JP2003322662A - 電子デバイス及びその製造方法 - Google Patents

電子デバイス及びその製造方法

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JP2003322662A
JP2003322662A JP2002129001A JP2002129001A JP2003322662A JP 2003322662 A JP2003322662 A JP 2003322662A JP 2002129001 A JP2002129001 A JP 2002129001A JP 2002129001 A JP2002129001 A JP 2002129001A JP 2003322662 A JP2003322662 A JP 2003322662A
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semiconductor substrate
glass plate
connection hole
forming
manufacturing
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JP2002129001A
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Kunihiro Nakamura
邦宏 中村
Yasuo Yamaguchi
靖雄 山口
Shiro Yamazaki
史朗 山▲崎▼
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Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 質量体等の構造部分を破壊することなく、断
線のない良好な配線パターンを形成し、歩留まりの高い
電子デバイスを提供する。 【解決手段】 機能部5、6を形成した半導体基板1を
2枚の第1及び第2ガラス板2、3の間に挟んで構成さ
れる電子デバイス10の製造方法であって、半導体基
板、第1及び第2のガラス板とを用意する工程と、第1
ガラス板の第1面に1倍未満の深さを有する凹部21を
形成する工程と、半導体基板に機能部を形成する工程
と、半導体基板の第1面と第1ガラス板の第2面とを接
合する工程と、第1ガラス板の第1面の凹部をエッチし
て第2面まで貫き、底部に半導体基板の機能部を露出さ
せた接続孔4を形成する工程と、半導体基板の第2面と
第2ガラス板の第1面とを互いに接合する工程と、接続
孔の内壁に沿って導電膜18を成膜して、底部に露出す
る機能部と接続された電極を形成する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能部を有する半
導体基板を2枚のガラス板で挟んで構成される電子デバ
イス、特に半導体容量型の加速度センサ素子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】機能部を有する半導体基板を2枚のガラ
ス板で挟んで構成する電子デバイスとしては、加速度セ
ンサ素子や圧力センサ素子がある。加速度センサ素子に
は種々の機構によるものが用いられている。例えば、半
導体容量型の加速度センサ素子がある。この加速度セン
サ素子は、図14の(d)に示すように、半導体基板5
1を2枚の第1及び第2のガラス板52、53で挟んで
構成されている。この半導体基板51は、微細加工され
た振動可能な質量体55と、該質量体55を挟む固定電
極56a、56bとが形成されている。また、2枚の第
1及び第2のガラス板52、53のうち少なくとも一方
の第1ガラス板52に設けられた開口部54c、54d
を介して質量体55、固定電極56a、56bから電極
を取り出している。この加速度センサ素子では、加速度
を受けた場合の質量体55の変位を固定電極56a,5
6b間の電気信号として取得する。この半導体容量型の
加速度センサ素子は、マイクロコンピュータによる制御
を容易に行うことができ、小型化、高機能化が進展して
いる。
【0003】図11から図14を用いて、従来の半導体
容量型の加速度センサ素子の製造方法における各工程に
ついて説明する。図11は、第1ガラス板52に接続孔
54c、54dを開口するまで工程を示した。図12
は、第2ガラス板53に凹部73を形成する工程を示し
た。図13は、半導体基板51に質量体55及び固定電
極56a、56bを分離する分離溝を形成するまでの工
程を示した。また、図14は、半導体基板51を第1及
び第2のガラス板52、53で挟んで加速度センサ素子
を構成する工程を示した。
【0004】図11を用いて、第1ガラス板52に接続
孔54c、54dを開口するまでの各工程を説明する。 (a)厚さ約400μmの第1ガラス板52を準備す
る。 (b)第1ガラス板52の両面に厚さ約30μmのレジ
スト膜70a、70bを成膜する。 (c)第1ガラス板52の第1面61に成膜したレジス
ト膜70aにフォトリソグラフィ法を用いて直径500
μmの円形の接続孔用のパターンを形成する(図11
(a))。 (d)パターン形成したレジスト膜70aをマスクとし
て、サンドブラスト法により第1ガラス板52に接続孔
54c、54dを形成する(図11の(b))。この
時、第1ガラス板52に形成された接続孔54c、54
dは、逆円錐面状を呈し、第1面61の開口径から深さ
方向に向かって内径は徐々に小さくなる。さらに、第2
面62の開口部の近傍では、逆に接続孔54c、54d
の内径は徐々に大きくなり、断面の傾斜が逆になるオー
バハング部87を有する。オーバハング部87は、接続
孔54c、54dの開口時、第2面62に達する際、最
後に開口される部分ではガラスの残厚が薄くなるため、
サンドブラスト時の圧力に耐えられず、一度に割れや欠
けが生じて形成される。また、オーバハング部87は、
開口後にレジスト膜70bが柔らかいためにサンド粒子
が跳ね返って第2面62と下側まで回り込むことによっ
ても形成される。 (e)第1ガラス板52の第2面62に、フォトリソグ
ラフィ法を用いて所望のパターンを形成し、該レジスト
膜70bのパターンをマスクにして、例えば、深さ10
0μmの所望のパターンの凹部72を形成する。 (f)有機溶剤を用いて、第1及び第2面のレジスト膜
70a、70bを除去する(図11(c))。
【0005】次に、図12を用いて、第2ガラス板53
に凹部73を形成する工程について説明する。 (g)まず、第2ガラス板53を用意する。 (h)第2ガラス板53の第1面63に、レジスト膜を
成膜し、フォトリソグラフィ法を用いて該レジスト膜に
所望のパターンを形成する。該レジスト膜のパターンを
マスクにして、例えば、深さ100μmの所望のパター
ンの凹部73を形成する(図12)。
【0006】さらに、図13を用いて、半導体基板51
に質量体55、固定電極56a,56b、該質量体55
及び固定電極56a,56bを分離する溝を形成するま
での工程を説明する。 (i)厚さ200μmの半導体基板51として、シリコ
ン基板を用意する。 (j)半導体基板51の第1面65に熱酸化により表面
に酸化膜67を形成する。次いで、レジスト膜74を塗
布し、フォトリソグラフィ法を用いて、質量体55及び
固定電極56a,56bを分離する溝用のレジスト膜の
パターンを形成する(図13(a))。 (k)異方性ドライエッチング装置を用いて、表面の酸
化膜やレジスト膜をマスクとして、例えば、該質量体5
5及び固定電極56a,56bを分離するための、深さ
約100μm、幅5μmの溝を形成する(図13
(b))。
【0007】またさらに、図14の(a)及び(b)を
