JP2003329794A - 原子炉圧力容器頂部ベント設備 - Google Patents

原子炉圧力容器頂部ベント設備

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JP2003329794A
JP2003329794A JP2002135838A JP2002135838A JP2003329794A JP 2003329794 A JP2003329794 A JP 2003329794A JP 2002135838 A JP2002135838 A JP 2002135838A JP 2002135838 A JP2002135838 A JP 2002135838A JP 2003329794 A JP2003329794 A JP 2003329794A
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pressure vessel
reactor pressure
vent
reactor
rpv
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Yuji Yamamoto
雄司 山本
Yukiji Arata
超次 荒田
Akio Shioiri
章夫 塩入
Michitomo Kuroda
理知 黒田
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Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉圧力容器の頂部付近廻りへの非凝縮性ガ
スの蓄積を効率よくかつ確実に防止し、信頼性の高い安
定運転を行なうことができる原子炉圧力容器頂部ベント
設備を提供する。 【解決手段】本発明に係る原子炉圧力容器頂部ベント設
備20は、原子炉圧力容器22上部の原子炉圧力容器ヘ
ッドスプレイノズル36に冷却水を供給する原子炉圧力
容器ヘッドスプレイ系31と、原子炉運転時に発生する
非凝縮性ガスを主蒸気管に導く原子炉圧力容器ベント系
30とを備える。原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系31
には、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管38上に設け
られた逆止弁39の原子炉圧力容器22側から分岐され
る分岐ベント系32を備える。この分岐ベント系32は
原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管38から分岐される
ベント分岐配管40を備え、この分岐配管40は下流側
が原子炉圧力容器ベント系30の原子炉圧力容器ベント
配管33に接続される一方、ベント分岐配管40の途中
にオリフィス41を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉圧力容器内
に存在する非凝縮性ガスを処理する原子力発電所の原子
炉圧力容器頂部ベント設備に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子力プラント(以
下、BWRプラントという。)は、図3に示すように原
子炉格納容器(以下、PCVという。)1内に原子炉圧
力容器(以下、RPVという。)2が格納され、このR
PV2の頂部廻りに気体処理設備が設けられる。RPV
2内には炉心3が収容される一方、この炉心3は原子炉
冷却水4で浸漬されている。RPV2内に原子炉冷却水
4が貯溜された液相部とこの液相部上方の気相部5とに
区画される。
【0003】RPV2内の原子炉冷却水4中には、炉心
3での核反応に伴う中性子照射により、冷却水4から分
解生成される水素ガスおよび酸素ガスあるいは、場合に
よっては燃料棒より微量に漏洩するKr,Xe等の放射
性希ガス等の非凝縮ガスが存在する。このため、非凝縮
性ガスを処理する気体廃棄物処理系(図示せず)がBW
Rプラントに設けられる。
【0004】BWRプラントの通常運転時、RPV2内
で発生する非凝縮性ガスは、RPV2から蒸気タービン
Tに接続される主蒸気管6を経て案内され、蒸気タービ
ンTを経て復水器に導かれた後、この復水器に設けられ
た気体廃棄物処理系で処理される。主蒸気管6には、P
