JP2003344695A - 光導波路モジュール - Google Patents

光導波路モジュール

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JP2003344695A
JP2003344695A JP2002148126A JP2002148126A JP2003344695A JP 2003344695 A JP2003344695 A JP 2003344695A JP 2002148126 A JP2002148126 A JP 2002148126A JP 2002148126 A JP2002148126 A JP 2002148126A JP 2003344695 A JP2003344695 A JP 2003344695A
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optical
waveguide
input
optical waveguide
signal light
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JP2002148126A
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Takashi Sasaki
隆 佐々木
Takeo Komiya
健雄 小宮
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路で発生する信号光の位置ずれや広が
りの影響が低減されて、信号光のモニタ特性を向上する
ことが可能な光導波路モジュールを提供する。 【解決手段】 平面導波路型光回路1において、光導波
路21〜28を横切るように形成された斜めの溝3の内部
に反射フィルタ4を設置し、反射フィルタ4からの反射
光を光検出器アレイ6の光検出器611〜618で検出し
て、信号光の光強度をモニタする。また、光導波路21
〜28へと信号光を入力するための入力ポート部11a
と、信号光を出力するための出力ポート部11bとを、
光回路1の同一の端面である入出力端面11に設置す
る。これにより、光導波路で発生する信号光の位置ずれ
や広がりの影響が低減されて、信号光のモニタ特性を向
上することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に設けられ
た光導波路を有する光導波路モジュールに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光ファイバまたは平面光導波路などの光
導波路を用いた光回路においては、各光導波路を伝送さ
れる信号光の光強度を一定に保つなど、信号光の光強度
を好適な値に制御することが望ましい場合がある。この
ような場合、信号光の光強度を光回路中でモニタし、あ
るいはさらに、モニタした結果に基づいて光強度を制御
することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した信号光の光強
度のモニタには、従来、光導波路上に光カプラを設けて
信号光の一部を分岐する方法が用いられている。この方
法では、光導波路上の所定の位置に光カプラを設けて信
号光を数%程度分岐し、分岐した光の光強度を光検出器
でモニタすることによって、その光導波路を伝送されて
いる信号光の光強度をモニタする。ここで、このように
光カプラを用いた場合、光回路を構成する光学部品の点
数が増加する上、それらを融着接続する必要があるた
め、光回路の構成及び製造工程が複雑化するという問題
がある。
【0004】これに対して、光カプラを用いることな
く、信号光の一部を反射によって取り出して光強度をモ
ニタする構成が提案されている。このような構成では、
光導波路を伝搬される信号光に対し、光導波路を横切る
ように光回路に形成された溝の内側に反射フィルタを挿
入して、信号光の一部を反射する。そして、反射フィル
タによって反射された信号光をフォトダイオードなどの
光検出器で検出することにより、信号光の光強度をモニ
タする。
【0005】しかしながら、このように反射フィルタ及
び光検出器を用いる構成では、反射フィルタで反射され
た信号光が、対応するチャンネルの光検出器で検出され
る一方で、光回路内において光導波路を伝搬される信号
光の位置ずれや広がりが発生し、信号光の光強度のモニ
タ特性が劣化する場合がある。すなわち、各チャンネル
の光導波路で信号光の位置ずれや広がりが発生すると、
それによる余分な信号光成分が隣接するチャンネルの光
検出器によってノイズ光として検出される。このため、
チャンネル間でのクロストークなどの信号光のモニタ特
性が劣化するという問題がある。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、光導波路で発生する信号光の位置
ずれや広がりの影響が低減されて、信号光のモニタ特性
を向上することが可能な光導波路モジュールを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光導波路モジュールは、(1)
基板、及び基板上に設けられた光導波路を含んで構成さ
れ、光導波路の所定位置を横切るように形成された溝を
有する光回路と、(2)光回路の溝の内部に光導波路を
伝搬される信号光が通過する部位を含むように設置さ
れ、信号光の一部を所定の反射率によって反射する反射
フィルタと、(3)反射フィルタによって信号光の一部
が反射された反射光を検出する光検出器とを備え、
(4)光回路は、光導波路の入力導波路部が接続された
入力ポート、及び光導波路の出力導波路部が接続された
出力ポートが同一の入出力端面に設けられていることを
特徴とする。
【0008】上記した光導波路モジュールにおいては、
光導波路上に設けられた溝に挿入された反射フィルタを
用いて信号光の光強度をモニタすることにより、光回路
の構成及び製造工程が簡単化されている。また、光導波
路モジュールでの光強度のモニタの対象となる信号光を
入出力するための入力ポート及び出力ポートを、光回路
の同一の端面上に設置している。このとき、入力ポート
と出力ポートとの間での光導波路が直線状ではない導波
路パターンによって形成されることとなる。これによ
り、光導波路の一部の導波路部分で信号光の位置ずれや
広がりが発生した場合であっても、それによる余分な信
