JP2003342886A - パルプの漂白処理方法 - Google Patents

パルプの漂白処理方法

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武志 飯森
Masako Ono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明が解決しようとする課題は、反応温度が
80〜110℃の高温で反応終了後のpHが酸性である二酸化
塩素漂白段を含む多段漂白工程において、後段の二酸化
塩素漂白の効率を高めることにより、高白色度のパルプ
を得るか、または二酸化塩素の総使用量を低減できる技
術の提供にある。 【解決手段】二酸化塩素漂白段を2つ以上含む多段漂白
工程において、パルプを酸処理した後、二酸化塩素漂白
の初段を反応温度80〜110℃の高温で、且つ、反応終了
後のpHが酸性で行うことにより、後段の二酸化塩素段の
漂白効率を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルプの漂白方法で
あって、二酸化塩素漂白段を2つ以上含む多段漂白工程
において、パルプを酸処理した後、二酸化塩素漂白の初
段を反応温度80〜110℃の高温で、且つ、反応終了後のp
Hが酸性で行うことを特徴とするパルプの漂白処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙パルプ工場の漂白工程から排出される
物質が環境に与える影響に関心が集まる中、従来の塩素
および/または塩素系薬品を主に用いた漂白方法から、
塩素を使わないECF漂白や更に進んで塩素系薬品を全く
使用しないTCF漂白が全世界的に主流となりつつある。
しかしながらECF漂白やTCF漂白で主に使用されている、
例えば二酸化塩素や過酸化水素、酸素、オゾンなどの薬
品類の殆どが従来の例えば塩素や次亜塩素酸ナトリウム
などの漂白薬品よりも高価であり、ECF漂白やTCF漂白の
処理コストが高くなるという問題がある。この現状か
ら、ECF漂白やTCF漂白において漂白薬品の使用量をより
減少でき、漂白コストを低減できるパルプの漂白方法の
開発が求められている。
【0003】従来の塩素の代替として使用する薬品とし
ては二酸化塩素やオゾン等が考えられるが、この内、二
酸化塩素は、漂白工程の初段において脱リグニンと白色
度の上昇を目的に使用される場合や、後段においてより
白色度を高くする目的で使用される。具体的な使用例と
しては、D-Eo-D、D-Eop-D、D-Eop-DnD、D-Eop-D-D、D-E
op-D-Pシーケンス等が挙げられる。
【0004】そして、これらの漂白シーケンスにおける
二酸化塩素の漂白条件としては、温度に関しては一般に
50〜80℃、中でも60〜70℃が最適とされている。漂白処
理中のpHについては5〜6が好ましいとされているが、漂
白反応の開始から終了までの間、このpH範囲内に調整す
ることが難しいことから、工業的には、pH=7位で反応を
開始し、反応の結果生成する酸の作用によってpHが低下
するにまかせ、pH=4位で反応を終了させるようにするこ
とが多いとされている(紙パルプ技術協会編「紙パルプ
の製造技術全書」第5巻「パルプ処理及び漂白(増補改
訂版)」p230〜235、1986)。
【0005】この様な一般的な知見はあるが、反応pHの
調整を試みた技術が出願されている。例えば、特開昭53
-74105号公報では、リグノセルロース含有物質を多段漂
白する最初の二酸化塩素段において、漂白液のpHを最終
pHが3.5よりも低く調整し、このpH調整に二酸化塩素製
造装置で得られた残留酸を使用する技術が開示されてい
る。特許1453714号では、セルロースパルプの二酸化塩
素漂白において、脱リグニン/漂白の反応が進行してい
る間に、塩素を2回または3回添加することにより、最
終pHを3.5〜6.0に調整する技術が登録されている。しか
し、いずれの方法においても、反応時のpHを調整するこ
とは非常に難しく、実用的ではない。