用いて、半導体基板51を第1ガラス板52に接合する
までの工程について説明する。 (l)半導体基板51の第1面65と、第1ガラス板5
2の第2面62とを対向させ、位置合わせを行って重ね
合わせ、陽極接合技術を用いて互いに接合する(図14
(a))。 (m)半導体基板51の第2面66にレジスト膜(図示
せず)を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いて該レジ
スト膜に所望のパターンを形成する。次いで、該レジス
ト膜のパターンをマスクにして、例えば、深さ100〜
180μmの所望のパターンの凹部69を形成する。 (n)接合された半導体基板51と第1ガラス板52の
全体をフッ酸に浸漬し、質量体に接する酸化膜を除去す
る。これによって質量体55と、固定電極56とを分離
する。この時、接続孔54c、54dの底部の酸化膜6
7を除去し、接続孔54c、54dの底部に半導体基板
51を露出させる(図14(b))。
【0008】また、図14の(c)を用いて、半導体基
板51の第2面66に第2ガラス板53を接合するまで
の工程について説明する。 (o)半導体基板51の第2面66と、第2ガラス板5
3の第1面63とを対向させ位置合わせを行って重ね合
わせ、陽極接合技術を用いて互いに接合する(図14
(c))。この時、第2ガラス板53の第1面63の凹
部73と、半導体基板51内に形成した質量体55とを
対向させて重ね合わせる。これにより、質量体55はバ
ネ性の梁を介して第1及び第2ガラス板52、53の間
で固定され、自由に振動可能な状態に保持される。これ
によって、質量体55及び固定電極56を第1及び第2
ガラス板52、53の間に不活性ガス雰囲気で気密封じ
して挟み込むことができる。
【0009】さらに、図14の(d)を用いて、第1ガ
ラス板52に設けられた接続孔にアルミニウム蒸着膜を
形成する工程と、その後、個々の加速度センサ素子を得
る工程について説明する。 (p)第1ガラス板52の第1面63に形成された接続
孔54c、54dの内部に、厚さ1〜3μmのアルミニ
ウム蒸着膜68を蒸着し、フォトリソグラフィ法を用い
て所望のパターンを形成する。これにより質量体55及
び固定電極56a、56bとのコンタクト部と直接接続
された、あるいは配線59を介して接続されたボンディ
ングパットを形成する(図14(d))。 (q)熱処理を行って、アルミニウム蒸着膜68とガラ
ス板52、53とを密着強化する。 (r)その後、複数の加速度センサ素子を含むウエハの
接合体から、それぞれのセンサ素子のチップに分離し、
ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程、モー
ルド工程等の各工程を行って、センサ素子が完成する。
これらのセンサ素子は、容量値を電圧に変換し、増幅す
るASIC等の回路素子と外部接続して提供する。この
場合、ASIC等の回路素子を接続した後、全体をモー
ルド樹脂で覆って一体化して提供してもよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のセンサ素子の製
造工程では、次の問題点がある。即ち、第1ガラス板5
2に形成した接続孔54c、54dにアルミニウム蒸着
膜68を形成する際、接続孔54c、54dの底部付近
の内壁にはオーバハング部87が存在する。このため、
アルミニウム蒸着において、オーバハング部87の下部
が影となり、アルミニウム原子が到達しないためアルミ
ニウム蒸着膜の断線箇所88ができる。即ち、真空蒸着
では、図6の(b)及び図7の(c)に示すように、ア
ルミニウム原子は蒸着源から直線的に放出され、ガラス
板の接続孔に到達する。このときオーバハング部で遮ら
れた部分にはアルミニウム原子が届かず、蒸着膜68が
形成されない。このため、質量体55や固定電極56
a、56bとのコンタクト部から接続孔54c、54d
の外部までの配線は、オーバハング部87で断線する。
なお、実際には被蒸着面に達したアルミニウム原子は製
造装置内のガス分子との衝突で散乱されて、幾分かはオ
ーバハング部87の下部にも回り込みが生じる場合があ
るが、オーバハング部87を有する場合、断線を生じる
確率が高くなる。
【0011】上記問題を解決するために、デバイス本体
にガラス基板を貼り合わせてから、ガラス基板に貫通穴
を形成する方法(特開平9−283633号公報)や、
めくら孔を穿設した基板の非穿設面にシリコン基板を接
合した後、該穿設面側から該めくら孔を更に穿設して貫
通させる方法(特開2001−141463号公報)が
提案されている。
【0012】しかし、特開平9−283633号公報及
び特開2001−141463号公報に記載の方法のい
ずれにおいても貫通孔を開口させる際に半導体基板の表
面で精度良くエッチングを止めることが困難であるた
め、半導体基板の深さ方向に凹部を形成する。この過度
のエッチングによる凹部のために半導体基板の強度を低
下させる。例えば、凹部が5μm程度の深さであって
も、半導体基板自体の厚みが40μm程度と薄い場合に
は、この凹部のために強度が著しく低下する。また、貫
通孔を開口する際には機械的又は電気的な方法で開口さ
れるため、半導体基板内に形成された質量体や固定電極
等の構造部分が折損する等、破壊される場合がある。さ
らに、開口後には残留応力のためにセンサ素子の特性変
動が生じやすい。このためセンサ素子の製造歩留まりが
低下する。また、めくら孔をさらに開口する際に用いる
加工方法として、サンドブラスト法、レーザ法、放電加
工法等が挙げられているが、これらはいずれも次のいく
つかの問題点がある。この問題点とは、半導体基板の電
極部に凹部を生じること、加工に際して最初のめくら孔
に対する位置合わせが必要なこと、処理速度が遅いこ
と、高価な加工設備が必要であること、等である。この
ため、加工が容易でなく、コスト的にも高価になる。
【0013】そこで、本発明の目的は、半導体基板の質
量体等の構造部分を破壊することなく、断線のない良好
な配線パターンを形成し、歩留まりの高い半導体容量式
加速度センサ素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子デバイ
スの製造方法は、機能部を形成した半導体基板を2枚の
第1及び第2ガラス板の間に挟んで構成される電子デバ
イスの製造方法であって、前記製造方法は、前記半導体
基板、第1及び第2のガラス板とを用意する工程と、前
記第1ガラス板の第1面に、1倍未満の深さを有する凹
部を形成する工程と、前記半導体基板に前記機能部を形
成する工程と、前記半導体基板の第1面と前記第1ガラ
ス板の第2面とを互いに接合する工程と、前記第1ガラ
ス板の第1面に形成された前記凹部をエッチして前記第
1ガラス板の第2面まで貫き、底部に前記半導体基板の
前記機能部を露出させた接続孔を形成する工程と、前記
半導体基板の第2面と前記第2ガラス板の第1面とを互
いに接合する工程と、前記第1ガラス板に形成された前
記接続孔の内壁に沿って導電膜を成膜して、前記接続孔
の底部に露出する前記機能部と接続された電極を形成す
る工程とを含むことを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る電子デバイスの製造方
法は、前記電子デバイスの製造方法であって、前記第1
ガラス板の第1面に凹部を形成する工程では、サンドブ
ラスト法を用いて凹部を形成することを特徴とする。
【0016】さらに、本発明に係る電子デバイスの製造
方法は、前記電子デバイスの製造方法であって、前記電
極を形成する工程では、蒸着法を用いて前記接続孔の内
壁に沿って導電膜を成膜することを特徴とする。
