JP2003326373A - 摩擦攪拌による複数列部材の接合体及びその製造方法 - Google Patents

摩擦攪拌による複数列部材の接合体及びその製造方法

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JP2003326373A
JP2003326373A JP2002134084A JP2002134084A JP2003326373A JP 2003326373 A JP2003326373 A JP 2003326373A JP 2002134084 A JP2002134084 A JP 2002134084A JP 2002134084 A JP2002134084 A JP 2002134084A JP 2003326373 A JP2003326373 A JP 2003326373A
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stir welding
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JP2002134084A
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Yoshikuni Kato
慶訓 加藤
Katsumi Tottori
勝美 鳥取
Yasuhiro Kanekawa
泰宏 金川
Nobumi Hiromoto
悦己 広本
Yukio Manabe
幸男 真鍋
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数本の部材を摩擦攪拌接合する際、摩擦攪
拌接合による熱歪み(熱変形)に起因するギャップの拡
大を防止して良好に摩擦攪拌接合ができるようにする。 【解決手段】 複数本の部材を部材接合線に沿って突き
合わせて、現位の部材32の現接合線L1の対側に位置
する長手壁と対面する次位の部材33又は次位の部材を
挟んで次次位の部材に設けられた幅方向変形阻止手段で
固定して、部材31と部材32とを長手方向に現接合線
にそって摩擦撹拌接合される。これによって、摩擦攪拌
接合によって生じる隣接する部材32との間の熱変形を
防止する。例えば、現位の部材の現接合線の対側に位置
する長手壁と対面する次位の部材同士を、摩擦攪拌接合
と並行して所定間隔での仮付け溶接して、幅方向変形阻
止手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の部材(長
手方向に延びる板又は型材)が摩擦攪拌接合された接合
体及びその製造方法に関し、特に、鉄道車両、船舶、及
び航空機等の大型構造物に用いられる摩擦攪拌接合体及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄道車両、船舶、及び航空機等
の大型構造物に用いられ、長手方向に延在する長尺な中
空型材等の二面構造体(パネル)は押し出し成形材を複
数平行に配設したものを突き合わせ接合して構成されて
あり、このような押し出し型材同士を接合する際には、
例えば、MIG溶接等を用いて突き合わせ接合部を溶融
溶接にて接合部を形成する。しかしながら溶融溶接で接
合する方法では熱歪み等の問題が生じる。
【0003】一方、特表平7−505090号公報に
は、摩擦攪拌接合による部材同士の接合が記載されてお
り、加工物より実質的に硬い材質からなる回転ツ−ルを
加工物の溶接部に挿入し、回転ツ−ルを回転させながら
移動することにより、回転ツ−ルと加工物との間に生じ
る摩擦熱による塑性流動によって加工物を接合する接合
方法がある。
【0004】部材である中空型材を複数摩擦攪拌接合す
る際には、まず、図5(a)に示すように、部材である
中空型材11及び12をその長尺辺(長手方向接合線)
に沿って突き合わせる。そして、この突き合わせ部に沿
って、工具(回転ツール)を回転させつつ移動して、中
空型材11及び12を摩擦攪拌接合して接合体13を得
る。上述のように、摩擦攪拌接合によって中空型材11
及び12を摩擦攪拌接合した接合体13においては、接
合の際に生じる摩擦熱等によって不可避的に熱歪みが生
じる。このような接合体13に対してさらに中空型材1
4が接合する際には、図5(b)に示すように、接合体
13の熱歪みに起因して、中空型材14と接合体13と
のギャップGが発生してしまい、このギャップGの存在
によって、中空型材14と接合体13とを摩擦攪拌接合
することが極めて困難となってしまうことがある。
【0005】一方、部材を定盤に固定して、複数本の部
材を摩擦攪拌接合した際においても、上述の熱歪みに起
因して複数本の部材を摩擦攪拌接合することができない
ことが多い。例えば、図6に示すように、長手方向に延
在する板(長尺板)21及び22を長手方向接合線に沿
って突き合わせ、定盤にその長手方向両端で固定する。
そして、長手方向接合線に沿って摩擦攪拌接合を行っ
て、接合板材23とすると、長尺板21及び22はその
長手方向両端で固定されているため、摩擦攪拌接合の際
の摩擦熱等に起因する熱歪みによって、接合板材23は
その中央部近辺が最も湾曲する状態に歪んでしまうこと
になる。このような接合板材23に対してさらに長尺板
24が接合する際には、接合板材23の熱歪みに起因し
て、長尺板24と接合板材23とのギャップGが、突き
合わせ接合線の中央付近で極めて大きくなってしまい、
このギャップGの存在によって、長尺板24と接合板材
23とを摩擦攪拌接合することが極めて困難となってし
まうことがある。このことは、部材である中空型材を定
盤に固定して摩擦攪拌接合する際にも言えることであ
