JP2003337846A - 負担評価システム及び設計支援方法 - Google Patents

負担評価システム及び設計支援方法

Info

Publication number
JP2003337846A
JP2003337846A JP2002146406A JP2002146406A JP2003337846A JP 2003337846 A JP2003337846 A JP 2003337846A JP 2002146406 A JP2002146406 A JP 2002146406A JP 2002146406 A JP2002146406 A JP 2002146406A JP 2003337846 A JP2003337846 A JP 2003337846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
load
user
joint
evaluation
motion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002146406A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihisa Kuwabara
邦寿 桑原
Shuichiro Matsumoto
修一郎 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002146406A priority Critical patent/JP2003337846A/ja
Publication of JP2003337846A publication Critical patent/JP2003337846A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に設備を利用する利用者の感覚的な負荷
を判断できる負担評価システム及び設計支援方法を提供
する。 【解決手段】 負担評価システムは、利用者の身体的特
性及び、評価姿勢又は動作に関わる情報を入力する情報
入力部20と、人間の身体各部位の寸法情報を格納する
身体データ格納部31と、利用者の身体的特性及び、評
価姿勢又は動作に関わる情報と関節にかかるトルクに応
じて感覚的負荷を割り当てたデータベースを蓄積する感
覚的負荷格納部32と、利用者の身体的特性に基づいて
身体データ格納部31を参照して身体寸法を推定する身
体寸法推定部11と、推定した身体寸法と評価姿勢又は
動作に関わる情報に基づいて関節にかかるトルクを推定
するトルク推定部12と、利用者の身体的特性及び、評
価姿勢又は動作に関わる情報と推定したトルクを基に感
覚的負荷格納部32を参照して利用者の感覚的負荷を推
定する感覚的負荷推定部13とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者にとって使
いやすい建物又は設備を設計する設計支援において、利
用者の負担を評価する負担評価システム及び設計支援方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、住宅等の建物又は設備等を設
計するための設計支援システムとしては、例えば、特開
平7−249064号公報や特開平9−297783号
公報に開示されたようなものがある。特開平7−249
064号公報記載の負担評価システムでは、住宅各部に
用いられる住宅部材の種類や形状をCADの記憶手段に
予め多数記憶させておいて、オペレータがCADを利用
して住宅の設計図を作成する際に、住宅部材を配置する
領域を指示するだけで、記憶手段に記憶された多数の住
宅部材から指示された領域に配置可能なものが検索手段
により検索され、この検索された住宅部材が割付手段に
より住宅の指示された領域に割り付けられる。
【0003】また、特開平9−297783号公報記載
の負担評価システムでは、建物を建築後に、建物内の収
納空間等の不足が生じたり、この収納空間等に対する不
満が生じたりしないようにするために、建物建築予定者
に対してコンピュータ画面上で収納空間等に対する一定
数の定型質問をし、この質問に対して建物建築予定者が
タッチパネル等で回答することにより、必要な収納空間
等を推測して収納プラン等をコンピュータ画面に表示さ
せる。
【0004】ところが、このような負担評価システムで
は、建物や設備の設計部位の寸法等は、利用者の体形や
身体能力を考慮せずに決定されていた。また、年齢とと
もに変化する利用者の身体能力や体形等は考慮されてい
なかった。さらに、建物や設備を特定の個人で使用する
ことを前提に建物や設備の設計部位の寸法等が決定され
ていた。しかし、建物や設備は複数の利用者が使用する
ことが多いにもかかわらず、身体能力や体形等の異なる
複数の利用者を考慮することなく設計部位の寸法が決定
されていた。
【0005】このために、これらの支援システムを利用
して建物の設計や設備の配置をしても、実際に使用して
みると、建物内のスペースや設備が使いにくかったり、
建物や設備の目的の位置に手が届かなかったり、使用時
に安全性が確保できなかったりする等の問題が発生する
ことがあった。また、建物内のスペースや設備は、ある
部分では良好に使用できるが、ある部分では利用者に対
する配慮が欠ける等の統一性に欠けるケースもある。こ
れは、建物内のスペースや設備を利用する人の身体寸法
