JP2003505035A - 診断方法 - Google Patents

診断方法

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JP2003505035A
JP2003505035A JP2001511214A JP2001511214A JP2003505035A JP 2003505035 A JP2003505035 A JP 2003505035A JP 2001511214 A JP2001511214 A JP 2001511214A JP 2001511214 A JP2001511214 A JP 2001511214A JP 2003505035 A JP2003505035 A JP 2003505035A
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マリク、カリム
ブラウン、キース
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ザ ユニバーシティ オブ ブリストル
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、変更ゲノムインプリンティングを検出することによる被験者における癌の検出の方法と、長期予後を推定する特定ヌクレオチド配列のメチル化状態の差を用いて、癌と診断された被験者の長期予後を測定する方法とを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、診断方法と、ウィルムズ腫抑制遺伝子(WT1)アンチセンス制御
領域を含むヌクレオチド配列と、制御領域のメチル化状態に基づいた疾病検出お
よび予後の方法と関する。
【0002】 ウィルムズ腫(WT)は、腎臓の幹細胞の悪性形質転換から生じる小児期の胚
の腎臓腫瘍である。WTは、10,000人に約1人の子供に生じ、最も一般的
な小児固形腫瘍の内の1つとなっている。
【0003】 ヒトWT1遺伝子は、染色体11p13(Callら、Cell 60巻、5
09−520頁(1990年);Gesslerら、Nature 343巻、
774−778頁(1990年);Callら、米国特許番号第5,350,8
40号(1994年))に存在し、60キロベースの染色体領域に及ぶ10個の
エキソンとしてゲノムで構成される。腫瘍抑制遺伝子WT1の遺伝子内欠失およ
び突然変異は、およそ10%のウィルムズ腫で検出された。
【0004】 腎形成、すなわち、腎臓発生の間に、WT1遺伝子発現は、非常に特異的な様
式で制御され、後腎の間葉細胞が未熟な上皮細胞に進行するにつれて増加し、細
胞がいっそう表現型で成熟になるにつれて減少する。卵巣および睾丸、並びに脊
椎索および脳における発現の証拠と共に、ヒト白血病細胞のWT1発現と分化状
態の間の反比例は、WT1遺伝子産物の機能が、多様な細胞種における増殖およ
び/または分化にきわめて重要でありうることを強く示唆している。4個の亜鉛
フィンガーを含むWT1タンパク質は、遺伝子における2個の選択的スプライシ
ング部位(IおよびII)から生じる4つのアイソフォームとして発現される。
スプライシングIIは、亜鉛フィンガードメイン内で生じ、それにより亜鉛フィ
ンガー3および4の間の3個のアミノ酸(KTS)が、挿入または削除される。
KTSアミノ酸なしのWT1タンパク質(WT1−KTS)は、EGR部位共通
配列(5’−GCGGGGGCG−3’)に特異的に結合するのに対して、KT
SのあるWT1タンパク質(WT1+KTS)は結合しない。インシュリン様成
長因子II型(IGF−II)、血小板由来の成長因子A(PDGF−A)、コ
ロニー刺激因子−1(CSF−1)、および上皮成長因子レセプター(EGF−
R)のような遺伝子のプロモーター領域における早期成長反応遺伝子(EGR)
型部位に結合させることによって、WT1は、転写レプレッサーとして作用する
(Hastie、Ann.Rev.Genet28巻、523−558頁(19
94年)、およびMenkeら、Int.Rev.Cytol.181巻、15
1−212頁(1998年)に概説)。
【0005】 ヒトWT1プロモーター領域が特徴付けられ、転写因子Sp1についての多
応答性部位を有するTATA配列がなく、CCAAT配列がなく、GCが豊富な
プロモーターのファミリーに属することがわかっている。EGR/WT1共通配
列も、主要な転写開始部位の上流および下流において同定され(Hofmann
ら、Oncogene8巻、3123−3132頁(1993年))、これらの
部位がWT1自己抑制をさせる可能性があるという示唆が、ヒトプロモーターを
用いた一過性形質移入アッセイを用いて確認された(Malikら、FEBS
Letters 349巻、75−78頁(1994年))。
【0006】 ウィルムズ腫になりやすい素因と一緒に腎臓および生殖器の異常によって特徴
付けられる疾病(Coppesら、FASEB J.7巻、886−895頁(
1993年)で検討された)であるWAGR(ウィルムズ腫、無虹彩症、尿生殖
器異常および精神遅滞)症候群およびデニス−ドラッシュ症候群(DDS)で示
されるとおり、WT1機能は、尿性器系の正常な発達に重要である。
【0007】 腎臓ではない組織の分化におけるWT1の関与についての証拠が蓄積してきて
