JP2003342665A - 熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板および熱間ブロー成形品 - Google Patents

熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板および熱間ブロー成形品

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JP2003342665A JP2003066228A JP2003066228A JP2003342665A JP 2003342665 A JP2003342665 A JP 2003342665A JP 2003066228 A JP2003066228 A JP 2003066228A JP 2003066228 A JP2003066228 A JP 2003066228A JP 2003342665 A JP2003342665 A JP 2003342665A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な熱間ブロー成形性を有し,熱間ブロー
成形時に生じる成形品外面の平滑性の低下が抑制され,
塗装後の外観品質に優れる熱間ブロー成形用板材を提供
すること。 【解決手段】 Mg:3.5〜6.0%を含有し,か
つ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05
〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi
含有量0.10%以下,Fe含有量0.12%以下,C
u含有量0.10%以下に規制され,残部がAl及び不
可避的不純物からなる。鋳塊を均質化処理後,熱間圧延
冷間圧延率25%以上の冷間圧延,昇温速度1℃/se
c以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5
分以内の保持を行う中間焼鈍,25%以上50%未満の
冷間圧延率で冷間圧延,昇温速度1℃/sec以上で4
00℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保
持を行う最終焼鈍を施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,熱間ブロー成形が施されるAl
−Mg系のアルミニウム合金板で,とくに自動車用車体
パネルなど外観性が要求される部位に適する板材,及び
これを用いた熱間ブロー成形品に関する。
【0002】
【従来技術】熱間ブロー成形は,金型や製造装置が冷間
プレス成形よりも安価なこと,成形の自由度が大きいこ
と等から,多品種少量生産向きの技術として適してい
る。上記熱間ブロー成形用材料としては,10μm前後
の微細再結晶粒であることが金属組織上必要とされる。
その製法上の特徴は,微細粒を得るために,強冷間加工
を行なってから最終の急速加熱焼鈍を実施することにあ
る。冷間加工におけるひずみ量は最終焼なまし工程にお
いて形成される結晶粒径と相関があり,強加工を加える
ほど結晶粒径は小さくなる。実生産上,強加工は圧延中
の耳割れなどを誘発するため,適宜中間焼鈍が必要とな
るが,中間焼鈍を行った場合にも,その後最終焼鈍前の
冷間圧延率を大きくする必要がある。
【0003】他方,例えば自動車用車体パネルなどにお
いては,外観品質の要素の中に,塗装後の外観が平滑で
あることが要求される。冷間プレス用板材を用いて冷間
プレス加工をした場合には,リジングマークと呼ばれ
る,主に,材料の異方性に起因するとされる欠陥が生じ
ることは知られている。そして,従来の熱間ブロー成形
品は,冷間プレスの場合のリジングマークと同様に塗装
後の外観の平滑性が損なわれる欠陥が生じる現象が認め
られ,商品価値を大きく低下させる。熱間ブロー成形法
は大変形を付与する塑性加工法であるが故,冷間プレス
を行う場合には平滑性の低下が認められない材料であっ
ても,熱間ブロー成形を行うことによって上記リジング
マークと同様の欠陥が生じる場合があり,従来の熱間ブ
ロー成形用材料は自動車用車体パネルなどの材料として
は不適切である。
【0004】なお,従来の熱間ブロー成形用材料又はそ
の製造方法としては,例えば特許文献1〜5に記載の技
術がある。
【0005】
【特許文献1】特開昭60−238460号公報
【特許文献2】特開昭60−238461号公報
【特許文献3】特開昭62−96643号公報
【特許文献4】特開平7−26342号公報
【特許文献5】特開平7−305131号公報
【0006】
【解決しようとする課題】本発明は,かかる従来の問題
点に鑑みてなされたもので,適度な熱間ブロー成形性を
有し,熱間ブロー成形時に生じる成形品外面の平滑性の
低下が抑制され,塗装後の外観品質に優れる熱間ブロー
成形用板材および熱間ブロー成形品を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題の解決手段】第1の発明は,重量比において,M
g:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜
0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち
1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%
以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.