や体形や身体能力等を適切に考慮していないためにおこ
る問題である。特に、高齢者の場合、身体能力に大きな
差があるため、ある一定の基準で建物や設備を設計した
のでは、使いにくい、使えない、負担が大きい等の問題
が発生することが多い。
【0006】また、建物や設備を長年使用しているうち
に、年齢とともに使いにくくなったり、ある利用者には
使いやすくても、他の利用者には使いにくかったり、危
険であったりするという問題があった。そこで、本出願
人は、年齢とともに変化する利用者の身体能力、体形等
を考慮した設備の負担評価システムを出願した(特開2
001−155050号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これにより、年齢とと
もに個人属性である身体能力や体形が変化しても、使い
易くて安全な建物及び設備を設計でき、個人属性の異な
る複数の利用者にとって、使い易くて安全な建物及び設
備を設計できるようになった。しかし、負担感や疲労感
といった人間の感覚的な負荷を評価し、設備の設計に用
いることについては考慮していなかったため、設備設計
において、利用者の感覚的な負荷を判断することは十分
ではなかった。具体的には、仮想空間上でコンピュータ
マネキンにある姿勢を取らせたり、動作や作業を行わせ
たりしても、しんどいのか楽なのかといった感覚的にど
の程度の負荷があるのかといった判断が困難であった。
また、同じ姿勢や動作であっても対象者の違い(例え
ば、高齢者と若年者)によって感覚的な負荷は異なって
いるので、判断は容易ではない。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、仮想空間でコンピュータマネキンを使って姿勢
や動作を再現する際に、コンピュータマネキンが実際に
設備を利用する利用者の感覚的な負荷を判断できる負担
評価システム及び設計支援方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の負担評価システ
ムは、設備利用者の感覚的な負荷を評価する負荷評価シ
ステムであって、利用者の身体的特性及び、評価姿勢又
は動作に関わる情報を入力する情報入力手段と、人間の
身体各部位の寸法情報を格納する身体データ格納手段
と、利用者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関わ
る情報と関節にかかるトルクに応じて感覚的負荷を割り
当てたデータベースを予め蓄積する感覚的負荷格納手段
と、利用者の身体的特性に基づいて前記身体データ格納
手段を参照して身体寸法を推定する身体寸法推定手段
と、推定した身体寸法と評価姿勢又は動作に関わる情報
に基づいて関節にかかるトルクを推定するトルク推定手
段と、利用者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関
わる情報と推定したトルクを基に前記感覚的負荷格納手
段を参照して利用者の感覚的負荷を推定する感覚的負荷
推定手段とを備えることを特徴としている。
【0010】また、より好ましくは、前記利用者の身体
的特性は、性別、身長、体重、年代、年齢、体脂肪率、
握力、又は背筋力であってもよい。また、より好ましく
は、評価姿勢又は動作に関わる情報は、関節角度、関節
運動角速度、筋収縮種類、又は繰り返し回数であっても
よい。
【0011】また、より好ましい具体的な態様として
は、前記感覚的負荷格納手段に蓄積されるデータベース
は、関節動作、筋収縮、関節運動角速度、関節運動角加
速度、関節運動繰返回数、及び感覚的負荷について階層
化し、階層化した感覚的負荷に耐トルクのラベルを割り
当てて構成されるものである。
【0012】本発明の設計支援方法は、建物又は設備の
設計部位の寸法を決定する設計支援方法であって、利用
者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関わる情報と
関節にかかるトルクを推定するステップと、推定したト
ルクに基づいて利用者の感覚的負荷を評価するステップ
と、評価した利用者の感覚的負荷を基に、利用者にとっ
て最適な設計部位の寸法を決定するステップとを有する
ことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な負担評価システム及び設計支援方法の実施
の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施
の形態の負担評価システムの概要を示す機能ブロックで
ある。図1に示すこれら各ブロックは、ハードウェア、
ソフトウェアのどちらを用いても実現可能である。
【0014】図1において、負担評価システムは、入力
された情報から身体寸法を推定し、その身体寸法からト
ルクを計算し、感覚的な負荷の評価を行う演算部10
と、評価姿勢・動作に関わる必要な情報を入力する情報
入力部20(情報入力手段)と、演算時に参照するデー
タ等を記憶する記憶部30と、結果を表示する表示部5
0とを備えている。
【0015】演算部10は、利用者の身体的特性である
利用者特性に基づいて身体データ格納部31(身体デー
タ格納手段)を参照して身体寸法を求める身体寸法推定
部11、推定した身体寸法と評価姿勢・動作に関わる情
報に基づいて関節にかかるトルク推定部12(トルク推
