JP2003346443A - 磁気ディスク装置用ランプ - Google Patents

磁気ディスク装置用ランプ

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JP2003346443A JP2002149488A JP2002149488A JP2003346443A JP 2003346443 A JP2003346443 A JP 2003346443A JP 2002149488 A JP2002149488 A JP 2002149488A JP 2002149488 A JP2002149488 A JP 2002149488A JP 2003346443 A JP2003346443 A JP 2003346443A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドや磁気ディスクの静電気破壊の問
題を引き起こすことのない良好な表面抵抗値を有し、し
かも、サスペンションとの摺動性にも優れた磁気ディス
ク装置用ランプを提供する。 【解決手段】 平均繊維径が300nm以下で、長さ/
径比が10以上の微細炭素繊維を0.1〜20重量%含
む導電性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる磁気ディス
ク装置用ランプ17。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
用ランプ(Ramp)に関するものであり、特に、磁気
ヘッドや磁気ディスクの静電気破壊の問題を引き起こす
ことのない良好な表面抵抗値を有し、しかも、サスペン
ションとの摺動性にも優れた磁気ディスク装置用ランプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポータブルコンピュータの記憶装置とし
て用いられる磁気ディスク装置として、図1のようなも
のがある。この磁気ディスク装置11は、箱状のハウジ
ング12を備えている。このハウジング12の内部は、
外気から遮閉された清浄な気密空間をなしており、この
気密空間に円盤状の磁気ディスク13や、この磁気ディ
スク13の表面上を浮上することでデータの記録・再生
を行なう磁気ヘッド14のような各種の機能部品が収容
されている。
【0003】磁気ヘッド14は、サスペンションアーム
15の先端部に支持されている。サスペンションアーム
15は、弾性変形が可能な薄い金属板にて構成され、そ
の磁気ヘッド14とは反対側の端部が枢軸10によりハ
ウジング12に回動可能に枢支されている。そして、こ
のサスペンションアーム15は、ボイスコイルモータ1
6によって回動されるようになっており、このサスペン
ションアーム15の回動により、磁気ヘッド14が磁気
ディスク13の半径方向に移動される。
【0004】この磁気ディスク装置11は、磁気ディス
ク13の停止時に、磁気ヘッド14を磁気ディスク13
の表面から離した状態で保持し、必要に応じて磁気ディ
スク13の表面にロードする、いわゆるランプロード方
式のものであり、磁気ディスク13の外周縁部に隣接し
た位置に、サスペンションアーム15が摺動可能に接す
るランプ17を備えている。
【0005】このランプ17は、ハウジング12の底壁
にねじ止めされたランプボデー17Aを有している。図
2は、ランプ17を示す図であって、(a)図は正面
図、(b)図は平面図、(c)図は斜視図である。
【0006】このランプ17は、サスペンションアーム
15の回動方向に延びるガイド面18を有している。こ
のガイド面18は、磁気ディスク13に近づくに従い、
この磁気ディスク13の表面に向けて傾斜されている。
そのため、磁気ディスク13の停止時にサスペンション
アーム15を磁気ディスク13の外周縁部付近まで回動
させると、このサスペンションアーム15がガイド面に
摺動可能に乗り上げ、磁気ヘッド14が磁気ディスク1
3の表面から離脱された退避位置(ガイド面18位置)
に保持される。また、磁気ディスク装置11の起動時に
は、サスペンションアーム15がガイド面に沿って滑り
落ち、上記退避位置にある磁気ヘッド14が磁気ディス
ク13の表面にロードされる。
【0007】従って、このランプロード方式によると、
パソコンを移動させる際等に装備された磁気ディスク装
置の磁気ヘッド14と磁気ディスク13とが接触するこ
ともなく、磁気ヘッド14や磁気ディスク13の破損が
防止できるといった利点がある。
【0008】従来、このハードディスクドライブ用ラン
プとしては、主にポリアセタール樹脂成形品が使用され
てきたが、非導電性であるために帯電が生じ易いという
欠点があり、最近のハードディスクの高容量化、高密度
化に伴い、ランプの帯電による磁気ヘッドや磁気ディス
クへのダメージが問題となってきている。
【0009】しかし、導電性を付与するために、ランプ
の成形材料として、ポリアセタール樹脂にカーボンブラ
ックや炭素繊維などの導電性フィラー材を添加した導電
性樹脂組成物を用いると、サスペンションアームとの摩
擦摺動によって、導電性フィラー材が脱落して、パーテ
ィクルや摩耗粉が発生し、これにより磁気ヘッドや磁気
ディスクが破壊するという問題が生じる。また、特に、
炭素繊維(一般に繊維径7〜12μm、繊維長さ50〜
500μm)を充填した場合には、サスペンションの傷
付きの問題もある。
【0010】一方、ハードディスク用磁気ヘッドを初め
とする高密度電子デバイスの静電気対策としての帯電防
止部品には、 帯電し難い事、すなわち帯電しても速やかに電荷を
散逸してゼロ電位になる事;及び、 帯電したデバイスが接触した際の放電電流(接触電
流)が流れすぎないこと;が必要となるため、従来、こ
れらの要求に対して、半導電性の材料を用いるなどし
て、表面抵抗値を特定の範囲に管理することが行われて
きた。この表面抵抗値は、一般的には、10〜10
12程度の範囲が良いとされている(特開平8−283
584号公報など)。
【0011】このようなことから、ハードディスク用ラ
ンプには、磁気ヘッドや磁気ディスクの静電気破壊の問
題を引き起こすことのない良好な表面抵抗値を有し、し
かも、サスペンションとの摺動性にも優れることが望ま
れる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気ヘッド
や磁気ディスクの静電気破壊の問題を引き起こすことの
ない良好な表面抵抗値を有し、しかも、サスペンション
との摺動性にも優れた磁気ディスク装置用ランプを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク装
置用ランプは、導電性熱可塑性樹脂組成物を成形してな
る磁気ディスク装置用ランプであって、該導電性熱可塑
性樹脂組成物が平均繊維径が300nm以下で、長さ/
径比が10以上の微細炭素繊維を0.1〜20重量%含
有することを特徴とする。
【0014】導電性熱可塑性樹脂組成物の導電性フィラ
ーとして、平均繊維径が300nm以下で長さ/径比が
