JP2003332724A - はんだ波形成装置 - Google Patents

はんだ波形成装置

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JP2003332724A
JP2003332724A JP2002136868A JP2002136868A JP2003332724A JP 2003332724 A JP2003332724 A JP 2003332724A JP 2002136868 A JP2002136868 A JP 2002136868A JP 2002136868 A JP2002136868 A JP 2002136868A JP 2003332724 A JP2003332724 A JP 2003332724A
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Japan
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solder
opening
pump
electromagnetic pump
wave
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JP2002136868A
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English (en)
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Toshimitsu Kato
敏光 加藤
Shigeki Noda
繁樹 野田
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Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
Original Assignee
Nihon Den Netsu Keiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 錫リッチの鉛フリーはんだを吹き口から噴流
させてはんだ波を形成し、フローはんだ付けを行うはん
だ波形成装置においては、微細で粒子状の酸化はんだが
大量に発生し易く、プリント配線板を汚染し易い。ま
た、ポンプの吸い込み口に渦流を生じてはんだ波の波高
変動を生じると、はんだ付け不良を生じる原因となって
いた。 【解決手段】 はんだ槽1の一端側11に吹き口32を
設け、ポンプ3を挟んで他端側12に、その表面に多数
の透孔19を有し、かつ、その内側に渦流を阻止する手
段を有する開口整流体10を設ける。そのため、はんだ
槽1内に巨大な高速渦流を生じることがなく、酸化はん
だ28がはんだ液面8に浮上し易くなり、また、はんだ
波26の波高も安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板等
の被はんだ付けワークに溶融状態のはんだを流動状態で
接触させてはんだ付けを行う装置であって、微細で粒子
状の酸化はんだを含まずかつ安定したはんだの流れを形
成することができるはんだ波形成装置に関する。
【0002】酸化雰囲気中で流動するはんだ液面には、
絶えず微細で粒子状の酸化はんだが形成されている。こ
の酸化はんだが流動するはんだの中に巻き込まれると、
前記酸化はんだがはんだ付けの際にプリント配線板に付
着し、汚染されたプリント配線板を生産することにな
る。また、はんだ波の波高が変動すると、プリント配線
板のはんだ付け品質も変動し不安定になる。本発明のは
んだ波形成装置は、このような汚染を生じることなく、
はんだ波の波高も安定したはんだ付けのための装置であ
る。
【0003】
【従来の技術】図8は、従来のはんだ波形成装置の一例
の全容を示す斜視図である。また、図9は、図8のはん
だ波形成装置の縦断面を示す図である。なお、図8にお
いては、吹き口体9の構成をわかり易く説明するために
はんだ波81を破線で描いてある。また、図10はポン
プの吸い込み口側から見た渦流の様子を説明するための
図である。
【0004】すなわち、はんだ槽1には図示しないヒー
タにより加熱されて溶融状態のはんだ7が収容されてい
る。また同様に図示しないはんだ7の温度を測定する温
度センサとこの温度センサの測温結果を参照してヒータ
への供給電力を調節する温度制御装置とにより、このは
んだ7の温度が予め指示された温度に保持されるように
構成されている。
【0005】はんだ波81を形成する吹き口体9はその
吹き口32をはんだ液面8の上方に位置させて設けてあ
り、連繋手段であるチャンバ体29を介してポンプ3の
吐出口5に結合されている。そして、このチャンバ体2
9は吊り下げ部38,39ではんだ槽1の上縁部2にね
じ35により固定され、また前記の吹き口体9は、スリ
ーブ部33を介してはんだ液面8上にその頭部を位置さ
せているねじ34により、チャンバ体29に対して着脱
自在に結合されている。
【0006】ポンプ3には回転羽根6を用いたものが一
般的に広く使用されていて、この回転羽根6はモータ3
7により軸36を介して回転駆動され、吸い込み口4か
らはんだ7を吸い込んで吐出口5から吐出してはんだ7
を送給する。そして、このモータ37は、はんだ槽1に
ねじ41で固定された台座42に固定されている。な
お、従来よりも安定したはんだ波81を形成させる目的
から誘導型電磁ポンプも使用されるようになった。
【0007】このように、はんだ波形成装置は、はんだ
槽1内のはんだ7をポンプ3により吹き口体9に送給
し、その吹き口32から噴流させて案内板43を流下さ
せる過程ではんだ波81を形成するように構成され、は
んだ槽1内のはんだ7を循環させながらはんだ波81を
形成するように構成されている。なお、吹き口体9内に
設けられた多孔板31とチャンバ体29内に設けられた
案内板30は、はんだ7の流れを整えて流れの方向や流
速を揃えるための部材である。
【0008】そして、図示はしないが、このようにして
