JP2003337784A - 制御システム及びｕｓｂデバイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＵＳＢデバイスからホスト装置に対し能動的
に制御要求を通知する。 【解決手段】 ＵＳＢデバイス（10）は、外部からの所
定の操作を受け付けるユーザインタフェース手段（1,
2）と、所定の操作によって発生するイベントをＵＳＢ
コマンドのエラーコードとしてホスト装置（20）に送信
し、送信されたエラーコードをホスト装置（20）が検知
することによってホスト装置（20）から出される要求信
号を受信して、これに応じて、所定の操作に関する情報
をホスト装置（20）に送信する送受信手段（4）とを有
し、ホスト装置（20）は、ＵＳＢデバイス（10）から送
信されるエラーコードを受信し、これを検知することに
よってＵＳＢデバイス（10）に要求信号を送信して、要
求信号を受信したＵＳＢデバイス（10）から送信される
所定の操作に関する情報を受信する送受信手段を有し、
受信した所定の操作に関する情報によってＵＳＢデバイ
ス（10）の動作を認識する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ホスト装置と当該
ホスト装置と接続してデータファイルを記憶するＵＳＢ
デバイスとを備える制御システム及びＵＳＢデバイスに
関し、特に、ＵＳＢデバイスがホスト装置に対し能動的
に制御要求を通知することを可能にする技術に係わる。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータとその周辺機器とを接続す
るシリアルインタフェイスの一つであるＵＳＢ（Univer
sal Serial Bus）は、コンピュータの電源を切らなくて
もケーブルの抜き差しが可能（ホットプラグ）、周辺機
器の接続に伴うコンピュータ側の設定が不要（プラグ＆
プレイ）等、多くの利点を有することから、現在までに
広く普及している。なお、ＵＳＢのトポロジーでは、バ
ス転送を制御する１台のマスタ機器（ホスト装置）がシ
ステム内に存在し、それ以外の装置はスレーブ機器（デ
バイス）となる。そして、通常、ホスト装置の役割はコ
ンピュータが担うことになる。そこで以下では、コンピ
ュータ及びＵＳＢを介してコンピュータに接続される周
辺機器をそれぞれホスト装置及びデバイスと表現する。

【０００３】ＵＳＢ仕様を策定しているＵＳＢ−ＩＦ
（USB Implementers Forum）では、ＵＳＢデバイスの仕
様の規格化と共に、アプリケーション毎の共通特性を規
定した仕様（以下、クラス仕様と表記する）の規格化も
行っている。そして、クラス仕様を規格化することによ
り、ＵＳＢデバイスのベンダー側がクラス仕様の要件を
満足するようにＵＳＢデバイスを設計しさえすれば、Ｏ
Ｓ（Operating System）ベンダーやサードパーティは、
その機器用のクライアントドライバを提供することが可
能なようになっている。

【０００４】上記クラス仕様は、より具体的に言えば、
類似の属性或いはサービスを有するデバイスのグループ
を規定したものであり、例えば、マウスやキーボード等
はＨＩＤクラス（Human Interface Devices Class）に
属し、フロッピー（登録商標）ディスクドライブ、メモ
リカードリーダー、ハードディスク等の外部記憶装置と
して動作可能なＵＳＢデバイスはマスストレージクラス
（Mass Storage Class）に属する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記マスス
トレージクラスに属するＵＳＢデバイスは、コンピュー
タの筐体内にフロッピーディスクドライブが内蔵されて
いる場合と同じように、基本的には、ホスト装置からの
読み出し／書き込み要求を受けてから記憶媒体に対し操
作するという受動的な処理を実行するデバイスである。
従って、ホスト装置とＵＳＢデバイスとの間の通信にお
いては、ＵＳＢデバイスからホスト装置に対し能動的に
制御要求を通知する方法は定義されていない。このた
め、従来までのＵＳＢデバイスは、デバイス側で発生し
た操作のイベントをホスト装置に伝達し、このイベント
に対応した動作をホスト装置に実行させることができな
い。