10以上の微細炭素繊維を用いることにより、優れた静
電気特性と摺動特性とを両立することができる。即ち、
平均繊維径が細く長さ/径比の大きい微細炭素繊維は、
成形品中において、微細な導電性ネットワークを形成す
るために、帯電防止性に優れるだけでなく、過度の接触
ノイズ電流を生じることもなく、優れた静電気特性を得
ることができる。
【0015】例えば、従来の炭素繊維(繊維径7〜12
μm)が分散した導電性樹脂組成物では、炭素繊維によ
る導電性ネットワークが大きいために、炭素繊維の存在
しない部分は帯電が残りやすく、その上、炭素繊維の存
在する部分とその周囲の電荷は極めて速く流れる。その
結果、帯電及びノイズ電流が増大する。これに対して、
微細炭素繊維であれば、成形品中に均一に分散して微細
な導電性ネットワークを形成し、成形品に対して均一に
帯電防止性を付与する。
【0016】また、この微細な導電性ネットワークによ
る絡み合いで、微細炭素繊維の脱落も防止され、良好な
摺動性を得ることができる。
【0017】本発明のランプの抵抗値は、サスペンショ
ンとの摺接部(以下、単に「摺接部」と称す場合があ
る。)の表面抵抗値が、1×10Ω以上、1×10
11Ω未満、特に1×10Ω以上、1×1010Ω未
満で、摺接部の内部接地抵抗値が1×10Ω以下、よ
り好ましくは1×10以下であり、かつ摺接部の表面
抵抗値の1/2以下、特に1/5以下であることが好ま
しい。ランプの摺接部の表面抵抗値が上記範囲である
と、帯電防止性に優れるだけでなく、接触ノイズ電流を
防止することができる。また、摺接部の内部接地抵抗値
が1×10Ω以下で、表面抵抗値の1/2以下、好ま
しくは1/5以下であれば帯電電荷が接地方向へ流れ易
くなり、その結果、優れた帯電特性が得られる。
【0018】即ち、本発明者は、同一の成形品におい
て、抵抗値が均一ではなく、抵抗値に分布が存在してい
る場合、電荷の流れる方向が不均一になる事、すなわち
同一成形品において抵抗値の高い部分から抵抗値の低い
部分への電荷の移動は起こりやすいが、逆方向への移動
は起こりにくいという現象を利用することにより良好な
帯電防止部品が得られることを見出した。
【0019】本発明は、かかる知見に基づくものであ
り、電子部品の接触部位の表面抵抗値を高くし、その内
部から接地部位までの抵抗値を低くすることにより、電
子部品接触部位の表面を介した電流を流れにくくし、接
地方向への電流を流れ易くしたものである。
【0020】本発明では、特に微細炭素繊維として屈曲
した微細炭素繊維を用いることが好ましく、屈曲した微
細炭素繊維の樹脂に対するアンカー効果で、摺動面での
微細炭素繊維の脱落が少なくなり、その結果、摺動性
(耐摩耗性)が向上する。また、微細炭素繊維同士が絡
み合った状態で分散するようになるため、より脱落しに
くくなり、耐摩耗性が改善されると共に、導電性も向上
する。
【0021】なお、微細炭素繊維の屈曲度は、ランプ成
形品の樹脂成分を溶媒やイオンスパッタリング等で除去
して、微細炭素繊維を露出させるか、又は成形品より切
り出した超薄切片を電子顕微鏡観察することによって測
定することができる。屈曲度は図3に示すように微細炭
素繊維2を顕微鏡で観察し、同一繊維上の、繊維径の5
倍{繊維径(図3のd)を測定し、デバイダ等で繊維に
沿って5回計る等の方法による}離れた任意の2点A,
Bを選び、それぞれの点に接線L,Lを引いて、接
線L,Lの交差する点Qの外角(図3にαで示す)
を測定する。10点の平均値をとり、屈曲度とする。
【0022】即ち、繊維が直線的であればこの屈曲度は
0°となり、半円で180°、円を描けば360°とな
る。
【0023】本発明においては、ランプ成形品の表面近
傍(0.1〜10μm)の微細炭素繊維の屈曲度が、1
0°以上、特に20°以上、とりわけ40°以上である
ことが好ましい。
【0024】また、ランプ成形品の表面近傍(0.1〜
10μm)の25μm当たりの微細炭素繊維ネットワ
ークに囲まれた部分の個数が200以下で、かつ囲まれ
た部分の面積の平均値(x(μm))と標準偏差(σ
(μm))の積(x・σ)が10(μm以上で
あると、摺動性及び導電性がより一層改善され、好まし
い。即ち、このことは微細炭素繊維がお互いに絡み合っ
て分散していることを意味しており、その結果、導電性
が向上するだけでなく、摩擦による微細炭素繊維の脱落
の防止効果がより大きくなり、その結果、摺動性も向上
する。
【0025】本発明において、微細炭素繊維で囲まれた
部分の面積及び個数は、以下の方法で測定される値とし
て定義される。
【0026】 成形体の表面から、0.1〜10μm
の範囲で超薄切片を、厚み70〜100nmで切り出
す。
【0027】 の超薄切片を透過型顕微鏡(4万
倍)で撮影した微細炭素繊維の分散画像について次の解
析を行う。まず、5μm×5μmの範囲の画像を、1個
当りの画素の大きさが9.77nm×9.77nmであ
る512×512個の画素でデジタル画像に変換する。
これによって微細炭素繊維が存在している画素がオン、
存在していない画素がオフとなり、2値化処理される。
この際、2値化処理をより高精度、かつ容易に行うため
に、予め原画像を別の紙などにトレースした画像をデジ
タル化しても良い。なお、図4にこのトレース図の一例
を示す。図4(1)は微細炭素繊維が比較的均一に分散
しており、図4(2)ではある程度凝集している。
【0028】 上下左右に3個連続して隣接し合う3
×3=9個の画素中の1画素でもオンである場合には、
この9画素すべてがオンであるとする画像処理(膨張処
理)を画像全面にわたって施す。図5(a)〜(d)
に、1画素のみオンの場合の第1回目の膨張処理(画像
処理)を示す。具体的には、図5(a)に示すように、
ある範囲にオンが1点存在したとき、全ての3×3の画
素をスキャンして、オンの画素がその中に含まれる場
合、その9画素を全てオンとする{図5(b),
(c),(d)}。結果的にオンであった1画素の周囲
5×5画素がオンとなる{図5(d)}。また、図5
(e),(f)に示すように、膨張処理によって分断さ
れた微細炭素繊維が結合する。1回の膨張処理により、
微細炭素繊維は縦及び横方向に4画素分膨張する。5回
の画像処理により、当初の撮像では近接しているか互い
に離反していた微細炭素繊維画像が繋がりあった太いも
のとなる。
【0029】 そこで、この第5回目の処理後のフィ
ブリル画像の幅方向(太さ方向)の中心の画素のみをオ
ンとして残し、他の画素はオフとする。即ち、画像の中
心線を1画素の連続体に置き換える。図6(a),
(b)はこの一例を示す模式図である。
【0030】 上記により得られた中心線画像につ
いて、上記と同一の膨張処理を2回繰り返す。得られ
た画像中の連続線を「微細炭素繊維ネットワーク」と定
義する。図7は、このようにして得られた微細炭素繊維
ネットワークを有した画像の一例を示す模式図である。
【0031】 この微細炭素繊維ネットワークにより
囲まれた閉じた領域の個数を「微細炭素繊維ネットワー