形成されたはんだ波81にプリント配線板を接触させる
ことで、このプリント配線板の被はんだ付け部にはんだ
7を供給して所謂フローはんだ付けが行われる。
【0009】一方、はんだ液面8上に浮いている塊状の
形態を成すドロス25は、酸化したはんだ7が集まって
形成されたものであり、一般的に気泡を含むシャーベッ
ト状を成している。当然、このドロス25は、プリント
配線板のはんだ付けには寄与することが無い。
【0010】この酸化したはんだ7は、はんだ液面8が
大気等の酸化雰囲気に暴露されているために発生するも
のと、はんだ7が吹き口体9の吹き口32から噴流して
流動する過程すなわちはんだ波81を形成する過程で発
生するものとがある。そして、この酸化したはんだ7を
最も大量に発生する箇所すなわち過程は、後者すなわち
はんだ7が噴流し流動してはんだ波81を形成する過程
であり、この過程において微細で粒子状の酸化したはん
だ7(酸化はんだ)を形成する。
【0011】前述した気泡を含むシャーベット状のドロ
ス25は、この微細で粒子状の酸化はんだが液面で集ま
って形成されたものである。
【0012】なお、図10については後述する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】電子装置に使用される
プリント配線板のはんだ付けに、鉛フリーはんだが使用
されるようになってきた。廃棄された電子装置から鉛が
流出して環境破壊や人体に対する毒害を与えないように
するためである。鉛フリーはんだの有力候補としては、
錫−銀−銅系のはんだや錫−銅系はんだ、錫−銅−ニッ
ケル系はんだ、錫−亜鉛系はんだ等がある。そして、そ
の何れの鉛フリーはんだも錫を90%以上(少なくとも
85%以上)含有した錫リッチ鉛フリーはんだである。
【0014】しかし、このような錫リッチの鉛フリーは
んだを吹き口から噴流させてはんだ波を形成すると、従
来の錫−37%鉛はんだと比較してさらに微細で粒子状
(約50〜300μm径程度)の酸化はんだが多量に発
生する。そのため、この微細で粒子状の酸化はんだがポ
ンプに吸い込まれて吹き口体によって形成されるはんだ
波中に混入する機会が激増し、このはんだ波に接触させ
るプリント配線板に大量に付着して汚染することが問題
となっている。
【0015】この微細で粒子状の酸化はんだがプリント
配線板に付着すると、例えばプリント配線板上に形成さ
れた回路を短絡させたり、このプリント配線板が電子装
置内に搭載された状態で振動等により脱落し、その電子
装置を構成する機構部品や機構内に入り込み、その作動
を妨害する等して電子装置の故障を招来するからであ
る。
【0016】はんだ液面上に浮いているドロスは気泡を
含むため、はんだ波を形成するはんだが案内板を流下し
てはんだ槽内に還流する際にはんだ中に巻き込まれたと
しても、数秒で液面上に浮上する。しかし、はんだ波を
形成した際に発生した微細で粒子状の酸化はんだは、気
泡を含まない為にはんだがはんだ槽内に還流した後に数
十秒(例えば、錫−銀−銅系の鉛フリーはんだでは約2
0秒〜30秒前後、錫−亜鉛系はんだでは15秒〜25
秒前後)経過しないとはんだ液面上に浮上しない。
【0017】一方で、図10に示すように、ポンプ3の
吸い込み口4でははんだ7の吸い込みに伴ってはんだの
渦流82(図9も参照)を生じている。すなわち、この
渦流82は地球の自転に依って発生することが知られて
いるが、ポンプ3を構成する回転羽根6の回転によって
も一層助長される。
【0018】この渦流82は、丁度台風の中心核の周辺
において強風が吹くのと同様に、ポンプ3の吸い込み口
4の周辺に流速の速い巨大な回転流動を生じ、ポンプ3
の周辺のはんだ7は、ポンプ3の吸い込み流量Q〔m
/min〕と吸い込み口4の開口面積S〔m
とから決まる流速V =Q/S〔m/min〕よりも
遙に速い速度Vで円周方向に回転しながら吸い込み
口4に吸い込まれて行き、吐出口5からチャンバ体29
へ吐出する。
【0019】そのため、吹き口から噴流してはんだ波を
形成したはんだがはんだ槽に落流し還流すると、直ぐに
前記の巨大な回転流動すなわち渦流に巻き込まれて合流
する。したがって、はんだ波を形成した際に発生した微
細で粒子状の酸化はんだも、この渦流に巻き込まれて拘
束され、浮上し難くなる。すなわちその大部分がそのま
まポンプに吸い込まれることになる。
【0020】このようにして、微細で粒子状の酸化はん
だがはんだ波を形成するはんだ中に含まれ、はんだ付け
に際してこのはんだ波に接触するプリント配線板に付着
し、このプリント配線板を汚染することになる。
【0021】また、ポンプの吸い込み口にこのような渦
流を生じると、その吸い込み口でのはんだの流れが不安
定に変動し、この吸い込まれるはんだの流れの変動を含
めて見た場合のポンプの揚程が変動し、吹き口体で形成
されるはんだ波の波高が変化するようになる。
【0022】このようなはんだ波の波高変動を生じる
と、プリント配線板がはんだ波に接触した際にこのプリ
ント配線板にはんだ波から加えられる動圧が変化し、甚
だしくははんだ波が一時的にプリント配線板に接触しな
くなったりして、プリント配線板の被はんだ付け部のは
んだ濡れ性が変化したり、はんだ供給量が変化したりし
て、濡れ不良、はんだブリッジ不良、つらら、フィレッ
ト形状の不安定な変動、未はんだ不良等々の不良を生
じ、はんだ付け品質が低くかつ品質も不安定に変動する
ようになる。
【0023】そのため、酸化はんだがはんだ波に入り込
まないようにするとともに、ポンプ揚程の変動も少なく
できるはんだ波形成装置すなわちはんだ形成装置が求め
られている。
【0024】本発明の目的は、特に錫リッチの鉛フリー
はんだを使用してフローはんだ付けを行う際に、はんだ
波に微細で粒子状の酸化はんだが含まれないようにし、
また、ポンプの揚程変動が少なくなるはんだ波形成装置
を実現することによって、安定したはんだ波であって汚
染の無いはんだ波を実現するはんだ波形成装置を実現
し、品質と信頼性の高いプリント配線板のフローはんだ
