混合して用いる活性成分の量は
、治療の受容者及び特定の投与経路により必然的に変化する。例えば、ヒトへの
経口投与を目的とした製剤は、一般的に例えば適切で好都合な量の添加剤(組成
物全体の約5重量%から約98重量%の間で変化しても良い)と混合した0.5mg−2
gの活性成分を含む。服用量単位剤は一般的に活性成分を約1mg−約500mg含む。
投与経路及び投与計画の情報をさらに得るためには、読者はComprehensive Medi
cinal Chemistry (編集委員長;Corwin Hansch), Pergamon Press 1990第5巻第2
5.3章を参照されたい。
【0047】 式Iの化合物の治療目的又は予防目的のための投与量は、公知の医学上の原理
により、疾患の性質及び重篤度、動物又は患者の年齢及び性別、並びに投与経路
により必然的に変化する。前記のように、式Iの化合物はラスのファルネシル化
の効果が唯一又は部分的に原因となる病気又は病状の治療に有用である 式Iの化合物を治療目的又は予防目的に用いる場合、一般的に、1日量を例えば
0.5mg−75mg/kg体重の範囲で化合物を投与し、必要に応じて分割量で投与する
。一般的に、非経口経路を用いる場合、低めの容量を投与する。従って例えば、
静脈内投与には一般的に例として0.5mg−30mg/kg体重の範囲の容量を用いる。
同様に吸入投与の場合、一般的に例として0.5mg−25mg/kg体重の範囲の容量が
用いられる。しかしながら経口投与が好ましい。
【0048】 本発明の化合物は公知の抗癌剤又は細胞毒と併用して用いても有用である。固
定投与剤として用いる場合、このような併用剤は本発明の化合物を前記の投与量
範囲で用い他の医薬品を認可された投与量範囲で用いる。併用剤が不適切な場合
、遂時投与を検討する。
【0049】 式Iの化合物は主として温血動物(ヒトを含む)に使用する治療剤として価値が
あるが、この化合物はまた、ファルネシル化によるラスの活性化の効果を阻害す
ることが必要な場合には全て有用である。従って、新規な薬物を探索する上で、
新規な生物学的試験の開発に使用するための薬理標準物質としてこの化合物は有
用である。
【0050】 本発明は他の側面において、下記の実施例における最終生成物として製造され
る個々の化合物及びその塩を提供する。 本発明の化合物又はその塩は、このような化合物又は構造関連化合物の製造に
適用できるいかなる公知の方法を用いても製造できる。このような製造法の例を
以下の代表的なスキームに示すが、特記しない限りスキーム中の可変置換基は式
Iに記載のいかなるものをも含む。官能基は慣用法を用いて保護しても良く、脱
保護しても良い。アミノ保護基及びカルボン酸保護基などの保護基 (保護法及び
最終的な脱保護法も含めて) の例については、 T.W. Greene and P.G.M. Wuts,
"Protective Groups in Organic Synthesis", Second Edition, John Wiley & S
ons, New York, 1991を参照のこと。使用した略語は以下の実施例の直前に記載
した。
【0051】 当該保護基の除去のために適切として知られる、文献記載の、あるいは化学界
に公知の、どのような便利な方法を用いても保護基は除去できるが、分子中の他
の基への副反応を最小限に抑えて保護基を除去できる方法を選ぶ。
【0052】 便宜のために保護基の具体例を下に示すが、例中”低級”は、このように呼ぶ
基が好ましくは1−4個の炭素原子を有することを意味する。この具体例が網羅的
ではないことは理解されるであろう。保護基の除去法の具体例を下に示すが、こ
の例も同様に網羅的ではない。具体例で記載しなかった保護基の使用と脱保護法
は、もちろん本発明の範囲に含む。
【0053】 カルボキシ保護基は、エステルを形成する脂肪族アルコール又はアラリファテ
ィック(araliphatic) アルコールあるいはエステルを形成するシラノールの残基
であって良い(前記のアルコール又はシラノールは好ましくは1−20個の炭素原子
を含む)。
【0054】 カルボキシ保護基の例には、直鎖又は分枝鎖の(1−12C)アルキル基(例えばイ
ソプロピル、t−ブチルなど);低級アルコキシ低級アルキル基(例えばメトキシ
メチル、エトキシメチル、イソブトキシメチルなど);低級脂肪族アシルオキシ
低級アルキル基(例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリ
ルオキシメチル、ピバロイルオキシメチルなど);低級アルコキシカルボニルオ
キシ低級アルキル基(例えば1−メトキシカルボニルオキシエチル、1−エトキシ
カルボニルオキシエチルなど);アリール低級アルキル基(例えばp−メトキシベ
ンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒドリル及びフタリ
ジルなど);トリ(低級アルキル)シリル基(例えばトリメチルシリル及びt−ブチ
ルジメチルシリルなど);トリ(低級アルキル)シリル低級アルキル基(例えばトリ
メチルシリルエチル);及び(2−6C)アルケニル基(例えばアリル及びビニルエチ
ルなど)を含む。
【0055】 カルボキシル保護基の特に適切な除去法には、例えば酸触媒、金属触媒又は酵
素触媒による加水分解を含む。 ヒドロキシ保護基の例には、低級アルケニル基(例えばアリルなど);低級アル
カノイル基(例えばアセチルなど);低級アルコキシカルボニル基(例えばt−ブ
トキシカルボニルなど);低級アルケニルオキシカルボニル基(例えばアリルオキ
シカルボニルなど);アリール低級アルコキシカルボニル基(例えばベンゾイルオ
キシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジル
オキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニルなど);トリ低級アル
キル/アリールシリル基(例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル
、t−ブチルジフェニルシリルなど);アリール低級アルキル基(例えばベンジル
など);及びトリアリール低級アルキル基(例えばトリフェニルメチルなど)を含
む。
【0056】 アミノ保護基の例には、ホルミル基、アラルキル基(例えばベンジル及び置換
ベンジル、例としてp−メトキシベンジル、ニトロベンジルなど、及び2,4−ジ
メトキシベンジル、及びトリフェニルメチルなど);ジ−p−アニシルメチル基
及びフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル基(例えばt−ブトキシカルボ
ニルなど);低級アルケニルオキシカルボニル基(例えばアリルオキシカルボニル
など);アリール低級アルコキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル
、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリアルキルシリル基(例えばトリ
メチルシリル及びt−ブチルジメチルシリル);アルキリデン基(例えばメチリデ
ンなど);ベンジリデン基および置換ベンジリデン基を含む。
【0057】 ヒドロキシ保護基及びアミノ保護基の適切な除去法には、例えば、酸触媒、塩
基触媒、金属触媒又は酵素触媒による加水分解、あるいはo−ニトロベンジルオ
キシカルボニル基などの光加水分解、シリル基のフッ素イオンによる加水分解を
含む。
【0058】 アミド基の保護基の例には、アラルコキシメチル(例えばベンジルオキシメチ
ル及び置換ベンジルオキシメチルなど);アルコキシメチル(例えばメトキシメチ
ル及びトリメチルシリルエトキシメチルなど);トリアルキル/アリールシリル(
例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシ
リルなど);トリアルキル/アリールシリルオキシメチル(例えばt−ブチルジメ
チルシリルオキシメチル、t−ブチルジフェニルシリルオキシメチルなど);4−
アルコキシフェニル(例えば4−メトキシフェニルなど);2,4−ジ(アルコキシ)
フェニル(例えば2,4−ジメトキシフェニルなど);4−アルコキシベンジル(例え
ば4−メトキシベンジルなど);2,4−ジ(アルコキシ)ベンジル(例えば2,4−ジ(
メトキシ)ベンジルなど);及びアルク−1−エニル(alk-1-enyl) (例えばアリル,
ブト−1−エニル(but-1-enyl) 及び2−フェニルビニルなどの置換ビニルなど)
を含む。
【0059】 適切な塩化アラルコキシメチルをアミド基と反応させることにより、アミド基
にアラルコキシメチル基を導入することができ、接触水素化によりこれを除くこ
とができる。アミド基と適切な塩化物を反応させることにより、アミド基にアル
コキシメチル基、トリアルキル/アリ−ルシリル基及びトリアルキル/シリルオ
キシメチル基を導入することができ、酸によりこれを除去でき;シリル基を含む
場合、フッ素イオンにより除去できる。適切なハロゲン化物を用いたアリ−ル化
又はアルキル化により便利にアルコキシフェニル基及びアルコキシベンジル基を
導入することができ、これは硝酸第2セリウムアンモニウムによる酸化により除
去できる。最後に、適切なアルデヒドとアミドを反応させることによりアルク−
1−エニル基を導入することができ、これは酸により除去できる。
【0060】 本発明はまた式(II)の化合物
【0061】
【化5】
【0062】 (式中L、R3及びR4は式(I)に記載の基であり、R1'は式(I)に記載のR1基又
はその前駆体であり、R5はBOC又はALLOCなどの保護基である) と式(III)の化合物
【0063】
【化6】
【0064】 (式中Yは式(I)に記載の基でありR2'は式(I)に記載のR2基又はその前駆体で
ある) を反応させ;そして しかる後、望ましければ又は必要性があれば、1以上の以下のステップを行な
う: a) R5保護基を除去する; a) R1'前駆基及びR2'前駆基をR1基及びR2基に変換する;及び b) 前記の基を他のR1基及びR2基に変換する; ことを含む前記の式(I)の化合物の製造法に関する。
【0065】 式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、DMAP及びEDCなどの塩基の存在
下にジクロロメタンなどの有機溶媒中で適切に行われる。たとえば、0〜50℃
の中程度の温度、便宜的には周囲温度で行う。
【0066】 R1'前駆基及びR2'前駆基にはエステルなどの保護基を含んでも良く、これは
薬剤学的に受容できないものであっても良い。これは下に例示する慣用法を用い
て水素又は他のプロドラッグ基に変換しても良い。
【0067】 R5保護基の除去は、TFA及び/又はトリエチルシランと反応させるなどの慣用
法を用いて行なうことができる。 式(II)の化合物は、式(IV)の化合物
【0068】
【化7】
【0069】 (式中R1'、R3、R4、R5及びLは式(II)に記載の基であり、R6は保護基であり、特
別にはメチルなどのアルキル基である) を脱保護して適切に製造できる。脱保護は適切には水酸化アルカリ金属などの強
塩基を用いて行い、特別には水酸化ナトリウムを用いて行なう。反応は適切には
水性アルコール(特別には水性メタノール)などの溶媒中で行い、高温で、好都合
には溶媒の還流温度で行なう。
【0070】 式中Lが -CH2NH- である式(IV)の化合物は、式(V)の化合物
【0071】
【化8】
【0072】 (式中R3、R4及びR6は前記の基である) と式(VI)のアルデヒド
【0073】
【化9】
【0074】 (式中R1'及びR5は前記の基である) をカップリングさせて製造できる。 適切なカップリング条件には、適切な溶媒中、例えばメタノール又はエタノー
ル及び酢酸中、還元剤(例えばNaCNBH3、BH3、水素及び触媒、LiHBEt3、ジイソブ
チル水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウ
ムなど)を使用することを含む。
【0075】 式(VI)のアルデヒドは式(VII)の化合物
【0076】
【化10】
【0077】 (式中R1'及びR5は前記の基でありR6はメチルなどのアルキルでありR7はメト
キシなどのアルコキシである) の還元により製造できる。
【0078】 水素化アルミニウムリチウムのような適切に強力な還元剤を使用する。反応は
テトラヒドロフランなどの溶媒中低温で行い、例えば−50℃から0℃の間で、特
別には−20℃で行なう。
【0079】 式(VIII)の化合物
【0080】
【化11】
【0081】 (式中R8はメタンスルホニルオキシ基などの脱離基である) と式(IX)の化合物
【0082】
【化12】
【0083】 (式中R1'は前記の基であり特別にはトリフェニルメチル又はトリチル基である)
を反応させて、式(VII)の化合物を適切に製造する。 反応条件は当業者には明白と思われるが、一般的にはジメチルホルムアミド(D
MF)などの有機溶媒中、中温で行い、例えば0℃から60℃の間で、好ましくは約40
℃の温度で行なう。
【0084】 式(X)の化合物
【0085】
【化13】
【0086】 (式中R5、R6及びR7は前記の基である) と式(XI)の化合物
【0087】
【化14】
【0088】 (式中R8は前記の基であり、Zはハロゲンなどの脱離基であり、特別には塩素であ
る) を反応させて、式(VIII)の化合物を適切に製造する。反応は、ジクロロメタンな
どの有機溶媒中、トリエチルアミンなどの弱塩基の存在下適切に行なう。中温か
ら低温の間で、例えば−10℃から0℃の間で、適切に反応を行なう。
【0089】 式(XII)の化合物
【0090】
【化15】
【0091】 (式中R5は前記の基である) と式(XIII)の化合物
【0092】
【化16】
【0093】 (式中R6及びR7は前記の基である) を反応させて、式(X)の化合物を適切に製造する。式(XIII)の化合物の特定例はN
,O−ジメチルヒドロキシルアミンである。塩基(例えばDCCI及びDMAPなど)の存
在下、ジクロロメタンなどの有機溶媒中で適切に反応を行なう。
【0094】 式(XII)の化合物は、公知の方法を用いて、対応するヒドロキシプロリン誘導
体のN保護により製造できる。 式(V)の化合物は、式(XIV)の化合物
【0095】
【化17】
【0096】 (式中R3、R4及びR6は前記の基である) の水素化により適切に製造できる。水素化はパラヂウム触媒などの触媒の存在下
適切に行なう。
【0097】 式(XIV)の化合物は式(XV)の化合物
【0098】
【化18】
【0099】 (式中R6は前記の基であり、Z’はハロゲンなどの脱離基であり特別には臭素であ
る) と式(XVI)の化合物
【0100】
【化19】
【0101】 (式中R3及びR4は前記の基である) を反応させて適切に製造する。反応はフッ化セシウムなどの試薬、及びパラヂウ
ム触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラヂウム(0)など)の存在
下適切に行なう。この反応に用いる適切な溶媒はジメトキシエタンであり、反応
は還流条件下行なうことができる。
【0102】 式中Lが -CH2O- である式(IV)の化合物は、式(XVII)の化合物
【0103】
【化20】
【0104】 (式中R3,R4及びR6は前記の基である) と式(XVIII)の化合物
【0105】
【化21】
【0106】 (式中R1'及びR5は前記の基である) を反応させて製造できる。反応は、前記の、式(V)及び式(VI)の化合物間の反応
条件と同様な条件で、適切に行なう。
【0107】 式(XVIII)の化合物は式(VI)の化合物の還元により適切に製造でき、例えば水
素化アルミニウムリチウムなどの還元剤を用いて製造できる。反応はテトラヒド
ロフランなどの溶媒中通常の条件で行なう。
【0108】 式(XVII)の化合物は対応するカルボン酸の保護により製造でき、例えばアルコ
ールを用いて、特別にはメタノールなどのアルキルアルコールを用いて、酸をエ
ステル化することにより製造できる。反応は、塩化スルフリルなどの存在下、高
温で、好都合には溶媒の還流温度で、適切に行なう。
【0109】 酸それ自体は、式(XIX)の化合物
【0110】
【化22】
【0111】 (式中R3及びR4は前記の基であり、R10及びR11はアルキルなどの保護基であり、
特別にはメチル基である) の脱保護により製造できる。適切な脱保護条件は、塩酸ピリジンなどの適切な試
薬と共に高温に加熱することを含み、例えば200℃から250℃の間に、そして好ま
しくは220℃に加熱する。
【0112】 式(XX)の化合物
【0113】
【化23】
【0114】 (式中R10及びR11は前記の基であり、Z’’はハロゲンなどの脱離基であり、特別
には臭素である) と前記の式(XVI)の化合物を、式(XV)の化合物と式(XVI)の化合物との前記の反応
と同様な条件で反応させて、式(XIX)の化合物を得る。
【0115】 前記の式(VI)の化合物と式(XXI)の化合物
【0116】
【化24】
【0117】 (式中R3、R4及びR6は前記の基であり、R12はジエチルリン酸基などのリン酸塩基
か又はトリフェニルホスフィン基である) を反応させて、式中Lが -CH=CH- である式(IV)の化合物を適切に製造する。この
反応は、ウィッティヒ(Wittig) 反応であり、通常条件下適切に行なう。適切な
反応条件には、有機溶媒(例えばTHF、トルエン、DMSOなど)の存在下、随意には
水性溶媒(2相系)の存在下、そして随意には1,4,7,10,13−ペンタオキサシク
ロペンタデカン(15−クラウン−5とも呼ぶ)又は1,4,7,10,13,16−ヘキサオ
キサシクロオクタデカン(18−クラウン−6とも呼ぶ)などの、アルカリ金属イオ
ンを無極性溶媒中に溶解する錯化剤触媒の存在下、塩基(例えば炭酸カリウム、
金属水素化物、金属アルコキシドなど)を使用することを含む。
