JP2003327548A - 光学活性化合物の製造方法 - Google Patents
光学活性化合物の製造方法Info
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Abstract
と。 【解決手段】(A)、(B)、(C)または、(A)、
(B)、(D)、(E)の工程を有する光学活性化合物
の製造方法。 (A)下記一般式(1)で表される(R,S)−化合物
と、下記一般式(2)で表されるアセチレン系化合物と
を反応させ、下記一般式(3)で表される(R,S)−
アセチレン系モノマーを得る工程。 R−Z …(1) CH≡C−X−OH …(2) CH≡C−X−Z'−R …(3) (B)該(S,R)−アセチレン系モノマーのR体とS
体のいずれか一方を選択的に重合しうる触媒を用いて重
合し、一方の光学活性重合体を得る工程。 (C)該光学活性重合体と未反応のアセチレン系モノマ
ーとを分離し、該光学活性重合体を分解して光学活性化
合物を得る工程。 (D)未反応のアセチレン系モノマーを分離する工程。 (E)該アセチレン系モノマーを分解して光学活性化合
物を得る工程。
Description
活性物質、液晶ディスプレイなどの合成原料などとして
有用な光学活性化合物を、(R,S)−化合物の光学分
割により製造する方法に関する。
は、アキラル(ラセミ体)なアルコールを原料とし、酵
素を用いて光学分割する方法(例えば、特開2001−
019650号公報)、ケトンを不斉の配位子を有する
金属錯体触媒を用いて、不斉還元する方法(例えば、特
開平11−322649号公報)などが知られている。
用いる方法では、副反応が起きる、収率や光学純度が低
いという問題があり、また、不斉の配位子を有する金属
錯体触媒を用いる方法では、不斉配位子が高価である、
適当なケトンを選択しなければならないという問題があ
る。
キラルな化合物を原料に、工業的に価値の高い光学活性
な化合物を製造する方法を鋭意検討した結果、R体とS
体の混合物である化合物から得られるキラルなアセチレ
ン系モノマーのうち、R体またはS体の一方を重合さ
せ、得られた重合体または残ったモノマーを分解するこ
とにより、容易に光学分割が行えることを見出し、本発
明に到達した。
(C)の工程を有する光学活性化合物の製造方法であ
る。また、本発明の第2の要旨は、(A)、(B)、
(D)、(E)の工程を有する光学活性アルコールの製
造方法である。 (A)下記一般式(1)で表される(R,S)−化合物
と、下記一般式(2)で表されるアセチレン系化合物と
を反応させ、下記一般式(3)で表される(R,S)−
アセチレン系モノマーを得る工程。
−OH、−COOH、−NH2、−CHO、−CHS、
−CSOH、−CSSH、−SeHまたは−SHを表
す。)
Xは連結基を表す。)
Xは一般式(2)におけるXと同じ基を表し、Z'は一
般式(1)におけるZの残基を表す。)
ーのR体とS体のいずれか一方を選択的に重合しうる触
媒を用いて重合し、一方の光学活性重合体を得る工程。 (C)該光学活性重合体と未反応のアセチレン系モノマ
ーとを分離し、該光学活性重合体を分解して光学活性化
合物を得る工程。 (D)未反応のアセチレン系モノマーを分離する工程。 (E)該アセチレン系モノマーを分解して光学活性化合
物を得る工程。
(1)で表される(R,S)−化合物は、不斉炭素を有
するラセミの化合物である。一般式(1)において、R
は不斉炭素を有する炭化水素基、好ましくは不斉炭素を
有するアルキル基を表す。Rで表される炭化水素基の炭
素数は、通常1〜30、好ましくは1〜14である。特
に好ましくは、1−メチルブチル基、1−メチルペンチ
ル基、1−エチルヘキシル基、1−メチルヘキシル基、
1−メチルオクチル基などが挙げられる。
OOH、−NH2、−CHO、−CHS、−CSOH、
−CSSH、−SeHまたは−SHを表す。好ましくは
