JP2003346082A - 磁気インク文字認識装置 - Google Patents

磁気インク文字認識装置

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JP2003346082A
JP2003346082A JP2002154864A JP2002154864A JP2003346082A JP 2003346082 A JP2003346082 A JP 2003346082A JP 2002154864 A JP2002154864 A JP 2002154864A JP 2002154864 A JP2002154864 A JP 2002154864A JP 2003346082 A JP2003346082 A JP 2003346082A
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peak
waveform
ink character
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Haruhiko Okumura
晴彦 奥村
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Canon Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 媒体上の磁気インク文字を磁気ヘッドにより
読み取り、その読み取り信号の波形のピーク位置の検出
結果に基づいて磁気インク文字を認識する磁気インク文
字認識装置において、簡単、安価な構成で文字認識率を
向上する。 【解決手段】 磁気インク文字の読み取り信号波形1の
ピーク付近の領域が飽和レベル2を超えて飽和し、その
飽和領域で本来の波形が失われて本来のピーク位置が不
明になった場合、飽和領域の直前の部分の波形の傾き量
a(-1)=dy(-1)/dx(-),a(0)=dy(0)/dx(0)を求めて、その
傾き量の変化a(0)-a(-1)を求め、更に、求めた傾き量の
変化が飽和領域でそのまま連続すると仮定した場合に飽
和領域内で波形の傾き量が0になる位置を算出し、この
位置をピーク位置と決定する。そして、決定したピーク
位置に基づいて磁気インク文字を認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒体上に印刷され
た磁気インク文字を磁気ヘッドにより読み取って認識す
る磁気インク文字認識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】媒体上に印刷された例えばJIS規格で
E13Bなどの所定フォントの磁気インク文字を磁気ヘ
ッドにより読み取って認識する磁気インク文字認識装置
が知られている。具体的には、例えば、媒体上に印刷さ
れた磁気インク文字を磁気ヘッドにより走査して磁気イ
ンク文字による磁気変化量を読み取り、その読み取り信
号の波形のピーク位置を検出し、その検出結果に基づい
て磁気インク文字を認識する方式の装置が知られてい
る。
【0003】しかし、このような方式の磁気インク文字
認識装置では、媒体によって磁気インク文字の保持力が
異なるため、磁気ヘッドからの読み取り信号のレベルが
変動し、読み取り信号の波形のピーク付近の領域が飽和
してしまう場合がある。この場合、ピーク付近の領域で
本来の波形が失なわれ、本来のピーク位置が不明になる
ため、誤認識ないし認識不能の確立が高くなり、文字認
識率が落ちるという問題があった。
【0004】そこで、この方式の磁気インク文字認識装
置の文字認識率を上げるために、多くの提案がなされて
いる。たとえば、特公平04-021913号に記載された磁気
インク文字認識装置の構成では、磁気ヘッドからの読み
取り信号の出力を増幅率の異なる複数の増幅器でそれぞ
れ増幅し、複数のAD変換器でAD変換して記憶し、増
幅率の大きい方から用いて文字認識を行ない、認識が不
能となる毎に、増幅率の小さい方を用いて文字認識を行
うようにしている。
【0005】また、特公平03-047552号では、図3に示
すように、読み取り信号波形1のピーク付近の部分が飽
和レベル2を超えて飽和した場合、その飽和領域の幅を
2等分する中間点3の位置をピーク位置として設定(推
定)し、文字認識を行なうようにしている。
【0006】また、特公昭60-009315号では、読み取り
信号を増幅器で増幅した出力のパターン波形を所定の判
定基準電圧と比較してパターン波形の特徴を抽出して文
字認識を行う方式であって、パターン波形のピークと所
定のピーク基準電圧を比較する回路と、この比較回路の
出力に応じて安定状態を変化する双安定回路を設け、こ
の双安定回路の安定状態により増幅器の増幅率、または
判定基準電圧を変化させ、文字認識を行なうようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
04-021913号の構成では、それぞれ複数の増幅器とAD
変換器を設ける必要があり、コストアップとなる。
【0008】また、例えばE13Bの磁気インク文字で
は、その読み取り信号の波形が左右対称とは限らない。
このため、特公平03-047552号の構成では、読み取り信
号の波形が左右対称でない場合で飽和した場合に、図3
のように飽和領域を2等分する中間点3の位置をピーク
位置として設定してしまうと、それが本来のピーク位置
からずれてしまい、文字認識を誤る可能性がある。
【0009】また、特公昭60-009315号の構成では、比
較回路、双安定回路、判定基準電圧回路、増幅率切替回
路を設ける必要があり、コストアップとなる。
【0010】そこで本発明の課題は、媒体上に印刷され
た磁気インク文字を磁気ヘッドにより走査して磁気イン
ク文字による磁気変化量を読み取り、その読み取り信号
の波形のピーク位置を検出し、その検出結果に基づいて
磁気インク文字を認識する磁気インク文字認識装置にお
いて、簡単、安価な構成で磁気インク文字の文字認識率
を向上できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によれば、媒体上に印刷された磁気インク文