付けを可能にすることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、はんだの吸い
込みに当たって、渦流を生じないように構成したところ
と、はんだの吸い込みも含めて見た場合のポンプの揚程
の変化が極めて少なくなるように構成したところに特徴
がある。
【0026】(1)溶融状態のはんだが収容されたはん
だ槽の一端側の前記はんだ液面上に吹き口を位置させた
吹き口体を設けるとともに前記吹き口から流れ出て前記
はんだ槽内に還流する前記はんだの主な流れ方向の側部
側の前記はんだ中に前記はんだを吸い込み口から吸い込
んで前記吹き口体へ送給するポンプを設ける。
【0027】そして、前記吹き口体から見て前記ポンプ
を挟んだ前記はんだ槽の他端側に、多数の透孔を外表面
に有するとともに前記透孔の開口総面積が前記ポンプの
吸い込み口の面積よりも大きくその内側に前記ポンプの
吸い込み方向を軸線とする円周空間が前記円周方向に切
断される向きに仕切り壁が設けられた開口整流体が前記
ポンプの吸い込み口に連繋して設けられるともに前記開
口整流体が前記はんだ槽のはんだ液面側から着脱自在に
設けられたはんだ波形成装置である。
【0028】このように構成することにより、先ず開口
整流体の外表面に設けられた透孔の開口総面積がポンプ
の吸い込み口の面積よりも大きくなるので、前記開口整
流体に吸い込まれるはんだの流速が遅くなり、渦流を生
じ難くなる。また、開口整流体は、多数の透孔を有して
構成されているためにはんだの流れが整えられ、吸い込
まれるはんだ、さらに吸い込まれた後のはんだの流速の
大きさや方向を揃えることができるようになる。
【0029】続いて、吸い込み方向を軸線とする円周空
間が前記円周方向に切断される向きに仕切り壁を設けて
いるので、渦流を発生しようとするはんだの流れが切断
され、渦流の発生が完全に阻止される。
【0030】したがって、はんだが開口整流体の透孔に
吸い込まれる際に渦流によってはんだの流れが加速され
ることもなく、はんだ波を形成した際に発生した微細で
粒子状の酸化はんだが、従来生じていた巨大なはんだの
渦流に巻き込まれることもなくなる。
【0031】そのため、はんだ波を形成した後のはんだ
は、その全体が渦流によって攪拌されるようなこともな
く、そのはんだ全体が開口整流体へ向かってゆっくりと
移動するようになり、この移動の間に、はんだ波を形成
した際に発生した微細で粒子状の酸化はんだがはんだ液
面上へ浮上するようになる。しかも、開口整流体は吹き
口体から見て前記ポンプを挟んだはんだ槽の他端側に設
けているため、はんだ波を形成した後のはんだは、はん
だ槽において最も長い距離を移動することになり、微細
で粒子状の酸化はんだを確実にはんだ液面上に浮上させ
ることができる。さらに、はんだ波を形成したはんだが
はんだ槽に還流する方向と直交する方向にはんだが移動
するので、この還流の流れの影響を受けることもない。
【0032】また、開口整流体がはんだ槽のはんだ液面
側から着脱自在に設けられるように構成したので、透孔
に微細で粒子状の酸化はんだが付着したり堆積したりし
ても、この開口整流体を容易に取り外し、この堆積物を
除去することができる。
【0033】したがって、微細で粒子状の酸化はんだを
含まないはんだ波すなわち清流はんだ波を形成すること
ができるようになる。
【0034】さらに、開口整流体を設けたことにより、
ポンプの吸い込み口において不規則に変動するはんだの
流れを減衰させることができるようになるため、ポンプ
に吸い込まれるはんだの流量が時間的に変動することも
なくなって、この流れの変動も加味して見たポンプの揚
程の変動も少なくなり、はんだ波の波高すなわち吹き口
上の高さの変動や流量の変動も少ない清流はんだ波を形
成することができる。
【0035】(2)前記(1)のはんだ波形成装置にお
いて、前記開口整流体の前記はんだ液面側に平板状ある
いは凹状の外表面形状を有する蓋体が着脱自在に設けら
れたはんだ波形成装置である。
【0036】前記(1)で説明したように、はんだ波を
形成したはんだがはんだ槽内に還流した後、ゆっくりと
開口整流体へ向かって移動し、この移動の過程で微細で
粒子状の酸化はんだが液面上に浮上する。そしてその後
は、開口整流体の上方に集まってドロスを形成する。
【0037】したがって、この開口整流体のはんだ液面
側に、平板状あるいは凹状の外表面形状を有する蓋体を
着脱自在に設けることにより、この蓋体を外して持ち上
げることでこの蓋体の上部にドロスを掬い上げることが
できる。したがって、発生した酸化はんだひいてはドロ
スを容易に除去することができるはんだ波形成装置を実
現できる。
【0038】(3)前記(1)のはんだ波形成装置にお
いて、前記ポンプが誘導型電磁ポンプであり、前記開口
整流体を前記誘導型電磁ポンプの側周面に被冠させて設
けたはんだ波形成装置である。なお、この開口整流体の
被冠は、側周面の全面にわたる必要はなく、開口整流体
の外壁に設けられた透孔の総面積が誘導型電磁ポンプの
吸い込み口の面積よりも大きくなるように構成されてい
ればよい。
【0039】誘導型電磁ポンプの外形形状は、ALIP
型(annular linearinduction
pump)では通常は円筒形状でありFLIP型(f
lat linear induction pum
p)では通常は立方体形状である。また、その推力発生
流路はどちらも直線状で、ALIP型では円筒形状の軸
芯に沿って設けられ、FLIP型では同様に立方体の中
心軸に沿ってあるいはその一側に沿って設けられてい
る。
【0040】そして、はんだ中に設けられた(没設され
た)誘導型電磁ポンプの側周面は、このはんだの中に在
ってそのあらゆる方向に対してはんだに接触している。
すなわち、この側周面は広い面積を有している。したが
って、この側周面に開口整流体を被冠させて設けること
により、この開口整流体を設ける特別の空間をはんだ槽
内に設けることなく、この開口整流体を誘導型電磁ポン
プの吸い込み口と連繋させることができる。したがっ
