JP2003329581A - 光ファイバ型多波長分光測定装置および光ファイバを用いた多波長分光測定方法 - Google Patents

光ファイバ型多波長分光測定装置および光ファイバを用いた多波長分光測定方法

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JP2003329581A
JP2003329581A JP2002140624A JP2002140624A JP2003329581A JP 2003329581 A JP2003329581 A JP 2003329581A JP 2002140624 A JP2002140624 A JP 2002140624A JP 2002140624 A JP2002140624 A JP 2002140624A JP 2003329581 A JP2003329581 A JP 2003329581A
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optical fiber
light
wavelength
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component
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Atsushi Seki
篤志 関
Kazuhiro Watanabe
一弘 渡辺
Toshio Kobayashi
登史夫 小林
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Tama TLO Co Ltd
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Tama TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単、かつ高感度・高精度な光ファイ
バ型多波長分光測定装置および測定方法を提供する。 【解決手段】 コアおよび該コアの周りに積層されてい
るクラッドを備え、伝送する光の一部の外界との相互作
用を可能とするセンサ部SPを有する光ファイバ20に、
光入射器15により少なくとも2つの異なる波長の光を
入射し、光検出器25によりセンサ部SPにおいて外界と
の相互作用を受けた光を受光し、コントローラ40での
演算により、外界に存在する測定対象物の測定対象成分
に対する光の吸光度の差に基づいて測定対象成分を定量
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバを用い
て測定対象の測定対象成分を高感度かつ高精度に測定す
る多波長分光測定装置および多波長分光測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】分光測定は、測定対象成分に光エネルギ
ーを入射し、この光エネルギーを測定対象成分が吸収す
ることにより得られる吸収スペクトルに基づいて、測定
対象成分の例えば濃度などを定量する測定手法である。
特表平10−501333号公報には、入射光が測定対
象成分の物質と相互作用することにより生じる散乱光の
一形態であるラマン信号を用いて分光測定を行なうラマ
ン分光測定装置及び方法が開示されている。
【0003】分光測定には、大きく分けて、1つの波長
の光(入射光)のみを用いる手法と、異なる2つ以上の
波長の光を用いる多波長分光測定の手法がある。1波長
の光を用いて、例えば既知の測定対象成分の濃度を測定
する場合には、光源からの光を2つに分けて、1つを、
測定対象成分を含む試料セルに入射させる。もう1つの
光は、参照光(レファレンス)として、例えば試料セル
中から対象測定対象成分を除いた試料や、純水が入って
いるブランク・セルに入射させる。対象測定対象成分に
対応する所定のピーク波長の光を用い、試料セルによる
吸収度とブランク・セルによる吸収度の差に基づいて、
測定対象成分の濃度を定量測定する。
【0004】多波長の場合には、測定対象成分が含まれ
ている1つの試料セルに、2つ以上の異なる波長の光を
例えば交互に入射し、波長の違いによる試料セルの吸収
度の違いに基づいて、測定対象成分の濃度を定量測定す
る。
【0005】一方、近年、例えば測定対象成分の濃度を
測定するケミカルセンサに光ファイバを利用する提案が
ある。光ファイバ型のケミカルセンサでは、光ファイバ
に光を入射し、光の一部を外界にリークさせるセンサ部
において、光を外界と相互作用させた結果に基づいて測
定を行なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】試料セルに光を入射さ
せるような従来の分光測定装置では、試料セルを用意す
るというサンプリングの操作が必要となり、また、装置
が大掛かりとなるため、例えば工場や化学プラントの配
管などにおける漏れや破断のin situ測定は不可能であ
る。In situ測定のためには光ファイバ型センサを用い
ることが考えられるが、従来の光ファイバ型センサでは
1つの波長の光を用い、レファレンスを利用することが
できなかった。それゆえ測定のための安定したベースラ
