JP2003323977A - 発光装置の駆動方法 - Google Patents

発光装置の駆動方法

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JP2003323977A JP2003052689A JP2003052689A JP2003323977A JP 2003323977 A JP2003323977 A JP 2003323977A JP 2003052689 A JP2003052689 A JP 2003052689A JP 2003052689 A JP2003052689 A JP 2003052689A JP 2003323977 A JP2003323977 A JP 2003323977A
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晴恵 中島
Shunpei Yamazaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光素子を用い、長寿命で安定に駆動できる
発光装置の駆動方法を提供する。 【解決手段】第一電極と第二電極との間に電圧を加える
ことで発光が得られる有機化合物層が設けられた発光素
子と、前記発光素子を発光させる順方向バイアス、およ
び逆方向バイアスを印加するバイアス印加手段とを有す
る発光装置であって、前記バイアス印加手段は、前記順
方向バイアスおよび前記逆方向バイアスを交互に印加す
る周期内において、前記順方向バイアスの最大電圧Vfの
絶対値が、前記逆方向バイアスの最大電圧Vrの絶対値よ
りも大きくなるように動作する。この時、前記Vrは、前
記Vfの4分の1以上であることが好ましい。また、交流
周期内における逆バイアスを印加する時間Trは、順バイ
アスを印加する時間Tfと同じかまたは長いことが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、陽極および陰極と、電
界を加えることで発光が得られる有機化合物を含む層
(以下、「有機化合物層」と記す)とを有する有機発光
装置に関する。本発明では特に、従来よりも駆動寿命が
長い発光素子、および前記有機発光素子を用いた発光装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、電界を加えることによ
り発光する素子である。その発光機構は、電極間に有機
化合物層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から
注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化
合物層中の発光中心で再結合して励起状態の分子(以
下、「分子励起子」と記す)を形成し、その分子励起子
が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光すると
言われている。
【0003】なお、有機化合物が形成する分子励起子の
種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能
であるが、ここではどちらの励起状態が発光に寄与する
場合も含むこととする。
【0004】このような有機発光素子において、通常、
有機化合物層は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。
また、有機発光素子は、有機化合物層そのものが光を放
出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプ
レイに用いられているようなバックライトも必要ない。
したがって、有機発光素子は極めて薄型軽量に作製でき
ることが大きな利点である。
【0005】また、例えば100〜200nm程度の有機化合物
層において、キャリアを注入してから再結合に至るまで
の時間は、有機化合物層のキャリア移動度を考えると数
十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発光までの
過程を含めてもマイクロ秒オーダー以内の時間で発光に
至る。したがって、非常に応答速度が速いことも特長の
一つである。
【0006】さらに、有機発光素子はキャリア注入型の
発光素子であるため、直流電圧での駆動が可能であり、
ノイズが生じにくい。駆動電圧に関しては、まず有機化
合物層の厚みを100nm程度の均一な超薄膜とし、また、
有機化合物層に対するキャリア注入障壁を小さくするよ
うな電極材料を選択し、さらにはシングルヘテロ構造
(二層構造)を導入することによって、5.5Vで100cd/m2
の十分な輝度が達成された(例えば、非特許文献1参
照。)。
【0007】
【非特許文献1】C.W.タン(C.W.Tang)
ら、アプライド フィジクス レターズ、1987年、
Vol.51,No.12,913−915
【0008】こういった薄型軽量、高速応答性、直流低
電圧駆動などの特性から、有機発光素子は次世代のフラ
ットパネルディスプレイ素子として注目されている。ま
た、自発光型であり視野角が広いことから、視認性も比
較的良好であり、携帯機器の表示画面に用いる素子とし
て有効と考えられている。
【0009】ところで、このような有機発光素子の大き
な問題点として、素子の信頼性が挙げられる。信頼性の
中では特に輝度の経時劣化が顕著であり、大きな改善が
必要とされる。また、超薄膜のデバイスであるため、薄
膜のモルフォロジーや点欠陥、あるいは凹凸に由来する
素子の短絡のような不良も防がなければならない。
【0010】輝度の経時劣化は基本的に用いる材料由来
の現象であると考えられるが、素子の駆動方法によって