る。
【0006】このように、複数本の部材を摩擦攪拌接合
する際には、摩擦攪拌接合による熱歪みによってギャッ
プが大きくなってしまい、複数本の部材を摩擦攪拌接合
できないことがある。
【0007】ところで、特開2002−1551公報
(以下従来例1と呼ぶ)には、連続して摩擦攪拌接合を
行う際の口開きを防止するため、摩擦攪拌接合を行う際
の終点側から始点側に向かって仮付け(摩擦攪拌接合に
よる仮付け)を行うことが記載されている。そして、こ
のように、仮付けの開始点と終点とを連続摩擦攪拌接合
の開始点と終点と反対とすることによって、連続摩擦攪
拌接合による開先の拡大方向が仮付けによる拡大方向と
逆となり、連続摩擦攪拌接合時の開先拡大を抑制してい
る。
【0008】さらに、特開2000−233284公報
(以下従来例2と呼ぶ)には、摩擦攪拌接合を行う際、
事前に仮付けを行うことが記載されている。つまり、摩
擦攪拌接合の際には、被接合部材に大きな力が加わり、
これによって突き合わせ部の開先寸法が大きくなること
を防ぐため、仮付けを行った後、摩擦攪拌接合を行って
いる。そして、従来例2では、仮接合跡がみえないよう
にするため、端部に突出部を有する型材を突き合わせ
て、挿入代の少ない回転工具で突出部を仮摩擦攪拌接合
する。次に、挿入代の大きい回転工具で本接合を行い、
突出部を削除して、仮接合跡がみえないようにしてい
る。
【0009】また、特開2002−35966公報(以
下従来例3と呼ぶ)には、複数列の接合線を同時に摩擦
攪拌接合する際において、窓等の摩擦攪拌接合を要しな
い部分が混在する際の摩擦攪拌接合手法が記載されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来例1では、
摩擦攪拌接合の前に仮付けを行って、連続摩擦攪拌接合
の際の開先拡大を防止するようにしているものの、従来
例1では、複数列の摩擦攪拌接合を行う際に、摩擦熱等
に起因する熱歪みによるギャップの拡大によって複数列
の摩擦攪拌接合が行えないという点については何等記載
されておらず、従来例1では、1列の摩擦攪拌接合を行
う際の開先拡大を防止することができるだけである。つ
まり、従来例1に記載された手法では、複数列の摩擦攪
拌接合を行う際、摩擦熱等に起因する熱歪みによるギャ
ップの拡大を防止して、複数列の摩擦攪拌接合を良好に
行うことができないという課題がある。
【0011】さらに、従来例2では、仮付け跡を見えな
くすることが記載されているのみで、従来例2に記載さ
れた手法では、複数列の摩擦攪拌接合を行う際に、摩擦
熱等に起因する熱歪みによるギャップの拡大を防止して
複数列の摩擦攪拌接合を良好に行えないという課題があ
る。
【0012】また、従来例3では、複数列の接合線を同
時に摩擦攪拌接合することが記載されているものの、こ
こでは、窓等の摩擦攪拌接合を要しない部分が混在する
際に、複数列の接合線を同時に摩擦攪拌接合する場合の
回転工具の制御手法が記載されているにすぎず、従来例
3においても、複数列の摩擦攪拌接合を行う際に、摩擦
熱等に起因する熱歪みによるギャップの拡大を防止して
複数列の摩擦攪拌接合を良好に行えないという課題があ
る。
【0013】上述のように、従来、複数本の部材を摩擦
攪拌接合する際、摩擦攪拌接合による熱歪みによってギ
ャップが大きくなってしまい、複数本の部材を摩擦攪拌
接合できないという課題があった。
【0014】本発明の目的は、摩擦攪拌接合による熱歪
み(熱変形)に起因するギャップの拡大を防止して、複
数本の部材が良好に摩擦攪拌接合された接合体及びその
製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、平行に
延在する複数本の長尺板や型材(以下部材)を1又は複
数のショルダ面を有する工具を用いて摩擦攪拌接合によ
り形成される広幅接合体において、前記複数本の部材を
部材接合線に沿って突き合わせて、隣接する前位の部材
と現位の部材同士が長手方向に現接合線にそって摩擦撹
拌接合される際に、現位の部材の現接合線の対側に位置
する長手壁と対面する次位の部材若しくは次位の部材を
挟んで次次位の部材に設けた、嵌合若しくは固着手段の
少なくとも一の幅方向変形阻止手段で固定若しくは挟持
され、長手方向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する
次位の部材との間の熱変形を防止する手段が講じられて
いることを特徴とする摩擦攪拌による複数列部材の接合
体が得られる。
【0016】かかる発明によれば、現位の部材の現接合
線の対側に位置する長手壁と対面する次位の部材若しく
は次位の部材を挟んで、次次位の部材に設けられた嵌合
若しくは固着手段の少なくとも一の幅方向変形阻止手段
で固定若しくは挟持して、長手方向の摩擦撹拌接合によ
って生じる隣接する次位の部材との間の熱変形を防止す
るようにしたので、摩擦攪拌接合による熱変形に起因す
るギャップが防止でき、複数本の部材を良好に摩擦攪拌
接合することができることになる。
【0017】本発明では、前記幅方向変形阻止手段が、
例えば、現位の部材の現接合線の対側に位置する長手壁
と対面する次位の部材同士を摩擦攪拌接合と並行して行
われる所定間隔での仮付け溶接である。
【0018】このように、幅方向変形阻止手段として、
現位の部材の現接合線の対側に位置する長手壁と対面す
る次位の部材同士を摩擦攪拌接合と並行して行われる所
定間隔での仮付け溶接を用いるようにしたので、仮付け
溶接と摩擦攪拌接合とを同時に進行でき、結果的に複数
本の部材を短時間にしかも良好に摩擦攪拌接合できるこ
とになる。
