JP2003327960A - プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト

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JP2003327960A
JP2003327960A JP2002140101A JP2002140101A JP2003327960A JP 2003327960 A JP2003327960 A JP 2003327960A JP 2002140101 A JP2002140101 A JP 2002140101A JP 2002140101 A JP2002140101 A JP 2002140101A JP 2003327960 A JP2003327960 A JP 2003327960A
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phosphor
phosphor paste
plasma display
display panel
paste
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JP2002140101A
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English (en)
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Hideki Hoshino
秀樹 星野
Satoshi Ito
聡 伊藤
Naoko Furusawa
直子 古澤
Takayuki Suzuki
隆行 鈴木
Hisahiro Okada
尚大 岡田
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、高輝度なプラズマディスプレ
イパネルに特に適した蛍光体ペーストを提供すること。 【解決手段】 液相法で合成した無機蛍光体を含有する
プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペーストにおい
て、該蛍光体ペーストの粘度が10-3〜5Pa・sの範
囲であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル
用蛍光体ペースト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イパネル用蛍光体ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(P
DP)、フィールドエミッションディスプレイ(FE
D)、エレクトロルミネッセンス(EL)パネルのよう
なフラットパネルディスプレイが次世代のディスプレイ
装置として注目されている。これら次世代のディスプレ
イ装置の分野においては、大画面、高解像度への期待が
大きく、その中でも特にPDPでは高速表示及び大型化
が容易である点から、次世代のディスプレイ装置の主流
として研究が盛んに進められている。
【0003】一般的にPDPは背面板のガラス基板上に
アドレス用の電極を形成し、その上に隔壁層を形成す
る。更に、バインダー樹脂中に蛍光体粒子を分散させた
蛍光体ペーストを用いて、スクリーン印刷法等の方法に
より所望のパターンに塗布した後、バインダー樹脂成分
を空気中500℃程度の温度で焼成除去して蛍光体層を
形成する。
【0004】一方、更に大画面化する場合、蛍光体層の
膜厚にムラが生じやすくなる等の理由により、蛍光体ペ
ーストがうまく隔壁内に入らずに蛍光体物質の存在しな
い部分(ピンホール)が生じて歩留まりが悪化する、バ
インダー樹脂成分がその後の焼成時に完全に除去できず
に、ディスプレイの寿命に悪影響を及ぼす等の問題点が
あった。
【0005】また、PDPにおいては発光効率向上の為
に、リブ内に形成する蛍光体層の形状が重要である。蛍
光体の発光強度を向上させる為には、隔壁層の底部のみ
ならず、側面にも蛍光体を塗布することが望ましいが、
側面に塗布可能な蛍光体ペーストの物性では均一に全面
に塗布することが困難である、蛍光体ペースト中におけ
る蛍光体粒子の沈降等により隔壁内で均等に蛍光体層が
形成できない等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的
は、生産性が高く、高輝度なプラズマディスプレイパネ
ルに特に適した蛍光体ペーストを提供することである。
【0007】本発明者らは蛍光体と、その蛍光体を含有
する蛍光体ペーストに着目して鋭意検討を行った結果、
液相法で合成した蛍光体を特定の粘度及び表面張力に調
整することにより、上記目的を達成しうる蛍光体ペース
トが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。更には、蛍光体ペースト中に含まれる蛍光体粒子の
粒子径と変動係数を特定の範囲にすることで、上記目的
を達成しうる蛍光体ペーストが得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】この理由については定かではないが、液相
法で得られた蛍光体は固相法でのそれと比べて純度の高
い組成であり、粒子表面の乱れが少ない為、液相法で得
られた蛍光体粒子表面は均一である。その結果、蛍光体
層が均一であり、ピンホール等の欠陥が少なくなること
が考えられる。更には、蛍光体の粒子径を微粒化及び単
分散化することにより、蛍光体ペースト中における蛍光
体粒子の沈降を最小限に抑えることが可能になり、蛍光