【0118】 式(XXII)の化合物
【0119】
【化25】
【0120】 (式中R3、R4、及びR6は前記の基であり、Z’’’はハロゲンなどの脱離基であり
、特別には臭素である) とトリエチルホスフェートなどの亜リン酸エステルを反応させて、式(XXI)の化
合物を適切に得る。適切には還流条件を用い、不活性雰囲気下反応させても良い
【0121】 式(XXI)の化合物は、PCT/GB98/00230 の実施例に記載の方法を用いて製造して
も良い。製造法の詳細を下記のスキーム2にさらに要約する。 前記のいずれの製造法であっても、その後に必要又は所要であれば、通常の化
学反応を用いてR1置換基及びR2置換基を他の基に変換することができ、この例を
以下に記載する。
【0122】 生物活性を以下のようにテストした。ファルネシル蛋白転移酵素(FPT)をヒト
胎盤より硫酸アンモニウム分画により部分精製し、次いで基本的に Ray and Lop
ezBelmonte (Ray K P and LopezBelmonte J (1992) Biochemical Society Trans
ations 20 494497)による記載の方法を用い、一回のQ-Sepharose (登録商標)(Ph
armacia, Inc) 陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。FPTの基質に
は、Kラス(CVIMのC末端配列を有する)を用いた。ヒトc-Ki-ras-2 4B の腫瘍性va
l 12 変異体の相補鎖DNAを、プラスミドpSW11-1 (ATCC)より得た。次いで、これ
をpIC147などの適切な発現ベクターのポリリンカーにサブクローニングした。大
腸菌BL21株で発現させた後、Kラスを得た。大腸菌中でのc-Ki-ras-24B 及びその
val 12 変異体の発現及び精製は、Lowe他(Lowe P N et al. J. Biol. Chem. (19
91) 266 16721678)によっても報告されている。
【0123】 酵素とのインキュベーション溶液には、300nMのトリチウム化ファルネシルピ
ロリン酸(DuPont/New England Nuclear)、120nMのラス−CVIM、50mMのトリス
塩酸(pH8.0)、5mMのMgCl2、10μMのZnCl2、5mMのジチオトレイトールを加
え、試験化合物をDMSO(試験溶液及びビヒクルコントロール溶液に3%の最終濃度
まで加えた)に適切な濃度に溶解し加えた。インキュベーションを37℃で20分行
い、Pompliano 他(Pompliano D L et al (1992) 31 38003807)記載の方法により
酸性エタノールを加えて反応を停止した。次いで、Tomtec(登録商標)セルハ−ベ
スタ−を用いグラスファイバー濾過マット(B)上に沈殿した蛋白質を回収し、Wal
lac(商標登録)1204Betaplateシンチレーション計数管中でトリチウム化標識を測
定した。
【0124】 式Iの化合物の薬理学的性質は、予期されるとおり構造の変化に従って変化す
るが,前記テストにおいて式Iの化合物は一般的に0.01−200μMのIC50値を有す
る。
【0125】 以下の実施例において本発明をさらに詳しく説明するが、これに限定するもの
ではない。特記しない限り、 (i) 溶媒の減圧下溜去はロータリーエバポレーターを用いて行い、残留固体
を濾過により除いた後精製を行なった; (ii) 操作は室温で、即ち18−25℃の間の温度で、アルゴンなどの不活性ガス
の雰囲気下行なった; (iii) カラムクロマトグラフィー(フラッシュ法で)及び中圧液体クロマトグ
ラフィー(MPLC)は、E. Merck, Darmstadt, Germany より得たMerck Kieselgel
シリカ (Art. 9385) 又はMerck Lichroprep RP-18 (Art. 9303) 逆相シリカを用
いて行なった; (iv) 収率はただ例として示したものであり、必ずしも到達しうる最大限では
ない; (iv) 式Iの最終生成物は満足な微量分析値を示し、その構造を核磁気共鳴法(
NMR)及び質量スペクトル法により確認した;化学シフト値はデルタ値で示した;
以下の略語を用いた:s,1重線;d,2重線;t又はtr,3重線;m,多重線
;br,広い; (vi) 中間生成物は一般的に完全には構造確認せず、純度は薄層クロマトグラ
フィー、赤外分析法又はNMR分析法により評価した; (vii) 融点は未補正であり、 Mettler SP62 自動融点測定装置又は油浴装
置で測定した;式Iの最終生成物の融点は、エタノール、メタノール、アセトン
、エーテル又はヘキサンなどの通常の有機溶媒を単独又は混合物で用いて再結晶
した後測定した;そして (viii) 以下の略語を用いた: ALLOC=アリルオキシカルボニル BOC=tert−ブトキシカルボニル DCCI=1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド DMA=N,N−ジメチルアセトアミド DMAP=4−ジメチル−アミノピリジン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド DMSO=ジメチルスルホキシド EDC=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド EEDQ=2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール NMM=N−メチルモルホリン NMM−O=4−メチルモルホリン−N−オキシド TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テトラヒドロフラン TMSI=ヨウ化トリメチルシリル TRAP=テトラプロピルアンモニウムペルルテナート(perruthenate)
【0126】実施例1 表1の化合物8の製造法 スキーム1の化合物(xi)(0.54g)、トリエチルシラン(1ml)及びTFA(60ml)の混合