【0017】本発明に係る電子デバイスの製造方法は、
機能部を形成した半導体基板を2枚の第1及び第2ガラ
ス板の間に挟んで構成される電子デバイスの製造方法で
あって、前記製造方法は、前記半導体基板、第1及び第
2のガラス板とを用意する工程と、前記第1ガラス板の
第1面から第2面まで貫く接続孔を形成する工程と、前
記半導体基板に機能部を形成する工程と、前記第1ガラ
ス板の接続孔の底部に前記半導体基板の前記機能部を露
出させて、前記半導体基板の第1面と前記第1ガラス板
の第2面とを互いに接合する工程と、前記半導体基板の
第2面と前記第2ガラス板の第1面とを互いに接合する
工程と、蒸着法を用いて、前記第1ガラス板に形成され
た前記接続孔の内壁に沿って導電膜を成膜して、前記接
続孔の底部に露出する前記機能部と接続された電極を形
成する工程とを含み、前記電極を形成する工程におい
て、蒸着粒子の入射方向と前記第1ガラス板の第1面と
のなす角度を、前記接続孔の底部で内壁面と底面とのな
す角度以下として、導電膜を成膜することを特徴とす
る。
【0018】本発明に係る電子デバイスの製造方法は、
機能部を形成した半導体基板を2枚の第1及び第2ガラ
ス板の間に挟んで構成される電子デバイスの製造方法で
あって、前記製造方法は、前記半導体基板、第1及び第
2のガラス板とを用意する工程と、前記第1ガラス板の
第1面から第2面まで貫く接続孔を形成する工程と、前
記半導体基板に機能部を形成する工程と、前記第1ガラ
ス板の接続孔の底部に前記半導体基板の前記機能部を露
出させて、前記半導体基板の第1面と前記第1ガラス板
の第2面とを互いに接合する工程と、前記第1ガラス板
の前記接続孔を覆ってシリコン窒化膜を成膜する工程
と、ウエットエッチング法により前記半導体基板の前記
機能部を可動状態にする工程と、前記第1ガラス板の前
記接続孔を覆うシリコン窒化膜を除去する工程と、前記
半導体基板の第2面と前記第2ガラス板の第1面とを互
いに接合する工程と、前記第1ガラス板に形成された前
記接続孔の内壁に沿って導電膜を成膜して、前記接続孔
の底部に露出する前記機能部と接続された電極を形成す
る工程とを含むことを特徴とする。
【0019】また、本発明に係る加速度センサ素子の製
造方法は、前記電子デバイスの製造方法において、前記
電子デバイスは加速度センサ素子であって、前記半導体
基板の前記機能部は、加速度検出用の質量体及び固定電
極であることを特徴とする。
【0020】本発明に係る電子デバイスは、機能部を有
する半導体基板と、前記半導体基板を挟みこむ2枚の第
1及び第2ガラス板とを備え、前記第1ガラス板は、前
記半導体基板の前記機能部が底部に露出する接続孔を有
し、前記接続孔は、底部の前記機能部から内壁に沿って
覆う導電膜を有すると共に、開口部から底部にかけて断
面積が単調減少する順テーパ形状を有することを特徴と
する。
【0021】本発明に係る電子デバイスは、機能部を有
する半導体基板と、前記半導体基板を挟みこむ2枚の第
1及び第2ガラス板とを備え、前記第1ガラス板は、前
記半導体基板の前記機能部が底部に露出する接続孔を有
し、前記接続孔は、底部に環状のシリコン酸化膜を有
し、前記環状のシリコン酸化膜の中央部に前記機能部が
露出すると共に、底部の前記機能部から前記環状のシリ
コン酸化膜と、前記接続孔の内壁に沿って覆う導電膜を
有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る加速度
センサ素子の製造方法について、添付図面を用いて説明
する。なお、この実施の形態では電子デバイスのうち、
加速度センサ素子について説明しているが、これに限定
するものではない。本発明は、機能部を有する半導体基
板を2枚のガラス板で挟んで構成する電子デバイスであ
れば適用できる。また、図面において、実質的に同一の
部材には同一の符号を付している。
【0023】実施の形態1.本発明の実施の形態1に係
る加速度センサ素子及びその製造方法について説明す
る。まず、図1を用いて、この加速度センサ素子10の
構成について説明する。図1は、この加速度センサ素子
10の平面図(a)及び断面図(b)である。この加速
度センサ素子10は、加速度検出用の質量体5、固定電
極6a、6bが形成された半導体基板1を2枚の第1及
び第2ガラス板2、3の間に挟みこんで構成されてい
る。この質量体5は、第1及び第2ガラス板2、3との
間に画成された空洞部19内で可動状態に置かれる。第
1ガラス板2は、半導体基板1の機能部である質量体
5、固定電極6a、6bが底部に露出する接続孔4a,
4c、4dを有する。この接続孔4a、4c、4dは、
底部に露出する質量体5、固定電極6a、6bから接続
孔の内壁に沿って覆う導電膜であるアルミニウム蒸着膜
18を有する。これにより、質量体5、固定電極6a、
6bは、第1ガラス板2に設けられた接続孔4a、4
c、4dのアルミニウム蒸着膜18を介して外部のボン
ディングパッド8b、8a、8cに接続されている。ま
た、接続孔4c、4dは、開口部から底部にかけて断面
積が単調減少する順テーパ形状を有する。これによっ
て、この加速度センサ素子10は、第1ガラス板2の接
続孔4の底部で内壁面の傾斜角度が逆テーパ状となるオ
ーバハング部をほとんど有しないので、アルミニウム蒸
着膜18の断線が生じない。
【0024】次に、この加速度センサ素子の製造方法に
ついて説明する。この製造方法では、2段階で第1ガラ
ス板2に接続孔4を形成している。第1段階として、サ
ンドブラスト法で第1ガラス板2の第1面11に、1倍
未満の深さを有する凹部を形成する(図2(b))。す
なわち、第1ガラス板を貫通させないように凹部を形成
する。第2段階として、第1ガラス板2を半導体基板1
と接合した後、ウエットエッチング法を用いて該凹部2
1a、21bを第2面まで貫通させ、接続孔4を形成す
る(図5(b))。このように2段階で接続孔4を形成
することで、接続孔4a、4b、4c、4dの底部に内
壁面の傾斜角度が逆テーパ状となるオーバハング部を生
じさせないようにできる。これによってこの接続孔4に
アルミニウム蒸着膜18を成膜した場合にも断線を生じ
ない。そこで、製造工程における歩留まりを向上させ、
信頼性の高い加速度センサ素子を得ることができる。
【0025】図2から図5にこの半導体容量型の加速度
センサ素子の製造方法における各工程について示した。
図2は、第1ガラス板2に接続孔4c、4dを開口する
まで工程を示した。図3は、第2ガラス板3に凹部23
を形成する工程を示した。図4は、半導体基板1に質量
体5及び固定電極6a、6bを分離する分離溝を形成す
るまでの工程を示した。また、図5は、半導体基板1を
第1及び第2のガラス板2、3で挟んで加速度センサ素
子を構成する工程を示した。
【0026】図2を用いて、第1ガラス板2に接続孔4
c、4dを開口するまでの各工程を説明する。 (a)厚さ約400μmの第1ガラス板2を準備する。
なお、第1ガラス板2は、後工程で接合する半導体基板
1のシリコンウエハと熱膨張係数が近く、かつ陽極接合
可能なようにナトリウムNaを含有することが好まし
い。例えば、パイレックスガラス(登録商標:米国コー
ニング社製)を用いてもよい。 (b)第1ガラス板2の両面にシート状のレジスト膜
(感光性樹脂)20a、20bを成膜する。このレジス
ト膜20a,20bの成膜は、塗布法や気相成膜方法等
によって行うことができる。 (c)次に、フォトリソグラフィ法を用いて円形の接続
孔4a、4b、4c、4d用のパターンを形成する(図
2(a))。 (d)第1ガラス板2の第1面11に形成したレジスト
膜20aをマスクとしてサンドブラスト法を用いて接続
