JP2003344556A - 気象観測・予測システムと気象レーダ情報解析装置、気象予測モデル装置 - Google Patents

気象観測・予測システムと気象レーダ情報解析装置、気象予測モデル装置

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JP2003344556A
JP2003344556A JP2002152571A JP2002152571A JP2003344556A JP 2003344556 A JP2003344556 A JP 2003344556A JP 2002152571 A JP2002152571 A JP 2002152571A JP 2002152571 A JP2002152571 A JP 2002152571A JP 2003344556 A JP2003344556 A JP 2003344556A
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weather
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Masakazu Wada
将一 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気象レーダ情報解析に際して降雨の性質に応
じた精度の高い降水量を求める。 【解決手段】 降水カテゴリー・粒径分布推定処理部1
11において、GPVデータの気温や相対湿度などから
各高度別に降水のカテゴリーを推定すると共に、同じく
GPVデータから降水のタイプを層状雲や積乱雲などの
粒径分布に推定分類し、それぞれのカテゴリー、粒径分
布の推定結果に基づいて、反射強度−降水量変換処理部
113の反射強度−降水量換算式を最適化する。これに
より、気象レーダにより観測される反射強度(レーダ反
射因子)から精度良く降水量を算出することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気象レーダ情報か
ら降水量を求める気象レーダ情報解析装置、気象観測情
報に基づいて気象予測モデルを作成する気象予測モデル
作成装置及びこれらを組み合わせた気象観測・予測シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の気象レーダ情報解析装置では、気
象レーダにより得られる雨滴からの反射強度に関する観
測値を、予め用意された変換式により降水量に変換して
いる。例えば、マーシャルとパルマーが求めた変換式で
は、レーダ反射因子Zと降水強度R[mm/h]の関係を2
つのパラメータB及びβを用いて次の(1)式のように
表現しており(参考文献:Marshall. J. S. and W. M.
Palmer, 1948: The distribution of raindrops with s
ize. J. Meteor., 5, 165-166)、予めB=200、β=1.
6のように定めることにより、レーダ反射因子Zを降水
強度Rに変換している。
【0003】 Z=BRβ …(1) 一方、気象予測モデル作成装置にあっては、気象レーダ
等の観測値を同化することによって、気象予測モデルの
精度が向上することが知られている。これは、観測値の
データ同化などと言われ、観測値を気象モデルに同化さ
せて予測値と整合をとることによって、予測計算の精度
を向上させる機能である。
【0004】このように、従来の気象予測モデル作成装
置では、予測精度向上のために観測値を気象予測に反映
する計算手法(データ同化)が用いられることがあるが
(参考文献:石原正仁編、「ドップラー気象レーダ」、
気象研究ノート、第200号(2001)、75-106)、これは観
測データを気象予測モデルに入力するという一方通行の
計算手法をとっている。
【0005】ところで、気象レーダにより観測される電
磁波は、レイリー散乱やミー散乱と呼ばれる散乱現象に
よるものであり、その散乱の強さは、降水粒子の粒径と
誘電率に大きく依存することが知られている(参考文
献:吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、コロナ社、199
6、p.243)。そのため、レーダ反射因子Zのみから降水
強度Rを算出する場合、降雨の性質により降水量の算出
精度がしばしば悪化するという問題が引き起こされてい
る。
【0006】具体的には、霧雨のように雨滴の粒径が小
さい場合は降水量を実際より少な目に見積もってしま
い、雷雨のように雨滴の粒径が大きい場合は降水量を多
めに見積もってしまうという問題が生じている。また、
降水粒子のカテゴリーの違いが誘電率の違いとなり、み
ぞれは多めに、雪は少な目に降水量を見積もってしまう
という問題が生じている。
【0007】このように、気象レーダによる降水粒子の
観測は、広域で定量的であるという利点がありながら
も、原理的にそれだけでは取り除くことのできない誤差
を含むという欠点がある。また、このような誤差をもつ
観測データを気象モデルに入力(データ同化)すると、
予測精度の悪化につながってしまう。