字を磁気ヘッドにより走査して磁気インク文字による磁
気変化量を読み取り、その読み取り信号の波形のピーク
位置を検出し、その検出結果に基づいて磁気インク文字
を認識する磁気インク文字認識装置において、前記読み
取り信号の波形のピーク付近の領域で、飽和、外来ノイ
ズの影響、あるいは量子化誤差の影響などにより、本来
の波形が失われて本来のピーク位置が不明になった場
合、前記領域の直前と直後の一方または両方の部分の波
形の傾きに基づいてピーク位置を決定するピーク位置決
定手段を有する構成を採用した。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明による
磁気インク文字認識装置の実施の形態を説明する。
【0013】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態を図1及び図2により説明する。まず、図1により本
実施形態の磁気インク文字認識装置のハードウェアの構
成を説明する。なお、後述する他の実施形態においても
装置のハードウェアの構成は図1に示す第1の実施形態
の構成と共通とし、他の実施形態における説明は省略す
る。
【0014】図1において、20は不図示のカードや書
類などの媒体上に印刷されたE13Bなどの磁気インク
文字を読み取る磁気ヘッドである。21は増幅回路やフ
ィルタ回路等で構成されるアナログ回路部である。22
はデジタル回路部であり、AD変換器23、バスインタ
ーフェース24、CPU25、ROM26、RAM2
7、モータコントローラ28、及びこれらの間を接続す
るバスB1〜B5からなる。CPU25はROM26に
格納された制御プログラムに従って装置全体を制御し、
RAM27をワークエリアとして使用して磁気インク文
字の文字認識に関わる各種の情報処理、演算処理を行な
う。
【0015】また、29は媒体搬送部であり、磁気イン
ク文字を印刷した不図示の媒体を磁気ヘッド20に対し
て摺動走行するように搬送する。媒体搬送部は、駆動源
のモータ30、これを駆動するモータ駆動回路31、及
びモータ30により駆動される不図示の搬送ローラなど
からなる媒体搬送機構からなる。CPU25は、モータ
コントローラ28に対してモータ30の駆動に関わる制
御コマンド、制御データを出力し、モータコントローラ
28を介してモータ駆動回路31によるモータ30の駆
動を制御する。
【0016】次に、上記構成からなる磁気インク文字認
識装置による磁気インク文字の読み取り及び認識動作に
ついて説明する。
【0017】磁気インク文字の読み取り及び認識時に
は、まず不図示の媒体が装置に挿入され不図示のセンサ
により検出されると、媒体搬送部29のモータ30が駆
動され、媒体が磁気ヘッド20に対して一方向に一定速
度で摺動走行するように搬送される。前記の一方向は、
例えば、媒体上に印刷された磁気インク文字に対して右
方向となる方向である。この搬送により、磁気ヘッド2
0によって媒体上の磁気インク文字が左方向に一定速度
で走査され、磁気ヘッドから磁気インク文字による磁気
変化量に対応した読み取り信号が出力される。
【0018】その読み取り信号は、アナログ回路部21
の増幅回路により増幅され、フィルタ回路でノイズを除
去された後、デジタル回路部22のAD変換器23に入
力される。AD変換器23は、所定のサンプリング間隔
(周期)で、外部から印加される基準電圧Vrefに基づい
て読み取り信号をAD変換する。AD変換された読み取
り信号のデータはバスインターフェース24を介してC
PU25に入力され、CPU25によりRAM27に格
納される。
【0019】ここで磁気インク文字がE13Bで読み取
りが飽和やノイズ混入などの悪条件なしに正常に良好に
行なわれた場合、各磁気インク文字の読み取り信号の波
形は後述する図6及び図7に示すような理想波形に近い
ものとなり、各文字毎にピークの位置及びピークレベル
が異なるものとなる。このような読み取り信号のデータ
がRAM27に格納される。
【0020】このようにして磁気インク文字の読み取り
が終了したら、CPU25は、RAM27に格納された
磁気インク文字の読み取り信号のデータからその読み取
り信号の波形のピークの位置を検出し、検出結果のピー
ク位置とピークレベルに基づいて、読み取った磁気イン
ク文字を認識する。
【0021】ここで、読み取り信号の波形のピーク付近
の部分が飽和していない場合のピーク位置の検出方法、
及びその検出結果に基づく磁気インク文字の認識方法
は、例えば特公平03-047552号や特公平04-021913号など
に記載された周知技術の方法によるものとし、説明は省
略する。
【0022】本実施形態では、読み取り信号の波形がピ
ーク付近の領域で飽和し、その飽和領域で本来の波形が
失われて本来のピーク位置が不明になった場合のピーク
位置の決定方法が従来と異なる。以下、その決定方法の
詳細を図2により説明する。
【0023】図2(a)において、1は磁気ヘッドから
得られた例えばE13Bの磁気インク文字の読み取り信
号の波形(以下、読み取り信号波形という)の一部であ
って1つの山形の波形であり、ここでは磁気インク文字
の特徴から左右対象ではない波形となっている。また、
2は読み取り信号波形1が飽和する飽和レベルである。
ここでは、読み取り信号波形1のピーク付近の本来の波
形が分かるように、その本来の波形を実線で示してある
が、実際の読み取り信号波形では飽和レベル2から上の
部分は飽和して平坦にカットされることは勿論である
(これは後述する図3〜図5でも同様である)。
【0024】したがって、読み取り信号波形1のピーク
付近で飽和した飽和領域では、飽和レベルのデータしか
得られず、このままでは本来のピーク位置は不明であ
る。このため、本実施形態では、図2(a)のように読
み取り信号波形1がピーク付近の領域で飽和した場合、
その読み取り信号波形1において飽和領域、すなわち飽
和レベル2で平坦にカットされる領域の直前の部分(時
間的に直前という意味であって図中で飽和領域の左側に
連続する部分)の波形の傾きに基づいて読み取り信号波
形1のピーク位置を決定(推定)する。
【0025】具体的には、読み取り信号波形1において