インが得られず、測定精度が低いという不都合が存在し
た。
【0007】光ファイバ型センサを用いた例えばin sit
u測定では、配管からの漏れの判別さえできれば事足り
るため、例えば測定対象成分の濃度の正確な定量を行な
う構成までは考慮されてこなかった。しかしながら、光
ファイバ型センサにおいても高感度かつ高精度な測定を
行なうことができれば、光ファイバ型センサの適用範囲
が広がることが期待される。
【0008】以上のような事情を鑑み、本発明において
は、光ファイバ型センサに多波長分光測定手法を適用す
ることで、構造が簡単、かつ高感度・高精度な光ファイ
バ型多波長分光測定装置を提供することを目的とする。
本発明においては、さらに、高感度で高精度な、光ファ
イバを用いた多波長分光測定方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決し、本発明の目的を達成するための本発明における多
波長分光測定装置は、コアおよび該コアの周りに積層さ
れているクラッドを備え、伝送する光の一部の外界との
相互作用を可能とするセンサ部を有する光ファイバと、
少なくとも2つの異なる波長の光を前記光ファイバに入
射する光入射手段と、前記センサ部において外界との相
互作用を受けた光を受光する受光手段と、外界に存在す
る測定対象物の測定対象成分に対する光の吸光度の差に
基づいて前記測定対象成分を定量する演算手段とを有す
る光ファイバ型多波長分光測定装置である。
【0010】また、本発明における多波長分光測定方法
は、外界との相互作用が可能な光ファイバに少なくとも
2つの異なる波長の光を入射し、外界との相互作用を受
けた光を受光して、外界に存在する測定対象物の測定対
象成分に対する光の吸光度の差に基づいて、前記測定対
象成分を定量する、光ファイバを用いた多波長分光測定
方法である。
【0011】本発明においては、光入射手段により、測
定に用いる光が光ファイバのコアに入射される。測定に
用いる光は、少なくとも2つの異なる波長の光を含む。
光ファイバに入射した光は、光ファイバのセンサ部にお
いて、外界に存在する測定対象物の測定対象成分と相互
作用する。センサ部において外界との相互作用を受けた
光は、受光手段によって受光される。演算手段は、波長
が異なるそれぞれの光の、測定対象成分との相互作用に
より生じる吸光度の差に基づいて、測定対象成分の濃度
を演算して定量する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態について述べる。
【0013】第1実施形態 図1は、本発明に係る光ファイバ型多波長分光測定装置
の一実施形態の概略構成図である。図1に示す光ファイ
バ型多波長分光測定装置10は、光入射手段としての光
入射器15と、光ファイバ20と、受光手段としての光
検出器25と、コントローラ40とを有する。
【0014】光ファイバ20の一方の端部は光入射器1
5に接続され、他方の端部は光検出器25に接続され
る。コントローラ40は光入射器15および光検出器2
5に接続される。
【0015】光入射器15はさらに、光源6と、分光器
7および8と、チョッパー9とを有する。光源6は、測
定に用いる光を発生させるためのものであり、例えばタ
ングステンランプおよび重水素ランプから構成される。
タングステンランプは波長350〜2600nmの光を発
し、可視部用光源として用いられる。重水素ランプは波
長190〜400nmの光を発し、紫外部用光源として用
いられる。
【0016】分光器は、光源6が放射する光を回折格子
によって分光し、これを回転することによって任意の単
色光をスリットからとり出す。本第1実施形態において
は、2個の独立した分光器7および8にそれぞれ光源6
からの光を入射させ、2つの単色光をとり出している。
【0017】チョッパー9は、分光器7,8によってと
り出されて入射された波長の異なる単色光を、所定間隔
で切り換え、交互にそれぞれ独立に光ファイバ20に入
射させる。
【0018】チョッパー9には、光ファイバ20の一方
の端部が接続され、光ファイバ20にチョッパー9から
光が交互に入射される。光ファイバ20は、使用状況に
応じてその長さが適宜定められる。例えば、研究室や実
験室において測定対象物の測定対象成分の定量を行なう
場合などでは、数十cmの長さにすればよい。また、例え
ば化学プラントの配管からの漏れなどを測定する場合に
は、数百mの長さとすることも可能である。
【0019】光ファイバ20は、その中途部にセンサ部
SPを有する。図2は、センサ部SPの構成の一例を示すた
めの、光ファイバ20のセンサ部SP近傍での長手方向の
断面図である。光ファイバ20は、コア21と、その周
りに積層されるクラッド22とを有する。チョッパー9
からの光は、コア21に入射される。図2に示すセンサ
部SPは、光ファイバ20において、コア21の一部が露
出するようにクラッド22を削ることで形成されてい
る。
【0020】図2のように、コア21の一部を外界に直
接露出させてセンサ部SPを形成すると、センサ部SPのコ
ア21の表面において発生するエバネッセント波を直接
外界に作用させることができる。エバネッセント波は、
第1媒質中の光が第2媒質との境界で反射したときなど