【0019】本発明では、前記所定間隔毎に行われる仮
付け溶接位置に前記摩擦撹拌接合により塑性流動化され
る薄板材を介在させる。これによって、仮付け溶接によ
る凹みを防止することができるばかりでなく、仮付け溶
接跡を見えなくすることができる。
【0020】本発明では、前記薄板材が仮接合位置にの
み存在する薄板端板である。このように、仮接合位置に
のみ薄板端板を存在させることによって、仮付け溶接に
よる凹みを防止することができるばかりでなく、仮付け
溶接跡を見えなくすることができる。
【0021】本発明では、前記部材が長尺板であり、前
記工具が現位の接合線の表裏両面にショルダ面が位置す
るボビンツールである場合に、該摩擦攪拌接合と並行し
て行われる所定間隔での仮付け溶接が表裏両面で行われ
ている幅方向変形阻止手段である。
【0022】このように、部材が長尺板である際、ボビ
ンツールを用いて摩擦攪拌接合を行えば、長尺板が押圧
力によって変形することがなく、しかも、摩擦攪拌接合
と並行して行われる所定間隔での仮付け溶接を表裏両面
で行うようにしたから、摩擦攪拌接合の際における熱変
形を確実に防止できることになる。
【0023】本発明では、前記幅方向変形阻止手段が、
前記接合線の垂直断面上若しくは接合線を挟んで、前位
と現位の部材と、現位と次位の部材間を連結して長手方
向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する次位の部材と
の間の熱変形を防止する嵌合手段によって構成されてい
る。
【0024】このような嵌合手段を用いれば、容易に部
材同士を嵌合することができ、しかも摩擦攪拌接合の際
の熱変形を容易に防止できることになる。
【0025】本発明では、前記部材がダブルスキン等の
中空型材であり、前記嵌合手段が接合線を挟んで対角線
上の部材表裏両面に位置する嵌合手段である。このよう
な嵌合手段を用いれば、挟持によって部材の幅方向への
変形を容易に防止することができる。
【0026】本発明では、前記部材がダブルスキン等の
中空型材であり、前記工具が現位の接合線の表両面にの
みショルダ面が位置する工具である場合に、隣接する部
材同士の嵌合手段が中空型材の中空部を挟んで対角線上
に交互に設けた嵌合手段である。このような嵌合手段を
用いれば、片側挟持によって部材の幅方向の変形を防止
することができる。
【0027】本発明では、接合線垂直線上に嵌合手段の
ない接合線の場合に少なくとも長手方向両端に仮固定が
なされる。このように、長手方向両端を仮固定すること
によって、部材の幅方向への変形を防止することができ
る。
【0028】本発明では、前記接合線上の仮固定位置に
前記摩擦撹拌接合により塑性流動化される薄板材を介在
させている。これによって、仮固定位置における摩擦攪
拌接合を良好することができる。
【0029】本発明によれば、平行に延在する複数本の
部材を1又は複数のショルダ面を有する工具を用いて摩
擦攪拌接合して広幅接合体を形成するための製造方法に
おいて、前記複数本の部材を部材接合線に沿って突き合
わせ、現位の部材の現接合線の対側に位置する長手壁と
対面する次位の部材又は次位の部材を挟んで次次位の部
材に設けられた嵌合若しくは固着手段の少なくとも一の
幅方向変形阻止手段で固定若しくは挟持して、隣接する
前位の部材と現位の部材同士を長手方向に現接合線にそ
って摩擦撹拌接合するようにしたことを特徴とする摩擦
攪拌による複数列部材の接合体の製造方法が得られる。
そして、幅方向変形阻止手段として所定間隔での仮付け
溶接が用いられ、該仮付け溶接を現位の部材の現接合線
の対側に位置する長手壁と対面する次位の部材同士を摩
擦攪拌接合と並行して行う。また、前記幅方向変形阻止
手段として、前記接合線の垂直断面上又は接合線を挟ん
で、前位と現位の部材と、現位と次位の部材間とを連結
する嵌合手段を用いられ、前記嵌合手段によって長手方
向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する次位の部材と
の間の熱変形を防止するようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明について図面を参照し
て説明する。なお、図示の例に記載された構成部品の寸
法、材質、形状、その相対的配置等は特に限定的な記載
がない限り、この発明の範囲をそれに限定する趣旨では
なく、単なる説明例にすぎない。
【0031】図1(a)及び(b)を参照して、ここで
は、複数本の長尺板(例えば、約25メートル程度の平
板)を摩擦攪拌接合する場合について説明する。図示の
例では、長尺方向に延びる複数本の長尺板が長尺板接合
線に沿って突き合わされる。まず、長尺板31と長尺板
32との突き合わせ部である接合線L1に沿って所定の
間隔で板材41が仮付け溶接される。なお、この板材の
幅をBとする。接合線L1に沿って板材41を仮付け溶
接した後、工具42を用いて接合線L1に沿って摩擦攪
拌接合を行う。工具42は、被加工物に摩擦熱を付与す
る円形ショルダ面を有するショルダ部42aと、円形シ
ョルダ面の中心軸に垂設されたプローブ42bとを有し
ており、工具42を回転させつつプローブ42bを挿入
して接合線L1に沿って工具42を移動させる。いま、
円形ショルダ面(つまり、ショルダ部42a)の直径を
Aとすると、A≧Bに規定されている。摩擦攪拌接合に
当たっては、例えば、工具42の回転数は800〜20
00rpm、送り速度(工具42の移動速度)は100
〜1000mm/分とされる。
【0032】このようにして、接合線L1に沿って摩擦
攪拌接合を行いつつ、つまり、接合線L1の摩擦攪拌接
合と並行して、長尺板32と長尺板33との突き合わせ
