JP2003512942A - 造形された発泡体を作る方法 - Google Patents

造形された発泡体を作る方法

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Abstract

(57)【要約】 造形された3次元発泡体用具に高内相エマルジョン(HIPE)を形成し、硬化させる方法が記載されている。一般的に、該方法は、HIPEを提供する工程、あらかじめ決められた3次元形態を有する金型のキャビティにHIPEを配置する工程、HIPE発泡体を形成するように金型のキャビティの中でHIPEを硬化させる工程、3次元発泡体用具を形成させるために金型のキャビティからHIPE発泡体を取り出す工程を用いる。成型された用具は、低密度と3次元形態の組み合わせが所望される吸収製品の部材、玩具、断熱材および他の用途として広く有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、3次元に造形された発泡体用具(implement)およびその
ような用具を作る方法に関する。特に、本発明は、生理用ナプキン、パンティラ
イナー、タンポンなどのような吸収製品において有用な3次元吸収性部材および
そのような造形された吸収性部材を作る方法に関する。
【0002】 発明の背景 生理用ナプキン、パンティライナー、および失禁パッドのような吸収製品は、
典型的には下着のクロッチ領域に着用されるデバイスである。それらのデバイス
は、ヒトの身体からの液体および他の排出物を吸収し、保持し、身体および衣服
の汚れを防ぐように設計されている。生理用ナプキンは、通常着用者の脚部の間
で会陰に隣接して位置する、一対のパンティにおいて女性により着用される1つ
のタイプの吸収製品である。広範な形状および寸法の生理用ナプキンが、現在、
経血および他の身体排出物の収集のために女性により用いられている。
【0003】 過去には、着用者の身体との接触を維持する生理用ナプキンを提供することに
ついて多数の努力が向けられてきた。そのような身体接触を提供する1つの試み
が、マーサーに1956年5月29日に発行された米国特許第2,747,57
5号において開示されている。そのマーサー特許は、着用者の身体に突き出て、
接触し得る縦長の丘部(hump)を有する生理用バンデージを開示する。しか
しながら、マーサー特許において記載される生理用バンデージは、いくつかの不
利益を被る。例えば、マーサーバンデージにおける吸収性パッドと丘部の大きさ
と形状は、バンデージが着用者の身体と接触し、(合致し)続けることを可能と
する条件を限定するように思われる。丘部の側面に横に存在するバンデージの部
分は、薄くも可撓性でもない。加えて、マーサーバンデージの丘部は、セルロー
ス性材料で作られ、結果として、崩壊する傾向があり、使用の間恒久的に捻じ曲
げられ得る。
【0004】 1984年1月10日にデズマレーズに発行された米国特許第4,425,1
30号は、1次生理用パッドとパンティプロテクターが本質的にその全体の共通
の(common)長さに沿って互いに相対的に動くことが自由であるような様
式でその対応末端において互いに結合する上記2つの構成要素を含む複合生理用
ナプキンを開示する。1次生理用パッドは、使用者により排出される多量の体液
を吸収することを意図し、一方、パンティプロテクターは、汚れから使用者の着
衣を保護することを意図する。使用の際に、1次生理用パッドとパンティプロテ
クターの間の動きの相対的な自由さは、パンティプロテクターが使用者の下着と
結合しつづけている間の1次生理用パッドを使用者のクロッチ領域に近接して維
持する役割をする。
【0005】 現在の傾向は、以前の生理用ナプキンよりはるかに薄く、したがってより快適
でありより目立たない生理用ナプキンを開発することである。最近は、中くらい
から多くの経血排出を吸収し、含有する能力を有する生理用ナプキンを開発する
ことに努力が向けられてきた。以前は、そのような排出は、比較的厚い生理用ナ
プキンによってのみ取り扱われ得るものであった。中くらいから多目の経血流を
取り扱うのに十分に大きい能力を有する生理用ナプキンの例は、それぞれ、19
90年8月21日と1991年4月23日にオズボーン,IIIに発行された米
国特許第4,950,264号および第5,009,653号において開示され
ている。
【0006】 生理用ナプキンは、着用者の身体に接触したままであるのみならず、可能な限
り近接して合致することもまた望ましい。そのような身体合致能力は、経血が生
理用ナプキンの周囲を越えて遊走し、漏れる可能性を減少させることにより生理
用ナプキンの有効性を増加させる。生理用ナプキンおよび他の吸収製品に向上し
た身体合致特性を提供する多数の最近の努力が存在する。薄い生理用ナプキンの
例となるのに加えて、上記オズボーン特許において開示される生理用ナプキンは
また、自動的に合致する生理用ナプキンの例にもなる。オズボーン特許において
開示される生理用ナプキンは非常に良好に機能するけれども、よりすぐれた生理
用ナプキンについての研究が続けられている。
【0007】 例えば、1994年8月4日に公開された、公開されたPCT出願シリアル番
号WO94/16658は、一般的に薄く、可撓性の生理用ナプキンを開示し、
それは中央の吸収性の丘部を有し、中くらいから多目の経血流を制御し得る。丘
部は、身体排出物が着用者の身体から出て行くとき経血および他の身体排出物を
より容易に遮断するために着用者の***の間の空間に適合する上で特に有用であ
る。しかしながら、よりすぐれた生理用ナプキン、特に、着用者の大***の間の
空間の中のさらにより優れた適合を達成し、経血のような血液系液体を吸収する
ことについてより適合する生理用ナプキンのために研究が続けられている。
【0008】 血液系液体を吸収するために設計されている3次元吸収製品もまた公知である
。典型的には、そのような製品は、吸収された流体の***外貯蔵についてそのよ
うな流体の***内遮断を可能とするように意図されている。生理用ナプキンの身
体適合能力を高める1つの試みは、典型的には、縦方向に体形(anatomy
)における変化によりよく適合するために、***した後方部分と組み合わせの平
坦な前方部分を有する生理用ナプキンを達成し、同じ製品の中に杯状と丘部状の
形態をともに組み合わせることであった。1つのそのような構造は、1989年
2月14日にラッセンらに発行された米国特許第4,804,380号において
記載され、それは、恥丘の被覆領域を意図する実質的に平坦かまたは凹状の前方
部分および***の後方部分の逆V字形に調節し、成形しているといわれる後方部
分における縦に配向した***した頂点を有する製品を記載する。このタイプの構
造は、ある程度の3次元性を有する生理用ナプキンを提供するけれども、そのよ
うな構造はいまだ、直線でない溝および平坦でない表面を備える女性の体形の様
々の複雑な身体形態に実質的に適合し得ない。’380参照文献の生理用ナプキ
ンは、最初に平坦な構造を機械的に成形することによりその3次元性が付与され
る。例えば、このことは、側面から見られたときその後方部分において***した
頂点が曲線プロフィールを有することを意味し、それゆえ、縦方向から見られた
とき着用者の体形の対応する非直線性プロフィールに適切に合致し得ない。
【0009】 3次元性を有する吸収製品の別の例は、1999年1月14日にザ・プロクタ
ー&ギャンブル・カンパニーの名義で公開された、公開されたPCT出願シリア
ル番号WO99/01095(’095出願)において記載されている。そこで
記載されているデバイスは、よりすぐれた身体性適合を可能とするヒトの女性の
解剖学的形態によりよい合致性を提供する縦中心線に沿ったプロフィールを有す
る。しかしながら、改善はさらに必要とされている。というのは、折りたたみ線
と平面表面の複雑な組み合わせは製造するのに困難だからである。さらに、デバ
イスの輪郭は、体形表面の非直線的性質と比較して、実質的に直線的であり、平
面的である(例えば、その図4を参照されたい)。
【0010】 生理用パッド(例えば生理用ナプキン)、タンポン、外傷用被服、包帯および
外科用ドレープのような血液および血液系液体のための優れた吸収製品の開発が
挑戦可能である。水および尿と比較して、血液および経血のような血液系液体は
、溶解した成分と溶解していない成分(例えば赤血球)の相対的に複雑な混合物
である。特に、経血のような血液系液体は、水および尿よりはるかにより粘性で
ある。この大きな粘性は、最初の排出点から離れた領域にそれらの血液系液体を
有効且つ急速に輸送する通常の吸収材料の能力を妨げる。それらの血液系液体の
溶解しない要素はまた、それらの吸収材料の毛管も潜在的に詰まらせ得る。この
ことは、経血のような血液系液体のための適切な吸収システムの設計を特に困難
にする。
【0011】 様々のタイプの発泡体が、血液および血液系液体を吸収するタンポン、生理用
ナプキンおよび他の製品における使用のために提唱されてきた。例えば、197
8年8月29日に発行された米国特許第4,110,276号(デズマレーズ)
(タンポンおよび生理用パッドにおいて用いられ得るポリウレタン、セルロース
、またはスチレン/ブタジエンゴムから作られた柔軟で可撓性の連続気泡型発泡
体)、1988年6月21日に発行された米国特許第4,752,349号(ゲ
ーベル)(界面活性剤処理により親水化され、0.1から0.8g/ccの範囲
内の密度を有する「中位気泡サイズ」の発泡体)、1986年9月28日に発行
された米国特許第4,613,543号(ダビ)(生理用品において用いられる
親水性気泡性ポリマー)、1975年9月2日に発行された米国特許3,903
,232号(ウッドら)(生理用デバイスを含むバイオメディカル用途において
有用な圧縮された親水性ポリウレタン発泡体)、1977年9月20日に発行さ
れた米国特許第4,049,592(マランズら)(生理用ナプキンなどにおい
て有用性を有する液体または体液との接触の際に極めて吸収性の生分解性親水性
ポリウレタン発泡体)を参照されたい。それらの製品において用いられる先行技
術の発泡体は、比較的大きな気泡サイズを有する傾向があった。結果として、そ
れらの先行技術の発泡体は、生理用ナプキンのような生理用品のトップシートか
らおよびトップシートを通って排出された経血液体を急速に獲得するための血液
および血液系液体のための十分な流体毛管圧を作用しない。このことは望ましか
らぬ濡れをもたらす。というのは、身体と即座に接触する表面は、コアに吸収さ
れない流体の一部を保持し、着用者の身体に逆流する働きをする。
【0012】 吸収製品のために適切な吸収性発泡体はまた、高内相(high inter
nal phase)エマルジョン(本明細書で以後「HIPE」と称される)
からも作られてきた。HIPE発泡体は、身体または身体に隣接するトップシー
トから経血流のほとんどを除去するのに必要な流体毛管圧を提供し得るものであ
り、それにより濡れを最小にする。しかしながら、先行技術のHIPE発泡体に
おいて典型的に存在する塩化カルシウムのような残留水和性塩は、それらの発泡
体による血液および血液系液体の急速な獲得、特に、それらの発泡体の中でのそ
のような液体の移動を損ない得ることが見出されている。上記のように、血液お
よび経血のような血液系液体は、水および特に尿よりはるかに粘性である。それ
らの液体の大きな粘性は、それらの塩の存在によりさらに増加する。さらに、先
行技術のHIPE発泡体は、しばしば、赤血球のような血液および血液系液体の
溶解しない成分を容易に受け入れるにはあまりに小さい発泡体微小構造しか有し
ていなかった。
【0013】 典型的なHIPE発泡体系構造は、例えば、1993年11月9日に発行され
た米国特許第5,260,345号(デズマレーズら)および1993年12月
7日に発行された米国特許第5,268,224号において記載されている。そ
れらの吸収性HIPE発泡体は、(a)流体の後の噴出が収容されることを可能
とする最初の衝突帯域から発泡体構造の未使用の残部に流体を輸送する比較的良
好な吸上げおよび流体分配特性および(b)負荷の下で、すなわち圧縮力の下で
比較的大きな流体収容力を伴う比較的大きな貯蔵能力を含む望ましい尿処理特性
を提供する。それらのHIPE吸収性発泡体はまた、吸収製品の着用者に高度の
快適さを提供するように十分に可撓性であり、柔軟でもある。1995年2月7
日に発行された米国特許第5,387,207号(ダイヤーら)において記載さ
れているもののようなそれらの発泡体のいくつかは、吸収された体液により後に
濡れるまで比較的薄くされ得る。また、1992年9月15日に発行された米国
特許第5,147,345号(ヤングら)および1994年6月7日に発行され
た米国特許第5,318,554号(ヤングら)も参照されたい。それらは、メ
ラミン−ホルムアルデヒド発泡体(例えば、BASFにより作られているBAS
OTECT(登録商標))のような親水性で、可撓性で連続気泡型の発泡体であ
りうる流体獲得/分配部材およびHIPE系吸収性発泡体である流体貯蔵/再分
配部材を有する吸収性コアを開示する。
【0014】 当該技術はまた、血液および血液系流体の吸収のためのHIPE発泡体の使用
も考慮してきた。例えば、1998年12月15日にダイヤーに発行された米国
特許第5,849,805号は、血液および血液系流体、特に経血を吸収するこ
とが可能なHIPE発泡体を作るための方法を記載する。この特許は、HIPE
を単一部材生理用パッドに成形することの大まかな言及を提供するけれども、ど
のようにそのようなパッド形成がなされ得るかの記載は存在しない。別の例にお
いて、1999年5月4日にダイヤーらに発行された米国特許第5,899,8
93号は、血液および血液系流体の吸収にとって特に適切であるHIPE発泡体
含有吸収製品を記載する。しかしながら、そこに記載されている吸収製品は、全
て実質的に平面であり、HIPE発泡体はシート形態である。
【0015】 3次元的特徴を有するHIPE発泡体系吸収製品は、1999年2月23日に
ハモンズらに発行された米国特許第5,873,869号(’869特許)にお
いて記載されている。そこに記載されている製品は、ほぼ三角形の断面を有する
管形態の1次吸収部材および2次吸収部材を含む。1次吸収部材は、HIPEに
由来する発泡体材料のいくつかのシートから組み立てられていて、少なくとも部
分的に着用者の***間空間に適合するように十分に合致性である。吸収製品にお
けるそのようなHIPE発泡体の使用は、以下にきわめて詳細に検討される。そ
のような構造は望ましい合致性を提供するけれども、それらは組み立てるのには
複雑である。というのは、それらは、機能製品に組み立てるのに必要な多くの部
材を具備するからである。
【0016】 3次元性を有する他のHIPE発泡体もまた公知である。例えば、1966年
6月14日にウィルに発行された米国特許第3,256,219号(’219特
許)は、スチレンおよびスチレン誘導体、メチルメタクリレートのようなアクリ
ル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、およびアクリロニトリルのようなモ
ノマーから作られるHIPE発泡体で型を満たす加工物を被覆することを記載す
る。特に、型の中のHIPEを用いるとき、’219特許は、HIPEにおいて
用いられるのと同じモノマーから形成される粉末または粘性液体ポリマーとHI
PEを混合することを教示する。そのような参照文献は、HIPEから3次元製
品を製造することの基本的な側面を教示し得るけれども、吸収製品または吸収性
HIPEの教示は存在しない。さらに、そして重要なことに、そこに開示される
HIPEから3次元製品を形成するための適切なプロセスの、成形プロセスにお
ける使用にとって適切な材料の、または当業者がHIPE発泡体を含む様々の成
形された製品を製造することを可能とする他の情報の教示は存在しない。
【0017】 それゆえ、着用者の身体との接触を維持し、着用者の身体に可能な限り密に合
致する生理用ナプキンのような吸収製品のための吸収性部材を提供することが望
ましい。そのような接触および合致性を高めるように3次元形状のそのような部
材を提供することはさらに望ましい。吸収製品が着用者の身体に容易に接触し、
合致するように弾力性でありながら、経血のような血液系液体を処理し、吸収し
、そして貯蔵するのに特に適切であるHIPE発泡体のような発泡体材料からそ
のような部材を製造することはさらに望ましい。着用者の身体の複雑な曲線に適
合する3次元形状が提供されるように成形プロセスを用いてそのような3次元吸
収性発泡体部材を製造することもまた望ましい。
【0018】 もし製品が他の材料から作られるならば発泡体組成物の特定の利益が困難とと
もにのみ達成し得る特性を有する製品を提供し得るHIPE発泡体から他の3次
元製品を提供し、高速商業的製造に従いやすい成型プロセスを用いてそのような
製品を製造することがさらに望ましい。
【0019】 本発明のそれらのおよび他の側面は、以下の記載を参照して考慮されるとき、
そして添付の図面とともに理解されるときより容易に明らかになるであろう。
【0020】 発明の概要 本発明は、3次元製品を製造するために発泡体材料を成型する方法に関する。
そのような3次元製品は、経血のような血液系液体のよりすぐれた獲得および女
性着用者の身体に対するより優れた適合を提供する生理用ナプキン、パンティラ
イナー、***間デバイスおよび成人失禁パッドのような吸収製品における吸収性
部材としての使用にとって特に適切である。発泡体特性および3次元性の特に望
ましい組み合わせを有する他の3次元発泡体系製品もまた本発明の方法を用いて
製造されうる。