号光成分の他の導波路部分への影響が低減される。した
がって、チャンネル間でのクロストークなどの信号光の
モニタ特性が向上される光導波路モジュールが実現され
る。
【0009】また、このような構成においては、光導波
路モジュールに対して信号光を入力または出力する外部
からの光ファイバなどの光導波路が、光回路に対して同
一の端面から接続されることとなる。これにより、光導
波路モジュールに対する外部からの光導波路の接続、及
びその調整等が容易となる。また、外部からの光導波路
を接続するための構成が簡単化されるので、低コストの
光導波路モジュールとすることができる。
【0010】また、反射フィルタ及び光検出器は、入力
導波路部及び出力導波路部と略直交する導波路部に対し
て設置されていることを特徴とする。これにより、例え
ば、入力ポート近傍で信号光の位置ずれや広がりが発生
した場合に、それによる余分な信号光成分の反射フィル
タ及び光検出器への入射が抑制される。したがって、チ
ャンネル間でのクロストークなどの信号光のモニタ特性
を確実に向上することができる。
【0011】また、光回路は、入力導波路部と出力導波
路部との間に光遮蔽手段が設けられていることを特徴と
する。これにより、各導波路部間での余分な光成分の伝
搬が防止されるので、チャンネル間でのクロストークな
どの信号光のモニタ特性をさらに向上することができ
る。
【0012】このような光遮蔽手段の具体的な構成とし
ては、光遮蔽手段は、光回路に形成された光遮蔽溝から
なることが好ましい。あるいは、光遮蔽手段は、光回路
に形成された光遮蔽溝を光遮蔽性の充填材料によって充
填してなることが好ましい。また、これらの構成以外の
構成を有する光遮蔽手段を用いても良い。
【0013】また、光回路の入出力端面に対向する端面
は、入力導波路部及び出力導波路部の光軸に直交する垂
直軸に対して、所定の傾き角度α(0°<α)で斜めに
形成されていることを特徴とする。これにより、例え
ば、入力ポート近傍で信号光の位置ずれや広がりが発生
した場合に、それによる余分な信号光成分の入出力端面
に対向する端面での反射が抑制される。
【0014】また、光回路の入出力端面に対向する端面
は、光導波路と略同一の屈折率を有する充填材料によっ
て覆われていることを特徴とする。これにより、端面を
斜めに形成した構成と同様に、余分な信号光成分の入出
力端面に対向する端面での反射が抑制される。
【0015】また、光回路は、入力ポート及び出力ポー
トに接続される位置での入力導波路部と出力導波路部と
の間隔が、反射フィルタ及び光検出器が設置されている
導波路部側の所定位置での入力導波路部と出力導波路部
との間隔よりも小さくなるように構成されていることを
特徴とする。このように、入力ポートと出力ポートとの
間での光導波路をループ状の導波路パターンによって形
成することにより、光導波路モジュールに対する外部か
らの光導波路の接続、及びその調整等を好適に行うこと
が可能となる。
【0016】また、光回路の溝は、反射フィルタ及び光
検出器が設置されている導波路部の光軸に直交する垂直
軸に対して、所定の傾き角度θ(0°<θ)で斜めに形
成されていることを特徴とする。このような構成によ
り、反射フィルタからの反射光を光検出器で検出するこ
とによって信号光の光強度のモニタを行う構成を、好適
に実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
光導波路モジュールの好適な実施形態について詳細に説
明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一
符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸
法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0018】図1は、本発明による光導波路モジュール
の第1実施形態の構成を示す平面図である。この光導波
路モジュールは、基板10、及び基板10上に設けられ
た8本(8チャンネル)の光導波路21〜28を有して構
成される光回路1を備えている。本実施形態において
は、光導波路21〜28として、基板10上に形成された
平面導波路型の光導波路が用いられている。
【0019】光導波路21〜28のそれぞれは、所定の光
伝送方向に沿って、平面導波路型光回路1の入力ポート
部11aから出力ポート部11bに向かって、その各部
で互いに略平行かつ等間隔となっている導波路パターン
によって形成されている。
【0020】入力ポート部11aは、光導波路21〜28
に対応する8チャンネルの入力ポートからなり、光回路
1の一方の端面11に設けられている。また、出力ポー
ト部11bは、同様に8チャンネルの出力ポートからな
り、光回路1の入力ポート部11aと同一の端面11に
設けられている。これにより、端面11は、光回路1に
対して信号光を入出力するための入出力端面となってい
る。
【0021】光導波路2n(n=1〜8)の入力ポート
部11aに接続されている導波路部分は、入力導波路部
21となっている。この8チャンネルの入力導波路部2
1のそれぞれは、入出力端面11上の入力ポート部11
aから、入出力端面11に対向する端面12側の所定位
置へと、端面11に略直交するように直線状に伸びる導
波路パターンによって形成されている(図1中に矢印で
示した光入力方向を参照)。
【0022】同様に、光導波路2nの出力ポート部11
bに接続されている導波路部分は、出力導波路部22と
なっている。この8チャンネルの出力導波路部22のそ
れぞれは、端面12側の所定位置から、入出力端面11
上の出力ポート部11bへと、端面11に略直交するよ
うに直線状に伸びる導波路パターンによって形成されて
いる(図1中に矢印で示した光出力方向を参照)。
【0023】また、入力導波路部21と出力導波路部2
2との間には、端面12に沿った直線状の導波路パター
ンを有する8チャンネルの導波路部20が形成されてい
る。これらの直列に接続された導波路部21、20、及
び22によって、平面導波路型光回路1における8チャ
ンネルの光導波路21〜28のそれぞれが構成されてい
る。また、光導波路21〜28での導波路部20は、それ
ぞれの光導波路2nを伝搬される信号光の光強度のモニ
タを行うためのモニタ導波路部となっている。なお、入
