JP2003323710A

JP2003323710A - 磁気記録媒体

Info

Publication number: JP2003323710A
Application number: JP2002127879A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Kitamura; 健一北村; Hiroyuki Yamada; 博幸山田
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 2002-04-30
Filing date: 2002-04-30
Publication date: 2003-11-14
Also published as: US7144643B2; US20040018388A1

Abstract

(57)【要約】【課題】ＭＲヘッドを再生ヘッドに用いた磁気記録シ
ステムにおいて、直接慴動によってもＭＲヘッドにダメ
ージを与えることがなく、かつ、自己の摩耗をも防止す
ることができるだけの耐久性を備えた高性能の磁気記録
媒体を提供する。【解決手段】ＭＲヘッドを再生ヘッドとする磁気記録
システムに用いられる磁気記録媒体１を、中心間距離４
５ｍｍにて配置された２本のガイドロール２間において
単位幅当り８．８×１０^-1Ｎ／ｃｍのテンション下で支
持し、かつ、磁性層形成側の面に、断面が正方形である
角柱状のセンダストバー３の長手方向角部を、ガイドロ
ール２の中間点において磁気記録媒体１の走行方向に対
し垂直に、押込み量２ｍｍにて押し込んだ状態で、走行
速度２．５ｍ／ｓにて磁気記録媒体の長さ２５０ｍ分を
２００往復させた際における、センダストバー３の摩耗
により形成された面の走行方向の幅長さが、９〜２５μ
ｍである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、詳しくは、ＭＲヘッドを再生ヘッドに用いた磁気記
録システムにおいて好適に使用することのできる磁気記
録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の磁気記録媒体に対する高密度記録
の要請より、再生ヘッドとしてＭＲヘッドを用いたイン
ダクティブ−ＭＲ複合薄膜ヘッドの使用が提案されてい
る。ＭＲヘッドとは、ＭＲ（磁場抵抗）効果を用いてデ
ータを読み取り検知する方式の再生ヘッドであり、従来
の薄膜ヘッドに比して感度が高く、再生出力を大幅に向
上させることができるため、かかるＭＲヘッドを用いた
磁気記録システムにおいては、短波長記録に起因する、
漏れ磁束の小さい磁気記録媒体でも高密度の記録再生が
可能となる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＭＲヘ
ッドのＭＲ素子部分は薄膜の積層で作られており、イン
ダクティブヘッドに比べテープと直接摺動することによ
り傷が入り易く、また、スミアリング（smearing）、静
電破壊（ＥＳＤ：electro static discharge）などが発
生して、ヘッドにダメージが生じやすいという難点があ
る。ここで、スミアリングとは、ＭＲ素子の周囲金属が
延性により摺動方向に伸びてＭＲ素子を覆ってしまう現
象をいい、ＥＳＤとは、摺動で発生する静電気により、
ＭＲ素子が劣化したり、発熱を生じてＭＲ素子やその周
囲部分を溶かしてしまう現象をいう。これらの現象や傷
の発生によりヘッドがダメージを受けると、ＭＲ素子の
抵抗値が変化して出力が不安定となったり、あるいはヘ
ッドが実質的に機能しなくなって、いずれの場合にもシ
ステム不良を生じてしまう。

【０００４】この問題に対し、ＭＲ素子の長期使用を可
能とするために、ある程度の摩耗が生じてもヘッドの機
能が維持できるよう、ＭＲ素子の深さ方向の長さを大き
く取ることが行われているが、この場合、ＭＲ素子の感
度が低下してしまうため、ＭＲヘッドの再生出力が低い
状態で使用せざるを得ないという難点がある。

【０００５】従って、ＭＲヘッド側ではなく磁気テープ
側を改良することにより、ＭＲヘッドの高感度を維持し
つつ、慴動時における摩耗量を低減して、長期使用時に
おいてもヘッドのダメージに起因する出力不良や読み取
り不良の発生を防止することのできる技術が求められて
いる。即ち、テープ摺動によるＭＲヘッドの摩耗がなけ
れば、ＭＲ素子の深さ方向長さを短くして感度を高める
ことができ、かつ、摩耗による出力抵抗の変化がなくな
るため、さらなる高記録密度化への応用が可能となると
考えられる。

【０００６】そこで本発明の目的は、ＭＲヘッドを再生
ヘッドに用いた磁気記録システムにおいて、直接慴動に
よってもＭＲヘッドにダメージを与えることがなく、か
つ、媒体自体としても優れた耐久性を備えた高性能の磁
気記録媒体を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、磁気記録媒体としての磁気テープの研磨能をテ
ープの強度およびセルフクリーニング力を損なわない特
定の範囲に調整することで、ＭＲヘッドにダメージを与
えず、十分な耐久性を有し、さらにはヘッド付着の少な
い磁気記録媒体が得られることを見出して、本発明を完
成するに至った。

