JP2003502296A - スルホニルアミド及びカルボキサミド並びに不斉触媒作用におけるそれらの使用 - Google Patents

スルホニルアミド及びカルボキサミド並びに不斉触媒作用におけるそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明の第1の主題は、特に光学活性形態において金属錯体のリガンドとして有用な一般式(I)の新規のジアミン誘導体又はその類似体にある。本発明はまた、前記錯体、それらの製造方法、不斉合成におけるそれらの使用、特にケトン誘導体のエナンチオ選択的水素化のための不斉合成におけるそれらの使用にもマンする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の主な主題事項は、モノ−若しくはポリフッ素化スルホニル化又はモノ
−若しくはポリフッ素化カルボニル化ジアミンタイプの新規の化合物、それらの
製造方法及びそれらの不斉触媒作用におけるそれらの使用にある。
【0002】 本発明の化合物は、それらの光学活性形態にあるときに、有機金属錯体用のリ
ガンドとして特に有利である。対応する金属錯体は、特に不斉合成を実施する際
の触媒として有利である。 これらの不斉有機合成反応の例としては、特に不斉接触水素化、より特定的に
はケトン誘導体のそれらの対応するキラル第2アルコールへの不斉接触水素化を
挙げることができる。 光学活性第2アルコール誘導体は、数多くの分野、特に医薬品や農薬の分野、
又は香料の分野において特に望まれる反応成分である。
【0003】 もちろん、このタイプの物質の合成の際には、不活性エナンチオマーが同時に
生産されるのが一般的であり、これから所望のエナンチオマーを単離する必要が
ある。 従って、この不都合なエナンチオマーの生成を最小限に抑えることが重要であ
る。このために、ケトン誘導体の還元は不斉合成触媒の存在下で首尾よく実施さ
れる。これらは一般的にキラルのリガンドを有する遷移金属の錯体である。かく
して、キラルに変性されたRh(I)、Ir(I)及びRu(II)のようないくつ
かの有機金属錯体は、非常に高い基材/触媒比で芳香族ケトンの還元を実施する
ことを可能にする。 しかしながら、このタイプの触媒を用いて得られるエナンチオ選択性は、並み
のもののままである。
【0004】 より最近になって、Ru(II)をベースとする新規のタイプのキラル触媒が開
発され、これは周囲温度において芳香族ケトンのエナンチオ選択的還元を実施す
ることを可能にする(R Noyoriら、J. Am. Chem. Soc.、1995、117、7562、7563
)。 この触媒は金属錯体RuCl2(h6−メシチレン)2から誘導される。後者は
次式A:
【化13】 (ここで、RaはC65CO−、pCH3OC64SO2−、C65SO2−及び
CF3SO2−から選択される基である) のジフェニルエチレンジアミン誘導体によってキレート化された形で用いられる
。実際、試験されたスルホン化基の中で、エナンチオ選択性収率の点で最も有利
ではないリガンドであると見なされるのはCF3SO2−基である。
【0005】 本発明の特定的な主題は、不斉合成、特にケトン官能基の不斉水素化において
効果的なキラルリガンドを構成することができる新規のジアミン誘導体又はその
類似体を提供することにある。
【0006】 ここに、次の一般式に相当する新規の物質、即ちジアミン誘導体又はその類似
体が見出され、これが本発明の第1の主題を構成する。
【化14】 [ここで、Bは (i)−CO−、又は (ii)−SO2− であり、 Rfは (i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、 (ii)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたアルキル基(好ましくはC 1 〜C12アルキル基、より一層好ましくはC2〜C6アルキル基)若しくはシクロ
アルキル基(好ましくはC3〜C12シクロアルキル基、より一層好ましくはC6
クロアルキル基)(ハロアルキル鎖は随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子で
中断されていてよい)、 (iii)(ii)において定義した通りの少なくとも1個のハロゲン化アルキル基
(好ましくは2個のペルハロゲン化C1〜C3アルキル基)で置換されたアリール
基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたアリール基(好ましくはC 6 〜C12アリール基、より一層好ましくはC6アリール基)、又は (v)RA−CF2−、RA−CF2−CF2−、RA−CF2−CF(CF3)−、C
3−C(RA)F−及び(CF3)RA−(ここで、RAはハロゲン原子であるか
、又はRB及びRCについて下に与える意味のいずれかを有するかのいずれかであ
る)から選択される基 であり、 YはOH、SH、NH2、NHRB又はNRBC基 {ここで、RB及びRCは水素原子以外のものであり、互いに独立的に次の(i)
〜(v): (i)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルキル鎖
(好ましくはC1〜C10アルキル鎖)、 (ii)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルケニル
鎖(好ましくはC2〜C10アルケニル鎖)、 (iii)随意に1個以上のハロゲン原子又はアルキル若しくはアルケニル基で置
換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基(好まし
くはC7〜C15アリールアルキル基)、 (v)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルケニル基(好ま
しくはC8〜C15アリールアルケニル基) から選択される基である} であり、 Aは一般式Ia又はIb:
【化15】
【化16】 {ここで、R'及びR''は互いに独立的に1〜20個の炭素原子を有する炭化水
素基を表わし、この炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝鎖
状非環状脂肪族基;又は飽和、不飽和若しくは芳香族の単環式若しくは多環式環
状脂肪族基であり、これらは1個以上のヘテロ原子を含んでいても含んでいなく
てもよく、但し、BがSO2基であり、nが0の値を有し、RfがCF3基であり
且つYがNH2基である場合にはR'及びR''は同時に非置換フェニル環を表わす
ことはなく、前記環状脂肪族基は随意に飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖状脂
肪族基(そのアルキル鎖は1個以上の酸素原子及び/又はカルボニル官能基で中
断されていてもよい)を有していてよく且つ随意に芳香族又は非芳香族環状基で
、好ましくは鎖の末端において、置換されていてよく、これらの基は随意に1個
以上のハロゲン原子(好ましくはフッ素)及び/又は1個以上のC1〜C6(好ま
しくはC1〜C4)アルキル基で置換されていてよく、R'及びR''置換基はまた
、互いに結合して上で定義した環状脂肪族基を形成することもでき、 Xは随意に置換されたメチレン基であり、 nは0〜3の範囲の整数であり、 Ar1及びAr2は互いに独立的に2個の置換又は非置換の縮合又は非縮合芳香
族環を表わし、これらは随意に1個以上のヘテロ原子を有していてよく、好まし
くはC6〜C12であり、互いに対してオルト縮合又はオルト−ペリ縮合した系を
形成することができる} の主鎖を表わし、 x及びyはそれぞれAが表わす主鎖とアミノ基又はY基との間に確立された2
つの結合を表わす。]
【0007】 本明細書において用語「誘導体」とは、特に式Iの化合物並びにそれらのラセ
ミ混合物及びそれらの光学活性異性体の有機又は無機塩を範囲に含むものとする
【0008】 予期しなかったことに、そして上に挙げた式Aのトリフルオルメタンスルホニ
ルについて発表されている結果とは対照的に、本発明者らは、アミン官能基(の
内の1つ)の上に強電子求引性の基を存在させると、対応する金属錯体によって
触媒させたときのケトンの不斉還元が改善されるということを見出した。 反応速度は有意に高められ、同等のエナンチオマー収率でも所期のエナンチオ
マーが高い転化率で回収される。 また、電子求引基は、その構造中に少なくとも1個のハロゲン原子、より特定
的には1個のフッ素原子を含む場合に、特に効果的であるとわかった。
【0009】 本発明に従えば、一般式Iのアミン官能基の窒素原子上に現れる電子求引基は
BRf基であり、ここで、Rfは (i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、 (ii)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC1〜C10アルキル基(好
ましくはC2〜C6アルキル基)若しくはC3〜C10シクシクロアルキル基(好ま
しくはC6シクロアルキル基)、 (iii)少なくとも1個のモノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたアルキ
ル基(好ましくは2個のペルハロゲン化C1〜C3アルキル基)で置換されたフェ
ニル基、 又は (iv)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC6アリール基 である。
【0010】 Rfは、CF3基、Cn2n+1基(ここで、nは2以上の整数である)、例えば
49、或は1個以上のハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で又は1個以上
のモノ−、ポリ若しくはペルフッ素化C1〜C2アルキル基で置換されたフェニル
基であるのがより一層好ましい。
【0011】 BがSO2である化合物が特に有利である。 より特定的には、Y基の好ましい例としては、NH2及びNHRB基(ここで、
Bは上で定義した通りである)を挙げることができる。 前記の一般式I及び以下の式において、置換基として挙げられるハロゲン原子
はフッ素原子であるのが好ましい。
【0012】 本発明の第一の具体的態様に従えば、一般式Iの化合物は、次の一般式I'b:
【化17】 (ここで、Rf、(x)、(y)及びYは上で定義した通りであり、 Ar1及びAr2は一緒になって1つの芳香族基を表わす) に相当する。
【0013】 以下の本発明の説明において、用語「芳香族」とは、文献、特にJ. March、"A
dvanced Organic Chemistry"、第4版、John Wiley and Sons社(1992)、第4
0頁〜において定義された典型的な芳香族の概念を意味するものとする。本発明
において芳香族誘導体とは、単環式であっても多環式であってもよい。
【0014】 単環式誘導体の場合、これはその環中に窒素、リン、硫黄及び酸素原子から選
択される1個以上のヘテロ原子を含むことができる。好ましい態様に従えば、こ
れらは窒素原子である。 本発明に適した単環式ヘテロ芳香族誘導体の例としては、ピリジン、ピリミジ
ン、ピリダジン及びピラジン誘導体を挙げることができる。
【0015】 また、芳香族誘導体の炭素原子は置換されていてよい。また、芳香族環上に存
在する2個の隣接した置換基がそれらを有する炭素原子と一緒になって、随意に
少なくとも1個のヘテロ原子を含む炭化水素系の環(好ましくは芳香族環)を形
成することもできる。この場合、その芳香族誘導体は多環式誘導体となる。 このタイプの化合物の例としては、特にナフタレン、キノリン及びイソキノリ
ン誘導体を挙げることができる。 より特定的には、一般式I'bに相当する化合物の代表的なものとしては、Ar 1 及びAr2が一緒になってジフェニル−2,2’−ジイル又はジナフチル−2