【0021】 本発明において用いられる成型発泡体を形成する方法は、それらの吸収性発泡
体が、大きな毛管吸着圧力を提供するには十分に小さいが、しかしそれらの液体
の不溶性成分による遮蔽を防止するかまたは最小化するには十分に大きい気泡お
よび開孔を有することを可能とする。特に、成型された発泡体を形成する方法は
、HIPEが油中水型エマルジョンであり、油相が以下に記載される特性を有す
るHIPE発泡体に硬化される重合性モノマーを含むHIPEを成形する工程を
含む。HIPEは、HIPEがHIPE発泡体に硬化する間に吸収性部材として
の使用のための所望の3次元形状にHIPEを保持するように設計されている型
に注入される。次いで、成型されたHIPE発泡体は、型から取り出され、いず
れか所望の成型後処理(例えば、洗浄および再親水化)がなされる。所望であれ
ば、最終製品であるかまたはさらに最終製品に変換される成型された製品が用い
られ得る。
【0022】 最終製品が吸収製品であるとき、本発明の吸収製品のために用いられる発泡体
材料は、血液および経血のような血液系液体を吸収し、ついで、発泡体の他の領
域に有効にそれらの吸収された液体を動かすことが可能である。それらの吸収性
ポリマー発泡体材料は、相互連絡する連続気泡の親水性、可撓性、ノニオン性ポ
リマー発泡体構造を具備する。この発泡体構造は、 A)約0.0060から約0.10m2 /ccの範囲の毛管比表面積、 B)15分後31℃で0.74psiの閉じ込め圧力の下で測定したとき約5
から約90%の耐圧縮たわみ性、 C)約15から約125g/gの自由吸収能力、 D)約2%未満の残留水和塩 を有する。
【0023】 本発明において用いられる発泡体の特に重要な特性は、それらの発泡体の気泡
の間の連通経路(開孔)が赤血球(約8μmを超える平均直径)のような不溶性
固体を通過させるのに十分に大きいことである。結果として、それらの開孔は、
発泡体により吸収される血液および血液系液体により遮蔽されるかまたはふさが
れるようにならない。気泡および開孔が血液および血液系液体の中の不溶性成分
の自由な動きを可能とするのに十分に大きくても、それらは、生理用製品におい
て用いられる吸収剤について要求される必要な大きな毛管吸収圧力を作り出すよ
うに十分に小さい。言葉を変えれば、それらの発泡体は、血液および経血のよう
な血液系液体の中の不溶性成分の自由な動きを可能とするように、大きな毛管吸
収圧力と十分な開孔性を組み合わせている。典型的には、それらの発泡体の気泡
は約20から約2500μmの数平均気泡サイズを有し、一方、それらの気泡の
間の開孔は、約5μmから約60μmの数平均開孔サイズを有する。
【0024】 本明細書は、本発明を形成するとみなされる主題を特に指摘し、明確に特許請
求する特許請求の範囲を含むけれども、本発明は、添付の図面とともに理解され
る以下の記載からよりよく理解されるであろうと思われる。
【0025】 発明の詳細な説明 1.定義 本明細書で用いられる「使用」という用語は、吸収製品が使用者の体形と接触
して実際に押し当てられるとき開始する時間を称する。
【0026】 本明細書で用いられる「結合する」または「固着される」という用語は、第1
の部材が第2の部材に直接接続される形状および第1の部材が中間部材に接続し
、それが今度は第2の部材に接続することにより第1の部材が間接的に第2の部
材に接続される形状を包含する。
【0027】 本明細書で用いられる「外陰部」という用語は、外部から可視的な女性生殖器
を称し、大***、小***、クリトリスおよび前庭に限定される。
【0028】 2.3次元構造 a.本発明の3次元吸収製品の好ましい態様の一般的特徴 1つの側面において、本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、***間
デバイス、タンポンおよび成人失禁パッドのようなヒトの女性による着用のため
の吸収製品に関する。本発明の吸収製品は、経血のような血液系液体のよりすぐ
れた獲得および女性着用者の身体に対してよりすぐれた適合を提供する成型され
た3次元発泡体吸収性構造を有する。
【0029】 最も単純な形状(図示せず)では、本発明による吸収製品は、成型された3次
元吸収構造のみを含む。認識され得るように、先行技術の吸収構造における別部
材により典型的に提供される機能を提供するように成型プロセスが提供され、あ
るいは成型された吸収構造が処理され得る。すなわち、トップシートおよびバッ
クシートのような部材は、そのような単純な態様においては任意である。トップ
シート機能は、トップシート機能を有する気泡サイズ分布と機械的特性をもつ身
体接触表面、および貯蔵機能を提供する異なる気泡サイズ分布を有する内部を備
える構造を成型することにより提供され得る(そのような成型プロセスは以下に
検討される)。吸収構造は、バックシート機能を提供するように着衣接触部分上
に「スキン」を提供するようにもまた成型され得るかまたは、着衣表面は、(例
えばフルオロカーボン処理により)水性流体に実質的に不透過性となるように処
理され得る。
【0030】 図1は、3次元構造を有し、着用者に面するかまたは接触する生理用ナプキン
20のほとんどの部分が見るものに向かって配向する、本発明のより従来型の生
理用ナプキン20の斜視図である。生理用ナプキン20の設計は、前述の’09
5出願に記載されている3次元生理用ナプキンと同様である。上記のように、そ
のようなデバイスは、女性着用者の体形との良好な接触を提供する。曲線接触表
面を提供することのような改善は、身体接触の更なる改善を提供するためになさ
れ得ることが認識されているけれども、’095出願に記載されているデバイス
は、本発明の原理を例証するために用いられ得る。特に、本発明のプロセスに関
する側面(以下の検討を参照されたい)は、それにより容易に例示され得る。
【0031】 図1および2に示される生理用ナプキン20は、いずれの適切なサイズのもの
でもあり得る。好ましくは、これらの図に示される生理用ナプキン20の態様は
、特に、夜間の使用のために、着用者の体液による着用者のパンティの汚れを減
少させるかまたはなくすために着用者のパンティの最大面積を被覆するのに十分
なサイズのものである。1つの好ましい態様において、生理用ナプキン20は、
その最も狭いところで約8cmであり、縦中心線Lに沿って測定された長さにお
いてほぼ22cmである。別態様において、生理用ナプキン20の幅は同様であ
るが、しかし、長さは約30cmから約35cmの範囲にある。昼間の使用を意
図するもののような他のより通常のサイズの態様においては、生理用ナプキン2
0は、好ましくは、約20から40cm長、より好ましくは、約22から35c
m長および最も好ましくは、約24cm長である。生理用ナプキン20は、好ま
しくは、約5から15cm幅、より好ましくは、約5から10cm幅、および最
も好ましくは約5から8cm幅である。
【0032】 図面に示されるもののような態様について全体的に生理用ナプキン20は、好
ましくは、その圧縮されていない状態において、約5mmから最大約30ないし
40mmの高さの範囲を有する。生理用ナプキンが生理用ショーツにより着用者
の身体に近接して保持される日本における使用のために設計される態様のような
他の態様においては、高さは、ある程度の身体接触を提供するために、この大き
さである必要さえない。
【0033】 図2によりよく示されているように、生理用ナプキン20は、液体透過性トッ
プシート22、トップシート22に結合する液体不透過性バックシート23、お
よびトップシート22とバックシート23との間に位置する吸収性コア24を備
える。
【0034】 生理用ナプキン20は、身体に面する、すなわち接触する表面20aおよび着
衣に面する、すなわち接触する表面20bの2つの表面を有する。身体接触表面
20aは、着用者の身体に隣接して着用されることが意図され、一方、着衣表面
20bは反対側にあり、生理用ナプキン20が着用され、例えば、下着に当接し
て配置されるとき、下着側になることが意図される。対応する身体に面する表面
と着衣に面する表面もまた、生理用ナプキン20を構成するそれぞれの単層にお
いて、例えば吸収性コア24において認められ得る。生理用ナプキン20は、縦
対称平面Sを有する。本明細書で用いられる「縦」という用語は、生理用ナプキ
ン20が着用されるとき起立している着用者を左と右の半分に両断する垂直平面
と一般的に並ぶ(例えばほぼ平行である)生理用ナプキン20の線、軸または方
向を称する。生理用ナプキン20の対称平面Sは、起立する着用者を両断するこ
の垂直平面に実質的に対応する。生理用ナプキン20は縦対称平面Sにより2つ
の対称的に等しい半分に正確に分割されることが好ましいけれども、2つの半分
が対称でないこともまた可能である。本明細書で用いられる「横」という用語は
、縦に対称の平面Sに一般的に垂直である方向を称する。「縦に配向した」とい
う用語は、平面図で見たとき、縦対称平面Sの±45度の範囲に含まれる方向を
称する。「横に配向した」という用語は、同様に、平面図で見たときいずれか他
の方向を称する。
【0035】 本明細書で用いられる「前方」および「後方」という用語は、生理用ナプキン
20が着用されるとき、それぞれ、着用者の身体の前方および後方部分に向かっ
て配向する生理用ナプキン20の部分またはエッジを称する。
【0036】 生理用ナプキン20は周囲30を有し、それは、生理用ナプキン20の外側エ
ッジにより規定される。生理用ナプキン20の縦エッジ31は縦対称平面Sと並
び、生理用ナプキン20のエンドエッジは、前方エンドエッジ32aおよび後方
エンドエッジ32bを含む。生理用ナプキンの吸収性コア24は、前方部分40
、中央部分42および後方部分44を有し、それぞれの部分は、好ましくは、吸
収性コア24の全長のほぼ3分の1に対応する。対応する前方、中央および後方
部分もまたそれぞれ生理用ナプキン20において認められ得る。
【0037】 本発明の生理用ナプキン20は3次元的である。というのは、女性外陰部領域
の複雑な身体形状に合致することが意図される3次元構造を使用の前に付与され
るからである。本発明の3次元生理用ナプキン20は、好ましくは、実質的に一
定の厚さを有し、それはより好ましくは5mm未満である。生理用ナプキンはそ
れゆえ、薄いタイプのものであるとみなされ得る。
【0038】 トップシート、バックシート、および吸収性コアは、(いわゆる「チューブ」
製品またはサイドフラップ製品を含む)様々の周知の形状に組み立てられ得るが
、図1は、トップシート22およびバックシート23が吸収性コア24の寸法よ
り一般的に大きい長さおよび幅寸法を有する生理用ナプキン20の好ましい態様
を示す。トップシート22とバックシート23は吸収性コア24のエッジを越え
て延び、それにより、生理用ナプキン20の周囲30を形成する。
【0039】 トップシート22は、柔順であり、柔軟な感触があり、着用者の皮膚に刺激が
ない。さらに、トップシート22は、液体透過性であり、液体(例えば、経血お
よび/または尿)をその厚さを通して容易に貫通することを可能とする。適切な
トップシート22は、製織および不織材料、開孔成形された熱可塑性フィルム、
開孔されたプラスチックフィルム、および油圧成形された熱可塑性フィルムのよ
うなポリマー材料、多孔性発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、および
熱可塑性スクリムのような広範な材料から製造されうる。適切な製織および不織
材料は、天然繊維(例えば、木材または綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエス
テル、ポリプロピレン、またはポリエチレン繊維のようなポリマー繊維)または
天然繊維と合成繊維の組み合わせから構成され得る。
【0040】 好ましいトップシートは、開孔成形フィルムを含む。開孔成形フィルムは、ト
ップシートとして好ましい。というのは、それは、体液に対して透過性であり、
さらに非吸収性であり、液体が逆流し、着用者の皮膚を再び濡らすことを許容す
る傾向が少ないからである。したがって、身体と接触する成形フィルムの表面は
乾いたままであり、それにより、身体の汚れを減少させ、着用者にとってより快
適な感じを作り出す。
【0041】 適切な成形フィルムは、1975年12月30日にトンプソンに発行された米
国特許第3,929,135号、1982年4月13日にミュレーンらに発行さ
れた米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にレーデルらに発行
された米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にアーらに発行
された米国特許第4,463,045号、および1991年4月9日にベアード
に発行された米国特許第5,006,394号において記載されている。本発明
の吸収製品にとって好ましいトップシートは、1以上の上記特許において記載さ
れ、「DRI−WEAVE」としてオハイオ州シンシナチのザ・プロクター&ギ
ャンブル・カンパニーにより生理用ナプキン上で販売される成形されたフィルム
である。そのような成形されたトップシートもまた、1997年4月11日にウ
ーレットらの名義で出願された米国特許出願シリアル番号第08/826,50
8号において記載されている生理用ナプキン20の身体表面20aからそこにあ
る流体の流れを遠くに送ることを促進する表面エネルギー勾配を提供する疎水性
材料で処理され得る。
【0042】 本発明の好ましい態様において、成形フィルムトップシートの身体表面すなわ
ち露出表面は、吸収性コアに流入し、吸収性コアにより吸収されるよりもむしろ
経血流体がトップシートから流出するようなことをなくすように、もし身体表面
が親水性でない場合よりもより速く液体がトップシートを通過することを助ける
ために親水性である。好ましい態様において、界面活性剤が、1997年7月1
日にアジズらの名義で発行された米国法定発明登録H1670において記載され
るように、成形フィルムトップシートのポリマー材料に含まれる。代わりに、ト
ップシートの身体表面は、1990年8月21日にオズボーンに発行された米国
特許第4,950,264号において記載されるように界面活性剤でそれを処理
することにより親水性とされうる。
【0043】 本発明の生理用ナプキン20に用いられる吸収性コア24は、身体滲出物を獲
得し、吸収し、含有する。吸収性コア24もまた生理用ナプキン20が着用者の
身体の形態に合致するように生理用ナプキン20に3次元形態を提供する。した
がって、吸収性コア24は、好ましくは、身体滲出物を吸収し、含有することが
可能であり、圧縮性であり、柔順であり、弾力性があり、着用者の皮膚に刺激が
ない。好ましくは、吸収性コア24は、以下で検討されるHIPE発泡体材料を
含む。
【0044】 吸収性コア24は、生理用ナプキン20に構造的3次元形状を提供する。本明
細書で用いられる「構造的3次元性」という用語は、最初は平坦な製品を単純に
折りたたみ、またはひだ付けすることによっては達成され得ない構造のみならず
、そのような操作により形成され得る3次元構造も含む(固有的に平坦な製品を
成形するかまたはひだ付けするプロセスは、流体処理(fluid handl
ing)のような性能要求を妨げ得る、曲げのところで応力線を固有的に作り出
し、一方、同じ形状を成型することは、減少した性能の同様の潜在的領域を作り
出さない)。上記のように、そのような3次元性は、ヒトの女性の外陰部領域の
形状により優れた合致性を可能とする。以下に検討されるように、3次元吸収性
コア24は、HIPEを金型に入れ、図1および2において示される所定の3次
元構造を有する造形されたHIPE発泡体を提供するために金型の中でHIPE
を重合させることにより有利に製造されうる。認識され得るように、多くのその
ようなあらかじめ決められた成形された吸収性コア設計は、そのような成型プロ
セスにより製造されうる。
【0045】 吸収性コア24の全吸収能力は、生理用ナプキン20についての意図される滲
出物負荷と合致すべきである。生理用ナプキン20は、好ましくは、オズボーン
に発行された米国特許第4,950,264号および第5,009,653号に
おいて記載される生理用ナプキンの能力の範囲の少なくとも下限に等しく、より
好ましくはそれより大きい能力を有する。生理用ナプキン20は、例えば、オズ
ボーンに発行された米国特許第5,009,653号において設定されている手
順により測定して約20〜60グラムの滅菌生理食塩水の全収容力を有し得る。
さらに、吸収性コア24の吸収能力は、滲出物流体体積の予想量の範囲の着用者
に適合するように変化し得る。例えば、異なる吸収能力が、夜間の使用を意図す
るものと比較して昼間の使用を意図する生理用ナプキンについて、またはより年
齢を加えた女性により意図されるものと比較して10代の女性による使用を意図
する生理用ナプキンについて利用され得る。
【0046】 図1および2に示される態様において、吸収性コア24は、生理用ナプキン2
0に所望の吸収性、弾力性および他の必要とされる特徴を提供するひとまとまり
の特性を有する。上記のように、そして以下により詳細に検討されるように、そ
のような特徴は、HIPE発泡体により特に有利に提供される。
【0047】 吸収性コア24としての使用のために選択されるHIPE発泡体材料は、好ま
しくは、生理用ナプキン20の身体への適合と快適さを高めるために柔順であり
、柔軟であり、快適であり、圧縮性であり、そして弾力性である。好ましくは、
吸収性コア24は、生理用ナプキン20が通常の使用の間に被る女性外陰部領域
において及ぼされる比較的小さな力の下で変形するように圧縮性である。圧縮性
