JP2003343453A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2003343453A JP2002153044A JP2002153044A JP2003343453A JP 2003343453 A JP2003343453 A JP 2003343453A JP 2002153044 A JP2002153044 A JP 2002153044A JP 2002153044 A JP2002153044 A JP 2002153044A JP 2003343453 A JP2003343453 A JP 2003343453A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランクシャフトの偏心部と旋回スクロール
間に旋回スクロールが円周方向に直線移動し得る移動機
構を構成して、非圧縮性流体の流入によって圧縮室の容
積変化に適切し得るようにすることで、スクロールの破
損を防止して圧縮機の信頼性を向上し得るスクロール圧
縮機を提供しようとする。 【解決手段】 内部に高圧が形成されるケーシング2
と、該ケーシング2の内部下方向に装着されてクランク
シャフト6と連結されて駆動力を発生する駆動部4と、
前記クランクシャフト6と偏心して連結された旋回スク
ロール26と、該旋回スクロール26間に圧縮室32を
形成する固定スクロール22と、から構成されて流体の
圧縮作用を行う圧縮部8と、該圧縮部8と前記クランク
シャフト6間に装着されて、前記圧縮室32に非圧縮性
物質が流入されると、前記旋回スクロール26を円周方
向に直線運動させる順応手段と、を包含して成るように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に係るもので、詳しくは、圧縮室の旋回方向に作用する
流体の容積変化に適切に対応することで、スクロールの
破損を防止して信頼性を向上し得るスクロール圧縮機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール圧縮機は、一対の固
定スクロール及び旋回スクロールにより形成される圧縮
室の容積を変化させて流体を圧縮する圧縮機であって、
往復動式圧縮機及びロータリ圧縮機に比べて効率が高く
て振動及び騷音が低く、小型軽量化が可能であるため
に、近来、その使用領域が拡大されつつある。
【0003】そして、従来のスクロール圧縮機において
は、図12及び図13に示したように、流体が吸入され
る吸入管102が上方向に連結され、圧縮された流体が
吐出される吐出管104が側面に連結されて密閉した空
間を有するケーシング106と、該ケーシング106の
内部下方向に装着されて駆動力を発生する駆動部108
と、前記ケーシング106の内部上方向に装着されて、
前記駆動部108及び後述するクランクシャフト110
に連結されることで流体の圧縮作用を行う圧縮部112
と、を包含して構成されていた。
【0004】且つ、上記駆動部108は、上記ケーシン
グ106の内周面に固定された固定子114と、該固定
子114の内周面に回動自在に挿入された回転子116
と、該回転子16の内部に回動自在に挿入されたクラン
クシャフト110と、から構成されて、前記固定子11
4に電源が印加されると、該固定子114と回転子11
6との相互作用により前記クランクシャフト110が回
動される。
【0005】又、上記圧縮部112は、インボリュート
形状の固定ラップ118が複数形成されて、上記吸入管
102が連結されることで、上記ケーシング106内部
の上方向壁面に吐出孔142を有して固定された固定ス
クロール120と、前記固定ラップ118間に夫々圧縮
室126を有するように前記固定ラップ118と対応さ
れるインボリュート状の旋回ラップ122が複数形成さ
れることで、上記クランクシャフト110に偏心して連
結されて旋回運動を行う旋回スクロール124と、を包
含して構成されている。
【0006】又、上記クランクシャフト110は、上記
ケーシング106の内部上方向壁に固定されたメインフ
レーム128に回動自在に支持され、前記クランクシャ
フト110の上部には前記旋回スクロール124のボス
130に挿入されて上記旋回スクロール124を旋回運