輝度の半減期を延ばすことも可能である。例えば、正孔
注入層として銅フタロシアニンを挿入し、さらに駆動を
直流ではなく矩形波の交流(順方向バイアス(順バイア
ス)では一定電流、逆方向バイアス(逆バイアス)では
一定電圧)とすることによって、輝度の半減期を大きく
改善した例がある(例えば、非特許文献2参照。)。
【0011】
【非特許文献2】S.A.VanSlykeら、外2
名、アプライド フィジクス レターズ、1996年、
Vol.69,No.15,2160−2162
【0012】非特許文献2では、初期輝度510cd/m2で輝
度半減期を4000時間にまで延ばすことに成功している。
その要因として、正孔注入層である銅フタロシアニンの
優れた正孔注入特性、正孔輸送層であるNPBの耐熱性の
良さ、そして、交流駆動によって空間電荷の蓄積を排除
できた点を挙げている。なお、通常有機発光素子を一定
電流で駆動した場合、輝度の劣化に伴って駆動電圧は徐
々に上昇してしまうが、交流駆動によってその駆動電圧
の上昇が抑えられていることが示されている。
【0013】このような交流駆動は、モルフォロジーや
点欠陥に由来する素子の短絡のような不良も除去するこ
とができると報告されている(例えば、特許文献1参
照。)。特許文献1では、直流駆動と交流駆動の素子寿
命を比較し、直流駆動の場合は短時間(200〜300
時間)の間に短絡が見られる場合が多いことを指摘して
いる。
【0014】
【特許文献1】特開平8-180972号公報
【0015】また、電極の凹凸に由来する素子の短絡を
防ぐ手法としては、例えば電極上に導電性ポリマーのバ
ッファ層を設ける手法が考案されている(例えば、非特
許文献3参照。)。非特許文献3では、ポリマーの陽極
バッファ層を導入することにより、陽極であるITOの表
面粗さを解決でき、短絡欠陥の減少につながると述べら
れている。
【0016】
【非特許文献3】佐藤佳晴、「応用物理学会 有機分子
・バイオエレクトロニクス分科会 会誌」、2000
年、Vol.11、No.1、p.86‐99
【0017】このように、有機発光素子の信頼性を向上
させるために、材料自体の改善のみではなく、駆動方法
や素子構造の観点からも手段が講じられている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記の特許文献1で述
べられている交流駆動の特徴として、逆方向バイアス時
に素子に対して印加される電圧(以下、「Vr」と記す)
は、順方向バイアス時に素子に対して印加される電圧
(以下、「Vf」と記す)と同じかまたは大きく、また、
逆方向バイアス時の持続時間(以下、「Tr」と記す)は
順方向バイアス時の持続時間(以下、「Tf」と記す)よ
りも短いことが挙げられる。すなわち、Vf≦Vr、Tf>Tr
である。なお、ここでの電圧は、全て正の値として扱っ
ている。
【0019】逆バイアスが空間電荷の蓄積を排除する効
果を考えると、Vf≦Vrとなる方が効果的である。ただし
この場合、素子の絶縁破壊強度を気にかける必要があ
る。つまり、Vrが絶縁破壊電圧Vbよりも小さくなるよう
に設定しなければならない。すなわち、Vf≦Vr<Vbであ
る。
【0020】しかしながら、輝度が経時劣化していった
とき、駆動初期に比べて電流効率(電流密度に対する輝
度の率)自体が低下していく、言い換えれば、発光に寄
与しない漏れ電流が多くなってくるため、長期的にはVb
よりも小さい電圧で絶縁破壊してしまう可能性が生じて
しまう。
【0021】つまり、上記のような交流駆動方式の場
合、直流に比べて輝度の半減期を延ばし、駆動初期に生
じる短絡等を防ぐことができるものの、長期的に見た場
合、駆動初期では絶縁破壊しなかったはずのVrの逆方向
バイアス電圧においても、絶縁破壊してしまう可能性が
出てくるのである。
【0022】そこで本発明では、輝度の劣化を緩和でき
る上に駆動初期の短絡を防ぐことのできる発光素子の交
流駆動方法を、従来よりもさらに改善し、長期的に見て
も絶縁破壊等による素子の破壊を防ぐ駆動方法を提供す
ることを課題とする。また、そのように改善された交流
駆動の手段と発光素子を組み合わせることにより、輝度
の劣化が小さく歩留まりもよい発光装置及び発光装置の
駆動方法を提供することを課題とする。
【0023】さらに、前記発光装置を用いて電気器具を
作製することにより、従来よりも長期信頼性に優れた電
気器具を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一電極と第
二電極との間に電圧を加えることで発光が得られる有機
化合物層が設けられた発光素子と、前記有機発光素子を
発光させる順方向バイアス(順バイアス)および前記順
方向バイアスとは逆極性である逆方向バイアス(逆バイ
アス)を印加するバイアス印加手段と、を有する発光装
置において、前記バイアス印加手段は、前記順方向バイ
アスおよび前記逆方向バイアスを交互に印加する周期内
において、前記順方向バイアスの最大電圧の絶対値が、
前記逆方向バイアスの最大電圧の絶対値より大きくなる
ように動作することを特徴とする。この時、前記逆方向
バイアスの最大電圧の絶対値は、前記順方向バイアスの
最大電圧の絶対値の4分の1以上であることが好まし
い。
【0025】また本発明は、第一電極と第二電極との間
に電圧を加えることで発光が得られる有機化合物層が設
けられた発光素子を有し、前記発光素子に順方向バイア
ス(順バイアス)、および前記順方向バイアスとは逆極
性である逆方向バイアス(逆バイアス)を印加する発光
装置の駆動方法において、前記順方向バイアスおよび前
記逆方向バイアスを交互に印加する周期内において、前
記順方向バイアスの最大電圧の絶対値が、前記逆方向バ
