JP2003342314A - 短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物 - Google Patents

短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物

Info

Publication number
JP2003342314A
JP2003342314A JP2002153471A JP2002153471A JP2003342314A JP 2003342314 A JP2003342314 A JP 2003342314A JP 2002153471 A JP2002153471 A JP 2002153471A JP 2002153471 A JP2002153471 A JP 2002153471A JP 2003342314 A JP2003342314 A JP 2003342314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
acrylate
organic peroxide
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002153471A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Nakano
辰夫 中野
Toshihiro Ando
敏弘 安東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2002153471A priority Critical patent/JP2003342314A/ja
Publication of JP2003342314A publication Critical patent/JP2003342314A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂れ落ちや断面修復材のコテ塗工性の欠点を
防止して、実際の施工特性を改良した硬化組成物および
断面修復材を提供する。 【解決手段】 (A)有機過酸化物を含有する重合可能
なアクリル系液状組成物、(B)有機過酸化物を分解し
てラジカルを発生させる硬化開始剤、(C)繊維径50
μm以下で長さ0.5〜20mmの短繊維、を配合する
硬化性組成物であり、(A)+(B)の100重量部に
(C)を1〜10重量部配合して混合塗布するコンクリ
ート表面の修復方法であり、(A)、(C)と(D)硬
化開始剤を含有する粉末状骨材組成物、を配合して混合
する断面修復材であり、(D)が硅砂を含有する粉末状
骨材組成物であり、(D)100重量部、請求項1記載
の(A)40〜100重量部、(C)0.3〜5重量
部、(A)+(D)+(C)を混合した断面修復材を塗
工することを構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直壁や天井壁な
どにも塗布できる垂れ落ちしないアクリル系硬化性組成
物であり、常温で容易に硬化する土木、建築の修復材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系樹脂は、耐久性がよい
こと、環境に優しいことなどから、成形材料や塗料、接
着剤などの分野で幅広く利用されている。
【0003】通常、アクリル系硬化組成物は、アクリル
系モノマーやオリゴマーに重合開始剤として有機過酸化
物と、有機過酸化物を分解してラジカルを発生させる硬
化開始剤を混合して、重合することにより硬化が行われ
る。
【0004】2材型アクリル系硬化組成物とは、前記の
有機過酸化物を含有する組成物と、硬化開始剤を含有す
る組成物からなる2材に成分が分離された組成物であ
り、2材を使用直前に混合して被着体に塗布もしくは塗
工して硬化が行われる。
【0005】特に、低粘度のアクリルモノマーと有機化
酸化物/金属石鹸を組み合わせた空気硬化性の組成液は
コンクリート表面や木材などの多孔質表面の細孔やひび
割れ部に浸入し、硬化するのでコンクリート表面部分や
ひび割れ部分を補強するとともに、強力な接着性を有す
る。
【0006】この特性を生かして、土木、建築の接着剤
や補修材として、盛んに利用されるようになってきた。
コンクリート表面は中性化や収縮などにより劣化して無
数のひび割れが発生することが知られている。これらの
ひび割れから剥落が発生して事故につながる事態とな
る。この剥落を防止する補修方法として、劣化したコン
クリート表面に塗布することで、毛細管現象などの作用
で、ひび割れに含浸して硬化する含浸補修材が使用され
ている。これらは含浸性を上げる目的から出きるだけ低
粘度にしてある。しかしながら、低粘度であるために、
コンクリート表面の状態により、塗布量を制御する必要
があるが低粘度のため一定塗布量以上は垂れ落ちあるい
は流れて塗布できない。即ち、ひび割れ深さが深かった
り、ひび割れが多数あるコンクリートでは表面からの材
料吸収が大きくなり材料不足が発生して本来の補強性が
出せない欠点があった。
【0007】また空隙の少ないコンクリート表面では材
料が過剰に塗布されてしまい過剰量が垂れ落ちたり、ツ