【0006】また、漂白工程の条件を種々変更すること
で有益な効果が得られるとして幾つかの特許が出願され
ている。例えば、特開平9-87985号公報では、二酸化塩
素処理をpH=1〜3で行うことで、次のEop段の漂白効率を
高める方法が開示されている。特開平11-152693号公報
では、酸素圧下で二酸化塩素処理を行うことにより漂白
効率を改善する方法が開示されている。特開2001-34879
0号公報では、酸添加処理した後、二酸化塩素で漂白す
る方法か、あるいは二酸化塩素で漂白した後、酸添加処
理を行う方法により、二酸化塩素の漂白効率を低下させ
ずに次のEop漂白段の漂白効率を改善する方法が開示さ
れている。
【0007】一方、最近の新たな知見としてパルプの漂
白に関する対象物質として従来のリグニン以外にヘキセ
ンウロン酸が大きく関与していることが知られ出してい
る。このヘキセンウロン酸は、蒸解工程においてヘミセ
ルロース中のメチルグルクロン酸から脱メチルすること
で生成し、二重結合を有することから、セルロース中の
この部位が過マンガン酸カリウムと反応しカッパー価と
してカウントされると同時に、漂白薬品とも反応し漂白
薬品を無駄に消費してしまう。従って、ヘキセンウロン
酸を除去できれば、漂白薬品の効率を改善することがで
きる。
【0008】このヘキセンウロン酸を除去する方法の一
つとして酸処理が提示されている。これは、漂白前のパ
ルプを高温且つ酸性下で処理することにより、このヘキ
センウロン酸を酸加水分解し除去するものであり、これ
によりカッパー価を下げ、所望の白色度までパルプを漂
白するのに要する漂白薬品を削減できることが知られて
いる。例えば、特表平10-508346号公報では、硫酸塩法
またはアルカリ法によって製造したセルロースパルプの
懸濁液を加熱し、約85〜150℃で約2〜5のpHで処理し、
セルロースパルプ中のヘキセンウロン酸の少なくとも約
50%を除去し、パルプのカッパー価を2〜9単位減少させ
る技術が開示されている。使用する酸としては、硫酸、
硝酸、塩酸などの鉱酸や、蟻酸、酢酸などの有機酸が挙
げられている。
【0009】またパルプに由来する各種の金属が酸素系
漂白薬品の分解を促進し、酸素系漂白薬品を無駄に消費
することが知られている。この金属を除去し、酸素系漂
白薬品の漂白効率を高める技術として、比較的低温の酸
処理および/またはキレート剤処理などが提示されてい
る。この酸処理の技術としては、例えば、特許第289597
7号公報では、リグノセルロース材料から製造されたパ
ルプを酸素漂白によって脱リグニンする方法において、
まず、パルプに亜硝酸塩および酸を添加してパルプを前
処理し、続いて酸素漂白を行う漂白方法が登録されてい
る。特開平6-101186号公報では、蒸解処理された化学パ
ルプに対して、酸処理を行った後、アルカリ性媒体中で
過酸化物と加圧酸素による脱リグニンを行う漂白方法が
開示されている。特開平6-158573号公報では、蒸解処理
された化学パルプに対して、高温高圧酸素漂白処理を行
い、次いで酸処理またはキレート剤処理を行った後、ア
ルカリ性媒体中で過酸化物、または過酸化水素と酸素に
より脱リグニン・漂白を行う漂白方法が開示されてい
る。
【0010】以上述べた、二酸化塩素漂白の効率改善、
ヘキセンウロン酸の除去、金属除去による酸素系漂白薬
品の効率改善を目的とした特別な薬品を使用することな
く、且つ、これらの効率改善や金属除去を同時に行うこ
とができる漂白処理技術は未だ開発されていなかった。
【0011】本発明者らは二酸化塩素の漂白について研
究を進めた結果、二酸化塩素漂白を反応温度80〜110℃
の高温で、且つ、反応終了後のpHが酸性の条件で行うこ
とにより、前記の二酸化塩素漂白効率改善、ヘキセンウ
ロン酸の除去、金属除去を同時に行えることを見いだ
し、特許出願している(特願2002-59715)。しかし、漂白
コスト低減の面から、更に漂白薬品を低減できる技術の