部である接合線L2に沿って所定の間隔で板材41を仮
付け溶接する。そして、接合線L2の仮付け溶接が終了
すると、接合線L2に沿って摩擦攪拌接合が行われる。
その後、順次、長尺板同士の仮付け溶接を行いつつ、仮
付け溶接後の接合線に沿って摩擦攪拌接合を行うことに
なる。なお、長尺板同士の表側を摩擦攪拌接合した後、
反転して、同様にして、裏側についても、摩擦攪拌接合
することが望ましい。このようにして、複数本の長尺板
が摩擦攪拌接合された接合体を得る。
【0033】上述のように、長尺板同士を板材41を介
して仮付け溶接した後、その接合線に沿って摩擦攪拌接
合を行っているから、摩擦攪拌接合の際に発生する摩擦
熱等によって長尺板31及び32が熱変形することがな
い。この結果、長尺板32と長尺板33との接合線L2
に大きなギャップが生じることがなく、接合線L2に沿
って良好に摩擦攪拌接合を行うことができることにな
る。なお、上述の例では、板材41を所定の間隔で接合
線に沿って仮付け溶接するようにしたから、摩擦攪拌接
合の際、仮付け溶接によって生じた凹部を板材41によ
って埋めることができる。
【0034】さらに、複数列の接合線について、仮付け
溶接と摩擦攪拌接合とを同時並行的に行っているから、
結果的に複数本の長尺板を短時間にしかも良好に摩擦攪
拌接合できることになる。
【0035】このように、図1に示す例では、接合線に
大きなギャップが生じることを防止しているから、接合
欠陥が生じることなく、しかも仮付け溶接と摩擦攪拌接
合とを同時並行的に行っているから、接合欠陥が生じる
ことなく短時間に複数本の長尺板を摩擦攪拌接合によっ
て接合して接合体を得ることができることになる。な
お、図1に示す例では、溶接位置に板材41を配置する
ようにしたが、板材41を用いることなく、接合線に沿
って所定の間隔でスポット溶接等を用いて長尺板同士を
仮接合するようにしてもよい。
【0036】以上の説明から明らかなように、図1に示
す例では、平行に延在する複数本の長尺板を1つのショ
ルダ面を有する工具を用いて摩擦攪拌接合して接合体を
得る際、複数本の長尺板を部材接合線に沿って突き合わ
せて、隣接する前位の長尺板31と現位の長尺板32と
を長手方向に現接合線L1にそって摩擦撹拌接合する場
合に、部材32の現接合線L1の対側に位置する長手壁
と対面する次位の長尺板33とを仮付け溶接して長手方
向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する部材33との
間の熱変形を防止するようにしている。そして、この仮
付け溶接は幅方向変形阻止手段として機能し、摩擦攪拌
接合と並行して仮付け溶接が行われることになる。さら
に、仮付け溶接位置に摩擦撹拌接合により塑性流動化さ
れる薄板材が介在しており、薄板材は、例えば、仮接合
位置にのみ存在する薄板端板である。
【0037】図2を参照して、複数本の長尺板を摩擦攪
拌接合する際に所謂ボビンツール43を用いるようにし
てもよい。ボビンツール43は細いプローブ43aとこ
のプローブ43aを挟む一対の断面円形のショルダ部4
3b及び43cを有しており、ショルダ部43bの下面
及びショルダ部43cの上面にはそれぞれ円形ショルダ
面が規定されており、ショルダ面によって、被加工物で
ある長尺板同士の突き合わせ部に摩擦熱が付与される。
ショルダ部43b及び43cの直径はプローブ43aの
直径よりも太く、ショルダ部43b及び43cの間隔
(つまり、ショルダ面の間隔)は長尺板の厚さに応じて
設定される。
【0038】まず、長尺板31と長尺板32との突き合
わせ部である接合線L1に沿って所定の間隔でその表裏
両面にスポット溶接44を行い、長尺板31と長尺板3
2とを仮付け溶接する。接合線L1(図2には示さず)
に沿って仮付け溶接した後、ボビンツール43を用いて
ショルダ部43b及び43cで長尺板31及び32を挟
んで、ボビンツール43を回転させつつ、接合線L1に
沿って移動させて、接合線L1に沿って摩擦攪拌溶接を
行う。摩擦攪拌接合に当たっては、例えば、工具42の
回転数は800〜2000rpm、送り速度(工具42
の移動速度)は100〜1000mm/分とされる。
【0039】このようにして、接合線L1に沿って摩擦
攪拌接合を行いつつ、つまり、接合線L1の摩擦攪拌接
合と並行して、長尺板32と長尺板33との突き合わせ
部である接合線L2に沿って所定の間隔でその表裏両面
にスポット溶接44を行い、長尺板32と長尺板33と
を仮付け溶接する。そして、接合線L2の仮付け溶接が
終了すると、接合線L2に沿ってボビンツール43を用
いて摩擦攪拌接合が行われる。その後、順次、長尺板同
士をその表裏両面で仮付け溶接しつつ、仮付け溶接後の
接合線に沿って摩擦攪拌接合を行うことになる。このよ
うにして、複数本の長尺板が摩擦攪拌接合された接合体
を得る。
【0040】上述のように、長尺板同士を仮付け溶接し
た後、その接合線に沿って摩擦攪拌接合を行っているか
ら、摩擦攪拌接合の際に発生する摩擦熱等によって長尺
板31及び32が熱変形することがない。この結果、長
尺板32と長尺板33との接合線L2に大きなギャップ
が生じることがなく、接合線L2に沿って良好に摩擦攪
拌接合を行うことができることになる。さらに、複数列
の接合線について、仮付け溶接と摩擦攪拌接合とを同時
並行的に行っているから、結果的に複数本の長尺板を短
時間にしかも良好に摩擦攪拌接合できることになる。
【0041】このように、図2に示す例では、接合線に
大きなギャップが生じることを防止しているから、接合
欠陥が生じることなく、しかも仮付け溶接と摩擦攪拌接