,2’−ジイル基から誘導される基を表わすものを挙げることができる。 Ar1 及びAr2が一緒になってジフェニル−2,2’−ジイル基を表わす場
合、2個のフェニル環は対応する構造の配置が変わらないように置換される。
【0016】 一般式IにおいてAが式Iaの主鎖を表わす化合物は実際に特に有益なものであ
ることがわかった。 より好ましくは、これらの化合物は、一般式I'a:
【化18】 (ここで、Rf、X、n、(x)、(y)及びYは一般式Iにおいて上で定義し
た通りであり、 R'及びR''は互いに独立的に飽和、不飽和又は芳香族の単環式又は多環式の
炭素環式又はヘテロ環式基であり、但し、nが0の値を有し、RfがCF3基で
あり且つYがNH2基である場合にはR'及びR''は同時に非置換フェニル環を表
わすことはなく、R'及びR''はまた、互いに結合してそれらを有する炭素原子
と一緒になって4〜20個の炭素原子を有する飽和、不飽和又は芳香族の単環式
又は多環式の炭素環式又はヘテロ環式基を形成することもできる) に相当する。 YがNH2又はNHRB基であり且つRBが上で定義した通りであるのが好まし
い。
【0017】 一般式Ia及びI'aにおいてR'及びR''は同一であっても異なっていてもよく
、様々な意味を有することができる。以下に様々な例を示すが、これらは限定の
意図を持つものではない。
【0018】 かくして、R'及びR''は互いに独立的に飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖
状の非環状脂肪族基であることができる。 より特定的には、R'及びR''は、飽和の又は1〜数個(一般的に1〜3個)
の二重結合を有する直鎖状又は分枝鎖状非環状脂肪族基(好ましくは1〜12個
の炭素原子を有するもの)である。この炭化水素系鎖は、ある基、好ましくはヘ
テロ原子、より特定的には酸素又は窒素原子で随意に中断されていてよく、置換
基、例えばハロゲン原子(特に塩素原子)又は−CF3基を随意に有していても
よい。この飽和又は不飽和直鎖状又は分枝鎖状非環状脂肪族基は、随意に環状置
換基を有していてもよい。用語「環状」とは、飽和、不飽和又は芳香族の炭素環
又はヘテロ環を言うものとする。環状置換基の例としては、環状脂肪族、芳香族
又はヘテロ環式置換基、特に環中に6個の炭素原子を有する環状脂肪族置換基又
はベンゼンを考えることができ、これらの環状置換基はそれら自体が1個以上の
置換基を随意に有していてよい。 このような基の例としては、特にベンジル基を挙げることができる。
【0019】 また、一般式Ia及びI'aにおいてR'及びR''基は互いに独立的に飽和の炭素
環式基又は1若しくは2個の不飽和を環中に有する炭素環式基であることもでき
、これら炭素環式基は、環中に3〜8個の炭素原子を有するのが一般的であり、
6個の炭素原子を有するのが好ましい。この環は置換されていてよい。このタイ
プの基の好ましい例としては、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状
アルキル基で随意に置換されたシクロヘキシル基を挙げることができる。
【0020】 R'及びR''はまた、結合して飽和、不飽和又は芳香族の単環式又は多環式の
炭素環式又はヘテロ環式基(好ましくは二環式基)になることもできる(これは
少なくとも2個の環が2個の炭素原子を共同で有することを意味する)。多環式
化合物の場合、各環中の炭素原子の数は3〜6の範囲であるのが好ましく、炭素
原子の総数は5であるのが好ましい。 このタイプの構造の例としては、次の環状基を挙げることができる。
【化19】
【0021】 かくして、好ましい態様に従えばR'及びR''は互いに独立的に芳香族炭化水
素系の基、特に一般式I'c:
【化20】 {ここで、n'は0〜5の整数であり、 Qは ・1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、 ・1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルコキシル基、 ・ベンゾイル基、 ・OH基、 ・NH2基、 ・NO2基、 ・フェニル基、 ・ハロゲン原子、 ・CF3基、 ・SRD基、及び ・ORD基 (ここで、RDはRBについて前記した定義に相当する) から選択される基である} に相当するベンゼン基であることができる。
【0022】 R'及びR''はまた、互いに独立的に、多環式芳香族炭化水素基であることも
でき、これらの環は互い同士でオルト縮合系又はオルト−ペリ縮合系を形成する
こともできる。より特定的にはナフチル基を挙げることができる。この環は置換
されていてもよい。
【0023】 R'及びR''はまた、互いに独立的に、飽和、不飽和又は芳香族のヘテロ環式
基(特に環中に窒素、硫黄及び酸素のようなヘテロ原子1又は2個を含めて5又
は6個の原子を有するもの)であることができ、このヘテロ環の炭素原子も置換
されていてもよい。
【0024】 R'及びR''はまた、多環式のヘテロ環式基であって、少なくとも2個のそれ
ぞれの環中に少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族若しくは非芳香族ヘテロ
環から成り且つこれらヘテロ環の間でオルト縮合系若しくはオルト−ペリ縮合系
を形成する基、又は少なくとも1個の芳香族若しくは非芳香族炭化水素環と少な
くとも1個の芳香族若しくは非芳香族ヘテロ環とが縮合してこれらの環の間でオ
ルト縮合系若しくはオルト−ペリ縮合系を形成する基と定義される基であること
もできる。これらの環の炭素原子は随意に置換されていてよい。
【0025】 ヘテロ環タイプのR'及びR''基の例としては、他にもあるが特にフリル、ピ
ロリル、チエニル、イソオキサゾリル、フラザニル、イソチアゾリル、イミダゾ
リル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラニル基及び
キノリル、ナフチリジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル又はインドリル基
を挙げることができる。
【0026】 各環上に存在する置換基の数は、その環の炭素縮合及び環中の不飽和の有無に
依存する。環が有することができる置換基の最大数は、当業者には容易に決定さ
れる。 一般式I'aの化合物の例としては、より特定的にはnが0の値を有するものを
挙げることができる。
【0027】 一般式I'aにおいて ・R'及びR''が共にフェニル基であり、但し、RfがCF3基であり且つYがN
2基である場合にはR'及びR''の少なくとも一方は少なくとも一置換された化
合物、並びに ・R'及びR''が互いに結合してそれらを有する炭素原子と一緒になってシクロ
ヘキシル基を形成する化合物 が特に有利である。
【0028】 このタイプの化合物の代表的なものとしては、特に次のものを挙げることがで
きる: ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
ンジアミンのアンモニウムクロリド、 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
ンジアミン、 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンフェニルスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−シクロヘ
キサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1,2−シク
ロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホ
ニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、及び ・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホ
ニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン。
【0029】 前述のように、一般式Iの化合物は光学活性形態にある時に特に有益である。 こうあるためには、一般式Iの(x)及び(y)が表わすそれぞれの結合中に
含まれる2つの炭素は、2つのキラリティーの中心(好ましくは同じ配置のもの
)を構成する。
【0030】 本発明の別の主題は、一般式Iの化合物の製造方法にある。 より特定的には、本発明の主題は、一般式II:
【化21】 (ここで、A及びYは上で定義した通りである) の化合物と一般式III: Rf−B−X' (III) (ここで、Rf及びBは上で定義した通りであり、 X'はハロゲン原子、好ましくは塩素若しくはフッ素、又は、BがSO2である
場合には、OSO2Rf基である) の化合物とを反応させて一般式Iの化合物を回収する、一般式Iの化合物の製造方
法にある。
【0031】 実際、本発明の方法に従う一般式Iの化合物の合成を実施するために用いられ
る操作条件は、出発物質の化学的性状に応じて変わってくるのが一般的である。
実際、このタイプの反応の実施は当業者の技量の範囲内である。
【0032】 この反応は、慣用の有機溶媒中、好ましくはジクロルメタン又は1,2−ジク
ロルエタン中で実施することができる。 温度は0℃から溶媒の還流温度までの範囲にするのが一般的であり、周囲温度
付近にするのが好ましい。 この反応は、大気圧において実施するのが一般的である。また、窒素又は希ガ
ス(例えばアルゴン)のような不活性ガスから成る雰囲気中で反応を実施するこ
とも好ましい。実施上の観点から、この方法はバッチ式で実施することも連続式
で実施することもできる。
【0033】 実際上の1つの具体例は、溶媒に式IIの誘導体を添加し、次いでこれに式III
のスルホニル化剤をゆっくり添加することから成る。 この反応は、式IIの化合物が式Iの化合物に転化するのに充分な時間で実施す
る。最終化合物は、反応媒体から慣用の技術によって単離する。 上記の反応は、塩基の存在下で実施することができる。この塩基の量は、遊離
するハロゲン化酸を捕捉するように調節する。これは一般的に化学量論的量の3
倍までであってよい過剰量である。
【0034】 前記のように、一般式I、I'a及びI'bの化合物は、それらの光学活性形態に
あるのが特に有益である。 かくして、本発明は、有機化学における不斉合成を実施するために用いられる
触媒金属錯体のためのリガンドの製造に前記の一般式I、I'a及びI'bの光学活
性形態にある化合物を用いることをも対象とする。 かくして、式I、I'a及びI'bの光学活性形態にある化合物は、ケトン誘導体
のエナンチオ選択的不斉水素化を実施するために用いられる触媒金属錯体のため
のリガンドを製造するのに特に有用であることがわかった。 また、これらの同じ一般式I、I'a及びI'bの光学活性形態にある化合物は、
ヒドロキシル官能基のエナンチオ選択的酸化を実施するために用いられる触媒金
属錯体のためのリガンドを製造するのに用いることができることもわかった。
【0035】 従って、本発明の別の主題は、遷移金属をベースとし、この金属のリガンドと
して上で定義したような一般式I、I'a及びI'bの少なくとも1種の光学活性形
態にある化合物を含む金属錯体にある。 本発明に従って錯体を形成することができる遷移金属の例としては、特に、ロ
ジウム、ルテニウム、レニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、白金又はパ
ラジウムのような金属を挙げることができる。 これらの金属の中では、ロジウム、ルテニウム及びイリジウムが好ましい。
【0036】 本発明に従う金属錯体の例としては、より特定的には、一般式IV:
【化22】 {ここで、A、B、Rf及びYは式Iにおいて上で定義した通りであり、 (x)及び(y)結合を有する炭素は同じ絶対配置を有し、 Mはロジウム、ルテニウム、レニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、白