いる。造血における役割が、HL60細胞(Sekiyaら、Blood 83
巻、1876−1882頁(1994年))およびK562細胞(Phelan
ら、Cell Growth Differ.5巻、677−686頁(199
4年))の化学的に誘導した分化の間のWT1発現のダウンレギュレーションに
よって示唆される。正常な造血前駆細胞(Inoueら、Blood 89巻、
1405−1412頁(1997年))に対して白血病細胞でWT1発現が増大
すること、および白血病でWT1突然変異が検出(King−Underwoo
dら、Blood 87巻、2171−2179頁(1996年);King−
UnderwoodおよびPritchard−Jones、Blood 91
巻、2961−2968頁(1998年))されることは、白血球形成にWT1
遺伝子が関与していることを強く示す。WT1発現の変化は、胸部癌でも示され
た(Silbersteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 94巻、8132−8137頁(1997年))。
【0008】 さらに、見かけのオープンリーディングフレームを有しないアンチセンスWT
1mRNA転写産物が、胎児の腎臓およびWTで検出され、それによりこれらの
mRNAについての調節的役割が示唆された(Campbellら、Oncog
ene 9巻、583−595頁(1994年);Ecclerら、Oncog
ene 9巻、2059−2063頁(1994年))。これらのmRNAのこ
のような機能の1つは、センスWT1mRNAとのRNA異種二本鎖の形成であ
り、それにより細胞のWT1タンパク質の限定レベルが調節されうる。先に、発
明者らは、WT1により活性化されるイントロン1に配置されたアンチセンスW
T1プロモーターの同定を報告した。WT1のこの効果は、WT1プロモーター
で観察されるものに反比例であり、それによりアンチセンスプロモーター活性が
、WT1遺伝子調節に関与することが示唆される(Malikら、Oncoge
ne 11巻、1589−1595頁(1995年))。さらに、異所性エキソ
ン1RNAの発現が、インビトロ系におけるWT1の細胞内レベル(Malik
ら、Oncogene 11巻、1589−1595頁(1995年);Moo
rwoodら、J.Pathol 185巻、352−359頁(1998年)
)に影響を及ぼし、それによりアンチセンスWT1RNAについての調節的役割
を支持している。
【0009】 WT1アンチセンス転写産物は、WT1タンパク質のレベルをアップレギュレ
ートし得(Moorwoodら、J.Pathol 185巻、352−359
頁(1998年))、アンチセンスRNA転写の制御機構の異常は、WT1タン
パク質の不適切な一過性および空間的発現を生じ、腫瘍形成に寄与しうる。この
点に関して、WT1は、アデノウイルス形質転換体ラット腎臓細胞の腫瘍成長速
度を増大しうることに注意することは興味深い(Menkeら、Oncogen
e 12巻、537−546頁(1996年))。WT1アンチセンス調節領域
の後成修飾と、WT1過剰発現と、腎臓腫瘍形成との関係は、不明瞭なままであ
るが、予備研究は、WT1アンチセンス調節領域の高メチル化と低WT1タンパ
ク質との間に相関関係があり、低メチル化では逆の関係があることを示した。興
味深くは、WT1アンチセンスプロモーター遺伝子座は、ヒト胸部癌における高
メチル化配列として同定され(Huangら、Cancer Res.57巻、
1030−1034頁(1996年))、胸部癌は、WT1の発現を減少させる
ことが示された(Silbersteinら、Proc.Natl.Acad.
Sci USA94巻、8132−8137頁(1997年))。
【0010】 発明者らは、WT1アンチセンスプロモーターのアンチセンス調節領域(AR
R)を同定し、ARRが、差分的にメチル化される領域の一部であることを示し
た。発明の基礎として特徴付けおよび利用されたWT1 ARRは、先に記述さ
れたWT1遺伝子配列(例えば、Callら、米国特許番号第5,350,84
0号(1994年))とは構造的にも機能的にも異なっている。さらに、発明者
らは、ARRメチル化のレベルとヒト細胞の病理状態との間の相関関係を見出し
た。特に、多様な癌細胞が、後成的変化に基づけば、その正常対応物と異なるこ
とが示される。
【0011】 したがって、本発明の第1の態様は、配列番号1に示される配列の一部を含む
か、配列番号1に示される配列から成るか、塩基置換、欠失および/または付加
による配列番号1の変異型の少なくとも一部を含む、WT1アンチセンス調節領
域をコードするヌクレオチド配列を提供する。
【0012】 本発明の第2の態様は、配列番号2に示される配列を含むか、配列番号2に示
される配列から成るか、塩基置換、欠失および/または付加による配列番号2の
変異型の少なくとも一部を含む、WT1アンチセンス調節領域をコードするヌク
レオチド配列を提供する。WT1アンチセンス調節領域は、配列番号2に太字で
示される配列か、塩基置換、欠失および/または付加によるそのような配列の変
異型の一部に限定されうる。
【0013】 本発明の第3の態様は、配列番号1に示される配列の少なくとも一部を含むか
、塩基置換、欠失および/または付加による配列番号1の変異型の少なくとも一