合とを同時並行的に行っているから、接合欠陥が生じる
ことなく、短時間に複数本の長尺板を摩擦攪拌接合によ
って接合して接合体を得ることができることになる。
【0042】以上の説明から明らかなように、図2に示
す例では、ボビンツールを用いて摩擦攪拌接合を行う
際、幅方向変形阻止手段として機能する仮付け溶接が、
摩擦攪拌接合と並行して表裏両面で行われていることに
なる。
【0043】図3を参照して、ここでは、長手方向に延
びる複数本の長尺型材を摩擦攪拌接合する際について説
明する。図示の例では、長尺型材51,52,53を接
合する例が示されており、長尺型材51の垂直部51a
の下端部には長手方向に延びる切り欠き部51bが形成
され、上面板部51cの一端部(図中左端部)には長手
方向に延び下方に突出する突起部51dが形成されてい
る。一方、長尺型材52の垂直部52aの上端部には長
手方向に延びる切り欠き52bが形成されるとともに嵌
合片52cが形成されている。そして、長尺型材52の
下面板部52dの一端(図中右端)が前述の切り欠き部
51bに係止されるとともに、上面板部51cの一端
(図中左端)が切り欠き部52bに係止され、嵌合片5
2cによって規定される嵌合溝に突起部51dが嵌合さ
れる。
【0044】さらに、長尺型材52の垂直部52eの上
端部には長手方向に延びる切り欠き部52fが形成さ
れ、下面板部52dの他端部(図中左端部)には長手方
向に延び上方に突出する突起部52gが形成されてい
る。長尺型材53の垂直部53aの下端部には長手方向
に延びる切り欠き53bが形成されるとともに嵌合片5
3cが形成されている。そして、長尺型材53の上面板
部53dの一端(図中右端)が切り欠き部52fに係止
されるとともに、嵌合片53cによって規定される嵌合
溝に前述の突起部52gが嵌合される。
【0045】このようにして、長尺型材51,52,5
3を組み合わせた後、長尺型材51と長尺型材52との
接合線L1に沿って長手方向に延びる板材61を所定の
溶接間隔で接合線L1に沿って仮付け溶接する。この
際、接合線L1の両端において仮付け溶接を行うことが
望ましい。なお、この板材61の幅をBとする。接合線
L1に沿って板材61を仮付け溶接した後、工具42を
用いて接合線L1に沿って摩擦攪拌溶接を行う。つま
り、工具42を回転させつつプローブ42bを挿入して
接合線L1に沿って工具42を移動させる。いま、円形
ショルダ面(つまり、ショルダ部42a)の直径をAと
すると、A≧Bに規定されている。摩擦攪拌接合に当た
っては、例えば、工具42の回転数は800〜2000
rpm、送り速度(工具42の移動速度)は100〜1
000mm/分とされる。
【0046】このようにして、接合線L1に沿って摩擦
攪拌接合を行いつつ、つまり、接合線L1の摩擦攪拌接
合と並行して、長尺型材52と長尺型材53との突き合
わせ部である接合線L2に沿って長手方向に延びる板材
61を所定の溶接間隔で仮付け溶接する。なお、仮付け
溶接する順序(方向)と摩擦攪拌接合を行う方向は同一
方向とすることが望ましい。さらに、接合線L2の両端
において仮付け溶接を行うことが望ましい。そして、接
合線L2の仮付け溶接が終了すると、接合線L2に沿っ
て摩擦攪拌接合が行われる。その後、順次、長尺型材同
士の仮付け溶接を行いつつ、仮付け溶接後の接合線に沿
って摩擦攪拌接合を行うことになる。なお、長尺型材同
士の表側を摩擦攪拌接合した後、反転して、同様にし
て、裏側についても、摩擦攪拌接合が行われることにな
る。このようにして、複数本の長尺型材が摩擦攪拌接合
された接合体を得る。
【0047】上述のように、長尺型材板同士を嵌合させ
て、接合線に沿って板材61を仮溶接して、接合線に沿
って摩擦攪拌接合を行っているから、摩擦攪拌接合の際
に発生する摩擦熱等によって長尺型材51及び52が熱
変形することがない。この結果、長尺型材52と長尺型
材53との接合線L2に大きなギャップが生じることが
なく、接合線L2に沿って良好に摩擦攪拌接合を行うこ
とができることになる。なお、上述の例では、板材61
を長手方向に沿って仮付け溶接するようにしたから、摩
擦攪拌接合の際、多少のギャップが存在したとしても、
ギャップを板材61によって埋めることができる。
【0048】さらに、複数列の接合線について、板材6
1の仮付け溶接と摩擦攪拌接合とを同時並行的に行って
いるから、結果的に複数本の長尺板を短時間にしかも良
好に摩擦攪拌接合できることになる。
【0049】このように、図3に示す例では、嵌合構造
によって、接合線に大きなギャップが生じることを防止
しているから、接合欠陥が生じることなく、しかも板材
の仮付け溶接と摩擦攪拌接合とを同時並行的に行ってい
るから、接合欠陥が生じることなく短時間に複数本の長
尺型材を摩擦攪拌接合によって接合して接合体を得るこ
とができることになる。なお、図3に示す例では、接合
線に沿って板材61を仮溶接するようにしたが、板材6
1を接合線に沿って配置することなく、複数の接合線に
ついて同時に摩擦攪拌接合を行うようにしてもよい。
【0050】上述の説明から明らかなように、図3に示
す例では、幅方向変形阻止手段として、接合線の垂直断
面上又は接合線を挟んで、前位と現位の長尺型材51及
び52と、現位と次位の長尺型材52及び53間を連結
して長手方向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する長
尺型材53との間の熱変形を防止する嵌合手段を用いて
おり、長尺型材がダブルスキン等の中空型材である際、
この嵌合手段が接合線を挟んで対角線上の部材表裏両面
に位置している。さらに、接合線垂直線上に嵌合手段が