【０００８】上記課題を解決するために、本発明の磁気
記録媒体は、ＭＲヘッドを再生ヘッドとする磁気記録シ
ステムに用いられ、非磁性支持体の一方の面上に少なく
とも非磁性層と磁性層とが順次積層された磁気記録媒体
を、中心間距離４５ｍｍにて配置された２本のガイドロ
ール間において単位幅当り８．８×１０^-1Ｎ／ｃｍのテ
ンション下で支持し、かつ、前記磁性層形成側の面に、
断面が正方形である角柱状のセンダストバーの長手方向
角部を、該ガイドロールの中間点において該磁気記録媒
体の走行方向に対し垂直に、押込み量２ｍｍにて押し込
んだ状態で、走行速度２．５ｍ／ｓにて前記磁気記録媒
体の長さ２５０ｍ分を２００往復させた際における、前
記センダストバーの摩耗により形成された面の走行方向
の幅長さが、９〜２５μｍであることを特徴とするもの
である。

【０００９】また、本発明の磁気記録媒体は、シクロヘ
キサン中に２分間浸漬した際に、該シクロヘキサン中に
抽出される脂肪酸抽出量が、前記磁性層面積１ｍ²あた
り０．１〜４．０ｍｇであることが好ましい。

【００１０】上記のような研磨能を有する磁気記録媒体
を作製するための方法としては、非磁性支持体上に、固
形分として少なくとも強磁性粉末、結合剤樹脂および研
磨材を含む磁性塗料を塗布して磁性層を形成するに際
し、磁性塗料の作製工程において、研磨材以外の固形分
の混練物に対し研磨材をスラリーとして添加し、溶剤に
より希釈して１次分散を行った後、更に希釈して、１次
分散よりも高周速で、かつ小径の分散媒体を用いて、２
次分散を行う方法が挙げられる。これにより、研磨材の
凝集塊を減らして、磁気記録媒体の研磨能を上記範囲内
まで低下させることができる。この場合、塗布方法とし
ては、いわゆるＷ／Ｄ（ウェットオンドライ）製法を用
いることが好ましく、これにより磁性層の塗布厚みの均
一性を高めて磁性層の塗膜における研磨材の表面からの
突出状態を均一化することができる。

【００１１】また、脂肪酸抽出量を上記の範囲内とする
ためには、磁性層に、フタル酸を添加する方法が好適で
ある。これにより、脂肪酸の添加量を変えることなく、
表面に存在する脂肪酸の量を多くすることができ、磁気
記録媒体の耐久性を向上することができる。

【００１２】なお、センダストバーによる磁気記録媒体
の研磨性の測定に係る技術として、特開平１１−８６２
６５号公報に記載の技術があるが、これは再生出力を高
めるために表面を平滑にし、さらに、目詰まり等を起こ
さないためにセンダストの摩耗量が特定の範囲内にある
ような表面硬度を有する磁気記録媒体とするものであ
る。その研磨性については、１５μｍ未満であると研磨
効果が不十分で目詰まりを生じ、３５μｍを超えると研
磨効果が大き過ぎて、磁気ヘッドが著しく摩耗すると記
載されている。しかし、この検討はインダクティブヘッ
ドについての検討であり、インダクティブヘッドよりは
るかにダメージを受けやすい、本発明に係るＭＲヘッド
についての記述はなされていない。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。本発明の磁気記録媒体
は、所定条件下における研磨能を所定の範囲内に調整す
ることにより、ＭＲヘッドに対するダメージの低減と、
自己の耐久性の確保との双方の要請をバランスさせて、
ＭＲヘッドを再生ヘッドとする磁気記録システムに好適
に使用可能としたものである。

【００１４】本発明においては、図１（イ）に示すよう
に、本発明の磁気記録媒体としての磁気テープ１を２本
のガイドロール２間において支持し、かつ、図１（ロ）
に示すように、センダストバー３をガイドロール２の中
間点において押し込んだ状態で、磁気テープ１を繰り返
し往復走行させた際のセンダストバー３の摩耗量によ
り、磁気テープ１の研磨能を規定する。

【００１５】具体的な条件としては、２本のガイドロー
ル２を中心間距離ｘを４５ｍｍとして配置し、磁気テー
プ１に８．８×１０^-1Ｎ／ｃｍ（９０ｇ／ｃｍ）のテン
ションをかけて、このガイドロール２間で支持させる。
センダストバー３は断面が正方形である角柱状であり、
その長手方向角部を磁気テープ１の幅方向に沿わせて、
磁気テープ１の走行方向に対し垂直に、押込み量ｙを２
ｍｍとして押し込みを行う。この際の進入角度θは約
５．０８°となる。磁気テープ１は、非磁性支持体の一
方の面上に少なくとも非磁性層と磁性層とが順次積層さ
れてなるが、本発明においてはＭＲヘッドに当接する側
の研磨能が問題となるため、この場合、センダストバー
３を押し込む側、図中では下面側が磁性層形成側の面と
なるようにする。