体層が隔壁内の底部だけではなく、側面にも均等に形成
していることが考えられる。また、微粒化及び単分散化
により、蛍光体層における蛍光体の充填率が上がる為、
蛍光体層の塗膜表面の反射率が向上し、発光が無駄なく
前面に放射されることが考えられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成により達成された。
【0010】1)液相法で合成した無機蛍光体を含有す
るプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペーストにおい
て、該蛍光体ペーストの粘度が10-3〜5Pa・sの範
囲であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル
用蛍光体ペースト。
【0011】2)液相法で合成した無機蛍光体を含有す
るプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペーストにおい
て、該蛍光体ペーストの表面張力が1.0×10-2〜2
0.0×10-2Nm-1の範囲であることを特徴とするプ
ラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト。
【0012】3)無機蛍光体粒子の50質量%以上が1
μm以下の粒子径であることを特徴とする前記1)また
は2)に記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペ
ースト。
【0013】4)無機蛍光体粒子の粒径分布の変動係数
が100%以下であることを特徴とする前記1)〜3)
のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル用
蛍光体ペースト。
【0014】本発明のプラズマディスプレイパネル用蛍
光体ペーストに適用される無機蛍光体について説明す
る。
【0015】本発明で適用される無機蛍光体は、液相法
によって製造された無機蛍光体を適用することが好まし
い。
【0016】液相法とは共沈法、反応晶析法、ゾルゲル
法などの一般的な液相中での反応方法を称して表してお
り、本発明では適宜選択することが可能である。
【0017】ここで、ゾルゲル法によって無機蛍光体を
製造する方法について、具体的に説明する。ゾルゲル法
とは、例えば母体または賦活剤あるいは共賦活剤に用い
る元素(金属)として、例えば金属アルコキシド(例え
ば、Si(OCH34等)や金属錯体(例えば、Eu3+
(CH3COCH=C(O-)CH33等)またはそれら
の有機溶媒溶液に金属単体を加えて作るダブルアルコキ
シド(例えば、Al(OBu)3の2−ブタノール溶液
に金属マグネシウムを加えて作るMg(Al(OBu)
32等)、金属ハロゲン化物、有機酸の金属塩を反応容
器中で必要量混合し、熱的または化学的に加水分解及び
重縮合することによって合成する製造方法である。
【0018】ゾルゲル法を適用する際の溶媒は反応原料
が溶解すれば何を用いてもよいが、環境面の観点からエ
タノールが好ましい。また、反応開始剤としては酸でも
塩基でもよいが、加水分解速度の観点から塩基の方が好
ましい。塩基の種類としては反応が開始すればNaO
H、アンモニア等一般的なものを用いることができる
が、除去しやすさの観点からアンモニアが好ましい。反
応開始剤の混合方法としては、先に母液に添加されてい
てもよく、原料と同時に添加してもよく、予め原料に加
えていてもよいが、均一性を高めるために、先に母液に
添加されている方法が好ましい。複数の反応原料を用い
る場合は、原料の添加順序は同時でも異なってもよく、
活性によって適切な順序を適宜組み立てることができ、
場合によってはダブルアルコキシドを形成してもよい。
【0019】また、共沈法や反応晶析法を適用する際の
溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽
和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反
応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異な
ってもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てる
ことができる。
【0020】液相法で前駆体を合成する場合、どの方法
の場合でも反応中は温度、添加速度、攪拌速度、pHな
どを制御してもよく、反応中に超音波を照射してもよ
い。粒径制御のために界面活性剤やポリマーなどのバイ
ンダーを添加してもよい。バインダーとして特に好まし
いものに、ゼラチンが挙げられる。
【0021】また、必要に応じて、原料を添加し終った
溶液を濃縮、及び/または熟成することも好ましい態様
の1つである。
【0022】液相法で前駆体を合成した後、必要に応じ
てろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で回収した後に好
ましくは洗浄を行い、更に乾燥、焼成等の諸工程を施し
てもよく、分級してもよい。
【0023】乾燥温度は特に制限は無いが、使用した溶
媒が気化する温度付近以上の温度であることが好まし
く、具体的には50〜300℃の範囲であることが好ま
しい。焼成温度についても特に制限は無いが、一般に6
00〜1500℃の範囲を好ましく使用できる。乾燥温
度が高い場合は乾燥と同時に焼成が施されることがあ
る。焼成は還元雰囲気下、酸化雰囲気下、または硫化物
存在下、不活性ガス等のどの条件下でもよく、適宜選択