【０００６】なお、例えば、マスストレージクラスを利
用しないでＵＳＢデバイスのベンダー側で固有の方法を
定義することが可能ではあるが、このようにした場合に
は、ＵＳＢデバイスのベンダー側は、ＯＳ標準のクライ
アントドライバを利用する代わりに、定義した固有の方
法に対応し、且つ、マスストレージクラスの機能をも包
含するようなクライアントドライバを独自に作製してユ
ーザに提供しなければならないために、非常に大きな経
費と労力を要する。

【０００７】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、多くの経費と労力
を要することなく、ホスト装置に対し能動的に制御要求
を通知することが可能な制御システム及びＵＳＢデバイ
スを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る制御システ
ムの特徴は、ホスト装置（20）と当該ホスト装置（20）
と接続してデータファイルを記憶するＵＳＢデバイス
（10）とを備える制御システムであって、前記ＵＳＢデ
バイス（10）は、外部からの所定の操作を受け付けるユ
ーザインタフェース手段（1,2）と、前記所定の操作に
よって発生するイベントをＵＳＢコマンドのエラーコー
ドとして前記ホスト装置（20）に送信し、前記送信され
た前記エラーコードを前記ホスト装置（20）が検知する
ことによって前記ホスト装置（20）から出される要求信
号を受信して、これに応じて、前記所定の操作に関する
情報を前記ホスト装置（20）に送信する送受信手段
（4）とを有し、前記ホスト装置（20）は、前記ＵＳＢ
デバイス（10）から送信される前記エラーコードを受信
し、これを検知することによって前記ＵＳＢデバイス
（10）に前記要求信号を送信して、前記要求信号を受信
した前記ＵＳＢデバイス（10）から送信される前記所定
の操作に関する情報を受信する送受信手段を有し、受信
した前記所定の操作に関する情報によって前記ＵＳＢデ
バイス（10）の動作を認識することを特徴とする。

【０００９】また、本発明に係るＵＳＢデバイスの特徴
は、ホスト装置（20）と接続してデータファイルを記憶
するＵＳＢデバイス（10）であって、外部からの所定の
操作を受け付けるユーザインタフェース手段（1,2）
と、前記所定の操作によって発生するイベントをＵＳＢ
コマンドのエラーコードとして前記ホスト装置（20）に
送信し、前記送信された前記エラーコードを前記ホスト
装置（20）が検知することによって前記ホスト装置（2
0）から出される要求信号を受信して、これに応じて、
前記所定の操作に関する情報を前記ホスト装置（20）に
送信する送受信手段（4）とを有することを特徴とす
る。

【００１０】このような構成によれば、ＵＳＢデバイス
（10）からホスト装置（20）に対し能動的に制御要求を
通知することが可能となる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図１，２を参照して、本発
明の実施の形態となるＵＳＢデバイスの構成及びその動
作について詳しく説明する。

【００１２】［ＵＳＢデバイスの構成］この実施の形態
によるＵＳＢデバイス１０は、図１に示すように、ホス
ト装置２０と接続されることで外部記憶装置として動作
し、ディスプレイ１，タッチパネル２，メモリカードコ
ントローラ３，ＵＳＢデバイスコントローラ４，ＣＰＵ
（Central Processing Unit）５を備える。

【００１３】ディスプレイ１は、液晶ディスプレイ等の
表示出力装置により構成され、メモリカード６に書き込
むデータファイル名等の各種情報を出力する。また、タ
ッチパネル２は、ユーザが指定したディスプレイ１上の
位置を検出可能な一般的なタッチパネル構造を有し、ユ
ーザがデバイスに各種制御情報を出力するためのユーザ
インタフェースの役割を担う。

【００１４】メモリカードコントローラ３は、ＣＰＵ５
からの指示に従って、メモリカード６へのデータの書き
込み／読み出し処理を制御する。ＵＳＢデバイスコント
ローラ４は、ＵＳＢデバイスとしてのハードウェア機能
を司るエンティティであり、ＵＳＢコネクタ７を介して
ホスト装置２０と接続する。また、ＵＳＢデバイスコン
トローラ４は、ＣＰＵ５が実行するソフトウェアプログ
ラムと協調してＵＳＢバスインタフェイスを提供する。