金及びパラジウムから選択される遷移金属であり、 Zは配位アニオン性リガンドであり、 Lは少なくとも1個の二重結合を含む不飽和脂肪族リガンド又は少なくとも1
個の二重結合を含む炭素環式若しくはヘテロ環式リガンド(好ましくは5〜8個
の原子を有するもの)であり、このリガンドは電荷を有していても電荷を有して
いなくてもよい} に相当するものを挙げることができる。
【0037】 金属原子の原子価は変化し得るものなので、リガンドL及びZの性状及び数は
当業者によって調整される。 式IVにおいて Mがルテニウム、ロジウム又はイリジウムであり、 Zがハロゲン原子、好ましくは塩素又は臭素であり、 LがC6〜C12芳香族リガンド又はシクロペンタジエニル若しくはシクロオク
タトリエン単位(随意に1個以上のC1〜C4アルキル基で置換されたもの)であ
る ものが特に有利である。
【0038】 この錯体は、一般式IVa:
【化23】 {R'及びR''は互いに独立的に上で定義した通りの飽和、不飽和又は芳香族の
単環式又は多環式のC1〜C20炭素環式又はヘテロ環式基であり、但し、Rfが
CF3基であり且つYがNH2基である場合にはR'及びR''は同時に非置換フェ
ニル環を表わすことはなく、R'及びR''はまた、互いに結合してそれらを有す
る炭素原子と一緒になって4〜20個の炭素原子を有する飽和、不飽和又は芳香
族の単環式又は多環式の炭素環式又はヘテロ環式基を形成することもでき、 Rfは (i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、 (ii)ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC1〜C10アルキル若しくはC3〜C 10 シクロアルキル基、 (iii)少なくとも1個のポリハロゲン化C1〜C4基で置換されたフェニル基、
又は (iv)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたフェニル基 であり、 Y、L及びZは上で定義した通りである} に相当するのが好ましい。
【0039】 好ましい態様に従えば、YはNH2又はNHRB基(ここで、RBは上で定義し
た通りである)である。 より特定的な例としては、一般式IVb:
【化24】 (ここで、L、Z及びMは上で定義した通りである) に相当する錯体を挙げることができる。 式IVbにおいて Lがベンゼン、p−メチルイソプロピルベンゼン及びヘキサメチルベンゼンか
ら選択される芳香族化合物であり、 Zが塩素原子又は臭素原子であり、 Mがルテニウム原子である 化合物が特に有益である。
【0040】 以下のものから選択される化合物をリガンドとして有する本発明に従う化合物
が特に有益である: ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
ンジアミン、 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンフェニルスルホニル−1,2−シク
ロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−シクロヘ
キサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1,2−シク
ロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホ
ニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホ
ニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン。
【0041】 本発明はまた、上で定義した通りの一般式Iの光学活性形態にある化合物を適
切な有機溶媒中で用いられる遷移金属の化合物と反応させることから成る、前記
の錯体の製造方法をも提供する。 リガンドとしての前記の式Iの化合物及び遷移金属を含む錯体は、文献に記載
された既知の方法に従って調製することができる。 ルテニウム錯体の調製については、特にJ. P. Genetによる発表[Acros Organ
ics Acta、1、No. 1、第1〜8頁(1994)]を、他の錯体についてはR. Schrock
及びJ. A. Osborn[Journal of the American Chemical Society、93、 第2397
頁〜(1971)]を参照することができる。
【0042】 この反応は、周囲温度(15〜25℃)から反応溶媒の還流温度までの範囲の
温度において実施するのが一般的である。 有機溶媒の例としては、他にもあるが特にハロゲン化又は非ハロゲン化脂肪族
炭化水素、より特定的にはヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、デカン、ベンゼ
ン、トルエン、塩化メチレン若しくはクロロホルム;エーテル若しくはケトンタ
イプの溶媒、特にジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン若しくはメ
チルエチルケトン;又はアルコールタイプの溶媒、特にメタノール、エタノール
若しくはイソプロパノールを挙げることができる。 慣用の技術(濾過又は結晶化)に従って回収された本発明に従う金属錯体は、
以下に特定する基剤の不斉水素化のための反応において用いられる。
【0043】 本発明の別の主題は、不斉有機合成の実施、より特定的にはケトン誘導体の不
斉還元の実施に当たって上で定義した金属錯体を使用することにある。 本発明はまた、ラセミ混合物の形にあるキラルの第2アルコールのエナンチオ
選択的接触酸化の実施に当たって上で定義した金属錯体を使用することにある。
【0044】 本発明に従う金属錯体によって水素化することができるケトン誘導体は、一般
式V:
【化25】 {ここで、R1及びR2は互いに独立的に (i)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルキル鎖
(好ましくはC1〜C10アルキル鎖)、 (ii)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルケニル
又はアルキニル鎖(好ましくはC2〜C10アルケニル又はアルキニル鎖)、 (iii)随意に1個以上のハロゲン原子又はアルキル若しくはアルケニル基で置
換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基(好まし
くはC7〜C15アリールアルキル基)、或は (v)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルケニル基(好ま
しくはC8〜C15アリールアルケニル基) であり、 *はカルボニル官能基に対してα位に位置する不斉中心がR2中に随意に存在す
ることを示す} に相当するのが好ましい。
【0045】 不斉中心を有する置換基R2の代表的なものとしては、特に不斉中心を有する
炭素原子が一置換若しくは二置換アミン官能基で及びエステル官能基で置換され
たR2基を挙げることができる。
【0046】 このタイプのケトン誘導体、即ちケトン官能基に対してα位に不斉中心を有す
るケトン誘導体のラセミ混合物を還元するに当たって本発明の錯体を用いること
によって、有利なことに、2個の不斉中心の立体化学を制御しつつ対応するヒド
ロキシル誘導体を得ることが可能になる。分子全体の動的な速度論的分割(dyna
mic kinetic resolution)が起こる。
【0047】 本発明の方法は、特定的には、上で定義した通りの一般式Iの少なくとも1種
の光学活性形態にある化合物をリガンドとして有する遷移金属の錯体の存在下に
おいて上で定義した通りの一般式V:
【化26】 の化合物の不斉還元を実施することを特徴とする、一般式VI:
【化27】 {ここで、R1及びR2は互いに独立的に (i)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルキル鎖
(好ましくはC1〜C10アルキル鎖)、 (ii)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルケニル
又はアルキニル鎖(好ましくはC2〜C10アルケニル又はアルキニル鎖)、 (iii)随意に1個以上のハロゲン原子又はアルキル若しくはアルケニル基で置
換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基(好まし
くはC7〜C15アリールアルキル基)、或は (v)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルケニル基(好ま
しくはC8〜C15アリールアルケニル基) であり、 *はその炭素にキラルの中心が存在することを示す} の光学活性ヒドロキシル化合物の製造方法に適用される。 この錯体は、上で特定した式IV系の式の内の1つに相当するのが好ましい。
【0048】 本発明の好ましい別態様に従えば、この錯体は、前記の方法に従う接触還元用
の反応媒体中でその場で生じさせる。この錯体を調製した後に初めて、処理され
るべき式Vのケトン誘導体をこの媒体に添加する。
【0049】 かくして、前記の式Vの基剤の選択的不斉還元は、本発明に従う金属錯体、即
ち一般式Iの光学活性誘導体をリガンドとして有する金属錯体を触媒として用い
ることによって実施される。
【0050】 ケトン誘導体の還元は、水素ドナーの存在下で5℃〜100℃の範囲の温度に
おいて実施するのが一般的である。
【0051】 以下の実施例からわかるように、反応媒体の温度を高くすることによって、エ
ナンチオマー収率に悪影響を及ぼすことなく反応速度を有意に促進することがで
きる。従って、当業者は反応速度とエナンチオマー収率との間の最良の折衷点を
得るために適切な温度を設定することができる。一般的に、温度は20℃〜50
℃の範囲にする。
【0052】 水素ドナーは、典型的には低級第2アルコール又はギ酸/第3アミン混合物に
よって代表される。この水素ドナーは溶媒として用いられるのが一般的である。
低級アルコールの代表的なものとしては、特に2−ブタノール、3−ブタノール
及びイソプロパノールを挙げることができる。
【0053】 一般式Iの化合物及び遷移金属をベースとする錯体は、一般式Vのカルボニル化
合物に対して1/10000〜1/1の割合で用いられる。触媒/基剤の比を大
きくしても還元のエナンチオ選択性に対して有意の効果はないようである。
【0054】 この反応は、有機溶媒中で実施するのが好ましい。操作条件下において安定で
ある限り、任意の溶媒が用いられる。ジクロルメタンのような極性有機溶媒を用
いるのが好ましい。 溶媒中の基剤の濃度は、0.01〜3モル/リットルの範囲で有利に変化する
【0055】 反応の際に塩基性化合物を随意に添加することができる。この塩基性化合物は
、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属塩基、又は第
1、第2若しくは第3アミン、より特定的にはピリジン、ピペリジン若しくはト
リエチルアミンであることができ、トリエチルアミンが好ましい。これは触媒を
活性化させ、対応する金属水素化物を生じさせる。
【0056】 前記のように、一般式Iの化合物をリガンドとして用いることによって、ある
種の不斉反応、特にケトン官能基の第2アルコールへの水素化のための反応にお
けるエナンチオマー過剰率及び反応速度を有意に向上させることができる。
【0057】 以下、本発明を例示するために実施例を与えるが、これらは本発明を限定する
ものではない。
【0058】例1 ジアミノシクロヘキサンのトリフルオルメタンスルホニル化 滴下漏斗、温度プローブ及び電磁棒を備え付けた100ミリリットルの三つ口