することができる。焼成方法は現在知られているあらゆ
る方法を用いてもよいが、回転型のキルンを用いること
が好ましい。更に、必要に応じて焼成の後に還元処理ま
たは酸化処理等を施してもよい。また、無機蛍光体の組
成や反応条件等によっては焼成を行う必要が無い場合が
あり、その場合は焼成工程を省いても構わない。
【0024】本発明で適用される無機蛍光体は種々の目
的で吸着・被覆等の表面処理を施すことが好ましい。ど
の時点で表面処理を施すかはその目的によって異なり、
適宜適切に選択するとその効果がより顕著になる。例え
ば、分散処理工程前のいずれかの時点でSi、Ti、A
l、Zr、Zn、In、Snから選択される少なくとも
1種の元素を含む酸化物で蛍光体の表面を被覆すると、
分散処理時における蛍光体の結晶性の低下を抑制でき、
更に蛍光体の表面欠陥に励起エネルギーが捕獲されるこ
とを防ぐことにより、発光輝度及び発光強度の低下を抑
制できる。また、分散処理工程後のいずれかの時点で有
機高分子化合物等で蛍光体の表面を被覆すると、耐候性
等の特性が向上し、耐久性に優れた無機蛍光体を得るこ
とができる。これら表面処理を施す際の被覆層の厚さや
被覆率等は、適宜任意に制御することができる。
【0025】本発明で適用される無機蛍光体は、無機蛍
光体粒子の50質量%以上、更に好ましくは80質量%
以上について、その粒子径1μm以下である。なお粒子
径の下限としては0.01μmであることが好ましい。
ここで、無機蛍光体の粒径は球換算粒径を意味する。球
換算粒径とは粒子の体積と同体積の球を想定し、該球の
粒径をもって表わした粒径である。
【0026】また、本発明においては、粒径分布の変動
係数が100%以下であり、70%以下であることが更
に好ましく、下限としては10%が好ましい。ここで粒
径分布の変動係数(粒子分布の広さ)とは、下式によっ
て定義される値である。
【0027】粒径分布の広さ(変動係数)[%]=(粒
子サイズ分布の標準偏差/粒子サイズの平均値)×10
0 本発明で適用される無機蛍光体はその組成に特に制限は
なく、PDPに適用されるあらゆる組成を適用すること
が可能である。例えば、特開昭50−6410号、同6
1−65226号、同64−22987号、同64−6
0671号、特開平1−168911号等に記載されて
いる公知の種々の組成を適用することが可能である。具
体的には、Y23、Zn2SiO4等に代表される金属酸
化物、Ca5(PO43Cl等に代表されるリン酸塩、
ZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物等を蛍光
体結晶母核とし、これら母核にCe、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb等の希土類金属イオンやAg、Al、Mn、S
b等の金属イオンを、賦活剤または共賦活剤として組み
合わせたものが好ましい。
【0028】結晶母体の好ましい例を以下に列挙する。 ZnS、SrS、GaS、(Zn,Cd)S、SrGa
24、YO3、Y22S、Y23、Y2SiO3、Sn
2、Y3Al512、Zn2SiO4、Sr4Al1425
CeMgAl1019、BaAl1219、BaMgAl10
17、BaMgAl1423、Ba2Mg2Al1222、B
2Mg4l818、Ba3Mg5Al1835、(Ba,S
r,Mg)O・aAl23、(Ba,Sr)(Mg,M
n)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,
Mn)Al1017、Sr227、(La,Ce)P
4、Ca10(PO46(F,Cl)2、(Sr,Ca,
Ba,Mg)10(PO46Cl2、GdMgB510
(Y,Gd)BO3等が挙げられる。
【0029】結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、特
に元素の組成に制限はなく、同族の元素と一部置き換え
たものでも使用可能で、紫外領域の励起光を吸収して可
視光を発するものであればどのような組み合わせでも使
用可能であるが、無機酸化物蛍光体または無機ハロゲン
化物蛍光体を使用することが好ましい。
【0030】以下に本発明に使用される無機蛍光体の具
体的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限
定されるものではない。 [青色発光無機蛍光体化合物] (BL−1) Sr227:Sn4 + (BL−2) Sr4Al1425:Eu2+ (BL−3) BaMgAl1017:Eu2+ (BL−4) SrGa24:Ce3+ (BL−5) CaGa24:Ce3+ (BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al10
17:Eu2+ (BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(P
46Cl2:Eu2+ (BL−8) ZnS:Ag (BL−9) CaWO4 (BL−10) Y2SiO5:Ce (BL−11) ZnS:Ag、Ga、Cl (BL−12) Ca259Cl:Eu2+ (BL−13) BaMgAl1423:Eu2+ (BL−14) BaMgAl1017:Eu2+、T
3+、Sm2+ (BL−15) BaMgAl1423:Sm2+ (BL−16) Ba2Mg2Al1222:Eu2+ (BL−17) Ba2Mg4Al818:Eu2+ (BL−18) Ba3Mg5Al1835:Eu2+ (BL−19) (Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,