定手段)、及び利用者特性と評価姿勢・動作に関わる情
報と推定したトルクをもとに感覚的負荷格納部32(感
覚的負荷格納手段)を参照する感覚的負荷推定部13
(感覚的負荷推定手段)を備えて構成される。演算部1
0は、情報入力部20からの情報を基に、記憶部30に
格納されたデータについての設計支援,負担評価処理を
行うモジュールである。演算部10においては、後述す
る図3の負担評価処理フローのステップS1〜ステップ
S6の処理を行う。
【0016】情報入力部20は、情報を入力するモジュ
ールであり、キーボード及びマウス,ライトペン等ポイ
ンティングデバイスによる入力手段とデフォルト値を格
納するファイルもしくはレジスタによる構成となってい
る。情報入力部20は、利用者の個人属性である年齢や
身体寸法や体重や身体能力等の利用者特徴入力部21
と、評価姿勢・動作入力部22とを備える。ここで、車
椅子使用は、身体能力を示す個人属性として扱われる。
【0017】記憶部30は、設計支援,負担評価の各処
理を行うための作業領域となるメモリ及び、ハードディ
スクや光磁気ディスク、DVD等の情報記録手段であ
る。記憶部30は、人間の身体各部位の寸法を格納する
身体データ格納部31と、利用者特性と評価姿勢・動作
に関わる情報と関節にかかるトルクに応じて感覚的負荷
を割り当てたデータベースで構成される感覚的負荷格納
部32とを備える。
【0018】感覚的負荷格納部32は、感覚的負荷によ
り耐えることができるトルクを関節、関節運動ごとのデ
ータからデータベースを構築する。具体的には、関節動
作、筋収縮、関節運動角速度、関節運動角加速度、関節
運動繰返回数、感覚的負荷、耐トルク40(「限界」4
0a,「かなり」40b,「少し」40c)のラベルで
階層化されたデータベースで構成される。
【0019】また、図示は省略するが、設計支援システ
ム用として、特開2001−155050号公報の図1
と同様に、さらに設計データベース,商品データベース
を有する。この設計データベースには、身体寸法や体重
や身体能力等と設計寸法データ(住宅内寸法データや設
備寸法データ等の設計情報)との関係などが記録されて
いる。
【0020】最大身体幅の決定は、日本人の身体計測デ
ータベース(HQL)データにより行う。すなわち、利
用者の最大身体幅は、利用者の身長、体重が分かってい
る場合、この身長、体重を入力することにより、上述の
身体計測データベース(HQL)を基に推定する。ま
た、利用者の最大身体幅は推定によることなく実際に測
定しても良い。ここで、日本人の身体計測データベース
(HQL)データは、身体データ格納部31に記録され
ている。
【0021】表示部50は、モニターテレビあるいは液
晶表示装置等の表示装置を用いることができる。
【0022】図2は、上記負担評価システムのハード的
構成を示すブロック図である。本負担評価システムは、
ホームサーバやパーソナルコンピュータなどすべての情
報処理装置で実現することができる。図2において、負
担評価システム100は、パソコン等の情報処理装置で
あり、装置全体の制御を行うCPU101、各種処理の
プログラムを収めたROM102、RAM103、日時
を管理するための時計・カレンダー104、ハードディ
スクドライブ(HDD)等からなり身体計測データベー
ス及び関節にかかるトルクに応じて感覚的負荷を割り当
てたデータベースを含む各種データを格納する外部記憶
装置105、英数キー,カーソル移動キー等の入力キー
群及びマウス等のポインティングデバイスからなり入力
・中断指示等を行う入力部106、LCD等からなり画
像データを表示する表示部107を備えて構成される。
【0023】CPU101は、負担評価処理などのアプ
リケーションの処理の実行を含む装置全体の制御を行う
とともに、各制御部を総括して制御する。CPU101
は、ROM102、RAM103及び電気的に書換可能
な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically e
rasable programmable ROM)やFlash ROMなどを備え、
制御プログラム、負担評価プログラム、制御データ、さ
らに負担評価システム100の識別コード等の種々のデ
ータを記憶する。EEPROMに書き込むプログラムを
変えることによって、負担評価システム100における
各種の仕様を変更することができる。
【0024】ROM102は、制御プログラムや通信プ
ロトコル等の固定データを格納する読出し専用の半導体
メモリである。RAM103は、データ送信処理に関す
るデータや演算に使用するデータ及び演算結果等を一時
的に記憶するいわゆるワーキングメモリとして使用され
る。また、RAMの一部は、電気的に書換可能な不揮発
性メモリであるEEPROMからなり、EEPROMに
書き込むプログラムを変えることによって、負担評価シ
ステム100における各種の仕様を変更することができ
る。
【0025】入力部106は、各種設定入力等を行う英
数キー,カーソル移動キー等の入力キー群からなるキー
ボードと、マウス等のポインティングデバイスとからな
る。また、マイクや音声認識部など音声入力でもよく形
式を問わない。
【0026】外部記憶装置105は、ハードディスクド
ライブ(HDD)等のディスク装置のほか、例えば電源
バックアップにより書き込まれた情報を保持するSRA
M(Static RAM)カードや電源バックアップが不要なフ
