JP2003344574A - 自然循環型原子炉システム及びその運転方法 - Google Patents

自然循環型原子炉システム及びその運転方法

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JP2003344574A
JP2003344574A JP2002150152A JP2002150152A JP2003344574A JP 2003344574 A JP2003344574 A JP 2003344574A JP 2002150152 A JP2002150152 A JP 2002150152A JP 2002150152 A JP2002150152 A JP 2002150152A JP 2003344574 A JP2003344574 A JP 2003344574A
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reactor
core
fuel assembly
natural circulation
pressure vessel
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Yoshihiko Ishii
佳彦 石井
Tadao Aoyama
肇男 青山
Tetsushi Hino
哲士 日野
Kimiaki Moriya
公三明 守屋
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経済性を充分に向上することができる自然循環
型原子炉システム及びその運転方法を提供する。 【解決手段】強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃
料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体23を装荷した原
子炉炉心1、この原子炉炉心1を内包する原子炉圧力容
器5、及びこの原子炉圧力容器5を貫通し原子炉炉心1
内に挿抜可能に設けられ原子炉炉心1の出力を制御する
制御棒7を備えた自然循環型沸騰水型原子炉と、原子炉
圧力容器5に接続され原子炉炉心1からの蒸気をタービ
ン8に導く主蒸気管9と、タービン8を駆動した蒸気を
復水させ原子炉圧力容器5へ還流させる給水管10と、
この給水管10に設けられ、復水流量を調節することで
原子炉圧力容器5内の原子炉水位Hを制御する流量調整
弁15とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉心冷却水を自然
循環によって循環させる自然循環型沸騰水型原子炉を備
える自然循環型原子炉システム及びその運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉は、その炉心冷
却水の循環方式によって強制循環型と自然循環型とに大
別することができる。強制循環型沸騰水型原子炉(以
下、強制循環型原子炉と記述する)は、ジェットポンプ
又はインターナルポンプ等を備えており、このポンプを
用いて強制的に炉心に冷却水を送り込むようになってい
る。一方、自然循環型沸騰水型原子炉(以下、自然循環
型原子炉と記述する)は、上記強制循環型原子炉のよう
に強制的に循環させるポンプを備えておらず、炉心を取
り囲む原子炉シュラウドの外側の冷却水と原子炉シュラ
ウド内側の水と蒸気が混在する気液混合流との密度差に
基づく自然循環力によって冷却水が循環されるようにな
っている。
【0003】このように、自然循環型原子炉において
は、強制循環型原子炉がポンプを用いて強制的に冷却水
を循環させるのに対し自然循環力により冷却水を循環す
るので、強制循環型原子炉と同等の炉心内の冷却水流量
を得にくく、この結果、強制循環型原子炉と比べて炉心
出力密度は小さくなる傾向にある。そこで、従来より、
自然循環型原子炉に装荷する燃料集合体の有効発熱部長
さを比較的短くして炉心圧力損失を低減することによ
り、炉心内の冷却水流量をなるべく大きく確保すること
が行われている。
【0004】このような構造の一般的な自然循環型原子
炉としては、例えばCraig Kullberg, Kenneth Jones, C
hris Heath, "Operating Experience of Natural Circu
lation Core Cooling in Boiling Water Reactors," 93
-WA/HT-73 (ASME Winter Annual Meeting, New Orlean
s, Nov. 28-Dec. 3, 1993)のP11のTABLE4に記載されて
いるSBWRがある。図9は、自然循環型原子炉と強制
循環型原子炉との差異を分かり易くするために、上記TA
BLE4から上記SBWR(自然循環型原子炉)と一般的な
強制循環型原子炉(図中BWR/6で示している)とを
その適宜な項目について抜き出して示した図である。
【0005】この図9に示すように、SBWR(自然循
環型原子炉)は、燃料集合体の有効発熱部長さをBWR
/6(強制循環型原子炉)の3.81mに対して2.7
4mと比較的短くすることにより、炉心圧力損失をBW
R/6の172kPaに対して48kPaまで低減して
いる。この結果、炉心出力密度をBWR/6の50W/
cmに対して約80%の41.5W/cmまで大き
くしている。このようにすることで、熱的な安全性を確