−OHである。一般式(1)において、Zが−OHの場
合、一般式(1)で表される化合物は不斉炭素を有する
アルコールであり、具体的には、2−ブタノール、2−
ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、
2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノー
ルなどが挙げられる。
(R,S)−化合物と一般式(2)で表されるアセチレ
ン系化合物とを反応させて、一般式(3)で表される
(S,R)−アセチレン系モノマーを得る。
す。Xは、好ましくは(CH2)y(ただし、yは1〜1
4の整数を表す。)、−C(CH3)2−などの脂肪族炭
化水素基、S、O、Se、−Si(CH3)2−、2価の
芳香族基、−CO−、−OCO−、−SO3−、−PO3
−などから選ばれる1以上を表す。特に好ましくは、−
X1 x−X2−を表す。(xが1の場合は、X1が三重結合
を有する炭素原子に結合する。)X1は、(CH2)
y(ただし、yは1〜14の整数を表す。)、−C(CH
3)2−などの脂肪族炭化水素基、−CO−、S、O、S
e、−Si(CH3)2−、2価の芳香族基などを表す。
xは0または1を表し、好ましくは0である。X2は、
具体的には電子吸引性基または電子供与性基のいずれで
もよく、好ましくは−CO−、−OCO−、−SO
3−、−PO3−などを表す。
プロピオール酸(CH≡C−COOH)、CH≡C−C
H2−COOH、CH≡C−(CH2)2−COOH、C
H≡C−Ph−COOH、CH≡C−C(=O)−Ph
−COOH、CH≡C−C(=O)−Ph−COOHな
どが挙げられ、好ましくはプロピオール酸が用いられ
る。Phはフェニレン基を表す
で表されるのと同じ不斉炭素を有する炭化水素基を表
す。Xは一般式(2)におけるのと同じ連結基を表す。
Z'は、一般式(2)におけるZと、一般式(1)にお
ける−OH基との反応の結果生じる、Zに由来する残基
を表す。Zが−OHの場合、Z'は−O−であり、Zが
−COOHの場合、Z'は−OCO−、Zが−NH2の場
合、Z'は−NH−であり、Zが−CHOの場合、Z'は
−CO−であり、Zが−SHの場合、Z'は−S−とな
る。Zが−SHの場合、Z'は−S−であり、Zが−C
SOHの場合、Z'は−CSO−となり、Zが−CSS
Hの場合、Z'は−CSS−となり、Zが−CHSの場
合、Z'は−CS−となり、Zが−SeHの場合、Z'は
−Se−となる。
物と一般式(2)で表されるアセチレン系化合物とを反
応させ、一般式(3)で表される(S,R)−アセチレ
ン系モノマーを得る方法は特に限定されないが、Xが−
CO−(x=0、X2=−CO−)、Z'が−O−である
(S,R)−アセチレン系モノマーを得る方法として
は、一般式(1)で表される(R,S)−アルコールと
プロピオール酸とを脱水触媒の存在下、通常室温℃以
上、好ましくは60℃以上であり、通常150℃以下、
好ましくは100℃以下で、通常0.1時間以上、好ま
しくは1時間以上であり、通常240時間以下、好まし
くは10時間以下の加熱により反応させて得ることがで
きる。
酸、五酸化リン、リン酸、ポリリン酸、硫酸、ブレンシ
ュテット酸、ジシクロカルジイミド、C6H11−N=C
=N−C6H11とジメチルアミノビピリジンとの組合せ
などが挙げられる。脱水反応は、通常、溶媒の存在下行
われ、溶媒としては、通常、ベンゼン、トルエン等の炭
化水素、クロロフォルムなどのハロゲン化溶媒などが用
いられる。
(R,S)−アセチレン系モノマーのR体とS体のいず
れか一方を選択的に重合しうる触媒を用いて重合し、一
方の光学活性重合体を得る。例えば、R体のアセチレン
系モノマーを選択的に重合させると、R体の光学活性重
合体が得られ、S体のアセチレン系モノマーを選択的に
重合させると、S体の光学活性重合体が得られる。
R体とS体のいずれか一方を選択的に重合しうる触媒と