CV(原子炉格納容器)1の上流側および下流側に主蒸
気隔離弁7a,7bがそれぞれ設けられる。
【0005】また、RPV2の頂部には原子炉圧力容器
ベント配管(以下、RPVベント配管という。)8が備
えられる。RPVベント配管8は電動弁9を経て主蒸気
管6に、主蒸気隔離弁7aの上流側で接続され、原子炉
圧力容器ベント系(以下、RPVベント系)10が構成
される。このRPVベント系10は、RPV2内に蓄積
する可能性のある非凝縮性ガスを、RPV2の頂部より
排出し、主蒸気管6内を通る主蒸気に合流せしめてい
る。
【0006】さらに、BWRプラントの運転を停止さ
せ、RPV2を冷却する際、蒸気相となっているRPV
2内の気相部5を冷却するために、RPV2の上部に冷
却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系(以
下、RPVヘッドスプレイ系という。)11が設けられ
る。このRPVヘッドスプレイ系11のRPVヘッドス
プレイ配管12には、逆止弁13とPCV1の内外近傍
の原子炉格納容器(PCV)隔離弁14a,14bとが
それぞれ設けられる。
【0007】沸騰水型原子炉の停止時に、RPVヘッド
スプレイ配管12から冷却水を逆止弁13を経てRPV
2内に散水し、RPV2内のドーム上部を冷却してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】沸騰水型原子炉の通常
運転時に、RPV2内で発生する非凝縮性ガスは、基本
的には主蒸気管6、蒸気タービンTを経て復水器から気
体廃棄物処理系に移送され、この気体廃棄物処理系で処
理される。RPV2内上部に蓄積された非凝縮性ガス
も、RPVベント系10により主蒸気管6内に排出し、
RPV2上部への非凝縮性ガスの蓄積防止を配慮した設
計となっている。
【0009】しかし、RPV2の頂部に接続されるRP
Vヘッドスプレイ系11には、非凝縮性ガスの蓄積を確
実に防止するための対応はとられていない。RPV2の
頂部廻りでも、非凝縮性ガスの蓄積防止を確実に行なう
ためには、多少でも非凝縮性ガスの蓄積の可能性のある
部分のガス蓄積自体を未然に防止することは、原子力発
電プラントの安定運転を確実にし、信頼性の高い運転を
行なう上で重要である。
【0010】一方、沸騰水型原子炉の通常運転時に、R
PV2内で発生する非凝縮性ガスの主成分である水素ガ
スや酸素ガスは、配管立上り部に蓄積される、との知見
がある。この観点からも、RPV2の頂部で非凝縮性ガ
スが多少でも蓄積する可能性のある部位のガス蓄積を未
然にかつ確実に防止することが、強く望まれている。
【0011】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、原子炉圧力容器の頂部付近廻りへの非凝縮性
ガスの蓄積を効率よくかつ確実に防止し、信頼性の高い
安定運転を行なうことができる原子炉圧力容器頂部ベン
ト設備を提供することを目的とする。
【0012】本発明の他の目的は、通常運転時に原子炉
圧力容器の頂部付近廻りへの非凝縮性ガスの蓄積を未然
にかつ確実に防止するとともに原子炉隔離時冷却設備の
動作時における冷却機能を充分に維持できる原子炉圧力
容器頂部ベント設備を提供するにある。
【0013】本発明の別の目的は、従来の原子炉圧力容
器ベント系では原子炉圧力容器廻りから非凝縮性ガスの
排気処理が困難な非凝縮性ガス蓄積部位から、非凝縮性
ガスを効率よく有効的に排気処理し、非凝縮性ガスの蓄
積を防止した原子炉圧力容器頂部ベント設備を提供する
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉圧力
容器頂部ベント設備は、上述した課題を解決するため
に、請求項1に記載したように、原子炉圧力容器上部の
原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却水を供給す
る原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系と、原子炉運転時に
発生する非凝縮性ガスを主蒸気管に導く原子炉圧力容器
ベント系とを備えた原子炉圧力容器において、前記原子
炉圧力容器ヘッドスプレイ系には、原子炉圧力容器ヘッ