10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純
物からなる合金よりなり,鋳塊を均質化処理後に熱間圧
延し,さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施
し,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の
温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を
施し,該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満
の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃
/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱
して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施したことを特徴
とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金
板にある(請求項1)。
【0008】本発明の熱間ブロー成形用Al−Mg系ア
ルミニウム合金板は,上記のごとく,特定の成分組成を
有する合金を用い,上記特定の製造方法を採用すること
によって,熱間ブロー成形性の向上及び熱間ブロー成形
時に生じる成形品外面の平滑性の低下の抑制を図ったも
のである。以下にまず,本発明の熱間ブロー成形用Al
−Mg系アルミニウム合金板(以下,適宜,本発明のア
ルミニウム合金板という)を構成する合金の含有成分の
意義及び限定理由について説明する。
【0009】Mg:3.5〜6.0%;Mgは成形後の
製品の強度を高め,また,熱間ブロー成形中に動的回復
および再結晶を促進させて成形に伴って低下する加工性
を補う。好ましい含有範囲は3.5〜6.0%で,3.
5%未満では再結晶促進の効果が小さく,6.0%を超
えて含有すると熱間圧延性を阻害する。
【0010】Mn:0.5〜0.8%,Cr:0.05
〜0.20%;Mn,Crは,ブロー成形中において再
結晶粒を安定させて良好な成形性および成形後の外観品
質を与え,また,成形後の強度を高める。好ましい含有
量は上記のごとくそれぞれ0.5〜0.8%および0.
05〜0.20%の範囲である。両者が下限を切ると安
定させる効果が薄れて結晶粒が粗大化し,成形性の低下
や肌荒れによる外観品質の低下につながる。範囲を超え
た場合,鋳塊中に粗大な晶出物を形成し,熱間ブロー成
形性を阻害し,また,偏析した晶出物は成形後の外観品
質を低下させる。また,MnとCrとは必ずしも両者が
含有される必要はなく,少なくとも一方が含有されるこ
とによって上記効果が得られる。
【0011】Si含有量0.10%以下,Fe含有量
0.12%以下,Cu含有量0.10%以下;本発明に
おいては,不純物としてのFe,Siの含有量を上記の
量に制限することが重要である。不純物のFe,Siは
不溶性のAl−Fe−Si系化合物やMg2Si化合物
を生成し,この化合物が結晶粒界に析出してキャビティ
を増加させ,熱間ブロー成形性を低下させたり,成形後
の強度および伸びを低下させる。より好ましくはFe,
Siともに0.05%以下に制限するのがよい。また,
Cuは熱間圧延性を阻害するため,0.10%以下に制
限することが重要である。
【0012】次に,本発明のアルミニウム合金板を製造
するに当たっては,まず,鋳塊を均質化処理後に熱間圧
延し,さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施す
る。この場合の冷間圧延が25%未満の場合には,後述
する中間焼鈍において所望の組織変化を得ることができ
ないという問題がある。
【0013】上記冷間圧延後には,昇温速度1℃/se
c以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5
分以内の保持を行う中間焼鈍を施す。この中間焼鈍は,
不均一な熱間圧延組織を最終板で均一な組織とするため
の中間処理として必要である。そして,上記中間焼鈍中
には,熱間圧延組織を再結晶させて組織改質を図る。な
お,中間焼鈍を実施しなかった場合,最終板での組織に
不均一さが残るため,ブロー成形後の平滑な外観が得ら
れない。
【0014】また,上記中間焼鈍における昇温速度が1
℃/sec未満では,再び不均一な再結晶組織となって
改質の役割が十分では無くなり,ブロー成形後に平滑な
表面が得られない。また保持する温度が400℃未満で
は十分に再結晶が生じず,550℃を超えると融解のお
それがある。また,保持時間が5分を超える熱処理は,
経済的な意義に乏しい。
【0015】中間焼鈍後は,再び冷間圧延を実施して最
終焼鈍による再結晶で均一な等方的な組織とし,ブロー
成形後の平滑性に優れた材料とする。上記中間焼鈍後の
冷間圧延は,最終板厚まで25%以上50%未満の冷間
圧延率で行う。このとき冷間圧延率が25%未満では後
述する最終焼鈍で再結晶しないため,所期の平滑性が得
られない。また,50%以上では経済的な意義に乏しい
ばかりでなく,最終焼鈍後の板で熱間ブロー成形した場
合に,再び異方性を生じさせて外観の平滑性をかえって
悪化させる場合がある。
【0016】その後は,昇温速度1℃/sec以上で4
00℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保
持を行う最終焼鈍を施す。この最終焼鈍の昇温速度が1
℃/sec未満では,再び不均一な再結晶組織となっ
て,ブロー成形後に平滑な表面が得られない。また最終
焼鈍時の保持温度が400℃未満では十分に再結晶が生
じず,550℃を超えると融解のおそれがある。また,
5分を超える熱処理は,経済的な意義に乏しい。
【0017】第2の発明は,アルミニウム合金板に,4
00℃以上の温度域において熱間ブロー成形を施した熱
間ブロー成形品であって,上記アルミニウム合金板は,
重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,か