であることに加えて、吸収性コア24を構成する発泡体材料は、好ましくは、生
理用ナプキン20が***および会陰に、そしてそれらの周りにより優れた適合を
提供するように、柔順である。通常の着用時の力に供されるとき生理用ナプキン
が壊れてしまわないように、生理用ナプキン20は十分に弾力性であることもま
た重要である。吸収性コア24は所望の弾力特性を有する生理用ナプキン20を
提供し、そうして、生理用ナプキン20は、女性使用者の露出した生殖器と緊密
な接触を提供するように身体の輪郭に合致する。露出した女性生殖器との緊密な
接触は、液体が生理用ナプキン20を迂回および/または流出することを許容す
ることなく生理用ナプキン20に使用者からの液体滲出物のより優れた移行を提
供する助けをする。吸収性コア24の弾力特性はよりすぐれた適合を可能とする
けれども、弾力特性は、製品が着用者にとって柔軟であり快適であることの両方
である必要に対して均衡を取らなければならない。
【0048】 同様に、吸収性コア24は、毛管力がその中の気泡をつぶさないくらい十分に
弾力性でなければならない。また、このことは、柔軟さと流体処理特性との間の
均衡をもたらす。図には示されていないが、ある態様において、吸収性コア24
は、獲得部分と貯蔵部分の2つの主要部分を備える。獲得部分は、そこからの排
出の際に即座に着用者の身体から身体滲出物を急速に吸収する能力を有する吸収
性コア24を提供するのに特に適していながら、(毛管崩壊の危険の増加となる
)所望の柔軟性および快適さを有する吸収性コア24の部分である。獲得部分は
、血液および血液系液体を吸収することが可能である相互連絡した連続気泡の親
水性、可撓性、ノニオン性ポリマー発泡体構造を備える。獲得部分を形成する発
泡体構造は、第1の範囲の値のサイズ(すなわち第1平均気泡直径または「気泡
サイズ」)のものである発泡体構造の範囲の気泡を有する。
【0049】 貯蔵部分は、獲得部分から身体滲出物、特に経血を得て、そのような滲出物を
恒久的に貯蔵するのに特に適している吸収性コア24の部分である(毛管崩壊へ
の抵抗は恒久的な貯蔵を促す上で重要である)。貯蔵部分は、好ましくは、また
、血液および血液系液体を吸収することが可能である相互連絡する連続気泡の親
水性、可撓性、ノニオン性ポリマー発泡体構造も含む。貯蔵部分を形成する発泡
体構造は、第2気泡サイズ(すなわち第2平均気泡直径または「気泡サイズ」)
を有する発泡体構造を有する。
【0050】 好ましくは、獲得部分と貯蔵部分は、異なる特性を備える。獲得部分と貯蔵部
分は、少し可能な差異を挙げると、サイズ、用いられる発泡体のタイプ、発泡体
の気泡サイズ、発泡体の圧縮に対する抵抗、吸収能力において異なり得る。異な
る特性は好ましい。というのは、貯蔵部分は、獲得部分から液体を取り、それら
の液体を貯蔵し得るべきであり、獲得部分ほど着用者の身体と近接して接触する
必要がないからである。獲得部分は、好ましくは、より小さなTg、より大きな
W:O比、より小さな架橋レベル、または貯蔵部分と比較してより目の粗い気泡
微小構造を伴うそのような特性の組み合わせにより達成され得るより柔軟な機械
的特性を有する(HIPE発泡体の特性の更なる検討については以下を参照され
たい)。
【0051】 吸収性コア24についての所望の設計に応じて、獲得部分および貯蔵部分は、
互いに関して様々の空間関係を有しうる。例えば、獲得部分と貯蔵部分は、獲得
部分がトップシート22(または2次トップシート)の直下に存在し、貯蔵部分
が獲得部分とバックシート23との間に存在する互いに関して層状の関係におい
て存在し得る。獲得部分と貯蔵部分はまた、貯蔵部分の能力の一部が獲得部分の
横に外側に配置される横並び関係においても存在し得る。吸収性コア24のため
にそのような構造を成型する方法は、1999年1月5日にシブリーらに発行さ
れた米国特許第5,856,366号において記載されている不均質発泡体材料
を製造するために方法を特に利用し得る。
【0052】 生理用ナプキン20のバックシート23は、好ましくは、液体(例えば、経血
および/または尿)に対して不透過性であり、他の可撓性液体不透過性材料もま
た用いられ得るけれども、好ましくは、薄いプラスチックフィルムから製造され
うる。本明細書で用いられる、「可撓性」という用語は、柔順であり、ヒトの身
体の一般的形態および輪郭に容易に合致し得る材料を称する。使用時に、バック
シート23は、吸収性コア24と使用者の下着との間に介在する。バックシート
23の機能は、吸収性コア24から排出されうるかまたは吸収性コア24を不注
意により迂回する滲出物および吸収性コア24に吸収され、含まれる滲出物が使
用者の下着に接触し、汚すことを防止することである。
【0053】 バックシート23は、製織または不織材料、ポリエチレンまたはポリプロピレ
ンの熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、またはフィルムで被覆された
不織材料のような複合材料を含み得る。好ましくは、バックシートは、約0.0
12mm(0.5ミル)から約0.015mm(2.0ミル)の厚さを有するポ
リエチレンフィルムである。典型的なポリエチレンフィルムは、名称P18−0
401およびマイクロフレックス1401の下でオハイオ州シンシナチのクロペ
イ・コーポレーションにより製造される。バックシートは、好ましくは、より布
らしい外観を提供するためにエンボス加工されるか、および/またはつや消し仕
上げされる。さらに、バックシートは、滲出物がバックシートを通過することを
いまだ防止しながら蒸気が吸収性コア24から出て行くことを許容し得る(すな
わち、通気性)。
【0054】 トップシート22、バックシート23、および吸収性コア24は、(いわゆる
「サンドイッチ」製品および「チューブ製品」を含む)当該技術において公知の
様々の形状で組み合わせられ得る。生理用ナプキンが備え得るいくつかの好まし
い生理用ナプキン形状および特徴は、以下の特許:1982年3月30日にアー
に発行された米国特許第4,321,924号、1984年1月10日にデズマ
レーズに発行された米国特許第4,425,130号、それぞれ1990年8月
21日および1991年4月23日に共にオズボーンに発行された米国特許第4
,950,264号および第5,009,653号、およびスネラーらに発行さ
れた米国特許第5,234,422号および第5,308,346号において一
般的に記載されている。
【0055】 図1および2に示される生理用ナプキン20の部材は、好ましくは、トップシ
ート22とバックシート23が吸収性コア24の寸法より一般的に大きい寸法を
有するサンドイッチ構造において組み合わせられている。もし任意の2次トップ
シートまたは獲得層(図示せず)が用いられているならば、それはトップシート
22と吸収性コア24との間に配置され、一方または両方の要素に結合される。
トップシート22は、吸収性コア24の外側に存在する生理用ナプキンの領域に
おいてトップシート23に結合する。好ましくは、トップシート22は、螺旋パ
ターンで付与されるコア結合接着剤によりそれらの部材に結合される。吸収性コ
ア24は、好ましくは、バックシート23に結合する。好ましくは、吸収性コア
24およびバックシート23は、そのそれぞれが接着剤の螺旋を含む接着剤の複
数のストリップとして付与されるコア一体性接着剤(core integri
ty adhesive)を用いて結合される。生理用ナプキン20のそれらの
部材を結合するための典型的な手段は、1975年10月7日にスプラーグ,J
r.に発行された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日に
ザイエカーらに発行された米国特許第4,785,996号および1989年6
月27日にウェレニッツに発行された米国特許第4,842,666号において
示される装置および方法により例示されるような螺旋パターンに旋回される数本
線の接着剤フィラメントを含む。コア一体性接着剤は、第2吸収剤の着衣に面す
る側全体にわたって、(吸収性コア24のエッジを越えて存在するバックシート
の延長を含む)製品の幅全体にわたって、またはそのいずれかの部分に付与され
得る。好ましくは、コア一体性接着剤は、トップシート22およびバックシート
23の着衣に面する側の間の界面全体に付与される。
【0056】 b.代わりの3次元吸収構造 図3は、夜間の使用にとって好ましい複合生理用ナプキン320の形態におけ
る本発明の3次元生理用ナプキンの1つの別態様を示す。複合生理用ナプキン3
20は、’869特許に示される生理用ナプキン20と同様である。図3に示さ
れるように、生理用ナプキン320は、基本的には、主体部分322および2つ
の側面延長部すなわち側面ラップ要素324を含む。生理用ナプキン320の主
体部分322は、1次吸収性部材(または「1次吸収性コンポーネント」または
「コアチューブ」)340および一体化手段370により互いに結合する2次吸
収性部材(または「2次吸収性コンポーネント」または「ベースパッド」)36
0を含む。本発明の3次元成型発泡体構造は、吸収特性と弾力性の望ましい組み
合わせのために、1次吸収性部材340としての使用のために特に適切である。
例えば、’869特許の層状コア50は、構造に単純さをもたらす図3に示され
るプリズム状の(三角断面)成型吸収性コア350により置換され得るであろう
【0057】 コア350は、以下に記載される方法を用いて製造され得る成型されたHIP
E発泡体を備えるので、コアは、吸収性と弾力性の両方でありながら3次元形状
を有する。特に、吸収性コア350は、生理用ナプキン320が着用者の大***
により形作られ、生理用ナプキン320の前方部分で大***の形態に合致し、後
方で臀部の溝(すなわち着用者の臀部の間の割れ目)を実質的に満たすように、
生理用ナプキン3320の少なくとも一部が、着用者の大***を変形させること
なく、着用者の大***の間の空間に快適に適合し、これを満たすというサイズと
圧縮性のものであり得る。そうするために、吸収性コア350は、かなり高いか
さ高さを備え得る。しかしながら、HIPE発泡体材料の圧縮性および合致性に
より、かさ高ではあっても、それは着用者にとってきわめて快適である。
【0058】 図4は、吸収性コアとしての使用にとって適切である曲線成型形状を示す。上
記のように、生理用ナプキン20は、本発明の成型方法の原理を例証するのに適
切であるけれども、より曲線状に作られることにより改善され得る。図4に示さ
れる吸収性部材420はそのような構造である。特に、本発明の成型プロセスは
、経血が膣から排出されるとき経血をより容易に遮断するように着用者の***間
空間に少なくとも部分的に食い込む***430の形成を容易にする。吸収性部材
420は、HIPE発泡体材料を含むので、吸収製品の部分として用いられると
き、着用者にとって特に快適である(上記参照)。以下に検討されるように、本
発明の方法は、吸収性部材420が異なる特性を有するHIPE発泡体材料を含
むことを可能とする工程を想定する。例えば、吸収部材420は、貯蔵のために
特に有用な特性(相対的に小さな気泡サイズで硬質)を有するHIPE発泡体の
内部(図示せず)および獲得と快適さにとって特に適切な特性(大きな気泡サイ
ズおよびより柔軟な発泡体)を有するHIPE発泡体を含む外部(特に***43
0の部分)を含み得る。
【0059】 本発明はまた、3次元構造(図示せず)を有する吸収性タンポンも含む。その
ような3次元タンポンは特に望ましい。というのは、それは、先行技術のタンポ
ンよりもより密接に膣腔の内部形状に合致するように成形され、大きさを整えら
れ得るからである。HIPE発泡体からそのような3次元タンポンを形成するこ
とは、特に望ましい。というのは、比較的大きな膨張寸法を有する成形された構
造は、HIPE発泡体の低密度のために通常のサイズの(またはさらに小さい)
タンポン挿入者に容易に適合するのに十分に小さいサイズまで圧縮され得るから
である。
【0060】 c.他の3次元成型形状 認識され得るように、本発明の成型された3次元HIPE発泡体は、多数の3
次元形状を製造するために用いられ得る。典型的な用具は、1999年11月2
日にダイヤーらの名義で出願されたともに係属する仮の米国特許出願シリアル番
号第60/163,064号(P&Gケース番号7849P)においてより詳細
に記載されている。典型的な用具は以下のパラグラフに記載される。全ては、以
下に記載される成型プロセスを用いて特に有効な様式で作られうる。
【0061】 玩具 HIPE発泡体は、様々の児童のための玩具および娯楽/教育製品として機能
する用具を提供し得る。表面は、インクが付与されるところの例えば、動物また
は他の不規則な形の特定の形状を備え得る。HIPE発泡体は、インクを吸収し
、(例えば、さいころ投げの結果としてゲームボードの周りの誰かの進行の後を
追うことについてのような)紙またはゲームボード上にその形状を複製するため
の有効なスタンプとして機能する。HIPE発泡体は、1999年6月29日に
発行された米国特許第5,916,006号(ガンソン)において記載されるシ
ステムと同様な積み木として機能し得る入り組んだブロックに形成され得る。H
IPE発泡体ブロックは、貯蔵容器から出された後すぐにもとの状態に回復する
一方で、容易に圧縮され、その状態で貯蔵され得る。このことは、ブロックのた
めに必要とされる貯蔵領域を最小化させる。HIPE発泡体は、例えば発泡体が
水または着色された水でさらに飽和され得る発射(projectile)デバ
イスとして機能する球状に成型された製品に成型され得るとき、圧縮されたとき
水を放出する水のための貯蔵容器として機能し得る。それらの球は投げられ得る
か、または他の参加者についてゲームの一部として推進され得る。球の柔軟性は
、参加者が打たれることに対する怪我を防止する。HIPE発泡体は、それらの
発泡体の吸収特性を例証するために着色された水に浸漬されうる吸収ストリップ
に成形され得る。例えば、吸収ストリップは、いくつかの異なる着色水溶液に浸
漬されるとき虹の形成を模する弧においていくつか互いに配置され得る。
【0062】 断熱材 同様に、HIPE発泡体の低密度は、それを断熱材料として特に有用にする。
(例えば、1997年5月27日に発行された米国特許第5,633,291号
(ダイヤーら)および1998年6月23日に発行された第5,770,634
号を参照されたい。)。3次元構造が断熱材料として特に有用であるとき、本明
細書で検討される成型プロセスは、そのような要素を製造する手段として特に有
用である。
【0063】 3.HIPE由来の発泡体 a.一般的特性 吸収性発泡体 本発明による成型された3次元吸収製品における使用にとって適切なHIPE
発泡体の全ての特徴がこれから試験される。吸収製品のための特定の必要に応じ
て、コア24の全ての部分は同じタイプの発泡体を含み得るかまたは、異なる部
分は異なるタイプの発泡体を含み得る。好ましくは、コア24の全ての部分は同
様の発泡体組成を備える。全ての部分は同じ基本的な発泡体組成を備え得るけれ
ども、ある種の特性(例えば気泡サイズ)は性能要求に合致するために所望され
るように変化させ得る。
【0064】 本発明の吸収構造において用いられる発泡体は、連続気泡型ポリマー発泡体で
ある。本発明の目的のために、もし少なくとも1μmサイズである発泡体構造に
おける気泡の少なくとも80%が少なくとも1つの隣接する気泡と液体連通する
ならば、発泡体材料は「連続気泡」型である。本発明の発泡体吸収性コア24に
おいて用いられる発泡体は、好ましくは、約30から約250μmの数平均気泡
サイズを有する。そのような実質的に連続気泡型の発泡体構造における気泡は、
液体がある種の不溶性成分を含んでいても、発泡体構造の中の1つの気泡からも
う1つへの血液および経血のような血液系液体の自由で容易な動きを可能とする
のに十分に大きい経路を提供する気泡間開口または開孔を有する。それらの実質
的に連続気泡型の発泡体構造は、一般的に、網状特性を有し、個々の気泡は複数
の相互に接続された3次元的に分岐したストラットにより規定される。気泡サイ
ズは、本発明に用いられる吸収性発泡体の多数の重要な機械的および性能特性に
影響を与え得る発泡体パラメーターである。気泡サイズは、発泡体の親水性とと
もに毛管吸引比表面積(CSSA)に寄与し、発泡体の毛管性を規定する。それ
ゆえ、気泡サイズは、吸収性発泡体の流体吸上げ特性ならびに発泡体構造の中で
発生する毛管圧力に直接影響しうる発泡体構造パラメーターである。発泡体の気
泡サイズを定量するために多数の技術が有用である。発泡体における気泡サイズ
を定量するための最も有用な技術には、発泡体試料の走査電子顕微鏡写真に基づ
く単純な測定が含まれる。発泡体構造の顕微鏡写真上に定規を重ねることが、目
による精査または画像解析手順により平均気泡サイズを定量するために用いられ
得る。発泡体の気泡、特に相対的にモノマーの存在しない水相液滴を取り囲むモ
ノマーを含む油相を重合させることにより形成される気泡は、しばしば形状が実
質的に球状である。そのような球状気泡のサイズすなわち「直径」は、一般的に
発泡体を特徴決定するために通常用いられるパラメーターである。ポリマー発泡
体の所定の試料の気泡がほぼ同じサイズのものである必要がないので、平均気泡
サイズ、すなわち数平均気泡直径がしばしば特定される。
【0065】 獲得のためのHIPE発泡体の気泡サイズは、好ましくは、貯蔵のために備え
られる発泡体の気泡サイズより大きい。好ましくは、(数平均気泡直径または平
均気泡直径で表現される)獲得発泡体についての気泡サイズは、約100ないし
約250ミクロンの範囲にあり、貯蔵のための気泡サイズは、好ましくは、約2