ドスプレイ配管上に設けられた逆止弁の原子炉圧力容器
側から分岐される分岐ベント系を備え、この分岐ベント
系は原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管から分岐される
ベント分岐配管を備え、この分岐配管は下流側が原子炉
圧力容器ベント系の原子炉圧力容器ベント配管に接続さ
れる一方、上記ベント分岐配管の途中にオリフィスを設
けたものである。
【0015】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉圧力容器頂部ベント設備は、請求項2
に記載したように、前記分岐ベント系は、前記ベント分
岐配管のオリフィス下流側に遠隔操作される開閉弁を設
けたものである。
【0016】更に、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉圧力容器頂部ベント設備は、請求項3
に記載したように、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ
系には、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管の原子炉格
納容器内側および外側に原子炉格納容器隔離弁が備えら
れる一方、上記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管は原
子炉隔離時冷却設備の注入配管を兼ねるように構成した
ものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る原子炉圧力容器頂部
ベント設備の実施の形態について、添付図面を参照して
説明する。
【0018】図1は、本発明に係る原子炉圧力容器頂部
ベント設備の実施形態を示す概略的な系統図である。
【0019】この原子炉圧力容器頂部ベント設備は全体
を符号20で示し、沸騰水型原子力プラント(BWRプ
ラント)の原子炉格納容器(以下、PCVという。)2
1と原子炉圧力容器(以下、RPVという。)22とで
区画されるドライウェル23に設置される。
【0020】BWRプラントは、原子炉格納容器(PC
V)21内に原子炉圧力容器(RPV)22を格納して
おり、このRPV22内に炉心24を収納している。炉
心24は原子炉冷却水25に浸漬される。RPV22の
下部には原子炉冷却水24を貯えた液相部が成形される
一方、この液相部の上方にRPV22は気相部26が形
成される。
【0021】RPV22内の原子炉冷却水25は、炉心
24を通る際に、核反応による中性子照射を受けて加熱
され、蒸気化される。発生した蒸気はRPV22内で気
水分離され、乾燥された後、主蒸気管27を通って蒸気
タービン28に送られ、蒸気タービン28で仕事をし、
発電機(図示せず)を駆動させる。主蒸気管27には原
子炉格納容器21を介してその上流側および下流側に主
蒸気隔離弁29a,29bがそれぞれ設けられる。蒸気
タービン28で仕事をし、膨張した蒸気は復水器(図示
せず)で凝縮された後、原子炉復水・給水系を通ってR
PV22内に再び還流される。
【0022】また、BWRプラントの原子炉圧力容器
(RPV)22に備えられた原子炉圧力容器頂部ベント
設備20は、原子炉圧力容器(RPV)ベント系30
と、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系(以下、RPVヘ
ッドスプレイ系という。)31から分岐された分岐ベン
ト系32とを備える。
【0023】RPVベント系30は、RPV22の頂部
に接続される原子炉圧力容器(RPV)ベント配管33
を有する。このRPVベント配管33はRPV22の頂
部に形成されたRPVヘッドベントノズル34に接続さ
れる一方、途中に開閉弁として遠隔操作される電動弁3
5が設けられる。電動弁35の下流側は主蒸気管27に
原子炉格納容器21内の主蒸気隔離弁29aの上流側で
接続される。
【0024】また、分岐ベント系32は、原子炉圧力容
器(RPV)ヘッドスプレイ配管38の逆止弁39下流
側から分岐されたベント分岐配管40を備える。このベ
ント分岐配管40には途中にオリフィス41が設けら
れ、オリフィス41の下流側がRPVベント系30のR
PVベント配管33に、遠隔操作される開閉弁としての