Mn)Al1017:Eu 2+ [緑色発光無機蛍光体化合物] (GF−1) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+、M
2+ (GF−2) Sr4Al1425:Eu2+ (GF−3) (Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+ (GF−4) (Ba,Mg)2SiO4:Eu2+ (GF−5) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+ (GF−6) Sr227−Sr225:Eu2+ (GF−7) (Ba,Ca,Mg)5(PO43
l:Eu2+ (GF−8) Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+ (GF−9) Zr2SiO4,MgAl1119:C
3+、Tb3+ (GF−10) Ba2SiO4:Eu2+ (GF−11) ZnS:Cu,Al (GF−12) (Zn,Cd)S:Cu、Al (GF−13) ZnS:Cu、Au、Al (GF−14) Zn2SiO4:Mn (GF−15) ZnS:Ag,Cu (GF−16) (Zn,Cd)S:Cu (GF−17) ZnS:Cu (GF−18) Gd22S:Tb (GF−19) La22S:Tb (GF−20) Y2SiO5:Ce、Tb (GF−21) Zn2GeO4:Mn (GF−22) CeMgAl1119:Tb (GF−23) SrGa24:Eu2+ (GF−24) ZnS:Cu,Co (GF−25) MgO・nB23:Ce、Tb (GF−26) LaOBr:Tb、Tm (GF−27) La22S:Tb (GF−28) SrGa24:Eu2+、Tb3+、Sm
2+ [赤色発光無機蛍光体化合物] (RL−1) Y22S:Eu3+ (RL−2) (Ba,Mg)2SiO4:Eu3+ (RL−3) Ca28(SiO462:Eu3+ (RL−4) LiY9(SiO462:Eu3+ (RL−5) (Ba,Mg)Al1627:Eu3+ (RL−6) (Ba,Ca,Mg)5(PO43
l:Eu3+ (RL−7) YVO4:Eu3+ (RL−8) YVO4:Eu3+、Bi3+ (RL−9) CaS:Eu3+ (RL−10) Y23:Eu3+ (RL−11) 3.5MgO,0.5MgF2Ge
2:Mn (RL−12) YAlO3:Eu3+ (RL−13) YBO3:Eu3+ (RL−14) (Y,Gd)BO3:Eu3+ 特に好ましい無機蛍光体の例としては、青色蛍光体には
BaMgAl1017:Eu2+、緑色蛍光体にはBaAl
1219:MnあるいはZn2SiO4:Mn、赤色蛍光体
には(YxGd1-x)BO3:Eu3+あるいはYBO3:E
3+が挙げられる。
【0031】本発明のプラズマディスプレイパネル用蛍
光体ペーストについて説明する。本発明のプラズマディ
スプレイパネル用蛍光体ペーストは、上述に挙げた作製
方法によって得られた蛍光体粉末を各種バインダー、溶
剤、分散剤などの混合物と共に分散し、適度な粘度、表
面張力に調整されたものである。
【0032】分散処理工程で使用する分散機としては、
従来から公知の様々な分散機を使用することができる。
具体的には、高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロ
イドミル、ローラーミル、またボールミル、振動ボール
ミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミルな
ど媒体メディアを装置内で運動させてその衝突(cru
sh)及び剪断力の両方により微粒化するメディア分散
機、またはカッターミル、ハンマーミル、ジェットミル
等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー
等が挙げられるが、蛍光体への負荷を最低限に抑えなが
ら分散性を高くするには、特に媒体(メディア)を使用
する湿式のメディア分散機を使用することが好ましく、
連続的に分散処理が可能な連続式湿式メディア分散機を
使用することが更に好ましい。ここで言う「連続的に分
散処理が可能」とは、少なくとも無機蛍光体及び分散媒
体を単位時間当たり一定の量比で、途切れることなく分
散機に供給しながら分散処理すると同時に、前記分散機
内で製造された分散物を供給に押し出される形で途切れ
ることなく分散機より排出する形態を指す。また、必要
に応じて、分散処理工程の前に予備分散を行っても何ら
問題はない。
【0033】予備分散の態様としては、焼成を施した無
機蛍光体の乾燥粉体と分散媒体とを連続的に混合し分散
するタイプ、または分散媒体に懸濁させた無機蛍光体を
回分式で分散するタイプ等、様々なタイプの分散手段を
適宜選択し用いることが可能である。即ちその手段とし
て具体的には、高速ミキサ、ホモジナイザ、高速衝撃ミ
ル、バンバリーミキサ、ホモミキサ、ニーダー、ピンミ
キサ、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、
アトライタ、サンドミル、ビーズミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ストー
ンミル等を挙げることができる。また、いわゆるダイナ
ミックミキサ方式またはスタチックミキサ方式のいずれ
も好ましく用いることができる。更に機械的に分散する
以外にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散