ララ状に硬化体を形成してしまうので、コンクリート表
面の空隙やひび割れは均一に分布していないので一定量
の塗布では材料の不足部分と過剰部分が混在することに
なる。
【0008】この不均一性を改良するために、過剰の塗
布量で施工するのであるが、低粘度のため垂直壁面や天
井壁面では垂れ落ちやツララ状の形状になってしまう欠
点がある。
【0009】更に、ひび割れ部では垂れ落ちなどの効果
により、実質塗布量が減少してひび割れ部に十分浸入し
ない所謂材料不足による補強効果の低減がおこる欠点が
あった。
【0010】この垂れ落ちを防止するために、一般的に
は超微粒子状シリカなどを配合するが、確かに、このよ
うに構造粘性を上げることで垂れ落ちは防止される。し
かしながら、構造粘性を上げた材料はコンクリート表面
のひび割れ侵入性が極端に低下してしまい補強効果を低
下させてしまう欠点がある。
【0011】また、断面修復材として施工する場合、断
面修復材の特性、即ち、圧縮強度や曲げ強度などの特性
を改良する目的で骨材などの充填材を多量に配合した材
料を施工するが、実際の断面修復材の修復方法は、断面
修復材の塗工、表面仕上げの目的で一般にコテが用いら
れる。
【0012】粘度が低く、粘着性のある材料ではコテ面
に付着して表面仕上げができないが、骨材を高充填する
とコテ離れ性も上昇して塗工性も改善される。しかしな
がら、骨材を高充填した材料を実際にコンクリート表面
にコテ塗工すると表面に材料が付着しない現象が発生す
る欠点がある。
【0013】この現象を施工法から解決する方法とし
て、断面修復材塗工に先立って、低粘度の硬化性材料
(以下プライマーと略記)を塗布する方法があるが、塗
工作業が2回となるために、コンクリート表面に付着性
がよく、コテ離れの良い断面修復材が強く望まれてい
た。更に、天井壁などへの断面修復材は比重が大きく施
工時に剥落してしまう欠点があり、軽量断面修復材は前
記断面修復材の比重を通常1以下にした材料で、比重が
大きなことによる、天井壁などの施工時の剥落をを防止
する目的で使用されており、この軽量断面修復材を用い
た断面修復方法も前記した断面修復材での補修方法と同
様であるが、軽量で前記の欠点を除去できる軽量断面修
復材も強く望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のよう
な、垂れ落ちや断面修復材のコテ塗工性の欠点を防止し
て、実際の施工特性を改良した硬化組成物および断面修
復材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)有機過
酸化物を含有する重合可能なアクリル系液状組成物、
(B)有機過酸化物を分解してラジカルを発生させる硬
化開始剤、または該硬化開始剤を含有する重合可能なア
クリル系液状組成物に、(C)繊維径50μm以下で長
さ0.5〜20mmの短繊維、を配合することを特徴と
した硬化性組成物であり、(A)+(B)の100重量
部に(C)を1〜10重量部配合して混合塗布すること
を特徴とするコンクリート表面の修復方法であり、
(A)+(B)の100重量部に、(C)を1〜10重
量部、軽量骨材50〜100重量部、を配合して混合塗
布することを特徴するとする断面修復方法であり、
(A)、(C)と(D)有機過酸化物を分解してラジカ
ルを発生させる硬化開始剤を含有する粉末状骨材組成
物、を配合して混合することを特徴とする断面修復材で
あり、(D)が硅砂を含有する粉末状骨材組成物であ
り、(D)100重量部、請求項1記載の(A)40〜
100重量部、(C)0.3〜5重量部、(A)+
(D)+(C)を混合した断面修復材を塗工することを
特徴する断面修復方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の(A)有機過酸化物を含
有するアクリル系液状組成物に用いる重合可能なアクリ
ル系モノマーは、例えば、少なくとも分子中に(メタ)
アクリル基を有するメタクリル酸エステルとアクリル酸
エステルの総記で(以下 〜(メタ)アクレートと記
す)あり、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレ
ート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリアクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、メトキシ化シクロトリエン(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アルキルオキシポリプロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラフルフリ
ル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル
(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキシド変
成アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキシ
変成アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド
変成アクリレート、ノニルフェノールポロピレンオキシ
ド変成アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール
アクリレート、ポリグリセロールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,4ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチルメタクリレート(ローム アンド ハース
社製QM657)、1、2−ポリブタジェン変成ジメタ
クリレート(日本曹達社製TE2000)、エポキシ
(メタ)アクリレート(大阪有機化学社製ビスコート#
540)、ポリエステル(メタ)アクリレート(東亜合
成社製アロニックスM−6100、共栄社化学社製エポ
キシエステル3000M)、ウレタンアクリレート東亞
合成社製アロニックスM−1100)、アクリルニトリ
ルブタジェンメタクリレート(宇部興産社製Hycar
VTBN)、などが挙げられる。
【0017】これらは特性を改良する目的で複数混合し
て用いても良く、硬化促進剤の第3級アミン類や接着特
性を改良する目的でシランカップリング剤を添加しても
よい。
【0018】本発明のアクリル系液状組成物(A)に用
いる有機過酸化物は保存安定性のよいクメンハイドロパ
ーオキサイドが挙げられ、更に、保存安定性の改良や可
使時間の制御を目的にフェノール系重合禁止剤、例え
ば、ハイドロキノンやハイドロキノンモノメチルエーテ
ル類を添加してもよく、初期的な表面乾燥剤としてパラ
フィンワックスを添加してもよい。
【0019】本発明の(B)組成物または(D)組成物
に用いる硬化開始剤は(A)アクリル系液状組成物に含
有している有機過酸化物を分解してラジカルを発生させ
る材料で、例えば、金属石鹸に代表されるオクチル酸コ
バルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸ニッケル、オ
クチル酸バナジウム、オクチル酸銅、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸ニッケル、亜麻仁
油脂肪酸コバルト、ナフテン酸バナジウム、ナフテン酸
銅、コバルトアセチルアセトナート、マンガンアセチル
アセトナート、ニッケルアセチルアセトナート、バナジ
ウムアセチルアセトナートなどが挙げられる。
【0020】これらは特性改良の目的で複合して用いて
もよい。また、断面修復材に用いる充填骨材は価格や取
り扱いなどの面で硅砂がよく、この硅砂に添加される硬
化開始剤量は金属石鹸など溶剤希釈型の液では硅砂の吸
油量(JIS K 5101)の2〜80重量%が好ま
しく、80重量%を超える量では塊状になる場合があり
好ましくなく、2重量%未満では硬化剤の均一性が欠け
る場合があり、10〜40重量%が最も好ましい。ま
た、フェノール系の硬化速度調整剤を微量添加してもよ
い。
【0021】更に、断面修復材に軽量性を付与させる目
的で、軽量骨材を配合するが、軽量骨材としてガラスや
セラミックスの中空骨材、気泡含有骨材などが挙げられ
る。
【0022】本発明に用いる(C)短繊維はアクリル系
モノマー組成液に溶解しない繊維が良く、例えば、カー
ボン繊維、有機高分子繊維、無機繊維がある。特に、有
機高分子繊維はアラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン
繊維、ウレタン繊維、綿繊維、セルロース繊維など多く
の繊維が挙げられる。また、無機繊維としてはカーボン
繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維金属繊維が挙げら
れる。これらは単独もしくは複合して用いても良い。
【0023】繊維の太さは50μm以下、長さ0.5m
m〜20mmを使用するが、50μmを超える太い短繊
維では本発明特有の増粘度効果が低下するので好ましく
なく、長さ0.5mm未満に於いても増粘効果が乏しく
なり、20mmを超える繊維では混合性が低下してしま
うので好ましくない。
【0024】最も好ましくは太さ30μm以下、長さ2
〜10mmである。添加量はアクリル系硬化性組成物液
100重量部に対し0.3〜5重量部であり、0.3未
満では垂れ落ち防止が不完全であり、5重量部を超える
配合では塗工表面が荒れる傾向にあり好ましくない。
【0025】更に、密度1以下の軽量骨材を併用して天
井壁などの嵩上げ塗工もできる。
【0026】軽量骨材併用ではプライマー作用も兼ねる
軽量断面修復材であるから、アクリル系硬化性組成物液
に対し50〜100重量部の添加が好ましく、50重量
部未満ではコテ離れ性が低下し、100重量部を超える
量ではコンクリート表面への付着性が低下してくるので
このましくない。
【0027】
【作用】本発明の中心は短繊維を配合したことにある。
本発明の短繊維を配合すると著しい粘度増加が観察され
るが、この増粘効果は超微粒子充填材や溶解性高分子化
合物を配合した粘度増大とは著しく異なり、繊維同士の
絡み合い中に液が取り込まれることによって発生する。