開発が望まれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、先に出願した反応温度が80〜110℃の高温
で反応終了後のpHが酸性である二酸化塩素漂白段を含む
多段漂白工程において、後段の二酸化塩素漂白の効率を
高めることにより、高白色度のパルプを得るか、または
二酸化塩素の総使用量を低減できる技術の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】二酸化塩素漂白段を2つ
以上含む多段漂白工程において、パルプを酸処理した
後、二酸化塩素漂白の初段を反応温度80〜110℃の高温
で、且つ、反応終了後のpHが酸性で行うことにより、後
段の二酸化塩素段の漂白効率を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に適用されるパルプとして
は、ソーダ法、サルファイト法、クラフト法により製造
されたものが挙げられるが、クラフト法が好適である。
更にクラフト法としては修正法として、MCC、EMCC、IT
C、Lo-solid法等が知られているが、それらの方法に限
定されず、また、酸素脱リグニン処理を行ったもの、あ
るいは行っていないもののどちらでも構わず適用でき
る。また、木材をクラフト蒸解する場合、蒸解液の硫化
度は5〜75%、好ましくは15〜45%、有効アルカリ添加率
は絶乾木材重量当たり5〜30重量%、好ましくは10〜25重
量%、蒸解温度は140〜170℃である。蒸解方式は、連続
蒸解法あるいはバッチ蒸解法のどちらでも良く、また蒸
解装置の方式は特に問わない。
【0015】本発明で用いられるリグノセルロース物質
としては、特に限定されるものではなく、ケナフ、麻、
バガス、イネ等の非木材の植物であっても、針葉樹木材
あるいは広葉樹木材でも良いが、効果の面からは広葉樹
木材が好適に使用される。
【0016】パルプの酸処理としては公知の方法を適用
できる。すなわち、酸の種類は硫酸、塩酸、硝酸、亜硫
酸、亜硝酸、二酸化塩素発生装置の残留酸などを使用で
きる。好適には硫酸である。酸処理時のpHは1〜5の範囲
であり、好ましくは1.5〜3.5、更に好ましくは2.0〜3.0
である。pHが1未満の場合は酸が過剰であり、pHが5を超
えると酸処理の効果が小さい。温度は30〜100℃の範囲
であり、好ましくは50〜95℃、更に好ましくは60〜85℃
である。温度が30℃未満では酸処理の効果が少なく、10
0℃を超える場合は反応容器中の圧力が高くなり、高圧
容器が必要となるので好ましくない。反応時間は20分間
〜5時間、好ましくは30分間〜3時間、更に好ましくは1
〜2時間である。20分間未満では酸による反応が充分で
はなく、5時間を超えて処理しても酸処理効果の上昇は
小さい。
【0017】二酸化塩素漂白初段(以下D0段と記述する)
における反応終了時のpH(以下、終了pHと記述する)を目
標とするpH範囲に入れるための因子としては、実際に添
加される二酸化塩素の量および反応開始時のpH(以下、
開始pHと記述する)がある。すなわち二酸化塩素処理に
おいては、反応の進行に伴い酸が生成し、反応系のpHが
次第に低下していく。このため、二酸化塩素の添加量が
多い場合は酸の生成量が多く、反応系のpHが大きく低下
する。逆に添加量が少ない場合はpHの低下幅は小さいこ
とになる。もう一つの要因である開始pHについては、種
々のケースが想定されるので一概には言えないが、一般
的な知見として開始pHが高いほど終了pHが高く、開始pH
が低いほど終了pHが低いことは簡単に予想できることで
ある。
【0018】この二つの因子により終了pHが決定される
が、二酸化塩素の添加のみでは所望の終了pHに達しない
場合は、補助的に予め酸あるいはアルカリを添加するこ
とにより、開始pHを調整しておくこともできる。その場
合、使用できる酸としては、例えば硫酸、硝酸、塩酸更
には二酸化塩素発生装置の残留酸等の鉱酸、例えば蟻
酸、酢酸のような有機酸が挙げられ、特に限定無く使用