イアスの最大電圧の絶対値より大きい電圧で印加するこ
とを特徴とする。この時、前記逆方向バイアスの最大電
圧の絶対値は、前記順方向バイアスの最大電圧の絶対値
の4分の1以上であることが好ましい。
【0026】また、前記周期内における前記逆方向バイ
アスを印加する時間は、前記順バイアスを印加する時間
と同じかまたは長いことが好ましい。この場合、発光量
および発光時間が少なくなるため、用いる発光素子は三
重項励起状態からの発光を呈することが好ましい。ある
いは、希土類金属イオンからの発光を呈することが好ま
しい。
【0027】ここで、逆方向バイアス時はほとんど電流
は流れないため、逆方向バイアスはある一定電圧を印加
すればよい。順方向バイアスについては一定電圧でもよ
いが、一定電流が流れるような駆動がより好ましい。
【0028】したがって本発明では、前記順方向バイア
スおよび前記逆方向バイアスの両方が、前記発光素子に
対して一定の電圧が加わるよう印加されていることを特
徴とする。また、前記順方向バイアスは前記発光素子に
対して一定の電流を流すよう印加され、前記逆バイアス
は前記発光素子に対して一定の電圧が加わるよう印加さ
れていることを特徴とする。
【0029】ところで、本発明における有機化合物層と
しては、高分子化合物を用いる方が好ましい。そこで本
発明では、前記有機化合物層が発光を呈する高分子化合
物を含むことを特徴とする。
【0030】さらに本発明では、有機化合物層と電極と
の間に、ある程度の導電性を有する層を設けることが好
ましい。
【0031】したがって本発明では、前記有機化合物層
と前記第一電極との間、または前記有機化合物層と前記
第二電極との間に、無機化合物を含む導電層が設けられ
ていることを特徴とする。この場合、前記無機化合物を
含む導電層の導電率は、10-1 0S/cm以上であるこ
とが好ましい。
【0032】また、前記有機化合物層と前記第一電極と
の間、または前記有機化合物層と前記第二電極との間
に、導電性高分子化合物を含む層が設けられていること
を特徴とする。特に、導電性を向上させる観点から、前
記導電性高分子化合物を含む層は、前記導電性高分子に
対するアクセプタまたはドナーをさらに有することが好
ましい。このような場合も、前記導電性高分子化合物を
含む層の導電率は、10-1 0S/cm以上であることが
好ましい。
【0033】また、前記有機化合物層と前記第一電極と
の間、または前記有機化合物層と前記第二電極との間
に、π共役系有機化合物を含む層が設けられていること
を特徴とする。特に、導電性を向上させる観点から、前
記π共役系有機化合物を含む層は、前記π共役系有機化
合物に対するアクセプタまたはドナーをさらに有するこ
とが好ましい。このような場合も、前記π共役系有機化
合物を含む層の導電率は、10-10S/cm以上である
ことが好ましい。
【0034】そして、以上で述べたような発光装置を用
いて電気器具を作製することにより、従来よりも長保ち
する電気器具を提供できる。したがって本発明では、本
発明の発光装置を用いた電気器具も含むものとする。
【0035】なお、本発明における発光装置とは、発光
素子を用いた画像表示デバイスもしくは発光デバイスを
指す。また、発光素子にコネクター、例えばフレキシブ
ルプリント基板(FPC:Flexible printed circuit)も
しくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはT
CP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュー
ル、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられた
モジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方
式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも
全て発光装置に含むものとする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て述べる。なお、有機発光素子は発光を取り出すために
少なくとも第一電極または第二電極の一方が透明であれ
ばよいが、基板上に透明な第一電極(陽極)を形成し、
第一電極(陽極)から光を取り出す素子構造が一般的で
ある。実際は、第一電極を逆に陰極として陰極から光を
取り出す構造や、基板とは逆側から光を取り出す構造も
適用可能である。
【0037】まず、本発明に用いる駆動方法の概要を図
1に示す。図1(a)は、有機発光素子を発光させる順バ
イアスおよび前記順バイアスとは逆極性である逆バイア
スを印加する場合、順バイアスおよび逆バイアスからな
る交流周期内における順バイアスの最大電圧(すなわち
Vf)が、逆バイアスの最大電圧(すなわちVr)より大き
い、本発明の駆動方法である。duty比はここでは50%と
しているが、実際は画像を表示できる限りはどのような
値をとってもよい。
【0038】順バイアス(電圧Vf)で有機発光素子が発
光しているとき、その有機発光素子において絶縁破壊は
生じることはない(もし絶縁破壊していれば発光はでき
ない)。すなわち、逆バイアスの電圧VrをVfよりも小さ
くしておく限りは、長期的に見ても逆バイアス時に絶縁
破壊が生じる可能性は極めて小さくなる。具体的に逆バ
イアスの最大電圧Vrを順バイアスの最大電圧Vfの4分の
1以上としておくと良い。
【0039】また、Vf>Vrの状態であっても、十分に逆
バイアスによる寿命の改善がなされることを本発明者は
見出した。特に、Vf>Vr≧1/4Vfであれば、十分な寿命
の改善がなされていることを確認している。