保しつつ炉心出力密度をできるだけ大きくすることが可
能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では以下のような課題が存在する。すなわち、上
記従来の自然循環型原子炉は、強制循環型原子炉と同様
に炉心出力密度をできるだけ大きくして経済性を高める
ことに主脈をおいており、この結果、炉心圧力損失を低
減して冷却水流量を確保するべく、有効発熱部長さが強
制循環型原子炉より短い特別仕様の燃料集合体が必要と
なっていた。したがって、燃料集合体の製作コストが嵩
む傾向にあった。
【0007】ここで、元来、上述したように自然循環型
原子炉は強制循環型原子炉と比べて強制循環用のポンプ
やそれらを駆動する制御盤等が不要であり、またこの強
制循環用のポンプや制御盤等の保守作業が不要であるた
め、強制循環型と比較して経済性を向上できる利点があ
った。しかしこの利点は、上記特別仕様の燃料集合体の
製作コストの増大により相殺されてしまうため、原子炉
システム全体の総合的な経済性を充分に向上するのが困
難となっていた。
【0008】本発明の目的は、経済性を充分に向上する
ことができる自然循環型原子炉システム及びその運転方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明の自然循環型原子炉システムは、強制
循環型沸騰水型原子炉に使用される燃料集合体と同じ幾
何形状の燃料集合体を装荷した原子炉炉心、この原子炉
炉心を内包する原子炉圧力容器、及びこの原子炉圧力容
器を貫通し前記原子炉炉心内に挿抜可能に設けられ前記
原子炉炉心の出力を制御する制御棒を備えた自然循環型
沸騰水型原子炉と、前記原子炉圧力容器に接続され前記
原子炉炉心からの蒸気をタービンに導く蒸気系と、前記
タービンを駆動した蒸気を復水させ前記原子炉圧力容器
へ還流させる復水系と、この復水系に設けられ、復水流
量を調節することで前記原子炉圧力容器内の原子炉水位
を制御する水位制御手段とを有する。
【0010】本発明においては、制御棒を操作すること
で自然循環型原子炉の炉心出力密度を従来の自然循環型
原子炉に対して比較的小さくなるように制御し、また水
位制御手段により原子炉圧力容器内の原子炉水位を制御
することで原子炉炉心内を流れる冷却水流量を従来の自
然循環型原子炉に対して比較的少なく設定する。これに
より、炉心圧力損失を大きく低減することができるの
で、従来の自然循環型原子炉で用いていた特別仕様の燃
料集合体よりも長い形状の強制循環型原子炉に使用され
る燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を用いて自然
循環型原子炉を構成することができる。この結果、従来
のように炉心出力密度を大きくすることで燃料経済性の
向上を図りつつもそのために有効発熱部長さが強制循環
型原子炉よりも短い特別仕様の燃料集合体が必要となり
製作コストが嵩んでいた構造と比べ、炉心出力密度が小
さいことによる燃料経済性の面での不利はあっても多数
製作されている強制循環型原子炉用の燃料集合体を流用
することで燃料集合体の製作コストを大きく節約するこ
とができるので、総合的な経済性を充分に向上すること
ができる。
【0011】またこのとき、上記炉心出力密度と冷却水
流量の設定を、例えば従来の自然循環型原子炉に対して
炉心出力密度を約70%、冷却水流量を約40%とする
ことで、従来の自然循環型原子炉と略同等の熱的余裕を
確保することができる。したがって、熱的な安全性を確
保しつつ経済性を向上することができる。
【0012】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記燃料集合体は、強制循環型沸騰水型原子炉に使用さ
れる燃料集合体と濃縮度分布も含めて全く同等である。
【0013】これにより、強制循環型原子炉に使用され
る燃料集合体と濃縮度分布も含めて全く同等の燃料集合
体を流用できるので、さらに経済性を向上することがで
きる。
【0014】(3)上記(1)又は(2)において、ま
た好ましくは、前記水位制御手段は流量調整弁である。
【0015】(4)上記目的を達成するために、本発明
の自然循環型原子炉システムの運転方法は、原子炉炉心
に強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃料集合体と
同じ幾何形状の燃料集合体を装荷し、100%定格出力
時の炉心出力密度を33W/cm以下とする。
【0016】本発明においては、炉心出力密度を33W
/cm以下、すなわち前述した一般的な強制循環型原
子炉であるBWR/6の100%定格出力時の炉心出力
密度である50W/cmの約60%に制御する。これ
により、例えば通常時の冷却水の原子炉水位を燃料集合
体の有効発熱部下端から8〜13mの範囲内に調節する
ことで、冷却水の炉心平均燃料集合体内流量を100%
定格出力時に350〜500kg/m/sの範囲内、
すなわち上記BWR/6の炉心平均燃料集合体内流量で
ある約1400kg/m/sの約1/3とすることが
可能である。
【0017】このようにして、炉心出力密度をBWR/
6の約60%とし、且つ炉心平均燃料集合体内流量を約
1/3とすると、これら炉心出力密度及び冷却水流量の
変更前・後における熱的余裕は略同等となる。
【0018】またこのとき、炉心平均燃料集合体内流量
を約1/3とすることから摩擦圧力損失は約1/9とな
るので、これにより、炉心出力密度及び冷却水流量の変