ラッシュメモリ等からなるコンパクトフラッシュ(C
F)(登録商標)、スマートメディア、メモリスティク
等である。
【0027】以下、上述のように構成された負担評価シ
ステムの動作を説明する。図3は、本発明の実施の形態
の負担評価システムの負担評価方法を示すフローチャー
トであり、設計支援ソフトウェアのうちの負担評価プロ
グラムとして演算部10により実行される。図中、Sは
フローの各ステップを示す。
【0028】まず、ステップS1で利用者の個人属性で
ある性別、身長、体重、年代(年齢)、体脂肪率、握
力、背筋力等を利用者特性入力部21により入力し、ス
テップS2で利用者の関節角度、関節運動角速度、筋収
縮種類、繰り返し回数等の評価姿勢・動作に関わる情報
を評価姿勢・動作入力部22により入力する。
【0029】次いで、ステップS3で身体寸法推定部1
1は、記憶部30の身体データ格納部31に記録された
日本人の身体計測データベース(HQL)を基に、入力
された身長と体重から体形(例えば、肩幅,最大身体
幅,臀部厚径,上肢長,大腿長,下腿長,上前腸骨きょ
っ高等)を推定する。
【0030】次いで、ステップS4でトルク推定部12
は、推定した身体寸法と評価姿勢・動作に関わる情報に
基づいてトルク(例えば、またぎの関節にかかるトル
ク)を推定する。またぎ動作では、股関節の内旋・外
旋,伸展・屈曲,股関節の伸展・屈曲が使用される関節
の主な動きとして挙げられる。また、通常のまたぎ動作
時に必要な身体能力として、立位保持能力,片足立ち保
持能力等がある。体力が低下している場合は、通常のま
たぎ動作が困難、又はできない場合があるが、壁に手を
つけばまたぎ動作が可能になる場合や、浴槽縁を利用す
ればまたぎ動作が可能になる場合等もあるので、上肢に
ついても測定することが望ましい。
【0031】この場合、主要関節のトルクや関節角度等
の生理的なデータを推定しているので、体力が低下した
高齢者等の身体能力に、より適した浴槽周りの設備の設
計が可能となる。次いで、ステップS5で感覚的負荷推
定部13は、算出されたトルクと入力された利用者特性
から感覚的負荷格納部32のデータベースを参照するこ
とにより、各関節の関節動作ごとに感覚的負荷が、どの
レベルであるかの評価を行う。
【0032】次いで、ステップS6で表示部50により
推定した身体寸法、運動力学的に計算されたトルク・感
覚的負荷を表示(提示)して本フローを終了する。上記
フローを実行することにより具体的には以下の動作が実
現される。図4は、本負担評価プログラム実行により表
示される画面の表示例を示す図であり、浴槽周り設備に
おける負担評価の例を示す。
【0033】本負担評価システムの感覚的負荷格納部3
2には、図1の耐トルク40に示すように、関節にかか
るトルクに応じて感覚的負荷を割り当てたデータベース
が構築されている。このデータベースは、関節動作、筋
収縮、関節運動角速度、関節運動角加速度、関節運動繰
返回数、感覚的負荷、耐トルクのラベルで階層化された
データベースである。
【0034】例えば、7段階の尺度において、「1」を
全く負担でない、「7」を非常に負担とした時に、それ
ぞれの段階での発揮力をその関節が耐えることができる
トルク、すなわち、耐トルクとする。耐トルクは、膝関
節の伸展・屈曲、股関節の伸展・屈曲・内転・外転とい
った関節動作別、関節の運動する方向に力を発揮する場
合の短縮性、関節の運動する方向と逆の方向にカを発揮
する伸張性といった解収縮別、関節運動角速度別、関節
運動角加速度別、関節運動繰返回数別、感覚的負荷別に
データがある。具体的には、感覚的負荷の負担感に関し
ては、耐トルクとして、「限界」40a、「かなり」4
0b、「少し」40cという負担感で計測したトルクデ
ータを関節角度ごとに持っている。これらのデータは個
人ごとにデータが分類されている。また、個人ごとのデ
ータには、その個人の性別、身長、体重、体脂肪率の体
型、年齢、握力、背筋力の筋力のデータも格納されてい
る。
【0035】情報入力部20では、利用者の特性とし
て、性別、身長、体重、年齢、体脂肪率、握力、背筋力
を入力する。必要最低限の情報は、図4の情報入力部表
示に示すように、性別、身長、体重、年齢である。ま
た、評価姿勢や動作に関わる情報を入力する。情報入力
部20により入力される利用者情報により、データを検
索し、入力された特性にもっとも適合したデータを評価
に用いる。
【0036】評価姿勢や動作に関わる情報は、各部位の
関節角度を入力することにより仮想空間のコンピュータ
マネキン(図4の表示部表示参照)に付与する。具体的
には、腕の姿勢を決定するためには、有関節について
は、伸屈方向、内外旋方向、内外転方向の3軸の関節角
度を入力する。肘関節については、伸屈方向に関節角度
を入力する。手の関節については、掌背屈方向、尺撓屈
方向に関節角度を入力する。
【0037】以上、3つの関節について関節角度を入力
することにより、腕の姿勢を決定する。さらに、関節の
運動する方向に力を発揮する場合の短縮性、関節の運動
する方向と逆の方向に力を発揮する伸張性といった筋収
縮の種類を入力する。
【0038】例えば、腕の動作を決定するためには、ま
ず、動作開始時と動作終了時の腕の姿勢を決定する。そ
の後、各関節が一定の速度で動作する場合は、動作開始
時の姿勢から終了時の姿勢までに要する時間を入力す
