JP2003338412A - 積層型インピーダンス素子及びその製造方法 - Google Patents

積層型インピーダンス素子及びその製造方法

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JP2003338412A
JP2003338412A JP2002147503A JP2002147503A JP2003338412A JP 2003338412 A JP2003338412 A JP 2003338412A JP 2002147503 A JP2002147503 A JP 2002147503A JP 2002147503 A JP2002147503 A JP 2002147503A JP 2003338412 A JP2003338412 A JP 2003338412A
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Okikuni Takahata
興邦 高畑
Tatsuya Chiba
龍矢 千葉
Koichi Kondo
幸一 近藤
Eikichi Yoshida
栄吉 吉田
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Tokin Corp
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NEC Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い信頼性を有する積層型インピーダンス素
子及びその製造方法を提供することである。 【解決手段】 磁性体層の表面を磁性体セラミックス層
と同種の材料で被覆した積層型インピーダンス素子で、
磁性体層1の表面及び磁性体層の表面の空孔や微小欠陥
2に磁性体セラミックス層と同種のめっき層3を充填す
る方法が、水溶液中のフェライトめっき法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体セラミック
スと螺旋状の導電体からなる表面実装用の積層型インピ
ーダンス素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化・高周波化によ
り、不要輻射電磁波ノイズ(EMI)対策が重要性を増
している。一般にインピーダンス素子を使用したEMI
対策では、目的とする周波数のノイズをインピーダンス
特性によって遮蔽している。即ち、信号系に対して直列
にインピーダンス素子を装着してノイズを遮断するとい
うことが一般的に行われている。また、パワーアンプ等
のアクティブ素子の電源ライン系に対しても、直列にイ
ンピーダンス素子を装着して、アクティブ素子から信号
周波数のノイズが電源ラインに漏洩することを抑制する
等のEMI対策が行われている。
【0003】電子機器の小型化・高周波化には、電子部
品の小型化が必要であり、インピーダンス素子に代表さ
れる電子部品の主流は、積層型のものに移りつつある。
プリント配線基板上等に実装する形で使用される積層型
インピーダンス素子は、通常、軟磁性フェライト粉末と
結合剤からなる磁性体層と、導電性粉末と結合剤からな
る導電体層とを、スクリーン印刷法で交互に積層印刷し
て、磁性体の中に均一なピッチの螺旋状の導電体を設け
た後、同時焼結することにより形成されている。その外
観と分解図を図3に示した。図3で、9は螺旋状の導電
体に接続する外部電極、10はフェライト磁性体、11
は螺旋状の導電体をそれぞれ示す。また、積層型インピ
ーダンス素子の製造工程を図2に示した。
【0004】図2に示したように、インピーダンス素子
は、ペースト化した磁性体セラミックス層と導電体層と
を積層印刷・同時焼成することによって得られる。その
ため、ペースト化の際に用いた溶剤の蒸散や、磁性体層
の焼成過程における緻密化の状態によって、磁性体層に
空孔や微小欠陥が生じる場合がある。
【0005】磁性体層に空孔や微小欠陥が生じた場合、
その後の電解めっき工程において、めっき液がインピー
ダンス素子内部に浸透することによって、内部導体が腐
食されて直列抵抗値(Rdc)が劣化し、場合によって
は断線することがある。
【0006】また、磁性体層に空孔や微小欠陥が生じた
インピーダンス素子を実際の回路上に実装して長期間使
用した場合、大気中の水分の浸透等によって内部導体が
腐食され、直流抵抗値(Rdc)の劣化や、場合によっ
ては断線することがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような問題点を
解消するために、これまでは、空孔や微小欠陥が生じた
積層型インピーダンス素子に樹脂を含浸し、空孔や微小
欠陥を埋めることがなされてきた。しかし、樹脂含浸し
た積層型インピーダンス素子を回路上に実装して長期間
使用した場合、磁性体層と樹脂が剥離して空隙が生じた
り、樹脂自体に大気中の水分が浸透することによって、
樹脂含浸の効果が低下するという欠点があった。本発明
は、懸る従来の欠点を解消し、磁性体層に生じた空孔や
微小欠陥に磁性体層と同種の材料を充填することで、高