部を含む、WT1アンチセンス調節領域の負の調節要素(NRE)をコードする
ヌクレオチド配列を提供する。配列番号1で示されるヌクレオチド配列は、数種
のWT1アンチセンス調節領域の負の調節要素を含みうる。
【0014】 好ましくは、本発明の第1、第2または第3の態様によるヌクレオチド配列は
、DNAまたはRNA配列である。任意の配列の一部が、好ましくは機能性があ
る。すなわち、それらは、対応の天然配列の生物学的機能を有する。
【0015】 本発明の第4の態様は、WT1 ARR領域中のヌクレオチド配列のような特
定のヌクレオチド配列の差分メチル化された状態を用いた、癌に罹っている被験
者における疾病検出、診断または予後の方法を提供する。ゲノムの後成的変化は
、局所的であり、例えばそれにより染色体11p15上の多様な遺伝子座に影響
を及ぼす(Feinberg、Cancer Research(付録)59巻
、1743−1746頁(1999年))。したがって、メチル化による後成的
変化についての標的としての染色体11p13領域の発明者らの同定では、11
p13遺伝子レチクロカルビンおよびPAX6から誘導されたものを含めた11
p13領域から得られる他のDNAプローブ/DNA配列も、本発明による方法
で検出目的のために使用しうることが示唆される。
【0016】 特定のヌクレオチド配列は、1つまたはそれ以上の調節要素、好ましくは1つ
またはそれ以上の負の調節要素(NRE)、例えば、ARR内の1つまたはそれ
以上のNREでありうる。1または複数のNRE配列は、WT1遺伝子の一部、
または染色体11p13領域の一部であり得、癌と診断された被験者における疾
病診断および予後の方法が、被験者におけるWT1遺伝子または染色体11p1
3領域DNA配列のNREまたはARRのメチル化状態を測定すること、および
NREのメチル化状態を、被験者の診断および予測された長期回復予後と相関さ
せることを包含する。例えば、急性骨髄性白血病(AML)の場合には、NRE
の高メチル化は、被験者が、正の長期回復予後を示すことを示し、そしてNRE
の低メチル化は、被験者が、治療後に再発しやすくされることを示す。ウィルム
ズ腫の場合には、NREの高メチル化は、被験者が、正の長期回復予後を示すこ
とを示し、そしてNREの低メチル化は、被験者が、治療後に再発しやすくされ
ることを示す。ウィルムズ腫では、低メチル化は、腫瘍で特異的に検出され、そ
して結腸直腸癌細胞系では、低メチル化は、腫瘍形成の可能性と相連する。しか
し、他の癌では、特定の1または複数のヌクレオチド配列の高メチル化は、癌細
胞の存在および/または治療後の再発に対する被験者の素因を示しうるのに対し
て、特定の1または複数ヌクレオチド配列の低メチル化は、癌細胞の不在および
/または被験者が正の長期回復予後を示すことを示しうる。例えば、図1(e)
参照。診断用途は、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)および腎臓の明細胞肉
腫(CCSK)(図1D参照)のような他の腎臓腫瘍の高メチル化と反対に、W
Tにおける低メチル化により下線付けられる。
【0017】 メチル化状態は、Bsh1236I、SpeIおよびKpn1のような酵素を
組み合わせて用いて、WT1アンチセンス調節領域を制限切断することにより決
定されうる。Bsh126Iは、BstUIのアイソシゾマーである。Bsh1
236Iは、CpGメチル化のない時のみ、制限配列CGCGで切断する。メチ
ル化配列は、Bsh1236Iによって制限されない。したがって、Bsh12
36Iで制限されたヌクレオチド配列について得られる制限パターンは、ヌクレ
オチド配列中のBsh1236I部位がメチル化されているかどうかによって、
異なるバンドパターンを示す。他の市販で入手できる酵素も、使用でき、そして
1つまたはそれ以上が、メチル化および未メチル化DNAの間を区別できる。
【0018】 メチル化状態は、PCR基本のアッセイシステムを用いて測定されうる。この
ようなPCR基本のアッセイシステムは、メタ重亜硫酸ナトリウムの使用に関与
しうる。これは、全ての未メチル化シトシン残基をウラシル残基に変換する効果
を示す。好ましくは、PCR反応は、WT1アンチセンス調節領域の少なくとも
一部を使用する以下のプライマーを使用する:
【0019】 Tf:5'-GGGTGGAGAAGAAGGATATATTTAT-3' Tr:5'-TAAATATCAAATTAATTTCTCATCC-3' TfN:5'-GATATATTTATTTATTAGTTTTGGT-3' (入れ子プライマー) TrN:5'-AAACCCCTATAATTTACCCTCTTC-3'(入れ子プライマー)
【0020】 PCR反応で使用される条件は、本明細書に後に記する条件と同じである。下
に記述されるとおり、その後、PCR反応から得られるPCR産物は、クローニ
ングされ、配列決定されうる。PCR産物は、pGEM−T(プロメガ(Pro
mega))のようなベクターにクローニングされうる。代わりに、PCR産物
を、直接配列決定してもよい。いったん配列決定されると、任意のメチル化シト
シン残基が、ヌクレオチド配列中で「C」として読み取りできるままであるのに
対して、未メチル化シトシンは、その配列でT残基として現れる。