クに囲まれた部分」と定義する。なお、視野(画像)の
縁に交わっている領域は解析の対象外とする。この「微
細炭素繊維ネットワークに囲まれた部分」の個数
(N)、及び「微細炭素繊維ネットワークに囲まれた部
分」の個々の面積を測定する。次に、得られた個々の面
積の測定値より、面積の平均値(x(μm))及び面
積の標準偏差(σ(μm))を計算する。その後、平
均値(x(μm))と標準偏差(σ(μm))の積
を算出する。なお、標準偏差(σ(μm))は、以下
の式で算出される。
【数1】 ここで、 x ;「微細炭素繊維ネットワークに囲まれた部分」の
面積の平均値 x;「微細炭素繊維ネットワークに囲まれた部分」の
個々の面積 N ;「微細炭素繊維ネットワークに囲まれた部分」の
個数
【0032】 上記を5つの視野に対して同様に行
い、その平均値をとる。このようにして得られた平均値
を本発明の「微細炭素繊維ネットワークに囲まれた部分
の個数」及び「微細炭素繊維ネットワークに囲まれた部
分の面積の平均値と標準偏差の積」と定義する。
【0033】以下に、このような本発明の微細炭素繊維
ネットワークパラメータと、本発明の導電性発現効果と
の関係について、図8を参照して詳細に説明する。
【0034】図8の(A)は、微細炭素繊維がお互いに
絡み合うことなく均一に分散した状態を示す。本発明に
係る上記画像処理により、微細炭素繊維ネットワークは
均一かつ微細になり、その結果、微細炭素繊維ネットワ
ークに囲まれた部分の個数(N)は多くなり、面積及び
その平均値(x(μm))は小さく、また面積の標準
偏差(σ(μm))は小さくなる。従って、面積の平
均値(x(μm))と面積の標準偏差(σ(μ
))の積も小さくなる。かかる分散状態では、微細
炭素繊維同士の電気的な接触が不十分となり、導電性は
低下しやすくなる。即ち、所望の導電性を得るために
は、多量の微細炭素繊維の添加を必要とする。
【0035】これに対して、図8の(B)のように、微
細炭素繊維が適度に凝集かつ分散した状態になると、微
細炭素繊維ネットワークに囲まれた部分の個数(N)は
少なくなり、面積及びその平均値(x(μm))は大
きくなる。また、微細炭素繊維の粗密に起因して、面積
の大小のばらつきも大きくなるために、面積の標準偏差
(σ(μm))は大きくなる。従って、面積の平均値
(x(μm))と面積の標準偏差(σ(μm))の
積も大きくなる。このように微細炭素繊維がお互いに絡
み合いながら適度に凝集した状態においては、優れた導
電性が発現される。
【0036】なお、図8の(C)に示すように、微細炭
素繊維の絡み合いが大きくなりすぎて塊状に凝集した場
合、前述の画像処理を行っても微細炭素繊維ネットワー
クは形成されない。
【0037】本発明では、この微細炭素繊維ネットワー
クに囲まれた部分の個数(N)が180以下で、かつ囲
まれた部分の面積の平均値(x(μm))と標準偏差
(σ(μm))の積が12(μm以上である。
これは、図8の(B)のように、微細炭素繊維が適度に
絡み合いながら、比較的不均一に分散している状態を、
定量的に表している。
【0038】なお、本発明に係る「微細炭素繊維ネット
ワークに囲まれた部分」の個数及び面積の平均値と標準
偏差の積は、共に微細炭素繊維の分散の不均一性、即ち
微細炭素繊維の凝集の度合いを表しているが、個数は微
視的な凝集度合いを示しており、面積の平均値と標準偏
差の積がそれよりも巨視的な凝集度合いを表している。
【0039】なお、上記測定に当たり、導電性樹脂組成
物中の潤滑成分や添加成分などの微細炭素繊維のネット
ワークに無関係な成分については、上述の測定視野の範
囲から除く必要がある。即ち、微細炭素繊維のみが存在
する視野を選ぶか、又は必要に応じて小さい視野範囲に
分割して測定を行うようにする。
【0040】本発明において、該熱可塑性樹脂は、ポリ
アセタール樹脂又はポリフェニレンサルファイド樹脂で
あることが好ましい。
【0041】また、ランプを構成する導電性熱可塑性樹
脂組成物には、非導電性の潤滑成分が1〜30重量%含
有されていることが、摺動性の向上のみならず、帯電防
止性の向上の点で望ましい。
【0042】この場合において、特に、前述の好適な表
面抵抗値及び内部接地抵抗値を得るために、ランプ成形
品内において、潤滑成分は熱可塑性樹脂中に島状に分散
して分散相を形成しており、微細炭素繊維が実質的に連
続相中に分散していることが好ましい。
【0043】これは、次のような理由による。
【0044】即ち、平均繊維径300nm以下の微細炭
素繊維は、従来の炭素繊維やカーボンブラックに比べ
て、僅かな添加量で導電性を発現することができるた
め、低発塵性、成形品外観、成形性に優れる点で、優れ
た導電性フィラーとして知られている。
【0045】しかしながら、このような微細炭素繊維を
含有する熱可塑性樹脂成形品は、その導電性が成形加工
の条件により大きく変動しやすく、半導電性領域の抵抗
値を均一にコントロールすることが困難であった。本発
明者はこの理由について検討した結果、以下のような結
論に至った。
【0046】即ち、微細炭素繊維を含有する熱可塑性樹
脂成形品中では、微細炭素繊維は、熱可塑性のマトリッ
クス樹脂中で互いに絡み合った状態で分散して存在して
おり、絡み合った微細炭素繊維により導電性のネットワ
ークが形成されることによって導電性が発現する。
【0047】この熱可塑性樹脂成形品は、微細炭素繊維
を含む熱可塑性樹脂組成物の射出成形などの成形加工に
より、溶融、流動、冷却固化のプロセスを経て成形され
るが、この際、流動時に生じる剪断力によって、図9
(a)に示す如く、マトリックス樹脂1中で微細炭素繊
維2が配向する結果、微細炭素繊維2同士の絡み合いや
接触が不十分となり、導電性は低いものとなる。
【0048】次に、マトリックス樹脂1中で配向した微
細炭素繊維2は、冷却固化プロセスの初期においてマト
リックス樹脂1の温度が高い(粘度が低い)間に、図9
(b)、更には図9(c)に示す如く、その配向が緩和
して、導電性ネットワークが形成され、その結果導電性
は向上する。この現象は、微細炭素繊維2を極端に配向
させた条件で成形した低い導電性(高い抵抗値)を有す
る成形品を、再度加熱することによって、加熱した部分
の導電性が向上することで検証される。かかる現象は射
出成形、押し出し成形のように、完全に樹脂を溶融さ
せ、これを流動させる成形プロセスのみならず、真空成
形のように、半溶融状態のシートを延伸して成形する成
形法においても同様に起こり、延伸過程における微細炭
素繊維の配向と、冷却過程での配向の緩和により導電性
(抵抗値)が変動する。
【0049】上述の導電性発現メカニズムを踏まえて、
成形品の導電性を確保するためには、微細炭素繊維の配
向を緩和して、微細炭素繊維の接触を確保する必要があ
る。即ち、例えば、図9(a)のように微細炭素繊維2
が十分に配向した状態では、一般に1012Ω以上の低
い導電性であり、図9(c)のように微細炭素繊維2の
配向が十分に緩和した状態では、一般に10Ω未満の
導電性であり、図9(b)のような状態に微細炭素繊維