に第2媒質中に生ずる光波のように、境界面からの距離
とともに指数関数的に減衰するエバネッセント(Evanes
cent:しだいに消える)な波であり、実質的にエネルギ
ーを持たない光波のことである。このエバネッセント波
と外界中の測定対象成分との相互作用を測定に利用する
ことができるが、その詳細については後述する。
【0021】センサ部SPとしては、他の構成を採用する
ことも可能である。図3(a)〜(c)は、センサ部SPの
他の構成を示すための、光ファイバ20のセンサ部SP近
傍での長手方向の断面図である。図3においては、光フ
ァイバ20を中途部において切断し、その一方の光ファ
イバ部20aと他方の光ファイバ部20bとの間に、数mm
から数cmの微小なヘテロ・コア部3を挟装することによ
りセンサ部SPが構成されている。
【0022】ヘテロ・コア部3は、本発明における光透
過部材の一実施態様である。図3(a)には、光ファイ
バ20と同じく、コア31と、その周りに積層されたク
ラッド32とを有するヘテロ・コア部3が示されてい
る。図3(a)に示すヘテロ・コア部3においては、コ
ア31の径blは光ファイバ20のコア21の径alよりも
十分に小さく、例えば、al=50μm、bl=3μmである
とする。また、ヘテロ・コア部3の長さclは、例えば5
mmであるとする。光ファイバ部20a,20bとヘテロ・
コア部3は、長手方向に直交する界面4でコア同士が接
触するように同軸に接合されている。この接合には、好
適には、汎用化されている放電による融着手法が採用さ
れる。
【0023】光ファイバのコア中を進行する光は、光フ
ァイバ部20a,20bの部分では、コア21とクラッド
22との境界で実質的に全反射してコア21中をそのま
ま進行する。しかし、図3(a)に示すように、光ファ
イバ部20a,20bのコア21とヘテロ・コア部3のコ
ア31の径が異なっていると、光の一部が界面4におい
てヘテロ・コア部3のクラッド32にリークする。その
結果、クラッド32と外界との境界において、前述した
エバネッセント波が発生することになる。エバネッセン
ト波により外界との相互作用を受けた光は、再び光ファ
イバ部20a,20bのコア21内に入射し、伝送され
る。
【0024】図3(a)に示す構造によれば、融着によ
りヘテロ・コア部3を接合するので、コア21を傷つけ
ないようにクラッド22を削る必要がある図2の場合に
較べて、安価かつ容易な製造が可能である。また、細い
コアだけでなく、その周りのクラッドも存在し、センサ
部SPの太さを光ファイバ部20a,20bの太さと同じに
できるため、光ファイバ20の強度も高くなる。
【0025】ヘテロ・コア部3としては、図3(b)に
示すように、ヘテロ・コア部3のコア径blを光ファイバ
部20a,20bのコア径alより大きい構造としてもよ
い。また、コア・クラッドの内外積層構造にこだわら
ず、図3(c)に示すように、例えば光ファイバ20の
クラッド22と同等の屈折率を持つ光伝送部材30を、
ヘテロ・コア部3の代わりの光透過部材として用いるこ
とも可能である。なお、光ファイバ20およびヘテロ・
コア部3としては、シングル・モード光ファイバおよび
マルチ・モード光ファイバのどちらをも使用可能であ
り、これらを組み合わせて使用してもよい。以下では、
マルチ・モード光ファイバである光ファイバ20に、図
3(a)に示すような、光ファイバ20のコア21より
も小さいコア径を有するシングル・モード光ファイバに
よるヘテロ・コア部3を融着接合してセンサ部SPを構成
しているものとして記述を進める。
【0026】センサ部SPは、例えば、測定容器11中
の、測定対象成分が含有されている測定対象溶液12に
浸漬される。この形態に限らず、例えば配管からの漏れ
などを検出したい場合には、配管のその測定希望位置に
センサ部SPは設置される。
【0027】光ファイバ20の他端部は光検出器25に
接続され、この光検出器25に、センサ部SPにおいて外
界との相互作用を受けた光が入射される。光検出器25
は、一般には光電子倍増管が用いられ、光量に応じて1
μs以下の応答速度で光電流を発生する。この光電流を
増幅して、測定における信号処理に利用する。
【0028】コントローラ40は、光源6からの所望の
波長の光の分光、チョッパー9による光の選択と光検出
器25での検出信号の同期等の、光ファイバ型多波長分
光測定装置1における制御全般を司る。また、コントロ
ーラ40は、光検出器25の検出結果に基づいて測定対
象成分の定量などを行なう演算手段としても機能する。
演算によって得られた濃度などは、図示しない表示装置
やプロッタなどにより出力される。
【0029】1成分の定量 次に、図4に示すフローチャートを参照して、これまで
述べてきた光ファイバ型多波長分光測定装置10を用い
て1つの測定対象成分の濃度を定量する場合の方法につ
いて述べる。測定対象溶液12中には、測定対象成分と
して、物質aという既知の物質が含まれているとする。
測定の目的は、この物質aの濃度を定量することであ
る。
【0030】まず、入射光として、光入射器15によ
り、波長λ1およびλ2の2つの単色光を交互に光ファ
イバ20に入射する(ステップST1)。このとき、例え
ば一方の波長λ1を、図5に示すような、測定対象成分