ない場合には、当該接合線について長手方向両端で仮固
定を行うようにすれば、熱変形を完全防止することがで
きる。この際、当該接合線上の仮固定位置に摩擦撹拌接
合により塑性流動化される薄板材を介在させておけば、
摩擦攪拌接合によって薄板材が接合される結果、仮固定
跡等が残るのを防止することができる。
【0051】なお、図3に示す例では、長尺型材に突起
部及び嵌合片を設けて、突起部を嵌合片に嵌合して幅方
向変形を阻止しているが、必ずしも突起部及び嵌合片を
設ける必要ななく、上面板及び下面板に切り欠き部を形
成して、これら切り欠き部で長尺型材同士(一端部)を
係止するようにすれば、幅方向変形をほぼ阻止すること
ができる。
【0052】図4を参照して、図示の例では、長尺型材
長尺型材71,72,73を接合する例が示されてお
り、長尺型材71の垂直部71aの下端部には長手方向
に延びる切り欠き部71bが形成され、上面板部71c
の一端部(図中左端部)には長手方向に延び下方に突出
する突起部71dが形成されている。一方、長尺型材7
2の垂直部72aの上端部には長手方向に延びる切り欠
き72bが形成されるとともに嵌合片72cが形成され
ている。そして、長尺型材72の下面板部72dの一端
(図中右端)が前述の切り欠き部71bに係止されると
ともに、上面板部71cの一端(図中左端)が切り欠き
部72bに係止され、嵌合片72cによって規定される
嵌合溝に突起部71dが嵌合される。
【0053】さらに、長尺型材72の垂直部72eの下
端部には長手方向に延びる切り欠き部72fが形成され
るとともに嵌合片72gが形成されている。長尺型材7
3の垂直部73aの上端部には長手方向に延びる切り欠
き73bが形成され、下面板部73cの一端(図中右
端)には長手方向に延び下方に突出する突起部73dが
形成されている。そして、長尺型材72の上面板部72
hの一端(図中右端)が切り欠き部73bに係止される
とともに、嵌合片72gによって規定される嵌合溝に突
起部73dが嵌合される。
【0054】このようにして、長尺型材71,72,7
3を組み合わせた後、長尺型材71と長尺型材72との
接合線L1に沿って長手方向に延びる板材61をスポッ
ト溶接74を用いて所定の溶接間隔で接合線L1に沿っ
て仮付け溶接する。この際、接合線L1の両端において
仮付け溶接を行うことが望ましい。接合線L1に沿って
板材61を仮付け溶接した後、工具42を用いて接合線
L1に沿って摩擦攪拌溶接を行う。つまり、工具42を
回転させつつプローブ42bを挿入して接合線L1に沿
って工具42を移動させる。
【0055】このようにして、接合線L1に沿って摩擦
攪拌接合を行いつつ、つまり、接合線L1の摩擦攪拌接
合と並行して、長尺型材72と長尺型材73との突き合
わせ部である接合線L2に沿って長手方向に延びる板材
61を所定の溶接間隔で仮付け溶接する。なお、仮付け
溶接する順序(方向)と摩擦攪拌接合を行う方向は同一
方向とすることが望ましい。さらに、接合線L2の両端
において仮付け溶接を行うことが望ましい。そして、接
合線L2の仮付け溶接が終了すると、接合線L2に沿っ
て摩擦攪拌接合が行われる。その後、順次、長尺型材同
士の仮付け溶接を行いつつ、仮付け溶接後の接合線に沿
って摩擦攪拌接合を行うことになる。なお、長尺型材同
士の表側を摩擦攪拌接合した後、反転して、同様にし
て、裏側についても、摩擦攪拌接合が行われることにな
る。このようにして、複数本の長尺型材が摩擦攪拌接合
された接合体を得る。
【0056】上述のように、長尺型材板同士を嵌合させ
て、接合線に沿って板材61を仮溶接して、接合線に沿
って摩擦攪拌接合を行っているから、摩擦攪拌接合の際
に発生する摩擦熱等によって長尺型材71及び72が熱
変形することがない。この結果、長尺型材72と長尺型
材73との接合線L2に大きなギャップが生じることが
なく、接合線L2に沿って良好に摩擦攪拌接合を行うこ
とができることになる。なお、上述の例では、板材61
を長手方向に沿って仮付け溶接するようにしたから、摩
擦攪拌接合の際、多少のギャップが存在したとしても、
ギャップを板材61によって埋めることができる。
【0057】さらに、複数列の接合線について、板材6
1の仮付け溶接と摩擦攪拌接合とを同時並行的に行って
いるから、結果的に複数本の長尺板を短時間にしかも良
好に摩擦攪拌接合できることになる。
【0058】このように、図4に示す例では、嵌合構造
によって、接合線に大きなギャップが生じることを防止
しているから、接合欠陥が生じることなく、しかも板材
の仮付け溶接と摩擦攪拌接合とを同時並行的に行ってい
るから、接合欠陥が生じることなく短時間に複数本の長
尺型材を摩擦攪拌接合によって接合して接合体を得るこ
とができることになる。なお、図4に示す例では、接合
線に沿って板材61を仮溶接するようにしたが、板材6
1を接合線に沿って配置することなく、複数の接合線に
ついて同時に摩擦攪拌接合を行うようにしてもよい。
【0059】上述の説明から明らかなように、図4に示
す例では、幅方向変形阻止手段として、接合線の垂直断
面上又は接合線を挟んで、前位と現位の長尺型材71及
び72と、現位と次位の長尺型材72及び73間を連結
して長手方向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する長
尺型材73との間の熱変形を防止する嵌合手段を用いて
おり、長尺型材がダブルスキン等の中空型材である際、
工具が現位の接合線の表面側にのみショルダ面が位置す
る工具である場合に、隣接する長尺型材同士の嵌合手段
が中空型材の中空部を挟んで対角線上に交互に設けられ
ていることになる。さらに、接合線垂直線上に嵌合手段