電動弁35の上流側で接続される。ベント分岐配管40
の分岐部は、逆止弁39下流側でRPVヘッドスプレイ
配管38の頂部位置に設けられる。ベント分岐配管40
の分岐部は逆止弁39にできるだけ近い位置に設けられ
る。
【0025】さらに、RPVヘッドスプレイ系31は、
RPVヘッドスプレイ配管38がRPV22の頂部に設
けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル(以下、
RPVヘッドスプレイノズルという。)36に接続され
る。RPVヘッドスプレイ系31のRPVヘッドスプレ
イ配管38は原子炉隔離時冷却設備(以下、RCICと
いう。)43の冷却水注入配管を兼ねるようにしてもよ
い。RCIC43は沸騰水型原子炉の停止時にRPV2
2の上部ドームの残圧を下げるために停止時冷却系の冷
却水を利用してRPV22の気相部26を冷却する設備
である。
【0026】一方、RPVヘッドスプレイ系31のRP
Vヘッドスプレイ配管38には、逆止弁39および原子
炉格納容器隔離弁(PCV隔離弁)44a,44bが途
中に設けられる。PCV隔離弁44a,44bは原子炉
格納容器21を介してその内側と外側にそれぞれ設置さ
れ、原子炉運転時には通常閉塞されている。
【0027】ところで、原子炉圧力容器頂部ベント設備
20を構成するRPVベント系30とRPVヘッドスプ
レイ系31を利用した分岐ベント系32とは協働作用し
て原子炉圧力容器22廻りで非凝縮性ガスの蓄積可能部
位から非凝縮性ガスを導出し、主蒸気管27に排出する
ようになっている。
【0028】原子炉圧力容器(RPV)22の頂部にR
PVベント系30とRPVヘッドスプレイ系31を利用
した分岐ベント系32とを設け、協働作用をさせること
で、原子力発電所の通常運転時に、RPV22内の頂部
付近に蓄積する可能性のある部位の酸素ガス、水素ガス
およびKr,Xeの放射性希ガス等の非凝縮性ガスを主
蒸気管27側に円滑かつスムーズに排出することがで
き、RPV22の頂部付近廻りに非凝縮性ガスが蓄積す
るのを未然にかつ確実に防止している。
【0029】次に、原子炉圧力容器頂部ベント設備20
の作用について説明する。
【0030】この原子炉圧力容器頂部ベント設備20
は、BWRプラントの通常運転時には、主蒸気隔離弁2
9a,29bおよび電動弁35は開状態にセットされ、
PCV隔離弁44a,44bは閉状態にセットされる。
【0031】原子炉の運転により、炉心24での核反応
に起因する原子炉冷却水25の放射線分解から水素ガス
および酸素ガスが分解生成される一方、場合によって炉
心装荷の燃料集合体の燃料棒より微量に漏洩する可能性
のあるKr,Xe等の放射性希ガスが存在する。これら
の水素ガス、酸素ガス、放射性希ガス等の非凝縮性ガス
は、原子力発電プラントの通常運転時に、RPV22内
で発生する。
【0032】発生した非凝縮性ガスの大部分はRPV2
2から主蒸気に混入して主蒸気管27を通り、蒸気ター
ビン28に案内される一方、蒸気タービン28から復水
器(図示せず)に排出され、この復水器に付設された気
体廃棄物処理系(図示せず)に案内されて処理される。
【0033】BWRプラントの通常運転時には遠隔操作
される電動弁35は開状態にセットされているため、R
PVベント系30および分岐ベント系32は作動状態に
ある。このため、RPV22のヘッド部内やヘッド部廻
りの非凝縮性ガスはRPVベント系30のRPVベント
配管33やRPVヘッドスプレイ系31を利用した分岐
ベント系32のベント分岐配管40を通じて主蒸気管2
7に通じるベント流路が形成される。したがって、RP
V22のヘッド部付近、例えばRPV22のヘッド部内
やRPVベント系30の電動弁35上流側配管部、さら
にはRPVヘッドスプレイ系31の逆止弁39下流側配
管部に非凝縮性ガスが蓄積するのを未然にかつ確実に防
止できる。
【0034】また、BWRプラントの運転停止時には、
RPVベント系30の電動弁35が閉塞され、PCV隔
離弁44a,44bが開操作される。このPCV隔離弁
44a,44bの開操作により、停止時冷却系の冷却水
(例えばサプレッションチャンバ内の冷却水)の一部が
RPVヘッドスプレイ系31を通ってRPV22内に供
給されて、スプレイ冷却され、RPV22上部ドームの
残圧を下げている。