の含有量に影響を受けない等吸収点の波長に固定し、も
う一方の波長λ2を、物質aの吸収スペクトルのピーク
波長に合わせる。また、図示しないディテクタ等の光強
度認識手段によって、入射させるそれぞれの光の強度を
測定しておく。
【0031】入射されたそれぞれの光は、界面4におい
て光ファイバ20のコア21からヘテロ・コア部3のク
ラッド32にリークする。このリークした光により、前
述のようにクラッド32と外界との境界においてエバネ
ッセント波が発生する。このエバネッセント波は、測定
対象成分、この場合には物質aに特有の強さで吸収され
る。物質aによる吸収分だけ減衰したエバネッセント波
は、再びコア21に入射する。従って、光検出器25に
おいて検出される光の強度は、物質aによる吸収分減衰
していることになる。光ファイバ20のコア21からヘ
テロ・コア部3のクラッド32にリークした光のうちに
は、コア21に戻ってこない光も存在するが、この光損
失はセンサ部SPを有する光ファイバ20の構造により規
定されほぼ一定である。従って、この光ファイバ20の
構造に起因する光損失を考慮に入れて、コントローラ4
0により光検出器25で検出した検出光の強度と、チョ
ッパー9から光ファイバ20に入射される時点での光の
強度とを比較することで、それぞれの波長λ1,λ2に
おける、物質aに対する吸光度Aa λ1,Aa λ2が求まる
(ステップST2)。
【0032】吸光度Aは、強度I0の単色光が測定対象溶
液を透過して強度Iになったとすると、下記式で与えら
れる。
【0033】
【数1】 I/I0=t(透過度) -log(I/I0)≡-log(t)=A(吸光度)
【0034】差吸収度ΔAa=Aa λ2−Aa λ1をとると、こ
れはランバート・ベール(Lambert・Beer)の法則によ
り、以下のように変形することができる。
【0035】
【数2】 ΔAa=Aa λ2−Aa λ1 =εa 2Lca−εa 1Lca =(εa 2−εa 1)Lca (ε:モル吸光係数、L:光路長、c:測定対象成分の濃
度)
【0036】今、ΔAaが検出できており、既知の物質a
に対する波長λ1,λ2の光のモル吸光係数εa 1
εa 2、および光路長Lも既知である。これらの既知のデ
ータはコントローラ40のメモリ等の記憶手段に蓄えて
おくことができる。これらのデータを利用して上記演算
を行なうことで、コントローラ40は測定対象成分であ
る物質aの濃度caを算出・定量することができる(ステ
ップST3)。
【0037】本実施形態における測定対象成分の定量に
よれば、波長の異なる2つの光を交互に光ファイバ20
に入射することで、レファレンスを用いずとも高精度の
検出が可能となる。試料セルからの透過光を検出する従
来の手法と異なり、光ファイバ20のセンサ部SPを測定
対象溶液に直接接触させ、エバネッセント波と測定対象
成分との相互作用に基づく光の減衰を検出することによ
って、ドリフトや光の散乱などの影響を減らして高精度
な測定を行なうこともできる。また、本方法においては
入射光の一方の波長λ1を等吸収点に固定しており、例
えば測定対象溶液12が懸濁試料である場合などに、吸
光度Aa λ1とAa λ2における濁りの影響が相殺されること
から、測定がさらに高精度に行なわれる。さらに、本実
施形態においては、光ファイバを用いて測定対象溶液1
2に直接光を入射しているので、構造が簡便である。光
ファイバを用いることで、工場や化学プラントの配管か
らの漏れの検出のような、遠隔地におけるリアルタイム
のin situ測定などにも本発明を適用することができ
る。また、好適には融着によりヘテロ・コア部3を接合
した光ファイバを用いるので光ファイバの強度が高く、
遠隔地におけるin situ測定に適している。
【0038】2成分の定量 光ファイバ型多波長分光測定装置10を用いて、2つの
測定対象成分の濃度を定量することも可能である。図6
は、2成分の定量方法を述べるためのフローチャートで
ある。測定対象溶液12中には、物質aと物質bの2種の
既知の測定対象成分が含まれているとする。測定の目的
は、物質aおよびbの濃度を定量することである。
【0039】2成分の定量においても波長λ1およびλ
2の2つの単色光を交互に光ファイバ20に入射する
が、例えば波長λ2については、物質bに対する吸光度
がAb λ1=Ab λ2となる波長を選択し、それに固定する
(ステップST4)。もう1つの波長λ1については、物
質aの吸収スペクトルのピーク波長に合わせておく。
【0040】このようにして定めた波長λ1,λ2の光
を、その強度をそれぞれ測定しておきながら、光入射器
15により交互に光ファイバ20に入射する(ステップ
ST5)。前述のように、入射光はクラッド32にリーク
しエバネッセント波を生じる。ステップST2と同様に、
このエバネッセント波を介して吸収された分減衰した光
の強度を光ファイバ20への入射光の強度と比較するこ
とで、それぞれの波長λ1,λ2における、物質aおよ
びbを含有する測定対象溶液12に対する光の吸光度A
a+b λ1,Aa+b λ2が求まる(ステップST6)。
【0041】物質aとbとの混合溶液ではAa λ1=Aa+b
λ1−Ab λ1が成り立ち、今Ab λ1=Ab λ2となる波長λ