しては、特に限定されないが、VIIb族又はVIII族の元
素を含有する化合物、好ましくはロジウム、ルテニウ
ム、レ二ウム、ニッケル、白金、パラジウム、イリジウ
ムなどの元素を含有する化合物、特に好ましくはロジウ
ムを含有する化合物が用いられる。最も好ましくは、下
記一般式(4)で表される触媒の存在下、R体とS体の
等量混合物のラセミモノマーを重合させることにより、
S体を選択的に重合させることができる。
III族の元素を表す。Mは、好ましくはロジウム、ルテ
ニウム、レ二ウム、ニッケル、白金、パラジウム、イリ
ジウムなどが挙げられ、特に好ましくはロジウムが用い
られる。
位子を表す。Lは、好ましくはオレフィン、アセチレ
ン、ジエン、シクロジエン、一酸化炭素などが挙げら
れ、特に好ましくはシクロオレフィン、アリル、一酸化
炭素、フェニルアセチレニルなどが挙げられ、より好ま
しくはシクロオレフィンが挙げられる。シクロオレフィ
ンとしては、シクロオクタジエン、ノルボルナジエンが
好ましく用いられる。
る配位子を表す。L'は、好ましくは窒素、リン、ヒ
素、酸素、イオウなどの原子を有する配位子、ハロゲン
原子などが挙げられる。特に好ましくはリンを有する配
位子、ハロゲン原子が挙げられ、最も好ましくはハロゲ
ン原子が挙げられる。具体的には、窒素を有する配位子
としては、ピリジン、ビピリジル、エチレンジアミン、
トリエチレンジアミン、フェナンスロリンなどが挙げら
れる。リンを有する化合物としては、トリフェニルホス
フィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ァイト、トリフェニルホスフェート、ビスジフェニルホ
スフィン、n−ノニルフェニルホスフィン、エチレンビ
スフェニルホスフィンなどが挙げられ、トリフェニルホ
スフィンが特に好ましい。ヒ素を有する配位子としては
トリフェニルアルシンなどが挙げられる。酸素を有する
配位子としてはジフェニルエーテル、アルコキシなどが
挙げられる。イオウを有する配位子としては、ジフェニ
ルチオエーテルなどが挙げられる。ハロゲン原子として
は、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、塩素が特に好
ましい。
PF6 -、BF4 -、ClO4 -、SO3CF3 -などが挙げら
れ、PF6 -が好ましく用いられる。mは0〜7の整数、
好ましくは0〜6の整数、特に好ましくは1〜2の整数
を表す。nは0〜6の整数、好ましくは0〜5の整数、
特に好ましくは1〜2の整数を表す。pは1〜2の整数
を表す。qは0〜2の整数、好ましくは1〜2の整数を
表す。
ては、[Rh(COD)Cl]2、[Rh(NBD)C
l]2、[Rh(NBD)OCH3]2、[Rh(CO
D)bipy]SO3CF3、[Rh(COD)bip
y]PF6、[Rh(NBD)bipy]PF6、[Rh
(COD)bipyam]PF6、[Rh(COD)
(PPh3)2]PF6、[Rh(COD)EDA]C
l、[Rh(COD)TEDA]Cl、Re(Co)5
Z、[Re(CO)2Cl]2、[Re(CO)4C
l]2、Re(CO)4(PPh3)Cl、Re(CO)3
(PPh3)3Cl、Re(CO)3(bipy)Cl、
Re(CO)5(C≡CPh)、Re(CO)3(Ph2
PCH2CH2PPh2)Cl、Ni(CO)2(PP
h3)2、Ni(PPh3)2Z 2、Pt(PPh3)3(C
≡CPh)2、Pt(PPh3)HCl、Pt(PP
h3)3Cl2などが挙げられる。但し、CODはシクロ
オクタジエニル、NBDはノルボナジエニル、bipy
はビピリジル、bipyamはビピラン、Phはフェニ
ル、EDAはエチレンジアミン、TEDAはトリエチレ
ンジアミン、Zはハロゲン原子を示す。
溶媒としては、触媒または一般式(2)で表されるアセ
チレン系モノマーと反応しないものであればよい。触媒