【0040】また、Vf>Vrとなっている以上、逆バイア
スによる寿命改善の効果を十分に活かすためには、逆バ
イアスを印加する時間TrがTfと同じかそれ以上であるこ
とが好ましい(すなわち、Tf≦Tr)。その状態を図1
(b)に示す。図1(b)では、Tf=Trとした。
【0041】このようにTfがTr以下になってしまうと、
発光する時間帯が短くなってしまうため、通常、輝度が
減少してしまうと考えられるが、実際はそれほど大きく
輝度が落ちない可能性がある。
【0042】その理由を説明するため、図2を用いる。
図2はエネルギー準位を示す図であり、201は発光体
(ここでは仮に蛍光材料とする)の最高被占軌道(HOM
O)、202は発光体の最低空軌道(LUMO)を表す。この場
合、発光体が極めて純粋なものであれば、励起状態の分
子は蛍光量子収率Φの確率で、発光203の形でエネルギ
ーを放出する(残りは熱失活あるいは項間交差をす
る)。
【0043】しかしながら、不純物あるいはモルフォロ
ジー的な欠陥などが存在した場合、その不純物準位211
にキャリアがトラップされるか、あるいは発光体202か
らエネルギー移動212が起こってしまう。そして、この
ような不純物準位211からの発光213は発生することな
く、非発光で失活214してしまう。
【0044】ところが、本発明のような交流駆動を実施
することによって、不純物あるいはモルフォロジー的な
欠陥による不純物準位211にエネルギーが遷移すること
を抑制でき、直流駆動に比べて発光体の発光203を多く
取り出せる可能性がある。したがって、Tf≦Trであって
も、画像を表示できる限りは問題は生じない。
【0045】また、Tf≦Trの状態でも多くの発光を取り
出す手法として、三重項励起状態からの発光を呈する有
機発光素子(以下、「三重項発光素子」と記す)を適用
する方法が考えられる。
【0046】三重項励起状態からの発光(燐光)は、そ
の発光の減衰寿命が一重項励起状態からの発光(蛍光)
に比べて長い(具体的には、減衰の半減期が、蛍光では
数ナノ秒程度であるのに対し、有機発光素子に適用され
る燐光材料の燐光は数百ナノ秒〜数マイクロ秒程度であ
る)ため、Tfが小さくても残光を利用することができ
る。また、三重項発光素子は一重項発光素子よりも電流
効率が高いため、Tfが小さくても十分な発光を取り出す
ことができる。
【0047】また、希土類金属イオンを有する錯体を発
光体として用いた場合、これも三重項励起状態からの発
光であるが、その減衰の半減期は数ミリ秒のオーダーで
ある。したがって、このような希土類金属イオンからの
発光を呈する有機発光素子も好適である。
【0048】ところで、有機発光素子を直流駆動する場
合、有機発光素子に一定の電圧を印加する定電圧駆動
と、一定の電流を流す定電流駆動があるが、同様の方式
を本発明の交流駆動に適用しても良い。すなわち、逆バ
イアス時はほとんど電流は流れないため、逆バイアスは
ある一定電圧を印加すればよく、順バイアスについては
一定電圧でも一定電流でもよい。素子寿命の観点から
は、一定電流の方がより好ましいと考えられる。長期的
に見て短絡のような欠陥を防止する観点からは、一定電
圧がよい。
【0049】次に、本発明に適用できる有機発光素子で
あるが、従来用いられているように、第一電極と第二電
極との間に電圧を加えることで発光が得られる有機化合
物層が設けられた有機発光素子であれば、どのようなも
のを用いてもよい。発光色もどのようなものでもよく、
フルカラーの表示装置を作製する場合などは、光の三原
色(青、赤、緑)を組み合わせる方法や、白色の有機発
光素子にカラーフィルターを組み合わせる方法や、青色
の有機発光素子に色変換層を組み合わせる方法などが知
られている。
【0050】特に本発明では、有機化合物層を高分子化
合物で構成することが好ましい。本発明の駆動を実施す
ると、場合によっては直流駆動よりも高いVfが必要にな
ってしまうと考えられるが、高分子化合物を用いた有機
発光素子は駆動電圧が低いため、より低い電圧で発光を
取り出すことができ、有用である。また、駆動電圧が低
いということは、素子に加わるストレスも低減できるた
め、本発明の交流駆動との組み合わせにより、さらに寿
命改善の効果が期待できる。
【0051】また、そのような意味で駆動電圧を下げる
手法として、有機化合物層と電極との間に、ある程度の
導電性を有する層を設けることが好ましい。この場合、
導電性を有する層を設けることで、空間電荷の蓄積をよ
り効率的に排除できる効果も期待される。このような層
としては、無機化合物でも有機化合物でも良いが、密着
性の観点から、有機化合物の方が好ましい。
【0052】このような導電性を有する層として無機化
合物を用いる場合、例えば窒化チタン、窒化カルシウム
などが挙げられる。窒化チタンは仕事関数が大きく、陽
極側に適用するのが好適である。窒化カルシウムは逆
に、陰極側に適用するのが好適である。
【0053】このような導電性を有する層として有機化
合物を用いる場合、導電性高分子化合物を適用する手法
が考えられる。特に、導電性を向上させる観点から、ア
クセプタまたはドナーを添加したものが好ましい。例え
ば水溶性の導電性高分子材料であるポリアニリンや、ポ
リエチレンジオキシチオフェンにポリスチレンスルホン
酸を添加したPEDOT/PSSなどが挙げられる。これらはp型
半導体であるため、主として陽極側に適用される。
【0054】また、単分子のπ共役系有機化合物を適用
してもよく、この場合も導電性を向上させる観点から、
アクセプタまたはドナーを添加したものが好ましい。例
としては、単分子のπ共役系有機化合物として有機発光
素子で使用される種々のキャリア輸送材料を用い、アク
セプタやドナーを共蒸着などで添加すればよい。