【００１６】センダストバー３の摩耗量は、図２に示す
ように、初期状態（イ）からの摩耗により、摩耗後の
（ロ）において形成された面Ａの走行方向の幅長さｗと
して決定する。即ち、本発明においては、上記条件下
で、走行速度２．５ｍ／ｓにて磁気テープ１の長さ２５
０ｍ分を２００往復させた際における、センダストバー
３の面Ａの走行方向の幅長さｗが、９〜２５μｍ、好ま
しくは９〜２２μｍである。摩耗量が２５μｍを超える
とＭＲヘッドにダメージが生じ易く、また、９μｍより
も少ないと、磁気記録媒体自体の耐久性やセルフクリー
ニング力に問題が生じ、いずれも好ましくない。

【００１７】以下、本発明の磁気記録媒体の具体的な構
成につき詳細に述べるが、本発明においては、摩耗量が
上述の条件を満足するものであれば、その材料や構成、
塗布方法等は、以下の記載に制限されない。磁性層は、
主として強磁性粉末と結合剤樹脂とからなり、非磁性支
持体上に設けられた非磁性層上に形成される。本発明の
磁気記録媒体においては、上述の条件を満たす研磨能を
有する磁気テープを作製するために、従来の磁気テープ
よりも磁性層の研磨能を低下させることが必要である。

【００１８】研磨能を低下させるための手法としては、
例えば、磁性層の塗膜を形成する際に、あらかじめ分散
された研磨材スラリーを、強磁性粉末や結合剤樹脂を含
む混練物に添加し、溶剤で希釈後分散を行うことによ
り、研磨材の分散を促進する。この後、希釈して粘度を
低くした状態で、再度、小粒径（φ０．５ｍｍ以下程
度）のセラミックスビーズを使用して、高周速（８ｍ／
ｓ〜２０ｍ／ｓ）で分散を行い、研磨材の凝集塊を極力
減らすことで研磨能を低下させることができる。また、
この際に強磁性粉末も分散されるため、強磁性粉末自体
が持っている研磨能を低下させることもできる。分散の
滞留時間は２０分〜４０分程度であり、従来より長い時
間の分散を行う。研磨能を低下させるための方法として
は研磨材の量自体を減らすことも考えられるが、この方
法を用いて本発明の範囲の研磨能にしようとすると磁性
層の塗膜の強度が落ちるので、磁気テープ自体の耐久性
が悪化する。本発明の方法によれば、磁気テープの研磨
能を落とすと同時に、磁気テープの耐久性を十分に保て
るという利点がある。

【００１９】また、磁性層の塗膜厚が不均一であると、
薄い部分では研磨材が表面より大きく飛び出て研磨能が
高くなる一方、厚い部分では研磨材が表面より塗膜内に
埋もれるために研磨能や塗膜の傷に対する強度が落ちて
しまう。従って、磁性層の塗布厚みの均一性を高めて、
磁性層の塗膜における研磨材の表面への出方を均一化す
ることが重要となる。このために、特に塗布方法とし
て、積層の下層である非磁性層が均一に塗布形成、乾燥
された後に上層を塗布するＷ／Ｄ（ウェットオンドラ
イ）製法を用いることが好ましい。

【００２０】さらに、磁気記録媒体表面、即ち、磁性層
表面の潤滑剤量を調整することにより、磁気記録媒体と
ＭＲヘッドとの間に生ずる摩擦を下げることも好適であ
り、これによりＭＲヘッドの損傷を防止しつつ、テープ
の耐久性を保つことができる。具体的には、磁気記録媒
体をシクロヘキサン中に２分間浸漬した際にシクロヘキ
サン中に抽出される、潤滑剤としての脂肪酸の抽出量
が、磁性層面積１ｍ²あたり、好ましくは０．１〜４．
０ｍｇであり、より好ましくは０．５〜３．５ｍｇであ
る。脂肪酸抽出量がこの好適範囲内であるとセルフクリ
ーニング力を損なわない程度の摩擦が得られ、また、Ｍ
Ｒヘッドのダメージを良好に防止することができる。

【００２１】脂肪酸抽出量を上記範囲内とするために
は、例えば、磁性層中に、添加剤としてのフタル酸を含
有させる方法を用いることができる。フタル酸は、脂肪
酸であるステアリン酸に比して分子量が小さいために、
顔料に吸着しやすい。また、構造上ベンゼン環から２方
向にカルボキシル基が飛び出す形となっているので、一
方のカルボキシル基が顔料に吸着すると、他方のカルボ
キシル基は横に張り出す構造となる。そのため、フタル
酸の吸着が立体障害となって、脂肪酸の顔料への吸着を
阻害することになる。従って、磁性層中へのフタル酸の
添加量を増やすことで、脂肪酸の添加量を変えることな
く、塗膜内で遊離した脂肪酸を表面に出やすくすること
ができる。これにより、研磨能を下げた磁気記録媒体で
も、表面の脂肪酸量を多くすることで十分に耐久性を維
持することが可能となる。