として一般式(3)で表される触媒を用いる場合は、一
般式(2)で表されるアセチレン系モノマーを溶解する
溶媒が好ましく、具体的には、エタノール、メタノー
ル、ブタノール、サイクリックアルコールなどのアルコ
ール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、アニソールなどのエーテル類、アセトニトリル
などのシアノ化合物などが挙げられ、より好ましくはア
ルコール、特に好ましくは炭素数1〜6のアルコールが
用いられる。
して、通常0.01モル%以上、好ましくは0.1モル
%以上であり、通常10モル%以下、好ましくは5モル
%以下である。触媒濃度は、モノマーに対して、通常1
×10-5モル%以上、好ましくは1×10-4モル%以上
であり、通常1×10-1モル%以下、好ましくは1×1
0-2モル%以下である。重合時間は、通常1分以上、好
ましくは3時間以上であり、通常4日以下、好ましくは
48時間以下である。重合温度は、通常−30℃以上、
好ましくは0℃以上、特に好ましくは10℃以上であ
り、通常120℃以下、好ましくは100℃以下、特に
好ましくは80℃以下である。
活性重合体と未反応のアセチレン系モノマーとを分離
し、該光学活性重合体を加水分解など分解することによ
り光学活性化合物が得られる。通常光学活性重合体は、
溶媒に不溶なので、濾過などの常法により、未反応のア
セチレン系モノマーと分離することができる。得られた
光学活性重合体は、通常、アルコール等で洗浄した後、
通常減圧下で乾燥させる。
は、下記一般式(5)で表される(R,S)−繰り返し
単位からなり、R体が通常40重量%以下、好ましくは
30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下であ
り、R体の割合が非常に低い。R体は通常0重量%以
上、好ましくは1重量%以上である。また、S体は通常
60重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ま
しくは80重量%以上であり、S体の割合が非常に高
い。S体は通常100%以下、好ましくは99重量%以
下である。また、数平均分子量は通常100以上、好ま
しくは500以上、特に好ましくは1,000以上であ
り、通常10,000,000以下、好ましくは1,00
0,000以下である。分子量分散(数平均分子量/重
量平均分子量の比)は通常2以上、好ましくは5以上で
あり、通常100以下、好ましくは20以下である。
好ましくは不斉炭素を有するアルキル基を表す。Rで表
される炭化水素基の炭素数は、通常1〜30、好ましく
は1〜14である。特に好ましくは、1−メチルブチル
基、1−メチルヘキシル基、1−メチルヘキシル基、1
−メチルオクチル基などが挙げられる。
H2)y(ただし、yは1〜14の整数を表す。)、−C
(CH3)2−などの脂肪族炭化水素基、S、O、Se、
−Si(CH3)2−、2価の芳香族基、−CO−、−O
CO−、−SO3−、−PO3−などから選ばれる1以上
を表す。特に好ましくは、−X1 x−X2−を表す。(x
が1の場合は、X1が三重結合を有する炭素原子に結合
する。)X1は、(CH 2)y(ただし、yは1〜14の
整数を表す。)、−C(CH3)2−などの脂肪族炭化水
素基、−CO−、S、O、Se、−Si(CH3)2−、
2価の芳香族基などを表す。xは0または1を表し、好
ましくは0である。X2は、具体的には電子吸引性基ま
たは電子供与性基のいずれでもよく、好ましくは−CO
−、−OCO−、−SO3−、−PO3−などを表す。
−SCS−、−NH−、−CO−、−CS−、−S−又
は−Se−などを表し、好ましくは−O−である。
させて得られたR体の光学活性重合体からは、原料より
高純度なR体の光学活性化合物を得ることができ、工程
(B)でS体を選択的に重合させて得られたS体の光学
活性重合体からは、原料より高純度なS体の光学活性化