更後の炉心圧力損失はBWR/6の約170kPaに対
して前述のSBWR(自然循環型原子炉)と同等の約5
0kPa以下にまで低減することができる。
【0019】この結果、上記方法で運転することによ
り、自然循環力で冷却水を循環することが可能となる。
すなわち、有効発熱部長さが3.65〜3.81mとい
った一般的な強制循環型原子炉に使用される燃料集合体
と同じ幾何形状の燃料集合体を用いた自然循環型原子炉
を実現することができる。したがって、従来自然循環型
原子炉のように特別仕様の燃料集合体を必要としないの
で、経済性を充分に向上することができる。
【0020】(5)上記目的を達成するために、また本
発明の自然循環型原子炉システムの運転方法は、原子炉
炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃料集合
体と同じ幾何形状の燃料集合体を装荷し、通常時の原子
炉水位を燃料発熱部下端から8〜13mの範囲の高さに
設定し、100%定格出力時の炉心出力密度を33W/
cm以下とする。
【0021】(6)上記目的を達成するために、また本
発明の自然循環型原子炉システムの運転方法は、原子炉
炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃料集合
体と同じ幾何形状の燃料集合体を装荷し、100%定格
出力時に炉心出力密度を33W/cm以下且つ炉心平
均燃料集合体内流量を350〜500kg/m/sの
範囲内とする。
【0022】(7)上記目的を達成するために、また本
発明の自然循環型原子炉システムの運転方法は、原子炉
炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃料集合
体と同じ幾何形状の燃料集合体を装荷し、100%定格
出力時に炉心出力密度を33W/cm以下且つ炉心圧
力損失を50kPa以下とする。
【0023】(8)上記目的を達成するために、また本
発明の自然循環型原子炉システムの運転方法は、原子炉
炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃料集合
体と同じ幾何形状の燃料集合体を装荷し、100%定格
出力時に炉心出力密度を33W/cm以下且つ炉心圧
力損失を50kPa以下且つ炉心入口に設けられたオリ
フィスの圧力損失を10kPa以上15kPa以下とす
る。
【0024】通常、例えば燃料集合体を支持する燃料支
持金具にはオリフィスが設けられており、原子炉炉心内
を流れる冷却水はこのオリフィスを通過して燃料集合体
内に流入するようになっている。このオリフィスは、原
子炉炉心内における冷却水の沸騰(二相流)部の圧力損
失に対する非沸騰(単相流)部の圧力損失の比率を増加
させ、核熱水力安定性(炉心安定性)や熱水力安定性
(チャンネル安定性)を向上する働きをもっている。一
般に、上記核熱水力安定性や熱水力安定性を確保するに
は、炉心全体の圧力損失に対して上記非沸騰(単相流)
部の圧力損失が30%以上占めることが望ましいとされ
ている。
【0025】本発明においては、100%定格出力時に
炉心圧力損失を50kPa以下且つオリフィスの圧力損
失を10kPa以上15kPa以下とするので、例えば
燃料集合体入口の下部タイプレートノズル部やデブリフ
ィルタで発生する非沸騰(単相流)部の圧力損失を考慮
すると、非沸騰(単相流)部の圧力損失が炉心圧力損失
の略30%以上となり、安定性のよい炉心を実現するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自然循環型原子炉
システム及びその運転方法の第1の実施の形態を図1乃
至図6を参照しつつ説明する。図1は、本発明の自然循
環型原子炉システムの第1の実施の形態の全体構成を表
す模式図である。この図1において、自然循環型原子炉
システムが有する自然循環型沸騰水型原子炉(以下、自
然循環型原子炉と記述する)は、原子炉炉心1と、この
原子炉炉心1を取り囲む原子炉シュラウド2と、この原
子炉シュラウド2の上部に配設され煙突状の複数の流路
から構成されたチムニー3と、このチムニー3のさらに
上部に配設されたドライヤ4と、これら原子炉炉心1、
原子炉シュラウド2、チムニー3、及びドライヤ4を内
包する原子炉圧力容器5と、この原子炉圧力容器5の下
部に設けられた制御棒駆動機構6と、この制御棒駆動機
構6により上記原子炉炉心1内を上・下方向に挿抜可能
に駆動され原子炉出力を制御する制御棒7とを備えてい
る。
【0027】上記原子炉炉心1に流入する冷却水は、上
記原子炉シュラウド2外側の冷却水と原子炉シュラウド
2内側の水と蒸気が混在する気液混合流との密度差に基
づく自然循環力によって駆動されるようになっている。
この自然循環力の駆動力となる原子炉シュラウド2外側
の原子炉水位Hは、100%定格出力時において後述の
燃料集合体23の燃料発熱部下端から約8mとなるよう
に設定されている(詳細は後述)。
【0028】上記自然循環力によって原子炉炉心1に流
入した冷却水は、加熱されて蒸気と飽和水の気液混合流
となって原子炉炉心1内を上昇する。この気液混合流
は、原子炉炉心1の上部に設けた上記チムニー3内をさ
らに上昇し、原子炉圧力容器5内に形成されている自由
水面で蒸気と飽和水に分離する。分離された蒸気はチム
ニー3の上部に設けた上記ドライヤ4により乾燥され、
タービン8側に送られるようになっている。なお、チム
ニー3はその上端が上記原子炉水位Hと略同等の高さに