【0021】 入れ子PCR反応は、以下のプライマーを包含する Tf:5'-GGGTGGAGAAGAAGGATATATTTAT-3' Tr:5'-TAAATATCAAATTAATTTCTCATCC-3' TfN:5'-GATATATTTATTTATTAGTTTTGGT-3' (入れ子プライマー) TrN:5'-AAACCCCTATAATTTACCCTCTTC-3' (入れ子プライマー)
【0022】 本発明の第5の態様は、ゲノムインプリンティングの腫瘍特異的変化の検出か
ら成る、被験者由来の細胞における癌検出の方法を提供する。正常な組織が単対
立遺伝子で遺伝子を発現する場合、腫瘍特異的遺伝子の任意の二つの対立遺伝子
発現は腫瘍形成細胞増殖の存在を示しうる。代わりに、ある種の癌で、正常な組
織は二対立遺伝子で、そして癌は単対立遺伝子でありうる。さらに、メチル化変
化は、遺伝子投与に対する対立遺伝子の寄与と関係なく、サイレントなまたは増
強された遺伝子発現を通じた遺伝子発現の変化を伴いうる(Jones、Can
cer Research 56巻、2463−2467頁(1996年)に概
説)。
【0023】 ゲノムのインプリンティングの腫瘍特異的変更は、逆転写PCR(RT−PC
R)によって検出されうる。これは、電気泳動ゲルでのRT−PCR産物の肉眼
分析による変更ゲノムインプリンティングの比較的早い検出を可能にする。
【0024】 上記方法は、被験者におけるWTの検出に使用でき、WT−1遺伝子のような
WT−特異的遺伝子のゲノムインプリンティングの変更を検出しうる。 検出される変更ゲノムインプリンティングは、ゲノムインプリンティングの緩
和、インプリンティングの損失、またはインプリンティングの増加でありうる。
【0025】 RT−PCRは、1つの対立遺伝子のみに制限部位を導入する対立遺伝子の多
型の両側で腫瘍特異的遺伝子配列にアニールするように設計された2つのプライ
マーを使用しうる。例えば、WTの場合には、RT−PCRは、以下のプライマ
ーを使用しうる:
【0026】 プライマー1:WT18[CTTAGCACTTTCTTCTTGGC] プライマー2:WITKBF2[TTGCTCAGTGATTGACCAGG] 本発明の第6の態様は、腫瘍特異的遺伝子のゲノムインプリンティングを変更
する工程から成る、特定の癌に罹っている被験者の治療方法を提供する。これは
、ゲノムインプリンティングの緩和、または緩和されたゲノムインプリンティン
グの逆行に関与しうる。
【0027】 本発明の第7の態様は、本発明の第5の態様による方法を用いた診断用キット
、アッセイまたは監視方法を提供する。 本発明の第8の態様は、本発明の前述の態様による方法を使用して、ゲノムイ
ンプリンティングにおける腫瘍特異的変更を検出する工程と、ゲノムインプリン
ティングにおける検出変更を、WT1アンチセンス調節領域の差分メチル化と相
関させる工程とから成る、WT1アンチセンス調節領域のメチル化状態の検出方
法を提供する。例えば、ゲノムインプリンティングの緩和は、WT1アンチセン
ス調節領域の低メチル化と相関されうる。
【0028】 本発明によるヌクレオチド配列、および疾病診断、検出および予後の方法を、
あくまで例として、添付の図1(A)から3(B)まで、および配列番号1から
配列番号3までを参照しながら説明する。
【0029】 配列番号1は、WT1 ARRのヌクレオチド配列を示す。 配列番号2は、WT−1をコードする遺伝子の負の調節要素のヌクレオチド配
列を示す。 配列番号3は、WT1アンチセンス領域のヌクレオチド配列(Gessler
,M & Bruns、Genomics 17巻:499−501頁(199
3年))を示す。RT−PCRプライマーは矢印として示され、エキソン配列は
太字で示される。
【0030】 1.WT1ゲノム配列のクローニングおよび特徴付け WT1cDNAおよびWT1プロモーター領域を、それぞれ、ヒト胎児腎臓c
DNAライブラリー(クローンテック(Clontech))およびヒトB細胞
ゲノムライブラリー(λSha2001、ケンブリッジのメティカル・リサーチ
・カウンシル(Medical Research Council,Camb
ridge)のT.H.Rabbittsによって供給された腎臓)からクロー
ニングした。各ライブラリーについて、プラークスクリーンフィルター(デュポ
ン(Du Pont))を、1×106ファージ(Benton,W.D.およ
びDavis,R.W.、Science、196巻、180−182頁(19
77年))からin situで作成した。フィルターを、65℃で6×SSC
(1×SSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム)、5
×Denhardts溶液、0.5%SDSおよび100μg/mlサケ***D
NAでハイブリッド形成した。(0.1×SSC、0.5%SDS、65℃)で
高いストリンジェンシーで洗浄を行った。cDNAライブラリーについては、P
CR増幅によって得られた部分的WT1cDNAを、プローブとして使用した。
cDNAライブラリーから単離した全長cDNAのDNA配列を、ジデオキシ鎖
ターミネーター法(Sanger,Fら、Proc.Natl.Sci.USA
、74巻、5463−5467頁(1977年))によって測定し、cDNAの
5’末端から得られる700bp断片を、ゲノムライブラリーをプローブするた
めに使用した。プローブは、ランダム・プライマー法(Feinberg,A.