力導波路部21とモニタ導波路部20との接続部分、及
びモニタ導波路部20と出力導波路部22との接続部分
は、それぞれ曲線状の導波路パターンによって形成され
ている。
【0024】図1に示した光導波路モジュールにおける
信号光の光強度のモニタを行うための構成について説明
する。
【0025】平面導波路型光回路1には、光導波路21
〜28のそれぞれのモニタ導波路部20における光伝送
方向に対する所定部位に、光導波路21〜28の導波路部
20を横切る溝3が設けられている。
【0026】溝3には、その内部に、各光導波路21
8を伝送される信号光の一部を所定の反射率によって
反射するための反射フィルタ4が設置されている。この
溝3の内側は、充填樹脂5によって封止されている。ま
た、溝3よりも上流側の位置で平面導波路型光回路1の
上面側には、サブマウント基板65と、光検出器アレイ
6とが設置されている。この光検出器アレイ6は、平面
導波路型光回路1に設けられた8本の光導波路21〜28
にそれぞれ対応する8個の光検出器611〜618を有し
ている。なお、図1においては、光検出器611〜618
について、それぞれの受光面の形状を点線で図示してい
る。
【0027】図2は、図1に示した光導波路モジュール
の断面構造を、光導波路2n(n=1〜8)のモニタ導
波路部20での光軸方向(平面導波路型光回路1の光入
力方向及び光出力方向に略直交する方向)に沿って示す
I−I矢印断面図である。なお、この図2においては、
溝3、反射フィルタ4、及び光検出器アレイ6を含む部
分を拡大して示してある。
【0028】平面導波路型光回路1における光導波路2
nは、図2に示すように、下部クラッド27、コア2
5、及び上部クラッド26が基板10上に形成されるこ
とによって構成されている。この光導波路2nに対し
て、図1に示したように光導波路2nをモニタ導波路部
20の所定位置で横切る溝3は、コア25に相当し、光
導波路2nを伝搬される信号光が通過する部位を少なく
とも含む深さdで形成されている。
【0029】本実施形態においては、この溝3の深さd
は、下部クラッド27までの光導波路2nの厚さよりも
大きく設定されている。また、この溝3は、光導波路2
nのモニタ導波路部20の光軸に直交(基板10に直
交)する垂直軸に対して、所定の傾き角度θ(0°<
θ)で斜めに形成されている。
【0030】溝3の内部には、反射フィルタ4が挿入さ
れている。反射フィルタ4は、溝3と略同一の傾き角度
θで、光導波路2nを伝搬される信号光が通過する部位
を少なくとも含むように設置されている。この反射フィ
ルタ4は、好ましくは誘電体多層膜フィルタからなり、
モニタ導波路部20を伝搬される所定の信号光波長帯域
内にある波長を有する信号光の一部を所定の反射率で反
射する。
【0031】反射フィルタ4を含む溝3の内側は、充填
樹脂5によって封止されている。この充填樹脂5は、溝
3の内側に設置された反射フィルタ4を固定するフィル
タ固定用樹脂となっている。本実施形態におけるフィル
タ固定用樹脂5は、溝3の内側を封止している内部充填
樹脂部51と、溝3の上部を含む平面導波路型光回路1
の上面側の所定範囲を封止している上部充填樹脂部52
とからなる。これらの内部充填樹脂部51及び上部充填
樹脂部52は、同一の樹脂材料を用いて一体に形成され
ている。
【0032】光回路1の上部クラッド26の上面側にあ
る所定位置には、サブマウント基板65が設置されてい
る。このサブマウント基板65は、光検出器アレイ6を
載置するための載置部材である。また、フィルタ固定用
樹脂5の上部充填樹脂部52及びサブマウント基板65
の上面側には、各光導波路2nにそれぞれ対応した光検
出器61n(n=1〜8)を有する光検出器アレイ6が
設置されている。この光検出器アレイ6は、光導波路2
nを伝搬される信号光の一部が反射フィルタ4で反射さ
れた反射光が、それぞれ対応する光検出器61nの受光
面へと入射されるように配置されている。
【0033】図2に示した構成例では、光検出器アレイ
6の光検出器61nとして表面入射型のフォトダイオー
ドが用いられており、フィルタ固定用樹脂5を介して反
射フィルタ4に対面している光検出器アレイ6の表面
が、反射フィルタ4からの反射光が入射される受光面と
なっている。また、光検出器アレイ6の受光面には、光
導波路2nを伝搬されている信号光の信号光波長帯域に
対応する所定の波長帯域に対して、その波長帯域内の光
の反射を防止するコート膜である反射防止コート(AR
コート)が設けられている。なお、光検出器としては、
裏面入射型のフォトダイオードを用いても良い。
【0034】次に、図1に示した光導波路モジュールに
おける全体構成についてさらに説明する。
【0035】図3は、図1に示した光導波路モジュール
の断面構造を、光導波路2nのモニタ導波路部20での
光軸に垂直な方向に沿って示すII−II矢印断面図であ
る。また、図4は、図1に示した光導波路モジュールに
用いられる光ファイバアレイの断面構造を、光ファイバ
の光軸に垂直な方向に沿って示すIII−III矢印断面図で
ある。
【0036】平面導波路型光回路1の入力導波路部21
及び出力導波路部22の間には、溝15が設けられてい
る(図3参照)。この溝15は、入力導波路部21と出
力導波路部22との間、あるいは、入力導波路部21ま
たは出力導波路部22とモニタ導波路部20との間での
光遮蔽手段として機能する光遮蔽溝である。また、本実
施形態においては、光遮蔽溝15の内側は、光遮蔽性の
充填材料からなる溝充填樹脂16によって封止されてい
る。
【0037】また、光回路1の入出力端面11に対向す
る端面12は、図3に示すように、光導波路2nの入力
導波路部21及び出力導波路部22の光軸に直交(基板
10に直交)する垂直軸に対して、所定の傾き角度α
(0°<α)で斜めに形成されている。
【0038】平面導波路型光回路1の入出力端面11に
は、光ファイバアレイ7が接続されている(図4参
照)。光ファイバアレイ7は、光回路1における8本の
光導波路21〜28に対応して、8本の入力光ファイバ7
1〜718と、出力光ファイバ721〜728とを有して
構成されている。
【0039】この光ファイバアレイ7は、図4に示すよ
うに、基板70と、保持部材76とを有する。基板70
の上面側には、光ファイバ配列部材として機能するV溝
75が、入力光ファイバ711〜718、及び出力光ファ