【００２２】磁性層に用いる強磁性粉末としては、好ま
しくは平均長軸長が０．１５μｍ以下、より好ましくは
０．０５〜０．１０μｍの針状強磁性金属粉末である。
平均長軸長が０．１５μｍを超えると、磁気記録媒体に
要求される電磁変換特性（特に、Ｓ／ＮおよびＣ／Ｎ特
性）を十分に満足することができなくなる傾向にある。
また、バリウムフェライト等の六方晶形酸化鉄粉末を用
いることもできる。六方晶形酸化鉄粉末の板状比は２〜
７が好ましい。また、ＴＥＭ観察による平均一次板径が
１０〜５０ｎｍであることが好ましい。大きいと、磁性
層表面が悪化する傾向にある。

【００２３】このような強磁性粉末は、磁性層組成中に
６５〜９０重量％程度含まれていればよい。強磁性粉末
の含有量が多すぎると結合剤の含有量が減少するためカ
レンダ加工による表面平滑性が悪化しやすくなり、一
方、少なすぎると高い再生出力が得られにくくなる。

【００２４】磁性層用の結合剤樹脂としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂やこれらの混合
物を好適に使用することができ、特に制限されるべきも
のではない。

【００２５】磁性層に用いられるこれらの結合剤樹脂の
含有量は、強磁性粉末１００重量部に対して５〜４０重
量部、特には１０〜３０重量部が好ましい。結合剤樹脂
の含有量が少なすぎると磁性層の強度が低下するため、
走行耐久性が悪化しやすくなる。一方、多すぎると強磁
性金属粉末の含有量が低下するため、電磁変換特性が低
下してくる。

【００２６】これらの結合剤樹脂を硬化させる架橋剤と
しては、例えば、熱硬化型樹脂の場合は、既知の各種ポ
リイソシアナートを挙げることができ、この架橋剤の含
有量は結合剤樹脂１００重量部に対し、１０〜３０重量
部とすることが好ましい。また、磁性層中には、必要に
応じ、研磨材、界面活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、そ
の他の各種添加物を添加してもよい。この場合、上記し
たように、研磨材は研磨材スラリーで用いることが好適
である。

【００２７】磁性層形成用の塗料は、上記成分に有機溶
剤を加えることにより調製される。用いる有機溶剤は特
に制限はなく、メチルエチルケトン（ＭＥＫ）、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤
やトルエン等の芳香族系溶剤などの各種溶剤の１種また
は２種以上を適宜選択して用いればよい。有機溶剤の添
加量は、固形分（強磁性金属粉末や各種無機粒子等）と
結合剤樹脂との合計量１００重量部に対して１００〜１
１００重量部程度とすればよい。

【００２８】本発明における磁性層の厚さは０．５０μ
ｍ以下とし、好ましくは０．０１〜０．５０μｍ、さら
に好ましくは０．０２〜０．３０μｍとする。磁性層が
厚すぎると、自己減磁損失や厚み損失が大きくなる。

【００２９】非磁性支持体としては、ポリエステル、ポ
リアミドまたは芳香族ポリアミドなどの既知の樹脂フィ
ルムもしくはこれらの積層樹脂フィルムから適宜選定す
ることができ、その厚さ等についても既知の範囲内であ
り、特に制限されるべきものではない。

【００３０】非磁性層は、主として非磁性粉末と結合剤
樹脂とにより構成され、非磁性支持体上に設ける。非磁
性層に用いる非磁性粉末としては、各種無機質粉末を用
いることができ、好ましくは、針状非磁性粉末、例え
ば、針状の非磁性酸化鉄（α−Ｆｅ₂Ｏ₃）などを挙げる
ことができる。その他、炭酸カルシウム（ＣａＣ
Ｏ₃）、酸化チタン（ＴｉＯ₂）、硫酸バリウム（ＢａＳ
Ｏ₄）、α−アルミナ（α−Ａｌ₂Ｏ₃）等の各種非磁性
粉末を適宜配合してもよい。また、非磁性層にはカーボ
ンブラックを用いることが好ましい。かかるカーボンブ
ラックとしては、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サ
ーマルブラック、カラー用ブラック、アセチレンブラッ
ク等を用いることができる。

【００３１】カーボンブラックと無機質粉末の配合比率
は、重量比で１００／０〜１０／９０が好ましい。無機
質粉末の配合比率が９０を上回ると、表面電気抵抗で問
題が生じやすくなる。