孔用の凹部21a、21bを開口する(図2(b))。
このとき、凹部21は第1ガラス板2の第2面12まで
貫通させることなく、底部に所定厚さを残存させる。例
えば、深さ350μmまで開口し、残り50μmの底部
を残存させる。ここで凹部の深さとしては、第1ガラス
板2の厚さの1.0倍未満が好ましい。さらに、厚さの
0.5倍以上がより好ましい。これは、その後のウエッ
トエッチングでは深さ方向のエッチングが効率的でない
ので、残厚をあまり厚くしないことが好ましいためであ
る。この底部は十分な強度を有し、ガラスが欠けること
はなく、オーバハングも生じない。また、この凹部21
の断面形状は上辺が下辺より大きい逆台形形状である。
なお、図2の(b)では接続孔4の内壁の斜面と底面と
が鋭角的に示されているが、実際には底部は曲線的な円
弧状となる。 (e)次いで、第1ガラス板2の第2面12に、フォト
リソグラフィ法を用いて所望のパターンを形成し、該レ
ジスト膜20bのパターンをマスクにして、例えば、深
さ100μmの所望のパターンの凹部22を形成する
(図2(c))。 (f)有機溶剤を用いて、第1及び第2面のレジスト膜
20a、20bを除去する(図2(d))。
【0027】なお、サンドブラスト法は、ガラスに深さ
数100μmの凹部や貫通孔を開ける場合に非常に有効
な方法である。例えば、ウエットエッチングに比べて、
加工深さに対して横方向へのパターンの広がりが比較的
に少なく、約60〜70°の傾斜角を有する断面形状を
形成することができる。また、サンドブラスト法は、比
較的エッチングレートが大きく、厚さ400μmのガラ
スの場合に貫通孔の形成を約15分で行うことができ
る。一方、フッ酸によるウエットエッチングでは、深さ
方向のエッチング量に比べて、横方向のパターンの広が
りがサンドブラスト法に比べて2〜3倍と大きく、エッ
チング深さ数十μm以上の加工には精度が十分でない。
【0028】次に、図3を用いて、第2ガラス板3に凹
部23を形成する工程について説明する。 (g)まず、第2ガラス板3を用意する。 (h)第2ガラス板3の第1面13に、レジスト膜26
を成膜する(図3(a))。 (i)フォトリソグラフィ法を用いて該レジスト膜26
に所望のパターンを形成する。該レジスト膜26のパタ
ーンをマスクにして、例えば、深さ100μmの所望の
パターンの凹部23を形成する(図3(b))。 (j)有機溶剤を用いて、第1面13のレジスト膜26
を除去する(図3(c))。
【0029】さらに、図4を用いて、半導体基板1に質
量体5、固定電極6a,6b、該質量体5及び固定電極
6a,6bを分離する溝を形成するまでの工程を説明す
る。 (k)厚さ200μmの半導体基板1として、シリコン
基板を用意する。 (l)半導体基板1の第1面15に熱酸化により表面に
酸化膜17を形成する。次いで、レジスト膜24を塗布
し、フォトリソグラフィ法を用いて、質量体5及び固定
電極6a,6bを分離する溝用のレジスト膜のパターン
を形成する(図4(a))。 (m)異方性ドライエッチング装置を用いて、表面の酸
化膜17やレジスト膜24をマスクとして、例えば、該
質量体5及び固定電極6を分離するための、深さ約10
0μm、幅5μmの溝を形成する(図4(b))。 (n)有機溶剤を用いて、第1面のレジスト膜24を除
去する(図4(c))。
【0030】またさらに、図5の(a)及び(b)を用
いて、半導体基板1を第1ガラス板2に接合し、凹部を
第2面まで貫通させ接続孔を形成するまでの工程につい
て説明する。 (o)半導体基板1の第1面15と、第1ガラス板2の
第2面12とを対向させ、位置合わせを行って重ね合わ
せ、陽極接合技術を用いて互いに接合する(図5
(a))。 (p)半導体基板1の両面に第1及び第2ガラス板2、
3を陽極結合した複合体を、ガラスを溶解する溶液、例
えば、フッ酸に浸漬して、第1及び第2ガラス板2、3
を全体にわたって厚さ50μm以上をウエットエッチン
グする(図5(b))。このフッ酸には、濃度49%の
ものを用い、常温で約5〜10分のエッチングを行っ
た。このとき、酸化膜17のコンタクト部に接した厚さ
500nmの部分は、フッ酸によって同時に除去され、
コンタクト部が露出する。これによって第1ガラス板2
の途中まで掘られた凹部21c、21dから第2面12
まで貫く接続孔4c、4dを形成し、該接続孔4c、4
dの底部に半導体基板1を露出させることができる。こ
の状態で、それぞれの接続孔4c、4dの断面形状は、
サンドブラスト法で掘られた凹部21の断面形状をほぼ
維持する。なお、サンドブラストの直後には、ガラスは
サンドによって破砕されるので、凹部21a、21bの
平面形状は、開口部の周囲に数十μmの領域に角のある
凹凸が存在する。一方、ウエットエッチングの後には、
開口部の平面形状は滑らかな円形に近くなる。
【0031】ここで、第1ガラス板2に設けた凹部21
a、21bにウエットエッチングを行って第2面まで貫
く接続孔4c、4dを形成する工程におけるウエットエ
ッチングの条件について検討する。エッチング量を増し
ていくにつれて開口部の直径が大きくなり、一方、接続
孔の内壁面と底面との断面形状は円弧の一部のような形
状となる。接続孔4c、4dの内壁面と底面との傾斜角
が小さいほど、後工程でアルミニウム蒸着膜を形成した
際に滑らかな断面形状が得られる。一方、傾斜角が大き
いほど後工程で形成するアルミ蒸着膜は底部と斜面との
角部で厚みが減少し、断線しやすくなる。この傾斜角は
45°以下が好ましい。ウエットエッチング時間を適当
に選択することによって傾斜角を30°以下に保つこと
ができる。ウエットエッチング時間を過度に長くする
と、接続孔4c、4dが半導体基板1の第1面15に達
した後に第1ガラス板2と半導体基板1との界面に沿っ
てエッチングが進行し、オーバハングが発生する。例え
ば、300μm程度を過度にウエットエッチングした場
合には、傾斜角が90°を越えてオーバハングとなるた
め好ましくない。なお、後工程で厚さ3μmのアルミニ
ウム蒸着膜18を形成する場合、ガラスを100μmだ
けウエットエッチングした場合には、1500の接続孔
のうちアルミニウム蒸着膜の断線の発生は0であった。
一方、ガラスを300μmまでウエットエッチングした
場合には、オーバハングが発生し、断線が生じた。
【0032】また、図5の(c)及び(d)を用いて、
半導体基板1の第2面16に第2ガラス板3を接合する
までの工程について説明する。 (q)半導体基板1の第2面16にレジスト膜(図示せ
ず)を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いて該レジス
ト膜に所望のパターンを形成する。次いで、該レジスト
膜のパターンをマスクにして、例えば、深さ100〜1
80μmの所望のパターンの凹部19を形成する。 (r)接合された半導体基板1と第1ガラス板2の全体
をフッ酸に浸漬し、質量体に接する酸化膜17aを除去
し、該質量体5を可動状態とする。これによって質量体
5と、固定電極6とを分離する(図5(c))。 (s)半導体基板1の第2面16に、第2ガラス板3の
第1面13を対向させ位置合わせを行って重ね合わせ、
陽極接合技術を用いて互いに接合する(図5(d))。
この時、第2ガラス板3の第1面13の凹部23と、半
導体基板1内に形成した質量体5とを対向させて重ね合
わせる。これにより、質量体5はバネ性の梁を介して第
1及び第2ガラス板2、3の間に凹部19、22、23
から画成された空洞部の中で自由に振動可能な状態に保
持される。この接合工程では、第1ガラス板2及び半導
体基板1はアース電位に接続され、第2ガラス板3に、
例えば、−800V程度の直流電圧が印加された状態