【００１５】ＣＰＵ５は、一般的なプロセッサにより構
成され、所定のソフトウェアプログラムに従って、ディ
スプレイ１，タッチパネル２，メモリカードコントロー
ラ３，及びＵＳＢデバイスコントローラ４の動作を制御
する。

【００１６】このように構成されたＵＳＢデバイス１０
は、ユーザから例えばデータファイルが選択された際に
「ファイルが選択された」というイベントの発生を通知
するために、ホスト装置２０からの次のコマンドに対し
特殊なエラーコードで応答する。つまり、ＵＳＢデバイ
ス１０側で発生したイベントをＵＳＢコマンドのエラー
コードとしてホストに伝達し、エラーコードに応じてホ
スト装置２０にそのイベントのハンドリングを実行させ
ることができる。これにより、ホスト装置２０側のクラ
イアントドライバはＵＳＢデバイス１０側で操作のイベ
ントを検知することができるようなり、ＵＳＢデバイス
１０から操作に関する情報を取得するなど、検知したイ
ベントに対応した処理が実行される。

【００１７】［ＵＳＢデバイスの動作］以下、図２に示
すフローチャートを参照して、ＵＳＢデバイス１０の動
作について詳しく説明する。

【００１８】図２に示すフローチャートは、ユーザがタ
ッチパネル２を介してディスプレイ１上に表示されたデ
ータファイル名を選択し、ＣＰＵ５がユーザにより選択
されたデータファイル名を認識することで開始となり、
ステップＳ１の処理に進む。

【００１９】ステップＳ１の処理において、ＣＰＵ５
は、ホスト装置２０から送信されるＵＳＢコマンドに対
して、エラーコードで応答するように、ＵＳＢデバイス
コントローラ４を設定する。ホスト装置２０から送信さ
れるＵＳＢコマンドとしては、例えばＵＳＢデバイス１
０のドライブにメモリカード６が入っているか否かを周
期的に問い合わせる際に発行される「TEST_UNIT_READY
コマンド」などのマスストレージコマンドや周期的なポ
ーリング等がある。応答する際のエラーコードとして
は、規格には定義されていない特殊なエラーコード、例
えば、未使用コード等を用いて応答する。これにより、
このステップＳ１の処理は完了し、ステップＳ１の処理
からステップＳ２の処理に進む。

【００２０】ステップＳ２の処理において、ホスト装置
２０は、ＵＳＢデバイス１０に対しマスストレージコマ
ンドを発行する。これにより、このステップＳ２の処理
は完了し、ステップＳ２の処理からステップＳ３の処理
に進む。

【００２１】ステップＳ３の処理において、ＵＳＢデバ
イスコントローラ４は、ホスト装置２０が発行したマス
ストレージコマンドに応じて、特殊なエラーコードをホ
スト装置２０に送信することで、データファイルを選択
するイベントの発生を通知する。これにより、このステ
ップＳ３の処理は完了し、ステップＳ３の処理からステ
ップＳ４の処理に進む。

【００２２】ステップＳ４の処理において、ホスト装置
２０側のクライアントドライバは、ＵＳＢデバイスコン
トローラ４から送信された特殊なエラーコードに応じ
て、ＵＳＢデバイス１０側からのイベント要求を検知
し、ステップＳ５の処理として、ユーザが選択したデー
タファイルの情報（以下、ファイル情報と表記する）の
取得要求をＵＳＢデバイス１０に送信する。これによ
り、ステップＳ４，Ｓ５の処理からステップＳ６の処理
に進む。

【００２３】ステップＳ６の処理において、ＵＳＢデバ
イスコントローラ４は、ファイル情報をホスト装置２０
側のクライアントドライバに送信する。これにより、こ
のステップＳ６の処理は完了し、ステップＳ６の処理か
らステップＳ７の処理に進む。