2を選択しているので、差吸収度ΔAa+b=Aa+b λ2−A
a+b λ1は以下のように変形することができる。
【0042】
【数3】
【0043】この場合にも、モル吸光係数εa 1,εa 2
および光路長Lは既知であるので、コントローラ40の
演算により物質aの濃度caを定量することができる。同
様に、物質aに対する吸光度がAa λ1=Aa λ2となる波長
を選択することで、物質bの濃度cbも定量することがで
きる(ステップST7)。
【0044】上記のように、本方法においては、2つの
光の波長λ1,λ2を一度セットするだけで、2つの測
定対象成分の濃度を一度に定量することができる。また
その際に、測定装置の構成になんら変更を加えることな
く、1本の光ファイバ20を有する光ファイバ型多波長
分光測定装置10によって2成分の測定を行なうことが
できる。
【0045】微分スペクトル法 分光測定において、測定の高精度化および微量分析を可
能とする微分スペクトル法が知られている。図7に示す
ように、吸光度Aを波長に対して一次微分を行ない、波
長λに対して記録すると一次微分スペクトルが得られ
る。この微分でランバート・ベールの法則が成立すると
次式が成り立つ。
【0046】
【数4】dA/dλ=(dε/dλ)Lc
【0047】上式から、吸光度Aの微分値も濃度cに比例
することが分かる。これにより、測定対象成分の定量を
行なうことができる。また、図7に示すように、微分ス
ペクトルにおいては吸収ピークおよび吸収肩を明確に求
めることが可能となり、メインピークとその他のピーク
との区別が明瞭になる。従って、主成分による吸収の影
響や濁りなどによる光の散乱の影響などを受けず、高精
度な測定が可能となる。以下、図8のフローチャートを
参照して、本実施形態における微分スペクトル法に基づ
いた測定方法について述べる。
【0048】測定対象溶液12中には、測定対象成分と
して、物質aという既知の物質が含まれているとする。
測定の目的は、物質aという1測定対象成分の濃度の定
量である。まず、測定に用いる波長λiの初期値を定め
る。ここでは、波長λ0を初期値とし、λi=λ0とす
る(ステップST8)。なお、波長λ0の値としては、例
えばλ0=350nmとする。
【0049】次に、波長λi(=λ0)の光を、光入射
器15により光ファイバ20に入射する(ステップST
9)。クラッド32と外界との境界におけるエバネッセ
ント波の物質aに対する吸収度から、物質aを含有する測
定対象溶液12に対する波長λiの光の吸光度Aa λiが求
まる(ステップST10)。
【0050】波長λiに対する吸光度が求まったら、コ
ントローラ40はλi=λi+Δλとし、波長λiを所定
の波長幅Δλ分だけずらす(ステップST11)。波長幅
Δλは、例えば1〜3nm程度の、微分スペクトルを求め
ることが可能な十分に小さい値とする。また、ここでは
波長λiを波長幅Δλ分だけ増やしてゆくことにする。
【0051】新しく定まった波長λiが、測定における
使用波長の最終値λnに対してλi>λnとなったかどう
かを判別し、なっていない場合にはステップST9に戻
り、ステップST9〜ST11を繰り返し、更新された波長
λiに対する吸光度Aa λiを順次掃引(スキャン)してい
く。求まった吸光度Aa λiと波長λiの関係は、例えばコ
ントローラ40のメモリに記憶させておく。λi>λnと
なったら、コントローラ40は波長λiの更新を終了
し、ステップST13へ進む(ステップST12)。なお、
ここでは、波長λnは例えばλn=2600nmとする。
【0052】更新していった波長λiに対する各吸光度A
a λiに基づいて、一次微分スペクトルが求まる(ステッ
プST13)。求まった一次微分スペクトルに基づいて、
コントローラ40は物質aの濃度を定量する(ステップS
T14)。
【0053】光の波長を波長幅Δλで変化させて掃引す
ることは、2つの光の波長の間隔をΔλに固定して、こ
れらの光の波長を変化させて掃引してゆくことに等し
い。従って、波長の異なる2つの光を用いる本実施形態
においても、微分スペクトル法により高精度に測定対象
成分の定量を行なうことができる。その際に、光ファイ
バ型多波長分光測定装置10の構成になんら変更を加え
る必要もなく、簡便な測定装置で測定を行なうことがで
きる。
【0054】なお、二次以上の高次の微分スペクトルを
さらに求めることも可能である。この場合には、高次微
分スペクトルを計算により求める回路またはプログラム
をコントローラ40に追加すればよい。二次以上の高次
微分スペクトルを用いると、さらに高感度・高精度な測
定が可能になる。
【0055】第2実施形態 第1実施形態の光ファイバ型多波長分光測定装置10に
おいて、入射光の数を増やすことによって、2つ以上の
測定対象成分を一度に測定することが可能になる。図9
は、本発明の第2実施形態を示す概略構成図である。図
9に示す光ファイバ型多波長分光測定装置100は、光
源6からの光を波長λ1,λ2,…,λnの波長の異な
るn個の光に分光してとり出すn個の分光器を有する。チ
ョッパー9は、n個の分光器によってとり出されて入射
された波長の異なるn個の単色光を、所定間隔で切り換
え、交互にそれぞれ独立に光ファイバ20に入射させ