動させる偏心部132が形成されることで、前記ケーシ
ング106の下部に充満されたオイルが吸入され、前記
旋回スクロール124と偏心部132間の摩擦部に供給
されるオイル流路134が切削形成されている。
【0007】又、上記メインフレーム128と旋回スク
ロール124間には、圧縮された流体が出入されて吸入
圧と吐出圧との中間程度の圧力が形成される背圧室13
6が形成され、前記旋回スクロール124の下面には該
旋回スクロール124の自転を防止するためのオールダ
ムリング138が装着されている。又、上記クランクシ
ャフト110の偏心部132と旋回スクロール124の
ボス130間には、上記オイル流路134に吸入された
オイルが背圧室136に流出されることを防止するシー
リング140が挿入されている。
【0008】以下、このように構成された従来のスクロ
ール圧縮機の動作に対して、説明する。先ず、上記駆動
部108に電源が印加されると、上記回転子116と連
結されたクランクシャフト110が回転されることで、
上記偏心部132が回転されながら上記旋回スクロール
124が旋回運動を行い、よって、上記吸入管102を
通って上記圧縮室126に流入された流体は、前記旋回
スクロール124の旋回運動により上記圧縮室126の
中心部に移動しながら圧縮されて、該圧縮された流体
は、上記固定スクロール120の吐出口142を通って
ケーシング106の内部に吐出される。次いで、上記吐
出口142から吐出された高圧状態の流体は、上記ケー
シング106の側面に連結された上記吐出管104を通
って外部に吐出される。
【0009】一方、上記ケーシング106の内部に吐出
された高圧状態の流体が上記ケーシング106の下部に
貯蔵されたオイルを加圧すると、該加圧されたオイル
は、上記オイル流路134を沿って上記旋回スクロール
のボス130と上記偏心部132間に供給されて潤滑作
用を行うことで、上記旋回スクロール124を上方向に
加圧して上記各旋回ラップ122と上記各固定ラップ1
18間の密着状態を維持させる。
【0010】且つ、上記偏心部132の横断面積と上記
クランクシャフト110の横断面積とを同様に形成する
ことで、前記クランクシャフト110に軸方向の荷重が
発生しないようにし、上記偏心部132を下方向に加圧
するオイルの圧力と上記クランクシャフト110を上方
向に加圧する流体圧力とを同様にさせることで、前記ク
ランクシャフト110には軸方向荷重が作用しないよう
にする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】然るに、このような従
来のスクロール圧縮機においては、クランクシャフトの
横断面積と偏心部の横断面積とが同様に形成されている
が、旋回スクロールが円周方向に移動することができな
いために、圧縮動作中、非圧縮性流体が包含された液体
状態の冷媒、オイル又は異質物が圧縮室に流入されて圧
縮室の内部圧力が非正常的に上昇すると、圧縮室の容積
が可変されないので、旋回スクロールの旋回ラップ及び
固定スクロールの固定ラップが破損されることで、駆動
部又はクランクシャフトに捩れ応力が集中されるという
不都合な点があった。
【0012】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
成されたもので、クランクシャフトの偏心部と旋回スク
ロール間で、旋回スクロールを旋回円周方向に移動し得
るようにし、非圧縮性流体が流入して圧縮室の容積が変
化しても適切に対応することで、スクロールの破損を防
止して圧縮機の信頼性を向上し得るスクロール圧縮機を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係るスクロール圧縮機においては、内
部に高圧が形成されるケーシングと、該ケーシングの内
部下方向に装着されてクランクシャフトが挿入連結され
て駆動力を発生する駆動部と、前記クランクシャフトの
上方に該クランクシャフトと偏心して係合される旋回ス
クロールと、該旋回スクロール間に圧縮室を形成する固
定スクロールから構成されて、流体の圧縮作用を行う圧
縮部と、該圧縮部の旋回スクロールと前記クランクシャ
フト間に挿入されて、前記圧縮室に非圧縮性物質(例え
ば、潤滑油)が流入されると、前記旋回スクロールを前