て、小型のはんだ波形成装置を実現できる。
【0041】また、誘導型電磁ポンプの側周面に沿って
はんだが流れるので、この誘導型電磁ポンプで発生する
鉄損や銅損等のエネルギーをはんだに効率良く伝導する
ことができるようになる。したがって、エネルギー効率
の良好なはんだ波形成装置を実現できる。
【0042】(4)溶融状態のはんだが収容されたはん
だ槽の一端側のはんだ液面上に吹き口を位置させた吹き
口体を設けるとともに前記吹き口体の側部側の前記はん
だ中にストレートスルー型誘導型電磁ポンプをその推力
発生流路をはんだ液面方向に向けてかつその吐出口をは
んだ液面側に向けて設ける。
【0043】そして、前記ストレートスルー型誘導型電
磁ポンプの吐出口と前記吹き口体とが槽底方向を向いた
流れを形成する連繋手段で連繋されるとともに前記連繋
手段の前記ストレートスルー型誘導型電磁ポンプの吐出
口の上方位置に前記吐出口の開口以上の開口を有する挿
通孔を設け、前記挿通孔に開閉自在な蓋体が設けられた
はんだ波形成装置である。
【0044】このように構成することにより、ストレー
トスルー型誘導型電磁ポンプの吸い込み口で発生すると
ころの流れの不規則な変動によって生じた前記ストレー
トスルー型誘導型電磁ポンプの揚程変動を減衰させ、誘
導型電磁ポンプの特性を引き出した極めて安定した波高
のはんだ波を形成することができるようになる。
【0045】すなわち、誘導型電磁ポンプの基本的原理
はリニアモータと同様であり、その最も大きな特徴は、
移動磁界によってはんだに与えられる推力が極めて一定
していて安定していることである。すなわち、回転羽根
によるポンプでは、この回転羽根の回転に伴ってその吐
出圧が時間的に脈動するが、誘導型電磁ポンプでは推力
が時間的に一定している。
【0046】一方、このような優れた特性を有する誘導
型電磁ポンプも、その吸い込み口で発生するはんだの流
れの不規則な変動により、この流れの変動を加味して見
た場合の揚程が変動する。
【0047】そこで、本発明の構成では、はんだ液面方
向すなわち鉛直方向に沿う方向であって上方へ向けて推
力を発生する誘導型電磁ポンプ内の流路と、槽底方向す
なわち下方へ向かって流れを案内する連繋手段内の流路
と、そしてその後は、吹き口体の吹き口へ向かって上方
へ向かって流れを案内する吹き口体内の流路とから流路
全体を構成し、この上下方向に繰り返しはんだを移動さ
せてその位置エネルギーの蓄積と放出を(すなわち置換
を)繰り返し行う過程で、前記揚程の変動を減衰させて
いる。その結果、誘導型電磁ポンプの優れた特性を引き
出して、極めて安定した波高のはんだ波すなわち清流は
んだ波を形成することができるようになる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明のはんだ波形成装置は、次
のような実施形態例において実施することができる。
【0049】(1)実施形態例−1 図1は、本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−1の
構成の側断面を示す図である。また、図2は、はんだ波
形成装置の全容を説明するための斜視図である。さら
に、図3は、開口整流体の全容を示す斜視図で、(a)
は形状が立方体形状の場合を示し、(b)は形状が円筒
形状の場合を示している。なお、図2においては吹き口
体の構成をわかり易く示すために、はんだ波26を破線
で描いてある。
【0050】このはんだ波形成装置は、はんだ槽1の一
方の側部側(一端側)11に吹き口体9を設け、軸36
を介してモータ37で回転される回転羽根6を有するポ
ンプ3を挟んで吹き口体9とは反対側の側部側(他端
側)12に開口整流体10を設け、この開口整流体10
とポンプ3の吸い込み口4とを吸い込み路13で結合し
て構成したものである。この開口整流体10と吸い込み
路13とは結合孔14で結合され、この開口整流体10
に設けた挿入部15の凸片15aを前記結合孔14に圧
挿して係合させることにより着座片16が吸い込み路1
3に当接し、この開口整流体10が吸い込み路13に着
脱自在に設けられるように構成してある。そして、開口
整流体10に設けた把手17はこの着脱作業の際に使用
する操作片である。
【0051】ポンプ3の吐出口5から吐出したはんだ7
はチャンバ体29を通って案内板30と多孔板31で整
流され吹き口体9の吹き口32から案内板43に案内さ
れて流れ出してはんだ波26を形成するよう構成してあ
る。そして吹き口体9はスリーブ33を介してねじ34
でチャンバ体29に固定されている。また、チャンバ体
29と吸い込み路13とは、それぞれ吊り下げ部38,
39をねじ35によりはんだ槽1の上縁部2に固定し
て、はんだ槽1に取り付けられている。また、モータ3
7ははんだ槽1の上縁部2にねじ41により取り付けら
れた台座42に設けられている。
【0052】開口整流体10は、図1および図3に示す
ようにその外表面(外壁)18さらに具体的には側周面
を開口率が30%〜50%程度で孔径が2mm〜5mm
程度の透孔19を多数有する多孔板で形成し、その内部
には、はんだ7の吸い込み方向すなわち図の下方側へ向
かって流れるはんだ7の方向を軸線として形成される円
周空間をこの円周方向に切断する仕切り壁20を設けて
ある。なお、図3においては、開口整流体10の外表面
18に設けられた多数の透孔19を点線により図示して
いる。
【0053】つまり、この仕切り壁20は、はんだ7の
吸い込み方向すなわち図の下方側へ向かって流れるはん
だ7の方向を軸線として形成される渦流を切断するため
の部材で、外壁18と同様に多孔板で形成されている。
しかし、この仕切り壁20は透孔19の無い板材であっ
てもよい。なお、図3(a)では格子状に図3(b)で
は放射状にこの仕切り壁20を設けている。
【0054】また、開口整流体10の上方すなわちはん
だ液面8側には、平板状あるいはやや凹状の外表面形状
を有する蓋体22が付勢片23により着脱自在に設けて
ある。この蓋体22に設けた把手24は、この蓋体22