【0008】一方、気象モデルにおいても、降水粒子の
粒径に関しては、気象レーダ反射因子の解析の場合と同
様の問題を含むことが多い。気象モデルの中で雲の微物
理過程を表現する場合には、雪や霰などを表現しない、
あるいは粒子の粒径分布を考慮せずに混合比のみで表現
するといったことが多い。このため、霧雨も雷雨も同じ
ように取り扱われてしまい、気象現象の解析や予報にお
いて精度の悪化を招いている。これに対し、近年では水
分量を雪や雹や霰などを含むカテゴリー分類して計算す
る手法や、粒径分布を考慮した計算手法も開発されつつ
ある(参考文献:斉藤和雄編、「非静力学モデル」、気
象研究ノート、第196号(1999)、57-102)。しかしなが
ら、気象レーダによる観測値を生かす手法は未だ開発途
上にあり、有効な手法が待ち望まれているのが現状であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来から、気象レーダで観測される観測情報と気象モデル
による予測情報を融合させて、降水量に関する観測値と
予測値の両方の精度を向上させることが要望されてい
る。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、気象レーダ情報解析に際して降雨の性質
に応じた精度の高い降水量を求めることができる気象レ
ーダ情報解析装置と、この気象レーダ情報解析装置の解
析結果を利用してより精度の高い気象予測モデルを作成
可能な気象予測モデル作成装置と、これらの装置を融合
してより精度の高い気象観測データ、気象予測データを
得ることのできる気象観測・予測システムを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は以下のような特徴的構成を有する。
【0012】(1)気象レーダで観測される反射強度情
報から降水量を解析する気象レーダ情報解析装置におい
て、前記気象レーダの覆域内における格子点気象要素の
予測情報を取り込み、この予測情報から高度別の降水カ
テゴリー及び降水タイプ別の粒径分布を推定し、この推
定結果に基づいて気象レーダのレーダ反射因子を降水量
に換算する換算式を最適化し、この最適化された換算式
により前記気象レーダで観測される反射強度情報に対応
する降水量を求めることを特徴とする。
【0013】(2)気象レーダで観測される反射強度情
報から降水量を解析する気象レーダ情報解析装置におい
て、前記気象レーダの覆域内の気象予測モデルで推定さ
れる高度別の降水カテゴリー及び降水タイプ別の粒径分
布の情報を取り込み、これらの推定情報に基づいて気象
レーダのレーダ反射因子を降水量に換算する換算式を最
適化し、この最適化された換算式により前記気象レーダ
で観測される反射強度情報に対応する降水量を求めるこ
とを特徴とする。
【0014】(3)気象レーダで観測される反射強度情
報から降水量を解析する気象レーダ情報解析装置におい
て、前記気象レーダの覆域内の複数地点に設置される降
水量観測装置の観測情報を取り込み、この観測情報から
降水タイプ別の粒径分布を推定し、この推定結果に基づ
いて気象レーダのレーダ反射因子を降水量に換算する換
算式を最適化し、この最適化された換算式により前記気
象レーダで観測される反射強度情報に対応する降水量を
求めることを特徴とする。
【0015】(4)二重偏波方式または二周波方式の気
象レーダで観測される反射強度情報から降水量を解析す
る気象レーダ情報解析装置において、前記二重偏波方式
または二周波方式の気象レーダで観測される偏波または
二周波に依存する情報を取り込み、この情報から降水タ
イプ別の粒径分布を推定し、この推定結果に基づいて気
象レーダのレーダ反射因子を降水量に換算する換算する
換算式を最適化し、この最適化された換算式により前記
気象レーダで観測される反射強度情報に対応する降水量
を求めることを特徴とする。
【0016】(5)格子点気象要素の予測情報を取り込
み、物理過程の演算処理により気象予測モデルを作成す
る気象予測モデル作成装置において、(1)〜(4)の
いずれかの気象レーダ情報解析装置で得られる降水量の
情報、さらには気象レーダで得られる風速情報を取り込
んで同化処理を行い、前記物理過程の演算処理に反映さ
せることを特徴とする。
【0017】(6)気象観測・予測システムにおいて、
格子点気象要素の予測情報を取り込み、物理過程の演算
処理により気象予測モデルを作成し、前記物理過程の演
算処理で高度別の降水カテゴリー及び降水タイプの粒径
分布を推定する気象予測モデル作成装置と、この気象予
測モデル作成装置から気象レーダの覆域内の高度別の降
水カテゴリー及び降水タイプ別の粒径分布の推定情報を
取り込み、これらの推定情報に基づいて気象レーダのレ
ーダ反射因子を降水量に換算する換算式を最適化し、こ
の最適化された換算式により前記気象レーダで観測され
る反射強度情報に対応する降水量を求める気象レーダ情
報解析装置とを具備することを特徴とする。
【0018】(7)気象観測・予測システムにおいて、
格子点気象要素の予測情報を取り込み、物理過程の演算
処理により気象予測モデルを作成し、前記物理過程の演
算処理で高度別の降水カテゴリーを推定する気象予測モ