記固定スクロールから離隔させる順応手段と、を包含し
て構成されることを特徴とする。
【0014】又、本発明に係るスクロール圧縮機のクラ
ンクシャフトは、長さ方向中央にオイル流路が穿孔形成
されて、上部に前記クランクシャフトの断面積に比べて
小さい断面積を有するように縮小された偏心部が延長し
て形成されることを特徴とする。又、本発明に係るスク
ロール圧縮機の順応手段は、上記旋回スクロールの下面
に形成されたボスの内周面に回転可能に挿入されて中央
には上記クランクシャフトの偏心部がスライディング移
動可能に挿入されるスロットが穿孔形成される順応部材
から構成されることを特徴とする。
【0015】又、本発明に係るクランクシャフトの偏心
部は、該偏心部が前記旋回スクロールのボスに挿入され
たとき、所定高さの段を有するように、上面方向に長く
延長されて、その延長された部分の断面は左右側の対向
方向に湾曲され、上下対向方向には相互平行する直線部
が形成されることを特徴とする。又、本発明に係る順応
部材のスロットは、上記クランクシャフトの偏心部の外
周直線部が直線方向にスライディング可能に挿入され
て、前記クランクシャフトの偏心部が所定距離直線方向
にスライディング移動されるように前記偏心部の直線部
に対応する直線部が形成されることを特徴とする。
【0016】又、本発明に係るスクロール圧縮機の順応
部材の外周面と上記旋回スクロールのボスの内周面間に
はシーリングが挿入されることを特徴とする。又、本発
明に係るスクロール圧縮機のクランクシャフトの断面積
は、上記順応部材の外径断面積と同様であることを特徴
とする。又、本発明に係るスクロール圧縮機のクランク
シャフトの上面には、外方側に所定径を有するフランジ
部が突成されることを特徴とする。又、本発明に係るス
クロール圧縮機の順応部材の下面の外方側に上記クラン
クシャフトの上面と密着されるリブが突成されることを
特徴とする。
【0017】又、本発明に係るスクロール圧縮機の順応
部材の下面の内方側に上記クランクシャフトの上面と密
着されるリブが突成されることを特徴とする。又、本発
明に係るスクロール圧縮機の順応部材40の下面と上記
クランクシャフトの上面間にはシーリング部材が挿入さ
れることを特徴とする。又、本発明に係るスクロール圧
縮機の順応部材の下面には、上記シーリング部材が挿入
されるための挿入溝が切削形成されることを特徴とす
る。又、本発明に係るスクロール圧縮機の順応部材の下
面と前記クランクシャフトの上面間には、上記シーリン
グ部材が挿入されることを特徴とする。
【0018】又、本発明に係るスクロール圧縮機のシー
リング部材はテフロン(登録商標)材質にて形成される
ことを特徴とする。又、本発明に係るスクロール圧縮機
の順応部材の内周面とクランクシャフトの偏心部の外周
面間には弾性体が挿入されて、その両方端が夫々係止さ
れることを特徴とする。又、本発明に係るスクロール圧
縮機の弾性体は、コイルスプリングであることを特徴と
する。
【0019】又、本発明に係るスクロール圧縮機の順応
手段は、上記旋回スクロールの下面に形成されたボスに
回転可能に挿入されて、上記クランクシャフトの偏心部
が挿入されるように中心の一方側に偏心される偏心ホー
ルが穿孔形成された順応部材から構成されることを特徴
とする。又、本発明に係るクランクシャフトの偏心部
は、上記クランクシャフトの上面から偏心されて下方向
に延長されたリング状に形成されることを特徴とする。
又、本発明に係るスクロール圧縮機の順応部材は、上記
ボスの内周面に回転可能に挿入されるリング状に形成さ
れ、その中央から所定距離だけ偏心された地点に前記ク
ランクシャフトの中心が位置されることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に対
し、図面を用いて説明する。本発明に係るスクロール圧
縮機においては、図1乃至図3に示したように、内部に
高圧が形成されるケーシング2と、該ケーシング2の内
部下方向に装着されて駆動力を発生する駆動部4と、該
駆動部4及びクランクシャフト6に連結されて、前記駆
動部4が駆動によって流体の圧縮作用を行う圧縮部8
と、を包含して構成されている。又、上記ケーシング2
は、内部に高圧が形成される密閉容器であって、上方向
には流体が吸入される吸入管28が連結されて、側壁面