物を窒素雰囲気下周囲温度で1時間攪拌した。TFAを溜去し、残渣を酢酸エチル(
5ml)に溶解した。エーテル性塩酸(1M,10ml)を加え、次いでさらにエーテル(50
ml)を加えた。生成した白色固体を遠心分離により分離し、さらにエーテルで洗
浄し再度遠心分離を行なった(全部で3回)。この固体を高真空下乾燥し、化合物8
を塩酸塩(0.439g)として得た。化合物8
【0127】
【化26】
【0128】 出発物質(スキーム1の化合物(xi))をスキーム1の化合物(v)より以下のように合
成した。スキーム1の化合物(v)はPCT/GB99/000369の実施例1に記載の方法で
製造した。化合物(v)(9.32g)、スキーム1の化合物(vi)(15g)及び3Aモレキュラ
ーシーブ粉末(20g)をメタノール(250ml)中窒素雰囲気下周囲温度で4時間攪拌し
た。次いで酢酸(9.1ml)を加え次にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.99g)を加
えた。混合物をさらに18時間攪拌した。モレキュラーシーブを濾去しさらにメタ
ノール及びジクロロメタンで洗浄した。濾液及び洗浄液を溶媒がなくなるまで溜
去して、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びジクロロメタンの間で分配し
た。有機溶液を乾燥し溶媒がなくなるまで溜去した。残渣を酢酸エチル/イソヘ
キサン(20:80,30:70)を溶離液とするフラッシュカラムクロマトグラフィーに
より精製しスキーム1の化合物(vii)(14g)を白色フォームで得た。スキーム1の化合物(vii)
【0129】
【化27】
【0130】 化合物(vii)(14g)、水酸化ナトリウム(8g)、水(100ml)及びメタノール(500ml)
の混合物を還流しながら18時間攪拌した。反応混合物を100mlの容量まで濃縮し
、水(100ml)で希釈しクエン酸水溶液(1M)を加えてpH5に酸性化しジクロロメタ
ン(2x150ml)で抽出した。抽出液を合わせ乾燥し溶媒がなくなるまで溜去して所
望の酸であるスキーム1の化合物(viii)を白色フォーム(12g)として得た。スキームの1化合物(viii)
【0131】
【化28】
【0132】 化合物(viii)(8g)、塩酸L-メチオニンイソプロピルエステル(3.2g)、DMAP(7.1g)
及びEDC(2.9g)をジクロロメタン(100ml)に加え、この混合物を周囲温度で18時間
攪拌した。この溶液をクエン酸水溶液(1M)及びブラインで洗浄し乾燥した。次い
でこれを同量のイソヘキサンで希釈してシリカフラッシュカラムに直接に加え、
酢酸エチル/イソヘキサン(20:80,30:70)で溶出して、化合物(ix)(8.4g)を固
体の白色フォームで得た。スキーム1の化合物(ix)
【0133】
【化29】
【0134】 化合物(ix)(8.4g)及びトリエチルシラン(15.6ml)のジクロロメタン(450ml)溶液
に、窒素雰囲気下激しく攪拌しながらTFA(11.3ml)を加えた。次いで溶液を周囲
温度で4時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で塩基性化し、ジクロロメタ
ン層を分離した。乾燥し少量(50ml)に濃縮した後これをシリカフラッシュカラム
に直接に加え酢酸エチル/イソヘキサン(20:80,50:50)で溶出してスキーム1の
化合物(x)(4.8g)を白色固体で得た。スキーム1の化合物(x)
【0135】
【化30】
【0136】 スキーム1の化合物(x)(500mg)、N−メチルピペリジン−4−カルボン酸(218mg)、
N−メチルモルホリン(409mg)、EDC(232mg)及びHOBT(109mg)をジクロロメタン(10
0ml)に加えこの混合物を窒素雰囲気下周囲温度で18時間攪拌した。次いでこれを
シリカフラッシュカラムに直接加え酢酸エチル/イソヘキサン(1:1)、酢酸エチ
ル、メタノール/酢酸エチル(10:90,20:80)で溶出してスキーム1の化合物(xi
)(540mg)を白色フォームで得た。スキーム1の化合物(xi)
【0137】
【化31】
【0138】実施例2 表1の化合物9の製造法 実施例1に記載した方法と同様な方法を用いて、スキーム2の化合物(xxii)より化
合物9を合成した。化合物9
【0139】
【化32】
【0140】 出発物質(化合物(xxii))を、以下に記載する方法でスキーム2の化合物(xvi)より
合成した。化合物(xvi)の製造法はPCT/GB98/00230の実施例14に記載されてい
る。 化合物(xvi)(20g)を亜リン酸トリエチル(110ml)に溶解し窒素雰囲気下18時間160
度に加熱した。溶媒がなくなるまで溶液を溜去し、残渣をジクロロメタンに溶解
し、シリカフラッシュカラムに直接加え、酢酸エチル/イソヘキサン(50:50)及
び酢酸エチルで溶出して化合物(xvii)を無色オイル(20.7g)で得た。スキーム2の化合物(xvii)
【0141】
【化33】
【0142】 化合物(xvii)(18.0g)をテトラヒドロフラン(500ml)に溶解し、−30℃に冷却した
。カリウムtert−ブトキシド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液を47.3ml)を10分間か
けて加え、次いで化合物(vi)(22.4g)のテトラヒドロフラン(15ml)溶液を8分で加
えた。10分後、飽和塩化アンモニウム水溶液(200ml)を加え反応混合物を放置し
て室温にした。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(200ml)で洗浄し有機層を合
わせ乾燥し溶媒を溜去した。溶離液として酢酸エチル/イソヘキサン(10:90,1
5:85次いで20:80)を用いフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、ス