デル作成装置と、この気象予測モデル作成装置から気象
レーダの覆域内の高度別の降水カテゴリーの推定情報を
取り込むと共に、気象レーダの覆域内の複数地点に設置
される降水量観測装置の観測情報を取り込んで、この観
測情報から降水タイプ別の粒径分布を推定し、前記降水
カテゴリーの推定情報及び前記粒径分布の推定結果に基
づいて気象レーダのレーダ反射因子を降水量に換算する
換算式を最適化し、この最適化された換算式により前記
気象レーダで観測される反射強度情報に対応する降水量
を求めることを特徴とする気象レーダ情報解析装置とを
具備することを特徴とする。
【0019】(8)気象観測・予測システムにおいて、
格子点気象要素の予測情報を取り込み、物理過程の演算
処理により気象予測モデルを作成し、前記物理過程の演
算処理で高度別の降水カテゴリーを推定する気象予測モ
デル作成装置と、この気象予測モデル作成装置から気象
レーダの覆域内の高度別の降水カテゴリーの推定情報を
取り込むと共に、二重偏波方式または二周波方式の気象
レーダで観測される偏波または二周波に依存する情報を
取り込んで、この情報から降水タイプ別の粒径分布を推
定し、前記降水カテゴリーの推定情報及び前記粒径分布
の推定結果に基づいて気象レーダのレーダ反射因子を降
水量に換算する換算する換算式を最適化し、この最適化
された換算式により前記二重偏波方式または二周波方式
の気象レーダで観測される反射強度情報に対応する降水
量を求めることを特徴とする気象レーダ情報解析装置と
を具備することを特徴とする。
【0020】(9)(6)〜(8)のいずれかの気象観
測・予測システムにおいて、前記気象レーダ情報解析装
置は、さらに、前記気象レーダの覆域内の複数地点に設
置される降水量観測装置の観測情報を取り込み、この観
測情報を含めて前記降水タイプ別の粒径分布を推定する
ことを特徴とする。
【0021】(10)(6)〜(8)のいずれかの気象
観測・予測システムにおいて、前記気象予測モデル作成
装置は、前記気象レーダ情報解析装置で得られる降水量
の情報、さらには前記気象レーダで得られる風速情報を
取り込んで同化処理を行い、前記物理過程の演算処理に
反映させることを特徴とする。
【0022】(11)(6)〜(8)のいずれかの気象
観測・予測システムにおいて、前記気象予測モデル作成
装置は、前記気象レーダ解析装置で得られる粒径分布の
推定結果を取り込んで前記物理過程の演算処理に反映さ
せることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0024】尚、以下に説明する実施形態においては、
気象レーダの他にGPV(Grid Point Value)データと
呼ばれる格子点上の気象要素の予測データを用いること
を基本とする。GPVデータは、気象庁や海外機関から
オンラインで配信されるGSM(Global Spectrum Mode
l)、RSM(Regional Spectrum Model)、MSM(Me
soscale Spectrum Model)、ECMWF(European Cen
tre for Medium-RangeWeather Forecasts)などを用い
る。
【0025】(第1の実施形態)図1は第1の実施形態
として、本発明に係る気象レーダ情報解析装置11の構
成を示すブロック図である。本装置11は、降水カテゴ
リー・粒径分布推定処理部111、変換係数算出部11
2、反射強度−降水量変換処理部113及び風速データ
演算処理部114を備える。
【0026】降水カテゴリー・粒径分布推定処理部11
1は、気象庁RSMなどによって公表されているGPV
データを取り込み、GPVデータの気温や相対湿度など
から各高度別に降水のカテゴリーを推定すると共に、同
じくGPVデータから降水のタイプを層状雲や積乱雲な
どに分類して粒径分布をモデル化することで粒径分布を
推定する。ここで、降水のカテゴリーとは、大気中の降
水粒子の分類種別で、雲水、雲氷、雨水、雪、雹などに
分類される。
【0027】上記降水カテゴリー・粒径分布推定処理部
111で得られた降水カテゴリー及び粒径分布の推定結
果は変換係数算出部112に送られる。この変換係数算
出部112は、降水カテゴリー及び粒径分布の推定結果
を後段の反射強度−降水量変換処理部113の変換処理
に反映させるための変換係数に対応付けたテーブルを備
え、推定結果入力時に対応する変換係数を求めて反射強
度−降水量変換処理部113に与える。
【0028】この反射強度−降水量変換処理部113
は、気象レーダ送受信装置12で得られた覆域内の反射
強度データを取り込み、反射強度に対応した降水量を求
めるものであるが、本実施形態では、さらに上記推定処
理部111、変換係数算出部112を経て得られた降水
カテゴリー及び粒径分布の推定結果に基づく変換係数を
取り込んで反射強度の値を重み付けした上で、(1)式
によって降水量を求める。ここで、S、C、X帯の気象
レーダは雨水、雪、雹の観測を主目的としており、K
a、W帯の気象レーダでは、雲水、雲氷なども観測可能
である。
【0029】また、気象レーダ情報解析装置11では、
気象レーダ送受信装置12で得られるドップラー周波数