の着脱作業の際に使用する操作片である。そのため、開
口整流体10に設けた把手17と蓋体22に設けた把手
24とは、図1および図2に示すようにはんだ液面8上
から操作できるように設けられている。
【0055】この開口整流体10の外表面18に設けら
れた多数の透孔19の面積の総和は、ポンプ3の吸い込
み口4の面積よりも大きくなるように構成してあり、そ
の孔径(2mm〜5mm程度)は、ドロス25は通過さ
せないが、はんだ波26を形成した際に発生する微細で
粒子状の酸化はんだ28は通過できる程度の孔径として
ある。
【0056】この微細で粒子状の酸化はんだ28を通過
させることは本発明の目的に反することではない。すな
わち、その殆どをはんだ液面8に浮上させることができ
るようになるからであり、極めて微量の酸化はんだ28
が吸い込まれた場合であっても、目詰まりを短時間(通
常の1日の稼動時間すなわち8時間以内の時間)で生じ
ないようにするためのものである。つまり、この開口整
流体10は、微細で粒子状の酸化はんだ28を除去する
ためのフィルタではないのである。
【0057】また、開口整流体10の開口率を30%〜
60%程度とした理由は、広い範囲のはんだ7をゆっく
りとした流速で吸い込むためのものであり、もちろん3
0%以下の開口率でもよいのであるが、開口整流体10
の外形寸法が大きくなり過ぎて、それを収容するはんだ
槽1を極端に大型化させてしまうからである。他方、開
口率が60%以上では、はんだ7を吸い込む際に十分に
その流速を低減させることができなくなって、開口整流
体10の外側に渦流が生じ易くなるからである。
【0058】このように構成したはんだ波形成装置で
は、図1に示すように、はんだ波26を形成してはんだ
槽1内に還流したはんだ7が、この還流方向と直交する
方向(図の右方向)へ、すなわち還流の流れの影響を受
けずに開口整流体10の方向へ全体としてゆっくりと移
動し、浮上し難い微細で粒子状の酸化はんだ28すなわ
ちはんだ波26を形成した際に発生した酸化はんだ28
は、この過程ではんだ液面8上に浮上させることができ
るようになる。
【0059】そして、はんだ液面8に浮上した微細で粒
子状の酸化はんだ28は、前記全体の流れと一緒に開口
整流体10の上方位置に向かって流れ、集積されてドロ
ス25を形成するようになる。
【0060】すなわち、開口整流体10の外表面18に
設けられた多数の透孔19がはんだ7の流速をゆっくり
とした速度に低下させ、その内部の仕切り壁20が渦流
の発生を阻止するので、はんだ液面8上に浮上し難い微
細で粒子状の酸化はんだ28を、はんだ7を吸い込む際
の流れの中に拘束することが無くなり、微細で粒子状の
酸化はんだ28の殆どをはんだ液面8上に浮上させるこ
とができるようになって、ポンプ3に吸い込まれないよ
うにすることができる。
【0061】したがって、微細で粒子状の酸化はんだ2
8を形成し易い錫リッチの鉛フリーはんだを使用して
も、この微細で粒子状の酸化はんだ28に汚染されない
清流はんだ波を形成することができるようになる。ま
た、はんだ7をポンプ3に吸い込む際に、その流れを不
安定に変動させることも無くなるので、はんだ波26の
波高が安定した清流はんだ波を形成することができるよ
うになる。その結果、フローはんだ付けにより製造され
るプリント配線板のはんだ付け品質と信頼性を向上させ
ることができるようになる。
【0062】そして、開口整流体10の上方位置のはん
だ液面8に集積されてドロス25となった酸化はんだ2
8は、この開口整流体10に設けられた蓋体22を持ち
上げて取り外すことにより、この蓋体22の外表面に載
せて掬い揚げ、はんだ槽1の外へ除去することができ
る。また、開口整流体10を容易に取り外して清掃作業
を行うことができる。すなわち、当該装置のメンテナン
ス性にも優れている。
【0063】なお、本実施形態例−1では、開口整流体
10の外表面18が垂直方向を向くように構成し、吸い
込まれたはんだ7が図の下方側すなわち垂直方向に吸い
込まれて流れる例を示したが、吸い込まれたはんだ7が
図1の左方向すなわちポンプ3の吸い込み口4がある水
平方向に流れるように構成してもよい。この構成例の場
合においては、図示はしないが図1において縦向きに設
けられている開口整流体10を横向きに設けた状態にな
るため、開口整流体10における蓋体22の位置を変更
し、はんだ液面8側に設けた構成とする。
【0064】(2)実施形態例−2 図4は、本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−2の
構成例を説明するための図で、(a)はその側断面を示
す図、(b)は蓋板を上方から見た図である。
【0065】本実施形態例−2のはんだ波形成装置は、
吹き口体9へはんだ7を送給する手段として誘導型電磁
ポンプ44を使用した例で、しかも誘導型電磁ポンプ4
4のコア45や移動磁界発生コイル46を含むこの誘導
型電磁ポンプ44の全表面をはんだ槽1内のはんだ7中
に没設して構成することにより、誘導型電磁ポンプ44
で生じるエネルギー損失(銅損や鉄損)を熱エネルギー
としてはんだ7に伝導させ、その供給エネルギーの全て
をはんだ7に供給することができるように構成したはん
だ波形成装置である。したがって、エネルギー効率の良
い運転が可能である。
【0066】また、誘導型電磁ポンプ44としてはその
推力発生流路47が直線状に形成されたストレートスル
ー型の誘導型電磁ポンプを使用し、その吐出口48をは
んだ液面8側に向け、その吸い込み口49ははんだ槽1
の槽底50側に向けて構成している。なお、図4に示す
誘導型電磁ポンプ44はALIP型であるが、FLIP
型も使用できる。
【0067】他方、はんだ波26を形成する吹き口体9
はその吹き口32がはんだ液面8上に位置されて設けら
れ、この吹き口体9へははんだ槽1の槽底50側から吹
き口32方向へすなわち上方へ向けてはんだ7が送給さ
れるように構成され、この吹き口体9と前記誘導型電磁
ポンプ44の吐出口48とを連繋するチャンバ体51