イバ721〜728に対応する位置に、互いに平行かつ等
間隔に形成される。そして、この複数のV溝75のそれ
ぞれに、コア及びクラッドからなる光ファイバ71n
72n(n=1〜8)が配置されることによって、光フ
ァイバアレイ7が構成される。
【0040】基板70の上面のV溝75に配置された光
ファイバ711〜718、721〜728は、保持部材76
によって基板70の上面側から固定される。また、基板
70と保持部材76との間については、例えばファイバ
固定用樹脂などによって充填される構成としても良い。
【0041】入力光ファイバ711〜718は、それぞれ
の出力端が光回路1の入力ポート部11aにおいて、対
応する光導波路21〜28の入力ポートに光学的に接続さ
れる。また、出力光ファイバ721〜728は、それぞれ
の入力端が光回路1の出力ポート部11bにおいて、対
応する光導波路21〜28の出力ポートに光学的に接続さ
れる。
【0042】以上の構成において、光ファイバアレイ7
の入力光ファイバ71nを介して入力ポート部11aか
ら光導波路2nへと入力された所定波長の信号光は、光
導波路2nの入力導波路部21及びモニタ導波路部20
を伝搬されて溝3へと到達する。そして、この信号光
が、上流側端面31を介して溝3内の内部充填樹脂部5
1へと出射されると、信号光の一部が光軸に対して斜め
の反射フィルタ4によって、所定の反射率で平面導波路
型光回路1の斜め上方へと反射される。
【0043】また、それ以外の信号光成分は、内部充填
樹脂部51及び反射フィルタ4を透過して下流側端面3
2を介して光導波路2nへと入射される。そして、この
信号光は、光導波路2nのモニタ導波路部20及び出力
導波路部22を伝搬され、出力ポート部11bから光フ
ァイバアレイ7の出力光ファイバ72nを介して出力さ
れる。
【0044】一方、反射フィルタ4によって反射された
反射光は、内部充填樹脂部51、及び上部充填樹脂部5
2を介して光検出器アレイ6に到達し、その受光面から
光検出器61nへと所定の入射角度で入射される(図2
参照)。そして、光検出器61nで検出された反射光の
光強度から、光導波路2nを伝搬されている信号光の光
強度がモニタされる。
【0045】本実施形態の光導波路モジュールの効果に
ついて説明する。
【0046】図1に示した光導波路モジュールにおいて
は、光回路1に設けられた光導波路2nを伝搬される信
号光を光カプラなどによって分岐するのではなく、光導
波路2n上に設けられた溝3に設置した反射フィルタ4
によって信号光の一部を反射させ、その反射光によって
信号光の光強度をモニタすることが可能な構成としてい
る。これにより、光回路の構成及び製造工程が簡単化さ
れる。
【0047】また、光導波路モジュールの平面導波路型
光回路1に設けられた複数チャンネルの光導波路21
8に対し、光強度のモニタの対象となる信号光を光導
波路2 1〜28のそれぞれへと入出力するための入力ポー
ト部11a及び出力ポート部11bを、光回路1の同一
の端面である入出力端面11上に設置している。このと
き、入力ポート部11aと出力ポート部11bとの間で
の光導波路2nが直線状ではない導波路パターンによっ
て形成されることとなる。これにより、光導波路2n
一部の導波路部分で信号光の位置ずれや広がりが発生し
た場合であっても、それによる余分な信号光成分の他の
導波路部分への影響が低減される。したがって、チャン
ネル間でのクロストークなどの信号光のモニタ特性が向
上される光導波路モジュールが実現される。
【0048】図5は、光導波路モジュールの構成の一例
を示す平面図である。この光導波路モジュールは、図1
に示した光導波路モジュールの効果について説明するた
めに示すものである。
【0049】図5に示す光導波路モジュールは、上記し
た実施形態と同様に、8本の平面導波路型の光導波路9
2及び溝93が基板90上に設けられた平面導波路型光
回路9と、溝93の内部に設置された反射フィルタ94
と、フィルタ固定用樹脂95と、サブマウント基板97
と、フィルタ固定用樹脂95及びサブマウント基板97
上に配置された光検出器アレイ96とから構成されてい
る。
【0050】また、本構成例においては、光回路9の対
向する端面91a、91bに、それぞれ入力ポート、出
力ポートが設けられている。これに対応して、入力端面
91aと出力端面91bとの間での光導波路92は、そ
れぞれ直線状の導波路パターンによって形成されてい
る。
【0051】図1に示した第1実施形態の光導波路モジ
ュール、あるいは図5に示した構成例の光導波路モジュ
ールでは、光回路が複数チャンネルの光導波路を有し、
それぞれの光導波路を伝搬される信号光の光強度がモニ
タの対象とされる。そして、反射フィルタによって反射
された複数チャンネルの信号光は、それぞれ対応する光
検出器で検出されて、その光強度がモニタされる。
【0052】このような構成では、反射フィルタで反射
された光導波路からの信号光が、対応するチャンネルの
光検出器で検出される一方で、光回路内において光導波
路を伝搬される信号光の位置ずれや広がりが発生し、隣
接する他のチャンネルの光検出器でノイズ光として検出
されるクロストークが問題となる。
【0053】光回路内において信号光の位置ずれや広が
りが発生する原因としては、いくつかの原因が考えられ
る。その原因の1つとして、光回路の入力ポートに信号
光入力用の光導波路として外部から接続される光ファイ
バのミスアラインメントがある。
【0054】例えば、図5に示した構成において、その
入力端面91aで光導波路92のコアに対してずれた位
置に信号光入力用の光ファイバが接続されると、光回路
9に入力された信号光は、光導波路92のコア近傍のみ
でなく導波構造を持たないクラッド内等をも伝搬する。
さらに、そのような信号光は、入力端面91aにおける
光回路9への入力角度や、光回路9内での光の散乱など
により、他のチャンネルの光導波路等が設けられている
光軸に垂直な方向へと広がって伝搬される。これによ
り、光導波路モジュールにおいて、チャンネル間でのク
ロストークが発生し、信号光のモニタ特性が劣化する。
【0055】これに対して、図1に示した光導波路モジ
ュールにおいては、入力ポート部11a及び出力ポート
部11bを光回路1の同一の端面11に設置し、複数チ
ャンネルの光導波路21〜28のそれぞれを、端面11に
略直交する入力導波路部21、出力導波路部22、及び