る。その他の構成要素は第1実施形態の光ファイバ型多
波長分光測定装置10の場合と同じであるので、同一構
成要素には同一符号を付し、その詳細な記述は省略す
る。
【0056】本第2実施形態の光ファイバ型多波長分光
測定装置100においては、波長λ1,λ2,…,λn
を適宜選択することによって、2つ以上の測定対象成分
の濃度を一度に正確に分別定量することが可能である。
例えば、物質a,b,cの3つの成分を測定する場合、A
b+c λ3=Ab+c λ2+Ab+c λ1となる波長λ1,λ2,λ3
を選ぶことによって、下記式により物質aの濃度を測定
することができる。
【0057】
【数5】 ΔAa+b+c=Aa+b+c λ3−Aa+b+c λ2−Aa+b+c λ1 =(Aa λ3+Ab+c λ3)−(Aa λ2+Ab+c λ2)−(Aa λ1+Ab+c λ1) =Aa λ3−Aa λ2−Aa λ1+Ab+c λ3−Ab+c λ2−Ab+cλ1 =Aa λ3−Aa λ2−Aa λ1 =εa 3Lca−εa 2Lca−εa 1Lca =(εa 3−εa 2−εa 1)Lca
【0058】物質b,cの濃度についても同様に測定する
ことができる。
【0059】第3実施形態 図10に、本発明に係る光ファイバ型多波長分光測定装
置の第3実施形態の概略構成図を示す。図10に示す光
ファイバ型多波長分光測定装置120は、異なる波長の
光をまとめて光ファイバ20に入射し、外界との相互作
用を受けた各波長の光を分光器90によって分光してか
ら光検出器25に入射させるところが、第1実施形態の
光ファイバ型多波長分光測定装置10と異なっている。
それ以外の構成は第1実施形態の場合と同様であるの
で、詳細については省略する。
【0060】第3実施形態においては、分光器7,8に
よってとり出された波長λ1の光と波長λ2の光を、チ
ョッパーによって交互に光ファイバ20に入射するので
はなく、混合して光ファイバ20に入射する。
【0061】光を混合して入射したとしても、光は波長
λ1,λ2のそれぞれの部分で、測定対象成分に対する
吸光度の分だけ減衰する。従って、分光器90を用い
て、光ファイバ20から出射してくる光のうちから波長
λ1とλ2の光を選別することによって、測定対象成分
に対する波長λ1,λ2の光の吸光度を測定することが
できる。混合して光ファイバ20に入射する前の時点に
おいて、ディテクタ等の光強度認識手段を用いて波長λ
1の光と波長λ2の光のそれぞれの光強度を測定してお
く。測定した光の強度を、光検出器25において検出し
たそれぞれの波長の検出光の強度と比較することによっ
て、第1実施形態の場合に述べた原理を適用して、測定
対象成分の濃度を算出・定量することができる。
【0062】本第3実施形態によれば、チョッパーを用
いる必要がなくなるため、測定装置の構造がより簡単に
なる。従って、測定装置のコストダウン、小型化など、
種々のメリットが生じる。なお、図10においては1つ
の分光器90によって波長λ1とλ2の光を選別する形
態を示しているが、光入射器15と同様に、光ファイバ
20からの出射光を2つに分けて、2つの分光器によっ
て波長λ1の光と波長λ2の光をそれぞれとり出しても
よいことは言うまでもない。
【0063】第4実施形態 第3実施形態の光ファイバ型多波長分光測定装置120
においても、入射光の数を増やすことによって、2つ以
上の測定対象成分を一度に測定することが可能になる。
図11に、本発明に係る光ファイバ型多波長分光測定装
置の第4実施形態の概略構成図を示す。図11に示す光
ファイバ型多波長分光測定装置150は、n個の分光器
によって光源6からとり出された波長λ1,λ2,…,
λnの波長の異なるn個の光を混合して光ファイバ20に
入射する。その他の構成および機能は第3実施形態の場
合と同様であるので、詳細については省略する。
【0064】第4実施形態の光ファイバ型多波長分光測
定装置150においても、第2実施形態において述べた
原理を適用することによって、2つ以上の測定対象成分
を一度に測定することが可能である。その際に、チョッ
パーを用いる必要がなくなるため、測定装置を簡単な構
成にすることができ、装置が小型かつ安価になる。な
お、本第4実施形態においても、光ファイバ20からの
出射光をn個に分けて、n個の分光器によって波長λ1,
λ2,…,λnの波長の異なるn個の光をそれぞれとり出
して光検出器25に入射させてもよいことは言うまでも
ない。
【0065】変形形態 例えばたんぱく質は波長280nmに明確なピークが存在
し、果糖においては濃度による屈折率の変化に基づいて
定量を行なうため、濃度の定量に指示薬を用いることは
ない。しかしながら、一般的には、測定対象成分に対す
る選択性を高め高精度に測定を行なうために、測定には
指示薬が用いられる。上記第1〜第4実施形態において
も、対象とする測定対象成分の物質の濃度変化に応じて
ピーク波長における吸光度が変化する指示薬を用いるこ
とで、選択性を高め、高感度・高精度な測定を行なうこ
とができる。
【0066】指示薬は、測定対象溶液12に溶解させて
用いることもできるが、取り扱いの簡便化のために、光
ファイバ20のセンサ部SPに固定化させて用いてもよ
い。図12および図13(a)〜(c)には、図2および