0ないし約100ミクロンの範囲にある。より大きな気泡サイズは、赤血球、ち
り、および他の液体が吸い取られることを可能とすることによりより速い速度で
血液系液体を獲得する能力を獲得発泡体に提供する。獲得発泡体と貯蔵発泡体と
の間の気泡サイズの差異は、両方の材料がコア24のような吸収性コアの部材で
あるとき獲得発泡体から貯蔵発泡体への毛管勾配を確立し得る。このことは、液
体が獲得部分から貯蔵部分に動くことを引き起こす。獲得部分からの液体の動き
は、液体の続く負荷のために獲得部分における余地を作るように獲得部分を排水
し得る。加えて、毛管勾配もまた貯蔵部分に輸送される液体が貯蔵部分にとどま
り、獲得部分に逆流する傾向がないことを保証する。貯蔵部分はより大きな毛管
圧力を発生させ、一般的には、獲得部分より遅い速度で経血を受容する。
【0066】 それらの好ましい発泡体を規定することにおいて有用なもう1つの特徴は、開
孔サイズである。開孔は、気泡の間の液体連通を維持する隣接する気泡の間の開
口である。本発明において用いられる発泡体は、液体通過の遮蔽を妨げて、血液
の不溶性成分、特に赤血球の通過を可能とするのに十分に大きい開孔サイズを有
する。開孔サイズを定量するための好ましい技術は、上記のように発泡体の走査
電子顕微鏡写真に基づく画像解析である。意図される用途に応じて、本発明にお
いて用いられる発泡体は、数平均開孔サイズについて様々な範囲を取る。例えば
、獲得のための発泡体は、適切には、約20μmないし約60μm、好ましくは
約30μmないし約50μmの範囲の気泡を有する。貯蔵材料は、約5μmない
し約40μm、および好ましくは約10から約30μmの平均サイズを有するよ
り小さな気泡を有する。認識され得るように、獲得部材としての使用を意図する
発泡体は、一般的に、貯蔵を意図する発泡体よりもより大きな気泡を有する。
【0067】 代わりに、「毛管比表面積(「CSSA」)」によって獲得部分と貯蔵部分の
発泡体特性における差異を表現することもまたより望ましく、好ましいであろう
。というのは、そのような尺度は、2つのそのような部分は吸収性コア24のよ
うなコアにおいて用いられるとき、液体処理特性とより正確に関連し得るからで
ある。毛管比表面積は、血液および血液系液体を吸収し、輸送するために重要な
多数の特性の1つである。「毛管比表面積」は、試験液体に接触可能なポリマー
網状構造の試験液体に接触可能な表面積の尺度である。毛管比表面積は、発泡体
の気泡単位の寸法と発泡体を構成するポリマーの密度の両方により決定される。
従ってそれは、そのような表面が吸収性にかかわる程度に発泡体網状構造により
提供される固体表面の量全部を定量する方法である。毛管比表面積は、1995
年2月7日にダイヤーらに発行された米国特許第5,387,207号の試験方
法のセクションに記載されている方法により定量され、m2 /立方センチメート
ルの単位で表現される。
【0068】 一般的に、一定体積の発泡体のCSSAは、気泡構造がより小さな気泡となる
(すなわち「微細化」)とき増加する。より大きな表面積が、身体から経血のよ
うな液体をより遠くに引き付けるのに必要な毛管圧力を発生させるために極めて
望ましい。しかしながら、発泡体の表面積は、液体吸収の速度が限界となり、な
らびに液体中の不溶成分がもはや1つの気泡からもう1つに容易に通過し得ない
可能性が増加するポイントに達し得る。したがって、発泡体の表面積は、これら
競合要因の均衡を取る特定範囲内で選択される必要がある。本発明の発泡体吸収
性コアにおいて有用であるポリマー発泡体は、約0.0060から約0.10m 2 /ccの範囲の毛管比表面積を有するものである。典型的には、毛管比表面積
は、約0.010から約0.030m2 /cc、好ましくは約0.008から約
0.04m2 /ccの範囲にある。
【0069】 複数部分からなるコアの獲得部分は、好ましくは、貯蔵部分より小さな毛管比
表面積を有する。例えば、獲得部分は、約0.008から約0.002m2 /c
cのCSSAを有し得る。例えば、貯蔵部分は、約0.020から約0.03m 2 /ccの毛管吸引比表面積を有し得る。こうして、貯蔵部分は、液体を獲得部
分から排水することを可能とする高い毛管圧力を有し、したがって、着用者の身
体が液体と比較的接触することがない。
【0070】 発泡体は、そのような吸収性発泡体が液体の吸収および保持に関わっていると
き遭遇する力による変形または圧縮に適切に抵抗しなければならない。本発明に
おいて用いられるポリマー発泡体により示される圧縮撓みに対する抵抗(すなわ
ち「RTCD」)は、特定の時間所定の圧力の下で保持される飽和した発泡体の
試料において作り出される歪の量(圧縮されていない高さのパーセンテージ)を
測定することにより定量され得る。この特定のタイプの試験を実施するための方
法は、ダイヤーらに発行された米国特許第5,387,207号の試験方法の項
目において記載されている。生理用品のための吸収性部材として有用な発泡体は
、15分後31℃で0.74psi(5.1kPa)の閉じ込め圧力が典型的に
は発泡体構造の約5から約85%の圧縮の歪を作り出すようなRTCDを示すも
のである。
【0071】 吸収性コア24の少なくとも一部を着用者の***と臀部の溝との間の空間に快
適に適合するように圧縮するために、コアが約60%ないし80%であるRTC
Dを有するならば、コア24が着用者の***を不快に変形させないと見積もられ
得る。複数部分からなるコアについては、獲得部分は同じRTCDを有するべき
であるが、しかし、貯蔵部分は、着用者の身体に対して近接していなければ、そ
れほど圧縮性である必要はない。加えて、貯蔵部分に対して圧縮に対するより大
きな抵抗を提供することは、液体が貯蔵部分から「搾り出される」傾向を減少さ
せる。例えば、獲得部分は、約60%ないし約90%のRTCD、より好ましく
は、約75%ないし約85%のRTCDを有し得る。貯蔵部分は、そのような場
合において、約5%ないし約75%、より好ましくは約35%ないし約70%の
RTCDを有し得る。
【0072】 好ましくは、吸収性構造に用いられる発泡体もまた、発泡体が使用時に恒久的
につぶれないように十分に弾力性である。このことは、発泡体が着用サイクル全
体に身体滲出物を吸収し続け得ることを保証する。発泡体の弾力特性もまた、1
次吸収部材が、最初の圧縮の後、そして身体の動きにより引き起こされる着用者
の身体の部分の形状の変化の後着用者の***および臀部の溝の間の空間を変形さ
せ、満たしつづけることが可能であることを保証する助けとなる。好ましくは、
吸収構造に用いられる発泡体は、圧縮力の除去の後、その圧縮されていない高さ
の少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、および最も好まし
くは少なくとも約90%に回復する。
【0073】 本発明に用いられる吸収性発泡体のもう1つの重要な特性は、その自由吸収能
力である。生理用品において有用な吸収部材については、自由吸収能力とは、所
定の発泡体試料が平衡において試料の固体材料の単位質量あたりのその気泡構造
に吸収するであろう試験液体(すなわち、合成尿)の全量である。生理用品にお
いて吸収性部材として特に有用である発泡体は、少なくとも最小自由吸収能力に
合致するであろう。本発明において用いられる発泡体の自由吸収能力は、ダイヤ
ーらに発行された米国特許第5,387,207号の試験方法の項目において記
載される手順を用いて定量され得る。生理用品のための吸収性部材として特に有
用であるために、本発明に用いられる発泡体は、乾燥発泡体のグラム当たり約1
5から125g/g、好ましくは、約20から50g/g、最も好ましくは25
g/gの合成尿の自由吸収能力を有するべきである。
【0074】 それらの発泡体は、発泡体と吸収される血液または血液系液体との間の接触の
前に異なる時間に異なる特性、特徴および/または特色を有しうることが理解さ
れるべきである。例えば、製造、輸送、貯蔵などの間、発泡体は、例えばもし発
泡体が包装により圧縮状態で貯蔵されるならば、本明細書で以後、密度および気
泡サイズ値のパラメーターについて記載される範囲外の密度および/または気泡
サイズ値を有し得る。しかしながら、それにもかかわらず、そのような発泡体は
、もしそれが後に物理的変化を受けるならばいまだ本発明の範囲にあり、それで
、発泡体は、吸収される血液または血液系液体との接触の前におよび/またはそ
の間に少なくともいくつかの点でそれらの特性、特徴および/または特色につい
て本明細書で以後特定される必要な値を有する。
【0075】 他のHIPE発泡体 吸収製品における以外の使用を意図されるHIPE発泡体について適切である
具体的な発泡体特性は、想定される特定の用途に依存するであろう。例えば、約
30μmないし80μmの上記玩具のような用具のための気泡サイズは、典型的
には、最適である。最終用途もまたHIPE発泡体が強度に親水性に作られるか
どうかを決定するであろう(本発明のHIPE発泡体は、本質的には疎水性であ
り、塩または界面活性剤のいずれかの処理により親水性にされる)。発泡体の重
要なパラメーターはそのガラス転移温度(Tg)である。というのは、それは室
温での発泡体硬度の指標だからである(適切には、Tgは約−40℃ないし約5
0℃である。相対的に大きな硬度を要求する用具または用具の領域については、
好ましいHIPE発泡体は、約20℃から約50℃のTgを有する。可撓性であ
ることが好ましい用具または用具の領域については、−40℃ないし20℃のT
gを有するHIPE発泡体が一般的に好ましいであろう。知られているように、
Tgは、HIPE発泡体を提供するために重合されるモノマーブレンドにより実
質的に決定される。)。
【0076】 b.ポリマー発泡体の調製 A.概観 本発明の方法によりポリマー発泡体を調製するための方法は、1)比較的少量
の油相と比較的多量の水相を有する特定のタイプの安定な高内相油中水型エマル
ジョン(すなわちHIPE)を形成させる工程、2)固体の、水で満たされたポ
リマー発泡体構造を形成するのに適切な条件の下で金型中でこの安定なエマルジ
ョンを重合/硬化させる工程、3)金型から水で満たされたポリマー発泡体を取
り出し、次いで、血液系流体を吸収するための製品における使用のような特定の
性能要求のために必要であれば、ポリマー発泡体構造から元の残留水相および残
留水和塩を除去するために発泡体を洗浄する工程、4)界面活性剤および塩の親
水化溶液によりポリマー発泡体構造を処理する工程、およびその後ポリマー発泡
体構造を脱水する工程を含む。
【0077】 第1工程は、比較的少量の油相と比較的多量の水相を有する特定のタイプの安
定な高内相油中水型エマルジョン(すなわちHIPE)を形成する工程である。
油中水型エマルジョンは油相と水相から形成される。油相は、約85重量%から
約98重量%のモノマー成分および約2重量%から約15重量%の乳化剤成分を
含む。モノマー成分は、約50℃以下のTgを有するコポリマーを形成すること
が可能である。コポリマーの「Tg」は、そのガラス転移温度である。乳化剤成
分は、油相中に可溶性であり、安定な油中水型エマルジョンを形成するために適
切である。水相は、約0.2重量%から約20重量%の水溶性電解質を含有する
水溶液を含む。水相対油相の体積対重量比は、約15:1から約125:1の範
囲にある。
【0078】 油相のモノマー成分には、(i)約35℃以下のTgを有するアタクチックな
アモルファスポリマーを形成することが可能な少なくとも1種の実質的に不溶性
の単官能モノマー約45重量%から約70重量%、(ii)スチレンにより付与
される靭性とほぼ等価の靭性を付与することが可能な少なくとも1種の実質的に
水に不溶性の単官能コモノマー約10重量%から約40重量%、(iii)ジビ
ニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジ
ビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン、ジビニルフェナントレン、ジビ
ニルビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェ
ニルエーテル、ジビニルジフェニルスルフィド、ジビニルフラン、ジビニルスル
フィド、ジビニルスルホン、多官能アクリレート、メタクリレート、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、およびそれらの混合物から選択される実質的に水に不
溶性の多官能架橋剤約5重量%から約25重量%が含まれる。上記架橋剤および
モノマーについての範囲として示されるパーセンテージは、100%基準で表現
されている。例えば、もし架橋剤がもう1つの化合物との50%混合物として提
供されるならば、上記範囲において用いられるパーセンテージは、用いられる化
学混合物の実際量の50%と称される。
【0079】 油相のエマルジョン成分には、(i)直鎖不飽和C16〜C22脂肪酸のジグリセ
ロールモノエステル、分岐鎖C16〜C24脂肪酸のジグリセロールモノエステル、
分岐鎖C16〜C24アルコールのジグリセロールモノアリファティックエーテル、
直鎖不飽和C16〜C22アルコールのジグリセロールモノアリファティックエーテ
ル、直鎖飽和C12〜C14アルコールのジグリセロールモノアリファティックエー
テル、直鎖不飽和C16〜C22脂肪酸のソルビタンモノエステル、分岐鎖C16〜C 24 脂肪酸のソルビタンモノエステルおよびそれらの混合物から選択される少なく
とも約40重量%の乳化成分を有する1次乳化剤、または(ii)少なくとも2
0重量%のそれらの乳化成分を有する1次乳化剤とある種の2次乳化剤の組み合
わせ、が含まれる。好ましい2次乳化剤は、ジタロウジメチルアンモニウムメチ
ルスルフェートおよびジタロウジメチルアンモニウムメチルクロライドである。
それらの任意2次乳化剤が乳化剤成分に含まれるとき、典型的には、約50:1
から約1:4の1次対2次乳化剤の重量比においてである。
【0080】 油中水型エマルジョンは、好ましくは、HIPEを形成するために水相と油相
を混合することにより約50℃以上の温度で形成される。HIPEの製造のため
に、当該技術は、典型的には、連続相全体にわたって内相を分散させるのに必要
な剪断を提供する回転要素を用いるミキサーを用いてきた。例えば、1993年
10月5日に発行された米国特許第5,250,576号(デズマレーズら)お
よび1998年10月27日に発行された米国特許第5,827,909号(デ
ズマレーズ)を参照されたい。インラインミキサーを用いる方法は、1999年
10月8日にカタルファモらの名義で出願されたともに係属する仮の米国特許出
願シリアル番号60/158,620号において記載されている。エマルジョン
を形成するために用いられる個々の成分は、以下により詳細に記載されている。
【0081】 B.HIPE成分 1.油相 HIPEの油相は様々の油性物質を含み得る。特に選択される油性物質は、H
IPEで作られる特定用途にしばしば依存するであろう。「油性」により、以下
の要求項目、(1)水に極めて限定された溶解性を有する、(2)小さな表面張
力を有する、および(3)触れると特色のあるグリース状感触を有する、に広く
合致する物質、固体または液体、しかし好ましくは室温で液体が意味される。加
えて、HIPEが食品、薬品、または化粧品の領域で用いられるべきである状況
については、油性物質は、化粧品として、および製薬学的に許容可能であるべき
である。本発明によりHIPEを作る上での使用のための油性物質として考えら
れる物質は、例えば、鉱油、石油、イソパラフィン、スクアレンのような直鎖、
分岐鎖および/または環状パラフィン、桐油、オイチシカ油、ひまし油、亜麻仁
油、ケシ実油、大豆油、綿実油、トウモロコシ油、魚油、くるみ油、マツ実油、
オリーブ油、ココナッツ油、パーム油、カノラ油、菜種油、ひまわり油、サフラ
ワー油、ごま油、ピーナッツ油などのような植物油、動物油、および魚油、エチ
ルヘキシルパルミテート、C16〜C18脂肪アルコールジイソオタノエート、ジブ
チルフタレート、ジエチルマレエート、トリクレジルホスフェート、アクリレー
トもしくはメタクリレートエステルなどのような脂肪酸またはアルコールのエス
テル、テルペンチンの蒸留物、ロジンスピリット、松根油およびアセトンオイル
を含む樹脂油および木材蒸留物、ガソリン、ナフサ、ガス燃料、潤滑油および重
油のような様々の石油系製品、ベンゼン、トルエン、キシレン、溶剤ナフサ、ク
レオソート油、およびアントラセン油およびエーテル油を含む石炭蒸留物、およ
びシリコーンオイルを含む様々の油性組成物を含む。好ましくは、油性物質は、
非極性である。
【0082】 ポリマー発泡体を形成するために重合される好ましいHIPEのために、この
油相はモノマー成分を含む。吸収剤としての使用にとって適切なHIPE発泡体
の場合においては、このモノマー成分は、典型的には、約35℃以下、そして典
型的には約−10℃から30℃のガラス転移温度(Tg)を有するコポリマーを
形成するように配合される(動的機械的分析(DMA)によりTgを定量するた
めの方法は、1997年7月22日にトマス A.デズマレーズらに発行された
米国特許第5,650,222号の試験方法の部分において記載されており、そ
れは参照により組み込まれる)。このモノマー成分は、(a)そのアタクチック
アモルファスポリマーが約25℃以下のTgを有する少なくとも1種の単官能モ
ノマー、(b)任意の単官能コモノマーおよび(c)少なくとも1種の多官能架
橋剤を含む。単官能モノマーおよびコモノマーおよび多官能架橋剤の特定のタイ
プおよび量の選択は、そのような材料を水性流体のための吸収剤としての使用に
とって適切にする構造的、機械的、および流体処理特性の所望の組み合わせを有