つ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05
〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi
含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以
下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がA
lおよび不可避的不純物からなる合金よりなり,鋳塊を
均質化処理後に熱間圧延し,さらに冷間圧延率25%以
上の冷間圧延を実施し,昇温速度1℃/sec以上で4
00℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保
持を行う中間焼鈍を施し,該中間焼鈍後最終板厚まで2
5%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,そ
の後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃
の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍
を施した熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合
金板であることを特徴とする熱間ブロー成形品にある
(請求項6)。
【0018】本発明の熱間ブロー成形品は,上述した第
1発明にかかる優れたアルミニウム合金板を素材として
用いている。そのため,これを400℃以上の温度に加
熱して熱間ブロー成形を施しても,従来のリジングマー
クのような欠陥の発生を大幅に抑制することができる。
そのため,本発明の熱間ブロー成形品は,非常に平滑性
に優れたものとなり,外観要求の厳しい種々の製品に適
用することができる。
【0019】第3の発明は,アルミニウム合金板に,冷
間塑性加工を施した後,400℃以上の温度域において
熱間ブロー成形を施した熱間ブロー成形品であって,上
記アルミニウム合金板は,重量比において,Mg:3.
5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8
%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或
いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,
Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%
以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物から
なる合金よりなり,鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,昇温
速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲
内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,該
中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧
延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec
以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分
以内の保持を行う最終焼鈍を施し,さらに25%以上5
0%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温
速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲
内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施した
熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板であ
ることを特徴とする熱間ブロー成形品にある(請求項
9)。
【0020】本発明の熱間ブロー成形品は,上記のごと
く,冷間塑性加工を施した後に上記熱間ブロー成形を施
すという,特殊な成形方法により作製したものである。
そして,その素材となるアルミニウム合金板として,上
述した第1の発明の熱間ブロー成形用Al−Mg系アル
ミニウム合金板に対して,さらに,上記最終焼鈍後の冷
間圧延および仕上げ熱処理を加えたものを用いる。これ
により,冷間塑性加工後にこれに起因する欠陥を生じさ
せることなく,平滑な外観を容易に得ることができる。
そして,上記熱間ブロー成形品は,冷間塑性加工を施し
た後,熱間ブロー成形をしても優れた品質を維持できる
ので,単なる熱間ブロー成形のみを施した場合よりも自
由度の高い形状設計が可能となり,製品の付加価値をさ
らに高めることができる。
【0021】ここで,上記最終焼鈍後の冷間圧延の冷間
圧延率が25%未満の場合には,熱間ブロー成形前の加
熱時における粗大化抑制効果が十分ではなく,50%を
超えると経済的な意義に乏しいばかりでなく,熱間ブロ
ー成形前の再結晶で再び異方性を生じさせて外観の平滑
性をかえって悪化させる場合がある。
【0022】上記仕上げ熱処理の昇温速度が1℃/se
c未満の場合には熱間ブロー成形前の加熱において再び
不均一な再結晶組織となって,熱間ブロー成形後に平滑
な表面が得られない。また,上記仕上げ熱処理の保持温
度が270℃未満では熱間ブロー成形前の冷間加工性を
保証することが難しく,400℃を超える場合には熱間
ブロー成形前の加熱において再び不均一な再結晶組織を
形成する場合がある。また,5分を超える熱処理は,経
済的に意義が小さい。その他の成分範囲の意義,限定理
由および製造工程における条件の意義,限定理由につい
ては,上述した第1の発明の場合と同様である。
【0023】
【発明の実施の形態】上記第1の発明における上記鋳塊
は,常法に従って上述の組成を有するアルミニウム合金