なるように設置されている。
【0029】上記原子炉圧力容器5の高さは約20mで
あり、その外周面には主蒸気管9及び給水管10が接続
されている。ドライヤ4で乾燥された蒸気は上記主蒸気
管9を介してタービン8に導かれ、タービン8に接続さ
れた発電機11を回転させて発電する。タービン8を回
転させた蒸気は抽気ライン12を介して復水器13に導
入され、凝縮する。この復水器3で凝縮した冷却水(復
水)は、給水ポンプ14により上記給水管10から原子
炉圧力容器5内へ還流される。このとき、給水管10に
は流量調整弁15が設けられており、この流量調整弁1
5によって原子炉圧力容器5内へ還流する冷却水流量を
調整することで、原子炉圧力容器5内の原子炉水位Hを
制御できるようになっている。また、給水管10には給
水加熱器16が設けられており、タービン8の途中段か
ら抽気した蒸気を用いて冷却水を適当な温度まで昇温す
るようになっている。
【0030】なお、上記主蒸気管9には、主蒸気隔離弁
17及びタービン8に導入する蒸気量を調節するタービ
ン蒸気流量加減弁18が設けられ、また、逃し管19及
びバイパス管20が接続されている。上記タービン蒸気
流量加減弁18を絞る際には上記バイパス管20に設け
られたタービンバイパス弁21が開かれ、蒸気の一部は
タービン8に導入されずにバイパス管20を介して直接
復水器13に導入されるようになっている。また、上記
主蒸気隔離弁17を閉鎖する際には上記逃し管19に設
けられた安全弁22が開かれ、原子炉で発生した蒸気を
格納容器内のサプレッションプール(図示せず)中に導
いて蒸気を凝縮するようになっている。
【0031】上記原子炉炉心1には多数の燃料集合体2
3が装荷されている。図2はこの燃料集合体23の全体
構造を表す縦断面図であり、図3は図2中III−III断面
における横断面図である。これら図2及び図3におい
て、燃料集合体23は、一般的な強制循環型沸騰水型原
子炉(以下、強制循環型原子炉と記述する)で使用され
ている9×9燃料棒配列の燃料集合体と同等の幾何形状
をしており、その有効発熱部長さLは例えば3.71m
である。この燃料集合体23は、核燃料物質で構成され
た円柱状の燃料ペレットを封入した複数の燃料棒24と
非沸騰水が内部を流れる水ロッド25とを備えており、
これら燃料棒24と水ロッド25とが上部タイプレート
26、下部タイプレート27、及び燃料スペーサ28に
より束ねられ、その周囲をチャンネルボックス29が取
り囲んだ構造となっている。このチャンネルボックス2
9内の流路30は約100cmの流路面積を有し、冷
却水が沸騰しながら流れるようになっている。また、隣
接する燃料集合体23,23の間(又は燃料集合体23
と制御棒7との間)はバイパス流路31となっており、
非沸騰水が流れるようになっている。
【0032】上記燃料集合体23は、4本が1組となっ
て1体の燃料支持金具32に支持されるようになってい
る。図4はこの燃料支持金具32の全体構造を表す斜視
図であり、図5は図4中V−V断面における縦断面図であ
る。これら図4及び図5において、燃料支持金具32は
炉心支持板33(図1も参照)に配設されており、その
上部には燃料集合体23を支持するための支持孔34が
4箇所設けられ、この支持孔34に燃料集合体23の下
部タイプレート27が差し込まれることで燃料集合体2
3を支持するようになっている。また、燃料支持金具3
2の略中央部には制御棒7挿通用の略十字型の貫通孔3
5が設けられ、また燃焼支持金具32の下部には周方向
4箇所にオリフィス36が設けられている。
【0033】このオリフィス36は、上記炉心支持板3
3の下方の下部プレナム(図示せず)から図5中矢印ア
の向きに上記オリフィス36を介して原子炉炉心1内に
流入する冷却水において、冷却水の沸騰(二相流)部の
圧力損失に対する非沸騰(単相流)部の圧力損失の比率
を増加して、原子炉の核熱水力安定性(炉心安定性)や
熱水力安定性(チャンネル安定性)を向上させる働きを
もっている。
【0034】このとき、例えば一般的な強制循環型原子
炉においては、原子炉炉心最外周部以外の炉心領域(中
心領域)には直径5cm程度の比較的口径の大きなオリ
フィスを配置し、炉心最外周部には中心領域に比べて比
較的口径の小さなオリフィスを配置し、口径の異なる2
種類のオリフィスを用いて出力密度の小さい炉心最外周
部の冷却水流量を絞るように配設しているのに対し、本
実施の形態においては、炉心径方向全体に渡って同一口
径のオリフィスを配置しており、その直径は約3〜4c
mであり上記強制循環型原子炉に比べて小さな口径とな
っている。
【0035】以上において、主蒸気管9、主蒸気隔離弁
17、及びタービン蒸気流量加減弁18は、特許請求の
範囲各項記載の原子炉圧力容器に接続され原子炉炉心か
らの蒸気をタービンに導く蒸気系を構成する。また、流
量調整弁15は原子炉圧力容器内の原子炉水位を制御す
る水位制御手段を構成し、これと給水管10、抽気ライ
ン12、復水器13、給水ポンプ14、及び給水加熱器
16とが、タービンを駆動した蒸気を復水させ原子炉圧
力容器へ還流させる復水系を構成する。
【0036】次に、上記構成の本発明の自然循環型原子
炉システムの第1の実施の形態の運転方法を以下に説明
する。上記構成の自然循環型原子炉システムの第1の実
施の形態において、原子炉圧力容器5内の圧力を約70
気圧とし、制御棒7の操作により100%定格出力時の
炉心出力密度を30W/cmに制御する。なお、この