一方側には圧縮された流体が排出される吐出管30が連
結されている。
【0021】又、上記駆動部4は、上記ケーシング2の
内周壁面に固定された固定子10と、該固定子10の内
周面に挿入されて上記クランクシャフト6が係合された
回転子12と、から構成されて、前記固定子10に電源
が印加されると、該固定子10と回転子12との相互作
用により前記クランクシャフト6が回動される。又、上
記クランクシャフト6は、上記ケーシング2の内部に固
定されたメインフレーム14に回動自在に支持されて、
上方向には偏心部16が形成されて、軸方向中心にケー
シング2の下部に貯蔵されたオイルを圧縮機内部の摩擦
部に供給するオイル流路18が穿孔形成されている。
【0022】又、上記圧縮部8は、上部にインボリュー
ト状の複数の固定ラップ20を有して、上記ケーシング
2の内部に固定されることで一方側に前記吸入管28が
連結される固定スクロール22と、前記固定ラップ20
間に圧縮室32が形成されるように前記固定ラップ20
と対応する複数のインボリュート状の旋回ラップ24を
有して、下面に上記クランクシャフトの偏心部16が挿
入されるボス34が形成された旋回スクロール26と、
を包含して構成されている。
【0023】又、上記固定スクロール22の中央には、
上記固定ラップ20と旋回ラップ24間の圧縮室32の
容積変化により圧縮された流体が上記ケーシング2の内
部に排出される排出ホール36が穿孔形成されること
で、前記旋回スクロール26とメインフレーム14間の
空間には、前記圧縮室32の流体が出入して吸入圧と吐
出圧との中間程度の圧力を維持する背圧室38が形成さ
れている。
【0024】又、上記旋回スクロール26のボス34の
内周面と上記クランクシャフト6の偏心部16の外周面
間には、上記圧縮室32に液状冷媒、オイル又は異質物
のような非圧縮性流体が流入される場合、前記旋回スク
ロール26が円周方向に移動されるように順応手段とし
ての順応部材40が挿入されている。又、該順応部材4
0は、上記旋回スクロール26のボス34の内周面に回
動自在に挿入されて、中央に上記クランクシャフトの偏
心部16がスライディング可能に挿合されるスロット4
2が穿孔形成されている。
【0025】又、上記クランクシャフトの偏心部16
は、上記クランクシャフト6の断面積に比べて小さい断
面積を有するように前記クランクシャフト6の上面から
下方向に延長形成されて、その延長された長さ方向に両
方側が平行に切欠された形態の直線部46が切削形成さ
れている。且つ、それら直線部46が切削形成された上
記クランクシャフト6の境界上面には、上記偏心部16
が切削された部位の外周面に段部44が形成されること
で、動作の際、その段部44に前記順応部材40が密着
されるようになっている。
【0026】又、上記順応部材40のスロット42は、
上記偏心部16に沿って直線移動するように両方側が直
線状に切削形成されるが、そのスロット42の長さは、
上記旋回スクロール26が外周方向に移動される移動量
を確保し得る長さを有している。又、上記順応部材40
の高さは、上記偏心部16の延長された長さと同様又は
やや小さく形成されて下面が上記クランクシャフトの段
部44に密着される。即ち、上記オイル流路18を通っ
てオイルが圧入されると、上記順応部材40を下方向に
押さえて、該順応部材を押さえるオイルの圧力により前
記順応部材40の下面が上記クランクシャフト6の段部
44に密着された状態を維持することで、前記オイル流
路18に供給されたオイルが上記背圧室38に漏洩され
ることを防止させる。
【0027】又、上記順応部材40の外周面と前記旋回
スクロール26のボスの内周面間には密閉用のベアリン
グ部材50が嵌合されることで、上記ボス34と順応部
材40間のオイルの漏洩を防止させる。且つ、上記クラ
ンクシャフト6に軸方向荷重が作用しないように前記ク
ランクシャフト6の断面積と上記順応部材40の外径面
積とが同様に形成される。即ち、上記ケーシング2の内
部に作用する高圧状態の流体により上記クランクシャフ
ト6が上方向に押される押力と、上記オイル流路18に
吐出されるオイルの圧力により上記偏心部16及び順応
部材40を下方向に押す押力とが相互相殺されること
で、前記クランクシャフト6に軸方向荷重が作用するこ