【0055】なお、以上で述べたような導電性を有する
層の導電率は、空間電荷の蓄積を排除する観点から、絶
縁体と半導体の境界以上の導電率が好ましく、具体的に
は10 -10S/cm以上であることが好ましい。
【0056】これら有機発光素子と、交流駆動の手段と
を組み合わせることによって、発光装置を作製すればよ
い。発光装置としては、単純な面状発光を利用した照明
や、マトリクス状に画素を配置した表示装置など、応用
は多様である。
【0057】マトリクス状に画素を配置した表示装置の
場合、パッシブマトリクス型とアクティブマトリクス型
が考えられる。その概念図を図3および図4に示す。
【0058】図3は、パッシブマトリクス型の概念図で
ある。図3は上面図である。すなわち、基板301上にス
トライプ状の第一電極302が形成されており、その上に
有機化合物層が形成され、さらにその上に、第一電極と
直交する形で、第二電極303が形成されている。交差部
が画素Pとなる。駆動時は、第一電極302と第二電極303
の間に順バイアスおよび逆バイアスを印加することによ
り、交流駆動できる。
【0059】図4は、アクティブマトリクス型の概念図
である。図4は上面図である。すなわち、基板401上に
アイランド状の第一電極402が形成されており、その第
一電極402より上方に突き出てなおかつ、画素部を囲む
形で絶縁体隔壁403が形成されている。そしてその上に
有機化合物層が形成され、さらにその上に、ベタ付けの
形で第二電極が形成されている。
【0060】さらに、データ信号ライン407と、走査信
号ライン408と、データ信号ライン407および走査信号ラ
イン408に接続された非線形素子409が設けられており、
非線形素子はコンタクト410により、第一電極402に接続
されている。これにより、各画素をそれぞれ単独でスイ
ッチすることができる。非線形素子409は代表的には、
互いに接続された薄膜トランジスタとキャパシタとの組
み合わせ、または、薄膜トランジスタと前記薄膜トラン
ジスタの寄生のキャパシタとの組み合わせ、からなる。
駆動時は、第一電極402と第二電極の間に順バイアスお
よび逆バイアスを印加することにより、交流駆動でき
る。
【0061】
【実施例】[実施例1]本実施例では、有機化合物層と
して発光を呈する高分子化合物を適用し、さらに陽極と
有機化合物層との間に導電性高分子化合物からなる層を
設けた有機発光素子において、定電圧交流駆動(順バイ
アスおよび逆バイアスの両方が一定電圧の駆動)を行っ
た際の輝度劣化について測定した。
【0062】素子構造を図5に示す。まず、陽極502と
して膜厚が110nmのITOが成膜されたガラス基板501に対
し、PEDOT/PSSの1.3wt%水溶液を塗布し、100℃で1時間
ベークすることにより、導電性高分子化合物を含む層50
3を形成した。膜厚は30nm程度とした。
【0063】次に、80℃で3分間真空ベークを行ったあ
と、黄色発光を呈するポリ(パラ−フェニレンビニレ
ン)誘導体0.16gを40mlのトルエンに溶解させたトルエ
ン溶液を塗布し、加熱乾燥することによって有機化合物
層(この場合は発光層のみ)504を形成した。膜厚は80n
m程度とした。
【0064】さらに、10-4Paの真空下にて、Caを20n
m、次いでAlを200nm蒸着し、陰極505とした。そして、
紫外線硬化樹脂を塗布した対向ガラスと貼り合わせ、紫
外線を照射することにより封止を行った。
【0065】この素子を用い、交流電源506により順バ
イアス;3.7[V]、逆バイアス;1.7[V]、duty比;50%、
周波数;60Hzの定電圧交流駆動を実施した際の、信頼性
試験を行った(初期輝度は約400cd/cm2)。結果を図6
中のプロット「AC」に示す。約700時間経過しても、未
だ輝度の半減期には至らなかった。
【0066】[比較例1]
【0067】比較のため、実施例1と同様の素子におい
て、初期輝度を実施例1と同じ約400cd/cm2に設定し、
定電圧直流駆動を実施した際の信頼性試験を行った(駆
動電圧;3.65[V])。結果を図6中のプロット「DC」に
示す。約400時間強で輝度の半減期を迎えた。
【0068】ACと比較すると、定電圧直流駆動において
は、特に初期劣化が著しいことがわかる。なお、実施例
1および比較例1の素子駆動条件を下記表1にまとめ
た。
【0069】
【表1】
【0070】[実施例2]本実施例では、実施例1と同
様の素子を作製し、駆動条件を少し変化させて素子の信
頼性を測定した。駆動は、順バイアス;3.8[V]、逆バイ
アス;1.4[V]、duty比;50%、周波数;600Hzの定電圧交
流駆動を実施した(今回の初期輝度は約300cd/cm2であ
った)。結果を図7中のプロット「AC」に示す。約700
時間経過しても、未だ初期輝度の60%程度を保持してい
た。
【0071】[比較例2]
【0072】比較のため、実施例2と同様の素子におい
て、初期輝度を実施例2と同じ約300cd/cm2に設定し、
定電圧直流駆動を実施した際の信頼性試験を行った(今
回の駆動電圧;3.65[V])。結果を図7中のプロット「D
C」に示す。約500時間で輝度の半減期を迎えた。
【0073】ACと比較すると、定電圧直流駆動において
は、特に初期劣化が著しいことがわかる。なお、本実施
例2および比較例2の素子駆動条件を、下記表2にまと
めた。
【0074】
【表2】
【0075】[実施例3]本実施例では、本発明で開示
した発光装置の例として、パッシブマトリクス型発光装
置を例示する。図8(a)にはその上面図を示し、図8(b)
には図8(a)をP−P'で切断した時の断面図を示す。な
お、有機発光素子の素子構成としては様々な形態が可能
であるが、例えば実施例1や実施例2のような構造を適