炉心出力密度とは原子炉出力を炉心体積で除したもので
あり、この炉心体積は燃料集合体セル37(図3参照)
の断面積×有効発熱部長さL×燃料集合体23の数で定
義するものである。
【0037】また、流量調整弁15により、通常時の原
子炉水位Hを燃料集合体23の燃料発熱部下端から約8
mとする。具体的には、例えば原子炉水位Hを下げると
きには流量調整弁15の開度を絞ることで原子炉圧力容
器5内へ還流する冷却水流量を絞り、原子炉水位Hが目
標の水位まで下がった時点で流量調整弁15の開度を元
に戻すようにする。一方、水位を上げる場合には同様に
流量調整弁15を開き、目標水位となった時点で開度を
元に戻すようにする。
【0038】なお、原子炉水位Hの設定値を約8mとす
るのは、原子炉水位Hが8m以下の範囲ではこの原子炉
水位Hの増加に伴って炉心出力密度が大きく増加する
が、原子炉水位Hが8m以上の範囲では炉心出力密度の
変化は顕著に小さくなる傾向があるためであり(後述の
図8参照)、且つ、原子炉圧力容器5の高さをなるべく
小さくするためにはこの原子炉水位Hはなるべく小さい
方がよいからである。
【0039】このようにして原子炉水位Hを約8mに制
御すると、自然循環力で循環される冷却水の炉心平均燃
料集合体内流量は約400kg/m/sとなる。
【0040】なお、本実施形態の自然循環型原子炉シス
テムを上記方法で運転することにより、自然循環型原子
炉の有効発熱部長さ3.71mの燃料集合体1体当たり
の出力は、炉心出力密度41.5W/cmで運転する
前述の従来の自然循環型原子炉SBWRの有効発熱部長
さ2.74mの燃料集合体1体当たりの出力とほぼ同等
となる。
【0041】次に、本発明の自然循環型原子炉システム
の第1の実施の形態を上記運転方法により運転したとき
の作用を以下に順に説明する。 (1)強制循環型原子炉の燃料集合体を使用することに
よる経済性の向上 本実施の形態においては、炉心出力密度を30W/cm
、原子炉水位Hを燃料集合体23の燃料発熱部下端か
ら約8mというように、従来の自然循環型原子炉SBW
Rの炉心出力密度41.5W/cm、原子炉水位H約
13mに対して比較的小さく制御することで、冷却水の
炉心平均燃料集合体内流量を約400kg/m/s、
すなわち上記SBWRの炉心平均燃料集合体内流量であ
る約1000kg/m/sに対して約40%とするこ
とができ、これにより炉心圧力損失を大きく低減するこ
とができる。この結果、上記SBWRのような従来の自
然循環型原子炉で用いていた特別仕様の燃料集合体より
も長い形状の強制循環型原子炉に使用される燃料集合体
と同じ幾何形状(有効発熱部長さLが3.71m)の燃
料集合体23を用いることができる。したがって、従来
のように炉心出力密度を大きくすることで燃料経済性の
向上を図りつつもそのために有効発熱部長さが強制循環
型原子炉よりも短い特別仕様の燃料集合体が必要となり
製作コストが嵩んでいた構造と比べ、炉心出力密度が小
さいことによる燃料経済性の面での不利はあっても多数
製作されている強制循環型原子炉用の燃料集合体を流用
することで燃料集合体の製作コストを大きく節約するこ
とができるので、総合的な経済性を充分に向上すること
ができる。
【0042】(2)熱的余裕(MCPR)の確保 一般に、沸騰水型原子炉の熱的余裕は、燃料棒が沸騰遷
移を起こす出力(限界出力)と現在の出力との比で定義
した最小限界出力比MCPR(MCPR=限界出力/現
在出力)という指標で評価される。なお、このMCPR
は、冷却水流量の平方根に比例し炉心出力に反比例する
性質(MCPR∝√冷却水流量/炉心出力)を有してい
る。
【0043】本実施の形態においては、炉心出力密度を
30W/cmに制御し、原子炉水位Hを燃料集合体2
3の燃料発熱部下端から約8mに設定することで冷却水
の炉心平均燃料集合体内流量を約400kg/m/s
とする。すなわち、従来の自然循環型原子炉SBWRの
炉心出力密度41.5W/cm、炉心平均燃料集合体
内流量約1000kg/m/sに対して、炉心出力密
度は約70%、炉心平均燃料集合体内流量は約40%と
する。
【0044】この結果、上記MCPRの性質(MCPR
∝√冷却水流量/炉心出力)により、本実施の形態の自
然循環型原子炉は、SBWRと略同等の熱的余裕を確保
することができる。したがって、熱的な安全性を確保し
つつ上記(1)で述べた経済性を向上する効果を得るこ
とができる。
【0045】(3)ΔMCPR抑制効果による経済性の
向上 上記(2)において述べたように、沸騰水型原子炉の熱
的余裕は最小限界出力比MCPRを指標として評価され
る。通常、原子炉は、予め評価された過渡変化時におけ
る上記MCPRの減少分(ΔMCPR)を見込んで設計
され、充分な熱的余裕をもって運転されるようになって
いる。
【0046】ところで、自然循環型原子炉における上記
過渡変化の代表事象には、例えば負荷の喪失等による圧
力上昇過渡事象がある。この圧力上昇過渡事象時には、
燃料集合体23内の気泡が消失(ボイド率が低下)して
中性子減速材として作用する水密度が増加するので、反
応度が上昇して炉心出力が大きくなる。このとき、気泡
が消失する際にはその消失部分に冷却水が流入する必要
があるため、炉心1内に流入する冷却水流速が遅けれ
ば、燃料集合体23内全体の気泡が冷却水に取って代わ
られるまでに時間がかかり、すなわち単位時間当たりの
投入反応度が小さくなって圧力上昇過渡事象時の原子炉
の出力変動を緩和することになる。