【0035】その際、RPVヘッドスプレイ系31から
分岐ベント系32が分岐されているが、RPVベント系
30の電動弁35が閉じられており、分岐ベント系32
のオリフィス41による絞り抵抗により、冷却水が主蒸
気管27側に流入するのを確実に防止でき、ほぼ全量が
RPV22内に有効的に供給される。
【0036】RPVヘッドスプレイ系31によるRPV
22のヘッドスプレイ時に、RPVベント配管33の電
動弁35を確実に閉鎖させるために、電動弁35の閉鎖
をPCV隔離弁44a,44bの開許可信号で行なうこ
ともできる。
【0037】また、原子炉通常運転中に、RCIC43
が作動した場合、作動直後の冷却水の分岐ベント系32
への移行を、オリフィス41の絞り抵抗で極力防止する
ことで、RCIC43のRPVヘッドスプレイ配管38
を介した冷却水注入機能上も問題はない。
【0038】この原子炉圧力容器頂部ベント設備20に
よれば、原子力発電所の通常運転時に、従来のRPVベ
ント系30のみでは非凝縮性ガスを排出できず、非凝縮
性ガスの蓄積を防止できない部位、例えば、RPVヘッ
ドスプレイ系31の逆止弁39下流側配管部からの非凝
縮性ガスも確実に排出でき、そのRPVヘッドスプレイ
配管部へのガス蓄積を未然にかつ確実に防止できる。し
かも、RPVヘッドスプレイ系31の下流側配管部への
非凝縮性ガスの蓄積を防止しても、RCIC43の冷却
機能を損なうことがないので、信頼性の高い安定運転を
行なうことができる。
【0039】図2は本発明に係る原子炉圧力容器頂部ベ
ント設備の第2実施形態を示す概略的な系統図である。
【0040】この実施形態に示された原子炉圧力容器頂
部ベント設備20Aは、分岐ベント系45の構成を図1
に示す原子炉圧力容器頂部ベント設備20と基本的に異
にし、他の構成は実質的に異ならないので、同じ符号を
付して説明を省略する。
【0041】分岐ベント系45は、逆止弁39の下流側
から分岐されたベント分岐配管46を備えており、この
ベント分岐配管46の途中にはオリフィス41と遠隔操
作される開閉弁としての電動弁47が設けられる。オリ
フィス41は原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系31から
の分岐部近くに設けられる一方、電動弁47はオリフィ
ス41下流側でこのオリフィス41近傍に設けられる。
【0042】次に、原子炉圧力容器頂部ベント設備20
Aの作用について説明する。
【0043】この原子炉圧力容器頂部ベント設備20A
は、BWRプラントの通常運転時には、主蒸気隔離弁2
9a,29bおよび電動弁35,47は開状態にセット
され、PCV隔離弁44a,44bは閉状態にセットさ
れる。
【0044】原子炉の運転により、炉心23での核反応
に起因する原子炉冷却水25の放射線分解により水素ガ
スおよび酸素ガスが分解生成される一方、場合によって
炉心装荷の燃料集合体の燃料棒より微量に漏洩する可能
性のあるKr,Xe等の放射性希ガスが存在する。これ
らの水素ガス、酸素ガス、放射性希ガス等の非凝縮性ガ
スは、原子力発電プラントの通常運転時に、RPV22
内で発生する。
【0045】発生した非凝縮性ガスはRPV22から主
蒸気に混入して主蒸気管27を通って蒸気タービン28
に案内される一方、蒸気タービン28から復水器(図示
せず)に排出され、この復水器に付設された気体廃棄物
処理系(図示せず)に案内されて処理される。
【0046】BWRプラントの通常運転時には遠隔操作
される電動弁35および47は開状態にセットされてい
るため、RPVベント系30および分岐ベント系45は
作動状態にある。このため、RPV22のヘッド部内や
ヘッド部廻りの非凝縮性ガスはRPVベント系30のR
PVベント配管33やRPVヘッドスプレイ系31を利
用した分岐ベント系45のベント分岐配管46を通じて
主蒸気管27に通じるベント流路が形成される。したが
って、RPV22のヘッド部付近、例えばRPV22の
ヘッド部内やRPVベント系30の電動弁35上流側配
管部、さらにはRPVヘッドスプレイ系31の逆止弁3
9下流側配管部に非凝縮性ガスが蓄積するのを未然にか
つ確実に防止できる。
【0047】また、BWRプラントの運転停止時には、
RPVベント系30の電動弁35および分岐ベント系4
5の電動弁47が閉塞され、PCV隔離弁44a,44