がない場合には、当該接合線について長手方向両端で仮
固定を行うようにすれば、熱変形を完全防止することが
できる。この際、当該接合線上の仮固定位置に摩擦撹拌
接合により塑性流動化される薄板材を介在させておけ
ば、摩擦攪拌接合によって薄板材が接合される結果、仮
固定跡等が残るのを防止することができる。
【0060】なお、図4に示す例では、長尺型材に突起
部及び嵌合片を設けて、突起部を嵌合片に嵌合して幅方
向変形を阻止しているが、必ずしも突起部及び嵌合片を
設ける必要ななく、上面板及び下面板に切り欠き部を形
成して、これら切り欠き部で長尺型材同士(一端部)を
係止するようにすれば、幅方向変形をほぼ阻止すること
ができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現位の部材の現接合線の対側に位置する長手壁と対面す
る次位の部材若しくは次位の部材を挟んで、次次位の部
材に設けられた嵌合若しくは固着手段の少なくとも一の
幅方向変形阻止手段で固定若しくは挟持して、長手方向
の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する次位の部材との
間の熱変形を防止するようにしたので、摩擦攪拌接合に
よる熱変形に起因するギャップが防止でき、複数本の部
材を良好に摩擦攪拌接合することができるという効果が
ある。
【0062】本発明では、幅方向変形阻止手段として、
現位の部材の現接合線の対側に位置する長手壁と対面す
る次位の部材同士を摩擦攪拌接合と並行して行われる所
定間隔での仮付け溶接を用いるようにしたので、仮付け
溶接と摩擦攪拌接合とを同時に進行でき、結果的に複数
本の部材を短時間にしかも良好に摩擦攪拌接合できると
いう効果がある。
【0063】本発明では、所定間隔毎に行われる仮付け
溶接位置に、摩擦撹拌接合により塑性流動化される薄板
材を介在させるようにしたので、仮付け溶接による凹み
を防止することができるばかりでなく、仮付け溶接跡を
見えなくすることができるという効果がある。
【0064】本発明では、薄板材を仮接合位置にのみ存
在する薄板端板としたので、仮付け溶接による凹みを防
止することができるばかりでなく、仮付け溶接跡を見え
なくすることができるという効果がある。
【0065】本発明では、部材が長尺板の際、工具が現
位の接合線の表裏両面にショルダ面が位置するボビンツ
ールである場合に、幅方向変形阻止手段として用いられ
る仮付け溶接を表裏両面で行うようにしたので、ボビン
ツールを用いて摩擦攪拌接合を行えば、長尺板が押圧力
によって変形することがなく、しかも、摩擦攪拌接合の
際における熱変形を確実に防止できるという効果があ
る。
【0066】本発明では、幅方向変形阻止手段として、
接合線の垂直断面上又は接合線を挟んで、前位と現位の
部材と、現位と次位の部材間を連結して長手方向の摩擦
撹拌接合によって生じる隣接する次位の部材との間の熱
変形を防止する嵌合手段によって構成されているので、
容易に部材同士を嵌合することができ、しかも摩擦攪拌
接合の際の熱変形を容易に防止できるという効果があ
る。
【0067】本発明では、部材がダブルスキン等の中空
型材である際、嵌合手段が接合線を挟んで対角線上の部
材表裏両面に位置するようにしたので、挟持によって部
材の幅方向への変形を容易に防止することができるとい
う効果がある。
【0068】本発明では、部材がダブルスキン等の中空
型材である際、工具が現位の接合線の表面側にのみショ
ルダ面が位置する工具である場合に、隣接する部材同士
が中空型材の中空部を挟んで対角線上に交互に設けた嵌
合手段で嵌合されるようにしたので、片側挟持によって
部材の幅方向の変形を防止することができるという効果
がある。
【0069】本発明では、接合線垂直線上に嵌合手段の
ない接合線の場合に、少なくとも長手方向両端で仮固定
を行うようにしたので、部材の幅方向への変形を防止す
ることができるという効果がある。
【0070】本発明では、接合線上の仮固定位置に摩擦
撹拌接合により塑性流動化される薄板材を介在させるよ
うにしたので、仮固定位置における摩擦攪拌接合を良好
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による摩擦攪拌による複数列部材の接
合体の製造の第1の例を説明するための図であり、
(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図2】 本発明による摩擦攪拌による複数列部材の接
合体の製造の第2の例を説明するための断面図である。
【図3】 本発明による摩擦攪拌による複数列部材の接
合体の製造の第3の例を説明するための斜視図である。
【図4】 本発明による摩擦攪拌による複数列部材の接
合体の製造の第4の例を説明するための斜視図である。
【図5】 従来の摩擦攪拌による複数列部材の接合体の
製造の一例を説明するための図であり、(a)は摩擦攪
拌接合前の状態を示す図、(b)は摩擦攪拌接合後のギ
ャップを示す図である。
【図6】 従来の摩擦攪拌による複数列部材の接合体の
製造の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
31,32,33 長尺板 41 板材 42 工具 43 ボビンツール 44 スポット溶接 51,52,53,71,72,73 長尺型材(中空