丁度、綿に水が吸い込まれた状態で見かけの粘度が著し
く増大するのである。この見かけ粘度増大によって垂れ
落ちを効果的に防止するのである。
【0028】この吸収された液は可逆的に放出できるの
で、コンクリートのひび割れや細孔に侵入できるのであ
り、効果的にコンクリート表面やひび割れを補強し修復
するのである。
【0029】更に、軽量骨材や硅砂などの骨材を配合し
た断面補修材に於いても、コテ塗工により圧力が加わる
ため、コンクリート表面に液を放出して濡らし、プライ
マーとして作用するので、断面修復施工に於いてもプラ
イマーが必要ないのであり、通常、プライマー塗布、断
面修復材塗工の2回の作業が1回の塗工で済む重要な特
性が得られるのである。
【0030】加えて、繊維を含有したことにより硬化物
自身の強靭性が上昇して、補強効果を増強する作用が大
きいことも大きな特徴である。
【0031】
【実施例】実施例1 <有機過酸化物含有アクリル液状組成物の製造>加熱装
置付き攪拌容器に1、2−ポリブタジェン変成ジメタク
リレート(日本曹達社製TE2000)300g、ジシ
クロペンテニルオキシエチルメタクリレート(ローム
アンド ハース社製QM657)550g、2−ヒドロ
キシエステルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエ
ステルHO)150g、パラフィンワックス(日本精鑞
社製)4g、シランカップリング剤(日本ユニカ社製A
−174)3g,ハイドロキノン(関東化学社特級試
薬)0.3gを投入して65℃に加熱攪拌してパラフィ
ンを溶解してから、30℃まで冷却した。
【0032】次いで、クメンハイドロパーオキサイド
(日本油脂社製パークミルH80)10gを投入攪拌混
合してアクリル系液状組成物(A)を得た。(A)の粘
度は300mPa・s (B型粘度計23℃で測定)で
あった。
【0033】<コンクリート補修施工試験および評価> コンクリート試験体の作成 10cmx10cmx60cmコンクリート角柱のほぼ
中央部から折り、折れ面に厚さ0.2mmx5mm角の
スペーサーを介して両端から加圧セットした。
【0034】補修施工試験 前記で製造したアクリル系液状組成物(A)100gに
硬化開始剤としてオクチル酸コバルト(シント−ファイ
ン社製オクトライフ12)0.5g、太さ11μm長さ
3mmのビニロン短繊維(クラレ社製VPB−103x
3)1.5g添加混合して得たゲル状の液をコテを使用
してコンクリート下面部に約2mm厚さに塗布した結
果、垂れ落ち、ツララ状突起など表面異常は見られなか
った。
【0035】補強強度評価 補修施工したコンクリート試験体を23℃、1日硬化養
生した後に、4点曲げ試験を実施した結果、4.4N/
mm2 であり、ひび割れ部に約44mm侵入硬化して
コンクリートが破壊していた。
【0036】実施例2 <(A)有機過酸化物含有アクリル液状組成物の製造>
加熱装置付き攪拌容器に1、2−ポリブタジェン変成ジ
メタクリレート(日本曹達社製TE2000)300
g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
(ローム アンド ハース社製QM657)550g、
2−ヒドロキシエステルメタクリレート(共栄社化学社
製ライトエステルHO)150g、パラフィンワックス
(日本精鑞社製)4g、シランカップリング剤(日本ユ
ニカ社製A−174)3g,ハイドロキノン(関東化学
社特級試薬)0.3gを投入して65℃に加熱攪拌して
パラフィンを溶解してから、30℃まで冷却した。
【0037】次いで、クメンハイドロパーオキサイド
(日本油脂社製パークミルH80)20gを投入攪拌混
合して(A)有機過酸化物含有アクリル系液状組成物を
得た。(A)の粘度は290mPa・s (B型粘度計
23℃で測定)であった。
【0038】<(B)硬化開始剤含有アクリル液状組成
物の製造>加熱装置付き攪拌容器に1、2−ポリブタジ
ェン変成ジメタクリレート(日本曹達社製E2000)
300g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ
ート(ローム アンド ハース社製QM657)550
g、2−ヒドロキシエステルメタクリレート(共栄社化
学社製ライトエステルHO)150g、パラフィンワッ
クス(日本精鑞社製)4g、シランカップリング剤(日
本ユニカ社製A−174)3g,を投入して65℃に加
熱攪拌してパラフィンを溶解してから、30℃まで冷却
した。
【0039】次いで、硬化開始剤としてオクチル酸コバ
ルト(シント−ファイン社製オクトライフ12)10
g、を投入攪拌混合して(B)硬化開始剤含有アクリル
液状組成物を得た。(B)の粘度は350mPa・s
(B型粘度計23℃で測定)であった。
【0040】<コンクリート補修施工試験および評価>
実施例2で製造した(A)有機過酸化物含有アクリル液
状組成物50gと(B)硬化開始剤含有アクリル液状組
成物50g、太さ8μm長さ0.5mmのビニロン短繊
維(クラレ社製VPB053x0.5 )5g添加混合
して得た粥状ゲルの液をコテを使用して実施例1で作成
したコンクリート試験体のコンクリート下面部に約3m