丸底フラスコに、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、次のものを装填する: ・4.82gの(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジアミン、 ・7.11gのトリフルオルメタンスルホニルクロリド、及び ・40ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタンを最初に装填し、次いで不活性ガス(窒素
)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃の温度に冷却する。滴
下漏斗を用いて前記スルホニル化剤をゆっくり装填する(30分かけて)。この
反応混合物を撹拌しながら放置して2時間かけて周囲温度(22℃)に戻し、次
いで形成した沈殿を濾別する。これをジエチルエーテルですすぐ。生成物を真空
下で乾燥させる。 (1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
ンジアミンのアンモニウムクロリドに相当する白色固体9.24gが回収された
。これは収率74%に相当する。 この固体3.99g及び蒸留水15ミリリットルを100ミリリットル三角フ
ラスコに装填する。この水性相のpHを2M水酸化ナトリウム水溶液を添加する
ことによって7〜8の範囲に調節する。この混合物を周囲温度において16時間
放置する。結晶質生成物を濾別する。これを真空下で乾燥させる。1.78gの
(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサン
ジアミンが回収された。収率51%。
【0059】例2 ジアミノシクロヘキサンのトリフルオルメタンフェニルスルホニル化 10ミリリットル丸底フラスコに、次のものを装填する: ・50mgの(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジアミン、 ・89mgの4−トリフルオルメタンフェニルスルホニルクロリド、 ・4.5ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタンを最初に装填し、次いで不活性ガス(窒素
)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃の温度に冷却する。注
射器を用いて前記の4−トリフルオルメタンフェニルスルホニルクロリドをゆっ
くり添加する。この反応混合物を周囲温度において5時間撹拌する。これをジク
ロルメタン5ミリリットルで希釈し、次いでこの溶液を飽和NaHCO3水溶液
(8ミリリットル)で洗浄し、次いでNa2SO4を用いて乾燥させる。溶媒を蒸
発させた後に、(1S,2S)−N−(4−トリフルオルメタンフェニルスルホ
ニル)−1,2−シクロヘキサンジアミンに相当する白色粉末102mgが回収
された。これは収率88%に相当する。
【0060】例3 1,2−ジフェニルエチレンジアミンのトリフルオルメタンスルホニル化 滴下漏斗、温度プローブ及び電磁棒を備え付けた100ミリリットルの三つ口
丸底フラスコに、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、次のものを装填する: ・4.97gの(1S,2S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、 ・3.94gのトリフルオルメタンスルホニルクロリド、及び ・30ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタンを最初に装填し、次いで不活性ガス(窒素
)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃の温度に冷却する。滴
下漏斗を用いて前記スルホニル化剤をゆっくり添加する(30分かけて)。この
反応混合物を撹拌しながら放置して2時間かけて周囲温度(22℃)に戻し、次
いで形成した沈殿を濾別する。ジクロルメタン20ミリリットルを添加し、次い
で有機相を2MのHCl水溶液で洗浄し、NaClで飽和させた水で洗浄する。
有機相を濃縮し、次いで生成した白色固体を濾別する。この白色固体を真空下で
乾燥させる。 1.8gの(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミンが回収された。
【0061】例4 アセトフェノンの還元 還元用媒体として以下のものから成る混合物を用いる: ・イソプロパノール/KOH、 ・[RuCl2(p−シメン)]2、 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
ンジアミン。 還流冷却管及び電磁棒を備え付けた250ミリリットル丸底フラスコに以下の
ものを装填する: ・10ミリモルのアセトフェノン、 ・5×10-2ミリモルの[RuCl2(p−シメン)]2、 ・0.1ミリモルの(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,
2−シクロヘキサンジアミン、 ・0.25ミリモルのKOH、及び ・100ミリリットルのイソプロパノール。 最初に前記のルテニウム錯体、リガンド及びイソプロパノール20ミリリット
ルを装填し、次いでアルゴン雰囲気を確立する。この反応媒体を80℃の温度に
30分間加熱する。次いでイソプロパノール80ミリリットル、水酸化カリウム
及びアセトフェノンを装填する。この反応混合物を22℃において72時間撹拌
する。生成した物質、即ち1−フェニルエタノール、及びエナンチオマー過剰率
をガスクロマトグラフィーによって定量測定する。 1−フェニルエタノールが68%で得られ、そのエナンチオマー過剰率はS異
性体が82%だった。
【0062】例5及び6 アセトフェノンの還元 還元用媒体として以下のものを用いる: ・ギ酸とトリエチルアミンとの共沸混合物、 ・金属錯体としての[RuCl2(p−シメン)]2及び ・キラルのリガンドとしての(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニ
ル−1,2−シクロヘキサンジアミン又は(1S,2S)−N−トリフルオルメ
タンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン。 電磁棒を備え付けた25ミリリットル丸底フラスコに、電磁式撹拌機によって
撹拌しながら、以下のものを装填する: ・10ミリモルのアセトフェノン、 ・0.05ミリモルの[RuCl2(p−シメン)]2、 ・0.1ミリモルのリガンド、 ・2ミリリットルのギ酸、 ・3ミリリットルのトリエチルアミン。 最初に前記のルテニウム錯体、リガンド及びイソプロパノール10ミリリット
ルを装填する。アルゴン雰囲気を確立し、次いで反応媒体を80℃の温度に30
分間加熱する。減圧下で溶媒を蒸発させて、赤色の固体を得る。 電磁棒を備え付けて氷浴によって冷却した別の25ミリリットル丸底フラスコ
に、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、3ミリリットルのトリエチルアミン、
2ミリリットルのギ酸及び10ミリモルのアセトフェノンを装填する。この反応
混合物をアルゴンでパージし、次いでこの溶液を触媒を含有させた丸底フラスコ
に移す。 この反応混合物を周囲温度(22℃)において撹拌する。反応の時間は下記の
表に示す。
【0063】 生成した物質、即ち(1S)−1−フェニルエタノールを、ガスクロマトグラ
フィーによって定量測定した。 得られた結果を下記の表1に示す。 この表には、本発明に従わないリガンドである(1S,2S)−N−トシル−
1,2−シクロヘキサンジアミンの存在下でのアセトフェノンの還元をも報告す
る。
【0064】
【表1】 (e.e.=エナンチオマー過剰率) スルホニル基に対してα位の炭素上にフッ素原子を有するリガンドのみが有効
であることがわかる。
【0065】例7及び8 アセトフェノンの還元 例5と同じ還元用媒体を用いる。温度を変えて低5の手順を繰り返す。 結果を次の表に示す。
【0066】
【表2】 反応媒体を加熱することによってエナンチオマー収率に悪影響を及ぼすことな
く反応速度を高めることができることがわかる。
【0067】例9 アセトフェノンの還元 例5と同じ還元用媒体を用いる。基剤/触媒の比を変えたことを除いて、例5
の手順を繰り返す。 かくして、例5における10ミリモルの代わりに1ミリモルのアセトフェノン
に対して還元を実施する。それ以外の点には変更はない。 22℃において21時間後に、1−フェニルエタノールが99%で得られ、そ
のエナンチオマー過剰率はS異性体が92%だった。 触媒/基剤の比を大きくしても還元のエナンチオ選択性に対して有意の効果は
ないようである。
【0068】例10及び11 アセトフェノンの還元 例5と同じ還元用媒体を用いる。金属錯体の性状を変えて例5の手順を繰り返
す。用いた錯体は、(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,
2−シクロヘキサンジアミンをリガンドとして持つものである。
【0069】
【表3】 これらの結果は、エナンチオ選択性に関しては同等である。
【0070】例12及び13 3’,4’−ジメトキシアセトフェノンの還元 例5と同じ還元用媒体を用いる。例1において調製したリガンド又は例3にお
いて調製したリガンドを用いて、例5の手順を繰り返す。 期間は下記の表に示す。生成した物質、即ち(R)−3',4'−ジメトキシ−
1−フェニルエタノールを、高性能液体クロマトグラフィーによって定量測定し
た。 得られた結果を下記の表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】例14 β−ケト−α−アミノ酸誘導体1a、1bの調製 用いたβ−ケト−α−アミノ酸誘導体は次の通りである。
【化28】
【0073】 ・3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ベンゾイルオキシカルボニル)
メチルアミノ−3−オキソプロパン酸メチル(1a)の調製 −78℃に冷却したリチウムヘキサメチルジシラザン(LHMDS)(THF
中1.06M、2当量)に、THF中のCbz−Sar−Omeの溶液(1当量
、THF中0.5g/ミリリットル)を添加する。1時間撹拌した後に、3,4
−ジメトキシベンゾイルクロリドの溶液(1当量、THF中0.5g/ミリリッ
トル)を中空針によって添加する。この反応媒体を30分間撹拌し、飽和NH4
Cl水溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出する。有機相を塩化ナトリウム溶液
で乾燥させ、次いでMgSO4・H2Oで乾燥させる。濃縮することによって、琥
珀色のシロップ状物が定量的収率で得られた。1 H−NMR(300MHz、CDCl3): δ 2.84-2.86(m、3H、NMe)、3.62-3.91(m、9H、CO2Me、2×OMe)、5.13-5.14
(m、2H、CH2 Ph)、6.12及び6.40(2s、0.8H、ケトCH)、6.58-7.62(m、8H、CH 2 Ph )。
【0074】 ・3−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(ベンゾイルオキシカルボニル)
メチルアミノ−3−オキソプロパン酸メチル(1b)の調製 このケトンアミノ酸1bは、3,4−ジメトキシベンゾイルクロリドから、誘
導体1aについて記載したプロトコルに従って調製した。濃厚残留物を次いでク
ロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/EtOAc、3/1、次いで2/1)に
よって精製し、結晶化して、誘導体1bが60%の収率で得られた。1 H−NMR(300MHz、CDCl3): δ 3.62及び3.74(2 br s、3H、CO2Me)、3.94及び3.98(2s、6H、2×OMe)、5.