2の配向が適度に緩和した状態では、10〜1010
Ωの範囲の半導電性となる。しかしながら、微細炭素繊
維の配向を所望の導電性が得られるように緩和させるこ
とは、微細炭素繊維の配向及びその緩和の状況が、成形
条件に対して特に敏感に変化するため、再現性良く実現
することが困難であり、また、ランプのような複雑な形
状を有する成形品においては、同一の成形品内において
も、部位によって抵抗値が異なるものとなり、各部位の
抵抗値を均一にコントロールすることも極めて困難であ
る。
【0050】例えば、射出成形品においては、樹脂の注
入口であるゲート付近や薄肉部では、大きな剪断力を受
けるために微細炭素繊維が配向して導電性が低く(抵抗
値が高く)なり易く、一方、流動末端では剪断力が低い
ために微細炭素繊維の配向性が低く導電性が高く(抵抗
値が低く)なり易い。ゲート付近の導電性を向上(抵抗
値を低下)させるために、冷却速度を低下させたり、微
細炭素繊維の添加量を増やすと、流動末端の抵抗値が低
くなり、結果的に抵抗値の均一性は確保できない。ま
た、一般に、剪断速度や冷却速度は、成形品の表面付近
で大きくなり、かつ成形条件による影響も受けやすくな
る。従って、帯電防止部品など多くの導電性樹脂成形品
は、特に表面抵抗値の変動が大きくなりやすい。
【0051】本発明者は、かかる成形加工プロセスにお
ける微細炭素繊維の配向及び配向の緩和による導電性発
現のメカニズムを踏まえて、導電性の成形品を安定的に
得るために検討した結果、成分のマトリックス樹脂中に
非導電性の潤滑成分の島状の分散相を形成することによ
り、良好な導電性を実現することができることを見出し
た。
【0052】本発明では、マトリックス樹脂である熱可
塑性樹脂に、潤滑成分を熱可塑性樹脂と相溶させること
無く島状に分散させ、微細炭素繊維は熱可塑性樹脂中に
連続相を形成しており、潤滑成分の分散相は、本来の非
導電性が維持されていることが望ましい。
【0053】かかる潤滑成分の分散相は、微細炭素繊維
の配向の緩和を阻害する効果、及び微細炭素繊維によっ
て形成された導電性ネットワークを部分的に分断する効
果を発揮し、導電性が過度に高くなる(抵抗値が過度に
低くなる)ことが防止できる。その結果、例えば射出成
形品のゲート付近や、薄肉部の導電性を向上させる(抵
抗値を低下させる)ために、冷却速度を低下させたり、
微細炭素繊維の添加量を増加させても、流動末端等での
過度の導電性の増大(抵抗値の低下)が無く、均一な成
形品が得られる。
【0054】また、本発明において、ランプのサスペン
ションとの摺接部の10点平均表面粗さ(Rz)は5μ
m以下であることが好ましい。この摺接部の10点平均
表面粗さ(Rz)が5μm以下であると、ロード、アン
ロード時のサスペンションの動作がスムーズになり、ラ
ンプの摩耗やサスペンションの傷付きが少なくなる。
【0055】ここで、10点平均表面粗さ(Rz)と
は、粗さ曲線の平均線から縦倍率の方向にカットオフ波
長2.5mmで測定した、最も高い山頂から5番目まで
の山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5
番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和より算出
して求める。従って、Rzの数値は、小さいほど平滑な
表面であることを示す。
【0056】なお、極めて平滑な表面の場合、山及び谷
が測定範囲内に5個以上存在しないと算出が不可能であ
る。そのような場合には、本発明では最大山と最大谷の
和、すなわちRmaxで置き換えることが出来る。
【0057】
【発明の実施の形態】以下に本発明の磁気ディスク装置
用ランプの実施の形態を詳細に説明する。
【0058】まず、本発明の磁気ディスク装置用ランプ
の成形材料である導電性熱可塑性樹脂組成物の構成成分
について説明する。本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組
成物は、マトリックス樹脂としての熱可塑性樹脂と微細
炭素繊維とを必須成分とし、更に好ましくは潤滑成分を
含むものである。
【0059】<熱可塑性樹脂>本発明で使用する熱可塑
性樹脂は、例えばポリカーボネート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミ
ドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリフェニルスルホン、ポリ
スチレン、熱可塑性ポリウレタン、液晶性ポリエステ
ル、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂或い
はこれらの混合物が挙げられ、これらは、成形されるラ
ンプに要求される機械的強度、成形性等の特性から適宜
選択することができる。
【0060】これらの熱可塑性樹脂のなかでも、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、半芳香
族ポリアミド、液晶性ポリエステルなど、特にポリアセ
タール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂が摺動性
及び寸法精度のバランスに優れている点で望ましい。
【0061】とりわけ、ポリフェニレンサルファイド樹
脂は、摺動性、寸法精度に優れるだけでなく、耐熱性、
コストなどのバランスに優れているので望ましい。
【0062】ポリフェニレンサルファイドには、架橋タ
イプ、リニアタイプがあるが、リニアタイプでかつ30
0℃,20kg荷重での溶融粘度が500Pa・s以上
のものが、導電性と摺動性のバランスが良好となる点で
本発明に好適である。
【0063】<微細炭素繊維>本発明で使用される微細
炭素繊維は、繊維径が300nm以下、長さ/径比が1
0以上の炭素繊維であり、一般的には気相成長法により
製造される。例えば、特表平8−508534号公報に
記載されている炭素フィブリルを使用することができ
る。
【0064】炭素フィブリルは、当該フィブリルの円柱
状軸に実質的に同心的に沿って沈着されているグラファ
イト外層を有し、その繊維中心軸は直線状でなく、うね
うねと曲がりくねった管状の形態を有する。
【0065】微細な管状の形態を有する炭素フィブリル
の壁厚み(管状体の壁厚)は、通常3.5〜75nm程
度である。これは、通常、炭素フィブリルの外径の約
0.1〜0.4倍に相当する。
【0066】炭素フィブリルはその少なくとも一部分が
凝集体の形態である場合、樹脂組成物中に、面積ベース
で測定して約50μmより大きい径を有するフィブリル
凝集体、望ましくは10μmよりも大きい径を有するフ
ィブリル凝集体を含有していないことが、所望の導電性
を発現するための添加量が少なくてすみ、機械物性を低
下させない点で望ましい。
【0067】微細炭素繊維としては平均繊維径が300
nm以下、望ましくは100nm以下、さらに望ましく
は50nm以下である。微細炭素繊維の繊維径は製法に