用すればよい。
【0076】図8(a)において、801は基板であり、ここ
ではガラス材を用いる。プラスチック材を用いることも
可能であり、プラスチック材としては、ポリイミド、ポ
リアミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、PES(ポリエ
ーテルスルホン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレ
ンナフタレート)を板状、もしくはフィルム状にしたも
のが使用できる。
【0077】802は酸化導電膜からなる走査線(陽極)
であり、本実施例ではインジウム錫酸化物(ITO)を用
いる。また、803は金属膜からなるデータ線(陰極)で
あり、本実施例ではフッ化バリウムとアルミニウムを積
層したものを用いる。また、804はアクリル樹脂からな
るバンクであり、データ線803を分断するための隔壁と
して機能する。走査線802とデータ線803は両方とも、ス
トライプ状に複数形成されており、互いに直交するよう
に設けられている。なお、図8(a)では図示していない
が、走査線802とデータ線803の間には有機化合物層が挟
まれており、交差部805が画素となる。
【0078】そして、走査線802およびデータ線803はTA
Bテープ807を介して外部の駆動回路に接続される。な
お、808は走査線802が集合してなる配線群を表してお
り、809はデータ線803に接続された接続配線806の集合
からなる配線群を表す。また、図示していないが、TAB
テープ807の代わりに、TABテープにICを設けたTCPを接
続してもよい。
【0079】また、図8(b)において、810はシール材、
811はシール材810により基板801に貼り合わされたカバ
ー材である。シール材810としては光硬化樹脂を用いて
いればよく、脱ガスが少なく、吸湿性の低い材料が望ま
しい。カバー材としては基板801と同一の材料が好まし
く、ガラス(石英ガラスを含む)もしくはプラスチック
を用いることができる。ここではガラス材を用いる。
【0080】次に、画素領域812の構造の拡大図を図8
(c)に示す。813は有機化合物層である。なお、図8(c)
に示すように、バンク804は下層の幅が上層の幅よりも
狭い形状になっており、データ線803を物理的に分断で
きる。また、シール材810で囲まれた画素部814は、樹脂
からなる封止材815により外気から遮断され、有機化合
物層の劣化を防ぐ構造となっている。
【0081】以上のような構成からなる本発明の発光装
置は、画素部814が走査線802、データ線803、バンク804
および有機化合物層813で形成されるため、非常に簡単
なプロセスで作製することができる。
【0082】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物層
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0083】[実施例4]本実施例では、本発明で開示
した発光装置の例として、パッシブマトリクス型のフル
カラー発光装置を例示するが、ここでは基板と逆側から
光を取り出す構成を例示する。図9(a)にはその上面図
を示し、図9(b)には図9(a)をP−P'で切断した時の断
面図を示す。なお、有機発光素子の素子構成としては、
ここでは白色発光素子とする。
【0084】図9(a)において、901は基板であり、ここ
ではガラス材を用いる。プラスチック材を用いることも
可能であり、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、PES(ポリエーテルスルホン)、PC(ポ
リカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)を板
状、もしくはフィルム状にしたものが使用できる。
【0085】902は酸化導電膜からなる走査線(陽極)
であり、本実施例ではTiNを用いる。また、903は金属膜
からなるデータ線(陰極)であり、本実施例ではフッ化
バリウムにアルミニウムの半透過膜を積層し、さらにIT
Oをスパッタにより積層したものを用いる。発光は陰極
側から取り出す。また、904はアクリル樹脂からなるバ
ンクであり、データ線903を分断するための隔壁として
機能する。走査線902とデータ線903は両方とも、ストラ
イプ状に複数形成されており、互いに直交するように設
けられている。なお、図9(a)では図示していないが、
走査線902とデータ線903の間には有機化合物層が挟まれ
ており、交差部905が画素となる。
【0086】そして、走査線902およびデータ線903はTA
Bテープ907を介して外部の駆動回路に接続される。な
お、908は走査線902が集合してなる配線群を表してお
り、909はデータ線903に接続された接続配線906の集合
からなる配線群を表す。また、図示していないが、TAB
テープ907の代わりに、TABテープにICを設けたTCPを接
続してもよい。
【0087】また、図9(b)において、910はシール材、
911はシール材910により基板901に貼り合わされたカバ
ー材である。シール材910としては光硬化樹脂を用いて
いればよく、脱ガスが少なく、吸湿性の低い材料が望ま
しい。カバー材としては基板901と同一の材料が好まし
く、ガラス(石英ガラスを含む)もしくはプラスチック
を用いることができる。ここではガラス材を用いる。92
0は、カラーフィルターである。ここでは、カバー材911
に形成された例を示す。
【0088】次に、画素領域912の構造の拡大図を図9
(c)に示す。913は有機化合物層である。なお、図9(c)
に示すように、バンク904は下層の幅が上層の幅よりも