データを取り込み、風速データ演算処理部114にてレ
ーダ覆域内の風速データを求め、降水量データと共に解
析データとして出力する。
【0030】すなわち、上記構成による気象レーダ情報
解析装置11では、GPVデータの気温や相対湿度など
から各高度別に降水のカテゴリーを推定し、それぞれの
カテゴリー別に最適化された降水量の換算式を用いる。
また、同じくGPVデータから降水のタイプを層状雲や
積乱雲などの粒径分布に分類し、各粒径分布をモデル化
して、それぞれに最適化された降水量の換算式を用い
る。
【0031】したがって、本実施形態の気象レーダ情報
解析装置の構成によれば、気象レーダにより観測される
反射強度(レーダ反射因子Z)から精度良く降水量を算
出することが可能となる。
【0032】(第2の実施形態)図2は第2の実施形態
として、本発明に係る気象観測・予測システムの構成を
示すブロック図である。
【0033】本実施形態のシステムにおいては、気象予
測モデル作成装置21と気象レーダ情報解析装置22と
に大別される。
【0034】気象予測モデル作成装置21には、代表的
なCReSSシステムが用いられる。当該装置21にお
いて、雲・降水物理過程解析部211では、GPVデー
タ等の解析によって降水量、風速、気温等の予測データ
を求めるが、この際に降水カテゴリーと粒径分布を推定
する。これらの推定結果は気象レーダ情報解析装置22
に送られる。
【0035】気象レーダ情報解析装置22は、第1の実
施形態の構成から降水カテゴリー・粒径分布推定処理部
111を除いた構成となっている。すなわち、気象予測
モデル作成装置21で得られた降水カテゴリー及び粒径
分布の推定結果は変換係数算出部221に送られる。こ
の変換係数算出部221は、降水カテゴリー及び粒径分
布の推定結果を後段の反射強度−降水量変換処理部22
2の変換処理に反映させるための変換係数に対応付けた
テーブルを備え、推定結果入力時に対応する変換係数を
求めて反射強度−降水量変換処理部222に与える。
【0036】この反射強度−降水量変換処理部222
は、気象レーダ送受信装置23で得られた覆域内の反射
強度データを取り込み、上記変換係数算出部221で得
られた降水カテゴリー及び粒径分布の推定結果に基づく
変換係数で反射強度の値を重み付けした上で、(1)式
によって降水量を求める。また、気象レーダ情報解析装
置22では、風速データ演算処理部223において、気
象レーダ送受信装置23で得られるドップラー周波数デ
ータからレーダ覆域内の風速データを求め、降水量デー
タと共に解析データとして出力する。
【0037】本実施形態では、さらに、上記気象レーダ
情報解析装置22で得られた降水量データ及び風速デー
タを気象予測モデル作成装置21に送り、データ同化処
理部212でデータの同化を行った後、前述の物理過程
解析部211に入力する。物理過程解析部211では、
同化された降水量データ及び風速データを取り込み、こ
れらのデータによる降水量、風速をパラメータとして物
理過程解析の再処理を行う。
【0038】すなわち、第2の実施形態では、気象レー
ダの覆域内で局地的な気象予測モデルを独自に運用し、
気象レーダと連携を取った処理を行うことを特徴とす
る。具体的には、局地的な予測モデルの計算過程で算出
される降水カテゴリーと粒径分布をもとに、第1の実施
形態と同様の方法で高い精度で降水量を算出する。
【0039】尚、粒径分布はBIN法と呼ばれる計算手
法では直接的に、バルク法と呼ばれる計算手法では数濃
度などを基に、ガンマ関数などでモデル化した粒径分布
から間接的に推定する(参考文献:斉藤和雄編、「非静
力学モデル」、気象研究ノート、第196号(1999)、57-10
2)。
【0040】次に、このように高い精度で観測(推定)
された降水量を気象予測モデル内の雲・降水の物理過程
の計算に反映(データ同化)させる。これにより、気象
レーダの観測性能が向上するということに加え、気象予
測モデルの予測性能も向上するという相乗効果を得るこ
とができる。このような観測と予測両面での精度向上の
相乗効果が本発明の特徴である。
【0041】(第3の実施形態)図3は第3の実施形態
として、本発明に係る気象観測・予測システムの構成を
示すブロック図である。尚、図3において、図2と同一
部分には同一符号を付して示す。
【0042】本実施形態のシステムにおいても、気象予
測モデル作成装置21と気象レーダ情報解析装置22と
に大別される。
【0043】ここで、気象予測モデル作成装置21の構
成は、第2の実施形態と同様の構成であるが、雲・降水
物理過程解析部211で得られた降水カテゴリーの推定
結果のみを、気象レーダ情報解析装置22に送るように
する。
【0044】この気象レーダ情報解析装置22は、粒径
分布推定処理部224を備える。この粒径分布推定処理
部224は、レーダ覆域内の所定の地点に設置された地
上雨量計24で得られる降水量データ及び気象レーダ送
受信装置23からの反射強度データを取り込み、両デー
タの関係を統計的に求めて、レーダ反射因子から降水量
を求める際の変換式の係数(例えば(1)式のB、β)
を最適化する。この際、気象予測モデル作成装置21に