P.およびVogelstein,B.、Biochem.Biophys.R
es.Commun.、111巻、47−54頁(1983年))により[α− 32 P]dCTP(アマシャム(Amersham))で放射線標識した。
【0031】 WT1遺伝子の5’末端に対応するゲノムクローンを、サブクローニングし、
そして標準方法論による制限分析(Sambrookら、分子クローニング(M
olecular Cloning)、1および2版、コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨ
ーク(1989年))によって特徴付けた。DNA配列を、ジデオキシ鎖ターミ
ネーター法(Sanger,Fら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA、74巻、5463−5467頁(1977年))により、および製造業者
(ユーエスビー−アマシャム(USB−Amersham))によって、Δta
qサイクル配列決定により測定した。WT1遺伝子のイントロン1から得られる
DNAの機能性評価を、遺伝子発現を検出する種々のTW1イントロン配列との
レポーター遺伝子構築物の一過性形質移入により行った(Malik,K.ら、
Oncogene、11巻、1589−1595頁(1995年))。
【0032】 2.差分メチル化アッセイ ヒトゲノムDNAを、標準フェノール−クロロホルム抽出法(Sambroo
kら、分子クローニング、1および2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(198
9年))により精製する。イントロン領域のDNA配列(図2参照)に基づいて
、制限酵素Bsh1236I(エムビーアイ・フェルメンタス(MBI Fer
mentas))による消化を、イントロン領域のメチル化を試験するために選
択した。この酵素は、CpGメチル化がない時にのみ制限配列CGCGを切断す
る;メチル化配列は限定されない。我々の研究は、差分メチル化が、4つの強力
なBsh1236I部位を含有する850bpのKpnI−SpeI(ニュー・
イングランド・バイオラボズ(New England Biolabs))断
片内で好適に検出されることを確立した(図1参照)。これらの部位が、メチル
化されているか、またはメチル化されていないかによって、特徴付けられたバン
ドパターンは、ゲノムDNAの消化の後にKpnI、SpeI、およびBsh1
236Iの組合せで観察される。ササンブロッティングおよび放射線標識された
DNAプローブを用いたハイブリッド形成(Sambrookら、分子クローニ
ング、1および2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス
、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989年))は、イント
ロン配列中のKpnIおよびSpeI部位によって定義される(図1および2)
【0033】 図1(D)は、適合した正常な腎臓およびウィルムズ腫サンプルのササンブロ
ットを示す。全てのWTサンプルは、異種接合体の損失を示さないと確認された
。さらに、適合した正常な腎臓およびPNETまたはCCSK DNAも示され
ている。
【0034】 図1(D)で示されるとおり、差分メチル化のパターンは、正常な腎臓DNA
とウィルムズ腫DNA(パネルA)、可変の予後と正常なリンパ球とを有する患
者から得られる白血球細胞(パネルB)、および高度の腫瘍形成および非腫瘍形
成の結腸細胞系(パネルC)との間を首尾よく区別する。パネルCに示された結
果は、この変化が、腫瘍形成過程に関連しうること、したがって、ウィルムズ腫
以外の癌に関連することを示唆する。
【0035】 フィルムズ腫では、特定のヌクレオチド配列の低メチル化が腫瘍状態と相関す
る。しかし、他の癌では、この相関は、特定のヌクレオチド配列の高メチル化が
腫瘍細胞のメチル化状態に対応し、低メチル化は、正常な細胞を示すように逆転
され得る。この例は、図1(E)に、ARRメチル化状態における変化について
の正常な胸部組織DNAおよび胸部腫瘍DNAのサザンブロット分析と共に示さ
れる。攻撃性が種々に変わる4つの湿潤性腺管癌全てで、正常な胸部腫瘍DNA
に比較してWT1 ARRのメチル化が増大されることが示された。したがって
、正常な組織と腫瘍組織を比較する相対的差分メチル化は、診断的に利用されう
る。
【0036】 3.PCRに基づくアッセイ系 腫瘍細胞および正常細胞は、先に概説したとおりそれらの後成型によって区別
されうる。WT1アンチセンス調節領域のDNA配列の知識は、生物材料をほと
んど必要としない、サンプルのメチル化状態の測定を可能にするPCR基本のア
ッセイ系を開発することを可能にした。この方法は、メタ亜硫酸ナトリウム(メ
ルク)を用いたゲノムDNAサンプルの処理によって制限酵素認識配列の一部で
ないCpGジヌクレオチドを導入し、それにより、全ての未メチル化シトシン残
基をウラシルに変換することに関与する(Paulin,R.ら、Nuclei
c Acids Research 8巻、4777−4790頁(1998年
))。その後、WT1イントロン配列中の目的の特異的領域は、DNAの両方の
鎖に特異的なプライマーを用いて増幅されうる。得られたPCRバンドは、pG
EM−T(プロメガ)のような市販で入手可能なベクターを用いて直接的に配列
決定またはクローニングされ、そしてDNA配列決定によって分析されうる。任
意のメチル化シトシン残基は、DNA配列で「C」として読取可能なままである
のに対して、未メチル化シトシンは、「T」として現れる。
【0037】 代わりに、亜硫酸ナトリウムで処理されたDNAでのPCRの第一周の後、一
般に差分メチル化されるとして示されたメチル化Bsh1236I部位に特異的
な配列(図2で囲まれた)、または未メチル化Bsh1236I部位に特異的な
配列(すなわち、C→T変換に特異的な)を含めた入れ子プライマーが使用され
、それによりPCR産物の可視化によるメチル化および非メチル化配列の間の区
別が可能となる。すなわち、メチル化Bsh1236I部位に特異的なプライマ
ーが使用される場合、PCR産物は、サンプル中のBsh1236I部位がメチ
ル化される場合にのみ観察されるか、さもなければPCR増幅は起らない。
【0038】 メチル化特異的PCRのために使用されうる代表的プライマーは、以下に示さ
れ、そしてWT1配列に対するそれらのハイブリッド形成の位置は、最上の鎖の
増幅について図2で矢印によって示される。C→T変換について可能にするため