m厚さに塗布した結果、垂れ落ち、ツララ状突起など表
面異常は見られなかった。
【0041】補強強度評価 補修施工したコンクリート試験体を23℃、1日硬化養
生した後に、4点曲げ試験を実施した結果、3.8N/
mm2であり、ひび割れ部に約42mm侵入硬化してコ
ンクリートが破壊していた。
【0042】実施例3 実施例2の太さ25μm長さ5mm短繊維のビニロン短
繊維(クラレ社製VF1203−2)1.5gを添加し
た以外は実施例2と同様。
【0043】実施例4 実施例2の短繊維が長さ約15mmの脱脂綿(白十字
(株)製カットメン)1.0g添加した以外は実施例2
と同様。
【0044】比較例1 実施例1の短繊維を除去した以外は実施例1と同様。
【0045】比較例2 実施例1の(A)有機過酸化物含有アクリル系液状組成
物100gに超微粒子シリカ粉(日本エアロジル社製A
S380)4.5部添加した以外は実施例1と同様。
【0046】実施例5(断面修復) <硬化開始剤含有粉末状骨材組成物の製造>6号珪砂5
00g、7号珪砂500g、ホワイトチタン3g、カー
ボンブラック0.01g小型万能混合機中に投入して、
1分間100rpmで予備混合した。この混合物の給油
量は約18(であった。次いで、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルHO)
5g、オクチル酸コバルト(シントーファインケミカル
社製オクトライフCo12)10g,の混合溶液を投入
し、5分間混合して粉末状組成物を得た。
【0047】<評価>製造した粉末状組成物1000g
に実施例2で製造した(A)有機過酸化物含有アクリル
液状組成物500g、ビニロン短繊維(クラレ社製VF
1203−2)15gを添加して混合3分で粘土状のモ
ルタル状組成物を得た。表面に凹凸のある垂直コンクリ
ート面に得られた粘土状のモルタル状組成物をコテ塗工
した結果、コンクリート面への初期付着性、コテ離れ
性、表面仕上げ性など施工性能は良好であった。23℃
の雰囲気で約60分後に硬化した。
【0048】実施例6 実施例1で製造した(A)有機過酸化物含有アクリル系
液状組成物100gにオクチル酸コバルト(シント−フ
ァイン社製オクトライフCo12)0.5g、軽量骨材
(太平洋セメント社製イーストファーズSLG)100
g、ビニロン短繊維(クラレ社製VPB103x3)2
g、を配合混合して粘土状軽量断面修復材を得た。
【0049】この軽量断面修復材を凹凸のある天井コン
クリート面にコテにて塗工した結果、良好な施工性能を
示した。
【0050】比較例3 実施例5の短繊維を除去した組成で、実施例5と同様の
試験施工を実施した結果、粘度が低くコンクリート面へ
の初期付着性は良好であったが、コテ離れ性が不良で表
面仕上げが難しかった。また、厚塗工すると下方向へ流
動する傾向が見られ、厚さ約2mm程度の塗工までが限
界であった。
【0051】比較例4 実施例5で製造した粉末状組成物1000gに実施例2
で製造した(A)有機過酸化物含有アクリル液状組成物
300g、配合し、混合3分で粘土状のモルタル状組成
物を得た。表面に凹凸のある垂直コンクリート面に得ら
れた粘土状のモルタル状組成物をコテ塗工した結果、コ
テ離れ性、形状保持性などは良好であったが、コンクリ
ート面への初期付着性が悪く、塗工が不能であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】(A)有機過酸化物を含有する重合可能
なアクリル系液状組成物、(B)有機過酸化物を分解し
てラジカルを発生させる硬化開始剤を含有する硬化開始
液または該硬化開始剤を含有する重合可能なアクリル系
液状組成物の、(A)と(B)からなる液状2材のアク
リル系硬化性組成物液に短繊維を配合することで、常識
的には不可能に見えるひび割れ含浸性と垂れ落ち防止性
を両立できる効果を発見して本発明に至ったのであり、
これは塗工のみで、落下防止などの修復が簡単にできる
のである。更に、(A)有機過酸化物を含有する重合可
能なアクリル系液状組成物、(B)有機過酸化物を分解
してラジカルを発生させる硬化開始剤を含有する粉末状
骨材組成物の2材からなるアクリル系硬化性組成物に、
短繊維を配合することで、事前にプライマー塗布工程を
省くことができるため、容易にコンクリート構造体の断
面修復や、凹凸調整仕上げ材、路面補修、コンクリート
部材の形状補修、アンカー固定など多方面の応用ができ
るため、工業的に重要な技術である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機過酸化物を含有する重合可能
    なアクリル系液状組成物、(B)有機過酸化物を分解し
    てラジカルを発生させる硬化開始剤、または該硬化開始
    剤を含有する重合可能なアクリル系液状組成物に、
    (C)繊維径50μm以下で長さ0.5〜20mmの短
    繊維、を配合することを特徴とした硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(A)+(B)の100
    重量部に、請求項1記載の(C)を1〜10重量部配合