を溶解,鋳造して得ることができる。そして,この鋳塊
の上記均質化処理は,例えば,450〜550℃の温度
範囲で行うことが好ましい。均質化処理温度が450℃
未満の場合には,鋳塊中の偏析を除去することができ
ず,熱間加工性を低下させるという問題があり,一方,
550℃を超える場合には,スラブの融解が生じるとい
う問題がある。
【0024】また,上記均質化処理後の熱間圧延開始温
度は,例えば,250〜500℃が好ましく,より好ま
しくは400℃以下とするのがよい。熱間圧延開始温度
が250℃未満の場合には,材料の変形抵抗が高く圧延
パス数が増え,経済的にメリットがないという問題があ
る。一方,500℃を超える場合には,熱間圧延中の割
れを誘発させるため望ましくなく,上記のごとく400
℃以下とするのがより好ましい。
【0025】また,本発明においては,上記熱間圧延を
施した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温
度範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間
圧延前中間焼鈍を施すことが好ましい(請求項2)。こ
の冷間圧延前中間焼鈍は必須工程ではないが,その後の
冷間圧延における圧延荷重を低減しうるので追加するこ
とが好ましい。
【0026】上記冷間圧延前中間焼鈍を追加する場合に
は,上記のごとくバッチ炉を用い,その加熱温度を30
0℃〜500℃の範囲とする。加熱温度が300℃未満
の場合には,上記の圧延荷重低減効果が得られないとい
う問題がある。一方,加熱温度が500℃を超えると,
表層にMgが濃縮し,板表面に酸化Mg層が形成され,
表面品質を著しく劣化させるという問題がある。また,
上記保持時間が1時間未満の場合には,上記の圧延荷重
低減効果が得られない。一方,上記保持時間が10時間
を超える場合には,加熱温度が500℃を超える場合と
同様の不具合が生じやすい。さらに,10時間以上保持
しても上記圧延荷重低減効果に変化がなく工業的なコス
トアップになるだけである。
【0027】また,本発明においては,上記合金は,さ
らにBe:20〜80ppmを含有することが好ましい
(請求項3)。この場合には,通常のAl−Mg系合金
と同様,溶湯の酸化を防止し,酸化物の鋳塊への巻き込
みよって生じる外観品質の異常を防止することができ
る。Beの含有量が20ppm未満の場合にはこのよう
な酸化防止効果があまり得られず,一方,80ppmを
超える場合には,効果が飽和する上,環境上望ましくな
いという不具合がある。
【0028】また,上記最終焼鈍を施した後に,さらに
25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400
℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱
処理を施すことが好ましい(請求項4)。この場合に
は,さらに効果的に,熱間ブロー成形性の向上及び熱間
ブロー成形時に生じる成形品外面の平滑性の低下の抑制
を図ることができる。そして,特に,熱間ブロー成形前
に冷間加工を加えるような用途における熱間ブロー成形
性向上に非常に有効である。
【0029】上記最終焼鈍後の冷間圧延の冷間圧延率が
25%未満の場合には,熱間ブロー成形前の加熱時にお
ける粗大化抑制効果が十分ではなく,50%を超えると
経済的な意義に乏しいばかりでなく,熱間ブロー成形前
の再結晶で再び異方性を生じさせて外観の平滑性をかえ
って悪化させる場合がある。
【0030】上記仕上げ熱処理の昇温速度が1℃/se
c未満の場合には熱間ブロー成形前の加熱において再び
不均一な再結晶組織となって,熱間ブロー成形後に平滑
な表面が得られない。また,上記仕上げ熱処理の保持温
度が270℃未満では熱間ブロー成形前の冷間加工性を
保証することが難しく,400℃を超える場合には熱間
ブロー成形前の加熱において再び不均一な再結晶組織を
形成する場合がある。また,5分を超える熱処理は,経
済的に意義が小さい。
【0031】また,上記板材は自動車用車体パネル材で
あることが好ましい(請求項5)。自動車用車体パネル
材では,塗装後の鮮映性が要求される。鮮映性は,成形
品の外観,特に平滑さに強く影響され,平らなほど鮮映
性は高くなる。成形品の表面の平滑性は,熱間ブロー成
形中に,素材が均一に変形することによって達成され
る。鮮映性の悪い成形品では,熱間ブロー成形中の不均
一な変形が生じている。これは,ブロー成形前の板の金
属組織の不均一性が原因である。これらの不均一性は,
熱間圧延中に生じる不均一な再結晶組織や強冷間圧延が
影響を及ぼしている。この点において,上記優れた本発
明のアルミニウム合金板を上記自動車用車体パネル材に
適用することにより,上記金属組織の不均一性を防止し
て,優れた鮮鋭性を実現しうる自動車用車体パネルを得
ることができる。また,上記自動車用車体パネルとして
は,例えば,ボンネットフード,トランクリッド,ルー
フ,ドアなどのいわゆるアウター材,その他外観特性が
問われる各種のインナー材等も含む。
【0032】次に,上記第2,第3の発明においては,
上記熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板
は,上記熱間圧延を施した後に,バッチ炉において30
0℃〜500℃の温度範囲内に加熱して1時間〜10時
間の保持を行う冷間圧延前中間焼鈍を施してあることが
好ましい(請求項7,請求項10)。この場合には,上
述したごとく製造方法における熱間圧延後の冷間圧延の
圧延荷重を低減させる効果が得られる。
【0033】また,上記第2の発明においては,上記熱
間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板は,上
記最終焼鈍を施した後に,さらに25%以上50%未満
の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃
/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱
して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施してあること
が好ましい(請求項8)。この場合には,さらに平滑性
に優れた熱間ブロー成形品を得ることができる。
【0034】また,上記第2,第3の発明においても,
上記と同様の理由により,合金は,さらにBe:20〜
80ppmを含有することが好ましい(請求項11)。
また,上記熱間ブロー成形品は自動車用車体パネルであ
ることが好ましい(請求項12)。即ち,上記熱間ブロ
ー成形品は,上述したごとく,冷間塑性加工を施した
後,熱間ブロー成形をしても優れた品質を維持できるの
で,単なる熱間ブロー成形のみを施した場合よりも自由
度の高い形状設計が可能となる。それ故,デザインが重
視させる自動車用車体パネルに容易に対応することがで
きる。
【0035】
【実施例】(実施例1)本例では,表1に示すごとく,
本発明品としてのアルミニウム合金板を6種類(試料E
11〜E16)と,成分範囲が本発明範囲から外れた比
較品としてのアルミニウム合金板4種類(試料C11〜
C14)を作製し,その特性を比較した。
【0036】
【表1】
【0037】まず表1中に示す合金成分のスラブを半連
続鋳造により製作した。これらの合金を500℃に8時
間保持する均質化処理を行い,面削後395℃に加熱し
て熱間圧延を施して3.9mmの熱間圧延板を得た。次
に,この熱間圧延板に対し,冷間圧延(冷間圧延率50
%)→中間焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度5
00℃,保持時間30秒)→冷間圧延(冷間圧延率33
%)→最終焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度5
00℃,保持時間30秒)を順次施して,1.3mm厚
みのアルミニウム合金板を得た。
【0038】次に,得られたアルミニウム合金板を35
0mm角の四角形状に切り出して試験片とし,実際に熱
間ブロー成形を行った。具体的には,上記試験片を49
0℃に加熱して,250mmW×250mmL×65m
mHの角筒形状に雌型により熱間ブロー成形した。底面
中心部分の肉厚は0.85mmであり,肉厚減少率は約
34.6%であった。
【0039】次に,得られた角筒成形品の中心部分につ
いて引張試験による機械的性質を測定した。また同じく
中心部から100mm角のテストピースを切り取り,酸
洗後,一般自動車用塗装を実施し,塗膜の品質(鮮鋭
性)をテンションメータで評価した。
【0040】ここで,上記テンションメータの評価は,
図1に示すごとく,撮影装置5を用いて行う。撮影装置
5は,テストピース1を覆うTP収納部51と,その側
壁部に配設されたストロボ部52及びカメラ部53とよ
りなる。
【0041】ストロボ部52は,筒状の入側導光部52
1を有し,その一端には光源となるストロボ522を配
設し,他端にはストロボ522から発せられる光を後述
する複数の線状光線に遮るスリット板523を配設して
なる。また,上記カメラ部52は,筒状の出側導光部5
31を介してフィルムをセットするカメラ532を有し
ている。
【0042】そして,撮影装置5は,出側導光部531
に設けられたシャッター55を操作することにより,上
記ストロボ522から光を発射させ,その光をスリット
板523を通してテストピース1の表面に当て,これを
反射させてカメラ532によってフィルムに撮影するよ
う構成されている。
【0043】上記スリット板523は,図2に示すごと
く,9〜20までの12段階の点数の領域に区画されて
いる。各領域には,それぞれ複数の平行光線(スリット
光)が得られるようにスリットが設けられており,スリ
ットの間隔は,点数が高い領域のものほど狭くなるよう
に設定されている。本例では,スリットSの幅寸法(太
さ)は一律0.20mmとした。また,スリットSの間
隔(ピッチ)は,表2に示すごとく設定した。
【0044】
【表2】
【0045】そして,テンションメータの評価は,上記
テストピース1の載置位置に評価しようとするサンプル
を載置して上記撮影装置5により撮影した写真を用いて
行った。具体的には,写真に表れている複数のスリット
光を各領域ごとに目視により観察し,隣り合うスリット
光に重なりが見られるか否かを判断する。そして,スリ
ット光に重なりが見られていない領域のうち最大の点数
を評価値とした。この評価方法は,自動車メーカ等にお
いて一般に用いられる評価方法である。
【0046】これらの評価結果を表3に示す。表3にお
ける○は合格,×は不合格を示す。塗装後の品質につい
てはテンションメータ評価値が15以上となるものを合
格とした。また,自動車用車体パネル材としては,耐デ
ント性が必要とされるため,耐力110MPa以上を有
するものを合格とした。また,ヘム加工などの後加工に
おける加工性が必要なため,15%以上の伸びがあるも
のを合格とした。塗装後の鮮映性(テンションメータ評
価値)については評価値が15以上となるものを合格と
した。
【0047】
【表3】
【0048】表3より知られるごとく,本発明品である
試料E11〜E16においては,耐力,伸び,テンショ
ンメータのいずれの評価も合格であった。これに対し,
比較例C11は,Mgの添加量が少ないため耐力が低
く,またブロー成形中の結晶粒径が大きくなったため外
観の肌あれが生じてテンションメータの評価が不合格で
あった。比較例C12は,Mg添加量が高すぎたため,
熱間加工中に板が割れたため評価不能であった。比較例
C13は,MnおよびCrが添加されておらず,ブロー
成形中の結晶粒径が大きくなったため外観の肌あれが生
じてテンションメータの評価が不合格であった。比較例
C14は,Fe,Siが多いため,ブロー成形中にキャ
ビテーションが生じたため伸びが不合格となった。
【0049】(実施例2)本例では,Al−4.8%M
g−0.7%Mn−0.15%Cr−0.02%Si−
0.02%Fe−0.01%Cu−50ppmBeの組
成でスラブを半連続鋳造により製作した。このスラブを
500℃の温度に8時間保持する均質化処理を施し,面
削後395℃に加熱して熱間圧延板を作成し,引き続い
て,表4中の工程に従ってそれぞれ1.3mmの板を作