キーム2の化合物(xviii)を無色フォーム(24g)で得た。スキーム2の化合物(xviii)
【0143】
【化34】
【0144】 化合物(xi)の製造経路と同様な、実施例1に記載の製造経路により、適切な中間
体を用いて化合物(xviii)をスキーム2の化合物(xxii)に変換した。スキーム2の化合物(xix)
【0145】
【化35】
【0146】スキーム2の化合物(xx)
【0147】
【化36】
【0148】スキーム2の化合物(xxi)
【0149】
【化37】
【0150】スキーム2の化合物(xxii)
【0151】
【化38】
【0152】実施例3 表1の化合物5の製造 化合物(8)の製造法と同様な実施例1に記載の製造法を用いて、スキーム2の化合
物(xxv)より表1の化合物5を合成した。化合物5
【0153】
【化39】
【0154】 化合物(xxii)の製造経路と同様な実施例2に記載の製造経路により、適切な中間
体を用いて化合物(xix)よりスキーム2の化合物(xxv)を合成した。スキーム2の化合物(xxiii)
【0155】
【化40】
【0156】スキーム2の化合物(xxiv)
【0157】
【化41】
【0158】スキーム2の化合物(xxv)
【0159】
【化42】
【0160】実施例4 表1の化合物4の製造 スキーム3の化合物(xxxvi)(2.85g)をジクロロメタン(130ml)及び溶解するのに
十分な量のメタノールに溶解し、この溶液に水(183ml)を加え、窒素により脱気
した。触媒量の2塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(45mg)を加
えて得た黄白溶液を周囲温度で10分間攪拌し、次いで水素化トリブチルスズ(5ml
)を加えた。30分後反応混合物を減圧下濃縮(10ml)し、これをメタノール/ジク
ロロメタン(10:90−30:70)を溶離液とするフラッシュカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、黄白色フォームを得た。これを酢酸エチルに再溶解し、エーテ
ル性塩酸を加えた。生成した白色沈殿物を遠心分離により分離し、さらにエーテ
ルを加え再度遠心分離(全部で3回)を行い最後に乾燥して化合物4(1.3g)を黄白
色フォームで得た。
【0161】
【化43】
【0162】 出発物質(化合物(xxxvi))を以下のように合成した。 4−メトキシサリチル酸メチル(スキーム3の化合物xxvi)(25.0g)のジクロロメ
タン(500ml)溶液にトリエチルアミン(29ml)を加え、この溶液を0℃に冷却した。
無水トリフルオロメタンスルホン酸 (29ml)を滴下して加え、反応混合物を周囲
温度で1時間攪拌した。HPLCにより出発物質の消失が確認されるまで、さらに数
倍量のトリエチルアミン及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物を16時間かけ
て加えた。反応混合物を2N塩酸で洗浄し、有機層を溜去して褐色オイルを得た。
フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン(50:50))により精製
し、4−メトキシ−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシ安息香酸メチル(化
合物xxvii)を黄白色オイル(23.4g)で得た。
【0163】
【化44】
【0164】 4−メトキシ−2−トリフルオロメチルスルフォニルオキシ安息香酸メチル(6.
3g)及び4−フルオロベンゼンボロン酸(3.36g)のDME(150ml)溶液に、周囲温度で
アルゴン雰囲気下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加えた。テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(928mg)を加え反応混合物を還流しながら3
.5時間攪拌して均質溶液を得た。周囲温度に冷却後、反応溶液を酢酸エチル及
び水の間で分配した。有機層を2N塩酸、水及びブラインで洗浄し、1PS濾紙を通
過させて濾過し溶媒を除去して、4−メトキシ−2−(4−フルオロフェニル)安息
香酸メチルを黄色油質の固体(7.2g)で得、これをさらに精製せずに用いた。
【0165】
【化45】
【0166】 4−メトキシ−2−(4−フルオロフェニル)安息香酸メチル(9.8g)のメタノール
(75ml)溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(45ml)を加え、この混合物を1.5時間加
熱還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、濾液を濃縮してメタノー
ルを除いた。残りの水層をエーテルで洗浄し、濃塩酸を用いてpH1に酸性化して
酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を乾燥し溶媒を除いて4−メトキシ−2−(4−
フルオロフェニル)安息香酸(スキーム3の化合物(xxix))を白色固体(7.7g)を得、
これをさらに精製せずに用いた。
【0167】
【化46】
【0168】 4−メトキシ−2−(4−フルオロフェニル)安息香酸(7.7g)の乾燥ジクロロメタン(
215ml)溶液を攪拌しながら、3臭化ホウ素のジクロロメタン(1M,66ml)溶液をアル
ゴン雰囲気下0℃で滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、冷却を止
めて周囲温度に戻して16時間攪拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、ジクロロメ