    して混合塗布することを特徴とするコンクリート表面の
    修復方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の(A)+(B)の100
    重量部に、請求項1記載の(C)を1〜10重量部、軽
    量骨材50〜100重量部、を配合して混合塗布するこ
    とを特徴するとする断面修復方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の(A)、(C)と(D)
    有機過酸化物を分解してラジカルを発生させる硬化開始
    剤を含有する粉末状骨材組成物、を配合して混合するこ
    とを特徴とする断面修復材。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の(D)が硅砂を含有する
    粉末状骨材組成物であり、(D)100重量部、請求項
    1記載の(A)40〜100重量部、請求項1記載の
    (C)0.3〜5重量部、(A)+(D)+(C)を混
    合した断面修復材を塗工することを特徴する断面修復方
    法。
JP2002153471A 2002-05-28 2002-05-28 短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物 Pending JP2003342314A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153471A JP2003342314A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002153471A JP2003342314A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003342314A true JP2003342314A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29770503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002153471A Pending JP2003342314A (ja) 2002-05-28 2002-05-28 短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003342314A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131813A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Shin Etsu Chem Co Ltd 自己接着性加熱硬化促進型液状シリコーンゴム組成物
JP2007247279A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Dyflex Corp 既存外装タイル壁面の補修方法
JP2009126762A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Japan Sewage Works Agency 耐酸性複合体及び補修工法
JP2011069160A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Nippon Jushi Seko Kyodo Kumiai 既設タイル張り仕上げ壁の落下防止構造及び落下防止工法
JP2013010882A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd シラップ組成物、シラップ配合組成物および積層体
JP2014077287A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Denki Kagaku Kogyo Kk (メタ)アクリル樹脂組成物及びコンクリート片のはく落防止方法
JP2017186182A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 Dic株式会社 コンクリート構造体用充填材、コンクリート構造体、及びそれらの製造方法
JP2018104543A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 新日鉄住金化学株式会社 亀裂進展抑制樹脂組成物及びその硬化物
JP2018159258A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 株式会社淺沼組 目地の充填材および充填工法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131813A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Shin Etsu Chem Co Ltd 自己接着性加熱硬化促進型液状シリコーンゴム組成物