飽和領域の直前の連続する複数、例えば3つのサンプリ
ング点間のそれぞれにおける波形の傾き量a(-1),a(0)を
求め、さらに、その傾き量の変化を求め、その傾き量の
変化が飽和領域においてもそのまま連続すると仮定した
場合に、飽和領域内で傾き量が符号a(n)で示すように0
になる位置を求め、その位置をピーク位置と決定する。
【0026】この詳細を図2(b)により説明する。図
2(b)は図2(a)中で読み取り信号波形1が飽和す
る境界付近の拡大図である。横軸は時間軸であり、SP(-
2),SP(-1),SP(0)は読み取り信号波形1が飽和する直前
の3つの連続するサンプリング点を示している(但しSP
(0)で飽和)。サンプリング間隔は等間隔で、SP(-2)か
らSP(-1)間においてdx(-1)、SP(-1)からSP(0)間におい
てdx(0)である。また、読み取り信号の出力の変化量はS
P(-2)からSP(-1)間においてdy(-1)、SP(-1)からSP(0)間
においてdy(0)である。
【0027】以上において、SP(-2),SP(-1)間の波形の
傾き量a(-1)と、SP(-1),SP(0)間の波形の傾き量a(0)
は、 a(-1)=dy(-1)/dx(-1) a(0)=dy(0)/dx(0) である。ここでピーク位置を求めるために、読み取り信
号波形1が飽和レベル2に至る直前の3つの連続するサ
ンプリング点SP(-2)、SP(-1)、SP(0)間における傾き量
の変化(減少量)を求める。SP(-2)からSP(-1) 間にお
ける傾き量はa(-1)、SP(-1)からSP(0) 間の傾き量はa
(0)であるから、傾き量の変化b(0)は、 b(0)=a(0)-a(-1) である。この傾き量の変化b(0)が飽和領域においてその
まま連続するものと仮定して、傾き量が0となる位置を
ピーク位置として決定する。ここで、SP(-1),SP(0)間の
傾き量a(0)から傾き量がb(0)ずつ変化(減少)して0に
なるために必要なサンプリングパルス数nは、 n = a(0)/b(0) である。従って、サンプリング間隔は等間隔であるた
め、求めるピーク位置SP(peak) は、 SP(peak) = SP(0) + n * dx(0) で得ることができる。
【0028】以上のようなピーク位置決定方法の演算を
CPU25が読み取り信号のデータに基づいて行なうこ
とにより読み取り信号波形1のピーク位置を算出して決
定し、その決定結果に基づいて磁気インク文字の認識を
行なう。
【0029】以上のような本実施形態によれば、読み取
り信号波形1のピーク付近の領域が飽和してその領域で
本来の波形が失われ、本来のピーク位置が不明になった
場合に、飽和領域の直前の部分の波形の傾きに基づいて
ピーク位置を決定するので、ピーク付近の領域が飽和し
た読み取り信号波形1の本来の波形が左右対称でない場
合に、図3で説明した特公平03-047552号の方法よりも
正確にピーク位置を決定することができ、それにより文
字認識率を向上できる。また、本実施形態のピーク位置
決定方法はソフトウェアにより実現され、装置のハード
ウェアの構成は複雑にならず、装置を簡単、安価に構成
することができる。
【0030】なお以上では、傾き量の変化bを得る方法
として、飽和領域直前の3つのサンプリング点間の2つ
の傾き量の変化として求めたが、4つ以上のサンプリン
グ点間の3つ以上の傾き量の変化から求めてもよい。
【0031】また、以上では、読み取り信号波形の飽和
領域の直前(左側)の部分の波形の傾きに基づいてピー
ク位置を決定するものとしたが、飽和領域の直後(右
側)の部分の波形の傾きに基づいて決定してもよく、直
前と直後の両方の部分の波形の傾きに基づいて決定して
もよい。
【0032】なお、上述した本実施形態のピーク位置決
定方法は、読み取り信号波形のピーク付近の領域が飽和
した場合に限らず、飽和していないが、外来ノイズや量
子化誤差などの影響により、読み取り信号の波形のピー
ク付近の領域で本来の波形が失われ、本来のピーク位置
が不明になった場合にも応用することができる。すなわ
ち、読み取り信号の波形において、外来ノイズや量子化
誤差などの影響により本来の波形が失われたピーク付近
の領域の直前の部分、直後の部分、あるいは直前と直後
の両方の部分の波形の傾きに基づいて上記実施形態と同
様にしてピーク位置を決定することができる。
【0033】[第2の実施形態]次に、本発明の第2の
実施形態として、磁気インク文字の読み取り信号波形の
ピーク付近の領域が飽和し、その領域で本来の波形が失
われ、本来のピーク位置が不明になった場合にピーク位
置を決定する他の方法について図3〜図5により説明す
る。
【0034】図3は、先述した特公平03-047552号に開
示されている方法を用いてピーク位置を求めた場合を示
している。先述のように、磁気インク文字の特徴から読
み取り信号波形1が左右対称とは限らないので、図示の
ように左右対称でない場合に、飽和領域を2等分する中
間点3をピーク位置と決定すると、本来のピーク位置か
らずれてしまう。
【0035】図4は、読み取り信号波形1において飽和
領域の直前の部分の傾きの延長線(波形の接線)と、飽
和領域の直後の部分の傾きの延長線との交点4の位置を
求めた場合を示している。読み取り信号波形1が図示の
ように左右対称ではない場合、交点4の位置はピーク位
置より上記2本の延長線の内で傾きが急な側(図4では
左側)にずれる。すなわち、ピーク位置が交点4の位置
より上記の傾きが急な側に存在することはない。
【0036】これに対して図5は、本実施形態のピーク
位置決定方法を示すものである。本実施形態では、前述
した飽和領域を2等分する中間点3と、交点4の位置の
間の位置(例えば交点4の位置と中間点3の間の幅を2
等分する中間点の位置)にピーク位置5を決定すること
を特徴とする。本方式によれば、飽和領域の幅を2等分
する中間点3をピーク位置と決定する方法に比べ、より
精度良くピーク位置を得ることができる。
【0037】以下、図5を用いてピーク位置の求め方の
詳細を説明する。
【0038】まず、読み取り信号波形1の飽和領域の直
前の部分の傾き量を△ABCで示す直角三角形の斜辺の傾