し、その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒
子化させてもよい。このとき、粗分散に用いる溶媒とし
て有機溶媒を使用してもよく、その場合には通常有機溶
媒は微粒子化終了後除去される。
【0034】本発明において、プラズマディスプレイパ
ネル用蛍光体ペーストの粘度(25℃で剪断速度が10
0sec-1における粘度)は、10-3〜5Pa・sの範
囲であり、更には10-2〜0.5Pa・sの範囲内に調
整することが好ましい。10 -3Pa・s未満では蛍光体
ペーストの流動性が大きすぎ、作業性が低下するので好
ましくなく、5Pa・sを超えると蛍光体ペーストの流
動性が低すぎ、蛍光体層を均一にすることが困難にな
る。
【0035】本発明の蛍光体ペーストにおいては、後述
する溶剤、バインダー等の添加量を調整して所望の粘度
にしてもよく、更には必要に応じて粘度調整剤を加えて
も何ら問題なく適用することができる。粘度調整剤には
特に限定はないが、例えば増粘させる成分の例として
は、糖類、陽イオン性物質、有機塩、および無機塩が挙
げられる。糖類の具体例としては、グルコース、マンノ
ース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノ
ース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシ
トース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレ
ハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸および
その塩、シクロデキストリン類、セルロース類が挙げら
れる。陽イオン性物質の具体例としては、第一級、第二
級、第三級、および第四級のアミンまたはアンモニウ
ム、リン、ホスホニウムを分子中に有する化合物が挙げ
られる。また、有機塩の具体例としては、ポリアリルア
ミン塩、ポリエチレンイミン塩が挙げられる。更に、無
機塩の具体例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アルミニウム、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、鉄の
金属イオンを陽イオン種とした塩が挙げられる。これら
成分の添加量は適宜決定されてよいが、蛍光体ペースト
に対して0.5〜5質量%程度の範囲が好ましい。
【0036】本発明において、プラズマディスプレイパ
ネル用蛍光体ペーストの表面張力が1.0×10-2〜2
0.0×10-2Nm-1の範囲であることが好ましく、更
には1.5×10-2〜5.0×10-2Nm-1の範囲内に
調整することが好ましい。
【0037】本発明の蛍光体ペーストにおいては、後述
する溶剤、バインダー等の添加量を調整して所望の表面
張力にしてもよく、更には必要に応じて表面張力調整剤
を加えても何ら問題なく適用することができる。表面張
力調整剤には特に限定はないが、例えば表面張力を下げ
る成分としては、ジエチレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチル
エーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエー
テルおよびジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエ
ーテルからなる群から選択される一種またはそれ以上の
混合物が好ましく用いられる。その添加量は適宜決定さ
れてよいが、3〜30質量%程度が好ましく、5〜10
質量%程度がより好ましい。また、本発明の好ましい態
様によれば、これらのグリコールエーテル類の一部は水
溶性が低いことから、他の水溶性の高いグリコールエー
テル類やチオジグリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコールなど
のジオールおよびグリコール類、または界面活性剤の添
加によっても調整することができる。
【0038】蛍光体ペースト中の蛍光体の含有量として
は15〜70質量%の範囲にすることが好ましい。15
質量%未満では隔壁内に均一に蛍光体が充填されないの
で好ましくない。一方、70質量%を超えてもそれ以上
は輝度に影響を及ぼさないので必要ない。
【0039】また、蛍光体粒子の分散性を向上させるた
めに、以下のようにして蛍光体粒子の表面に酸化物やフ
ッ化物を付着あるいはコーティングすることが有効であ
る。蛍光体粒子の表面に付着あるいはコーティングさせ
る金属酸化物の例としては、酸化マグネシウム(Mg
O)、アルミニウム酸化物(Al23)、酸化珪素(S
iO2)、酸化インジウム(InO3)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化イットリウム(Y23)が挙げられる。この
中で、SiO2は負に帯電する酸化物として知られ、一
方、ZnO、Al23、Y23は正に帯電する酸化物と
して知られており、特にこれらの酸化物を付着あるいは
コーティングさせることは有効である。付着させる酸化
物の粒径は蛍光体粒子の粒径に対してかなり小さく、こ
れらの酸化物の蛍光体粒子表面ヘの付着量は、蛍光体粒
子に対して0.05〜2.0質量%の範囲とするのが適
当である。これはこの範囲より少なすぎると効果が少な
く、多すぎるとプラズマ中で発生する真空紫外線を吸収
していまい、パネル輝度が低下するためである。蛍光体