い信頼性を有する積層型インピーダンス素子を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁性体
セラミックス層と導電体層とを積層印刷・同時焼成する
ことにより、螺旋状の導電体を磁性体セラミックス中に
設けた積層型インピーダンス素子において、磁性体層の
表面を磁性体セラミックス層と同種の材料で被覆したこ
とを特徴とする積層型インピーダンス素子が得られる。
【0009】さらに、磁性体セラミックス層と導電体層
とを積層印刷・同時焼成することにより、螺旋状の導電
体を磁性体セラミックス中に設けた積層型インピーダン
ス素子において、磁性体層表面の空孔や微小欠陥に磁性
体セラミックス層と同種の材料を充填したことを特徴と
する積層型インピーダンス素子が得られる。
【0010】また、磁性体層の表面に磁性体セラミック
ス層と同種の材料を充填する方法が、水溶液中のフェラ
イトめっき法であることを特徴とする積層型インピーダ
ンス素子の製造方法が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、積層型インピーダ
ンス素子の磁性体層表面の絶縁物被覆および磁性体層表
面に生じた空孔や微小欠陥への充填材料と充填方法を種
々検討の結果、材料としては磁性体層と同種の材料が効
果があり、充填する方法として、水溶液中のフェライト
めっき法が適していることを見出した。
【0012】フェライトめっき法とは、磁性材料の各構
成元素をそれぞれ水溶液化して混合し、該混合液中に浸
漬した被めっき物表面に前記構成元素を酸化して、直接
磁性材料を生成させる方法である。そのため、被めっき
物の形状によらずに磁性体層表面に磁性体層を生成する
ことが可能であり、積層型インピーダンス素子の磁性体
層表面に生じた空孔中に、磁性体層と同種の材料を充填
する方法として適している。磁性体表面の空孔中にフェ
ライトめっき法により磁性体層と同種の材料を充填した
モデル図を図1に示した。図1で、1は磁性体層、2は
表面の空孔や微小欠陥、3はめっき層をそれぞれ示す。
【0013】また、磁性体層表面や磁性体層に生じた空
孔や微小欠陥に、磁性体層と同種の材料を充填すること
で、長期間使用した場合、磁気特性が劣化することがな
く、高い信頼性の積層型インピーダンス素子が得られ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。
【0015】比表面積が5.2m2/gのNi−Cu−Z
n系フェライト粉末を出発原料として表1の組成物をス
パイラルミキサーを用いて混合し、さらにビーズミルに
て混練分散し、磁性体層形成用ペーストを作製した。
【0016】
【表1】
【0017】また、表2の組成物を3本ロールにて混練
分散し、導電体層形成用Agペーストを作製した。
【0018】
【表2】
【0019】次に、作製した磁性体層形成用ペーストを
用い、ドクターブレード法により所定の厚さ(200μ
m)のグリーンシートを作製した。その上に、導電体層
形成用Agペーストと磁性体層形成用ペーストを用い、
磁性体セラミックスの中に巻回数が5.5ターンの導電
体の積層巻線を形成するように印刷積層を行った。
【0020】さらにその上部に磁性体層形成用ペースト
を用いてドクターブレード法により作製した厚さ200
μmのグリーンシートを熱プレスにより重畳して積層
し、所定の大きさ(2.4mm×1.4mm)に切断し、
これを脱バインダー後、900℃で一体焼成した。
【0021】しかる後、焼成体にフェライトめっき処理
を施した。フェライトめっきは、80℃の水中に焼成体
を浸積し、液の温度を一定に保ちながらFeCl2、N
iCl2、ZnCl2、CuCl2を所定の量加えた水溶
液にて行った。フェライトめっき液は、超音波ホーンに
より超音波を加えることによって液を激しく運動させな
がら、NaNO2の酸化剤を徐々に加えて酸化すること
によってめっきを進行させ、またpHコントローラによ
りNH4OHでpHを調整し、ほぼ中性の反応液中で行
った。
【0022】このフェライトめっき処理後の焼成体の積
層巻線のリード部が露出している面に、Agを主成分と
した導電性ペーストを塗布し、約600℃で焼き付けを
行い、更にAg部分に通常の電解Niめっきを施して外
部電極を形成して積層型インピーダンス素子を作製し
た。
【0023】比較例1として、焼成体の作製までは前記
実施例と同様に行い、焼成体の積層巻線のリードが露出
している面に、Agを主成分とした導電性ペーストを塗
布し、約600℃で焼き付けを行い、更にAg部分に通
常の電解Niめっきを施して外部電極を形成して積層型
インピーダンス素子を作製した。
【0024】また、比較例2として、焼成体の作製まで
は前記実施例と同様に行い、焼成体の積層巻線のリード
が露出している面に、Agを主成分とした導電性ペース
トを塗布し、約600℃で焼き付けを行い、更にAg部
分に通常の電解Niめっきを施して外部電極を形成し
て、その後、焼成体を有機溶媒で希釈したシリコーン樹
脂中に浸積し、減圧処理することで焼成体内部にシリコ
ーン樹脂を含浸し積層型インピーダンス素子を作製し
た。