き量として求める。その傾き量a(0) は、第1の実施形
態と同様にして、サンプリング点SP(-1),SP(0)間の傾き
量として求められ、 a(0) = dy(0)/dx(0) である。なお線Pは、飽和領域の直前部分の波形の傾き
量a(0)の傾きを延長した延長線である。
【0039】また、読み取り信号波形1の飽和領域の直
後の部分の傾き量を△FGHで示す直角三角形の斜辺の傾
き量として求める。その傾き量a(m)は、第1の実施形態
と同様にして、サンプリング点SP(m),SP(m+1)間の傾き
量として求められ、 a(m) = dy(m)/dx(m) である。なお、線Qは、飽和領域の直後の部分の波形の
傾き量a(m)の傾きを延長した延長線である。延長線P,Q
の交点(先述の4)をEとして、交点Eから下した垂線と
飽和レベル2の線との交点をDとする。
【0040】ここで、△ABCと△CDEは相似、△HGFと△F
DEも相似であり、辺ABとGHがサンプリング間隔で等し
く、△CDEと△FDEは辺EDが共通で等しいので、 AB:CD=BC:DE GH:DF=GF:DE AB:GH=1:1 である。以上から BC:GF=DF:CD を得る。よってCDは、 CD=CF*GF/(BC+GF) である。従って、交点E,Dの位置に相当するサンプリン
グポイントをSP(cross)とすると SP(cross) = SP(0) + (SP(m)-SP(0))*dy(m)/(dy(0)+d
y(m)) である。また、飽和領域の幅を2等分する中間点3の位
置に相当するサンプリングポイントSP(center)は SP(center) = SP(0) + (SP(m)-SP(0))/2 である。ピーク位置を、このように求めたSP(cross)とS
P(center)間に決定すれば、図3のようにピーク位置を
飽和領域の中間点3の位置に決定する場合に比べ、ピー
ク位置の精度が向上する。なお、ピーク位置は、例えば
SP(cross)とSP(center)の間の幅を2等分する中間点J
の位置5に決定すればよい。図5の読み取り信号波形1
の場合は中間点Jの位置5は本来のピーク位置と一致し
ている。
【0041】以上のようなピーク位置決定方法の演算を
CPU25が読み取り信号のデータに基づいて行なうこ
とにより読み取り信号波形1のピーク位置を算出して決
定し、その決定結果に基づいて磁気インク文字の認識を
行なう。
【0042】以上のような本実施形態によれば、読み取
り信号波形1のピーク付近の領域が飽和してその領域で
本来の波形が失われ、本来のピーク位置が不明になった
場合で、ピーク付近の領域が飽和した読み取り信号波形
1の本来の波形が左右対称でない場合に、第1の実施形
態と同様に、図3で説明した従来の方法よりも正確にピ
ーク位置を決定することができ、それにより文字認識率
を向上できる。また、同様に本実施形態のピーク位置決
定方法もソフトウェアにより実現され、装置のハードウ
ェアの構成は複雑にならず、装置を簡単、安価に構成す
ることができる。
【0043】なお、上述した本実施形態のピーク位置決
定方法によれば、最終的にピーク位置5は、サンプリン
グ点SP(0)に辺CJの長さを加えた位置であり、辺CJの長
さは、読み取り信号波形1の飽和領域の幅、すなわち辺
CFの長さであってSP(m)-SP(0)と、飽和領域の直前と直
後の部分のそれぞれの傾き量a(0)=dy(0)/dx(0)及びa(m)
=dy(m)/dx(m)から演算により求められる。したがって、
予め傾き量a(0),a(m)と飽和領域の幅の値を種々にとっ
て辺CJの長さを算出して、種々の傾き量a(0),a(m)と飽
和領域の幅とそれから算出された辺CJの長さのデータを
関連付けたデータテーブルを作成し、ROM26に格納
しておけば、辺CJの長さはデータテーブルにおいて傾き
量a(0),a(m)と飽和領域の幅のデータから検索して得る
ことができ、ピーク位置決定の処理をより簡単に行うこ
とができる。
【0044】また本実施形態のピーク位置決定方法も、
第1の実施形態の方法と同様に、読み取り信号波形のピ
ーク付近の領域が飽和した場合に限らず、飽和していな
いが、外来ノイズや量子化誤差の影響により、読み取り
信号の波形のピーク付近の領域で本来の波形が失われ、
本来のピーク位置が不明になった場合にも応用すること
ができる。
【0045】[第3の実施形態]次に、本発明の第3の
実施形態を図6〜図8により説明する。本実施形態で
は、磁気インク文字E13Bを認識対象としており、図
6及び図7は、ANSI(米国規格協会)規格X9.27 1988か
ら抜粋した磁気インク文字E13Bの「1」〜「9」及
び「0」と、4つの特殊文字であるトランジット記号
(TRANSIT SYMBOL)、アマウント記号(Amount SYMBO
L)、オン-アス記号(ON-US SYMBOL)及びダッシュ記号
(DASH SYMBOL)のそれぞれの読み取り信号の理想波形の
相対出力レベルを示すグラフ図である。各グラフの縦軸
が相対出力レベル、横軸が時間軸であり、横軸の1枡が
媒体の搬送速度により媒体を0.013インチ(0.33mm)搬送
するのに要する時間である。また、読み取り信号波形の
各ピークのピーク番号(PEAK NO.)が左から右への時間
軸に沿った順に示されており、各文字で最高ピークの相
対出力レベルの数値が示されている。
【0046】これを見て分るように、磁気インク文字
「6」と磁気インク文字「9」の読み取り信号波形は、
他の磁気インク文字と比べて著しく出力の大きなピーク
(前者はピーク番号6でマイナス側、後者はピーク番号
1でプラス側。以下、両者を大ピークという)を有す
る。
【0047】従来の磁気インク文字E13Bを認識対象
とする磁気インク文字認識装置では、「6」と「9」を
含めて全ての磁気インク文字の読み取り信号が飽和しな
いようにするために、「6」と「9」の読み取り信号の
大ピークも飽和しないように、アナログ回路部で読み取
り信号を増幅する増幅回路の増幅率が読み取り信号の飽
和レベルとの関連で設定されていた。しかし、そうする
と、他の磁気インク文字の読み取り信号の出力が相対的
に低く抑えられることになり、読み取り信号のS/N比