る。各関節が一定の速度で動作しない場合は、それぞれ
の関節のそれぞれの運動の方向に角速度を入力する。さ
らに、動作に加速(減速)がある場合は、加速度につい
ても入力する。
【0039】身体寸法推定部11では、入力された情報
から身体各部位の寸法、重さを推定する。例えば、身
長、体重を入力情報として入力すると、身体データ格納
部31に格納された日本人の身体計測データベース(H
QL)を基に推定する。また、身体寸法推定部11で推
定することなく、実際に測定して、その値を用いて、身
体寸法を構成してもよい。
【0040】トルク推定部12では、それらの推定した
身体寸法(もしくは実測した値)と情報入力部20によ
り入力された評価を行う姿勢・動作から各関節角度、重
力加速度、運動速度、運動の加速度を用いて、運動力学
的に各関節にかかるトルクを算出する。
【0041】感覚的負荷推定部13では、算出されたト
ルクと入力された利用者特性から記憶部30の感覚的負
荷格納部32のデータベースを参照することにより、膝
関節の伸展動作について、また膝関節の屈曲運動につい
て、といったように各関節の関節動作ごとに感覚的負荷
が、どのレベルであるかの評価を行う。このとき、入力
された利用者特性の情報から評価に用いるデータを選択
する。例えば、入力された利用者特性が、性別(男
性)、身長、体重、年齢(25歳)であれば、男性かつ
25歳の個人データの関節角度別のトルクを負担感別に
平均した値を評価基準として用いる。個人データが少な
い場合や年代といったような広範囲の評価を行う場合
は、男性かつ20歳から29歳までの個人データを用い
ることにより、評価基準を算出するためのデータ数を多
くする。
【0042】表示部50では、演算部10で推定した身
体寸法、運動力学的に計算されたトルクを表示する。ま
た、関節運動ごとに、負担感、疲労感といった感覚的負
荷、さらには、負荷でない場合、少し負荷の場合、かな
り負荷の場合、限界の負荷の場合を表示の色を変えるこ
とにより視覚的に判断することができる。図4の演算部
表示は、各関節のトルクとその感覚的評価を棒グラフと
色で示している。例えば、「少し負荷」、「かなり負
荷」、「限界の負荷」のそれぞれの評価基準に対して、
運動力学的に算出されたトルクとを比較する。そのトル
クが「少し負荷」に達しない場合は、コンピュータマネ
キンに変化なしとする。本実施の形態では、「少し負
荷」から「かなり負荷」の範囲にある場合は青色、「か
なり負荷」から「限界の負荷」の範囲にある場合は黄
色、「限界の負荷」を超える場合は赤色で表示する。膝
関節であれば、伸展方向は斜線、屈曲方向は白抜きでコ
ンピュータマネキンの関節部に色と模様で表示する。な
お、図4の演算部表示では、黒及び白抜きで示されてい
るが、実際の表示画面上では青色,黄色,赤色等の棒グ
ラフで示される。また、図4の表示部表示のコンピュー
タマネキンについても膝関節部分60が例えば黄色で表
示され、図4の演算部表示の膝関節評価結果61(この
白抜き部分は、黄色である)と対応して表示される。
【0043】以上のように、本実施の形態の負担評価シ
ステムは、ハードウェア、ソフトウェアのどちらを用い
ても実現可能なブロックである、利用者の身体的特性及
び、評価姿勢又は動作に関わる情報を入力する情報入力
部20と、人間の身体各部位の寸法情報を格納する身体
データ格納部31と、利用者の身体的特性及び、評価姿
勢又は動作に関わる情報と関節にかかるトルクに応じて
感覚的負荷を割り当てたデータベースを蓄積する感覚的
負荷格納部32と、利用者の身体的特性に基づいて身体
データ格納部31を参照して身体寸法を推定する身体寸
法推定部11と、推定した身体寸法と評価姿勢又は動作
に関わる情報に基づいて関節にかかるトルクを推定する
トルク推定部12と、利用者の身体的特性及び、評価姿
勢又は動作に関わる情報と推定したトルクを基に感覚的
負荷格納部32を参照して利用者の感覚的負荷を推定す
る感覚的負荷推定部13とを備えて構成したので、設計
者が設計段階で、設備利用者の感覚的な負荷を知ること
ができ、利用者の感覚的な負荷を考慮した設備設計を行
うことができる。そのため、実際に設備を作り、人間を
使った評価を行うことなく、利用者の感覚的な負荷を考
慮して、利用者や利用集団に最適な寸法、又は許容範囲
を決定することができる。
【0044】なお、上記実施の形態では、パソコン等の
情報処理装置に適用することができるが、専用のシミュ
レーション装置に適用できる。また、データベースはH
DDのほか、DVD(Digital Versatile Disk)等の記
録媒体にデータを記録する、若しくはオンラインにより
外部から供給される形態であってもよい。また、ディス
ク等の記録媒体から読み出す情報は、どのような形式の
ものでもよい。
【0045】また、負担評価システムの情報を表示する
表示装置は、専用端末のモニタ画面は勿論のこと、パソ
コン等の情報処理装置の表示画面でもよい。また、上記
実施の形態では、負担評価システムという名称を用いた
が、これは説明の便宜上であり、環境解析シミュレーシ
ョン装置、情報処理装置や環境解析シミュレーション方
法等でもよいことは勿論である。また、身体データ格納
手段や感覚的負荷格納手段は、身体特性データベース手
段などの名称であってもよく、各推定手段は、判別手
段、算出手段などの名称、あるいはこれらをまとめた制
御手段などの名称であってもよいことは言うまでもな