て得られた降水カテゴリーの推定結果を参照して適宜補
正する。ここで求められた変換係数は反射強度−降水量
変換処理部222に送られ、(1)式に基づいて反射強
度データから降水量データが求められる。
【0045】上記反射強度−降水量変換処理部222で
得られた降水量データは、風速データ演算処理部223
で得られる風速データと共に気象予測モデル作成装置2
1に送られ、データ同化処理部212によるデータ同化
が施された後、物理過程解析部211の物理過程解析の
再処理に供される。また、本実施形態においては、気象
レーダ情報解析装置22の粒径分布推定処理部224の
推定結果を物理過程解析部211に送り、降水カテゴリ
ー分類の参考値として取り扱う。
【0046】すなわち、第3の実施形態では、第2の実
施形態の構成に加え、地上雨量計24の観測データを用
いる。地上雨量計24により観測された降水量と気象レ
ーダで観測されたレーダ反射因子(反射強度)の関係を
統計的に求めれば、レーダ反射因子を降水量に変換する
際の変換式の係数(例えば、(1)式のB、β)を最適
化することができる。このような係数の最適化はリアル
タイムで行うことが可能である。
【0047】この変換式の係数は降水粒子のカテゴリー
(誘電率)や粒径分布により変化する。逆に言えば、変
換式の係数には、これらの情報が含まれていると言え
る。このような情報を気象レーダによる観測だけでな
く、気象予測モデルにおける雲・降水の物理過程の計算
に反映させることが第3の実施形態の特徴である。
【0048】具体的には、物理過程解析部211で求め
た降水カテゴリーの推定結果を粒径分布推定処理部22
4に与え、粒径分布をガンマ関数などによりモデル化
し、粒径分布の推定を行うことなどが考えられる。反対
に、粒径分布推定処理部224で求めた粒径分布を物理
過程解析部211に与え、降水カテゴリーの分類に供す
ることも考えられる。さらには、観測から予測へ、予測
から観測へという一方向の推定ではなく、例えば重み係
数により観測と予測の推定値を融合させることも可能で
ある。
【0049】(第4の実施形態)図4は第4の実施形態
として、本発明に係る気象観測・予測システムの構成を
示すブロック図である。尚、図4において、図3と同一
部分には同一符号を付して示す。
【0050】本実施形態のシステムは、気象レーダとし
て二重偏波レーダを用いている場合の構成である。二重
偏波レーダでは、差分レーダ反射因子ZDR、直線偏波交
差偏波比LDR、偏波間相関係数ρhv(0)、偏波間位相差
φDP、偏波間位相差の距離微分kDPなどの偏波に伴う情
報が観測できる(参考文献:岡本謙一編、「地球環境計
測」、オーム社、1999、188-196)。この中で、ZDR
DR、ρhv(0)については、降水カテゴリーや粒径分布
に依存することがすでに知られている。
【0051】そこで、本実施形態では、気象レーダ情報
解析装置22において、二重偏波気象レーダ送受信装置
25から前述の偏波に伴う情報(以下、偏波情報と称す
る)を受け取って粒径分布推定処理部225に入力し、
過去の偏波情報統計値と気象予測モデル作成装置21か
らの降水カテゴリー推定結果に基づいて降水分布を推定
し、この推定結果から前述の変換係数を求める。また、
第3の実施形態と同様に、粒径分布推定処理部225で
求めた粒径分布を物理過程解析部211に入力し、降水
カテゴリーの分類に供するようにする。
【0052】以上のように、本実施形態のシステムは、
二重偏波気象レーダで得られる偏波情報を利用し、その
観測データを基に、例えば過去の統計値から降水カテゴ
リーや降水分布を推定して変換係数を求めると共に、そ
れを気象予測モデルにおける雲・降水の物理過程の計算
に反映させるようにしたことが特徴である。
【0053】尚、本実施形態では二重偏波レーダを例に
説明したが、二周波レーダ(参考文献:岡本謙一編、
「地球環境計測」、オーム社、1999、188-196)などに
ついても全く同様の考え方が適応できる。また、第3の
実施形態と同様に、例えば重み係数により観測と予測の
推定値を融合させることも可能である。
【0054】(第5の実施形態)図5は第5の実施形態
として、本発明に係る気象観測・予測システムの構成を
示すブロック図である。尚、図5において、図3及び図
4と同一部分には同一符号を付して示す。
【0055】本実施形態のシステムは、第3及び第4の
実施形態を合わせた考え方で、二重偏波レーダ(または
二周波レーダ)による観測、地上雨量計による観測、気
象予測モデルによる予測の全てを融合させ、総合的に降
水カテゴリーと粒径分布を推定する。
【0056】すなわち、本実施形態では、気象レーダ情
報解析装置22において、地上雨量計24からの降水量
データ、二重偏波気象レーダ送受信装置25からの偏波
情報、気象予測モデル作成装置21からの降水カテゴリ
ー推定結果を粒径分布推定処理部226に入力し、当該
推定処理部226にて、前述の実施形態で説明した処理
によって粒径分布を推定し、対応する変換係数を求める
ようにしている。また、推定処理部226で推定した粒
径分布を気象予測モデル作成装置21の物理過程解析部
211に送り、降水カテゴリー推定に供するようにして