が悪くなり、文字認識率の低下につながってしまう。
【0048】そこで、本実施形態では、アナログ回路部
21の増幅回路により増幅された磁気インク文字「6」
と「9」の読み取り信号の大ピークが飽和し、他の磁気
インク文字の読み取り信号のピークが飽和しないように
読み取り信号の飽和レベルと増幅回路の増幅率を設定す
る。なお、飽和させた大ピークの位置は、前述した第1
の実施形態または第2の実施形態のピーク位置決定方法
により決定し、文字認識を行う。こうすることで、読み
取り信号のS/N比を向上し、文字認識率を向上させ
る。
【0049】以下、より詳細に説明する。図8は、ANSI
規格X9.27 1988から抜粋した磁気インク文字E13Bの
各文字の読み取り信号の最高ピークの公称信号レベル
(Nominal Signal Level)を文字「オン-アス記号」の
それを100とした場合の相対出力レベルで示した表図
である。図8から磁気インク文字「9」の最高ピーク
(ピーク番号1で先述した大ピーク)の公称信号レベル
は165である。また、磁気インク文字「6」のピーク
番号6の大ピークはマイナス側で図8には記載されてい
ないが、図6及び図7から判るように、そのレベルの絶
対値は磁気インク文字「9」の大ピークとほぼ同等であ
る。また、図8から磁気インク文字「9」の次に高い磁
気インク文字の最高ピークの公称信号レベルは「0」の
ピーク番号1の130である。さらに、図6及び図7か
ら判るように、磁気インク文字「6」の大ピーク(最深
ピーク)の次に深い磁気インク文字の最深ピークのレベ
ルも「0」のピーク番号4のピークのレベルであって、
その絶対値も130に近い。
【0050】従って、磁気インク文字「6」と「9」の
読み取り信号の大ピークの部分は飽和するが、他の磁気
インク文字の読み取り信号のピークは飽和しないように
するには、アナログ回路部21の増幅回路で増幅された
読み取り信号の飽和レベルがプラス側とマイナス側のそ
れぞれで上記の相対出力レベルの130から165の間
になるように、飽和レベルとアナログ回路部21の増幅
回路の増幅率を設定すればよい。
【0051】ここで、飽和レベルは、アナログ回路部2
1内で読み取り信号が飽和するレベルであって、増幅回
路の飽和レベル、すなわち増幅範囲の上限ないし下限の
レベルとしてもよいし、アナログ回路部21の増幅回路
以外の回路に含まれるダイオードなどの素子の非線形特
性によりカットされて飽和するレベルとしてもよい。
【0052】さらに、AD変換器23の基準電圧に応じ
てAD変換可能な上限電圧ないし下限電圧のレベルとし
てもよい。この場合、読み取り信号はアナログ回路部2
1では飽和しないがAD変換器23で実質的に飽和する
ことになる。
【0053】また、データ処理の都合上、AD変換器2
3でAD変換された読み取り信号のデータの値を制限す
る、具体的には、AD変換器23からバスインターフェ
ース24に出力するデータのビット数を制限するなどの
ことが必要な場合がある。この場合、AD変換されたデ
ータの上限値ないし下限値が制限され、読み取り信号が
その上限値ないし下限値に対応したレベルで実質的に飽
和することになる。これを利用して、前記のデータの上
限値ないし下限値に対応したレベルを飽和レベルとして
設定してもよい。なお、これらの飽和レベルの設定の仕
方は、後述する第4の実施形態にも同様に適用すること
ができる。
【0054】以上のようにすることにより、増幅回路に
より増幅された磁気インク文字の「6」と「9」の読み
取り信号の大ピークは飽和するが、他の磁気インク文字
の読み取り信号のピークは飽和しないようになる。
【0055】このような本実施形態によれば、読み取り
信号の飽和レベルを従来と同様とすれば、増幅回路の増
幅率を従来より高めに設定して、読み取り信号の出力を
大きくし、そのS/N比を改善することができる。な
お、磁気インク文字の「6」と「9」の読み取り信号の
大ピーク部分は飽和させるが、その大ピークの位置は第
1の実施形態または第2の実施形態のピーク位置決定方
法で決定するので、文字認識に支障はない。従って、全
体として文字認識率を向上することができる。
【0056】なお、望ましくは、上記飽和レベルが相対
出力レベル165と130のちょうど中間の147.5
となるように飽和レベルとアナログ回路部21の増幅回
路の増幅率を設定する。こうすることで、回路定数のバ
ラツキ、環境変動、あるいは磁気インク文字の印字品質
のバラツキになどによる読み取り信号の出力変動に対し
て最もマージンが得られる。
【0057】また、本実施形態では、E13Bの磁気イ
ンク文字の「6」と「9」の読み取り信号の大ピークレ
ベル165と「0」のピークレベル130の間に飽和レ
ベルを設定するものとしたが、他の文字と文字の間のレ
ベルに設定してもよい。例えば「0」のピークレベル1
30と、その次に大きな、例えば「2」などのピークレ
ベル105との間のレベルに設定してもよい。このこと
は後述する第4の実施形態についても同様である。
【0058】また、本実施形態では、認識対象の磁気イ
ンク文字はE13Bとしたが、これに限らず、磁気イン
ク文字としてその読み取り信号の波形が他の磁気インク
文字より大きな大ピークを有する特定の磁気インク文字
を含む他の所定フォントの磁気インク文字を認識対象と
する場合でも、増幅された前記特定の磁気インク文字の
読み取り信号の大ピークが飽和し、前記他の磁気インク
文字の読み取り信号のピークが飽和しないように読み取
り信号の飽和レベルと増幅率を設定することにより、本
実施形態と同様の効果が得られる。なお、このことも次
に述べる第4の実施形態について同様にいえることであ
る。
【0059】[第4の実施形態]次に、本発明の第4の
実施形態を図1および図9により説明する。
【0060】磁気インク文字認識装置を用いるシステム
によっては、磁気インク文字認識装置と共に、媒体上に
印刷された磁気インク文字以外の画像を読み取る画像読
み取り装置が設けられ、必要に応じて、磁気インク文字
のみの読み取り、或いは磁気インク文字と画像の同時読
み取りを行なうシステムがある。このようなシステムで
は、磁気インク文字と画像の同時読み取りの場合は、画