で、温度400〜450℃の範囲で数時間、不活性ガス
中で処理する。これによって、質量体5及び固定電極6
を第1及び第2ガラス板2、3の間に不活性ガス雰囲気
で気密封じして挟み込むことができる。
【0033】さらに、図5の(e)を用いて、第1ガラ
ス板2に設けられた接続孔4c、4dにアルミニウム蒸
着膜18を成膜する工程と、その後、個々の加速度セン
サ素子を得る工程について説明する。 (t)第1ガラス板2の第1面13に形成された接続孔
4c、4dの内部に、蒸着法によって厚さ1〜3μmの
アルミニウム蒸着膜18を成膜し、フォトリソグラフィ
法を用いて所望のパターンを形成する。これにより質量
体5及び固定電極6a、6bとのコンタクト部と直接接
続された、あるいは配線9を介して接続されたボンディ
ングパットを形成する(図5(e))。このとき、接続
孔4c、4dの底部にはオーバハング部がないので、ア
ルミニウム蒸着膜18は断線することなく、質量体5及
び固定電極6a、6bのコンタクト部から電極を取り出
すことができる。 (u)熱処理を行って、アルミニウム蒸着膜18とガラ
ス板2、3とを密着強化する。この熱処理工程は、例え
ば、窒素中で400℃程度に保持して行うことができ
る。 (v)その後、複数の加速度センサ素子を含むウエハの
接合体から、それぞれのセンサ素子のチップに分離し、
ダイボンディング工程、ワイヤボンディング工程、モー
ルド工程等の各工程を行って、加速度センサ素子10が
完成する。これらの加速度センサ素子10は、容量値を
電圧に変換し、増幅するASIC等の回路素子と外部接
続してもよい。この場合、ASIC等の回路素子を接続
した後、全体をモールド樹脂で覆って一体化してもよ
い。
【0034】この加速度センサ素子の製造方法の効果に
ついて説明する。この製造方法では、第1ガラス板2に
設ける接続孔4c、4dの形成にあたって、2段階で接
続孔4c、4dを開口している。まず、第1ガラス板2
の第1面11に貫通させないようにサンドブラスト法で
凹部形状を形成する。次いで、第1ガラス板2の第2面
12と半導体基板の第1面とを対向させて接合する。そ
して、ウエットエッチングで該凹部21a、21bから
第1ガラス板2の第2面12まで貫通させる。これによ
って、半導体基板1まで過度のエッチングを行わないの
で、該半導体基板1には凹部を形成することなく、半導
体基板1内に形成した質量体5、や固定電極6a、6b
に機械的、電気的な損傷を与えることがない。また、接
続孔4c、4dの底部の断面形状にオーバハング部の発
生を抑制するので、接続孔4c、4dでのアルミニウム
蒸着膜18の断線を生じない。そこで、加速度センサ素
子10の製造工程における歩留まりを向上させ、安価で
信頼性の高い加速度センサ素子を提供することができ
る。
【0035】実施の形態2.本発明に係る加速度センサ
素子の製造方法について説明する。この加速度センサ素
子の製造方法は、実施の形態1に係る加速度センサ素子
の製造方法と比較すると、図6及び図7に示すように、
第1ガラス板2に形成された接続孔にアルミニウム蒸着
膜を成膜する工程において、蒸着源32からの蒸着粒子
の入射方向と第1ガラス板2とのなす角度(入射角度)
θを、該接続孔4c、4dの底部の内壁面と底面とのな
す角度φ以下とし、導電膜であるアルミニウム蒸着膜1
8を成膜する点で相違する。このように蒸着源32から
の入射角度θを制御することによって接続孔4c、4d
の底部に形成されるオーバハング部37の影となる箇所
に蒸着膜18を成膜することができ、接続孔4c、4d
の内壁面のうち少なくとも一部でアルミニウム蒸着膜1
8を連続させることができる。
【0036】図6は、蒸着装置30の蒸着室31内での
蒸着源32からの蒸着粒子の入射方向とウエハ接合体3
5とのなす角度(入射角度)θの関係を示す概略図であ
る。図7は、図6の蒸着条件下で接続孔4cに形成され
るアルミニウム蒸着膜18の様子を示す断面図及び平面
図である。
【0037】この加速度センサ素子の製造方法におい
て、接続孔の内壁にアルミニウム蒸着膜を成膜する工程
は以下の通りである。 (a)半導体基板1を2枚の第1及び第2ガラス板2、
3で挟み込んだウエハ接合体35を、蒸着装置30の真
空室31内のステージ33に第1ガラス板2の第1面1
1が蒸着面となるようにセットする(図6(a))。こ
の時、蒸着源32からの蒸着粒子の入射方向と第1ガラ
ス板2の第1面11とのなす角度(入射角度)θを、接
続孔の底部のオーバハング部37の内壁面と底面とのな
す角度φ以下に設定する。これによって、接続孔の底部
にオーバハング部37が存在する場合にもその内壁面に
蒸着膜18を形成できる。例えば、オーバハング部37
の斜面と底面とのなす角度φは約60°なので、45〜
60°とするのが好ましい。なお、この入射角度θをあ
まり小さくすると開口部で遮られて底部に入射させるこ
とができないため、接続孔の深さhと直径Rとで決まる
下限値θminがある。この下限値θminとしては、
接続孔の深さh(=ガラス板の厚さ)と底部の直径Rと
から、 θmin=(180/π)×arctan(h/R)
(°) と表せる。また、この場合、通常は蒸着中、ステージ3
3を回転軸34について回転させるが、ステージ33の
回転を止めてオーバハング部37の斜面に沿ってアルミ
ニウム蒸着膜18をより厚く成膜し、確実にコンタクト
部25との接続を形成してもよい。あるいは、入射角度
θを固定しながらステージ33を回転させて、オーバハ
ング部37の周方向に沿ってアルミニウム蒸着膜18を
成膜してもよい。
【0038】この加速度センサ素子の製造方法の効果に
ついて説明する。この製造方法では、アルミニウム蒸着
膜18の形成にあたって、蒸着源32からの蒸着粒子の
入射方向と第1ガラス板2の第1面11とのなす角度θ
を、オーバハング部37の内壁面と底面とのなす角度φ
以下に設定している。これによってオーバハング部37
の内壁面に沿ってアルミニウム蒸着膜18を成膜し、コ
ンタクト部25と接続させることができる。なお、ステ
ージ33を回転させないで固定した場合には、接続孔の
周方向のうち部分的にコンタクト部25と接続させるこ
とができる。この時、他方で部分的に断線する場合があ
るが、周方向にわたって少なくとも一部でオーバハング
部37を越えてコンタクト部25と部分的に接続してい
ればよい。これによって接続孔にオーバハング部37を
有する場合でも、工程数を増やすことなく半導体基板1
のコンタクト部25から電極を取り出すことができる。
【0039】実施の形態3.本発明の実施の形態3に係
る加速度センサ素子及びその製造方法について説明す
る。まず、この加速度センサ素子10について説明す
る。この加速度センサ素子は、実施の形態1に係る加速
度センサ素子と比較すると、図10の(a)に示すよう
に、第1ガラス板2に形成された接続孔4cは、底部に
環状のシリコン酸化膜17を有し、該環状のシリコン酸
化膜17の中央部に半導体基板1の機能部である質量体
5及び固定電極6a、6bが露出している点で相違す
る。また、この接続孔4cは、底部に露出する半導体基
板1の質量体5、固定電極6a、6bから環状のシリコ
ン酸化膜17、接続孔4c、4dの内壁に沿って覆う導
電膜であるアルミニウム蒸着膜18を有する点で相違す
る。環状のシリコン酸化膜17が存在することにより、
底部にオーバハング部37がある場合にもアルミニウム
蒸着膜18の成膜時に回り込みが生じて断線が生じにく
くなる。
【0040】次に、この加速度センサ素子10の製造方
法について説明する。この加速度センサ素子10の製造
方法は、実施の形態1に係る製造方法と比較すると、図
9の(b)及び(c)に示すように、接続孔4c、4d