には:
【0039】 Tf:5'-GGGTGGAGAGAAGGATATATTTAT-3' Tr:5 '-TAAATATCAAATTAATTTCTCATCC-3' TfN:5'-GATATATTTATTTATTAGTTTTGGT-3' (入れ子プライマー) TrN:5'-AAACCCCTATAATTTACCCTCTTC-3'(入れ子プライマー)
【0040】 がある。 代表的な一次増幅は、3mM MgCl2を添加した緩衝液中に亜硫酸ナトリ
ウム処理DNA100ngと共にアンプリタック(Amplitaq)(パーキ
ン−エルマー(Perkin−Elmer))を用いて行われる。増幅条件は、
3分間、94℃で変性され、続いて、30秒間94℃での変性、30秒間50℃
でアニールし、そして90秒間72℃での伸長の35回サイクルが行われる。7
2℃で5分間の最終伸長により、反応を完了させる。入れ子プライマーを用いた
二次PCRは、1/100番目の一次PCR反応および24回サイクルを使用す
る以外は同じ条件を使用する。
【0041】 4.長期疾病予後と(NRE)のメチル化状態の相関関係 本発明者らは、癌に罹っている被験者におけるARRのメチル化状態と、診断
および長期疾病予後との間の相関関係を検出した。診断能力は、未分化神経外胚
葉性腫瘍(PNET)および腎臓の明細胞肉腫(CCSK)のような他の腎臓腫
瘍の高メチル化とは対照的に、WTにおける低メチル化によって示される(図1
D参照)。高メチル化ARRを有するAML被験者は、治療に十分に応答し、そ
して完全な回復をなした。しかし、未メチル化NREを示し再発した被験者は、
治療に抵抗性があった。
【0042】 したがって、NREのメチル化状態は、長期間疾病に罹った予後の強力な早期
指標として使用されうる。未メチル化NREを示す被験者は、再発の早期検出の
ための近視観察下で維持されうる。これは、回復についての彼らの可能性を最大
限にする。しかし、いったん何らかの再発が正常な日常の検査によって検出され
ると、これらの患者は、治療に十分に応答することが予測されるので、治療後の
このような近視観察の費用は、未メチル化NREを有する被験者には必要でない
【0043】 AMLを用いた試験的研究で、特定のヌクレオチド配列の高メチル化は、AM
Lを示す被験者の推定された正の長期予後に応答し、そして低メチル化は、治療
後に再発する被験者の素因に対応する。しかし、他の癌では、この相関関係は、
特定のヌクレオチド配列の高メチル化が治療後に再発する素因に対応し、低メチ
ル化が回復のための正の長期予後を示しうるように、逆転されうる。
【0044】 したがって、被験者に適する治療の最高の方法に関する決定は、彼らの癌症状
の再発の事象における治療に被験者がいかに応答するよう予想されるかの知識に
基づく予測に照らして行われうる。
【0045】 したがって、差分メチル化は、癌と診断された被験者についての長期予後を発
生する上での決定因子である。 5.WT1遺伝子のゲノムインプリンティング 正常な腎臓細胞で観察されるWT1対立遺伝子特異的メチル化パターンは、W
T1 ARR/NRE(アンチセンス調節領域/負の調節領域)のゲノムインプ
リンティング、およびウィルムズ腫におけるゲノムインプリンティングの腫瘍特
異的緩和があることを強く示す。
【0046】 ゲノムインプリンティングは、それにより遺伝子の母系または父系のコピーが
、選択的に発現される現象であり、そしてDNAのメチル化は、調節シグナルと
して役割を果す。このようなシグナルの損失は、正常な細胞成長に有害である可
能性のある遺伝子発現の変更投与に至らせる可能性がある。例えば、IGF2遺
伝子は、IGF2のゲノムインプリンティング制御の損失を示し、そしてWTで
過剰発現される(Feinberg,A.P.、Cancer Res.(補足
)、59巻:1743s−1746s頁(1999年))。IGF2が成長因子
である場合、これは、腫瘍形成に関連した未制御増殖に容易に寄与しうる。
【0047】 WT1 ARR/NREの分化メチル化が、WT1アンチセンスRNA(WT
1−AS)の対立遺伝子特異的発現を付随するかどうかを決定するために、逆転
写−PCR(RT−PCR)分析は、胎児および正常な腎臓細胞、およびWT細
胞で行われた。アンチセンスWT1 RNAスプライシングのいずれかの側のプ
ライマー(配列3および図3A参照)(Gessler,M.およびBruns
、Genomics、17巻:499−501頁(1993年))は、RT−P
CRのために使用された。
【0048】 プライマー1:WT18 [CTTAGCACTTTCTTCTTGGC] プライマー2:WITKBF2 [TTGCTCAGTGATTGACCAGG] RT−PCRに使用された代表的反応条件は、5分間、60℃に加熱して1μ
gの総RNAに逆方向プライマーをアニールし、続いて氷上で急冷し、続いて6
0分間、50℃でスーパーRT(エイチティー・バイオテクノロジーズ(HT
Biotechnologies)、英国ケンブリッジ(Cambridge,
UK))逆転写酵素を用いて行われる逆転写を行うことであった。この後、以下
のPCRサイクリングを行った;
【0049】 95℃で3分(1サイクル); 94℃で15秒、60℃で30秒、72℃で60秒(2サイクル); 94℃で15秒、58℃で30秒、72℃で60秒(2サイクル); 94℃で15秒、56℃で30秒、72℃で60秒(10サイクル、アンチセン
ス産物について20サイクル);および 94℃で15秒、56℃で30秒、1サイクル当たり20秒の延長を伴う72℃
で60秒(20サイクル)
【0050】 のPCRサイクルによって行われた。 得られたPCR産物を、制限酵素MnIIを、PCR混合液に直接添加し、3
7℃で60分間インキュベートすることによって消化した。その後、PCR産物
を、2%アガロースゲルで分離し、そしてその後、ハイブリッドN+膜上にアル
カリ性ブロットし、そして32P標識アンチセンスcDNAプローブでハイブリッ
ド形成させた。プローブの配列は、配列3中のWT18とWTTKBP2の間に
太字で示される。以下のプライマーを、DNA対照として使用した:
【0051】 プライマー1:WITKBF2 [TTGCTCAGTGATTGACCAGG] プライマー2:WITKBR2 [TTGGCTGGAAAGCTTGCAGC]
【0052】 利用されたMnII多型性(Grubb,G.R.ら、Oncogene、1
0巻:1677−1681頁(1995年))を、図3Aで星印によって印を付
け、二つの対立遺伝子発現について285および222bpのRT−PCR産物
、または代わりに単対立遺伝子発現について286bpまたは222bpの選択