いる。
【0057】このように、本実施形態のシステムでは、
地上雨量計による降水量データ、二重偏波気象レーダま
たは二周波気象レーダによる観測データ、気象予測モデ
ルからの降水カテゴリー推定結果を用いて総合的に粒径
分布を推定するようにしているので、よりいっそう精度
の高い推定を行うことができ、これにより変換係数の精
度が上がり、結果として精度の高い降水量データが得ら
れる。これに伴い、気象レーダ情報解析装置22で得ら
れた観測データを気象予測モデルに反映しているので、
予測データの精度も向上するようになる。
【0058】具体的には、偏波情報または二周波情報、
レーダ反射因子と地上降水量の変換式の係数、気象予測
モデルの計算結果の全てから推定される降水カテゴリー
と粒径分布を重み係数などにより融合させることが考え
られる。あるいは、偏波情報または二周波情報を基に推
定した三次元空間上の降水カテゴリーと粒径分布につい
て、レーダ反射因子と降水量の変換式の係数から推定し
た地上での二次元的な降水カテゴリーと粒径分布を基に
した補正を加え、これを気象予測モデルの雲・降水の物
理過程の計算に反映(ナッジングあるいは変分法などに
よるデータ同化)させることも考えられる。
【0059】以上まとめると、気象観測装置、気象予測
モデルは次のような性質を有する。
【0060】(1)地上雨量計は高精度の降水量の観測
が行える(利点)。但し、地上雨量計は地上の特定地点
でしか観測できない(制約)。
【0061】(2)気象レーダは三次元空間上で降水量
の観測が行える(利点)。但し、気象レーダの反射因子
は降水量だけでなく降水カテゴリーと粒径分布にも依存
する(利点、制約)。
【0062】(3)二重偏波レーダの偏波情報または二
周波レーダの二周波情報は三次元空間上で観測が行え、
降水カテゴリーと粒径分布に関する情報が含まれる(利
点)。但し、二重偏波レーダまたは二周波レーダの情報
から推定される降水カテゴリーと粒径分布には曖昧性が
残る(制約)。
【0063】(4)気象予測モデルは明示的に降水カテ
ゴリーと粒径分布を計算することができる(利点)。但
し、気象予測モデルの算出結果はあくまでも予測された
推定値であり、予測誤差が含まれる(制約)。
【0064】本実施形態は気象観測装置、気象予測モデ
ルが持つ上記のような性質を総合的に補完するものであ
り、これらの相乗作用により、観測と予測の精度を同時
に向上させることを特徴とする。
【0065】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、例示していない他の観測装置の情報を観測
データの補正、推定データの演算に反映することも可能
であり、さらに精度向上を図ることができる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、気象
レーダ情報解析に際して降雨の性質に応じた精度の高い
降水量を求めることができる気象レーダ情報解析装置
と、この気象レーダ情報解析装置の解析結果を利用して
より精度の高い気象予測モデルを作成可能な気象予測モ
デル作成装置と、これらの装置を融合してより精度の高
い気象観測データ、気象予測データを得ることのできる
気象観測・予測システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態としての気象レ
ーダ情報解析装置の構成を示すブロック図。
【図2】 本発明に係る第2の実施形態としての気象観
測・予測システムの構成を示すブロック図。
【図3】 本発明に係る第3の実施形態としての気象観
測・予測システムの構成を示すブロック図。
【図4】 本発明に係る第4の実施形態としての気象観
測・予測システムの構成を示すブロック図。
【図5】 本発明に係る第5の実施形態としての気象観
測・予測システムの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11…気象レーダ情報解析装置 111…降水カテゴリー・粒径分布推定処理部 112…変換係数算出部 113…反射強度−降水量変換処理部 114…風速データ演算処理部 12…気象レーダ送受信装置 21…気象予測モデル作成装置 211…雲・降水物理過程解析部 212…データ同化処理部 22…気象レーダ情報解析装置 221…変換係数算出部 222…反射強度−降水量変換処理部 223…風速データ演算処理部 224,225,226…粒径分布推定処理部 23…気象レーダ送受信装置 24…地上雨量計 25…二重偏波気象レーダ送受信装置

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気象レーダで観測される反射強度情報か
    ら降水量を解析する気象レーダ情報解析装置において、 前記気象レーダの覆域内における格子点気象要素の予測
    情報を取り込み、この予測情報から高度別の降水カテゴ
    リー及び降水タイプ別の粒径分布を推定し、この推定結
    果に基づいて気象レーダのレーダ反射因子を降水量に換
    算する換算式を最適化し、この最適化された換算式によ
    り前記気象レーダで観測される反射強度情報に対応する