像を読み取る解像度を上げるために、媒体の搬送速度、
すなわち磁気ヘッドによる媒体の走査速度を低速にする
方が良い。これに対して、磁気インク文字のみの読み取
りの場合は、低速にする必要はなく、処理を高速に効率
良く行うためには媒体搬送速度を高速にした方がよい。
この両者に対応するためには、媒体の搬送速度を可変に
設定できるようにし、磁気インク文字のみの読み取りで
は搬送速度を高速に設定し、磁気インク文字と画像の同
時読み取りでは搬送速度を低速に設定すればよい。
【0061】しかしながら、媒体の搬送速度が変化する
と磁気インク文字の読み取り信号の出力も変化する。一
般的には、搬送速度が速いほど出力が大きくなるが、磁
気ヘッドの特性などにより、搬送速度が速いほど出力が
小さくなる場合もある。このため、読み取り信号を増幅
する増幅率を一定とし、読み取り信号の出力が大きくな
る媒体搬送速度で読み取り信号が飽和しないように増幅
率を設定すると、読み取り信号の出力が小さくなる搬送
速度では、読み取り信号の出力が小さいのでS/N比が
悪くなり、文字認識率の低下を招く。
【0062】これに対処するために磁気インク文字認識
装置のアナログ回路部に増幅率切替回路を設け、読み取
り信号の出力が小さくなる搬送速度では増幅率を大きく
する方法が考えられる。しかし、そうするとアナログ回
路部の構成が複雑になりコストがかかってしまう。
【0063】そこで、本実施形態では、このような問題
を解決し、媒体の搬送速度(磁気ヘッドによる磁気イン
ク文字の走査速度)を可変に設定できるようにした磁気
インク文字認識装置において、増幅率切替回路等を設け
なくても、読み取り信号の出力が低くなる媒体の搬送速
度でも高い文字認識率を得ることのできる構成を提供す
る。以下、その構成の詳細を説明する。
【0064】本実施形態の磁気インク文字認識装置のハ
ードウェアの構成は、前述した図1のものとする。ただ
し、本実施形態では、CPU25がモータコントローラ
28とモータ駆動回路31を介してモータ30の回転速
度を制御し、媒体の搬送速度、すなわち磁気インク文字
の走査速度を可変に設定する。CPU25は、媒体搬送
速度を、例えば、磁気インク文字と画像の同時読み取り
モードでは比較的低速の所定の第1の搬送速度に設定
し、磁気インク文字のみの読み取りモードでは、前記第
1の搬送速度より高い所定の第2の搬送速度に設定す
る。なお、磁気インク文字と画像の同時読み取りモード
で要求される画像の解像度が高いほど搬送速度を低くす
るようにして、搬送速度をより多段階に可変に設定する
ものとしてもよく、連続的に可変に設定するものとして
もよい。
【0065】なお、以下では説明を分かり易くするため
に、媒体の搬送速度が高くなるほど磁気インク文字の読
み取り信号の出力が大きくなるものとする。また、認識
対象の磁気インク文字はE13Bとする。
【0066】次に、図9は、本実施形態における媒体搬
送速度に関連した磁気インク文字の読み取り信号の飽和
レベルと増幅率の設定の仕方を説明するグラフ図であ
る。
【0067】図9は、横軸に媒体搬送速度、縦軸に磁気
インク文字E13Bの読み取り信号の公称信号レベルを
とって両者の関係を示しており、ここでは、媒体搬送速
度が速くなるほど公称信号レベルが増大する。なお、読
み取り信号の公称信号レベルは勿論アナログ回路部21
の増幅回路で増幅された後のレベルである。
【0068】図9中で符号10の線は、先述した磁気イ
ンク文字「9」及び「6」の大ピークの公称信号レベル
(以下、大ピークレベルという)の媒体搬送速度による
変化を示し、符号11の線は上記大ピークの次に大きな
磁気インク文字「0」のピークの公称信号レベル(以
下、ピークレベルという)の媒体搬送速度による変化を
示している。勿論、磁気インク文字「9」及び「6」の
大ピークレベルの方が「0」のピークレベルより高く、
両者は媒体搬送速度に応じて平行して直線的に変化す
る。
【0069】本実施形態では、媒体搬送速度が図9中で
符号X1で示す比較的低い第1の所定の媒体搬送速度
と、これより高い符号X2で示す第2の所定の媒体搬送
速度との間の範囲内で可変に設定されるものとする。従
って速度X1では読み取り信号の公称信号レベルが最も
低くなり、速度X2では読み取り信号の公称信号レベル
が最も高くなる。また、符号12の線は飽和レベルであ
り、ここでは公称信号レベルで147.5に設定している。
勿論、飽和レベルは媒体搬送速度にかかわらず一定であ
る。
【0070】そして、アナログ回路部21の増幅回路の
増幅率の設定により、媒体搬送速度による磁気インク文
字「9」及び「6」の大ピークレベル10及び「0」の
ピークレベル11と飽和レベル12との関係が図示のよ
うに設定されている。すなわち、大ピークレベル10に
ついては、媒体搬送速度X1で飽和レベル12に一致
し、速度X2で飽和レベル12より高いレベルY2にな
り、ピークレベル11については、速度X1では飽和レ
ベル12より低いレベルY1になるが速度X2で飽和レ
ベル12に一致するように設定されている。
【0071】これにより、速度X1以上では磁気インク
文字「9」及び「6」の大ピークは飽和するが、速度X
2までは磁気インク文字「0」及び他の磁気インク文字
のピークは飽和せず、速度X2以上になって初めて磁気
インク文字「0」及び他の磁気インク文字のピークが飽
和する。
【0072】すなわち、本実施形態では、媒体搬送速度
X1とX2の間の範囲内では、磁気インク文字「9」及
び「6」の読み取り信号の大ピークは飽和するが、他の
磁気インク文字の読み取り信号のピークは飽和しないよ
うに、読み取り信号の増幅率と飽和レベルを設定する。
【0073】ここで、磁気インク文字「9」及び「6」
の読み取り信号の大ピークは飽和するが、その大ピーク
の位置は先述した第1または第2の実施形態のピーク位
置決定方法により決定するものとし、それにより文字認
識を支障なく行うことができる。
【0074】このような本実施形態によれば、磁気イン
ク文字の読み取り信号の飽和レベルを同じとして、読み
取り信号の出力が大きくなる媒体搬送速度、例えばX2
でも磁気インク文字「9」及び「6」の大ピークが飽和
しないように読み取り信号の増幅率を設定する場合に比