とが防止される。
【0028】以下、上記のように構成される本発明に係
るスクロール圧縮機の動作に対して説明する。先ず、上
記駆動部4に電源が印加されると、上記回転子12と一
緒にクランクシャフト6が回転し、上記偏心部16が偏
心された状態に回転すると、該偏心部16に軸方向移動
可能に装着された上記順応部材40が回転し、該順応部
材40の回転運動によって上記旋回スクロール26が旋
回運動する。次いで、上記旋回スクロール26の旋回運
動によって、上記吸入管28を通って上記圧縮室32に
流入された流体が旋回ラップ24と固定ラップ20間の
容積変化により圧縮されながら排出ホール36を通って
上記ケーシング2の内部に吐出され、該ケーシング2の
内部に吐出された流体が上記吐出管30を通って外部に
吐出される。この時、上記順応部材40は、上記偏心部
16の遠心力により該偏心部16の直線部46に沿って
遠心力方向に移動して上記旋回ラップ24と固定ラップ
20間の間隔を一定に維持させる。
【0029】次いで、上記ケーシング2の内部に吐出さ
れた高圧状態の流体が前記ケーシング2の下方向に貯蔵
されたオイルを加圧すると、該オイルは上記オイル流路
18に沿って上記偏心部16の上面に吐出されて摩擦部
の潤滑作用を行う。この時、上記吐出されるオイルの圧
力は流体の圧力と同様である。又、上記偏心部16の上
面に吐出される高圧状態のオイルが前記偏心部16及び
順応部材40の上面に作用して前記偏心部16及び順応
部材40を下方向に加圧するが、上記ケーシング2の内
部には流体の圧力が作用するために、上記クランクシャ
フト6を上方向に加圧させるようになると、上記偏心部
16及び順応部材40を押す押力と前記クランクシャフ
ト6を押す押力とが相互相殺されることで、前記クラン
クシャフト6の軸方向の作用力の発生が防止される。
【0030】即ち、上記偏心部16と順応部材40との
断面積の合算値と上記クランクシャフト6の断面積とが
同様で、上記オイルの圧力と流体の圧力とが同様である
ために、前記クランクシャフト6の上方向及び下方向に
作用する荷重が相互同様になって、前記クランクシャフ
ト6は軸方向の力を受けなくなる。又、上記順応部材4
0は、オイルの圧力により下方向に力を受けて、上記ク
ランクシャフト6の段部44に密着されるため、前記順
応部材40と偏心部16間にオイルが漏洩されることが
防止され、前記順応部材40とボス34間に嵌合された
シーリング50により前記順応部材40とボス34間か
らオイルの漏洩が防止される。
【0031】このような正常な圧縮機駆動中、非圧縮性
物質の液体状の冷媒、オイル及び異質物が圧縮室32に
流入されると、上記圧縮室32の容積変化が発生され
て、上記旋回スクロール26が前記圧縮室32の容積変
化に相応するように円周方向に直線移動される。即ち、
非圧縮性流体の流入により上記圧縮室34に作用する圧
力が正常値以上に大きくなると、上記旋回スクロール2
6に円周方向に直線移動される力が作用して、上記順応
部材40のスロット42が上記偏心部16の円周方向に
スライディング移動されながら前記旋回スクロール26
の円周方向直線移動が可能になる。
【0032】又、本発明に係るスクロール圧縮機の第2
実施形態として、図4に示したように、上記クランクシ
ャフト6の偏心部16を切削して形成し始める原の太い
部の外周面から所定長さ外側にフランジ部56を拡大形
成し、このように拡大された前記フランジ部56の上面
に順応部材40が挿入される旋回スクロール26のボス
34を形成し、その他は第1実施形態と同様に構成する
ことで、オイルの漏洩を一層效果的に防止することがで
きる。又、本発明に係るスクロール圧縮機の第3実施形
態として、図5に示したように、上記クランクシャフト
6のフランジ部56に接触される上記順応部材40の下
面の外周面に所定幅及び高さを有するほぼ環状のリブ6
0を形成し、その他は第1実施形態と同様に構成するこ
ともできる。
【0033】即ち、上記順応部材40の下面とクランク
シャフト6のフランジ部56の上面とは相互接触して密
封しなければならないために加工をするときは、精密研
削加工を必要とするが、前記フランジ部56の上面を研
削する時、上記偏心部16の干渉により加工時間が長く
かかって、加工費用が上昇するので、前記順応部材40