JP2007247279A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Dyflex Corp 既存外装タイル壁面の補修方法
JP2009126762A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Japan Sewage Works Agency 耐酸性複合体及び補修工法
JP2011069160A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Nippon Jushi Seko Kyodo Kumiai 既設タイル張り仕上げ壁の落下防止構造及び落下防止工法
JP2013010882A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd シラップ組成物、シラップ配合組成物および積層体
JP2014077287A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Denki Kagaku Kogyo Kk (メタ)アクリル樹脂組成物及びコンクリート片のはく落防止方法
JP2017186182A (ja) * 2016-04-01 2017-10-12 Dic株式会社 コンクリート構造体用充填材、コンクリート構造体、及びそれらの製造方法
JP2018104543A (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 新日鉄住金化学株式会社 亀裂進展抑制樹脂組成物及びその硬化物
JP2018159258A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 株式会社淺沼組 目地の充填材および充填工法
JP7025196B2 (ja) 2017-03-22 2022-02-24 株式会社淺沼組 建物の目地および充填工法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2354456T3 (es) Adhesivos para aplicaciones de adhesión de metales.
KR20080070238A (ko) 아스팔트 도로 피복용 시럽 조성물
CA2230151A1 (en) Method for reinforcing structures
JP2003342314A (ja) 短繊維を配合したアクリル系硬化性組成物
CN108753022A (zh) 一种uv-led固化修补腻子及其制备方法
KR100628106B1 (ko) 아크릴 에멀젼 수지 조성물 및 이로부터 제조되는 pvc타일용 접착제
JP5059261B2 (ja) 2剤型アクリル系接着剤組成物
JP4766777B2 (ja) 液状/粉末状からなる2材型硬化組成物
JPH07252334A (ja) 液体の樹脂形成組成物及び2パッケージ系並びにそれにより透過性基材をシールする方法
JP4633998B2 (ja) アクリル系軽量硬化性組成物
WO1999061725A1 (fr) Procede pour reparer et renforcer une structure existante en beton et resine conçue a cet effet
KR101805992B1 (ko) 메틸 메타크릴레이트계 수지를 이용한 속건형 크랙 보수재 도료 조성물
JP4759588B2 (ja) 打ち継ぎ用接着剤組成物及びコンクリート改修方法
JP2004514750A (ja) 鉱物質基材に対する優れた接着性を有するラジカル重合可能な組成物と接着剤および封止材としてのその利用
JP2002249726A (ja) 表面硬化性の良い低弾性接着剤組成物
JPH08165459A (ja) フィルム状接着剤
JPH10339040A (ja) 構造物の補強方法
JP3844471B2 (ja) 高速硬化組成物
JP5162313B2 (ja) 打ち継ぎ用接着剤組成物及びコンクリート改修方法
JP2020051027A (ja) コンクリート片の剥落防止構造体
JPS6169879A (ja) 接着剤組成物
JP2000136638A (ja) 樹脂組成物
RU2790677C1 (ru) Композиция для химического анкерования при низких температурах
JPH09208283A (ja) レジンモルタル組成物及びそれを用いた不陸調整材
JP4850345B2 (ja) 液剤、粉末剤からなる2剤型接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061101

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Written amendment

Effective date: 20070112

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070403

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02