図3(a)〜(c)に示す光ファイバのセンサ部SPに指示
薬50を固定化させた図が示されている。指示薬の固定
化の方法としては、ゾル−ゲル法や、指示薬の色素をフ
ァイバ表面に化学的に結合させて固着させる方法などを
用いることができる。
【0067】指示薬50としては、2種類以上の指示薬
を混合して固定化させた指示薬を用いることも可能であ
る。例えば、物質aの濃度変化に応じてピーク波長λaに
おける吸光度が変化する指示薬Amと、物質bの濃度変化
に応じてピーク波長λbにおける吸光度が変化する指示
薬Bmとを混合して固定化しておく。すると、前述の物質
a,bの2成分の定量において、選択性が高く、さらに高
感度・高精度な測定を行なうことができる。定量する測
定対象成分の数に対応して、混合する指示薬の種類を増
加させることができることは言うまでもない。また、複
数の指示薬を1本の光ファイバに固定化する場合、同一
箇所に設けることも、別々の箇所に設けることも可能で
ある。
【0068】指示薬として、pH指示薬を用い、各pH値に
それぞれ反応するpH指示薬を複数固定化しておけば、測
定対象溶液12の未知のpHを測定することができる。指
示薬として、金属イオンに反応する金属指示薬を用いれ
ば、測定対象物中の所望の金属イオンの濃度を定量する
ことができる。複数の金属指示薬を混合して固定化して
おけば、複数の金属イオンを一度に定量することができ
る。また、指示薬を固定化することで、指示薬の種類に
よっては、測定に用いた後、センサ部SPを洗浄して乾燥
させることで、測定に繰り返し用いることも可能であ
る。測定対象成分に対応する指示薬としては、例えば以
下の表に示すようなものが知られている。
【0069】
【表1】指示薬の例
【0070】なお、5-Br-PAPSは、2-(5-Bromo-2-py
ridylazo)-5-[N-n-propyl-N-(3-sulfopropyl)amino]ph
enol, disodium salt, dehydrateのことであり、4TFは
4'-(2,6-Dinitro-4-trifluoromethlphenyl)aminobe
nzo-15-crown-5のことであり、SCRは、3,3'-Bis
{[N-methyl-N(carboxymethl)]aminomethyl}-o-cresolsu
lfonphthalein, monosodium saltのことである。
【0071】本変形形態のように、センサ部SPに指示薬
を固定化しておくと、測定対象溶液を光が透過すること
による散乱の影響が低減され、検出時間が短くなる。ま
た、指示薬が測定装置側に存在するので、例えばアンモ
ニアの検出のように、液体に限らず気体に含まれる測定
対象成分の検出ならびに定量が可能である。
【0072】なお、本発明は上記の実施形態ならびに図
面に記載の内容に限定されない。例えば、上記の実施形
態においてはチョッパー9に1本の光ファイバ20のみ
を接続しているが、複数の光ファイバを接続することも
可能である。またセンサ部SPについても、光ファイバ2
0に複数設けることが可能である。複数の光ファイバ2
0およびセンサ部SPを用いると、例えば工場や化学プラ
ントの配管からの化学物質の漏れなどを検出する場合
に、簡便な構造の測定装置で広い範囲における測定を統
合的に行なうことができる。また、OTDR(Optical Time
-Domain Reflectometer)により光入射手段と受光手段
を兼用させることができる。この形態では、OTDRからの
光を分光器で分光してチョッパー9を介して光ファイバ
20に入射し、光検出器25を用いることなく、センサ
部SPにおいて外界との相互作用を受けた光の後方散乱光
を再びOTDRで受光する。OTDRを用いる場合には、光ファ
イバ20の端部を光検出器25に接続する必要がなく、
センサ部SPを含んでいれば光ファイバ20を任意の位置
で切断したままでよい。従って、測定装置の構造がさら
に簡単、かつ取り扱いが簡便になり、例えば持ち運びが
可能になるなど、測定装置の利用範囲が広がる。
【0073】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、構造が簡単、かつ高感度・高精度な光ファイバ型多
波長分光測定装置を提供することができる。本発明によ
れば、さらに、高感度で高精度な、光ファイバを用いた
多波長分光測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る光ファイバ型多波長分光
測定装置の第1実施形態の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明に係るセンサ部の一実施形態を
示す長手方向の断面図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明に係るセンサ部の
他の実施形態を示す長手方向の断面図である。
【図4】図4は、図1に示す光ファイバ型多波長分光測
定装置を用いた1成分の定量方法を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図5】図5は、等吸収点を説明するための吸収スペク