製した。表4中における工程E21,E22,E23は
本発明の方法であり,工程C21〜C30は比較のため
に本発明と異なる工程を採用したものである。また,こ
れらのうち,工程E23及びC29,C30は,バッチ
炉による冷間圧延前中間焼鈍を熱間圧延後に実施したも
のである。
【0050】
【表4】
【0051】次に,得られた1.3mm厚みのアルミニ
ウム合金板を350mm角の四角形状に切り出して試験
片とし,実際に熱間ブロー成形を行った。具体的には,
実施例1と同様に,上記試験片を490℃に加熱して,
250mmW×250mmL×65mmHの角筒形状に
雌型により熱間ブロー成形した。底面中心部分の肉厚は
0.85mmであり,肉厚減少率は約34.6%であっ
た。
【0052】次に,実施例1と同様に,得られた角筒成
形品の中心部分について引張試験による機械的性質を測
定した。また同じく中心部から100mm角のテストピ
ースを切り取り,酸洗後,一般自動車用塗装を実施し,
塗膜の品質(鮮鋭性)をテンションメータで評価した。
テンションメータでの評価方法は実施例1と同様であ
る。また,本例では,テンションメータによる評価に加
え,ブロー成形品の表面評価を外観観察により行った。
具体的には,冷間圧延前中間焼鈍後の板表面の酸化Mg
に起因するまだら模様がその後の圧延で延ばされた筋状
の汚れが有るか否かを目視により観察し,汚れが観察さ
れた場合を×,汚れがなく美麗な表面の場合を○とし
た。そして,このブロー成形品の表面評価と上記のテン
ションメータ評価とを総合して,総合判定を行った。評
価結果を表5に示す。表5における○は合格,×は不合
格を示す。
【0053】
【表5】
【0054】表5より知られるごとく,工程E21,E
22により得られたアルミニウム合金板を熱間ブロー成
形して得られた成形品については,満足できる外観が得
られた。一方,工程C21は中間焼鈍を省略したため,
熱間圧延板の不均一組織を改良することができず,評価
が劣った。工程C22は中間焼鈍前の冷間圧延率が低か
ったため,中間焼鈍で再結晶せずに熱間圧延板の不均一
組織を改良することができず,評価が劣った。工程C2
3は最終焼鈍前の圧延率が高すぎたため,強いせん断組
織を作る結果となり,最終焼鈍後の組織が代えって不均
一になり,評価が劣った。
【0055】工程C24,C25は中間もしくは最終焼
鈍温度が低すぎたため再結晶せず,熱間圧延板の不均一
組織を改良することができず,評価が劣った。工程C2
6,C27は中間もしくは最終焼鈍の昇温速度が低すぎ
たため再結晶が不均一に発生して,熱間圧延板の不均一
組織を改良することができず,評価が劣った。工程C2
8は最終焼鈍前の冷間圧延率が低かったため最終焼鈍で
再結晶せず,圧延板の不均一組織を改良することができ
ず,評価が劣った。
【0056】また,工程E23は,上記のごとく冷間圧
延前中間焼鈍を実施したものであり,その後の冷間圧延
(冷延1)において負荷が小さく容易に圧延を行うこと
ができた。そして,得られたブロー成形品の表面は美麗
であり,表面品質にも優れていた。
【0057】一方,工程C29,C30は,冷間圧延前
中間焼鈍を実施したものの,その加熱温度及び保持時間
が本発明(請求項2)の範囲を超えるものである。いず
れも,冷間圧延前中間焼鈍の後の冷間圧延(冷延1)の
負荷は小さく容易に圧延を行うことができたが,冷間圧
延前中間焼鈍を行った後の板表面に,酸化Mgによるま
だら模様が発生しており,表面品質が劣っていた。
【0058】(実施例3)本例では,Al−4.8%M
g−0.7%Mn−0.15%Cr−0.02%Si−
0.02%Fe−0.01%Cu−50ppmBeの組
成でスラブを半連続鋳造により製作した。このスラブを
500℃の温度に8時間保持する均質化処理を施し,面
削後395℃に加熱して熱間圧延した。次に,得られた
熱間圧延板に対し,冷間圧延(冷間圧延率50%)→中
間焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度500℃,
保持時間30秒)→冷間圧延(冷間圧延率33%)→最
終焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度500℃,
保持時間30秒)を順次施して,中間材としてのアルミ
ニウム合金板を得た。
【0059】そして,本例では,表6に示すごとく,上
記中間材としてのアルミニウム合金板に対して,さらに
冷間圧延と仕上げ熱処理を施し,その効果を評価した。
なお,いずれの工程を選択しても最終板厚が1.3mm
となるように,上記熱間圧延板の厚みを調整した。上記
最終焼鈍後の冷間圧延としては,冷間圧延率を33%と
した工程E31の他に,冷間圧延率を5%および65%
に変更した比較工程C31,C32も行った。なお,い
ずれの工程においても,仕上げ熱処理は,昇温速度10
℃/sec,保持温度350℃,保持時間5秒の条件で
行った。
【0060】
【表6】
【0061】次に,得られたアルミニウム合金板を35
0mm角の四角形状に切り出して試験片とした。そして
本例では,まずこの試験片に,R3の曲げを実施した後
曲げ戻す冷間加工を施した。その後,実施例1と同様
に,上記試験片を490℃に加熱して,250mmW×
250mmL×65mmHの角筒形状に雌型により熱間
ブロー成形した。次に,得られた角筒成形品の中心部分
から100mm角のテストピースを切り取り,酸洗後,
一般自動車用塗装を実施し,塗膜の品質(鮮鋭性)をテ
ンションメータで評価した。評価方法は実施例1と同様
である。評価結果を表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】工程E31のものは,良好な外観を呈し
た。工程C31については,曲げ−曲げ戻しした折り目
に沿って,畝状の欠陥が生じた。また,冷間加工度が少
なかったため,曲げ加工を受けた部分で熱間ブロー成形
温度への加熱中に不均一な再結晶(粗粒化)が発生した
ので評価不能と判定した。工程C32は熱処理前の圧延
率が高すぎたため,強いせん断組織を作る結果となり,
熱間ブロー成形温度への加熱中にせん断に沿った不均一