【００２４】ここで、ホスト装置２０側のクライアント
ドライバは、マスストレージクラスと関連しない方法で
ファイル情報をＵＳＢデバイス１０から取得するものと
する。具体的な方法としては、例えば、ベンダー固有の
リクエストで行う方法や、メモリカード６上の特定のフ
ァイルに情報を書き込んでおき、ホスト装置２０がその
情報を読み出して取得する方法等、種々の方法が考えら
れる。

【００２５】ステップＳ７の処理において、ホスト装置
２０側のクライアントドライバは、ファイル情報を参照
して、ユーザが選択したデータファイルをマスストレー
ジコマンドを用いてＵＳＢデバイス１０側のメモリカー
ド６に書き込む。これにより、このステップＳ７の処理
は完了し、一連のイベント処理は終了する。そして、こ
の一連の処理により、ユーザは選択したデータファイル
をＵＳＢデバイス１０上で確認、利用することができる
ようになる。

【００２６】以上説明したように、例えば、携帯情報端
末などのユーザインタフェースを有し単独で動作可能な
がら、パソコン等のホスト装置の外部記憶機器としても
動作可能なＵＳＢデバイスにおいて、ユーザインタフェ
ースの操作により発生したイベントをＵＳＢコマンドに
対する特殊なエラーコードで応答することにより、ホス
ト装置にイベントの発生を通知することができる。そし
て、ホスト装置は、ＵＳＢデバイスから操作に関する情
報を取得し、検知したイベントに対応した処理を実行す
る。

【００２７】従って、例えば、マスストレージコマンド
のクライアントドライバを新たに設計する必要がなく、
ホスト装置に対し能動的に制御要求を通知することがで
きる。

【００２８】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は、その精神または主要な特徴から
逸脱することなく、他の色々な形で実施することができ
る。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示
に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲
は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書
本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均
等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のも
のである。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、多くの経費と労力を要
することなく、極めて容易にＵＳＢデバイスからホスト
装置に対し能動的に制御要求を通知することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態となるＵＳＢデバイスの構成
を示す模式図である。

【図２】図１に示すＵＳＢデバイスとホスト装置間の処
理動作を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１…ディスプレイ、２…タッチパネル、３…メモリカー
ドコントローラ、４…ＵＳＢデバイスコントローラ、５
…ＣＰＵ、６…メモリカード、７…ＵＳＢコネクタ、１
０…ＵＳＢデバイス、２０…ホスト装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホスト装置と当該ホスト装置と接続して
   データファイルを記憶するＵＳＢデバイスとを備える制
   御システムであって、 前記ＵＳＢデバイスは、外部からの所定の操作を受け付
   けるユーザインタフェース手段と、前記所定の操作によ
   って発生するイベントをＵＳＢコマンドのエラーコード
   として前記ホスト装置に送信し、前記送信された前記エ
   ラーコードを前記ホスト装置が検知することによって前
   記ホスト装置から出される要求信号を受信して、これに
   応じて、前記所定の操作に関する情報を前記ホスト装置
   に送信する送受信手段とを有し、 前記ホスト装置は、前記ＵＳＢデバイスから送信される
   前記エラーコードを受信し、これを検知することによっ
   て前記ＵＳＢデバイスに前記要求信号を送信して、前記
   要求信号を受信した前記ＵＳＢデバイスから送信される
   前記所定の操作に関する情報を受信する送受信手段を有
   し、受信した前記所定の操作に関する情報によって前記
   ＵＳＢデバイスの動作を認識することを特徴とする制御
   システム。
2. 【請求項２】 ホスト装置と接続してデータファイルを
   記憶するＵＳＢデバイスであって、 外部からの所定の操作を受け付けるユーザインタフェー
   ス手段と、 前記所定の操作によって発生するイベントをＵＳＢコマ
   ンドのエラーコードとして前記ホスト装置に送信し、前
   記送信された前記エラーコードを前記ホスト装置が検知
   することによって前記ホスト装置から出される要求信号
   を受信して、これに応じて、前記所定の操作に関する情
   報を前記ホスト装置に送信する送受信手段とを有するこ
   とを特徴とするＵＳＢデバイス。