の下面外周縁にリブ60を突成し、前記フランジ部56
の上面中、前記リブ60と接触される部位のみを精密研
削加工すれば良いので、加工時間を低減して原価を節減
することができる。
【0034】又、本発明に係るスクロール圧縮機の第4
実施形態として、図6に示したように、上記クランクシ
ャフト6のフランジ部56に接触される順応部材40の
下面から所定幅及び高さを有して突成されるリブ62を
突成し、その他は第1実施形態と同様に構成することも
できる。又、本発明に係るスクロール圧縮機の第5実施
形態として、図7に示したように、上記クランクシャフ
ト6のフランジ部56の上面と順応部材40の下面間に
シーリング部材66を係合することで、上記オイル流路
18を通って上記偏心部16の上面に圧入されるオイル
が上記背圧室38に漏洩されることを防止するように構
成し、その他は第1実施形態と同様に構成することもで
きる。
【0035】即ち、該シーリング部材66は、リングタ
イプのテフロン(登録商標)材質を用い、該シーリング
部材66を装着するためにそのシーリング部材66に対
応する上記順応部材40の下面には挿入溝68が切削形
成される。又、本発明に係るスクロール圧縮機の第6実
施形態として、図8に示したように、上記クランクシャ
フト6のフランジ部56の上面の周囲方向に環状の挿入
溝72を切削形成し、該挿入溝72にテフロン(登録商
標)材質のシーリング部材70を挿入して、その他は第
1実施形態と同様に構成することもできる。
【0036】又、本発明に係るスクロール圧縮機の第7
実施形態として、上記順応部材40の内周面と上記クラ
ンクシャフト6の偏心部16の外周面間に弾性体76と
して、コイルスプリングを挿入して、該コイルスプリン
グの先方両方端をそれら順応部材40及び偏心部16の
周面に係止させることで、前記順応部材40がスライデ
ィング移動された後、元の状態に復帰される弾性力を附
与させ、その他は第1実施形態と同様に構成することも
できる。
【0037】又、本発明に係るスクロール圧縮機の第8
実施形態として、図10及び図11に示したように、上
記旋回スクロール26のボス34の内部に回転可能に挿
入される環状の順応部材80と、該順応部材80の中心
から何れ一方に偏心して穿孔形成された偏心ホール82
と、該偏心ホール82に回転可能に挿入される円筒状の
偏心部84と、を包含して構成し、その他は第1実施形
態と同様に構成することもできる。
【0038】又、このように構成される本発明に係るス
クロール圧縮機の第8実施形態の動作は、上記クランク
シャフト6が回転すると、上記偏心部84が偏心された
状態で回転されることで、上記順応部材80が回転され
ながら上記旋回スクロール26が旋回運動する。この
時、上記旋回スクロール26が円周方向に直線移動する
と、上記順応部材80が偏心ホール82を中心に回転さ
れながら円周方向に直線移動する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスク
ロール圧縮機においては、クランクシャフトの偏心部と
旋回スクロールのボス間に前記旋回スクロールの円周方
向直線移動を可能にする順応部材を係合し、圧縮室に非
圧縮性流体の液状冷媒、オイル及び異質物が流入される
ことで圧縮室の圧力が増加する場合、前記旋回スクロー
ルが円周方向に直線移動されるようになっているため、
圧縮室の容積変化に能動的に対処することができるし、
旋回スクロールの旋回ラップ及び固定スクロールの固定
ラップの破損を防止することができるので、圧縮機の信
頼性を向上し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクロール圧縮機の第1実施形態
の構成を示した断面図である。
【図2】図1のB部分を示した拡大図である。
【図3】図2のII−II線断面図である。
【図4】本発明に係るスクロール圧縮機の第2実施形態
を示した図1のB部分拡大断面図である。
【図5】本発明に係るスクロール圧縮機の第3実施形態
を示した図1のB部分拡大断面図である。
【図6】本発明に係るスクロール圧縮機の第4実施形態
を示した図1のB部分拡大断面図である。
【図7】本発明に係るスクロール圧縮機の第5実施形態
を示した図1のB部分拡大断面図である。
【図8】本発明に係るスクロール圧縮機の第6実施形態