な再結晶が生じたため,評価が劣っている。
【0064】本例の結果から,熱間ブロー成形前に冷間
加工を施す用途に使用されるアルミニウム合金板として
は,上記最終焼鈍後に,少なくとも,さらに25%以上
50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇
温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範
囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施す
ことが有効であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,テンションメータ測定用の
撮影装置を示す説明図。
【図2】実施例1における,スリット板のスリット配置
を示す説明図。
【符号の説明】
1...テストピース, 5...撮影装置, 50...基台50, 51...TP収納部, 52...ストロボ部, 53...カメラ部53,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 682 682 683 683 684 684C 685 685Z 686 686B 691 691A 691B 691C 694 694A (72)発明者 浅野 峰生 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 横山 鎮 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 落合 洋志 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 安永 晋拓 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技研研究所内 (72)発明者 西野 俊哉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技研研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比において,Mg:3.5〜6.0
    %を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくは
    Cr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有
    し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が
    0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制さ
    れ,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金より
    なり,鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,さらに冷間圧
    延率25%以上の冷間圧延を実施し,昇温速度1℃/s
    ec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して
    5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,該中間焼鈍後最
    終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧
    延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で400
    ℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を
    行う最終焼鈍を施したことを特徴とする熱間ブロー成形
    用Al−Mg系アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記熱間圧延を施し
    た後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範
    囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延
    前中間焼鈍を施すことを特徴とする熱間ブロー成形用A
    l−Mg系アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記合金は,
    さらにBe:20〜80ppmを含有することを特徴と
    する熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記最終焼鈍を施した後に,さらに25%以上50%未
    満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1
    ℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加
    熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施したことを
    特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム
    合金板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記板材は自動車用車体パネル材であることを特徴とす
    る熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板。
  6. 【請求項6】 アルミニウム合金板に,400℃以上の
    温度域において熱間ブロー成形を施した熱間ブロー成形
    品であって,上記アルミニウム合金板は,重量比におい
    て,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:
    0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20