を覆ってシリコン窒化膜43を成膜しておき、接続孔4
c、4dの底部のシリコン酸化膜17を保護しながら、
ウエットエッチングで半導体基板1に形成された質量体
5及び固定電極6a、6bを分離する点で相違する。こ
れにより接続孔4c、4dの底部の酸化膜17を保護で
き、アルミニウム蒸着膜18の成膜時には、酸化膜17
が存在することによるアルミニウム蒸着膜18の回り込
みが生じて断線が生じにくくなる。そこで、加速度セン
サ素子の製造工程における歩留まりを向上させ、信頼性
の高い加速度センサ素子を提供することができる。
【0041】図8から図10を用いて、この加速度セン
サ素子の製造方法を説明する。図8は、半導体基板1に
加速度検出用の質量体5、固定電極6a、6bを形成す
ると共に、接続孔4c、4dと対向する箇所に酸化膜の
開口部を形成する工程を示す概略図である。図9は、半
導体基板1を第1及び第2ガラス板2、3と接合する工
程を示す概略図である。図10は、接続孔4cにアルミ
ニウム蒸着膜18を成膜する工程を示す断面図及び平面
図である。
【0042】図8を用いて、半導体基板1の第1ガラス
板2の接続孔4c、4dと対向する箇所の酸化膜17に
開口部を形成する工程を説明する。 (1)半導体基板1の第1面15側に厚さ500nmの
酸化膜17を形成する。 (2)半導体基板1の第1面15に、第1ガラス板2の
接続孔4c、4dと対向する箇所の酸化膜17に、フォ
トリソグラフィ法により、該接続孔4c、4dの直径よ
り小さい直径の凹部を形成する(図8(a))。この凹
部の直径は、半導体基板1に形成する質量体5および固
定電極6a、6bのコンタクト部25でのコンタクト抵
抗が所定範囲となる面積から算出される範囲とする。 (3)CVD法により厚さ約300nmのシリコン窒化
膜41を形成する。 (4)上記窒化膜41の上にレジスト膜42を塗布後、
フォトリソグラフィ法で所定パターンを形成し、該パタ
ーンのレジスト膜42をマスクにして、シリコン窒化膜
41等をエッチングして所定形状にする(図8
(b))。このとき、接続孔の底部に対向するコンタク
ト部25を覆うようにする。 (5)半導体基板1の第1面15にレジスト膜42を塗
布し、フォトリソグラフィ法で、質量体5及び固定電極
6a、6bを分離する溝のパターンを形成する。 (6)上記レジスト膜42のパターンをマスクにして、
高速の異方性ドライエッチング装置により、分離溝7を
形成する(図8(c))。 (7)その後、シリコン窒化膜41を、例えば、燐酸を
用いて除去する。
【0043】次に、図9の(a)〜(c)を用いて、半
導体基板1を第1及び第2ガラス板2、3と接合する工
程について説明する。 (8)半導体基板1の第1面15と、第1ガラス板2の
第2面12とを対向させ、位置合わせを行って重ね合わ
せ、陽極接合技術を用いて互いに接合する(図9
(a))。 (9)第1ガラス板2の第1面11に接続孔4c、4d
のコンタクト部25を覆って、例えば、厚さ約300n
mのシリコン窒化膜43を成膜する(図9(b))。こ
のシリコン窒化膜43は、後工程で半導体基板の第2面
側からウエットエッチングの際に、接続孔の底部のコン
タクト部25にある酸化膜が除去されないように保護す
るものである。 (10)半導体基板1の第2面16にレジスト膜(図示
せず)を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いて該レジ
スト膜に所望のパターンを形成する。次いで、該レジス
ト膜のパターンをマスクにして、高速異方性ドライエッ
チングによって、例えば、深さ100〜180μmの所
望のパターンの凹部19を形成する。 (11)接合された半導体基板1と第1ガラス板2の全
体をフッ酸に浸漬し、質量体5に接する酸化膜17aを
ウエットエッチングにより除去する(図9(c))。こ
れによって質量体5と、固定電極6a,6bを分離す
る。この時、シリコン窒化膜43により、接続孔4c、
4dの底部の酸化膜17をウエットエッチングから保護
する。
【0044】また、図9の(d)を用いて、半導体基板
1の第2面16に第2ガラス板3を接合するまでの工程
について説明する。 (12)半導体基板1の第2面16と、第2ガラス板3
の第1面13とを対向させ位置合わせを行って重ね合わ
せ、陽極接合技術を用いて互いに接合する(図9
(d))。この時、第2ガラス板3の第1面13の凹部
23と、半導体基板1内に形成した質量体5とを対向さ
せて重ね合わせる。これにより、質量体5は自由に振動
可能な状態に保持される。これによって、質量体5及び
固定電極6を第1及び第2ガラス板2、3の間に不活性
ガス雰囲気で気密封じして挟み込むことができる。
【0045】図10を用いて、接続孔4cにアルミニウ
ム蒸着膜18を成膜する工程を説明する。 (13)第1ガラス板2の第1面11に設けられた接続
孔4cの上方からアルミニウム蒸着膜18を成膜する
(図10(a))。この場合、接続孔4cの断面形状
は、底部でシリコン酸化膜17を残存させている。この
酸化膜17の効果によって、オーバハング部37がある
場合にもアルミニウム蒸着膜18の断線を生じにくくす
ることができる。なお、回り込みによるアルミニウム蒸
着膜の厚さは約100nmと薄くなるが、加速度センサ
素子として使用する場合、所望の電流値は数mA以下な
ので問題はない。また、より厚い膜厚を所望の場合に
は、アルミニウム蒸着膜の成膜時間を長くして膜厚を厚
くしてもよい。さらに、スパッタ法によりアルミニウム
膜を成膜してもよい。
【0046】次に、上記アルミニウム蒸着膜の成膜にお
ける酸化膜17の作用について検討する。試験方法とし
て、1500個の接続孔について、オーバハング部87
の高さが15〜30μmの場合に、厚さ3μmのアルミ
ニウム蒸着膜68を成膜し、その電気的な接続の有無を
調べた。まず、この加速度センサ素子の製造方法におい
て、接続孔4c、4dの底部に外周から内周に半径方向
に約100μmの周状に酸化膜17を残存させた場合に
は、アルミニウム蒸着膜18は100%接続されてい
た。また、例えば、膜厚1μmのアルミニウム膜をスパ
ッタ法で成膜した場合、ほぼ100%接続が得られた。
スパッタ法では蒸着法に比べてガス圧が高いためガスに
よる散乱のため回り込み量が増加するため接続の割合が
高まると考えられる。一方、比較例として、図14の
(d)に示す従来の加速度センサ素子の製造方法の場合
を挙げる。従来の製造方法では、オーバハング部87が
あるとその影となる箇所でアルミニウム蒸着膜68の断
線が生じていた。約1500個の接続孔のうち、断線し
なかったものはわずかに数%程度であり、大半が断線し
ていた。なお、従来の製造方法では、アルミニウム蒸着
膜の膜厚を10μmと厚くしても接続割合は約70%程
度であり、15μmとした場合にも約98%であった。
15μm以上の膜厚のアルミニウム蒸着膜を形成するた
めには長時間の蒸着を要し、処理能力が低下し、コスト
がかかる。
【0047】なお、接続孔の底部に酸化膜を残存させた
場合にアルミニウム蒸着膜の回り込みが生じて断線が生
じにくくなる理由の詳細は不明であるが、次のように考
えられる。シリコン酸化膜の熱伝導率はシリコン基板に
比べて小さいため、酸化膜上に蒸着されたアルミニウム
蒸着膜は熱を失いにくく、シリコン酸化膜表面に沿って
移動しやすく、オーバハング部の影となる箇所に回り込
みやすいと考えられる。一方、オーバハング部のガラス
面の主成分はシリコン酸化膜と実質的に同一なので、影
の部分にも回りこみ、下部の酸化膜上で回り込んだアル
ミニウム蒸着膜と接触しやすく、接続が得られるものと