トルのグラフである。
【図6】図6は、図1に示す光ファイバ型多波長分光測
定装置を用いた2成分の定量方法を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図7】図7は、一次微分スペクトルを示すグラフであ
る。
【図8】図8は、図1に示す光ファイバ型多波長分光測
定装置を用いた微分スペクトル法による1成分の定量を
説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、本発明に係る光ファイバ型多波長分光
測定装置の第2実施形態の概略構成図である。
【図10】図10は、本発明に係る光ファイバ型多波長
分光測定装置の第3実施形態の概略構成図である。
【図11】図11は、本発明に係る光ファイバ型多波長
分光測定装置の第4実施形態の概略構成図である。
【図12】図12は、指示薬を固定化したセンサ部の一
実施形態を示す長手方向の断面図である。
【図13】図13(a)〜(c)は、指示薬を固定化した
センサ部の他の実施形態を示す長手方向の断面図であ
る。
【符号の説明】
10,100,120,150…光ファイバ型多波長分
光測定装置 3…ヘテロ・コア部 6…光源 7,8,90,N…分光器 9…チョッパー 15…光入射器 20…光ファイバ 21,31…コア 22,32…クラッド 25…光検出器 40…コントローラ 50…指示薬 SP…センサ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/35 G01N 21/35 Z (72)発明者 小林 登史夫 東京都八王子市丹木町1−236 創価大学 工学部内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB04 EE01 EE02 EE12 FF07 FF12 GG03 GG10 HH01 HH02 HH03 JJ05 JJ17 JJ24 KK01 MM01 MM04 2G086 DD05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアおよび該コアの周りに積層されている
    クラッドを備え、伝送する光の一部の外界との相互作用
    を可能とするセンサ部を有する光ファイバと、 少なくとも2つの異なる波長の光を前記光ファイバに入
    射する光入射手段と、 前記センサ部において外界との相互作用を受けた光を受
    光する受光手段と、 外界に存在する測定対象物の測定対象成分に対する光の
    吸光度の差に基づいて前記測定対象成分を定量する演算
    手段とを有する光ファイバ型多波長分光測定装置。
  2. 【請求項2】前記光入射手段の発する光の前記異なる波
    長のうちの1つは前記測定対象成分の含有量に影響を受
    けない等吸収点の波長であり、残りの波長は前記等吸収
    点の波長とは異なっている請求項1に記載の光ファイバ
    型多波長分光測定装置。
  3. 【請求項3】前記光入射手段により、所定の波長の範囲
    内において、所定の波長幅ごとの光を前記光ファイバに
    入射し、 前記演算手段により、波長に対する光の吸光度の一次微
    分スペクトルを求めて前記測定対象成分の定量を行なう
    請求項1に記載の光ファイバ型多波長分光測定装置。
  4. 【請求項4】前記センサ部は、前記光ファイバの中途部
    に、該光ファイバのコアの屈折率またはクラッドの屈折
    率と同等の屈折率を持つ光透過部材を融着接合すること
    で構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の光フ
    ァイバ型多波長分光測定装置。
  5. 【請求項5】前記センサ部表面に、前記測定対象成分と
    選択的に反応し、前記光入射手段による光に該測定対象
    成分に応じた吸光度の変化をもたらす指示薬を固定化し
    て設けている請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイ
    バ型多波長分光測定装置。
  6. 【請求項6】外界との相互作用が可能な光ファイバに少
    なくとも2つの異なる波長の光を入射し、 外界との相互作用を受けた光を受光して、外界に存在す
    る測定対象物の測定対象成分に対する光の吸光度の差に
    基づいて、前記測定対象成分を定量する光ファイバを用
    いた多波長分光測定方法。
  7. 【請求項7】前記測定対象成分の含有量に影響を受けな
    い等吸収点の波長に前記光入射手段からの光のうちの1
    つの波長を固定し、残りの光の波長を前記等吸収点の波
    長とは異ならせて吸光度を測定する請求項6に記載の光
    ファイバを用いた多波長分光測定方法。
  8. 【請求項8】所定の波長の範囲内において、所定の波長
    幅ごとに光を前記光ファイバに入射し、 波長に対する光の吸光度の一次微分スペクトルを求めて
    測定対象成分の定量を行なう請求項6に記載の光ファイ
    バを用いた多波長分光測定方法。
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