    %のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が
    0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含
    有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不
    可避的不純物からなる合金よりなり,鋳塊を均質化処理
    後に熱間圧延し,さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧
    延を実施し,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜5
    50℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中
    間焼鈍を施し,該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上5
    0%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温
    速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲
    内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施した熱
    間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板である
    ことを特徴とする熱間ブロー成形品。
  7. 【請求項7】 請求項6において,上記熱間圧延を施し
    た後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範
    囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延
    前中間焼鈍を施したことを特徴とする熱間ブロー成形
    品。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において,上記最終焼鈍
    を施した後に,さらに25%以上50%未満の冷間圧延
    率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以
    上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以
    内の保持を行う仕上熱処理を施したことを特徴とする熱
    間ブロー成形品。
  9. 【請求項9】 アルミニウム合金板に,冷間塑性加工を
    施した後,400℃以上の温度域において熱間ブロー成
    形を施した熱間ブロー成形品であって,上記アルミニウ
    ム合金板は,重量比において,Mg:3.5〜6.0%
    を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはC
    r:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有
    し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が
    0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制さ
    れ,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金より
    なり,鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,さらに冷間圧
    延率25%以上の冷間圧延を実施し,昇温速度1℃/s
    ec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して
    5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,該中間焼鈍後最
    終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧
    延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で400
    ℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を
    行う最終焼鈍を施し,さらに25%以上50%未満の冷
    間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/s
    ec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して
    5分以内の保持を行う仕上熱処理を施した熱間ブロー成
    形用Al−Mg系アルミニウム合金板であることを特徴
    とする熱間ブロー成形品。
  10. 【請求項10】 請求項9において,上記熱間圧延を施
    した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度
    範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧
    延前中間焼鈍を施したことを特徴とする熱間ブロー成形
    品。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10のいずれか1項におい
    て,上記合金は,さらにBe:20〜80ppmを含有
    することを特徴とする熱間ブロー成形品。
  12. 【請求項12】 請求項6〜11のいずれか1項におい
    て,上記熱間ブロー成形品は自動車用車体パネルである
    ことを特徴とする熱間ブロー成形品。
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