べて、増幅率を高めに設定して読み取り信号の出力を大
きくし、S/N比を向上することができる。従って、ア
ナログ回路部21に増幅率切替回路等を設けなくても、
読み取り信号の出力が小さくなる媒体搬送速度、例えば
X1でも高い文字認識率を得ることができ、アナログ回
路部21の構成を簡単にしてコストダウンを図れる。
【0075】なお、本実施形態では、媒体搬送速度をX
1,X2間で可変に設定するものとしたが、媒体搬送速
度をX1より低い速度まで、ないしはX2より高い速度
まで可変に設定する必要がある場合でも、アナログ回路
部21に設ける増幅率切替回路は最少限の構成で済み、
安価な装置を提供することができる。
【0076】また、本実施形態では、媒体搬送速度の増
加に応じて磁気インク文字の読み取り信号の出力が増大
するものとしたが、媒体搬送速度の増加に応じて読み取
り信号の出力が低減する場合も同様に、所定の第1の媒
体搬送速度(磁気インク文字の走査速度)と、この媒体
搬送速度と異なる所定の第2の媒体搬送速度との間の範
囲内において、増幅された磁気インク文字「9」及び
「6」の読み取り信号の大ピークが飽和し、他の磁気イ
ンク文字の読み取り信号のピークが飽和しないように読
み取り信号の飽和レベルと増幅率を設定すればよい。
【0077】また、本実施形態では、飽和レベルを147.
5に設定するものとしたが、装置の特性のバラツキ要因
などによって、飽和レベルの値を130 〜165の間の他の
値に設定してもよい。また、第3の実施形態でも述べた
ように、130〜165の間ではなく、他の磁気インク文字の
ピークレベルどうしの間に設定してもよい。
【0078】また、本実施形態の技術も第3の実施形態
と同様にE13B以外の磁気インク文字を認識対象とす
る場合にも適用できることは勿論である。
【0079】また、第3の実施形態と同様に、飽和レベ
ルはアナログ回路部21で設定されるようにしてもよい
し、A/D変換器23で設定されるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、磁気インク文字認識装置において、簡単、安
価な構成により、磁気インク文字の読み取り信号の波形
のピーク付近の領域で飽和、外来ノイズの影響、あるい
は量子化誤差の影響などにより、本来の波形が失われて
本来のピーク位置が不明になった場合に従来より正確に
ピーク位置を決定することができ、それにより磁気イン
ク文字の文字認識率を向上することができる。
【0081】また、磁気インク文字の認識に支障を来た
さない方法で磁気インク文字の読み取り信号の増幅率を
従来より高めに設定し、出力の小さな読み取り信号のS
/N比を向上することができ、それにより全体的に文字
認識率を向上することができる。
【0082】また、磁気インク文字の走査速度を可変に
設定する構成において、磁気インク文字の読み取り信号
の増幅率を切り替える切替回路の設置を不要ないし最少
限にすることができ、それにより装置の構成を簡単、安
価にすることができるなどの優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態で共通な磁気インク文字認
識装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における読み取り信号
波形のピーク位置決定方法を説明する説明図である。
【図3】従来の読み取り信号波形のピーク位置決定方法
を説明する説明図である。
【図4】他の読み取り信号波形のピーク位置決定方法を
説明する説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における読み取り信号
波形のピーク位置決定方法を説明する説明図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を説明するための参考
資料であって、ANSI規格X9.271988による磁気インク文
字E13Bの「1」〜「6」の読み取り信号波形(理想波
形)を示す波形図である。
【図7】ANSI規格X9.27 1988による磁気インク文字E13B
の「7」〜「0」及び4つの特殊文字の読み取り信号波
形を示す波形図である。
【図8】ANSI規格X9.27 1988による磁気インク文字E13B
の各文字の読み取り信号波形の最高ピークの公称信号レ
ベル(Nominal Signal Level)を示す表図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における磁気インク文
字E13Bの「9」及び「6」と「0」の読み取り信号波形
のピークの公称信号レベルの媒体搬送速度による変化と
飽和レベルとの関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 読み取り信号波形 2 飽和レベル 3 飽和領域の中間点 4 傾きの延長線の交点 10 磁気インク文字「9」及び「6」の読み取り信号
波形の大ピークレベル 11 磁気インク文字「0」の読み取り信号波形のピー
クレベル 12 飽和レベル 20 磁気ヘッド 21 アナログ回路部 22 デジタル回路部 23 AD変換器 25 CPU 26 ROM 27 RAM 28 モータコントローラ 29 媒体搬送部 30 モータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体上に印刷された磁気インク文字を磁
    気ヘッドにより走査して磁気インク文字による磁気変化
    量を読み取り、その読み取り信号の波形のピーク位置を
    検出し、その検出結果に基づいて磁気インク文字を認識
    する磁気インク文字認識装置において、 前記読み取り信号の波形のピーク付近の領域で本来の波
    形が失われて本来のピーク位置が不明になった場合、前
    記領域の直前と直後の一方または両方の部分の波形の傾
    きに基づいてピーク位置を決定するピーク位置決定手段
    を有することを特徴とする磁気インク文字認識装置。
  2. 【請求項2】 前記ピーク位置決定手段は、前記読み取
    り信号の波形のピーク付近の領域が飽和して前記領域で