する吸収性HIPE発泡体の実現にとって重要であり得る。
【0083】 吸収剤として有用なHIPE発泡体のために、モノマー成分は、得られるポリ
マー発泡体構造にゴム様特性を付与する傾向がある1種類以上のモノマーを含む
。そのようなモノマーは、約25℃以下のTgを有する高分子量(10,000
を超える)アタクチックアモルファスポリマーを製造しうる。このタイプのモノ
マーには、例えば、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアク
リレート、ドデシル(ラウリル)アクリレート、イソデシルアクリレート、テト
ラデシルアクリレートのような(C4 〜C14)アルキルアクリレート、ベンジル
アクリレート、ノニルフェニルアクリレートのようなアリールアクリレートおよ
びアルカリールアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルメタクリレート
、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、
ドデシル(ラウリル)メタクリレート、テトラデシルメタクリレートのような(
6 〜C16)アルキルメタクリレート、p−n−オクチルスチレンのような(C 4 〜C12)アルキルスチレン、N−オクタデシルアクリルアミドのようなアクリ
ルアミドのようなモノエン、および2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、ブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、1,3−ヘキサジエ
ン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、1,3−ノナジエン、1,
3−デカジエン、1,3−ウンデカジエン、1,3−ドデカジエン、2−メチル
−1,3−ヘキサジエン、6−メチル−1,3−ヘプタジエン、7−メチル−1
,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,3,9−デカトリエン
、1,3,6−オクタトリエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−プロピル−1,3
−ブタジエン、2−アミル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−
1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−プロピル−1,3−ペンタジエン、2
,6−ジエチル−1,3,7−オクタトリエン、2,7−ジメチル−1,3,7
−オクタトリエン、2,6−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、2,7−
ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、7−メチル−3−メチレン−1,6−
オクタジエン(ミルセン)、2,6−ジメチル−1,5,7−オクタトリエン(
オシメン)、1−メチル−2−ビニル−4,6−ヘプタ−ジエニル−3,8−ノ
ナジエノエート、5−メチル−1,3,6−ヘプタトリエン、2−エチルブタジ
エンのようなポリエン、およびそれらのモノマーの混合物が含まれる。それらの
モノマーの中で、イソデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、および
2−エチルヘキシルアクリレートが最も好ましい。このモノマーは一般的に、モ
ノマー成分の30から85重量%、より好ましくは約50から70重量%を構成
する。
【0084】 吸収剤として有用なHIPE発泡体のために、モノマー成分もまた、典型的に
は、得られるポリマー発泡体構造のTg特性、その弾性率(強度)およびその靭
性を改善するために典型的に含まれる1種類以上のコモノマーを含む。それらの
単官能コモノマータイプは、関連するホモポリマーが靭性を示すものとして周知
であるスチレン系コモノマー(例えばスチレンおよびエチルスチレン)またはメ
チルメタクリレートのような他のモノマータイプを含み得る。得られるHIPE
発泡体に高度の靭性を与えるモノマーの別の例は、イソプレンおよびピペリレン
およびジメチルブタジエンのような関連するジエンである。それらのコモノマー
の中で、スチレン、エチルスチレン、およびそれらの混合物は、得られるポリマ
ー発泡体構造に靭性を付与するために特に好ましい。それらのコモノマーは、モ
ノマー成分の約40重量%を構成し、通常、モノマー成分の約5重量%から約4
0重量%、好ましくは約10重量%から約35重量%、最も好ましくは約15重
量%から約30重量%を構成する。
【0085】 吸収剤として有用なHIPE発泡体のために、このモノマー成分はまた、1種
類以上の多官能架橋剤も含む。それらの架橋剤の含有は、得られるポリマー発泡
体のTgならびにその強度を向上させる傾向にあるが、その結果として可撓性と
弾力性の損失を伴う。適切な架橋剤には、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン
、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン、ジビニ
ルフェナントレン、トリビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルジフェ
ニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニルジフェニ
ルスルフィド、ジビニルフラン、ジビニルスルホン、ジビニルスルフィド、ジビ
ニルジメチルシラン、1,1’−ジビニルフェロセン、2−ビニルブタジエン、
マレエート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ブ
テンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ヒド
ロキノンジメタクリレート、カテコールジメタクリレート、レゾルシノールジメ
タクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキノンジアクリレート、カ
テコールジアクリレート、レゾルシノールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、2−ブテンジオールジアクリレート、テトラメチレ
ンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、1,2−エチレン
ビスアクリルアミド、1,4−ブタンビスアクリルアミドを含むジ、トリ、テト
ラ、ペンタまたはより高級な(メタ)クリレートおよびジ、トリ、テトラ、ペン
タまたはより高級な(メタ)クリルアミドおよびそれらの混合物のような架橋ゴ
ム性ジエンモノマーにおいて用いられ得るもののいずれかが含まれる。
【0086】 好ましい多官能架橋剤には、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジメタクリレート、2−ブテンジオールジメタクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、2−ブテンジオールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレートおよびトリメタクリレートおよびそれらの混合物が含まれ
る。ジビニルベンゼンは、典型的には、約55:45の比率でエチルスチレンと
の混合物として入手可能である。それらの比率は、一方または他方の成分につい
て油相を富化するように変更しうる。同時にモノマーブレンドからスチレンの含
有をなくしながらエチルスチレン成分について混合物を富化することは有利であ
り得る。ジビニルベンゼン対エチルスチレンの好ましい比は、約30:70から
55:45であり、最も好ましくは、約35:65から45:55である。より
高いレベルのエチルスチレンの含有は、スチレンが付与する程度に、得られるコ
ポリマーのTgを増加させることなく要求される靭性を付与する。架橋剤は、一
般的に、モノマー成分(100%基準)の約3から40重量%、より好ましくは
約4から40重量%、最も好ましくは約5から約40重量%の量でHIPEの油
相に含まれ得る。
【0087】 それらの好ましいHIPEの油相の主要部分は、それらのモノマー、コモノマ
ーおよび架橋剤を含む。それらのモノマー、コモノマーおよび架橋剤は実質的に
水に不溶性であることが本質的なことであり、それで、それらは主に油相に溶解
性であり、水相に溶解性ではない。そのような実質的に水に不溶性のモノマーの
使用は、適切な特徴および安定性のHIPEが実現することを保証する。
【0088】 もちろん、ここで用いられるモノマー、コモノマーおよび架橋剤は、得られる
ポリマー発泡体が適切に無毒であり、適切に化学的に安定であるようなタイプの
ものであることが極めて好ましい。それらのモノマー、コモノマーおよび架橋剤
は、好ましくは、重合後の発泡体加工および/または使用の間に、きわめて小さ
な残留濃度で存在しても、毒性をほとんどまたはまったく持たない。
【0089】 2 乳化剤成分 油相のもう1つの典型的な成分は、安定なHIPEエマルジョンの形成を可能
とする乳化剤である。ここでの使用にとって適切な乳化剤は、低内相および中内
相エマルジョンにおける使用にとって適用可能な多数の従来の乳化剤のいずれも
含み得る。用いられる特定の乳化剤は、油相中に存在する特定の油性物質および
HIPEからなる特定の用途を含む多数の要因に依存し得る。通常、それらの乳
化剤は、ノニオン性材料であり、広範なHLB値を有し得る。いくつかの典型的
な乳化剤の例には、ソルビタンラウレートのようなソルビタンエステル(例えば
、SPAN(登録商標)20)、ソルビタンパルミテート(たとえばSPAN(
登録商標)40)、ソルビタンステアレート(例えば、SPAN(登録商標)6
0およびSPAN(登録商標)65)、ソルビタンモノオレエート(例えばSP
AN(登録商標)80)、ソルビタントリオレエート(例えばSPAN(登録商
標)85)、ソルビタンセスキオレエート(たとえばEMSORB(登録商標)
2502)、およびソルビタンイソステアレート(たとえばCRILL(登録商
標)6)、ポリグリセロールエステルおよびエーテル(たとえばTRIODAN
(登録商標)20)、ポリオキシエチレン脂肪酸、エステルおよびポリオキシエ
チレン(2)オレイルエーテルのようなエーテル、ポリエトキシル化オレイルア
ルコール(たとえばBRIJ(登録商標)92およびSIMUSOL(登録商標
)92)など、オレイン酸のモノ、ジ、およびトリホスホリックエステルのよう
なモノ、ジおよびトリホスホリックエステル(たとえば、HOSTAPHAT)
、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサステアレート(たとえば、ATLAS
(登録商標)G−1050)のようなポリオキシエチレンソルビトールエステル
、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセロールモノイソステアレート(例
えば、IMWITOR 78OK)、グリセロールと脂肪アルコールとのエーテ
ル(例えば、CREMOPHOR WO/A)、ポリアルコールのエステル、合
成1級アルコールエチレンオキサイド凝縮物(例えば、SYNPERONIC
A2)、脂肪酸のモノおよびジグリセリド(例えば、ATMOS(登録商標)3
00)などが含まれる。
【0090】 他の好ましい乳化剤には、モノオレエート、モノミリステート、モノパルミテ
ートおよびモノイソステアリン酸から誘導されるジグリセロールエステルが含ま
れる。好ましい共乳化剤は、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート
である。それらの乳化剤の混合物もまた特に有用であり、それぞれ、特に最小レ
ベルのイソソルバイドとポリオール不純物を含むソルビタンエステルの精製され
た改良物も同様である。
【0091】 ポリマー発泡体を作るために重合される好ましいHIPEについては、乳化剤
は、HIPEを安定化させるほかに、他の機能を果たし得る。それらには、得ら
れるポリマー発泡体を親水化させる能力が含まれる。得られるポリマー発泡体は
、典型的には、水と他の残留成分のほとんどを除去するために洗浄され、脱水さ
れる。さもなければ、もし十分に親水性であれば、この残留乳化剤は、水性流体
を吸収することが可能となるように疎水性発泡体を十分に濡れ性にし得る。
【0092】 ポリマー発泡体を作るために重合される好ましいHIPEについては、適切な
乳化剤には、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノミリステートおよびコ
コナッツ脂肪酸から誘導されるソルビタンモノエステルのような分岐鎖C16〜C 24 脂肪酸、直鎖不飽和C16〜C22脂肪酸および直鎖飽和C12〜C14脂肪酸のソル
ビタンモノエステル、ジグリセロールモノオレエート(すなわち、C18:1脂
肪酸のジグリセロールモノエステル)、ジグリセロールモノミリステート、ジグ
リセロールモノイソステアレート、およびココナッツ脂肪酸のジグリセロールモ
ノエステルのような分岐鎖C16〜C24脂肪酸、直鎖不飽和C16〜C22脂肪酸、ま
たは直鎖飽和C12〜C14脂肪酸のジグリセロールモノエステル、分岐鎖C16〜C 24 アルコール(例えば、グールベアルコール)、直鎖不飽和C16〜C22アルコー
ル、直鎖飽和C12〜C14アルコール(例えば、ココナッツ脂肪アルコール)のジ
グリセロールモノアリファティックエーテルおよびそれらの乳化剤の混合物が含
まれ得る。適切なポリグリセロールエステル乳化剤の組成と調製を記載する(参
照により本明細書に組み込まれる)1995年2月7日に発行された米国特許第
5,287,207号(ダイヤーら)および適切なポリグリセロールエーテル乳
化剤の組成と調製を記載する(参照により本明細書に組み込まれる)スティーブ
ン A.ゴールドマンらに1996年3月19日に発行された米国特許第5,5
00,451号を参照されたい。好ましい乳化剤には、ソルビタンモノラウレー
ト(例えば、SPAN(登録商標)20、好ましくは約40%を超え、より好ま
しくは約50%を超え、最も好ましくは約70%を超えるソルビタンモノラウレ
ート)、ソルビタンモノオレエート(例えば、SPAN(登録商標)80、好ま
しくは約40%を超え、より好ましくは約50%を超え、最も好ましくは約70
%を超えるソルビタンモノオレエート)、ジグリセロールモノオレエート(例え
ば、好ましくは約40%を超え、より好ましくは約50%を超え、最も好ましく
は約70%を超えるジグリセロールモノオレエート)、ジグリセロールモノイソ
ステアレート(例えば、好ましくは約40%を超え、より好ましくは約50%を
超え、最も好ましくは約70%を超えるジグリセロールモノイソステアレート)
、ジグリセロールモノミリステート(例えば、好ましくは約40%を超え、より
好ましくは約50%を超え、最も好ましくは約70%を超えるソルビタンモノミ
リステート)、ジグリセロールのココイル(例えば、ラウリルおよびミリストイ
ル)エーテルおよびそれらの混合物が含まれる。
【0093】 それらの1次乳化剤に加えて、共乳化剤が、任意に油相に含まれ得る。それら
の共乳化剤は、油相において1次乳化剤と少なくとも共溶解性である。適切な共
乳化剤は、レシチンおよびラウリルベタインのような脂肪族ベタインのようなホ
スファチジルコリンおよびホスファチジルコリン含有組成物を含む双極性タイプ
、ジタロウジメチルアンモニウムクロライド、ビストリデシルジメチルアンモニ
ウムクロライドおよびジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェートのよう
な長鎖C12〜C22ジアリファティック、短鎖C1 〜C4 ジアリファティック第4
級アンモニウム塩、ジタロウイル−2−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム
クロライドのような長鎖C12〜C22ジアルコイル(アルケノイル)−2−ヒドロ
キシエチル、短鎖C1 〜C4 ジアリファティック第4級アンモニウム塩、メチル
−1−タロウアミドエチル−2−タロウイミダゾリニウムメチルサルフェートお
よびメチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムメチル
サルフェートのような長鎖C12〜C22ジアリファティックイミダゾリニウム第4
級アンモニウム塩、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライドおよび
ジメチルタロウベンジルアンモニウムクロライドのような短鎖C1 〜C4 ジアリ
ファティック、長鎖C12〜C22モノアリファティックベンジル第4級アンモニウ
ム塩、ジタロウイル−2−アミノエチルメチル2−ヒドロキシプロピルアンモニ
ウムメチルサルフェートおよびジオレオイル−2−アミノエチルメチル2−ヒド
ロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートのような長鎖C12〜C22ジアルコ
イル(アルケノイル)−2−アミノエチル、短鎖C1 〜C4 モノアリファティッ
ク、短鎖C1 〜C4 モノヒドロキシアリファティック第4級アンモニウム塩を含
むカチオン性タイプ、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルおよびス
ルホコハク酸ナトリウムのビストリデシルエステル、ドデシルベンゼンスルホン
酸のアミン塩を含むアニオン性タイプおよびそれら2次乳化剤の混合物でありう
る。好ましい2次乳化剤は、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート
およびジタロウジメチルアンモニウムメチルクロライドである。それらの任意の
2次乳化剤が乳化剤成分として含まれるとき、典型的には、約50:1から約1
:4、好ましくは約30:1から約2:1の1次対2次乳化剤の重量比で存在す
る。
【0094】 3.油相組成物 本発明の方法によりHIPEを形成するために用いられる油相は、様々の比の
油相物質と乳化剤を含みうる。選択される特定の比は、含まれる油性物質、用い
られる乳化剤およびHIPEが作られる用途を含む多数の要因に依存するであろ
う。一般的に、油相は、約50から約98重量%の油性物質および約2から約5
0重量%の乳化剤を含み得る。典型的には、油相は、約70から約97重量%の
油性物質および約3から約30重量%の乳化剤、およびより典型的には、約85
から約97重量%の油性物質および約3から約15重量%の乳化剤を含み得る。
【0095】 ポリマー発泡体を作るために用いられる好ましいHIPEについては、油相は
、一般的に、約65から約98重量%のモノマー成分および約2から約30重量
%の乳化剤成分を含み得る。好ましくは、油相は、約80から約97重量%のモ
ノマー成分および約3から約20重量%の乳化剤成分を含み得る。より好ましく
は、油相は、約90から約97重量%のモノマー成分および約3から約10重量
%の乳化剤成分を含み得る。
【0096】 モノマーおよび乳化剤成分に加えて、好ましいHIPEの油相は、他の任意成
分も含み得る。1つのそのような任意成分は、参照により組み込まれる1994
年3月1日に発行された米国特許第5,290,820号(バスら)において記
載されているような当業者に周知の一般的なタイプの油溶性重合開始剤である。
もう1つの可能な任意成分は、モノマーおよび乳化剤成分のための実質的に水に
不溶性の溶剤である。そのような溶剤の使用は好ましくないが、しかしもし用い
られるならば、一般的に、油相の約10重量%以下で含まれる。
【0097】 好ましい任意成分は、ビス−1,2,2,5,5−ペンタメチルピペリジニル
)セバケート(チヌビン765)のようなヒンダードアミン光安定化剤(HAL
S)またはイルガノックス1076およびt−ブチルヒドロキシキノンのような
ヒンダードフェノール安定化剤(HPS)のような抗酸化剤である。別の好まし
い任意成分は、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケートまたはジオクチル
アジペートのような可塑化剤である。他の任意成分には、フィラー、着色料、芳
香剤、乳白剤、鎖移行剤などが含まれる。
【0098】 C.水相成分 HIPEの内水相は、一般的に、1以上の溶解成分を含む水溶液である。水相
の1つの溶解成分は、水溶性電解質である。溶解した電解質は、油相中の成分も
また水相中に溶解する傾向を最小化する。ポリマー発泡体を作るために用いられ
るのに好ましいHIPEについては、これは、重合の間水相液滴により形成され
る油/水界面における気泡ウインドウをポリマー材料が満たす程度を最小化させ
るものと信じる。したがって、水相の電解質の存在および得られるイオン強度は
、得られる好ましいHIPE発泡体が連続気泡型であり得るかどうかおよびどの
程度そうかを決定するものと信じる。
【0099】 水相にイオン強度を付与することが可能ないずれの電解質も用いられ得る。好
ましい電解質は、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩化物、硝酸
塩および硫酸塩のような水溶性ハライドのような1価、2価または3価の無機塩
である。例には、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウムおよび硫酸
マグネシウムが含まれる。ポリマー発泡体を作るために用いられるHIPEにつ
いては、塩化カルシウムは、本発明による方法において用いるために適切である
ことが見出されている。一般的に、電解質は、水相の約0.2から約30重量%
の範囲の濃度でHIPEの水相中で利用され得る。より好ましくは、電解質は、
水相の約1から約20重量%含まれ得る。
【0100】 ポリマー発泡体を作るために用いられるHIPEについては、重合開始剤は、
典型的には、HIPEに含まれる。そのような開始剤成分は、HIPEの水相に
加えられ得、いずれか従来の水溶性フリーラジカル開始剤であり得る。それらに
は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウム、過酸化水素
、過酢酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどのような過酸化化合物が含まれる。
従来の酸化還元開始剤系もまた用いられ得る。そのような系は、前述の過酸化化
合物と亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸または第一鉄塩のような還元
剤を組み合わせることにより形成される。開始剤は、油相中の重合性モノマーの
全モル数に基づいて約20モルパーセントまで存在し得る。好ましくは、開始剤
は、油相中の重合性モノマーの全モル数に基づいて約0.001から約10モル
パーセントの量で存在する。
【0101】 成型 一旦形成されると、HIPEは金型の中に配置され、そこでその後HIPEは
硬化される(重合し、架橋する)。最も単純な態様において、金型は、硬化が所
望の程度まで実施された後、最終的に硬化された固体発泡体材料が更なる加工(
例えば、1999年2月22日にデズマレーズらの名義で出願された米国特許出
願シリアル番号第09/255,126号において記載されているような連続ウ
エブへの螺旋切断)のために容易に取り出され得る、HIPEと相容性のあるポ
リエチレンまたは他の材料で作られた円筒状タブまたは他の単純な幾何学形状を
備え得る。しかしながら、そのような単純なバッチ成型プロセスを改善するため
の多くの機会が存在することは容易に認識されるであろう。特に、単純な幾何学
的形態は、上記吸収性コア24のような複雑な3次元構造を有する個別部材を提
供し得ない。同様に、そのような単純な成型プロセスは、上記のもののような3
次元用具を提供するために用いられ得る連続または半連続成型プロセスの利点を
有さない。
【0102】 本発明における使用のための金型は、そのような目的のために当該技術にとっ
て公知の方法を用いて製造されうる。例えば、成型されることが意図される形状
を規定するマスターは、彫造技術を用いて製造され得る。次いで、個々の金型部
材は、真空成形のような技術を用いてマスターの周りに成形され得る。代わりに
、当該技術に公知であるロストワックスキャスティング、直接加工、放電加工、
および他の手段のような技術もまた射出成型と同様の成型方法が用いられ得る大
きな製造速度が意図されるプロセスのための型を製造するために用いられ得る(
以下のプロセスの検討を参照されたい)。
【0103】 本発明の目的のための金型は、そこに配置されるHIPEおよび硬化プロセス
と合致しなければならない。特に、HIPEと金型材料の接触は、HIPEが「
破壊する」(すなわち、構成する油相と水相に分離する)ことを引き起こすべき
ではない。金型材料もまた硬化工程の間環境条件と合致しなければならない。特
に、金型を製造するために用いられる材料は、硬化プロセスの温度と内圧に暴露
されているとき、満足な寸法安定性を維持しなければならない。大気圧での硬化
(すなわち、硬化温度が約50℃ないし約100℃である)については、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、およびポリエチレンナフタレートで作られた型は適切
であることが見出されている。好ましいものは、HIPERTUFとしてテキサ
ス州ヒューストンのシェル・ケミカル・カンパニーから入手可能である2,6ジ
メチルナフタレート樹脂である。加圧された硬化プロセス(すなわち、約100
℃を超える温度での硬化)については、そのよりすぐれた耐久性のために金属製
の金型が望ましい。ガラス製の金型またはガラスのライニングを施された金型も
また適切である。
【0104】 所望であれば、金型は、当該技術にとって公知であり得る離型剤でライニング
を施され得る。離型剤として1次乳化剤(上記参照)として用いられるのと同じ
物質を用いることが特に好ましい。というのは、そのような使用は、HIPE/
金型界面でHIPEの安定性を高めるからである。離型剤は、ワイプ、スプレー
(例えば溶融物から)、溶液付与(溶剤が型を満たす前に完全に蒸発することを
確保することが重要である)などのようないずれか通常の手段を用いて金型表面
に付与され得る。
【0105】 上記のように、形成されたHIPEは、その後の硬化のために金型に配置され
る。この配置工程は、あらかじめ決められた3次元形状を備えるキャビティにH
IPEを注ぐほど単純であり得る。それで、得られるHIPE発泡体の1表面は
所望の形状を有し、他の表面は実質的に平坦である。図5は、頂部と底部の両表
面上に3次元性を有する用具を製造するために用いられ得るこの方法の変形にお
いて有用である金型500を示す。この方法において、わずかに過剰のHIPE
が雌キャビティ510に注がれ、1以上のベント525を有する雄型半分520
が金型500に挿入される。連行空気およびHIPEの一部は、型半分510、
520が合致するときベント525を通過する。そのような成型プロセスはHI
PE発泡体からプロトタイプの成型製品を製造する上で特に有用である。という
のは、雄および雌型半分510、520は、きわめて単純なプロセスを用いてポ
リエステルまたはポリビニルナフタレンのような相容性材料からマスター部分の
設計の周りに真空成形され得るからであり、HIPEは、大気圧で型の中で硬化
され得るからである。
【0106】 商業的製造のために、より大きな速度のプロセスが望ましい。より速い速度の
プロセスの単純な態様(図示せず)は、雌キャビティ510と同様のまたは他の
所望の3次元形状(例えばベルト上)の一連の金型キャビティを提供することお
よび個々のキャビティにHIPEを注入すること、キャビティの中でHIPEを
硬化すること、および一方の側で3次元であり、他方の側で比較的平坦である成
型されたHIPE発泡体用具を連続的に製造するように金型から硬化されたHI
PE発泡体を取り出すことを含む。
【0107】 別態様において、本発明の方法(これもまた図示されていない)は、実質的に
射出成形(射出成形の概要については、1971年ニューヨーク、マグローヒル
ハンロン,ジョセフ F編集「ハンドブック・オブ・パッケージ・エンジニアリ
ング」の8〜45ページで始まる記載を参照されたい)が用いられ得るようなプ
ロセスを含む。そのようなプロセスにおいて、HIPEは、ランナーを通って複
数の金型キャビティに注入される。金型のセクション間の製品ライン(part
line)に沿ってベンティングが与えられ、金型のキャビティは、それぞれ
のキャビティがそれぞれのショットにより完全に満たされることを確保するよう
に配置される。金型はまた、HIPEを硬化させるために必要とされるエネルギ
ーを提供するために加熱手段も備え得る。代わりに、満たされた金型は、硬化エ
ネルギーを提供するために外部の手段を用いて加熱され得る。認識され得るよう
に、そのようなプロセスは、HIPE形成プロセスが連続的に起動しつづける間
個々の型キャビティが満たされるという点で半連続的である。
【0108】 図6〜9は、3次元HIPE発泡体を形成するための連続成型プロセスについ
ての単位操作を示す。本明細書で用いられる「連続プロセス」とは、金型が満た
されている間にHIPEがゲル相にならないように個々の型を満たすためのサイ
クル時間が十分に短いものである。一般的に、図6〜9において示されるプロセ
スは、複数のキャビティ部分から金型キャビティを形成することを含む(図6〜
9における金型キャビティ半分として示される)。金型の両半分が完全に閉じる
前に、金型のキャビティは、金型キャビティの中でHIPE発泡体に硬化される
HIPEで満たされる。次いで、HIPE発泡体は、成型された3次元HIPE
発泡体用具として金型のキャビティから取り出される。
【0109】 図6は、個々の金型のキャビティ半分650、655が、1対の連続ベルト6
30、640上で運ばれる複数の該対であるところのプロセス600の一部を示
す。図6のプロセスにおいて、仕上げられたHIPEは、上記方法の1つを用い
てHIPE製造システム610により提供され、供給パイプ615により製造シ
ステムから運ばれる。HIPEは、乳化温度から所望の硬化温度にHIPE温度
をさらに増加させるために用いられ得る任意の予備加熱器620を通過する(以
下に記載されるように、硬化が「ゲル化点」状態に達する前にHIPEが型に入
れられることを確保することが重要である)。次いでHIPEは、供給手段62
5により金型キャビティ645に入れられる。供給手段625は、わずかかまた
はまったく過剰無しに金型キャビティ645を満たすように必要量のHIPEを
供給するように設計されている。例えば、供給手段625は、HIPE流の制御
のための(図示されていない)ノズル/閉鎖(shutoff)弁を備え得るで
あろう。所望であれば、リサイクルループまたはアキュムレータ(両要素とも図
示されていない)が、金型キャビティ645へのHIPE供給が存在しないとき
流れを管理するために用いられうるであろう。代わりに、対の供給ノズルと分流
器(flow diverter)(図示せず)と組み合わせられた対の金型半
分650、655の間の横方向のずれ(stagger)を有する設計は、成型
プロセス600へのHIPEの実質的に連続的な流れを維持するように用いられ
得るであろう。
【0110】 図6に見られ得るように、キャビティ半分650、655の少なくとも一部は
、ニップロール660、665により互いに合わされ、それで、金型キャビティ
645は、収束点652の上方でのみ開いている。金型キャビティ645がニッ
プロール660、665の間を進行するとき、それはHIPEで満たされ、最終
的に完全に閉じられる(すなわち、収束点652は、キャビティ645の後端を
越えて通過する)。そのような方法は、空気連行と無駄になるHIPEを最小に
してキャビティ645を充填することを提供する。というのは、収束点652が
ニップロール660、665を通過する直前に流量および流れのカットオフが実
質的にキャビティ645を充填するようにプログラムされ得るからである。
【0111】 合致されたキャビティ半分650、655は、ベルト630、640を互いに
保持する組み合わせ力を維持する働きをする回転ロール670を通過する。認識
され得るように、ゲル化点を過ぎてHIPEが硬化されるまで閉じた形状で保持
ベルト630、640に組み合わせ力を維持することが必要である(以下の検討
を参照されたい)。もしベルトの張力が不十分であるならば、ベルトのエッジを
互いに保持する手段(図示せず)が提供され得る。次いで、流入したHIPEと
ともに、型のキャビティ645は、HIPEが実質的にHIPE発泡体に硬化す
る硬化領域675を通過する。硬化流域675は、硬化温度でHIPEを維持す
るのに必要なくらい加熱されうる。硬化が完了した後、キャビティ645は、硬
化領域675から通過し、回転ロール680、690の対は、ベルト630、6
40が分岐点685で分離することを引き起こす。成型された3次元製品695
は次いで、キャビティ645から取り出され、持ち運ばれる。
【0112】 本発明の方法は、いくつかの変形に変更可能である。図7に示される1つのそ
のような変形において、連続的な金型キャビティは、小さな峡部697により接
続されている個々の製品695の連続ウエブを作り出すようにチャンネル(図示
されていない)により接続されている。そのようなウエブは、続く変換操作(c
onverting operation)でそれらがより容易に取り扱われる
点で有益さを有する。例えば、そのようなウエブは、上記生理用ナプキン20と
同様な生理用ナプキンを形成するように、その後トップシート22とバックシー
ト23が提供され得る別の個々の製品695(すなわち、コア24)に峡部が切
断されるとき、ウエブがコア24を提供する転換操作への輸送のためにつながれ
得る。
【0113】 図8に示される別の変わりの態様において、異なる特性を有する2つのHIP
Eは、単一の成型された製品に組み合わせられ得る。ベルトが分岐点685で分
岐した後、成型された製品695’は、下方の金型キャビティ半分650を単に
部分的に満たし、そこにとどまるであろう。上方金型キャビティ半分655は、
2つのHIPEの間の接続性を高めるように設計され得る。次いで、部分的に仕
上げられた製品695’は、第2の成型ステーション700に入り、そこでは、
上記工程が実質的に反復される。特に、下方金型キャビティ半分750を有する
ベルト730(ベルト630の連続部分)は、金型キャビティ745を形成する
ように分岐点752で金型キャビティ半分755を有するベルト740とかみ合
わせられ、金型キャビティ745は、HIPE調製システム710からの第2の
HIPEにより満たされる。次いで、金型キャビティ745は、第2のHIPE
が硬化される第2の硬化領域775を通過して進行し、ベルトは分岐点785で
分離し、そして2つの異なるHIPE795を備える仕上げられた成型された3