【0025】作製した積層型インピーダンス素子の、イ
ンピーダンス(Z)の周波数特性を、アジレント・テク
ノロジー製インピーダンスアナライザーHP4291A
を用いて測定した。また直流抵抗(Rdc)を、ディジ
タルマルチメータを用い、直流4端子法で測定した。積
層型インピーダンス素子特性の目標値は、Z値≒100
0Ω(σ<40)、Rdc<0.2Ωである。
【0026】表3に、実施例、及び比較例1、2の素子
について、電解Niめっき前後における特性測定結果を
示した。
【0027】
【表3】
【0028】表3から分かるように、フェライトめっき
処理によって磁性体層表面を被覆し、空孔や微小欠陥を
埋めた実施例は、電解Niめっきの前後で特性に殆ど変
化が観られない。これに対して、フェライトめっき処理
を施していない比較例1は、Niめっき後にZ値が大き
く変化し、そのバラツキが増大して目標値を上回り、ま
た、Rdc値も増大して目標値を満足できない。
【0029】また、表4に、実施例、及び比較例1、2
の素子について、恒温恒湿(温度85℃、湿度85%)
下での長期信頼性試験後のRdc値を示した。
【0030】
【表4】
【0031】表4から分かるように、フェライトめっき
処理によって磁性体層の表面を被覆し、空孔を埋めた実
施例は、恒温恒湿下で1000時間経過した後でもRd
c値に殆ど変化はない。これに対して、フェライトめっ
き処理を施していない比較例1は、恒温恒湿下でRdc
値が直線的に増大し、目標値を満足できない。樹脂含浸
処理を施した比較例2は、250時間経過時点まではR
dc値は目標値を満足しているが、その後、時間経過に
伴いRdc値が増大し、目標値を満足できなくなる。
尚、本実施例では、上記組成でペーストを作製したが、
これ以外の成分・配合比でも、印刷可能なペーストが得
られるものであれば同様の効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、焼成後の積層型インピーダンス素子の磁性体層表
面と磁性体層表面に生じた空孔や微小欠陥を、磁性体セ
ラミックス層と同種の材料をフェライトめっき法によっ
て被覆、充填することで、長期使用時の磁気特性の劣化
がない、信頼性に優れた積層型インピーダンス素子が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるフェライトめっきのモデルの説
明図。
【図2】従来の積層型インピーダンス素子の製造工程を
示す図。
【図3】従来の積層型インピーダンス素子の説明図。図
3(a)は外観斜視図、図3(b)は分解斜視図。
【符号の説明】
1 磁性体層 2 空孔や微小欠陥 3 めっき層 4 成膜シート 5 内部導体 6 積層シート 7 インピーダンス素子 8 外部電極 9 外部電極 10 フェライト磁性体 11 螺旋状の導電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 栄吉 宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号 エヌイーシートーキン株式会社内 Fターム(参考) 5E070 AA01 AB02 CB13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体セラミックス層と導電体層とを積
    層印刷・同時焼成することにより、螺旋状の導電体を前
    記磁性体セラミックス層中に設けた積層型インピーダン
    ス素子において、磁性体セラミックス層の表面を前記磁
    性体セラミックス層と同種のセラミックス材料で被覆し
    たことを特徴とする積層型インピーダンス素子。
  2. 【請求項2】 磁性体セラミックス層と導電体層とを積
    層印刷・同時焼成することにより、螺旋状の導電体を前
    記磁性体セラミックス層中に設けた積層型インピーダン
    ス素子において、磁性体セラミックス層の表面に開孔す
    る空孔や微小欠陥に前記磁性体セラミックス層と同種の
    セラミックス材料を充填したことを特徴とする積層型イ
    ンピーダンス素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の積層型インピー
    ダンス素子の製造方法において、前記磁性体セラミック
    ス層表面に前記磁性体セラミックス層と同種の材料を被
    覆する方法が、水溶液中のフェライトめっき法であるこ
    とを特徴とする積層型インピーダンス素子の製造方法。
JP2002147503A 2002-05-22 2002-05-22 積層型インピーダンス素子及びその製造方法 Pending JP2003338412A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010118587A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Toko Inc 電子部品及びその製造方法

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