    降水量を求めることを特徴とする気象レーダ情報解析装
    置。
  2. 【請求項2】 気象レーダで観測される反射強度情報か
    ら降水量を解析する気象レーダ情報解析装置において、 前記気象レーダの覆域内の気象予測モデルで推定される
    高度別の降水カテゴリー及び降水タイプ別の粒径分布の
    情報を取り込み、これらの推定情報に基づいて気象レー
    ダのレーダ反射因子を降水量に換算する換算式を最適化
    し、この最適化された換算式により前記気象レーダで観
    測される反射強度情報に対応する降水量を求めることを
    特徴とする気象レーダ情報解析装置。
  3. 【請求項3】 気象レーダで観測される反射強度情報か
    ら降水量を解析する気象レーダ情報解析装置において、 前記気象レーダの覆域内の複数地点に設置される降水量
    観測装置の観測情報を取り込み、この観測情報から降水
    タイプ別の粒径分布を推定し、この推定結果に基づいて
    気象レーダのレーダ反射因子を降水量に換算する換算式
    を最適化し、この最適化された換算式により前記気象レ
    ーダで観測される反射強度情報に対応する降水量を求め
    ることを特徴とする気象レーダ情報解析装置。
  4. 【請求項4】 二重偏波方式の気象レーダで観測される
    反射強度情報から降水量を解析する気象レーダ情報解析
    装置において、 前記二重偏波方式の気象レーダで観測される偏波に依存
    する情報を取り込み、この情報から降水タイプ別の粒径
    分布を推定し、この推定結果に基づいて気象レーダのレ
    ーダ反射因子を降水量に換算する換算する換算式を最適
    化し、この最適化された換算式により前記気象レーダで
    観測される反射強度情報に対応する降水量を求めること
    を特徴とする気象レーダ情報解析装置。
  5. 【請求項5】 二周波方式の気象レーダで観測される反
    射強度情報から降水量を解析する気象レーダ情報解析装
    置において、 前記二周波方式の気象レーダで観測される二周波に依存
    する情報を取り込み、この情報から降水タイプ別の粒径
    分布を推定し、この推定結果に基づいて気象レーダのレ
    ーダ反射因子を降水量に換算する換算式を最適化し、こ
    の最適化された換算式により前記気象レーダで観測され
    る反射強度情報に対応する降水量を求めることを特徴と
    する気象レーダ情報解析装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記気象レーダの覆域内の気象
    予測モデルで推定される高度別の降水カテゴリーを取り
    込み、この降水カテゴリーに基づいて前記換算式を最適
    化することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか記載
    の気象レーダ情報解析装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記気象レーダの覆域内の複数
    地点に設置される降水量観測装置の観測情報を取り込
    み、この観測情報を含めて前記降水タイプ別の粒径分布
    を推定することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか
    記載の気象レーダ情報解析装置。
  8. 【請求項8】 格子点気象要素の予測情報を取り込み、
    物理過程の演算処理により気象予測モデルを作成する気
    象予測モデル作成装置において、 請求項1〜7のいずれか記載の気象レーダ情報解析装置
    で得られる降水量の情報を取り込んで同化処理を行い、
    前記物理過程の演算処理に反映させることを特徴とする
    気象予測モデル作成装置。
  9. 【請求項9】 さらに、前記気象レーダで得られる風速
    情報を取り込み、同化処理を行って前記物理過程の演算
    処理に反映させることを特徴とする請求項8記載の気象
    予測モデル作成装置。
  10. 【請求項10】 さらに、前記物理過程の演算処理の中
    で少なくとも高度別の降水カテゴリーを推定することを
    特徴とする請求項8記載の気象予測モデル作成装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記物理過程の演算処理の中
    で降水タイプの粒径分布を推定することを特徴とする請
    求項10記載の気象予測モデル作成装置。
  12. 【請求項12】 格子点気象要素の予測情報を取り込
    み、物理過程の演算処理により気象予測モデルを作成
    し、前記物理過程の演算処理で高度別の降水カテゴリー
    及び降水タイプの粒径分布を推定する気象予測モデル作
    成装置と、 この気象予測モデル作成装置から気象レーダの覆域内の
    高度別の降水カテゴリー及び降水タイプ別の粒径分布の
    推定情報を取り込み、これらの推定情報に基づいて気象
    レーダのレーダ反射因子を降水量に換算する換算式を最
    適化し、この最適化された換算式により前記気象レーダ