を示した図1のB部分拡大断面図である。
【図9】本発明に係るスクロール圧縮機の第7実施形態
を示した図2のII−II線断面図である。
【図10】本発明に係るスクロール圧縮機の第8実施形
態を示した図1のB部分拡大断面図である。
【図11】図10のIII−III線断面図である。
【図12】従来のスクロール圧縮機を示した断面図であ
る。
【図13】図12のA部分を示した拡大図である。
【符号の説明】
2…ケーシング 4…駆動部 6…クランクシャフト 8…圧縮部 10…固定子 12…回転子 14…メインフレーム 16…偏心部 18…オイル流路 20…固定ラップ 22…固定スクロール 24…旋回ラップ 26…旋回スクロール 28…吸入管 30…吐出管 32…圧縮室 34…ボス 36…排出ホール 38…背圧室 40…順応部材 42…スロット 44…段部 46、46a…直線部 50…シーリング 56…フランジ部 60、62…リブ 66…シーリング部材 76…弾性体
フロントページの続き (72)発明者 チャン ヨウン イル 大韓民国,ソウル,ソンパ−グ,プンナプ −ドン,カンビュン ヒュンダイ アパー トメント 101−1205 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB44 BB48 CC08 3H039 AA03 AA05 AA12 BB05 BB17 BB25 BB26 CC09 CC11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に高圧が形成されるケーシング
    (2)と、 該ケーシング(2)の内部下方向に装着されてクランク
    シャフト(6)が挿入されて駆動力を発生する駆動部
    (4)と、 前記クランクシャフト(6)の上方に該クランクシャフ
    ト(6)と偏心して係合される旋回スクロール(26)
    と、該旋回スクロール(26)間に圧縮室(32)を形
    成する固定スクロール(22)と、から構成されて流体
    の圧縮作用を行う圧縮部(8)と、 該圧縮部(8)の旋回スクロール(26)と前記クラン
    クシャフト(6)間に挿入されて、前記圧縮室(32)
    に非圧縮性物質が流入されると、前記旋回スクロール
    (26)を前記スクロール(22)から離隔させる順応
    手段と、を包含して構成されることを特徴とするスクロ
    ール圧縮機。
  2. 【請求項2】 上記クランクシャフト(6)は、長さ方
    向中央にオイル流路(18)が穿孔形成されて、上部に
    前記クランクシャフト(6)の断面積に比べて小さい断
    面積を有するように縮小された偏心部(16)が延長し
    て形成されることを特徴とする請求項1記載のスクロー
    ル圧縮機。
  3. 【請求項3】 上記順応手段は、上記旋回スクロール
    (26)の下面に穿成されたボス(34)の内周面に回
    転可能に挿入されて、中央には前記クランクシャフト
    (6)の偏心部(16)がスライディング移動可能に挿
    入されるスロット(42)が穿孔形成された順応部材
    (40)から構成されることを特徴とする請求項2記載
    のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 上記フランクシャフトの偏心部(16)
    は、該偏心部(16)が前記旋回スクロール(26)の
    ボス(34)に挿入させたとき、所定高さの段を有する
    ように上面方向に長く延長形成され、その長く延長され
    た部分の断面は左右側が相互対向して湾曲され、上下側
    は相互対向して平行する直線部(46)が形成されるこ
    とを特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 上記順応部材(40)のスロット(4
    2)は、上記クランクシャフト(6)の偏心部(16)
    の外周直線部が直線方向にスライディング可能に挿入さ
    れて、前記クランクシャフト(6)の偏心部(16)が
    所定距離直線方向にスライディング移動し得るように前
    記偏心部(16)の直線部(46)に対応する直線部
    (46a)が形成されることを特徴とする請求項3又は