【００３２】非磁性層用の結合剤樹脂としては、磁性層
と同様に、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化型樹脂やこれらの混合物等を適宜用いることが
でき、特に制限はされない。ここで、結合剤樹脂として
ＥＢ（電子線）硬化樹脂を用いる場合には、形成した塗
膜を硬化させる際のＥＢ照射量を抑えることが好まし
い。これにより、磁気テープのスティフネスを抑えて、
ＭＲヘッドに柔らかく当たるようにすることができるた
め、ＭＲヘッドの摩耗防止効果をより向上することがで
きる。

【００３３】また、非磁性層中には、さらに、所望に応
じて、界面活性剤等の分散剤、その他の各種添加物を添
加してもよい。非磁性層用の塗料は、上記磁性層と同様
の有機溶剤を同程度の添加量にて用いて作製することが
できる。

【００３４】非磁性層の厚さは、好ましくは２．５μｍ
以下、より好ましくは０．１〜２．３μｍである。この
厚さを２．５μｍより厚くしても性能の向上は望めず、
却って、塗膜を設ける際、厚みが不均一になり易く、塗
布条件が厳しくなり、表面平滑性も悪くなりがちにな
る。

【００３５】バックコート層は、走行安定性の改善や磁
性層の帯電防止等のために、非磁性支持体の非磁性層お
よび磁性層を形成した面の反対側の面上に、必要に応じ
て設けられる。バックコート層には、３０〜８０重量％
のカーボンブラックを含有させることが好ましく、かか
るカーボンブラックとしては通常使用されるものであれ
ばどのようなものであってもよく、上述の非磁性層に用
いるものと同様のものを用いることができる。また、カ
ーボンブラック以外に、必要に応じ、磁性層に用いた各
種研磨材等の非磁性無機粉末や、界面活性剤等の分散
剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコンオイル等の
潤滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。

【００３６】バックコート層の厚さ（カレンダー加工
後）は、０．１〜１．０μｍ、好ましくは０．２〜０．
８μｍである。この厚さが１．０μｍを超えると、媒体
摺接経路との間の摩擦が大きくなりすぎて、走行安定性
が低下する傾向にある。一方、０．１μｍ未満では、媒
体の走行時にバックコート層の塗膜削れが発生しやす
い。

【００３７】

【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説
明する。実施例１＜非磁性層用塗料１＞ α−Ｆｅ₂Ｏ₃（戸田工業（株）製：ＤＢ‐６５）８０重量部（平均長軸長＝０．１１μｍ，平均短軸径＝１８ｎｍ，ＢＥＴ比表面積＝５１ｍ ² ／ｇ）カーボンブラック（三菱化学（株）製：＃８５０Ｂ）２０重量部（平均粒径＝１６ｎｍ，ＢＥＴ比表面積＝２００ｍ²／ｇ，ＤＢＰ吸油量＝７０ｍｌ／１００ｇ） α−Ａｌ₂Ｏ₃（住友化学工業（株）製：ＨＩＴ６０Ａ）５重量部（平均粒径＝０．１８μｍ，ＢＥＴ比表面積＝１２ｍ²／ｇ）電子線（ＥＢ）硬化性塩化ビニル系共重合体１４重量部（重合度＝３００，極性基：−ＯＳＯ₃Ｋ＝１．５個／分子）ＥＢ硬化性ポリウレタン樹脂６重量部（Ｍｎ＝２６０００，極性基：−ＯＳＯ₃Ｎａ＝１個／１分子）フタル酸２重量部メチルエチルケトン（ＭＥＫ）１００重量部トルエン１００重量部シクロヘキサノン５０重量部上記組成物を混練処理した後、φ０．８ｍｍジルコニア
ビーズ（東レ（株）製トラセラム）を７５％充填した横
型ピンミルにて周速６ｍ／ｓ、滞留時間１００分で分散
を行った。分散時の塗料の粘度は５０００ｃｐｓであっ
た。

【００３８】次に、下記添加剤および溶剤を加えて粘度
５００ｃｐｓに調整を行い、φ０．８ｍｍジルコニアビ
ーズを７５％充填した横型ピンミルにて周速４ｍ／ｓ、
滞留時間２０分で分散を行い、非磁性層用塗料１を作製
した。ブチルステアレート１重量部ステアリン酸１重量部ＭＥＫ４０重量部トルエン４０重量部シクロヘキサノン２０重量部