型材) 61 長尺板材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金川 泰宏 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社三原機械・交通システム工場内 (72)発明者 広本 悦己 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 真鍋 幸男 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 4E065 CA01 4E067 DA12 DA17

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に延在する複数本の部材を1又は複
    数のショルダ面を有する工具を用いて摩擦攪拌接合によ
    り形成される広幅接合体において、前記複数本の部材を
    部材接合線に沿って突き合わせて、隣接する前位の部材
    と現位の部材同士が長手方向に現接合線にそって摩擦撹
    拌接合される際に、現位の部材の現接合線の対側に位置
    する長手壁と対面する次位の部材若しくは次位の部材を
    挟んで次次位の部材に設けた、嵌合若しくは固着手段の
    少なくとも一の幅方向変形阻止手段で固定若しくは挟持
    され、長手方向の摩擦撹拌接合によって生じる隣接する
    次位の部材との間の熱変形を防止する手段が講じられて
    いることを特徴とする摩擦攪拌による複数列部材の接合
    体。
  2. 【請求項2】 前記幅方向変形阻止手段が、現位の部材
    の現接合線の対側に位置する長手壁と対面する次位の部
    材同士を摩擦攪拌接合と並行して行われる所定間隔での
    仮付け溶接であることを特徴とする請求項1に記載の複
    数列部材の接合体。
  3. 【請求項3】 前記所定間隔毎に行われる仮付け溶接位
    置に前記摩擦撹拌接合により塑性流動化される薄板材が
    介在していることを特徴とする請求項2に記載の複数列
    部材の接合体。
  4. 【請求項4】 前記薄板材が仮接合位置にのみ存在する
    薄板端板であることを特徴とする請求項3に記載の複数
    列部材の接合体。
  5. 【請求項5】 前記部材が長手方向に延在する板であ
    り、前記工具が現位の接合線の表裏両面にショルダ面が
    位置するボビンツールである場合に、該摩擦攪拌接合と
    並行して行われる所定間隔での仮付け溶接が表裏両面で
    行われている幅方向変形阻止手段であることを特徴とす
    る請求項2に記載の複数列部材の接合体。
  6. 【請求項6】 前記幅方向変形阻止手段が、前記接合線
    の垂直断面上若しくは接合線を挟んで、前位と現位の部
    材と、現位と次位の部材間を連結して長手方向の摩擦撹
    拌接合によって生じる隣接する次位の部材との間の熱変
    形を防止する嵌合手段によって構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の複数列部材の接合体。
  7. 【請求項7】 前記部材が中空型材であり、前記嵌合手
    段が接合線を挟んで対角線上の部材表裏両面に位置する
    嵌合手段である請求項6記載の複数列部材の接合体。
  8. 【請求項8】 前記部材が中空型材であり、前記工具が
    現位の接合線の表面側にのみショルダ面が位置する工具
    である場合に、隣接する部材同士の嵌合手段が中空型材
    の中空部を挟んで対角線上に交互に設けた嵌合手段であ
    る請求項6記載の複数列部材の接合体。
  9. 【請求項9】 接合線垂直線上に嵌合手段のない接合線
    の場合に少なくとも長手方向両端に仮固定がなされてい
    る請求項6乃至8のいずれかに記載の複数列部材の接合
    体。
  10. 【請求項10】 前記接合線上の仮固定位置に前記摩擦
    撹拌接合により塑性流動化される薄板材が介在している
    ことを特徴とする請求項9に記載の複数列部材の接合
    体。
  11. 【請求項11】 平行に延在する複数本の部材を1又は
    複数のショルダ面を有する工具を用いて摩擦攪拌接合し
    て広幅接合体を形成するための製造方法において、前記
    複数本の部材を部材接合線に沿って突き合わせ、現位の
    部材の現接合線の対側に位置する長手壁と対面する次位
    の部材又は次位の部材を挟んで次次位の部材に設けられ
    た嵌合若しくは固着手段の少なくとも一の幅方向変形阻
    止手段で固定若しくは挟持して、隣接する前位の部材と
    現位の部材同士を長手方向に現接合線にそって摩擦撹拌
    接合するようにしたことを特徴とする摩擦攪拌による複
    数列部材の接合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記幅方向変形阻止手段として所定間
    隔での仮付け溶接を用いて、該仮付け溶接を現位の部材
    の現接合線の対側に位置する長手壁と対面する次位の部
    材同士を摩擦攪拌接合と並行して行うようにしたことを
    特徴とする請求項11に記載の複数列部材の接合体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記幅方向変形阻止手段として、前記
    接合線の垂直断面上又は接合線を挟んで、前位と現位の
    部材と、現位と次位の部材間とを連結する嵌合手段を用
    いて、該嵌合手段によって長手方向の摩擦撹拌接合によ
    って生じる隣接する次位の部材との間の熱変形を防止す
    るようにしたことを特徴とする請求項11に記載の複数
    列部材の接合体の製造方法。
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