できる。また、使用できるアルカリとしては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモ
ニア、クラフト白液、酸化白液、緑液、酸化緑液、四ほ
う酸ナトリウム、四ほう酸カリウム、メタほう酸ナトリ
ウム、メタほう酸カリウム等が挙げられるが、工業的に
は水酸化ナトリウムが好適である。
【0019】D0段のパルプ濃度は、約1〜50固形分重量%
の範囲が良く、好ましくは約3〜40固形分重量%である。
パルプ濃度が1固形分重量%未満の場合は、二酸化塩素と
パルプの混合が悪く反応効率が低下すると共に、加熱に
要する蒸気量が増大するので処理コストの観点から好ま
しくない。一方、50固形分重量%を超える場合は、自由
水が少なくなり、二酸化塩素との混合効率の低下により
反応性が悪化するので好ましくない。
【0020】D0段での二酸化塩素段での終了pHは1〜4
の範囲が良く、好ましくはpH=1.8〜3.5の範囲である。
本発明では通常考えられる二酸化塩素処理の温度よりも
高温で処理することで、反応速度を加速すると共に、反
応により生成する酸を利用してヘキセンウロン酸の加水
分解とパルプ中の金属の溶出も同時に行う。終了pHが1.
0未満の場合、金属溶出の面では問題はないが、ヘキセ
ンウロン酸の分解に必要な酸の量よりも多くの酸が生成
することになるので、処理コストの観点から好ましくな
い。一方、終了pHが4を超える場合、酸による金属の溶
出が不十分となり、ヘキセンウロン酸の加水分解の反応
速度が遅くなるので好ましくない。
【0021】D0段での二酸化塩素処理の温度は、80〜11
0℃の範囲が良く、好ましくは85〜95℃である。温度が8
0℃未満の場合、酸によるヘキセンウロン酸の加水分解
が遅くなるので好ましくない。また、110℃を超える場
合、反応塔の圧力が上がり反応の制御が困難となるので
好ましくない。尚、この温度範囲では金属の除去は充分
である。
【0022】D0段での処理時間は30分から8時間の範囲
が良く、好ましくは1〜3時間である。30分未満の場合、
金属の溶出およびヘキセンウロン酸の分解があまり進行
しない。逆に3時間を超えて処理を行っても残存する金
属およびヘキセンウロン酸量が少ないので、3時間を超
えて処理しても効果が認められない。
【0023】D0段での漂白を終えたパルプは、引き続
き、例えばE-D、Eo-D、Ep-D、Eop-D、Eop-D-D、Eop-D-P
のような漂白シーケンスでリグニン抽出および白色度向
上のための処理を行うが、E、Eo、Ep、Eop、D、Pなどの
反応条件は公知の通常の方法で処理される。この漂白シ
ーケンスにおいて後段の二酸化塩素段を以下D段と記
述する。
【0024】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に示すが、本願発明は勿論かかる実施例に限定されるも
のではない。パルプの物性の測定は次の試験法を用いて
行った。 1.カッパー価の測定 カッパー価の測定は、JIS P 82
11に準じて行った。 2.パルプの白色度測定 パルプを離解後、Tappi試験
法T205os-71(JIS P 8209)に従って坪量60g/mのシー
トを作製し、JIS P 8123に準じてパルプの白色度を測定
した。以下の実施例と比較例では、日本製紙株式会社製
の広葉樹酸素脱リグニン後のクラフトパルプ(カッパー
価8.7、ハンター白色度50.4%)を用いた。
【0025】
【実施例1】広葉樹酸素脱リグニン後のクラフトパルプ
を以下の条件で酸処理を行い白色度50.5%のパルプを得
た。 酸処理条件:パルプ濃度10%、硫酸添加量10.3kg/ADTP、
温度85℃、処理時間100分、開始pH3.0、終了pH3.0 酸処理後のパルプを以下の条件で二酸化塩素処理(D0段)
し、白色度69.2%のパルプを得た。 D0段処理条件:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量5.8kg
/ADTP、温度85℃、処理時間60分、開始pH3.8、終了pH2.