端面11に略平行なモニタ導波路部20からなるU字状
の導波路パターンによって形成している。
【0056】このとき、入力ポート部11aにおいて信
号光が光回路1へとずれた位置で入力され、入力導波路
部21である程度の信号光の位置ずれや広がりが発生し
た場合であっても、そのような信号光の位置ずれや広が
りのモニタ導波路部20及び出力導波路部22への影響
が低減される。これにより、光回路1内で発生する信号
光の位置ずれや広がりの影響が、光導波路モジュールの
全体として低減されることとなり、信号光のモニタ特性
が向上される。このような効果は、入力ポート部11a
に接続される光ファイバのミスアラインメント以外の原
因によって発生した信号光の位置ずれや広がりについて
も同様に得られる。
【0057】また、このような構成においては、光導波
路モジュールに対して信号光を入力または出力する外部
からの光ファイバなどの光導波路が、光回路1に対して
同一の入出力端面11から接続されることとなる。これ
により、光導波路モジュールに対して外部からの光導波
路を接続する接続方法、及び光導波路を接続する際にお
ける光軸の調整等が容易化される。
【0058】また、そのような外部からの光導波路を接
続するための光導波路モジュールの構成が簡単化される
ので、低コストの光導波路モジュールとすることができ
る。
【0059】例えば、図1に示した光導波路モジュール
においては、平面導波路型光回路1での光導波路21
8の入力ポート部11a、出力ポート部11bに対し
て、それぞれ、入力光ファイバ711〜718からなる入
力用の光ファイバアレイ、出力光ファイバ721〜728
からなる出力用の光ファイバアレイを接続し、これらの
光ファイバアレイを介して信号光の入出力を行ってい
る。このような構成を図5に示した光導波路モジュール
に適用した場合、入力端面91a及び出力端面91bに
対して、それぞれ別個の光ファイバアレイを設ける必要
がある。
【0060】これに対して、上述したように入力ポート
部11a及び出力ポート部11bを同一の入出力端面1
1に設ける構成によれば、図1に示したように、入力光
ファイバ711〜718からなる光ファイバアレイと、出
力光ファイバ721〜728からなる光ファイバアレイと
を、光回路1の片側に接続される単一の光ファイバアレ
イ7として構成することができる。これにより、光導波
路モジュールの構成の簡単化、及びそれによるモジュー
ルの低コスト化が可能となる。
【0061】また、このような構成は、信号光モニタ用
の光導波路モジュールの収納性の点でも好適である。例
えば、図5に示した光導波路モジュールでは、モジュー
ルの両側の端面91a、91bにそれぞれ外部からの光
ファイバが接続される。ここで、光ファイバは小径で曲
げると光ファイバでの信号光に対する損失が増大し、あ
るいは光ファイバ自体が破断する可能性がある。このた
め、図5の構成では、モジュールの両側に光ファイバを
接続するための充分なスペースを確保する必要があり、
光導波路モジュールの全体としての収納性が悪くなる。
これに対して、図1に示した光導波路モジュールでは、
モジュールの片側のみに光ファイバを接続すればよいの
で、その収納性を向上することができる。
【0062】また、本実施形態においては、信号光の光
強度のモニタに用いられる反射フィルタ4及び光検出器
アレイ6が、入力導波路部21及び出力導波路部22と
略直交するモニタ導波路部20に対して設置されてい
る。これにより、例えば、入力ポート部11a近傍など
の入力導波路部21において信号光の位置ずれや広がり
が発生した場合に、それによる余分な信号光成分の反射
フィルタ4及び光検出器アレイ6への入射が抑制され
る。したがって、チャンネル間でのクロストークなどの
信号光のモニタ特性を確実に向上することができる。
【0063】なお、このような反射フィルタ4及び光検
出器アレイ6等の配置については、一般には、それぞれ
の光導波路モジュールにおける光回路での具体的な導波
路パターンに応じて、好適な位置を選択して配置するこ
とが好ましい。
【0064】また、平面導波路型光回路1の入出力端面
11に対向する端面12は、図3に示したように、垂直
軸に対して所定の傾き角度αで斜めに形成されている。
これにより、入力ポート部11a近傍で発生した余分な
信号光成分などの光成分の端面12での反射が抑制され
るので、反射フィルタ4及び光検出器アレイ6への余分
な光成分の入射が抑制される。
【0065】また、光回路1に形成される溝3について
は、図2に示したように、光導波路2nの光軸に直交す
る垂直軸に対して所定の傾き角度θで斜めに形成するこ
とが好ましい。これにより、反射フィルタ4からの反射
光を光検出器61nで検出することによって信号光の光
強度のモニタを行う構成を、好適に実現することができ
る。なお、この場合、信号光の一部を反射する反射フィ
ルタ4として、直交する2つの偏波に対する反射率がほ
ぼ等しくされる偏波補償が実現された反射フィルタを用
いることが好ましい。
【0066】また、光回路1の入力導波路部21と出力
導波路部22との間には、光遮蔽手段である光遮蔽溝1
5が設けられている。これにより、光導波路2nの各導
波路部20、21、22間での余分な光成分の伝搬が防
止されるので、チャンネル間でのクロストークなどの信
号光のモニタ特性をさらに向上することができる。この
ような光遮蔽溝15は、図3に示したように、余分な光
成分の伝搬が充分に抑制されるように、光導波路2n
コア25よりも深い位置まで形成することが好ましい。
【0067】なお、入力導波路部21と出力導波路部2
2との間の光遮蔽手段については、様々な構成のものを
用いることができる。例えば、図1及び図3に示した構
成では、光遮蔽溝15の内部に光遮蔽性の充填材料から
なる溝充填樹脂16を充填することによって、光遮蔽手
段を構成している。これに対して、溝の内部に光遮蔽性
の充填材料を充填せず、光遮蔽溝15自体を光遮蔽手段
としても良い。また、溝以外による光遮蔽手段を用いる
ことも可能である。
【0068】上記した実施形態による光導波路モジュー
ルの具体的な構成例について説明する。この構成例で
は、光導波路2nとして比屈折率差Δn=0.45%の
平面導波路型の光導波路を用い、光導波路のピッチ間隔
を250μm、光導波路のコア深さを30μmとする。
また、平面導波路型光回路1について、光入力方向及び