粒子の表面に付着あるいはコーティングさせるフッ化物
の例としては、フッ化マグネシウム(MgF2)やフッ
化アルミニウム(AlF3)が挙げられる。
【0040】蛍光体粒子を良好に分散させるのに適した
バインダーとしては、エチルセルロースあるいはポリエ
チレンオキサイド(エチレンオキサイドのポリマ)が挙
げら、特にエトキシ基(−OC25)の含有率が49〜
54%のエチルセルロースを用いるのが好ましい。ま
た、バインダーとして光感光性樹脂を用いることも可能
である。バインダーの含有量としては0.15〜10質
量%の範囲内が好ましい。尚、隔壁間に塗布される蛍光
体ペーストの形状を整えるため、バインダーの含有量は
ペースト粘度が高くなり過ぎない範囲内で多い方に設定
するのが好ましい。
【0041】溶剤としては、水酸基(OH基)を有する
有機溶剤を混合したものを用いるのが好ましく、その有
機溶剤の具体例としては、ターピネオール(C10
18O)、ブチルカルビトールアセテート、ペンタンジオ
ール、2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイ
ソブチレート、ジペンテン(Dipentene、別名
Limonen)、ブチルカルビトール等が挙げられ
る。これらの有機溶剤を混合した混合溶剤は上記のバイ
ンダーを溶解させる溶解性に優れており、蛍光体ペース
トの分散性が良好になり好ましい。
【0042】蛍光体ペースト中の蛍光体粒子の分散安定
性を向上させるために、蛍光体ペーストに界面活性剤を
含有させるのも好ましい。界面活性剤の添加量として
は、0.05〜0.3質量%が好ましく、この範囲より
少ないと分散安定性の向上効果あるいは後述する除電効
果があまり期待できず、この範囲より多いと輝度に影響
を及ぼすので好ましくない。界面活性剤の具体例として
は、下記のようなものを挙げることができる。
【0043】アニオン性界面活性剤:脂肪酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸ポ
リカルボン酸高分子。
【0044】カチオン性界面活性剤:アルキルアミン
塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミン
オキサイド。
【0045】ノニオン性界面活性剤:ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン。
【0046】プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペー
ストには、更に除電物質を添加するのも好ましい。上記
に挙げた界面活性剤は一般的に蛍光体ペーストの帯電を
防止する除電作用も有しており、除電物質に該当するも
のが多い。但し、蛍光体、バインダー、溶剤の種類によ
って除電作用も異なるので、色々な種類の界面活性剤に
ついて試験を行って、結果の良好なものを選択するのが
好ましい。除電物質としては、界面活性剤の他に導電性
の材料からなる微粒子も挙げることができる。導電性微
粒子としては、カーボンブラックをはじめとするカーボ
ン微粉末、グラファイトの微粉末、Al、Fe、Mg、
Si、Cu、Sn、Agといった金属の微粉末、並びに
これらの金属酸化物からなる微粉末が挙げられる。この
ような導電性微粒子の添加量は、蛍光体ペーストに対し
て0.05〜1.0質量%の範囲とするのが好ましい。
【0047】蛍光体ペーストに除電物質を添加すること
によって蛍光体ペーストの帯電が防止されるが、これは
PDPの生産において次のような効果を奏する。蛍光体
ペーストに除電物質が添加されていない場合には、作製
されたパネルを駆動したときに筋むらが発生しやすいと
いう問題があるが、蛍光体ペーストに除電物質が添加さ
れることによって筋むらの発生が抑えられる。また、蛍
光体ペーストに除電物質を添加しない場合には、蛍光体
ペーストの帯電によってパネル中央部におけるアドレス
電極の切れ目において蛍光体層が盛り上がるという問題
も生じやすいが、蛍光体ペーストに除電物質を添加する
ことによってこれも抑えることができる。これらは、蛍
光体ペースト(特に有機溶剤を用いたもの)が塗布時に
帯電することによって、各溝に塗布される蛍光体ペース
トの量や溝への付着状態に若干のばらつきを生じるが、
蛍光体ペーストに除電物質を添加することによってこの
帯電が防止されるためと考えられる。また、帯電を抑え
ることによって、液適の飛散による混色も防止できる。
【0048】また、上記のように除電物質として界面活
性剤やカーボン微粉末を用いた場合には、蛍光体ペース
トに含まれている溶剤やバインダーを除去する蛍光体焼
成工程において除電物質も蒸発あるいは焼失されるの
で、焼成後の蛍光体層中には除電物質が残存しない。従
って、蛍光体層中に除電物質が残存することによってP
DPの駆動(発光動作)に支障が生じる可能性もない。
【0049】次に、本発明のプラズマディスプレイパネ
ル用蛍光体ペーストの塗布方法について説明する。
【0050】プラズマディスプレイパネルの背面基盤の
リブ構造に蛍光体ペーストを塗布して蛍光層を形成する
方法に特に限定はなく、公知の種々の方法であるスクリ
ーン印刷法、フォトレジストフィルム法、インクジェッ
ト法などが好ましく適用できる。その中でも、隔壁のピ
ッチが細かくなる高精細なリブ構造においても、隔壁間
に低コストで容易に精度良く均一に蛍光層を形成する塗
布方法として、特にインクジェット法を適用することが
好ましい。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0052】実施例1 〔蛍光体の作製〕 《蛍光体1の作製》水800mlに珪素のイオン濃度が