的に主要な対立遺伝子バンドを得た。
【0053】 図2Bで示されるとおり、1つのメチル化および1つの未メチル化対立遺伝子
を有する正常な腎臓サンプルでのWT1−ASの発現は、一つの対立遺伝子から
起るのみであり、それによりゲノムインプリンティングが確認される。しかし、
WTは、WT1−ASの二つの対立遺伝子発現を示し、したがって、WTでのイ
ンプリンティング制御の緩和が示される。したがって、両方のWT1−AS対立
遺伝子の発現から生じる正味の増加は、ウィルムズ腫で検出される差分メチル化
パターンの追加のマーカーとしての役割を果たしうる。
【0054】 この変更インプリンティングは、WT以外の癌で存在する可能性がある。した
がって、特定の遺伝子の変更インプリンティング制御は、患者における種々の癌
型の検出または診断のためのマーカーを提供しうる。さらに、DNAの後成性修
飾が可逆である場合、変更されたインプリンティング制御の検出および/または
メチル化変化の診断は、DNAメチルトランスフェラーゼおよびデメチラーゼの
ような酵素に基づく、または化合物による(Jones P.A.およびLai
rd P.W.、Nature Genetics、21巻、163−167頁
(1999年))、治療上の戦略をも促進するにちがいない。これは、遺伝子発
現の制御を可能にし、そして適切な遺伝子制御次第である治療を許す。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、サザンブロッティングについてのメチル化の検出の
ために使用されたプローブを示し、図(B)は、3つの急性骨髄性白血病(AM
L)DNAおよび正常な末梢血リンパ球DNAのサザンブロットを示し、図1(
C)は、非腫瘍形成性および高度に腫瘍形成性の結腸直腸細胞系から得られるD
NAのサザンブロットを示し、図1(D)は、適合した正常な腎臓およびWTサ
ンプル、適合した正常な腎臓およびPNETまたはCCSK DNAおよび胎児
腎臓対照のサザンブロットを示し、図1(E)は、ARRメチル化状態における
変化についての胸部腫瘍DNAのサザンブロット分析を示す。
【図2】WT1 ARRのヌクレオチド配列を示す。プライマーハイブリッ
ド形成部位は、矢印によって示される。
【図3】図3(A)は、RT−PCRについて使用されるアンチセンスWT
1RNAスプライシングのいずれかの側でのプライマーを示す模式図であり、図
3(B)は、アンチセンスWT1RNA RT−PCR産物のサザンブロットを
示す。
【0056】
【配列表1】
【0057】
【配列表2】
【0058】
【配列表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 33/574 D 33/574 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ブラウン、キース イギリス国 BS8 1TD ブリストル ユニバーシティー ウォーク スクール オブ メディカル サイエンシズ デパ ートメント オブ パソロジー クリック ユニット Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 AA20 CA01 CA09 CA11 CA20 HA09 HA11 HA12 HA17 HA20 4B063 QA01 QA13 QA17 QA19 QQ42 QQ52 QR08 QR14 QR32 QR35 QR40 QR42 QR56 QR62 QS16 QS25 QS34 QX02 4C084 AA13 AA17 NA14 ZB26

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1で示される配列の少なくとも一部を含むか、塩基置
    換、欠失および/または付加による配列番号1に示される配列の変異型の少なく
    とも一部を包む、WT1アンチセンス調節領域をコードするヌクレオチド配列。
  2. 【請求項2】WT1アンチセンス調節領域の負の調節要素(NRE)をコー
    ドする請求項1に記載のヌクレオチド配列。
  3. 【請求項3】配列番号2に示される配列の少なくとも一部を含むか、塩基置
    換、欠失および/または付加による配列番号2で示されるヌクレオチド配列の変
    異型の少なくとも一部を含む、WT1アンチセンス調節領域の負の調節要素(N
    RE)。
  4. 【請求項4】NREが、配列番号2に太字で示される配列を含むか、または
    塩基置換、欠失および/または付加によるそのような配列の変異型を含む請求項
    3に記載のWT1アンチセンス調節領域NRE。
  5. 【請求項5】ヌクレオチド配列がDNA配列である請求項1乃至3のいずれ
    か一項に記載のヌクレオチド配列またはNRE。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によ
    ってコードされるRNA配列。
  7. 【請求項7】ウィルムズ腫癌と診断された被験者における疾病診断および予
    後の方法であって、被験者における、またはその被験者に由来するサンプルにお
    ける、特定の1または複数のヌクレオチド配列の差分メチル化状態を測定する工
    程から成る方法。
  8. 【請求項8】特定の1または複数のヌクレオチド配列が、WT1アンチセン
    ス調節領域(ARR)の部分を形成する請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】被験者から単離されたサンプル中のWT1遺伝子の負の調節要
    素(NRE)またはARRのメチル化状態を測定する工程と、NREまたはAR
    Rのメチル化状態を、被験者の診断および予想される長期回復予後と相関させる
    工程とから成る請求項7または請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】NREまたはARRの高メチル化は、被験者が正の長期回復
    予後を示すことを示し、NREまたはARRの低メチル化は、被験者が治療後の
    再発になりやすい素因であることを示す請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】特定の1または複数のヌクレオチド配列の低メチル化は、被
    験者が正の長期回復予後を示すことを示し、特定の1または複数のヌクレオチド
    配列の高メチル化は、被験者が治療後の再発になりやすい素因であることを示す