い。
【0046】さらに、図1及び図4に示す例はあくまで
も一例であり、対象項目や各項目の表示結果、配置、
色、表示形式等はどのようなものでもよい。また、デー
タベースの種類や記録方法等は限定されず、全ての装置
に適用可能である。例えば、記録装置として、HDDの
ほかDVDやCD−R/RW、MD(Mini Disc)に記
録するものでもよい。特に、データ転送速度やランダム
・アクセス性能が高く、高速アクセスが可能なHDDを
記録媒体に用いれば、大量に記録した画像の中から所望
の画像を瞬時に検索し、直ぐに利用することが可能にな
る。また、光磁気ディスク等HDD以外の記録装置を用
いてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0047】さらに、上記負担評価システムを構成する
回路や部材の数、種類など、さらには分類される機器の
種類は前述した実施の形態に限られないことは言うまで
もなく、ソフトウェアに限らずハードウェアにより実現
するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明の負担評価システム及び設計支援方法によれば、仮想
空間でコンピュータマネキンを使って姿勢や動作を再現
する際に、コンピュータマネキンが実際に設備を利用す
る利用者の特性(高齢者と若年者など)を考慮した上
で、負担感や疲労感といった感覚的な負荷を評価するこ
とができ、利用者ごとにより最適な建物及び設備の設計
を行うこうができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の負担評価システムの概要
を示す機能ブロックである。
【図2】本実施の形態の負担評価システムのハード的構
成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の負担評価システムの負担評価方
法を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態の負担評価システムの負担評価プ
ログラム実行により表示される画面の表示例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 演算部 11 身体寸法推定部 12 トルク推定部(トルク推定手段) 13 感覚的負荷推定部(感覚的負荷推定手段) 20 情報入力部(情報入力手段) 30 記憶部 31 身体データ格納部(身体データ格納手段) 32 感覚的負荷格納部(感覚的負荷格納手段) 40 耐トルクラベル 40a 限界ラベル 40b かなりラベル 40c 少しラベル 50 表示部 100 負担評価システム 101 CPU 102 ROM 103 RAM 104 時計・カレンダー 105 外部記憶装置 106 入力部 107 表示部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設備利用者の感覚的な負荷を評価する負
    荷評価システムであって、 利用者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関わる情
    報を入力する情報入力手段と、 人間の身体各部位の寸法情報を格納する身体データ格納
    手段と、 利用者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関わる情
    報と関節にかかるトルクに応じて感覚的負荷を割り当て
    たデータベースを予め蓄積する感覚的負荷格納手段と、 利用者の身体的特性に基づいて前記身体データ格納手段
    を参照して身体寸法を推定する身体寸法推定手段と、 推定した身体寸法と評価姿勢又は動作に関わる情報に基
    づいて関節にかかるトルクを推定するトルク推定手段
    と、 利用者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関わる情
    報と推定したトルクを基に前記感覚的負荷格納手段を参
    照して利用者の感覚的負荷を推定する感覚的負荷推定手
    段とを備えることを特徴とする負担評価システム。
  2. 【請求項2】 前記利用者の身体的特性は、性別、身
    長、体重、年代、年齢、体脂肪率、握力、又は背筋力で
    あることを特徴とする請求項1記載の負担評価システ
    ム。
  3. 【請求項3】 評価姿勢又は動作に関わる情報は、関節
    角度、関節運動角速度、筋収縮種類、又は繰り返し回数
    であることを特徴とする請求項1記載の負担評価システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記感覚的負荷格納手段に蓄積されるデ
    ータベースは、関節動作、筋収縮、関節運動角速度、関
    節運動角加速度、関節運動繰返回数、及び感覚的負荷に
    ついて階層化し、階層化した感覚的負荷に耐トルクのラ
    ベルを割り当てて構成することを特徴とする請求項1記
    載の負担評価システム。
  5. 【請求項5】 建物又は設備の設計部位の寸法を決定す
    る設計支援方法であって、 利用者の身体的特性及び、評価姿勢又は動作に関わる情
    報と関節にかかるトルクを推定するステップと、 推定したトルクに基づいて利用者の感覚的負荷を評価す