【0047】ここで、従来の自然循環型原子炉SBWR
においては、その冷却水の燃料集合体入口流速は約1m
/sであり、前述した一般的な強制循環型原子炉BWR
/6の燃料集合体入口流速約2m/sと比べて小さくな
ってはいるが、燃料集合体の有効発熱部長さが短いため
に、単位時間当たりの投入反応度は上記BWR/6と比
べて大きく減少していない。これに対し、本実施の形態
の自然循環型原子炉においては、冷却水の燃料集合体入
口流速は約0.6m/sであり、且つ反応度に影響する
燃料集合体23の有効発熱部長さLはBWR/6と略同
等の3.71mであるので、単位時間当たりの投入反応
度をBWR/6の約1/3にすることが可能である。し
たがって、圧力上昇過渡事象時における原子炉のΔMC
PRを充分に抑制することができる。
【0048】これにより、従来の自然循環型原子炉が、
圧力上昇過渡事象時において強制循環型原子炉のように
ポンプの停止等により冷却水の循環を強制的に停止ある
いは抑制することができないことから圧力上昇過渡事象
時におけるΔMCPRが強制循環型原子炉より大きくな
る傾向にあり、このため大きなMCPRを有するように
原子炉水位を比較的大きくして設計された結果、強制循
環型原子炉よりも原子炉圧力容器の高さが大きくなる傾
向にあったのに対し、本実施の形態の自然循環型原子炉
によれば、上記したようにΔMCPRを充分に抑制する
ことができるので、原子炉圧力容器5の高さを上記強制
循環型原子炉BWR/6の原子炉圧力容器高さと同等の
約20mとすることができる。この結果、従来の自然循
環型原子炉SBWRにおいては原子炉圧力容器の高さが
約25mであったのに対し、原子炉圧力容器の高さを小
さくできるので、その製造費を低減することができる。
したがって、経済性をさらに向上することができる。
【0049】(4)燃料のドップラー効果による燃料経
済性の向上 本実施の形態においては、従来の自然循環型原子炉SB
WRよりも炉心出力密度を下げて運転するため、出力密
度が小さいことにより燃料の温度が低下し、このために
燃料のドップラー効果が生じて上記SBWRよりもこの
ドップラー効果の分だけ反応度が得をすることになる。
【0050】一方、炉心内冷却水のボイド率に関して
は、炉心出力密度をSBWRの約70%、冷却水の炉心
平均燃料集合体内流量をSBWRの約40%とすること
で、例えば炉心入口サブクールを一般的な強制循環型原
子炉と同等の約10℃とした場合、6〜8%増加するこ
とになる。このボイド率の増加により反応度は減少する
が、上記ドップラー効果による反応度の利得分の方がこ
のボイド率増加による反応度の減少分より大きいため、
総合的にみて反応度は得をする方に作用する。
【0051】この反応度の利得によって、例えば同じ濃
縮度の燃料を使用した場合にはより多くの燃料を燃焼さ
せることができ、また燃焼度を同一とした場合にはより
低濃縮の燃料により炉心を構成することができる。この
ようにして、本実施の形態によれば燃料経済性を向上す
ることができる。
【0052】なお、炉心入口サブクールを一般的な強制
循環型原子炉よりも大きくすれば、炉心内の冷却水のボ
イド率を低下することができるので、さらに燃料経済性
を向上することができる。
【0053】(5)オリフィスによる効果 前述したように、オリフィス36は原子炉炉心1内にお
ける冷却水の沸騰(二相流)部の圧力損失に対する非沸
騰(単相流)部の圧力損失の比率を増加させ、核熱水力
安定性(炉心安定性)や熱水力安定性(チャンネル安定
性)を向上する働きをもっている。一般に、上記核熱水
力安定性や熱水力安定性を確保するには、炉心全体の圧
力損失に対して上記非沸騰(単相流)部の圧力損失が3
0%以上占めることが望ましいとされている。
【0054】本実施の形態においては、直径約3〜4c
mのオリフィスを炉心径方向全体に渡って配設すること
で、100%定格出力時の単相流部の圧力損失を10〜
15kPaとする。これにより、約50kPaの炉心圧
力損失に対し、燃料集合体23入口の下部タイプレート
ノズル部(図示せず)やデブリフィルタ(図示せず)等
で発生する圧力損失を加えた単相流部の圧力損失が上記
炉心圧力損失の略30%以上となり、安定性のよい炉心
を実現することができる。
【0055】なお、上記本発明の第1の実施の形態で
は、燃料集合体23として9×9燃料棒配列で有効発熱
部長さLが3.71mのものを用いたが、これに限ら
ず、燃料棒配列が7×7、8×8、10×10、あるい
はそれ以上のものを用いてもよい。また、有効発熱部長
さLに関しては、一般的な強制循環型原子炉に使用され
ているもの(有効発熱部長さLが3.65m(144イ
ンチ)〜3.81m(150インチ))であればよい。
【0056】また、上記本発明の第1の実施の形態で
は、燃料集合体23として一般的な強制循環型原子炉で
使用されている燃料集合体と同等の幾何形状のものを用
いているが、例えば集合体識別番号が刻印されている上
部タイプレート26のハンドル部、チャンネルボックス
ファスナー(図示せず)、下部タイプレート27、及び
チャンネルボックス29等、コスト増加要因の少ない部
材に関しては、強制循環型原子炉用の燃料集合体と同等
の幾何形状でなくともよい。
【0057】また、上記本発明の第1の実施の形態で
は、チムニー3の上部にドライヤ4を設けて蒸気を乾燥
させているが、出力密度を小さくすることで自由水面か
ら発生する蒸気の流速も小さくなり、蒸気中に巻き込む
液滴(キャリーオーバー)を減少させることができるの