タンで抽出し次いで酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせ、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で抽出し、水層を濃塩酸でpH1に酸性化して酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル抽出物を乾燥し溶媒を溜去して4−ヒドロキシ−2−(4−フルオ
ロフェニル)安息香酸(化合物xxx)を黄色オイル(4.5g)で得、これをさらに精製せ
ずに用いた。
【0169】
【化47】
【0170】 化合物(xxx)(21.7g)のメタノール(220ml)溶液に塩化スルフリル(44ml)を加え、
この溶液を18時間攪拌しながら還流した。メタノールを溜去し、残渣を酢酸エチ
ル及び飽和炭酸水素ナトリウムで分配した。有機層をブラインで洗浄し、相分離
紙を通過させて濾過し、溶媒を溜去して化合物(xxxi)を白色固体(18.2g)で得た
【0171】
【化48】
【0172】 化合物(xxxi)(10g)、化合物(xxxii)(14.2g)及びトリフェニルホスフィン(11.21g
)のジクロロメタン(200ml)溶液を0℃に冷却し、窒素雰囲気下攪拌しながらアゾ
ジカルボン酸ジエチル(7.44g)のジクロロメタン(50ml)溶液を滴下して加えた。
次いで反応混合物をさらに0℃で30分間攪拌し、周囲温度で18時間攪拌した。反
応混合物を60mlに濃縮し、シリカフラッシュカラムに直接加え、酢酸エチル/イ
ソヘキサン(20:80−50:50)で溶出し化合物(xxxiii)を無色オイル(20.3g)で得
た。
【0173】
【化49】
【0174】 化合物(xxxiii)(10g)、2N水酸化ナトリウム水溶液(23ml)、水(70ml)及びメタノ
ール(150ml)の混合物を18時間加熱還流した。2N水酸化ナトリウム(5ml)及び水(3
0ml)を追加し、反応混合物をさらに24時間加熱還流した。混合物を周囲温度まで
冷却し、メタノールを溜去し、残った水溶液をエーテルで洗浄し、2N塩酸を加え
てpH2に酸性化した。次いでこれを酢酸エチルで抽出し、乾燥し、溶媒を溜去し
て化合物(xxxiv)を無色樹脂(7.51g)で得た。
【0175】
【化50】
【0176】 化合物(xxxiv)(7.5g)の乾燥ジクロロメタン(400ml)溶液に、窒素雰囲気下トリ
エチルアミン(4.84ml)を加え、次に塩化ベンゾイル(2.12ml)を加え、反応混合
物を周囲温度で16時間攪拌した。2N 塩酸を加えて反応液中の未反応の試薬を分
解し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせブラインで洗浄し乾燥し減圧
下濃縮して化合物(xxxv)を黄白色フォーム(9.35g)で得た。
【0177】
【化51】
【0178】 前記実施例2に記載の化合物(xx)の製造法と同様な方法を用いて、化合物(xxxv)
を化合物(xxxvi)に変換した。
【0179】
【化52】
【0180】実施例5 医薬組成物 本明細書に記載(活性成分を化合物Xと呼ぶ)の、ヒトにおける治療目的及び予
防目的のための本発明の代表的な医薬製剤を以下に例示する。
【0181】 (a) 錠剤I mg/錠剤 化合物X 100 ラクトース Ph. Eur 182.75 ナトリウムクロスカルメロース(Croscarmellose sodium) 12.0 トウモロコシ澱粉ペースト(5%w/vペースト) 2.25 ステアリン酸マグネシウム 3.0 (b) 錠剤II mg/錠剤 化合物X 50 ラクトース Ph. Eur 223.75 ナトリウムクロスカルメロース(Croscarmellose sodium) 6.0 トウモロコシ澱粉 15.0 ポリビニルピロリドン(5%w/vペースト) 2.25 ステアリン酸マグネシウム 3.0 (c) 錠剤III mg/錠剤 化合物X 1.0 ラクトース Ph. Eur 93.25 ナトリウムクロスカルメロース(Croscarmellose sodium) 4.0 トウモロコシ澱粉(5%w/vペースト) 0.75 ステアリン酸マグネシウム 1.0 (d) カプセル剤 mg/カプセル 化合物X 10 ラクトース Ph. Eur 488.5 マグネシウム 1.5 (e) 注射剤I (50mg/ml) 化合物X 5.0%w/v 1M水酸化ナトリウム溶液 15.0%w/v 0.1M塩酸 (pHを7.6に調整する) ポリエチレングリコール400 4.5%w/v 注射用蒸留水で100%にする (f) 注射剤II (10mg/ml) 化合物X 1.0%w/v リン酸ナトリウムBP 3.6%w/v 0.1M水酸化ナトリウム 15.0%v/v 注射用蒸留水で100%にする (g) 注射剤III (1mg/ml,pH6に緩衝化する) 化合物X 0.1%w/v リン酸ナトリウムBP 2.26%w/v クエン酸 0.38%w/v ポリエチレングリコール400 3.5%w/v 注射用蒸留水で100%にする (h) エロゾール剤I mg/ml 化合物X 10.0 トリオレイン酸ソルビタン 13.5 トリクロロフルオロメタン 910.0 ジクロロフルオロエタン 490.0 (i) エロゾール剤II mg/ml 化合物X 0.2 トリオレイン酸ソルビタン 0.27 トリクロロフルオロメタン 70.0 ジクロロジフルオロメタン 280.0 ジクロロテトラフルオロエタン 1094.0 (j) エロゾール剤III mg/ml 化合物X 2.5 トリオレイン酸ソルビタン 3.38 トリクロロフルオロメタン 67.5 ジクロロジフルオロメタン 1086.0 ジクロロテトラフルオロエタン 191.6 (k) エロゾール剤IV mg/ml 化合物X 2.5 大豆レシチン 2.7 トリクロロフルオロメタン 67.5 ジクロロジフルオロメタン 1086.0 ジクロロテトラフルオロエタン 191.6 (l) 軟膏剤 ml 化合物X 40mg エタノール 300μl 水 300μl 1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン 50μl プロピレングリコール 1mlにする 前記製剤は、医薬業界に公知の慣用法により製造できる。錠剤(a)−(c)は慣用