bが開操作される。このPCV隔離弁44a,44bの
開操作により、停止時冷却系の冷却水(例えばサプレッ
ションチャンバ内の冷却水)の一部がRPVヘッドスプ
レイ系31を通ってRPV22内に供給されてスプレイ
冷却され、RPV22上部ドームの残圧を下げている。
【0048】その際、RPVヘッドスプレイ系31から
分岐ベント系45が分岐されているが、分岐ベント系4
5の電動弁47が閉じられているので、冷却水が主蒸気
管27側に流入するのを確実に防止でき、全量がRPV
22内に供給される。
【0049】RPVヘッドスプレイ系31によるRPV
22のヘッドスプレイ時に、分岐ベント系45の電動弁
47およびRPVベント配管33の電動弁35を確実に
閉鎖させるために、電動弁35の閉鎖をPCV隔離弁4
4a,44bの開許可信号で行なうこともできる。
【0050】さらに、原子炉通常運転中に、RPVヘッ
ドスプレイ系31が作動した場合、作動直後の冷却水の
分岐ベント系45への移行を、オリフィス41の絞り抵
抗で極力防止するとともに、分岐ベント系45の電動弁
47およびRPVベント系30の電動弁35がRPVヘ
ッドスプレイ系31の起動による自動閉鎖信号aを受け
て閉鎖することで、RPVヘッドスプレイ系(RCIC
43)31のRPVヘッドスプレイ配管38を介した冷
却水注入機能上も問題はない。
【0051】この原子炉圧力容器頂部ベント設備20A
によれば、BWRプラントの運転中、RPV22廻りで
従来のRPVベント系30の運転のみでは排出できない
部位の非凝縮性ガスの排出を円滑かつスムーズに行なう
ことができる。分岐ベント系45にオリフィス41や電
動弁47を設けることは、原子炉停止時の運用上も好ま
しい。
【0052】しかも、原子炉圧力容器頂部ベント設備2
0AはRPVヘッドスプレイ系31の下流側配管部から
の非凝縮性ガスを排出する構造を採用しても、RCIC
43の冷却機能を損なうことがないので、信頼性の高い
安定運転を行なうことができる。
【0053】図2では、分岐ベント系45のベント分岐
配管46を、RPVベント系30の電動弁35の上流側
に接続した例を示したが、ベント分岐配管46は電動弁
35の下流側でRPVベント配管33に接続してもよ
く、また、主蒸気管27に直接接続してもよい。
【0054】(その他の実施例)通常運転中のRCIC
43の起動信号後のRPVベント系30の電動弁35や
分岐ベント系45の電動弁47を遠隔手動操作にて閉鎖
することでRCIC43の注入機能はより一層向上す
る。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る原子炉圧力容器頂部ベント
設備においては、原子炉圧力容器ベント系と原子炉圧力
容器ヘッドスプレイ系を利用した分岐ベント系とによ
り、原子炉圧力容器頂部付近への非凝縮性ガスの蓄積を
効率よく確実に防止し、信頼性の高い安定運転を行なう
ことができる。
【0056】また、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系を
原子炉隔離時冷却設備の注入配管と兼用させた場合で
も、原子炉通常運転時に原子炉圧力容器の頂部付近への
非凝縮性ガスの蓄積を原子炉圧力容器ベント系と分岐ベ
ント系の協働作用により未然にかつ確実に防止するとと
もに、原子炉隔離時冷却設備の動作時における注入冷却
機能を損なうことなく、注入冷却機能を充分に発揮、維
持することができる。
【0057】さらに、原子炉圧力容器ベント系では排気
処理できない部位の非凝縮性ガスの排気処理を分岐ベン
ト系で効率よく、有効的に行なうことができ、原子炉圧
力容器頂部廻りに非凝縮性ガスが蓄積するのを未然にか
つ確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉圧力容器頂部ベント設備の
実施形態を示す概略的な系統図。
【図2】本発明に係る原子炉圧力容器頂部ベント設備の
第2実施形態を示す系統図。
【図3】従来の原子力発電所の原子炉圧力容器頂部ベン
ト設備の概略的な系統図。
【符号の説明】