依存するので分布があるが、ここで言う平均繊維径とは
顕微鏡観察して5点測定した平均値である。
【0068】微細炭素繊維の平均繊維径がこれより大き
いと、樹脂組成物中で繊維同士の接触が不十分となり、
導電性を発現させるために多量の添加が必要となり、そ
の結果、摺動性を損なう。更に、導電性ネットワークが
粗くなるため、帯電防止効果も劣るものとなる。また、
微細炭素繊維の平均繊維径が大きいと屈曲度が低下する
傾向がある。
【0069】一方、微細炭素繊維の平均繊維径は0.1
nm以上、特に0.5nm以上であることが望ましい。
平均繊維径がこれより小さい微細炭素繊維は、製造が著
しく困難であり、製品のコストアップを招く。
【0070】また、微細炭素繊維は、長さと径の比(長
さ/径比、即ちアスペクト比)が10以上のもの、好ま
しくは20以上、より好ましくは100以上、とりわけ
好ましくは1000以上のものを用いる。このような長
さ/径比のものであれば、導電性ネットワークを形成し
やすく、少量添加で優れた導電性を発現することができ
る。
【0071】なお、微細炭素繊維の繊維径、長さ(長さ
/径比)は、例えば、得られた成形品の樹脂成分を溶媒
やイオンスパッタリング等で除去して、微細炭素繊維を
露出させて電子顕微鏡で観察するか、或いは成形品より
切り出した超薄切片を電子顕微鏡観察することにより測
定することができ、このような電子顕微鏡の観察におい
て10本の実測値の平均値で得られる。
【0072】本発明で使用する微細炭素繊維は、ランプ
成形品の表面近傍(0.1〜10μm)において、その
屈曲度が10°以上、特に20°以上、とりわけ40°
以上のものであることが好ましい。屈曲度は樹脂へのア
ンカー効果及び微細炭素繊維同士の絡み易さの目安とな
る値であり、樹脂へのアンカー効果で摺動時の成形品か
らの脱落が防止されると共に、微細炭素繊維が絡み合い
ネットワークを形成することにより導電性ネットワーク
が形成されて良好な導電性が発現することができる。微
細炭素繊維の屈曲度がこれよりも小さいと成形品表面か
ら脱落し易くなり、摺動性が低下すると共に微細炭素繊
維同士の絡み合いが低減して導電性が低下する。
【0073】例えば、従来の炭素繊維(ピッチ系、PA
N系)は、繊維直径が7〜13μm程度の、剛直かつ直
線的な繊維であり、屈曲度は10°未満となる。かかる
直線的な繊維では、樹脂へのアンカー効果が得られず、
成形品表面からの脱落が大きくなり、その結果摺動性
(耐摩耗性)が低下すると共に、お互いの絡み合いが生
じることはなく、ネットワーク構造を形成することは難
しい。
【0074】本発明に好適な物性を有する炭素フィブリ
ルは、市販品を使用することができ、例えば、ハイペリ
オンカタリシスインターナショナル社の「BN」が使用
可能であるが、マスターバッチ等の成形条件、成形品の
製造条件、特に混練の条件によって屈曲度が変化するの
で、条件を経験的に得ることが重要となる。
【0075】本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組成物中
の微細炭素繊維の割合は、0.1〜20重量%、好まし
くは0.1〜10重量%である。微細炭素繊維の含有量
がこれより多いと得られる成形品の摺動性が低下し、少
ないと導電性が発現しない。
【0076】前述の如く、本発明のランプ成形品につい
ては、成形品の表面近傍(0.1〜10μm)の25μ
当たりの微細炭素繊維に囲まれた部分の個数が20
0以下で、かつ囲まれた部分の面積の標準偏差が10以
上であることが好ましい。
【0077】この微細炭素繊維ネットワークに囲まれた
部分の個数の範囲は、望ましくは180以下、20以上
であり、また面積の平均値と標準偏差の積は望ましくは
12以上、200以下である。これよりも個数が多い、
又は積が小さいと、導電性が著しく低下したり、微細炭
素繊維の多量添加が必要となり、摺動性を損なう。一
方、これよりも個数が少ない、又は積が大きいものは、
分散が不均一となりすぎるために、導電性が低下する。
【0078】ところで、ハードディスクのランプなどの
高密度デバイス用の帯電防止部品には、特に優れた静電
気特性が要求される。即ち、帯電特性に優れること(帯
電電荷を速やかに散逸すること)だけでなく、デバイス
自体が帯電した際に、帯電したデバイスとの接触時に生
じる接触電流が少ないことが要求される。
【0079】本発明では、特に、「微細炭素繊維ネット
ワークに囲まれた部分」の個数(N)が200以下、1
00以上、より望ましくは180以下、100以上、か
つ面積の平均値(x(μm))と標準偏差(σ(μm
))の積が10以上、25以下、より望ましくは12
以上、25以下であると、帯電防止性が良好となるだけ
でなく、電子デバイス等が接触した際に生じる接触電流
が少ない点で望ましい。
【0080】これは、以下の理由による。即ち、微細炭
素繊維ネットワークに囲まれた部分の個数が200より
多い、或いは面積と標準偏差の積が10未満であると、
微細炭素繊維のネットワークが均一に分散するため、微
細炭素繊維同士の接触が不十分となり、その結果、帯電
負荷の散逸が不十分となり、帯電が生じやすくなる。一
方、この個数が100未満、或いは面積と標準偏差の積
が25を超えると、ネットワークの粗密が大きくなり、
ネットワークが密の部分の導電性が局部的に高くなり、
その結果、接触電流を増大させる。
【0081】<潤滑成分>本発明の潤滑成分としては、
ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどのフッ素含有樹脂、黒鉛、二硫化モ
リブデン等の固体潤滑剤、ワックス、潤滑油(エステル
系、オレフィン系、シリコン系、鉱物油)などが挙げら
れる。潤滑成分としては非導電又は低導電性のものが望
ましく、中でも非導電性の高密度ポリエチレン、ポリテ
トラフルオロエチレンが、摺動性改良効果が大きい点で
好ましい。
【0082】潤滑成分はマトリックス樹脂の熱可塑性樹
脂中で島状に分散して分散相を形成していることが好ま
しく、この分散相の平均粒径は、微細炭素繊維の平均繊
維径の5倍以上で、かつ100μm以下であることが望
ましい。分散粒径がこの範囲を外れると摺動性が損なわ
れる。
【0083】本発明に係る導電性熱可塑性樹脂組成物中
の潤滑成分の含有量は好ましくは1〜30重量%であ
る。潤滑成分の含有量がこれより少ないと摺動性が低下
し、多いと機械的強度や成形性を損なう。
【0084】特に、潤滑成分の含有量(重量%)と微細
炭素繊維の含有量(重量%)との比(潤滑成分/微細炭
素繊維)が1以上であると、摺動性が特に向上するため
好ましい。
【0085】なお、熱可塑性樹脂中に分散する潤滑成分
の分散相の大きさや形状は、潤滑成分の粒子径、潤滑成
分の粘度、潤滑成分と熱可塑性樹脂との粘度比、相溶
性、製造時の混練条件等によって異なる。また、潤滑成
分の分散相は、成形加工の流動時において、流動方向に
引き延ばされて、繊維状又は層状に配向した分散相が形
成される場合もある。本発明における潤滑成分の分散相