15(s、2H、CH2 Ph)、5.97及び6.00(d、1.9H ケトCH、J=7.9Hz)、6.20及び6.2
2(d、0.9H、NH、J=7.9Hz)、6.94-7.83(m、8H、C6H3CH2 Ph)。
【0075】例15 キラルのRu(II)錯体を用いたβ−ケト−α−アミノ酸誘導体の水素移動によ
る不斉水素化 用いた一般的プロトコルは次の通りである: イソプロパノール(1ミリリットル、乾燥)中で[RuCl2(p−cym)
2及びキラルのジアミン(ルテニウム原子に対して1.5当量)をアルゴン雰
囲気下で80〜85℃において3時間撹拌する。周囲温度まで冷却した後に、ジ
クロルメタン(1ミリリットル、CaH2を用いて蒸留)中の前記ケトンアミノ
酸(1ミリモル)及びギ酸/トリエチルアミン混合物(5/2、1ミリリットル
)を続けて添加する。50℃において表5に示した時間撹拌する。この反応媒体
を次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液(15ミリリットル)の存在下で酢酸エチル
(15ミリリットル)で抽出する。この有機相を次いで塩化ナトリウム溶液(1
5ミリリットル)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濃縮して、所期のアミノ酸
のヒドロキシ誘導体を得た。 この接触水素化の結果として得られたトレオ−2a及びエリスロ−2a誘導体
をNMRによって特徴付けした。
【0076】 ・トレオ−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−[(ベンゾイルオキシカルボ
ニル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシプロパン酸メチル(トレオ−2a):1 H−NMR(300MHz、CDCl3): δ 2.92及び3.08(2 br s、3H、Nme)、3.69-3.91(m、9H、CO2Me、2×OMe)、4
.71-5.39(m、4H、CHN、CH2 Ph、CHOH)、6.83-6.93(m、3H、C6H3)、7.15-7.35
(m、5H、CH2 Ph)。
【0077】 ・エリスロ−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−[(ベンゾイルオキシカル
ボニル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシプロパン酸メチル(エリスロ−2a)
1 H−NMR(300MHz、CDCl3): δ 2.58及び2.60(2 br s、3H、NMe)、3.65及び3.74(2s、3H、CO2Me)、3.80
及び3.87(2s、6H、2×OMe)、4.08-4.17(m、1H、CHN)、4.71(br s、1H、OH
)、5.04-5.26(m、3H、CH2 Ph、CHOH)、6.72-6.92(m、3H、C6H3)、7.24-7.39
(m、5H、CH2 Ph)。
【0078】 次いで化合物2a、2b(0.5ミリモル)を次のプロトコルに従って脱保護
する。 これらを10%Pd−C(15mg)及びHCO2NH4(0.13g、4当量
)と共にメタノール中で一晩撹拌する。次いでこの混合物をセライトに通して濾
過し、濃縮し、飽和塩化ナトリウム溶液(5ミリリットル)及び飽和NaHCO 3 水溶液(2ミリリットル)の存在下においてジクロルメタン(10ミリリット
ル)で抽出する。この有機相を(Na2SO4で)乾燥させ、濃縮して、2a及び
2bを約95%の収率で得た。Chiralpack ADカラムを用いたHPLCによって
エナンチオマー過剰率を測定した後に、サンプルをPLCプレート上で精製する
(CH2Cl2/EtOH、40/1)。 こうして得られた生成物をNMRによって特徴付けする。
【0079】 トレオ−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−メチルセリンメチルエステル
(トレオ−2a)1 H−NMR(300MHz、CDCl3): δ 2.41(s、3H、Nme)、3.20(d、1H、CHN、J=7.9Hz)、3.56(s、3H、CO2Me)
、3.87及び3.89(2s、6H、2×OMe)、4.53(d、1H、CHOH、J=7.9Hz)、6.82-6.9
2(3H、m、C6H3)。
【0080】 エリスロ−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−メチルセリンメチルエステ
ル(エリスロ−2a)1 H−NMR(300MHz、CDCl3): δ 2.42(s、3H、Nme)、3.53(d、1H、CHN、J=5.7Hz)、3.69(s、3H、CO2Me)
、3.87及び3.88(2s、6H、2×OMe)、4.93(d、1H、CHOH、J=5.7Hz)、6.76-6.8
4(3H、m、C6H3)。
【0081】 下記の表5に、時間及び試験した各キラルリガンドについて用いた基剤/触媒
比に関する操作条件並びに得られたヒドロキシル誘導体及びエナンチオマーの収
率を示す。
【表5】 S/C=基剤/触媒比 a:1H−NMR分析によって評価 b:脱保護された化合物3の300MHzにおける1H−NMR分析によって測
定 c:Chiralpack ADカラムを用いたHPLC分析によって測定 d:[RuCl2(ベンゼン)]を用いた。
【0082】 キラルのリガンドが本発明に従うものではない場合(試験1及び3)にはエナ
ンチオ選択性が低いことがわかる。 さらに、これら2つの試験について有意のエナンチオマー収率を得るためには
、反応時間を過度に有意に長くする必要である。
【0083】例16 本発明に従うルテニウム錯体を用いた接触酸化 次の反応図に従って酸化を実施する。
【化29】
【0084】 25ミリリットルの一口フラスコに、イソプロパノール10ミリリットル中の
溶液状の前記リガンド(2当量)及びルテニウム錯体(31mg、0.05ミリ
モル)を導入する。この反応媒体をアルゴン雰囲気下で3/4時間80℃にする
。回転式蒸発器を用いてこれを濃縮乾固させ、次いでラセミ形のアルコール3a
/3b(1.2g、10ミリモル、200当量)及び溶媒(5ミリリットル)を
導入する。次いでこの混合物を1/2時間窒素でスパージすることによってガス
抜きし、次いで水酸化カリウム粉末(14mg、0.25ミリモル、5当量)を
添加する。この媒体をアルゴン雰囲気下で30℃において撹拌する。 反応をGC及びTLC分析によって監視する。 GC:25m×0.25μmのCyclodex B 236Mカラム;カラムの初期温度10
0℃、カラムの最終温度150℃;昇温速度2℃/分;注入部の温度150℃;
検出部の温度240℃;注入容量2マイクロリットル;シクロペンタノンの保持
時間=2.25分、シクロペンタノールの保持時間=2.6分、アセトフェノン
(5)の保持時間=6.6分、4の化合物の保持時間=9.2分、3の化合物の
保持時間=9.8分。 TLC分析:溶離剤=石油エーテル/酢酸エチル、95/5;UV可視化装置;
アセトフェノンのRf=0.44;フェニルエタノールのRf=0.28。
【0085】 1)キラルのリガンドを用いた試験: 第1のリガンドは次式に相当する:
【化30】 この試験はアセトン中で実施する。この反応媒体はオレンジ色であり、反応が
進むにつれて茶色になる。30℃において6時間後に、表面積の百分率として、
4の化合物が50%で得られ、3bのアルコールについてのエナンチオマー過剰
率は64%だった。 この試験を再びシクロペンタノン中で実施すると、赤色の反応混合物が得られ
、これは反応が進むにつれて茶色になった。30℃において6時間後に、表面積
の百分率として、4の化合物が44%で得られ、3bのアルコールについてのエ
ナンチオマー過剰率は52%だった。
【0086】 第2のリガンドは次式に相当する:
【化31】 アセトン中で実施した第1の試験ではピンク色の反応媒体が得られる。30℃
において5時間後に、表面積の百分率として、4の化合物が53%で得られ、3
bのアルコールについてのエナンチオマー過剰率は85%だった。 シクロペンタノン中で実施した同じ試験では、赤色の反応媒体が得られる。3
0℃において5時間後に、表面積の百分率として、4の化合物が41%で得られ
、3bのアルコールについてのエナンチオマー過剰率は85%だった。
【0087】例17 (1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−ジフェニル
エチレンジアミン アセトニトリル(5ミリリットル)中の4−ジメチルアミノピリジン(57m
g、0.47ミリモル)及び(1S,2S)−1,2−ジフェニルエチレンジア
ミン(100mg、0.47ミリモル)の溶液に、ノナフルオルブタンスルホニ
ルフルオリド(100マイクロリットル、0.56ミリモル)を添加する。一晩
撹拌した後に、ノナフルオルブタンスルホニルフルオリド(100マイクロリッ
トル、0.56ミリモル)を追加する。この混合物は1日間加え、濃縮し、水(
10ミリリットル)と酢酸エチル(20ミリリットル)との間で抽出する。有機
相を乾燥させ(Na2SO4使用)、濃縮して、出発物質と最終生成物との混合物
を得る。クロマトグラフィー(EtOAc/MeOH、40/1)によって精製
し、次いでエーテルで処理して、結晶の形の化合物を得た(115mg、49%
)。1 H−NMR(300MHz、CDCl3): 4.41(d、1H、CHNH2、J=3.0Hz)、4.76(d、1H、CHNH、J=3.0Hz)、7.38(m、10
H、2×Ph)。
【0088】例18 例17の化合物をリガンドとして含むルテニウム錯体を用いた不斉水素化 イソプロパノール(1ミリリットル)中で[RuCl2(p−シメン)]2
12.5マイクロモル)及び(1S,2S)−N−ノナフルオルブタンスルホニ
ル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(30マイクロモル、ルテニウム原
子1個当たりに1.2当量)を撹拌する。次いでジクロルメタン(1ミリリット
ル)中の2−[(ベンジルオキシカルボニル)メチルアミノ]−3−(3,4−
ジメトキシフェニル)オキソプロパン酸メチル(0.40g、1ミリモル)及び
HCO2H/Et3N(5/2、1ミリリットル)を周囲温度において連続的に添
加する。45℃において27時間撹拌して、10%の転化率を得た。この反応混
合物を次いで酢酸エチルと飽和NaHCO3溶液との間で抽出し、有機相を塩化
ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4使用)、濃縮する。1 H−NMR(300MHz、CDCl3): トレオ/エリスロ=95/5。
【0089】例19 (1S,2S)−N−[3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホニ
ル]−1,2−シクロヘキサンジアミン 滴下漏斗、温度プローブ及び電磁棒を備え付けた50ミリリットルの三つ口フ
ラスコに、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、次のものを装填する: ・0.50gの(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジアミン, ・1.37gの3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホニルクロリ
ド、及び ・20ミリリットルのジクロルメタン。 前記のスルホニルクロリド及びジクロルメタンを最初に装填し、次いで不活性
ガス(窒素)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃の温度に冷
却する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃の温度に冷却する。滴下漏斗を用い
てジクロルメタン(10ミリリットル)中の溶液状の前記ジアミンをゆっくり装
填する(10分かけて)。この反応混合物を撹拌しながら2時間かけて周囲温度
(22℃)に戻す。この反応媒体を30ミリリットルのジクロルメタンで希釈し
、次いで10ミリリットルのHCl(2M)で洗浄する。この水性相を、2M水
酸化ナトリウム水溶液を添加することによって7〜8の範囲のpHに調節し、次
いで25ミリリットルずつのジクロルメタンで2回抽出する。有機相をNa2
4を用いて乾燥させ、次いで真空下で蒸発させる。(1S,2S)−N−[3
,5−ビス(トリフルオルメチル)ベンゼンスルホニル]−1,2−シクロヘキ
サンジアミンに相当する白色固体330mgが回収された。
【0090】例20 (1S,2S)−N−[3,5−ビス(トリフルオルメタン)ベンゼンスルホニ
ル]−1,2−ジフェニルエチレンジアミン 滴下漏斗、温度プローブ及び電磁棒を備え付けた50ミリリットルの三つ口フ
ラスコに、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、次のものを装填する: ・2gの(1S,2S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、 ・2.94gの3,5−ビス(トリフルオルメチル)ベンゼンスルホニルクロリ
ド、及び ・25ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタン(20ミリリットル)を最初に装填し、次
いで不活性ガス(窒素)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃
の温度に冷却する。滴下漏斗を用いてジクロルメタン(5ミリリットル)中の溶
液状の前記スルホニルクロリドをゆっくり装填する(10分かけて)。この反応
混合物を撹拌しながら2時間かけて周囲温度(22℃)に戻し、次いで生成した
固体を濾別する。この固体をジクロルメタン(50ミリリットル)中に溶解させ
、次いでこの有機相を蒸留水(10ミリリットル)で洗浄する。有機相をNa2
SO4を用いて乾燥させ、次いで真空下で蒸発させる。(1S,2S)−N−[
3,5−ビス(トリフルオルメチル)ベンゼンスルホニル]−1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミンに相当する白色固体2.2gが回収された。
【0091】例21 (1S,2S)−N−(ペンタフルオルベンゼンスルホニル)−1,2−シクロ
ヘキサンジアミン 温度プローブ及び電磁棒を備え付けた50ミリリットル三つ口フラスコに、電
磁式撹拌機によって撹拌しながら、以下のものを装填する: ・0.50gの(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジアミン、 ・650マイクロリットルのペンタフルオルベンゼンスルホニルクロリド、及び
・10ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタンを最初に装填し、次いで不活性ガス(窒素
)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃の温度に冷却する。注
射器を用いて前記スルホニルクロリドをゆっくり装填する(5分かけて)。この
反応混合物を撹拌しながら2時間かけて周囲温度(22℃)に戻す。この反応媒
体を30ミリリットルのジクロルメタンで希釈し、次いで10ミリリットルのH
Cl(2M)で洗浄する。この水性相を次いで2M水酸化ナトリウム水溶液を添
加することによって7〜8の範囲のpHに調節し、次いで25ミリリットルずつ
のジクロルメタンで2回抽出する。有機相をNa2SO4を用いて乾燥させ、次い
で真空下で蒸発させる。(1S,2S)−N−ペンタフルオルベンゼンスルホニ
ル−1,2−シクロヘキサンジアミンに相当する白色固体250mgが回収され
た。
【0092】例22 (1S,2S)−N−(ペンタフルオルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン 滴下漏斗、温度プローブ及び電磁棒を備えた50ミリリットル三つ口フラスコ
に、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、以下のものを装填する: ・2.15gの(1S,2S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、 ・500マイクロリットルのペンタフルオルベンゼンスルホニルクロリド、及び
・25ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタン(20ミリリットル)を最初に装填し、次
いで不活性ガス(窒素)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃
の温度に冷却する。滴下漏斗を用いてジクロルメタン(5ミリリットル)中の溶
液状の前記スルホニルクロリドをゆっくり装填する(30分かけて)。この反応
混合物を撹拌しながら2時間かけて周囲温度(22℃)に戻し、次いで生成した
固体を濾別する。有機相を5ミリリットルのHCl(2M)及び5ミリリットル
の飽和NaCl水溶液で連続的に洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、次いで
真空下で蒸発させる。(1S,2S)−N−ペンタフルオルベンゼンスルホニル
−1,2−ジフェニルエチレンジアミンのアンモニウムクロリドに相当する白色
固体1.01gが回収された。
【0093】例23 (1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−シクロヘキ
サンジアミン 滴下漏斗、温度プローブ及び電磁棒を備え付けた50ミリリットルの三つ口フ
ラスコに、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、次のものを装填する: ・1.0gの(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジアミン、 ・3.5ミリリットルのノナフルオルブタンスルホニルフルオリド、 ・6.9ミリリットルのジイソプロピルアミン、及び ・15ミリリットルのジクロルメタン。 前記のジアミン及びジクロルメタン(20ミリリットル)を最初に装填し、次
いで不活性ガス(窒素)雰囲気を確立する。この反応混合物を氷浴を用いて3℃
の温度に冷却する。前記の塩基を装填し、次いで前記のスルホニルフルオリドを
ゆっくり装填する(10分かけて)。この反応混合物を撹拌しながら6時間かけ
て周囲温度(22℃)に戻す。この反応媒体をジエチルエーテル(50ミリリッ
トル)で希釈し、次いで10ミリリットルずつのHCl(2M)で3回洗浄し、
5ミリリットルの飽和NaCl水溶液で洗浄する。次いで有機相をNa2SO4
用いて乾燥させ、次いで真空下で蒸発させる。得られた残渣をジエチルエーテル
から結晶化させて、(1S,2S)−N−ノナフルオルブタンスルホニル−1,
2−シクロヘキサンジアミンのアンモニウムクロリドに相当する白色固体0.7
0gが回収された。
【0094】例24 アセトフェノンの還元 還元用媒体として以下のものを用いる: ・ギ酸とトリエチルアミンとの共沸混合物、 ・金属錯体としての[RuCl2(p−シメン)]2並びに ・キラルのリガンドとしての ・・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)ベンゼンスル
ホニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン: リガンド1、 ・・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)ベンゼンスル
ホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン: リガンド2、 ・・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルベンゼンスルホニル)−1,2−シ
クロヘキサンジアミン: リガンド3、 ・・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルベンゼンスルホニル)−1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン: リガンド4、及び ・・(1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−シクロ
ヘキサンジアミン: リガンド5。
【0095】 電磁棒を備え付けた25ミリリットル丸底フラスコに、電磁式撹拌機によって
撹拌しながら、以下のものを装填する: ・10ミリモルのアセトフェノン、 ・0.05ミリモルの[RuCl2(p−シメン)]2、 ・0.1ミリモルの懸案のリガンド、 ・2ミリリットルのギ酸、 ・3ミリリットルのトリエチルアミン。 最初に前記のルテニウム錯体、リガンド及びイソプロパノール10ミリリット
ルを装填する。アルゴン雰囲気を確立し、次いで反応媒体を80℃の温度に30
分間加熱する。減圧下で溶媒を蒸発させて、赤色の固体を得る。 電磁棒を備え付けて氷浴によって冷却した別の25ミリリットル丸底フラスコ
に、電磁式撹拌機によって撹拌しながら、3ミリリットルのトリエチルアミン、
2ミリリットルのギ酸及び10ミリモルのアセトフェノンを装填する。この反応
混合物をアルゴンでパージし、次いでこの溶液を触媒を含有させた丸底フラスコ
中に移す。 この反応混合物を周囲温度(22℃)において撹拌する。反応時間を下記の表
に示す。 生成した物質、即ち(1S)−1−フェニルエタノールを、ガスクロマトグラ
フィーによって定量測定した。 得られた結果を下記の表6に示す。
【0096】
【表6】 試験したすべてのリガンドは満足できるe.e.をもたらすことがわかる。
【0097】例25 3’,4’−ジメトキシアセトフェノンの還元 例24と同じ還元用媒体を用いる。リガンド1又はリガンド2を用いて例24
の手順を繰り返す。 時間は下記の表に示す。生成した物質、即ち(R)−3’,4’−ジメトキシ
−1−フェニルエタノールを、高性能液体クロマトグラフィーによって定量測定
した。 得られた結果を下記の表7に示す。
【0098】
【表7】
【0099】例26 ベンゾイル酢酸エチルの還元 例24と同じ還元用媒体を用いる。例1において調製したリガンド、即ち(1
S,2S)−N−(トリフルオルメタンスルホニル)−1,2−シクロヘキサン
ジアミン、又は例24のリガンド2を用いて、例24の手順を繰り返す。 時間は下記の表に示す。 得られた結果を下記の表8に示す。