光出力方向に平行な方向での寸法を38mm、垂直な方
向での寸法を40mmとする。
【0069】また、信号光の光強度をモニタするための
構成については、8チャンネルの光導波路21〜28に対
応して8チャンネルのフォトダイオードアレイを光検出
器アレイ6として用いるとともに、溝3の深さを200
μm、反射フィルタ4の反射率を5%、フィルタ固定用
樹脂5の屈折率を1.47とする。また、端面12の傾
き角度をα=8°、光遮蔽溝15の深さを光導波路のコ
アよりも深い200μmとする。以上の構成により、図
1〜図4に示した構成を有する光導波路モジュールを好
適に実現することができる。
【0070】図6は、光導波路モジュールの第2実施形
態の構成を示す平面図である。この光導波路モジュール
は、基板10、及び基板10上に設けられた平面導波路
型の光導波路21〜28を有して構成される平面導波路型
光回路1を備えている。
【0071】本光導波路モジュールの構成は、平面導波
路型光回路1に設けられた光導波路21〜28及び溝3、
反射フィルタ4、フィルタ固定用樹脂5、光検出器61
1〜618を有する光検出器アレイ6、サブマウント基板
65、入出力端面11に設けられた入力ポート部11a
及び出力ポート部11b、光遮蔽溝15、溝充填樹脂1
6、及び入出力端面11に接続された光ファイバアレイ
7については、図1に示した光導波路モジュールと同様
である。
【0072】図7は、図6に示した光導波路モジュール
の断面構造を、光導波路2nのモニタ導波路部20での
光軸に垂直な方向に沿って示すIV−IV矢印断面図であ
る。
【0073】平面導波路型光回路1の入力導波路部21
及び出力導波路部22の間には、光遮蔽溝15が設けら
れている。また、光遮蔽溝15の内側は、光遮蔽性の充
填材料からなる溝充填樹脂16によって封止されてい
る。
【0074】また、光回路1の入出力端面11に対向す
る端面12は、光導波路2nの入力導波路部21及び出
力導波路部22の光軸に直交する垂直軸に対して、略平
行に形成されている。また、端面12上には、図6及び
図7に示すように、端面12を覆う端面充填樹脂13が
設けられている。この端面充填樹脂13は、光導波路2
nと略同一の屈折率を有する充填材料によって形成され
ている。
【0075】本実施形態の光導波路モジュールにおいて
は、第1実施形態と同様に、平面導波路型光回路1に設
けられた光導波路21〜28に対し、信号光を光導波路2
1〜28のそれぞれへと入出力するための入力ポート部1
1a及び出力ポート部11bを、光回路1の同一の端面
である入出力端面11上に設置している。これにより、
光導波路2nの一部の導波路部分で信号光の位置ずれや
広がりが発生した場合であっても、それによる余分な信
号光成分の他の導波路部分への影響が低減される。した
がって、チャンネル間でのクロストークなどの信号光の
モニタ特性が向上される光導波路モジュールが実現され
る。
【0076】さらに、平面導波路型光回路1の入出力端
面11に対向する端面12は、図7に示したように、光
導波路2nと略同一の屈折率を有する充填材料からなる
端面充填樹脂13によって覆われている。これにより、
入力ポート部11a近傍で発生した余分な信号光成分な
どの光成分の端面12での反射が抑制されるので、端面
12を斜めに形成した場合と同様に、反射フィルタ4及
び光検出器アレイ6への余分な光成分の入射が抑制され
る。
【0077】図8は、光導波路モジュールの第3実施形
態の構成を示す平面図である。この光導波路モジュール
は、基板10、及び基板10上に設けられた平面導波路
型の光導波路21〜28を有して構成される平面導波路型
光回路1を備えている。
【0078】本光導波路モジュールの構成は、平面導波
路型光回路1に設けられた溝3、反射フィルタ4、フィ
ルタ固定用樹脂5、光検出器611〜618を有する光検
出器アレイ6、サブマウント基板65、光遮蔽溝15、
溝充填樹脂16、及び入出力端面11に接続された光フ
ァイバアレイ7については、図1に示した光導波路モジ
ュールと同様である。また、端面12の構成、及び端面
12上に設けられた端面充填樹脂13については、図6
に示した光導波路モジュールと同様である。
【0079】光導波路21〜28のそれぞれは、所定の光
伝送方向に沿って、平面導波路型光回路1の入力ポート
部11aから出力ポート部11bに向かって、その各部
で互いに略平行かつ等間隔となっている導波路パターン
によって形成されている。入力ポート部11a及び出力
ポート部11bは、光回路1の同一の端面である入出力
端面11に設けられている。
【0080】光導波路2nの入力ポート部11aに接続
されている導波路部分は、入力導波路部21となってい
る。同様に、光導波路2nの出力ポート部11bに接続
されている導波路部分は、出力導波路部22となってい
る。また、入力導波路部21と出力導波路部22との間
には、モニタ導波路部20が形成されている。これらの
直列に接続された導波路部21、20、及び22によっ
て、平面導波路型光回路1における8チャンネルの光導
波路21〜28のそれぞれが構成されている。
【0081】ここで、光回路1でのそれぞれの光導波路
nは、入力ポート部11a及び出力ポート部11bに
接続される位置での入力導波路部21と出力導波路部2
2との間隔が、反射フィルタ4及び光検出器アレイ6が
設置されているモニタ導波路部20側の所定位置での入
力導波路部21と出力導波路部22との間隔よりも小さ
くなるように構成された導波路パターン、すなわち、図
8に示すようなループ状の導波路パターンによって形成
されている。
【0082】本実施形態の光導波路モジュールにおいて
は、第1実施形態と同様に、平面導波路型光回路1に設
けられた光導波路21〜28に対し、信号光を光導波路2
1〜28のそれぞれへと入出力するための入力ポート部1
1a及び出力ポート部11bを、光回路1の同一の端面
である入出力端面11上に設置している。これにより、
光導波路2nの一部の導波路部分で信号光の位置ずれや
広がりが発生した場合であっても、それによる余分な信
号光成分の他の導波路部分への影響が低減される。した
がって、チャンネル間でのクロストークなどの信号光の
モニタ特性が向上される光導波路モジュールが実現され
る。
【0083】さらに、平面導波路型光回路1の光導波路
1〜28のそれぞれは、入力ポート部11aと出力ポー
ト部11bとの間において、ループ状の導波路パターン