    請求項7または請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】NREが、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヌクレオ
    チド配列である請求項7乃至11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】メチル化状態が、制限消化分析によって検出される請求項7
    乃至12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】少なくとも酵素Bsh1236Iが、NREを制限するため
    に使用される請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】メチル化状態が、PCRに基づくアッセイ系を使用して検出
    される請求項7乃至12のいずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】PCRアッセイ系が、ヌクレオチド配列の領域を増幅する以
    下のプライマー: Tf:5'-GGGTGGAGAAGAAGGATATATTTAT-3' Tr:5'-TAAATATCAAATTAATTTCTCATCC-3' TfN:5'-GATATATTTATTTATTAGTTTTGGT-3' (入れ子プライマー) TrN:5'-AAACCCCTATAATTTACCCTCTTC-3'(入れ子プライマー) の内の少なくとも1つを使用する請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】増幅ヌクレオチド配列が、クローニングされ、配列決定され
    る請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列を
    包含するプローブ。
  19. 【請求項19】請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、
    または請求項18に記載のプローブを用いた診断用キット、アッセイまたは監視
    方法。
  20. 【請求項20】請求項7乃至17のいずれか一項に記載の方法を用いた診断
    用キット、アッセイまたは監視方法。
  21. 【請求項21】特定の1または複数のヌクレオチド配列のメチル化状態を検
    出する工程から成る、被験者における、または被験者から単離されるサンプルに
    おける、癌検出の方法。
  22. 【請求項22】特定の1または複数のヌクレオチド配列のメチル化状態を、
    被験者における癌細胞の存在または不在と相関させる工程から成る、請求項21
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】特定の1または複数のヌクレオチド配列の低メチル化が、被
    験者における癌細胞の存在を示す請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】ゲノムインプリンティングの腫瘍特異的変更を検出する工程
    から成る、被験者に由来する細胞における癌検出の方法。
  25. 【請求項25】特定のヌクレオチド配列のメチル化状態を測定することによ
    って、ゲノムインプリンティングの腫瘍特異的緩和を検出する工程から成る、請
    求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】ゲノムインプリンティングの腫瘍特異的変更が、逆転写−P
    CR(RT−PCR)によって検出される請求項24または請求項25に記載の
    方法。
  27. 【請求項27】癌が、ウィルムズ腫(WT)である請求項24乃至26のい
    ずれか一項に記載の方法。
  28. 【請求項28】アンチセンスWT−1RNA配列のゲノムインプリンティン
    グの緩和を検出する工程から成る、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】RT−PCRが、1つの対立遺伝子のみに制限部位を導入す
    る対立遺伝子の多型性の両側で腫瘍特異的遺伝子配列にアニールするように設計
    された2つのプライマーを使用する請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】RT−PCRが、以下のプライマー対 プライマー1:WT18 CTTAGCACTTTCTTCTTGGC プライマー2:WITKBF2 TTGCTCAGTGATTGACCAGG を使用する請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】腫瘍特異的遺伝子のゲノムインプリンティングを変更する工
    程から成る、特定の癌に罹っている被験者を治療する方法。
  32. 【請求項32】腫瘍特異的遺伝子のゲノムインプリンティングが、特定のヌ
    クレオチド配列のメチル化状態を変更することによって変更される請求項31に
    記載の方法。
  33. 【請求項33】ゲノムインプリンティングが、腫瘍特異的遺伝子のゲノムイ
    ンプリンティングを緩和するために変更される請求項31または請求項32に記
    載の方法。
  34. 【請求項34】ゲノムインプリンティングが、腫瘍特異的遺伝子のゲノムイ
    ンプリンティングの緩和を逆転させるために変更される請求項31または請求項
    32に記載の方法。
  35. 【請求項35】請求項24乃至30のいずれか一項に記載の方法を用いた診
    断用キット、アッセイまたは監視方法。
  36. 【請求項36】請求項21乃至30のいずれか一項に記載の方法を用いて、
    ゲノムインプリンティングの腫瘍特異的変更を検出する工程と、緩和したゲノム
    インプリンティングにおいて検出された変更を、WT1アンチセンス調節領域の
    差分メチル化と相関させる工程とから成る、WT1アンチセンス調節領域のメチ
    ル化状態の検出方法。
  37. 【請求項37】ゲノムインプリンティングにおける変更が、ゲノムインプリ
    ンティングにおける緩和である請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】請求項7〜17、21〜34、36、37のいずれか一項に
    記載の方法の結果に基づいて、治療の特別の経過を選択することから成る治療方
    法。
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