【0100】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/29 C07C 45/29 49/78 49/78 303/38 303/38 311/18 311/18 311/20 311/20 C07F 15/00 C07F 15/00 A B C E F 15/04 15/04 15/06 15/06 // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 バルバラ モアル フランス国 エフ76130 モン サン エ グナン、リュ トマ ベケット、1−3、 レズィダンス ウロプ (72)発明者 ジャンロジェ デズミュル フランス国 エフ69360 サン サンフォ リアン ドーゾン、コミュナ、ルート ド テルナ、ラ ジョンキエール (72)発明者 フレデリク ル ギュイアデ フランス国 エフ94250 ジャンティユ、 リュ アンリ クライノフ、34 (72)発明者 ティエリー シュラマ フランス国 エフ69570 ダルディユ、シ ュマン ド パルソンジュ、20 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC64A BC67A BC68A BC70A BC70B BC71A BC71B BC72A BC74A BC74B BC75A BE14A BE14B BE22A BE22B BE33A BE34B BE36A BE36B BE37A BE37B CB02 CB07 CB57 DA02 FA01 FB77 4H006 AA01 AA02 AB40 AB84 AC41 AC44 AC61 AC81 AC90 BA16 BA20 BA21 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA46 BA60 BA61 BC31 FC52 FE11 4H039 CA60 CA62 CB20 CC20 4H050 AA01 AB40

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Iの化合物。 【化1】 [ここで、Bは (i)−CO−、又は (ii)−SO2− であり、 Rfは (i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、 (ii)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたアルキル基(好ましくはC 1 〜C12アルキル基)若しくはシクロアルキル基(好ましくはC3〜C12シクロア
    ルキル基)(ハロアルキル鎖は随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子で中断さ
    れていてよい)、 (iii)(ii)において定義した通りの少なくとも1個のハロゲン化アルキル基
    で置換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたアリール基(好ましくはC 6 〜C12アリール基)、又は (v)RA−CF2−、RA−CF2−CF2−、RA−CF2−CF(CF3)−、C
    3−C(RA)F−及び(CF3)RA−(ここで、RAはハロゲン原子であるか
    、又はRB及びRCについて下に与える意味のいずれかを有するかのいずれかであ
    る)から選択される基 であり、 YはOH、SH、NH2、NHRB又はNRBC基 {ここで、RB及びRCは水素原子以外のものであり、互いに独立的に次の(i)
    〜(v): (i)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
    且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルキル鎖
    (好ましくはC1〜C10アルキル鎖)、 (ii)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
    且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルケニル
    鎖(好ましくはC2〜C10アルケニル鎖)、 (iii)随意に1個以上のハロゲン原子又はアルキル若しくはアルケニル基で置
    換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基(好まし
    くはC7〜C15アリールアルキル基)、 (v)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルケニル基(好ま
    しくはC8〜C15アリールアルケニル基) から選択される基である} であり、 Aは一般式Ia又はIb: 【化2】 【化3】 {ここで、R'及びR''は互いに独立的に1〜20個の炭素原子を有する炭化水
    素基を表わし、この炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝鎖
    状非環状脂肪族基;又は飽和、不飽和若しくは芳香族の単環式若しくは多環式環
    状脂肪族基であり、これらは1個以上のヘテロ原子を含んでいても含んでいなく
    てもよく、但し、BがSO2基であり、nが0の値を有し、RfがCF3基であり
    且つYがNH2基である場合にはR'及びR''は同時に非置換フェニル環を表わす
    ことはなく、前記環状脂肪族基は随意に飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖状脂
    肪族基(そのアルキル鎖は1個以上の酸素原子及び/又はカルボニル官能基で中
    断されていてもよい)を有していてよく且つ随意に芳香族又は非芳香族環状基で
    、好ましくは鎖の末端において、置換されていてよく、これらの基は随意に1個
    以上のハロゲン原子(好ましくはフッ素)及び/又は1個以上のC1〜C6(好ま
    しくはC1〜C4)アルキル基で置換されていてよく、R'及びR''置換基はまた
    、互いに結合して上で定義した環状脂肪族基を形成することもでき、 Xは随意に置換されたメチレン基であり、 nは0〜3の範囲の整数であり、 Ar1及びAr2は互いに独立的に2個の置換又は非置換の縮合又は非縮合芳香
    族環を表わし、これらは随意に1個以上のヘテロ原子を有していてよく、好まし
    くはC6〜C12であり、互いに対してオルト縮合又はオルト−ペリ縮合した系を
    形成することができる} の主鎖を表わし、 x及びyはそれぞれAが表わす主鎖とアミノ基又はY基との間に確立された2
    つの結合を表わす。]
  2. 【請求項2】 Bが−SO2−基であることを特徴とする、請求項1記載の
    化合物。
  3. 【請求項3】 YがNH2又はNHRBであり、RBが請求項1記載の通りで
    あることを特徴とする、請求項1又は2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Rfが (i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素)、 (ii)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC1〜C10アルキル基若し
    くはC3〜C10シクロアルキル基、 (iii)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC1〜C4アルキル基少な
    くとも1個で置換されたフェニル基、又は (iv)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC6アリール基 であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 【請求項5】 RfがCF3又はC49基、或は1個以上のハロゲン原子(
    好ましくはフッ素原子)又は1個以上のモノ−、ポリ若しくはペルフッ素化C1
    〜C2アルキル基で置換されたフェニル基であることを特徴とする、請求項1〜
    4のいずれかに記載の化合物。
  6. 【請求項6】 一般式I'b: 【化4】 (ここで、Rf、(x)、(y)及びYは請求項1〜5のいずれかにおいて定義
    した通りであり、 Ar1及びAr2は一緒になってジフェニル−2,2’−ジイル又はジナフチル
    −2,2’−ジイル基から誘導される基を表わす) に相当することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 【請求項7】 一般式I'a: 【化5】 (ここで、Rf、X、n、(x)、(y)及びYは一般式Iにおいて上で定義し
    た通りであり、 R'及びR''は互いに独立的に飽和、不飽和又は芳香族の単環式又は多環式の
    炭素環式又はヘテロ環式基であり、但し、nが0の値を有し、RfがCF3基で
    あり且つYがNH2基である場合にはR'及びR''は同時に非置換フェニル環を表
    わすことはなく、R'及びR''はまた、互いに結合してそれらを有する炭素原子
    と一緒になって1〜20個の炭素原子を有する飽和、不飽和又は芳香族の単環式
    又は多環式の炭素環式又はヘテロ環式基を形成することもできる) に相当することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  8. 【請求項8】 nが0の値を有することを特徴とする、請求項1〜5及び7
    のいずれかに記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R'及びR''が互いに結合してそれらを有する炭素原子と一
    緒になってシクロヘキシル基を形成することを特徴とする、請求項1〜5、7及
    び8のいずれかに記載の化合物。
  10. 【請求項10】 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−
    1,2−シクロヘキサンジアミンのアンモニウムクロリド、 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1,2−シクロヘキサ
    ンジアミン、 ・(1S,2S)−N−トリフルオルメタンフェニルスルホニル−1,2−シク
    ロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−ジフ
    ェニルエチレンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−シクロヘ
    キサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1,2−シク
    ロヘキサンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1,2−ジフ
    ェニルエチレンジアミン、 ・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホ
    ニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、及び ・(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホ
    ニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン から選択されることを特徴とする、請求項1〜5及び7〜9のいずれかに記載の