の大きさは、分散相の短径(即ち、直径が最小となる点
で測定した値)が50μm以下であると、発明の効果が
顕著に奏され好ましい。潤滑成分の分散相の短径が50
μmより大きいと、本発明の効果が十分に得られず、導
電性が過度に増大(抵抗値が過度に低下)して導電性の
均一性が損なわれることとなる。
【0086】その理由を以下に説明する。分散相の短径
が大きい、即ち分散が粗いと、分散相の間の距離が大き
くなる。分散相と分散相の間隔、即ち潤滑成分が存在し
ない部分では、微細炭素繊維の緩和を阻害する効果や、
導電性ネットワークを分断する効果が無いので、導電性
の過度の増大を防止できない。そのため、本発明の効果
を得るためには、大量の潤滑成分の添加が必要となる
が、この場合には強度や摺動性が低下するだけでなく、
熱可塑性樹脂と潤滑成分の相が反転し、炭素微細繊維を
含有する熱可塑性樹脂が分散相(島)となり、導電性の
極端な低下を引き起こす。
【0087】従って、潤滑成分の分散相の短径は50μ
m以下であり、特に、潤滑成分の分散相間の平均距離
は、微細炭素繊維の平均直径の10倍以上10,000
倍以下であることが好ましい。
【0088】また、潤滑成分が、熱可塑性樹脂と分子状
に相溶し、完全に均一に分散すると、微細炭素繊維の配
向の緩和を阻害する効果及び導電性ネットワークを分断
する効果が小さくなり、本発明の効果は得られない。
【0089】本発明では特に、潤滑成分の分散相の短径
が、炭素微細繊維の平均繊維直径の2〜200倍、望ま
しくは2〜50倍であると、本発明の効果が大きい点で
望ましい。なお、潤滑成分の分散相の短径とは、顕微鏡
を用いて30点測定した値の平均である。
【0090】<添加成分>本発明においては、必要に応
じて、導電性熱可塑性樹脂組成物中に本発明の目的を損
なわない範囲で任意の添加成分を配合することができ
る。
【0091】例えば、ケッチェンブラック、ファーネス
ブラック、アセチレンブラックなど各種カーボンブラッ
ク、炭素繊維(PAN系、ピッチ系)、ガラス繊維、シ
リカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊
維、ほう酸アルミニウム繊維等の無機繊維状強化材、ア
ラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等の有機
繊維状強化材、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラ
スビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン等の無機充
填材、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、相溶化
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散
剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤
を挙げることができる。
【0092】<製造方法>本発明に係る導電性熱可塑性
樹脂組成物は、通常の熱可塑性樹脂の加工方法で製造す
ることができる。例えば熱可塑性樹脂、微細炭素繊維及
び潤滑成分と更に必要に応じて配合される添加成分の全
てを予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブ
ラベンダー、単軸混練押し出し機、二軸混練押し出し
機、ニーダーなどで溶融混練することによって製造する
ことができる。
【0093】この際、予め熱可塑性樹脂の一部に高濃度
の微細炭素繊維を添加したマスターバッチを製造し、そ
の後このマスターバッチを熱可塑性樹脂と潤滑成分で希
釈すると、潤滑成分の分散相中に微細炭素繊維が過度に
混入しないので、半導電性の範囲にコントロールし易く
なり、好ましい。また、熱可塑性樹脂の全量に微細炭素
繊維の全量を予め混合し、その後、潤滑成分を添加して
混合しても良い。
【0094】本発明の磁気ディスク装置用ランプは、こ
のようにして得られた導電性熱可塑性樹脂組成物を各種
の溶融成形法を用いて成形することにより製造すること
ができる。成形法としては、特に制限はないが、一般的
には射出成形法を採用することができる。
【0095】このような表面抵抗値及び内部接地抵抗値
の制御は、潤滑成分の粘度、熱可塑性樹脂と潤滑成分と
の粘度比、微細炭素繊維及び潤滑成分の配合割合や、成
形条件(樹脂温度、金型温度、成形圧力等)を適宜調節
し、微細炭素繊維の配向及びその緩和度合い、潤滑成分
の分散相による微細炭素繊維の導電性ネットワークの分
断及び微細炭素繊維の配向の緩和の阻害の程度を制御す
れば良い。
【0096】なお、一般に表面抵抗値とは、測定サンプ
ルの厚みや幅方向への電流の回り込みを考慮して、抵抗
値を形状要因で換算することにより(Ω/□)の単位で
得られるが、複雑な形状の成形品の場合、この換算が極
めて困難である。一方、実用においては、形状を含んだ
上での見かけの抵抗値が重要であり、必ずしも形状で換
算された単位(Ω/□)を用いる必要はない。従って、
本発明においては、上記表面抵抗値(Ω)で評価する。
また、内部接地抵抗値についても同様な理由から内部接
地抵抗値(Ω)で評価する。
【0097】また、本発明において、ランプのランプの
サスペンションとの摺接部の10点平均表面粗さ(R
z)は5μm以下であることが、ロード、アンロード時
のサスペンションの動作がスムーズになり、ランプの摩
耗やサスペンションの傷付きが少なくなる点で好まし
い。摺接部の10点平均表面粗さ(Rz)が5μm以下
となるようにするには、金型の表面粗さ(Rz)を5μ
m以下に加工し、金型の表面の転写性が良好となるよう
に、金型温度や成形温度を高く設定するなどの成形条件
を選ぶ。
【0098】本発明の磁気ディスク装置用ランプは、磁
気ディスク装置において、磁気ヘッドを支持するサスペ
ンションの回動を誘導するための部材であって、一般的
には図2に示すような形状のものが例示されるが、本発
明のランプは、何らこのような形状のものに限定される
ものではない。
【0099】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0100】なお、実施例及び比較例で用いた配合原料
は次の通りである。 (A)成分 PPS樹脂;大日本インキ(株)製ポリフェニレンサル
ファイド樹脂 商品名「トープレン LD10」(300℃,20kg
荷重での溶融粘度1000Pa・s,リニアタイプ) POM樹脂;三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 商品名「コピタールF2
5」 微細炭素繊維1;ハイペリオンカタリシスインターナシ
ョナル社製炭素フィブリル 微細炭素繊維2;昭和電工(株)製気相成長炭素繊維 カーボンブラック;電気化学工業(株)製アセチレンブ
ラック 商品名「デンカブラック」 炭素繊維;三菱化学産資(株)製炭素繊維 商品名「ダ