で、例えば図6に示すようにドライヤ4を削除した構造
としてもよい。この場合、ドライヤ4の分の製造コスト
を低減することができるとともに、燃料交換時に必要な
このドライヤ4の撤去作業を省略することができるの
で、燃料交換時の作業性を向上することができる。
【0058】次に、本発明の自然循環型原子炉システム
及びその運転方法の第2の実施の形態を図7及び図8を
参照しつつ以下に説明する。本実施の形態は、原子炉シ
ュラウドの上部に気水分離機を設け、100%定格出力
時の炉心出力密度を25W/cmとしたものである。
【0059】図7は、本発明の自然循環型原子炉システ
ムの第2の実施の形態を構成する自然循環型原子炉の全
体構造を表す模式図である。この図7において、前述の
第1の実施の形態と異なる点は、原子炉シュラウド2の
上部にチムニー3の代わりに気水分離機38を設けたこ
とである。この気水分離機38は、チムニー3より圧力
損失は大きいが、蒸気と水の分離効率がよく原子炉水位
Hを安定させる働きをもっている。なお、その他の原子
炉、タービン、蒸気系、復水系の各機器については前述
の第1の実施の形態と同様の構成となっている。
【0060】次に、上記構成の本発明の自然循環型原子
炉システムの第2の実施の形態の運転方法及び作用を以
下に説明する。上記構成の自然循環型原子炉システムの
第2の実施の形態において、100%定格出力時の炉心
出力密度を25W/cmに制御し、通常時の原子炉水
位Hを前述の第1の実施の形態と同様に燃料集合体23
の燃料発熱部下端から約8mとなるように設定する。こ
のとき、本実施の形態においては、気水分離機38を設
けたことで第1の実施の形態よりも圧力損失が増加して
いるが、炉心出力密度を下げていることで上記のように
原子炉水位Hを第1の実施の形態と同様にすることが可
能である。なお、この他の運転方法は前述の第1の実施
の形態と同様である。
【0061】ここで、図8は、有効発熱部長さが3.7
1mの燃料集合体を装荷した自然循環型原子炉におけ
る、炉心出力密度と原子炉水位との関係を表す図であ
る。この図8において、実線はMCPRが1.25、破
線はMCPRが1.5の自然循環型原子炉における炉心
出力密度と原子炉水位との関係をそれぞれ示している。
上記実線上の点Aは、前述の第1の実施の形態の運転条
件(炉心出力密度30W/cm、原子炉水位8m)を
示している。一方、本実施の形態の運転条件(炉心出力
密度25W/cm、原子炉水位8m)を示すのは点B
であり、この点Bは破線上にある。すなわち、本実施の
形態によれば、MCPRを1.5とすることができ、M
CPRが1.25である前述の第1の実施の形態よりも
充分な熱的余裕を確保することができる。これにより、
第1の実施の形態が強制循環型原子炉で使用される燃料
集合体と幾何形状が同じ燃料集合体を用いたのに対し、
本実施の形態では強制循環型原子炉で使用される燃料集
合体と濃縮度分布も含めて全く同等の燃料集合体を用い
ることができる。したがって、燃料集合体の製作コスト
をさらに低減することができる。また、熱的余裕が大き
いことで、燃料の燃焼に伴う制御棒パターンの変更を容
易に行うことができる。また、出力密度がさらに小さい
ために、燃料棒温度及び線出力密度が小さく、安全裕度
が高く運転し易い原子炉を実現することができる。
【0062】
【発明の効果】本発明の自然循環型原子炉システムによ
れば、制御棒を操作することで自然循環型沸騰水型原子
炉の炉心出力密度を従来の自然循環型沸騰水型原子炉よ
りも小さくなるように制御し、また水位制御手段により
原子炉圧力容器内の原子炉水位を制御して原子炉炉心内
の冷却水流量を従来の自然循環型沸騰水型原子炉よりも
少なく設定する。これにより、炉心圧力損失を大きく低
減することができるので、従来のように特別仕様の燃料
集合体を用いずに、強制循環型沸騰水型原子炉に使用さ
れる燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を用いた自
然循環型原子炉システムを実現することができる。した
がって、経済性を充分に向上することができる。
【0063】また本発明の自然循環型原子炉システムの
運転方法によれば、炉心出力密度を33W/cm
下、冷却水の原子炉水位を燃料集合体の有効発熱部下端
から8〜13mの範囲内に調節するので、冷却水の炉心
平均燃料集合体内流量を100%定格出力時に350〜
500kg/m/sの範囲内にすることが可能であ
る。これにより、炉心圧力損失を50kPa以下にまで
低減することができるので、強制循環型沸騰水型原子炉
に使用される燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を
用いた自然循環型原子炉システムを実現することができ
る。したがって、経済性を充分に向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自然循環型原子炉システムの第1の実
施の形態の全体構成を表す模式図である。
【図2】本発明の自然循環型原子炉システムの第1の実
施の形態を構成する燃料集合体の全体構造を表す縦断面
図である。
【図3】図2中III−III断面における横断面図である。
【図4】本発明の自然循環型原子炉システムの第1の実
施の形態を構成する燃料支持金具の全体構造を表す斜視
図である。
【図5】図4中V−V断面における縦断面図である。
【図6】本発明の自然循環型原子炉システムの第1の実