    化合物。
  11. 【請求項11】 光学活性形態の形にあることを特徴とする、請求項1〜1
    0のいずれかに記載の化合物。
  12. 【請求項12】 一般式Iの(x)及び(y)が表わすそれぞれの結合中に
    含まれる2つの炭素が同じ配置のキラリティーの2つの中心を構成することを特
    徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の一般式Iの化合物の製
    造方法であって、 一般式II: 【化6】 (ここで、A及びYは請求項1〜12のいずれかに記載の通りである) の化合物と一般式III: Rf−B−X' (III) (ここで、Rf及びBは請求項1〜5のいずれかに記載の通りであり、 X'はハロゲン原子、好ましくは塩素若しくはフッ素、又はOSO2Rf基であ
    る) の化合物とを反応させること、及び一般式Iの化合物を回収することを特徴とす
    る、前記製造方法。
  14. 【請求項14】 反応を塩基の存在下で実施することを特徴とする、請求項
    13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 一般式IIの化合物と一般式IIIの化合物とをII/IIIのモル
    比として1以下において反応させることを特徴とする、請求項13又は14記載
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 有機化学における不斉合成を実施するために用いられる触
    媒金属錯体のためのリガンドを製造するのに用いるための、請求項1〜12のい
    ずれかに記載の光学活性形態にある化合物。
  17. 【請求項17】 ケトン誘導体のエナンチオ選択的不斉水素化を実施するた
    めに用いられる触媒金属錯体のためのリガンドを製造するのに用いるための、請
    求項1〜12のいずれかに記載の光学活性形態にある化合物。
  18. 【請求項18】 ヒドロキシル官能基のエナンチオ選択的酸化を実施するた
    めに用いられる触媒金属錯体のためのリガンドを製造するのに用いるための、請
    求項1〜12のいずれかに記載の光学活性形態にある化合物。
  19. 【請求項19】 遷移金属をベースとし、この金属のリガンドとして請求項
    1〜12のいずれかに記載の少なくとも1種の光学活性形態にある化合物を含む
    、金属錯体。
  20. 【請求項20】 一般式IV: 【化7】 {ここで、A、B、Rf及びYは請求項1〜12のいずれかに記載の通りであり
    、 (x)及び(y)結合を有する炭素は同じ絶対配置を有し、 Mはロジウム、ルテニウム、レニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、白
    金及びパラジウムから選択される遷移金属であり、 Zは配位アニオン性リガンドであり、 Lは少なくとも1個の二重結合を含む不飽和脂肪族リガンド又は少なくとも1
    個の二重結合を含む炭素環式若しくはヘテロ環式リガンド(好ましくは5〜8個
    の原子を有するもの)であり、このリガンドは電荷を有していても電荷を有して
    いなくてもよい} に相当することを特徴とする、請求項19記載の金属錯体。
  21. 【請求項21】 Mがルテニウム、ロジウム又はイリジウムであり、 Zがハロゲン原子(好ましくは塩素又は臭素)であり、 LがC6〜C12芳香族リガンド又はシクロペンタジエニル若しくはシクロオク
    タトリエン単位(随意に1個以上のC1〜C4アルキル基で置換されたもの)であ
    る ことを特徴とする、請求項20記載の錯体。
  22. 【請求項22】 一般式IVa: 【化8】 {R'及びR''は互いに独立的に前記の通りの飽和、不飽和又は芳香族の単環式
    又は多環式のC1〜C20炭素環式又はヘテロ環式基であり、但し、RfがCF3
    であり且つYがNH2基である場合にはR'及びR''は同時に非置換フェニル環を
    表わすことはなく、R'及びR''はまた、互いに結合してそれらを有する炭素原
    子と一緒になって4〜20個の炭素原子を有する飽和、不飽和又は芳香族の単環
    式又は多環式の炭素環式又はヘテロ環式基を形成することもでき、 Rfは (i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、 (ii)ポリ−若しくはペルハロゲン化されたC1〜C10アルキル若しくはC3〜C 10 シクロアルキル基、 (iii)少なくとも1個のポリハロゲン化C1〜C4基で置換されたフェニル基、
    又は (iv)モノ−、ポリ−若しくはペルハロゲン化されたフェニル基 であり、 Y、L及びZは上で定義した通りである} に相当することを特徴とする、請求項19又は21記載の錯体。
  23. 【請求項23】 一般式IVb: 【化9】 (ここで、L、Z及びMは請求項20又は21記載の通りである) に相当することを特徴とする、請求項19又は22記載の錯体。
  24. 【請求項24】 Lがベンゼン、p−メチルイソプロピルベンゼン及びヘキ
    サメチルベンゼンから選択される芳香族化合物であり、 Zが塩素原子又は臭素原子であり、 Mがルテニウム原子である、請求項22又は23記載の錯体。
  25. 【請求項25】 (1S,2S)−N−トリフルオルメタンスルホニル−1
    ,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N−トリフルオルメタンフェ
    ニルスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N−N−
    (ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(
    1S,2S)−N−(ノナフルオルブタンスルホニル)−1,2−シクロヘキサ
    ンジアミン、(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニルスルホニル)−1
    ,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N−(ペンタフルオルフェニ
    ルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、(1S,2S)−N−
    (3,5−ビス(トリフルオルメタン)フェニルスルホニル)−1,2−シクロ
    ヘキサンジアミン及び(1S,2S)−N−(3,5−ビス(トリフルオルメタ
    ン)フェニルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミンから選択され
    る少なくとも1種の化合物をリガンドとして有することを特徴とする、請求項1
    9〜24のいずれかに記載の錯体。
  26. 【請求項26】 請求項1〜12のいずれかに記載の光学活性形態にある一
    般式Iの化合物を適当な溶媒中で用いられる遷移金属化合物と反応させることか
    ら成る、請求項19〜25のいずれかに記載の錯体の製造方法。
  27. 【請求項27】 ケトン誘導体の不斉還元を実施するのに用いるための、請
    求項19〜25のいずれかに記載の金属錯体。
  28. 【請求項28】 ケトン官能基を有する化合物が一般式V: 【化10】 {ここで、R1及びR2は互いに独立的に (i)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
    且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルキル鎖
    (好ましくはC1〜C10アルキル鎖)、 (ii)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
    且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルケニル
    又はアルキニル鎖(好ましくはC2〜C10アルケニル又はアルキニル鎖)、 (iii)随意に1個以上のハロゲン原子又はアルキル若しくはアルケニル基で置
    換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基(好まし
    くはC7〜C15アリールアルキル基)、或は (v)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルケニル基(好ま
    しくはC8〜C15アリールアルケニル基) であり、 *はカルボニル官能基に対してα位に位置する不斉中心がR2中に随意に存在す
    ることを示す} に相当することを特徴とする、請求項27記載の金属錯体。
  29. 【請求項29】 請求項1〜12のいずれかに記載の一般式Iの少なくとも
    1種の光学活性形態にある化合物をリガンドとして有する遷移金属の錯体の存在
    下において請求項28記載に規定した通りの一般式V: 【化11】 の化合物の不斉還元を実施することを特徴とする、一般式VI: 【化12】 {ここで、R1及びR2は互いに独立的に (i)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
    且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルキル鎖
    (好ましくはC1〜C10アルキル鎖)、 (ii)随意に1個以上の酸素若しくは硫黄原子又はカルボニル官能基で中断され
    且つ随意に1個以上のハロゲン原子又はカルボキシル基で置換されたアルケニル
    又はアルキニル鎖(好ましくはC2〜C10アルケニル又はアルキニル鎖)、 (iii)随意に1個以上のハロゲン原子又はアルキル若しくはアルケニル基で置
    換されたアリール基(好ましくはC6〜C12アリール基)、 (iv)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルキル基(好まし
    くはC7〜C15アリールアルキル基)、或は (v)随意に1個以上のハロゲン原子で置換されたアリールアルケニル基(好ま
    しくはC8〜C15アリールアルケニル基) であり、 *はその炭素にキラルの中心が存在することを示す} の光学活性第2アルコールの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記金属錯体が請求項20〜25のいずれかに記載の通り
    のものであることを特徴とする、請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記錯体を一般式Vのカルボニル化合物に対して1/10
    000〜1/1の割合で用いることを特徴とする、請求項29又は30記載の方
    法。
  32. 【請求項32】 前記反応を水素ドナーの存在下で実施することを特徴とす
    る、請求項29〜31のいずれかに記載の方法。
  33. 【請求項33】 ラセミ混合物の形にあるキラルの第2アルコールのエナン
    チオ選択的接触酸化を実施するのに用いるための、請求項19〜25のいずれか
    に記載の金属錯体。
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