イヤリード K223GM」 PTFE;旭硝子(株)製ポリテトラフルオロエチレン
商品名「フルオンL169J」
【0101】実施例1〜5、比較例1〜3 表1に示す成分配合で各材料を混合し、2軸押出機(池
貝鉄鋼社製「PCM45」、L/D=32(L;スクリ
ュー長、D;スクリュー径))を用いて、実施例1のみ
バレル温度200℃、スクリュー回転数150rpmに
て、その他はバレル温度300℃、スクリュー回転数2
00rpmにて溶融混練して、導電性熱可塑性樹脂組成
物のペレットを得た。
【0102】なお、微細炭素繊維1は、予めPPS樹脂
に15重量%添加したマスターバッチを製造し、これを
残る成分で希釈して所定の配合量とした。
【0103】得られた導電性熱可塑性樹脂組成物を用い
て、75ton射出成型機にて、表1に示すシリンダ温
度及び金型温度で射出速度15〜17cc/secに
て、図2及び図10(a)に示す形状の評価用のランプ
17(図10(a)の20)を成形した。なお、図2に
おいて、Gはゲート位置を示す。
【0104】得られた評価用ランプ(以下、「成形品サ
ンプル」と称す場合がある。)について、下記の評価を
行い、結果を表1に示した。
【0105】[1] 繊維径及び長さ/径比 実施例1では、成形品サンプルを450℃に加熱して樹
脂を燃焼除去して、残った微細炭素繊維を走査型電子顕
微鏡にて観察して、繊維径(5点の平均値)及び長さ/
径比(10点の平均値)を測定した。実施例2〜5では
成形品サンプル(図10(a)の20)のサスペンショ
ン摺接部(図10(a)の20A)の表面から0.1〜
10μmの範囲で、長手方向に沿って、表面に対して垂
直に超薄切片を切り出した。この超薄切片について透過
型電子顕微鏡にて観察して測定した。なお、同一条件で
切り出した切片をエポキシ樹脂に包埋した後、断面を切
り出して切片の厚みを測定した結果、85nmであっ
た。なお、超薄切片を作製する際に、繊維の一部が切断
される為に、多少短い繊維となっていると思われる。ま
た、比較例3では、成形品サンプルより切り出した微少
切片をホットプレート上で押しつぶし、透過型光学顕微
鏡で観察して測定した。
【0106】[2] 屈曲度 実施例1では、[1]と同様にして得た繊維を用い、また
実施例2〜5では[1]で得られた超薄切片を用いて、透
過型電子顕微鏡で観察し、前述の如く微細炭素繊維上の
繊維径の5倍離れた2点の接線の角度を測定して屈曲度
を測定した。比較例3は成形品破断面を、光学顕微鏡観
察にて炭素繊維の屈曲度を測定した。屈曲度は10点の
平均値とした。
【0107】[3] 微細炭素繊維により囲まれた部分の
個数及び面積の平均値と標準偏差の積 [1]で得た実施例2〜5の成形品サンプルの超薄切片を
透過型顕微鏡で40000倍にて撮影した微細炭素繊維
の分散画像について、以下の解析を行った。解析には、
アビオニクス社製画像解析装置(タイプ;スピカ2)を
使用した。
【0108】先ず5μm×5μmの範囲の画像を、CC
Dカメラを用いて積分入力(16回)にてコンピュータ
に取り込み、9.77nm×9.77nm(512×5
12)の画素でデジタル画像とした(以下、前記の定義
の通りの手順に従って微細炭素繊維が存在している画素
がオン、存在していない画素がオフとする)。微細炭素
繊維ネットワークにより囲まれた部分の個数、及びこの
囲まれた部分の面積の平均値と標準偏差の積を算出し
た。
【0109】[4] 分散相の短径 成形品サンプルについて、PTFEの分散相の短径を測
定した。なお、微細炭素繊維を含有する射出成形品は、
その表面近傍において最も剪断力が大きく、冷却速度が
速く、その結果導電性が低くなる。従って、成形品の表
面抵抗値や実用的な帯電特性は、表面近傍の分散状態に
支配される。そこで、この分散相の短径の測定では、表
面から50μmの深さの範囲で分散相を観察した。
【0110】また、分散相形状は、樹脂の流動方向に沿
ってわずかに引き延ばされていることが確認され、その
ため流動方向が最も大きく、また深さ方向が最も小さい
直径となることが確認された。従って、分散相の直径を
深さ方向に測定した値を短径とした。
【0111】以上より、成形品サンプルから樹脂の流動
方向に沿った断面の薄切片を切り出し、これを染色処理
した後に、透過型電子顕微鏡にて分散相を観察し、分散
相の30個をランダムに選び、それぞれ短径を測定し、
その平均値を算出したところ、4〜22μmの範囲であ
ることを確認した。
【0112】なお、この顕微鏡観察において、PTFE
の分散相中に微細炭素繊維が殆ど存在しないことを確認
した。
【0113】[5] 表面粗さ 成形品サンプルについて、下記表面粗さ計を用い、下記
条件にてサスペンション摺接部の任意の3点を測定して
10点平均表面粗さ(Rz)の平均値を算出した。 東京精密社製 表面粗さ計「サーフコム480A」 カットオフ波長:2.5mm 測定長:5mm 測定スピード:0.3mm/sec
【0114】[6] 表面抵抗値及び内部接地抵抗値 図10(a)に示す評価用ランプ(成形品サンプル)2
0のサスペンション摺接部20Aに、図10(b)に示
す如く、5mmの間隔を開けて銀ペースト21を塗布し
て電極とし、電極間の抵抗値を測定した。1サンプル当
たり上部摺接部20A、及び下部摺接部20Bをそれぞ
れ測定して、3サンプル(計6点)の平均値を算出し、
摺接部の表面抵抗値とした。なお、図10において、2
0Cはランプ固定部のネジ孔であり、20Dはランプ固
定部(ランプボデー)である。
【0115】次に、評価用ランプ(成形品サンプル)2
0を液体窒素に浸漬した後、サスペンション摺接部20
A,Bを横切る任意の箇所で破断し(図10(a)の点
線Lの位置)、図10(c)のサスペンション摺接部の
切断面20a、及びランプ固定部20Dの底面20dに
銀ペーストを塗布して、抵抗値を測定した。5サンプル
を測定して平均値を算出し、内部接地抵抗値とした。な
お、成形品サンプルの破断は、液体窒素への浸漬前に、
破断箇所に予めキズを付けておくことにより行った。
【0116】抵抗値の測定は、アドバンテスト社製「R
8340」を使用し、以下の印加電圧で測定した。 抵抗値1010Ω以上 :250V 抵抗値10Ω以上1010未満:100V 抵抗値10Ω未満 : 10V
【0117】[7] 帯電量及びノイズ電流値 下記の機器を用いて測定した。 チャージプレートモニター;ヒューグエレクトロニクス
社製 表面電位計;モンローエレクトロニクス社製 244A オシロスコープ;レクロイ社製 LC584A 電流プローブ;テクトロニクス社製 CT1
【0118】i−1.帯電量は次の通り測定した。 (1) チャージプレートモニター上に、成形品サンプル
をねじで固定したアルミニウム板を置いた。 (2) 成形品サンプル及びアルミニウム板が帯電ゼロ
で、かつ接地から絶縁された状態で、成形品サンプルの
上方よりコロナチャージによって、プレートモニターが
1000Vになるまで、帯電させた。 (3) 成形品サンプルを載せているアルミニウム板を接