【００３９】＜磁性層用塗料１＞メタル磁性粉１００重量部（Ｈｃ＝１４８．９ｋＡ／ｍ（１８８５Ｏｅ），σｓ＝１３８Ａｍ²／ｋｇ（ｅｍｕ／ｇ），ＢＥＴ比表面積＝５８ｍ²／ｇ，平均長軸長＝０．１０μｍ）塩化ビニル系共重合体（日本ゼオン（株）製：ＭＲ１１０）１０重量部（重合度＝３００、極性基：−ＯＳＯ₃Ｋ＝１．５個／分子） −ＳＯ₃Ｎａ含有ポリウレタン樹脂７重量部（Ｍｎ＝２５０００、極性基濃度＝１個／１分子）研磨材スラリー（住友化学工業（株）製：ＳＬＨ１８２Ｂ）２２重量部（ＨＩＴ８２（平均粒径＝０．１２μｍ）４４．６％，ポリウレタン樹脂７．２％）研磨材スラリー（住友化学工業（株）製：ＳＬＨ１６０Ｂ）１１重量部（ＨＩＴ６０Ａ（平均粒径＝０．１８μｍ）４６．８％，ポリウレタン樹脂７．２％）ミリスチン酸２重量部ＭＥＫ９０重量部トルエン９０重量部シクロヘキサノン１２０重量部上記組成物のうち、研磨材スラリーと溶剤の一部を除い
た物を混練した後、研磨材スラリーを添加した。これを
残りの溶剤で希釈した後、φ０．８ｍｍジルコニアビー
ズ（東レ（株）製トラセラム）を７５％充填した横型ピ
ンミルにて、周速を６ｍ／ｓ、滞留時間８０分で分散を
行った。分散時の塗料の粘度は５０００ｃｐｓであっ
た。

【００４０】次に、下記の添加剤および溶剤を加えて粘
度を５００ｃｐｓに調整し、φ０．５ｍｍジルコニアビ
ーズを７５％充填した横型ピンミルにて周速１０ｍ／
ｓ、滞留時間３０分で分散を行い、磁性層用塗料１を作
製した。ブチルステアレート１重量部ステアリン酸１重量部ＭＥＫ１１０重量部トルエン１１０重量部シクロヘキサノン１６０重量部

【００４１】＜バックコート層用塗料＞カーボンブラック７５重量部（昭和キャボット（株）ＢＰ−８００平均粒径１７ｎｍ）カーボンブラック１０重量部（昭和キャボット（株）ＢＰ−１３０平均粒径７５ｎｍ）硫酸バリウム（平均粒径＝３０ｎｍ）１５重量部ニトロセルロース旭化成工業（株）ＢＴＨ１／２５５重量部ポリウレタン東洋紡績（株）ＵＲ−８３００３５重量部ＮＶ１２％溶剤比：ＭＥＫ／トルエン／シクロヘキサン
＝５３／４０／７上記組成物を混練処理した後、サンドグラインダーミル
にて分散を行った。最後に粘度調整を行って、バックコ
ート層用塗料とした。

【００４２】まず、６．２μｍ厚のポリエチレンナフタ
レート（ＰＥＮ）フィルム上に、押し出しダイノズル方
式にて、非磁性層用塗料１を乾燥膜厚が２．０μｍとな
るように塗布し、乾燥温度１００℃で乾燥後、温度１０
０℃、線圧２９４０Ｎ／ｃｍ（３００ｋｇ／ｃｍ）にて
カレンダー処理を行い、最後に電子線照射（４．２Ｍｒ
ａｄ）を行って、非磁性層原反を作製した。次に、磁性
層用塗料１に硬化剤コロネートＣ−３０４１（日本ポリ
ウレタン工業（株）製）を４重量部添加し、この磁性層
用塗料１を非磁性層原反の上に、押し出しダイノズル方
式にて乾燥膜厚が０．１５μｍとなるように塗布し、配
向を行い、乾燥温度１１０℃で塗膜を乾燥させた後、温
度１００℃、線圧２９４０Ｎ／ｃｍ（３００ｋｇ／ｃ
ｍ）にてカレンダー処理を行った。さらに、バックコー
ト層用塗料に硬化剤コロネートＣ−３０４１（日本ポリ
ウレタン工業（株）製）を１８重量部添加して、このバ
ックコート層用塗料を磁性層とは反対側のベース面上
に、押し出しダイノズル方式にて乾燥膜厚が０．５μｍ
となるように塗布し、乾燥温度１１０℃で塗膜を乾燥さ
せた後、温度９０℃、線圧２９４０Ｎ／ｃｍ（３００ｋ
ｇ／ｃｍ）にてカレンダー処理を行って原反ロールを作
製した。

【００４３】この原反ロールを２４時間常温にて放置
後、６０℃の加熱オーブン中にて２４時間硬化した後、
１／２インチ幅に切断して、ＬＴＯのサーボライターで
サーボ信号を書き込んだ後に、ＬＴＯカセットに組み込
み、磁気テープサンプルとした。

【００４４】実施例２実施例１の磁性層用塗料において、添加剤および溶剤を
添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ０．５ｍ
ｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピンミルにて
周速１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と同様に
して磁気テープサンプルを作製した。

【００４５】実施例３実施例１の磁性層用塗料において、添加剤および溶剤を
添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ０．５ｍ
ｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピンミルにて
周速８ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と同様にし
て磁気テープサンプルを作製した。