合物を得ることができる。工程(B)で得られた光学活
性重合体から光学活性化合物を得る方法は、特に限定さ
れないが、加水分解などにより光学活性な一般式(1)
で表される化合物を生成させることができる。
常、水、ベンゼン、トルエン、エーテルなどの溶媒中、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質の
存在下、通常4℃以上、好ましくは80℃以上であり、
通常120℃以下、好ましくは100℃以下で、通常
0.5時間以上、好ましくは1時間以上であり、通常2
4時間以下、好ましくは10時間以下加熱することによ
り、光学活性化合物を生成させることができる。
合、その回収は、まず、反応液に溶媒を添加し、アルコ
ールを抽出する。ついで、溶媒層を分取した後、溶媒を
留去することにより、光学活性アルコールを得ることが
できる。光学活性アルコールの回収に用いる溶媒は、エ
ーテルなどの光学活性アルコールは溶解するが、光学活
性重合体に基づく塩および反応液には溶解しない溶媒が
用いられ、好ましくは、前述の条件に加え、光学活性ア
ルコールよりも沸点の低い溶媒が用いられる。具体的に
は、エーテル、n−ヘキサンが挙げられる。このように
して得られる光学活性化合物の光学純度は、通常60%
以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以
上であり、通常100%以下、好ましくは99%以下で
ある。
活性重合体を除去することにより、選択的に重合された
光学異性体とは異なる光学異性体のアセチレン系モノマ
ーと、選択的に重合された光学異性体モノマーのうち、
重合反応を起こさなかった未反応アセチレン系モノマー
を分離することができる。
に重合され、光学活性重合体として、工程(B)で除去
しているので、未反応のアセチレン系モノマーは、工程
(A)で選択的に重合されたのとは異なる光学異性体の
アセチレン系モノマーの割合が高くなっている。例え
ば、R体のアセチレン系モノマーを選択的に重合させた
場合、未反応のアセチレン系モノマーは、S体の割合が
高くなり、S体のアセチレン系モノマーを選択的に重合
させた場合、未反応のアセチレン系モノマーは、R体の
割合が高くなっている。
性重合体を除去することにより未反応のアセチレン系モ
ノマーの溶液として得ることができる。未反応のアセチ
レン系モノマーを溶媒から分離するには、常法にしたが
って、溶媒を除去すればよい。このようにして回収され
た、一方の光学活性異性体の割合が高くなっている未反
応のアセチレン系モノマーは、必要に応じて、溶媒とし
てn−ヘキサンなどを用い、シリカゲルカラムなどによ
り精製してもよい。
ノマーは、再度、工程(B)に従って、一方の光学活性
体を重合し、さらに、工程(D)に従って、未反応のア
セチレン系モノマーを回収することで、選択的に重合さ
れた光学異性体とは異なる光学異性体の割合をさらに高
めることができ、最終的には純度100%の光学活性の
未反応のアセチレン系モノマーを得ることができる。
レン系モノマーの光学純度は、工程(B)における反応
率、選択率および、工程(B)、(D)の繰り返しの有
無などにより異なるが、通常60%以上、好ましくは7
0%以上、特に好ましくは80%以上であり、通常10
0%も可能であり、好ましくは100%以下、好ましく
は99%以下である。
た一方の光学異性体を多く含む光学活性アセチレン系モ
ノマーを分解して光学活性化合物を得る。分解方法は、
特に限定されないが、加水分解などにより光学活性な一
般式(1)で表される化合物を生成させることができ
る。
常、水、ベンゼン、トルエン、アルカンなどの溶媒中、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質の
存在下、通常5℃以上、好ましくは30℃以上であり、
通常150℃以下、好ましくは110℃以下、通常0.