    本来の波形が失われ、本来のピーク位置が不明になった
    場合に、前記領域の直前と直後の一方または両方の部分
    の波形の傾きに基づいてピーク位置を決定することを特
    徴とする請求項1に記載の磁気インク文字認識装置。
  3. 【請求項3】 前記ピーク位置決定手段は、外来ノイズ
    の影響により、前記読み取り信号の波形のピーク付近の
    領域で本来の波形が失われ、本来のピーク位置が不明に
    なった場合に、前記領域の直前と直後の一方または両方
    の部分の波形の傾きに基づいてピーク位置を決定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気インク文字認識装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ピーク位置決定手段は、量子化誤差
    の影響により、前記読み取り信号の波形のピーク付近の
    領域で本来の波形が失われて本来のピーク位置が不明に
    なった場合に、前記領域の直前と直後の一方または両方
    の部分の波形の傾きに基づいてピーク位置を決定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気インク文字認識装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ピーク位置決定手段は、前記本来の
    波形が失われた領域の直前と直後の一方または両方の部
    分の波形の傾き量の変化を求め、該変化が前記領域でそ
    のまま連続すると仮定した場合に前記領域内で波形の傾
    き量が0になる位置を算出し、該位置をピーク位置と決
    定することを特徴とする請求項1から4までのいずれか
    1項に記載の磁気インク文字認識装置。
  6. 【請求項6】 前記ピーク位置決定手段は、前記本来の
    波形が失われた領域の直前と直後の部分のそれぞれの波
    形の傾きの延長線の交点の位置と、前記領域の幅を2等
    分する中間点の位置を求め、ピーク位置を前記交点の位
    置と中間点の位置との間の位置に決定することを特徴と
    する請求項1から4までのいずれか1項に記載の磁気イ
    ンク文字認識装置。
  7. 【請求項7】 前記ピーク位置決定手段は、前記交点の
    位置と前記中間点の位置との間の幅を2等分する中間点
    の位置をピーク位置として決定することを特徴とする請
    求項6に記載の磁気インク文字認識装置。
  8. 【請求項8】 認識対象の磁気インク文字としてその読
    み取り信号の波形が他の磁気インク文字より大きな大ピ
    ークを有する特定の磁気インク文字を含む所定フォント
    の磁気インク文字の認識を行う文字認識装置であって、 前記磁気ヘッドから出力される磁気インク文字の読み取
    り信号を増幅する増幅回路を有し、 該増幅回路により増幅された前記特定の磁気インク文字
    の読み取り信号の大ピークが飽和し、前記他の磁気イン
    ク文字の読み取り信号のピークが飽和しないように読み
    取り信号の飽和レベルと前記増幅回路の増幅率が設定さ
    れたことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1
    項に記載の磁気インク文字認識装置。
  9. 【請求項9】 磁気ヘッドにより前記媒体上の磁気イン
    ク文字を走査する走査速度を可変に設定する手段を有
    し、前記走査速度に応じて前記磁気インク文字の読み取
    り信号の出力の大きさが変化する磁気インク文字認識装
    置であって、 所定の第1の走査速度と、該走査速度と異なる所定の第
    2の走査速度との間の範囲内において、前記増幅回路に
    より増幅された前記特定の磁気インク文字の読み取り信
    号の大ピークが飽和し、前記他の磁気インク文字の読み
    取り信号のピークが飽和しないように読み取り信号の飽
    和レベルと前記増幅回路の増幅率が設定されたことを特
    徴とする請求項8に記載の磁気インク文字認識装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも前記増幅回路を含み前記磁
    気ヘッドから出力される磁気インク文字の読み取り信号
    を処理するアナログ回路部を有し、前記読み取り信号の
    飽和レベルは、前記アナログ回路部内で読み取り信号が
    飽和するレベルとしたことを特徴とする請求項8または
    9に記載の磁気インク文字認識装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも前記増幅回路を含み前記磁
    気ヘッドから出力される磁気インク文字の読み取り信号
    を処理するアナログ回路部と、 該アナログ回路部で処理された読み取り信号をAD変換
    するAD変換器を有し、 前記読み取り信号の飽和レベルは、前記AD変換器のA
    D変換可能な上限電圧ないし下限電圧のレベルとしたこ
    とを特徴とする請求項8または9に記載の磁気インク文
    字認識装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも前記増幅回路を含み前記磁
    気ヘッドから出力される磁気インク文字の読み取り信号
    を処理するアナログ回路部と、 該アナログ回路部で処理された読み取り信号をAD変換
    するAD変換器を有し、 該AD変換器でAD変換された読み取り信号のデータの
    値を制限することにより実質的に前記読み取り信号の飽
    和レベルを設定することを特徴とする請求項8または9
    に記載の磁気インク文字認識装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101388049B1 (ko) 2007-12-31 2014-04-23 노틸러스효성 주식회사 자기잉크문자인식장치 및 그 방법

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