狭い形状になっており、データ線903を物理的に分断で
きる。また、シール材910で囲まれた画素部914は、樹脂
からなる封止材915により外気から遮断され、有機化合
物層の劣化を防ぐ構造となっている。
【0089】以上のような構成からなる本発明の表示装
置は、画素部914が走査線902、データ線903、バンク904
および有機化合物層913で形成され、さらに有機化合物
層は白色発光のみでよいため、非常に簡単なプロセスで
フルカラー発光装置を作製することができる。
【0090】[実施例5]上記実施例で述べた本発明の
発光装置は、歩留まりがよく寿命が長いという利点を有
する。したがって、前記発光装置が表示部等として含ま
れる電気器具は、従来よりも長保ちする電気器具とな
る。
【0091】また、前記発光装置は、自発光型であるこ
とから液晶表示装置のようなバックライトは必要なく、
有機化合物層の厚みも1μmに満たないため、薄型軽量
化が可能である。したがって、前記発光装置が表示部等
として含まれる電気器具は、従来よりも薄型軽量な電気
器具となる。このことも、特に携帯機器のような電気器
具に関して、便利さ(持ち運びの際の軽さやコンパクト
さ)に直結するため、極めて有用である。さらに、電気
器具全般においても、薄型である(かさばらない)こと
は運送面(大量輸送が可能)、設置面(部屋などのスペ
ース確保)からみても有用であることは疑いない。
【0092】なお、前記発光装置は自発光型であるため
に、液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優
れ、しかも視野角が広いという特徴を持つ。したがっ
て、前記発光装置を表示部として有する電気器具は、表
示の見やすさの点でも大きなメリットがある。
【0093】すなわち、本発明の発光装置を用いた電気
器具は、薄型軽量、高視認性といった従来の有機発光素
子の長所に加え、長寿命で歩留まりがよいという特長も
保有しており、極めて有用である。
【0094】本実施例では、本発明の発光装置を表示部
として含む電気器具を例示する。その具体例を図10お
よび図11に示す。なお、本実施例の電気器具に含まれ
る発光装置は、本発明で開示した発光装置のいずれを用
いても良い。例えば、実施例3や実施例4で示したマト
リクス状の表示装置を用いればよい。
【0095】図10(a)は有機発光素子を用いたディス
プレイ装置であり、筐体1001a、支持台1002a、表示部10
03aを含む。本発明の発光装置を表示部1003aとして用い
たディスプレイを作製することにより、薄く軽量で、長
保ちするディスプレイを実現できる。よって、輸送が簡
便になり、設置の際の省スペースが可能となる上に、寿
命も長い。
【0096】図10(b)はビデオカメラであり、本体100
1b、表示部1002b、音声入力部1003b、操作スイッチ1004
b、バッテリー1005b、受像部1006bを含む。本発明の発
光装置を表示部1002bとして用いたビデオカメラを作製
することにより、寿命が長く、軽量なビデオカメラを実
現できる。
【0097】図10(c)はデジタルカメラであり、本体1
001c、表示部1002c、接眼部1003c、操作スイッチ1004c
を含む。本発明の発光装置を表示部1002cとして用いた
デジタルカメラを作製することにより、寿命が長く、軽
量なデジタルカメラを実現できる。
【0098】図10(d)は記録媒体を備えた画像再生装
置であり、本体1001d、記録媒体(CD、LD、またはDVDな
ど)1002d、操作スイッチ1003d、表示部(A)1004d、表示
部(B)1005dを含む。表示部(A)1004dは主として画像情報
を表示し、表示部(B)1005dは主として文字情報を表示す
る。本発明の発光装置をこれら表示部(A)1004dや表示部
(B)1005dとして用いた前記画像再生装置を作製すること
により、軽量な上に、長保ちする前記画像再生装置を実
現できる。なお、この記録媒体を備えた画像再生装置に
は、CD再生装置、ゲーム機器なども含む。
【0099】図10(e)は携帯型(モバイル)コンピュ
ータであり、本体1001e、表示部1002e、受像部1003e、
操作スイッチ1004e、メモリスロット1005eを含む。本発
明の発光装置を表示部1002eとして用いた携帯型コンピ
ュータを作製することにより、寿命が長く、薄型軽量な
携帯型コンピュータを実現できる。なお、この携帯型コ
ンピュータはフラッシュメモリや不揮発性メモリを集積
化した記録媒体に情報を記録したり、それを再生したり
することができる。
【0100】図10(f)はパーソナルコンピュータであ
り、本体1001f、筐体1002f、表示部1003f、キーボード1
004fを含む。本発明の発光装置を表示部1003fとして用
いたパーソナルコンピュータを作製することにより、寿
命が長く、薄型軽量なパーソナルコンピュータを実現で
きる。特に、ノートパソコンのように持ち歩く用途が必
要な場合、軽さの点で大きなメリットとなる。
【0101】なお、上記電気器具はインターネットなど
の電子通信回線や電波などの無線通信を通じて配信され
る情報を表示することが多くなってきており、特に動画
情報を表示する機会が増えている。有機発光素子の応答
速度は非常に速く、そのような動画表示に好適である。
【0102】次に、図11(a)は携帯電話であり、本体1
101a、音声出力部1102a、音声入力部1103a、表示部1104
a、操作スイッチ1105a、アンテナ1106aを含む。本発明
の発光装置を表示部1104aとして用いた携帯電話を作製
することにより、寿命が長く、薄型軽量な携帯電話を実
現できる。
【0103】図11(b)は携帯ゲーム機器であり、本体1