によって形成されている。これにより、光導波路モジュ
ールに対する外部からの光導波路の接続、及びその調整
等を好適に行うことが可能となる。
【0084】詳述すると、光導波路モジュールに用いら
れる平面導波路型光回路を作製する方法として、火炎堆
積法(FHD法)などによってガラスを基板上にスス付
け、焼結して光回路を形成する方法が用いられる。この
ような作製方法では、基板に加えられる熱履歴によって
光回路の基板が収縮する場合がある。また、この熱履歴
による基板の収縮率は、その焼結温度によって変化す
る。
【0085】図9は、基板の収縮率の焼結温度に対する
依存性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸
は、光回路を形成する際の焼結温度(℃)を示してい
る。また、縦軸は、各焼結温度での基板の外形収縮率
(%)を示している。
【0086】この図9のグラフに示すように、焼結した
際の熱履歴による基板の外形収縮率は焼結温度によって
変化し、焼結温度が高くなるとその収縮率が大きくな
る。したがって、基板の収縮率は、光回路形成時の焼結
温度を低くすることによって低減することができる。し
かしながら、スス中での不純物添加量に制限がある場合
など、条件によっては焼結温度を低い温度に変えること
が難しい。このとき、比較的高い焼結温度で焼結を行う
と、基板の収縮量が大きくなり、また、それぞれの光回
路で、基板の収縮量のばらつきが大きくなる。
【0087】例えば、図8中に、光回路1での光導波路
1〜28について、入力ポート部11aで最も外側にあ
る光導波路28の入力導波路部21と、出力ポート部1
1bで最も外側にある光導波路28の出力導波路部22
との距離である最外芯間距離Lを示している。この最外
芯間距離Lに対して、光回路形成時の焼結温度が高くな
ると、基板の収縮率に依存した量での軸ずれが最外芯間
距離Lに発生する。
【0088】このような入力ポート部11aと出力ポー
ト部11bとの間での光導波路の軸ずれは、光回路1の
光導波路21〜28に対して入力ポート部11a及び出力
ポート部11bにおいて外部から接続される光ファイバ
のミスアラインメントなどの原因となる。そして、この
ような光ファイバのミスアラインメントにより、光回路
内において信号光の位置ずれや広がりが発生し、チャン
ネル間でのクロストークなどの信号光のモニタ特性が劣
化する。
【0089】これに対して、図8に示した構成の光導波
路モジュールでは、光回路1の光導波路21〜28をそれ
ぞれループ状の導波路パターンによって形成している。
これにより、入出力端面11近傍での入力導波路部21
と出力導波路部22との間隔を小さくして、最外芯間距
離Lを小さくすることができる。したがって、焼結温度
に応じて基板が収縮し、あるいは、その収縮率がある程
度ばらついた場合であっても、最外芯間距離Lに発生す
る軸ずれ量及びそのばらつきを低減することができる。
【0090】図10は、軸ずれ量の焼結温度に対する依
存性を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸
は、光回路を形成する際の焼結温度(℃)を示してい
る。また、縦軸は、各焼結温度で最外芯間距離Lに発生
する軸ずれ量(μm)を示している。また、このグラフ
において、グラフG1は、最外芯間距離をL=4000
μmとしたときの軸ずれ量を示している。また、グラフ
G2は、最外芯間距離をL=16000μmとしたとき
の軸ずれ量を示している。
【0091】この図10のグラフに示すように、焼結温
度による基板の収縮率の変化に伴って、最外芯間距離L
に発生する軸ずれ量は焼結温度に依存して変化し、焼結
温度が高くなるとその軸ずれ量が大きくなる。また、こ
のとき、光回路ごとの軸ずれ量のばらつきも同様に大き
くなる。また、最外芯間距離Lが異なる条件でのグラフ
G1及びG2を比較すると、最外芯間距離Lが大きいグ
ラフG2の方が、発生する軸ずれ量が大きくなってい
る。
【0092】図11は、クロストーク劣化量の軸ずれ量
に対する依存性を示すグラフである。このグラフにおい
て、横軸は、最外芯間距離Lに発生する軸ずれ量(μ
m)を示している。また、縦軸は、各軸ずれ量に対応す
るクロストーク劣化量(dB)を示している。
【0093】また、図12は、損失増加量の軸ずれ量に
対する依存性を示すグラフである。このグラフにおい
て、横軸は、最外芯間距離Lに発生する軸ずれ量(μ
m)を示している。また、縦軸は、各軸ずれ量に対応す
る損失増加量(dB)を示している。
【0094】これらの図11及び図12のグラフに示す
ように、最外芯間距離Lに発生する軸ずれ量が大きくな
るほど、光導波路モジュールにおけるチャンネル間での
クロストーク、及び光導波路モジュールにおいて信号光
に発生する損失などの特性が劣化する。したがって、図
8に示したように、光回路1における光導波路21〜28
の導波路パターンをループ状として最外芯間距離Lを小
さくし、焼結温度に応じて発生する軸ずれ量を低減する
ことにより、光導波路モジュールの特性を好適に保持す
ることができる。
【0095】本発明による光導波路モジュールは、上記
した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可
能である。例えば、光回路に設けられる光導波路の導波
路パターン、及び光導波路に対して設置される反射フィ
ルタ及び光検出器などの配置等については、上記した実
施形態に示した構成以外にも、それぞれの光導波路モジ
ュールのチャンネル数や用途などに応じて様々な構成を
用いて良い。また、入出力端面に接続されている信号光
入出力用の光ファイバアレイについては、設置しない構
成としても良い。
【0096】
【発明の効果】本発明による光導波路モジュールは、以
上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すな
わち、光導波路を横切る溝の内部に設置された反射フィ
ルタによって信号光の一部を反射して光強度のモニタに
用いるとともに、光強度のモニタの対象となる信号光を
入出力するための入力ポート及び出力ポートを光回路の
同一の端面上に設置した構成の光導波路モジュールによ
れば、光回路の構成及び製造工程が簡単化される。ま
た、入力ポートと出力ポートとの間での光導波路が直線
状ではない導波路パターンによって形成されることとな