4 D0段処理後のパルプを下記条件でEp処理し、白色度79.1
%のパルプを得た。 Ep処理条件:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量
5.5kg/ADTP、過酸化水素添加量1.6kg/ADTP、温度60℃、
処理時間100分、開始pH10.9、終了pH11.3 Ep処理後のパルプを以下の条件で二酸化塩素処理(D
段)し、白色度を測定した。二酸化塩素添加量は1.4、
2.4、3.2kg/ADTPの3水準とし、結果を表1の実施例1-
1、実施例1-2、実施例1-3に示した。 D段処理条件:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量1.
4、2.4、3.2kg/ADTP、温度70℃、処理時間180分
【0026】
【表1】
【0027】
【比較例1】D0段処理の反応温度55℃とした以外は、実
施例1と同じ条件でパルプを処理した。D0段の開始pHは
3.8、終pHは2.6、処理後のパルプ白色度は71.7%であっ
た。Ep処理の開始pHは10.9、終pHは11.2、処理後のパル
プ白色度は80.1%であった。D 段の二酸化塩素添加率は
実施例と同じく、1.4、2.4、3.2kg/ADTPの3水準とし、
結果を表2の比較例1-1、比較例1-2、比較例1-3に示し
た。
【0028】
【表2】
【0029】
【比較例2】酸処理を行わない以外は実施例1と同様に
D0段処理、Ep処理、D処理をおこなった。D0段の開始p
Hは3.8、終pHは2.7、処理後のパルプ白色度は71.8%であ
った。Ep処理の開始pHは10.9、終pHは11.2、処理後のパ
ルプ白色度は80.2%であった。D段の二酸化塩素添加率
は実施例と同じく、1.4、2.4、3.2kg/ADTPの3水準と
し、結果を表3の比較例2-1、比較例2-2、比較例2-3に
示した。
【0030】
【表3】
【0031】表1、表2、表3の結果から、D1段におけ
る二酸化塩素添加率とパルプ白色度の関係を図1に示し
た。実施例1のパルプ白色度は、比較例1および比較例
2よりも高くなっており、D1段における二酸化塩素の漂
白効率が高くなっていることが分かる。従って、D1段の
二酸化塩素添加率を一定とすれば、より高白色度のパル
プを製造できる。D1段処理後のパルプ白色度を一定とす
れば、D1段の二酸化塩素添加率を下げることが可能であ
り、D段とD1段の合計の二酸化塩素添加量を低減する
ことが出来る。
【図1】
【0032】
【発明の効果】二酸化塩素漂白段を2つ以上含む多段漂
白工程において、パルプを酸処理した後、二酸化塩素漂
白の初段を反応温度80〜110℃の高温で、且つ、反応終
了後のpHが酸性で行うことにより、後段の二酸化塩素段
の漂白効率を高めることができる。また、このことによ
り、高白色度のパルプを製造できるか、または二酸化塩
素添加量を低減できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳谷 高興 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AA03 AC06 AD02 AD05 AD10 AD20 BB11 BB13 BB15 BB20 BB22 BB30 EA20 EA31 FA05 FA22 FA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプの漂白方法であって、二酸化塩素
    漂白段を2つ以上含む多段漂白工程において、パルプを
    酸処理した後、二酸化塩素漂白の初段を反応温度80〜11
    0℃の高温で、且つ、反応終了後のpHが酸性で行うこと
    を特徴とするパルプの漂白処理方法。
  2. 【請求項2】 酸処理を30〜100℃で行うことを特徴と
    する請求項1に記載のパルプの漂白処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008202160A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Daio Paper Corp クラフトパルプの漂白方法
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