    で観測される反射強度情報に対応する降水量を求める気
    象レーダ情報解析装置とを具備することを特徴とする気
    象観測・予測システム。
  13. 【請求項13】 格子点気象要素の予測情報を取り込
    み、物理過程の演算処理により気象予測モデルを作成
    し、前記物理過程の演算処理で高度別の降水カテゴリー
    を推定する気象予測モデル作成装置と、 この気象予測モデル作成装置から気象レーダの覆域内の
    高度別の降水カテゴリーの推定情報を取り込むと共に、
    気象レーダの覆域内の複数地点に設置される降水量観測
    装置の観測情報を取り込んで、この観測情報から降水タ
    イプ別の粒径分布を推定し、前記降水カテゴリーの推定
    情報及び前記粒径分布の推定結果に基づいて気象レーダ
    のレーダ反射因子を降水量に換算する換算式を最適化
    し、この最適化された換算式により前記気象レーダで観
    測される反射強度情報に対応する降水量を求めることを
    特徴とする気象レーダ情報解析装置とを具備することを
    特徴とする気象観測・予測システム。
  14. 【請求項14】 格子点気象要素の予測情報を取り込
    み、物理過程の演算処理により気象予測モデルを作成
    し、前記物理過程の演算処理で高度別の降水カテゴリー
    を推定する気象予測モデル作成装置と、 この気象予測モデル作成装置から気象レーダの覆域内の
    高度別の降水カテゴリーの推定情報を取り込むと共に、
    二重偏波方式の気象レーダで観測される偏波に依存する
    情報を取り込んで、この情報から降水タイプ別の粒径分
    布を推定し、前記降水カテゴリーの推定情報及び前記粒
    径分布の推定結果に基づいて気象レーダのレーダ反射因
    子を降水量に換算する換算する換算式を最適化し、この
    最適化された換算式により前記二重偏波方式の気象レー
    ダで観測される反射強度情報に対応する降水量を求める
    ことを特徴とする気象レーダ情報解析装置とを具備する
    ことを特徴とする気象観測・予測システム。
  15. 【請求項15】 格子点気象要素の予測情報を取り込
    み、物理過程の演算処理により気象予測モデルを作成
    し、前記物理過程の演算処理で高度別の降水カテゴリー
    を推定する気象予測モデル作成装置と、 この気象予測モデル作成装置から気象レーダの覆域内の
    高度別の降水カテゴリーの推定情報を取り込むと共に、
    二周波方式の気象レーダで観測される二周波に依存する
    情報を取り込んで、この情報から降水タイプ別の粒径分
    布を推定し、前記降水カテゴリーの推定情報及び前記粒
    径分布の推定結果に基づいて気象レーダのレーダ反射因
    子を降水量に換算する換算する換算式を最適化し、この
    最適化された換算式により前記二周波方式の気象レーダ
    で観測される反射強度情報に対応する降水量を求めるこ
    とを特徴とする気象レーダ情報解析装置とを具備するこ
    とを特徴とする気象観測・予測システム。
  16. 【請求項16】 前記気象レーダ情報解析装置は、さら
    に、前記気象レーダの覆域内の複数地点に設置される降
    水量観測装置の観測情報を取り込み、この観測情報を含
    めて前記降水タイプ別の粒径分布を推定することを特徴
    とする請求項14または15記載の気象観測・予測シス
    テム。
  17. 【請求項17】 前記気象予測モデル作成装置は、前記
    気象レーダ情報解析装置で得られる降水量の情報を取り
    込んで同化処理を行い、前記物理過程の演算処理に反映
    させることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか
    記載の気象観測・予測システム。
  18. 【請求項18】 前記気象予測モデル作成装置は、さら
    に、前記気象レーダで得られる風速情報を取り込み、同
    化処理を行って前記物理過程の演算処理に反映させるこ
    とを特徴とする請求項17記載の気象観測・予測システ
    ム。
  19. 【請求項19】 前記気象予測モデル作成装置は、前記
    気象レーダ解析装置で得られる粒径分布の推定結果を取
    り込んで前記物理過程の演算処理に反映させることを特
    徴とする請求項12乃至18のいずれか記載の気象観測
    ・予測システム。
  20. 【請求項20】 レーダ反射因子Zと降水強度Rの関係
    を2つのパラメータB及びβを用いて表現し、レーダ反
    射因子Zの値を降水量Rの値に換算する換算式に対し、
    降水タイプ別の粒径分布を推定し、この推定結果に基づ
    いて前記換算式を最適化することを特徴とする降水量観
    測方法。
  21. 【請求項21】 さらに、高度別の降水カテゴリーを推
    定し、この推定結果に基づいて前記換算式を最適化する
    とを特徴とする降水量観測方法。
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