    るステップと、 評価した利用者の感覚的負荷を基に、利用者にとって最
    適な設計部位の寸法を決定するステップとを有すること
    を特徴とする設計支援方法。
JP2002146406A 2002-05-21 2002-05-21 負担評価システム及び設計支援方法 Pending JP2003337846A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002146406A JP2003337846A (ja) 2002-05-21 2002-05-21 負担評価システム及び設計支援方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002146406A JP2003337846A (ja) 2002-05-21 2002-05-21 負担評価システム及び設計支援方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003337846A true JP2003337846A (ja) 2003-11-28

Family

ID=29705400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002146406A Pending JP2003337846A (ja) 2002-05-21 2002-05-21 負担評価システム及び設計支援方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003337846A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007128143A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Sekisui Chem Co Ltd 建物の動線計画システム
JP2007334446A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Matsushita Electric Works Ltd 筋負荷評価システム、製品設計支援システム
JP2008083742A (ja) * 2006-09-25 2008-04-10 Mazda Motor Corp 車両用設計支援システム
JP2010055528A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Computer System Kenkyusho:Kk 福祉向け建築設計支援システムおよび福祉向け建築設計支援サーバ
WO2011111276A1 (ja) * 2010-03-09 2011-09-15 パナソニック電工株式会社 物品設計支援装置、サーバ装置、プログラム
JP2013200884A (ja) * 2013-05-22 2013-10-03 Computer System Kenkyusho:Kk 建築設計支援システムおよび建築設計支援プログラム
JP2016068253A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 トヨタ自動車株式会社 ロボットによる物体手渡しシステム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007128143A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Sekisui Chem Co Ltd 建物の動線計画システム
JP4674148B2 (ja) * 2005-11-01 2011-04-20 積水化学工業株式会社 建物の動線計画システム
JP2007334446A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Matsushita Electric Works Ltd 筋負荷評価システム、製品設計支援システム
JP2008083742A (ja) * 2006-09-25 2008-04-10 Mazda Motor Corp 車両用設計支援システム
JP2010055528A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Computer System Kenkyusho:Kk 福祉向け建築設計支援システムおよび福祉向け建築設計支援サーバ
WO2011111276A1 (ja) * 2010-03-09 2011-09-15 パナソニック電工株式会社 物品設計支援装置、サーバ装置、プログラム
JP2013200884A (ja) * 2013-05-22 2013-10-03 Computer System Kenkyusho:Kk 建築設計支援システムおよび建築設計支援プログラム
JP2016068253A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 トヨタ自動車株式会社 ロボットによる物体手渡しシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Su et al. Kinect-enabled home-based rehabilitation system using Dynamic Time Warping and fuzzy logic