考えられる。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る電子デバイスの製造方法に
よれば、第1ガラス板に接続孔を2段階で形成してい
る。第1段階として、第1ガラス板の第1面に、1倍未
満の深さを有する凹部を形成する。すなわち、第1ガラ
ス板を貫通させないように凹部を形成する。第2段階と
して、第1ガラス板を半導体基板と接合した後、該凹部
をエッチして第2面まで貫通させ、接続孔を形成する。
このように2段階で接続孔を形成することで、接続孔の
底部に内壁面の傾斜角度が逆テーパ状となるオーバハン
グ部を生じさせないようにできる。これによってこの接
続孔にアルミニウム蒸着膜を成膜した場合にも断線を生
じない。そこで、製造工程における歩留まりを向上さ
せ、信頼性の高い電子デバイス、例えば、加速度センサ
素子を得ることができる。
【0049】また、本発明に係る電子デバイスの製造方
法によれば、サンドブラスト法によって第1ガラス板の
第1面に凹部を形成する。これにより深さ数百μmの凹
部を迅速に形成できる。
【0050】さらに、本発明に係る電子デバイスの製造
方法によれば、蒸着法を用いて接続孔の内壁面に沿って
導電膜を迅速に成膜することができる。
【0051】本発明に係る電子デバイスの製造方法によ
れば、第1ガラス板に形成された接続孔にアルミニウム
蒸着膜を成膜する工程において、蒸着源からの蒸着粒子
の入射方向と第1ガラス板とのなす角度(入射角度)θ
を、該接続孔の底部の内壁面と底面とのなす角度φ以下
とし、導電膜であるアルミニウム蒸着膜を成膜する。こ
のように蒸着粒子の入射角度θを制御することによって
接続孔の底部に形成されるオーバハング部の影となる箇
所に蒸着膜を成膜することができ、接続孔の内壁面のう
ち少なくとも一部でアルミニウム蒸着膜を連続させるこ
とができる。
【0052】本発明に係る電子デバイスの製造方法によ
れば、接続孔を覆ってシリコン窒化膜を成膜しておき、
接続孔の底部のシリコン酸化膜を保護しながら、ウエッ
トエッチングで半導体基板に形成された質量体及び固定
電極を分離する。これにより接続孔の底部の酸化膜を保
護でき、アルミニウム蒸着膜の成膜時には、酸化膜が存
在することによってアルミニウム蒸着膜の回り込みによ
って断線が生じにくくなる。そこで、電子デバイス、例
えば、加速度センサ素子の製造工程における歩留まりを
向上させ、信頼性の高い加速度センサ素子を提供するこ
とができる。
【0053】また、本発明に係る加速度センサ素子の製
造方法によれば、半導体基板に形成する機能部は加速度
検出用の質量対及び固定電極である。また、上述の通
り、製造工程における歩留まりを向上させ、信頼性の高
い加速度センサ素子を提供することができる。
【0054】本発明に係る電子デバイスによれば、第1
ガラス板は、底部に半導体基板の機能部である質量体、
固定電極が露出する接続孔を有する。また、質量体、固
定電極は、第1ガラス板に設けられた接続孔のアルミニ
ウム蒸着膜を介して外部のボンディングパッドに接続さ
れている。さらに、接続孔は、開口部から底部にかけて
断面積が単調減少する順テーパ形状を有する。これによ
って、この加速度センサ素子は、第1ガラス板の接続孔
の底部で内壁面の傾斜角度が逆テーパ状となるオーバハ
ング部をほとんど有しないので、アルミニウム蒸着膜の
断線が生じない。
【0055】本発明に係る電子デバイスによれば、第1
ガラス板に形成された接続孔は、底部に環状のシリコン
酸化膜を有し、該環状のシリコン酸化膜の中央部に半導
体基板の機能部である質量体及び固定電極が露出してい
る点で相違する。また、この接続孔は、底部に露出する
半導体基板の質量体、固定電極からシリコン酸化膜、接
続孔の内壁に沿って覆う導電膜であるアルミニウム蒸着
膜を有する点で相違する。酸化膜が存在することによ
り、底部にオーバハング部がある場合にもアルミニウム
蒸着膜の成膜時に回り込みが生じて断線が生じにくくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施の形態1に係る加速
度センサの製造方法において、得られる加速度センサの
平面図であり、(b)は、(a)のA−A’線に沿った
断面図である。
【図2】 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態1に
係る加速度センサの製造方法において、第1ガラス板の
第1面に凹部を形成する工程を示す断面図である。
【図3】 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に
係る加速度センサの製造方法において、第2ガラス板の
第1面に凹部を形成する工程を示す断面図である。
【図4】 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に
係る加速度センサの製造方法において、半導体基板の第
1面に質量体等を分離する分離溝を形成する工程を示す
断面図である。
【図5】 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態1に
係る加速度センサの製造方法において、半導体基板と第
1ガラス板及び第2ガラス板とをそれぞれ陽極接合し、
加速度センサ素子を作製する工程を示す断面図である。
【図6】 (a)は、本発明の実施の形態2に係る加速
度センサ素子の製造方法のアルミニウム蒸着工程におい
て、ウエハ接合体の面を60°傾斜させた場合を示す概
略図であり、(b)は、通常のアルミニウム蒸着工程に
おいて、ウエハ接合体の面を蒸着源に垂直に対向させた
場合の概略図である。
【図7】 (a)は、図6の(a)に示すようにウエハ
接合体を傾斜させて接続孔にアルミニウム蒸着を行う場
合の断面図であり、(b)は、(a)の平面図であり、
(c)は、図6の(b)に示すようにウエハ接合体を垂
直にしてアルミニウム蒸着を行う場合の断面図であり、
(d)は、(c)の平面図である。
【図8】 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態3に
係る加速度センサ素子の製造方法において、半導体基板
に窒化膜を埋め込む工程を示す断面図である。
【図9】 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態3に
係る加速度センサ素子の製造方法において、半導体基板
に第1および第2ガラス板を接合する工程までを示す断
面図である。
【図10】 (a)は、本発明の実施の形態3に係る加
速度センサ素子の製造方法において、アルミニウム蒸着
を行う工程の断面図であり、(b)は、(a)の平面図
である。
【図11】 (a)〜(c)は、従来の加速度センサ素
子の製造方法において、第1ガラス板に接続孔を貫通す
る工程を示す断面図である。
【図12】 従来の加速度センサ素子の製造方法におい
て、第2ガラス板に凹部を形成する工程を示す断面図で
ある。
【図13】 (a)及び(b)は、従来の加速度センサ
素子の製造方法において、半導体基板に質量体等を分離
する分離溝を形成する工程を示す断面図である。
【図14】 (a)〜(d)は、従来の加速度センサ素
子の製造方法において、半導体基板と第1ガラス板及び
第2ガラス板とをそれぞれ接合し、加速度センサ素子を
作製する工程を示す断面図である。
【符号の説明】 1 半導体基板、2 第1ガラス板、3 第2ガラス
板、4a、4b、4c、4d 接続孔、5 質量体、6
a、6b 固定電極、7 分離溝、8a、8b、8c、
8d ボンディングパット、9 配線、10 加速度セ
ンサ素子、11 第1ガラス板の第1面、12 第1ガ
ラス板の第2面、13 第2ガラス板の第1面、14