る。これにより、光導波路の一部の導波路部分で信号光
の位置ずれや広がりが発生した場合であっても、それに
よる余分な信号光成分の他の導波路部分への影響が低減
される。したがって、チャンネル間でのクロストークな
どの信号光のモニタ特性が向上される光導波路モジュー
ルが得られる。
【0097】このような光導波路モジュールは、光ファ
イバや平面光導波路などからなる光回路中に挿入される
信号光強度モニタとして適用することが可能である。あ
るいは、光合波器、光分波器、光減衰器などの様々な光
回路の所定部位に設けることによって、光回路中で信号
光強度をモニタする構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導波路モジュールの第1実施形態の構成を示
す平面図である。
【図2】図1に示した光導波路モジュールのモニタ導波
路部での光軸に沿った断面構造を一部拡大して示すI−
I矢印断面図である。
【図3】図1に示した光導波路モジュールのモニタ導波
路部での光軸に垂直な断面構造を示すII−II矢印断面図
である。
【図4】図1に示した光導波路モジュールに用いられる
光ファイバアレイの光軸に垂直な断面構造を示すIII−I
II矢印断面図である。
【図5】光導波路モジュールの構成の一例を示す平面図
である。
【図6】光導波路モジュールの第2実施形態の構成を示
す平面図である。
【図7】図6に示した光導波路モジュールのモニタ導波
路部での光軸に垂直な断面構造を示すIV−IV矢印断面図
である。
【図8】光導波路モジュールの第3実施形態の構成を示
す平面図である。
【図9】基板の収縮率の焼結温度に対する依存性を示す
グラフである。
【図10】軸ずれ量の焼結温度に対する依存性を示すグ
ラフである。
【図11】クロストーク劣化量の軸ずれ量に対する依存
性を示すグラフである。
【図12】損失増加量の軸ずれ量に対する依存性を示す
グラフである。
【符号の説明】
1…平面導波路型光回路、10…基板、11…入出力端
面、11a…入力ポート部、11b…出力ポート部、1
2…端面、13…端面充填樹脂、15…光遮蔽溝、16
…溝充填樹脂、2n…光導波路、20…モニタ導波路
部、21…入力導波路部、22…出力導波路部、25…
コア、26…上部クラッド、27…下部クラッド、3…
溝、31…上流側端面、32…下流側端面、4…反射フ
ィルタ、5…フィルタ固定用樹脂、51…内部充填樹脂
部、52…上部充填樹脂部、6…光検出器アレイ、61
n…光検出器、65…サブマウント基板、7…光ファイ
バアレイ、70…基板、71n…入力光ファイバ、72n
…出力光ファイバ、75…V溝、76…保持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 BA11 BA24 CA37 DA03 DA04 DA06 2H047 KA04 KA12 LA09 LA14 MA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板、及び前記基板上に設けられた光導
    波路を含んで構成され、前記光導波路の所定位置を横切
    るように形成された溝を有する光回路と、 前記光回路の前記溝の内部に前記光導波路を伝搬される
    信号光が通過する部位を含むように設置され、前記信号
    光の一部を所定の反射率によって反射する反射フィルタ
    と、 前記反射フィルタによって前記信号光の一部が反射され
    た反射光を検出する光検出器とを備え、 前記光回路は、前記光導波路の入力導波路部が接続され
    た入力ポート、及び前記光導波路の出力導波路部が接続
    された出力ポートが同一の入出力端面に設けられている
    ことを特徴とする光導波路モジュール。
  2. 【請求項2】 前記反射フィルタ及び前記光検出器は、
    前記入力導波路部及び前記出力導波路部と略直交する導
    波路部に対して設置されていることを特徴とする請求項
    1記載の光導波路モジュール。
  3. 【請求項3】 前記光回路は、前記入力導波路部と前記
    出力導波路部との間に光遮蔽手段が設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の光導波路モジュール。
  4. 【請求項4】 前記光遮蔽手段は、前記光回路に形成さ
    れた光遮蔽溝からなることを特徴とする請求項3記載の
    光導波路モジュール。
  5. 【請求項5】 前記光遮蔽手段は、前記光回路に形成さ
    れた光遮蔽溝を光遮蔽性の充填材料によって充填してな
    ることを特徴とする請求項3記載の光導波路モジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 前記光回路の前記入出力端面に対向する
    端面は、前記入力導波路部及び前記出力導波路部の光軸
    に直交する垂直軸に対して、所定の傾き角度α(0°<
    α)で斜めに形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の光導波路モジュール。
  7. 【請求項7】 前記光回路の前記入出力端面に対向する
    端面は、前記光導波路と略同一の屈折率を有する充填材
    料によって覆われていることを特徴とする請求項1記載
    の光導波路モジュール。
  8. 【請求項8】 前記光回路は、前記入力ポート及び前記
    出力ポートに接続される位置での前記入力導波路部と前
    記出力導波路部との間隔が、前記反射フィルタ及び前記
    光検出器が設置されている導波路部側の所定位置での前
    記入力導波路部と前記出力導波路部との間隔よりも小さ
    くなるように構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の光導波路モジュール。
  9. 【請求項9】 前記光回路の前記溝は、前記反射フィル
    タ及び前記光検出器が設置されている導波路部の光軸に
    直交する垂直軸に対して、所定の傾き角度θ(0°<
    θ)で斜めに形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の光導波路モジュール。
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