が、はんだ槽1のはんだ液面8側からはんだ槽1の槽底
50側へ向けてはんだ7が下方へ向けて流れるように構
成してある。また、前記誘導型電磁ポンプ44は前記吹
き口32からはんだ槽1内へはんだ7が還流する際の主
な流れ方向の側部側に位置するように設ける。
【0068】すなわち、はんだ槽1中のはんだ7が吹き
口32に供給される経路は、誘導型電磁ポンプ44の推
力発生流路47で上昇流路部を、続いてチャンバ体51
の前半部で下降流路部52を、さらに続けてチャンバ体
51の後半部と吹き口体9で上昇流路部53を構成して
いる。
【0069】また、誘導型電磁ポンプ44の吐出口48
の上方側すなわちはんだ液面8側のチャンバ体51に
は、ALIP型の誘導型電磁ポンプ44の吐出口48の
開口よりも大きい開口を有し、しかもその形状も吐出口
48に陰となる部分を有さない形状例えば相似形の形状
とした挿通孔54を設けてある。そして、この挿通孔5
4は通常は蓋板55で閉鎖するように構成してある。
【0070】一方、ALIP型の誘導型電磁ポンプ44
の内部コア56が推力発生流路47に対して挿抜自在に
構成してあり、内部コア56と蓋板55とを取り外した
り取り付けたりするための把手57をこの内部コア56
と前記蓋板55と一体に構成し、この把手57がはんだ
液面8上に位置するように構成してある。すなわち、こ
れらを一体の状態で取り外したり取り付けたりすること
ができるように構成してある。
【0071】そして、チャンバ体51に設けられた係止
片58を蓋板55に設けられた涙目孔59の挿脱孔59
aから挿入し、矢印S方向に回動することにより係止片
58が涙目孔59に係止され、この蓋板55がチャンバ
体51から浮き上がって外れることがないように構成し
てある。そのため、この蓋板55の固定に併せて誘導型
電磁ポンプ44の内部コア56もその推力発生流路47
内に挿入されて固定される構成である。
【0072】したがって、蓋板55を矢印O方向に回動
すれば、係止片58をこの蓋板55に設けられた涙目孔
59の挿脱孔59aから脱出させてこの蓋板55をチャ
ンバ体51から取り外すことができるようになり、これ
に併せてALIP型の誘導型電磁ポンプ44の内部コア
56も引き抜かれるように構成してある。
【0073】なお、誘導型電磁ポンプ44に移動磁界を
発生させるための電力は、図示しない多相交流電源装置
(例えば、インバータ電源装置)から供給し、この多相
交流電源装置の出力電圧や周波数を調節することによ
り、はんだ7に加えられる推力を調節してはんだ波26
の波高や流量等々を調節するように構成する。
【0074】次に、このはんだ波形成装置の作動につい
て説明する。誘導型電磁ポンプ44はその推力の時間的
変化が極めて小さく、前述の回転羽根式のポンプ3に比
べて安定したはんだ波26を形成できる特徴がある。し
かし、この誘導型電磁ポンプ44の吸い込み口49に吸
い込まれるはんだ7の流れが不安定に変動すること等に
原因して、この誘導型電磁ポンプ44の吐出圧すなわち
このはんだ7の吸い込みを含めて見た揚程が変動する。
【0075】この揚程の変動が吹き口体9の吹き口32
にそのまま伝わるとはんだ波26の波高等が変動するこ
とになるが、本実施形態例−2のように、上昇流路部
(推力発生流路)47,53と下降流路部52とを交互
に配置して位置エネルギーの置換を繰り返すように構成
することにより、前記の揚程変動による圧力変動を減衰
させることが可能となり、安定した推力を得ることがで
きるという誘導型電磁ポンプ44の特性を引き出し、極
めて安定したはんだ波26すなわちはんだ7の流量や流
速さらに波高の安定したはんだ波26を形成することが
できるようになる。
【0076】また、蓋板55が設けられたチャンバ体5
1の挿通孔54から誘導型電磁ポンプ44の内部コア5
6を引き抜くことができるので、蓋板55を取り外して
併せて誘導型電磁ポンプ44の内部コア56を推力発生
流路47から引き抜けば、前記挿通孔54を介して誘導
型電磁ポンプ44の推力発生流路47に付着した汚れも
容易に除去することができる。なお、誘導型電磁ポンプ
44の推力発生流路47の間隙は通常数mm程度である
ので汚れが付着し易い。しかし、本実施形態例−2のよ
うに構成することにより、この汚れの清掃も容易とな
る。
【0077】(3)実施形態例−3 図5は、本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−3の
構成の側断面を示す図である。
【0078】本実施形態例−3は、図4に示した実施形
態例−2にポテンシャルタンク61を設けた例である。
すなわち、誘導型電磁ポンプ44の吐出口48に面する
チャンバ体51にはんだ7を溜めておくことができるポ
テンシャルタンク61を設け、このポテンシャルタンク
61内のはんだ7の液位によっても前記実施形態例−2
で説明した揚程の変動を減衰させることができるように
構成した例である。
【0079】ポテンシャルタンク61の上方には開口6
2を設けてあり、この開口62にはALIP型の誘導型
電磁ポンプ44の内部コア56に繋がる把手57が位置
するように構成してある。したがって、このポテンシャ
ルタンク61に設けられた開口62の大きさや形状の構
成要件については、前記実施形態例−2で説明したチャ
ンバ体51に設けられた挿通孔54と同様である。
【0080】なお、拡散板63は、誘導型電磁ポンプ4
4から吐出するはんだ7が直接にポテンシャルタンク6
1に流入しないようにするための部材である。
【0081】(4)実施形態例−4 図6は、本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−4の
構成の側断面を示す図である。
【0082】本実施形態例−4は、図4に示した実施形
態例−2に図1に示した開口整流体10を設けて構成し
た例である。したがって、誘導型電磁ポンプ44の吸い
込み口49におけるはんだ7の流れも安定するととも
に、微細で粒子状の酸化はんだ28がこの誘導型電磁ポ
ンプ44に吸い込まれることも無くなる。その結果、は