地して、接地後3秒後の表面電位を測定した。 (4) 上記測定を3回繰り返して測定値を平均した。
【0119】i−2.ノイズ電流値は次の通り測定し
た。 (1) チャージプレートモニター上に、成形品サンプル
をねじで固定したアルミニウム板を置いた。 (2) チャージプレートモニターを使用して、成形品サ
ンプル及びアルミニウム板に1000Vを3秒間充電さ
せた後、接地から切り離して絶縁した。 (3) 3秒後に接地プローブを成形品サンプルに接触さ
せて、プローブを流れる接触電流を測定した。この場
合、接触電流はナノ秒オーダーの交流電流が流れ、次第
に減衰するので、最も高い電流値をノイズ電流値とし
た。 (4) 上記測定を3回繰り返し、測定値を平均した。
【0120】[8] サスペンション付着物及び傷付き 成形品サンプルをハードディスクに組み込んで、サスペ
ンションのロード、アンロードを2000回(2000
往復)繰り返した。その後、ランプ及びサスペンション
摺接部に付着した摩耗粉及びサスペンションの傷付きを
顕微鏡にて観察し、下記評価基準で評価した。 [サスペンション付着物] ○ … 摩耗粉が全く観察されない。 △ … ランプの摺動面付近及びサスペンションに僅か
な摩耗粉が付着している。 × … 周囲に多量の摩耗粉が散乱している。 [サスペンション傷付き] ○ … サスペンションに傷は全く観察されない。 △ … 僅かな傷付きがある。 × … 相当量の傷付きがある。
【0121】
【表1】
【0122】表1より、本発明の磁気ディスク装置用ラ
ンプは、静電特性、摺動性に優れることがわかる。
【0123】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、磁
気ヘッドや磁気ディスクの静電気破壊の問題を引き起こ
すことのない良好な表面抵抗値を有し、しかも、サスペ
ンションとの摺動性にも優れた磁気ディスク装置用ラン
プが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な磁気ディスク装置の内部を示す平面図
である。
【図2】一般的なランプを示す図であって、(a)図は
正面図、(b)図は平面図、(c)図は斜視図である。
【図3】本発明に係る微細炭素繊維の屈曲度の測定方法
の説明図である。
【図4】微細炭素繊維撮像のトレース図である。
【図5】微細炭素繊維に囲まれた部分の個数及び面積を
求めるための画像処理方法を示す模式図である。
【図6】微細炭素繊維に囲まれた部分の個数及び面積を
求めるための画像処理方法を示す模式図である。
【図7】微細炭素繊維に囲まれた部分の個数及び面積を
求めるための画像処理方法を示す模式図である。
【図8】微細炭素繊維ネットワークの状態と本発明に係
るパラメータとの関係を示す説明図である。
【図9】微細炭素繊維による導電性ネットワークを説明
する模式図である。
【図10】表面抵抗値及び内部接地抵抗値の測定方法を
説明する図であり、(a)図は評価用ランプの斜視図、
(b)図は摺接部の表面抵抗値の測定部を示す平面図、
(c)図は摺接部の内部接地抵抗値の測定部を示す側面
図である。
【符号の説明】 1 マトリックス樹脂 2 微細炭素繊維 3 摩擦リング 4 サンプル 11 磁気ディスク装置 12 ハウジング 13 磁気ディスク 14 磁気ヘッド 15 サスペンションアーム 17 ランプ 20 評価用ランプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性熱可塑性樹脂組成物を成形してな
    る磁気ディスク装置用ランプであって、 該導電性熱可塑性樹脂組成物が、平均繊維径が300n
    m以下で、長さ/径比が10以上の微細炭素繊維を0.
    1〜20重量%含有することを特徴とする磁気ディスク
    装置用ランプ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、サスペンションとの
    摺接部の表面抵抗値が、1×10Ω以上、1×10
    11Ω未満で、 サスペンションとの摺接部の内部接地抵抗値が1×10
    Ω以下であり、かつサスペンションとの摺接部の表面
    抵抗値の1/2以下であることを特徴とする磁気ディス
    ク装置用ランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該ランプ成形
    品の表面近傍(0.1〜10μm)において、前記微細
    炭素繊維の屈曲度が10°以上であることを特徴とする
    磁気ディスク装置用ランプ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該ランプ成形品の表面近傍(0.1〜10μm)の
    25μm当たりの微細炭素繊維ネットワークに囲まれ
    た部分の個数が200以下で、かつ囲まれた部分の面積
    の平均値(x(μm))と標準偏差(σ(μm))
    の積(x・σ)が10(μm以上であることを特
    徴とする磁気ディスク装置用ランプ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該熱可塑性樹脂が、ポリアセタール樹脂又はポリフ
    ェニレンサルファイド樹脂であることを特徴とする磁気
    ディスク装置用ランプ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、該導電性熱可塑性樹脂組成物が、非導電性の潤滑成
    分を1〜30重量%含有することを特徴とする磁気ディ
    スク装置用ランプ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
    て、サスペンションとの摺接部の10点平均表面粗さ
    (Rz)が、5μm以下であることを特徴とする磁気デ
    ィスク装置用ランプ。
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JP2007084604A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリオキシメチレン樹脂製ハードディスクランプ
JP2007099887A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Kyooka:Kk ヘッドスタックアッセンブリ保護治具と、そのための樹脂組成物
JP2012140482A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Hodogaya Chem Co Ltd ポリアセタール樹脂/カーボンナノチューブ導電性樹脂複合材料
US9196312B2 (en) 2008-12-03 2015-11-24 HGST Netherlands B.V. Disk drive with air-flow control component

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