次元製品はキャビティ745から取り外される。そのようなキャビティもまた上
記のような連続ウエブを形成するようにチャンネルにより接続され得るであろう
【0114】 図9において800として示されるもう1つの別態様において、不透過性膜が
、ベルト830と840の一方または両方の間に介在し得る。そのような膜は、
ベルト830と840についてより相容性に欠けるがより耐久性の材料の使用を
可能とするであろう。膜はいくつかの形態を取り得る。全ての形態において、膜
は、硬化したHIPEもまた金型半分に合致することを可能とする金型半分の形
態に合致する。1つの態様(図示せず)において、膜は、成型された製品に結合
するようになり、最終的に成型された製品を用いて作られる最終製品の一部とな
る(例えば吸収製品のバックシート)材料を含み得るであろう。もう1つの態様
(やはり図示されていない)において、膜は、最終の成型された製品の形成の補
助となる使い捨て材料である(すなわち、膜は、成型プロセスの上流で巻回され
ておらず、一回の使用の後最終的な使い捨てのための成型されたHIPE発泡体
製品から分離されている)。図8に示される態様において、膜815は、成型お
よび硬化プロセスの間HIPEを剥離可能に含む再使用可能な材料である。
【0115】 図9に示されるように、HIPEは、HIPE調製システム810により提供
される。膜815は、(例えば、トラフもしくは他の部分的に閉じた形状に成形
することにより)HIPEを含むことが可能な形状に形成手段820を用いてプ
リフォームされる。(第1の加熱手段812により)任意に予備加熱されたHI
PEは、プリフォームされた膜815に輸送手段817により送られる。所望で
あれば,HIPEは、第2の加熱手段825により硬化温度まで任意にさらに加
熱されうる。HIPEで満たされた膜815は、次いで、ベルト830および8
40に接触し、それらベルトは、そこに配置されている複数の金型キャビティ半
分850、855を有する。真空圧または静水圧のような手段が、含まれている
膜815およびHIPEが造形された金型キャビティ850、855に合致する
ようにするために用いられ得る。ベルト830、840は、図5および6におい
て示されるものと同様の様式で分離し、それで、金型キャビティ半分850、8
55は、HIPEで満たされた金型キャビティ845を形成して合致するように
なる。合致したキャビティ半分は、硬化が実質的に終了するのに十分な時間HI
PEを硬化させるのに十分な温度で維持され、次いで、金型キャビティ半分85
0、855から剥離性膜815と硬化されたHIPEが分離される。成型された
HIPE発泡体用具895は膜815から取り外され、膜815は、別の成型シ
ーケンスについてサイクルに戻される(例えば一連の回転ロール(図示せず)に
より)前に任意に洗浄される。
【0116】 任意の型に関するプロセス工程 本発明の成型プロセスはまた、それにより製造されるHIPE発泡体の製造を
最適化するために用いられ得るいくつかの任意のプロセス工程にも従い得る。こ
のタイプの典型的な工程は、以下のパラグラフにおいて記載されている。
【0117】 予備加熱された金型キャビティ 1つの望ましいさらに任意のプロセス工程において、HIPE発泡体がキャビ
ティに貯められるHIPEを硬化させることにより形成される金型キャビティは
、ほぼ所望の硬化温度に予備加熱されうる。そのような予備加熱は有益である。
というのは、それは、金型が充填されるとき、HIPEが被り得るいずれの熱的
衝撃も最小化/消去するからである。例えば、そのような衝撃は、HIPEがH
IPEとまわりの金型との間の界面で破壊することを引き起こしうるものであり
、成型された用具を取り囲む「スキン」の形成をもたらす。認識され得るように
、もし用具が吸収構造として用いられるべきであるならば、そのような「スキン
」はきわめて望ましからぬものである。
【0118】 予備硬化 一部の事例において、HIPEを予備硬化する(すなわち、金型に入れる前に
短い時間硬化温度でHIPEを維持する)ことは望ましいであろう。そのような
予備硬化は、最終製品の成型されたHIPE発泡体用具が金型から除去される前
に、金型の中での滞留時間を短くする利点を有する。予備硬化はまた、用具が第
2部分からすでに硬化された第1部分へのHIPE成分の移行を最小化/防止す
るように上記のように2つの部分に成型される状況においても有益であろう。
【0119】 後硬化 後硬化もまた一部の事例において望ましいであろう。本明細書で、「後硬化」
とは、成型され、部分的に硬化されたHIPEが、硬化が続くプロセス工程で完
了するという条件で金型から取り出されるプロセスを記載する。認識され得るよ
うに、後硬化工程を含むプロセスは、金型のキャビティの使用を特に有効にする
。また、部分的に硬化された用具が金型のキャビティから取り出された後その成
型された形態を維持するのに十分な機械的一体性を有するように硬化が十分にな
されなければならないことにも注意すべきである。
【0120】 硬化 次いで、モノマー成分は、HIPE発泡体材料を形成するように簡単に上記し
たように、型の中で重合し、架橋(すなわち硬化)する。HIPEが金型に入れ
られる温度は、硬化温度とほぼ同じであることが通常好ましい。
【0121】 適切な硬化条件は、エマルジョンの油相および水相のモノマーおよび他の成分
(特に用いられる乳化剤系)、および用いられる重合開始剤のタイプと量に依存
して変化するであろう。簡単に言えば、温度は、十分なフリーラジカルが重合お
よび架橋反応を開始させる開始剤の分解により発生するのに十分であることが必
要である。しかしながら、しばしば、適切な硬化条件は、約18時間約50℃を
超える上昇した温度でHIPEを維持することを含むであろう。硬化は、より高
い温度への暴露、そしてもし必要であれば大気圧を超える圧力化での封入(co
ntainment)により加速され得るものであり、それで、水性連続相は、
蒸発しない。そのような上昇した温度での硬化は、1999年2月22日にデズ
マレーズらの名義で出願されたともに係属する米国特許出願シリアル番号第09
/255,225号において記載されている。
【0122】 一部の事例においては、乳化温度でHIPEを形成させ、硬化温度でHIPE
を続いて加熱することが望ましいであろう。そのような例において、HIPE形
成と金型への堆積の間の時間は、HIPEがゲル化点に達するようにHIPEが
すでに硬化し始めるほど長くはないことが必要である。本明細書で用いられる、
「ゲル化点」という用語は、HIPEが部分的に形成されたポリマーを実質的に
含み、それによりHIPEが最終的に硬化されたポリマーの物理的特性を損なう
ことなく更なるプロセス工程(例えば成型)により撹乱されえない点まで重合が
進行したところの部分的に硬化されたHIPEの状態を記載することを意図する
。理論により拘束されないが、重合が全てのモノマーを優先的に直鎖のポリマー
分子に実質的に消費し、硬化されたHIPEを形成する優先的に直鎖の分子を結
合させる架橋工程が始まるときゲル化点に達すると信じられる。
【0123】 後硬化加工処理 多孔性の水で満たされた連続気泡型のHIPE発泡体は、典型的には、本発明
の金型の中での硬化の後に得られる。固体重合HIPE発泡体は、一般的には、
HIPEを調製するために用いられた残留水相材料で満たされている。この残留
水相材料(一般的には、電解質、残留乳化剤および重合開始剤の水溶液)は、発
泡体の更なる加工処理と使用の前に少なくとも部分的に除去されるべきである。
発泡体は、残留液体を搾り出すために発泡体構造を圧縮することにより、および
/または水もしくは他の水性洗浄溶液で発泡体構造を洗浄することにより脱水さ
れ得る。しばしば、例えば2から4サイクルの、いくつかの圧縮および洗浄工程
が用いられ得る。
【0124】 HIPE発泡体が血液系液体のための吸収材として用いられるべきとき、それ
は、約2%未満の残留電解質のレベルを下回るように洗浄される。発泡体からの
残留電解質(すなわち、水和性塩)のほとんどの除去は特に重要である。すでに
言及したように、それらの水和性塩は、典型的には、主に油溶性であるモノマー
、コモノマーおよび架橋剤が水相にもまた溶解する傾向を最小化させて、HIP
Eの初期形成の間に含まれる。しかしながら、HIPEの重合後、それらの塩の
存在は不要であり、特に発泡体中のそれらの塩の濃度が増加するとき血液および
経血のような血液系液体を吸収する発泡体の能力に悪影響を与え得る。したがっ
て、この洗浄工程の間に発泡体中のそれらの水和性塩のレベルを減少させること
が望ましい。洗浄後、本発明の発泡体は、約2%未満のそのような残留水和性塩
を有する。好ましくは、本発明の発泡体は、乾燥発泡体の重量による塩化カルシ
ウムとして、そのような残留塩の約1.0%未満、より好ましくは約0.15な
いし約0.5%、および最も好ましくは約0.25%ないし約0.35%を有す
る。
【0125】 次いで、洗浄された発泡体は、有効量の適切な親水性界面活性剤で処理される
。親水性界面活性剤による洗浄された発泡体の処理は、特に、血液および経血の
ような血液系液体のための吸収剤としての使用を意図するHIPE発泡体のため
に、一般的に、発泡体を相対的により親水性にする必要がある。発泡体を作るプ
ロセスにおいて用いられる親水性界面活性剤は、HIPE発泡体表面の水の濡れ
性を高めるいずれの材料でもあり得る。適切な界面活性剤は、無毒であり、粘膜
に対して刺激がなくあるべきである。界面活性剤は、温水中に溶解性または分散
性であるべきである。好ましくは、親水性界面活性剤は、水溶液中に含まれるこ
との容易さのために周囲温度付近で液体である。特に好ましい界面活性剤は、平
均4.5エトキシ単位を有するラウリン酸のエトキシレートであるイリノイ州ノ
ースフィールドのステパン・ケミカル Corp.により販売されるPEGOS
PERSE200MLである。界面活性剤は、好ましくは、約0.05%水性C
aCl2 と組み合わせられる。
【0126】 親水性界面活性剤は、HIPE発泡体表面に付与される親水化溶液中に溶解ま
たは分散し得る。この方式において、親水化界面活性剤は、発泡体の表面を実質
的に親水性にするのに適切であるが、発泡体の所望の可撓性および圧縮歪特性を
実質的に損なわない量で好ましいHIPE発泡体により吸収され得る。発泡体が
所望の程度の濡れ性を示すまで、親水化界面活性剤によるHIPE発泡体の処理
は続く。好ましい発泡体において、発泡体構造に残る界面活性剤の残留量は、典
型的には、発泡体の重量として約0.1%から約5%、好ましくは約0.2%か
ら約1%の範囲にあるように親水化界面活性剤が含まれる。
【0127】 次いで、洗浄された発泡体は、約40%以下の水分含量まで脱水される。脱水
は、発泡体を(好ましくはz方向に)残留水を搾り出すように圧縮することによ
り、発泡体およびその中の水を約60℃から約200℃の温度に、またはマイク
ロ波処理に供することにより、真空脱水により、または圧縮と熱乾燥/マイクロ
波/真空脱水技術の組み合わせにより達成され得る。脱水工程は、一般的に、H
IPE発泡体がすぐに使用でき、実際的なほど乾燥するまで実施される。しばし
ばそのような圧縮脱水された発泡体は、乾燥重量基準で重量として、約50から
約500%、より好ましくは約50から約200%の水分(湿分)含有量を有し
うる。続いて、圧縮された発泡体は、乾燥重量基準で、約40%以下、好ましく
は約5から約15%の範囲の水分含有量まで熱的に乾燥され得る。
【0128】 別の発泡体の態様 他の態様において、吸収性コアにおいて用いられる発泡体の特徴は変化し得る
。例えば、本発明において用いられる発泡体は、典型的には、均質構造を有する
。すなわち、吸収性コア24のそれぞれの部分は、気泡と開孔サイズの観点で比
較的均一である。しかしながら、所望であれば、それらの発泡体は、不均質構造
を有するように製造されうる。例えば、発泡体は、より小さいかより大きい毛管
比表面積の領域を有しうるし、および/または毛管勾配を提供するためにその頂
部(すなわち着用者に近接した部分)からその底部に平均気泡サイズを減少させ
る。発泡体は、2(「バイモーダル」)以上の気泡サイズを有しうる。毛管勾配
は、吸収性コアの異なる領域の間で連続的であるかまたは段階的であり得る。そ
のような勾配は、発泡体を作る上で用いられるプロセスの条件を変化させること
により達成され得る。代わりに、異なる発泡体が横並びに形成され得るであろう
し、小さな毛管を有する発泡体の部分が大きな毛管を有する発泡体の部分の上に
折り重ねられ得る。多数の他の折りたたまれ、ひだをつけられた態様が可能であ
る。発泡体の一部は、垂直に積み重ねられた配列、折りたたまれるかひだをつけ
られた層が横並びになる配列、または折りたたまれた部分が発泡体の他の部分と
角を形成しているより複雑な配列を作り出すように互いに折りたたまれ得る。
【0129】 別の例において、発泡体は、発泡体の長さ対幅に沿うように大きい毛管比表面
積と小さい毛管比表面積の領域を有しうる。このことは、発泡体の中の吸収され
た流体の動きの方向を制御する能力を提供し、発泡体が長方形形状を有するとき
特に有益である。不均質構造を提供することにより、吸収された液体は、その幅
と反対に、発泡体の長さに沿って動くことが誘発され得るものであり、それによ
り、もし発泡体が均質構造ををゆうするならば、より容易に発生し得る生理用品
の側面に沿っての起こり得る漏れを最小化する。上記大きな毛管比表面積および
小さな毛管比表面積の領域は、上記米国特許第5,856,366号において記
載されているような多数の混合ヘッドを用いることにより、またはミキサー速度
の変化のようなHIPEを作り、または輸送する間の「パルス状」条件により、
および/または水相対油相比を調節することにより得られうる。
【0130】 例1.HIPE調製 この例は、生理用品における吸収性コアとしての使用にとって適切な成型され
た3次元HIPE発泡体の調製を例示する。表1において示される成分を含む水
相が調製される。油相は、表2において示される成分を用いて調製される。
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】 *この表におけるジビニルベンゼンは、別段の特定のない限り45%エチルス
チレンと55%ジビニルベンゼンを含む特別の混合物である。
【0133】 **油相への乳化剤および他のアジュバントの付加レベルは、「アド・オン」
パーセンテージである。モノマー組成は合計100%となる。8%の乳化剤は実
際には108部あたりの8部である。
【0134】 制御された比の油相流(25℃)と水相は、1995年2月7日に発行された
米国特許第5,387,207号(ダイヤーら)においてより詳細に記載されて
いる動的混合装置に供給される。動的混合装置の中の組み合わせられた流れの適
切な混合は、混合シリンダー中のピンインペラにより達成される。HIPEは、
5.1 lb./minの速度で製造される。
【0135】 次いで、図4において示されるものと同様の金型が、上記のようにHIPEで
満たされる。ポリマーは、成型されたHIPE用具(発泡体A)を形成するため
に約18時間65℃の温度で金型の中で硬化される。次いで、成型されたHIP
E発泡体は、金型から取り出される。
【0136】 次いで、取り出され、成型された発泡体製品は、以下の方法に従って脱水され
、再度親水化される。
【0137】 1)2リットルろ過フラスコに接続されているブフナー漏斗(略28cm直径
)の開孔表面上に2または3個の成型された用具を配置する。ブフナー漏斗の頂
部上にラテックスゴムシートを配置し、真空発生源にろ過フラスコを付着させる
。試料からの液体の流れが実質的に止まるまで吸引を維持する。
【0138】 2)試料を取り出し、1分間温水の水道水の中に試料を配置する。試料をブフ
ナー漏斗上に戻し、再び試料をラテックスゴムシートで覆う。試料からの液体の
流れが実質的に止まるまで真空発生源にろ過フラスコを接続し、吸引を維持する
【0139】 3)2回の洗浄を提供するために工程2を反復する。
【0140】 4)1分間0.5%ペゴスパース200MLと0.05%塩化カルシウムの水
溶液中に試料を浸し、工程2において記載されているように試料を脱水する。
【0141】 5)試料を空気乾燥させる。
【0142】 6)全ての試料が脱水され、再度親水化されるまで工程1から5を反復する。
【0143】 表3は、それぞれのHIPE流が硬化の後にHIPE流から作り出される発泡
体の関連する特性にあわせて作られた条件を要約する。
【表3】
【0144】 *この例と以下の全ての例において密度は、残留塩と濡れ剤を除去するために
水と2−プロパノールで洗浄された発泡体について測定される。
【0145】 例2 この例は、吸収製品のためのコアの特定部分において使用するためにより特定
された特性を有するHIPE発泡体の調製を示す。特に、発泡体Bは、吸収製品
のコアにおける獲得部分としての使用にとって適切な特性を有し、発泡体Cは、
吸収製品のコアにおいて貯蔵部分としての使用にとって適切な特性を有する。そ
れらの発泡体を調製するために用いられるHIPEの組成は、表4および5にお
いて示されている。表6は、プロセスの条件および得られる発泡体の特性を示す
【表4】
【0146】
【表5】
【0147】 *この表におけるジビニルベンゼンは、別段の特定のない限り、45%エチル
スチレンおよび55%ジビニルベンゼンを含む特別の混合物である。
【0148】 **油相への乳化剤および他のアジュバントの付加レベルは、「アド・オン」
パーセンテージである。モノマー組成は合計100%となる。8%の乳化剤は、
実際には、108部あたりの8部である。
【表6】
【0149】 全ての特許、特許出願(およびそこで発行されているいずれの特許ならびにい