んだ波26の波高や流量、流速等が極めて安定し、しか
も酸化はんだ28による汚染の無いはんだ波26すなわ
ち極めて高次元の清流のはんだ波26を形成することが
できるようになる。
【0083】(5)実施形態例−5 図7は、本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−5の
構成を説明するための図で、(a)はその側断面を示す
図、(b)は吸い込み案内板を上方から見た図、(c)
は開口整流体の縦断面を示す図である。
【0084】すなわち、本実施形態例−5は、はんだ7
内に没設された誘導型電磁ポンプ44の側表面に開口整
流体66を被冠させて構成した例である。図7に示す例
ではALIP型電磁ポンプの例を示したが、これに変え
てFLIP型電磁ポンプを使用することもできる。
【0085】そして、本実施形態例−5の場合は、誘導
型電磁ポンプ44の吸い込み口49をはんだ液面8側に
向けるように構成してある。これは、チャンバ体65に
挿通孔を設けることなくはんだ液面8側から誘導型電磁
ポンプ44の内部コア56を挿抜できるように構成する
ことにより、このはんだ液面8側から推力発生流路47
の清掃を行うことができるように配慮したためである。
【0086】この誘導型電磁ポンプ44ははんだ7中に
没設され、その側周面は吸い込み口49よりも遙に大き
い面積を有し、しかも、はんだの中に在ってそのあらゆ
る方向(図7の例では水平面のあらゆる方向)に対して
はんだ7に接触している。そこで、本実施形態例−5で
は、この側周面に沿って開口整流体66を設け、すなわ
ち開口整流体66を被冠させたものである。
【0087】この開口整流体66は、図7(a),
(c)に示すように、その外表面の外壁69に多数の透
孔67を設けて構成してあり、この透孔67の総面積が
誘導型電磁ポンプ44の吸い込み口49の開口面積と比
較して遙に大きくなるように構成してある。すなわち、
図3に示す実施形態例−1の場合と同様に、外壁69は
開口率が30%〜50%程度で孔径が2mm〜5mm程
度の透孔67を多数設けた多孔板で形成してある。な
お、この外壁69の直ぐ内側には同様の多孔板を並ぶよ
うに設けて2段に構成している。
【0088】そして、この外壁69の内側には、誘導型
電磁ポンプ44の推力発生流路47を軸線として放射状
に広がる方向へ4枚の仕切り壁70を設けてある。すな
わち、はんだ7が吸い込み口49へ吸い込まれる方向を
軸線として形成される円周空間をこの円周方向に切断す
るように仕切り壁70を設けてある。つまり、誘導型電
磁ポンプ44の側周面を吸い込み口49方向へはんだ7
が吸い込まれる際に形成される渦流を切断するための部
材で、同様に多孔板で形成されている。しかし、この仕
切り壁70は透孔の無い板材であってもよい。
【0089】この開口整流体66は、誘導型電磁ポンプ
44の吸い込み口49をはんだ液面8から遮蔽してはん
だ7の流れを案内するところの吸い込み案内板68と一
体に構成され、開口整流体66で吸い込み流速が減速さ
れ、かつ微細で粒子状の酸化はんだ28の巻き込みを除
去された清浄なはんだ7が、誘導型電磁ポンプ44の吸
い込み口49に吸い込まれるように構成してある。
【0090】この一体に形成した開口整流体66と吸い
込み案内板68には、さらに誘導型電磁ポンプ44の内
部コア56も一体に構成し、かつこれらをはんだ液面8
上から着脱/挿抜できるように把手57も設けてある。
これらを誘導型電磁ポンプ44に係止し固定する手段
は、図7(b)に示すように係止片73と涙目孔71と
の係合であり、図4に示す蓋板の例と同様である。
【0091】内部コア56を推力発生流路47に挿入し
かつ開口整流体66を誘導型電磁ポンプ44に被冠し、
吸い込み案内板68に設けられた涙目孔71の挿脱孔7
2から係止片73を挿入してこの吸い込み案内板68を
矢印S方向に回動すれば、これらは誘導型電磁ポンプ4
4に固定される。取り外す場合は、この手順とは逆の手
順で、吸い込み案内板68を矢印O方向に回動させて行
う。
【0092】一方、誘導型電磁ポンプ44の吐出口48
と吹き口体9とはチャンバ体65で連繋してあり、誘導
型電磁ポンプ44から送給されたはんだ7により吹き口
32にはんだ波26が形成されるように構成してある。
【0093】このように構成することにより、開口整流
体66へのはんだ7の吸い込みに際して渦流を生じるこ
ともなくその吸い込み流速も極めて遅くなる。したがっ
て、はんだ波26を形成した際に発生する微細で粒子状
の酸化はんだ28が巻き込まれて吸い込まれることもな
い。
【0094】また、開口整流体66の内部においてもは
んだ7の渦流を生じることがないので、誘導型電磁ポン
プ44の吸い込み口49に吸い込まれるはんだ7の流速
が不安定に変動することも解消され、微細で粒子状の酸
化はんだ28を含まず、波高や流速、流量の安定したは
んだ波26を形成することができるようになる。
【0095】さらに、誘導型電磁ポンプ44の側周面に
沿ってはんだ7が流れるので、この誘導型電磁ポンプ4
4で発生するエネルギー損失(鉄損や銅損)を効率良く
はんだ7へ伝導してこの誘導型電磁ポンプ44の冷却も
促進し、このエネルギー損失をはんだの加熱エネルギー
として利用できるので、エネルギー効率の良好なはんだ
波形成装置を実現できる。しかも、はんだ槽の寸法や容
積を増大させることなく、すなわち小型のはんだ波形成
装置を実現することができる。
【0096】そして、誘導型電磁ポンプ44の内部コア
56や開口整流体66さらに吸い込み案内板68を容易
に取り外したり取り付けたりすることができるので、誘
導型電磁ポンプ44の推力発生流路47の清掃や開口整
流体66の清掃等のメンテナンス作業も容易に行うこと
でできる。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明のはんだ波形成装
置によれば、はんだ槽内にポンプのはんだ吸い込みに伴
う渦流を生じることが無くなり、また、開口整流体に吸