1時間以上、好ましくは0.5時間以上であり、通常2
4時間以下、好ましくは10時間以下の条件で加熱する
ことにより、光学活性化合物を生成させることができ
る。
の場合、その回収は、反応液に溶媒を添加し、アルコー
ルを抽出する。溶媒層を分取した後、溶媒を留去するこ
とにより、光学活性アルコールを得ることができる。光
学活性アルコールの回収に用いる溶媒は、エーテルなど
の光学活性アルコールは溶解するが、光学活性重合体に
基づく塩および反応液には溶解しない溶媒が用いられ、
好ましくは、前述の条件に加え、光学活性アルコールよ
りも沸点の低い溶媒が用いられる。具体的には、エーテ
ルが挙げられる。
の光学純度は、工程(B)における反応率、選択率およ
び、工程(B)、(D)の繰り返しの有無などにより異
なるが、通常60%以上、好ましくは70%以上、特に
好ましくは80%以上であり、通常100%以下、好ま
しくは99%以下である。
ルの光学分割を容易に行うことができ、光学活性なモノ
マーおよび重合体を容易に得ることができる。本発明に
より得られた光学活性化合物は、医薬、農薬、生理活性
物質、液晶ディスプレイ材料などの合成原料として、ま
た、光学活性アセチレン系モノマーは、光学活性重合体
の原料として、光学活性重合体は導電性材料、光導電性
材料などの光学材料として有用である。さらに、本発明
においては、光学活性体の分離工程が温和な条件で行わ
れるため、目的の化合物のラセミ化が起きないという利
点がある。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。<実
施例1><モノマーの合成>下記式(6)で表されるラ
セミ体のアルコール(東京化成社製、[α]D=0.0
3°)10ml(6.2×10-2モル)、プロピオール
酸(東京化成社製)5.29g(6.35モル)、p−
トルエンスルホン酸(東京化成社製)2.0gとを、溶
媒である脱水したベンゼン(純正化学社製)100ml
に添加し、溶解させた。
し、式(7)で表されるラセミ体のアセチレン系モノマ
ーを得た。得られたアセチレン系モノマーの旋光度
[α]Dは0.51°だった。
マー0.55g、触媒として[Rh(NBD)Cl]2
(アルドリッチ社製)27mg、溶媒としてメタノール
(純正化学社製)6mlを混合し、30℃で4時間反応
を行ったところ、重合体が不溶物として析出した。反応
液にメタノール100mlを添加し、重合体を濾別し
た。得られた重合体をアルコールで洗浄、乾燥した。重
合体の重量は0.22g、旋光度[α]Dは+48°だ
った。 <重合体からアルコールの回収>得られた重合体を、
水、水酸化ナトリウムを混合し、加熱することにより、
加水分解を行う。反応終了後、エーテルを添加して、振
とうした後、静置し、エーテル層を回収する。エーテル
層からエーテルを留去し、光学活性アルコールを得るこ
とができる。 <未反応のモノマーの回収><重合体の合成>におい
て、重合体を濾別した後の、褐色の濾液からメタノール
を留去し、さらに、溶媒としてn−ヘキサンを用い、シ
リカゲルカラムで2回精製を行い、溶媒を留去して、
0.2gの未反応モノマー(液体。オリゴマーを含む)
を得た。得られた未反応モノマーの旋光度[α]Dは−
171.07°だった。なお、S体として市販されてい
る式(6)で表されるアルコールから、本実施例と同様
にして得られるS体の式(7)で表されるモノマーの旋
光度[α]Dは+23.4°であった。R体として市販
されている式(6)で表されるアルコールから、本実施
例と同様にして得られるモノマーの旋光度[α]Dは−
17.5°であった。 <未反応モノマーからのアルコールの回収>得られた未
反応モノマーに、水、水酸化ナトリウムを混合し、加熱
することにより、加水分解を行う。反応終了後、エーテ
ルを添加して、振とうした後、静置し、エーテル層を回
収する。エーテル層からエーテルを留去し、光学活性ア
ルコールを得ることができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 (A)、(B)、(C)の工程を有する
光学活性化合物の製造方法。 (A)下記一般式(1)で表される(R,S)−化合物
と、下記一般式(2)で表されるアセチレン系化合物と
を反応させ、下記一般式(3)で表される(R,S)−
アセチレン系モノマーを得る工程。 【化1】R−Z …(1) (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基を表し、Zは