101b、表示部1102b、主電源1103b、操作スイッチ1104b
および1105bを含む。本発明の発光装置を表示部1102bと
して用いた携帯ゲーム機器を作製することにより、寿命
が長く薄型軽量な携帯ゲーム機器を実現できる。さら
に、ゲーム機器は動きの激しい動画像が必要とされる場
合が多いが、有機発光素子は入力に対する応答が早く、
このような用途には最適である。
【0104】図11(c)は音響機器(具体的には車載用
オーディオ)であり、本体1101c、表示部1102c、操作ス
イッチ1103c、1104cを含む。本発明の発光装置を表示部
1102cとして用いた音響機器を作製することにより、寿
命が長く、軽量な音響機器を実現できる。また、本実施
例では車載用オーディオを例として示すが、家庭用オー
ディオに用いても良い。
【0105】なお、図10〜図11で示したような電気
器具において、さらに光センサを内蔵させ、使用環境の
明るさを検知する手段を設けることで、使用環境の明る
さに応じて発光輝度を変調させるような機能を持たせる
ことは有効である。使用者は、使用環境の明るさに比べ
てコントラスト比で100〜150の明るさを確保できれば、
問題なく画像もしくは文字情報を認識できる。すなわ
ち、使用環境が明るい場合は画像の輝度を上げて見やす
くし、使用環境が暗い場合は画像の輝度を抑えて消費電
力を抑えるといったことが可能となる。
【0106】また、本発明の発光装置を光源として用い
た様々な電気器具も、寿命が長く、薄型軽量化が可能で
あるため、非常に有用と言える。代表的には、液晶表示
装置のバックライトもしくはフロントライトといった光
源、または照明機器の光源として本発明の発光装置を含
む電気器具である。
【0107】したがって、本実施例に示した図10〜図
11の電気器具の表示部を、全て液晶ディスプレイにす
る場合においても、その液晶ディスプレイのバックライ
トもしくはフロントライトとして本発明の発光装置を用
いた電気器具を作製することにより、長保ちする上に、
薄くて軽量な電気器具が達成できる。
【0108】
【発明の効果】本発明を実施することにより、輝度の劣
化を緩和できる上に駆動初期の短絡を防ぐことのできる
有機発光素子の交流駆動方式を、従来よりもさらに改善
し、長期的に見ても絶縁破壊等による素子の破壊を防ぐ
ことができ、また、そのように改善された交流駆動の手
段と有機発光素子を組み合わせることにより、輝度の劣
化が小さく歩留まりもよい発光装置を提供できる。さら
に、前記発光装置を用いて電気器具を作製することによ
り、従来よりも長保ちする電気器具を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法の概念を示す図。
【図2】発光の過程を示す図。
【図3】パッシブマトリクス型表示装置の概念を示す
図。
【図4】アクティブマトリクス型表示装置の概念を示す
図。
【図5】有機発光素子の構造を示す図。
【図6】実施例1および比較例1の結果を示す図。
【図7】実施例2および比較例2の結果を示す図。
【図8】発光装置の構造を示す図。
【図9】発光装置の構造を示す図。
【図10】電気器具の具体例を示す図。
【図11】電気器具の具体例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/30 G09G 3/30 J H05B 33/14 H05B 33/14 A Fターム(参考) 3K007 AB11 BA06 DB03 GA02 5C080 AA06 BB05 CC03 DD18 DD29 EE28 FF11 FF12 JJ04 JJ05 JJ06 KK02 KK07 KK43 KK47

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一電極と第二電極との間に電圧を加える
    ことで発光が得られる有機化合物層が設けられた発光素
    子を有し、前記発光素子に順方向バイアス、および逆方
    向バイアスを印加する発光装置の駆動方法において、前
    記順方向バイアスおよび前記逆方向バイアスを交互に印
    加する周期内において、前記順方向バイアスの最大電圧
    の絶対値が、前記逆方向バイアスの最大電圧の絶対値よ
    り大きい電圧で印加することを特徴とする発光装置の駆
    動方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記逆方向バイアスの
    最大電圧の絶対値が、前記順バイアスの最大電圧の絶対
    値の4分の1以上の電圧で印加することを特徴とする発
    光装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記周
    期内における前記逆方向バイアスは、前記順方向バイア
    スを印加する時間と同じかまたは長い時間印加すること
    を特徴とする発光装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3において、前記順方
    向バイアスおよび前記逆方向バイアスの両方が、前記発
    光素子に対して一定の電圧が加わるよう印加することを
    特徴とする発光装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項3において、前記順方
    向バイアスは前記発光素子に対して一定の電流を流すよ
    う印加され、前記逆方向バイアスは前記発光素子に対し
    て一定の電圧が加わるよう印加することを特徴とする発
    光装置の駆動方法。
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