20 原子炉圧力容器頂部ベント設備 21 原子炉格納容器(PCV) 22 原子炉圧力容器(RPV) 23 ドライウェル 24 炉心 25 原子炉冷却水(液相部) 26 気相部(蒸気相部) 27 主蒸気管 28 蒸気タービン 29a,29b 主蒸気隔離弁 30 原子炉圧力容器ベント系(RPVベント系) 31 原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系(RPVヘッド
スプレイ系) 32 分岐ベント系 33 原子炉圧力容器ベント配管(RPVベント配管) 34 原子炉圧力容器ヘッドベントノズル(RPVヘッ
ドベントノズル) 35 電動弁(遠隔操作弁) 36 原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル(RPVヘ
ッドスプレイノズル) 37 ドライウェル 38 原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管(RPVヘッ
ドスプレイ配管) 39 逆止弁 40 ベント分岐配管 41 オリフィス 43 原子炉隔離時冷却設備(RCIC) 44a,44b 原子炉格納容器隔離弁(PCV隔離
弁) 45 分岐ベント系 46 ベント分岐配管 47 電動弁(遠隔操作弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩入 章夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 黒田 理知 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器上部の原子炉圧力容器ヘ
    ッドスプレイノズルに冷却水を供給する原子炉圧力容器
    ヘッドスプレイ系と、原子炉運転時に発生する非凝縮性
    ガスを主蒸気管に導く原子炉圧力容器ベント系とを備え
    た原子炉圧力容器において、 前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系には、原子炉圧力
    容器ヘッドスプレイ配管上に設けられた逆止弁の原子炉
    圧力容器側から分岐される分岐ベント系を備え、この分
    岐ベント系は原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管から分
    岐されるベント分岐配管を備え、この分岐配管は下流側
    が原子炉圧力容器ベント系の原子炉圧力容器ベント配管
    に接続される一方、上記ベント分岐配管の途中にオリフ
    ィスを設けたことを特徴とする原子炉圧力容器頂部ベン
    ト設備。
  2. 【請求項2】 前記分岐ベント系は、前記ベント分岐配
    管のオリフィス下流側に遠隔操作される開閉弁を設けた
    請求項1記載の原子炉圧力容器頂部ベント設備。
  3. 【請求項3】 前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系に
    は、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管の原子炉格納容
    器内側および外側に原子炉格納容器隔離弁が備えられる
    一方、上記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管は原子炉
    隔離時冷却設備の注入配管を兼ねるように構成した請求
    項1に記載の原子炉圧力容器頂部ベント設備。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010266369A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Toshiba Corp 原子炉圧力容器ヘッドスプレイシステム
CN103390435A (zh) * 2013-07-30 2013-11-13 中广核工程有限公司 核电站反应堆冷却剂***压力容器的排气装置和方法
CN106531242A (zh) * 2016-12-06 2017-03-22 中广核工程有限公司 核电站流体***不凝气体在线集气排气装置和方法
CN112582091A (zh) * 2020-12-25 2021-03-30 福建福清核电有限公司 一种核电站核岛疏水排气***的排气装置

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