−OH、−COOH、−NH2、−CHO、−CHS、
−CSOH、−CSSH、−SeHまたは−SHを表
す。) 【化2】CH≡C−X−OH …(2) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは連結基を表す。) 【化3】CH≡C−X−Z'−R …(3) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは一般式(2)におけるXと同じ基を表し、Z'は一
般式(1)におけるZの残基を表す。) (B)該(S,R)−アセチレン系モノマーのR体とS
体のいずれか一方を選択的に重合しうる触媒を用いて重
合し、一方の光学活性重合体を得る工程。 (C)該光学活性重合体と未反応のアセチレン系モノマ
ーとを分離し、該光学活性重合体を分解して光学活性化
合物を得る工程。 - 【請求項2】(A)、(B)、(D)、(E)の工程を
有する光学活性化合物の製造方法。 (A)下記一般式(1)で表される(R,S)−化合物
と、下記一般式(2)で表されるアセチレン系化合物と
を反応させ、下記一般式(3)で表される(R,S)−
アセチレン系モノマーを得る工程。 【化4】R−Z …(1) (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基を表し、Zは
−OH、−COOH、−NH2、−CHO、−CHS、
−CSOH、−CSSH、−SeHまたは−SHを表
す。) 【化5】CH≡C−X−OH …(2) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは連結基を表す。) 【化6】CH≡C−X−Z'−R …(3) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは一般式(2)におけるXと同じ基を表し、Z'は一
般式(1)におけるZの残基を表す。) (B)該(S,R)−アセチレン系モノマーのR体とS
体のいずれか一方を選択的に重合しうる触媒を用いて重
合し、一方の光学活性重合体を得る工程。 (D)未反応のアセチレン系モノマーを分離する工程。 (E)該アセチレン系モノマーを分解して光学活性化合
物を得る工程。 - 【請求項3】(B)、(C)の工程を有する光学活性化
合物の製造方法。 (B)下記一般式(3)で表される(S,R)−アセチ
レン系モノマーのR体とS体のいずれか一方を選択的に
重合しうる触媒を用いて重合し、一方の光学活性重合体
を得る工程。 【化7】CH≡C−X−Z'−R …(3) (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基を表し、Xは
連結基を表し、Z'は−O−、−OCO−、−SCO
−、−SCS−、−NH−、−CO−、−CS−、−S
−又は−Se−を表す。) (C)該光学活性重合体と未反応のアセチレン系モノマ
ーとを分離し、該光学活性重合体を分解して光学活性化
合物を得る工程。 - 【請求項4】(B)、(D)、(E)の工程を有する光
学活性化合物の製造方法。(B)下記一般式(3)で表
される(S,R)−アセチレン系モノマーのR体とS体
のいずれか一方を選択的に重合しうる触媒を用いて重合
し、一方の光学活性重合体を得る工程。 【化8】CH≡C−X−Z'−R …(3) (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基を表し、Xは
連結基を表し、Z'は−O−、−OCO−、−SCO
−、−SCS−、−NH−、−CO−、−CS−、−S
−又は−Se−を表す。) (D)未反応のアセチレン系モノマーを分離する工程。 (E)該アセチレン系モノマーを分解して光学活性化合
物を得る工程。 - 【請求項5】工程(B)において、(R,S)−アセチ
レン系モノマーを下記一般式(4)で表される触媒の存
在下、S体を選択的に重合する請求項1ないし4のいず
れかに記載の光学活性化合物の製造方法。 【化9】[MLmL'n]pQq …(4) (式中、MはVIIb族又はVIII族の元素、Lは多重結合
を有する化合物に由来する配位子、L'は孤立電子対を
有する化合物に由来する配位子、Qは陰イオン、mは0
〜5の整数、nは0〜1の整数、pは1〜2の整数、q
は0〜2の整数を表す。) - 【請求項6】(A)、(B)の工程を有する光学活性重
合体の製造方法。 (A)下記一般式(1)で表される(R,S)−化合物