ずれの対応する公開された外国特許出願)およびこの記載全体で言及されている
刊行物の開示は、ここでは参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、
本明細書に参照により組み込まれる刊行物のいずれもが本発明を教示または開示
することは強く容認されない。
【0150】 本発明の特定の態様が例示され、記載されてきたけれども、当業者には、様々
の他の変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ
得ることは明瞭であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法を用いて作られるコアを有する3次元生理用ナプキンの
斜視図である。
【図2】 図2は、図1において示される生理用ナプキンの縦断面図である。
【図3】 図3は、本発明の方法を用いて作られるコアを有する生理用ナプキンの別態様
の断面図である。
【図4】 図4は、本発明の方法により形成された曲線状に成型された3次元HIPE発
泡体の斜視図である。
【図5】 図5は、本発明の方法により3次元HIPE発泡体を形成するための型の分解
斜視図である。
【図6】 図6は、本発明による成型プロセスの模式図である。
【図7】 図7は、本発明による成型プロセスの模式図である。
【図8】 図8は、本発明による成型プロセスの模式図である。
【図9】 図9は、本発明による成型プロセスの模式図である。
【符号の説明】
20,320…生理用ナプキン、22…トップシート、23…バックシート
、24…吸収性コア、420…吸収性部材、500…金型、660,665…ニ
ップロール
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月21日(2001.12.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】 第1工程は、比較的少量の油相と比較的多量の水相を有する特定のタイプの安
定な高内相油中水型エマルジョン(すなわちHIPE)を形成する工程である。
油中水型エマルジョンは油相と水相から形成される。油相は、約65重量%から
約98重量%のモノマー成分および約2重量%から約20重量%の乳化剤成分を
含む。モノマー成分は、約−40℃から約90℃のTgを有するコポリマーを形
成することが可能である。コポリマーの「Tg」は、そのガラス転移温度である
。乳化剤成分は、油相中に可溶性であり、安定な油中水型エマルジョンを形成す
るために適切である。水相は、約0.2重量%から約20重量%の水溶液電解質
を含有する水溶液を含む。水相対油相の体積対重量比は、約15:1から約12
5:1の範囲にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】 油相のモノマー成分には、(i)約35℃以下のTgを有するアタクチックな
アモルファスポリマーを形成することが可能な少なくとも1種の実質的に水に不
溶性の単官能モノマー約10重量%から約80重量%、(ii)スチレンにより
付与される靭性とほぼ等価の靭性を付与することが可能な少なくとも1種の実質
的に水に不溶性の単官能コモノマー約10重量%から約40重量%、(iii)
ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン
、ジビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン、ジビニルフェナントレン、
ジビニルビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニル
フェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルフィド、ジビニルフラン、ジビニル
スルフィド、ジビニルスルホン、多官能アクリレート、メタクリレート、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、およびそれらの混合物から選択される実質的に水
に不溶性の多官能架橋剤約5重量%から約50重量%が含まれる。上記架橋剤お
よびモノマーについての範囲として示されるパーセンテージは、100%基準で
表現されている。例えば、もし架橋剤がもう1つの化合物との50%混合物とし
て提供されるならば、上記範囲において用いられるパーセンテージは、用いられ
る化学混合物の実際量の50%と称される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】 油中水型エマルジョンは、好ましくは、HIPEを形成するために水相と油相
を混合することにより約50℃以上の温度で形成される。HIPEの製造のため
に、当該技術は、典型的には、連続相全体にわたって内相を分散させるのに必要
な剪断を提供する回転要素を用いるミキサーを用いてきた。HIPEの連続また
は半連続製造のために、水相と油相はあらかじめ決められた流量で供給される。
それらの速度の比は、水相対油相の所望の比(水:油比)により決定される。例
えば、1993年10月5日に発行された米国特許第5,250,576号(デ
ズマレーズら)および1998年10月27日に発行された米国特許第5,82
7,909号(デズマレーズ)を参照されたい。インラインミキサーを用いる方
法は、1999年10月8日にカタルファモらの名義で出願されたともに係属す
る仮の米国特許出願シリアル番号60/158,620号において記載されてい
る。エマルジョンを形成するために用いられる個々の成分は、以下により詳細に
記載されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】 ポリマー発泡体を形成するために重合される好ましいHIPEのために、この
油相はモノマー成分を含む。吸収剤としての使用にとって適切なHIPE発泡体
の場合においては、このモノマー成分は、典型的には、約35℃以下、そして典
型的には約−40℃から30℃のガラス転移温度(Tg)を有するコポリマーを
形成するよう配合される(動的機械的分析(DMA)によりTgを定量するため
の方法は、1997年7月22日にトマス A.デズマレーズらに発行された米
国特許第5,650,222号の試験方法の部分において記載されており、それ
は参照により組み込まれる)。このモノマー成分は、(a)そのアタクチックア
モルファスポリマーが約25℃以下のTgを有する少なくとも1種の単官能モノ
マー、(b)任意の単官能コモノマーおよび(c)少なくとも1種の多官能架橋
剤を含む。単官能モノマーおよびコモノマーおよび多官能架橋剤の特定のタイプ
および量の選択は、そのような材料を水性流体のための吸収剤としての使用にと
って適切にする構造的、機械的、および流体操縦特性の所望の組み合わせを有す
る吸収性HIPE発泡体の実現にとって重要であり得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】 吸収剤として有用なHIPE発泡体のために、モノマー成分もまた、典型的に
は、得られるポリマー発泡体構造のTg特性、その弾性率(強度)およびその靭
性を改善するために典型的に含まれる1種類以上のコモノマーを含む。それらの
単官能コモノマータイプは、関連するホモポリマーが靭性を示すものとして周知
であるスチレン系コモノマー(例えばスチレンおよびエチルスチレン)またはメ
チルメタクリレートのような他のモノマータイプを含み得る。得られるHIPE
発泡体に高度の靭性を与えるモノマーの別の例は、イソプレンおよびピペリレン
およびジメチルブタジエンのような関連するジエンである。それらのコモノマー
の中で、スチレン、エチルスチレン、およびそれらの混合物は、得られるポリマ
ー発泡体構造に靭性を付与するために特に好ましい。それらのコモノマーは、モ
ノマー成分の約50重量%までを構成し、通常、モノマー成分の約5重量%から
約40重量%、好ましくは約10重量%から約35重量%、最も好ましくは約1
5重量%から約30重量%を構成する。他の態様は、約20ないし約50%のコ
モノマーを構成する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】 好ましい多官能架橋剤には、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジメタクリレート、2−ブテンジオールジメタクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、2−ブテンジオールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレートおよびトリメタクリレートおよびそれらの混合物が含まれ
る。ジビニルベンゼンは、典型的には、約55:45の比率でエチルスチレンと
の混合物として入手可能である。それらの比率は、一方または他方の成分につい
て油相を富化するように変更しうる。同時にモノマーブレンドからスチレンの含
有をなくしながらエチルスチレン成分について混合物を富化することは有利であ
り得る。ジビニルベンゼン対エチルスチレンの好ましい比は、約30:70から
55:45であり、最も好ましくは、約35:65から45:55である。より
高いレベルのエチルスチレンの含有は、スチレンが付与する程度に、得られるコ
ポリマーのTgを増加させることなく要求される靭性を付与する。架橋剤は、一
般的に、モノマー成分(100%基準)の約2から50重量%、好ましくは約3
から40重量%、より好ましくは約4から約40重量%、最も好ましくは約5か
ら約40重量%の量でHIPEの油相に含まれ得る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】 ポリマー発泡体を作るために用いられる好ましいHIPEについては、油相は
、一般的に、約65から約98重量%のモノマー成分および約2から約30重量
%の乳化剤成分を含み得る。好ましくは、油相は、約80から約98重量%のモ
ノマー成分および約3から約20重量%の乳化剤成分を含み得る。より好ましく
は、油相は、約90から約97重量%のモノマー成分および約3から約10重量
%の乳化剤成分を含み得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 45/00 B29K 105:04 45/04 105:24 C08F 2/00 B29L 31:48 2/32 A61F 13/18 302 // B29K 105:04 305 105:24 340 B29L 31:48 360 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ノエル、ジョン・リチャード アメリカ合衆国、オハイオ州 45237 シ ンシナティ、シェナンドアー・アベニュー 1526 (72)発明者 ダイアー、ジョン・コリンズ アメリカ合衆国、オハイオ州 45241 シ ンシナティ、シェアブルック・ドライブ 3760 (72)発明者 デスマライズ、トーマス・アレン アメリカ合衆国、オハイオ州 45252 シ ンシナティ、スカル・ロード 10204 (72)発明者 リピック、ポール・マーチン アメリカ合衆国、オハイオ州 45069 ウ エスト・チェスター、ワバッシュ・ウェイ 9547 (72)発明者 ハモンズ、ジョン・リー アメリカ合衆国、オハイオ州 45011 ハ ミルトン、ダスト・コマンダー・コート 7379 Fターム(参考) 4C003 AA06 AA21 EA02 GA02 HA05 4F204 AA13 AA21 AB03 AB04 AB19 AC05 AE05 AG20 AH63 AH66 EA01 EB02 EB11 EF01 EK01 EK02 EK04 EK13 EK17 EL01 EL16 EW06 EW31 EW50 4F206 AA13E AC05 AD08 AG03 AH63 JA07 JB13 JC01 JC06 JF01 JF05 JM05 JN43 4J011 DA01 LA03 LA06 LA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元形状を有する成型された発泡体用具を製造する方法で
    あって、該方法は、 a)水相を提供する工程であって、前記水相は重合開始剤を含むところの工程
    、 b)油相を提供する工程であって、前記油相は、 (i)約−40℃から約95℃のTg値を有するコポリマーを形成すること
    が可能なモノマー成分であって、 1)約35℃以下のTgを有するホモポリマーを形成することが可能な
    実質的に水に不溶性の単官能モノマー約10重量%から約80重量%、 2)スチレンによって付与される靭性とほぼ等価の靭性を付与すること
    が可能な実質的に水に不溶性の単官能コモノマー約10重量%から約70重量%
    、 3)ジビニルベンゼン、ジビニルベンゼンの類似体、ジオールのジアク
    リレート、ジオールのジアクリレートの類似体、およびその混合物からなる群よ
    り選択される実質的に水に不溶性の多官能架橋剤約2%から約50% を含むモノマー成分約80重量%から約98重量%、および (ii)前記油相中に溶解性であり、安定な油中水型エマルジョンを形成す
    るのに適切である乳化剤成分約2重量%から約20重量% を含み、 前記油相は前記水相と実質的に非混和性であり、前記水相対前記油相の比(水
    :油比)は、約15:1ないし約125:1であるところの工程、 c)前記両相を混合手段に配送する工程であって、前記水相は、第1の流量で
    配送され、前記油相は、第2の流量で配送され、これらの流量は前記水:油比に
    より規定される関係にあるところの工程、 d)前記混合手段を用いて前記水相と油相を処理する工程であって、前記混合
    手段は、内相サイズ分布を有する高内相エマルジョン(HIPE)の連続流を提
    供するように、前記油相中に前記水相を乳化するのに十分な剪断を提供するとこ
    ろの工程、 e)一連の金型キャビティを提供する工程であって、前記金型のキャビティの
    それぞれはキャビティ壁により規定される所定の3次元形状を有し、前記3次元
    形状は前記用具の前記形状により規定されるところの工程 を具備し、 該方法は、さらに f)HIPE配送手段を用いて前記一連の金型キャビティの1つに前記HIP
    Eを配置する工程、 g)前記内相サイズ分布に実質的に合致する気泡サイズ分布を有する成型され
    たHIPE発泡体を製造するために前記金型のキャビティ中で前記HIPEを硬
    化させる工程、 h)前記金型から前記成型されたHIPE発泡体を取り出す工程、および i)工程cがもはや達成されえないように、前記油相と前記水相の一方が枯渇
    するようになるまで工程fからhまでを反復する工程であって、前記諸工程は、
    前記HIPEがゲル化点に達する前に前記HIPEが前記金型のキャビティに配
    置されるのに十分に大きい速度で反復されるところの工程 も具備することを特徴とする成型された発泡体用具を製造する方法。
  2. 【請求項2】 工程eからiが射出成型プロセスにより達成される請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程eが1対の収束ベルトを提供することにより達成され、
    前記ベルトのそれぞれは、そこに複数の金型キャビティ半分を有し、前記金型キ
    ャビティ半分は、前記ベルトが前記金型のキャビティを形成するように集束する
    とき一体となる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記3次元の成型された発泡体用具が、吸収製品の部材を含
    む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記部材が吸収性部材を含む請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記部材が着用者の身体の少なくとも一部に実質的に合致す
    るように設計された所定の形態を有する請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記モノマー成分が、約−40℃から約30℃のTg値を有
    するコポリマーを形成することが可能である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記モノマー成分がスチレンにより提供されるのとほぼ等価
    の靭性を付与することが可能な実質的に水に不溶性の単官能コモノマー約20重
    量%から約50重量%を含み、スチレンにより提供されるのとほぼ等価の靭性を
    付与することが可能な前記実質的に水に不溶性の単官能コモノマーが、好ましく
    は、スチレン、メチルメタクリレート、イソプレン、ピペリレン、ジメチルブタ
    ジエン、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記一連の金型キャビティのそれぞれが、それに隣接して存
    在するキャビティに対し峡部により接続される請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 実質的に液体不透過性膜を前記HIPEと前記キャビティ
    壁の少なくとも一部との間に介在させて、該HIPEが該膜と接触している間に
    硬化するようにする請求項記載の方法。
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