第2ガラス板の第2面、15 半導体基板の第1面、1
6 半導体基板の第2面、17、17a 酸化膜、18
アルミニウム蒸着膜、19 空洞部 20a、20b レジスト膜、21a、21b、、2
2、23 凹部、24 レジスト膜、25 コンタクト
部、26 レジスト膜、30 蒸着装置、31 真空
室、32 蒸着源、33 ステージ、34 回転軸、3
5 ウエハ接合体、36 アルミニウム原子、37 オ
ーバハング部、38 断線部、41 窒化膜 42 レジスト膜、43 窒化膜、51 半導体基板、
52 第1ガラス板、53 第2ガラス板、54a、5
4b 接続孔、55 質量体、56a、56b固定電
極、57 分離溝、59 配線、60 加速度センサ素
子、61 第1ガラス板の第1面、62 第1ガラス板
の第2面、63 第2ガラス板の第1面 64 第2ガラス板の第2面、65 半導体基板の第1
面、66 半導体基板の第2面、67、67a 酸化
膜、68 アルミニウム蒸着膜、69 空洞部、70
a、70b レジスト膜、71、72、73 凹部、7
4 レジスト膜、75コンタクト部、87 オーバハン
グ部、88 断線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 靖雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 史朗 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三 菱電機エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4M112 AA02 BA07 CA21 CA22 CA33 CA35 DA03 DA04 DA05 DA06 DA08 DA09 DA11 DA13 DA15 DA18 EA02 EA06 EA07 EA11 EA13 FA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機能部を形成した半導体基板を2枚の第
    1及び第2ガラス板の間に挟んで構成される電子デバイ
    スの製造方法であって、前記製造方法は、 前記半導体基板、第1及び第2のガラス板とを用意する
    工程と、 前記第1ガラス板の第1面に、1倍未満の深さを有する
    凹部を形成する工程と、 前記半導体基板に前記機能部を形成する工程と、 前記半導体基板の第1面と前記第1ガラス板の第2面と
    を互いに接合する工程と、 前記第1ガラス板の第1面に形成された前記凹部をエッ
    チして前記第1ガラス板の第2面まで貫き、底部に前記
    半導体基板の前記機能部を露出させた接続孔を形成する
    工程と、 前記半導体基板の第2面と前記第2ガラス板の第1面と
    を互いに接合する工程と、 前記第1ガラス板に形成された前記接続孔の内壁に沿っ
    て導電膜を成膜して、前記接続孔の底部に露出する前記
    機能部と接続された電極を形成する工程とを含むことを
    特徴とする電子デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1ガラス板の第1面に凹部を形成
    する工程では、サンドブラスト法を用いて凹部を形成す
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極を形成する工程では、蒸着法を
    用いて前記接続孔の内壁に沿って導電膜を成膜すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 機能部を形成した半導体基板を2枚の第
    1及び第2ガラス板の間に挟んで構成される電子デバイ
    スの製造方法であって、前記製造方法は、 前記半導体基板、第1及び第2のガラス板とを用意する
    工程と、 前記第1ガラス板の第1面から第2面まで貫く接続孔を
    形成する工程と、 前記半導体基板に機能部を形成する工程と、 前記第1ガラス板の接続孔の底部に前記半導体基板の前
    記機能部を露出させて、前記半導体基板の第1面と前記
    第1ガラス板の第2面とを互いに接合する工程と、 前記半導体基板の第2面と前記第2ガラス板の第1面と
    を互いに接合する工程と、 蒸着法を用いて、前記第1ガラス板に形成された前記接
    続孔の内壁に沿って導電膜を成膜して、前記接続孔の底
    部に露出する前記機能部と接続された電極を形成する工
    程とを含み、 前記電極を形成する工程において、蒸着粒子の入射方向
    と前記第1ガラス板の第1面とのなす角度を、前記接続
    孔の底部で内壁面と底面とのなす角度以下として、導電
    膜を成膜することを特徴とする電子デバイスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 機能部を形成した半導体基板を2枚の第
    1及び第2ガラス板の間に挟んで構成される電子デバイ
    スの製造方法であって、前記製造方法は、 前記半導体基板、第1及び第2のガラス板とを用意する
    工程と、 前記第1ガラス板の第1面から第2面まで貫く接続孔を
    形成する工程と、 前記半導体基板に機能部を形成する工程と、 前記第1ガラス板の接続孔の底部に前記半導体基板の前
    記機能部を露出させて、前記半導体基板の第1面と前記
    第1ガラス板の第2面とを互いに接合する工程と、 前記第1ガラス板の前記接続孔を覆ってシリコン窒化膜
    を成膜する工程と、 ウエットエッチング法により前記半導体基板の前記機能
    部を可動状態にする工程と、 前記第1ガラス板の前記接続孔を覆うシリコン窒化膜を
    除去する工程と、 前記半導体基板の第2面と前記第2ガラス板の第1面と
    を互いに接合する工程と、 前記第1ガラス板に形成された前記接続孔の内壁に沿っ
    て導電膜を成膜して、前記接続孔の底部に露出する前記
    機能部と接続された電極を形成する工程とを含むことを
    特徴とする電子デバイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電子デバイスは加速度センサ素子で
    あって、前記半導体基板の前記機能部は、加速度検出用
    の質量体及び固定電極であることを特徴とする請求項1
    から5のいずれか一項に記載の加速度センサ素子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 機能部を有する半導体基板と、 前記半導体基板を挟みこむ2枚の第1及び第2ガラス板
    とを備え、 前記第1ガラス板は、前記半導体基板の前記機能部が底
    部に露出する接続孔を有し、 前記接続孔は、底部の前記機能部から前記接続孔の内壁
    に沿って覆う導電膜を有すると共に、開口部から底部に
    かけて断面積が単調減少する順テーパ形状を有すること
    を特徴とする電子デバイス。
  8. 【請求項8】 機能部を有する半導体基板と、 前記半導体基板を挟みこむ2枚の第1及び第2ガラス板
    とを備え、 前記第1ガラス板は、前記半導体基板の前記機能部が底
    部に露出する接続孔を有し、 前記接続孔は、底部に環状のシリコン酸化膜を有し、前
    記環状のシリコン酸化膜の中央部に前記機能部が露出す
    ると共に、底部の前記機能部から前記環状のシリコン酸
    化膜と、前記接続孔の内壁に沿って覆う導電膜を有する
    ことを特徴とする電子デバイス。
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