Yu et al. Automatic biomechanical workload estimation for construction workers by computer vision and smart insoles
Vignais et al. Innovative system for real-time ergonomic feedback in industrial manufacturing
Falisse et al. OpenSim versus human body model: a comparison study for the lower limbs during gait
Baghdadi et al. Hip and trunk kinematics estimation in gait through Kalman filter using IMU data at the ankle
Dickerson et al. The relationship between shoulder torques and the perception of muscular effort in loaded reaches
Oyekan et al. Applying a fusion of wearable sensors and a cognitive inspired architecture to real-time ergonomics analysis of manual assembly tasks
Didomenico et al. Measurement and prediction of single and multi-digit finger strength
Mgbemena et al. Ergonomic evaluation on the manufacturing shop floor: A review of hardware and software technologies
Subedi et al. Sensor-based computational approach to preventing back injuries in construction workers
JP2003337846A (ja) 負担評価システム及び設計支援方法
Rakshit et al. Dynamic-joint-strength-based two-dimensional symmetric maximum weight-lifting simulation: Model development and validation
Joyner et al. Comparison of dexterous task performance in virtual reality and real-world environments
Zaman et al. Optimization-based biomechanical lifting models for manual material handling: A comprehensive review
Davidson et al. Exploring optimal objective function weightings to predict lifting postures under unfatigued and fatigued states
Song et al. Lifting motion simulation using a hybrid approach
Gragg et al. Optimization-based posture reconstruction for digital human models
Sharotry A digital twin framework of a material handling operator in industry 4.0 environments
Burdea et al. Computerized hand diagnostic/rehabilitation system using a force feedback glove
Rahmatalla et al. A validation framework for predictive human models
Yu Automatic physical fatigue assessment for construction workers based on computer vision and pressure insole sensor
Price et al. The development and evaluation of performance-based functional assessment: A methodology for the measurement of physical capabilities
JP2001155050A (ja) 設計支援システム
Beck Human factors of posture entry into ergonomics analysis systems
Wang Ergonomic-centric methods for workplace design in industrialized construction