0.4655mol/Lとなるようにメタ珪酸ナトリウ
ムを溶解しA液とした。水800mlに亜鉛のイオン濃
度が0.8845mol/Lとなるように塩化亜鉛を溶
解しB液とした。水200mlにマンガンのイオン濃度
が0.1862mol/Lとなるように塩化マンガン四
水和物を溶解しC液とした。
【0053】図1の容器にA液を入れ、55℃に保ちな
がら攪拌翼を用いて攪拌を行った。その状態で同じく5
5℃に保たれたB液を、A液の入った容器下部添加ノズ
ルより80ml/minの速度で、同じく55℃に保た
れたC液を20ml/minの速度で定速添加を行い、
前駆体1を得た。その後、前駆体1を濾過、乾燥し乾燥
前駆体1を得た。更に乾燥前駆体1を1050℃窒素雰
囲気下で3時間焼成し蛍光体1を得た。
【0054】〔蛍光体ペーストの作製〕 《蛍光体ペースト1の作製》上記蛍光体1と各種添加剤
を下記の組成比で調合を行い、蛍光体懸濁液1を得た。
【0055】 蛍光体1 45質量% ターピネオール、ペンタンジオールの1:1混合液 52.5質量% エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量% グルコース(平均分子量10万) 3.0質量% 得られた懸濁液1を図2に示す横型連続式メディア分散
機(VMA−GETZMANN社製DISPERMAT
T SL−C5)を用いて分散処理を施し、蛍光体ペー
スト1を得た。分散条件は以下の通り。
【0056】 ディスク回転数:5,520rpm ビーズ種 :ジルコニア ビーズ径 :0.3mm ビーズ充填率 :70% 流量 :120ml/min 分散時間 :3分間 《蛍光体ペースト2の作製》下記の組成比で調合を行う
こと以外は、蛍光体ペースト1と同様の方法で蛍光体ペ
ースト2を得た。
【0057】 蛍光体1 45質量% ターピネオール、ペンタンジオールの1:1混合液 54.5質量% エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量% 《蛍光体ペースト3の作製》下記の組成比で調合を行う
こと以外は、蛍光体ペースト1と同様の方法で蛍光体ペ
ースト3を得た。
【0058】 蛍光体1 45質量% ターピネオール、ペンタンジオールの1:1混合液 50.5質量% エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量% グルコース(平均分子量10万) 1.0質量% ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 3.0質量% 《蛍光体ペースト4の作製》下記の組成比で調合を行う
こと以外は、蛍光体ペースト1と同様の方法で蛍光体ペ
ースト4を得た。
【0059】 蛍光体1 45質量% ターピネオール、ペンタンジオールの1:1混合液 51.0質量% エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量% ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 3.0質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.5質量% 《蛍光体ペースト5の作製》下記の組成比で調合を行う
こと以外は、蛍光体ペースト1と同様の方法で蛍光体ペ
ースト5を得た。
【0060】 蛍光体1 45質量% ターピネオール、ペンタンジオールの1:1混合液 51.0質量% エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量% ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 2.0質量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1.5質量% 得られた蛍光体ペースト1〜5の適当量をE型粘度計に
取り、回転数を0.5、1.0、2.0、5.0、10
rpmでそれぞれ5分間の一定のずりを与え、ずり応力
を測定し、蛍光体ペースト1〜5の粘度を求めた。
【0061】得られた蛍光体ペースト1〜5の適当量を
懸滴法により測定し、蛍光体ペースト1〜5の表面張力
を求めた。
【0062】〔プラズマディスプレイパネルの作製〕得
られた蛍光体ペースト1〜5を乾燥膜厚が30μmにな
るように、プラズマディスプレイ用基板にスクリーン塗
布した。その後、120℃で15分間乾燥を行い、次い
で450℃で1時間焼成を行ってプラズマディスプレイ
用パネル1〜5を作製した。
【0063】得られたプラズマディスプレイ用パネル1
〜5に真空紫外線(147nm)を照射して、可視光を
発光させた。その際、発光していない部分(ピンホー
ル)の数を確認した。パネル全面が発光した場合を10
0%とした相対値でプラズマディスプレイ用パネル1〜
5の歩留まり評価を実施した。
【0064】
【表1】
【0065】表1より、本発明の蛍光体ペーストを適用
したプラズマディスプレイ用パネルは歩留まりが著しく
改善されており、生産性が高いことがわかる。
【0066】実施例2 〔蛍光体の作製〕 《蛍光体2の作製》図1の容器に実施例1記載のA液を
入れ、55℃に保ちながら攪拌翼を用いて攪拌を行っ
た。その状態で同じく55℃に保たれた実施例1記載の
B液を、A液の入った容器下部添加ノズルより80ml
/minの速度で、同じく55℃に保たれた実施例1記
載のC液を20ml/minの速度で定速添加を行っ