法により腸溶剤としても良く、例えばセルロースアセテートフタラートをコーテ
ィングして調整しても良い。エロゾール剤(h)−(k)は標準的な定量投与エロゾー
ルディスペンサーと共に用いても良く、縣濁化剤トリオレイン酸ソルビタン及び
大豆レシチンは、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ポ
リソルベート80、オレイン酸ポリグリセロール又はオレイン酸などの代替縣濁化
剤で置き換えることができる。
【0182】
【化53】
【0183】
【化54】
【0184】
【化55】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/02 A61P 35/02 43/00 111 43/00 111 C07D 401/12 C07D 401/12 401/14 401/14 // C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マツシアク,ズビグニエウ イギリス国チェシャー エスケイ10・4テ ィージー,マクレスフィールド,アルダー レイ・パーク Fターム(参考) 4C063 AA01 AA03 BB07 BB08 CC10 CC12 DD03 EE01 4C069 AA13 BB08 BB52 BC14 4C086 AA01 AA02 AA03 BC07 BC21 GA07 GA08 GA16 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZB26 ZB27 ZC20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)の化合物、又はその塩: 【化1】 (式中: R1及びR2はH又はプロドラッグ部分から独立して選択され; R3は水素又はハロゲンであり; R4は水素又はハロゲンであり; Lは -CH=CH- 又は-CH2-Z- であり、式中ZはNHあるいはOであり; Yは S, S(O) 又は S(O)2であり、 ただしR3あるいはR4の少なくとも1つが水素以外のものである)。
  2. 【請求項2】 置換基R1が水素又は式R5C(O)のプロドラッグであり、式中R5 は置換されていてもよいアリール基またはヘテロ環基である請求項1に記載の式(
    I)の化合物。
  3. 【請求項3】 式中R5が置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよ
    いピリジル、置換されていてもよいフリル、置換されていてもよいイソオキサゾ
    ール、置換されていてもよいテトラヒドロピリジル、又は置換されていてもよい
    テトラヒドロフリルである請求項2に記載の式(I)の化合物。
  4. 【請求項4】 式中R5がフェニル、ピリジル、又はN−メチルピペリジンであ
    る請求項3に記載の式(I)の化合物。
  5. 【請求項5】 式中R5がアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ又
    はシアノで置換されていてもよい請求項2、3、又は4に記載の式(I)の化合物。
  6. 【請求項6】 式中R2が、これと結合しているカルボキシル基とともに薬剤学
    的に受容できるエステル又はアミドを形成する請求項1−5のいずれかに記載の式
    (I)の化合物。
  7. 【請求項7】 式中R2が、これと結合しているカルボキシ基とともにC1-6アル
    キルエステル又はC1-6シクロアルキルエステル;C1-6アルコキシメチルエステル
    ;C1-6アルカノイルオキシメチルエステル;フタリジルエステル;C3-8シクロア
    ルコキシカルボニルオキシC1-6アルキルエステル;1,3−ジオキソラン−2−イ
    ルメチルエステル;C1-6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル;アミノカ
    ルボニルメチルエステル及びそのモノ−又はジ−N−(C1-6アルキル)誘導体;又
    は置換されていてもよいへテロ環基の薬剤学的に受容できるエステルを形成する
    請求項6に記載の式(I)の化合物。
  8. 【請求項8】 式中R2が、これと結合しているカルボキシ基とともにN−C1-6
    アルキルアミド又はN,N−ジ−(C1-6アルキル)アミドを形成する請求項6に記載
    の式(I)の化合物。
  9. 【請求項9】 式中R2が水素、C1-4アルキル基、又は置換されていてもよいへ
    テロ環基から選択される請求項1−5のいずれかに記載の式(I)の化合物。
  10. 【請求項10】 式中R3がハロゲン原子である請求項5−9のいずれかに記載
    の式(I)の化合物。
  11. 【請求項11】 式中R4が水素又はフッ素である請求項5−9のいずれかに記
    載の式(I)の化合物。
  12. 【請求項12】 式中連結基Lが-CH=CH-である請求項5−9のいずれかに記載
    の式(I)の化合物。
  13. 【請求項13】 式中YがS又はS(O)2である請求項5−9のいずれかに記載の
    式(I)の化合物。
  14. 【請求項14】 式(I)の化合物又はその塩 【化2】 (式中: R1及びR2はH又はプロドラッグ残基からそれぞれ独立に選択され; R3は水素又はハロゲンであり; R4は水素又はハロゲンであり; Lは -CH=CH- 又は-CH2-Z- であり、式中ZはNHあるいはOであり; Yは S, S(O) 又は S(O)2である)。
  15. 【請求項15】 医薬として使用する請求項1−14のいずれかに記載の化合物
  16. 【請求項16】 請求項1−14のいずれかに記載の化合物と薬剤学的に受容で
    きる希釈剤又は担体をともに含む医薬組成物。
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