と、下記一般式(2)で表されるアセチレン系化合物と
を反応させ、下記一般式(3)で表される(R,S)−
アセチレン系モノマーを得る工程。 【化10】R−Z …(1) (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基を表し、Zは
−OH、−COOH、−NH2、−CHO、−CHS、
−CSOH、−CSSH、−SeHまたは−SHを表
す。) 【化11】CH≡C−X−OH …(2) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは連結基を表す。) 【化12】CH≡C−X−Z'−R …(3) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは一般式(2)におけるXと同じ基を表し、Z'は一
般式(1)におけるZの残基を表す。)(B)該(S,
R)−アセチレン系モノマーのR体とS体のいずれか一
方を選択的に重合しうる触媒を用いて重合し、一方の光
学活性重合体を得る工程。 - 【請求項7】(A)、(B)、(D)の工程を有する光
学活性アセチレン系モノマーの製造方法。 (A)下記一般式(1)で表される(R,S)−化合物
と、下記一般式(2)で表されるアセチレン系化合物と
を反応させ、下記一般式(3)で表される(R,S)−
アセチレン系モノマーを得る工程。 【化13】R−Z …(1) (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基を表し、Zは
−OH、−COOH、−NH2、−CHO、−CHS、
−CSOH、−CSSH、−SeHまたは−SHを表
す。) 【化14】CH≡C−X−OH …(2) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは連結基を表す。) 【化15】CH≡C−X−Z'−R …(3) (式中、Rは一般式(1)におけるRと同じ基を表し、
Xは一般式(2)におけるXと同じ基を表し、Z'は一
般式(1)におけるZの残基を表す。) (B)該(S,R)−アセチレン系モノマーのR体とS
体のいずれか一方を選択的に重合しうる触媒を用いて重
合し、一方の光学活性重合体を得る工程。 (D)未反応のアセチレン系モノマーを分離する工程。 - 【請求項8】下記一般式(5)で表される(S,R)−
繰り返し単位を有する重合体であって、該繰り返し単位
のうちR体の割合が40重量%以下、S体の割合が60
重量%以上であり、数平均分子量が500〜10,00
0,000である重合体。 【化16】 (式中、Rは不斉炭素を有する炭化水素基、Xは連結
基、Z'は−O−、−OCO−、−SCO−、−SCS
−、−NH−、−CO−、−CS−、−S−又は−Se
−を表す。)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134419A JP2003327548A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 光学活性化合物の製造方法 |
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JP2002134419A JP2003327548A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 光学活性化合物の製造方法 |
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JP2002134419A Pending JP2003327548A (ja) | 2002-05-09 | 2002-05-09 | 光学活性化合物の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012020984A (ja) * | 2010-07-16 | 2012-02-02 | Nippon Surfactant Kogyo Kk | エステル誘導体並びに該エステル誘導体を含有する化粧料、外用剤、塗料及びインキ組成物 |
-
2002
- 2002-05-09 JP JP2002134419A patent/JP2003327548A/ja active Pending
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