た。添加終了後120分間熟成を行い、前駆体2を得
た。その後、前駆体2を濾過、乾燥し乾燥前駆体2を得
た。更に乾燥前駆体2を1050℃窒素雰囲気下で3時
間焼成し蛍光体2を得た。
【0067】《蛍光体3の作製》蛍光体2の作製と同様
にして、A液に対してB、C液を添加した。
【0068】この時、同時にpH11.0になるように
アンモニアを加えながら反応を行い、前駆体3を得た。
その後、前駆体3を濾過、乾燥し乾燥前駆体3を得た。
更に乾燥前駆体3を1050℃窒素雰囲気下で3時間焼
成し蛍光体3を得た。
【0069】《蛍光体4の作製》蛍光体2の作製と同様
にして、A液に対してB、C液を添加した。
【0070】この時、同時にpH11.0になるように
アンモニアを加えながら反応を行った。添加終了後、ア
ンモニアを用いてpH13.0にして120分間熟成を
行い、前駆体4を得た。その後、前駆体4を濾過、乾燥
し乾燥前駆体4を得た。更に乾燥前駆体4を1050℃
窒素雰囲気下で3時間焼成し蛍光体4を得た。
【0071】《蛍光体5の作製》低分子ゼラチン(平均
分子量、約10万)をA、B、C液にそれぞれ3質量%
ずつ加えて溶解したこと以外は、蛍光体4の作製方法と
同様にして蛍光体5を得た。
【0072】〔プラズマディスプレイ用パネルの作製〕
得られた蛍光体2〜5を、蛍光体ペースト5と同様の方
法で分散処理し、蛍光体ペースト5の粘度、表面張力に
合わせた蛍光体ペースト6〜9を得た。得られた蛍光体
ペースト6〜9について、それをエタノールに分散さ
せ、その分散物をガラスに塗布、乾燥してSEM写真を
撮った。無作為に1000個の粒子について粒子径を測
定し、1μm以下の粒子の割合、更には変動係数を求め
た。
【0073】次いで、蛍光体ペースト6〜9を乾燥膜厚
が30μmになるようにプラズマディスプレイ用基板に
スクリーン塗布した。その後、120℃で15分間乾燥
を行い、次いで450℃で1時間焼成を行ってプラズマ
ディスプレイ用パネル6〜9を作製した。
【0074】得られたプラズマディスプレイ用パネル6
〜9に真空紫外線(147nm)を照射して、その時の
輝度を測定した。輝度の測定はミノルタ製分光放射輝度
計CS−1000を用いた。評価はプラズマディスプレ
イ用パネル5の輝度を100としたときの相対値で示し
た。
【0075】
【表2】
【0076】表2より、本発明の蛍光体ペーストを適用
したプラズマディスプレイ用パネルは、輝度が著しく改
善されていることがわかる。
【0077】
【発明の効果】本発明の蛍光体ペーストによって、生産
性が高く、高輝度なプラズマディスプレイ用パネルを提
供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機蛍光体前駆体の製造に用いられる
反応装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の無機蛍光体分散物の製造に用いられる
分散機の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
11 添加ノズル 12 撹拌翼 1 ローター 2 ベッセル
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆行 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 岡田 尚大 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 4H001 CA01 CA02 CF01 5C040 FA10 GG08 JA02 KB28 KB29 MA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相法で合成した無機蛍光体を含有する
    プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペーストにおい
    て、該蛍光体ペーストの粘度が10-3〜5Pa・sの範
    囲であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル
    用蛍光体ペースト。
  2. 【請求項2】 液相法で合成した無機蛍光体を含有する
    プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペーストにおい
    て、該蛍光体ペーストの表面張力が1.0×10-2〜2
    0.0×10-2Nm-1の範囲であることを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト。
  3. 【請求項3】 無機蛍光体粒子の50質量%以上が1μ
    m以下の粒子径であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペース
    ト。
  4. 【請求項4】 無機蛍光体粒子の粒径分布の変動係数が
    100%以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光
    体ペースト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117875A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 蛍光体ペースト及びプラズマディスプレイパネル
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