    4記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 上記順応部材(40)の外周面と前記旋
    回スクロール(26)のボス(34)の内周面間にはシ
    ーリング(50)が挿入されることを特徴とする請求項
    3記載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 上記クランクシャフト(6)の断面積
    は、上記順応部材(40)の外径部の面積と同様である
    ことを特徴とする請求項3記載のスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 上記クランクシャフト(6)の前記偏心
    部(16)が切削形成し始まる境界部の上面には、外方
    側に所定径を有するフランジ部(56)が拡大形成され
    ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載したスク
    ロール圧縮機。
  9. 【請求項9】 上記順応部材(40)の下面の外方側に
    は、前記クランクシャフト(6)の偏心部(16)が切
    削形成される境界部の上面に密着されるリブ(60)が
    突成されることを特徴とする請求項3〜請求項8の何れ
    か一項に記載したスクロール圧縮機。
  10. 【請求項10】 上記順応部材(40)の下面の内方側
    には、上記クランクシャフト(6)の偏心部(16)が
    切削形成される境界部の上面に密着されるリブ(62)
    が突成されることを特徴とする請求項3記載のスクロー
    ル圧縮機。
  11. 【請求項11】 上記順応部材(40)の下面と前記ク
    ランクシャフト(6)の上面間には、シーリング部材
    (66)が挿入されることを特徴とする請求項1〜請求
    項10の何れか一項に記載のスクロール圧縮機。
  12. 【請求項12】 上記順応部材(40)の下面には、上
    記シーリング部材(66)が挿入される挿入溝(68)
    が切削形成されることを特徴とする請求項11記載のス
    クロール圧縮機。
  13. 【請求項13】 上記クランクシャフト(6)の上面に
    は、上記シーリング部材(66)が挿入される挿入溝
    (68)が切削形成されることを特徴とする請求項11
    記載のスクロール圧縮機。
  14. 【請求項14】 上記シーリング部材(66)は、テフ
    ロン(登録商標)の材質にて形成されることを特徴とす
    る請求項11記載のスクロール圧縮機。
  15. 【請求項15】 上記順応部材(40)の内周面とクラ
    ンクシャフト(6)の偏心部(16)の外周面間には弾
    性体(76)の両方端が夫々挿入されて係止されること
    を特徴とする請求項3記載のスクロール圧縮機。
  16. 【請求項16】 上記弾性体(76)は、コイルスプリ
    ングであることを特徴とする請求項15記載のスクロー
    ル圧縮機。
  17. 【請求項17】 上記順応手段は、上記旋回スクロール
    (26)の下面に形成されたボス(34)に回転可能に
    挿入されて、上記クランクシャフト(6)の偏心部が挿
    入されるように中心の一方側に偏心される偏心ホール
    (82)が穿孔形成された順応部材から構成されること
    を特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  18. 【請求項18】 上記クランクシャフトの偏心部は、上
    記クランクシャフトの上面から偏心されて下方向に延長
    されたリング状に形成されることを特徴とする請求項1
    7記載のスクロール圧縮機。
  19. 【請求項19】 上記順応部材(40)は、上記ボス
    (34)の内周面に回転自在に挿入されるリング状に形
    成されて、その中央から所定距離だけ偏心された地点に
    前記クランクシャフトの中心が位置されることを特徴と
    する請求項17記載のスクロール圧縮機。
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