い込まれるはんだの流速も従来と比較して格段に遅くな
る。したがって、はんだ波を形成した際に発生する微細
で粒子状の酸化はんだがポンプに吸い込まれ難くなり、
はんだ波に混入することがなくなる。また、ポンプに吸
い込まれるはんだの流れが安定し、波高や流量、流速が
安定したはんだ波を形成できるようになり、清流はんだ
波を形成することができるようになる。
【0098】また、誘導型電磁ポンプの推力発生流路の
方向とその推力方向そして吹き口体との連繋において、
吸い込まれたはんだについて多数回(3回)の位置エネ
ルギーの置換を行わせて揚程の変動を減衰させることが
できるようになり、誘導型電磁ポンプを使用したことと
相まって極めて安定した清流はんだ波を形成することが
できるようになる。
【0099】その結果、被はんだ付けワークであるプリ
ント配線板に微細で粒子状の酸化はんだが付着すること
がなくなり、また、はんだ波とプリント配線板との接触
状態が安定化し、プリント配線板の清浄なはんだ付け実
装が可能となるとともにはんだ付け品質が安定し信頼性
も良好なプリント配線板を生産することができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−1の
構成の側断面を示す図である。
【図2】はんだ波形成装置の全容を説明するための図で
ある。
【図3】開口整流体の全容を示す斜視図である。
【図4】本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−2の
構成を説明するための図である。
【図5】本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−3の
構成の側断面を示す図である。
【図6】本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−4の
構成の側断面を示す図である。
【図7】本発明のはんだ波形成装置の実施形態例−5の
構成を説明するための図である。
【図8】従来のはんだ波形成装置の一例の全容を示す斜
視図である。
【図9】図8のはんだ波形成装置の縦断面を示す図で
る。
【図10】ポンプの吸い込み口側から見た渦流の様子を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 はんだ槽 2 上縁部 3 ポンプ 4 吸い込み口 5 吐出口 6 回転羽根 7 はんだ 8 はんだ液面 9 吹き口体 10 開口整流体 11 一方側の側部側(一端側) 12 反対側の側部側(他端側) 13 吸い込み路 14 結合孔 15 挿入部 15a 凸片 16 着座片 17 把手 18 外表面(外壁) 19 透孔 20 仕切り壁 22 蓋体 23 付勢片 24 把手 25 ドロス 26 はんだ波 28 酸化はんだ 29 チャンバ体 30 案内板 31 多孔板 32 吹き口 33 スリーブ 34 ねじ 35 ねじ 36 軸 37 モータ 38 吊り下げ部 39 吊り下げ部 41 ねじ 42 台座 43 案内板 44 誘導型電磁ポンプ 45 コア 46 移動磁界発生コイル 47 推力発生流路(上昇流路部) 48 吐出口 49 吸い込み口 50 槽底 51 チャンバ体 52 下降流路部 53 上昇流路部 54 挿通孔 55 蓋板 56 内部コア 57 把手 58 係止片 59 涙目孔 59a 挿脱孔 61 ポテンシャルタンク 62 開口 63 拡散板 65 チャンバ体 66 開口整流体 67 透孔 68 吸い込み案内板 69 外壁 70 仕切り壁 71 涙目孔 72 挿脱孔 73 係止片

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態のはんだが収容されたはんだ槽
    の一端側のはんだ液面上に吹き口を位置させた吹き口体
    を設けるとともに前記吹き口から流れ出て前記はんだ槽
    内に還流する前記はんだの主な流れ方向の側部側の前記
    はんだ中に前記はんだを吸い込み口から吸い込んで前記
    吹き口体へ送給するポンプを設け、 前記吹き口体から見て前記ポンプを挟んだ前記はんだ槽
    の他端側に、多数の透孔を外表面に有するとともに前記
    透孔の開口総面積が前記ポンプの吸い込み口の面積より
    も大きくその内側に前記ポンプの吸い込み方向を軸線と
    する円周空間が前記円周方向に切断される向きに仕切り
    壁が設けられた開口整流体が前記ポンプの吸い込み口に
    連繋して設けられるともに前記開口整流体が前記はんだ
    槽のはんだ液面側から着脱自在に設けられたことを特徴
    とするはんだ波形成装置。
  2. 【請求項2】 前記開口整流体の前記はんだ液面側に平
    板状あるいは凹状の外表面形状を有する蓋体が着脱自在
    に設けられたことを特徴とする請求項1記載のはんだ波
    形成装置。
  3. 【請求項3】 前記ポンプが誘導型電磁ポンプであり、
    前記開口整流体を前記誘導型電磁ポンプの側周面に被冠
    させて設けたことを特徴とする請求項1記載のはんだ波
    形成装置。
  4. 【請求項4】 溶融状態のはんだが収容されたはんだ槽
    の一端側の前記はんだ液面上に吹き口を位置させた吹き
    口体を設けるとともに前記吹き口体の側部側の前記はん
    だ中にストレートスルー型誘導型電磁ポンプをその推力
    発生流路をはんだ液面方向に向けてかつその吐出口をは
    んだ液面側に向けて設け、 前記ストレートスルー型誘導型電磁ポンプの吐出口と前
    記吹き口体とが前記はんだ槽の槽底方向を向いた流れを
    形成する連繋手段で連繋されるとともに前記連繋手段の
    前記ストレートスルー型誘導型電磁ポンプの吐出口の上
    方位置に前記吐出口の開口以上の開口を有する挿通孔を
    設け、前記挿通孔に開閉自在な蓋体が設けられたことを
    特徴とするはんだ波形成装置。
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