【００４６】実施例４実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を３重
量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤および
溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ
０．５ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピン
ミルにて周速８ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と
同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００４７】実施例５実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を１重
量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤および
溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ
０．５ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピン
ミルにて周速８ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と
同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００４８】実施例６実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を２．
５重量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤お
よび溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、
φ０．５ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピ
ンミルにて周速８ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１
と同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００４９】実施例７実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を１．
２重量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤お
よび溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、
φ０．５ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピ
ンミルにて周速８ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１
と同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００５０】実施例８実施例１の磁性塗料において、添加剤および溶剤を添加
して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ０．３ｍｍジ
ルコニアビーズを７５％充填した横型ピンミルにて周速
１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と同様にして
磁気テープサンプルを作製した。

【００５１】実施例９実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を３重
量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤および
溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ
０．３ｍｍジルコニアビースを７５％充填した横型ピン
ミルにて周速１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１
と同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００５２】実施例１０実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を１重
量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤および
溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ
０．３ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピン
ミルにて周速１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１
と同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００５３】実施例１１実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を２．
５重量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤お
よび溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、
φ０．３ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピ
ンミルにて周速１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例
１と同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００５４】実施例１２実施例１の非磁性塗料におけるフタル酸の添加量を１．
２重量部とし、実施例１の磁性塗料において、添加剤お
よび溶剤を添加して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、
φ０．３ｍｍジルコニアビーズを７５％充填した横型ピ
ンミルにて周速１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例
１と同様にして磁気テープサンプルを作製した。

【００５５】比較例１実施例１の磁性塗料における研磨材スラリー（住友化学
工業（株）製：ＳＬＨ１８２Ｂ、ＳＬＨ１６０Ｂ）の代
わりに研磨材粉（ＨＩＴ８２、ＨＩＴ６０Ａ）を使用
し、また、添加剤および溶剤を添加して粘度を５００ｃ
ｐｓに調整した後、φ０．８ｍｍジルコニアビーズを７
５％充填した横型ピンミルにて周速８ｍ／ｓで分散を行
った以外は実施例１と同様にして磁気テープサンプルを
作製した。

【００５６】比較例２実施例１の磁性塗料において、添加剤および溶剤を添加
して粘度を５００ｃｐｓに調整した後、φ０．８ｍｍジ
ルコニアビーズを７５％充填した横型ピンミルにて周速
８ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と同様にして磁
気テープサンプルを作製した。

【００５７】比較例３実施例１の磁性塗料において、添加剤および溶剤を添加
して粘度を５００ｃｐｓに調整をした後、φ０．１ｍｍ
ジルコニアビースを７５％充填した横型ピンミルにて周
速１５ｍ／ｓで分散を行った以外は実施例１と同様にし
て磁気テープサンプルを作製した。

【００５８】サンプル性能試験上記実施例および比較例にて得られた磁気テープサンプ
ルにつき、以下の各種試験を行った。＜センダスト研磨能＞図１に示すように、６．０×６．
０×２５．０ｍｍの断面が正方形である角柱状のセンダ
ストバー３（トーキン（株）製センダストバー（Ｆｅ
−Ｓｉ−Ａｌ合金）商品名ブロック、材質ＳＤ−
５）を、２本のガイドロール２間（中心間距離４５ｍ
ｍ）の中間点に設置して、センダストバー３の長手方向
角部を、磁気テープ１の磁性層形成側の面に、磁気テー
プの走行方向に対し垂直に、磁気テープの走行位置から
２ｍｍ押し込み、センダストバー３に当たる磁気テープ
１の進入角度θを約５．０８°とした。磁気テープ１に
対するドライブのテンションを単位幅当り８．８×１０
^-1Ｎ／ｃｍ（９０ｇ／ｃｍ）に設定し、磁気テープの長
さ２５０ｍ分を２００往復させて、センダストバー３の
摩耗により形成された面４の幅長さを測定した。測定環
境は２０℃／６０％であり、テープスピードは２．５ｍ
／ｓとした。

【００５９】＜脂肪酸抽出量＞磁気テープ３ｍ分をシク
ロヘキサン５０ｍｌ中に２分間浸漬して、ガスクロマト
グラフにより定量した。シクロヘキサン中に抽出される
脂肪酸の重量（ｍｇ）を、磁性層面積１ｍ²当たりの重
量（ｍｇ／ｍ²）に換算した。

【００６０】＜ドライブ試験＞ヒューレットパッカード
（ＨＰ）社製ドライブＵｌｔｒｉｕｍ２３０を使用
し、磁気テープ１巻（全長６００ｍ）につき磁気テープ
の全トラックをライト（write）してライトエラーを測
定し、次に、全トラックをリード（read）してリードエ
ラーを測定した。バージン（未使用）のテープのみを使
用して、これを連続２００巻走行させて、１巻目から連
続２００巻目までのエラーの変化を評価した。エラーの
単位は、１ＭＢのランダムデータを書き込んだときに、
エラーがいくつ発生するかで表した。磁気テープの研磨
能が高い場合、徐々にＭＲヘッドにダメージを与え、エ
ラーが悪化していく。初期に比し、２００巻後のエラー
の悪化が少ないほど良いとした。