施の形態を構成する自然循環型沸騰水型原子炉の変形例
の全体構造を表す模式図である。
【図7】本発明の自然循環型原子炉システムの第2の実
施の形態を構成する自然循環型沸騰水型原子炉の全体構
造を表す模式図である
【図8】有効発熱部長さが3.71mの燃料集合体を装
荷した自然循環型沸騰水型原子炉における、炉心出力密
度と原子炉水位との関係を表す図である。
【図9】従来の自然循環型沸騰水型原子炉(SBWR)
と強制循環型沸騰水型原子炉(BWR/6)との設計値
を比較した図である。
【符号の説明】
1 原子炉炉心 5 原子炉圧力容器 7 制御棒 8 タービン 9 主蒸気管(蒸気系) 10 給水管(復水系) 12 抽気ライン(復水系) 13 復水器(復水系) 14 給水ポンプ(復水系) 15 流量調整弁(復水系;水位制御手段) 16 給水加熱器(復水系) 17 主蒸気隔離弁(蒸気系) 18 タービン蒸気流量加減弁(蒸気系) 23 燃焼集合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 哲士 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 守屋 公三明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強制循環型沸騰水型原子炉に使用される燃
    料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を装荷した原子炉
    炉心、この原子炉炉心を内包する原子炉圧力容器、及び
    この原子炉圧力容器を貫通し前記原子炉炉心内に挿抜可
    能に設けられ前記原子炉炉心の出力を制御する制御棒を
    備えた自然循環型沸騰水型原子炉と、 前記原子炉圧力容器に接続され前記原子炉炉心からの蒸
    気をタービンに導く蒸気系と、 前記タービンを駆動した蒸気を復水させ前記原子炉圧力
    容器へ還流させる復水系と、 この復水系に設けられ、復水流量を調節することで前記
    原子炉圧力容器内の原子炉水位を制御する水位制御手段
    とを有することを特徴とする自然循環型原子炉システ
    ム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自然循環型原子炉システム
    において、前記燃料集合体は、強制循環型沸騰水型原子
    炉に使用される燃料集合体と濃縮度分布も含めて全く同
    等であることを特徴とする自然循環型原子炉システム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の自然循環型原子炉シ
    ステムにおいて、前記水位制御手段は流量調整弁である
    ことを特徴とする自然循環型原子炉システム。
  4. 【請求項4】原子炉炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に
    使用される燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を装
    荷し、 100%定格出力時の炉心出力密度を33W/cm
    下とすることを特徴とする自然循環型原子炉システムの
    運転方法。
  5. 【請求項5】原子炉炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に
    使用される燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を装
    荷し、 通常時の原子炉水位を燃料発熱部下端から8〜13mの
    範囲の高さに設定し、 100%定格出力時の炉心出力密度を33W/cm
    下とすることを特徴とする自然循環型原子炉システムの
    運転方法。
  6. 【請求項6】原子炉炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に
    使用される燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を装
    荷し、 100%定格出力時に炉心出力密度を33W/cm
    下且つ炉心平均燃料集合体内流量を350〜500kg
    /m/sの範囲内とすることを特徴とする自然循環型
    原子炉システムの運転方法。
  7. 【請求項7】原子炉炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に
    使用される燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を装
    荷し、 100%定格出力時に炉心出力密度を33W/cm
    下且つ炉心圧力損失を50kPa以下とすることを特徴
    とする自然循環型原子炉システムの運転方法。
  8. 【請求項8】原子炉炉心に強制循環型沸騰水型原子炉に
    使用される燃料集合体と同じ幾何形状の燃料集合体を装
    荷し、 100%定格出力時に炉心出力密度を33W/cm
    下且つ炉心圧力損失を50kPa以下且つ炉心入口に設
    けられたオリフィスの圧力損失を10kPa以上15k
    Pa以下とすることを特徴とする自然循環型原子炉シス
    テムの運転方法。
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