【００６１】なお、磁気テープの研磨能はバージンの状
態が一番高く、走行によりやや減少するので、バージン
テープのみを連続で走行させると、１巻のテープを同じ
時間だけ繰り返し走行させるよりも、遥かにＭＲヘッド
に対してダメージを与えやすい。このため、ドライブ試
験はヘッドへのダメージを評価するために行った。

【００６２】＜耐久性＞ヒューレットパッカード（Ｈ
Ｐ）社製ドライブＵｌｔｒｉｕｍ２３０を使用し、
磁気テープの全長分（６００ｍ）のライトおよびリード
を繰り返し２０，０００パス行った。走行したパス回数
と、繰り返しにより上昇するリードエラーが初期のエラ
ーの５倍に達した時のパス回数とにより評価を行った。
２０，０００パス走行し、かつ、エラーの上昇が５倍未
満のものを最も良いとした。

【００６３】＜粉落ち＞ヒューレットパッカード（Ｈ
Ｐ）社製ドライブＵｌｔｒｉｕｍ２３０を使用し、
４０℃８０％の環境で全長繰り返し走行を４８時間行っ
た後、ヘッドを顕微鏡で観察した。ヘッド付着のほとん
どないものを◎、細かい付着があるものを○、堆積した
付着があるものを×とした。これらの各試験の評価結果
を下記の表１中に、またセンダスト研磨能と脂肪酸抽出
量の関係を図３中に、夫々示す。

【００６４】

【表１】

【００６５】上記表１の結果より、研磨能を本発明の範
囲内とした実施例１〜１２の磁気テープにおいては、ド
ライブ試験におけるエラー上昇が抑えられており、ＭＲ
ヘッドに与えるダメージが少なく、かつ、磁気テープ自
体の耐久性やセルフクリーニング力にも優れていること
が確認された。また、比較例３のように研磨能が９μｍ
より小さくなると、耐久性が悪化し、粉落ちが多い（つ
まりセルフクリーニング力が不十分である）ことが分か
った。

【００６６】＜短距離のセンダスト研磨能＞次に、本発
明の範囲の研磨能を有する実施例３および実施例８の磁
気テープについて、走行長さを２５０ｍ分の２００往復
から５００ｍ分の片道走行に変更した以外は上記と同様
にして、短距離のセンダスト研磨能を測定した。その結
果を、上記センダスト研磨能の測定結果と共に、下記の
表２に示す。

【００６７】

【表２】

【００６８】上記表２より、特開平１１−８６２６５号
公報記載の技術に係る短距離での測定条件においては、
本発明の磁気テープの研磨量は最も高い値で９μｍであ
り、前記公報に開示されている磁気記録媒体の研磨性の
範囲１５〜３５μｍより大幅に小さい。このことから、
本発明の研磨能の範囲が前記公報記載の技術に比べ大幅
に小さいことがわかる。

【００６９】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、ＭＲヘッドを再生ヘッドに用いた磁気記録システム
において、直接慴動によってもＭＲヘッドにダメージを
与えることがなく、かつ、自己の摩耗をも防止すること
ができるだけの耐久性やセルフクリーニング力を兼ね備
えた高性能の磁気記録媒体を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る摩耗量測定方法を表す説明図であ
る。

【図２】センダストバーの摩耗した状態を表す断面図で
ある。

【図３】実施例における研磨能と脂肪酸抽出量との関係
を示すグラフである。

【符号の説明】

１磁気記録媒体（磁気テープ）２ガイドロール３センダストバーＡ摩耗により形成された面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ＭＲヘッドを再生ヘッドとする磁気記録
システムに用いられ、非磁性支持体の一方の面上に少な
くとも非磁性層と磁性層とが順次積層された磁気記録媒
体を、中心間距離４５ｍｍにて配置された２本のガイド
ロール間において単位幅当り８．８×１０^-1Ｎ／ｃｍの
テンション下で支持し、かつ、前記磁性層形成側の面
に、断面が正方形である角柱状のセンダストバーの長手
方向角部を、該ガイドロールの中間点において該磁気記
録媒体の走行方向に対し垂直に、押込み量２ｍｍにて押
し込んだ状態で、走行速度２．５ｍ／ｓにて前記磁気記
録媒体の長さ２５０ｍ分を２００往復させた際におけ
る、前記センダストバーの摩耗により形成された面の走
行方向の幅長さが、９〜２５μｍであることを特徴とす
る磁気記録媒体。
【請求項２】シクロヘキサン中に２分間浸漬した際
に、該シクロヘキサン中に抽出される脂肪酸抽出量が、
前記磁性層面積１ｍ²あたり０．１〜４．０ｍｇである
請求項１記載の磁気記録媒体。